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  1. 佐賀県議会 2018-03-13
    平成30年文教厚生常任委員会 本文 開催日:2018年03月13日


    取得元: 佐賀県議会公式サイト
    最終取得日: 2023-05-28
    最初のヒットへ(全 0 ヒット) 1     午前十時一分 開議 ◯宮原委員長=皆さんおはようございます。今年度定例議会最終の委員会となりました。県民目線で大いなる議論がなされることを心から期待申し上げるところでございます。本日もよろしくお願い申し上げます。  それでは、文教厚生常任委員会を開催いたします。  質疑に入ります。  通告に従い、順次発言を許可いたします。 2 ◯池田委員=皆さんおはようございます。自由民主党の池田正恭でございます。  文教厚生常任委員会に入りまして初めての質問でございます。どうかよろしくお願いをしておきます。  私は今回、五問について伺いたいと思います。  初めに、教育職員の働き方改革について質問をさせていただきます。  今回の一般質問でも、この件についてはそれぞれの方々からいろいろな質問が出ております。教育職員の働き方改革については、教育職員の残業や長時間労働が大きな社会問題となっている中、政府が働き方改革の取り組みを進めているところでありますが、文部科学省や民間団体などのさまざまな調査によって、教育職員の多忙化解消が大きな課題として取り上げられておるところでございます。  少子化の中、教育職員の仕事がふえている主な要因としては、国の学習指導要領の改訂による授業時間数増への対応、また、発達障害など多様な児童生徒への対応、過熱が指摘される部活動指導への対応など、社会の多様なニーズによって教育職員がやるべき業務がふえていることが大きいと考えております。  県教育委員会としても、チーム学校として事務職員を活用するなど、さまざまな取り組みを進められておるところでありますが、なかなか多忙化解消がされない状況であります。昨年十二月二十六日に文部科学省が取りまとめた「学校における働き方改革に関する緊急対策」にも触れられているとおり、業務の簡素化や効率化などの取り組みを一層進める必要があると考えておるところでございます。  市町教育委員会においても、多忙化対策検討委員会が開催されているというふうに聞いておるところでございます。そういった取り組みで教育職員が健康的で働きやすい職場環境が整備され、質の高い指導や児童生徒の個々の特性に応じた丁寧な指導が推進され、将来の佐賀県を担う人材が育まれていくことにつながると思っております。  そこで、次の点について伺いたいと思います。  第一点目として、平成二十六年度から平成二十八年度までの直近三年間での教育職員の長時間勤務の実態についてはどうなっているのか伺いたいと思います。 3 ◯青木教職員課長=長時間勤務の実態についてお答えいたします。  県内公立学校の教育職員の長時間勤務の実態について、年度間の十二カ月のうち一カ月でも百時間以上の時間外勤務を行ったことがある教育職員の人数は、平成二十六年度は七百三十六人、平成二十七年度は五百七十八人、平成二十八年度は八百三人となっております。  また、月百時間未満であっても、二カ月から六カ月にわたるいずれかの期間における時間外勤務の月平均が一回でも八十時間を超えたことがある教育職員の人数は、平成二十六年度は五百九十五人、平成二十七年度は四百三十四人、平成二十八年度は四百五十五人となっております。  このように、教育職員の時間外勤務が縮減する兆しにないことは憂慮すべき事態と考えております。  年々、学校に対する保護者、地域からの期待は大きくなり、教育職員は、その期待と職責を果すために、相当の時間を要し教育活動に励んでいるというのが実態であると考えております。先ほど委員御指摘ありましたけれども、特に、指導上配慮を要する児童生徒が増加していること、部活動指導に費やす時間が増加傾向にあることが大きな要因となっております。
     以上でございます。 4 ◯池田委員=今それぞれ百時間以上、月平均の八十時間以上の人員等についても御答弁いただいたわけなんですけども、やはり平成二十八年、百時間以上の方が減るどころか増加しておるというような状況の中で、非常に危惧されるんじゃなかろうかというふうに思っております。やはりこういう長時間労働というのが、俗に言われる教育職員だけでなく、働き方改革にも影響してくるんじゃなかろうかというふうに思っております。  それでは、年次休暇の取得状況について伺いたいと思っております。  これも平成二十七年から平成二十九年までの直近三年間における年次休暇の取得状況についてはどうなっているのか伺いたいと思います。 5 ◯青木教職員課長=年次休暇の取得状況についてお答えいたします。  県内公立学校の教育職員の年次休暇の平均取得状況について、毎年一月から十二月末までの一年間で集計しております。平成二十七年は十・八日、平成二十八年は十一・一日、平成二十九年は十・八日となっております。  年次休暇については、取得が進んでいない状況にはありますが、各教育委員会において、次世代育成支援対策推進法に基づいて、特定事業主行動計画で定めた年次休暇の取得目標達成に向けて、取得促進に努めているところでございます。  県教育委員会としましても、各学校や市町教育委員会宛て夏期休業中のお盆を挟んだ十日間程度を休暇取得促進特別週間に設定し、学校行事を控えて年次休暇を取得しやすくなるよう通知を行っているところでございます。  以上です。 6 ◯池田委員=年次休暇の取得というのもなかなか進んでいないような状況なんですけども、それでは、病気休職者の状況についてはどのようになっているのか。やはり直近三年間でどのような取得状況になっているのかお伺いしたいと思います。 7 ◯青木教職員課長=病気休職者の状況についてお答えいたします。  教育職員の病気休職者数は、平成二十六年度は七十六人、平成二十七年度は七十九人、平成二十八年度は六十七人となっております。  教育職員の病気休職者の原因別の内訳としまして、四項目、悪性新生物(がん)、循環器疾患、精神性疾患、その他に分けて分類しておりますので、年度別、項目別で申し上げたいと思います。  平成二十六年度は、悪性新生物のがんが十人、循環器疾患はおりません。精神性疾患は五十三人、その他が十三人です。平成二十七年度は、悪性新生物(がん)が十三人、循環器疾患はおりません。精神性疾患が五十三人、その他が十三人です。  平成二十八年度は、悪性新生物(がん)が八人、循環器疾患が二人、精神性疾患四十二人、その他十五人となっております。  以上です。 8 ◯池田委員=今の答弁の中で、精神性疾患が平成二十六年度、平成二十七年度、五十三人、五十三人、それと平成二十八年度が四十二人ということで、これは一緒の方が長期休養とか、そういう状況なんでしょうか。 9 ◯青木教職員課長=病気休職ということで、三カ月、三カ月、診断書を出していただいて、長期に学校のほうを離脱されているところでございます。長い方になれば一年、二年、満期が三年ではございます。  以上でございます。 10 ◯池田委員=それでは、今後の対応について伺いたいと思います。  やはり将来の佐賀県を担う人材づくりのためにも、教育職員の働きやすい職場環境づくりは喫緊の課題であるというふうに考えておるところでございます。県教育委員会においては、これからどのような取り組みを行っていくのか伺いたいと思います。 11 ◯青木教職員課長=今後の課題対応についてお答えいたしたいと思います。  県教育委員会では、昨年九月二十二日に時間外勤務の縮減に向け「学校現場の業務改善計画」を策定し、県立学校長及び各市町立教育委員会教育長宛て通知したところでございます。  この業務改善計画には、市町教育委員会と連携しながら、四つの柱を立てております。「長時間労働の解消」、「業務改善と環境整備に向けた取り組み」、「より適正な部活動のあり方」、「健康管理体制の充実」を挙げて、教育委員会が行う取り組みと学校が行う取り組みを示しております。  文部科学省においては、中央教育審議会の報告に基づき、昨年十二月二十六日に「学校における働き方改革に関する緊急対策」が取りまとめられ、本年二月九日に県教育委員会宛てに通知がなされたところでございます。  その通知の中では、三項目として、教育委員会が業務の役割分担、適正化を着実に実行すること、勤務時間管理の徹底及び適正な勤務時間の設定を行うこと、教育職員全体の働き方に関する意識改革を図ることが主眼とされております。  今後、学校や地域、教職員や児童生徒の実情を踏まえながら、「学校における働き方改革に関する緊急対策」に挙げられている取り組みについて検討し、学校現場の業務改善計画に反映させていきたいと考えております。  何より、学校における業務改善を図っていくためには、教育職員全体の意識改革を進めていくことも重要となります。そのためには、学校の経営方針の中に教育職員個々の働き方の視点を取り入れるよう、管理職研修会等を通して指導を行い、ワーク・ライフ・バランスという意識の浸透を図っていきたいと考えております。  いずれにしましても、県教育委員会としては、教育職員の多忙化解消は重要な課題であると認識しており、速やかな解決策を生み出すことは難しい面もございますが、市町教育委員会とも連携しながら、教育職員の負担軽減に実効ある取り組みを一つ一つ着実に進めてまいりたいと考えております。  以上です。 12 ◯池田委員=四つの柱等をしながら、いろいろなことの問題について改革をしていくということなんですけども、やはりどうしても教育職員自体の超過勤務時間が長くなっておる。それと、この中には入っていないと思いますけども、管理職の先生方の時間もやはり大分長いような気がしているところがございます。  特に学校の開閉とかなんとか、これは市町の教育委員会との話もあるというふうには思いますけども、やはり最後に残って閉めておられる方が大部分教頭先生が多いとかいうふうな状況も聞いておるところでございますし、そこら辺についても、やはり県の教育委員会と市町教育委員会と連携しながら、多忙化解消に努めてもらいたいというふうに思っておるところでございます。  それと、今、適正な部活動の推進ということでお話がありましたけれども、第二問目として、部活動指導員活用研究事業について伺いたいというふうに思っております。  中学校の部活動は、生徒が興味、関心のある活動に取り組むことを通して、主体性を育て、個性や可能性を伸ばすことができる活動と認識しております。さらに、子供たちが目標に向かって仲間と協力する大切さや、努力を重ねてやり遂げた喜びや感動を味わい、また、仲間や指導者等とつながることで社会性を育むことができると考えております。  このような部活動を中心的に支えていらっしゃるのが学校の教員の方であるというふうに思っております。  部活動によっては、生徒や保護者の期待に応えようと必死で生徒とともに汗を流す教員の姿が見られ、本当に頭が下がる思いでございます。一方、担当している部活動の競技経験がなく、指導に悩みを抱えている教員や、生徒の要望に応えようと土日も休まず部活動の指導に当たっている教員もいると聞いております。  実際に私も保護者として、子供が部活動をしておったもんで、部活動の練習等もよく見に行っておりました。やはり保護者が来れば、先生も当然いらっしゃるということで、保護者が来るのは土日が多かったもので、そして、練習試合とかいうふうなものを多様にこなされたというふうに記憶をしておるところでございます。  このような中、国の取り組みとして、昨年四月に学校教育法施行規則の一部を改正する省令が施行されたことにより、部活動指導員が活用できるようになったところであります。  この部活動指導員は、部活動を担当する教員にとって極めて有効な制度ではなかろうかと認識をしております。教員の多忙化が言われている昨今、部活動指導員の制度が定着し、教員にゆとりが生まれ、生徒に向き合う時間がふえ、本来の教育現場にあるべき姿が実現できるのではないかというふうに考えております。  そこで、次のことについて伺いたいと思います。  第一点目として、どのような経緯で国は部活動指導員を制度化するに至ったのか伺います。 13 ◯牛島保健体育課長=国が部活動指導員を制度化した経緯についてお答えいたします。  国は、部活動に関して、スポーツや文化等に親しむ観点や教育的側面での意義が高いとしながらも、教員の勤務負担の軽減、生徒の多様な体験の充実、健全な成長を促す観点から、休養日の設定の徹底を初め、部活動の見直しを行い、適正化を推進する取り組みの一つとして、部活動指導員を法令上位置づけたところであります。  以上です。 14 ◯池田委員=それでは、県のほうで部活動指導員を導入する目的について伺いたいと思います。  来年度、新規事業として部活動指導員活用研究事業を導入されようとしておられますが、その目的は何なのかお伺いします。 15 ◯牛島保健体育課長=本県が部活動指導員を導入する目的についてお答えいたします。  平成二十九年度の全国体力・運動能力、運動習慣等調査などの結果によりますと、本県中学校二年生の一週間における運動部活動の活動時間は、全国と比較として約二時間長いとの結果も出ております。  このような現状があることから、より適正な部活動となるように、公立中学校における部活動の顧問教員の負担軽減及び本県の競技水準の底上げを図るため、部活動指導員を導入し、その効果的な活用を目指して実践研究を行うこととしております。  以上でございます。 16 ◯池田委員=実践研究ということなんですけども、それでは、部活動指導員活用研究事業の内容について伺いたいと思っております。  県内で四十五名の配置をするというふうに聞いておりますけども、部活動指導員の配置というのはどのように考えておられるのかお伺いします。 17 ◯牛島保健体育課長部活動指導員の配置についてお答えいたします。  部活動指導員の導入に関しては、各市町や学校の実態が異なることから、できるだけ多くの市町に配置し、部活動指導員の効果的な活用方法を検証するように考えております。  まず、市町教育委員会に照会した上で、本研究の趣旨に沿った学校を選定しまして、市町立中学校に四十一名、県立中学校に四名を配置する予定であります。  以上でございます。 18 ◯池田委員=市町へ照会をしてということですけども、要するにまずは市町からの希望をとって、そして、それから配置の場所等を考えていくというようなことでいいんですか。 19 ◯牛島保健体育課長=おっしゃるとおりです。予算が伴うものですから、市町によって状況が違うと思いますので、希望調査をとった上で適正に配置をしていきたいと思っております。 20 ◯池田委員=それでは、活用研究事業ということなんですけども、具体的に研究の内容というのはどのように取り組んでいくのか伺いたいと思います。 21 ◯牛島保健体育課長=研究の内容についてお答えいたします。  部活動指導員を、主に複数顧問体制がとれていない学校に配置し、顧問教員及び学校全体の負担がどれだけ軽減できたかなどを検証いたします。  例えば、教務主任が顧問を務める部活動に部活動指導員を配置した場合、部活動指導員が放課後の指導を行い、その間、教務主任は週行事予定の作成や学校行事等の計画など、学校全体の校務に従事できることになり、その場合に、全体でどのような削減ができるかを検証していきたいと考えております。  また、平日の放課後に一時間程度、部活動指導員を活用した場合と、土曜日、日曜日いずれかの練習試合等の引率を兼ねた指導を四時間程度行う場合などを比較してその効果を検証するなど、顧問教員の負担軽減を図るモデルケースを市町教育委員会や学校に提示できるよう、二年間研究していきたいと考えております。  以上でございます。 22 ◯池田委員=二年間の研究事業ということですけども、一つの学校に、例えば、四月からは難しいと思いますけども、例えば、六月から配置というようなことになって、一つの学校に研究期間の二年間配置というような格好になるのか、それとも一年置きというですか、平成三十年度、また平成三十一年度別というような、当然、教員の方々の人事異動等の関係もあるというふうに思っておりますけども、そこら辺についてはどういうお考えなのかお伺いします。 23 ◯牛島保健体育課長=この事業につきましては、一つの学校の一つの運動部に三年間というような縛りがございます。本県におきましては、二年間ということで考えておりまして、平成三十年度からこの部活動指導員を導入したところは、二年間を一応目安として配置していきたいというふうに考えております。 24 ◯池田委員=二年間配置をして、そこでどういう成果が出たのかをしていきながら、またその平成三十二年度、平成三十三年度等にもある程度の活用状況に合わせてまた持っていくというような感じになっていくわけですかね。 25 ◯牛島保健体育課長=二年間の活用状況を見まして、そしてそういったところでどういった課題があるのか、どういった活用の仕方が効果があるのか、そういったものを検証しまして、そして三年目からそういった研究の成果を生かして配置を考えていきたいというふうに考えております。 26 ◯池田委員=それでは、全体で四十五名の配置ということですけども、人材確保についてはどのように考えておられるのか伺いたいと思います。 27 ◯牛島保健体育課長部活動指導員の人材確保につきましてお答えいたします。  部活動指導員は、指導するスポーツや文化活動等に係る専門的な知識、技能のみならず、学校教育に関する十分な理解を有する者であることが必要であると考えております。  このことから、部活動指導員の人材としては退職教員や日本体育協会公認スポーツ指導員アスレチックトレーナー等が考えられます。  現在、多くの学校が外部指導者を活用しており、その中でも、生徒への指導経験も豊富で、学校教育に対し深く理解があり、単独の指導や大会等への引率を委ねられる指導者を候補として、事業の実施主体である教育委員会が選定することになると考えております。  以上です。 28 ◯池田委員=平成三十年度からの実施ということで、やはり人材をどのようにして確保していくのかというのも大きな問題ではなかろうかというふうに思っておるところでございます。この制度で、やはり教育職員の方の多忙化解消にもつながっていくというふうに考えておりますので、ぜひ有効に活用をしてもらいたいというふうに思っておるところでございます。  あと、部活動指導員の活用を含めた今後の部活動のあり方について、どのように取り組んでいくのか伺いたいと思います。 29 ◯牛島保健体育課長=今後の取り組みについてお答えいたします。  部活動は、スポーツや文化、科学など、生徒が自分の興味や関心に応じて自主的、自発的に活動する中で、それぞれの個性や能力を伸長したり、社会性や人間性を育むさまざまな経験を積んだり、生涯の友人を得たりする教育活動の一つとして重要な役割を果たしております。  しかしながら、適切な休養を伴わない行き過ぎた活動が行われることもしばしばあり、また、生徒の減少が進む中、設置されている部活動数は従前と変わらず、顧問教員が単独で指導をせざるを得ない状況や、専門外の競技の部活動を担当し、指導に苦慮している教員がいることも課題であり、顧問教員の多忙化の一つの要因となっております。  今後は、より適正な部活動のあり方の実現に向けて、「部活動指導員の活用」を含めまして、「部活動の休養日の設定」、部活動数の精選を含めた「複数顧問配置の推進」、生徒の自発的な活動を促す「新たな視点に立った指導方法の啓発」の四つの柱を一体的に取り組み、より適正な部活動となるよう取り組んでまいりたいと考えております。  以上でございます。 30 ◯池田委員=本当にいい制度だと思いますので、積極的に活用をして取り組んでいってもらいたいというふうに思っておりますし、先ほど申されたように、少子化ということで、どの学校でも、団体競技になればなかなか数が集まらないというような苦慮もされておるようですので、そこら辺についてもいろいろ市町とか各学校とかの話し合いをされながら、よろしくお願いをしておきたいというふうに思っております。  次に第三問目として、県立特別支援学校におけるスクールバス運行事業について伺いたいと思います。  特別支援学校の児童生徒の多くは自力通学が困難であることから、保護者等が送迎をされており、それが大きな負担になっていると聞いております。平成二十七年九月定例県議会においては、「特別支援学校のスクールバス実施を求める請願」を全会一致で採択したところであり、今年度から県立特別支援学校においてスクールバスの運行が開始されたことは、私も大変よかったというふうに思っております。  特別支援学校の保護者の方々からも、これまで要望してきたスクールバスがようやく運行され、皆さん喜んでおられますが、中には家の近くをバスが通っていないので利用できないといった声も聞いておるところでございます。  県立特別支援学校において、スクールバスの運行が始まったということは大きな第一歩であり、今後も保護者の意見を十分に聞きながら、多くの児童生徒が利用できるよう取り組んでいってもらいたいと考えております。  そこで、次の点について伺いたいと思います。  第一点目として、今年度から実施された県立特別支援学校におけるスクールバスの運行状況についてどうなっているのか伺います。 31 ◯馬場特別支援教育室長=県立特別支援学校における今年度のスクールバスの運行状況についてお答えいたします。  県立特別支援学校においては、今年度、金立、大和、中原本校、伊万里、唐津、うれしのの六校において、それぞれ一コース、計六コースでスクールバスの運行を行っております。  スクールバスの利用者については、朝の登校のときだけの利用や特定の曜日だけの利用など、その利用形態はさまざまでございますが、今年度の利用決定者数は六校合計で七十人となっております。  各学校においては、児童生徒の住居の分布状況を見ながら運行コースを設定していますが、一部の特別支援学校では利用者が少ない状況にある状況でございます。  以上でございます。 32 ◯池田委員=六校全部で、今、利用されておる方が七十人ということで、やはり家の近くを通らないで、もう真っすぐ送ったほうが、そのまま送迎をしたほうがいいという方も多々おられるというふうには思っておりますけども、せっかくのスクールバスの運行ですので、やはり利用を多くしてもらいたいというふうに思っております。  それで、スクールバスの運行に関して、保護者の方からはどのような意見が出ているのかお伺いしたいと思います。 33 ◯馬場特別支援教育室長=保護者からの意見につきましてお答えいたします。  スクールバスにつきましては、利用している児童生徒の保護者の多くから、バスの運行により大変助かっている。また、コースが変わると利用ができなくなるため、来年度も今年度と同様に運行してほしいといった声が寄せられております。  その一方で、運行コースや乗降場所が自宅から離れており、コースや乗降場所をふやしてほしい。小型バスは乗降口が狭く、車椅子を収納するスペースも不足しているため、車椅子を使用する子供が利用できるようにしてほしい。さらには、今は落ちついて乗車できているが、利用する子供がふえて車内が今より騒がしくなると、落ちついて乗車できるかどうか心配などの御意見もいただいているところでございます。  以上でございます。 34 ◯池田委員=保護者からいろいろな意見、やはり運行コース、乗降場所、それと車椅子利用とか、そういう問題も出てきておるというふうなお話でございました。
     それでは、やはりそういう意見も考えながら、今後、県立特別支援学校のスクールバスの運行について、県教育委員会としてどのように取り組んでいくのか伺いたいと思います。 35 ◯馬場特別支援教育室長=今後の対応についてお答えいたします。  来年度につきましても、今年度と同様、金立、大和、中原本校、伊万里、唐津、うれしのの六校において、各一コース、計六コースでスクールバスの運行を予定しております。  また、今年度のバスの運行に関して、先ほど答弁したように、運行コースが自宅から離れているため利用できなかった。バスの乗降口が狭くて、車椅子使用の児童生徒は利用できなかったなどの声があったことを踏まえまして、来年度は、可能な限り利用者の利便性に配慮した運行コースの設定及び変更、乗降場所の変更及び増設、そして車椅子利用者に対応した車両、具体的に申し上げますと、乗降口がより広く、乗降しやすい中型バスの導入など、改善を図っていきたいと考えております。  県教育委員会といたしましては、引き続き学校現場と連携し、保護者からの意見の把握、整理等を行いながら、できるだけ多くの児童生徒に利用してもらえるよう、しっかり取り組んでまいりたいと考えております。  以上でございます。 36 ◯池田委員=平成三十一年度は意見を参考にしながら、よりよい方向にということですけども、やはりまだ運行後、丸一年もたっていない状況だというふうに思っております。ただ、やはりたくさんの方が利用されるような方法を考えていってもらいたいというふうに要望いたしまして、次の質問に移りたいと思います。  それでは第四問目として、佐賀県犯罪被害者等支援推進計画について伺います。  最近、新聞やテレビなどのニュースでさまざまな凶悪事件を目にしますが、ふだん平穏な生活を送っていると、自分自身、犯罪被害に遭うことがあるなど想定すらしていない状況です。  しかし、私を含め県民の方々が、ある日突然、犯罪に巻き込まれ、その精神的な苦痛や経済的な問題などに直面した場合、どうすればいいのか想像するだけで重い気持ちになってまいります。  そのような中、県では平成二十九年四月に施行された「佐賀県犯罪被害者等支援条例」に基づき、犯罪被害者の方々を支援するための推進計画を策定するとされております。  県内全市町でも犯罪被害者等支援条例が制定されるなど、犯罪被害者等支援の機運が高まる中、不幸にして犯罪の被害に遭われた県民の心身の痛みを少しでも和らげられるよう、市町とも連携して取り組んでもらいたいというふうに思っておるところです。  そこで、次の点について伺いたいと思います。  まず第一点目として、犯罪被害者等の置かれた状況はどうなっているのか伺います。 37 ◯田中くらしの安全安心課長=犯罪被害者の方々の置かれた現状についてお答えをいたします。  平穏な日常生活を送る中、突然、家族の命を奪われ、あるいは心身に障害を負った犯罪被害者の方々は、こうした直接的な被害にとどまらず、長期にわたり事件による精神的なショックや体調不良に悩まされたり、家庭の状況によっては、子育てや介護、住宅など日常生活を営む上でさまざまな支障を来す場合がございます。  また、被害者や御遺族の方にお話を伺ったところ、被害直後の混乱した精神状態の中で、さまざまな行政手続など、事件に伴う対応に追われながら生活を維持しなければならず、そうした状況に総じて疎外感や無力感を感じていると言われておりました。  そのほか、インターネット上のいわれなき書き込みなどにより、新たな精神的被害にさらされたり、地域社会からの好奇の目や誤解から生まれる中傷に心を痛め、社会から孤立することもあるなど、厳しい状況にある犯罪被害者の方々が数多くおられるものと認識をしております。  以上でございます。 38 ◯池田委員=平成二十九年四月に施行されたということなんですけども、やはりこういうふうな相談、例えば、平成二十九年度中の相談件数というのがわかれば教えてもらいたいというふうに思います。 39 ◯田中くらしの安全安心課長=いわゆる犯罪被害に関する相談という意味で申し上げますと、県並びに市町においては、現状では数件程度というふうに認識をしております。  ただ、犯罪被害者の方々が抱えられておられる経済的課題、例えば、生活困窮であれば生活保護の相談をされたりということで、その課題に応じた相談は市町、県にもなされておるところでございますが、相談を受ける側が、犯罪被害を受けておられるという前提で、配慮を持った相談応対をしていくというのが今後の課題だというふうに考えております。 40 ◯池田委員=それでは、犯罪被害者等支援を推進していく上での課題というのは何があるのかお伺いしたいと思います。 41 ◯田中くらしの安全安心課長=犯罪被害者等支援に当たっての課題についてでございます。  今回、計画を策定するに当たりまして、被害の当事者や御遺族を初め、被害者支援団体の佐賀VOISS、佐賀県弁護士会、佐賀県DV総合対策センターなど、関係機関・団体から意見を伺ったところでございます。  その結果、大きく三つの課題が明らかとなっております。  まず一つは、県、警察、市町、民間支援団体など、支援に携わる機関、者の間の情報共有が十分でないというところでございます。  犯罪被害の初期段階におきましては、警察、あるいは公的支援機関を中心といたしまして重点的に支援を行ってまいりますけれども、その後の生活再建に向けた支援を担うべき市町であるとか民間支援団体へ被害者の支援ニーズに関する情報が十分に引き継がれず、支援が途切れてしまいがちになるという課題がございます。  二点目は、市町の窓口担当職員などの知識、経験不足により、犯罪被害者への応対が十分でないことでございます。  市町や支援機関において、窓口表示を含め相談しやすい環境づくり、あるいは被害者のニーズに応じた丁寧な対応がなされていないということです。  一例を挙げますと、被害者の方々は、市町にもろもろ相談に行きたいときに、犯罪支援の窓口というものを明示してほしいというふうな御要望、御意見がありますが、市町のほうは、そういうことを表示することは、かえって被害者が相談しづらくなるのではないかと、そういう考え方を持っております。そのあたりのギャップを埋めていくということが課題であると考えております。  また、市町のそういう相談応対を担う職員の方々からは、自身の応対によって被害者の方に二次的被害を生じさせてしまうのではないかということでの懸念や不安も持っておられるというふうに聞いております。  あと課題の三点目としましては、犯罪被害者に対する県民の理解、関心がやはり低いということです。  総じて一般県民の皆さん、犯罪被害そのものでありますとか、マスコミなどの過剰報道による二次被害については関心は示されますけれども、その後の被害者の心身の苦痛につきましては徐々に関心が薄れていくということでございます。  そういう中で、被害者の方々は日常生活を取り戻そうとする過程における生活上の課題を長期間抱え続けられます。また、これはよかれと思って周りの方が励ましの言葉などを申し上げられますけれども、例えば「頑張りましょう」とか「早く忘れたほうがいい」、こういった配慮を欠いた言葉にも心を痛められることがあるということです。  以上、挙げました三点につきまして、今後、こうした課題の解消に向けて取り組んでいく必要があるというふうに考えております。  以上でございます。 42 ◯池田委員=今、それぞれ課題等についてお話がございました。  それでは今後、県はこの推進計画に基づいて、どのように取り組んでいくのか。また、特に市町との連携についてはどうするのか伺いたいと思います。 43 ◯田中くらしの安全安心課長=今後の取り組みについてお答えいたします。  県では、被害者が平穏な日常生活を取り戻すまで途切れなく支援できるよう、くらしの安全安心課内に新たに「犯罪被害者等支援コーディネーター」を配置することとしております。  このコーディネーターは、被害者の要望などを尊重しながら、警察や佐賀VOISS等と連携し、被害の軽減、回復や生活再建に向けた各種支援施策をコーディネートするとともに、市町職員等に対する助言や市町と関係機関等との調整、協議の橋渡しなどを行うものでございます。  また、市町職員を対象とした研修会を開催しまして、市町の相談窓口担当職員等の知識やスキルを高めていくほか、民間の支援人材を育成する「ボランティア養成講座」にも取り組むこととしております。  さらに、佐賀県弁護士会と連携して、犯罪被害者の方々がひとしく法律相談を受けることができる制度を設けることとしております。  一方、犯罪被害者への県民の理解を進めるため、従来から取り組んできた広報啓発活動に加え、「大学生向けの出前講座」を開催することとしております。  県としましては、今回策定する犯罪被害者等支援推進計画に基づきまして、犯罪被害者の心に寄り添いながら、被害の早期回復、軽減を図り、再び平穏な生活を営むことができるよう、市町を初め、警察、関係機関団体とともに誠心誠意取り組んでまいりたいと思います。  以上でございます。 44 ◯池田委員=今、いろいろ御答弁いただきました。やはりこの推進計画の策定をされますので、ぜひ市町とも連携しながら取り組んでいってもらいたいというふうに思っております。  それでは最後に五問目として、発達障害者の支援について伺いたいと思います。  実は、昨日も視察でNPOスチューデント・サポート・フェイスのほうにお伺いして、子供の不登校やら、若者の総合相談センターの内容についてお伺いしてきたところでございます。  最近、全国的に発達障害が疑われる児童生徒が増加し、診断待機への対応や発達障害児の家族への支援が必要となっているなど、発達障害について、マスコミ等でも多く取り上げられるようになったところです。  また、成人の場合、特にコミュニケーションをとるのが苦手で、職場で人間関係がうまくいかない人が、実は発達障害であったというような例が取り上げられておるところでございます。  私は、これは発達障害かもしれないということを本人や家族がなかなか受け入れることができず、結果として適時適切な支援が受けられなかったことが原因の一つではなかったかというふうに思っております。そのため、早期発見、早期療育、家族の理解促進の支援が必要であり、あわせて困難な状況を抱えている成人への支援も必要であるというふうに考えております。  こうした中、県のほうでは発達障害者に対して、乳幼児期、学齢期、成人期にかけて、ライフステージを通じた独自の支援を早くから行われてきたところでありますが、また、新年度予算においては、現場の声をしっかり聞くという知事の基本スタンスのもと、「さが現場の声と想いをつなぐ懇談会」において、当事者を支援するNPO職員や医師の方から出た意見を、早速、発達障害者支援体制整備事業として新年度予算に反映をされておるところでございます。  発達障害者への支援は、今後も現場の意見を踏まえ、しっかり取り組んでいく必要があるというふうに思っております。  そこで、次の点について伺いたいと思っております。  第一点目として、県のほうでは発達障害者の支援について、これまでどのように取り組んできたのか伺います。 45 ◯五郎川障害福祉課長=これまでの県の取り組みについてお答えをいたします。  県では、発達障害児・者に対する支援としまして、早期発見、早期療育を念頭に、乳幼児期から成人期に至るまで、ライフステージを通じたさまざまな取り組みを行っているところでございます。  具体的には、未就学児への支援としまして、自閉症等スクリーニング検査で支援が必要と判断されました幼児を対象に、通称で「わくわくキッズ」と申しておりますけれども、療育指導教室を実施いたしております。  それから、児童生徒への支援といたしまして、不登校、ひきこもり等の状況にある発達障害児に対し、生活支援、それから学習指導などによる在籍校復帰を目指す「フリースクールSAGA」を佐賀総合庁舎内に設置いたしております。  さらに高校生への支援といたしまして、発達障害のある高校生を対象に、自身の障害について理解をし、感情をコントロールする方法などを学び、卒業後の進路決定や将来の社会生活の自立を目指す「佐賀プライドプログラム」を実施いたしております。こういった支援を市町や教育委員会と連携して行っているところでございます。  また、発達障害児・者への支援を総合的に行う拠点といたしまして、「発達障害者支援センター」を県内二カ所、鳥栖市、多久市に常設をいたすとともに、身近な地域で相談ができる専門窓口を県内七カ所に設置いたしております。  そのほか、発達障害児の家族や支援者、地域のかかりつけ医などを対象として、発達障害に関するさまざまな研修会を実施し、発達障害児・者についての理解、啓発を進めるとともに、スキルアップを図っているところでございます。  以上でございます。 46 ◯池田委員=それでは、「さが現場の声と想いをつなぐ懇談会」というのが開催されたというふうに思いますけども、発達障害者の支援に関して、どのような意見が出たのかお伺いします。 47 ◯五郎川障害福祉課長=「さが現場の声と想いをつなぐ懇談会」についてお答えいたします。  「さが現場の声と想いをつなぐ懇談会」は、医療や福祉などの現場の第一線で活躍されている医師、理学療法士、NPO職員などの方々が、さまざまな分野について情報共有や意見交換を行う場として開催しておりまして、県として新たな気づきとなる意見については施策に反映することといたしております。  この懇談会の発達障害に関するテーマの中で、参加メンバーから、先ほど委員からもございましたけども、五十歳以上のひきこもりの成人は発達障害が多いでありますとか、既存の福祉サービスでは支援が難しく、どうにかしていく必要がある。それから、成人の方々が抱えるさまざまな問題の背景には、発達障害が原因となっている場合があり、成人を専門に支援する発達障害支援の拠点の創設が必要。また、発達障害の診断を地域で役割分担していくためには、今行っている座学の「かかりつけ医研修」だけでなく、実地的な研修など、何かあと一押しが必要だと、こういった意見をいただいたところでございます。  懇談会の御意見を含め、さまざまな方からの御意見やアドバイスをいただきながら検討を重ねまして、今議会において新たな事業として提案をさせていただいているところでございます。  以上でございます。 48 ◯池田委員=新たな事業ということで提案をされておりますけども、今回、新規、拡充の事業があると思います。それで、新規または拡充する事業内容というのはどのようになっているのかお伺いをします。 49 ◯五郎川障害福祉課長=懇談会でいただいた意見を踏まえました新規、拡充の事業内容についてお答えをいたします。  来年度、新規、拡充する取り組みといたしまして、成人の発達障害者への支援を強化するため、「発達障害者就労支援センター」を佐賀市に新たに設置することといたしております。それから、発達障害児の家族に対する研修であります「家族教室」の開催地区を、三カ所から五カ所に拡充したいと考えております。さらに、かかりつけ医等に対する発達障害の検査、診断のための実地研修を新たに開催することといたしております。今申し上げました三つの取り組みを行うことといたしております。  以上でございます。 50 ◯池田委員=それでは、今、新たに「発達障害者就労支援センター」を設置されるということですけども、その背景や目的について伺いたいと思いますが、センターでは具体的にどのような支援を行うのか伺います。 51 ◯五郎川障害福祉課長=成人の発達障害者の就労支援についてお答えをいたします。  まず、センターの設置の背景等でございます。  自閉症等のスクリーニング検査や発達障害者支援につきましては、発達障害者支援法が制定された平成十八年度以降、充実をしてきたところでありまして、例えば、その以前に成人をされた方で発達障害の疑いのある方は、現在行っているような支援を受けずに、自分が発達障害と気づかないまま成人されていると考えられます。  また、発達障害者支援センターへの相談のうち、その約四割が成人の方からの相談であります。その中でも、「仕事に集中できない」、それから「職場に適応できずに困っている」などの就労に関する相談が多くございます。  そういった中、先ほどお答えしました懇談会のほうで、「成人の発達障害者は、既存の福祉サービスでは支援が難しく、どうにかしていく必要がある。そのための支援拠点が必要」という御意見があったところでございます。  このような状況を踏まえまして、今回、成人の発達障害者への支援を専門に行う「発達障害者就労支援センター」を佐賀市に設置することとしたところでございます。  支援の内容といたしまして、具体的な支援の内容ですけれども、大きく三つございます。相談支援、それから就労支援、就労研修、この三つを行うことといたしております。  まず、相談支援でございますけれども、成人の発達障害者や自分が発達障害ではないかと感じている方、またはその家族からのさまざまな相談に応じることといたしております。  それから、就労支援では、成人の発達障害者の就職活動や就労継続のためのサポートを「障害者就業・生活支援センター」、それから「障害者職業センター」、「ハローワーク」等の関係機関と連携しながら行うことといたしております。  三つ目の就労研修では、発達障害者を雇用している、あるいはこれから雇用しようと考えておられる一般企業や障害福祉サービス事業所を対象に、発達障害者を受け入れるに当たっての業務内容の調整や発達障害者とのかかわり方などに関する研修を行うこととしているところでございます。  以上でございます。 52 ◯池田委員=いろいろな相談、また、支援の内容ということでお伺いをしたところでございます。  それでは、発達障害児の家族教室というのはどのようなものかお伺いをします。 53 ◯五郎川障害福祉課長=発達障害児の家族教室についてお答えをいたします。  発達障害につきましては、まず家族が、御自分のお子さんが発達障害であることをしっかり受け入れていただきまして、適切なタイミングで療育を受けていただくことが重要であります。  しかし、委員御指摘のとおり、発達障害であることをなかなか受け入れることが難しい場合や、受け入れたとしても、子育てに不安や悩みを抱える場合も多く、そうした御家族へのフォローをしっかり行う必要がございます。  そのため、発達障害についての理解を促進し、家庭での支援のポイントを学習する「家族教室」を平成二十八年度から開催いたしており、今年度は中部地区としまして佐賀市、南部地区として嬉野市、北部地区として唐津市で開催をしたところでございます。  この教室に参加いただいた方に対するアンケート結果では、とても実践的なアドバイスで、少しずつではあるが親子ともども変化できた。子供について悩みを抱え込んでいたが、同じ気持ちで悩んでいるお母さんたちと話せて心強かったなどの声をいただいており、来年度はこれまで開催できていなかった東部地区、それと西部地区にも拡大をし、全ての障害保健福祉圏域において実施したいと考えております。  以上でございます。 54 ◯池田委員=三地区から五地区への拡大ということなんですけれども、それでは、発達障害専門医療機関ネットワーク構築事業について伺いたいと思います。  かかりつけ医に対する発達障害の検査、診断のための実地研修の目的は何なのか。また、その内容はどのようになっているのか伺います。 55 ◯五郎川障害福祉課長=発達障害専門医療機関ネットワーク構築事業についてお答えをいたします。  委員御指摘のとおり、全国的に発達障害が疑われる児童生徒が増加をし、一部の専門医療機関での受診が集中をしまして、待機が発生している状況がございます。本県におきましても、同様の状況にございます。  そのため、平成二十八年度から身近なかかりつけ医に発達障害に関する認識を深めていただくため、県医師会の御協力を得て座学の「かかりつけ医研修」を開催いたしております。この研修に関し、先ほど申し上げました懇談会のメンバーのほうからですけれども、「座学だけではなく実地的な研修が必要」との御意見をいただいております。
     こうした意見等を踏まえまして、来年度は地域のかかりつけ医等を対象にして、専門医療機関の診断の場に同席をいただき、発達障害の診断スキル等を直接学んでいただく実地研修を行うとともに、医師を初めとした支援者のネットワークの構築を目指す事業を新たに実施することといたしております。  このことで、専門医療機関に集中をしている発達障害の診断を、地域のかかりつけ医等でも担える体制を整備しまして、徐々にではございますけれども、診断待機の解消を図ってまいりたいと考えております。  以上でございます。 56 ◯池田委員=それでは最後になりますけども、来年度新規・拡充された事業を含め、発達障害に関する支援について、県では今後どのように取り組んでいくのかお伺いしたいと思います。 57 ◯五郎川障害福祉課長=今後の取り組みについてお答えいたします。  発達障害は、子供のうちから早期に発見し、早期に療育を行うことが重要でありまして、現在取り組んでおります乳幼児期から学齢期を中心にライフステージに応じた切れ目ない支援を今後も継続して行っていく必要があると考えております。  また、現場の意見を踏まえた取り組みが必要であると考えておりまして、先ほど申し上げました「家族教室」や「佐賀プライドプログラム」等では、参加者にアンケートを実施し、家族や当事者の生の声をお伺いしております。また、発達障害の有識者で構成をされます「発達障害者支援連絡協議会」や「さが現場の声と想いをつなぐ懇談会」では、専門的な御意見をいただいております。  そうしたさまざまな御意見を踏まえまして、必要な取り組みを行っており、今年度は多久市に「西部発達障害者支援センター」を常設化するなど、ニーズに応じた取り組みとなるよう充実を図ってきたところでございます。  また、今回新たに設置をいたします「発達障害者就労支援センター」は、障害福祉サービスや地域資源の状況を踏まえた検討を行いまして、これまで発達障害者の就労訓練事業として県庁内で行ってきたワークステーション事業を見直すという形で実施するものでございます。  今後とも、引き続き現場の意見を踏まえ、必要な支援について検討を行い、市町や関係団体と連携し、協力をいただきながら、発達障害児・者の支援について、しっかりと取り組んでまいりたいと考えております。  以上でございます。 58 ◯池田委員=やはりせっかくの事業ですので、よりよい事業にしてもらいたいというふうに思っておるところでございます。  以上で私の五問の質問を終わります。どうもありがとうございました。 59 ◯徳光委員=皆さんおはようございます。県民ネットワークの徳光でございます。  きょうは、大きく二つのことについて質問したいというふうに思います。  まず、一番目の質問ですが、男性の家事、育児への参画促進事業についてお尋ねをいたします。  当然根底には、男女共同参画社会をいかに進めていくかというのがあるというふうに思っています。  これまでの流れを見ますと、一九七九年に国連の中で女子差別禁止条約というのが採択をされました。日本においては、おくれること六年、一九八五年にその条約を批准しまして、その後、男女共同参画のビジョンだとか、あるいはプログラムとか、そういったものが策定をされて、法律に基づいた審議会が設置をされて、審議会の中で男女共同参画社会基本法を制定したらということが答申されまして、一九九九年に男女共同参画社会基本法というのが制定をされたところであります。  翌年には基本計画が策定されました。それから、DV防止法、あるいは男女雇用機会均等法というのは前にできていたんですが、その年に改定されるということもありました。  それから、自治体によっては条例をつくって、自治体独自の男女共同参画社会に向けた取り組みというのも行っています。  だから、法律とか条例的にはかなり整備をされてきたというふうに思いますし、後からまたお尋ねしますが、意識の問題でも、やっぱり男は仕事、女性は家庭ということはおかしいよねという男性もかなり意識的にはふえてきたというふうに思うんですが、ただ、それが日々の生活の中で実行に移されているかというと、なかなかうまくいっていないところもあるんではないかなというふうに思っています。  また、例えば、職場の中での男女平等ということを見ますと、平成二十八年度の男女共同参画社会の基本調査というのを見ますと、企業規模が十人以上の企業の中で課長職以上の管理職に占める女性の割合は一二・一%となっています。だんだん上がってはきています。これを役職別に見ると、部長相当職では六・五%、それから課長相当職では八・八%ということになっています。  きょうここを見ると、大体五十名ぐらいいらっしゃいますけれども、課長相当職というと参事の方も入るんですが、女性が何人でしょうか、四名ですね。(「五人です」と呼ぶ者あり)五人ですかね。そうなりますと、何%ですかね。ここだけ見て、それは言えませんけれども、もっともっと頑張っていただきたいなというふうに思っています。  女性活躍推進社会ということも言われていますけれども、職場も含めてそこまでなっているのかということも改めて検証しないといけないなというふうに思っています。  県では、「子育てし大県”さが”」、あるいは女性の活躍推進に取り組まれていらっしゃいます。先ほど言いましたとおり、その根底には、男女がともに社会的責任を負うという男女共同参画の理念がありまして、その実現のためには、これまで女性が主に担ってきました家事、育児への男性の参画意識を高めることが重要だというふうに今思っています。  私の持論なんですが、家事、育児の労働というのは、本来楽しい労働であるというふうに私は思っています。部屋の中がきれいになることで不快になる人は多分いらっしゃらないと思いますし、料理というのも、人間労働というのは、ある素材をもってどんなふうに調理をして、何をつくろうというのを頭の中で描いて調理をして料理をつくっていくわけですね。  クモは確かに物すごく精巧な巣を張ります。ただ、クモは今度はどんな巣を張ろうかなと思って巣を張るんじゃなくて、あれは本能で張るわけですね。人間だけが、その素材をもってどんなものをつくり上げて、最終的に達成するためにはどうしたらいいのかと考えていくのが人間労働の特徴だというふうに思っています。  そうなると、自分が思い描いたとおりに料理ができて、家族がみんな喜んでくれると本当に楽しい労働にもなりますし、幸いにして子供に恵まれて育児をするというんであれば、子供の成長をしっかり見守っていくことは大変楽しい労働だというふうに思っています。  ただ、現実なかなかそれが報われていないというところが、あるいはある一方の性にだけ押しつけられているようなところがある。そういったことがなかなか進んでいない理由なのかなというふうに思います。  それから、済みません、長々となりますが、男女平等でもう一つあるのは、例えば、家事、育児は夫も物すごくしているけれども、人格的に連れ合い、妻を平等と認めていないという例もあります。例えば、大事なことを決めるときは自分が決めるとか、あるいはお互い飲み会が重なったとき、絶対自分が優先するとか、そういったことも含めると、やっぱりもう一歩進むと、人格としても男女平等ですよ、男女共同ですよという意識を持つことが必要じゃないかなというふうに思っています。  お待たせしました。そこで、質問に入りたいというふうに思います。  男性の家事、育児への参画の実態なんですが、いろんなアンケート調査もあるというふうに思いますので、まずは佐賀県で男性の家事、育児への参画の実態というのはどうなっているのかお尋ねをいたします。 60 ◯岩永男女参画・女性の活躍推進課長=佐賀県における男性の家事、育児の参画の実態でございますが、平成二十八年の総務省の社会生活基本調査によりますと、佐賀県の十五歳以上の男女の一日当たり家事関連時間は、男性が三十八分、女性が二百三分で、女性は男性の約五倍となっております。六歳未満の子供がいる家庭の場合につきましては、男性が九十六分、女性が四百十五分で、女性は男性の約四倍となっており、家事や育児の負担はまだまだ女性に偏っているという状況にございます。  また、平成二十六年度に県で実施いたしました佐賀県民意識調査では、「夫は仕事、妻は家庭」という考え方に賛成する人の割合が、男性は三七・二%、女性は二九・七%となっており、固定的な性別役割分担の意識が男性のほうにより強くあらわれているという実態にございます。  以上でございます。 61 ◯徳光委員=今、平成二十八年度の、例えば、六歳未満の子供がいる夫婦の一日当たりの家事関連の時間ということで示していただきましたけれども、これは全国的に見るとどんな感じなんですか。男性の家事、育児時間というのは多いほうなのか、中くらいなのか、少ないほうなのか、その辺についてお願いをいたします。 62 ◯岩永男女参画・女性の活躍推進課長=佐賀県の実態でございますが、平成二十八年度と同様の調査でいきますと、全国平均は八十三分で、今申し上げたのは六歳未満の子供がいる夫婦の一日当たりの家事関連時間でございますが、佐賀県は九十六分に対して全国は八十三分、順位にいたしますと、全国では六番目というふうな状況にございます。 63 ◯徳光委員=男性と女性を比べると、まだ圧倒的に男性が少ないんですけれども、全国的に見ると、割と佐賀県の男性は家事、育児関連の時間数というのが多いほうだということになりますが、何回も言うように、女性に比べるとまだ圧倒的に少ないというのが実態だろうというふうに思っています。  そこで、これまで男女共同参画、特に家庭の中で家事、育児、男性もっとやりましょうよという取り組みを県としてもさまざま行ってきたと思うんですが、これまでどんな取り組みをされてきたのか、その点についてお尋ねをいたします。 64 ◯岩永男女参画・女性の活躍推進課長=これまでの取り組みでございますが、県ではこれまで、男性を対象といたしまして、家事、育児、それから職場、介護など、さまざまな場面におきまして意識改革事業を展開しております。  今年度は、男性の意識改革に取り組む市町事業への補助や、男性の家事、育児参画をテーマといたしましたフォトコンテストを内容といたします「男手(de)子育てチャレンジ事業」に取り組んだほか、アバンセにおきましても、これはもう大分前からやっておりますが、男性が料理に取り組む「男性の家事参画講座」、それから企業などに出向いてワーク・ライフ・バランス等について意識啓発を行う「お届け講座」というものを実施いたしております。  以上でございます。 65 ◯徳光委員=フォトコンテストとか意識啓発の事業というのはいろいろやられてきたということなんですが、これまでの取り組みの結果、現時点でどのような課題があるというふうに受けとめておられるのか、その点についてお尋ねをいたします。 66 ◯岩永男女参画・女性の活躍推進課長=課題についてでございますが、先ほどの総務省の社会生活基本調査によりますと、男性の家事、育児への参画は全体としてはまだ低い状況にあるものの、これまでの取り組みの結果、六歳未満の子を持つ子育て中の男性では、五年前の平成二十三年調査と比較すると、家事関連時間が二十八分ふえており、若い人の意識は少しずつではありますが変わってきていると感じております。  しかしながら、子供が生まれた後では、既に家事と育児の両方を主として妻が担っているという家庭がほとんどであることから、男性の意識を変え、行動に移すよう促すことがなかなか難しいという課題がございます。  そうしたことから、より効果的に男性の意識に働きかけを行うためには、男性が家庭生活における責任を自覚しやすく、女性に大きな負担がかかる妻の妊娠期をきっかけとした施策の展開が必要ではないかと考えたところでございます。 67 ◯徳光委員=そういった課題があって、やはり妻の妊娠期からしっかり取り組んだほうがいいということで、今回新規事業として出ているんだろうというふうに思います。マイナス一歳からのイクカジ推進事業、この事業について何点かお尋ねをしたいというふうに思っています。  まず、この事業の目的なんですけれども、どういったところに置いているのか、その点についてお尋ねをいたします。 68 ◯岩永男女参画・女性の活躍推進課長=目的についてでございますが、マイナス一歳からのイクカジ推進事業の目的につきましては、男性が妻の妊娠期である子供のマイナス一歳期に、家庭における家事、育児のあり方について見直していただき、より早い時期に「家事、育児は夫婦でともに担う」という意識を醸成していただくことであると考えております。  そうすることで、男性の積極的な家事、育児への参画を促し、女性が活躍できる社会づくりにつなげてまいりたいと考えているところでございます。  以上でございます。 69 ◯徳光委員=そして、その事業の一つとして、プレパパ向けの意識啓発講座という事業があります。子育て支援センター、例えば佐賀市にも「ゆめ・ぽけっと」という子育て支援センターがありますが、あそこではプレママ・プレパパ講座というのがあって、妻が妊娠しているときに夫婦で参加をして、妊娠の体験を男性がしてみるとか、人形を使って赤ちゃんをお風呂に入れる。そういった体験をするという、体験型のやつはあるというふうに思うんですが、これはプレパパ向けの意識啓発講座というふうになっています。具体的にはどのような取り組みを行うのでしょうか。 70 ◯岩永男女参画・女性の活躍推進課長=今回の意識啓発講座についてでございますが、委員おっしゃいましたように、現在、市町や産婦人科等におきましても、「パパママ学級」、「両親学級」といった名称で開催されている講座では、体験型の沐浴指導であるとか、妊婦体験などが実施されているところでございます。  県としましては、こうした市町や産婦人科の協力、連携のもと、プレパパ向けの意識啓発講座を行うこととしておりまして、具体的には、夫婦が家事、育児をともに担うことの重要性を認識してもらい、男女共同参画の意識を高めていただく啓発講座、例えば、「パートナーに対してしてほしいこと、してほしくないこと」の講座であるとかワークショップ、先輩パパとプレパパ、今回の妊娠期の妻を持つ男性との座談会などを実施いたしたいと考えております。  この事業につきましては、県内四カ所程度の会場での開催を予定いたしているところでございます。  以上でございます。 71 ◯徳光委員=県内四カ所程度で開催するということなんですが、開催場所というのはどういうところを予定されているのかということと、その四カ所ですか、一カ所大体何名ぐらい、あるいは年に何回といいますか、その点についてお尋ねをいたします。 72 ◯岩永男女参画・女性の活躍推進課長=場所につきましては、最初は産婦人科の内部でとか検討しておりましたけれども、やはり場所的にスペースの確保が難しいということでございましたので、市町の施設をお借りするとか考えております。  それから、一回の参加につきましては二、三十組の御夫妻で、夫婦で参加をしていただきたいというふうに考えております。  同じ講座を繰り返しますので、四カ所で六回ずつぐらい、計で佐賀県内で二十四回程度実施いたしたいというふうに考えております。  以上でございます。 73 ◯徳光委員=そうですね、やっぱり産婦人科だと場所も限られてしまうかなと思います。  きのうメディカルセンターに行きましたけれども、あそこの一階で多目的ホールなんかもありまして、ああいうところを借りてやってもいいのかなというふうにちょっと思いましたけれども、意識を啓発するということと、次は実践ということがあると思うんですね。  自分の体験から言うと、私も第一子が生まれて半年ぐらいたったときに、連れ合いが同級生の結婚式に行くということで、実家に赤ちゃんを預けるか私が見るかで話をしまして、何とか私が見ようということで、それまで一人で見たことなかったですけれども、丸一日自分一人で見たわけですね。苦労をしました。何で泣くんやろうかとか、いろいろ苦労しましたけれども、かえって、最初は不安だったんですが、それを経験してみると、あっ、ちゃんと自分でもできるやないかと。連れ合いがいなくても一日赤ちゃん見ることができたという自信につながっていくんですね。やっぱりそういったことも、いろんなつながりでぜひやっていただきたいなというふうに思います。  次に、父子手帳の作成、配布についてです。  母子手帳というのは定着をしていますし、この間もずっと妊婦の方の役に本当に立ってきたというふうに思うんですが、今回、父子手帳を作成、配布をするということなんですが、父子手帳作成の目的はどういうところにあるんでしょうか。 74 ◯岩永男女参画・女性の活躍推進課長=作成の目的についてでございますが、いわゆる父子手帳は、近年さまざまな自治体で取り入れられておりまして、県内市町の一部でも窓口で配布されているところでございます。  しかしながら、その内容について見ますと、妊娠、産後という身体的に大きな負担がかかる女性が家事、育児の主体であり、男性はあくまでもそれを手伝うサポート役という立場、視点で書かれております。  このため、今回の父子手帳の作成は、男性が主体的にかかわることの重要性に気づいていただくことを目的といたしております。  以上でございます。 75 ◯徳光委員=手伝うんじゃないよと、男性がちゃんと役割分担でしっかり主体的に、一緒にするんだよということを目的とするということなんですが、それでは、その内容なんですけれども、どのような内容になるのか、あるいはそれを作成するにはどのような、例えば、いろんな立場の人の意見を聞いてみるとか、そういったこともいろいろあると思うんですが、どのようにして作成をしようと考えているのか、その点についてお尋ねをいたします。 76 ◯岩永男女参画・女性の活躍推進課長=内容についてでございますが、まず産前、産後の妻が夫に求める行動、例えば、妊娠、出産について積極的に学び参加する。妻と向き合ってコミュニケーションをとるといったことなど、男性が主体的に家事、育児に参画するための気づきを得られる内容を想定いたしております。  作成に当たりましても、産婦人科の先生であるとか、子育て支援団体であるとか、そういう方々の意見を十分に聞きまして、より実効性のある父子手帳を作成いたしたいと考えております。  この父子手帳を読んでいただくことによりまして、男性が主体的に家事や育児に参画することは、女性の負担軽減や復職への支援、さらには夫婦間のパートナーシップの醸成、ワーク・ライフ・バランスの実現等につながるといったことを認識していただきたいと考えているところでございます。  以上でございます。 77 ◯徳光委員=内容については、産婦人科の先生とか、あるいはそういった団体の意見も聞いてということなんですが、私としてはぜひ、当然考えていらっしゃると思うんですが、今子育て中のお母さん、母親の意見とか、あるいは自分はちゃんと育児、家事やってきたよという、父親の意見というのも、私はいろんな気づきがあって大切ではないかなというふうに思うんですね。そういった方の意見というのも今後ずっと作成をしていくということなんで、まだ柔軟なところはあると思いますんで、そういった方々の意見というのもぜひ聞いていただきたいなと思うんですが、その点についてはいかがでしょうか。 78 ◯岩永男女参画・女性の活躍推進課長=言葉足らずで失礼いたしました。おっしゃるとおり、子育て中のお母さんの意見であるとか、家事、育児をやっていらっしゃる父親の方の意見とかは、当然聞きながら対応してまいりたいと思っております。  以上でございます。 79 ◯徳光委員=よろしくお願いします。  それでは、父子手帳を作成するということなんですが、どの程度作成をして、配布の方法というのはどのように考えていらっしゃいますか。 80 ◯岩永男女参画・女性の活躍推進課長=配布等につきましてでございますが、発行は一万部を予定いたしております。これは県内の年間出生数が平成二十八年度で約七千人程度であること。また、その他関係機関に広く配布するための部数をあわせて算定いたしております。  配布につきましては、市町の窓口であるとかアバンセ、それから県内の産婦人科、小児科に配置していただきたいと考えております。そうした協力については、これから具体的に相談してまいりたいと考えております。  以上でございます。 81 ◯徳光委員=市町の窓口でも配布をするということは、父親なんで、どういったタイミングで配布をするんですかね。その子供が生まれた家庭とか、あるいは妊娠をした夫婦のところに配布をすると思うんですが、どんなタイミングで渡すということになりますか。 82 ◯岩永男女参画・女性の活躍推進課長=現時点で考えておりますのは、母子手帳を必ずもらわれると思いますので、そのときに一緒に配布をしていただければありがたいなと思っていまして、その点はこれから市町とお話をさせていただきたいと思っております。  以上でございます。 83 ◯徳光委員=ほとんどの方が母子手帳の交付を受けると思いますので、そのときに渡すというのがタイミングとしては一番いいのかなというふうに感じていました。  それでは、今後のスケジュールなんですが、作成、あるいは配布に関するスケジュールというのはどのように考えているのかお尋ねをいたします。 84 ◯岩永男女参画・女性の活躍推進課長=スケジュールについてでございますが、父子手帳の作成は、産婦人科医や子育て支援団体など、関係機関と協議しながら年内には完成させ、年明けをめどに配布いたしたいと考えております。  以上でございます。 85 ◯徳光委員=それから、今回の事業の中の一つに、広報による意識啓発というものもあるんですが、これはどのような取り組みを考えているのでしょうか。 86 ◯岩永男女参画・女性の活躍推進課長=広報による意識啓発についてでございますが、広報は、動画の作成や新聞等の各種広報媒体を活用し、より多くの人の目にとまるような手法で実施することとしております。  作成する動画の内容につきましては、具体的な家事のポイントであるとか、夫婦間の家事ギャップ、例えば、洗い物のやり方のギャップ。それから、男性が育児に主体的にかかわることで、将来の夫婦関係、親子関係がこう変わるというふうな、ビフォー・アフター的なものを考えておるところでございます。  新聞につきましては、男性を取り巻く社会背景、男性の家事、育児参画等をテーマとした会社経営者であるとか、産婦人科の先生方等との対談を掲載いたしたいというふうに考えておるところでございます。  加えまして、ウエブ系のメディア、ユーチューブであるかとインスタグラム等での動画の展開であるとか、あとSNS上で影響力の大きい方による動画の拡散を考えております。  それから、子育てや家事、両立支援の記事を中心に掲載しておられますメディアとのタイアップ広報などで、多くの人の目にとまるよう努めてまいりたいと考えております。  以上でございます。 87 ◯徳光委員=今の広報によって意識啓発をするということと、この事業を周知するということも少し含んでいるのかなと思うんですが、せっかくの事業ですので、十分周知をしていただきたいと思います。いきなり母子手帳と一緒に父子手帳を渡されて、これ何やろうかと思うよりも、父子手帳というのをつくって、子宝に恵まれた家庭に配っていくよということをあらかじめ知っていたほうが、やっぱりより活用がスムーズにいくのかなというふうに思うんですが、今回の事業についてはどのように周知をするつもりなのか、その点についてお尋ねをいたします。 88 ◯岩永男女参画・女性の活躍推進課長=この事業の周知についてでございますが、まず、県内の全産婦人科の先生方との連携によりまして、基本的には対象者であるプレパパに全て情報提供が行くようにやってまいりたいと思っております。それから、子育て関連企業・団体、それから幼稚園、保育園への周知の協力依頼でございますとか、県が事務局を務めます「女性の大活躍推進佐賀県会議」、これは企業がたくさん参加していただいているんですけど、そこのホームページでの情報提供とか、あとはポスターとかチラシを配布するなどして周知に努めてまいりたいというふうに考えております。  以上でございます。
    89 ◯徳光委員=いい取り組みだというふうに思いますので、しっかりいい効果を上げればいいなというふうに思っています。  ただ、今回の新規事業ということで予算を見ると、平成三十年度単年度の予算ということになっています。そんな意味では、例えば、父子手帳の作成、配布というのも単年度だけではなくて、やっぱり引き続き作成、配布したほうがいいというふうに思いますので、ある意味、平成三十年度の取り組みをしっかり検証して、じゃ、平成三十一年度、この取り組みは継続していこうとか、この取り組みはちょっと違う方向に行こうかとか、多分そういった検証をされるというふうに思うんですが、平成三十年度以降については、今のスタンスとしてどのように考えているのかお尋ねをいたします。 90 ◯岩永男女参画・女性の活躍推進課長=今後の取り組みについてでございますが、委員おっしゃっていただきましたように、まず平成三十年度にやってみまして、参加者とか産婦人科の先生方からの評価、それから改善点などを検討いたしまして、平成三十一年度以降の取り組みを考えたいと思っております。  あと、おっしゃいました父子手帳も最初に印刷いたしますけど、ウエブとかに中身をそのまま掲載いたしますので、それは市町独自で改編していただいて、著作権フリーといいますか、そういう形で市町の実態に合わせて工夫していただければありがたいなと思っております。  いずれにいたしましても、男性の家事、育児への参画意識を高めることは、男女共同参画社会づくりの重要な施策であると考えておりまして、今後も市町やアバンセ等とも連携しながら、子供が生まれる前の男性をターゲットに何らかの形で継続してまいりたいと考えております。  以上でございます。 91 ◯徳光委員=ありがとうございました。ぜひいろんな方法で検証していただいて、今後も引き続きしっかりやっていただきたいと思います。いかんせん、男性の家事、育児への参加については法律で定めるわけにはなかなかいきませんので、六歳未満がいる家庭は、男性は一日二時間しなさいとか法律ではなかなか決めることができませんので、まずはやっぱり意識改革を、啓発をどうやっていくのかというのが中心になると思いますんで、よろしくお願いをしたいと思います。  それじゃ、二番目の質問です。教育情報システムの整備についてお尋ねをしたいというふうに思っています。  佐賀県の教育情報システムというのは、平成二十五年度からSEI─Netシステム、そして、平成二十六年度からは各県立学校で校内LANの運用が開始をされまして、今回初めて大規模なシステム改修を行うこととされています。  今回の改修を見ますと、予算規模も決して小さくない、大きいものであるというふうに受けとめていますし、また、県内の小中県立学校で利用されると、規模が大きいからこそ、しっかりしたセキュリティー対策に加えて、教員の負担軽減に資するように現場の声に応えた、使いやすさも追求したものとなるよう希望するところであります。  そこで、次の点についてお伺いをいたします。  まず、現在の教育情報システムの概要についてなんですが、先ほど言いましたとおりSEI─Netシステムとか校内LANなど、さまざまな機能から構成をされていますけれども、現在のシステムの概要はどのようになっているのかお尋ねをいたします。 92 ◯築地教育総務課長=現在の教育情報システムの概要についてお答えいたします。  現在の教育情報システムは、先ほど委員からもお話ありましたように、SEI─Netシステムと各県立学校に設置している校内LANで構成されております。  まず、SEI─Netシステムは大きく三つの機能を有しておりまして、一つ目は、電子メール機能や文書管理機能などの事務系の機能、それから二つ目は、通知表や指導要録の作成機能などの校務系の機能、それから三つ目は、学習用パソコンを有する生徒との相互利用によります生徒へのアンケートや教員からのお知らせ機能等の学習管理機能でございます。  次に、各県立学校に設置しております校内LANにつきましては、学校内のパソコン通信環境を整備するとともに、電子データを保存することができるサーバーを設置しておりまして、県立学校の教員や生徒の方がパソコンやタブレット端末により利用しているところでございます。  以上でございます。 93 ◯徳光委員=じゃ、今回教育情報システムを改修するために、新教育情報システム整備事業を実施するとされていますけれども、この事業の目的についてお伺いをいたします。 94 ◯築地教育総務課長=お答えいたします。  新教育情報システム整備事業の目的は三つありまして、一つ目は、SEI─Netシステムの運用期間及び各県立学校に設置しておりますLANサーバーのサポート期間が平成三十一年度中に終了することに伴いまして、更新を行う必要があるということがございます。二つ目は、この更新に合わせまして情報セキュリティー対策の強化を図りまして、生徒、保護者等の安全・安心の向上に取り組むこと。三つ目は、学校現場の利用の実情に即した構成、システムに改修することによりまして、利便性の向上及び教職員の負担軽減を図るという、この三つの目的がございます。  以上でございます。 95 ◯徳光委員=済みません、ちょっと休憩してもらって、マイクの調子ちょっと見てもらっていいですか。何かマイク入っていないような気がするんですけど。 96 ◯宮原委員長=暫時休憩いたします。     午前十一時四十二分 休憩     午前十一時四十四分 開議 97 ◯宮原委員長=それでは、委員会を再開いたします。 98 ◯徳光委員=今、説明をいただきましたが、今回の事業を見ると、さまざまな改修を行うことというふうにされていますが、その事業内容はどのようなものでしょうか。 99 ◯築地教育総務課長=お答えいたします。  新教育情報システム整備事業の内容は、先ほど申し上げた目的に対応いたしまして、サーバー機器の更新とともに、情報セキュリティー対策と現在の教育情報システムの改修を行うこととしております。  情報セキュリティー対策につきましては、平成二十八年に発生いたしました不正アクセス事案を受けて設置いたしました第三者委員会の提言ですとか、文部科学省の緊急提言を踏まえた対応を図っていきたいと考えておりまして、例えば、校務系システムと学習系システムの分離、それから仮想化によりますインターネット分離、校内LANサーバーの県教育委員会による一括管理、生体認証による認証の強化などに取り組むこととしております。  また、現在の教育情報システムの改修につきましては、学校現場や市町教育委員会からの要望を踏まえた改修を行うとともに、学習系システムにつきましては、全国的にクラウドサービスが充実して、学校、学年ごとにサービスを選択することが可能な状況を踏まえまして、クラウドサービスを利用できる環境へ移行することも考えたいというふうに思っております。  以上でございます。 100 ◯徳光委員=それでは、この予算額なんですが、事業に要する費用についてなんですが、何年間で幾らぐらいを予定されているのかお尋ねをいたします。 101 ◯築地教育総務課長=予算額についてお答えいたします。  新教育情報システム整備事業費につきましては、平成三十年度当初予算に整備費用といたしまして、九億七千五百二十八万一千円。  また、平成三十一年度から平成三十五年度までの五年間の運用保守に係る経費といたしまして、十八億七千九百二十六万二千円の債務負担行為をお願いしておりまして、合わせて二十八億五千四百五十四万三千円を予定しております。  以上でございます。 102 ◯徳光委員=二十八億円を超えるということで、恐らく大体今後も五年間ぐらいをめどにもし改修をしていくということであれば、かなりの予算額であるというふうに思っています。ただ、小学校規模とか、県内学校たくさんありますし、教職員もたくさんいらっしゃいますので、それぐらいの予算額が必要かとは思うんですが、ただ、投資する限りにおいては、よりよい効果を今後やっぱり導き出さないといけないというふうに思っています。  そこで、この整備スケジュールなんですが、平成三十年度から順次整備を行うというふうになっていますが、全体的なスケジュールはどのようになっているのかお尋ねをいたします。 103 ◯築地教育総務課長=お答えいたします。  新教育情報システム整備事業のスケジュールにつきましては、まず総合評価一般競争入札によりまして、ことしの六月までに委託業者を決定いたしまして、契約を締結したいと考えております。  その後、七月から詳細設計に着手いたしまして、十月からはシステムの改修、構築を開始するということにしております。  平成三十一年度には試験運用期間を経まして、新システムへの切りかえを七月ごろから順次開始いたしまして、全ての学校で新システムに移行いたしますのは、平成三十一年十二月ごろを予定いたしております。  以上でございます。 104 ◯徳光委員=わかりました。全ては平成三十一年の十二月ぐらいに完成というふうに答弁をいただきました。  そこで、その中のシステム、SEI─Netについて何点かお尋ねをしたいというふうに思います。  今回もSEI─Netシステムを改修するというふうにされています。このシステムは、平成二十五年度に導入をされました。ただ、私が聞いた小中学校の先生からは、なかなか今までの形式と違って使いにくいとか、入力がしづらいとか、二度手間になったりとか、さまざまな声というのも聞きました。  そんな意味では、今回の改修では、この間運用してきたことによって浮き彫りとなったさまざまな課題を踏まえて、ぜひ使いやすいものとなるよう改修を進めていきたいというふうに思っています。  そこで、次の点についてお尋ねをいたします。  まず、平成二十五年度からSEI─Netシステムを導入していますけれども、そもそもこのシステムを導入した目的はどういうところにあったんでしょうか。 105 ◯築地教育総務課長=SEI─Netシステムの導入目的についてお答えいたします。  現行のSEI─Netシステムは、事務の効率化、それから教職員の負担軽減を図ることを目的といたしますとともに、学習用パソコンを有する生徒との相互利用によります効果的な教育活動につなげるということを目的として導入したところでございます。  以上でございます。 106 ◯徳光委員=平成二十五年度から運用をしてきて、県立だけではなくて、市町の教育委員会も含めて小中学校で導入が進んでいるというふうに聞いていますけれども、今現在の利用状況というのはどのようになっていますでしょうか。 107 ◯築地教育総務課長=お答えいたします。  SEI─Netシステムは、事務系機能、校務系機能、学習管理機能の三つの機能を有しておりまして、それぞれで利用状況が異なっております。  まず、事務系機能は電子メールや文書管理機能がありますけども、これは県内の全小学校、中学校、県立学校が利用しております。  それから次に、校務系機能は通知表ですとか指導要録の作成機能がございますが、これは全県立学校及び九つの市町教育委員会の小中学校が利用しております。  それからまた、学習管理機能につきましては、学習用パソコンを有する生徒との相互利用による生徒へのアンケートや教員からのお知らせ機能等がございますが、これは、全県立学校が利用しているところでございます。  以上でございます。 108 ◯徳光委員=メールとかそういうものは、全小中学校を含めて利用していまして、それから校務については、市町は九つの市町教育委員会で利用をされているということなんですね。運用を開始して五年程度が経過をしていますけれども、どのような効果があったというふうに受けとめているのか、その点についてお尋ねをいたします。 109 ◯築地教育総務課長=システムを導入したことによる効果につきましてお答えいたします。  SEI─Netシステムの導入当初は、使いにくさについて学校からさまざまな要望をいただいたところでございます。  そのため、使いやすいシステムとなるように、平成二十五年度から今年度までに二百六十五件の改良を行ってきたところでございます。  その結果、学校現場からは、時間割をSEI─Netで管理しているので、実施時間数を計算する手間が省けた。成績を一回入力すれば、通知表や大学入試等で提出する調査書、指導要録に自動反映され、効率よくできるようになった。また転記ミスがなくなったなどの声をいただいているところでございます。  そのほかには、運用を開始して五年経過したことに伴いまして、「ほかの学校でもSEI─Netを使用しているので、人事異動があっても戸惑うことがない」という声ですとか、あるいは今年度学校を訪問いたしまして、要望等を聞き取った際には、多くの学校から、「既に現在のシステムになれているので、操作性は大幅に変えないでほしい」というふうな声もいただいたところでございます。  また、生徒向けのアンケート機能を用いまして、アンケートを実施することによりまして、効率的な集計を行うことができ、手間が省けたという声もいただいたところでございます。  平成二十五年度からSEI─Netシステムの運用を開始して以降、これまで部分的な改良を加えてきたことで、使いなれた中で、日常的に利用されておりまして、教職員の負担軽減に効果があったというふうに考えております。  以上でございます。 110 ◯徳光委員=いろんな要望を含めて二百六十五件改良をしながら、より使いやすいものになってきて、さまざまな効果が出てきているということなんですが、今度は逆に、現在のSEI─Netシステムでどのような課題があるというふうに受けとめているのか、その点についてお尋ねをいたします。 111 ◯築地教育総務課長=お答えいたします。  先ほど申し上げましたけれども、平成二十五年度からSEI─Netシステムの運用を開始して以降、これまで部分的な改良を加えてきたことで、使いなれた中で日常的に利用されてきたところでございますけども、今回、システム更新を検討するに当たりまして、学校現場や市町教育委員会に改めて聞き取りを行いましたところ、文書の決裁を、パソコンを使った電子決裁ができるようにならないかですとか、入力等の簡素化ができないか、あるいは特別支援学校や通信制学校や小中学校といった学校の校種に対応した独自様式がつくれないかなどの要望が上がったところでございまして、これらの要望に対応しまして、さらなる事務の効率化、それから教職員の負担軽減を図っていくということが一つの課題だというふうに捉えております。  また、情報セキュリティー対策につきまして、大きなシステム改修を要するようなもの、例えば、校務系システムと学習系システムを分離するですとか、仮想化によるインターネット分離を行うとか、あるいは生体認証による認証強化など、セキュリティーレベルをさらに高めていくということが課題であるというふうに考えております。  以上でございます。 112 ◯徳光委員=今、課題の中で聞き取りした結果ということも答弁をしていただきましたけれども、平成二十九年度に県立学校や市町の教育委員会、学校等々を訪問されて、SEI─Netシステムに係る要望等の聞き取りを行っているというふうに聞いています。どの程度の聞き取りを行ったのか、またどのような要望が多かったのか、その点について改めてお尋ねをいたします。 113 ◯築地教育総務課長=聞き取りの状況についてお答えいたします。  システムの更新を検討するに当たりまして、十九の県立学校と四つの市町教育委員会を訪問いたしまして、聞き取りを行っております。  いただいた要望といたしましては、先ほどの答弁と一部重複いたしますけども、文書決裁は紙決裁を行っているが、電子での決裁や回覧ができるようにしてほしい。学籍情報を登録する際には、特別支援学校や特別支援学級等での複式学級の登録ができないので、対応できるようにしてほしい。小学校ではクラス担任制のため、時間割や成績等を教科の先生ごとに入力する必要はなく、担任が一括で入力できるようにしてほしい。時間割を登録、変更する際の操作手順が複雑なので、マウス操作等で簡単に作業できるようにしてほしいなどの要望が多かったところでございます。  これらを分析いたしますと、大きくは入力等の簡素化ということと、学校の校種に対応した独自様式の作成という二つに総括できる要望であったというふうに捉えております。  以上でございます。 114 ◯徳光委員=今、十九の県立学校、それから四つの市町教育委員会から聞き取りということだったんですが、その聞き取りの方法といいますか、例えば、県立学校を訪問して聞き取った際には、一般の教員の方からもそういった意見を聞き取りしたのかどうかとか、市町の教育委員会ですから、実際の学校現場とはちょっと違うわけですので、その市町の教育委員会に聞いたときに、その市町の教育委員会としてしっかり学校現場の意見を集約した上でそれに臨んでいたのか。要は実際使っている学校の先生方の意見というのが、どの程度聞き取りに反映されたのかなというところを受けとめとしてお尋ねをしたいと思います。 115 ◯築地教育総務課長=お答えいたします。  実際に行きましたのは、市町教育委員会も含めまして、実際の学校に行きまして、実際に使っていらっしゃる教職員の方々から実際のお話を聞いたというところでございます。  以上でございます。 116 ◯徳光委員=それでは、最後になりますけれども、スケジュールを見ますと、平成三十年度に詳細設計ということになっています。詳細設計に向けて、さらに現場からの聞き取りを行うことというふうにされていますが、何回も言いますとおり、今回かなりの予算をかけて事業を行います。現場の声に応えた使いやすさを追求するためには、このやっぱり聞き取りをしっかりやっていただくということが大変重要ではないかなというふうに思っていますが、現場からの聞き取りというのを、この詳細設計のときにどのように行おうと思っているのか、その点についてお尋ねをいたします。 117 ◯築地教育総務課長=お答えいたします。  平成三十年度の詳細設計において、さらに学校等を訪問いたしまして、現場の声に応えた使いやすさを追求することは非常に重要なことだと認識をしております。  そのため、今年度に訪問できなかった県立学校と市町教育委員会の小中学校を訪問いたしまして、さらに要望等を聞いていきたいと考えております。  聞き取りに当たりましては、実際に使っている教職員の方々から要望等を伺うことが大切であると考えておりまして、先ほど議員の御指摘のとおり、今回の新教育情報システム整備事業は、利用者であります学校現場の声に応えた使いやすさを追求することが成功の鍵であると考えております。  このため、学校等からの聞き取りを十分に行いまして、今回の事業が成果のあるものとなるようにしっかり取り組んでまいりたいと考えております。  以上でございます。 118 ◯徳光委員=SEI─Netシステムということで、利便性の向上とか、負担軽減ということも大きな目的の一つになっています。幾らすぐれたシステムでも、やっぱり使いやすさがなければ狙った効果がなかなか出ないというふうに思いますので、今答弁いただきましたように、しっかりやっぱり現場で、常に利用している先生方の意見を聞いて、よりよいものになるよう一生懸命取り組んでいただきたいというふうに思います。  以上で質問を終わります。 119 ◯宮原委員長=では、暫時休憩いたします。十三時をめどに委員会を再開したいと思います。     午後零時一分 休憩     午後一時一分 開議 120 ◯宮原委員長=委員会を再開いたします。  傍聴の申請が出ておりますので、傍聴の許可をいたしたいと思います。入室をどうぞ。
     休憩前に引き続き、質疑を行います。 121 ◯武藤委員=日本共産党の武藤明美でございます。  今委員会の最後の質問者となりましたが、私は五つの点でお聞きしたいと思っております。  まず初めに、障害者理解啓発についてです。  県では、障害者理解啓発について、来年度の新規事業として、ヘルプマークの導入及び普及啓発、耳が不自由な方に対して、手話や要約筆記により情報伝達を行う情報支援ボランティアの確保、そして、障害者に対する不当な差別的取り扱いの禁止や合理的配慮の提供の周知に取り組むとして、「障害のある人もない人もみんなで支えるけん事業」、二千三百三十四万三千円の予算計上がされております。  ささやかではありますが、こういった障害者への理解啓発事業は大切であり、今後も積極的に取り組むことが大事だということでお願いしたいと思っております。  そこで、次の点を質問したいと思います。  一つは、障害者の理解啓発事業の内容についてです。  その概要はどういうものなんでしょうか、お示しください。 122 ◯五郎川障害福祉課長=事業の概要についてお答えをいたします。  障害のある人もない人も、お互いにその人らしさを認め合いながらともに生きる社会、いわゆる共生社会でございますけれども、この実現のためには、障害や障害のある人への理解不足によって受ける不利益や取り扱いなど、障害のある人が生活のさまざまな場面での暮らしにくさを解消していく必要がございます。  障害者理解啓発事業につきましては、これまでもさまざまな取り組みを行ってきているところでございますが、障害者差別解消法が施行されたことを一つのきっかけに、「障害のある人もない人もみんなが暮らしやすいまちに。佐賀県、みんなで支えるけん!」をキャッチフレーズに、その取り組みを充実強化しているところでございます。  県民一人一人が障害のことを理解し、それぞれの立場でできる配慮や工夫をすることにより、障害や障壁をなくし、障害のある人だけでなく、全ての人にとって暮らしやすい佐賀県となるよう取り組んでいるところでございます。  平成三十年度は、新規事業「障害のある人もない人もみんなで支えるけん事業」といたしまして、ヘルプマークの導入及び普及啓発、それから情報支援ボランティアの確保、それから障害者差別解消法に基づく不当な差別的取り扱いの禁止や合理的配慮の提供の周知、この三つの事業に取り組んでいくことといたしております。  以上でございます。 123 ◯武藤委員=その事業の中に、新たにヘルプマークが導入されるということになっておりますが、誰に、どのようにして配布し、どう周知をしていくのかお示しいただきたいと思います。 124 ◯五郎川障害福祉課長=ヘルプマークについてお答えをいたします。  ヘルプマークとは、義足や人工関節を使用している方、内部障害や難病の方など、外見からはわからなくても、援助や配慮を必要としている方々が、周囲の方に配慮を必要としていることを知らせることで、援助を得やすくするよう作成されたマークでございます。  平成二十四年に、御自身も中途障害者で右足に人工関節を入れられている東京都議会議員の方が、都議会で提案されて生まれたものでありまして、二〇二〇年の東京オリンピック・パラリンピックに向け、わかりやすい案内用記号として、平成二十九年七月にJIS──日本工業規格に登録をされております。これによりまして、ヘルプマークが全国共通のマークになりましたために、多様な主体が多様な場所で活用、啓発ができるようになりまして、広く普及をし、認知度の向上も期待されているところでございます。  県では、このヘルプマークを二万個作成し、ペースメーカーや人工肛門を使用されている、いわゆる内部障害の方や、人工関節などを使用されている方、それから、聴覚障害や難病の方などに使っていただきたいと考えております。  お尋ねのありました配布方法につきましては、まずは当事者団体や支援団体に依頼をしまして、希望する方に行き渡るようにしたいと考えております。それから、県内の主要駅やバス会社、それから、大型商業施設等でも簡単に受け取ることができるようにしたいと考えております。  次に、周知でございます。  ヘルプマークが有効に活用されるためには、ヘルプマークに気づいた方に意図が伝わらなければ意味をなしません。このため、ヘルプマークの趣旨が広く県民や社会に浸透するための普及啓発が非常に重要でございます。  そのため、テレビでありますとかラジオCM、それから、新聞広告やポスターなどを活用しまして、ヘルプマークの普及啓発にも力を入れていきたいと考えております。  あわせまして、公共交通機関において、ヘルプマークを持っておられる方の優先席を設置することを提唱するなど、ヘルプマークがより効果を発揮できるよう取り組んでまいりたいと考えております。  以上でございます。 125 ◯武藤委員=大変いい取り組みだと思いますので、ぜひこれを生かしていただけたらというふうに思っております。まだ予算がついていなくて、発注もこれからだと思うんですけれども、その前に、一言ちょっとお願いをしておきたいなと思うんです。  それは、ヘルプマークを導入している県や先進市で利用しておられる方から、夜間に見えないという声が上がっているというふうにお聞きしております。このヘルプマークは、ほかの人に見ていただかないと気づいていただけないと、手助けもできないというふうなものですので、夜間に見えないということであれば、やっぱり何らかの工夫改善が必要ではないかなというふうに思うんですね。  これから導入するのであれば、ぜひそのことを頭に入れていただきたいと思うんですけれども、いかがでしょうか。 126 ◯五郎川障害福祉課長=このヘルプマークにつきましては、今、御答弁いたしましたとおり、平成二十四年に東京都において作成をされたものでございまして、このマークは多様な主体が多様な場所で作成、使用できる仕組みとしていくことが効果的と考えられております。  ただ、ヘルプマークの使用に際しましては、このマークについての誤解が生じることがないよう、ヘルプマークを適切に作成、それから活用できるよう、東京都のほうが作成、使用方法等を定めたガイドラインというものを定めております。このガイドラインでは、素材でありますとか色、それから大きさ等を細かく規定されております。  ただ、せっかく本県でも作成をいたしますことから、今、委員からいただいた障害をお持ちの方からの御意見等も踏まえまして、東京都とも協議をさせていただきながら検討させていただきたいと思っております。  以上でございます。 127 ◯武藤委員=じゃ、ぜひよろしくお願いいたします。せっかく義足の方や難病の方など外見からわからない方たちに手助けをするということで、夜間もやはり周りの方に知っていただけるようなことが必要だと思っておりますので、よろしくお願いいたします。  さて、情報支援ボランティアのことなんですけれども、その確保は具体的にどのように行っていかれるんでしょうか。 128 ◯五郎川障害福祉課長=情報支援ボランティアの確保についてお答えをいたします。  手話通訳技能の唯一の公的資格であります厚生労働大臣認定の手話通訳士試験の合格者は、全国に三千五百名以上いらっしゃいますが、県内在住者は四名しかいらっしゃいませんでした。  また、手話通訳者や手話奉仕員として活躍をされている方も六十人程度しかおられず、それから、要約筆記者も三十人程度であり、その確保が必要だと考えております。  このような中、ことし一月に合格発表がありました第二十九回の手話通訳士試験では、受験者数千三十七人のうち、合格者は八十五人と、合格率としましては八・二%という難関でございましたけれども、佐賀県からは二名の合格者を出すことができまして、県内の手話通訳士が六名となったところでございます。  今後、県としましては、情報支援ボランティアの確保のため、県内の五つの障害保健福祉圏域ごとに市町との懇談会を開催しまして、市町が開催します初めて手話を学ぶ方を対象とした手話奉仕員養成講座というのがありますけれども、その講座の受講者を今以上にふやすことができるのかなどについて、市町と一緒に研究をしていきたいと考えております。  また、せっかくこの手話奉仕員養成講座を受講されたんですけども、その後、手話から離れる修了者が多いということもありまして、どのようにすれば受講後に手話サークルなどに所属をしていただき、引き続き研さんを積んでいただき、手話の活動を続けていただけるのか、こういったことなどについても研究をしていきたいと考えております。  このほか、情報支援ボランティアの活躍が余り県民の方に知られていないといったこともございますので、テレビや新聞などのメディアを活用しまして、情報支援ボランティアの活躍を広くPRしていきたいと考えております。  以上でございます。 129 ◯武藤委員=では、よろしくお願いしておきます。  障害者差別解消法に基づく不当な差別的取り扱いの禁止や合理的配慮の提供の周知について、具体的にどのように行っていかれる予定なんでしょうか。 130 ◯五郎川障害福祉課長=障害者差別解消についてお答えをいたします。  平成二十九年八月に内閣府が行った調査になりますけども、七七・二%の方が障害者差別解消法を知らないという結果となっておりました。  また、佐賀県のほうで独自に行った調査ですけれども、障害者差別解消法を知らないと回答した人の割合が、平成二十七年度が六九・八%、それから平成二十八年度が六二・八%、今年度が六一・五%と年々減少はしております。  別の調査にはなりますけれども、内閣府の調査結果と比べますと、佐賀県のほうが一五・七ポイント全国よりも上回ったものとなっております。ただ、県内ではまだ六一・五%の方が障害者差別解消法を知らないというふうに回答されておりますんで、十分周知されているとは言えないと考えております。  県では、平成二十七年度から障害者差別解消法出前講座を行いまして、これまで百カ所以上で四千人以上の方に受講していただいております。  また、今年度、「佐賀県、みんなで支えるけん!」ハンドブックというのを八千五百部、それからDVDを四百五十枚作成しまして、県内の民間事業所でありますとか学校等に配布させていただきまして、御活用いただいております。  さらに、先月、二月ですけれども、内閣府との共催で、佐賀市におきまして、「障害を理由とする差別の解消に向けた地域フォーラムin佐賀」を開催しまして、障害当事者、それから学識経験者、事業者等によるパネルディスカッションなどを通じまして、障害のある人や関係者の意見を広く聞きまして、障害者差別解消法の円滑な施行と、本県における取り組みの促進と機運の醸成を図ったところでございます。  それと、県独自に毎年十一月十五日から十二月十四日を佐賀県障害者月間と定めまして、障害のある方の主張大会でありますとか、佐賀県障害者文化芸術作品展、それから授産品を販売する「笑顔deマルシェ」など、県民の方に広く障害者福祉についての関心と理解を深めていただく取り組みでありますとか、障害のある方の社会参加を促進する取り組みも行っているところでございます。  また、平成二十七年に、障害当事者でありますとか支援者、それから、学識経験者から成ります「佐賀県障害者差別解消支援地域協議会」を設置しまして、障害を理由とする差別に関する相談や、相談に係る事例を踏まえた障害を理由とする差別を解消するための取り組みを効果的かつ円滑に行えるよう、毎年、協議を行っているところでございます。この協議会のほうには、市町の担当者もオブザーバーとして参加をいただいております。  さらに、新聞広告でありますとか、チラシの配布、県のホームページを使った広報なども行っているところでございます。  今後も引き続き、このような取り組みを積極的に行いますほか、来年度は新たにテレビやラジオCMを活用しまして、県民の方に障害者差別解消法に定める不当な差別的取り扱いの禁止や合理的配慮の提供について周知を図っていきたいと考えております。  以上でございます。 131 ◯武藤委員=丁寧な答弁ありがとうございました。  今後、やはりますます大事になってくる事業だと思いますので、いろんな方に周知していただいて、本当にみんなで支え合う佐賀県になってもらいたいというふうに思っておりますので、よろしくお願いしておきます。  次に進みます。子供の居場所の問題です。  学校や家庭だけでなく、地域社会において、子供の居場所が今必要とされております。ひとり親家庭の増加や共働きの増加など、家族の形が多様化、そして複雑化しているという中で、また貧困化も言われている中で、子供の貧困に心を寄せる取り組みもあちこちで行われております。そうした子供の居場所について、幾つかお聞きしたいと思います。  まず一つは、「子どもの居場所拡大事業」についてです。  今議会、一千七百五十万円の予算規模で提案されておりますけれども、どういう目的で実施されるのでしょうか。 132 ◯豊田こども家庭課長=「子どもの居場所拡大事業」の目的についてお答えいたします。  近年、核家族化やひとり親家庭の増加が進み、近所づき合いが希薄化する中で、経済的な問題を抱え、周囲から孤立しがちな家庭や、家で一人で食事をとったり過ごしたりする子供がふえております。  そして、周囲も何らかの困難を抱える子供や家庭に気づく機会が減っているため、必要な支援が届きにくくなっているところでございます。  こうした中、子供たちが気軽に立ち寄れて、地域の大人と出会える場所となる子供の居場所づくりが民間主導で全国に広がっておりますが、県内には、県が把握しているものでは十四カ所と少ない状況にございます。  そこで、これから居場所を運営したいと考えている団体やグループの開設を後押しすることを目的に、「子どもの居場所拡大事業」に来年度取り組むことといたしました。  子供たちに身近な地域の居場所がふえることで、居場所に関係する大人たちが、子供たちが抱える課題に気づき、県や市町、民間の支援団体など、専門の窓口や相談機関につなげていただくよう、連携・協力していきたいと考えております。  以上でございます。 133 ◯武藤委員=この「子どもの居場所拡大事業」についての事業内容、どういうことを考えておられるんでしょうか。 134 ◯豊田こども家庭課長=事業内容についてお答えいたします。  まず、子供の居場所開設に必要な初期費用、例えばテーブルや机、本棚などの備品購入経費として、十万円を上限に補助を行うこととしております。  また、居場所づくりについてノウハウを持つCSOなどに委託いたしまして、開設や運営についての相談に応じるためのコーディネーターを二名配置することといたしております。  コーディネーターは、相談内容に応じたノウハウなどに関する情報提供、居場所の開設に関する悩みやQ&A形式で盛り込んだ冊子の作成、運営のノウハウを学べる研修会の開催、ボランティアの派遣に係る調整などを行うこととしているところでございます。  以上でございます。 135 ◯武藤委員=今御答弁いただきましたけど、居場所の開設経費が五百万円、そしてコーディネーター配置等、運営ノウハウの情報提供や運営支援に一千二百五十万円というふうになっておりますけれど、これで見ると、開設費の五百万円というのは、上限十万円、十分の十の助成ということになるかと思うんですけれども、五十カ所分になるわけですね、これだと。実際はどのぐらいの要望があっているのか。また、開設支援数としてどのぐらいを見込んでおられるのか。それを明らかにしていただきたいと思います。 136 ◯豊田こども家庭課長=開設についての希望者や支援数の見込みについてお答えいたします。  昨年十月に県内のNPO法人や社会福祉法人などを対象に、居場所づくりへの補助制度があれば希望されるかというアンケートを実施いたしました。  このアンケートで希望した団体数を参考に、開設支援数を五十カ所と予算に計上したところでございます。  アンケートに回答した団体全てが開設していただけるとは限りませんが、さらに広く地域のいろいろな団体に呼びかけるとともに、コーディネーターが支援を行うことにより、できるだけ多くの団体、グループが居場所を開設していただけるよう、県としても積極的に後押ししてまいりたいと考えております。  以上でございます。 137 ◯武藤委員=ちなみに、NPOや法人にアンケートをとられたそうですけれども、そのアンケートの中で、開設したいという希望はどれぐらいあったんですか。 138 ◯豊田こども家庭課長=四百団体にアンケートをいたしましたところ、一割程度回答が戻ってきております。  以上でございます。 139 ◯武藤委員=一割程度が開設したいという回答だったんですか。 140 ◯豊田こども家庭課長=失礼いたしました。一割程度が開設したいという回答、希望があるということでございました。 141 ◯武藤委員=それでは、そういった新しい施策で、子供たちがひとりぼっちで過ごすということのないよう、本当に地域の人たちが温かい目で子供たちと会話したり、見守りができたりということが進められたらいいなというふうに思っておりますので、よろしくお願いいたします。  その中で、またもう一つお聞きしたいのは、不登校の児童生徒の居場所の問題です。  県内においても不登校の子供さんがいて、御家族も悩んでおられるといった状況がございます。昨日視察した佐賀市白山のスチューデント・サポート・フェイス、SSFですね。この取り組みは、本当に頭の下がる思いをし、さまざまな気づきもいただきました。外に出ることも困難な子供たちのところにアウトリーチをしているということで、いろんな問題を抱えたお子さんたちにとって、心を通わせて、寄り添っておられるんだなということで、本当にすばらしい取り組みだなというふうに思いました。全国からも注目されている取り組みでもあると思いました。  組織的には、こういったSSFのように大きくはなくても、県内には小さな規模でフリースクール、またはフリースペースなど、自主的に運営をしているところもあります。フリースクールは、主に学習を中心にしながらも、居場所ということで、月謝等もいただいての運営になっているんですけれども、居場所としてのフリースペースのほうは、わずかな会費で運営をしている全くのボランティアによる活動です。不登校の子供さんを受け入れている居場所でもあります。  そういったフリースクール、フリースペースが県内でどのぐらいあるのか。また、県内の不登校の児童生徒数と、そのうちどれぐらいがそうした居場所に通っているのか。わかっていればお示しいただきたいと思います。 142 ◯大井手学校教育課長=武藤委員の御質問にお答えいたします。  まず、不登校の現状のほうからよろしいですか。  不登校の現状については、県内公立学校における不登校児童生徒、これは病気やけがなどによる理由以外で年間三十日以上欠席した児童生徒のことですが、その数は平成二十七年度、平成二十八年度の順に、小学校では二百十三人、二百一人、中学校では七百五十四人、七百四十五人、高等学校では二百七十四人、二百六十三人となっており、二年連続で全体で千二百人を超えているという状況であります。  また、県内におけるフリースクール、フリースペース等についてでございますけども、フリースクールにつきましては県内で四カ所、それからフリースペースについては一カ所が運営されて、こちらが今現在把握している分については持っているところであります。  その中で、通っている生徒につきましては、二十六人の児童生徒が現在通っているというふうに把握をしているところであります。  以上です。 143 ◯武藤委員=御答弁いただきましたけれども、私が訪問したあるフリースペースは、登録は二十数人ぐらいいらっしゃるらしいんですけれども、常時、十三人から十四人ぐらいのお子さんたちが、入れかわりではありますけれども、その居場所に集まってきて、四、五人のボランティアの大人の人と一緒にゲームをしたり、散歩したりしておられました。学校には行けなくても、その場所で同年代の子供と会話したりできるので、いいということなんです。  ボランティアの人たちも、親戚のうちでゆったりして過ごせるような、そういう気配りをして対応しておられます。うちのおばあちゃんちに来たみたいな気持ちでいいのよというふうにも言っていただいております。毎日開きたいけれども、場所の関係で週二回が精いっぱいだということなんですけれども、子供さんたちは一緒に食事をしたり、おやつを食べたりして過ごしておられます。
     学校に行けなくても、家からそこへ出てくるということ、これだけでも本当に子供にとっては大きな一歩になっているし、そういう場があることが、存在していることが大事なことなんだなということを改めて思いました。そういったボランティアで頑張っていらっしゃるところ、子供にとってはなくてはならない、そういう場所に少しでも県の支援の手が届くとありがたいというお声もいただきました。  この居場所は、できて十数年になるんだそうですけれども、大人になってからもふらりと訪ねてきてくれることもあって、ボランティアの人たちが本当にやっていてよかったと、うれしい気持ちになるというお言葉でした。  こういう居場所について、県はどういうふうに考えていくのか。居場所拡大事業に当たって、この際、何らかの支援を考えていただいてはどうなのか。全く目的が違うから、こういったところにはしないよということなのかですね。今後の検討材料にしていただけるのかどうなのか。そのあたりもお考えをお聞きしたいと思います。 144 ◯大井手学校教育課長=武藤委員の質問にお答えいたします。  フリースクール等の民間の施設においては、児童生徒の一人一人の状況に応じて、自己肯定感を育んだり、自信を取り戻したりすることができるよう、調理やものづくり、楽器演奏といった活動や農業体験、学習支援などが行われているというふうに聞いております。  一方、県教育委員会では、市町教育委員会と協力、協働しながら、不登校対策として、自宅にこもりがちな状況から、登校はできるが教室には入れない状況など、それぞれの児童生徒の状況に応じた段階的支援という形で不登校対策の事業を行っているところです。  その中で、不登校児童生徒のうち、学校外の施設等には通うことができるという児童生徒に対しては、県、市町が設置、運営している適応指導教室のほうを紹介しているところです。  現在、県内には二十カ所の適応指導教室があり、これらの適応指導教室では、不登校の児童生徒の一人一人の状況に応じ、学校復帰や社会的自立を目指して、自信を持たせ、人間関係を築く力を育てるために、調理や陶芸、スポーツ、あるいは野菜の栽培や野外活動などの体験活動のほか、学習支援や進路相談等を無償で行っており、平成二十八年度は百八十人の児童生徒が通っていたところであります。  しかし、不登校児童生徒の中には、先ほど述べたように、フリースクール等の民間の施設に通っている児童生徒もおります。  フリースクール等の民間の施設は、児童生徒にとって居場所という意味での選択肢の一つであるというふうには考えております。  大切なのは、児童生徒一人一人が心身ともに健やかに学校生活を送るようになることであり、学校はフリースクールを含め、さまざまな関係機関と連絡、協力しながら不登校児童生徒の支援を図っていくべきというふうに考えております。  以上です。 145 ◯武藤委員=学校教育課の取り組みは今、御答弁いただいたからわかるんですけれども、子供の居場所、いわゆるフリースペースのほうですね。それについては、学校教育課の範囲なのか、それとも豊田課長の範囲なのかわからないんですけれども、どういう支援が考えられますか。 146 ◯大井手学校教育課長=フリースペースについてということでありますが、学校教育課の事業として現在やっている分については、方針としては学校復帰に向けてという形で取り組んでいるものであります。その方針からいくと、現在のところ、ちょっと支援というのは難しいかなというふうに考えているところであります。 147 ◯豊田こども家庭課長=今回の居場所拡大事業に対象になるかと、不登校の子供たちの居場所が対象になるかということについてお答えいたします。  今回の「子どもの居場所拡大事業」におきます子供の居場所は、対象者を限定、特定せずに、地域の子供たちに誰もが参加できる場所として想定をしているところでございます。そうした居場所におきまして、特に経済的な困難を有する子供たちに関係者が気づいていただきまして、必要な相談窓口や専門機関につなげていただけることを期待しているところでございます。  一方、不登校に取り組む団体につきましては、不登校の子供たちに対して専門的な支援が行われていると認識しております。本事業とは目的や期待する成果に違いがございます。このため、不登校に取り組む団体の支援は、本事業の対象とは考えていないところでございます。  以上でございます。 148 ◯武藤委員=「子どもの居場所拡大事業」は、確かに地域と地域のお子さんとをつなぐ場ということになろうかと思うんですけれども、私がそうなのかどうなのかちょっとわからない部分のフリースペースでボランティアの方たちに支えられながら、学校に行けない子、そしてそのフリースペースだったら来られる子、外に出て来られる子、そういう子たちの居場所として運営がされているわけなんですね。  ですから、本当はこども未来課、こども家庭課あたりでしっかりと相談して、そういう部分も考えていただかなくちゃいけないんじゃないかというふうに思うんですね。本当に子供たちの居場所として、自分のところではない、自分のところの事業対象ではないということではなくて、どうすればこういうお子さんたちに支援ができるのか、あるいはそれに取り組んでいらっしゃるボランティアの方たちの支援ができるのか、それはしっかり今後考えていかなくちゃいけないんじゃないかと思うんですが、どうですか。 149 ◯豊田こども家庭課長=この居場所につきましては、そもそも委員が冒頭おっしゃられたとおり、「子どもの貧困対策推進計画」、そういったものに掲げる重点施策の一つとして取り組んでいるところでございます。  そういう中で、まず、子供たち誰もが参加できる居場所において気づいていただいた、今、なかなか相談ができないとか、それに気づかないというような現状がございます。そういった今まで届いていない子供たちの気づきになればということで、この居場所づくりに取り組んで、地域の方たちの、団体の方たちの意思で運営される取り組みを支援していきたいと思っております。  以上でございます。 150 ◯武藤委員=豊田課長、新しい事業についての取り組むお気持ちはわかるんです。ただ、私が提起しているのは、フリースペースに通っておられる子供さんたちやボランティアの方たち、そういう居場所の支援はどうなるんでしょうかということでお聞きしているので、責任を持っておられる方たちがどういうふうに考えていかれるのかわかりませんけど、改めてそういう方たちへの支援について御答弁をいただきたいと思います。 151 ◯豊田こども家庭課長=そういったフリースペースとかを運営されている方々なんですけれども、そういった地域で運営される中で、不登校に限らず、地域の子供たちを広く受け入れていただいて、そういった中に不登校の子供たちがいたり、その他課題を抱える子供たちがいるというところでこの事業を取り組んでいきたいと思っております。  以上でございます。 152 ◯武藤委員=あくまで地域にこだわっていらっしゃるんですけれども、地域的にはいろんなところから通ってきているんですね、フリースペースの場合は。そういう方たちへの支援について、全く観点がないというか、そことても残念に思うんです。佐賀県はこの前のSSFからもお聞きして非常に多かったけれども、今、一生懸命いろんな角度からの取り組みによって、そういう事案も減りつつあるというふうなお話もされておられました。そういうことから考えていけば、学校教育課に限らず、こども未来課、こども家庭課の努力で何らかの救援ができるんではないか、サポートができるんではないかというふうに思いますので、今後の課題ということで局長どうでしょう、お考えいただけないでしょうか。 153 ◯川久保男女参画・こども局長=地域におきまして、子供たちのために一生懸命取り組んでいただいている地域の方々、本当に頭の下がる思いでございます。今回、私どもは子供の貧困対策というふうなことでこういった施策の打ち出しをいたしております。それぞれの補助には目的と求める成果がございますので、一番効果的にやっぱり対象にしたいという子供たちがおります。ただ、地域に本当に開かれたような取り組みに、例えば、そういったフリースクールを経営されている方々がしていただけるのかと、そういった取り組みにしていただきたいなという気持ちが、やっぱり誰でも来られる場というふうなことですと、お願いしたいなという気持ちがございます。  ですので、そういった支援というものを、どういった支援を求めておられるのかというのは、いろんな活動している団体がございますので、いろんな方々の声を聞かせていただきたいと思っております。  今回の事業につきましては、貧困対策ということもあり、そういったことが主眼とした事業でございますので、議員からの御提案というふうなこともありますので、いろんな関係者、取り組みを行っている方々の声をまず聞かせていただきたいというふうに考えております。  以上でございます。 154 ◯武藤委員=今度の貧困対策としての居場所拡大事業を大いに歓迎しているんです。同時に、やはりそういった分野から外れているところへも視点を向けてほしいという気持ちでこのことを質問しましたので、いろんな方たちのお声を聞きたいということであれば、ぜひそれはお願いしておきたいというふうに思います。  同じく子供の居場所の問題で言えば、あと放課後児童クラブの問題です。  放課後児童クラブについては、皆さん方も努力していただいていると思います。新年度の予算にも施設整備が新たにされることにより、定数がふえるということにつながります。これまで二百四十八クラブ、登録児童数一万数百人と、待機児童二百三十八人というふうに言われていました。その解消のためにも、施設整備を進められると思うんですけれども、今回の施設整備によって待機者、これまで答えておられた二百三十八人、これを上回ることになるのかどうか、お示しいただきたいと思います。 155 ◯藤本こども未来課長=来年度に向けての施設整備の状況について、まずお答えしたいと思います。  施設整備につきましては、平成二十七年度に子ども・子育て支援制度がスタートして取り組んできたところでございます。来年度につきましては、平成三十年度の施設整備につきましては、九クラブが新たに創設されるということになっております。それと大規模修繕として、二クラブの整備を予定しております。  これにより、県下全域、今の九クラブというのは県下全域の話でございますけど、これで三百六人の受け入れが可能ということになっております。  それと、既存施設を活用して、学校の余裕教室などにおいて、受け入れ拡大のための施設改修等が行われるのが四クラブございます。これによりまして、現在より百三十二人多く受け入れが可能ということになります。  つきまして、先ほど御説明いたしました創設分や大規模修繕に伴う定員拡大分も含めて、計四百三十八人分の受け入れが拡大されるということになっております。ただ、各市町によっては、やはり待機がまだまだ発生しているとか、これは来年度、また登録児童数というものが、これから実際数がはっきり固まっていくかと思いますけど、その数によりましては、今回の施設整備で完全に待機が解消されるかというところはちょっとまだ見通せない状況でございます。  以上でございます。 156 ◯武藤委員=新年度、子供さんのクラブに入られるかどうかということについては、新たな新学期によって対応もあると思うので、待機が本当に解消できるかどうかまだ未定だし、発生するということのほうが多いんではないかなという心配も持っているわけですね。いずれにしても、皆さん方が今度施設整備に取り組まれる、あるいは既存の施設を改修して、拡充していくというふうなことで取り組んでいらっしゃるのは本当にありがたいと思うんですけれども、いずれにしても待機児童がどうなっていくのかということがやはり一番大きな問題であり、保護者の方たちも、そのことをとても心配していらっしゃいます。  同時に、四年生以上を受け入れている、そういう児童クラブですけれども、現在、県内ではどのようになっていますか。 157 ◯藤本こども未来課長=小学校四年生以上の受け入れ状況につきましてお答えいたします。  現在、二十市町のうち、佐賀市と伊万里市を除く十八市町におきまして、全てのクラブで四年生から六年生までの児童について受け入れをしておるところでございます。  なお、この十八市町のうち、玄海町では、児童館で放課後児童クラブの類似事業で行っているところでございます。  佐賀市におきましては、四十八クラブ中、四年生までを一クラブ、六年生までを四クラブで受け入れております。また、伊万里市におきましても、十八クラブ中、五年生までを七クラブで受け入れているところでございます。  以上でございます。 158 ◯武藤委員=佐賀市の場合ですね、今お答えいただいたんですけど、四十八クラブ中、四年生以上を受け入れというのは極めて少ないと指摘せざるを得ません。  それで、本当に佐賀市で住宅が新しくできた地域とか、とりわけ低学年で児童クラブは終わって、もうあとは待っていなきゃいけないということで、保護者の方たち、本当に不安をぬぐえないでおられるんです。皆さんたちが一生懸命取り組んでおられるのはわかるんですけれども、早急に小学校四年以上の受け入れに向けて対応していただきたいと、余りにも四十八クラブ中、四年生以上が少ないということを申し上げたいんですけれども、どのようにお考えなんでしょうか。 159 ◯藤本こども未来課長=佐賀市の状況につきまして、佐賀市のほうにもお尋ねしたところでございます。  佐賀市のほうでは、施設整備なり支援員の確保に努められているところでありますけど、やはりどうしても需要と供給がまだ一致していないというところで、佐賀市さんのほうも一生懸命取り組みはされております。  施設整備につきましても、毎年度クラブの創設に取り組まれておりますし、あと支援員の確保につきましても、結構数は採用もされているところであります。ただ、どうしても現場の声といたしましては、支援員の確保がなかなか追いついていないというのが現状であるというふうなことを伺っております。  以上でございます。 160 ◯武藤委員=支援員さんが足りないということなんですけど、条件をもっとよくしつつ、放課後児童クラブの支援員として胸を張って子供たちと対応できるような取り組みを進めることがまず大事ではないかなというふうにも思うんですね。  それについては、本当に佐賀市の努力も、県と一体となった努力も必要ではないかと思いますので、そのあたり、極力努力をしていただきたいと思うんですが、いかがでしょうか。 161 ◯藤本こども未来課長=支援員の確保についてお答えいたします。  支援員の確保につきましては、今、委員御指摘があったように、処遇とか改善も必要だというふうに考えます。  それにつきましては、国からの補助などもございますんで、その活用につきまして、引き続き働きかけていきたいというふうにも思いますし、施設整備につきましては、市が整備することにつきましては、もちろん県の負担もあわせて、一緒になって取り組んでいきたいというふうに思います。  以上でございます。 162 ◯武藤委員=放課後、ひとりぼっちで過ごす子供たちが、本当に周りの保護者の方たちも胸を痛めておりますので、ぜひぜひそういうことのないように、一刻も早い解決を改めて強く望んでおきたいと思います。よろしくお願いいたします。  次に、第三問目です。生活保護行政についてです。  病気や離職、低年金などで生活保護の受給者は今、全国で二百十二万人、県内でも八千人前後おられるというふうにお聞きしております。  生活保護制度は最後のセーフティーネットと言われておりますけれども、憲法二十五条の国民の生存権の上に立ち、健康で文化的な生活を保障する、そういったものでなければならないと思います。  今、安倍政権のもとで、社会保障の削減の一つとして、ことし十月から生活保護削減が言われるということになるようです。  そこで、何点か質問したいと思います。  まず、県内における直近の生活保護の人員、保護費の推移についてどうなっているのかをお聞きしたいと思います。 163 ◯瀬戸口福祉課長=保護人員、保護費の推移についてお答えいたします。  県内におきます生活保護受給者数の推移でございますが、年度平均の数字で申し上げますと、平成二十六年度は八千四十九人、平成二十七年度は八千三十人、平成二十八年度は七千九百八十七人となってございます。  次に、県内における過去三年間の保護費の推移でございますが、平成二十六年度は百四十二億四千七十六万円、平成二十七年度は百四十二億八百二十八万円、平成二十八年度は百四十一億七千五百八十六万円となってございます。  以上でございます。 164 ◯武藤委員=市や県の福祉事務所の県内合計で、この三年間の相談件数や申請件数、そして、保護開始件数の推移についてお示しいただきたいと思います。 165 ◯瀬戸口福祉課長=県内における相談件数、申請件数、開始件数の推移についてお答えいたします。  県内における平成二十六年度から平成二十八年度までの生活保護の相談件数、申請件数及び開始件数でございますが、平成二十六年度は相談件数が千七百十六件、申請件数が千十七件、開始件数が八百二件となっております。  次に、平成二十七年度は相談件数千六百三十六件、申請件数九百七十五件、開始件数が七百八十七件となっております。  平成二十八年度は相談件数千四百九十三件、申請件数九百五十八件、開始件数は七百四十八件となっているところでございます。  以上でございます。 166 ◯武藤委員=面談数、申請数、開始数、それぞれ減りぎみなんですけれども、決して生活が豊かになったということではなくて、面談数から見ての開始数はやはりふえていることから見ても、また、人口の推移のこともあって、相談とかも難しくなっているというふうなこともあるかもしれないんですけれども、実際に面談数と開始数を見たら開始数はふえていることから見て、本当に生活が厳しいという生の声はお聞きしておりますので、面談を受けても申請に至らない人が今おっしゃっていただいたデータからいっても約四割いらっしゃいますし、申請をしても保護の開始にならない人たちは二割おられるということになっておりますけれども、どういう理由だったかの把握はなさっているんでしょうか。 167 ◯瀬戸口福祉課長=相談はあったものの保護申請に至らなかった理由、また、保護が開始されなかった理由についてお答えいたします。  先ほどお答えしました件数の全てではございませんけれども、毎年実施しております福祉事務所等に対する指導監査の中で確認した結果を御答弁させていただきます。  まず、相談はしたものの保護申請には至らなかった理由でございますが、相談の中身としましては、病気、障害などの理由で既に困窮をされているというケースのほか、現在まだ蓄えはあるものの将来の生活が不安で生活保護制度の仕組みを聞きたいというもの、また、別居されている親族、あるいは知人の方が心配して相談される場合などがあり、申請までに至らない相談としましては、こうした制度内容の確認でありますとか、申請権者以外からのものが多いということを確認しているところでございます。  次に、保護が開始されなかった理由についてでございます。  生活保護は、委員も既に御承知のとおり、厚生労働大臣の定める基準によって最低生活費を計算いたしまして、これと申請者の収入を比較いたしまして、申請者の収入だけでは最低生活費に満たないときに開始が決定されるということが生活保護法の第八条に定めてございます。  したがいまして、申請者の収入だけで最低生活費を満たすことができる場合には保護開始とはならず、保護が開始されない場合は、ほとんどがこの理由によるものでございます。  また、生活保護につきましては、同じく法の第四条に定めてございますけれども、生活に困窮する者が、その利用し得る資産、能力、その他あらゆるものを、その最低限度の生活の維持のために活用することを前提として行われるものであるとされてございます。これは、いわゆる補足性の原理原則というものでございます。  したがいまして、活用できる資産があるのに活用しない場合ですとか、申請者に稼働能力があり、かつ就労が可能と思われる適当な職場があるのに働こうとする意思が認められない場合など、こうした場合は保護が開始とならないということになってございます。  保護の開始に至らなかったのは、以上のような理由によるものであることを確認しているところでございます。  以上でございます。 168 ◯武藤委員=いろんな相談を受ける中で生活保護を受けたいという希望があって、そういう方たちの御相談に乗る場合もありますけど、確かにいろんな要件があって、あなたは受けられないよという場合もあります。しかし、保護が開始され、受給されたとしても、自治体によって対応が異なるなというふうなことを痛感しております。  例えば、ある市は、毎年受給者数は同じ人数で推移をしている、そういう自治体もあります。その人数で抑えているのではないかとさえ思われるようなところなんですね。  別の市はどうかというと、三百人を超えさせまいとしているようにも見受けられるんですね。実態に応じてきちっと相談に乗って開始をするというふうにしていけばいいんだけれども、これ以上は超えさせまいとあたかも考えているかのような印象を受けるような対応もあるわけです。  ある受給者の方は、子供さんが毎月一万円ずつ経済支援をしていたんですけれども、それについては、保護からはもちろん収入とみなされ、差し引かれているのですが、それは一つのルールですからわかるとしても、担当者がそこの子供さんのところに行って、もっとあなたは親にお金を出しなさいと、一万円じゃなくて三万円ぐらい出しなさいよ、四万円ぐらい出しなさいよと、そういうことを厳しく言っていくそうです。やっぱりそのお子さんにとっては、自分の家族も子供もいるという中で、親に対する責任を持っているかもしれないけれども、自分としても精いっぱい働いて、家族と一緒に暮らしている中で、親に対してもせめて一万円ずつやっているけれども、三万円も四万円も払えないということをおっしゃっていまして、そういう市の対応について憤慨しておられるんですよ。自分たちの生活はどうなるんだということです。みんなぎりぎりの暮らしをなさっている中での、そういう保護を受けている親御さんのところの市町から、子供さんのところに言ってくるということで、自分たちも生活が大変になってくるという悲鳴が上がっております。  それから別の人は、高校生の子供さんが進学のときに役立つようにということでアルバイトをしておられるんですけど、それにまで収入とみなして、保護費を差し引くぞというようなことまで言われてしまうということで、本当にぎりぎりの生活をしている人にとって、子供さんがアルバイトして学用品を買ったり、次の自分の進学のために何かしようというその気持ちさえ奪われてしまうんではないかということも強く言っておられました。  本当にあたかも受給していることが悪いかのような、もしくは保護費をその自治体が出し渋るような対応があるということは本当におかしいのではないかと思いますが、こういった事例についてどのように受けとめますか。 169 ◯瀬戸口福祉課長=生活保護窓口における不適切な対応についてお答えいたします。  今、委員が御指摘されたさまざまなケースについては、詳細を私ども承知しておりませんので、細かいところまではなかなか御答弁しづらい部分はございますけれども、例えば、離れて暮らす子供さんの親御さんへの支援ということに関して申しますと、生活保護法の第四条第二項に「扶養義務者の扶養及び他の法律に定める扶助は、すべてこの法律による保護に優先して行われるものとする。」という規定がございます。ただし、その一つのことをもって保護が受けられないとか、そういうお話ではなくて、優先的に行われるということになっておりますので、そこは扶養義務を先に適用すべきかどうかというのを、それぞれの窓口できちんと検討をすべきものでございます。  それから、アルバイトに関しても、これは進学あるいは就職に向けたアルバイト収入ということに関しても、一定の要件を満たせば、それは収入から除外できるという選択肢もございますので、そういった可能性をきちっと現場で確認した上で適切に対応していくことが大事だと思っております。  いずれにしましても、生活保護というのは、最後のライフラインということで重要な役割を担っておると私どもも認識しておりますことから、各事務所に対する指導監査等、毎年入っておりますけれども、そういった事例がありますれば、直ちに是正を求める、きちんとした対応を求めるよう指導してまいりたいと考えております。  以上でございます。 170 ◯武藤委員=最初に言った例は、本当に子供さんが自分たちの苦しい暮らしの中から親に一万円支援をすると、もちろんそれはそれとして、ルールでその分は保護費から引かれるということは当然わかった上のことで、御本人さんたちも覚悟はしておられるわけですけれど、それ以上に出せと言われると、もう本当に生活保護を受けさせまいとするようなニュアンスが担当にあるんではないかということなんですね。  二つ目のアルバイトについては、収入から除外するということも考えられるんだというふうに言っていただきました。保護の担当の窓口、あるいは担当者の方たちが、今、瀬戸口課長がおっしゃったようなことが理解できていないと思うんですよ。私は担当者のところまでそういう県の考え方ですね、そこのところはきちっと周知する必要があると思うんですが、その周知について、どのようにされる御予定ですか。
    171 ◯瀬戸口福祉課長=制度の正しい内容の担当窓口への周知についてでございます。  確かに、この生活保護という制度自体は、大きく原則が法律なりなんなりに明記されておりますが、ただ、具体的な運用につきましては、例外的な取り扱いを認めるというような、そういう構造が非常に多うございます。なので、なかなか担当者が人事異動でかわったりというような場合には、それを一気に全て一から十まで理解するというのはなかなか難しいような部分もございますので、私どもとしては、そういう担当者の異動とかございました場合は、特にそういう制度の細かい部分に対する知識の習得について、当該事務所に対して特に留意するよう指導するなど、指導監査などとあわせまして、そういったことの指導を徹底してまいりたいと思います。  以上でございます。 172 ◯武藤委員=徹底していただくということを今述べていただきましたけど、毎年同じようなことを言わなくてはいけないような状況があることをとても残念に思うんですね。御近所の方の御不幸に御香典も上げられないというお気持ちでいらっしゃる受給者の方、そういう方たちもいらっしゃいますし、本当に今、生活保護は厳しい状況に置かれていますので、きちっと担当者には、可能な部分については厳しくするわけにはいかないわけですから、そこはちゃんと徹底していただきたいと思っています。  それから、これちょっと今後の検討課題にしていただきたいんですけど、テレビしか楽しみがないというのに壊れたから買いかえようと思うけれども、保護費からは到底買いかえるお金が出せないと、困っていると。冷蔵庫も壊れて買いかえるのに困っていると。まとまったお金が要るときに、どうしたらいいのかという声も寄せられています。善意でもってお店屋さんが個人商店の場合に、月々少しずつでも払っていいよというふうなことで対応していただいている、そういう良心的なお店もあるわけなんですけれども、本当にそういう事例があって、少しでもまとまったお金が五万円なり必要だというようなときに、保護費からの捻出は本当に困難なんですよね。それについて、皆さんたちがどうやって解決すればいいのか、今後の検討課題になると思うんですけれども、現状での認識はどうですか。 173 ◯瀬戸口福祉課長=テレビなどの購入費についてのお尋ねでございます。  確かに、生活保護制度では生活用品ですとか、家具、家電などの生活必需品の購入は経常的な生活費のやりくりで賄うことを原則としておりますが、予期しない破損で緊急に購入する必要があります場合とかは、生活福祉資金貸付制度というのがございます。こちらのほうの活用をしていただくことで、そういう状況への対応というのは可能かと思われますけれども、あくまでも貸し付けでございますので、その後の返済ということも関連してまいります。ですので、そういう場合はお近くの福祉事務所なりに御相談をしていただく、あるいは我々のほうに直接お問い合わせをしていただくということもあるかと思いますので、当面はそういう対応をしていきたいと考えているところでございます。  以上です。 174 ◯武藤委員=課長の答弁は、それは原則的にそれで正しいと思うんですけれども、現実的にはそういう生活福祉資金が借りられるよということをアドバイスしても、結局受けられなかったと、返せないだろうというようにみなされてしまったというようなことが現場ではあっているわけです。ですから、それは本当に現場の窓口にもちゃんと周知していただきたいと思うんですね。しかも、生活保護の担当者の方が生活福祉資金の制度そのものを知らないで、的確なアドバイスもできないというような状況もあるんですよ。だから、それはやはりきちんと対応できるように周知していただきたいと思いますが、どうでしょうか。 175 ◯瀬戸口福祉課長=実際の窓口担当者に対する、そういう周知の御質問でございます。  まさに委員の御指摘のとおりでございまして、そういう制度があるにもかかわらず、やっぱり窓口担当職員がそれを知らないというのは非常によろしくないことであると私も考えております。  法の第二十七条の二に、保護の実施機関は、要保護者から求めがあつたときは、要保護者の自立を助長するために、要保護者からの相談に応じ、必要な助言をするというような規定もございますので、そういったことに関しては、生活保護制度のみならず、生活福祉資金の貸付制度ですとか、周辺の関連制度についてきちんとした知識を身につけるような、そういった仕組みを考えてまいりたいと思います。  以上でございます。 176 ◯武藤委員=よろしくお願いしておきます。  この項の最後ですが、保護費の削減について、今回、国は十月から保護費を削減しようとしているわけです。先日も私に泣きながら電話をしてきた人がありました。ひとり暮らしの高齢者の方です。「国は余りにもひどい。私たちの生活をこれ以上苦しくさせて、死ねということなのか」というふうに泣きじゃくっておられました。国がやろうとしている削減、それによって県内の受給者の人たちにどういう影響が出てくると考えておられますか。 177 ◯瀬戸口福祉課長=国の制度の見直しの中身と県内への影響についてのお尋ねでございます。  制度見直しの内容につきましては、まだ私どもが正式に詳細をお聞きするという段階にはございませんで、国の説明によりますと、生活保護基準については、社会保障審議会の専門部会における検証結果を踏まえて、最低限の生活の維持に支障がないよう必要な配慮をしつつ、基準の見直しにつきましては、一般低所得世帯の消費実態との均衡を図り、扶助基準を増減する見直しをしているということでございます。ただ、多人数世帯や都市部の単身高齢者世帯等への減額影響が大きくならないよう、個々の世帯での生活扶助費等を現行基準から増減幅をマイナス五%にとどめる緩和措置を講ずるとされております。  これはまだ厚生労働省の案の段階でございまして、今後、変更の可能性があるということでございます。  次に、県内保護受給者への影響についてでございますが、今般の見直しによる影響につきまして、国は全国ベースでは扶助費が増額する世帯が全体の二六%、減少する世帯が全世帯の六七%というふうに推計をしているという説明をしております。  今回の見直し案につきましては、都市部において減額の影響が大きいとされておりまして、県内の生活保護受給者への減額の影響は比較的小さいのではないかと推定されるところでございます。  ただ、見直しの影響につきましては、世帯員の年齢や人数により異なっております。また、現在国会で議論をされている最中でございますので、具体的な影響については申し上げるのは難しい状況であるというふうに考えております。  今後、この見直し案が国において決定されまして、国から正式に通知がございましたら、県内の被保護世帯に十月の施行日までの間に十分その内容について周知を図るよう、県内の福祉事務所に通知し、必要な方が確実に給付を受けられるよう、適切な指導に取り組んでまいりたいと考えているところでございます。  以上でございます。 178 ◯武藤委員=まだ十月からなので、詳細は言えないということなんですけれども、例えば都市部は下がるけれども、地方はそうでもないんだという風潮もありますけど、実際、佐賀は単身高齢者の方も結構多いので、実際に七十五歳の単身高齢者の場合、六万七千円の基準の場合ですね、それが六万五千円に減らされるとか、あるいは母子加算は平均二万一千円だったものが一万七千円に削られるとか、そういった影響が出てくるわけです。月額わずかじゃないかというふうにおっしゃるかもしれないけれども、保護を受けておられる方たちは、本当に数千円がかつかつの暮らしの中で非常に厳しいことにつながってくるんですね。  これまでも私、何度も言ってきたんですけど、三度の食事はとらないと、二度にする。もう夜は早く電気を消して布団にくるまって寝てしまうとかいうような状況があるわけですよ。これで本当に憲法二十五条が示す健康で文化的な生活、人間が人間としてとうとばれるような、そういう生活になっているか。全く言えないですよね。それが今、安倍政権が進めようとしていることなんです。  これ絶対に許せないというふうに思います。これについては、引き続きまた問題にしていきたいし、直接窓口でもいろんなことを言っていきたいと、保護を受けている皆さんたちと力を合わせていきたいということを述べておきたいと思います。  また、十月を前にしても質問があるかもしれませんので、よろしくお願いいたします。  次に、国民健康保険の県単位化について質問します。  いよいよ四月一日から国民健康保険制度が県単位化としてスタートをします。一九六一年、昭和三十六年以降からこれまで、国民皆保険制度として市町村自治事務により行われてきましたけれども、国の方針で都道府県単位となるものです。つまり県も保険者として国民健康保険の運営に携わるということになります。  国民健康保険制度の加入者は、農業、漁業、個人自営業、無職者や低所得者であり、当初から保険料だけで運営することは不可能だったために、その多くを国庫負担で賄うことを条件としてスタートをした歴史があります。  初めは、国保収入の七〇%あった国庫負担が、一九八四年を境に低下し、今では二三%程度しかなく、その運営は保険税のほかに都道府県や市町が負担し、それでも赤字運営のために国保税を引き上げざるを得ないという連鎖で、加入世帯にとっては限界を超える高い国保税になっております。そのため、滞納せざるを得ない世帯もあり、自治体によっては法定外繰り入れをするところもある一方、収納率を上げるための厳しい取り立てがされているという実態があります。  あたかも県単位化すれば、それが改善されるかのように言われて、平成二十七年五月に法改正が行われました。果たしてどうなのでしょうか。県に責任が押しつけられるということになってしまうんではないか、そう思います。加入者として、よい制度で、よい医療が受けられる、そういうことになるんだろうか。これから先の国保制度はどうなるのだろうかと心配の声もお聞きしているところです。  そこで、そういう視点で幾つか質問したいと思います。  佐賀県の国保特別会計についてですが、県は新たに特別会計をつくることになります。新年度の特別会計の予算規模、それはどのぐらいになるのでしょうか。お示しください。 179 ◯山中国民健康保険課長=佐賀県の国保特別会計についてお答えいたします。  新しい国民健康保険制度において、県も市町と同様に特別会計を設置することとなりますが、本議会におきまして、平成三十年度国民健康保険事業特別会計として、八百六十五億九千四百六十八万円の予算案を上程させていただいているところでございます。  以上です。 180 ◯武藤委員=この特別会計の歳入の内訳、それはどんなふうになっているんでしょうか。例えば、市町からの納付金を受け入れるということ。それから県の一般会計から繰り入れをするということ。国からの負担金、交付金、補助金、どうなっているのか。また、支払基金からの交付金がどうなるのか。国保中央会からの共同交付金がどうなるのか。また、財政安定化基金で成り立っているというふうに考えますけれども、それぞれどういうふうになっているのかお示しください。 181 ◯山中国民健康保険課長=国保特会の歳入の主な財源について御説明いたします。  まず、国からの負担分でございますが、療養給付費等負担金約百六十五億円、これは保険給付費の三二%に当たります。  次に、調整交付金約八十四億円、こちらは主に都道府県間の財政力の不均衡を調整するもので、保険給付費の九%相当になります。  次に、高額医療費負担金約七億円、これは一件八十万円を超えます高額な医療費に対して、対象額の四分の一を負担するものです。  保険者努力支援制度交付金約四億五千万円、これは保険者の取り組み等に対しましてインセンティブとして配分されるものです。  次に、県の一般会計からの負担分でございますが、県繰入金約四十八億円、こちらは保険給付費の九%に相当いたします。  次に、高額医療費負担金約七億円、これは一件八十万円を超える高額な医療費に対して、対象額の四分の一を負担するものです。  次に、市町からの負担分としまして、国民健康保険事業費納付金約二百六十五億円、こちらは市町ごとに医療費水準等を反映して算定したものでございます。  さらに、他の公的医療保険からの拠出金といたしまして、前期高齢者交付金約二百七十五億円、これは保険者間の前期高齢者の偏在によります負担の不均衡を調整するものです。  主な歳入につきましては以上でございます。 182 ◯武藤委員=それでは、歳出はどのようになっていますか。 183 ◯山中国民健康保険課長=また、主な歳出としましては、県から市町に対して支払う保険給付費等交付金が約七百二十五億円となっておりまして、このうち市町が行います保険給付に要する費用を全額市町に交付する普通交付金が約六百九十九億円、市町の財政状況等に応じて費用を交付する特別交付金が約二十六億円となっております。  このほか、社会保険診療報酬支払基金に対しまして、高齢者の医療の確保に関する法律及び介護保険法の規定により算出される経費を支払うものといたしまして、後期高齢者支援金約百一億円、こちらは後期高齢者医療制度への財政支援を行うものでございます。  また、介護保険の第二号被保険者数に基づき納付する介護納付金が約三十七億円となっております。  以上でございます。 184 ◯武藤委員=今、お述べになっていただいたのを、歳入歳出、少しこういう角度で書いてみました。(パネルを示す)県の国保特会は約八百六十五億九千五百万円、こういう財政ということになりますけれども、県の一般会計からの繰入金が五十六億二千五百万円、市町からの納付金が二百六十五億五百万円、支払基金からの交付金が二百七十八億五千六百万円、財政安定化基金からの繰り入れが一億一千百万円、国保中央会共同交付金が五千八百万円、国からの交付金、負担金、補助金などが二百六十四億四千万円ということになっていて、歳出は先ほどおっしゃったように、一般管理費も要りますけれども、三百万円要りますけれども、市町への給付費等交付金が七百二十四億八千二百万円、支払基金へ納付するのが百三十八億五千八百万円、財政安定化基金への積み立てが一億九千四百万円、国保中央会共同事業拠出金が五千八百万円ということで、これから見ると、本当にこういう屋上屋を重ねるような制度になっていくんではないかというふうに思うんです。  例えば、国保中央会に入ってくるお金、それから国保中央会に出すお金、同じく五千八百万円なんですよ。同じようなことを何で県が間に入ってこういう作業、事業をしなくちゃいけないのか。それから、市町からの納付金がありますけれども、市町へ給付するお金が多いということもあって、ここは後からまた市町の収納率とかが悪くなった場合にどうなっていくのかというふうなことにもなってくるわけですけれども、支払基金からの交付、支払基金への納付という、県がわざわざ間に立ってやらなくちゃいけないのかというような問題も出てくると思います。  国はこの制度をつくるために二百六十四億四千万円出すようですけれども、果たしてこれがずっと続くのか。これまでの国の国保に対するお金の削り方から見ても、これがずっと続くとはとても思えないんですね。  今のような特別会計の成り立ちを見ても、県は仕事がふえて、そしてお金も随分出さなくちゃいけないということになるわけですね。もし仮にこういう県単位化ではなくって、国保の主体が市町のままだったなら、支払基金や国保中央会へのやりとりをする必要もないし、以前から私が求めてきた県が法定外として市町に助成金を出しなさいよということを言っていたならば、十数億円以下の数億円くらいで出せばよかったんではないかと、市町は早く赤字解消ができたんではないかというふうに思う部分もあるわけです。県の事務事業もこういう忙しさに追われなくてもよかったんではないかと。この新制度がスタートするために皆さん方が仕事に追われ、そういう市町からの取り立て人にならなくてもよかったんではないかというふうにも思うわけです。  この問題は、国は県の特会に二百六十四億円出すことになっていますけれども、先ほども述べたように、国のささやかな名目での負担金、交付金、さまざまな負担金、交付金など、今後もこういう形で支出があるんでしょうか。ちょっとそれについて、皆さんたちはどういう見通しを持っておられるのか。こういう屋上屋を重ねるようなやり方をして仕事がふえて、お金の出し入れの管理をして、市町からお金を取り立てると、こんな屋上屋を重ねるような事業でいいのかということを私指摘したいと思うんですが、どのようにお考えですか。 185 ◯山中国民健康保険課長=先ほど武藤委員からお話がございましたけども、県の特別会計から支払基金へ資金が入る。それから、国保中央会のほうへ資金の出し入れ、それも同額で入るということでお話がございましたが、これは今まで市町がやっていた事務でございまして、この部分の経費がふえたということではございません。  それから、国保中央会で同額の特別高額医療費共同事業交付金と拠出金同額出ておりますが、これにつきましては、一件当たり四百二十万円を超えるような特別な高額医療費が出てきた場合に、各都道府県が拠出をいたしまして、国保中央会のほうで取りまとめると。国保中央会を事業実施主体として特別高額医療費が発生した場合に交付金が出るということになっておりまして、一部分は国からの国庫補助が入るようになっております。この制度は現行の制度とほぼ同じでございます。  この予算規模でございますが、細かくいろいろ事業、先ほどの表のように交付金とか負担金とか入っておりますが、現行の制度とほぼ同じような形ででき上がっております。予算額につきましても、国のほうからは三千四百億円を毎年度交付するということでお約束をいただいていると考えておりますので、この予算規模は確保できるものと考えております。  以上です。 186 ◯武藤委員=果たしてそうでしょうか。例えば、保険者努力支援金四億五千万円近くは、これは不安定な収入になっていくんではないかと思われるんですね。これについてどのようにお考えなんでしょうか。佐賀県が納入が少なかったら努力していないじゃないかということになっていくんではないですか。国はこれまでいろんな理由をつけて国の負担金を削ってきたんですけれども、そうならないという保証はあるんですか。 187 ◯山中国民健康保険課長=まず、保険者努力支援制度について御説明いたします。  保険者努力支援制度につきましては、特定健診の受診率などの保険者共通の課題への取り組みや、国保固有の構造問題への対応等を通じて保険者機能の役割を発揮するという観点から、国が定めます客観的な評価指標に基づきまして、保険者としての努力を行う市町村や都道府県に対して支援金を交付し、国保の財政基盤を強化するという制度でございます。平成三十年度の保険者努力支援制度といたしましては、全国ベースで一千億円、そのうち市町村分が五百億円、都道府県分五百億円の配分となっております。  それから、先ほど収納率の件を委員おっしゃったと思いますが、確かに市町の評価指標といたしまして、収納率の評価項目の一つに入っております。収納率が高ければ余計交付金をもらえるというふうな形になっておりますが、佐賀県の場合は保険者努力支援制度によりまして、こういうふうな客観的な評価と仕組みができたことで一定の評価ができるのではないかと考えております。  この制度で、佐賀県の場合、佐賀県内の市町の平均収納率は全国二位ということで、この制度のおかげで他県よりも収納率がいいということで、余計目に交付金をいただいているような状況でございます。  以上でございます。 188 ◯武藤委員=佐賀県は他県より収納率がいいというふうなことで、保険者の努力支援金は大丈夫なんだというふうに楽観的にお思いなんですけど、国はこれまでもいろんな理由をつけて国の負担金を削ってきました。先ほど示したとおりです。もしそうなら、どういうふうになっていくんですか。県がさらに負担をしなくちゃいけない。または市町からの納付金をふやさなければならない。市町は納付金がふやされることによって、国保の加入者の保険料がさらに引き上げられる。収納率がそれによって悪くなって滞納者が出たら、さらに滞納者への収納率を上げるための、例えば差し押さえなどよく聞く話ですけれども、そういうことに今でもされているのに、それがひどくなっていくんではないかと思うんですね。  制度そのものを市町にうんと任せて、そして県が法定外の繰り入れを出していけば、県の支出もそんなに多くなくって、これまでの制度を維持し、より赤字も解消できるという制度でよかったんではないかと思うんですけど、皆さんたち、これから先それがどんどん収納率が悪くなって、市町の納付金が少なくなって、そして、滞納者とか収納率の問題で言えば、市町に対する給付金が少なくなっていくというような、市町の収納率を上げていく、あるいは納付金を上げていくための左右するようなものに使われていくんではないかと、そういうされ方をするんではないかというふうに心配なんですけれども、それはどうでしょうか。 189 ◯山中国民健康保険課長=先ほどの私の答弁に補足をさせていただきたいというのがまずございまして、この保険者努力支援制度の交付金の活用の方法でございますが、県全体の国保財政が非常に厳しい状況にありますので、当面は県分も市町分の交付分も保険給付費の財源の一部に活用いたしまして、市町の納付金の必要額から控除する財源といたします。言いかえますと、市町の国保税の抑制財源として活用することが県内全市町の首長さんが参加される佐賀県市町国民健康保険広域化等連携会議で了解されているところでございます。  それから、この保険者努力支援制度の評価項目といたしまして、収納率だけではございませんで、保険者共通の評価指標といたしまして、特定健診や特定保健指導、メタボリックシンドローム関係の指標、それからがん検診、歯周病疾患の検診の関連、重症化予防の取り組み、個人インセンティブの提供、重複服薬等の関連、後発医薬品の関連、それから国保固有の評価指標といたしまして収納率関係、データヘルス関係、それから医療費数値関係、地域包括ケア関連、第三者求償関連、適正かつ健全な事業運営関連等、医療費の適正化に関するものまでも複数含まれておりまして、収納率は評価項目のそのごく一部でございます。  以上です。 190 ◯武藤委員=評価項目の中で、収納率はごく一部だとおっしゃったんですけど、実際にその収納率で響いてくるのは、地域住民の国保税や、それから払えないという方たちの滞納の問題だとか、現実的に住民の方たち、国保加入者の方たちに響いてくる問題なんですよね。そこのところを私たちはしっかり住民に寄り添わなくちゃいけないというふうに思うんです。単に県の業務がスムーズに行く行かないの問題ではなくって、国保加入者の暮らしがどうなっていくのか、医療がどうなっていくのか、そういう問題だと思うんです。  県と市町の役割について質問したいと思うんですけれども、それぞれどういう役割を果たすんですか。 191 ◯山中国民健康保険課長=県と市町の役割についてお答えいたします。  今回の制度改正におきまして、県は財政運営の責任主体となりまして、国保財政の出と入を管理し、安定的な財政運営や効率的な事業の確保等の国保運営に中心的な役割を担い、制度の安定化を図ることになります。  具体的には、保険給付費に必要な費用を全額市町へ交付することになります。また、将来的な保険税負担の平準化を進めるため、市町ごとの標準保険税率を提示、公表し、住民負担の見える化を図ることになります。次に、国保運営方針を策定し、県内統一方針に基づく事務の効率化、標準化、広域化等を推進することといった役割を担うことになります。  一方、市町におきましては、地域住民と身近な関係の中、資格管理、保険給付、保険税率の決定、賦課徴収、保険事業等、地域におけるきめ細かい事業を引き続き担うとされております。  以上です。 192 ◯武藤委員=市町においては、これまでと同じように引き続き同じようなことを行っていくということで、やはり考えてみると、県がお金の出と入りを管理したり、それから安定化のために努力をせんといかぬということで、県が本当にせんでもいいようなことを押しつけられているというふうな印象を否めません。市や町が固有に保険税の設定をしたり、減免なども独自に決めていくということは、前々の議会でも確認をしているわけですけれども、国保の県の単位化によって国保加入者への影響がどうなっていくのか。先ほども指摘しましたけれども、私は疑問を持っています。市町は県への納付金約二百六十五億円を賄うために保険税が値上げされていくのではないか、県民は心配をしています。これまでもかなり無理な徴収があったりしておりますけれども、やはり何度も言うように、そういう部分でまだ心配は否めません。  例えば佐賀市では、県単位化が始まる平成三十年度から現行の調定額が一世帯当たり平均二十万九千五百八十三円だったのが二十一万九千五百八十三円となり、一世帯平均四・二一%、八千八百円引き上げられるということになっていくんですね。この県単位化をきっかけに、市町がこの際引き上げるといった事態が既に起こっているんですよ。それについて、皆さんどのように思っていらっしゃるんでしょうか。 193 ◯山中国民健康保険課長=まず、国保の県単位化による国保加入者への影響ということでお答えいたします。  今回の制度改正は、国保加入者の年齢構成や医療費水準が高く、所得水準が低いことから、保険税負担が重い傾向にあるという国保の構造的な問題を解消し、日本が誇る国民皆保険制度を将来にわたって堅持することを目的としたものでございます。  このため国は、平成三十年度以降、毎年度約三千四百億円の大幅な財政支援の拡充を行うこととしておりまして、本県ベースで見ますと約二十二億円の公費が拡充されることになります。  これを佐賀県の市町国保加入者一人当たりに換算いたしますと、約一万二千円の財政支援となることから、制度改革に伴う公費拡充により一定の保険税抑制効果があると考えております。  また、国保運営を県単位化いたしまして、納付金及び標準保険税率といった新たな制度を導入することで、C型肝炎治療薬等の高額な医療費により財政が不安定になりやすい小規模保険者のリスク軽減や県単位での統一的な取り組み、好事例の横展開が図られることとなります。  さらに、これまで比較が困難であった住民負担が見える化されることで、都道府県間及び市町間の横比較が可能となり、医療費の多寡の原因究明等により医療費の適正化も期待されるところです。  このように今回の制度改正によりまして、国保運営が安定化されていくことは、現在の国保加入者のみならず、これから国保に加入される方にとっても大きな安心感につながるものと考えております。  一方、先日新聞でも報道されましたように二十市町のうち七市町が、今回の制度改正に合わせ、平成三十年度に保険税率を引き上げる予定でございます。  将来にわたって国保制度を安定化し、持続可能なものとしていくためには、各市町において、収支均衡できる財政運営を行っていく必要があることから、国保加入者にも市町ごとの医療費水準や世帯の所得状況に応じた応分の御負担をお願いするものです。  県が市町に提示しました標準保険税率は、市町の国保特会におきまして目標とする収納率等が達成できれば、単年度の収支均衡ができる税率を算定いたしましたが、市町には、この標準保険税率を参考にしながらも、制度改革に伴う加入者の負担に十分に配慮した保険税率の設定を行ってもらっていると考えております。  また、県単位化後も、加入者の住所変更や世帯構成の変更、国保への加入、脱退等の届け出、保険証の交付、療養費や高額療養費の支給等の各種手続のほか、保険税の賦課徴収及び特定健診や特定保健指導などの保健事業についても、これまでどおりお住まいの市町で行われることから、手続や保健事業での加入者への影響はほとんどないと考えているところでございます。  以上です。 194 ◯武藤委員=今の答弁の中で、たくさん矛盾が出てまいりました。  県が出すことによって保険税の抑制効果があるんだというようなこととかおっしゃいましたけれども、先ほど私が佐賀市のことを言いましたが、実際そうなっていないですよ。  そして、御答弁の中では、二十市町のうち七市町で引き上げるということもあるとおっしゃいましたけど、一つの市であれ、七つの市であれ、あるいは十の市町であれ、引き上がるということは厳然たる事実なんですよ。全然加入者にとって引き下げにはならない、引き上げになっているんですね。引き下げになるところもあるかもしれません。しかし、引き上げがあるということ、これは加入世帯にとっては本当に大変な問題なんです。この県単位化をきっかけにして引き上げなければならないような市町があること自体、問題なんですよ。だから、国が言っている方針どおりのことを今おっしゃいましたけれども、そうはなっていないということを申し上げたいと思います。  県は、新年度からの単位化に向けての国保運営方針をことし一月に策定しておられますけれど、これをどう位置づけて市町とともに運営に取り組んでいくのか改めてお聞きします。 195 ◯山中国民健康保険課長=国保運営方針についてお答え申し上げます。  佐賀県国民健康保険運営方針は、本県と県内市町が一体となって、国民健康保険に関する保険者事務、例えば、財政運営、資格管理、保険給付、保険税率の決定等を共通認識のもとで実施するとともに、各市町が実施する事業の集約化や統一化を推進することを目的として策定したものでありまして、佐賀県及び県内市町が国民健康保険の運営を共通の認識で実施するための取り決めであると考えております。
     今後の運営につきましては、今回の県単位化が県と市町の役割分担をした上での共同運営という仕組みとなっておりますが、県では、県の役割とされております市町ごとの国民健康保険事業費納付金の決定や標準保険税率の算定等を確実に実施することはもとより、今後とも市町の役割とされております事業など、特にこれからの保険税の伸びを抑えるために欠かせない医療費適正化策を進めるための支援を積極的に実施することとしております。  その一つが、平成三十年度の新規事業といたしまして実施予定の重複服薬者等対策事業でございますが、この事業は、薬の過剰服用や飲み合わせによる重大な副作用を初め、飲み残しを防止することで県民の健康保持と医療費適正化に資するものとして、県と市町が役割分担の上で実施するものでございます。  このように、県としては行わなければならないことだけではなく、行ったほうが望ましいことを実施することで、共同運営者となる市町とのさらなる信頼関係を構築し、よりよい運営につなげていきたいと考えております。  県としましては、県民が将来にわたって安心して国民皆保険の恩恵を受けられるよう、市町や関係団体と十分に連携いたしまして、佐賀県国民健康保険の運営に取り組んでまいりたいと考えております。  以上でございます。 196 ◯武藤委員=今、国民健康保険の運営方針のことについて御答弁いただきましたけれども、気になることがあります。  それは、医療費適正化という言葉です。これ、聞こえはいいんですけれども、医療費をこれ以上伸ばすなと、抑えろという国の方針のもとに使われている言葉で、先ほど薬の問題を出されましたけど、それはほんの一部にしかすぎません。  それはそれとして注意しなければならないこともあるけれども、今後の方針の中で医療・福祉サービス、そういったことについて、国が予算どんどん抑えていく、そのために県は市町と一緒になって国の方針に従うというのが今回の都道府県国保の単位化であり、また、さらに一本化に進んでいくんではないかというふうなことを心配しているんです。そうなったときに、国は国民皆保険に責任持たないよと、都道府県がしっかりその肩がわりでやれよということだし、県がより一層責任を負わされて、事業量もふえて、そして市町を管理していく、そういうことになっていくと思うんですね。  今後の一本化の問題は、まだ市町との協議を進めなければいけないというふうにも述べられておりますけれども、その分、市町はまだ結論を出してほしくないというようなことだと思うんですね。  それについて、皆さんたちがこの運営方針で示された奥に潜んでいるもの、それは国の医療費削減の手助けをしているにすぎない、しかも、県民に対して、県民の安心してかかれる医療や、安心して保険税をちゃんと納めていく制度が、またいびつになっていくんではないかということを心配するんです。  それについて、皆さんたち、例えば国保の都道府県一本化の問題について、どんなふうに考えていらっしゃるんでしょうか。 197 ◯山中国民健康保険課長=国保制度改革が医療費を一方的に削減するための計画ではないかというような御質問かと思います。  私は、医療費適正化計画も所管しておりますので、あわせて御説明したいと思いますが、医療費適正化計画につきましては、高齢期における適切な医療の確保を図るために医療費の適正化を推進するための計画でございまして、具体的な取り組みが結果として高齢者の医療費の伸びを中長期にわたって徐々に適正化することを目指しております。  また、国保制度改革は、国保が抱える構造的な課題を解決するために、国による財政支援の拡充によりまして財政基盤を強化することや、都道府県が財政運営の責任主体となること等を内容としております。  いずれも医療に対する安全・安心を確保して、質の高い医療サービスが提供される医療提供体制の確立とともに、医療費の過度な増大を招かないよう、また、持続可能な医療保険制度を構築するためのものでございまして、過不足のない医療を提供することが前提となっております。一方的に医療費を制限するようなことを目的としているとは理解しておりません。  以上です。 198 ◯武藤委員=国は、医療費を削減しようとしているんですよ。医療、介護、福祉、社会保障の削減、その一方で軍事費の増大や、そういったことをたくらんでいるわけでしょう。そういうことを見れば、医療費削減は明らかです。  しかも、ベッド数を削減しろとか、介護などに対する支援も削減すると、一連のことが計画されている中での一環としての国保の改悪だというふうに思います。  皆さんたちは国の言うとおりに従っているんですけど、私は、県の皆さんたちも大変な犠牲を強いられるということをあえて指摘しておきたいと思います。  これについては質問を終わりにしたいと思います。 199 ◯宮原委員長=暫時休憩します。十五時をめどに再開いたします。     午後二時四十九分 休憩     午後三時 開議 200 ◯宮原委員長=それでは、委員会を再開いたします。  休憩前に引き続き、質疑を行います。 201 ◯武藤委員=五番目の質問になります。教育環境の改善と教職員の健康管理についてです。  これまでも私は、行き届いた教育を進める立場で、一般質問やこの委員会でも質問を行い、改善への取り組みを求めてまいりました。教職員の多忙化解消で子供たちと向き合う時間がとれたり、学習準備がはかどり、健康管理にもつながることができるよう改善が必要だからです。  特に昨年、平成二十九年八月末には、中央教育審議会から「学校における働き方改革に係る緊急提言」が出されました。二〇一六年の教職員の勤務実態調査から明らかになった教員の六割が過労死ラインだというショッキングな結果を受けての緊急提言だったと思われます。  まず、佐賀県内の教育職員の長時間勤務についてです。  私は、平成二十七年度の決算を審議する決算委員会で、平成二十七年度の八十時間超え、百時間超えの実態についてお聞きしました。そのとき、百時間超えが五百七十八人、八十時間超えが四百三十四人とお聞きして、本当に驚きました。  その翌年である平成二十八年度の百時間超えと八十時間超え勤務についての実態、先ほども質問があっておりましたけれども、改めて確認の意味でお聞きします。どのようになっていますか。 202 ◯青木教職員課長=平成二十八年度につきまして、時間外勤務の状況についてお答えしたいと思います。  県内公立学校の教育職員の時間外勤務の状況について、年度間の十二カ月のうち一カ月でも百時間以上の時間外勤務を行ったことがある教育職員の人数は、平成二十八年度につきましては八百三人です。  また、百時間未満であっても、二カ月から六カ月にわたるいずれかの期間における時間外勤務の月平均が一回でも八十時間を超えたことがある教育職員の数は、平成二十八年度は四百五十五人となっております。  以上です。 203 ◯武藤委員=どちらも平成二十七年度を大きく上回っています。特に百時間超えが二百二十五人ふえて八百三人、もう極めて深刻、ゆゆしき事態だと思います。  こういった実態を皆さんたち、どういうふうに認識しておられるのか、私はこれは教育長にお聞きしたいと思います。 204 ◯白水教育長=先ほど議員御指摘のように、平成二十八年度につきましては増加の傾向ございますけれども、本当に午前中ありました不登校についても非常に問題になっておりまして、学校のさまざまな課題が多様化していることが背景にあるかと思いますけれども、そういう中で私たちも勤務時間の縮減については喫緊の課題だというふうに思っております。  以上でございます。 205 ◯武藤委員=こういう実態があるからこそ、緊急提言が出されているというふうに思いますし、これを受けてきちんと対応すべきだと思います。  特に長時間勤務を改善していくためには、勤務時間を適正に把握することが重要です。昨年八月二十九日に出された緊急提言では、勤務時間の管理は労働法制上求められている校長や、服務監督権者である教育委員会の責務だとして、始業時間、終業時間の把握記録を求めております。タイムカードやICカードが大事だというふうに思うんですけれども、県教育委員会は何によって時刻の確認をしておられるんでしょうか。 206 ◯青木教職員課長=勤務時間の適正な把握についてお答えしたいと思います。  先ほど委員の御指摘ありましたように、勤務時間の管理というのは、労働法制上、校長や服務監督権者である県教育委員会、または市町教育委員会に求められる責務でございます。  県立学校におきましては、平成二十九年一月に厚生労働省が示しました「労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関するガイドライン」に沿いまして、業務記録表による自己申告で管理職が時間勤務を把握し、各学校の衛生委員会でその情報の共有化が図られまして、学校全体の勤務実態の把握がなされているところでございます。  また、県教育委員会におきましても、学校ごとの勤務実態を把握しているところでございます。  以上です 207 ◯武藤委員=今、御答弁いただいたのは、少しおかしいんじゃないかなと思うんです。  先日も市民団体との話し合いの中で、みずから現認することで確認し、適正に記録するという自己申告方式を主張しておられましたけれども、それは今やおくれているんではないでしょうか。ガイドラインも業務記録表によるということのみには書いてないんですよ。認識はどうですか。 208 ◯青木教職員課長=今おっしゃられましたように、ガイドラインにつきましては、まず一つ目として、原則的な方法が、使用者が、みずから現認することにより確認すること。次にタイムカード、ICカード、パソコンの使用時間の記録等の客観的な記録を基礎として確認して適正に記録することと書いてあります。  また、やむを得ず自己申告制で労働時間を把握する場合、自己申告を行う労働者、またはそれを管理する者に対しても十分な説明を行い、把握した労働時間と著しい乖離がある場合には実態調査をして補正をすることとなされておりますので、その実態の調査につきましては、それぞれの県立学校の衛生委員会の中で把握がなされて、確認がなされているものと考えております。  以上です 209 ◯武藤委員=その認識がおかしいと言っているんですね。  ガイドラインではどんなふうに書いてあるかといえば、原則的な方法として、使用者が、みずから現認することにより確認すること。使用者側の問題ですね。それから、タイムカード、ICカード、パソコンの使用時間の記録等の客観的な記録を基礎として確認し、適正に記録すること。だから、タイムカード、ICカード、パソコンの使用、これが主なんですよ。  そして次に、やむを得ず自己申告制で労働時間を把握する場合に、自己申告を行う労働者や労働時間を管理する者に対しても、自己申告制の適正な運用、ガイドラインに基づく措置等について十分な説明を行うことというふうに書かれてあるわけですから、自己申告はやむを得ずなんですよ。先行するのは使用者の確認と、あと本人のタイムカード、ICカード、パソコン、ここが忘れられてはいけないんじゃないかというふうに思うんですが、どうでしょうか。 210 ◯青木教職員課長=確かにタイムカードとかパソコンとかで、市町で今現在把握されているところもございます。実際にタイムカードの導入等で、一律にタイムカードを導入することに関して、私たちも検討したんですけれども、やはり出勤時にタイムカードの前で混雑したり、また、建物の構造上、どうしても全ての教職員が一つの出口から退勤するという形態はとりにくい学校もありますし、また、特に部活動で週休日、または祝日に出勤した際には、タイムカードの記録がとれずに、学校においては自己申告で把握をしているということでもございます。さまざまな課題があるというふうに考えておりまして、県立学校としましては、これは平成二十年度から始めております業務記録表を使いながら、これまで指導をしながら、勤務時間の把握をしているところでございます。  以上です。 211 ◯武藤委員=先ほどの厚労省のガイドラインですね、一月二十日付ですけれども、それでは大変だ、そうなっていないから、六月二十日には通知がまた出されて、その当時のタイムカードでの管理については、都道府県で六つ、一二・八%、市区町村では百三十九しかない、八・一%しかないと、少ないというので警鐘を鳴らしているわけです。  そして、平成二十九年八月二十九日の緊急提言では、タイムカードなどでの記録というのが、小学校が一〇・三%、中学校が一三・三%、IC活用は小学校で一六・六%、中学校で一三・三%、これは余りにも限定的だということを指摘して、こうした実態を踏まえて、服務監督権者である教育委員会は自己申告方式ではなく、ICTやタイムカードなどで勤務時間を客観的に把握、集計するシステムを直ちに構築するよう努めることと。直ちに構築するというふうに言われているわけなんですよ。そういう立場に立つべきなんじゃないでしょうか。どうですか。 212 ◯青木教職員課長=今申し上げましたように、やはりタイムカードを学校の現場で使う際におきましては、さまざまな課題等がございますので、勤務時間のより適正な把握方法については、こうしたタイムカード等のいろんな手法も含めて今後とも検討していきたいと思っております。ただ、平成二十九年十二月二十二日に中央教育審議会の中間まとめの中にもありましたが、勤務時間の管理というのは、働き方改革の手段であって、目的ではないと。勤務時間の把握を形式的に行うことが目的化して、本当に必要な教育活動がおろそかになってはいけないと書かれております。また、形骸化してはいけないということも書いてありますし、教育委員会としては、勤務時間の分析を行って、勤務時間の把握と業務の削減をしっかり実施していくべきということも書かれておりますので、私たちとしてはそれを含めて検討していきたいというふうに思っております。  以上です。 213 ◯武藤委員=先ほど課長が言われたように、退勤時間が一緒でどどっと混み合うとか、そういう実態には現実的にはなってないですから。そこら辺は御心配不要ですよ。これは皆さん方が、本当に、国がなぜこういう緊急提言を出したのか、そしてまた、二月九日にも通知が文科省から来ておりますけれども、進んでないからこういう緊急にやりなさいよと、直ちに集計するシステムを構築しなさいよということで言われているんですよ。  皆さんたちは、自己申告方式のほうが現実的だという、そういう感覚で物を言ってもらうと、適正な把握ということにはならないし、やっぱり言われているように、タイムカードやICカードをしっかり活用すること、その立場に立たないと前進できないですよ。現状のままで済まそうと思っていると、前進できないんですよ。直ちに改善すること、構築されることというこの精神をしっかり受けとめないといけないんじゃないですか。 214 ◯青木教職員課長=ただ一方では、市町教育委員会のほうにおきましては、タイムカードを今現在導入されているのが二つの市町で十五校であるとか、あとはパソコン、または管理システムで五市町五十八校が、ICカードにつきましては、今現在実験的ですけれども、一つの市町、一つの学校で、パソコンの電源等で三つの市町で四校で今現在実施されておりまして、それ以外については、県が取り組んでおりました業務記録表で確認をされているところでございます。  そういう市町の御意見もいただきながら、私たちもどれが一番勤務時間の管理が先生方、または管理者にとっても業務の負担にならないような把握の仕方というのは、今後検討していかないといけないという認識は持ってございます。  以上です。 215 ◯武藤委員=その認識を持っておられるんだったら、なぜそれを早く答弁されないんですか。そういう今実際にやっているところの検証をしながらやっていくというお気持ちを持っておられるんでしょう、どうなんですか。 216 ◯青木教職員課長=特に県立学校につきましては、平成二十年度から業務記録表を取り入れまして、他県よりも早く先生方の勤務時間の管理というのができているというふうに私たちとしては思っているところです。  ただ、他県との情報交換の中では、全然勤務時間が管理できていないという情報もありましたし、私たちとしては、佐賀県としては業務記録表を使ってしっかり管理できているんではないかというふうに思ったところでございます。  ただ一方で、客観的にというところもありますので、いろんな手法があるかと思いますが、今後とも検討していきたいというふうには思っているところでございますのでよろしくお願いします。  以上です。 217 ◯武藤委員=当時は、佐賀県は業務記録表で先進だったかもしれません。ほかのところがおくれていたかもしれません。でも、そこに安住しないで、文科省がちゃんとそういう通知なども出しているわけですから、やっぱりそういう客観的な把握をするためにも、今や業務記録表だけではだめだと、タイムカードやICカードを活用しなさいと、直ちにそういった構築をしなさいと言っている、そこにしっかり立つべきなんじゃないですか。私はそのことを何度も今言っているわけです。  皆さんたちが検討していくとおっしゃる言葉はわかるんですけれども、ただ、ずっと検討し続けていくのか、それとも直ちにそれを改善していくのか、その検討の持つ意味がわかりません。どうですか。 218 ◯青木教職員課長=特に市町におきましては、タイムカードであるとか、ICカード、パソコンの電源等はつい最近導入されたところでもございますので、その取り組みがより適正なのかどうなのかも含めて検討してまいりたいと思っておりますので、いずれにしても、予算等も伴うこともございますので、すぐにというのは私の口からは言えないかなというふうに思いますけれども、当然、検討はしてまいりたいと思っております。  以上です。 219 ◯武藤委員=何度も言いますけど、直ちに構築する立場に立って検討するのかどうなのか、そこが不明だと言っているんです。何度も同じことを聞いて申しわけないですけど、財政も伴うということはよくわかりますけれども、文科省が出しているのは、ずっと検討し続けていくことではなくて、直ちに構築する、そのことを求めているんですよ。そういう立場に立つのかどうなのか、そこをお聞きします。 220 ◯青木教職員課長=県としては、これまでもタイムカードであるのか、あとは今の業務記録表であるのかというのはずっと検討はしておりますので、直ちにとは、検討はずっとしているというところでございますので、どう言いましょうか、検討はしてまいりたいと思います。 221 ◯武藤委員=今の答弁も、何か何度も言わせないでくださいよ。教育長、どうですか、ちゃんとこの立場に立つんですか、その検討という言葉も。ちゃんとこの立場に立ったことを進めていかれるんでしょうか。 222 ◯白水教育長=客観的な記録なんですけれども、当然、カード等で勤務実態の調査というのは確かに通知のとおり大事だと思っております。業務記録表も大事だと思います。要は、教職員の意識改革がもとでいろんなさまざまな取り組みをしていくべきというふうに考えておりますし、取り組みの成果というのも、この勤務実態を把握するということが非常に大事だというふうに思っておりますので、ここら辺につきましては検討すべきということで私のほうでやっていきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。 223 ◯武藤委員=教育長から御答弁いただきましたけど、この立場に立って検討をするということですね。そういう理解でいいんですか。 224 ◯白水教育長=先ほど申しましたように、実態をしっかり把握するという視点でやるべきものというふうに私は認識をしております。  以上です。 225 ◯武藤委員=本当に正確に勤務時間を把握することこそが残業時間の減少や年休取得日数の増加につながっていく。また、メンタルヘルス状態の良好化に資するということにつながっていくというふうに思いますので、やっぱり正確に把握するということは、何より大事だと思います。  ちなみに、県立学校の場合、平成二十七年度までは一校当たりの平均時間外勤務に勤務時間数を算出されていたようなんですけれども、義務制ではこういう掌握がされているんだろうかと思います。されているのであれば、それは地教委がしているのかですね。そして、地教委がもしそうしているんであれば、県教委にも提出してもらうということも大事なんではないかと思うんですが、どうでしょう。 226 ◯青木教職員課長=先ほど申しましたように、それぞれの服務監督権者である県教育委員会、または市町教育委員会で適切に把握しているところでございます。県立学校におきましては教職員課のほうで把握をしております。  一方、市町におきましては、県に関しては平成二十八年度に時間外の状況について抽出調査という形で時間外の傾向をつかんでいるところでございます。また、それぞれの市町において、多忙化検討会が開かれまして、そこに提出された資料等では、それぞれの小中学校で勤務時間、または百時間、八十時間超えの実態把握がなされており、私たちとしてもそれのコピーはいただいてはいるんですけれども、提出というところまではいただいていないところでございます。ただ、県が出向きまして、そこで助言等は行っております。  以上です。 227 ◯武藤委員=やはり時間外勤務の縮減を検証するというためには、きちっと皆さんたちが正確に把握をする。その立場に立って進めていただきたいというふうに思いますので、改めてそのことは申し上げておきたいと思います。  それから、緊急提言を受けてどんな取り組みを行ってこられたんでしょうか。 228 ◯青木教職員課長=平成二十九年八月に緊急提言を受けた以降の取り組みについてお答えいたします。  具体的な取り組みとしましては、平成二十九年八月に緊急提言が出された後、翌九月に、長時間労働の解消、業務改善と環境整備に向けた取り組み、より適正な部活動のあり方、健康管理体制の充実の四つを柱として「学校現場における業務改善計画」を策定し、県立学校長と市町教育委員会教育長宛てに通知したところでございます。  県教育委員会が策定した業務改善計画を参考として、全市町教育委員会において業務改善計画が策定されるよう、今後も支援していくこととしております。  また、平成二十九年十月には、中学校部活動の適正な運営に関して、第三日曜日を一斉部活動休養日に設定するよう市町教育委員会教育長へ通知するとともに、関係団体へも協力依頼を行ったところでございます。  このことは、一定の効果が得られたと考えておりまして、さらに推進を図ってまいりたいと考えております。  また、緊急提言においては、「事務職員を活用することで事務機能の強化、業務改善の取り組みを推進する」とあり、県教育委員会としても、チーム学校としてさまざまな問題を解決するため、事務職員が積極的に学校運営に参画することを推進しております。  これまで教員が担当していた事務、いわば教員が不得意としていた領域を事務職員が担うことで、学校全体として業務の効率化が進み、結果的に教員が子供と向き合う時間の確保につながっていくと考えております。  現在、県教育委員会におきまして、学校現場の意見を聞きながら、事務職員の標準的職務内容の改定等に向けた取り組みを進めているところでございます。  以上です。 229 ◯武藤委員=今、答弁の中にありましたけれども、業務改善計画の策定を市町教育委員会と学校に求めておられるようです。これはもちろん業務の縮減のためだと思いますし、教職員の時間外勤務と病気休職者の縮減、このためにされているんだと思うんですけれども、策定状況がどうなっているのか、策定したところの内容の特徴や、今後どう取り組んでいくのか、それを明らかにしていただきたいと思います。 230 ◯青木教職員課長=市町の業務改善計画の策定状況についてお答えいたしたいと思います。
     各市町教育委員会における業務改善計画の策定状況について、先日、調査をしましたところ、現在、二十市町のうち五市町が策定済みということで、ほかの市町は今現在策定中というふうに伺っております。各市町におきましても、県が示しました長時間労働の解消、業務改善と環境整備に向けた取り組み、より適正な部活動のあり方、健康管理体制の充実という同じような四本柱を立てておられます。  今後、県教育委員会としましては、残り十五市町教育委員会に対して、年度内に業務改善計画を策定するよう、市町教育委員会教育長会の折などに働きかけていきたいというふうに考えております。  以上です。 231 ◯武藤委員=年度内というと、今年度内という意味ですか。 232 ◯青木教職員課長=そうでございます。 233 ◯武藤委員=今述べていただきましたが、まだできていないところのほうが多数のようです。それで、もちろんこの中には長時間労働の解消とか業務改善と環境整備に向けた取り組み、より適正な部活動のあり方、健康管理体制の充実という項目で挙げられているわけですけれども、長時間労働の解消は先ほどの勤務時間の把握から始まっていくわけです。だから、そこのところをきちんと皆さん方も位置づけていただきたいと思いますし、業務改善と環境整備については、業務の縮減をするということですね。何かふやすんであれば、何かは減らしていくというふうにしていただかなくてはいけないし、教職員の定数改善を国にもしっかりと求めていただきたい、そこが肝になってくると思うんです。  それから、より適正な部活動のあり方については、もう県教委としても部活動の新たな取り組みを新年度から指導支援員ですかね、そういう方たちへお願いしたり、あるいは先ほどから御答弁あっているように、第三日曜日は部活はお休みにするんだという動きもつくってこられました。それも少しずつ進んでいるかなというふうにも思います。  それから、健康管理体制の充実ですね。これはメンタルヘルス対策、ストレスチェックや産業医を各市町に配置することなどが重要になっているんですけれども、そういう取り組みにちゃんとつながっていくということで認識してよろしいんでしょうか。 234 ◯青木教職員課長=県の学校現場における業務改善計画につきましては、市町教育委員会と情報交換をしながら作成をしておりますので、県の方針というのは市町のほうにも伝わっているものというふうに理解しております。  以上です。 235 ◯武藤委員=文科省においては、昨年十二月二十六日に「学校における働き方改革に関する緊急対策」が取りまとめられて、ことし二月九日付で県教育委員会宛ての通知も出されております。  その中には、これまでも私が求めてきた一定期間の学校閉庁日の設置や緊急時の連絡方法を確保した上での連絡対応者等の体制整備など、保護者や地域の理解を得られる努力なども示されています。スクラップ・アンド・ビルドなども触れておられます。今後、県教委は、この二月九日付の通知の具体化にどのように取り組んでいこうとしておられるんでしょうか。 236 ◯青木教職員課長=「学校における働き方改革に関する緊急対策」への取り組みについてお答えいたします。  委員御指摘のありましたように、文部科学省通知におきましては、教育委員会が業務の役割分担、適正化を着実に実行すること、勤務時間の徹底及び適正な勤務時間の設定を行うこと、教職員全体の働き方に関する意識改革を図ることが主眼とされております。  今後、学校や地域、教職員や児童生徒の実情を踏まえながら、「学校における働き方改革に関する緊急対策」に挙げられている取り組みに対し、学校現場の業務改善計画に反映させていきたいと考えております。  まずは教員が心身の健康を維持し、また、日々の生活の質や教職人生を豊かにすることで、みずから人間性を高め、児童生徒に対して、より効果的な教育活動が行えるという意識を教員自身が持つことが大事であるというふうに考えております。  このようなことから、教員全体の働き方に関する意識改革においては、次年度、校長の作成する学校経営方針等に働き方改革の視点を盛り込むこと、その視点を踏まえ、教職員は業務改善の視点で校務分掌等の具体的な取り組みを設定するよう通知したところでございます。  今後、県教育委員会としての取り組みをしっかりと整理し、学校現場の負担を減らす観点で着実に取り組みを進めていきたいというふうに考えております。  以上です。 237 ◯武藤委員=その着実に進めていく視点という言葉を使われましたけれども、そうならばなおのことタイムカード、ICカードの活用をお願いしておきたいと思います。  それから、教員等の採用数の拡大についてです。  教育職員の長時間勤務を改善していくためには、教員の採用数をふやすべきだと思います。学校現場では講師が見つからずに授業に支障を来しているところもありますが、特に県境地域では給与のいい隣の県へと流出していくという実態があります。給与を引き上げて採用数をふやすべきではないでしょうか、どうですか。 238 ◯青木教職員課長=教員の採用等についてお答えしたいと思います。  まずは教員の採用につきましては、長期的な採用計画を策定して、それを毎年見直しながら適切な人員配置に努め、ここ数年は毎年、小学校の教諭の採用数をふやしております。平成二十九年は百二十人、平成三十年は百三十人と毎年十人ずつふやしているような状況でございます。  ただ一方で、小中学校における特別支援学級数の増加によりまして、教員の採用見込み数を上回る欠員が生じていることも事実でございます。  教育委員会としましても、できるだけ正規教員をふやすべきとの認識は持っておりますが、将来的な児童生徒の減少が避けられないことから、全て正規教員を配置するということもできず、今後とも、諸条件を勘案して、長期的視点に立った計画的な採用を行っていきたいと考えております。  あと、給与等につきましては、他県との情報を収集しながら検討してまいりたいというふうには考えているところです。  以上です。 239 ◯武藤委員=身近な例で言いますと、教員の給与の問題でいえば、お隣の県と五万円から六万円差がついているというふうなこともお聞きしておりますので、その辺、本当に佐賀県に先生たちを確保するという意味で、しっかりと努力をしていただきたいというふうに思っております。  また、支援員や用務員の採用数の拡大も大事だと思います。特に教育職員の業務を縮減するためにも、支援員、用務員の役割というのはとても大事だからです。それについてはどのようにお考えでしょうか。 240 ◯青木教職員課長=支援員等の採用についてお答えしたいと思っております。  児童生徒の教育に携わる教員の負担を軽減し、本来の教育活動に専念するためには、児童生徒にかかわることの全てを教員が担うのではなく、役割分担をしながら学校組織を整えていくことが大切であると考えております。  市町立学校におきましては、市町と県の双方の負担で人員配置が行われておりまして、市町教育委員会の採用である支援員や用務員については、市町の状況に応じ適切な採用がなされているものと考えております。  県教育委員会としましては、支援員、用務員が学校にとって必要な職員であるとの認識に立ち、県立学校においては特別支援学校の介助員、各学校の学校技師の適正配置に努めるとともに、市町教育委員会での任用についても、市町教育委員会教育長会などで機会あるごとに市町の実情に応じた効果的な配置がなされるように促してまいりたいと考えております。  以上です。 241 ◯武藤委員=今の答弁の中で、市町が適切に配置しているというお言葉があったんですけど、それはやっぱり実態に即していないなと思うんですね。ある学校では、支援員をふやしたから用務員が減らされたというようなこともあるわけです。支援員と用務員は役割が違いますよね。支援員をふやしたから用務員を減らしていいというもんじゃないと思うんです。その分、先生たちが用務員がわりの仕事がふえているという実態があるんですよね。ですから、支援員をふやしたから用務員を減らすというようなことにはならないように、しっかりと対応していただきたい。支援員をふやした学校でも用務員さんを減らさないでほしい、それについてどのようにお考えでしょうか。 242 ◯青木教職員課長=市町の任用という形になっておりますけれども、やはりそれぞれの学校の実情等もあるかと思いますので、市町の教育委員会の情報等も収集しながら、こちらとしてもできるだけ情報は収集しながら、適切な配置になるように私たちのほうも効果的な配置になるように促してまいりたいというふうに考えております。  以上です。 243 ◯武藤委員=適切で効果的な配置にしていただきたいと思っております。  この間、私は特別支援教室の支援員さんの必要性、何回も言ってまいりましたけれども、しっかり着実に思い切った対策、これが大事だと思うんです。市町によっては、交付税措置がされているとは言いつつも、ほかのことにお金がかかって、支援員の重大さ、重要さというのがおろそかになっていくということにもなりかねないという心配も持っておりますので、皆さんたちちゃんとそれぞれの市町の交付税措置を生かした配置ができるように、皆さんのほうからも市町にしっかりと言っていただきたいと思いますが、どうでしょうか。 244 ◯青木教職員課長市町教育委員会教育長会などがございますので、そういう機会を捉えまして、私たちのほうからお話をしていきたいと思っております。  以上です。 245 ◯武藤委員=教職員の健康管理についてなんですけれども、長時間勤務が教職員の健康問題へ影響を及ぼしているということは本当に想像にかたくありません。時間の関係で、ちょっと三年分言いなさいとまでは言いませんけれども、平成二十八年度の休職者、そして、現職死亡者、これについて述べていただきたいと思います。 246 ◯青木教職員課長=平成二十八年度の病気休職者、また、死亡者についてお答えしたいと思っております。  平成二十八年度は、悪性新生物のがんによる休職者が八名、循環器疾患が二名、精神性疾患が四十二名、その他十五名となっております。  また、現職の死亡につきましては、平成二十八年度は、悪性新生物(がん)による死亡が三名、循環器疾患による死亡が三名、その他が四名となっております。  以上です。 247 ◯武藤委員=現職死亡者の人数ですが、今、十人というふうになりますけれども、昨年の三人より本当にふえておられるというふうに思うんですね。それについてどんなふうに、私はとてもつらくて、現職でお亡くなりになる先生たち、家族もおられるかもしれない、子供たちのことも心配かもしれない、生徒たちのことですね。そういうふうに思うんですけど、どういうふうに認識しておられるんでしょうか。 248 ◯青木教職員課長=確かに平成二十八年度は十名ということで、平成二十七年度三名からすれば、たくさんの方が亡くなられている状況がございます。本当に在職中にお亡くなりになられたことに関しては、心痛む思いであるというところです。  ただ一方で、この中で長時間勤務が直接的な要因と思われる疾患による死亡例はないと考えておりまして、多くの方が、がんであるとか循環器、特に年齢の高い五十歳代の方が十人中七人ということで、今現在の教職員の県立学校、小学校、中学校合わせまして約四割が五十代ということもありまして、それが顕著にあらわれているのではないかというふうに考えているところでございます。  以上です。 249 ◯武藤委員=今述べていただいた休職者や現職死亡者の要因も含めてですけれども、本当に佐賀県は教職員の健康管理、本当に求められていると思うんですね。教育環境の改善は一体のものとして取り組んでいただきたい、そういうふうに思っております。  労働安全衛生法の第十八条で決められている衛生委員会の開催状況、県立に比べて市町立の状況はよくないというふうに思いますけれども、それについてどのようにお考えでしょうか。 250 ◯青木教職員課長=労働安全衛生法に係る衛生委員会の開催についてお答えしたいと思います。  県立学校では、職員数が五十人以上であるか否かにかかわらず、全ての学校で衛生委員会を設置しておりまして、年間平均開催回数につきましては、平成二十六年度が十二回、平成二十七年度が十一・九回、平成二十八年度が十一・九回と、ほぼ月一回の開催がなされております。法で定められている五十人以上につきましては、十二回全ての学校で実施をなされているところです。  あと、市町立小中学校におきましては、平成二十八年度公立小中学校労働安全衛生管理体制状況調査における職員五十人以上の学校が五校ございまして、その全てに衛生委員会が設置されております。ただ、残念ながら年間平均開催回数につきましては九・〇回となっておりまして、昨年度、平成二十七年度が十・〇回でしたので、それよりも一回減った形にはなっております。  まだ月一回以上の開催がなされていない県立学校及び市町教育委員会におきまして、県教育委員会としても、この点については指導をしていきたいというふうに考えております。  以上です。 251 ◯武藤委員=ある学校の話なんですけれども、医師に健康相談したい、面談したいということで申し入れていたら、たまたま医師のほうが多忙で、ちょっとその面談が取りやめになったそうなんです。それでも一向に学校や教育委員会から、その面談はどうなったのかということを先生本人に聞いてこない。もう数カ月にわたって状況も聞いてこないで、そのまま来ているということで、面談が受けられていない状態が続いているそうなんですね。やっぱりそういったことにも細かに目を配っていただきたいということを改めてこの場でお願いしておきます。  私、教育長に最後にお聞きしたいのは、今、誰もが教職員の多忙化解消という言葉を口にされるようになってまいりました。それだけ県民的な認識として教育現場の先生方の多忙化というのは広がってきたと思うんですね。やっぱりそれは喫緊に解決しなければならない問題だし、子供たちに行き届いた教育を進めていくためにも極めて大事なことだというふうに思っております。こういった改善も含めて、県教育委員会の取り組みが求められている、そういうふうに思いますが、教育長にその決意を述べていただきたいということでお願いしたいと思います。 252 ◯白水教育長=先ほど申しましたように、教育現場における働き方改革というのは喫緊の課題だというふうに認識をしております。  先ほど申しましたように、学校、児童生徒の抱える問題等も非常に多様化していまして、そういう面では多忙感ということと、時間がかかるというような状況にあるかというふうに認識をしております。その中でもやはり大事なことは、勤務時間内にやはり効率的な業務をこなすということが大事でありまして、職員一人一人が意識改革を取り組んでいくということが重要であるというふうに思います。  その改革につきましては、やはり管理職が、校長がリーダーシップをとりながら、職場の力を結集しまして、それぞれの取り組みを一つ一つ着実にしていくべきだというふうに考えております。  本県でも業務改革にかかわる改善計画を立てておりますが、四本の柱とはいえ、それを詳細にいきますと、多岐にわたって本当に採点業務からテストの入力、掃除、いろんな業務があります。それを含めまして改善していくためには、やはり先ほど申しましたように、教員一人一人の意識改革と、その一人一人の力を結集しながら、各学校における業務改革に取り組むことが一番大事だと思っていますし、そのリーダーシップを私たちも教育委員会としてもとっていきたいし、市町に対しましてもしっかり支援をしてまいりたいというふうに思います。  とは言いながら業務改革には、やはり教員というのは児童生徒を思う気持ちが一人一人非常に強うございます。その中で改革をしていく上では、やはり教員の使命感なり情熱を損なわないようにということもしっかり配慮しなくてはならないというふうに思います。  いずれにしても、教員一人一人がみずからの健康保持に努めまして、特に児童生徒のために職責を果たすよう市町教育委員会と協力しながら、県立学校においても業務改革のほうに、働き方改革のほうに努めてまいりたいと思います。  以上でございます。 253 ◯宮原委員長=質疑を終了いたします。  暫時休憩いたします。     午後三時四十八分 休憩     午後三時五十分 開議 254 ◯宮原委員長=委員会を再開いたします。  これより討論に入りますが、ただいまのところ、討論の通告はあっておりません。討論はないものと認めます。よって、討論を終結し、直ちに採決に入ります。     ○ 採     決 255 ◯宮原委員長=まず、甲第一号議案「平成三十年度一般会計予算中本委員会関係」分、甲第十六号議案「平成三十年度国民健康保険事業特別会計予算」、甲第十八号議案「平成二十九年度一般会計補正予算(第五号)中本委員会関係分」、乙第十四号議案「介護保険法施行条例等の一部改正」、乙第二十号議案「国民健康保険法施行条例」、乙第二十一号議案「国民健康保険広域化等支援基金条例等の一部改正」、乙第二十二号議案「後期高齢者医療財政安定化基金条例の一部改正」、乙第二十三号議案「旅館業に関する条例の一部改正」、以上八件の議案を一括して採決いたします。  原案に賛成の方の起立を求めます。     〔賛成者起立〕 256 ◯宮原委員長=起立者多数と認めます。よって、以上八件の議案は原案のとおり可決されました。  次に、甲第三号議案、甲第十三号議案、甲第十五号議案、甲第二十八号議案、甲第三十号議案、乙第十号議案から乙第十三号議案までの四件、乙第十五号議案から乙第十九号議案までの五件、乙第二十四号議案、乙第二十五号議案、乙第三十一号議案、乙第三十二号議案、乙第四十一号議案及び乙第四十二号議案、以上二十件の議案を一括して採決いたします。  原案に賛成の方の起立を求めます。     〔賛成者起立〕 257 ◯宮原委員長=全員起立と認めます。よって、以上二十件の議案は原案のとおり可決されました。     ○ 継 続 審 査 258 ◯宮原委員長=最後に、十一月定例議会から引き続き審議中の 一、県民環境行政について 一、健康福祉行政について 一、男女参画・子育て行政について 一、教育の振興について  以上の四件につきましては、諸般の検討が必要ですので、閉会中の継続審査といたしたいと思いますが、これに御異議ございませんでしょうか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 259 ◯宮原委員長=御異議なしと認めます。よって、以上四件については継続審査を議長に申し出ることといたします。  以上で、本委員会に付託された案件の全部を議了いたしました。  これをもちまして文教厚生常任委員会を閉会いたします。お疲れさまでございました。     午後三時五十四分 閉会 Copyright © Saga Prefectural Assembly Minutes, All rights reserved. ページの先頭へ...