企業局では、企業団設立準備協議会を市町とともに立ち上げて、市町とも連携しながら丁寧に進められてきたと思いますけれども、その過程で、市町内での合意形成もある程度図られてきたと思います。
しかし、最近、新聞報道でもありましたように、住民から反対の声が出ている市町も出てきています。住民の皆様の関心が高まってきたということだと思うので、議論があって当然でありますし、丁寧に対応していけばいいと思います。こういったことを受けまして、現在、各市町で行われている議会での議論、議決の状況を分かる範囲で教えていただければと思います。
5:
◯答弁(
企業団設立準備担当課長) 参画を予定している市町の9月議会においては、企業団設立について議案が上程され、議論が進められてきております。様々な意見が出されている中で、水道事業は住民に身近なライフラインであり、引き続き市町が運営すべきではないかといった意見が出されていると確認しております。
一方で、企業団設立については、令和2年6月に策定した広島県水道広域連携推進方針に基づき進めてきたところであり、これまでも参画する14市町においては、様々な機会を通じ、真摯に議論を重ねてきたところであります。その結果、昨日までに、全14市町のうち11市町で企業団設立議案について可決が得られており、残り3市、三次市、庄原市、安芸高田市についても、明日予定されている本会議で採決が行われる予定であると聞いております。
6:
◯質疑(
鷹廣委員) 11市町で既に可決ということでありますので、可決の賛成、反対の数とかが、もし分かれば教えていただけますでしょうか。
7:
◯答弁(
企業団設立準備担当課長) いずれの市町でも賛成多数と聞いております。個別に確認は全て取れているわけではございませんが、一部報道があったように、三原市の場合であれば、賛成17票、反対4票、棄権3票という状況だったと聞いております。
8:
◯要望(
鷹廣委員) 各家庭に水を届けているのは市町になりますので、市町は、住民から直接声が届くところとなります。議会もそうでありますから、様々な意見が出てくると思います。
現段階では組織、運営形態の話であり、水道料金を上げるとか下げるとかという議案ではありませんし、たちまち水源が変わって、水質がどう変わるという議案でもないので、住民の皆様も今まで関心が低かったのかもしれません。今からより身近になって関心が高まってくれば、県民、市民、町民の皆様からの様々な声が出てくると思いますので、丁寧に説明していっていただくことをお願いします。
そして、本議案が県と14市町で可決すれば、より具体的なところを詰めていくことになると思います。県と市町からの職員の派遣で組織を組むことになりますけれども、勤務労働条件も仕事の進め方もそれぞれ違いますし、組織が違えば文化が違っているはずであります。決裁一つ取るにしても、それぞれのやり方があると思いますので、今後、より現場レベルでのすり合わせを、細かいところも含めてしていただいて、スムーズに統合してスタートできるようにお願いします。
9:
◯質疑(
三好委員) 自転車条例についてお伺いいたします。
自転車は、健康にも環境にもよい身近な乗り物として、幅広い世代の県民が様々な用途で利用されているわけですけれども、このたび、土木建築局が中心となり、県の関係部局が連携しながら議論を重ねられて、本県においても、自転車条例が提案されることについて歓迎いたします。
本条例の大きな目的の一つとしては、安全で適正な利用促進を図ることとされており、自転車損害賠償保険等の加入義務も明記されております。9月14日の委員会での説明では、有識者で構成する検討委員会からも、保険等の加入義務化については、自転車販売店と学校での周知は効果的との意見もあったと説明がありました。自転車の保険については、自動車の自賠責保険のような車両自体に保険がかかっているものだけではなくて、学校通学用として加入するものや、自動車保険に附属されているものなど様々な種類があると思います。さらに、契約上、通学用や業務用に限っているものも多くあるのではないかと思っています。
条例の趣旨からすれば、自転車に乗る際には、事故等がいつ起こるか分からないことから、すべからく保険が適用される状況が求められていると思います。そこで、自転車損害賠償保険の加入促進等について、どのようにお考えを持っておられるのか、お伺いいたします。
10:
◯答弁(
道路企画課長) 保険加入促進の取組につきましては、まずは、この条例の制定により、自転車損害賠償保険等の加入が義務化されたことについての広報、啓発を行うことで、県民の皆様に保険加入の必要性を理解していただくことが重要であると考えております。
また、自転車保険の種類につきましては、利用者や用途に応じて多岐にわたっており、例えば個人向けの保険でございますと、自転車単体の保険、自転車の点検・整備に附帯されている保険、自動車保険や火災保険等に附帯される特約など様々なものがございます。これらの保険につきましては、通勤、通学、子供の送迎、買物等といった日常生活において自転車を利用する際に起こした事故に幅広く保障されるものもございます。一方で、業務、仕事等で利用された場合には保障の対象外となるといった場合もあることから、保障の適用範囲について十分に配慮する必要があると考えております。
このため、学生、保護者、事業者、観光客といった様々な主体に応じて必要となる保険内容を、ホームページやリーフレット等において分かりやすく説明するなど、個人や事業主の皆様が利用方法や業務形態に沿った保険に加入していただけるよう、日本損害保険協会などとも連携しながら、丁寧で分かりやい広報、啓発に取り組んでまいります。
11:
◯要望(
三好委員) この条例は、県民や事業者、県外から広島を訪れるサイクリストなど立場が異なる様々な方が対象となり、また、高齢者や幼児も自転車を利用されるわけであります。県内で自転車を利用する全ての人に対してこの条例は関わってきますので、特に保険加入の義務化については実効性のある取組となるよう、県の各部局や市町、関係団体等とも連携しながら、効果的な広報にも努めていただくようお願いいたします。
この条例をつくって終わりではなくて、引き続き安全で適正な利用の下で自転車の活用がされるよう、取組の推進を要望します。
12:
◯要望・
質疑(下
森委員) 大きく2点質問させていただきます。
先週の18~19日にかけて台風14号が本県にも上陸し、県西部を中心に被害をもたらし、1名の方がお亡くなりになりました。御冥福をお祈りするとともに、被災された方々に心からお見舞いを申し上げたいと思います。
これまで大災害を経験し、県土強靱化に努められてきた結果、最大級の台風でありながら、比較的被害は少なかったのではないかと思います。改めて事前防災への取組の重要性を感じている今日でございます。本県の安全・安心を支えていただいている土木建築局におかれましては、速やかに被害状況の把握と早期復旧に向けて、引き続き力を発揮していただけるように心からお願い申し上げます。
さて、このたびの9月補正予算について、G7広島サミット関連として計上されている45億8,500万円の維持修繕費について、2点お伺いします。
来年5月に開催されるG7広島サミットについては、国内外から、広島都市部だけではなく、県内各地の観光地等へも多くの関係者が訪れることを大いに期待しております。そのため、この予算をしっかりと活用していただき、各建設事務所において、アクセス道路の舗装や草刈り、河川内の堆積土や立ち木の撤去など、美観にも配慮していただき、事前防災に資する適切な維持管理を推進していただきたいと考えております。
そして、この執行に当たっては、本委員会でも14日に質問させていただいたわけでありますが、地域の声をしっかりと聞いていただきながら、例えば河川内の立ち木等の伐採においても、表面だけを刈るのではなく、根本から撤去するなど、より効果的なものとなるように、抜本的な対策の実施について、改めてお願いを申し上げます。
そこで、本補正予算を活用した効果的な河川しゅんせつ等の維持修繕の実施に当たり、どういった方針で執行されようとしているのか、まずお伺いいたします。
13:
◯答弁(
河川課長) このたびの9月補正予算案では、G7広島サミット関連の予算のうち、河川維持修繕費として3億500万円を計上しております。当該予算につきましては、各国首脳等の安全性の確保を図るとともに、サミットを契機とした県内各地への訪問を見据えた景観、環境の向上等の対策として、河道しゅんせつや河川内の樹木伐採、除根、護岸の修繕を実施する予定としております。なお、河道しゅんせつや樹木の伐採に際しては、現場ごとの植生状況等を十分確認し、できるだけ根株等を残さないよう、丁寧に施工してまいります。
また、実施方針といたしましては、地域の要望や意見を十分にお聞きしながら、美観への配慮や治水上効果的な箇所を選定し、実施してまいりたいと考えております。
14:
◯要望・
質疑(下
森委員) もう10年ぐらいになると思いますが、河川内の堆積土等除去計画を策定されました。その後、特に平成30年の災害で、多くの河川が河川内の堆積の結果、かなりオーバーフローした現実の中で、それから着実に、毎年予算をきちんと組んでいただいたことに対して感謝いたしておりますが、実際のところ、地元で一番、最近声が多いのが、やはり川の中のジャングルを何とかしてほしいというものだと思います。川の中にイノシシや鹿が住み着いているところがいっぱいあります。各市町の、それぞれの優先度もあろうかと思いますが、河川内堆積土等除去計画を決して後退させることなく前進させるとともに、特に今回はサミット関係で予算を組んでいただいたのでありがたく思っておりますが、地域の声をしっかり聞いていただきますように、切にお願い申し上げたいと思います。
2点目に、しゅんせつ土の民間工事等への利用についてお伺いいたします。効果的な執行に加えて、効率的な執行も求められておりますが、除去した河川しゅんせつ土の民間工事等への有効活用についてお伺いします。
この件については、この泥もただで処分するのではなくて、欲しいところにはあげたらどうか、それだけの経費は浮くではないかということを申し上げてきたわけでありますが、前向きに、本年6月に基準を改定していただきました。
民間工事への流用に当たっては、その処分費は無料という原則とされていることから、これまでのリサイクルプラントや受入れ地へ搬入していた処分費のお金を、現場の堆積土除去の促進に回すことができる、いわゆる処分費がただになるわけでありますから、堆積土を取る延長が伸びてくると理解しております。そのように効率的な実施を大いに期待しております。
そこで、河川内の堆積土等による発生土の処分に当たり、公共工事に加え、民間工事への流用が促進されるよう周知、あるいは留意点等について、現在の状況はどうなのかお伺いします。
15:
◯答弁(
技術企画課長) 建設発生土の処分方法につきましては、今年6月に制度改正を行い、これまで取り組んできました国、県等の公共工事間での流用に加えまして、無償での受入れが可能な民間工事を募集する取組を導入したところでございます。
まず、民間工事に建設発生土を流用する際の留意点といたしましては、民間工事において、建設発生土が適正に処理されるのか、関係法令が遵守されるのかという点に留意する必要があると考えており、今回導入した仕組みでは、土砂崩れや災害の防止措置が適切に行われることや、県土砂条例の許可等を有していることなどを登録の条件としております。また、この制度改正の周知につきましては、5月末に開催いたしました建設業関係者への説明会や県ホームページなどを通じて周知を図っているところでございますが、現時点では、民間事業者からの申請はない状況でございます。このため、建設業団体を通じた民間事業者への情報発信や関係法令の許可等に関する相談、申請等の際のリーフレットの配布など、制度の周知に努めてまいりたいと考えております。
今後も引き続き、建設発生土の有効利用とコスト縮減の観点から、適切に対応してまいります。
16:
◯要望(下
森委員) いろいろ聞く中で、多分民間が入れてほしいということになると、もともとの雑種地あるいは田んぼを造成して宅地にしたいという声をよく聞くのですが、例えば1~2m入れるのに、いい堆積土が欲しいのです。草や根っこがぼうぼう入っている、ヘドロがたくさん入っている土は、多分お断りされると思うのです。いい土は宅地に入れる、悪い土は処分地に入れるなど、ヘドロも受けてもらわなければ困るというようなことがないように、ぜひ臨機応変に対応していただきますようにお願いします。
最後に要望でありますが、G7広島サミットの関連の補正予算の活用を含め、地域の実情を踏まえた道路、河川等の維持修繕費の各地域の適正な予算配分について配慮するとともに、事前防災に資する既存ストックの適切な維持管理の効率化、効果的な執行について強く要望したいと思います。
また、広島県水道広域連合企業団の設立について、要望させていただきます。
県及び14市町の水道事業等の統合に当たっては、その基本理念にもあるとおり、将来にわたって、安全・安心、そして良質な水を適切な料金で安定的に供給することができるよう、引き続き関係者との理解を深めながら、統合による相乗効果により、専門人材の確保、危機管理体制の強化を図り、もって住民の利便性の向上に資する強靱な水道企業団となるよう、令和5年4月の事業開始に向けて、万全な準備を進めていただくことを強く要望いたします。
17:
◯質疑(
井原委員) 先ほど、水道企業団のことで質問がありましたが、まず、この事業の範囲を確認しておきたいのですが、上水と工業用水の2事業でよろしいでしょうか。
18:
◯答弁(
企業団設立準備担当課長) 水道企業団で予定している事業につきましては、市町の水道事業、県の上水供給事業と工業用水道事業の3つの主な事業によって構成されています。
19:
◯質疑(
井原委員) 先般の一般質問でもありました東広島市の太田川水系ですけれども、工業用水が足りないということで、一部、上水を入れたらどうかと示唆されています。そういう判断をこの企業団で行われるとすれば、例えば工水と上水は、生産原価が違います。これはどう処理されようとしているのでしょうか。
20:
◯答弁(
企業局長) 企業団におきまして、市町の水道事業、県の上水供給事業、工業用水道事業を引き継いで事業運営していくことにしておりますけれども、料金の計算及び設定につきまして、あるいはその基になる給水原価の積算につきましては、これまでそれぞれ厚生労働省、あるいは経済産業省の示しているものをベースに行っているところでございまして、その考え方については変わるところではないということでございます。
21:
◯質疑(
井原委員) 現実にもう起きている事象についてです。この間、本会議でもお答えになりましたけれども、上水を補足的に供給するということで考えているとおっしゃる以上、原価そのものの考え方は既に決まっていないとまずいのではないですか。これはどのように決められるのですか。
22:
◯答弁(
企業局長) 現時点で、料金ということになりますと、企業団の移行時に当たりまして、それぞれ参画する市や町の水道事業については同じ料金体系を考えておりますし、工業用水についても、給水原価の考え方は基本的に変わるところではございません。ですので、本会議でも答弁申し上げましたように、受水する企業の負担を最小限にする考え方にのっとりまして、それぞれの受水する企業の必要な水量、あるいはそれを供給するために、どこの水源から、どういった施設整備を必要とするのかを勘案いたしまして、最小となる手法で供給していくことを考えていきたいと思っているところでございます。
23:
◯質疑(
井原委員) 現に水が足りない工業用水について、緊急避難措置的なものも含めて、上水をその中に入れるとお答えいただきました。上水と工業用水の生産原価は違います。そうすると、あくまでも工業用水の今までの生産原価をそのままスライドさせて、そこに持ち込んでいいという話になるのか、加重平均かけて上へ足すのか、どっちですか。
24:
◯答弁(
企業局長) 企業団の移行に当たりまして、給水原価については基本的に変わるところではございませんで、工業用水道につきましても、現在、受水団体に供給させていただいている料金単価は、企業団への移行に当たりまして変わることはございません。一方で、企業団と同時期に、工業用水道の料金見直しは別の観点で進めているところがございますので、その考え方によって、料金設定はさせていただきたいと思っております。
25:
◯質疑(
井原委員) 企業団に移行するから云々と申し上げているわけではなくて、これは基本的な考え方です。例えば本会議でも申し上げましたように、二期トンネルでは、どんどん金目が増えていますが、上水と工業用水の併用版だったと思います。工業用水部分の二期トンネルにかかる費用は、その中に算入せず、上水に全部乗せるとおっしゃっていますけれども、それは確かですか。
26:
◯答弁(水道整備担当監) 二期トンネルは、平成18年のトンネル崩落事故を踏まえ、災害や事故に強い水の供給体制を構築する観点から、呉、江田島方面に水道用水を安定的に供給するために、広島水道用水供給事業により整備することとしたものでございます。このため、整備費に対する工業用水の負担は求めないこととしております。
27:
◯質疑(
井原委員) 二期トンネルの工業用水は日量16万8,000トンです。これだけの量が行くわけです。これで原価は入らないというのは、いかにも企業会計としては不可思議でしょう。ある意味では、県が受け持つべき工業用水の費用負担の生産原価を、一部市町で受け持つ上水の費用に付加したということでしょう。トータルのトンネル費用は同じくかかるわけです。最終的に176億円かかります。当初の103億円から73億円上に乗せたのです。それを含めて、全部上水の会計に放り込んで、工業用水は一切見ないわけにはいかないでしょう。
この企業団そのものが、こういった偏在を含めて、全体のフレームを変えてきているということです。まして悩ましいのは、この部分の中で、例えば企業団の中へ入ってこない呉市にも受水者がいるわけです。その整理はするべきだと思うのです。あくまでも呉市民が、そこに本来かかる費用を受益者負担として提示されるべきだと、一部工業用水への費用まで乗せること自体が、無理があると思っていますし、このことについてしっかり考えていくべきだと思っています。
そして、マイクロンは、結局1万5,000トンは要るだろうと言っています。まだ先の話かも分からない。でも、市も県も、マイクロンの増築、増床、生産量の引上げについて、地元の地域とも話をしているではないですか。それがありながら、受水の要求がないから、計算分の中の数値に入れないのは、いかにも不可思議ですし、基本的に7年ぐらいかかりますとおっしゃっている。そうすると、この半導体メーカーは、増産体制を組もうにも多分組めないです。6~7年もあって、新たな産業、新たな増産措置ができるわけないでしょう。このことは本来商工労働局が考える話になってしまうと言われるかもしれませんが、それぞれのセクショナリズムの中で無理があると思うのです。いかがですか。
28:
◯答弁(
企業局長) 工業用水道事業の、特に製造業の中でも半導体を製造される企業については、非常に大規模な水を必要とされているということがございまして、現在、我々としても工業用水を提供している実績もございます。今後、それを拡張される、あるいは受水を要望されることになりますと、恐らく大規模な水を必要とする形になろうかと思います。
基本的な考え方は、水の必要量と水源、あるいは必要となる施設の整備費によりまして、最も安いもので供給体制を考えていくという基本的な考え方は変わるところではございませんけれども、そういった考え方にのっとりますと、非常に大きな規模を要する製造業である場合は、工業用水として提供する単価のほうが上水よりも安くなることもあろうかと思っております。そういう場合は、企業のニーズに確実に間に合うように、最も早く整備できる形で、施設整備を検討してまいりたいと考えているところでございます。
29:
◯質疑(
井原委員) 既に新聞等であれだけの増産計画を打ち上げられたわけです。そこで、企業局にお尋ねすべきかどうか分かりませんけれども、どんな計画でどうなるか、どの時期にどの程度の水が要るという考え方をするのかについて、マイクロンに対して打診されましたか。具体的にないとすれば、その協議すべき場を一定程度つくる準備をしなければいけないと、その提案もするべきだと思うのです。そうでないと、東広島市にいるマイクロンそのものを含めて、他の地域へ生産拠点を移すということすら考えられるわけです。
5,000~6,000億円から計算していくと、工業出荷高で9,000億円ぐらいまで上がってくる、約1兆円の生産部分があるとすれば、それをみすみすよそへ行かせてしまうことになるわけです。新たに持ってくるよりも、現にあってそれが膨らむ話になります。あそこが止まって何が起こるかというと、せっかく引いてあるガスのラインも無用の長物になるのです。半分要らなくなるのです。もちろん市との連携も要るでしょうけれども、企業との話合いや体制を整える準備をされているのでしょうか。
30:
◯答弁(
企業局長) 県の企業誘致の窓口は商工労働局が所管しておりますが、特に大量に水を必要とする可能性がある企業という案件である場合については、商工労働局と連携して話すことになっております。それについては、基本的な考え方である一番安い供給方法で、一番企業ニーズに合う時期に供給できるやり方を検討していく考え方を持っていますので、企業の考え方を常に入手できるように、商工労働局と連携してお話をさせていただいているところでございます。
31:
◯要望(
井原委員) そこで、水道企業団を組むわけです。そして、新たな設備を必要とするときに何が起こるかといったら、その企業団の議会で承認を受けなければいけないということで、多分半年から1年、ずれるのです。現在、これだけの状況で地元の調整を行うとか、様々な状況の変異が来ているときに、マイクロンのありようそのものを全く承知していないという姿でずっとおっしゃっているけれども、たった3年でやばいという話をしているのです。それを平気で7年かかります、150億円かかるかも分かりませんという話ばかりされて、上水が来るということは、逆に言えば下水道整備も含めて、トータルの受皿をどこに置くのでしょうか。県の都合で、企業局だとか、その辺のことだけの話では済まない。商工労働局もあります、何もありますとおっしゃるけれども、それは一括で窓口を作るべきだと思うのです。その上で、水道企業団を組むなら組む。その中で、また新たな議案を提出すれば、二重三重の措置になるのではないですか。工業用水の問題について、供給責務が県にある以上、県がしっかりリーダーシップを取るしかないではないですか。このことについて、しっかりと検討しながら、水道企業団の設立を考えるべきだと思っています。
(6) 表決
県第87号議案 … 原案可決 … 全会一致
県第88号議案 … 原案可決 … 賛成多数
上記を除く議案12件 … 原案可決 … 全会一致
(7) 当局説明(一般所管事項の説明)
1)
技術企画課長が報告事項(1)、(5)について、別紙資料1、5により説明した。
2) 建設DX担当課長が報告事項(2)について、別紙資料2により説明した。
3)
河川課長が報告事項(3)について、別紙資料3により説明した。
4) 住宅課長が報告事項(4)について、別紙資料4により説明した。
休憩 午前11時33分
再開 午前11時37分
(8) 一般所管事項に関する
質疑・応答
32:
◯質疑(
村上委員) 私からは、居住誘導区域内の既存住宅、中古住宅についてお伺いします。
中古住宅流通促進に向けた検討チームの検討会議について、いまだに中高年の世代は、工事に関して、新築、戸建てにこだわる概念があります。しかしながら、少子高齢化において、リノベーションが重要ですが、若い世代の価値観をしっかりと知った上で取り組むべきだと考えております。
政府が基本統計調査で平均年収を出しているのですけれども、企業規模10人以上で25~29歳だと380万円、30~34歳で420万円、35~39歳で480万円です。さらに、1,000人以上の規模の社員ならば、25~29歳で約420万円、30~34歳が480万円、35~39歳が540万円になっているのです。一方、あるネット上では、20代の平均年収は広島県で227万円前後なのです。大卒の平均年収が243万円前後、30代になると291万円で、大卒の平均年収は331万円です。こちらのサイトでは、厚生労働省の賃金構造基本統計調査を基に出されているのですけれども、私の感覚としては、こちらの数値のほうがしっくりきます。
さらに、住宅金融支援機構の年収倍率で、どのような形で年収に対してお金を貸しているのかというところで考えたとき、ずっと右肩上がりで貸付金額が増えているのです。ローンは収入に関して1~2割で考えていると思うのですけれども、これから、原材料費が確実に高騰し、内需縮小で、世界経済の悪化によって景気後退も考えられる状況の中で、給与が伸び悩む状況も想定されます。また、金利上昇も想定されている中で、若い世代の意見や現状を反映させることが必要だと思うのですが、いかがでしょうか。
33:
◯答弁(住宅課長) 中古住宅やリノベーションの市場は、若い世代を中心に人気が広がってきております。県の施策においても、若年者をメインターゲットとして捉えて検討していくことが重要であると認識しております。
今回、設置いたしました魅力的なライフスタイル創出検討チームにおきましては、ターゲットに対する効果的、効率的な広報戦略などを検討することとしております。構成メンバーとしては、リノベーション市場で国内第一位の施工実績を持つ企業をはじめとして、市場規模が大きく、国内トレンドが形成されていく首都圏において活動されている事業者にも参画いただいております。
このような若者を含めた消費者に響く商品や企画などの立案にたけた事業者などと議論することによりまして、実効性のある効果的な戦略を検討してまいりたいと考えております。
34:
◯質疑(
村上委員) 構成員を一通り調べたのですけれども、在阪、在京の企業も入っております。基本的には戦略と施策を分けて実効性のあるものにしようということで、まずはここの戦略チームとして検討チームに入っているということです。また、AIにより、中古住宅の値段がネットで分かるようにする等に取り組んでいます。2月14日に配付された取組の方向性に関して、現状の項目でいえば、需要側の仕組みづくりと、需要側と供給側のマッチングの仕組みづくり、供給側の仕組みづくり、あと、今後の進め方には、先ほど言われていたターゲットを絞っていくところに関しての若い世代の項目がないのです。これに対して、どのようにお考えなのか、お伺いします。
35:
◯答弁(住宅課長) 方策を検討する上で、若者を中心とした、これから住宅を購入していく世代に向けて、広角的な取組を検討することが必要であると考えております。近年のSNSの普及などもございまして、消費者の情報を収集する能力は高くなっておりまして、魅力的なコンテンツや事例を知る機会は増えてきている一方で、情報発信だけでは膨大な情報量の中で埋もれてしまって、消費者の行動や価値観を変えていくところまでは難しいと認識しております。若い世代の行動や関心があることをしっかり分析した上で、リノベーションをリアルに体験して、魅力を感じていただける場面をいかに多くつくっていくかを検討してまいりたいと考えております。
36:
◯質疑(
村上委員) 発信についてですけれども、ティックトックでよく出てきて、今すごくはやっているのが、外観上は古い団地の中へ入ると、若い世代の人たちがいわゆる映えるというような部屋の内観にしていて、若い人の感性を動かす形で、どんどんお客さんを取っていっているということも聞いております。
居住専用住宅の坪単価が、資料を見ると、2012年に55万円でしたが、2021年には65万円程度まで上がり、約10万円上がっています。これから先ももっと上がっていくことが予測される中で、若い世代の所得が、増税もあるため、住宅単価に比較して上昇幅も抑えられることが想定されると思います。原材料高騰と若い世代給与に対する分析をどのように考えているのか、お伺いします。
37:
◯答弁(住宅課長) 坪単価は上昇し続けておりまして、今後も上昇が予想されます。海外の木材とか鋼材などの消費増加に伴う資材価格の高騰、それから、建設業の労働環境の改善などによる人件費の上昇により、今後も建築費はずっと上昇していく可能性が高いと考えられることを踏まえますと、これまでと同じように新築住宅の供給を推し進めるだけでなく、リノベーションの魅力をさらに県内に普及し、若い世代をはじめとする消費者が中古住宅を購入しやすい環境をつくっていくことが重要であると考えております。
38:
◯要望(
村上委員) 総務省の住宅土地統計調査で、広島県内の世帯収入の分布の推移を見ると、年収400万円未満がかなり増えてきています。50%を超えてきているのが現状であって、今後、金利が上昇することで、住宅金利上昇や企業経営も資金繰りが苦しくなって、給与所得や手取りは相当厳しくなっていくことも想定されます。そして、2018年の時点では、空き家が約850万戸あり、2028年には1,500万戸にまで増えていくことも言われております。
今朝の日経新聞で、中古住宅再生販売のカチタスという会社についての記事がありました。ここは、交通の便や学校、病院などとの距離を勘案して、売れると判断すると、庭を潰して2個駐車場を増やしたり、家に置いてあった家具も処分したりして、人口5~30万人の地方都市に集中したマーケティングをやっています。その世帯年収はどれぐらいなのかといえば、200~500万円のところを、カチタスはターゲットにしております。こういった企業もしっかりと調査して、検討会に入っていただくことも必要だと思っております。要は、こうした検討チームをつくるときに、どういったターゲットに絞り込んでやっていくのか。これから外国人がどんどん入ってくると、企業が中古住宅に外国人労働者を住ませることも考えられます。そういったところも考えていただけたらと思っております。
これから、物価上昇が避けられない状況にあること、また、空き家の状況を考えると、新築戸建ての市場は厳しくなる反面、リノベーションの中古市場にとっては追い風と捉えて、今後の若い世代の中古住宅市場の購入促進と環境整備を併せて着実に進めていただきますよう、よろしくお願いします。
39:
◯質疑(栗原委員) 何点かお伺いします。
まず、県内の下水道の汚泥処理についてお伺いしたいと思うのですけれども、新聞報道によりますと、これは佐賀市の話ですが、下水処理で生じた汚泥を活用してつくった肥料が今注目を集めているという記事がありました。ウクライナ情勢や中国の輸出規制で化学肥料の原料が高騰している状況で、地場産の肥料が安価な代替品ということで注文も殺到し、6月の販売量が前年の2倍に上ったということです。
佐賀市の上下水道局によりますと、例年は需要が減る6~7月の販売量が、前年から倍増し、これまで購入したことがない新規の問合せが、6月はもう約150件あるなど、高い関心が寄せられているということで、化学肥料に比べて安価なことも
選択理由の一つであろうと担当者は言っているわけです。この原料となる汚泥は、家庭や企業からの生活排水やし尿などを微生物で処理する際に生じるもので、微生物の量をコントロールするために途中で抜き出す余剰汚泥と呼ばれるものだそうです。脱水加工をした汚泥は、かつては焼却処分していたわけですけれども、2011年から肥料に加工して販売し、温室効果ガスの発生を抑え、処理費用の削減にもつながったということを述べられているわけです。そこで、県内の下水道の汚泥処理は、どのような状況にあるのか、お伺いします。
40:
◯答弁(都市環境整備課長) 県内の下水汚泥につきましては、令和2年度実績で約14万5,000トンを処分しており、このうち約31%の約4万5,000トンをコンポスト化、いわゆる堆肥化し、肥料等として利用しているところでございます。ほかにも、約35%をセメント化などの建築資材利用として、約34%を固形燃料化によるエネルギーとして利用するなど、汚泥の大部分を有効活用しているところでございます。
41:
◯質疑(栗原委員) 広島県の場合は、汚泥処理は結構しっかりと取組がなされているということでありますが、これは化学肥料に替わる汚泥肥料だけの活用をいいますと、全国的には1割にとどまっているということです。下水処理の際に発生する下水汚泥は、都会のリン鉱石とも言われていて、肥料の原料として注目をされています。家庭からの排水の中にはリンが多く含まれていて、下水道に含まれるリンの推定総量は全国で5万トンに上り、そのうち、活用できているのが全国では1割ということです。これが全て肥料として活用できれば、非常に大きな計算になっていくわけです。こういうことを考えますと、農業は、人や家畜のふん尿を堆肥にして農産物を生産してきたわけですけれども、今や肥料は専ら海外からの安価な化学肥料に依存しています。このたびの肥料高騰の課題に直面して、肥料も国内で十分調達できる流れを構築しておくべきだという声が今上がってきております。
このたび、政府が行う肥料高騰の打撃を受けている農家を支援する新制度が今回できておりますけれども、化学肥料の使用量を低減する取組を、この新制度の中でも求めております。こういったことで動き始めているJAもありまして、福岡県のJAは、福岡市の下水処理施設から出るリンを活用できるような販売を始めたということです。神戸市やJA兵庫六甲も下水汚泥から肥料を供給しておりますし、山形県鶴岡市では、下水汚泥を活用したコンポストのセンター、堆肥センターの運営と販売を委託しているという状況だそうです。
国交省も、栄養豊富な下水道資源は食料の安定供給にも貢献でき、化学肥料がコンポストに置き換われば脱炭素化も進むということで、農水省などと連携して、普及を進める方針だと伺っております。
広島県においても、下水汚泥の有効利用はいろいろな形で使われていることは評価するわけですけれども、特に肥料としての活用も真剣に検討する時期が来ているのではないかと思います。この件について、いかがでしょうか。
42:
◯答弁(都市環境整備課長) 国土交通省におきましては、下水汚泥の農業分野でのさらなる利用促進に向けて、現状や課題等の整理、検討を行い、肥料利用を促進するための環境整備を行うこととされております。また、事業の状況や地域によって多様な取組が想定されることも踏まえ、それらの取組が成立するよう支援を進めるとも聞いております。
県といたしましても、今後、国の動向を注視するとともに、引き続き市町と連携し、コンポスト化の拡大について検討してまいりたいと考えております。
43:
◯要望・
質疑(栗原委員) 下水処理事業者と農業者は、接点が基本的にないわけですから、なかなかマッチングがうまく図れていない現状もあるとは思います。特に今回の肥料高騰の課題に直面した中で、国もこういったことを考えているようでありますので、県としても、ぜひこうしたことの積極的な推進を要望しておきます。
続いて、河川敷の民間活用についてお伺いいたします。
これも、国土交通省が今回、来年度の概算要求の中で盛り込んだ中身ですけれども、水辺のオープンカフェとかキャンプ場など、河川敷を活用した事業への民間参入を促すということで、最大10年までとした利用地の利用期間をさらに10年更新できるようにし、施設整備などに充てられる交付金の支給対象拡大も検討するということになっているようであります。
国交省は、河川敷を継続して使う占用許可のルールを改正し、2011年から,要件を満たせば、事業者が飲食店とかキャンプ場、バーベキュー場などを営業できるようにしているわけです。2016年に許可期間が3年から10年へ延ばされたのですけれども、短いという声もあったようで、国交省は、収益の一部を営業区域外の清掃や除草、河川管理の施設整備の費用として還元することを条件に、許可の方針を認めるということであります。
河川の除草の問題とかは、直近の課題として非常に、全地域が求めているわけですけれども、河川敷の民間活用をもっと促進して、河川の整備に使える考え方は非常にいいと思います。これは国の方針ですけれども、県としてはこういった取組に、積極的に取り組もうというお考えはあるか、お伺いします。