6
滋賀食肉センターの
あり方について
(1)
当局説明 浅岡畜産課近江牛流通対策室長
(2)
質疑、
意見等
◆
駒井千代 委員 パターンCの場合には
民設民営型となりますが、そのときに県が
近江牛の
ブランドを守るためにどうしていくかという中で、協定や契約を締結すると書かれています。協定については分かるのですが、契約とはどういうことを意図した契約を想定されているのか教えてください。
◎
浅岡 畜産課近江牛流通対策室長 パターンCでは、
民間企業に全体を一体
運営していただくので協定や契約と書いていますが、具体的にどういう手法にしていくのかについては、どういったところが実際に
運営主体としてあり得るのかを含めて考えないといけないと思っています。そこでの県の
関わり方としては、やはり
近江牛の
ブランドを守るためにどうしていくのかを
基本とし、しっかりと
運営スキームを考えていきたいです。
◆
河井昭成 委員 民設民営型の
パターンCを、
一つの形として想定されていますが、
民間企業が
民設民営で行い、その後の更新や維持にかかる費用を、
企業が負担して取り組むことになると、例えば
ブランドイメージを誰のために守るのかという点が変わってくると思います。この場合、当然、
企業の利益のために
ブランドを守ることになります。
ほかにもあるでしょうが、公平公正という言葉を示してそうした
運営をするときに、その意図に沿うのかどうかという点で、
民設民営としたときには結局、その
あたりが少し変わってくると思います。どのように考えておられるのか、見解を伺います。
◎
浅岡 畜産課近江牛流通対策室長 近江牛は、
江戸時代から
生産者が長年しっかり守ってこられた
ブランドです。
民設民営になりましても、
近江牛の
ブランドをしっかり守っていく観点で、
民間企業もしっかりコミットメントしながら関わっていただきたいと思っています。
民設民営にすると、
ブランドが
民間企業のものになるとは決して考えていません。
近江牛の
ブランド振興基本方針を昨年度策定していますが、その中では
民間事業者とともに行政が
ブランド振興に取り組むことを
基本にしていますので、そのように進めていきたいと考えています。
◆
河井昭成 委員 ブランドが
民間企業のものになるということではなく、
民間企業であれば
ブランドを守る意味が、社会のためではなく、
自分の
企業の利益のためになるのではないですかということを言いたかったのです。
民間企業が
企業活動を行うのは、利益を得るためですし、社会のためになぜ
企業が自身の利益を投じなければいけないのかというところで、モチベーションをどのように発生させるのかが大事だと思います。
企業の目的は様々にありますが、一義的にはそこだと思うので、皆さんが考えているように
民間企業がそこに入ってきたときに、公益のために何かをする
事業活動にはならないと思います。そこはどう考えているのかを改めてお聞きします。
◎
浅岡 畜産課近江牛流通対策室長 民設民営の
パターンCにおいて、県や
協定等を結んでと書かせていただいていることからも、
民設民営となった場合に県が手を完全に引くということではなく、
ブランド振興という観点からやはり県が一定の関与をしていかないといけないと考えています。
◆
河井昭成 委員 例えば、それらの目的のために
コスト増となるとその
コストはどうするのかという話があります。
民間企業であれば、
コスト増になるときに、それが必要だと思えば行うかもしれませんが、
コストから考えて難しいと判断したら切るわけです。
民間企業だとそういうことが起こります。
公平公正の観点から、今、県のやっていることをベースに考えると、そこには沿わないのではないかと思います。完全に
民設民営としたときには、
在り方が変わってくるのではないでしょうか。
では、そこで県がどう関与するかと言えば、一定の制限をしながら、政策的にやりたいことの費用をお支払いするようなことをしなければいけなくなると思いますが、そういう理解でいいのでしょうか。
◎
浅岡 畜産課近江牛流通対策室長 今後、
食肉センターをどうしていくのかという検討の中で、当然、県の関り方を考えていかないといけないと思います。
近江牛の
ブランドを守っていくことは、県の役割の
一つと考えていますので、
食肉センターの
運営にどこまで関与していくかを、今後も検討していかないといけないと思います。
◆
松本利寛 委員 幾つか聞きますが、
一つはこの市場なり公社が、今日のような
経営難に陥った最大の要因は何なのでしょうか。非常に思わしくない
経営状況に根本的にメスを入れるために、何が必要と考えて資料にある
経営形態の三つの定義をされたのかがよく分かりません。
根本的に
運営が困難になったのは、当初の予定や計画から屠
畜頭数が大幅に減少し豚の屠畜数などが事業からなくなったためですが、その
あたりがどうだったのかということが、
あり方検討の過程の中でどのように分析されて、どう議論されたのかあまり分かりません。
また、これから
関係者と様々な形で協議をするとのことですが、今では
関係者との間に訴訟が起きている以上、その訴訟の解決なくして
関係者と本当に対等かつ平等に、あるいは公平公正に議論ができるのか疑問です。これから議論するとのことですが、そこをどうされるのでしょうか。
県の関与により公平公正な
運営を心がけるとのことですが、
河井委員が言ったように完全な
民間会社の
運営となった場合、県の関与と公平公正さをどう担保するのでしょうか。
一時、
日本最大の
食肉会社である
エスフーズが参入することになれば、
滋賀県の
近江牛ブランドが、
エスフーズの
ブランドになりかねないという
生産者の危惧も実際にありました。そうしたことを含めて、
近江牛の
生産農家の合意を本当に得られるのかという一番大きな問題がある気がします。公平公正に行い、県が関与していくことができたとしても、肝心の
滋賀県内の
生産者がそこに合意できるのだろうかという気がします。この題材を議論する
方向性について、その
あたりの
基本的なところを伺います。
◎
浅岡 畜産課近江牛流通対策室長 1点目の
公社市場等の
経営が今まで
累積債務を持ち、
債務超過に陥っている
一つの要因としては、やはり屠
畜計画頭数が当初では1万2,000頭、豚では1万5,000頭であったところ、実態としては8,000頭台で推移していたことが
一つの要因だと思っています。
ただ、屠
畜頭数が集まらなかったことについては、県外への出荷が一定増えていることなども要因としてはありますし、様々な牛肉の
ブランドが出てきたことで、地元で屠畜をする動きもありましたので、県外から集まらなかったという要因もあると分析しています。
ただ、平成27年度以降では、単
年度黒字が継続しており、今7期連続で
黒字経営をしています。そういう意味では、過去の
累積欠損等が縮小しています。
この7年間では、屠
畜頭数としては8,000頭台、豚屠畜については令和2年3月をもって廃止しましたが、単
年度黒字自体は7期連続で継続しています。
過去の
センター開設当時の
運営には、やはり非効率な
部分等もあったと聞いていますので、その部分で経費の縮減を公社が市場において進められた結果、現在では単
年度黒字を達成されている状況にあると認識しています。
2点目については、
食肉センターの
あり方検討において、平成19年に開設してから設備、施設などの
老朽化や牛の
大型化による施設の
狭隘化、
能力不足が明らかになったことがあり、やはり
食肉センター全体として効率的な
運営ができてない部分があります。
あり方検討を着手したということで、訴訟との関連から
関係者との
ヒアリング等を重ねながら今回県としての考え方をまとめました。
訴訟については、公社で
顧問弁護士と相談をされながら対応いただいておりますが、さきの
一般質問の副
知事答弁でもあったように、訴訟が進む中で裁判所から和解の働きかけ等がある場合や状況に大きな変化があった場合には、公正なルールの下に、持続可能な
運営ができるかどうかを検討していくスタンスで、公社とともに考えていきます。県としても、できるだけ早期に適正な
運営をできることが望ましいと認識しています。来年度からの
関係者との協議においても、事業の
関係者の方々に当然入っていただきながら、意見交換や議論を進めていかないといけないと考えています。
3点目の
民間企業の関与における公平公正の確保ですが、現在のセンターでの公平公正に欠ける大きな問題点としては、出荷者や
生産者によって取り扱いおよび料金設定が異なることです。センターの中で人によって取り扱いが違うということです。部位で言えばマクやサガリの取扱や内臓の洗い料金の設定が異なるということがあり、今後の集畜や
経営を考えると、公平公正さ確保のためには、一定の見直しが必要と考えます。
例えば、内臓の洗い代金においても、そのセンターの組合員であれば、
基本7,000円ですが、組合員の中でも特定の方は6,600円という取引をされていたり、または出荷者が枝肉とか内臓を持って帰る場合の直割制度におきましては、旧の
近江八幡市の関係の方については1万2,000円程度のところ、旧の豊郷町で取引されていた方については1万5,000円など、やはり料金が違うことも問題です。やはりそうしたところを公平公正にしていくには一定の見直しが必要だと考えています。マクやサガリという牛の横隔膜は特に消費者にとっては人気の高い部位で、高値で取引されている部分ですが、出荷者によっては枝肉と一緒に持って帰る方もいれば、内臓として流通している場合もあるので、やはりセンターの中における肉の部位の扱いも異なるルールが運用されていることについては、今後のセンターの修築、
経営において一定その公平公正なルールをしっかりと守るよう考えていかないといけません。そこの料金体系や取引きルールの公平公正さを確保する上では、やはり
運営主体がどうあるべきか、完全に
民間企業で行われるのか、もしくはその第三セクターが反映する中で
経営を行うのかということから考える必要があると思います。
そういう意味では、
食肉センターにおいて公平公正をいかに担保するのか、料金設定、取引ルールが透明化され、明確化されることもしっかりと確保しないといけないと考えています。
○
山本正 委員長 今の質問の趣旨を言いますと、公平公正をどう担保するのかという話が一点と、もう
一つは民間民営になった場合、
ブランドが一
企業のものになるのではないかという危惧があるが、その点はどう考えているのかということです。その点について簡潔に説明願います。
◎
浅岡 畜産課近江牛流通対策室長 公平公正な取引ルールの担保については、やはり一定、民間同士での契約の部分があり、県が一方的にルールを設定して押し付けるものではありませんので、そうしたことを踏まえながら、やはり
関係者との議論をしていかないといけません。より適切なルールにするために、そうした議論をするための話を来年度以降進めないといけないと思います。
民間の一
企業が
近江牛ブランドを独占してしまうのではないかとの懸念についてですが、現在では地理的
表示保護制度等によって
近江牛ブランドに関して、生産管理等から一貫して確認をしながら生産されています。
生産者が20カ月等の長い時間をかけて飼育されたものが
近江牛となりますので、センターの
運営主体により
ブランドが独占されることはないと考えています。あくまで、
生産者に育てられた
近江牛を、屠畜や解体部分で加工し流通を担うのが
食肉センターとなります。
◆
松本利寛 委員 話を聞いていて、書かれた文章をそのまま言われたという感じです。7期連続黒字ということであれば、その
経営上の問題が解決されたのかとなりますが、そうではないから制度の見直しを行うわけです。そもそも計画当初から大きく計画がずれて
経営が困難になったということをしっかり整理した上で、新たな取引体制をどうするのか、取引量をどう想定するのかということなどを含めて検討しなければいけないと思います。
また、訴訟の関係も含めて、先ほど室長が言われたようにこの県下3市場を統合したときに発生したのが商慣行の、いわば民間同士の関係です。民間同士の関係から今日まで、あるいはその3市場を統合するときに、調整できなかったほどの商慣行が存在しています。その点を改めてここで議論をして、調整しようとするなら、やはり3市場が統合したときに戻って権利関係を整理しないといけないという、非常に大きな問題になる気がします。訴訟も起きている問題が、簡単に解決するのかという気がします。
食肉センターが発足したときからのそうした非常に大きな問題を、来年1年でやるということで、語弊がありますが、引きずりながら新たなものを作り出すということなので、それなりの覚悟や
関係者の相当に突っ込んだ合意と納得が必要になると思いますが、その
あたりの
基本的なことについて、部長はどう考えていますか。
◎宇野
農政水産部長 3年前に副生物に係る様々な事件があり、見直しせざるを得ないということで取組がスタートしました。
委員御指摘のように、3市町統合時の商慣行をそのまま持ち込んだ、全国にも例のないような
運営となっているのは事実です。
食肉センターを廃止すれば別ですが、県民の財産として
運営していく以上、全国に比べて遜色のない健全な施設、健全な
運営にしたいということで、過去の経緯もタブーを設けずに検討するようにして取り組んでいます。おっしゃるようにハードルは非常に高いですし、利害関係も多くございます。
ただ、それに立ちすくんでいては将来を開けないと思いますので、このタイミングで全てを俎上にのせてゼロベースで検討しようということで、昨年度と今年度取り組み、一旦、県としての整理をさせていただきました。これから恐れずに広く議論を行い皆さんで知恵を出し合って、いいセンターにしていきたいと思います。
◆
松本利寛 委員 だからこそ、副生物生産組合はもとより、とりわけ県内の
近江牛生産者が本当に納得できるものに議論として進める必要があります。一応たたき台として出されたのでしょうが、少なくともこの資料の三つの
パターンにこだわらず、やはりこれをあくまでもたたき台とし、本格的なこの議論は
生産者や市場
関係者を含めて、改めて
基本から議論をし直すぐらいの姿勢でないといけないと思います。この
パターンの押しつけでは事が済まない気がしますが、その
あたりはどうでしょうか。
◎宇野
農政水産部長
浅岡室長が説明していたとおり、決してこの3
パターンに限定して、どれかにせよと結論を迫るものではありません。何もなければ議論はそもそもできません。
民間企業に代わりを任せるとしても、相場が高ければそれだけ収益が上がります。さっきおっしゃった屠
畜頭数の話も含めて、どういう収入を確保できて、どれだけの売上げになるか、そうしたことを含めた数量的なもののシミレーションをまだできていませんが、来年度以降、腰を落ち着けて議論していきたいと考えています。
◆江畑弥八郎
委員 今までの議論から、部長の意気込みも十分理解できます。ですが、説明の内容から見ていると、例えば
食肉センターへの県の関与などについては、できるだけ自立した
経営体に転換していこうという
方向性が出ています。もともと財団法人にした理由は、まさに安全で公正公平な市場をつくる目的だったわけですから、その課題をどう解決するかということが本来は先に議論されるべきだと思います。たたき台としてもいきなり県の関与を薄めて、自立させていくという方向になっているので、変な言い方かもしれませんが、県が責任を放棄しているように受け止められます。ぜひそこは、今、部長が発言されたように、全てをさらけ出してというよりも、原点に戻って、なぜ財団法人に県が関与していたのかということを含めた、しっかりした議論をしてもらいたいと思いますがどうでしょうか。
◎宇野
農政水産部長 当初、第3セクター方式を選択したのは、恐らく施設に公社として公的関与を持たせた上で、市場の
民間企業による民間の
経営感覚を入れるという、いいとこ取りをしようとしたのだと思いますが、なかなか現実問題そうなっていない部分もあります。そうした中ですが、県内に
食肉センターがあるという必要性を押さえた上で、今回は資料の3
パターンで示させていただきました。どういった形がいいのか、広く議論をしていきたいと思います。
◆江畑弥八郎
委員 いずれにしても、県はしっかりと関与して、これまでのいろいろな課題、問題をやはりしっかりと整理していくことが、恐らく一番いい
方向性だと思います。そこは県が逃げずにしっかりとやってほしいです。
◆
加藤誠一 委員 食肉センターを構成するそれぞれの団体を含めて、そう簡単に調整できるのであれば、とっくにできていますし、特例でやっておられた経過も含め、新しい協議会を立ち上げて取り組むことについては、ぜひともこの機会にやっていただきたいと思います。
資料にはこれだけですが、いろいろと出ているように、それぞれに関わっている方が
自分のポジションを守らなければいけない立場もあります。しかし、今部長がおっしゃいましたように県営としているところもあるわけですから、いろいろな府県のいろいろな形態の
在り方を、やはり皆さんにも御理解いただいて、その上で、今の
滋賀県の状況を踏まえた上で、よりよいセンターを作るにはどうしたらいいかという、共通認識を持った上でスタートしていただきたいと思います。難しい話かもしれませんが、そのぐらいの意気込みでやっていただきたいとお願いしておきます。
7 琵琶湖漁業における漁協組織再編に向けた取組状況について
(1)
当局説明 山田水産課長
(2)
質疑、
意見等
◆
加藤誠一 委員 前にも聞きましたが、合併検討状況の中での協議会に関して、県漁連の漁協ということは、県漁連に入っておられない漁協はこの協議会に入っていないという解釈でいいのでしょうか。また、県漁連に入ってないところが消極的な漁協なのか教えてください。
◎山田
水産課長 琵琶湖漁業を営まれている漁協は
基本的に全て県漁連に加入しています。今回の漁協合併は、琵琶湖に関わる漁協だけの話なので、河川の漁協などは対象となっていません。
◆
加藤誠一 委員 先ほど、消極的な漁協は20ほどあると説明されたように思いますが、数はそのぐらいでしょうか。
◎山田
水産課長 資料の中で消極的と書かせていただいたところは、この合併検討協議会に参加している30の漁協の中のごく一部です。これまでの独自の取組を大事にしていきたいとして、合併に若干消極的な漁協がございます。
◆
駒井千代 委員 合併するに当たっては新設対等合併とのことですが、今お話いただいたようにその前提として、やはり財務状況が悪い漁協があるので、欠損金の処理を含めて数年でされることになります。合併する中でのどれぐらいの漁協がそうした財政状況にあるのでしょうか。またどの程度の欠損金を抱えているのか、教えてください。
◎山田
水産課長 申しました財務改善計画を立てる必要がある組織としては、まず県漁連そのものがあります。こちらは長年の累積欠損金を抱えていますので、どのように改善していくかの計画を立てています。各漁協においては、現在では一漁協についてこの財務改善計画を立てて、5年以内に解消する取組をされています。
◆
駒井千代 委員 県一漁協とのことなので、全体的にまとめていく意味では、責任の所在なども含めて明確に示していくことが一番大事だと思います。県の漁協に係ることなので、県もしっかりと主体的に取り組み、その辺りの財務処理などをきっちりと決めていただいて、まとめていくようよろしくお願いします。
8 琵琶湖漁業の新たな資源管理について
(1)
当局説明 山田水産課長
(2)
質疑、
意見等
◆
加藤誠一 委員 今、資源管理方針の中の対象魚種の検討として、ホンモロコ、ニゴロブナ、セタシジミがあり、なるほどと思うのですが、先の話として、県としてこの対象魚種を検討するに当たっての基準や明示できる枠組みがあったほうが説明しやすいと思います。そういうところについてはこれからの話なのでしょうか。それとも今、検討中でしょうか。魚種を選定するなり検討する、
滋賀県の考え方をしっかり定めるのかを教えてください。
◎山田
水産課長 魚種の選定については、やはり漁獲の量や流通等の重要性を踏まえた琵琶湖漁業の中で重要とされる魚種で、資源管理の性質上、しっかりとしたデータがそろい、資源の生態等の情報があり、評価ができる魚種を第一に進めていくという考えの下で、この5魚種を選んでいます。
現時点でも、ホンモロコやニゴロブナ、セタシジミについては資源管理の取組を現在も進めていますので、それを続けるとともにブラッシュアップしていきます。今後、アユやビワマスといった大事な魚種も追加して取り組んでいきたいと考えています。
◆
河井昭成 委員 資源管理をどうするのかということの
一つの答えがこれなのかと、少し見えてきましたが、ある意味データを取ること、正確に把握することが管理する上で必要になります。例えば、今、湖レコを使い始めていますがその広がり具合はどうなのか、今後どうしていくのかを伺います。結局これは資源管理をすることで、琵琶湖の資源を守ることが目的なのでしょうが、その上でちゃんと漁師が漁で生計を立てることにも行き着かなければいけないわけです。このデータはデータとしてありますが、一方でここを適切に管理することで、琵琶湖の漁業が成り立っているところまで評価が行き着かなければいけないと思うので、データの見える化をすることは非常に大事だと思います。ここから儲かる漁業にどうつなげるのでしょうか。その意識は絶対に持っておいていただきたいので、どう評価をして、どうつなげるのか見解を教えてください。
◎山田
水産課長 まず、1点目の漁獲報告アプリ、湖レコの運用状況として、現在、75名の漁業者に利用いただいています。このシステムの対象は漁業の許可などを持たれている方全員となり、数字で言うと約500名です。そのうちの75名という数字ですが、残念ながら約500名の中には漁業活動が非常に低調な方も含まれています。
2018年の漁業センサスにおいて、琵琶湖での漁業が主で生計を立てておられる
経営体は約250となっていますので、まずはその方々にしっかり使っていただけるように努めていきたいと考えています。
2点目のこのデータの活用の方法や方向につきまして、今回の湖レコでは、資源管理に役立てるために情報を頂いています。いろいろなところで使えるデータという面も、今後見いだしていきたいと考えていますが、やはり漁業者の財産の情報ですので、その利活用の方法については一定慎重に扱い、他方でどんなことができるのかということは、柔軟に考えていきたいと思います。
琵琶湖漁業で生計が立てられることの見える化をするということで、今回は漁獲量についてデータを集めていますが、やはり水揚高はどうかなどいろいろな情報が必要になってくると思います。いろいろな形で評価しながら、琵琶湖の漁業者たちが儲かる漁業に進んでいることを評価していきたいと考えています。
◆
松本利寛 委員 現在も資源管理の対象魚種になっているホンモロコやニゴロブナの資源の推移状況は、管理をすることでどういう状況に回復し、改善しているのでしょうか。いろいろと努力されていますが、なかなかうまく行っていないようです。特にセタシジミ
あたりの今後対象魚種にする資源について、こうした計画が本当にうまくいくのかどうか、その辺りの関係をどのように見ておられるのかお聞きします。
◎山田
水産課長 ホンモロコとニゴロブナに係り、まず、ホンモロコについては、資源状況が本当に悪い状況がかつて続いていましたが、近年では様々な取組により資源が回復してきています。この要因の
一つには、やはり業者が産卵期のホンモロコを捕らないようにしたという取組の効果もあると思いますし、また、栽培漁業や外来魚駆除などの様々な効果が出ていると考えています。こうしたいい流れをしっかり続けていけるように、資源がたくさんあるからといって、全くの制限なく捕るのではなく、一定の管理の下で漁業を続けていくことが大切だと思っています。
一方でニゴロブナについては、漁業者たちが一番漁獲をしたい2歳、3歳ぐらいの鮒ずしに適したサイズのニゴロブナが、やはりなかなか思うように増えない状況が続いています。このことに対しては、漁の仕方もそうですが、こちらも別途、栽培漁業や種苗放流、外来魚の駆除を含めた様々な取組を合わせて行う必要があると思います。
また、アユやビワマスといった今回追加する魚種に関して、アユにつきましては、やはり非常に資源の変動がある魚種です。
環境等でかなり変わってきますので、そうした状況に対応して、漁獲の
在り方なども考えていける仕組みを作っていきたいです。ビワマスについては、幸いにも現状資源状況は比較的よい水準にあります。一方で漁業者以外の遊漁の漁獲も一定増えてきていますので、その
あたりも含めた調和の取れた漁獲、捕獲を考えていきたいと思います。
9 国営
土地改良事業「
東近江地区」の地区調査について
(1)
当局説明 青木耕地課長
(2)
質疑、
意見等
◆
松本利寛 委員 関係
集落で話を聞いていると、
集落によっていろいろな意見があるようです。これ
農家負担は
基本的にゼロと考えていい気がしますが、とりわけ意見が多いのが資料の1ページに出てくる高
収益作物の作付け拡大、これが一定の条件になってくることについてです。それでなくとも高齢化により
集落営農そのものがなかなか機能しないところもあるのに誰がやるのかという話が、多くの
集落で出てきています。現にやっていただいているところもありますが、高
収益作物を2割、作付けしなければいけないことになると、相当な地元の労力負担となり、安定的な販売や収益を本当に確保できるのかということがあります。やはりそこには懇切丁寧な話合いと援助が必要だと思います。
対策として資料に出ている、営農法人の広域化や区域化、水田
経営のさらなる省力化だけで、この話を本当に完遂できるのかと思います。
むしろ、営農を構成する家族、あるいはその
地域に住んでいる
農家の継続性がないと、高益化しても地元の力がなくなってしまうところがあるので、そういった
あたりをどのように考えていくのでしょうか。
様々な課題や問題を抱えているように思いますので、
地域で懇切丁寧な対応が必要だという気がします。進捗状況も含めてどのような状況でしょうか。
◎青木 耕地課長 まず、
農家負担についてですが、資料に事業概要を書いています。負担割合は国が3分の2、県が25.2%、市が5.0%、地元が3.2%となっています。
ただ、地元の負担金はこの集積、集約による促進費がありますので、うまくいけばゼロになります。そこまで集約できなければ地元負担は少し残るかと思いますが、そこは事業の中で集積集約を図っていただくということで、地元からも御理解いただいています。
次に高
収益作物についてです。御指摘のとおり、非常にハードルが高い国営事業で、逆に言うと国営でやるからには、これぐらいのハードルがあるというものです。そこを乗り越えないと、なかなか国営でできないところもあります。そこも御理解いただいた上で、地元の方の検討が実は平成30年ぐらいから徐々に始まっています。
市や地元任せではなく、県も普及組織が支援していますし、国やJA、
地域商社も入った営農
委員会で、
集落ごとにどのような計画であれば取り組めるか、他地区の
情報提供もしながら、一緒に検討を進めています。さらに、国は流通業者と
農業者が欲しい品目と地元の
農産物についての情報を交換し、商機をつくるためのマッチング会議を市にあっせんしています。こうした取組により、ハードルのクリアを目指していますが、引き続き、市や地元の不安を少しでも解消しながら目標に達成できるように、関係機関で連携して取り組んでまいります。
◆
松本利寛 委員 集落で話し合う際に、一人が推進しても、皆にはそっぽをむかれておりなかなか難しいという話も聞きます。クリアしなければならない2割の条件が絶対となるとなかなかハードルが高く、1ヘクタール区画に変えることになると、もうほとんど小回りが利かない
集落営農形態になってしまいます。
集落の話を聞いているとやはりそういうことに対する将来の不安も含めて、どう調整していくのかということがあるとのことです。国営事業なので難しいのかも知れませんが、そういうクリアしなければならない条件の問題について、もう少し検討の余地があればやりやすい気がします。なかなか難しいですが、その
あたりはどうでしょうか。
◎青木 耕地課長 いろいろな
集落の中で事業計画をまとめていく上で、
経営もそうですけれども、やっぱりいろいろと、これはできるのかや、あれをできるのか、将来どうなるのだろうという悩みが顕在化していくことは、事業を形成していく上でのプロセスとしてやはりありまして、そういったものをいかにく酌み取り、その不安が解消されるように支援していく、あるいは解決策を一緒に考えていく、寄り添って考えていくことが重要かと思います。
先ほど申し上げましたとおり、その検討というのはまだ半ばでして、まずは今のところはその目指すところの2割というものを
地域で一旦決めたわけですから、できるだけその目標を達成するように支えていくのが県としての役割かと思います。そういう意味ではやはり県全体のモデルになる取組かと考えていますので御理解いただければと思います。
◆
松本利寛 委員 集落営農やその規模を大きくすると、そういう必要もありますが、いずれにしてもその
集落営農を支えるのは、
一つ一つのノウハウ、あるいは
農業者ですから、
基本的にそこを大事にしないと、規模を拡大したら、自然とその規模を拡大したところでやっていけるというのは幻想かと思いますので、その
あたりは営農指導との関係も含めて努力していただきたいと思います。
◎青木 耕地課長
地域で決めていく
地域の営農の
在り方や営農の
方向性、将来像については一緒に考えながら決めていくものと考えています。
また、
土地改良事業をするわけですから、将来的には、大小全ての
農家に土地改良区の組合員になって、その賦課金の負担をしていただくことになります。
ですので、皆さん全員が全てにおいて幸せになるものではないとは思いますが、できるだけ不平不満を少なくし、そうした意味で公平性を確保するようにまとめないと、
土地改良事業もなかなかできるものではありませんので、そうしたことも国と連携をして、しっかりと検討していきたいと考えております。
◎中川
農業農村整備担当技監 まさに
地域でつくる
地域計画をしっかり作っていただき、基盤整備に生かして営農につなげていくものです。それが本当にこの
東近江の地で国営事業をモデルにできると思っていますので、そうした全体的なことを含んだ形で行う基盤整備という面でも、
滋賀県のこれからのモデルになり得るものということで期待していますので、どうぞよろしくお願いします。
休憩宣告 14時18分
再開宣告 14時20分
10 一般所管事項について
なし
11
委員会の重点審議事項にかかる論点整理について
(1)
質疑、
意見等 なし
(2)論点
ホームページの掲載内容の詳細については、
委員長に一任された。
閉会宣告 14時22分
県政記者傍聴:なし
一般傍聴 :なし...