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  1. 愛知県議会 2018-09-01
    平成30年9月定例会(第5号) 本文


    取得元: 愛知県議会公式サイト
    最終取得日: 2023-06-18
    愛知県議会 会議録の閲覧と検索 検索結果一覧に戻る 検索をやり直す ヘルプ (新しいウィンドウで開きます) 平成30年9月定例会(第5号) 本文 2018-10-02 文書・発言の移動 文書 前へ 次へ 発言 前へ 次へ ヒット発言 前へ 次へ 文字サイズ・別画面表示ツール 文字サイズ 大きく 標準 小さく ツール 印刷用ページ(新しいウィンドウで開きます) 別窓表示(新しいウィンドウで開きます) ダウンロード 表ズレ修正 表示形式切り替え 発言の単文・選択全文表示を切り替え 単文表示 選択表示 全文表示 発言者表示切り替え 全 76 発言 / ヒット 0 発言 すべての発言・ヒット発言表示切り替え すべての発言 ヒット発言 選択表示を実行・チェックの一括変更 選択表示 すべて選択 すべて解除 発言者一覧 選択 1 :  ◯議長松川浩明君) 選択 2 :  ◯議長松川浩明君) 選択 3 :  ◯七番(田中泰彦君) 選択 4 :  ◯教育長平松直巳君) 選択 5 :  ◯健康福祉部保健医療局長(松本一年君) 選択 6 :  ◯七番(田中泰彦君) 選択 7 :  ◯議長松川浩明君) 選択 8 :  ◯十八番(河合洋介君) 選択 9 :  ◯教育長平松直巳君) 選択 10 :  ◯振興部長野村知宏君) 選択 11 :  ◯十八番(河合洋介君) 選択 12 :  ◯議長松川浩明君) 選択 13 :  ◯十四番(下奥奈歩君選択 14 :  ◯議長松川浩明君) 選択 15 :  ◯建設部建築局長海田肇君) 選択 16 :  ◯防災局長相津晴洋君) 選択 17 :  ◯建設部長河野修平君) 選択 18 :  ◯振興部長野村知宏君) 選択 19 :  ◯健康福祉部保健医療局長(松本一年君) 選択 20 :  ◯環境部長森田利洋君) 選択 21 :  ◯教育長平松直巳君) 選択 22 :  ◯県民文化部長(鳥居保博君) 選択 23 :  ◯健康福祉部長(平田雅也君) 選択 24 :  ◯十四番(下奥奈歩君選択 25 :  ◯四十番(近藤ひろひと君) 選択 26 :  ◯議長松川浩明君) 選択 27 :  ◯議長松川浩明君) 選択 28 :  ◯副議長(鈴木喜博君) 選択 29 :  ◯四十六番(山本浩史君) 選択 30 :  ◯建設部長河野修平君) 選択 31 :  ◯四十六番(山本浩史君) 選択 32 :  ◯副議長(鈴木喜博君) 選択 33 :  ◯八十七番(木藤俊郎君) 選択 34 :  ◯教育長平松直巳君) 選択 35 :  ◯産業労働部長(伊藤浩行君) 選択 36 :  ◯建設部建築局長海田肇君) 選択 37 :  ◯健康福祉部長(平田雅也君) 選択 38 :  ◯知事(大村秀章君) 選択 39 :  ◯八十七番(木藤俊郎君) 選択 40 :  ◯副議長(鈴木喜博君) 選択 41 :  ◯二十五番(政木りか君) 選択 42 :  ◯産業労働部長(伊藤浩行君) 選択 43 :  ◯知事(大村秀章君) 選択 44 :  ◯二十五番(政木りか君) 選択 45 :  ◯四十一番(寺西むつみ君) 選択 46 :  ◯副議長(鈴木喜博君) 選択 47 :  ◯副議長(鈴木喜博君) 選択 48 :  ◯議長松川浩明君) 選択 49 :  ◯四十八番(安藤正明君) 選択 50 :  ◯農林水産部農林基盤局長(勝又久幸君) 選択 51 :  ◯農林水産部長(高橋智保君) 選択 52 :  ◯振興部長野村知宏君) 選択 53 :  ◯知事(大村秀章君) 選択 54 :  ◯四十八番(安藤正明君) 選択 55 :  ◯議長松川浩明君) 選択 56 :  ◯四十番(近藤ひろひと君) 選択 57 :  ◯議長松川浩明君) 選択 58 :  ◯議長松川浩明君) 選択 59 :  ◯四十一番(寺西むつみ君) 選択 60 :  ◯議長松川浩明君) 選択 61 :  ◯議長松川浩明君) 選択 62 :  ◯議長松川浩明君) 選択 63 :  ◯議長松川浩明君) 選択 64 :  ◯議長松川浩明君) 選択 65 :  ◯議長松川浩明君) 選択 66 :  ◯四十番(近藤ひろひと君) 選択 67 :  ◯議長松川浩明君) 選択 68 :  ◯議長松川浩明君) 選択 69 :  ◯議長松川浩明君) 選択 70 :  ◯議長松川浩明君) 選択 71 :  ◯議長松川浩明君) 選択 72 :  ◯議長松川浩明君) 選択 73 :  ◯議長松川浩明君) 選択 74 :  ◯四十一番(寺西むつみ君) 選択 75 :  ◯議長松川浩明君) 選択 76 :  ◯議長松川浩明君) ↑ 発言者の先頭へ 本文 ↓最初のヒットへ (全 0 ヒット) 1:     午前十時開議 ◯議長松川浩明君) おはようございます。  ただいまから会議を開きます。  直ちに議事日程に従い会議を進めます。      ━━━━━━━━━━━━━━━━━   日程第一 一般質問並びに第百十七号議案平成三十年度       愛知県一般会計補正予算から第百五十五号議案       土地利用審査会の委員の選任についてまで及び       決算第一号平成二十九年度愛知県一般会計歳入       歳出決算から決算第十六号平成二十九年度愛知       県用地造成事業会計決算まで 2: ◯議長松川浩明君) 第百十七号議案平成三十年度愛知県一般会計補正予算から第百五十五号議案土地利用審査会の委員の選任についてまで及び決算第一号平成二十九年度愛知県一般会計歳入歳出決算から決算第十六号平成二十九年度愛知県用地造成事業会計決算までを一括議題といたします。  これより一般質問並びに提出議案及び決算に対する質問を許します。  通告により質問を許可いたします。  田中泰彦議員。     〔七番田中泰彦君登壇〕(拍手) 3: ◯七番(田中泰彦君) おはようございます。  通告に従いまして、質問を順次させていただきたいと思います。  初めに、愛知県におけるスポーツ人材の育成についてお伺いいたします。  まずは、先日ジャカルタで開催されたアジア競技大会。
     開会式ではインドネシア、スマトラ島に伝わり無形文化遺産にも登録されているサマンダンスの圧倒的なパフォーマンスのオープニングに始まり、各競技の熱戦が繰り広げられる中で、改めてスポーツの持つ力のすごさを感じることができ、多くの国民が夢と希望を与えてもらったことと思います。  その中でも大きく感動を得るのは、日本代表として戦う選手たちの活躍です。  先日の代表質問、我が党の坂田幹事長の御発言にありましたが、今回のアジア競技大会では、水泳競泳女子で六冠に輝き、女子としては史上初のMVP、大会最優秀選手に選出された池江璃花子選手を初め、多くの日本人選手が大活躍をし、メダル数でも総合二位の結果となりました。  また、アジア競技大会では、オリンピックにはないアジア発祥の競技が多く開催されることも魅力の一つであります。  大会開催前、この愛知県議会においても、平成三十年二月議会の一般質問において、我が党の南部文宏議員がアジア発祥のスポーツの紹介ということで、「セパ タクロー」という発音のもと、競技の御紹介をされて一部では大変注目を浴びたと伺っております。  その効果であったかどうか定かではありませんが、ジャカルタの本大会において、セパタクロー、クワッド男子日本代表は決勝で惜しくも敗れてしまったものの、銀メダルという優秀な成績を残しました。  これにより、多くの日本国民に感動を与えたことと競技の魅力を知ってもらう大きな機会となりました。  さらに今回のアジア大会で注目すべき点は、デモンストレーション競技の一つとしてeスポーツが採用され、チーム種目ウイニングイレブン二〇一八が行われ、その中で日本代表が決勝に進出。決勝でイランを破り、金メダルを獲得したというニュースもありました。  eスポーツについて少し触れさせていただくと、世界と比べると日本国内では知名度、市場規模ともにまだまだ低いですが、総務省の報告によると、二〇一七年、世界での市場規模が約七百億円、オーディエンスが約三億四千万人という業界です。  また、アメリカ証券会社のゴールドマン・サックスの発表では、アジア競技大会の次回大会、二〇二二年の市場規模は二十九・六億ドル、日本円で約三千三百億円との報告も出ています。ちなみに日本での市場規模は二〇一七年において約五億円(未満)、オーディエンスは百五十八万人とのことです。  そんな業界において日本代表が金メダルを獲得したということは、世界からの注目は日本以上に高いものと考えられます。  また、現在国内にも日本eスポーツリーグという国内プロリーグがあり、名古屋OJAという地元名古屋に拠点を置くプロチームがあります。  私は先日、名古屋OJAの片桐代表のお話を伺う機会がありましたが、eスポーツにおける可能性は大きく、単純にゲームという枠にはおさまらないことを知りました。  強い選手になるためには、ただ単純にゲームをする時間を費やせばいい、ふやせばいいということではなく、チームとしての戦略を学んだり、集中力を高めるための食事や睡眠などの生活の改善、また、トップ選手としてのスポーツマンシップを学ぶなど、選手育成を通じての教育や経済、産業面などの新しい価値観を伺うことができ、二〇二六年アジア競技大会に向けても、開催都市愛知県、名古屋市にとって大きな課題と可能性になることを感じました。  これらの御紹介してきた内容は、選手の活躍があってこそのもので、大会の盛り上げ、夢や感動を与えるのは多くの選手のおかげであることは間違いありません。  大会開催まで残り八年となりました。私は二〇二六年開催の第二十回アジア競技大会においては、多くの日本代表選手の活躍はもちろんですが、その中でも開催地である愛知県民や愛知にゆかりのある選手たちが活躍することが大会の盛り上げに大きな力となるものだと考えます。  今回の大会でも二十代の選手はもちろんですが、競技によっては十代の選手も多く参加していました。  先ほどお名前を出したMVPの池江選手も十八歳。さらにスケートボード日本代表の男女四選手は全員が十代で、男子、池選手十七歳がストリート種目で金メダル、笹岡選手十九歳、パーク種目で金メダル、女子は伊佐選手十七歳がストリート種目、パーク種目ともに銀メダル、四十住選手十六歳はパーク種目で金メダルを獲得しております。この結果は、競技従事者や大人に限らず、同世代の若者にも大きな衝撃だったと思います。  このように八年後に世界で活躍する選手を育成するということを考えると、現在の小中学生を対象に今からその対策を始めても全く早過ぎることではないと感じます。  私たちは超党派による第二十回アジア競技大会推進愛知県議会議員連盟において、大会の成功に向けてさまざまな取り組み、議論を行っております。  その中においても、スポーツ人材の育成についての議論は交わされており、大会の成功のためには選手の活躍は重要な位置づけとしております。  また、スポーツ選手の育成はアジア競技大会を目標とするのではなく、あくまでも一つの契機として捉えるべきだとも考えます。  ここで、福岡県と東京都で行われている二つの事業を御紹介させていただきます。  福岡県の福岡県タレント発掘事業、東京都のトップアスリート発掘・育成事業というものです。  競技数や対象年齢の違い、育成プログラムの内容はそれぞれ異なる部分もありますが、一、発掘、測定会などを通じて当該事業に参加するタレントを発掘する、二、育成、世界で活躍できる選手になるためのプログラムに参加、という点においては共通した事業です。  詳細についてここでは割愛しますが、それぞれの事業によって国内トップ選手として世界で活躍する選手も多く輩出されているようですが、本県でも同様の取り組みを愛知県と名古屋市の関係部署や体育協会の担当者がワーキンググループをつくって検討しているとのことです。  これらの二つの例を参考にできるように私も大きく期待をしています。  まず、二〇二〇年の東京オリンピック・パラリンピックを目標とはしながらも、本県でもこういった長期的な視野を持ってスポーツ選手の育成に力を入れていくことが必要であり、その中でも特にジュニアアスリートの育成は大変重要だと考えます。  過日九月二十八日、大村知事もコメントを出されておりますが、閣議において第二十回アジア競技大会について、組織委員会に政府が協力する旨の了解がありました。このチャンスを愛知県の選手育成に生かせるようにしていただきたいものです。  そこでお伺いをいたします。  二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピックに向けて、あいち選手強化事業においてもジュニアアスリートの育成を行っていると伺っておりますが、どのような取り組みを行っているのでしょうか。  続きまして、精神障害への取り組みについてお伺いをいたします。  まずは、患者数や医療・保険費について触れてみたいと思います。  厚生労働省の調べによると、平成二十三年患者調査では、国内で三百二十万人を超え、四大疾病のがん、脳卒中、急性心筋梗塞、糖尿病よりも多い数字となりました。その後、平成二十五年度より精神疾患を追加した五大疾病となり、平成二十六年では日本全体で三百九十二万四千人の患者数となっております。  精神疾患の特徴として、疾患による負担が大きく、生活の質の低下をもたらすだけではなく、社会経済的な損失も生じており、さらには鬱病、統合失調症、依存症等の精神疾患は自殺の背景にもなっています。  近年では減少傾向と言われている年間の自殺者数ですが、いまだ国内で二万人を超え、その大多数の方が何らかの精神疾患にかかっていた可能性があるとの研究結果も出ています。  また、鬱病などの気分障害や認知症の患者数が増加し、薬物依存や摂食障害、発達障害への対応などの社会的要請が高まっているなど、精神科医療に対する需要は多様化しているというのが厚生労働省の認識でもあります。  現在の国の取り組みとして、入院医療中心から地域へという考え方になっていますが、そちらについては、海外の例と比べてみたいと思います。  日本の精神保健医療福祉は民間精神科病院が中心となって担ってきており、諸外国と比べると多くの精神科病床が維持されてきたとの比較があります。  海外の例で、イタリアでは一九六〇年代、精神科閉鎖病棟から地域生活を支援する動きが活発になり、精神科病院を廃絶する法律百八十号法、通称バザリア法という法律が一九七八年五月十三日に公布。また、イギリスでは一九五九年に精神保健法が成立し、精神障害者対策でそれまで行っていた保安するという概念から治療に転換し、法律成立に伴い精神医療の改革が進み、それまでの精神病院中心から地域中心の精神医療へと移行しています。  その結果、一九五三年に人口十万人に対して三百四十四人であった入院患者数は、一九八五年には百四十一人に減少。比べて日本では、一九五三年で十万人に対して三十二人であった入院患者数は、一九八四年で二百六十人という記録があります。  その後も日本においては、右肩上がりでふえているのが現状です。  それぞれの国の歴史や保険制度や法律の違いなど、さまざまな要因もあったとは思いますが、患者を地域へという流れにおいては、諸外国では五十年も六十年も前からあった流れです。  日本における地域移行については、地域移行支援の前身施策として精神障害者退院促進支援事業があります。  これは大阪府が先駆的に行ったもので、平成十五年に厚生労働省が精神保健福祉法のモデル事業として事業化したものです。  この事業の対象は、精神科病院に入院している精神障害者のうち症状が安定しており、受け入れ条件が整えば退院可能である者とされており、翌年の平成十六年、厚生労働省精神保健福祉対策本部で精神保健医療福祉の改革ビジョンを提示し、受け入れ条件が整えば退院可能な七万人について、立ちおくれた精神保健医療福祉体系の再編と基盤強化の推進により、十年後の解消を図るという指針が出され、その解消に向けては精神科病床の機能分化及び地域生活支援体制の強化等が掲げられました。  また、国民意識の変革、精神医療体系の再編、地域生活支援体系の再編、精神保健医療福祉施策の基盤強化という四つの柱が掲げられ、入院医療中心から地域生活中心へという方策を推し進めていくことが十四年前に示されました。  その後、国は平成二十六年三月に、良質かつ適切な精神障害者に対する医療の提供を確保するための指針を示し、入院中心の精神医療から精神障害のある方の地域生活を支えるための精神医療への改革の実現に向けて、保健、医療、福祉に携わる全ての関係者が目指すべき方向性を定めました。  この指針を踏まえ、国は平成二十九年二月に、これからの精神保健医療福祉のあり方に関する検討会報告書をまとめ、入院医療中心から地域生活中心をより強力に推進するための新たな政策理念として、精神障害にも対応した地域包括ケアシステムの構築を打ち出しました。  私としても、これまでの入院中心の精神医療から住みなれた地域で安心して自分らしく生活できるようにしていくことは大変重要であると考えておりますが、本県がこの三月に策定した第五期愛知県障害福祉計画においても、精神障害にも対応した地域包括ケアシステムの構築を掲げられております。  そこでお伺いをいたします。  第五期愛知県障害福祉計画で掲げた精神障害にも対応した地域包括ケアシステムの構築を推進するため、具体的にはどのように取り組まれているのか伺います。  続きまして、私が知り合った皆さんの現場の声に合わせて質問をさせていただきます。  その中で、まず、多くの人に知っていただきたいことがあります。  皆さん、リカバリーカレッジという言葉を聞いたことがあるでしょうか。恐らく日本国内においては、まだ余り普及していない言葉だと思います。  私はこのリカバリーカレッジが今後の精神障害対策において重要な役割を果たしていくと思いましたので取り上げ、また、過去の愛知県議会でも取り上げられていないものですので、まずはどういったものなのか御説明をさせていただきます。  RecoveryとCollegeという二つの英単語に分けることができ、それぞれを日本語に直訳すると回復と大学という意味になります。カレッジのほうは日本語でいう大学ではないにしろ、学びの場という意味でイメージしやすい言葉だと思います。  しかし、リカバリーイコール回復と聞いて、皆さんはどのようなイメージを持たれるでしょうか。病が治り症状が出なくなるとか、治療が必要でなくなるというイメージでしょうか。  ここでの意味としては、疾患や症状がよくなる、もとの位置に戻るという意味だけではない広い意味を示します。  まず、リカバリーという概念が生まれたのは、一九八〇年代のアメリカで、当時の精神科専門誌に当事者が記したことが始まりで普及したとか、同じく一九八〇年にニュージーランド人の世界ユーザー連盟元会長のメアリー・オヘイガンという方が提唱した概念などと言われています。ちなみに世界ユーザー連盟のユーザーとは、当事者のことであります。  その後、リカバリーという概念は世界に広がっていますが、どの国においてもこれらの意味があります。  夢や希望を持っているか。それを追い求め続けているか。自分の病気に自分の意思で取り組む力をつけ、みずから病気をコントロールしているか。自分に責任を持って、小さな失敗を恐れず、何かに挑戦をできているか。社会の中で役割を果たしているか、また、果たそうとしているかという内容を実現しようとすることがリカバリーであります。  この概念のもと二〇〇九年、イギリスのサウスウエストロンドンに、医療でも福祉でもない全く新しい学びの場として、世界初のリカバリーカレッジが開校しました。  二〇一七年度末までにイギリス国内で八十六カ所が開校。また、国を越えてベルギー、デンマーク、イタリア、スウェーデン、ウガンダ、香港、オーストラリアなどにも拡大をしております。  日本においては、東京都三鷹市、立川市、岡山市に次いで私の地元である名古屋市西区に、国内では四校目となるリカバリーカレッジ名古屋として先月の九月五日に開校をされています。  開校初日には私もお邪魔をさせてもらい、皆さんと同じように生徒として参加をさせていただき、交流を図りお話を伺うことができました。  リカバリーカレッジの特色として、当事者はもちろん、サービス提供者、友人、家族などあらゆる立場の方が対等に学び合う環境だということです。私も当日は、形式上、来賓としてお声かけはいただきましたが、式典の後は議員とか県議ということではなく、一人の田中さんとして参加をさせていただきました。  そこで気づかされたのは、当事者の方が自分の経験や思いを周りに伝えることが自然とピアサポーターとなっているということでした。  実際に一緒に話をしたグループの中に、二名の当事者の方がおみえでしたが、一名の方はもう一名の方のお話が大変参考になったというような様子で、とても前向きに話を聞き入ってみえました。  また、別の会、日本で三校目となるリカバリーカレッジOKAYAMAの開校記念講演にお邪魔した際の話です。  東京のリカバリーカレッジで活躍をするピアサポーター兼運営側の方の御講演を聞きました。  内容は、御本人が病気を患った過去からスタッフとしての今に至るまでですが、何より印象的だったのは講演が終わってからの質問の時間です。  聴衆として聞いていた当事者の方が自分と同じ当事者であるピアサポーターの話を聞いて、あなたはとても格好いい。僕にとってはヒーローだという内容のことを言われました。まさにリカバリーの概念にある、夢と希望を追い求めるという瞬間だと感じました。  そして、私は、一般社団法人しん、という団体の皆様の御協力のもと、その事業所内にてヒアリング調査をさせていただきました。  精神科医療についての意見、精神障害者を対象とした障害福祉についての意見と質問をし、自由に話をしていただきました。  性別、世代も超えた複数人の方から、かなりの量のお話をいただきましたが、ここではピアサポーターに関する御意見を幾つか御紹介させていただきます。  ピアサポーターをもっと活用してほしい。ピアサポーターの存在は自分と同じような人がいるというだけでも力になる。自分を理解して話を聞いてくれる存在が欲しい。専門職にかわってピアサポーターを活用したらいい。福祉施設と一般社会の差が大きいが、差を埋めるためにもピアサポーターが必要。支援を受ける側から誰かのために活動するピアサポーターの体験は、今後全体にとってもっと生かせるものであるといった御意見で、当事者のピアサポーターへの期待は大変大きいと感じられます。  また、みずからも統合失調症を患い、当事者研究の先頭に立って、リカバリーという概念の普及に努めているパトリシア・ディーガンというカンザス大学心理学博士の言葉を紹介させていただきます。   リカバリーは旅(過程)であり、生き方であり、構えであり、日々の挑戦の仕方です。中略。リカバリーの旅で求めていることは、地域の中で普通に暮らし、働き、愛し、そこで自分が重要な貢献をすることなのです。 という言葉です。  この言葉は多くの文献や資料に幾つも紹介がされているほど、精神障害で悩む人たちにとって重要なフレーズであると考えられますが、このフレーズが選ばれる理由として、博士御本人が当事者なので、より重みのある言葉だからではないでしょうか。  そこでお伺いをいたします。  精神障害のある方を地域で支援するためには、精神障害の当事者みずからが精神障害のある方に寄り添うピアサポーターの役割が、地域包括ケアシステムを進めるためにも大変重要だと考えますが、県ではピアサポーターへの取り組みをどのように行っているのでしょうか。  最後に、御家族など周りの方への対応について、お伺いをいたします。  ある御家族の例をお伝えいたします。  お子さんが成長するにつれ、違和感と不安感を抱きながら生活をし、幼児期に病院で診察を受けると発達障害と知的障害という診断を受けたお子さんがみえた親御さんがみえます。  その後、障害がより顕著になるにつれて、日々の生活を一番身近で支える母親に一番の負担がかかってきたようです。  入院するほどでもない障害のため、二十四時間一緒にいる母親は、周りに相談もできず、家族会などのネットワークを形成し分かち合うこともできず、一人で抱え込んでしまった結果、御自身が鬱病、そして、ひきこもりになってしまったそうです。  また、別の例として、青年期の娘さんが精神障害を患い、ひきこもり、その後、母親に対して攻撃性が出てきて、高齢者の母親はそのまま娘の言うことを聞かざるを得なく、親子ともひきこもりになってしまうという例もあるようです。  そこでお伺いをいたします。  精神障害のある方への支援はもちろんですが、それと同時に家族への支援も大変大切なことだと考えますが、県ではどのような家族支援を行っているのでしょうか。  以上をもちまして、壇上からの質問とさせていただきます。御清聴ありがとうございました。(拍手) 4: ◯教育長平松直巳君) スポーツ人材の育成について、お答えいたします。  本県では、二〇二〇年に開催される東京オリンピック・パラリンピックに愛知県ゆかりの選手を多く輩出し、県民の一体感や機運の醸成につなげるため、平成二十七年度にオリンピック選手強化事業を立ち上げ、平成二十八年度からはパラリンピック選手強化事業もあわせて実施しているところであります。  スポーツ推進を支える好循環を創出するためには、東京大会終了後もこうした取り組みの成果、理念を継承していくことが重要であると認識しております。  そのため、オリンピック選手強化事業においては、強化指定選手に対する遠征費等の助成に加えまして、次世代を担う選手の育成にも取り組んでおります。  具体的には、中高校生のジュニア強化指定選手を対象として、トップアスリートに必要な資質や正しい基礎知識を身につけさせるための講習会を実施しているほか、中京大学体育研究所に委託して、シーズンインとシーズンオフの年二回、選手のフィジカルチェックを実施し、検査、測定の結果をもとに科学的な見地からのアドバイスを行っております。  また、強化指定には至らないものの、将来活躍が期待されるジュニア選手を対象に、一流の指導者や選手による実技指導などを受ける機会を与え、そのモチベーションを高めることを目的として、次世代につなぐスポーツ人材育成事業を実施いたしております。  この事業は、スポーツ系学部を有する大学や実業団チーム、競技団体と連携して実施しており、特に競技団体と連携した講習会は、中高校生のみならず今年度から新たに小学生も対象に加え、昨年度の七回から十四回にふやして開催しているところであります。  ジュニア期においては、発育、発達レベルに応じ競技種目の特性等を踏まえた適切な指導が必要であります。
     そのため、多くの競技団体が加盟する県体育協会とともにスポーツ指導者、ジュニア層のクラブ、学校部活動等との連携を深め、ジュニアアスリートの効果的な育成、強化に取り組んでまいりたいと考えております。 5: ◯健康福祉部保健医療局長(松本一年君) 精神障害への取り組みに関する御質問のうち、まず、精神障害にも対応した地域包括ケアシステムの構築について、お答えいたします。  精神障害のある方が安心して地域で医療や福祉サービス等を利用し、可能な限り再入院することなく地域生活を営んでいくための支援につきましては、医療と福祉の連携が重要であると考えております。  このため、従来から県保健所がコーディネーター役となり、市町村や相談支援事業所、精神科病院、福祉サービス事業所等との顔の見える関係をつくり、市町村自立支援協議会や県保健所が開催する会議等において情報交換や個別事例についての検討を行っているところでございます。  また、医療や福祉の専門職種が自宅を訪問し、生活と医療の両面から包括的に支援を行う、いわゆるアウトリーチの充実を図ることも重要であります。  そこで、平成二十五年度から県精神障害者家族会連合会に委託して、アウトリーチ活動の促進に向けた講演会を医療・福祉関係者等を対象に開催し、昨年度までの五年間で千三百五十七名の方に御参加いただいております。  さらに平成二十六年度から県精神保健福祉センターにおいて、医療と福祉の連携に関する実践的な取り組み事例を講義やグループワークで学んでいただくための研修会を医療・福祉関係者を対象に開催し、昨年度までの四年間で六百八十九名の方に受講いただいております。  このような中、平成二十九年度からは学識経験者や関係団体、家族会等で構成する地域移行・地域定着推進協議会を設置し、地域移行・地域定着支援に係る県レベルの広域的な課題等について検討を進めているところでございます。  次に、ピアサポーターに関する取り組みについてお答えいたします。  地域包括ケアシステムを進めるための環境づくりとして、精神障害のある方を支援するピアサポーターを養成し活躍していただくことは大変重要であると認識しております。  そのため、本県では平成二十九年度から、ピアサポーター養成研修を県精神保健福祉センターにおいて実施し、新たに六十八名のピアサポーターを養成いたしました。  また、精神科病院に入院されている方の中には、退院後の生活に不安を感じている方も多くおみえになることから、同じく平成二十九年度からピアサポーターの方々を精神科病院に派遣し、入院されている方や医療スタッフ等にみずからの経験や退院後の生活等をお話しいただいております。  平成二十九年度は十医療機関で合わせて十五回、延べ四十二名のピアサポーターを派遣したところ、四百三十四名の参加がございました。  参加した医療スタッフからは、入院されている方をどのように支えていったらいいのか具体的に知ることができた、今後も実施してほしいなどの感想が寄せられております。  また、ピアサポーターを活用した地域移行支援を一層推進していくためには、ピアサポーターの方々のさらなる資質向上も重要でありますので、今年度から新たに養成研修を修了した方を対象にフォローアップ研修を行い、二十七名の方に受講していただいております。  次に、御家族への支援についてお答えいたします。  精神障害のある方と一緒に生活しておられる御家族の中には、将来についてさまざまな不安を抱えている方もおみえになりますので、御家族を支援することは重要であると考えております。  そのため、従来から県保健所では、患者数が多く、特に支援が必要な統合失調症や鬱病の御家族等を対象とした家族教室を開催し、病気への正しい知識や御本人への援助方法を学んでいただくとともに、家族同士の交流を通じて日ごろ心配や不安に思っていることを語り合っていただいております。  平成二十九年度は六十五回開催し、九百五十名の方に御参加いただきました。  また、県保健所の精神保健福祉士等の専門職員が必要に応じて御自宅を訪問し、御本人や御家族からお話を伺い、必要なアドバイスを行う相談支援も行っているところであります。  さらに県保健所では、地域の家族会の会合に参加するとともに、講演会を共同で開催するなどの取り組みも行っているところでございます。  県といたしましては、こうした取り組みにより精神障害にも対応した地域包括ケアシステムの構築を推進し、精神障害のある方が地域で安心して自分らしく暮らしていただけるようしっかりと支援してまいります。 6: ◯七番(田中泰彦君) それでは、要望させていただきたいと思います。  まず、選手育成、スポーツ人材育成についてですが、二〇二〇年東京オリンピックの選手強化事業における取り組みの内容とジュニアアスリートの効果的な育成、強化に取り組んでいくということでございますが、こちらもまた、さまざまな角度も踏まえて、引き続きしっかりと進めていただきたいなと思います。  選手の育成には当然時間がかかることだと思いますので、これらの新たな取り組みについても、各競技団体や、また、専門知識の、先ほどの大学の分も踏まえて、多角的にいろんな方と連携して具体的に進めていただきたいということで要望をさせていただきたいと思います。  そして、精神障害についてのほうの要望もさせていただきたいと思います。  精神障害に限らず、障害を持つ方が当たり前に生活、活躍できる社会づくりによって、社会保障費、医療費が削減につながることは当然でありますけれども、社会においての大きな人材としてもっと生かすことができるはずだというふうに考えています。  今回の質問に際し、御理解、御協力をいただいた皆さんの中で、数名の関係者の方がきょうもこの本議会に傍聴に来られておりますし、また、インターネットの中継を見ていただいております。  その皆さんからいただいた、先ほどお伝えしたヒアリング調査の内容、お伝えしていない部分を改めて今幾つか紹介をさせていただきたいと思います。これが生の声です。  精神科医療についての声として、主治医の意見が絶対で自分の意見が通らない。主治医の主観が強過ぎて判断もばらばら、情報も偏ってしまう。数分の診断で終わり、対話をしている感じはなく理解してもらっているとは思えない。医療以外の視点も踏まえてほしい。家族も含め、知らない人は主治医の意見が絶対だと思ってしまう。もっと地域支援の視点や福祉の知識を持ち、その人に適した情報を提供してほしい。  続いて、福祉に対してです。  職員と利用者の距離は遠く、もっと声を聞いてほしい。地域とのつながりをもっと欲しい。支援者や職員が優位で、利用者が過剰にお客様のようになっていたりしますが、社会の人間関係とは乖離していると思う。建前上サービスは選択できるというふうになっているが、複雑過ぎて素人では選べなく、任せるしかない。就労ばかり進めてくるが、できないから今があることを知ってほしい。社会に溶け込むことを求めている。  また、医療と福祉、両方共通した御意見です。  本人の選択肢が少なく、自分の意思が通らない、言いにくい。病名判断でその人個人を見ていない。医療、福祉それぞれの情報の枠組みだけで抑えられてしまっている。施設が管理しやすい中身になっている。法人によって方向性がばらばらで、それによって人生が大きく変わるのはいかがなものかと思うといった声であります。  複数の方の共通した内容のみの抜粋で、実際のボリュームはもっともっとありました。  ただ、私も現場のきょう来られている皆さんもそうだと思いますけれども、何も医療や福祉が悪いということを言っているわけではありません。  実際に聞いた話の中で、県の精神医療センターのお医者さんと出会って大きく私は改善しましたという方のお話も聞いたことがありますので、それが悪いということではありませんが、必要な人に必要なものが提供されにくい環境になっているということをお伝えしたいです。  大事なのは地域包括ケアシステムの中に、本人も家族も医療も福祉も地域も行政もとにかく関係者の人、全てが顔と顔が見える関係性をつくり上げて、一人の障害者を支えるという体制づくりをすることが大事だと思います。  現場では、地域移行と言うが、誰が旗振り役でやるのか、制度ばかりで現実味がないという声が大変多かったです。  また、愛知県には精神障害のことをこの現場単位でもっと知ってもらいたいというふうに思います。  先ほど紹介しましたパトリシア・ディーガン博士という方のお言葉の中に、もう一度言います、地域の中で普通に暮らし、働き、愛し、そこで自分が重要な貢献をするという言葉、これって、私たち健常者にとってはもしかしたら当たり前のことかもしれません。  それが当たり前にできず、悩み、訴えることもできない病気になっている。さらにそれは私たちから見て、外見からはわからないというものであります。  精神障害でお悩みの一人でも多くの方が、全ての人が輝ける愛知に希望を持てるような、また、リカバリーカレッジのように医療でも福祉でもない、新しい切り口があるということも踏まえて、今後の取り組みをしていただきますように要望して質問を終わります。  ありがとうございました。 7: ◯議長松川浩明君) 進行いたします。  河合洋介議員。     〔十八番河合洋介君登壇〕(拍手) 8: ◯十八番(河合洋介君) 議長のお許しをいただきましたので、順次、大項目で二つ、質問をさせていただきます。  まずは、特別支援教育における諸課題についてであります。  特別支援教育の充実につきましては、愛知県、愛知県教育委員会として積極的に推進をされており、大変ありがたく思っております。  本年四月には、大府もちのき特別支援学校が新設開校をされ、半田特別支援学校の過大化の解消がなされましたし、今後の特別支援学校の新設開校などによる教室不足の解消に向けても動いておられます。  聾学校においてはLEDの回転灯が設置をされ、また、全ての県立特別支援学校には防犯カメラが設置をされるなどさまざまな対応がなされてきております。  また、医療的ケアが必要な幼児、児童、生徒に対する対応も進めていただいておりますし、県立特別支援学校における教室のエアコン設置の前倒しの発表もありました。  その他、さまざまな課題につきましても、非常に積極的に推進をされており、大変大いに評価をさせていただきたいというふうにまずもって思っております。  その中で、さまざま、特別支援学校に通う児童生徒、またはその御家族の皆様とお話をさせていただく中で、私自身が少し違和感を覚えた内容について、今回は発言をさせていただきたいと思います。  一つ目は、ごみの処分の問題についてであります。ごみです。  特別支援学校のPTAの皆さん、特にお母さま方を中心にお話しをさせていただいたときにこんなお話を聞いたわけであります。  お子さんの体調の関係で、たんが出てしまって、それを拭うためにティッシュやガーゼをたくさん使うそうです。または体調の関係で薬を飲まないといけないらしくて、その薬を飲むとその副作用の関係で、たんがたくさん出てしまうと、あるいは鼻血が出てしまうと。それを大量にティッシュで拭って、それを子供たちに持たせて、御家庭で処分をしてくださいというふうに言われたということがあったそうです。  この、たんを拭ったティッシュや真っ赤に染まった大量のティッシュを子供が持ち帰っている姿、あるいはかばんにいっぱいになっている姿をお聞きしたときは、私は何とも言えない寂しい気持ちになったわけであります。  お子さん自身も何か自分が悪いことをしているんじゃないかと非常に後ろめたい気持ちになったそうでもありますし、御家庭の雰囲気も寂しい、悲しい、蔓延したそうでございます。  そんな話を聞いて以来、私はさまざまな場面で、このごみの処分について地域の皆様やPTAの皆さん、あるいは同僚議員や地元行政、関係者の皆さんと意見交換をさせていただきまして、さきに覚えた違和感がより一層深まりましたので、今回の発言をまとめさせていただきました。  どうやらごみの処分につきましては、学校内で処分をしているものと学校で処分をせず、家庭に持ち帰ってもらっているものとが存在をしているようでありまして、なおかつその明確な区別がなく曖昧であり、県立の特別支援学校の中でもばらつきがあると。  そして、そのお悩みがもう既に当たり前だということで、ありのままを受け入れざるを得ないという気持ちでいらっしゃるお子さんや御家庭があるということがわかったわけであります。  県の教育委員会の特別支援教育課の皆さんに現状を調べてもらいましたので、少し触れたいと思います。  まず初めに、おむつについてであります。  特別支援学校に通う幼児、児童、生徒の中には、御自身でトイレに行って排せつをすることが難しく、おむつや紙パンツを使用している子供たちがいます。  おむつや紙パンツを使う児童生徒の人数が多い肢体不自由の特別支援学校においては、県内にある七校全てで学校側で処分をしているそうであります。  しかし、そのほかの特別支援学校においては、学校で処分をしていたり、家庭に持ち帰ってもらったり、学校ごとにばらつきがありました。  具体的には、二十五校ある県立特別支援学校のうち、おむつを使用する幼児、児童、生徒のいる学校は二十四校、そのうちの七校はさきに御紹介をしたとおり肢体不自由の特別支援学校ですので、残りの十七校のうち八校が学校側で処分、そして、九校が御家庭へ持ち帰りと、こういうことでございました。  そもそも県立の特別支援学校において、対応が学校ごとに異なるということも驚きではありましたし、お母さま方のお声では、学校からそう説明をされたから家庭に持ち帰ることは当たり前だと思っていらっしゃる、こういう声の多さに私個人としても少しショックを覚えたわけであります。  つけ加えるのであれば、半田特別支援学校においては学校で処分をしていたおむつが、この四月に転校をして大府もちのき特別支援学校に通い出したお子さんは家庭へ持ち帰るように指示が変わったということもお聞きをいたしました。  汚れたおむつや紙パンツの取り扱いに関しては、衛生管理上の観点に加え、夏場などは送迎をする車内でも臭いにおいが充満をしますし、子供の心理的負担などを考慮しても、学校側で処分をすることが望ましいと私は思います。  そこでお伺いをさせていただきますが、おむつや紙パンツに関して、県立特別支援学校において原則学校での処分とし、児童生徒がそのごみを家庭へ持ち帰るということがないようにお願いをしたいと思いますが、県教育委員会としての考えをお聞かせいただきたいと思います。  続いて、医療的ケアで発生したごみについて伺います。  医療的ケアで発生するごみに関しては、原則家庭へ持ち帰ってもらっているということが現状多いようでございます。  医療的ケアとは、たんの吸引ですとか、経管栄養、管を通して食道に直接入れたり、あるいは酸素吸入など、児童生徒によってそれぞれの対応が必要でありますので、出るごみもそれぞれであるわけであります。  しかし、例えばたんの吸引で、そのたんを拭ったティッシュやペーパータオル、あるいはガーゼとかゴムの手袋、あるいは経管栄養の空き袋や酸素吸入の際の同調器で使う電池、あるいはその電池をパッケージしてあるようなフィルムのごみ、こういったものも私はどれも一般の家庭ごみとして捨てることができるものじゃないかなと、こういうふうに思うわけであります。  そこでお伺いをさせていただきますが、医療的ケアで発生するごみに関して、今現在は全て家庭へ持ち帰るようになっていると、このような運用を見直し、原則学校での処分として児童、生徒、御家庭へ負担をなくしてほしいと考えますが、県教育委員会のお考えをお聞かせいただきたいと思います。  ごみの関係の最後に、もう一つ伺います。  今回の発言をまとめるに当たり、地元でお聞きをする声と県の教育委員会の認識に非常に大きな温度差と言いましょうか、隔たりがあると率直に感じたわけであります。  ごみの持ち帰りの問題に関して、特別支援学校に通う児童生徒から、またはその御家庭から、今まで何らかの要望を受けたことはあるのでしょうか、お聞かせをいただきたいと思います。また、ある場合には、その内容についてもお聞かせをいただきたいと思います。  次に、特別支援学校における体調急変時という意味での緊急時対応を質問させていただきます。  特別支援学校や特別支援学級に通う児童生徒の中には、体調の変化が著しい、激しい児童生徒や何らかの特別な対応が必要になる児童生徒さんがいらっしゃいます。  子供の発するどんな小さなシグナルも見逃さず、適切に対応してほしいと思うわけであります。  加えて申し上げれば、障害のある幼児、児童、生徒の障害の程度も一人一人、異なるわけでありまして、体調急変時の対応もそれぞれにあると思いますので、学校としてしっかりと個々人の体調に関しても留意をしていただき、もしもの場合に備えていただきたいと思います。  医療的ケアが必要な児童生徒に関しては、それぞれの医ケア専門のお医者さんから緊急時における対応マニュアルが作成をされているともお聞きしております。  しかしながら、医療的ケアが必要ではないが、例えば、てんかんのようにさまざまな発作を抱えているような児童生徒もいます。あるいは、打撲など外的要因であっても、体調が急変をする可能性のある児童生徒だっているわけであります。  医療的ケアが必要である、なしにかかわらず、必要に応じて個々人における体調急変時の対応マニュアルを作成することも重要ではないかというふうに思います。  また、それを養護教諭や看護師のみでなく教員、全職員がそれを共有するということも大変重要ではないかと思います。  そこでお伺いをさせていただきます。  体調の急変時には各学校、そして、児童生徒ごとに対応は違うと思いますが、そのあたりのマニュアルなど対応の状況はどうなっているのか、お聞かせをいただきたいと思います。  また、緊急時に備え、万が一の場合を想定した医療機関との連携も必要であろうと思います。  実際に搬送が必要となった場合においては、その受け入れ先である医療機関、また、その搬送を実際に担っていただく救急車など地元消防との連携も必要不可欠であろうと思います。  それで伺います。  緊急時に備え、医療機関や消防機関との連携は具体的にどのように行われているのか、その状況をお聞かせいただきたいと思います。お願いいたします。  次に、大項目の二つ目、公共交通における鉄道の役割について、順次お伺いをしたいと思います。  この少子・高齢化社会におきまして、持続的なまちづくり、そのまちづくりには欠かせない地域の足、移動手段を論じる上で、公共交通について考えていくことは大変重要になっております。  学校、職場、病院、市役所、ショッピングモール、あるいはレジャーなど、いかなる場面におきましても公共交通の必要性については言うまでもありません。  高齢化社会が進む中で、自家用車の免許返納なども進み、交通弱者が生まれているのも事実であります。移動困難者ですとか移動制約者、こういった方々をつくり出さないように、行政としても日夜思案をしている状況であろうと思います。  その公共交通の中におきましても、今回の質問ではとりわけ鉄道について県の考えを順次お聞きしたいと思います。
     鉄道や鉄道駅の存在、役割については、さまざまな場面において、今後ますます重要になってくると思います。  社会的資本という側面で考えてみましても、鉄道や鉄道駅については、重要な社会インフラでありまして、トンネルや鉄橋を初めとした鉄道構造物は、既に建設から五十年以上を超えているものも多くあり、鉄道施設の維持管理はこれまで原則としてその保有者であります事業者の責任で対応をしてまいりました。  しかし、これからの社会、これにも限界があるというふうに思います。  道路や河川、港湾などのその他社会資本の取り扱いを参考にし、行政における支援のあり方を検討することも今後ますます必要になってくると考えます。  まちづくりや地方路線の維持を含めた、あるべき鉄道の姿に関しても同様に重要であろうと思います。  まちづくりを今後考えていくに当たっても、既存の鉄道や鉄道駅の果たす役割は非常に重要であり、地方都市のコンパクトシティー化を進めるに当たっても、駅へのさまざまな機能集約、公共交通の結節点としての駅前の再開発といった駅の利便性がより一層強化されるような地方自治体におけるまちづくりの取り組みを、また、地域と事業者との連携を行政としても支援することが望ましいと考えております。  観光という側面で見ても同様であろうと思います。  また、地方路線の維持、存続は地域住民の足の確保という観点から重要な課題でございますけれども、沿線人口の減少や高齢化など、ますます取り巻く環境は厳しくなると言わざるを得ません。  事業者においてもローカル線の維持は赤字路線をそもそも維持していくことと同義であり、民間企業としてますます困難となってきているのも現状であろうかと思います。  とりわけ人口減少や高齢化の著しい地方部における交通手段のあり方については、事業者のみに一切を委ねることなく、沿線自治体など関係者が事業者としっかりと協議をし、あるべき交通政策を展開することが今後ますます重要になってくると考えます。  このようにるる述べてまいりましたが、鉄道の果たすべき役割は非常に大きく、今後もその重要性は増してくると考えております。  愛知県としても、公共交通の重要性については、二〇一七年にあいち公共交通ビジョンを策定され、安心、快適な暮らしを支える愛知の公共交通について取りまとめられております。  そこでまずお伺いをさせていただきます。  公共交通における鉄道の役割について、今後の重要性も含め、愛知県としての認識をお聞かせいただきたいと思います。  続けます。  それでは、県としてどのように鉄道の事業にタッチしていくことができるのか、具体的にバリアフリーの対応について伺ってまいりたいと思います。  二〇〇〇年に交通バリアフリー法が施行をされ、それに基づく国の基本方針により、二〇一〇年度までに一日当たりの利用者五千人以上の駅のバリアフリー化を実施するという目標が定められました。  さらに、その後、新バリアフリー法により二〇一一年度からは二〇二〇年度までを期限として一日当たり三千人以上の駅についてバリアフリー化を進めるという指針が示されました。  しかし、課題も少なくはありません。  例えば市町村によって取り組み姿勢に温度差があり、進捗状況にばらつきがございます。  例えば国基準に適合をしていても、やっぱり地元負担、持ち出しが出てくるわけでありますので、市町村の優先順位からして少し駅のバリアフリー化は後回しになっているとそんなようなケースもありますし、あるいはこの国基準に適合していない、達していない駅への対応も検討していかなければなりません。  年でならしますと三千人いかないんだけれども、例えばシーズンごとにはそれをはるかに超えるような乗降客があると、こういう駅もありますし、例えば単発でお祭りなんかがあったときは大変大人数の利用客が出てくる、そんなような駅もあります。こうしたケースにもしっかりと対応をしていく必要があると考えます。  さらにバリアフリー施設の設置に当たっての支援スキームはありますけれども、メンテナンス、維持に関しては支援スキームがなく、各事業者の責任において全てを対応しているのが現状であります。  一方、ホームドアの対策につきましては、国交省の中に設置をされておりますホームドアの整備促進等に関する検討会が二〇一一年に中間取りまとめを公表し、利用者一万人以上の駅については点状ブロックなどの整備、利用者十万人以上の駅についてはホームドアまたは内方線つき点状ブロックの整備を優先して実施することを努力義務として求めております。  ホームドアについては、特に社会的機運、要請も強まっており、国交省は一日利用客十万人以上の駅においては原則二〇二〇年までに整備をする旨の方針も決定をされております。  しかし、整備に際しては事業者の負担も大きく、自治体などの助成も含め推進することを希望するものであります。  このようにバリアフリー新法以来、全国におけるバリアフリー化の一層の推進がなされている中で、駅や鉄道の安全性を向上させるためにホームドアの設置、段差やすき間の解消、エレベーターの設置など、まずはハード対策を第一義に進める必要があり、より一層強化していくことが大変重要であると考えております。  そこでお伺いをいたします。  バリアフリーのハード面の対応について国基準に照らした際、愛知県内のホームドア設置に関して、または内方線つき点状ブロックの整備に関して、またはエレベーターの設置状況に関して現状どうなっているのか、お聞かせをください。また、今後の見通しについてもあわせてお聞かせをいただきたいと思います。  次に、バリアフリーのソフト面におけるルール整備について伺いたいと思います。  国はハードにかかわるバリアフリー化につきましては、先ほどお示しをさせていただいたような一定の基準は設けているものの、高齢者や障害者を初めとする交通弱者への介助など、ソフト面の取り扱いについては、多くを事業者に委ねているのが現状であろうと思います。  一方で、二〇一六年に連続して発生をいたしました視覚障害者のホーム転落事故を受けまして、国土交通省はソフト面の安全対策として駅係員による声かけや構内誘導、乗車介助などの指導を強化したわけでもございます。  また、事業者間で差異があるものの、バリアフリー対策を実施済みの駅におきましても、駅係員が安全上の観点から車椅子旅客の介助のために付き添い、列車への乗車乗り降りの補助を行っている事業者も実際にはあるわけでございます。  こうした事業者におきましては、現場の係員が限られた人員体制で突発的な対応を数多く強いられるなど、業務上の負担が年々増加傾向にあり、必要な人員配置が追いついていないというお声もお聞きをするところであります。  移動制約者自身がみずからの力で移動できる環境をつくり出すことこそがバリアフリー法の趣旨であり、現実的な介助の方法、基準を明確にすることが法の適切な運用にもつながると考えられます。  二〇二〇年に予定をされております東京オリンピック・パラリンピック競技大会やその他、本県においてもさまざまな国際会議や国際スポーツ大会などで相当数の車椅子旅客を初めとする移動制約者の来日も想定をされることから、ハード面における公共交通の利便性向上はもちろん、ソフト面におけるバリアフリー対応の検討が必要であろうと思います。  行政は事業者との連携を強化して、利用者に対し事業者、そして、そこで働く人たちの立場にも立って、利用ルールの理解と遵守を求める取り組みを図っていただきたいと思うわけであります。  そこでお伺いをさせていただきます。  主導的に事業者との対話を重ね、車椅子旅客を初めとする移動制約者に対する介助のあり方などについて、地域支援事業としての取り組みを検討するなどソフト面の対応に一層力を入れて取り組む必要があると考えますが、愛知県としての考えをお聞かせいただきたいと思います。  最後に、事業者、地域住民、沿線自治体との連携について、お伺いをしたいと思います。  交通政策基本法及び地域公共交通活性化再生法の改正がそれぞれなされ、公共交通をめぐる動きが活発化している中、交通政策基本計画が閣議決定をされて、交通にかかわる諸施策が具体的な数値目標を持って展開されることとなっております。  交通モード間を超えたチーム公共交通の形成と、行政、事業者、そして、利用者や沿線住民を巻き込んだ議論を今後展開していかなければならなくなると思います。  もとより日本では交通事業者は独立採算を旨とし、他事業者との競争の中で力を蓄えてまいりました。その結果として、安全性の向上や速達性といったサービスレベルを向上させてきたのも事実であります。  一方で、公共交通という一面では、そうした経済的な側面だけで語ることができなくなっているのも事実であります。  事業者同士の連携と自治体のさらなる関与が鍵となり、その仲介役として都道府県の役割も今後必要となってくると考えます。  連携にどのようなインセンティブを持たせるのか、または苦しい局面をどのようにシェアをするのか、自治体がそのアイデアを持ってチーム公共交通形成の立役者となることが肝要であります。  そして、愛知県もそうした市町村の取り組みの側面支援や市町村と事業者との仲介を図るなど、積極的に関与することが求められていると思います。  そこで伺います。  鉄道を含む交通事業者、そして、地方自治体、地域住民との連携が非常に重要であると考えますが、今までこうした連携について、県として取り組んできた内容について、お聞かせをいただきたいと思います。加えて、今後取り組んでいかれることを伺いたいと思います。  以上、当局の前向きな答弁を期待申し上げ、登壇にての発言を閉じたいと思います。御清聴いただきありがとうございました。(拍手) 9: ◯教育長平松直巳君) まず、特別支援学校におけるごみ処分についてお答えいたします。  特別支援学校において、幼児、児童、生徒が使用したおむつや医療的ケアにより発生する使用済み物品については、各学校の判断により処分方法を定めております。  このうち、おむつにつきましては、議員お示しのとおり使用する子供が在籍する二十四校のうち、十五校が学校において処分をしておりますので、残る九校についても今後は特段の事情がない限り学校で処分することとするよう指導してまいります。  医療的ケアに関しましては、たんの吸引、経管栄養、導尿、インシュリン注射など処置に必要な処方薬、チューブや注射針などは各家庭から持参し、使用済みのものについては家庭へ持ち帰り、保護者に学校での処置の状況を確認していただくことといたしております。  教育委員会におきましては、これまでごみの持ち帰りに関して、保護者等から御要望いただいたことはありませんが、学校が保護者としっかり話し合いを行い、その理解を得ることが肝要でありますので、各学校に対し丁寧な対応に努めるよう指導してまいりたいと考えております。  次に、特別支援学校における緊急時の対応についてお答えいたします。  特別支援学校では、障害に起因する医療的な配慮事項や突発的な事故が多いことから、全ての学校において緊急対応マニュアルを作成しております。  このマニュアルには、緊急事態が発生した場合の対応方法、対応手順、連絡体制などが定められており、各学校においてはマニュアルに即した対応訓練を行うとともに、連絡体制図を職員室に掲示して、全ての教職員が緊急の際に迅速かつ適切な対応ができるように備えております。  特にてんかんなど、個別の対応が必要な幼児、児童、生徒については、個々に体調急変時の対応方法を定めており、その内容を全職員にて共有いたしております。  また、緊急時に備え、日ごろから主治医と情報を共有するとともに、救急車到着までの教職員の対応について、消防署員を講師とした研修を行うなど医療機関や消防機関と緊密に連携をしているところであります。  教育委員会といたしましては、各学校において適切な緊急時対応がなされるように特別支援学校長会等を通じて引き続き指導をしてまいります。 10: ◯振興部長野村知宏君) 私からは公共交通における鉄道の役割についてお答えいたします。  まず、鉄道の役割についての認識でございます。  鉄道は大量性、高速性、安定性、安全性といった特性を持った公共交通ネットワークの骨格を形成するすぐれた交通機関であり、通勤通学輸送のみならず、豊かで快適な生活を送る上で重要な機能を果たしていると認識をしております。  次に、県内の鉄道駅におけるバリアフリー設備の整備状況でございます。  国は平成三十二年度までに、一日の利用者数が三千人以上の駅について、バリアフリー化するとの目標を掲げております。  本県において目標対象となる駅は平成二十九年三月末現在で三百一駅ありますが、このうち内方線つき点状ブロックを含む視覚障害者用誘導ブロックが整備された駅は二百七十一駅、エレベーター等による段差解消が講じられた駅は二百五十七駅となっております。  また、ホームドアは目標対象ではない三千人以下の駅も含め六十五駅に整備されております。  なお、ホームドアにつきましては、国や鉄道事業者で構成する駅ホームにおける安全性向上のための検討会が平成二十八年十二月に行った中間取りまとめにおいて、一日の利用者数が十万人以上の駅を優先的に整備することとされております。  本県でこの対象となるのは、名古屋駅、金山駅、栄駅ですが、このうち名古屋駅の新幹線と地下鉄東山線、桜通線、栄駅の東山線にホームドアが整備されているほか、栄駅の地下鉄名城線、金山駅の地下鉄やJR東海道線で設置に向けた準備が進められております。  今後、引き続き各鉄道事業者により目標の達成に向けたバリアフリー化の取り組みが行われていく予定であり、本県といたしましては、市町村と連携しながらバリアフリー化が着実に進展するように鉄道事業者への働きかけを続けてまいります。  次に、鉄道駅のバリアフリー化におけるソフト面の対応についてでございます。  バリアフリー化に向けては、ハード面のみならず、鉄道事業者や利用者を初めとする全ての人が意識を変え、高齢者や障害のある方を含めた人々の多様性を理解し、バリアを除去するための具体的な方法、技術に関する知識を正しく習得するなど、ソフト面の対策を進めていくことも重要であります。  こうした認識のもと、本県といたしましては、駅員による誘導案内の強化や接遇能力の向上などの対策が着実に進むよう鉄道事業者に対して働きかけを行っております。  さらに市町村職員等を対象とした鉄道利用に関する心のバリアフリー教室を国と協力して開催するなど、ソフト面での鉄道駅のバリアフリー化に向けた取り組みを進めてまいります。  最後に、公共交通における交通事業者、地方自治体、地域住民の連携についてでございます。  公共交通の利便性向上や維持確保に向けましては、交通事業者のみならず、地方自治体や地域住民が連携していくことが大変重要なことと考えております。  こうした認識のもと、本県では毎年各地域における公共交通の整備、充実及び利便性向上に向けた意見や要望をまとめ、地域と鉄道事業者との間を仲立ちする形で鉄道事業者と意見交換を行っているところでございます。  また、地域にふさわしい公共交通をつくり上げていくために、交通事業者、国、地方自治体、地域住民など関係者で構成する地域公共交通会議が四十三市町村で設置されており、この会議に本県も参画し、チームの一員として公共交通の利便性向上や維持、確保等について広域的な視点で助言等を行っております。  今後もこうした場を活用して、関係者の連携が円滑に進むよう県としての役割を果たしてまいりたいと考えております。 11: ◯十八番(河合洋介君) 御答弁を賜りまして、ありがとうございました。  時間もありませんので、数点要望させていただきますが、ちょっと前後しますが、鉄道の関係は今部長からも御答弁を賜りました。  なかなか都道府県、県としてどのようにタッチしていくかというのは非常に大事なところではないかというふうに思っておりますが、愛知県内は五十四市町村の中で鉄道駅がほとんどの市町村にあるという非常に珍しい県だというふうに思います。具体的に四十七の市町村に鉄道の駅があるわけで。  そして、鉄道の事業者も名古屋市営地下鉄、愛環、リニモのような公共性の高いものからJR東海さん、名鉄さん、豊鉄さんのような私鉄の鉄道会社さんもたくさんあります。  なかなか市町村と交通事業者、鉄道事業者が直接何か要望活動をして、いろんな折衝をしようと思ってもなかなかハードルが高いわけでありますので、ぜひ県がその仲立ちに立ってもらって、中間に立ってもらって、しっかりとスクラムを組んで公共交通の中のやっぱり鉄道、こうした部分をぜひとも県としても進めていっていただきたいと思います。  その中でソフト面、ハード面ですね、バリアフリーなんかもさまざまなスキームも今現状足りない分も多かろうと思いますので、ぜひ新たな枠組みをつくるような提案、要望もさせていただきたいと思っておりますので、また、引き続き御議論をさせていただきたいというふうに思います。  そして、最後に教育委員会の皆さんに関しても本当に今回発言するに当たって、さまざまの現場のことを調べていただきました。感謝をいたしております。  おむつに関して、今原則、学校での処分というふうに御対応いただけるということをお聞きしましたので、大変うれしく思っております。  ぜひその他のごみに関しても、何か特別性の高い医療ごみのようなものを私は言っているわけではなくて、例えばたんを拭ったティッシュやガーゼのようなもの、誰がどう見てもこれはごみじゃないかと思うようなものまで医ケアで発生したからという理由で今は子供たちが持ち帰っていると、そのような現状をぜひ御考慮いただきたいというふうに思います。  最後に、一つだけ私の先ほどの認識のずれ、ここは親御さんから聞いている話と教育委員会の認識に大きな隔たりがあるというふうに私は感じております。どうかどうか丁寧に御要望を聞いていただけるようにお願いをして発言を閉じたいと思います。ありがとうございました。 12: ◯議長松川浩明君) 進行いたします。  下奥奈歩議員。     〔十四番下奥奈歩君登壇〕(拍手) 13: ◯十四番(下奥奈歩君) 日本共産党、下奥奈歩です。通告に従い、質問させていただきます。  最初に、災害対策の抜本的強化について、質問をいたします。  昨年の熊本地震や九州北部豪雨に続き、ことし六月の大阪北部地震から七月の西日本豪雨、さらに八月、災害とも言える猛暑の連続、そこへ台風二十一号と北海道地震が連続し、さらに台風二十四号が直撃するという異常な状況が続いております。  被災された方々に心からお見舞い申し上げます。  災害多発国日本として、災害に強い社会をつくることが政治の役割です。  そこで、それらの災害を教訓として幾つかの提案もしながら質問をしていきます。  第一は、ブロック塀撤去推進についてです。
     六月十八日の大阪府北部地震では、小学生がブロック塀の下敷きになる痛ましい事故が発生しました。通学路など安全の総点検や危険防止の対策を優先的に進める必要があります。  県は点検だけは進めていますが、民間ブロック塀の撤去の県独自の補助制度はありません。  通学路も含め、民間ブロック塀撤去を推進するため、県独自の財政支援をすべきと考えますが、いかがでしょうか。  第二は、避難所へのエアコン設置についてです。  七月六日からの西日本を中心とする記録的な豪雨による土砂災害、河川の氾濫、浸水被害で多数の被災者が避難所に身を寄せました。  しかし、各府県にある避難所では冷房設備が行き渡らず、被災地を襲う酷暑の中で体調を崩す高齢者や乳幼児が出ており、冷房設備を全ての避難所に配備して、健康を守るため万全の措置をとることが不可欠だというのが教訓です。  そこで、学校の体育館など避難所となる公共施設について、エアコンを配備していく計画をつくるべきと考えますが、見解をお聞きします。  第三は、被災者の生活再建についてです。  住宅問題が重要です。  被災者生活再建支援法がありますが、支給される金額は少なく、適用される対象も狭く、被害の実情に見合っていないことが西日本豪雨災害でも大問題になっています。  半壊や一部損壊も対象にする、支援金を現行最大三百万円から少なくとも五百万円に引き上げることが必要です。  今日の災害はかつていない規模となってきており、従来の枠を超えた対策、支援が必要です。国に対し要求するとともに県としても独自の支援策を検討すべきですが、いかがでしょうか。  第四は、豪雨対策です。  私も決算委員会や一般質問で中小河川対策を繰り返し要求し、水位計の設置など一定の改善がされてきました。  しかし、西日本豪雨のような広域的豪雨災害に対応するには、抜本的な対応が求められます。  県内の全ての中小河川に危機管理型水位計など、早期に水位計及び監視カメラを設置し、ネットでリアルタイムでわかるソフトの体制、充実を求めます。今後の設置計画について、お聞かせください。  第五は、西日本豪雨では河川改修のおくれ、しゅんせつや堤防のかさ上げのおくれが指摘されております。  河川内の雑草や雑木林など障害物の撤去を住民が要求していても、予算がないという理由で対策がとられず、氾濫、決壊し多くの人命が失われました。  豊橋市内でも河川の雑草を伐採してほしいとたびたび声が上がっております。  愛知でも、これらの対策について、スピードアップするためには河川の改修予算の抜本的拡充が必要ですが、見解を伺います。  第六は、台風二十一号では特に強風と高潮による被害が甚大です。  伊勢湾、三河湾を有する愛知では、高潮対策が欠かせません。今回の二十一号の被害で、南海トラフ地震の津波や高潮でも大丈夫と言われていた地域が護岸を超えた高潮で浸水しました。愛知でも今後、想定外の高潮被害が懸念されます。  二十一号台風を受けての高潮対策強化を求めます。  特に関空の被害を見ると、中部国際空港の明らかになった海上空港島としての弱点を踏まえ、総点検し抜本的な災害対策強化を行うべきではないでしょうか。  第七は、二十一号台風で多数の家屋の屋根が破損したためにブルーシートの不足問題が表面化しています。  県下のある自治体でも、調べたらほんの少ししかなかったということです。  これらの万全の体制が必要ですが、実態は惨たんたるものです。関西では屋根の修理を頼んでも一年後になると言います。ブルーシートの確保を初め、新たな強風対策が必要です。見解を伺います。  第八は、竜巻対策についてです。  台風二十一号のとき、東三河に再三竜巻注意情報が頻発されました。異常な気候変動の中で、竜巻災害の危険性が特に東三河地方では高まっていると言えます。  抜本的な対策強化を求めますが、見解を伺います。  第九は、北海道地震では土砂災害と液状化が問題になっています。  愛知では、特に三河地方など地質的にもろい花崗岩地域や中央構造線地域が心配されます。改めて、土砂災害の危険地域の周知徹底や土砂災害対策予算の拡充が必要です。見解を伺います。  さらに尾張方面や豊橋などでは、北海道地震のような液状化が大いに懸念されます。液状化マップの周知徹底や地盤改良への公的支援策など今後の対策を伺います。  この項目の最後に、避難所の確保と充実の問題です。  最近の事例では、大規模に災害が発生し避難所が不足する事態が各地に見られました。改めて避難所が適正に確保されているか点検すべきです。  さらに人権が守られる、国際的に見て恥ずかしくない水準の避難所の環境確保が重要です。  避難するのに相当の覚悟が必要な、劣悪な環境の避難所では早期に避難することができず、人命にかかわることになります。  女性の視点をベースにした快適な避難所、国際基準、スフィア基準に適合した、人権が尊重される避難所運営が必要です。  そのためには、福祉避難所も含め、災害用備品の備蓄や確保が重要です。食料や飲料水、血栓予防のための寝具、簡易ベッドを初め、災害用トイレや非常用電源、福祉スペース、医療体制や福祉避難所の確保など、市町村によってアンバランスがあります。  避難所の環境改善や災害用備品や体制改善を目指す整備計画を求めますが、見解を伺います。  次に、エアコン設置など熱中症対策について伺います。  ことしの夏は、命にかかわる危険な猛暑日が続きました。地球温暖化による異常な気候変動で、今後もこの傾向が続くことが予想されます。  地球温暖化対策として、緩和策だけでなく、適応策が重要だという危機的な状況に至っていることは明らかです。  そこで二点伺います。  第一に、県民の命を守る県政として熱中症対策への思い切った抜本的な対策を検討すべきと考えますが、基本的な見解を伺います。  第二に、暑さ指数計を県管理施設、県立高校、県道など多くの人の目に触れるところに設置することや、暑さ指数計に基づく熱中症警報システムを県としても実施し、注意報や警報を発令するとともに、市町村と連携し防災行政無線放送等を活用し、注意報や警報を広く県民に周知を図るなど、県独自の対策を行うべきではないでしょうか、県の考えを伺います。  続いて学校エアコン設置について伺います。  深刻な猛暑が続く中、県内の学校の普通教室や特別教室への空調設置は児童生徒の命にかかわる重大かつ緊急の課題となっております。  そういう中で、七月十七日に豊田市の小学生が熱中症で亡くなるという痛ましい事件が起こりました。  最初に、子供が命を落とすようなことは二度とあってはならないと考えますが、県当局の見解と繰り返さないための決意をお聞かせください。  また、今日の県内小中学校や高校での教室エアコンの設置計画の状況について、普通教室への設置計画がある学校数、計画がない学校数、そして、設置率がどうなっているのか、状況について説明を求めます。  豊田市のようなことを絶対に再発させないためにも、エアコン設置を県として思い切って進めるべきです。  この夏の猛暑は本当に危険だということで、私たち日本共産党愛知県議員団は、県当局に七月二十三日、学校の教室にエアコンを設置すべきと緊急の申し入れを行いました。さらに政府に対しても八月十日に申し入れを行いました。  現在愛知県では、県立高校へのエアコン設置はPTAが負担をして設置している状況です。また、小中学校についても県は財政支援を行っていません。  東京都では、市町村立の小中学校普通教室への冷暖房設置を促進するために財政支援を行い、現在ほとんどの小中学校に設置されております。また、都立高校は全ての学校でエアコン設置が完了をしております。  そこで伺います。  文科省は我が党兵庫県委員会が六日に要請を行った際、来年夏までのエアコン設置へ努力をすると述べました。  愛知県も、来年夏までに設置を間に合わせるよう全力を挙げるべきです。  熱中症によって子供が命を落とす事態を繰り返さないためにも、財政力が東京に次いで二位の愛知県として、小中学校や県立高校、全ての学校のエアコン設置に対して県独自の財政支援を行うべきではないでしょうか。答弁を求めます。  次に、特別教室や体育館も含め、全ての教室へのエアコン設置について伺います。  学校教室へのエアコン設置は普通教室だけではなく、特別教室や体育館にも設置すべきです。  また、小中学校、高校に加え、保育園や幼稚園、学童保育など子育て関連施設について完備するためにも全力を挙げるべきです。見解を伺います。  生活保護世帯のエアコン設置について伺います。  四月からの生活保護世帯に対し、保護開始時など、一時扶助によるエアコン設置を行えるようになりましたが、それ以外の保護受給世帯にも対象を拡大するよう国に対し求めるとともに、国が対象とするまでの間、県として支援を行うべきと考えますが、いかがでしょうか。  また、冷房利用に伴う電気代相当額について県独自に助成すべきと考えますが、いかがでしょうか。  次に、性暴力被害者支援について質問します。  性暴力被害の問題が国内外で大きな社会問題となっております。性暴力は魂の殺人というべきものです。  しかし、それにもかかわらず、性暴力は被害について相談することや社会の理解のなさ、偏見等で孤立しやすいという問題があります。  そういった中で、性暴力根絶の取り組みと被害に遭ってしまった場合の支援体制など拡充が求められます。  そこで、三点伺いたいと思います。  まず一点目は、ワンストップ支援センターなどの周知についてです。  内閣府の男女間における暴力に関する調査報告書によると、被害経験のある女性は七・八%、男性は一・五%で、二十歳以上の女性は百人のうち七人から八人が無理やり性交等をされた被害があるという深刻な実態となっています。また、被害を相談しなかった人は約六割に上っております。  こうした中で、性暴力被害に遭われた方々に対し中心的に支援を行うのが性暴力被害者ワンストップ支援センターです。  愛知県には名古屋市の日赤なごや、なごみと一宮市のハートフルステーション・あいち、二カ所の性暴力被害者ワンストップ支援センターがあります。  この二カ所のワンストップ支援センターがあるということは重要なことではありますが、問題は存在を知らないということです。  岐阜県では県内全ての中学、高校の全生徒にパンフレットを届けて、コンビニのトイレの個室にステッカーを張ってもらうなど、若年層への周知に努力をしてきた中で、相談件数が増加しているそうです。  三重県では近鉄電車へステッカーを張り、相談件数増加の効果があったそうです。  そこで伺います。  あいち地域安全戦略二〇二〇の中で、性犯罪、性暴力の被害を受けた場合の各種支援策について広く周知しますと書いてあります。それなら、県が作成した、「ひとりで悩んでいませんか?」と題した相談窓口を掲載した名刺サイズのカード、一万部しかないそうですが、これを増刷しコンビニやスーパーのトイレの個室に置くことや県内全ての中高校生や大学、専門学校生に配布し、周知徹底を行うべきではないでしょうか、答弁を求めます。  次に、二点目は、ワンストップ支援センターの東三河への設置についてです。  県内には先ほど紹介した二カ所のみです。  国連の提案では、人口二十万人に一カ所、愛知県で言えば、十八・八カ所の設置が求められることになります。  性暴力の被害者の方の緊急避妊は、七十二時間以内に避妊のための薬を飲まなければなりません。加害者の証拠としてDNA等の証拠として、血液の採取など一刻も早く行うことが必要です。  また、性暴力の被害者の中には未成年の被害者も多く、交通費などもないこともあり、そういう意味でも身近に支援センターをつくることが必要です。  例えば岐阜県では、ぎふ性暴力被害者支援センターがあり、岐阜県が公益社団法人ぎふ性犯罪被害者支援センターに委託し運営をしています。県が支援センターをつくり、病院など他機関と連携をとっています。  そこで伺います。  財政支援も含め、空白となっている東三河に病院拠点型ワンストップ支援センターを設置すべきではないでしょうか。  また、他県の例を参考に、県が支援センターを設置し、産婦人科や弁護士など、ネットワークを結ぶという方法での支援を東三河で行ってはどうでしょうか。答弁を求めます。  この項目の最後、三点目は性犯罪・性暴力被害者支援交付金について伺います。  内閣府は二〇一七年度から性犯罪・性暴力被害者支援交付金を創設しました。  交付先は各都道府県ですが、愛知県は現在申請していないため交付されていません。そのため、現場では低賃金や運営費の持ち出しなど、大変深刻な状況があります。  ハートフルステーション・あいちでは、六人の支援員がいらっしゃいますが、有償ボランティア六人で年間約四百万円の愛知県警からの委託費で行っているそうです。  なごみでは二十四時間三百六十五日体制で人件費や運営費は全部病院の持ち出しで、支援員の給与は最低賃金しか払えないそうです。  また、なごみは広報のために地下鉄に広告を張りましたが、財源が厳しく、短期間の広報となってしまったそうです。  内閣府は来年度の概算要求で、性犯罪・性暴力被害者支援交付金を昨年度の一・八五倍の三億四千六百万円を要求しています。これを減らさないようにするためには、愛知県からも声を上げる必要があります。  この交付金の拡充する部分には、拠点となる病院の宿直や夜勤などの費用も含まれているそうです。  愛知県が申請した場合、県内二カ所の支援センターに支援金が出せるとのことです。  そこで伺います。  県として性犯罪・性暴力被害者支援交付金を国に対し申請を行うべきではないでしょうか。また、同時に交付金に県の財源も上乗せし、運営や広報、専門医の人材育成や支援を充実させるべきではないでしょうか。答弁を求めます。  最後の質問は、愛知県看護修学資金の貸し付けについて伺います。
     愛知県は看護修学資金については、平成三十一年度から新規貸し付けを中止するとしています。その理由に新規貸与者の減少などを挙げ、事業実施の効果は薄れているためとしています。  この修学資金を廃止する県は、愛知も含めると七県です。多くの都道府県は、少子・高齢化で急速に拡大する医療ニーズを支える看護師人材確保は重要と位置づけて、地域医療を支える医療人材の育成支援を行っております。  そこで伺います。  医療を支える人材育成のために、この制度を中止、廃止するのではなく、むしろ内容を拡充し継続すべきではないでしょうか。  以上で壇上からの質問を終わります。ありがとうございました。(拍手) 14: ◯議長松川浩明君) この際、理事者各位に申し上げます。  議員の質問が多岐にわたっておりますので、質問の要旨を十分把握して、的確、簡明に答弁されるようお願いをいたします。 15: ◯建設部建築局長海田肇君) 民間ブロック塀撤去の推進についてお答えします。  本県では、大阪北部の地震を受け、県、市町村、建築関係団体が連携してパトロールを行い、所有者による点検等を促しております。  現在、国において危険な民間ブロック塀の除去等への財政的支援など、安全確保対策の検討が始められたことから、引き続き情報収集を進めるとともに市町村、建築関係団体と連携して危険な民間ブロック塀等に対し、しっかり取り組みを進めてまいります。  続いて、建築物の敷地の地盤改良に関する今後の対策についてお答えいたします。  地盤改良を初めとする液状化対策は、建築物の用途、形状や敷地の状況等によりさまざまな対応策があります。例えば鉄骨造で延べ面積三十平方メートル以下の小規模な建築物を除き、国家資格を有する建築士が建築基準法に基づき、基礎が地盤の沈下や変形に対して安全であることを確認することとなっております。  このため、本県としましては、引き続き建築士向けの研修会を実施するなど、建築関係団体と協力しながら建築士の知識習得を支援してまいります。 16: ◯防災局長相津晴洋君) 災害対策に関する御質問のうち、まず、避難所へのエアコン設置についてでございます。  災害時において、避難者が健康を損なわない生活を送るためには、エアコンの整備は重要であると認識しております。  避難所の確保については、災害対策基本法で市町村の責務となっており、国の取り組み指針において良好な生活環境を整備することとされております。エアコンの整備についてもこの指針に沿って、各市町村で優先順位を考慮して推進していただくことになります。  次に、被災者の生活再建についてであります。  被災者生活再建支援法に基づく支援内容は、これまでも支給額や支給対象の拡大などの充実が図られてきましたが、全国知事会において、さらに望ましい制度のあり方を年内に検討することとなっておりますので、その検討状況について注視してまいります。  なお、現行制度で対象とならない災害につきましては、本年四月に県独自の制度を創設したところであり、全ての市町村で制度を創設していただくよう引き続き働きかけてまいります。  次に、ブルーシートの確保についてであります。  台風等の強風被害への備えとして、ブルーシートの確保は重要であります。  災害用のブルーシートは市町村において備蓄しておりますが、本県としても一定の備蓄を行うとともに民間企業との協定による流通備蓄によりその確保に努めているところであります。  さらに大量のブルーシートが必要になる場合には、近隣県市との協定や国からの支給により確保することとしております。  次に、竜巻対策についてであります。  竜巻への備えについては、防災・減災お役立ちガイドという啓発用冊子に竜巻の特徴や身を守る行動などを記載し、県民の皆様への啓発を行っております。  また、竜巻注意情報が発表された場合には、速やかに市町村等からの竜巻、突風等の発生や被害の状況などの情報を収集する体制をとることとしております。  次に、液状化マップの周知徹底についてであります。  市町村が地域の実情に応じた液状化マップを作成し、住民の皆様への周知が進むよう、県では市町村に対して地震発生時における液状化の危険度分布に関するデータを平成二十六年度から提供し、活用していただいております。  最後に、避難所の確保と充実についてであります。  各市町村においては、避難所を確保し、国の取り組み指針に沿った環境改善や災害用物資の備蓄に取り組んでいるところであり、県も財政的な支援を行っております。  また、被災者が安心して避難生活が送れるよう、市町村の避難所運営マニュアルの指針となるマニュアルを県で作成し、活用いただくよう周知しております。  今後とも市町村と連携し、避難所機能の向上に努めてまいります。 17: ◯建設部長河野修平君) 災害対策の抜本的強化についてのうち、豪雨対策としての水位計及び監視カメラの設置についてであります。  県管理河川においては、流域に人口、資産が集中している主要な河川の中下流部や過去に浸水が発生した箇所などに水位計や監視カメラを設置することとしております。  現在のところ、常時観測水位計九十三基と危機管理型水位計四基、監視カメラ五十四基を設置しており、ホームページによりその情報を提供しております。  危機管理型水位計については、今後市町村と相談しながら順次増設することとしており、今年度は約五十基を増設してまいります。  次に、河川改修予算の拡充についてであります。  県管理河川における河道拡幅や掘削等の河川整備を着実に進めるために、引き続き必要な予算の確保に努めてまいります。  次に、地震による土砂災害への対策についてであります。  豪雨による土砂災害への対策は、地震による土砂災害に対しても一定の効果を有すると考えております。  引き続き、砂防堰堤等の土砂災害防止施設を着実に整備するとともに、土砂災害警戒区域等の指定及びその周知を推進し、そのために必要な予算の確保に努めてまいります。 18: ◯振興部長野村知宏君) 中部国際空港の災害対策強化について、お答えいたします。  中部国際空港は、伊勢湾台風時の潮位を想定し、護岸や地盤高を決めております。  空港の基本施設である滑走路、ターミナルビルの地盤の高さは三・七九メートル以上あり、先日の台風二十一号の大阪湾における最高潮位三・二九メートルより高いことから、同等の高潮に見舞われたとしても空港機能の維持または早期復旧は可能であると考えております。また、今回の台風二十四号においても特段の被害はありませんでした。  さらに想定外の浸水被害の備えとして、電源施設などの重要施設に対して、防潮板の設置や扉の気密性強化などの防水対策を平成二十七年度に実施しております。  国においては、台風二十一号の被害を踏まえ、今後被害の検証、必要に応じた対策を検討する予定です。  県といたしましては、こうした国の議論を注視してまいります。 19: ◯健康福祉部保健医療局長(松本一年君) まず、熱中症対策についてお答えいたします。  熱中症の予防には、暑さを避け、小まめに水分を補給することが大切であり、県民の皆様に熱中症を正しく理解していただくための普及啓発と注意喚起が重要であると考えています。  そこで、本年五月には、庁内各課や市町村などを通じて、県民の皆様に注意喚起を行い、さらに七月には県主催のイベント等において、熱中症予防の徹底を呼びかけるよう改めて周知いたしました。  また、県のウエブサイトに熱中症の予防法を掲載するとともに企業とも連携して啓発活動を行ってまいりました。  今後ともさまざまな機会を活用し、普及啓発と注意喚起を行い、熱中症予防に努めてまいります。  続きまして、看護修学資金についてお答えいたします。  本県の看護修学資金貸付金は、県内の看護師等養成所に在学する方に修学資金を貸与し、県内の二百床未満のいわゆる中小病院等への就業を促進する制度として実施しております。  しかしながら、近年、中小病院等へ就職しない方の割合が増加するなど、事業実施の効果が薄れてきたことから、来年度より新規貸与を行わないことといたしました。  県といたしましては、看護師の離職防止や再就業支援の取り組みを推進し、引き続き中小病院等の看護師確保に努めてまいります。 20: ◯環境部長森田利洋君) 私からは熱中症情報の県民の皆様への周知についてお答えいたします。  あいち地球温暖化防止戦略二〇三〇に基づきまして、気候変動の影響に対する適応策につきましても、関係部局や市町村と連携し取り組みを進めております。  うち熱中症については、熱中症予防の普及啓発、熱中症による救急搬送者数の公表により県民の皆様の注意喚起、未然防止を図っております。  また、環境省や日本気象協会が提供しております暑さ指数情報につきましては、ウエブサイトのほか、新聞やテレビのデータ放送、市町村によっては防災無線放送や住民向けメールでも提供されているところでございます。  こうした情報提供の現状や市町村の取り組みも踏まえまして、引き続き対応してまいります。 21: ◯教育長平松直巳君) 初めに、豊田市の小学生の死亡事故についてでありますが、非常に痛ましいものであり、二度とこうした事故が起こることのないよう学校における熱中症防止対策をさらに徹底することが必要と考えております。  熱中症は環境条件に注意したり、小まめに水分補給したりするなどの方法で予防でき、万一発症した場合でも、適切な応急処置によって救命可能であることについては、県教育委員会作成のあいちの学校安全マニュアルにも明記しているところであります。  改めて本マニュアルの熱中症防止対策の周知徹底を図り、児童生徒の安全確保に万全を期するよう各市町村教育委員会や県立学校を指導してまいります。  次に、公立小中学校及び県立高校の普通教室における空調設備についてでありますが、まず設置率は、本年九月一日現在で、公立小中学校で四二・一%、県立高校で九一・七%となっております。  また、小中学校については、この八月の文部科学省調査への回答では、約半数の学校で平成三十一年度に空調設備の新設または更新が計画されております。  小中学校の施設設備の整備は、基本的に学校設置者である各市町村の責務であると認識しており、国庫補助金などの財源措置もなされておりますことから、引き続き国に対して各市町村が計画する事業量に見合った予算が確保されるよう強く働きかけを行ってまいりたいと考えております。  また、県立高校については、約九二%の設置率まで来ておりますが、さらなる設置につき関係方面等と引き続き協議してまいりたいと考えております。  次に、特別教室や体育館への空調設備設置についてであります。  小中学校の空調設備の設置につきましては、学校設置者の判断により、まずは、児童生徒が一日の多くの時間を過ごす普通教室が優先され、特別教室や体育館の設置は、それぞれの使用目的や頻度を踏まえた必要性に応じて進められているものと認識しております。  また、県立高校につきましては、特別教室のうち、多くの生徒が利用する図書室やコンピューター室などには既に設置が完了しており、それ以外のものについては、さまざまな御意見等もお聞きながら検討していきたいと考えております。 22: ◯県民文化部長(鳥居保博君) 学校へのエアコン設置のお尋ねのうち、私立学校についてお答えします。  私立学校の教室エアコンなど施設設備の整備については、設置者である学校法人がそれぞれの方針による判断のもと、適切な教育環境の確保に向け、計画的に進められているものと認識しております。  本年四月一日現在、県内の私立小中学校の普通教室は設置率一〇〇%、私立高等学校は設置率九八・八%となっております。  私立学校のエアコン設置に要する経費に対しましては、国及び県による補助制度がございますので、引き続きその周知を図ってまいります。  次に、特別教室、体育館及び幼稚園へのエアコン設置についてお答えします。  特別教室につきましては、小学校は設置率九八・三%、中学校は九四・七%、高等学校は九四・八%となっております。  体育館につきましては、小学校は設置率一〇〇%、中学校は一四・三%、高等学校は二一・三%となっております。  幼稚園につきましては、本年八月二十七日現在、普通教室に当たる保育室の設置率が八五・一%、保育室以外は八七・三%となっております。  今後、熱中症により園児、児童、生徒の生命が危険にさらされることのないようエアコンの早期設置を呼びかけてまいります。  続いて、性犯罪・性暴力被害者支援に関する御質問のうち、まずワンストップ支援センター等の周知についてお答えします。  本県では、愛知県安全なまちづくり条例に犯罪被害者支援を位置づけ、ことし三月に策定したあいち地域安全戦略二〇二〇に基づき、関係機関との連携のもと、性犯罪・性暴力被害者を支援するさまざまな取り組みを行っております。  その取り組みの一つとして、ワンストップ支援センターなどの相談窓口や支援内容を周知するため、県のウエブページに掲載するとともに名刺サイズの啓発カードをことし新たに作成し、図書館や病院など一般の方が利用する施設を中心に置いていただいたところでございます。  若い世代を初め、幅広く周知するため、その効果的な配布方法についてさらに工夫してまいりたいと考えております。  次に、ワンストップ支援センターの東三河への設置についてお答えします。  本県には、病院拠点型のワンストップ支援センターとして県警察が設置、運営するハートフルステーション・あいちと名古屋第二赤十字病院が設置、運営する性暴力救援センター日赤なごや、なごみの二カ所がございます。  病院拠点型の支援センターを設置するためには、相談のための専用スペースの確保、専門の医師や性暴力被害者支援看護師の配置など病院の協力が、また、県による支援センターの設置にも地域の病院や弁護士会などの協力が必要であります。  このため東三河など他の地域での新たな支援センターの設置につきましては、既にある二つの支援センターの運用状況やそれぞれの地域の実情などを踏まえ、研究してまいりたいと考えております。  最後に性犯罪・性暴力被害者支援交付金の国への申請などによる支援の充実についてお答えします。  国では行政が関与するワンストップ支援センターを平成三十二年までに各都道府県に最低一カ所設置することを目標に掲げ、早期設置と運営の安定化のため、性犯罪・性暴力被害者支援交付金を平成二十九年度に創設しました。  本県の二つの支援センターのうち、現在国庫補助制度による助成を受けていない性暴力救援センター日赤なごや、なごみについて、被害者支援の実態等を把握し、その支援のあり方を研究してまいりたいと考えております。 23: ◯健康福祉部長(平田雅也君) 子育て関連施設のうち、保育所や放課後児童クラブのエアコン設置についてお答えいたします。  エアコンにつきましては、特に暑くなる夏場に安全で快適に過ごしていただくため必要な設備であり、子供たちが長時間を過ごす部屋には設置していただくことが望ましいと考えております。  このため、保育所や放課後児童クラブの実施主体である市町村において、社会福祉法人等の施設の設置者と協力しながら良好かつ適切な環境が提供されるよう努めていただきたいと考えております。  次に、生活保護世帯のエアコン設置についてであります。  本年六月二十七日付の国の通知により、一定の要件に該当する場合には、四月以降に保護が開始された世帯等に限りエアコンの設置費用が一時扶助として支給できることとなりました。  本県といたしましては、この夏の猛暑により熱中症による健康被害が危惧されたことから、保護の開始時期にかかわらず必要な場合には支給できるよう、国に対して要件の緩和を申し入れたところです。  なお、生活保護は国が基準を定め、全ての国民に対して最低限度の生活を保障する制度であり、その費用は国の補助を得て県で負担しているところであります。 24: ◯十四番(下奥奈歩君) いろいろと答弁をいただきましたので、二点要望をしたいと思います。  一点目は、災害対策についてです。
     いろいろ答弁があったんですけれども、県民の命を守るという姿勢が大変弱い答弁でした。  巨大な地震、記録的豪雨、強力な台風の上陸が相次いだことは災害多発国日本の厳しい現実を改めて突きつけています。  しかし、愛知県当局は余りにも危機感がないような姿勢だったというふうに思います。  県民の命と暮らしを守る災害対策を行うのは、県の役割です。大災害に何度も見舞われた痛苦の経験と教訓を生かし、従来の枠にとらわれない対策強化を行うべきです。県民の命を守ることを最優先に行う県政への転換を強く求めます。  二点目です。二点目は性暴力被害者支援についてです。  私の住む豊橋にも被害を受けた方がいらっしゃいます。  私は、実際、被害に遭われた方にお話を伺いました。  被害者に対し偏見やあなたにも否があった、こんなことを言われてしまうことを恐れ、被害に遭ったことを言えずに孤立をしてしまいます。  そういった二次被害を生まないためにも、中長期にわたる一人一人の心に寄り添う支援が必要だと感じました。  県としてワンストップ支援センターの設置を行うことや周知の徹底、性犯罪・性暴力被害者支援交付金の申請など、愛知県として被害者支援に積極的に取り組んでいくことを強く求め、要望といたします。      ━━━━━━━━━━━━━━━━━ 25: ◯四十番(近藤ひろひと君) 暫時休憩されたいという動議を提出いたします。     〔「賛成」と呼ぶ者あり〕 26: ◯議長松川浩明君) 近藤ひろひと議員の動議のとおり決しまして御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 27: ◯議長松川浩明君) 御異議なしと認め、暫時休憩いたします。     午前十一時五十八分休憩      ━━━━━━━━━━━━━━━━━     午後一時十分開議 28: ◯副議長(鈴木喜博君) 休憩前に引き続き会議を開きます。  通告により質問を許可いたします。  山本浩史議員。     〔四十六番山本浩史君登壇〕(拍手) 29: ◯四十六番(山本浩史君) 通告に従いまして、今回は、渥美半島における広域道路ネットワークについての一点に絞り、質問をいたします。  なお、本日は、当質問を行うに当たり、田原市から鈴木副市長初め、職員の皆さん、そして関係団体の役員の皆さんに傍聴席にお越しいただいております。県当局におかれましては、誠意ある御答弁をお願いいたします。  それでは、始めさせていただきます。  現行の日本における高速道路網計画は、昭和六十二年に策定の第四次全国総合開発計画において、昭和四十一年に定められた高速国道網七千六百キロに高速国道三千九百二十キロ、一般国道自動車専用道路二千四百八十キロを追加し、高規格幹線道路網一万四千キロとして決定されており、昭和六十二年の計画当時の考え方として、全国からおおむね一時間程度で利用が可能となるようなネットワーク形成を目指しています。     〔パネル図を示す〕  国土交通省の資料、高規格幹線道路網計画の変遷によれば、平成二十三年四月時点で完成距離九千八百五十五キロ、進捗率は七〇%ですが、しかし、この時点で、おおむね一時間程度で利用が可能となる人口のカバー率は、既に九五%に達しています。  一方、面積カバー率はまだ低く七七%であり、本資料の日本地図によれば、全国的にもカバーされていない空白地域が目立ちます。当然、渥美半島の大部分もカバーされていません。  なお、平成二十八年三月末において完成距離が一万一千二百六十六キロ、進捗率八〇%であり、一万四千キロの完成にはあと十年、二十年以上かかるかもしれませんが、仮に一万四千キロが完成すれば、人口カバー率九八%、面積カバー率九四%となります。  本資料の日本地図によれば、全国で空白地域が大幅に解消されます。そのような中にあっても、県内で唯一、依然、渥美半島だけは地図に網かけがなく、一時間で高規格道路へアクセスできない地域となっています。  事業進捗する国道二十三号名豊道路による時間短縮を考慮しても、半島の約半分は、現在もこの先もこのような状況であると言えます。人口カバー率九八%、面積カバー率九四%であるにもかかわらず、こうしたエリアに入らない国内でも極めてまれな地域が渥美半島エリアと言えます。  平成二十八年市町村別農業産出額において、田原市は八百億円を超え、全国一位。市町村別製造品出荷額は、平成二十六年十二月末の統計で二兆円を超え、豊田市、名古屋市に次いで県内三位、全国でも十七位に位置し、物づくり愛知の一翼を担っています。  また、ほぼ全域にわたり、三河湾国定公園及び県立自然公園に指定され、伊良湖岬を初めとした風光明媚な自然や景観を生かした観光資源や、三河湾や太平洋の海産資源にも恵まれています。  地域の資源を生かした規模の大きなスポーツ大会もさまざま行われ、トライアスロン伊良湖大会や中部北陸実業団駅伝競走大会も毎年開催されています。  また、現在、サーフタウン構想を掲げ、その推進策として、サーフィンのオリンピックとも言われる世界的なビッグイベント、ワールドサーフィンゲームスも開催され、活発に地域振興策を推進し、多くの人を呼び込むための施策を展開しています。  本県には、三河湾で接するもう一つの半島、知多半島があります。中央を走る知多半島道路は、昭和四十五年、四十六年にかけて開通し、半島の発展に大きな役割を果たしてきました。  知多半島を縦断する道路への期待は戦前からあったそうですが、戦争で中断し、戦後の昭和二十九年になって知多中央道路建設期成同盟会が結成され、昭和三十年代の産業、観光の面での著しい発展とともに、交通ラッシュに対応すべくさらに機運が高まり、昭和三十三年の陳情で知事が前向きな姿勢を示したことで、翌三十四年から調査が行われました。  その後、昭和三十七年の建設期成同盟会の臨時総会において、日本道路公団側から建設計画が発表されました。内容は、大高から半田までの二十一・一キロを日本道路公団の担当で着工し、総事業費は六十三億円。その先の師崎までは県の担当で着工されるというものでした。  昭和三十八年度には、基礎測量、調査が行われ、四十年に道路公団担当区間、四十一年に愛知県担当区間の事業許可がおり、四十二年には愛知県担当区間の起工式が行われ、道路公団区間の起工式は四十三年に行われました。  その後、愛知県担当の南知多道路が四十五年三月に開通し、同年七月には半田─阿久比間が開通、翌四十六年七月に全線開通に至りました。本道路の建設は、愛知用水と並び、知多半島の二大土木事業として、その後の知多半島の発展になくてはならない事業であったことは言うまでもありません。  また、昭和四十四年四月には、東海市から知多市に至る約十五キロの西知多産業道路も自動車専用道路として開通し、知多半島道路とともに半島産業の発展に大きく寄与しています。  ちょうど昭和四十年代は、渥美半島においても中央道建設の機運が高まっていました。昭和四十二年十月には、愛知県と三重県が中心となり伊勢湾口道路調査委員会が設立されており、こうした事業との整合性も図りながら、当時から渥美半島を縦貫する高規格道路の検討が進められています。  このころは、豊川用水通水による農業の発展や観光客の増加、狭い道路幅への対応、また、知多半島における知多中央道路の建設にも触発され、渥美半島縦貫道路建設の要望が高まっており、昭和四十四年十月の渥美町議会において、当時の森下清渥美町長は次のように述べています。  中央道の件については、皆様方から再三御質問、御意見もあり、町当局としても県の企画部及び土木部へ再三陳情している、また、渥美三町としても、この面については共同で陳情しており、豊橋市とも協力して期成同盟会をつくり、中央へ強力に働きかける運びになっている、このことは県下でも既に前向きの姿勢で、中央道については実施すべきだという面を出しているという内容です。  また、昭和四十六年には、広域営農団地の農道整備事業として大規模農道の計画が立てられています。これは、豊橋から渥美までの約四十キロを約五十億円の事業費により五カ年計画で結ぶというもので、予算づけもし、当初計画の十二メートル幅では将来的には狭いとの地元の要望に応え、二十七メートル幅での計画に変更し、事業を推進したそうですが、残念ながら、当時一部に強い反対があり、また用地買収が困難となるなどし、つけられた予算も繰り越され、最終的には実現に至りませんでした。  当時、この大規模農道と渥美半島縦貫道路計画との整合性が渥美田原両町議会及び県議会でも取り上げられており、昭和四十六年二月の定例愛知県議会においては、次のような答弁がなされています。  当時、本県農地部長の答弁を要約しますと、大規模農道に関連して、渥美縦貫道路計画との関連については土木部のほうと十分調整をしている、特に、渥美の縦貫道路計画については、いわゆる地元住民の方々が御利用いただくというよりも、むしろ観光客等の通過交通を対象とした、いわゆる高速道路的な性格のもののように聞いている、したがって、道路としても恐らく既存の道路とは立体交差になるということも予想される、しかし、大規模農道については、そういった性格のものより、むしろ地域住民の方々、特に農家の方が御利用いただくため、性格を全く異にする、したがって、地方計画に盛られている渥美半島縦貫道路計画とは別個のものとして計画し、実施を進めていきたいということでした。  その後、本県では、渥美半島縦貫道路について、昭和六十一年度、六十二年度に、企画部において基礎的な調査を実施。三つのルートが候補となり、地元の意向や研究検討を重ね、昭和六十二年十月の渥美半島縦貫道路建設協議会臨時総会において、三河湾岸ルートを地元要望ルートとして決定しました。  昭和六十二年十二月、本県議会における企画部長の答弁を要約すると、渥美半島縦貫道路と高速道路との接続については、この道路が半島地域の交通体系の中で担うべき役割を考えると、将来的には、東西の国土幹線軸にスムーズに接続できることが必要である、本道路が半島地区の飛躍的な発展に不可欠であり、早期整備の必要があることを考慮すると、当面は、現在建設中の二十三号バイパスまで接続することにより、その成果を得ていきたいとのことでした。  さらに、当時の鈴木礼治知事は、三本の候補ルートを一本に絞っていただき感謝にたえない、これから私どもがその絞っていただいたルートを、地元の意向も十分踏まえた上で、専門的な建設手法等、詳細な検討、調査を行い、できるだけ早くつくってまいりたいと述べています。  渥美半島縦貫道路は、しばしば伊勢湾口道路との整合性が問われてきました。昭和六十一年三月の渥美町議会では、縦貫道は、伊勢湾架橋との関連の道路なのか、全く別の道路なのかという質問に対し、当時の山本吉夫渥美町長は、次のように答えています。  せんだって、豊橋土木の所長さんたちが来て、あのときにも出ていたように、伊勢湾架橋に関する道路であるのか、別のものであるのかということも、今のところはっきり明言できない、今後の問題ということであったとの答弁でした。  これは国の進める新国土軸構想が進むにつれ、県としても、国の動向を見ながら渥美半島縦貫道路計画を進めている状況であったことが推測できます。この当時までは、一見着々と渥美半島縦貫道路計画が進められているような印象を受けますが、このころから、これまで渥美半島で求められてきた自動車専用道路から一般国道へと位置づけが変化してまいりました。  平成二年三月渥美町議会において、進展が鈍る縦貫道路計画についての質問に対し、当時の山本吉夫渥美町長は次のように答えています。  渥美半島縦貫道を意気込みを持ってやっていたが、どうも進まない感じがするという御指摘をいただいたが、これについては、議会の皆様方、町民の皆様方の強い声を受け、何としても伊良湖から豊橋までの高速自動車道路的なものをぜひお願いしたいということで、強力に運動を展開している。県でも、昭和六十一年、六十二年に企画部で予算を計上して調査を進め、六十三年に企画部から土木部に移り、ルート選定の予算が計上され、元年においても調査をしている。二十一世紀に向けて、渥美半島にこの道路は必要だという強い観点のもとに陳情を続けているので、今は具体的なことは申し上げられないが御理解いただきたいとの答弁でした。  その後の同年、平成二年十二月の渥美町議会では、平成二年十月十八日の読売新聞の記事が取り上げられ、質問が行われています。内容は、豊橋から田原までは縦貫道も臨海工業地帯も通り高速道路とするが、渥美町に入ってからは一般道として国道の一部を活用し、早期実現を目指す方針との報道でした。  さらに当時、豊橋市と渥美郡三町で立ち上げた渥美半島縦貫道路建設促進期成同盟会が、前年度に渥美半島縦貫道から東三河縦貫道へと名称を変えたことを取り上げ、渥美半島縦貫道が風化しているのではないかという問いがありました。  それに対し、当時の山本吉夫渥美町長は、伊勢湾大橋の話が急浮上し、橋ができれば渥美半島にも大きな道路が当然必要だが、橋が実現するのかどうか、また、どこへそういう道路をつくるのかということを県の土木も考えていく必要があることは確かである。しかし、それは先のことであり、私どもとしては、今すぐに豊橋から伊良湖までの道路がぜひ一本欲しいということでお願いし、県もそれに応えて調査し、渥美町は来年度予算をとって具体的な調査に入ると渥美半島縦貫道路への意気込みを答弁しています。  同じ月の愛知県議会では、土木部長が次のように答弁しています。  渥美半島縦貫道路について、平成元年度までに交通需要の推計、空中写真測量、一部区間の予備設計を行ってきたが、まず豊橋市から田原町野田までのルートの絞り込みを行い、地元市町と細部について現在調整中である、野田から西、半島先端までのルートだが、平成二年度から三年度にかけて、引き続きルートの概略検討、予備設計を実施してまいりたいとしており、着々と事業実施に向けて進められている印象を受けます。  しかし、翌年の平成三年度ごろに、自動車専用道路一本の考え方から、周辺の人たちの日常の交通の問題等々を考え、一般道で高規格な道路という考え方に変わってまいりました。平成四年九月定例会の一般質問において、当時渥美郡選出の山田吉男県議は次のように述べています。  渥美半島を縦貫する道路の構想は、当初、高規格の道路が計画されていたが、その後、社会情勢の変化、交通量の増加、臨海部における港湾貨物や工業生産品の急増、新鮮な農作物や魚介類の輸送の時間短縮など、地方幹線道路としての整備の必要性が急速に高まり、そのような状況の中、早期実現の必要性を理由に、一般道路として整備したいとの意向を関係地域の一市三町に提案し、協議の結果、田原町までのルートについて合意。道路整備については、豊橋─田原間は東三河臨海道路の四車線化で対応し、新設区間については一般県道として建設を進め、道路規格については設計速度、立体交差などの配慮により、自動車専用道路に準ずる道路としての走行性の向上を図り、早期に着工するとの説明であったと聞いているとのことでした。  この質問時には、渥美町側のルートが二カ年余にわたる調査にもかかわらず示されておらず、当時の土木部長は、ルート決定については、自然環境の基礎調査の結果や土地利用及び地形条件等を踏まえて関係機関と調整を図りながら、できるだけ早期にルート案を固めてまいりたいと答弁しています。  当時、早期実現の必要性を理由に、一般道路として整備したいとの県の意向でしたが、その後、渥美町側のルートは示されることなく、今日に至っています。  また、豊橋─田原間の臨海道路は平面交差であるため、現在も臨海企業関係車両による渋滞が激しく、渥美半島における幹線道路としての機能を十分に果たしているとは言えません。  現在、旧渥美町の中心市街地である福江町から豊橋駅まで車を使って一時間では到着できません。ところが、今から五十七年前の昭和三十六年のバス時刻表では、ちょうど一時間で福江─豊橋間を結んでいます。言うまでもなく、田原市は東三河の中心都市でもある隣接豊橋市を通過しない限り、他地域へ行くことはできません。その豊橋へのアクセスが五十七年前よりさらに悪化しているのが現状です。  また、渥美半島における最も重要な幹線道路である国道二百五十九号は、制限速度四十キロ区間が数キロにわたって存在するため、一層流れの悪さを助長するのと同時に、その道路が近隣住民の生活道路、また市民が市外へ出るための通過道路、農産物、海産物等を市場や消費地に運ぶための物流道路、また、伊良湖岬を初めとする観光のための観光道路を全て賄っている状態です。  こうした脆弱な道路状況において、災害時の交通確保が困難であることは言うまでもなく、大規模災害でなくても簡単に道路機能が麻痺し、陸の孤島となりやすいことは御理解いただけると思います。  東日本大震災では大津波が沿岸部を襲い、甚大な被害を及ぼしたことから、救援・救護ルート、緊急物資輸送ルートの確保のため、くしの歯作戦が行われました。その成果を評価し、それに倣い、中部版くしの歯作戦が策定されていますが、愛知県内でも最も大きな津波が押し寄せる渥美半島には背骨となる高規格道路がないため、支援の輸送にも大きな支障が予想されます。  そこで伺います。  現在の渥美半島は、広域的な高規格道路ネットワークから外れていると言わざるを得ません。こうした広域的な幹線道路問題は、基礎自治体だけの問題ではなく、県において、基礎自治体とともに主体的に問題解決のために取り組むべき課題だと思います。  本年四月、国土交通省、静岡県、愛知県、浜松市、湖西市、豊橋市、田原市で構成する浜松三ヶ日・豊橋道路連絡調整会議において、浜松三ヶ日・豊橋道路のおおむねの起終点が、三ヶ日ジャンクションと三河港に設定されたことが公表されました。  本道路に求められる機能の三本柱の一つが、観光振興に資する道路ネットワークの拡充であり、その求められるサービス水準として、観光エリア間相互の高速道路を使った利用圏の拡大、特に渥美半島方面へのアクセス性強化という文言が盛り込まれました。  まさに今、三河港より先の道路網のあり方についても議論を深め、渥美半島の道路問題を解決に向けて大きく前進させる好機であると考えます。  道路整備においては、半島であるがゆえ、通過がないため交通量の点では不利であると言えます。しかし、半島にとっての道路の大切さは、まさに本県の知多半島が証明しており、今や知多半島道路のない知多半島というのは成り立たないということは、誰もが認めるところだと思います。  よりスピード感が必要な時代において、全国で着々と高規格道路網が整備されてきた中、いまだに、そしてこのまま行けば将来にわたっても、全国的に極めてまれな高規格道路へのネットワークから外れたアクセス困難地域が本県に存在することについて、また、その当該地域である渥美半島の道路問題について、現在、県ではどのように認識しているのか伺います。  また、平成二十九年三月二十二日、国土交通委員会における当時の根本大臣政務官の答弁では、半島内を縦貫する道路について地元からの要望があり、現在、愛知県において田原市と連携し、必要性や今後の進め方について検討中であると聞いている、国としても、愛知県とも連携し、防災、減災の観点を踏まえて必要な支援を実施してまいりたいと答えています。  国や関係自治体とのこれまでの取り組みはどうであったのか、そして、今後どのように取り組んでいくのか伺います。  以上、壇上からの質問といたします。(拍手) 30: ◯建設部長河野修平君) 渥美半島における広域道路ネットワークについてお尋ねをいただきました。  まず、高規格幹線道路ネットワークへのアクセス困難地域が本県に存在すること、また、その当該地である渥美半島の道路問題についてであります。  全国の高規格幹線道路網は、高速道路サービスの全国的な普及、主要拠点間の連絡強化を目的とし、地方の中枢・中核都市や、地域の発展の核となる地方都市及びその周辺地域等からおおむね一時間程度で利用が可能となるように計画されております。本県においても、県民の皆様にとって高規格幹線道路を利用しやすい環境整備が重要であります。  渥美半島は、やや内陸部にある東名高速道路までの距離が長いことに加え、その途中に産業集積地や市街地が存在し、渋滞が顕在しているという課題があることから、東名高速道路までの時間距離を短縮させる道路整備が必要であると考えております。  次に、渥美半島を縦貫する道路について、国や関係自治体とのこれまでの取り組みはどうであったのか、そして、今後どのように取り組んでいくのかについてであります。  渥美半島地域の産業と暮らしを支え、地域発展の基軸となるとともに、東名高速道路へのアクセスも向上させる道路として、地域の皆様とともに渥美半島縦貫道路の構想を位置づけております。  このうち、豊橋市から田原市野田までの区間につきましては、主要交差点の立体化を含む一般道路として整備を進めることとしております。これまでに、県道豊橋渥美線の三河港大橋の四車線化などを行い、現在は、その先の田原四区につながる約一・三キロメートルのバイパス整備を進めているところであります。  こうした中、平成二十八年度には、地元田原市及び市商工会などの皆様から、渥美半島先端までの、より規格の高い道路構想の具体化の要望をいただきました。これを受けて、現在、地元田原市とともに、最新の交通事情を踏まえた現状分析や課題整理などを実施しているところであります。  引き続き、国において調査が進められている浜松三ヶ日・豊橋道路や、県において実施している豊川市内の国道百五十一号宮下交差点の立体化を初めとした周辺道路の整備効果も勘案しつつ、高規格幹線道路ネットワークへのアクセス向上に向けて検討を進めてまいります。  大変申しわけございません。一部修正させていただきます。  全国高規格幹線道路網の設定の御説明の中で、高速道路サービスの全国的な普及と申し上げましたが、高速交通サービスの全国的な普及でございます。  以上でございます。 31: ◯四十六番(山本浩史君) 要望いたします。  本年は豊川用水通水五十周年ということでありまして、先日も記念式典が行われました。改めて水源地域の皆様、そして豊川用水をつくり、また育てていただいた皆様、先人の皆様に感謝をする次第であります。  知多半島がそうであったように、水と道路というのは、地域の産業や生活における最も大切なインフラであり、また水はもちろんでありますけれども、道路も生命を守る大切なライフラインです。  渥美半島エリアは、これまで産業面を中心に、県政に貢献したものと自負をいたしておりますが、縦貫道路の整備によって必ずや、さらに県政に貢献できるものと確信をいたしております。  今回の質問のテーマ、広域道路のネットワークというのは、基礎自治体単独では到底できるものではありません。そういう意味で、県には大きな期待をいたしている次第でございます。  この先、豊川用水と、またこの渥美半島の縦貫道路がもし実現すれば、またこれは必ずや実現させていきたいと思っておりますけれども、それが将来の渥美半島の二大土木事業と将来的には言われるように、引き続き県、また知事の御尽力、また御努力を心よりお願い申し上げまして、質問を終わります。 32: ◯副議長(鈴木喜博君) 進行いたします。
     木藤俊郎議員。     〔八十七番木藤俊郎君登壇〕(拍手) 33: ◯八十七番(木藤俊郎君) 議長のお許しを得ましたので、通告に従い、順次質問をさせていただきます。  最初の質問は、県立高校生に対する交通安全教育と三ない運動についてであります。  高度成長期の日本は、車社会化の急速な進展に対して交通安全施設が不足していたことに加え、車両の安全性を確保するための技術が未発達であったことなどから、昭和二十年代後半から四十年代半ばごろまで、道路交通事故の死傷者数が著しく増加しました。  このため、交通安全の確保は大きな社会問題となり、交通安全対策の総合的かつ計画的な推進を図るため、昭和四十五年六月、交通安全対策基本法が制定され、本県においても、この法律を根拠に愛知県交通安全対策会議を設置し、総合的な交通安全対策となる愛知県交通安全計画を策定してまいりました。  昭和四十六年に第一次愛知県交通安全計画を策定し、以降五年を計画の周期に、これまで十次にわたる交通安全計画を策定し、各般の施策を進めてまいりました。  少子化の進展に伴い、高校生人口は平成元年をピークに減少してきている中で、高校生における交通事故死者数は減少してきているものの、平成二十五年から平成二十九年の五年間で、全国で二百三十六人というとうとい命が失われています。  高校生自身の命を守るため、また、高校卒業後の交通安全までも視野に置いた高校生に対する交通安全教育が重要となっております。  この質問では、現在の三ない運動について取り上げます。三ない運動とは、昭和四十年代に高校進学率が高まるにつれ、高校生の自動二輪による交通にかかわる社会問題が各地で多発するとともに、交通事故が激増したことに対応して、高校生の二輪車運転の禁止を、まず学校単位、次いで都道府県単位で運動が広がり、昭和五十七年には、全国高等学校PTA連合会で決議として採択されました。  その内容は、自動二輪の免許を取らない、二輪車に乗らない、二輪車を買わないという三つの事項を高校生に対して徹底させようというものです。  一方、国の対応は少し違っています。平成元年七月二十六日、当時の文部省は、各都道府県教育委員会教育長宛てに、二輪車の事故防止に関する総合対策についてとの通知を出し、高校生等に対する交通安全教育の充実として、高等学校における二輪車の免許取得や運転等にかかわる、いわゆる三ない運動のような措置は、生徒の交通事故を未然に防ぐために地域や学校等の実情に応じて実施されているものであり、地域における現実的な対応の一つとして考えられるところである、しかしながら、高等学校においては、このような措置だけをもって交通安全対策とすることなく、その実施の有無にかかわらず、生徒みずからが交通社会の一員としての責任を自覚し、自己の安全のみならず他の人々や社会の安全に貢献できる健全な社会人を育成することを目指して、二輪車、自動車の特性、交通法規、交通事故の防止対策などの交通安全教育の徹底を図ること、特に二輪車に乗車する生徒に対しては、二輪車の安全運転に関する効果的な指導のあり方について検討し、運転の実技を含む安全指導を計画的に行うよう努めること、このため、地域の実情に応じ、交通事故の防止のための総合的な方策の検討に努めることとして、三ない運動の意義を認めつつも、禁止するだけではなく、より実践的な交通安全教育を求めています。  さて、現在では、全国の都道府県の中には、三ない運動を発展的に解消して、時代に合った交通安全運動を実施している県が見られます。  神奈川県では、昭和五十五年から行ってきた四+一ない運動、つまり免許を取らない、車を持たない、車を運転しない、車に乗せてもらわない、そして親に対して、子供の要求に負けないという運動を行って一定の成果は上げてきましたが、ついに昭和六十二、六十三年と県知事が交通安全非常事態宣言を発令するという最悪の状況になり、運転禁止指導の限界を超えたと判断し、方向転換し、車社会を生き抜く、高校生の高校生による高校生のための交通安全運動として、高校生自身が主体となり、学校、家庭、地域が相互に協力連携しつつ支援していく、かながわ新運動を平成二年から実施しています。  私は、本年七月、三ない運動を見直した群馬県と埼玉県を視察し、交通安全教育についてお話を伺ってまいりました。群馬県では、平成二年以降、普通免許取得後一年以内の初心運転者の交通事故者率が、平成十四年を除き全国ワースト一位であるとともに、全自転車事故に占める高校生の割合も同じく全国ワースト一位が続いている現状に、平成二十六年十二月定例議会において、群馬の交通安全対策に関する決議を採択し、その中で、一、小・中・高校生に対する自転車運転のマナーアップを含めた交通安全教育のためのアクション・プログラムを、知事部局、教育委員会、警察本部の各関係部局で連携して作成の上、推進すること、二、運転免許の取得は、関係する交通法規等を学ぶ機会でもあることから、法律で定められた取得可能な年齢に達した者にあっては、本人及びその保護者等の希望により取得できるようにすること、三、自転車事故による損害賠償金額が高額化している現状にあることから、県主導により損害賠償保険への加入促進が図られるよう取り組むこととの内容となっています。  同定例議会に交通安全対策特別委員会が提出した、群馬県交通安全条例も議決され、三ない運動を廃止して、そのかわりに第六条第二項では、県は、高等学校、中等教育学校等の生徒が、在学中に自動車等の免許を取得することが可能な年齢に達することから、交通社会の一員としての責任ある行動がとれるよう、総合的かつ計画的な交通安全教育に努めなければならないとしています。  昭和五十七年から三ない運動を展開してきた全国高等学校PTA連合会も、平成二十四年からは自転車や歩行者も含めたマナーアップ運動に方向転換し、三ない運動を前面に掲げることをやめています。  文部科学省が平成二十六年一月と二月に全都道府県教育委員会に実施した調査では、五三・二%が三ない運動を推奨しておらず、推奨しているのは四四・七%で半数を下回っています。  さて、愛知県では、日本の交通事故死者数がピークを迎え、いわゆる交通戦争と言われた昭和四十五年に、交通事故防止の重点目標と題した教育長通知で、オートバイ等の利用は、特別な場合を除いてやめるように指導する、特別な場合とは、一、定時制生徒などのうちで、通勤及び勤務に必要とする場合、二、交通機関の利用上、極めて不便な地域に居住している場合、三、家業のため、ぜひ運転を必要とする場合の三点です、と示しました。  現在でも、高等学校の現場では四十八年前のこの通知で指導されており、特別な場合として平成三十年度現在、全日制で十八人、定時制、通信制で百六十四人の合計百八十二人が許可されています。  また、高校入学時に配布される保護者向けの資料には、愛知県は四ない運動を推進しています、バイクの免許を取らない、バイクを買わない、バイクに乗らない、バイクに乗せてもらわないという記述がありますので、愛知県は、四ない運動を推進中ということになります。  先ほど述べました第十次愛知県交通安全計画には、高校生に対する交通安全教育は、日常生活における交通安全に必要な事柄、特に、二輪車の運転者及び自転車の利用者として安全に道路を通行するために必要な技能と知識を十分に習得させるとともに、交通社会の一員として交通ルールを遵守し、自他の生命を尊重するなど責任を持って行動できる健全な社会人を育成することを目標とすると定められております。  愛知県の昨年一年間の交通事故死者数は二百人で、前年から十二人減りましたが、十五年連続最多であり、普通免許取得後一年以内の初心運転者の交通事故者率が全国第七位、そして平成二十五年からこの五年間で、高校生の無免許による事故件数が十九件発生しております。  私は、若者の交通安全教育、交通マナーの向上には、できることは何でもするくらいの決意で臨まなければならないと思います。  そこで質問いたします。  第十次愛知県交通安全計画を踏まえて、現在、愛知県立の高校では、二輪車の運転者、自転車の利用者としての交通安全教育はどのように行っているのか。  二点目に、愛知県における三ない運動の現状とこれまでの運動の評価をどう捉えているのか。  三点目に、県立高校生への二輪車を含めた交通安全教育をより拡充するために、三ない運動の是非の検討、また、新たな交通安全教育の方向性を協議するための場をつくるお考えはないのか、お尋ねをいたします。  続きまして、我が党の犬飼幹事長の代表質問でも御紹介いたしましたが、本年四月から六月にかけて、公明党では、全国の議員が地域を歩き、一軒一軒対話をしながら、中小企業、子育て、介護、防災・減災の四つをテーマにアンケートを行う、百万人訪問・調査運動を実施いたしました。そして、その結果を八月末に公表したところです。  そこで私は、今回の質問では大きく二点、一点目は中小企業支援について、もう一点は防災、減災についてを取り上げます。  まず、中小企業支援についてお伺いします。  今回のアンケート結果によると、中小企業支援に関する制度を利用したことがあると答えた方が五九・三%に達する一方で、支援策を利用したことがないとの回答が四〇・七%あり、その理由として、そもそも制度を知らないという回答をされた方が五六・〇%と圧倒的に多く、制度周知に係る課題が浮き彫りになりました。  これを受けて公明党で作成いたしました中小企業応援ブックなどを活用しながら、党の国、地方議員のネットワークを活用して、中小企業の皆様に制度の理解と周知に努めているところです。  この中小企業応援ブックでは、事業承継や人手不足に対する対応、資金繰り支援等の金融サポート、生産性向上などに向けた税制サポート、相談支援や経営力向上などのその他サポートなど、中小企業が抱える悩みにきめ細かくお答えする内容が書かれており、中小企業経営者の方に大変好評です。  さて、愛知県においては、あいち産業振興機構が中小企業支援の中心的な役割を担い、愛知県よろず支援拠点などを設置して、中小・小規模企業が抱えるさまざまな経営相談に対応していると承知をしております。  しかしながら、今回のアンケート調査結果によれば、支援制度を知る機会がないので利用できないや、多くの支援税制や補助金があることを知らず、一部の人に偏らないように周知させてほしいとの声も寄せられております。  中小企業の皆様に、あいち産業振興機構の役割や中小企業に対する支援制度などが十分に周知できておらず、必要な支援の情報がきちんと届いていないのではないかといったことも懸念されるところであります。  そのほか、中小企業の経営者にとって、支援を受けるに当たっての申請書類の作成が細かく、事前と事後の手続が煩雑で、その対応に割く人員や時間の確保が困難であることから、申請手続のサポートを求める声も寄せられております。  そこで、次の三点について産業労働部にお尋ねします。  まず、本県では、あいち産業振興機構を中心とした中小企業支援の取り組みの周知をどのように行っているのかお伺いします。  次に、中小企業支援の取り組みを進めていくに当たり、経営相談の傾向などを踏まえ、今後の課題をどのように考えているのかお伺いします。  そして、三点目として、中小企業からのニーズが高い各種の補助金に関して、制度利用のための申請書類の作成等に対し、どのようなサポートを行っているのかお伺いします。  次に、防災・減災対策についてお尋ねいたします。  防災、減災に関するアンケートでは、改善が必要な地域の危険箇所として空き家が最も多く三六%、次に道路三四%、河川三〇%と回答しました。国民の多くが、豪雨・土砂災害による河川の氾濫、道路の寸断、そして所有者が管理を怠っている空き家や空き地がもたらす被害の拡大を心配されていることが明らかになりました。  そこでまず、愛知県の空き家対策についてお伺いいたします。  国が行った平成二十五年の住宅・土地統計調査では、住宅のうち空き家について見ると、空き家数は八百二十万戸となり、五年前に比べて六十三万戸、八・三%増加しました。空き家率、総住宅数に占める割合では、平成二十五年には一三・五%と空き家数、空き家率ともに過去最高となりました。  今後、少子・高齢化が進みますと、この傾向は一層高まると推測されており、管理不全な空き家の増加による生活環境の悪化や地域の活力低下が懸念されます。  そこで、市町村では、空き家の適切な管理を所有者等に義務づけ、所有者等に対する先導規定を盛り込んだ空き家条例の制定や古民家の利活用による地域の活性化など、創意工夫を凝らした取り組みも実施されております。  こうした市町村の空き家対策を強力に後押しするものとして、平成二十七年五月二十六日に空き家対策特別措置法が全面施行されました。措置法では、空き家対策の直接的な実施主体として、住民に最も身近な自治体である市町村を位置づけています。県は、市町村に対する技術的な助言、市町村相互間の連絡調整等、必要な援助を行うものと位置づけられております。  今後、空き家対策は、県と市町村がおのおのの役割を認識しつつ、県民の生命及び良好な住環境の維持向上にかかわる重要課題と捉え、進められる必要があると思います。  そこで質問いたします。  愛知県内の空き家の状況はどうなっているのか。  次に、空き家対策特別措置法の施行を踏まえ、県はいままでどのように市町村に対する支援を行ってきたのか、また、今後の取り組みについてお尋ねいたします。  さて、防災、減災アンケートの結果を踏まえて、次のテーマに移ります。  防災・減災対策支援について、今後、力を入れてほしい防災行政に関しての回答では、避難所における安全対策、防犯対策が四八%、災害時要援護者の把握、連携が四三%と、御高齢の方や障害をお持ちの方など災害時に配慮が必要な人たちが安全に避難できる体制づくりへの要望が浮き彫りになりました。  東日本大震災では、犠牲者の過半数を高齢者が占め、また障害者の犠牲者の割合についても、被災住民全体のそれと比較して二倍程度に上ったと言われています。このことを教訓に、現在、全国の各市町村において福祉避難所の充実が図られております。  そこで、平成十六年の新潟県中越地震、平成十九年の新潟県中越沖地震と二度の地震を経験した新潟県の記録によりますと、平成十九年の新潟県中越沖地震においては、発災時以降、積極的に福祉避難所の設置を呼びかけ、結果的に、柏崎小学校は空き家教室を利用したコミュニティーデイホームの部屋及び音楽室を、高校はセミナーハウスを、特養やデイサービスセンターは空きスペースを福祉避難所として利用し、九カ所の福祉避難所が設置されました。  福祉避難所への介護専門職の派遣については、県老人福祉施設協議会、県介護老人保健施設協会、県ホームヘルパー協議会を通じて県内外から介護専門職の派遣を要請し、延べ千二百三十三人の介護専門職から協力がありました。  発災翌日から設置され、設置時期も極めて早く、組織的に行われたのが特徴で、利用者からは、おむつなどの生活物資、食事内容に配慮が行き届いていた、避難対象を絞った避難所は安心できるという意見が出たと記録に残っています。  そこで、福祉避難所について質問いたします。  市町村による現在の福祉避難所の指定状況はどうなっているか、また、県立の特別支援学校は、福祉避難所としてどの程度指定を受けているか。  二点目は、福祉避難所に関する情報を要配慮者及びその家族、自主防災組織、支援団体等を含む地域住民に対して、どのように周知徹底を図っているか。  三点目は、市町村の整備状況に不足が生じ、より広域な調整が必要になった場合の対応のために、平時から県、市町村、社会福祉施設等関係団体などの間で情報交換や事前協議を図っておくことが重要であると思いますが、どうなっているのかお伺いをいたします。  以上で、私の壇上での質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手) 34: ◯教育長平松直巳君) まず、県立高校における二輪車や自転車の交通安全教育の現状についてお答えいたします。  県立高校におきましては、保健の授業の中で、生徒が交通社会の一員として責任を持って行動できる社会人を育成することを狙いとして、自転車の安全な利用、二輪車や自動車の特性、危険の予測と回避、運転者の責任、応急手当などについて理解を深める教育を行っております。  また、総合的な学習の時間や学校行事において、警察や自動車学校から講師を招いて交通安全教室を開催したり、新入生とその保護者を対象とした自転車交通安全啓発を行ったりしております。中には、学校周辺の危険箇所の周知に画像を使用したり、生徒自身による自転車マナー調査や交通安全啓発を行ったりするなど、生徒の自覚をより高めるために特色ある取り組みを行っている学校もございます。  教育委員会といたしましては、毎年開催する交通安全指導担当者に対する研修の中で、さまざまな取り組み事例を紹介するなどして、各学校における実践的な交通安全教育の充実に努めているところであります。  次に、三ない運動の現状と評価についてであります。  本県では、昭和四十八年ごろから、二輪車等について免許を取らない、買わない、乗らないという、いわゆる三ない運動が始まり、その後、乗せてもらわないを加えた運動としてPTAを中心に展開され、教育委員会といたしましてもこの運動の趣旨に賛同し、推進してまいりました。  愛知県公立高等学校PTA連合会では、現在も引き続き、三ない運動を推進することとしており、教育委員会といたしましても同様の立場をとっているところであります。  県立高校生の二輪車事故死亡者数は、三十年前は年間十人前後で推移しておりましたが、その後漸減し、直近の三年間で見てみますと、平成二十七年度、二十八年度がゼロ、二十九年度が一人と大幅に減少しております。  三ない運動を含めた交通安全教育の取り組みが、高校生の命を守るという点において成果を上げているものと評価いたしております。  次に、三ない運動を含めた新たな交通安全教育の方向性についてお答えいたします。  学校における交通安全教育は、家庭や地域と連携しながら推進することが必要であります。三ない運動につきましては、PTA及び校長会が引き続き推進する立場をとっていることに加え、本県の交通事故死者数が、ことしも現在のところ、全国ワースト一位と大変厳しい状況にあることを考慮いたしますと、三ない運動の継続は、現時点では必要なものと考えております。  教育委員会といたしましても、高校生みずからが主体的に交通安全について考え、取り組む資質を養っていくことは大切であると認識いたしておりますので、他県の取り組みも参考にしながら、PTAや学校の意見を聞く機会を設けて、今後の交通安全教育の方向性について研究してまいりたいと考えております。 35: ◯産業労働部長(伊藤浩行君) 中小企業支援の取り組みの周知をどのように行うかについてお答えいたします。  あいち産業振興機構の事業を含め、本県の中小企業支援の取り組みを周知するに当たっては、県やあいち産業振興機構のホームページ及びリーフレット、パンフレットによる広報のほか、事前に登録していただいたアドレスへのメールマガジンの送付によって、企業の関心の高い補助制度やセミナー、講演会の開催など経営に役立つ情報を個別、広範囲に発信しております。  また、地域の中小企業と日ごろから関係の深い商工会、商工会議所の経営指導員が行う相談指導を通じて、企業が抱える個々の経営課題に沿った個別の支援施策の情報提供も行っているところでございます。  次に、経営相談の傾向を踏まえた今後の課題についてお答えいたします。  本県では、あいち産業振興機構に設置する愛知県よろず支援拠点などを活用し、中小・小規模企業からの経営相談に応じるなど、さまざまな支援に取り組んでおります。  よろず支援拠点における平成二十九年度の相談内容を項目別に見てみると、売り上げ拡大が最も多く、次いで、経営改善・事業再生、創業、事業承継が多くなっております。また、来訪相談者の業種は、サービス業が約四割、卸・小売業と製造業がそれぞれ二割強と、多業種にわたる相談を受けております。  総じて、相談の傾向から、経営課題は多種多様となっており、まずはよろず支援拠点など、企業が抱えるいずれの問題に対しても相談ができる体制を維持していくことが重要と考えます。  加えて、経営、金融、技術など多方面からのきめ細やかな支援とともに、新事業創出や事業承継、海外進出に対する支援など、中小・小規模企業の企業力強化に向けて総合的な支援に取り組んでまいります。  次に、補助金利用のための申請書類の作成等のサポートについてお答えいたします。  さまざまな経営課題の相談を受ける愛知県よろず支援拠点において、補助制度に係る専門的な知識やノウハウを持つコーディネーターが配置されております。  補助金に係る申請書類の作成等においても、このよろず支援拠点に相談していただくことで、コーディネーターが必要となる補助対象の経費の見積もり方や補助金の具体的な活用方法の明記の仕方などをアドバイスし、円滑な申請に向けたさまざまなサポートを行っているところでございます。 36: ◯建設部建築局長海田肇君) 本県の空き家対策の取り組みについてお尋ねをいただきました。  初めに、県内の空き家の状況についてお答えいたします。  県内の空き家の状況でございますが、総務省が行った平成二十五年住宅・土地統計調査によれば、県内で四十二万二千戸が空き家となっており、その空き家率は全国平均の約一三・五%と比べて若干低い約一二・三%となっておりますが、前回の平成二十年の調査から七万八千四百戸ふえており、本県においても空き家対策は重要な課題であると考えております。  次に、市町村に対する県の支援についてお答えします。  空き家対策については、中心市街地や郊外住宅地、中山間地域など、それぞれの地域で状況が異なるため、市町村が地域の特性に応じた空き家対策に取り組んでいくことが重要であり、その取り組みを支援していくことが県の役割であると認識しております。  本県では、空家等対策の推進に関する特別措置法の制定に先立ち、平成二十四年度から、県と県内全市町村から成る連絡会議を設置し、空き家対策に関する情報提供等を行ってまいりました。  また、平成二十六年度には、市町村における相談窓口での対応の仕方等について解説した空き家相談マニュアルを、平成二十八年度には、市町村が空き家バンクを設置する際に参考となる、空き家バンクの物件登録等に関するガイドラインを策定いたしました。  さらに、昨年度は、空家等対策計画の作成に関するガイドラインを策定いたしました。このガイドラインでは、地域の特性に応じた課題や空き家対策を進めていく上での留意事項などをわかりやすく解説するとともに、計画の作成例もお示しするなど、市町村の計画策定の際に御活用いただけるものとなっております。  また、これらの取り組みに加え、昨年度からは、老朽化した保安上危険な空き家等の除却や空き家を地域の交流施設等として活用するための改修に対し、市町村が所有者等へ補助する場合に、その費用の一部を県が負担する制度を創設し、財政面での支援も行っております。  今後も、市町村との連絡会議において、先進的な取り組み事例の紹介や意見交換による情報の共有を図るとともに、補助制度を活用するなど、市町村と連携した空き家対策にしっかりと取り組んでまいります。 37: ◯健康福祉部長(平田雅也君) 防災、減災についての御質問のうち、福祉避難所についてお答えいたします。  まず、福祉避難所の指定状況でございますが、本年八月末時点で、県内の全五十四市町村において、主に高齢者施設や障害者施設を活用し、九百四十四カ所が指定されております。また、県立の特別支援学校二十九校のうち、福祉避難所として指定されている学校は、本年八月末時点で八校となっております。  次に、福祉避難所に関する情報の周知についてであります。
     福祉避難所への円滑な受け入れを進めるためには、要配慮者とその家族、要配慮者を支援する地域の方々に対し、福祉避難所の情報を平常時から十分周知することが重要であります。  本県では、市町村のための災害時要配慮者支援体制構築マニュアルを作成し、市町村に対して福祉避難所を指定した場合は、場所や提供可能な支援内容などの施設の情報を、パンフレット等を作成するなどにより要配慮者やその家族を含む地域住民に対し周知するよう促しているところです。  県内市町村の周知の状況につきましては、本年八月末の調査では、五十四市町村のうち四十四市町村が、ホームページや住民向けの防災ガイド、自治体広報紙等により周知を行っております。  県としましては、引き続きマニュアルに基づき、福祉避難所に関する情報が地域住民に周知徹底されるよう、市町村に対して、市町村防災担当課長会議や通知の発出等によりしっかりと働きかけてまいります。  最後に、福祉避難所の広域的な調整への対応についてであります。  本県では、大規模災害に備え、高齢者や障害のある方などの要配慮者に対する広域支援の仕組みを構築するため、県、市町村代表及び介護、福祉、障害の関係団体との協議や意見交換の場として、平成二十七年三月より、愛知県災害福祉広域支援推進協議会を設置しております。  この協議会において、被災地の福祉避難所だけでは要配慮者の受け入れが難しい場合を想定し、県内の被災していない社会福祉施設で広域的に受け入れる体制の整備について検討を行い、県から社会福祉施設に対して受け入れの意向調査を実施いたしました。  この結果、特別養護老人ホームなど二百五十三施設、千四百二十五人分の受け入れ先が確保され、各市町村で広域的な調整ができるよう、平成二十九年三月に受け入れ可能施設リストとして情報提供し、要配慮者に対する広域的な受け入れ体制を整備したところであります。 38: ◯知事(大村秀章君) 木藤俊郎議員の質問のうち、災害時の要配慮者の広域支援体制につきまして、私からもお答えを申し上げます。  ことしに入りまして、六月に大阪北部地震、七月に広島県を中心とした豪雨、そして先月六日には北海道胆振東部地震、そしてまた台風二十一号、そして今回は台風二十四号と大規模な災害が続いておりまして、甚大な被害も生じており、改めて災害に対する備えの重要性について思いを強くしたところであります。  過去、東日本大震災や熊本地震の際にも見受けられましたが、一旦、大規模災害が発生すると、避難所には多くの人が押し寄せ、運営に携わる市町村職員だけでは、高齢者や障害のある方など配慮を要する方の多様なニーズに十分お応えすることは困難な状況が生じておりました。  そのため、本県では、要配慮者に対する広域的な支援の取り組みの一つといたしまして、愛知県災害派遣福祉チーム、通称、愛知DCATを平成二十八年の三月に創設をしたものであります。  愛知DCATは、大規模災害時に市町村からの要請に基づきまして、福祉専門職から成るチームを被災地に派遣するもので、現地の避難所で要配慮者の福祉ニーズに対応し、必要があれば、社会福祉施設などの適切な避難先へつなぐ調整などを行うものでございます。  チームの構成員につきましては、愛知県災害福祉広域支援推進協議会におきまして協力依頼をし、本年三月末時点において、県内百八十二の社会福祉施設で二百六十九名の専門職員に登録をしていただき、実践的な研修や訓練を実施しているところであります。  県といたしましては、今後も、平時から市町村、社会福祉施設等の関係団体と連携、協力をし、大規模災害時における要配慮者の安全・安心が確保される体制づくりにしっかりと取り組んでまいります。 39: ◯八十七番(木藤俊郎君) それでは、二点要望させていただきます。  高校生の安全運転についてでありますが、四年後の二〇二二年四月一日から、成人年齢が十八歳となります。つまり選挙権年齢と同じく、三年生の途中で徐々に成人を迎えることとなり、成人としての責任と義務を果たしていくことになります。  今回取り上げた交通安全を初め、親の責任から独立して多くの行動にみずから責任を持つこととなります。その意味から、家庭教育と相まって高校教育の中で社会人として果たすべき事柄の教育に、今まで以上に期待されることとなります。  三ない運動の見直しは、その一つの例であります。今回引用した他県の例も、自分の行動に責任を持つとの観点から見直しが行われたものと理解します。  具体的に言えば、免許は高校を卒業してからという今までの考え方ではなく、免許を持った場合は、しっかりと把握してしっかり交通安全の大切さをともに学ぶ教育をしていく、禁止型の教育ではなく、フォロー型の教育が求められているのではないでしょうか。ぜひ協議の場を持って議論をしていただきたいと思います。  次に、本定例会で犬飼幹事長の代表質問、一般質問でも市川議員、私と三人が質問に立たせていただきました。いずれも本年四月から六月に行った百万人調査訪問活動の中で、介護、子育て、中小企業支援、防災、減災の中で、県民の皆様が不安に感じていたり、困っている、希望していることなど、まさに県民の生の声を御紹介し、質問させていただきました。そして丁寧に御答弁いただきました。  ぜひこの声に意を用いていただき、今後とも、小さな声に寄り添う温かい県政運営を要望いたしまして、質問を終わります。 40: ◯副議長(鈴木喜博君) 進行いたします。  政木りか議員。     〔二十五番政木りか君登壇〕(拍手) 41: ◯二十五番(政木りか君) 通告に従い、自動運転の社会実装に向けた取り組みについてお伺いいたします。  二〇二〇年の東京オリンピック・パラリンピックに合わせて、日本全国で自動運転の実用化が急がれています。  先日の九月二十六日の議長講演会にて、東京大学の加藤真平先生を講師にお招きして、自動運転の民主化について近未来の自動運転導入の未来予想に関するお話を伺いました。  私自身、二〇〇四年から自動車の運転操作における行動記録のデータ収集にかかわり、二十歳代から六十歳代のドライバーの運転操作、ハンドル、アクセル、ブレーキ、車線変更など人間はどのように操作するのかと、ヒヤリハット、これは重大な災害や事故には至らないものの、それに直結してもおかしくない一歩手前の事例という、その発見を、文字どおり突発的な事故やミスにヒヤリとしたり、ハッとしたりするもので、追い越しするときの人間の目線やハンドルを切る角度など、何千人もの基礎データを調査してまいりました。  先日の加藤真平先生の御講演時には、二〇一三年の学会発表の資料の中で、私がデモ実験をしている画像が映し出されて大変恐縮いたしましたが、その年の年末に、あいちITSワールドが開催され、その当時、大村知事から、自動運転の車に試乗されたいとのリクエストをいただき、当時一台しかなかった実験車のプリウスに、加藤先生が大慌てで機材を乗せ込んでいらっしゃったことを思い出しました。  先日の御講演にありましたように、今から六年前、二〇一二年に加藤真平先生が名古屋大学に着任されてから、愛知県内で自動運転の研究開発を進められてこられたわけですけれども、ここ一、二年前から、やっと自動運転という言葉が世の中に知られることとなりました。社会に認識されるようになるまでには、相当な時間がかかるものだと実感しているところであります。  その当時から、名古屋大学では既に高齢社会を見据えて、運転席に座るだけで心拍数や健康状態がはかれ、日ごろのドライバーの健康状態と違う状態を検知すると、アラームや信号が発信されたり、何らかの異常を伝える仕組みを研究されるなど、さまざまな研究が行われておりました。これは、名古屋大学のみならず、全国の大学等の研究機関でも同様に、研究や実験、社会実装がされております。  七月に視察に伺った金沢大学では、市街地を時速六十キロで、走行距離約二十から二十五キロを自動運転で実装させていたり、石川県輪島市では、商工会議所が運営してゴルフカートをコミュニティバスのかわりに町中を走らせ、一部自動運転させていたり、観光客と地元住民が時速十九キロの低速で走るオープンなカートの特性を生かして、乗車している人と地域を歩いている人との和やかなかかわりが既に実現されていました。  そこでまず、全国に先駆けて、次世代交通対策をいち早く事業として取り組み、日本初の市街地の移動サービスの実証実験をされている輪島市のエコカート、輪島小型モビリティー(WA─MO)による実際の状況を視察してまいりました。     〔パネル図を示す〕  これが、そのエコカート、輪島小型モビリティーによる写真であります。  輪島市は、輪島塗で知られる石畳と古い木造家屋が連なるまちで、人口減少、少子・高齢化等による利用者減により、バスなどの公共交通機関が衰退し、移動手段を持たない高齢者の生活の足の確保が地域の活性化における大きな課題となっていました。  二〇一六年、輪島市の人口約二万八千人の六十五歳以上の人口の割合は四四%。鉄道はなく、バスは一時間から二時間に一本。自家用車を運転できなければ、日常生活もままならないというのが現状だったそうです。  また、観光地として、朝市などの観光スポットがあちこちに点在していることから、これらを回遊する観光の足も必要とされていました。  そこで、このような複合的な課題を解決するため、平成二十三年度から輪島商工会議所が中心となり、市街地内を回遊する次世代交通手段のエコカート、WA─MOの導入を推進し、持続可能で利便性の高い交通システムの実現と地域活性化が積極的に進められました。  地元商店街の買い物促進につながるという観点から、輪島商工会議所が二台のエコカートを毎日四時間走らせ、輪島商工会議所の職員みずから運転を担当され、高齢者等の交通弱者と観光客の移動手段の確保という一挙両得を目指すことができたとのお話を伺いました。     〔パネル図を示す〕  ちなみに、このエコカートというのはゴルフカートで、このようなゴルフカートでありまして、高齢者が乗り降りしやすく、時速十九キロの低速で走行するため、輪島の町をゆっくり楽しむ観光客の移動に適していることが大きな特徴です。このカートは、町に住む人間だけでなく、観光客も無料で使用できます。  エコカートの導入の結果、高齢者は、自分の意思による行動、自分の意思で選択し、気軽に外出でき、外出機会の増加、依頼ストレスの解消、消費の拡大、いいことずくめだったそうです。  そして、エコカートは、障害者という弱者、高齢者という弱者、子供という弱者など全ての弱者に優しい、通学、買い物、生活の足となり、観光においても滞在時間の延長につながり、消費意欲を増幅し、運転免許を返納することにより交通事故の減少や、エコカートの運転手にはシルバー人材を活用することで高齢者に雇用の機会を設け、まちの顔である商店街の活性化、町並みの景観の保全、魅力を向上することとなり、安心で安全なまち、移住、定住の促進、まちににぎわい、経済的自立、健康増進効果につながり、観光客に優しいまちづくりは、当然ながら地元高齢者の人々に対しても優しいまちとなったそうです。輪島の挑戦は、過疎化に進む他の地域からも注目を集めています。  自動車は、これまでの速く、遠くへから、いつでも、誰でもへ、自動車産業は今、電動化、コネクテッド、自動運転などの著しい技術の進歩により、百年に一度の大変革の時代を迎えています。  今は、全ての人が自由に楽しく移動できるモビリティー社会を実現するために、これまでの車の概念を超えて、サービスを含めた新たな価値が提供できる未来のモビリティー社会の実現に向け、世の中が変わりつつあります。     〔パネル図を示す〕  輪島のカートの前面には、愛・地球博成果継承助成事業という文字が書かれています。これは、自然の叡智をテーマに開催された二〇〇五年の日本国際博覧会、愛・地球博の基本理念を継承、発展させるために、地球環境に優しい次世代交通、エコカート等の実験調査を初め、美しい環境の保全、自然との共生共和、交流等を小さな町から全国、全世界へ向け発信し、地球上の全ての生き物が持続可能な環境で生活できることを目的としている事業であり、地域住民や観光客への環境に配慮した新たな新交通システムの重要性をさらに認識してもらうことが必要であり、今後の輪島の自然と市民生活、ひいては産業との共生をしていく上でも重要な事業で、国交省と経産省の受託事業として行っているものでした。  愛知県が、愛・地球博のレガシーを継承していくためにも、愛・地球博の開催地であるモリコロパークがジブリパークへと進化する今、物づくりの愛知として、次世代交通システムの自動運転の取り組みについて、本県の一体となった取り組みが求められていると考えます。  また、続いて伺った群馬大学では、群馬市とともに、市を挙げて自動運転を研究する大学を支援されており、大学内には日本初の実験路がことし五月にでき、社会実装に向けて、常に実験と研究が行える環境ができ上がっていました。     〔パネル図を示す〕  こちらが群馬大学内でテストされている十輪のバスです。また、同じ群馬県の中でも、世界遺産になった富岡製糸場のある富岡市では、行政課題解決としての事例として、上信電鉄、上州富岡駅東駐車場から富岡製糸場など、町なかの間を周遊する低速電動コミュニティバス、まちなか周遊観光バスを試験運転していました。高齢者の働く場の提供と世界遺産となった富岡製糸場などで、観光客と地元との交流ができる乗り物としても生かされていました。     〔パネル図を示す〕  これが、そのまちなか周遊観光バスであります。  このバスは、最高時速十九キロでゆっくりと走るバスでして、乗車定員は十名。まちなかガイドが同乗し、パンフレットなどを配布して情報発信を行い、観光客の滞留時間を延ばすため、富岡製糸場だけでなく見どころや商店など路地や食べ歩き、歴史的建造物、交流館などを案内することで回遊を促すなどとされておりました。  ガイドもドライバーも高齢者で、話しぶりは滑らかでよどみない。大変聞きやすく、運転も低速なので安心感もあり、道行く人への気配りもされる活躍ぶりでした。ゆっくり走るので、道を歩いている人とも声を交わせて、バス自体が公共の場を提供している、まるで動く集会所というような、足として以外の役割もあるように感じました。  輪島や富岡の地域の課題の解決について申し述べてまいりましたが、自動運転の社会実装は、観光客の二次交通としても実用化の早期実現が望まれ、ドライバー不足となっているバスやタクシーを補完するためにも、次世代の二次交通として実用化は日本全体としても急務であります。  また、自動運転が普及すると、娯楽や仕事、睡眠など、車内の用途が多様化するとされています。九月十九日の中日新聞には、トヨタ自動車グループの内装部品メーカー、トヨタ紡織と、先日議長講演で御講演いただきました加藤真平先生が創業されました自動運転システム開発会社のティアフォーは、仮想現実(VR)で観光地などのドライブを疑似体験できるシステムを共同開発したと発表されました。  次世代の車内空間のニーズの検討を急いでおり、自動運転時代の車内での過ごし方のアイデアとして、VRゴーグルを装着するとアニメキャラクターがあらわれたり、乗員と会話しながら、その人の気分に合った観光地のほか、花畑や花火などの映像を流し、音響や振動、照明も効果的に使い、実際にその場をドライブしているような感覚を演出する疑似ドライブを体験できるコンセプトカーを、先日の東京ゲームショウ二〇一八で展示するなど、今後、移動の楽しさを提供する分野の重要性が高まることは間違いないとされています。  今、自動運転技術の最先端の開発競争は、コネクテッドカー、つながる車の開発とオンデマンド配車ビジネスを巻き込んで、新しいモビリティービジネスの構築を目指すステージに進みつつあります。  特に目立つのは、オンデマンド配車サービスでの活用を前提とする完全自動運転車ロボタクシーの実用化と、モビリティー・アズ・ア・サービス(MaaS)時代に向けた先端技術の開発です。  MaaSとは、公共交通機関やレンタカー、タクシーなどを組み合わせて人の移動を行う配車サービスやカーシェア、バイクシェア、自動運転といった移動するものをシェアすることで提供するという新しい概念のサービスです。  利用者は、スマートフォンのアプリを用いて交通手段やルートを検索、利用し、運賃等の決済を行う例が多く、MaaSは、いろんな種類の交通サービスを需要に応じて利用できる一つの移動サービスに統合することであるとされています。  例えばお年寄りの方は一キロの壁というものがあり、七十歳を超えると一キロ歩くのが大変と言われています。バス停までの一キロに困る人へ、バス停まで一キロ以上ある場合に、パーソナルモビリティーを購入してもらうより、地域で車両をシェアするなどバスの時刻表と連動して活用できる可能性があるなど、地域の課題解決からモビリティーのビジネスモデルを創出していくような取り組みが、これからさまざまな地域で生まれてくることになると言われています。  ビジネスモデルを試行的に行うなど、社会実装を見据えて県有地でスタートし、そこで検証したものを少しずつ実際のまちに広げていくことが実用化への近道ではないかと考えます。  今後、アジア大会、リニア開業を見据えても、その先の公共交通機関を補完する移動手段としても、県としても、今後必要となることが考えられます。  さらには、交通事故のほとんどがヒューマンエラーによるものと言われていることから、十五年連続交通事故死亡者数ワーストワン返上のためにも、自動運転の実現による、高齢者への運動機能低下によるアクセルとブレーキの踏み間違え事故を根絶するために、運転免許の返上をしたくても移動の足がないために返上できずにいらっしゃる高齢者のためにも、新たな足となる移動手段であるモビリティーの開発には期待感が高まっています。  愛知県では、二〇一六年に十五カ所、二〇一七年には十カ所の市町村で実証実験を行ってきておりますが、二〇一八年には三カ所で予定されており、豊橋市の総合動植物公園、のんほいパーク、一宮市にある5Gの実験無線局周辺、セントレア空港島の公道等において一対Nの実証を行う予定とされておりますが、国の二〇二〇年のロードマップからすると、自動運転は既に実現に向けた技術面での実証実験の段階は終わり、次の段階である実用化に向けた社会実装を想定した検証や社会受容性の拡大に入らなければならない時期に来ています。  こうした社会情勢を踏まえまして、高齢者等の移動手段の確保、観光集客施設へのアクセス向上、交通死亡事故ゼロの実現等の観点から、自動運転による移動手段の社会実装を、自動車産業の一大集積地である物づくりの愛知の名にかけて、全国に先駆けて行うことを期待しています。  そこで、自動運転の社会実装に向けての取り組みについてお尋ねいたします。  一点目として、県有施設における活用として、モリコロパークでの活用であります。  モリコロパークは、愛知万博が開催され、当時の最先端の技術が集まり大成功をおさめた跡地であり、次世代自動車の最先端技術である自動運転を実用化する場として最適なところであると思います。  また、閉鎖空間である園内には周回道路等も整備されており、自動運転の社会実装を想定した社会受容性等の検証も安易にできる環境にあると考えます。  モリコロパークは、二〇二二年にはジブリパークとして変貌を遂げる予定ですが、実際、現実、ジブリパーク構想として考えられているのは五つのエリアのみであることから、今のところ、残念ながらディズニーランドやユニバーサルスタジオのように、パーク全体がジブリの世界観になるとは考えにくいところです。  知事は、先日の代表質問による御答弁で、ジブリパークのオープンに向けて本物をつくり込んでいく、夢とファンタジーの詰まったパークに、愛知のプロジェクトではなく、日本のプロジェクトと思っているとのお考えでありました。  知事の御発言から、県民には、パーク全体がジブリの世界に入り込めるような、夢とファンタジーのテーマパークのように捉えられていることから、今後ジブリパークとなったときに、全体がジブリの世界観と一体になることを考えることも今から必要ではないでしょうか。  また、ジブリは著作権使用料がかかりますが、仮想空間のモビリティーはコスト面でも低価格で維持できることから、パーク内の移動の間にVRなどの仮想空間が体験できたら、夢とファンタジーの世界は広がります。自動運転でエリア間を移動し、その移動中のモビリティーの中でさまざまなことが楽しめる有効なコンテンツとして考えてはいかがでしょうか。  今後、ジブリパークに変貌を遂げるとき、県の特色として打ち出す最高のツールとして、運転席がない、広い車内空間の確保が可能な自動運転車両を活用した車内でのバーチャル空間体験など、新たなコンテンツにもなり得る自動運転技術の実用化に向け、まずは県有施設であるモリコロパーク内の園内バスの補完と園内の物品の配達など、実用化に向けた検証を行うことにあわせて、社会受容性を見きわめていく場所として活用していくことが考えられます。  そこで、県有施設内であるモリコロパークにおける自動運転の実用化に向けた検証について、県のお考えをお伺いいたします。  また、社会実装に向けての県有地や県有施設における活用の二点目といたしまして、あいち航空ミュージアムや県営名古屋空港の空港内の公道など、今後、県内施設周辺のまちづくりに向けた取り組みについて、あいち航空ミュージアムのある豊山町議会では、先日の九月議会にて補正予算が組まれ、県有施設来場者の周辺移動や施設への集客につながる可能性や社会受容性の検証などを行う予定とのことです。  県有施設は、社会実装に向けた検証の場として県が率先してイニシアチブを発揮できる利点があるほか、まちづくりの観点からもポテンシャルを有しております。今後、社会実装に向けた検証の場として県有施設を積極的に活用すべきと考えますが、県の見解はいかがでしょうか。  次に、社会実装に向けた今後の展開についてですが、県内市町村の行政課題解決については、少子・高齢化や車離れが進む我が国の自治体の行政課題はさまざまで、特に、交通弱者の中でも、高齢者は運転に不安があっても、車がなければどこにも行けないと訴える方が多い中で、自身の運転にかわる移動手段の早期実現に向けて期待する声は大きく、これらの行政課題を解決していくためにも、一刻も早く開発段階で生じたふぐあいを見きわめ、調整、改善していく環境づくりが必要であると考えます。  愛知県には山も海も離島もあり、さまざまなフィールドで県内のどこの市町村においても平等に行政課題が解決できるようにするためにも、県の積極的なかかわりが期待されています。  しかしながら、県が、個々の市町村が抱えるさまざまな固有の行政課題にまで対応することは不可能なことから、小さな市町村でも自動運転の社会実装を推進できるような支援体制づくりが必要です。  これまで、実証実験を行った市町村では、ゆっくり走行で構わないので、自分で思うように移動できるような自動運転の車があるとうれしいと、自動運転の実験車に試乗された県民の皆さんから御要望も伺いました。  そこで、県では今後、県内市町村の行政課題の解決に向けて、どのように実用化を可能にするための取り組みを実施し、どのように地域に展開していくのかお伺いいたします。  最後に、大学等の研究機関と連携した自動運転の推進についてお伺いいたします。  これからの超高齢社会に向けた未来社会のために、社会実装に向けた積極的な社会受容性の検証や検証の結果に生じたふぐあいを早期に修正し、県民が安心して利用できる移動手段となるよう自動運転技術の開発を推進し、地域にヒト、モノ、カネを呼び込み、世界と闘える愛知を実現するために、いち早く全国に先駆けた自動運転の社会実装に向けた取り組みを行っていただきたいと考えます。  物づくりの愛知として、ヒト、モノ、カネ、情報を呼び込むことができる大都市づくりを目指して、他県より精度の高いヒト、モノ、カネが集まる場をつくるために、県と大学との強固な協力体制をつくる考えについてお尋ねいたします。  先日の加藤真平先生の御講演でも、今は黎明期であると、すなわち新しい時代が始まる、夜明けに当たる時期であると言われています。自動運転という技術が広く認識、普及されていくときだからこそ、物づくりの愛知を全国的に印象づけるためにも、大学等の研究機関との連携をより強固なものにする必要があります。  地域の学術のトップである名古屋大学では、文部科学省の競争的資金、COIプログラムの採択を受け、高齢者が元気になるモビリティー社会の構築に、平成二十五年度から九年間の計画で、トヨタ自動車等と大型の産学連携研究開発に取り組むなど、県内には、それぞれ特色を持ったすぐれた大学等の研究機関が存在します。  これらの研究機関と協定を締結し、連携を強化して情報を共有し、地域課題の早期解決、実用化に向けた社会実装の仕掛けや仕組みづくりが重要と考えます。  そこで、名古屋大学等の研究機関と社会実装に向けた推進のための協定を結ぶなど、より強固な関係を築くことについて、県の考えをお伺いいたします。  以上で、私の壇上からの質問とさせていただきます。(拍手) 42: ◯産業労働部長(伊藤浩行君) 初めに、自動運転の県有施設での活用についてお答えいたします。  まず、モリコロパークについては一般車両の走行がないため、公道と比較し安全確保がより容易な閉鎖空間としての要件を備えております。このような閉鎖空間において実証実験を積み重ね、課題解決や社会受容性などを検証していくことは、自動運転の社会実装に向けた重要なことであると考えております。  このため、本県としても、今年度の実証実験を実施する場所の一つに、閉鎖空間である豊橋市動植物公園、のんほいパークを選定し、最先端の遠隔型自動運転の実証実験を実施していくこととしております。また、モリコロパークは、本県の産学連携研究拠点である、知の拠点あいちに隣接することから、研究開発の成果を実証する場としても適した拠点と考えております。  こうした中、あいち自動運転推進コンソーシアムに参加する企業から、モリコロパークでの社会実装を目指した実証実験を実施したい旨の申し出があったことから、マッチング活動の一環といたしまして実証実験を実施する方向で、公園を所管する本県建設部と協議を進めているところであります。  このほか、これまでも、名古屋大学が実施する自動運転の実証実験に対し、知の拠点あいちを実験フィールドとして提供しているほか、豊山町が今年度実施する自動運転実証実験につきましても、県営名古屋空港内の構内道路を利用する予定となっております。
     本県としましては、これら県有施設での実証実験の積み重ねが将来の社会実装につながるものと考えており、あいち自動運転推進コンソーシアムの枠組みを活用し、県有施設を含む県内各地で社会実装を目指した自動運転の実証実験が推進されるよう取り組んでまいります。  次に、県内市町村の行政課題の解決に向けた実用化を可能にするための取り組みと、地域への展開についてお答えいたします。  本県では、県内市町村が抱える高齢者等の移動手段の確保や集客施設へのアクセスの向上などの行政課題の解決に向け、これまで、全国に先駆けて、平成二十八年度から大規模な実証実験を展開しております。あわせて、県民の方に試乗していただくモニター調査も実施することで、社会受容性の向上にも努めているところであります。  今年度も、複数台の遠隔型自動運転の実証実験や次世代通信システムである5Gを活用した実証実験など、最先端の自動運転実証の取り組みに着手しております。  こうした取り組みの上に、二〇二〇年度の社会実装を目指して、内閣府の近未来技術等社会実装事業に提案し、この八月に採択されたところであります。  この事業では、国や事業者、地方自治体等で構成されます近未来技術地域実装協議会を設けまして、実際のビジネスモデルを想定し社会実装に向けた課題等を整理しながら、早期の社会実装の実現が見込まれるモデル地域として、集客施設内などの閉鎖空間や住宅団地、郊外、ショーケースにふさわしい地域において実証実験を展開するとともに、その成果等について、あいち自動運転推進コンソーシアムの構成員である県内市町村等に対し、横展開を図っていく予定です。  本県といたしましては、こうした取り組みを通じて、自動運転の社会実装に向けた実現可能性を高めていきたいと考えております。  次に、大学等の研究機関と連携した自動運転の推進についてお答えいたします。  本県では、自動運転を推進するための組織といたしまして、昨年十月に、あいち自動運転推進コンソーシアムを設置し、名古屋大学を初めとする三大学、五十四企業、三十六自治体を含む九十六機関が連携して、自動運転実証実験の推進、新事業・新ビジネス創出に向けたワーキンググループの実施など、オール愛知による取り組みを進めているところです。  今後、自動運転の社会実装に向け加速していくためには、さらに大学等の研究機関との連携を強化し、技術開発、実証実験に集中的に取り組み、課題の解決を図っていくことが必要です。  そのため、本県における自動運転に関する研究開発の核となる名古屋大学と自動運転技術等の研究開発、社会実装に関する協定を締結することで、これまで以上に連携を密にした取り組みを行い、自動運転のさらなる高度化を図ってまいります。 43: ◯知事(大村秀章君) 政木りか議員の質問のうち、自動運転の社会実装に向けた取り組みにつきまして、私からもお答えをいたします。  自動運転社会の実現は、自動車産業の発展のみならず、集客施設や交通不便地における移動手段の確保や交通事故を初めとするさまざまな交通問題の解決など、地域社会、経済に与えるインパクトははかり知れないほど大きいものと考えております。  本県では、これまでに県みずからが先導いたしまして、県内二十五カ所の実証ルートにおきまして、総実走距離が三千五百キロを超える全国トップクラスの大規模な実証実験を積み重ね、昨年十二月には、全国で初めて一般公道における遠隔型の実証実験に成功するなど、実用化を見据えて最先端の実証実験に取り組んでいるところであります。  自動車産業の一大集積地であるという本県の強みを最大限に生かしまして、これまで大学などの研究機関や企業、市町村などと連携を図りながら、自動運転の社会実装に向けた取り組みを強力に展開をしておりますが、引き続き、私ども愛知が自動車産業において、日本、そして世界をリードする存在であり続けるため、産学行政がさらに連携を強固にいたしまして、時代の最先端を行く取り組みに挑戦をするということで、この愛知から自動運転社会の実現を目指してまいりたいと考えておりますので、政木議員におかれても、引き続きよろしくお願いいたします。 44: ◯二十五番(政木りか君) 力強い御答弁をいただき、ありがとうございました。  県内でも、加速度的に高齢化が進む中で、さまざまな困難を抱える人が、いつでも、誰でも移動できる環境づくりは不可欠であります。高齢化による移動弱者の増加や鉄道の廃路線化などが起こっている地域では、移動に関する困り事が多い地域となっています。  こういったまちの困り事を解決するモビリティーを提供するビジネスは、まちやその地域の行政や事業者と一体で解決策を考えていくことで、地域の新たなビジネスモデルが生まれ、こういった地域の経験を次のまちづくりやビジネス事業に生かしていくことにより、地域が活性化すると考えます。  日本の中でも、新しい二次交通システムなどモビリティー事業を取り込んだスマートシティーは実現していないことから、ぜひ愛知県の中で、実用化を見越した社会実装を県内市町村と一緒に行っていかれることを要望して、質問を終わります。      ━━━━━━━━━━━━━━━━━ 45: ◯四十一番(寺西むつみ君) 暫時休憩されたいという動議を提出いたします。     〔「賛成」と呼ぶ者あり〕 46: ◯副議長(鈴木喜博君) 寺西むつみ議員の動議のとおり決しまして御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 47: ◯副議長(鈴木喜博君) 御異議なしと認め、暫時休憩といたします。     午後二時五十五分休憩      ━━━━━━━━━━━━━━━━━     午後三時三十九分開議 48: ◯議長松川浩明君) 休憩前に引き続き会議を開きます。  通告により質問を許可いたします。  安藤正明議員。     〔四十八番安藤正明君登壇〕(拍手) 49: ◯四十八番(安藤正明君) 皆様、大変お疲れさまでございます。大トリを務めます安藤正明です。どうぞよろしくお願いいたします。  初めに、農山村地域の防災・減災対策について三点伺います。  一つ目は、治山事業による対策について伺います。  本県の農山村地域における農地や森林は、食料や木材を供給する生産基盤であると同時に、洪水防止機能や土砂災害防止機能など、私たち県民の生活を支える公益的機能も有しております。  愛知県では、私の地元である弥富市のような低平地から、中山間、山間地域に至るまで多くの農山村地域に県民が暮らしており、こうした農山村地域の農地や森林を自然災害から守ることは県土全体の保全につながり、県民の安全・安心な生活を維持することとなります。  近年、全国的に自然災害が多発しており、ことしも集中豪雨や巨大地震により各地に被害がもたらされております。  さきの七月の西日本豪雨では、広島県、岡山県、愛媛県や隣の岐阜県など、広範囲にわたって土砂崩壊や河川の氾濫により甚大な被害を受けました。  また、九月に入ってからの北海道の胆振東部地震では、山の斜面が多数崩壊し、崩壊した土砂により集落がのみ込まれるという悲惨な被害も見られました。  こうした被害の状況に関する報道を見聞きするたびに、自然災害の恐ろしさを痛感したところです。  改めて、このたびの台風二十四号を初め、豪雨や地震により多くのとうとい命が失われたことに対しまして深く哀悼の意を表するとともに、被害に遭われた皆様には、心よりお見舞い申し上げます。  ここで、本県で発生した災害を振り返ってみますと、昭和四十七年に発生した七月豪雨災害は、昭和三十四年の伊勢湾台風以降、最大の被害をもたらしました。  県の災害記録によると、七月九日からの雨は十四日朝までに四百五十八ミリに達する集中豪雨となり、旧小原村、藤岡村を中心に各地で山崩れやがけ崩れ、河川の氾濫が発生し、これにより家屋が倒壊、流失し、死者、行方不明者六十八名、全壊家屋二百七十一戸、農地の埋没、流失、森林の荒廃など、甚大な被害を受けました。  そして、平成に入ってからも、元年に発生した恵南東加茂豪雨災害、十二年には東海豪雨災害に見舞われております。  こうした災害の要因としては、記録的な豪雨によることに加え、尾張地方の丘陵地域から西三河地方の山間地域にかけては風化しやすい花崗岩が広がっており、こうした脆弱な地質も分布していることが考えられます。  西日本豪雨では、幸いにして本県では大きな土砂災害による被害はありませんでしたが、長い時間にわたり同じ地域に雨をもたらす線状降水帯が岐阜県のように本県にかかっていたら同様の被害が発生していたかもしれません。  こうした頻発する山地災害に対し、平成二十六年六月に国において策定された国土強靱化基本計画では、国土強靱化の推進方針として、総合的な治山対策の推進が位置づけられております。  近年多発している豪雨や地震がいつ本県に襲いかかってきてもおかしくないことから、治山対策をこれまで以上にしっかりと推進していく必要があると考えます。  そこで、全国各地で発生している災害を踏まえ、治山事業による防災・減災対策にどのように取り組んでいくのかお伺いします。  二つ目は、農業用ため池の豪雨対策について伺います。  西日本豪雨では、農地、農業用施設にも大きな被害をもたらしており、中でも、ため池に関して報道で大きく取り上げられました。  土砂の流入や堤体の損壊のほか、決壊したため池もあり、農水省のホームページによると、農業用ため池の決壊被害は、広島県を初め、六府県三十二カ所で確認されております。  農業用ため池は、農業用水を確保するために人工的に造成された池のことで、その多くは江戸時代につくられており、我が国の稲作の歴史とともに発展してきました。  ため池は、本来の水を貯留し農業用水を供給するという役割に加え、動植物の生息、生育の場、地域住民の憩いの場、洪水の防止、地域の言い伝えや祭りなどの文化、伝統の発祥など、多面的な機能を有しております。このようにため池は、地域にとってかけがえのない資源ではありますが、一方で、今回の西日本豪雨のような連続的な豪雨による未曽有の降水量に対しては、決壊による被害発生の危険性を抱えていることを思い知らされたところであります。  西日本豪雨によるため池の被災を受け、政府は周辺家屋や公共施設に被害を与えるおそれのある全てのため池について、都道府県に堤体の亀裂や漏水の有無などを緊急点検するよう指示しており、その結果を九月六日に発表しております。  これによりますと、緊急点検を実施したため池は、全国で八万八千百三十三カ所あり、うち、今後の豪雨や台風等に備えて応急処置が必要と判断されたため池は千五百四十カ所とのことです。  本県については、千二百二十一カ所の点検を実施し、このうち六カ所のため池で応急措置が必要と判断され、豪雨や台風に備え、ため池の水位を下げて管理することや、排水に支障となる倒木を撤去することなどにより必要な措置を行ったと伺っております。  現在、本県では、東日本大震災を契機に、ため池の下流にある家屋等に甚大な被害を及ぼすおそれのある池を防災重点ため池と位置づけ、耐震診断、耐震整備、ハザードマップを三本柱とするため池の耐震対策に取り組んでおります。  一方、豪雨によるため池の決壊被害については昨年七月の九州北部豪雨においても報告されておりますので、毎年のように発生している集中豪雨に備え、ため池の豪雨対策についても、耐震対策とあわせて進めていくことが県土の強靱化を図る上で重要であります。  こうした状況を踏まえ、七月十七日の定例記者会見で知事からも説明がありましたように、本年度、洪水吐の能力を算定し、豪雨に対するため池の安全性の調査を行うと伺っております。  そこでお尋ねいたします。  農業用ため池の豪雨対策を今後どのように進めていくのかお伺いします。  三つ目は、電気、水道の被災を想定した農業用排水機場の対策について伺います。  私の地元弥富市を初めとする海部地域は、ほぼ全域が海抜ゼロメートル以下の低平地であるため自然排水が望めず、豪雨時はもちろんのこと、平常時においても排水機による強制排水に頼らざるを得ない状況となっております。  現在、海部地域に限らず本県には、土地改良事業により設置された四百十カ所の農業用排水機場がありますが、これらの排水機場は、農地の排水だけでなく市街地も含めた地域一体の排水を担っており、特に県営事業で造成された二百三十カ所の基幹的な排水機場は、地域住民の生命と財産を守る防災のかなめとして極めて重要な役割を果たしております。  近年、全国各地で集中豪雨が多発しており、また、南海トラフ地震の発生も危惧されている中で、これらの基幹的な排水機場については、その排水機能を適切に維持していくため、おおむね四十年サイクルでの全面更新を目標として計画的に更新整備が進められており、その更新整備にあわせて施設の耐震化が図られております。  豪雨や地震等により大規模な災害が発生した際には、県や市町村は災害対応の司令塔として重要な役割を担うこととなるため、全国の地方公共団体では、災害時に人や物、情報等の資源が制約を受けた場合でも一定の業務を的確に行えるよう、優先的に取り組むべき業務を特定するとともに、業務の執行体制や対応手順、業務継続に必要な資源の確保等をあらかじめ定めておく事業継続計画、いわゆるBCPの策定が進められております。  本県の各市町村が策定した南海トラフ地震を想定したBCPでは、電気や水道といった社会インフラが被災した場合、その復旧に要する期間が、電気では三日から一週間程度、水道では一週間から六週間程度と長期にわたると明記されております。  農業用排水機場に設置されているポンプには、モーター駆動ポンプとディーゼルエンジン駆動ポンプがありますが、どちらも稼働させるための電気や、発熱した機器を冷却するための水が必要になります。  このため、大規模地震の発生によりライフラインが被災し、電気や水の供給が断たれてしまうと、排水機場自体が損傷していなくてもポンプが稼働できなくなり、排水機としての機能を喪失してしまうこととなります。特に、常時排水も含め、地域排水の全量をポンプ排水に依存しているゼロメートル地帯では、大規模地震により排水機場への電気や水の供給が途絶えてしまうと、地域の排水機能が完全に失われることとなり、地域全体が浸水するという二次災害が発生することが想定され、迅速な復旧・復興にも大きな影響を及ぼしかねません。  こうしたことから、電気や水の供給が停止している間においても排水機場が稼働し続けることができるような対策を講じる必要があると考えています。  そこでお尋ねいたします。  農業用排水機場の稼働に必要な電気、水道が被災した場合に備え、どのような対策を講じているのかをお伺いいたします。  次に、農業振興のための県独自の支援制度についてお尋ねいたします。  本県は、平成二十八年の農業産出額が三千百五十四億円、全国順位は八位で、三番手グループに位置する全国有数の農業県であります。  全国順位については、一位は一兆二千百十五億円と断トツで北海道、四千億円台の二番手グループは、茨城、鹿児島、千葉の三県となっており、三千億円台の三番手グループは宮崎、熊本、青森、そして愛知の四県で、本県の産出額は前年度と比べて九十一億円増加しておりますが、三番手グループの最下位となっております。このままでは、産出額が二千八百億円台で九位の栃木県や二千六百億円台で十位の群馬県に追いつかれてしまうのではないかと危惧しております。  こうした状況は、担い手の高齢化や生産面積の減少など、農業が抱えるさまざまな課題に要因があると考えておりますが、本県独自の課題として、県内の多くの産地では生産基盤である各種施設や整備の老朽化により生産性が低下していることに大きな要因があるのではないかと考えております。  例えば、本県におきましては、野菜のビニールハウスや花卉の温室など園芸用の栽培施設や集出荷場などの共同利用施設の整備が他県に先駆け比較的早い時期に進められてきたため、現在ではそれらの多くが老朽化しております。とりわけ、栽培施設においては、面積の実に三〇%が建設後三十年を超えているという状況と聞いております。老朽化した栽培施設では、近年開発されているICTを活用した最新の生産技術の導入は困難であり、ハウスの天窓やカーテンなどの施設管理設備の自動化もおくれている状態であります。  共同利用施設に関しましても、最新の施設に比べ時間当たりの選別処理能力は極めて低く、経年劣化による故障も増加しているなど、多くの課題を抱えております。  また、気象災害に対する耐久性にも問題があります。ことしは台風が多く発生し豪雨災害も起こっておりますが、本年八月初めの台風十二号では、県全体で十億円以上の農業被害が報告されております。特に、施設園芸が盛んな東三河地域におきましては、暴風により老朽化した栽培用ハウスが数多く倒壊、破損し、被害額の約八割を占めております。  こうした施設の老朽化に対応し、生産性、品質を高める目的で施設を整備するためには、栽培施設で数千万円、共同利用施設では数億円と多額の資金を要することから、農家の皆さんの負担を軽減して取り組みを促すため、国の補助制度が設けられております。  しかしながら、この国の補助制度につきましては、採択要件のハードルが高いことに加え、全国の多くの産地が採択を目指している中、補助金の獲得競争は極めて激しく、産地によってはなかなか活用が難しい状況であると聞いております。  私の地元弥富市でも、水耕栽培でミツバ生産を行っている意欲的な生産者が、後継者の就農を契機に栽培施設を規模拡大したいとの考えを持っておりますが、産地面積などの国の採択要件を満たすことができないことから二の足を踏んでいると伺っております。  また、全国的にも水田作物から園芸作物への転換を進める県においては、新たな産地であることから国の採択要件を満たしやすいのに対し、本県のような古くからの園芸産地では既に生産性が高く、さらなる生産性の向上を求める国の採択要件を満たすことができず、産地間競争においても本県が劣勢に立たされているとのことであります。  こうした中、本県におきましては、県独自の補助制度として昭和五十二年度に創設された地域農業振興事業がありますが、しかしながら、この事業の予算額は、かつては最大で一億五千万円も計上されたときもありましたが、本年度の予算額は百万円を下回るに至っており、この予算額では到底県内産地の要望に応えられません。  全国有数の農業県として県全体の生産性を向上させるためには、また、農業産出額七位の青森県、六位の熊本県に追いつけ追い越すためには、国の補助制度を最大限に活用するとともに、本県の実情に合った県独自の支援策が必要であると思います。  自民党県議団では、県内産地の農家の皆さんの要請に応えて、先般大村知事に提出しました予算要望におきまして、農家が希望を持って農業を継続することができるよう、老朽化した園芸用施設の改修などの生産性向上に向けた取り組みに対する県独自の支援策を講じることを求めたところであります。  そこでお尋ねいたします。  県内の産地から国の補助制度が活用しにくいとの声を多く聞いております。そこで、まず、本県における国の補助制度の活用状況と課題についてお伺いします。  次に、農業における県全体の生産性を向上させ競争力のある産地を形成していくためには、生産性向上に取り組む意欲がありながらも国の補助制度が活用できない産地や農家について県が積極的に支援すべきであります。そこで、本県農業を振興するため、県独自の支援制度を充実させる必要があると考えますが、御所見を伺います。  最後に、アジア競技大会における名古屋競馬場跡地の活用に関する提案について伺います。  先ごろ、インドネシア・ジャカルタ、パレンバンで開催された第十八回アジア競技大会は、我が国のアスリートたちのすばらしい活躍により成功裏に幕を閉じました。特に、開会式は、まさにオリンピック大会をほうふつさせる質と量、来年大統領選挙を控えるジョコ大統領が、まさに国家の威信をかけた一大イベントと言っても過言ではない内容でありました。  大会期間中のインドネシアにおける盛り上がりを日々マスコミ報道などを通じて知るたびに、大会前と大会以降とでは明らかにアジア大会そのもののイメージが私の中で大きく変わりました。きっと、あの開会式の会場におられた大村知事も、オリンピックに匹敵するスポーツ大会にアジア大会が進化を遂げていることを肌で感じられたのではないでしょうか。改めて、本県が誘致した第二十回アジア競技大会は、世界が注目する一大スポーツイベントであること、想像以上に優良なコンテンツであるということを再認識させられました。  アジア諸国の急激な成長を鑑みれば、今から八年後のアジア競技大会の開催は、これまでのオリンピック大会が開催都市に及ぼすさまざまな波及効果を凌駕するものになると予測されます。  現在の名古屋競馬場は、二〇二二年には私の地元でもある弥富トレーニングセンターへ移転します。移転後の名古屋競馬場跡地は、二〇二六年に開催される第二十回アジア競技大会に参加する最大一万五千人の選手、関係者の多くを受け入れるメーンの選手村として活用する計画と聞いております。  先日の我が党の坂田幹事長の代表質問で、名古屋競馬場跡地の後利用について、民間事業者との意見交換、有識者からの助言や県民、市民の意見を参考にしながら来年度にその基本構想を策定する、大会後のまちづくりが、地域の魅力形成、新たなシンボル形成に寄与するものとなるよう検討を進めるとの知事答弁がありました。  これまでの選手村は、例えば東京二〇二〇方式のように大量の集合住宅を選手村として活用し、大会終了後に販売する形が一般的でしたが、この点、今回、メーンの選手村を設ける名古屋競馬場跡地、後利用の基本構想、新たなシンボル形成は、新しい取り組みの一つであり、その方向性について一定の評価をしたいと思います。  県民の安全・安心で豊かな暮らし、県政の持続可能なさらなる振興への責任と、国と地域を結ぶ役割を担う県民、市民の代表である議会人としても、こうした視点、構想を踏まえ、八年後の愛知が、より後世に自信を持って引き継げる姿になるように、地域に根差し精通する視点から、良質かつ有用な提言、提案をしていくことが求められるのではないでしょうか。  そこで、名古屋競馬場跡地において、大会時に先導施設を同時活用するという理想的かつ合理的思考により、第二十回アジア競技大会開催を契機とした新都市創造を実現することを御提案いたします。
     そのためには、名古屋競馬場跡地のメーン選手村に必要な宿泊施設の代替機能を確保する必要があります。この点は、もちろん、選手、関係者の宿泊施設として実現可能性の検証は必要ですが、大型クルーズ船を活用し代替機能を持たせてはどうかと考えます。その上で、名古屋競馬場跡地をアジア大会開催に向けて西日本のスポーツの拠点となり得る施設整備を御提案いたします。  具体的には、大型クルーズ船をチャーターし、名古屋港ガーデンふ頭、金城ふ頭に分散して大会期間中停泊させます。三千人クラスのクルーズ船であれば、三から五隻で大会関係者を含む全てをカバーできます。全室個室、ハラルフードなどにも対応できるレストランも完備しており、何よりもセキュリティーが万全であります。  既に、東京オリパラ二〇二〇では、国土交通省は、厚生労働省等の関係省庁、機関などと法的整備や調整を図っており、ホテルシップとして一般来場者向けに、東京港、横浜港、川崎港、木更津港を停泊港として誘致・受け入れ計画が着々と進んでおります。  近年のオリンピックでは、宿泊施設としてホテルシップが多く活用されており、二〇一〇年のバンクーバーオリンピックは、クルーズ船三隻が最長三十八日間停泊し、延べ十九万人が宿泊しています。  また、二〇一二年ロンドンでは三隻、二〇一四年ソチでは四隻、二〇一六年のリオデジャネイロでは乗客定員四千人のクルーズ船が導入されており、東京オリパラ二〇二〇でも、その必要性が高まっております。  これにより、メーン選手村に設ける宿泊施設の規模を縮減できれば、名古屋競馬場の跡地には二〇二六年の大会開催時に競技施設として活用でき、かつ、大会後もレガシーとして残る西日本のスポーツの拠点となり得る施設建設に着手できると考えられます。  一大スポーツゾーンとして位置づけるこの競馬場跡地には、三万五千人規模のサッカースタジアム、新しいアリーナ、国立または国際的なスポーツ関連研究機関等を誘致し、商業施設等を名古屋競馬場跡地及び隣接する名古屋市が管理する野球場等の公園に集約するというものです。  今回、第十八回アジア競技大会開会式が行われたジャカルタ、ゲロラ・ブン・カルノ・スタジアムは、一九六二年、第四回アジア競技大会開催のために建設されたもので、五十五年が経過をしております。収容人員七万六千百二十七人の伝統ある陸上競技場で、熱い戦いが繰り広げられたことを鮮明に御記憶のことと思います。まさに、第四回大会のレガシーが、五十五年を経て第十八回大会を成功裏に導いたと言っても過言ではありません。  アジア大会を八年後に迎える本県が、今、目指すべきは、アジア大会開催時にも競技施設として活用でき、さらに、その後も西日本のスポーツの拠点、東アジアのスポーツの産業拠点となり得る拠点形成ではないかと考えます。このようなアジア大会の歴史に残る新たなアイデアこそがレガシーの一つとして語り継がれていくものではないでしょうか。  そこで、こうした議会人の提案も、もちろん良質かつ有用なものであることが大前提ではありますが、ぜひとも計画段階から積極的に受け入れていただき、第二十回を数える記念大会となる歴史的な一大事業、二〇二六年アジア競技大会を本県の五十四市町村が一体となってつくり上げていくべきと考えますが、知事のお考えを伺いまして私の壇上からの質問を終わります。ありがとうございました。(拍手) 50: ◯農林水産部農林基盤局長(勝又久幸君) 農山村地域の防災・減災対策に関する三点の御質問のうち、まず、治山事業による対策についてお答えいたします。  近年、全国各地で豪雨や地震による山地災害が多発しており、治山事業による防災・減災対策は喫緊の課題となっています。  このため、本県では、豪雨による山地の崩壊により人家や公共施設に被害が及ぶおそれのある箇所に治山ダムや土どめ工などの治山施設の設置や、間伐などの森林整備を実施することにより、災害に強い森林づくりを進めております。  また、大規模地震の対策としては、山腹斜面にワイヤロープを張りめぐらし、安定した岩盤までアンカーを挿入し固定する工法により、落石を含めた山腹崩壊の防止を図っております。  こうした取り組みに加え、今年度から新たに航空レーザ計測を実施し、そのデータを解析して得られた詳細な地形情報をもとに、山腹の亀裂や過去の崩壊地、渓流に堆積した土砂、落石の発生源などの危険箇所を抽出することとしています。この成果をもとに、山崩れや被害を増大させる流木の発生など、危険性の内容に対応した治山施設の設置を進めてまいります。  また、危険箇所の情報を市町村に提供し、地域住民に対する周知に活用していくこととしております。  今後とも、新たな技術を積極的に取り入れながら、治山事業による防災・減災対策にしっかりと取り組んでまいります。  二点目の農業用ため池の豪雨対策を今後どのように進めていくのかについてお答えいたします。  昨年の九州北部豪雨によるため池の決壊原因について、国の研究機関の調査報告では、想定外の豪雨により、池の水を下流に吐き出す洪水吐の能力が不足したことや、流れ込んできた土砂や流木などが洪水吐からの排水を阻害したことで池の水が異常に上昇し、池からあふれ出した水が堤体を侵食して、ため池の決壊につながったと推定されております。  このため、本県では、本年度、豪雨に対するため池の安全性の調査として、県内に七百三十五カ所ある防災重点ため池を対象に洪水吐の構造を確認するとともに、ため池近傍の雨量観測所の降水量データをもとに豪雨時の洪水流量を算定し、農林水産省の基準により、現況の洪水吐で安全に池の水が吐き出せるかの判定を本年度中に行うこととしております。  この調査により能力不足が判明したため池につきましては、洪水吐を改修するハード対策や、豪雨が予測される際にため池の貯留水を事前放流するなどのソフト対策を検討していくこととなります。  また、農林水産省には、ため池の豪雨対策と耐震対策を一体的に行うことができる補助制度がないことから本県が制度の創設を要請したところ、八月三十一日に公表された国の平成三十一年度農林水産予算概算要求に盛り込まれたところでございます。  県としましては、この制度が確実に創設されるよう引き続き国に要請していくとともに、農業用ため池の豪雨対策を含めた防災・減災対策を、市町、ため池の管理者と調整し、計画的に進めてまいります。  三点目の電気、水道の被災を想定した農業用排水機場の対策についてお答えいたします。  議員お示しのとおり、大規模地震等により農業用排水機場への電気や水の供給が長期間途絶えると、排水機が稼働できなくなり、降雨時に地域が浸水するという二次被害が発生するおそれがありますので、電気や水道が復旧するまでの間の対策を講じる必要があります。  このため、県では、平成三十年一月に電気・水道の被災を想定した農業用排水機場の対策マニュアルを策定し、排水機場の管理者及び関係市町村へ周知いたしました。  このマニュアルでは、停電時や断水時においても一定の排水機能が確保できるよう、ハード対策とソフト対策を総合的に進めることとしております。  ハード対策のうち、停電対策としては自家発電設備の設置を、また、断水対策としては水冷式の原動機を空冷式のものに変更するなどの対策を行うこととしております。  こうした対策は、湛水防除事業による農業用排水機場の更新整備にあわせて順次進めており、これまでに県内の基幹的な農業排水機場二百三十カ所のうち、停電対策は百五十二カ所で、断水対策は七十四カ所で実施しております。  また、ソフト対策といたしましては、災害発生時に停電や断水を含めた排水機場の被害状況を確認した上で、関係機関が連絡をとり合い、冷却水等を速やかに確保できる体制を整えることとしております。  今後は、本マニュアルに基づく停電や断水を想定した訓練を排水機場の管理者が市町村等と調整しながら実施されるよう働きかけてまいります。  県といたしましては、南海トラフ地震などの発生に備え、ハードとソフトの両面から農業用排水機場の停電対策及び断水対策にしっかりと取り組んでまいります。 51: ◯農林水産部長(高橋智保君) 農業振興のための県独自の支援制度のお尋ねのうち、本県における国の補助制度の活用状況と課題についてであります。  国におきましては、日EUのEPAやTPP11などグローバル化に対応し強い農業を実現するため、強い農業づくり交付金や産地パワーアップ事業などの補助制度により、園芸用の栽培施設や共同利用施設などの整備を積極的に支援しております。  本県におきましても、生産性向上に意欲のある農業者から国の補助制度の活用希望が多く出されており、農業者や産地の事業採択に向けた取り組みを支援しているところでございますが、国の採択要件を満たすことができない事例が多くあるのが現状でございます。  この要因といたしましては、本県の大規模産地は既に生産性が高いため、成果目標である販売額の一〇%アップや生産コストの一〇%カットという採択要件を満たすことが困難なことにあります。  また、都市近郊の中小規模の産地も多いことから、果樹や露地野菜では十ヘクタール以上、施設野菜では五ヘクタール以上という面積要件や、五千万円以上という事業規模要件を満たすことができないことも要因となっております。  県といたしましては、こうした産地の実情を踏まえ、国の補助制度における採択要件の見直しを国に要請しているところでございますが、現行の採択要件のもとでは国の補助制度の活用が限られることから、生産性向上に意欲のある農業者や産地をどのように支援していくかが課題であると考えております。  次に、本県農業を振興するための県独自の支援制度についてであります。  本県の農業産出額は、平成十九年までは全国五位の年もありましたが、平成二十八年は全国八位となっております。  全国順位が低下している要因としましては、高齢化等による担い手の減少に加え、本県農業の約三割を占めている施設園芸において園芸用の栽培施設の三割が設置後三十年以上を経過し老朽化が著しいことや、露地野菜や水田農業における農業用機械や共同利用施設の老朽化が進んでいることなど、生産性が低下していることによるものであります。  また、本県におきましては、農業者の年齢や後継者の有無などから将来の各産地の状況を独自に調査、分析した結果、農業者の高齢化等が進む中、五年後、十年後には農業生産力の急激な低下が懸念される山地が多くあることが明らかになっております。  このため、本県では、産地の関係者が一体となって産地の十年を展望し、五年後までの行動計画を、人、農地、生産技術、施設等、販売拡大の五つの観点から取りまとめた産地戦略の策定を進めているところでございます。  今後は、この産地戦略を策定した意欲ある産地の取り組みを積極的に支援し、産地の生産力維持、向上を図るため、国の補助制度を最大限に活用できるよう支援してまいります。  また、国の採択要件が充足できない産地に対しましては、県としてどのような支援が最も効果的であるかなどを農業者や農業団体等の意見を踏まえて研究し、本県農業の振興にしっかりとつなげてまいります。 52: ◯振興部長野村知宏君) アジア競技大会における名古屋競馬場跡地の活用に関する提案についてお答えいたします。  名古屋競馬場が移転した跡地につきましては、アジア競技大会のメーン選手村として活用することを前提に、大会後を見据えて後利用の基本構想づくりに取り組んでおります。  選手村の検討におきましては、住宅機能だけでなく、地域の核となり、周辺のにぎわいづくりを先導する施設の導入が必要と考えております。このため、都市、交流、産業、ビジネス、学び、スポーツなどの機能を有し、地域の魅力形成や新たなシンボル形成に寄与する施設を誘致したいと考えております。  そこで、現在、公募により選定した事業進出意欲のある民間事業者十一社と事業内容などについて意見交換を進めているところでございます。  また、選手及び大会関係者の宿泊施設としてクルーズ船の活用可能性についても検討しておりますが、台風の襲来が予想される場合には岸壁や船舶の安全を確保するため、接近数時間前までに港の外へ退避しなければならないこと、三千人クラスの大型クルーズ船が長期間停泊できる岸壁を確保する必要があることなど、幾つかの難しい課題がございます。  東京オリンピック・パラリンピックでは、選手ではなく一般客などの宿泊のためクルーズ船が活用されることとなっており、現在具体的な運用について検討されております。その動向を見つつ、また、東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会や港湾関係者などの御意見も伺いながら、アジア競技大会でどのようにクルーズ船を活用できるのか、引き続き検討してまいります。  また、競技会場につきましては、経費の削減を図るためできる限り既存施設を活用することとしており、現在競技団体や市町村との調整を進めているところでございます。  今後とも、アジア競技大会の成功、さらには大会を契機とした地域の活性化を目指して、県議会や市町村初め、さまざまな方面からの御提案や御意見も参考とさせていただきながら、大会の計画づくりや名古屋競馬場跡地の後利用の検討を着実に進めてまいります。 53: ◯知事(大村秀章君) 安藤正明議員の質問のうち、アジア競技大会につきまして、私からもお答えをいたします。  二〇二六年に愛知・名古屋で開催されるアジア競技大会は、トップアスリートが集うアジア最大のスポーツの祭典でありまして、スポーツの振興はもとより、国際交流の促進、交流人口の拡大、国際競争力の強化など、さまざまな効果を生み出す大変大きな意義を持つものであります。  また、名古屋競馬場跡地につきましては、選手村として活用するとともに、大会後の後利用を見据え、この地域の発展を促進する先導施設と住環境整備などが一体となった魅力的なまちをつくり出していくことが重要であると考えております。  今回の御提案を初め、県議会や市町村の皆様など多方面からの御提案にもしっかりと耳を傾けて、県全体で大会を盛り上げていけるよう、そして、また、最大限の開催効果を生み出せるよう、地域一丸となって大会の準備を進めてまいる所存でありますのでよろしくお願いをいたします。 54: ◯四十八番(安藤正明君) それぞれ御答弁ありがとうございました。  要望しようと思いましたが、知事初め、理事者各位の積極的な御答弁、または、前向きな御答弁に感謝を申し上げまして、よろしくお願いしますと申し上げて要望とさせていただきます。ありがとうございました。 55: ◯議長松川浩明君) 以上で質問を終結いたします。        ───────────── 56: ◯四十番(近藤ひろひと君) ただいま議題となっております議案は、さらに審査のため、それぞれ所管の常任委員会に付託されたいという動議を提出いたします。     〔「賛成」と呼ぶ者あり〕 57: ◯議長松川浩明君) 近藤ひろひと議員の動議のとおり決しまして御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 58: ◯議長松川浩明君) 御異議なしと認めます。よって、ただいま議題となっております議案は、それぞれ所管の常任委員会に付託することに決定いたしました。  なお、議案付託表は議席に配付いたしました。        ─────────────        ─────────────   一般会計・特別会計決算特別委員会の設置 59: ◯四十一番(寺西むつみ君) ただいま議題となっております決算第一号から決算第十二号までは、委員十二人の一般会計・特別会計決算特別委員会を設置し、これに付託されたいという動議を提出いたします。     〔「賛成」と呼ぶ者あり〕 60: ◯議長松川浩明君) 寺西むつみ議員の動議のとおり決しまして御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 61: ◯議長松川浩明君) 御異議なしと認めます。よって、ただいま議題となっております決算第一号から決算第十二号までは、委員十二人の一般会計・特別会計決算特別委員会を設置して、これに付託することに決定いたしました。        ─────────────   一般会計・特別会計決算特別委員会に付託された決算    決算第一号 平成二十九年度愛知県一般会計歳入歳出         決算    決算第二号 平成二十九年度愛知県公債管理特別会計         歳入歳出決算    決算第三号 平成二十九年度愛知県証紙特別会計歳入         歳出決算    決算第四号 平成二十九年度愛知県母子父子寡婦福祉         資金特別会計歳入歳出決算    決算第五号 平成二十九年度愛知県中小企業設備導入         資金特別会計歳入歳出決算    決算第六号 平成二十九年度愛知県就農支援資金特別         会計歳入歳出決算    決算第七号 平成二十九年度愛知県県有林野特別会計         歳入歳出決算    決算第八号 平成二十九年度愛知県林業改善資金特別         会計歳入歳出決算    決算第九号 平成二十九年度愛知県沿岸漁業改善資金         特別会計歳入歳出決算    決算第十号 平成二十九年度愛知県港湾整備事業特別         会計歳入歳出決算    決算第十一号 平成二十九年度愛知県流域下水道事業          特別会計歳入歳出決算
       決算第十二号 平成二十九年度愛知県県営住宅管理事          業特別会計歳入歳出決算        ─────────────   一般会計・特別会計決算特別委員会委員の選任 62: ◯議長松川浩明君) これより一般会計・特別会計決算特別委員会委員の選任を行います。  委員の選任については、議席に配付してあります文書のとおり指名いたしまして御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 63: ◯議長松川浩明君) 御異議なしと認めます。よって、委員は議席に配付してあります文書のとおり選任することに決定いたしました。        ─────────────   一般会計・特別会計決算特別委員会委員      奥村 悠二    神野 博史      寺西むつみ    石塚吾歩路      山本 浩史    渡辺 周二      伊藤 辰矢    高木ひろし      高橋 正子    中村すすむ      佐波 和則    渡会 克明        ─────────────   一般会計・特別会計決算特別委員会の正副委員長の選任 64: ◯議長松川浩明君) 次に、一般会計・特別会計決算特別委員会の正副委員長の選任を行います。  正副委員長の選任については、議席に配付してあります文書のとおり指名いたしまして御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 65: ◯議長松川浩明君) 御異議なしと認めます。よって、正副委員長は、議席に配付してあります文書のとおり選任することに決定いたしました。        ─────────────   一般会計・特別会計決算特別委員会の正副委員長      委員長  奥村 悠二      副委員長 渡会 克明        ─────────────   公営企業会計決算特別委員会の設置 66: ◯四十番(近藤ひろひと君) ただいま議題となっております決算第十三号から決算第十六号までは、委員十二人の公営企業会計決算特別委員会を設置し、これに付託されたいという動議を提出いたします。     〔「賛成」と呼ぶ者あり〕 67: ◯議長松川浩明君) 近藤ひろひと議員の動議のとおり決しまして御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 68: ◯議長松川浩明君) 御異議なしと認めます。よって、ただいま議題となっております決算第十三号から決算第十六号までは、委員十二人の公営企業会計決算特別委員会を設置して、これに付託することに決定いたしました。        ─────────────   公営企業会計決算特別委員会に付託された決算    決算第十三号 平成二十九年度愛知県県立病院事業会          計決算    決算第十四号 平成二十九年度愛知県水道事業会計決          算    決算第十五号 平成二十九年度愛知県工業用水道事業          会計決算    決算第十六号 平成二十九年度愛知県用地造成事業会          計決算        ─────────────   公営企業会計決算特別委員会委員の選任 69: ◯議長松川浩明君) これより公営企業会計決算特別委員会委員の選任を行います。  委員の選任については、議席に配付してあります文書のとおり指名いたしまして御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 70: ◯議長松川浩明君) 御異議なしと認めます。よって、委員は議席に配付してあります文書のとおり選任することに決定いたしました。        ─────────────   公営企業会計決算特別委員会委員      水野 富夫    中野 治美      森下 利久    鈴木 喜博      飛田 常年    田中 泰彦      鈴木  純    西久保ながし      樹神 義和    大嶽 理恵      筒井タカヤ    岩村 進次        ─────────────   公営企業会計決算特別委員会の正副委員長の選任 71: ◯議長松川浩明君) 次に、公営企業会計決算特別委員会の正副委員長の選任を行います。  正副委員長の選任については、議席に配付してあります文書のとおり指名いたしまして御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 72: ◯議長松川浩明君) 御異議なしと認めます。よって、正副委員長は、議席に配付してあります文書のとおり選任することに決定いたしました。        ─────────────   公営企業会計決算特別委員会の正副委員長      委員長  鈴木  純      副委員長 飛田 常年      ━━━━━━━━━━━━━━━━━   日程第二 請願(一件) 73: ◯議長松川浩明君) 次に、請願を議題といたします。  本議会に提出されました請願一件については、お手元に配付してあります請願文書表のとおり所管の常任委員会に付託いたします。        ─────────────      ━━━━━━━━━━━━━━━━━ 74: ◯四十一番(寺西むつみ君) 本日はこれをもって散会し、明十月三日から十月十五日までは、委員会開会等のため休会とし、十月十六日午前十時より本会議を開会されたいという動議を提出いたします。     〔「賛成」と呼ぶ者あり〕 75: ◯議長松川浩明君) 寺西むつみ議員の動議のとおり決しまして御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 76: ◯議長松川浩明君) 御異議なしと認めます。  明十月三日から十月十五日までは、委員会開会等のため休会とし、十月十六日午前十時より本会議を開きます。  日程は文書をもって配付いたします。  本日はこれをもって散会いたします。     午後四時二十三分散会 発言が指定されていません。 Copyright © Aichi Prefecture, All rights reserved. ↑ 本文の先頭へ...