林務部長 山 﨑 明
森林政策課長 福 田 雄 一
信州の
木活用課長 河 合 広
県産
材利用推進室長 丸 山 勝 規
森林づくり推進課長 長谷川 健 一
鳥獣対策・
ジビエ振興室長 佐 藤 繁
●
付託事件
7月3日に同じ
●会議に付した事件
付託事件のうち、3~5、8~12、14及び
林務部関係の
所管事務一般
●
開議時刻 午前10時32分
●
鈴木委員長 開会を宣した。
▲
日程宣告
林務部関係の審査
▲
議題宣告(
林務部関係)
付託事件及び
所管事務一般を一括して議題とした。
委員の
質疑等発言を許可した。
◆
髙島陽子 委員 おはようございます。順次、質問させていただきます。
国際信州ウッドフェアは御苦労さまでした。大いにこういったことを生かしていっていただきたいと思っております。
林務部の
業務内容については、50ページほどに及びなかなか美麗につくられて内容も充実したもので、どういう方向を目指すかが、この
冊子一つに閉じ込められていると思い、感心して拝見しております。こういったことを、全て同じスピードでは無理かもしれませんけれども力強く推進していただきたい
気持ちです。
業務内容については、県民の方にできるだけ知っていただくことで、配布や周知について、どのようなことに配慮されてパンフレットをつくられているかお聞かせいただきたいです。
◎
福田雄一 森林政策課長 林務部業務内容についての
お尋ねでございます。
業務内容につきましては、今、御指摘いただきましたとおり
林務部における
業務内容を全面的に記載させていただくとともにできるだけわかりやすく、どういったところに力を入れて今後進めていくべきかという点を把握していただけるよう内容を整理させていただきました。こうしたものは、いろいろな会議の際などに使わせていただいているところです。
県民向けということで申し上げますと、ホームページに掲載させていただいており、折に触れてごらんいただける形にしております。
◆
髙島陽子 委員 大いに生かしていただきたいと思いますし、これから質問していくことにかかわることですが、長野県が持っている
山岳森林資源を県民の1人でも多くの方に直接的かかわっていただける
仕組みづくりが、今後、大事ではないかと考えておりますので、ぜひ御活用いただきたい。私も、私の身の回りでこういうものがあるということで
勉強会もしてみたいと思っております。
事業を進めていく中で、申し上げるまでもなく財源がすごく必要になってきます。きのう来、
森林づくり県民税のことについては、今後どうしていくか、知事は継続していきたい方針のようです。この調査に取り組んでいらっしゃるということですが、きのう、私も
アンケート調査の項目を見させていただきました県民、企業、
市町村への調査があり、今後、6月中にそれを集約するということです。
市町村や
市町村の議会に対しては、悉皆的な声の集約ができると思います。これから集まってくるところではありますが、この生かし方について、特に気をつけて進めていかれたい点についてお聞かせください。
◎
福田雄一 森林政策課長 アンケートの集計結果を今後どう生かしていくかという御質問でございます。
アンケートを県民、
市町村、
市町村議会、企業という形で行わせていただいております。この中で、当然のことながら継続を是とするか、否とするかということが、もちろん一番重要な点であろうかと思いますが、
県民アンケートの中でも、現在、
森林税で第2期までに行っている
取り組みの中で何が重要であるかに加えまして、今後、新しいことをやっていくとすればどういうことに使うべきかという設問を設けております。こうしたことに広げていくべきなのかどうなのかという点とあわせまして、今後の使途について、こうしたものを参考にさせていただきながら検討を進めてまいりたいと考えております。
◆
髙島陽子 委員 これは要望ですけれども、
アンケートを集約されて、そこからまた
パブリックコメントもやるんですかね。既存の
事業体や
環境保全にかかわる任意の団体が
県内各地にあると思います。そういうところの協力も生かしていただきたいので、小さなグループでもいいので丹念にいろいろな御意見を集約していただきたい。お金のことは、今、県民がすごく関心を持っています。ただ、
森林づくり県民税を継続するか、やめるかだけではなく、別の財源も当然あり、基盤もありますので、大切に財源を使っていただく
仕組みに持っていける集約に心がけていただきたいと願います。
それで、お金のことですけど、毎年、4月から5月にかけて、緑の募金を全国どこの都道府県でもやっていますが、この
取り組みについてお聞きしたいと思います。県では、緑の募金の運動体として緑の基金があるんですけれども、役員と理事、
評議員という組織で構成しているんですが、ことしの募金の集まった金額やその配分についてどんな状況なのでしょうか。概要で結構ですけれども、お願いします。
◎
長谷川健一 森林づくり推進課長 ことしの分につきましては、緑の募金につきましては、歴年で決算といいますか、経理をやっており、平成29年度の募金は、今まさにやっている状況で、ことしの末の12月までやった結果でまとまる形になっております。昨年度につきましては、県内で約8,000万円の募金をいただきました。使途の内訳としては、
公共施設の緑化や、
緑化木の配布、植樹祭の開催などに約6割、それから緑の少年団や
指導者といったその人材の育成の事業に20%、それから中央にお金が回りまして海外の
植林等に使われているお金が4%、それからそれ以外の募金をするために必要な経費、資材、緑の羽根をつくる経費に10%ほどが使われている状況になってございます。
◆
髙島陽子 委員 1億円には届かない額ですけれども、大切に県民の方から志として預かっているお金を、法律では、緑の募金による
森林整備等の推進に関する法律が根拠にあるようですけれども、納めるというか募金するほうは話が広がりますけど、納税するほうは
森林整備や緑化ということで同じ
気持ちだと思うのです。ですので、こういう
仕組みについて、ここにかかわっている役員や理事、
評議員さん、そして部長さん以下、課長さんもみんなこのメンバーに入っていると思うんですよね。恐らくそういうところでも、今の県の
森林整備に関しては、個別具体的にいろいろな声が出てきていると思うので、どんな声が出ているかまで言及しませんけれども、お金を集めて何か事業をすることの基本的な
取り組みだと思いますので、いろいろなヒントがあると思うので、生かしていただきたいと要望したいと思います。
それで、松くい虫について、
一般質問でも、今回、
堀内議員さんから出たところですし、それについては、部長もいろいろと多面的なところから答弁されたと思っています。きのうもお二人の委員からお声が出たんですが、今、県民の方との
リスクコミュニケーションが非常に注目されていると思います。必要とする人とそれを非常に敏感に感じ取ってやってほしくない
人たちの中でいろいろな利害の対立があって、その調整も進めながらどういう方向に向かってやっていくかがとても大切になると思います。
松くい虫に関しては、少し過ぎつつありますが、
防除対策の時期を迎えたり、県内では、特に薬剤の
空中散布に関して非常に嫌悪感を訴える方たちの団体が訴訟に持っていくケースも出ています。県内で取り組む上で、反対の
人たちの意見を聞く場面が幾つもあると思うんですけれども、直接
林務部にやめてほしいという声が具体的に届いていましたら少し御紹介いただきたいと思います。
◎
長谷川健一 森林づくり推進課長 空中散布に関し、反対される方々からの声という
お尋ねかと思います。松くい虫のための農薬の散布につきましては、これまでも県内で継続的に行われてきておりまして、特に薬剤に関して
過敏症を訴えておられる方からも継続的にいろいろな御要望、御要請をいただいております。そういった中で、平成23年度に県で
空中散布のあり方について検討を行った際にも、委員の中には、
過敏症で
散布そのものに関してはできるだけ控えてほしいという立場の方にも入っていただきながら、農薬の散布について方針を定めて
市町村等にも指導を行っているところでございます。
農薬の問題については、委員からも御指摘があったとおり、情報がきちん伝わっていないところがありますので、お時間を借りて改めて御説明させていただきます。今回、松くい虫の防除に使われる農薬は、
無人ヘリの場合、多く使われているのは、アセタミプリドという種類の農薬でございます。当然ながら、国で農薬の法律に基づいて認可をされ、
食品安全委員会からも安全の評価をされているものでございます。
ネオニコチノイド系の農薬という種類になりまして、これは、以前よく使用されていた
有機リン系と言われる農薬に比べますと、人体への影響が小さいということで、最近、使用が広まってきているものでございます。昆虫に対して選択的に効果が高いとされております。松だけではなくて、水稲・野菜・果樹などに広く使われているものになってございます。
松くい虫の防除の実態ですけれども、我々としても
農薬散布での環境の影響をきちんと評価していかなければいけないということで、散布後の空気中の
濃度等についての測定を続けております。この際に、一定の評価をしていかなければいけませんので、その
評価値というものを設定しておりますけれども、これは、24マイクロ
グラムが1
立方当たりの空気に含まれているかどうかを
一つ基準にしております。多くの場合は、0.05マイクロ
グラムという
検出限界以下の数値しか出てこないということで、これまでの最高でも0.4マイクロ
グラムという程度の農薬しか検出されないということで、
評価値に比べて数百から数千分の1の濃度しか出てこない状況でございます。
評価値自体もその数字になったからといって、直ちに人間に害があるということではありませんで、害があるという
レベルからさらに100分の1といった安全を見た数値になってございます。ですので、実際、
農薬散布によって飛散する農薬の量は、人体に影響があるであろう量からすると、数万分の1とか、数千分の1という
レベル、数万から数十万分の1という極めてわずかな量しか、今、検出されないのが実態でございます。
まず、そういった
農薬散布の状況にあるということを踏まえた上で、不安を訴える方、それから
過敏症などで御心配がある方に対する対処について、我々としてはしっかり正しい情報を発信していきながらやっていかなければいけないのではないかと考えているところでございます。
◆
髙島陽子 委員 科学的なところから御説明いただきました。薬剤を使って
アカマツが枯れるのをとめなければいけない願いについても私も十分理解しているつもりです。人体に被害がない、影響がないといっても訴訟という手段を用いて、主観的に
自分たちの健康に害を及ぼすとおっしゃっている方もいる中で、県ではなく松本市の
レベルで、今、苦慮され対策を打っていかれると思いますし、主張されるほうは、それぞれ思いをぶつけて、今後、いろいろな調整をしていく場面になっていくと思います。県としては見守るところにあるのかと思っています。
環境評価については、一定観察していただいているということですので、まさに情報の
リテラシーをどう高めていくかに目線を移して調整を進めていっていただきたいと思っています。ハイテクの力で、できるだけ
エリアを限定したり散布の方法もいろいろなやり方があると思いますし、できるだけ最小の投資で最大の効果を得ることは、日ごろから取り組んでくださっていると思いますので、その情報について多面的に検討できる場を提供していただきたいと思っています。
話がそれてしまうかもしれないんですが、「
クローズアップ現代」で、ヒアリが、今、侵入してきていて、それをどう防ぐかと、長野県だけ今、入ってきてない状況なので、地図を見て、気象だけではなく、地形やいろいろなことがあると思います。そこで、お話しされていた
国立環境研究所の五箇さんという方に
リテラシーについてお聞きする場面がありました。松くい虫の
防除対策の薬剤のことをものすごく忌避する
人たちに対して、松くい虫に関して、あるいは
アカマツが枯れてしまうことに関して、もっと幅広い視点で分析しなければいけないというお話をされるところに参加する機会があったんですね。ですので、もちろん長野県として松林をどのように保全していくかを念頭に置きながらですけれども、さまざまな
レベルの方から御意見を伺う場面もときには必要だと思っています。いろいろな調整をそれぞれの
レベルでされると思うんですけど、県民に参加してもらって
情報発信や研究をする、あるいは学習する場面を持っていただけないかと思っているのです。そういった
研究者の方の御助言や御指導、御意見も伺いながらできるだけ松林を保全する活動に参加してくださる方への喚起も含めて、場面が必要かと考えたりもするのですが、部長、いかがでしょうか。
◎
山﨑明 林務部長 松くいに対してのさまざまな声は、先ほど課長からもお答えしたとおり、県の会議の中にも、そういう声をお持ちの
人たちに入っていただいていて、そうした
人たちの声も生かしながら、
リスクコミュニケーションが極めて重要だという話で進めているところです。一方で、農薬についても、いろいろな懸念がされる中では、いろいろな工夫をしてきていて、
農薬そのものも改良が続けられている実態にはあります。ただ、EUで、ミツバチの問題で懸念の声があったりするのもまた事実であります。ここの部分というのは、国にお願いする部分も多いと思っていまして、必要な対策というのは、法令に定められて用意されているものを、しっかり
裏づけ資料のあるものを、きちんと
リスクコミュニケーションを図りながら限定的に使っていくということは、揺るぎないと思っております。国においては、さまざまな懸念を払拭できる科学的な対策を進めてもらう話は常々しておりますし、今後もそういった要望をしていきたいと考えてはおります。
◆
髙島陽子 委員 幅広い視点でということで、確かにそうですよね。結局、長野県だけで起こる現象ではなくて、
温暖化なりいろいろな条件によって北上していく見通しもありますから、県だけではうまくいかないということで、官だけではなくて民の
研究者の方の御助言も取り入れる場も持っていただきたいと願いまして、もう一つだけ質問させていただきたいと思います。
ジビエについて、
信州デスティネーションキャンペーンの関係で、長野県の
森林資源の一つということで、食べていただく場面をいろいろと企画されているということで、その
取り組みはとても魅力的だと思っております。今年度の
ジビエの
振興事業計画の中で、供給のモデルを構築していきたいということだったんですよね。供給というのは、飲食店で食べていただくタイミングや場面をたくさん設けるということで、それはそれでいいと思うんです。これは
林務部だけじゃなくて、当然、観光やほかのところとタイアップしながら横断的にやっていただきたいと思います。
供給の前に、調達のサイクルが本当に上手に回っているのかということで、長野市の一つの施設の例で確認していきたいと思うんですが、この時期に捕獲された獣肉は、あまりおいしくないから受け入れないということが、近日中にあったという情報を得ました。
長野市内にも、複数の獣肉の
解体処理の施設について、県が全部やっているわけではもちろんないですが、
衛生関係でも県がかかわる場面があると思います。拒むということは、あまりうまくそこの施設が回ってないのかとも予測してしまうんですが、
ジビエの肉の確保については、いろいろ問題点が見え隠れしている中で、
解体処理施設についての展望、あるいは現状について、お話いただけないかなと思います。
◎佐藤繁
鳥獣対策・
ジビエ振興室長 山肉を実際に調達される場合の関係についての御質問かと思います。この時期の鹿・
イノシシについて、脂が乗っていないのであんまりおいしくないという話は、全国的に昔から言われている話でございます。ただ、一方で、近年、夏鹿という言葉も出てきておりまして、従来は
狩猟期間に出るのが通常の山肉でしたから、食べる
機会そのものがなかったわけです。特に鹿・
イノシシについては、個体数調整、
有害鳥獣捕獲ということで、県下で数万頭、数千頭という
レベルで捕獲され、出てきてしまう中で、実際にはそういう部分についても見直していこうという動きが全国的には広がっております。
ただ、一つ言わせていただきますと、長野県としては、最終的には有害捕獲しなくても済むまで鹿の数を減らしたいというのが
基本コンセプトでございますので、その段階では夏鹿は出せないというのが基本だと思っておりますので、それも最終的に見据えながら考えていかなければいけないと思っております。
調達に当たりましては、実際のところ、県としてもなるべく山肉として利用しやすい、きれいなとり方をしましょうという
指導等もさせていただいたこともございます。ただし、数をとって減らしていかなければいけない中で、そこまできちんと対応してとっている方たちばかりではないのも実態でございます。そういった中で、腹に弾が当たってしまったということになりますと、胃や腸の中にたまっています大腸菌が肉に回ってしまい、とてもじゃないけど使えないという状況になりますので、
施設ごとにうまく回している施設におきましては、上手な猟師さんたちにきちんと話を通して、うまくとれたら持ってきてくださいという形で回していらっしゃるのが実態だとお聞きしております。
お話のありました
長野市内の施設につきましては、まだ、鹿がふえ始めて時間がそれほどたっていない、昔はそれほど鹿のいなかった
エリアでございますので、そこら辺がいま一つ、まだうまく回っていないという懸念もございます。長野市につきましては、来年度以降、大プロジェクトとして動こうという考え方もございます。そういった中では、私どもにも相談に来られていますので、調達も含めた中で、どうやって長野市及びその周辺の
市町村も巻き込むこともあり得るかとは思いますが、その中でどうやって調達しながら、せっかくつくる施設をどう回していこうかという議論を深めていくようになろうかと思っております。
◆
髙島陽子 委員
ジビエについて、信州の場合は、トータルで見て個体数の調整とか
有害鳥獣の駆除も原点にあるわけですから、今、お話しいただいたように
市町村で困っている場合には、県で丁寧に御指導いただきたいということは、私が申し上げるまでもないですけれども、ハンターの中にも、若手でまだ経験が浅く、研究熱心であったり、意欲のある方がいると思うんですね。だから
スキルアップを考えたら、必ずしも満点の捕獲がいつもあるわけではないかもしれないので、その辺についても、将来的に狩猟の文化を絶やさないようにするためにも
マンパワーへの支援やサポートも一方ではお力を変わらず注いでいただきたいと願いまして質問を終わらせていただきます。
◆
和田明子 委員 最初に上伊那の
森林施業にかかわっていた
事業者で、共産党の
町会議員も務めておりましたが、
補助金で不正が行われた件については、関係の
補助金の返還、そして
町会議員も辞職するということで、けじめをつけさせていただくということであります。どのような事情があったにせよ、不正は許せないし正されなければいけない立場で、私たちはこの問題も取り組んできたということであります。この点では、御心配、御迷惑をおかけしましたが、いずれにしても
補助金を適正に今後も運用する立場で、私たちも今後も頑張っていきたいと思っておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。
それでは質問に入らせていただきます。最初に、今回の
委員会でも御説明ありました
現地機関での
実績補助については、体制も強化して
現地確認をきちんとすることとあわせて、事業を実施していただいたところにはできるだけ早く
補助金を出せるようにすると言っていただきました。前回の2月にもこの問題を取り上げさせていただいて、一部には、申請しても検査が遅れお金がなかなか手に入らない、それまでのお金の資金繰りが
大変苦労だという話を聞いているところで改善を求めたところ、今回、このように言われましたので、この点ではありがたいと思いますが、一層前進させていただきたいと思いますので、再度、確認させていただきたいと思います。
◎
長谷川健一 森林づくり推進課長 造林補助事業の
補助金の交付の部分についての
お尋ねをいただきました。説明させていただいた資料8にもありましたとおり、昨年度につきましては、新たな運用を行う中で、
事業者の皆様から出していただく書類についても我々がお願いしていた内容が十分出てこなかった。それの補正に何度もやりとりをしなければいけなくなった。それから
現地調査に当たりましても、
調査員もしくは調査する事務所によって
レベルの
違い等が生まれてしまって、ややもすると必要以上の部分の調査になってしまっていた部分や、
やり方自体があまり効率的ではない調査の手法をしてしまっていた
部分等々あり、時間を要した事例も中にございました。これは大きな反省であったと考えております。
そういった中で、ことしにつきましては、改めて
事業体向けの
説明会や
現地調査の
研修等を実施してまいりました。特に
事業体の皆様から出していただく書類については、なれていただいて、必要な水準が担保されるようになってきたのではないかと考えているところでございます。
現地調査につきましては、多少
マンパワーという部分もありますので、そういった工夫をやりながら、2カ月を一つの目安にしながら組織的にきちんとした確認、適正な執行は担保しつつ円滑な実施に努めていきたいと考えているところでございます。
◆
和田明子 委員 今、2カ月を目安で円滑に実施していくお話でありまして、
一定めどが立つようにしていくと次の仕事にも入りやすいということがありますので、一層丁寧に進めていただきたいと思います。
それから、
リニア中央新幹線の
残土処理の問題に絡んで、思いもかけないことが発覚した点で言いますと、豊丘の本山の
生産森林組合が取り沙汰されているところです。
入会権を持つ
地元有志によって1940年に
本山更生会が設立されたときに、
更生会には55年に定款がつくられ、その後
入会林野近代化法によって昭和48年に今の
本山生産森林組合が設立された。その際、定款も新たにされたとお聞きしているところです。ところが、
本山生産森林組合においては、その前の古い定款でずっと引き継がれてきた中で、実は、今、
組合長と言われていた人も
組合員資格を失っていたということで、大変なことになったとお聞きしております。
この件に関しては、新しい定款に沿って
森林組合が運営されている前提に立って、県側とも書類を交わす機会がたびたびあったにもかかわらず、この点が見落とされたと。県の指導が不十分だったのではないかという指摘があるのですが、どうしてこのようなことになってしまったのかお聞きしたいのと、リニア残土のことを切り離しても
本山生産森林組合を正常化していかなければならないと。これも大変難しい課題が山積していると思うんですけれども見通しなどについてお伺いしたいと思います。
◎河合広 信州の
木活用課長 本山生産森林組合の運営等についての御質問をいただきました。委員の御指摘のとおり、
本山生産森林組合が発足してから、しっかりとした定款に基づく総会等が開かれていないということで、勝手に総代会ということで、定款に位置づけられていない総代会で処理をしていたということです。現在、南信州地域振興局と私どもで調整させていただきながら村や
生産森林組合の方々にも入っていただきまして、正常に運営できるよう、弁護士に相談させていただきながら進めさせていただいております。とにかく早く、
生産森林組合の運営を正常に戻すようにやっているところでございます。384名の組合員が当初おりまして、
組合員資格を今もお持ちの方が140名ほどいらっしゃるということで、その方々でまずしっかりとした総会を開いた後にしっかり理事を立てまして、正常な定款に基づく総会を開けるように準備を進めているところでございます。
◆
和田明子 委員 今の定款に基づけば、組合員だった方が亡くなった場合には、90日以内に届け出て、確認されれば組合員になれる手続がないために、本来、自分は組合員だと思っていたけど組合員ではなかったという方もおられたりして、混乱もあるようです。それでもまだ140名ほどの組合員さんが確認されているということを手がかりにしながら正常化に向けて進めていただきたいと思います。
そして、
生産森林組合ということでは、相当県下にもあると思うんですけれども、
生産森林組合については、木材の価格低迷などがあり組合自身も運営するには大変厳しい。そういうところで、解散やいろいろほかの方法も考えなければならないというお話も聞いています。たまたま本山は、キノコが出る財産的な問題では問題がなかったために、表面化しなかったようですけれども、現状厳しい運営になっている
生産森林組合などに対しては、県はどのような指導監督していくのか。指導監督責任がこういう組合に対しても県はあるのかをお聞きしたいと思います。
◎河合広 信州の
木活用課長 生産森林組合の運営にかかわる県の指導ということで御質問いただきました。今現在、
生産森林組合は、長野県に138ございます。その中でも、組合員数は1万6,000人を数えまして、1組合当たり100名ちょっとということでございます。経営面積も2万ヘクタールということで、広大なものでございます。もともと入会林に基づく、入会林野の整備ということで
生産森林組合をつくりまして、整備後に解散した組合もございます。毎年、1組合、2組合という形で解散しているところもございます。委員のおっしゃるとおり木材価格の低迷でかなり厳しい状況になっている組合もおります。地域でまとまって
森林施業をしっかり行っている組合もございますので、そういったところは、運営もよくできているのかなと思います。
森林組合とは違いまして、
生産森林組合につきましては、できるだけ施業の方法やAG、林業普及指導員のほうでしっかりと施業ができるように指導はそれぞれのところでやっておりますのが現状でございます。
◆
和田明子 委員 残念ながら解散せざるを得ないところに至ってしまっているところもあるというお話です。できれば
生産森林組合も施業に携わったり
森林整備で役割を果たしていただきたいというのも
林務部としての本音だと思いますので、そういうところに対しても引き続き援助していただき、今後も目を配っていただきたいと思います。
それから、次、
森林税の問題についてお聞きしておきたいと思います。この間、2期にわたって、超過課税で県民の皆さんに御負担いただいてきて、来年度以降どうしていくかということが、森林づくり県民会議や県民の皆さんに御意見を聞く機会などを持ってやっていただいているわけであります。また一方で、県の地方税制研究会にも忌憚のない御意見を賜りたいということで、この間、資料によりましても1月27日から会議を開いてきていただきました。最初の1月の税制研究会で、座長は手厳しい指摘をしておりまして、4年半前に第2期の
森林税報告書を税制研究会で出したと。しかし4年半、何の報告もなく、私たちは放置されたと、我々からすれば相当違和感がある、5年に一遍呼ばれて何を言えばいいのか、常識から外れていると思うということから厳しい御指摘をしてこの会を持っているわけです。それでも
森林税の果たしてきた役割や今後どういうふうにして継続するのかしないのかについて検討しなければならないと会合を持たれております。
そういう中で、県民税は超過課税であって、目的を決めているものであり、決して税金ありきではなく、まず事業があってこそ当たり前ということを繰り返し求めてきたことであります。ところが、大変に残念なことに、県民税も大北
森林組合の不正に2億数千万円入ってしまったと。こういうことについても、経過をきちんと説明してほしいと言われ、税制研究会でも県の側から今回の大北
森林組合の経緯について御説明された経過が記録に残っております。
こういう点で言いますと、専門の皆さんにお集まりいただいて議論いただき、皆さんが出していただいた報告に対して、その後、県としてどういう
取り組みをしたのかについて5年間は何の報告もなく、呼ばれて、また何を言えばいいのかと言われるんですけれども、次にどうするかというときだけでなく、本来、どうあるべきだったかについて、お聞きしておきたいと思います。
◎
福田雄一 森林政策課長 地方税制研究会からさまざまに御指摘をいただいている点についての
お尋ねかと思います。地方税制研究会につきましては、特に県税の超過課税のあり方ということで御審議いただくということでございまして、総務部税務課で運営しているものでございます。私ども、5年前に第2期をお願いするときにも御説明させていただきまして、その際に報告書でいろいろ御提言をいただいて、それをもとに、どういうふうにしていくかということで、第2期の
森林税のあり方を定めまして、そして運営してきたわけでございます。
実は、今回、いろいろと御指摘をいただいておりますのは、そもそも第2期を始めるときの説明が不十分だったのではないかという点についても、御指摘をいただいております。その点、私ども、今、顧みますと反省もございまして、51%の国庫補助が出まして、義務かさ上げが19%ございます。さらに
森林づくり県民税で20%、90%まで支援を拡大させていただいたわけであります。その義務かさ上げというのは、本来の趣旨からすると地方交付税で財政措置されているものでございますので、本当は県民税を充てるべきではなかったのではないか、少なくともそこについての県民に対する説明は不十分だったのではないかという御指摘をいただきました。財政的にテクニカルな問題でございますので、その辺、必ずしも説明が十分ではなかった点もあったのかなと思っております。
いずれにしても超過課税をお願いする以上、県民の皆様はもちろん御審議をいただくところにも十分な説明をして御理解いただくことが不可欠でございますので、今後、きちんと説明をしていかなければならないと考えているところでございます。
◆
和田明子 委員 確かに課長の言われたところは、委員の中からも非常にショックだったという発言があります。超過、あるいは法定外の税については、補助のかさ上げに入れないと思っていたら、実はそういうふうに使われていたということで、
自分たちがかかわったにもかかわらず、認識が
自分たちのところにもなかったということで、大変な大問題だという認識で話し合われております。確かに国庫補助事業では、補助残の部分について、どこが負担するのかということで
森林整備が進まないと。できるだけ地元負担を軽くするためにということで、10分の9まで、
森林税も入れてできるだけ里山整備を進めようということで、私たちも説明を聞いておりました。税制の面から言われると、こういうふうに問題があるとか、研究会の専門の皆さんが認識として持ち得なかったことについて、どこかでボタンをかけ違えている印象を持ちますし、財政需要があるという説明がなくて、ざっくりこのくらいというブラックボックスみたいな体質があることが問題ではないかと言われています。これが、県の当局に対して言われている問題なのか、林務に対して言われている問題なのか、両方に当てはまる問題だと思っています。
県民の皆さんに毎年6億円余りの超過課税をしていただき、その中から、残念ながら不正の起こってしまった大北
森林組合にもその一部が入ってしまい、そして現在としては5億円近い基金が使われないままあるという中で、もっと広く納税者、県民の皆さんの意見を聞く。そして県の立場をしっかり理解していただく。そういう開かれた議論の場が必要だと思うんですけれども、その点はいかがでしょうか。
◎
福田雄一 森林政策課長 森林づくり県民税に対して、御議論をいただき、また御理解をいただくための
取り組みが必要ではないかという御指摘でございます。これについては、御指摘のとおり超過課税を行うことは、特別の行政需要があって、それについて御負担をお願いしたいということでございますので、できるだけ多くの方に御議論をいただいて、御理解をいただくのが前提になってくると思っております。今回、まだまだ議論が続いているところでございまして、県民会議においては、継続を前提にというお話ではございますけれども、使途について意見を聞きたいと。さらには、県民に対する御説明はしっかりしてほしいという御指摘もいただいているところでございます。税制研究会においては、さらに10年間の総括を4回にわたってやっていただきまして、その上で、もし続けるとなればということについては、今後の議論ということでございます。また、御承知のとおり
県民アンケート等によって県民の御意見がどういう形で出てくるのかということもこれからでございます。こうしたことを踏まえて、慎重に検討していくというのが知事のスタンスでございますし、また、実際に継続するということになれば、どういった形でお願いをするのか、どういったことに使わせていただくのかもできるだけ丁寧に説明してまいりたいと考えております。
◆
和田明子 委員 今、丁寧に説明してまいりたいというお話が何度か出てきましたし、また県民の方からは
アンケートで協力してもらいたいという話ですけれども、相互に意見交換する場が、あっていいのではないかと思っておりまして、その点はどうか再度お聞きしたいと思います。
◎
福田雄一 森林政策課長 使途の議論はこれからでございますし、継続有無の判断というのもこれからでございますので、まだどういう形で御説明をさせていただくかということが決まっているわけではございませんが、広く御説明をさせていただき、御意見をいただける場については、また別途検討させていただきたいと思っております。
◆
和田明子 委員 ぜひお願いしたいと思います。というのも、6月議会の知事提案説明の中で、
森林税が10年経て来年度以降ということについて、継続されるかのような印象に受け取られる提案説明があったことを受けて、県民の皆さんからは、なかなかすぐには納得できないしもう決まってしまうのかという印象を持たれている方もあります。確かに必要なものであれば引き続き継続すればいいかもしれないけれども、今のところもっと慎重に立ちどまって考えるという点で言えば、今、6月ですからいつまでに結論を出さなければいけないかということで言えばタイトな部分もありますが、だからこそ、丁寧に意見をしっかり受けとめ、聞く場を設けてほしいことを再度、要望しておきたいと思います。
というわけで、いろいろとお聞きしてきましたけれども、先ほどから松くい虫とか、松枯れの話もきのうも出ておりました。本当に見るにたえない状態になっている松の枯れた木を簡単には処理できないと、切ることも大変な技術が要るというお話でありました。森林県、林業県、そして世界に誇る山岳県と言われている中で、高速道路を毎日通る
人たちはとても心を痛めているんです。大変な状態になっている枯れた松の処理については、どういうふうに進めていくのか。高速の周辺は切るということで対策するということだったんですけれども、見える範囲全体にかなり広がっている部分については、どう対応していくのかお聞きしたいと思います。
◎
長谷川健一 森林づくり推進課長 松くい虫被害林の処理についての
お尋ねをいただきました。委員から御指摘があったとおり長野道沿線にかなり被害が広がっておりまして、特に筑北村などで被害が目立っている状況になってきております。そういった中で、昨年度から、特にインフラに直接影響を及ぼしそうな道路沿いや鉄道沿いについては、優先して処理をかけていくということで、伐採や更新の作業を、治山事業等を投入しながらやっている状況でございます。残念ながら被害の量に対して、今、処理できている部分は限られている状況でございまして、限られた財源の中で、どのようにやっていくのかが問題になってくると考えております。
そういった中で、インフラ、それから住民の安心・安全という観点から処理を進めていかなければいけないところについては、防災的な観点から積極的に処理を進めていくことをまず最優先にしていきたいと考えております。その上で、それ以外の部分の被害木の処理については、ある程度少し経済的な部分も考えながらやっていかなければ、処理が進まないだろうと考えております。昨日も少し御説明させていただいたとおり、新たなモデル事業ということで、資源化を含めた新たな発想で処理を進めていけないかということを、今、検討しているところであります。そういったことを進めながら、全体的な処理が進んでいくよう今後も努力していきたいと考えているところでございます。
◆
和田明子 委員 本当に深刻な事態でとても目につくということもあって、限られた財源の中ということで苦しい立場ではありますが、力を尽くしていただきたいと思います。そして、松枯れを食いとめていくという中で、
空中散布のことがたびたび取り沙汰されています。過去においても食いとめていこうということで
空中散布を長年にわたってやってきたけれども、現実のところ効果は本当にあったのか疑問として持っております。いろいろな食いとめ方をする中の一つとして
空中散布を常に言われておりますけれども、
空中散布した箇所も被害が拡大していることから見て、その効果のほどは疑問を持たざる得ないということを申し上げて、私の質問を終わりたいと思います。
○鈴木清 委員長 午後1時30分まで休憩を宣した。
●休憩時刻 午前11時29分
●再開時刻 午後1時29分
○鈴木清 委員長 再開を宣し、委員の
質疑等発言を許可した。
◆高村京子 委員 議案報第16号について御説明いただいたのですが、県営林経営費特別会計予算の繰り越しについて、2事案あるわけですが、それぞれほとんどの予算がそのまま繰り越しということです。搬入路の通行どめについての御報告はあったわけですけれども、それぞれの事案につきましてどういう経過なのか箇所、状況等を教えていただければと思います。
◎
長谷川健一 森林づくり推進課長 県営林の補正についての
お尋ねがございました。予算説明書で御説明させていただきましたとおり、県営林経営費につきまして、一部の事業を繰り越しさせていただいたものでございます。こちらにつきましては、県営林の整備等を行う予算になっておりまして、その事業のうち先ほど申し上げましたとおり、資材の搬入路等の被災等のために事業が年度内に執行できなかったものについて繰り越しをお願いしたものでございます。現在、事業を継続しているところでありますので引き続き早期執行に努めてまいりたいと思っております。
109ページの金額につきましては、金額として書かせていただいた2,648万8,000円は、2月議会にお願いをした繰り越しの枠の金額でございまして、実際に繰り越した額が、右手に書かれております2,648万5,000円の数字ということになってございます。
◆高村京子 委員 箇所は、教えていただくわけにいかないですか。それで事案について、それぞれ二つとも違うことではないかと思うのですが、同じことですか。
◎
長谷川健一 森林づくり推進課長 二つございます。一つが県有林造林事業費でありまして、こちらにつきましては、4カ所で佐久市の春日県有林、安曇野市の堀金県有林、松本市の入山辺県有林で、それぞれ間伐の事業と道の整備の事業につきまして、繰り越しをお願いしたものでございます。
もう一つが分収林の造林事業費で、こちらにつきましても4カ所で、上田市の真田滝ノ入県行造林、伊那市の芝平の県行造林地が2カ所、それから箕輪町の大出区の県行造林地が1カ所ということでそれぞれ4カ所ずつ、計8カ所の繰り越しをお願いしています。
◆高村京子 委員 ありがとうございました。
森林づくり県民税について、今回、改めて詳しく県民みんなでこの県民税について考えていこうという年だと思います。先ほど午前中に和田委員からも税の研究会での状況についての御質問もあったわけです。一つの区切りとして4年前の税制研究会がおやりになった検討内容と、今、行われている県民税の使い方について主な変更内容というか発展させたこととか、見直したことについて、主なことでいいですので教えてください。
◎
福田雄一 森林政策課長 4年半前の税制研究会にどういう説明をしたかということと今回の違いということでよろしいですか。4年前も、税制研究会を開催していただきまして、どういうような税としてやっていきたいかということについては、御説明させていただいたところでございます。ただ、先ほど和田委員の御質問にも申し上げましたとおり、一部、どこまで
森林税を充てるかということについての御説明が十分でなかったり、あるいは、当時、どのくらいの事業にどれだけのお金を充てるか、今、ここでごらんいただいておりますように、第2期の場合は7割は間伐に充てていて、
市町村への推進支援金が2割、残りがおおむね1割という感じで整理させていただいております。こうしたことの説明も必ずしも十分ではなかったと聞いておりまして、その部分について、税制研究会から御指摘いただいたところでございます。
◆高村京子 委員 今回、里山集約化事業ということでいただきました資料の8ページです。一番大切な事業になるわけです。これを見ておりますと上小が頑張っていると思ったのだけど、佐久と上小と松本、北安曇、北信地区には、事業実績がないのですが、これについて御説明いただけることはありますか。
◎
長谷川健一 森林づくり推進課長 税事業で行わせていただいているみんなで支える里山整備事業の地区別の実施状況についての
お尋ねをいただいております。委員御指摘のとおり、里山整備事業、それから里山の集約化事業につきましても地区ごとに少し実施状況に違いがある状況でございます。里山の集約化の事業につきましては、間伐等の税事業の整備を行うに当たり、集約化計画の策定をする形になっておりまして、ある程度この事業と整備がセットの関係になっているところでございます。
そうした中で、特に委員御指摘のあった、東信地域、佐久や上小につきましては、県内でもカラマツ中心の地域で、需要も旺盛ということで、税事業よりも本体の搬出間伐の事業を積極的に
事業体が取り組んでいる地域になっておりまして、比較的里山の事業については、いろいろ手間がかかることも含めて、
事業体側の手が追いついていないところがあり、地区ごとに少し違いがあると分析しているところでございます。
◆高村京子 委員 ありがとうございます。4年前の見直しのときも、切り捨て間伐から材を搬出して有効活用し、地域社会のためにかけがえのない木材を活用する利活用にも促進していこうということでやっていると思います。20ページにお示しいただいたところで、県民の皆さんが森林事業で一番期待するのは、自然災害を防ぐ土砂の流出防止ということで、84.2%の方が森林に対する役割の期待ということで述べているわけです。そんな中で、第1期の
森林税につきましては、切り捨て間伐でやってきたわけですよね。今は、搬出して材を生かしていこうという方向になっていると思うんですけれども、今、どのような状況に発展しているのか状況を教えてください。
◎
長谷川健一 森林づくり推進課長 県内の搬出間伐等の
取り組み状況についての
お尋ねをいただきました。
森林税の切りかえの時期と同じく平成23年度ごろから国でも大きく
森林資源の活用ということで、搬出間伐への転換が政策的にも打ち出されてまいりまして、税事業の部分だけに限らず県内の搬出間伐を進めていこうということで、法律上の制度等も変わったものに対応しながら
取り組みを進めてきたところでございます。そうした中で、県内全体の搬出間伐の状況は、年々上昇しておりまして、随分数字が伸びてきているところでございます。
そういった中で税につきましては、まずは林業経営可能なところについては、先ほど申し上げました本体の事業の中で、税事業の外側でやっていこうという
取り組みを進めておりまして、
森林税の部分につきましては、林業的には経営は難しいですけれども道沿いなどで有効活用できるところについては、できるだけ搬出させていただこうということで搬出支援にも取り組んでいるところでございます。そういった中で、税事業での搬出の
取り組みは、平成29年度で6,000立方を出すことを目標にしてきたわけですけれども、なかなか目標には、今のところ到達していない状況でございます。
◆高村京子 委員 切り捨て間伐のときは、私も、今回の台風3号ですけど、大豪雨の中で山に残された材が、河川に入ってきて氾濫を助長するということで、本当に心配しておりましたけれども御努力いただくということは、評価したいと思います。もう一つは利益になる。その施主が利益になるものは、大いに利益を生み出してもらうということで、それは税のほかでやるということでね。そういう方向も支援していくことも大事だと思っております。
11ページですけれども、搬出間伐について、佐久、上小、北安曇、長野、北信では、里山整備事業、搬出支援の事業内容がないのですけれども、先ほどと同じ御説明ということでしょうか、確認させてください。
◎
長谷川健一 森林づくり推進課長 御指摘のとおりです。11ページにあります里山整備事業の搬出支援につきましては、7ページの切り捨て間伐の事業を実施した箇所について、搬出する場合に支援を行うというセットになっておりまして、本体の
取り組みが佐久、上小については、あまり盛んではないということも反映して、搬出もあまり実績はない状況になってございます。
◆高村京子 委員 よくわかりました。ありがとうございました。
森林税ですけれども、今、国の
補助金もこれから森林環境税で検討されているということと、昨日はいろいろ基金が6億円からあるのではないかということや改めて丁寧に森林県から林業県へということの中で、課題を県民みんなで考えていく環境をつくっていかなければいけないと思います。ですので、そういった動向を見ながら、
森林づくり県民税を継続するとか、しないとかって、拙速にやるのではなく、これから
アンケートもとって集約していただくということでありますので、丁寧に県民の皆さんが納得のいく方向で、御説明できるものでまとめていかなければいけないと思っております。
大北
森林組合にかかる検証についてであります。昨日も革新懇の皆さんからしっかり検証されていないのではないかという陳述があったわけでございます。私もそう思っており改めてしっかりした検証が必要だと思っております。あまり問題にされなかったり、県もあまり触れていただいていないのですけれども、昨年以前に大北
森林組合の
補助金問題にかかわる検討会を大北
森林組合さん自身が弁護士さんや専門家に委託して振り返ったものがございます。平成21年から平成25年ということで、まさに第1期の県民税が導入された期間でございました。
県側の指導による大北ルールということで、熊に襲われた中学生の事件があったということで、緩衝帯整備ということでね。こういうことで、特別ルールで事業をするとか。あるいは予算達成によって、県の指示のもとで机上で作成した図面でもよいので、とにかく申請してほしいという指示を県から受けたとか。こういうことが書かれておりまして、これを全部読みますと枚挙にいとまがないといいますか、たくさんの事例が県の指示、指摘によって、こういうふうにやったらどうか、ああいうふうにやったら
補助金は出せるよということで、たくさん出てきております。内容を見ると、本当にびっくりすることがあります。
例えば池田町さんで、2009年2月に今後の鳥獣出没防止と土砂災害防止のために間伐をしていくことが必要ということで、引き続き大北
森林組合が事業主体となり間伐を実施していただきたいと考えておりますということで、国と県の森林造成事業
補助金のほかに森林所有者の自己負担が必要ですけれども今回の間伐については、導入された長野県
森林づくり県民税を活用するので、森林所有者の負担なしで整備ができることとなりましたということで、2月13日までに御連絡の上、頑張ってくださいという中身なんですよ。2月13日は、真冬でありますよね。こういうときに事業をやりましょうということ、これ、池田町さんからなんですよね。だから
市町村事業ということだと思うのです。こういうことが、県の北安曇地方事務所からではなく、町からも出ているということなんですが、これはどういうことだか、御説明願えますでしょうか。
◎
福田雄一 森林政策課長 大変申しわけございません。今の御指摘の件につきましては、直接資料等を拝見したこともございませんので、どういうことかわかりません。
◆高村京子 委員 課長さんにおいて、見ていただいてないということですが、私は見ていただきたいと思います。私どもは、大北
森林組合に伺いましてそのことを知りました。それで、それをいただきたいと大北
森林組合さんに言ったら、県が預かっていて、私どもの文書で、私どもの予算でやったことだけれどもお渡しできないと、県に聞いてくださいということで、資料請求でいただきましたけどね。だから中身を見ることができて、抜粋ですから一部ですけど、1センチくらい厚い文書になっております。それは、部長さん、課長さん、皆さん、見ていただいたほうがいいと思います。それも申し上げておきます。
それで、県の森林づくりアクションプランですけど、平成16年から20何年間で、25万ヘクタールの間伐目標ということです。この目標が、当初、掲げられていたんですよ。これを見ますと、地元の林業
事業体の能力を超えた計画になっているのではないかと思うんです。それから県がほかの
補助金を高規格作業道に流用することを大北
森林組合に勧めていたこともこの資料の中で明らかになっております。県がそれをやっていいと言ってくださったということです。ということなので、これも資料を見ていないということなので、これは指摘をさせていただきます。ぜひ見ていただきたい。
では次に行きます。3月28日の判決ですけれども、本来、
補助金の申請が適正であるか、審査すべき立場にある地方事務所林務課職員が、予算消化を迫られたこともあって。私が、引っかかったのはこの文章なんです。判決の文章で、予算消化を迫られたこともあって、誰から迫られたのですか。本庁じゃないですかと私は思います。ということで、組合に対し不正な
補助金申請を始めるきっかけを与え、その後もこれを容認し続けていたことは明らかと判決は言っております。長野県側において、重大な落ち度があったと言うべきであるという判決なんです。これについては、
一般質問でも何人か触れていただきましたが、部長、改めて、今、どういうお受けとめをしていただいているのか、改めて伺わせてください。
◎
山﨑明 林務部長 公判の裁判長のコメントに対する考え方でございます。本会議の中でも申し上げましたが、当時、森林造成事業の
補助金については、できる限り年度内に執行してほしいという要請を県側はしておりました。そうしたことが、北安曇地方事務所にとっては、過重なプレッシャーになっていたと受けとめておりますし、また、県側とすると、どういう状況にあったかということをつぶさに把握していなかったということも大変問題があったと受けとめております。そうした中での話として、私どもは受けとめているところです。
◆高村京子 委員 それで、もう一つ午前中に和田委員から、生産組合に対する指導・援助のやりとりについて質問があったわけですけれども、改めて4年前の見直しのときにこういうことが行われていたんですよね。大北だけではなく、
森林組合に対する指導監督・援助のチェック体制はどうなっていたのか伺いたいと思います。
◎河合広 信州の
木活用課長 森林組合に対する指導ということをいただきました。4年前、この事案が発生しておったわけですけれども、実際には、我々はそういったものに気づきませんでした。今、この大北問題が明確になったときから、指導をしっかりしなければならないということで組合自身の指導もございますけれども、中核的な担い手である
森林組合が経営上の課題を抱えておりますので、それをしっかり自立的に経営改善をしなければならないということで、今、公認会計士の方や経営マネジメントができる方々をつけて経営指導を平成28年度から行ってございます。また、今年度につきましては、組合側が
自分たちもやらなければいけないということで、行動宣言を4月28日に出しまして、自立に向けた活動を、今、支援しているところでございます。
◆高村京子 委員 それは、アクションプランで示していただいていますので、わかるんですよ。だけどその前はどうだったのか教えてもらいたい。
◎河合広 信州の
木活用課長 大北
森林組合につきましては、もともと常例検査で2年に一遍、しっかり入り、平成18年のときから指示事項は大北
森林組合には出してございます。また、未収金や売掛金の早期回収、それから長期的なプランを立てなさいといったことをしっかりとやっておりますし、コンプライアンスについても平成21年にやっておったのですが、なかなか大北
森林組合としては、改善されてこなかったという現状でございます。平成25年にもしっかり検証を行いまして、検査の中でしっかり確認をしております。
◆高村京子 委員 2年に1回、常例の検査をやって、指摘してきたのだけれども、2年に1回では不備で大北
森林組合も襟を正してくれなかったということですよね。そうであれば、なおのこと長野県としては、行き過ぎた助言ではなく正面からの助言をしなければいけなかったと思いますので、
森林組合への指導・援助・チェックも、特に県民税が入っているわけですし、国からの
補助金もありということで、14億5,000万円ものお金がどういうことになったのか、どっかへ行っちゃったということでありまして、これは本当に
林務部としても襟を正して、
森林組合さんを厳しくチェック、監督をしていただかなきゃいけませんが、指導・援助という言い方に私はさせていただきたいと思いますが、それが必要だと思っております。
そんな中で、
森林組合だけではなくて、この間、先ほど
長谷川課長もおっしゃいましたけど、国におきましても造林事業の予算をふやしてきておりまして、平成18年には、国庫は21億4,000万円、そして県単が0.5億円ね。そして合計が21.9億円です。この中で、大北
森林組合は、2,500万円で1.1%なんです。ところが、その後の数年です。平成21年になりますけれども、国庫が35億5,000万円、県単が0.9億円、そして合計が36.4億円ですが、組合が何と4億円なんですよ。ということは、たった数年で、1.1%から造林事業の11.1%にふえているんですよね。2,500万円から4億円、実に16倍もふえているんです。このことをどう思っているのかということです。
林務関係の職員は、4名でかわりないですよ。それで予算を年内にやれって言ったわけでしょう。どうやってやるんですか、逆立ちしてもできませんよ。裁判では、雪が深くて
現地調査はできませんでしたと証言がありましたよね。だから裁判長は、信用できないと、本来、県のやるべき仕事をやっていなかったと、県は重大な過ちがあることを指摘しているわけじゃないですか。
今回、資料2を出していただいていますけど、反省がないですよ。大北
森林組合の再生でしょう、まず反省から入ってくださいよ。
森林組合に対してどうだったのか。そして、大北
森林組合だって、体力以上の予算をつけて、年内にやれって言ったわけでしょう。それでちゃんとチェックしなかったわけでしょう。
補助金を出したわけでしょう。私は反省があって、初めて県民の皆さんとの信頼関係、
森林組合や事業経営体との信頼関係があると思います。本当に誇りある森林県、そして林業で活性化していく長野県ということで、日本に誇る長野県になってもらいたい。それには
林務部がきちんとチェックしてこなかった、指導監督してこなかった、援助してこなかったことをまず反省していただきたいと思います。
それで、今、不起訴処分になったんですよね。長野県警の方が、地方検察庁へ書類送検をしたんですけれども、犯行は県の予算執行が目的であり、個人的利益は受けていないので、検察庁では起訴猶予で処分なしとしたんです。これは、皆さんの管轄ではないと思いますけれども、これで放置しておいていいのかと。その後に3月28日の判決ですよね。このことについてもしっかりとやってもらわなきゃいけません。それから、今、法的チェックをするということで、住民監査請求で出されました。それについて、9月12日までに結論を出すということなので、これについて伺いたいんですけれども、9月12日以降の流れはどうなるか、教えてください。
◎
福田雄一 森林政策課長 9月12日までということで、その後、どういうスケジュールで考えているかという
お尋ねでございます。9月12日と申しますのは、御指摘のとおり、監査委員の監査結果で、9月12日まで、いわゆる1年間ということで、その間に損害賠償等について、特に加算金について、どういう対応をするかということを、きちんと方針を出して説明してほしいということをいただいたわけでございます。当然、それまでの間に、法的課題検討
委員会での検討も進めて、さらに県としてどういうふうにそれを受けて対応していくかということは明らかにしていきたいと考えております。それ以降のスケジュールでございますけれども、どういう対応をとるかという内容によってまた変わってくるかとは思いますけれども、それに沿って、直ちに対応していく必要があろうかと思っております。それ以上のことについては、これからの検討になるかと思っております。
◆高村京子 委員 それでは最後の質問をさせていただきます。県の行き過ぎた助言があったんだということを言っておられて、判決でもこういう判決が出たんですけれども、
森林組合さんは、襟を正して、これから33年かけて返還していきますと、一生懸命経営改善に努めて、誠実に、御信頼いただける
森林組合になるように努力しますと。私は涙が出る思いで、大北さんのこれからの再生計画を見たわけです。実際に、県もこれから今まで以上に大北
森林組合の再生に向けてということで、御報告いただいているわけです。コケの生産・販売で頑張るということも言っていらっしゃいますが、独自事業ということでね。本当に33年間で8億8,690万円余を返還できるのか。私は逆立ちしても本当に御苦労だと、無理ではないかと思っているんです。
補助金の扱い、あるいは独自事業をどう支援していくのか教えてください。
◎河合広 信州の
木活用課長 平成28年度にこの返還計画を立てまして、平成32年までの5年間を集中改革期間ということで、しっかり体力をつけてから返還を行っていくということです。今までと同じ補助事業や
森林整備事業のほかに、燃料や原木キノコの販売、枝物の販売、緑化資材といったものを、順次、新たな視点で販売計画を立てまして、6年後の平成33年、返還が始まるときですけれども、そのときからは約1,200万円ぐらい、新たな事業で、順次、売上を伸ばしていきまして、最終的には、高性能林業機械等を充実させた中で、年間4,000万円を超えるお金を毎年返していくという計画を立てておりますので、何とかそういったものがしっかりとできますように県でも支援を続けてまいりたいと思っております。
◆高村京子 委員 ここ数年は、大北
森林組合さんにとっては本当に大変な年で、これをベースにということはできないと思うんですけれども。1,200万円にまず大台を乗せてそこから経年的に年間4,000万円の収入が得られるようにやっていくということですけど、本当に大変なことだと思います。林業県ですけど、林業で営めることは、大北
森林組合さんだけではなく、長野県下全域のあるいは場合によっては全国の課題だと思います。私は大北
森林組合さんにこれだけの返還を求めるのは、長野県として、一緒になって不正をやってきたと私は思っておりますので、丁寧に指導・援助していただくことが必要だと思いますし、一つ一つのことをみずからのこととして
林務部の皆様にもお願いしたいと思います。
大北
森林組合も人を減らしておりますよね。そして、県の職員さんもこの間、
森林づくり県民税の中で仕事が本当にふえているんですけれども、人はふえていないと思うんですよね。これから調査は2人1組でやるというわけでしょう。本当に大変だと思ってね。本当にその点では、職員の皆さん、御苦労いただいていることは、心から本当に感謝を申し上げますけれども、現実を直視したお仕事を、
補助金を県民が喜ぶ形で使っていただくと、今年度はそうですが、来年度以降はどうするか改めてみんなで考えるようにしていただきたいと思います。そのためにも、私は大北
森林組合のこのことを、本当に真剣に検証してからではないと、
森林づくり県民税をどうするのかは、しっかりと土台とした上での検討でなければならないと思います。県議会としても百条
委員会を設置して、議員の皆さんが一緒になって真相解明を求めていく必要があると思っております。以上です。
◆竹内久幸 委員 何点か質問させていただきます。まず、林地台帳の整備は、森林法の改正によって平成31年から県の協力のもとに
市町村事業としてスタートするということでございます。県の役割としては、都道府県が林地台帳原案を作成して
市町村に提供すると。都道府県として整備方針を作成することがうたわれており、本県の場合は、次世代森林情報整備推進事業によって、登記簿や森林簿の提供をもととする林地台帳原案、管理システムを作成して
市町村に配付するということで、今、
取り組みが行われているということでございます。
それで現況がどんなことになっているのかということで、今回、陳情も出ていまして、それを見ますと、平成29年度は、実施
市町村数及び予算額で2村になっております。台帳の絡みもあるし精度を高めていくことになると
市町村にとっても大変な作業が伴うと思いますが、現況の準備状況はどうなっているのか、お聞かせください。
◎
福田雄一 森林政策課長 林地台帳についての
お尋ねでございます。森林法の改正によりまして、平成31年4月から、
市町村が森林の土地に関する1筆ごとの台帳地図を作成して公表することが義務づけられたところでございます。御指摘のとおり、大量のデータの処理作業が必要となりますので、県としても全面的に支援していくということで、今、お話のございましたとおり原案の作成、登記簿と森林簿から原案を作成して、管理システムを作成し、さらにそれを
市町村に配付させていただく形で支援を行う予定としております。現在、原案作成や管理システムの作成に関する委託等を進めているところでございまして、今後、方針の策定や具体的な事業の進捗をしていくところでございます。
なお、
市町村の
取り組みということにつきまして、確かに
市町村側で、林地台帳の精度を高めていく作業を行わなければならないということでございまして、その部分については、
市町村側の負担もあろうかと思っております。こうした経費につきまして、地方交付税措置がされておりますし、
市町村の林地台帳の管理に必要なシステムに対する国庫補助制度もございますので、こうしたものも活用しながら精度を高める作業を進めていただくように、県としても十分な支援をしてまいりたいと考えております。
◆竹内久幸 委員 これが整備されれば、集約化にかかわる事務は加速度的に高まるのかどうか、どういう期待を持っているのか確認しておきたいと思います。
◎
長谷川健一 森林づくり推進課長 集約化にかかる
森林整備に向けた林地台帳の効果ということでございます。林地台帳につきましては、所有者の情報や地番等の位置の情報に伴う図面等が、
市町村等に配備されまして、集約化等を行う
事業者等に対して公開されるということになります。もちろんその情報の内容が、登記等をベースにしても正確なのかという問題は引き続き残りますけれども、まず所有者の情報がわかる手がかりにしていろいろなところを追っていけることは、集約化を進める上で重要な基礎的な基盤になると考えております。そういった中で、集約化の
取り組みも進めながら所有者の情報が間違っているとか、相続等が行われているという情報がつかめれば、それをフィードバックさせていく形で台帳の精度も上げていくということで、つくって終わりではなく運用しながらよりよいものに変えていく形になっていくのではないかと考えております。
◆竹内久幸 委員 それで、国で検討している環境税にも絡むのですが、まだ具体的な像が見えてこない。しかし、今までの論議の中では、府県がやっている県民税と併存という形の中で考えている話でございます。ただ、これも
市町村主体の事務になっていきますので、台帳整備だけでも人材が
市町村にそれだけあるのかどうか。税の絡みが出てきて整備に入っていくとなると専門の職種の方を
市町村に配置しなければなかなか動いていかない。そこが問題で、
森林整備が進んでいかなかったということもあるので、このタイミングでしっかり人材確保も含めて国にしっかり要望しておかなければまずいと。制度設計の段階ですから、今やっておくチャンスがあると思うんですけれどもその辺のところを部長に聞いたほうがいいですかね。
◎
山﨑明 林務部長 林地台帳、あるいは森林環境税の新たな制度に向けての
お尋ねでございます。ことしの4月からは、既にアドバイザー制度が、交付税措置がなされて、一定の技術を持った人間を
市町村に派遣したら交付税対象となる
仕組みは立ち上がっております。それで、国からは、新たな森林環境税に向けてのさまざまな方向で検討しているだとか、こんな課題はないかという意見も言う場を与えてもらっています。
市町村が主体的にきちっとできないケースが想定されますので、代行する
仕組みが必要ではないかとか、あるいはいきなり
市町村という話だけではなくて、いろいろな選択肢もできないかといった部分の要望は逐一入れているところでございます。そんなに時間をかけないうちに大きな方向性は整備いただく話のようですので、そうしたものもしっかり見据えながら、
市町村主体に整備が進められる体制づくりについては、しっかり県としても考えていきたいと思っております。
◆竹内久幸 委員 国の税の話は、税が
市町村に森林の面積なども含めたことを考慮されて、恐らく交付される格好になると思うんですね。ですから、交付される金額の中に人を配置するものも配慮いただきたいということをしっかり位置づけていただく段階かという気がしまして、申し上げた次第でございます。ぜひお願いしたいと思います。
それで、
森林税について、我が県と同じように更新時期を迎えている県が6県ございます。ほかに、課税期限を定めていないけれども、今年度に見直しの節目を迎えている県が2県ということでございます。
林務部の皆さんに調べていただいたんですが、結局、国の動向を見て、税の動向を見て、検討が中断しているところが県として3つあるんですね。その後どうなったかわかりませんけれども。ほか5県は県の方針を優先して継続していく話になっています。
それで問題は、我が県はどうするかということの判断になるわけです。今、税制研究会と県民会議に諮問していますから、その結論に立って判断することになると思います。ただ問題は、国の制度設計が見えない段階で、後になってこうですよと言われても、困ることがあるんですよね。私が申し上げているのは、今は検証している段階なので、その検証の結果で直すべきは、今の税のあり方についてしっかりと見直したり、つけ加えたりすることを、当面、暫定的に更新するとすれば更新して継続して、また国の全容がはっきりしたときに、それに基づいて見直しをするという方向が一番正しかろうかという判断をしているのです。今の段階では、国との絡みの中ではどんなニュアンスで、県は受けとめているんでしょうか。
◎
福田雄一 森林政策課長 国の森林環境税についての制度が固まらない状況で、県の
森林づくり県民税をどう考えていくべきかという御指摘でございます。確かに今年度期末で
森林税について我が県と同様に見直し時期を迎える県がほかにございまして、県によってさまざまな対応であると見ております。基本的には重複しないということで、県としての対応を進めるということで、継続の御判断をされたところもございますし、少し状況を見てから対処したいというところもございます。
率直に申し上げると、できるだけその内容については明らかにして進めることが必要かと思っております。反面、逆に継続することを前提といたしますと、来年度、それに基づいてどのような事業をやっていただくかということを、
市町村に十分考えていただく必要もございまして、ある一定の時期にはそれなりの判断をして進めていくことも必要になってくると思っております。
当然、その前に国の制度設計がどうなってくるかについては、できる限りの情報を集めて検証してまいりたいと思います。場合によりますと、今、お話のございましたように国の森林環境税がいつの時点から始まるかということはございますけれども、その段階で若干の影響が及ぶことになれば、使途その他を含めてさらに見直しをかけていくということも選択としてはあるのかなと思っております。
◆竹内久幸 委員 今は10年間の総括をしっかりやり、今の税の制度の中で何をやるべきかをしっかり論議いただく中で、その先を考えていくスタンスでよろしいかと思っております。
それで、更新するかどうかという問題の中で、最大の焦点だったのは、これから整備すべき里山の面積はどのくらいあるのかが焦点で、それを示していかなければ、なかなか理解が得られないという中で、しっかり精査していただきました。その結果、緊急的に整備しなきゃならないのが4,000ヘクタールで、保安林などに指定して治山事業で対応していくと。当面、優先的な要整備の森林が1万5,000ヘクタールということで、その中でも特に当面は非常に混み合って緊急な整備が必要なところが3,000ヘクタールということである程度出されてきていて、さらにいろいろな高性能の航空写真とかいろいろなものをこれから使いながら、さらに高めていくということですから、私はそれでいいと思います。基本線に沿って、それを柱にして制度をつくっていくことだと思います。
ただ問題は、私も時間があれば税制研究会の論議を傍聴していますし、見ているんですけれども、どうも、税制研究会とみんなで支える森林づくり県民会議との論議に溝があり過ぎる。一部の地元の新聞社では、みんなで支える森林づくり県民会議は林業関係者等でつくっているといって、誤解を与える報道をされて、そうしたらその後で
市町村がつけ加わったんですけれども、それだけじゃないんですよね。ですから、ある意味、税制研究会の座長は、みんなで支える森林づくり県民会議が継続の方向を打ち出したという新聞記事を読んだり、あるいは市長会や町村会が知事に要望書を出したということが、やけに盛り上がっているようだけれども、私どもはそうじゃないみたいな言い方をして。私どもは、超過課税である以上、県民の皆さんからいただいている税金に対して、それが必要なのかどうかということを審議するんだと言っているんですけれども、感情に満ちた言い方をしている。
問題は、みんなで支える森林づくり県民会議だって、10年間の総括をした上で、ではどうしましょうかという話の中で、この税は必要なのかどうかの論議をしているわけですね。はっきり言って、お互い感情的になっている可能性があると思って見ています。それでお聞きすれば、税制研究会は10日に会議を夕方ごろから持つということになっているようです。恐らく今度の会合の中では、座長が誘導したやり方で運営していると思うんですよ、はっきり言って。それで、ほかの人はあまり発言しない雰囲気になっている。だから、皆さんに言ってもしようがないかもしれないけど、委員の皆さんが率直にこの税は必要なのかどうかの論議がしっかりできる運営をしていかないと、そういうふうにしていくべきではないかと思っています。これは答弁を求めても皆さん困ると思うので求めませんけれども、今、不穏な動きでそうなっているのでどうなるかわかりません。ただ、健全な論議をお互い心がけて真摯にやっていくことが大事だろうと思っています。
そんな中で幾つか提言だけさせていただきます。森林県から林業県を知事が掲げて、本県の方向として出しているわけです。これは今回の一つのポイントになるのではないかなと。税を継続する場合に、その方向に対して税制度の中で何ができるのかをしっかり考えていかなければならないと思っています。岡山などの場合には、木材関係団体の県産材製品販路拡大のために、中国・韓国へ販路拡大のための出展を支援する事業などもその税の中に盛り込まれていたりするんですよね。だから、どういう方向がいいのかを、ある程度盛り込んでいかなければならない。
今までの論議は、税制研究会ですが私ども議会にも責任があると思いますが、
森林税自体に枠をはめて使い勝手の悪い制度にしてしまったことも私は反省しています。それは特に支援金の中の話でありまして、この支援金が、今、残念ながら税制研究会の中で自由に使い過ぎるじゃないかという話で逆行した論議になっている。自由に使えないのだったら、ではどういう位置づけでほかのところに分けて使っていくのかという発想も必要だし前向きな論議をしていただければと思います。
そういうことも配慮しながら、今回やった支援金の中でいろいろ見ていると松くい虫事業が一番多いんですね。次に多いのが景観形成に関する
森林整備の
取り組み、そして次に多いのが野生鳥獣に対する防護柵等の整備事業になっているんです。これは、どこの県でも、特に竹林も含めてそうですけど、かなりウエイトを割いている部分であります。単に支援事業の中に一番多いものを一括して中に入れるのではなくて、枠の外に出して制度設計することも考えなきゃいけないと思っています。最後に松くい虫対策をやりますけど、また別の一般財源の中でやっていくべきことは拡大してやっていかなきゃいけないと思うので、それは最後に申し上げたいと思います。
それから、樹齢が利用可能な段階を迎え、伐採して生産材に使っていくことからすれば、今度、再造林する事業をどうやって
森林づくり県民税の中に入れていくかが大事になってくると思います。
まだまだ申し上げたいことあるのですけれども、前向きに論議をしていただく方向を雰囲気としてつくっていただきたい。
あと松くい虫の話を申し上げますが、今まで松くい虫対策の事業として、県で予算化してきたものは、国の国庫補助、県単も含めてその推移はどんな状況になってきているのか確認しておきたい。例えば10年前はこのくらいだとか5年前はこのぐらいとかの推移はどんなものでしょう。
◎
長谷川健一 森林づくり推進課長 これまでの松くい虫対策にかかる予算等についての
お尋ねをいただきました。松くい虫の被害につきましては、本県では昭和56年に最初に見つかっておりまして、そのころから対策予算を計上させていただいているところでございます。そうした中で、平成7年ごろから被害が非常に多くなってきまして、対策予算もそれに応じて増加してございます。平成7年にピークを迎えておりまして過去最大の予算ということで、国庫、県費を含めまして総額で9億8,500万円の予算が組まれてございます。このうち国費が約1億9,500万円で残りは県費の一般財源で賄っていた経過になっております。
この中で、10億円近い金額をお願いする時期が、平成15年まで継続している状況でございます。そうした中で、平成15年に薬剤の散布に対するさまざまな声がありました。この時期ですと薬剤散布は、現在の3倍、4倍近い数量をやっていたわけなんですけれども、それに対するさまざまな御意見がございました。これはいわゆる県の部分だけでして、これにさらに
市町村の負担分もありますので、そういった中での財政負担の問題等もありまして、平成15年に、国から出された考え方なども踏まえながら方針を転換し、発生した被害木を処理していく方針でやっていたものを、守るべきところに重点化して守っていく方針に転換しました。予算につきましても、総額で2億円から3億円ぐらいの規模まで圧縮し、
空中散布等につきましても3分の1から4分の1まで
エリアを圧縮をする対応をとってきているところです。そういう中で、残念ながらその対策を少し限定するという中で、被害については少し増加してきているという経過になっている状況でございます。
◆竹内久幸 委員 そうはいっても、今議会の中でも当
委員会でも取り上げられてきたんですけれども、大変な被害が広がっている現況の中で何とかしなきゃいけないという
気持ちは、県民等しく抱いているんじゃないかと思うんですよね。マツタケの関係も絡みますけど、財政が厳しいからいいのだということではなく、しっかり来年度予算あたりで集中的に2年、3年計画でやっていくべきだと思いますが、
林務部長はどう思っていますか。
◎
山﨑明 林務部長 一旦顕在化してしまったものを沈静化させるのには、相当の苦労を伴う話です。来年に向けましては、予算の中において、今、
森林税も含めて、いろいろな御意見を
市町村の皆さんからお聞きすると松くいに対する御要望は非常に多いです。こうしたものは、通常の事業の中でも芽出しできる努力は部としてすべきだと思っておりますので、その点については、しっかり検討してまいりたいと考えております。
◆竹内久幸 委員 特に町村とか市にも、被害の多いところは、市長だ、町長だ、村長だ、あと議員もそうですけど何とかしろよと日常的に言われるのが率直な姿じゃないかと思うんですよね。ですから、そんな姿勢を持ってやっていただきたいということで、委員長、ぜひ当
委員会の委員長報告には入れていただくよう、来年度の予算増額をですね、お願いしておきたいと思います。
それで、一つ言い忘れたことだけ申し上げます。搬出間伐が進まなかったということですね。国庫補助の事業に流れた結果、
森林税の規模が減ってしまったということで、これは制度的な問題もあるんですけれども、問題は、間伐材の加工・消費が県内に限定されていたということで、
立方当たり3,500円の補助を条件つきで出して交付したということです。これは見直していくべきだと思います。搬出間伐は大事なことでして、間伐材が使われるか使われないかということなんで、それを県内限定と言ってみたところで仕方ない話だし、付加価値をつけて対応していくべきだと思います。
今井委員が言っていました河川木について、河川課からも陳情されていまして、そのことを加えていただいて、何を言いたいかというと、税金を使い切るために言っているんじゃなくて、困っている課題をどう解決していくかということでいけば、県庁内に財政上で困っているところはいっぱいあるわけですよ。特に住民要望は多いけどできないところはあるんですよね。そういうものも精査してやりますということじゃなくて、そういうことも拾っていくということも視点としては大事かなということであえて申し上げておきたいと思います。
最後になりますけど、県有林についてです。県有林もぼちぼちいい樹齢というか、迎えてきていると思います。これも県民の財産ですから、伐採する時期を迎えているところはどのくらい比率としてあるのか、わかれば教えていただきたいと思います。
◎
長谷川健一 森林づくり推進課長 県有林の現状についての
お尋ねをいただきました。県有林につきましては、今、203団地、1万7,000ヘクタールを経営しておりますが、人工林が77%という形になってございます。そういった中で、かなりの部分が9齢級等の主伐の時期になってきております。具体的には、針葉樹の関係では、面積で700ヘクタール等が主伐を迎えてきている状況になってございます。昨年度は、第10次の経営計画を策定しまして、今後5年の経営を計画したところです。民有林全体に対する見本になっていく観点からも、積極的に主伐の計画を組んで、ある種の実験場としてどれぐらいのコストで更新し、それが所有者にどれぐらい戻るのかということもしっかり実証していきながら、林業センター等とも連携しながら
情報発信に努めていくということで、県有林につきましても、主伐と再造林に積極的に取り組んでいきたいと考えているところでございます。
◆竹内久幸 委員 これから林業県を目指すということですから、その模範をしっかり示していただけるようにお願いしたいと思います。なお、今、計画という話がありましたけど、ぜひ私どもにも計画を御説明いただく機会をよろしくお願いしたいと思います。以上です。
○鈴木清 委員長 午後2時50分まで休憩を宣した。
●休憩時刻 午後2時34分
●再開時刻 午後2時50分
○鈴木清 委員長 再開を宣し、委員の
質疑等発言を許可した。
◆高橋宏 委員 長野県の民有林は69万ヘクタールと言われております。前の
委員会で、69万ヘクタールのうち皆さんが里山と言われる里山はどこが境ですかと言ったら、あまりないみたいな話になり、それで議論は終わり、
委員会が終わったからそのままになりました。県民の皆さんに、ここが里山ですよということがわかるようになっているのかどうか。例えば私のところで言えば、戸隠のどの辺までならおおむね里山なのか。そういうことが地域の皆さんにわからないと、住んでいる人も里山に住んでいるという
気持ちには、なかなかならないのではないか。
森林税を始めたときに、対象となる場所について県民が基礎的に知っていたのかどうか。俺の住んでいるところは里山だよと。長野市に小野平というところがあるんですよ。約1,000メートル。人が住んで、お寺もちゃんとある。だから、それも里山だということになると、みんな里山になっちゃうわけ。里山の定義というのは、この前のときも
委員会で、私、さんざん言ったのですがわからないで終わっちゃった。
里山と言ったって、県民の皆さんが自分の住んでいるところは里山なのか。人が住んでいればみんな里山だから長野県中みんな里山になっちゃうという理屈になるわけでございます。里山を決めるのは標高なのか、住んでいる場所が里山なのか、里山の定義を明らかにして共有することが
森林税を実施していくうえで基礎的なものではないかと思いますが、その辺のところは、どういう感覚で里山というものを使っているか。
それから同じ里山でも、そんな山は知らないと、何代も相続してないところがある。それからこの間、所有者の同意書をもらえずに実施して
補助金を返したという話もありました。
それからこの間大町の話がありました。一体、地域振興局の中で、大町の里山はどこからどこまでですか。地域振興局ごとに計画は立てていると皆さんたちは言っているわけです。だから里山として、地域振興局ごとに何ヘクタールずつあるという感覚は持っているのかどうか。
◎
福田雄一 森林政策課長 里山の定義及び、とりわけ
森林税の対象としての里山についての
お尋ねでございます。まず里山の定義でございますけれども、ふるさとの森林づくり条例がございまして、この中では、人により利用もしくは管理がなされているか、またはこれがかつてなされていた身近な森林という定義づけがございます。こうした里山が具体的にどのくらいあるかということでございます。本県の民有林が、立木があるところで66万1,000ヘクタールということでございます。このうち、住宅や農地に接する森林の区画をカウントしますと、40万ヘクタールほどという状況でございます。これがおおむね里山全体の面積ということになろうかと思っております。
このうち、
森林づくり県民税で対象とするのは、里山の中でも特に手入れの遅れている
個人有林で、整備を進めたいということでございます。
個人有林で点在していること、それから保安林など公的な管理を行う森林を除くなどの条件で絞り込みを行いまして、第2期の
森林税を開始するときに、整備の必要な里山は、6万8,000ヘクタールあると試算したところでございます。このうち10年間で約3万2,000ヘクタールの間伐が実施される見通しであり、残りが3万5,000から3万6,000ヘクタールであると申し上げたところでございます。
なお、
森林税の対象となる里山を一般の県民の方に知らせていく、明らかにしていくことが必要ではないかというお話でございます。県民会議でも、今後の方向性として少し私どもから出させていただいた資料の中に里山整備利用地域という制度を活用したらどうか話をさせていただきました。里山整備利用地域と申しますのは、森林づくり条例の中に定められている制度でございまして、一団の森林を対象として自発的な活動をするための体制が整備されている森林につきまして、
市町村長からの申し出によって認定する制度でございます。地域住民が自発的に行うだけの意思があって、協議会ができているところを指定させていただくわけであります。そうした活動を県として積極的に支援していくんだという位置づけに条例上もなっております。地域指定を積極的に進めていくことも、今、委員おっしゃったように、対象となる地域を明らかにするという意味では、意味のあることと思っておりますので、そうしたことも含めて検討してまいりたいと考えております。
◆高橋宏 委員 最初の1期のころは、そんな詳しくは説明がなかった気がするんです。先ほど3万5,000から3万6,000ヘクタールが残りだとおっしゃったが、理屈で言えば20年かかればできるということになる。その間、
森林組合に作業を委託して請け負う皆さんたちの意識がきちんとかみ合わないと絵だけ描いて終わってしまいます。その中で、地域振興局のそれぞれの林務課は、10年の計画をつくるなり、5年の計画をまずつくって次の段階に入っていかないと、どこを整備するかわからないのに
森林税だけ続けたいというのではなく、細かいことが積み上がって、みんなで協力してほしい。
地域の人がきちんと理解できるようになっていないと、
森林税の整備はうまくいかないんじゃないかなと。先ほどから申し上げているように、地域の人が、俺の家の山、私たちの山、俺の地区の山という意識をまず持っていかないと。自分の家の山の境でさえわからないし、自分の家の山はどこにあるかと。たくさん持っている人は、しっかりやっていると思いますが、もう山を放りつけてあるから。みんなに関心をもってもらうことが林業政策だと思っておりますので、これからしっかりやっていただきたいとお願いしておきたいと思います。
それからもう一つは、戦後植えた木が伐期になってきたということで、これから先が大変だと。プレミアムカラマツがあっても利用するのがたくさんあるのかどうか。販売は、県が、
森林組合と相談しながらだろうと思うのですが、先頭に立っていただかなきゃいけない。でき上がってきた原木、あるいはそれを製品化した販路開拓には、大変な努力をしていらっしゃると思います。その辺のところも含めて、組合員に理解していただいて、協力してもらうことも大切なことかなと思います。
森林組合の役割や組合員の役割を指導したり、相談を受けたりするのは、長野県の林業行政の皆さん方だと思っていますので、これからの出口対策にしっかり取り組んでほしいと思います。
また、これからカラマツはいいと皆さんのところの報告では書いてあります。カラマツを植えたところはいいが、スギやヒノキを植えたのも皆さんの指導によってのところでございますので、その辺のところをお伺いしたいと思います。
◎
山﨑明 林務部長 大きく分けて2点
お尋ねかと思います。一つは、地域の人がしっかり里山を認識しながら、どこにどんな必要性のある山があるかをきちんと共有して進むべきだと理解させてもらいました。今、レーザーセンシングの技術を使って、どこに危険箇所があるのかということが、つまびらかにわかる
仕組みがようやく4月からでき上がりました。今後、地域にお示しをして、その中で、解消すべき危険箇所を含めて、どこを地域で整備したらいいかを具体的に議論していただこうと思っています。今まではどちらかというと、地域の中でどこがやりやすいかを優先したのですが、そうではなく、科学的にどこが危険箇所で、どこを整備するべきかということをしっかりお示しした上で、全体のまとまりをつくっていく議論をまずは立ち上げていく格好に変えていきたいと思っています。
もう一つ、カラマツ等を含めた出口戦略をどうするべきかという話かと思います。実はこの出口戦略は、一番重要なことだと思っています。幸いにして長野県の大宗を占めるカラマツは、今、強度が認められて、合板を主体とした需要が非常にありますので、全国一律にあるスギと比べると、価格は高い状況です。さらに言えば、建物の梁とか横架材の部分は、外材が多く占めている分野になります。本来は、そこは
アカマツが非常に有力な分野だったんですが、松くいの問題もあって、
アカマツは、かなり貴重なものになってきていますからカラマツを横架材の部分でしっかり使っていくのは、非常に伸びしろがある分野だと思っています。
そうした話が、カラマツだけではなくヒノキもスギもいろいろございますので、今、それぞれの地域の皆さんにお集まりいただきながら自給圏としてどういう出口をしっかり考えていくかを練っているところですので、長野県として、育成いただいた木が付加価値をつけて売れる形の戦略をしっかりつくっていきたいと思っているところでございます。
◆高橋宏 委員 組合員は、危険なところから優先的にやっていけば、飯山の災害でも手を入れていたかもしれない。土尻川みたいな砂防を専門にやっているところは、早く手を入れなきゃいけないということもわかるわけですね。ところが、私の地元でも堰堤を入れるときに森林を持っている人の理解が得られないという部分があった。県民に理解していただくことも含めて、
森林税を使いながら一緒にやっていただければありがたいということなんですよ。1人の人がうんと言わなければ、堰堤一つもできないわけでございます。危険度の話と両方するんですが、なかなか理解が得られないし、地域全体で話してもあの家の山だからで終わっちゃうわけですよ。だから
森林税で一緒に整備するから皆さんもお願いとしていかないと、
森林税の価値も県民の皆さんに協力していただけることがないのではないかと思うわけでございます。
長野県全体の山林を守ると同時に、長野県の全体を守るということで、災害からも守ることになって、皆さん方の大事な基礎のデータをつくったりするものがあると思います。そういう意味で、これからの林業行政をしっかりやっていただくことを念じて、質問を終わります。
○鈴木清 委員長 よろしいですか。今の
森林税を活用した里山整備や
取り組みについて、各委員から発言がありましたので、総括的なまとめの答弁を部長どうぞ。
◎
山﨑明 林務部長 いよいよこれから県民会議では、使途も含めた多様な議論をいただくこととなっております。また、税制研究会では、超過課税という制度になじむのかどうかといった部分で、厳密なチェックをいただく格好となっておりますので、
林務部としましては、しっかり資料を提供し、委員の先生方の議論にきちんと答えられる対応をしてまいりたいと思っておりますので、よろしくお願いしたいと思います。
○鈴木清 委員長 ほかに御発言もありませんので、以上で質疑を終局いたしたいと思いますが、これに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
御異議ありませんので、質疑を終局いたします。
ただいまから議案の採決に入ります。最初に、報第1号「平成28年度長野県一般会計補正予算(第5号)の専決処分報告」中、第1条「第1表 歳入歳出予算補正」中の歳出、第7款 農林水産業費、第4項 林業費について、採決いたします。本件、報告のとおり承認すべきものと決するに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
御異議ありませんので、本件は報告のとおり承認すべきものと決定いたしました。
ただいまから陳情の審査を行います。当
委員会に付託されております
林務部関係の陳情を一括して議題といたします。過日、お手元に配付いたしました審査資料をごらん願います。
林務部関係の陳情は、継続分2件、新規分6件であります。
なお、審査に際し、継続審査とする旨の御発言をされる場合は、なるべくその理由を一緒に述べていただくようお願いいたします。また願意が複数ある陳情で、その一部が採択できないために継続審査と決定した場合は、付記事項として陳情者に通知することについて、その都度お諮りすることとしたいと思いますので御了承願います。
審査手順についてあらかじめお諮りいたします。最初に継続審査となっております陳情2件を、続いて新規の陳情6件について、順次、審査をお願いしたいと思いますが、これに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
御異議ありませんので、さよう決定いたしました。
まず継続分の審査を行います。継続分の審査に当たっては、2月定例会以降、状況に変化のあるものについては取り出して審査を行うこととしたいと思いますが、これに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
御異議ありませんので、さよう決定いたしました。
それでは継続審査となっております陳情について、状況に変化がありましたら理事者から説明願います。
◎
福田雄一 森林政策課長 それでは、陳第248号につきましては、2月定例会以降の状況に変化がございますので、御説明を申し上げたいと思います。まず1点目でございますけれども、本年3月23日に、大北
森林組合の
補助金返還債務にかかる履行期限を、平成33年7月末まで延長する処分を行うとともに、同組合から提出されました新たな事業経営計画、
補助金等返還計画をおおむね妥当なものと判断し、県の調査を強化した上で、適正と認められる場合には、
補助金を交付することとしたところでございます。
2点目といたしまして、3月28日には、
補助金適正化法違反の罪に問われた大北
森林組合及び同違反と詐欺の罪に問われた組合の元専務理事の判決公判が開かれまして、組合に求刑どおりの罰金100万円、元専務理事に懲役5年の実刑判決があり、組合、元専務理事ともに控訴せず、判決が確定をしております。
3点目でございますが、関係者に対する損害賠償請求につきまして、法的に複雑でさまざまな課題を、専門的かつ客観的な視点から検討するための検討
委員会を4月28日に設置し、複数の専門家の視点で検討を鋭意進めているところでございます。
また、陳第384号につきましては、状況に特段の変化はございません。説明は以上でございます。
○鈴木清 委員長 ただいま状況に変化があるとされました陳第248号につきまして、取り出して審査いたします。陳第248号について、理事者の説明はいかがいたしましょうか。
●閉会時刻 午後3時30分
△採決結果一覧
(付託議案)
▲報告のとおり承認すべきと決定したもの(簡易採決)
報第1号 平成28年度長野県一般会計補正予算(第5号)の専決処分報告中
第1条「第1表 歳入歳出予算補正」中
歳出 第7款 農林水産業費
第4項 林業費
(陳情)
▲採択すべきものと決定したもの
陳第401号、陳第402号、陳第403号(簡易採決)
陳第404号(挙手採決)
▲継続審査としたもの
陳第384号、陳第400号(簡易採決)
陳第248号、陳第421号(挙手採決)...