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  1. 長野県議会 2015-10-06
    平成27年 9月定例会農政林務委員会-10月06日-01号


    取得元: 長野県議会公式サイト
    最終取得日: 2023-06-16
    平成27年 9月定例会農政林務委員会-10月06日-01号平成27年 9月定例会農政林務委員会 農政林務委員会会議録(その2) ●招集年月日時刻及び場所   平成27年10月6日(火)午前10時30分、議事堂第4委員会室に招集した。 ●出席した委員の氏名    委  員  長       荒 井 武 志    副 委 員 長       両 角 友 成    委     員       平 野 成 基       同          清 沢 英 男       同          丸 山 栄 一       同          百 瀬 智 之       同          小 山 仁 志       同          藤 岡 義 英       同          高 橋   宏 ●欠席した委員の氏名    な し ●説明のため出席した者の氏名 (農 政 部)
       農政部長          北 原 富 裕    農業政策課長        濱 村 圭 一    農業技術課長        上 杉 壽 和    園芸畜産課長        伊 藤 洋 人    農地整備課長        田 中 庫 夫    農村振興課長        中 島 賢 生    農産物マーケティング室長  西 原 光 男 (林 務 部)    林務部長          塩 原   豊    林務参事          久保田 俊 一    森林政策課長        小田切   昇    信州の木活用課長      市 村 敏 文    県産材利用推進室長     春 日 嘉 広    森林づくり推進課長     前 島 啓 伸    鳥獣対策・ジビエ振興室長  宮   宣 敏    全国植樹祭推進室長     河 合   広 ●付託事件   10月5日に同じ ●会議に付した事件   前半(農政部関係)10月5日に同じ   後半(林務部関係付託事件のうち1、3、5、7及び10並びに林務部関係所管事務一般 ●開議時刻 午前10時28分 ●荒井委員長  開会を宣した。  ▲ 日程宣告    前半 農政部関係の審査    後半 林務部関係の審査  ▲ 議題宣告(農政部関係)    付託事件及び所管事務一般を一括して議題とした。 ○荒井武志 委員長 理事者から発言を求められていたので、これを許可した。 ◎中島賢生 農村振興課長 昨日、小山委員から質問がございましたハイパールを栽培している障がい者施設について、お答えをさせていただきたいと思います。ハイパールというのは、県の野菜花き試験場キリンホールディングスが共同して、平成23年に育成しましたケールの品種でございまして、健康飲料としても知られている青汁の原料でございます。この品種、抗酸化成分が従来品種に比べて大変高いということが特徴でございます。栽培はヤクルトヘルスフーズの青汁商品「ハイパーケール」の原料として、県内限定で栽培されておりまして、平成27年度は23の生産者が1.6ヘクタールほど栽培をしております。  無農薬・無化学肥料で栽培されているということで、ハウスを防虫ネットで覆って、害虫の侵入を防ぐということが最も大切になるわけですけれども。それ以外には、難しい管理作業がなく、初めての方でもつくりやすいということ。また、収穫は茎から葉を手でかきとるということで、特に道具も必要としないということでございます。こういうことから障がい者が取り組みやすいということでございまして、現在、4施設で栽培をされております。来年には新たに2つの施設が栽培を計画しているという状況でございます。以上でございます。 ○荒井武志 委員長 理事者から提出資料の追加について発言を求められていたので、これを許可し た。 ◎濱村圭一 農業政策課長 別添追加資料「県議会9月定例会 農政林務委員会追加提出資料」によ り説明した。 ○荒井武志 委員長 委員の質疑等発言を許可した。 ◆藤岡義英 委員 おはようございます。私からも質問させていただきます。私からは、時間が許せばですが、4点、質問しようと思っています。一つは、昨日も小山委員が質問されました南牧村のひょう害のことと、それから、今、説明いただいたTPPの問題、それから3つ目はトラクター事故に関する質問、そして菜の花の生産の普及のことについて、4つ質問したいと思います。  最初にひょう害についてですが、小山委員からも質問がありましたが、8月上旬に、ひょう害があって、それに向けての県の支援はというお話です。県は、村から県の補助を出すようなメニューの支援の要請がなかったという答弁だったわけでありますけれども。それで大丈夫かなということで、私もその後、南牧村の担当の方にお電話させていただきまして、お聞きさせていただきました。現時点の南牧村の支援策としましては、5,000万円という額が決まっているそうであります。ただ、まだどのように支援するかという内容がまだ定まってないというそうであります。  一方で、川上村のように、壊滅的ではなくて、一旦、玉の大きさを小さくして出荷するという方法で、何とか被害額を出さずにクリアをしたというケースが川上村であったように、南牧村でも、場所によっては小玉で出すというような形で何とかできたところもあるというものの、農協でいうと支所が2つありまして、南牧支所のほうは、出荷量はもちろん落ちると思うんですけれども、今回、逆に売上は伸びたらしいですね。全体的に出荷量が減っているので価格も上がったのかもしれません。一方で野辺山の支所のほうは、出荷量もダウンしていますし、売上もダウンしているということで、被害によっては困っている人もまだいるということがはっきりしているのかなと思います。  実際に壊滅的打撃を受けて傷がついたレタス、これについては、何とかもってくれればいいなと思ったんですが、お盆明けの長雨で、結局、傷ついた部分から腐ってしまって、結局、出荷できなかったという農家もいるということで、引き続き何とかそういう人たちを支援していかなければいけないというのが村の立場であります。  そういった点で、村の方のお話ですと、今後、もしかしたら、その被害農家の方への支援策が決まっていく中で、県としてもぜひ支援できるものがあったら、それはぜひともやってほしいというお話をきのう聞いたんですが。そういった点で、村に対して、今後、県はどのように対応されていくのかということを答えていただきたいと思います。 ◎濱村圭一 農業政策課長 昨日も申し上げたとおりの話でございますけれども。私どもとすれば、当時、村のほうに確認したところ、今回はいいですという話があったものですから、9月補正では対応しなかったという経過がございます。ただ、まだまだそういった意味では、被害に遭って苦しんでいる農家もいらっしゃいますので、まずは技術的な指導といった形で、農業改良普及センター中心に、今後の対策はしっかりやっていきたいと考えておりますし、もしそれ以外にもまだ村のほうで何かございましたら、それは私どもしっかり受けとめた上で、検討していきたいと考えております。 ◆藤岡義英 委員 ぜひとも村の対応に、県でも寄り添って対応していただけたらと思います。この質問は以上にしまして、TPPの問題に移りたいと思います。TPPに関しては、今、報告がありましたが、米については、新たにアメリカに対して5万トン、行く行くは7万トンと。オーストラリア向けには6,000トンの無関税輸入枠を設定して、その13年後には8,400トン、合計すると7万8,400トン、輸入枠を拡大すると。牛肉に関しては、38.5%の関税を協定発効時に27.5%にし、16年目以降は9%まで引き下げると。豚肉は10年かけて最も安い部位の肉にかけられている1キロ当たりの482円の関税を50円まで下げるということとか、乳製品、バターも低関税でいくということであります。  確認したいのは、長野県として、このTPP交渉に向けて、国会決議を絶対守ってくれと要望していたかと思いますが、これには変わりないのでしょうか。確認です。お願いします。 ◎濱村圭一 農業政策課長 国会決議をしっかり守っていただきたいというのは、その都度その都度、私ども申し上げてきたところでございます。昨日の夜中の12時前後から始まりました大臣の発表を聞いておりますと、大臣のコメントとして、関税撤廃は認められないという決議を踏まえて交渉してきたということを言っておりました。今後、国会の中でそういったことも踏まえて審議していただくことになるかと思いますので、私どもとしては、コメントは差し控えさせていただきたいと思います。 ◆藤岡義英 委員 国会決議、もう一回確認したいと思うんですけれども。国会決議、私も改めてまたじっくり読みましたが。1、全部読むと時間がないので省略しますが、米、麦、牛肉・豚肉、乳製品、甘味資源作物など、これ、重要5品目と言っていましたが、これは、引き続き再生産可能となるよう除外または再協議の対象とすることという決議なんですね。さらに、これは1ですけど、6つ目のところには、農林水産分野の重要5品目などの聖域の確保を最優先し、それが確保できないと判断した場合は、脱退も辞さないものとすることって書いてあるんですね。聖域という言葉を辞書で調べたら、手を触れないということなんですよ。このTPPに参加するときに、TPPそのものは例外なき関税の撤廃というとんでもない内容だから、これは参加しちゃだめだっていう議論をずっとしてきました。ですけれども、いや、例外もあるんだと。いろいろなものが撤廃される可能性はあるけれども、重要5品目だけは聖域化されると、確保されるからということで、政府も交渉の参加を表明し、長野県も農業県だけれども、重要5品目が聖域化されるという約束がされた国会決議を守ってくれということで、阿部知事を初めとする長野県農政部としましては、参加やむなしというスタンスをとられたのかなという判断をするわけであります。  つまり、TPP交渉はやむを得ないけれども、この5品目は聖域化するんだぞということをもって、この状況を見守ってきたと。私は、6月の委員会で農業政策課長に質問しました。このさまざまなマスメディアの報道でいくと、いろいろな譲歩をされている部分が出てきていると、米がさらに5万トン、輸入されるんじゃないかとか、牛肉は関税を引き下げるんじゃないかと話をしたときに、そのときに農業政策課長は、政府のこの国会決議を守っているという立場を信じているという答弁をされていたんですね。今、現実、農林水産省が発表したこの結果を見て、どうですか、守られていると思いますか。 ◎濱村圭一 農業政策課長 繰り返しですけど、大臣は、あくまでもそれを踏まえてやってきたと申し上げておりますので、私としてはそれを信じて国の対策を見守っていきたいと思っております。 ◆藤岡義英 委員 大臣が守ったかということではなくて、実際に出た結果がこのように出ていて、これは明らかに譲歩していますよ。聖域化してないんですよ。重要5品目も交渉の材料にしているんですよ。これは、県だけじゃなくて、長野県議会としても、これはどの会派関係なく、全会派でこの国会決議、絶対守ってくれという決議も上げているんです。本当にこれは県議会としても許せないなという思いで、これはほかの会派の皆さんとも話し合っていく内容ですが、しっかり抗議しなきゃいけないなと。長野県の農業、本気で守らなきゃいけないなと思えば、絶対抗議しなきゃいけないという問題だと思っている中で、長野県としても、私は本来ならば、とんでもないと、こんな結果だったのかと。マスメディアでどんどん情報が出されていたのにもかかわらず、あれはマスメディアのあくまで情報で、正式な情報は入っていないのでっていうことで、ずっと、皆さんは情報収集に努めると言いながら、情報収集できていませんでしたよね。きょう、発表になった時点で、こんな事態になっているということで、深刻に受けとめられていないんですか、これ、農政部長もお答えいただきたいと思います。 ◎北原富裕 農政部長 昨日の大筋合意の部分でございますけれども、一つには、先ほど藤岡委員からの聖域なきというところですけれども。これは、御確認ですけれども、国会決議の中の前段にあります、政府は、この日米首脳会談において「聖域なき関税撤廃が前提ではない」旨確認したということですよね。ここにつきましては、聖域なきというものの読み方はいろいろあろうかと思います。全てを関税撤廃するということではないという読み方もありますし、藤岡委員がおっしゃるとおり、聖域なきというのは手を一切つけないということの、読み方はいろいろあろうかと思います。  そこにつきましては政府の判断ですので、私ども、コメントは差し控えますけれども、私どもは1と8ですね。先ほど言いましたように、重要5品目について引き続き再生産可能となるよう、除外または再協議の対象とすること。10年を超える期間をかけた段階的な関税撤廃も含め認めないこと。関税撤廃という言い方をしていまして、私ども、政府はきのうの甘利大臣、それから総理の御発言の中で、関税撤廃ということに対しては、回避はできたんだという一つの判断をされていると認識をしております。それから8にございますけれども、国内農林水産業、関連産業及び地域経済に及ぼす影響が甚大であることを十分に踏まえて、政府を挙げて対応することという、この部分が、国会決議の中で、私どもがぜひとも守っていただきたいということ考えております。  ですので、今回の交渉結果、農業者の皆様方にとって、非常に、将来にわたって大きな影響が懸念される内容も含まれていると考えておりますが、その具体的な内容につきましては、これから国の説明、それから内容を精査する中で、私ども、十分に検討していきたいと考えておりますし、あわせて、仮に危惧される状況があるとすれば、それに対しての政府としての国内対策、これはきちんとやっていただいて、長野県の農業者、また国内の農業者にとって大きな影響のないようにしていただくということが政府としての責務ではないかと考えております。 ◆藤岡義英 委員 8番さえ守ってくれればいいのかなという答弁に聞こえたんですが。これは、1から2、3、4、5、6、7、8、全てを守ってもらうのが国会決議なんで。聖域なき関税の撤廃というのは、このTPPは本来、5品目も全て例外なく全部関税撤廃するんだという条約だからとんでもないという議論が始まって、そうではなくて、5品目は聖域化できるんだと、聖域化できるから交渉をさせてくれっていうことで、国民も、農協も含めて、5品目が聖域化されるのであれば、またこの1から8が全部守られるのであれば、仕方ないのかなという議論だったわけですよ。でも、きのうの結果、守られてないということが、私はこの数字を見て明らかになったのかなと思います。  もう1点言いたいのは、TPP交渉に参加するようになってから、県に情報収集していますかということを質問してきましたが、なかなか情報が入ってこないという答弁をずっとされてきたと思うんですね。そういった中で、この国会決議で、交渉により収集した情報については、国会に速やかに報告するとともに、国民への十分な情報提供を行い、幅広い国民的議論を行うよう措置することということが、7番ですね。これ、守られたと思いますか。それはどなたでも結構ですけれども、農政部として。 ◎濱村圭一 農業政策課長 国会に速やかに報告するという形で、あくまでもこれは国会のほうでの判断でございますので、私どものコメントは差し控えさせていただきます。 ◆藤岡義英 委員 ここには、国民への十分な情報提供を行い、幅広い国民的議論を行うように措置することということを守れっていうことで、TPP交渉に参加してもいいよということで、長野県も認めたし、県議会としても、私たちはもう交渉そのものに参加すべきじゃないという立場ですが、やむを得ないのかなという立場をとってきて、結局、きのう、大筋合意になった時点で、初めて正式な情報が出てきたという、この秘密的な交渉のあり方というのは、本当に問題だなと思うんです。そのことに対して、長野県として、8を守ってくれればいいということじゃなくて、1から7の部分はどうなんだということも分析して、場合によっては、とんでもないっていうことを、長野県の農業を守る立場として、おかしいじゃないかということを声上げるべきじゃないかなと、それぐらいの問題だなと思うんですけれども、いかがですか。農政部としてどなたか答えてください。 ◎濱村圭一 農業政策課長 何度も同じような答弁になって恐縮なんですけれども、公な情報として、私ども初めてこれをキャッチしたところでございます。また、これから説明を国はすると言っておりますので、それを踏まえて、私どもは考えていきたいと思っています。 ◆藤岡義英 委員 きのう、上杉課長が、新聞報道によりますというお話で、新聞の報道の内容を紹介されたんです。それで、私は、6月の委員会のときから、新聞報道でこうだけれども、県としてはどう見ているんだと言ったら、これはあくまでマスメディアの情報だから、それはマスメディアが言っているだけで、政府としては何の情報もないので、対応は、今、できませんと。要するに重要5品目はこの国会決議によって聖域化されて守られているから信じていますと答弁されたと、僕は受けとめたんですよね。ところが、実際にふたをあけてみたら、新聞の報道のとおりで、実際に深刻な事態になっているということなんですよ。それで、これから長野県は、情報を察知したからこれから対策をとられるということですよね。これって、私たちずっと言ってきたのは、大筋合意の前に長野県として、可能性があれば対応をすぐとっていくべきじゃないかって、ずっと聞いてきたんですよ。だから情報が入らなかったという点で動けなかったという理由は、確かに一理あるかもしれませんけど、でも大筋合意の前に、この7でですね、国会もそうですけど、国民への、国民と言ったら長野県も含まれていると思いますが、情報提供を行うよう措置することっていうふうに同時に求めてきて、こんな結果になって、おかしいじゃないかって答えられないんですか、何でノーコメントなんですか。  あともう1点は、この新聞報道によってこれからお願いしたいという話に移りたいんですが。私、皆さんと一緒に現地調査ということで県内の各地域を回ったんですね。あれ、大町市だったと思うんですけれども、そのワインの醸造ということで、ブドウづくりから始めて、それを自分でつくるというところまでやっている青年の方のところへ行って説明を聞いてきました。  それから東御市のほうでも、そのワインの研究所のほうも現地調査をさせていただいたんです。そのときに、高橋委員ともバスの中でお話しした記憶があるんですけど、読売新聞で、ワインが、TPPによって関税が撤廃されるというニュースが入ったんです。これはまだ委員会では、取り上げてなかったんですけど。それを聞いたときに、これ、えらいこっちゃだと。一生懸命、ワインバレーということで長野県として取り組んでいることが、このTPPによって水の泡になっちゃうんじゃないかというような話を、高橋委員とお話ししたような記憶があるんですが。そういうようなことまで僕は心配したわけです。  ですから、今、そのワインの関税ゼロはどうかということもついでに聞いておきたいですが、そういった対策ってこれからとるんですか。その事前に察知して何か対応のことを検討していなかったんですか。そのことを、確認したいんですけれども。 ◎濱村圭一 農業政策課長 まず、なぜノーコメントかという話ですけれども。先ほどから申し上げているとおり、交渉に直接当たっておりました大臣みずから、この経過等を話してきたわけでございますので、その真意は私ども詳しくは承知しておりません。また、国の説明もこれからだといったことでございますので、その国会決議が守られたかどうかということに関しましては、コメントはできないといったものでございます。  また、そういった意味で情報がない中で、正式な情報がない中で、あえて私ども、生産地の方が不安を募らせるような発言もできないわけでございまして。やはり説明を聞いた上で、国のほうももちろん対策をとっていただけると思っていますので、それを踏まえた上で県としての対応も考えていきたいという考えでございます。 ◆藤岡義英 委員 ぜひ、きょう、農林水産省が発表したので、国も発表したということでありますから、これはもう客観的な数字として出ていますので、ぜひ、要望ですが、長野県として、きちんと分析してどう評価するかということを、委員会に説明するのかというか、県議会にもそうですけど、県民にも、県の立場をしっかりと、TPP大筋合意について、コメントをしていただきたいと思いますが、その点はいかがですか。 ◎北原富裕 農政部長 この内容につきましては、県として十分に中を精査し、検討する中で、コメントを検討していきたいと考えております。なお、1点、情報があっても何も県はしてこなかったのではないかという御質問に対してですけれども。私ども、埋橋議員の御質問のときにも少し触れさせていただいたんですけれども、県内農業国内農業の中で、TPPがどのような形になろうとも、生産者の高齢化ですとか、それから経営コストが高いとか、そういう中での農業が抱えている課題は非常に大きいということの中で、例えば米につきましては、きのうも御紹介させていただきましたが、生産コストを下げるための取り組みを県独自としても進めておりますし、畜産につきましても、国が出しております畜産クラスター事業というような支援措置を活用しまして、地域で担い手となってこれからもやっていただく畜産農業者への支援は、既に進めているわけでございまして。そういうものも含めまして、まだ、妥結したわけではございませんで、大筋合意ですけれども、こういう中で、これから国がお考えになる対策、そういうものを十分しっかりと見定めながら、県内の農業者にとって必要で、きちんと農業生産が持続的にできる、そういう対策を県としてはしっかりとやっていきたいと考えておりますので、御理解のほど、お願いをいたします。 ◆藤岡義英 委員 ぜひ分析してもらうということと、ぜひ情報をしっかりと入手していただくと。ワインが関税なくなっちゃえば、私たち現地調査で見てきた皆さんが、本当どうなるんだろうという僕は思いでいます。そういう皆さんを県としても応援してきただけに、逆にこの国会決議の8番の部分だけではなく、ワインゼロはおかしいんじゃないかとか、米については、さらなる輸入枠、おかしいんじゃないかと。これ、77万トンにプラス7万8,000何がしですから1割増なんですよね。今でさえ米の価格が落ちているということで、意見書案にも賛成討論させていただきましたけれども。そういった問題がありますので、ぜひ分析していただいて、県としてもしっかりとこの問題について立ち向かっていただきたいと、長野県の農業を守るためにしっかり国に言わなければならないことは言っていただきたい、このように思います。時間もないので次に行きます。それは要望でいいです。  次、行きます。トラクター事故のことで御質問させていただきます。この間、農業に従事する方、もちろん長野県としてもさまざまな、若い皆さんに新規就農ということで働きかけられていますが、一方で高齢化が進んでいるのも事実であります。そういった中で、今、長野県における農業作業事故の実態ということで、私もインターネットで資料など見せていただいたんですが。今、現状はどのようになっているかということや、いろいろ見せていただいたところによりますと、やはり高齢者の方になればなるほど事故率が高まっているのかなと受けとめていますが、その点の現状をお聞かせいただきたいと思います。 ◎中島賢生 農村振興課長 農作業事故の状況ですけれども、今、委員がおっしゃったように、高齢化が進んでいて、特に農作業事故は、高齢の方、60歳以上の方が事故に遭われるという傾向でございます。特に死亡事故の発生状況を申し上げますと、毎年、おおよそ10人から15人の方がお亡くなりになるという傾向でございまして。近年の状況ですと、平成25年度は15人、それから平成26年度が11人、それで今年度はこれまでに8人の方が亡くなられているという状況でございます。 ◆藤岡義英 委員 それで、例えば坂道が多いといいますか、傾斜地が多い、例えば佐久地域で言いますと小諸市とか、そういう地域で事故が多いのかなと思いますけれども。そういった地域によってもそういう差があったりするんですかね。いかがでしょうか。 ◎中島賢生 農村振興課長 農作業事故というのは、一義的にはその機械を運転される方に一つは要因があるということと、それからその圃場の侵入路の条件とか、そういうことが大きな要因で、地域によって特にその顕著な地域があるかどうかということは、あまり相関性はないのではないかと思っています。 ◆藤岡義英 委員 インターネットで見た長野県農政部農村振興課の農作業事故の実態というやつを拝見させていただきましたら、どうしても乗用型トラクター、歩行型トラクターなどの作業、そういった機械を、トラクターで作業しているときに死亡事故が発生しているとありましたが、こう受けとめてもよろしいでしょうか。 ◎中島賢生 農村振興課長 事故の多いのは乗用トラクター、それから歩行トラクター。それから場合によっては、死亡事故はあまりないかもしれませんけど、草刈り機ですね。ああいうものについては、結構、表に出ない事故は相当の数があるのではないかと認識をしています。 ◆藤岡義英 委員 ぜひ、こういった事故を防ぐためには、高齢者がふえているということもありまして。ただ、高齢者の皆さん、これはまた次の機会にと思うのですが、高齢者の皆さんも自分たちの、ある意味生きがいというか、ぼけ防止といいますか、自分たちの老後のやりがいとして、農業を続けていきたいということなんですけれども。これは農地整備の関係にもなってくるんですけれども。県単で、例えば佐久では瀬戸地域のほうで、この農地整備をしていただいた事業があったということで、そこを、それまで持っていた土地の方ができなくなったということで、かわりに別の高齢の方に、今、菜の花の取り組みなんかをやっていただきたいということで、そこで生産している方たちがいるんですが。その人たちいわく、傾斜地もあったりするし、高台の部分で農地があるんだけれども、ガードレールが全くないということで、もしこの作業をしているときに転倒して高い部分から落ちたら、本当に事故になるし、亡くなってしまうんじゃないかというようなことで、心配されるわけで。  それで、この間、委員会資料でもいただきましたけれども、ため池などのさまざまな、点検・整備・補修作業というのが進められているというお話があって、大変これは重要な取り組みかなと思うんですが。同時に、やっぱり農業に従事する人たちが高齢化になる中で、これまで県として進めてきた農地整備の農地の関係でも、もう一度、安全に農作業ができるかっていうところで、点検や、場合によってはガードレールをつくるというかですね、そういった安全対策を行うような、新たな整備が必要ではないかなと思いますが、御所見をいただきたいと思います。 ◎田中庫夫 農地整備課長 農作業の安全という観点からの農地の整備ということになるわけですけれども。ガードレールだとか、そういうものについては、道路なんかですとその転落防止というようなことでガードレールがあります。ただ、農地の場合だと、それがあることによって、かえって邪魔だとかいうこともございます。例えば中山間地等で畦畔が非常に大きいところ、落差がある、要するに田面の例えば差があるようなところについては、最近の整備の中では、途中に小段をつくるというようなことで、その小段が足場となって草刈りの安全性を保つとか、そのような整備もするようになってきております。そういった、今まで全てがそういったわけではないわけですけれども、そういうこともこれからは整備の中に入れて、つくった後の農作業の安全性、それの確保も考えていきたいと考えております。 ◆藤岡義英 委員 ぜひとも、これまでやってきた農業関係者の方でなくて、変わっていく中で、また地域全体、農作業をされる方、新規就農者の方は若いかもしれませんが、高齢者の方がいる中で、ぜひ大変な作業になるかと思うんですが、改めて安全に作業ができているかという点検を、ぜひとも、すぐに何かつくれということにはならないのかもしれませんが、検討していただきたいと。実際に死亡事故がたくさん出ているというお話は、先ほどの答弁で農村振興課長からもいただきましたので、できる限り、せっかく長野県の農業を守ろうと高齢になっても頑張っている皆さんが、できる限り、客観的に体が動かなくなる状態では、それはできなくなるかもしれませんが、そういった事故によって途中でできなくなるということがないように対応していただきたいと思いますが、もう一度、その点のチェックについての検討についての御所見をお願いします。 ◎田中庫夫 農地整備課長 今、委員御指摘のように、農作業の安全性を考えた整備ということは、当然、必要なことだと思います。例えば大学でもそういった、例えば草刈りの安全作業とか、そういう研究もあると聞いておりますので、そういったことも踏まえて、その辺は、今、農地の安全性があるかどうかということも、点検を考えていきたいと思います。また、今、行っている多面的機能支払等も、農地の維持という観点で、各地域で行われておりますので、そういったところから出てくる意見もまた集約する中で、そういったことも活用していきたいと考えております。 ◆藤岡義英 委員 ぜひよろしくお願いします。ではもう一個は次回にするとして、最後に1点だけ、さっきTPPのことで聞くのを1点忘れました。きのう、農政部長の答弁の中で、平成25年の5月の試算というような、百瀬委員からの質問で、TPPに参加した場合の被害額は約34億円ということで話されましたが。きのうの答弁で気になったのが、この数字はもう意味がない数字だという答弁もされたなと。言葉の使い方がね。それで、私、まだ意味があると思っていて、その国会決議が守られておられれば、その34億円という数字は正しいと思うんです。ただ、この数字が変わってくることによって、34億円でなくなると私は見ていますので。そういった意味で、この被害額というのは、百瀬委員がきのう質問されて、どうだったかというのは、現時点では34億円ですが、大筋合意になったという時点で、今後、新たなこの被害総額の試算というのは出されますか。 ◎北原富裕 農政部長 これにつきましては、昨日の答弁でもさせていただきましたが、国の試算を前提として34億円というのを長野県に当てはめたものでございますので、改めて国のほうで、今回の大筋合意に基づいてどのような影響があるのかということの試算がされますれば、それを一つのベースとしまして、県としてどのような影響があるのかについての検討はさせていただくということでございます。 ◆藤岡義英 委員 ぜひ、国に合わせてというよりは、私は長野県の農政部の皆さん、力もあると思いますので、ぜひできる限り国待ちにせずに、できる限り被害総額というものを、私の意見ですけれども、出していただいて、それに対して長野県農政部としてどのように長野県の農業を守っていくのかという対策をしっかりとっていただきたいとともに、この国会決議を遵守しろと言われていましたが、繰り返しになりますが、分析した結果、1から7が守られていなければ、おかしいということは、県民の立場に立って申し述べていただきたいということも強く要望させていただきまして、私の質問とさせていただきます。 ◆高橋宏 委員 けさの新聞、きのうの夕方のテレビは、TPPとノーベル賞のことでございました。いずれにしても、私も残念だと思っていますが、TPPはどうしてそんなことになっていったのかなと。例えば、今、お米の問題だけ、先ほど藤岡委員からも話が出ておりましたけど、1993年にウルグアイ・ラウンドのときにも、約70万トンというような話から出てきたのかなと続いております。それで、今、7万8,400トンということで。それから一方、米の消費はどんどん減って、1人当たり70キロを割ってしまったという。そこに難しいことがあるのかなと思って、残念だと思いながら。それで新聞等を見ますと、少し関連も詰めて聞きますが、60ヘクタールやっている東御市の荻原さんと言ったかな、それと白馬でやっている佐藤さんだったか、10ヘクタールやっていると。それから安曇でも25ヘクタールの人。この人たちも米ではやっていかれないと言っていますよね。そうすると、とてもそれだけの生産量を割ってまではできないとこういって、残念がっていました。  そこで、もう一つは、関連しますが、中核農家に農地の集積の中間管理機構、そうやっていても、本当に米だけはだめだなという理屈にはなるが、そういう意味で中核者に農地を、この結果からいっても、幾ら大きなことをやってもだめだと言っている皆さんに、水田だけ農地を集積させることは難しいのかなと。それが、国も銭を出して、県も銭出して、人の手間を出してという。何となくおかしな気がいたします。だから、その土地のもう一回やっていると、例えばきのうの皆さんの説明では、4,900ヘクタールの借り手があると。実際は、わずかですね。だから、そういうずれがありながら、中核農家にそういうことをどんどんやっていく施策を県はやっていかなきゃいけない。これもある程度見ている。  それからもう一つ大事なことは、ここに絡んでくるの農業委員会です。農業委員会は、きのう、省令で出ていたと全国農業新聞に載っていた。条例では、推進員を100ヘクタールに1人つけるということでいうと、例えば農業委員会の定員が40人とか25人とかっていろいろある。推進員をやると定員は減らすと。そして耕作放棄地もなくしていくと、こういうふうにだんだんやっていくと。この9月18日ごろの省令でそのことが決まったとあった。その情報はこっちへ入っているかどうか、農業委員会は多分入っていると思いますが。そういうようなことで、片一方は制度もどんどん少なくしていく。農家の、中核農家だけにそういうことはなかなか難しいのかなと。ということで、農地中間管理機構と中核者の後継者対策で、農地を集積するということで、だんだんと話はおかしくなっていっちゃうのかと、大変心配しているんですよ。県はそのことを踏まえて、どのようにこれから、この中間管理機構を踏まえて、農家をやっていかれるか。  もう一つ続けて言うと、この間、農協青年部の人と話していたら、途中でどこかへ行っちゃうというのもいるんじゃないかと、150万円ずつもらっていて、あるいは250万円ずつもらっていて。そうなら、俺は、親父の業務を引き継ぐんだから、俺にもくれやという話があった。なるほどな、どこかへ行っちゃう人にくれるよりも、確実に親父さんの後を継ぐと言っている40代の人には、少しは考えてもいいんじゃないかと思って。これは、県の施策でできるわけでございますから、その辺のところを、今、3つばかりお願いしましたが、コメントをいただきたいと思います。  これ、1つのことが、TPPから始まって、全部つながってくるわけです。それから今度は農協だってそうでしょう。改革はどんどんやっていく。農協は経営をしっかりやっていかなくちゃいけない。運営のほうは組合員にだんだん目が行かなくなって。どなたか質問していましたが、支所がどこかへ行っちゃうとかね。だんだんそうなっていく。それで農協経営としては、それを絶対守ってやっていかなきゃならないから、組合員のところはだんだんおろそかになりつつあると思います。だから経営はうまくいくかもしらないけど、運営はなかなかうまくいってない。そういうところで、皆さん方は農協と手を組み、農業委員会と手を組み、そして農政部が手を組んで、この農業をどうするんだということで、3,016億円の農業生産額になったと言われている。ではこれから、土地も含めて、農業全体の中で、この部分はどう考えるのかということを一つお願いしたい。 ◎中島賢生 農村振興課長 こういった状況において、今後、担い手に農地を集積していくということは、やはりコストを下げるという意味においては、どうしても避けて通れないということですし、一つの大きな方策だと思っています。そういったときに、そこの集積したところに何を作付していくかということについては、今後の国際情勢とか、それから国内の消費動向、ニーズを捉えて、どんなものをつくっていくか、どういったつくり方をしていくか、どういった販路を求めていくかということについても、総合的に考えていかなきゃいけない。単に集積しただけで課題が解決するということではないと思っています。  そのほか、集積以外にも、昨日来お答えしていますように、コスト削減にかかわるそのさまざまな新技術ですとか、そういったものは、今後、担い手の方々に対して支援をしていかなければいけないと思っております。  それから青年就農給付金150万円の件ですけれども、農家の後継者の方が跡取りとなって農業を継続していくということが、親が築いてきた、いわゆる土地もありますし、機械もありますし、一番効率的だと思いまして。引き続き、重要な新規就農の形態だと思っていますので、従前の親から経営を単に引き継ぐのではなくて、やはり後継者の方が夢と希望を持って、新たな品目に挑戦するとか、あるいは新技術を導入する。そういった場合には、青年就農給付金においても一定の要件のもとで農家子弟も対象になるということで。これについては、農家子弟も、ぜひ支援の枠を広げていただきたいということも県のほうから申し上げて、そういった体制になってきたということを申し上げたいと思っています。  いずれにしても長野県の農業・農村が持続的に発展するためには、大規模の農家も必要ですし、それから家族経営の方も必要ですし、高齢者も若者もやはり活躍の場、出番があるような調和のとれた経営体の分布状況が必要だと認識をしております。 ◆高橋宏 委員 そういうこともあるけれども、大きくしていっても、なかなか大きい農家がだめだと言っているんだから難しい。だから作目を変えればいいというと、例えばきのうから話のあった南牧村のレタスとか、そういうものがあるということで、きっと村ではカット野菜かなんかにして災害を最小限に防いだから対象にならなかったのかと思いますが。そういう知恵と、やっぱり農家の若い人たちに持ってもらう。  それから女子の育成というのがありましたね。あれ、昔から言っているんですよ。もう30年前の三ちゃん農業のときから。これは、若いから母ちゃんというのはかわいそうだけど、女子ですよね。だから三ちゃん農業をやってきて、30年も前からやって、これをもう一回、若い奥さんたちに手を貸してほしいということがこの施策の一つだと思って。私だけ農業をやるのが嫌だっていったら、仲間がいるからやるよという気持ちの励ましと、それからある程度の知恵と、皆さんから技術指導を受けながらやっていくんだなと思いますが。ぜひ、そういうことはやっぱりしっかりやっていただきたい。それからもう一つ、これは後継者を育成する一つの方法だと思います。前は兼業農家の母ちゃんたちがみんな頑張ったという経過が、30年ほど前からずっとあったわけでございますが。中身は違うだろうけど、ぜひもう一度復活をさせてという理屈、そういう点では復活をさせてほしいですし、ぜひ応援をお願いしたいと思います。  それからもう一つは、先ほど藤岡委員から出たワインの話がございました。去年の研修生が41人、そのうち40代が半分ぐらいかな、大勢いたと。それで、一人前のワインをつくって、ブドウをつくって、ワイナリーをつくるには10年かかる。10年かかれば、今のアメリカや外国のワインの安いのが入ってくる。幾ら長野県でワインの需要が多いといって、この間、玉村先生のところへ行ったら、大丈夫、大丈夫、いっぱいつくったと。あれだけの初期投資をしながら、そうなっていったと。私、前にもそんなことを申し上げましたが。今度は本当に8年で撤廃されるわけですから、これを読んでいくと、ワインの自由化というのは8年だと記憶をしておりますが。8年か10年だと思いましたが、10年か、10年です。10年もかかれば、いよいよやって、銭をやってやるころになったら、ワインが自由化になってどんどん安いのが入ってきちゃったら、それはどうなるんですかねと。ここで長野県が腰を据えて、今、推奨しているワインバレー構想ですから、その辺のところをきちんとした目標を持っていただいて誘導していただかないと、いよいよやってみたら、全然もうからないわとならないように、今から私はお願いをしておきたいと思うんですよ。  だから、そう考えると、一つは、皆さんたちが言っているワインバレー構想がいいよ、今、ワインがいいよ、いいよと。酒もそうだったね。今度、また日本酒は見直されてくるという、そういうことはあるかもしれないけれども。でも見直されたって、そんなに前みたいに普及はしないわけですから。そういう点でワインバレー構想とこのTPPと、そしてその後継者が大勢勉強しているということですから、その期間と自由化になるのと、似たようなところになると、一生懸命やってきたけどこんなことかいとならないように、ぜひ県はそういう指導をしていただきたいし、業界があるのなら、そういうリーダーをやってもらって。6次化だって言っておきながら、そういうことも踏まえてやらないと、いよいよやってみて投資したら、流通がおかしくなってだめにならないように。  今言った、アメリカやヨーロッパのワインが、おいしいのがどんどん入ってくると書いてある。そうすると、皆さんたちが苦労して一生懸命勉強をして、それはうんと腕のいい人はきっといいワインができるだろうと思いますが。全部、特級のワインができるとは、私は思いません。それぞれの地域の味はあるにしても、そういうところで販売をしながらやっていくのは大変かなと。20歳なのか18歳になるか、酒が飲めるのかどうかわかりませんけれども。そういうようなことで、下のこの需要も多分ふえるのかなと言っていますが。そうはいっても、住んでいる青年男子、あるいは女子も含めて、飲む人の人数はある程度は限られるんじゃないかなと。そういうところから見ると、ワインバレー構想から見て、TPPとの関係を推測しながら、これから長野県のバレー構想をやっていただきたいという強い願いもあるわけですが、その辺の見通しについてお聞かせをいただきたい。 ◎伊藤洋人 園芸畜産課長 ワインの関係のお尋ねでございます。ただいまお話がございましたように、現在、ワインにつきましては、15%もしくは125円のいずれか安いほうの関税となっているところでございます。したがいまして状況といたしましては、例えば5,000円のワインでは125円、3,000円のワインでも125円、値段が安い、例えば500円のワインですと575円ということで、15%、ストレートにかかっております。比較的値段の高いワインにつきましては、例えば3,000円で125円ですので、4%の関税でございます。ワインの関係につきましては、やはりテーブルワインとして気楽に飲んでいただくという廉価なワイン、それとやはり記念日ですとか、とっておきのときに使うという、価格がある程度高いワインという、2種類があるかと考えております。県が推進しておりますワイン構想につきましては、基本的には付加価値の高い、後者のほうのワインを狙っているものでございます。  例えば長野県で生産された原料で、長野県の農家がこだわりの醸造をすると。こういう付加価値によってより高い値段で販売をするということを行っていきたいと考えているところでございます。そうした中では、例えば1本3,000円で販売できれば、今、外国から入ってきているものは3,125円でございますので、当然、差があるということは事実でございますけれども、その範疇の中では、比較的その経営努力や、いわゆる魅力ある商品づくりというようなことの中で乗り切っていける部分なのかなと捉えているところでございます。当然、3,000円以上の値段で販売されている方も一部いると聞いておりますので、そういった形の中で、委員御指摘のように、安いワインの中に流されていって、値段が上がらない生産を進めるということは、非常に課題があると考えておりますので、付加価値の高い、長野県ならではの、それからお客様に喜んでいただけるワイン生産ができるよう、私どもとしても指導もしてまいりたいと考えております。 ◆高橋宏 委員 誰もそう思っていると思いますよ。誰でも安くてうまいのが一番いいんだけれども、そうかといって、経済がこのままいるとは限らないからね。だから、ワインバレー構想を目指した人たちががっかりしないようにしてほしい。これは責任ですよ。それは行政の責任ですよ、今は長野県のバレー構想でやっているんだから。ただつくればいいというのとは違うんですよ。だからものをどのところまでどうやって力をつけて、3,500円で売れるワインをつくればいい。それで今度は6次化だから、それは販売もやらなきゃならない。では6次化とくればどこかの商社と組まなきゃいけない。それにはロットが少ないとかね、そういう話がどんどん出てくるから、私はそれを反対しているわけじゃないんですよ。ただ、農家の人や、その中核になった人が、惑わされないような行政指導をしてほしいということが一番。一生懸命やったのに、だめだとならないように。  だって40代の人だって10年たてば50になるんだから。技術は、もっと腕が上がってくるからそれは違うと思いますが、だんだんとそこも。だから会社経営にしてやっていて、ワイン工場がつぶれたっていう話はまだ聞かないけれども、酒屋はつぶれているんだから、いっぱい。それと同じ憂き目に遭わないように行政が指導していくんだと。あれは、国税庁でやっていたって酒屋はつぶれていっちゃうんですよ。だから、40何人受けた皆さんは、最後までちゃんとそういうことがないようにしてほしい。あるいはこれから、研修をやっていきながらどんどんふやしていくわけですから。そうすると、長野県は何人やればいいのかっていうことだって少し、では何でもかんでも希望者はどんどんやっていっていいとは、私はそういうことが、一回、どこかである程度のことをやっていかないと、みんな競争相手をつくる話だから、飲むところへ行けばみんなが競争相手になるわけだから。それは2、3人でグループを組んで一つのワイナリーをやるかもしれないけど。そういうことを、惑わされないように皆さんたちをリードしてほしい。そして、そのことをきちんと責任を持って長野県が応援をしてほしいということが、私の強い望みです。  今のままで行けばTPPに流されて、例えば俺は500円のでいいという人がいっぱいいれば、それは売れなくなっちゃうわけですよ。お金さえあれば、それはそれで売れるだろうけど。日本酒を飲んでいて焼酎がいいってしょっちゅう飲んでいるんだからね、焼酎がいいってしょっちゅう飲んでいるんですよ。だからそういうことの経済の状況もあるから、そんな簡単にはということで、年寄りの冷や水だと思って聞いておいてください。絶対そういう時期が来るんではないかなと。今までそうでしょう、全部、みんな外国に左右されて、日本の農業は来る部分もあったけれども。そういう中でやっていかなきゃならないということですから、中間管理機構も同じこと、全部、農地にかかわることだから。
     今、そうすると園芸はどうだっていったら、園芸は園芸で、例えば、きょう、一つ持ってきたんですよ。これね、ひょうで当たったリンゴなんですよ。でもこうやって見れば、食べるには問題ない。ところが消費者は傷があれば買わないんですよ。だから、ここは精いっぱい努力してここまでやりました。この間、ある人に聞いたら、これ、えくぼリンゴでなおいいんだって、元気が。ということだそうですから、こういう知恵を絞って、みんなやっているわけだからね。ワインもしかり、それからさっきの南牧村のレタスもしかり、そんなことをぜひお願いしたい。  それからレタスの話でしたら、ことしの予算の中でレタスの収穫機、その研究をやっていると。どの辺までどうなっているんですかね。お願いしたいと思います。 ◎上杉壽和 農業技術課長 レタスの収穫機につきましては、信州大学工学部の千田先生と共同して、今、開発を進めておるところでございます。千田先生が機械を、今、試作しておりまして、その試作機を、塩尻にあります県の野菜花き試験場でレタスやキャベツをつくりまして、そこで走行させて、今、試作の改良を重ねているところでございます。 ◆高橋宏 委員 本当にできれば、レタス農家や嬬恋のキャベツ農家は喜びますよね。それは重労働だもの、朝2時ごろから行って、起きなきゃならないからね。それがもっと効率化で機械でできるとすれば、そういう点ではすばらしいけど。ただ、私もさんざんやったけど、最後は機械に投資する話になっていって、なかなか採算ベースでいうと難しい。だから、ぜひその辺のところを、すばらしい機械をつくっていただいて、農家のお年寄りも少しは楽にして、銭だけもうかるような方法にしてもらえば一番いいと。これが長野県の農業の残る秘訣かもしれない。だからそういう点では、ぜひお願いをしたいと思っています。  それから土地改良の話で、この間、あったんですが。今までやっていたんですが、ことしは景気がよくて、TPPでどうせやられるから、この予算を、長野県でも1%しか負担してない団体営を、もうちょっと10%にしろって、みんな言っているんだけど、なかなか県は銭がなくてだめだとこう言っているわけですよ。この間、この前の日曜日の新聞ですかね。読売新聞で予算が100億円増となると、土地改良事業にかけてという話がございました。そうすると、今まで土地、農地にどんどん投資したのを、どこかの政権が変わったら、がたんと落ちて3分の1になっちゃったというところから、また、だんだんと復活して、やっぱり農地は大切だよと、あるいは農業施設は大切だよということになってくるのかなと。これからもぜひそんなことを踏まえながら、ぜひ1%が10%になるように、こういうものをどんどんやってもらって、先ほどのため池から始まっていろいろな農地の話がございますので、ぜひそんなことをひとつ関係の課長からこの辺のコメント、今、多分、来年度の予算の中で反映できているのかどうか、予算概要を、今、来年度予算のことをやっていると思いますので、その辺の情報があったらお教えをいただきたいと思います。 ◎田中庫夫 農地整備課長 今、委員お話しのとおり、国の概算要求ということで8月31日に出たものでございます。1,000億円の増ということで、ことし、平成27年度が3,588億円、これを1,000億円ふやして、4,588億円の概算要求をしているということでございます。これは対前年比128%ということで、国の概算要求の基準ですと、117%が要求できるマックスだということですけれども。この農業農村整備に関しては128%ということで、ほかのいろいろなものを控えてもらってここに集中したということで。これは、平成21年度に5,772億円あったものが、平成22年当初でぐんと落ちまして2,129億円というひどい落ちをしまして、そこに新たな交付金もプラスすれば3,000億円近くまでは回復したんですけれども、そこで落ちていると。それが徐々に、今、ふえてきていまして、平成27年度3,588億円になったと。ただ、まだ平成21年度に比べると2,000億円足りないということで、すぐに2,000億円の増は難しいということで、平成28年度概算要求では1,000億円ということでございます。ただ、これはまだ概算要求の時点でございますので、これから財務との折衝が始まるということでございます。  そんな中で、本県につきましては、これに対応するところというと、公共事業になってきますけれども。年間120億円程度の県の予算が必要じゃないかということで、地元からの要請等を受けて調整しているところです。地元の要請はもっと多く金額は来るわけですけれども、財政との関係でしています。ただ、そういう中では、この国の予算が少ないものですから、県の予算の充当率が非常に芳しくないということで、不足している状態でございますので、来年度予算に向けては、この国の概算要求、また12月の決定までの経過を踏まえて、県予算、できるだけ地元の皆さんの要請に応えられるように確保していきたいということでございますが。それにまた議会のお力添えもいただきながら、また部の中でも検討してまいりたいと思いますので、よろしくお願い申し上げます。 ◆高橋宏 委員 今のようなことを、この資料に基づきながらお願いをしたわけでございまして。ぜひまたそんなことを、きちんと県政の中で、農政の中で反映できるように強く要望して終わります。 ○荒井武志 委員長 ほかに御発言もあろうかと思いますが、以上で質疑を終局いたしたいと思いますが、これに御異議ありませんか。      〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕  御異議ありませんので、質疑を終局いたします。  ただいまから議案の採決に入ります。第1号「平成27年度長野県一般会計補正予算(第3号)案」中、第1条「第1表歳入歳出予算補正」中、歳出 第7款 農林水産業費、第1項農業費、第3項農地費について、採決いたします。本案、原案のとおり可決すべきものと決するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕  御異議ありませんので、本案は原案のとおり可決すべきものと決定いたしました。  第8号「県営農道整備事業上水内北部2期地区道路改築工事変更請負契約の締結について」、採決いたします。本案、原案のとおり可決すべきものと決するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕  御異議ありませんので、本案は原案のとおり可決すべきものと決定いたしました。  ただいまから陳情の審査を行います。当委員会に付託されております農政部関係の陳情を一括して議題といたします。過日、お手元に配付いたしました審査資料をごらん願います。農政部関係の陳情は、新規分4件であります。  なお、審査に際し、継続審査とする旨の御発言をされる場合は、なるべくその理由を一緒に述べていただくようお願いいたします。また願意が複数ある陳情で、その一部が採択できないために継続審査と決定した場合は、付記事項として陳情者に通知することについて、その都度お諮りすることといたしたいと思いますので御了承を願います。  まず陳第28号についてであります。理事者の説明はいかがいたしましょうか。      〔「不要」と呼ぶ者あり〕  本件について、質疑等はありますか。     〔「なし」と呼ぶ者あり〕  以上で質疑を終局いたします。  この陳情の取り扱いは、いかがいたしましょうか。      〔「採択」と呼ぶ者あり〕  ただいま採択との御意見がありましたので、陳第28号については、採択とするに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕  御異議ありませんので、さよう決定いたしました。  次に陳第36号についてであります。理事者の説明はいかがいたしましょうか。     〔「不要」と呼ぶ者あり〕  本件について、質疑等はありますか。     〔「なし」と呼ぶ者あり〕  以上で質疑を終局いたします。  この陳情の取り扱いは、いかがいたしましょうか。      〔「採択」と呼ぶ者あり〕  ただいま採択との御意見がありましたので、陳第36号については、採択とするに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕  御異議ありませんので、さよう決定いたしました。  次に陳第43号についてであります。理事者の説明はいかがいたしましょうか。     〔「不要」と呼ぶ者あり〕  本件について、質疑等はありますか。     〔「なし」と呼ぶ者あり〕  以上で質疑を終局いたします。  この陳情の取り扱いは、いかがいたしましょうか。      〔「採択」と呼ぶ者あり〕  ただいま採択との御意見がありましたので、陳第43号については、採択とするに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕  御異議ありませんので、さよう決定いたしました。  次に陳第44号についてであります。理事者の説明はいかがいたしましょうか。     〔「不要」と呼ぶ者あり〕  本件について、質疑等はありますか。     〔「なし」と呼ぶ者あり〕  以上で質疑を終局いたします。  この陳情の取り扱いは、いかがいたしましょうか。      〔「採択」と呼ぶ者あり〕  ただいま採択との御意見がありましたので、陳第44号については、採択とするに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕  御異議ありませんので、さよう決定いたしました。  以上で陳情の審査を終局いたします。  以上で農政部関係の審査を終局いたします。  午後1時30分まで休憩を宣した。 ●休憩時刻 午前11時42分 ●再開時刻 午後1時28分 ○荒井武志 委員長 再開を宣した。  ▲ 日程宣告    林務部関係の審査 ○荒井武志 委員長  ▲ 林務部関係付託事件等の報告    予算案1件、陳情4件  ▲ 付託事件及び所管事務一般を一括して議題とし、議題に関連して理事者の説明を求めた。 ◎塩原豊 林務部長 別添、部長説明要旨に基づいて説明した。 ○荒井武志 委員長 第1号「平成27年度長野県一般会計補正予算(第3号)案」中、第1条「第1表 歳入歳出予算補正」中、歳出 第7款 農林水産業費のうち、林務部関係について、理事者の説明を求めた。 ◎小田切昇 森林政策課長 議案、予算説明書及び別添資料1により説明した。 ◎前島啓伸 森林づくり推進課長 予算説明書及び別添資料1により説明した。 ○荒井武志 委員長 理事者から発言を求められていたので、これを許可した。 ◎小田切昇 森林政策課長 別添資料2「大北森林組合補助金不正受給等検証委員会最終報告及びその後の取組状況について」、別添資料3「林務部コンプライアンス推進行動計画(案)の概要について」及び別添資料4「平成26年度みんなで支える森林づくりレポートについて」により説明した。 ◎春日嘉広 県産材利用推進室長 別添資料5「オーストリアとの林業技術交流について」により説明した。 ◎前島啓伸 森林づくり推進課長 別添資料6「県有林の利活用の取組状況について」により説明した。 ◎宮宣敏 獣対策・ジビエ振興室長 別添資料7「平成26年度野生鳥獣の捕獲頭数と農林業被害状況について」及び別添資料8「ツキノワグマの保護管理について」により説明した。 ◎河合広 全国植樹祭推進室長 別添資料9「第67回全国植樹祭に向けた取組について」により説明した。 ○荒井武志 委員長 午後3時00分まで休憩を宣した。 ●休憩時刻 午後2時45分 ●再開時刻 午後3時01分 ○荒井武志 委員長 再開を宣し、委員の質疑等発言を許可した。なお、議論を深めるため、委員の発言に対し、ほかの委員から意見等がある場合についても、あわせて発言願った。 平野委員 大北森林組合の件で聞かせていただきたいと思います。正直、お互いに責任は向こうにあるものだという形になって、泥試合になっているので、弱ったなと見ていたんですけど。きのう、まさに森林組合の代表の方が来られまして、ともかく自分たちのほうで悪かったと。もちろん責任はどっちにもあるのでしょうけれども、それでも主な責任は私たちにあるので、ともかく申しわけないということと同時に、誠実に応えて事態の解決を図りたいということで。それで、どんなに時間がかかっても、ともかく御迷惑をかけた分は、返すものは返しますということまであって。正直言って、まだまだ時間はかかるでしょうし、いろいろなこともまだまだ調整がつかなくてはいけないこともあるでしょうけれども、ともかく基本的にお互いに責任を認め合って、より自分たちのほうに責任があるという森林組合の側の言葉がございました。正直言ってよかったなと、実はほっとしたところであります。  ただ心配事がありますので、教えていただきたいんですが。むしろこれは林務部というよりも法律家がいたら、そういう人に聞いたほうがいいのかもわかりませんけれども。時効という問題がございます。時間の追いかけっこでございまして、一部、県としても、これは請求できないという形で、時効にかかるだろうという形で、古いものは抜いて、そしてある時点で、早く請求しなくてはまた時効に引っかかっちゃうという形の中で、ある意味で時効ということと追いかけっこになっていると思うわけであります。これは、さっき申し上げたように、林務部に聞くよりも法律家に聞いたほうが早いかもわりませんけれども。これからもそういう時間的に追いかけっこになっていくわけでありますけれども。県のほうで、例えばこれはまずいから早く払いなさいという請求を出した。出したことによって、素人ながらに考えると、例えば、補助金を戻しなさいと正式にやれば、時効という問題が一旦それで消える、消えると言えばおかしいですけど、なくなるのかどうなのか。  例えば、私、素人ながらに聞いたことで、例えば飲み屋のツケがある。請求をもらって払えばもちろんいいんだけど、請求をもらって何年も放っておいて、しかしその何年間は請求も何も来なければ、やっぱり時効という問題になっていつの間にか消えてしまうという話も聞いています。逆に請求を出されて、払わないけれども、また再請求という形でしっかりある時間内にきちんと請求すれば、その時効という問題にかからず、ずっとその請求が、そのまま生きていると聞いていますけど。この問題に関しては、最初は時効になってしまいましたけど、慌ててまた時効にかからないように請求されています。これからもこういう問題が起きるだろうし、さっき申し上げました大北森林組合の、何年かかってもきちんとお返ししますと言っていたけど、その場合は時効という問題がなくて、言葉どおり、何年かかっても向こうの森林組合で、例えば20年の間に月賦で払うというような形でも、その場合は時効の問題は関係なくなるのかどうか。その辺のことを教えていただければと思います。 ◎久保田俊一 林務参事 時効のお尋ねでございます。私ども、地方公共団体の債権・債務関係というのは、地方自治法に規定がございまして、時効につきまして、一般債権は10年でありますけれども、私ども地方公共団体の債権・債務関係については、5年という期間が定められております。時効につきましては、長年その権利を行使しないことによって、時効制度によって権利が消滅するという制度でございます。権利を行使することによって、その時効の中断という効果が生じます。今まで、3年進んできた時効が、請求をする、権利を行使することによって、そこから時効中断が起きまして、5年間、時効が延びるという形になります。したがいまして、今回、大北森林組合に対しまして、8月14日に請求をいたしましたけれども、今後5年間は権利を私どもが持ち続けるという関係性にございます。  では5年たったときどうするか、あるいは5年の期間にどうするかということがあるわけでありますけれども。その間に債務者、森林組合のほうが承認すると、要するに債務を負っているということを承認することによって、これまた時効中断事由になりますので、承認をした時点でまた5年間延びていくという関係性にございます。ですから、私どもとしては、確保したその債権をしっかり保持していくためには、組合のほうに自認をしてもらう、承認をしてもらうということを繰り返して、仮に長くかかるとすればですね、そういった行為をしていけば、時効によって消えるということはないと思っております。 ◆平野成基 委員 ありがとうございました。では、私が素人ながらに思っていたように、途中でまた請求その他の手続をきちんとしっかりしていけば、時効でいつの間にかなくなっちゃうということなくしっかりやっていけると考えればよろしいわけですね。  それからもう一つ、先ほど最後に申し上げましたけれども、お金も大金なものですから、長期にわたって、ともかくしっかり返しますという、非常に長い形の中で返すという形も、それで正確に約束をしてやれば、時効という問題は関係なく、しっかり出してもらうものは出してもらうと考えればよろしいということですね。  では、あと一つですね。先ほど私が申し上げましたように、ここはこうしていこうというような微調整なり、あるいは、折衝はこれからもあるでしょうけれども。これは、推移を見なくてはわかりませんけれども、きのう、謝りに来て、一応、主な責任を認めてくれたという形の中で、これから、返済は長年かかるにしても、一番理想的な形で解決するとしたら、どんな形で行けばいいんですかね。それを教えていただきたいと思います。 ◎久保田俊一 林務参事 きのう、組合の方が見えられまして謝罪を受けました。これから、多分、組合の方々、いろいろ悩まれて、理事会で決定をされたということでありまして、一つの方向性、組合としての方向性を出していただいたと、私ども、評価をしております。そういう意味で、県と組合とのこれから話し合いの場というか、お互いにテーブルに着ける関係性ができたのかなと思っております。これからどうやってその具体的なことを解決していくかということは、これからの問題かと思っています。組合と県だけのテーブルではなくて、もう少し幅広の、例えば地元の市町村の方であるとか、関係者の方々が一緒になったテーブルで、どういった解決策がいいのか、私どもとしては、返還請求を十分に受けるということが一番いいわけでありますけれども、それを行っていくためにどういうことが一番いいのか、そういったことをこれから考えていくことかなと、そういう場をつくっていくことかなと思っております。 ◆清沢英男 委員 A3の紙に出てこなかったのでお聞きしますが。今回の事案の発端となった高規格作業道についてですね。初めから聞きますが、その補助率、それから残の処理ですね。補助残はどうしていくかということですね。その形だけ聞かせてもらいたい。これについて、私が思っているのは、50、60%が補助だと思うんですね。あとの残は、要するに受益者負担、山主ないしはその山主から取りまとめた森林組合が負うと、こういうことになっていると思いますが、それでいいかどうか。そしてもう一つは、今、18森林組合の中で、この高規格作業道を受託しているところがあるかどうか。 ◎市村敏文 信州の木活用課長 高規格道路の補助率、それから補助残の話でございます。補助率につきましては今、調べておりますので、後ほどお答えします。補助残につきましては、委員が、おっしゃるとおり、原則、森林組合が所有者から負担をいただく。もしくは森林組合の収益の中からそれを補っていくという制度でございます。
     県下の18の組合の中で高規格道路という言葉で使っているんですけれども、いろいろと、林業専用道等、そういった言葉があります。こういったものをやっているところは、木曽でもありますし、県下の森林組合でやっているところはございます。  それから公共の林道の補助率につきましては、46%から51%、地域の地域指定で変わります。林業再生事業によりましては、定額でメーター当たり2万5,000円ということで補助がされております。 ◆清沢英男 委員 松本広域森林組合に話を聞きに行ったんですが。松本では、高規格作業道は受託しないと、必ず赤字になると言っているんですよね。だから普通の作業道は、何とかいけるので、これはやると。けれども高規格のものについてはやらないと言っているんです。だから、やっているところがあるということは、それなりの利益が出る、あるいは丸太が相当生産できるとか、そういう利益が出るところだろうと思いますけれども。この辺のことが、見直しというか、事業として、きちんとした形で森林組合と向き合える事業になっているかどうかという見直しはしたほうがいいのではないかということを一つ思います。そのことは、このA3の紙にはうたってありませんけれどもね。  それから計画申請と実績申請についての話ですが。普通の土木の仕事であれば、計画申請で繰り越しががききますよね。実績申請の場合、繰り越しはきかないというわけでありまして。ただ、A3の紙に、それがきくと。、今、報告があった中で、下の段の県民起点で現場実態を踏まえた計画づくりと予算執行の決算に向けては早期の事業費確定に努め、補正予算や繰越手続等を適切に実施すると書かれていますが。この繰り越しとはどういう意味で書いていますか。 ◎前島啓伸 森林づくり推進課長 このコンプライアンス推進行動計画の二度と不祥事が起きない事務事業の仕組みの構築の3の②に繰越手続の記載がございます。これは、造林事業のことを想定して記載をさせていただいております。造林は、委員御指摘のとおり、基本的に造林事業、仕事が終わってから申請書が出てきます。ですので、申請書が出てきた以上、現場は終わっているということですので、繰り越しという、箇所に着目した繰り越しというのは、これはあり得ないということになります。ただ予算的には、年度当初の予算があります。それからまたさらに補正で追加になることもあります。その年度内に執行できなかった補助金につきましては、これは林野庁とも相談の上、繰越手続をとっております。翌年度、早期の申請に対して、その繰り越しをした金額を活用するというやり方をとっておりまして、毎年度、議会にお願いいたしまして、造林補助金につきましては繰り越しをお願いしております。  この繰り越しの明許の手続を適正かつ十分に、今の制度ですと最終の申請が3月になります。3月ですと、繰り越しを議会にお願いをするよりも後になりますので、最新の申請、幾らかがわからない段階で繰越手続をお願いすることになるのですが。ここは十分、現地機関とやりとりをし、状況を把握し、繰り越しの明許費のお願いした額が足りなくならないように。それによって、3月になって無理な予算の、まさにここで報告している押しつけのような事態にならないように、これは的確に十分現地機関、それから事業体の状況を把握した上で、必要な繰り越しの明許をお願いしていく。こういう考え方で記載させていただいているものでございます。 ◆清沢英男 委員 現地機関と打ち合わせがきちんと当たればいいけれども、足りなくなれば困るし、余れば予算執行をしなきゃいけないと。いわゆるこの大北森林組合の報告書にも書いてありますが、強制的な予算執行をしなければいけないという思いが出てくると。そこが一つ問題ではないかということが言われていますけれども。それについて、どう思いますか。 ◎前島啓伸 森林づくり推進課長 平成26年度もそうですし、その以前もここ数年ほど繰越明許をお願いした額よりも、実際の実繰越額は下回っております。ですので、繰り越しの見通しとして、ある程度そういう意味で余裕を持った明許のお願いをできたということは実績としてございます。  ただ、現実問題として、確かに3月に、最後の申請が上がってくる。それでお金の精算に向けてのやりとりがあるということで、第6回の申請が2月に受け付けをして3月に交付をする、こういう日程でございます。この第6回の申請のあり方につきましては、このA3の概要の中でも、第6回申請の原則廃止という書き方で書いてございます。これは、基本的にこの非常に忙しい時期、年度末、また雪の時期でもある。こういうときに申請を受け付けて、非常にタイトな期間で補助金の確定をしなくてはいけない。こういうあり方は、これは非常に大きく変えなくてはいけないということで、現在、検討しているところでございます。 ◆清沢英男 委員 だから、第6回の申請はやらないほうがいいじゃないかという県の検証委員会からの提言ですよね。ただねといいますか、豪雪地帯はそうすべきだということを思いますけれども。雪がないところも、長野県は広いですから、それは仕事ができるわけでありますからね。その辺との兼ね合いをどうなさっていくのかというのは、これからの研究課題だと思います。  それからもう一つは、森林組合の決算時期の問題があるんですね。例えば松本の場合だと12月が決算なんですね。だから1月から12月まで、仕事はいつやっても、森林組合としてはいいわけですよ。ですが、ある意味、仕事のできない3月までに実績申請を上げてこいということですから、本当は、どこの法人もそうだと思うんだけれども、そういった県との関係がなければ、雪が消えてから仕事をやりたいですよね。だからそういう意味での期ずれの問題が発生していくんですね。だから県は県の都合で、3月に申請を上げてこいと、実績申請を上げてこいという話ですけれども。それがうまいぐあいにいくか、いかないかというのは、ぜひこれから研究してもらいたいと思います。それから交付ですね、造林事業の補助金の交付の場合に、必ず実績申請をしなければいけないとしていますけれども、計画申請でやってはいけないという運用面での縛りがないと思うんですよね。運用書を見てもね。それはどうですか。 ◎前島啓伸 森林づくり推進課長 公共の造林事業に関しまして、大きく、昨年度以前は2つの予算でやっておりました。一つは、森林環境保全直接支援事業がメインでございます。もう一つは、森林整備加速化・林業再生基金を活用した加速化事業でございます。加速化事業の場合には、計画補助という形式でやっておりました。ただ、メインである森林環境保全整備、これは実績補助でございます。ただ、これは、必ず実績補助にしなさいというわけではなく、計画補助形式をとっている県もあると聞いております。ただ、国の基本的な制度設計といたしまして、造林事業というのは非常に小規模分散である。季節も限られてくる。形として造林事業、森林所有者が発注者という形になりますが、実態としては森林組合等の事業体が取りまとめをし、所有者とやりとりをし、計画を集約化して短い期間でやる。当然、事業を進捗する中で、やっぱりこっちをやってくれと計画箇所が変わるというような流動性も大きいということから、公共事業の中では唯一と聞いておりますが、実績補助方式をとっていると。これが国の基本的な制度設計であるということで、長野県としても、その国の基本の制度設計による実績補助方式をとっているということでございます。決して必ず実績補助でやれということは、国として指定をされておりません。 ◆清沢英男 委員 多少そこら辺にフレキシブルな面があるならば、今回の事案を踏まえての話ですけれども、そのことがもし防止できるような申請方法としてあるならば、検討の一つに加えてもらいたいと思います。  それから、今、平野委員から話があったように、きのうの大北森林組合から謝罪ということがあったわけですが。あとは、要は、返還額ですね。国へ返すものは幾らあるのか。県に返してもらう返還額は幾らあるのかということだと思うんですね。それで、大北森林組合の責任とする金額が幾らあるのか。今、久保田参事の話ですと、それはテーブルに着いて話し合わなきゃ出てこないだろうということだと思いますが。今、久保田参事がお答えになったことはそういう意味もありますか。 ◎久保田俊一 林務参事 私が先ほどテーブルに着いてと申し上げましたのは、返還額そのものの話ではないと思っております。というのは、謝罪がありましても、過去に行われたことが変わるわけではありませんので、私どもとしましては、返還請求に当たりましては、8月7日に県の方針を決めております。その方針に沿って対応していくということを考えておりますので。テーブルに着いてこれからどうしていこうかということは、主だっては、どういう返済方法なり、スパンなり、そういったことを、地域のその森林整備のあり方とともにお話し合いをしていくということかと思っております。 ◆清沢英男 委員 今のお話ですと、そうすると大北森林組合の債務は決定されているっていう意味ですか。 ◎久保田俊一 林務参事 私どもの県の調査がありまして、検証委員会でも評価をいただきましたけれども。補助金の不適正な受給額、受給件数は、おおむね定まっております。したがいまして、そういう意味では、大枠での額というのは定まっていると思っています。ただ、1回目の返還請求もそうですけれども、1件1件、事情があると思っておりますので、そのことについては1件1件精査をしながら、返還額を固めていくと考えております。 ◆清沢英男 委員 時効が迫っているから、そのたび、そのたび、金額を確定するというわけに、それはいかないですね。要するに早い時期に全体の返還額を決定して、そしてその債務支払いをどうするかという話ならわかるんですけれども。その意味で、全体の返還額ということですけれどもね。それは、どこで決定していくか。つまり、大北森林組合の第三者委員会には第三者委員会の言い分があって、やったものとか、あるいは県職員からの働きかけのあったものは除けという話にしていますよね。そういうものをどうしていくかという中で、金額の返還額の決定ということになってくると思いますが。そういう意味での返還決定ですね。それから国との協議ということもあると思いますけれども。そういうものを含めて、返還額は、久保田参事、今お答えになったように、おぼろには出ているんだけれども、きちんとした債務として決定しなければいけないと思うんですが。それはいつごろにどういう方法でやっていくかということです。 ◎久保田俊一 林務参事 検証委員会の最終報告が7月28日にございまして、その時点で、時効でなるべく返還請求権を消さないという意味で、8月14日に1回目の返還請求を行っております。5年前の案件でありますけれども。これからも5年たつごとに、時効を迎える可能性があるものがありますので、それはできるだけ消さないようにしてまいります。ただ、5年前のものを、その都度、その都度、やっていくというつもりはございません。例えば、今回、第2回目の返還請求を、今、準備をしてございますけれども、10月中には行いたいと思っています。10月中というのは、平成22年の10月に交付決定したものがございますので、その時効消滅を防ぐという意味と、それからできれば平成22年度中の案件については、精査をした上で返還請求をしたいと考えております。  どうしても1件1件準備をして精査をしておりますので、時間がかかります。本来的には平成25年度まで全て精査ができて、例えば10月に返還請求できればいいわけでありますけれども。なかなかそこの時間との関係がございまして、難しいところがございます。したがいまして、私どものめどといたしましては、少なくても年度内、できれば1月中ぐらいには、平成22年度から平成25年度にかけての返還請求額は固めたいなと思っております。 ◆清沢英男 委員 それで、その間の仕事ですね。大北森林組合に発注する仕事は出さないということですか。 ◎前島啓伸 森林づくり推進課長 大北森林組合に出さないかということでございますが。現在、補助金、造林関係の補助金につきましては、交付をしてございません。組合からも請求がないという状況でございます。これにつきましては、昨日、組合からの謝罪ということもございましたが、いずれにしろ組合に対する具体的な処分や責任のあり方が確定され、原因追及、それから具体的にこの返還にどう対応するか、こういうところのめどが立たなければ、まだ検討する段階には至ってないのかと考えております。 ◆清沢英男 委員 だから、さっきからめどの話をしているんだけれども。つまり、久保田参事がお答えになった、来年の1月までには返還額の確定という言葉を使いますけれども、確定をし、それをどうやって返還するかということまで決まれば、めどが立つと一般的には考えますが、そうじゃないんですか。 ◎前島啓伸 森林づくり推進課長 具体的な補助金の返還についてどういうめどが組合として立つか、これも重要なことでございますが。補助金をこれから再交付しても、それが適正に執行されるのかどうか。組合としてどういう執行体制をとるのか。組合として事業執行に当たってどういう反省点があり、どうすれば再発の防止ができるか、そういう点の見きわめは非常に重要なことだと考えておりますので、こういうことにつきましても、組合がどういう考え方をとるか、どう整理をするか、これはよく見きわめてまいりたいと考えております。 ◆清沢英男 委員 そうすると、要するに組合の、きのうの謝罪にもありましたけれども、現体制を一掃して、そして出直すと。出直すに当たっては、こうしますという姿勢を示す。そのことと、補助金の返還方法とは別物だということで理解してもいいですか。 ◎前島啓伸 森林づくり推進課長 補助金の返還は返還で、これは求めてまいります。また組合の体制ということも、昨日も組合側からお話がありました。それはそれということで考えたいと考えております。 ◆清沢英男 委員 それで、私が思うことは、補助金の返還について、1月ころに額が決まりますよね。その場合に、大北森林組合に請求をするということは、有限責任ですから、役員のほうに多分行くと思うんですね。これは、私の一人で考えていることですよ。行くと思うんです。ところが、その返還というのは、15人の、十数人ですので、15人ぐらいの役員では、大変な重荷になる可能性がある。その場合に、その返還が回収できればいいですが、回収できないということも考えられますね。個人的に請求していくわけですから。その場合に、私なんか思うのは、例えばある程度、長期の債務、県とすれば債権になっても、きのうの組合長は、幾ら長くかかっても支払っていくという話をしていますので、そのことを正面から受け取った場合、長期の債務になっても、県が出す仕事と、それからその回収を、年ごと幾らになるかわかりませんけれども、相殺をするということの中でやっていくしかないんじゃないかなということを私は思うんですよ。そういう意味で、仕事をやっぱり出すべきだと。本来のきちんとした仕事をしてもらうべきだということを思うんですよ。それについて、どう思いますか。 ◎久保田俊一 林務参事 組合のほうで、どういう資金的な手当てをされるのか、組合の役員の方が負担をされるのか、あるいは元専務理事から資金を回収するとか、いろいろな手法はあろうかと思います。ただ、なかなか厳しい状況であることは、委員がおっしゃられるとおりだと思います。私どもも、無理に取り立てて組合を破産させるとか、追い詰めるとか、そういったことを、今、考えているわけではございませんので、先ほど平野委員からもお話がございましたけれども、これからそのテーブルに着いて、私どもが考えていく、あるいは一緒に、組合のほうからお話があると思いますけれども、どういう形で返済をしていくということをお聞きした上で、長期的な対応というのも一つの選択肢だと思っております。そのためには、組合として事業をしていかないと、その原資が出てこないということも、これも事実だろうと思います。  ただ、組合に対して、私どもが補助金を復活すると、あるいはその県営林の事業を出すというためには、県民の方々が納得する一つのけじめが必要なのかなと思っています。それが、先ほど課長が申し上げましたけれども、再発防止策であるとか、あるいは今までのその責任の所在をもっと明らかにするとか、関係者の処分をするとか、そういったことを明確にしないと、納得感は出てこないと思っておりますので、それを組合のほうに期待をしたいと思っています。 ◆清沢英男 委員 私が今言ったことも選択肢の一つとして、あるのかなと思いますが。林務部長、その辺の選択肢の一つという意味ではどうですか。 ◎塩原豊 林務部長 ただいま委員からお話のありました、これからの取り組みの方法についての幾つかの選択肢、こうしたものも、当然、いろいろと検討する中では、話が出てくるものだと思われるところであります。まずは、今まで答弁させていただきましたように、森林組合がこのたび理事会の中で十分御議論いただいてまとめられた今回の報告でございます。こうした中で、所在の明確化や再発防止、補助金返還への対応といったことがございますので、まずはその再建に向けて全力で取り組んでいただくといったことを期待される中で、今後の対応等についてもいろいろと出てくる内容だとは思っております。県といたしましても、こうした組合の再生に向けて、いろいろと森林組合連合会とも協力しながら、指導・助言する立場にもありますから、そうしたもので取り組んでまいりたいと考えております。 ◆清沢英男 委員 今の林務部長の答弁で理解したことは、組合をつぶさないと、組合を再生させるということの答弁があったと思います。その意味でどういう方法をこれからとっていくかということになってくると思いますけれども。  それで、視点を変えて、知事と林務部の皆さんと車座集会をやったという話の中で、新聞記事にも書かれていましたが、印象的なことは、要するに担当した職員だけを、ある意味では、有責とするのかということですよね。例えばこの県の検証委員会に書かれていますが、地方事務所林産係の作業量が12倍にふえたって書いてありますよね。それはまことに異常な状況であっただろうということを私は思うんです。その中で仕事をこなさなければいけなかった。そして1年ごとに次の担当者にかわったとしても、彼らも彼らなりに一生懸命なんですよね、とにかく補助金をたくさん持ってこなきゃいけないと。それを打ち込むことで、麻薬のようにという表現が出てくるわけですけれども、しなければいけなかったと。  私は思うんですが、確かにコンプライアンスという面では、反省しなければいけない部分があるかもしれないけれども、やはりその職員に一義的に責任を負わせるだけといいますか、ほかにも責任をとる人がいるんだろうけれども。大変きつい話だなと、外から見ていてね。つまり、下だけいつも切られるということですね。そういうことについて、どんな感想をお持ちですか。 ◎小田切昇 森林政策課長 車座集会等の御意見等にもありました、今回の事案に関しての県職員の責任に関する御質問でございます。今回の事案に関しましては、今回の検証委員会の報告の中でも、個人もしくは当時の北安曇地方事務所の林務課としての不適切な補助金にかかわる依頼もしくは行き過ぎた助言等の関係という点。また、今回の不適正に至る関係の当時の係としての係長もしくは課長としての、適正執行におけるチェック体制等も言われているところでございます。また、一方で、そういった実態を十分把握できなかった本庁サイドの責任も指摘されているところでございます。  こういった点を含めまして、委員からお話のありました業務量を適正に把握した形での人員体制も、本庁サイドでの人員配置に関してのセクションのほうで担っているところでございまして。そういった点は、しっかり今回の事案の要因等を的確に把握する中で、今回の行動計画の中でも、今、委員が御指摘の業務量に応じた関係につきましては、二度と不祥事を起さない人と組織づくりの中で、業務量に応じた柔軟な業務体制の変更等も、災害時に準じた形での応援体制等を含めた形での体制等も考えてまいりたいと考えているところでございます。 ◆清沢英男 委員 それは、ぜひ組織として考えていってほしい問題だなと思います。それともう一つ、私、松本広域森林組合に話を聞きに行ったときに、その中の人から、聞いているんですが。支払いのことが、期ずれの問題が生じたので、とまったんですね、1回。今、どうなっていますか。 ◎前島啓伸 森林づくり推進課長 松本広域森林組合につきましても、県のこの4月・5月の緊急点検の中で、未完了がわかりました。その中で、現在、今年度の補助金申請の交付はとまっているという状況でございます。 ◆清沢英男 委員 それ、いまだにとまっているんですね。それがとまらなくなるには、何をしたらいいんですか。 ◎前島啓伸 森林づくり推進課長 これも、現在、松本広域森林組合、それから当時の担当職員のほうに聞き取りをしておりまして、原因が何であって、それに対して組合としてどういう再発防止を図られているか。それから補助金返還すべき部分、額は幾らかを確定をする作業をしておりまして、林野庁ともこの辺につきましては相談をしているというところでございます。 ◆清沢英男 委員 松本の場合は、仕事はしてあるんでしょう。期ずれであっても、仕事は済んでいるはずですよね。交付決定もされているわけですよね。にもかかわらずとまっているということですね。それは佐久や小諸も同じですか。 ◎前島啓伸 森林づくり推進課長 佐久森林組合も同様でございます。 ◆清沢英男 委員 県の立場としてはそういうことなんだろうけれども、反省文を書けというなら書くべきだと、私も思いますよ。それで反省文を書いたのならば、きちんと早期に手当てをしてやるべきだと。そうでなければ、そこで働いている人もいるから、組合だって、金があってやっている話じゃないと思うんですよね。だから、反省文をきちんと求めるなら求めて、今後はどうするのかということも書くなら求めて、その提出があったあかつきには、即刻、それがいいとか、悪いとか判断があるんでしょうけれども、支払いをしていただきたいと思います。どうですか。 ◎前島啓伸 森林づくり推進課長 佐久森林組合、松本広域森林組合とも、地域の森林整備を担う非常に広域的かつ重要な手でございます。そういう意味で、正常な仕事に復帰したいということは、各森林組合からも伺っているところでございまして、既に両組合から具体的に当時の状況はどうであったかという報告もいただいております。これを、現在、精査いたしまして、できるだけ早く、近々に林野庁に状況の報告に行く予定でございます。その結果を踏まえて、私どもとしてもできるだけ早く状況の確定をし、返還等も、これも算定を進めた上で、補助金の再開ということに向って、これは国庫補助金が入っておりますので、国との協議が必要でございます。そこも踏まえまして、できるだけ早く進めてまいりたいと考えております。 ◆清沢英男 委員 今の答弁にぜひ期待をしたいと思います。大北森林組合と連動すると、それはもういつになるかわからないという話になっちゃって、残念な話になってしまうので、それはお願いしたいと思います。  1点、オーストリアの話で、一つお聞きしておきたいんですが。オーストリアというのは、前から聞いていますけれども。オーストリアのバイオマス発電、これは何キロワットですか。 ◎春日嘉広 県産材利用推進室長 オーストリアのバイオマス発電の規模のお尋ねですけれども、オーストリアの場合には、大小さまざまございまして、今回の視察の予定では、ヨーロッパで最大規模の発電所がオーストリアにありますので、そこを見てくる予定でございますので、小さいものに限らず、大きなものもあるという状況でございます。  ちなみに、今回行く予定のヨーロッパで最大規模というところは、10万キロワット規模程度のもの。正確な数字が手元にありませんけれども、その程度の規模だということを聞いております。 ◆清沢英男 委員 そうですか、あいた口がふさがらなくなっちゃった。F・POWERの10倍ということですね。NHKの7時半からの番組「クローズアップ現代」で、ドイツのバイオマス発電所のことをやっていたんだけれども。ドイツでは5,000キロワットをたくさんつくったんだけれども、全部だめだったと。それを3,000キロないしは2,000キロにした場合には、非常に地域の雇用から何からが生まれて活性化できたと、成功したというドイツの報告がありました。  ドイツというのは平場が多いので長野県とは違う。長野県と同じのはオーストリアだと、皆さんの判断の中にあると思うんだけれども。ただ、やっぱり林業が低迷して、そしてそれを再生したというのはドイツなんですね。それで今はGDPの5%ぐらいになったと。今、長野県の農業が1%でしょう。そういう意味では、ドイツでは林業に活力があると思うんですが。そこでバイオマス発電所はそういう結果だったと。これはNHKの番組の話なので、本当かどうかわからない。  けれども、10万キロを見れば、1万キロぐらい、どうっていうことはないという気になると思うのですが。その10万キロの材を集めるのに、一体どのぐらいのところから集めてくるのかということですね。その辺はわかっていらっしゃいますか。 ◎春日嘉広 県産材利用推進室長 正確には、どこから集めて、どの範囲で集めてくるのかは、把握がまだできておりませんので、そういった意味でも、現地へ行ってそこら辺も確認してきたいと思っております。  それともう1点、「クローズアップ現代」のように、小さな発電規模でないと回りませんというお話は多々あります。ただ、それはある一方方向からの見方でありまして、現実問題として、日本の中のバイオマス発電におきまして、FITという電力の固定価格買取制度があります。その中で、本年度から、価格で、バイオマス発電の見直しが行われました。それが、今まではバイオマス発電の未利用材を使った場合には、キロワット当たり32円という売電価格が保障されております。実態として、小規模な、例えば2,000キロワット未満の発電所につきましては、その状態でいきますと経営が非常に厳しいという声が非常に多くあります。そういう中で、国の省庁で調査をいたしました。その調査の結果に基づいて、本年度から2,000キロワット未満につきましては、40円に上げないと円滑に進まないということで、非常に実は、小規模なバイオマス発電につきましても、運営は厳しい面があるということがあります。そのような固定価格の変更が出たということもあるということで、御承知おきいただければと思います。 ◆清沢英男 委員 2,000キロであれば、FITの32円が40円、そのほうがいいんじゃないの。それで地域の雇用はふえると思いますが。例えば長野県中に、2,000キロで決まるかどうかわからないけれども、2,000キロなら2,000キロを、5カ所つくったほうがよほどいいと思いますが。それで40円で売ったほうがよほどいいと思いますが、どうですかね。 ◎春日嘉広 県産材利用推進室長 おっしゃるとおりの部分もございます。ただ、この事業、発電事業をやる場合には、初期投資として多額の費用がかかります。それをどこで担って、どこが負担をするかという点で、数多くの県内の事業体なり何なりが、できるかどうかという問題もあります。今、お話のありますF・POWERにつきましては、今までもう数年かけていろいろな検討をした中で、こういう状態がいいということで進めておるものでございますので、そこのところは御理解をいただければと思います。 ◆清沢英男 委員 いや、それはそうなんですよ。そうなんだけど、まだできていないものでね。土も掘り返してないものだから、私、聞いているんだけど。特に2,000キロについては、林野庁でも、もしかしたら補助を考えていくかもしれないという情報も入っているんですよ。その辺はどう見ていますか。 ◎春日嘉広 県産材利用推進室長 私の承知している範囲内では、その2,000キロワット未満に対して補助の対象とするという話は、まだ伺っておりません。 ◆清沢英男 委員 仮にこういうものに対して国の補助が入るようになれば、県の補助ももしかしたらある程度考えていかなければいけないかもしれないしということで、まだ未知数ですから、今、ここでの議論にすることはないということで。オーストリアは、あんまりほれ過ぎないようにと思うんですけどね。以上、終わります。 ○荒井武志 委員長 本日の審査はこの程度とし、明7日は午前10時30分から委員会を開会し、林務部関係の審査を日程といたします。  散会を宣した。 ●散会時刻 午後3時54分 △採決結果一覧 (付託議案)  ▲原案のとおり可決すべきものと決定したもの(簡易採決)    第1号 平成27年度 長野県一般会計補正予算(第3号)案中     第1条 「第1表 歳入歳出予算補正」中   歳出 第7款 農林水産業費       第1項 農業費       第3項 農地費    第8号 「県営農道整備事業上水内北部2期地区道路改築工事変更請負契約の締結について」 (陳情)  ▲採択すべきものと決定したもの(簡易採決)    陳第28号、陳第36号、陳第43号、陳第44号...