そこで、甲府市耐震改修促進計画を確認したところ、甲府市においても、当計画の見直しを行う中で、建築物等の耐震化の促進に向けた普及啓発活動や様々な支援事業に取り組んでいることがわかりました。普及啓発活動としては、建築指導課に耐震相談窓口を開設、広報こうふや電光掲示板等を活用したPRを行い、また、自治会単位での地域説明会の開催や戸別訪問を実施し、地域住民へのきめ細やかな情報提供を行っていただいております。また、支援事業として、昭和56年以前に建てられた木造住宅及び緊急輸送道路に沿った建築物の耐震化に向けた補助や、避難路や通学路に面した危険性の高いブロック塀等に対する撤去や耐震改修工事への補助を行っていることも承知しております。
これらの普及啓発活動や支援事業により、市民が耐震化の必要性や重要性について認識を深めてきているとともに、建築物等の耐震化が促進され、市民の安全が確保されてきていることと思いますが、甲府市耐震改修促進計画は昨年度、令和2年度に改定を行ったと伺っております。
そこで質問します。
平成20年度から令和2年度末までの13年間の計画期間である甲府市耐震改修促進計画の改定内容と耐震化促進の方向性についてお伺いいたします。
8:
◯兵道顕司議長 根津
豊まちづくり部長。
9:
◯根津 豊まちづくり部長 甲府市耐震改修促進計画の改定についてお答えいたします。
本市におきましては、建築物の安全性の向上を図り、今後予想される地震災害から市民の生命、財産を守ることを目的として、平成20年に甲府市耐震改修促進計画を策定いたしました。本計画は令和2年度までの計画期間でありましたが、耐震化の進捗状況や国及び山梨県などの動向を踏まえる中で、計画の継続が必要であると判断し、本年3月、所要の見直しを行うとともに、期間を5年間延長したところであります。
主な改定内容としましては、住宅の耐震化の目標を90%から92%に引き上げ、木造住宅の耐震化を促進するため、工事費を縮減し工期の短縮も図れる低コスト工法の普及に取り組むとともに、耐震設計と改修の補助を一本化して、効率的で利用しやすい制度といたしました。
さらに、災害時の緊急輸送道路等となる避難路に面した建築物については、避難路に優先区間を位置づけ、重点的に耐震化を促進していくこととしております。
本市は、甚大な被害が想定されている南海トラフ地震の防災対策推進地域に指定されていることから、今後におきましても、地域説明会や戸別訪問等の普及啓発活動を継続して行っていくとともに、補助事業に基づく支援を積極的に行う中で、建築物の耐震化に努めてまいります。
以上でございます。
10:
◯兵道顕司議長 坂本信康議員。
11:
◯坂本信康議員 御答弁ありがとうございました。甲府市耐震改修促進計画の改定内容と耐震化促進の方向性については、住宅の耐震化の目標を90%から92%に引き上げてくれる。また、木造住宅の耐震化の促進、低コスト工法の普及、また、避難路に面した建築物についても耐震化を促進していくとのこと。どうぞよろしくお願いいたします。
また、質問の中で申しました阪神・淡路大震災の教訓は3点あり、1点目は、建物の耐震化と家具等の転倒防止の重要性です。死者6,400人余、負傷者約4万3,800人の大惨事となった阪神・淡路大震災。亡くなった方の80%以上は建物の倒壊等によるものであり、けがをした方の半数近くは家具の転倒によるものでありました。
2点目は、被害者を直ちに助けることの重要性です。阪神・淡路大震災では、死者のうち、発生から15分間で約60%の方が、また約6時間で約86%の方が亡くなっております。いざというときのために、防災訓練に参加し、救出・救急救命法を体得しておくことが必要だと思います。
3点目は、自主防災活動の重要性であります。災害発生の際には、行政による緊急対応には限界があります。実際、阪神・淡路大震災で被災者の救出救助に当たったのは、80%近くが近所や家族の方でございました。日頃から自主防災活動に参加して、災害に強い地域づくりを進めることが必要であります。
そこで、今回の甲府市耐震改修促進計画の改定はこのような教訓が生かされているものと思いますので、この計画が実効性のあるものとなりますように期待して、この質問は終わりとさせていただきます。
次に、朝日町ガードの整備について質問をします。
この3月に横沢通りが開通しました。これで甲府駅周辺土地区画整理事業における都市計画道路10路線の整備のうち9路線が完了し、残りは朝日通り線のみとなり、平成3年度から長きにわたり事業展開されてきたこの土地区画整理事業も最後の仕上げに差しかかってきたと感じているところであります。
横沢ガードの整備につきましては、3年間の工期延長により、地域の皆様方をはじめ利用者の皆様方にも、6年11か月もの長い間、御不便をおかけしたところであります。そのような中で、完成した横沢通りを見ますと、道路の拡幅と線形改良、そして開放的空間の創出によって、安全・安心の確保や、利便性、快適性の向上による生活の質の改善が図られるものと、私自身も期待しているところであります。
本事業は、平成3年度の開始からこれまでに、歴史公園に始まり、よっちゃばれ広場を含む甲府駅北口駅前広場や藤村記念館等のハード整備及び民間事業者による甲州夢小路事業により、市民をはじめ
観光やビジネスで訪れる方々の交流拠点としてにぎわいの場を提供しております。また、新合同庁舎や山梨県立図書館そしてNHK甲府放送局などの公的機関を甲府駅の徒歩圏内に集約することで、市民の皆様全てが享受できる住みよい環境を整えてきたと思います。加えて、こうした事業効果をさらに発揮させ、人流を生み、そして甲府駅周辺に広く波及させるために、甲府駅南北をつなぐ重要な4つの幹線道路として、甲府駅南北自由道路を核とし、東の桜町道踏切、西の横沢通り、そして中央の朝日町通りの整備を進めていると伺っております。
私は、こうした努力が長い年月を経て少しずつ実を結び、中核市として、そして県都甲府の玄関口としてふさわしく、魅力ある甲府駅周辺地区になりつつあるのではと感じているところであり、今年4月28日に開店したヨドバシカメラマルチメディア甲府など、今後の民間事業の動きを活性化させる呼び水となるとともに、官民活動の相互作用によるさらなる相乗効果も期待できると感じております。
このように、本事業における都市計画道路の整備につきましては、多大な整備効果が期待できるわけでありますが、一方、その長い工事期間中における交通制限などにより、交通の流れが変わり、日常生活に変化が生じることで、地域の皆様方に及ぼす影響があることも事実であります。だからこそ、朝日町ガードの施工については、横沢通りのような工期の延長はあってはなりませんし、地域への影響を可能な限り小さくするための方策を事前に検討することが必要であり、そして、朝日通り商店街を含む地域の皆様からの御理解と御協力が、スムーズな事業の推進につながるものと私は感じているところであります。
そこで質問します。
現在、朝日通り商店街など地域の皆様に朝日町ガードの整備についての説明を行っているとお聞きしておりますが、今後50年、100年先を見据えた道路整備として、どのように事業を推進していくのか、現在の状況をあわせてお伺いをいたします。
12:
◯兵道顕司議長 根津
豊まちづくり部長。
13:
◯根津 豊まちづくり部長 朝日町ガードの整備についてお答えいたします。
本市の社会インフラ整備、特に都市計画道路の整備につきましては、地域の安全性や生産性の向上及び生活の質の改善を継続的かつ中長期的に図るとともに、当該地域だけでなく、より広域への整備効果の波及を見据えております。
御質問の朝日町ガードの整備につきましては、狭く段差を抱えた歩道や、規定幅員を満足しない車道など、現状課題の解消を主眼といたしまして、この先50年、100年以降も誰もが安心して通行できる道路、心地よく通行できる道路、そして、地域のみならず広く市域に貢献できる道路として整備を進めてまいりたいと考えております。
また、本市といたしましては、詳細設計に係るJR東日本との協定締結を本年度に予定しておりますが、事業の推進に当たりましては、まずは整備方針への地元自治会や商店街の皆様の御理解、そして整備期間中における御協力が必要不可欠であると考えております。
このような中、この3月から開催しております説明会では、地元自治会や商店街の皆様から、工法や工事期間中の交通制限について様々な御意見、御要望をいただいているところであります。
今後におきましては、工事による周辺地域の影響等を調査・検証した上で、その結果を踏まえ、地域の実情に応じた有効な対策を検討し、お示ししてまいりたいと考えております。また、地域の皆様からの御意見、御要望等に対し、より丁寧な説明を引き続き行う中で、整備方針について地域の皆様との合意形成を早期に図ってまいりたいと考えております。
以上でございます。
14:
◯兵道顕司議長 坂本信康議員。
15:
◯坂本信康議員 御答弁ありがとうございました。朝日町ガードの整備については、現状課題の解消を主眼とし、この先50年、100年以降も誰もが安心して心地よく、そして地域に貢献できる道路として整備を進めていくとのこと。よろしくお願いをいたします。
都市計画道路の機能は、人や物を移動させるための交通空間であるとともに、人々が集い、語らい、子どもたちが遊ぶといった日常の生活空間でもあります。また、火災や地震などの災害時には、避難路としての役割や延焼を食い止める防火帯の役割も持っております。
今回の全体的な事業である甲府駅周辺土地区画整理事業及び甲府駅南口周辺地域修景計画により、一体的なアクセス道路の整備が推進され、歩行者、自転車等のネットワークを確立し、甲府駅周辺の安全・安心で快適な都市空間をつくることを目指し、甲府駅南通り線、宝二丁目北新線、横沢ガード、朝日町通り線、朝日町ガードの整備により、現在の渋滞緩和を含め整備されていくと考えております。
この整備のうち、朝日町ガードの整備については、周辺住民をはじめ関係する市民は、安全な事業推進と一日も早い事業完了を願っております。当局には、計画どおりに事業が進捗するよう、より一層の工夫や努力をお願いいたします。そのためには、答弁にもありましたように、地元自治会や商店街の御理解、御協力が必要不可欠でありますので、今後とも地元と密に連携を取り、円滑な事業遂行に努めていただきますよう、重ねてお願いをいたします。
そして要望ですが、今回、横沢ガードが開通しましたが、新道路が開通したことに伴い、これまでは渋滞がなかった周辺の道路が渋滞するという事象が発生しております。今後、甲府駅南口周辺地域修景計画を進めるに当たりましては、このような現象が起こるということも見据えて検討していただきたいと思います。よろしくお願いをいたします。
次に、消防分団の本部拠点施設等の整備について質問いたします。
総務省消防庁では、東日本大震災の教訓や、消防団を中核とした地域防災力の充実強化に関する法律の制定をはじめとして、消防団の本部拠点施設について、消防団を取り巻く状況が大きく変化していることを踏まえ、近年の頻発する大規模災害への備えとして、また、地域の自主防災組織や住民等との連携強化に資する地域の防災及びコミュニティの拠点施設として、重要な役割を果たしているとしています。
本部拠点施設については、一般的には、消防防災用車両や資機材の収納場所であり、災害時の参集場所、活動拠点であるとともに、大規模災害時において災害活動が長期化する中、消防団員が活動に専念するための拠点機能の必要性は言うまでもなく、安全管理対策や救助活動、他機関との連携等に係る消防団員への教育・訓練の充実や、自主防災組織や地域住民への防災指導の充実の場として、平常時、災害時を問わず、地域防災の要としての役割を担っております。
こうした中、本年1月末には、かねてから要望のありました甲運分団の本部拠点施設が甲府市の負担により新たに和戸町地内に建設され、甲府市東部地域のさらなる地域防災力の向上に資する活動拠点として整備されました。改めて、関係各位の御尽力に心より感謝を申し上げる次第でございます。
この施設は、1階車庫部分には、消防ポンプ自動車を格納するスペース、消火資機材や災害対応時に必要な資機材を収納するスペースがあり、また、2階の詰所部分には、会議室、団員の待機室を確保しており、甲運地区における拠点施設として、地域住民と連携した地域防災活動など多目的に活用でき、様々な役割が期待されるところであります。この施設整備に伴い、団員の皆様も、地域住民の負託に応えられるよう一致団結、決意を新たにされたことだと思います。
地域防災力の要とされる消防団の本部拠点施設の整備につきましては、消防団の活動環境の改善にも資する重要な課題でありますので、今後も老朽化、狭隘化した施設の更新に鋭意取り組んでいただき、効率的かつ効果的な整備をお願いするところであります。
また、拠点と位置づけている施設以外の分団内の支部的な施設であります部の詰所については、その自治会に所属する団員の皆様が主に活動に使用しており、各分団における施設の内容や施設数は異なりますが、建築年数が経過し、老朽化等も進んでいるとお聞きしております。
そこで質問します。
本市消防団の活動等の拠点となり、地域防災力の向上に欠かすことのできない消防分団の本部拠点施設や各部の詰所の今後の整備について、当局のお考えをお伺いいたします。
16:
◯兵道顕司議長 横打幹雄危機管理監。
17:
◯横打幹雄危機管理監 消防分団本部拠点施設等の整備についてお答えいたします。
消防団は地域防災のリーダーとして、平常時、非常時を問わず、地域に密着し、住民の安全と安心を守るという重要な役割を担っております。その活動の拠点となる消防団の詰所は、消防車両や資機材の収納場所、災害時の参集場所、各種会議の実施場所として、十分に機能することが必要な施設であります。
このうち、各地域の本部詰所、いわゆる本部拠点施設につきましては、必要な機能や規模を満たす用地の確保など様々な条件を満たすものについて、建築年次が古いものから、経年劣化などを十分考慮した上で、公費負担による整備を行っております。
また、各地区で保有している部の詰所につきましては、消防団施設整備費補助金により、一定の上限はございますが、各自治会などが支出した経費の2分の1を補助し、整備に努めております。
今後におきましても、消防団の活動を支える拠点であります詰所が災害時に十分に機能できますよう、必要な整備に努めてまいります。
以上でございます。
18:
◯兵道顕司議長 坂本信康議員。
19:
◯坂本信康議員 御答弁ありがとうございました。消防分団の本部拠点施設や各部の詰所の今後の整備については、経年による老朽化した本部拠点施設の改築や各部の詰所の補助につきましては、これまでどおり、地域要望を踏まえ順次行っていただけるとのことなので、安心いたしました。よろしくお願いをいたします。
こうした中で、本部拠点施設は、先ほど質問したように、消防車両や資機材の収納場所であり、団員の拠点機能を持つ場所であります。そして、昨今では女性消防団員も増えてきておりますので、女性用トイレ・更衣室の設置が必要となってきます。そして、これからは、地域の自主防災組織や住民等との連携強化に資する地域の防災及びコミュニティの拠点施設としての役割を重要視していくべきだと考えております。
しかし、消防団と自主防災組織の関わりについての現状は、地域の自主防災組織の役員との面識はあるが、防災について話し合ったり一緒に活動したことはありません。ましてや、地域の自主防災組織との面識がないなど、ほとんど関わりがないような気がします。
消防団は災害から市民の生命、財産を守るとの使命があります。地域の消防団と地域の自主防災組織が定期的に会議を開催して、災害時に備え何を優先的に取り組むべきかを話し合う場として、拠点施設活用を考えていただきたいと思いますし、行政には、各自治会、自主防災組織、消防団との連携を強化する対策も検討していただきたいと要望しておきます。
次に、消防団の装備等の充実について質問いたします。
消防本部が作成した消防団員募集のリーフレットの表紙には「大切な人、大切な街、わたしが守る」というキャッチコピーが書かれております。このことからも分かるように、消防団は地域の実情を最も熟知している地域防災の中核であり、自らの地域は自らで守るという郷土愛護の精神に基づき、住民の安全・安心の確保に努めていただいております。この消防団の皆様が地域のために尽力されている姿には、常日頃より頭が下がる思いであります。
こうした地域防災力の中核として活動されている消防団員には、ひとたび火災や水害などの自然災害が起これば、昼夜を問わず出動し、危険と隣り合わせの中での活動となります。
近年、日本各地で異常気象による災害が多数発生しており、甚大な被害をもたらしております。令和元年10月に発生した令和元年東日本台風では、関東地方や甲信地方、東北地方などで記録的な大雨となり、河川の堤防が決壊するなど甚大な被害をもたらし、人的被害は死者・行方不明者108名に上りました。このときには、本市においても一部の地域において避難指示が出され、消防団員延べ721名が豪雨の中を出動し、危険箇所の警戒やパトロール活動を行うなど、対応に当たっていただきました。
また、令和2年7月豪雨は、熊本県を中心に九州地方や中部地方など日本各地で発生した集中豪雨であり、特に7月3日から7月8日にかけて九州で多数の線状降水帯が発生し、死者・行方不明者が86名という大きな人的被害をもたらしました。
さらに、令和3年に入ってからは各地で大規模な山林火災も多発しており、多くの消防団員が出動いたしました。栃木県足利市の山林火災は令和3年2月21日に発生し、約1か月後の3月15日に鎮火しましたが、山林被害は約106ヘクタールに及びました。足利市消防団の出動状況は、車両33台、団員331名でありました。また、同年2月25日に発生した群馬県桐生市の山林火災では、桐生市消防団において17台、238名の団員が、同じく2月に発生した東京都青梅市の山林火災においても、青梅市消防団約180名の出動がありました。甲府市内の山林火災も令和2年度内に6件発生し、多くの消防団員が出動したと聞いております。
こうした様々な地域の災害の対応に当たる消防団に対して、これまでに、平成25年12月、消防団を中核とした地域防災力の充実強化を図り、住民の安全の確保に資することを目的として、消防団を中核とした地域防災力の充実強化に関する法律が施行され、平成26年2月には消防団の装備の基準等が改正されました。主な改正内容は、双方向の情報伝達が可能な情報通信機器の充実(トランシーバー等)、また、消防団員の安全確保のための装備の充実(安全靴、ライフジャケット、防じんマスク等)、そして、救助活動用資機材の充実(チェーンソー、油圧ジャッキ、投光器等)であります。
私はこれまでも、消防団に対しまして、団員の安全確保に向けた装備や異常気象による自然災害に対応する新たな資機材の拡充、また安全に活動するための団員の技能の取得や研修の必要性について提言してまいりました。その中で特に装備につきましては、新基準の活動服の一括配布やトランシーバーの配備を終え、昨年度は水防時の最前線で活躍する消防団員が安全かつ継続的に活動が実施できるよう、新型コロナウイルス感染症に対応可能な感染防止機能を備えたレインウエアを全ての団員に一括導入することとしていただきました。また、各分団消防ポンプ自動車の購入に当たりましても、令和元年度から全額公費としていただき、安心するとともに感謝いたしております。
様々な災害に対応する消防団に対しては、団員の安全確保のための装備、救助活動用資機材の装備、また、消防団員が活動しやすい環境づくりを実現し、各地域における災害の実態や消防団の活動状況に適した新しい消防団の装備の一層の充実強化を図っていくことが必要であると思いますので、改めてお願いを申し上げます。
そこで質問します。
今年度配備されますレインウエアの状況も含め、現在、消防団の装備等についてどのように取組が進められているのか、また、今後どのように取り組んでいかれるのか、当局のお考えをお伺いいたします。
20:
◯兵道顕司議長 横打幹雄危機管理監。
21:
◯横打幹雄危機管理監 消防団の装備等の充実についてお答えいたします。
消防団員は、火災や水害などの災害発生時には、自宅や職場から現地に駆けつけ、その地域での経験を生かした消火活動や災害対応に当たっていただいております。
このように災害現場等で活動する消防団員の装備強化については、非常に重要であると認識しており、国の消防団の装備の基準に基づき、安全確保のための装備や救助活動用資機材の充実などに年次的に取り組んでおります。
御質問のありました、新型コロナウイルス感染症に対応可能なウイルスバリア性の機能を持ったレインウエアにつきましては、今月6月末までに約1,200名の全団員への配備を完了する予定であります。
また、同じく、水害時に使用する救命胴衣につきましては、消防団が保有するポンプ車及び小型動力ポンプ積載車計94台に対し各3着ずつ、計282着について令和元年度から隔年で整備を進めており、令和5年度に配備を完了する予定であります。
このほか、今年度は、平成29年度から年次的に進めてきた耐切創性手袋についても、全団員への配備が完了いたします。
今後におきましても、消防団は将来にわたり地域防災力の要であり、欠くことのできない存在でありますので、災害活動や災害対応訓練等で浮かび上がった安全対策の課題を把握するとともに、山林を抱えている地域、浸水区域を多く抱えている地域など、分団ごとに異なる地域特性を考慮し、なお一層の装備充実に努めてまいります。
以上でございます。
22:
◯兵道顕司議長 坂本信康議員。
23:
◯坂本信康議員 御答弁ありがとうございました。レインウエアについては今月中に配備を完了するとのこと、よろしくお願いをいたします。また、装備については、水害時における救命胴衣の配備を年次的に行っていっていただけるということ、また、平成29年度から配備してきた耐切創性手袋も完了するとのこと、どうぞよろしくお願いいたします。そして、今後も一層の装備の充実に努めていただけるとのお言葉をいただきました。こうした装備を充実していただくことは、団員の士気にも影響してきますので、どうぞ今後ともよろしくお願いをいたします。
消防団の特徴は、地域密着や即時対応、要員の動員力にあります。その機能を生かすためにも、装備の充実や団員の待遇改善を行っていくべきであると考えております。
待遇改善については、消防庁では、団員の苦労に報いるべきとのことで、これまで費用弁償の性格が強かった出動手当を出動報酬に見直しました。また、装備につきましては、消防庁より救助資機材を搭載した消防ポンプ自動車も無償で貸与されており、地域防災力の向上につながっていると思います。また、先ほども述べましたが、甲府市においても、各分団の消防ポンプ自動車を古い順に全額公費で購入していただいております。改めて感謝申し上げます。
その一方で、危惧されますのは、今申しました装備の1つである消防ポンプ自動車の準中型自動車免許証についてであります。道路交通法の改正により、平成29年3月12日以降に取得した普通自動車免許証では運転できる車両の総重量が3.5トン未満に限定されており、3.5トンを超える消防車両を運転するには準中型自動車免許証が必要となります。甲府市消防団でも、令和3年4月現在、準中型自動車以上の消防車両がありますので、免許証取得のための所定の教習が必要となります。
これから免許証を取得する方はおおむね若い世代でありますし、その方々が消防団に入団する際、さらに準中型自動車免許証が必要となることは明らかであります。装備の充実を図っていただいても、使う人が不足しては何にもなりません。消防団員の確保及び団員の円滑かつ迅速な消防活動の推進を図るため、準中型自動車免許証を必要とする団員を対象に、その免許証を取得する費用を補助していただき、消防団員不足の解消の一助となるよう御検討いただきますよう強く要望して、質問を終わります。
どうもありがとうございました。
24:
◯兵道顕司議長 暫時休憩いたします。
午後 1時56分 休 憩
───────────────────・───────────────────
午後 2時05分 再開議
25:
◯兵道顕司議長 休憩前に引き続き会議を開きます。
上程議案全部に対する質疑及び市政一般質問を続行いたします。
政友クラブの一般質問を行います。
末木咲子議員。
(末木咲子議員 登壇)
26: ◯末木咲子議員 昨日の小澤 浩議員の代表質問、また先ほどの坂本信康議員の一般質問に続き、政友クラブの末木咲子でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
先日、政友クラブの研修で、アイやまなし人材育成協会のプログラミングを体験してまいりました。Pepperくんのプログラムをつくって自分で操作する研修です。プログラムを初めて体験しましたが、現在は小中学校また甲府商業高等学校や甲府商科専門学校の方たちも研修に来ているそうです。自分たちで考えた手順で操作ができる楽しさを、しっかりと政友クラブで体験してまいりました。
それでは質問をさせていただきます。
まず初めに、子どもファーストについて質問いたします。
現在、国において、こども庁創設の議論が急速に進んでいます。国会議員を中心にChildren Firstの子ども行政のあり方勉強会が開かれ、子どもに係る課題等が大きく議論されています。子どもに係る問題は、子ども自身をはじめ、子育てする父母や社会構造など、対象が多層にわたっていて、メンタル面や資金面など多分野にまたがっています。
こうした中、樋口市長はいち早く「こども最優先のまち」「こども輝くまち」を市政運営の一丁目一番地として様々な施策を展開し、子育て・子育ちの支援に力を注いでまいりました。今回は、子どもの成長期の中でも、自我が芽生える小学生を中心に質問をしたいと思います。
最初に、不登校について質問いたします。
一昨日の山田(弘)議員や昨日の堀議員の質問とまた角度を変えて質問させていただきます。
令和2年12月17日に発表された文部科学省の、いわゆる「ひきこもり」の社会参画を考えるPTのデータからも、小学生の不登校が非常に増えていることがうかがえます。小学生は、年を重ねるごとに不登校の児童が多くなる傾向があります。これは高学年になるにつれて多感な時期に差しかかってくるためとも言われており、小学生の不登校の現状は深刻な状況にあり、子どもの状態にあわせた取組が求められています。
文部科学省の2018年の調査によると、小中学校での不登校にある児童・生徒は、全体で16万4,528人でした。1,000人当たりで見ても16.9人。どちらも1998年以降最多となっています。ただし、これを小学生だけで見ると、小学生の不登校児童は全体の約27%程度、4万4,841人です。2013年から徐々に増え始め、1.8倍まで増加しています。
また、欠席日数と出席日数で見たとき、不登校の定義である30日以上の欠席者のうち、90日未満の児童は2万4,794人、また、欠席日数が90日以上でも出席日数が11日以上ある児童は1万6,891人と、欠席日数は3か月以内、もしくは3か月以上でも度々登校はしているという児童が多いことが分かりました。
小学生が不登校になってしまう理由は幾つか挙げられます。2018年の文部科学省の調査結果によると、学校に係る状況において不登校になる理由は、友人関係や成績・進路、学校との相性などが挙げられますが、小学校の不登校になる理由において、学校に係る状況で最も多かったのは、いじめを除く友人関係をめぐる問題が21.7%でした。いじめという回答もありますが、これは0.8%にとどまっています。
次いで多かったのが学業の不振です。教科書の改訂や学習指導要領の変化による学習内容の増加と授業の速さについていけないなど、勉強が分からないという子どもが授業に出たくないという理由で不登校になるケースがあります。
ほかにも、教職員との関係をめぐる問題や、入学・転編入学・進級時の友人など、相性の問題で不登校になった児童が同率で4.5%となりました。
学校に係る状況を理由とした不登校はこのようなものが挙がりますが、それ以上に家庭に係る状況から不登校になる割合が55.5%と、半数を超えています。この、家庭に係る状況とは、両親の別居や離婚、近親者との死別など生活環境の急激な変化や、親子関係の問題、家庭内の不和などです。不登校というと悪い印象が付きまといがちですが、何の理由もなく学校へ行かないのではなく、自分を守るために子どもたちは苦渋の
選択を迫られているということがあります。
無理に学校へ行かせることはよくないこともあります。子どもたちの気持ちがいっぱいになり、ついにあふれてしまって、そのときが不登校や自殺という結果になるという実情があります。小学生の子どもにとって最も長い時間接するのは保護者であり、不登校になれば家にいる時間も長くなるため、子どもによっては親と接する機会しかなくなることもあります。
子どもの不登校を解決するには、保護者による支援だけではなく子どもと向き合って、冷静に原因や理由を聞き取る支援が必要だと思います。また、無理に学校に行かせるのではなく、ホームエデュケーション(通学せずに家庭を拠点に学ぶこと)など、学校に行かないという
選択肢もあります。このような学習方法も
選択肢に入れ、継続的な支援を行い社会的自立ができるようにすることも、不登校の児童への支援の在り方だと私は思っております。
不登校の原因や理由は様々ですが、複数の事情が絡み合っていることもあります。文部科学省によると、原因や理由を把握し、適切な支援や働きかけを行うことで、社会的自立や復学に向け主体的に動けるように取り組む必要があるとされています。
そこで質問させていただきます。
本市の不登校児童・生徒の現状と、学校以外の場における不登校児童・生徒の学校活動の場、心身等の継続的な把握などの措置など、不登校を増やさないための取組について御説明ください。
次の質問に移ります。
次に、子どもの事故予防についてお伺いいたします。
内閣府において公表している教育・保育施設等で発生した令和元年の事故報告集計では、認定こども園、幼稚園、保育園等における重大事故は1,293件であり、この中で死亡事項は6件とのことでした。また、1歳以上の子どもの死亡原因のうち、予防できる傷害が上位を占めているとのことであります。大人と違って乳幼児など幼い子どもは自ら事故予防に取り組むことができないため、私たち大人が子どもたちを重大事故から守っていき、大きな障害を負ったり失ったりする子どもを一人でも減らすための予防できる事故を減らしていく取組が大切であると考えております。
子どもを取り巻く重大事故の類型を3つに分けると、1つ目が、節分豆やブドウといった食べ物の誤飲・窒息やアレルギーなどの食の事故。2つ目が、プールや公園での事故などの、施設での事故。3つ目が、薬やたばこなどの誤飲や磁石型おもちゃによる胃腸穿孔、ベビーカーの転倒などの、製品による事故となっており、その中でも食の事故が全国で多発しております。
2020年2月3日には、島根県松江市の認定こども園で、節分の豆まきの行事の際、園児が豆をのどに詰まらせて窒息死という、大変痛ましい事故が発生いたしました。警察が事故原因を調べたところ、豆まき中に園児1人が突然苦しみ出し、職員が119番通報しましたが、搬送された病院で死亡が確認されました。死因は、大豆が気道に詰まったことによる窒息死ということでした。後日、松江市は施設に調査に入りました。認可外施設を含む市内109か所の保育施設に対し、誤嚥に気をつけるなどの国のガイドラインに即した注意喚起を行ったということです。
また、2020年9月7日には、東京都八王子市の私立幼稚園で、給食で食べたブドウをのどに詰まらせた男児が死亡するという事故が発生しました。窒息死と見られ、警察や八王子市によると、男児は給食で出された直径約3センチメートルのブドウ、ピオーネを食べた際に、苦しそうな表情で急に立ち上がり、職員が吐き出させようとしましたが出てこなく、119番通報しましたが、搬送先の病院で間もなく死亡したとの事故であります。給食では3粒提供され、男児ののどからは、皮がむかれた状態の1粒が病院で見つかったそうです。
内閣府から出されている施設・事業者向けの教育・保育施設等における事故防止及び事故発生時の対応のためのガイドラインには、乾いたナッツ、節分の鬼打ち豆などの豆類やブドウは、給食での使用を避ける食材に明記されておりますが、食育等の理由で使用され、死亡事故が繰り返されるという状況になっています。
また、新型コロナウイルス感染症の影響による生活の変化の1つとして、マスクの着用があります。日本小児科医会では、園児のマスク着用について、窒息や熱中症の危険がある中で、新型コロナウイルス感染による子どもの重症化は少ないとして、2歳未満の子どもはマスクの着用をやめるべきだとの見解を公表いたしました。この見解は、事故につながるおそれがあるものでありますが、保育所と幼稚園ではマスクの着用の認識がばらばらです。ガイドラインの捉え方や、国の所管省の表現の差などから安全配慮に対する意識に差が生じております。
そこでお伺いいたします。
毎年、教育・保育施設での死亡事故を含む重大事故が全国で発生しておりますが、重篤な事故とならないような予防策が大切だと思います。本市の公立保育所での事故防止についての取組をお聞かせください。
また、乳幼児の主体的な活動を尊重しながらの支援が大切であり、子どもが成長していく過程で一切けがをさせないことは現実的に無理なことでありますが、家庭での乳幼児向けの事故防止に対する指導などの取組についてもお聞かせください。
次の質問に入ります。
熱中症対策についてお伺いいたします。
地球温暖化が進むにつれ、学校の管理下における熱中症は、小学校、中学校、高等学校等をあわせると全国で毎年5,000件程度発生しております。また、熱中症による死亡事故は年間で減少傾向にはありますが、熱中症に関する正しい知識や対策で重症化を減らしていく必要があります。
学校での熱中症による死亡事故は、ほとんどが体育、スポーツ活動によるものです。部活動においては、炎天下となる屋外で行われるスポーツはもとより、屋内で行われるスポーツでも、厚手の衣類や防具を着用するスポーツは多く発生する傾向があります。また、学校行事など部活動以外のスポーツでは、長時間にわたって行うスポーツで多く発生する傾向にあります。体育やスポーツ活動によって発生する熱中症は、それほど高くない気温(25度から30度)でも湿度が高い場合には発生することが特徴的です。
熱中症の危険度を判断する環境条件の指標に、暑さ指数(WBGT:Wet Bulb Globe Temperature:湿球黒球温度)があります。暑さ指数は、人体と外気との熱のやり取り(熱収支)に着目し、熱収支に与える影響の大きい、湿度、日射・輻射など周辺の熱環境、気温の3つを取り入れた指標で、単位は気温と同じ度を用います。運動環境や労働環境の指針として有効であると認められ、多くの学校において屋外での体育の授業の実施や休み時間の外遊び、部活動の実施の目安として用いられています。活動場所ごと、活動時間ごとに測定することが大切です。
熱中症警戒アラートは、熱中症の危険性が極めて高い暑熱環境が予測される際に、環境省や気象庁が新たに暑さへの気づきとして呼びかけ、熱中症予防行動を効果的に促すための情報提供です。
アラートは次のような内容で発表します。予報区の方々に対して熱中症への注意を促す呼びかけ、県予報区の観測地点ごとの日最高暑さ指数、暑さ指数の目安、県予報区の各観測地点の予想最高気温及び前日の最高気温観測値など熱中症予防において特に気をつけていただきたいことを発表します。
アラートは、気象庁の防災情報提供システムを通じて地方公共団体や報道機関等に対して発表されます。また、同時に気象庁のウェブサイト及び環境省熱中症予防情報サイトに掲載されます。熱中症警戒アラートの活用における視点は重要です。熱中症の防止対策及び保護者への対応に臨まれると、円滑な措置につながると考えられます。
そこで、学校の体制についてお聞きいたします。
今年度は、コロナ禍の中での対応という特殊な状況にあります。そちらも兼ねて、熱中症対策は、未然防止(リスクマネジメントの視点)に万全を期した上で、発生時の対応(クライシスマネジメントの視点)にも備えること、また、施設などハード面と、職員の意識やスキル向上、子どもへの指導などソフト面から、総合的に取り組むことが大切だと思います。
本市教育委員会の取組についてお示しください。
それでは、次の質問に移ります。
カリキュラム・マネジメントについてお伺いいたします。
文部科学省は、新学習指導要領においてカリキュラム・マネジメントの確立を掲げ、各学校に対し、児童・生徒や学校、地域の実態を適切に把握し、教育の目的や目標の実現に必要な教育の内容等を教科横断的な視点で組み立てていくこと、教育課程の実施状況を評価してその改善を図っていくこと、教育課程の実施に必要な人的または物的な体制を確保するとともにその改善を図っていくこと等を通して、教育課程に基づき組織的にかつ計画的に各学校の教育活動の質の向上を図っていくことを求めています。
AIの普及などの情報化やグローバル化など急激に社会は大きく変わっており、これからは多様な他者、例えばICT人材を育てるために人型ロボットPepperなどのプログラムなどと協働し、自らで発見した問題を解決したり、情報や技術を活用して新しいものを生み出していくことのできる人材が求められています。
このような人材を育成するためには、まずは、小中学校においてその基盤となる資質や能力を育んでいくことが大切であり、そのためには目指すべき教育目標の実現のために、教育内容や時間の配分、必要な人的・物的体制の確保と改善により教育活動を向上させ、学習の効果の最大化を図るカリキュラム・マネジメントを確立することが必要だと考えます。
例えば、教科それぞれの知識や技術を習得しても、それだけでは総合的な応用する力を身につけることにはつながりません。教科横断的な視点で教育課程を編成することが求められています。そのためには、学校側が子どもたちに身につけてほしい力を明確にし、教育目標を立てることが大切です。そして、その目標を実現するために教科間の連携を図りながら教育活動に取り組むことが必要です。
また、教育実践の質の向上のために、PDCAサイクルを確立するデータに基づく教育課程を編成することも重要です。教育課程は、教員の視点だけで編成しても、子どもたちの状況にあわない可能性もあります。事前に地域の現状や子どもたちの実態を調査し、客観的なデータに基づいて教育課程を編成することが必要です。実践を可能とする資源を確保することを通して、組織的、計画的に学校の教育活動の質を高めることができます。
地域と連携し、教育活動に必要な人材や資源を外部から集めることもポイントです。例えば、子どもたちへの授業を行う上で、教員だけでは対応し切れない専門性の高い内容を扱わなければならないこともあります。その場合は、専門知識を有した地域の人に授業を依頼する方法も有効です。学校外の人に協力してもらうことで、子どもたちに社会や地域とのつながりを意識させる。社会とのつながりを意識させることで、働くことの意味などを主体的に考えるきっかけになることが期待できるでしょう。
本市では各校で、学校教育目標とその実現のための方針や柱となる教育活動などを盛り込んだスクールプランを作成し、教職員が共通理解のもと、教育活動に取り組むとともに、保護者、地域とも共有しているとお聞きしております。
そこでお伺いいたします。
新学習指導要領でその確立が求められているカリキュラム・マネジメントについて、本市教育委員会及び各小中学校におけるこれまでの取組状況についてお示しください。
また、昨年度と今年度は、誰も予想し得なかった新型コロナウイルス感染症の拡大により、各校は教育課程の再編成を求められることになりました。その進捗状況についてお聞かせください。
以上です。どうぞよろしくお願いいたします。
27:
◯兵道顕司議長 數野保秋教育長。
28: ◯數野保秋教育長 不登校についてお答えいたします。
文部科学省が令和元年度に実施した児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査によれば、全国の小中学生の不登校数は18万1,272人であり、小中学校共に増加傾向が続いております。
本市の不登校の状況につきましては、平成30年度以降、小学校で顕著な増加、中学校では微増の状況であり、その背景は学校における人間関係、学業上や発達上の課題のほか、親との分離不安、家庭環境などが見られ、欠席の状況も連続しているケースから週何日かずつ休むなど様々となっております。
不登校児童・生徒への対応につきましては、担任が定期的に連絡や家庭訪問をし、当該児童・生徒の状況を把握するとともに、その絆を強くする中で、学校へ復帰しやすい環境づくりに努め、本市教育委員会の指導主事や生徒指導アドバイザーが事例ごとに不登校の要因を分析し、学校における別室指導、あすなろ学級での学習・生活の指導、スクールカウンセラーによるカウンセリング、スクールソーシャルワーカーによる家庭環境の改善と関係機関との連携等の支援を行っております。
今後におきましても、魅力ある授業づくりと安心して過ごせる学級づくりなどの未然防止、月3日以上の欠席児童・生徒への支援開始などの早期発見・早期対応も含めた総合的な不登校対策を行う中で、早期の学校復帰につながる取組の強化に努めてまいります。
以上でございます。
29:
◯兵道顕司議長 奈良田康至子ども未来部長。
30: ◯奈良田康至子ども未来部長 子どもの事故防止の取組についてお答えいたします。
本市の公立保育所におきましては、日々の保育において、子どもの主体的な活動を尊重し支援する中で、重篤な事故とならないよう各保育所の事故防止対応マニュアルに基づき、園舎内外の設備、遊具、玩具を点検するとともに、子ども、保育士、施設・設備が持つリスクに対し、事故防止に向けたチェックリストを活用するなど、全職員で情報を共有しながら、施設や製品による事故の防止に取り組んでおります。
また、給食においては、国のガイドラインに基づき献立に誤嚥・窒息につながりやすい食材の使用を避けるとともに、アレルギー疾患を有する子どもに対しては、家族との情報共有を図る中で完全除去食等の給食を提供し、保護者に対してはアレルギーに関する指導・助言を行っております。
さらに、栄養士による各保育所への定期巡回や毎月の給食検討会などの際には、アレルギー対応や誤嚥などの事故防止について栄養士が調理員等に指導することに加え、職員の衛生管理面や各保育所の施設・設備の改善点について専門家から指導・助言を受けるなど、食中毒も含めた食による事故防止にも取り組んでおります。
次に、家庭内での乳幼児向けの事故防止の取組としては、妊娠届出時に「わが家の安心ガイドブック」などを配付し、事故防止の認識を深めるとともに、家庭訪問時には、事故事例を示し危険箇所の注意喚起をしております。
また、育児の事故防止の考え方については、妊娠期から子育て期に至る子どもの成長過程に応じた保健指導や健康教育を通じて指導等をしているところであります。
今後におきましても、引き続き子どもが安全・安心な生活を送れるよう、保育所における事故防止対策を徹底するとともに、家庭内における事故防止に係る意識の醸成に努めてまいります。
以上でございます。
31:
◯兵道顕司議長 數野保秋教育長。
32: ◯數野保秋教育長 熱中症対策についてお答えいたします。
文部科学省によれば、昨年度、学校管理下の熱中症事故は全国で3,000件を超えており、今後の気候変動等の影響を考慮すると、ますます悪化していくことが懸念されるとし、学校における総合的な熱中症対策の推進を求めております。
こうした中、本市教育委員会では予防策として各校に、小まめな水分補給、運動強度の調節、適宜の休憩や暑さ指数(WBGT)に基づき授業や行事の実施判断を適切に行うよう求めるとともに、熱中症警戒アラート発表時については各校に対し、組織的な予防行動を取るよう指導しております。
また、コロナ禍を踏まえ、運動時のマスク着用は熱中症リスクを高めることから、身体的距離を十分に確保した上でマスクの着用は必要ないことや、冷房時においても定期的な換気を行うこと等を、本市独自の新型コロナウイルス感染症学校対応マニュアルに定め、熱中症予防と感染症予防の両立を図るよう指導しております。
さらに、施設・設備面では、全普通教室への冷暖房設備に加え、今年度より、必要性の高い高層階や特別教室等での活用を図るためのスポットクーラーを各校に配備したところであります。
熱中症発生時の対応につきましては、各校において、校内連絡体制、応急処置、救急車要請の判断、保護者への連絡の在り方、職員の役割分担等について確認するとともに、職員を対象とした応急手当や救命処置等に関する講習も行っております。
今後におきましても、熱中症は放置すれば死に至ることもあるとの認識のもと、未然防止と発生時の迅速な対応など総合的な熱中症対策を進め、児童・生徒が安全・安心に学ぶことのできる環境づくりに努めてまいります。
次に、カリキュラム・マネジメントと教育課程の進捗状況についてお答えいたします。
文部科学省は、子どもたちに情報化やグローバル化など急激な社会変化の中でも、未来のつくり手となるために必要な資質・能力を確実に備えることのできる学校教育の実現のための、カリキュラム・マネジメントの確立を求めております。
これを受け、本市教育委員会では年度当初に各校に対して、教育目標と目指す子ども像の実現のための重点目標や具体的な教育活動、家庭や地域との連携などをまとめたスクールプランの作成を求め、年度末には教職員、保護者・地域等による学校評価を行い、PDCAサイクルに基づいた改善を図るよう指導しております。
また、各校ではスクールプラン及び学校評価の結果を学校だより等で周知し、家庭や地域の理解と協力による学校づくりを進めております。
次に、コロナ禍における教育課程の実施状況でありますが、昨年度につきましては、本市教育委員会が独自に作成した、学校再開のためのマニュアルに基づき各校が教育課程を再編成し、年度当初予定していた学習内容を全て終えることができたところであります。
今年度につきましては、昨年度の経験を踏まえ、感染防止を最優先としつつも、子どもたちの学びを止めない教育課程の編成を求めたところであり、各校においては感染防止に配慮した授業の実施や、コロナ禍による臨時休業や諸行事の延期等を想定した授業計画や行事計画を策定し、これまでのところ順調に実施できております。
今後におきましても、各校が設定する教育目標の実現を図るための効果的なカリキュラム・マネジメントについて、必要な指導等を行う中で、さらなる教育の質の向上に努めてまいります。
以上でございます。
33:
◯兵道顕司議長 末木咲子議員。
34: ◯末木咲子議員 御答弁どうもありがとうございました。
數野教育長、どうもありがとうございます。不登校においては、家庭環境が55.5%もございます。しかし、学校での魅力ある授業づくりをしていただけること、また未然防止など、不登校を増やさないための取組について大変期待しております。よろしくお願いいたします。問題解決は、常に子どものアドボカシー、子どもの声を聞くことだと、いつも私は思っております。やはり、解決のために子どもたちと一緒に行動を起こして、それぞれの立場の皆様が連携しながら子どもの声を聞く、そのような努力をしていただけたらと思っております。
奈良田子ども未来部長、どうもありがとうございました。子どもの事故防止については、施設や製品についての事故防止について全職員でやってくださっていること、また、それぞれの防止対策、ありがとうございます。食の事故では、食中毒も視野に入れた取組も行っているということも確認できました。子どもたちは日に日に成長していきます。
今後におかれても、ぜひ新しい情報をいつもチェックしていただき、改善に努めていただきたいと思っております。
先ほどの「わが家の安心ガイドブック」は、私の娘もバイブルとして常に手元に置いて活用しています。ただ、子育てってすごく忙しいんですよね。分かっていても忘れてしまうということがよくありますので、またぜひ健康診査や子育てイベントのときでも御指導いただけたらと思っております。どうぞよろしくお願いいたします。
次に、熱中症対策でございますが、甲府の夏は本当に暑いです。先ほどの坂本議員の質問では、今年は猛暑日が16.9日もあるとお聞きしました。コロナ禍の中のマスクの配慮も視野に入れて、また、ハード面もソフト面も未然防止も考えてくれて、スポットクーラーまで設置していただいたということ。どうにかここで暑い夏を乗り切れるようにしていきたいと思っております。ありがとうございます。
また、カリキュラム・マネジメントにおかれましても、年度末に学校評価も行うと、そこまでやっていただけることもとてもありがたいと思います。連携による学校づくりを期待しております。また、コロナ禍で心配していた昨年度の教育課程を終えることができた、この努力に対しても感謝申し上げます。
ただ、1つ再質問をさせていただきたいんですが、各校で学校教育目標の実現を一生懸命頑張って行っていますけれども、教育活動のカリキュラム・マネジメントを報告したり、また情報交換できるような、学校間の連携が大切だと私は思いますが、このような具体的な取組はあるのでしょうか。
こちら、再質問をさせていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。
35:
◯兵道顕司議長 數野保秋教育長。
36: ◯數野保秋教育長 カリキュラム・マネジメントに係る学校間の連携の取組についての再質問にお答えいたします。
本市教育委員会におきましては、毎月、甲府市公立小中学校長会を開催しております。その際に、各校の特色ある教育活動の取組を紹介するとともに、学校間での情報交換の機会をつくっているところでございます。
また、平成25年度からは、市内全中学校区で取り組んでいる小中連携の一環としまして、同一中学校区内の校長、教頭、教務主任等がそれぞれ定期的に集まりまして、情報交換をしたり、それぞれの学校の授業を参観したりという形で、地域の実態にあった情報連携また行動連携をしているところでございます。
今後におきましても、それぞれの時代のニーズに沿った教育活動を展開するために、この情報連携、学校間のカリキュラム・マネジメントを含めた連携に努めてまいりたいと考えているところでございます。
以上でございます。
37:
◯兵道顕司議長 末木咲子議員。
38: ◯末木咲子議員 數野教育長、どうもありがとうございました。甲府市公立小中学校長会での情報交換、また、同一中学校区内だけではなく連携していただけること、大変うれしく思います。引き続きどうぞよろしくお願いいたします。ありがとうございました。
次の質問に移ります。
次は、女性活躍についてお伺いいたします。
国内の新型コロナウイルスの感染状況につきましては、これまでのウイルスから変異ウイルスに置き換えが進んでいるという報道がなされ、昨今ではインド型変異ウイルスやさらに変異したものが検出されるなど、依然としてウイルスとの戦いが続いている状況です。山梨県内においても変異株を含む感染者が増加しており、現在のコロナ禍は市民の生活や仕事に大きな影響を及ぼし、女性への影響も顕著となっております。
全国のパート・アルバイト就業女性が5万5,889人、そのうち、新型コロナウイルス感染症拡大の影響でシフト減少に伴い勤務時間も減少している5,150人を対象とした民間のN社のインターネットアンケート調査によると「将来の家計への不安を感じることが増えた。」が7割強「経済状況を理由とした気持ちの落ち込みを感じることが増えた。」が6割強「金銭的理由で、この先、生きていくのが難しいと感じることが増えた。」が5割強に及んでいます。
こうした現実は、若年層世代の結婚や子育ての意識にも影響をもたらしています。シフト減の影響を受けたパート・アルバイト女性で配偶者のいない20歳代・30歳代の2人に1人が「今の経済状況では結婚することが難しいと感じている。」「希望する人数の子どもを持つことが難しいと感じている。」と答えています。
このようなコロナ禍で急増する、女性の実質的失業や支援からの孤立に対し、菅首相は「昨年来、女性の自殺者が増えていることに、大変心を痛めている。対策が急務だ。」と指摘していました。また、就労支援の具体策として、女性の非正規雇用労働者やひとり親の方々にITスキルなどの訓練の機会を大幅に広げることなどを挙げており、できる限り希望に沿った就業がかなうように寄り添って支援をするとも話していました。
女性の活躍は、女性の多様な視点や価値観、創意工夫がもたらされ、社会を変える原動力となることから、このようなコロナ禍の状況だからこそ、女性の活躍は必要だと考えております。
こうした状況を踏まえ国では、女性のさらなる活躍に向けて地域女性活躍推進交付金制度を創設・拡充し、官民、地域、政策のそれぞれが連携する中で、活躍推進、寄り添い支援、つながりサポートの3つの方面からの支援強化を図っております。
甲府市においては、こうふ未来創り重点戦略プロジェクトNEXTで「女性活きいきのまち」創りを掲げ、本年10月に山梨県内では初めてとなる日本女性会議2021in甲府大会の開催に向けて取り組むとともに、プレ大会では、コロナ禍を踏まえての「女性達で創るオンラインマルシェ」の実施、こうふまちづくりラウンジの開催や、女性の就業・起業の応援など、多彩な支援策を展開していることを承知しています。
こうした事業においては地域女性活躍推進交付金制度を活用していることと聞き及んでおりますが、女性が活躍しやすい環境を充実させていく事業を展開していく上で、交付金制度等のさらなる活用が必要だと考えます。これまでの交付金の活用状況と、これからの事業に向けてのお考えをお聞きしたいと思います。
どうぞよろしくお願いいたします。
39:
◯兵道顕司議長 樋口雄一市長。
(樋口雄一市長 登壇)
40:
◯樋口雄一市長 コロナ禍の女性活躍についてお答えをいたします。
近年の少子高齢化の進行や人口減少問題の深刻化に加え、雇用形態の多様化など、本市を取り巻く社会情勢が大きく変化する中、将来にわたり元気で笑顔があふれるまちを目指していくためには、これまで以上に女性の活躍が重要となってまいります。
こうした中、本市におきましては、男女共同参画社会の実現に向けて、第3次こうふ男女共同参画プランに基づき、様々なステージで活躍する女性たちを応援するための事業を実施しております。
地域女性活躍推進交付金の活用につきましては、本市では平成30年度より甲府市女性活躍支援サイトなでしこPlusの開設や、男女共同参画フォーラムの開催、女性活躍推進優良事業者等の表彰などの事業費に充てており、コロナ禍となった昨年度におきましても、女性の起業等のためのセミナー、女性達で創るマルシェなどで活用し、ウィズ・コロナ、アフター・コロナの時代に求められる女性活躍推進の方向性を模索しつつ、事業を展開してまいりました。
今年度におきましても、10月に開催する日本女性会議2021in甲府において、これまでに女性活躍の取組に参画された皆様の知識と経験を生かして実施する分科会の運営やマルシェへの出店などに、交付金を活用してまいります。
地域女性活躍推進交付金は、女性のより一層の活躍を下支えする上で有益な交付金でありますことから、今後におきましても、これまでの活用事業の磨き上げや新たな事業の掘り起こしに努めるとともに、こうふ未来創り重点戦略プロジェクトNEXTの施策の柱であります「女性活きいきのまち」創りの推進に取り組む中で、明るい未来に向けて果敢に挑戦する女性の活躍を支援してまいりたいと考えております。何とぞよろしくお願いいたします。
以上でございます。
41:
◯兵道顕司議長 末木咲子議員。
42: ◯末木咲子議員 市長自らの御答弁、どうもありがとうございました。コロナ禍で大きな影響を受けた女性たちは、本当に不安で、また、気持ちの落ち込みはとても大きいものでした。また、本市におきましては、女性の起業、就学、またなでしこPlus、私も大変よく存じております。それ以上に磨き上げていただき、この交付金をもって女性たちの未来を輝くようなものにしていただきたいと思っております。
また、日本女性会議2021in甲府の大会におかれましては、分科会のパネリストを公明党の植田議員と共に拝命させていただきました。精いっぱい努力してまいりますので、この場を借りて皆様には心より感謝を申し上げます。
それでは次の質問に移らせていただきます。
選択的夫婦別氏制度における本市職員の旧姓使用についてお伺いいたします。
女性の社会進出等に伴い、
選択的夫婦別氏制度の導入を求める意見が多くなってまいりました。
選択的夫婦別氏制度の導入は、婚姻制度や家族の在り方と関係する重要な問題ですので、世論のもと進められております。
現在は、男女が結婚するときは、全ての夫婦は必ず同じ氏を名のらなければならないことになっています。姓や名字のことを法律上では氏と呼んでいます。
選択的夫婦別氏制度とは、夫婦は同じ姓を名のるという現在の制度に加え、希望する夫婦が結婚後にそれぞれの結婚前の姓を名のることを認めるというものです。もちろん、
選択的な制度ですから、全ての夫婦が別々の姓を名のらなければならないわけではありません。これまでどおりに夫婦が同じ姓を名のりたい場合は、同じ姓を名のることもできますし、夫婦が別々の姓を名のることを希望した場合には、別々の姓を名のることができるという制度です。
こうした中、いきなり
選択的夫婦別姓にすることに対しては抵抗感も強く、戸籍の筆頭者や子の姓の問題もあり、夫婦同姓は維持しつつ、婚姻後3か月以内に届出をして旧姓を戸籍に記載し、法的に使うことができる婚前氏続称制度を提案する意見もあります。婚姻時の姓は維持しつつ、旧姓を通称ではなく法的に使うことができる制度となるので、現在の状況にあっていると考えます。
これまで旧姓の通称使用の認知がなかなか進まない点については、税金の納税通知書や不動産登記は戸籍の姓でなければならず、海外での本人確認においても問題があると言われていますが、婚姻時の改姓の96%が女性という現実は平等とは言えません。女性が自立して働く今の社会にはあわなくなっています。
内閣府の企業調査結果概要においては、旧姓使用の状況調査票を回収した4,695社のうち「旧姓使用を認めている」は45.7%「条件付きで旧姓使用を認めている」は3.5%で、何らかの形で旧姓使用を認めている企業は49.2%となっており「これまで旧姓使用を検討したことはなく、旧姓使用も認めていない」企業は30.6%となっていました。
こうした中、国の行政機関においては、
文書等に使用する職員の氏名について、当該職員から旧姓使用の申出があった場合、法令上または実務上特段の支障が生じるものを除き、旧姓の使用を認めることとしており、地方公共団体においても職員が旧姓を使用しやすい職場環境に努めることを要請する通知が発出されております。
質問させていただきます。
本市においても、職員の旧姓使用に関する取組を進めることは、女性職員の活躍を推進する観点からも大変有意義なものだと思いますが、当局の見解をお聞かせください。
どうぞよろしくお願いいたします。
43:
◯兵道顕司議長 長坂哲雄行政経営部長。
44: ◯長坂哲雄行政経営部長 職員が旧姓を使用しやすい職場環境づくりについてお答えいたします。
職員の旧姓使用につきましては、平成29年11月14日付で総務省から発出された、国の行政機関における職員の旧姓使用に係る申合せについてなどを受けて、取扱要綱等を定め、職員の旧姓使用を可能とする自治体があることは承知しておりますが、導入時において、旧姓の使用範囲の整理などが必要になること、また、導入後の旧姓使用者が少数にとどまっていることなどの課題や実情があることを確認しております。
本市における職員の旧姓使用につきましては、近年のライフスタイルや価値観が多様化する状況にあって、その必要性は認識しているものの、他都市における導入状況や基礎自治体の行政事務における必要性、職員ニーズなどにつきまして、調査・研究を深めているところであります。
こうした中、令和2年12月に閣議決定された第5次男女共同参画基本計画に基づき、夫婦の別姓に関する具体的な制度として、国において、
選択的夫婦別氏制度や婚前氏続称制度の法的整備に向けた議論が交わされておりますが、現行の婚姻制度との兼ね合いもあり、その方向性が示されるまでにはしばらく時間を要するものと考えております。
今後におきましても、国の法整備に向けた動向を注視しつつ、女性職員の活躍の観点からも職員の旧姓使用に関する検討を継続的に行ってまいります。
以上でございます。
45:
◯兵道顕司議長 末木咲子議員。
46: ◯末木咲子議員 長坂行政経営部長、御答弁どうもありがとうございました。日本の古くからのしきたりを考えると、旧姓使用はまだまだ少ないと思います。総務省が発出したとおり、本市では、庁内においては、旧姓を使いやすい環境整備をぜひ行っていただきたいと思っております。活躍していた女性が引き続き、結婚後も社会で継続して働ける、そのような環境をつくっていただきたいと思います。
最後に一言申し上げます。
現在、離婚後養育費を継続的に受け取っている母子家庭の割合は、全体で24.3%だそうです。全体の2割にとどまっています。養育費は民法に基づいて請求できるんですが、民法では特に罰則がないから、このような結果になるのではないかと思います。でも、大半の女性はその中で家計をやりくりして、子育てを一生懸命やって、やっと子どもが自立する。そして、それもつかの間、今度は親の介護が始まります。介護のうち、女性の割合は大体65%だそうです。でも、この数字も年々よくなってまいりました。男性が一生懸命手伝うようになってくださいました。
子どもはいつも母親の後ろにいます。私もそうでした。子どもが小さい頃、私の後ろにいつも子どもがいました。それを見ていた父親がよく、猪の親子だと私のことを言ってからかっていました。でも、人のために、家族のために努力している人って、すごくすてきなんですよね。そして、その人たちを一生懸命、優しい目で応援している社会をこれからもつくっていきたいと思っています。
今日は質問させていただき、どうもありがとうございました。
47:
◯兵道顕司議長 暫時休憩いたします。
午後 3時04分 休 憩
───────────────────・───────────────────
午後 3時30分 再開議
48: ◯山中和男副議長 休憩前に引き続き会議を開きます。
上程議案全部に対する質疑及び市政一般質問を続行いたします。
創政こうふの一般質問を行います。
天野 一議員。
(天野 一議員 登壇)
49: ◯天野 一議員 政策集団創政こうふの天野です。昨日の金丸三郎議員の代表質問に続き、一般質問を行います。本
定例会は令和3年6月、私は昭和36年生まれなので、36分間の時間をいただいて質問をさせていただきたいと思います。それではよろしくお願いいたします。
初めに、ウィズ・コロナ、ポストコロナ社会を見据えた本市の
観光振興施策について伺います。
本市は、歴史や文化そして自然など、魅力ある多くの
観光資源と、首都圏に隣接する恵まれた地理的条件など、
観光振興にとりまして大変高い可能性を有している地域であります。昇仙峡の日本遺産認定、信玄公生誕500年、中部横断自動車道の山梨・静岡間の全面開通、リニア中央新幹線の開通など、本市にとって国内外からの交流人口の増大や地域の活力を生み出す
観光の取組について、絶好な追い風が吹いてくると期待されていました。しかしながら、新型コロナウイルス感染症の影響により
観光客は減少し、今、対策を施さない限り、将来、魅力ある
観光地としての生き残りは不可能になると言わざるを得ません。
このような状況の中、第3次甲府市
観光振興基本計画が策定されました。新しい生活様式に沿った
観光の在り方への対応などを踏まえ、本市の豊富な地域資源を活用した都市型
観光を目指し、しっかり取り組んでいただきたいと思うところであります。
本市の
観光振興基本計画は、歴史、文化、自然、人等の地域資源の活用によって、交流人口の増加による地域活性化を図ることを目的に、平成21年に第1次甲府市
観光振興基本計画が策定され、以来、5年ごとのサイクルで策定されてきました。本来であれば、この第3次甲府市
観光振興基本計画は令和2年度を初年度とするところでありましたが、令和元年度に策定された昇仙峡リバイバルプランを反映させるため、現行の第2次甲府市
観光振興基本計画を1年延長して令和2年度までとし、令和3年度を初年度として今後5年間に取り組むべきことが第3次甲府市
観光振興基本計画に示されました。
策定に当たりましては、まちづくりや文化振興など、
観光に関連する事業も含め検討を進めるとともに、学識経験者や関係諸団体、公募による委員で構成する策定委員会を設置し、アンケート調査等を参考に、専門的かつ客観的な立場で幅広く意見交換を行い、5回の検討委員会を経て策定に至っております。新型コロナウイルス感染症拡大によって誘客や集客に大きな課題を抱える中での計画策定は、非常に多くの困難が伴うものだったと推測いたします。
そこでお伺いします。
新型コロナウイルスによって一変した新しい生活様式に沿った
観光の在り方への対応など、本市の
観光振興をより一層推進し、地域の活性化や認知度の向上につなげるべく策定された第3次甲府市
観光振興基本計画を基に、今後どのような
観光振興施策を展開していくのかをお示しください。
次に、第3次甲府市
観光振興基本計画は、昇仙峡リバイバルプランを反映させるために開始年度が1年延期された経緯があることから、昇仙峡の
観光施策が第3次甲府市
観光振興基本計画の目玉になることが推測できます。さらに、念願だった日本遺産にも登録され、周辺の活性化にも大いに期待するところであります。
先日、4月27日に経済建設委員会のメンバーで昇仙峡周辺の現地視察を行いました。ボランティアガイドさんの案内で、昇仙峡グリーンラインの県営駐車場から仙娥滝上まで約1時間かけ散策、その後は昇仙峡ロープウエイで山頂へ行きました。山頂のパノラマ台からは富士山や南アルプスの山並みが見え、甲府盆地が眼下に広がる壮大な景色は圧巻でした。その後は、山梨屈指の超パワースポットの金櫻神社、ダム湖と森林が生み出す美しい景観の能泉湖、荒川ダムと巡ってまいりましたが、昇仙峡にはとてもすばらしい
観光資源があることを実感しましたし、市民がその魅力を知らない、発信していないのではないか、私自身もそうですがそんなことを感じた視察となりました。
そこでお伺いします。
第3次甲府市
観光振興基本計画を踏まえた昇仙峡の
観光施策についてお示しください。
一般消費者向けのアンケート結果では、本市に来ていただいている来訪者は日帰り客が多く、平均滞在時間は6時間以内、
観光消費額の平均は約1万円になることが分かりました。日本人の国内旅行1人1回当たりの
観光消費額の平均は、日帰り旅行で1万7,330円、宿泊旅行では5万5,054円となっております。これに対して本市では、日帰りのみならず宿泊も含む旅行者の75.1%が1万5,000円以下の消費でした。誘客数の増加も大切ですが、
観光消費額の増加に向けた取組が必要だと考えます。
昇仙峡の魅力向上への取組を市内の
観光消費につなげていくためには、昇仙峡へ訪れる
観光客を宿泊に誘引していくことが重要であり、隣接エリアで歴史ある温泉地の「信玄の湯 湯村温泉」と連携させることが有効であると考えます。「信玄の湯 湯村温泉」には、日本遺産の構成文化財が塩澤寺地蔵堂と湯谷神社の2つありますことから、昇仙峡地域からの相互の送客につながるよう、日本遺産を絡めた情報発信を行うとともに「信玄の湯 湯村温泉」の受入環境の整備を進めていく必要があると考えます。
そこでお伺いします。
第3次甲府市
観光振興基本計画を踏まえた「信玄の湯 湯村温泉」の
観光施策についてお示しください。
次に、入湯税について質問します。
入湯税の歴史を調べると、明治11年制定の地方税規則にある雑種税が始まりとなり、その課税対象の1つに湯屋が含まれていました。ただし、湯屋は現在の銭湯に相当するものであり、雑種税は温泉に課税するものではなかったそうです。温泉への雑種税の適用が認められるのは昭和2年ですが、昭和15年の地方税法により、雑種税の規定は廃止となりました。ただし、法の制定前から入湯税または鉱泉税を課していた市町村では、引き続き徴収することができました。
昭和22年の地方税法により、都道府県が鉱泉浴場の入湯客に課す税として入湯税が定められ、市町村はこれに付加税を課すことができるという規定が設けられました。この時点では目的税でありましたが、昭和25年9月の現行地方税法制定により、入湯税は市町村が課す法定普通税に変更されました。
さらに、昭和32年4月の地方税法改正により、環境衛生施設その他
観光施設の整備に要する費用に充てるための目的税に変更され、昭和46年には消防施設の充実、昭和52年には鉱泉源の保護管理施設、平成2年には
観光振興が追加され、
観光宣伝事業等にも使途が拡大されたという、様々な時代の変化を経て今の入湯税があることが分かりました。
入湯税は、鉱泉浴場の入湯客に1日150円が課せられる税金です。令和元年度の本市の入湯税は約2,368万円。これを150円で割りますと、約15万7,800人の方が利用し、入湯税を負担していただいていることになります。
先日、湯村温泉旅館協同組合の皆さんと経済建設委員会のメンバーで、
観光振興について意見交換会を行いました。その際に強く要望いただいたのは、入湯税の活用についてであります。湯村温泉旅館協同組合の皆様は、かなりの額の入湯税を入湯客から徴収し、申告納入しているとのことですが「信玄の湯 湯村温泉」の場合、鉱泉源が個人の所有であることから、鉱泉源の保護管理施設への充当という点では対象外となっており、何とかしていただきたいとのことでした。
また、愛知県蒲郡市では、入湯税の半分を
観光協会に還元している。阿寒湖のある北海道釧路市では入湯税を増額し、その増収分を全額
観光資源に投入している。さらには、群馬県の草津温泉でも、温泉の湯畑整備に多くの予算を投入している。そうした取組と比較すると、本市の支援は非常に物足りないと感じているとの御意見でした。
入湯税は本市の条例で決することができる税金であり、一般財源として利用できる財源ですので、本市の
観光振興に対しどのようにサポートができ、援助する施策ができるのかを考えることは、本市にとって大変重要な、そして必要なことであると考えます。
そこでお伺いします。
これまでも入湯税の多くが本市の
観光振興に使われているのは承知をしておりますが、今後の入湯税を活用した
観光振興施策について御所見をお伺いいたします。
よろしくお願いします。
50: ◯山中和男副議長 樋口雄一市長。
(樋口雄一市長 登壇)
51:
◯樋口雄一市長 第3次甲府市
観光振興基本計画に基づく
観光施策についてお答えをいたします。
昨年1月、我が国において初めて新型コロナウイルス感染者が確認されて以降、1年半が過ぎようとしているものの、依然として人の移動が停滞し、裾野が広い
観光産業に大きな影響が及んでおります。
こうした中にあって、本市では、ウィズ・コロナ時代の
観光の在り方への対応はもとより、持てる
観光資源を最大限活用し、来るべき回復期における誘客に向けた本市の
観光施策の指針として、この3月に第3次甲府市
観光振興基本計画を策定したところであります。
本計画は、第2次甲府市
観光振興基本計画の成果を生かしつつ、国内外からの
観光客の獲得、滞在時間の延伸や宿泊数の増加、
観光消費の拡大などを目指し、日本遺産の認定を受けた御嶽昇仙峡や湯村温泉など本市の主要な
観光地の受入環境の向上や、記念すべき節目である信玄公生誕500年関連事業の推進、新たな
観光コンテンツの造成などの施策に重点的に取り組むとともに、感染症対策を踏まえた安全・安心で快適な
観光地づくりの推進や、新たな移動サービスであるMaaSの活用など、本市の誇るべき
観光資源を磨き上げ、アフター・コロナを見据えた持続可能な
観光地づくりに資する施策を展開することとしております。
中でも、日本一の渓谷美を誇る昇仙峡につきましては、近年のアウトドアブームがコロナ禍においてさらに加速をする中で、近場で体験できる自然を活用したアウトドアアクティビティの需要が高まっておりますことから、官民で構成いたします昇仙峡地域活性化推進協議会において、計画に位置づけた新たな
観光コンテンツの造成に向けた検討を始めてまいります。
また、
観光客へのおもてなしの向上に向けた昇仙峡ガイドの養成や、市民の皆様に昇仙峡を知っていただき、その魅力の発信に御協力いただけるよう、日本遺産の構成文化財をテーマとした講座の開催などに取り組んでまいります。
湯村温泉につきましては、先般、湯村温泉旅館協同組合による「信玄の湯 湯村温泉」とする新名称のもと、活性化に取り組む新たな戦略が大きく報道されたところであり、信玄公生誕500年を背景とした本市の
観光振興において、より一層重要性が増しておりますことから、昇仙峡と連動したプロモーションの推進とともに、湯村温泉旅館協同組合をはじめとした関係者の皆様と中長期的な視点に立ち、活性化に向けた協議を進めてまいります。
今後につきましては、地域の方々や
観光関連産業に携わる方々との連携をより一層深めながら、本計画を着実に推進し、安心して快適に
観光を楽しめ、何度も訪れたくなる「自然・歴史・文化が人を呼び、賑わいを創出する信玄公生誕の地・甲府」の実現に向け、積極的に取り組んでまいりますので、よろしくお願いいたします。
他の御質問につきましては担当部長からお答えをさせていただきます。
以上でございます。
52: ◯山中和男副議長 志村一彦産業部長。
53: ◯志村一彦産業部長
観光の振興における入湯税の活用についてお答えいたします。
本市は、国内外からの交流人口の増加と、
観光消費による地域経済の活性化に向け、日本遺産に認定された御嶽昇仙峡をはじめ湯村温泉、武田神社や甲斐善光寺など、豊かな自然と重層的な歴史に代表される魅力的な
観光資源を活用した様々な施策を推進し、
観光の振興に取り組んでおります。