田辺市議会 2021-12-08
令和 3年第6回定例会(第3号12月 8日)
6番 谷 貞 見 君
7番 柳 瀬 理 孝 君
8番 浅 山 誠 一 君
9番 宮 井 章 君
10番 福 榮 浩 義 君
12番 北 田 健 治 君
13番 橘 智 史 君
14番 尾 花 功 君
15番 市 橋 宗 行 君
16番 安 達 幸 治 君
17番 安 達 克 典 君
18番 小 川 浩 樹 君
19番 塚 寿 雄 君
20番 佐 井 昭 子 君
――
―――――――――――――――――
〇欠席議員 なし
――
―――――――――――――――――
〇説明のため出席したもの
職 名 氏 名
市長 真 砂 充 敏 君
副市長 林 誠 一 君
副市長 木 村 晃 和 君
教育長 佐 武 正 章 君
企画部長 山 﨑 和 典 君
企画広報課長 竹 本 昌 人 君
たなべ営業室長 熊 野 雅 仁 君
人権推進課長 堀 口 泰 令 君
総務部長 西 貴 弘 君
総務課長 狩 谷 賢 一 君
危機管理局長 原 雅 樹 君
市民環境部長 中 村 誠 君
税務課長 新 田 勝 久 君
環境課長 狼 谷 慎 一 君
保健福祉部長 虎 伏 務 君
障害福祉室長 馬場崎 栄 君
商工観光部長 丸 山 勝 司 君
商工振興課長 廣 畑 賢 一 君
観光振興課長 宇 津 裕 喜 君
農林水産部長 北 川 弘 泰 君
農業振興課長 合 川 弘 君
森林局長 宮 野 恭 輔 君
山村林業課長 榎 本 安 幸 君
建設部長 衣 田 克 君
都市計画課長 廣 田 剛 君
土木課長 北 原 弘 之 君
大塔行政局長 黒 田 真 照 君
消防長 安 田 浩 二 君
消防総務課長 西 清 司 君
予防課長 楠 本 秀 治 君
教育次長 前 川 光 弘 君
学校教育課長 瀬 田 公 寛 君
スポーツ振興課長 中 野 哲 二 君
水道部長 木 村 博 充 君
業務課長 中 田 智 久 君
――
―――――――――――――――――
〇
出席事務局職員
議会事務局長 松 本 清 子
議会事務局次長 松 本 誠 啓
議会事務局主任 古久保 修 平
議会事務局主事 山根木 大 輝
開 議
○議長(北田健治君) 皆様、おはようございます。
定足数がありますので、ただいまからお手元に配付の日程により、令和3年第6回
田辺市議会定例会3日目の会議を開きます。
(午前10時00分)
――
―――――――――――――――――
○議長(北田健治君) それでは、日程に入ります。
◎日程第1 一般質問
○議長(北田健治君) 日程第1 一般質問を行います。
なお、一般質問の通告は、11月30日午後2時に締め切り、抽せんにより順位を決定いたしました。
結果は、通知申し上げているとおりであります。
それでは、質問順に従って発言を許可いたします。
3番、久保浩二君の登壇を許可いたします。
(3番 久保浩二君 登壇)
○3番(久保浩二君) おはようございます。
3番、日本共産党の久保浩二です。通告に従いまして一般質問を始めさせてもらいます。
まず一つ目、学校の部活動の今後について質問します。
昨年、令和2年9月1日スポーツ庁及び文化庁より学校の働き方改革を踏まえた部活動改革についてが示され、休日の部活動の段階的な地域移行、令和5年、2023年以降、段階的に実施を行うこととなりました。部活動は、教師による献身的な勤務の下で成り立ってきていますが、休日を含め長時間勤務の要因となっており、指導経験のない教師にとっては多大な負担となっています。また、生徒にとっても望ましい指導を受けられないなど、働き方改革を進める一方で、生徒の望ましい活動機会を確保するため、休日における地域のスポーツ・文化活動を実施できる環境を整備していく必要があると出されました。
令和3年度、国の予算、
地域部活動推進事業で休日の部活動の段階的な地域移行のための取組が提起されています。その中で、全国各地の拠点校、地域において実践研究を実施し、研究成果を普及することで休日の地域部活動の全国展開につなげるとなっています。
そこで1番の休日の部活動における2023年度以降、段階的な地域移行の方向性についてお伺いします。示されましたように、拠点校において実践研究を実施とありますが、拠点校は決まっているのかお伺いします。
(3番 久保浩二君 降壇)
○議長(北田健治君) 3番、久保浩二君の質問に対する当局の答弁を求めます。
教育長、佐武正章君。
(教育長 佐武正章君 登壇)
○教育長(佐武正章君) 皆様、おはようございます。
それでは、久保議員さんの御質問にお答えをいたします。
学校の部活動は、生徒の自主的、自発的な参加により行われるものであり、学習意欲の向上や責任感、連帯感の涵養等に資するものであり、学校教育の一環として
学習指導要領に位置づけられた活動であります。
また、部活動に参加する生徒にとっては、スポーツ、芸術文化等の幅広い活動機会を得られるとともに、体力や技術の向上に資するだけではなく、教科学習とは異なる集団での活動を通じた人間形成の機会でもあり、多様な生徒が活躍できる場とともに、豊かな学校生活を実現する役割も担っております。
一方で、部活動の指導が教員の長時間労働の要因の一つとなっていることや、指導経験がない部活動を受け持った教員の負担となっている実態もあります。
この部活動については、国が学校の働き方改革を踏まえた部活動改革の方針を出しています。その中で、スポーツ庁による
地域運動部活動推進事業にある拠点校については、各都道府県で1市1町村を基準として指定するものであり、県内ではかつらぎ町が指定を受け、今年度から
笠田中学校卓球部と
妙寺中学校剣道部で休日の地域部活動への移行を実践しておりますが、本市としましては拠点校の指定は受けていない状況にあります。
なお、議員御質問大項目1の学校部活動の今後についての地域部活動に関しましては、支援策をはじめ、その詳細な指針が国より示されていないことから、本日の答弁の中には、想定を含んだものもありますので、あらかじめ御理解をいただきますようよろしくお願いいたします。
(教育長 佐武正章君 降壇)
○議長(北田健治君) 久保浩二君。
(3番 久保浩二君 登壇)
○3番(久保浩二君) 教育長のほうから、県内1市1町村ということで、かつらぎ町で二つの中学校というお話がありました。
2023年に向けて研究成果の発信、課題の検証をして、休日の地域部活動へ展開となっていますが、今言われたように1市1町村の中で間に合うのかどうかお伺いします。
(3番 久保浩二君 降壇)
○議長(北田健治君) 教育長。
(教育長 佐武正章君 登壇)
○教育長(佐武正章君) 現在、全国で約100の自治体で拠点校を定め、部活動の地域移行に向けて研究が進められております。本市としましては、令和5年度以降、段階的に全国展開とされている休日の地域部活動については、現在、試行的に実施されている拠点校による研究の成果と課題を収集し、調査研究を進めてまいりたいと考えておりますので御理解賜りますようお願い申し上げます。
(教育長 佐武正章君 降壇)
○議長(北田健治君) 久保浩二君。
(3番 久保浩二君 登壇)
○3番(久保浩二君) 令和5年から全国展開という話で、田辺市としたらまだ準備段階ということだと思うのですが、その中で、もし地域のほうに移っていきますと費用負担の在り方についていろいろと整理をしないといけないということが出てくると思うのです。地域部活動の費用負担については、保護者による費用負担、地方自治体による減免措置等と国による支援を想定するとなっていますが、具体的な指針は現在あるのかどうかお伺いします。
(3番 久保浩二君 降壇)
○議長(北田健治君) 教育長。
(教育長 佐武正章君 登壇)
○教育長(佐武正章君) 地域部活動の費用負担に関する国の支援方針もまだ今のところ定まっていないことから、現時点で具体的な指針はございません。
なお、地域部活動を実施するに当たり、兼職兼業の許可を得た教員を含む
指導者への謝金、また、活動の場所や用具の確保に係る使用料が発生することが考えられます。また、活動時の事故に備えるための保険への加入などの費用も必要となることが考えられます。
このような費用負担については、生徒の活動機会の保障の観点や受益者負担の観点から保護者が負担することや、地方自治体が施設使用料の減免措置等を講ずることが考えられます。
しかし、現状の学校部活動では、保護者、地方自治体ともこれらの費用はほとんど負担していない実態があり、今後、地域部活動によって発生する費用負担につきましては慎重に議論をする必要があると考えます。
このことについて、国による支援方策も検討されているとのことなので、国の動向を今後注視してまいりたいと考えております。
(教育長 佐武正章君 降壇)
○議長(北田健治君) 久保浩二君。
(3番 久保浩二君 登壇)
○3番(久保浩二君) 今までかかっていないけれども、今後は保護者の受益者負担も出てくるということなのですが、そこで、保護者の経済的な負担や活動場所への送迎などの負担が高まることが想定されます。負担できない家庭の子供も出てくるかもしれません。習い事と同じように、家庭の事情で参加できないことにならないようにするための対応が必要になるのではないかと考えますが、お伺いします。
(3番 久保浩二君 降壇)
○議長(北田健治君) 教育長。
(教育長 佐武正章君 登壇)
○教育長(佐武正章君) 地域部活動となった場合、練習場所が学校外で行われるなど、送迎の負担や活動費、遠征費等が発生することが想定されています。様々なケースについて全国の拠点校の実践例を収集し、今後研究を進めてまいりたいと考えておりますので御理解賜りますようお願い申し上げます。
(教育長 佐武正章君 降壇)
○議長(北田健治君) 久保浩二君。
(3番 久保浩二君 登壇)
○3番(久保浩二君) 今後いろいろと注視していくということなのですが、こういうふうに今までの学校で行っていたことが、もし地域に移ったとしてもやはり変わらないような、いろんな負担が出ないような取組をしていただきたいというふうに思います。
次に、2番の学校部活動と地域部活動の考え方についてお伺いします。
今後、部活動の主体が学校単位から地域単位へと完全移行されると考えられているようですが、今の時点での平日に行われる学校部活動と休日の地域で担われる地域部活動とでの区別する考え方になると思いますが、その認識についてお伺いします。
(3番 久保浩二君 降壇)
○議長(北田健治君) 教育長。
(教育長 佐武正章君 登壇)
○教育長(佐武正章君) 休日の部活動の段階的な地域移行となる流れの中、部活動指導において生徒や保護者に混乱を招かないよう、学校の部活動顧問と地域部活動の
指導者との連携が必要であると考えます。一方、平日は学校管理下における活動、休日は学校管理外の活動になることは区別する必要があります。
いずれにいたしましても、
地域運動部活動推進事業の拠点校における実践など、先進的に取り組んでいる事例を収集するとともに、生徒、保護者、地域、教職員のニーズに応える田辺市モデルを研究してまいりたいと考えておりますので御理解賜りますようお願い申し上げます。
(教育長 佐武正章君 降壇)
○議長(北田健治君) 久保浩二君。
(3番 久保浩二君 登壇)
○3番(久保浩二君) 田辺市として、なかなか今現在の時点ではどういうふうになるかというのは難しいということだと思うのですが、しかしいろいろと対応していかなければならないことが出てくるというふうに思うのです。実践研究の実施で、平日と休日の一環指導のための連携、協力体制の構築が言われていますが、今現在、どのように取り組んでいくのか、その辺について考え方をお聞きします。
(3番 久保浩二君 降壇)
○議長(北田健治君) 教育長。
(教育長 佐武正章君 登壇)
○教育長(佐武正章君) かつらぎ町における拠点校の実践は、顧問が休日の指導を希望しているケースであり、その顧問は教育委員会に兼職兼業の許可を得た上で、休日は地域団体の指導員として指導に当たっております。このような場合においては、顧問と地域団体の連携や協力体制は容易であると考えられますが、顧問が休日の指導を希望しない場合においては、地域部活動の運営主体と、それぞれの部活動の活動状況や活動計画などを事前に話し合う場を設定するなどの協力体制の構築が必要だと考えております。
以上です。
(教育長 佐武正章君 降壇)
○議長(北田健治君) 久保浩二君。
(3番 久保浩二君 登壇)
○3番(久保浩二君) かつらぎ町の例では、顧問が兼職しているので、今現在、問題なくやられているということなのですが、それができない場合はいろいろと協議しながらということなのですが、これも大変今後重要なことになってくるというふうに思います。
そして、心配されるのが地方大会など大会に参加するということに支障が出ることはないのかお伺いします。
(3番 久保浩二君 降壇)
○議長(北田健治君) 教育長。
(教育長 佐武正章君 登壇)
○教育長(佐武正章君) 現在、実践例もほとんどないため、現時点では大会参加に支障が出るかどうかは予想しかねる状況であります。今後、休日の地域部活動への移行に当たり、現在、公式戦とされる
中学校総合体育大会の運営主体である
中学校体育連盟がどのように考えていくのか、また、団体種目では学校単位となるのか、または地域部活動として1チームになるのかなど、大会の在り方について
中学校体育連盟等の動向を注視してまいりたいと考えております。
以上です。
(教育長 佐武正章君 降壇)
○議長(北田健治君) 久保浩二君。
(3番 久保浩二君 登壇)
○3番(久保浩二君) 今現在、実践でいろいろとどういうふうになるかということをやっているということで、なかなかどうなるかということなのですが、最後でもちょっと言うつもりだったのですけど、今までの部活動が根本的に変わるというふうになったら、そういうふうな中体連、高校だったら高体連の組織の在り方のところもいろいろと関係してくるというふうに思います。
休日の部活動に対する学校の関わり方について、休日の部活動、これも分からないということなのですが、生徒の指導や大会の引率についてどのようにするか、今現在の考え方をお聞きします。
(3番 久保浩二君 降壇)
○議長(北田健治君) 教育長。
(教育長 佐武正章君 登壇)
○教育長(佐武正章君) 休日の地域部活動については、教員ではなく地域人材が担うものとなると、生徒の指導や引率についても地域人材が行うことが基本となります。しかし、
中学校総合体育大会などの公式大会等への引率については、指導のみを担う場合と比べて負担が大きくなることも想定されます。スポーツ庁の通知によると、やむを得ない場合に限り、教員が学校部活動として大会引率を行うなど、弾力的な取扱いも可能であると聞いておりますので、今後の検討課題として認識をしているところであります。
(教育長 佐武正章君 降壇)
○議長(北田健治君) 久保浩二君。
(3番 久保浩二君 登壇)
○3番(久保浩二君) ここで、働き方改革というところで一つ気になるところがあるのですが、希望する教員は
地域部活動運営主体の下で休日の部活動指導に従事できるとあります。参加しない教師との矛盾が出ないのか、そしてまた、働き方改革で休日の部活動を地域にということなのですが、そういう点でも矛盾が生じないのか、現時点の認識をお伺いします。
(3番 久保浩二君 降壇)
○議長(北田健治君) 教育長。
(教育長 佐武正章君 登壇)
○教育長(佐武正章君) 地域部活動において休日の指導を希望する教員は、教員としての立場で従事するのではなく、兼職兼業の許可を得た上で、地域部活動の運営主体の下で従事することとなります。
なお、兼職兼業の運用に当たっては、あくまで休日の指導を希望する教員の申請を教育委員会が許可する仕組みであることから、許可の判断を行う際には、労働基準法などの関連法令に基づいて対応するのみならず、学校運営に支障がないことや、学校や教員への信用を失墜させないことなどにも十分留意をして判断することが重要であります。
また、教員の
ライフステージに応じ部活動への携わり方を主体的に選択し、弾力的な取扱いができるよう配慮するなど、働き方改革と矛盾するものにならないよう、準備を進めておく必要があると考えております。
なお、現在、本市における働き方改革については、各中学校が県の
部活動ガイドラインを踏まえ、平日2時間程度、休日3時間程度の活動時間と水曜日と土・日のどちらか1日の休養日を設定し、適正な部活動の実現に向けて取り組んでおり、このことが教員の負担軽減にもつながっております。
また、部活動に対する教員の負担軽減に向けて大きな役割を果たしている
部活動指導員の配置に関しては、市内6校に8名を配置し、1人顧問や専門外の顧問の負担軽減のために取り組んでおります。
以上です。
(教育長 佐武正章君 降壇)
○議長(北田健治君) 久保浩二君。
(3番 久保浩二君 登壇)
○3番(久保浩二君) 平日2時間、休日3時間、それで土・日のうち1日休んで水曜日も休みにするということで、大分以前に比べたら働き方を改善されているということだと思うのですが、次に、地域移行する場合のことについてお伺いします。
地域部活動の運営主体についてお伺いします。
地域部活動の運営主体は、退職教師、地域のスポーツ
指導者、スポーツ推進員、生徒の保護者等の参画や協力を得て
総合型地域スポーツクラブや民間の
スポーツクラブ、
芸術文化団体などが担うことが考えられます。地域人材の確保をマッチングする仕組みの構築が必要と言われていますが、現在の認識についてお伺いします。
(3番 久保浩二君 降壇)
○議長(北田健治君) 教育長。
(教育長 佐武正章君 登壇)
○教育長(佐武正章君) 議員御指摘の各種団体をはじめ、地域の
指導者を確保し、マッチングするための人材バンクの構築などが必要であると認識しております。今後、
学社融合推進協議会、校区協議会、
社会教育団体等、学校に関わる機関と連携を重ねてまいりたいと考えておりますので、御理解賜りますようお願い申し上げます。
(教育長 佐武正章君 降壇)
○議長(北田健治君) 久保浩二君。
(3番 久保浩二君 登壇)
○3番(久保浩二君) 今現在も種目によって民間のところで主体的にやられている競技があったりすると思うので、そういうところはスムーズに引継ぎができるというふうに思うのですが、なかなかこの田辺地域で15ある中学校のそれを全て引き受けるということはなかなか難しいと思いますので、いろいろな協議が必要になってくるというふうに思います。
そして、全てのクラブ活動に、今言いましたように中学校のクラブ活動に対応した体制がつくれると考えているのかお伺いします。
(3番 久保浩二君 降壇)
○議長(北田健治君) 教育長。
(教育長 佐武正章君 登壇)
○教育長(佐武正章君) 国の示す学校の働き方改革を踏まえた部活動改革の方針では、令和5年度より段階的に全国展開されることになっており、令和5年度の時点で全ての部活動を地域部活動へ移行するのではありません。
しかし、今後、関係各課と連携をし、運営団体の発掘や地域人材の確保を進め、体制が整った部活動から段階的に地域部活動へ移行できるように研究してまいりたいと考えております。
(教育長 佐武正章君 降壇)
○議長(北田健治君) 久保浩二君。
(3番 久保浩二君 登壇)
○3番(久保浩二君) 全ての部活動が2023年、令和5年から地域へ移行していくことではないと。体制が整ったら順次やっていくということなのですが、そこでもう一つ、生徒への適切な指導に必要な地域人材、先ほどもありましたように、研修、協議していってということなのですが、研修をどのように計画するのか、現時点の考え方をお聞きします。
(3番 久保浩二君 降壇)
○議長(北田健治君) 教育長。
(教育長 佐武正章君 登壇)
○教育長(佐武正章君) 2年前に開催されました県教委主催の運動部活動
指導者研修会では、運動部活動を指導する教職員、
部活動指導員、外部
指導者を対象として、運動部活動の意義や狙いを踏まえた運営や指導の在り方、体罰根絶、不祥事及び事故防止等について研修することで、
指導者の資質向上に努めるとともに、運動部活動の一層の充実及び活性化が図られました。この研修会には、各校関係教員1名以上が参加し、受講後、自校において関係職員への伝達が行われました。また、市といたしましても毎年、教頭会で部活動の指導をテーマとした研修、交流を行っております。
地域部活動に移行した場合においても地域人材を対象に、先ほど述べましたような研修等を実施し、部活動の一層の充実及び活性化を進めてまいりたいと考えておりますので御理解賜りますようお願い申し上げます。
(教育長 佐武正章君 降壇)
○議長(北田健治君) 久保浩二君。
(3番 久保浩二君 登壇)
○3番(久保浩二君) 次に、誰が責任を負うのかについてお伺いします。
今言われましたように、県教委で2年前研修を行って、資質の向上というふうなことなのですが、地域部活動の際に事故が発生した場合、また、不適切な行動や指導がないようにということを研修でされていくということなのですが、この場合、誰が管理するのか、責任の所在が明確なのか、その辺についてお伺いします。
(3番 久保浩二君 降壇)
○議長(北田健治君) 教育長。
(教育長 佐武正章君 登壇)
○教育長(佐武正章君) 休日の地域部活動への移行が進んだ場合、地域団体において地域部活動の運営を担う人材や
指導者を確保しつつ、当該団体の責任の下で、生徒の安全確保や
指導者への謝金の管理など、地域部活動の管理運営が行われることが考えられます。学校代表としての大会参加を含め、地域部活動の際に事故が発生した場合は、地域部活動の運営主体や大会の主催者が責任を負うことになると想定されます。
いずれにいたしましても、今後、国の示す詳細な指針を確認する中で、その対応についても研究を進めてまいりたいと考えておりますので御理解賜りますようお願い申し上げます。
(教育長 佐武正章君 降壇)
○議長(北田健治君) 久保浩二君。
(3番 久保浩二君 登壇)
○3番(久保浩二君) 地域に移っていった場合には、休日のいろいろな事故だとか指導の問題なんかは当該団体の責任、大会をした場合にはそこの主催者の責任ということなのですが、今後、その辺についてもいろいろと煮詰めていくことが必要になってくると思います。
そして、最後に財源についてお伺いします。
現在の部活動でも幾つかの種目で、先ほど教育長が言われましたように外部
指導者、田辺の場合は6校8名が有償で今現在指導されていると思います。そして、費用負担の在り方の整理が求められていますが、
指導者への十分な処遇と経済的に困窮する家庭等の子供たちへの支援はどうするのか。財源の裏づけはどうなると考えているのかお伺いします。
(3番 久保浩二君 降壇)
○議長(北田健治君) 教育長。
(教育長 佐武正章君 登壇)
○教育長(佐武正章君) 先ほど申し上げましたように、地域部活動によって発生する費用負担につきましては、国による支援方策も検討されているとのことから、財源についても国が示す各種方針を見定めた上で、
指導者への処遇や経済的に困窮する家庭への支援の在り方を市といたしましても研究してまいりたいと考えております。
いずれにいたしましても、令和5年度から段階的に行われる休日の部活動の地域移行については、田辺・西牟婁郡の教育委員会、校長会、
中学校体育連盟などと連携して進めてまいりたいと考えておりますので、御理解賜りますようお願い申し上げます。
(教育長 佐武正章君 降壇)
○議長(北田健治君) 久保浩二君。
(3番 久保浩二君 登壇)
○3番(久保浩二君) 今、外部
指導者は有償というふうな形なのですが、それ以外の地域の
スポーツクラブ、団体なんかはほとんどボランティアの形でやっていただいていると思うのですが、今後は、国の方針としてそういうふうな形で、休日、もしくは将来的にはずっとスポーツ、文化の面で地域に移行するとなったら、やはり財源の裏づけがなかったら成り立っていかないと思います。その辺についても今後きちんとした形で財源の確保をできるようにしていただきたいと思います。
今回の改革は、今までの学校主体の部活動から根本的な変更になります。先生の働き方改革と言われているのですが、子供たちのほうにもいろいろな困難、部活動でほとんど毎日、毎日やられて子供たちも大変な状況にあるということもあるので、そこも含めてやっていかなければならないと思います。
部活動の今後を具体的にどうするのか、決めるのは文科省の権限ではありません。
学習指導要領上も部活動は、一番最初に教育長が言われましたように、生徒の自主性、自発的な活動とされていますし、究極的には、生徒がどう思い、どう活動するか次第です。国のほうではガイドラインを示したり、モデル事業を実施して幾つか参考となる事例を紹介したりはできるでしょう。しかし、部活動の設置主体と運営主体は国ではありません。各学校で部活動を今後どうしていくか。また、地域での受け皿をつくっていくのかどうか、国が決めることではありません。地域のよさ、魅力、メリット、あるいは問題、課題をどう踏まえて、文科省の提案なども参考にして、多くの学校、地域で部活動をどうしていくか、児童生徒も参加した対話と議論をして、無理のないようにスタートさせるべきだと考えます。
これで次に移ります。
次に、地域公共交通網形成計画についてお伺いします。
今回は、1番の地域公共交通の課題、地域公共交通網形成計画に書かれている六つの課題のうち、地域住民の移動手段の確保、地域内移動における地域公共交通ネットワークの維持、地域住民のニーズに対応した使いやすい地域公共交通の実現の三つの課題について質問を進めていきます。
地域公共交通網形成計画の策定背景と目的で、地域公共交通に関しては、高齢化の進展等に伴い利用環境の改善に関する要望や、より利用しやすい交通手段の確保への要望等が増えているとあります。市民の要望はどのようなものと認識しているのかお伺いします。
(3番 久保浩二君 降壇)
○議長(北田健治君) 企画部長、山﨑和典君。
(企画部長 山﨑和典君 登壇)
○企画部長(山﨑和典君) 議員の御質問にお答えします。
田辺市地域公共交通網形成計画の策定に当たり、地域住民、利用者、交通事業者など地域公共交通に関わる方々からアンケートやヒアリングを通じ、幅広く意見を頂戴しております。市民の方からは、住民バス等の便数を増やしてほしい、利便性の高い時間帯での運行を検討してほしい、バス停まで行くことが困難であり、自宅まで迎えにきてほしいといった要望が上がっております。
(企画部長 山﨑和典君 降壇)
○議長(北田健治君) 久保浩二君。
(3番 久保浩二君 登壇)
○3番(久保浩二君) 住民バスの便数を増やしてほしい、家まで来てほしいとかいういろいろな要望があるということなのですが、課題解決のために現在行っている調査、研究はどのようなものなのかお伺いします。
(3番 久保浩二君 降壇)
○議長(北田健治君) 企画部長。
(企画部長 山﨑和典君 登壇)
○企画部長(山﨑和典君) 議員の御質問にお答えします。
先進的、先駆的な取組を実施している自治体の情報収集や民間活力の導入、新たな交通システム等についてこれまでも調査研究に取り組んできたところであります。
令和3年度につきましては、田辺、龍神、中辺路、大塔、本宮の地区ごとに、公共交通や移動手段に係る現状を整理した地域カルテを作成し、4行政局で開催した意見交換会により課題の洗い出しを行っております。
これらの取組に基づき、地域の実情に合った課題解決方策を探るべく、調査研究を続けているところでございます。
(企画部長 山﨑和典君 降壇)
○議長(北田健治君) 久保浩二君。
(3番 久保浩二君 登壇)
○3番(久保浩二君) 先進自治体、先進事例についてということで、先日、担当の方にお話を聞きますと、どこへ行かれたのですかと言ったら、三重県の熊野市に行ってきましたと。以前のこの地域公共交通網形成計画のやり取りの中で、私どもは乗合タクシーを求めて議論してきたら、前の3月議会ですよね。相乗りタクシーというのが国のほうで今現在研究を進められているのでということを言われたのです。熊野市は、相乗りではなくて乗合タクシーを数年前から実施しているというところなので、よい調査研究ができたと思うのですが、そしたらどうすれば課題が解消できると今現在考えているのかお伺いします。
(3番 久保浩二君 降壇)
○議長(北田健治君) 企画部長。
(企画部長 山﨑和典君 登壇)
○企画部長(山﨑和典君) 議員の御質問にお答えします。
課題解決のためには、市民の皆様からの意見に基づき整理した課題を踏まえ、他自治体の取組の中から地域の実情に合うものを導入していく、あるいは、現状の実施方法を見直すことが必要であると考えております。
なお、新規導入あるいは実施方法の見直しのいずれの方策を導入するにしても、財政的負担の問題に加え、現状の交通体系と整合が取れること、地域住民・交通事業者も合意できる内容であることが重要になってまいると考えております。
(企画部長 山﨑和典君 降壇)
○議長(北田健治君) 久保浩二君。
(3番 久保浩二君 登壇)
○3番(久保浩二君) 課題解消するためには、いろいろなところと協議していかなければならないというふうに思います。その場合に、市がどういう姿勢で事業者と、また市民やいろいろな地域の方と相談するかというのを変わってくると思うのです。その辺をできるだけ前向きな形で対応していただけたらというふうに思います。
次に、旧4町村の移動手段についてお伺いします。
田辺市過疎地域持続的発展計画の交通手段の確保でも公共交通体系の総合的な再構築を図ることが課題となっている。そのために田辺市公共交通網形成計画を策定したところでありますと書いてあります。そして、その中で長期的な視点で考えていく必要があると結んでいますが、先ほど4町村の地域カルテをつくってということなのですが、長期的ではなく、今の過疎化の進展を見ますと、長期的にいくとほとんど皆様利用できないまま終わってしまうということがあると思うので、すぐに対策を打つ必要があると考えるのですが、考え方をお聞かせください。
(3番 久保浩二君 降壇)
○議長(北田健治君) 企画部長。
(企画部長 山﨑和典君 登壇)
○企画部長(山﨑和典君) 議員の御質問にお答えします。
地域公共交通の活性化及び再生に関する法律は、地域旅客運送サービスの持続可能な提供の確保に資するよう地域公共交通の活性化及び再生のための地域における主体的な取組及び創意工夫を推進し、個性豊かで活力に満ちた地域社会の実現に寄与することを目的としております。
そうしたことから、長期的な視点で考えていく必要があるということは、決して先送りをするということではなく、住み続けられるまちを支え、未来につながる地域公共交通という田辺市地域公共交通網形成計画の基本理念に基づき、持続可能な公共交通体系を提供するという視点で考えていく必要があるということでございます。
なお、これまでも路線バスが廃止される場合は、住民の交通手段の確保、日常生活の利便性の向上のため、空白期間を発生させることなく住民バス等への切り替えを行ってまいっております。
また、奇絶峡付近の崩土により路線バスの運行が困難になった際、市保有の車両を使って臨時便を運行させましたが、運行までに2か月の期間を要したことから、今後通行制限が発生した場合に備えて市保有の車両をあらかじめ貸与し、速やかに臨時便の運行ができるよう体制を整えております。
さらに、住民バスにつきましては、利用者の要望を受け、運行時刻や経路について随時見直しを行っております。
今後とも、市民の皆様からの意見に基づき、可能なところから迅速かつ柔軟に対応していく所存でございます。
(企画部長 山﨑和典君 降壇)
○議長(北田健治君) 久保浩二君。
(3番 久保浩二君 登壇)
○3番(久保浩二君) 長期的というのは考え方であって、実現するまで長くかかることはないというふうな答弁だったので、そのように長期的に持続可能で、できるだけ早く住民の皆様に対応していただけるようにお願いしたいと思います。
次に、住民の皆様は移動手段で何を一番望んでいるのか。4町村のところでカルテをつくったということなので、どういうことを一番望んでいるのかお聞きします。
(3番 久保浩二君 降壇)
○議長(北田健治君) 企画部長。
(企画部長 山﨑和典君 登壇)
○企画部長(山﨑和典君) 議員の御質問にお答えします。
田辺市地域公共交通網形成計画の策定時に頂戴した市民の方からの御意見は、住民バス等の便数を増やしてほしい、利便性の高い時間帯での運行を検討してほしい、バス停まで行くことが困難であり、自宅まで迎えにきてほしいというものでした。
また、外出時によく利用する交通手段として、約7割が自家用車となっており、自家用車が利用できなくなった場合の代わりの交通手段として、約4割が住民バス、路線バスとなっております。
こうしたことから、自家用車が利用できる間は自家用車を、利用できなくなった場合は利便性の高い公共交通を移動手段として望んでいると考えております。
(企画部長 山﨑和典君 降壇)
○議長(北田健治君) 久保浩二君。
(3番 久保浩二君 登壇)
○3番(久保浩二君) 住民バスの便数を増やしてほしい、便利な時間帯にしてほしい、家まで来てほしいということなのですが、今、部長が言われたように、田辺市はほとんど自家用車ということ、最後にもちょっと言うのですが、田辺市全体で見た場合に7割、8割が自家用車で、免許返納したら公共交通、路線バスというふうに言われたのですが、路線バスの利用というのは、普通の場合1.1%ということなので、そんなに住民の皆様は望んでいないということだと思いますので、本当に一番望んでいるものをきちんと把握していただきたいと思います。
そして、龍神行政局で今現在、有償輸送の取組が進んでいるのですが、その中でアンケートも取っていただいたというのですが、数がそんなになかったということで、住民の皆様から公共交通の要望調査、アンケートをしてほしいという要望に調査をしますということなので、十分皆様の声をしっかり聞いて、何が一番皆様望まれているのか考えていただきたいというふうに思います。
次に、行政局管内で実際乗合タクシーなど小回りの利くサービスで、自宅から診療所、商店、行政局、路線バスのバス停などへの移動を支援して、路線バスを利用して田辺市街地に移動してもらうというふうになれば、路線バスの利用促進にもなるのではないかと考えますが、その辺についてはいかがでしょうか。
(3番 久保浩二君 降壇)
○議長(北田健治君) 企画部長。
(企画部長 山﨑和典君 登壇)
○企画部長(山﨑和典君) 議員の御質問にお答えします。
公共交通の体系については、利用料金を抑えて一定数の旅客を効率的に輸送するため、路線バス等を公共交通の中核に位置づけ、自宅から停留所までの移動や、停留所を超えた自由な移動については、タクシー等で個別に対応するというのが従来からの基本的な考え方となります。
そうした中で、停留所間の自由乗降や、一部区間では路線不定期運行を行うなど、柔軟な運用も行っておりますが、田辺市地域公共交通網形成計画の策定時に頂戴した市民の方からの御意見には、バス停まで行くことが困難であり、自宅まで迎えにきてほしいというものがあり、路線バスや住民バスを利用する際の支障になっているということが伺えます。
議員の御質問にもございましたように、仮に、自宅と停留所の間の移動手段を確保することができれば、路線バスの利用促進につながるものと考えております。
(企画部長 山﨑和典君 降壇)
○議長(北田健治君) 久保浩二君。
(3番 久保浩二君 登壇)
○3番(久保浩二君) 次に、3番の高齢者の移動手段についてお伺いします。
田辺市地域公共交通網形成計画で、タクシーはドア・ツー・ドアでの移動が可能であることから、バス利用ができない高齢者にとって欠かせない交通手段であり、状況に応じてタクシーを活用した移動支援策を検討しますとありますが、こういうことで実現の可能性は、今現在どういう状況なのでしょうか。
(3番 久保浩二君 降壇)
○議長(北田健治君) 企画部長。
(企画部長 山﨑和典君 登壇)
○企画部長(山﨑和典君) 議員の御質問にお答えします。
これまでもタクシーについては、1台のタクシーを相乗りして活用するなど、新しい交通システムの可能性についても研究を行ってまいりたいと考えておりますと申し上げ、研究、検討をしてまいりました。
そうした中、令和3年10月29日の国土交通省自動車局長通達、一般乗用旅客自動車運送事業における相乗り旅客の運送の取扱いについてで、各旅客が配車アプリ事業者等との間で締結する運送等サービスの提供に係る契約も相乗り契約に含まれることとなりました。
相乗りタクシーは、複数人で利用することで1人当たりの料金が安くなるというメリットがあり、タクシーが高くて乗れないという人にとっても気軽に利用できるものです。また、それに伴い、タクシー利用が増え、タクシー運転手側の恩恵も大きいと言われております。これまでは知人同士で利用することが基本でありましたが、今回の運用改正により、配車アプリを使用して、知らない人同士でも利用できるようになり、今まで以上に相乗りタクシーの利便性が高まることになります。
いずれにいたしましても、タクシーを活用した移動支援につきましては、こうした運用改正も踏まえて研究をしていくことになりますが、先ほども答弁申し上げましたように財政的負担の問題に加え、現状の交通体系との整合が取れること、地域住民、交通事業者も合意できる内容であることが大きな課題であると考えております。
(企画部長 山﨑和典君 降壇)
○議長(北田健治君) 久保浩二君。
(3番 久保浩二君 登壇)
○3番(久保浩二君) 今回、質問をするということで、紀伊民報に私の質問項目が出てたのですが、匿名の方からはがきを頂きました。紀伊民報で交通関係の質問をされるということを拝見しました。御質問の内容と直接関係するかどうか分かりませんが、高齢者の移動手段の確保についても提案してほしいと思い、はがきを出します。人口減少の中、バスの便が廃止、減便になっていくのは仕方がないと思っています。現在、通院や買い物は子供たちの手を借りながら何とかできていますが、都合がつかないときもあります。タクシーがあると言われるかもしれませんが、なかなか年金暮らしには厳しいものがあります。そこでお願いしたいのはタクシー料金への補助です。隣の白浜町や他の自治体では実施している例も多くあるようですので、年齢を75歳以上とか80歳以上とかにし、年間10万円までとかにし、さらに所得制限もすれば財政的にも認められるのではないかと思います。バス会社に多額の補助をして空のバスを走らせるよりも実効性のあるタクシー補助に向けて、久保議員が提案者になって実現してほしいと切に願っています。どうかよろしくお願いしますというはがきを頂きました。
そして、県内の17市町村で卒免、免許自主返納の方への支援特典を行っています。特に日高郡では、75歳以上の高齢者や65歳以上で免許を返納された方にタクシー、バスの利用券を1万円から2万円の範囲で助成されています。日高町でお話を聞きますと、令和2年度決算で861万円、710人がこの制度を利用しているようです。日高町の予算規模を聞きますと四十数億円ということなので、田辺市の10分の1ぐらいということを考えたら、田辺市で8,000万円余りの支出をしているということなのです。ほかのところでも、日高郡が一番利用しやすい形をつくっています。
そして、パブコメでも、1台のタクシーへの相乗りは高齢者にはできないと思います。タクシー乗車に補助するという項目に変更してはどうかと思いますということで、タクシーへの補助ということがかなり希望されているということです。
そして、2019年に行った市民アンケートで最寄りの路線バスのバス停の利用の有無について聞いておりますが、利用しないから分からないと答えた方が74.5%、住民バスについてふだんは利用しないと答えた方が98%となっています。車がないと生活が不便になるので、免許返納するつもりがないといった声も聞かれ、地域公共交通を利用しない車中心の生活が定着している状況ですというふうに書かれています。地域公共交通の計画は、先ほどからも住民バス、住民バスと言われているのですが、バスにこだわらずに検討するべきではないかと思うのですが、いかがでしょうか。
(3番 久保浩二君 降壇)
○議長(北田健治君) 企画部長。
(企画部長 山﨑和典君 登壇)
○企画部長(山﨑和典君) 議員の御質問にお答えします。
行政局管内を運行している住民バスにつきましては、定時定路線という運行形態を基本としておりますが、大塔地域や中辺路地域の一部路線につきましては、利用者の予約に応じて運行する路線不定期運行の形態を取っております。
路線不定期運行の中には、乗合タクシー事業もあり、他の自治体で行っている乗合タクシー事業は、予約に応じて1台の車両に乗り合わせること、公共施設、医療施設、商業施設等の目的地が定められていること、1日の運行便数や出発時刻が決められていることが基本的な運行内容となっておりまして、出発地点につきましては、集落の利便性の高いところを停留所としている場合と、自宅付近を停留所としてみなしている場合に分けられます。
現在、大塔地域や中辺路地域の一部路線については、他の自治体で行っている乗合タクシー事業の中で、集落の利便性が高いところを停留所としている場合に近い運行形態であります。
また、他の自治体で使用している車両につきましては、5から8人乗りで運行している場合が多く、一方で、本市の住民バスに関しては、大塔地域では10人乗り、中辺路地域では8人乗りの車両を道路幅員等の状況に応じて運用しております。
このように、大塔地域や中辺路地域の一部路線の運行形態については、他の自治体で行っております乗合タクシー事業に近い運行形態でありますが、先ほども申し上げましたように、自宅から停留所まで遠いという課題を解決していく上において、バスやタクシーという単純な区分ではなく、地域の実情に合った方法を検討する必要があると考えております。
(企画部長 山﨑和典君 降壇)
○議長(北田健治君) 久保浩二君。
(3番 久保浩二君 登壇)
○3番(久保浩二君) やはり高齢の方の一番の希望は、自宅まで来てほしいと。住民バスも路線バスもやはり広い幹線道路まで出ていかなければならないというところがあって、住民バスを乗合タクシー的な形でも行っているという話なのですが、やはりもう少し高齢者、地域の方に寄り添う形で検討していただけたらというふうに思います。
次に4番目、効率的、効果的な地域公共交通網についてお伺いします。
地域公共交通網に対する財政負担は増大しています。2017年度以降、路線バス、住民バス合わせて1億円余りの支出になっています。今後の財政負担の予想についてお伺いします。
(3番 久保浩二君 降壇)
○議長(北田健治君) 企画部長。
(企画部長 山﨑和典君 登壇)
○企画部長(山﨑和典君) 議員の御質問にお答えします。
自家用車の保有率増加に伴い、地域公共交通の利用者の減少が続いていることに加え、交通事業者の人員確保や運行に係る経費の増大により、経営状況が悪化していることから、今後、公共交通に係る財政負担は増加していく可能性が高いと考えております。
(企画部長 山﨑和典君 降壇)
○議長(北田健治君) 久保浩二君。
(3番 久保浩二君 登壇)
○3番(久保浩二君) 今後も経営状況が悪化するということで、今のままだったら負担が増えるということなのですが、そのために、効率的で効果的にするために改善策をどのように考えているのかお伺いします。
(3番 久保浩二君 降壇)
○議長(北田健治君) 企画部長。
(企画部長 山﨑和典君 登壇)
○企画部長(山﨑和典君) 議員の御質問にお答えします。
田辺市地域公共交通網形成計画では、地域住民、交通事業者、行政が一体となり、利用しやすく、かつ効率的、効果的な地域公共交通網を構築することを目的として策定しており、地域公共交通の維持、確保を図り、持続可能なネットワーク、サービス、体制を実現することを目標としております。
また、令和2年11月に改正された地域公共交通の活性化及び再生に関する法律では、従来の公共交通サービスに加え、自家用有償旅客運送、福祉輸送、病院・商業施設等の送迎サービスなど、地域の多様な輸送資源を総動員して、地域の移動ニーズにきめ細やかに対応する取組を促すこととなっております。
先ほども答弁申し上げましたとおり、財政負担、現状の交通体系との整合性、地域住民、交通事業者の合意などの課題はありますが、こうした法改正の流れも踏まえて、効率的、効果的な地域公共交通網の構築に向け、引き続き、研究、検討を進めてまいりたいと考えております。
(企画部長 山﨑和典君 降壇)
○議長(北田健治君) 所定の時間が迫ってます。発言は簡潔にお願いします。
久保浩二君。
(3番 久保浩二君 登壇)
○3番(久保浩二君) 最後もう一つ聞こうと思ったのですがもう時間がないので、今回の質問で一番重点に置いたのは、高齢者が住み慣れた地域で生活していく、そのためにも利用しやすく、効率的で効果的な公共交通網を早期に実現すべきだということを訴えたかったのです。
田辺市は、旧4町村だけでなく旧市内も高齢化が進み、65歳以上の人口が2万3,935人、高齢化率が33.7%、そのうち75歳以上が1万2,970人もいて移動に困難を抱えている方が多くいます。
現在の地域公共交通網では利用も限られ、出かけたいときに出かけることが厳しい状況です。それで免許返納、車を手放すことがなかなかできないという実態があります。高齢になり、免許返納しても住み慣れた地域で暮らしていくためにも、低額で利用でき、出かけたいときに出かけられる乗合タクシーなどの移動手段を充実するべきです。
先ほど言いましたように視察に行った熊野市は、市長が皆様の実情を見て乗合タクシーをやれというふうに担当に言って、1年で実現できたということを聞いています。田辺市も市長が決断すればできる施策です。乗合タクシーは、効率的、効果的な移動支援です。高齢者だけでなく市民皆様に喜ばれる支援制度です。早期に実現することを求めて質問を終わります。ありがとうございました。
(3番 久保浩二君 降壇)
○議長(北田健治君) 以上で、3番、久保浩二君の一般質問は終了いたしました。
休 憩
○議長(北田健治君) この場合、午前11時10分まで休憩いたします。
(午前10時59分)
――
―――――――――――――――――
再 開
○議長(北田健治君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
(午前11時10分)
○議長(北田健治君) 続いて、7番、柳瀬理孝君の登壇を許可いたします。
(7番 柳瀬理孝君 登壇)
○7番(柳瀬理孝君) 皆様、こんにちは。
栄新会の柳瀬です。議長より登壇の許可をいただきましたので、これより一般質問を行います。
まず、1点目は小・中学校における情報教育についてです。
情報教育といっても幅広いのですが、今回はタイピングとネットリテラシーについて取り上げたいと思います。
では、まず中項目の(1)ICTの教育の基礎となるタイピング能力とその必要性についてです。
新型コロナウイルスの影響によりGIGAスクール構想が加速化され、子供1人に1台のタブレットが配布され、現在もタブレットを活用した授業等の実践投入に向け各学校現場が努力されているところであります。本市においても各校でその有効な活用策を模索しながら少しずつ実際の授業で取り入れていっていると聞き及んでおります。タブレット端末の配布や通信環境の整備等ハード面はほぼめどが立ったと思われますが、ICT教育への教員、生徒の順応というのは即座にできるものではありません。その中の一つの要素としてタイピングに注目したいと思います。
本市で導入されたマウス社製のタブレット端末をはじめタブレットの入力方式は、基本的にキーボードによるタイピングとなっております。タブレットを活用した授業の例としてよく挙げられるのが、各生徒がそれぞれの考えをタブレット上に入力し、それを先生が教室前のスクリーンで集約し、それを教室全体で共有するといった方法があります。また、それぞれが調べ学習を行う際に活用するようなケースもあるでしょう。
こうしたときに必ず付まとうのがキーボードのタイピングです。現在の子供は、スマートフォンやゲーム機等デジタル機器に囲まれた生活をしており、タブレットへの順応はスムーズに行われるものと思われます。しかしながら、タイピングには不慣れな子供が多いということも聞いております。タイピングは、ICT教育を推し進める上でいわば文字を書くことと同義であり、その基礎となる部分であると考えられます。
そこで、現在の子供たちのタイピングに関する現状及びタイピングの必要性について当局の考えをお聞きします。
(7番 柳瀬理孝君 降壇)
○議長(北田健治君) 7番、柳瀬理孝君の質問に対する当局の答弁を求めます。
教育長、佐武正章君。
(教育長 佐武正章君 登壇)
○教育長(佐武正章君) 議員御質問のICT教育の基礎となるタイピング能力の現状とその必要性についてお答えいたします。
本市におきましても、本年度より1人1台端末の利用が進むにつれ、児童生徒のタイピング能力が徐々に育ってきていると考えております。実際、利用開始当初5文字入力するために5分かかっていた児童が、現在は、授業の進行に支障のない程度まで上達した事例や、9月にローマ字を初めて学習した小学校3年生が、ローマ字変換表を見ながらではありますが、タイピング入力によるコメント交換を行った事例など様々な活用が広がっております。
1人1台端末の効果的な活用には、議員お話のように、タイピング能力が必要不可欠です。端末の利用時にタイピングに課題があると操作に時間がかかり、思考が遮られ、効果的な学習につながりません。端末を利用し深い学びを実現するためには、発達段階における文字を書く速度と同程度以上のタイピング能力を身につけることが理想的であると考えております。
また、この能力が向上すると、これから必要とされる情報活用能力の向上にもつながる傾向にあるという結果が出ております。
加えて今後、様々な場面で紙媒体での試験からCBT、コンピューター・ベースド・テスティング、つまりコンピューターを活用した試験に置き換わることが想定され、タイピング能力による差が正答率に影響を与えることも考えられます。実際、文部科学省、全国的な学力調査のCBT化検討ワーキンググループによる最終まとめには、全国学力・学習状況調査においても、令和6年度から順次コンピューターを活用した試験を導入することが述べられております。
こうしたことからも、タイピング能力は、小学校で字を書くことと同様、現在の児童生徒にとって義務教育の段階から着実に身につける必要があると考えているところであります。
以上です。
(教育長 佐武正章君 降壇)
○議長(北田健治君) 柳瀬理孝君。
(7番 柳瀬理孝君 登壇)
○7番(柳瀬理孝君) タイピングの必要性については、子供たちの将来のことも考慮した上で、今おっしゃっていただいたテスト方式の変更であったり、今後、仕事に就く上でも必要であること、十分に認識しておられると感じました。
また、タイピングができるようになってきた事例についても紹介いただきまして、少しずつICT教育に向けた素地が整っていることも感じました。
また、タイピング速度について、文字を書くのと同程度の速度が理想的というようなこともおっしゃっていただいておりましたが、実情について少しデータで紹介いたします。
2015年に文部科学省によって行われた情報活用能力調査において、小学5年生の平均入力文字数、ここに一応調査結果があるのですけれども、具体的にどういう調査方法かというと、文字列がありまして、それを入力する速度を小学生が5分間で、中学生が3分間で一体何文字入力できるかということを調査されております。小学校で一番多かったのは大体20字から30字、これ5分間でです。中学校は40字から50字、これが3分間でです。そこから、小学校5年生の平均入力文字数というのは1分間に5.9文字だったと言われております。また、中学2年生においても1分間に17.4文字であったようです。5.9文字というと10秒間に1文字、もし45分授業で入力し続けたとしても270文字です。中学生にしても17.4文字というのは、実用レベルとは到底言えません。私は、決してタイピング早いほうではありませんけれども、試しにこの試験やってみると大体1分で80から100文字ぐらいは入力することができます。皆様も今日お帰りになってから1回試していただいたら分かると思うのですけれども、5.9文字とか17.4文字という数字は本当に想像以上に遅いです。これではスムーズなICT教育というのは難しいと思われます。
ではどうすればよいのか。この調査において、タイピングが速い学校は遅い学校に比べてICTを活用した情報収集や発表の機会が多いというふうに結論づけられております。当然といえば当然ですが、キーボードに触れる回数が多いということです。
先ほどの答弁にあった書くのと同程度の速度というのは、恐らく大体1分間に30字から40字程度かと思われますが、これくらいであれば日常的とは言わずとも1日10分でもキーボードに触れていればすぐにできるようになるでしょう。今はタイピングのフリーソフトもたくさんありますし、タイピングの能力というのは大人になっても使い続けるものです。子供の頃から身につけておいて無駄になることはありません。読書の時間を取るようにタイピングの時間を取ったり、また学校の中の限られた時間では難しいのであれば家庭学習の中に組み込んだり、ICT教育を推し進める中でタイピングの能力向上のための取組を考える時期に来ているのではないかと考えますが、当局の見解をお聞きいたします。
(7番 柳瀬理孝君 降壇)
○議長(北田健治君) 教育長。
(教育長 佐武正章君 登壇)
○教育長(佐武正章君) 議員御質問のタイピング能力向上のための取組についてお答えいたします。
タイピング能力向上のための取組は、ローマ字の学習を終える小学校3年生以上の児童生徒が行っております。現在の取組内容につきましては、学校によって異なるところではありますが、授業の初めに5分間程度のタイピングを行ったり、朝や終わりの学活の時間に日記を入力したり、授業中に文字入力の場面を意図的に設定したりと、様々な場面で取り組んでいます。また、休憩時間を利用し、インターネット上の無料のタイピングサイトで、子供たちが自主的にタイピング練習を行っている学校もあります。
現在、児童生徒のタイピング能力を含む情報活用能力向上に向け、和歌山県教育委員会が示した情報活用能力体系表を元に、田辺市の実情にあった形に置き換えた田辺市版情報活用能力体系表の作成を進めているところであります。この中に、子供たちの成長段階に合ったタイピング能力の目標値を定め、児童生徒が目標を持って取り組めるようにし、力をつけていきたいと考えております。
また、先進事例として、子供たちのタイピング能力向上に伴い、ICTを活用した授業が円滑に展開され、子供たちの学びが深まったという報告も聞いております。
この機会に、市内各校ともタイピング能力習得・向上のための取組が充実するよう検討してまいりたいと考えておりますので、御理解賜りますようお願い申し上げます。
(教育長 佐武正章君 降壇)
○議長(北田健治君) 柳瀬理孝君。
(7番 柳瀬理孝君 登壇)
○7番(柳瀬理孝君) 現状、学校によって一定の取組をしているところもあるとのことですけれども、私が聞き及んでいる限りでは、タブレット端末を使う授業の冒頭や余った時間にフリーソフトでタイピングの練習をしたりということはされているというふうに私も聞いているのですけれども、習慣的にキーボードを触る時間をつくるという段階まではまだ行っていないのではないかと思います。答弁にもありました、田辺市版の情報活用能力体系表を早期に完成させ、ICT教育の基礎となるタイピングの能力の向上に努めていただきたいと思います。
では次に、(3)ネットリテラシー教育の現状についてです。
近年は、デジタル機器のほとんどがネットを介すようになり、子供たちの周りにおいてもスマホやゲーム機器等がコミュニケーションの手段として使われております。今や子供とネットを切り離すことは不可能です。
そうした中で、大人はもちろんですが、子供のネットリテラシーの向上が求められております。ネットの情報を正しく理解し、適切な情報の活用を行うこと、フェイクニュースに惑わされないこと、安易にネット上で誹謗中傷を行わないこと、SNSにおける個人情報の取扱い等、ネットの扱いにおいて注意しなければならないことを上げれば枚挙にいとまがありません。記憶に新しいのは、新型コロナウイルスのワクチンのことです。若年層における誤った情報の拡散が引き起こす影響は計り知れません。また、昨年11月には、東京都町田小学校で配布されたタブレット上でのいじめにより小学校6年生の女の子が自殺するという痛ましい事件も発生しました。
情報機器は非常に有用であり、そこに罪はありません。ただ、それを扱う人のネットリテラシーが低ければ簡単に事件、事故を引き起こす可能性があります。そうした中で、本市におけるネットリテラシー教育の現状についてお聞かせください。
(7番 柳瀬理孝君 降壇)
○議長(北田健治君) 教育長。
(教育長 佐武正章君 登壇)
○教育長(佐武正章君) 議員御質問のネットリテラシー教育の現状についてお答えいたします。
まず、ネットリテラシー教育とは、インターネットの情報や事象を正しく理解し、それを適切に判断、運用できる能力を育てる教育です。
現在、スマートフォンやゲーム機器、1人1台端末などインターネットに接続できるツールが子供たちの生活の中にあふれております。また、これらツールの利用が低年齢化していることから、小学校低学年から継続的にネットリテラシー教育を行い、着実に身につける必要があると考えております。
各校での取組につきまして、発達段階や子供たちを取り巻く環境が異なることから、必要な指導内容を見極め、独自のネットリテラシー教育を実施しております。具体的な取組例としまして、青少年センターによる小学校低学年からの情報モラル教室や外部の専門家による講演会など、学校全体で注意喚起する機会の設定や、道徳や技術家庭をはじめ、各教科の授業の中でSNSへの書き込みや個人情報の取扱い、著作権などについて考える場面を設定し、ネットリテラシーの育成に努めているところであります。
また、ネットリテラシー教育で学習した内容を元に生徒会の役員が議論し、インターネット利用のルールを生徒たちでつくるといった自主的な取組も始まってきております。
これまで各校での取組は、どちらかといえば、問題行動の未然防止に向けた、活用を制限する指導が中心でした。今後は、こうした指導を継続しながらも、さらに一歩踏み込んだ情報の信憑性を適切に判断し、情報を効果的に活用し、正しく発信する力の育成についても強化していく必要があると考えているところであります。
引き続き、さらなるネットリテラシー教育の充実を図りながら、取組を推進してまいりたいと考えておりますので御理解賜りますようお願い申し上げます。
(教育長 佐武正章君 降壇)
○議長(北田健治君) 柳瀬理孝君。
(7番 柳瀬理孝君 登壇)
○7番(柳瀬理孝君) 先ほども申し上げましたけれども、基本的にネットと子供を切り分けるというのは、現代においてはほぼ不可能であると思います。答弁にもありましたが、情報機器の活用を制限するという観点だけでなく、情報を適切に活用し、扱っていくことにも重点を置いていっていただきたいと思います。
では、次の項に移ります。
先ほどから申し上げているように、ネットに関する注意点というのは数え切れません。とりわけ、最近はSNSやゲームでのつながりを介したトラブルが多発しております。警察庁の統計によると、SNSを介した子供の犯罪被害は、令和2年度、令和元年、平成30年とここ3年、2,000件前後で推移しております。しかしながら、こうしたトラブルは表に出にくいこともあり、実際の件数はこれよりもはるかに多いとも言われております。一応言っておきますと、これは犯罪行為に関わる件数でございます。
こうしたトラブルは、時代とともに変遷し、インターネットが普及した段階、SNSが普及した段階、そして、最近はゲームをする際にボイスチャットをしながらプレーする機会も多く、ゲームを介してSNSでつながり、そこからトラブルに発展するケースも増えております。子供たちにとって、今やゲームはコミュニケーションの手段ともなっており、これを手放すことは難しいと思われます。こうした変遷の中で求められるネットリテラシーも変化しております。
先日の紀伊民報において、みなべ町で保護者や教職員向けのネットリテラシーの講座を開催したとの記事が掲載されておりました。その中では、ツイッター、インスタグラム、ティックトック、ユーチューブ等のSNSのトラブル回避のための具体的な設定方法や、これらのSNSは、基本的に利用規約において13歳以上対象のサービスであり、それ以下の場合は保護者の責任となることなど、少し踏み込んだ内容の講義をされたようです。
本市においてもこうした取組を含め、時代に応じたネットリテラシーの向上の取組を推進されるべきと考えますが、当局の見解をお聞かせください。
(7番 柳瀬理孝君 降壇)
○議長(北田健治君) 教育長。
(教育長 佐武正章君 登壇)
○教育長(佐武正章君) 議員御質問のネットリテラシー向上のための取組についてお答えいたします。
児童生徒のネットリテラシー向上のためには、まずは指導する側である教職員のネットリテラシーについて理解を深める機会が必要であります。そこで、本年度3学期にネットリテラシーに係る研修を実施できるよう、現在調整をしているところであります。
また、児童生徒のネットリテラシー教育は、講演会のような特別な場を設定するとともに、ふだんの学習の中で育むことも重要であると考えており、各教科の学習の中で意図的に組み込んだり、子供たちの日常生活の中で起こりやすいインターネット上での課題を取り上げたりしながら、発達段階に応じた指導の充実に努めてきているところであります。
議員の御提案にありますよう、ネットリテラシーは、児童生徒だけではなく、保護者や地域の方々にも広く理解をしていただき、学校や家庭、地域が連携して育てることが重要であると考えております。保護者のネットリテラシー向上に向けましては、参観日やPTA行事の一環としてネットリテラシー教室を実施し、親子や地域で学ぶ機会を設定した事例もあります。
また、田辺市子どもクラブ育成協議会、田辺市青少年育成市民会議、田辺市PTA連合会の共催で、外部講師を招き情報モラル研修会が実施されております。この取組は本年度で4回目となりますが、参加者から、自分の情報が知らないうちに漏れてしまっていることに怖さを感じたや、子供たちを守るためにも今日学んだことを伝えたいなどの感想をいただいております。
また、当日の研修につきましては、動画撮影したDVDを市内全小・中学校へ配布し、子供たちへのネットリテラシー育成に活用しております。
今後につきましても、ネットリテラシー教育については、子供だけではなく、保護者や地域の理解が深まるよう、学校・家庭・地域が連携して取り組んでまいりたいと考えておりますので、御理解賜りますようお願いいたします。
(教育長 佐武正章君 降壇)
○議長(北田健治君) 柳瀬理孝君。
(7番 柳瀬理孝君 登壇)
○7番(柳瀬理孝君) 教職員向けのネットリテラシー講座を企画中とのことで、ぜひとも状況の変遷に応じた取組を進めていただきたいと思います。
では次に、大項目の2番、小・中学校における県外の学校との交流についてです。
まず、この項目に入るに当たり、中項目の(2)とも関連しますが、デュアルスクールという制度の概略についてだけお話しておきます。
デュアルスクールというのは聞き慣れない言葉だと思いますが、2016年に徳島県で始まった制度であり、詳細は後ほどお話いたしますが、簡単にいえば、1人の生徒が都市部の学校と地方の学校の二つを行き来する制度であります。二つの学校に籍を置くという表現が適切かどうかは分かりませんが、異なる価値観に触れ、また、多様化する働き方に対応することができると考えられています。
それでは、まず、本市における他府県の学校との交流についてお伺いいたします。
本市において、他府県の学校との交流の実績やその効果について当局の見解をお聞きいたします。
(7番 柳瀬理孝君 降壇)
○議長(北田健治君) 教育長。
(教育長 佐武正章君 登壇)
○教育長(佐武正章君) 議員の御質問にお答えいたします。
学校における県外の学校との交流につきましては、現在は新型コロナウイルス感染症の影響で取組は難しくなっております。しかし、過去には本市とつながりのある市町の学校との交流により、それぞれの学校の取組を発信する場として、子供たちの表現力の向上につながる活動を展開してまいりました。
長野、三里、本宮の3小学校では、世界遺産でつながる平泉町の児童を迎え、お互いの校区にある世界遺産を語り部で紹介するといった取組を行っていました。
田辺第一小学校では、本市との災害協定による徳川御三家附家老サミットでつながった愛知県犬山市の小学生との交流を行い、お互いの修学旅行の機会に学校を訪れ、それぞれの地域の歴史や文化について伝え合うとともに、それぞれのまちを歩いて紹介するなどの取組も行いました。上秋津小学校では、愛知県豊田市にある小学校に児童会の役員が訪れ、お互いの学校の様子や地域の特色等についての交流を長期間にわたり行っていました。
このように、県外の学校との交流は、子供たち同士のよき交流の場として、お互いのまちの魅力を知り、生活や文化を学ぶよい機会になっていると考えております。
コロナ禍により、以前のような交流を行うことは現段階では難しいと判断しておりますが、ICTを活用した発信の部分では、近野中学校のQRコードを用いた熊野古道の紹介など各校において工夫した取組を行っているところです。学校間での交流につきましても、ICTを活用しながら、また、コロナ禍の中でも可能な交流方法を検討してまいりたいと考えておりますので、御理解賜りますようお願いいたします。
(教育長 佐武正章君 降壇)
○議長(北田健治君) 柳瀬理孝君。
(7番 柳瀬理孝君 登壇)
○7番(柳瀬理孝君) 幾つかの事例を紹介いただきましたが、子供たちの交流や、そしてお互いの生活や文化を知るよい学びの機会となっていると私も思います。現在は、ICTを活用した学校間交流を考えられているということで、交流の幅も広がる大変よい考えだと思います。
それでは次に、(2)デュアルスクールの導入についてです。
概略については冒頭にお話しましたが、デュアルスクールとは、1人の生徒が二つの学校を行き来し、双方で教育を受けることができる新しい学校の仕組みとなっております。現行の学校教育制度においては二つの学校に籍を置くことはできませんが、区域外就学制度を活用することにより、都市部に住民票を置いたまま保護者の短期居住に併せて学籍を移動させます。具体的に申し上げますと、例えば、本市に興味を持っていただいた方が将来の定住を見込み、本市で一時的に住んでみたいといった場合や、本市出身者で現在都市部で働いている方が自分の育った故郷を子供にも経験してほしいといった場合、また、近年盛んになっているワーケーションにより家族全員で一定期間本市に居住したいといった場合に、本制度を活用することでスムーズに行き来をすることが可能になります。
本市においては、まち・ひと・しごと創生総合戦略をはじめ、様々な場面で交流人口、関係人口の増加、新しい人の流れの創出をうたってまいりました。ワーケーションについても、昨年の3月議会において冒頭の提案説明で、市長がコロナ禍を契機として、社会の枠組みや働き方、生き方に変化が生じており、そうした状況を的確に捉えて、2地域居住やワーケーションといった取組をさらに推し進めるといったことをおっしゃっていたのが印象的でした。
そうした中で、本事業は田辺市出身者が戻ってくる足がかりやワーケーションの推進、また本市に魅力を感じていただいた方の移住の際などにも、子供の学校に関する不安を軽減するものであります。
これまでの本市の歩みや将来の構想に適した事業であると考えますが、デュアルスクール制度の導入について当局の見解をお聞きいたします。
(7番 柳瀬理孝君 降壇)
○議長(北田健治君) 教育長。
(教育長 佐武正章君 登壇)
○教育長(佐武正章君) 議員の御質問にお答えいたします。
デュアルスクールとは、地方と都市の二つの学校が一つの学校のように教育活動を行うことができる仕組みと制度のことで、先ほども御説明ありましたけれども、2016年に徳島県教育委員会が徳島型デュアルスクールとしてこの事業を始めております。
この事業は、学校区域外就学制度を活用したものでありますが、2016年12月に閣議決定された、まち・ひと・しごと創生総合戦略において、地方への移住に伴う子供の就学手続について、区域外就学制度が活用できることを周知することが明記されました。これを受け、2017年7月に文部科学省より、地方移住等に伴う区域外就学制度の活用についての通知があり、この通知は、区域外就学を利用する理由として、地方への一時的な移住や地域に居住するといった理由も相当と認めるべきという記載が含まれました。
このことにより、都市部に住民票を置いたまま、保護者の短期移住に合わせて地方の学校に学籍を移動させることは、地方と都市、双方の教育委員会の合意があれば、転校手続を簡略化して2校間の移動が容易となり、徳島型デュアルスクールのほかにも秋田県や長野県でも同事業が展開されていると聞いております。
本市におきましても、区域外就学の通学区域制度の弾力的運用として、地理的な理由や身体的な理由等において、児童生徒などの具体的な事情に即して、校区ではない学校への就学を受け入れております。また、海外へ移住している児童が、夏休みの間に帰郷し、校区の学校へ短期間通うといったケースもあり、保護者のニーズと学校の受入れ状況に合わせて対応を行っているところです。
デュアルスクールの導入は、田辺市の自然豊かな環境で過ごす機会を得ることができるだけではなく、多様な価値観の醸成、新しい人間関係づくり、田辺市のよさを発見することにもつながり、移住するきっかけになる可能性も考えられます。
しかし一方で、2校間の移動が容易とはいえ、当該児童生徒の理解に始まり、学習状況の把握等、新しい環境へなじむための支援は必要不可欠であります。ほかにも保護者への支援や連絡、学習の進め方や成績の処理についても学校間で調整が必要となり、無理なく進めていくためには対策が必要です。
徳島県では、学習進度の違いを調整するための教員を配置し、当該児童生徒の学習や学校生活の支援を行うとともに、都市部の学校との連携調整業務を行っております。
本市でのデュアルスクールの導入につきましては、受入れ体制づくり等をはじめ、田辺市の移住、定住担当部局、県教育委員会との連携が必要であり、今後どのような形で実施可能かどうかを調査研究してまいりたいと考えておりますので、御理解賜りますようよろしくお願いいたします。
(教育長 佐武正章君 降壇)
○議長(北田健治君) 柳瀬理孝君。
(7番 柳瀬理孝君 登壇)
○7番(柳瀬理孝君) もちろん、本事業を始めるに当たっては検討しなければならない課題はたくさんあると思います。本市のみで対応するのも難しいかもしれませんが、これは一つの契機としていただきたいと思います。これまで本市がうたってきたこと、また、今後目指すべき将来像と本事業は合致するものであると私は思っております。本市が主導し、デュアルスクールについて調査研究を行い、本市だけでの対応が難しいのであれば、その後、県教育委員会等しかるべき機関と連携しながら導入を目指されますよう検討していただきたいと思います。
では次に、大項目の3番、本市職員の副業についてです。
以前、浅山議員からも全体的なところで副業についての一般質問があったと思います。まずこの一般質問をするに当たり、本市職員の副業に関する基本的な考えをお聞かせください。
(7番 柳瀬理孝君 降壇)
○議長(北田健治君) 総務部長、西 貴弘君。
(総務部長 西 貴弘君 登壇)
○総務部長(西 貴弘君) 議員の御質問にお答えします。
市の職員には、地方公務員法第38条で営利企業の従事等の制限が設けられており、任命権者の許可を受けない限り、報酬を得て、いかなる事業、もしくは事務に従事してはならないと定められており、原則として副業は禁止されております。
これを任命権者が許可するかどうかを決める際には、申請された内容に対して職務の公正性が確保できるのか、または勤務時間における職務専念義務を果たすことができるのか、あるいは住民からの信頼の確保に悪い影響を与えるおそれがないか等について確認をした上で許可の可否をすることとしております。
以上です。
(総務部長 西 貴弘君 降壇)
○議長(北田健治君) 柳瀬理孝君。
(7番 柳瀬理孝君 登壇)
○7番(柳瀬理孝君) それでは次に、農業分野における本市職員の副業についてです。
副業というとどこか大げさに聞こえますけれども、現状実家が農家の場合には、兼業や手伝いが認められるケースが多いと聞いております。今回提案したいのはそうではなく、地域の農家を手伝うケースです。この場合、現状市の枠組みでは許可はされにくいということです。
しかしながら、他の市町村を見てみると、昨年、有田市においては、ミカンの収穫に関して、制約はありつつも一部副業として農家を手伝うことが許可されるようになりました。これは、有田市ミカン農業求人情報発信事業に登録していただいた農家に対して市職員の副業を認める制度であり、若手職員に地域の基幹産業を知ってもらう狙いもあると聞き及んでおります。
また、青森県弘前市においては、今年からリンゴ農家の収穫作業を市職員が手伝う場合に、こちらも報酬上限等の制限はありますが、副業を許可する制度を創設したとのことです。弘前市に関しては、事前に職員の意向をアンケート調査しており、回答した1,479人のうち170人が今年から働きたいと答えたとのことです。
このように、農業が盛んな地域では、公務員の副業として地域に根差した農業であれば少しずつ制限を緩和していこうという枠組みができ上がりつつあります。
本市においても、こうした先進事例を参考にしつつ、枠組みや制度設計を行っていく時期が来ているのではないかと考えますが、当局の見解をお聞かせください。
(7番 柳瀬理孝君 降壇)
○議長(北田健治君) 総務部長。
(総務部長 西 貴弘君 登壇)
○総務部長(西 貴弘君) 議員の御質問にお答えします。
先ほども申し述べましたとおり、営利企業への従事等については原則として禁止されていることから、知人の農業に関しても、報酬を得てこれに従事することは現在の枠組みでは許可できないものと考えます。
先ほど議員からも御紹介ありました有田市におきましては、特産品であるミカン栽培に対する繁忙期の働き手確保のため、求人情報を市のホームページで公開する事業を実施しており、同事業に係る求人情報に対して応募する場合に限り例外的な許可を行っていると、同事業を介さない場合は許可しないものと伺っております。
また、議員の御指摘のとおり、職員が地域の実情を知る機会の確保については、市といたしましても必要性を認識しており、職員に対しては業務外における地域活動の奨励を行っているところでございます。町内会や公民館、地域の諸行事等への住民の立場で参加していく中で、農業を含めた地域の諸課題に対応できる職員の育成につなげてまいりたいと考えております。
なお、地域の課題として人手不足、特に農業関係では、梅やミカンなど主力の生産物の収穫期において働き手が見つからないといった課題が生産者の大きな悩みの一つとなっており、JA等でもその対策に苦慮していることは十分認識しております。
全国の先進自治体においては、有田市の例にあるような、それぞれの地域の重要課題への取組の一環として、職員の営利企業への従事等について一定の枠組みや制限を設けた上で許可を行っている事例もございます。
現在のところ、本市において同様の取組を行うには様々な課題がございますが、議員御指摘の点も踏まえ、副業等の在り方については、地域の特性にも考慮しながら調査研究を行ってまいりたいと考えておりますので、御理解のほどよろしくお願いいたします。
(総務部長 西 貴弘君 降壇)
○議長(北田健治君) 柳瀬理孝君。
(7番 柳瀬理孝君 登壇)
○7番(柳瀬理孝君) 副業に関して、公務の妨げにならないことや利害関係が発生しないことというのは、公務員である以上当然のことであります。何でもかんでも副業を許可するというのは私も賛同しかねます。しかしながら、地域に根差した事業については、少しずつ考えていってもよいのではないかと思います。先ほどから申し上げた有田市や弘前市の事例を参考にしつつ、最終的には、任命権者の判断ということですので、適切な判断をしていっていただきたいと思います。
では次に、大項目の4に移ります。
先日、12月4日土曜日に新庁舎の起工式が新庁舎建設予定地で執り行われました。長年議論してきた新庁舎整備についても、入札も完了し、主となる行政手続は一段落したものと思われます。
一方、この現庁舎の跡地については、現時点では白紙状態であり、今後の整備に市民の関心が集まっております。現時点で庁舎の跡地に関する取組や今後の方針があればお聞かせください。
(7番 柳瀬理孝君 降壇)
○議長(北田健治君) 企画部長、山﨑和典君。
(企画部長 山﨑和典君 登壇)
○企画部長(山﨑和典君) 議員の御質問にお答えします。
現本庁舎跡地につきましては、本年1月に庁内組織として田辺市本庁舎跡地利活用検討委員会を設置し、利活用に当たっての現況確認や諸課題への対応について共通認識を図ったところであり、10月には検討委員会内に課題整理部会を設置し、想定される諸課題の整理と対応についての協議を行っております。
また、第2次田辺市総合計画の後期基本計画の策定に当たり実施した市民アンケートにおいて、現本庁舎の跡地利用に関する考え方を調査しましたところ、商業施設や宿泊施設、レジャー施設等としての利用といった活力の分野に関する御意見が最も多く、次いで公園や緑地、駐車場といった快適の分野に関する利用、そして、大学やスポーツ・文化施設、憩いの場所、多目的ホール、広場といった、人、コミュニティーの分野に関する利用といった御意見もいただくなど、いずれも人が集える場所としての活用を希望する声を多くいただきました。
さらに、本年7月に開催した田辺市総合計画審議会第1回分科会において、現庁舎跡地の利活用について議論いただきましたところ、利活用の分野と方向性に関しては、現敷地のみにとらわれることなく周辺一帯を含めて議論する、市民以外の幅広い関係人口が集える場所にする、経済を豊かにする方向性が必要である、災害に対する安全性を考慮する、周辺市町を含めた広域的な視点で考えるといった意見をいただくとともに、利活用検討の進め方につきましては、民間活用も検討しながら高校生など若い世代を含めた幅広い意見を取り入れながら進めることといった御意見をいただいているところであります。
また、11月には、内閣府が実施するPPP/PFI行政実務専門家派遣事業を活用し、庁舎跡地を含む公有地の民間活用による先進的な開発事例を研究するとともに、本市の事例における今後の進め方について専門家より助言をいただいたところであります。
市といたしましては、こうした経過や議論を踏まえまして、令和4年度には市民、関係団体、専門家などで構成する検討組織を設置し、幅広い立場や視点から御意見をいただきながら、現庁舎跡地の利活用の方向性について早急に取りまとめをしていきたいと考えておりますので、御理解賜りますようよろしくお願い申し上げます。
(企画部長 山﨑和典君 降壇)
○議長(北田健治君) 柳瀬理孝君。
(7番 柳瀬理孝君 登壇)
○7番(柳瀬理孝君) 現時点では一定意見収集が行われている。そして、令和4年度、つまり来年には早急に方向性を求められるということですね。ぜひとも市が強いリーダーシップでもって方向性を決めていただきたいと思います。
では次に、旧国鉄田辺駅宿舎跡地についてです。
当該土地は、平成6年以降市有地となっており、長年にわたり地元町内会の皆様がグラウンドゴルフやキャッチボールをしたり、憩いの場として利用しておりました。その中で、本年9月に遊休市有地の活用ということで、当該市有地の活用策を民間から募集することとなりました。
募集は2段階募集で行い、1段階目の募集ではアイデアを募集し、2段階目では、そのアイデアを基に事業主体を募集するとのことで、募集要件としては、中心市街地の活性化に寄与する施設であることが掲げられておりました。
9月末にアイデア募集が終了したと思いますが、その結果についてお教えください。また、採択されたアイデアがあるのであれば、その理由についても併せてお聞かせください。
(7番 柳瀬理孝君 降壇)
○議長(北田健治君) 建設部長、衣田 克君。
(建設部長 衣田 克君 登壇)
○建設部長(衣田 克君) 議員御質問の旧国鉄田辺駅宿舎跡地の活用についてお答えいたします。
当該事業用地につきましては、平成6年3月に日本国有鉄道清算事業団から駅前周辺の再開発用地やそれに関連するまちづくり事業用地として取得したものでございます。
しかしながら、幾つかの活用計画案を検討してまいりましたが事業化には至っておらず、現在まで地元町内会に管理を委託しており、町内会行事や地域イベントの会場等として利用されております。
本市におきましては、平成29年7月に策定した第2次田辺市総合計画や令和元年7月に策定した田辺市都市計画マスタープランにおいて、持続可能なまちづくりを目指す上で中心市街地の活性化を大きな課題の一つとして位置づけ、課題解決に向けた施策を展開しているところでございます。
近年では、これらの計画に合わせ、景観まちづくり刷新支援事業や武道館の建設等、中心市街地におけるハード面の整備を進めてまいりましたが、さらなる中心市街地の活性化及び事業用地としては未活用となっている当該地のより有効な活用方法について、民間が持つノウハウや資本を生かした提案を広く募集したところ、ホテル事業という1件の応募がありました。
提案内容について、庁内関係部課長から構成される作業部会にて審査したところ、新たな回遊拠点ができることにより、新しい人の流れが生まれ、商店街や味光路等のにぎわいの創出につながるなど、中心市街地活性化に寄与できると判断し採用いたしました。なお、地元説明会等を通じて、地元住民の生活環境の向上につながるようなことも盛り込みたいと考えております。
現在、本提案内容を基に、同部会にて市としての施設の整備条件等を取りまとめた活用計画を作成しているところであり、今後、外部の有識者で構成される検討委員会やパブリックコメント等を通じ活用計画を策定し、事業者の選定公募を実施することとしておりますので、御理解賜りますようよろしくお願い申し上げます。
(建設部長 衣田 克君 降壇)
○議長(北田健治君) 柳瀬理孝君。
(7番 柳瀬理孝君 登壇)
○7番(柳瀬理孝君) 募集によって採択された案はホテル業ということで、現在、コロナ禍において宿泊需要は依然として少ないですが、シティプラザホテルがなくなってから宿泊施設の不足は指摘されてきましたので、恐らく宿泊需要はあると思われます。
また、答弁の中で、今後も地元町内会と協議を行っていく旨がありましたが、くれぐれもこれまで管理されてきた地元町内会の理解を得た上で本事業を進められますようよろしくお願いいたします。
では、次の項目に移ります。
扇ヶ浜エリア及び中心市街地の一体的なまちづくりについてです。
まず、お伺いしたいのが、先ほど質問させていただいた2件、庁舎跡地の活用と旧国鉄田辺駅宿舎跡地の活用において、中心市街地の活性化という観点は共通しているとのことですが、これらの事業の関連、つまり、これらは今後行われる扇ヶ浜エリアの一体的整備の一環と捉えてよいのでしょうか。当局の見解をお聞きいたします。
(7番 柳瀬理孝君 降壇)
○議長(北田健治君) 企画部長。
(企画部長 山﨑和典君 登壇)
○企画部長(山﨑和典君) 議員の御質問にお答えします。
先ほどの答弁にもありましたように、旧国鉄田辺駅宿舎跡地については、平成6年にまちづくり事業用地として取得して以降、地域のイベント等での活用はありましたが、購入の主たる目的としての活用には長らく至っておりませんでした。そうした中、市全体の考え方として、市が所有する遊休財産を民間の力を使って有効活用するという一つの先導的な取組として実施しているものであります。
一方で、扇ヶ浜については、平成7年度より県営事業として扇ヶ浜海岸環境整備事業が採択され、第1期工事として人工リーフ、北突堤、中突堤及びビーチハウスが完成し、平成17年の夏から海水浴場としての利用が始まりました。
その後、第2期工事の整備により、芝生広場や多目的広場でのキャンプイベント開催や、浜辺でバレーやサッカー等が楽しめるスポーツビーチとしての活用などが始まったところであります。そして、令和2年には、植芝盛平記念館を併設した新武道館が完成いたしました。
さらに、扇ヶ浜エリアについては、これまでも答弁申し上げてきましたように、アクティビティーを楽しめるゾーンとして現状で不足している機能は何か、ウイズコロナ時代に新たに必要な機能は何か、中心市街地の他のゾーンとの人の流れをどうつくっていくかなどの視点で、さらなる価値向上のプランを取りまとめていくこととしております。
このように、旧国鉄田辺駅宿舎跡地と扇ヶ浜エリアについては、これまでも異なる状況や経過の中で取組を進めてきたものでありますが、それぞれの取組が中心市街地の活性化に資するものと認識しておりますので、御理解賜りますようお願い申し上げます。
(企画部長 山﨑和典君 降壇)
○議長(北田健治君) 柳瀬理孝君。
(7番 柳瀬理孝君 登壇)
○7番(柳瀬理孝君) これまでの成り立ちや経緯は違うとは思うのですけれども、双方中心市街地の活性化に資するものという点ではやはり共通しているということだと思います。
なぜこの項目で庁舎跡地の活用と旧国鉄田辺駅舎跡地を並べて聞いたかというと、一方に何かの施設ができることによって、もう一方に影響が出ないかということを危惧したからです。この場合ですと、旧国鉄田辺駅宿舎跡地に何かしらの施設、今回はホテル事業になりそうとのことですが、それにより庁舎跡地を含む扇ヶ浜エリアにできる施設の選択肢が狭まるおそれはないかなというふうに思ったわけです。
先ほどの答弁にもありましたが、第2次田辺市総合計画の後期基本計画の庁舎跡地に関する市民アンケートの際に、庁舎跡地に求めるものは、商業施設や宿泊施設、レジャー施設といった活力に関する意見が一番多かったはずです。十分に勘案されたものだとは思いますが、今後のまちづくりにおいては、成り立ちや経緯、また、担当部署が異なったとしても街なか全体で見て課題を抽出し、必要な整備がなされるよう取り組んでいただきたいと改めて申し上げておきます。
それでは最後に、旧国鉄田辺駅宿舎跡地や扇ヶ浜エリアを含む中心市街地の一体的な整備の将来的なビジョンについて、総括的に当局の見解をお聞きいたします。
(7番 柳瀬理孝君 降壇)
○議長(北田健治君) 市長、真砂充敏君。
(市長 真砂充敏君 登壇)
○市長(真砂充敏君) 議員の御質問にお答えします。
先ほどの答弁にもありましたように、庁舎跡地の利活用に関しましては、田辺市総合計画審議会の分科会において、周辺市町を含めた広域的な視点で考える、現敷地のみにとらわれることなく、周辺一帯を含めて議論することといった御意見をいただいております。
そうした意見を踏まえて庁舎跡地の利活用を考えますと、周辺には、鳥の巣や神島、磯間、扇ヶ浜、江川、天神崎、元島をはじめとする田辺湾岸の魅力ある資源が存在しており、現在、天神崎をはじめとする市内の自然資源を再認識し、利活用していくための調査や、扇ヶ浜の価値向上プランの検討、さらには庁舎跡地の利活用の検討なども進めています。
また、田辺湾岸地域では、県営事業として早期完成を目指している文里湾横断道路整備事業や、来年度からは、都市計画道路目良線の整備も計画しています。白浜から南紀田辺インターまでの通行ルートを考えたとき、高速道路、あるいはバイパス道路と比べて、文里湾横断道路や目良線によって、ベイエリアの美しい景観や田辺ならではの特徴的な資源が一体的に結ばれるこのルートは、本市を訪れる方々にとりましても大変魅力的なものになると考えており、田辺湾岸地域の魅力ある資源を最大限に活用した未来へつながるまちづくりとして推進してまいりたいと考えております。
そうした中、旧国鉄田辺駅宿舎跡地は、商店街や飲食店街、また、観光客へのサービス機能が集積しているゾーンに位置し、一方、庁舎跡地は、扇ヶ浜海水浴場、扇ヶ浜公園、新武道館などスポーツやアウトドアといったアクティビティーを楽しめるゾーンと、紀南の文化・芸術の拠点である紀南文化会館に隣接している立地条件から、それぞれに求められる機能や民間から見た利活用の可能性は異なるものと考えておりますが、中心市街地におけるこれまでの取組や、今後の新たな取組なども視野に入れて検討していく必要があると考えております。
旧国鉄田辺駅宿舎跡地の活用も庁舎跡地の活用も、それぞれが中心市街地の活性化に資するものでありますが、庁舎跡地を含めた扇ヶ浜エリアにつきましては、田辺湾岸の魅力ある資源を活用した未来へつながるまちづくりの中で重要な位置づけであるとともに、高いポテンシャルを秘めているものと考えており、今後の利活用に向け積極的に取り組んでまいる所存でございますので、御理解賜りますようお願い申し上げます。
(市長 真砂充敏君 降壇)
○議長(北田健治君) 柳瀬理孝君。
(7番 柳瀬理孝君 登壇)
○7番(柳瀬理孝君) 扇ヶ浜エリアと庁舎跡地を含めた湾岸地域については積極的な答弁をいただいたと思います。今後、この扇ヶ浜エリアや旧国鉄田辺駅宿舎がどのように整備され、そして、それがどう結びつき相乗効果を生んでいくのか、市のゾーン分けは違えど、それぞれ中心市街地の活性化に寄与するものである以上、その視点は必要になるかと思います。来年度中に方向性を示されるとの答弁もありましたが、できるだけ早期に具体化していただき、中心市街地の活性化、ひいては本市の活性化につながる案をお示しいただきたいと思います。
それでは、これで私の一般質問を終わります。御清聴ありがとうございました。
(7番 柳瀬理孝君 降壇)
○議長(北田健治君) 以上で、7番、柳瀬理孝君の一般質問は終了いたしました。
休 憩
○議長(北田健治君) この場合、午後1時まで休憩いたします。
(午後 0時05分)
――
―――――――――――――――――
再 開
○議長(副議長 尾花 功君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
(午後 1時00分)
○議長(副議長 尾花 功君) 続いて、5番、尾﨑博文君の登壇を許可いたします。
(5番 尾﨑博文君 登壇)
○5番(尾﨑博文君) 皆様、こんにちは。
5番、大志会の尾﨑博文です。議長の許可をいただきましたので、一般質問させていただきます。
本日は、大項目1点を一問一答方式で、本市のふるさと納税と企業版ふるさと納税についてお伺いします。参考資料としまして、当市の受入れ寄附金実績についてという用紙を御用意しておりますので御参照ください。どうぞよろしくお願いします。
それでは、質問に入ります。
大項目、本市のふるさと納税と企業版ふるさと納税について。
平成30年12月の定例会で福榮浩義議員がふるさと納税について一般質問をされておりました。その中で、当市の考え方として、田辺市を応援していただいた方への感謝の気持ちと市の魅力向上や産業振興を目指すために実施している。また、市内事業所の取組や地場産品のPR、ファンづくりに取り組んでいるとの回答でした。地域のことを第一に考えたすばらしい取組だと感じました。
あれから3年がたち、楽天ふるさと納税やふるなび、ふるさとチョイスなどのほかにも多くの納税サイトが増え、連日テレビCMで目にするようになり、状況や国民意識も変わり、納税額や納税件数も以前より急激に伸びていると考えられます。
令和2年8月5日付の総務省自治税務局市町村税課のふるさと納税に関する現況調査結果では、平成29年度から見ましても、ふるさと納税受入額は約3,653億円から約4,875億円に増え、受入れ件数を見ましても約1,730万件から約3,333万件にまで増えております。
そういった変化の中、当市では平成20年度の431万5,380円に始まり、平成26年度には7,600万4,563円まで伸びた受入れ寄附金がそれ以降はほぼ横ばい状態が続いておりますが、今後、受入れ寄附金を増やすための本市の取組、また、他市町との差異化のポイントはどこを見据えているのかを含めたふるさと納税を増やすための取組についてお聞かせください。
(5番 尾﨑博文君 降壇)
○議長(副議長 尾花 功君) 5番、尾﨑博文君の質問に対する当局の答弁を求めます。
市長、真砂充敏君。
(市長 真砂充敏君 登壇)
○市長(真砂充敏君) 議員の御質問にお答えします。
ふるさと納税制度は、生まれ育ったふるさとに貢献できる制度、自分の意思で応援したい自治体を選ぶことができる制度として平成20年に創設された制度であり、本市としましても同年から取組を開始しています。
本市におきましては、当初から、田辺市に愛着を持っていただける根強いファンづくりにこだわりを持ちながら取組を進めてきた中、平成26年度から返礼品の送付を開始しましたところ、寄附額が前年の477万8,000円から7,600万4,563円と格段に増え、その後も順調に増加していたものの、平成29年4月1日付で総務省から寄附額に対する返礼品の返礼割合を3割以下とすることとの通知があり、本市においても返礼割合を3割以下に設定しましたところ、平成29年度の寄附額9,307万3,594円から、翌年度は7,080万4,500円と寄附額が減少したという経緯があります。
しかしながら、そうした中でも田辺市を応援してくださる方への御礼として手書きでのメッセージカードや寄附金の活用先等をお知らせする実績報告書の送付を行うとともに、パンフレットやポータルサイト等で市内事業者の取組や地場産品のPR等を行ってきた結果、令和2年度の寄附額が1億1,281万1,724円と増加している状況となっています。
近年では、地場産品でない返礼品やお得感を前面に出した返礼品等が注目され、ふるさと納税の認知度の高まりとともに、寄附者の増加によって寄附額の規模も拡大し、自治体同士で競争が過熱化するという面も見受けられますが、市の考えといたしましては、あくまで田辺市を応援していただいた方へ感謝の気持ちをお伝えし、毎年寄附していただけるリピーターを増やすため、田辺市や当地産品の根強いファンづくりにこだわりを持ちながら取り組んでいるところであります。こうした田辺市を応援していただき、毎年寄附をしていただいているリピーターの方々は、平成30年度が1,151人、令和元年度が1,747人、令和2年度が2,218人と増加してきています。
現在、田辺市では都市部住民と本市をつなぐ関係人口創出事業を展開しておりますが、参加していただいた都市部の方々からも、ふるさと納税のリピーターとして寄附を頂いており、そうした事業効果が一定の成果として現れています。
もちろん、より多く寄附していただくことに越したことはございませんので、寄附額向上に向けた取組の必要性は認識しておりますが、他の自治体との競争に左右されず、将来的にも継続した関係性が保てるよう、こうした寄附者とのつながりや地域貢献への感謝の思いに主眼を置いた取組を今後とも展開していきたいと考えておりますので、御理解賜りますようお願いいたします。
(市長 真砂充敏君 降壇)
○議長(副議長 尾花 功君) 尾﨑博文君。
(5番 尾﨑博文君 登壇)
○5番(尾﨑博文君) 御答弁ありがとうございました。総務省からの返礼割合を3割以下とすることなどの通知により減少したとのことでしたが、手書きのメッセージでのお礼や地道なPR活動などで増加に転じたということで安心しました。
また、リピーターの方々も増えているということですので、いずれ高止まりや下降に転じることも考えられる中、今後も根強いファンづくりの増加や安定した税収確保はもちろん、やはりさらなる増加に期待したいと思います。
続きまして、次の質問に入らせていただきます。
当市のホームページを見ますと、現在、返礼品として世界遺産の道語り部と歩く熊野古道ウオークの旅や郵便局の見守りサービスなど、独自の企画や紀州南高梅などをはじめ、当市の産品、銘品が幅広く返礼品として用意されています。そんな中、数多くの事業者がいる中で選定するのにも様々な苦労があると思います。また、やはり返礼品として人気があるものもあれば、比較的選ばれないものもあると思います。
様々な企画を練られているとは思いますが、他府県の自治体ではコロナ禍で外出自粛などの影響で販売量が減少したことで行き場を失った商品をふるさと納税の返礼品として新たに登録し、苦境に立たされている事業者の支援をしているところもあると聞いております。
そこで、返礼品の見直しや新たに増やす予定があるのかなどを含め、返礼品の選定方法と新たな取組についてお聞かせください。
(5番 尾﨑博文君 降壇)
○議長(副議長 尾花 功君) 企画部長、山﨑和典君。
(企画部長 山﨑和典君 登壇)
○企画部長(山﨑和典君) 議員の御質問にお答えいたします。
本市のふるさと納税に対する返礼品につきましては、田辺市地域ブランド推進協議会に加盟している事業者からの産品をはじめ、世界遺産熊野古道を語り部と歩く古道ウオークの旅、ふるさとの情報をお届けする地方新聞の購読、地域の魅力を伝える神島高校の神島屋による開発商品、郵便局の見守りサービス、たなべ未来創造塾修了生から生まれた商品など約170品目がございます。
こうした返礼品のうち、事業者からの産品や商品の選定につきましては、ふるさと納税お礼品審査会にて、毎年、全返礼品を公平、公正かつ適切に審査し直しております。この返礼品の中には、議員がおっしゃるように頻繁に選ばれるものや、そうでないものもございます。また、コロナ禍により販売が減少したものもございます。
市といたしましては、本市の事業者が製造されたものの中から、田辺らしさが伝わり、かつ独自性があり、田辺を代表するような返礼品を選定しておりまして、販売促進に意欲のある事業者である限り、できる限り返礼品として取り扱えるよう、また新規事業者からの返礼品につきましても、田辺市地域ブランド推進協議会へ加盟していただき、可能な限り返礼品として取り扱えるよう、門戸を広げて対応しているところでございますので、御理解いただきますようよろしくお願いいたします。
(企画部長 山﨑和典君 降壇)
○議長(副議長 尾花 功君) 尾﨑博文君。
(5番 尾﨑博文君 登壇)
○5番(尾﨑博文君) 御答弁ありがとうございました。
返礼品の選定方法については、毎年、ふるさと納税お礼品審査会にて全返礼品を公平かつ適正に審査し直しているとのことで大変安心しました。田辺を代表する返礼品を選定しているとのことですが、既存の銘品、産品はすばらしいのはもちろん、神島高校の神島屋による商品開発などといった田辺市全体を巻き込んだ企画ものや海岸部から山間部までの幅広い地場産品が返礼品となることを願います。
田辺市地域ブランド推進協議会への門戸を広げて対応していただいているとのことですが、そのことについても市民の方々に幅広く周知徹底していただければと思います。
続きまして、次の質問に入らせていただきます。
平成30年12月の定例会の一般質問では、平成26年度、寄附件数7,138件、寄附金額7,600万4,563円に対し、ほかの自治体への流出額は546万7,829円、それ以降、平成29年度には寄附件数7,672件、寄附金額9,307万3,594円、流出額3,817万2,988円との回答がありました。この数字を見ましても、流出額が寄附額を下回っておりますが、平成26年度から平成29年度までの寄附額の増加の割合より流出額の増加の割合が上回っております。
ふるさと納税額が全国的に増えている現状を見ますと、やはり本市の流出額も当然気になるところです。
そこで、平成26年度から受入れ寄附金がほぼ横ばいで続いている中、ふるさと納税による本市の流出額についてお聞かせください。
(5番 尾﨑博文君 降壇)
○議長(副議長 尾花 功君) 企画部長。
(企画部長 山﨑和典君 登壇)
○企画部長(山﨑和典君) 議員の御質問にお答えいたします。
ふるさと納税制度につきましては、マスコミの報道に加え、返礼品を取り上げたポータルサイトの利用普及等により全国的に認知度が高まり、大きな広がりを見せております。本市におきましても、そうしたことが顕著に現れ、市民の方々が他の自治体へ行うふるさと納税の件数も増えてきております。
先ほどもありましたように、本市への寄附額につきましては、ここ数年徐々にではありますが増加している状況であり、ここ3年間を見ますと、平成30年度が7,080万4,500円、令和元年度が8,051万1,510円、令和2年度が1億1,281万1,724円となってございます。
これに対し、田辺市民の方々が他の自治体へ寄附をしたことによる田辺市税の減少額につきましては、平成30年度が4,864万1,001円、令和元年度が5,205万474円、令和2年度が6,868万9,758円となっており、当該金額につきましても年々増加してきている状況となっております。
(企画部長 山﨑和典君 降壇)
○議長(副議長 尾花 功君) 尾﨑博文君。
(5番 尾﨑博文君 登壇)
○5番(尾﨑博文君) 御答弁ありがとうございました。
平成30年度から令和2年度まで寄附額が増加していることは喜ばしいことだと思いますが、流出額が寄附額より下回っているものの、流出額、田辺市税の減少額がそれ以上の割合で伸びていることを危惧いたします。流出額を止めるのは難しいと思いますが、やはり逆転現象が起きないように、当局におかれましてはより一層の対応をお願いします。
続きまして、次の質問に入らせていただきます。
地方創生応援税制、いわゆる企業版ふるさと納税は、企業が地域再生法の認定地方公共団体が実施する、まち・ひと・しごと創生寄附活用事業に対して寄附を行った場合に税制上の優遇措置を受けられる仕組みです。税額控除の特例措置は令和6年までとなっておりますが、令和2年度の税制改正にて、これまで最大6割であった税の軽減効果が最大9割に引き上がることで、地方創生のさらなる充実や強化に向けて地方への資金の流れを飛躍的に高める観点から、当市にとっても税収アップの絶好のチャンスだと考えます。
寄附企業への経済的な見返りは禁止ということで、返礼品などをお返しすることはできませんが、寄附額も下限が10万円に設定されていることもあり、平成30年12月の定例会での回答にもありましたように、当市のファンづくりにもこの企業版ふるさと納税にもっと注力してもよいと考えます。
本年の4月から始まって、まだ数か月しかたっていないとはいえ、本市の企業版ふるさと納税ではまだ1社しかホームページに掲載されておりません。
日々様々な施策を行っていただいているとは思いますが、そう簡単に行くものでもないと思います。やはり先ほど言いましたように、当市にとって応援企業が増えるということは大変メリットがあると考えます。
そこで、当市の今後の取組を踏まえた企業版ふるさと納税の現状についてお聞かせください。
(5番 尾﨑博文君 降壇)
○議長(副議長 尾花 功君) 企画部長。
(企画部長 山﨑和典君 登壇)
○企画部長(山﨑和典君) 議員の御質問にお答えいたします。
企業版ふるさと納税制度は、内閣府が認定した自治体の地域再生計画に登載されている事業に対し、市外の法人が寄附を実施した場合に、法人関係税から最大で寄附額の9割が控除される制度であります。
本市におきましては、令和3年3月31日に地域再生計画の認定を受け、翌月の4月1日より企業版ふるさと納税の受入れが可能となり、現在、市のホームページにおいて、寄附申出の流れ等を御案内するとともに、寄附を頂いた企業への御礼として、企業名及び寄附額等を公表しているところであります。
この企業版ふるさと納税を募るに当たっては、寄附金を充当する事業のストーリー性や、また個人版ふるさと納税における返礼品とは異なりますが、寄附企業へのお礼の内容等が重視されることになると考えております。
市といたしましては、企業イメージの向上、SDGs経営の実践等といった企業価値の向上に寄与するようなストーリー性のある充当事業の選定及び企業ニーズに合ったお返し等を提供することを検討しております。
こうした企業版ふるさと納税の全体的な活用スキーム等につきましては、現在、庁内及び関係団体等と調整を図っており、来年度からのさらなる取組に向け準備を進めているところでございますので、御理解いただきますようよろしくお願い申し上げます。
(企画部長 山﨑和典君 降壇)
○議長(副議長 尾花 功君) 尾﨑博文君。
(5番 尾﨑博文君 登壇)
○5番(尾﨑博文君) 御答弁ありがとうございました。本年4月から始まり、まだ7か月余りですので、一朝一夕では増やすのは難しいと思いますが、やはり当市を応援してくれる企業が増えることは大変ありがたいことだと思います。大変な御苦労もあると思いますが、ストーリー性のある充当事業の選定や企業ニーズに合ったベネフィットを提供することですので、今後ともそういったことが成果を上げて、最終的に田辺市民の方々のベネフィットにつながることを期待しています。
要は、市民の皆様が安全・安心して暮らせるまちづくり、住民サービスにはやはり税収が基本となります。集めることやファンが増えるということももちろん大切ですが、本来の目的を見失うことなく、最終的に市民の皆様が住んでよかったといえるまちづくりのために、ふるさと納税に対しても貴重な税収だという意識をもっと持っていただき、税収アップのために今後ともさらなる取組に期待しています。
少し時間が早いのですが、これをもちまして私の一般質問を終了させていただきます。ありがとうございました。
(5番 尾﨑博文君 降壇)
○議長(副議長 尾花 功君) 以上で、5番、尾﨑博文君の一般質問は終了いたしました。
休 憩
○議長(副議長 尾花 功君) この場合、午後1時35分まで休憩いたします。
(午後 1時24分)
――
―――――――――――――――――
再 開
○議長(北田健治君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
(午後 1時35分)
○議長(北田健治君) 続いて、1番、松上京子君の登壇を許可いたします。
(1番 松上京子君 登壇)
○1番(松上京子君) 皆様、こんにちは。
1番、大志会、松上京子です。早速ですが、通告に従いまして一般質問をさせていただきます。よろしくお願いいたします。
大項目1点目は、障害者スポーツの普及についてです。
本年は、東京2020オリンピック・パラリンピックが1年の延期の後、開催されました。ふだんは比較的放映時間の短いパラリンピック競技ですが、今回は自国開催ということで特別番組や1人の選手に焦点を当てた取材などもあり、広く人々の関心を集めました。試合や競技の放映時間も長く、手に汗握る試合展開やすばらしい演技、躍動する姿に胸躍らせ、感動した人も多かったことと思います。
近年の障害者スポーツは、純粋に見ておもしろい、見ごたえのあるものという表現が当てはまるようになり、東京パラリンピックの開催により、さらに障害者スポーツへの興味、関心は高まったといえます。
本市においては、田辺スポーツパークが陸上競技のナショナルトレーニングセンター競技別強化拠点施設に指定されており、ここで合宿した選手がメダルを取るなど活躍を見せてくれました。
そこでまず、1点目の質問として、パラリンピック陸上競技のナショナルトレーニングセンター競技別強化拠点施設としてのスポーツパークの取組についてお聞きいたします。
ナショナルトレーニングセンター拠点施設としてのこれまでの取組と効果です。
ナショナルトレーニングセンターの競技別強化拠点施設に指定されたのは平成28年。指定を受けたことによる期待される効果というのは幾つかありますが、その一つとして、トップアスリートとの交流を通じ、障害者スポーツに対する市民の理解が深まるということが挙げられています。これに関しこれまでどのような取組をしてきたか。その期待された効果は十分であったかをお聞かせください。
(1番 松上京子君 降壇)
○議長(北田健治君) 1番、松上京子君の質問に対する当局の答弁を求めます。
教育次長、前川光弘君。
(教育次長 前川光弘君 登壇)
○教育次長(前川光弘君) 議員御質問にお答えいたします。
平成28年開催のリオデジャネイロパラリンピックに向け、スポーツ庁が公募していたナショナルトレーニングセンター競技別強化拠点施設に、障害の方にも配慮した施設環境を有する田辺スポーツパークの陸上競技場を申請し、平成28年3月にスポーツ庁からその指定を受けました。
スポーツ庁からの委託を受け、パラリンピック陸上競技強化指定選手らを対象に、和歌山県立医科大学とも連携することで医科学サポートが行われるなど、トップアスリートが安心・安全に、そして、充実したトレーニングができるよう環境を整えてアスリートの受入れを行ってまいりました。これまで、リオデジャネイロパラリンピックやインドネシア2018アジアパラ競技大会の合宿も実施されるなど、多くのトップアスリートが合宿で田辺スポーツパークを利用していただいており、この夏の東京パラリンピックでは、当地で合宿した選手たちがメダルを獲得するなど大活躍されました。
また、強化合宿で利用された際には、地元の中学生との交流やパラリンピック陸上競技の体験などを実施し、世界レベルの障害者スポーツを身近に感じていただき、障害者スポーツへの理解を深める絶好の機会ともなりました。特に、パラリンピック強化指定選手等との交流で、その練習を肌で感じ指導を受けた児童生徒にとっては、貴重な経験になったとの感想をお寄せいただいております。
一方で、田辺スポーツパーク陸上競技場は、紀南地域唯一の全天候型施設であることや、フィールドではサッカー等の球技スポーツも実施されていることから、地元の大会や県外からのスポーツ合宿等で多くの団体にも御利用いただいており、日本パラ陸上競技連盟からの利用希望全てには応えられておらず、また、コロナ禍の影響もあり、ここ数年は合宿での利用が少ない状況になっております。
今後につきましては、日本パラ陸上競技連盟とできるだけ早い段階で利用する日程を確定させるなど、さらに連携を密にしながら、市民の皆様や競技団体等も含め多くの方に利用していただけるよう努めてまいりたいと考えております。
また、ナショナルトレーニングセンター競技別強化拠点施設の指定に伴う市民の障害者スポーツに対する理解や関心は、アスリートとの交流事業への参加者に限られてしまうという側面もありますので、今後は、東京パラリンピックを契機に高まったパラスポーツへの関心をもっと多くの方に波及できるよう、広く啓発に努めていく必要があると考えているところであります。
(教育次長 前川光弘君 降壇)
○議長(北田健治君) 松上京子君。
(1番 松上京子君 登壇)
○1番(松上京子君) ありがとうございます。拠点施設に指定された当時は、交流事業などの機会を多く持てたこと、そして、近年は多くの団体からの予約があり、利用希望に十分添えないこと、また、コロナ禍の影響で日本パラ陸上連盟の合宿利用が少ないというようなお答えをいただきました。御答弁の中では、関係団体との連携の下、利用の促進を図ること、そして、今後の啓発についても少し触れていただきました。その認識の下、次の質問に移ります。
障害者スポーツの普及に関する今後の取組です。
今後も引き続きナショナルトレーニングセンター拠点施設としての指定を受けるのであれば、今後はさらにより活発な取組が必要だと考えられます。以前のように強化練習を行っているアスリートと児童生徒との交流や練習の見学、練習風景のSNS等による発信などに取り組んでいけないかと考えておりますが、今後の障害者スポーツの普及に向けての取組についての考えをお聞かせください。
(1番 松上京子君 降壇)
○議長(北田健治君) 教育次長。
(教育次長 前川光弘君 登壇)
○教育次長(前川光弘君) 議員御質問にお答えいたします。
現在のパラリンピック競技ナショナルトレーニングセンター競技別強化拠点施設の指定期間については、本年度末をもって終了となりますが、令和4年度以降も引き続き指定を受けられるよう、スポーツ庁に対し関係書類を提出しており、審査の結果、再指定を受けた場合には、引き続きパラリンピック陸上のトップアスリートが田辺スポーツパーク陸上競技場において事前合宿などでトレーニングされることとなります。
市といたしましては、こうした機会を捉えたアスリートと地元の小・中学生等との交流をはじめ、スポーツ振興に係る各種事業等において、障害者、健常者を問わず参加できるパラリンピック種目や障害者スポーツの体験会などを開催できないかなど、田辺市体育連盟や田辺市スポーツ推進委員協議会、田辺市身体障害者連盟等の関係団体とも御相談の上、教育委員会と障害福祉担当部局が連携を図って取り組んでまいりたいと考えております。
併せまして、ホームページやフェイスブックなどのSNSを最大限活用し、障害者スポーツに係る情報を広く発信するなど、これまでの取組を充実させながら、市民の障害者スポーツに対する理解を深めるとともに、障害者スポーツの普及につなげていきたいと考えておりますので、御理解賜りますようよろしくお願い申し上げます。
(教育次長 前川光弘君 降壇)
○議長(北田健治君) 松上京子君。
(1番 松上京子君 登壇)
○1番(松上京子君) 御答弁ありがとうございます。一旦はこの指定が本年度で終了ということですが、今後も指定を受け続けられるように申請をしているということで、関係団体、教育委員会、障害福祉担当部局との連携を図り普及に取り組んでいくということ。そしてまた、SNSを最大限活用して情報発信をしていくという、大変前向きなお答えをいただきました。もちろん新型コロナウイルス感染症の影響というものを注視しながらということにはなりますが、ぜひよろしくお願いいたします。
続いての質問に移りたいと思います。
続いては、障害を持つ市民が気軽にスポーツを楽しめる環境づくりについてお聞きします。
スポーツには、今一つ目で触れたようなパラリンピック、あるいは大きな大会への参加につながる競技スポーツの側面と、誰もが楽しみながら健康な生活を送ることのできる生涯スポーツ、一生涯を通じてのスポーツとしての側面があります。誰もがという、この誰もがの中には障害のある人のことも考えられているでしょうか。支援学校などの先生や生徒さんとお話をした中では、学校にいる間、生徒たちはルールや道具に工夫したスポーツを体験することができ、体育の授業などに参加ができるが、卒業した後はスポーツやレクリエーションを楽しめる環境にはこの地ではないのだというお声をお聞きしました。生きがいを持って暮らし、健康寿命を延ばす意味からも、障害者が楽しみとしてスポーツに参加できる環境づくりが大切だと考えます。
そこでまず、障害を持つ市民のスポーツ参加の現状についてお聞きいたします。
今現在、本市では公民館などのスポーツサークル活動や、他のスポーツ教室などが開かれていますが、障害者がスポーツに参加できる機会としてはどのようなものがあるでしょうか。また、現在の参加状況はどのようになっているのかをお答えください。
(1番 松上京子君 降壇)
○議長(北田健治君) 保健福祉部長、虎伏 務君。
(保健福祉部長 虎伏 務君 登壇)
○保健福祉部長(虎伏 務君) 議員の御質問にお答えします。
障害のある方のスポーツへの参加状況に関しましては、アンケートや聞き取りなどによる詳細な現状把握までできておりませんが、市として把握している範囲で申し上げますと、障害の種別や程度にもよりますが、各地域の公民館が主催する教室やサークル、あるいは、各種スポーツ団体等が定期的に実施しているバドミントンや卓球、ソフトバレーなどの競技に参加され、健常者と一緒になってスポーツを楽しんでいる方がおられます。
また、和歌山県障害者スポーツ協会が主催するスポーツ大会に参加を希望する方については、市の窓口で申込み手続を行い、陸上やボウリング、フライングディスクなどの競技に参加される方や田辺市身体障害者連盟が主催するグラウンドゴルフ交流会に参加される方もおられます。
さらに、社会福祉法人が運営する事業所に所属されている方については、事業所等が実施する運動会やソフトボール大会、グラウンドゴルフ大会等でスポーツに触れる機会があります。
このように、障害のある方については、それぞれの特性に応じ、様々なスポーツに参加していることと認識しております。
(保健福祉部長 虎伏 務君 降壇)
○議長(北田健治君) 松上京子君。
(1番 松上京子君 登壇)
○1番(松上京子君) 今の御認識では、スポーツに興味のある障害者は、主に個別に健常者と一緒に教室やサークルに参加をしている、または、事業所に通われている方はその中でレクリエーションとしてスポーツの機会を持っているとのことです。
第3期田辺市障害者計画の中で、スポーツ・レクリエーションにおける関係団体・事業所ヒアリングなどで出ていた意見があるのですが、その中には、利用者、参加者の固定が見られ、幅広い活動の周知が必要であること。それから、障害のある人がスポーツ等の体験ができる機会を充実させてほしい。そのために関連団体と連携して、市からの働きかけも大切である。それから、障害のある人を受け入れている一般のサークルが見当たらないといったような意見がありました。
御答弁にありました事業所でのレクリエーションでは、参加できる人が限定されますし、また、御意見の中にあった一般のサークルの参加が見当たらないという声があるということは、参加が本当はできるんだよということが障害のある人たちには伝わっていないということです。たとえ近くにサークルやスポーツ教室が開催されていても障害のある人はそもそも自分にできるのかどうか、また、施設を利用できるのか、行って迷惑にならないかなどと考えてちゅうちょしてしまいがちです。
そこで次の質問に移ります。
障害者のスポーツ教室や共に参加できるスポーツ大会の開催についてです。
今申し上げたような不安要素を取り除くため、障害のある人たちにスポーツに関する希望を幅広く聞き取りし、障害者のスポーツ教室等の開催をすることはできないでしょうか。また、競技や大会を絞って障害者の部をつくり、積極的に参加を呼びかけることはできないのでしょうか、お答えをお願いいたします。
(1番 松上京子君 降壇)
○議長(北田健治君) 保健福祉部長。
(保健福祉部長 虎伏 務君 登壇)
○
保健福祉部長(虎伏 務君) 議員の御質問にお答えいたします。
現在、市の主催事業として障害者のみを対象としたスポーツ教室や大会は開催しておりません。
現状において、田辺市スポーツ推進協議会が実施しているニュースポーツ教室や各公民館で行われている教室やサークルでは、誰でも気軽に楽しめることを目的としており、障害のある方にも気軽に参加していただける種目もありますので、関係機関とも連携しながら、引き続き広く周知を図ってまいりたいと思います。
障害のある方への聞き取りとしては、障害のある方がもっとスポーツを楽しんでもらえるよう、障害者計画を策定する際に実施している障害者へのアンケート調査などで、スポーツ活動等への参加状況や興味のある、やってみたいスポーツなどの質問項目を設けることで、障害のある方のニーズを幅広く把握したいと考えております。
また、バリアフリー等の設備環境が整っている施設において、少人数でもできる分かりやすいスポーツの実施、あるいは、既存のスポーツ大会において、例えば、障害者・健常者とも参加できるパラスポーツ種目等の導入や障害者の部門を設けることなど、障害のある方が様々なスポーツに親しむ機会の創出に向け、検討してまいりたいと考えております。
市といたしましては、引き続き、障害者の社会参加や生きがい活動につなげることができるよう、関係機関及び各種団体等に対し、障害のある方がスポーツに親しむ機会を設けていただくための働きかけを行うとともに、それぞれの特性や意向に沿った様々なスポーツ活動に参加いただけるように環境整備に努めてまいりたいと考えておりますので、御理解賜りますようお願いいたします。
(
保健福祉部長 虎伏 務君 降壇)
○議長(北田健治君) 松上京子君。
(1番 松上京子君 登壇)
○1番(松上京子君) ありがとうございます。周知やニーズ調査を進めていきたいということ。そして、誰もが気軽に参加できる環境整備に努めていきたい。パラスポーツの導入については、ぜひそういった機会をつくっていきたいといった前向きなお答えをいただきました。ありがとうございます。
障害のある人は、概して日頃から諦めることの多い生活を送っています。今回の質問で取り上げましたスポーツへの参加もそうですし、例えば、みんなと一緒に温泉に入りたいけど設備が整っていないから諦めよう、働きたいけれども障害特性を理解してもらえないから諦めようといった具合に諦めることが多いです。市は、基本理念として、「一人ひとりが大切にされ、幸せを実感できるまちづくり」を掲げています。ですから、そのような人たちに諦めなくてよいですよと言ってあげてほしいと思います。
今回はスポーツに焦点を当てての質問でしたが、基本理念に沿って、少しずつでも諦めなくてもよい、誰もが幸せを実感できる環境づくりに向けた取組を進めていただけるようにお願いいたします。
続いて、大項目2点目の質問に移ります。
2点目は、小学校における教科担任制の導入についてです。
令和4年度から公立小学校の5・6年生を対象に教科担任制が本格導入されることになりました。教科ごとに専門性の高い教員が指導することにより、授業の質が高められ、また、教員の時間や労力の負担軽減が図られると言われています。
しかし一方で、子供たちへの目の届き方、教員の適正な配置や時間割調整の難しさなど、課題もあると聞いています。
そこでお尋ねいたします。小学校5・6年生の教科担任制の利点と課題についてどのように認識されているのかお聞かせください。
(1番 松上京子君 降壇)
○議長(北田健治君) 教育長、佐武正章君。
(教育長 佐武正章君 登壇)
○教育長(佐武正章君) 議員御質問の小学校5・6年生の教科担任制の利点と課題についてお答えいたします。
教科担任制は、新
学習指導要領に示された資質・能力の育成に向けて、義務教育9年間を見通した指導体制を構築するため、国が令和4年度からの本格導入を提言した制度です。小学校高学年は、児童の心身が発達し、一般的に抽象的な思考力が高まる段階であり、これに対応して各教科等の学習が高度化することから高学年からの導入となりました。
また、優先的に専科指導の対象とすべき教科は、教科指導の専門性を持った教員によるきめ細かな指導と、中学校の学びにつながる系統的な指導の充実を図る観点から、外国語、理科、算数及び体育とすることが適当であるといわれています。
この教科担任制の導入により考えられる利点として、令和3年7月に行われた国の義務教育9年間を見通した指導体制の在り方等に関する検討会議では、主に4点が挙げられています。
1点目は、授業の質の向上及び学習内容の理解度・定着度の向上が図られることです。教員の担当教科が減ることにより、授業担当外の時間が増えることにつながります。その結果、教材研究の充実や同じ授業を複数回実施することによる授業改善が図られ、児童の学習内容の理解や学力の高まりが期待されます。
2点目は、小・中学校間の円滑な接続が図られることです。中学校へ進むと、完全教科担任制に変わり、学習内容も難しくなるなど、学習面における中1ギャップという課題があります。小学校の高学年より段階的に教科担任制に触れることは、この学習面における中1ギャップを緩やかにすると考えられます。
3点目は、多面的な児童理解ができることです。具体的には、複数の教員が教科指導に当たることを通じて、児童への多面的な指導や支援ができると考えられます。
4点目は、教師の負担軽減が図られることです。学級担任の授業担当外の時間が増えることで、教材研究の充実とともに時間外勤務の縮減につながると考えられます。
一方、課題としましては、時間割編成が複雑になるおそれや教員不足といったところも想定されます。
田辺市では、これまで県の加配により、理科や算数、外国語、音楽などで専科教員が授業を行ってきている小学校もあります。専科教員が授業を行うことで、教員の負担軽減が図られる、9年間を見通したより系統的な学習が行われる、複数回授業を行うことで授業改善ができる、さらには、学級運営についても、担任だけでなく複数の教員が子供たちを見ることで、改めて一人一人の児童を見詰め直すことができるなどといった利点をこれまで感じてきております。
しかしながら、この教科担任制の導入につきましては、国・県からの加配を含めた配置等の詳細が現在のところ不透明な状況にあります。国や県の動向を見極める中で、導入の仕方や配置、さらには人材確保も含めて検討を進めてまいりたいと考えておりますので、御理解賜りますようお願い申し上げます。
(教育長 佐武正章君 降壇)
○議長(北田健治君) 松上京子君。
(1番 松上京子君 登壇)
○1番(松上京子君) 利点として、授業の質の向上、それから、中1ギャップを緩やかにし、中学へのスムーズな移行ができること。そして、多面的な児童理解ができること、教員の負担軽減といった利点についてお聞かせいただきました。また一方では、時間割編制が難しいこと、教員不足が心配されるというような課題についてお答えいただきました。
続いて、今お答えいただいた利点と課題を踏まえた上で、本市における導入についての質問に移っていきたいと思います。
先行して教科担任制を導入している自治体の状況を見ますと、比較的大きな規模の学校では学級数、そして教員数が多く、自分の学校だけで教科担任制が完結できています。しかし、小規模や中規模の学校ではそれが難しいとされています。本市では1学年が単学級、1クラスしかない学校や、また複式授業を行っているような学校がありますので、教科担任制の導入においては様々な工夫が必要だと考えられます。地域の実情に合った導入計画、本市の教科担任制の進め方についてお聞かせください。
(1番 松上京子君 降壇)
○議長(北田健治君) 教育長。
(教育長 佐武正章君 登壇)
○教育長(佐武正章君) 議員御指摘のとおり、導入に当たっては、地域の実情や学校の規模など、それぞれの状況に応じた取組が可能となるよう体制を整える必要があると考えます。
例えば、国は、小学校での教科担任制の指導形態を4分類で提示しています。一つ目は、専科教員の加配による特定の教科における教科担任制。二つ目は、複数学級ある学校において、それぞれの担任が教科を担当し、他の学級の授業も行う学級担任間の授業交換。三つ目は、学級担任と専科教員が一緒に授業を行う学級担任とのチームティーチング。そして、四つ目は、中学校並みの完全教科担任制です。これらの指導形態を導入する場合には、どの形態が学校にとって効果的であるのかを検討することが必要であります。
しかし、専科教員の配置がない場合は、小中規模の小学校で教科担任制を導入しても、少ない教員の中で担当教科の分担や時間割の調整を行うことが難しく、かえって教員の負担が大きくなる可能性も大いに考えられます。
学校の実態に応じて、教科担任制を導入するか否か、また導入する学校は、どのような指導形態で取り組むことが効果的なのかなど、多面的、多角的な視点で検討する必要があると考えます。
しかしながら、先ほども申し上げましたように、国・県からの専科教員の各市町村配当が現在のところ不透明な状況であります。今後も国や県の動向を注視しながら進めてまいりたいと考えておりますので、御理解賜りますようお願い申し上げます。
(教育長 佐武正章君 降壇)
○議長(北田健治君) 松上京子君。
(1番 松上京子君 登壇)
○1番(松上京子君) ありがとうございます。御答弁いただきました。教科担任制について四つの形態が考えられるということで、専科加配、授業交換、チームティーチング、完全教科担任制と今おっしゃっていただいたのですが、本市の場合は、十分な加配があれば専科加配というのが考えられますし、それがまだ不透明な状況だということ。それから、完全教科担任制というのも難しいので、現実には1組と2組の先生で授業を交換するといったような授業交換などが現実的なのかなとは思いますが、具体的にどのような形が効果的なのかも考えながら検討していくというお答えをいただきました。国・県からの加配がなかなかはっきり分からないという中で計画を立てていくのはすごく難しいことかなとは思います。
文部科学省では、令和4年度政府予算の概算要求の中で教員2,000人分の加配を盛り込み、今後4年間かけて段階的に8,800人程度増やす計画とのことですが、2,000人といっても、実際に田辺市に加配される人数はごく僅かになってしまいます。その中で進めていく計画ですから御苦労も多いことかと思います。先ほど申し上げた先行する自治体の大規模校においても、教科担任制は時間割作成、それから先生方が慣れるまでは大変だったということです。
教科担任制の導入の目的は、先生方に余裕ができて、子供たちに向き合う時間が十分取れることや質の高い授業ができることですから、場合によってはそれを導入しないということもあると思います。制度ありきではなく、本来の目的に合った進め方を検討していただきたいと思っています。
教育現場では、今、新型コロナウイルス感染症への対応、それからGIGAスクールの推進によるタブレットを使った授業の展開など、新しいことや慣れないことに直面しています。そこにまた教科担任制が加わるわけです。その利点は十分に理解しており、これを進めていくことには賛成ですが、導入によって逆に先生方や子供たちに負担がないように、不安を感じることがないように、無理なく進めていただけますようにお願いいたしまして今回の質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
(1番 松上京子君 降壇)
○議長(北田健治君) 以上で、1番、松上京子君の一般質問は終了いたしました。
休 憩
○議長(北田健治君) この場合、午後2時20分まで休憩いたします。
(午後 2時10分)
――
―――――――――――――――――
再 開
○議長(北田健治君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
(午後 2時20分)
○議長(北田健治君) 続いて、9番、宮井 章君の登壇を許可いたします。
(9番 宮井 章君 登壇)
○9番(宮井 章君) 皆様、こんにちは。
紀新会の宮井 章でございます。議長のお許しをいただきましたので、通告に従いまして一般質問をさせていただきます。本日最後の一般質問ということで、皆様お疲れのところでございますが、少々お付き合いのほどよろしくお願いいたします。
さて、今回の一般質問は、3点につきまして、確認と要望の意味合いも含めましてお聞きしていきたいと思います。
まず初めに、大項目1としまして、田辺市笠塔森林公園についてでございます。
初めに、笠塔森林公園を取り巻く概況についてということで、もともと国有林であった笠塔山自然林でございますけれども、営林局から払下げを受けた際に私が当時その森林調査と毎木現況調査に携わっておりまして、また、関係する森林環境評価の取りまとめをしたことがありましたので、私の個人的な資料からでございますが少し触れてみたいと思います。
この森林は、笠塔山、標高1,049メートルの山頂から西に延びる果無山脈の稜線と南に延びる枝尾根との間に挟まったほぼ三角形の区域となっており、その面積は約78ヘクタール、細かくは営林署から払下げが77.7ヘクタールであったと思います。森林は、概観して様々な常緑樹を下層植生とするツガ林であり、上部にはブナの大木が点在しております。主たる優勢樹種の分布を大まかに言いますと、ツガが67%、モミ13%、ブナ5%、その他15%がその他の多くの樹種となっております。推定される樹齢につきましては、当時、262年生と聞いております。人の手は加わっていない原生林と考えられております。特筆する巨木としては、ツガの木で、胸高直径が2メートル10センチのもの、そして、珍しいものとしましては、直径40センチのヒイラギの木や、直径30センチのサカキがあったことを記憶しております。またほかには、調査団の関心を一手に集め、皆様が値踏みを始めた立派な天然のヒノキ群があったことを記憶しております。
また、沢の西側には、いつの時代のものか覚えておりませんが、大規模な砂防工事がされており、その中でも自然石による石積み堰堤は歴史的砂防施設として非常に興味深く、希少なものでありました。
最後に、追記として、この笠塔山は、その他多くの生命が息づく自然林であり、今後は種々の研究や人々と森の触れ合いの場として、さらには、将来の地球環境を考える貴重な森林空間になっていってほしいものであると当時の私の野帳には記されております。
それでは、当時のことを思いながら質問に入っていきたいと思います。
当初の設置目的についてでありますけれども、まずは、この田辺市笠塔森林公園の当初の設置目的について、当局の認識をお聞かせください。
(9番 宮井 章君 降壇)
○議長(北田健治君) 9番、宮井 章君の質問に対する当局の答弁を求めます。
市長、真砂充敏君。
(市長 真砂充敏君 登壇)
○市長(真砂充敏君) 議員御質問にお答えします。
笠塔森林公園を含むこの地域は、住民の生活用水の源となっていたため、富田川の源流として水源涵養保安林に指定されており、地元住民はこのような貴重な自然林をこよなく愛し、自然との触れ合いや自然観察の場としたいといった目的から平成4年3月に国有林77.7ヘクタールの払下げを受け、平成8年度から平成12年度にかけて、林道、管理棟、便所棟、駐車場及び遊歩道の整備を行い、入園については許可制とした笠塔森林公園を開設しました。
笠塔森林公園は、和歌山県でも有数の山地・山脈地形を誇る果無山脈県立自然公園内にあり、この自然公園の中でも最高峰の笠塔山の山頂から西に延びる果無山脈の主稜と南に延びる枝尾根に囲まれた区域で、その標高は最低地点が約450メートル、最高地点が笠塔山頂の1,049メートルで、かなり急峻な地形となっています。こうした地形であるにもかかわらず森林がよく発達しており、人手の加わっていない大部分が原生林に近い状態で、山頂近くにはブナの大木が点在し、モミ、ツガなどの針葉樹を伴うアカガシ、ウラジロガシを中心とした常緑広葉樹林が広がっており、樹種の数も多く、希少価値の高い森林が存在しています。
このように比較的広域に自然林が存在している良好な環境であるため、クマタカ、サシバ等の森林性の貴重な鳥類、昆虫類としては、ムカシトンボなどの渓流を指標する種やヘリグロツユムシ、フタテンツノカメムシなどの自然林を指標する種、また、国内の限られた地域にしか生息していない固有種のオオダイガハラサンショウウオなどの両生類が生息しています。
植物につきましても、紀伊半島から四国の一部にのみ生息する生きている化石と言われるトガサワラなどといった希少な植物が多数生育しており、加えて、近年では、歴史的砂防施設である石積み堰堤群も確認されております。
笠塔森林公園は、心身の健康並びに森林及び緑化に関する知識の向上を図るという森林公園条例の理念に基づき設置しているもので、この豊かな自然と貴重な構造物は、未来の世代に残すべき大切な財産であると考えております。
(市長 真砂充敏君 降壇)
○議長(北田健治君) 宮井 章君。
(9番 宮井 章君 登壇)
○9番(宮井 章君) 御答弁ありがとうございます。
続きまして、現在の状況についてでございますけれども、アとしまして、利活用の状況について。
森林公園の利活用としては、学術参考林などの研究林、そして、観光やレクリエーションなどのレジャー、そして、保健休養林としての利活用など、森林公園には一般的なものから専門的なものまで幅広い利活用の方法が考えられますが、設立から現在までの利活用の実績といいますか、現在の状況も併せてお聞かせください。
(9番 宮井 章君 降壇)
○議長(北田健治君) 市民環境部長、中村 誠君。
(市民環境部長 中村 誠君 登壇)
○市民環境部長(中村 誠君) 議員御質問にお答えいたします。
笠塔森林公園は、さきに市長答弁いたしましたとおり、平成8年度から平成12年度まで各施設を整備し、その入園は許可制としており、平成13年度のオープンから平成17年度までの許可申請件数につきましては、年平均40件、1年当たり約400名の利用がありました。しかし、平成18年7月の集中豪雨で遊歩道等が崩落したことで入園禁止といたしております。
そのような状況ではありますが、公園内には貴重な樹木や生物が多数存在することから県や地元の団体等が行う樹木調査やキノコの調査、昆虫類調査、オオダイガハラサンショウウオの生息調査等、学術研究などの目的に限って入園を許可しており、平成18年度以降現在まで許可件数につきましては19件で100名の利用があります。
(市民環境部長 中村 誠君 降壇)
○議長(北田健治君) 宮井 章君。
(9番 宮井 章君 登壇)
○9番(宮井 章君) ありがとうございます。被災以前は一般の方を含め、年間400名、そして今は特定された研究の方の入場ということで100名近い利用があるということでございました。森林公園の多くは入場料を取ってもうけるというか、そういった意味合いのものではなくて、公共財としまして、利用者の充足や環境改善の効果を通じてその社会的価値は高まるとされております。これは、人に利用していただき、知ってもらい、感じてもらうことこそが、その社会的価値を示す上で非常に重要であることを意味しております。この辺のことを含めまして、次の質問に移りたいと思います。
イとしまして、荒廃箇所の復旧についてでございます。
先ほどより答弁にもありましたように、笠塔森林公園内に関連する施設、主なものは遊歩道の崩落があるのですけれども、このほかに聞き及んでおりますのは、国道371号線からの連絡道、そしてその仮設のためにつくった残土場、そして、小松原集落からの林道、その他周辺の河川等々において著しい損壊や荒廃があると聞いておりますが、それぞれの状況と今後の対応について、当局の見解をお聞かせください。
(9番 宮井 章君 降壇)
○議長(北田健治君) 市民環境部長。
(市民環境部長 中村 誠君 登壇)
○市民環境部長(中村 誠君) 議員御質問にお答えいたします。
笠塔森林公園の現状につきましては、平成18年7月の集中豪雨で遊歩道の数か所で崩壊、浸食により通行不可能となり、その後も大雨等によって多くの箇所で遊歩道の寸断を確認しております。
さらに、平成30年8月の台風第20号の豪雨により、国道371号入り口ゲートから管理棟までの林道の一部が約100メートルにわたり崩落し、通行不可能になっております。現在復旧のめどが立たない状況となっております。
また、小松原地区からの林道につきましても崩落した上部林道の崩土により通行できない状態であり、笠塔森林公園の復旧を考えるに当たっては、管理棟までの林道の復旧が必要と考えております。
以上です。
(市民環境部長 中村 誠君 降壇)
○議長(北田健治君) 宮井 章君。
(9番 宮井 章君 登壇)
○9番(宮井 章君) ありがとうございます。被災当初より、いまだ復旧の見通しがないことから、いろいろと事情があろうかと推測するわけでございますけれども、この件に関して改めて認識しておいていただきたいことがあります。それは、この区域一体が富田川の水源地の一つであるということ。そして、水源涵養保安林であるということ。また、自然環境を主題とした森林公園の本来の目的とその意味から、最低でも損壊した工業製品、二次製品の撤去及び修復は必須であるということ。加えまして、その復旧の際、特に林内の作業に当たっては、現在の自然環境意識の高まりと浸透を見せる社会的背景から、ある意味相反する自然環境保全と人為的な経済活動でもある事業や工事との共存共生を鑑みたときに、そろそろこれは環境省の管轄かもしれませんが、近自然工法の導入への研究と取組が必要であると提言しておきたいと思います。
続きまして、今後の活用方針としまして、先ほど、今までの利活用の状況について御答弁いただきましたが、平成8年度の公園施設の着工当時から、はや25年が経過しまして、現在の森林や自然を取り巻く環境とその意識は大きく変化しております。サステナブル、SDGs、脱炭素、カーボンオフセット、グリーンツーリズム、再生エネルギー等々の多くの環境用語が生み出され、ふだんから使われるようになり、また耳にするようになりました。これらのことから、森林公園の持つ意味と価値はかけがえのないものとなってきております。
そのような中、自然公園法が令和3年4月23日に改正されております。この改正は、特に利用面の強化を図るためであり、地域の自治体や事業者が積極的、主体的に取り組む仕組みを新たに設けることで、保護と利用の好循環を実現し、地域の活性化にも貢献していくというものです。そこで、この機会を好機と捉え、いま一度改めて森林公園の持つ本来の役割を考え、自然愛護思想の高揚と市民福祉の向上に向けた当局の取組に期待をしながら、今後の笠塔森林公園の活用方針について、当局の見解をお聞きしたいと思いますが、御答弁のほどよろしくお願いいたします。
(9番 宮井 章君 降壇)
○議長(北田健治君) 市民環境部長。
(市民環境部長 中村 誠君 登壇)
○市民環境部長(中村 誠君) 議員御質問にお答えいたします。
笠塔森林公園の今後の活用方針についてでございますが、復旧工事や治山事業等により、安全に森林公園内を散策できるようになるまでは現在と同様、学術目的に限る入園許可を継続していくことにならざるを得ないと考えております。
しかしながら、本年に改正された自然公園法の趣旨にもあるように、市といたしましても、自然を保護しつつ活用することで地域の資源としての価値を向上させることが必要であると認識しているところであります。
現状では、進入路である林道や森林公園復旧のめどが立っていないことから、現在においては、今後の具体的な活用方針は定まってはおりませんが、その検討に当たっては、笠塔森林公園の持つ貴重な資源の価値を再認識し、SDGsの理念や将来の森林公園に求められるニーズに合わせたものを関係機関や関係団体と連携を図りながら見いだしていきたいと考えております。
以上でございます。
(市民環境部長 中村 誠君 降壇)
○議長(北田健治君) 宮井 章君。
(9番 宮井 章君 登壇)
○9番(宮井 章君) 笠塔森林公園の復旧に当たりましては、まずは管理棟までの林道の復旧が必要であるとの見解でございました。私もそのように思いますので、今後の取組に期待したいと思います。
次に移ります。
4番目の関係部局の連携についてであります。
森林公園施設の復旧、利活用、維持管理、そして社会的役割の発揮については、所管であります環境課をはじめ、教育文化、森林、土木、建設、その他、県振興局の担当課もそうです。そして森林組合等々、複数の関係部局の連携と協力が必要であると思われますが、その点について当局の認識といいますか、見解のほどをお聞かせいただきたいと思います。
(9番 宮井 章君 降壇)
○議長(北田健治君) 市民環境部長。
(市民環境部長 中村 誠君 登壇)
○市民環境部長(中村 誠君) 議員御質問にお答えいたします。
笠塔森林公園の復旧、維持管理、活用を行うための関係部局との協力、連携の必要性につきましては、十分認識しているところであります。
林道の復旧及び治山事業につきましては、庁内関係部局と連携し、県の関係部局へ粘り強く要望していくとともに、笠塔森林公園は県立自然公園に指定されていることから、県の関係部局及び環境省田辺管理官事務所とも連携しながら、森林公園の活用について考えてまいりますので御理解賜りますようお願い申し上げます。
(市民環境部長 中村 誠君 降壇)
○議長(北田健治君) 宮井 章君。
(9番 宮井 章君 登壇)
○9番(宮井 章君) 御答弁ありがとうございました。この質問をしたきっかけなのですけれども、海外からの移住者で、確かニュージーランドの方だと思うのですけれども、笠塔山自然林という欧米にもないすばらしいコンテンツがあるのに観光スポットとして利用できていないではないか。林内奥地までとは言わないけれど、せめて入り口付近の安全なエリアまで通行可能として、大自然を体感できるようにしてほしいと問題提起されたことによります。
今までの答弁を聞きますと、様々な課題があると思われますが、課題解決に当たっては、まずは共通認識と相互理解からだと思います。学術研究などの専門分野での利用はある程度行われているようですが、一般市民向けの観光と教育分野での利活用が再開できるよう期待しております。よろしくお願いします。
続きまして、大項目2番目の、本市指定の天然記念物について聞いていきたいと思います。
まず、1番目、現況の把握と共有について。
指定文化財の中でも特に天然記念物は、命のある文化財として、成長や老衰による日々の形状変化があることから、周囲を取り巻く環境も含め、現況把握と情報の共有が重要であると思いますが、当局の見解をお聞きかせください。
(9番 宮井 章君 降壇)
○議長(北田健治君) 教育次長、前川光弘君。
(教育次長 前川光弘君 登壇)
○教育次長(前川光弘君) 議員御質問にお答えいたします。
私たちの生活は、様々な形で自然と深い関わりを持っています。地域に所在する動物、植物、地質・鉱物などの多様な自然は、地域の財産であり、このうち学術上、特に重要なものを天然記念物と指定し、その保護を図っており、田辺市では205件の指定文化財のうち、天然記念物は、国・県・市合わせて34件を数えます。
議員御質問の天然記念物をはじめ、指定された文化財の価値を損なわないよう保護していくためには、行政による日常的な状況把握では十分とはいえず、地域の方々の役割が重要であることは言うまでもございません。
また、少子化や高齢化が急速に進んでいる本市においても、県文化財保護指導委員や市内各公民館区の文化財愛護協力員のほか、文化財に関心を持つ個人や団体などとの連携や情報共有も重要な事柄であることから、文化財を保護していくためには、所有者、地域住民、行政、専門家や文化財に関心を持つ人々が共に手を携える体制を整え、発展するよう引き続き取り組んでまいりたいと考えておりますので、御理解賜りますようよろしくお願い申し上げます。
(教育次長 前川光弘君 降壇)
○議長(北田健治君) 宮井 章君。
(9番 宮井 章君 登壇)
○9番(宮井 章君) ありがとうございます。
続きまして、保護と管理についてであります。
本市では、多くの天然記念物が指定をされておりますが、その形態には、群落形成のものと単木、単体のものがあります。それぞれ条件に合った保護と管理が必要になってくると思われます。
また、保護管理に当たっては、先ほどから質問の中で情報の共有ということを申し上げましたけれども、どちらかといえばその後の連携がより重要なのかなと今感じたところでございまして、ここで連携といえば所有者または管理者ですね、そのほか行政担当者、文化財保護審議委員、そして、地域の関係者や樹木医等が連携して適切に管理を行うことが大切であり、必要であります。
そのような中、近年では、異常気象による降雨不足と日照りによる樹勢の衰えや劣化が目立ち、突風や大雨による倒木や枝折れ等が見受けられ、特に観光スポットとしてにぎわいを見せる場所に当たっては、物損や人身被害の発生が危惧されております。これらの理由から、天然記念物である樹木の健康維持のための保護と管理はおろそかにできないものであり、ひいては利用者の安全確保につながるものです。
しかしながら、状況によっては費用負担が大きくなることから、地域の管理者等より不安要素として伺っておりますが、保護と管理の在り方について、そして、その支援策も含めた当局の考えをお聞かせください。
(9番 宮井 章君 降壇)
○議長(北田健治君) 教育次長。
(教育次長 前川光弘君 登壇)
○教育次長(前川光弘君) 議員御質問にお答えいたします。
議員御指摘のように、文化財保護の観点から単体や群落を問わず天然記念物の保護と管理は重要であると十分に認識しておりますので、引き続き所有者等と連携し、適正な管理のため状況把握に努めてまいりたいと考えております。
また、市の支援策といたしましては、所有者等が行う維持管理や保存対策について、適宜、指導、助言を行っているほか、現況調査、生息・生育環境の回復、枯損木により保全等に支障を及ぼすおそれのある場合の応急措置や人的被害への防御措置に対して事業費補助の制度を設け、所有者等への支援を行っております。
今後も所有者等との連携、情報共有を図りながら支援を行ってまいりたいと考えておりますので、御理解賜りますようよろしくお願い申し上げます。
(教育次長 前川光弘君 降壇)
○議長(北田健治君) 宮井 章君。
(9番 宮井 章君 登壇)
○9番(宮井 章君) ありがとうございます。
続きまして、活用についてであります。
2019年に文化財保護法が改正されております。改正前には保存という部分に大変力を注いでいたわけでございますけれども、今回の改正によりまして、保存に加えまして活用という新たな方向性が提示されております。先ほど言いましたように、自然公園法についても活用の促進という意味では同等の改正が行われているところです。よって、活用については前述の森林公園と類似したニュアンスとなるでしょうが、教育文化はもちろんのこと観光資源としての意味合いも強いため、これまた担当課同士の幅広い連携と共有が大切だと思われるところです。
関連として少しお話をいたしますと、先日も観光資源の磨き上げを目的としました熊野古道がつなぐ新しいなかへち旅ということで、これは観光庁の直轄の事業でございましたけれども、モニターツアーを開催いたしました。この際には、本市の指定の天然記念物であります福定の大イチョウの元で中辺路の清姫太鼓が演奏されまして、世界遺産熊野古道を核としました文化財と地域芸能、そして、人々との交流が織りなされる大変すばらしい試みとなったわけです。これらのことも参考にしていただきながら、これからの文化財、そして、天然記念物のさらなる活用について、当局の見解、考え方をお示しください。お願いします。
(9番 宮井 章君 降壇)
○議長(北田健治君) 教育次長。
(教育次長 前川光弘君 登壇)
○教育次長(前川光弘君) 議員御質問にお答えいたします。
平成31年4月の文化財保護法の改正では、過疎化、少子高齢化の進行による地域の衰退が文化財の滅失や散逸等の危機となっており、未指定を含めた文化財をまちづくりに生かしつつ、文化財継承の担い手を確保し社会全体で支えていく体制づくりを地域社会総がかりで進めるため、地域における文化財の計画的な保存・活用の促進等を図ることとされました。このことは、これまで保存の意味合いが強かった同法が、文化財を活用しながら保存する方向へと大きく政策転換が図られたことを意味しております。
この法改正により、文化財の保存と活用という新たな視点が盛り込まれる中、それぞれの文化財の活用を推進する上で最も大切にすべきことは、改めて地域社会が天然記念物をはじめとする文化財の価値を理解し、文化財が郷土の貴重な宝物であることを認識することにあります。その上で、観光資源としての意味合いも含めた、それぞれの文化財の特徴・特性を生かした活用が交流人口、関係人口の増大による地域活性化につながるものと考えております。
また、これまでのように、文化財を個別の点として捉えるのではなく、同じ地域にある文化財は、それぞれが密接に関連し、地域社会が支えてきたものとして捉え、これらの文化財を連携させて保存、活用することが、より魅力ある地域資源として磨き上げることにつながるとの認識の下、新たな活用のため庁内関係部局や関係機関等と連携して取り組んでまいりたいと考えておりますので、御理解賜りますようよろしくお願い申し上げます。
(教育次長 前川光弘君 降壇)
○議長(北田健治君) 宮井 章君。
(9番 宮井 章君 登壇)
○9番(宮井 章君) 御答弁ありがとうございました。天然記念物を含む文化財の保存に当たっては、世代交代や過疎化に伴う所有者との関係維持、そして、地域協力体制づくりなど、中長期的な課題も多いと思いますが、古きよきもの、そして、風景や環境までもがビジネスとして成り立つ大きな可能性を持っている時代でありますので、今後とも保存に加えて活用の部分でも積極的に取り組んでいただきたいと思います。
それでは次に移ります。
大項目、最後の3番目、私道の修繕等に係る制度の運用についてであります。
まず、私道に対する修繕等の要望についてということで、市民から道路修繕に向けた要望は、その内容はいろいろとあると思われますけれども、私道と言いますか生活道路に関する要望は寄せられているのか、その対応についても併せてお聞かせ願いたいと思います。お願いします。
(9番 宮井 章君 降壇)
○議長(北田健治君) 建設部長、衣田 克君。
(建設部長 衣田 克君 登壇)
○建設部長(衣田 克君) 議員の御質問にお答えします。
議員御承知のとおり、道路は大きく分けて公道と私道に分類されるところであります。公道については、道路法などに規定するところにより、道路管理者である国、都道府県または市町村がそれぞれの責任において、道路管理のための維持補修などを行うものでありますが、一方、私道については、その所有権が個人にあることから、民法上、私権の適用により、その維持管理については所有者が行うものとなっております。
そういったことから、市に寄せられる私道に関する要望は、全体の中の一部分だと思われますが、地域の方からの相談を受け現地を確認した上で、安全確保のために緊急を要すると判断した場合などについては、修繕に当たり原材料品などの支給を行っているところでございます。
(建設部長 衣田 克君 降壇)
○議長(北田健治君) 宮井 章君。
(9番 宮井 章君 登壇)
○9番(宮井 章君) 続きまして、採択要件についてでございます。
主な採択要件として、幅員要件や受益戸数、そして、地目の要件等について確認したいと思いますけれども、現時点の当局の考えをお聞かせください。
(9番 宮井 章君 降壇)
○議長(北田健治君) 建設部長。
(建設部長 衣田 克君 登壇)
○建設部長(衣田 克君) 議員御質問の採択要件につきまして、私道の中には、地域にお住まいの方々が通勤や通学など生活道路として利用している公共性の高い私道もございます。
そういった公共性が認められる私道において、通行の安全確保のため緊急に行う必要がある路面補修を対象とすることを基本として、当該道路を主な生活道路として利用している住家が2戸以上あり、また登記地目が公衆用道路になっている箇所の路面補修につきましては、舗装工事費のうちアスファルトやコンクリートの原材料品について支給を行っているところであります。
(建設部長 衣田 克君 降壇)
○議長(北田健治君) 宮井 章君。
(9番 宮井 章君 登壇)
○9番(宮井 章君) 次に、要綱や条例化についてであります。
他市の例などから見ますと、よく補助事業として制度化されているところも見受けられますけれども、要綱など条例化について、現時点での当局の見解をお聞きかせ願いたいと思います。
(9番 宮井 章君 降壇)
○議長(北田健治君) 建設部長。
(建設部長 衣田 克君 登壇)
○建設部長(衣田 克君) 議員御質問の要綱などの条例化につきまして、他の自治体で条例などによる補助事業として制度化されている事例があるということは把握しているところでありますが、市といたしましては、私道の管理は所有者が行うことが原則であることから、現時点において条例化などによる新たな制度の創設は難しいと考えております。
(建設部長 衣田 克君 降壇)
○議長(北田健治君) 宮井 章君。
(9番 宮井 章君 登壇)
○9番(宮井 章君) それでは、同一路線の複数年にわたる分割施工についてでございますけれども、単年度において修繕が完了しなかった場合、同一路線での複数年にわたる分割施工が可能であるのか、そして、それに対応していただけるのか、当局の考えをお聞かせください。
(9番 宮井 章君 降壇)
○議長(北田健治君) 建設部長。
(建設部長 衣田 克君 登壇)
○建設部長(衣田 克君) 議員御質問の同一路線の複数年にわたる分割施工につきまして、修繕箇所の延長が長く、多額の工事費が必要となる場合など、単年度内での修繕の完了が困難な場合には修繕箇所の実情に応じて複数年にわたる分割施工にも対応いたします。
(建設部長 衣田 克君 降壇)
○議長(北田健治君) 宮井 章君。
(9番 宮井 章君 登壇)
○9番(宮井 章君) 続きまして、職員による修繕についてであります。
田辺市道では、様々な状況から担当職員によります修繕活動が行われていると思いますが、私道においても引き続き修繕支援をやっていただけるのか、当局の対応についてお聞かせ願いたいと思います。
(9番 宮井 章君 降壇)
○議長(北田健治君) 建設部長。
(建設部長 衣田 克君 登壇)
○建設部長(衣田 克君) 議員御質問の職員による修繕につきまして、現在、市が管理する田辺市道においては、緊急を要する場合や比較的損傷が軽微な場合など、状況に応じ職員による簡易舗装などの修繕を行っております。
また、私道においても公共性があり、安全確保の観点から緊急を要すると判断された場合には、職員による簡易舗装での修繕を行っており、今後につきましても安全確保のため必要と思われる場合には引き続き対応してまいります。
(建設部長 衣田 克君 降壇)
○議長(北田健治君) 宮井 章君。
(9番 宮井 章君 登壇)
○9番(宮井 章君) 次は、水路等の修繕についてということで、水路等についての修繕も要望が聞こえております。その中で、水路についてはさらに複雑な状況が考えられますが、時に水路は排水管理において他の水路と連結して効果的に作用している場合が多いと思います。また、集水面積に対応する適切な排水施設管理と流末処理は道路減災の基本であります。その要となります水路の修繕について、当局の見解と考え方をお聞かせ願いたいと思います。
(9番 宮井 章君 降壇)
○議長(北田健治君) 建設部長。
(建設部長 衣田 克君 登壇)
○建設部長(衣田 克君) 議員御質問の水路等の修繕につきまして、道路と同様、水路にも市が管理する水路や所有者が管理する水路、水利組合が管理する水路など、様々な管理形態のものがございます。
また、構造や機能などにつきましても実に多種多様であり、市が管理する水路以外の水路について、一律に手当てを行うことは非常に困難な状況でありますが、市といたしましては、その公共性や緊急性、また、流域全体の状況などから修繕箇所ごとに市が行うべき状況を判断してまいりたいと考えております。
(建設部長 衣田 克君 降壇)
○議長(北田健治君) 宮井 章君。
(9番 宮井 章君 登壇)
○9番(宮井 章君) それでは、最後に、特別な理由がある場合についてお聞きします。
制度を運用していく中で様々なケースが出てくると思いますが、特別な理由がある場合、例えば緊急車両や福祉車両の通行や乗り入れが困難である場合、そして、独り住まいの高齢者や障害を持たれている方への配慮等々、あくまでも市民生活、市民福祉の増進と向上のために臨機応変で柔軟な対応をお願いしたいと思いますが、当局の見解をお聞かせ願いたいと思います。
(9番 宮井 章君 降壇)
○議長(北田健治君) 建設部長。
(建設部長 衣田 克君 登壇)
○建設部長(衣田 克君) 議員御質問の特別な理由がある場合につきまして、市といたしましては、議員御質問の内容に加え、緊急に修繕を行わなければ、近隣の公共施設へ多大な影響を及ぼす場合や第三者の日常生活に著しい支障を来す場合など、様々なケースが起こり得ると考えております。
そういった際の対応といたしまして、さきのとおり、所有者による維持管理が原則ではありますが、公共性の高さや緊急性に加え、様々なケースごとの状況などを勘案し判断してまいりたいと考えておりますので、御理解賜りますようよろしくお願いいたします。
(建設部長 衣田 克君 降壇)
○議長(北田健治君) 宮井 章君。
(9番 宮井 章君 登壇)
○9番(宮井 章君) 数々の御答弁ありがとうございました。所有者による維持管理の原則はありますが、特別な理由がある場合として、公共性や緊急性に加えて、現場ごとの様々な状況や事情を勘案しながら対応を考えていただけるものと解釈いたします。
この質問の趣旨の根底にありますのは、国土強靭化、山村振興の観点から、特に山間部に点在する不特定多数が利用する迂回路のない生活道路に対しては、その成り立ちを御理解いただき、市道に準じた措置を講じてほしいといったものであります。今後も様々なニーズとケースに対応しながら、よりよい対策と施策の考案に向けて力をお貸しいただきたいと思います。
最後になりますが、今回の一般質問から読み取れるキーワードとしましては、関係部局の横断的な連携にあると思います。今後ともそれぞれの課題解決には複眼を持って考察していただければと思います。
何はともあれ、また個別にお願いに行くと思いますけれども、そのときにはどうか柔軟かつ気概のある対応をお願いしたいと思います。
いろいろ言いましたけれども、これにて、私の一般質問を終わりたいと思います。御清聴ありがとうございました。
(9番 宮井 章君 降壇)
○議長(北田健治君) 以上で、9番、宮井 章君の一般質問は終了いたしました。
お諮りいたします。
本日の会議はこの辺にとどめ延会し、明日12月9日午前10時から再開いたします。
これに異議ありませんか。
(「異議なし」の声あり)
○議長(北田健治君) 異議なしと認めます。
よって、さよう決しました。
延 会
○議長(北田健治君) それでは、本日はこれをもって延会いたします。
(午後 3時02分)
地方自治法第123条第2項の規定により署名する。
令和3年12月8日
議 長 北 田 健 治
副議長 尾 花 功
議 員 福 榮 浩 義
議 員 橘 智 史
議 員 市 橋 宗 行...