田辺市議会 2021-03-10
令和 3年第2回定例会(第3号 3月10日)
○議長(
安達克典君) それでは、日程に入ります。
◎日程第 1 2定議案第 1号 田辺市公園条例の一部改正についてから
日程第12 2定議案第12号 令和2年度田辺市
水道事業会計補正予算(第3号)まで一括上程
○議長(
安達克典君) 日程第1 2定議案第1号 田辺市公園条例の一部改正についてから、日程第12 2定議案第12号 令和2年度田辺市
水道事業会計補正予算(第3号)まで、以上12件を一括上程いたします
ただいま上程いたしました12件については、過日の本会議においてそれぞれ所管の
常任委員会に付託をしていたものであります。
この場合、ただいま議題となっております12件について、各
常任委員会委員長の報告を求めます。
まず初めに、
総務企画委員会委員長の報告を求めます。
11番、橘 智史君。
(11番 橘 智史君 登壇)
○11番(橘 智史君)
総務企画委員会から
委員長報告いたします。
本委員会は、去る3月1日の本会議において付託を受けた議案2件について、4日及び10日に委員会を開催し、当局の説明を聴取し慎重に審査をいたしました。
その結果、
委員会審査報告書に記載のとおり、2定議案第11号 令和2年度田辺市
四村川財産区
特別会計補正予算(第2号)については、全会一致により、同議案第5号 令和2年度田辺市
一般会計補正予算(第16号)の所管部分については、賛成多数により、いずれも原案のとおり可決することにいたしました。
審査の過程における委員からの質疑等の主なものは、次のとおりであります。
議案第5号 令和2年度田辺市
一般会計補正予算(第16号)の所管部分のうち、
移住定住推進費の
移住推進空き家改修支援事業費補助金に関わって、事業の取組状況についてただしたのに対し、「移住を推進していく上で、住居の確保は重要な要素であることから、
移住希望者に提供できる空き家の登録強化に取り組むとともに、本市への移住及び空き家の利活用を推進するため、県外からの移住に際して、
空き家改修に係る費用を補助しているところである。本年度はコロナ禍の影響で、地方回帰の動きもあり、移住についての問合せが増加している中、登録している空き家の紹介や補助制度の啓発を行うなど、移住推進に努めているところである」との答弁がありました。さらに委員から、特に、
中心市街地に空き家が多いため、登録可能な空き家の掘り起こしについて、取り組むよう要望がありました。
以上、
委員長報告といたします。
令和3年3月10日、
総務企画委員会委員長、橘 智史。
(11番 橘 智史君 降壇)
○議長(
安達克典君) 続いて、
産業建設委員会委員長の報告を求めます。
12番、尾花 功君。
(12番 尾花 功君 登壇)
○12番(尾花 功君) それでは、
産業建設委員会委員長報告を行います。
本委員会は、去る3月1日の本会議において付託を受けた議案6件について、3日及び10日に委員会を開催し、当局の説明を聴取し慎重に審査をいたしました。
その結果、
委員会審査報告書に記載のとおり、2定議案第1号 田辺市公園条例の一部改正について、同議案第2号
田辺市営住宅条例の一部改正について、同議案第3号
工事請負契約の締結について、同議案第4号
工事委託変更契約(
委任変更協定)の締結について、同議案第5号 令和2年度田辺市
一般会計補正予算(第16号)の所管部分及び同議案第12号 令和2年度田辺市
水道事業会計補正予算(第3号)について、いずれも全会一致により、原案のとおり可決いたしました。
以上、
委員長報告といたします。
令和3年3月10日、
産業建設委員会委員長、尾花 功。
(12番 尾花 功君 降壇)
○議長(
安達克典君) 続いて、
文教厚生委員会委員長の報告を求めます。
6番、久保浩二君。
(6番 久保浩二君 登壇)
○6番(久保浩二君)
文教厚生委員会の
委員長報告を行います。
本委員会は、去る3月1日の本会議において付託を受けた議案6件について、3日及び10日に委員会を開催し、当局の説明を聴取し慎重に審査をいたしました。
その結果、
委員会審査報告書に記載のとおり、2定議案第5号 令和2年度田辺市
一般会計補正予算(第16号)の所管部分、同議案第6号 令和2年度田辺市
国民健康保険事業特別会計補正予算(第5号)、同議案第7号 令和2年度田辺市
後期高齢者医療特別会計補正予算(第2号)、同議案第8号 令和2年度田辺市
介護保険特別会計補正予算(第3号)、同議案第9号 令和2年度田辺市
農業集落排水事業特別会計補正予算(第2号)及び同議案第10号 令和2年度田辺市
診療所事業特別会計補正予算(第2号)について、いずれも全会一致により、原案のとおり可決いたしました。
以上、
委員長報告といたします。
令和3年3月10日、
文教厚生委員会委員長、久保浩二。
(6番 久保浩二君 降壇)
○議長(
安達克典君) 以上で、各
常任委員会委員長の報告が終了しました。
この場合、2定議案第5号 令和2年度田辺市
一般会計補正予算(第16号)に対しては、4番、前田佳世君ほか2人から、お手元にお配りしました修正の動議が提出されています。
これを本案と併せて議題とし、提出者の説明を求めます。
4番、前田佳世君。
(4番 前田佳世君 登壇)
○4番(前田佳世君) 2定議案第5号 令和2年度田辺市
一般会計予算補正予算(第16号)に対する修正動議。
上記の動議を、
地方自治法第115条の3及び
田辺市議会会議規則第17条の規定により、別紙の修正案を添えて提出します。
令和3年3月10日。発議者、
田辺市議会議員、私、前田佳世。同じく
田辺市議会議員、久保浩二、同じく
田辺市議会議員、川﨑五一。いずれも
日本共産党の会派、議員です。
では、修正案について説明を行います。
裏面を御覧ください。
議案第5号 令和2年度田辺市
一般会計補正予算(第16号)に対する修正案。
2定議案第5号 令和2年度田辺市
一般会計補正予算(第16号)の一部を次のように修正する。
第2条
繰越明許費補正、第2表
繰越明許費補正の一部を次のように改める。
第2表
繰越明許費補正、追加分、款、総務費、項、
総務管理費、事業名、
遺贈財産整理事業の繰越しが認められないため1億1,340万円の本事業を記載なしとし、
繰越明許費補正額の合計額を24億3,960万6,000円とするものです。
御審議の上、御賛同賜りますようよろしくお願い申し上げます。
以上で説明を終わります。
(4番 前田佳世君 降壇)
○議長(
安達克典君) 提出者の説明が終了いたしました。
これより質疑に入ります。
ただいまの
委員長報告及び修正案に対し、一括して質疑はありませんか。
(「なし」の声あり)
○議長(
安達克典君) 質疑なしと認めます。
これより、討論に入ります。
討論は一括して行います。
討論はありませんか。
(「討論あり」の声あり)
○議長(
安達克典君) 討論があるようですので、この場合、原案に対する反対討論の発言を許可いたします。
なお、2定議案第5号 令和2年度田辺市
一般会計補正予算(第16号)の修正案については、賛成の討論といたします。
4番、前田佳世君。
(4番 前田佳世君 登壇)
○4番(前田佳世君) 2定議案第5号
一般会計補正予算(第16号)については反対の、2定議案第5号
一般会計補正予算(第16号)に対する修正案については賛成の立場で討論いたします。
今回の補正予算には、第2条(
繰越明許費の補正)に基づく第2表
繰越明許費補正に1億1,340万円の
遺贈財産整理事業費が含まれております。本事業費は、紀州のドンファンと言われた資産家N氏の遺産の
寄附受け取りに関連する
繰越限度額です。遺産約13億5,000万円の受け取りに係る
弁護士委託料などの予算は、昨年度12月の補正と今年度当初予算を合わせて約1億8,000万円でした。
昨年12月に、当局は、全財産を市に寄附するとしたN氏の遺言書のとおり、遺贈を受け取ることとしました。このとき既に当局は、遺族側が、遺言書は偽装で無効を求める訴訟準備があることを情報として得ておりました。
私は、
総務企画委員会で、遺贈を受け取ることを決めるに当たり、遺言書が自筆かどうか筆跡鑑定で確認しないのかという旨をただしたの対し、それは遺族側がするべきことだとし、当局は筆跡鑑定の必要性を否定しました。その後、遺族の提訴により、
遺言書無効確認請求の裁判が2020年6月9日より行われ、これまで5回裁判が行われています。既に遺族側は、遺言書が自筆でないとされる
筆跡鑑定書を提出し、メディアでも詳しく報道されていました。
当局は、訴訟があることを想定しながら、自筆かどうかの確認をしっかりしなかったことは対策の不備だったと言えるのではないでしょうか。
今後、田辺市は、遺言書が自筆であることを証明していかなければならないわけですが、裁判所の検認で遺言書の形式こそ認められているものの、遺言書が自筆でないとする遺族側の証明は、遺言書の
有効性そのものを大きく揺らがせるものです。よって、田辺市も筆跡鑑定を行い、自筆の証明をすることは、最も有効で妥当なことであると考えます。
しかしながら、さきの
総務企画委員会では、筆跡鑑定は今後の検討とし、実施の方針は明確に示されませんでした。聞き取りや状況証拠をたくさん提示していなくてはならないことになってまいります。量も時間も相当かかります。その分経費もかさみます。この裁判に勝てる見込みが十分あるのかの質疑に対してもベストを尽くすというもので、見込みのほどは聞けませんでした。万が一敗訴した場合は、これまでの経費は市民にとって損失です。自信を持って勝訴の見込みを言えない状況であるならば、市民の損失をこれ以上大きくしないために、
遺言無効確認訴訟事件の終結を検討するべきです。
よって、
遺贈財産整理事業の
繰越明許費が含まれる補正予算に対しては反対し、修正案に対しては賛成を表明して、討論といたします。
(4番 前田佳世君 降壇)
○議長(
安達克典君) 続いて、原案に対する賛成討論の発言を許可いたします。
なお、2定議案第5号 令和2年度田辺市
一般会計補正予算(第16号)の修正案については、反対の討論といたします。
発言はありませんか。
(「なし」の声あり)
○議長(
安達克典君) 他に討論はありませんか。
(「なし」の声あり)
○議長(
安達克典君) それでは、これをもって討論を終結いたします。
これより、ただいま議題となっております12件について、順次採決に入ります。
◎日程第1 2定議案第1号 田辺市公園条例の一部改正について
○議長(
安達克典君) それでは、2定議案第1号 田辺市公園条例の一部改正についてお諮りいたします。
議案第1号は、委員長の報告のとおり可決することに異議ありませんか。
(「異議なし」の声あり)
○議長(
安達克典君) 異議なしと認めます。
よって、2定議案第1号は可決いたしました。
◎日程第2 2定議案第2号
田辺市営住宅条例の一部改正について
○議長(
安達克典君) 続いて、2定議案第2号
田辺市営住宅条例の一部改正についてお諮りいたします。
議案第2号は、委員長の報告のとおり可決することに異議ありませんか。
(「異議なし」の声あり)
○議長(
安達克典君) 異議なしと認めます。
よって、2定議案第2号は可決いたしました。
◎日程第3 2定議案第3号
工事請負契約の締結について
○議長(
安達克典君) 続いて、2定議案第3号
工事請負契約の締結についてお諮りいたします。
議案第3号は、委員長の報告のとおり可決することに異議ありませんか。
(「異議なし」の声あり)
○議長(
安達克典君) 異議なしと認めます。
よって、2定議案第3号は可決いたしました。
◎日程第4 2定議案第4号
工事委託変更契約(
委任変更協定)の締結について
○議長(
安達克典君) 続いて、2定議案第4号
工事委託変更契約(
委任変更協定)の締結についてお諮りいたします。
議案第4号は、委員長の報告のとおり可決することに異議ありませんか。
(「異議なし」の声あり)
○議長(
安達克典君) 異議なしと認めます。
よって、2定議案第4号は可決いたしました。
◎日程第5 2定議案第5号 令和2年度田辺市
一般会計補正予算(第16号)
○議長(
安達克典君) 続いて、2定議案第5号 令和2年度田辺市
一般会計補正予算(第16号)についてお諮りいたします。
まず、本件に対する、4番、前田佳世君ほか2人から提出された修正案について、起立により採決いたします。
本修正案に賛成の諸君の起立を求めます。
(起立少数)
○議長(
安達克典君) 起立少数であります。
よって、本修正案は否決されました。
続いて、原案について採決いたします。
2定議案第5号 令和2年度田辺市
一般会計補正予算(第16号)は、委員長の報告のとおり可決することに賛成の諸君の起立を求めます。
(起立多数)
○議長(
安達克典君) 起立多数であります。
よって、2定議案第5号は可決いたしました。
◎日程第6 2定議案第6号 令和2年度田辺市
国民健康保険事業特別会計補正予算(第5号)
○議長(
安達克典君) 続いて、2定議案第6号 令和2年度田辺市
国民健康保険事業特別会計補正予算(第5号)についてお諮りいたします。
議案第6号は、委員長の報告のとおり可決することに異議ありませんか。
(「異議なし」の声あり)
○議長(
安達克典君) 異議なしと認めます。
よって、2定議案第6号は可決いたしました。
◎日程第7 2定議案第7号 令和2年度田辺市
後期高齢者医療特別会計補正予算(第2号)
○議長(
安達克典君) 続いて、2定議案第7号 令和2年度田辺市
後期高齢者医療特別会計補正予算(第2号)についてお諮りいたします。
議案第7号は、委員長の報告のとおり可決することに異議ありませんか。
(「異議なし」の声あり)
○議長(
安達克典君) 異議なしと認めます。
よって、2定議案第7号は可決いたしました。
◎日程第8 2定議案第8号 令和2年度田辺市
介護保険特別会計補正予算(第3号)
○議長(
安達克典君) 続いて、2定議案第8号 令和2年度田辺市
介護保険特別会計補正予算(第3号)についてお諮りいたします。
議案第8号は、委員長の報告のとおり可決することに異議ありませんか。
(「異議なし」の声あり)
○議長(
安達克典君) 異議なしと認めます。
よって、2定議案第8号は可決いたしました。
◎日程第9 2定議案第9号 令和2年度田辺市
農業集落排水事業特別会計補正予算(第2号)
○議長(
安達克典君) 2定議案第9号 令和2年度田辺市
農業集落排水事業特別会計補正予算(第2号)についてお諮りいたします。
議案第9号は、委員長の報告のとおり可決することに異議ありませんか。
(「異議なし」の声あり)
○議長(
安達克典君) 異議なしと認めます。
よって、2定議案第9号は可決いたしました。
◎日程第10 2定議案第10号 令和2年度田辺市
診療所事業特別会計補正予算(第2号)
○議長(
安達克典君) 続いて、2定議案第10号 令和2年度田辺市
診療所事業特別会計補正予算(第2号)についてお諮りいたします。
議案第10号は、委員長の報告のとおり可決することに異議ありませんか。
(「異議なし」の声あり)
○議長(
安達克典君) 異議なしと認めます。
よって、2定議案第10号は可決いたしました。
◎日程第11 2定議案第11号 令和2年度田辺市
四村川財産区
特別会計補正予算(第2号)
○議長(
安達克典君) 続いて、2定議案第11号 令和2年度田辺市
四村川財産区
特別会計補正予算(第2号)についてお諮りいたします。
議案第11号は、委員長の報告のとおり可決することに異議ありませんか。
(「異議なし」の声あり)
○議長(
安達克典君) 異議なしと認めます。
よって、2定議案第11号は可決いたしました。
◎日程第12 2定議案第12号 令和2年度田辺市
水道事業会計補正予算(第3号)
○議長(
安達克典君) 続いて、2定議案第12号 令和2年度田辺市
水道事業会計補正予算(第3号)についてお諮りいたします。
議案第12号は、委員長の報告のとおり可決することに異議ありませんか。
(「異議なし」の声あり)
○議長(
安達克典君) 異議なしと認めます。
よって、12定議案第12号は可決いたしました。
◎日程第13 一般質問
○議長(
安達克典君) 続いて、日程第13 一般質問を行います。
なお、一般質問の通告は、3月1日午後2時に締め切り、抽せんにより順位を決定いたしました。結果は通知申し上げているとおりであります。
それでは、質問順に従って発言を許可いたします。
3番、浅山誠一君の登壇を許可いたします。
(3番 浅山誠一君 登壇)
○3番(浅山誠一君) 皆様、おはようございます。3番、篤志会の浅山です。
本日は、大項目1点、質問させていただきます。
今回は、任期最後の一般質問ということもあり、非常に大きなテーマである少子化対策についてお伺いします。
結婚、妊娠・出産、子育ては、個人の自由な意思決定に基づくものであり、個々人の決定に特定の価値観を押しつけたり、プレッシャーを与えたりすることは、あってはならないことは十分認識しておりますし、様々な要因があることも重々理解しております。
しかし、少子化が進むことで、労働力不足をはじめ地域コミュニティーや社会インフラの機能不全、地域経済の衰退、教育環境や行財政の悪化など、全世代に深刻な影響を及ぼすため、少子化問題は、国や田辺市にとって最大の社会課題の一つであり、対策を取っていかなくてはなりません。
そこで、まず初めに少子化の現状について幾つか伺います。
2016年に初めて100万人を割った国の出生数ですが、2019年には、初めて90万人を割り込む約86万5,000人となり、想定よりも早く少子化が進んだことで86万ショックと呼ばれました。
さらに、コロナ禍の2020年は、出生数が減少する見込みであることに加えて、婚姻届も約53万件と前年より12%も減少していることから、2021年以降も少子化が加速する可能性があります。
資料1枚目にあるように、田辺市も同様に出生数が減り続けていることが分かります。田辺市でも総合戦略や田辺市人口ビジョンで人口減少や少子化への対応を掲げて様々な取組がなされてきました。
そこで、1点目の質問として、これまで少子化の対策として田辺市の地域特性も踏まえて、どのような課題設定の下、どのような取組を行ってきたのかお聞かせください。
(3番 浅山誠一君 降壇)
○議長(
安達克典君) 3番、浅山誠一君の質問に対する当局の答弁を求めます。
保健福祉部長、虎伏 務君。
(
保健福祉部長 虎伏 務君 登壇)
○
保健福祉部長(虎伏 務君) 少子化対策の取組についてお答えいたします。
急速に進んでいる少子化は、田辺市はもとより国全体の重要な課題であることは言うまでもありませんが、本市におきましては、国や県が推進する少子化対策や子育て支援の施策を活用しながら、子供を産み・育てやすい環境整備に努めているところです。
本市では、平成27年3月に田辺市子ども・子育て支援事業計画を策定し、豊かな未来の創造に向け、子供の健やかな成長をみんなで支える社会の醸成を基本理念に、家庭、地域、職場等社会全体が連携しながら、子供の最善の利益が実現される社会を目指して取組を進めてまいりました。
この計画が令和元年度に最終年度を迎えたことから、引き続き計画的に施策を推進するため第2期田辺市子ども・子育て支援事業計画を策定しました。本計画では、基本理念を継承し、基本的視点として、保護者の親育ちの支援、子供の自立と育成、家庭をはじめ社会全体での支援の仕組みづくり、地域の特性を踏まえた総合的、主体的な支援、男女共同参画による子育て環境づくりの五つを掲げています。
また、大きく五つの基本目標を掲げ、施策ごとに現状と課題、その課題を解決するための施策の展開をまとめています。この計画に沿って、各課で実施している事業につきましては、みんなで子育て応援プログラムとして取りまとめ、市民の皆様に周知を図っています。
実施している事業のうち、直接的に少子化対策に資するものとしましては、不妊治療費に対する助成がありますが、これ以外の子育て支援に関する事業につきましても、子育てに係る直接的な支援や経済的な支援を行うことで、少子化対策にもつながっていくものと考えております。
(
保健福祉部長 虎伏 務君 降壇)
○議長(
安達克典君) 浅山誠一君。
(3番 浅山誠一君 登壇)
○3番(浅山誠一君) 保健福祉部からの御答弁ということで、子供を産み、育てる環境整備を中心にお答えいただきました。第2次田辺市総合計画の結婚・出産・子育ての施策の中には、ほかに結婚支援事業への参加者数も目標値と上げられており、婚活事業も展開されているかと思います。
国の少子化社会対策大綱によると、少子化の主な原因は、未婚化、晩婚化、有配偶出生率の低下とされ、その背景には、個々人の結婚や出産、子育ての希望の実現を阻む様々な要因が上げられています。田辺市でももちろんこのことは御認識されていると思いますし、御答弁にもありましたように、子育てに係る直接的な支援や経済的な支援を行うことで少子化対策にもつながっていくのだと思います。
そこでイの質問に移ります。
まず、資料2枚目の合計特殊出生率の設定は、田辺市人口ビジョンから抜粋したものです。文中に、田辺市における2013年から2017年までの合計特殊出生率は公表されていないとありますが、国の発表が遅れたとのことで1.56だとお聞きしています。
資料3枚目は、未婚率の推移を第2期田辺市子ども・子育て支援事業計画から抜粋したものです。これらの数値は、資料1の出生数と合わせて、少子化への影響度の高い数値となっていますが、これまでの取組でどのように変化しているのでしょうか、実数をお聞かせください。
(3番 浅山誠一君 降壇)
○議長(
安達克典君)
保健福祉部長。
(
保健福祉部長 虎伏 務君 登壇)
○
保健福祉部長(虎伏 務君) 田辺市の合計特殊出生率、出生数、未婚率についてお答えいたします。
1人の女性が出産可能とされる15歳から49歳までに産む子供の数の平均を示すとされる合計特殊出生率につきましては、2003年から2007年、2008年から2012年、2013年から2017年の5年刻みで、国は1.31、1.38、1.43と0.07ポイント、0.05ポイントと上昇してきています。また、県では、1.36、1.46、1.53と0.1ポイント、0.07ポイントとこちらも上昇してきています。国・県とも上げ幅は小さくなっていますが上昇傾向にあります。一方、田辺市は、議員のお話にもありましたように、1.53、1.61、1.56と直近では0.05ポイント下降している状況です。
出生数につきましては、人口動態調査により算出されていますが、この直近の数値は令和元年のもので420人となっています。なお、人口動態調査の数値とは若干の誤差が出るかもしれませんが、令和2年中に生まれ、田辺市に住民登録した子供の数は430人となっています。
また、未婚率につきましては、国勢調査の結果に基づき算出されるものでございまして、令和2年の国勢調査に基づく数値は、現状では示されておりません。
(
保健福祉部長 虎伏 務君 降壇)
○議長(
安達克典君) 浅山誠一君。
(3番 浅山誠一君 登壇)
○3番(浅山誠一君) 2008年から2012年の田辺市における平均年間の出生数というのが、今632人、2013年から2017年の平均が526人であったことから、直近の田辺市における年間の出生数420人、430人というのは少子化が加速していると言わざるを得ません。
未婚率については、国勢調査の結果がまだとのことでしたが、県の人口動態統計によると、田辺市の婚姻数は、2016年310件、2017年299件、2018年269件、2019年303件と減少傾向にあることから、直近の未婚率も高い数字になっているかと思います。
続いて、ウの子育て世代の流入・流出について伺います。
少子化対策には、子育て世代の流入を増やし、流出を防ぐことも大切なことです。田辺市は、移住定住促進係を設置し、移住支援に力を入れてこられたことで、和歌山県下では最も移住者の多い自治体となりました。しかし、田辺市人口ビジョンには、20代後半から30代までの子育て世代の転入は一定量見られるが、同程度の転出も生じておりほぼ均衡している。転出入の地域は、本市周辺の上富田町、白浜町、みなべ町、及び和歌山市が多数を占めているとあります。移住定住支援で子育て世代の人に来ていただいているが、それと同じくらい近隣市町へ子育て世代が出ていってしまっている。これを、私は何とかしなければならないと考えております。
そこでお伺いします。これまで子育て世代の流入を増やし、流出を防ぐためにどのような取組を行い、どのような結果となっていると認識されているのかお聞かせください。
(3番 浅山誠一君 降壇)
○議長(
安達克典君)
保健福祉部長。
(
保健福祉部長 虎伏 務君 登壇)
○
保健福祉部長(虎伏 務君) 子育て世代の流入・流出についてお答えいたします。
人口ビジョンに掲載の総務省住民基本台帳人口移動報告2018によりますと、年代別の社会増減では、15歳から19歳、20歳から24歳の減少が圧倒的に多く、これは、大学等への進学や就職によるものと思われます。子育て世代となる25歳から30歳代ではそれほど多くはないものの減少が見られます。
また、転入元、転出先を見ますと、いずれも周辺の上富田町、白浜町、みなべ町と和歌山市が多くなっていることから、議員からもお話がありましたように、田辺市における人口減少対策として、子育て世代の周辺町への流出を防ぐということも重要であると考えられます。
先ほども申し上げましたとおり、本市では、子ども・子育て支援事業計画に基づき、子育て世代が住みやすいまちづくりに取り組んでおりますが、引き続き、子育て世代に選んでいただける、住み続けていただけるよう努めてまいりたいと考えております。
(
保健福祉部長 虎伏 務君 降壇)
○議長(
安達克典君) 浅山誠一君。
(3番 浅山誠一君 登壇)
○3番(浅山誠一君) 御答弁にもありましたが、資料の4枚目を見ていただくと分かるように、大学や専門学校の選択が少ない当地では、高校卒業や就職のタイミングで社会減になるのは致し方ない部分があります。ここで注目したいのは、15歳未満の子供も全ての年代で社会減となっているということです。これはすなわち子育て世代の流出が多いということです。私の周りにも、結婚、出産を経て、さあ家を建てようというタイミングで田辺から隣の上富田町へ移ってしまうケースが多々あります。実際、田辺から上富田町への転出超過は続いており、上富田町は、誕生して以来、最近まで約60年間人口が増え続けたまちとして有名です。田辺経済圏での人口という考え方もあるかと思いますが、これだけ出生数が減っている中なので、教育環境の維持という観点でも子育て世代に選ばれるまちでなくてはならないと思います。
私ごとではありますが、実は、間もなく第1子が誕生予定であり、田辺市の制度を調べておりますと、一市民として周辺町村と比べてもきめ細やかなサービスが整備されているなと感激しました。しかし、家を建てる際の基準は地価に引っ張られており、田辺市の子育て支援や教育の熱心さといった認知度は同世代の中では低いと感じています。
大阪府の四條畷市では、子育て世代が転入するまちというブランディングを戦略的に行い、結果を残しています。例えば、転出される方に対し、その理由についてアンケート調査を実施し、その回答から子育て世代に寄り添った政策を実行しPRすることで、子育てしやすいまちと認識され、11年ぶりに人口が増加するなど、子育て世代に選ばれるまちに変化をしたそうです。田辺市も四條畷市のように、もっと子育てするなら田辺、教育都市田辺というブランディングをしていく必要があり、ぜひとも取り組んでいただければなと思います。
ここまで少子化の現状を幾つか伺ってきましたが、軒並み数字としては厳しい状況にあります。資料2枚目にもあるように、田辺市では、田辺市人口ビジョンにて、2030年の合計特殊出生率を2.10と目標設定しています。しかし、現状のままでは、この目標の達成は難しいと言わざるを得ません。そもそも田辺市人口ビジョンの位置づけは、田辺市の人口の現状を分析し、今後目指すべき将来の方向と人口の将来展望を示すもの、田辺市まち・ひと・しごと創生総合戦略において効果的な施策を企画、立案する上で重要な基礎となるものと位置づけられています。
また、ほかの自治体に比べて、田辺市の出生率は高いという前提で各種数値や施策が設定されています。言わばこの目標設定は必ず達成しなければならないのです。そのためにも現在の施策を磨き込むことはもちろんのこと、大型プロジェクトも一段落し、市政の転換期を迎える中、より一層の少子化対策が必要だと考えますが、今後どのような施策を展開しているのか、その方向性や思いを最後にお聞かせください。
(3番 浅山誠一君 降壇)
○議長(
安達克典君)
保健福祉部長。
(
保健福祉部長 虎伏 務君 登壇)
○
保健福祉部長(虎伏 務君) 人口ビジョンでは、将来の合計特殊出生率を平成20年から平成24年の現状値である1.61を基に設定しており、令和2年で1.85、令和12年で2.10としています。
人口ビジョン策定時には、平成25年から平成29年の本市の数値は未公表となっていましたが、その後、1.56という結果が出ており、国・県の上昇傾向に反し、本市は減少傾向に転じていることから、現状からは設定値の達成は非常に困難な状況にあると考えられます。
少子化は全国的な課題であり、特効薬と言えるような対策は存在せず、多様な分野で地道な取組を行っていくしかありませんが、田辺市総合計画に掲げるまちの将来像、人と地域が輝き、未来へつながるまち田辺の実現に向けて、将来への展望も持ちながら、安心して子供を産み育てることのできる環境を整備するとともに、未来の希望である子供たちがふるさとへの誇りと愛着心を抱き、田辺市に生まれてよかった、田辺市に住み続けたいと思われるようなまちづくりに取り組んでまいります。
(
保健福祉部長 虎伏 務君 降壇)
○議長(
安達克典君) 浅山誠一君。
(3番 浅山誠一君 登壇)
○3番(浅山誠一君) 現状からは、設定値の達成は非常に困難な状況にあるとのことでした。もちろん少子化は全国的な課題であり、経済界や社会の価値観も大きく変わらなければ好転しないのかもしれません。ただ、少子化は解決することが可能な社会問題であるとも言われています。今の設定値の達成は非常に困難というスタンスでは、昨年5月に2060年の目標人口を2015年の制定時から約5,700人少ない4万8,674人に下方修正したその数字をさらに大きく下回ってしまい、国立社会保障・人口問題研究所の推計を基にした2060年、3万6,193人という田辺市の人口予測値のその数値に近くなるのではないかと強い危機感を覚えます。
少子化対策の主担当は国だと思いますが、地域それぞれ抱える課題は違うため、地域の特性に沿った政策をつくり上げていく必要があります。
改選期、予算審議のタイミングということもあり、これ以上の質問は控えますが、最後に幾つかの政策提言をさせていただきます。
まず初めに、結婚支援事業。現在、大人数での婚活イベントを実施されていますが、世間の狭い田舎では周囲の目があるため参加しづらいという声を多く聞きます。参加へのハードルを下げる工夫、オープンな場からクローズな場への転換が必要なのではないでしょうか。また、行政がやるべきものかは悩ましいですが、個別マッチングといった形のほうが結婚支援事業として地域特性にフィットするかと思います。
続いて、新婚生活支援事業の導入。これは、結婚に伴う経済的負担を軽減するため、新婚世帯に対し、結婚に伴う新生活に係る新居の家賃、引っ越し費用などを上限30万円まで補助が受けられる制度のことで、県内では和歌山市と由良町で導入されています。対象要件には年齢や世帯年収もあるのですが、国は来年度から要件を緩和し、補助上限も60万円まで引き上げられることになっています。若年層は特に収入が少なく、経済的な不安が結婚を遠ざけていることも理由の一つに上げられますので、これらも検討いただければと思います。
また、本年度、田辺市独自の事業として実施している田辺市新生児特別給付金、対象となる児童1人当たり10万円が支給されるこの制度ですが、国の特別定額給付金の支給のあった今年度のみの特別な事業となっています。出産には多くの費用がかかりますので、大変好評だと伺っています。こちらの制度ですが、次年度以降も継続するのはいかがでしょうか。ただ、予算的に全員には難しいということもあろうかと思いますので、例えば、多子家庭、第3子以降に一定のまとまった給付金を支給するなど、めり張りをつけてでも継続することを検討いただきたいと思います。
最後に、3世代同居・近居しやすい環境づくり。これは、国の少子化社会対策大綱にも施策の方向性に掲げられておりますが、和歌山市では、転入または転居をして3世代で同居または近居をするための住宅の取得費用やリフォーム費用の補助を上限30万円で実施しているそうです。田辺市もIターン移住者の方が増えてはいますが、やはり田辺に親御さんがいるという方の割合が多いと思います。田辺で生まれ育った子育て世代の流入を増やし、転出を減らすためにも3世代同居・近居しやすい環境づくりをぜひ推し進めていただければなと思います。
ここまで幾つかの政策提言をさせていただきましたが、前提として、我々子育て世代も公的支援に頼るだけでなく、一人一人が自己研さんを重ねていかなくてはなりません。しかし、公的支援があることで、市が2019年にアンケートを実施した20代から40代の理想とする出生率2.16という数値に近づくのではないでしょうか。
少子化対策というのは、様々な角度からしていかなくてはならず、本当に難しい問題だと思います。だからこそ課題を先送りにするのではなく、未来の子供たちや未来の田辺市のためにもしっかりと向き合い、みんなで知恵を出し合って、出生数が増えたら全職員が自分事のように心から喜ぶくらいの当事者意識を持って取り組んでいただくことを強く強くお願いして、一般質問を終えたいと思います。御清聴ありがとうございました。
(3番 浅山誠一君 降壇)
○議長(
安達克典君) 以上で、3番、浅山誠一君の一般質問は終了いたしました。
休 憩
○議長(
安達克典君) この場合、午前10時55分まで休憩いたします。
(午前10時46分)
――
―――――――――――――――――
再 開
○議長(
安達克典君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
(午前10時55分)
○議長(
安達克典君) 続いて、4番、前田佳世君の登壇を許可いたします。
(4番 前田佳世君 登壇)
○4番(前田佳世君) 皆様、こんにちは。4番、
日本共産党、前田佳世です。
通告に従いまして質問を行います。
今回、大項目二つ、一つ目は、自分らしく安心して暮らし続けられるための乗合タクシー導入について。二つ目は、扇ヶ浜公園におけるトイレの設置についてです。
では、大項目一つ目から質問をしてまいります。
自分らしく安心して暮らし続けられるための乗合タクシー導入について。
田辺市長寿プラン計画素案に、「住み慣れた地域で支え合い、自分らしく安心して暮らし続けられる地域社会の実現」と基本理念が書かれてあります。自分らしく、安心して暮らすということは、皆様はどんなこと思い浮かべられるでしょうか。
まず、自分らしくということはどういうことか。単語の意味をひも解いていきますと、まず、らしくというのはそれ自体の特徴が表れている状態。そこに自分がつくと自分の特徴がよく表れている状態と言えます。では自分の特徴がよく表れている状態とはどういう状態でしょうか。思うように話せたり、行動することができる。環境に左右されずやりたいことができる。素直に気持ちを表せて、なおかつ周囲から受け入れられるといった感じではないでしょうか。
次に、安心して暮らすとは、命の危険がなく、健康やお金のことに不安なく暮らせる状態といった感じではないでしょうか。
これらのことを今回は特に高齢者の暮らしに視点を当てて考えていきたいと思います。
高齢者の日常生活の状況について、やすらぎ対策課が2020年5月に田辺市介護予防・日常生活圏域ニーズ調査をされています。その報告書を基に、高齢者の外出状況についてお聞かせください。
(4番 前田佳世君 降壇)
○議長(
安達克典君) 4番、前田佳世君の質問に対する当局の答弁を求めます。
保健福祉部長、虎伏 務君。
(
保健福祉部長 虎伏 務君 登壇)
○
保健福祉部長(虎伏 務君) 議員の御質問にお答えします。
市では、高齢者福祉事業及び介護保険事業の円滑な実施に向けて、施策の基本方針となる計画を3年ごとに策定しておりますが、令和3年度から令和5年度までの3年を1期とする長寿プラン2021の策定に必要な基礎資料とするため、令和2年4月1日を基準日として、市内にお住まいの65歳以上で要介護認定を受けていない方2万370人を対象に、日頃の生活状況や活動状況、健康状態等についてお尋ねする介護予防・日常生活圏域ニーズ調査を実施し、1万3,251人の方から回答をいただきました。
調査の結果、体を動かすことについての質問のうち、外出頻度に関する問いに対して、週5回以上と答えた方が40.5%で最も多かったのに対し、21.7%の方がほとんど外出しない、または週1回と回答されました。外出を控えているかとの質問に対しては、38.7%の方が控えていると答え、その理由については、複数回答ですが、足腰などの痛みが38.3%、交通手段がないが14.4%、病気が11.4%でしたが、43.9%と最も多かったその他を選んだ方のうち、88%の方が新型コロナウイルス感染症による外出自粛を理由に上げていました。
また、昨年と比較して、外出回数が減っているかとの質問に対し、37.2%の方が減少したと回答されていますが、その理由としましては、調査期間と新型コロナウイルスの影響による外出自粛期間が重なっていたことも大きな要因であると考えております。
(
保健福祉部長 虎伏 務君 降壇)
○議長(
安達克典君) 前田佳世君。
(4番 前田佳世君 登壇)
○4番(前田佳世君) 外出控えの状況を御報告いただきました。コロナ感染症の影響で外出控えがやはり例年より多くなっているというのは、それは致し方がないというか、でもそこが私が一番懸念する問題点でもあります。
言及にはありませんでしたが、地域での活動について、ボランティア、スポーツ、趣味、サークルなどに参加していないが60%弱から70%と不参加率が高いのですが、そういう活動ができる地域づくりを進めるとしたら参加してみたいかという問いに対して、ぜひ参加したい、参加してもよいという答えが合わせて44.8%と、非常に肯定的です。
私も地域を訪問する中で、特に御高齢の方は家に籠もっておられる方が多いという印象を受けました。これにはコロナ感染症予防の自粛が大きく影響しており、感染症収束の見通しがつきにくい中、外出が減る傾向はまだまだ長く続くことが予想されます。
市民の方からこんなお声を伺いました。自粛生活が続くと気力や体力がどんどん失われていくというものでした。こうした声や高齢者の現状に触れるにつけ、数年先、高齢者の日常生活と健康面の変化が心配です。
そこで、外出控えが高齢者にどのような影響を及ぼすか、またその対策について当局のお考えをお聞かせください。
(4番 前田佳世君 降壇)
○議長(
安達克典君)
保健福祉部長。
(
保健福祉部長 虎伏 務君 登壇)
○
保健福祉部長(虎伏 務君) 議員の御質問にお答えいたします。
高齢になるにつれて、体力や気力などは次第に衰えやすくなります。特に今年度は、新型コロナウイルス感染症による外出自粛も重なり、体を動かさないなど、生活が不活発な状況が続くことで心身の機能が低下してしまいます。特に高齢者においては、筋力低下や鬱状態、認知機能の低下が起こりやすくなると言われています。体を動かす時間が減ってしまうことで、動きにくくなり、動かないことで動けなくなるという悪循環になりやすく、生活機能が低下する原因にもなります。そのため、悪くなる前に生活を活発化し、活動の質と量を向上させることが大切であり、市におきましては、状況に応じて運動・栄養・口腔・認知症予防の観点から様々な介護予防事業に取り組んでおります。今年度は、新型コロナウイルス感染症拡大防止のため中止している事業もありますが、内容や防止策等を検討し、地域の状況を見ながら再開しています。
自粛の影響等で外出を控えている場合でも、活動量が増やせるように、日常生活で気をつけたいことや、体操の方法を記載したリーフレットを登録団体に配布し、自宅でも気軽に運動に取り組めるようにするとともに、昨年9月には、田辺市のホームページや動画サイトにフレイル予防についての周知と15分程度の簡単な運動を掲載し、情報提供を行っています。
また、外出につながる事業として、今年度は有酸素運動や筋トレを行うわかわか教室、みんなで健康ウォーク、運動を中心とした集いの場の立ち上げ支援であるみんなで筋トレ体操、認知症予防のための料理教室である脳わくわくクッキング、集いの場のきっかけづくりを行うきらきらサロン等を開催しました。
今後も新型コロナウイルス感染症の感染リスクには十分に留意しながらも、このような介護予防事業を実施し、筋力や認知機能の維持向上のために、集いの場や外出の機会を増やし、健康寿命の延伸に取り組んでいきたいと考えております。
(
保健福祉部長 虎伏 務君 降壇)
○議長(
安達克典君) 前田佳世君。
(4番 前田佳世君 登壇)
○4番(前田佳世君) 介護予防事業、フレイル予防ということで様々な教室、サロン活動などの事業を御紹介いただきました。
対策として、高齢になっても友人や知人とのつながり、地域や社会とつながるという、そういう機会を持てること、介護予防となるような本市における運動や学びに参加できること、そういう福祉分野では様々なメニューを用意しておられるとのことです。
これらの当局が、やすらぎ対策課が実施しておられるようなこういう介護予防事業について、参加を促せられるような移動支援ということでいうと、当局としてはどのような方針をお持ちでしょうか。
(4番 前田佳世君 降壇)
○議長(
安達克典君)
保健福祉部長。
(
保健福祉部長 虎伏 務君 登壇)
○
保健福祉部長(虎伏 務君) 議員の御質問についてお答えいたします。
市では、介護予防教室として、市民総合センターや公民館などの施設において、運動機能の向上や認知機能の向上を目的とした教室を開催し、教室終了後も住民主体の活動として継続移行できるように支援を行っております。
現在、市内で40グループが継続して活動を行っていますが、一方で、移動手段がない、遠いという理由で教室に参加していない高齢者がいる現状もあります。
そのため、できるだけ多くの高齢者が参加しやすいように、住み慣れた、友人のいる、身近な地区の集会所などを拠点にして、住民が主体となって、継続して介護予防活動を行うことができる集いの場を増やすことに努めているところです。
このような集いの場は、市内に39か所あり、参加者がお互いに誘い合って、自動車への同乗や徒歩などにより参加をされています。参加者からは、近くでやってくれてうれしいという声も聞かせていただいており、今後も身近な場所で、本人の意思や生活機能に応じた介護予防活動が続けられるよう、集いの場を増やす取組を進めてまいります。
(
保健福祉部長 虎伏 務君 降壇)
○議長(安達克典君) 前田佳世君。
(4番 前田佳世君 登壇)
○4番(前田佳世君) 住民の皆様が、例えば、市民総合センターなどへの講座の参加がなかなか難しいというのであれば、住民の皆様のほうに寄っていくという、そういう発想というのはすごくすてきな発想だなというふうに思います。
ただ、やはり移動、お出かけをしたいときにそれが可能になるような支援ということでいうと、やはり公共交通でカバーすることが重要かなと私自身は考えております。市民に喜ばれ、介護が必要になる時期をできるだけ遅らせることができれば、公共交通の費用対効果も見込めるのではないでしょうか。
そこで、小項目2の高齢者の日常生活と公共交通について伺います。
高齢になっても自分らしく、安心して暮らすために必要なこととはどういったことか。公共交通を所管する企画部としてのお考えをお聞かせください。
(4番 前田佳世君 降壇)
○議長(
安達克典君) 企画部長、早田 斉君。
(企画部長 早田 斉君 登壇)
○企画部長(早田 斉君) 議員の御質問にお答えします。
市では、第2次田辺市総合計画に、高齢者福祉を施策の一つとして位置づけるとともに、田辺市長寿プランにおきましても、住み慣れた地域で支え合い、自分らしく安心して暮らし続けられる地域社会の実現を基本理念に掲げており、様々な社会資源が活用できるように体制整備を進めているところであります。
そうした中、田辺市地域公共交通網形成計画では、住み続けられるまちを支え、未来につながる地域公共交通を基本理念に掲げており、自分らしく安心して暮らすためには、地域住民の移動手段の維持・確保が必要であると考えております。
(企画部長 早田 斉君 降壇)
○議長(
安達克典君) 前田佳世君。
(4番 前田佳世君 登壇)
○4番(前田佳世君) 自分らしく安心して暮らすために移動手段の維持・確保が重要であるというお考えです。
冒頭、私が自分らしく安心して暮らすということについて述べましたが、思うように話せたり、行動することができる、環境に左右されずやりたいことができる、キーポイントは言動の自由ではないでしょうか。
やすらぎ対策課の調査では、地域でスポーツや趣味、ボランティアなどに参加を希望する回答が5割近くある中、移動手段がないからそういうのに参加していないというのが14%あるというこのデータに私は注目しました。とりわけ移動において自由でないということは、自分らしい暮らしができてるとは言えないのではないでしょうか。だとしたら自由な移動を支援する、お出かけを支援する、そのことが行政として必要ではないでしょうか。
そこでお伺いします。自分らしく安心して暮らし続けるために、公共交通の充実は不可欠ではないかと考えますが、当局の御認識をお聞かせください。
(4番 前田佳世君 降壇)
○議長(
安達克典君) 企画部長。
(企画部長 早田 斉君 登壇)
○企画部長(早田 斉君) 議員の御質問にお答えします。
田辺市地域公共交通網形成計画において、地域公共交通は、市民の日常生活や、本市を訪れる観光客等の来訪者にとって欠かすことのできない社会インフラであるとともに、観光・福祉・教育・商工業等、様々なまちづくり分野の各種施策を支える都市の骨格であると考えております。
そうした中、地域公共交通を維持・確保することにより、全ての市民が安心して、心豊かに輝きを持って暮らし続けることが可能になるものと考えております。
(企画部長 早田 斉君 降壇)
○議長(
安達克典君) 前田佳世君。
(4番 前田佳世君 登壇)
○4番(前田佳世君) 公共交通は社会的インフラ、都市の骨格として、公共交通の維持・拡充は大切だという御認識だというふうに受け止めました。
それでは、本市における公共交通の充実をさせるというところで考えますと、バス路線や便数を拡充させることが必要だという認識かどうかお聞かせください。
(4番 前田佳世君 降壇)
○議長(
安達克典君) 企画部長。
(企画部長 早田 斉君 登壇)
○企画部長(早田 斉君) 議員の御質問にお答えします。
バス路線のこれまでの取組について少し御紹介させていただきますと、平成26年に路線バスの西原線、平成27年に長野線、平成28年に上芳養線の廃止に伴い、市と公共交通事業者との間で協定を結び、協議路線として運行を進めてまいりました。
また、行政局管内では、平成20年に路線バスの福井線、平成21年に鮎川線、富里線、三川線、平成26年に中辺路町内線、平成27年に上十津線、平成28年に龍神線の南部駅から龍神村西の区間、平成29年には川丈線の土河屋から本宮大社の区間が廃止とされたことに伴い、住民バスとして運行し、移動手段の維持・確保に努めてまいりました。
その後、策定した田辺市地域公共交通網形成計画では、既存バスの見直しとして、路線バス・住民バスについて、地域住民の意見を伺いながら、利用者及び潜在的利用者のニーズに合わせて、経路・バス停箇所・ダイヤ等について見直しを行うこととしております。
また、住民バスとスクールバス、診療所送迎事業、外出支援事業等との連携、それから、市が実施している地域内の各種移動サービスの連携について引き続き検討を行うこととしております。
さらに、新たな交通手段の導入として、バス路線や住民バス等の移動サービスの利用が不便な地域において、地域住民が主体となって、地域にとって必要な助け合い型の輸送サービスの導入や、また新たな交通システムの可能性についても研究しているところであります。
(企画部長 早田 斉君 降壇)
○議長(
安達克典君) 前田佳世君。
(4番 前田佳世君 登壇)
○4番(前田佳世君) 公共交通の維持・確保というところでいいますと、従来のバス路線を、便数を拡大していくだとかそういうことではなく、むしろそこは廃止をされてきて、それに代わる住民の移動手段の確保をされてきたということです。
今、山間部で住民バスを走らせても、高齢の利用者はもうバス停まで歩けない状況です。旧市内で仮に住民バスを走らせても、山間部と同様に利用したくてもできない状況が生まれるのが時間の問題であることは、令和2年の高齢者率が33.1%と平成24年度に比べ約2割増えていること、さらに高齢者人口に占める後期高齢者の割合は増加していることからも予測できます。これまでの路線定期運行だけではなく、利用者のニーズに応じて自由に区域で運行ができることが市内随所で必要ではないかと考えます。
次に、公共交通の維持・確保を担っておられるバス事業者の現況をお聞かせください。
(4番 前田佳世君 降壇)
○議長(
安達克典君) 企画部長。
(企画部長 早田 斉君 登壇)
○企画部長(早田 斉君) 議員の御質問にお答えします。
国土交通省の資料によりますと、令和元年度の一般乗合バス事業の収支状況は、235社のうち、赤字の事業者が170社で、72.3%が赤字という状況の中、本市を運行している路線の大半が、地方バス路線運行維持対策費補助金の補助対象路線となっております。
また、バス事業者によりますと、行政からの様々な支援を受け、懸命に事業継続に努めておりますが、新型コロナウイルス感染症の鎮静化の見通しも立たず、GoTo施策が停止したこともあり、切迫した事態であるとのことでありました。
こうした状況を踏まえますと、事業者独自で路線や便数を拡充することは大変厳しい状況であると考えております。
(企画部長 早田 斉君 降壇)
○議長(
安達克典君) 前田佳世君。
(4番 前田佳世君 登壇)
○4番(前田佳世君) お話いただきました事業者の状況、それで、路線バスのこれ以上の拡充は難しいというところは、私もそのように認識をしております。
私は、昨年夏頃から市内の様々な地域を訪問してまいりました。特に御高齢の方々の多くは、新型コロナウイルス感染症の影響から自宅で自粛生活をされていました。高齢者の方々とたくさん対話をさせていただいた中で、子供に叱られるから車を運転するのをやめた、車を手放した、買物や通院は子供さん世帯に連れていってもらったりしていますが、本当は友達とお茶でもしに行きたいよ、というある女性の言葉がとても印象的で、皆様我慢しておられるなと感じました。同時に、老いるということがこんなにも切ないものかと正直悲しくもなりました。
高齢者は、幸せを感じて暮らせる様々な要素を我慢しておられます。買物と通院ができれば、自分らしく安心して暮らせるということなのか、その辺りの当局のお考えをお聞かせください。
(4番 前田佳世君 降壇)
○議長(
安達克典君) 企画部長。
(企画部長 早田 斉君 登壇)
○企画部長(早田 斉君) 議員の御質問にお答えします。
田辺市長寿プランの基本理念は、住み慣れた地域で支え合い、自分らしく安心して暮らし続ける地域社会の実現であります。
また、田辺市地域公共交通網形成計画の基本理念は、住み続けられるまちを支え、未来につながる地域公共交通、市民一人一人が安心・豊かさ・輝きを持って暮らすための移動手段を維持・確保するでございます。
高齢者が生きがいを持って地域で済み続けられるためには、この二つの計画の策定を推進していくことが大変重要であると考えております。
そういうことからも、買物、通院だけでなく、美術館とか図書館、コンサートなんかでもそうですけれども、そういうことに趣味のある方が自分らしく暮らせるためにはそういうことも必要かなというふうに思っております。
(企画部長 早田 斉君 降壇)
○議長(
安達克典君) 前田佳世君。
(4番 前田佳世君 登壇)
○4番(前田佳世君) 前回、私がこの公共交通のことを取り上げたとき、住民の方から伺った声として、せめて買物と通院だけでも自由にというか、やりやすいようにさせてほしいという、そんなお声を伺ったのを紹介しました。でも、先ほどの当局の御認識を伺う中で、それだけでは幸せには暮らせないという、そういう認識であるということは一定感じられました。
行政が求められるのは、高齢者が移動の自由を確保するためのお出かけ支援だと思います。しかも経済的に不安を抱える高齢者にとって、利用料は安価である必要があります。行きたいとき、行きたいところに移動できる。そんなデマンド型で、低料金で、ドア・ツー・ドアで、区域を自由に行き来できる運行形態としてのライドシェア的なタクシー導入を求めますが、今後の方針をお聞かせください。
(4番 前田佳世君 降壇)
○議長(
安達克典君) 企画部長。
(企画部長 早田 斉君 登壇)
○企画部長(早田 斉君) 議員の御質問にお答えします。
今、議員のほうからドア・ツー・ドアであるとか、デマンド型であるとか、いろいろ高齢者にとって利用しやすい考え方は持っているかというお話ですけれども、以前からも乗合タクシーにつきましては、これまで、予約の煩わしさや他人と乗り合わせることの抵抗感、予約数の多寡による時間的な正確性の欠如、それから、行政負担経費などに加え、交通事業者との調整、地域公共交通会議での合意などの課題があるというふうなことで、過去には答弁をさせていただいたところであります。
そうした中で、本市といたしましては、昨年度策定した田辺市地域公共交通網形成計画では、先ほども少し紹介させていただきましたけれども、地域公共交通ネットワークの維持、利便性向上を大きな柱として位置づけております。
具体的な取組として、住民バスについては、路線定期運行だけでなく路線不定期運行、それから、迂回運行、区域運行など、地域のニーズに合った運行形態について調査、研究をしているところであります。
また、地域住民が主体となって行う助け合い型の輸送サービスの導入についても進めてまいりたいと考えております。
それから、さらに、1台のタクシーを相乗りして活用するなど、新しい交通システムの可能性についても研究を行ってまいりたいと考えておりますので、御理解いただきますようよろしくお願いします。
(企画部長 早田 斉君 降壇)
○議長(
安達克典君) 前田佳世君。
(4番 前田佳世君 登壇)
○4番(前田佳世君) 乗合タクシーというと様々な概念とか法的な縛りがあって、なかなか住民の皆様がイメージする一緒に乗れて、好きなところに行けるというものと、乗合タクシーというと、やはり路線があって、停留所があって、拠点があってと、ちょっと縛りがあってなかなか考え方の整理が難しいのですけれども、やはり、行きたいところに行ける、行きたいときに行きたいところに行ける、ここを実現させていってほしいと思います。
龍神地域などで今進められようとしている過疎地有償運送は、これは、ニーズに応えるための突破口として非常に評価されるべきことかと思います。しかし、これを、ここが目的、ゴールにはせず、さらにニーズを掘り起こし、本当に住民にとってこれなら安心してここのまちで住み続けられる、そんなふうに思ってもらえるような運行形態をこれまでももっと追及して構築していってほしいと思います。
私が初めて公共交通のことを質問した頃は、地域の実情に応じた移動手段を研究するといった消極的なものにとどまっておりましたが、必要性の認識が一歩前進し、田辺市地域公共交通網形成計画が策定されました。今後市長となられる方には、さらに踏み込んで、計画の基本理念である、市民一人一人が安心、豊かさ、輝きを持って暮らせるための移動手段を維持・確保するための選択と決断をされることを期待して、本項目の質問を終わります。
大項目二つ目、扇ヶ浜公園におけるトイレ設置について質問してまいります。
まず初めに、新武道館建設以前に扇ヶ浜公園に設置されていたトイレが撤去された経緯についてお聞かせください。
(4番 前田佳世君 降壇)
○議長(
安達克典君) 建設部長、栗山卓也君。
(建設部長 栗山卓也君 登壇)
○建設部長(栗山卓也君) 議員の御質問にお答えします。
まず、以前、複合遊具付近にありましたトイレにつきましては、昭和52年に田辺ライオンズクラブから御寄贈いただきました。モンキッキ公園の1施設として設置されたもので、長年にわたり市民の皆様に御利用いただいておりましたが、設置から40年以上が経過する中で老朽化が進み、くみ取り式であったことから子供には使いづらいなど、現在のニーズに合わなくなってきており、利用者の方々から改善の要望の声もいただいておりました。
そのような状況の中、平成17年には新たに田辺扇ヶ浜海水浴場が整備され、現在の複合遊具から直線距離にして約70メートルの扇ヶ浜ビーチハウスの中にトイレが整備されました。
そういった経過の中で、その後、公園内に新武道館を設置することになり、カッパークや扇ヶ浜公園の総合的な利用及び利便性向上の観点から、武道館1階のピロティーに公園利用者がいつでも利用できる新たなバリアフリートイレが設置され、去年秋の新武道館の供用開始に伴い、その便所を撤去したものでございます。
(建設部長 栗山卓也君 降壇)
○議長(
安達克典君) 前田佳世君。
(4番 前田佳世君 登壇)
○4番(前田佳世君) 公園は、乳幼児から高齢者、障害者と様々な市民に利用されています。新武道館建設に関連して設置されていた新しい遊具には、乳幼児の親子連れが多く利用されています。遊んでいる途中でトイレに行きたくなっても、新武道館やビーチハウスのトイレはいずれも幼児には遠過ぎて間に合いません。そこで遊具近くの樹木の下で用を足すという実態があり、不衛生だと指摘されています。
今回の要望は、以前あったトイレがなくなったので、トイレを設置してほしいという単純なものでなく、幼児の生理的発達事情からの要望であります。特に幼児は、保護者が前もってお手洗いはと声をかけても、ギリギリの直前におしっこと言うのが大体の子供の状態です。そのとき慌ててトイレに連れていっても間に合わないことのほうが多いです。もちろんこれを想定して着替えを持って出かけていますが、子供にとっては不快ですし、万が一親が怒ってしまうと子供は神経質になって頻尿になることもあります。子供の遊び場にふさわしく、遊具近くにトイレの設置が求められています。
もう一つは、公園の南端、松風荘付近への設置要望です。松林を散歩される方が南端まで来てトイレに行きたくなっても、新武道館までの距離が五、六百メーターと、こちらも大変遠いのが理由です。
以上、これらの要望に対する対応が求められますが、お考えはいかがでしょうか。
(4番 前田佳世君 降壇)
○議長(
安達克典君) 建設部長。
(建設部長 栗山卓也君 登壇)
○建設部長(栗山卓也君) 議員の御質問にお答えします。
扇ヶ浜公園内における公衆トイレにつきましては、新武道館の建設に伴い、公園内における公衆トイレの適正配置の視点から、カッパークをはじめ扇ヶ浜公園の総合的な利用及び利用者の方々の利便性向上を図るため、武道館1階ピロティに公園利用者がいつでも利用できる新たなバリアフリートイレを設置したところでございます。
また、近くには海岸駐車場とビーチハウスにもトイレを設置しており、これらも合わせて、公園内におけるトイレにつきましては、一定充足していると考えておりますので、御理解賜りますようお願い申し上げます。
(建設部長 栗山卓也君 降壇)
○議長(
安達克典君) 前田佳世君。
(4番 前田佳世君 登壇)
○4番(前田佳世君) 一定充足しているという御答弁なのですけれども、まず、松風荘付近のトイレ設置の要望については、公園利用者が松風荘の施設のお手洗いをお借りすることが可能であるならば、案内板設置などでの対応も方法の一つではないかと思います。
最後に、今回の質問に際しまして、公園を利用する保護者の方にいろいろお話を伺いましたので、御紹介させていただきます。
大人1人で複数の子供を連れていくと、子供1人がトイレに行く際にほかの子が遊びを中断することになります。それは、子供を1人で遠くのトイレに行かせる、あるいは遊び場所に置いていくことは治安や安全面で心配だからです。だから遊具近くにトイレがあると安心だというものです。
また、この頃は公園でも男性が子守をしている光景がよく見かけられます。男性が女の子をトイレに行かせる際、男性トイレに小便器しかなかったりするとたちまち困ってしまいます。
トイレ利用者が集中するような場所でなければ、男女どちらでも使えて、子供用便器があったり、オストメイトやおむつ交換台もあるような多目的に使えるトイレは喜ばれます。
先ほど、適正配置を基に利便性を図るため、現在の状態では充足しているという御答弁だったのですけれども、設計や計画の段階でそういう小さな子供たちだとか、こういう家族連れの方々の様々な事情というのはどこまで配慮されたのかなというのは、正直答弁を伺って感じました。
市民の強い要望でもない事業に、田辺市はこれまで多額の税金を投資してきたと私は感じております。市民の願いに応える田辺市であってほしいと願いますし、街なかのにぎわいの拠点として位置づけられている新武道館のさらなる周辺整備として、利用者の利便性に対応されることを要望しまして、私の一般質問を終わります。ありがとうございました。
(4番 前田佳世君 降壇)
○議長(
安達克典君) 以上で、4番、前田佳世君の一般質問は終了しました。
休 憩
○議長(
安達克典君) この場合、午後1時まで休憩いたします。
(午前11時40分)
――
―――――――――――――――――
再 開
○議長(副議長 陸平輝昭君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
(午後 1時00分)
○議長(副議長 陸平輝昭君) 続いて、19番、佐井昭子君の登壇を許可いたします。
(19番 佐井昭子君 登壇)
○19番(佐井昭子君) 皆様、こんにちは。19番、公明党の佐井昭子です。
今回、行政のデジタル化と子供の学びの環境整備という2項目について質問させていただきます。
それではまず1項目の質問に入ります。行政のデジタル化について、まとめて3点お聞きしたいと思います。
未曽有のコロナ禍の中、外出自粛ということで働き方が大きく変わりました。政府もテレワークを推進し、会社に出社しなくても仕事ができるテレワークが一気に進みました。会議もリモートになり、大学などではオンライン授業、医療の分野ではオンライン診療など、社会は一気にICTの活用、デジタル化へと進みました。国においてもデジタル庁の創設の準備が着々と進められています。
そこで、本市は今後行政のデジタル化にどのように取り組んでいかれるのか。また、既に進められている押印廃止、オンライン申請、ペーパーレス化などについてどのようにお考えなのかお聞かせいただきたいと思います。
以上で1回目の質問を終わります。よろしくお願いします。
(19番 佐井昭子君 降壇)
○議長(副議長 陸平輝昭君) 19番、佐井昭子君の質問に対する当局の答弁を求めます。
市長、真砂充敏君。
(市長 真砂充敏君 登壇)
○市長(真砂充敏君) 議員御質問のうち、国の動向及び市の考えについては私から、個別の御質問については担当部長からお答えいたします。
まず、我が国における行政のデジタル化につきましては、これまでも高度情報通信ネットワーク社会形成基本法などに基づき取組がなされてきましたが、今般の新型コロナウイルス感染症への対応において、我が国のデジタル化における様々な課題が明らかになりました。このことを受け、行政のデジタル化の課題に対する迅速な対処やデータの蓄積・共有・分析に基づく不断の行政サービスの質の向上などを目的に、デジタル社会の実現に向けた改革の基本方針が昨年12月に閣議決定されました。併せて、総務省及び関係省庁による支援策等を取りまとめた自治体デジタル・トランスフォーメーション推進計画も閣議決定され、デジタル社会の構築に向けた取組を全自治体において着実に進めていくこととされたところです。
この自治体デジタル・トランスフォーメーション推進計画には、重点取組事項として、自治体の情報システムの標準化・共通化、マイナンバーカードの普及促進、行政手続のオンライン化などが定められており、自治体においては、今後国から提示される手順書に基づき取り組んでいくこととなっております。
市といたしましては、これまでも国の方針等に基づき、行政手続のオンライン化などのデジタル化を進めるとともに、SNSによる情報発信の強化を図ってまいりました。
今後におきましても、国のビジョンであるデジタルの活用により、一人一人のニーズに合ったサービスを選ぶことができ、多様な幸せが実現できる社会、誰一人取り残さない、人に優しいデジタル化を実現することにより、市民の皆様の利便性が向上することとともに、業務の効率化にもつながることから、国の動向を注視するとともに、その内容も十分見極めながら、一つ一つデジタル化を進めてまいりたいと考えておりますので、御理解賜りますようお願いいたします。
(市長 真砂充敏君 降壇)
○議長(副議長 陸平輝昭君) 総務部長、松川靖弘君。
(総務部長 松川靖弘君 登壇)
○総務部長(松川靖弘君) 私からは、個別の御質問にお答えいたします。
まず、庁内の検討でありますが、今般の行政のデジタル化につきましては、今後、国から示される手順書に基づき取り組んでいくこととなりますので、現在、国の動向を注視するとともに、自治体デジタル・トランスフォーメーション推進計画に位置づけられている全庁的なマネジメント体制の構築について、その在り方を含め検討をしているところでございます。
次に、申請書、届出書、その他の提出書類への押印の見直しについては、行政手続の負担軽減を目的として、平成9年に国において策定された押印見直しガイドライン等に基づき、平成11年度に旧田辺市において全庁的な見直しを行い、さらに、平成24年度には、職員提案により総点検を実施してまいりました。
そうした中、昨年7月、新型コロナウイルス感染症への対応が求められる中、内閣府に設置された規制改革推進会議において、テレワーク等の推進とデジタル時代に向けた規制・制度見直しの一環として、書面主義、押印原則、それから対面主義に関する官民の規制・制度や、慣行に関するこれまでの見直しの結果及び今後の取組が、書面規制、押印、対面規制の見直しについてとして取りまとめられました。
この中では、国の緊急対応等についてガイドライン等を地方公共団体に発出するとともに、必要な法令等の見直しを行うこととされている。各地方公共団体においては、各府省から発出されるガイドライン等の内容を踏まえ、適切に対応することが考えられると言及されております。
このことを受け、現在、法令の改正や国の各府省からのガイドライン等の発出が始まっており、また、12月には国から地方公共団体における押印見直しマニュアルの策定について通知があり、それらに基づいて各課等において順次見直しを進めているところでございます。
また、市におけるオンライン申請につきましては、現在、マイナンバーカードを活用した児童手当の申請などの子育て関係手続、それから、住民票の写し及び印鑑登録証明書のコンビニ交付、体育施設の予約、図書館蔵書の検索と予約、そして、斎場予約のサービスを実施中でございまして、令和3年度においては、工事入札事務についてもオンライン化する予定となっております。
次に、ペーパーレス化につきましては、これまでも市民サービスの向上とICT、情報通信技術を活用した市民への情報提供、各種手続における利便性やサービスの充実、そして行政事務の効率化や用紙類、使用料の削減といった観点から全庁的にその取組を進めてまいりました。
一例を挙げますと、庁内における通知や照会回答事務、調書作成事務における内部情報システムの活用、職員管理に関する電子決裁、帳票や工事図面等の電子化がございます。
いずれにいたしまして、デジタル化の取組につきましては、今後におきましても庁内で検討を重ね、進めてまいりたいと考えておりますので、御理解賜りますようお願いいたします。
(総務部長 松川靖弘君 降壇)
○議長(副議長 陸平輝昭君) 佐井昭子君。
(19番 佐井昭子君 登壇)
○19番(佐井昭子君) 市長、御答弁ありがとうございました。デジタル改革に向け、庁内でのマネジメント体制を整えていただき、人材の確保・育成に具体的に取り組んでいただきたいと思います。そして、市民ファーストで、サービス、利便性の向上に努めていただきたいと思います。
押印の見直し、ペーパーレス化についても、効率化、環境への配慮という観点からも、できるところからスピード感を持って進めていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
それでは続いて2項目め、子供の学びの環境整備について3点お伺いいたします。
まず1点目、ICTを活用した学習についてお尋ねいたします。この点についても3点お聞きしたいと思います。
初めに、これまでも既にICTを活用した授業が行われていますが、その目的、活用の効果、活用状況等をお聞かせください。
次に、国が進めるGIGAスクール構想が新型コロナウイルス感染対策によって前倒しになり、今年度で小・中学校の児童生徒に1人1台の端末が行き渡りました。この構想の目指すところ、それによる新しい教育の在り方についてお聞かせいただきたいと思います。
また、GIGAスクール構想を進める上でサポーターが配置されるようですが、どのような役割を担い、配置されるのかもお聞かせください。
最後に、1人1台の端末を持てることになり、不登校児童生徒など、学校に通えていない子供たちがオンラインで学習することができるようになるのではないか。それを出席とみなすことができるのではないかということについて、どのようにお考えなのかお聞かせください。
2点目、小学校の35人学級についてお伺いします。
ようやく小学校の35人学級が実現します。来年度は、小学校2年生で実現し、5年間をかけて段階的に全学年に広げられます。そこで、田辺市の状況はどんなものかお聞かせください。
3点目、就学援助費についてお伺いします。
新型コロナウイルスの感染拡大により、経済も大打撃を受けました。国も市も様々な支援策を打ち出し、雇用の確保、事業の継続に取り組んでおりますが、その影響が家庭の経済にも及び、生活の困窮などが伝えられています。就学援助を必要とする子供が増えたのではと考えますが、その点はいかがでしょうか。
また、この制度には、入学準備金も支給されることになっています。中学校は小学6年生の段階で支給されるようになっていますが、小学生の場合は入学後になります。入学時には、ランドセルをはじめ、何かと費用がかさむものですから、小学生も入学前に支給できるよう御検討いただけないでしょうか。
以上で2項目めの質問を終わります。
(19番 佐井昭子君 降壇)
○議長(副議長 陸平輝昭君) 教育長、佐武正章君。
(教育長 佐武正章君 登壇)
○教育長(佐武正章君) 議員御質問の1点目と2点目は私のほうから、3点目は教育次長のほうからお答えいたします。
まず、議員御質問のICTを活用することの目的、活用したときの効果、これまでの活用状況についてお答えします。
これまで学校では、コンピューター室の設置、書画カメラや電子黒板、プロジェクター、普通教室で教員が使用するためのパソコンの配備、無線LANの整備などを行ってまいりました。
ICTを活用することで多くの情報を提示することができ、授業の狙いを示したり、学習課題への興味関心を高めたり、学習内容を分かりやすく説明したりすることがICTを活用する目的であると認識しております。
次に、活用の効果としましては、教員の授業技術としてICT活用の場面を創意工夫することで、児童生徒の学力向上に高い効果を期待できることが明らかになっております。多くの情報を示したり、提示した映像を拡大し、指し示したりすることで、児童生徒は理解を深めることができます。また、写真だけでなく動画、アニメーションを見せたり、録画再生したり、教員がプレゼンテーションソフトを活用したりすることで、理解だけではなく興味関心を深めることができます。そして、ICTを使った資料の提示の仕方、内容によって、児童生徒が集中して取り組み、分かりやすく、楽しみながら学習できるような効果が期待できます。
これまでの田辺市の学校におけるICT活用状況については、学年や教科によって活用の状況は異なりますが、プロジェクターなどの提示装置をほとんどの授業で活用してきております。
また、令和元年度に実施した田辺市の小・中学校における教員のICT活用指導力等の実態調査では、教育効果を上げるためにコンピューターやインターネットなどの利用場面を計画して活用するの項目で、できる・ややできるという肯定的な回答をしたのは約82.6%であり、また、児童生徒の興味・関心を高めたり、課題を明確につかませたり、学習内容を的確にまとめさせたりするために、コンピューターや提示装置などを活用して資料などを効果的に提示するという項目では、できる・ややできると答えた教員は約78.8%となっております。
ICTに関する実態調査については、平成25年度から実施しておりますが、年々教員のICT活用の状況は向上してきており、今後も全ての教員に対して、研修会を通じてICT活用能力のさらなる向上に向けた取組を講じてまいりますので、御理解賜りますようお願いいたします。
次に、議員御質問のGIGAスクール構想の実現を踏まえて、新しい教育の在り方、目指すところについてお答えいたします。
GIGAスクール構想では、1人1台端末は、令和の学びのスタンダードとして、多様な子供たちを誰一人取り残すことなく、公正に個別最適化され、一人一人の資質・能力が一層確実に育成できるICT教育環境を実現することを目指しております。1人1台端末が整備され、活用されることで、児童生徒一人一人の学習状況を把握することができ、双方向の一斉授業が可能になり、学びを深めることにつながります。
また、効率的な授業運営を行うことで時間的な余裕が生まれ、児童生徒一人一人の理解度に応じた個別学習が可能になります。そして、協働学習では、これまで人前での発表などが苦手であった子供もタブレット端末を介して自らの考えを表現することができるようになり、それにより子供たちはより多くの考え方を共有することができ、学びの質の転換にもつながります。このように、単に知識を学ぶだけではなく、問題を解決するためにどうすればよいのかを思考し、判断する力の育成にもなります。
新しい社会、Society5.0では、人の働き方が大きく変わる時代を迎え、インターネットを介して自動制御するIoT、ビッグデータ、AI、ロボットなどをはじめとする技術革新が一層進展されていきます。そのような時代を生き、未来を担う子供たちにとっては、文章や情報を正確に読み解き、対話する力、科学的に思考・吟味し活用する力、価値を見つけ生み出す感性と力、そして、好奇心・探求心などが必要であるとされています。こうした能力を育成することが新しい教育の目指すところであります。
GIGAスクール構想の実現とともに、主体的・対話的で深い学びの実現に向けて、ICT支援員の配置なども検討しております。ICT支援員は、授業中のICTの操作補助やICTを活用した教材作成の支援・助言などを行い、ICT教育環境の充実と学校全体のICTリテラシーの向上を目的としています。今後ともICTを活用した新しい教育の充実に向けて努めてまいりますので、御理解賜りますようお願いいたします。
続いて、議員御質問のGIGAスクール構想の実現における不登校児童生徒や院内学級等の学校に通えていない子供への学習支援についてお答えいたします。
令和元年10月25日に文部科学省が通知した不登校児童生徒への支援の在り方についてにおいて、不登校児童生徒が自宅でICT等を活用した学習活動を行った場合、要件を満たすことで出席扱いとすることができると明記されております。
教育委員会としましては、現時点では、学校の臨時休業等の特別な場合を除いて、今回配備したタブレット端末の持ち帰りは計画しておりませんが、家庭と学校をつないだオンラインでの授業参加を実施することで、学校へ通うことができない子供たちへの学習支援は今後可能であると考えております。
今後は、授業におけるテレビ会議システム等の研究を進め、多様な子供たちを誰一人取り残すことのないよう努めてまいりますので、御理解賜りますようお願いいたします。
続きまして、議員御質問の小学校35人学級について、田辺市の現状についてお答えいたします。
今回の小学校35人学級の導入は、今後5年間をかけて公立小学校の学級編制を1クラス35人にしていくものです。現在の学級編制基準では、小学1年生は1クラス35人学級であり、2年生から6年生は1クラス40人学級となっております。令和3年度の小学2年生の総数の予定は502名であります。そのうち1クラス35人学級になることで影響を受ける学校は2校2学級でございます。その後、令和4年度には小学3年生以下の学年が1クラス35人学級になり、5年後の令和7年度には小学校全学年において1クラス35人学級になります。
現時点での見込みですが、小学校全ての学年が1クラス35人学級になる令和7年度の状態と現在の状態とを比較すると、令和7年度では8クラス増加することになります。クラス数が増加することで1クラス当たりの児童数が減るため、一人一人のニーズに応じたきめ細かな指導や学びが可能になると期待をしております。
また、学級数が増加することによる教室の数への影響ですが、現時点で最も影響を受ける学校においても2クラスのみの増加と推測され、教室の確保においては問題がないと考えております。
以上です。
(教育長 佐武正章君 降壇)
○議長(副議長 陸平輝昭君) 教育次長、宮﨑和人君。
(教育次長 宮﨑和人君 登壇)
○教育次長(宮﨑和人君) 議員御質問の就学援助の充実についてお答えをいたします。
まず、就学援助を必要とする児童生徒がコロナ禍の影響により増加したかについてお答えをいたします。
令和元年度の就学援助費受給者は、小学校が609名、準要保護が592名、要保護が17名、中学校が344名、準要保護が334名、要保護が10名であるのに対し、令和2年度の就学援助費受給者は、小学校が605名、準要保護587名、要保護18名、中学校が344名、準要保護339名、要保護5名となっており、令和元年度の受給者数とほぼ変わりありません。
通常、就学援助の審査は前年度の所得で判定していますが、令和2年度は、新型コロナウイルス感染症の影響により、家計が急変した世帯に対して、前年の所得だけではなく、直近の収入状況を加味して審査を実施いたしました。その結果、新型コロナウイルス感染症の影響によると思われるものとして22世帯、38名からの申請があり、全てが認定となっております。なお、認定者22世帯、38名への支給額は合計250万円となっております。
続きまして、新入学児童生徒学用品費等、いわゆる新入学準備金の小学校入学前支給についてお答えをいたします。
就学援助制度は、教育の機会均等を保障するため、経済的に困窮している世帯に学校教育で必要な経費の一部を支給する制度でございまして、学用品費をはじめ修学旅行費や新入学準備金、給食費などを対象世帯に支給しております。
このうち、新入学準備金につきましては、小学校または中学校に入学する際に必要なランドセルや制服、体操服などを購入するための費用として、小学校1年生と中学校1年生の保護者を対象に支給しております。
また、就学援助の認定に際しましては、入学後、保護者からの申請と学校長の意見書を各学校で取りまとめた上で、教育委員会において審査・認定を行うことになります。
このうち中学校新1年生につきましては、できるだけ早く認定及び支給ができるよう、各小学校に協力をいただき、認定作業が円滑に進むよう事前の準備を行うなどの対応により、平成30年度の新入学生から入学前に支給を行っております。
一方、小学校新1年生につきましては、入学前に各小学校で申請準備をすることが難しいということもあり、入学後に各小学校において保護者からの申請を取りまとめることになるため、認定及び支給につきましては、どうしても4月以降ということになります。
しかしながら、新入学準備金の目的や性質を考えたとき、入学前に支給するのが保護者にとってもよりよい形であると考えますので、入学前支給を行っている他市町村の状況などを参考にしながら、早い段階での制度の周知や申請の受付など、よりよい方法を検討してまいりたいと考えておりますので、御理解賜りますようお願いいたします。
(教育次長 宮﨑和人君 降壇)
○議長(副議長 陸平輝昭君) 佐井昭子君。
(19番 佐井昭子君 登壇)
○19番(佐井昭子君) 御答弁ありがとうございました。教育環境整備ということで、何年も前に教室の木質化を提案させていただいたことがございました。今、森林環境譲与税が創設され、教室の木質化が実現されつつあることを大変うれしく思っております。子供たちが落ち着いて、心豊かに学校生活を過ごせることを願っております。
ICTを活用した学習では、学力の向上、また興味関心が深められたというようなよい結果が出ているようで大変うれしく思います。GIGAスクール構想、35人学級の実現により、多様な子供たちが誰一人取り残されることなく、資質、能力が確実に育成される環境がより整うことを心から歓迎いたしたいと思います。
現場の先生方にはしばらく御負担が増えるかもしれませんが、効率的な授業運営を行うことで時間的な余裕が生まれ、子供たち一人一人としっかり向き合って、主体的で対話的な深い学びが実現されることを期待しております。
また、学校に通えない子供たちがオンラインで授業を受けられ、先生や友達とつながれることは大きな意味があることだと思います。できるだけ早く実現されることを要望したいと思います。
また、就学援助の入学準備金も小学校入学前に支給できるように前向きな御検討をしていただき、早期に実現をしていただけますよう強く要望いたしたいと思います。
以上で私の一般質問は終わらせていただきます。御清聴ありがとうございました。
(19番 佐井昭子君 降壇)
○議長(副議長 陸平輝昭君) 以上で、19番、佐井昭子君の一般質問は終了いたしました。
休 憩
○議長(副議長 陸平輝昭君) この場合、午後1時45分まで休憩いたします。
再開の際は、議案書2を御持参ください。
(午後 1時33分)
――
―――――――――――――――――
再 開
○議長(
安達克典君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
(午後 1時45分)
○議長(
安達克典君) 続いて、5番、川﨑五一君の登壇を許可いたします。
(5番 川﨑五一君 登壇)
○5番(川﨑五一君) こんにちは。
日本共産党、5番、川﨑五一です。
通告に従いまして一般質問を行います。
新年度予算大綱について。
議会初日の2月26日に市長が表明した新年度予算編成方針に対して質問を行います。資料をお配りしておりますので、先日の議会で使われたものですが、これを御参照ください。まず、個別の項目について質問を行い、その上で全体的な論評を行うという形でさせていただきたいと思います。項目が多いので、簡潔で明快な答弁をお願いします。
まず1点目、書かれている項目について。
ア、一体感とともに確かな形ということで、はじめにのところで、田辺らしいまちの基盤は、市民の皆様の一体感とともに確かな形となってきたとありますが、どのような事実をもって一体感が形成されてきていると認識しているのか教えてください。
(5番 川﨑五一君 降壇)
○議長(
安達克典君) 5番、川﨑五一君の質問に対する当局の答弁を求めます。
企画部長、早田 斉君。
(企画部長 早田 斉君 登壇)
○企画部長(早田 斉君) 議員の御質問にお答えします。
市町村合併により五つの個性を持ったまちが一つとなり、広大な市域を有することとなった本市にとりまして、まちづくりを進めていく上で、まずは一体感の醸成が必要であり、そのことを念頭に置いて各種事業に取り組んでまいりました。
そして、これまでの取組において、一体感を示す一例を申し上げますと、平成23年の台風12号災害により被災した地域の復旧復興に市民が一体となり取り組んだことは、一つのまちとして共に助け合うことができた象徴的な出来事であったと思います。
また、合併10周年を機に定めたキャッチフレーズ「未来へつながる道。田辺市」については、市民の皆様の投票により決定したものであり、一つのまちとして次の10年に踏み出すための大きなきっかけになったと考えております。
ほかにも、田辺市熊野ツーリズムビューローによる官民共同での観光プロモーションも一体感が具体的な形になった好事例であると思いますし、たなべ未来創造塾では、その卒業生の多くが起業・創業を果たすとともに、お互いに助け合い、連携しながらさらに新しい事業に発展させていくといった事例も生まれてきており、その流れは市全体にも広がりを見せてきております。
合併後、こうした取組ができたこと、そして、新たに芽生えてきていることが一体感を示す特徴的な事例であると考えております。
(企画部長 早田 斉君 降壇)
○議長(
安達克典君) 川﨑五一君。
(5番 川﨑五一君 登壇)
○5番(川﨑五一君) 続いて聞きますが、この資料の下段のほうにあります、希望ある市の将来像についてということでお聞きしますが、誰にとって希望があるのか。この主語は市民なのか。そうならばどんな将来像に市民は希望を抱くと考えていらっしゃるのか、お聞かせください。
(5番 川﨑五一君 降壇)
○議長(
安達克典君) 企画部長。
(企画部長 早田 斉君 登壇)
○企画部長(早田 斉君) 議員御質問にお答えします。
誰にとって希望があるのかということでございますけれども、施策と予算の大綱にお示ししているとおり、市民の皆様にとっての希望であります。
また、どのような将来像に市民は希望を抱くと考えているかということにつきましては、第2次田辺市総合計画において、人と地域が輝き、未来へつながるまち田辺をまちの将来像としておりますが、これは、総合計画審議会で市民の皆様とともにつくり上げてきたものであり、市民の皆様とともに示していくべきものと考えております。
(企画部長 早田 斉君 降壇)
○議長(
安達克典君) 川﨑五一君。
(5番 川﨑五一君 登壇)
○5番(川﨑五一君) では、ウについてです。地域医療の提供についてということで、資料の6ページになりますが、下段のほうに、安心の項で、診療所を中心に地域医療を提供してまいりますというふうな記述となっています。現在、旧市内には4か所の国保診療所、本宮、龍神、大塔に6か所の公営診療所があります。公設民営では中辺路に3診療所、1歯科診療所、そして、龍神・本宮にそれぞれ1歯科診療所があります。これらの診療所の医師が廃業した場合に、後継医師の確保に行政は責任を持って対応するという考えがあるのかどうか。高齢化も進んでおられるようですので、その辺の考えについてお聞かせください。
(5番 川﨑五一君 降壇)
○議長(
安達克典君)
保健福祉部長、虎伏 務君。
(
保健福祉部長 虎伏 務君 登壇)
○
保健福祉部長(虎伏 務君) 議員の御質問にお答えします。
全国的に医師の都市部への偏在と診療科間の偏在があり、医師の確保が困難な状況であります。各自治体では限界があり、国における抜本的な医師確保対策を国に要望しているところであります。
さて、市営診療所及び公設民営診療所につきましては、医師の高齢化が進んでおり、現在の医師が退任しますと後任の医師の確保は困難な状況であると考えております。特に、市が施設を設置し、その運営を医師本人が行う公設民営診療所については、合併時と比較して各行政局管内の人口が約3割減少している現状を踏まえ、採算が取れない場合は後任の医師の確保が非常に困難になることが考えられます。
しかしながら、地域の中心的医療機関としての各診療所の役割は重要でありますので、市としましては、後継医師の確保に努めるとともに、医師の確保が困難な場合でも公立病院や地域の診療所等との協力体制の構築や、ほかの医療機関への通院手段の確保など、既存診療所の医師の方々の意見や地域の診療状況を見ながら、地域住民が医療を受ける機会を確保してまいりたいと考えております。
(
保健福祉部長 虎伏 務君 降壇)
○議長(
安達克典君) 川﨑五一君。
(5番 川﨑五一君 登壇)
○5番(川﨑五一君) 合併前の中辺路町においても、この診療所の医師がいなくなったときに、当時の真砂町長が懸命になって医師確保に奔走された、私も情報提供を行ったという記憶があります。
合併して市となっても医療需要は変わりませんし、周辺部では開業医の参入は少ない、今おっしゃられたとおりです。行政が責任を持って医療供給体制の維持・確保をされるようにお願い申し上げます。
エについてです。地域コミュニティー力の低下についてということで、8ページの中段に地域コミュニティー力の低下が懸念される中、住民が主体となり様々な地域課題の解決に取り組む新しい仕組みを考えるとともに、中略しますが、町内会館などの新築及び改修を支援と書いています。行政が支援するのは、仕組みを考えるということとハード整備事業だけのように受け取れるわけですが、あくまで住民の自助努力を求めていくのでしょうか、お聞かせください。
(5番 川﨑五一君 降壇)
○議長(
安達克典君) 企画部長。
(企画部長 早田 斉君 登壇)
○企画部長(早田 斉君) 議員の御質問にお答えします。
近年の人口減少や少子高齢化、家族形態の変容や
ライフスタイルの変化などにより、町内会、自治会といった自治組織への加入率が低下し、地域の祭りなどの伝統行事、草刈りや小溝清掃など共同作業の存続が困難になるなど、地域コミュニティー力の低下が懸念されております。
今後さらに人口減少、少子高齢化の進行が予想される中、防災、生活の安全、福祉など、地域によって異なる諸課題を把握し、実情に即した解決を図るためには住民主体のまちづくりが必要となり、地域と行政が連携、協力しながらおのおのの地域課題に対処する必要があると考えております。
現在、地域の課題をビジネスの観点から解決していくたなべ未来創造塾や、生涯学習の観点で市民カレッジプラスにおいて、地域づくりの担い手や支え手の育成を地域とともに取り組んでいるところです。
また、住民が主体となり地域課題を解決するための新しい仕組みづくりについても、地域と行政が共に検討し、構築していくことが必要であると考えており、現在、調査研究を行っているところです。
なお、先進地の取組事例では、地域に対して一定の支援を行っているところもあり、そうしたことも含めて、併せて今後研究してまいりたいと考えております。
(企画部長 早田 斉君 降壇)
○議長(安達克典君) 川﨑五一君。
(5番 川﨑五一君 登壇)
○5番(川﨑五一君) 住民が主体ということと住民が主役ということを若干混同されているような気がするのですが、今おっしゃられたように共同作業すら成り立たないと、祭りも維持できないと、こういう状況にある中で、住民は主体では動かくなっているというのが現状ではないかと、集落機能が低下していると。ですから、そういうところでいうと、自助ではなくてやはり公助が必要だというふうに考えてますから、この表現でいくと、やはりコミュニティー力低下に対する公助の言葉、言及はありません。これが明確な市の方針であり、私はこれを見て自助を強調する菅首相と同じスタンスだなというふうに感じました。
2項目め。今度は書かれていない項目についてお聞かせいただきたいと思います。
まず、アの安全・安心の項に係るかと思いますが、地震、防災についてです。
2018年の2月9日、3年前ですが、政府の地震調査研究推進本部が南海トラフ地震の今後30年以内の発生確率を70%から80%に引き上げました。10年以内の発生確率は30%と言われています。ということは、これから4年の間に発生するかもしれませんし、明日かもしれない。10年前のようにこの質問中に起こるかもしれません。津波避難タワーでとりあえず助かる命は増えたかもしれません。しかし、文里湾横断道路に多額の税金を使うよりも先にすべきことがあるのではないかと考えます。もし、新年度で大地震が発生した場合に住居を失う市民の生活をどう守るのか。災害応急仮設住宅建設用地の確保はどうするのか、そのお考えについてお聞かせください。
(5番 川﨑五一君 降壇)
○議長(
安達克典君) 建設部長、栗山卓也君。
(建設部長 栗山卓也君 登壇)
○建設部長(栗山卓也君) 議員の御質問にお答えします。
仮設住宅建設用地については、必要面積が確保できていない状況ですが、廃校敷地及び民間所有の空き地の活用や防災公園等など視野に入れながら、検討を進めているところでございます。そういった中で今年度から田辺市大規模災害復旧・復興検討委員会において計画を予定している大規模災害に対する事前復興計画の中で、さらに検討を進めてまいります。
また、仮設住宅建設につきましても、災害発生後、災害救助法に基づき迅速に建設できるよう、準備していきたいと思っていますので、よろしくお願いします。
(建設部長 栗山卓也君 降壇)
○議長(
安達克典君) 川﨑五一君。
(5番 川﨑五一君 登壇)
○5番(川﨑五一君) 防災公園も視野に入れるという御答弁がありましたが、一時避難の確保だけでは多くの震災関連死を招くことは経験から明らかだと思います。せっかく命からがら逃げ延びた市民を劣悪な避難所で何年も生活させることになると、現状のままではということだということを確認しておきたいと思います。
イの快適という項でお聞かせください。
7ページのところの快適で、様々、道路の利便性や安全性の向上を図るため、道路やトンネル、橋梁ですね、橋の改修、文里湾横断道路などを整備すると。ハード整備についての言及はありますが、移動手段については一切ここでは触れられていません。午前中の前田議員の質問でも取り上げられた切実な住民要求であるのに、これについての言及はありません。公共交通網形成計画をせっかくつくったのですが、これについてはいつ具体化されるのかお聞かせください。
(5番 川﨑五一君 降壇)
○議長(
安達克典君) 企画部長。
(企画部長 早田 斉君 登壇)
○企画部長(早田 斉君) 議員の御質問にお答えします。
交通施策に関しましては、先日、私の補足説明にて具体的に実施する事業を説明させていただいておりますが、令和3年度は、これまでどおり住民バスと地方バス路線運行維持対策費補助金を中心にして、移動手段の維持・確保に努めてまいることとしております。
また、田辺市地域公共交通網形成計画につきましては、地域住民・交通事業者・行政が一体となって、利用しやすく、かつ効率的、効果的な地域公共交通網を構築することを目的として、令和2年度から令和6年度までの5年間を計画期間としております。
なお、この計画では、PDCAサイクルに基づき検証・見直しを行うとともに、社会・経済情勢や市民の価値観等の変化に柔軟に対応するため、地域住民を交えて、その勉強会や意見交換会、ワークショップ等を定期的に開催し、可能なことから実施していくこととしております。
(企画部長 早田 斉君 降壇)
○議長(
安達克典君) 川﨑五一君。
(5番 川﨑五一君 登壇)
○5番(川﨑五一君) 今、説明ありましたが、こういったことが具体的に進むということこそが希望ある将来像だと、こういうことをやはり発信していただきたいなというふうに思いました。
公共交通の問題を取り上げてほしいというお手紙を先日頂きました。最後の議会に当たって様々なお手紙、この16年間、様々なこういう、皆様から、これは一部ですが、お便りですとかはがき、匿名のものがほとんどですが、皆様から情報を寄せていただいたり、期待や応援の言葉をかけていただいたりしました。また、市議団で取り組むアンケートにも多くの皆様に御協力をいただきました。なかなかこうした皆様の全ての願いに応えられなかった、乗合タクシーも何とかこの4年間で少しでも、端緒にでもつきたいと思いましたが、なかなかそこを果たせなかったことは非常に無念ですが、今後は私の後継として頑張ってくれる正垣泰比古さんに託していきたいと私自身は考えています。
では、ウの項についてお聞かせいただきたいと思います。
人についてということで様々書かれてるのですが、今大変、非常に大きな市の重要課題というのは、この間、失墜した信頼回復の問題ではないかと考えているのですが、信頼回復に関する言及が全くありません。これまで幾度となく繰り返されてきた職員不祥事根絶の取組については、どのようにお考えかお聞かせください。
(5番 川﨑五一君 降壇)
○議長(
安達克典君) 総務部長、松川靖弘君。
(総務部長 松川靖弘君 登壇)
○総務部長(松川靖弘君) 議員の御質問にお答えいたします。
市では、平成19年4月に地方公務員法第39条第3項の規定に基づく田辺市人材育成基本方針を定め、職員の意識改革や資質の向上等に努めてまいりました。
その後、地方分権の進展や地方創生への取組、また、社会経済情勢の変化等により、公務員を取り巻く状況も大きく変化してきたことを背景に、平成29年3月、この基本方針を改訂いたしております。
現在、第2次となる基本方針に従い、第1次の方針で位置づけた職場外研修に加え、人事評価制度やジョブローテーションといったツール、仕組みを講じながら、職員自身の職場を最も身近な人材育成の場であると捉え、職場の活性化や情報の共有化を図ることを目的とした職場研修や、そして、市政全般に係る政策形成や事務事業の改善、合理化に取り組む職員の意欲を高めることを目的とした職員提案制度を実施し、職員一人一人がこれまで以上に厳しい倫理観と高い使命感を持ちながらも、多様化した市民のニーズへの柔軟な対応能力と、前例にとらわれない発想力や行動力を涵養する取組を行っているところでございます。
しかしながら、そうした取組の中で不適正な事案等が発生したことを鑑みますと、市といたしましては、改めて職員一人一人が法令等にのっとり、公益性や公平性を担保しつつも、厳正かつ的確に業務を遂行しなければならない立場にあることを深く認識しなければならないことが最も重要であって、職員としての人材を育成する上で根幹をなすものであると考えており、ひいてはそうした職員を育成することが市民の皆様の市政に対する信頼回復への第一歩であると認識しているところでございます。
第2次人材育成基本方針の改訂から4年、また、人事評価制度の運用開始から5年が経過しようとしていることや、今お答えをいたしました市の現状を踏まえ、来年度中に職員研修の在り方を含めた人材育成基本方針及び人事評価制度などについて、常に変化している社会経済情勢も見据えた見直しに着手することといたしております。
以上でございます。
(総務部長 松川靖弘君 降壇)
○議長(
安達克典君) 川﨑五一君。
(5番 川﨑五一君 登壇)
○5番(川﨑五一君) 従来の人材育成の方法について御答弁いただいたのだと思うのですが、こうした報告を出されるたびに不正のトライアングルのことについて、当局自身が御答弁されたと思います。不正をする本人の動機があって、なおかつそれを合理化するというようなものがあって、そこにチャンスがあると、機会があるということで、今言われたのは、合理化しないようにするというところへの働きかけだと思うのですが。やはりシステムの見直し、これは人の問題ではないかもしれませんが、人は弱い者であるという前提からそうしたシステムを見直すことが必要ではないかなとは思うのですが、やはりそういったところを着手しない限りは、私はやはり根絶は難しいのではないかというふうに思います。
大項目の2番目、合併16年の市政運営についてお聞かせいただきたいと思います。
5期目の市政運営を担当しようということで、市長が出馬表明をされてますから、これまでの16年間を検証したいと。市長との関係でいいますと、中辺路町議会の頃から20年わたってになりますが、とりあえずこの16年間ということでいろいろ検証したいなと考えてます。
市長自身は、評価は自ら行うものではないというふうにいつもおっしゃっています。しかし、自省的に振り返らなければ現状から前には進まないと私は考えています。次期市長が誰になろうとも16年間をきちんと検証することは有意義で必要なことだという思いから聞かせていただきたいと思います。
まず、1項目めです。最も大切にしてきたことは何かということです。市政運営に取り組む上で最優先にしてきたこと。最も大切に考えてきたことは何かお聞かせください。
(5番 川﨑五一君 降壇)
○議長(
安達克典君) 市長、真砂充敏君。
(市長 真砂充敏君 登壇)
○市長(真砂充敏君) 議員の御質問にお答えいたします。
去る12月議会において申し述べさせていただきましたこととも重複いたしますが、私は、就任当初から、合併してよかった、田辺市に住んでよかったと思っていただけるよう市民の皆様にお応えしていくことが最も重要であり、合併協議に携わった者としての責務であると考え、市政運営に取り組んでまいりました。
最初の10年間は、市町村建設計画と第1次田辺市総合計画において定めたまちの将来像、自然と歴史を生かした新地方都市田辺を目指し、合併後のまちづくりの骨格づくりを進め、その後は、第2次田辺市総合計画のまちの将来像である、人と地域が輝き、未来へつながるまち田辺の実現に向けて、合併の成果に立脚して、未来に向けたまちづくりの基盤づくりを進めてまいりました。
また、広大な市域であるからこそ、新市における一体感の醸成を図ることに重点を置き、まちづくり報告会や各種懇談会、未来ポスト等を通じて、きめ細やかな情報共有を行うとともに、でき得る限り市民の皆様の声を市政に反映させるよう取り組んでまいりました。
こうした取組につきましては、合併直後から掲げ、現在も継承しているまちづくりの理念、一人ひとりが大切にされ、幸せを実感できるまちづくりに基づくものであり、この理念は今後も引き継いでいくべき大切な、そして普遍的なものであると考えております。
(市長 真砂充敏君 降壇)
○議長(
安達克典君) 川﨑五一君。
(5番 川﨑五一君 登壇)
○5番(川﨑五一君) 一人一人が大切にされということで、非常に重要な命題だと思います。中辺路町のときの町のスローガンが、一人一人の顔が見えるまちづくりだったかと思いますが、それを継承された部分が恐らくあるのではないかなというふうに思います。
その中で具体的にお聞かせいただきたいのですが、市民に伝えてきたメッセージの認識についてということで、アとイは対にはなりますが、アの言語的メッセージというのについてまず聞かせていただきたい。
様々なコピーをつくって、発信してこられましたが、その時々で何を伝えようとしたのか。具体的には、今おっしゃった未来へつながるというのもそうですが、言語的なメッセージで何を伝えたくてこういうメッセージをつくってきたと。それについてお聞かせください。
(5番 川﨑五一君 降壇)
○議長(
安達克典君) 企画部長。
(企画部長 早田 斉君 登壇)
○企画部長(早田 斉君) 議員の御質問にお答えします。
合併16年間の市政運営において様々な計画を策定してまいりましたが、中でも市政運営の基本方針である総合計画において、まちづくりの理念、一人ひとりが大切にされ、幸せを実感できるまちづくりと、まちの将来像、人と地域が輝き、未来へつながるまち田辺を掲げ、市民の皆様に発信してまいりました。
まちづくりの理念とまちの将来像の考え方につきましては、総合計画に記載しているとおりでございますが、どちらも私たちの先人が育んできた歴史や文化、伝統、築き上げてきたまちの姿や田辺らしさを一人一人が大切にし、この地域が持つ多様な特性を生かしながら、本市を発展させ、そして、未来へつながる持続可能なまちづくりを共に進めてまいりたいという思いが込められています。
このような思いを市民の皆様と共有し、まちの将来像の実現に向けて、共に歩みを進めていくため、総合計画(概要版)の全戸配布、まちづくり報告会、まちづくり学び合い講座等の機会を通じて市民の皆様に説明してまいりました。そうした中で一定の共有ができているものと認識しております。
また、本市のキャッチフレーズ「未来へつながる道。田辺市」につきましては、合併10周年を機に本市の価値やイメージを高め、市民の皆様とともにまちづくりを進めるためのシンボルとして市民投票を経て決定したもので、道をキーワードに市が歩んできた合併の経過や現状を踏まえながら、次なる10年に向けた思いやメッセージを込めたものであります。
このキャッチフレーズに込められた、自分らしく生きる道、次なる10年に向けて世界へと切り開いていく道というメッセージにつきましても、総合計画の理念やまちの将来像に相通ずるものと考えており、合併10周年記念事業をはじめ、市のホームページや市が制作するチラシや封筒、各種計画書などで積極的に発信してまいりましたことから、一定の認知をいただいているものと考えております。
(企画部長 早田 斉君 降壇)
○議長(
安達克典君) 川﨑五一君。
(5番 川﨑五一君 登壇)
○5番(川﨑五一君) 時々でいろんなキャッチコピーをつくられてきました。歓び交わると書いて観交というような言葉を言われた時期もありましたし、数年にわたって産業力の強化ということをずっと施政方針で言われたこともありました。それが市民にちゃんと伝わってきたのかどうかということは、今お聞きしましたが、もう一つのほうの、では、非言語的メッセージについてお聞かせいただきたいと思います。
そうしたキャッチコピーと同様に行政からは様々なメッセージが送られています。この間の施策や行政でどのような思いを伝えたのか。また、どう伝わったと認識しているかということです。連続した職員の不祥事等で市民に田辺市とはどんな行政だというふうな印象を抱かれたと認識しているのかお聞かせください。
(5番 川﨑五一君 降壇)
○議長(
安達克典君) 企画部長。
(企画部長 早田 斉君 登壇)
○企画部長(早田 斉君) 議員の御質問にお答えします。
先ほど答弁させていただきましたまちづくりの理念やまちの将来像だけでなく、具体的な施策や取組につきましても、毎年、新年度予算を御審議いただくタイミングで取りまとめをしております施策と予算の大綱の中でお示ししてまいりました。厳しい財政状況など様々な制約もある中で、総合計画に掲げたまちの将来像の実現に向けて、最大限の予算措置を図ってきたところでございます。
ときには苦しい判断をしなければならないこともございましたが、市民の皆様の御意見や思い、また、議員の皆様からの御意見・御提案をいただく中で、研究や議論を積み重ね、実現に至った施策もございます。
様々なお考えがあるかと思いますけれども、合併16年間において取り組んできたことにつきましては、一定の御理解をいただいているものと認識しております。
(企画部長 早田 斉君 降壇)
○議長(
安達克典君) 川﨑五一君。
(5番 川﨑五一君 登壇)
○5番(川﨑五一君) 一定の御理解、一定というのが何%かということは分かりませんが、そのことはそうなのですが、私が聞いたのは、こうしたマイナス面ですよね。行政が行ってきた、非常に、市の幹部が並んで頭を下げてきたと、こういうことが市民にどんなメッセージを発したと認識されていますかとお聞きしたのですが、それについては御答弁はいただけるでしょうか。
(5番 川﨑五一君 降壇)
○議長(
安達克典君) 総務部長。
(総務部長 松川靖弘君 登壇)
○総務部長(松川靖弘君) 議員の御質問にお答えをいたします。
これまでの不適正な事案等につきましては、市民の皆様に不信感を与え、市政の信頼を失墜させたことにつきましては認識をしてございます。そうしたことも含めまして、この16年間の市政運営については、一定の御理解をいただけるものと認識をしているところでございます。
(総務部長 松川靖弘君 降壇)
○議長(
安達克典君) 川﨑五一君。
(5番 川﨑五一君 登壇)
○5番(川﨑五一君) この言語的メッセージと非言語的メッセージということをお聞きしたのは、言葉で伝えることよりも、やっぱりこういう行動のほうが伝わるというのを私は実感するからお聞きしました。先ほどの公共交通の問題で言えば、乗合タクシーへの実現の陳情が中辺路の乗合タクシーを求める会から市長に対して行われて、そのときに市長、実情は分かるというふうに懇談で御答弁されました。しかしその後、そういった進展はしなかったと。実情は分かってくれると言ったのは言語的メッセージですが、それについて何ら進まなかったというのは非言語的メッセージとして伝わっているのではないかと思います。
先ほど五つの市町村がくっついてということで、合併当初に議長の後ろの上に飾られている市章、五つの星になぞらえて、それぞれが輝くのだというような言葉も言われました。
しかし、実際のところ町村部はどうだったか。行政局費は、職員減により合併時に比べて約2億円の減。それで教育事務所費も1,500万円の減、合わせて2億3,000万円の減少となっています。行政に求められているのは美しい言葉ではなく、温かい施策であり、行動で伝わるメッセージを送ることだというふうに考えております。そういう意味からこの点について聞かせていただきました。
では、そうしたものを踏まえて、未来へつながる道ということですから、未来へつながるために、田辺市の未来像についてお聞かせいただきたいと思います。
田辺市の明るい未来のためには、私は、住民が主人公となる、先ほどの住民が主体というよりも主人公となるまちづくりが必要不可欠だと考えています。そして、民主主義がまちづくりの根本、民主主義のシステムが大切だということで、それに関わってお聞きします。
4年前の3月議会の最終日直前に市庁舎東山への移転ということで市長が決めたということで発表されたのですが、この発表について、議会が議決によって認めたのはいつでしょうか。
(5番 川﨑五一君 降壇)
○議長(
安達克典君) 総務部長。
(総務部長 松川靖弘君 登壇)
○総務部長(松川靖弘君) 議員の御質問にお答えをいたします。
新庁舎整備事業につきましては、平成29年3月に最適な移転先として、オークワオーシティ田辺店のある東山を候補地としたことを公表し、同年8月にはオークワ社と新庁舎整備事業に係る基本協定の締結に至りました。その後の9月議会におきまして、東山を整備計画地として、田辺市にふさわしい庁舎コンセプトを定め、備えるべき機能等について整理し、基本設計の条件となる庁舎の規模、配置、土地利用、事業計画等を取りまとめる基本計画策定等の予算をお認めいただきましたのが最初の議決でございます。
なお、基本計画につきましては、平成30年8月に策定し、同年9月議会におきまして、田辺市役所の位置に関する条例に定める市役所の位置を東山1丁目に改正する議案を提出をさせていただき、出席議員の3分の2以上の特別多数議決により、法的に東山に移転することが決定したものでございます。
(総務部長 松川靖弘君 降壇)
○議長(
安達克典君) 川﨑五一君。
(5番 川﨑五一君 登壇)
○5番(川﨑五一君) 今、御答弁あったように、平成29年の9月議会の補正予算、基本計画の策定委託料の中で東山を前提とした、この議決をしたと。市長がこの公表をしたというのが3月でしたから、当然、3月といってももう一般質問も審査も終わった、本当に最終日直前でした。ですから、当然前の任期では、東山について議会として議論をしたという経過はありませんでした。候補地選定のプロセスも含めて、東山を移転候補地として議決したのは、この4年間の任期です。市の候補地選定にも、民主主義の観点から問題はあると考えますが、私は議会にも問題があると考えています。今期当選された1期目の議員が、自分が議員になったときには既に議論が進み、決まっていたというような答弁を市民に説明をされている方がありますが、これは事実に反するだろうと。
民主主義を成立させるためには、施政者である市長が主権者である市民の意見表明を保障することと、議会、すなわち議員が与えられた判断を適切に行うという本来の機能を発揮する必要があると。民主主義が機能しない自治体には明るい未来はないと考えています。
それを前提に、次に、未来の問題として、市長は先日の新聞で、市長の弁として、ハード事業からソフト事業へ今後は移っていく。大型事業が一段落、転換期やと書かれてましたが、これら整備したハードをどのように活用していこうという計画なのかお聞かせください。
(5番 川﨑五一君 降壇)
○議長(
安達克典君) 企画部長。
(企画部長 早田 斉君 登壇)
○企画部長(早田 斉君) 議員の御質問にお答えします。
施設整備につきましては、まちの将来像やその分野の課題を解決するために行ってきたものでございまして、整備に際しては、基本構想や基本計画を定め、完成後の利活用を十分考えて実施しております。
完成した施設につきましては、施設の設置目的に資するためのソフト事業を実施することはもちろん、他の施設や施策との連携により相乗効果を狙った取組なども柔軟に展開していくことで、施設整備の効果をより高めてまいりたいと考えております。
(企画部長 早田 斉君 降壇)
○議長(
安達克典君) 川﨑五一君。
(5番 川﨑五一君 登壇)
○5番(川﨑五一君) 課題解決のために整備をしていったと。それで、利活用を考えてと今言われたのですが、利活用というのは、例えば、学校が廃校になったと、これの利活用をするというふうには使うのですけど、何かの課題解決のためにつくったときに、利活用も考えているとは言わないのですよね。そのためにつくっているのですから、活用を目的につくっているのであって、ちょっとその辺が既に本音の部分かなというふうな感じがするのですが、本来的には、まちづくりのイメージが先にあって、それに必要な施設を整備するというのが当然のことです。しかし、そう思えない事業がこの間続いています。
鬪鶏神社前のポケットパークについては、どのような活用を想定して建設したのだろうかと。実際につくってから、こんなこともできます、こんなこともできますと産業建設委員会で議論しましたが、実際、今の現状として本当に必要不可欠な施設整備だったのかということは非常に大きな疑問です。駅前のtanabe en+(たなべ えんプラス)についても、建設が決まってから内容が固まってきたというような状況ではなかったでしょうか。
有利な補助事業だから活用して箱物を造る、活用方法は建設してから利活用を考えるいうのが市の現状ではないかと。実際に私も複数の職員から、こういうことを言いますとまた犯人捜しされると困りますが、理由が後づけだと。こんな事業をすると、自分たちが積み上げた事業が実現されないのに、有利な補助事業があるとそれがつくられて、その理由を一生懸命考えなければならない。これでは職員のやる気は出てこないのではないかと思います。武道館にしても、せっかくの弓道場の活用を考えれば、弓道場の近くに建設するのが合理的ではなかったのかと。
この間の真砂市政は、時として不合理な行政を行ってきたと私は感じています。何だかおかしいなと思われるときには、表向きの理由以外の事情があるのではないかと思わず勘ぐってしまう。今回の庁舎移転も同じ構図でした。多くの市民が候補地選定のプロセスや候補地そのものに対して疑念を抱いている。その一方で、特定の業者が利益を享受するという構図。そうした市政を卒業しなければ田辺市の未来は非常に暗いものになると考えています。
人権感覚の欠如についても若干お話をさせていただきたいと思います。
この16年間、合併以来、共産党市議団が質問や委員会で要望してきた課題、様々ありました。多くのことが当局の協力によって実現しました。乳幼児医療費助成対象年齢の拡大、就学援助入学準備金の年度内支給、これは先ほどの質問でもありましたが、中学校がとりあえず実現しました。学校へのクーラー設置、国の方向性もありましたが、当初は子供たちの健康面を考えるとクーラーの必要性そのものを検討するというような答弁もありましたが、これについても順次実現してきたと。市によるSNSの活用、これについても否定的でしたが、今は公式LINEもつくるというところまで進んできました。学校トイレの洋式化、道路維持作業員の拡充など多くの項目が実現されてきました。それは、多くの市民の願いであり、合理的な要求でありましたし、当局の努力によって市民のために実現されてきたものだと考えています。
しかし、答弁では、否定的であったり、できない理由を羅列したり、消極的な姿勢を示してきました。非常に誠実さがないなというふうにいつも感じてきました。それどころか、裏で元幹部から、共産党の言うことはすぐにはやらないというようなことをあからさまに言われたこともあります。非常に人権をじゅうりんする感覚だと感じました。
予算大綱で市長が言われる人権尊重の精神が脈打つようというような行政とは非常にほど遠い。そして、この共産党に対する反共思想は、市長だけではなく議会にも厳然として存在します。1期目の議員で副委員長職に就いていないのは共産党の前田議員のみ、委員長職についても久保議員が委員長に就任したのは今期4期目、総務も産建も2期目の議員がされています。人物評価があるというのか知りませんが、市民の代表である議員からこうした人権感覚を見直す必要があると私は考えています。
危機管理能力について言及させていただきます。
繰り返す不祥事の問題です。城山台給食センターに納入されている食肉の産地が偽装されていた事実が発覚したのが今から12年前です。このときも、不正の調査を申し入れた私たちに対して、職員が、共産党よりも業者を信じているという信じられない発言をしました。この頃から市の人権意識は異常だったといえます。その4年後に森づくり補助金の不正が発覚し、市の甘い審査体制が明らかになりました。7年前の2014年には、職員による生活保護費の横領、詐取が発覚。このときにも私たちは全庁規模の徹底的な点検と業務の見直しを提起しましたが実行されませんでした。その後も、今も問題となっている漁協の補助金の問題、外部団体会計と不祥事が連続して発覚しています。先ほどの新聞で、囲みの中で、市長が年頭の仕事始めの式で、今年のキーワードに再びという再を掲げたと書いていますが、私はこれはまた不祥事の再発になってしまうのではないかと、そういう危機感を抱いています。
こうした不正、今申し上げたような漁協の問題その他は、いずれも生活保護費の事件当時から継続して行われてきていたものです。もうないはずという甘い思い込みが根絶できない原因だと。これについて危機管理能力がないと、まず1点目指摘しておきます。
2点目は、震災が確実に迫っているのに備えないというその姿勢です。市長は以前、備えてなお憂うというふうに言っていました。しかし、現状として備えていると言えるでしょうか。先ほども言いましたが、文里湾横断道路や避難タワーというのは一時避難の場所です。とりあえず津波や地震から命からがら逃げおおせても、避難生活で命を落とす関連死が非常に多いというのは、この間の震災でも明らかな事実です。明日でちょうど東日本大震災から10年がたちます。10年前、ちょうど私も立って質問しているとき、違いますね、市長が答弁しているときに揺れましたね、がありました。10年たちましたが、田辺市の対策というのは私は進んでいないと感じています。仮設住宅なしに被災後の人口流出は抑えられません。今幾ら交流人口といっても被災時に市外に流出した人口は戻りません。これは、東北の状況を見れば明らかだと思います。
市民を守り、将来の市の人口を維持するためにも仮設住宅用地確保は急務です。これは庁舎の高台移転と同時に減災対策として進めなければならない課題だ。10年たった今、庁舎だけ先行するというのは、市民の生命軽視以外の何ものでもありません。大地震や津波が近いうちに来ないことを前提にした行政は、危機感も危機管理能力もないと言わざるを得ない。
私は、個人的には、愛郷会の協力を求め、新庄地区に大規模な造成を行い、防災公園と庁舎を整備し、仮設住宅用地として確保しておくことがよいと考えています。先ほどの建設部長も防災公園の言及がありましたが、その用地として考えれるところ、具体的にいえば多くの市民はそこしかないと思っているのではないでしょうか。
では、なぜそうしないのか。そこに大規模な造成をすれば、そこに庁舎を造ればよいという世論が起こるからです。そのことを回避するために、あえて先に庁舎の高台移転を決めると。市民の命が後回しになったのだと私は感じています。
人という観点からは、人を育てられていない市政だということを指摘せざるを得ません。市長は、かつて3期で辞めるのが私の美学だというようなことをおっしゃっていました。今回その町長から数えて8期目を目指されるということになるかと思いますが、その背景には、やはり自分の信念を託せられる後継者が育っていないという状況があるのではないかなと私自身は考えています。
優秀な人材がそろっている田辺市でなぜ後継者がつくれないのか、出てこないのか。市長の後継者に限らず、田辺市役所で人が育たない根本原因は、市民に奉仕するという行政にとって最も大切な目標が共有できていないからだと私は考えています。目指すべき方向がないから前に進まない。市全体が進むべき方向とは、
地方自治法第1条の2で定義された住民の福祉の増進という最高で最大に重要な目標です。それが共有されていないから、その目的を逸脱した事務や不正が度々発生しているのではないかというふうに受け取っています。
今回、議員任期の最後の一般質問ですが、私は、一般質問は、市民の声や願い、困り事を市長や部長に伝えることができる議員に与えられた特権だと考えています。この機会は年に4回しかなく、1回たりとも無駄にすまいという思いで毎議会質問に取り組み、今回で81回目になりました。質問でわざわざ取り上げなくても担当課に行けば解決するような問題はそうした手法で対応しながら、議会で取り上げて、問題を顕在化させなければ行政が動かないというような問題は意識して取り上げてきたつもりです。そのときに意識してきたのは、市職員は、市民の福祉の増進という目標を共に目指す同じ志を持った同志だという思いです。時には厳しい指摘もしましたが、あくまで市民の貴重な血税をより有効に使うためであり、職員個人に対して攻撃をしたことはありません。
議会と行政を車の両輪と例える人がいますが、私はそうではないと考えています。行政という車の行き先を決めるのは、主権者である市民であり、その声を聞いてハンドルを握っている当局に対しブレーキやアクセルを踏む、時にはハンドルの向きを是正するのが議会の役割だと考えています。市長に行き先は任せ切り、アクセルだけ踏んでいるという議会なら議員など少なくてよいと言われる結果になるのではないでしょうか。
来月行われる市長選、市議選において、本当に市民のことを最優先に考え、行動する人が選ばれて、田辺市に明るい未来が訪れることを祈念して、私の最後の一般質問を終わります。どうもありがとうございました。
(5番 川﨑五一君 降壇)
○議長(
安達克典君) 市長。
(市長 真砂充敏君 登壇)
○市長(真砂充敏君) いろいろと持論を述べられることは、それも結構なことですけれども、本当は一つ一つ反論したいのですが、それはかないません。ただ1点だけ。私は過去に一度も共産党の提言を後回しにしたらよいというようなことは発言したことはありません。どういうところから言われているのか分かりませんが、そういうようなことをあたかも市長が言っているように質問するということについては、私はこれ1点だけはちゃんと否定をしておきたい、このように思います。
以上です。
(市長 真砂充敏君 降壇)
○議長(
安達克典君) 川﨑五一君。
(5番 川﨑五一君 登壇)
○5番(川﨑五一君) 最後の質問ですから、誤解があってはいけませんので言っておきます。
市の元幹部と私は言いました。もう議場にはいらっしゃいません。市長だというふうに聞き取られたとしたら、それは私の言葉足らずだったかもしれませんが、あくまでも元幹部であり、具体的に言うならば元副市長です。ということですので、誤解はないようにお願いします。実際に私は直接言われましたので、それ自体はうそではないです。そういうことで終わります。どうもありがとうございました。
(5番 川﨑五一君 降壇)
○議長(
安達克典君) 以上で、5番、川﨑五一君の一般質問は終了しました。
◎日程第14 2定議案第39号 和解についてから
日程第17 2定議案第42号 令和3年度田辺市
国民健康保険事業特別会計補正予算
(第1号)まで一括上程
○議長(
安達克典君) 続いて、日程第14 2定議案第39号 和解についてから、日程第17 2定議案第42号 令和3年度田辺市
国民健康保険事業特別会計補正予算(第1号)まで、以上4件を一括上程いたします。
ただいま上程いたしました議案4件は、本日市長から提出があったものであります。
提出者の説明を求めます。
市長、真砂充敏君。
(市長 真砂充敏君 登壇)
○市長(真砂充敏君) ただいま上程されました議案は、条例に関するもの1件、予算に関するもの2件、その他1件でございまして、その概要について御説明申し上げます。
まず、議案第39号 和解については、昨年7月、和歌山弁護士会紛争解決センターにあっせんを申し立てておりました水産関連補助金等の返還請求について、和解案が提示されたことから、本市としましても和解案を尊重し、これを応諾するため、議会の議決をお願いするものです。
次に、議案第40号 令和3年度田辺市
一般会計補正予算(第1号)についてでありますが、今回の補正額は1億8,270万4,000円で、農林水産業費については、水産関連補助金等の返還請求の和解に伴い
弁護士委託料の補正を、商工費については、国の第3次地方創生臨時交付金を活用し、新型コロナウイルス感染症の影響により停滞する地域の産業や経済を守るため、産業経済緊急対策支援金の第2期分を補正するもので、財源としましては、国庫支出金、諸収入をもって充てる一方、地方交付税を減額しております。
議案第41号 田辺市
国民健康保険条例の一部改正については、新型インフルエンザ等対策特別措置法の一部改正により、新型コロナウイルス感染症の法的位置づけが変更されたことに伴い、所要の改正を行うもので、議案第42号 令和3年度田辺市
国民健康保険事業特別会計補正予算(第1号)につきましては、国の財政支援措置が延長されたことに伴い、新型コロナウイルス感染症に係る傷病手当金を補正するものです。
以上、提案いたしました議案について御説明申し上げましたが、詳細につきましては、関係部長から説明いたさせますので、よろしく御審議の上、御賛同賜りますようお願いいたします。
(市長 真砂充敏君 降壇)
○議長(
安達克典君) 続いて、補足説明を求めます。
総務部長、松川靖弘君。
(総務部長 松川靖弘君 登壇)
○総務部長(松川靖弘君) それでは、議案書に基づきまして、補足説明をさせていただきます。
1ページをお願いします。
2定議案第39号 和解について、2020年度(和)第3号和解あっせん申立事件及び2020年度(和)第5号和解あっせん申立事件について、和解をしたいので、
地方自治法第96条第1項第12号の規定により議会の議決を求めるものでございます。
本件につきましては、和歌山南漁業協同組合に対し、令和元年12月9日付、水産増養殖・水産振興事業補助金等の不適切な会計処理事案に係る調査及び措置に関する報告書(最終報告)に基づく補助金等の返還を求め、令和2年7月、和歌山弁護士会紛争解決センターへあっせんの申立てを行っておりましたが、同センターから和解案が提示されたため、和解するものです。
和解の相手方は、和歌山南漁業協同組合、代表理事組合長、三栖敏一氏で、和解内容の主なものといたしましては、本件解決金として、本市に対し金3,500万円を令和3年から令和8年まで6年間の分割により支払うものでございます。
なお、経過等につきましては、参考資料を御参照願います。
次に、2ページをお願いします。
2定議案第40号 令和3年度田辺市の
一般会計補正予算(第1号)は、次に定めるところによる。
第1条 歳入歳出予算の総額に歳入歳出それぞれ1億8,270万4,000円を追加し、歳入歳出予算の総額を歳入歳出それぞれ415億5,270万4,000円とするものです。
補正予算の内容につきましては、歳出の7ページから御説明いたしますが、人件費につきましては、給与費明細書を8ページ及び9ページに掲載していますので御参照願います。
それでは、7ページをお願いします。
水産業費、水産業総務費につきましては、2定議案第39号の和歌山南漁業協同組合との和解に係る費用として、
弁護士委託料を計上するもので、5ページの歳入予算には、当該組合からの和解金を計上しています。
7ページの商工費、商工振興費につきましては、新型コロナウイルス感染症の影響を受けている事業者を対象とした田辺市産業経済緊急対策支援金に係る経費で、既に令和2年度で予算化している第1期分に続き、今回の補正予算では、第2期分に係る支援金のほか、報酬及び通信費等の事務費を計上するものです。
なお、本補正に伴う財源といたしましては、国庫支出金、諸収入を計上する一方、地方交付税を減額しています。
次に、10ページをお願いします。
2定議案第41号 田辺市
国民健康保険条例の一部改正について、
地方自治法第96条第1項第1号の規定により議会の議決をお願いするものです。
本件につきましては、被保険者に係る傷病手当金の規定において、新型インフルエンザ等対策特別措置法の一部改正により、新型コロナウイルス感染症の法的位置づけが変更されたことに伴い、所要の改正を行うものです。
次に、12ページをお願いします。
2定議案第42号 令和3年度田辺市の
国民健康保険事業特別会計補正予算(第1号)は、次に定めるところによる。
第1条 事業勘定の歳入歳出予算の総額に歳入歳出それぞれ50万円を追加し、歳入歳出予算の総額を歳入歳出それぞれ99億2,442万2,000円とするもので、内容につきましては、16ページの歳出をお願いします。
保険給付費、傷病諸費につきましては、新型コロナウイルス感染症に係る傷病手当金の支給の適用期限を、令和3年3月31日から同年6月30日に延長することに伴い傷病手当金を計上するもので、本補正に伴う財源といたしましては、県支出金をもって充てています。
以上をもちまして、補足説明を終わらせていただきます。
よろしく御審議の上、御賛同賜りますようお願い申し上げます。
(総務部長 松川靖弘君 降壇)
○議長(
安達克典君) 以上をもって、提出者の説明が終了いたしました。
お諮りいたします。
ただいま議題となっております4件については、既に提出されている他の議案と同様に後日審議願うことにいたします。
これに異議ありませんか。
(「異議なし」の声あり)
○議長(
安達克典君) 異議なしと認めます。
よって、さよう決しました。
お諮りいたします。
本日の会議はこの辺にとどめ延会し、明日、3月11日午前10時から再開いたします。
これに異議ありませんか。
(「異議なし」の声あり)
○議長(
安達克典君) 異議なしと認めます。
よって、さよう決しました。
延 会
○議長(
安達克典君) それでは、本日はこれをもって延会いたします。
(午後 2時49分)
地方自治法第123条第2項の規定により署名する。
令和3年3月10日
議 長 安 達 克 典
副議長 陸 平 輝 昭
議 員 松 上 京 子
議 員 柳 瀬 理 孝
議 員 浅 山 誠 一...