田辺市議会 2016-03-11
平成28年 3月定例会(第4号 3月11日)
平成28年 3月定例会(第4号 3月11日) 田辺市議会3月
定例会会議録
平成28年3月11日(金曜日)
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平成28年3月11日(金)午前10時開会
第 1 一般質問
第 2 1定議案第13号
行政不服審査法の施行に伴う関係条例の整備に関する条例
の制定について
第 3 1定議案第14号 和歌山県と田辺市との間の
行政不服審査法第81条第1項
に規定する機関の事務の委託について
第 4 1定議案第15号 田辺市人事行政の運営等の状況の公表に関する条例の一部
改正について
第 5 1定議案第16号 田辺市職員の退職管理に関する条例の制定について
第 6 1定議案第17号 田辺市議会の議決すべき事件を定める条例の制定について
第 7 1定議案第18号 田辺市税条例の一部改正について
第 8 1定議案第19号
田辺市営住宅条例の一部改正について
第 9 1定議案第20号 田辺市
消防団員等公務災害補償条例の一部改正について
第10 1定議案第21号 田辺市火災予防条例の一部改正について
第11 1定議案第22号 田辺市
カモシカ食害対策事業分担金徴収条例の制定につい
て
消防長 小 山 裕 史 君
消防総務課長 安 田 浩 二 君
予防課長 原 雅 樹 君
教育次長 小 川 鏡 君
教育総務課長 宮 﨑 和 人 君
学校教育課長 木 下 和 臣 君
生涯学習課長 鈴 木 隆 司 君
水道部長 田 中 久 雄 君
業務課長 磯 田 和 男 君
会計管理者 福 田 文 君
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〇
出席事務局職員
議会事務局長 大 門 義 昭
議会事務局次長 前 溝 浩 志
議会事務局主任 榊 原 数 仁
議会事務局主査 稲 垣 清 司
開 議
○議長(吉田克己君) 定足数がありますので、ただいまからお手元に配付の日程により、平成28年第1回
田辺市議会定例会4日目の会議を開きます。
(午前10時00分)
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◎報告
○議長(吉田克己君) 9番、市橋宗行君から遅刻の届け出があります。
それでは、日程に入ります。
◎日程第1 一般質問
○議長(吉田克己君) 日程第1 一般質問を行います。
10番、安達幸治君の登壇を許可いたします。
(10番 安達幸治君 登壇)
○10番(安達幸治君) 皆さん、おはようございます。くまのクラブの安達幸治です。どうぞよろしくお願いいたします。
きょうは3月11日でございまして、あれから5年がたちました。ちょうど東日本大震災のときに、私は昼までに一般質問をさせていただいて、あのときの記憶がいまだにきのうのようによみがえります。まだ東日本では復興の最中でございまして、改めて一日も早い復興をお祈り申し上げたいと思います。
それでは、通告に従いまして、一般質問をさせていただきますので、どうぞよろしくお願いいたします。
まず、1項目めとして、
食肉処理加工施設の建設についてお伺いいたします。
そして、また2項目めとして、
カシノナガキクイムシによる備長炭原木の被害について、それぞれどうぞよろしくお願いしておきます。
食肉処理加工施設の建設について、まず本宮町の処理施設以外の建設についてお伺いいたします。
収穫前の野菜や果実を食い荒らす野生鳥獣の駆除はいまや全国的な課題であります。和歌山県でも早くからこの問題には取り組んでおり、猟友会や農家の方々の御助力によりたくさんの野生鳥獣が捕獲されているところであります。
特に、従来の狩猟や
有害鳥獣駆除に加えて、県が助成する鹿の管理捕獲や田辺市が助成する狩猟期間中における鹿の有害駆除などにより、多くの鳥獣が捕獲されるに至っております。そして、同時に捕獲された獣肉を無駄なく生かすため、今多くの自治体でジビエ料理の普及に取り組んでおられます。
和歌山県では、ジビエウイークを設け、
ジビエフェスタなどを通じ、協賛する飲食店や宿泊施設が工夫していろいろなジビエ料理に取り組んでおり、宣伝に努めておられます。もともとジビエは狩猟者の間で解体され、家庭に持ち帰り、一部が高値で取引されていました。しかし、最近では食肉としての加工販売に規制があり、食品衛生法の許可を受けた施設で処理加工されたものしか販売することができず、狩猟者にできるのは血抜き程度です。
県内では、早くから日高町ほかで取り組みが始まり、田辺市でも数年前に県、市の助成を得て、
食肉処理加工施設ができ上がりました。この施設はほとんど本宮町内で捕獲されたものを解体処理されており、旧田辺市や中辺路町、龍神、大塔からは距離的なこともあり、また衛生面を考えれば、屠殺してから2時間以内に
処理加工施設へ持っていかなければならず、そのためほとんどが持ち込まれることはありません。
これからも野生鳥獣との戦いは果てしなく続きます。狩猟鳥獣の捕獲数の増加、狩猟者の捕獲意欲、そして何よりもジビエ料理の普及を考えたときに、本宮町に続く第2の施設が必要となってまいりますが、市としてはどのような考えをお持ちでしょうか、お伺いします。
(10番 安達幸治君 降壇)
○議長(吉田克己君) 10番、安達幸治君の質問に対する当局の答弁を求めます。
市長、真砂充敏君。
(市長 真砂充敏君 登壇)
○市長(真砂充敏君) 議員御質問の
食肉処理加工施設の建設についての1点目、本宮町の処理施設以外の建設については私から、あとは担当部長からお答えいたします。
現在、田辺市では、平成24年度から本宮町のジビエ本宮が野生鳥獣の
処理加工施設として運営をしております。この施設は、市で設けている
野生鳥獣食肉処理施設整備事業の補助制度と県の補助事業をあわせて活用して施設整備をしたもので、平成26年度はイノシシ・鹿で70頭、精肉として約700キログラムの肉が処理されました。平成27年度は9月末時点で、イノシシ・鹿82頭、精肉として約690キログラムの肉が処理されており、販売量も順調に伸びているとお聞きしております。
ただし、本施設での処理対象となる鳥獣につきましては、ほぼ本宮地内における捕獲鳥獣であり、他の地域で捕獲された野生鳥獣につきましては、捕獲者による自家消費や埋め立てにより処理されております。また、本年度から20キログラム以下の野生鳥獣につきましては、
市ごみ処理場において焼却の受け入れを行っておりますが、ごく一部の受け入れとなっております。
一方、当市の野生鳥獣の捕獲頭数ですが、近年有害捕獲や管理捕獲による鳥獣の捕獲数も増加しており、平成25年度ではイノシシ、鹿で1,540頭だったものが、平成26年度では1,741頭、さらに本年度は、議員が以前から要望されておりました猟期中の鹿の有害捕獲にも取り組んでいることもあり、1月末時点で3,192頭と大幅に増加しております。このことにつきましては、猟友会の皆様に積極的に捕獲を進めていただき大変感謝しているところでありますが、一方では、捕獲鳥獣の処理に大変苦労されていることも伺っており、有効な処理方法の必要性についても認識しております。
こうしたことから、議員御質問の本宮地域以外の地域における食肉処理による
受け入れ施設等の建設推進につきましては、田辺市
鳥獣害対策協議会を通して、猟友会や猟友会会員の皆様への啓発を行っているところであります。
ただ、関係者の中では、処理加工の衛生面や食肉の販売などを考えると、なかなか踏み出せないというのが主な意見となっております。また、中辺路や龍神地域でも猟友会等においてジビエによる
食肉処理加工施設についての検討もされており、積極的に有効活用していこうとの意見も出ておりますが、実情としては現在研究段階というところであります。
市といたしましては、今後も関係する猟友会の皆様や県、農協などの関係機関と連携を図りながら、野生鳥獣の有効な活用について積極的に推進してまいりたいと考えておりますので、御理解賜りますようお願い申し上げます。
(市長 真砂充敏君 降壇)
○議長(吉田克己君) 安達幸治君。
(10番 安達幸治君 登壇)
○10番(安達幸治君) 2項目めの質問も同時にしなければならなかったことを忘れておりましたので、この場で質問させていただきます。
廃棄される獣肉の活用について、獣肉の中には食用として食卓に上がらないものも多く、特に、農業者の方々の中には、仕事が忙しいことからわなに獲物がかかっても、そのまま埋め立てることも多いとお伺いしております。
特に、小型のものや夏場のイノシシなどは食肉として処理されないものも多く、その多くが廃棄されています。農作物に影響を与える鳥獣でありますが、動物の命をいただくという点において決して無駄にできるものではありません。ぜひこれらを生かすためにも廃棄される獣肉の活用が求められますが、市としては何かお考えがおありでしょうか。
(10番 安達幸治君 降壇)
○議長(吉田克己君) 産業部長、那須久男君。
(産業部長 那須久男君 登壇)
○産業部長(那須久男君) 議員御質問の廃棄される獣肉の活用についてお答えいたします。
現在、県の調べでは県内で捕獲されたイノシシ・鹿のうち許可を受けた
食肉処理加工施設で処理できるのは約2%とごく一部でありまして、それ以外につきましては、具体的な数字は把握できておりませんが、そのほとんどが自家消費や埋め立てにより処理されております。
県では、ジビエの普及に関する取り組みとして、ステップわかやまジビエ事業を実施しており、
解体処理施設や
食肉流通システムの整備促進を初め、わかやま
ジビエ料理講習会の開催、県内で捕獲した野生のイノシシや鹿肉を県内の料理店で食べていただく
和歌山ジビエフェスタの開催など、わかやまジビエのPR活動にも取り組んでいただいております。市におきましても、田辺市
鳥獣害協議会において、
田辺生活研究グループ連絡協議会の協力により、
田辺農林水産業まつり、
南紀田辺UMEロードマラソン等でジビエ料理の普及啓発を行っており、消費の拡大につなげていただく取り組みを行っております。
また、本年2月には、本宮地区の3小中学校において、児童生徒が地域の自然や文化、産業等への理解を深め、食に対する感謝の気持ちを育むことを目的として、給食の時間に保護者を含めた希望者を対象にして、実施したジビエ料理の試食に際しまして、食材提供を行いましたが、参加者にはおおむね好評でありました。
このほかの活用といたしましては、野生獣肉を利用したペットフードへの関心が高まっており、食肉での検討をしなければならない利用法であると考えております。市といたしましては、今後も猟友会や県、関係機関、団体と協力して、
食肉処理加工施設の推進とあわせて、消費宣伝活動を積極的に行い、食肉への活用に取り組んでいくとともに、食肉以外の有効活用につきましても検討してまいりたいと考えておりますので、御理解賜りますようお願いいたします。
(産業部長 那須久男君 降壇)
○議長(吉田克己君) 安達幸治君。
(10番 安達幸治君 登壇)
○10番(安達幸治君) 本宮町の処理施設以外の建設についてお答えいただきました。
お答えによりますと、平成25年度のイノシシ・鹿の捕獲は1,540頭、平成26年度が1,741頭、そして本年度の捕獲が3,192頭、これは1月末時点でございますが大幅に伸びております。特に、かつてから要望しておりました猟期中の鹿の有害捕獲が影響しているとのことで、これは私も大変安心しているところでございます。
そして、これからも
ネットワークカメラや浸入センサーなどの通信技術を活用した
ICT捕獲わなや鹿の夜間流量などにより捕獲頭数が予想されます。ますます処理施設が必要となってくるわけでございます。このことは、田辺市におかれましても十分に御認識をされているようですし、本宮町の施設につきましても、ここに至るまでにいろいろと御苦労があったとお伺いいたしております。
本宮町の施設長さんとは、昔から猟友会の仲間だったこともあり、よく話をさせていただいておりますが、最近お電話をさせていただいたところ、この1カ月で肉がよく売れて、ほとんど冷蔵庫にはないという答えが返ってきました。本当にありがたいことであります。
そして、その売り上げのほとんどが東京や大阪の料理店やレストラン、そして焼き肉店などでございます。ちなみに地元田辺市、白浜町も含めて販売されているのは、ごく5%ということで、これから町内だとか近くの市場が求められているところでございます。
新しい
食肉処理加工施設に関して、処理加工の衛生面は食肉の販売などを考える中、なかなか前に進めないという意見が多いということで、これも理解できますが、古座川町にも県内最大規模の
鳥獣食肉処理加工施設ができ、販路も含めて順調なスタートを切っているようでございますので、我が田辺市もぜひ第2の施設に向けて、積極的に取り組んでいただきますようよろしくお願い申し上げます。
加えて、本宮町の処理施設に対しましても、これからも温かい手を差し伸べていただきますようよろしくお願いいたします。また、廃棄される獣肉の活用につきましては、今後とも十分御検討をいただきますようよろしくお願いいたします。
獣肉処理加工施設をつくるのは大変難しいという観点も伺っておりますけれども、いろいろと遅くなっていきますと、販売市場というところがかなり拡大されてきて、ほかとの競争というところもかなり強くなってくるので、できれば一日も早く関係している人に当たっていただいて、一日も早く施設ができるような協力をどうぞよろしくお願いいたします。
続きまして、
カシノナガキクイムシによる備長炭原木の被害についてお伺いします。
まず、第1項目として、現在の山の状況についてお伺いいたします。先日、行われました中学生議会の中で、秋津川中学校の坂本裕哉君が備長炭についての質問をされました。備長炭発祥の地、秋津川の生徒さんならではのすばらしい質問だったと思います。そして、真砂市長より備長炭を全国、世界に広げていきたい。そのために今後どのようにして生産量をふやしていくか等の答弁がありました。私も大賛成でございます。
しかし、そこで1つ大きな問題があります。それは
カシノナガキクイムシによる原木の被害です。この件につきましては、5年ほど前に質問をさせていただきました。そのころは串本町が大変ひどく、近隣では白浜町で少し被害があるものの、著しいものではありませんでしたが、それから数年がたち、いまや田辺市及びその周辺では神社や仏閣などを中心にシイノキやナラノキの枯れが目立つようになってまいりました。特に、この2年は大変な広がりようでございます。私も気になりますので、森に入り、状況を調べておりますが、目立って枯れている樹木の周辺はもちろんのこと、まだ枯れていない場所においても
カシノナガキクイムシが入っている樹木が大変多く、またウバメガシ林におきましても、思った以上に
カシノナガキクイムシの被害があるように思われました。
秋津川の生産者の方々にお聞きしましても、シイノキはもちろんのこと、ここにきてウバメガシの被害が目立ってきており、虫の入った原木は薪にしているとのことで、今後において大変心配をされておられました。
製炭に至るまでの過程として、材を集める作業は大変です。材があっても所有者が手放さない。搬出が困難などの理由で、それでなくても材を集めるのが大変なときに、これ以上キクイムシに荒らされますと、ブランドである備長炭の生産に大変な危機が訪れます。ウバメガシは、虫が入ってもなかなか枯れず、そのために気がついたときには大変大きく被害が広がっているおそれがあり、一時も早く処理していく必要があります。
このような山の状況を市としてはどのように把握されておられるのかお聞かせください。
また、小項目2として今後、不足が予想される原木材の確保、そして小項目3として、10年、20年先を見据えた山づくりについてお聞かせください。どうぞよろしくお願いいたします。
(10番 安達幸治君 降壇)
○議長(吉田克己君) 森林局長、鈴木徳久君。
(森林局長 鈴木徳久君 登壇)
○森林局長(鈴木徳久君)
カシノナガキクイムシによる備長炭原木の被害についてお答えいたします。
まず1点目の現在の山の状況についてでありますが、全国的な
カシノナガキクイムシによる被害は、平成2年ごろより日本海側を中心に被害が目立つようになり、平成9年以降になると、ミズナラやスダジイなどの被害を受けやすい樹種だけでなく、コナラ・ウバメガシ・アラカシなど比較的枯れにくい樹種にも被害が及び各地に広がりました。しかし、平成22年の32万5,000立米をピークに減少に転じ、平成25年度にはピーク時の6分の1程度の5万立米となっています。
和歌山県では平成11年に熊野川町で
カシノナガキクイムシの発生が確認され、その後、田辺市まで西進して、現在は御坊市や和歌山市の一部でも被害が確認されています。
昨年10月時点での県の調査では、県内の
カシノナガキクイムシによる被害は311立米で、一昨年同時期の140立米と比較して約2倍の被害となっています。ただし、この調査は目視調査であるため、
カシノナガキクイムシの被害により枯れやすいナラ類・カシ類に目がつきやすく、虫の浸入があっても枯れにくいウバメガシは全体の被害状況の確認が困難な状況になっています。
田辺市では、平成21年より被害が確認され、備長炭原木であるウバメガシも
カシノナガキクイムシによる被害に遭っています。ウバメガシの被害地域としましては、秋津川地域を中心に、旧田辺市内の山林や神社林と国道311号沿いの中辺路町地内で目立っている状況です。平成11年に被害が確認された熊野川地域におきましては、数年前にはその被害が目立たなくなってきており、過去の実績から10年から15年周期でおさまるのではと言われております。
2点目の今後の原木確保についてお答えいたします。
ウバメガシ原木林を取り巻く環境は、先ほどの
カシノナガキクイムシの被害や伐採後の新芽への鹿の食害等、厳しさが増しております。
カシノナガキクイムシに対する対策として田辺市では、平成25年度に新庄町にあります清浄館敷地内において、アラカシ8.41立米、ウバメガシ4.81立米、コナラ26.75立米、シイ0.08立米の計40.05立米の伐倒駆除作業を行っております。
また、和歌山県の紀の国森林環境保全整備事業の里山整備事業を活用して、平成26年度には秋津川地内でコナラ9.74立米、ウバメガシ4.24立米の計13.98立米の被害木を伐倒駆除しています。平成27年度は、6件で約100立米の伐倒駆除を実施中であり、このうち神社林などの指定文化財を構成する森林については、市も上乗せ補助を行っております。なお、県の補助単価は伐採して搬出処分する方法で1立米当たり定額6万円以内、コマ切れにして山に残す方法で定額3万円以内となっています。今後も同事業を活用して駆除作業を行い、被害の拡大防止に努めてまいりたいと考えております。
次に、製炭者の原木確保の状況でありますが、立地条件のよい原木林が確保しにくい状況も生まれつつあります。こうした状況に対し、現在林野庁では民有林の所有者情報をデータベース化する作業を進めているところであり、県と田辺市で取り組んでいるGISシステムを利用した県との森林情報の共有化を進めることで、今後の原木林の情報把握に役立てていければと考えております。
また、市では原木搬出費用の低コスト化支援のため、県の山の恵み活用事業に対する上乗せ補助を行っております。山の恵み活用事業の補助メニューといたしまして、択伐や植栽、モノラックの設置及び作業道の整備等があり、これらの補助事業を活用し、紀州備長炭のブランドを守るとともに原木の確保に向けた取り組みを進めてまいりたいと考えております。
さらに、今後の取り組みとして、県とも協議しながら下草刈りや防獣ネット設置に対する補助金制度の検討を行うほか、各森林組合を通じてウバメガシ山林を所有している山主さんに対して、製炭者の方への協力を依頼するなど、製炭者の方が容易に原木林を確保できるような状況を整備する施策の検討が必要であると考えております。
3点目の今後の山づくりについてお答えいたします。
平成24年度末の和歌山県林業振興課の調査において、県内の紀州備長炭製炭者186名に原木の伐採方法を尋ねたところ、択伐は10名で約5%、残りの176名、約95%は皆伐で、そのうち自伐のみで原木調達している製炭者は約半数、伐採業者から購入のみで原木調達をしている製炭者は約30%、残りの20%は自伐、購入両方行っており、自伐のみで原木調達をしている製炭者の大半は皆伐による施業を行っているという結果でありました。しかしながら、県木炭協同組合と県が実施している択伐技術の研修等により、現在は県内の約30%の製炭者が択伐を行っており、徐々に改善されつつあります。
なお、皆伐されたウバメガシ林は原状回復するまでにおよそ40年の年月がかかる上、放置されるとシイ山になる確率が高くなり、以後、原木林としての利用ができなくなります。しかし、択伐施業が行われたウバメガシ林はおよそ15年で再伐採ができ、循環的な利用が可能となります。択伐施業を行った場合、伐採、搬出に手間がかかる上、1回の収穫材積は少なくなりますが、40年に一度の皆伐に比べ、択伐は二、三回の伐採が可能となり、同面積で2倍以上の収穫材積が期待できます。また、適寸原木の収穫により、いわゆる丸物の割合がふえ、1窯当たりの収益をふやすことも可能となります。
さらには、適正林のみを伐採する択伐施業を行うことは、原木林の樹勢回復にも役立ち、
カシノナガキクイムシを抑制する役割も期待できます。
県の試算によりますと、製炭者1人当たりが必要とする択伐林は年間でおよそ1.5ヘクタール。十分に手入れのされた択伐林では回帰年数を10年程度と想定できるため、1人当たりおよそ15ヘクタールの択伐林が確保できれば永続的な循環利用は可能となります。
以上の試算はあくまで理想の形ですが、今後、適切な手入れのされた択伐林をふやすことができれば、将来にわたって原木を確保することは可能だと考えます。このため、田辺市では和歌山県の関係各課とともに、自伐による択伐施業を積極的に推奨したいと考えております。
また、市では原木林を育成するため、大塔地区管内の西大谷市有林へのウバメガシ800本の植栽や中辺路地区林道の残土場1.4ヘクタールへの植栽等を実施しております。さらに、今年度市内に新たに企業の森事業に参画していただいた企業の御協力によりウバメガシの植栽割合が6割を占める企業の森も予定されております。
また、現在、市内では当初から参画いただいている企業の森が10年の更新時期を迎えており、市内に約40カ所ある企業の森に対して、この機会を生かしウバメガシの積極的な植栽を呼びかけ、将来的な原木林確保に向け取り組みを強化したいと考えています。
さらには、昨年12月、梅を核とした、みなべ・田辺の梅システムが世界農業遺産に認定されましたが、このウバメガシを育む薪炭林は、梅システムの重要な要素となっています。梅畑の周辺に残された薪炭林は、水源涵養や崩落防止の機能を発揮して、梅栽培や地域の農家を支えてきました。また、薪炭林に生息するニホンミツバチは、梅の受粉を助けるなど、こうした土地や水利用などにより高品質な梅や紀州備長炭、多様な農産物の生産を可能にしてきた農業システムが世界に認められたわけです。
このように、世界農業遺産に認定された梅システムにとっても薪炭林の持つ機能は重要であり、次世代に保全と活用を図りながら継承していかなければならないと考えており、市としては将来的な山づくりのため積極的に択伐施業の推進や原木の確保に努めてまいりたいと考えておりますので、御理解を賜りますようお願い申し上げます。
(森林局長 鈴木徳久君 降壇)
○議長(吉田克己君) 安達幸治君。
(10番 安達幸治君 登壇)
○10番(安達幸治君)
カシノナガキクイムシによる備長炭原木の被害についてお答えいただきました。現在の山の状況について昨年10月末時点の県の調査では、ナラ類やカシ類の被害は確かめやすいが、虫の浸入があっても枯れにくいウバメガシは全体の被害状況が困難な状況だと言われました。確かにそうでありますが、それだからこそ実際の山に入り、確かめてみる必要があります。過去の実績から10年から20年周期でおさまるのではと言われていますが、今、まさに拡大中であり、私が知る限り思った以上に被害が広がっているように思います。お忙しいとは思いますが、市独自の調査もお願いしておきます。
今後の原木の確保についてですが、今まさに立地条件のよい原木林が確保しにくい状況になってきておりますので、原木搬出の低コスト化支援はこれからも絶対に必要です。また、
カシノナガキクイムシの被害が増大する前の伐採が必要だと感じますので、山林を所有されている山主さんに対しての協力依頼をどうぞよろしくお願いしておきます。
最後に、今後の山づくりについてお答えいただきました。近年伝統的な択伐萌芽更新にかわって、皆伐萌芽更新が行われておりますが、皆伐より択伐のほうが短期間で再伐採でき、同面積で2倍以上の集客が期待できるということで、現在、県や木炭協同組合の原正昭代表理事が択伐についての実習を行っておりますが、今のところ全組合員の30%ということですので、100%に近づけるよう市の御指導もよろしくお願いしておきます。
また、それでも皆伐される方におかれましては、皆伐後にウバメガシが萌芽更新した林地において、保育作業を検討する場合には周囲の植生の状況を把握、そして見きわめた上で伐採後2年から5年の間に下刈りを行うことが必要ですので、下刈りに対する市の助成をお願いするとともに、あわせて今後の山づくりに対する植栽に対しての市の助成をお願いしておきます。
以上で質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
(10番 安達幸治君 降壇)
○議長(吉田克己君) 以上で、10番、安達幸治君の一般質問は終了いたしました。
休 憩
○議長(吉田克己君) この場合、午前10時45分まで休憩いたします。
(午前10時36分)
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再 開
○議長(吉田克己君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
(午前10時47分)
○議長(吉田克己君) 続いて、15番、佐井昭子君の登壇を許可いたします。
(15番 佐井昭子君 登壇)
○15番(佐井昭子君) 皆さん、おはようございます。15番、公明党の佐井昭子です。今回も教育、子育て支援、全ての子供が健やかに育つための対策の推進について質問をさせていただきます。
教育、子育て支援につきましては、私だけでなく常時大勢の議員の皆様が取り組んでおられます。市当局も教育委員会もしっかり取り組んでいただき、田辺市の教育環境、子育て支援は格段に充実してきていると実感しています。平成28年度予算案にも校舎の耐震、建築、学校司書、日本語指導助手の配置、新しい学童保育所の解説等々、たくさんの施策が盛り込まれています。
そんな中で、今回は特に、子供の貧困について考えてみたいと思います。厚生労働省の調査は、日本の子供の貧困率が16.3%、6人に1人、過去最悪を更新と発表しています。子供の貧困率とは、平均的世帯の所得の半分を下回る世帯で暮らしている18歳未満の子供の割合だそうです。その子供の貧困の中でも、ひとり親家庭の貧困はさらに深刻です。2014年版、子供・若者白書によりますと、ひとり親家庭の貧困率は54.6%です。
2013年、子供が生まれ育った環境によって、将来が左右されない社会を目指し、子供の貧困対策を総合的に推進する子供の貧困対策推進法が制定されました。保護者の経済的格差が子供の教育・進学にも影響を及ぼす貧困の連鎖を断ち切り、教育の機会均等などを総合的に進めるために、国や自治体が連携して貧困対策に取り組むよう定めています。
2014年8月には、我が国の子供の貧困の状況が先進国の中でも厳しいとの認識を示し、教育、生活、保護者の就労、経済的支援を進める、子供の貧困に対する大綱が閣議決定されました。今回、その法律、閣議決定に基づき幾つか質問をさせていただきます。
1点目、ひとり親家庭等の支援についてお伺いいたします。この項目では4点お聞きします。1点目は、親の就労支援についてです。
田辺市には、資格を取得し、キャリアを積み自立を支援する母子家庭等・自立支援補助金制度があります。和歌山県は、2016年度予算案で母子家庭等の就労・自立支援に係る事業の予算を大きく拡充しています。制度の内容、田辺市の考え方、県との連携等についてお聞かせください。
2点目は、子供の学習支援についてです。
文部科学省の家計負担の現状と教育投資の水準という統計によりますと、教育費負担の重さは、家計の収入が低いほど深刻なものとなり、収入の格差は教育機会の格差に直結するおそれがあるとの指摘がなされています。
政府は、子供の貧困対策の一つとして、学習支援を上げており、その具体的な対策として国が費用を助成し、自治体で無料の塾を設置しているところが既に何カ所もあります。幾つかの自治体に状況をお聞きしましたので、御紹介をさせていただきます。
まず1つは、神戸市ですけれども、これは神戸市母子福祉たちばな会というところに神戸市が委託をして、ひとり親家庭支援センターの運営を行い、その中で学習支援を行っています。この支援はひとり親家庭の学習支援教室という名で、平成26年度より始まりました。対象となるのは、神戸市内在住で児童扶養手当受給中、または同様の所得水準世帯の小学校4年生から中学校3年生までの児童・生徒で、参加費は無料です。場所は、ひとり親家庭支援センターで毎週木曜日の夕方5時半から7時半に開かれています。現在は、17名の方が登録され、その中で中学生は12名だそうです。
それから、もう1つは三重県ですけれども、まず三重県は県でこの制度をモデル事業として行っておられます。事業名は学習支援ボランティア事業、担当しているのは子ども・家庭局子育て支援課というところです。ここは、民間の家庭教師のトライに
委託しています。ここに委託したというのは、スキルの高いボランティアを確保する、スキルの高い学習支援をするという目的だと思います。
こちらは平成25年度から始まって、対象は同じように小学校4年生から中学生まで。要件としても、先ほどと同じような児童扶養手当受給中か、同等の所得水準のひとり親家庭の児童。三重県は、この事業のモデル事業として、津市で始められました。この事業のスタッフとしては、総括責任者、ボランティアスタッフの管理責任者、教育プランナー、学習支援コーディネーターというようなスタッフがおられます。事業形態としては、教室及び派遣、子供の家庭に訪問してという形態です。
それで、事業の実施場所は教室が3カ所、派遣が4世帯5人、その教室の場所というのはトライの事務所を使われているということです。ボランティア登録数は12名で、学生と社会人がボランティア登録をされて支援をされているそうです。その時点で児童数は41名、そのうち中学生は26名ということでありました。
この県としてのモデル事業は、平成26年度で終了して、27年度からは市が実施主体として4市での実施となりました。津市、鈴鹿市、いなべ市、名張市です。それで、名張市にもお伺いしてみました。名張市では、ひとり親家庭学習支援ボランティア事業で、事業費300万円、国が4分の3を補助しています。これは公募をして手を挙げた地域づくり組織の1団体に委託をされています。実施の内容としては、親との死別、離婚等により精神面や経済面で不安定な状況に置かれ、学習及び進学意欲の低下、学習機会が十分に与えられない等の母子家庭及び父子家庭の児童に対して、ボランティアが学習の支援を行い、児童の悩み等を受けることによって、当該児童が学習習慣や生活習慣を確立し、学習意欲や進学率の向上を図ることを目的としている。実施の形態としては、学習教室形式です。実施日は週に2日、2時間ずつ。場所は福祉まちづくりセンターというところだそうです。平成27年度の実績としては、利用登録者16名、登録ボランティア10名とお伺いしております。
そこで、田辺市でもこのような無料の塾を始めてはどうかという提案をさせていただきたいと思います。この無料塾は、学習支援、商店街の活性化、人材の発掘、活躍という3つの役割があると考えます。文科省が平成20年に調査した子供の学校外での学習活動に関する実態調査報告によりますと、中学生の70%以上の生徒が塾に通ったり、家庭教師に勉強を見てもらっている。その理由として、学校の勉強だけでは受験勉強が十分でない。家庭では見てやれない。1人では勉強できないなどが挙げられています。また、平均月謝は、中学3年生で2万5,000円から3万円、塾通いで心配していることとして学習塾の経費が家計を圧迫すると報告されています。
地元の中学生の子供さんを持つ母子家庭のお母さんにお話を伺いました。同じ答えでした。そして、中学生なら家の事情がわかるから行きたくても言えない子もいると思うと言われました。ひとり親家庭では、1人で2人分の仕事、家事をしなくてはなりません。どうしても子供と向き合う時間、精神的余裕がなくなりがちです。親自身も支えたいと思うこともあると思います。子供を親身になって支える他人も必要だと思います。
そして、次に、学習支援をしてくださる方の発掘について、もう1つ取り組みを御紹介します。ある地域でNPO法人が取り組む団塊世代の男性の地域活動支援、子育てまちづくり支援プロデューサー養成講座で、まちプロと認定された男性たちが子育て支援にかかわっている。この世代は組織人、職業人として培ってきた豊かな発想とスキル、経験、見識を持っている。その宝を地域に生かしてもらう。
そして、この無料塾の場所としては商店街の空き家の利用、運営は行政ではなく民間団体へ委託。生涯学習課では、人材育成に力を入れていただいておりますので、ぜひこのような団塊の世代の男性、退職された方、一般の方などが地域で活躍していただくための講座、仕組みを考えていただき、無料塾をつくっていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
3点目、周知の強化についてです。東京大学社会学部教授、森田明美氏は、貧困対策が整ってきているのに、貧困化がとまらない理由の1つに、必要なところに必要な情報が届いていないことを挙げております。次年度も新しい制度拡充がなされますが、必要な人にきちんと届くよう周知を徹底してほしいと思いますが、どのようなことをお考えでしょうか。提案といたしまして、わかりやすい子育てサイトの開設やアプリ、児童扶養手当の手続、状況調査のときなどを利用しての周知など一層の強化に努めていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
4点目ですが、ワンストップ相談窓口の設置についてです。支援員が常駐し、就労支援、小川議員が12月に質問しましたひとり親になる前からの相談、情報も提供できる窓口の設置を御検討いただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
以上で、1点目の質問を終わります。よろしくお願いいたします。
(15番 佐井昭子君 降壇)
○議長(吉田克己君) 15番、佐井昭子君の質問に対する当局の答弁を求めます。
保健福祉部長、木村晃和君。
(
保健福祉部長 木村晃和君 登壇)
○
保健福祉部長(木村晃和君) 佐井議員御質問のひとり親家庭の支援についてお答えいたします。
まず1点目の親の就業支援については、平成23年度全国母子世帯等調査によると、ひとり親のうち、特に母子世帯における平均年間就労収入は181万円で、さらにその47%はパート、アルバイト等の非正規雇用で、その世帯の平均年間就労収入は125万円と低い状況となっており、ひとり親家庭の親の就業支援は重要なものであると考えております。
市では、ひとり親家庭の就業支援として、自立支援教育訓練給付金事業、高等職業訓練促進給付金事業を実施しております。自立支援教育訓練給付金事業は、雇用保険制度の教育訓練給付指定講座の受講により、資格の取得を目指すひとり親家庭の受講料の20%に相当する額を支給しています。
高等職業訓練促進給付金事業では、看護師、准看護師、保育士、介護福祉士、理学療法士、作業療法士などの資格を取得するため、養成機関に通学している場合に、市民税非課税世帯には月額10万円、課税世帯には7万500円を支給しています。
就業相談につきましては、母子・父子自立支援プログラム策定事業の実施や、和歌山県母子家庭等就業・自立支援センターの御案内、また、ひとり親家庭に限っていませんが、平成27年度より生活相談センターを設置し、就業相談への対応を行っております。
さらに、平成28年度からは、高等学校卒業程度認定試験合格のための講座を受け、これを終了したときに受講費用の一部を支給する高等学校卒業程度認定試験合格支援事業の実施を予定しています。
県の政策との連携につきましては、相談窓口としての和歌山県母子家庭等就業・自立支援センターの案内や母子父子寡婦福祉資金貸付事業における申請受付等の窓口業務等を行っております。また、資格取得のための入学準備金、就業準備金の貸付金の創設など、平成28年度から拡充される制度についても、県と連携をとりながら取り組んでいきます。
周知方法については、離婚届や児童扶養手当等の手続時に御案内できるよう、市民課窓口等にひとり親家庭のしおりを配置しております。また、広報田辺や市ホームページへひとり親家庭の支援制度についての掲載を行っております。
2点目の子供の学習支援についてお答えいたします。
国のひとり親家庭等生活向上事業において、ひとり親家庭の児童は精神面や経済面で不安定な状況に置かれることにより、学習や進学の意欲が低下したり、十分な教育が受けられず、児童の将来に不利益を与えかねないため、ひとり親家庭の児童の学習を支援したり、児童から気軽に進学相談等を受けることができる大学生等のボランティアを児童の家庭に派遣するという学習支援ボランティア事業が平成24年度に創設されております。
佐井議員より御提案いただいた、ひとり親家庭への学習支援につきましては、市といたしましても子供の学習支援においては、ひとり親家庭に限らず、生活困窮世帯について考える必要があると考えておりますので、生活困窮世帯への支援制度や他の先進地の取り組みの研究をしてまいりたいと考えてございます。
3点目の周知の仕方についてお答えいたします。
支援制度の周知につきましては、親の就業支援の中でもお答えいたしましたが、児童扶養手当の手続時にひとり親家庭への支援制度の御案内ができるよう、市民課や各行政局の住民福祉課の窓口にひとり親家庭のしおりを配置しております。
しかし、ひとり親になったときだけでは、制度の拡充や新規制度の御案内ができないこともあり、平成28年度からはひとり親家庭の皆さんに毎年制度の周知ができるよう、児童扶養手当現況届提出時に、このパンフレットを配布するよう考えております。御提案いただきました専門サイトの開設やアプリの作成についてでございますが、現在、市のホームページにおいてスマートフォンでも閲覧が可能となってございます。
子育て支援について、出産前から就学後まで子供の年代によって、必要な支援を閲覧できるようになっており、またひとり親の支援についても、まとめて掲載しており、利用者に閲覧していただきやすいよう改善に努めており、今後も多くの方に御利用いただける方法を検討してまいりたいと考えております。
4点目のワンストップ相談窓口の設置についてお答えいたします。
ひとり親家庭の支援といたしまして、生活の安定、経済的な安定、就労の安定を図る制度が必要であることから、計画的な支援といたしまして、児童扶養手当、母子父子寡婦福祉資金貸付制度等、生活・子育て支援として、ひとり親家庭等、医療費助成制度、ひとり親家庭育児支援制度等、就業支援として自立支援教育訓練給付金事業、高等職業訓練促進給付金事業、母子・父子自立支援プログラム策定事業等を行っております。
現在、児童扶養手当については市民課が、ひとり親家庭等医療費助成制度については保健課が窓口となっており、ひとり親支援制度の御相談の御希望がある場合は、子育て推進課に連絡をいただくこととなっております。子育て推進課は就業支援について各制度の御案内と必要に応じて生活支援センターや母子家庭等就業自立支援センターの御案内、またはハローワークより定期的に提供を受けている求人情報の御案内を行っております。さまざまな相談がある中、子育て推進課がひとり親家庭の就業相談窓口として、関係課や関係機関と連携をとって対応しており、開所時間にお越しいただくことができない方への対応として、電話やファクス、メールでも相談を受け付けておりますので、必要な方に御利用いただけるよう周知を図ってまいりたいと考えております。
議員から御提案のありましたワンストップ相談窓口については、国の動向を踏まえながら研究をしてまいりたいと考えておりますので、御理解賜りますようお願い申し上げます。
(
保健福祉部長 木村晃和君 降壇)
○議長(吉田克己君) 佐井昭子君。
(15番 佐井昭子君 登壇)
○15番(佐井昭子君) 政府の貧困対策として、平成28年度予算案に公明党として、長年にわたり取り組んでいます児童扶養手当の拡充、多子世帯の保育料、幼稚園の授業料の無償化などが盛り込まれました。
子供の貧困、それ自体が不幸というわけではありません。昔も今も経済的に厳しい環境に生まれ育った子供が環境に負けず立派な大人に成長し、社会に貢献されているという方々は大勢おられます。そういう厳しい環境で育ったからこそ、立派になったというお話もたくさん聞かせていただいています。
今、周りを見回ししてもそんなすてきな方たちが大勢おられます。そういう方たちも家族であったり、地域や職場の方たちの支えがあったことが大きな力、励みになったことと思います。昔から大勢の方々がかかわり、支えられて子供は育ってきたのです。
今回の質問も大勢で支えていく、幾つかの方法を国の制度にのっとり、取り上げました。厚生労働省全国母子世帯等調査によりますと、母子家庭の母の就労は80.6%、父子家庭の父は91.3%、しかし母子家庭の常用雇用者は39.4%と低い。ひとり親家庭の親の就労率が高いにもかかわらず、なぜ所得が低いのか。就労収入の低さ、社会保障給付などが低い。ひとり親家庭は、親が1人しかいないことから、子育てと就労の両立をしていくために、長時間働いたり、緊張度の厳しい仕事を継続することが難しい。その結果、収入が高い就労形態や場所を維持することができなくなると分析されています。
塾の問題は、現実に即しての対応をお願いしたいと思います。子育て推進課、教育委員会、商工振興課が連携して商店街に1カ所無料塾をモデルとしてつくっていただくことを強く要望いたします。
周知の強化については、親の就労支援等、今までの制度も含めてあらゆる方法での徹底をよろしくお願いいたします。子育ての相談窓口については、引き続き研究、御検討をお願いいたします。
それでは、続いて大きな2点目、子供の放課後の居場所についてお伺いいたします。
この件は、小川議員も私も過去に質問しておりますが、今回、和歌山県の新施策として、帰宅しても1人で過ごさざるを得ない子供たちの居場所をつくり、子供の健やかな成長を促進するための子供の居場所づくりが平成28年度予算案に計上されておりますので、田辺市として今後、どう進められるのかをお伺いいたします。
(15番 佐井昭子君 降壇)
○議長(吉田克己君) 教育次長、小川 鏡君。
(教育次長 小川 鏡君 登壇)
○教育次長(小川 鏡君) 佐井議員の御質問にお答えいたします。
まず、子供の放課後の居場所についての現状でありますが、少子化や核家族化などが進み、子供の放課後の過ごし方も多様化している中、教育委員会ではこれまでにも放課後や休日に公民館や学校の空き教室などを活用し、地域の方々の協力を得て、子供たちの安全・安心な活動拠点を設け、さまざまな活動や体験、交流活動の機会を提供する放課後子ども教室推進事業を稲成、龍神、大塔地域の3カ所で実施しているところでございます。
また、議員からもお話がありましたように、県は、平成28年度から社会で子供を育む環境づくりの施策といたしまして、子供の居場所づくり推進事業を新政策として打ち出したところでございます。
この事業につきましては、子供が帰宅してもひとりで過ごさなければならない子供たちの居場所をつくり、学習支援や大人との交流活動などを行うことにより、子供の健やかな成長を促進することを目的とした事業であり、教育委員会といたしましては、現在、その実施箇所であるとか、予算の確保、また地域の方々の協力等につきまして、検討を進めているところでございます。
(教育次長 小川 鏡君 降壇)
○議長(吉田克己君) 佐井昭子君。
(15番 佐井昭子君 登壇)
○15番(佐井昭子君) 実施に向けた御検討をいただいているとのことですので、よろしくお願いいたします。
きょうは、東日本大震災から5年目の3月11日です。改めて震災によって亡くなられました方々に哀悼の意を表しますとともに、被災者の皆様方にお見舞いを申し上げます。東北を忘れないで、復興の前進をお祈りしたいと思います。
たまたま手にした月刊誌で「子どもたちのための放課後学校(コラボスクール)という記事が掲載されていました。被災地宮城県女川町での取り組みです。少し御紹介させていただきます。
コラボスクール、女川向学館開校、きっかけは震災後すぐ被災地、宮城県女川町で見た子供たちの様子でした。避難所や仮設住宅暮らしで生活環境が一変し、子供たちが放課後に勉強する場所や居場所を失っていたのです。子供の未来を生き抜く意欲や能力が今回の震災によって左右されてはならない。この震災の経験を乗り越え、またばねにしてしっかりと生き抜く力を身につけてほしいと強く思い、子供たちの放課後子供広場事業の学習場所、居場所をつくり、学習指導と心のケアを実施することになった。
小中学生の放課後の学習場所、居場所を日常的に提供する拠点を運営することになったそうです。この向学館の支援の根幹となっている放課後の学習場所、居場所ですけれども、子供たちは学校が終わった後、バスで向学館というところにやってくる。授業を受けたり、自習室を利用したりされているそうです。学習指導という手段を通して、子供たちと斜めの関係、親や先生でも友達でもない。憧れや行動を生み出すことのできる先輩という関係を築いて、子供たちが震災を乗り越えて生き抜く力を身につけられるようコミュニケーションをとっている。当初は、小学生に国語と算数、中学生に英語と数学の授業をしていた。現在では、中学生に英会話の授業、また特に受験生である中学3年生には理科、社会の授業も追加で実施するようになっている。
このコラボスクールという名前ですけれども、向学館の職員の半分は町内で塾関係の仕事をしていた方々、残り半分は町外から復興を支援しようと集まった職員やインターン、ボランティアスタッフ、ここにコラボが生まれているということです。その中で、中学生の支援についてですけれども、中学生になると、高校受験という大きなチャレンジが待っている。中学3年生は毎日向学館へ来て勉強している。友人関係や進路、家族のことで悩む中学生にこれまで築いてきた斜めの関係を生かしてじっくりと対話をしながら、一緒に受験へ立ち向かっている。中学生は多感な時期を町外から支援に来たインターン、ボランティアスタッフや職員などの若者で過ごすことで自分の未来の可能性を広げ、その未来を自分でつくるという気持ちを持って勉強に励むようになっているという記事がございました。
先ほどの無料塾にも当てはまる取り組みだと感じました。子供の居場所への取り組みをどうぞよろしくお願いいたします。
それでは、最後に3点目、給付型奨学金制度の創出についてお伺いします。
田辺市は、教育に対する市民、保護者の皆様の意識が高く、奨学金の制度も大変充実しています。また、返さなくてもよい給付型の奨学金も民間の方の御厚志により大勢の学生の方々がその恩恵に浴することができています。
その上で、今回は地方創生、将来の田辺を担う人材の確保という観点から質問をさせていただきます。田辺市の奨学金は貸与型です。これは学生支援機構と併用できます。学生にとってはお金の心配をすることなく、勉学に取り組めるすばらしい制度でありますが、卒業すれば多額の借金です。経済的に厳しいから奨学金を借りてでも勉強したが、卒業した途端、借金返済という厳しい現実が待っています。
経済的に大変な学生さんほどたくさん借りていますから返済も大変です。和歌山県は次年度の予算案で和歌山県で就職した場合、年間60万円、4年で240万円を給付するという奨学金給付制度をつくられました。これから田辺市の子供さんも利用されることでしょう。田辺市としても、Uターンを希望される学生さんを対象に、給付型奨学金の創設ができないかお伺いいたします。
(15番 佐井昭子君 降壇)
○議長(吉田克己君) 教育次長。
(教育次長 小川 鏡君 登壇)
○教育次長(小川 鏡君) 議員御質問の給付型奨学金の創設についてお答えいたします。現在、田辺市には経済的な理由により修学が困難な高校生及び大学生等に対しまして、無利子で奨学金を貸与する田辺市修学奨学金制度がございまして、所得条件等の審査を経た後、高校生には月額1万円、大学生・短期大学生には月額3万円の奨学金を貸与しております。また、平成24年度からは大学等への入学に際しまして、必要となる入学金等の資金として50万円を上限に貸与する入学準備金制度を新たに追加するなどの見直しを行ってきております。
平成17年の合併以来、本制度の利用者は奨学金及び入学準備金を合わせまして、延べ249名となりまして、高校・大学等への進学を希望する生徒・学生への支援策として大きな役割を果たしているものと認識しております。
一方、給付型の奨学金といたしましては、田辺市が事務局を担当しております公益財団法人小山育英会の奨学金制度がございますが、同じく経済的理由により修学が困難な高校生、大学生等を対象に、毎年10人程度の新規採用を行い、高校生には月額8,000円、短期大学生等には月額1万2,000円、大学生には月額1万8,000円の奨学金の給付を行っているところでございまして、昭和26年の奨学金創設以来、今日まで1,000人以上の高校生・大学生等がこの奨学金の給付を受けており、貸与型の田辺市修学奨学金制度と同様に、進学を希望する生徒・学生にとりまして非常に大きな役割を担っていただいているところでございます。
また、先ほど議員からお話がございましたが、和歌山県が平成28年度の新政策といたしまして創設を予定しております和歌山県大学生等進学給付金制度でございますが、これは経済的な理由により大学進学が困難な学生の支援策として、日本学生支援機構の第一種奨学金受給者で、卒業後県内へのUターンを希望する大学生を対象に、年間60万円、4年間で240万円の給付金を支給するというもので、大学進学への支援に加えまして、卒業後のUターン促進という観点も含めて検討されたものでございます。
このように奨学金制度は進学を希望する生徒・学生への支援として重要な施策であり、教育の機会均等の観点からしても、さらなる充実を目指していかなければならないものと認識しております。
今回、議員から給付型奨学金の創設について御質問いただきましたが、現在の田辺市修学奨学金は、貸与した奨学金を返還していただき、次の世代の奨学金に充てるという無利子の貸与方式をとっており、給付型奨学金の導入となりますと、安定した財源の確保といった点で大きな課題があることから、奨学金制度全体の継続的かつ安定的な運用を考えた場合、現時点では難しいものと考えております。
今後、和歌山県を初め、他の自治体の動向などを踏まえながら奨学金制度のあり方について研究してまいりたいと考えておりますので、御理解賜りますようよろしくお願い申し上げます。
(教育次長 小川 鏡君 降壇)
○議長(吉田克己君) 佐井昭子君。
(15番 佐井昭子君 登壇)
○15番(佐井昭子君) 田辺市の子供たちが大勢の市民の皆様の善意により支えていただいていることは大変に喜ばしいことです。また、小山育英会の奨学金制度で1,000人以上の高校生、大学生が給付を受けておられる。すごいことだと思います。ただ、市でこの給付型の奨学金制度をつくるとすれば、安定的な財源が必要である。それは非常に難しいという御答弁でございました。それでは少し方向を変えまして、地方創生、Uターン支援で、この財源を一般財源から支出するということで、給付型の奨学金制度ができないかどうか、再度お伺いしたいと思います。
(15番 佐井昭子君 降壇)
○議長(吉田克己君) 産業部長、那須久男君。
(産業部長 那須久男君 登壇)
○産業部長(那須久男君) 議員御指摘のとおり、Uターンを支援するための施策や取り組みを推進することは、市としましても重要であると認識しており、先般策定をいたしました田辺市まち・ひと・しごと創生総合戦略には、その基本目標の第1番目にこの取り組みを位置づけているところであります。
現在、市では、Uターンだけでなく、UIJターン全てを対象とする定住促進として、田舎暮らしに焦点を当てた取り組みを実施しているところでありますが、新たな人の流れを創出するため、支援施策の充実について検討しているところでありますので、御理解賜りますようお願いいたします。
(産業部長 那須久男君 降壇)
○議長(吉田克己君) 佐井昭子君。
(15番 佐井昭子君 登壇)
○15番(佐井昭子君) 再質問への御答弁ありがとうございました。地方自治体、田辺市も危機感を持って地方創生に取り組まなければなりません。それをなし遂げるのは、将来の地域を担う人材をいかに育て確保するかであります。教育委員会、保健福祉部、産業部一体となって人材の育成、確保に努めていただきたいと思います。
今回の質問は、子供の貧困から始まりましたが、子供の健やかな成長と地域の発展は同じ線上にあると考えます。人材の育成こそが地域の発展の根本であると確信しております。足元をしっかりと見つめ、未来のための子供への投資、人材の育成に全力で取り組んでいただくよう強くお願いいたしまして、質問を終わります。御清聴ありがとうございました。
(15番 佐井昭子君 降壇)
○議長(吉田克己君) 以上で、15番、佐井昭子君の一般質問は終了いたしました。
休 憩
○議長(吉田克己君) この場合、午後1時まで休憩いたします。
(午前11時32分)
――
―――――――――――――――――
再 開
○議長(副議長 安達克典君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
(午後 1時00分)
○議長(副議長 安達克典君) 続いて、1番、真砂みよ子君の登壇を許可いたします。
(1番 真砂みよ子君 登壇)
○1番(真砂みよ子君) 1番、日本共産党の真砂みよ子です。
今回、1項目ですが、1項目の中で3点について子育て支援ということでお聞きいたします。
まず最初に、子育て支援の中の1つ、子供の医療費の無料化についてお聞きします。幾つも子育て支援というのはあるかと思いますが、その中で子供の医療費の無料化が果たす役割、市のいろいろな施策の中でどんなふうに位置づけられているのか、その意義についての認識をまずお聞かせください。
○議長(副議長 安達克典君) 1番、真砂みよ子君の質問に対する当局の答弁を求めます。
市民環境部長、室井利之君。
(
市民環境部長 室井利之君 登壇)
○
市民環境部長(室井利之君) 真砂議員御質問の無料化の意義についてお答えします。
まず、本市では少子化社会に対応した今後のまちづくりの方向性と具体的な施策を取りまとめ、平成17年度に田辺市次世代育成支援行動計画を策定し、各部署で実施または検討している、さまざまな事業を体系化し、子供を安心して産み育てるための地域における子育て支援の確立に向け、総合的な取り組みを行ってまいりました。
さらに、平成27年度からは田辺市子ども・子育て支援事業計画を策定し、子育て家庭を地域のみんなで応援するまち、子育てと社会参加が両立したまち、子育てを楽しむ環境が整ったまち、子供が健康で安全に育つ安心できるまちの四つを基本目標とした新たな展開を目指しているところです。
本市の子ども医療費の自己負担に対する助成につきましては、新市発足時から県の補助金を活用しながら、乳幼児医療費助成制度として3歳未満の入院・通院及び就学前児童の入院を対象とするほか、市単独事業として市民税所得割の非課税世帯に限り、3歳から就学前児童までの通院を対象として実施してまいりました。
平成18年10月からは、県補助が所得制限つきで就学前児童の入院・通院に対象を拡大される中、本市としては子育て世代の負担軽減とより一層少子化対策に資するため、所得制限によって県補助を受けられない児童分は、市の単独負担として全ての就学前児童の医療費無料化を図ってきたところです。
さらに平成25年9月からは新たに子ども医療費助成制度として、市単独事業で小学生までの入院、平成27年度からは中学生までの入院を助成対象に加え、制度の拡充に努めてまいりました。
このように子ども医療費に対する助成制度につきましては、特に受診頻度の高い乳幼児において、疾病の早期発見、早期治療、健康の保持増進に寄与するものであるとともに、子育てにおける不安や経済的負担の軽減を図る上でも、子ども子育て支援事業の重要な柱の一つであると考えているところです。
(
市民環境部長 室井利之君 降壇)
○議長(副議長 安達克典君) 真砂みよ子君。
(1番 真砂みよ子君 登壇)
○1番(真砂みよ子君) 議長のお許しを得て、この席で座ったままで質問させていただきます。よろしくお願いします。
今、子ども医療費の無料化は少子化対策の重要な柱の一つだと答弁いただきました。私もこの問題は何度も議会で取り上げてきましたが、なぜそんなにこれにこだわっているのか、子育て支援には本当にいろいろな施策がたくさんあるのに、私は子供の医療費の無料化が子育て支援の柱だという思いで取り上げてきています。子供の病気というのは突然で予測ができません。ですから、予定外の費用が必要になって、そのための経済的な負担というのが本当に重く感じます。また、子供は満遍なく病気をするのではなくて、本当に健康で病気一つしない子供もいる反面、小児ぜんそくのような慢性疾患で、月に何度も病院に通うというような子供もいます。そのため、子供の医療費の無料化が多くの子育て世代の願いになっています。子育て支援のメーンだという意味では認識が一致したと思います。
では次に、その子育て世代の皆さんがどんなふうに願っているかという点です。現在の若者の生活実態というのは本当に大変厳しいものがあります。若者の2人に1人が非正規雇用だと言われています。田辺市の場合はどうかそこまで把握できていませんが、そのために予定外の子供医療費は本当に家計への負担が重くのしかかってきます。経済的な心配をすることなく、安心して子供を産み育てたい。しかし現実はなかなかそうならない。そんな子育て世代の皆さんの切実な声があります。この間、幾度となく新日本婦人の会の皆さんが署名を集めて請願を出し、市長や議長にも懇談して、訴えてまいりました。この市民の皆さんの声や願いをどう受けとめているのかお聞かせください。
(1番 真砂みよ子君 降壇)
○議長(副議長 安達克典君) 市長、真砂充敏君。
(市長 真砂充敏君 登壇)
○市長(真砂充敏君) 子育て世代の思いをどう受けとめているかについてお答えいたします。
本市の子ども医療費助成制度につきましては、先ほど担当部長から答弁申し上げましたとおり、従前の就学前児童の入院・通院を対象としたものから、平成25年度には小学生の入院、平成27年度からは中学生の入院と、その対象を拡大してきたところですが、子育て世代の市民の方々からの子ども医療費を小中学生の通院まで拡大してほしいとの御意見はさまざまな機会に伺い、その思いは十分理解しております。
なお、現在、国の子供の医療制度のあり方等に関する検討会において、国保国庫負担金のあり方も含めた子供の医療をめぐる諸問題について幅広く議論されており、市といたしましても引き続きこの検討会の議論の行方を注視してまいりたいと考えております。
(市長 真砂充敏君 降壇)
○議長(副議長 安達克典君) 真砂みよ子君。
(1番 真砂みよ子君 登壇)
○1番(真砂みよ子君) どんどん子供の医療費の無料化というのは拡大されていまして、全国的にも広がっていますし、県下でも広がっています。皆さん、参考資料をごらんください。
これを見て、どのように感じられますか。入院についても通院についても中学校卒業までというのが大勢になってきています。括弧がついている丸印は、新年度の予算が通れば実施されるというもので、和歌山市は予算が通ればことしの8月から通院についても中学校卒業まで無料化する。紀の川市も同様です。海南市は4月からを予定しています。
子育て世代の皆さんが強いてその地に親から土地をもらうということがなければ、無料のところに住みたいというのが子育て世代の皆さんの思いではないでしょうか。少子化対策だとか、皆さんの願いが十分わかっているというのであれば、この県下的な流れに田辺市も乗りおくれないようにぜひ検討いただきたいと思うのですが、いかがでしょうか。
(1番 真砂みよ子君 降壇)
○議長(副議長 安達克典君)
市民環境部長。
(
市民環境部長 室井利之君 登壇)
○
市民環境部長(室井利之君) 他市町村の動向でございますが、議員から御紹介がございました県内9市の状況につきましては、現在、小中学生の入院・通院を対象としているのが、岩出市、橋本市、有田市の3市となっております。和歌山市、海南市、紀の川市におきましては、議員御説明のとおり、平成28年度において小中学生の入院・通院を拡大するため、現在、条例改正案等を議会に提出されていると伺っております。このようなことから、平成28年度につきましては、県内9市で小中学生までの入院・通院を対象とするところは6市、小学生までの入院・通院を対象とするところは1市、小・中学生の入院と就学前児童の通院を対象とするところは本市を含めて2市となる予定でございます。
この点、どう思われるかでございますが、このような他市町村の状況につきましては、それぞれのお考えで地域の実情に即して実施されているものであると考えております。
(
市民環境部長 室井利之君 降壇)
○議長(副議長 安達克典君) 真砂みよ子君。
(1番 真砂みよ子君 登壇)
○1番(真砂みよ子君) 確かに、ほかが実施しているから本市も実施してくれというだけではないわけですが、その次のところです。
まち・ひと・しごと地方創生総合戦略で、この立場からお聞かせください。平成27年度の地方創生交付金で、全国的には74の自治体が子ども医療費の無料化に活用したと聞いています。田辺市においても、この戦略プランの中で、基本目標3、結婚・出産・子育て支援というところの④小学生から高校生までの子育て環境の充実の中で、主な事業として、子供の医療費の助成拡大の検討が掲げられています。田辺市でもそうプランに掲げているわけです。ここに記載のとおり、プランに終わるのではなくて、ぜひ早期に実行していただきたいと願うのですがいかがでしょうか。
(1番 真砂みよ子君 降壇)
○議長(副議長 安達克典君)
市民環境部長。
(
市民環境部長 室井利之君 登壇)
○
市民環境部長(室井利之君) 地方創生に係る交付金の活用についてお答えいたします。
国におきましては、平成26年度の補正予算において、地方版総合戦略の策定を支援するとともに、仕事づくりや少子化対策など、地方が直面する構造的な課題の解消に向け、地方の活性化につながる新規性のある事業を対象とした地方創生先行型交付金が創設され、これを受けて平成27年度には、県内の自治体を含め複数の団体がこの先行型交付金を活用して、子ども医療費無料化に取り組んでいます。
さらに国では、地方版総合戦略に基づく地方公共団体の取り組みについて、先駆性を高めレベルアップの加速化を図る観点から、平成27年度の補正予算について、地方創生加速化交付金を創設されました。ただし加速化交付金制度につきましては、先ほど申し上げました先行型交付金制度とは異なり、個人に対する給付事業は原則対象外となっている状況で、国からも医療費無料化への活用は交付対象とならないという内容が示されているところであり、このことから平成28年度において地方創生に係る交付金を子ども医療費等の財源に充てることはできないものと考えております。
それで、まち・ひと・しごと創生総合戦略でうたっているということでございますが、子ども医療費助成制度の助成拡大の検討は、就学後の子育て支援を推進するための具体的な施策の一つと位置づけしております。しかしながら、拡大実施には相当の費用が必要になることから、今後も財政状況等を鑑み、国の動向も踏まえながら総合的かつ慎重に検討していかなければならないと考えております。
(
市民環境部長 室井利之君 降壇)
○議長(副議長 安達克典君) 真砂みよ子君。
(1番 真砂みよ子君 登壇)
○1番(真砂みよ子君) 地方創生先行型交付金ではできたけれども、今、この平成28年度の加速化交付金ではできないという答弁をいただきました。それは今の政府のやり方なので、ひきょうだと思いますけれども、それは仕方がないと思います。そうであれば、このプランの中の子育て支援というところの子供の医療費の無料化の検討という計画自体は変わるのでしょうか。お聞かせください。
(1番 真砂みよ子君 降壇)
○議長(副議長 安達克典君)
市民環境部長。
(
市民環境部長 室井利之君 登壇)
○
市民環境部長(室井利之君) 先ほども申し上げましたように、この田辺市まち・ひと・しごと総合戦略の内容については、変わりません。財政状況等を鑑みながら、検討していくと思っております。
(
市民環境部長 室井利之君 降壇)
○議長(副議長 安達克典君) 真砂みよ子君。
(1番 真砂みよ子君 登壇)
○1番(真砂みよ子君) どのお金でやってほしいというものではないので、とにかく子供の医療費の無料化を促進してほしいという思いです。
次に、通告しています国保のペナルティーというところですが、子供の医療費を地方自治体の裁量で実施すると、国保への国からの交付金が減らされるというペナルティーがあります。市民のためになることを行っているのに、ペナルティーを課すなんて本当にひきょうなやり方だと思ってきました。今回、地方創生法で交付金を活用する中で、少子化対策として活用する者に対して、ペナルティーを課すのは矛盾するからとペナルティーが廃止されたという情報を得ました。今までは、このペナルティーが無料化の足かせになっていたので本当に喜んだのです。これでやっと国のやることもまともになったと思っていました。ところが、ペナルティーの廃止は平成27年度の地方創生先行型交付金のみだとわかりました。大変残念です。と同時に、今の政府の卑劣なやり方に憤りを感じています。こんな国のやり方に屈せず、市民のために取り組んでほしいと申し上げて、ここの項での答弁は結構です。ぜひ子供の医療費の無料化、まち・ひと・しごと創生総合戦略にのっとって、進めていっていただきたいと思います。
次に入ります。保育所についてです。
まず最初に、保育所の意義、保育所の果たす役割について、どのように認識されているのかお聞かせください。
(1番 真砂みよ子君 降壇)
○議長(副議長 安達克典君)
保健福祉部長、木村晃和君。
(
保健福祉部長 木村晃和君 登壇)
○
保健福祉部長(木村晃和君) 真砂議員御質問の保育所の意義、保育所が果たすべき役割は何かの御質問についてお答えいたします。
平成24年8月に制定された子ども・子育て支援法第2条の基本理念においては、子ども・子育て支援は父母、その他の保護者が子育てについての第一義的責任を有するという基本的認識のもとに、家庭、学校、地域、職域、その他の社会のあらゆる分野における全ての構成員がおのおのの役割を果たすとともに、相互に協力して行わなければならないとなっております。
このように、子育てについては、保護者が第一義的責任を有しますが、保護者が働いていたり、病気などのため家庭で十分に児童を保育できないケースがあります。このような場合、保護者にかわって保育する児童福祉施設が保育所であります。
現在、田辺市では、公立16園、私立7園、認定こども園2園の計25園の保育所に約1,600人の児童が通所しております。各保育所等では、国で定められた保育所保育士指針に基づき、児童の保護者とともに、児童を心身ともに健やかに育成する責任を果たしながら、保育所の運営がなされているところであります。
今後も保育の必要性がある保護者に対し、良質かつ適切な保育の提供を行ってまいりたいと考えております。
(
保健福祉部長 木村晃和君 降壇)
○議長(副議長 安達克典君) 真砂みよ子君。
(1番 真砂みよ子君 登壇)
○1番(真砂みよ子君) 保育所の果たす役割は本当に大きなものがあります。女性が社会で活躍するためには、子供を誰に預けるか。誰が保育するか。それが本当に大きなポイントになってきます。親にとっては仕事をするということの補償です。また、子供にとっては発達を手伝い、補償するもので、集団から多くのことを学ぶ場でもあります。その認識は同じだと思うのですが、そんな意義のある保育所を年度途中で退園しなければならないという方がいます。育休退園です。
2人目の子供を出産し、上の子供が2歳児以下で保育所に行っている場合、保育が必要だと認められず、退園を求められます。その後、復職したときに、もとの保育所に戻れるかどうかわからないといいます。この5年間に、育休退園は何人いましたかお聞きします。
(1番 真砂みよ子君 降壇)
○議長(副議長 安達克典君)
保健福祉部長。
(
保健福祉部長 木村晃和君 登壇)
○
保健福祉部長(木村晃和君) 議員の御質問にお答えいたします。
保育所を利用することができる基準としては、保護者の就労や疾病、親族の介護、求職活動、就学など、国で定められた9項目があり、その中には、育児休業取得中に既に保育所を利用している子供がいて、継続利用が必要と判断されるケースがあります。
児童が退所する場合には、子どもの保育が可能であることを確認した上で、退所届を受理していることから、育休退園の件数については把握しておりませんので御理解をよろしくお願いいたします。
(
保健福祉部長 木村晃和君 降壇)
○議長(副議長 安達克典君) 真砂みよ子君。
(1番 真砂みよ子君 登壇)
○1番(真砂みよ子君) 子ども・子育て支援法にかわって、保育所の位置づけが変わりました。今までは「保育に欠ける」ということが保育所入所の基準でしたが、「保育の必要性がある」という文言に変わったそうです。産後8週間までは保育の必要性があると認められるのですが、8週を過ぎると、2カ月ちょっとの赤ちゃんは保育に欠けるとはみなされないわけです。何を根拠にそう言えるのでしょうか。
(1番 真砂みよ子君 降壇)
○議長(副議長 安達克典君)
保健福祉部長。
(
保健福祉部長 木村晃和君 登壇)
○
保健福祉部長(木村晃和君) 議員の御質問にお答えいたします。
子ども・子育て支援法施行規則第1条第1項第2号に妊娠中であるか、または出産後間がない保護者は、保育所を利用することができることとなっております。この場合、同法施行規則第8条において、支給認定の期間が定められており、効力発生日から当該小学校就学前児童の保護者の出産の日から起算して8週間を経過する日の翌日が属する月の月末までの期間と定められていることから、田辺市では、産後2カ月間は保育所を利用することが可能であるとしております。
(
保健福祉部長 木村晃和君 降壇)
○議長(副議長 安達克典君) 真砂みよ子君。
(1番 真砂みよ子君 登壇)
○1番(真砂みよ子君) 産後8週の赤ちゃんは手がかかるけれども、8週から1日でも過ぎると保育が必要ではないという判断をされていると思うのですが、どこがどのように違うのでしょうか。皆さん、赤ちゃんを育てられて何年もたっておられて、赤ちゃんを育てることの大変さというのが少し忘れられているかもわかりませんけれども、産後8週を過ぎた赤ちゃんというのは24時間、夜中であろうと何時であろうと、2時間、3時間置きにミルクが欲しい、おっぱいが欲しいと泣きます。おむつをかえて、おっぱいをやって、夜中も何度も起きてママたちは子育てをしているわけです。そういうお母さんにとって保育が必要ないという判断をどうしてできるのでしょうか。肉体的な疲労、そういうふうに認めてもらえないという精神的な負担、本当に子育てママの立場に立ったら、納得のいかない線引きだと思います。
また、途中で退園する子供にとっても生活が変化して、せっかく築いた保育園での人間関係が崩れてしまうわけです。実際に、育休退園したママから話を聞きました。上の子にとっては、2人目の子供を産んではいけなかったのか。そう思った。社会から出産を祝福されていないと思った。私はこの言葉を聞いて、こんなふうに子育てママの思いをつぶしてしまったら、本当に今やろうとしている少子化対策と逆行していると思うのですが、いかがでしょうか。
(1番 真砂みよ子君 降壇)
○議長(副議長 安達克典君)
保健福祉部長。
(
保健福祉部長 木村晃和君 登壇)
○
保健福祉部長(木村晃和君) 議員の御質問にお答えいたします。
保育所は、子ども子育て支援法に基づき、保育の必要性のある児童を保護者にかわって保育する児童福祉施設であります。保育が必要とされる理由があれば、現在通所している保育所を継続利用することができるような対応を行っているところでありますので、御理解のほどよろしくお願いいたします。
(
保健福祉部長 木村晃和君 降壇)
○議長(副議長 安達克典君) 真砂みよ子君。
(1番 真砂みよ子君 登壇)
○1番(真砂みよ子君) 保育の必要性があれば保育する。そうしたら、私は8週を過ぎた赤ちゃんを抱えたママの子供にも保育が必要だと感じます。この育休退園の問題は、全国的にも問題になっています。それで、そういう育休退園という制度を廃止した市町村があります。静岡市や岡山市です。もっとあるかもわかりませんが、私が今、直接問い合わせたのはこの二つです。静岡市は、まず人口減少があって、人口減少にストップをかけたいという思いがあったそうです。そんなときに、育休退園をやってしまうと、少子化対策に逆行してしまう。保育所の入所状況を調べてみると、待機もそれほどない。待機が大分解消されたから、それでは子育て支援、少子化対策の歯どめとして、育休退園は廃止にしようということを決めたそうです。あくまでも保育を必要とするという判断で実施したそうです。
田辺市でも、新年度の待機はほとんどないと聞いています。育休退園を廃止しても待機のところで大きな影響があるわけではないので、ぜひ検討していただきたいと思います。
次に、保育所の中の低年齢児保育の拡大ということで、年々低年齢児の保育希望がふえています。今後、どのように取り組むのか、お聞かせください。
(1番 真砂みよ子君 降壇)
○議長(副議長 安達克典君)
保健福祉部長。
(
保健福祉部長 木村晃和君 登壇)
○
保健福祉部長(木村晃和君) 議員の御質問にお答えいたします。
平成26年度に策定をいたしました田辺市子ども子育て支援事業計画における子育て支援の量の見込みは、平成25年度に実施いたしました田辺市子ども・子育て支援事業計画策定に係るニーズ調査の結果に基づいて作成をいたしております。
平成26年度と27年度には、認定こども園が各1園創設されたことや、平成29年4月からは、まろみ保育所が民設民営で開所される予定であり、現行の1歳児保育からをゼロ歳児保育からに変更されるなど、低年齢児保育の受け入れについて、その取り組みを進めることにより、平成28年度から31年度までの低年齢児保育の確保方策が量の見込みを上回っております。つきましては、田辺市子ども・子育て支援事業計画の取り組みと評価等を田辺市子ども・子育て会議に諮るとともに、必要時には計画の見直しを図りながら、対応してまいりたいと考えておりますので、御理解いただきますようお願いいたします。
(
保健福祉部長 木村晃和君 降壇)
○議長(副議長 安達克典君) 真砂みよ子君。
(1番 真砂みよ子君 登壇)
○1番(真砂みよ子君) 男女共同参画の立場からも、女性が社会で活躍しようと思えば、保育所が本当に充実していないと社会で活躍はできません。もちろん幼稚園もありますが、働く女性にとっては保育所でないと働けないというのが実態です。ぜひ子育て支援ということで、こういう面についても充実していっていただきたい。
低年齢児保育が充実すれば、育休退園を求めなくてもうまくいくのではないかと思います。ぜひ取り組んでいただきたいと思います。
次に、3番目の育児ノイローゼと虐待を未然に防ぐためにということでお聞きします。
昨年末に田辺市で生後6カ月の我が子を殺すという大変悲しい事件が起きました。とても衝撃的でショックでした。他人事ではなく、議員の私にできることはなかったのかと自問自答しています。そんな思いでこの質問を行います。
一つは育児相談の充実です。育児相談の体制は十分でしょうか、お聞かせください。
(1番 真砂みよ子君 降壇)
○議長(副議長 安達克典君)
保健福祉部長。
(
保健福祉部長 木村晃和君 登壇)
○
保健福祉部長(木村晃和君) 議員の御質問にお答えいたします。
まず、昨年の事件につきましては、大変残念な事態であったと思っております。この事件を受けまして、救急搬送があった場合及び保護者や家族からの育児不安についての相談があった場合の相互連絡、情報共有及び迅速な対応の必要性を改めて確認したところであり、今回の事件を風化させないためにも医療関係者からの定期的な研修を受けるとともに、マニュアルの見直しを行い、今後の対応について現在取り組んでいるところでございます。
議員御質問の育児相談につきましては、子育ての中、母が孤立しない取り組みといたしまして、地域子育て支援センター、健康増進課、各行政局住民福祉課及び家庭児童相談室に窓口を開設しております。
また、窓口で本人からの相談を受けるほかに、保育所や乳幼児健診などで気になる保護者がいた場合、相談窓口への引き継ぎを行い、連携しているところであります。昨年度の相談件数につきましては、地域子育て支援センターでは、電話が60件、窓口が42件で合計102件の相談を受けております。
健康増進課及び各行政局住民福祉課では、平成9年から子育て相談総合窓口を開設し、昨年度の相談件数は電話が56件、窓口が25件で、延べ81件でありました。相談者はゼロ歳児の母が最も多く、相談内容は、母乳、ミルク、離乳などの栄養に関することのほか、病気、予防接種、赤ちゃんとのかかわり方、育て方、子供の事故など多岐にわたる内容で、相談内容により、医療機関など相談機関の紹介をいたしております。
また、乳幼児全戸訪問、乳幼児健診、育児教室では、育児に関する相談を個別にお聞きしております。家庭児童相談室では、電話、窓口、家庭訪問での相談によりまして、延べ1,053回の相談を受けております。さらに、広報田辺や市のホームページ等にこれらの相談窓口の案内を掲載し、情報発信に努めております。
今後とも、子育て中の保護者が、1人で悩むことのないよう相談できる手段等につきましては、情報発信に努めるとともに、相談者の気持ちに応えられる相談となるよう努めてまいりたいと考えております。
(
保健福祉部長 木村晃和君 降壇)
○議長(副議長 安達克典君) 真砂みよ子君。
(1番 真砂みよ子君 登壇)
○1番(真砂みよ子君) 子育て育児相談、相談を受けられる方はいろいろな経験もあり、研修も受けて十分対応してくれていると思うのですが、それでもなお申し上げたいのは、こんな事件があったからこそ、もう一度見直してほしいということです。
相談者というのは、求めているものがそれぞれ違うと思います。例え方が少し適切かどうかわかりませんが、例えば、相談者が五つの悩みを持っているとします。この五つの悩みを相談したときに、通常は五つ返ったら大満足だと思うのです。ですけれども、五つの悩みしかなくても、10求めている人もいるわけです。そういう人は五つしか返してくれなかったら不満なわけです。10返さないと満足してくれない。そんな方はレアケースだと思います。レアケースだけれども、そういう方がいろいろなトラブルを起こす、悩みが解決できなくていろいろなことに発展していく。ですから、育児相談というのは本当に時間のかかる人もいると思いますが、1人何分という形で切っていくのではなくて、本当に親身になって相談に乗っていただきたいと思います。相談というのはそんなものだと思ってほしいのです。
昨年末の事件は、心神喪失で不起訴になりましたけれども、相談体制をさらに充実させて、二度とこのような事件が起きないような取り組みが必要だと思います。特に子育てママを孤立させないということが大事だと考えています。
ですので、次のところで子育てサークル、たくさんあると思うのですが、こういったところにもサークル紹介や事務局的なお手伝い、サークルが集まる場所の提供などの支援がもっと必要だと思うのですが、いかがでしょうか。
(1番 真砂みよ子君 降壇)
○議長(副議長 安達克典君)
保健福祉部長。
(
保健福祉部長 木村晃和君 登壇)
○
保健福祉部長(木村晃和君) 議員の御質問にお答えいたします。
地域子育て支援センターでは、市内で16の子育てサークルが活動を行っていることを把握しており、子育てサークルづくりやそれぞれのサークルが地域でつながりを大切にしながら、親子の友達の輪を広げていけるよう、運営につきまして支援を行っているところです。具体的には、遊びの提供、おもちゃ、絵本の貸し出しを行うとともに、サークルが有意義な場となり、円滑に運営していけるように、リーダーの方々に研修を行っております。
これらを通して、サークルは親子の仲間づくりの場だけではなく、情報交換をしたり、子育ての悩みを相談し合ったり、子育ての楽しさや子供の成長の喜びを共感できる場となるように、サークル支援を行っているところです。今後もそれぞれのサークルの特徴を生かし、連携を大切にするとともに、地域や家族のニーズを把握し、子育て中の保護者が孤立することなく、子育ての楽しさや感動を与えられるような子育てサークルの設立及び自主運営に対して支援してまいりたいと考えております。
(
保健福祉部長 木村晃和君 降壇)
○議長(副議長 安達克典君) 真砂みよ子君。
(1番 真砂みよ子君 登壇)
○1番(真砂みよ子君) 最後のところで、地域で子育てというのが本当に理想だと思います。先ほど田辺市の方針の中にも、地域の皆で育てていくまちというスローガンがあったと思うのですが、地域で子育てをしていくことに対する市の具体的な取り組みはどんなことでしょうか。
(1番 真砂みよ子君 降壇)
○議長(副議長 安達克典君)
保健福祉部長。
(
保健福祉部長 木村晃和君 登壇)
○
保健福祉部長(木村晃和君) 議員の御質問にお答えいたします。
田辺市では、民生児童委員協議会で、平成23年1月から民生児童委員による「あかちゃん訪問」に取り組んでおります。これは市が実施する7カ月児健診の際に同意を得た家庭を地域の民生児童委員が訪問し、子育て支援に関する情報をお知らせしたり、絵本をプレゼントするといった内容で、これまで延べ約1,600件の訪問を実施しています。訪問の際、育児上の悩みや困りごとがあれば、民生児童委員が相談に応じるとともに、その後、訪問時の状況をまとめた実施報告書を提出していただき、市の関係各課で情報の共有を行っています。
また、地域には母子保健推進員さんが82名おられ、家庭訪問や育児教室での助言、乳幼児健診の補助など母と子の健康保持増進のため、地域に密着した育児支援活動を行っています。
このような子育てを地域で支え、見守るといった取り組みが育児中の孤立を防ぐ手だてとして必要であることは、市といたしましても十分認識しているところであり、地域の皆様と共有できるよう進めてまいりたいと考えております。
(
保健福祉部長 木村晃和君 降壇)
○議長(副議長 安達克典君) 真砂みよ子君。
(1番 真砂みよ子君 登壇)
○1番(真砂みよ子君) いろいろな体制もあり、大いに進めていっていただきたいと思うのですが、どうして昨年末の事件が起こってしまったのだろうというのが本当に悔やまれるところです。二度とこんなことのないように、この事業を進めていっていただきたいと思います。
今回、育児ノイローゼや子供への虐待をなくすには何が必要かと考えました。そして私がその結果見つけたのは、地域のつながりが大事だということでした。子供も地域社会の中で見守り、育んでいく、それが理想の形だと考えています。災害のないまち、犯罪のないまちというのも地域力、地域のつながりが大事だと言ってきましたが、子育てもそうなんだと、今さらながら自分でも驚いています。
私ごとですが、昨年の3月に笑う家、「笑家」と名づけたたまり場をオープンしてちょうど1年になりました。卓球台があり、延べ40人ほどの方が卓球をしにやってきます。十分なスペースはありませんが、ダブルスの試合もやっています。毎週木曜日はお茶会、コーヒーや紅茶にお菓子を食べながらおしゃべりをします。また、時には各自が料理を持ち寄って、ランチ会など食事会をやっています。また、絵手紙や水彩画の絵画教室あり、ギター教室あり、苔玉をつくったり、寄せ植えをしたりしています。
今回、子育て支援をテーマにして、笑家が今後、赤ちゃんを連れたママたちが集まれる場になればいいなと思っています。子育てママが我が子に手をかけるような悲しい出来事、事件が二度と起こらないように私のできることは微力ですが、私なりの方法で取り組んでいきたいと申し上げて、質問を終わります。ありがとうございました。
(1番 真砂みよ子君 降壇)
○議長(副議長 安達克典君) 以上で、1番、真砂みよ子君の一般質問は終了いたしました。
休 憩
○議長(副議長 安達克典君) この場合、1時55分まで休憩いたします。
(午後 1時41分)
――
―――――――――――――――――
再 開
○議長(吉田克己君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
(午後 1時57分)
○議長(吉田克己君) 続いて、2番、川﨑五一君の登壇を許可いたします。
(2番 川﨑五一君 登壇)
○2番(川﨑五一君) 2番、日本共産党の川﨑五一です。
今、休憩中に黙祷が行われました。5年前の3月11日もちょうど私が質問をしている最中で、市長からの答弁を聞いているときに議場が大きく揺れたことを覚えています。当然5年前の災害は天災でしたが、その後、人災と言われるような事態が相変わらず続き、多くの被災者がいまだ苦しい生活を送っています。
そしてまた今回取り上げる子供の貧困の問題についても、これは明らかに人災であると私は考えています。人がつくり出した災害である以上、人の力によってその厄災は解消することができるといった思いで、今回、この問題に取り組みます。
昨今、子供の貧困という言葉がマスコミ市場でも頻繁に見られるようになりました。貧困という言葉が日常的に使われるようになってきています。果たして、貧困とはどのような状態を指すのか。また、そのような状況は私たちの田辺市にも存在するのか。当局の認識を確認しながら、今後の対応について議論を深めていきたいと考えています。
まず、1番目ですが、貧困の定義についてということでお伺いいたします。
田辺市が貧困という問題についてどのように認識していけるか伺ってから議論を始めてまいりたいと考えています。2008年、7年ほど前の12月議会で私は貧困の定義について質問をしました。広がる貧困とその対策について質問したのですが、そのときには当時の
保健福祉部長から絶対的貧困の話ですとか、OECDの相対的貧困という話も出たのですが、定義や計測方法には緒論があり定まっていないようでもありますので、あえて貧困という言葉は避けて答弁をいたしますということで、貧困という言葉を使われずに御答弁をいただきました。
それから7年がたって、マスコミではそういう言葉が日常的に使われる時代になったわけですが、今でも貧困に対してはそうした認識でしょうか。そのことをまずお聞かせいただきたいと思います。
(2番 川﨑五一君 降壇)
○議長(吉田克己君) 2番、川﨑五一君の質問に対する当局の答弁を求めます。
保健福祉部長、木村晃和君。
(
保健福祉部長 木村晃和君 登壇)
○
保健福祉部長(木村晃和君) 川﨑議員御質問の貧困の定義についてお答えいたします。
貧困の定義につきましては、国、地域、機関によってさまざまでありますが、大きく絶対的貧困と相対的貧困の二つの概念があるということは、議員御指摘のとおりでございます。国・地域の生活レベルとは無関係に人間が生きるのに必要な最低限の衣食住を満たす生活水準以下の層または個人を貧困と呼ぶのが絶対的貧困であり、ある国、地域の中で一定の指標を定め、平均的な生活レベルよりも低い層、または個人を貧困と呼ぶのが相対的貧困と言われています。
絶対的貧困の定義としまして一般的に知られているのは、世界銀行によるもので、2008年では1日当たりの生活費1.25ドル未満で生活している人とされています。一方、相対的貧困は、OECD(経済協力開発機構)が用いる相対的貧困率で示され、収入から税や社会保険料などを差し引いた手取りの世帯所得を世帯人数で調整し、中央値の50%以下を貧困としています。
これによりますと、日本の相対的貧困率は、厚生労働省の国民生活基礎調査の平成24年の値では16.1%となっており、対象となっている手取り所得は約122万円とされています。また、17歳以下の子供の貧困率は16.3%となっています。国においては、子供の貧困対策の推進に関する法律が平成25年6月26日に公布、平成26年1月17日に施行されております。また、同年8月29日に閣議決定で、子供の貧困対策に関する大綱が定められており、ここに掲げる子供の貧困率は、厚生労働省の国民生活基礎調査によって公表された子供の相対的貧困率をもって定義されたところであると認識してございます。
(
保健福祉部長 木村晃和君 降壇)
○議長(吉田克己君) 川﨑五一君。
(2番 川﨑五一君 登壇)
○2番(川﨑五一君) 今、
保健福祉部長から御丁寧に説明をいただきました。きのうの久保浩二議員の質問の中で、こうした相対的貧困についての説明がありましたので、それについて再度なぞることはいたしませんが、言われたように絶対的貧困と相対的貧困という指標があるのですが、相対的貧困というのは数式がありまして、等価可処分所得という耳なれない数値を使って、大体どれぐらいの経済的な収入所得の人を貧困とするかを決めているのですが、これも絶対的な価値判断ではありません。若干皆さんも知っておいていただきたいのですが、平均値ではなくて中央値の半分、すなわち1,000人いたら500番目の人の所得を基準として、その50%以下とする。平均値でいうと、格差が広がって上の人がどんどん所得がふえてくると、当然平均値も引き上げられるのですが、中央値というのは上がりません。500番目の所得の人というのはトップの5人、10人が所得がべらぼうに上がってもふえませんし、町内会単位で考えても1人のお金持ちが越してくれば、平均値は上がりますけれども、中央値というのは変わらない。ということで、余り変動しない数値ということで、この中央値が使われています。
ただそれを50%以下としている日本のような国もあれば、60%までを貧困という国もありますし、絶対的なそういった線引きではないということがまず前提にあります。ただ、貧困とは文学的にというと変ですが、国語的にどういうことを指すかというと、貧困とは経済的困難と社会生活に必要なものの欠乏状態、貧困の中心にあるのは生活資源の欠乏、物がないということであり、現在の日本においてはお金がないという経済的困難が重要な位置を占める。一般的に貧困といった場合には、経済のことを指す。経済的問題はそれだけで多くの困難をもたらす。貧困概念は多様な側面を持ち、容易に定義するのは困難だが、核にあるのはお金の問題である。これについては皆さんも納得できるのではないかと思います。
発達の諸段階におけるさまざまな機会が奪われた結果、人生全体に影響を与えるほどの多くの不利をこうむってしまう。これが子供時代の貧困かと思います。人間形成の重要な時期である子供時代を貧困のうちに過ごすことは成長発達に大きな影響を及ぼし、進学や就職における選択肢を狭め、みずから選ぶ人生を選び取ることができなくなるライフチャンスの制約をもたらすおそれがある。子供の今と同時に、将来をも脅かすもの、それが子供の貧困だと考えます。
先ほど言われた世界銀行の基準のように、飢え死にするというような状況ではなくて、今の相対的な貧困というのは惨めな思いをすることなく、市民として社会への参加を可能とするという水準ではないかと考えます。
ただ、国がこうした貧困という基準を一定OECDの基準も用いて発表したということには大きな意義がある。一定日本の中にそういう状況がある。数値化を行うことによって、一定対策の目標を明らかにすることで意味があったと受けとめております。
そしてもう1つ、世界的な基準ではないのですが、貧困の指標として用いられるものに、相対的剥奪という指標があります。これは簡単に言うと惨めな思いをする指標なのですが、圧倒的多数の人たちが所有し、所有することがその社会一般的に当然と思われるものを所有できない頻度を示す割合、ですからその地域の社会や文化によってさまざまなものが当然持たれるという認識が変わってきますが、それを事前に多くの人にアンケートをとって、当然そういうものは与えられるべきであろうと、こういう指標をつくりまして、それを持たない人がどれぐらいいるか。これは相対的剥奪というようなことから貧困について一定の数値化をしようという取り組みもあります。
具体的に言うと、朝食であったり、すぐに治療することであったり、手づくりの夕食、遠足や修学旅行への参加、高等教育を受けること、子供用の本というようなさまざまなもの、どこの家にもあることが当然だという皆の認識を得られる、共通理解を得られるものを定めてそれがない人たちの数値化、どれぐらいのものを持たないのかを示すというのが今貧困の定義として用いられる、相対的剥奪という一つの指標です。
るる貧困についてお話をしてきた中で、そうしたさまざまな貧困の定義というものがあるのですが、ここで現状認識についてお伺いしたいと思います。田辺市に、こうした子供の貧困と言われるような状況は現に存在するのか。あるとすれば具体的にどのような事例としてあらわれているのか、またそれはいつごろからあらわれ始めているのかについて御認識をお聞かせください。
(2番 川﨑五一君 降壇)
○議長(吉田克己君)
保健福祉部長。
(
保健福祉部長 木村晃和君 登壇)
○
保健福祉部長(木村晃和君) 議員の御質問にお答えいたします。先ほど申し上げましたとおり、子供の貧困率は厚生労働省の国民生活基礎調査における平成24年の値では、16.3%となっており、子供がいる世帯のうち大人が1人の世帯で見ると、貧困率は54.6%となっています。このことは特にひとり親家庭と大人1人で子供を養育している世帯が経済的に厳しい状況に置かれていることを示していると考えます。子供の貧困率については、国から市町村の数値は公表されておりませんので、市として把握をいたしておりませんが、この指標を貧困の状況にある子供と捉えますと、田辺市でも子供の貧困という状況は存在すると考えられます。
国でいう貧困率ではありませんが、あえて申し上げますと、困窮状態にある子供の世帯事例ですが、現在、市において出している指標として生活保護法に規定する要保護者とそれに準ずる程度に困窮していると認める準要保護者を対象に援助する、就学援助制度で見ますと、過去10年間の受給者数の推移は平成17年度669人、平成22年度859人、平成28年1月現在で921人と全児童数が減少している中でも増加をしてきております。
(
保健福祉部長 木村晃和君 降壇)
○議長(吉田克己君) 川﨑五一君。
(2番 川﨑五一君 登壇)
○2番(川﨑五一君) 今回の質問を行うに当たって、さまざま書物も読みましたし、多くの中学校へも直接お話を聞かせていただきに行きました。貧困ということでいうと、僕は大阪の出身ですが、子供のころよく通っていたところにあいりん地区、釜ヶ崎という地区があります。その沿線に住んでいましたが、子供のころは非常に怖いところだと思って足を踏み入れたことがありませんでした。今回、その釜ヶ崎のほうへも行って、いろいろなNPOの方からお話も聞かせていただきました。本当に貧困というのは非常に遠いところの話だと思っていたのが非常に身近なところにある。また、今は数値で言われましたが、実際の現場に行くと、自分たちが生きている日本でこういう状況があることに愕然とする思いがしました。
市内の中学校での聞き取りの中では、具体的な例としましては、中学生というのは当然物心もつきますから、友達にそうした自分の家庭が非常に経済的に厳しいことを悟られまいとする思いも当然あります。そんな中で見えにくくなってきているというのが一つの実態ですが、その中でも学校の先生方が言われている状況の中でいうと、朝御飯を食べてこられない。これは貧困だけが理由ではなく、当然、虐待であったり、ネグレクトがあるということなどさまざまあります。しかしそんな中で、朝、欠食する。そして給食時間になるとがっついて食べる。成長期ですから非常に食欲旺盛な子供たちですけれども、非常にがつがつと食べる。そしてまた、夏休みなど給食がなくなる長期休暇明けには非常にやせているという状況があると言われました。
また、上履きを使用しますけれども、子供たちはこの時期は足が大きくなります。ただどんどん大きくなるので破れる前に履けなくなるのですが、次々と買いかえることができないので、かかとを踏んだようにして履いている。小さいのを無理に履くので親指のほうがすり切れたりするという状況もあります。洗濯がおろそかでシャツの汚れが目立つ。入浴や洗髪ができていないような子供たちも一部に見受けられる。夏になって、入浴ができておらず、少しにおいがするような子供たちがいるという状況が現に市内の中学校で聞かれる状況となっています。先ほどひとり親家庭の貧困の数値も言われましたが、非常にひとり親家庭もふえている中で、学校によっては4分の1の世帯を占めるという学校も出てきています。その過半数が貧困の指標に当てはまるとすれば非常に貧困が広がっていると思われます。
全国的に言えば、1990年代から2000年代にかけてホームレス、野宿者が増加しました。2007年にはネットカフェ難民であるとか、ワーキングプアという言葉が言われました。2008年には年越し派遣村、そして、ここ数年来は子供の貧困という言葉がふつうに使われるという状況になってきているのではないかと思います。
今の話でも大概ひどいとは思うのですが、新聞、マスコミ等で言われる中では、虫歯の治療が経済的な理由でなかなかできなくて、乳歯をほとんど抜かざるを得ないような状況になっていたという話もありました。
子供たちが空腹の余り、ティッシュを口に入れるのです。僕もこの間、たまたまはなをかむときに、これもそうですが、ローションティッシュというのは甘いのです。子供たちがティッシュの中には甘いのもあるのだということをどこからか知って、ティッシュを口に入れて空腹を紛らわせる子供たちがいるという話を国会でも取り上げられました。
また、オブラートなどをおやつに買っている女子高生、バイトを幾つもかけ持ちして、この辺ではないですけれども、終電が終わるまでバイトをしているので、終電が終わった後トイレで寝て、朝一のアルバイトに行ってから学校へ行く。こういう子供たちもいる。制服を買えずに入学式に出られなかった子供がいる。また、高校では、授業中机に突っ伏して空腹に耐える男子高校生がいる。新しい下着や服を用意できずに、修学旅行を欠席する子供。ガスをとめられたので水風呂に入ってくる子供たちがいる。
全国的には、この子供の貧困というのは非常に深刻な状況が見受けられると、そういう本を読んでいましても、気持ちがめいってくる。この見えない貧困が自分たちの身の周りでも明らかに広がっていっていることは、12月のときにも一般質問で生活保護の問題で取り上げさせていただきましたが、市民税、総所得の課税額についても10年間で60億円ぐらい減少している。この地域で回るお金が減っていること、国保の軽減世帯がふえていること、今言われた就学援助の数がふえていることから、非常に経済的に厳しい状況が広がっているということが事実だと認識しています。
そこで、3番目の現行の対策についてお伺いするわけですが、そうした貧困が広まっていっているという認識のもとで、子供の貧困対策というのは必要かどうか。私は必要だと思うのですが、必要ならば、なぜ子供の貧困対策というのは必要なのか。そのことについて見解をお聞かせください。
(2番 川﨑五一君 降壇)
○議長(吉田克己君)
保健福祉部長。
(
保健福祉部長 木村晃和君 登壇)
○
保健福祉部長(木村晃和君) 議員御質問の現行の対策について、子供の貧困対策は必要か、必要ならそれはなぜかについてお答えいたします。
子供の将来がその生まれ育った環境によって左右されることのないよう、貧困の状況にある子供が健やかに育成される環境を整備するとともに、教育の機会均等を図るため、子供の貧困対策を総合的に推進することを目的として、平成26年1月、子どもの貧困対策の推進に関する法律が施行され、同年8月に子どもの貧困対策に関する大綱が閣議決定されております。
また、この大綱に基づき、全ての子どもたちが夢と希望を持って成長していける社会を実現するため、ひとり親家庭、多子世帯等、自立応援プロジェクト、児童虐待防止対策強化プロジェクトとして、施策の方向が取りまとめられ、重点施策としましては教育の支援、生活の支援、保護者に対する就労支援、経済的支援等を掲げ、10の基本方針と合わせて児童虐待の発生防止等を通して、総合的に推進するとしております。
田辺市におきましては、現行の対策として、全ての子育て世帯を支援するため、出産前から就学後まで、切れ目のない、みんなで子育て応援プログラムとして、約100の事業を展開しているところであり、特に経済的に厳しいひとり親家庭、多子世帯、生活困窮者の方など子育てを行っている世帯への支援として、国などの制度を活用して推進しているところであります。
また、なぜ必要かという点についてでありますが、将来における貧困の格差や拡大の固定化を招き、経済成長においても負の影響を及ぼすこととなるため、ライフサイクルに即した予防的な施策により、子供の貧困を解消し、貧困の連鎖を遮断することが必要であると認識いたしております。
(
保健福祉部長 木村晃和君 降壇)
○議長(吉田克己君) 川﨑五一君。
(2番 川﨑五一君 登壇)
○2番(川﨑五一君) 現時点においても、国もそうですし、自治体、田辺市としても出産前から就学後までさまざまな取り組みをしているとお答えいただきました。当然、子育て支援と貧困対策というのは重なる部分があるでしょうし、これは貧困対策ではないと線引きをすることに余り意味はないと思いますので、こういったさまざまな施策が必要だと。当然、国のほうでは、子ども貧困対策法が施行された中で、国ともそうした形で歩調を合わせてやっていくという答弁は当然のことだろうと思います。
ただ、そうした中で、初めに貧困の定義について確認をさせていただいたのは、当然所得での経済的な基準ではあるのですけれども、子供たちをこれ以下の生活水準にさせないのだという基準を一定明確にしていくことが必要ではないかと考えます。
今回の貧困対策法もさまざま評価される面とまだまだ非常に不足しているという評価の部分もあります。具体的な数値目標としていついつまでにこういった子供をこれだけ減らしていこうというところがまだまだ不足しているという指摘もありますが、市の取り組みにおいても、一定の基準というのを明確にしていく必要があるのではないか。この緊急度は高いのではないかと私は考えるのですが、なぜ貧困対策、市民には当然、赤ちゃんからお年寄りまでという中で、なぜ子供を主体として捉えるのか。
今、部長のほうから御答弁があったように、貧困の連鎖が固定化することを断ち切ると言われました。なぜ子供を主体として捉えるかは、個々の人生の主体である。子供たちはどんな家庭に育っても関係なく、個々の人生の主体として捉えられるべきであることと、権利の主体である。子供の権利の中核というのは発達点だと言われます。そしてその権利を奪う貧困が対策の対象である。子供たちのこうした権利等を定めたいろいろな文書がありますが、児童憲章の一番最初の文は、児童は人として尊ばれるという文章から始まります。ここにも書かれているように、人として尊ばれる状況を補償していくことが非常に必要だと考えます。貧困が子供に与える影響というのは、先ほど言ったように学習環境の不備、経済的に苦しいさまざまな家庭の環境によって、家庭学習がおろそかになりがちである。多くの校長先生と話した中で、経済イコール学力ではありません。ただ、経済の困難さが子供の家庭学習の環境を非常に厳しいものにさせている状況はあるし、その相関関係は非常に強いものがあるという話をされました。そうした中で、学力が低い、低学力となる。低学力のまま高等教育に進みにくく、低学力のまま終えてしまう。そうすると、高収入を得られる職につきにくいという状況になる、低収入になる。こうしたことが貧困の連鎖と言われる状況を生み出します。
また、経済的な厳しさによる低栄養による健康障害、貧困世帯の有病率、疾病率が富裕層に比べて非常に高いと言われるところですから、これが子供たちを対象としてこうした貧困対策をとる一つの大きな理由かと思います。
そしてまた、こうした貧困は自己肯定感の欠如に大きくつながってまいります。家庭の経済力と虐待というのは日本では余り相関について面と向かって論じられることは少ないのですが、アメリカ等では大きくこの問題は取り上げられています。虐待を受ける、またその中で自分自身も暴力的な思考になっていくことで、2004年の矯正統計年報、少年院の収容者に関するデータですが、この年に新たに少年院に収容された5,248人中出身家庭の生活水準で言うと、富裕層に属する者は2.8%。普通層、中間層に所属する者が69.8%、約7割。貧困層と言われる世帯に属するのが27.4%。少年院に収容された約3割から4分の1以上の子供たちがこうした貧困と言われる家庭で育ったというような状況があります。
そうした中で、アメリカで家庭に現金給付を行うという社会実験が行われたようですが、子供の学力が格段に向上するという結果も見受けられました。経済と学力との相関が非常に大きいことは世界的なさまざまな調査でも明らかになっています。そしてまた、貧困が与える社会への影響ということで言いますと、将来的に生涯賃金そのものが少なくなるため、低所得によって納税者としての納税額も少なくなります。また、貧困の連鎖で生活保護を受給するというパーセンテージも非常に高いです。また、先ほど言いましたように、健康を害する医療費の増加。このように子供自身が貧困な状況の中で子供時期を過ごすことは、その子供にとって非常な不利益をこうむると同時にコストという言い方をしていいのかどうかわかりませんが、社会にとっても大きな損失になることがさまざまな調査結果から出ています。
そして先ほど貧困の連鎖という言葉を使われたのですが、お金がないという問題は経済的な次元を超えて、さまざまな不利益を子供たちにももたらしていきます。基本的な衣食住から医療、余暇活動、遊び、養育、学習環境、学校教育、さまざまな局面で家庭の経済状況が大きく関係している。午前中の質問でもあったのですが、日本では親が働いているにもかかわらず、経済的な貧困状態から抜け出せないという状況が非常に問題となっています。
諸外国では、貧困な家庭では親が働いていないという場合は高いのですが、日本の場合、働いていない世帯というのはシングルマザーであっても、ほとんどありません。しかし、貧困線から抜け出すことができない。非正規雇用がふえているという中で、なかなか努力しても貧困から抜け出せないという状況があり、その貧困が固定化する。連鎖につながっていくという状況があります。
そんな日本ですけれども、先ほど言いました児童憲章もそうですし、さまざまな法律だとか、宣言があります。当然、子供の貧困対策推進に関する法律も新たにつくられましたし、児童福祉法という法律もあり、その第1条では、全て国民は児童が心身ともに健やかに生まれ、かつ育成されるよう努めなければならない。2、全て児童が等しくその生活を保障され、愛護されなければならないとうたわれていますし、児童の権利に関する宣言、これは国連で1959年に宣言されたものですが、子供の権利が宣言されていますし、日本も批准している子供の権利条約というものもあります。その多くが、子供たちの健やかな成長を保障することは社会の責務であるとうたっています。
そんな中、諸外国の取り組みについて若干お話をしたいのですが、イギリスというのは、自分たちの記憶の中でも、鉄の女史がいて、こうした福祉をどんどん切り捨てていくという社会をつくっていったという記憶がまだそれほど古くはないのですが、イギリスでは70年代から子供の貧困率が上昇、95年には20%近い数値となった。これに危機感を抱いたブレア首相が2020年までに子供の貧困を撲滅するという宣言を行い、今、さまざまな取り組みを進めています。
児童税額控除というものに取り組んで、所得制限を行わず子供1人当たり50万円以上給付する。所得が少ない人については給付する。所得のある人については税額控除を行うという取り組みをして、今、確実に子供の貧困率が下がっています。
アメリカでは、ヘッド・スタートというのを1965年ですから、50年以上前から取り組みを始めているそうです。これについてはほとんど僕も知らなかったのですが、貧困線以下家庭の3歳、4歳児を対象に、これは貧困対策だけではなくて教育とかも全て含めて、医療や歯科のチェックアップとフォロー、栄養サービス、保護者向け育児教育プログラムなどをやると。94年からはヘッド・スタートをなお一段進めて、アーリー・ヘッド・スタートということで3歳未満児童も対象に、こういう取り組みを進めてきている。
その中で、ゼロ歳から5歳の貧困が将来に最も影響を与えるというデータをとられているそうです。本当に世界的にも子供の貧困というのが政治の課題となっているという状況があるかと思うのですが、こうしたさまざま子供の貧困という課題をターゲットにして、政治を行うということが行われてきている。日本でも当然、そういう時代になってきているということですが、そうした観点から見たときに、現在行っている100に余るこうした取り組みが低所得な家庭への対策、またこうした貧困対策という観点から機能しているかを見直す必要があるのではないかと考えています。
個々の具体例はちょっとまた後ほどお話しさせていただきますが、その中で今後の取り組みについてお伺いしたいのですが、当然、大切な取り組みだと
保健福祉部長から答弁はお受けしました。しかし、私はこの子供の貧困という言葉そのものを真正面に掲げて、対策に取り組むべきときに来ているのではないかと考えています。
先日の施政方針で市長からさまざまな政策についてお話をお聞きした中で、貧困対策という観点から見ると、やはりそこに対する言及というのが、文字としてはあらわれてきませんでした。地域の誇りは皆様のやりがい、生きがいにつながっていく。当然、この市民という中には子供たちも含まれるでしょうし、何より最も大きなキャッチフレーズとしてつくった、未来へつながる道田辺市、この未来へつなげていくということでいうと、一番未来への橋渡しをする子供たち、この子供たちを健やかに育てていくというのは非常に重要なテーマではないか。一人一人が大切にされ、幸せを実感できるまちというさまざまなところに市長はひょっとしたらそういう思いがあらわれているのだとおっしゃるかもしれませんが、私は子供の貧困というそのものを一つのテーマとして掲げて、それに対する対策をとっていくべきではないかと考えます。
そこでぜひとも市長にお伺いしたいと思うのですが、子供のこうした貧困対策というのはこの田辺市が行っていく施策の中でどれぐらい重要なものか、優先順位としてはどれぐらいに位置づけられるのか。私は最優先で取り組むべき課題ではないかと考えるわけですが、それについてお考えも含めてお聞かせいただけたらと思います。
(2番 川﨑五一君 降壇)
○議長(吉田克己君) 市長、真砂充敏君。
(市長 真砂充敏君 登壇)
○市長(真砂充敏君) 先ほど担当部長がお答えしましたが、国におきましては、子供の貧困対策の推進に関する法律が、子供の将来が生まれ育った環境によって左右されることのないよう、貧困の状況にある子供が健やかに育成される環境を整備するとともに、教育の機会均等を図るため、子供の貧困対策を総合的に推進することを目的として制定されております。全ての子供の良質な育成環境を補償し、子ども・子育て環境を社会全体で支援することを目的として、子ども・子育て支援事業計画を策定しているところであり、経済的に厳しいひとり親家庭、多子世帯、生活困窮者などの子育てを行っている世帯への支援として国などの制度を活用して取り組んでいるところであります。
今後の取り組みとしましては、子供の貧困対策を総合的に推進するための枠組みとして国の大綱に基づき、都道府県においては、努力義務ではありますが、都道府県子どもの貧困対策計画を策定することとなっており、和歌山県におきましても、現在策定に取り組んでいるとのことであります。市といたしましても、子育て支援として、今後も取り組みを進めるとともに、国・県の動向を注視してまいりたいと考えております。
(市長 真砂充敏君 降壇)
○議長(吉田克己君) 川﨑五一君。
(2番 川﨑五一君 登壇)
○2番(川﨑五一君) 国がそういう全体的なことを進める中で、当然市がさまざま取り組んでいくことではありますし、今の国・県の動向を注視しながらということですが、やはり市には市独自のさまざまな状況も当然あるでしょうし、先ほどの子ども医療費ではないですが、市の置かれた状況、市民の置かれた条件によってさまざまな施策が必要なところもあれば、必要でないところもあるかと思うので、国・県の動向も注視していただくのは構わないのですけれども、ぜひとももっとリアルな現実にも目を向けていただきたい。一番最初に申し上げた話は中学校の校長先生からお聞きした事例ですから、当然教育委員会としても、手のひらに乗る情報でしかないわけです。こうした状況が田辺市の中で起き、貧困が進行しているという前提に立ってそういう調査をしていく。今回、市のさまざまな課が持っているデータからそういう子供たちの厳しい状況が出てこないかなと思って、聞き回りましたが、正直言ってないのです。国保の世帯の情報はあるけれども、社会保険の世帯の子供の情報はなかったりとか、あと子供のいる世帯ということになるとわからなかったり、税のほうでも世帯として、子供のいる世帯という課税方法をとっているわけではないですから、そういうことでいうと、子供たちの今置かれている状況というのは、直接的につかみにいかなければつかめないと感じますので、その一定の指標となるデータを持っておくことも必要ではないか。そのことによってでないと、次の政策が進まないのではないかと思います。
そして、そんな中でさまざまやってほしいことはあるのですが、財政的にそんなにお金がかからずにできることも幾つか御提案したい。すぐにやるという答弁にはならないでしょうが、一つの方策としてぜひとも検討していただきたいと思うものがありますので申し上げます。
一つは就学援助の話ですけれども、義務教育は原則無償です。義務教育は無償とするということは憲法26条に書かれているのですが、現実問題は、子供を小・中学校に通わせる義務教育の小学校であっても、中学校であっても通わせるのは多大な保護者負担がかかります。中学3年生のデータをいただいたのですが、修学旅行、給食代、それから学級費等、副教材を含めて年間18万円が今かかっています。修学旅行で大体七、八万円、給食で4万円から5万円ぐらいということで、これは義務教育であっても通わせるのに、絶対的にかかってくるお金です。そんな中で全国では、給食の無料化というのが進んでいます。きょうは子供医療費の問題について話があったのですけれども、給食は食べるのだから払うのは当たり前だろうというような話もあるかもしれませんが、今、子育て支援なのか、貧困対策なのかわからないのですが、全国的に言うと、調べてみてびっくりするぐらい学校給食の無料化に取り組んでいる自治体がふえてきています。
それでもよそのことかなと思っていましたが、実は新宮市でも一部補助ということで、各自に1,000円の補助を既にやっておられます。
そうした中で、教育委員会のほうでぜひとも検討していただきたいと思うのが、副教材です。購入した副教材を使うために、その分が保護者負担になるのですが、ほとんどそれぞれの学校で選んでいるとはいえども、よく似たものを使っているのです。それをコピーしろという話ではありません。そんなことをしたら著作権にもかかるので。僕は先生方が大変多忙なのはわかるのですが、プロジェクトチームをつくって、市内の学校で使う教材というのをつくっていただけたら著作権も何も発生しませんから、市内の子供たちがみんな共通して使えるのです。
こういった副教材を独自に開発することも取り組んでいただけないか。結構、この副教材は多額な負担になっているのです。ですから、こういうこともぜひとも一度検討していただきたいと思います。
就学援助についてですが、田辺市は今、生活保護基準の1.0倍、そこに家族構成などの加算は当然あるのですが、この基準額の引き上げをぜひとも検討していただきたい。生活保護基準の1.2倍という自治体もありますし、多いところでは1.5倍というところもありますから、こういった就学援助の基準を引き上げてほしいというのと、お金の負担増に全然関係なく今すぐやれることとすれば、入学準備資金というのが支給されているのですが、この支給は現在5月に行われているということで、入学準備資金であるのに、入学後に支給されている。実際、入学に必要なものを買いそろえる時期に間に合わないということですから、これは3月に支給できるような取り組みをぜひとも進めていただけないか。これは予算増が必要ありませんから、事務的な取り組みで何とかしていただきたいと思います。
感じるのは、当然、就学援助には所得の基準があるわけですが、上限を上回った世帯と上限ぎりぎりの世帯との中で、負担の逆転現象が起こり得ます。当然、修学旅行費5万円であったり、給食費、学用品費等で、小学3年生を超えると年間10万円を超える就学援助が受けられるのですが、そうしたときに就学援助を受けなかった家庭の負担とで逆転が起こり得るということもありますので、私はここに段階的な補助、例えば1.0倍のところまでは就学援助を行う。1.2倍のところまでは給食費については補助をするだとか、給食費の半額補助を行うとか、こういった段階的な運用を検討できないかと考えています。
これは同じく子供医療費の問題についてもそうですが、貧困対策という観点から所得制限をつけてでも、やはり通院について補助をしていくということをぜひとも早急に取り組んでいっていただきたい。
最初に申し上げましたように、本当に子供の医療費というのはなくて当たり前なのですが、あると大きな負担にもなります。そんな中で給料日まで何とかちょっと通院を待ってもらうとか、アレルギーになると検査は非常に高くつくので、検査はやめてもらおうとか、とりわけ眼科であったり、歯科というのはすぐに熱が上がったりということにはならないので、視力が悪いとずっといつも学校の健診で言われるけれども、なかなかすぐに行けずに進行したという事例もありますから、こういった貧困世帯への対策として、所得制限をつけてでも医療費の助成をするということも、この貧困対策という観点から考えていただきたいと思います。
高校への通学補助についてもそうです。私がお聞きした中学校の中では、自転車で通学できるところへ行かせる。大学進学というのは家庭の経済状況から考えられないので、学力に応じてということではなくて、自転車で通学できるところへ通わせるのだというようなことで進路を決められる家庭もある。先生からは非常に学力も高いのでぜひとも進学できるような学校へと勧めるけれども、大学へ行かせるような余地はない。お姉ちゃんなのですが、弟を進学させてやりたいのでお姉ちゃんには進学を辛抱してもらうのだと。通学の負担というのは非常に大きな負担となっています。
栗栖川から田辺までの通学定期代というのは1カ月で2万5,920円です。県と市の補助もあって3分の1ずつぐらい補助があるのですが、やはりそれでも大きな負担となっているのは事実ですから、こういったものについても解消していく、より経済的な理由で進路選択の幅が狭められることのないように取り組んでいっていただきたいと思います。
奨学金の話がきょうの午前中にもありましたけれども、高等教育というのは世界的には無償である場合が非常に多いのです。医療費もそうですし、かつてマイケルムーアのシッコという映画で、アメリカにいて医療費は有料で当然だと思って、世界中回ってみたら有料の国のほうがほとんどなかった。お金を払う窓口があったので行ったら、かかったタクシー代を払ってくれて、払うのではなくてもらう窓口だったというのがありました。医療費や教育費は世界的には本当に無償の流れになってきていますが、日本の場合、大学に行くとなると非常に大きな負担、ましてこの地域には通えるところに大学がありませんから、下宿代を含めて大きな負担となります。そんな中でも家庭の経済力によって、最終学歴が制約を受けてしまうという状況があるかと考えます。
そこで、るる教育の問題についてお話をしてきたのですが、こういったことの補助を行うというときに、対極にあるのが受益者負担の考えだと考えるのです。この中で、子供たちが教育を受けるということは当然、負担を伴う受益に当たるという考え方が正しいのか、そうではないのか、その辺について教育委員会のお考えをお聞かせいただきたいと思います。
(2番 川﨑五一君 降壇)
○議長(吉田克己君) 教育長、中村久仁生君。
(教育長 中村久仁生君 登壇)
○教育長(中村久仁生君) 教育とは子供たちが受益者に当たるのかということですが、教育というのは当然、子供たちが将来、自分らしく輝く人生を過ごすために大変必要なものである。子供には、義務教育を受ける権利を有していると思いますし、それと同時に、将来の社会を担う人材の育成としても大変大切なものである。ですから、1個人の受益であるのかないのかという論議よりも、その義務教育を立派に受けさせて、そして自分らしい生活設計が組めるようにすることが一つ大事であると思いますし、そうすることが次の社会を担う人材を育成するということにつながるのではないかと思います。
直接お答えできたかどうかわかりませんが、よろしくお願いいたします。
(教育長 中村久仁生君 降壇)
○議長(吉田克己君) 川﨑五一君。
(2番 川﨑五一君 登壇)
○2番(川﨑五一君) あえてお聞きしたのは、ともすると日本の場合は、自己責任論の広がりとともに、こうした学校に子供が行くのだから、その負担は親がするのが当たり前ではないかという議論がよく行われます。当然、子供には自己責任論を当てはめるのは少ないと思うのですが、子供たちはどこの家庭に生まれるかを選んで生まれてくるわけではありませんし、家庭の経済力というのは子供に全くあずかり知らないところです。そして、その親が結婚したり、離婚したりということも子供に何の責任もないことですから、そうして置かれた環境において子供たちが何かの負担を強いられるということがあってはならないと思いますし、先ほど言われたように、子供は社会の宝という言葉はカビが生えるというか、ほこりをかぶるほど昔から言われるけれども、本当にこの言葉が具現化されている社会というのがこれまであったのかというぐらいに、子供というのはいつも被害をこうむりやすい、弱者の立場にあるということもあるかと思うのですが、こういった観点からあえて教育長に御答弁していただいたわけですけれども、社会の責務として子供たちを懸命に育てていくということが必要ではないかと思います。
そんな中で、学校との関係で言いますと、お金のかからないことでいうと、これは学校にお願いできるのかどうかわからないのですが、制服のリサイクルであったり、リユースを育友会でやっておられるところもあります。これを大々的にやると、制服の業者さんにもいろいろな負担がかかるのかと思ったりするのですが、非常に成長の激しい時期ですから、あと1年だけれども、買い直さなければならないこともあるので、そういったお下がりで回せるような状況ができたりということも含めて、制服のリサイクルについてもシステムとして検討していただければどうかと考えます。
○議長(吉田克己君) 川﨑議員、通告によりますと残り時間はあと3分です。
○2番(川﨑五一君) 食事支援とか、子供食堂ということに今、取り組まれているところも出てきています。それぐらい本当に貧困状態が進んでいると思います。
一番最初に言った、相対的剥奪の話でいうと、日本では自分の子供には与えているけれども、なくてもいいではないかと答える親が非常に多い。自分の家族中心的な考え方といわれるのですけれども、諸外国に比べると自分の家族には優しくて、ほとんど自分の子供には持たせているけれども、ほかの子供にとってはなくても不思議ではないと答えたのが非常に多かったというのを読んで、一体、日本というのはどういう価値観なのだろうと思いました。
今回はこの子供の貧困という問題について取り上げたのですが、一体子供の貧困というのは誰にとっての問題なのか。そしてそれは誰によって生み出されてきた状況か、果たして親が悪いのか、子供が悪いのか。生活の基盤を全方位から剥奪され、幾重にも傷つきを重ねる子供たちが今どんどんふえていっている社会です。一部の子供の経済的困窮を示す問題ではなく、社会全体の文化的、倫理的、政治的な民度を示すもの、子供の貧困という問題がどこかにあるかではなく、子供の貧困を拡大させる私たちの社会という問題が、そこにあるのだと思います。
それは、1億総活躍社会などといって不安定雇用をふやし、大企業が世界一活動しやすい社会をつくっている、今の政治を変えることこそ最も重要で効果的な対策ではないかと、この問題をいろいろ学んだ中で実感しました。今後とも子供たちの明るい未来のために政治改革に尽力する決意を述べて一般質問を終わります。ありがとうございました。
(2番 川﨑五一君 降壇)
○議長(吉田克己君) 以上で、2番、川﨑五一君の一般質問は終了いたしました。
休 憩
○議長(吉田克己君) この場合、午後3時5分まで休憩いたします。
再開時には議案書並びに予算書を御持参ください。
(午後 2時57分)
――
―――――――――――――――――
再 開
○議長(吉田克己君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
(午後 3時06分)
○議長(吉田克己君) 続いて、14番、松下泰子君の登壇を許可いたします。
(14番 松下泰子君 登壇)
○14番(松下泰子君) 14番議員、松下泰子です。3月議会の最後になりますが、皆さん、お疲れかもわかりませんが、最後までよろしくお願いいたします。
それでは、通告に従いまして、3点の質問をいたします。
まず1点目の地域医療についてから質問いたします。2025年は団塊の世代が75歳以上の後期高齢者になる年です。
これまでも急速な高齢化が問題となっておりましたが、2025年以降は2,200万人、4人に1人が75歳以上という超高齢社会が到来します。それに向けて国では、地域医療構想策定ガイドラインが示され、都道府県ごとに地域医療構想が策定されます。厚生労働省の趣旨としては、療養病床の削減と在宅医療の推進が示されています。田辺市を中心とした二次医療圏においては、2010年の人口13万4,822人が2025年には11万5,714人になるのに対して、65歳以上の人口は2010年の3万8,572人が、2025年では4万1,565人、2010年を100とした指数は107.8となります。75歳以上の人口は2010年の2万799人が2025年には2万5,232人、指数では121.3となります。
田辺保健医療圏における医療機能ごとの病床状況では、紀南病院は2014年現在、高度急性期が14床と急性期338床の合計352床から6年経過した時点の予定病床も全く変わることがありません。
それに対し、南和歌山医療センターは現在、316床のうち、高度急性期は22床と急性期294床に対し、6年後は高度急性期は22床と変わりませんが、急性期が194床に減り、回復期を100床に移行しています。田辺市内の病院としては、玉置病院は6年後も移行はありません。田辺中央病院だけは慢性期の50床を回復期の50床に移行しています。このようなことから、2025年問題に対応した地域医療をどのように考えているのでしょうか。
また、在宅医療や介護との連携をどのように進めていくのか、お聞かせください。
次に、精神科医療については、過去五、六十年は統合失調症の患者の入院や治療を中心に行ってこられましたが、社会的入院が問題となったことや薬物医療の進歩によって、退院促進が進んでまいりました。平成26年から良質かつ適切な精神障害者に対する医療の提供を確保するための指針が施行されました。
その中では、①状態や特性に応じた精神病床の機能分化を進めること、地域生活への移行の推進と退院後の地域生活支援を強化するため、入院外医療体制や多職種による訪問支援の充実など。②地域生活支援関係では、外来・デイケア等の医療の適正化やアウトリーチ、訪問診療、訪問介護の充実、精神科救急医療体制の整備。③多職種連携の重要性。④関係行政機関等の役割などが挙げられています。
この指針が公表されたことにより、我が国の精神医療は入院治療中心から精神障害者の地域生活を支えるための精神医療への改革の実現に向けて、より具体的に進めることになるであろうと言われています。
このようなことから、当地域の医師不足という深刻な問題に対して、多職種の連携による訪問診療や訪問介護を進めていくという体制を築くことが大事であるのではないかと考えます。
そのことについて、先進的に取り組んでいる現場の視察を政務調査費を使って行かせていただきました。平成24年5月、やおき福祉会の職員とともに、愛媛県愛南町の精神科の御荘病院を見学しました。その病院は65床の病床と外来を2人の医師、ケースワーカーと数名の看護師で1カ月に約1,000件の往診を行っているということでした。
院長の長野敏宏先生は、在宅訪問医療への切りかえに鋭意取り組んできて、入院されるよりも患者にとっても病院の経営面にとっても在宅のほうがいいと確信を持っておっしゃっておられました。また、長野先生は、厚生労働省の委員でもあるため、月に何度かの出張と講演会をこなしています。そのほかにも、障害者の雇用創出のための企業や町の温泉施設を指定管理者として委託を受けて、地域づくりにも奔走されていました。このような実践が、田辺地域でも行えないものかと考えます。
また、当地域において、地域生活支援としての救急医療体制の整備も喫緊の課題です。国は県に対して、①重症の救急患者に良質な医療を提供すること、②精神疾患・障害に起因する重大な行為を未然に防止すること。③在宅患者の地域生活維持を支援することを目標に精神科救急医療体制整備事業を積極的に活用して、これらが達成できるような精神科救急医療体制の整備に努めるよう通達が出されています。
特に、当市においても、精神疾患・障害に起因する事件が発生していることから、未然に防ぐことができなかったものかと危惧するところです。
このようなことから、精神科医療における地域生活支援の体制がどのように図られているのかお伺いいたします。
(14番 松下泰子君 降壇)
○議長(吉田克己君) 14番、松下泰子君の質問に対する当局の答弁を求めます。
保健福祉部長、木村晃和君。
(
保健福祉部長 木村晃和君 登壇)
○
保健福祉部長(木村晃和君) 松下議員御質問の1番目、地域医療についてお答えいたします。
第1次ベビーブームが起きた1947年(昭和22年)から1949年(昭和24年)に生まれた団塊の世代の方々が75歳以上となる2025年には、高齢者人口はおおむね3,500万人に達し、人口比で約30%になると推計され、介護、医療費等社会保障費のさらなる増加が懸念されているところです。
また、田辺医療圏域では、人口推計による入院患者数から、現在の約1,700床から10年後には1,100床が適切な病床数といわれており、2025年を見据え、持続可能な社会保障制度の確立を図り、効率的かつ質の高い医療と介護の供給体制を構築するため、平成26年6月に成立した地域における医療及び介護の総合的な確保を推進するための関係法律の整備等に関する法律において、医療と介護の総合的な確保を推進するための改革が示されております。
その改革の方向性としましては、高度急性期から在宅医療まで、患者の状態に応じた適切な医療を地域において効果的かつ効率的に提供する体制に整備し、患者ができるだけ早く社会に復帰し、地域で継続して生活を送れるようにするもので、現在、県は国の示す地域医療構想策定ガイドラインによる推計方法に基づき、一般病床及び療養病床について、二次医療圏ごとに2025年における高度急性期、急性期、回復期、慢性期の四つに分類した病床機能別の必要病床数を算定した上で、それぞれの地域の実情を加味した地域にふさわしいバランスのとれた将来の目指すべき医療機能別提供体制を示す地域医療構想を策定するため、県下七つの医療圏ごとに県地域医師会等関係団体、病院代表、市町村等で構成する検討会を設置して検討を進めているところです。
医療圏域別の検討会の協議結果を踏まえ、今年度中をめどに県では地域医療構想を策定した上で、その実現に向けて医療機関相互の協議により自主的な病床再編を推進することとなっています。
地域医療構想につきましては、和歌山県が策定するものでございますが、当地域に必要な病床が機能別にバランスよく整備・再編されるよう検討されるべきものと考えてございます。
次に、在宅医療と介護の連携についてでございますが、高齢者ができる限り住みなれた地域の中で暮らし続けられるよう、これを支える地域包括システムを実現するため、住まい、医療、介護、予防、生活支援が一体的に提供できる体制、とりわけ医療と介護の連携体制を構築することが求められております。
このため、今年度において切れ目ない在宅医療と在宅介護の提供体制の構築推進のための事業や在宅医療・介護連携に関する相談を支援する在宅医療・介護連携支援センターの設置等、医療と介護の連携体制を構築するための在宅医療・介護の連携推進事業が介護保険地域支援事業に位置づけられ、平成30年4月までに全ての市町村で実施することとされているところでございます。
現在、市では、在宅医療・介護の連携推進事業の実施方法について、広域での実施も含め関係団体等との協議を行っているところでございますが、今後、より一層、関係団体、田辺医療・福祉圏域内自治体と連携を密にし、医療と介護の連携体制を早期に構築できるよう取り組んでまいりたいと考えてございます。
次に、精神科医療に関してですが、田辺医療圏域においては、紀南こころの医療センターを中核に、民間診療所を加えた医療機関が精神科医療を提供しているところであり、それぞれの医療機関において通常の診療のほか、往診や訪問看護等を実施しています。
これまで充実した医療提供体制を構築してきたところですが、紀南こころの医療センターでは、近年、精神科医の確保が困難になるとともに、診療にかかる医師の負担が高まっていたことから、平成26年度から県立こころの医療センターに対応していただくことの了承を得て、夜間休日の救急医療対応を中止し、医師の負担軽減が図られたところです。また、紀南こころの医療センターでは、平成25年度に56床を廃止、54床を休床したものの、稼働病床を144床に加え、外来患者の診療件数は平成26年度において、県立こころの医療センターや県立医大附属病院の1.5倍以上となる3万6,107件となっており、医師にかかる負担は相当なものがあるとのことで、これ以上の精神科医の確保が困難な状況にあることから、医師の負担を増加させない診療体制とすることが当地方の精神科医療体制を今後とも継続的に維持するためにも重要であると判断していると聞いております。
現状、精神科医確保は非常に難しい状況ではありますが、公立紀南病院組合の構成市町としまして、紀南こころの医療センターの医師確保等による診療体制の強化に積極的に協力してまいりますとともに、当地方の精神科医療の提供体制を崩壊させることのないよう、和歌山県保健医療計画に基づき、より充実した精神科医療の提供体制構築に向け、また、精神疾患・障害に起因する事故を未然に防ぐためにも県、保健所、医療機関、消防、障害者施設など関係機関とより一層、連携、協力を図ってまいりたいと考えております。
(
保健福祉部長 木村晃和君 降壇)
○議長(吉田克己君) 松下泰子君。
(14番 松下泰子君 登壇)
○14番(松下泰子君) 1番目の地域医療構想策定ガイドラインにおける病床機能の適正化というのは、都道府県や二次医療圏における必要病床の算定やそれに近づけるための取り組み方法などが書かれていますが、医療費を抑えるために、長期にわたり療養が必要な患者の療養病床の削減が目的であることが読み取れます。
そのため、入院患者を病院から介護保険施設や在宅に移すことになりますが、受け皿が整わないうちに、病床の削減を行っていけば、早期退院を迫られ、必要な医療が受けられない状況になりかねません。そのようなことのないように、当地域における必要な病床が確保されるよう、県への要望などを行っていただきたいと思います。
次に、2番目の精神科医療については、特に紀南こころの医療センターの医師不足が深刻になっていることから、救急医療対応ができなくなっているということで、精神疾患や障害に起因する事故や事件につながることのないよう、体制づくりが急務となっております。それを補う多職種連携や訪問診療・訪問看護を進めて、当地域の医療の充実に努めていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
それでは、2番目の改正介護保険法と介護予防・日常生活支援総合事業について質問いたします。
介護保険制度は、平成12年の開始以来、在宅サービスを中心にサービス利用を拡大し、老後の安心を支える仕組みとして定着してきました。一方、介護保険の総費用は急速に増大し、現行のままでは保険料の大幅な上昇が見込まれ、制度維持の可能性が課題となっております。前項の医療制度についても申し上げましたが、2025年問題に加え、認知症やひとり暮らしの高齢者が増加すると見込まれていることから、予防重視型のシステム確立に移行していくために改正が行われました。
また、平成27年4月から介護報酬も改定されました。基本報酬を4.48%引き下げる一方で、重度認知症加算がプラス0.56%と介護職員の処遇改善加算がプラス1.65%となったことで、合算して2.27%の引き下げが行われました。
とりわけデイサービスや特別養護老人ホームでは、マイナスによる影響が大きく、全国各地で採算の合わない事業所の閉鎖や事業からの撤退も起き始めていると言われています。昨日の久保議員の質問にもありましたが、和歌山県でも和歌山県社会保障推進協議会が、今回の改定の影響について昨年7月から8月に県内の通所介護事業所を中心にアンケート調査を行いました。回収率は102件で、その結果、75%の事業所で収入が減ったと答えています。国は加算を取得すれば、平均で2.77%のマイナスにすぎないと説明していますが、アンケートでは平均10.7%の減収になっており、10%以上の減収と答えた事業所が51%となっています。
小規模通所介護事業はさらに深刻で、減収幅が平均で14.1%、10%以上の減収と答えた事業所が77%にも達しています。また、介護職員等の不足が深刻になっていると言われていますが、質問に対して、51%が不足している。7%が大変不足しているという回答でした。その理由として、職員の賃金水準が低いからが34件、介護職員の社会的地位が低いからが22件、労働がきついからが18件となっています。このアンケート結果では、正規職員と非正規職員数は、ほぼ半数ずつで平均賃金は822円、6割が850円未満、昨年の最低賃金である715円という事業所も4カ所あったそうです。介護職員の処遇改善では、職員の賃金をアップしようとしたら利用者の負担にはね返る仕組みになっているので、加算して利用料が上がるとケアマネジャーから紹介が来なくなるので怖いという記述が多くありました。
また、介護職員の処遇改善は9割の事業所が行っていますが、要介護3以上の中重度加算や専門職によるサービス加算を取得して、経営改善を図った事業所が55%にとどまっていました。これは今以上の看護師等の専門職が必要となり、その確保がさらに難しくなるということです。処遇改善については、国の責任で行い、利用者負担にならないような制度設計をしてもらいたいということです。
今回、この改定の影響調査を行った県医労連では、日夜高齢者の尊厳を守り、家族の介護を支えようと懸命に働いている事業者とその労働者に取り返しのつかない失望を与えていると言わざるを得ない。至急に影響調査を国自身が行って、しっかりとした総括を行い、介護報酬の再改定を行っていただきたいと結論づけています。これらは和歌山県全体の調査でありますが、田辺市の事業所における影響はどのような状況であるかを把握できているのか、お伺いいたします。
次に、今回の介護保険法の最大の改定内容は、予防給付の見直しにあります。介護予防、日常生活支援総合事業は、サービスの種類、内容、人員基準、運営基準、単位で全国一律の基準となっている予防給付のうち、訪問介護、通所介護を平成29年度末までに市町村事業である新しい介護予防・日常生活支援総合事業に移行するというものです。
厚生労働省が示しているガイドラインの新しい総合事業の構成について参考資料をごらんください。
訪問介護、通所介護は、現行の事業者が継続できますが、②の訪問型サービスAや通所型サービスAでは、緩和した基準によるサービスということで、無資格による提供が可能になります。また、③の訪問型サービスBや通所型サービスBでは、住民ボランティアなどによる生活支援、通いの場となります。④の訪問サービスCや通所型サービスCでは、保健師やリハビリテーション専門職員等が短期集中予防サービスを行います。
このような移行によって、サービスの低下につながらないか危惧するところですので、次の3点について質問いたします。
一つは、国が定める予防給付の単位を上限として、市町村が定めるとされていますが、その報酬単価は現行単価が保障されるのでしょうか。
二つ目に、サービスBはボランティアによるサービスになりますが、専門職のかかわりが保証できなくなると安定したサービスが受けられなくなるのではないでしょうか。また、そのようなボランティア組織が地域ごとにできることが望まれていますが、デイサービスのかわりになるような受け皿の確保は可能なのでしょうか。
三つ目として、参考資料2、裏面を見ていただきますと、総合事業は要支援認定を受ければチェックリストを作らなくても利用が可能となります。しかし、チェックリスト該当だけでは、住宅改修や福祉用具貸与などの一切の介護保険サービスは利用できなくなります。また、チェックリストの結果に納得できない場合にも、不服審査請求はできません。このように、利用者が市町村の窓口に来られたとき、事前にチェックリストで選別されるようなことはないでしょうか。チェックリストは地域包括支援センターの専門職が活用するように位置づけておくべきものとなるでしょうか。
また、サービスに期限を切って、事業を終了させるようなことはないでしょうか。このようなことが先行して実施している自治体で起きているという問題点があると言われています。田辺市において平成29年から始まる総合事業がどのような形で実施されるのか、可能な限りお聞かせください。
(14番 松下泰子君 降壇)
○議長(吉田克己君)
保健福祉部長。
(
保健福祉部長 木村晃和君 登壇)
○
保健福祉部長(木村晃和君) 議員の御質問にお答えいたします。
1番目の介護報酬削減による事業所への影響並びに介護事業所従事者の賃金等について、市は把握しているかという質問でございますが、市が指定権を有する地域密着型サービス事業所に対する実地指導や介護職員処遇改善加算届け等特別な場合を除き、把握する立場にないことから、市内全ての介護保険事業所の経営状況、介護従事者の賃金等の把握を行うことは困難であるものと考えてございます。
平成27年度の介護報酬改定につきましては、社会保障審議会、介護給付費分科会において、厚生労働省が実施しております介護事業経営実態調査、介護従事者処遇状況等調査、平成24年度介護報酬改定の効果検証及び調査研究に係る調査等の調査結果並びに将来の施策の方向性等を踏まえ審議された平成27年度度介護報酬改定に関する審議報告に基づき、改定されたものであると理解しております。
今回の見直しについては、平均2.27%のマイナス改定となっておりますが、介護職員の処遇改善分としては、1.65%のプラス改定が行われるとともに、例えば通所介護サービスにつきましては、認知症高齢者や重度の要介護者が在宅生活を継続するための認知症加算、中・重度者ケア体制加算などが新設される一方、看護職員の配置基準の緩和も行われており、介護報酬改定後においても、新規参入事業所もあることから、定員数に近い利用者を確保できれば、適正な運営が成り立つものと考えてございます。
介護従事者の賃金等につきましては、平成27年4月の改正により新設されました介護職員処遇改善加算1、これは賃金改善計画に基づき、賃金改善を行うなど一定の条件を満たした場合、サービスごとの加算率、例えば通所介護サービスの場合ですと、4%を一月当たりの総単位数に乗じることにより、月額1万7,000円相当の加算が得られる仕組みでございますが、市が指定権を有する地域密着型サービス17事業所のうち15事業所からこの届け出が行われており、2事業所につきましても、それぞれ介護職員処遇改善加算1以外の処遇改善のための加算の届け出が行われていることから、介護従事者の賃金等につきましては、一定の改善は行われているものと考えてございます。
市といたしましては、介護保険制度の理念の一つに、利用者によるサービスの選択を確保するということもございますので、それぞれの事業所が求められる役割について、十分な御検討をいただき、サービスの質のさらなる向上、特色ある事業所づくりを進めていただくことが肝要であるものと考えてございます。
次に、2番目の総合事業への移行は、サービスの低下につながらないかの御質問にお答えいたします。介護予防・日常生活支援総合事業、いわゆる新しい総合事業における介護予防・生活支援サービス事業は、市町村が中心となり、地域の実情に応じて、ボランティア、NPO、地元団体や住民の方々等、多様な事業主体が参画し、多様なサービスを提供していくことで、地域の支え合いの体制づくりを推進し、要支援者の方等に対する効果的かつ効率的な支援を可能とすることを目的としており、平成29年4月までに全ての市町村において開始することが定められております。
新しい総合事業への移行により、これまで全国一律の基準により行ってまいりました介護予防給付のうち、訪問介護サービスは現行の訪問介護に相当するものと、それ以外の緩和した基準によるサービスや住民主体による支援等の多様なサービスから、また通所介護サービスは現行の通所介護に相当するものと、それ以外の緩和した基準によるサービスや住民主体による多様なサービスから構成され、それぞれについて市町村が独自に定めたサービス類型、内容、運営基準、単価等に基づき利用者に提供されることになります。その類型の一つであり、日常的な生活支援サービスを提供します訪問型サービスAや緩和した基準で運営を行う通所型サービスAのサービス提供従事者につきましては、議員御指摘のとおり、お元気な高齢者も含め、専門職以外の方が行うことを想定しておりますが、市といたしましては、これらのサービスに従事する方につきましては、サービスが低下することがないよう、田辺市社会福祉協議会が実施しておりますボランティア養成講座等の必要な研修の受講を義務づけることを予定してございます。
また、住民ボランティア等がサービス提供主体となる訪問型サービスB、通所型サービスBのサービス提供主体の育成、いわゆる受け皿づくりでございますが、田辺市社会福祉協議会と協議を行い、旧田辺地区においてもモデル事業の実施地区を決定したところでございますので、今後、実施するモデル事業を通じ、また関係団体と連携し、サービス提供主体の育成に努めてまいりたいと考えてございます。
いずれにいたしましても、現在本宮地区で実施しておりますモデル事業、旧田辺地区で実施するモデル事業を通じ、議員御質問の単価の設定も含め、必要な検証を行い、できる限り円滑に新しい総合事業に移行できるよう、取り組んでまいりたいと考えてございます。
次に、3番目の新しい総合事業に移行した後も、利用者が希望すれば、要支援認定を受けることができるのかという御質問についてお答えいたします。
介護予防・日常生活支援総合事業移行後においても、御本人が希望された場合につきましては、要支援・要介護認定申請に基づき、これまでどおり要支援・要介護認定の手続を行うこととなります。
市といたしましては、御本人・御家族の希望を確認し、十分な説明を行った上で、どちらの申請を行うかを御判断いただきたいと考えてございます。
(
保健福祉部長 木村晃和君 降壇)
○議長(吉田克己君) 松下泰子君。
(14番 松下泰子君 登壇)
○14番(松下泰子君) 一つ目の介護報酬削減の影響につきましては、御答弁にあったように、事業者の利用者が定員に満たない場合の減収が深刻なところへさらに介護報酬単価の切り下げがあって、ぎりぎりの状態であることが伺えます。
また、介護職員の人員確保についても深刻な問題であり、人員確保のための効果的な施策が望まれているところです。
二つ目の総合事業については、国は膨らむ介護保険財政を抑えるために、さまざまな手を打ってきていますが、市町村事業となる総合事業では、利用者のサービス低下につながらないことを望むとともに、何かと事業者の窮状を理解し、血の通った制度運営を行っていただきたいと思います。
また、総合事業の詳細については、事業者にとっても大変大きな関心事でありますが、早急に詳しい説明会を開催してほしいという声をよく聞きますので、よろしくお願いしたいと思います。以上で二つ目は終わります。
3番目の障害者差別解消法について質問いたします。
この障害者差別解消法は、障害を理由とする差別の解消の推進に関する基本的な事項や国の行政機関、地方公共団体等及び民間事業者における障害を理由とする差別を解消するための措置について定めることによって、全ての国民が障害の有無によって分け隔てられることなく、相互に人格と個性を尊重し合いながら共生する社会の実現につなげることを目的としています。
障害を理由とする差別とは、正当な理由なくサービスの提供を拒否したり、制限したり、条件をつけたりするような行為をいいます。また、障害のある方から何らかの配慮を求める表明があった場合には、負担になり過ぎない範囲で社会的障害を取り除くために、合理的な配慮を行うことが求められます。こうした配慮を行わないことで、障害のある方の権利利益が侵害される場合も差別に当たります。
社会的障壁とは、通行や利用しにくい施設や設備などの社会における物事や利用しにくい制度、障害のある方の存在を意識していない慣習や文化など、また障害のある方への偏見などをいいます。
この障害者差別解消法は、平成25年6月26日に公布され、ことし4月1日から施行となります。このことについて、新年度予算には特に反映されていないようですが、どのように環境整備を図っていくのかお聞かせください。
次に、具体的な合理的な配慮としては、学校における意思疎通のために絵や写真、カード、タブレット端末等の利用活用や交通機関では停留所の表示器などの設置のほか、肉声による音声案内を小まめに行うこと、飲食店などでエレベーターのない施設の上下階に移動する際、マンパワーで移動をサポートする等々が挙げられています。
特に、行政機関では、駐車スペースを施設近くに配置することや段差がある場合に補助するなどはこれまでにも解消に努めてこられたことは承知するところです。
そこで、一つ気になることは、聴覚障害者への配慮として、筆談、手話などを用いることは既に行われていることですが、最近よく見られるようになってきたパソコン要約筆記についてです。既に、講演会などにおける手話や同行しての手書き要約筆記は行われてきたところですが、病気や事故などによる難聴や中途失聴で聞こえに障害のある方への情報保障手段として、パソコン要約筆記が大変有効です。パソコン要約筆記は、講演会などでその場の話を4人1チームでパソコンによりリアルタイムで文字を入力して、スクリーンに打ち出したり、手元のモニターを見てもらったりして、聞こえに不自由を感じている方の社会参加をお手伝いするものです。
最近は、全国規模の講演会や県主催の講演会ではよく使われていますが、私たち健常者にとってもまた高齢者の方々にとっても聞き逃したり、講演者の声が聞き取りにくかったりする場合は大変助けになります。ぜひ田辺市においても普及を願うものです。
現在、田辺市内では、和歌山パソコン要約筆記フレンズナイン紀南支部のグループの方が活動されていますが、利用される機会が少ないことや会員の拡大が課題となっています。
要約筆記者として活動するためには、最低限必要な知識や技術を習得するため、養成カリキュラムを84時間こなして、資格を取得しなければなりません。新年度からの障害者差別解消法が施行されるに当たり、田辺市においても、この養成講座を継続的に開催し、パソコン要約筆記の養成に積極的に取り組んでいただきたいと思いますが、いかがお考えでしょうか、お伺いいたします。
(14番 松下泰子君 降壇)
○議長(吉田克己君)
保健福祉部長。
(
保健福祉部長 木村晃和君 登壇)
○
保健福祉部長(木村晃和君) 松下議員御質問の新年度から施行される障害者差別解消法による環境整備をどのように考えているのかについてお答えいたします。
障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律は、障害を理由とする差別の解消の推進に関する基本的な事項や国の行政機関、地方公共団体等及び民間事業者における障害を理由とする差別を解消するための措置などについて定めることによって、全ての国民が障害の有無によって、分け隔てられることなく、相互に人格と個性を尊重し合いながら共生する社会の実現につなげることを目的としています。
この法の対象となる障害者は、条文によりますと、身体障害者、知的障害、精神障害、発達障害を含む、その他心身の機能の障害がある者であって、障害及び社会的障壁により継続的に日常生活または社会生活に相当な制限を受ける状態にあるものであり、いわゆる障害者手帳の所持者に限られません。
この法律では、国の行政機関や地方公共団体等及び民間事業者による障害を理由とする差別を禁止することや差別を解消するための政府全体の取り組み方針を示す基本指針に基づき、国の行政機関や地方公共団体がみずからの職員に向けて示す対応要領、民間事業者の担当する大臣が民間事業者に向けて示す、対応指針等について定められています。
現在、田辺市におきましては、国の基本方針や職員対応要領、県の職員対応要領を参考に、田辺市職員対応要領の検討を進めております。これにより、市職員として担当事務、または事業を行うに当たり、障害を理由として不当な差別的扱いにより、障害者の権利を侵害してはならないこと、及び障害のある方が日常生活や社会生活におけるさまざまな制限をもたらす原因となる社会的障壁の除去のため、障害のある方に対して個別の状況に応じて行われる合理的配慮を提供できるようにしてまいりたいと考えております。
また、田辺市では、現状においても、さまざまな障害者施策を実施しているところでありますが、障害者差別解消法の施行に伴い、障害者に対する理解の促進や啓発事業を実施していき、この法の目的の実現に努めてまいりたいと考えてございます。
次に、聴覚障害者などのためにパソコン要約筆記の普及を、についてお答えいたします。
要約筆記とは、聴覚障害者への情報保障手段の一つで、話されている内容を要約し、文字として伝えることで、主に第1言語を手話としない中途失聴者、難聴者の方などを対象にしています。
田辺市の要約筆記には幾つかの実施形態があります。ノートやホワイトボードに文字を書いて情報を伝える、筆談要約筆記、オーバーヘッドプロジェクターを用いるOHP要約筆記、これはロールと呼ばれる巻物状のOHPシートにフェルトペンで文字を書き、それをスクリーンに映し出すものでございます。それとパソコンをプロジェクターに接続し、スクリーンに映し出すのが議員の言われておりますパソコン要約筆記でございます。
田辺市において、こうしたパソコン要約筆記奉仕員を養成するため、平成22年度と平成23年度におきまして、パソコン要約筆記奉仕員養成講座を開催し、その修了者が田辺市パソコン要約筆記奉仕員として活動しているところでございます。
しかし、平成26年度における田辺市パソコン要約筆記奉仕員の活動状況は5件、31.5時間であり、手書きの要約筆記2件、17.5時間に比べれば活動はしているものの、手話通訳者、手話奉仕員94件、214.75時間に比べれば普及していない現状でございます。
こうした現状を踏まえ、今後は、市において実施する講演会等におけるチラシや案内パンフレットに、手話通訳を希望される方と要約筆記を希望される方に対して、事前申し込み案内を記載するよう努めてまいりたいと考えてございます。
(
保健福祉部長 木村晃和君 降壇)
○議長(吉田克己君) 松下泰子君。
(14番 松下泰子君 登壇)
○14番(松下泰子君) 要約筆記は手書きの場合とパソコンを使う場合とでは、それぞれ短所長所がありますので、使い分ける必要があります。この場合、まだまだ普及してないことから利用も限られていますが、差別解消法が施行された場合、聴覚障害者等から希望するとそれに対応しなければならなくなります。ですから、要約筆記奉仕員の養成を急がなければなりません。
それと同時に、普及にも努める必要があります。そのため、今部長のほうからは講演会等でそういうふうに取り計らうというお答えをいただきましたので、ぜひそこのところは必ず一定規模の障害者関係や人権関係の講演会にはパソコン要約筆記をつけていただけるようにお願いしたいと思います。このことをお願いして私の質問はこれで終わらせていただきます。ありがとうございました。
(14番 松下泰子君 降壇)
○議長(吉田克己君) 以上で、14番、松下泰子君の一般質問は終了いたしました。
以上をもちまして、一般質問を終結いたします。
◎日程第 2 1定議案第13号
行政不服審査法の施行に伴う関係条例の整備に関する
条例の制定についてから
日程第34 1定議案第45号 田辺市
辺地総合整備計画の変更についてまで一括上程
○議長(吉田克己君) 続いて、日程第2 1定議案第13号
行政不服審査法の施行に伴う関係条例の整備に関する条例の制定についてから、日程第34 1定議案第45号 田辺市
辺地総合整備計画の変更についてまで、以上33件を一括上程いたします。
ただいま上程いたしました33件については、過日既に当局の説明が終了しておりますので、これより総括質疑に入ります。
質疑はありませんか。
(「質疑なし」の声あり)
○議長(吉田克己君) 質疑なしと認めます。
ただいま議題となっております33件については、会議規則第37条第1項の規定によりそれぞれ所管の常任委員会に付託いたします。
各常任委員会の付託事件は、お手元に配付いたしております議案付託表のとおりであります。
お諮りいたします。
本日の会議は、この辺にとどめ散会し、あす3月12日から23日までの12日間は休会とし、3月24日午前10時から再開いたします。
これに異議ありませんか。
(「異議なし」の声あり)
○議長(吉田克己君) 異議なしと認めます。
よって、さよう決しました。
散 会
○議長(吉田克己君) それでは、本日はこれをもって散会いたします。
(午後 3時57分)
地方自治法第123条第2項の規定により署名する。
平成28年3月11日
議 長 吉 田 克 己
副議長 安 達 克 典
議 員 橘 智 史
議 員 湯 口 好 章
議 員 尾 花 功...