田辺市議会 > 2013-03-11 >
平成25年 3月定例会(第3号 3月11日)

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  1. 田辺市議会 2013-03-11
    平成25年 3月定例会(第3号 3月11日)


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    平成25年 3月定例会(第3号 3月11日)              田辺市議会3月定例会会議録              平成25年3月11日(月曜日)           ―――――――――――――――――――    平成25年3月11日(月)午後1時開議  第 1 1定報告第 1号 専決処分事項について  第 2 1定報告第 2号 専決処分事項の報告について  第 3 1定議案第 1号 工事請負契約の締結について  第 4 1定議案第 2号 土地の取得について  第 5 1定議案第 3号 平成24年度田辺市一般会計補正予算(第9号)  第 6 1定議案第 4号 平成24年度田辺市国民健康保険事業特別会計補正予算(               第2号)  第 7 1定議案第 5号 平成24年度田辺市後期高齢者医療特別会計補正予算(第               1号)  第 8 1定議案第 6号 平成24年度田辺市介護保険特別会計補正予算(第2号)  第 9 1定議案第 7号 平成24年度田辺市交通災害共済事業特別会計補正予算(               第1号)  第10 1定議案第 8号 平成24年度田辺市簡易水道事業特別会計補正予算(第2               号)  第11 1定議案第 9号 平成24年度田辺市農業集落排水事業特別会計補正予算
                  第2号)  第12 1定報告第 3号 平成24年度田辺市土地開発公社の事業の計画の変更につ               いて  第13 一般質問           ――――――――――――――――――― 〇会議に付した事件  日程第1から日程第13まで           ――――――――――――――――――― 〇議員定数 26名 〇欠  員  3名           ――――――――――――――――――― 〇出席議員              議席番号   氏   名               1番  川 﨑 五 一 君               2番  真 砂 みよ子 君               3番  久 保 浩 二 君               4番  市 橋 宗 行 君               5番  安 達 幸 治 君               6番  安 達 克 典 君               9番  小 川 浩 樹 君              10番  塚   寿 雄 君              11番  山 本 紳 次 君              12番  松 下 泰 子 君              13番  佐 井 昭 子 君              14番  中 本 賢 治 君              15番  棒 引 昭 治 君              16番  出 水 豊 数 君              17番  宮 本 正 信 君              18番  高 垣 幸 司 君              19番  陸 平 輝 昭 君              20番  山 口   進 君              22番  吉 田 克 己 君              23番  久 保 隆 一 君              24番  天 野 正 一 君              25番  森   哲 男 君              26番  吉 本 忠 義 君           ――――――――――――――――――― 〇欠席議員  なし           ――――――――――――――――――― 〇説明のため出席したもの              職  名      氏     名             市長        真 砂 充 敏 君             副市長       福 田 安 雄 君             副市長       庄 堂 琢 磨 君             教育長       中 村 久仁生 君             企画部長      池 田 正 弘 君             企画広報課長    松 川 靖 弘 君             人権推進課長    渡 邊 匡 通 君             総務部長      岡 本 美 彦 君             総務部理事     田 上 豊 和 君             税務課長      虎 地 一 文 君             会計管理者     橋 爪 秀 明 君             選挙管理委員会事務局長                       糸 川 一 彦 君             市民環境部長    中 瀬 政 男 君             環境課長      桶 本 伊知郎 君             保健福祉部長    田 中   敦 君             障害福祉室長    梶 垣 吉 良 君             産業部長      福 井 量 規 君             産業部理事     室 井 利 之 君             観光振興課長    敷 地 弘 規 君             農業振興課長    那 須 久 男 君             建設部長      杉 浦 克 佳 君             都市整備課長    尾 花 健 治 君             大塔行政局長    笠 松 芳 和 君             本宮行政局産業建設課参事                       惠 木 秀 幸 君             消防長       小 山 裕 史 君             消防本部理事    太 田 吉 信 君             教育次長      濵 田 和 男 君             学校教育課長    廣 田 敬 則 君             文化振興課長    輪 玉 康 弘 君             龍神教育事務所長  松 本   淳 君             水道部長      松 原   淳 君             簡易水道課長    桐 本 達 也 君           ―――――――――――――――――――出席事務局職員             議会事務局長    山 本 幾 生             議会事務局次長   杉 若 美津子             議会事務局主任   前 溝 浩 志             議会事務局主査   宇 代 夏 樹  開 議 ○議長(高垣幸司君)    定足数がありますので、ただいまからお手元に配付の日程により、平成25年第1回田辺市議会定例会3日目の会議を開きます。              (午後 1時01分)          ――――――――――――――――――― ○議長(高垣幸司君)    それでは、日程に入ります。 ◎日程第1 1定報告第1号 専決処分事項について上程 ○議長(高垣幸司君)    日程第1 1定報告第1号 専決処分事項についてを上程いたします。  本件については、過日既に当局の説明が終了しておりますので、これより質疑を行います。  議案書1ページから4ページまでです。  質疑はありませんか。              (「なし」の声あり) ○議長(高垣幸司君)    質疑なしと認めます。  これより討論に入ります。  討論はありませんか。              (「なし」の声あり)
    ○議長(高垣幸司君)    討論なしと認めます。  それでは、お諮りいたします。  1定報告第1号は、原案のとおり承認することに異議ありませんか。             (「異議なし」の声あり) ○議長(高垣幸司君)    異議なしと認めます。  よって、1定報告第1号は、原案のとおり承認することに決しました。 ◎日程第2 1定報告第2号 専決処分事項の報告について上程 ○議長(高垣幸司君)    続いて、日程第2 1定報告第2号 専決処分事項の報告についてを上程いたします。  本件については、過日既に当局の説明が終了しておりますので、これより質疑を行います。  議案書5ページから7ページまでです。  質疑はありませんか。              (「なし」の声あり) ○議長(高垣幸司君)    質疑なしと認めます。  1定報告第2号は、以上で終わります。 ◎日程第 3 1定議案第1号 工事請負契約の締結についてから  日程第11 1定議案第9号 平成24年度田辺市農業集落排水事業特別会計補正予算                (第2号)まで一括上程 ○議長(高垣幸司君)    続いて、日程第3 1定議案第1号 工事請負契約の締結についてから、日程第11 1定議案第9号 平成24年度田辺市農業集落排水事業特別会計補正予算(第2号)まで、以上9件を一括上程いたします。  ただいま上程いたしました9件については、過日の本会議において、それぞれ所管の常任委員会に付託していたものであります。  この場合、順を追って各常任委員会委員長の報告を求めます。  まず初めに、総務企画委員会委員長の報告を求めます。  22番、吉田克己君。            (22番 吉田克己君 登壇) ○22番(吉田克己君)    それでは、総務企画委員会委員長報告を朗読をもって行います。  本委員会は、去る2月28日の本会議において付託を受けた議案2件について、3月5日及び11日に委員会を開催し、当局の説明を聴取し慎重に審査をいたしました。  その結果、委員会審査報告書に記載のとおり、1定議案第2号 土地の取得について及び同議案第3号 平成24年度田辺市一般会計補正予算(第9号)の所管部分の以上2件について、いずれも全会一致により原案のとおり可決いたしました。  審査の過程における委員からの質疑等の主なものは、次のとおりであります。  議案第3号 平成24年度田辺市一般会計補正予算(第9号)の所管部分のうち、消防団費にかかわって、消防団員の退団に伴う新年度の団員補充の動向について詳細説明を求めたのに対し、「今年度末の退団予定者は53名であり、新年度入団予定者は41名であるが、あと数名の入団が見込まれるため、最終的には本年度と同等程度の人員を確保できると考えている」との答弁がありました。  以上、委員長報告といたします。  平成25年3月11日、総務企画委員会委員長、吉田克己。            (22番 吉田克己君 降壇) ○議長(高垣幸司君)    続いて、産業建設委員会委員長の報告を求めます。  19番、陸平輝昭君。            (19番 陸平輝昭君 登壇) ○19番(陸平輝昭君)    産業建設委員会委員長報告を行います。  本委員会は、去る2月28日の本会議において付託を受けた議案3件について、3月4日及び11日に委員会を開催し、当局の説明を聴取し慎重に審査をいたしました。  その結果、委員会審査報告書に記載のとおり、1定議案第1号 工事請負契約の締結について、同議案第3号 平成24年度田辺市一般会計補正予算(第9号)の所管部分及び同議案第8号 平成24年度田辺市簡易水道事業特別会計補正予算(第2号)の以上3件について、いずれも全会一致により、原案のとおり可決いたしました。  審査の過程における委員からの質疑の主なものは、次のとおりであります。  議案第3号 平成24年度田辺市一般会計補正予算(第9号)の所管部分のうち、農業振興費にかかわって、野菜・花き等生産支援事業費補助金の活用状況について、詳細説明を求めたのに対し、「農業経営の安定化を図るため、果樹農家の複合経営を推進しているが、野菜や花き栽培着手への難しさなどから、年間3件から5件程度の活用にとどまっている。事業が定着するには一定期間が必要と考えており、今後ともJA紀南と連携を図りながら啓発していきたい」との答弁がありました。  以上、委員長報告といたします。  平成25年3月11日、産業建設委員会委員長陸平輝昭。            (19番 陸平輝昭君 降壇) ○議長(高垣幸司君)    続いて、文教厚生委員会委員長の報告を求めます。  13番、佐井昭子君。            (13番 佐井昭子君 登壇) ○13番(佐井昭子君)    文教厚生委員会委員長報告をいたします。  本委員会は、去る2月28日の本会議において付託を受けた議案6件について、3月4日及び11日に委員会を開催し、当局の説明を聴取し慎重に審査をいたしました。  その結果、委員会審査報告書に記載のとおり、1定議案第3号 平成24年度田辺市一般会計補正予算(第9号)の所管部分、同議案第4号 平成24年度田辺市国民健康保険事業特別会計補正予算(第2号)、同議案第5号 平成24年度田辺市後期高齢者医療特別会計補正予算(第1号)、同議案第6号 平成24年度田辺市介護保険特別会計補正予算(第2号)、同議案第7号 平成24年度田辺市交通災害共済事業特別会計補正予算(第1号)、及び同議案第9号 平成24年度田辺市農業集落排水事業特別会計補正予算(第2号)の以上6件について、いずれも全会一致により、原案のとおり可決いたしました。  審査の過程における委員からの質疑等の主なものは、次のとおりであります。  議案第3号 平成24年度田辺市一般会計補正予算(第9号)の所管部分のうち、教育振興費奨学貸付金にかかわって、奨学生が減少している中で、今後の奨学貸付金制度のあり方についてただしたのに対し、「平成22年度から高等学校の授業料が無償化されたことや奨学金制度日本学生支援機構や県などにおいても実施されており、最近では大学の奨学金制度も充実化され、奨学金制度を利用する学生は減少傾向にあるが、平成23年度に導入した入学準備金制度は、入学前の資金支援として一定の申請があることから、現状の制度内容により充実してまいりたい」との答弁がありました。これに対し、委員から利用者の多い入学準備金枠をふやすなど、ニーズに見合うよう臨機応変に対応されたいと要望がありました。  次に、議案第6号 平成24年度田辺市介護保険特別会計補正予算(第2号)について、施設介護サービス給付費にかかわって、老人保健施設100床と特別養護老人ホーム50床の開所による入所待機者の状況についてただしたのに対し、「施設での生活が必要と考えられる要介護4及び5の待機者は、平成24年10月1日現在で76名であるが、この中にはサービスつき高齢者向け住宅入居者等も含まれていると考えられる。地域包括支援センターへの相談状況等からも、待機の解消は一定進んでいるものと考えている」との答弁がありました。  以上、委員長報告といたします。  平成25年3月11日、文教厚生委員会委員長、佐井昭子。            (13番 佐井昭子君 降壇) ○議長(高垣幸司君)    以上で、各常任委員会委員長の報告が終了いたしました。  これより質疑に入ります。  ただいまの委員長報告に対し、一括して質疑はありませんか。              (「なし」の声あり) ○議長(高垣幸司君)    質疑なしと認めます。  これより討論に入ります。討論は一括して行います。  討論はありませんか。              (「なし」の声あり) ○議長(高垣幸司君)    討論なしと認めます。  これより、ただいま議題となっております9件について、順次採決に入ります。 ◎日程第3 1定議案第1号 工事請負契約の締結について ○議長(高垣幸司君)    それでは、1定議案第1号 工事請負契約の締結についてお諮りいたします。  議案第1号は、委員長の報告のとおり可決することに異議ありませんか。             (「異議なし」の声あり) ○議長(高垣幸司君)    異議なしと認めます。  よって、1定議案第1号は可決いたしました。 ◎日程第4 1定議案第2号 土地の取得について ○議長(高垣幸司君)    続いて、1定議案第2号 土地の取得についてお諮りいたします。  議案第2号は、委員長の報告のとおり可決することに異議ありませんか。             (「異議なし」の声あり) ○議長(高垣幸司君)    異議なしと認めます。  よって、1定議案第2号は可決いたしました。 ◎日程第5 1定議案第3号 平成24年度田辺市一般会計補正予算(第9号) ○議長(高垣幸司君)    続いて、1定議案第3号 平成24年度田辺市一般会計補正予算(第9号)についてお諮りいたします。  議案第3号は、委員長の報告のとおり可決することに異議ありませんか。             (「異議なし」の声あり) ○議長(高垣幸司君)    異議なしと認めます。  よって、1定議案第3号は可決いたしました。 ◎日程第6 1定議案第4号 平成24年度田辺市国民健康保険事業特別会計補正予算(第2号) ○議長(高垣幸司君)    続いて、1定議案第4号 平成24年度田辺市国民健康保険事業特別会計補正予算(第2号)についてお諮りいたします。  議案第4号は、委員長の報告のとおり可決することに異議ありませんか。             (「異議なし」の声あり) ○議長(高垣幸司君)    異議なしと認めます。  よって、1定議案第4号は可決いたしました。
    ◎日程第7 1定議案第5号 平成24年度田辺市後期高齢者医療特別会計補正予算(第1号) ○議長(高垣幸司君)    続いて、1定議案第5号 平成24年度田辺市後期高齢者医療特別会計補正予算(第1号)についてお諮りいたします。  議案第5号は、委員長の報告のとおり可決することに異議ありませんか。             (「異議なし」の声あり) ○議長(高垣幸司君)    異議なしと認めます。  よって、1定議案第5号は可決いたしました。 ◎日程第8 1定議案第6号 平成24年度田辺市介護保険特別会計補正予算(第2号) ○議長(高垣幸司君)    続いて、1定議案第6号 平成24年度田辺市介護保険特別会計補正予算(第2号)についてお諮りいたします。  議案第6号は、委員長の報告のとおり可決することに異議ありませんか。             (「異議なし」の声あり) ○議長(高垣幸司君)    異議なしと認めます。  よって、1定議案第6号は可決いたしました。 ◎日程第9 1定議案第7号 平成24年度田辺市交通災害共済事業特別会計補正予算(第1号) ○議長(高垣幸司君)    続いて、1定議案第7号 平成24年度田辺市交通災害共済事業特別会計補正予算(第1号)についてお諮りいたします。  議案第7号は、委員長の報告のとおり可決することに異議ありませんか。             (「異議なし」の声あり) ○議長(高垣幸司君)    異議なしと認めます。  よって、1定議案第7号は可決いたしました。 ◎日程第10 1定議案第8号 平成24年度田辺市簡易水道事業特別会計補正予算(第2号) ○議長(高垣幸司君)    続いて、1定議案第8号 平成24年度田辺市簡易水道事業特別会計補正予算(第2号)についてお諮りいたします。  議案第8号は、委員長の報告のとおり可決することに異議ありませんか。             (「異議なし」の声あり) ○議長(高垣幸司君)    異議なしと認めます。  よって、1定議案第8号は可決いたしました。 ◎日程第11 1定議案第9号 平成24年度田辺市農業集落排水事業特別会計補正予算(第2号) ○議長(高垣幸司君)    続いて、1定議案第9号 平成24年度田辺市農業集落排水事業特別会計補正予算(第2号)についてお諮りいたします。  議案第9号は、委員長の報告のとおり可決することに異議ありませんか。             (「異議なし」の声あり) ○議長(高垣幸司君)    異議なしと認めます。  よって、1定議案第9号は可決いたしました。 ◎日程第12 1定報告第3号 平成24年度田辺市土地開発公社の事業の計画の変更について上程 ○議長(高垣幸司君)    続いて、日程第12 1定報告第3号 平成24年度田辺市土地開発公社の事業の計画の変更についてを上程いたします。  本件については、過日既に当局の説明が終了しておりますので、これより質疑を行います。  議案書96ページから100ページまでです。  質疑はありませんか。              (「なし」の声あり) ○議長(高垣幸司君)    質疑なしと認めます。  1定報告第3号は、以上で終わります。  休 憩 ○議長(高垣幸司君)    この場合、午後1時30分まで休憩いたします。              (午後 1時16分)          ──────────────────  再 開 ○議長(高垣幸司君)    休憩前に引き続き会議を開きます。              (午後 1時31分) ◎日程第13 一般質問 ○議長(高垣幸司君)    日程第13 一般質問を行います。  なお、一般質問の通告は、2月28日午後4時に締め切り、抽せんにより順位を決定いたしました。結果は、通知申し上げているとおりであります。  それでは、質問順位に従って一般質問を許可いたします。  12番、松下泰子君の登壇を許可いたします。            (12番 松下泰子君 登壇) ○12番(松下泰子君)    12番議員、松下泰子です。今期最後の一般質問をさせていただきます。  その前に、きょう3月11日は、2年前の東日本大震災が起きた日です。その日はきょうのように一般質問の答弁を聞いているときに、体がゆらりゆらりと揺れるのを感じました。そのとき起こったのが東日本大震災で、その後、巨大津波によって多くの方が犠牲になられました。後ほど黙祷もあることですが、心より哀悼の意を表したいと思います。  それでは、通告いたしました3項目の1番目、障害者が人間らしく生きるためにから質問させていただきます。  先日、社会福祉法人ふたば福祉会の35周年記念講演会で、日本障害者協議会理事の藤井克徳さんのお話を聞きました。藤井さんは視覚に障害があり、今では光さえわからない状態ですが、障害者の権利のために幅広い活動を続けておられます。その講演の中で、昨年、きょうされんが福祉的就労を利用している障害者の方々に地域生活の実態調査をした結果を紹介されていました。一つ目に、2人に1人は112万円という貧困ライン以下であり、99%が年収200万円以下である。二つ目に、生活保護の受給率が障害のない人の6倍以上。三つ目に、6割弱が親と同居。四つ目に、結婚している人は4%であるという結果が出されていました。障害のない市民との格差は枚挙にいとまがないのですが、それを象徴する問題の一つに所得水準の低さと家族に依存することでしか地域生活がなり立ちにくい現実があると言われていました。障害者福祉制度は運動と政治の中でめまぐるしく動いていますが、人間らしく生きるためのニーズや願いが少しずつでも実現していくことが望まれます。  そこで、今までに市の施策に上がっていない結婚について今回は取り上げたいと思います。障害があったとしても、成長の過程で年ごろになると異性に興味を持ったり、恋愛感情が芽生えてくるのは当然です。しかし、障害があるがゆえに悩むことが多くなります。ここにもやはり支援が必要になってきます。最近は、婚活という言葉も生まれ、婚活パーティが花盛りです。田辺市では、農業後継者の確保のために、アグリパートナー地域推進事業が行われています。同様に支援が必要な障害者のために、結婚相談事業を行っている自治体もあります。結婚相談事業の内容としては、配偶者の紹介、結婚や日常生活に関する相談、相談室登録カードによる相談などがあります。今までにもゆめふるでの日常的な相談の中に、この類いの相談もあったこととは思いますが、お見合いや婚活イベントなどは検討課題としても上がっていなかったのではないでしょうか。  結婚への支援は人間らしく生きるために必要な施策ではないかと思いますが、どのようにお考えでしょうか、お伺いいたします。  二つ目に、投票権について質問いたします。先ほども申し上げましたが、今回の藤井さんの講演では、障害者抜きに障害者のことを決めるなという言葉を何度も使われていました。法律や制度を決定する議員を選出する投票は障害者にとっても重大な権利です。障害の種類や程度によって、その投票という行動の困難性は異なります。障害者の投票率は統計としてないかと思いますが、非常に低いということを障害福祉関係の方は誰もがおっしゃいます。  しかし、可能な限り、障害者の社会参加のあかしとしても、投票の権利は行使するべきです。そのための支援や働きかけが必要になってくると思います。障害のある人たちだけでなく、親や作業所への啓発や働きかけ、さらに特別支援学校での教育の一環としても二十歳になったときに、どのように投票をするのか、そのやり方などを教えていく必要を感じます。  既に、通所施設では、期日前に利用者さんたちを投票所へ連れていくようなことも施設によっては行っているようですが、全ての作業所ではありません。選挙管理委員会や明るい選挙推進協議会では、障害者の投票率を上げるために障害者への働きかけは行っているのでしょうか。成人式等で二十歳になったら投票の権利を行使するための啓発を行っているのと同様に、投票率の低い障害者への働きかけや投票しやすい環境への配慮が必要であると考えます。市としては現在、どのような取り組みを行っているのでしょうか。また、今後どのようなことができるとお考えでしょうか、お伺いいたします。            (12番 松下泰子君 降壇) ○議長(高垣幸司君)    12番、松下泰子君の質問に対する当局の答弁を求めます。  市長、真砂充敏君。             (市長 真砂充敏君 登壇) ○市長(真砂充敏君)    松下議員の御質問にお答えいたします。最初に、質問の1点目、結婚相談事業についてですが、田辺市障害児・者相談支援センター「ゆめふる」における結婚関係の相談については、利用者と相談員の会話の中で、将来の結婚や恋愛について話題が出ることはあるようですが、ゆめふるの担当者が具体的に結婚相談として対応するまでには至っていないと聞いています。  現在のゆめふるは、障害者の日常生活や社会生活等でのさまざまな相談を受ける窓口ですので、その相談の一つとして結婚に関する相談も含まれていますが、結婚に関して専門的に対応する機関ではありませんので、その内容によってアドバイスや必要なところへの取り次ぎ、紹介、案内等ということになっております。また、ゆめふるにおいて、いわゆる婚活パーティを含めた結婚相談を実施することは、その個々の利用者の結婚に対する思いやその進展の状況により、その他の日常的な相談に影響が及ぶことが考えられることから、現在では難しいものがあると考えていますので、御理解を賜りたいと思います。  次に、ゆめふると同じように、障害者の相談に応じ、必要な援助を行う制度として、身体障害者相談員及び知的障害者相談員がありますが、ゆめふると同様に、相談員が受ける相談の中に結婚に関する相談も、その内容によっては含まれることとなりますので、この場合も、必要に応じてアドバイスや必要なところへの取り次ぎ、紹介、案内等を行うということになります。  ちなみに、ゆめふるでは、月に1回程度ではありますが、土曜日にお花見やハイキングなど屋外での活動に取り組んでいます。また、社会福祉法人に委託して、陶芸、木工制作などに親しむレクリエーション教室開催事業を実施しています。これらの活動・事業の目的は、外出の機会をふやし、社会参加の機会をつくることでありますが、男女の別なく参加者があり、参加者相互の交流にもつながっており、結果的に男女が知り合いになる場にもなっています。  このレクリエーション教室開催事業は、障害者福祉の増進を図り、障害者が自立した日常生活や社会生活を営むことができるように、地域の特性や利用者の状況に応じて実施することができる地域生活支援事業の一つで、レクリエーションを通じて障害者が集い、交流し、楽しむことのできる場でありますので、こうした事業を利用して、交友関係を広げることも一つの方法かと思われます。  そして、ふだんの生活の中でも特別支援学校の同級生同士のネットワークや障害者の福祉的就労の場である作業所の利用者のネットワークなどをもとにして、それまで接点のなかった人々が知り合いになるような機会もあるようです。  また、今年度、障害者計画を策定しておりますが、その際に実施した障害者手帳所有者に対するアンケート調査では、生活の悩みとして健康、就労、及び収入などが挙げられ、充実を要望するものとして何でも相談できる窓口の整備、保健・医療・福祉サービスの充実、働く場所の確保などが出されており、行政としてそうした悩みの解消や要望にまずこたえることが第一と考えています。  次に、全国的な障害者の結婚相談を見ますと、幾つかの県で社会福祉法人等の法人に委託して実施しているようでありまして、その範囲は県単位ぐらいで、比較的広く、障害種別も身体障害者を対象にしている場合が多いようであり、その形は、登録者の中から相手を紹介するもの、登録者同士が交流会などのイベントに参加するもの等、幾つかの方法がとられているようであります。こうしたほかの地域の状況を見ますと、当地域のみでの実施が適切であるのかと課題が多くあります。  いずれにいたしましても、障害があって一人の人として結婚し、家庭を持ち、子供を育てることを望むことは当然のことであり、そのことを支援することは相談支援の一つでもありますが、結婚相談事業としての実施につきましては、現在の状況において実施にはさまざまな課題もあることから、将来に向けた研究課題とさせていただきたいと思いますので、御理解を賜りたいと思います。  続いて、2点目の投票権の行使を支援するためにについてお答えします。選挙における投票は、選挙の当日に選挙人が該当する投票所へ行き、みずから候補者の氏名や政党名を記載し、投票箱に投函することが原則とされています。これを補完するために、期日前投票や不在者投票の制度が設けられているとともに、みずから投票用紙に記載できない人には、代理投票制度、また投票所に行くことができない一定の障害者には、郵便による在宅投票といった制度が設けられております。  この郵便による在宅投票などは先ほど申し上げました投票の原則からすると、かなり特例的な制度となっております。ただし、議員御指摘のとおり、これらの制度においても全ての障害者がみずからの力だけで投票所まで行ったり、制度の手続を行った上で投票することは困難な部分もあることは事実であります。こうした際には、家族や関連する施設、また移動支援や介護ヘルパーといった福祉サービスの協力が不可欠となってまいりますので、これまでも機会あるたびに啓発を行っておりますが、利用する側や関連施設へのさらなる制度等の周知徹底が必要であると考えています。  議員も御承知のとおり、選挙の投票方法については、選挙を公正に行うため、公職選挙法で厳格に規定されていますが、今後とも利用できる制度や可能な投票方法について、これまでどおり広報やマスコミ等を通じ、機会あるごとにお知らせするとともに、障害者の入居施設や通所施設に対し、個別に制度等の周知を図ってまいりたいと考えておりますので、御理解賜りますようお願いいたします。             (市長 真砂充敏君 降壇) ○議長(高垣幸司君)    松下泰子君。            (12番 松下泰子君 登壇) ○12番(松下泰子君)    結婚相談につきましては、まだまだ課題もあり、結婚相談室という看板を上げていくまでには時間もかかることと思います。県の取り組みとも連携しながら、今後の検討課題にしていただきたいと思います。また投票権につきましては、選挙管理委員会では法に縛られた部分が大変多く、市独自の施策というものは行いにくいことは理解できます。しかし、ふだんから障害者本人や親御さんへの投票の啓発や働きかけ、また作業所や特別支援学校への投票の仕方を練習してみるなどの取り組みを行っていただけるような働きかけをお願いしたいと思います。そして、その権利を行使できるような環境づくりを心がけていただきたいと思います。  以上で、二つ目の質問、近露王子神社本殿の宮殿についての質問に入らせていただきます。  平成21年5月、中辺路町近露の旧野長瀬晩花の生家を改修する準備のため、現地調査を行っていたところ、当時和歌山県文化財センターの山本新平さんらにより天井裏の物置に置かれた大型の宮殿が発見されました。そして、翌年、平成22年の夏、晩花生家の修理を行った際、その宮殿が旧近露王子神社の本殿内に祭られていた宮殿であることが判明しました。  この宮殿の大きさは横幅1メートル、奥行き約80センチ、高さ約1メートルで、1688年に本殿が建立された際に新造されたものであるだろうということがわかりました。その後、修理や造営が行われ、明治末期には神社合祀という大きな社会制度の変革により近露王子神社を初めとして、近在の16社が新たに創建された近野神社に合祀されることになりました。その際、近野王子神社の御神体と棟札は近野神社に移されました。  この合祀に際して、南方熊楠と野長瀬晩花兄弟が連携して反対運動に奔走していたことが知られております。このような経緯の中、宮殿の保存を図ろうと、野長瀬家の天井裏に一時的に保管されることとなり、結果としてこの100年間ひっそりと守り伝えられたものではないかと思われています。  そして、このような調査報告書が山本新平さんにより平成23年9月付で田辺市教育委員会が発行した冊子に報告されております。当時、盗難を懸念して一時的に中辺路行政局に保管され、今でもそのままの状態になっています。山本さんを初め、所有者、地元の方々もこの宮殿を今後どのようにするのか、早く方向性が決まることを待っています。地元としては、現存の近露から出さずに安全に保管され、かつ誰もが見ることができる場所を望んでいます。  そのためにも、まずはその価値判断を市の文化財審議会に諮る必要があるのではないかと思います。市または県の指定登録文化財、さらには国の重要文化財になるかもわからない、この宮殿の取り扱いを早く決めることが望まれています。
     そこで質問いたします。  1番目に、市としてその文化的価値をどのように評価しているのでしょうか。2番目に、今後の取り扱いをどのようにお考えなのかをお聞かせください。            (12番 松下泰子君 降壇) ○議長(高垣幸司君)    教育次長、濵田和男君。            (教育次長 濵田和男君 登壇) ○教育次長(濵田和男君)    議員御質問の2番目、近露王子神社本殿の宮殿につきましてお答えさせていただきます。  議員御紹介の宮殿は、平成22年に近露王子跡に近接する旧野長瀬晩花の生家から偶然発見されたもので、明治41年に近野神社に合祀されるまで、近露王子神社本殿内に祭られていたと考えられる大型の宮殿です。現在は、調査・保存等の措置を講じるため、中辺路コミュニティセンターに一時的に保管をしております。  和歌山県教育委員会発行の「熊野参詣道王子社及び関連文化財学術調査報告書」などによると、構造や形式をかなり省略しているものの、三間社流造、檜皮葺の構造で、内陣奥壁には「近露王子神社」と墨書きした和紙が張られており、つくられた年代を示すものは確認できませんが、様式や古式な組み物の色彩などを見て、江戸時代中期の製作と考えられております。最終的な評価は、なお詳細な調査・検討を待たねばなりませんが、旧態をよくとどめ、近露王子にふさわしい本格的な宮殿として、歴史的・文化的な価値を有しているものと認識しております。  続いて、今後の取り扱いについてですが、地域の歴史や文化、自然と風土、社会や生活を反映して深いかかわりを持つ地域の自然・文化遺産を詳細に調査し、特に重要な価値を持つものについては、それらを文化財として指定するとともに、保存及び活用のための必要な措置を講じることは市の責務であると考えております。今後、文化財指定のための事務手続やどのような保存、活用が図れるのか、所有権、その他財産権を尊重しつつ、所有者や関係者の皆様の協力を得ながら協議を進めてまいりたいと考えておりますので、御理解を賜りますようよろしくお願いいたします。            (教育次長 濵田和男君 降壇) ○議長(高垣幸司君)    松下泰子君。            (12番 松下泰子君 登壇) ○12番(松下泰子君)    ありがとうございました。  文化財につきましては、平成17年4月に龍神村の小家神楽が市の指定文化財になったことを最後に、合併後は一つも文化財の指定が行われていません。希少価値であると思われる古物は、ほかにも中辺路や龍神でも見つかっているにもかかわらず、文化財指定の審議にのってこないという市の文化振興に対する姿勢が気になるところであります。  この100年ぶりに発見された近露王子の宮殿を早く指定文化財の審議のテーブルにのせられるように積極的に進めてほしいと思います。もし、今回の宮殿の文化的価値が定まった暁には、それに見合った保管場所もおのずと決まってくるものと考えます。  また、一方では、ことしの7月に、この野長瀬晩花の生家が、平安の郷構想の一環である拠点施設としてオープンする予定です。それに加えて、この宮殿は、南方熊楠翁がかかわった足跡を示すストーリー性を持ち、熊野古道の新たな宝物として注目に値すると思います。  田辺市の目指す歴史や文化に裏打ちされた質の高い観光がこの宮殿によってさらに一つふえることになると思います。文化振興のみならず、観光振興のためにも積極的な取り組みを期待いたします。  以上で、二つ目の質問を終わります。  三つ目の体罰について質問いたします。  昨年12月に大阪市立桜宮高校の生徒が体罰を受けた後に自殺したという問題をきっかけに、全国でいじめや体罰の報道が相次いでいます。私は、いじめについてはいつの時代でも子供の置かれた環境が変化しても複雑、巧妙でなかなかなくならないものであるという認識をしています。そのため学校でも長年その対策に取り組んできていて、一定の蓄積があるものと理解しております。  しかし、体罰につきましては、学校教育法で禁止されているものでありながら、教職員という大人が子供に対する体罰という前時代的な指導が全国的にこれほど残されていたことには一種驚きでもありました。確かに高校の部活動の中で指導という名の体罰が常態化していることもあるとは聞いておりますが、小・中学校でもこれほど行われているとは思っておりませんでした。  文部科学省による体罰の定義は、その懲戒の内容が身体的性質のもの、すなわち身体に対する侵害を内容とする懲戒、殴る、ける等や被罰者に肉体的な苦痛を与えるような懲戒、正座、直立等特定の姿勢を長時間にわたって保持させる等に当たると判断された場合には、体罰であるとされています。  今回の連続的な体罰の告発を問題視して文部科学省は、体罰の実態調査などを求める通知を全国の教育委員会に出しました。そして、それを受けて、和歌山県教育委員会では、公立の小・中・高等学校と特別支援学校に体罰の有無などをアンケートで問う調査が行われていると聞きます。そして、その結果を3月8日までに県教委に報告することになっていたようです。  そこでお伺いいたしますが、田辺市内の小・中学校における体罰について、どのような方法で調査が行われたのか、またその結果はどうであったのか質問いたします。  二つ目に、その結果を受けてどのような対策を今後行っていくのか、お聞かせください。            (12番 松下泰子君 降壇) ○議長(高垣幸司君)    教育長、中村久仁生君。            (教育長 中村久仁生君 登壇) ○教育長(中村久仁生君)    議員御質問の3番目、体罰についてお答えいたします。  まず1点目の各小中学校における体罰についての調査結果でありますが、今回の体罰に係る調査は、議員もおっしゃるとおり、大阪市立高校における体罰事案を受けて、文部科学省より体罰禁止の徹底及び体罰に係る実態把握についての依頼に基づいて行われたものです。  本調査には、児童・生徒用と教職員用がございます。内容は大きく2項目ございました。児童・生徒用としては、先生から体罰を受けたことがあるか。先生が他の生徒に体罰を行っているところを見たことがあるかの2点の質問項目がありました。  教職員用では体罰を行ったことがあるか。また体罰を行っているのを見たことがあるかという質問項目でありました。さらに、保護者にも、体罰等の実態把握の協力依頼と相談窓口の設置をお知らせするというものでありました。  2月中に田辺市の全ての小・中学校で調査を実施した結果、体罰として報告された事案は小学校で3件、中学校で3件、現在確認中の事案が中学校で2件ありました。この調査の中で挙げられた事案については、その一つ一つにおいて当該行為が行われた場所や時間、懲戒の内容などの諸条件を学校長が教員と児童生徒から聞き取りを行い、十分に検討した上で体罰に当たるかどうかを判断いたしました。  田辺市教育委員会では、今回の調査に限らず、これまでも学校から報告のあった全ての事案について、当該学校に聞き取りを行い、発生の事実確認・発生の要因・事案に対する学校長の指導内容を確認の上、速やかに県教育委員会に報告をするとともに、当該学校、当該教職員への指導を徹底しているところであります。  次に、2点目の田辺市として今後の対策をどのように考えているのかということについてでありますが、田辺市教育委員会では、これまでも昭和23年に法務庁から出されております児童懲戒権の限界についての内容、また平成19年2月5日に文部科学省より出された問題行動を起こす児童生徒に対する指導についての通知に基づき、校長会及び教頭会、また生徒指導主任会等において体罰禁止の徹底について指導してまいりました。  また、一昨年の校長・教頭・園長・園主任夏季研修会では、大学教授を招いて、学校安全、学校危機管理体制の充実について研修を行ったところであります。  しかしながら、今回行った調査の結果により、体罰が根絶に至っていないことが明らかになりました。このことは、田辺市教育委員会といたしまして、大変重く受けとめております。これまでの研修が教職員一人一人の実践に生かされていなかったことの反省に立って、体罰は学校教育法で禁止されている許されない行為であることをいま一度周知徹底していく所存でございます。  体罰が発生する要因はどこにあるか。また、教員が一時の感情に支配されて、安易な判断のもとで懲戒が行われていないか。さらに部活動の指導に当たっては、体罰を厳しい指導と正当化していないかなど、教職員一人一人が懲戒・体罰についての理解を深め、継続的に校内研修が行われるよう進めてまいります。  学校生活のあらゆる指導の中で、子供の人権を守りながら、子供との人間関係や信頼関係を構築し、その指導体制においては、全教職員の共通理解のもとで組織的に取り組むこと、そして子供・保護者の心に迫る指導のあり方の確立を図ってまいりたいと考えておりますので、御理解を賜りますようお願いいたします。            (教育長 中村久仁生君 降壇) ○議長(高垣幸司君)    松下泰子君。            (12番 松下泰子君 登壇) ○12番(松下泰子君)    ありがとうございました。残念ながら、小学校で3件、中学校で3件、確認中が2件あるということでした。この調査結果は、本年4月以降で体罰があった件数ということですが、このような調査は初めてということです。そして、それ以前は体罰があった場合にのみ学校から教育委員会に報告が行われていたということですが、今回の結果の中には、以前にも体罰を行って報告したことがある教職員がいるのでしょうか。また、そのとき、その教職員にはどのような対応をされたのか、再質問いたします。            (12番 松下泰子君 降壇) ○議長(高垣幸司君)    教育長。            (教育長 中村久仁生君 登壇) ○教育長(中村久仁生君)    ただいまの2度目の質問に御答弁を申し上げます。  今回の調査の中で、残念にも体罰としてアンケート上出てきたことに対して、以前にもその教諭が児童生徒にそういう体罰を行ったことがあるのかないのかということでありますが、今回出てきておる教諭の中には、その傾向はございません。それで、以前の体罰については先ほども申し上げましたように、しっかりと該当教諭、学校長、体罰を受けた子供たちへの体制、保護者への体制というのをとって、再度そういうことにならないような指導を行ってきたところであります。            (教育長 中村久仁生君 降壇) ○議長(高垣幸司君)    松下泰子君。            (12番 松下泰子君 登壇) ○12番(松下泰子君)    以前、報告が挙がっていた教職員はいなかったということで、そこらはよかったなとは思うんですが、今年度急に小学校3件、中学校5件という、確認中を含めて5件ということで、今年度だけ急に出てきたというのがちょっとそれも理論的に考えにくいという気もいたしますが、それはそれでよかったことの一つになるかと思いますが、常態的に行われていることはその指導によってなくなっているという結果であるのであれば、その研修なりのちゃんとした対応策は功を奏していると言えるのかとも思えますが、そこらの実態把握は本当に以前なかったのか。これがまた実はという話にならないようにだけはしたいものだと思います。  教育の中で、口頭での指導になかなか従わない生徒というのはどこにでもあるのですが、体罰をもって厳しく指導をすることが許されるような風潮は決して容認してはいけないと私は思います。それは指導力に欠ける教職員と言わざるを得ません。私の考えよりも何よりも学校教育法で禁止されているということです。教育委員会では、さらなる検討と毅然とした態度で取り組んでいただきたいと切に願います。  また、今回の調査で小・中合わせて6件、そして確認中2件という数字は、今回対処したとしても、やはり今後の経過も見守る必要があるのではないかと思います。アンケート調査で確実に実態がわかるとは限りませんが、いじめ調査が年に何回も行われていることと同様に、体罰に関しても毎年の調査の必要性を感じます。ただ、担任が体罰をしている場合、担任に見られることがわかっていてなかなか本当のことを書けないのも事実ではないでしょうか。回収する方法等にも工夫が要ると思います。  今後、いじめ調査とともに、体罰に対する調査項目を追加するような形ででも続けていただき、暴力のない学校づくりに取り組んでいただきたいと思います。  そしてこれらの根本的な解決のためには、人権意識の向上が大切であると考えます。ふだんの学級づくりの中で、人権感覚を高めることや思いやりの心を育てる教育に取り組んでいかれることを要望して、私の質問は終わります。ありがとうございました。            (12番 松下泰子君 降壇) ○議長(高垣幸司君)    以上で、12番、松下泰子君の一般質問は終了いたしました。  休 憩 ○議長(高垣幸司君)    この場合、2時50分まで休憩いたします。              (午後 2時11分)          ―――――――――――――――――――  再 開 ○議長(高垣幸司君)    休憩前に引き続き会議を開きます。              (午後 2時44分) ○議長(高垣幸司君)    続いて、5番、安達幸治君の登壇を許可いたします。             (5番 安達幸治君 登壇) ○5番(安達幸治君)    皆さん、こんにちは。5番議員の安達幸治です。改めて身の引き締まる思いで質問をさせていただきます。ちょっと鼻声でございまして、大変お聞き苦しいところがございますが、お許しいただきますようお願いいたします。  それでは、通告に従いまして質問をさせていただきます。  野生鳥獣食肉処理施設について御質問をさせていただきます。  昨年7月に念願の野生鳥獣食肉処理施設が本宮町大津荷に開設されました。この施設は田辺市にとりまして、最初のものであり、私たち猟友会にとりましても待ちに待ったものであります。ここの施設長さんはもともと猟友会の仲間であり、着工から完成まで何度も足を運ばせていただきました。本人の御努力と市の助成によりまして、すばらしい施設ができ上がっております。しかし、完成したからといって手放しで喜ぶわけにはまいりません。仏つくって魂入れずでは何もならないからです。運営に当たって、まず何人で行うのか。どれぐらいの食材が持ち込まれるのか。販路はどうか。安定供給はできるのかなど、課題はたくさんあります。  施設長さんがおっしゃるには、仲間は4~5人で肉のほうは何とかなるが、販路は今までの自分だけの範囲では到底無理だということで、これは田辺市のほうでも何とか御協力をお願いしたいということでございました。  他方、県のほうは積極的で、この2月にもジビエウイーク等を開催され、ジビエ料理の普及に積極的に取り組んでおられ、紀南地方のお店の名前も挙がっておりました。恐らく県とはかなり事情が違うとは思われますが、しかしながら田辺市にとりましては、何分にも重要な第1号でございます。この施設が成功するかどうかによって、第2、第3の施設にかかわってくることですので、何としても結果を出さなければなりません。  そのためには、最終的には販路が問題となってまいります。恐らく今までにも市と本人さんとの間でこうした話し合いはなされているものだと思われますが、果たしてどのような話し合いがなされ、また販路のほうもどのように進んでおられるのか、お聞かせください。  また今回、観光面の食材としてはどうかということで、聞き取りには観光振興課にもおこしいただきました。今までは農業振興課のほうに大きくお願いしてまいりましたので、これ以上望むのは多少申しわけない部分もございます。そこで今回は、視点を少し変えて、観光振興課のほうにも御協力をお願いすることといたしました。特に、本宮町は熊野本宮大社を中心とする熊野観光の拠点であり、自然遺産だけでなく、食というものも大変重要になってまいります。  観光振興課が中心となり、熊野のジビエとして、各旅館や料理店などと協同でメニューの開発をされてはいかがでしょうか。それによって、新たに見えてくるものもあるでしょう。このことについても御回答をいただきますようお願いいたします。  1回目の質問を終わります。             (5番 安達幸治君 降壇) ○議長(高垣幸司君)    5番、安達幸治君の質問に対する当局の答弁を求めます。  市長、真砂充敏君。             (市長 真砂充敏君 登壇) ○市長(真砂充敏君)    安達議員の御質問の野生鳥獣食肉処理施設について、お答えいたします。  野生鳥獣の食肉処理施設につきましては、有害鳥獣として捕獲されたイノシシ・シカの食肉としての有効活用や捕獲意欲の喚起を目的に、昨年度から取り組んでいるところであります。  昨年度は、猟友会本宮分会の1グループが事業主体となり、本宮町大津荷に3月末に整備され、その後、7月に保健所による食肉処理業と食肉販売業の営業許可を受け、田辺市では初めてとなる野生鳥獣の食肉処理施設が開設されました。  御質問のジビエの販路についてですが、現在のところ、グループの代表者等が個人的な関係者への販売を基盤としながら、本宮町内での消費拡大に向けて、道の駅での販売や旅館、飲食店などを対象に、宣伝活動に取り組んでいると伺っております。  市といたしましても、開設当初から愛知県の大手食品加工業者に試作品用のシカ肉を提供したり、市内の飲食店にジビエ料理としての活用を紹介するなど、消費宣伝活動に取り組んでおり、県におきましても、「和歌山ジビエプロモーション事業」の取り組みとして、昨年の秋、ジビエ料理の講習会の場で、解体処理、精肉取扱業者として紹介をされています。  また、この2月に1カ月間にわたり実施されましたジビエウイークでは、これは消費者へのジビエ料理の普及を目的とした飲食店の消費宣伝活動が主体ですが、その中でも精肉店の一つとして取り上げていただいたところであります。  しかしながら、小規模な施設であり、加えて少人数の運営で、それぞれが本業の合間に従事しているため、一定量を安定して供給できるまで至っていない状況であり、市といたしましては、今後も引き続きイベントや商談会等での消費宣伝活動など、積極的に協力してまいりたいと考えております。  次に、観光地の食材として旅館や料理店等で提供するメニューを工夫してはどうかについてですが、魅力ある地域の食メニューは観光客の旅行動機の大きな要因であると言われており、国内の各地域におきましても、観光客を呼び込むための重要なキーワードの一つとしてとらえられております。  本市におきましても、地域の食資源の活用として、旬の食材を使った田辺らしい昼食を提供する「あがら丼」に取り組んでおり、さらに奈良県十津川村とともに、連携して行っている観光圏協議会事業として熊野ランチマップの作成を進めるなど、当地域を訪れる観光客の方に当市ならではの食のおもてなしを行うような取り組みの充実を図っているところであります。  イノシシやシカ肉については、古くから山村の貴重なたんぱく源として、イノシシのボタン鍋やシカの背身の刺身など、郷土料理として活用されてまいりましたが、昨今では、フランス料理の食材用語から、ジビエ料理と呼ばれ、西洋料理に加え、コロッケやカレー、ラーメン、どんぶりなど、全国的にさまざまな料理に活用されております。  そうした中、県内全域の取り組みとして、食品営業許可を受けた施設で、わかやまジビエ衛生ガイドラインに沿って処理された安心・安全な県内産のイノシシとニホンジカの精肉を用いた料理として、わかやまジビエの普及に取り組んでいるところであり、田辺市の旅館や飲食店、精肉店も合わせて8店舗が参加しております。  今後におきましても、ジビエに対する取り組みにつきましては、捕獲した鳥獣の有効活用という観点だけでなく、一つの有効な地域資源ととらえ、観光での食という面での活用についても現在取り組んでいる県の和歌山ジビエプロモーション事業の状況や全国的な先進事例等も調査しながら、関係団体と連携をして進めてまいりたいと考えておりますので、御理解賜りますようお願いいたします。             (市長 真砂充敏君 降壇) ○議長(高垣幸司君)    安達幸治君。             (5番 安達幸治君 登壇) ○5番(安達幸治君)    御答弁をいただきました。ありがとうございます。  この本宮町の施設は民設民営ということで、工事に対して市が補助をいただくという形になっておりまして、あくまでも民営ということが入っておりますので、何から何まで市がお世話するというわけにはいかないかと思います。その点では、県がやっている事業、これは恐らく日高川町の方々が中心となってやられている事業に、県が恐らく公設、恐らく公営という形でやられているのではないかと思うので、ここは田辺市との違いが大きくあって、その分、公設の場合はあくまでも県が主体となって宣伝から何から何まで力を入れられるという特典がございまして、田辺市におけるものとは多少違うのではないかと思います。  その点では、いろいろと市のほうも、農業振興課のほうもかなり力を入れていただいて、私も何回も通ううちに、これ以上無理を言うのは申しわけないと。人事に口を出すのもどうかと思いますが、農業振興課のほうもこういう場面が多いので、もうちょっと人数を入れてあげてほしいと思うときもあります。  御答弁によりますと、施設の規模も小さくて少人数の上で、一定量を安定して供給できないかもわからないということになっておりまして、拡張しても材料がそろわなければなかなか宣伝・販売を対象に大きくやって、東京や大阪に販路を広げても、そこで信用を失うというような状態に陥るということも伺いました。
     しかし、私が思うところでは、大きなイメージをある程度抱いていたものですから、正直言って少し気持ち的にはトーンダウンしておりますが、今のあそこの施設の状況を見たら、これは出発点としてはやむを得ない状況にあるものかなと、このようには理解をいたしております。  そこで、和歌山県全体のジビエとして考えていくのかどうかということにいたしまして、つい最近、たなべるにおきましても、平成24年度の国際熊野学会の例会がありまして、市長さんも挨拶に行かれているところでございます。私も聴講に行ってまいりまして、熊野の地域資源と協働の地域づくりという題の中で、ジビエウイークと熊野についてのお話がありました。  その中で、猪鹿鳥は熊野の伝統的ジビエであり、県は和歌山県全体のジビエ料理としているが、果たしてそれでいいのか。我々は熊野のジビエとして売り出すべきではとの提言がございました。まさに的を射た話だと私も思います。量的に少ないのであれば、やはりそこで値打ちを持たせる。ただ単に和歌山県のジビエとして売るのではなく、世界遺産の中での伝統的な狩猟民族の中で行ってきた、これが地元に根づいたジビエということで、熊野のジビエとして特定して売ったらいいという御提言でございましたので、私もこのことには大賛成をいたしました。  この施設が成功するかどうかによって、先ほども質問のほうで申し上げましたけれども、第2、第3の仲間ができていくか、できていかないか、大きなこれが我々の成功にかかっているわけでございますので、私も猟友会の一員として、常に本宮町に伺って、施設長さんや仲間の方たちともこれからの支援をしていくつもりでございますが、これはなかなか市だけでは難しいのであれば、県ともまたお話をされて、これから和歌山県のジビエ、熊野のジビエがどれだけ根づいていくか。このことについても御尽力をいただきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いしておきます。  私は再質問はいたしませんので、今後ともよろしくお願いいたします。  ちょっと余談になりますけれども、この5月21日で、私たち市議会議員の任期が終わろうとしています。まだあと2カ月ほどあるわけでございますが、私たちの任期は4年ということで、私も4年前に皆様方の温かい御支援を受けて、市議会議員に当選をさせていただきまして、そしてこの市役所の門をくぐらせていただいたわけでございます。この次の選挙にも何とか勝って、この議場に上がり、また市民とともに新しい田辺市をつくりたいと思っておりますけれども、これは選挙のことでございますが、水ものと申しまして、結果がどうなるかは受けてみないとわかりません。4年前に、不安と期待の入りまじる中で、市役所の中に赴きました。当時、私みたいな新人がどれだけ通用するかわかりませんけれども、先輩議員に追いつかなければいけないということで、一生懸命地域を歩き、勉強させていただきました。そしてまた議会の中で生意気にもいろいろな発言もさせていただき、先輩議員をおいて委員会でもお話をさせていただきまして、大変先輩議員にも怒られているのではないかと思いますけれども、先輩議員に文句を言われることもなく、本当に温かく支えていただいたことを心から感謝を申し上げたいと思います。  そしてまた、市の当局の皆様方にも本当に私は新人でございますけれども、なめることなしに、本当に心から支えていただいて、一つ一つ事に当たっていただきまして、現場にまで立ち会っていただきましたことを心から感謝を申し上げたいと思います。あと2カ月ほどありますけれども、ここで改めてこの4年間のお礼を申し上げまして、この一般質問を終わらせていただきます。本当にありがとうございました。             (5番 安達幸治君 降壇) ○議長(高垣幸司君)    以上で、5番、安達幸治君の一般質問は終了いたしました。  休 憩 ○議長(高垣幸司君)    この場合、3時10分まで休憩いたします。              (午後 2時59分)          ―――――――――――――――――――  再 開 ○議長(高垣幸司君)    休憩前に引き続き会議を開きます。              (午後 3時11分) ○議長(高垣幸司君)    1番、川﨑五一君の登壇を許可いたします。             (1番 川﨑五一君 登壇) ○1番(川﨑五一君)    こんにちは。1番、日本共産党の川﨑五一です。  今回は2項目の質問をさせていただきます。議員になってから49回目の一般質問になります。今回の2項目は安全な輸送を実現するためにという問題といじめのない田辺市を実現するためにという2問です。今回の2項目ともいずれも命にかかわる重大な問題だと思っております。  それでは、1点目、安全な輸送を実現するためにから質問を始めます。住民バスやスクールバスは大切な住民の命を運んでいます。その輸送の安全性が現行の制度で担保できるのかという点について検証していきたいと思います。  まず1問お聞きしたいのは、昨年の6月議会で輸送業務委託契約の事業者選定に当たって課している要件について質問した際に、企画部長から市内に本社、または営業所を有していることと答弁をいただきました。そしてその理由についてただしたところ、市内の一定の地理的な条件を把握していることが必要という答弁をいただきました。これは安全な運行のために必要な条件だと考えますが、間違いないでしょうか。             (1番 川﨑五一君 降壇) 議長(高垣幸司君)    1番、川﨑五一君の質問に対する当局の答弁を求めます。  企画部長、池田正弘君。            (企画部長 池田正弘君 登壇) ○企画部長(池田正弘君)    川﨑議員御質問の安全な輸送を実現するためにについてお答えいたします。  まず地理的な状況に詳しいということは、安全な運行を行うためであり、その安全性についてどうなのか、関係あるのかと、前にそうだったけれども、という御質問でございます。議員御指摘のとおり、スクールバス及び住民バスの運行において、円滑に運行するという観点で申し上げれば、安全性といった点も踏まえて市内に本社または営業所を有することを決定要件の一つに加えてございます。  以上でございます。            (企画部長 池田正弘君 降壇) ○議長(高垣幸司君)    川﨑五一君。             (1番 川﨑五一君 登壇) ○1番(川﨑五一君)    御答弁いただきました。田辺市というのは合併によって非常に広大な市域になりました。1,026平方キロにも及ぶ田辺市で、市内に営業所があるというだけで地理的な条件を把握しているということになると、本当に考えておられるのかどうか。例えば、本宮町にある業者が龍神村の地理及び気候まで把握している。仮に、旧市内の業者が本宮町の三里などの地理、私も何度行っても伏拝で迷子になるのですけれども、こうしたところの地理を把握していると考えているのか。ましてや営業所という規定も実際に営業を行っていなくても税務課に書類を1枚提出しただけで、営業所があると認定する。現在の市の基準に安全を担保する合理的な根拠はないと考えます。  次の問題でお聞きしますが、スクールバス運行業務委託契約書第11条の4、運転者は運行に必要な運転免許を有し、経験を有するものとありますが、この経験の定義とはどのようなものになっているのでしょうか。和歌山県では、福祉バスですとか、支援学校のバス等の仕様を見ますと、運転するバスに類する自動車の運転の経験の期間が通算して3年以上を条件としていますが、市の基準はどうなっているでしょうか。             (1番 川﨑五一君 降壇) ○議長(高垣幸司君)    企画部長。            (企画部長 池田正弘君 登壇) ○企画部長(池田正弘君)    運転手の資格要件につきましては、スクールバス及び住民バスの運行業務委託契約における見積もり仕様書の中で、道路運送法施行規則を踏まえ、運行する車種に必要な中型2種以上の免許を有し、経験を有するものに乗務させるとしてございまして、過去にバス車両の運転を行ったことがあることを運転経験があるものとしてとらえてございまして、本市では県のように運転経験の年数までは資格要件としては定めてございません。  以上でございます。            (企画部長 池田正弘君 降壇) ○議長(高垣幸司君)    川﨑五一君。             (1番 川﨑五一君 登壇) ○1番(川﨑五一君)    バスの運転経験があるということなんですが、当然、2種免許を取るわけですから、教習所、自動車学校でバスを運転して免許を取ってくるわけですけれども、これをもって経験というふうにみなされるのかどうか。通常はそうした最低限の基準を設けて、一定何時間以上、もしくは何キロ以上こうした営業運行、もしくは試験的に研修をして、経験者が同乗する基準が必要ではないか。全く現状の仕様では、経験を有するものというのが空文化している。実効性のない条件となっていることが明らかではないかと思います。県に比べても非常にゆるいというのが、この要綱だと思います。  では、何を基準に経験と言っているのかわからないので、経験のないものが運転した場合といってもこれは議論になりませんから、この質問はやめます。経験のないもの、すなわち2種免許を取って間もないもの、1カ月にも満たないものが実際にスクールバス、住民バスの運行に従事しているという事実があるということは確認されているのかどうか。ここに関しては答弁を求めませんが、当然これは確認されているはずです。2種免許を提示されていますので、そうした運転者を認めているということが今の現在の市の状況です。  あと乗務するものの名前を当然事前に届け出るということになっているんですけれども、全ての乗務員名が報告されておりません。私は先日、乗務記録を見させていただきました。住民バス、そしてスクールバスを見たわけですが、龍神地域では登録されているが、中辺路地域では登録されていないという運転者が実際に中辺路地域で乗務しているということもありました。また、この名簿そのものにお名前が載っていないという方が運行されていたという目撃情報もお聞きしております。これについては、実際にその方が送迎された子供たちに、その方の顔写真を見せていただければ確認もとれると思いますが、こういったことが行われているという現状です。  先ほどの仕様書第14条に、随時に調査し、必要な報告を求め、監査することができるとありますが、この権限は実際に行使されたことがあるでしょうか。             (1番 川﨑五一君 降壇) ○議長(高垣幸司君)    企画部長。            (企画部長 池田正弘君 登壇) ○企画部長(池田正弘君)    基本的に随時に検査とかそういうのをしているのかというお話でございますが、今回のケースに該当するかどうかわかりませんけれども、私どもはいろいろな事故があったときとか、そういうときには担当者を呼びまして、状況報告を聞いたり、調査をしたり、指導をしたりということについては行ってございます。  以上でございます。            (企画部長 池田正弘君 降壇) ○議長(高垣幸司君)    川﨑五一君。             (1番 川﨑五一君 登壇) ○1番(川﨑五一君)    事故があったときにというお話ですから、では、その事故の発生状況についてお聞かせいただけますでしょうか。             (1番 川﨑五一君 降壇) ○議長(高垣幸司君)    教育次長、濵田和男君。            (教育次長 濵田和男君 登壇) ○教育次長(濵田和男君)    平成24年度中における事故の発生状況ですが、スクールバスにおける事故はこれまで5件発生しており、その内訳は、ガードレール等への接触が4件、路肩への脱輪が1件となっており、それ以外にも始発時点における待機中の仮眠による遅延が1件発生しております。  なお、接触のうち2件につきましては、児童・生徒が乗車中でそれ以外につきましては回送中における事故となっております。            (教育次長 濵田和男君 降壇) ○議長(高垣幸司君)    川﨑五一君。             (1番 川﨑五一君 登壇) ○1番(川﨑五一君)    事故が5件、ダイヤの大幅な遅延という、これも事故だと思いますが、6件既に発生しているということです。事故が発生した際、どのような指導や対応を行ってきたのか。またその指導は果たして有効であったのか。これは3年契約ですが、それ以前の平成21年から平成24年までの契約期間中、教育委員会、それから企画広報課のほうで住民バス、スクールバスでの報告された事故は1件のみです。平成21年の1件のみです。それが4月以降に既に5件、6件、これ以外事故としての報告はありませんが、子供の乗せ忘れや停車場所の通過等の報告も受けております。  こうしたことに対して、どのような指導を行ってきたのか。そしてその指導は果たして有効であったのか、お聞かせください。             (1番 川﨑五一君 降壇) ○議長(高垣幸司君)    教育次長。            (教育次長 濵田和男君 登壇) ○教育次長(濵田和男君)    事故が発生した場合につきましては、運行委託業者より直ちに市の各担当部署を含む関係先に連絡を行うこととなっており、その後、運行委託業者から事故の内容や原因等について報告を受けるとともに、必要に応じて現場検証を行った後、運行委託業者に対し、再発防止策等の聴取を行った上で、その都度厳重に指導や注意を行っているところでございます。  また、事故を起こした運行委託業者につきましても、運転手に対して安全運行教育を実施し、乗客の安全確保に努めるよう指導を行っております。  なお、対応に係る実効性につきましては、今後も運行業務の履行状況の確認調査等を通じて、運行委託業者に対し、厳しく指導することにより確保してまいりたいと考えております。            (教育次長 濵田和男君 降壇) ○議長(高垣幸司君)    川﨑五一君。             (1番 川﨑五一君 登壇) ○1番(川﨑五一君)    実効性がないから、このように事故が繰り返されているのだと思います。先ほども言いましたが、広大な田辺市において輸送業務委託が全市一区の入札で実施されるということが、ある意味実態を見ない入札である。先ほど一番最初にお聞きしました、市内の一定の地理的な条件を把握していることが安全運行の基本的な条件になるとおっしゃいましたが、残念ながら営業所の実態以前の問題もありますけれども、市内に本当に営業所があったとしても、やはりその地域の地理というのはかなり独自性を持っている。本宮町の地理と龍神村の気象条件、さまざまなことが本当に違う。こういったことに対する今の入札に無理があるのではないかというのが1点、考えられる点です。  それから、昨年12月、脱輪事故とおっしゃいました。これは専門的に路外逸脱というそうですけれども、国土交通省に報告が必要な重大事故と位置づけられております。そういう事故が起きている。それと本年1月に仮眠による大幅な運行のおくれということですが、これについては、私もその日に連絡を受けましたけれども、脱輪による重大なおくれが発生したというふうに当初お聞きしました。しかし、その後、調査を進める中で、脱輪等ではなく、時間調整のために始発場所に行って、そこで時間調整のために待っている間に居眠りをしてしまったと。仮眠してしまったということによるおくれだったと。虚偽の報告が教育委員会、教育事務所に行われていたということだと思います。これは過失による事故とは違って、悪質な行為であると私は考えています。厳重な対応が求められるのではないでしょうか。  田辺市の今回の仕様、それから制度の運用に多くの改善点があると同時に、これだけ事故が頻発する状況を放置していいのかというふうに考えています。よく免許の更新のときに受ける講習でヒヤリハットの法則というのがあります。これは正式名称はハインリッヒの法則というそうですが、300件のヒヤリハットが29件の軽微な事故、そして1件の重大な事故という数のピラミッドになるそうですが、やはり現状を見ますと、既に5件、6件の軽微な事故というのが発生しているということですから、これは早く手を打たないと重大な事故につながる危険性を抱えているということを考えております。子供や住民が安心して乗車できるバスの運行を強く望んで、この項についての質問は終わります。  2問目、いじめのない田辺市を実現するためにの項にいきます。  まず初めにですが、教育長にお尋ねします。学校教育において一番大切なものは何かお答えください。             (1番 川﨑五一君 降壇) ○議長(高垣幸司君)    教育長、中村久仁生君。            (教育長 中村久仁生君 登壇) ○教育長(中村久仁生君)    お答えいたします。学校というところは、子供たちにとって一番安全、安心をして勉学に励む場所であってほしいと願っております。            (教育長 中村久仁生君 降壇) ○議長(高垣幸司君)    川﨑五一君。             (1番 川﨑五一君 登壇) ○1番(川﨑五一君)    今の質問は通告をしておりませんでしたので、若干いじわるな質問かもしれませんが、私は学校教育において、一番大切なもの、これは学習や友情でもなく命であるということをまず最初に踏まえておくべきだと思います。そのことを踏まえていじめについての議論を行いたいと思います。  いじめの定義についてですが、資料もいただいていますので、これはもう御答弁いただかなくてもこちらのほうで読み上げさせていただきます。  いじめの定義というのは、文部科学省がその都度、その都度出しております。以前は、自分より弱いものに対して一方的に身体的、心理的な攻撃を継続的に加え、相手が深刻な苦痛を感じているものという規定だったのですが、それが平成18年以降変わりまして、当該児童生徒が一定の人間関係のあるものから、というふうにこの部分が、弱いものに対して一方的にというところから、一定の人間関係のあるものという規定に変わりました。これは何を意味するかというと、当然力関係が常に強いものがいじめるという状況ではなくなってきているということを意味するのかと思うのですが、こうしたいじめの中で、まず定義で含まれるものですけれども、まず踏まえておかなければならないと思うものは、これは文科省も出しているのですが、ホームページの中で、いじめの項からその次の段にあるのですけど、犯罪行為として取り扱われるべきと認められるいじめ事案に関する警察への相談通報についての通知ということで、ここにはいじめということで学校内で行われていることによって、いじめの範疇にくくられているけれども、実際は刑事罰を科す、そういうものだと。それにはこういうものがある。強制わいせつ、傷害、暴行、強要、窃盗、恐喝、器物損壊、こういったものが規定されています。  こうしたものをいじめという、学校内で行われたから全ていじめということにくくってしまうということをしないということも、一定の留意をした毅然とした対応が必要であると思います。  夜回り先生といわれる水谷修さんのいじめの定義は、学校において意図的にある児童、生徒に対して精神的苦痛を与えることだ。いじめというのは本当にこれだけなんだと。これ以上のことは全て犯罪だと書かれていましたし、私もそうではないかと思います。では、こうした定義に基づくいじめですが、なぜいじめが起こるのかということについて、どのように認識されているか、教育委員会のお考えをお聞かせください。             (1番 川﨑五一君 降壇) ○議長(高垣幸司君)    教育長。            (教育長 中村久仁生君 登壇) ○教育長(中村久仁生君)    なぜいじめが起こるのか。いじめの起こる原因ということでありますけれども、平成22年にまとめられた国立教育政策研究所の調査結果から、いじめの背景にはさまざまなストレスやその原因となる要因などが存在することが明らかになっております。その中で、いじめ加害に影響する要因の一つとして、友人関係によるストレス、競争的価値観などが挙げられております。  また、市内の学校から教育委員会に報告のあった事例の中には、認識の甘さから自分の言動が相手を傷つけていることに気づいていないケースも少なくありません。さらに、周りの子供のいじめを抑止する力の弱さがいじめを助長する場合もあります。  いじめが起こる原因については、子供を取り巻く環境も含め、さまざまな要因が複合的に絡んでおりますので、いじめの原因を一言で表現することは大変難しいと思っております。また、暫定的な見方がいじめを見えにくくし、誤った対応につながることもありますので、十分配慮が必要であると考えております。            (教育長 中村久仁生君 降壇) ○議長(高垣幸司君)    川﨑五一君。             (1番 川﨑五一君 登壇)
    ○1番(川﨑五一君)    今、教育長の御答弁でもありました、さまざまなストレスという言葉がありました。確かにこれは大きな要因ではないかと思います。かつてのいじめというのは、いじめっ子といわれる特定のがき大将のような存在があって、その子がかなり多くの子供たちをいじめる。またあの子かというようなことがありましたが、最近のいじめというのは、加害者が特定でなかったり、被害者が特定でなかったりすると。県のいじめ問題対応マニュアルにも書かれているのですが、いじめに対する認識のところで、いじめ問題を根絶する5カ条の中の1番目に書かれています。いじめは、どの子供にも、どの学校でも起こり得るものであるとの認識を持つというようなことが書かれています。というのは、すなわち特殊な条件であったり、特殊な個性、そうしたもので起こり得るものではないということだと思うのですが、それでストレスと先ほど言われました。私たちの子供の時代に比べても、多くのストレスに囲まれて、今の子供たちが暮らしている。そのことははたから見ていても、また親としても非常に感じるところです。  実際、私が大阪で勤めていたころ、10時過ぎに電車に乗って仕事から帰るときに、その電車に多くの小学生、ランドセルを背負ったままの私立の小学生が帰っていました。スナック菓子を食べながら電車に乗っている。本当にそういう状況がどんどん進行してきているという中で、多くの子供たちがストレスにさらされている。動物の例で言いますと、外敵のない大きな水槽の中に金魚を飼っておきますと、これは非常に平和に過ごしています。金魚たちはお互いを攻撃することもありませんが、しかし水槽を小さくしたり、また外敵となるようなものを入れると、非常に多くのストレスがかかってくる。えさを十分に与えていても、共食いのような状況が発生する。このことは何をあらわすかというと、ストレスというものが攻撃性を向上させる大きな要因になるのではないかと考えられます。  そういったことから、ほとんどの子供たちがそうしたストレスにさらされているということで、かつてのような子供の個性によるいじめっ子というものではなく、誰もがそうした攻撃性を爆発させかねないという状況にさらされるのではないかと思います。  国連子どもの権利委員会というところが、日本に対してこれまでに3回の勧告を行っています。1998年が第1回、そして2004年に第2回、3年前の2010年に第3回の勧告を行ったわけですが、その勧告の中、1998年の第1回の勧告では、当時言われているのは家庭における子供の虐待及び不当な取り扱いが増加している。子供の自殺が多数生じており、かつこの減少を防止するためにとられた措置が不十分である。競争が激しい教育制度のストレスにさらされ、かつその結果として余暇、運動及び休息の時間が得られないために子供たちの間で発達障害が生じている。学校における暴力が頻繁にかつ高いレベルで生じている。生徒の間で非常に多くのいじめが存在する。現行の措置が学校暴力を阻止するためには不十分である。これが第1回の勧告でした。  そして、第3回、3年前ですけれども、余り状況は改善されていません。学校及び大学への入学を求めて競争する子供の人数が減少しているにもかかわらず、過度の競争に関する苦情の声が上がり続けている。このような高度に競争的な学校環境が修学年齢層の子供のいじめ、精神障害、不登校、中途退学及び自殺を助長している可能性がある。子供同士のいじめと戦う努力を強化し、かつそのような措置の策定に子供たちの意見を取り入れるよう勧告する。これが2010年の勧告です。  このように、国際的に見ても、非常に日本の子供たちが多くのストレスにさらされていると思います。  特に、中学校になってくると、中学へ入ったときからどこの高校へ行くんだというようなことを聞かれる。そうした中で、1年生から受験生予備軍となってしまうような状況があるのですけれども、世界的にはどうかといいますと、高校進学の国際比較というのがあります。これは日本共産党が昨年の11月に発表したいじめのない学校と社会をという提案の中の資料なのですが、アメリカは高校進学については、選抜のための試験は行われない。イギリスは一部の選抜制の中等学校を除いて、生徒の学力などに基づく選抜は行わない。ドイツ、通常、試験はない。フランス、通常、入学試験は実施されない。日本は基本的に入学試験があるということです。そういう意味では、13~14歳がこうした選別をされる、選抜されるというところでのストレスがかかると考えるわけです。  こうした子供たちの現状を踏まえて、先ほどいじめがなぜ起こるのかということについてお聞きしましたが、ではこうして発生するいじめに対して、求められる対応、教育委員会としてはどういった対応を今後とっていくのだということがありましたら、お聞かせいただきたいと思います。             (1番 川﨑五一君 降壇) ○議長(高垣幸司君)    教育長。            (教育長 中村久仁生君 登壇) ○教育長(中村久仁生君)    いじめ問題に求められる対応ということであります。まず、未然防止と早期対応が重要であると教育委員会では考えております。また、各学校ではいじめ問題にどのように取り組んでいるのかということとも絡むのではなかろうかと思いますが、田辺市では、いじめは人権にかかわる重大な問題である。このように考えています。電話、メールによる相談活動、児童・生徒・保護者はもとより、広く市民を対象に行ってございます。議員御指摘のように、いじめ問題への対応というのは本当に難しいわけでありますけれども、とにかく早期発見、早期対応、そして対応した後のその後の継続観察、注意深く見守っていくということが非常に重要であると考えております。            (教育長 中村久仁生君 降壇) ○議長(高垣幸司君)    川﨑五一君。             (1番 川﨑五一君 登壇) ○1番(川﨑五一君)    ちょっと時計を見間違えていまして、大分あせってやりましたけれども、早期発見、未然防止とお話をされました。原因がさまざまなストレスにあるということですから、根本的な対応とすれば、こうした1つはストレスをかけるこの社会、当然、社会に出てもストレスから開放されるということはありませんから、ストレスを全くなしにすると、ストレスフリーというのは無理だと思うのですが、子供の発育、成長時期に過度のストレスがかかっている現状というのは改善されるべきではないか。高校入試をこの田辺市独自でやめるということはできませんから、これについては何ともしがたい部分はあるのですけれども、一つはそうした今の序列化、選別化のストレスから開放するということは一つ必要ではないかと思います。  というのは、今後、学力テストがまた安倍政権になりまして復活する。しかも悉皆調査で行う。これまでの抽出ではなくて、全員テストを受けさせる。そして、一部の自治体ではこの結果公表を行う。学校そのものの序列化という動きも出てきます。これが非常に子供たちのストレスにつながる。また、教職員の序列化にもつながっていく。学校間の格差を発生させるといったことにもつながってくるのではないかと思います。  そうした意味では、田辺市の教育委員会がそうした序列化に加担する。子供たちにいじめをなくそうと言っている田辺市が子供たちにストレスをかけていくと。こうしたことは決してあってはならないと思いますので、1点はそういう子供たちのストレスとなる、子供たちを序列化することによって、かかる負担を解消するということが一つ必要ではないかと思います。  これが未然に防止するという方向だと思います。次の対応の部分でなんですけれども、対応の明確化、標準化、スタンダードというのですか、今回資料としてそれぞれの小・中学校の教育計画をいただきました。そして全てに目を通させていただいたのですが、本当にそれぞれの学校の先生方が非常に苦労されていると感じるわけですが、ただ、学校によって非常にまちまちであると言わざるを得ないと思います。  道徳教育を進めるというようなところに書かれているところもありますし、見ていて非常にこれは全体的に共有すべきだなと思ったのが、長野小学校の方針ですけれども、全職員で共通認識を持ち、問題に当たる。保護者との信頼関係と連携で問題の克服に取り組むということも書かれています。全職員に事実を報告、そして全職員で側面から担任を支援すると。そのいじめが発生したときの担任も孤立させない。全ての職員でその問題を共有して取り組むということが必要ではないかと思います。  ただ、この教育計画の中でもそうですし、さまざまな中で加害児童への個別指導ということが書かれているわけですけれども、これについては、私自身は本当にそれがいいのかどうかという思いを持っています。私自身も実際、中学校の2年生、3年生のころにいじめに遭った経験があります。そのときはクラス全体でのいじめというものではなくて、いわゆるいじめっ子が存在していて、その子から。違う組でしたけれども、廊下ですれ違うとけってくる、たたいてくる、そういう目に遭って、学校へ行くのが嫌だったというふうに思います。でも、そのことを親にも言いませんでしたし、学校にも言いませんでした。学校に言うと、一時的にはその子に対して怒ってくれるかもしれない。でもますますきっとそんな目に遭うのではないかという恐怖心もありましたし、やはり親に言って心配をかけたくない。また自分のプライドを維持したいというと、加害児童を特定して報告することがいじめられた子供からすると、非常に勇気が要る。そして危険も伴うと考えております。  先ほど、いじめの現状を言われましたけれども、今のいじめというのは、集団で行われることが多い。クラスの1人を無視したり、物を隠したり、落書きをしたり、こういうことが行われる。それが学校にかつては権威があった。小学校のとき、昔の小学校だったら、私はいじめを学校に言えば、学校の先生がしっかりとその子を叱ってくれて、その先生が叱れば、その叱られた子供も、もう今度やったらまた先生にこっぴどく叱られるからもうしないでおこうという状況もあったかと思いますが、今、残念ながら、こうした権威的な教師という状況ではないと思います。  また、加害児童が特定のものでないということは、非常に見えにくい。先ほど言われましたけれども、見えにくく、水面下に潜ってしまう。見えないようないじめが陰湿化して、よりひどくなる可能性もある。そして、子供たちというのは学校で見れる部分というのは本当に一部ですから、学校以外の生活時間においてこうしたいじめが行われることも出てくる。こういったことから、個別対応については、検討してもいいのではないか。小学校の場合はそれでいいかもしれないけれども、中学校についてはそうするべきではないと。どちらかというと、全生徒に対してこうしたいじめがあったというようなことを公表して、そのいじめられた人を特定する必要もありませんが、そのことによって、教職員がみんなでいじめについては、これから目を光らせていきます。また、保護者についても報告をするということでみんなが見守っているというメッセージを発することが大事ではないかと思います。  先ほど紹介した共産党の提案の中では、幾つかの項目が挙げられていますが、まず、当然子供の命が一番大切という位置づけをすること。それから、全職員で情報を共有、そして全保護者に伝えると書かれています。教育計画の中では、学年主任であったり、生活指導の主任であったりということになっておりますけれども、全ての教職員、そして全ての保護者にこうした事実があったこと、これを伝えて見守りを進めていく。そして、3点目としては、保護者と教員のコミュニケーションを密にするということも書かれています。先ほどいじめ、体罰の話でもありましたが、アンケートについては、現在、記名で行われております。和歌山県のアンケートは記名ですが、本当に子供たちの切実な素直な声を聞こうとすれば、やはり無記名で行うということも必要ではないかと思われます。こうした工夫も必要ではないか。  そして、いじめを何とかしたいと思っている子供たちを信頼すること。また、被害者の知る権利の尊重、事実を包み隠さずに交渉すること。そしてこうしたいじめに対応する教員の多忙化の解消、田辺市の場合は、小規模校も多いですが、全国的には少人数学級へ向かうべきである。こうした問題に専門的に対応するカウンセラーを増員すること。それから、いじめの半減の数値目標をやめるということも言われています。これは何かというと、いじめがあったことを公表したら、あそこの学校はいじめがあった学校だと思われると。あの担任はクラスでいじめを発生させてしまった、指導力のない教師だと思われる。こうしたことがいじめの公表に足踏みをさせてしまうということから、何よりも大事なのは、どの学校でも、どの子でもいじめにかかわる可能性がある。どこでも発生する条件があるという、先ほどの一番最初の踏まえ方を行うこと、それによってささいないじめであっても公表していくということが大事ではないかと思います。  今回、こうした問題を取り上げるに当たって、私は個別の問題についてどうこういう話を今回取り上げる予定ではありませんでしたし、その件について言及をする思いはないのですが、ただ、この間ずっとマスコミでも非常に騒がれております高雄中学校については、私もこの質問に当たって、学校に寄せていただいて、大変忙しいさなかでしたが、校長先生、教頭先生からもお話をお開きしました。また、自殺未遂をされた少年のお見舞いにも寄せていただいて、保護者の方からもお話をお聞きしました。また、この高雄中学校の保護者、この件に関与されていない保護者からもさまざまなお話をお開きしました。  事実関係の解明については、専門の機関に委ねるということで、ここでは論じるつもりはありませんが、この間、そうした関係部署ということで、児童相談所にも行ってまいりましたけれども、きっと児童相談所では多くのいじめの相談を受けているのだろうと思って行ったのですが、この4年間、児童相談所には一切いじめ関係の相談は寄せられていないということでした。田辺市の家庭児童相談室にもこういったいじめの直接的な相談がないと。関係機関への連絡、相談ということは教育計画にも多々出てくるわけですが、こういったところとの連携がとれていないのではないか。また、そうした被害に遭った子供たちが先ほど電話相談のことも言われましたが、本当に頼れる場所としてそういう存在が見えていないのではないかと思いました。  今回のお話を聞いた中で、高雄中学校については、第三者の保護者の話を聞いていると、この教育計画の中でもそうなんですが、非常にいじめについて神経質なまでの対応をされてきたと感じます。高雄中学校危機管理基本方針というのがあるのですけれども、危機管理の目的というところで、危機に対する感性を磨いて、危機の兆候を積極的に察知すると書かれていますが、実際に、その本人がいじめられたという認識を持っていなかったけれども、横で見ていた子供が、あの子があの子に対して嫌なことをしたという通報を受けて、実際その行為をした保護者、子供、それからされた子供、保護者に対してもこうした事例がありました。嫌なことをしたので謝ってくださいという取り組みをされて、保護者の中では、そんなところまで当人たちがいじめと思っていないことまで取り上げてやるのかと、ちょっと神経質過ぎるのではないかという話もありましたし、それぐらいにある意味、いじめに対して神経質な対応を行ってきた。  今回の自殺未遂をされた彼についても、実際、10月ごろにいじめがあったというのはこれは学校も認めておられる事実です。そしてそのときの対応についても、私はそれそのものは間違っていなかったのではないかと思っております。ただ、校長先生からお話を聞かせてもらう中で、学校としては全力を尽くした。そしてその後のフォローもしっかりとしてきて、子供のいじめが継続していないということも自分たちとしては確認してきた。しかし、もし学校が把握し切れなかった、彼の心の中に深い部分があったとすれば、それは反省しないといけないということをおっしゃっておられて、非常に謙虚な姿勢を今も持ち続けておられるということで、今後調査が進む中で、また事実もいろいろと出てくるでしょうが、私は今回のことで指摘されるとすれば、保護者との信頼関係の構築がいじめが起こってから構築するという問題ではなくて、いじめの起こる以前に、学校と保護者の信頼関係が構築できていれば、多くのことが防げるのではないかと思います。  学校と保護者、そして地域、教育長はよく学社融合と言われますが、この3者がそれぞれ子供たちとかかわっていく。そしてこの三つ、学校、地域、保護者のそれぞれが本当に手をつないで、一体となって子供たちを見守っていくことができれば、いじめの芽は小さなうちにつむことができるであろうし、いじめに子供たちが逃げない。先ほど言いましたストレスから自分が攻撃される前に、誰かを対象にすれば自分が助かる。スケープゴートという言葉がありますけれども、誰か一人の被害者を出せば、そちらに攻撃の目が向くので、自分はいじめられる側から逃げられると。こういった動きがある。こんな社会を変えていかなければならないのではないかと思います。  その件に関してなんですが、きょう、実は私はピンクのシャツを着てきております。これはただピンクが好きで着てきたというのではなくて、ピンクシャツデーというのがありまして、ことしの場合は2月27日で過ぎてしまったのですけれども、毎年2月の最終水曜日を、いじめ反対の日として、ピンクのシャツを着ていじめ反対を訴える活動というのが行われています。この活動のきっかけといいますのは、まだ2007年、非常に新しいわけですが、2007年にカナダのノバスコシア州の男子高校生がピンク色のポロシャツを着て学校へ行ったそうです。ピンクのポロシャツを着ていったというだけで上級生からホモなどとからかわれ、暴力などのいじめを受けた。これを知った2人の男子生徒がピンク色のシャツを50着ほど購入して、クラスメイトにシャツを着るようにメールで依頼した。そうしたらこの50枚配られた以上の生徒たちがそれに賛同して、連絡をしなかった生徒にもメッセージが伝えられ、翌日校内はピンクのシャツや小物を身につけた生徒であふれていた。それ以来、その生徒に対するいじめはなくなったと言われています。非暴力的で、とてもユニークな方法によりいじめをやめさせたということで、日本でも昨年、一昨年ぐらいからこれに何とか取り組もうということで、運動されている方もあるようですが、これは何を意味するかというと、本当にみんながそのことに対して見守っている。そういういじめの行為を見逃さないし、自分たちはそれを許さない。そういうメッセージを発することではないかと思います。  今の子供たちが非常に孤独であったり、孤立している状況、先ほどの序列化であったり、クラスメイトでありながらも競争相手であるという状況に追いやられている中で、非常に孤独感を感じている。それをこういうメッセージを発していくことが大事ではないかと思います。  先ほどの共産党の提案の中でも、日本の子供の孤独感についての平均、世界の比較も出ているのですが、15歳の子供に孤独を感じますかと聞いた場合、オランダは2.9%、イギリスが5.4%、フランスが6.4%です。そして日本は断トツなんですが、29.8%の15歳の子供が孤独を感じていると。やはりいじめのそもそもの子供たちの心の闇というのは、こういったところにあるのではないかと。子供たちにこうした孤独な思いをさせない。そして本当に社会全体、地域の大人みんなが、学校の先生みんなが子供たちを見守っていると、こうしたメッセージを発していくことが、いじめを根絶する、早期発見するということにつながっていくと私は思います。  私の考えをるる述べさせていただいたわけですが、今後の教育長のお考えといいますか、田辺市の教育がいじめ問題についてどのように取り組んでいくのかということを最後に一言お聞きしておきたいと思います。             (1番 川﨑五一君 降壇) ○議長(高垣幸司君)    教育長。            (教育長 中村久仁生君 登壇) ○教育長(中村久仁生君)    いじめ問題への取り組みというのは非常に簡単なものではないと思います。それで、まず子供、保護者、地域との信頼関係、議員さんも述べておられるとおり、信頼関係をしっかりと築いていく。本当にこれは地道にやっていかなければならないと思います。それから、教師の感性、そういう子供たちの人間関係を鋭く見抜いていく力、これが非常に大事である。そして、学校全体の共通理解と言われました、その職員間の本当に協働体制、そういう確立がなければ、有効には機能しないと思っております。  学校と家庭と地域が一体となっていじめの防止や解決に取り組むための協力体制、信頼関係というのを確立するためにも、現在、田辺市が取り組んでいる学社融合の取り組み、これをさらに充実、発展をさせていきたい。このように思いますし、これまでも各教育目標、教育方針に田辺市には長年研究をし続けて、つくり上げた、人を大切にする教育というのがございます。その基本方針というのをしっかりと再度もう一度見直して、位置づけ直して、取り組んでいきたいと思います。いじめの防止、いじめの根絶に向けた取り組みをしっかりとみんなで同じ思いで進めてまいりたいと思いますので、御理解を賜りたいと思います。            (教育長 中村久仁生君 降壇) ○議長(高垣幸司君)    川﨑五一君。             (1番 川﨑五一君 登壇) ○1番(川﨑五一君)    本当に子供たちは社会の宝とよく言われますが、とりわけ田辺市は非常に子供たちが少なくなってきておりますし、本当に大切な宝だと思います。人を大切にする教育と言われましたけれども、子供たちだけではなくて、田辺市に住む全ての人たちが大切にされる、そうした教育、行政が今後も発展していっていただきたいと思います。また私も微力ながら頑張りたいと思います。  以上で質問を終わります。ありがとうございました。             (1番 川﨑五一君 降壇) ○議長(高垣幸司君)    以上で、1番、川﨑五一君の一般質問は終了いたしました。  この場合、お諮りいたします。  本日の会議はこの辺にとどめ延会し、明3月12日午前10時から再開いたします。  これに異議ありませんか。             (「異議なし」の声あり) ○議長(高垣幸司君)    異議なしと認めます。  よって、さよう決しました。  延 会 ○議長(高垣幸司君)    それでは、本日はこれをもって延会いたします。              (午後 4時05分)  地方自治法第123条第2項の規定により署名する。   平成25年3月11日                    議  長  高 垣 幸 司                    議  員  安 達 克 典                    議  員  小 川 浩 樹                    議  員  塚   寿 雄...