札幌市議会 > 2015-10-28 >
平成27年第一部決算特別委員会−10月28日-08号
平成27年第二部決算特別委員会−10月28日-08号

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  1. 札幌市議会 2015-10-28
    平成27年第一部決算特別委員会−10月28日-08号


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    平成27年第一部決算特別委員会−10月28日-08号平成27年第一部決算特別委員会  札幌市議会第一部決算特別委員会記録(第8号)               平成27年(2015年)10月28日(水曜日)       ―――――――――――――――――――――――――――――――――― ●議題 付託案件の審査 ●出席委員 32名(欠は欠席者)     委 員 長  國 安 政 典      副委員長   小 竹 ともこ     委   員  三 上 洋 右    欠 委   員  勝 木 勇 人     委   員  高 橋 克 朋      委   員  山 田 一 仁     委   員  五十嵐 徳 美      委   員  よこやま 峰子     委   員  宗 形 雅 俊      委   員  飯 島 弘 之     委   員  北 村 光一郎      委   員  村 松 叶 啓     委   員  村 山 拓 司      委   員  福 士   勝     委   員  畑 瀬 幸 二      委   員  ふじわら 広昭     委   員  恩 村 一 郎      委   員  峯 廻 紀 昌     委   員  長谷川   衛      委   員  小 川 直 人     委   員  山 口 かずさ      委   員  中 村 たけし     委   員  松 原 淳 二      委   員  岩 崎 道 郎     委   員  福 田 浩太郎      委   員  好 井 七 海     委   員  前 川 隆 史      委   員  丸 山 秀 樹
        委   員  伊 藤 理智子      委   員  小 形 香 織     委   員  太 田 秀 子      委   員  平 岡 大 介     委   員  堀 川 素 人       ――――――――――――――――――――――――――――――――――       開 議 午後1時     ―――――――――――――― ○國安政典 委員長  ただいまから、第一部決算特別委員会を開会いたします。  報告事項でありますが、勝木委員からは欠席する旨、わたなべ委員からは丸山委員と交代する旨、それぞれ届け出がありました。  それでは、議事に入ります。  第3款 保健福祉費 第2項 子ども福祉費中関係分及び平成26年度札幌市母子父子寡婦福祉資金貸付会計歳入歳出決算について、一括して質疑を行います。 ◆山口かずさ 委員  私からは、保育所の今後の待機児童対策についてと保育料について質問いたします。  まず、今後の待機児童対策についてお伺いします。  厚生労働省より2015年4月時点における待機児童数が発表され、全国的に待機児童対策を進めているにもかかわらず、日本全体では前年比で約1,800人も待機児童が増加したとのことで、大変残念に感じています。そのような中でも、札幌市は、4月時点の待機児童数は69人と、前年比で254人も減少しています。これは、政令市の中で2番目に多く減少させたとのことです。これまでの取り組みの成果が一定程度出ていると評価をしています。  しかし、特定の保育所等のみを希望して入園できていない児童数は、前年の279人から592人へと大幅に増加していますし、道内全体に目を向ければ札幌市が待機児童数が一番多い都市であることには変わりなく、来年4月時点における待機児童解消を実現し、あわせて、今後、女性が輝き子どもたちが健やかに育つ街さっぽろをつくっていくためには、引き続き、精力的に対策を行う必要があると考えております。  札幌市では、ことし3月に新・さっぽろ子ども未来プランを策定し、この中で、今後5年間の保育サービスの需給計画となる子ども・子育て支援事業計画を定め、潜在的なニーズを含めて保育サービスの供給量を確保することとしています。この計画では、既存の幼稚園や保育所を最大限に活用していく方針が盛り込まれています。また、この計画を詳細に見ると、3歳児から5歳児では保育所よりも幼稚園の受け皿に余裕があることがわかります。このことから、既存施設の活用という意味で幼稚園は極めて貴重な資源であり、具体的には、幼稚園の認定こども園への移行や各幼稚園における一時預かりの充実を図ることが有効だと考えています。  親にとっても、3歳児になって幼稚園に通園させることが可能となり、選択肢がふえることは大変ありがたいことです。私も、娘を生後10カ月から保育していただいていた保育ママから幼稚園へ変更し、一時預かりもその園では午後6時半まで行っているので、保育所とほぼ同程度の条件で通えています。  幼稚園の一時預かりについては、ことし4月からスタートした子ども・子育て支援新制度を踏まえ、札幌市では、待機児童対策の一環として、開所時間など一定の基準を満たした園に対する新たな補助事業を開始しているところです。また、待機児童対策をさらに推進するために、さきの第2回定例市議会では、新制度における幼稚園の一時預かりの実施園をさらに拡大するため、約3,300万円の補正予算を可決しました。  そこで、質問です。  ことし4月からの新制度開始に伴って、幼稚園における一時預かりがどの程度拡充したのか、まず、その状況をお伺いします。 ◎野島 子育て支援制度担当部長  一時預かり事業の状況についてでございますけれども、昨年度は、39園で実施いたしまして、約1,300人分の一時預かりを可能といたしました。ことし4月からは、子ども・子育て支援新制度における一時預かりとして新たな補助事業を開始しており、4月時点では64園、約2,000人分を補助対象としております。これに加えまして、さきの第2回定例市議会におきまして可決いただきました補正予算をもとに実施園を追加募集した結果、現時点の認定園は、73園、約2,300人分となりまして、昨年度と比較して34園、約1,000人分を拡大したところでございます。  さらに、事業の実施に当たりましては、保護者がより安心して事業を利用できるよう、札幌市で定める認可保育所と同程度の基準を満たすこととしておりまして、質の面におきましても充実を図っているところでございます。 ◆山口かずさ 委員  今後とも、待機児童対策における幼稚園の活用の観点で幼稚園における一時預かりの拡充を進めていってもらいたいと思います。  また、さきの第2回定例市議会における補正予算では、待機児童ゼロへの取り組みとして、幼稚園における一時預かり実施園の拡大に加えて、認可保育所の整備で200人、小規模保育所の整備で190人、合わせて390人分の定員枠拡大について可決しました。  しかし、昨年の第3回定例市議会補正予算においても、認可保育所等の整備による保育の定員枠拡大を774人分計画していたところですが、整備事業者が集まらなかったということで、保育所では660人の計画が400人という結果に、そして、小規模保育所では、計画で114人が190人という実績で、差し引き184人分が達成できませんでした。この反省を踏まえて、今年度の整備事業者の募集に当たっては、定員の設定などにおいて工夫するということを伺っています。  そこで、質問です。  今回の補正予算に基づく認可保育所等の整備の進捗状況についてお伺いします。 ◎野島 子育て支援制度担当部長  認可保育所等の整備の進捗状況についてでございますが、認可保育所整備の今年度の事業者募集に当たりましては、これまで定員を60人以上としていたところを、40人以上に引き下げまして物件を確保しやすくしたほか、募集地域も、これまでの駅周辺に加えまして、保育ニーズをより詳細に把握し、小学校区単位でも指定を行ったところでございます。これらの工夫によりまして、予算上200人分の整備予定に対しまして、補助を活用しない自主事業の整備を含めて390人分の整備計画を承認したものでございます。  なお、小規模保育事業につきましては、現在、整備事業者の募集を行っているところでありまして、こちらも含めて着実に整備を進めてまいりたいと考えているところでございます。 ◆山口かずさ 委員  来年4月の待機児童解消実現のために、これら補正予算に基づく施策を今後も順調に進めていってもらいたいと考えているところですが、保育サービスが拡充される一方で、保育士の確保が困難になってきているという課題がより一層浮き彫りになってきています。昨年度の札幌圏における保育士の有効求人倍率は、求人のピークとも言える年度末時点の数値で約1.5倍と、2人の保育士に対して3カ所の保育所が求人しているというような状況です。保育サービスを充実させても、現場の担い手である保育士の確保が困難になり、結果として児童を引き受けられないなどの現象が起きてしまっては、せっかくの施策の効果が薄れてしまうことになりかねません。  この点については、アクションプラン2015の案においても、新たに保育士等支援事業が盛り込まれており、保育士・保育所支援センターの設立が掲げられています。他都市においても同様の施策が行われており、離職した保育士の再就職支援などを行っているようですが、札幌市としては、このセンターをどのような機能にしようとしているのか、現時点の考え方についてお伺いします。 ◎野島 子育て支援制度担当部長  保育士・保育所支援センターについてでございますが、現在、パブリックコメントを行っておりますアクションプラン2015では、潜在保育士の掘り起こしや再就職支援、求人のある保育所と求職者とのマッチング、保育士資格を有していない幼稚園教諭が資格を取得する際に要する費用補助などを行うこととしております。事業の具体化に当たりましては、今後、保育士養成校や関係団体などの意見も参考にしながら、さらに検討を進めてまいりたいと考えているところでございます。 ◆山口かずさ 委員  保育士の確保は、保育サービスの充実とあわせて、待機児童対策を行う上での車の両輪とも言うべき重要なテーマです。今後、札幌市において、幼稚園の一時預かりを初めとした保育サービスの拡充を進めるだけではなく、保育士確保を着実に進めていくために、保育士・保育所支援センターの果たすべき役割は非常に大きいと考えています。保育士・保育所支援センターにおける機能の実効性を高め、認可保育所を初めとした保育の現場の期待に応えていくためにも、設立に向けて、今後、現場や関係機関等と連携を図りつつ、さまざまな工夫を検討いただくよう求めて、私の一つ目の質問を終わります。  次に、保育料についてお伺いします。  保育料は、応能負担の原則に基づき、所得に応じて負担する仕組みになっていますが、現在は、保育料全体で平均30%を札幌市の独自施策として軽減する措置をとっているほか、アクションプラン案には、第2子の無料化についても盛り込まれているところです。応能負担の原則はそのままで変わりませんが、子ども・子育て支援新制度の開始により、保育料の算定根拠が所得税額から市民税額に変更になったとのことです。これは、そもそもなぜ変わったのか、また、年少扶養控除の適用についても変更があったとのことですが、具体的にどのように変わったのか、まず、お伺いします。 ◎野島 子育て支援制度担当部長  まず、1点目の保育料の算定根拠について、所得税から市民税になぜ変わったかということでございますが、そもそもこの新制度の実施主体が市町村と明確化されたこと、また、所得税から市民税に変更されたことによりまして源泉徴収票の提出といった手続が不要となり、利用者にとって手続の簡便化が図られることが理由として挙げられます。  2点目の年少扶養控除の適用に係る変更内容についてでございますが、当時、保育料の算定の基礎でありました所得税法において、年少扶養控除はゼロ歳から16歳未満の子ども1人に対して控除額が38万円認められておりましたけれども、平成22年の税制改正により、平成23年から廃止となったところでございます。その際には、国から、扶養控除の見直しによる保育料への影響を可能な限り生じさせないような対応を求める通知がありましたことから、札幌市の保育料の算定に当たりましては、引き続き、年少扶養控除があるものとみなして適用してきたところでございます。  しかし、今回、新制度の開始に伴いまして、国からは、原則として平成27年4月からはそのみなし控除を廃止する旨の通知がありました。これは、これまでみなし控除によりまして暫定的に低く抑えてきた保育料を、もともとのあるべき保育料に戻すことを国が原則としたことを意味するものと考えているところでございます。 ◆山口かずさ 委員  算定根拠が所得税から市民税に変わった理由の一つとして手続の簡素化が図られるというのは、新制度におけるメリットの一つと捉えることができます。  しかし、その一方で、年少扶養控除のみなし適用については、子どもの数が多ければそれだけ控除の額が多くなり、影響が大きくなるということが考えられます。子ども手当を創設した際にはそのような影響も考慮しながら年少扶養控除の廃止に至ったと思いますけれども、年少扶養控除子ども手当、現在は児童手当となっていますが、その関係について、これまでの経過を含めてお伺いします。 ◎野島 子育て支援制度担当部長  年少扶養控除児童手当の関係についてでございます。  平成22年当時、新たに子ども手当が創設されたことに合わせて年少扶養控除も廃止されたところでございますが、これは、所得再分配機能の回復や、所得控除から手当という観点から行われたものであり、国の税制改正大綱にも盛り込まれ、所要の法改正が行われたところでございます。子ども手当につきましては、所得制限を設けず、対象が中学生までとして、支給額につきましては、最初は一律1万3,000円、平成23年10月からは、3歳未満が1万5,000円、3歳から小学生までが1万円、ただし、第3子以降は1万5,000円、中学生が1万円と変わったところでございます。平成24年からは名称が児童手当と変更されまして、対象支給額は変わりませんが、所得制限を設けることになりました。しかし、所得制限を超えても5,000円支給されることになっております。  この間、先ほどお答えいたしましたみなし年少扶養控除につきましては、平成23年の国の通知以来、引き続き適用を続けてきたものでございます。 ◆山口かずさ 委員  今の答弁では、年少扶養控除廃止と合わせて子ども手当が創設されたことは理解しましたが、やっぱり、今回の新制度への移行に当たっては、年収や子どもの数によって影響が出てくることは想定されるのではないかと考えます。  当初、札幌市では、制度の変更により、保育料が上がる人もいれば下がる人もいるといった説明をしていましたが、そもそも、例年はどの程度の割合で階層が変わるものなのか、階層が変わる理由も含めてお伺いします。  また、子ども・子育て支援新制度が開始される段階で、札幌市はどのような措置をとってきたのか、お伺いします。 ◎野島 子育て支援制度担当部長  1点目の例年はどのぐらい変化があるのか、そして、その理由についてでございます。  保育料は、毎年、収入に応じて階層の変動があり、平成27年度(293ページで訂正)は、階層の上がった割合が35%、下がった割合が24%、変わらない割合が41%となっております。平成24年度から26年度の間の平均では、階層の上がった割合が約27%、下がった割合が約20%、変わらない割合が53%であり、その主な理由としては、収入の増減によるものが多いと考えられております。  2点目のこれまでの措置についてでございますが、先ほどもお答えしたとおり、国の通知におきましては、年少扶養控除の廃止から一定期間が経過したことに伴いまして、新制度は年少扶養控除のみなし適用をしない取り扱いとする、すなわち、もともとの保育料に戻すこととなっております。新制度の保育料の計算におきましては、改正前後で変更しないように設定すると国のほうで対応したことなどから、みなし年少扶養控除を廃止することとしたものの、経過措置といたしまして、平成27年4月から8月までの分の階層については、26年度と同じ階層とみなすとともに、年少扶養控除についても引き続き適用し、もともとのあるべき保育料を抑えてきたところでございます。 ◆山口かずさ 委員  実際には、当初の想定を超えて、月2万円以上ふえる世帯も出てきているとのことです。制度の変更に当たっては、さまざまな状況が考えられますので、全てに影響なく制度設計することは非常に難しいことだとは思いますが、だからこそ、保護者には事前に十分な説明が必要だと思いますし、個別の対応も生じるものと考えます。  そこで、今回、保護者の皆さんには、どのような形で説明を行っていたのか、お伺いします。 ◎野島 子育て支援制度担当部長  保護者に対する説明についてでございますが、その前に、先ほどの答弁で1カ所誤りがありました。平成23年度と答えましたけれども、27年度の状況は35%で階層が上がったということでございます。失礼しました。  保護者に対する説明についてでございますが、保育料の算定根拠が所得税から市民税に移行することなど、制度全体については昨年度の新制度説明会において説明しておりまして、それに加えて、各保護者に対してはことしの4月と9月に案内を発送しております。  しかしながら、保護者個人の階層がどのようになったかということにつきましては、9月にお示ししたものが初めてでございまして、その段階で気づいたという声もいただいておりますことから、その点は、より丁寧な説明が必要であったと受けとめているところでございます。 ◆山口かずさ 委員  変更点について早目にきちんと示すことで、速やかに対応を行うこともできます。そういう点で、制度の変更については、今後、保育料に限らず、丁寧にわかりやすい説明を心がけてもらいたいと思います。  現在、保育料負担の増加について、その要因等を調査中とのことです。本来であれば、保育料改定前に調査を終えていなければならなかった事項であったと考えます。  そこで、どこまで調査が進んでいるのか、現在の進捗状況についてお伺いします。 ◎野島 子育て支援制度担当部長  現在の調査の進捗状況についてでございますが、現在、保育料の階層が上がった一定の世帯を抽出した上で内容を分析しているところでございます。この階層の変動は、みなし控除の適用によるもののほか、所得の増減等による影響もあることから、システムで一括して処理することができず、各世帯の変動要因につきまして、現在、個別に手作業で対応しておりまして、その点で時間を要しております。できるだけ早く調査が完了できるように取り組んでまいりたいと考えているところでございます。 ◆山口かずさ 委員  調査内容の状況はわかりましたが、調査結果の判明後はどのような対応策を考えていくのか、お伺いします。  保育料にかかわる問題は、子育て世帯を支援するという意味でとても重要な事柄だと思いますので、ぜひ、副市長から答弁をいただきたいと思います。 ◎板垣 副市長  委員からもご指摘がございましたとおり、今回、保育料の変動に伴って思ったよりも負担がふえてしまった世帯が出てきているという事実は、私どもも重く捉えております。  今回、新制度への移行に伴ってこのような保育料の変更がありましたが、その背景としては、所得税から市民税に算出根拠が変わったこと、制度の変更に伴って年少扶養控除のみなしが廃止されたこと、それから、各個人の世帯の所得変動があったことなど、幾つかの要因が重なってこのような事態になったのではないかなと思っております。  私どもは、本来であれば、制度設計する段階できちんとシミュレーションして予測できればよかったところですが、いかんせん、国のシミュレーションに基づいて制度をスタートせざるを得なかった状況がありました。今回の調査結果が出次第、もし年少扶養控除の見直しに伴って負担が大きくふえているのであれば、その部分は経過措置についてきちんと考え直さざるを得ない部分もあろうかなというふうに認識しております。 ◆山口かずさ 委員  子どもが多くなればなるほど子育てをサポートする体制が必要であるはずなのに、今回、結果的に逆行しているという事実が生まれてしまっています。家族を持つことにちゅうちょしてしまうことがないようにする、そういう支援が札幌市には必要です。  2013年の札幌市子ども・子育て支援ニーズ調査では、就学前児童の保護者は、欲しいと思っている子どもの数と実際に予定している子どもの数に大きな乖離が見られています。具体的には、3人が理想と答えたのは42.5%でしたが、実際に3人を予定していると答えたのは19.1%に大幅に減っています。また、1人が理想と答えたのはわずか2.7%しかいなかったのに対して、実際に1人を予定していると答えたのは16.5%と大幅にふえています。予定している子どもの数が理想の数より少ない理由については、経済的な負担がふえるからという回答が46.6%と断トツでした。  今回の答弁により調査内容はわかりましたが、速やかに調査を完了し、特に影響の大きいと言われている多子世帯には何らかの対応策を実施するよう強く求めます。  札幌市では、平均して保育料の30%を軽減されていて、第2子が25%から50%の間でさらに軽減され、第3子目以降は100%軽減、つまり無料です。この方針は続けていって、子育て世帯への支援をしっかりと行っていただきたいと思います。子どもを産むなら札幌がいいなと思ってもらえるようなまちに、子どもを育てるなら札幌がいいよと札幌市民が胸を張って言えるまちに、日本一、子育てしやすいまち札幌を実感してもらえるような環境整備に努めていただくことを求めて、私の質問を終わります。 ◆福田浩太郎 委員  私からは、さっぽろ子育てガイドについて質問させていただきたいと思いますが、その前に、今、山口委員からもありました保育料の変更につきまして、委員長のお許しをいただいて、要望、意見を述べさせていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。 ○國安政典 委員長 どうぞ。 ◆福田浩太郎 委員  今、お話があったように、今回の保育料の変更につきましては、年少扶養控除が外れるということなど、大きく三つの理由があるということでございます。基本的には、子ども手当創設時に、控除から手当という考え方のもと、控除であれば収入の少ない方は恩恵を受けませんから、手当で全ての子育て世帯を応援しようということで、これは私どもも理解いたします。ただ、子ども手当児童手当も含めて、随分前に増額となりまして、そのことが今回の保育料の変化につながるわけですけれども、タイムラグが生じていて、市民がわからないのも当然であろうと思います。先ほど2万円というお話がありましたが、私どものほうでも1万4,000円が2万8,000円ぐらいになった、2倍になったという声もいただいております。  先ほど、国のほうで決めたという話がありましたけれども、お聞きしますと、子ども2人の4人家族をモデルとして同水準で計算したということですが、先ほどもあったように多子世帯ほど非常に大きく影響を受けることになります。年少扶養控除のみなしは1人38万円ですから、3人いると114万円も影響が出て、階層として2段階上がってこのようなことになるのだと思います。ですから、これは国が決めたことではありますけれども、それでよしとしてはならなかったのではないか、もう少し丁寧に周知すべきではなかったのか、さらには、4月まで先送りすべきということも考えるべきではなかったのか。そういうふうにやっている自治体もありましたから、後先の話になりますけれども、そこまで考えるべきではなかったのかなと思います。過去の話をしてもしようがありませんが、ともかく、今もありましたように、特に独自の激変緩和措置など、ぜひ何らかの対策をとるように、そして、丁寧な周知をしっかり行っていただくことを私から求めて、質問に入らせていただきたいと思います。  さっぽろ子育てガイドについてですが、今、お話をしたように新制度がスタートいたしましたけれども、この新制度では、全ての子どもを対象に、幼児教育、保育、地域の子ども・子育て支援の質と量の充実を図っていくこととされておりまして、特に待機児童の解消のために、認可保育施設以外にも、小規模保育事業や家庭的保育事業などの新たな認可事業が創設され、保育サービスの充実強化を進めていくことになっております。また、こうした保育サービス以外にも、札幌市では、常設子育てサロンという名称で実施している地域子育て支援拠点事業や、会員組織を構築して会員間の子どもの預かり支援をコーディネートするファミリー・サポート・センター事業など13種の事業が地域子ども・子育て支援事業として法定化され、これらについてもあわせて充実を図っていくようになっております。  これらのように、保育サービス子育て支援サービスが拡充されていくことは子育て家庭にとっては大変よいことであると思いますが、一方で、多様なサービスの中で自分がどのような制度を使えるのか、また、日常生活の中で子育てに悩んだときにどこに相談したらよいのかといったように、そうした疑問を解決してくれる情報をすぐに入手できる環境づくりがこれまで以上に重要になり、こういった点から、札幌市が発行している冊子であるさっぽろ子育てガイドについても一層の充実を図っていかなければならないと考えているところでございます。  この子育てガイドは、我が会派の提言により、平成9年から発行されているものでありまして、これまでもその内容は随時見直しされてきたと聞いておりますが、子育て家庭のニーズにかなったものとなっているのか、また、わかりやすいものになっているのか、こういった点についてこれまでも質疑させていただいたように、常に確認、検証をしていくことが必要となるものでございます。  そこで、1点目の質問ですが、今年度スタートをした子ども・子育て支援新制度の紹介を含め、まずは、2015年度版の子育てガイドを作成するに当たって、工夫をした点や改善した点などについてお伺いいたします。 ◎川原 子育て支援部長  2015年度版札幌市子育てガイドの改善点等についてお答えいたします。  子育てガイドにつきましては、2014年度版までは、本市の保育士が原稿を作成し、印刷、製本のみを民間業者に委託いたしまして冊子を作成しておりました。しかし、2015年度版におきましては、子どもに関係する分野の広告を掲載することを前提といたしまして、必要な情報は札幌市から提供した上で、民間業者が原稿、レイアウトの作成から印刷、製本までを行い、でき上がった冊子を無償で本市に提供、納品していただく方式とし、これにより経費を削減するとともに、発行部数も昨年度から1万冊増刷いたしまして4万冊を作成したところでございます。また、これに合わせまして、2015年度版の子育てガイドには、子ども・子育て支援新制度の紹介のほか、予防接種時期などの母子保健関係の情報や、お出かけスポットなど家族が楽しむための情報なども新たに掲載し、内容の充実を図ったところでございます。 ◆福田浩太郎 委員  私も2014年版と2015年版を見比べさせていただきました。2014年版も非常に情報量があります。今、お話があったように、単に印刷費しかかけず、保育士が原稿をつくり、デザインまで自前でやっていたのかと、非常に驚きましたし、よく頑張っていただいたなと思います。ただ、どうしてもデザイン的には若干劣るところがありましたが、今回の2015年版は非常にデザイン性もよくなって、非常にやわらかいデザインですし、さらに、内容も、母子保健について、またお出かけスポットも載せていただいて、非常によかったなと評価しております。  ただ、これにとどまることなく、さらによりよいものにしていくよう、継続して見直しを実施していただきたいと思っております。例えば、乳幼児を持つ子育て家庭からは、札幌の場合、夏場はお出かけスポットもいいのですが、雪の降る冬になると、出かけられる場所が少なく、見つけられないという声もいただいております。その点、旭川市にはもりもりパークというところがございまして、非常にいいのだという要望もいただきました。また、子育てサロンの整備も進んできておりますが、ゼロ歳児から就学前児童まで参加可能となっているものの、活発に動き回りたいお子さんにとっては思うように遊べないこともあるというお話も聞きます。  札幌市内には、冬場の公共施設として、また屋外の施設としては、南区の滝野すずらん丘陵公園や白石区の川下公園などにそういった場所がありまして、非常にすばらしい施設ではあるのですが、遠方で利用しづらい面があります。先ほどの旭川の例は都心にあります。また、商業施設内にも子ども向けの遊び場があると思うのですけれども、こういった場所が自分の子どもにとってふさわしい場所なのかどうか判断できる情報は十分ではないと考えてもおります。  こういったことから、今後、子育てガイドは、行政からの情報提供の手段としてだけではなく、子どもや保護者の側の当事者目線で、よりきめ細やかに、例えば年齢別や季節別に利用できる子育て関連施設の紹介ページを設けるなど、より使いやすく役に立つ内容としていくべきではないかと思います。それを実現していくには、子育てガイドの作成に当たって、子育て中の保護者など、当事者から十分に意見を聞いて、これを冊子の構成に反映させていくことが必要ではないかなというふうに思います。  そこで、2点目の質問ですが、今後の子育てガイドの作成に当たって、当事者目線の内容とするために、子育て中の保護者などから意見を聞き、これを冊子の構成に反映させていく考えはあるのか、お尋ねいたします。 ◎川原 子育て支援部長  子育て中の保護者などの意見反映についてお答えいたします。  子育てガイドの役割は、子育てに関する制度や事業などをわかりやすく紹介し、子育て中の保護者が自分に合ったサービスを見つけ、実際に利用できるよう手助けをすることであると認識をしております。その役割を効果的に果たすためには、子どもや保護者側の目線に立った内容とすることが重要と考えているところであり、例えば、子育て支援総合センターや区保育・子育て支援センターの利用者のご意見を伺い、反映させるなど、内容の充実に向けた取り組みを進めてまいりたいと存じます。 ◆福田浩太郎 委員  子育て支援総合センターのほうで意見を聴取していただくということでございます。行政だけでつくるのではなくて、当事者の声も反映できれば一層よいものになると思いますので、ぜひとも積極的な検討をお願いしたいと思います。  次に、子育てガイドからは少々離れますけれども、子育て支援に関する情報の提供方法について最後に質問したいと思います。  今では、どこの自治体でもホームページで子育ての支援に関する情報提供を行っております。自治体によっては、保育所の空き状況などを確認できる機能を提供したり、妊産婦や子育て中の親に会員登録をしてもらって、子どもの年齢や居住場所などに応じた情報をメールマガジンとして発信しているところもございます。一方、札幌市のホームページを見ますと、さまざまな制度改正の紹介や一定の施設の案内などは行っておりますが、札幌市の包括的なホームページの中の一部でありますので、内容としてはある程度網羅しているものの、デザイン性などにはまだまだ工夫の余地が必要ではないかなと思いますし、また、何度も項目を選んでいかないと知りたい情報にたどり着けないといった指摘もお聞きします。  こういった点は、情報の内容をきちんと整理して適切な更新をしていけばある程度改善をされると思いますけれども、これも、子育てガイドと同じように、やはり、親子にとって使いやすい内容になっているか、ホームページの構成になっているかということを検証し、見直しを行うべきではないかと思うところでございます。先進的な事例としては、さいたま市などは非常にすばらしいホームページをつくっております。  そこで、最後の質問ですけれども、今後に向けては、子育てガイドのような紙媒体による情報提供だけではなく、知りたい情報にすぐ行き着くことができる子育て情報に特化をした情報サイトを構築しての情報提供を検討していくべきと考えますがいかがか、お尋ねいたします。 ◎川原 子育て支援部長  子育て情報に特化した情報サイトの構築についてお答えいたします。  札幌市では、これまでも、市の公式ホームページ内にさっぽろ子育てナビというページを設けて、子育てにかかわる幅広い情報を提供してきたところでございます。  しかし、委員のご指摘のとおり、自分の必要な情報を見つけづらいといったような声もございますことから、現在、パブリックコメントを行っているアクションプラン2015におきまして、子育て情報に特化した新たなインターネットサイトを構築する子育て情報提供強化事業を実施することとしております。こうした取り組みを通じまして、今後とも、よりわかりやすく魅力的な情報の提供に努めてまいりたいと存じます。 ◆福田浩太郎 委員  ぜひ、そのようにしていただきたいと思います。  保育や子育て支援は、サービスの量と質の拡充はもちろんのこと、実際にそれを活用できるように支援していくことも大変重要でございます。その提供の方法については、常に検証を行って、予算等も必要になると思いますけれども、ぜひ確保していただいて、改善の努力を継続していただきたいということを要望して、質問を終わります。 ◆小形香織 委員  私は、保育料の負担増の問題が起きておりますので、そのことについて質問いたします。  保育料は、2012年に、一律10%の値上げを上田前市長が行いました。当時、多くの関係者から反対の声が上がり、議会には15本の保育料10%値上げの中止を求める陳情が出されましたけれども、自民党、民主党、公明党、市民ネットワーク北海道の反対ということで、全ての陳情を不採択とし、通してしまいました。そのときのやりとりからも、保護者の皆さんの保育料負担の大変さというのがたくさん出されておりましたので、秋元市長も、当時の副市長としてこの中身についてはよくご存じだったと思います。そして、10%の保育料の値上げを強行したその後、払える保育料なのだろうか、あるいは、負担がふえて大変なのではないだろうかという気持ちで様子を見ていれば、先ほどご説明があった制度変更による保育料の決定についても、保育料がこの制度の変更で上がる人がいないだろうか、こういう目線で見てしかるべきだと私は思っております。  そこでまず、伺いますけれども、昨年度からことし8月、つまり、保育料の決定の通知を出す前までの間で、本市は、この制度変更によって保育料の負担が変わることを想定していたのか、どのような想定をしていたのか、伺いたいと思います。 ◎野島 子育て支援制度担当部長  今回の変更前のシミュレーションはどのような形でしていたのかということでございます。  今回は、基本的には国の制度変更ということで、そのモデルに従って試算したところでございます。しかし、個々の収入の増減、また、世帯構成や保育料につきましても、階層幅が大きいところ、小さいところとさまざまございまして、階層移動に影響が生じるといった部分で正確なシミュレーションを行うことが大変難しかったところでございます。そこで、一旦、4月に国のモデルに従って運用しておりますけれども、実際の適用においてはさまざまな事例が生じているということで、現在、調査をして把握に努めているところでございます。 ◆小形香織 委員  現在ではなくて、そのとき、シミュレーションとか想定をしたのか、していなかったのか、それだけ簡潔に答えてください。 ◎野島 子育て支援制度担当部長  実際に、その時点でということで、実際の保育料についてのことですが、実際にはその段階でも上がる世帯、下がる世帯というのがあって、あくまでもモデルケースではありますけれども、一旦、その部分のシミュレーションは、ある程度の想定といいますか、一応、考えていたところではございます。
    ◆小形香織 委員  ある程度というのは、どのぐらいのことですか、どういうシミュレーションの結果だったか、教えてください。 ◎野島 子育て支援制度担当部長  実際には、平均の年収というところで、国のモデルが標準2人世帯ということでやっておりましたので、それに基づいて、年収の増減、また世帯構成といった部分で、ただ、実際に収入の変動自体も予測できることではありませんので、あくまでも、保育料については上がったり下がったりする可能性があるということをその段階で判断したところでございます。  その結果、4月からについては、本来は4月から新制度がスタートして、その段階で保育料を変えるということでありますけれども、8月まで経過措置ということで、平成25年の収入、所得階層に基づいて対応しましたので、基本的には、8月までの階層については昨年と同じということで、そういう経過措置を行ったところでございます。 ◆小形香織 委員  つまり、8月までは今までどおりのやり方でやるから、どんな影響が起きるかは、保育料決定通知を出す段階では具体的には調べていなかったということなのではないですか。  私がお聞きした話では、2割ぐらいは上がって、2割ぐらいは下がって、6割ぐらいは同じだというふうに思っていたということも担当の方から聞いておりますよ。そういう数字が出てくるということは、ある程度、どのぐらいの世帯が幾ら上がるのかということは予測できたのではないかというふうに思うのですね。だって、はっきりと1人当たり38万円の控除がなくなることがわかっているわけです。もちろん、その方の収入は違ってくるのはそうでしょうけれども、それ以外の国の制度の設計が変わったことによって、少なくともこういうことにはなるのではないかというのは、札幌だけができないなんてことはないと思うのです。他都市がどのように対応しているのか、事前にお調べしたのでしょうか、伺います。 ◎野島 子育て支援制度担当部長  実際にシミュレーションするに当たって、他都市の事例を見ることはございます。実際に他都市の状況については現在もいろいろ情報交換しておりますけれども、その中では、他都市においても、実際にみなし適用を行わずに4月から新制度に移ったところもありますし、市によっては、適用を再計算してというところもあるというふうには聞いております。 ◆小形香織 委員  他都市では、みなし適用をしたりしなかったりするところが少しあったと。では、札幌のように2万円とか3万円とか上がるようなところが調べられた他都市のところであったのかどうか、お聞きします。 ◎野島 子育て支援制度担当部長  実際に金額がどのぐらい上がるのかというところまでは調べておりません。実際には、指定都市に限りましても、保育料の階層そのものが札幌と全く同じ状況ではないものですから、基本的な考え方としてどのような対応をとるのかという部分で情報収集、情報交換をしていたところでございます。 ◆小形香織 委員  みなし適用をしたかどうかというのは少し聞いたけれども、札幌の保育所に預けている親に具体的にどういう影響があるのかというのは、まともに調査していないということなのではないでしょうか。  私たちも、ほかの都市に電話していろいろ聞きました。すると、やはり事前によく調べていますよ。国の制度変更によって、うちのところの家庭はどういう影響があるのか、よく調べているから事前に対応しているのですね。例えば、横浜市では、国が自治体独自に判断しなさいと言ったことに合わせて、みなし適用をして保育料を決定する、これによって基本的には在園児の保育料の値上げが生じないように、これはちゃんと手を打っていますよ。それから、仙台市は、10月になって、みなし適用させて再計算をする、そして、4月にまでさかのぼって保育料を還付する、こういう手だても打ちました。結局、8月まで、このままの制度で、この先のことを何も考えずに、とにかく新しい制度だからそれに適応した制度に変更するのだというふうに、ただ国に言われたとおりにやるだけで、どうやって保育料を上げずに済むのかということを札幌市独自には全く考えてなかったのではないのかなというふうに私は思います。  今回の新制度に当たって、国はFAQを出していますね。今度、10月の第10版というものには、市町村の判断により、既に入園している者が卒園するまでの間に限り、再計算した上で階層区分の決定を可能とする、こういうふうに出しているわけです。だから、先ほど、8月までは少し大目に見てきたのだ、9月からは適用しないでやるのだと言ったけれども、国は、卒園するまでの間、再計算していいというふうに出しているじゃないですか。こういうものをちゃんと使うべきだと思うのです。  私は、このことを心配して、担当の課長に8月の末から電話しています。新制度でどのぐらいの世帯が値上げになるのですか、値上げになる世帯があるはずです、その最高額、具体的な金額はどうなるのか、資料を出してほしいと請求しています。そうしましたら、すぐには出せません、こう言うだけです。そして、9月に各家庭に保育料の決定通知が出されましたけれども、その後、私たちのところに電話が来て、保育料の値上げになっている人がふえている、どうなったのかと言うから、私は、そのときにもまた課長に電話しました。幾ら上がったのか調べてほしいと。いつも、すぐには出せません、収入がふえたからなのか、新制度によるものなのか、単純には出せません、こう答えてばかりで、今もってまだ具体的な数字が出されないではないですか。  先ほどおっしゃった詳細な調査は、一体いつスタートさせたのか、教えてください。 ◎野島 子育て支援制度担当部長  調査のスタートの時期でございますが、今回通知を出して、その後、いろいろお問い合わせなり、議会のほうには既に請願等も出されておりますけれども、そういった部分を踏まえて、今回、新たに実情について調査を開始したところでございます。 ◆小形香織 委員  何月何日ですか。 ◎野島 子育て支援制度担当部長  何月何日ということではないですけれども、少なくとも、今回、9月から変動する家庭、そうではない家庭を含めて、保育料の制度が変わりますということで7月に通知を送りました。そして、実際に8月ぐらいからお問い合わせ等もございますので、何日とまでは記憶しておりませんけれども、基本的には8月ぐらいから徐々にこういう状況はどうなのだろうということでシミュレーションというような形で対応しました。ただ、個々のデータの状況を詳しく調べてみないと、ただ上がっただけではなかなか判断できない部分もありましたので、現在、引き続いて丁寧に調査しているところでございます。 ◆小形香織 委員  要するに、遅いのですよ。たしか9月4日ぐらいに発送しているというふうにお聞きしました。9月7日の週には、保育園を通して、あなたの保育料は今度から幾らですよという決定通知が各ご家庭に届けられているわけですね。少なくとも私とのやりとりの印象で言うと、その段階では詳細な調査を本気でやろうという意思は感じられませんでした。だから、恐らく日にちをはっきりおっしゃれないのだと思います。つまり、本腰で詳しく調べようと思ったのは、市民の皆さんからいろいろな問い合わせが来て、何だろうと思って、それから調べ始めたというのが実情なのではないでしょうか。  保育料が上がることについて、よく調査もせずに繰り返したことは、私は、非常にやり方が無策というか、手を打つのが遅過ぎると思っております。具体的には、10月5日に市長に対して異議申し立ての行動がありましたし、そのときに、文書と一緒に、お父さん、お母さんからも、直接、実情を述べられました。6人子どもさんがいて、2人の子が保育所に入っている方がその場所でおっしゃったのは、上の子が受験を控えている、そういう子がいる中で、月に3万円もの保育料の負担がふえてとても困難だ、こういうふうにおっしゃられました。また、多子世帯ほど保育料が上がることのどこが少子化対策なんですかと、こういう疑問も出されましたよ。  本市は、昨年度の議会の中で、大きく変わりはないというふうに言っていたのです。3万円も保育料の負担が上がった世帯が生じたというのは、大きく変わったのではないですか。子育てしている家庭は大変です。経済的にぎりぎり、しかも、3人以上の子どもを持つ多子世帯はなおさらのことですよ。これから冬を迎えて、子どもたちにスノーウエアや雪の靴も買ってあげなければならない、クリスマスが近づいてくれば、クリスマスプレゼントの用意もしよう、雪遊びもできるようにしたい、こうやっていろいろ考えている子育て世帯に、突然、保育料がさらに3万円も引き上げるという通知が届けられたわけです。  こういう子育て世帯の大変さ、とりわけ、多子世帯の大変さをどのように受けとめておられるのか、お聞きしたいと思います。 ◎野島 子育て支援制度担当部長  実際に、今回の異議申し立ても含めてさまざまな状況を受けとめておりまして、そういった方々に対して、今後どうするかという部分も含めて、きちんと対応してまいりたいと考えております。 ◆小形香織 委員  きちんと対応とおっしゃいましたけれども、子どもを産むほど保育料負担がふえる仕組みなら3人目はとても産めない、こういうふうにおっしゃっているのです。少子化が本市全体の問題になっていることは、ここにいる皆さんの共通の認識になっていますでしょう。それなのに、子どもが多いほど保育料の負担が重くなる、これは大変な事態だと思います。このまま何もしないとしたら、行政がまともな手を打たなかったということになると思いますが、どのようなご認識でしょうか。大変な事態を招くと思いますがいかがか、伺います。 ◎野島 子育て支援制度担当部長  今現在、そういうことも踏まえて調査をして、特に多子世帯も含めて、今回、上がった階層について、内情を踏まえた上で、調査結果が出次第、対応策を考えていきたいと考えているところでございます。 ◆小形香織 委員  私たちが他都市を調査してみましたら、福祉の目が札幌よりもう少し細かいのですよ。例えば、3子目の保育料は無料です。本市も3子目は保育料無料とうたっておりますけれども、その実情は、3人とも就学前で、そして、幼稚園や保育園に入っていないと3人目は無料になりませんよね。しかし、ほかの都市では、上の子が小学生でも中学生でも、3人目の子の保育料は無料なのです。そうしたら、今回のようにみなし適用を廃止するということになっても影響はないわけです。  それからもう一つは、保育料の階層です。札幌の場合は、階層区分がAからDの9まで12階層となっておりますが、名古屋市では19階層、大阪市で20階層、千葉市でも17階層と、所得に応じた負担がきめ細かくなっているのです。これによって、今回の制度変更で保育料の階層が上がったとしてもわずかな値上げでおさまっています。札幌の場合は、3子目の無料にしても、保育料の階層にしても、仕組みが粗い。このことが今回の問題を一層深刻にしたのだということを私は指摘しておきたいと思います。  そこで、市長に伺いますけれども、今までのやりとりをお聞きになっていたと思います。代表質問で、私どもはこの保育料のことを聞きました。市長は、そのとき、制度上やむを得ない、軽減といった救済措置は考えていない、こういうふうにご答弁されております。3万円も上がる事態を生んでいるという事の重大さを受けとめていなかったと言わざるを得ないと思いますが、今、改めて、ご自身のあのときの答弁についてどう思うのか、やむを得ないで済ませていいと今もお考えなのか、伺いたいと思います。 ◎秋元 市長  まず、保育料の負担をいただいている全体像について共通認識に立ちたいと思うので、札幌市の保育料が高いのか、安いのかということについてお話を申し上げたいと思います。  ご案内のとおり、国、都道府県、そして自治体、札幌市が保育料全体に係る経費の約7割を負担して、残りの3割については、応能負担といいますか、所得に応じてご負担をいただく仕組みになっている、そういう前提になっています。これは国の制度設計になっております。  先ほど、札幌市は過去に10%の値上げをしたではないかとおっしゃいましたが、これまで、札幌市は、ご負担をいただく3割の部分を札幌市独自に軽減してきております。その軽減率を緩和するといいますか、軽減率を見直しさせていただいた結果、負担が上がった方もいらっしゃるというのが過去の例であります。現状で申し上げますと、札幌市は独自で平均30%の軽減措置をとらせていただいております。したがいまして、本来であれば3割ご負担をいただくものでありますけれども、平均で30%さらに減額しておりますので、実質約20%の部分をご負担いただいている状況にあります。そこは、札幌市独自に約8%以上の軽減をさせていただいている、そういう前提をまずご理解いただきたいと思います。  その中で、今回の国の制度の見直しに当たり、制度が大きく変わって、特に問題になったのが、所得税から市民税というように、所得の捕捉といいますか、捉え方に対する考え方の違いであります。したがいまして、例えば、ことしの4月段階で申し上げますと、4月段階の保育料は一昨年度の所得税に基づいて計算されてきていたものが、市民税計算に変わる9月になると、6月に前年の所得、昨年の所得に市民税が賦課されるのでその段階で所得が変わってきていまして、そういう制度の大きな違いがあります。ですから、先ほど担当部長がご答弁させていただいたのは、所得に違いがある方もあり得るという前提でございます。  もう一つ大きいのは、年少扶養控除のみなしが入ったか、入らないかということであります。子ども1人当たり38万円の年少扶養控除を所得から控除した分に税金がかかるという仕組みのところで、税法上、これはなくなっておりましたけれども、みなし控除としてなっていたわけであります。  なぜ、みなし控除がなくなったのかということを申し上げると、いわゆる所得を控除するのではなくて、子ども手当に変わって、今また児童手当というふうになっておりますが、直接、子ども1人当たりに対して、3歳未満であると1万5,000円、中学生では1万円を手当てするという制度になっているわけであります。  そういう前提を踏まえた上で、今、上がった方はどういう実情にあるのかということであります。粗いシミュレーションの中で、これはモデルケースの中でありますが、それは、先ほど申し上げました約2割負担いただく中で、どういう形で階層に振り分けるかということで、上がる方もいらっしゃれば下がる方もいらっしゃるという前提です。全体としては、札幌市が独自の軽減をしている負担の部分を加えてご負担いただいているという前提の中で、制度の違いということで前はご答弁させていただきました。  一方で、9月に実際に(「ちゃんと質問したことに答弁してください」と呼ぶ者あり) ○國安政典 委員長  静粛に願います。 ◎秋元 市長  (続)9月に実際の通知を出したときに、それぞれのご家庭によって、場合によっては3万円上がった方もいらっしゃるということも伺いました。ですから、モデルケースでのシミュレーションということではなくて、実際が、所得の増減に本当に影響がないものがどれだけご負担という形でなっているのか、それを詳細に調査をするように指示したわけであります。ですから、9月の段階で、改めて皆さんの声をいただいて、詳細に調査をするようにという指示をしております。  今、コンピューターの仕組みが新制度にもう入れかわってしまっておりますので、実際の作業は手作業というような形でやらせていただいています。4,000人、5,000人のいろいろなケースを想定しながら手作業で計算しているということで少しお時間をいただいておりますが、先ほど申しましたように、大きな負担としてはこの制度の中だという考え方は変わりありませんけれども、実際の負担をしていただいている方の中で、激変緩和、要するに急激に変わったという方がいらっしゃるという状況でありますので、それは、調査に基づいて、そういった方々への対応はしっかり考えていかなければならない、現時点ではそのように考えております。 ◆小形香織 委員  私のした質問は、もうほとんどわかっている上での質問でしたので、市長がされた説明のうちで、最後の何本かだけが、要するに激変緩和のことは少し考えたいということに今はなったということくらいですかね、今のご答弁の中からわかる部分は。  それで、保育料が上がることもあるだろうというのは、制度が変わる段階からある程度予測できるわけですよね。そして、自治体によっては、事前に独自に軽減する策をとっているところもあるけれども、札幌市はそれもやらない。そして、結果的に3万円も上がる世帯があって、何でこんなに保育料が上がるのだという声があってから、市長は、実際は詳細に調査しなければならないといって調査したのですよ。遅いのです。コンピューターのことを話されたけれども、もし制度が変わるとわかっているのだったら、コンピューターでちゃんと比べられるようにしておけばいいじゃないですか。今になって、手計算で前の制度と今の制度と一人ずつ全部チェックしなければなりませんと。私が資料請求してから1カ月以上、2カ月近くたって、そして、今、まだやっているわけですね。コンピューター上で前年度と今年度とこういうふうに変わったと、式を入れて年収とかを入れていけばすぐできるような仕組みにだって、やろうと思えばできたわけだし、事前に手を打つように考えていればそういう仕組みだってつくれたはずなのです。私は、それをやろうとしないところに本当に問題があったというふうに思いますし、国の制度によるものだという一点張りで、この制度変更に伴う軽減策を市が独自にとろうとしなかったことは非常に問題だと思います。こうした一連の対応について、子育てする苦労に心を寄せているというふうには、私はとても思えません。  そこで、伺います。  市長は、子育て世帯の苦労についてどう思うのか。市長は、子育て支援の強化というふうにうたっておりますね。そして、新しく未来創生プランをつくっておられます。その中の結婚へのハードルに関するアンケート調査では、25歳から39歳の未婚者が結婚への最大の障害だと考えていることは何ですかと聞いたところ、結婚後の生活を維持していくための資金が障害だと答えている人が、男性で31.8%、女性で21.9%とどちらもほかの項目より最も高くなっています。そして、合計特殊出生率1.14を上昇させ、結婚や出産を望む市民の希望がかなえられる社会の実現を目指す、こういうプランをつくろうとしておられるときに、制度上やむを得ないというふうにしてこのまま放置されるお考えなのか。きちんと手を打つとおっしゃいましたが、いつまでに、どのようにされるのか、場合によっては、補正予算も組んで子育て世帯保育料負担がこれ以上起きないようにすべきだと思いますけれどもいかがか、伺いたいと思います。 ◎秋元 市長  先ほど来、お答えさせていただきました。  全体のご負担というのは、先ほどから何度も申し上げましたが、札幌市では、総体として、ほかの都市を超えて独自の削減措置をさせていただいております。そういう中で、基本的には、私は子育てに対する経済負担をできるだけ軽減したいという思いを非常に強く持っておりますし、今回お示ししたアクションプランの中でもその点を強調させていただいております。  ただ、さまざまな市の事業をやっていかなければならない中で、できることから手をつけていくということで、思いとしては、今、小形委員がおっしゃったように、できるだけ経済的な負担を軽減させていきたいと思う一方で、子育ての問題は国全体の問題でもありますので、私も国に対してさまざまな要望もしていきたいと思いますが、今、札幌市の中で独自にやれることは精いっぱいやっていこうというふうに思っています。今回の制度設計では、ある意味ではモデルケースと実態の部分でやはり乖離が出ていて、調査の中でもそういったことが出てくると思いますので、その調査を踏まえて、激変緩和ということでの対応について考えていきたいというふうにお答え申し上げました。 ◆小形香織 委員  今、子育て世帯を支援したいとはっきりおっしゃいましたので、その姿勢を貫いていただきたい。今回の制度変更の話は、少なくとも保育所に入っている親にとっては何も変わっていないのに、国の制度によって変わる、こういうことが起きているわけですから、それに対しては、しっかりとそれをとめる防波堤になるようなことをやって、そこを土台にして新しい市長としての子育て施策を進めていただきたい。せっかく進めても、これまでの土台が崩れるような形であってはならないと思います。私たちは、市長の姿勢を注視しております。補正予算も組んですぐに対応されるよう求めて、市長への質問も含め、全て終わりたいと思います。 ◆堀川素人 委員  私から、子どもに対する虐待問題についてお伺いしたいと思います。  過日の代表質問で、9月に手稲区の4歳の男の子が亡くなった事件がありまして、それについて、市長は、早々と、自分たちの措置というのでしょうか、児童相談所の措置については問題がなかったというように発言しました。私は、それに対して、異議あり、問題がなかったのではなくて、大きな問題があったじゃないか、きちっとした事実調査をしないで、市長として、十分な調査もなしに途中で簡単に自分の意見を発表するというのは極めて不見識である、こういうようなことを指摘いたしました。  何が問題だったのかというのは、今、これから話すことと重ねながら指摘いたしますけれども、今年、10月21日に、31歳母親が、乳児虐待容疑、頭に重傷ということで白石署に逮捕された件です。この事件は、去年の5月に発生しておりまして、今現在、この子は元気でおりますけれども、この対応についても大変問題があるなと思って児相の所長から話を聞きました。  当初は、問題はないのだ、私たちは一生懸命やったのだ、一生懸命やったのに問題があると言うのかと、全然関係ない理屈を言っていました。この問題はどこに問題があるのか、指摘を受ける前に、自分の意見をべらべらしゃべっている。そういう態度でもって物を聞いて、理解できるわけがない。そこから注意をしまして、そういう態度はまずいのではないのかと指摘したら、そのとおりでございます、そう言われたならば問題があるのかもしれません、こういうことなのです。子どもは、頭蓋骨骨折、それから、頭蓋内出血と言うのかな、これがありました。今回は、たまたま本当の最期の大事に至らないで済んでおりますけれども、何が問題かです。  まず、お聞きしたいのは、この事件は、平成26年4月25日に白石区内の病院から虐待の可能性ありとして連絡を受けております。まず、虐待のおそれありとして電話が入ってこの事実を伝え聞いてから、児童相談所が病院に行ってその様子を聞くのに何日間かかりましたか、お聞きします。 ◎藤田 児童相談所長  白石区の病院に行くのに何日間かかったかというご質問でございますが、児童相談所は白石区の病院には訪問しておりません。 ◆堀川素人 委員  今、お聞きのとおりです。病院からは、虐待のおそれあり、事故の可能性も否定できないと言われていますけれども、この子がこのときに負ったけがというのは右大腿骨骨幹部骨折の診断です。そして、入院拒否のため、病院としては通院の対応をしました。それで、A病院は、先ほど言った事故の可能性もあるので、児童相談所への通告が保護者に伝わることで受診拒否となることを心配していたということでした。診断が途絶える、また、傷、あざがこれ以上できるようなことがあれば相談所が介入しますということを病院には伝えているのですけれども、普通なら、即、行って子どものけがの様子の確認をする、できれば子どもに会う、こういうことを第一にしなければならない。去年の4月25日に事件が起きて、それを児童相談所が知り得て、それから、この病院から転院するわけですが、それが5月5日ですよ。この1週間以上、やや2週間という中で、その病院にさえ行っていないということは当たり前のことなのですか。 ◎藤田 児童相談所長  白石の医療機関とは、児童虐待通告の時点からその後の経過聴取まで、一貫して病院のソーシャルワーカーと電話で密に連絡をとり合っておりましたことから、医療機関への訪問は実施しなかったものでございます。ソーシャルワーカーからは、診断名とか受傷の状況、来院した保護者の申し立て内容など、虐待と事故の可能性に関する医師の判断を詳細に聴取できましたことから、その時点では十分な状況把握ができたと考え、直接、医療機関を訪問しなかったものでございます。 ◆堀川素人 委員  それは、行くのが望ましいのか、行かなくても十分な対応だったと今でも考えているのか、どちらですか。 ◎藤田 児童相談所長  その時点では、十分な対応をしていたというふうに考えているところでございます。 ◆堀川素人 委員  物事の事実を知るということは、その物事にできるだけ近くに寄って見るということなのですよ。ソーシャルワーカーと電話したと言うけれども、例えば、病院に行って、直接、お医者さんからどういう状況なんですかと聞くとか、そうしますとカルテがあって、そこに図を描いてもらったりして、そういうことをするのが当たり前なのではないですか。それをしないで、自分たちは足を使わないで電話で済ませた。こんなばかな話がありますか。まず、駆けつけて、子どもが本当にどんな状況なのか、これを確認するのが第一ですよ。その後、お医者さんなりに会わせていただいて、できれば子どもの様子も確認して、虐待であるかどうかということを自分の目で確認をして判断しなければならないではないですか。  僕が聞いているところでは、札幌市の児童相談所の所長は日本で最も権限が与えられている、所長権限があると、一時保護については。そうしましたら、いや、そうではありません、大阪に続いて2番目ですと、そういうくだらないやりとりをする。僕が1番と言って、それが違っているならば、それは、後でこういう情報も入っていると言ってくれればいいですよ。それを、2番ですと言って何か勝ち誇ったような態度をとる。とんでもない話です。それよりも、あなたのしなければならぬことは、子どもに会う、その情報の発信元である病院のお医者さんに会って、もちろんソーシャルワーカーから聞いているといえども、お医者さんから直接聞いて、どこの部分でけががあったのかと。まだ2カ月ぐらいの子どもですよ。その子どもの大腿骨が折れているというのです。厚生労働省の虐待に関するいろいろな指示の中でも、子どもが骨折をするということは普通あり得ないことなんですよ、投げられたり、そういうことがない限り。そういう国の指導等もきちっと考えたならば、虐待のおそれがある、病院として医師からそういうことが伝わってきているのに、行きもしないで、受診の経過だけを聞いて、これで事足りて手が打てたとするのは大きな間違いだ、まず、こう指摘しておきます。  つまり、そこのA病院では子どもにも会っていないということですね。  次に、この子が吐き気を催したりして転院したのが5月5日です。B病院に救急搬送されますけれども、けいれん発作が出現したためにCTを撮り、頭蓋骨骨折4カ所等が判明した、こうあるわけですよ。それで、5月7日に初めて病院に行って、B病院の虐待の対応に関する会議に参加して、そしてお医者さんから直接聞くという状況ですよ。それで、頭蓋骨骨折、頭蓋内出血が複数箇所にあり、受傷時期が違う可能性あり、こうなっています。この約2週間に、頭蓋内出血というものが―4月25日に暴行された、その後に5月1日にも受診していますから、それはわかっています。これはA病院です。この後に、頭蓋内の出血があるような暴行の可能性もあるわけです。それから、複数で時期が違う、傷の跡に時期の違いがあるわけですよ。それはいつごろだと聞いているのですか。 ◎藤田 児童相談所長  複数の骨折がいつの時点で起きたのかというご質問かと思いますが、詳細な時期については把握しておりません。 ◆堀川素人 委員  それは、お医者さんに聞かれたのですか。聞かれた結果、お医者さんがその時期までは特定できないと言ったのか。聞かないでいて、聞いていないからわからないのか。今の答えのわからないというのは、どっちのわからないですか。 ◎藤田 児童相談所長  法医学診察を受けた段階でそのような状況にあることは承知しておりますが、いつの時点か、明らかな日時はわからないということでございます。 ◆堀川素人 委員  これは、5月6日にA病院のソーシャルワーカーから入電があって、前日夕方、実父が本児と来院した、低体温と吐血等のため、中央区内のB病院に救急搬送し、CTを撮って頭蓋骨骨折が4カ所判明いたしました。これは、いつの時期か、大変問題でしょう。4月25日の暴行で起こったものなのか、それとも5月1日以降に起こったけがなのか、大変大事なことですから、所長とすれば一時保護の権限をいつ発動しなければならぬか、そう考える立場の人間が、こういうことも聞かないで、はっきりさせないでいる。医者がこれははっきりできないと言うなら別ですよ、その確認をしないで過ごしているということはどういうことなのですか。 ◎藤田 児童相談所長  まず、この子を一時保護する要件といたしまして、古い傷がいつ起きたか、新しい傷がいつ起きたかということは、決して重要ではございません。そこに傷があるということで、一時保護をする要件というふうに考えているところでございます。頭蓋内に骨折があることのみで一時保護する要件であると考えているところでございます。  その傷がいつ起きたのかということにつきましては、今後、捜査が進み、裁判の中で明らかになってくるものと考えているところでございます。 ◆堀川素人 委員  あなたは、全然、勘違いしていますよ。警察のやることは、刑事犯として調べるわけですよ。あなたが調べなければならぬのは、虐待があったか、ないかなんですよ。時期が違う傷が続けてあるということは、反復して同じようなことが起こった、そうするならば虐待である可能性が極めて強くなるじゃないですか。その判断をしなければならない人間が、古いか、新しいか、それがあったか、ないか、一時保護するには大した問題ではないのだと。そうじゃないでしょう。その判断をするために極めて大事なことじゃないですか。そしてまた、それはいつ起こったのか。最終的には知り得ることができなくても、それを知ろうとしなければならぬじゃないですか。そんなことで児相であなたがやっているとするならば、虐待を受ける札幌の子どもの命は守られない。  ことしの9月に起こった手稲の事件、あれとて、一番先に病院に情報提供したのは誰かと言えば、母親の身内の方なのですよ。ふだんでも様子が見られるから、見聞きしている情報をもとに病院に知らせたわけですよ。そして、その情報源であるその人に会おうと思えばいつでも会えるのに、会いさえしなかったじゃないですか。一番大事なことなんですよ。どれだけ現場に近づけるかということなんですよ。そういう人間がいて、聞いたら、それは調べていません、大して大事なことではありません、私は病院から聞いておりますからと。ある情報なら、全て聞いて、要らない情報だったら捨てればいい。どこにどういう情報があるかわかりません。しかも、それは、明らかにすることをみんな嫌がる、こういう中で虐待というのが行われるんですよ。  それから、そのときの事件で決定的な間違いは、加害者であろう人間に情報が渡らないようにして連絡をとり合わなければならぬ場面があった。母親に電話をして来てくださいと言ったら、母親は、逮捕された夫、養父に相談して返事をしますと、明らかに伝わることがわかっていて何の手も打たないで放っておいた。伝わったその日に事件は起きたんですよ。余りにも初歩的なことを忘れ過ぎていて、想像力が非常に欠如している。その結果、子どもを死なせてしまったとするならば、返す返す残念で仕方ない。もう、あなたに聞きません。  副市長、今の話を聞いて、もう少し札幌市にある児相の権限を―特に子どもが虐待されているかどうか、間違いもありますよ。そうじゃない場合もあります。しかし、何たって、命が失われてからでは遅いのですよ。ですから、間違うこともあろうとして児相に与えられている権限ですよ。その行使にこういうふうにちゅうちょしていて、それで恥じないような児相をつくっていてはだめなんじゃないか。  僕が議員になったときに、僕の大学の先輩で児相の所長やった人からたまたま呼ばれました。そういう権限があるのに、最近はその権限の行使をためらう児相になっている、堀川君は議員になったのだから、そこの部分をきちっと機能するようにしなければだめじゃないか、こう叱られたことがあります。  今、まさに、こういう事件が2回、続けて新聞の話題になっています。それを一つ一つ見たら、そういうように、やらなければならぬこと、また、やってはならぬことをやる過ちによって起こった結果だ、僕はこう思うのです。副市長は、今の話をお聞きになってどのようにお考えか、今、受けた印象を話していただければいいです。 ◎藤田 児童相談所長  済みません、先ほどの答弁で漏れたところがございましたので、追加でお答えさせていただきたいと思います。  頭蓋内の骨折をもって虐待があったとみなすことができますので、一時保護の要件に当てはまるということでございます。 ◆堀川素人 委員  あなたは、虐待があるかどうかということなのだから、連続、反復してそういうことが起こっているならば、それが虐待ということをあなたが認定するに足るものか、あなたはそのことを一生懸命に確認をしなければならぬということを言っているのですよ。 ◎板垣 副市長  最近、本当に虐待問題がふえているということはゆゆしき事態でございまして、一人でも貴重な大切な子どもの命を救わなければならないという委員の熱い気持ちは私も一緒でございます。恐らく、児童相談所の所長以下、職員全員も基本認識としては全く一緒だと思います。  ただ、児童相談所におけるさまざまな案件は、全く同じ案件は一つとしてないものだというふうに思いまして、一つ一つケースが違う中で、日々、所長以下、いろいろな相談をしながら、苦労しながらいろいろな判定をしているところでございます。委員がおっしゃるとおり、まずは出て行っていろいろな情報収集をするのは基本中の基本だと思いますけれども、一方で、一つの判断の中で、現在、病院との連絡の中で、この案件については十分だと判断することもあり得るだろうというふうに思っております。  いずれにしましても、委員のお気持ちを踏まえた上で、児童相談所全体で本当に大切な子どもの命が失われないように努力していかなければならないと考えております。 ◆堀川素人 委員  本当にそう願いたいですよ。こうやって、全部、100の事件があったら100通りですね。でも、その100通りに応じられるぐらいの技術を身につけなければならぬということですよ。それが、厚生労働省から出ている初歩の初歩の注意事項みたいなことを忘れてやったりしているようじゃ、話になりません。また、僕と話しているときに、興奮したんでしょうか、それなら、堀川さん、議会でやり合いましょうかと。こういうようなことではなく、まず、自分のやったことを冷静に見るようにしてほしい。人間ですから失敗することもがありますが、もしあったならば次に失敗をしないようにしてほしい。そうすることによって、一人の命が助かる可能性があるわけです。どうか、しっかりと肝に銘じて仕事をしていただきたい、こういうことを切にお願いいたしまして、質問を終わります。 ◆村松叶啓 委員  今、堀川委員が児童虐待の件に触れておりましたけれども、私からも、4歳の男の子が養父におなかを殴られて死亡したという手稲区で起きた事件に関して少し伺いたいと思います。  今、この事件に関して、改めて、児童相談所の対応といたしましては、9月1日に病院から児童相談所に身体的虐待が疑われるという通報があり、また、その通報を受けて、児童相談所の職員が9月3日に母親と子どもと面談し、そして、9月8日にはその養父とも面談を行ったこと、また、医師からも話を伺ったということをお聞きいたしました。こういった一連の動きの中で、児童相談所では、明確な虐待があったとは言えないと判断し、一時保護も行っていなかったということであります。しかし、結果としてこのような事件が起きてしまったことをしっかりと受けとめ、そして、今後、どうすればこういったことを防ぐことができるのか、虐待の通告があった場合の取り扱いに本当に問題がなかったのかということについて、改めて検証していくことが必要だというふうに私は考えます。  そこでまず、もう一度、確認のために、今回の虐待の通告を受け、児童相談所としてどのように取り扱ったのか、具体的にお聞かせ願いたいと思います。 ◎藤田 児童相談所長  虐待通告を受けて児童相談所としてどのように取り扱ったのか、具体的に説明してほしいということでございます。  まず、平成27年9月1日に、病院から、入院中の児童に虐待の疑いがあるという通報を受けまして、区保健センターに、世帯の状況とかこれまでのかかわりについて調査いたしました。9月3日には病院を訪問いたしまして、医師から本児の病状、あざの状況、養父、実母の受診時の様子などについてお話を伺った後、本児、実母と1時間半程度の時間をかけて面談を実施いたしました。その後、9月8日には、児童相談所において養父と1時間以上の面談を実施したところでございます。養父、実母、本児の面談と医師、それから保健センターからの聴取内容から、明確な虐待があるとは言えず、一時保護をしなければいけない状況というふうには判断しなかったものでございます。  しかしながら、養父、実母ともに本児の発達について心配しておりましたことから、児童相談所として継続的なかかわりを持つことといたしまして、9月16日に実母に電話し、本児の発達検査の実施について調整したところでございます。また、実母への電話に先立ちまして、9月14日には、区に対して保健師の見守りを依頼いたしまして、本世帯につきましては今後とも関係機関と連携しながら支援を行う体制を整えたところでございました。 ◆村松叶啓 委員  明確な虐待があるとは判断しなかった、虐待が裏づけられなかったというご答弁でありましたが、取り扱いの経過の中で、医師、母親、それからこのお子さん、そして父親と面談をしているけれども、その面談に当たって本当に細心の注意がなされていたのかというところは気がかりではあります。これに関しては、今後、取り調べや検証が進んでいく中で明らかになっていくと思いますので、これに関してはまた後日にお聞きをしたいと思います。  そこで、本当に大切なのは、今後、このようなことが起こることを防ぎ、子どもたちの安全を守るためにはどうしなければならないのかということだと思います。このような児童虐待では、本件もそうでありますし、先ほどの女の子の頭蓋骨骨折が児童虐待を受けていたものだという事案もそうですが、親が加害者であるというケースが多いわけでございます。  こういった報道を耳にしたとき、私自身は、自分の子どもに何てひどいことをするのだろうという印象を強く持ったわけであります。もちろん、今でもそういう気持ちはありますが、いろいろとお話をお聞きしたところ、そういった虐待をする親の側も、経済的な問題や子どもの問題など、困っていることや悩みを抱えている方も多いというふうにお聞きいたしました。例えば、言うことをきかない、泣きやまない、そういう子に対して、つい手を挙げてしまう、あるいは、発達障がいなどで発育のおくれている子をついきつく責めてしまう、そういった悩みを抱えている人もいれば、そもそも自分自身が親から虐待を受けながら育ってしまったために、自分がされたことと同じことを自分の子どもに行っても、それが当たり前というか、虐待をしているという意識のない親もいるということでございます。こういったことはほんの一例でありますが、今後、こういった虐待をなくしていくためには、そのようなさまざまな悩みや問題を抱えるそれぞれの親に対してしっかりと対応し、寄り添っていく必要があると私は考えます。  しかしながら、そういう親に対して児童相談所が接触を図ったときに、素直に応じてくれる方もいれば、逆に、児相という名前を聞くだけで警戒し、身構えてしまう親も多いという実情を聞かせていただきました。  そこで、次に、児童相談所への拒否感を取り除き、本心を話してもらい、また、相談を受けるためにどのように取り組んでいるのか、もしくは、今後どのように取り組むのかということを伺いたいと思います。 ◎藤田 児童相談所長  児童相談所に相談をするということにつきましては、保護者が拒否感を持つ場合があることは理解しているところでございます。しつけとか子育ての悩みを抱える保護者がいつでも相談することができるよう、児童に関する身近な相談窓口として、24時間365日、電話で対応させていただいております子ども安心ホットラインを設置して相談に応じているところでございます。  また、相談の受け付けに当たりましては、保護者の気持ちを和らげ、秘密は守るということをしっかりとお話しさせていただいて、受容的かつ慎重に対応し、次の相談につながるよう丁寧な対応を心がけているところでございます。さらに、個々の職員の能力向上のために、所内研修といたしまして、保護者への対応とか法的対応の研修の実施、それから、所外研修といたしまして、職種、経験に応じた専門研修への派遣等を実施しているところでございます。  今後も、面接時におきましては、保護者の気持ちに配慮し、信頼関係の構築に努め、あわせて、専門性の向上に向け、研修体制の充実強化に引き続き取り組んでまいりたいと考えているところでございます。 ◆村松叶啓 委員  保護者の気持ちにも配慮しながらというご答弁をいただきました。虐待をする親への対応は慎重に行うべきであり、また、関係機関への調査についても不足がないように行う必要があるというふうに考えます。  児童相談所への相談件数は年々増加をしており、また、虐待通告件数もふえているということをお聞きしました。本市においては、平成25年1月にも、豊平区において母親による殺傷事件が起きております。その事件の検証報告において、児童相談所の体制整備が提言されたということでございます。しかしながら、札幌市における児童福祉司の配置状況は、政令指定都市の中でも最下位に位置しております。また、管轄人口で札幌市が約6万人に1人の配置であることに比べ、一番配置されている京都市が約2万5,000人に1人、都道府県も合わせた全国平均が約4万3,000人に1人の配置状況であることから見ても、札幌市の児童福祉司の配置は少ないと言えると思います。そして、今回、またこのような事件が起こり、児童相談所の体制に不足はないのかということを危惧するところでございます。  先ほどのお話の中にもありましたように、多様化・複雑化するさまざまな相談に適切に対応するには十分な時間を要すると考えますけれども、現状の児童相談所の職員体制はそういったことが可能な体制となっているのか、より一層の増員を図るべきではないのかと考えますがいかがか、お伺いいたします。 ◎藤田 児童相談所長  平成25年1月に発生いたしました児童死傷事件に係る札幌市社会福祉審議会児童福祉専門分科会の検証報告におきまして、児童相談所の体制強化が必要とされたところでございます。これを受けまして、26年度において、児童福祉司及び児童心理司を2名ずつ増員し、相談体制を強化したところでございます。  しかしながら、その後も相談件数が増加しておりますことや、複雑化する相談に適切に対応していくために、今後も、児童福祉司などの適正配置や児童相談所の体制について関係部局と協議してまいりたいと考えているところでございます。 ◆村松叶啓 委員  手稲区の事件については、今後の取り調べで明確になっていくと思いますが、日々起こっている虐待事案に適切に対応するためにも、札幌市としてしっかりと検証していくことが必要だというふうに思います。また、多様化・複雑化する相談により一層適切に対応し、子どもたちの安全確保、そして、今回のような事件を未然に防ぐためにも、児童相談所の体制強化、特に職員の増員が必要であることを指摘して、次の質問に移ります。  次に、児童虐待に関連いたしまして、児童虐待を受けた子どもを保護した場合の社会的養護についてお聞きいたします。  虐待などにより保護者に養育させることが不適当と認められる子どもについては、社会的責任により公的に養育することになります。しかし、児童虐待を受けた子ども、特に、本来、愛情を注いでくれるはずの実の親からの虐待を受けた子どもは、大きな心の傷を負ってしまい、そして、その影響を受けている子どもに対して、心の傷を癒やし、自己肯定感や他者への信頼感を取り戻せるように社会が健全に育てていくことは、並大抵のことではないというふうに思います。
     虐待を受けた子どもに対する養護につきましては、特定の大人が、特に自分だけに対して愛情を注いでくれて、そして、健全な住環境の中で明るくコミュニケーションをとりながら寝食をともにする家族がいる、これはごく一般的なことかもしれませんが、そういう安心できる温かい家庭環境の中で子どもを育てることのできる里親への委託というのは有効なことだと思います。厚生労働省も家庭的養護を推進しており、平成23年3月30日付の雇用均等・児童家庭局長通知において里親委託ガイドラインを示しております。その中で、社会的養護においては、やはり家庭的養護が望ましく、施設入所よりも里親委託を優先して検討することが原則というふうになっております。  そこで、1点目としまして、札幌市における里親の認定登録状況や子どもの里親委託の状況についてお聞きいたします。  また、2点目として、里親委託を推進していくためには、里親制度について市民の理解を深め、新たな里親を養成していく必要があると考えますが、その推進策についてどのように行っているのか、お聞きいたします。 ◎藤田 児童相談所長  里親の認定登録状況、それから、子どもの里親委託の状況についてでございます。  まず、里親の認定登録状況につきましては、平成26年度末におきまして230組の里親にご登録をいただいておりまして、5年前の平成21年度末の148組に比べて55%増加しております。また、ファミリーホームを含む里親への委託児童数でございますが、同様に5年間で94名から166名となりまして、77%増加しております。さらに、施設や里親等へ委託する児童のうち、里親、ファミリーホームへ委託する割合、これは里親等委託率と言いますが、平成26年度末の全国平均15.6%に対して、札幌市は22.6%と7%上回っている状況でございます。札幌市では、厚生労働省の家庭的養護を推進する方針に即しまして、着実に里親の認定登録と委託を進めてきているところでございます。  それから、2点目の市民に対する里親制度の理解と新たな里親の人材確保のための推進策についてでございますが、札幌市では、ホームページや広報誌により、日ごろから里親募集のPRをしてきているところでございます。さらに、年1回、登録里親の団体である札幌市里親会と協力いたしまして里親促進フォーラムを開催しております。そこでは、児童相談所による里親制度の説明、それから、実践に基づいた里親からの養育体験発表などにより、広く市民に対して制度を周知するべく企画させていただいておりまして、昨年は約150名の市民の方々のご参加を得たところでございます。  今年度につきましても、10月31日土曜日に教育文化会館におきまして開催を予定しておりまして、多くの方々に里親への理解を深めていただきたいと考えているところでございます。 ◆村松叶啓 委員  ただいまのご答弁では、札幌市では順調に里親が養成され、また、委託児童も増加しているということだったと思いますが、児童虐待を受けてきた児童は、強く愛情を求める反面、低い自己評価や他者への不信感から安定的な対人関係が築けないなど、さまざまな問題を抱えている場合があると聞いております。里親と申しましても、養育の専門家というわけではありません。一般の方でありますので、その里親が養育に悩んだときに、一人で抱え込まず、社会的なつながりを持って子育ての悩みを相談できること、また、養育に関する専門的な助言を得られることなど、里親に対しては児童相談所や関係機関からのしっかりとした支援が必要であると考えます。  そこで、札幌市として里親に対する支援はどのように行っているのか、お聞きいたします。 ◎藤田 児童相談所長  里親に対する支援についてのご質問でございます。  委員のご指摘のとおり、被虐待児に対する養育は困難が伴うものでございますが、近年、被虐待児とか発達障がいのある児童など、養育に関して専門性が必要とされる児童につきましても里親に委託する例がふえてきているところでございます。そこで、札幌市といたしましても、特に家庭での親密な援助関係を必要とする被虐待児等の受け入れに対し、必要な基礎知識や技術を習得している専門里親を養成してきておりまして、現在、21名の専門里親を登録しているところでございます。  また、里親支援施策といたしまして、児童相談所に里親専門相談員1名を設置し、また、4カ所の児童養護施設等に里親支援ソーシャルワーカーを配置しておりまして、それぞれが分担、連携して里親宅を訪問し、子どもの養育状況を把握した上で、里親に対して助言・指導を行い、養育の相談に応じてきているところでございます。さらに、札幌市里親会に本市の里親支援事業を一部委託いたしまして、里親とその家族に寄り添い、子どもの成長をともに見守るベテランの里親経験者を派遣しておりますほか、里親によります相互交流とか自助活動の促進も行っているところでございます。  札幌市といたしましては、今後も、里親の安定的な人材確保、資質向上を目指すことで子どもたちに適切な家庭的な養護を提供できますよう、きめ細かい支援を行っていきたいと考えているところでございます。 ◆村松叶啓 委員  児童虐待に関しては、子どもの安全確保が最優先でありますが、子どもを保護した後も、虐待を受けたことによる心の傷などの影響を軽減し、適切な発達を支援していかなければなりません。愛情を受けながら育つことにより、自分を愛することができるようになり、また、周りの人も愛することができるようになるのだと私は思います。虐待を受けてしまった子どもたちが、家族の愛情、また、温かい家庭というものを経験することによって、その子たちが大人になったときに、ぜひ明るく幸せな家庭を築いていってほしいということを切に願うところでございます。  そのためにも、里親制度を初めとした家庭的養護の体制をより一層推進していく必要があるということを指摘いたしまして、質問を終わります。 ○國安政典 委員長  ここで、およそ20分間、委員会を休憩いたします。     ――――――――――――――       休 憩 午後3時2分       再 開 午後3時24分     ―――――――――――――― ○小竹ともこ 副委員長  委員会を再開いたします。  休憩前に引き続き、質疑を行います。 ◆岩崎道郎 委員  私からは、プレーパーク及び子どもの体験の場について、大きく4点質問させていただきます。  私は、先日の環境局の公園整備事業でも子どもの遊び場について少しご質問させていただきましたが、最近、子どもたちがなかなか外で遊ばないという現実は、恐らく多くの皆さんも共通した認識だと思います。私自身も、青少年育成委員とか民生委員の活動の中で、地域のパトロールなどを積極的にやらせていただいた経験から見ても、やはり、公園で遊ぶ子どもというのは非常に少なくなったな、私たちの時代から見ると本当に数段少なくなってしまったという実感があります。特に、子どもたちが公園の中でゲームをして遊んでいる姿を見かけたり、逆に、室内にある商業施設の中でゲームをして遊んでいる子どもたちも多く見かけます。もちろん、そういうゲームに全て悪があるわけではありませんが、やはり、子どもたちには外で泥んこになって遊んでもらいたいというのが大人の率直な希望ではないか、そのように考えるところであります。  そういった中において、プレーパークということですが、札幌市内にもありますけれども、日本では1970年代に東京都世田谷区で生まれたものであります。プレーパークと既存の公園の違いでありますが、公園は、皆さんもご存じのとおり、ブランコがあったり、砂場があったり、鉄棒があったりと、ある程度規格化され、画一化された遊び場であります。しかし、プレーパークは、一見、無秩序なように見える広場において、子どもたちが自分の力で自主性に基づいて遊びを育んでいくものであります。  札幌市では、2011年度からプレーパーク事業に対して支援を始め、子どもが身近なところで遊べるように、地域住民の方々が主体となって開催するプレーパークに対して支援を行っているところであります。  そこで、1点目の質問です。  平成26年度のプレーパーク推進事業の実績と、そこで明らかになった課題についてお伺いいたします。 ◎岡部 子ども育成部長  プレーパーク推進事業の平成26年度の実績とその課題についてでございます。  本事業は、平成25年度まではプレーパーク開催に関心を持つ団体に対する出前講座や出張プレーパークの実施、遊びを見守るプレーリーダーの養成、研修、そしてプレーパーク活動事例報告会を実施してきたところでございます。26年度は、これらに加え、実施団体が行うプレーパークへのプレーリーダーの派遣、ポスター、チラシの印刷、そして、プレーパークに必要な道具の貸し出しなどを行ったところでございます。さらに、プレーパークの実施方法を紹介するハンドブックを作成し、関係団体に配付したところでございます。  実績といたしましては、プレーパーク開催回数が100回、参加者数は4,051名となっているところです。  事業の課題でございますが、本事業を活用した団体が平成25年度には17団体まで増加したものの、平成26年度は14団体となっていることから、実施団体をいかにふやしていくか、こういったことが課題と受けとめているところでございます。 ◆岩崎道郎 委員  ただいま実施団体が減っているというお話でありました。この実施団体は、例えば、子育てサロンに通っていらっしゃる保護者の方々とか、小・中学校に通う子どもたちを持つお父さん方、いわゆるおやじの会と言われている方々が主に中心となって進められております。この子育てサロンも、おやじの会についても、私は議員になる前に深く参加させていただいた経緯がありますが、非常にお金がないのが当たり前であります。もちろんお金を使う場所ではないので、資金面に非常に弱さを持っています。そういった意味においては、やはり、本市としてもしっかりとお支えいただく必要があると思いますし、今、ご答弁をいただいたとおり、団体をふやしていくことによって子どもたちの遊び場が確保されるものだと思います。  そこで、2点目の質問でございますが、プレーパーク実施団体をふやしていくために、今年度はどのような改善を行っているのか、また、プレーパーク自体がまだまだ市民に浸透しているとは言えない中、今後どのような普及活動を行っていくのか、伺います。 ◎岡部 子ども育成部長  平成27年度事業での改善点と今後の普及への取り組みについてでございます。  改善点といたしましては、札幌市のホームページにおける情報提供に加えて、札幌市内のプレーパーク実施団体が自分たちの活動の様子を具体的に紹介できるよう専用のホームページを作成し、より多くの子どもたちに興味を持ってもらうことのほか、実施団体間の活動に関する情報の共有、ひいては、担い手の増加にも資するようにしてまいりたいというふうに考えているところでございます。今後は、地域により積極的に出向き、プレーパーク実施に関心のある方々への出前講座や、プレーパークの立ち上がり段階における支援のための出張プレーパークなどにより、実施団体の増加を図ってまいりたいと考えているところでございます。 ◆岩崎道郎 委員  続いて、子どもの体験活動の場の利用状況と利用促進について質問させていただきます。  市内の多くの子どもたちが身近でプレーパークを楽しむことができるよう、積極的な普及活動を行っていただけるというご答弁もいただいておりますが、プレーパークを推進していくには、実施団体をふやしていくことはもちろん、活動できる場所の整備も必要であると考えております。先ほど申し上げた世田谷区のプレーパークは、日本初のプレーパークと聞いておりますが、ここは常設のプレーパークでございまして、常設のプレーパークを維持することはとても努力が必要だというふうにも聞いております。  札幌でも、ことし4月に、南区真駒内の旧真駒内緑小学校跡地を活用して、常設プレーパーク、子どもの体験活動の場Coミドリがオープンしました。Coミドリという名前は、小さな子どもたちの「子」と、協同のコオペレーションの「Co」をかけ、それに地域の愛着のある真駒内緑小学校の「緑」とかけ合わせて名前をつけたということで、これは市民の方々からの公募だとも聞いております。  そこで、3点目の質問ですが、オープンから半年経過したCoミドリの半年間の利用状況と利用促進策についてお伺いいたします。 ◎岡部 子ども育成部長  子どもの体験活動の場の利用状況と利用促進策についてでございます。  子どもの体験活動の場Coミドリは、札幌市が施設の整備を行い、運営は公募プロポーザルにより決定した地元のNPO法人が行っております。Coミドリの開館日は、原則として金曜日から日曜日及び祝日となっており、子どもたちは、好きな時間に来て、自由に泥んこ遊びや基地づくり、冬にはそり遊び、こういったことを楽しむことができるものでございます。  Coミドリの利用状況といたしましては、4月から9月までの利用者は、子どもが約2,900名、大人が約1,000名の合計3,900名でございまして、1日平均にいたしますと44名となっております。  利用促進のための取り組みといたしましては、地元の町内会の回覧板での周知や近隣の小学校を通じてのチラシ配布のほか、広報さっぽろ全市版での周知などを行っているところでございます。 ◆岩崎道郎 委員  今、来場者数、利用されている方々の数を聞いて、正直、若干少ないなという感想を持ちました。  私も南区が地元でございますので、Coミドリにはよく参加をさせていただくこともありますし、前を通ることもありますが、場所は非常にすばらしいものだと思います。子どもたちがここで元気に遊んでいる姿を見た瞬間に非常にいいなと思うのですが、なかなかその姿に出会えないという現実もありますので、今後ますます利用促進を進めていただきたいなというふうにも思うところであります。  次に、子どもの意見を反映させて、さらに多世代が交流できる、そういった取り組みについて質問させていただきます。  子どもの体験活動の場については、以前、我が会派の三宅議員から、平成25年第1回予算特別委員会において質問させていただいております。その際、三宅議員からは、子どもの意見を反映させた事業内容にすること、そして、子どもだけではなく、多世代が交流できる場としてほしいと要望させていただいたところであります。子どもたちが主となる活動というのは、本当に、子どもたちの育みにとって、私も非常に重要だと考えております。  そこで、最後の質問ですが、今申し上げたように、子どもの意見を反映させた事業内容にすること、子どもだけではなく、他世代が交流できる場としてほしいという2点について、どのように事業に反映されているか、お伺いいたします。 ◎岡部 子ども育成部長  子どもの意見の反映と多世代交流の取り組みということでございます。  子どもの意見を反映させた取り組みといたしまして、毎月1回、子ども会議を開催し、子どもたちみずからがCoミドリで実施したいというふうに思う事業について検討しているところでございます。その中では、運動会とか文化祭などの企画提案がありまして、その結果、この夏休みには子どもたちによる演奏会、コンサートが実現し、この週末にはハロウィンの仮装大会が行われることになっているところでございます。  多世代交流の取り組みといたしましては、常設のコミュニティカフェ、カフェまこまると言いますが、これを整備し、そこでは、地域のさまざまな世代の方々と子どもたちの交流が生まれているほか、そうした方々を講師とする昔遊びや創作料理、キャンドルづくりなどの講座であるとか、地元の農家の方々の協力をいただきまして、地域の幅広い世代の方々が参加し、敷地内に野菜や果物を植え、収穫する体験活動も実施したところでございます。 ◆岩崎道郎 委員  最後に、少し要望を述べて終わらせていただきますが、我が会派の要望が反映されたことに関しては大きく評価させていただきたいと思います。  そして、常設で子どもが体験活動のできる場であるプレーパークは、今、真駒内にしかありません。全市的にこういった取り組みを広げていただきたいなと思いますが、やはり、常設のプレーパークには地域全体で子どもたちを見守っていく環境があるのではないかと思います。そして、子どもたちが地域の中でしっかり見守られていること自体、休憩前にもたくさんの方が虐待について質問されましたが、そうした虐待を未然に防ぐ力があると思います。こうしたことは、私もこれまでの活動から十分に認識しておりますので、それぞれの子どもや保護者が顔を見合わせる環境をつくるためにも、こういったプレーパーク、子どもの遊ぶ場所の確保にしっかりと取り組んでいただきたいと思います。さらに、こうした遊ぶ場が見つかることによって、子どもたちが自分たちで秩序をつくっていくことにつながりますし、その中で社会性が育まれていくことでいじめの問題とかひきこもりの問題にもしっかりと力を発揮できる、そういったものにも資するのではないかと考えております。  そして、今回の本会議でも、多くの会派から子どもの貧困問題が取り上げられておりました。子どもの貧困の問題も、中にこもってしまうことによってなかなか現実が見えないといった部分もございますので、子どもたちが外に出てくる環境で子どもたちの状態をしっかり確認できる場所づくりをすることによって、子どもたちの健全な育成に資することになると思います。ぜひとも、これから力を込めてこの事業を推進していただきたいということを私から要望しまして、質問を終わらせていただきます。 ◆丸山秀樹 委員  私からは、児童相談支援体制の充実についてと、ひとり親家庭の就業支援について、この2点について質問させていただきます。  児童相談所につきましては、命を守り、育むという観点からも非常に大切な機関でございます。最初に、さきの代表質問でも取り上げさせていただきました児童相談所につきまして、支援体制の充実強化という観点から質問させていただきます。  先日、全国の児童相談所が平成26年度に対応した児童虐待件数は、前年度比20.5%増の8万8,931件と、過去最多となったことが公表されました。主な増加要因は、心理的虐待に兄弟に対する虐待行為が追加されたことや、家庭における配偶者に対する暴力、いわゆる面前DV事案についての警察からの通告増によるというところであります。  札幌市におきましても、平成26年度の児童虐待件数が1,159件と過去最多となりましたが、児童相談所に相談や通告があって虐待として認定されるということですから、地域には、まだそこまでに至らない適切な環境に置かれていない子どもたちも埋もれているのではないかと危惧しているところであります。各区には、虐待や非行など要保護児童等の早期発見や適切な保護を図るため、区や保健センター、学校、保育園、医療機関、民生委員等の子どもにかかわる関係機関が情報交換や支援内容の協議を行うネットワークとして、児童福祉法に基づく要保護児童対策地域協議会が設置されておりますが、要保護児童等の増加に伴い、その役割や重要性が再認識されているところであります。  そこで、1点目の質問ですが、各区に設置されている要保護児童対策地域協議会は、どのぐらいの頻度で開催され、積極的な情報交換や協議がなされているのか、お伺いいたします。 ◎藤田 児童相談所長  要保護児童対策地域協議会の開催頻度、情報交換や協議の状況等についてというご質問でございます。  各区の要保護児童対策地域協議会は、区の健康・子ども課の家庭児童相談室が事務局を担いまして、児童虐待等のケース全般につきまして、関係機関による定期的な状況確認とか援助方針の見直し等を行う実務者会議を年3回実施しているところでございます。実務者会議での取り扱い件数は、全区合わせまして、平成24年度は356件でございましたが、25年度は400件、26年度は527件と大きく増加しております。また、個別の要保護児童等で特に支援を要する場合は、個別ケース検討会議を随時開催しておりまして、平成24年度は139回でございましたが、25年度は204回、26年度は214回と増加しており、今後も積極的な活用を図っていくこととしているところでございます。  さらに、今年度から、協議会で取り扱うケースにつきまして、児童相談所と区の家庭児童相談室の間で、システム上で情報を共有化し、要保護児童等の世帯状況について共通認識を持つなど、効率的な進行管理を実施しているところでございます。 ◆丸山秀樹 委員  年々、件数が増加してきているというお話でございました。  要保護児童対策地域協議会の活動について答弁いただきましたが、児童虐待の増加や事案の複雑化に適切に対応していくためにも、日ごろから、地域や学校などの関係機関が子どもの様子や生活状況のちょっとした変化を見逃さない、見守りの目をきめ細やかにし、機会を逃さずに児童相談所や区の家庭児童相談室につなげていくことが重要であると考えます。そのためにも、協議会は、活発な情報交換や速やかな協議が行われ、関係機関が効果的に連携協力することのできるネットワークを形成していくことが重要と考えます。  そこで、2点目の質問ですが、要保護児童対策地域協議会について、機能強化を図っていくべきという点もあろうかと思いますけれども、どのような取り組みを考えているのか、お伺いします。 ◎藤田 児童相談所長  要保護児童対策地域協議会の機能強化についてでございます。  札幌市の要保護児童対策地域協議会では、これまで、虐待のケースを中心に取り扱い、進行管理をしてまいりました。しかし、児童福祉法では、虐待を受けた児童に限らず、非行児童、それから、一般的にハイリスクと言われている特定妊婦等も含まれるとされているところでございます。ことし3月に協議会の設置要綱を改正いたしまして、要保護児童等の定義を拡大したところでございます。  今後は、協議会で実際に取り扱うケースを順次拡大していき、児童虐待が起こらないよう、養育に不安を抱える家庭への積極的な支援を行うなど、児童虐待の未然防止や早期発見の機能強化を図ってまいりたいと考えているところでございます。 ◆丸山秀樹 委員  今までよりも、協議会の中の設置要綱を改定し、そして、その中で、非行児童や、さらには特定妊婦等についてもしっかりと位置づけて取り組みを強化しているというお話でございました。  次に、児童相談所の課題について伺わせていただきます。  児童相談所が受ける相談内容は、児童虐待だけではなく、保護者の事情による養護相談、障がいなどの発達相談、育児やしつけに関する相談など多種多様であります。ついては、児童相談所の内部においても、児童の福祉、心理、保育等にかかわる職員配置のほかに、さまざまな相談に対応するために、より幅広い専門的な体制整備が必要であると考えます。本市は、今までも、さまざまな専門知識を持つ職員の協同が必要であるという観点から、幅広い職種を登用し、現在まで、児童相談所に保健師、教員、そして警察官を順次配置してきております。  そこで、3点目の質問となりますが、現在、児童相談所に配置されている専門職員の役割とその効果についてお伺いいたします。 ◎藤田 児童相談所長  児童相談所に配置されております専門職員の役割と効果についてというご質問でございます。  まず、保健師でございますが、4名おります。そのうち、2名は児童虐待初期対応の担当といたしまして、2名は児童福祉司と同様の職務に従事しております。また、教員と警察職員がそれぞれ1名おりまして、児童虐待初期対応の担当として配置しているところでございます。保健師につきましては、通常業務に加えまして、性的な逸脱行動のございます一時保護児童に対する性教育プログラムを実施するなど、保健師としての知識、経験を活用させていただいておりますほか、保健医療の専門家として、医療機関との連携の窓口を担っていただいております。教員につきましては、学齢児の日常の生活状況を最も把握できます学校との連絡窓口となるとともに、学校教員に対して児童虐待や児童相談所の業務について理解を深めてもらうために、研修の実施なども担っていただいております。警察職員につきましては、虐待の初期調査におきまして、警察官の身分をあわせ持つ職員が同行するということで、ほかの職員が安心した調査を行えるようになりましたし、また、警察等の連携窓口を担ってもらうことで、警察への援助要請の円滑化や事件対応の迅速化が図られているところでございます。  さらに、それぞれの専門職員が、所属しておりました保健センター、学校、警察等の機関の業務の進め方、考え方等を日常業務の中で職員に伝えることによりまして、そのノウハウを職員が学ぶことが可能となったほか、関係機関との連携の前提となる相互理解を深めることができているというふうに考えているところでございます。 ◆丸山秀樹 委員  ただいま、保健師、教員、そして警察官といった専門職が入ることによって、ノウハウを学び、そして相互理解もしっかり深めていくというお話をいただきました。  次に、いまだ不足している医学的な診断を行う医師職の問題について移りたいと思います。  厚生労働省の児童相談所運営指針によりますと、児童虐待、発達障がい、非行など心身の発達に課題のある子どもたちの医学的な判断から、子どもと保護者に対する心の治療に至る連続的なかかわりの必要から、児童精神科等の医師が必要とされているところであります。現在、札幌市の児童相談所では、嘱託医が交代で医学的診断を行っておりますが、その体制で児童虐待などの緊急対応や連続的なかかわりが十分にできているかは大変疑問があります。札幌市におきましては、医師職の確保が困難である状況については十分承知しているところでございますけれども、札幌市の児童相談所の相談件数からしても、どうしても常勤医師の配置が必要であると思われます。  そこで、質問いたしますが、児童相談所の的確な判断や効果的な援助を行うための常勤医師の必要性について、どのように考えているのか、お伺いいたします。 ◎藤田 児童相談所長  医師の必要性についてということでございます。  児童相談所運営指針では、児童相談所に精神科等の医師を置くことを標準としておりまして、ほかの政令指定都市で人口規模の大きな都市では常勤医師を配置している状況にございます。  委員のおっしゃられますとおり、現在、発達相談に関する医学的診断とか虐待ケースへの初期対応など、必要最低限の業務は嘱託医によって実施しておりますが、常勤医師がいることによりまして、虐待ケースのより適切な医学的判断の実施、あるいは、家族再統合への円滑的な取り組みなどができるものと考えているところでございます。  児童相談所といたしましては、札幌市の人口規模からも、医師職の体制、充実の必要性は高いと考えておりまして、関係部局と協議していきたいと考えているところでございます。また、現在、パブリックコメントを行っておりますアクションプラン2015では、児童相談体制の強化といたしまして、医師職の配置など、児童相談所の職員体制のあり方についても検討することとしているところでございます。 ◆丸山秀樹 委員  医師の問題に関しては、相談をしてもなかなか受けることができない、受けようとしても、中には1カ月半ほど待ってくださいと、そうした状況であることも聞いております。非常勤の嘱託医がやっている時間は48時間と聞いていますが、相談してもすぐ対応することができなくて、常勤医師が1人いれば4倍の働きができるということも聞いております。そう考えると、そうしたニーズにしっかり応えるためには、常勤医師はどうしても必要ではないかと思うところであります。  児童相談所がさまざまな事案に適切かつ迅速により踏み込んだ対応をしていくためには、児童相談所の人員体制の強化と専門性の確保、とりわけ常勤医師の確保は喫緊の課題と考えます。また、児童虐待の早期発見や防止は、当然、児童相談所だけの対応でできるものではございません。子どもに関する機関と地域住民が一体となって取り組んでいく必要もございます。そのためにも、現状と課題を把握し、第2児童相談所の設置も含め、札幌市の児童相談体制のあり方について、しっかりと検討していただくよう要望し、次の質問に移ります。  次に、ひとり親家庭の就業支援について質問いたします。  札幌市の最近の経済状況は、市の経済局が公表している札幌経済の動きによりますと、一部に弱い動きが見られるものの、緩やかに持ち直しているとされておりますが、ひとり親家庭の親を取り巻く雇用環境はまだまだ厳しい状況があります。ひとり親家庭の親は、一人で子育てをしながら働かなければならず、就職に当たっては、労働条件での制約を受け、自分の生活実態に合った仕事にはなかなかつけない状況にあります。  札幌市が平成24年度に行ったひとり親家庭の生活と意識に関する調査によりますと、札幌市のひとり親家庭の就業率は、8割を超えているものの、収入が少なく、雇用や身分が不安定、休みをとりにくいといった仕事上の悩みを持つひとり親が多く、転職を希望する者も多くいると聞いております。  そのような中、札幌市では、ひとり親家庭への支援を総合的、計画的に進めるために、平成25年度、2013年度に第3次となる札幌市ひとり親家庭等自立促進計画を策定しています。この計画の基本目標には、その一つに就業支援の充実が掲げられ、ひとり親家庭が十分な収入を得られ、自立した生活を送るため、就業能力の向上のための訓練や効果的な職業のあっせん、就業機会の創出などの支援を充実させていくとしており、具体的な施策として、ひとり親家庭の就業相談、職業紹介、そして就業支援講習会などを実施するひとり親家庭等就業支援センターの設置や、資格取得を支援する給付金事業など、さまざまな施策を掲げているところであります。  そこで、質問ですが、今触れましたひとり親家庭等就業支援センターは、開設以来、12年を経過しておりますが、ひとり親家庭の就業支援に対し、これまでどのような成果を上げてきたのか、お伺いいたします。 ◎川原 子育て支援部長  ひとり親家庭等就業支援センターのこれまでの成果についてお答えをいたします。  ひとり親家庭等就業支援センターは、年末年始を除いて毎日開館し、ひとり親家庭等の就業相談に応じるとともに、求人情報の提供や技能習得のための各種講習会を実施しております。職業相談に応じる相談員には、人事労務関係の業務に長く携わっている者を雇用し、求人情報については、ハローワークとも連携して就業経験などに応じて幅広く選択ができる内容とするとともに、年間を通じて医療事務や介護事務などの13種類の講座を常時開催し、その時々のニーズを反映しながらきめ細やかな支援に努めてきたところであります。  その結果、平成26年度の実績では、相談件数が7,165件、就業人数が206人となっており、また、平成15年10月の開設以降、ことしの9月末までの延べでは、就業相談の件数は8万971件に達し、就業支援センターを利用して就業に至った方も3,236人に及んでおります。このように、ひとり親家庭等就業支援センターは、札幌市におけるひとり親家庭の就業支援の中心的な役割を担っており、これまで一定の成果を上げてきていると認識しているところでございます。 ◆丸山秀樹 委員  ひとり親家庭等就業支援センターでは、ハローワークなどとも連携しながら就職に当たって必要となる知識、技能の習得を支援するなど、これまでにも一定の役割を果たしてきているとのことでございました。特に、相談件数と就業件数の実績は、平成15年10月の開設以来、ことしの9月までに相談が8万971件、就業が3,236人と、平成26年度だけでも年間で7,165件の相談件数、そして就業人数は206人と、200人を超える就業実態に結びつけていることからも、ひとり親家庭等就業支援センターの果たす役割は大変に大きいものと言えます。  もちろん、行政がこういった就業支援のための拠点を設けてひとり親家庭の自立の後押しをしていくことは大切なことであり、極めて重要な施策であると考えます。しかし、その一方で、ひとり親家庭の親が自分に合った就職先を見つけていくには、多くの企業が、ひとり親家庭の生活実態に目を向け、理解を深め、その上で雇用するという環境づくりを進めていくことも必要であります。  ひとり親家庭等自立促進計画が策定されているさなか、平成25年第3回定例市議会決算特別委員会におきまして、私から、ひとり親家庭とひとり親家庭に理解のある企業を結びつける支援の必要があるということを指摘させていただき、北九州で行われている合同就職説明会の例を紹介させていただきました。その後、ひとり親家庭の就業に理解のある企業を開拓し、合同就職説明会を行うひとり親家庭就業機会創出事業が自立促進計画の新規事業として盛り込まれ、ことしの3月に札幌市で初めて合同就職説明会が開催されております。  そこで、2点目の質問ですが、ひとり親家庭を対象とした合同就職説明会はどのような内容で実施されたのか、また、その成果はどうであったのか、お伺いいたします。 ◎川原 子育て支援部長  ひとり親家庭向けの合同就職説明会の内容と成果についてお答えいたします。  この説明会は、ことし3月7日の土曜日に札幌駅に近接する商業ビルで開催いたしまして、趣旨に賛同いただいた民間企業により、予定を超える24社の面談ブース等を設けさせていただきました。また、弁護士やキャリアコンサルタントなどが対応する各種相談コーナーを設けるとともに、子ども連れでも安心して面談できるよう、託児スペースの設置や子どもが楽しめるイベントなども行いました。その結果、当日の参加者は229名となり、そのうち20名が実際に正規雇用に結びついたところであります。
     なお、当日実施したアンケートでは、参加者からは、ひとり親であることを前提として仕事探しができてよかったといった声や、参加企業からは、意欲的な方が多く、その熱意に感激したといった声をいただき、ひとり親家庭の就業支援策として有効な取り組みであったと認識しているところでございます。 ◆丸山秀樹 委員  初めての開催ではありましたが、多くのひとり親が参加し、参加者や、また出展企業からも、今いただいたような評価の声が寄せられたということであり、一定の成果を上げられたものとして我が会派としても評価させていただくところであります。  モデルとなりました北九州の参加者は、データを見てみますと、毎年大体60名ぐらいですので、229人もの来場者がいたことは、大変理解のある24社の企業のおかげでもあり、20人の就業に結びつけられたことは大変喜ばしいことだと思います。あわせて、来場者には、ひとり親家庭等就業支援センターとの日常的なつながりの一歩になったのではないかということも成果の一つであろうと思います。今年度も実施する予定と聞いておりますが、ひとり親家庭に理解のある企業を開拓し、少しでもふやしていくことは、ひとり親家庭の親の雇用環境の改善につながっていくものであります。  昨年の案内のチラシを見せていただきましたが、非常によいデザインで、当日は日常的な生活相談や子どもの預かり等もできるなど、安心しておいでいただけるように案内にも工夫がなされておりました。そうした取り組みは、ぜひとも、来年度以降も継続して実施していただきたいとお願いするところであります。  ところで、市長公約では、子どもの貧困対策の強化のために、ひとり親家庭が経済的に自立できるように、就労を促す資格取得に係る経費を助成するとしております。また、現在パブリックコメントが行われておりますアクションプラン2015においては、ひとり親家庭を対象とした各種施策が盛り込まれています。  そこで、最後の質問ですが、この市長公約を踏まえたアクションプラン2015に基づき、札幌市ではひとり親家庭の就業支援について今後どのように充実させていくのか、お伺いいたします。 ◎川原 子育て支援部長  ひとり親家庭の就業支援の今後の取り組みについてお答えいたします。  現在、パブリックコメントを行っておりますアクションプラン2015において、ひとり親家庭の就業支援を強化する事業を盛り込んでいるところでございます。一つは、保育士や看護師等の就職に有利な資格取得を支援する高等職業訓練促進給付金事業の対象資格に、新たに自動車整備士、理容師、美容師の3資格を追加するとともに、その支給期間の上限を2年から3年に拡大することとしております。さらには、よりよい条件での就職を促進するため、中卒者を対象として、高等学校卒業程度認定試験の合格を支援する新たな給付金事業を創設することとしております。  こうした取り組みなどを通しまして、今後もひとり親家庭の就業支援の充実に努めてまいりたいと存じます。 ◆丸山秀樹 委員  札幌市母子家庭等自立支援給付金、いわゆる高等職業訓練促進給付金につきましては、平成17年4月からスタートして、平成25年度からは父子家庭にも対象拡大されたところであります。当初は、国の対象資格である看護師や介護福祉士、作業療法士などの5資格でしたけれども、平成23年から、歯科衛生士や臨床工学技士など、札幌市が独自に追加した11資格を合わせて16資格となっております。給付金を受け、養成施設に通った方の平成26年の実績を見せていただきました。そうしますと、養成施設修了者、卒業者は何と131人、資格取得者は114人、その中で就業できた方が95人と、実に資格取得者の83.3%が就職に結びついております。  しかしながら、これらの資格のうちには、先ほど少し出ていましたが、3年の受講期間が必要なものがあります。というか、3年のものが非常に多いのですね。国の高等職業訓練促進給付金の支給期間が2年間ですから、そこで途切れてしまうと、そこから受講するのも非常に大変な状況になります。そうした意味から、支給期間の上限を3年に拡大することはぜひとも実現してもらいたいと思っております。  また、昨今では、父子家庭も大変にふえております。男性の就業に配慮した自動車整備士や美容師、理容師などの対象資格の拡大も歓迎すべきことであります。  さらに、こうした資格を取るための資格受講要件である高等学校卒業程度の学歴への対応も、今まで大変問題となっておりましたが、高卒認定試験合格者に対する受講料の一部補助を事業計画に上げることは、資格取得を目指す上での可能性を広げるものとなります。  ぜひとも、少しでも多くのひとり親家庭が経済的な自立を図り、親も子どもも安心して生活が送れるように支援の充実に取り組んでいただきますことを申し上げて、私の質問を終わります。 ◆平岡大介 委員  私からは、ひきこもり支援策として、この10月から白石のこころのリカバリー総合支援センター内に開設されたひきこもり地域支援センターについて、大きく4点質問させていただきます。  最近の報道では、熊本市がひきこもり支援センターを開設したところ、1年間で1,700件を超える相談があったことや、山梨県で行った調査では、ひきこもり者全体の6割が40歳以上だったという報道もあり、今、ひきこもりは、学生や若者だけではなく、社会全体の大きな問題となっております。  そこで、1点目の質問ですが、相談に来るのは、ひきこもり者本人からではなく、母親や父親、兄弟など引きこもっている人の家族がほとんどではないでしょうか。ひきこもり者本人の支援はもちろんのこと、家族へのケアも大切だと思いますがいかがか、伺います。 ◎岡部 子ども育成部長  ひきこもり者の家族などへのケア、支援についてでございます。  ひきこもり支援では、委員のご指摘のとおり、最初にご家族との相談から始まることが多いことから、そこでは、まず相談に来所されたこと、それまでの家族のご苦労をねぎらいながら、しっかりと話を聞くことが重要というふうに考えているところでございます。また、ひきこもり者のご家族は、どこにも相談できず、長年、悩みを抱え込んだり、諦めや複雑な思いを抱えていることが多いというふうに考えております。したがって、ひきこもり者への支援はもとより、精神的にも疲れ、混乱した状況にあるご家族のことを十分理解し、受けとめる支援もあわせて行っていく必要があると考えており、そうした対応に努めているところでございます。 ◆平岡大介 委員  ご答弁にもありましたとおり、本当に家族の方が悩んで思い詰めていることがありますので、ぜひ、そのケアもしっかりと行っていただきたいと思います。  2011年に行ったひきこもりに関する実態調査では、本市の15歳から39歳までの若者の1.60%の約9,500人がひきこもりだと推計されていますが、開設されたひきこもり地域支援センターでは、相談に対応する職員、いわゆるひきこもり支援コーディネーターは2人しか配置されておりません。私の所属する文教委員会では、ことし、神戸のひきこもり地域支援センターの視察を行ってまいりました。ひきこもりの推計人数7,715人の神戸では、昨年740件の相談があり、職員が3人しかおらず、人手が足りないのだというお話もございました。こういったことから、本市の職員が2人という状態では、人手が足りない、きめ細やかな対応ができないという問題が出てくるのではないかと思います。  先ほど、児童相談所の人員体制についての質疑もございましたが、このひきこもりセンターについて職員の増員などを考えていないのか、伺います。  あわせて、相談に行ったけれども、話を聞いてくれるだけで具体的な社会復帰につながらなかったという話を聞いております。問題解決のために具体的にどのように対応していくのか、あわせて、2点伺います。 ◎岡部 子ども育成部長  職員の増員について、それから、解決に導くための対応の2点でございます。  まず、職員の増員についてでございます。  札幌市ひきこもり地域支援センターは、当該センターを運営する法人の精神科デイケア施設内に開設されており、ひきこもり支援コーディネーター2名のほか、専門知識を有する当該デイケア施設職員とも連携して対応できる体制を整えているところでございます。また、ひきこもり者の状況に応じて速やかに適切な支援機関につなぐなど、既存の地域資源を活用しながら現行の体制で対応したいと考えているところでございます。  次に、解決に導くための対応についてでございます。  ひきこもりは、長期間にわたることも少なくなく、一度、社会的に自立しても、再び引きこもってしまう場合もあるため、諦めずに粘り強く支援を継続していく必要があると考えております。また、一つのケースに複数の課題を有する複雑かつ困難なケースも多数存在することから、状況に応じた多様な支援の手法が必要でございます。  札幌市では、教育、保健福祉、医療、雇用等の関係機関で構成されるさっぽろ子ども・若者支援地域協議会を設置していることから、今後とも、このネットワークをより活用しながら、さまざまな課題の解決に向けて取り組んでまいりたいと考えているところでございます。 ◆平岡大介 委員  ご答弁の中で、粘り強くやっていくことが必要だということでした。つまり、1件の相談には長く時間がかかるということです。そういった中で人が足りないという状況になりましたら、ぜひ、人員の増員についても考えていただきたいと思います。また、問題解決のため、病気が原因の方には医療や福祉施設の紹介、また、仕事に原因がある方には就労支援につなげるなど、本人と関係機関をつなげることが重要になってきます。また、ひきこもりの原因というのはさまざまですが、その根本原因を突きとめることで行政の課題が見えてくると思います。  そこで、相談の内容などの情報データの蓄積と分析、また、事例検証などが大切だと思いますが、今後、どのようにデータの蓄積、分析を行っていくのか、その点を伺います。 ◎岡部 子ども育成部長  ひきこもりに関するデータの蓄積についてでございます。  札幌市ひきこもり地域支援センターを運営する法人は、平成21年度から、北海道ひきこもり成年相談センターとしてノウハウを蓄積し、北海道のひきこもりの第1次相談窓口としての機能を果たしてきたところでございます。札幌市ひきこもり地域支援センターの運営にはこのノウハウが発揮されているものと認識しており、今後とも、それらを生かしていくとともに、ひきこもり地域支援センターとしてもデータを蓄積しながら、ひきこもり者の支援に取り組んでまいりたいと考えているところでございます。 ◆平岡大介 委員  最後の質問でございますが、今月から開設されて約半月がたち、半月の時点で26人から相談が寄せられていると聞きました。ひきこもり地域支援センターの存在を知らない方はまだまだたくさんいると考えます。今後、センターの周知をどのように行っていくのか、伺います。 ◎岡部 子ども育成部長  ひきこもり地域支援センターの周知についてでございます。  札幌市ひきこもり地域支援センターの周知につきましては、今後とも、札幌市のホームページによる情報発信を行うとともに、広報さっぽろへのお知らせの掲載や関係機関へのリーフレットの配付を予定しているところでございます。また、さっぽろ子ども・若者支援地域協議会など支援機関が集まる場におきまして、随時、情報提供していくなど、さまざまな機会を捉えて積極的な周知を行ってまいりたいと考えております。 ◆平岡大介 委員  各区役所や区民センターにポスターやリーフレットを設置したり、また、学校などの教育機関に呼びかけを行うことも有効だと思いますので、ぜひ検討して、さらなる周知を進めていただきたいと思います。  秋田県の藤里町では、地域で引きこもっている人たちのニーズを把握するために、直接、訪問調査を行い、ひきこもり者が老人クラブやサークルなど人が集まるところでお茶を出すなど、余り負担がかからない環境をつくって少しずつコミュニケーションがとれるような支援を行っています。こういった先進的な事例もございますので、本市も、札幌市らしい支援のあり方を検討し、進めていただきたいと思います。  ひきこもりは、生活の支援や心のケアなどさまざまな角度からの支援が求められることから、行政の縦割りでたらい回しにされることがないように、個々の相談に丁寧にかかわっていただきたいと申し上げて、質問を終わります。 ◆村山拓司 委員  私から、認可保育所の補助金における減額措置について質問させていただきます。  平成27年4月に、幼児期における学校教育や保育、地域子育て支援の拡大と質の向上を進めていく子ども・子育て支援新制度が施行され、幼児教育、保育を取り巻く環境は大きな変化がございました。また、施設の運営に要する費用として、国が定めた公定価格による認可保育所認定こども園、幼稚園などに対する共通の給付制度が創設されております。この給付は、認可保育所に対しては委託費として支給されておりますが、札幌市では、これに上乗せする形で、児童や保育士の処遇改善を図るためのさまざまな補助金を交付しております。そして、新制度による委託費の内訳には、これまで補助金として交付されていた項目が組み込まれていたものもあると聞いております。  そこで、質問ですが、まず初めに、現在の補助金はどのような内容となっているのか、また、新制度が施行されたことによる変更点などの影響についてお伺いいたします。 ◎野島 子育て支援制度担当部長  2点の質問でございますが、1点目の認可保育所への補助金の内容についてでございます。  札幌市の保育所制度の充実強化と適正化を目的といたしまして、予備保育士や調理員パート雇用費、食物アレルギー児や障がい児保育、延長保育などに要する経費の一部を補助しているところでございます。  2点目の子ども・子育て支援新制度による補助制度の影響についてでございます。  これまで補助事業として実施してまいりましたもののうち、原則的な保育時間の8時間を超えて11時間開所している保育所に対する保育士の人件費、保育士の処遇改善に要する経費など、認可保育所に対する委託費の基礎となる国が定めた公定価格の中に組み込まれたものにつきましては、目的が重複することから補助を廃止したところでございます。 ◆村山拓司 委員  それぞれの補助金は、保育士の確保や食物アレルギー、障がい児保育への対応など保育の質の向上につながるものであり、今後も継続していく必要があると考えますが、補助金の中には、認可保育所の翌年度への累積繰越金が一定の割合を超えた場合に減額措置がとられているものがあると聞いております。また、近年、建築資材の高騰や人材不足などで、建物の建てかえや一部改修などの費用が数年前と比べると急激に高くなっている状況がある中で、保育団体からは、安定的な運営や施設の老朽化による建てかえ費用を確保するために、減額率の見直しや廃止が求められているとも聞いております。  そこで、質問ですが、札幌市における減額措置の目的と内容についてお伺いいたします。 ◎野島 子育て支援制度担当部長  減額措置の目的と内容についてでございますが、札幌市では、翌年度に繰り越す運営資金、人件費積立金等による累積繰越金が運営に係る収入に対して一定の割合を超えた場合に、予備保育士や調理員パート雇用費などの補助金の一部を減額する措置を平成4年度から実施しております。これは、補助金が本来の用途に適正に使用されることを促すことを目的として実施しているところでございます。また、平成20年度からは、食物アレルギー児の増大等に対応する新たな補助事業の創設によりまして、予備保育士や調理員パート雇用費などの補助基準額総体の15%相当額をそれに必要な財源として充てることとし、累積繰越金率に応じた減額率を定め、現在に至っているところでございます。  なお、施設の新築から一定の年数が経過し、老朽化による大規模改築が想定される施設などは、減額措置を適用しないといった配慮をしているところでございます。 ◆村山拓司 委員  減額措置の目的と内容については理解しました。食物アレルギー児への対応のように、子どもたちの命に直接かかわるようなことに対する財政的支援は、これからもしっかりと行っていただきたいと考えます。  しかし、老朽化施設に対する一定の配慮をしているとはいえ、減額措置を導入した平成4年度から20年以上が経過し、待機児童解消のための施設整備による認可保育所の大幅な増加、子ども・子育て支援新制度の施行など、認可保育所を取り巻く環境には大きな変化が生じております。  そこで、質問ですが、この減額措置に係る今後の対応についてどのようにお考えなのか、お伺いします。 ◎野島 子育て支援制度担当部長  減額措置の今後の対応についてでございますが、当該措置は、累積繰越金の増加を抑制し、補助制度の適正化が図られることから、今後も継続する必要があると認識しております。  しかしながら、新制度の本格施行という大きな制度改革であり、公定価格の中にこれまでにない加算項目が追加されることなどを考慮し、関係団体からの要望も踏まえまして補助制度のあり方について考えてまいりたいと思っております。 ◆村山拓司 委員  減額措置の見直しや廃止に向け、ぜひ、前向きに検討していただきたいと思います。  地域を回っておりますと、子育て真っ最中のお母様方より、保育所におけるさまざまな悩みをお聞きします。特に多いのは、保育料の減額についてです。今回の減額措置が見直されることにより、子育て世代の皆様にとって直接的に保育料の減額という形で還元されるわけではありませんが、保育士の処遇改善や子どもたちへの保育の質の向上といったことへつながっていくものと考えます。  私から、減額措置の見直しについて今後も確認していくことをお伝えし、質問を終わります。 ◆好井七海 委員  私からは、フリースクール支援について、3点お伺いいたします。  1点目に、これまでの実績とその認識についてお聞きいたします。  札幌市では、平成24年度に、政令市として初めてフリースクールなど民間施設に対する補助制度を創設したとお聞きしました。また、秋元市長も、選挙公約に、フリースクールの活動を支援し、学校以外の学習支援、体験活動を充実させますと掲げ、さきの第2回定例市議会にフリースクール支援のための補正予算を提出され、可決したところであります。  また、先月、9月16日に文部科学省が発表しました平成26年度児童生徒の問題行動等生徒指導上の諸問題に関する調査の結果では、全国における不登校児童生徒数12万2,902名、出現率1.21%と、平成24年度以降、不登校児童生徒数、出現率はともに増加を続けており、北海道を初め、札幌市においても厳しい状況にあることは想像に難しくありません。もちろん、各学校や教育委員会においても、積極的に不登校対策に取り組まれていることと思いますが、それでもなお、さまざまな理由から、学校や先生、生徒になじめず、不登校になってしまう子どもたちも少なからずいるのが現状です。  このような不登校の子どもたちを受け入れているフリースクールは、学校以外の学びの場、居場所として、その存在意義は大きいと考えます。フリースクールの収入は、寄附金や保護者から徴収する利用料のみで、経営が苦しいケースが多いと聞いております。そういった中、札幌市が他都市に先駆けてフリースクールへの支援に取り組んでいることは、一定の評価に値するものと考えているところであります。  そこでまず、1点目の質問ですが、これまでのフリースクール支援の実績はどのようになっているのか、そして、そのことについてどのように受けとめているのか、お伺いいたします。 ◎岡部 子ども育成部長  フリースクール支援におけるこれまでの実績と、その受けとめについてでございます。  補助制度創設時の平成24年度は、4団体に対して合計512万4,000円の助成で、25年度は、6団体に対して合計728万1,000円、平成26年度には、同じく6団体に対して合計910万円と、助成額は年々増加しているところでございます。この補助制度の利用により、職員の増員を初め、フリースクールに通う子どもたちの学習環境が充実し、進学者数や学校復帰者数の増が図られるなど、フリースクールへの支援は一定の効果を上げてきたものと考えているところでございます。 ◆好井七海 委員  ある程度の効果が出ていると思いますが、次に、フリースクールと関係機関との連携についてお伺いいたします。  さきの文部科学省の調査結果では、不登校になったきっかけと考えられる状況として、不安など情緒的混乱が29.8%、約30%と一番高い数値を示しているほか、文部科学省がことしの1月に設置したフリースクール等に関する検討会議の議事要旨の中にも、発達障がいのある子がフリースクールにふえてきたといった記録もあります。そのような状況の中、フリースクールが子どもたちの状況に応じたきめ細やかな対応をしていくために、在籍する学校はもちろんのこと、保健福祉や医療分野などさまざまな関係機関と連携が図られる体制が望まれるところであります。  そこで、2点目の質問ですが、フリースクールと関係機関との連携について、札幌市として、これまでどのように取り組んできたのか、また、これまでの取り組みを踏まえ、今後どのように進めていくつもりなのか、お伺いいたします。 ◎岡部 子ども育成部長  フリースクールと関係機関との連携についてでございます。  札幌市では、教育、保健福祉の分野を初め、NPO法人北海道フリースクール等ネットワークを含めたさっぽろ子ども・若者支援地域協議会を設置し、その構成メンバーである各フリースクールがさまざまな支援機関と連携できる体制を整えてきたところでございます。この協議会におきましては、構成メンバーにかかわらず、全てのフリースクールを含めて困難な個別ケースなどにかかわる臨時協議も可能であることから、今後、協議会のより積極的な活用を促すことにより、支援機関と一層の連携を図ることができるよう取り組んでまいりたいと考えております。 ◆好井七海 委員  ぜひともフリースクールがさまざまな関係機関と連携を図ることができるよう、札幌市としてさらに支援をお願いしたいと思っております。  最後の質問になりますが、今後のフリースクールに対する支援策の拡充についてです。  不登校児童生徒数の全国的な増加により、国においても、平成26年7月3日の教育再生実行会議における第5次提言では、国は、小学校及び中学校における不登校児童生徒が学んでいるフリースクールや国際化に対応した教育を行うインターナショナルスクールなど、学校外の教育機関の現状を踏まえ、その位置づけについて就学義務や公費負担のあり方を含めて検討すると言われております。このことを受けて、文部科学省では、フリースクールへの支援策について検討が進められているほか、国会では、超党派フリースクール等議員連盟により、(仮称)多様な教育機会確保法案の制定に向けた検討が進められているところであります。先ほども述べましたように、札幌市が政令市の中で先駆的に取り組んでいることは評価しておりますが、フリースクール側は財政支援の拡充を要望しております。  そこで、最後の質問ですが、札幌市として、今後の支援策の拡充についてどのように考えているのか、お伺いいたします。 ◎岡部 子ども育成部長  フリースクール支援の今後の支援策の拡充についてでございます。  現在、国におきまして、学校以外の場で学習する子どもの教育機会の確保やフリースクールへの支援策について検討が進められていることは承知しております。財政支援の拡充につきましては、まずはこの動向を注視していく必要があるというふうに考えているところでございます。  札幌市では、これまでも、フリースクールへの財政支援のみならず、フリースクールが行う諸活動への後援やホームページで各団体の情報提供を行うなど、フリースクールの認知度が高まるような支援にも取り組んできており、今後とも、さまざまな機会を捉え、支援の充実に向けて取り組んでまいりたいと考えております。 ◆好井七海 委員  さまざまな支援策をしていただいているという答弁だったと思います。  最後になりますが、文部科学省が初めて全国のフリースクール474施設を調査した結果、回答した319施設に通う小・中学生は4,196人でした。うち、約56%は在籍する学校長の判断によって出席扱いになっているようですので、今後、全ての施設に通う子どもが、各学校と連携した上でできる限り出席扱いになるように願うものです。また、文部科学省は、教育制度上の位置づけと経済的支援のあり方について検討しているようでありますので、札幌市としても、他都市に先駆けて検討していただきたいと思います。  不登校になって最も苦しんでいるのは子どもたちです。その子どもの居場所、学ぶ場を用意するのは大人たちの責任ではないかということを指摘し、私の質問を終わります。 ◆太田秀子 委員  私からは、札苗緑小学校区の児童会館、多世代交流施設の整備について質問いたします。  私は、第2回定例市議会の議案審査特別委員会で、札苗緑小学校区の児童会館、多世代交流施設の整備について質問いたしました。  建設費が予算化されていますので、その後の進捗状況について幾つか質問いたします。  まず、第1の質問は、建設の問題ですが、2定では、2016年に工事、2017年度末ごろにオープンできるのではないかという計画でした。6月の文教委員会で、児童会館の建設を求める会のお母さんたちから、子どもたちが体を使って思い切り遊べる公園が児童会館の近くにあれば安心という声も聞かれておりました。  まず、スタートである建設用地取得はどこまで進んでいるのか、また、建設場所が決まった後のスケジュールをお聞かせください。 ◎岡部 子ども育成部長  札苗緑小学校区の施設の建設用地の検討とその後のスケジュールということでございます。  まず、建設用地につきましては、7月の議案審査特別委員会で答弁申し上げましたとおり、学校の敷地外を前提に、一般的な児童会館の建設が可能となるおおむね1,000平方メートル以上の土地について、札苗緑小学校との位置関係も考慮しながら適地の選定を進めており、最終的な詰めの段階に入っているところでございます。  次に、建設地決定後のスケジュールでございますが、速やかに地質調査や設計に係る手続を進めてまいりたいと考えております。また、地域の方々や保護者の方々に向けまして、施設整備に係るお知らせ文書を発行するとともに、関係の方々からご意見をお伺いしてまいりたいというふうに考えているところでございます。 ◆太田秀子 委員  では、二つ目の質問ですが、今、どのような施設にするか、住民の方にお話を聞いてくださるということでした。  児童会館の主人公である子どもたちや住民、PTAや請願提出者の意見や声をよく聞いてほしいと求めてきましたが、意見聴取の方法はどのように具体化するお考えか、教えてください。 ◎岡部 子ども育成部長  施設整備に当たり、具体的なご意見をお伺いする方法についてでございます。  この施設は、児童会館の機能を有するだけではなく、多世代にわたる交流を行うものでありますことから、地域の方々などにとりまして使い勝手がよく、また、将来を見据えて有益な施設となることが望ましいと考えております。こうしたことから、利用の中心となる子どもたちだけではなく、周辺の地域や保護者の方々のご意見をお伺いする機会を設けなければならないと考えております。具体的には、子どもたちとのワークショップや大人の方々向けの説明会をそれぞれ複数回開催し、いただいたご意見を適宜生かしてまいりたいと考えているところでございます。 ◆太田秀子 委員  子どもたちのワークショップなどは、本当に楽しみにしていると思います。この間、かかわってきた方たちも含めて参加いただけるように、積極的に声かけをしてもらいたいと考えています。  三つ目の質問ですが、児童会館、多世代交流施設が建設されるまでの間の札苗緑小学校区の放課後の児童対策ですけれども、2定で放課後子ども館を開設すると答弁がありました。この放課後子ども館は、学校内で固定した教室を使うのではなくて、毎日空き教室を移動するというものですから心配しておりますけれども、その後、具体的な場所や人員配置、スケジュールはどうなっていますか、教えてください。 ◎岡部 子ども育成部長  札苗緑小学校内に開設する放課後子ども館のスケジュールなどについてでございます。  多世代交流施設の完成には一定の時間が必要となりますことから、放課後児童の暫定的な居場所として、札苗緑小学校内に放課後子ども館を開設するべく学校側と協議を進めてきたところでございます。その結果、校舎の教室をお貸しいただく見通しがついたことから、来る11月4日から放課後子ども館を開設させていただくことといたしました。放課後子ども館の運営に当たりましては、他の放課後子ども館同様、さっぽろ青少年女性活動協会に委託することとし、まずは2名の職員を配置することとしております。既に学校を通じて放課後子ども館の案内チラシを配付しているところであり、一人でも多くのお子さんにご利用していただきたいと考えているところでございます。 ◆太田秀子 委員  教室を貸してもらえることになったというお話でしたが、固定したところが使えるのでしょうか。やはり、予定どおり、転々と空き教室を利用していくのでしょうか、お答えください。 ◎岡部 子ども育成部長  教室の部分については、今の段階では3階の視聴覚室を想定しているということでございます。学校のいろいろな行事などによって変わる可能性はあると思いますが、今の段階では3階の視聴覚室となっております。 ◆太田秀子 委員  安心しました。順調に進んでいるということで、うれしく思います。
     この地域は、本市の東雁来第2土地区画整理事業によってウェルピアひかりのに市営住宅東雁来団地という子育て世帯向けの住居があり、今後、さらに児童数がふえていくと予想されます。本市教育委員会の学校別推計では、札苗緑小学校の児童数は、ことし4月の771名が5年後の2020年には993名に、札苗北小学校の児童数は、ことし4月の833名が2020年には1,240人になる見込みです。あわせて、子どもたちはこの二つの小学校から札苗北中学校に進学しますので、札苗北中学校も既にマンモス化しています。今後、長いスパンで児童がふえ続ける見込みがありますので、学校の建設や増築も今後の課題ではないでしょうか。  まちづくりの観点から長い視点で見ますと、急速に人口がふえたところは急速に衰退するという傾向があります。ウェルピアひかりのの子育て世帯向け市営住宅は120世帯入居できますけれども、子どもが中学校を卒業するまでしか入居していられない団地です。今の入居者が出た後の団地に、あくことがなく子育て世帯が入居しやすいようにするためにも、中学卒業と同時に退去する家族の住居問題があるかと思います。市営住宅を出た後、ウェルピア地域に家を建てて暮らしてもらうということは余り現実的ではなく、子どもが中学を卒業した若い世代が地域を離れてしまうことも十分考えられます。今、このウェルピアに用地があるうちに、子育て世帯向けとはまた違う市営住宅の建設が必要ではないでしょうか。児童会館ができることは、地域にとってもとてもうれしいことです。将来、施設はあるけれども、地域に子どもがいないなどとならないように、将来の見通しを持ったまちづくりを進めるように求めて、私からの質問を終わります。 ◆北村光一郎 委員  私からは、保育所等の施設整備に対する考え方についてと子どもの貧困対策について、この2点について質問させていただきたいと思います。  先ほど、山口委員、また、関連して村山委員等々の話に重なるかもしれませんが、申しわけありませんけれども、お聞きいただきたいと思います。  現在、パブリックコメントを実施している札幌市まちづくり戦略ビジョン・アクションプラン2015では、認定こども園の整備や保育所の新築など、まだまだ保育施設の施設整備が続くものと見受けられます。札幌市は、第3次札幌新まちづくり計画の計画時期である平成23年度から26年度までの4年間で5,000人分以上の定員拡大を図るなど、これまでも急ピッチで保育所整備を進めてきており、その結果として、ことし4月の待機児童を69名まで減少させることができたと聞いております。このような中、平成27年度の当初予算では、認定こども園の整備などで616人分の保育定員を拡大することにしており、また、先ほども山口委員が述べられましたが、第2回定例市議会では390人分の整備をする補正予算を議決したところであります。  しかし、ことし4月の待機児童数が69名ということで、今年度中に1,000人以上の保育定員が拡大されることを考えると、アクションプランの計画期間でさらに整備を進めるというのは、ある意味で供給過剰になるのではないかと疑念を抱くところであります。折しも、保育現場では、これはある園長から聞いたところでありますが、施設が余り始めている、特に4歳児、5歳児の定員枠に余りが出てきているという声も今は聞かれております。これは地域によって違うのでしょうけれども、中央区とか、今おっしゃられた東雁来あたりは混んでいるのかなと思いますが、実はほかの地域では定員割れをしてきているところでございます。待機児童の解消が必要なことは理解しますが、待機児童が1歳と2歳に集中している上に、人口の減少が見込まれる中、今後もどんどん保育所を整備した場合、保育所の定員割れが常態化して経営が厳しくなり、それが原因で保育の質に影響が出てこないか、懸念するところであります。  そこで、最初の質問でありますけれども、人口減少が見込まれることを踏まえると、そろそろ施設をふやし続けるという考えを見直す時期なのではないかと思いますがいかがか、まず、その認識をお聞かせいただきたいと思います。 ◎野島 子育て支援制度担当部長  今後の施設整備のあり方についての認識ということでございます。  ことし4月からの子ども・子育て支援新制度の開始に向けまして、今後5年間の保育サービスに対するニーズ量と、これに対応した保育所等の供給量を定めた子ども・子育て支援事業計画を新・さっぽろ子ども未来プランに盛り込みまして、これに基づいて施設整備を行うこととしております。この計画では、就学前児童数の減少を見据えて新規整備を抑制していくことや、供給量の不足が待機児童の多い3歳未満児のみである場合には、小規模保育事業等の地域型保育事業での供給を優先することなどを盛り込んでおります。  現在、パブリックコメントを行っているアクションプラン2015におきましても、子ども・子育て支援事業計画等を踏まえまして、平成29年度までに集中的に整備を行うことを予定しております。こうした整備によりまして、平成30年4月までには潜在的な保育ニーズも含めた全ての保育ニーズに対応することとしているところでございます。 ◆北村光一郎 委員  今後の施設整備に当たっては、就学前児童数の減少や年齢に配慮した計画に基づいて行われるという回答をいただきました。その部分に関しては理解するところでございます。  そもそも、子どもを保育所に預けたいという保育ニーズは、保護者の就労に伴って発生するものが大部分であることを考えると、施設整備に当たっては、企業の活用という視点を加えることも必要ではないのかなと思っております。具体的には、先ほどの答弁の中にあった地域型保育事業に含まれる事業所内保育事業を推進することが必要であると考えます。4月から、新制度開始に伴い、事業所内保育事業が認可事業となる枠組みができたことによって、これまで認可外の施設として運営されてきたものが、認可事業に移行することが可能になりました。このことにより、運営費の助成が受けられることになり、経営的にも安定することで、事業者も従業員に対する保育サービスへの取り組みを進めやすくなると考えるところであります。実際、市内でも、この4月から5事業が認可事業に移行しているとお聞きしておりますが、認可外で運営されている施設の数を考えると、まだまだ数が少ない状況であると思います。  そこで、質問ですけれども、札幌市は、事業所内保育事業をどのように評価しているのか、また、今後、事業所内保育事業を積極的に支援していくべきと考えますがいかがか、お伺いいたします。 ◎野島 子育て支援制度担当部長  事業所内保育事業の評価と今後の対応についてでございますが、事業所内保育事業は、待機児童の解消はもとより、企業のワーク・ライフ・バランスの取り組みを促進するという観点からも非常に有効なものであると認識しているところでございます。事業所内保育事業を始めたいという企業からのご相談もいただいているところでありまして、今後、こうした個別の要望に対しても丁寧に対応してまいりたいと考えているところでございます。 ◆北村光一郎 委員  事業所内保育事業を実施したい企業については、その実現に向けてしっかりと対応していただきたいと思います。  最後に、冒頭に申し上げたアクションプランに盛り込まれた認定こども園の整備に関し、その認定事務についてお伺いいたします。  アクションプランでは、幼稚園から認定こども園への移行を促進する計画となっていますが、子ども・子育て支援新制度の開始により、四つの認定こども園の類型のうち、幼保連携型認定こども園は、認可、認定、確認、給付の全てを市町村が一元的に行うことになったものの、残りの3類型、つまり、幼稚園型、保育園型、そして地方裁量型の認定こども園は、依然として、認定は都道府県、認可と給付は市町村が行っており、幼稚園などの現場からは、窓口が一本化されておらず、相談や手続がやりづらいという声が聞こえております。同じ認定こども園でありながら、類型によって権限が札幌市と北海道で分かれているというのは非常にわかりづらい制度であり、事業者の混乱を招いているのは当然のように思います。  国においては、その点は考慮しているようで、条例による事務処理特例によって認定の権限を政令市に移譲できるといった通知が出ております。実際に幾つかの政令市においては既に権限が移譲されています。  そこで、最後の質問ですけれども、今後とも認定こども園への移行を進めるというのであれば、幼稚園型や保育所型の認定こども園もほかの政令市のように札幌市に権限を一元化するべきと思いますが、どのようなお考えか、お伺いいたします。 ◎野島 子育て支援制度担当部長  認定こども園の認定に関する権限移譲についてでございますが、認定こども園の認定権限を札幌市に一元化することにつきましては、事業者の利便性向上等の観点からも望ましいことと考えておりまして、札幌市を含む指定都市市長会から、国に対しまして、法改正による権限移譲の要望を行っているところでございます。現在、国の地方分権改革有識者会議におきましても議論されていることから、この動向を注視してまいりたいと考えております。  なお、一元化されていない現状におきましても、北海道と札幌市が連絡調整を密に行うことにより、事業者が認定こども園に円滑に移行できるよう配慮しているところでございます。 ◆北村光一郎 委員  ぜひ、進めてほしいなと思います。  今後は、子どもを持つ親に均等の補助金を出すことで、幼稚園、保育園を統合した認定こども園が将来無償化となり、子どもたちが住む施設を保護者みずからが選んで入園できることが望ましいと考えます。そのことを検討しながら、子育て環境を充実させ、保護者が子育てを楽しめる札幌にしていただくことを要望いたしまして、この質問を終えさせていただきます。  続きまして、子どもの貧困対策についてでございます。  子どもの貧困については、平成25年に厚生労働省が行った国民生活基礎調査によると、子どもの貧困率は16.3%と、6人に1人が貧困の状態にあり、これは、先進国の中でも厳しい状況であり、あすを担うはずの子どもたちの将来が閉ざされてしまうことが危惧され、深刻な状態にあると言えます。そうした中、昨年1月には、議員立法による子どもの貧困対策の推進に関する法律が施行され、その後、子供の貧困対策に関する大綱が示されました。札幌市では、平成21年4月に子どもの最善の利益を実現するための権利条例を施行し、その理念に基づき、子どもが健やかに成長、発達できるよう、子どもの権利の保障に向けた取り組みを進めるため、子どもの権利に関する推進計画を策定しているところであります。また、子育て、子育ちを総合的に支援する子ども未来プランを策定し、子ども施策を重要課題と位置づけ、子どもに関連するさまざまな施策を行ってきております。  そこで、お伺いいたしますけれども、これまでも子ども関連の施策の中で子どもの貧困対策に資する施策が実施されてきたと思いますが、どのような施策が講じられてきたのか、お伺いいたします。 ◎岡部 子ども育成部長  これまでの子どもの貧困対策についてでございます。  国の子供の貧困対策に関する大綱では、子どもの貧困対策の重点施策として、教育の支援、生活の支援、保護者に対する就労支援、経済的支援、この四つの分野が掲げられております。これらに関連する主な事業として、子ども未来局としては、児童扶養手当の支給はもとより、フリースクールに対する支援や困難な状況にある中学卒業後の子どもへの進路相談を、保健福祉局としては、生活困窮世帯の子どもに対する学習支援として札幌まなびのサポート事業を、教育委員会としては、就学援助やスクールソーシャルワーカー活用事業を行うなど、子どもの貧困対策に資する取り組みを進めてきたところでございます。 ◆北村光一郎 委員  ただいま伺ったところによりますと、子どもの貧困対策に向けた計画の策定については、複数の部局にわたり、子どもの貧困対策に資すると思われる施策が数多く実施されてきたと確認いたしました。  子どもの貧困対策推進法では、都道府県には、子どもの貧困対策についての計画を定めるよう努力義務が課せられております。政令市に関しては、そこまでの義務は課せられておりませんが、秋元市長の選挙公約にはこども貧困対策計画の策定を掲げており、子どもの貧困状態の改善に積極的に取り組もうとしていることかと思います。  そこで、伺いますが、数多く実施されている貧困対策の各施策が最大限の効果を上げられるような子どもの貧困対策に向けた計画が求められますけれども、今後、どのように策定を進めていくのか、お伺いいたします。 ◎岡部 子ども育成部長  子どもの貧困対策に向けた計画の策定についてでございます。  現在、パブリックコメントを実施している札幌市まちづくり戦略ビジョン・アクションプラン2015に、仮称でありますが、子ども貧困対策計画策定に係る事業費を盛り込んだところでございます。この計画を策定するに当たっては、教育、生活、就労の支援など、各分野において国や道とも密接な関係を有し、それぞれの施策との連携が重要でありますことから、国などの動向を注視するとともに、実態を把握しながら、新たな施策も含め、策定に向けた検討を進めてまいりたいと考えております。 ◆北村光一郎 委員  最後に、要望でございますが、子どもの貧困対策の改善に資する計画の策定に向けて、ぜひ、しっかりと検討を進めていただきたいと思います。  これまで実施されてきた施策のレベルアップに加え、新規の施策も当然盛り込まれることと思われます。計画の完成はまだちょっと先になるでしょうけれども、子どもの貧困対策は待ったなしの状況であることから、できることは可能な限り前倒しして実施されるよう配慮を望みます。  最後になりますが、子どもが自己肯定感を持ち、自分の可能性を信じて未来を切り開いていけるよう、子どもの成長にかかわる大人やコミュニティーに対して、札幌市として助言と支援や働きかけを進めるよう要望します。また、先ほども出ていましたが、児童相談所でも多くの貧困にある子どもたちにかかわっていることから、情報の共有を行っていただくことを求めまして、私の質問を終わります。 ◆よこやま峰子 委員  私は、昨年の代表質問で私が取り上げ、その後も、ことしの第1回定例市議会において我が会派の議員が取り上げました助産施設の拡大に関して質問いたします。  助産施設とは、保健上、必要があるにもかかわらず、経済的な理由により入院助産を受けられない妊産婦を入所させ、助産を受けさせることを目的とする児童福祉法に基づく児童福祉施設であります。今、札幌の助産施設は、近年の産科の減少に伴い、平成27年4月1日現在では3施設7床となっており、これら3施設の利用状況を見ますと、入所者の8割以上が特定の施設に集中している状況にあります。特定の施設に集中することで、その施設に過度の負担がかかり、助産施設としての運営に支障を来すようなことがあれば、これら3施設の維持も危ぶまれることになります。また、立地的にも、この広い札幌において3施設しかないということで、助産施設までの距離が遠く、利用しづらい妊産婦も多くいると考えられます。  そのため、我が会派は、再三にわたり、助産施設を拡大し、1区に1カ所の助産施設設置を目指すべきだと訴えてまいりました。また、ことしの第1回定例市議会においては、当時の井上前副市長から、助産施設の拡大の必要性を認める発言があり、まずは、助産施設である医療機関の経済的な負担解消のため、国が定める措置費のほかに、市単費で支給している補助金の見直しを平成26年度内に行うとの答弁もいただいております。  そこで、1点目の質問ですが、第1回定例市議会での答弁以降、札幌市単独の補助制度の見直しはどうなったのか、まずは、その点についてお伺いいたします。 ◎川原 子育て支援部長  助産施設の補助制度の見直しについてお答えいたします。  従前の補助制度では、国が定める措置費に市単費で一定額を上乗せしておりましたが、それでもなお各施設が定める一般の利用料金に追いついておらず、当該施設に経済的な負担が生じるという状況となっておりました。そのため、昨年度中に、助産施設の拡大にも資するよう、市内医療機関の一般利用者の分娩費用等を参考に増額の見直しを行ったところでございます。このことにより、助産施設に生じていた経済的な負担についてはおおむね解消されたものと認識しているところでございます。 ◆よこやま峰子 委員  ただいまのご答弁で、補助制度については、答弁どおりに見直しが実施されたということでありますので、大いに評価したいと思います。  しかし、この問題については、助産制度を見直したことがゴールではなく、その見直しを生かして、つまり、それによって結果として助産施設が拡大できたということがゴールであり、これから先も拡大に向けての取り組みを進めてほしいと思います。  これまで、理事者側からは、助産施設を拡大するためには、補助制度の見直しのような経済的負担の解消のみならず、困難を抱えた妊産婦への対応について医療機関にご理解いただくことや、各施設が安心して妊産婦を受け入れられる環境を整えていくことが必要であるなど、拡大の難しさについてのご答弁もありました。しかし一方で、ことしの第1回定例市議会においては、井上前副市長から、今後、関係機関とも協議して、どのような施策が必要なのか具体的な検討を進めてまいりたいとのご答弁があり、実際、複数の医療機関にご検討をいただいているとも伺っておりますので、ことしも間もなく11月を迎える時期に来ている中で、現在の検討状況を伺っておきたいと思います。  そこで、質問ですが、複数の医療機関にご検討いただいた結果、助産施設の認可を新たに受けていただいた施設があったのかどうか、その点についてお聞きいたします。 ◎川原 子育て支援部長  新たな助産施設の認可についてお答えいたします。  助産施設の拡大につきましては、補助制度の見直しのほかにも、困難を抱えた妊産婦への対応について、医療機関にその役割を十分にご理解いただくことが必要であるため、これまで複数の医療機関を訪問し、丁寧に説明を重ねてきたところでございます。その結果、認可の受諾についてご判断をいただいた北区に所在する医療機関1カ所について、10月1日付で助産施設の認可を行ったところであります。 ◆よこやま峰子 委員  ただいまのご答弁で、補助制度の見直しなどによって、その結果、北区の1施設が10月1日付で認可がおりたということであり、まずは一歩前進したと評価したいと思います。  しかしながら、助産施設を利用する妊産婦の数や区ごとの配置バランスなどを考えますと、助産施設が1カ所ふえただけでは、まだまだ利用者にとって身近な場所に施設があるとは言い難いと思います。また、施設数がふえることにより各施設の利用者の偏りも解消されていくことにもつながることを考えますと、今後も助産施設の拡大に向けた取り組みは継続して積極的に行っていかなければならないものと考えます。  そこで、最後の質問ですが、今後の助産施設の拡大に向けた取り組みをどのように進めていかれるのか、お伺いいたします。 ◎川原 子育て支援部長  助産施設の拡大に向けた今後の取り組みについてお答えいたします。  助産施設は、経済的理由により入院助産を受けることができない妊産婦が安全に安心して出産するための大切な施設であり、その施設の確保は重要な課題であると認識しております。また、助産施設がより身近な場所に設置されることにより、妊産婦の方が抱える出産に対する不安感の軽減にもつながるものと考えているところであります。  このため、今後におきましても、産科医療機関の状況等を踏まえつつ、関係機関とも協議を行いながら、助産施設の拡大について努力を続けてまいる所存でございます。 ◆よこやま峰子 委員  助産施設は、児童福祉法に定められているとおり、経済的に困窮している世帯が安心かつ安全に出産することを可能とするものであり、その役割は大変重要であります。ただいまのお話で、本当にハードルも高いことと思いますが、今後も継続して助産施設の拡大に向けて努力していただき、最終的には、これまで我が党が再三要望しておりましたように、ぜひ、1区に1施設の助産施設実現を目指して取り組んでいただきますよう要望いたしまして、私の質問を終わります。 ○國安政典 委員長  以上で、第2項 子ども福祉費中関係分等の質疑を終了いたします。  以上をもちまして、議案第1号中関係分の質疑を終了いたします。  次回の委員会ですが、11月4日水曜日午後1時から、討論及び採決を行いますので、定刻までにご参集ください。  本日は、これをもちまして散会いたします。     ――――――――――――――       散 会 午後5時4分...