助役 石倉敏則 収入役 上野信好
総務部長 高取義治 産業部長 福田忠利
建設部長 許田重博
環境下水道部長 秦 康之
保健福祉部長 山田敏行 交通局長 野田喜昭
水道局長 秀島敏行 ガス局長 井手通隆
教育長 迎 巌 教育部長 吉富康仁
選挙管理委員会
監査委員 田中吉之 山村邦明
事務局長
○御厨義人 議長
これより本日の会議を開きます。
昨日に引き続き市政一般に対する質問を続行いたします。
◆(
井上雅子議員)
おはようございます。昨日の事件で恐らく、さぞや寝なかった方もいらっしゃるかと思いますが、私もひたすら世界の平和を願いながら、通告していました3項目について順次お尋ねをいたします。
初めに、学校完全5日制における部活動のあり方についてお尋ねします。部活動は本来、子供の自主性を基本に主体的な活動を促す中で、生徒相互に高め合い助け合うことを目指して、
教育内活動と位置づけられてきまた。しかし、勝つことだけに価値を求め、過熱化していきやすい現代の部活動の抱えるひずみや諸問題、例えば、子供たちの成長過程を無視して技術力を高めるために起こってくる健康阻害、
オスグッド氏病とか野球ひじなどと言われるものですが、また教職員が日常的な超勤、日曜、休日も勤務をして、回復措置がとれないことからくる慢性的な疲労。保護者の人的、金銭的負担の増大などの問題があります。これらの問題に批判や改善を求める声も数多く聞かれるようになりました。
部活の実態や今後のあり方については、日教組が97年に全国の小・中・高校生、保護者、教職員を対象に
アンケート調査をしております。佐教組も同じように99年にも調査をしていますが、これによりますと、小・中・高校生の6割強が「部活は楽しい」と答えています。また、佐教組の調査によりますと、9割近い教職員が部活動の
教育的意義を肯定的にとらえ、教育的な価値は認めていながら、しかし、じゃあ将来社会体育に移行した場合に指導者になるかという設問には、約8割が「ノー」と答えています。そして、現在約7割の人が「部活動の指導を負担に感じる」としています。その理由として、「休みがとれずに疲れがとれない」が24%、また21%の人が「自分の時間がとれないこと」などを挙げています。一方、部活動に入部しなかった子供たちもその理由として、「自由にしていたい」が24%、「部活動以外の時間がとれなくなる」が19%という数値が上がっています。
部活動は本来、生徒、教職員双方の自由意思で成立されるものです。現在の部活動の抱える課題としてほかに、指導者を決める際にその競技に対する指導者の得手不得手は考慮されないで、人事による前任者の穴埋め的な配置がされる。そして教職員の身体的、家庭的いろいろな条件、例えば通院治療中であるとか要介護者がいるとかという事情がなかなか配慮していただけない、そういう実態があります。それに関連して、
スポーツ体系の低年齢化が−−低学年のときから専門的な指導技術を要求されて、その指導に当たった教師が大変苦悶するという実態も挙げられています。
前任者並みの成果が上げられないと、保護者や子供たちとの信頼関係が築きにくいという実態があるんです。ほかに、中体連、協会等の試合、本来部活動の手段であったこの大会が目的に変質し、数々の試合が集中的に行われ、取捨選択が難しいという実態があります。指導者はその都度結果を求められますので、また同時に部活動の実績というものが現在高校入試に反映されるということもあって、指導者は勢い
勝利至上主義に陥りがちになっています。
それから、放課後、効果的な指導をするため、また安全確保のためにどうしても指導者は現場に出向いていなければならない。そのために放課後の生徒指導や本務にかかわる事務処理ができなくて持ち帰りになる。また、生徒を移送する場合、引率における事故の責任が不明確なことへの不安。それから、登録費、参加費、旅費、ユニフォーム、用具等の出費が高額化してきて、親の経済的な資質で部活動への参加ができない子供も出てきています。
2002年度から学校完全5日制が実施されます。今、部活を含め、あらゆる角度から子供たちの置かれている環境の見直しが必要になってきています。そこで次の5点についてお尋ねをいたします。
1点目は、部活動の運営の適正化ということです。犯罪や交通事故に巻き込まれないように、練習時間や下校時間をどのように設定されているのか。休日、また土曜休日、これは自発的な社会参加や家庭とのかかわりを深めるという目的があってこのたび設置されますが、その実態はどうなのか。試合期でも1日以上、シーズンオフは2日以上の休みをとるという原則が県教委からも出されていたはずなんですが、それはどのようになっているのか確認しておきます。
それから、児童や生徒の健康阻害の実態とその防止のためにとられている手だてについてお尋ねいたします。現在、佐賀市内の学校現場は水曜日を職員研修の日と定められて、行事を入れないとなっていますが、その職員研修のときの部活は行われているのかどうか、どのようになっているのかお尋ねします。
勝利至上主義、批判が多いのですが、その歯どめの指導というのはどのようにされているのでしょうか。部活動の費用の増大、例えばシューズ、2万円もするものを子供が使うというような実態があるようです。それについての実態把握、また適正化への手だてはどのようになされているでしょうか。
2点目は、開設する部活動の数の確保、またはその適正化についてのお尋ねです。少子化の影響で次第に学校規模が小さくなって、職員数も減ってきています。その中で、開設の部の数が変わらないと
複数顧問制がとれないで危険度が増してきます。しかし、生徒のニーズを保障するということになると、必要な数が開設されなければならないと思います。そこで、社会体育への移行、または
地域スポーツとの連携なども必要になってくるのではないかと思いますが、どのようにお考えでしょうか。
3点目、
部活動担当者の勤務条件、これはどのようになっているのでしょうか。時間外指導の回復措置、それがとれる体制というのができているのでしょうか。
4点目、
教育内活動の範囲内となっていますが、その確立についてです。対外試合の回数や規模などの適正化、年間試合の適正化、そのためには競技団体との調整などが必要ですが、どのようにされているでしょうか。また回数については、参加費、移送費などの
保護者負担の適正範囲であることも必要だと思います。実態をお聞かせください。
5点目、生徒移動に関する手だてについて、県教委は原則公的な交通機関であることと指導がなされていると思いますが、実態についてお尋ねいたします。
以上5点が部活に対するお尋ねでございます。
次に、教育としての学校給食の確立についてお尋ねいたします。
学校給食法の第1条に、「この法律は、学校給食が児童及び生徒の心身の健全な発達に資し、かつ、国民の食生活の改善に寄与するものであることにかんがみ、」と、壮大な目標がうたってあります。学校というところは、その学校の教育目標という共通の目的を持ったすべての教職員、事務職員や栄養職員、教員が子供の姿を見ながら、子供に寄り添い、理解しようと努め、人間丸ごと抱えて育てていくところです。では教育としての学校給食とは具体的にはどんなことを言うのでしょうか。
ある学級担任と栄養士との会話です。「僕の組では残量が多くて食べさせるのに困っている。どうしたら残さないように食べさせることができるだろうか」、栄養士は、「先生ね、残す残さないだけを見てるとどうしても小手先だけのテクニックになっちゃうよ。食べることって、その子の生活が背景にあったり、物の考え方や生きる姿勢や力が影響したり、いろいろなことが関係してくるのよ。学級経営がうまくいっているかいないかもあらわれてくるしね」と答えています。また、この栄養士は続けて、「私たちが文部省の定めた
栄養基準量ばかり気にして、まな板の上のニンジンしか見ていなかったころには、食べることについてこんなふうには考えられませんでした。次世代の主権者になる子供を育てるんだという観点で給食を教育の中に位置づけたとき、初めて見えてきたものがたくさんあった。栄養職員が子供の側に近づいたことにより、まず子供たちが見えてきた。子供の現状が目の中に飛び込んできた。子供たちの現状が見えてくると、社会も見えてきた。父親、母親が安い労働力として駆り出され、長時間労働が強いられるようになると、家庭から食文化がなくなった。父親不在の食事が当たり前になってきた。また、農村の崩壊に拍車をかけるように農畜産物の輸入が拡大されると、人々が地域で助け合って生きている姿というものは子供たちの目からは見えにくくなってきました。そしてまた、今日本は食べたいものを世界じゅうからかき集めてくるような身勝手な食べ方、このことも子供たちの生き方にどう影響するのか気にかかるところです」と述べています。
給食を通して社会を見、人の生き方を考え、子供の教育に当たる、これが教育としての学校給食の姿です。そして、その給食の教育としての価値は、給食をつくるところから生じると私は考えます。調理員は、食べ物を通して生命活動の根っこのところで子供たちとつながっています。学校のお母さん的な存在なのです。
このたび佐賀市
教育委員会では、この調理部門の民間委託を試行し検討していく、もとに戻ることもあり得るという方針を打ち出しています。ここに大きな疑問があります。よい食材とつくり方の指示書があれば、調理部門はだれがつくっても同じだとお考えですか。まちの
レストランや食堂を考えてみてください。店の命運は、まさに料理人の腕にかかっているでしょう。また、まちの
レストランや食堂には「食べたい」という意欲を持った人が集まるところですが、学校は違います。今の学校には給食を食べたくない子、食べられない子がたくさんいるのです。だからこそ学校給食には、何とかバランスのよい食事をとらせようと、食材の切り方、加熱の仕方、手づくり、細かく心を砕く、お母さんのような存在の調理員さんが必要なのです。
そこで質問ですが、学校給食において調理部門の担う教育的な役割をどのように考えておられるのか、また、民間委託でその役割をどのように果たせるとお考えなのかお聞かせください。
次は、
小・中学校の危機管理の体制についてお尋ねいたします。このことについては、後もって松尾議員もお尋ねのようですから、私は
インターホンの設置ということに絞ってお尋ねします。
大阪教育大学教育学部附属池田小学校の事件があって、
文部科学省から「
幼児児童生徒の安全確保及び学校の安全管理に関する緊急対策について」の通知が出されています。佐賀市においても今議会で幼児についての対策は予算化され、一定の措置がとられていますが、児童・生徒、つまり
小・中学校においては、各学校が
マニュアルづくり、それから、
火災報知機で間に合わせるということになっています。学校へのそういう犯罪を起こす人を防ぐということは不可能でしょうが、児童・生徒を被害から守る手だては万全を期すべきです。
火災報知機という本来の目的から逸脱するもので間に合わせるのではなく、各学校に
インターホンを設置して、素早く的確な状況把握ができるようにすべきではないかと思います。唐津や鳥栖では今議会で予算化されています。ぜひ検討をしていただきたく、お考えをお聞かせください。以上で1回目の質問を終わります。
◎迎巌 教育長
おはようございます。私の方から部活動についてお答えをいたします。答えが順不同になるかと思いますけれども、どうぞよろしくお願いいたします。
部活動は御案内のとおり、中学校や高等学校におきまして、学校の教育活動の一環として文化的な活動、体育的な活動を中学生、高校生は行っております。佐賀市内では生徒の85%以上、ある学校では 100%、全員が部活動をいたしておりまして、私たち佐賀市
教育委員会といたしましても、児童・生徒のエネルギーの発揮をより充実させるために、今後とも支援をしていきたいと考えております。
県の方からも部活動の指導の充実につきましていろいろ通知が来ておりますけれども、その中でも中学校及び高等学校における
運動部活動につきましての通知も来ております。特に
スポーツ障害の予防や生徒のバランスのとれた生活を確保する観点から、来るべき学校週5日制の趣旨も踏まえまして、部活動の休みの日を適切に設定するとともに、練習時間を適切なものにするよう留意することというふうに通知が来ております。私たちもその通知を、十分趣旨を理解しまして指導いたしております。
したがいまして、佐賀市内の中学校における部活動の練習時間につきましては、いたずらに時間を費やすことなく、効率的に行い、全職員や保護者の理解のもとで終了時刻を設定するようにしております。つきましては、部活動の保護者会も何回も行われていると思っております。また、下校時刻につきましても、日没までに家に帰るようにしておりますが、日没が早くなる冬場、秋場には暗くなって帰る生徒も見かけますので、いろんな事故から身を守るためにも早く帰るように指導いたしております。
次に、健康を阻害するけがの件でございますけれども、常々成長に応じた練習をするようにと、まだ骨ができ上がっていない子供たちには−−体格が整っていない子供にはそういうふうに注意をしておりますけれども、特に腰やひざを痛めている生徒には休養して治療するように指導しております。このようなことにつきましては、
十分指導者の方にも留意するように学校の方から、また私の方からも常々指導しているところでございます。
また、具体的にはこのようなことにつきましては、
県教育委員会におきまして主催されております
運動部活動指導者研修会へも積極的に参加するように奨励いたしまして、専門のお医者さんとかカウンセラーの方々の御意見を聞くようにいたしております。
次に、来るべき平成14年度からの土曜日、日曜日の問題でございますけれども、現実土曜日、日曜日が休みになってまいりますと、家庭生活のありさま、地域の動き等、全体的に大きな生活の変化を伴いますので、今必ずしも的確な把握ができません。不明瞭な点が多く、一概には申し上げられませんけれども、
子供たち自身がどんな生活を選択していくか、
子供たち自身の生き方が尊重されなければならないというふうに思います。すなわち、部活動だけで土曜日、日曜日の問題を語ることはできません。そのため、全体的な推移を把握し、今後、校長を初め学校の方々とも話し合い、中体連とも協議し、この部活動のあり方につきましても早速検討してまいりたいと思っております。
次に、職員会議のときの部活動はどうしているかというお尋ねがあったと思いますけれども、日ごろからそれぞれの学校で工夫をされておりまして、安全に活動するように配慮されております。例えば、顧問が練習前に練習計画をキャプテンに伝え、自分たちだけで自主的に練習するようにしております。そして練習中はけが等の予防のため、
部活動担当者が一、二回巡回指導をする学校が多いようですけれども、常日ごろの計画的な指導と練習が大事だと考えております。特に体育系の部活動につきましては、先生方の会議のときには少し休んでいる部もあるようでございます。
次に、部活動費、それぞれの生徒たちが自主的に使う部活動費についてでございますけれども、それぞれ各学校の事情で考えられておるようです。保護者の過重な負担にならないように、今後も指導してまいりたいと思っております。
また、
勝利至上主義に走りがちであるが、どのような指導をしているかということでございますけれども、もちろんスポーツでありますので、チームや個人が勝つことや優勝することを目標として練習に励むことも大切なことだと考えております。しかし、それだけではなく、部活動は学級や学年を離れ、子供たちが自主的、自発的に活動し、子供たちの心と体の発達を促したり、
仲間づくりをしたり、教科を離れて教師との触れ合いを持つなど多くの教育的な意義があると思います。それらの活動の意義が十分発揮されるよう展開いたしているところでございますけれども、生徒の個性の尊重と柔軟な運営に留意し、適正に運営されるように指導してまいりたいと思います。
次に、社会体育への移行についても御質問でございましたけれども、運動部の活動は学校において計画する教育活動でございまして、より高い水準の技能や記録に挑戦する中で運動の楽しさ及び喜びを味わい、豊かな学校生活を経験する活動であろうと思います。また、体力の向上や健康の増進にも極めて有効であると考えております。
また、家庭や地域社会とともに生徒たちを育成する開かれた学校とするためには、
外部指導者の活用を考えなければならないと思っております。そのため、佐賀市
教育委員会といたしましても、今後も
学校教育活動の一環として部活動を位置づけ、
外部指導者の活用など地域に開かれた学校となるよう指導してまいりたいと考えております。
現在、県の
運動部活動地域連携促進事業でございますけれども、4中学校のバスケットボール、バレーボール、剣道の3種目に4人の地域の指導者を活用しております。また佐賀市
教育委員会といたしましても、地域内によき指導者がおられまして、その活用ができないかということで、平成11年度から
スポーツリーダーバンク制度を
市民スポーツ課で発足させまして、現在 187名の登録者を得ております。この制度の活用もただいま検討いたしている段階でございます。今後さらに
指導者講習等を行い、指導者の育成に努めるとともに、学校と十分連携をとり、その活用を図っていきたいと考えております。
次に、少し具体的なことになりますけれども、顧問の勤務条件につきましてのお尋ねでございました。
県教育委員会主催の大会や佐賀市
教育委員会主催の大会につきましては、出張扱いとなりますので、休日と大会が重なった場合には振りかえにより休んでいただいております。その他の大会につきましては、部活動の年間計画に基づき、子供たちの健康や体調を考慮した上で、部活動の顧問の判断と校長先生の承認を受け、保護者の了解の上で大会への出場をいたしておりまして、先生方につきましては
特殊業務手当で対応しているところでございます。しかし、いずれにしましても、生徒の健康とともに先生方の健康問題もありますので、試合をした次の日は部活動を休みにしていただくなどの措置をとってもらうように配慮いたしているところでございます。
次に、
年間試合回数についてのお尋ねでございましたが、県の
教育委員会が主催します大会は年間1回、佐賀市
教育委員会が主催する大会が年2回でありまして、回数は適当であるというふうに考えております。その他の大会参加や練習試合につきましては、それぞれの学校の生徒の状況を踏まえた上で、学校と保護者の間で十分に検討をして計画するように指導をいたしております。
次に、
保護者負担の
部活動運営費でございますが、平成13年1月に調査しましたけれども、全く徴収していない部から月3千円程度まで徴収している部までございます。それに見られるように、部活動の活動内容、規模等により一概には適正額を決めることは困難でありましょう。そのため、佐賀市
教育委員会といたしましては、保護者の過重な負担にならないように注意をいたしておるところでございます。
次に、生徒の移送についてでございますが、部活動におきましては、
対外試合等における交通手段には原則として
公共交通機関を利用することとしておりますけれども、佐賀市の実態としましては、主に自転車を利用しているのが現実でございます。それぞれの学校の事情において適切な対応をしていただくように、今後も事故防止に万全を期すように指導してまいりたいと考えております。特に左側通行、それから無灯火、それぞれ、特に自転車の児童につきましては、これからより一層指導していかなければならないというふうに感じております。以上でございます。
◎吉富康仁 教育部長
お答えいたします。学校給食の調理部門が担っている教育的な役割をどう考えているのかというお尋ねでございましたけれども。
まず、教育としての学校給食でございますが、
学校給食そのものが担っております教育的な役割は、児童・生徒の心身の健全な発達や食生活の改善に寄与することを目的として、1点目に、日常生活における食事について正しい理解と望ましい習慣を養うこと、2点目に、学校生活を豊かにし、明るい社交性を養うこと、3点目に、食生活の合理化、栄養の改善及び健康の増進を図ること、4点目に、食糧の生産、配分及び消費について正しい理解に導くことなどを目標に掲げ、学校における教育の目的を実現するために学校給食を実施しております。
このうち、調理部門が担っている教育的な役割としては、学校生活を豊かにし、明るい社交性を養うことや、食生活の合理化、栄養の改善及び健康の増進を図ることに当てはまると考えております。これらの教育的な役割は、児童・生徒に提供する学校給食が衛生的で安全で温かさが損なわれず、おいしい給食であり続けることや、日常から子供たちの健やかな成長を願い調理をする姿勢など、教育の一環として給食をつくることが、調理部門が担っている役割だと思っております。
また、そういう役割を民間委託することによって、果たせるのかという質問でございましたけれども、現在市の
教育委員会で進めている学校給食の調理業務の民間委託の検討は、それぞれの学校の給食室を使って民間の調理会社の調理員が調理する自
校委託方式であり、日ごろから子供たちが調理する人の姿が見えて、触れ合いができる環境で、変わりはないものと考えております。実際、学校給食を民間委託されている学校を視察したときも、調理員さんと子供たちの間であいさつが交わされ、声かけされるなど、触れ合いの様子も見てきました。調理する人が市職員から民間の人へ移行することで、人がつくる手づくりの給食という基本は、直営方式でも一部
民間委託方式でも変わりはないと考えております。
調理業務部門が担っている教育的な役割が損なわれることはないと思っております。また、学校給食として安全で衛生的で温かさが損なわれずに提供するに際しまして、教育の一環として実施するに際しましては、官はそれに対応できて、民は対応できないというふうには考えておりません。しかし、官から民に変わることに対する保護者の不安や疑問に対しましては、衛生管理基準や業者選定基準、仕様書を明確に示して、市が点検、監督することで解消していきたいと考えております。
次に、池田小学校事件発生以来、さまざまな対策が各学校、他の市町村等でもとられておりますけれども、井上議員さんの御質問、
インターホンに限定してということでございましたけれども、佐賀市の
小・中学校の危機管理体制につきましては、臨時校長会で各学校の現状分析を踏まえ、
教育委員会として次の4点で学校に指示をした、そういう経緯から話していかないと説明できないと思いますので、経緯から少々話をさせていただきます。
まず、校内巡視体制の強化、児童・生徒の危機意識の啓発、来校者への声かけの徹底、校区内の関係機関との連携強化ということで、こういう取り組み状況につきましては学校教育課長及び指導主事が学校訪問をいたしまして、次のような報告を受けております。
校内巡視は管理職を中心に校舎並びに学校敷地を1日数回、各学校で実施しております。危機意識の啓発につきましては、全校集会での校長の講話や学級指導における担任の話で子供たちに行われておりました。来校者への声かけは、事務室での記帳や名札の準備など各校の創意工夫で実施しやすい態勢にありました。さらに地域との連携では、管理職や生徒指導の先生を中心に、保護者や地域の方々との合同の巡回指導等もなされておりました。
このように、公立の
小・中学校が地域に支えられていること、学校を開くことがむしろ犯罪への抑止力になれることを考え合わせ、佐賀市の社会教育団体等の支援を求めたところでございます。
さらに、消防庁の通達や池田小学校の事件性、学校の自主的避難訓練や
小・中学校の敷地や建物の規模、平常での学校内での動きなどを分析し、自動火災報知設備を使用した緊急時の校内通報体制を検討いたしました。1学期末までにこの方針を全保護者に報告し、佐賀消防署との協議に入りました。先月末、消防署との合意に達しましたので、今後、緊急時での機器の使用と避難訓練の実施による検討分析を学校に依頼したいと考えております。
また、
インターホンの設置につきましては、本事件のように人命に差し迫った危難が及んでいる場合に、自動火災報知設備を使用しても差し支えないという消防庁の通達内容は、池田小学校での教訓に基づくものと考えております。すなわち、惨状となった教室に校内放送の設備はありながらも、的確な校内通報と避難誘導の指示がなされなかったことに対する反省の上で出されたものと推測いたしております。普通教室棟と管理棟が別棟だったり、3階建てが多い
小・中学校では、全館に最優先で強大な音響を発する自動火災報知設備が一瞬にして子供たちに警戒心を与える最も有効な設備であると考えたわけでございます。方針を定めるに当たりましては、1学期末に全
小・中学校の教職員と保護者に文書で報告し、今後の計画を明らかにしました。また、定例
教育委員会にも諮り、了承を得たところでございますが、この30年間における佐賀市の学校火災の発生件数は11件でございますが、児童・生徒が火災報知ベルを押したのは1回もございません。これは発生の時期が深夜、早朝、休日の発生であったからでございます。
一方、いたずらのベル押しによる誤報は各学校月平均1回という警備会社のデータもございます。法律に基づいて設置された設備のため、定期的な保守点検に年間 660万円強を投じ、消防署の検査を受けるなど、維持に万全を期しておりますので、その他の機械設備等がいざというときに使えるのか、連絡がとれるのかという不安を持つのと対照的なものでございます。学校は安全であるという神話が崩れた現代社会で、未知の危険に遭遇したときに、本来は火災目的に設置される設備を応用し、みずからのとうとい命を守ることを子供に教えることに何ら問題は生じないと考えております。
また、
インターホンは双方向のため、相手が受話器をとってくれなければ話になりませんので、池田小学校のような極度の緊迫感の中で果たして有効に使えるのかどうか疑問がございます。
ちなみに、ある程度の品質で同機器の設置費を試算しますと、小学校の普通教室だけで約 4,500万円、小学校の全教室になりますと1億円強かかる計算になります。年次的に更新したり、追加したり、校舎の増改築等にあわせて行う電話機システム整備事業におきまして、今後子機を、例えば教室各棟各階まで増設し、
インターホン機能を拡充することが現実的ではないかと考えております。
◆(
井上雅子議員)
御答弁をいただきましたので、2回目の質問をいたします。
まず、中学校の部活動についてですが、実態というのが全然見えてまいりませんでした。建前の措置だけを回答していただきましたけれども、もっと実態を的確に把握していただきたいと思います。
先ほど日教組と佐教組の実態調査について申し上げましたが、ヒアリングのときに組合員の方の回答でしょうとおっしゃいましたので、2回目では、公立中学校における、いわゆる「全日本中学校校長会」がとったアンケートについてお知らせをしたいと思います。ここでも同じように部活動の実態と今後のあり方について調査をしています。このほどまとめたもので、もう学校に配ってきてあると思いますが。それによると、校長の5割が社会体育に移行をと、この部活動について希望を述べています。また、これには現状の教育活動としての意義があるので、徐々に社会体育への移行を実現してほしいというのまで加えると、85%の校長が社会体育への移行を望んでいるという結果が出ています。もちろん御存じのことと思いますが。そして、この全日本校長会では、1996年に既にプロジェクト委員会で学校スリム化という観点から、部活動の社会体育への移管を今後の検討課題の一つとして挙げています。しかし、
運動部活動の部門では、これは学校でという考え方が地方の学校スポーツ団体関係者を中心に非常に多いということで、今検討なされながらなかなか進まないところであろうかと思います。
また、先ほどの回答にもありましたが、文部省も2000年度、顧問を引き受けない教員の増加や少子化に伴う部活動の停滞解消のために「スポーツエキスパート活用事業」というのをしていますし、今年度もその実態について調査が来ているはずです。そして、それを2002年度の概算要求に生かしていくということが出ておりましたので、ぜひ、もう少し積極的に、今抱えている部活動のひずみをとらえていただいて、どのようにすれば教育的な意義もある、そして子供も教職員も本当に望む部活動が得られる、そういうあり方を検討していただきたいと思います。そのためには、その指導に当たる人材の育成ということが急務であろうかと思いますが、せめてそれについての具体的な手だて、また先ほど子供の健康阻害ということについて具体的な数字がありませんでしたが、時間がありませんので、もう実態は求めませんけれども。今全国では既に近代トレーニング論という論をもとにして、週3日、めり張りのきいたそういう部活動をするというやり方をして効果を上げているところもあるはずです。もう少し御検討をぜひお願いしておきます。
それから、学校給食について、民間委託にしてもさほど効果は変わらない、安全で温かいものはやれるんだ、学校内でつくるんだからということでしたが、学校教育法の掲げる壮大なあの目標を実際に給食の場で生かしていくため、かみ砕いて学校の目標に反映してどういう子供を育てるかということをきちんと実行していくためには、この給食の部門でも栄養士と調理員さんの密接な連携が必要です。
ところが−−お尋ねですけれども。今度学校の栄養士さんには文部省で、給食の献立をつくるということ、それから、学校給食の調理、施設設備等に関して指揮、助言を行うことと、それから、衛生管理については調理従業員の衛生、施設設備の衛生及び食品衛生の適正を期するために日常の点検及び指導助言を行うことということがうたわれています。ところが、これは校長や栄養士が調理に当たる人に直接こういう指揮、助言、指導ができるのは、派遣労働者であればそれができますけれども、調理部門は派遣労働者の対象から外されています。そしてまた、それが将来自由になったとしても、派遣労働者を雇用するということは1年たったらその事業所が独自で雇用をしなさいという雇用努力義務が課されるはずです。ですから、現在とられているのは、業者請負という方法で民間委託がなされています。佐賀もその方法をされようとしていますが、その方法だと栄養士が直接指導するということは、これは職業安定法施行規則第4条によって禁止をされています。栄養士は直接指導ができなくなります。そして、今までのように栄養士が直接その給食現場に入ってスピーディーに的確に指導をしていくという実態がとれなくなります。どういうふうにするかというと、栄養士が献立をつくり、請け負った事業者にそれを渡す。細かな指示書によって事業者はそれを遂行していくということになっていますが、そういうことで今までの衛生が後退なく遂行できると本当にお考えでしょうか。
それから、後の細かな指示というものは、できてくればまた文書をつくって業者に渡すという、そういう面倒くさい方法をとらなければなりませんので、
文部科学省が示しているスピーディーで素早い衛生指導ということは不可能です。そういうことについて、どのように本当にクリアできるとお考えなのか、ぜひお聞かせください。
また、先ほど私は学校給食の持つ教育的な役割について申し上げましたけれども、その目的を達成するためには、いわゆる調理員さんがお母さん的な役割を発揮することができるためには、それは児童・生徒との日常的な触れ合い活動、研修、学習が必要です。子供を理解する手だてがとられない限り、これはいろいろな調理員さんのアンケートでわかっていますけれども、生徒に身近なところにいる調理員さんは、子供に温かいものを食べさせたい、子供がみんな食べてくれたらいいというのが一番の願いです。離れた給食センターなどで働く、例えば民間の場合には、やっぱり安全なものをという願いは同じです。けれども、ここで働く自分たちがいることもわかってほしいというふうに微妙に願いが違ってきていますけれども。とにかく研修の場を確保するということ、児童と日常的に触れ合って、触れ合いの場をもっと積極的にとるということが、この民間委託では非常にとりくいということなんです。
例えば、先ほど私が1回目で紹介しました栄養士さんのいる学校では、栄養士さんが出す子供との触れ合いノートというものに調理員さんも一緒になって目を通して返事を書く、そういうことをして子供との心の触れ合いをとっておられます。これから佐賀も本当に学校給食を教育として成立させるためには望ましい方向で、それがとるべき方向であろうと思いますけれども、民間委託の場で働く調理員さんのアンケートにはこういうのがあります。賃金が安く、労働が大変であること。実際に民間委託されたところではくるくる調理員さんが変わっていくという実態があることは御存じだと思います。それから、研修は非常に勉強になると思うんだけれども、会社が休ませてくれないので出ることができない、学校行事への参加はこれはしにくい、そういうアンケートの結果がはっきり出ているのです。
再度学校給食、民間委託について本当に広大な立派な目標を掲げてある佐賀市の学校給食の目的が達成できるとお考えなのか、これから検討をしていくとおっしゃることですので、検討の場にぜひ本当に子供の立場に立った、人を安く使おうとか、人件費のためにとか、コストダウンのためにという視点ではなく、本当に教育の立場、子供の立場に立って検討を進めていただきますようにお願いして、また見解もお聞きしたいと思います。
次に、3点目の
インターホンについてですけれども、お答えを聞いて、学校現場にはお金をかけないですべて安上がりで済まそうというふうにお考えなのだなというふうに私は理解しました。緊張時を伝える、それには
インターホンよりも
火災報知機がベストなのだというふうな回答でございましたけれども、私は教育現場にいた者として、この
火災報知機が決して子供に緊急性を伝えないことを申し述べておきたいと思います。私、学校現場にいましたけれども、月に1回ということでしたが、月に1回でも
火災報知機がなれば、子供たちはなれっこになってちっとも緊張しなくなります。一応、私は学級担任として、子供たちが騒いでそのまま騒ぎをやめなければ、今の報知機何かあるかもしれないから静かにしなさいといって一応静かにする手だてはとりましたけれども、ほとんど何々のいたずらでしたというので、子供たちも、ああ、またいたずらだというとり方をして、本当にそこに何回かの子供のいたずらがあれば、子供に緊張を伝えるということは不可能です。
今、私が大変心配するのは、学校現場から市の職員がすべて本庁の方に引き揚げられて、嘱託化されているという実態があります。学校司書しかり、これから学校の事務職員、いろいろ心配されます。調理員もそうです。一体市は学校設置者としてその管理義務をどのように考えているのでしょうか。市の直接の正規の職員がいなくなる、そういう実態について、それでいいとお考えなのか。再度学校危機管理体制については、市の設置者としての責任が私たちに伝わるように明快な御答弁をお願いして、2回目を終わります。
◎迎巌 教育長
社会体育への移行についてお答えします。社会体育への移行につきましては、先ほど申し上げましたように、
外部指導者等の養成が急務だと思っております。実態が見えてこないということでございましたが、中学校の始業は8時10分ないし8時15分でございまして、終わりは4時ないし4時10分が普通でございます。後片づけ等をしますと4時半になりまして、6時までには秋でございますと下校、家に帰さなければなりません。そうしますと、考えてみますと、1時間弱の活動でございまして、これを社会体育等に移すとなりますと、授業とか、それから移送とか、大変な作業がありまして、諸外国の例を見てみますと、授業等は2時に終わっているという例もありまして、このことにつきましては
外部指導者の育成とともに、物理的な時間的なもの、指導者の実態、児童・生徒の希望、教職員の希望等重ねまして、今後検討していきたいと思っております。
(発言する者あり)
いや、私は今のように考えて、平成14年度からは社会体育につきましても指導者、それから、物理的な生徒の勉強時間を考えまして、どの方法が一番いいのか考えていきたいと考えております。
◎吉富康仁 教育部長
教育としての学校給食の確立についてということでお答えします。
繰り返しになりますけれども、調理する人が市職員から民間の人へ移行することで手づくりの給食という基本は変わらないものと考えております。調理業務が担っている教育的な役割は損なわれることはないと思います。栄養士が調理師へ指導管理はできるものと考えておりますが、質問の中で職業安定法第44条の話が出ておりましたけれども、民間委託になりましても、年単位の学校給食の実施計画表、あるいは月単位の月間予定献立表、週単位の調理業務指示書、1日単位の調理業務変更指示書等による具体的な調理方法の指示は可能であるのではないかと思っております。また、作業の開始前に受託者の責任者に対しまして、作業に関する指示や打ち合わせを行うことにより、その結果として委託者側の意思が受託者側の調理員に反映されることがあってもよいとなっております。これまでの視察先におきましても、この方法によって徹底されておりましたし、公務員の栄養士と民間人の調理員との意思疎通はできるものと考えております。
それから、
インターホンと
火災報知機の話につきましては、先ほどの答弁でも言いましたとおり、今回
インターホンによる各教室への配備はいたしておりませんけれども、今後、年次的に更新をやっております、電話機の更新等をやっておりますが、その更新の際に、
インターホン機能を持った電話機、そういうものの拡充ということが現実的に考えられると思います。だから、
インターホンそのものが今回の予算には直接上がっておりませんけれども、今後の分という形では考えられると思っております。以上でございます。
◆(
井上雅子議員)
時間がありませんので、提言をしてそれに対するお答えをお願いします。
学校給食の民間委託ということについてですけれども、同じようなことを山形県の藤島町では議会が学校給食は公設直営でという結論を出して、そして教育としての学校給食の充実を通して、子供たちの成長や発達を願う職員、父母の期待に町議会が見事にこたえたという実例があります。ぜひ御検討ください。その中で、今私がいろいろ申し上げましたこと、労働者派遣法とか職業安定法施行令を満たす請負4項目について、本当はいろいろ違反になるようなことがありますよね。もう時間ありませんから申しません。調べていただきたいと思いますが。
この中で考えていただきたいのは、安い人件費だけを求めるということは労働条件の改善など労働行政を担う自治体の態度ではないということも明快にうたってあります。ぜひ再度、これからの検討の中には今のようにかたくなにこれがいいんだじゃなくて、どちらがより効果的なのかという視点で検討をしていただきたいと思います。御見解をお願いいたします。終わります。