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平成30年第1回定例会(第4号 3月14日)
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  1. 大分市議会 2018-03-14
    平成30年第1回定例会(第4号 3月14日)


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    平成30年第1回定例会(第4号 3月14日)   第1回大分市議会定例会会議録 (第4号) ───―────―──────────── 平成30年3月14日 午前10時0分開議 ───―────―──────────── 出席議員   1番    穴 見 憲 昭   2番    小 野 仁 志   3番    松 木 大 輔   4番    倉 掛 賢 裕   5番    田 島 寛 信   6番    二 宮   博   7番    藤 田 敬 治   8番    安 部 剛 祐   9番    野 尻 哲 雄  10番    永 松 弘 基  11番    板 倉 永 紀  12番    足 立 義 弘  13番    仲 道 俊 寿
     14番    長 田 教 雄  15番    秦 野 恭 義  16番    阿 部 剛四郎  17番    高 松 大 樹  18番    松 本 充 浩  19番    堀   嘉 徳  20番    井手口 良 一  21番    福 間 健 治  22番    岩 崎 貴 博  23番    斉 藤 由美子  24番    馬見塚   剛  25番    甲 斐 高 之  26番    帆 秋 誠 悟  27番    松 下 清 高  28番    宮 邉 和 弘  29番    髙 野 博 幸  30番    安 東 房 吉  31番    日小田 良 二  32番    スカルリーパー・エイジ  33番    三 浦 由 紀  34番    衛 藤 延 洋  35番    大 石 祥 一  36番    仲 家 孝 治  37番    荻 本 正 直  38番    高 橋 弘 巳  39番    橋 本 敬 広  40番    川 邉 浩 子  41番    国 宗   浩  42番    泥 谷   郁  43番    佐 藤 和 彦  44番    今 山 裕 之 ───────────────────── 欠席議員  な し ───―────―──────────── 出席した事務局職員 局長  宮 成   隆 次長兼議事課長  板 井   隆 総務課長  川 野 洋 史 議事課参事  吉 野   宏 議事課参事政策調査室長  岡 村 吉 宏 議事課参事補  後 藤 和 正 ───―────―──────────── 説明のため出席した者の職氏名 市長  佐 藤 樹一郎 副市長  久 渡  晃 副市長  桑田 龍太郎 教育長  三 浦 享 二 水道事業管理者  三重野 小二郎 消防局長  澁 谷 有 郎 総務部長  佐 藤 耕 三 企画部長  西 田 充 男 企画部審議監  縄 田 睦 子 財務部長  倉 原   洋 市民部長  伊 藤 真由美 福祉保健部長  江 藤   郁 子どもすこやか部長  重 石 多鶴子 環境部長  秦    希 明 商工労働観光部長  戸 田 美 和 農林水産部長  森 本   亨 土木建築部長  木 村 忠 孝 都市計画部長  長 野 保 幸 下水道部長  衞 藤  亥太見 監査事務局長  野 中 昭 男 教育部長  増 田 真由美 教育部教育監  佐 藤 雅 昭 水道局管理部長  小 畑 裕 之 市長室長  高 橋 賢 次 財政課長  吉 良 昌 昭 ───―────―────────────   議  事  日  程  第4号     平成30年3月14日午前10時開議 第1 総括質問     日本共産党     おおいた民主クラブ ───―────―────────────   本日の会議に付した事件 日程第1 総括質問       日本共産党       おおいた民主クラブ  ◇─────────────────◇ ○議長(野尻哲雄) これより会議を開きます。           午前10時0分開議 ○議長(野尻哲雄) 本日の議事は、お手元に配付の議事日程第4号により行います。  ◇─────────────────◇ ◎日程第1 総括質問         日本共産党         おおいた市民クラブ ○議長(野尻哲雄) 日程第1、総括質問を行います。  最初に、日本共産党代表、23番、斉藤議員。 ○23番(日本共産党 斉藤由美子)(登壇)(拍手) 23番、日本共産党の斉藤由美子です。私は、日本共産党会派を代表して総括質問を行います。  初めに、市長の政治姿勢について5点質問いたします。  1点目に、憲法についてです。  安倍首相は、憲法9条の2項を残し、自衛隊を書き込むと提案し、改憲を狙っています。何も変わらないと主張していますが、法律は、後からつくったものが前の法律に優先するのが一般原則であり、9条2項が残っても、その中身は空文化してしまいます。そうなれば、これまでできないとされてきた武力行使のための海外派兵や集団的自衛権の全面的な発動が可能になります。  この間、安保法制、秘密法、共謀罪と、違憲立法を押し通し、野党が憲法に基づいて要求した臨時国会も、3カ月放置したあげく冒頭解散、これほど憲法を守らない首相に憲法を変える資格はありません。今、求められているのは憲法を変えることではなく、国民の生存権を保障し、民主主義を尊重し、平和憲法を守り抜く政治を取り戻すことです。  そこで、質問いたします。安倍政権が進める改憲にきっぱりと反対し、現行憲法を暮らしに生かす政治こそ必要だと考えますが、見解をお聞かせください。
     2点目に、核兵器禁止条約についてです。  核兵器廃絶を願う行動は、今や世界中に広がっています。しかし安倍政権は、世界の流れに真っ向から逆らい、核兵器禁止条約の批准を行おうとはせず、日本政府も、核抑止力の正当性を損なうとの理由で条約への署名を拒んでいます。  核抑止力とは、いざとなれば核兵器を使用するというおどしによって安全保障を図ることであり、核の使用を肯定するものです。それは広島、長崎のような非人道的惨禍を再び引き起こさないという誓いに反するものであり、世界では既に破綻している論理です。唯一の戦争被爆国である日本が核兵器を容認するのは、恥ずべき態度ではないでしょうか。  被爆地である広島市、長崎市を初め、核兵器禁止条約の早期締結を求め、千葉県佐倉市、大阪府泉大津市、八尾市、兵庫県尼崎市など、核兵器禁止条約の早期締結を目指して、市のホームページで市民署名を呼びかけるなど具体的に行動している自治体もあります。  また、条約への署名や批准を求める意見書は、既に全国113もの地方議会で可決され、衆参両院に提出されています。しかし、残念ながら大分市は、実に消極的な態度にとどまっています。  そこで、市長にお尋ねいたします。大分市からも核兵器禁止条約の早期締結を国に求めるべきです。今後、大分市において、核廃絶に向け、積極的にどのような行動を起こしていくのか、お聞かせください。  3点目に、米軍による軍事訓練についてです。  沖縄県名護市沖でのオスプレイの墜落事故、同じく、うるま市での米軍ヘリ不時着、保育園や小学校などへの相次ぐ部品落下、青森県小川原湖への燃料タンク投棄など、国民の命やなりわいを脅かす事故が多発する異常事態となっています。重大な事故が起こっても、飛行が中止されることはなく、説明どころか謝罪すら行われていません。今後も同様の事故が起こるのではないかと、強い怒りが広がっています。  ここ大分市も、低空飛行訓練イエロールートの飛行自治体であり、今後、市民の生活に影響がないと言い切ることはできません。  沖縄の負担軽減を理由に、大分県の日出生台において、ことし13回目の米海兵隊の実弾砲撃訓練が行われました。訓練に先立ち、市民グループからは、訓練最優先、地元軽視の姿勢が強まっているとの不安や反対の声が上がり、地元の由布院温泉観光協会は、大分県知事と由布市長に対し、訓練は癒やしのまちにふさわしくないとして、縮小、中止を求める要望書が提出されています。  今回の実弾砲撃数は累計792発、これまでで史上2番目の数に上ります。以前は、155ミリりゅう弾砲のみ使用するとされていましたが、今では小銃や機関銃なども使用し、より攻撃性の高い訓練へと拡大しています。国際法上、非人道兵器と批判の声が上がっている白リン弾や照明弾なども使用され、それに伴う林野火災もたびたび起こっています。このような危険な状況が許されるはずがありません。  そこで、質問いたします。米軍機やオスプレイの飛行と日出生台での訓練の中止を国に対して要望すべきと考えます。見解を求めます。  4点目に、原発問題についてです。  東京電力福島第一原発の大事故から7年が過ぎ、2月末現在、福島県内外の避難者は7万3,000人に及び、多くの方々が故郷を追われ、避難生活を強いられています。放射線による甚大な健康被害がもたらされ、福島では小児甲状腺がんの発症率が100倍から300倍に相当する深刻な事態が引き起こされています。  また、現在もふえ続ける汚染水や炉心溶解物処理のめどは一向に立っていません。これから長い年月、廃炉作業に携わる方々の健康被害や莫大な廃炉費用など、はかり知れないほどの負担が国民に押しつけられることになるのです。  しかし、政府・与党は、エネルギー基本計画において、今後も発電電力のおよそ2割を原発で賄うと掲げ、再稼働路線にしがみついています。万一、原発を再稼働すれば、計算上、わずか6年で原発の使用済み核燃料プールは全て満杯になり、原発を動かせば出る核のごみも、処理方法はありません。無責任きわまりない再稼働路線は、完全に行き詰まっています。  昨年12月には広島高裁が、四国電力伊方原発3号機の運転差しとめを命じ、原発の危険性は司法の場でも明確に示されました。  大分市は、伊方原発、玄海原発、川内原発と3つの原発に囲まれています。市民の生活やなりわいに深刻な被害を及ぼす危険性が多大にあります。  そこで、質問いたします。一刻も早く原発ゼロを決断し、再生可能エネルギーへ転換すること、また、伊方原発3号機の廃炉、川内原発の停止、玄海原発の再稼働中止を電力会社と政府に対して求めるべきと考えます。見解を求めます。  5点目に、景気対策についてです。  安倍政権による優遇税制により、法人税減税や消費税の輸出還付金制度の恩恵を受ける大企業の内部留保は、80兆円も上積みされ、ついに400兆円を超えました。大企業では、報酬1億円以上の役員数が1.7倍にふえ、株主配当や役員報酬も大きく増加しています。  一方で、従業員の給与は、大企業でも5年間で4.1%しかふえておらず、物価の伸びを下回っています。中小企業やパートを含む全労働者で見ると、その平均実質賃金は、安倍政権発足時に比べ、年収ベースで16万円も低下しています。  総務省発表の、昨年12月の家計調査データでは、勤労者世帯の平均世帯年収は、623万円から647万円と4%しかふえておらず、物価上昇を差し引いた実質では7万円近くものマイナスです。また、消費支出全体に占める食費の割合を示すエンゲル係数は、28.0%と3割近くにもなっています。近年、エンゲル係数は上昇し続けており、多くの世帯で食べること自体が精いっぱいになっていることをあらわしています。  結局、アベノミクスによって大企業や大資産家は空前の大もうけをした一方、税と社会保障の一体改革の名で、国民には消費税増税や国保税などの引き上げが重なり、わずかな賃上げさえも帳消しとなっています。国民の税負担は、既に所得の4割にも達しています。  安倍政権は、経済は好循環だと繰り返しています。しかし実態は、貧困と格差が広がり続け、もはや政府・与党はこの深刻な財政危機を打開する道を示せなくなっています。  しかし、経団連は安倍政権に対し、計画どおりの消費税増税の実行と法人税実効税率25%への引き下げをセットで求めています。この間、安倍政権下で4兆円もの法人税減税がばらまかれているのに、さらに2兆円もの減税要求です。国民には消費税大増税で負担を押しつけながら、財界には減税をばらまく政策には一かけらの道理もありません。消費税増税は中止すべきです。  そこで、質問いたします。我が党は、消費税に頼ることなく、能力に応じた負担原則を貫く税制改革、財界やアメリカ言いなりの歳出浪費をなくす財政改革、国民の所得をふやす経済改革を進めることこそ、真に国民の立場に立った景気対策だと考えます。これについての見解をお聞かせください。  次に、新年度予算について質問いたします。  安倍内閣が決定した2018年度の政府予算案は、医療、介護などの社会保障予算の自然増の分が、前回に引き続き大幅に削減されています。とりわけ生活保護費は、13年度からの3年連続、最大10%の引き下げに続くさらなる削減です。  さきの総選挙で安倍首相は、少子化は国難とまであおり立て、幼児教育、保育の無償化、大学学費の負担軽減などを公約にしましたが、結局、消費税増税後に先送りとされました。  教育予算は4年連続でマイナス、生活保護の母子加算やゼロ歳から2歳児の児童養育加算も削減となっています。子育てや教育に冷たく、むしろ子育て応援に逆行し、貧困の連鎖を助長する予算です。また、中小企業対策費農林水産予算地方交付税なども軒並み削減され、地方創生どころか、地域経済の疲弊を加速させかねません。不要不急の大型公共工事予算は増額され、原発再稼働と核燃料サイクル推進予算も温存されています。  その上、防衛関係予算は6年連続の増加、4年連続の史上最高額を更新し、突出しています。墜落事故を起こしたオスプレイやステルス戦闘機F35などの配備が増強され、戦争をする国づくりを予算の面でも推進するものであり、国民に貧困と戦争をもたらす逆立ち予算です。  日本共産党は、憲法を守り、国民の側に立つ政治への転換を目指し、政府予算案の抜本的な組み替えを国に求めるよう、強く要望いたします。  それでは、大分市の新年度予算について質問をいたします。  平成30年度大分市一般会計当初予算案は、総額1,807億3,700万円で、対前年比1.2%増の過去最大となっています。  新規事業は43件、拡充事業は38件で、国の予算案に合わせ、防災、子育て、商工、農政などに重点配分され、社会保障費は約23億円、4.4%増となっています。普通建設事業費は、平成29年度3月補正とあわせ、約257億円確保し、基金30億円の積極活用となっています。  初めに、歳入についてです。  自主財源は、歳入構成比率51.9%と、対前年度比4億2,879万6,000円、0.5%の減となっています。  市税では、歳入構成比44.2%と、前年度より8億6,276万2,000円、1.1%の増です。  市税に占める市民税の構成比率は40.3%で、対前年度比12億292万7,000円、3.9%の増、個人は前年より4.3%、法人は2.5%とそれぞれ伸びています。  市県民税は、平成30年度の税制改正で給与所得控除額が縮小され、増税となる市民もいます。前年度所得で課税されるため、離職していても重い負担となります。滞納処分や差し押さえなどでも、切実な相談が数多く寄せられています。  市税に占める固定資産税構成比は44.4%、対前年度比2億1,744万1,000円、0.6%の減、土地は0.6%の減、家屋は1.5%の減で、償却資産は0.7%の増です。地価下落、評価がえの影響としていますが、物価上昇、年金の削減などで、高齢者世帯などには重い負担となっています。両税で市税の84.7%を占めています。  依存財源は、歳入構成比が前年の47.1%から48.1%となり、地方交付税は8億9,300万円、9.2%の減、一方、地方消費税交付金は7億5,500万円、8.9%の増です。一般財源の確保を消費税に頼ることには賛同できません。  歳入では、依存財源の地方交付税は減額となっています。自主財源比率が減少したとはいえ、個人市民税や固定資産税は、市民に重い負担を強いるものです。  次に、歳出についてです。  我が党がこの間、要求してきた贈与型奨学金の倍増、避難所の環境整備の拡充、農林漁業への担い手確保と育成、教員の多忙化解消に向けた新規の施策展開、障害児通所支援費の拡充、鉄道駅のバリアフリー化など、一定評価できるものもあります。しかし、機運の醸成として、豊予海峡ルート推進事業費にさらなる調査事業費が計上されています。  2点目には、市民の批判の声が多く寄せられた大分市中心市街地祝祭広場整備事業や城址公園の仮想天守イルミネーション事業の関連予算が計上されています。  3点目に、企業立地促進助成金3億7,548万2,000円のうち、内部留保金もあり、財力のあるソニーセミコンダクタマニュファクチャリング株式会社など大企業への助成金や、東京、大阪などから本社機能の一部移転を呼び込む企業への助成が含まれています。財力のある大企業への助成金は、大分市の経済を根底から支えている地元の中小零細企業の振興のために振り向けるべきです。  4点目に、これまで聖域とされてきた横尾土地区画整理事業費は、莫大な費用を投じ、メリットの少ない事業であり、認められません。  5点目に、行政改革の名のもとで市職員の人件費総枠を抑制することは、職員の生活と地域経済にも影響を及ぼします。また、市民に負担を課す有料指定ごみ袋事業の継続、学校給食調理員の民間委託をさらに8校拡大するなど、市民犠牲の行政改革は改めるべきです。  6点目に、既に役割を終え、不公正を助長し、新たな差別を生みかねない同和事業には、4億円余りの予算が含まれています。  7点目、市民から批判も高い議員の費用弁償や海外視察費は削減すべきです。  今回の歳出は、これまでの大型事業を聖域として残し、新たな大型開発も推進し、市民、職員犠牲の行政改革推進の予算が含まれています。無駄遣いをやめ、暮らしや福祉を最優先してほしいと願う市民の思いと相入れないものがあります。景気回復の実感は全くなく、それどころか物価高、賃金低下、社会保障費などの増加で可処分所得が低下し、市民の暮らしはさらに厳しくなっています。  昨年度は、パルコ跡地の取得やイルミネーション事業など、中心市街地への財源の偏りも指摘され、豊予海峡ルート推進事業などは今でも、無駄遣いではないのか、市民の税金はもっと市民生活のために使ってほしいなど、疑問や反対の声が多数上がっています。市民の命と暮らしに軸足を置いた改革が必要なのではないでしょうか。そのためには、大企業用地の固定資産税を適正評価するなど、財力のある大企業には応分の負担を求め、税収をふやすべきです。  そこで、質問をいたします。不要不急の大型事業、大企業優遇の支援、役割を終えた同和事業、職員と市民犠牲の行政改革、市民から無駄遣いと指摘されている予算については、廃止、見直しを断行し、市民の暮らしと福祉を支える予算に組み替えるべきと考えます。見解を求めます。  次に、医療と介護について質問をいたします。  1点目に、国民健康保険についてです。  国保税が高くて払えないと、悲鳴の声が渦巻いています。本市の国保税は当初、農林水産業、自営業者が世帯構成比60%を占めていましたが、現在では約17%まで減少しています。それ以外の80%を占めている国保世帯主は、非正規労働者年金生活者などです。年齢構成比も、65歳から74歳の前期高齢者が44.57%を占め、所得構成ではゼロから100万円までの低所得世帯が63.29%となっています。滞納世帯は、この4年で9,000世帯から8,000世帯で推移し、差し押さえ世帯も、微減とはいえ、2016年度は475世帯と深刻な状況です。年金生活者や失業者、非正規労働者の割合が多くなっている国民健康保険は、もはや適切な国庫負担なしには成り立たない医療保険となっています。  ところが歴代政権は、これまで50%だった国庫負担分を引き下げ、現在は約25%にまで削減しました。国保世帯の構造的変化や貧困化への対策を行うこともせず、財政難、保険料高騰、滞納世帯の増加という悪循環に陥っています。住民の命を守るはずの医療保障が、本来の役割を大きく後退させ、逆に重い負担や苛酷な滞納徴収によって、住民の生活や健康、命までを脅かすという本末転倒の状況を招いています。  新年度からは国保の都道府県単位化が実施されますが、この悪循環打開の展望はありません。危機的事態を打開するには、国が責任を果たすことが基本であり、国に対して国庫負担の増額を強く求めるべきです。地方自治体は本来の役割を発揮し、市民の生活と健康を守るという基本姿勢に立って、負担軽減を行うべきです。  そこで、質問いたします。もはや限界となっている国保税を引き下げ、低所得者に対する軽減措置の拡充を強く求めます。見解をお聞かせください。  次に、2点目に介護保険についてです。  介護保険制度が創設されて17年が経過しました。社会で支える介護という看板を掲げて始まった介護保険制度ですが、今や利用基準の引き上げ、サービスの利用抑制、保険料、使用料の値上げなどで、保険あって介護なしの状態に悲鳴の声が後を絶ちません。介護難民は深刻な社会問題です。  保険料は、創設時の第1期が月額基準額3,166円でしたが、現行の6期では5,994円に値上げとなり、被保険者にとって保険料は重く厳しいものとなっています。今回の第7期の保険料改定で6期水準に据え置いても、8期、9期には連続値上げとなる試算が危惧されています。加えて、介護サービスの利用料も、第6期に2割負担が導入され、今回の第7期には3割負担導入が予定されています。保険料、利用料のたび重なる高騰は、高齢者や家族の生活を根底から脅かすことになり、許されません。  サービスの内容も、要支援者の介護予防給付を削減するため、訪問介護、通所介護の市町村事業への移行、特養の新規入所者を原則要介護3以上に限定、補足給付の要件に資産などを追加するなど、サービス抑制と負担増が強められています。さらに、今回の介護報酬改定では、訪問介護における生活援助の回数チェックが厳格になり、デイサービスについても一定規模以上の施設報酬を引き下げています。軽度者を中心に、利用制限に一層拍車がかかり、サービスの低下を招くことが懸念されています。  そこで、質問をいたします。いつでも必要に応じたサービスが受けられるよう、また、安心して払える保険料、利用料になるよう、介護保険制度の国庫負担の増額を国に求め、大分市においても、市民の負担増とならないよう支援を拡充すべきと考えます。見解をお聞かせください。  次に、子育て支援について質問をいたします。  1点目子供の医療費無料化についてです。  子供医療費助成の拡充は、子供たちの健やかな成長を保障するために、直ちに実施するべき施策です。自治体の多くが医療費無料化を推進しており、全国的には、既に7割が中学校卒業までの医療費無料化を実施しています。大分市と同規模の中核市である、お隣の宮崎市でも、さきの市長選挙で、現市長が中学生までの医療費無料化を公約とし、検討が進められています。  大分県内においては、日田市、臼杵市、竹田市、豊後大野市、津久見市、杵築市など、ほとんどの市町村が子供の通院に係る医療費助成を中学生まで行っています。新たに国東市も、新年度予算案で中学生まで、豊後高田市、由布市では、18歳までの拡充を表明しています。災害復興などの財源が必要な市町村でも、子供の医療費無料化を拡充している中で、大分市はいまだ就学前までの助成にとどまっています。  そこで、質問いたします。大分市においても、子供医療費無料化を中学校卒業まで拡充すべきです。見解を求めます。  2点目に、待機児童問題についてです。  認可保育施設などの入所について、1次申し込みで保育園が決まらなかった児童は622人と公表されました。新たな入所申し込みもあり、待機児童の解消が困難となっています。  市は今後、利用調整などを行うとしていますが、これらは一時的な対応であり、保護者の意向に沿う待機児童の解消とは言えません。特に1、2歳児の受け皿は明らかに不足しており、市町村の保育の実施義務を十分に果たしているとは言えません。  そこで、質問いたします。待機児童解消を実現するため、特に不足している3歳未満児の保育の受け皿を早急に拡充できるよう、保育施設を新設すべきと考えます。見解を求めます。  5点目、次に労働行政について質問いたします。  国が推し進める働き方改革は、労働基準法や労働契約法など8本の法律の改定案を一括審議するものです。中でも裁量労働制の拡大は、時間給で働く契約社員の方も対象となっています。給与の上昇は見込めず、勤務時間が長引き、さらなる処遇悪化が指摘されています。今国会で議論されている働き方改革関連法は、ずさんなデータが次々と指摘され、その内容は、過労死の根絶や安定した雇用で人間らしい労働を実現するものではなく、財界、大企業の利益を追求する経済対策にすぎません。  安倍首相は、関連法案の裁量労働制の部分だけを除いて法案を成立させようとしていますが、この法案の問題点がなくなるわけではありません。労働者の権利を無視して、十分な検証も行わないまま、一括法案に紛れ込ませ、労働全般に及ぶルール破りを拙速に進める残業代ゼロ法案にほかなりません。  そこで、質問いたします。安倍政権が掲げる働き方改革関連法案は撤回を求めるべきです。見解を求めます。  働き方改革を行うのであれば、過労死につながる時間外労働や非正規雇用の拡大を厳しく規制し、労働者の立場に立った真の改革こそ求められます。  そこで、もう一つ質問をいたします。我が党は、労働基準法と憲法を基本にして、8時間働けば普通に暮らせる労働環境を確立するために、最低賃金の引き上げやサービス残業の是正、ブラック企業の規制が必要だと考えます。労働者を守るための周知強化などを関係機関へ働きかけるべきと考えますが、見解をお聞かせください。  次に、中小業者支援について質問します。  これまで我が党は、住宅リフォーム助成制度の拡充を繰り返し求めてまいりました。その結果、耐震補強や住宅版リフォームなど、施策の拡充が行われたことは評価できるものです。  市長はこれまで、中小業者は市内事業所の9割以上を占め、従業者数も全体の7割以上を占めている、中小企業はいわば地域経済の主役であり、地域コミュニティーの維持形成にも大きな役割を担っていると答弁されています。  しかし今、中小零細業者からは、仕事が少なく、もうけが出ない、固定資産税や国保税などの税負担が重く、従業員の給与を上げられない、後継ぎがいない、商売を畳むしかないなど、切実な声はふえるばかりです。まちのインフラ整備や暮らしを支える技術者の継承も危機的な状況です。地元の中小零細業者の活性化なしには、まちは元気になりません。個人事業主と従業員の給与を底上げするためには、仕事起こしのための施策こそ必要です。  そこで、質問いたします。中小零細業者を支援する観点から、業者の仕事起こしのための住宅リフォーム助成制度を検討すべきと考えます。見解を求めます。  次に、公共交通について。  JR駅無人化とダイヤの大幅な減便について質問いたします。  この間、駅無人化と3月のダイヤ改正からの大幅な減便について、多くの市民から御意見が寄せられました。当然、反対や中止の要望ばかりです。  我が党議員団は2月26日、福岡市のJR九州本社に赴き、駅無人化と減便を行わないよう申し入れを行いました。しかし、その後も依然として撤回する様子はありません。JR九州は、公共交通の果たすべき役割と社会的責任を認識すべきであり、自治体は反対する市民の声を今後もJR九州に伝えるべきです。  そこで、質問いたします。JR九州に対し、駅の無人化と大幅な減便について、改めて撤回を求めるべきと考えます。見解を求めます。  次に、減災、防災対策についてです。  東日本大震災、熊本地震、九州北部豪雨など、近年、起こっている甚大な自然災害を教訓に、この間、本市においても一定の減災・防災対策が進められております。今後、発生が懸念されている南海トラフ地震や地球温暖化の影響による突風、竜巻、ゲリラ豪雨などの自然災害に対し、的確な減災・防災対策が求められます。  そこで、質問いたします。市民の命と財産への被害が懸念されている中、さらに安全性を高めるために、気象の観測、監視体制の強化、安全を確保するための伝達体制や避難誘導の構築、浸水対策や堤防の整備など、国、県の関係各所に迅速な対応を求めるとともに、市としても早急に取り組むべきと考えます。見解を求めます。  次に、生活環境の改善について質問します。  日常生活にかかわる公共施設の改善や道路の改修、自然災害を見据えたライフラインの老朽化対策などの必要性が高まり、我が議員団にも御要望の声や相談が相次いでいます。バリアフリー化の促進、街路樹の落ち葉対策、とりわけ生活道路の段差解消や修繕など、高齢化社会を迎えるに当たり、また障害がある人も豊かに暮らせるまちづくりを促進する上でも、早急な対応が求められています。  国の新年度予算を見ても、さまざまな公共施設等の適正管理推進事業の予算が増額されており、条件も追加をされております。さらに、公共施設のバリアフリー化やユニバーサルデザイン化のための新たな新規事業も加わりました。  市の負担も生じますが、比較的小規模の地方単独事業を支援する制度であり、国の負担は9割、自治体負担の交付税措置率も引き上げられています。道路、農道、公共施設やトイレなどのバリアフリー化など、市民の要望に応えられるいいチャンスではないでしょうか。  そこで、お聞きをいたします。貴重な財源は、市民の要望が多く寄せられる生活環境の改善にこそ使うべきと考えます。見解を求めます。  次に、ばいじん問題についてです。
     我が党は、ばいじん公害をなくす会の皆さんとともに、これまでばいじん公害や相次ぐ火災事故などについて、大分県、大分市、新日鐵住金に対し、それぞれ住民の声と要望を届け、数々の改善要求を定期的に行ってまいりました。  それに対し新日鐵住金は、大型集じん機や粉じん対策の増強や新設、原料ヤードの発じん対策を行い、一定の効果が出ていることは評価できます。しかし、住民にとって、ばいじん被害は相変わらず生活環境に係る大きな負担であることに変わりはありません。  毎年、環境省に対しても、国の基準を定めるよう要請を行っておりますが、現段階では、大分県、大分市、事業所の3者協定で定められた管理目標値でしか明確な規制をすることはできません。本来は、市民の生活環境と健康を守るため、ばいじん公害は根絶されることが基本だと考えますが、当面、その被害の実態を十分把握し、企業と自治体が目標を持って改善を進めることが必要です。  そこで、質問いたします。定期的に行われている3者協議で、月6トンの管理目標値を月3トンまで引き下げるよう、見直しを検討すべきと考えます。見解を求めます。  次に、農政問題についてです。  安倍政権は、農業の構造改革、戦後農政の総決算と称して、TPPから離脱したアメリカを呼び戻すことを目指し、アメリカを除く11カ国によるTPP11や日欧EPAなどで、農産物の一層の市場開放を進めようとしています。  農業の大規模化偏重で、農業の構造改革を強く押し出しており、大規模経営や競争力強化のための支援が中心となっています。今後、日本の農業や農村にとって大打撃となることは明らかです。  さらに、来年度からは米の直接支払い制度が廃止され、所得補償制度も全廃されようとしています。加えて、今年度からの政府による生産調整廃止も、米価の不安定要因になりかねません。  就農支援や競争力、体質強化も重要ではありますが、まずは生産者が安定して農業を続けられることができることを基本に、国民の食糧と地域経済、環境と国土を守る観点から、農業、農村再生のための支援を行うべきではないでしょうか。  そこで、質問をいたします。政府に対して、TPP11からの撤退を強く要求し、生産費を補う米価下支え制度、農産物の価格保証、所得補償制度の確立を国に求めるべきと考えます。また、市として、現在の農業の担い手である家族経営などの小規模な農家支援を今後どのように行っていくのか、お聞かせください。  次に、同和行政についてです。  同和施策について質問をいたします。  部落差別解消推進法の成立によって、部落問題解決の歴史に逆行し、新たな障壁をつくり出し、部落差別が固定化、永久化する懸念が広がっています。  その解決については、民主主義の前進を図る国民の不断の努力を背景に大きく前進し、特別事業は2002年3月に終結し、今日、社会問題としての部落問題は基本的に解決された到達点にあります。  時として起こる不心得な非科学的な認識や偏見に基づく言動を地域社会で受け入れない力を強めていくことこそが重要です。行政の施策は、全ての国民、市民に対し公平に運用にするのが原則であり、人権問題の相談、教育、啓発活動は、憲法に基づき、一般施策として行うべきと考えます。  そこで、質問いたします。全ての差別を許さないという観点に立ち、部落差別だけを同和行政として特化することをせず、一般施策に移行すべきです。見解を求めます。  最後に、教育行政について質問いたします。  教育環境の改善について質問します。  新年度、国の文教関連予算は、前年度比34億円減となっており、4年連続のマイナスです。小学校の英語教育の時間増に対応する専科教員の加配定数の増員、教職員の働き方改善策として、部活動指導員や教員の事務を補佐するスクール・サポート・スタッフなどの配備は新たに出されていますが、少子化による自然減もあり、教職員定数は削減されています。  教育現場の大きな課題となっている不登校やいじめ問題、児童生徒や家庭、社会が抱える問題を改善させるために、また、教員の多忙化を解消するためには、子供たち一人一人に向き合えるよう、1人の教員に係る業務を削減し、定数改善による根本的な教育環境の改善が急務です。  そこで、質問をいたします。大分市において、教職員の増員と少人数学級の拡大を行うべきと考えます。見解を求めます。 ○議長(野尻哲雄) 佐藤市長。 ○市長(佐藤樹一郎)(登壇) 日本共産党を代表しての、23番、斉藤由美子議員の御質問に対し御答弁を申し上げます。  なお、教育問題につきましては、教育長から御答弁を申し上げます。  まず、市長の政治姿勢についての5点の御質問にお答えをいたします。  1点目の、憲法についてでございます。  日本国憲法は最高法規として、我が国の進むべき崇高な理念と基本的なあり方を示したものでございます。今後とも憲法の基本理念を尊重するとともに、この憲法に基づいた地方自治の精神にのっとり、本市のさらなる発展と市民福祉の向上に向けて努力をしてまいります。  現在、国におきまして憲法改正について議論がなされております。憲法改正は、主権者である国民に影響を及ぼす大変重要な事項でございます。国民の間で広範でかつ十分な議論がなされるべきというふうに考えております。  2点目の、核兵器禁止条約についてでございます。  本市では、昭和59年に核兵器の廃絶と世界の恒久平和を希求をして、平和都市宣言を行っているところでございます。  核兵器禁止条約につきましては、昨年の7月7日に国連本部において122カ国の賛同を得て採択されましたが、日本政府としては、当条約には核保有国が参加しておらず、核保有国と非核保有国の対立を一層深めるおそれがあることから、条約の交渉には参加せず、引き続き核不拡散条約を基礎として、核兵器のない世界の実現に努力するとの見解を示しております。  こうした中、核兵器の廃絶と世界の恒久平和の実現を目指し、現在、大分市を初め国内の全市町村の98.7%に当たる1,718自治体が加盟する平和首長会議において、昨年8月9日に安倍首相に対して、核廃絶へ向けて国際社会が総力を挙げて協力し、条約が十分に法的実行力を持つものへ育てていくために、被爆者の思いをしっかりと踏まえ、核保有国と非核保有国の橋渡し役としての行動を起こす旨の要請を行っております。  本市としましても、日本が唯一の被爆国として、外交努力を重ね、核なき世界の実現に向け、力を尽くしていくことを期待をしております。  3点目の、米軍による軍事訓練、演習についてでございます。  米軍機やオスプレイの飛行については、我が国を初め極東における国際平和及び安全の維持に寄与するため、アメリカ軍が国内における施設及び区域を使用することができると認めた日米安全保障条約や日米地位協定など、国会承認条約に基づくものでございます。  また、日出生台での在沖縄米軍の実弾射撃訓練については、日米の安全保障体制の枠組みの中で、沖縄に関する特別行動委員会合意、いわゆるSACO合意に基づいて、沖縄県の負担軽減のため、国の責任において、全国5カ所の演習場に分散移転され、実施されているものでございます。  したがいまして、本市といたしましては、米軍機やオスプレイの飛行中止、また日出生台での訓練の中止を国に対して求める考えはございませんが、大分県や九州防衛局などの関係機関との連携を図りながら、市民の皆様に必要な情報提供を行ってまいりたいと考えております。  4点目の、原発問題についてでございます。  原子力発電は、国のエネルギー政策の中で推進されてきたものでございます。そのあり方につきましては、国の将来に重大な影響を及ぼすため、国民的議論を交える中で、国策として総合的に検討していかなければならない課題であると考えております。  国におきましては、エネルギー基本計画に基づき、平成27年7月に、2030年度の長期エネルギー需給見通しを策定をして、安全性、安定供給などの基本的な方針を示す中で、再生可能エネルギーにつきましては、各電源の個性に応じた最大限の導入拡大と国民負担の抑制の両立に取り組むとともに、原子力の利用においては、安全性の確保を全てに優先し、原子力規制委員会により、世界で最も厳しい水準の規制基準に適合すると認められた場合には、その判断を尊重し、原発の再稼働を進めるとしております。  こうした中、伊方原子力発電所や玄海原子力発電所を初め、各地の原子力発電所の運転をめぐる司法判断が求められておりまして、特に伊方原発の再稼働に当たっては、昨年の12月に広島高裁において、火山の大規模な噴火による影響を重視した司法判断がなされたところでございます。  現時点では、国に対して原発の即時廃止、それと一体的に再生可能エネルギーの普及を求めていくということは考えておりませんが、原発の再稼働につきましては、今後も国の責任において国民に対し十分な説明責任を果たし、安全確保に努めていただきたいと考えております。  電力会社に対しましても、安全対策に万全を期すよう、これまでも要請をしてまいりましたけれども、これからも要請を行うなど、本市としても必要な取り組みを進めてまいります。  5点目の、景気対策についてでございます。  本年2月に内閣府が発表した月例経済報告におきましては、我が国の景気は緩やかに回復しており、先行きにつきましても、雇用、所得環境の改善が続く中で、各種政策の効果もあり、緩やかな回復が続くことが期待されるとされております。  大分県におきましても、大分労働局が3月2日に発表した平成30年1月分の県内の有効求人倍率が1.48倍となり、3カ月連続で過去最高値を更新をしているところでございます。  今後も、国の各種政策の効果が地方の経済や雇用情勢へさらに波及して、景気が持続して回復することを期待をしているところでございますし、このような大分において持続的に景気回復が実感できる、そういう経済政策を期待をしたいというふうに考えております。  次に、新年度予算案に関する御質問にお答えを申し上げます。  新年度予算の編成に当たりましては、建築物の耐震化、避難所の環境整備、自主防災組織の活性化など、ハード・ソフト両面からの防災・減災対策を講じるとともに、待機児童解消に向けた私立保育所の新増築への助成や仮称成年後見センターの設置などの福祉施策、児童生徒の学力向上や次期学習指導要領を踏まえた情報化やグローバル化への対応などの教育施策へ重点的に財源を配分したところでございます。  また、中小企業の支援や農林水産業の振興等に加え、観光戦略プランに基づくプロジェクトなど、本市のさらなる魅力向上を図る施策や、産業力の強化に向けた取り組みについても可能な限り財源配分を行ったところでございます。  今後とも、将来にわたって質の高い行政サービスが提供できるように、中期の財政収支を見通す中で、持続可能で安定的な財政運営に努めてまいりたいというふうに考えております。  次に、医療と介護に関する2点の御質問にお答えをいたします。  1点目の、国民健康保険についてでございます。  新年度から、国保都道府県単位化の導入によりまして、県内各市町村は毎年、県に対し国保事業費納付金を納めるようになります。この納付金は、県が県全体の医療給付費の必要額を見込み、市町村の所得水準や医療費水準を勘案して、市町村ごとに割り当てるものでございます。  今回、本市に示された納付金額は、現行税率で算定した国保税の収入見込み額を上回るものとなっております。この差額については、前年度からの繰越金、そして本市独自の激変緩和措置として行っている一般会計からの法定外繰入金などにより補填することが可能であると判断をしまして、新年度につきましては、現行税率を据え置くことといたしました。  しかしながら、今回の制度改正に伴いまして、一般会計から法定外繰り入れを行った場合は、国民健康保険特別会計が赤字とみなされる、そういう制度になっておりまして、6年以内に法定外繰り入れを解消する計画の策定が義務づけられております。こうしたことから、現時点での税率の引き下げは困難であるというふうに考えております。  なお、さらなる国民健康保険財政の基盤強化については、全国市長会、中核市市長会を通じて、国に対し追加的財政支援を要請をしているところでございまして、今後も強力に要請してまいりたというふうに思っております。  2点目の、介護保険についてでございます。  介護保険制度は、介護等を必要とする者がその有する能力に応じて適切な福祉サービス等の給付を受けられるよう、国民の共同連帯の理念に基づいて、社会保険方式において創設されたものでございます。  その財源構成は、国、県、市による公費と65歳以上の第1号被保険者、40歳から64歳までの第2号被保険者の保険料となっております。  こうした中、平成30年度から平成32年度までの本市の第7期介護保険事業計画におきましては、介護給付費の見込みや報酬改定の影響を勘案し、介護給付費準備基金を充当することによりまして、介護保険料は第6期と同額に据え置いたところでございます。  また、介護保険法第124条第1項では、市町村は介護給付及び予防給付に要する費用の額の100分の12.5に相当する額を負担すると規定されていることから、一般財源から介護保険特別会計に法定割合を超えての繰り入れは考えておりません。  今後とも、介護保険財政の持続的かつ安定的な運営のために、将来にわたって自治体の財政負担や被保険者の保険料負担が過重とならないように、国費負担割合を引き上げることや制度改正については、介護サービスが持続的に提供される制度となるよう、引き続き全国市長会を通じて国に対しても要望してまいりたいというふうに考えております。  次に、子育て支援に関する2点の御質問にお答えをいたします。  1点目の、子供の医療費無料化についてでございます。  子供の医療費助成事業は、子供の健やかな成長を支援し、保護者の経済的負担を軽減することを目的として、全国の自治体において実施をされております。  県内においては、一部自己負担を基本とする県の補助事業を活用して、各市町村が子育て支援策の一環として、他の子育て支援策とのバランスをとりながら医療費助成の拡充に取り組んでおります。  本市におきましては、中学生までの子供を対象に、県の助成事業に加えて、独自の施策として医療費の無料化を行っており、その対象年齢を、平成19年度に3歳未満児まで、平成25年度には未就学児童まで拡大をしまして、さらに昨年の10月からは、小中学生の入院に係る1日当たり500円の一部自己負担を廃止したところでございます。  本市といたしましては、子供医療費助成制度において、自治体によって助成の対象年齢を初め、所得制限や自己負担金の有無等、制度の内容が異なることは望ましい姿ではなく、未来を担う子供の健全育成と子育て世帯の経済的支援の観点からも、全国一律の制度とすべきであると考えております。  このようなことから、これまでも要請しておりますけれども、今後とも全国市長会や中核市市長会を通じて、全国一律の助成制度を創設するよう国に要望してまいりたいというふうに考えております。  2点目の、待機児童問題についてでございます。  保育施設の入所希望児童は、女性の就業率の上昇などによりまして、年々増加しており、その保育ニーズに応えるため、本年度は入所申し込み児童数の増加率を加味した保育施設の定員拡大を目指して、民間事業者による新規開設や既存施設の増改築等を行った結果、新たに1,016人分の定員を確保いたしました。  しかしながら、年齢別の入所申し込み状況を見ますと、育児休業明けの利用希望が多い1、2歳児の申込者数が例年を大きく上回る形で伸びておりまして、受け入れ枠が不足する状況が見込まれますことから、現在、他の年齢枠での受け入れや定員を超えた受け入れなどの調整を行っているところでございます。  こうした状況を踏まえまして、今後は3歳未満児を中心とした施設整備を促進をしてまいります。  また、私立幼稚園の認定こども園への移行を働きかけるとともに、2歳児の一時預かり事業の導入を検討してまいります。  さらに、定員拡大には施設で働く保育士の確保も必要となります。大変重要でございますので、これまで以上に処遇改善に努めてまいります。  次に、労働行政に関する御質問にお答えをいたします。  まず、働き方改革関連法案の完全撤回についてでございます。  政府が今国会に提出予定の働き方改革関連法案は、同一労働同一賃金など非正規雇用の処遇改善、賃金引き上げと労働生産性の向上、罰則つきの時間外労働の上限規制の導入による長時間労働の是正等、労働者の働き方や暮らしに大きな影響がある改革が含まれておりますが、こうした雇用、労働関係の法整備に関しましては、国の責任において実施するものであるため、本市といたしましては、国の動向を注視をしてまいりたいというふうに考えております。  次に、最低賃金の引き上げ、サービス残業、ブラック企業についてでございます。  最低賃金は、最低賃金法に基づき中央最低賃金審議会から示される引き上げ額の目安を参考に、各都道府県の地方最低賃金審議会での地域の実情を踏まえた審議、答申を経た後、異議申し出に関する手続を経て、都道府県労働局長により決定されるものでございまして、本市といたしましては、決定された最低賃金が遵守されるように、その周知徹底を進めてまいりたいというふうに考えております。  また、本市では現在、サービス残業やブラック企業の問題を含めて幅広い労働相談に応じておりますが、特に賃金未払いや解雇、雇用保険未加入等の労働関係法令違反が疑われる相談が寄せられた場合には、速やかに労働基準監督署やハローワークへ情報提供し、相談の引き継ぎを行っており、今後とも関係機関としっかり連携をしながら、十分に対応していきたいというふうに考えております。  また、市報やホームページ、広報紙「ワークLIFEおおいた」を活用して、労働者や企業に対し、労働関係法令について、その趣旨や内容の周知、啓発、徹底を行ってまいります。  次に、中小企業者支援に関する御質問にお答えをいたします。  住宅リフォーム助成制度についてでございますが、本市は現在、住宅の改修等に関する支援策として、要介護者等を対象とした住宅改修費の支給制度や、子育て、高齢者世帯を対象として子育て高齢者世帯リフォーム支援事業、住宅等の耐震化を図るための木造住宅耐震化促進事業や、御質問ありました木造店舗等耐震化促進事業などに取り組んでおります。  このように本市では、市民の生活様式に合わせた支援を行っておりまして、工事内容あるいは収入等の制限を設けないで、誰でも何でも利用できる住宅リフォームの助成制度の創設につきまして、現時点では考えておりません。  しかしながら、新年度予算として、要介護者等を対象とした住宅改修費には1億6,100万円、大分市子育て高齢者世帯リフォーム支援事業には1,650万円を計上しておりまして、これらの制度の利用――ぜひ御活用いただきたいと思うんですけれども、利用者がふえることによりまして、中小企業の皆様の振興にも役立つのではないかというふうに考えております。  次に、公共交通に関する御質問にお答えをいたします。  JR九州が計画しておりますスマートサポートステーションの導入やダイヤの見直しにつきまして、本市としましては、JR九州に対し、公共交通事業者としての社会的責任を踏まえた慎重な対応や丁寧な説明、住民意見の反映等を求めてきたところでございます。  先日、JR九州が発表しましたスマートサポートステーションの変更しました導入計画につきましては、バリアフリー化先行の要望など、市民から寄せられた多くの意見をJR九州が受け入れて再考するに至ったものというふうに考えられますが、本市といたしましては、さらにその内容を十分に精査をしてまいりたいというふうに考えております。  なお、牧、幸崎、滝尾の3駅のスマートサポートステーションを導入するに当たりましては、市民や利用者に不安を与えないよう、利用者の利用状況や安全性、利便性の確保など十分な調査と検証を行うよう、JR九州に引き続き求めるとともに、その後の導入計画の検討に当たっても、引き続き慎重な検討と丁寧な説明を求めてまいります。  また、ダイヤの見直しにつきましては、本市では、JR九州から説明を受けた内容につきまして、ホームページで公開をしまして、市民意見公募を行って、186の意見が集まりました。その意見全てをJR九州に届けております。  本市といたしましては、それらの意見一つ一つについてJRから回答をするようにというふうに要請をしておりまして、それにつきまして引き続き働きかけるとともに、どのように反映されていくかということにつきまして、JR九州の動向を注視をしてまいりたいというふうに考えております。  次に、減災・防災対策に関する御質問にお答えをいたします。  まず、気象の観測、監視体制の強化についてでございます。  大雨、洪水、土砂災害、暴風、高潮等の気象情報は、本市の災害対策において大変重要な情報でございます。特に住民に対して避難勧告等の避難情報を発する際には、現在の気象状況の分析と観測データによって判断することとなります。  気象庁においては昨年、洪水警報の基準となる流域雨量を計算する対象河川を市内の3河川から15河川に拡大をしておりまして、また県では、河川の水位計を新年度中に増設する予定となっておりまして、関係機関による気象の観測、監視体制の強化が進んでいるところでございます。  本市では、こうした関係機関と連携をして情報の共有を図ることで、迅速かつ正確な情報収集、分析に努めているところでございます。  また、これらの情報とあわせて、現場の状況を迅速に災害対応に反映させるため、消防団や自主防災組織から提供される情報をもとに、迅速かつ的確な避難勧告等の判断が行えるよう、避難勧告等の判断、伝達マニュアルの修正を行っているところでございます。  次に、安全を確保する伝達体制や避難誘導の構築についてでございますけれども、避難勧告等避難情報の伝達につきましては、有線放送、テレビ、ラジオによる放送、またはホームページ、ツイッター、フェイスブック、地上デジタル放送によるデータ放送、緊急速報メール、消防車、広報車等に加えて、自治委員等を通じた地域の非常時連絡網や同報系防災行政無線によりまして伝達をすることとしております。
     また、避難誘導の構築については、災害時には自主防災組織が作成している避難計画に基づいて避難誘導が行われますが、昨年の台風18号の課題の検証を踏まえて、今後、風水害時の避難行動計画の作成を支援をすることとしております。  また、指定避難所の周囲で災害リスクが高まり、指定避難所を閉鎖をした場合、避難者の身の安全を確保するために、避難所体育館のある学校校舎の2階以上の教室などに緊急避難ができるようにしたところでございます。雨が、洪水がふえて、その避難所が避難できなくなったときに、ただ、避難している人がいますので、その人は、そこからまたほかの避難所に移るんじゃなくて、2階以上に避難をしてもらうことによって、安全を確保してもらいたいと、そういうことでございます。  これらの対策につきましては、今月中に市内全戸及び事業所に配布をいたします「わが家の防災マニュアル」によりまして、市民の皆様へ啓発を図ってまいります。  次に、浸水対策や堤防の整備についてですが、浸水対策として、雨水排水ポンプ場を、これまで皆春地区などに6カ所建設し、新年度には片島地区で事業着手することとしておりまして、さらに光吉地区など4カ所についても、雨水排水対策の施設整備を予定をしております。  加えて、暫定的な対応として、災害対策ポンプ施設を森地区など8カ所に設置しているほか、局所的なくぼ地や低地等の浸水対策としまして、仮設ポンプを設置する体制を市内23カ所から、昨年9月の台風18号の浸水状況を検証し、5カ所ふやして28カ所にしたところでございます。  また、堤防の整備につきましては、現在、国では大野川の利光地区、大分川水系の賀来川の東院地区において、堤防整備を行っております。また、県でも、宮河内地区の宮谷川など4河川において河川改修を行っております。  今後とも防災・減災のために早期完成に向けて、国、県等と連携をしながら取り組みをしていきたいというふうに考えております。  次に、生活環境の改善に関する御質問にお答えいたします。  道路あるいは市営住宅、上下水道、学校、公民館等の公共施設は、それぞれ市民生活に密着した施設でありまして、老朽化に伴う改修やバリアフリー化などへの対応は大変重要であるというふうに考えております。  このため本市では、平成28年3月に大分市公共施設等総合管理計画を策定をして、公共施設等の適正な維持管理を長期的な視点で計画的に行っております。  平成30年度当初予算におきましても、国や県の補助制度を最大限に利用し、基金も活用しながら、道路舗装や住宅、学校の営繕費などの予算を増額したところでございます。今後も生活環境の改善に努めてまいります。  次に、ばいじん問題に関する御質問にお答えをいたします。  降下ばいじん量に係る現行の管理目標値の見直しについてでございます。管理目標値につきましては、市、県及び工場との3者で締結をしております公害防止協定に基づいて、工場敷地境界線における1月1平方キロメートル当たりの降下ばいじん量を目標値として設定をしております。  平成12年3月に管理目標値を10トン以下と定め、工場の取り組みとして、集じん機の新設や高炉の改修、散水の増強など、ばいじん対策の強化を継続する中、県、工場とともに協議を行い、平成18年4月には6.5トン以下、平成24年5月には6トン以下とする段階的な見直し強化を行ってきたところであります。  現在、ばいじん対策につきましては、管理目標値の見直しも含めまして、県、工場とともに定期的に協議を行っているところでありまして、今後も引き続き、より一層のばいじんの低減に向けて協議を行い、また適切な指導を行ってまいりたいというふうに考えております。  次に、農政問題に関する御質問にお答えをいたします。  農業政策についてです。  今月9日に日本やカナダなどの11カ国によるTPP11協定が署名されました。今後、各国で国内手続に入ることになっておりまして、今後も国の動向を注視してまいりたいと考えております。  農業所得の補償制度につきましては、平成31年1月から、農業収入が過去5年間で平均基準収入の9割を下回った場合に補填される収入保険制度が開始をされ、この制度の周知と加入を進めることで、経営安定対策の一助になるのではないかというふうに考えております。  また、家族経営農家や意欲ある農業者の支援に向けた本市の対策といたしましては、生産性の向上や省力化を図るために、例えばLED照明をビニールハウスに導入するときに補助する制度などの制度の導入、そして米の新たな需要拡大を目指した、地元酒造会社と連携した酒米づくり、あるいは農産品のお菓子などへの加工度の向上によります高付加価値化の取り組みなどを進めていくこととしております。  さらに新年度には、安全で高品質な農産物を国内外にPRするための有機農産物等認証推進支援事業や、新たな果樹産地づくりを目指す――果物ですね、果物産地づくりを目指す、新たなフルーツ産地化推進事業などの新規事業も行う予定にしております。このような事業を通じまして、農業所得の向上と経営の安定化に努めてまいります。  次に、同和行政に関する御質問にお答えをいたします。  国は、平成28年に施行されました部落差別の解消の推進に関する法律におきまして、現在もなお部落差別が存在するとともに、情報化の進展に伴って、部落差別に関する状況の変化が生じていることを踏まえて、全ての国民に基本的人権の享有を保障する日本国憲法の理念にのっとり、部落差別は許されないものであるとの認識のもとに、これを解消することが重要な課題であるとし、国及び地方公共団体の責務を明らかにしたところでございます。  本市におきましては、議会選出委員を初め学識経験者、関係団体の代表者等から成る大分市同和対策協議会の議を経て、議会の承認をいただく中で、事業目的が既に達成されたものや一般対策への移行が可能なものについては、廃止を含めた見直しを行ってきたところでございます。  このような中、平成27年度末に本市が実施した人権に関する市民意識調査では、結婚や住まいにおける忌避意識がまだ残っている結果となっており、部落差別の解消に向けて取り組んでいかなければならないと考えております。  同和問題は基本的人権にかかわる重大な社会問題であり、その解決は市政の重要課題でありますことから、部落差別の解消の推進に関する法律の趣旨を踏まえて、大分市あらゆる差別の撤廃及び人権の擁護に関する条例に基づき、関係機関及び関係団体等と連携を図る中、部落差別のない社会の実現に向けて、同和行政の積極的な推進を図ってまいります。  以上で私の答弁を終わらせていただきます。 ○議長(野尻哲雄) 三浦教育長。 ○教育長(三浦享二)(登壇) 教育行政に関する御質問にお答えいたします。  まず、教職員の増員についてでありますが、近年、学校が抱える課題が複雑化、多様化する中、幅広い業務を担う教職員の子供たちと向き合うための時間を確保することは重要なことだと考えております。  学校の校長、教頭、教諭などの県費負担教職員の配置につきましては、公立義務教育諸学校の学級編制及び教職員定数の標準に関する法律に基づき、県教育委員会が所管をしており、学校規模に応じた教職員配置が行われているところでございます。このことから本市では、県費負担教職員以外のさまざまなスタッフを市費により配置し、教員を支えるチームとしての学校体制の構築を図っているところでございます。  本市教育委員会といたしましては、今後とも、福祉の専門家であるスクールソーシャルワーカーや特別な指導、支援のための補助教員、外国語指導助手や学校図書館支援員、部活動外部指導者等の専門スタッフを増員するなど、チームとしての学校体制の充実に努めてまいります。  次に、少人数学級の拡大についてでありますが、1学級当たりの児童生徒数は国や県の基準で定められており、大分県では小学校1、2年生及び中学校1年生で30人学級編制を実施しているところでございます。  なお、その他の学年への少人数学級の拡大につきましては、全国市長会及び全国都市教育長協議会等を通じて国に要望しているところでございます。 ○議長(野尻哲雄) 斉藤議員。 ○23番(日本共産党 斉藤由美子)(登壇) ただいまの御答弁をいただきまして、幾つか御指摘をして、再質問を1点だけさせていただきたいと思います。  核兵器禁止条約について、あるいは米軍機飛行について、あるいは原発問題について、非常に市が主体的に考えていることをしていないというふうに思っています。危険があるにもかかわらず、これは国がやることだという姿勢は、決して市民の命や財産を守ることにはつながらないと思います。ぜひとも主導的に、自主的に行動を起こすことを検討していただきたいというふうに思っています。  時間がありませんので、1点だけ再質問をさせていただきます。  子供の医療費無料化についてです。  市長はこれまで答弁で、子供の子育て支援施策は最優先課題であるというふうに御答弁をされていたと思います。今の御答弁の中でも、さまざまな自治体による格差があるのは問題であるというふうにおっしゃいました。  しかしながら、これまで御答弁にあった国保のペナルティーはもう廃止となりましたし、それからこの大分県内を見てみれば、ほとんどの市町村が中学校までの医療費の助成拡大を実施しております。  格差があるのが望ましくないというのであれば、大分県内に住んでいて、大分市に住んでいる子供たちだけが、小学校になると医療費がかかる、お金がないと病院に行けない、この格差は非常に問題だというふうに考えます。小さな自治体でも懸命にそれを拡充する努力をしている中で、中学校までの医療費無料化をしっかりと進めていく、その必要性をお感じになっていないのか、その点についてぜひ御答弁をお願いしたいと思います。  ほかの施策については、時間がございませんので、追ってまた一般質問のほうで取り上げさせていただきたいと思います。御答弁をお願いします。 ○議長(野尻哲雄) 佐藤市長。 ○市長(佐藤樹一郎)(登壇) 子供医療費の無料化でございますけれども、確かに大変重要な課題でございまして、この議会でもいろいろ御審議をいただきまして、特に費用がたくさんかかると思われる入院費につきましては、500円の自己負担を廃止をするということを昨年の10月からですかね、決定をして、進めさせていただいております。  そして、市長会におきましても、各市町村で非常に格差があることについてやはり非常に問題もあるし、特に大分市のような、どんどん人が集まってくるところについてそういう施策を進めることはどうかというような議論も含めて、いろんな議論をしておるところでございます。  その中にあって、先ほど来、御答弁を申し上げておりますように、やはりこれは全国一律の、どこに住んでも同じような支援が受けられるという制度が望ましいだろうということで、先ほど御答弁申し上げましたとおり、国に引き続き、一律の施策を進めてほしいということで要望していきたいというふうに考えておりますけれども、片方で、入院費については負担を外しましたように、いろんな議論について、さらに私どもの中でも検討は進めていきたいというふうに考えております。  それから、交付税のペナルティーでございますけれども、これは実は外れておりませんで、小学校に上がる前までは、無料になることについてペナルティーが外れているんですけれども、小学校、中学については、それを無料化にした場合、まだ交付税のペナルティーがかかるようになっておりまして、そこのところはまだ国の側の統一された変更が行われていないという状況にあります。  そのようなさまざまの状況を踏まえながら、さらに検討していく必要があろうかと思いますけれども、私どもといたしましては、繰り返しになりますけれども、全国一律の制度を措置することが望ましいというふうに判断をしておるところでございます。 ○議長(野尻哲雄) 斉藤議員。 ○23番(日本共産党 斉藤由美子)(登壇) 今、御答弁をいただきました。確かにペナルティーの対象は就学前までということになっていると思いますが、ただ、これまで中学校までの医療費無料化をしない理由を、このペナルティーがあるということを掲げてありました。それが一定規模でも解消されたということは、国もその必要性を認めているということだと思います。確かにこのペナルティーにおいては、これを使って医療費の無料化の拡大をしないようにという通知も出ていますが、ただ、国会の答弁の中では、決してそれを強制するものではないと大臣の答弁が出ています。つまり決してそれは否定されるものではないと、国の中でもしっかりと示されているわけです。  そうしたことを考えて、市町村の中で、大分市の子供たちが入院するまで、お金がない人はもしかしたら病院に行けないかもしれない。大変、私ごとですが、私も三男がぜんそくの発作はありました。財布に一定のお金がないと、今では多分、7,000円ぐらいお金が入っていないと、病院に連れていくことができません。本当に抱いて朝まで祈って待つしかないような、そんな状況がこの大分市の中であるということは、すぐにでもその対策を行わなければならないというふうに思っています。  子供たちを悪いときに、心配せずにすぐに病院に連れていけるということは、入院するまで子供たちの病気が広がらないことを、しっかりとそれを予防する、子供たちの健やかな成長を守っていく、それが自治体の責務だというふうに私は考えます。  国がやることを待つというふうにおっしゃいますけれども、例えば豊予海峡ルートは、国がやろうともしていないのに、毎年毎年予算を計上しているわけです。それに対して、子供の医療費は国がやるまで待つ、市町村議会で出していく。非常に後ろ向きの考え方ではないかというふうに思います。  市民の命に係ることが最優先課題であり、子育て支援は非常に大切な施策だというふうにおっしゃるのであれば、子供の医療費の無料化を拡大させることをしっかりと検討していく、その考えを示すことは必要ではないかというふうに思います。  もう一度その点について、その必要性について、必要だということは先ほどおっしゃっていましたが、通院についての無料化はやはり急務であるというふうに思いますので、その点についてのご意見をもう一度お聞かせください。ぜひ前向きに検討していただけるように強く要望いたしたいと思います。強く求めて、御答弁をお願いします。 ○議長(野尻哲雄) 佐藤市長。 ○市長(佐藤樹一郎)(登壇) 御質問の点についてでございますけれども、先ほど答弁いたしましたとおり、昨年の10月に拡充をしたところでございます。さらにいろんな県内の自治体において動きがございまして、そのような動きも踏まえて、市長会等でもまた議論していきたいというふうに思いますけれども、現時点におきましては、先ほど申しましたとおり、今の状況を踏まえて、さらに議会でもさまざまな御議論をいただきながら、そして市長会等でも議論をしながら、まずは全国一律の導入について国に申し入れをしていくという対応をさせていただきたいというふうに考えております。 ○議長(野尻哲雄) しばらく休憩いたします。           午前11時38分休憩  ◇─────────────────◇ ○議長(野尻哲雄) 休憩前に続いて会議を開きます。           午後1時0分再開 ○議長(野尻哲雄) 次に参ります。  おおいた民主クラブ代表、18番、松本議員。 ○18番(おおいた民主クラブ 松本充浩)(登壇)(拍手) お疲れさまです。18番、おおいた民主クラブの松本充浩でございます。会派を代表いたしまして総括質問を行います。  まず、佐藤市長の憲法観についてお伺いをいたします。  国民主権、基本的人権の尊重、平和主義、この3つの基本理念のもと、日本国憲法は、二度と戦争を起こさないという強い信念で、戦後日本の復興と平和の礎を築いてまいりました。日本国憲法は、立憲主義に基づいて施行されており、時の国家権力の暴走に対し、常に歯どめをかけ続けてまいりました。  今、その日本国憲法、特に交戦権の放棄をうたっている第9条2項が危機にさらされています。改憲の動きが強まっている日本国憲法の現状に対して、市民の安全・安心を守る立場の市長として、また、1984年12月に平和都市宣言を採択された大分市のトップとして、どのようなお考えをお持ちなのでしょうか、見解を求めます。  次に、働き方改革について「笑顔が輝き 夢と魅力あふれる 未来創造都市」の実現を目指されている佐藤市長に伺います。  人口減少と少子化、高齢化が進展する中で、深刻化しているのが労働力不足の問題です。国立社会保障・人口問題研究所が発表した数字によれば、生産年齢人口は2027年には7,000万人を、2051年には5,000万人を割り込むとの予想がされています。このままでは、国全体の生産力低下、国力の低下は避けられないとして、安倍内閣は本格的に働き方改革に乗り出していますが、問題点も数多く指摘されているところであります。  大手広告代理店電通の新入社員が過労自殺した事件が社会問題化して以降、長時間労働に対する世間の注目度は増すばかりでありますし、その対策については論を挟む余地のない急務の課題であると考えます。  しかしながら、今国会に提出されようとしている法案は、高度プロフェッショナル制度の導入や、極めて不適切なデータに基づく国会審議がされております裁量労働制の拡大など、長時間労働の是正とは逆行するものであり、現場で額に汗して働いている労働者にとって、笑顔が輝く中身とは、残念ながら、なってはおりません。  1日8時間、週40時間、これを超える超過勤務や休日の労働については、労働基準法36条の規定により、労働組合の職場代表と使用者との間で協定を締結し、労働基準監督署へ報告する義務がありますが、中小地場企業の多い本市において、全ての職場で法令に基づいた協定の遵守がされているわけではありません。労働組合さえ存在していない事業所が大半であり、36協定自体が機能していないのが実情ではないかとも考えます。  ブラック企業、ブラックバイトもまだまだ存在をしておりますし、取り締まる側の人員が余りにも少ないという現実的な問題も存在をしていると考えます。  本市は、総合計画の勤労者福祉の充実の中で、関係機関と連携し、年間総労働時間の短縮や仕事と子育てを両立できる環境づくりなど、ワークライフバランスの実現と労働環境の改善に向けた啓発に努めますとしております。  所管は、労働基準監督署や大分労働局であり、本市としては啓発のみにとどまらざるを得ないという状況で、不当労働行為をチェックするにも限界がありますが、現状の正しい認識や情報提供なども含め、労働相談なども頻繁に行っている連合大分との連携もこれまで以上に密にして、勤労者福祉のさらなる向上に力を注いでいただきたいと思います。  将来にわたる労働力不足の解消のために、女性活躍社会の実現は大いに期待をされているところでございますが、そのためにも女性が働きやすい労働環境の整備は避けては通れません。その試みの一つとして、シングルマザー枠での正社員採用を行っている会社の取り組みがテレビニュースで紹介をされておりました。本市としても、こうした将来世代に優しい取り組みを全面的にバックアップし、さらに広げていくような施策も必要と考えます。  さらに、将来、勤労者となる現在の若年層が直面をするかもしれない労働問題に対して、正しく問題を認識し、解決できる手法を身につけさせるために、小さなころから職場体験などを通じた職業意識の醸成に加えて、基本的な労働法制を学ぶことは極めて重要であると考えます。小学校、中学校において、働く人としての基礎的な権利や義務などをきちんと教えることも必要なのではないでしょうか。  以上の観点から、笑顔が輝く働き方改革の実現に向けて、市長の見解をお示しいただきたいと思います。  次に、財政方針について伺います。  財務省は1月26日に、国の借金である国債の発行残高が2027年度末時点で1,045兆5,600億円に達するとの試算を発表した。金利が低水準で推移し、利払い負担が抑えられる前提で見積もったが、それでも今後10年で200兆円程度ふえる計算で、危機的な財政状況が浮き彫りになった。  これは、新聞報道の記事でございますが、国の借金総額は既に1,000兆円を超え、昨年9月時点で1,080兆4,405億円になっているとも記載をされております。  このような国の財政状況に関するニュースを耳にするときに、将来に対する不安ばかりが頭をよぎります。本市におきましても、国の補助事業に依存するところも多く、他山の石と受けとめた財政の執行が求められていると考えます。  そこで、まず本市の考える健全財政とはどういった財政状況なのでしょうか、教えてください。  本市は、昨年12月に大分パルコ跡地を23億2,000万円で取得し、ラグビーワールドカップ2019に向けた祝祭の広場としての整備を進めようとしています。取得に向けた事前の説明でも、本市には基金の積み立てがあり、問題はないとのことでありました。その後の委員会等のやりとりの中で、今後、厳しい財政状況という文言は一切使うなとの指摘があったとも記憶しています。基金の取り崩しに当たっては、根本的に市民のコンセンサスが必要であると考えます。基金本来の使用目的について本市はどのようにお考えなのでしょうか、見解をお聞かせください。  豊予海峡ルートの実現に向けてⅡ概要版を拝見いたしました。松山-大分間146キロメートルをトンネルで、新幹線を単線で整備する計画が最も効率的であり、事業費も6,860億円とのことであります。このトンネル部分が全体の84%を占める、海峡の絶景を見ることさえできない、ほぼトンネル路線とも言える豊予海峡ルートは、佐藤市長が市長になる前からの公約であり、悲願でもございます。悲願が大分パルコ跡地のわずか300倍の価格で実現をするのですから、安いものだと、概要版の行間から感じ取りました。  しかしながら、時代のトレンドは、大規模公共投資から人への投資に移行していると考えます。市長の夢はここら近辺にしていただいて、子育て世代や若者、次世代を担う子供たちの笑顔が輝くように、人への投資へとシフトチェンジしていただきたいと考えますが、意見をお聞かせください。  次に、市民協働の観点から伺います。  まずは地域コミュニティーの再生に向けた自治委員制度の見直しについてでございますが、これまでも多くの議員の皆さんから意見が出されておりますし、当事者である自治委員の皆さんからも見直しの要望が多く寄せられていると聞き及びます。  制度発足から半世紀余りが経過をしており、市民のライフスタイルが大きく変化する中、価値観の多様化、事務処理の複雑化、ニーズの多方面化などで、自治委員の皆さんは多忙をきわめております。見直しが叫ばれて久しくなりますが、いまだ状況の好転は見られません。後任の自治委員のなり手がいないという悩みや、市報などの配布が負担であるという不満の声も多く聞こえてきています。  本市は、全自治委員を対象としたアンケート調査を行い、情報伝達事務の改善や報酬額の維持という方針を示してはいますが、地域コミュニティーの再生という大きな課題を解決し、市内688自治区全ての皆さんの笑顔が輝き、夢と魅力あふれるまちづくりのため、今回の自治委員制度の見直しを踏まえ、今後、市民との協働によるまちづくりをどのように進めていかれるのか、見解をお聞かせください。  次に、周辺地域の整備についてお尋ねをいたします。  大分駅が高架化され、駅ビルが開業し、府内中央口や上野の森口広場、J:COMホルトホール大分と大分いこいの道が整備をされ、中心市街地はまさに県都の顔として劇的に生まれ変わりました。100年に1度の大プロジェクトとして、莫大な費用と時間を投入して実施をされた中心市街地整備事業は、現時点において一定程度の完結を果たしたものと考えます。  これに対して、中心地域周辺部である滝尾地区、南大分地区の整備は、残念ながら取り残された感が拭えません。JR滝尾駅に至っては、スマートサポートステーション導入計画の一環として、自動改札機は設置をされたものの、トイレが撤去されてしまい、トイレもない無人駅となってしまいました。  滝尾駅周辺の道の狭隘さも何ら変わっておらず、路線バスの離合には困難をきわめている状況でございますし、南大分駅周辺も、児童生徒の通う通学路の危険性について、幾度となく指摘をされております。  こうしたことからも、滝尾地区、南大分地区における狭隘道路の整備を可及的速やかに実施すべきと考えます。見解を求めます。  一方、住居表示整備事業についても、滝尾地区の羽田、片島、米良、津守、富岡、曲などと、南大分地区の南太平寺、上田町、羽屋、二又町、三ケ田町、永興、田中町、畑中、豊饒、古国府、花園、明磧町、大石町、荏隈町、竹の上、深河内などは、いまだに組と地番を使用する二重住所状態となっており、改善を求める声は大きいものの、なかなか進展していない状況であります。現時点における進捗状況をお聞かせください。  次に、犯罪被害者等支援について伺います。  県内の刑法犯認知件数は近年、減少傾向にあるものの、殺人などの凶悪事件のほか、児童虐待、性犯罪などが社会問題となる中、犯罪被害者等への適切な支援が求められています。
     県は、犯罪被害者等の支援を総合的かつ計画的に推進することを目的として、大分県犯罪被害者等支援条例の本年4月1日からの施行を決定しています。この条例は、2次的被害に係る定義づけを行い、その防止を明文化しているところが特徴であり、都道府県条例としては初の事例ということであります。さらに、犯罪被害者及びその家族に対しての尊厳の保障を基本理念として、具体的には犯罪被害者等の支援を推進するために必要な財政上の措置や住居の安定を図るための施策などを講ずるものとされています。  一昨年、本市におきましても、犯罪被害者等に関する条例制定を求める請願が出され、採択をされております。また、県内他市町村でも、同様の条例制定に向けた動きが活発化しているとも聞き及んでおります。  決して他人ごとではなく、これからは本市でも独自の条例制定などの具体的対応が求められてくると思います。何よりも犯罪に遭われた方やその家族、遺族の方の傷ついた心にきちんと寄り添っていくことが重要でありますし、多岐にわたる手続の煩雑さ解消のために、ワンストップで完結する窓口設置を求める声も上がっています。  こういった犯罪被害者等支援の法制化の流れを受けて、本市の基本的考えと今後の対応についてお考えをお聞かせください。  次に、環境行政についてお聞きします。  家庭ごみ有料化が実施されてから4年目を迎えております。3年ごとに検証し、必要があれば見直しを行うという制度でありますから、昨年11月に大分市清掃事業審議会から、有料化制度の検証・検討についての答申が出されました。  それによりますと、制度について、継続することが妥当、制度の成果について、効果があらわれている、手数料額について、現行どおりが妥当などとされており、その他の項目で、家庭ごみ有料化制度の運用については、常に検証を行う中、必要がある場合は実態に即して改善することを要望するという文言で締めくくられています。  こうしたことからも、本市に対し、家庭ごみ有料化に対しては常に検証を行って、現状にマッチした制度にしていかなくてはならないという強い思いが示されたものと考えます。  ごみ減量の取り組みが進んでいることの判断基準として、制度の開始前よりその排出量が下回ったことを挙げています。人が社会生活を営む上で、ごみの排出は決してゼロになるものではありませんし、ライフスタイルや人口の増減によって変化するものと考えます。前年よりも減少したというだけでは、判断の基準として不完全のような気がいたします。  そこで、お尋ねいたします。本市は総合計画の中で、適正なごみの排出量目標値として、2015年度の実績である15万8,298トンから、2019年度見込みを1万3,000トン余りマイナスした14万5,000トンを設定しています。事業の評価にも直結する数値目標でございます。14万5,000トンとされた根拠となるべき基本的考え方を聞かせてください。  また、今回の清掃事業審議会の答申には盛り込まれてはいませんが、紙ごみの適正回収についてお聞きします。  燃やせるごみの中には、まだまだ紙ごみの混入が多く見受けられる現状でありますし、地域での回収や事業所、事業者任せの回収になっているという側面も否めない事実と考えます。本市として、きちんとした紙ごみ回収リサイクルシステムを構築すべきと考えます。見解を求めます。  さらに、もう一点お聞きします。超高齢社会が進む中、ごみ出し困難者の問題も指摘をされています。全国で48自治体が支援を実施し、2016年度では約5万300世帯が利用しているとの報告もされております。本市のごみ出し困難者対策の現状と今後の方向性についてお聞かせください。  次に、地球温暖化対策について伺います。  昨年9月に大分市水素利活用計画が示されました。「水素が人・圏域・産業をつなぎ拡げる 未来創造都市」との副題がついています。国の水素・燃料電池戦略ロードマップでは、市場規模が今後10年から35年間で1兆円から8兆円程度拡大するとされております。  夢のような水素利活用計画ですが、現段階では全く実態が伴ってはおりません。水素ステーションが市内に1カ所しか存在しない事実、燃料電池自動車が全く普及していない事実、これらの状況を勘案した上で、夢と魅力あふれる未来創造都市を目指す本市として、地球温暖化対策、特に水素の利活用に取り組む決意をお聞かせください。  次に、災害対策について伺います。  東日本大震災から早くも7年が経過をいたしました。いまだに3万5,000人の方が仮設住宅での生活を余儀なくされており、復興に向けた歩みは道半ばと言わざるを得ない状況です。被災された皆様に、改めまして衷心よりお見舞いを申し上げます。  先日は、草津白根山において、想定外の場所から水蒸気爆発が発生し、その噴石により、不幸にも訓練中の自衛官1名が死亡するという災害も発生をしています。いつ、どこで、どのような規模で発生するか予想もつかないのが自然災害である。このことが改めて認識された火山の噴火でありました。  この予期しない白根山噴火を受けて、本市の防災計画に何らかの更新なり変更が加筆されたのでしょうか、教えてください。  九州でも昨年、大規模な豪雨災害に見舞われました。7月5日から6日にかけ、福岡県の朝倉市と大分県日田市などでの線状降水帯の停滞で、24時間降水量の値が観測史上1位の値を更新するという大雨となり、崖崩れや流木による河川の氾濫などで、多くの家屋の全半壊や床上浸水など甚大な被害が発生し、死者、行方不明者41名という最悪の事態となってしまいました。  日田市の小野地区、大津留地区で目の当たりにした、橋の欄干に流木が突き刺さり、泥流の押し寄せた田畑には乗用車やトラックが横転し、置き去りになったままの光景は、とてもこの世のものとは思えず、被害のすさまじさを物語るものでありました。  このような中にあって、日田市でも死者3名が確認をされてしまいましたが、災害の規模からすると、決して多い数字ではないとの見解も示されております。その要因として、1、そもそも災害の多かった地域であり、避難行動も含めた経験値が高かったこと、2、異常な雨の降りぐあいなどにより、地区の自治委員さんなどがいち早く危険性を察知をし、早目の住民の避難につなげたこと、3、日常的に住民相互間のつながりが深められていたことなどが挙げられています。  朝倉市が決してそうではなかったというものではありませんが、日田市の災害においては、日ごろからの防災意識の向上や地域での細やかなきずなづくりが一定程度功を奏したものと考えます。  本市におきましても、自分たちの地域は自分たちで守るという地域防災力の強化を主な取り組みとして掲げ、全自主防災組織での防災訓練の実施を目標としています。  そこで、お尋ねいたします。前回、全市一斉の防災訓練が実施されて、かなりの時間が経過しております。また、国民文化祭や全国障害者芸術・文化祭、ラグビーワールドカップ2019も間近に控えており、これまでになかったような対応が求められることも考えられます。今後の防災訓練のあり方について、具体的な方向性をお聞かせください。  昨年、総務部防災危機管理課から、総務部防災局防災危機管理課へと組織の機構が変わりました。当然のことながら、本市防災力のさらなる向上と安心・安全な暮らしの確保を目指したものと考えます。  私どもはかねてより、降雨期における気象専門員の防災局への配置を求めてまいりました。本市は、大分地方気象台と市長とのホットラインで十分対応可能との判断でありましたが、日田市での災害でもありました線状降水帯のような特殊な気象条件に速やかに対応するためには、電話回線の向こう側ではなく、同じ部屋のすぐ隣に気象の専門家がいることの安心感こそが、市民の安全・安心を守る唯一の方法であると考えます。本市防災の責任者としての再度の見解を求めます。  指定避難所の設置のあり方について、市民の方から素朴な質問をいただきました。それは、本市の公民館や小学校、中学校については、当然のことながら、災害時の避難所に指定されていますが、公立高校や私立高校については避難所として指定されていないということでございます。  同一の市域内にありながら、管理する側の都合で高等学校の建物が避難所に指定できないのは腑に落ちません。高等学校等の建物も全て避難所となるよう、関係機関と調整する必要があると考えます。見解をお聞かせください。  次に、福祉保健行政について伺います。  昨年、第1回定例会において、我々おおいた民主クラブの総括質問で、健康サポート機能を有するかかりつけ薬局制度の早期導入について提案をいたしました。  その際、佐藤市長は、かかりつけ薬局の薬剤師が地域住民に対して健康の維持増進の支援を行う健康サポート薬局は、住民が薬のみならず、健康に関して、いつでも気軽に薬剤師に相談をして、適切なアドバイスを受けることができる身近な相談先として位置づけられているものであり、本市としては、市内の薬剤師会や県と連携しながら、健康サポート機能を持ったかかりつけ薬局、いわゆる健康サポート薬局をふやすために、研修等の実施に努めていくと答弁をされております。  厚労省が矢継ぎ早に打ち出しています地域医療体制構築のための地域包括ケアシステムでは、地域における調剤薬局・保険薬局の役割を重視しています。一方で、特に大都市圏のチェーン調剤薬局が大きな利益を上げていることを問題視して、あたかも地方の調剤薬局までが大きな利益を上げているという思い込みから、医療費削減のための薬価改正などを打ち出しています。  医薬分業という医療行政の大前提がある以上、真に患者のため、地域に暮らす市民の安心のためという精神に鑑み、病院、診療所と同等の医療機関である調剤薬局、保険薬局の重要性は増すばかりであります。基礎自治体として、地域包括ケアシステムの一方の担い手である調剤薬局を健康サポート、介護予防、医療費抑制のためのパートナーとして、強固な連携体制を構築していくべきではないでしょうか。  そこで、改めてお尋ねをいたします。佐藤市長がお持ちの地域医療ビジョンの中で、調剤薬局、保険薬局の重要性をどのようにお考えでしょうか、教えてください。  また、医療行政について、一つだけ具体的な施策について提案をいたします。  国は、処方箋の電子化を推進すべく、その目標を定めた主要業績評価指標――KPIを公表しようとしています。これまで我々は、お薬手帳を持参することを通じて、自分の服薬管理をかかりつけ薬局に依存していますが、まだまだ使い勝手が悪く、個々人の生活に密着した形で機能を発揮しているとは思えません。  厚労省も、お薬手帳の電子化について推奨する考えを示していますが、ある程度の地域全体の医療機関が一斉に電子化しなくては、その導入の目的は達成できないため、実現をしていないのが現状です。  そこで、提案ですが、全国に先駆けて、大分市がまず、お薬手帳の電子化と地域での情報の共有化を図ることができるよう、インセンティブを発揮していはいかがでございましょうか。市長の御決断を期待しつつ、答弁を求めます。  次に、子育て支援策について伺います。  子は国の宝、この言葉は、大河ドラマ「西郷どん」でもたびたび登場しておりますし、世界共通の認識であると考えます。安倍首相は昨年9月末、衆議院解散に伴う会見で、3歳から5歳児の幼稚園、保育所について全面無償化すると表明しましたが、具体的方策などについては明らかにはされておりません。  もしも無償化が実現すれば、この制度では所得の高い世帯ほど恩恵を受けることとなりますし、これまで保育サービスを利用していなかった家庭が利用し始め、保育所がさらに不足しかねないとも言われています。  幾ら保育所をふやしても、安定した保育士の確保がされなければ、上質な保育は望めるはずもありませんし、保育士の処遇改善は喫緊の課題であったはずですが、まだまだ十分であるとは決して言えない状況です。本市におきましても、子どもすこやか部が新設されるなど、さまざまな対策がなされているとは思いますが、待機児童の完全解消には結びついていないのが現状です。  保育料無償化に進もうとしている現状を踏まえて、待機児童を含め、申し込みしたが、入所できなかった全ての子供の笑顔が輝くような、待機児童の解消と保育の質の向上策についてどのようにお考えなのでしょうか、お聞かせください。  子供の貧困対策について伺います。  地域などでは、子供食堂や学習支援など、子供の居場所づくりとそれを通じた支援への橋渡しの取り組みが始まっています。しかしながら、問題点として指摘されているのが、こうした子供の居場所にアクセスすることさえできないでいる多くの子供たちの存在です。  子は国の宝、しかし、宝である子供たちの7人に1人は貧困の状態、さらに、残念ながら、差し伸べる支援の手の間からこぼれてしまっている子供たちが大勢いる。本市として、貧困対策について何ができるとお考えでしょうか、お聞かせください。  さらに、性的マイノリティー――LGBTの方々に対しても、さまざまと問題が指摘されております。多様性を認め合い、全ての市民の笑顔が輝く大分市を目指す本市として、LGBTの方々に対する正しい理解を促すための取り組みが必要と考えます。見解をお聞かせください。  新しい時代に即した地域振興に対する基本的な考え方について伺います。  大分市は、1959年に大分川から大野川にかけての海岸の埋め立てを開始し、1964年1月に新産業都市の指定を受けました。それ以来、それまでの非鉄金属に加えて、製鉄、石油精製といった産業基盤を支える製造業を中心として、石油化学製品や半導体など2次生成品製造業の裾野を広げた一大工業地帯として発展し続けてまいりました。  しかしながら現在は、情報伝達ツールの市場席巻とAIやIOT技術の急速な発展、再生可能エネルギー重視の考え方とクリーンエネルギーに対する市場経済の期待感とそれに基づく技術開発の著しい進展などから、第4次産業革命時代であると言われております。  当然ながら、大分市の産業振興施策も、この新しい産業構造変革期に沿った考え方で、地場企業をリードし、新規企業を誘致しなくてはならないはずです。昭和の新産都の誇りにかけても、新しい時代の幕あけともなる、この第4次産業革命に対して、経済産業省御出身の佐藤市長の御見識とリーダーシップに大いに期待するところでございます。  佐藤市長は、第4次産業革命とも言われる今日の産業構造の急速な変化をどのように見ておられ、大分市の未来を見据えた産業振興をどのように図っていかれるおつもりなのか、御存念をお聞かせください。  1971年10月に大分空港が国東市に移転されて以降、47年が経過しようとしています。大分駅からエアーライナーでも1時間かかってしまう大分空港です。空港から遠い大分市は、観光や商用で本市を訪れる方々にとって、不便の2文字が必ずついて回るのではないでしょうか。  我が会派は、市民、県民の利便性、物流拠点としての優位性、経済的波及効果の観点から、大分市近郊への空港再移転を提案してまいりました。残念ながら、ラグビーワールドカップ2019大分開催には間に合いませんが、今後は世界各地から観光客の増加が見込まれています。  県は、高速船での輸送手段を検討中とのことですが、半世紀近くが経過する大分空港の老朽化対策も指摘されている今こそ、大分市近郊への再移転に向けて、本市が明確な意思表示をすることが重要と考えます。見解をお聞かせください。  「県内就職率57.6%、新規学卒者過去10年で最低」という見出しを新聞報道に見つけました。少子高齢化が進展し、2025年問題が目前に迫る中、労働力不足の問題は深刻化するばかりであり、本市地場企業にとっても切実な問題であると考えます。生産年齢人口の急速な減少に歯どめをかけることは、もはやかなうはずもありませんが、高齢者と女性の活用が今後の大きなポイントとなる中、貴重な労働力の県外流出に歯どめをかける必要があることは間違いありません。  そこで、お尋ねいたします。県内就職率の向上と労働力不足対策として、本市はどのような取り組みを図られるおつもりなのでしょうか、お聞かせください。  インバウンド誘致事業について伺います。  来年のラグビーワールドカップ2019開催はもちろん、再来年の東京オリンピック・パラリンピック開催時において、大分市はこれまでにない大量の外国人の来街者を迎えることが期待をされております。  一方で、観光地としての経験も浅く、インバウンドをターゲットとした環境整備もまだまだ十分とは言えません。主要駅から試合会場までの輸送体制を初めとして、多くの課題に対して、その対処方法を確立し、十分な準備をしておかなくては、労多くして益少ないイベント開催になってしまいかねません。  開催までのカウントダウンが始まっていますが、ことし、来年の大分市として、インバウンドの誘致策と経済効果を最大限にするための環境整備について、どのように考えておいでなのか、インフラ整備とイベントなどの事業展開、それぞれに対する市長のお考えをお聞かせください。  公共交通の担い手について基本的な考え方を伺います。  JR九州は、大分市内の駅を無人化し、さらに運行本数を大幅に減らす意向であることを公表しています。2月中旬に、無人化については、牧駅を除いて先送りすると公表しましたが、同時に、計画そのものを撤回もしくは変更することはないとも明言をしています。大分市、大分県、さらには利用する障害者団体など、地域全体の遺憾の意の表明も物ともせずに、JR九州は当初の予定どおり、着々と既成事実を積み上げようとしているとしか思えません。  公共交通網の整備と保全は、都市計画行政中のインフラ整備の一環として、自治体に課せられた課題であり、義務でもあります。しかしながら、本市においては、公共交通機関の実施者は民間であり、鉄道にせよ、バス路線にせよ、株式会社です。株式会社である事業者の説明責任は当然、出資者、株主に対して義務づけられており、営業収益、経常利益、純利益をより多く確保することが至上命題となります。そのための合理化や経費節減が、地域住民の生活環境保全という企業の社会的責任、いわゆるCSRに優先されることは避けられないでしょう。  一方、その都市インフラの整備、保全を推進することを課せられている自治体の説明責任は、納税者であり、公共交通機関の利用者でもある市民、地域住民に対して発揮することを求められており、安全、便利で信頼性が高く、経済的な利用コスト、つまり合理的な運賃で利用できる公共交通機関網を構築することこそが至上命題となっています。  地域の生活環境の根幹をなし、都市インフラの重要な構成要素である公共交通機関でありながら、その事業実施者と行政との間で至上命題にそごのあることこそが、今回の問題の背景ではないでしょうか。  自社の利益を最優先するために、ややもするとCSR――企業の社会的責任を軽視しかねない民間事業者である株式会社JR九州と今後とも緊密なパートナーシップを保持していくためには、その企業としての考え方と、安全性、信頼性、経済性の確立があって初めて公的財源の投入を正当化できる行政の考え方とのそごをきちんと整理し、整合性をとらなくてはなりません。  JR九州に限らず、バス運行事業者も含めて、その整合性に対する大分市の基本的なお考えをお聞かせください。  また、今後、市長の将来ビジョンである豊予海峡新幹線の実現を含めて、インフラ整備、ハード整備の主体と事業運営の主体、事業運営の方法について、全く新しい公共交通機関のあり方を今からイメージしておかなくてはならないのではないでしょうか。  貴重な税財源のうちから相応の公的財政負担を強いられる行政側の責任と、利益を上げるために事業展開を図ろうとする民間企業の経済活動上の責任の両立を図りつつ、両者の関係を見直すべき時期が来ているとも考えます。公共交通機関に対する市長の基本的なお考えをお聞かせください。  農林水産振興について伺います。  歴史的なシラスウナギの不漁が報道されており、ことしの土用のうしの日は、ウナギが全く庶民の口には入らない状況になるのではと危惧されています。本市ウナギ関連の業者さんにとりましても大変な状況でありますし、特にウナギ専門店にとりましては、廃業もやむを得ないといった、まさに死活問題となっています。  予算編成の段階で、シラスウナギ不漁によるウナギ業界への大打撃が容易に予想されるわけでありますから、本市としても何らかの対策が必要と考えます。大分からウナギ専門店の灯を消してはなりません。ウナギ資源回復のためにどういった対応をお考えなのでしょうか、お聞かせください。  高齢化と担い手不足、このことは農林水産分野で特にその傾向が著しく、問題の深刻さは論をまちません。農地における耕作放棄地や荒廃した里山、手入れが届かず荒れ放題の山林がふえ続けている状況は「笑顔が輝き 夢と魅力あふれる 未来創造都市」には全くふさわしくはありません。中でも、大分市域の約5割を占める森林、山林の荒廃を許すことはできません。  しっかりと手入れと管理が行き届いた里山や山林の実りが生き物を育み、その栄養分が川を伝って海へと運ばれ、豊かな海の恵みをもたらします。こうした恵みの循環までもが破壊されかねない山林の荒廃に対して、担い手づくりの視点も含めて、どのような対策をお考えでしょうか、お聞かせください。  学校現場の働き改革について伺います。  労働基準法の適用から一部除外をされて、残業代ゼロや長時間労働による健康被害などさまざまな問題が長らく指摘され続けてきた教育の現場に、ようやく改善のメスが入ろうとしています。  本市でも、全小中学校にICカードを使用して出退勤管理が行えるタイムレコーダーを設置して、勤務時間の把握及び分析を行うとしています。先日、机上配付された大分市立学校における働き方改革推進計画の中にも、勤務時間管理は働き方改革の手段であって目的ではないことが明示されております。  そこで、お尋ねいたします。手段としてのタイムレコーダーの設置で、教職員一人一人の勤務時間や働き過ぎの傾向は把握できるとは思いますが、その傾向を分析した上で、目的である教育現場の働き方改革に対して、どのような具体的支援策を打ち出そうとお考えなのでしょうか、お聞かせください。  先ほどの推進計画では、学校徴収金の徴収・管理の効率化について項目が示されており、その中には給食費も含まれています。学校教育の中で食育として位置づけられている学校給食が、材料費のみの金額とはいえ、そもそも小学校で月4,650円、中学校で月4,800円程度の有料で行われていること自体が、昨今、議論されるようになっています。  学校現場の働き方改革の実現のみならず、子供の貧困対策にも極めて重要な意味を持つと考えられます学校給食費について、見解をお聞かせください。  本年も1月8日に成人記念集会が開催され、男性2,475人、女性2,346人、合計4,821人が新成人として大人の仲間入りを果たしました。幸いにして、福岡県や神奈川県などで報道されたような、晴れ着が届かず式典に間に合わなかったという、はれのひ事件に巻き込まれた新成人は本市においては確認されていないということであり、安心したところでもございます。  新成人4,821人全ての笑顔が輝き、夢と魅力あふれる本市で働きたいと思ってもらえるような、さらには一時的に他都市に暮らしても、必ず本市に戻ってきてくれるような未来創造都市大分の実現ができるよう、最大限の取り組みを要望いたします。  最後に、今期3月末をもちまして退職される職員の皆様に一言御挨拶を申し上げます。  長きにわたり、大分市と大分市民のために御尽力をいただきまして、大変ありがとうございました。退職されましても、健康に十分留意されて、御健勝に過ごされますことを祈念いたしますとともに、これまで培ってこられました豊かな御経験を生かして、今後とも大分市に対する御指導、御鞭撻、そして市議会に対しての叱咤激励を何とぞよろしくお願い申し上げます。  皆様方のさらなる御多幸を祈念申し上げまして、会派を代表しまして、送別の言葉とさせていただきます。  総括質問を終わります。御清聴ありがとうございました。 ○議長(野尻哲雄) 松本議員に申し上げます。要望は通告外となりますので、気をつけてください。  佐藤市長。 ○市長(佐藤樹一郎)(登壇) おおいた民主クラブを代表しての、18番、松本充浩議員の御質問に対し、御答弁を申し上げます。  なお、教育問題につきましては、教育長から御答弁を申し上げます。  まず、憲法観に関する御質問にお答えをいたします。  日本国憲法は最高法規として、我が国の進むべき崇高な理念と基本的なあり方を示したものであり、今後とも憲法の基本理念を尊重するとともに、この憲法に基づいた地方自治の精神にのっとり、本市のさらなる発展と市民福祉の向上に努めてまいる所存でございます。  現在、国においては、憲法改正について議論がなされておりますが、憲法改正につきましては、国民に影響を及ぼす大変重要な事項でございますので、十分で広範な議論がなされることを期待をしております。  次に、働き方改革に関する御質問にお答えいたします。  本市では、市報やホームページ、広報紙「ワークLIFEおおいた」を活用して、ワークライフバランスの推進などについての周知、啓発に努めてきたほか、仕事と子育ての両立支援に取り組む中小企業を表彰する、大分市子育て支援中小企業表彰を行ってまいりました。  国は、働き方改革を推進するため、新年度から各都道府県に働き方改革推進センターを設置をしまして、積極的に取り組みを進めることとしており、大分県は、おおいた働き方改革共同宣言において、年間総実労働時間の削減や年次有給休暇取得率の向上など4項目の目標を掲げて、経営者と労働者が一体となった働き方改革を推進することとしております。  本市といたしましては、こうした動きを踏まえ、働き方改革推進支援センターや大分県との連携を深めて、企業の実態把握や情報共有を図る中で、国や大分県の事業を活用しながら、市内企業の働き方改革を積極的に推進してまいりたいというふうに考えております。
     次に、財政方針に関する3点の御質問にお答えいたします。  1点目の、本市の考える健全財政についてでございます。  地方自治体の財政の健全化につきましては、地方公共団体の財政の健全化に関する法律において、健全化判断比率として、標準財政規模に対する一般会計等の赤字をあらわす実質赤字比率を初め、全会計を合算して全体の赤字をあらわす連結実質赤字比率、標準財政規模に対する地方債の返還金等の大きさを指標化して資金繰りの弾力性をあらわす実質公債費比率、一般会計等が負担すべき地方債などの将来負担額の標準財政規模に対する比率をあらわした将来負担比率の4つの財政指標が規定されております。  これらの指標には、早期健全化基準と財政再生基準がそれぞれ設けられており、財政再生基準に該当すると地方債の発行が制限されるなど、予算編成において支障を来すこととなります。  本市といたしましては、健全化判断比率を初め地方債の借り入れや公債費の推移などに十分留意しつつ、必要な施策に必要な予算を無理なく措置できることが財政の健全な姿であるというふうに考えております。  2点目の、基金本来の使用目的についてでございます。  基金は、地方自治法の規定に基づいて、条例の定めるところにより、その設置、運用、処分等を行っておりますことから、それぞれ該当する基金条例において定めている目的に沿って活用するものと認識をしております。今後につきましても、それぞれの基金条例に基づき、必要に応じて活用してまいりたいと考えております。  3点目の、人への投資についてでございます。  新年度の当初予算では、待機児童を解消するための取り組みを初め、新たに新生児の聴覚検査、1歳児のおたふく風邪ワクチンの助成のほか、学力向上を目的とした教科指導マイスターや学校生活を支援するためのスクールソーシャルワーカーの拡充、さらに贈与型の奨学金であります未来創造自分資金の募集人員の増員など、子育て世代や次世代を担う子供たちに対する施策に取り組みをすることとしております。  このような人への投資を将来にわたって可能とするためにも、大分の未来の発展のための取り組みというのは必要不可欠だというふうに私としては確信をしているところでございます。  次に、市民協働に関する御質問にお答えをいたします。  自治委員制度の見直しにつきましては、各種の調査や自治委員との協議、庁内横断的な検討のうち、外部委員会におきまして、制度のあり方について御審議、御協議をいただきまして、本年1月に提言書を取りまとめていただきました。  本市としましては、この提言を尊重し、自治委員と自治会長の事務や性格の違いを明確にする中で、自治委員は地域と行政をつなぎ市政運営を円滑にする上で重要な役割を担っていることから、制度を維持することといたしました。  今回の自治委員制度の見直しは、自治会長のほとんどが自治委員を兼務する中で、自治委員の負担を軽減することによりまして、地域のリーダーであります自治会長がより多くの力をまちづくりに注ぐことを可能にして、地域コミュニティーの活性化や自治力の向上につなげていくことを主眼といたしております。  今後は、相談体制の充実など自治会へのサポート体制を強化するとともに、それぞれの地域ニーズに柔軟に対応できるように、大分市自治会連合会の組織化に対する支援などにも努めまして、市民との協働によるまちづくりを深化させてまいりたいと考えております。  次に、周辺地域の整備についてお答えをいたします。  道路整備につきましては、都市計画道路など計画的に整備を行うものと地域の要望などによりまして整備を行うものがございます。  周辺地域などの狭隘な道路の改良につきましては、地域の要望により、安全性や緊急性、重要度等により優先順位を定めて、拡幅改良や待避所設置などの整備を順次行っております。また、通学路の改善等は、要望に基づいて、学校、保護者、地域関係者、警察、道路管理者が現地で合同点検を行って、必要な対策を講じているところでございます。  このような中で、滝尾地区は狭隘な市道が多く、市民生活にも支障を来している状況でございまして、現在、バス路線でもあります津守曲1号線の待避所設置などを、用地の確保ができた箇所から順次行っているところでございます。  また、南大分地区につきましては、通勤、通学の歩行者の安全対策を地域から要望されております竹の上明磧線の道路拡幅に向けて、現在、地権者と用地の協議を行っているところでございます。  今後とも、安全・安心な道路空間の確保に向けまして、地元の自治会、地権者の協力をいただきながら、各種道路整備を進めてまいりたいと考えております。  次に、滝尾地区、南大分地区の住居表示の進捗状況についてでございますが、下郡山の手ほか13の住居表示を実施をしております。両地区には住居表示実施済みの自治会も含めて54の自治会がございますが、そのうち12自治会において、住居表示の実施に向けた住民説明会を行ったところでございます。  残りの自治会については、新年度以降、順次実施することといたしておりますが、両地区には自治会の境が入り組んだ箇所がたくさんございまして、新たなまちの境――境界や町名を設定することについて、住民の合意がなかなか得られにくいというのが課題となっております。  住居表示の実施によりまして二重住所がなくなりますと、各戸へのアクセス時間が短縮されて、郵便物の遅配、誤配も解消されるなど、住民生活の利便性が向上しますので、その必要性を丁寧に説明して、引き続き住居表示整備事業に取り組んでまいりたいと考えております。  次に、犯罪被害者等支援についての御質問にお答えをいたします。  犯罪被害につきましては、誰もが被害者となる可能性があり、またその被害は、身体的、経済的なもののほか、精神的なものにも及ぶことが考えられますことから、被害者本人やその家族の方々の気持ちに寄り添ったきめ細やかな支援策を講じることが重要でございます。支援に当たっては、犯罪被害者等の個人としての尊厳が重んじられ、その尊厳にふさわしい処遇が保障されるべきであると考えております。  こうした中、大分県では本年4月から、県内市町村が犯罪被害者等に対して支給する見舞金の2分の1を補助する制度の導入を予定しております。本市といたしましても、犯罪被害者等が受けた被害からの早期回復や生活の再建を図るために、同制度の導入にあわせまして見舞金を支給したいというふうに考えております。  また、条例につきましては、新年度中の制定に向けて取り組み、今後とも誰もが安心して暮らすことができる社会の実現を目指してまいりたいと考えております。  次に、環境行政に関する4点の御質問にお答えをいたします。  1点目の、ごみ排出量の目標値についてでございます。  本市のごみ排出量につきましては、平成28年度に策定した一般廃棄物処理基本計画において、平成36年度までの目標値を設定しております。  目標設定に当たりましては、3きり運動の推進などによる生ごみの減量や、事業者の過剰包装の自粛などのごみ排出抑制、分別などの再資源化の取り組み等から推計した年度ごとの削減効果や将来の人口動態を勘案して、平成36年度までのごみの排出量を算定しております。  総合計画の目標値につきましては、一般廃棄物処理基本計画の中間目標年度であります平成31年度が14万5,000トンの目標値となっておりますので、それに合わせて設定したところでございます。  2点目の、紙ごみのリサイクルシステムについてでございます。  本市では、家庭から排出される紙類のリサイクルは、各地域の子供会や自治会などで行われております廃品回収運動を昭和51年度から有価物集団回収事業として制度化するとともに、平成13年度からは、市内全域を対象に、ごみステーションでの行政による回収を始めたところであり、集団回収と行政による回収とをあわせまして、紙類のリサイクルの推進を図っているところでございます。  一方、事業所から排出される紙類などの廃棄物につきましては、産廃ということで、事業所それぞれの責任においてリサイクルの取り組みを進めてきたところでありますが、その取り組みを促進するために、平成21年度に事業系廃棄物の減量・適正処理の手引きを作成しまして、事業所を訪問、指導するなど、事業所の紙類リサイクルの徹底を図っているところでございます。  こうした中、市民、事業者の分別意識は高まっておりまして、家庭系の燃やせるごみに含まれる紙類の混入割合も年々減少をしているものの、依然としてリサイクル可能な紙類の混入も見られますことから、今後も粘り強く分別の啓発に取り組み、紙類のリサイクルを推進をしてまいりたいというふうに考えております。  3点目の、ごみ出し困難者の現状と今後の方向性についてでございます。  高齢者等のごみ出し困難者の対応につきましては、介護保険制度や本市独自の福祉サービスのごみ出し支援サービスで対応しているほか、大型ごみや引っ越しごみ等、一時的多量ごみを有料で収集する本市の戸別収集制度を活用いたしまして、ある程度ごみをストックしていただいた上で、戸別―1戸ごとの戸ですけれども、戸別の収集も行うこととしております。  また、ごみステーションまで距離があるためごみ出しが困難であるという方に対しましては、自治会と相談する中で、近所での助け合いのお願い、あるいはその方の自宅近くへごみステーションの新設をしたというふうな例もございまして、そういう移設などを行うなどの対応によりまして、現時点ではごみ出し困難者への支援はある程度できているものというふうに認識をしております。  しかしながら、急速に進む少子高齢化社会の到来を踏まえますと、今後、高齢者等のごみ出し支援のニーズがさらに高まってくることが予想されますので、自治会長さんを初め地域の皆様との連携を密にしまして、地域での実態把握、さらなる取り組みに努めてまいりたいと考えております。  4点目の、地球温暖化対策、特に水素の利活用についてでございます。  国際的な問題であります地球温暖化の解決を目指すと同時に、地域経済の発展を促進することを目的に、昨年9月に大分市水素利活用計画を策定をいたしました。  計画では、将来像として、臨海部の大規模太陽光発電施設の電力により製造したCO2フリーの水素や、コンビナート企業から発生する副生水素を活用して、地域の冷暖房などのエネルギーとしての利用や園芸施設、防災拠点等公共施設での活用など、地域内で水素が循環することによって、地球温暖化対策と同時に水素の製造、貯蔵、輸送等のビジネスにつなげていくことを目指しているところであります。  今後は、コンビナート企業やエネルギー企業等で構成する大分市水素利活用協議会において、技術面やインフラ面など解決すべき課題を調査・検討するなど、企業等と連携を図りながら、水素先進都市大分を目指してまいりたいと考えております。  次に、災害対策に関する4点の御質問にお答えをいたします。  1点目の、火山対策についてでございます。  現在、九州には、阿蘇山、先日7年ぶりに爆発的噴火が確認をされました霧島山新燃岳を初め9つの火山が、常時観測火山として、福岡管区気象台によって24時間体制の観測が行われております。大分県内では、九重山、鶴見岳、伽藍岳が対象となっております。  大分県が作成した火山防災マップによりますと、本市においては溶岩流等の直接的な被害想定は示されておりませんが、本市に重大な影響が見込まれるときには、気象庁から大分県を通じて情報提供されて、本市地域防災計画に基づいて、住民等への広報や屋内退避などの対策を行うこととしております。  草津白根山の噴火による地域防災計画の見直しにつきましては、今のところ考えておりません。  2点目の、今後の防災訓練の方向性についてでございます。  本市では、災害対策に係る自助、共助の取り組みを促進する目的で、平成17年度から自主防災組織と協働で総合防災訓練を行っており、本年度も市内3カ所で実施したところでございます。また、昨年度実績で、501の自治会が地域ごとに防災訓練を実施したところであります。  現在の訓練内容は、地震・津波避難行動計画に基づく避難誘導訓練等、地震災害を想定したものが大半となっており、今後は、台風18号による被害を教訓としまして、風水害を想定した訓練の実施も必要ではないかというふうに考えておりまして、その取り組みをしてまいりたいというふうに思っております。  また、昨年7月に大在小学校において、弾道ミサイルの飛来を想定した訓練を実施するとともに、11月には、ラグビーワールドカップ2019の開催に向けて、関係機関との連携を強化するために、国や県と共同でテロ事案――サリンがまかれたというテロ事案への対処を想定した国民保護訓練を実施しておりまして、新年度も実施をする予定となっております。  3点目の、気象専門員の配置についてでございます。  大雨や洪水、土砂災害、暴風雨、高潮等の気象情報は、本市の災害対策において重要な情報でございまして、特に住民に対して避難勧告等の避難情報を発する際には、現在の気象状況の分析と観測データによって判断することとなります。  こうしたことから、本市に大雨等の警報が発表された場合には、大分地方気象台からの今後の気象予報など詳細な情報の収集に努めているところでございます。さらに甚大な被害が及ぶおそれのある緊急時においては、大分地方気象台長と私のホットラインにより情報提供をいただくことになっておりまして、御指摘がございましたけれども、今のところはこのホットラインがしっかり結ばれておりますので、これで対応ができるんじゃないかというふうに思っているところでございます。  4点目の、指定避難所の設置のあり方についてでございます。  本市の指定避難所につきましては、安全性や地域バランスを考慮して、現在、市内全域で125カ所指定をしておりまして、高等学校の指定避難所は、大分上野丘、県立聾学校、大分西、大分南、大分東の5校となっております。  また、大分川、大野川の堤防の決壊、氾濫による浸水で指定避難所が使用困難となった場合の代替避難所といたしまして、7校の高等学校を指定しているところでございます。  さらに、大規模災害時において多数の避難者が想定される場合は、地域防災計画に基づいて、県に対して避難収容施設の提供を求めることとしておりまして、現在指定されていない高等学校を避難所として利用することも可能となっております。  次に、福祉保健行政に関する2点の御質問にお答えを申し上げます。  1点目の、調剤薬局、保険薬局の重要性についてでございます。  薬局の薬剤師が患者の服薬情報を一元的にかつ継続的に把握をして、専門的な立場から指導や管理を行うことは、多剤投薬や重複投薬の防止が図られ、患者の治療の安全性や有効性が高まるとともに、医療費の適正化にもつながると考えられております。  このように薬局は、患者にとって健康をサポートしてくれる身近な存在でございまして、住みなれた地域や家庭で質の高い在宅医療、介護が受けられる地域包括ケアシステムの構築においても、重要な役割を担うものと認識をしております。  2点目の、お薬手帳の電子化についてでございます。  現在、国において、個人の健康データを本人の同意のもとで一生涯にわたって時系列で管理して、さまざまサービスに活用しようとするパーソナルヘルスレコード、いわゆるPHRのサービスモデルの研究、開発が進められております。  このサービスが運用されますと、PHRアプリを使って、お薬手帳や母子手帳などの一元管理が可能となり、妊娠、出産、子育て支援、疾病、介護予防など、ライフステージに応じたサービスの提供も可能になると考えております。  しかしながら、地域全体の関係機関が一斉に電子化しなくては有効活用が図られず、導入の目的は達成できません。このようなことから、今、大分市では、国、県の動向を注視しながら、大分市地域医療情報ネットワーク研究会という、医療情報の活用のための取り組みをしておりますけれども、その分市地域医療情報ネットワーク研究会において、医師会や薬剤師会を初めとする関係機関と連携しながら、健康データの電子化について検討してまいりたいというふうに考えております。  次に、子育て支援策に関する2点の御質問にお答えいたします。  1点目の、待機児童解消と保育の質の向上についてでございます。  保育料無償化を踏まえた待機児童解消策と保育の質の向上についてでございますけれども、現在、国において、人づくり革命の柱の一つとして、幼児教育・保育の無償化を掲げまして、5歳児から3歳児まで段階的に進めるということになっておりまして、これに伴いましてさらに保育ニーズが高まることも予想されるところでございます。  本市におきましては、待機児童解消を目指して、認可保育所等の新規開設や既存施設の増改築等で定員拡大に取り組んでおりまして、本年も1,016人分の定員増を図ったところです。  こうした中、本年度の状況を見ますと、女性の就業率の上昇によりまして、育児休業明けの利用希望が多い1、2歳児の入所申し込み児童数が例年を大きく上回る形で伸びております。このため、今後は3歳未満児を中心とした施設整備を進めることに加えて、私立の幼稚園に対して、認定こども園への移行を働きかけるとともに、2歳児の一時預かり事業の導入を検討してまいりたいと思っております。  さらに、幼児教育・保育の無償化に伴う保育ニーズの把握等――国の新しい動きなものですから、努めながら、さらに必要な定員の拡大を図っていく必要があるのではないかというふうに考えておりまして、これは動向を見ながら検討してまいりたいと思っております。  また、待機児童解消に向けた保育所等の量的拡大に伴いまして、新規参入事業者や経験の浅い保育士が増加しておりますことから、保育士の資質の向上と安全・安心な保育環境の確保が一層求められております。  本年度から、民間の認可保育所等の巡回支援に当たる職員を増員し、若手保育士のスキルアップや保護者への適切な対応方法等に関する助言や指導の充実を図っておりますが、新年度はさらに職員を増員をして、新たに認可外保育施設への巡回支援も行うこととしております。  加えて、保育士の職務内容に応じた専門性の向上と保育現場におけるリーダー的職員の育成を図るとともに、処遇の改善につながるキャリアアップ研修を本年度から開始したところでございます。今後とも巡回支援や研修体制の充実を図りながら、保育の質の向上と人材育成に努めてまいります。  2点目の、子供の貧困対策についてでございます。  国におきましては、平成26年1月に子どもの貧困対策の推進に関する法律を制定をしまして、同年8月には子供の貧困対策に関する大綱が策定をされております。  このような国の動きも受けまして、本市においても、庁内関係部署により構成された大分市生活困窮者自立支援対策連絡調整会議の中に大分市子どもの貧困対策専門部会を設置をしまして、子供の貧困対策に係る各種事業の整理を行うとともに、効果的な施策を実施するための検討を行ってきております。  本年度は新たに子育て世帯の負担軽減と子供たちの学力向上の機会提供を目的としまして、生活保護受給世帯及び就学援助受給世帯の中学生を対象とした子供の学習支援事業を開始したところでございます。塾代の支援、補助であります。  さらに新年度は、小中学生や保護者を対象に、子供の生活実態に関する調査を行い、貧困状況にある子供や家庭の支援ニーズを把握することで、より効果的な施策の実施につなげてまいりたいというふうに考えております。  次に、性的マイノリティーに関する御質問にお答えいたします。LGBT対策についてでございます。  身体の性と自分が認識する性が同じで、異性を恋愛の対象とすることが当たり前という固定観念が依然として多い中、性的マイノリティーの方は周囲の人に理解をされずに、大きな悩みや苦しみを抱えているのが現状でございます。  本市におきましては、こうした状況を重要な人権問題と捉えて、昨年3月に策定いたしました大分市人権教育・啓発基本計画や第3次おおいた男女共同参画推進プランにおいて、性的マイノリティーへの差別や偏見の解消に向けた人権教育・啓発に取り組むこととしておりまして、男女共同参画センターの情報誌「ドゥマーン」への掲載や、市民を対象にしたセミナーを開催しているところでございます。  今後とも、性の多様性を容認する社会の実現に向け、国や県、関係団体とも連携しながら、人権教育・啓発活動に取り組んでまいります。  次に、地域振興に関する3点の御質問にお答えいたします。  1点目の、第4次産業革命対策でございますけれども、IOT、人工知能などの技術革新の進展、これは生産、販売、消費といった経済活動に加えまして、健康、医療分野や働き方、ライフスタイルなど広く社会全般に影響を与えるものであり、例えばドローンの空撮による三次元計測データは、農林水産業や建設業などの生産性の飛躍的な向上につながる可能性を秘めるなど、産業構造に大きな変革をもたらすものと認識をしております。  本市におきましては、こうした時代の潮流に的確に対応しまして、経済の活力につなげていくために、大分県版第4次産業革命「OITA4.0」というのがありますけれども、そういう計画をつくって挑戦を掲げる大分県と連携しておりまして、ドローンやIOTなどの成長産業分野における革新的技術の、例えば農業でありますとか防災、自動運転などの分野への活用を図るとともに、関連産業への市内企業の参入や域外からの本市への企業立地を促進をしてきております。  また、中小製造業設備投資補助事業などを通じまして、市内企業がこういう革新的技術を導入する際の支援も行っております。  また、こうした取り組みを通じまして、将来的に成長可能性の高い産業分野の育成、集積を図りまして、新しい時代の本市産業の振興を目指してまいりたいというふうに考えております。  一方で、既存の基礎素材産業あるいは電子、電気機器の産業の群でございますけれども、これらの産業群といいますのは、我が国の産業競争力を支える重要な産業群でございまして、またこれらの産業群というのは、中小企業とともに大分の経済あるいは雇用あるいは所得の場を支える大事な産業群でございます。したがいまして、引き続き大分において操業を続けていただけるとともに、最新の投資を続けていただけるような必要な取り組みを大分市としてもやってまいりたいというふうに考えております。  2点目の、大分空港の移転についてでございます。  現在の大分空港は、大分市内から1時間程度時間がかかるなど、他の地方都市と比べると利便性が悪く、本市に建設された場合には、移動時間の短縮のほか、物流拠点としての優位性の確保など、経済的観点からも大きな効果があるというふうに認識をいたしております。  しかしながら、空港の移転に際しては、広大な土地の確保はもとより、空港の周辺における自然環境の問題、航空機の騒音への対策、地域住民の理解等、クリアをしなければならない課題もたくさんございますので、現時点ですぐに空港を大分市内に移転するというのはなかなか困難ではないかなというふうに考えております。  県においては、大分空港へのアクセス時間を短縮をして利便性を向上させるために、海上交通の導入可能性を調査するという予算を新年度予算で議会に上程をしておりますので、それらの動きも注視してまいりたいというふうに考えております。  3点目の、人手不足解消と県内就職率の向上対策についてでございます。  本市では、地元就職を促すために、大分労働局や関係機関と連携をしまして、就職を希望する学生等を対象とした合同企業説明会や就職活動中の学生、生徒の保護者を対象とした保護者のための中小企業研究セミナー、情報交換会などを開催するとともに、市内の4大学と地方創生の推進に関する協定を締結をして、学生に地元企業を紹介するイベントを連携して開催するなどの取り組みを進めております。  また、本年度から、企業の人材確保・定着支援を目的に大分県が設置しております、おおいた産業人財センターに本市専任の相談員を配置するなど、UIJターン促進の取り組みを強化した結果、本市の企業に就職した移住者数は、本年度は2月末時点で90人となっておりまして、既に平成28年度の74人を大幅に上回っております。
     さらに、障害者の企業への一般就職に向けた職業訓練の取り組みを行うとともに、大分市シルバー人材センターへの支援を通じまして、高齢者の皆さんのスーパーマーケットへの人材派遣などを促進してまいりたいというふうに考えております。  次に、観光振興に関する御質問にお答えをいたします。  インバウンド対策でございます。  本市では、大分市観光戦略プランに基づいて、観光案内板の多言語化、それからWi-Fi環境の整備、免税店の拡大など、受け入れ環境の整備に加えまして、大分都市広域圏の観光周遊ルートを造成するなど、本市を訪れた外国人旅行者が楽しく快適に過ごせるように取り組んでまいりました。  また、本市の魅力を海外に情報発信するために、本年度はイギリスやニュージーランドのラグビー専門誌「ラグビーワールド」のライターや香港や台湾などからパワーブロガーを招聘をいたしました。新年度も、オーストラリア等からのライター招聘による情報誌への記事掲載や、欧米のパワーブロガーによるSNS等を活用した情報発信に取り組んでまいりたいというふうに考えております。  さらに、来年のラグビーワールドカップの開催期間中には、公式のファンゾーンあるいは祝祭広場などでのイベントに加えまして、同時期のおおいた食と暮らしの祭典、おおいた夢色音楽祭なども大体同じ時期でございますので、このような既存のイベントともしっかり連携をしながら、外国人観戦客に長く本市に滞在していただけるように取り組みをしていきたいというふうに考えております。  次に、公共交通に関する御質問にお答えをいたします。  まず、ご指摘のJR九州が計画しておりますスマートサポートステーションの導入やダイヤの減便につきましては、本市としましては、JR九州に対して、公共交通事業者としての社会的責任を踏まえた慎重な対応や丁寧な説明、住民意見の反映等をずっと求めてきているところでございます。  お尋ねの公共交通に関する2点の御質問につきましては、相互に関連がありますので、一括してお答えを申し上げますと、まず、我が国で人口減少、少子高齢化が進展する中で、特に地方におきましては、公共交通機関の輸送人員の減少によりまして、公共交通ネットワーク自身の縮小やサービス水準の一層の低下が懸念をされております。  一方で、鉄道やバス、タクシーなどの地域の公共交通は、自動車を運転できない学生さんとか高齢者の皆さんにとって必要不可欠な存在でありまして、活力に満ちた地域社会の実現には、コンパクトなまちづくりと連携した地域公共交通の活性化、再生を図ることが大変重要になっております。  このようなことから、国は平成26年に地域公共交通の活性化及び再生に関する法律を改正しまして、地方公共団体が先頭に立って、地域にとって最適な公共交通ネットワークの形成を関係者の合意のもとで実現していく枠組みが構築されて、国が持続可能な地域公共交通網の形成に資する取り組みについて支援する等、国、県、市、公共交通事業者などの役割が基本方針に定められたところでございます。  中でも公共交通事業者に対しましては、利用者の視点に立ち、運送サービスの質の向上に努めることなどの役割が法律上、求められております。  本市では、この法の趣旨に基づいて、本年度、交通事業者等と協議を重ねて、思いを共有する中で、地域公共交通のマスタープランである大分市地域公共交通網形成計画を策定したところでございまして、この中にはJR九州も入って検討して、この計画を作成をしております。  本市といたしましては、市民、交通事業者、行政がそれぞれの責任を踏まえて、役割を踏まえて、密接に連携を図りながら、将来にわたって持続可能で、誰もが快適に移動できる地域公共交通ネットワークの構築を目指してまいりたいというふうに考えておりまして、引き続き関係者、特に交通事業者としっかりと意見交換、協議をしてまいりたいというふうに考えております。  次に、農林水産業の振興に関する2点の御質問にお答え申し上げます。  1点目の、シラスウナギの不漁対策についてでございます。  シラスウナギの漁獲につきましては、国が認めた養殖場に対して、県がその規模に応じて漁獲量を許可するなど、資源保護に向けて厳しく管理をされております。  しかしながら、漁獲量の減少は全国的にも深刻な状況となっておりまして、その要因として河川や海洋環境の変化などが挙げられておりますけど、いまだ本当の原因というのは解明されておらず、今後、養殖ウナギの生産量に影響が出ることが懸念されております。  シラスウナギの増加には、まず親ウナギの保全が重要でありまして、大野川流域の内水面漁協では、産卵期の漁獲を禁止するなど、親ウナギの保護に向けて努めております。  こうした中、本市では、これまで内水面漁協が行うウナギやアユなどの種苗の放流を支援をしてまいりましたけれども、新年度は放流量を増大するとともに、新たにウナギなどが川を上りやすくする魚道を整備するなど、資源の保全に向けた河川環境の改善を行うこととしております。  2点目の、山林の荒廃対策についてでございます。  過疎化や高齢化に伴いまして、放置された山林や竹林が増加をしております。里山の保全や山林の多面的機能の維持発揮が懸念されているところでございます。  そのため本市では、山林が荒廃化する大きな要因である放置竹林を解消するため、新年度から大南地区の地域住民やNPO法人と連携をしまして、竹の伐採から運搬、チップ化までのコストを調査するとともに、バイオマス発電での利用の可能性を検証する新たなモデル事業を実施をして、竹林の整備による里山の保全に取り組むこととしております。  また、山林の整備は、森林組合などの林業事業体が行ってきたことから、雇用する林業作業者の人件費等の助成や、就業希望者には林業アカデミーの研修参加経費を支援して、担い手の確保・育成を図っております。  一方、多くの杉、ヒノキが成長して利用期を迎えていることから、本年度から、新築の木造住宅等に補助しております大分市産材利用促進事業につきまして、新年度では1件当たりの補助額を1戸当たり10万円から20万円に拡充をしまして、市産材の利用促進を図るということで予算で提案させていただいております。  以上で私の答弁を終わらせていただきます。 ○議長(野尻哲雄) 三浦教育長。 ○教育長(三浦享二)(登壇) 教育行政に関する2点の御質問にお答えいたします。  まず1点目の、教育現場の働き方改革についてであります。  教職員の勤務時間管理は、校長や教育委員会に求められる責務であり、働き方改革推進において不可欠なものと認識しております。  こうしたことから、本市では、本年2月より小学校2校、中学校2校でタイムレコーダーを試行的に導入し、検証を進めているところでございます。試行校におきましては、客観的に記録されたデータをもとに、具体的な退勤時刻の目標を設けるなどの取り組みが見られているところであります。  今後、教職員一人一人が勤務時間を意識し、みずからの働き方を見直す契機とするとともに、管理職が職員の勤務時間を的確に把握し、職員個々に対する支援や指導を行う必要があると考えております。  本市教育委員会といたしましては、勤務時間の把握及び分析を行い、業務の見直しや学校及び教員の役割の明確化など、限られた時間の中で、教員が子供と向き合うための時間を十分確保できるよう、学校における働き方改革を推進してまいりたいと考えております。  2点目の、学校給食費についてであります。  学校給食は、児童生徒の心身の健全な発達に資するものであるとともに、児童生徒の食に関する正しい理解と適切な判断力を養う上で重要な役割を持つものと認識しているところでございます。  その実施に当たりましては、文部科学省が定める学校給食摂取基準に基づき、多様な食品を組み合わせて、児童生徒に必要とされる栄養量を提供しているところであります。  学校給食の経費につきましては、学校給食施設設備に要する経費及びこれらの修繕費並びに学校給食に従事する職員に要する給与その他の人件費を学校の設置者の負担とし、その他の学校給食に要する経費を児童生徒の保護者負担とすることが学校給食法第11条及び同法施行令第2条において定められておりますことから、本市におきましてもこれを基本としているところでございます。  本市教育委員会といたしましては、今後とも低廉で良質な食材等の購入に努め、栄養バランスを考慮した、安心・安全で温かい学校給食の提供に努めてまいります。  ◇─────────────────◇ ○議長(野尻哲雄) 以上で、本日の日程を終了いたしました。  次会は、あす15日午前10時に開きます。  本日はこれにて散会いたします。           午後2時38分散会 地方自治法第123条第2項の規定によりここに署名する  平成30年3月14日 大分市議会  議  長  野 尻 哲 雄        署名議員  高 松 大 樹        署名議員  橋 本 敬 広...