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09月08日-01号

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  1. 上越市議会 1997-09-08
    09月08日-01号


    取得元: 上越市議会公式サイト
    最終取得日: 2022-12-25
    平成 9年  第4回(9月)定例会        平成9年第4回上越市議会定例会会議録(1日目)                                   平成9年9月8日(月曜日)出 席 議 員    1番   杉  本  敏  宏  君       2番   大  島  武  雄  君    3番   山  岸  行  則  君       4番   吉  村  信  幸  君    5番   渡  辺  明  美  君       6番   近  藤  彰  治  君    7番   市  村  孝  一  君       8番   藤  塚  和  生  君    9番   永  島  義  雄  君      10番   小  林  林  一  君   11番   樋  口  良  子  君      12番   牧野島      清  君   13番   宮  沢  武  男  君      14番   小  林  克  美  君   15番   坪  井  正  澄  君      16番   鳴  海  寿  一  君   17番   石  平  春  彦  君      18番   西  沢  幹  郎  君   19番   早  津  輝  雄  君      20番   船  崎  信  夫  君   21番   関  原  忠  良  君      22番   星  野     実  君   23番   田  村  恒  夫  君      24番   新  保  清  司  君   25番   本  城  文  夫  君      26番   山  田   力之助  君   27番   山  口     昇  君      28番   小  林  章  吾  君   29番   渡  辺   一太郎  君      30番   市  川  文  一  君説明のため出席した者 市    長  宮  越     馨  君 助    役  山  口  弘  司  君    助    役  藤  原   満喜子  君 収入役     松  苗  正  彦  君    教育長     斉  藤     弘  君 総務部長    川  合  恒  夫  君    財務部長    飯  塚   美喜雄  君 企画政策部長  横  田  直  幸  君    福祉環境部長  仲  田  紀  夫  君 農林水産部長  大  野     孝  君    通商産業部長  伊  藤   三津雄  君 建設部長    永  井  紘  一  君    都市整備部長  荒  川  潔  志  君 ガス水道局長  滝  沢  和  夫  君    教育次長    下  村     紘  君 総務課長    中  川  周  一  君 教育委員会         高  橋  孫左エ門  君 委員長 監査委員    栗  田  修  行  君 農業委員会         藤  本  政  一  君 会   長職務のため出席した事務局職員 事務局長    伊  藤     保  君    参    事  白  石  行  雄  君 議事係長    渡  辺     豊  君    主    任  高  原   るみ子  君 主  事    川  瀬   ゆかり  君議 事 日 程  第1 会議録署名議員の指名  第2 会期の決定  第3 議案第69号より第92号及び報告第10号、第11号本日の会議に付した事件  第1 会議録署名議員の指名  第2 会期の決定  第3 議案第69号 平成8年度上越市一般会計歳入歳出決算認定について     議案第70号 平成8年度上越市国民健康保険特別会計歳入歳出決算認定について     議案第71号 平成8年度上越市診療所特別会計歳入歳出決算認定について     議案第72号 平成8年度上越市索道事業特別会計歳入歳出決算認定について     議案第73号 平成8年度上越市下水道事業特別会計歳入歳出決算認定について     議案第74号 平成8年度上越市老人保健特別会計歳入歳出決算認定について     議案第75号 平成8年度上越市直江津駅南地区土地区画整理事業特別会計歳入歳出決算認定に            ついて     議案第76号 平成8年度上越市農業集落排水事業特別会計歳入歳出決算認定について     議案第77号 平成8年度上越市ガス事業会計決算認定について     議案第78号 平成8年度上越市水道事業会計決算認定について     議案第79号 平成9年度上越市一般会計補正予算(第3号)     議案第80号 平成9年度上越市国民健康保険特別会計補正予算(第2号)     議案第81号 平成9年度上越市下水道事業特別会計補正予算(第2号)     議案第82号 平成9年度上越市老人保健特別会計補正予算(第1号)     議案第83号 平成9年度上越市水道事業会計補正予算(第1号)     議案第84号 上越市特別職の職員で非常勤のものの報酬及び費用弁償に関する条例の一部改正            について     議案第85号 一般職の職員の給与に関する条例等の一部改正について     議案第86号 上越市ホームヘルプサービス事業費用徴収条例の一部改正について     議案第87号 上越市下水道条例の一部改正について     議案第88号 上越市ガス供給条例の一部改正について     議案第89号 市道路線の廃止について     議案第90号 市道路線の認定について     議案第91号 工事請負契約の締結について(リフレッシュビレッジ食健康拠点施設新築工事            (建築工事))     議案第92号 工事請負契約の締結について(直江津中学校屋内体育館改築工事)     報告第10号 専決処分した事件の承認について(上越市妊産婦及び乳幼児の医療費助成に関す            る条例の一部改正について)     報告第11号 専決処分した事件の承認について(平成9年度上越市下水道事業特別会計補正予            算(専第1号))          午前10時0分 開会及び開議 ○議長(市川文一君) これより平成9年第4回上越市議会定例会を開会いたします。 各位には御多忙の折、御参集いただき深く感謝いたします。 これより本日の会議を開きます。 △日程第1 会議録署名議員の指名 ○議長(市川文一君) 日程第1、会議録署名議員の指名を行います。 本日の会議録署名議員は、会議規則第81条の規定により、議長において永島義雄君及び田村恒夫君を指名いたします。 △日程第2 会期の決定 ○議長(市川文一君) 日程第2、会期の決定を議題といたします。 お諮りいたします。 今期定例会の会期は、本日から9月26日までの19日間といたしたいと思います。 これに御異議ありませんか。          〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(市川文一君) 御異議なしと認めます。 よって、会期は19日間と決定しました。 △日程第3 議案第69号より第92号及び報告第10号、第11号 ○議長(市川文一君) 日程第3、議案第69号より第92号及び報告第10号、第11号を一括議題といたします。 提出者の説明を求めます。 宮越市長。          〔市  長  登  壇〕 ◎市長(宮越馨君) おはようございます。本日、ここに平成9年第4回市議会定例会を招集し、提案いたしました案件につきまして、その概要を御説明申し上げます。 議案第69号は、平成8年度上越市一般会計の、また議案第70号から第78号までは各特別会計の歳入歳出決算の認定についてでありますが、認定に付すに当たり、8年度の財政環境及び収支の状況と主要事業の成果について御説明いたします。 初めに、平成8年度における市政運営の背景となった経済動向や財政環境について振り返ってみたいと存じます。 平成7年12月に閣議決定された「平成8年度の経済見通しと経済運営の基本的態度」によれば、我が国の景気回復を確実なものとし、中長期的な安定成長につなげていくためには、平成8年度においても全力を挙げて内需振興に努めるとともに、経済構造改革や行財政改革の推進に一層努める必要があるとし、所得減税を引き続き実施するほか、公共投資や規制緩和の推進などを図ることとしたのであります。そして、これらの施策を適切に実施することにより民需が次第に力を増し、自律的回復に移行すると見込まれ、国内総生産(GDP)における成長率は、名目で2.7%程度、実質で2.5%程度になるとの見通しが示されました。 国の平成8年度予算は、国債費の増加がますます政策的経費を圧迫するなど、一段と深刻な財政状況の中で編成されました。とりわけ急速に進展する人口の高齢化や国際社会における我が国の責任の増大など、今後の社会経済情勢の変化に財政が弾力的に対応していくためには、財政の健全化を図り、公債残高が累増しないような財政体質をつくり上げていくことが基本的課題であるとし、徹底した歳出の洗い直しと財源の重点的・効率的な配分に重きが置かれました。その結果、一般会計予算は前年度に比べて5.8%増、国債費や地方交付税交付金を除いた一般歳出は2.4%増となりましたが、特例国債、いわゆる赤字国債を過去最高の約12兆円も発行せざるを得ないなど、極めて厳しい内容となりました。 地方財政計画もまたおおむね国と同一の基調により、経費の節減を図りながら、住民に身近な社会資本の整備や総合的な地域福祉施策の推進などを基本に、前年度に比べ3.4%増で策定されましたが、減税の影響などに伴う収支の財源不足が合わせて8兆6,000億円以上にも上がり、それを地方債の増発や交付税特別会計の借り入れなどで補うという、大変厳しいものになりました。 このような状況の中で、昨年3月には規制緩和推進計画の見直しが行われ、また6月には金融関連6法が成立し、住専処理を初めとする不良債権問題の解決に前進が見られたことなどから、平成8年度の我が国経済は、そのテンポは緩やかなものの回復の動きを続け、民間需要は堅調さを増してきたと言われております。そして、こうした動きに加えて、本年4月からの消費税率改正を見込んだ住宅や自動車を中心とした駆け込み需要もあって、過日発表された平成8年度国内総生産の成長率速報値では、名目、実質ともに当初の見込みを上回る3.0%となりました。 また、先日発表された国の平成8年度決算概要も、円安傾向の定着による輸出産業の好調などから、国税収入は前年度に比べて0.2%増となり、2年連続の増加となりました。 当市の平成8年度当初予算も極めて厳しい財源見通しの中で、引き続き経費全般の見直しを行うとともに、限られた財源を真に必要とされる行政分野に重点的かつ効率的に配分しながら編成いたしました。そして、年間の財政運営に当たっても、財源の獲得と効果的・効率的な予算執行に努め、一般会計では9回にわたって補正予算を組んで、さまざまな行政需要に適切に対応してきたところであります。 それでは、本市の決算の概要と特徴等について、一般会計を中心にその主な内容を前年度と比較しながら御説明いたします。 まず歳入でありますが、その根幹をなす市税は、当初予算を1億5,000万円余り上回る188億7,217万円の決算となり、7年度に比べて3.7%増加しました。税目別に現年課税分を中心に見ますと、個人市民税では、均等割が税制改正によって2,000円から2,500円に引き上げられて26.9%の増となりましたが、所得割は給与所得などの総合課税分の所得が1.6%伸びたものの、所得控除額の引き上げ等により当初予算を1億4,800万円余り下回る54億8,489万円の決算となり、前年度と比べて2.3%の減になりました。また、法人市民税の法人税割は、緩やかながらも景気の回復基調を反映して、製造業を初め金融保険業、運輸通信業、サービス業等が顕著な伸びを示し、当初予算を2億8,100万円余り上回る24億4,565万円となり、前年度比17.8%の増となりました。固定資産税は、当初予算を若干下回る82億1,092万円で、4.6%の増になりました。土地は、負担調整の緩和措置が講じられましたが、地目変更等もあって2.9%増に、家屋は新増築の堅調な動きを反映して6.5%増に、また償却資産は市長決定分が1.6%の増にとどまったものの、大型フェリーの就航等によって大臣配分、知事配分が合わせて10.9%伸び、償却資産全体では3.7%の増となりました。このほか、軽自動車税は四輪乗用車が引き続き増加傾向にあるため6.1%増の1億8,707万円に、市たばこ税は0.4%増の7億3,150万円、また都市計画税は4.4%増の9億9,667万円になりましたが、特別土地保有税は26.5%減の7,735万円になりました。 地方譲与税は、消費譲与税が前年度に比べて2.8%増の7億1,257万円になるなど、全体では4.0%増の11億5,617万円となり、当初予算を2,900万円余り上回る決算となりました。 利子割交付金は、当初予算を2,300万円余り上回る2億6,160万円になりましたが、低金利を反映して前年度と比べて44.4%の大幅な減少となりました。 地方交付税は、当初予算を約1億円上回る59億8,032万円で、7年度に比較して0.2%の微増となりました。内訳は、普通交付税が当初予算を2,700万円余り上回る49億3,712万円になりましたが、下水道普及特別対策事業にかかる算入方法の変更などにより、前年度に比べ0.6%減の交付決定になりました。また、特別交付税は、重油流出事故対策経費が算入されたことなどにより4.5%増の10億4,320万円が交付され、当初予算を7,300万円余り上回る結果となりました。 国庫支出金は、32億2,534万円となりましたが、高田駅前地区沿道土地区画整理事業など事業費の一部を平成9年度へ繰り越したことに伴い、その財源である4億7,000万円余りの国庫補助金が9年度交付となったことなどにより、7年度に比べて15.0%減の決算となりました。また、県支出金は、とも補償やリフレッシュビレッジ事業に対する補助金が増加しましたが、高田駅前地区沿道土地区画整理事業に対する補助金が減少したことなどに伴って、前年度比で2.7%減の24億4,624万円になりました。 財産収入は、前年度に国民年金健康センター用地の売り払いがあったため、8年度は83.5%の大幅な減となりました。 繰入金では、減債基金から5億円を取り崩して、市債の繰上償還に充てました。 市債は、44億2,640万円で、前年度比3億5,280万円、8.7%の増となりました。繰り越し事業分を起債許可年度に戻して許可額ベースで比較いたしますと、平成8年度債は44億5,920万円となり、当初予算に比べて5,740万円増加することとなりました。これは、年度途中において景気対策に伴う補正予算債を発行したこと、また減税補てん債が当初見込みよりふえたことなどにより増加したものでありますが、いわゆる通常分については、抑制努力を重ねながら事業計画の変更等に合わせて2億5,710万円を減額し、22億4,290万円の発行といたしました。なお、平成8年度末における一般会計債の残高は、減税補てん債の発行などもあって、7年度末より約13億8,700万円ふえて424億2,800万円余りに、またこのうちいわゆる通常分は約3億8,400万円減って314億4,600万円余りになりました。 続いて、歳出の概要を性質別の区分に従って御説明いたします。なお、決算統計における普通会計の数値とは異なる部分がありますので、御了承いただきたいと存じます。 まず、経常経費では、人件費が職員給や退職手当の増加などにより3.0%増、物件費はデイサービスや訪問入浴サービスの充実及び予防接種の個別接種移行などで4.8%、また扶助費は新光園のオープンに伴う保護措置費の増加などで8.6%、補助費は新たな「とも補償」や中小企業サービスセンター運営費等で8.8%とそれぞれ増加しました。市債の元利償還金は、3.2%増の51億2,500万円になりましたが、この中で計画どおり約5億8,000万円の繰上償還を行いました。これらの結果、経常経費は全体で283億8,753万円となり、前年度に比べて4.6%増加いたしました。 積立金は、財政調整基金に4億円余り、中小企業勤労者福祉サービスセンター設立基金に3,500万円など、合わせて4億4,520万円となりました。適切な財政運営に努めながら、今後の財政需要に備えて財政調整基金に積み立てましたが、その結果、平成8年度末における基金の保有高は21億4,400万円余りとなりました。 投資及び出資金は、上越地域水道用水供給企業団柿崎浄水場建設に対する経費負担などで9.4%増加しました。また、繰出金は、公共下水道事業に対する地方交付税の算入方法が変更されたことなどに伴って23.7%の減になりました。 普通建設事業費は、84億6,456万円の当初予算に対して、79億8,501万円の決算となりました。これは、多機能型拠点施設の建設について、さらにさまざまな検討を加えた結果、年次計画を変更したことなどに伴って減少したものでありますが、計画した事業につきましては、やちほ保育園や中通住宅の建設、学校給食施設の単独校化や各種都市基盤の整備など、力いっぱい推進いたしました。なお、7年度に9億2,000万円余りに上る国民年金健康センター用地取得費があったこと、また翌年度への繰り越し事業費が多額になったこともあって、7年度決算との比較では20.7%の減となりました。 以上の結果、一般会計の決算額は、歳入総額466億4,236万円、対前年度比1.7%減、歳出総額452億175万円、前年度比3.0%減となり、歳入歳出差し引きは14億4,061万円、ここから繰越明許費によって平成9年度へ繰り越した5億8,270万円を差し引いた実質収支では、8億5,790万円の黒字になりました。 決算統計で分析された主な財政指標を見ますと、経常収支比率は補助費並びに公債費で比率が下がったものの、退職手当の増加などにより人件費で1.1ポイント、またデイサービスや訪問入浴サービスの充実、予防接種の個別接種移行など各種サービスの充実を図ったことに伴って、物件費で0.5ポイント上昇し、全体では前年度に比べて2.2ポイント高い78.1%になりました。また、経常一般財源比率は、利子割交付金の大幅な落ち込みなどにより1.2ポイント下がって97.6%、公債費比率も0.4ポイント下がって16.1%になりました。 平成8年度は、グリーンアメニティ30万都市機能づくりなどを政策の基本に据えて、のびやかな産業・文化・生活快適都市の実現を目指すとともに、上越市発足25周年という節目の年でありましたので、各種施策に加えて多彩な記念事業も実施してまいりました。以下、その主なものについて御説明いたします。 まず、拠点都市基盤の整備、グリーンアメニティ30万都市機能づくりについてであります。大規模プロジェクトが着々と進展していく中で、上越地域にとって長年の悲願でありました北陸新幹線は、昨年7月24日の「緊急1万総決起大会」で地域住民の熱意を強力にアピールするなどさまざまな運動を展開してまいりました結果、政府与党合意により長野・上越間がフル規格で新規着工区間に決定されました。また、着工から約30年の歳月を経て3月22日にほくほく線が開業し、一段と交通アクセスの利便性が図られたところであります。 まちづくり政策では、今後30年にわたる超長期のまちづくり構想として、多くの市民や専門家の方々に御参加いただき、「のびやかJプラン」を策定いたしました。本プランは、「みどりの生活快適都市・上越」を将来都市像に掲げ、30万都市機能の整備を見据えた具体的・戦略的な施策の方向を明らかにしたもので、昨年8月にフォーラムを開催して公表いたしました。そして、まちづくりの羅針盤として、広く市民の皆さんに御理解いただくため、ダイジェスト版も作成して全世帯に配布したところであります。また、のびやかJプランの前期10年の推進版としての役割を担う「第4次総合計画」も作成いたしました。 まちづくり関連事業では、「外に向かうまち」、「美しいまち」、さらに「躍動するまち」を基本に据えて事業を展開いたしました。地域住民の自主的・モデル的なまちづくりへの取り組みに対して経費の一部を補助するなど支援を行ったほか、市外在住の縁故者の皆さんと交流・連携を深めるため、上越市縁故者ネットワーク化推進事業を進めました。また、市民、企業、行政が一体となって、さまざまなエネルギーや資源を効率的に利用する総合システムを構築するための省エネ・リサイクル型都市(エコシティ)基本構想を策定し、さらにアーバンビレッジ事業を進めるため、その第1号地区として、横曽根・小猿屋地区における基本計画も策定いたしました。 「えちご・くびき野100キロマラソン」を初めとしたさまざまな事業により、地域の活性化と一体化を推進している上越地域広域行政組合に対しては、運営費負担金のほか、上越地方拠点都市地域振興整備基金造成に出資いたしました。 上越火力発電所建設計画に関しては、八千浦地区の都市環境整備方策を検討するとともに、発電所資源を有効利用した漁業振興策の検討など、地域と共生する発電所の立地を目指した各種調査事業を実施いたしました。 また、安全で快適なまちづくりに向けて社会基盤整備を引き続き推進いたしました。特に公共下水道事業では、第8次下水道整備5カ年計画の初年度に当たる平成8年度は、110ヘクタールの管渠整備を行うとともに、普及拡大による流入水量の増加に対応するため、終末処理場の水処理施設増設にも着手いたしました。その結果、8年度末の普及率は、前年度より2.7ポイント向上して19.5%になりました。 市道関係では、身近な生活道路の整備はもとより、特に水害に強いまちづくりのため、福橋5号線の改良を初め、溢水箇所の側溝や悪水路の改良に努めるとともに、交通量の増加が著しい山麓線の4車線化と金谷山公園線など高速交通体系にアクセスする地域幹線道路整備も推進いたしました。この結果、市道の改良率は72.8%、舗装率は86.5%になりました。 土地区画整理事業では、本町大町地区は換地処分に必要な準備作業を行い、清算に向けて地区説明会を開催するとともに、商店街を初め既成市街地の活性化などを促すため南出張所やFM放送局も組み込み、だれもが集い、憩い、情報交換することができる場として建設する多機能型拠点施設の工事を発注いたしました。また、高田駅前地区では支障物件の移転を進めました。直江津駅南地区は、いよいよ駅の南北を結ぶ自由通路整備に着手したほか、区画道路に植栽をするなど景観に配慮した整備を行いました。 一方、土地区画整理組合が実施している春日山地区では、庁舎北側の中屋敷藤野新田線信越本線立体交差事業を進めたほか、子安鴨島地区関川東部地区でもそれぞれ区画道路築造、宅地整地などを進めました。 街路事業では、三ツ屋国道線、本町高田公園線事業認可区間での整備が完了したほか、直江津駅前通り線など4路線の改良を進めました。 公園整備では、区画整理事業にあわせてかに池公園の整備を進めるとともに、高田公園、五智公園などでも修景工事や桜の植栽を行いました。 次に、日本海ゲートウエーの拠点として整備を進めている直江津港は、九州博多港への大型フェリー就航によって、日本海側で初の縦貫航路が実現するとともに、韓国釜山港との定期コンテナ航路が週2便体制になるなど、航路の充実によって平成8年には年間貨物取扱量が待望の1,000万トンを突破し、国際貿易港として着実な発展を遂げております。 住宅整備では、平成8年度、9年度の2年計画で中通住宅1棟16戸の建設を進めましたが、間もなく完成し、入居が開始される運びとなりました。また、既設の住宅についても駐車場の整備を初め、給排気設備や畳の入れかえを行うなど、快適な居住環境の整備に努めるとともに、持ち家住宅低利建築資金は新たに20件の融資を行いました。 次に、産業経済の振興、豊かさを実感できる地域産業づくりについてであります。新食糧法の施行を受けて米の需給と価格の安定を図るため、生産調整をみずからの問題として主体的に取り組んだ結果、平成8年度も減反目標を100%達成することができました。特にJA上越の積極的な取り組みもあって、新たな「とも補償」制度を活用する中で、稲作農家の全員参加による生産調整を推進したことが、100%達成の大きな要因になりました。今後とも生産調整の実効性確保について意を用いていきたいと考えているところであります。 このような中で、激化する産地間競争に対応できる自立した農業の確立に向けて、平成8年度は上越米の品質向上とイメージアップを図るため、土づくりを基本に据えた営農指導の充実や上越米の愛称募集、米袋のデザイン、姉妹都市等への販路拡大を図るイベントの開催及び米選別機の網目交換に対して助成いたしました。 また、新規就農者の研修や設備投資に助成するなど、農業担い手の育成に努めたほか、新たに集落営農育成ガイド推進員を設置するなど、農業の活性化に向けた取り組みを推進しました。 さらに、園芸につきましては、稲作偏重の体質からの脱却を図り、足腰の強い複合経営を実現するため、生産者を初めとして関係機関の方々の参加を得て「園芸・特産品振興5カ年計画」を策定いたしました。この計画では、重点品目としてネギ、ナス、ホウレンソウなど10品目を選定し、現在の園芸粗生産額を5年で2倍の20億円にまで引き上げることを目標にしていますが、今後は、①基盤整備の推進、②生産体制の確立、③支援ソフトの充実を柱に計画の推進を図りたいと考えております。 農村の活性化を図るために、西部中山間地において地元の豊かな自然を生かし、食と健康をテーマにしたリフレッシュビレッジ事業を推進していますが、皆口センター施設での温泉掘削では、幸い湯量、温度ともに温泉宿泊施設には十分な温泉が湧出しました。今年度は、引き続きセンター施設等の整備を行っているところであります。 基盤整備事業では、高生産農業の確立に向けて、新たに上江保倉地区及び保倉中部地区で着工した大区画圃場整備や農道整備などの土地改良事業に負担金、補助金を支出し、積極的にその推進を図るとともに、農村総合整備事業では新たに三郷地区及び桑取・谷浜地区で集落道や農村公園などの整備を行い、生活環境の改善を図りました。 また、特別会計で取り組んでいる農業集落排水事業は、新たに保倉西部地区、高士東部地区で工事に着手し、合わせて7地区で事業を推進いたしました。こうした中で、三郷・三郷西部地区では処理施設が完成し、本年3月に供用を開始いたしました。 次に、林業関係ですが、地域林業の活性化を図るため、平成5年度から実施してきた総合型林業構造改善事業は、林道下正善寺線など2路線の整備を行い、事業が完了しました。また、広域基幹林道南葉高原線を初めとして6路線で林道の開設、改良、舗装を行うとともに、昨年の梅雨災害で被災した南葉高原線の災害復旧を行いました。このほか、南葉高原キャンプ場では、トイレの水洗化や第四キャンプ場に新たに駐車場を設置するなど利便性の向上を図り、さらに松くい虫対策事業では、春日山林泉寺、高田公園、五智公園等を重点に防除を実施し、松林の保全に努めました。 水産業関係では、引き続き有間川漁港の外郭施設や係留施設の整備を行うとともに、海洋フィッシングセンターの釣り桟橋の塗装工事などを進めました。また、漁業者の所得向上を図るため、高い集魚効果が期待できる大型かまぼこ型魚礁を設置いたしました。 続いて商工業関係でありますが、景気は緩やかな回復基調にあるとは言われているものの、その足取りは鈍く、平成8年度の中小企業白書でも、国際分業の進展や需要動向の多様化などにより、大企業に比べて中小企業の景気回復はおくれぎみであるとしています。 このような中で、景気対策特別資金の融資実績は、前年度比22.7%増の13億1,100万円に達しました。そのため、この受付期間を本年12月まで延長したほか、地方産業育成資金の利率引き下げを行うなど中小企業者の資金需要に対応いたしました。 また、相次ぐ大型店の出店に対して、地元商業活性化のために各商店街が実施するイベントなどのソフト事業に対して補助制度を充実するとともに、本町3丁目商店街駐車場の全自動駐車場システム設置への助成を行い、また本町6・7丁目商店街近代化についての基本構想も策定いたしました。 一方、高速交通網の進展や直江津港の整備拡充などによる当市の優位性を生かして、優良企業の誘致や直江津港の利用促進を図るため、名古屋市と長野市でPR活動を展開いたしました。また、分譲を進めてきた下五貫野企業団地は好評のうちに完売し、引き続き手がけてまいりました西田中企業団地も昨年12月から分譲を開始いたしましたが、今後このような需要にこたえるために、新たな企業団地を造成するための適地調査も行いました。 さらに、当市の産業振興についての基本構想を策定するとともに、限りある資源を有効に活用するため、LNG火力発電所から排出される温・冷熱の民生用への利活用も含めた地域熱供給システム導入についての調査も行いました。 労働関係では、昨年4月に設立された上越勤労者福祉サービスセンターの運営に対して補助するとともに、基金の積み立てを行いましたが、会員数が本年6月で3,000に達するなど、センターの運営は順調に推移しております。 次に、市民福祉と防災対策の充実、心のふれあいと民生安定を目指した地域社会づくりについてであります。少子・高齢化が急速に進行していく中で、すべての市民が住みなれた地域社会で互いに協力し合い、明るく、豊かに、安心して日常生活を送ることができる環境を整備することは、最重点課題の一つであります。平成8年度も「上越市社会福祉計画」に基づき、民間活力を導入しながら、量的にも質的にも充実したサービスを、いつでも、どこでも、だれでもが享受できるように、ハード・ソフトの両面からきめ細かな福祉施策の推進とサービス体制の充実に取り組んでまいりました。 在宅福祉サービスでは、新たにホームヘルプサービスの早朝・夜間サービスを開始したほか、新設の「デイホームやちほ」や特別養護老人ホーム「新光園」でも、デイサービスを開始いたしました。また、好評の訪問入浴サービスは、大幅に枠を拡大して延べ3,655から御利用いただいたほか、在宅介護支援センターを新たに2カ所開設して、保健・医療・福祉の総合相談窓口として利用していただくなど、サービス供給体制の拡大に積極的に取り組みました。さらに、バリアフリー促進の一環として「高齢者向け住宅リフォーム助成事業」を新たに実施し、高齢者が住みなれた地域で快適に生活できるよう支援するとともに、介護を必要とする高齢者が在宅で安心して療養生活を送ることができるよう、3カ所の訪問看護ステーションに対して開設費の一部を助成いたしました。このほか、住民団体などが地域の実情に応じて実施する「コミュニティデイホーム事業」を開始し、虚弱老人及びその介護者を地域で支え合う福祉社会づくりを促進するなど、市民の多様な福祉ニーズにこたえてまいりました。 施設整備の面では、高齢者がいつまでも自立した生活が送られるように、民間によるケアハウス「さくらの郷」、「至徳路」の建設を支援いたしました。近代的な施設に入居されている方々からは、大変喜ばれているところであります。 また、高齢社会を迎え介護ニーズが高まる中で、介護技術等の専門知識を持つ介護福祉士の養成も急務となっております。このため、「上越保健医療福祉専門学校」の開設に対して助成し、福祉マンパワーの確保に努めました。 障害者福祉では、ノーマライゼーションの理念のもと、障害を持つが地域社会の一員として自立した生活を送り、より一層の社会参加が促されるように、在宅福祉サービスの充実に意を用いました。新たに「障害者向け住宅リフォーム助成事業」を開始し、快適な住環境の整備を図ったほか、在宅介護手当支給事業や各種の助成事業も引き続き実施し、介護者の負担を和らげるとともに、補装具や日常生活用具の給付、さらには福祉タクシー利用券の給付枚数をふやすなど、障害者自身の生活をサポートし、多様なニーズにこたえてまいりました。 児童福祉では、保護者の就労形態の多様化が進む中で、子育てと就労の両立を支援するため、延長保育、乳児保育、一時的保育など「特別保育事業」の拡充に努めたほか、子育てに対する相談・指導などのニーズにこたえて「地域子育て支援センター事業」を2カ所から4カ所に拡大するとともに「放課後児童対策事業」も3カ所から4カ所に拡大いたしました。 また、黒井保育園と遊光寺保育園を統合し、新たに「やちほ保育園」として建設するなど、保育施設の整備を進めました。 女性政策では、女性と男性があらゆる分野で対等なパートナーとして積極的に参画できる社会づくりを目指して事業展開を行いました。人材育成事業として第Ⅲ期女性大学を開講し、政策や意思決定の場への女性の参画推進を図ったのを初め、女性問題研究として教育関係者や有識者で構成する「男女平等教育研究会」を発足させ、性にとらわれないづくり教育を推進いたしました。また、上越市発足25周年記念事業の一環として「じょうえつ女性シンポジウム」を開催し、女性問題や男女共同参画意識の啓発を図りました。 続いて、市民の健康管理面では、まず平成7年度から取り組んでいる「健康回復5か年計画推進事業」として、健康基礎調査や骨粗鬆症予防のための疫学調査を実施するとともに、在宅健康管理システムを導入してデータ収集を行う一方、食生活改善推進員、健康づくりリーダー、運動普及推進員などのマンパワーの育成・養成を図りました。また、「健康まるごとフェスタ」を開催し、市民の健康意識の高揚に努めました。 健康診査では、市民の関心が高い「骨粗鬆症検診・予防教室」や「男性のためのがん予防教室」を開催するなど、健康教育・相談の内容充実を図りました。 予防接種では、7年度に「麻疹」と「風疹」を集団接種から個別接種に切りかえましたが、8年度ではさらに幼児の「三種混合」と「日本脳炎」も個別接種に切りかえ、予診内容の充実とあわせて健康被害の未然防止に努めました。 母子保健では、父親と母親が共通の意識を持って子育てができるように、従来の「母親学級」を「パパママ教室」に改称して開催するとともに、男性にも妊娠、出産、育児についての情報を提供するため、県内では初めての「父子健康手帳」を作成し、母子手帳の交付にあわせて配布いたしました。また、新たに1・2歳児の入院医療費助成制度を創設し、209件の給付を行いました。 第2次救急医療を担っている病院群輪番制度では、輪番病院を4病院から6病院にふやすとともに、開設時間を拡大して、休日及び夜間の医療体制を強化いたしました。 また、全国的に猛威を振るった病原性大腸菌O-157につきましては、予防対策室をいち早く設置し、市民からの相談に対応するとともに、予防啓発チラシを配布するなど、万全の体制で臨んだところであります。 今日、私たちを取り巻く環境問題は、かつての公害問題や自然保護の範疇にとどまらず、身近なごみ問題から地球環境問題まで、極めて多岐にわたっています。こうしたさまざまな環境問題に適切に対応するため、上越市環境基本条例を制定するとともに、ごみの減量化と再利用の促進、自然観察ガイドブックの発刊やフロンガスの回収など、具体的な取り組みを力いっぱい推進いたしました。また、市役所みずからが環境問題に積極的に取り組み、先導的な役割を担うため、現在「ISO14001」の取得に向けた取り組みも行っているところであります。 続いて、防災対策についてでありますが、上越市にとって思わぬ災害となった「ナホトカ号重油流出事故災害」に際しては、最悪の事態に備えていち早く関係職員を石川、福井両県の災害現場に派遣して情報収集等を行い、漂着が確実になった1月18日には災害対策本部を設置して作業に取りかかりました。この回収作業には、消防団を初め町内会や多くのボランティア、各種団体などから献身的な御協力をいただき、漂着重油の回収に全力を尽くした結果、青い海、きれいな砂浜がよみがえり、去る5月11日にクリーン宣言を行うことができました。また、7月21日には、これまでのお礼の意味も込めて感謝デーを実施いたしました。しかしながら、あの厳寒の中の作業に参加されたお一が亡くなられたことは、返す返すも残念でなりません。御冥福をお祈り申し上げます。また、この災害に対しては、これまでに全国から2,000万円を超える義援金を初め、多くの回収用資機材等をお寄せいただきました。改めてお礼を申し上げます。これらは、回収作業等に有効に使わせていただきましたが、義援金の一部は今後の災害に備えて災害対策基金に積み立てたところであります。 防災無線の整備では、災害時の情報伝達機能を強化するため、保倉川沿いを中心に11カ所に一斉同報無線を増設するとともに、電波の不感地域を解消するため薬師山に中継所を設置いたしました。また、災害救助用物資の備蓄も引き続き行い、市内5カ所に食糧、医薬品、毛布などを購入配備し、機能強化を図りました。7年度から取り組んでいる防災アセスメントでは、収集した基礎資料をもとに被害想定を行いました。この結果は、9年度に行う防災計画の見直しに反映させることにしています。 このほか、火災のないまちづくりを目指し、防災思想の普及に努めるとともに、消防器具置き場2棟の改築、防火水槽・消火栓の新設、小型動力ポンプ・積載車の購入など、消防施設の充実に努めました。 現在、7.11水害を契機に保倉川・戸野目川では激甚災害対策特別緊急事業が、関川上流部においても災害復旧助成事業や直轄事業などの治水対策事業が集中的に取り組まれていますが、市としても円滑な事業実施に最大限の努力をしてきたところであり、一日も早い完成に向けて今後も引き続き働きかけを行ってまいりたいと考えております。 次は、教育文化の向上、のびやかな感性を持ったづくりについてであります。学校教育の面では、心豊かで創造性に富む人間形成を目指して、引き続き「いきいきスクールプロジェクト」事業に取り組むとともに、8年度からは新たにこの事業の終了校を対象に「のびやかスクールプロジェクト」事業を開始し、すべての小・中学校がそれぞれの特色を生かした教育活動を展開いたしました。また、「学校訪問カウンセラー」の相談員を2増加して8体制にするとともに、電話相談も受け付け時間を拡大するなど、いじめや不登校などの諸問題に対して、児童生徒及び保護者・教師への支援体制の充実を図りました。さらに、コンピューター教育の推進のために、前年度に引き続き機器の配置を進めたほか、琿春市、哈爾濱市からの留学生も受け入れ、学術・文化・教育の国際交流を深めました。 一方、学校教育では得がたいゆとりの中で、知見を広げ、豊かな情操をはぐくむため、フェリー定期便による宿泊体験学習に対して、その経費の一部を助成する「上越子どもの船」事業を新設し、小学校4校で実施いたしました。 施設整備では、谷浜小学校校舎増築を初め、春日中学校の部室新築や春日新田小学校大規模改造を行ったほか、学校給食では3カ年計画で進めている自校調理方式への切りかえの2年目として、北諏訪小学校など4校で施設整備を行うとともに、病原性大腸菌O-157等による食中毒発生防止のため、冷凍冷蔵庫や調理機器等を整備いたしました。 次に、社会教育及び文化・芸術の面についてでありますが、市民アートギャラリー「雁木通り美術館」では、「旧BSN美術館コレクション展」や地元の皆さんによる「華道展」などを開催し、多くの市民の皆さんから鑑賞していただきました。また、日本スキー発祥記念館では、展示コーナーの増築工事を行い、展示内容を大幅にボリュームアップいたしました。さらに、近代数寄屋づくりの傑作・小林古径邸は、その復元に向けて有識者・市民による復元構想検討委員会で検討を重ね、基本構想を策定いたしました。 公民館では、在住外国人の言葉や地域生活での不安解消、仲間づくりのために「生活日本語セミナー」を開講したほか、「ボランティア保育者養成講座」など各種講座を開設して、生涯学習の機会を提供いたしました。また、2カ年の継続事業で進めてまいりました高士分館の移転新築工事は、「こどもの家」機能も備えた地域住民のふれあいの拠点として完成いたしました。 図書館では、蔵書の一層の充実を図るとともに、自動車文庫稼働期間の延長など、サービスの向上に努めました。また、郷土出身作家の原画等資料収集を初め、各種展示会や講演会、さらに児童幼児向けの自主事業に取り組みました。 総合博物館では、市の花「ツバキ」にちなんで古今の作家による「巨匠たちの椿絵名作展」や成川美術館所蔵作品による「きらめく現代日本画展」を開催し、多くの方々から質の高い芸術文化に接する機会としていただきました。また、美術品の購入では、小林古径画伯の作品「丘」など46点を購入いたしました。 文化会館は、上越地域の中核的文化施設として地域の芸術文化振興のため、演劇「上杉鷹山」や「東京フィルハーモニー交響楽団」の公演など、多彩な事業を展開いたしました。 文化財保護関係では、春日山城跡の公有地化や遊歩道整備を引き続き進めたほか、63にも及ぶ寺院が2列に整然と並び、全国的にも大変珍しい町並み景観を呈している「寺町」のガイドブックや案内看板を作製してまちづくりを支援するとともに、文化遺産の紹介と活用に努めました。 また、平成6年度から年次計画で取り組んでいる市史編さん事業は、資料の調査や収集、整理など、順調に作業を進めております。 体育関係では、市民が生涯にわたってスポーツに親しみ、健康と体力の保持・増進に資するため、各種大会を開催し、スポーツの振興・普及に努めました。また、リージョンプラザでは、長野オリンピック・プレ大会への支援として、アイススケート、ショートトラックの練習会場を提供いたしましたが、市民が世界の一流選手に間近に触れる機会になるとともに、国際交流の一助にもなりました。施設整備では、2カ年計画で陸上競技場の全天候型改修工事に着手いたしましたが、去る8月1日から暫定使用の運びになりました。 次に、観光施策の充実、歴史文化都市にふさわしい観光づくりについてであります。平成7年度に当市の観光戦略の基本プログラムとなる「第1次上越市観光振興5か年計画」を策定しましたが、計画スタートの年となった平成8年度は、上信越自動車道の開通も間近となる中で、これまでの友好姉妹都市などにおける物産展やキャラバンに加えて、関東甲信地域のエージェントなどへ民間と一体になったセールス活動を行うとともに、観桜会、海水浴など主要イベントの新聞折り込みやテレビによる積極的な宣伝活動を展開いたしました。 拠点観光施設の整備では、まず「親鸞聖人上陸の地」の整備に着手し、休憩所を新設いたしました。また、金谷山公園の整備について基本計画を策定いたしましたが、実施に当たってはこの計画をもとに、家族で楽しめるレクリエーションゾーンにしたいと考えております。さらに、市内各所に点在する観光スポットへの誘導看板や大型観光案内板の設置を引き続き進めたほか、春日山城跡では遺構の解説板を整備いたしました。 このほか、観光写真コンテストの実施や上越市の観光ガイドブックとなる「観光事典」を作成し、さらに「松平忠輝公シンポジウム」や「全国山城サミット」などを開催し、すぐれた先人の遺徳をしのび、観光資源としての活用について、市民の皆さんとともに模索してまいりました。 なお、官民が一体となって観光振興や交流人口の拡大を推進するため、観光コンベンション協会の設立に向けて調査研究を行ってまいりましたが、本年5月に「上越観光コンベンション協会」が発足いたしました。 続いて、地方分権の確立、国際化の推進、開かれた市政、開かれたまちづくりについてであります。「市民参加」と「開かれた市政」を具体的に推進するため、昨年3月定例会で関係条例等の議決をいただき、10月から情報公開制度と個人情報保護制度がスタートいたしました。市政について「知る権利」を市民に保障する制度が整ったのであります。市としても適切な情報提供に努め、市民との対話も地域別対話集会「のびやかJトーク」を再開するとともに、女性や高齢者の皆さんとのJトークも実施いたしました。また、3年目となった市政モニター制度も、大勢の方から応募をいただき、積極的なモニター活動によって貴重な意見を伺うことができました。 このほか、公共施設の有効利用と活性化を図るため、公共施設活性化懇談会を設置し、利用しやすい魅力ある施設づくりへの提案をいただくとともに、総合ボランティアセンターの整備についても懇談会を開催して、運営組織や施設の主要な機能などを中心に検討を重ねていただきましたので、今後の指針にしたいと考えております。 地方分権の推進では、推進委員会の昨年末の第1次勧告、本年7月の第2次勧告に基づいて、政府は地方分権計画を策定する段取りになっております。一方、当市では地方主権の確立に向けて、市民参加による自前のまちづくりをどう進めたらよいか、講演会や市民対談を開催するなど市民意識の高揚に努めるとともに、本年4月の県からの権限移譲に備えて準備を進めてきたところであります。 このような中で、東京事務所は中央と地方の双方向行政の推進役として、当市からのさまざまな情報を積極的に発信するとともに、中央省庁への要望や情報収集などを行ったほか、県営南部工業団地への企業誘致や首都圏での観光物産PRなど、ふるさと上越市の売り込みを多方面で展開いたしました。 国際交流では、特に環日本海圏友好事業を積極的に推進いたしました。まず、これまで築いてきた人的・経済的交流をもとに、琿春市・浦項市との友好交流をさらに推し進めるために、上越市発足25周年記念式典にあわせて「国際経済・文化交流」に関する調印及び共同宣言を行いました。そして、国内外の姉妹都市等から中学生を招いてスポーツ交流大会を開催いたしましたが、中でも国外の選手からはホームステイも体験してもらうなど、市民生活に触れる中で日本文化と上越市を理解してもらう契機となりました。なお、これをきっかけに本年は浦項市で第2回目のスポーツ交流大会が開催され、当市からも代表選手を派遣して友好交流を深めました。 また、図們江開発計画の現状を調査し、直江津港との航路開設や投資の可能性を探るため、平成6年度に続いて2回目となる経済視察を行いました。この視察には、地元関係者のみならず、長野経済圏関連企業の関係者もメンバーに加わっていただき、琿春市、ザルビノ港、羅津港を視察し、あわせて地元企業が進出している丹東市等も訪問し、交流拡大に努めました。 このほか、市民の幅広い交流促進のために発足した上越国際交流協会の活動にも支援いたしました。 最後に、平成8年度は上越市発足25周年という記念すべき年に当たりましたので、既にところどころで触れましたが、ソフト事業を中心にさまざまな分野で、市民の心に残る多彩な事業を繰り広げたところであります。 以上、平成8年度における財政状況と主な事業の成果などについて述べましたが、21世紀に向けて社会経済情勢が大きく変化を遂げようとしている現在、上越市が上越市らしさを失わずに一層飛躍していくためには、新しい時代に即した柔軟な発想でまちづくりを進めていかなければなりません。 私は、今後とも開かれた市政のもと、市民の声を最大限に反映させながら、「のびやかJプラン」に掲げた将来都市像、みどりの生活快適都市・上越の実現を目指して精いっぱい市政運営に当たる決意でありますので、議員並びに市民の皆様の御理解と御協力を心からお願い申し上げます。 議案第77号、78号は、平成8年度上越市ガス事業会計及び水道事業会計の決算認定についてでありますが、その概要と経営状況につきまして御説明いたします。 国内の景気は回復傾向にあるものの、そのテンポは極めて緩やかで、依然厳しい経営環境のもと、需要家サービスの向上と施設の強化、拡充を目指し、ガス、水道事業の推進に努力してまいりました。 まず、ガス事業会計でありますが、ガス販売量は年度当初気温が低目に推移したことなどから、前年度に比べ3.1%増加し、また用地の売却や屋内管工事の増加などもあり、総収益は37億5,836万円となりました。これに対する総費用は、原料ガスの購入費やマイコンメーター取りつけなどの保安対策費、また供給サービス向上のための経費など合計34億8,580万円となり、収支差し引き2億7,256万円の純利益を計上することができました。 建設改良工事では、災害時のガス貯蔵量確保と需要の増加に対応するため、春日山ガス供給所2号ガスホルダーの建設に着手するとともに、導管の新設9,413メートル、非耐震性老朽管の改良・入れかえ1万2,276メートルの管網整備などに総額12億912万円を投入し、安定供給の拡充に努めてまいりました。 次に、水道事業会計についてでありますが、給水量は異常渇水後2年経過し需要が回復したことなどから、前年度に比べ2.7%増加し、加えて5月分からの料金改定や用地の売却などにより、総収益は37億5,013万円となりました。これに対する総費用は、給水量の伸びによる薬品費及び修繕費など総額35億56万円となり、収支差し引き2億4,957万円の純利益を計上し、累積欠損金を解消することができました。 建設改良工事では、深谷浄水場の除鉄・除マンガン設備建設や和田浄水場の増強工事など、浄水施設の拡充を図る一方、新規需要に備えた配水管新設9,846メートル、石綿管など老朽管の改良・入れかえ3万1,230メートルの管網整備を実施するなど総額31億3,279万円を投入し、安定給水の確保に努めてまいりました。 以上のように、両事業とも堅調な決算となりましたが、今後も需要家サービスの向上と健全経営確保に、より一層企業努力を重ねてまいる所存であります。 議案第79号は、平成9年度上越市一般会計補正予算であります。 歳入歳出予算総額に8億6,227万円を追加し、予算規模を490億7,036万円といたしました。 今回の補正の主なものは、新たに国・県の補助を受けて、未利用エネルギー活用地域熱供給システムに関する調査研究や圃場整備地域経営体育成事業を行うほか、リフレッシュビレッジ事業並びに農村総合整備事業については、補助金の増額決定等に伴って事業費を追加するものであります。また、通産省の外郭団体と共同で風力発電導入普及に関するデータ収集調査を行う経費を補正するとともに、地球環境の保全に努めるため、フロンガス回収の対象を拡大して実施する経費などを計上いたしました。 それでは、歳出から款を追って説明いたします。 総務費は、263万円の減額でありますが、職員1名の退職に伴い、退職手当を計上するとともに、給料等の整理を行うものであります。 民生費は、700万円の補正であります。 国民年金費では、新たに国から保険料収納特別対策特例交付金を受けて国民年金相談員を設置し、被保険者の納付相談等に当たる経費を計上いたしました。 老人福祉費は、高齢者住宅整備資金貸付金について、本年4月の貸付利率引き下げ後、借り入れ希望が増加傾向にありますので、資金枠を拡大して要望にこたえるものであります。 衛生費は、179万円の補正でありますが、地球環境保全の観点から、オゾン層を保護するため、フロンガスの回収対象として従来から実施している廃冷蔵庫、廃ルームエアコンに加えて、新たに廃自動車も対象とすることとし、所要額を計上いたしました。 農林水産業費は、1億2,967万円の補正であります。 農業振興費では、リフレッシュビレッジ事業の下正善寺サテライト加工施設整備に補助事業費の追加決定がありましたので、これを補正して事業の推進を図るとともに、新たに圃場整備地域での生産組織の育成や、高品質・良食味米の安定生産に資するための管理用機械等購入事業が県の補助採択を受けましたので、所要額を計上いたしました。また、園芸作物産地育成のため、JA上越が行う調査等に対して、県の補助が認められましたので、あわせて補正するものであります。 畜産業費では、県の委託を受けて低コスト肉用牛生産の推進を図るため、技術的手法等に要する調査検討にかかる経費を補正するものであります。 農地費は、桑取・谷浜地区の農村総合整備事業に対する補助金が追加配分されることになりましたので、リフレッシュビレッジ事業センター施設周辺の集落道整備を進めるとともに、活力ある農村地域形成を目指す農村アメニティ集落支援事業が新規補助採択されることになりましたので、岩の原地区の集落アメニティ計画策定に要する経費を計上いたしました。 水産業費は、サケ資源の増殖を図り、内水面漁業振興のために桑取川漁協が行うサケ採捕床版補修工事に対して、一部助成する経費を計上いたしました。 商工費は、2,350万円の補正であります。 省エネ・リサイクル型都市実現のため、下水処理水や河川水等を熱源として活用する、地域熱供給システム等に関する調査研究が国の補助採択を受けましたので、所要額を補正するとともに、風力発電に関する風況調査を通産省の外郭団体である新エネルギー・産業技術総合開発機構と共同して進めることになりましたので、その経費を計上いたしました。 土木費は、4,246万円の補正であります。 道路及び橋梁新設改良費では、国の補助事業費の変更のほか、市の単独事業として取り組むこととしていた4路線が、新たに地方特定道路整備事業の採択を受けましたので、事業費の組みかえを行い、事業を進めるものであります。 河川総務費は、国庫補助事業費の変更に伴い、前川改修事業費を組みかえて実施することにいたしました。 公園費は、大手町の旧労働基準監督署跡地を高田公園用地として整備するため、国から購入する経費を補正するものであります。 都市下水路費では、下門前都市下水路事業について、関川東部第二工区土地区画整理事業との調整により、事業費を減額することにいたしました。 消防費は、140万円の補正であります。 本年4月以降にお寄せいただいた重油流出事故災害に対する見舞金を回収対策に使わせていただきましたが、その残余を今後の災害に備えるため、災害対策基金に積み立てるものであります。 教育費は、1億3,817万円の補正であります。 事務局費及び保健体育総務費では、職員の死亡退職に伴う退職手当を計上し、あわせて給料等の整理を行うほか、臨時職員の雇用に要する経費を計上いたしました。 学校建設費並びに学校給食管理費は、今年度整備予定の直江津地区5カ校の自校調理場について、文部省が新たに定めた衛生管理基準に沿って設計を行った結果、事業費の追加が必要となりましたので、所要額を計上するとともに、既設校の給食調理室備品の整備も行うことにしたものであります。 歳入につきましては、交付内示に伴う国・県支出金や市債のほか、地方交付税及び繰越金などを計上いたしました。 この結果、今回の補正では、差し引き5億2,089万円の歳入超過となりましたので、これを予備費に計上して収支の均衡を図りました。 第2表は、債務負担行為でありますが、リフレッシュビレッジサテライト加工施設整備事業並びに都市計画道路本町通り北谷内線街路事業について、債務負担行為を設定するものであります。 第3表は、地方債の補正でありますが、歳入予算に計上した市債と同額の限度額補正を行うものであります。 議案第80号は、平成9年度上越市国民健康保険特別会計補正予算であります。 歳入歳出予算総額に9,424万円を追加し、予算規模を66億8,138万円といたしました。 この補正は、医療費適正化特別対策事業に対して、国庫補助金の内示がありましたので、所要額を計上したほか、平成8年度の医療費確定に伴う精算返還金及び財政調整基金積立金の補正を行うものであります。 歳入には、国庫支出金及び繰越金を計上し、歳入歳出差し引き169万円は予備費に計上して収支の均衡を図りました。 議案第81号は、平成9年度上越市下水道事業特別会計補正予算であります。 歳入歳出予算総額に578万円を追加し、予算規模を90億2,531万円といたしました。 この補正は、公共下水道事業について、事業の進捗に伴って事業費の一部を組みかえるものであります。 歳入には繰越金を計上いたしましたが、将来の財政負担を軽減するため、今年度発行を予定していた資本費平準化債を一部減額することとし、差し引き578万円は予備費に計上して収支の均衡を図りました。 議案第82号は、平成9年度上越市老人保健特別会計補正予算であります。 歳入歳出予算総額に4,259万円を追加し、予算規模を106億7,821万円といたしました。 この補正は、平成8年度医療費確定に伴う支払基金交付金精算などを行うものであります。 議案第83号は、平成9年度上越市水道事業会計補正予算であります。 日本道路公団から上信越自動車道建設に伴う城山浄水場付近の水道管移設工事の申し込みにより、資本的収入では工事負担金1億189万円、資本的支出では工事費1億452万円をそれぞれ増額し、あわせて収益的収入では消費税の計数整理を行うものであります。 議案第84号は、上越市特別職の職員で非常勤のものの報酬及び費用弁償に関する条例の一部改正についてであります。 国民年金相談員の設置に当たり報酬額を定めるものであります。 議案第85号は、一般職の職員の給与に関する条例等の一部改正についてであります。 国家公務員退職手当法等の一部改正に準じ、期末・勤勉手当及び退職手当について支給の一時差しとめ規定等を設けるものであります。 議案第86号は、上越市ホームヘルプサービス事業費用徴収条例の一部改正についてであります。 国のホームヘルプサービス事業運営要綱の一部改正に伴い、サービス提供世帯が負担する1時間当たりの費用額の最高額を改定するものであります。 議案第87号は、上越市下水道条例の一部改正についてであります。 排水設備工事に係る指定工事店の要件緩和がなされたことに伴い、主任配管工制度を廃止するための所要の改正をするほか、排水設備等指定工事業者の名称を県下統一の「下水道排水設備指定工事店」とするものであります。 議案第88号は、上越市ガス供給条例の一部改正についてであります。 エコシティを目指す市営ガス事業として、環境に優しい天然ガス自動車の普及促進に寄与するため、新たに天然ガス自動車充てん用の昇圧供給装置に関する規定を追加するものであります。 議案第89号及び第90号は、市道路線の廃止及び認定についてであります。 公共事業によるもののほか、生活関連道路や防災上及び通学上必要な路線の認定などをするものであります。 議案第91号及び第92号は、工事請負契約の締結についてであります。 リフレッシュビレッジ食健康拠点施設新築工事(建築工事)を6億690万円で田辺・大和・畑共同企業体と、直江津中学校屋内体育館改築工事を4億425万円で高舘・涌井共同企業体とそれぞれ指名競争入札の方法により、工事請負契約を締結するものであります。 報告第10号は、8月22日に専決処分いたしました上越市妊産婦及び乳幼児の医療費助成に関する条例の一部改正についてであります。 健康保険法等の一部改正に伴い、助成額の算定に当たって薬剤に係る負担額を除くとともに、外来一部負担金等の改正を行ったものであります。 報告第11号は、7月7日に専決処分いたしました平成9年度上越市下水道事業特別会計補正予算でありますが、歳入歳出予算総額に700万円を追加し、予算規模を90億1,953万円といたしました。 この補正は、公営企業金融公庫から借り入れた市債のうち、高利なものを現行利率で借りかえすることとしたものであります。 歳入歳出差し引き不足額は、予備費を減額して収支の均衡を図りました。 以上、提案理由を申し上げましたが、慎重御審議の上、速やかに御賛同くださるようお願い申し上げます。 ○議長(市川文一君) これより質疑に入ります。 質疑の通告がありますので、順次発言を許します。 3番、山岸行則君。          〔山 岸 行 則 君 登 壇〕 ◆3番(山岸行則君) 私は、市民ネット議員団を代表して、既に通告いたしました議案第69号平成8年度上越市一般会計歳入歳出決算認定を中心に理事者の見解をお聞きいたします。 まず、平成8年度決算の歳入総額の伸び悩みについてお尋ねいたします。決算総体としては、厳しい財政状況のもとで、市民の要望を極力達成するために努力していることについては評価をいたしますし、財政の抑制に努力している面もあることは、素直に認めるところであります。 しかし、平成8年度の歳入総額は、7年度より8億2,600万円も少ない466億4,200万円であります。確かに今ほどの説明にもありましたように、国庫補助金の4億7,000万円の9年度への繰り越しや、前年度より2億900万円減の利子割交付金などが大きな要因であります。上越市にあって前年度より歳入総額が減ったのは、昭和51年、57年、60年度に続いて今回で4回目であると思われます。私は、過去の状況について詳しく知るものではありませんが、今回の歳入総額の減は、一方では国や県や事業との流れからしてやむを得ない部分もあります。しかし、前年度との対比でいきますと、国庫補助金や県支出金の落ち込みが多い状況にあります。これは、国や県の財政抑制政策とも関係してくるかと思われますが、なぜこのような落ち込みになってきているのでしょうか。その辺の見解をまずお聞かせ願いたいと存じます。 また、今回の歳入総額の不足は、もう一方では上越市財政と上越市経済の構造的問題の前兆ではないかと思われております。それは、金額的には少ないですが、使用料の年々の減少と、ここ3年程度続いている貸付金元利収入の10億からの不足などが、その上越市経済の構造的問題の一例ではないかと思われます。したがって、減収の理由は国庫補助金と県支出金と利子割交付金であり、明確に状況がわかっているから心配ない、そういった問題のみではなくて、むしろ明確にわかっていない、表に出にくい上越市の経済力や上越市経済の構造的問題点の一部が、今回の歳入総額を減収させてきている一面ではないかと分析いたしますけれども、市長はこの辺についてどういう認識をお持ちでしょうか。まず、最初にお聞きをいたします。 次に、経常一般財源比率のダウンと経常収支比率のアップについてお尋ねいたします。上越市の8年度の経常一般財源比率は97.6%であり、7年度より1.2ポイント下がっています。これは、100%を基準にしてポイントが下がるということは、標準財政規模に対し経常的収入のうちの使途の特定されない収入額の割合でありますので、上越市の一般財源のゆとり、余裕が年々低下してきていることを証明していると思います。平成5年度が100.6%であったのが、6年には98.5%となり、7年度には98.8%であり、今年度は97.6%であり、まさに年々低下してきている状況にあります。また、経常収支比率は78.1%と、前年度より2.2ポイントも上昇している状況にあります。これは、経常一般財源総額のうちの経常的経費に充てられる一般財源の割合でありますので、高ければ高いほど新たな住民ニーズに対応する財源が不足するものであり、一般的には70%から75%ないしは80%程度までが適正水準と言われています。しかし、上越市の内容は、年々上昇し、今年度は78.1%であり、7年度より2.2ポイント上昇し、6年度より5.1ポイントも上昇してきている状況にあります。 この内容を分析しますと、2年前より人件費が1.9ポイント、物件費が2.5ポイント、合計しますと6年度より5.1ポイントも上昇してきている状況にあり、この中でも二つ、特に今ほど言いましたように、人件費と物件費を合わせますと、5.1ポイント中の4.4ポイントが上昇しているのであります。特に物件費は、平成6年度が21億4,700万円であったのが、今年度は29億1,300万円に増大してきているのであります。確かに先ほどの説明にもありましたように、高齢者福祉を中心とする各種施設の委託料などがその主な要因であり、今日の社会状況からしてやむを得ない状況であることは理解をしているところであります。しかし、このように年々上昇していく経常収支比率と、先ほど言いましたように、経常一般財源比率のダウンを見ますと、今後も一段と厳しい財政運営が強いられていく状況にあり、特に人件費、物件費がますます高まっていく客観的状況があります。こうした中で、市長は今後の改革、改善をどう進めていく予定でしょうか。その辺の見解をお聞かせいただきたいと思います。 3番目は、使用料の減収と各種施設運営費の赤字増大傾向についてであります。今年度の使用料の総額は7億700万円であり、予算よりも6,500万円の減収であります。また、7年度と比べても779万円程度の減収であります。これは、単年度ごとを比較いたしますと、それほど落ち込んではいませんけれども、5年度から見ますと、5年度では7億8,900万円の収入であったものが、この4年間で8,199万円も減収してきているのであります。各種施設が多くなっているにもかかわらず、このように使用料の収入が減収するということは、とりもなおさず入館者、利用者の減少がその端的なあらわれであります。 一方、これら施設の維持管理費はどうかといいますと、文化会館からリージョンプラザ、水族館、くるみ家族園など、以前からある14の施設を比べてみますと、平成8年度の収支決算はマイナス7億3,500万円であります。これは、前年度より2,328万円の一般会計からの持ち出し超過であり、4年前の平成5年度と比べてみますと、2億1,600万円もの持ち出し超過であり、年々それがふえてきている状況にあります。このように年々使用料の収入が減少し、かつ一方でそれら施設の維持管理費が年々増大しているという状況にあり、結果して一般会計からの持ち出しが年々増大してきており、一般会計を圧縮してきている傾向にあります。なお、この収支の中には、公債費は一切含まれていませんので、公債費分を含めれば、10億以上の一般会計からの持ち出しという状況になります。 なお、民間ではなくして、あくまでも公共の施設でありますので、私自身としても確かに黒字を出せとは言いませんし、赤字はある程度覚悟しなければなりませんし、市民サービスの向上や市民福祉の向上のためにも必要不可欠な施設でありますので、ある程度の赤字はやむを得ないと思います。しかし、施設をつくり、そこにかかる維持管理費が年々増大していくことは、歳入額がそれほどふえない上越市の現在の財政状況から見れば、ますます一般需要に耐えられない予算運営になっていくことは明確であります。一部今年度の決算においても、努力されている面も見受けられますが、特にその中で年々増大している部分もあります。これらの内容について、今年度の決算を踏まえて、市長はどういう認識をお持ちでしょうか。 四つ目は、中小企業融資支援事業と上越市の経済動向についてであります。ここ3年ほど、中小企業の融資支援資金が10億程度不用額となっています。今年度も10億4,500万円程度の不用額であります。前年度と対比いたしますと、それほど落ちてはいませんけれども、4年前の平成5年から比べてみますと、10億程度落ち込んだまま推移をしてきている状況にあります。特にその中で気になるのは、利用件数であります。平成5年度は791件の方々が利用されておりましたけれども、これが平成6年になると696件となり、7年には615件となり、今年度8年度には595件と、この4年間で約200件近くの利用者が年々落ち込んできているのであります。今年度の法人市民税は、景気の若干の回復傾向がありまして、前年度よりも3億8,400万円の17.8%の増であります。このことは、大いに歓迎をするところであり、喜ぶところでありますけれども、この融資状況から見ると、決してもろ手を挙げて喜ぶことのできない状況にあり、むしろ上越市の将来を見ますと、大変肌寒い思いをするところであります。 一昨年来から、上越市の大手の老舗が相次いで倒産をし、今年度はまた建設部門も倒産をしてきておりますし、ちまたでもまだ幾つかのうわさが出ているところであります。上越市の商工業の内実からして、自力で開発や運営のでき得る力量のある商工業は決して多いわけではありません。むしろ融資を受ける力量が不足しているがゆえに、たとえ低利な融資であっても手の出せない状況が正しい分析かと思います。また、金融機関が相当厳しい状況になっているというのも現実だというふうに聞いております。このような状況の中において、外部資本の相次ぐ進出などを踏まえ、上越市経済の動向が大変気になるところであります。この融資支援資金の減少、低下を踏まえて、行政は今後どういう内容を行っていく必要があるのか、どういう分析を行っているのでしょうか。融資制度のあり方や商工業の企業活力のあり方や、先ほども説明にもありました企業団地のあり方など、行政の支援策ももう一度根本的に検討し直していく必要があるのではないでしょうか。この辺の見解をお聞かせいただきたいと存じます。 次に、議案第70号平成8年度上越市国民健康保険特別会計の保険料収納率の低下についてお尋ねいたします。 上越市の国保会計も大変厳しい状況にあり、過去基金の取り崩しなどを行いながら運営してきた経過もあり、ようやく基金積み立てが行われる状況にもなってまいりました。また、担当職員の方々は、滞納者の自宅に夜間などを含めて直接訪問を行いながら、収納率のアップに努力されていることも承知をしているところであります。しかし、大変残念なことに、この決算内容を見ますと、今年度の料金収納率は全体で85.5%であり、特にその中でも過年度の滞納繰越金の徴収が、7年度は18.4%であったのが、今年度は15.4%と、3%も落ち込んでいるのであります。これは、6年度との比較でもいきますと、6年度の滞納繰り越し分の徴収が19.3%であり、全体の収納率が87.1%でありました。だが、7年度に入って、滞納繰り越し分が18.4%に落ち込み、全体の収納率が86.9%に落ち込みました。それが今年度に入ってさらに落ち込んで、滞納繰り越し分が15.4%となり、全体の収納率が85.5%となりました。6年度から見ますと、全体的にも1.6%の落ち込みであります。県下20市の対比も今回出ておりますけれども、他の市はそれなりに努力をしており、現状維持か若干の減となっている状況に対し、上越市は年々確実に低下をしている状況にあります。 これは、人口の流動化の多い新潟や長岡など、都市部ではある程度やむを得ない、低いというのはわかります。しかし、上越市の場合は、上越市よりもはるかに加入者の多い長岡市よりも低い状況にあり、かつ引き続き長岡よりも3年ほど前ぐらいはほぼとんとんであったのが、上越市は引き離されてきているという状況にあります。金額的にも大変少ないですけれども、例えば前年度並みの収納率18.4%であったならば、机上の計算でいきますけれども、1,000万以上の収入増加となるのであります。なぜ上越市がこのように収納率が年々低下をするのか、その根本的原因についてお聞かせ願いたいと思います。 以上です。 ○議長(市川文一君) 宮越市長。          〔市  長  登  壇〕 ◎市長(宮越馨君) お答え申し上げます。 まず、第1点目の8年度歳入総額の伸び悩みの原因は何かということでありますが、先ほどの提案説明でも概略御説明申し上げましたが、平成8年度の一般会計歳入決算額は466億4,236万円で、平成7年度に比べて8億2,600万円余り、すなわち1.7%の減になりましたが、この最も大きな原因は7年度において国民年金健康センターの用地の取得及び売り払いで、10億円を上回る売り払い収入があったことでありますが、8年度はなしということで、そのことが非常に特徴的になっております。 前年度より減少した歳入の主なものについて、その概要を申し上げますと、先ほども申し上げましたが、利子割交付金が低金利を反映して、7年度に比べて44.4%の大幅な減になったわけであります。平成8年度予算は、既にこれらの要素を織り込んで計上していたことから、予算に対してはむしろ2,300万円余り多い2億6,160万円の決算になっています。国庫支出金では、7年度に比べて5億7,000万円余り減っておりますが、これも当初予算に比べては5億6,000万円余り減の32億2,534万円となっております。これらの減少原因は、高田駅前地区の沿道区画整理や直江津駅南地区土地区画整理事業などの一部が、平成9年度へ繰り越しになったことに伴って、4億7,000万円余りの国庫補助金が9年度に交付されることになったこと。また、直江津駅自由通路建設事業の年次計画が、自治省協議などの関係で変更になったことに伴って、1億2,500万円の補助金が9年度以降にずれ込んだこと。さらには、国府東雲環状線街路事業や国府小学校体育館改築事業が7年度で完了したことなどによるものであります。 また、財産収入は、国民年金健康センター用地の関係で、7年度に比べて9億4,500万円余りの減となりましたが、当初予算に対しては5,800万円余り多い1億8,680万円の計算となっております。なお、参考に申し上げますと、平成7年度の特殊要因である国民年金健康センター用地を除いて比較いたしますと、平成8年度の歳入総額は7年度に比べて0.4%増になるわけでありますし、さらに繰り越し事業分もそれぞれの年度を前年度に戻して比較いたしますと、1.1%増になるわけであります。 市税につきましては、個人市民税所得割でありますが、これは現年課税分で見ますと、所得控除額の引き上げなどに伴って、当初予算を1億4,800万円余り下回る54億8,489万円となって、7年度より2.3%の減となりましたが、これは法人市民税法人税割、これも現年課税分でありますが、緩やかながらも景気の回復基調を反映して、当初予算の21億6,397万円を2億8,100万円余り上回る24億4,565万円と、7年度に比べて17.8%増の決算になっております。また、固定資産税なども、おおむね当初予算で見込んだとおりの決算となっておりまして、市税全体では平成7年度決算対比で2.9%増の予算計上に対して、決算では3.7%増と堅調な動きになっております。景気の先行き不透明感がぬぐえない状況ではありますが、市民福祉の向上のために、また多様な市民ニーズに積極的にこたえていくためにも、一日も早い本格的な景気回復を願うとともに、税源確保のためにも今後一層産業の振興などに力を傾注していきたいと、このように考えているところであります。 御心配の上越市の経済全体の構造的な変化の兆しがあるんではないかという御指摘でありますが、これははっきりとつかんでいるわけではありませんが、全体的な日本の経済あるいは経済構造そのものが今変革の兆しがあるという、そういう流れが出ておりますから、特別に上越市の経済状況がそういう構造的な、あるいはまた将来の不安な動きが見え隠れしているんではないかという御心配であったわけでありますが、私はまだそこまで感ずるような状況ではないんではないかなと、こう思いますが、8年度と今進んでおります9年度の状況を見ると、やや8年度よりも9年度の方が少し厳しいかなという、そういう感じは感覚的に私自身がそう感じていることも否定はしませんが、はっきりとしたデータはまだ確認できませんし、また今後そういうことがあってはならないということで、産業の振興はもとより、そのような基盤整備をしっかりと戦略的な視点で対応していかなきゃならんなと、こんなふうに思っているのが現状の感想として受けとめていただければよろしいかと思います。簡単に言うと、少し危機感というか、そういうことがあってはならないという気持ちで市政運営に当たることの必要性を徐々に感じているということを申し上げておきます。 次に、経常一般財源比率のダウンと経常収支比率アップをどう分析しているかということでありますが、初めに経常一般財源比率でありますが、これは市税や普通交付税などの経常一般財源収入額を標準財政規模で割った指数でありますが、この比率が100%を超える度合いが高いほど経常一般財源に余裕があり、歳入構造に弾力性があると言われているとおりであります。当市の場合は、8年度が97.6%で、7年度の98.8%に比べて1.2ポイント低下しております。これは、利子割交付金の大幅な減や個人市民税の減税の影響などによるものと考えております。したがって、参考までに申し上げますと、他市においても当市同様利子割交付金の減少などが大きな要因となって経常一般財源比率が低下する傾向がありますし、県内20市では、7年度には4市が100%を超えておりましたが、8年度では20市すべてが100%を下回り、また類似団体も13市中8市が100%を下回る結果になっております。経常一般財源比率については、過去の年度を見ると、20市単純平均と上越市の推移が大体パラレルに推移しているということであることを見ても、特別に上越市だけが異常な数値を示しているというわけではないということを参考に御認識いただければと、このように思います。だからといっていいというわけじゃないんです。そういう構造的な問題については、特別な要因がないということであります。 続いて、経常収支比率が75.9%から78.1%に上昇したことについてでありますが、どう分析しているかということでありますが、この内訳を見ますと、比率計算上分母となる経常一般財源収入額は、市税が市民税3.4%、固定資産税4.7%など全体で3.7%増、また地方譲与税も全体で4%増となったものの、利子割交付金の大幅な減少が影響して1.9%の伸びにとどまったことであります。これに対して、分子を構成する経常経費に使われた一般財源は、4.8%の増となったわけであります。その結果、比率が上昇したものでありますが、比率を押し上げることとなった経常経費増加要因は、今ほど御指摘もありましたが、いわゆる福祉倍増計画など、福祉の重点的な施策を展開してきた結果が、このように数字を押し上げるということになっております。すなわち、老人デイサービスの増強と、このことによって4,990万円がふえております。また訪問入浴サービス、これも2,210万円ふえております。それから、予防接種の個別接種への移行、これで6,400万円ふえております。それから、中小企業勤労者福祉サービスセンター運営費2,340万円がふえております。また、資源ごみ分別収集の通年化で1,880万円がふえています。福祉施策や生活環境整備の充実に伴って委託料等の物件費が増加し、比率が0.5ポイント上がるとともに、人件費では定年による退職者、これは13から19に6ふえまして、これだけで1億8,700万円がふえております。そのことによって、1.1ポイント上昇したものであります。 一方、補助費が、98トンごみ処理施設建設終了に伴って0.2ポイント、また公債費も借り入れ利率の低下などによって0.2ポイント低下いたしました。参考に、このことをまた比較で申し上げますと、このような比率の上昇傾向は他市においても同じような傾向がうかがえますし、県内20市中15市が、また類似団体13市中12市が前年度より上昇いたしております。これも、やはり福祉の充実という大きな流れとか生活環境とか市民生活に直結するような施策が、それぞれの自治体でも取り組んでいるという傾向が見えておるということもあってこういう傾向が出ております。したがって、上越市の特別御心配なされるような要因ではないわけでありますが、むしろ福祉の充実しなきゃならない緊急的な課題に取り組んだ結果としてこのようなところで数値が変動するということは、これはやむを得ないと、こう思っております。 続いて、使用料の減収と各種施設運営費の増大傾向をどう分析するかということでありますが、このことは以前からも大変な議論がされてきたわけでありますが、施設をつくりますと、必ず管理運営費というコストがかかる。また、使用料が公共施設であるがゆえに、収益が発生するような料金設定ができないという、そういう特殊的な範疇であることから、こういう施設づくりには慎重を期していかないと、御心配の向きが当然出てくるわけでありまして、若干その辺のことを念頭に置いて分析しておりますことを申し上げます。 平成8年度決算における使用料は、総額で約7億800万円で、前年度に比べて780万円程度、1.1%の減収になっております。これを主な施設で見ますと、リージョンプラザが7年度の6,910万円に比べて、8年度は670万円余り減の6,230万円で、それから水族博物館は7年度より90万円余り減の1億9,330万円、また上越市周辺に類似の施設が次々とオープンした影響を受けて、くるみ家族園は7年度に比べて650万円減の2,740万円となっております。一方、リニューアルを進めた厚生南会館では、100万円増の670万円、また春、秋の特別展のほかに、夏には越後上杉氏遺宝展を開催した総合博物館では390万円増の930万円となっております。施設の管理運営につきましては、比較的大規模な改修費や公債費を除いて比較してみますと、主要施設の全体では17億6,520万円余りで、0.1%増にとどまったところであります。これも結果的に抑制ということになったわけであります。 平成8年度では、渇水であった平成6年度や7.11水害の影響を受けた平成7年度に比べ、気象の変化が施設の利用動向に及ぼした影響は少なかったのではないかと考えておりますが、周辺市町村にも類似の施設が次々とオープンしていることや、市民のニーズ及び生活のパターンの多様化などに伴って、一般的には年数の経過とともに利用が減少していく傾向にあると考えています。このため、施設の運営につきましては、これまでもよりよいサービスの提供に努めるとともに、上越こどもの日の制定や水族博物館と屋台会館のセット入場券の新設など、利用促進を図ってきたところであります。また、公共施設の有効利用と活性化を図るため、公共施設利用活性化懇談会を設置して、市内各界の代表の方々から多角的に検討を加えていただき、利用しやすい魅力ある施設づくりについてさまざまな提言をいただいたところでありますが、これらをもとに利用者の皆さんがより一層気軽に楽しく利用していただけるよう、今後とも施設の管理運営と利用促進にもさらに創意工夫を凝らしていきたいと、このように思うところであります。 こういった御懸念をされるような施設づくりに、今後とも細心の注意を払っていかないと、容易につくってまたその運営費が膨大になって収支が悪化するということのないように努めていかなきゃならんわけでありますが、といってやはり時代のニーズに合うような施設づくりも慎重に対応していかないといけないという、なかなか二律背反的な分野でありまして、いわゆる公共施設づくりと管理運営のあり方についてはより民間的な理念も入れながら、効率性にも十分配慮しながら取り組んでいかなきゃならんということは一つのポイントではなかろうかと、このように思っております。 次に、中小企業融資支援資金の低下と上越市の経済動向についてでありますが、平成8年度の中小企業白書では、我が国経済が緩やかな回復に向かう中で、大企業に比べて中小企業の景気回復の動きは、製造業、非製造業ともおくれているとしております。その原因は、一つには収益の低迷や資金繰りが厳しいことなどから設備投資が弱いこと。二つ目には、国際分業の進展による生産の海外移転や部品の現地調達、下請の選別やコスト削減などが挙げられております。このような中、当市は現在12もの融資制度を実施しており、市内金融機関との協調融資によって、幅広い資金需要にこたえているところであります。そして、より多くの皆様から御利用いただくために、これまで景気の後退に伴って経営に支障を来している中小企業者に対応するための景気対策特別資金や大型店出店による影響を受ける中小小売業者に対して、経営体質の強化あるいは近代化のための中小小売業活性化資金を創設するなど、その時々の経営状況や企業の資金需要を的確にとらえて、融資制度の創設及び充実を常に心がけてきたところであります。さらに、本年度は長期化する景気低迷に対応するため、すべての制度にわたって貸し付け利率を、平均0.6%引き下げるとともに、地方産業育成資金や中小企業振興資金について、貸付期間の延長を行ったところであります。また、新たな産業創出のため、ベンチャー企業への支援である中小企業研究開発等支援資金や土地区画整理事業の清算に伴う必要な資金を融資する土地区画整理事業資金を新たに創設したところであります。しかし、景気回復の足取りは重く、特に製造業は国内の生産拠点を海外に移すなどの産業の空洞化を招く状況などから、さきに申し上げたとおり、全国的に中小企業の投資意欲の回復がおくれている中、市内においても同様の設備資金の需要が減少しております。また、相次ぐ大型店の進出による競争の激化や、不況下における個人消費の停滞なども資金需要の減少の一因として考えております。 融資の推移について若干触れさせていただきますが、バブル崩壊後の平成3年度以降については、まず設備資金では本町大町土地区画整理事業に伴う商店街近代化資金の特殊要因を除いたもので比較をしますと、平成3年度は貸付件数が274件、融資額が14億1,300万円でありました。その後4年度は237件、若干減っておりますが、12億8,000万円、5年度はさらに減りまして209件、9億8,200万円と減少し、6年度は234件、逆にこれは増加しております。12億3,000万円と増加しました。7年度は、また若干減りまして186件、9億5,000万円、8年度は横ばいで193件、9億2,500万円と、5年度並みになっております。一方、運転資金は、平成3年度403件、16億3,400万円であったわけでありますが、4年度に景気回復のおくれを懸念して創設した低利の景気対策特別資金への利用の増加から、4年度は630件、33億1,700万円とふえ、5年度は576件、30億8,900万円と大きく増加したわけであります。その後、6年から8年度は457件から402件、23億から25億円で推移をしております。このように制度融資の借り入れは、経済的な諸要因や企業者個々の経営判断や、新たな融資制度の創設や貸付条件の緩和などによって、大きく左右される側面がありますので、年度による融資実績の比較は難しいものと考えております。しかし、貸付条件等について、さらに中小企業者が利用しやすい方策について、今後金融機関とも協議しながら進めてまいりたいと、こう考えております。 次に、上越市の経済動向についてでありますが、当市の製造品出荷額等は、平成3年の2,349億円をピークにして年々減少してきたわけであります。平成7年には、2,054億円まで減少いたしました。しかし、新潟県が今月3日に発表した平成8年工業統計調査結果、速報値でありますが2,056億円と、やや前年を上回る結果となりました。ようやく底打ちという感じが出てきたようなところであります。県全体としても、製造品出荷額等は4年ぶりに5兆円を突破し、加工組立型産業が初めて基礎素材型産業を上回り、高付加価値型工業構造へと転換が進んだものとしております。上越市も、平成7年までの推移では、食料品、一般機械、電気機械が増加傾向にあります。 一方、ホクギン経済研究所が8月に発表した県内の景気動向調査によりますと、平成8年の全産業における年間売上高は、県全体で売り上げが増加した企業が56.4%、減少した企業が24.3%で、増加した企業から減少した企業を差し引いたいわゆるDI、これは景況感を反映する業況判断指数、DIと言っておりますが、32.1ポイントでありました。これに対して、上越圏ではそれぞれ50.0%、30.0%、DIが20ポイントと、県と比較して厳しい状況にありました。そして、平成9年度の見通しとしては、現段階で県全体では増加が40.6%、減少が25.4%、DIは15.2ポイントであるのに対して、上越圏はそれぞれ37.5%、22.5%、DIが15.0ポイントと改善の傾向にあるとの見方をしております。しかし、企業倒産、整理などの状況を見ても、当地域は依然として本格的な景気回復に入ったとは言いがたい状況にあり、今後とも地域産業の発展のため融資制度の充実を初め、優良企業の誘致のための諸施策や受け皿となる企業団地、流通業務団地の整備及び新たな産業創出への支援などに努めていきたいと、このように考えております。 次に、国民健康保険税の収納率低下の原因についてでありますが、国民健康保険は地域住民が医療と健康を確保するため、相互扶助の精神に基づいて保険税を負担し合い、医療費の給付や保健事業の適用を受ける制度であるわけです。この趣旨からすれば、保険税を完納してもらうことは、収入の確保とあわせて、被保険者間の負担の公平を保つ観点から、極めて重要であることは言をまたないわけであります。滞納者への対応として従来から行っておりました督促状、催告状の発行にあわせて、夜間など在宅時に電話で催告するとともに、高額滞納者約150を中心に、毎年9月1日の保険証更新時に収入の状況や家庭の事情等にも十分配慮しながら、納税相談を行ってまいっているところであります。また、納税課と保険年金課の職員21組で10班を編成し、約350の滞納者に対し夜間と休日の訪問徴収を実施する等、収納率の向上を目指したところであります。このような努力にもかかわらず、現年度課税分と滞納繰り越し分を合わせた収納率は、前年度に比べて1.4ポイント低下し、85.5%となり、収入未済額も前年度より約5,000万円も多い4億2,250万円となったわけであります。 この主な要因として、現年度課税分では前年度と同率の95.1%を確保できたものの、滞納繰り越し分については生活困窮や景気低迷による営業不振あるいは家庭の事情による転居先不明などにより、前年度に比べて3ポイント低下し、15.4%にとどまったことによるものであります。なお、参考までに、県内20市の収納率の状況を申し上げますと、大半、17市の市が上越市と同様に前年度を下回っている状況にございます。こうした結果を踏まえて、本年度においては前年度滞納者の状況分析を行って、特に転居先不明者については、市民課とともに確認作業を行い、また経営不振による状況把握は関係部課とそれぞれ連携をとりながら、滞納者の実情に即したきめ細かい収納対策を展開しているところであります。また、督促状や催告状に応じない滞納者には、訪問徴収の班編成を充実するなど、今まで以上の体制を整えて徴収に当たっておるところであります。それにも増して、被保険者には日ごろからパンフレットや小冊子などの配布を通じて国民健康保険制度の趣旨を周知し、納税者に理解を求め、収納率の確保、向上に取り組んでまいりたいと、このように考えております。御理解のほどをお願いします。 ○議長(市川文一君) 3番、山岸行則君。          〔山 岸 行 則 君 登 壇〕 ◆3番(山岸行則君) ありがとうございました。再度質問をさせていただきます。 一番最初の歳入総体の問題でございますけれども、確かに前年度から見て、国民年金の土地の問題で確かに10億からあると、これは前年度よりも歳入総体として不足であるという状況もございますし、先ほど私どもの方で言いましたように、国庫支出金や県の補助金等の中身についても、7年度から8年度への繰り越しの財源等も見ると、さらに大幅に落ちているという状況がございますけれど、ただそうは言ってもこれら各種事業の中身でございますので、この国庫支出金と県支出金の単年度ごとにふえたから、減ったから特別問題があるという中身ではなくして、むしろ私どもとしてはやはり上越市の今の経済状況を踏まえたときには、収入総体がもうこれ以上大してふえないという状況が1点あることと、この間は内部留保じゃないけれども、基金の取り崩しと起債の発行がある程度ままなってきたという状況があって、それらを若干不景気のときには、それらでもって収入全体をふやすことで賄うことができたという状況がございますけれども、上越市の財政状況からしても、これは上越市だけではないと思いますけれども、もはや基金の取り崩しも限界に来ておりますし、起債の発行についても、もうずっとこの間やっておりますように、ある程度のきちっとした制限を設けてやっていかなきゃならないという状況になっておりますので、収入総体としてはふえる状況は余りない。確かに7年度から8年度を見て、市民税としては若干の上積みにはなってきているけれども、それほど大きく上積みしていくという状況にないという状況でございますので、今後においても上越市の収入総体がそれほど大幅に伸びていくという状況にはないという状況のもとでもって、どう財政運営をきちっと確保していくかという状況になってくるんだと思いますんで、その意味ではやはり人口の増なり上越地域の経済圏の活性化というものが、どうしても上越市の財政の中においては不可欠な問題であるという状況だと思いますので、そういう立場からしますと、4番目に質問いたしました中小企業と上越市の経済動向との兼ね合いもありますけれども、今ほど市長も言っておりましたように、流通業務団地だとか企業団地の造成等も含めて、今後も積極的にやっていかなきゃならないというふうに言われておりますけれども、私は確かにそのとおりだと思うんですけれども、そのやり方についてももう少し今後の場合には検討していく必要があるんではないか。 例えば流通団地や企業団地のあり方についても、今ほど言っておりますように、製造業等を中心とする団地やなんかの場合には、ただ造成をして低利で用地を提供するというだけではなくして、今の大型店の商業のスーパー的な問題をも含めて、あれらの形式をも含めた雇用の問題や環境の問題をも含めた、1カ所に効率的に集中でき得るような企業団地や流通団地のあり方というのも、今後の上越市の状況を見たときには考えていかなければならないんではないか。例えば端的な例ですけれども、企業団地を誘致をして、そこにそれぞれの企業が、一つの例で言えば、トイレやなんかについても、それぞれ個別につくっていくというんじゃなくして、むしろ企業団地に何カ所か公共の施設としてきちっとつくることによって、それぞれの企業がそういう余分なものは出資しなくてもいいような、そういうのも含めた総合的な企業団地や流通団地のあり方というのも、行政サイドとして従来のあり方とは変わった方向まで含めて、今の厳しい環境の中においては考えていく必要があるのではないか。したがって、ただ単に流通団地や企業団地という中身ではなくて、もう一歩その辺を突っ込んでやっていく今後の方向性が必要になってきているのではないかなという感じがいたしますので、その辺の見解がおありでしたら、再度お聞きをしたいと思っております。 また、それと同時に、先ほどの2番目の質問で行いました経常収支比率の問題で、今ほども言いましたように、上越市の一般財源に占める税収というのがそれほど望めないという状況の中において、しかし経常的収支としてはこの人件費や物件費も、例えば今市長の話ではないですけれども、今年度の人件費については退職者が13から19に特別多くなったからという状況でございますけれども、しかしこの経常収支比率の中における上越市の人件費の内容を見ますと、平成6年度が28.3%に対して7年度が29.1%であり、そして今年度は30.2%と、年々着実に増加をしてきているという状況にございますので、退職者も一つの要因ではあるけれども、それだけの要因ではなくして、根本的な流れとして人件費が経常収支比率の中における、占める率としては上がってきているという状況があると思いますので、これらの問題と物件費の中身についても、6年度が8.3%であったのが7年度は10.3%、そして8年度が10.8%と、確実に物件費も上がってきている。特に物件費の中では、先ほど言いましたように、委託料が確実に上がっているという状況もございますので、これは職員全体や私ども議員や、また市民も含めて、これらの問題を考えていかなきゃならない。もう住民としては、先ほどの高齢福祉の問題も含めて福祉的なものはやっていかなきゃならない。今後ますます膨らんでいくという状況の中では、物件費に占める委託料の割合というのも、ますますふえていくという状況がありますけれども、そういう中においても総体的にこれらをどう縮小させていくのか、財源がもう決まっている以上は、これらについてもどう縮小させるかの検討を、人件費や物件費の中においても大胆に検討していかなきゃならない状況に来ているだろうと。その意味では、この間の上越市の財政運営の中において、また行政運営の中において、守るべきものはきちっと守る、捨てるものは捨てる、委託のあり方においてもよりよい委託のあり方の方向ももう一度根本的に考えていかないと、何度も言うようでありますけれども、財源の枠が決まっていて、将来の方向で出さなきゃならない予算がもう当然出てくるという状況の中においては、これら人件費や物件費のあり方をもう一度根本的に考えていかない限りは、将来の住民需要にこたえる上越市の財政運営にはなり得ないという状況になってくるんだと思っておりますので、その辺の見解がございましたら、もう一度お聞きをしたいというふうに思います。 それから、同じ中身で各種運営費の中身でありますけれども、これは私も今ほど言いましたように、公共の施設でございますので、赤字はある程度やむを得ないし、ある程度の市民ニーズにこたえた市民福祉サービスとしてはやっていかなきゃならないという状況は当然でありますので、この施設はつくらないでいいとかこの施設は切ってもいいという問題ではございません。あくまでもそれらの施設の運営というものはやっていかなきゃならないという状況であり、そのためには一定の赤字もやむを得ないけれども、その赤字幅が年々、年々ふえていく、この辺にどうきちっとメスを入れなきゃならないのか。確かに今ほど市長も言ったように、個別の施設を見ますと、7年度よりも8年度が改善をされて、赤字幅も減ってきているのも確かに幾つかの施設あります。それは、私どもも知っておりますけれども、しかし総体から見ると、相変わらずこの幅がふえてきています。また、その幅の比率も過去から比べてみて、その赤字の出していく比率が減ってきていることは事実であります。比率が短縮されてきていることは事実でありますけれども、確実にそれが増加をしているという、この傾向についてある程度メスを入れていかなきゃならないんではないか。 端的に言って、ある業者に委託をする委託料だけが年々確実に上がっていくというのも、施設の中の努力の中において委託料が少なくなっている施設もあるけれども、年々確実にそれら委託料が上がっている施設もあります。これらの問題一つについても考えてみる必要があるだろうし、人件費の中においても、ある施設においては逆に人件費が縮小しているのもあるけれども、ある施設は相変わらず人件費が拡大をしているという状況もございますので、これら全体の中身の中を見ながら対応していく必要があるのではないかなというふうに思っています。これら全体の施設は、先ほど私14の施設と言いましたけれども、上越市のすべての施設を本来入れれば、そんな7億なんてもんじゃなくて、15億近くの赤字になっていくという状況もありますので、これらについて最大限のメスを入れながら、なおかつ先ほど市長が言いましたように、市民の福祉に、市民のサービスに低下をしない中でどうやるのかというのを考えていかないと、上越の財政状況のもとの中においては、この辺も相当厳しいウエートを占めてくる状況になっていくのではないかなというふうにも思っておりますので、その辺についての考え方を再度お聞きをしたいと思います。 それから、最後にもう一点、国民健康保険の問題については、市長は他の20市の関係から見て、上越市はそれほど他の市町村とも変わっていないというような答弁でございますけど、確かに他の全体的な県内の20市から見れば、上越市の流れもそれほど変わっておりません。しかし、県内20市中、先ほど言いましたように、収納率は上越は下から3番目であって、相変わらず17番目、7年度は16番で1番上がったんだけれども、8年度はまた下がって17番目というような状況で、相変わらず上越市が最下位の方で低迷をしていたという状況もございまして、一生懸命努力をされているのはわかりますけれども、しかし今日の置かれている経済動向をも含めた情勢は県内の20市は大して変わらないだろう。上越市だけが特別に悪くて、上越市だけが特別な理由あるわけではないだろう。20市ほとんどどこも変わらないだろうと。その意味においては、上越市よりもはるかに加入者の多い長岡でさえ、これだけの上越市よりも収納率の高い努力をされているという状況もございますので、もう一遍上越市のあり方というものを検討しながら、とりわけ少ない財源の中でやっていかなければならない国民健康保険でありますので、1,000万であろうが2,000万であろうとも、それが非常に有効な財源になっていくという状況がございますので、この収納率のアップに向けて内部でもってもう一回検討していただきたいということをお願いをし、もしその辺の見解がございましたら、御答弁をいただきたいと思います。 以上です。 ○議長(市川文一君) 宮越市長。          〔市  長  登  壇〕 ◎市長(宮越馨君) 財政の構造的な問題でありますが、御指摘の収入というのは、どちらかというとこれが頭打ちになっているんではないかという、そういう御感想であるようでありますが、私も決してそれは否定はできないんではないかなと、こう私思っています。従来経済が好調で、右肩上がりの社会経済状況が生じて生み出しているときと今とは全く違うわけでありますから、特にバブルの時代、そのときが一つのターニングポイントというふうなとらえ方がむしろよろしいんでないかなと、こう思っています。このバブルの教訓としていろんな価値観まで含めて、国民は今気持ちの整理を含めて、あるいは経済の構造そのものがどうあるべきかということまで考え、その対応を苦慮されているのが今日の現状ではないかなと、こう実は思っています。そういう中で、経済の活動の結果として税収、収入がリンクして上がってくるわけでありますが、必ずしも全体的な、大局的な視点に立ってみても、そんなに好調な姿を将来に描ければということは、これはないような感じします。 そこで、そのまま放置するわけにはいかないというか、それでいいのかというと、私どものまちづくりということを進める上では、いわゆる戦略的な対応の仕方が、今どうとるかということが非常に重要であると、こう思っておりまして、そのことの裏づけとしまして、いわゆる将来都市像をどうするかというマスタープラン、ビジョンをつくって、のびやかJプランをつくらせていただいたわけでありますが、これは市民との参画でつくったわけでありますから、共通認識の上でまちづくりをどうするかということで歩き始めたところでありまして、我々はそういった今の財政構造にも直接、間接何らかの影響を期待するということも含めて将来の都市像を描いたつもりでありますが、こういった形の、いわゆる短期的な視点で物事をとらえて答えが出しにくいという、あるいはまた他動的な要因で収入増を、財政基盤を確立するということはなかなかもう期待ができない、そういう時期に差しかかっているんではないかなと、こう私は思っています。 したがって、私ども上越市を売り込むとか、あるいはまたそのまち自身の価値観を高めると、付加価値を高めるという、そういうまちづくりをすることによって新たな企業進出あるいはまた産業が興されて、結果的にその財政基盤が確立するという、そういういわゆる戦略的な思考を持っていかないと、なかなか今の御指摘の答えは出しにくいと、こう思っております。いわゆる基礎体力をどう増進するかということであるわけでありまして、そういう意味ではいろんなインフラ整備、都市基盤整備が着実に今進んできていることを見ますと、これはそういういい方向に動きつつあるなというふうに思っていますし、また皆様の御協力とか御指導によって、そのようないわゆる各種のプロジェクトが順調に今進みつつある、こういった状況を見ますと、将来的にはそんな悲観することはないだろうというふうに実は受けとめておりまして、そういう中で企業団地をどうするかとか、あるいはまた流通業務団地をどうつくるかというのが、具体的な戦術論としてどう取り組むかということが非常に大事なことになってくると、このように思っています。 そして、大規模、いわゆる従来型の、余り具体的に言いますと批判ということにもなりますから申し上げませんが、いわゆる団地のつくり方においても、いわゆる簡単に言いますと、オーダーメイド型に、ユーザーの方々が使いやすいような、あるいはそこに進出することによって、それぞれの企業がプラスで企業活動ができるという、そういうこととか、あるいはまた雇用者、勤労者がそのまちで働き、住むということでありますから、ただ働いて収入を得ればいいというそういう短絡的な発想じゃなくて、働きやすい職場はもとより、生活しやすい、そういう環境をどうつくっていくかという、いわゆるまちづくり、そのことを一体的に取り組んでいかないと、働く場があったけど何となく住みにくいなということでは、これは経営者と勤労者との両方のニーズというか、期待にこたえられないわけでありますから、両方の立場でいいまちをどうつくるかということが、非常に重要な視点になってくるわけであります。そんなことで、こののびやかJプランは、まさにそういう地域間の競争を激化されている中で特長を生かして付加価値を高めると、そういうまちづくりをするということが、大変戦略的にも武器になるということで、歴史、文化の薫るこのまちを、さらにはいろんなポテンシャルを生かした中のまちづくりを総体的に醸し出していくということによって、産業基盤の強化ということにつなげていきたいなと、こんなふうに思っているところであります。 それから、経常収支比率の問題でありますが、私はもちろんこれは低下しない方がいいに決まっているわけでありますが、この内容を先ほど申し上げたように、大変重要な政策を積極的に取り組んだ結果としてこういう結果になっているわけでありますから、決して財政構造を悪い方に、住民サービスを悪くして悪化させたというんじゃなくて、むしろ住民サービスを向上して公共の福祉の増進に寄与した結果としてこういうふうに出てきているわけでありますから、これはいろいろ見方があるかもしれませんが、財政的なことだけを見ると悪くなったということでありますが、私はむしろ求められている多様な市民のニーズに十分にこたえているということからすると、財政は有効に機能しているというふうに私は思っておりますから、そのように御理解をいただければありがたいと、こう思っています。 ただ、私は一つ今国の方でも公共事業、いわゆる簡単に申し上げますと、ハード的な事業についてはしばらくちょっと足踏みというようなことでマイナスということの財政構造改革の中で打ち出されましたが、これはたまたま新年度にそのような方針が出されたことであるんじゃなくて、公共事業のあり方そのものに根本的なところにメスを入れて、評価の仕方あるいは公共事業のあり方についてそろそろ見直していくときに差しかかったという、結果としてそのようなことが打ち出されてきたような感じします。簡単に言いますと、これからはハード、ハードというだけで済むというもんじゃなくて、やはりそこにはソフト事業というようなものも入れながら、市民参画型のそういう市政はもとより、県政、国政というものも方向転換していくという、そういう兆しがこういうところであらわれてきたということではないかなと、こう私は受けとめております。もちろん、ハードがまだ整備されていない地方においては、公共投資についてはもっともっと投資しなきゃならんということを私自身も訴えてはおりますが、全体としては従前のハードオンリーというような感触から、やはりソフトのことを含めながら、平たく言いますと、まちづくり全体、市民、住民が納得いくというか、より豊かさとか、そういう事業の効果が多様化していろんな効果が期待できる、そういう財政支出を求めているような感じします。ですから、公共事業のあり方の、いわば根本的な見方が少し変わってきたことによって、それに対する財政支出のあり方を考え直していかなきゃならん、そういうときに差しかかってきているかなというふうに感じております。 そんなことでありますから、今申し上げました経常収支比率の、多少悪くなったということについては、むしろソフト的な事業がどんどん入ってきた結果として経常収支比率が悪くなったということでありまして、住民からするとサービスが向上したということでありますから、実感としてはそういう数値的なことよりもサービスが向上したな、公共福祉が増進したなという感じを受けとめていらっしゃるというふうに私は受けとめておりますし、またそういうことで対応するのも決して間違っていないと、こう私は思っております。 それから、使用料、公共施設の管理運営あるいは収入、使用料との関係でありますが、大変これは難しい問題でありまして、釈迦に説法みたいな感じでありますが、要するに使用料あるいは管理運営費とのバランスだけではなく、その施設がより多くの市民、住民に利用されているかというところを見ていかないと、これは公共セクターの施設運営の根本にもかかわってくるわけでありますから、確かに収支では悪いけど、非常に多くの方々が利用されるということは、これはそっちのバランスシートを見ないと、これはいけないわけでありまして、建物つくって、収入が少ないけど管理運営費も少ないと、じゃそれでいいのかいという話でもないわけです。ですから、何の利用者がどういうふうな形でその施設を利用したかということがまず第一にあって、そのうち応分の負担を使用料としてどれだけいただくかということが政策的に決まってくるわけでありますから、両方うまくミックスして考えていかないと、この施設づくりがミステイクかどうかということを、本当のところはわからないということで、これは今御指摘のところは謙虚になって、つくったものに対しては、極力施設運営管理費については効率よく努めていかなけりゃならんということはもとより、また使用料についても適正な負担を求めるということについても意を用いていきたいと、こう思っていますし、またそのために公共施設の利用活性化懇談会というものをつくり、客観性を持った施設運営に努めていっているわけでありますから、そういう方向で私も緊張感を持ってそういう施設をつくり、あるいはまた管理運営等については意を用いていきたいと、このように思います。 それから、国民健康保険の収納率の問題でありますが、基本的には、加入者というか、皆さん方が自覚をされるということが基本になってくるわけでありますが、いろいろ今申し上げたような事情があって滞納されているということでもありますし、他の市町村と比べて、確かに数値的には上越市は決して褒められたことではないようなことであるようでありますが、それぞれ一生懸命頑張っていらっしゃるとは思いますし、特別怠けて納めないということではないと私は思っていますし、ただ知らないでとか、その納付の仕方について改善をされる余地があるかどうかということも含めて収納率アップに努めていきたいと思いますし、また職員は怠慢でということでもないと思いますし、そこは少し時間をかけながら改善に努めていくということで御理解をいただければ幸いだと思います。よろしくお願いします。 ○議長(市川文一君) この際、暫時休憩いたします。          午後0時35分 休憩          午後1時30分 再開 ○議長(市川文一君) 休憩前に引き続き会議を開きます。総括質疑を行います。 22番、星野実君。          〔星 野 実 君 登 壇〕
    ◆22番(星野実君) 私は、広政クラブを代表して、今議会に提案されております議案第69号平成8年度上越市一般会計決算認定について総括質疑を行います。 平成5年度半ばにして市長就任、申し上げるまでもなく、4年間の実績をひっ提げて市民の審判を受けられるわけであります。行動力に富み、かつ新機軸を打ち出して市政運営に努力されていることを認めるところであります。しかし、提出された8年度決算資料について、過去の資料と突き合わせ分析をしてみますと、投資的経費の漸減傾向が著しいのであります。近年の行政は、国、地方を問わず、住民への各種サービスも、かつての地方公共団体の公権力を持って行う事務が大半を占めていた時代から、住環境の整備を筆頭に、地域の開発による経済活性を促す投資的経費の配分が大きな使命になってきていることは十分承知のとおりであります。すなわち、政府の裁量によって有効な財政規模、水準に誘導する、言いかえれば、不況のときは公共投資の増加を図る、いわゆるフィジカルポリシーの概念が、地方行政にとっても今ほど強く望まれているときはないのではないでしょうか。上越市におきましても、いまだに不況だと言われ、企業倒産もあらわれ、さらにまだまだ起こるであろうと悲痛な声も聞かれるのですが、かかる状況下、決算資料をその面から分析してみたのであります。 その結果、今ほどの市長の提案説明では、財源確保の効果的、効率的執行と言われておりまするが、明許繰越額があるとはいえ、普通建設事業は前年度対比約24億2,200万円、23.1%のマイナス、単独事業では約17億円、26.4%と大きく落ち込んでいるのであります。上越市には、この普通会計のほかに、市長が集中的に進めておられる特別会計に属する公共下水道と集落排水事業がありますが、その実績を合算してみた場合でも、同じく約19億3,000万円、10.4%のマイナスになっております。当然国の財政運営のしわ寄せによるものかもしれませんが、表面的には地方財政計画の推移を見ますと、過去5年間の普通建設事業費は毎年増額されてきており、新潟市、長岡市並びに上越市と同規模他都市の状況を参考までに事務局を通じて調査してみましても、増額や横ばいの状況にある都市が多いのであります。 そこで、質問の第1点は、いわゆる投資的経費、公共事業費の落ち込みは、景気の誘発現象が損なわれ、雰囲気的には市内企業に与える影響が大きく、一方市にとっても税の伸長にも少なからず影響を与えると考えていますが、経済振興の面から見た公共投資減少について、市長はどうお考えですか、御所見をお尋ねいたします。 2点目は、普通建設事業費の投資面から、市長就任時、すなわち平成5年度を基準にして3年間の推移を見てみますと、バブル崩壊後の影響を反映した市税の伸び悩み、たとえ交付税で補てんされて、地方債でカバーされたとはいえ、苦しい財政運営であったと思料するものですが、普通会計で5年度対8年度で比較した場合、41億8,000万円、34.2%の大幅な落ち込み、前段と同様、公共下水道と集落排水を合算しても、わずかに1.4%のアップなのであります。提案によれば、効率的財政運営と財源確保に努めたと説明されておりますが、客観的理解のもとに、議会審議ができる財務的数値でお示しいただきたいと存じます。 3点目は、普通建設事業費における国、県補助事業に絞ってみた場合、前年対比7億1,000万円、11.8%のマイナス、5年度対比では12億1,000万円、26.4%のマイナスになっております。補助事業の減少は、財源確保面から根本的に気になるところでありますので、お伺いするわけでありますが、補助事業に必要な一般財源の不足によるものなのか、国、県の補助事業採択の姿勢に問題があるのかを、市長のお考えをお尋ねいたします。 4点目は、財務内容の良否を見る一つの指標としての経常収支比率があります。申し上げるまでもなく、財政の弾力性を見る指標でありますが、平成8年度は78.1%、前年に比較し2.2ポイントの悪化であります。そして、この比率を構成する内容を分析してみますと、平成6年度81億8,000万円程度の人件費が、平成8年度には88億6,000万円に膨張しております。物件費では、コンサルタント調査等を含む委託料が極めて大きいのでありますが、この中には扶助費扱いにされる老人関係経費も多分にあり、このことは高齢化社会への対応としてやむを得ない施策であると考えられますが、人件費を見たとき、平成7年度、8年度、9年度中の退職者は81に対し、採用者が135、差し引き54、うち3名が水道会計に振り向けられておりますので、実質51の増。このうち平成8年度に影響する人員増と超過勤務手当での増嵩が、平成5年度、6年度の経常収支比率の人件費構成比を28.3%から30.2%に押し上げたものと考えられ、これらが投資的経費への予算配分の圧迫になっていないか、懸念するものであります。 ちなみに、類似団体指数で見た場合、人口1,000当たり7.31に対し、上越市は7.44と高いのであります。ますます複雑多岐になる行政需要の対応にマンパワーが必要かつ有効であるとは十分理解しておりますが、例えば行政改革の一環として、2000年までに500いる職員を26減員することで、年間2億円の一般財源を節減する計画を進めている燕市、全職員数の1割に当たる1,300の減員計画を打ち出している尼崎市など、義務的経費の圧縮に努力している県内外都市の例が報道されております。今後分権の受け皿の一つと言われる広域行政の進展や合併を視野に入れた、そして健全な財政構造の構築に向けた検討の必要性について、市長のお考えをお聞かせください。 最後に、固定資産税についてお伺いいたします。平成7年度決算に当たり、固定資産税における小規模住宅に対する軽減措置に公平感を欠いたとして、新たに取り扱い要綱を設けていただきましたところでありますが、委員会の説明では、さらに600件程度が存在すると説明されておりますので、実質的に伸び率を把握するためにも、8年度で新たに発生し、歳入から返還した当該年度分の件数とその額、あわせて過誤納還付した件数及びその金額をお伺いいたします。 以上の質問でありますが、よろしゅう御答弁をいただきたいと思います。 ○議長(市川文一君) 宮越市長。          〔市  長  登  壇〕 ◎市長(宮越馨君) お答え申し上げます。 最初に、建設事業費の推移等についてのお尋ねでありますが、私が先ほどの提案説明でも申し上げましたとおり、みどりの生活快適都市・上越の実現を目指して、市民生活に直結する基盤整備を力いっぱい進めてきたところであります。特にこれまで整備が立ちおくれていました下水道事業、下水道の整備につきましては強力に事業を推進し、公共下水道では平成6、7、8の3カ年度で178億円余りを投下して整備を促進した結果、例えば普及率は、平成5年度末の11.3%から、平成8年度末には19.5%、ちなみに平成9年度末の見込みでは22.8%ということで、大きくアップしたのであります。また、農業集落排水につきましても、今世紀中の全地区着工を目指して、毎年度2地区ずつ新規着工しながら整備を促進しているところであります。こうした中で、先般三郷・三郷西部地区において供用が開始されたことは、御案内のとおりであります。 そこで、御質問の中では、一般会計を中心に比較しておられますが、法律上あるいは制度上の規定などにより、下水道事業や直江津駅南地区土地区画整理事業などにつきましては、一般会計と分別して経理しているものの、いずれも市民の福祉向上や生活環境向上のために市が行う基盤整備事業であり、また地元に及ぼす投資効果等も何ら差異がなく、市の全体像を見る上では当然にこれらを含めて論ずるべきものでありますので、答弁に当たっては総体の比較で御説明申し上げたいと、こう思っております。 まず、前年度比較で減となっているが、経済面等で影響はないかとの趣旨の御質問でありますが、平成8年度の建設事業費決算額は約167億6,000万円で、7年度に比べて19億1,000万円余り、10.3%の減となったわけであります。この要因は、先ほども御説明申し上げたとおり、7年度に9億2,000万円余りに上る国民年金健康センター用地取得費の特殊要因があったことや、また事業執行段階でのさまざまな事情により、繰り越しが前年度より3億7,000万円ほど多い29億7,000万円余りになったことなどによるものでありますが、これらの要因を調整して、すなわち特殊要因である国民年金健康センター用地費を除外し、繰り越し事業費をそれぞれ前年度に戻すとともに、国の景気対策に呼応して補正予算等で対応した景気対策事業費を除いた、いわば言いかえれば当該年度に実施する予定であった平常ベースの事業費に置きかえて比較をいたしますと、平成7年度は159億6,000万円余りとなるのに対し、平成8年度は168億2,000万円余り、つまり5.3%増となります。8年度当初予算の説明で申し上げた建設事業費予算の実質伸び率5.3%と同率になるものであります。 また、当然のことながら、平成9年度においては、8年度からの繰り越し分を含めて、実に221億円余りの事業予算を持って、これは前年度事業費に比べると32%増のボリュームでありますが、現在精力的に事業を推進しているところでありますし、さらに建設事業費を構成する要素の中でも、経済的効果が比較的広範囲に及ぶと考えられる工事請負費と工事委託費などに限って比較をしてみますと、平成8年度は約121億円で、7年度に比べてむしろ6億8,000万円余り、6.0%増加しているところであります。したがいまして、平成8年度の建設事業費が前年度より減少したからといって、そのことが即御質問のような懸念に結びつくものではないと、このように考えておりますので、御理解をお願いしたいと思います。 また、平成5年度の建設事業費との比較について、御質問では普通会計分に限って比較をしておられますが、これにつきましても前段で申し上げましたとおり、市全体の建設投資の姿をより正確な形で比較・検討する上では、当然に下水道事業等も含めて比較すべきものと考えております。したがいまして、先ほども申し上げましたが、国、県補助金の獲得を図りながら、公共下水道並びに集落排水事業を重点的に推進したこともあって、これらを合わせた建設事業で比較いたしますと、国の大規模な景気対策や図書館建設などに伴って、事業費が膨らんだ5年度の165億2,800万円に比べても、8年度は167億6,000万円と増加しており、また建設事業に対する国、県補助金も、5年度の38億7,300万円余りに対し8年度は48億6,400万円余りの25.6%増と、大きく伸びているところであります。 さらに、補助事業費の推移についてでありますが、これにつきましても重ねて申し上げているとおり、下水道事業も含めた全体で見るべきであり、そのように比較をいたしますと、平成8年度は80億1,700万円余りで、7年度の75億4,400万円余りに比べて6.3%増、5年度の58億7,800万円余りに比べれば36.4%増と、大きく伸びておりますので、御理解をいただきたいと存じます。 次に、人件費の増嵩が経常収支比率悪化の要因となり、投資的経費予算を圧迫していないか、また職員数の増加が将来の財政構造上、検討を要するのではないかとのお尋ねでありますが、前段の経常収支比率に関連する御質問については、先ほど山岸議員にお答えしたとおりであり、人件費比率の増加は決算統計の上で、経常的経費の扱いとされる定年退職者の退職手当の増加などによるものであります。したがって、それが投資的経費予算を圧迫しているのではないかという御懸念には及ばないと思っているところであります。 次に職員数の増加についてでありますが、ガス水道局を除く退職者数は、平成7年度が27、平成8年度が29、9年度の見込みでは25で、3カ年の退職数は合わせて81となります。これに対して、新規採用数は、7年度40、8年度41、9年度47と、3年間で128であり、このほか消防事務組合や教員等の受け入れによる特殊要因での7を含めた数が135であります。このような職員数の経緯について申し上げますと、私は就任以来開かれた市政をモットーに、広く市民の意見、要望をお聞きし、それを反映した市政運営を行うため、JトークやJウオークに加えて、市政モニターなどを通して住民ニーズの多様化と変化に的確に対応し、厳しい財政状況の中で、この時期にやらなければならない市民のための事務事業を確実に推進してきたところであります。そして、それらの執行に当たって、必要な最小限の増員を行ったものあります。 具体的な増員の内容についてでありますが、住みよいまちづくりを促進するために、年間普及率の3%以上アップを目指す下水道を初め、都市計画、区画整理、河川・港湾・電源立地、通商産業などの土木技術関係で18、従来取り組みの弱かった成人病予防を柱にした健康回復5カ年計画に基づく保健婦、管理栄養士、栄養士、作業療法士、理学療法士など、市民の健康づくり対策に14、以前から配置を求められていた文化振興を図る基本政策実行のための総合博物館、水族博物館、市史編さん室、史跡発掘等の学芸員及び図書館の司書等、専門職員で6等が主なものであります。その他、身体障害者の雇用や、市内の厳しい就労状態を踏まえた雇用の創出などにも十分配慮をしてきたところであります。この結果、3カ年で、ガス水道局の退職補充を除き、50程度を増員することになりましたが、その多くはこれまでややもするとおくれたり手がつけられてこなかった事務事業について、快適で住みよいまち、緑の美しいまちにするための基礎的な体制整備に必要であったものと考えております。 このような職員数の増加が人件費増加の一つの要因になることは否定するものではありませんが、一方で職員の適正な配置による時間外勤務の縮減が職員の健康増進や士気の高揚につながることも、また事実であります。時間外勤務は水曜日の定時退庁、休日出勤の振りかえの徹底など、その縮減に努めた結果、選挙及び除雪分を除き、平成7年度は18万3,000時間、4億1,565万円に対して、平成8年度は17万時間、4億97万円であり、時間数にして7.1%、決算額で3.5%減少しており、さらに重油流出事故に伴う影響分を除くと、10%以上の実質縮減があったものと思っております。さらに、今年度は前年度に比べて約70%程度に縮減すべく、引き続き努力しているところであります。 いずれにいたしましても、職員数が多いか少ないかという問題は、単に他と比べてどうということではなく、その自治体が行う事務事業の量と範囲、内容、いわゆる質等がかかわるものであります。また、その執行体制が職員の能力資質にかかわるものでもあり、それらを総体的に的確な判断でなされるものと考えております。このような観点で当市の実態を見ると、これだけの各種事務事業を、現行人員でよくこなしていると私は受けとめております。 なお、県内20市の職員1当たりの人口比較では、最も少ない職員数になっていることを申し添えさせていただきます。つまり県内20市の中で、職員1当たりの人口比較では、上越市は一番少ない職員数であるということを申し上げるわけであります。そのような状況の中で、将来的に財政面で禍根を残すことのないようにしなきゃならないと思い、今後地方分権及び行政改革の流れの中で、事務事業や組織機構の見直しを一層進めるとともに、職員の能力開発などもさらに充実強化する一方、本年5月に設置しました市民代表による行政改革地方分権推進委員会の御意見もお聞きしながら、職員数については今後横ばいないしは抑制の方向で対応しながら、年齢構成上も均衡のとれたものになるよう、厳正な管理に努めてまいりたいと考えております。 次に、平成8年度に新たに発生した固定資産税における過誤納による還付の実績についてのお尋ねでありますが、お答えの前に、平成7年度において固定資産税の過誤納に対し、時効により還付不能となる還付金の取り扱いで、一部公平性を欠いた対応がありましたことを大変遺憾に存じております。この取り扱いにつきましては、昨年12月の委員会でも報告したとおり、時効により還付不能となる過誤納分については要綱を改正し、早速返還の手続によりすべて同じ取り扱いとし、公平を期したところであります。 まず、平成8年度における過誤納に対する全体の還付金について申し上げますと、歳入で還付した当該年度分は108件、689万3,000円、歳出で還付した過年度分は130件、5,537万6,460円でありました。そこで、お尋ねの平成8年度において把握した課税誤りと、その過誤納の返還等の状況についてでありますが、課税誤りは航空写真等の活用により現況調査の結果、全部で476件でありました。このうち、現地確認等を済ませ歳入で返還した当該年度分は93件で410万2,200円、歳出で過誤納還付した分が97件で3,872万1,550円であり、いずれも先ほど申し上げました8年度の全体の還付金にそれぞれ含まれております。残った課税誤りによる過誤納については、今年度に入ってからすべて返還の手続を終了しております。評価替えの年となりました今年度からは、固定資産税における評価の透明性と客観性を高め、その信頼性を確保するため、全路線価を公開するとともに、納税義務者には課税明細書を送付したところでありますが、今後とも適正な課税客体の現況把握のために航空写真等を活用し、より公平、公正な評価と課税の適正化に努めてまいる所存であります。どうかよろしくお願い申し上げます。 ○議長(市川文一君) 22番、星野実君。          〔星 野 実 君 登 壇〕 ◆22番(星野実君) 大変どうも御丁寧な御答弁ありがとうございました。前段の山岸議員から、いろいろこの財政内容の御説明、そしてまた市長答弁がありましたので、ここで繰り返すつもりはございません。そこで、ただ問題は、これからひとつ健全な財政運営をやっていただきたいということが主眼でございます。全体的な一つの流れというものの、一応細かい数字的には理解をするつもりでございます。そこで、ただ問題は、これから詳細については各委員会で当該の委員がおりますので、詳細にまたただしてまいりたいと、こう思っておりますので、今回の私の質問は以上をもちまして終わりたいと思います。ありがとうございました。 ○議長(市川文一君) 1番、杉本敏宏君。          〔杉 本 敏 宏 君 登 壇〕 ◆1番(杉本敏宏君) 日本共産党議員団を代表して、通告してあります順序に従って総括質問を行いたいと思います。 議案第69号についてでありますけれども、この議案については、6点にわたって質問をさせていただきたいと思います。第1点は、歳入についてでありますけれども、午前中の山岸議員、それから今ほどの星野議員の質疑並びに答弁でいろいろ出されておりますので、重複しないような形で質問をさせていただきたいと思います。 歳入でありますけれども、平成になってからの歳入の状況をずっと追いかけてみますと、1988年、平成になる前の年、昭和63年度ですけれども、この年の歳入総額は315億円でありましたけれども、それから毎年平均でおおよそ30億円、率にして10%前後伸びてまいりまして、1992年度、平成4年度には450億円にまでなってまいりました。93年の11月に宮越市長にかわったわけでありますけれども、景気の動向もあるんでしょうが、その後歳入の伸びは年を追うごとに鈍ってまいりまして、1995年度、平成7年度には対前年度比で伸びの額が3億円ほど、伸び率で0.6%というのが決算書に載っております数字であります。今回それがマイナスになったわけでありますから、これは今までの、平成に入ってからの財政の全体の伸びぐあいから見ると、大変な違いが出てくるのではないかというふうに思うわけですけれども、この対前年度比、歳入が前の年よりも少なくなったということに関しては、午前中の市長の提案理由の要旨の説明の中でも、それについての評価はなかったように思います。落ち込んだことそのものを一体どういうふうに認識されておられるのか、そういうことをひとつ明らかにしていただきたいと思います。 それから、山岸議員と星野議員の質問に対する答弁の中で、95年度、平成7年度は国民年金健康センターの用地の問題で、購入が9億2,460万円で、それを約10億円で売却しておりますから、その特殊要因があるということを強調されておられました。そのことを、それでは含めて考えてみますと、平成7年度の歳入から、売却金額であります10億円を引いて考えますと、実は94年度よりも歳入が少なくなってしまうわけであります。そうすると、私は今7年度に対して、1996年度が5年度に対して歳入が減ったということでマイナスになったんで、これは大変ではないかという話をしたわけですけれども、もう1年前に実質の歳入は実はマイナス成長だったということになるのではないかというふうに思うわけであります。そういうふうなことも含めて、上越市の歳入のこの間の伸び、それから歳入の減少の要因等について、改めてもう一度御答弁をいただきたいというふうに思います。 この歳入の落ち込みでありますけれども、96年度の歳入予算と比べてみましても、12億円程度のマイナスになっております。そうすると、特殊要因によるだけではなくて、当初予定していた歳入よりも、やはり12億円少なくなっている。その原因は何なのだろうかということが問題になると思うわけでありますが、その要因についてお示しいただきたいと思います。 次でありますが、歳出の問題であります。歳出は、歳入が8億円少しですけれども、減少している中で14億円ほど減少しております、前年度と比べて。それで、歳出規模でもって言いますと、93年度、平成5年度とほぼ同程度の規模にまで歳出が落ち込んでいるということになるわけであります。それで、歳入が10億円少なくなったわけですから、それに見合って歳出10億円減らさなければ赤字決算になるわけですから、そういう努力をされたのだろうと思うわけですけれども、問題はここで14億円、4億円多く歳出が減っているという点であります。歳入と歳出の差額を見てみますと、これはこの間ずっと9億円から10億円の間で推移してまいりましたけれども、今回の決算ではこれが一気に14億円にふえております。そういう点では、今までと歳出の面で4億円減らすために、かなり違ったことをされているんではないかというふうに思うわけですが、その要因をひとつお示しいただきたいと思います。 決算書を持ってきましたのは、どこで減っているかということを見ますと、いろんなところで減ったりふえたりしているわけでありますけれども、8款の土木費の道路橋梁費、2項でありますけれども、ここで少し減っているのが目立つのがあります。中でも3目の道路新設改良費、ここがおおよそ4億円ほど減っているわけですけれども、具体的に少しお話ししますと、道路舗装新設工事というのは95年度には55件で2億8,000万ほどの決算になっておりますけれども、これがこの決算では35件、1億1,600万というふうに相当大幅な減であります。また、道路改良工事というのが、69件の8億8,000万程度から51件の6億2,000万にまで減っておりますし、以下こういう形で比較的市民の皆さんの生活に密着しているところでの事業の減少といいますか、これがあるのではないかと、そういう点を危惧するものですから、この14億円減少、その中でも4億円歳入よりもさらに減らしたところの中身、これをぜひお示しいただきたいというふうに思います。 第3点は、繰上償還についてでありますけれども、1992年度、平成4年度は減債基金を8億円上積みしながら、10億円の繰上償還を行っております。それ以前は、ほぼこういう形で、一方で減債基金を積み増ししながら繰上償還を行ってきているわけでありますけれども、宮越市長にかわりましてから、これが少し様相が変わりまして、減債基金をどんどん取り崩して、そして繰上償還に回すという、こういうことになってきております。その結果でありますけれども、市長が就任された93年度末には、減債基金26億円ありましたけれども、ほぼ5億円ぐらいずつ取り崩してまいりまして、96年度末のこの決算書に出てくる数字で見ますと、4億8,000万にまで減少しております。このペースで減債基金を取り崩していきますと、平成9年度にはゼロになってしまうということになるわけであります。それで、提案の市長の発言の中では、繰上償還については計画どおりに行ったというふうに言われております。この計画というのは、どういう計画なのかというのが示されておりませんので、ぜひその計画を示していただきたい。減債基金を全部取り崩して回すという、そういう計画なのか、あるいはもっとほかの方法も含めて繰上償還を行っていこうという計画なのか、その中身を明らかにしていただきたいと思うわけであります。 4点目は、米の生産調整についてであります。8月28日付の新聞で報道されましたけれども、97年度産の自主流通米の仮渡金が、一般コシヒカリで1万8,000円というふうに大幅に値下げになるという報道がなされました。農家の最終手取り見通しが立たない状況にあるとも報道されておりましたけれども、これは自主流通米価格形成センターでの米相場の下落が背景にあるというふうに言われております。その直接的な要因としては、新食糧法の実施以降、米価の下支えがなくなったこと、また輸入米による米過剰、大手の卸やスーパーの買いたたきなどに屈して、農林水産省がこの価格形成センターを指導いたしまして、値下げの許容幅を前年の基準価格、それまでは7%だったわけですけれども、今年度からこれを13%にまで拡大したということになっているわけですけれども、こういうことが背景にあるというふうにも報道されております。 そうした中から、私どもの方にも農家の方からは、米価安定のため減反をやれと言われてやってきたけれども、これでは一体どうなっているんだという声だとか、こんなに米価が下がってしまっては生活ができない。借金が返せなくなってしまう。こういう声が寄せられておりますし、大規模農家や専業農家の方の影響の方が、耕作面積の少ない農家の方よりももっと深刻ではないかというふうにも言われております。このような新食糧法のもとでこれを継続していきますと、米づくりを放棄する農家が出てくる可能性もあるのではないかと思うわけでありますけれども、この提案理由では新食糧法の施行を受けて、米の需給と価格の安定を図るため、生産調整をみずからの問題として主体的に取り組んだと述べておりますし、今後とも生産調整の実効性確保について意を用いていきたいと考えているところでありますというふうに市長はおっしゃっているわけであります。米の価格が大幅に下落するという状況を踏まえて、生産調整が米の需給と価格の安定にどのように役立ってきたのか、市長のお考えをお示しいただきたいと思います。 第5点目でありますけれども、地元商業活性化について、幾つかの施策を実施したというふうに述べられております。しかし、相次ぐ郊外への大型店の進出によって、直江津や高田の商店街は苦境に置かれているのは御承知のことと思います。業者の方からは、新たな規制は不要だが、用途指定を変更してまで大型店の出店を認めるべきではない、本来の都市計画が根底から崩れてしまうという声とか、本町商店街の一員として、近ごろ商店数の減少が加速しているのは残念である、大型店の出店規制ぐらいできないのか。また、市民の方からは、余り大型店がふえ過ぎて小さいお店がつぶれていくのでないかと思う。また、大型店に客をとられて、古くからある店舗が閉店していくのは忍びない思いだ、こういう声が寄せられてきております。地元商業活性化対策について、いろいろ実施されたということでありますけれども、そういう諸施策によって商店街の売り上げや収益がどのように改善されたのか、具体的な数値でお示しいただきたいと思います。商業の活性化というのは、結果的には売り上げ収益の伸びがどういうふうになったかということで図られるのではないかというふうに思うからであります。 議案第69号の最後の質問でありますけれども、O-157対策についてであります。市長は、O-157対策では万全の体制で臨んだというふうに述べられました。これは、当然のことと思いますけれども、しかし給食の調理員の方のお話を聞きますと、この対策がやられて以後、食材、特に生野菜の消毒、水洗い、それから食器や調理器具などの消毒、こういうことの作業が以前よりもふえて、調理と後片づけなどに要する労力と時間が増加したという声が寄せられております。しかし、春に配られました上越市の職員名簿などを見ましても、調理員の増員を行った形跡は見当たりません。そういうことから、給食関係の現場職員の労働状況、このO-157対策によってどのように変わって、そしてそれをどのように把握されて、どういうふうに対処しようとしておられるのか、ぜひお答えいただきたいと思います。 大きな二つ目の質問は、議案第86号についてであります。これは、ホームヘルプサービスの1時間当たりの費用額の最高額を10円値上げするという内容でありますけれども、この改定は国のホームヘルプサービス事業運営要綱の一部改正に伴い、920円から930円に引き上げるものだと説明がされております。それで、この最高額を920円から930円に引き上げることによってどれだけの歳入がふえるのか、これを具体的な数字でお示しいただきたいと思います。 以上、大きく議案第69号と86号について質問いたしましたけれども、御答弁お願いいたします。 ○議長(市川文一君) 宮越市長。          〔市  長  登  壇〕 ◎市長(宮越馨君) 順を追って御説明申し上げます。 歳入が前年度に比べて約10億円減少しているという要因のお尋ねでありますが、これにつきましては先ほどの山岸議員の質疑にもお答えしたところでありますが、一番大きなものとしては7年度の特殊要因として、財産収入で国民年金健康センター用地の売り払い10億60万円があったことによるものであります。さらに、諸般の事情によって翌年度に繰り越した事業に係る国、県支出金等の特定財源が収入されておりませんので、これらの繰り越し分を調整して、国民年金健康センター用地費を除外して比較いたしますと、8年度の歳入は467億6,406万円、また7年度は462億4,624万円となりまして、伸び率はむしろ1.1%の増になるところであります。 次に、歳出が前年度に比べて約14億円減少している要因についてでありますが、これにつきましても今ほど御説明いたしました歳入と同様の要因によるものであります。つまり7年度の歳出では、国民年金健康センター用地の購入費の9億2,460万円があり、7年度はその分が多くなったものであります。また、歳入と同様に繰越事業費の調整もあわせて行った上で比較いたしますと、平成8年度の歳出は459億616万円、7年度では455億8,781万円となり、8年度歳出の伸び率は0.7%の増になるわけであります。 続いて、繰上償還についての御質問でありますが、私はこれまでも市債の新規発行の抑制に努めるとともに、減債基金も活用しながら、毎年度繰上償還を行ってきたところでございます。平成6年度には、NTT分を除いて8億7,200万円余り、7年度には5億4,400万円余り、そして8年度も約5億8,000万円の繰上償還を、それぞれ計画どおり実施をいたしております。改めて申し上げるまでもなく、繰上償還のメリットは後年度の財政負担の軽減にありますが、特に最近のような金利情勢のもとでは基金を活用して、高利の市債をより積極的に繰上償還することに伴う金利負担の軽減効果が大きいのであると、このように考えています。参考までに申し上げますと、平成6年度から平成8年度までの3カ年の繰上償還に伴う利子軽減額は2億5,200万円余りになり、一方この繰上償還に充てた減債基金の運用利子を試算いたしますと3,900万円程度になることから、実質2億1,300万円程度の軽減効果になるものであります。現在のように景気の動向がはっきりせず、また毎年のように財政状況が目まぐるしく変わり、先の見通しの判断がつきかねる現段階では、これから将来にわたって毎年度どの程度の規模で実施するか、お示しすることは困難でありますが、これまで同様今後も新規発行の抑制に努めるとともに、繰上償還も可能な限り行ってまいりたいと考えております。 次に、米に関する質問でありますが、新食糧法が社会経済情勢が変化する中で、規制緩和による市場原理の導入を求める時代の要請及びガット・ウルグアイ・ラウンド農業合意によるミニマムアクセスへの対応などのために、新たな米の管理システムの構築を目指し制定されたことは、御承知のとおりであります。この中で生産調整は、米穀の需給の均衡を図るための重要な手段として明確に位置づけられ、その実施に当たっては生産者の主体的な取り組みを重視し、実効性の確保と地域の自主性を尊重して推進することとなったのであります。このため、激化する産地間競争に対応する施策として、土づくりを基本に据えた営農指導の充実や上越米の愛称募集等、上越米の品質向上とイメージアップを図る事業を実施してまいりました。また、米の価格を安定させるためには、生産調整を達成させていくことが最も確実な方法であると考えられることから、農業関係団体と一体となってとも補償制度の普及を図る等、稲作農家の全員参加による生産調整を推進してまいりました。 しかしながら、平成8年産米にあっては、全国の作況指数が105と大豊作となり、また平成9年産米についても豊作が予想されていることから、米価は下落を続けており、JA上越の暫定仮渡し価格もコシヒカリで1俵1万8,000円となりました。こうした中、生産調整が米の需給と価格の安定にどのように役立ったかを定量的に評価することは困難ではありますが、実施しなかった場合と比べれば、一定の成果を上げてきたものと考えております。しかし、本年10月末における古米持ち越し在庫量は400万トンに達するとも言われ、米をめぐる情勢は今後さらに厳しさを増すことが予想されるため、国や生産者団体の動向を注視するとともに、本地域の生産者の意向を的確に把握しつつ、今後とも適切な対応をしてまいりたいと考えております。 次に、商業活性化対策によって売り上げ、収益がどのように改善されたか、具体的な数値で示せとのお尋ねでありますが、商業を取り巻く環境はさきの提案理由の中でも述べましたとおり、中小企業にとっては依然として厳しい状況にあると認識しております。特に小売業にとっては、4月の消費税率の引き上げによる駆け込み需要の反動や特別減税の廃止、また9月から医療保険が負担増になるなど、個人消費への影響が懸念されるところであります。国民金融公庫高田支店の6月末の商況調査では、前年も厳しい商況でしたが、本年4月~6月の市内の小売業は消費税率引き上げ後の反動から売り上げが増加した企業から、減少した企業の割合を差し引いたDI、景況判断指数でありますが、マイナス21.6ポイントと大変厳しいものになっております。一方、7月~9月の売り上げ予想のDIでも、駆け込み需要の反動から抜け切れず、4月~6月と変わらずマイナス21.6ポイントと、改善が進まないと推計されております。 長引く景気回復のおくれから、厳しい環境に置かれている中小小売業者に対し、決算でお示しいたしましたように、融資制度の充実や商店街が行うハード、ソフト事業に積極的に支援を行ってまいりました。しかし、このような支援策が売り上げや収益の改善に直ちに結びつくというより、商業基盤を整備し、ソフト事業を支援することが企業経営者の意識向上や商店街組合員の結束につながり、それが結果的に売り上げに結びつくことになっていくものと理解をしているところであります。支援策の効果は、具体的な数値であらわせるものではありませんが、今後とも個々の商店や商店街の自助努力をお願いするとともに、商業の活性化について、官民が一体となってこの厳しい環境を乗り切っていかなきゃならないと、このように考えております。 次に、O-157対策で万全の体制で臨んだとあるが、現場職員、給食関係者でありますが、労働状況をどのように把握しているかとの御質問でありますが、昨年全国で猛威を振るった病原性大腸菌O-157は感染者9,400以上、死者12を数え、国民の食生活の安全性に大きな不安が渦巻いたところであります。当市では、このように被害が全国的に広がりを見せ始めた7月25日に、いち早く病原性大腸菌O-157予防対策室を設置し、被害の予防対策に万全を期したところであります。また、市民の不安解消を図るため、土曜、日曜を問わず、市民からの相談、照会に対応し、さらに全世帯及び公共施設への予防啓発チラシの配布も行ったものであります。また、医師会、食品衛生協会、学校給食納入業者など、医療、保健、教育などの関係者で構成する病原性大腸菌O-157食中毒対策会議を開催し、専門家の立場から意見をいただく一方、調理器具の熱湯や塩素消毒などの予防対策、啓発をお願いしてきたところであります。特に学校給食の衛生管理については、常日ごろから十分注意を払ってまいりましたが、O-157に対しては県教育委員会や上越保健所から指導を受けながら、それぞれ迅速に取り組んでまいったわけであります。学校給食に携わる栄養士、調理員を対象にした研修会を直ちに実施し、注意を喚起しました。また、O-157の二次感染を防ぐために義務づけられた検査用冷凍庫、月2回の調理員に対する検便実施などにかかる費用について、予備費の充用によって2学期から対応しました。 ところで、学校給食現場で働く調理員の労働状況についてのお尋ねでありますが、確かに作業項目がふえたり衛生管理に関するチェックリストの作成など、作業量が加わったりしました。しかし、これは児童生徒に安全な給食を提供するために必要な措置であり、今日まで食中毒等が発生しなかったのも、現場で働く栄養士、調理員の努力のたまものであると考えております。調理職員数の配置基準については、職員労働組合と協議の上決めておりますが、学校現場の状況によってはパート職員を増員して臨機応変に対応してきました。今後も現場職員の意見を十分に聞いたり、機械化による作業効率の向上や衛生管理研修会の実施、さらに現在年2回の健康診断を3回にするなど、健康管理にも万全を期していきたいと、このように考えております。幸いにして、当市では昨年O-157の発生はありませんでしたが、ことしに入り5月に上越保健所管内で感染者と保菌者がそれぞれ1名ずつ発症したことは残念でなりません。改めて予防対策に万全の措置をとるとともに、市民の皆さんの不安解消のため、今後もなお一層きめ細かい体制で取り組んでいきたいと、このように考えております。 次に、ホームヘルプサービスの費用額の値上げに伴う歳入増についてお答え申し上げます。国のホームヘルプサービス事業運営要綱では、ホームヘルパーを利用した場合、生計中心者の前年の所得税課税年額により、1時間当たりの費用負担額がA階層からG階層までの7段階に区分されていることは御案内のとおりであります。国は、各階層間の費用負担額の均衡を図るため、毎年前年の所得税課税年額が14万1円以上のG階層を改正しており、今回の改正では1時間当たり10円引き上げ930円としたものであります。市としても、この改正に伴い10月分から国の費用負担基準と同額の改定を行うものであります。当市のホームヘルパー利用世帯は、7月末で444世帯であり、そのうち306世帯、68.9%でありますが、費用負担のないA、B階層に該当し、今回改定のG階層には81世帯、18.2%が該当いたします。歳入を推計いたしますと、G階層世帯のヘルパーの利用時間は4月からの実績平均では月9時間でありますので、歳入増は4万3,000円程度と見込んでおります。 以上です。 ○議長(市川文一君) 1番、杉本敏宏君。          〔杉 本 敏 宏 君 登 壇〕 ◆1番(杉本敏宏君) 答弁をいただきましたけれども、再質問をさせていただきたいと思います。 この歳入歳出の問題につきましては、私が3目でありますから、当然前の方々の質問と答弁を踏まえてやるべきだと思って、そういうふうに私は質問をしたわけでありますけれども、市長の答弁は悪く言えば、それとは無関係にということになりますか、前の方々に対する答弁と同じことをもう一度お話しされたということになるのかと思います。 それで、改めてお聞きしたいわけでありますけれども、歳入が減ったのは、主要な要因として今もお話しされたのは、国民健康センターの用地の売買というのが大きな要因だというふうに答弁がありました。しかし、私が先ほども言いましたように、その特殊要因を、それでは前年度のところでもって差し引いて物を考えてみると、実は去年から歳入が大幅に落ち込んでいたんではないのかという結果にならざるを得ないわけであります。そうしますと、午前中の山岸議員の質疑とも絡んでくるとも思うんでありますけれども、今回が特殊要因によって歳入が減ったということでないとしますと、やはり財政運営というものを相当考えていかなければならない。恒常的にこういうふうな落ち込みというか、2年前から見ればおおよそ10億円近くの低下が見られるわけですから、それをもし回復できないのであれば、それを前提とした財政運営が必要になってくるだろうというふうに思うわけですけれども、そういうふうなこと、これから必要になってくると思うわけですけれども、そういう点で私はこういう歳入がふえた、減ったというときに、もちろんこういう特殊要因というのはあるんだろうと思うんですけれども、特殊要因に隠されているといいますか、特殊要因を取り除いてもなおかつあらわれてくるそういう歳入減とか、または歳出の抑制とか、そういうものを洗い出していく必要があるんではないのかなというふうに思うわけです。特殊要因を探して、それでこれが原因だということであれば事は簡単なわけですけれども、通常ベースでも問題があるとすれば、これは大変なことになるわけですし、どちらかといえば通常ベースでの原因を探し出して、そしてそれに対する手当てを考えることこそが今必要なのではないかなというふうに思います。 それから、歳出減の方ですけれども、質問のところでもお話ししましたように、心配なのは市民生活に密着しているところで歳出が絞られているということになると、これは大変問題が大きいがなということなわけです。ですから、そういうところでは減らしていませんと、もっと違うところで減らしているんですということであれば、それはそれでそういう御答弁をいただきたいと思うんですけれども、市民生活の身近なところでの、先ほど例として道路の話を出しましたけれども、そういうところは従来どおりにやりながら別のところで歳出の抑制をしていくんだということであれば、そういうところをぜひお示しいただきたいというふうに思います。 それから、あとほかの点でもいろいろあるわけですけれども、最後の質問しましたホームヘルプサービスの1時間当たりの費用額10円値上げするという問題ですが、これは4万3,000円というふうに言われたと思うんですけれども、今年度の10月以降の分での額だと思いますけれども、こういう引き上げを急いでやる必要が本当にあるのかどうかという、国が要綱を変えたから、例えば国の要綱が変わったから、これを即実施しないとペナルティーがかかるとかということであれば話はまた別ですけれども、どうもそうでもないようでありますし、そういった問題でこういうふうな、迅速にやったということになるのかもしれませんけれども、こういうところで一般市民の方から、利用者の方から費用を上げていくということはいかがなものかなというふうに思うわけです。これは、ことしの6月議会でも国保税の上限、52万から53万に引き上げるという問題でも、国が制度を変えたからすぐやりましたというふうな形になっていたわけですけれども、こういうやり方が私が議員になってからしばしば目につくものですから、本当にこういうやり方がいいのかどうか、もう少し市民の皆さんの負担とか、そしてこういう値上げによって歳入がどれだけふえて、だからそれじゃもう少し待とうかとか、こういう検討があってもしかるべきではないかというふうに思うわけです。そういう点で、市長のお考えを改めてお聞かせいただければと思います。 以上です。 ○議長(市川文一君) 宮越市長。          〔市  長  登  壇〕 ◎市長(宮越馨君) 歳入歳出の御質問でありますが、何事も経年的に推移している財政的な比較するときに、特殊要因というものは毎年それなりにあるわけでありますが、今御指摘されているところの心配のところは、恐らく歳入の根幹となっている市税が、そのものも実は問題じゃないかというふうな、やに受けとめたわけでありますが、それは歳入の一番多いのは市税でありまして、それが特別おかしくなっていると、今の御心配のことがあろうと思いますが、これは決算の状況を見ていただいても、先ほど提案理由説明にも申し上げましたとおり、歳入についての最初の説明から、根幹をなす市税はこのようにということで、決算ベースでは3.7%増になっておりまして、188億7,200万というわけでありまして、それは非常に堅調に今は推移しているということを申し上げたところであります。そこで、例外的にじゃ何かというと、例えば利子割交付金については、これは44.4%の減でありますが、実は昨年、平成7年度も金利の低下ということが出てきておりまして、27.3%減少しておるわけでありまして、平成7年度見ても、6年から比べて約2億落ちております。それから、7年から8年に対して約2億減少していると、これはやはり私どもの政策の云々ではなく、もっと大きな政策のあらわれとして、金融政策の一環としてこのようなことが出てきたことは、やっぱり特殊要因で今までなかったことであります、長いレンジを見ても。 それから、例えば今の財産収入の問題でありますが、これはたまたまことしは国民健康センターの問題がありましたが、以前にもそういう出入りが非常に激しいところはあります。例えば平成4年度は、その単年度の財産収入は17億7,800万で、ちょっと今内容は持っていませんけど、恐らく特殊要因でしょう。それが、平成6年度では3億、ですから何と14億も減少しています。また、平成6年になりますと4億1,000万と、それから平成7年が、国民健康センターの売却収入が10億入っていますから11億ということで、特に財産収入の場合は財産を持っているものを処分したときはぼんと入ります。ないときは入らないという、こういう科目であります。これが大きくぶれておるのは、特殊要因というふうに言わざるを得ないと思うんです。 それから、これは政策的にひとつ判断されるところでありますが、市債の発行です。これも、ここんところ抑えておりますが、いわゆる通常分とトータルで見ますと、8年度決算では対前年度8.7%ふえておりますが、例えば平成6年度は5年に対して26%も減少していると。あるいはその前は、逆に平成4年から5年にかけては5割アップということで、これも歳入の大きく変動するという要因になっていますから、いわゆる基礎的な収入税目である市税とか、そういうものについてどうかというところは一番抑えていかなきゃならんというわけでありますが、この点についてはここんところ順調に推移をしていると。ただ、先ほど山岸議員にもお答え申し上げましたが、平成9年度になるとややちょっと不安の要因が少しずつ感じているのは今の私の気持ちでありますと、こう申し上げたそのことが実は一番大事だと思うんです。そのほかのことは大事でないとは言いませんけど、それぞれ項目立ての中の性格がぶれる要素がみんなあるということを御理解をいただければありがたいと思います。 もちろん国庫支出金についても、国、県の補助事業がどういうふうに入るとか、あるいは繰り越しというようなこともテクニカルなところがあって、例えば先ほど申し上げたように、国庫支出金は15%が減少しておりますが、あるときはふえるということもあるわけです。ですから、そういったところをよくごらんになっていただいて、また御審議をいただければ幸いだと、このように思っています。いずれにしても、税源涵養については、これは先ほど申し上げたように、きちんとした形の戦略、戦術論を持って対応していかなきゃならんということで、ますます地方分権あるいは地方の自立性を高めるためには税財源の涵養は何よりも大事であると、このように強く思っているところを御理解いただければありがたいと、こう思っています。 それから、ホームヘルプサービスの値上げの問題でありますが、過去の例を見るとリンクして改定はなされているようでありますが、お気持ちは、これは十分に10円とて気持ちはわからんことはありません。もともと弱者と言われる方々、あるいはそういうサービスを受けたいという方々については、少しでも軽減策を講じていかなきゃならんということで、ホームヘルプサービスについても充実を図っているわけでありますから、金額の多少とは違った観点でそういったものを見なきゃならんということは重々わかっておりますが、全部が全部負担なしという、そういう世の中がどっかにあれば一番いいのかもしれませんが、そうもいかないと、応分の負担というものが、いろいろな制度がある中でそうせざるを得ないというのも現実の社会でありますもんで、まあまあこの10円をどう見るかという問題でありますが、提案させていただきましたような趣旨で対応させていただければと、このように思います。おっしゃった御趣旨については、私もそのように拝聴いたしまして、今後いろんな福祉の充実のために、いろんな観点で充実を図っていく上で、またそういった考え方も参考にさせていただければと、このように思うところであります。 以上です。 ○議長(市川文一君) 以上で通告による質疑は終わりました。 ほかに質疑はありませんか。          〔「なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(市川文一君) これにて質疑を終結いたします。 ただいま議題となっております議案第69号より第92号及び報告第10号、第11号は、お手元に配付いたしてあります議案付託表のとおり、それぞれ所管の常任委員会に付託いたします。 以上で本日の日程は全部終了いたしました。 本日はこれにて散会いたします。                                      午後2時47分 散会   地方自治法第123条第2項の規定により署名する。            上越市議会議長     市  川  文  一            上越市議会議員     永  島  義  雄            上越市議会議員     田  村  恒  夫...