平成19年 3月 定例会平成十九年三月六日(火曜日) 出席議員(四十四名) 第一番 倉野立人君 第二番 宮坂秀徳君 第三番 太田和男君 第四番 伝田長男君 第五番 塩入 学君 第六番 小林紀美子君 第七番 寺澤和男君 第八番 若林清美君 第九番 岡田荘史君 第十番 山田千代子君 第十一番 清水 栄君 第十二番 小林治晴君 第十三番 大平嘉久雄君 第十四番 風間俊宣君 第十五番 加藤吉郎君 第十六番 中川 弘君 第十七番 祢津栄喜君 第十八番 小林義直君 第二十番 田中 健君 第二十一番 轟 正満君 第二十二番 町田伍一郎君 第二十三番 小山岑晴君 第二十四番 丸山香里君 第二十五番 高野正晴君 第二十六番 永井巳恵子君 第二十七番 阿部孝二君 第二十八番 小林義和君 第二十九番 野々村博美君 第三十番 原田誠之君 第三十一番 宮崎利幸君 第三十二番 三井経光君 第三十三番 平瀬忠義君 第三十四番 若林佐一郎君 第三十五番 伊藤治通君 第三十六番 藤沢敏明君 第三十七番 市川 武君 第三十九番 赤城静江君 第四十番 近藤満里君 第四十一番 小林秀子君 第四十二番 石坂郁雄君 第四十三番 布目裕喜雄君 第四十四番 池田 清君 第四十五番 内山国男君 第四十六番 松木茂盛君 欠席議員(一名) 第十九番 滝沢勇助君 欠員(一名) 第三十八番 説明のため会議に出席した理事者 市長 鷲澤正一君 助役 酒井 登君 収入役 伊藤克昭君
教育委員会委員長 久保 健君 教育長 立岩睦秀君 監査委員 小林昭人君 総務部長 増山幸一君 企画政策部長 鈴木栄一君
行政改革推進局長 根津伸夫君 財政部長 板東正樹君 生活部長 堀内 修君 保健福祉部長 宮尾和榮君 環境部長 岩倉隆美君 産業振興部長 小池睦雄君 建設部長 和田 智君 都市整備部長 中村治雄君
駅周辺整備局長 江原文男君 水道局長 山田修一君 消防局長 安川哲生君 教育次長 島田政行君 教育次長 玉川隆雄君 職務のため会議に出席した事務局職員 事務局長 下條年平君 事務局次長 平井恒雄君 兼総務課長 議事調査課長 寺澤正人君
議事調査課長補佐 村田博紀君 係長 浅川清和君 主査 小林弘和君 主査 大越英明君 主査 上原和久君 係長 久保田浩樹君 主査 市村 洋君 総務課長補佐 小山敏信君 係長 内山好子君 議事日程 一 一般質問(代表) 午前十時 開議
○議長(轟正満君) ただ今のところ、出席議員数は四十四名であります。 よって、会議の定足数に達しておりますので、これより本日の会議を開きます。 本日の欠席通告議員は、十九番滝沢勇助君の一名であります。 日程に従い、
市行政事務一般に関する質問に入ります。 発言の通告がありますので、順次質問を許します。 長野市議会新友会代表、十七番祢津栄喜君 (十七番 祢津栄喜君 登壇)
◆十七番(祢津栄喜君) 十七番、新友会祢津栄喜でございます。 新友会を代表して、
市行政事務一般について質問をいたします。 質問に入る前に申し上げますが、新友会は平成十九年度の予算編成に当たり二百六十三項目の要望書を提出いたしました。厳しい財政事情の中、前向きに検討され御配慮をいただきましたことに敬意を申し上げる次第でございます。 さて、今日、企業業績が好調に推移をし、消費も徐々にではありますが増加し、昭和六十一年からのバブル景気をしのぐほどだと言われております。果たしてそうだろうか。一般市民は景気回復の実感が乏しいのが実情かと思います。 今年の一月、内閣府が発表した国民生活に関する世論調査によると、日常生活の上で悩みや不安を感じる人が六十七・六パーセント、具体的には老後の生活設計を挙げる人が最も多く、次に医療、年金などの社会保障を求める人が続いております。少子高齢化の進行による不安を数字の上から示されたものだと思うものであります。社会から格差をなくすことは困難なこととは思います。当たり前のことではありますが、政治の目線の配りで解決ができることには、的確に対処すべきと考えるものであります。 市長は、市政運営に当たっては、「見ること博ければ迷わず、聴くこと聡ければ惑わず」と古い言葉を引用しております。この市民の声を真しに受け止めることこそが政治の原点であり、政治に携わる者として心すべき姿勢であり、共感を覚えるものであります。私どもも住んでみたい、住みたくなる長野市を目指して、一層の取組が求められることをもって銘ずべきと考えるものであります。 それでは、通告した順序により質問に入らせていただきます。 まず、平成十八年度の財政状況と決算の見通しについてであります。 鷲澤市長は、常々「入りを量りて出ずるを為す」をモットーに財政の健全化を言い続けてこられました。合併後の初の予算となった平成十七年度の当初予算では、六十億円もの取崩しを前提とした予算となり、私ども議会もこのような状況が今後続くとなれば、長野市の財政はどうなってしまうのか、非常に心配したところであります。結果的に十七年度では、市長を初め職員の努力もあって半分以下の二十一億円程度の取崩しにとどまったところは評価するものであります。 しかしながら、取り崩していることには変わりはありませんし、またこの基金が限りなくあるものではありません。本年度、平成十八年度の当初予算においては、抜本的な歳出の見直しに取り組まれ、厳しい状況の下で、この基金の取崩し額を二十億円圧縮し、四十億円とされました。この結果も評価するところでありますが、更に市長が言われている「入りを量りて出ずるを為す」の実現に努力されるよう期待を申し上げます。 そこで、懸案となっております十八年度の財政の状況と決算の見通しはどのような状況にあるのか、特に景気のバロメーターでもある市税などはどのような状況にあるのか、また当初四十億円余も予定していた基金の取崩しは、結果的にはどの程度になる見込みなのかお伺いをいたします。 次に、平成十九年度の当初予算についてお伺いいたします。 市長は、予算編成作業に取り掛かるに当たり、百億円を超える財源不足が生じていると言われました。全国どこの自治体でも同様に財源不足は生じているようでありますが、といえども、長野市の一千三百億円程度の予算規模からすると、この百億円というのは余りにも大きな数字ではないかと思っておりました。このような規模の不足額にどう対応していくのか、どう予算を組み立てていくのか、非常に注目されるところでありましたが、どのような取組によってこの財源不足を解消したのか、その過程についてお伺いいたします。 また、併せて来年度の予算についても非常に厳しい状況の中での編成になったことと思います。本定例会の冒頭の市長の施政方針にもありましたとおり、一般財源総額の伸びが期待できない状況の中での編成作業であったとのことですが、そのような厳しい状況の中で編成作業を進めるには、基本的なスタンスと明確な考え方が必要と考えます。そこで、十九年度の予算編成は、どのような考えとスタンスで作業に当たられたのかお伺いいたします。 続いて、税源移譲等の影響についてお伺いいたします。 長い間議論されてまいりました国の三位一体の改革で、地方が自らの責任の下、自由な発想で独自の取組を進めることができるよう、国から地方へ三兆円の税源移譲がなされることになりました。この三兆円の税源移譲は、国税としての所得税から地方税としての市民税、個人市民税へ移譲され、十九年度市税にも大きな影響があると思われます。 同時に、平成十一年度から実施されてきましたいわゆる恒久的減税としての定率減税は、本年度はその半分に減額され、そうして来年度から廃止されることとなり、税源移譲と同様にこの定率減税の廃止により市税の収入に影響があると思われます。そこで、十九年度の市税収入を見込むに当たって税源移譲や定率減税廃止について、どの程度の影響を見込んでいるのかお伺いいたします。 また、今回の税源移譲は所得税が減って住民税が増える、トータルで見れば基本的に増加するものではなく、市民生活に直接影響するものではないと言われてはおりますが、所得税、個人市民税のそれぞれの制度や仕組みの違いから課税時期が異なるなど、既に多くの
サラリーマン世帯では、所得税率の変更の影響が出始めている一方で、個人市民税は本年六月から税率変更の影響が出始めるものと思います。 特に、これから影響の出る個人市民税は単に所得税の軽減分が増加するだけではなく、定率減税の廃止により更に税額が増える納税者が多いことから、納税者が制度改正の内容や考え方を理解しなければ、単に個人市民税が増税になったと受け止められてしまうおそれがあります。 したがって、本年六月からの個人市民税の課税の前までに納税者に対して十分な周知が必要と考えます。既にテレビ、新聞などで報じられておりますし、広報ながのにも掲載されておりますが、これまでの取組の内容と、今後更にどのような取組を予定しておるのかお伺いいたします。 次に、第四次長野市総合計画についてであります。 前回の第三次総合計画は、オリンピックの開催、中核市への移行などを背景として策定されましたが、地方を巡る状況はこのように大きく変化し、地方の在り方が見直される中で、今回の第四次総合計画は、今後のまちづくりの方向や長野市のあるべき姿などをどのようにとらえているのか。また、策定に当たっては、市民と協働による計画づくりを進めてきたところですが、策定の方法を含め第四次総合計画の特徴はどんなところにあるのかを併せてお尋ねいたします。 今後は、総合計画に沿って施策を進めていくわけですが、計画を実効性のあるものとしていくことが重要であると考えます。基本計画では、
市民アンケートによる指標を設定するとのことですが、市民の視点をどのように計画に実現して生かしていくのか。また、実施計画では、基本計画で定める施策に沿って三年単位で重点的、戦略的な取組を示すとしておりますが、実施計画をどのように策定し、今後の総合計画の進行にどのように連携させていくのかも併せてお尋ねいたします。 次に、県から市町村への
事務権限移譲についてお尋ねをいたします。 地方分権の一層の進展に伴い、市町村は地域における
総合的行政主体として、これまで以上に幅広く
行政サービスを担うことが期待されており、権限移譲等を含めた県と市町村の役割を見直し、検討が必要になっておりますが、村井知事は就任以来、市町村が主役の県政運営を掲げ、市町村への事務権限の移譲についても、市町村に主体的に移譲事務の要望を提案してもらい、それを受けて県として真しに対応するとしております。 これに対して市長は、ボイス81地域会議や知事との県政運営を巡る懇談において、市町村や広域連合の在り方、役割分担の見直しや権限移譲の推進などについて、知事に対して度々提言をされております。基礎的な自治体である市町村が、それぞれの地域の実情を踏まえた上で、住民ニーズに基づいた
行政サービスを円滑かつ効率的に提供していくことが求められているとの認識の下、県、市町村、広域連合がそれぞれの組織の役割分担を見直しし、事務移譲や権限移譲が必要との考えに基づくものと思います。 真の地方分権を実現し、更なる
事務権限移譲に向け、県内唯一の中核市としてどう対応されるのか。昨年、市長会、町村会で設置された県と市町村のあり方検討会における論議の中で、長野市としてどのような意見を反映させていかれるのか、市長の御所見をお伺いいたします。 次に、
集中改革プランの
定員適正化目標についてであります。 昨年の四月に市が策定した
集中改革プランでは、職員の定員を平成十七年四月一日から平成二十二年四月一日までの五年間で百四十人、四・八七パーセントを削減すると公表しました。平成十七年一月一日の豊野町、戸隠村、鬼無里村、大岡村との合併によって、合併町村の一般職の職員はすべて本市に引き継がれたことから、合併の前後では三百六人の職員が増加いたしました。市町村合併の最大の効果は、行政コストを削減して最大のサービスを住民に提供することであると考えますので、いかに人件費を削減できるかが合併の成否にかかわってくるものと思います。 私ども特別職の議員は、合併に当たり町村議員が全員失職した上で、合併特例法第六条第二項及び第三項の規定を適用して、残任期間に限り定員を四名増加することとし、議会に関するコストを大幅に削減したところであります。また、昨年九月、市議会定例会において長野市議会の議員の定数を定める条例を改正し、本年九月に予定されている議員の改選においては、合併特例法に基づく四名のほか三名の定数が減少することとなり、市議会としても行政の効率化とコストの削減のため、最大限の努力をしてきたところであります。 限られた人員の中で市民の要望にこたえ、より満足度の高いサービスを提供していくためには、緊急性、必要性の高い部署へ重点配置することや、各部局においても配置された人員の中で最大の効果を上げられるよう効率的な人員管理に努めることが必要であります。また、合併地区の支所についても、業務量に見合った適正な人員配置を早急に実施することが必要と考えます。 そこで、百四十名削減という
定員適正化目標を今後どのように実現をしていくのか、市の見解をお伺いいたします。 次に、
浅川治水対策についてであります。 田中前県政における脱ダム宣言による治水対策は、県政と民意を混乱させただけで、長い間の空白をつくったのみでありました。きちんとした代替案を示せないまま、この六年間は何であったのか、この歳月から何が生まれたのか、本当に流域被災者の目線での議論が行われてきたのか、意見の違いが一般市民の目に映ったのみでもありました。 昨年の九月に村井知事が就任され、これまで停滞しておりました県政の対応が大きく変わりました。
浅川治水対策については、十一月からの
国土交通省関東地方整備局を初め、その他関係機関と積極的な協議を重ねてこられました。 さきの二月八日に県から発表されました
浅川治水対策、
河川整備計画の方針によりますと、治水専用の穴あきダムと河川改修を組み合わせた対策を進めるとのことであります。また、下流地域の内水対策としては、当面浅川排水機場の増設も併せて
河川整備計画に位置付け、おおむね床上浸水被害を防止できるよう事業を実施するとのことであります。 これらの組合せによる治水対策は、流域住民が長く待ち望んでおりました治水安全度を満たしており、総合的に見てもすばらしい計画であると考えるものであります。 県からの方針の発表がありました翌日の新聞記事によりますと、流域にお住まいの皆さん方からは、百年に一度でも被害の可能性があるのだからダムは必要、当然の結論だという意見や、住民の安全を守る最善の策を出すのが行政の役目だという意見が寄せられていました。 私の地域では、県管理の河川により過去にも幾度か水害被害に遭ってきましたが、上流部にダムを建設し、河川整備によって今日まで水害が発生していないことを申し添えておきます。この計画の治水対策が実施されることにより、ようやく流域住民の安全・安心が確保されることとなるわけであります。 つきましては、この計画に基づき県には早急に事業の実施をしていただきたいと考えるところでありますが、
浅川治水対策の今後の予定や進め方についてお考えをお聞かせください。 次に、
障害者自立支援法施行後の状況についてお伺いいたします。 障害者が地域で自立した日常生活を営むことができるように、必要な
障害福祉サービスの給付やその他の支援を行うことによって、障害者が安心して暮らすことのできる地域社会を実現することを目的とする
障害者自立支援法が昨年四月から一部施行され、十月からは本格実施されており、新しいサービス体系への移行が始まっております。 この法律の施行後一年近くが経過した今、その実態を見ると、利用者、家族からは原則一割という急激な利用者負担増に対して軽減を求める声が高まり、また施設関係者からは報酬の算定が月額から日額に変更されたことなどにより施設の運営が急激に変化をし、今後の運営に対する不安が高まるなど、障害者を取り巻く環境は大変厳しいものとなってきております。 従来の支援制度は、利用者の選択による
障害者サービスの定着という点で一定の成果を見せましたが、その一方で、増加するサービスの需要に見合う財政基盤が備わっていないことや、サービス利用の地域格差が生じていることなど問題に直面し、制度の導入から一年余りで新たな改革の必要性が叫ばれるようになりました。また、支援費制度の枠外に置かれ、身体・知的障害に比べ大きく立ち後れていた精神障害者のサービスの充実や、
サービス提供主体の一元化などの課題を解消する必要がありました。 今回の
障害者自立支援法による制度改正は、従来の支援費制度の課題を克服し、今後も増大・多様化する
障害福祉サービスのニーズにこたえ、
障害者福祉制度を将来にわたって持続可能なものとするために避けては通れない改革でありました。 施行後の一年が経過する中で、新たな課題が生じてきておりますが、この法律に基づく諸制度が円滑に実施されることが、今重要であると考えております。国においては、昨年の末、利用者負担の更なる軽減、事業者に対する激変緩和措置など、
障害者自立支援法の円滑な運営のための改善策が示されましたが、制度改正後、現在までの本市のサービスの利用状況と国の改善策に対しての財源措置についてお尋ねいたします。 さらに、
地域生活支援事業の取組及び市独自の負担軽減策についてであります。 今回の制度改正では、三障害の制度の一元化や障害者の就労などに焦点を当ててはおりますが、
障害福祉サービスや自立支援医療に一割負担を導入しており、各種の負担軽減措置が講じられているものの、地域で生活する障害者の支援を根本から揺るがしているのではないかとも思われます。新たに設けられた
地域生活支援事業は、法定の
障害福祉サービスでカバーできない部分について地域の実情などに応じて実施するもので、実施内容について自治体の裁量に任されているとのことではありますが、財政面での国の関与が希薄な
裁量的経費事業とされる中で、障害福祉の実施水準の低下を招かないよう、自治体の公的責任をどこまで具体化できるかが問われる事業であります。 本市においても、個別の
障害福祉サービスとは異なる
地域生活支援事業の意味を十分に理解し、障害のある人もない人も当たり前に暮らせる、将来を見据えたまちづくりとして取り組むべきと考えます。そこで、本市の
地域生活支援事業にかかわる取組状況と独自に
利用者負担軽減策を講ずるのであれば、その内容についてお伺いをいたします。 次に、長野広域連合が建設する
ごみ焼却施設についてお尋ねをいたします。 長野市では、松岡区
サンマリーンながの及びその周辺部を候補地として選定をし、これまでに
大豆島地区区長会、松岡区に対して選定した経過の報告に併せまして、建設に向けた協力要請がされております。 その後、昨年一月から二月にかけての各区ごとの説明会やその際に出された質問と回答などを中心に記載した冊子の全戸配布、さらには
大豆島地区区長会、松岡区のほか施設受入れの可否について、地域住民の意見や要望の取りまとめや地域のまちづくりの方向を検討、協議する組織として、
大豆島地区区長会及び各種団体代表により組織されている
広域ごみ焼却施設建設に関る
大豆島地区協議会、また松岡区においても区長の附属機関として設置されている
長野広域連合ごみ焼却施設建設候補地に関する松岡区検討委員会との協議を重ねるなど、
建設候補地域の皆さんの御理解をいただくために努力を重ねているところであります。 平成十八年度の当初には、建設候補地の測量及び地質調査について、
大豆島地区区長会、松岡区に対してこれら調査の実施に向けての申入れをされ、その後それぞれの団体から実施に関しての理解を得られたことから、昨年の十一月から十二月にかけてこの調査も実施できたわけであります。これらの調査結果をお聞きすると、測量では地盤の高低差は少なく、おおむね平たんな土地であること、また地質調査では透水性が良く、既存の清掃センターの地盤とおおむね同様の地盤であり、施設建設に不向きな地盤でないことが確認されたというところであります。 さらに、本年一月二十二日には、
大豆島地区区長会及び松岡区に対し、施設建設に向けての長野県条例に基づく環境影響評価の実施について申入れが行われたわけであります。 このように、
建設候補地域の皆さんにお願いしているわけでありますが、現在の清掃センターは、稼働以来二十五年が過ぎ、他都市の施設における平均寿命は既に経過していることを考えれば、一日も早く地元の皆さんの御了解をいただき、地域の皆様に御迷惑の掛からない施設の建設ができるように一層の説明責任を果たしていただくことが、何よりも大切ではないかと考えております。 そこでお尋ねをいたします。昭和三十七年に松岡地区内に清掃工場が建設されて以来、長い期間にわたって市民生活に欠かせない施設を受け入れていただいている大豆島地区及び松岡区に対して、清掃センターの稼動状況等について理解をいただくためにどのような情報を発信し、かかわりを持ってきたのか。また、長野広域連合では、
ごみ焼却施設の平成二十四年度の施設稼働を目指しておりますが、地元の皆様と今後どのように進めていくのか、当面のスケジュールについて。また、
環境アセスメントは、施設建設に欠かせない手順でありますが、どのようなものなのか、地域住民の意見などをどのようにアセスメントに反映させていくのか、以上三点についてお伺いいたします。 次に、公立保育園の民営化についてお伺いいたします。 子育てを取り巻く環境は、大きく様変わりをしてきており、多様な保育ニーズにこたえるためには民間活力の活用が不可欠であり、その一環として、長野市でも保育園の民営化への取組が行われていると認識をしております。 保育園の民営化については、全国各地の公立保育園でその取組が行われておりますが、既に民営化が実施されたところ、統廃合を含め検討中のところなどその取組は様々であります。 長野市では、平成十五年に三輪、川田、下氷鉋保育園の民営化の方針を発表して以来、保護者との話合いを続けてきていると聞いており、また昨年には
民生児童委員協議会など地域への説明を行い、新たに城東保育園も含めた民営化のスケジュールを示されました。この間、広報ながのへの掲載などで市民への周知を図るなど、時間をかけて段階を踏んで民営化に取り組まれていると感じております。 新友会では、平成十九年度予算編成に対する要望で、公立保育所の適正規模、適正配置を進めるとともに、公立保育所の民営化を含め私立保育所、私立幼稚園の振興を図ることを要望していますが、民営化に当たっては、保護者の不安の解消などが重要であり、円滑な民営化を望むものであります。 また、民営化にはその受皿となる
社会福祉法人等の選考が重要でありますが、一部の地域では地元有志により積極的に保育園運営を行いたいとする動きがあると聞いております。 そこで、これまでの取組の状況と保護者の不安に対する対応、受皿となる法人の選考の方法等、これからの具体的なスケジュールについてお尋ねいたします。 次に、農業振興についてお伺いいたします。 農業を取り巻く情勢は、高齢化、担い手不足で遊休農地が年々増加してきています。このような深刻な事態の中で、国では経営規模を要件に認定農業者、集落営農組織などに限定し、その経営の安定を図る施策、いわゆる品目別横断的経営安定対策に転換することとしております。この施策に対応し、市では認定農業者の育成、集落営農組織づくりを積極的に支援することとしておりますが、集落営農組織の状況を考慮し、特に中山間地域での経営規模の要件を緩和できる特例措置の適用について積極的に推進すべきと考えます。 そこでお尋ねいたします。これから長野市の農業振興施策の一つとして、新たに市が進める農業公社設立の準備状況と、農業生産法人の組織化に向けての課題と取組状況について、また遊休農地対策の一環である市民農園、市民菜園の事業の状況について併せてお尋ねいたします。 続いて、観光振興についてであります。 地域の活性化を図る上で観光産業はますます重要度を増してきており、全国各市町村においても、官民共々観光誘客にしのぎを削っております。 観光都市として総合的な誘客戦略が求められている中で、本市は一千二百万人観光交流推進プランにより、年度ごとに集中的な予算配分による観光誘客のキャンペーンを実施されておりますが、本年は善光寺本堂が再建されて三百年を迎える記念の年であり、また一月早々から放送されているNHKの大河ドラマ風林火山により、ゆかりの地でもある川中島古戦場地域への注目度も急速に高まってきております。 観光振興にとりましては、長野市をアピールできる絶好のチャンスでありますので、エコール・ド・まつしろに続く各地域のブランド化を確実に実現させ、何度も訪れてみたい地となるよう積極的な取組を要望いたします。 そこでお尋ねしますが、本年度は全国的キャンペーンのテーマとして、現在非常に人気の高いウォーキング企画を実施されましたが、その実績はいかがだったのでしょうか。また、今後このウォーキング計画については、どのような展開をされる予定なのかお伺いいたします。 また、一千二百万人観光交流推進プランでは、来年度のキャンペーンエリアを戸隠地区と川中島の戦いのゆかりの地としてありますが、その具体的な計画についてお伺いいたします。 次に、長野東バイパス建設の進ちょく状況と今後の予定についてであります。 道路のいらいら、はらはらする箇所を教えてと、長野国道事務所、長野県が実施した調査では、長野市内では国道十八号の東和田交差点を初めとする渋滞箇所が八か所候補に挙がっております。特に、慢性的な渋滞が発生し、いらいらを解消するためにも長野東バイパスの一日も早い開通が望まれております。 昨年二月十九日に設計協議の調印が行われ、現在一部の地域において用地買収に向けて交渉が進んでいると聞いております。環状道路の一部として安全性の向上と都市環境を改善し、広域的な機能を果たす役割は限りなく、期待される長野東バイパス建設の現況と今後の予定についてお尋ねいたします。 次に、学校施設の耐震化計画についてであります。 阪神・淡路の大震災の際に尊い命を亡くした方々の八十八・八パーセントが、建物の倒壊によるものだと聞いております。その後も列島各地で大地震が発生した状況の中で、また今後発生が予想される地震災害に対して、市民の生命、財産を守るため、住宅、施設等の耐震性の向上が求められております。 特に、学校施設は災害時の避難場所でもあることから、早急な耐震化対策が必要であると考えます。本市においては、この耐震対策のうち耐震診断の状況と耐震化対策工事の現在の進ちょく状況についてお伺いいたします。 最後になりますが、長野インター周辺の土地利用構想、いわゆる松代地区スター構想についてお尋ねをいたします。 上信越自動車道の開通に伴う長野インター周辺の土地利用については、高速道への近接条件を生かした史跡観光や農業の振興を図りながら、計画的に産業立地を推進し、地域の均衡ある発展を図るとともに、乱開発の防止及び機能的かつ効率的な土地利用の誘導を図るものとして、平成七年にインター周辺及び市街地や八幡原史跡公園周辺を含む松代地区二千五百ヘクタールの土地利用構想として、松代スター構想なるものが地元の松代地域開発協議会に示されました。 開発協議会とは、地元の商工会議所、JA松代、区長会のほか区内の有力七団体によって構成された組織であり、この開発協議会が構想の具体化の可能性などについて研究をしてまいりましたが、具体的なまちづくり計画の策定には至らず、その後開発協議会は平成十五年をもって解散、当時の役員は引退をし、松代スター構想については語られることなく今日まで経過しているような状況であります。 私は、平成八年三月の定例会で、松代地区まちづくり構想について、松代スター構想の実現の方向性と今後の進め方などについて質問をしております。市長からは、松代の二十一世紀に向けてのまちづくりの指針として策定をし提案したものであり、地域や地権者の皆さんと市も一緒になって考えていきたいとの答弁を頂いております。 その後、具体的な開発計画の動きがない中で、本年度になって二件ほどの開発計画の動きが出てまいりました。開発計画の概要については関係の皆さんに説明がなされておりますが、いずれも市街化調整区域や農業振興地域内における計画であり、事業化の可能性、適否など検討されるものと思われますが、今後、市として長野インター周辺の土地利用構想などをどのように描かれているのか、松代スター構想の位置付けについても含めてお伺いいたします。 以上をもちまして、私の質問を終わらせていただきます。
○議長(轟正満君) 鷲澤市長 (市長 鷲澤正一君 登壇)
◎市長(鷲澤正一君) 祢津栄喜議員さんの御質問のうち、初めに平成十九年度の当初予算についてお答えをいたします。 新年度は、国から地方への税源移譲や定率減税の廃止に伴い、市税の伸びが期待できる一方で、これまで安定的に交付されてまいりました所得譲与税や地方特例交付金などが廃止、縮減されます。加えて地方交付税についても、新型交付税の導入など抜本的な制度改正が予定されているなど、先々の見通しが非常に不透明なものとなっております。 このような状況から、歳入において市税や地方交付税などの一般財源総額の伸びが期待できないだけでなく、歳出では児童手当の拡大などに伴う扶助費の増加や国民健康保険特別会計などに対する繰出金の増加などによりまして、予算編成作業の開始時点では百億円を超える財源不足が見込まれ、極めて厳しい状況の下での予算編成となりました。 このような財源不足の解消に当たりましては、まずは市民の意向を的確にとらえた予算とすべく、市民とじかに接しより市民のニーズを把握している各部局の責任の下、自主的、主体的な考え方に基づき事業の取捨選択を行うこととし、各部局ごとに設けた限度枠の範囲内で要求するよう指示したところであります。 これにより、約四十億円の財源不足を圧縮するとともに、予算査定の段階では、伸ばすべきものは伸ばし、変えるべきものは思い切って変えるという考え方に基づき、各施策の緊急性や優先度を十分吟味し、事業を厳選することによりまして、更に約四十億円の財源不足を圧縮したところであります。しかしながら、なおも財源に不足が生じておりましたことから、やむなく財政調整のための基金約二十九億円を取り崩し、財源不足の解消を図った次第であります。 このように、前年度にも増して厳しい予算編成となりましたが、来年度の当初予算におきましては、住民福祉の向上につながる各種施策をバランスよく展開するとともに、元気なまちながのづくりに向け、子育ち・子育て環境の整備、防災対策の推進、魅力ある教育の推進とスポーツの振興、地域産業の振興と観光交流の推進、中山間地域の活性化などの分野に力点を置いた財源配分とし、様々な行政課題にしっかりとこたえていく予算といたしました。 その一方で、近い将来に予定されている
ごみ焼却施設の建設など、大規模事業の実施にも耐え得る体制固めを進めるため、早期にストックに頼らない収支の均衡がとれた財政構造へと転換できるよう、財政調整のための基金の取崩しを可能な限り抑制するとともに、将来世代の負担に配慮し、かつ、公債費に左右されない財政体質とするため、来年度も新たな市債の発行を一定程度抑制するなど、財政の健全化に重きを置いた予算としたところであります。 いずれにいたしましても、当面厳しい財政状態が続くものと予想されます。来年度の予算執行に当たりましても、本年度同様、予算の使い切りという考え方を払拭し、予算化された事務事業においても執行の際には更なる見直しと徹底した経費の節減によって、限られた財源で最大限の効果が発揮できるよう努めてまいる所存であります。 次に、第四次長野市総合計画についてお答えをいたします。 まず、第四次長野市総合計画の中で、まちづくりの方向や長野市のあるべき姿などをどのようにとらえているか、また第四次総合計画の特徴は何かについてでございますが、御承知のように平成十一年度を初年度とする現行の第三次総合計画は、オリンピックの熱気が残る中でその感動を伝えるポストオリンピックのまちづくりを描いたものでありました。 しかし、今回の第四次長野市総合計画の策定では、平成十七年の合併による市域の拡大や少子高齢化の進展による人口減少社会の到来、また三位一体の改革を初めとする国と地方を巡る関係の見直しや厳しさを増す財政状況など、急速に変化する社会情勢に対応するための新たなまちづくりの指針とすべく取り組んできたものであります。 すなわち、今後十年間の市政の基本的方向性を示す基本構想の中で、長野の魅力を生かし、持続的に発展する地域を創造していきたいとの思いを込め、善光寺平に結ばれる、人と地域がきらめくまちながのとして、まちづくりの目標、いわゆる都市像を定めたものであります。 善光寺平に結ばれるとは、合併地域を含む長野市の地理的・歴史的・文化的一体性や拠点都市としての長野広域圏域とのつながりを表しており、人と地域がきらめくとは、人づくり、地域づくりの重要性や住民主体のまちづくりを表現したものであります。未来のまちを支える人、多彩な文化や活気ある産業をはぐくみ、豊かな自然との共生を図りながら、魅力と活力に満ちたながのをこの地に結ばれるすべての人と共につくっていくことを目指したものであります。 なお、御質問の第四次総合計画の特徴でございますが、まず都市像に象徴される長野らしさ、それから人、地域という言葉が計画全体を貫くキーワードとして、今後の都市経営に生かしていきます。さらに、今回の計画では、新たにまちづくりの視点、いわゆる都市経営戦略を掲げまして、パートナーシップによるまちづくり、長野らしさをいかしたまちづくり、健全で効率的な行政経営の三つの視点が、すべての施策を包括的、横断的に貫くものとなっております。 また、今後五年間の施策展開を示す基本計画においては、四十四の基本施策に
市民アンケートによる指標を導入いたしました。さらに、その下に体系化した百一の施策に対して百五十九項目の数値目標を掲げ、施策の目指す方向を分かりやすく示したものであります。 さらに、市民との協働による策定も特徴の一つであります。総勢六十名の市民の皆様と共に市民フォーラム21と称する六つの作業部会を設け、約一年にわたり延べ八十四回の会議を開催し、市民と職員が熱く議論を重ね、計画づくりに取り組んでまいりました。このように、市民の目線から見やすく、分かりやすい計画となるよう心掛けた次第であります。 次に、総合計画を実効性のあるものとするため市民の視点をどのように生かしていくのか、また実施計画を総合計画の進行にどのように連携させていくのかについてお答えをいたします。 まず、総合計画を実効性の高いものとしていくためには、毎年度の目標管理、施策評価、予算配分などと連動する進ちょく管理が必要であると考えております。特に、今回の総合計画においては、基本施策に
市民アンケートによる指標を設定し、計画の進ちょくに市民の評価の視点を新たに導入いたしました。すなわち総合計画は、行政計画であると同時に市民の計画でもあるわけでありまして、施策に対する市民の皆様の理解と満足度を測る観点から、このような指標設定を行ったものであります。今後、総合計画の進ちょく管理の中で、行政への市民の満足度として毎年アンケートを実施し、結果を公表するとともに、市民から見た施策評価のツールとして行政経営や施策の改善につなげていくことができるものと考えております。 また、基本計画において選択と集中の観点から、四十四の基本施策のうち十本を重点施策に位置付け、集中的な取組により一定の成果を上げることを目指しております。さらに、現在策定中の実施計画においては、百一すべての施策において主要事業を選定し、向こう三か年で重点的に進める事業を示してまいりたいと考えております。 いずれにいたしましても、今回の総合計画は、ただ単に計画策定に終わるのではなく、すべての指標の状況を毎年継続的に把握していくことによって、施策、事業の評価や予算編成に連動させ、PDCAサイクルによる計画の評価と見直しを的確に行いながら、実効性のある総合計画として、より効率的、重点的な施策・事業展開を図ってまいりたいと考えております。 次に、県から市町村への
事務権限移譲についてお答えをいたします。 御案内のように、国も地方自治体も地方分権改革への流れが進んできております。平成十二年の地方分権一括法の施行、三位一体の改革など第一期の地方分権改革に続き、地方制度調査会における道州制導入を巡る議論や昨年末の地方分権改革推進法の成立により、現在は第二期地方分権改革とも言うべき新たな局面を迎えつつあります。このような中で、国と地方自治体が分担すべき役割を明確にし、自らの判断と責任において行政運営を行い、個性豊かで活力に満ちた地域社会の実現を図ることが求められております。 本市も地方分権改革につきましては、県内唯一の中核市として、中核市市長会等を通じ積極的な取組を進めるとともに、移譲を受けた事務権限を活用しながら、行政の効率化や市民サービスの向上に努めております。 例えば、農地の転用許可関連の事務、有害鳥獣の捕獲許可の対象拡大など、来年度以降県からの移譲も予定されておりますが、地域の特性に合った独自のまちづくりをこれまで以上に進展させるためには、現在の県と市の役割分担や組織体制を見直し、更なる事務権限の移譲を進めていくべき時期に来ていると考えております。 すなわち、基礎自治体としての市町村と広域自治体としての県がそれぞれの役割分担をより明確にし、新たな視点で対等、協力の関係を構築していく必要があります。そのため、住民に身近な行政事務はできるだけ市町村で行い、市町村でできないものだけを県が行うという近接性・補完性の原理、市町村優先の原則に基づき、住民に最も身近な基礎自治体である市町村が住民生活に直結した
行政サービスを担えるよう、更なる措置が必要と考えております。また、県の事務の中には、様々な分野で市町村と重複したサービスが見られ、行政のスリム化の視点からも見直しを行い、可能な限り一元的に
行政サービスを行うべきであると考えております。 それには、県からの必要な財源措置や専門知識を持つ職員の派遣等の人的措置などを併せて求めながら、事務権限の移譲を進めていく必要があると考えております。 そこで、私といたしましては、広域連合を含めた市町村への権限移譲、さらには県の現地機関と広域連合との一体化を考えるべきであると、昨年九月直接知事に申し上げ、さらにボイス81地域会議において改めて提言いたしました。 この提言に対して、県も昨年十二月県と市町村とのあり方検討会を設置し、県から市町村への権限と財源の移譲について、また県と市町村の役割や地方事務所など県の現地機関の在り方について検討をスタートさせ、本年九月をめどに報告を頂くこととなりました。 私は、かねてから長野広域連合の在り方につきましても、現在の介護認定審査やごみ処理対策等の広域行政に加えて、広く県の事務権限の受皿として強く期待をしているものであります。そして、県の現地機関と広域連合との一体化を進め、福祉や教育行政、まちづくり等の分野で広域的公共サービスを提供することのできる新しい広域行政組織として再編成することが望ましいと考えております。 しかしながら、県内の広域連合を見ましても、圏域の人口三万三千人余りの木曽広域連合から五十六万人を超える長野広域連合まで様々で、行政能力の違いなどにより一律に受皿とすることには課題もございます。しかし、県内の市町村合併の状況等を考え合わせますと、現在の市町村の枠組みでは、まだまだ大規模な権限移譲は困難な状況にあります。そのためにも広域連合の事務権限の強化とともに、県の現地機関との統合を進め、住民サービスに密着した広域行政を担うことのできる新たな広域連合として脱皮していくことが必要であると考えております。 いずれにいたしましても、今後とも県と市町村とのあり方検討会、それから県市長会など様々な機会をとらえ、住民サービスの向上と
事務権限移譲が着実に進むよう、県に対し強く働き掛けてまいりたいと考えております。 次に、
浅川治水対策についてお答えいたします。 議会冒頭でも申し上げましたとおり、二月八日に浅川の治水対策、
河川整備計画の方針が県から発表されました。その内容は、流域住民が長年にわたり強く求めてまいりました治水安全度百分の一、基本高水毎秒四百五十立方メートルを完全に満たした計画であり、住民の生命、財産を守る責務のある地元自治体の長として、県の判断を高く評価しているところでございます。 振り返ってみますと、平成十二年十月に田中県政が誕生し、十一月に突然浅川ダム本体工事の一時中止を表明、翌平成十三年二月には脱ダム宣言が発せられ、平成十八年度末の完成を目指し着工していた浅川ダムの建設が止まり、以来ただただ六年の歳月が流れてしまいました。田中前県知事は、あると言った代替案を示せないまま昨年の八月末に退任し、代わって村井県政が誕生して半年が経過しました。 村井知事は、昨年九月の就任以来、平成七年に国が認可した全体計画に基づく治水安全度の確保と、ダムを含めたあらゆる選択肢から科学的知見を尽くして技術的検討を行い、経済性、環境面、効率性を見極めた上で適切な判断を行うと一貫して述べてこられました。このような中で、県はこの方針の下、昨年十一月から
国土交通省関東地方整備局を初め国土技術政策総合研究所、独立行政法人土木研究所等からの助言を頂く中で検討を重ねてまいりました。 このたび、県から発表された外水対策としての治水専用ダム、いわゆる穴あきダムでございます--と河川改修による組合せと、内水対策としての浅川排水機場の増強につきましては、国を初め関係機関と協議を重ねる中で経済性、効率性、確実性、環境への影響等の観点から総合的な比較検討を行い、最も優れた案であるとの結論に至ったこと、また共同事業者であります本市が、水道事業において社会情勢の変化に伴い、近年水需要が減少していること等を踏まえ撤退に関する同意をしましたことから、県の方針として発表されたものでございます。
浅川治水対策の今後の進め方についてでございますが、現在、県は三月末をめどに
河川整備計画の原案策定に向けて作業、協議を進めており、策定後には地域の皆様、学識経験者、関係市町村長の意見聴取など、河川法に定められた手続を経まして、本年の六月から七月を目標に関東地方整備局に申請を行い、秋口には認可を得るよう進める予定であると聞いております。 認可後、ダム本体や附属施設等の詳細設計、それから工事発注に向けた準備に要する期間として、県内の他ダムの実績等を考慮いたしまして、おおむね二年ないし三年程度の時間が必要だとお聞きしております。 工事期間でございますが、従前の浅川ダムにおきましては、平成十二年九月の工事発注から平成十八年度末まで六年余りでの完成を目指しておりましたことから、今回の治水専用ダムに関しましても、同様の期間での完成を目標とすることは可能かと考えており、長野県からも工事発注に向けた準備期間、それから実際の工事期間を含めまして、おおむね十年以内の完成が目標というふうに聞いております。 また、内水対策の浅川排水機場の増強につきましても、下流域の住民の皆様から長年にわたり強く要望されており、今回の排水機場の増強も県の
河川整備計画の中に位置付けられたことから、ダム建設に引き続き速やかに事業に着手され、早期に完成することを期待しているところでございます。 このたび、県から発表されました方針は、長野市を初め流域住民が長年待ち望み、期待したとおりのものであります。今後は、沿川住民の皆様が安全で安心して暮らせる環境を実現するため、この方針に基づく河川整備が着実に実施されることが重要であり、このためには早期に
河川整備計画の認可を受け、一日も早く治水対策事業が実施されるよう、引き続き県に強く求めてまいりたいと考えております。 次に、長野インター周辺の土地利用構想についてお答えします。 長野インター周辺の土地利用につきましては、平成元年から地元松代地域の商工団体や農業団体を中心に組織された長野インター周辺開発研究委員会、またそれらを引き継いだ松代地域開発協議会において、インター周辺を含む松代地区のまちづくり構想について、調査研究が進められてきたものでございます。 その後、この開発協議会の要請を受けた形で市がまちづくり構想のたたき台として松代スター構想を策定し、平成七年、開発協議会に松代地区のまちづくりの試案としてお示しをしたものでございます。この松代スター構想では、松代地区を中心にして約二千五百ヘクタールを対象に、開発基本方針、導入すべき機能、事業手法などの土地利用について取りまとめたものでございます。 しかし、この構想は飽くまでも地域が自ら考えるまちづくりに向けての提案でありまして、どのように松代地域を開発していくかについては、地域の皆様で十分協議をしていただき、構想の実現に向けた地域の活動に対しては、市として必要な指導、助言等を行っていくとしたものでございます。 その後は、具体的な開発の動きや地域の皆様からの提案がないまま十年余りが経過してまいりましたが、この間に社会経済環境が大きく変わり、国においても開発に係る法規制や土地利用に対し大きく方向転換をいたしました。また、市におきましても、平成十三年に松代地区中心市街地活性化基本計画が策定されるなど、松代地区のまちづくりの計画が進められていることも御承知のとおりでございます。このように、構想を策定した当時の右肩上がりの経済成長や開発指向の時代とは大きく社会環境が変化している今日、この松代スター構想につきましては、既に過去のものと判断せざるを得ないと考えております。 このような経過の中で、昨年当地域において二件の開発計画の相談があったわけでありますが、飽くまでも現行法令や制度、また地域住民の意向等に照らし、計画の妥当性について判断していきたいと考えております。 いずれにいたしましても、長野市の土地利用方針につきましては、第四次長野市総合計画や改定都市計画マスタープランにおいて、開発型から保全型への土地利用の転換、コンパクトなまちづくりの推進等を土地利用の基本理念とし、現況の用途をできる限り生かした中で、外延的な市街地の拡大を抑制する土地利用方針を掲げております。 しかしながら、長野インター周辺の土地利用の在り方につきましては、高速道のアクセス等を利用した流通業務機能や観光地松代の玄関口としての土地利用を図ることが必要であります。今後、地域の皆様とも御相談を申し上げながら、優良農地の保全を含めて長野インター周辺の土地利用の方向について研究、検討をしてまいりたいと考えております。 私からは以上でございます。
○議長(轟正満君) 板東財政部長 (財政部長 板東正樹君 登壇)
◎財政部長(板東正樹君) 私から、まず平成十八年度の財政見通しについてお答えをいたします。 平成十八年度の当初予算は、市税収入の増加が期待できなかっただけでなく、三位一体の改革によります地方交付税の減少を見込まざるを得ない厳しい状況の中、限られた財源で最大限の効果を上げるべく、緊急性や優先度の高い事業を厳選した予算としたところでございます。 今年度の歳入につきましては、市税は評価替えに伴う固定資産税の減少がありましたものの、税制改正による個人市民税の増加や製造業を中心とした業績の回復によりまして法人市民税に増加が見込まれ、市税全体では前年度に比べ八億六千万円増の五百五十三億五千万円程度になるものと見込んでいるところでございます。 また、市税と共に本市歳入の基幹財源であります地方交付税につきましては、特別交付税は今月中旬の配分を待って確定することとなりますが、普通交付税は本年二月の国の補正予算の成立に伴う追加交付分を加えまして、百九十三億五百七十三万九千円と確定したところであります。 結果的には、当初に見込みました額は確保できましたものの前年度の実績額に比べますと、約十四億円もの大幅な減少となったところであります。さらに市債につきましては、合併特例債や過疎債など償還時に交付税措置のある有利な地方債を最大限活用するとともに、償還時にその全額が交付税措置されます臨時財政対策債や減税補てん債の活用によりまして、必要な一般財源の確保に努めているところでございます。 これにより本年度の建設市債を含めました市債発行総額は、一部、市債の充当を予定しております事業が終了しておりませんので、確定には至っておりませんけれども、最終的には百億円前後の発行になるものと見込んでおりまして、今年度末の市債残高は千六百五十億円程度になるものと見込んでおるところでございます。 一方、歳出におきましては、年度途中に生じました社会資本の整備や保健福祉、教育などの財政需要に対応したほか、七月の豪雨災害の復旧経費などを追加してまいりましたが、年度当初から各部局に対し予算の執行に当たっては、更なる見直しと徹底した経費の節減に努めるよう指示してまいりましたことから、本年度も一定程度不用となる予算が発生するものと見込んでいることころであります。このような状況から、平成十八年度--本年度の一般会計収支につきましては、なお流動的な要素が多分にございますが、おおむね前年度並みの実質収支額が確保できるものと見込んでいるところでございます。 また、議員さんからも御心配いただいております財政調整のための基金の取崩し額につきましては、今年度も一定程度の取崩しは避けられない状況にございますが、当初予算編成時点で予定しておりました取崩し額四十億円は、現在のところその半分以下にとどめる見通しが立ったところでございます。 次に、税源移譲など税制改正に伴う市歳入への影響につきましてお答えをいたします。 議員さん御指摘のとおり、地方分権の推進を目的とした国の三位一体の改革に伴いまして、国税としての所得税から地方税としての市県民税に税源の移し替えが行われます。また、同時に景気対策のための暫定的な税負担の軽減措置として、平成十一年度から実施されてまいりました定率減税は、経済状況の改善などを踏まえまして、本年度からその軽減は半分に縮減され、そして来年度から完全廃止となります。これらの制度の改正によりまして、市税収入にも大きな影響が生じてまいります。 来年度の当初予算におきましては、これら税制改正による影響を的確に反映すべく税源移譲に伴う影響分として約二十九億円、定率減税の廃止に伴う影響分といたしまして約七億円、合計約三十六億円の影響を見込んだところであります。 このように大きな税制改正によりまして、市税収入も増加することとなりますが、その一方で、これまで安定的に交付されてまいりました所得譲与税や地方特例交付金、さらには一般財源としての減税補てん債が廃止、縮減されまして、結果的には市税の増収分以上に譲与税や交付金の減少を見込まざるを得ず、依然として厳しい財政状況であることには変わりのないところであります。 一方、納税者の皆さんに目を向けてみますと、今回の制度改正におきましては、所得税と市県民税を合わせた税負担額は、基本的に変わらないとされております。しかしながら、所得税と市県民税では、課税時期や徴収方法が異なりますことから、サラリーマンなど給与所得者の皆さんの多くは一月から、年金受給者の皆さんは二月から既に所得税の減額の効果が現れているのに対しまして、市県民税の増額は、この後六月から影響が現れてまいります。同時に、定率減税の廃止によりまして負担が増加することから、市県民税だけを見ますと、納税者の多くの方々は、前年度に比べ負担が増すことになってしまいます。 このほか所得税は、本年の所得に対し課税される現年課税であるのに対して、市県民税は前年の所得に対して課税される翌年度課税でありますことから、前年度と今年の所得の増減によりまして、それぞれの税額の影響も異なってまいります。 このような複雑で、かつ、負担が増すような制度の改正に際しましては、まずは納税者の皆さんに改正の趣旨や改正の内容を正しく御理解いただく必要があると考えてございます。このため市といたしましては、長野県とも連携しながら、これまでも様々な広報活動、周知活動を行ってまいりました。 具体的には、国、県、市それぞれで作成をいたしましたリーフレットを各支所や公民館などで配布するとともに、広報ながのや新聞の市広報ページ、ふれ愛ながの21への特集号の掲載のほか、テレビ、ラジオ、有線放送の活用、トイーゴオーロラビジョンでのビデオの上映、さらには各事業所や市県民税申告予定者へのリーフレットの送付など、これら各種媒体を利用した周知活動を実施してきたところであります。 来年度は、さらに納税通知書の発送に併せ、県が作成したチラシのほか市が独自に作成をいたします制度の開設やQ&Aを掲載したチラシを同封いたします。また、納税通知書がお手元に届く時期に合わせて、広報ながの六月号に改めて特集記事を掲載するなど、納税者の皆さんが混乱しないよう、更なる周知を図ってまいります。 併せて、納税通知書がお手元に届いた後、市に対しましても相当数のお問い合わせがあるものと予想してございます。これら納税者の疑問などに確実に対応すべく適切な体制を整えるとともに、丁寧で分かりやすい説明に心掛けてまいりたいと考えてございます。 私からは以上でございます。
○議長(轟正満君) 根津
行政改革推進局長 (
行政改革推進局長 根津伸夫君 登壇)
◎
行政改革推進局長(根津伸夫君) 私から、
集中改革プランの
定員適正化目標についてお答え申し上げます。 昨年四月に本市が策定した
集中改革プランでは、平成十七年四月一日から二十二年四月一日までの五年間で、職員を百四十人、四・八七パーセント削減する目標値を掲げました。これは、平成十七年三月に総務省が策定した地方公共団体における行政改革の推進のための新たな指針の中で、各自治体は過去五年間の地方公共団体の総定員の削減実績四・六パーセントを上回る数値目標を掲げるべきこととしたこと、また本市では平成十七年一月一日の一町三村との合併によって職員数が増加したことから、合併前の職員一人当たり市民数の水準や類似都市の状況などを考慮して定めたものでございます。 これまでの定員削減の進ちょく状況でございますが、平成十七年四月一日の職員数を起点といたしまして、一年目の平成十八年四月一日は対前年二十三人の減、二年目の平成十九年四月一日は現在まだ数値は確定しておりませんが、前年を上回る削減数を見込んでおりまして、二年間での進ちょく率は三十五パーセントを超えると判断しております。 したがいまして、この二年間は定員削減が順調に進んできていると考えますが、指定管理者制度の導入など民間活力の導入が一定程度進んでまいりますと、その後は新たな業務改善手法を見いださなければ、
定員適正化目標を実現することが難しくなってくるのではないかと懸念されているところでございます。 そこで、指定管理者制度の導入につきましては、今後も引き続いて推進していくほか、職場内における仕事の分担や協力体制など働き方を工夫していくことが必要であり、新年度はこれまで進めてきた民間活力の導入に加えまして、市役所組織そのものに経営の発想を導入する仕組みづくりを研究してまいりたいと考えております。 具体的には、各部局ごとの定員削減目標を明確にした上で、部局長が業務の繁閑に応じて職員を機動的に流動配置ができるようにすること、また最少の人員で仕事に取り組むための創意工夫を盛り込んだ業務改善計画を部局ごとに策定すること、そのことにより部局長がそれぞれ経営者としての意識を持って経営資源を最大限に生かせるよう、予算執行の権限と責任に加えまして、定員管理に関する権限と責任についても併せ持つ仕組みを検討してまいりたいと考えております。 このほか、各部局で行っている共通業務や定型的業務を集中処理する機能につきましても研究し、市役所全体として最少の人件費コストで最大の
行政サービスが提供できる体制づくりに取り組んでまいりたいと考えております。 さらに、議員さんから御指摘があった合併支所の配置人員の適正化につきましても、本庁部局における定員削減目標の設定と同様に新年度において支所ごとの配置人員の将来目標を定め、毎年計画的な定員管理に取り組んでまいりたいと考えております。 以上でございます。
○議長(轟正満君) 宮尾保健福祉部長 (保健福祉部長 宮尾和榮君 登壇)
◎保健福祉部長(宮尾和榮君) 私から、二点お答えいたします。 最初に、
障害者自立支援法施行後の
障害福祉サービスの利用状況についてお答えいたします。 本年二月十四日現在の
障害者自立支援法に基づく介護給付費等の
障害福祉サービスの支給決定者数は、一千五百五十九人であります。その内訳は、在宅障害者九百十人、施設入所者四百四十七人、グループホーム・ケアホーム入居者二百二人となっております。本市におきましては、在宅障害者を中心に新たなサービス利用者が増加の傾向にあり、法施行後百六十五人の増となっているところであります。 現在、担当課におきまして、来月から実施される新しい利用者負担軽減制度に備え、これらの支給決定者に対しまして新たな軽減制度の内容をお知らせするとともに、軽減申請の勧奨を行っているところでありまして、今後申請に基づき課税状況、資産状況などを把握した上で、新たな受給者証を三月末から四月初旬をめどに発行する予定で準備を進めているところであります。 次に、
障害者自立支援法の円滑な運営のための特別対策にかかわる本市の来年度予算についてお答えいたします。 国におきましては、
障害者自立支援法の円滑な運営のための特別対策として、平成十八年度の補正予算と十九年度、二十年度の当初予算に総額一千二百億円を盛り込み、改善策を実施することとなっております。 改善策の内容は、まず利用者負担の更なる軽減として、平成十九年度、二十年度の二年にわたり、二百四十億円規模の利用者負担の軽減を行うものであります。具体的には、利用者負担の更なる軽減措置として、通所、在宅のサービス利用者について、一割負担の上限月額の引下げを行います。これは、現行制度において低所得者層を対象にして、社会福祉法人のサービス利用に限定されていた利用者負担上限月額の軽減を中間所得層まで対象を拡大した上で、実施主体にかかわりなく二分の一から四分の一に軽減するもので、本市におきましては、この利用者負担軽減に要する経費も含め来年度予算に計上しており、法定サービスの給付費は全体で二十五億四千百五十九万四千円となっております。 また、事業者に対する激変緩和措置及び新法への移行のための緊急経過措置として、平成十八年度補正予算で九百六十億円の予算措置がなされております。これは、十八年度中に各都道府県に基金を創設し、十九年度、二十年度の二年間で特別対策を実施するものでございます。 本市におきましては、障害者自立支援特別対策事業費として、制度の移行に伴う事業者の激変緩和のため、報酬が日払いに変わったことで収入減の影響を受けている事業者に対し、従前報酬額の九十パーセントを保障する経費及び新たに送迎費用の助成をするための経費として、八千九十万二千円を来年度予算に計上しております。 次に、本市の
地域生活支援事業にかかわる取組状況と独自の
利用者負担軽減策の内容についてお答えいたします。
地域生活支援事業は、全国共通の法定サービスでカバーできない部分について、地域の特性やニーズの実情に応じて市町村が独自に実施する事業でありまして、実施方法や利用者負担については、市町村の裁量に任されているところであります。本市におきましては、類似する法定サービスとの均衡を考慮し、また急激な負担増にならないよう配慮いたしまして、来年度からの利用者負担を決定したものであります。 本市が実施する
地域生活支援事業の主なものについて、その内容と利用者負担について説明いたします。 まず、法定サービスと類似するサービスであります日常生活用具の給付と、生活介護や入浴サービスなどを提供する地域活動支援センター事業につきましては、直接利用者の便益を向上させるサービスであることから、法定サービスとの均衡を考慮し、利用者負担を一割として実施いたします。なお、日常生活用具給付につきましては、低所得者層に配慮し、住民税非課税世帯は五パーセントに利用料の軽減を行います。 次に、屋外での移動が困難な人に対し外出時の介助を行う移動支援事業、重度の在宅障害者に対し移動入浴車を使用して入浴サービスを行う訪問入浴サービス、在宅障害者の日常的また継続的な支援及び介護者の介護軽減を図るタイムケア事業、在宅障害児の自立支援及び保護者の介護軽減を図るため放課後や休日、外出時また夜間の支援などを行う障害児自立サポート事業、これらの四事業につきましては、急激な負担増とならないよう配慮いたしまして、利用者負担を五パーセント、住民税非課税世帯は負担なしで実施してまいります。 次に、障害者からの相談に応じ地域での日常生活や社会生活を支援する相談支援、手話通訳者の派遣等を行い聴覚障害者等の社会生活を支援するコミュニケーション支援は、従来どおり無料で実施してまいります。また、居場所的機能が強く利用者の個人的便益に直接つながらないサービスを行う地域活動支援センター事業についても、従来どおり利用者負担なしで実施してまいります。 今後も障害者等からのニーズを把握し、必要に応じて新たなサービスについても検討し、障害者が地域で安心して生活できるよう支援してまいります。 次に、公立保育園の民営化についてお答えいたします。 公立保育園の民営化につきましては、未就園児を含めたすべての子育て家庭への支援強化や延長保育など多様化する保育ニーズへの対応、税財源の公正かつ有効活用などを図ることとし、長野市行政改革大綱に基づいた民間活力の活用の一環として推進しております。 一方、少子化の進行や国の三位一体改革による行財政改革、認定こども園の制度化など、保育園及び幼稚園を取り巻く状況が変化してきていることを踏まえ、これからの公立保育園の在り方、すなわち公立保育園の運営は市が直接行うことを見直しして、
社会福祉法人等への運営委託、移管を進めていくという方針を示し、平成十八年度から公立保育園に入園された新規及び継続児童の全保護者に対して説明会を実施してまいりました。また、広報ながのには、三回にわたり民営化に関する記事を掲載して市民にお知らせするとともに、公立保育園が設置されている地域では、区長会や
民生児童委員協議会への説明を順次実施してまいりました。 平成十五年度に民営化計画を提示した三輪・川田・下氷鉋保育園につきましては、今日まで約四年間、保護者の皆さんと話合いを続けてまいりました。この間多くの御意見を頂き、特に民営化により公立保育園の保育方針や内容が大きく変わっていくのではないか、保育士が全員代わってしまうのではないかという不安を抱いていると強く感じられましたので、子供たちへの影響がないように市の保育方針など保育環境を継続するため、保育園の設置、運営をすべて私立に任せる移管方法から、設置主体は市のままとし運営のみを委託する公設民営方法とする旨保護者の皆さんに説明し、理解を求めてまいりました。 さらに、過去にも統合が計画された経過のある城東保育園につきましても、隣接する社会福祉法人への移管を前提に、平成十八年三月に保護者に説明を行い、現在も引き続き話合いを行っております。 これら四園の保護者の御意見、疑問点は、保育環境が変わってしまうことへの不安のほか、なぜ公立保育所を民営化するのか、また具体的なスケジュールや委託・移管先の選考方法など様々であります。市といたしましては、こうした不安や御意見に対しその都度説明会を行い、また文書により回答するなど対応して、御理解をいただくよう努めております。 民営化の基本的なスケジュールとして、保護者及び地域関係者との協議を経て、保育運営の受皿としての条件等を整備し、これに基づいて公募を行い、市が設置する選考委員会で委託・移管先の選考、決定をしてまいります。 その後、委託・移管先の保育士と市の保育士が合同で保育を進め、保育園での生活の中で、実践的に保育内容を引き継ぐ引継保育を実施するとともに、保育運営の課題などを検討し、より良い保育を実現するために保護者、委託・移管先、市の三者による懇談会を設置する体制を整え、委託、移管を進めてまいります。 民営化の時期につきましては、各保育園と各地域のそれぞれの実情等を考慮し、平成二十年度以降に順次進めていきたいと考えております。中でも三輪地区においては、有志の皆さんが担い手となって三輪保育園の運営に立ち上がりたいとする機運の盛り上がりがあります。こうした地域での理解が高まってきていることを踏まえて、具体的なスケジュールを検討してまいりました。 委託先の選考に当たっては、募集要項に法人等の資格を定めた上で公募とし、保育園を運営する上での委託条件を提示し、選考基準に基づき保育園ごとに市が設置する選考委員会によって決定してまいりたいと考えております。選考委員会の委員につきましては、幼児教育及び法人経理に関する学識経験者や地区の区長及び主任児童委員、当該保育園の保護者会の代表者などを予定しております。 なお、三輪保育園の民営化に当たり安定した保育環境の継続を図るため、市の保育方針や保育内容を引き継ぎ、円滑に民営化ができるよう実践的に引継保育を実施するための経費等として、新年度予算に一千四百八十六万九千円を計上しているところでございます。 今後とも保護者を初め関係する皆さんの御意見をお聴きし、より良い保育ができますよう民営化を進めてまいります。 以上でございます。
○議長(轟正満君) 岩倉環境部長 (環境部長 岩倉隆美君 登壇)
◎環境部長(岩倉隆美君) 私から、広域連合が建設する
ごみ焼却施設についてお答えをいたします。 清掃センターを受け入れていただいている大豆島地区及び松岡区に対し、その稼働状況等について理解を得るためどのような情報を発信し、かかわりを持ってきたのかについてでございますが、長野市のごみ処理は、長野市清掃センターをお願いしている大豆島地区及び松岡区の皆様と、最終処分場をお願いしている篠ノ井小松原地区の皆様の御理解により行っておりますが、この機会にそれぞれの地区の皆様に改めて感謝を申し上げます。 清掃センターにつきましては、従来からダイオキシン類の測定、窒素酸化物、硫黄酸化物等のばい煙測定、施設周辺の悪臭測定などを行っておりますが、プラスチック製容器包装圧縮こん包施設の稼動に伴う周辺への影響を調査するため、松岡区との協定による大気環境モニタリングを実施するなどこの協定を遵守するとともに、松岡区行政委員会、また
大豆島地区区長会とそれぞれ年二回の懇談会を開催し、施設運転状況等の報告と併せて清掃センターの改善点、周辺環境整備等について協議させていただくなど、地域との連携に努めております。 また、清掃センターの煙突からのダイオキシン類の測定結果や施設周辺の大気環境モニタリング調査等の結果について、より内容を充実させた長野市清掃センターだよりとして発行するとともに、施設への不安や施設の稼働状況などについての御意見に常時対応するための窓口の設置や、地域の皆様に施設をより御理解していただくための施設見学会を新たに開始いたしました。今後も引き続きあらゆる機会をとらえて、清掃センターの稼動に御理解をいただきますよう努めてまいります。 次に、
ごみ焼却施設の平成二十四年度稼働を目指しているが、今後どのように進めていくのか、当面のスケジュールはについてでございますが、
大豆島地区区長会及び松岡区に施設建設に向けた協力要請をさせていただきましたが、その後大豆島地区には
広域ごみ焼却施設建設に関る
大豆島地区協議会、また松岡区には
長野広域連合ごみ焼却施設建設候補地に関する松岡区検討委員会とそれぞれ協議・検討組織を設置いただき、検討をいただいているところでございます。 昨年十一月から十二月にかけて実施した建設候補地の測量及び地質調査の結果につきましては、
大豆島地区区長会、松岡区及び地権者の皆様並びにそれぞれの協議組織の皆様に報告をさせていただきました。また、長野広域連合から申入れをさせていただいた環境影響評価の実施につきましては、
大豆島地区区長会及び松岡区において御検討いただくようお願いしたところでございますが、環境影響評価の概要やその設計書とも言うべき方法書に関する説明会の開催など、できるだけ早期に環境影響評価ができますよう努力してまいります。 次に、環境影響評価はどのようなものなのか、地域住民の意見などをどのように環境影響評価に反映させていくのかについてでございますが、環境影響評価は
ごみ焼却施設などの建設を行う際に、あらかじめこの事業が生活環境や自然環境へ及ぼす影響について科学的な調査、予測、評価を行うとともに、その過程や結果を公表し、住民の皆様からの御意見及び大学教授などの学識経験者で構成される県の技術委員会の意見を踏まえた長野県知事の意見などをお聴きするものでございます。 これらの意見を勘案し、施設の建設や稼働によって環境に与える影響を総合的に評価し、これにより地域の現況を科学的に把握することができるとともに、
ごみ焼却施設建設事業等が環境に与える影響をできる限り軽減することができるものでございます。 環境影響評価の実施に当たり、長野広域連合では、積極的な情報の公開、地域の意見の十分な反映、地域の特性に配慮の三点を環境影響評価を行う上での基本的な考え方としております。 長野市といたしましても、長野広域連合と共に
大豆島地区区長会及び松岡区と協議させていただき、地域の皆様の御意見を十分にお聴きする機会を設け、環境影響評価の設計書とも言うべき方法書の中に皆様の御意見を反映し、適切な環境影響評価となるよう努めてまいります。 また、この方法書による現況調査開始後は、地域の皆様を対象として、調査見学会の開催や途中経過等をお知らせするための定期的な報告会の開催など、積極的な情報公開に努めてまいりたいと考えております。 私からは以上でございます。
○議長(轟正満君) 小池産業振興部長 (産業振興部長 小池睦雄君 登壇)
◎産業振興部長(小池睦雄君) 私から、農業振興について及び観光振興についての二点についてお答えをいたします。 まず、農業振興についてのうち、農業公社についてお答えを申し上げます。 農業公社につきましては、昨年の十二月二十五日、長野市農業公社設立検討委員会から頂きました提言を基に、長野市、グリーン長野農協、ながの農協、長野市農業委員会の四者で農政懇談会というものを設置いたしまして、農業公社の発起人会・設立総会がスムーズに開催できますよう、今検討を進めているところであります。 現在までにこの農政懇談会を二回開催いたしまして、公社の設立の合意、組織形態、設立趣意書、定款等の協議をしております。今後二年間の事業計画、予算を協議いたしまして、五月二十四、二十五日に予定されております両農協の総代会におきまして、公社設立等の承認を得た後、五月三十日に発起人会、七月一日に設立総会を開催いたしまして、八月一日を目途に公益社団法人として県の認可を得られるよう準備を進めてまいりたいと考えております。 また、農業生産法人の組織化に向けての課題と取組についての御質問でありますが、市内の農業生産法人は、平成十八年二社増加いたしまして現在十二法人で、個人農家が法人化した農業生産法人が主な形態であります。最近の事例といたしましては、建設業者の農業参入や農作業受託組織が国の品目横断的経営安定対策の要件を満たすため、法人化した認定農業者となった事例がございます。 また、農業公社設立の動きを聞き、農業参入を検討しておりました流通事業者が集団的に農地を借り入れて加工用の野菜を生産したり、中食、これは持ち帰り弁当、あるいは総菜などの製造でありますが、この中食・外食産業が出資して農業参入する計画など、新たな動きが始まっている状況もあります。 これは一企業でまとまった農地をなかなか確保することができなかったわけでありますが、農業公社が農地保有合理化事業で農地を仲介し、集団化しやすくなることや、増加している中・外食向け需要に対応した農産物の生産が求められていることが要因と考えられております。 今後、関係機関と連携を図りながら、農地保有合理化事業、農業生産法人育成事業などの農業公社機能を活用し、法人の組織化と農業参入を支援するとともに、農業公社に併設した遊休農地活用の農業生産法人の設立も検討してまいりたいと考えております。 次に、市民農園、市民菜園の事業の状況についてお答えをいたします。 市民農園は、市が設置している七農園、三百六十三区画、農協が設置した六農園、六十八区画、旧豊野町が構造改革特区により農家が開設をした二農園、四十一区画があります。また、農家が開設者となり、市が区画割と募集を行う市民菜園は百二十四か所、二千五十四区画あり、農園と合わせまして、二千三百世帯以上の市民の皆さんに御利用をいただいております。 市民の農作業体験の場として需要が高まっている中で、特定農地貸付法の改正によりまして、一定の条件はありますが、農家のだれもが市民農園の開設が可能となりましたので、今後農業公社とも連携して農業への理解と遊休農地の有効活用につなげてまいりたいと考えております。 次に、観光振興についてお答えをいたします。 一千二百万人観光交流推進プランの実施初年度であります本年度は、歩くをテーマとし、豊野の第一回つつじ山ウォークを皮切りといたしまして、上信越高原国立公園指定五十周年を記念して開催いたしました戸隠ウォーキング大会や、風林火山の先行企画として風林火山ゆかりの地を巡るツーデーウオークなど、様々なウォーキングイベントを実施いたしました。 観光ポイントを中心にした地場産物など地域PRを目的としたコースの設定によりまして、二十五のイベントでは、県内外合わせまして約三千五百人の参加実績をいただきました。このほか善光寺七福神巡りなどまちなか散策、あるいは自然散策、トレッキング、登山など日常的に楽しむ市民の皆さん、あるいは県内外の皆さんが年々増加をしております。一千二百万人観光交流推進プランの初年度のテーマとして取り上げたウォーキング企画は、今後信州・長野の魅力を味わってもらうための有力な手段として、その第一歩を着実に踏み出すことができた一年であったと評価をしております。 十九年度におきましても、引き続き第二回風林火山ゆかりの地を巡るツーデーウオークを初め多くのイベントが継続されますが、国宝善光寺本堂再建三百年記念事業の善光寺表参道ウォークや戸隠イヤーのメーンイベントであります戸隠大ウォークの開催など、新たなイベントの企画も予定しております。 来年度の観光振興につきましては、一千二百万人観光交流推進プランの実施二年目といたしまして、戸隠地区と大河ドラマ風林火山ゆかりの地として川中島周辺など関連地域の集中的なキャンペーンを実施してまいりたいと考えております。 戸隠地区の具体的なキャンペーンの計画でありますが、もともとある戸隠のブランド力を更に強化するため、戸隠流作法のすすめと銘打ちまして、ぼっち盛を特徴とする戸隠そばやそば打ち体験など戸隠独自の文化や風習と、戸隠神社での神楽や祭りの儀式、しきたりなどの戸隠流の作法の数々を、地元の皆さんと旅行者が一緒に楽しんでもらうような滞在型メニューとして、現在企画、実施しているところであります。 既に、戸隠観光協会を初め戸隠イヤー企画委員会や戸隠ガイド組合によりまして、神楽と祭礼ごぜんのセットプランやガイド付きウォーキング宿泊プラン、またそば打ちを含めた農業体験宿泊プランなど宿泊プランの企画が開発されておりまして、今後各旅館やながの観光コンベンションビューローによる積極的な営業を行っていきたいと考えております。 そのほか、おもてなしごぜん復活や雪中貯蔵酒の限定販売なども予定しており、キャンペーンイヤーでは、今までにない戸隠の魅力を十分に満喫いただけるものと思っております。 次に、大河ドラマ風林火山の放送による川中島の戦いゆかりの地誘客推進事業の具体的計画でありますが、三月二十四日にはいよいよ誘客推進事業の中心でありますドラマのクライマックスとなる第四回川中島の戦いをメーンテーマにした特別企画展「体感!川中島の戦い二〇〇七」を市立博物館、八幡原史跡公園において開催いたします。そのほか松代城において開催される松代城春祭りや各種イベントを初め川中島古戦場まつり、真田十万石まつりなど、関連イベントの開催が予定されており、ゆかりの地に大きなにぎわいが創設されるものと考えております。 また、駐車場確保や各施設の整備、案内ボランティアの体制整備など官民協働による受入体制の整備も進めており、今後何度でも訪れたい地となるため、ハード、ソフト両面で充実を図ってまいりたいと考えております。 さらに、十九年度はこれら誘客事業と善光寺本堂再建三百年の記念事業などを効果的に組み合わせることによりまして、多くの皆さんに訪れていただくようPRを実施し、長野の魅力を広くアピールしてまいりたいと考えております。 私からは以上でございます。
○議長(轟正満君) 和田建設部長 (建設部長 和田 智君 登壇)
◎建設部長(和田智君) 私から、長野東バイパス建設の進ちょく状況と今後の予定についてお答えをいたします。 長野東バイパスは、エムウェーブ前の長野須坂インター線から国道十八号柳原北交差点まで延長二・八キロメートルの路線で、長野南バイパスや北部幹線と共に本市の外環状線として位置付けられており、市街地の慢性的な交通状態の解消と地域間の連携強化等を目的とした長野市の将来を担う重要な社会資本であります。 御指摘の国、県が調査した長野県道路のイライラ・ハラハラ箇所につきましては、特に一般国道十八号東和田付近が移動性や安全性の観点からいらいら度の高い箇所とされています。この東和田区間の交通現況は一日当たり約三万三千八百台で、混雑度は二・四一、渋滞損失時間は長野県平均の六十六倍、県内全区間一万二千八百五十六区間中ワースト六位となっており、生活、交通の両環境に多大な悪影響を及ぼすことから、交通渋滞の解消が本市の喫緊の課題となっております。 このような状況を受け、国、県及び地元と事業化に向けての調整をしてまいりましたところ、関係する皆様の御協力により、平成十八年二月十九日には多くの課題を乗り越え、ようやく設計協議の調印に至りました。 その後の事業の進ちょく状況でありますが、全体延長二・八キロメートルのうち南側の長野須坂インター線から約一・一キロメートルにおいては、昨年の十二月に地権者会が設立され交渉を進めてきた結果、この八日、九日には用地契約の運びになっております。 また、中間部、柳原一号幹線排水路までの延長約〇・九キロメートルにつきましては、地権者会の設立に向け、関係する皆様との打合せを経て、新年度の早期に用地買収に入りたいと考えております。さらに北側部分、柳原一号幹線排水路から国道十八号柳原北交差点までの延長約〇・八キロメートルにつきましては、長野国道事務所で物件の調査等を実施中であり、本年五月の連休後には用地境界立会いを行い、用地買収面積の確定を経て、秋ごろから用地買収に入る予定となっております。 長野市といたしましても、長野東バイパスの整備は、都市の暮らしや安全、活力、環境の改善、広域的な観光はもとより本市の発展に大きく寄与するなど、その役割は限りなく大きなものがあることから、引き続き国及び県と協力し、早期に完成ができるよう努力してまいりたいと考えております。 私からは以上でございます。
○議長(轟正満君) 島田教育次長 (教育次長 島田政行君 登壇)
◎教育次長(島田政行君) 私から、学校施設の耐震化計画についてお答えをいたします。 小・中学校の校舎及び体育館の耐震診断につきましては、文部科学省の指導による耐震化優先度調査によりまして、昨年十二月時点で診断率は百パーセントとなりました。その結果、診断の対象となる昭和五十六年以前に建設した校舎、体育館二百十二棟のうち、耐震性があるとの結果が得られたものは二十一棟であり、そのほか十二棟につきましては、既に耐震化対策を完了しております。残りの百七十九棟につきまして、今後詳細な耐震診断を実施し、必要に応じて改修あるいは改築により耐震性を確保することになります。 これまで教育委員会では、学校施設の耐震化事業を最優先課題と位置付け、耐震化完了目標年度を平成二十九年度として取り組んでおりまして、これに要する経費は概算で総額四百億円、単年度にしますと毎年約四十億円と見込んでおりました。しかし、昨年九月、アスベスト関連法令の改正、施行によりまして、アスベスト含有建材の定義が、これまでの重量比一パーセントから、〇・一パーセントへと改正となったことから、従来の計画に大きな影響が出てまいりました。 特に、昭和五十年代に建設されました鉄骨造りの校舎の耐震化に影響が出ることが判明いたしました。これらの建物は、当時の建築基準法に基づき、はりや柱に耐火被覆材が吹き付けられておりまして、これらの吹き付け材を新しい基準で分析しますと、そのほとんどがアスベスト含有材と考えられます。したがいまして、耐震改修を行うためには、この吹き付け材を除去するとともに、ばく露予防措置のため仮設校舎の設置も必要となります。この対象となる施設は二十四棟ございますが、これらについては事業費が従来計画の五倍に跳ね上がるものと見込まれます。 また、耐震改修工事は、建物の耐用年数を延ばすものではないため、鉄骨造り校舎の耐用年数は四十年であることから、これらの校舎は今から十数年後に耐用年数を迎えることになります。これらの状況から、費用対効果を勘案した結果、鉄骨造の二十四棟につきましては、耐震改修ではなく改築により耐震性を確保するとともに、耐用年数を更新してまいりたいと考えております。 これによりまして、全体事業費は従来の一・五倍、約六百億円となるものと見込んでおりますが、当初計画の平成二十九年度までに完了するためには、毎年度の経費がこれまでもより約二十億円増加することから、当初計画を五年延長し、鉄骨造りの校舎の改築を含め平成三十四年度の完了といたしたいと考えております。 なお、事業費は現時点での概算でございまして、今後詳細な診断を実施することにより確定してまいりますが、今後の財政状況等を考慮し、好転した場合には計画を前倒しするなど、一年でも早く対策がとれるよう努めてまいりたいと考えております。 また、学校施設が災害時の避難場所であることを考慮し、避難施設となる体育館の対策を優先するなど、災害対策面でも配慮してまいりたいと考えておりますので、御理解をお願いいたします。 私からは以上でございます。
○議長(轟正満君) 十七番祢津栄喜君