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決算特別委員長(大森忍君) 第三回
市議会定例会におきまして、
決算特別委員会に審査を付託され、
継続審査の取り扱いとなっておりました平成二十八年度鹿児島市
一般会計歳入歳出決算並びに
特別会計決算関係議案九件について、審査の結果を報告いたします。 以上の議案につきましては、
監査委員の
審査意見書や当局から提出願った資料等も十分参考に供し、各面から審査を行った結果、既に送付いたしました
委員会審査報告書(
会議録末尾掲載)のとおり、いずれも認定すべきものと決定いたしました。 なお、第二八号議案、第三四号議案及び第三五号議案の議案三件については、意見の一致を見るに至らず、採決の結果、いずれも認定すべきものと決定いたしておりますので、申し添えておきます。 以下、審査の過程において出されました主なる質疑、意見について申し上げます。 初めに、第二八号議案
一般会計決算について申し上げます。 まず、第二款総務費におきましては、
行政不服審査制度については、
行政不服審査法の全部改正に伴い、
審査請求に対する裁決の公正性を高めるための諮問機関として
行政不服審査会を二十八年度に設置しているが、その
運営経費の決算額が予算額三十一万二千円に対し四万一千八百五十円にとどまっていることから、その理由について、また、同審査会の委員は市長が委嘱したものか、あわせて公平性の向上という観点から、同審査会の前に新たに審理員による審理手続が導入されているが、審理員には
本市職員が指名されたものか伺ったところ、同審査会については、年間六回程度の開催を見込んでいたが、二十八年度に提出された
審査請求は三件で、そのうち二件は取り下げとなり、残りの一件についても次年度の
審査対象となったため、二十八年度は委員の任命と
会長選出等のため一回しか開催されなかったことから不用額が生じたものである。 また、
審査会委員は市長が委嘱し、審理員については本市では
弁護士資格を持った職員を指名しているということであります。 次に、
移住促進事業については、二十八年度の
取り組み内容について、また、
移住実績はどの程度あったものか伺ったところ、二十八年度の
取り組みとしては、
移住促進の
PR用動画やパンフレットを制作するとともに、東京で開催された
移住相談会に六回参加している。このほか二十八年度からは
東京事務所にも
相談窓口を設置したところである。 また、
移住実績としては、行政がかかわらない形で移住してこられる方々がおられることから、正確な数は把握できないところであるが、本市が把握しているものとしては、
政策推進課に設置した
相談窓口の相談によって移住してきた世帯が二世帯四人、他部局等の
取り組みによるものとして、建設局の
安全安心住宅ストック支援事業によるものが三世帯六人、産業局の
クリエイティブ人材誘致事業によるものが七世帯七人、県が東京に設けた
相談窓口を通じてのものが四世帯四人で、合計十六世帯二十一人であったということであります。 次に、企画部が中心となって各部局の
取り組みにより移住の実績が上がっていることは評価するが、農業をするために移住された方が農地の確保ができなかったために就農につながらなかった事例があったと仄聞していることから、庁内連携のあり方についてはどのように考えているものか伺ったところ、
移住促進については、雇用の面などでは各事業課と連携しながら取り組んでいるところであるが、農地にかかわる面については連携が十分でない面があったかと考えている。したがって、今後、庁内に何らかの形で
移住促進に係る
ネットワークを整備していく必要があると考えているということであります。 次に、移住を促進するためには、移住に関する相談の後、あるいは移住した後の
フォローというものが非常に肝要であると思料することから、このことに対する見解について伺ったところ、おただしの点については、移住を促進する上での課題であろうと認識しているところであるが、
移住相談後の
フォローについては、
相談件数の増加に伴い、行き届かない状況にあり、これについては
相談体制の充実を図る方向で検討していきたいと考えている。 また、移住されてきた方への
フォローについてもできていない状況であるが、二十九年度は市民局と連携して移住者を対象にした市長とふれあいトークを開催予定であり、その中で移住者のいろいろな意見を伺いたいと考えているということであります。 次に、
児童通学保護員設置事業については、二十八年度は同保護員の報酬に多くの執行残が出ていることから、どのような理由によるものか伺ったところ、同保護員の報酬については、二百九人分の予算を計上したものの、実際の必要人員である二百八人のうち、自己都合や
体調不良等によりやめられた方などが十二校区で十三人おられたことにより、二十八年度は百九十五人の配置となったことから、二百六十一万四千七百六十九円の執行残が生じたものであるということであります。 次に、同保護員を必要数確保できなかったことについてはどのような理由によるものか、また、同保護員は基本的には学校で探すものと認識しているが、相談等があれば、当局も協力する体制になっているのではないか伺ったところ、同保護員については、天候の悪い日も含め、登校時に毎日、
保護誘導や通行指導を行う必要があることから、「毎日は難しい」といった声や「地域の中で適任者を見つけるのが難しい」という相談を受けていたところである。このような状況を踏まえ、本市においては二十六年度から県警OBや地域の中から希望者を登録する
人材バンク制度を開始しており、この
取り組みにより、これまでの実績として、累計で約四十人の方に登録いただき、この中から九人の方に同保護員として活動いただいているところであるということであります。 次に、
本市児童通学保護員運営要綱では、同保護員の従事時間について「一時間を基本とする」と定められているが、同保護員の確保の観点から、従事時間を
通学児童の多い時間帯に応じて「三十分から一時間」とするなど、同要綱の見直しを検討すべきではないか伺ったところ、同保護員の従事時間については、おただしのように要綱に基づき、児童の安全を優先して「一時間を基本とする」としているが、児童の登校時間帯については集中的に登校している学校や登校時間帯が長い学校などさまざまであることから、それぞれの実情に応じて同保護員と学校が協議しながら柔軟に対応していただきたいと考えている。また、同要綱の見直しについては、各学校に対し改めて調査等を行った上で検討したいと考えているということであります。 次に、
コミュニティビジョン推進事業については、これまで当局は
地域コミュニティ協議会の設立支援や活動に対して、
地域連携コーディネーターの配置を初め、さまざまな
取り組みを行う中で一定の成果を上げており、あわせて町内会への
加入促進策にも積極的に取り組んでいると理解しているが、その一方で、同協議会に参加しない町内会があると仄聞していることから、当局としてはその実態を把握し、同協議会に参加するよう指導等は行ったものか伺ったところ、おただしのように一部の町内会が同協議会に参加していないという実態があることについては把握しているところである。 同協議会については、
地域主体の
まちづくりのために幅広い団体が連携、協力しながら町内会だけでは解決できない地域課題の解決や
地域資源の活用を図る
取り組みを行っているところであるが、その核となるのはやはり町内会であり、全ての町内会が参加して同協議会を牽引するような形が理想とする地域の活性化につながっていくものと考えていることから、本市としても改めて実態を把握し、未加入の町内会に対し加入していただくよう努めるとともに、今後とも同協議会のさらなる活性化に向けて取り組んでいきたいと考えているということであります。 次に、
住民基本台帳ネットワークシステム運用経費については、
住基カードの交付が既に終了しているにもかかわらず、いまだに執行されていることから、同経費の内容等について伺ったところ、同経費については、二十七年度までは
住基カードを作成する費用が含まれていたが、二十八年度は住民票の写し等を出力するための消耗品代や
住民票コードをお知らせするための郵送料となっている。これらの費用については、通常業務の中で対応できることから、見直す時期に来ているものと考えているということであります。 次に、
コンビニ交付による
証明発行事業については、二十八年度は
交付件数が前年度と比較して大きく増加しているが、当局としては、今後、
コンビニ交付が進むと考えているものか伺ったところ、
コンビニ交付については、土日を含め六時三十分から二十三時まで証明書の交付を受けることができるなど、市民にとっては利便性の向上が図られており、二十八年度の
交付件数は二十七年度と比較して四十六ポイント増の一万五千九十六件であり、また、二十九年度も利用件数が伸びていることから、今後ともしばらくはふえていくものと考えているということであります。 次に、利便性の向上が図られているとは言うものの、利便性が上がり情報量がふえるほど成り済ましや
個人情報の流出が懸念されるが、二十八年度にそのような
トラブルはなかったものか、あわせて
セキュリティー対策について伺ったところ、二十八年度において
トラブルについては把握していないところである。 また、
コンビニ交付については、全国的に
地方公共団体情報システム機構が情報の管理を行っていることから、
セキュリティーについては責任ある
管理体制となっていると考えている。本市としては、
コンビニ交付を行う上で必要となる
個人番号カードについて、交付する際に確実に本人確認を行うなど、間違いのない
交付事務に努めたいということであります。 次に、
個人番号カード交付事業については、二億三千四百万三千円の予算額に対し、決算額が一億三千百八十八万九千四百九十一円にとどまっていることから、その理由について伺ったところ、予算額と決算額の差が一億二百十一万三千五百九円あるが、このうち二十九年度への
繰り越し分が四千六百十万五千円で、不用額は五千六百万八千五百九円となっている。不用額の主なものは、
通知カードや
個人番号カードの事務に係る
地方公共団体情報システム機構への交付金の執行残四千八百九十四万四千二百円であるが、これは
個人番号カードの
交付枚数を二十八年度は十三万二千枚と見込んでいたのに対し実績が三万八千七百六十五枚と下回ったことにより、同機構への交付金が減少したことによるものであるということであります。 次に、
個人番号カードの
交付枚数が想定を下回ったことについては、マイナンバー制度に対する不安が払拭されていない面があったことや安全性の周知等が十分に図られていない面があったと理解しているが、どのように分析しているものか伺ったところ、
個人番号カードについては、二十八年一月から交付が始まったところであるが、同年八月ごろまではシステムの
トラブル等があり同カードの申請ができない時期があったことやマイナンバー制度についての市民への周知が不足していた面もあったことから、同カードの交付が想定どおり進まなかったものと考えているということであります。 次に、第三款民生費におきましては、出会い・ふれあい企業対抗運動会開催事業、学生による挙式プロデュース事業及び婚活サポート事業については、地方創生総合戦略に掲げられた「結婚の希望の実現」を図るため、本市が結婚支援に大きく舵を切った
取り組みであると認識しているが、二十八年度の各事業の
取り組み内容及びその成果はどのようなものであったか伺ったところ、まず、出会い・ふれあい企業対抗運動会開催事業については、運動会に二十四チームの五百六十四人が、また、運動会後の交流会には三百六十五人の参加があったことにより、一企業の枠を超えた出会いの場の提供とともに、家族での参加を促すことで子育て世代の交流も図ることができたと考えている。実施後のアンケートでは、「満足」または「おおむね満足」と回答された方が運動会で九四%、交流会で八三%となっており、「また参加したい」という意見が多かったところである。今後においては、企業の規模にかかわりなく気軽に参加できるよう、さらなる広報等に取り組んでいきたいと考えている。 次に、学生による挙式プロデュース事業については、高校だけでなく専門学校や大学等からも応募があったところであるが、応募理由や参加への熱意等も勘案し、二十八年度は三つの高校を選定したところであり、式を挙げるカップルと高校生が平均して九回から十回の打ち合わせを重ねる中で挙式の内容を決めたところである。また、高校生に対しては、実施前と実施後にアンケートをとっているが、「将来、結婚、子育てをしたいと思う」が八九%から九二%に、「結婚を身近なこととしてイメージしている」が二六%から四六%に、「二十歳代前半で結婚したい」が四四%から五八%と上昇しており、意識の変化が見られたところである。 さらに、選定された高校においては、挙式後に校内発表会で事例を発表しており、参加した高校生だけでなく、広く結婚に対する意識の醸成が図られたものと考えている。今後とも改善を積み重ねながら、さらに事業効果が上がるよう取り組んでいきたいと考えている。 また、婚活サポート事業については、結婚相談所の所管を二十八年四月に
教育委員会からこども未来部に移管するとともに、同年八月には、より利便性の高い中央駅前のキャンセビルに移転したほか、開所時間についても九時から十八時を十一時から二十時に変更し、市民からは利用しやすくなったという声をいただいているところである。その結果、同相談所の二十八年度の利用者は二十七年度の約一・六倍に当たる三万一千七百八十八人となったほか、登録者数及び見合い者数も増加したところである。 婚約成立者数については、二十八年度は二十四人で、二十七年度の三十人と比較して減少したものの、二十九年度は十月末時点で二十四人となっており、
取り組みの成果があらわれつつあると考えていることから、引き続き、利用しやすい環境づくりに努めるとともに、県が本年五月に開設したかごしま出会いサポートセンターとも連携しながら
取り組みを進めていきたいと考えている。 これら「結婚の希望の実現」を図るための事業については、地方創生の観点から、本市の人口減少を食いとめる極めて重要な
取り組みであると考えていることから、今後とも積極的に取り組んでいきたいと考えているということであります。 次に、高齢者福祉センター等管理運営・施設整備事業については、二十八年度は浴室使用料が新たに設定されているが、そのことに伴い、同センター全体の利用者数と浴室利用者数はどのようになったものか、また、浴室使用料収入はどの程度あったものか伺ったところ、同センター全体の利用者数については、二十七年度と比較して十三万二千二百五十四人減の四十六万六千七百八十五人となっている。そのうち浴室利用者数については、他都市の状況等も参考に約一割程度減少するものと見込んでいたが、実際は約三割減となる十一万八千二百八十六人減の二十万九千七百三十七人となったところである。 また、二十八年度の浴室使用料収入は一千八百七十八万九千百円であり、これについては同センターの維持管理費に充当したところであるということであります。 次に、同センターの設置目的並びに浴室の効果についてはどのように認識しているものか伺ったところ、同センターは、高齢者の各種相談に応じるとともに健康の増進や教養の向上など、高齢者の生きがいづくり等を図ることを目的としている。 また、浴室については、温泉効果による心身のリフレッシュにつながるものであり、ひいては介護予防にも寄与すると考えているということであります。 次に、浴室使用料の設定により利用者数が大きく減少したことについては、高齢者の健康の増進や生きがいづくり等を図るといった同センターの設置目的には合致していないと思料するが、当局としてはどのように認識しているものか伺ったところ、同センターについては、今後も維持管理に多額の費用が見込まれることから、民間にも同種の施設がある浴室部分については、受益者負担の観点から新たに使用料を設定することとし、料金は市民の理解が得られやすいよう低額に抑え、一律百円としたところである。 浴室利用者数については、当初の見込みより減少したところではあるが、一定の財源確保が図られていることから、今回の使用料設定の所期の目的は達成されたものと考えているということであります。 次に、浴室使用料については、今後の利用者数の推移によっては見直す考えはないものか伺ったところ、同センターについては、高齢化が急速に進展する中、条例に定められた設置目的をいかに果たすことができるかを常に念頭に置きながら管理運営に当たらなければならないと考えており、見直し等が必要な場合は検討しなければならないという認識は持っているということであります。 次に、浴室使用料の設定により、同センターの利用者数が大幅に減少したという事実については、当局としても真摯に受けとめ、今後、利用者数の回復を図るべく、さまざまな対策を講じていくべきであると思料するが、今後どのように対応していくものか当局の見解を伺ったところ、同センターの利用者数が大きく減少したことについては、本市としてもさまざまな機会を通じて同センターの周知広報を行っていかなければならないと認識している。また、あわせて同センターには娯楽室や集会室などさまざまな機能を持った施設があることから、これらの施設を高齢者に快適に利用していただけるよう、
指定管理者とも協議する中で、より一層のサービス向上に向け今後さらに
取り組みを進めていきたいと考えているということであります。 次に、浴室使用料に関しましては、衛生費におけるマリンピア喜入、さくらじま白浜温泉センター及びスパランド裸・楽・良、商工費における桜島マグマ温泉、教育費における松元平野岡体育館についても、浴室等使用料の設定及び改定等に伴う利用者数の状況について質疑を交わしておりますので、ここで申し上げます。 マリンピア喜入の八幡温泉保養館は二十七年度が十五万五千二百六十一人であったのに対し、二十八年度は十二万九千四百九十四人で、二万五千七百六十七人の減、さくらじま白浜温泉センターの一般浴場は六万七百三十八人に対し五万一千三百三十二人で、九千四百六人の減、スパランド裸・楽・良の浴室は十三万三千六百四十一人に対し十一万三千七百二十九人で、一万九千九百十二人の減、桜島マグマ温泉は十万六千九百六十五人に対し十万二百六十九人で、六千六百九十六人の減、松元平野岡体育館の温泉施設は十一万四千九百九十五人に対し九万百二十四人で、二万四千八百七十一人の減となっているということであります。 次に、第四款衛生費におきましては、環境管理事業所認定事業については、二十八年度の登録実績等について伺ったところ、環境管理事業所については、新規登録が二十四件あったものの、倒産した四件を含め更新しなかった事業所が十六件あったことから、合計では八件増の四百八十五事業所となっている。 なお、更新しなかった事業所に対し、その理由について聞き取り調査を行ったところ、環境管理の
取り組みが社員全員に浸透しなかったという意見やメリットが余り感じられなかった等の意見が多かったということであります。 次に、環境管理事業所が環境に配慮した事業活動に取り組むことで本市の環境負荷の低減に大きく寄与していることを周知・啓発することが大切ではないかと思料するが、二十八年度はどのような
取り組みを行ったものか伺ったところ、二十八年度は、同事業所の一年間の
取り組み結果として、電気、紙、水及び燃料使用量の削減量についてグラフ化するなど見える化を行い、「環境管理事業所レポート」として全ての同事業所に送付するとともに、市のホームページでも紹介したところである。 なお、二十八年度に取りまとめた実績としては、紙、水及び燃料の使用量がそれぞれ約二%から八%削減されるとともに、電気使用量については約一〇%削減されたことでCO2が約一千六百トン削減されており、金額に換算すると約三千六百万円の効果があったことになるということであります。 次に、同事業所については、引き続き、意識啓発のための
取り組みの見える化を図っていくということと、メリットが感じられないという意見に対する
取り組みという二つの課題があると思料するが、これらについて今後どのように対応していくものか伺ったところ、見える化については、二十八年度から始めた「環境管理事業所レポート」に引き続き取り組む中で、内容をできるだけ充実したものにしていきたいと考えている。また、メリットが感じられないという意見に対する
取り組みとしては、今年度、環境管理事業所等を対象に設備に対しどういった助成があれば環境管理事業所として
取り組みたいと考えるのかアンケート調査を行っており、その結果をもとに助成対象設備の拡充について検討していきたいということであります。 次に、南部清掃工場ごみ焼却施設・バイオガス施設整備事業については、二十八年度は業務を請け負う事業者に求めるサービスの水準を示す要求水準書の案が公表され、同案に対しては多くの意見が寄せられたと仄聞しているが、どのような意見があったものか、その内容について伺ったところ、同案に対しては、施設の性能や運営業務に関することなど、さまざまな意見等が寄せられたところであるが、主な内容としては、言葉の解釈や明記していない部分を確認するための質問などであり、技術的な問題や設備に不安があるといった意見はなかったということであります。 次に、ごみ焼却施設とバイオガス施設が一体的に整備され、売ガスを行っている施設は中核市では事例がないとのことであるが、他都市の先行事例の調査は行ったものか伺ったところ、二十八年度は、兵庫県朝来市の南但クリーンセンター及び山口県防府市の防府市クリーンセンターの運転状況等について現地へ赴き調査を行ったところであるが、爆発事故が発生するなど当初問題のあった南但クリーンセンターにおいても設備改良を行っており、現在は順調に運転していると伺ったところであるということであります。 次に、第五款農林水産業費におきましては、農業委員会については二十八年度は農業委員の公選制が廃止され、市長の任命制となる一方で、定数が四十一人から十九人に改められるとともに、新たに定数十八人の農地利用最適化推進委員が新設されていることから、農業委員と同推進委員の役割並びにそれぞれの報酬について伺ったところ、農業委員会は大きく分けて二つの機能、すなわち農地法に基づく許可等を行う意思決定と現場活動を行っているが、その中で農業委員については意思決定と現場活動の両方の活動を行い、同推進委員については主に現場活動の一つである担当区域の農地利用の最適化の推進を行っているところである。 また、報酬については、農業委員が月額六万四千円、同推進委員は月額三万二千円の固定給と実績給に分かれている。なお、二十八年度の実績給は十三人分の合計で二十七万三千円となっているということであります。 次に、同推進委員の報酬のうち二十八年度の実績給が十三人分の二十七万三千円にとどまっていることについては、どのような理由によるものか伺ったところ、同推進委員の実績給については、農地中間管理機構の利用権設定のあっせんや手続などを行った場合、一件につき二千円から五千円の報酬を実績件数に応じて支払うこととしていたが、二十八年度は新制度の開始年度であり、また、同推進委員の中には現場活動が初めての方もおられたことなどから、直ちに実績に結びつかず、このような状況になったものと考えている。 なお、実績報酬とは別に農地パトロールや現地調査を行った場合は、費用弁償として一日当たり二千円を支給したところであるということであります。 次に、同推進委員は主に現場活動を行うとのことであるが、農業委員会の意思決定に同推進委員の声は反映されているものか伺ったところ、農業委員会の最終的な意思決定を行う総会には同推進委員は出席していないところであるが、総会に提出予定の議案については、総会前に行う地区推進協議会において同推進委員の意見をいただいていることから、同推進委員の意見についても農業委員会の意思決定に反映されているものと理解しているということであります。 次に、新制度は農業委員会の体制強化を図ることが目的であったと理解しているが、同推進委員の定数を法律上の上限である二十九人ではなく十八人としたことについては、どのような理由によるものか、また、今後の定数に関する考え方について伺ったところ、同推進委員の定数は、法的な上限としては百ヘクタールに一人となっており、本市の場合、農家台帳に登載してある農地面積が約二千九百ヘクタールであることから二十九人が上限となるが、本市農業委員十九人は農業者である十八人と中立委員一人から成っており、農業委員と同推進委員が緊密に連携を図る観点から、農業者である農業委員と同数の十八人としたところである。 また、二十八年度が新制度の初年度であったことから、現時点においては定数の見直しは考えていないところであるが、今後、状況の変化等があれば検討しなければならないと考えているということであります。 次に、第六款商工費におきましては、第三期観光未来戦略策定事業については、二十八年度が第二期戦略の最終年度であったことから、二十八年の観光客数の実績並びに第二期を終えての課題について伺ったところ、二十八年の実績については、入り込み観光客数が一千五十万人の目標に対し九百五十五万四千人で目標を下回ったものの、過去最高であった二十三年の九百五十五万五千人に次ぐものであった。また、宿泊観光客数は三百五十万人の目標に対し実績が三百五十三万五千人、外国人宿泊観光客数も十六万人の目標に対し実績が二十六万七千人で、いずれも目標を上回るとともに過去最高を記録したところである。 また、第二期を終えての課題としては、人口減少に伴う国内市場の縮小や急増する外国人観光客への対応、さらには、鹿児島だけではなく九州といった広域的な視点による
取り組みの推進であると考えているということであります。 次に、第三期戦略の策定に当たってはどのような基本的考え方のもと策定に取り組まれたものか、第二期戦略の課題に対する対応や数値目標の設定も含め伺ったところ、これまで世界文化遺産登録や鹿児島マラソン等の新たなイベントの開催などを進めてきたことにより観光客数は増加してきているところであり、今後においてもNHK大河ドラマ「西郷どん」の放映や国体、東京オリンピック等により、さらに観光客がふえていくものと期待しているところである。 第三期戦略については、計画期間を二十九年度から三十三年度までの五年間とし、ただいま述べたような状況を踏まえ、「鹿児島の経済成長のエンジンとなる稼ぐ観光の実現」を基本目標に、「新しい魅力づくり」、「攻めの情報発信・誘客」、「受入体制の充実」という三つの基本戦略を掲げたところである。 また、数値目標については、入り込み観光客数一千五十万人、宿泊観光客数三百八十万人、外国人宿泊観光客数三十万人としたほか、新たな目標として、一人当たりの観光消費額二万三千円と、再訪の意向五〇%を掲げたところである。 なお、第二期戦略における課題に対しては、「稼ぐ力」、「インバウンド対応」、「広域連携」の三つの強化プロジェクトにより対応を図っていきたいと考えているということであります。 次に、第七款土木費におきましては、グリーンファサードアベニュー調査事業については、二十八年度の
取り組み内容について伺ったところ、同事業は、鹿児島中央駅から朝日通り交差点間の電車通りにおいて、市電軌道敷の芝生と街路樹が整備されていることにあわせて、電車通りに面する建築物の壁面緑化に向けた可能性調査等を行うものであるが、二十八年度の
取り組みとしては、二十七年度に試験的に施工したキャンセビルの壁面緑化の維持管理業務や電車通り沿いの建築物所有者の意向把握のためのアンケート調査を実施したところであるということであります。 次に、アンケート調査の結果はどのようなものであったのか、また、その結果を踏まえた今後の対応について伺ったところ、アンケート調査については回答が五十九件あり、その結果については、壁面緑化に対する印象はよかったのものの、実施することについては、費用負担や建物の構造等の理由から、所有者のおよそ六割が「緑化をしたくない」という回答であった。このような結果を受け、本市としてはグリーンファサードアベニュー事業の事業化については当面見送ることとしたところであり、今後、市民の機運が醸成された際に改めて検討したいと考えている。 なお、鹿児島中央駅から朝日通り交差点までの緑化事業については、これまでの
取り組みを継続して行うとともに、花と緑で彩る
まちづくりが推進されるよう新たな事業についても検討を進めていきたいということであります。 次に、第九款教育費におきましては、学校職員ストレスチェック事業については、二十七年十二月に労働安全衛生法が一部改正され、ストレスチェックを実施することが事業所に義務づけられたことから、本市においても二十八年度から実施したものであるが、市長事務部局等では、対象者三千五百五十九人中、三千五百二十人が受検し、高ストレス者と判定された者が二百五十人で、そのうち八十八人が医師の面接を受けたのに対し、学校職員の受検状況はどのようになったものか伺ったところ、学校職員のストレスチェックについては、対象者三千六百二十四人中、受検者は二千四百三十八人で、受検率は約六七%となっており、高ストレス者と判定された者が二百十二人で、そのうち医師の面接を受けた者は十人であったということであります。 次に、学校職員のストレスについては、現在の教育現場が抱える大きな課題であると認識しているが、その受検実績が市長事務部局等と比較して大変低い結果となっていることについてはどのように認識しているものか伺ったところ、受検率が低かったことについては周知が徹底されていなかったことが原因と考えており、多くの学校職員が受検できるように取り組むことが課題であったと認識している。 また、高ストレス者と判定されながら医師の面接を受けた者が少なかったことについては、
個人情報保護の観点から、判定結果は本人にのみ通知されることとなっており、高ストレス者と判定された職員自身が医師の面接を申し出る形になっているが、各学校において申し出のしやすい雰囲気づくりを職員全員に呼びかけるなどの
取り組みを行っていなかったことから、このような結果になったものと考えているということであります。 次に、二十八年度の結果を踏まえると、今後、周知方法の検討や受検につながるような体制づくりを行う必要があるのではないかと思料するが、このことに対する
教育委員会の見解について伺ったところ、二十九年度は、二十八年度の結果を反省し、全校体制での実施の呼びかけや調査期間を延ばすなどの
取り組みを行ったことで受検率が約八二%まで伸びているところである。今後においても、さまざまな対応方法を検討しながら学校職員全員の受検を目指していきたいということであります。 次に、新鴨池公園水泳プール整備・運営事業については、二十八年度の委託料のうち修繕費についてはどのようになっているものか伺ったところ、同プールについては、PFI事業で十五年間の契約となっていることから、修繕費については、施設の耐用年数等を考慮した計画となっており、二十八年度は約一千五百万円の修繕費を見込んだところであるが、実際の支出は約六百万円で、残りの約九百万円については翌年度に繰り越す形となっているということであります。 次に、契約の最終年度において修繕費が残った場合、その分はPFI事業者の収益となるものか伺ったところ、修繕費の
繰り越し分については、その執行年度を先送りしたものと認識しており、基本的には契約期間の十五年間で計画どおり執行されることになるものと考えているが、最終年度において残額が生じた場合は、PFI事業者の収益となるということであります。 次に、残額がPFI事業者の収益になるということであれば、収益を得るために事業者が必要な修繕を怠る懸念はないものか伺ったところ、同プールについては国際公認プールであることから、十五年間の契約期間終了時にその基準を満たす形で引き継ぐことになる。そのための担保として、PFI事業に対するアドバイザリー契約を結んでいるみずほ総合研究所に施設の状況について確認していただいていることから、おただしの点については問題ないものと考えているということであります。 次に、歳入について申し上げます。 初めに、地方交付税については、前年度と比較して十九億九千四百五万円減少しており、五年連続の減少となっているが、これは、二十八年度から新たに導入されたいわゆるトップランナー方式による影響があったものか、また、その影響額について伺ったところ、地方交付税の減少については、トップランナー方式による影響もあったと考えている。 なお、その影響額については、国や県から交付金を算定していく上で必要な経費水準のモデルが示されないことから、その額を示すことはできないところであるということであります。 次に、トップランナー方式については影響額が示されず、不透明な算定方式ではないかと思料することから、国や県に対して同方式の見直しを求めるべきではないか伺ったところ、地方交付税は地方固有の財源であり、財源調整機能や財源保障機能を備えている税であることから、必要な経費はしっかりと認めていただきたいということ、また、積算を簡易なものにするという方向性のもとで国は同方式を進めているが、予算等で計上する際の予見性を高めるためにも、同方式に係る普通交付税算定の内訳を示していただくことについて、全国市長会や九州市長会等を通じて国に対し要望しているところであるということであります。 以上のような質疑経過を踏まえ、委員会におきましては、本件についての意見集約に臨み、意見の開陳を願ったところ、委員から、「本議案については、こども医療費の中学校卒業までの拡充や保育園・幼稚園保育料の多子世帯への負担軽減、未婚のひとり親家庭に対するみなし寡婦(夫)控除の適用実施並びにマリンポートかごしま、いわゆる人工島建設事業の負担金が計上されなかったことなど評価できる部分もあるが、決算を通じて市民の負担増やサービス低下につながっている事業が含まれ、認められないことから、以下、その理由を申し上げる。初めに、これまでも問題点を指摘してきた事業、すなわち社会保障・税番号制度にかかわるシステム構築事業や
住民基本台帳ネットワークシステム運用経費、
コンビニ交付による
証明発行事業及び
個人番号カード交付事業、緊急事態に市民と行政を総動員する国民保護法制関連事業、地対財特法失効後も続けられている同和対策助成事業、PFIの検証や技術の確立がなされていない中、DBO方式で進められている南部清掃工場ごみ焼却施設・バイオガス施設整備事業、委託によって本来の学校給食のあり方が問われる学校給食業務委託事業、事業終了までバリュー・フォー・マネーを検証できない新鴨池公園水泳プール整備・運営事業、これらの事業が依然として続けられていること。次に、平成二十八年度決算の特徴的な要素という点から申し上げると、まず第一に、議員、市長、副市長、常勤の
監査委員などの特別職の活動に市民から厳しい目が向けられている中で、当該職の方々の期末手当が人事院勧告そのままに特別職報酬等審議会を開かず引き上げられたこと。第二に、
行政不服審査制度については、同制度は
行政不服審査法の全部改正によって異議申し立てを廃止し、
審査請求に一元化した新しい制度であるが、市民の権利救済の拡充や公平・公正な審査につながっているとは言いがたいこと。第三に、高齢者福祉センター等やさくらじま白浜温泉センター、マリンピア喜入及びスパランド裸・楽・良並びに桜島マグマ温泉、松元平野岡体育館については、浴室使用料の新設や引き上げによって市民の負担増となっただけでなく、特に高齢者福祉センターにおいては、利用者が当局の想定を超える約三割の減少となっており、市民の理解を得たとは到底言いがたく、高齢者の健康増進といったセンター本来の目的を損なっていると考える。また、施設の維持管理のため約五十九億円も基金を積み立てており、浴室使用料の新設、引き上げの理由にはならず、一刻も早く無料に戻すことが求められていること。第四に、農業委員会については、公選制を廃止して任命制にする新制度のもとでそのあり方が大きく転換され、農業委員の定数は四十一人から十九人に半減するとともに、振興部会と農地部会が一元化されている。また、これまで担ってきた農地パトロールや流動化対策は農地利用最適化推進委員十八人が中心になるが、その報酬は半減しており、実績報酬は全体で年間約二十七万円、定数も国の基準を下回っていることから、これら業務の分離や定数削減ではなく、今こそ体制の強化が求められていること。第五に、地方交付税については年々減少しているが、二十八年度は国が示すトップランナー方式の影響による減少が含まれている。国や県がその積算根拠を示さないことから影響額はわからないとのことであるが、決して少なくない影響を受けていると考える。このように地方固有の財源を業務委託の進捗によって増減させる同方式については、国に対して地方から廃止を求めるべきであること。以上のような点を勘案した場合、本件については認定しがたい」という意見、次に、「二十八年度決算については、各事務事業の執行状況について、実績、効果などの面から集中的に質疑を行ってきたところである。その中で多くの事業が一定の効果を上げている一方で、課題が見られる事業も散見されたところであるが、課題に対する委員からの指摘や要望等については、当局としても真摯に受けとめ対応されることを期待し、総体的には歳入歳出ともにおおむね適正に執行されていることから、本件については認定したい」という意見が出され、意見の一致を見るに至らず、採決の結果、本件については認定すべきものと決定いたしました。 次に、第三四号議案 介護保険特別会計決算におきましては、質疑経過を踏まえ、意見の開陳を願ったところ、委員から、「一点目に、二十七年八月から引き上げられた利用者負担二割の対象者数は、二十八年度は二千二百三十四人との試算があり、ケアマネジャーなどからサービス控えをされている方もいるとの声があることから、利用者の負担増とサービス低下につながっていること。二点目に、介護保険施設における食費や部屋代を軽減する補足給付の見直しにより負担増となった方は一千七百四十二人とのことであり、ユニット型個室利用の場合で月額二万二千五百円もの負担増の実態があること。三点目に、特別養護老人ホームの入所基準が原則、要介護三以上に変更されたことで、二十八年度に一人の方が退所を余儀なくされているが、入所基準の変更では在宅待機者の真の解消にはつながらないこと。四点目に、二十九年度から実施される本市介護予防・日常生活支援総合事業は、要支援一または二と認定された高齢者への訪問や通所などの保険給付について、人員、サービス内容、利用料などの全てを市町村任せのサービスに置きかえるものであり、市町村の財政状況によっては、サービスの質が現行の水準で担保されないなどの問題がある事業であるにもかかわらず、二十八年度中に事業者の指定など準備が行われていること。以上のような点を勘案した場合、本件については認定しがたい」という意見等が出され、意見の一致を見るに至らず、採決の結果、本件については認定すべきものと決定いたしました。 次に、第三五号議案 後期高齢者医療特別会計決算におきましては、質疑経過を踏まえ、意見の開陳を願ったところ、委員から、「後期高齢者医療制度については、七十五歳以上の高齢者を別建ての保険制度に入れて、際限ない負担増を課す制度であり、一刻も早く廃止すべきという立場であることから認められないので、その理由を申し上げる。一点目に、二十八年度は保険料の改定によって所得割が九・三二%から九・九七%に引き上げられ、影響額は約一億九千百二十万円となっており、高齢者の負担増につながっていること。二点目に、保険料の滞納は二十七年度に比べ減少しているが、資格証明書の発行こそ行っていないものの、預金等の差し押さえ等の実績があるなど、高齢者に厳しい制度であることが改めて確認されたこと。以上のような点を勘案した場合、本件については認定しがたい」という意見等が出され、意見の一致を見るに至らず、採決の結果、本件については認定すべきものと決定いたしました。 以上をもちまして、
決算特別委員会における議案
審査報告を終わります。
△
産業観光企業委員長報告
○議長(
上門秀彦君) 次は、
産業観光企業委員長の
審査報告を求めます。 [
産業観光企業委員長 瀬戸山つよし君 登壇]
◆
産業観光企業委員長(瀬戸山つよし君) 第三回
市議会定例会におきまして、産業観光企業委員会に審査を付託され、
継続審査の取り扱いとなっておりました公営企業特別会計決算議案六件について、審査の結果を報告いたします。 以上の議案につきましては、
監査委員の
審査意見書や当局から提出願った資料等も十分参考に供し、各面から審査を行った結果、既に送付いたしました
委員会審査報告書(
会議録末尾掲載)のとおり、第三七号議案及び第四二号議案については認定、第三八号議案ないし第四一号議案の議案四件については、原案可決及び認定すべきものと決定いたしました。 なお、第三七号議案ないし第三九号議案及び第四二号議案の議案四件については、意見の一致を見るに至らず、採決の結果、第三七号議案及び第四二号議案については認定、第三八号議案及び第三九号議案については原案可決及び認定すべきものと決定いたしておりますので、申し添えておきます。 以下、審査の過程において出されました主なる質疑、意見について申し上げます。 初めに、第三七号議案
病院事業特別会計決算について申し上げます。 まず、二十八年度決算は前年度の純損失から一転して純利益となっていることから、その概要について伺ったところ、二十八年度は、内視鏡下手術支援ロボット「ダヴィンチ」等の最新の高度医療機器を導入するなど、さらなる医療機能の強化、診療体制の充実に努めるとともに、初診時選定療養費制度を導入し、地域医療機関との連携を推進したほか、旧病院の解体工事の完了に伴い、跡地の売却を行ったところである。 これらの結果、費用については、職員の増員等や患者数の増加に伴い給与費や材料費が増加したものの、収益については、入院及び外来ともに増収となったほか、旧病院跡地の売却に伴う特別利益もあったことから、十九億七千四百二十一万九千円の純利益となったところであるということであります。 次に、二十八年七月から導入された初診時選定療養費については、二十八年度の徴収件数及び金額はどのようになったものか、また、同選定療養費一件当たりの徴収額の中核市における順位について伺ったところ、同選定療養費を徴収した件数は一千八百三十六件で、金額は約五百九十四万九千円であった。また、同選定療養費の徴収額三千二百四十円は、中核市の市立病院で徴収を行っている二十七病院中、上から十一番目となっているということであります。 次に、同選定療養費の導入に伴い、地域の医療機関から紹介されて当院に来院した患者の割合を示す紹介率と当院から地域の医療機関を紹介した患者の割合を示す逆紹介率はどのようになったものか、また、二十八年度の状況を踏まえた同選定療養費の課題及び今後の対応について伺ったところ、二十八年度の紹介率は六七・三%、逆紹介率は七五・九%で、導入前と比較すると、ともに大きく伸びており、紹介状を持たない患者や初診の患者が減少したところである。一方、再診の患者は増加したところであるが、これは、同選定療養費の導入により症状の重い患者がふえたことが再診回数の増につながっているのではないかと考えている。 このようなことから、同選定療養費の導入が市立病院と地域の医療機関との医療連携や機能分化に一定の役割を果たしたのではないかと考えているところである。 今後については、地域の医療機関に引き続き当院を紹介していただくための努力を続けていかなければならないと考えており、そのためには双方の顔の見える関係づくりが非常に重要であると認識している。これまでも当院の医師が関連する医療機関を訪問し説明を行ったほか、地域の医療機関の医師等を招いて当院の
取り組みの紹介などを行ってきたところであるが、引き続きこれらの
取り組みを続けていくことにより、地域の医療機関と当院との相互理解を深めていく必要があると考えているということであります。 次に、地域の医療機関との連携推進や機能分化が進んだことにより、地域医療支援病院の承認やDPC病院Ⅱ群の指定への道筋が見えてきたのではないかと思料するが、改めて二十八年度はどのような
取り組みをされたものか、また、これらに取り組むメリット並びに今後の見通しについて伺ったところ、市立病院では、初診時選定療養費の導入や医療連携の推進などに伴い、紹介率、逆紹介率が向上したことにより、二十八年度に地域医療支援病院の承認要件を全て満たすことができたところであり、また、DPC病院Ⅱ群の指定に向けては、平均在院日数の短縮や救急患者の受け入れなどの
取り組みを進めたところである。 これらの承認・指定を受けることのメリットとしては、収益面では、地域医療支援病院の承認により年間約九千万円、DPC病院Ⅱ群の指定により年間約一億二千万円の増収が見込まれるところである。加えて、地域の中核的な医療機関としての地位が確立され、また、地域の医療機関からの信頼を得ることになり、引き続き、地域の医療連携・機能分化に寄与できるものと考えている。 なお、地域医療支援病院の承認については、現在、県への申請の準備を行っており、申請後、三十年三月ごろに承認判断がなされる予定であり、DPC病院Ⅱ群の指定についても、二十八年十月から二十九年九月までの診療データをもとに国において分析を行い、基準値を上回っていると判断された場合は、三十年四月から指定されることになるということであります。 以上のような質疑経過を踏まえ、委員会におきましては、本件についての意見集約に臨み、意見の開陳を願ったところ、委員から、「一点目に、初診時選定療養費については、第一に、二十八年七月から実施され、三千二百四十円の徴収により約五百九十四万円の収入となっているが、現在の市立病院の規模では徴収義務がないにもかかわらず、紹介状を持たずに来院する初診患者から同選定療養費を徴収したことは問題であること。第二に、同選定療養費を徴収している中核市二十七市の病院の中で市立病院の設定額は十一番目に高く、所得の少ない来院者にとって重い負担であり、受療権の侵害につながる懸念があること。第三に、同選定療養費を徴収することにより紹介率や逆紹介率を上げるということは、DPC病院Ⅱ群や地域医療支援病院を目指すための要件に過ぎず、必ずしも医療連携や機能分化が推進されているとは言えない。重要なことは、患者の理解と協力、医療機関相互の信頼に基づく医療連携の確立であること。二点目に、本議案については、事業管理者の期末手当引き上げ分として十一万三千百七十円が含まれていることから、認めることができない。その理由として、第一に、二十八年八月の人事院勧告に基づき、国の指定職職員の期末手当が引き上げられたことにより、これに準じて二十八年十二月に本市特別職の期末手当の支給割合を引き上げる条例改正がなされたが、これはあくまでも国の指定職職員に準じて行われる改定であり、法的義務はなく、他都市においては現行のまま据え置く自治体もあったこと。第二に、特別職の報酬等については、市民生活を取り巻く厳しい環境を直視すべきであり、市民からの厳しい声も寄せられたことから、期末手当の引き上げは行うべきではなかったこと。以上のような点を勘案した場合、本件については認定しがたい」という意見、次に、「本議案については、二十八年十二月の本市特別職の期末手当の支給割合を引き上げる条例改正に反対した経過があることや現在の特別職報酬等審議会に対する疑問もあることから、本件については認定しがたい」という意見等が出され、意見の一致を見るに至らず、採決の結果、本件については認定すべきものと決定いたしました。 次に、第三八号議案
交通事業剰余金処分及び
交通事業特別会計決算につきましては、二十八年度の収支状況等について伺ったところ、二十八年度は、二十七年度までの交通局施設リニューアル事業で整備した新施設の減価償却が始まったことなどから、二十七年度と比較して軌道事業の黒字幅が減少し、自動車運送事業の赤字幅が増加したことにより、両事業合計で約四億円の経常損失となったものの、交通局跡地の売却益があったことなどから、約八十四億七千万円の純利益となった。 このことにより、二十八年度の資金状況については、前年度に引き続き資金不足が解消され、経営健全化計画で見込んだ資金残を上回ることができたところである。しかしながら、このことは跡地売却に伴う一時的なものであり、二十九年度以降については再び赤字が生じる見込みであることから、依然として厳しい経営状況が続くものと考えているということであります。 次に、経営健全化計画において、運行の効率化策として二十四年度に導入された管理の受委託については、二十八年度はどのようになったものか、また、二十八年度は委託契約の最終年度であったが、この五年間をどのように総括しているか伺ったところ、管理の受委託については二十四年度から導入し、二十六年度までは目標効果額に達しない状況にあったが、二十七年度は燃料費の減少で委託料が見込みより減額となったため、目標を上回る効果額となっており、二十八年度も同様の状況であった。また、この
取り組みについては、運行管理も含めて民間事業者が業務に当たることから、運行の効率化や経費節減などの面で大きな役割を果たしたものと考えているということであります。 次に、路線バスを除くバス事業の中で定期観光バスが約一千三十万円の赤字となっていることから、二十八年度の乗車人数はどの程度であったものか伺ったところ、同バスについては、桜島自然遊覧コースと歴史探訪コースの二つのコースがあり、午前と午後のそれぞれ二回運行しているが、一日の平均乗車人数については、両コース合わせて二十八人となっているということであります。 次に、定期観光バスについては、一般会計から補助金が支出されているにもかかわらず、赤字となっている一方で、同様に各観光地をめぐるシティビューやアイランドビューなどが堅調に推移していることを考えると、収支改善策を含め、そのあり方について検討する時期に来ているのではないかと思料するが、このことに対する見解について伺ったところ、同バスについては、JR九州バスが同様のバスを競合する形で運行している状況などを踏まえ、歴史探訪コースの廃止を検討した経過があるが、三十年に大河ドラマ「西郷どん」が放映されることや二十八年度に実施した定期観光バス利用者へのアンケート結果において非常に好意的な意見が多かったことなどから、一定のニーズがあるものと考え、廃止は時期尚早であると判断したところである。 しかしながら、今後、路線バスの抜本的見直しを本格的に検討していく中で、定期観光バスの今後のあり方についても検討が必要であると考えており、二十八年度に総合企画課を中心にワーキンググループを立ち上げたところである。今後、観光交流局とも情報交換等を行いながら、同グループの中でそのあり方について検討を進めていきたいと考えているということであります。 次に、交通事業の二十八年度決算は、跡地の売却益により多額の純利益が生じたものの、この売却益を除いた経常収支は約四億円の赤字であることを踏まえると、交通事業の経営は待ったなしの状況にあるものと思料せざるを得ない。 こうした中において、交通局としては、公共交通を取り巻く状況が変化しているこの時期を捉え、その役割を今後どのように果たしていこうと考えているものか伺ったところ、公営交通事業者としてこのままの状態で経営を続けることについては一定の限界があると考えており、公営交通としての役割を今後どう担っていくか検討する時期に来ているものと認識している。 一方で、民間事業者を含めた公共交通としては、今後、
まちづくりと一体となって市民生活を支えるために継続していかなければならないと考えており、こうした考え方に基づき、二十八年度に設置された市内のバス事業のあり方等に関する協議の場において、「競合路線等の今後のあり方は事業者間で協議すべき」との一定の整理がなされたところである。 交通局としては、市営バスは、今後においても観光面のほか、災害等に備えた訓練等への対応、電車事故時の代替輸送など、行政と密接に連携する中でその役割を果たしていきたいと考えていることから、今後のバス事業がどうあるべきか、民間との役割分担を含めてバス事業の抜本的見直しについて、現在、経営審議会に諮問し、審議していただいているところであり、その答申を待って、民間事業者とも交渉する中でバス事業を一定の方向性に導いていきたいと考えているということであります。 以上のような質疑経過を踏まえ、委員会におきましては、本件についての意見集約に臨み、意見の開陳を願ったところ、委員から、「一点目に、二十四年度から導入された管理の受委託については、バス路線の減便などで市民サービスの低下や労働者の労働強化につながることが懸念されることを指摘してきたが、二十八年度においても実施されるとともに、二十九年度以降、五年間の債務負担行為が設定されたこと。二点目に、事業管理者の期末手当引き上げ分として九万七千五百六十円が含まれており、第三七号議案と同様の理由により引き上げるべきではなかったこと。以上のような点を勘案した場合、本件については賛成しがたいし、認定しがたい」という意見、次に、「本議案に含まれている期末手当については、本市の財政状況や交通事業の経営状況を直視した場合、前例踏襲主義により決定する現制度を改善する姿勢があってしかるべきと考えることから、本件については賛成しがたいし、認定しがたい」という意見等が出され、意見の一致を見るに至らず、採決の結果、本件については原案可決及び認定すべきものと決定いたしました。 次に、第三九号議案
水道事業剰余金処分及び
水道事業特別会計決算につきましては、質疑経過を踏まえ、意見の開陳を願ったところ、委員から、「本議案については、事業管理者の期末手当引き上げ分として九万七千五百六十円が含まれており、第三七号議案と同様の理由により、賛成しがたいし、認定しがたい」という意見等が出され、意見の一致を見るに至らず、採決の結果、本件については原案可決及び認定すべきものと決定いたしました。 次に、第四二号議案
船舶事業特別会計決算につきましては、二十八年度決算は、前年度に引き続き純損失となっていることから、その内容について伺ったところ、二十八年度決算は、収益面においては二十七年度と比較して旅客数が十七万五千六百八十六人、車両台数が五万一千八百五十六台それぞれ増加したことなどにより運航収益は増となったが、費用面において船舶燃料であるA重油価格の上昇や購入量の増、さらには船舶検査に係る修繕費の増などにより営業費用が六千三十六万六千円増加したことなどから、結果として二億四千四百五十万四千三百五十三円の純損失となったところであり、依然として厳しい経営状況であったということであります。 次に、二十八年度は旅客数及び車両台数ともに増加しているが、これをどのように分析しているものか伺ったところ、旅客数及び車両台数については、東九州自動車道が延伸した二十六年十二月からともに減少が始まったが、二十八年七月からは増加に転じたところである。このうち旅客数については車両台数を上回る高い伸び率を示しているが、これは個人及び外国人観光客の増加によるものと考えている。また、車両台数については、同自動車道の交通量の増加が続いているにもかかわらず、延伸等の影響が見られる以前の二十六年度の一日輸送量の約九〇%の水準にまで持ち直すなど、緩やかな増加傾向を示しているが、これは、同自動車道の延伸による影響が一段落したことによるものと考えているということであります。 次に、二十八年度決算で増加した営業費用の中で今後削減できる要素としてはどのようなものがあるか伺ったところ、二十八年度はA重油の購入に係る燃料費や船舶検査に係る修繕費などが増加したところであるが、船舶局においては、これまで嘱託職員の活用や燃料費の節減など各面から経費削減に鋭意
取り組み、その結果が今回の決算にあらわれていることから、今後削減できる大きな要素はないものと考えているということであります。 次に、今後の経費削減が見込めない中にあっては、収入をふやす以外、経営改善を図ることはできないと考えるが、三十年のNHK大河ドラマ「西郷どん」や明治維新百五十周年、さらには、三十二年の東京オリンピック、国体などのイベントなど、観光をいかに船舶事業の経営に結びつけていくかが大変重要になってくると思料することから、二十八年度決算を踏まえた今後の展望について伺ったところ、船舶事業においては、車両輸送による収益が全体の八割を占めることから、まずは現在の利用者のこれ以上のフェリー離れを食いとめるとともに、さらなる利用拡大を図ることが重要であると考えている。 また、近年の桜島の火山活動による風評被害もある程度沈静化し、観光客や修学旅行客も若干ながら増加傾向にあり、特に外国人観光客についてはLCCの就航やクルーズ船の入港などにより増加の兆しを見せていることから、大型バス等による観光客の誘致など、関係団体と連携しながら積極的にPR活動を行い、利用者増を図ることも重要であると考えている。 また、今後は、おただしのように大河ドラマの放映を初め、さまざまなイベントが続いていくことから、新たな需要の掘り起こしに向けて関係機関と一緒になって取り組む必要があると考えている。このほか、来年三月には、桜島港のフェリーターミナルも新たに生まれ変わることから、コミュニティースペースなどを活用した地域の活性化や利用客の拡大につなげる工夫が必要ではないかと考えているところである。 その一方で、経営面については大変厳しい状況にあることに変わりはないところであり、安全面やサービス面などを踏まえると、現在の運航体制を維持するためには、これ以上の経費削減は困難であり、また、収入面においても以前と比べ伸び悩んでいることから、一定の運賃体系の見直しなども検討しなければならないと考えている。 今後においては、こうした考え方を基本に、職員一丸となって公共交通機関としての責務を果たす中で企業としての合理性や効率性、さらには内部資金の留保などにも目を配りながら事業の推進に努めていきたいということであります。 以上のような質疑経過を踏まえ、委員会におきましては、本件についての意見集約に臨み、意見の開陳を願ったところ、委員から、「本議案については、事業管理者の期末手当引き上げ分として九万七千五百六十円が含まれており、第三七号議案と同様の理由により認定しがたい」という意見等が出され、意見の一致を見るに至らず、採決の結果、本件については認定すべきものと決定いたしました。 以上をもちまして、産業観光企業委員会における議案
審査報告を終わります。
○議長(
上門秀彦君) これより、委員長報告に対する質疑に入ります。 発言の通告はありませんが、別に発言がなければ、質疑はないものと認めます。
△討論
○議長(
上門秀彦君) これより討論に入ります。 討論の通告がありますので、発言を許可いたします。 たてやま清隆議員。 [たてやま清隆議員 登壇](拍手)
◆(たてやま清隆議員) 日本共産党市議団を代表して、決算議案十五件中第二八号議案 平成二十八年度鹿児島市
一般会計歳入歳出決算、第三四号議案 平成二十八年度鹿児島市
介護保険特別会計歳入歳出決算、第三五号議案 平成二十八年度鹿児島市
後期高齢者医療特別会計歳入歳出決算、第三七号議案 平成二十八年度鹿児島市
病院事業特別会計決算について議会の認定を求める件、第三八号議案 平成二十八年度鹿児島市
交通事業剰余金処分についての議会の議決及び平成二十八年度鹿児島市
交通事業特別会計決算についての議会の認定を求める件、第三九号議案 平成二十八年度鹿児島市
水道事業剰余金処分についての議会の議決及び平成二十八年度鹿児島市
水道事業特別会計決算についての議会の認定を求める件、第四二号議案 平成二十八年度鹿児島市
船舶事業特別会計決算について議会の認定を求める件の七件の議案についての認定及び議決に反対する立場から討論を行います。 まず、第二八号議案 平成二十八年度鹿児島市
一般会計歳入歳出決算につきましては、こども医療費助成事業の中学校卒業までの拡充や保育園、幼稚園保育料の多子世帯への負担軽減、未婚のひとり親家庭に対するみなし寡婦(夫)控除の適用実施、マリンポートかごしま、いわゆる人工島建設事業の負担金が計上されなかったことなど、評価できる部分もありますが、決算を通じて市民負担増やサービスの低下につながっている事業が含まれることから認めることができません。 以下、理由を申し上げます。 まず、これまでも問題点を指摘してきた社会保障・税番号制度にかかわる款総務費、項総務管理費、目一般管理費の社会保障・税番号制度システム構築事業、項住民基本台帳費、目住民基本台帳費の
住民基本台帳ネットワークシステム運用経費、
コンビニ交付による
証明発行事業、
個人番号カード交付事業及び緊急事態に市民と行政を総動員する項総務管理費、目交通防災費の国民保護法制関連事業、地対財特法失効後も続けられている目人権啓発費の同和対策助成事業、PFIの検証や技術の確立がされていない中、DBO方式で進められている款衛生費、項清掃費、目清掃工場費の南部清掃工場ごみ焼却施設・バイオガス施設整備事業、委託によって本来の学校給食のあり方が問われている款教育費、項保健体育費、目保健体育指導費の学校給食業務委託事業、事業終了までバリュー・フォー・マネーを検証できない目体育施設費の新鴨池公園水泳プール整備・運営事業が依然として続けられており、認めることができません。 次に、平成二十八年度の特徴的な要素を申し上げます。 議員、市長、副市長などの特別職の報酬について、その活動に市民からも厳しい目が向けられているもとで期末手当が人事院勧告そのままに、特別職報酬等審議会を開かずに一・六五カ月分から一・七五カ月分に引き上げられたこと。また、各公営企業管理者の報酬についても期末手当の引き上げが行われており、その影響が含まれる第三七号議案、第三八号議案、第三九号議案、第四二号議案の公営企業決算についても認定及び議決に反対です。 款総務費、項総務管理費、目一般管理費の
行政不服審査制度四万一千八百五十円については、
行政不服審査法の全部改正によって異議申し立てを廃止し、
審査請求に一元化した新しい制度ですが、一点目、二十八年度は三件の不服
審査請求が出たものの、二件は市民みずからが取り下げをされており、審査会を六回開催する見込みだったものが一回しか開かれなかったことからも、市民の権利救済の拡充や公平・公正な審査につながっているとは言いがたく、当局としては理由なども調査し、ハードルが高くなることなく公平・公正な制度とするために一層の努力が必要であること。 二点目、
行政不服審査会については、市行政を含む不服審査にもかかわらず、委員は、市の職員、市長の任命であることから、市民の立場に立った公平性を確保できるのかが疑問であること。 次に、款民生費、項高齢者福祉費、目高齢者福祉総務費の高齢者福祉センター等管理運営・施設整備事業二億七千二百十三万九千九百二十九円並びに款衛生費、項保健衛生費、目健康保健総務費の健康増進施設管理運営事業におけるさくらじま白浜温泉センター、マリンピア喜入、スパランド裸・楽・良、款商工費、項商工費、目観光費の桜島マグマ温泉、款教育費、項保健体育費、目体育施設費の松元平野岡体育館での浴室使用料の新設、引き上げの影響について、以下申し上げます。 一点目、高齢者福祉センターにおいては、平成二十七年度と比較して利用者が十三万二千二百五十四人減少し、そのうち十一万八千二百八十六人は浴室の利用者でした。これは当局が想定する一割の減少をはるかに超える三割の減少となっており、市民の理解を得たとは到底言いがたいこと。 二点目、今後、高齢化社会を迎えるとともに、国保や介護等でも医療費やサービスの抑制のために元気な高齢者には元気で過ごしていただく予防や健康づくりが課題となっているにもかかわらず、浴室使用料等の新設、値上げによってサービスを抑制することは、高齢者福祉センターの設置条例などの目的を損なっていること。 三点目、今回の浴室使用料の新設や値上げは、センター等の維持管理費に充てるということでしたが、平成五年から設置された高齢者福祉施設管理基金は、毎年一億円を取り崩してセンターの維持管理に充てられています。残高は約五十九億円であり、あと五十九年は支出することのできる財源があり、財源を市民に求める理由にはなりません。 以上のことからも、一刻も早くもとの無料に戻すことが求められていることから認めることができません。 款農林水産業費、項農業費、目農業委員会費一億九千四百三十三万三千七百三十三円については、農業委員会の公選制を廃止して市長の任命制にする新制度のもとでそのあり方が大きく転換することになりましたので、認められない理由を以下申し上げます。 一点目、本市の農業委員会は、これまでも計画と目標に即して農地法等に基づく現地調査や農地パトロール等を着実に取り組んでこられました。農業委員が公選制のもとで農業者から選ばれた代表として信任を得ているからこそ、農地の利用調整に関与し、農地を守る視点に立った業務を進めてくることができたと思いますが、二十八年度、公選制が廃止されたことは、農業委員会の活動を正当に評価している改正とは言えないこと。 二点目、農業委員会の定数は四十一人から十九人と半減し、振興部会、農地部会を一元化、これまで担ってきた農地パトロールや流動化対策は、農地利用最適化推進委員十八人が中心に行うことになりました。しかしながら、その報酬は半減し、実績報酬は全体で年間二十七万三千円となっており、不公平感は否めません。また、定数も国の基準は百ヘクタールに一人であり、本市は大きく下回っています。業務の分離や定数削減ではなく、今こそ体制の強化が求められていること。歳入一括の地方交付税について、平成二十八年度は国が示すトップランナー方式の影響による減少が含まれていることから認めることができません。 以下、理由を申し上げます。 一点目、トップランナー方式とは、国が定めた十六業務について業務委託の達成状況で地方交付税が増減する仕組みであり、財政調整や財源補完の機能を逆手にとって自治体の業務委託を促すことになることから、地方固有の財源になじまない制度であること。 二点目、国・県がその積算根拠を示さないことから、当局も影響があると認識しながらも額はわからないとのことですが、決して少なくない影響を受けています。必要な財源の確保のためにも透明性を高めることはもちろんのことですが、同方式について国に対して地方から廃止を求めるべきです。 以上のような事業が含まれていることから、本議案について認めることはできません。 次に、第三四号議案 平成二十八年度鹿児島市
介護保険特別会計歳入歳出決算については認めることができません。 以下、理由を申し上げます。 一点目、平成二十七年八月から始まった利用者負担二割の対象者数は、二十八年度二千二百三十四人でしたが、年間を通じての運用がなされた二十八年度決算において、ケアマネジャーなどからサービス控えをされる方もいるとの声があったように負担増とサービス低下につながっていること。 二点目、介護保険施設における食事や部屋代を軽減する補足給付の見直しによって負担増となった方は一千七百四十二人であり、ユニット型個室利用で二万二千五百円もの負担増の実態があること。 三点目、特養ホームの入所基準が要介護三以上になったことによって一人の方が施設退所を余儀なくされており、このことは特養ホーム在宅待機者の真の解消にはつながらないこと。 四点目、二十九年度から実施される鹿児島市介護予防・日常生活支援総合事業は、要支援一・二と認定された高齢者への訪問や通所などの保険給付を人員、サービス内容、利用料など全て市町村任せのサービスに置きかえるものであり、市町村の財政によっては質が現行の水準を担保されないなど、問題がある事業の事業者の選定など準備が行われていること。 以上の理由から、本議案について認めることができません。 次に、第三五号議案 平成二十八年度鹿児島市
後期高齢者医療特別会計歳入歳出決算についても認めることができません。 後期高齢者医療制度については、七十五歳以上を別建ての保険制度に入れて際限ない負担増を課す世界に類を見ない制度として一刻も早く廃止すべきという立場であることから、以下理由を申し上げます。 一点目、平成二十八年度は保険料の改定によって所得割が九・三二%から九・九七%に引き上げられ、影響額は一億九千百二十万円となっており、高齢者の負担増につながっていること。 二点目、保険料の滞納は二十七年度に比べて減少していますが、資格証明書こそ発行していないものの、預金の差し押さえ等の実績もあり、高齢者に厳しい制度であることが改めて確認されたこと。 以上の理由から、本議案について認めることはできません。 次に、第三七号議案 平成二十八年度鹿児島市
病院事業特別会計決算について議会の認定を求める件については、冒頭申し上げた企業管理者の報酬の値上げに加えて次の理由から認めることはできません。 以下、申し上げます。 一点目、昨年七月から実施された初診時選定療養費三千二百四十円については、約五百九十四万円の収入となっていますが、紹介状を持たずに来院する初診患者から、現在の市立病院の規模では徴収義務がないにもかかわらず徴収を設定したことは問題であること。 二点目、初診時選定療養費を徴収している全国中核市の二十七の市立病院の中で市立病院は十一番目の高さであり、所得の少ない来院者にとっては重い負担であり、受療権の侵害につながる懸念があること。 三点目、初診時選定療養費を徴収することで紹介率や逆紹介率を上げるということは、DPC病院Ⅱ群や地域医療支援病院を目指すための要件に過ぎず、必ずしも医療連携や機能分化が推進されているとは言えません。重要なことは、患者の理解と協力、医療機関相互の信頼に基づく医療連携の確立が不可欠であること。 以上の理由から、本議案について認めることはできません。 次に、第三八号議案 平成二十八年度鹿児島市
交通事業剰余金処分についての議会の議決及び平成二十八年度鹿児島市
交通事業特別会計決算についての議会の認定を求める件については、冒頭申し上げた企業管理者の報酬の値上げに加えて、平成二十四年度から導入された管理の受委託について、バス路線の減便などで市民サービスの低下や労働者の労働強化につながることが懸念されることを指摘いたしましたが、平成二十八年度も実施され、かつ二十九年度以降の五年間の債務負担行為が設定されていることから、認定及び議決することに反対です。 以上の決算関係七議案について反対の理由を申し上げ、日本共産党市議団を代表する討論を終わります。(拍手)
○議長(
上門秀彦君) ほかに発言がなければ、以上をもって討論を終了いたします。
△表決
○議長(
上門秀彦君) これより表決に入ります。 それでは、まず、第二八号及び第三四号の各議案について、電子表決により一括採決いたします。 ただいまの議案二件に対する委員長の報告は、いずれも認定であります。 以上の議案二件については、いずれも委員長の報告どおり決することに賛成の議員は賛成を、反対の議員は反対をお押し願います。 [電子表決開始]
○議長(
上門秀彦君) 押し忘れ等はありませんか。 [「なし」と呼ぶ者あり]
○議長(
上門秀彦君) 押し忘れ等なしと認めます。 [電子表決終了]
○議長(
上門秀彦君) 賛成多数であります。 よって、いずれも認定されました。 次に、第三五号議案 平成二十八年度鹿児島市
後期高齢者医療特別会計歳入歳出決算について、電子表決により採決いたします。 ただいまの議案に対する委員長の報告は、認定であります。 本件については、委員長の報告どおり決することに賛成の議員は賛成を、反対の議員は反対をお押し願います。 [電子表決開始]
○議長(
上門秀彦君) 押し忘れ等はありませんか。 [「なし」と呼ぶ者あり]
○議長(
上門秀彦君) 押し忘れ等なしと認めます。 [電子表決終了]
○議長(
上門秀彦君) 賛成多数であります。 よって、本件は認定されました。 次に、第三七号ないし第三九号及び第四二号の各議案について、電子表決により一括採決いたします。 ただいまの議案四件に対する委員長の報告は、剰余金処分についてはいずれも原案可決、決算についてはいずれも認定であります。 以上の議案四件については、いずれも委員長の報告どおり決することに賛成の議員は賛成を、反対の議員は反対をお押し願います。 [電子表決開始]
○議長(
上門秀彦君) 押し忘れ等はありませんか。 [「なし」と呼ぶ者あり]
○議長(
上門秀彦君) 押し忘れ等なしと認めます。 [電子表決終了]
○議長(
上門秀彦君) 賛成多数であります。 よって、いずれも原案どおり可決並びに認定されました。 次に、ただいまの議案七件を除くその他の議案八件について一括採決いたします。 以上の議案八件については、委員長の報告どおり、剰余金処分についてはいずれも原案どおり決することとし、決算についてはいずれも認定することに御異議ありませんか。 [「異議なし」と呼ぶ者あり]
○議長(
上門秀彦君) 御異議なしと認めます。 よって、いずれも原案どおり可決並びに認定されました。
△第四五号議案─第六四
号議案上程
○議長(
上門秀彦君) 次は、日程第一九 第四五号議案ないし日程第三八 第六四号議案の議案二十件を一括議題といたします。 件名の朗読を省略いたします。
△市長提案理由説明
○議長(
上門秀彦君) ここで、提出者の説明を求めます。 [市長 森 博幸君 登壇]
◎市長(森博幸君) 平成二十九年第四回
市議会定例会におきまして、今回提案しております平成二十九年度補正予算及び条例その他の案件について、その概要を御説明申し上げます。 その前に、本年十月の台風二十一号の災害により亡くなられた方々の御冥福をお祈りいたしますとともに、被災者の皆様に対して心からお見舞いを申し上げます。また、一日も早い被災地の復旧と住民生活の安定をお祈りいたします。 それでは、補正予算について申し上げます。 一般会計におきましては、今回、三十四億九十五万九千円を追加し、総額で二千四百七十三億一千二百五十七万円となります。 今回の補正予算は、補助内示に基づく介護老人福祉施設等に対する補助金及び市単独の公共事業費を計上したほか、市債管理基金への積立金及び人事異動等に伴う職員の給与費の所要額を計上しました。 以下、歳出予算の主な内容について、順次御説明申し上げます。 総務費につきましては、市債管理基金への積立金及び寄附件数の増加見込みによるふるさと納税に係る経費を計上しました。 民生費につきましては、補助内示に基づく介護老人福祉施設等の開設準備経費に対する補助金を計上しました。 土木費につきましては、市単独の側溝整備事業費及び道路維持事業費を計上しました。 教育費につきましては、体育施設等国体関連事業費を計上しました。 なお、これらの財源として、地方交付税、繰越金及び市債等を計上しました。 また、舗装新設改良事業及び谷山駅周辺地区土地区画整理事業等についての繰越明許費を設定しました。 このほか、マリンピア喜入等の指定管理業務及び体育施設等国体関連事業等についての債務負担行為を設定しました。 次に、企業会計について申し上げます。 交通事業特別会計におきましては、交通局跡地の土壌対策に要する経費を計上しました。また、交通局跡地土壌対策事業についての債務負担行為を設定しました。 次に、条例その他の案件について、御説明申し上げます。 公の施設の
指定管理者の指定に関する件七件は、マリンピア喜入など十八施設の
指定管理者を指定するについて、議会の議決を求めるものです。
土地改良事業の計画の変更に関する件は、伊敷町、岡之原町、川上町及び下田町における村づくり交付金(区画整理、農業用用排水施設整備及び農道整備)事業の計画を変更するについて、議会の議決を求めるものです。 鹿児島市企業立地の促進による産業集積の形成及び活性化のための
固定資産税の課税免除に関する条例一部改正の件は、企業立地の促進等による地域における産業集積の形成及び活性化に関する法律の一部改正に伴い、
固定資産税の課税免除の対象等及び題名を改めるものです。 鹿児島市
土地改良事業分担金徴収条例一部改正の件は、土地改良法の一部改正に伴い、関係条文の整理をするものです。 鹿児島市
景観条例一部改正の件は、喜入旧麓地区を景観形成重点地区に指定するとともに、同地区における届け出対象行為等を定めるものです。 鹿児島市地区計画の区域内における建築物の制限に関する条例一部改正の件は、パルタウン大明丘地区及びコモンヒルズ原良地区の区域内における建築物の用途等に関する制限を定めるものです。
鹿児島市営住宅条例一部改正の件は、公営住宅法の一部改正に伴い、収入申告をすること等が困難な事情にある者の家賃について、市の調査に基づき決定できるようにするものです。 鹿児島市
道路占用料条例一部改正の件は、電柱等の占用料の額を改めるとともに、食事施設等の占用料に新たな区分を設けるものです。
工事請負契約締結の件は、鹿児島市新南部清掃工場建設工事請負契約を締結するについて、議会の議決を求めるものです。
鹿児島市長の政治倫理に関する
条例制定の件は、市長の政治倫理に関する規律の基本となる事項を定めることにより、市政に対する市民の信頼を確保し、もって公正で開かれた民主的な市政の発展に寄与するものです。 鹿児島市
個人情報保護条例一部改正の件は、行政機関の保有する
個人情報の保護に関する法律の一部改正に伴い、
個人情報の定義等を改めるとともに、関係条例の整理をするものです。 鹿児島市職員に対する退職手当に関する条例一部改正の件は、雇用保険法の一部改正に伴い、関係条文の整備をするものです。 以上で、平成二十九年度補正予算及び条例その他の案件についての説明を終わります。 なにとぞ、よろしく御審議のうえ、議決していただきますようお願いいたします。
○議長(
上門秀彦君) 以上で、本日の日程は終了いたしました。
△休会の議決・散会
○議長(
上門秀彦君) ここでお諮りいたします。 明十二月六日から八日までは休会とし、十二月十一日に本会議を再開いたしたいと思いますが、御異議ありませんか。 [「異議なし」と呼ぶ者あり]
○議長(
上門秀彦君) 御異議なしと認めます。 よって、そのように決しました。 なお、十二月十一日は、午前十時から会議を開きます。 本日は、これにて散会いたします。 午 前十一時四十二分 散 会 ─────────────────
地方自治法第百二十三条第二項の規定により署名する。 市議会議長 上 門 秀 彦 市議会議員 奥 山 よしじろう 市議会議員 長 浜 昌 三...