• "勤労者世帯"(/)
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  1. 鹿児島市議会 2007-12-01
    12月12日-04号


    取得元: 鹿児島市議会公式サイト
    最終取得日: 2023-04-20
    平成19年第4回定例会(12月)   議事日程 第四号     平成十九年十二月十二日(水曜)午前十時 開議第 一 第七一号議案ないし第九九号議案────────────────────────────────────────   本日の会議に付した事件議事日程のとおり────────────────────────────────────────   (出席議員 五十一人)  一  番   和  田  幸  一  議員  二  番   脇  田  高  徳  議員  三  番   池  山  泰  正  議員  五  番   長  浜  昌  三  議員  六  番   の ぐ ち  英 一 郎  議員  七  番   欠  員  八  番   杉  尾  巨  樹  議員  九  番   奥  山 よしじろう  議員  十  番   川  越  桂  路  議員  十一 番   山  口  た け し  議員  十二 番   堀     純  則  議員  十三 番   古  江  尚  子  議員  十四 番   大  森     忍  議員  十五 番   小  森  のぶたか  議員  十六 番   崎  元  ひろのり  議員  十七 番   井  上     剛  議員  十八 番   大  園  盛  仁  議員  十九 番   小  川  み さ 子  議員  二十 番   仮  屋  秀  一  議員  二十一番   豊  平     純  議員  二十二番   柿  元  一  雄  議員  二十三番   田  中  良  一  議員  二十四番   志  摩  れ い 子  議員  二十五番   谷  川  修  一  議員  二十六番   ふじくぼ  博  文  議員  二十七番   北  森  た か お  議員  二十八番   中  尾  ま さ 子  議員  二十九番   う え だ  勇  作  議員  三十 番   三 反 園  輝  男  議員  三十二番   黒  木  すみかず  議員  三十四番   鶴  薗  勝  利  議員  三十五番   幾  村  清  徳  議員  三十六番   長  田  徳 太 郎  議員  三十七番   ふくし山  ノブスケ  議員  三十八番   森  山  き よ み  議員  三十九番   うえがき     勉  議員  四十 番   藤  田  て る み  議員  四十一番   政  田  け い じ  議員  四十二番   ふ じ た  太  一  議員  四十三番   竹  原  よ し 子  議員  四十四番   上  門  秀  彦  議員  四十五番   平  山     哲  議員  四十六番   西  川  かずひろ  議員  四十七番   下  村  祐  毅  議員  四十八番   入  船  攻  一  議員  四十九番   赤  崎  正  剛  議員  五十 番   秋  広  正  健  議員  五十一番   竹 之 下  たかはる  議員  五十二番   川  野  幹  男  議員  五十三番   片  平  孝  市  議員  五十四番   泉     広  明  議員  五十五番   平  山  た か し  議員     ──────────────────────────────   (欠席議員 三人)  四  番   竹 ノ 下     光  議員  三十一番   山  下  ひ と み  議員  三十三番   小  森  こうぶん  議員     ──────────────────────────────   事務局職員出席者  事務局長   今  吉  悦  朗  君  議事課長   北  山  一  郎  君  総務課長   井手之上  清  治  君  政務調査課長 吉  永  直  人  君  議事係長   宮 之 原     賢  君  委員会係長  尾 ノ 上  優  二  君  議事課主査  松  尾  健  志  君  議事課主事  九  反  大  介  君     ──────────────────────────────   説明のため出席した者  市長     森     博  幸  君  副市長    大  平  和  久  君  副市長    山  本  克  也  君  教育長    石  踊  政  昭  君  代表監査委員 渡  邊  眞 一 郎  君  市立病院長  上 津 原  甲  一  君  交通局長   大  西  義  幸  君  総務局長   草  留  義  一  君  市民局長   四  元  正  二  君  市民局参事  児  島  文  雄  君  環境局長   川  原     勤  君  健康福祉局長 邦  村  昇  蔵  君  健康福祉局参事松  元  幸  博  君  健康福祉局参事折  田  勝  郎  君  経済局長   松 木 園  富  雄  君  建設局長   山  中  敏  隆  君  建設局参事  角  田  正  雄  君  消防局長   隈  元     一  君  病院事務局長 松  永  初  男  君  船舶部長   森     英  夫  君  企画部長   新  地  茂  樹  君  総務部長   松  山  芳  英  君  財政部長   木 佐 貫  芳  広  君  税務部長   徳  永  良  一  君  市民部長   窪  島  彬  文  君  環境部長   松  岡  志  郎  君  清掃部長   古  川  秀  樹  君  福祉事務所長 徳  永  文  男  君  子育て支援部長原  田  け い 子  君  商工観光部長 成  清  次  男  君  農林水産部長 山  下  正  人  君  建設管理部長 伊  藤  新 一 郎  君  都市計画部長 原  口     悟  君  道路部長   原  田  由  晴  君  交通局次長  藤  田  幸  雄  君  水道局総務部長原  田     俊  君  教育委員会事務局管理部長         福  元  修 三 郎  君  秘書課長   松  永  範  芳  君     ────────────────────────────── 平成十九年十二月十二日 午前十時 開議 △開議 ○副議長(秋広正健君) これより、本日の会議を開きます。 本日の議事日程は、お手元に配付いたしました議事日程第四号のとおりであります。 △第七一号議案―第九九号議案上程 ○副議長(秋広正健君) それでは、日程第一 第七一号議案ないし第九九号議案の議案二十九件を一括議題といたします。 件名の朗読を省略し、前回の議事を継続して質疑を続行いたします。 △個人質疑(続) ○副議長(秋広正健君) それでは、引き続き個人質疑の発言を順次許可いたします。 まず、上門秀彦議員。   [上門秀彦議員 登壇](拍手) ◆(上門秀彦議員) 自民党新政会の一員として個人質疑を行ってまいります。 時間の都合上、割愛することがあろうかと思いますが、御了承願います。 森市長は、就任以来、市民との対話、パートナーシップを大切にした市民が主役の鹿児島市の実現を基本理念に、市民との協働によるまちづくりを推し進めてこられました。その一環として、市民参画条例を平成十五年全国に先駆けて制定し、六月に施行してから丸四年が経過をいたしました。施行以来、パブリックコメントの実施施策数は六十四施策に及び、市民参画に対する市民の皆さんの意識が醸成されつつあるようでありますが、まだまだ施策によっては意見数の少ないものも見られるようであります。そこで、現在の状況や課題を検証し、評価を行った上で、今後の市民参画をさらに推進していくことが必要と考えます。 そこで以下質問いたします。 まず、過去四カ年のパブリックコメントの実施施策数六十四施策に対する意見提出者数、意見数はどのくらいであったのか。また、意見の多かったもの、反対に少なかったもの、それぞれで五つ施策名をお示しください。 以上、答弁願います。 ◎市民局長(四元正二君) お答えいたします。 過去四年間のパブリックコメント手続を実施しました六十四施策に対する意見提出者数は二千六百二十一人、意見数は六千百三十三件でございます。 次に、市民の意見の多かったものについて順に施策名、意見提出者数、意見数を申し上げますと、新子育て支援計画母子保健計画の策定、六百十七人、一千七百七十五件、かごしま市保育計画の策定、六百二十三人、一千二百九十九件、鹿児島市みんなでまちを美しくする条例の制定、二百五十六人、四百九十五件、親子つどいの広場の整備、八十人、二百二十四件、環境未来館の整備、二十六人、百六十八件で、市民の意見の少なかったものについて順に申し上げますと、市町村建設計画の策定、一人、一件、鹿児島市屋外広告物条例施行規則の改正、一人、二件、鹿児島市準用河川流水占用料等条例の制定、二人、三件、第四次鹿児島市総合計画基本計画等の改訂、三人、四件、火災予防条例の一部改正、四人、四件であります。 以上でございます。   [上門秀彦議員 登壇] ◆(上門秀彦議員) それぞれ答弁いただきました。 上位施策五つを除けば一施策につき平均約十七人程度、意見数が約三十七件、また、意見が一、二件というのもあるようです。この現状を見て、どのような特徴があり、どう分析しているのかお示しください。 答弁願います。 ◎市民局長(四元正二君) 現状の特徴と分析でございますが、市民の皆さんにとって身近で関心の高いと思われる子育てや環境などに関する施策には意見数が多く、専門性が高く、普段の生活においてはややなじみの薄い施策には意見数が少ないという傾向があるようでございます。そのほかの要因としましては、公表資料がわかりづらいことや公表場所が少ないことなどが考えられます。 以上でございます。   [上門秀彦議員 登壇] ◆(上門秀彦議員) また、市民参画の推進について調査・審議する市民会議で出された意見では、「公表した資料についてもう少し具体的な内容があればもっと意見が出たのではないか」「意見が少ない施策について、募集方法や募集時期についてもっと検討すべきではないか」等の意見に対し、どのように対応されたのかお示しください。 次に、公表が行われていることの市民への周知、出された意見に対してどう対応しているのかお示しください。 以上、答弁願います。 ◎市民局長(四元正二君) 市民会議で出された意見への対応でございますが、会議での御意見を踏まえ、パブリックコメントにおける公表資料につきましては、専門用語等の難しい表現は避け、できるだけわかりやすい表現に努めるとともに、図表やイラストによる説明をふやすなど改善に努めているところでございます。意見の募集方法や実施時期につきましては、おおむね適切に行われているものと考えておりますが、公表資料が市民の目にとまりやすくなる工夫を行うなど、今後さらに検討してまいりたいと考えております。 次に、パブリックコメント手続が行われているということの周知につきましては、市民のひろばやホームページへの掲載を行うとともに、市政記者クラブ等報道機関への情報提供を行っております。また、提出された意見への対応につきましては、その概要や検討結果をホームページなどで公表しているところでございます。 以上でございます。   [上門秀彦議員 登壇] ◆(上門秀彦議員) 御答弁をいただきました。 要は、市民への周知のあり方、市民の関心をより高めていくにはどうすればよいかがまさしく重要であると思いますが、あらゆる機会をとらえ、工夫をし、市民の参画をさらに推進される努力を要請いたしておきます。 次に、意見の少ない施策がありますが、制度を形骸化させないために、現状を検証するとともに評価し、次年度以降の市民参画手続の実施に生かしていくことが必要と考えますが、どのような点を課題として認識しているのか。 また、課題解決のために、どのような方策が必要と考えるのかお示しください。 答弁願います。 ◎市民局長(四元正二君) 課題とその対応策についてでございますが、意見数が少なければ、広く市民の皆さんの御意見を施策に反映していくという制度の目的が達成されないということにもなりかねないことから、市民の関心をより高めていくことが課題であると考えております。したがいまして、課題解決のためには、わかりやすい資料作成や募集方法の充実などを図ることが必要であると考えております。 以上でございます。   [上門秀彦議員 登壇] ◆(上門秀彦議員) 一概に意見数の多少がパブリックコメント制度の形骸化に即つながるとは思いません。また、サイレントマジョリティーの存在も理解しないわけではありません。しかし、制度充実のためにさらなる努力を要請いたします。 次に、当局においては、パブリックコメントの手続さえとれば、施策に対する市民のコンセンサスを得て、お墨つきをいただいた、施策に賛成であるという認識のもと、議会に報告さえすればよいという議会軽視にもつながりかねない状況があるのではないかと思料されますが、当局の市民参画手続と議会という議決機関との関係の認識を改めて問いたいと思います。 答弁願います。 ◎市民局長(四元正二君) 議会との関係についてでございますが、パブリックコメント等市民参画手続は、個々の施策の基本計画策定や条例素案等に対して、市民の皆さんから広く御意見をいただくものであり、市の政策形成過程において市民の参画を図る目的で実施するものでございます。議会との関係につきましては、これまで同様、変わらないものであり、議会からの御意見等は真摯に受けとめて施策に反映してまいりたいと考えております。 以上でございます。   [上門秀彦議員 登壇] ◆(上門秀彦議員) 答弁を聞いて安心をいたしました。議会は議会としていろんな視点から議論を尽くし、よりよい施策となるよう意見の反映を図っていきたいと思います。 最後に、この条例が制定された意義と市民との協働のまちづくりについて市長の見解をお示しください。 答弁願います。   [市長 森 博幸君 登壇] ◎市長(森博幸君) 上門秀彦議員にお答えをいたします。 鹿児島市の市民参画を推進する条例につきましては、施行以来四年間にわたり、パブリックコメント等市民参画手続を実施をしてまいりました。その結果、市民の皆さんからいただいた御意見・御提言を多くの施策に反映できましたことは、条例制定の大きな意義であると考えております。 また、私は、市長に就任以来、市民が主役の鹿児島市の実現を市政運営の柱とし、市民の皆さんとともに考え、ともに行動するパートナーシップを大切に、市民に開かれた市政、市民が主役のまちづくりを積極的に推進をしているところでございます。 このようなことから、これまで、市長とふれあいトークの開催やわたしの提言などさまざまな方法により市民の皆さんの貴重な声を市政に生かすよう努めてまいりました。今後とも、多くの市民の皆さんに市政に積極的に参画いただくことにより、市民との協働によるまちづくりをより一層進めてまいりたいと考えております。   [上門秀彦議員 登壇] ◆(上門秀彦議員) 市長の見解をいただきました。 私は、市民との協働のまちづくりを進めていくためには、市民参画条例のますますの推進とあわせて、行政も議会も市民に対するアカウンタビリティー、すなわち説明責任も大いに必要であると思います。さらなる推進をされるよう御要望申し上げます。 次に、景観条例及び景観計画についてお伺いをいたします。 この件は、さきの同僚議員の質疑でも明らかになりましたが、なるべく重複を避け質疑をいたします。 近年の社会の成熟化に伴って、国民の価値観も変化し、生活空間の質的向上が求められるようになってきております。この動きを受けて多くの地方公共団体においても、美しい町並みや良好な景観を形成するための取り組みが進められており、景観条例の数は着実に増加しております。 これまで、都市計画法や建築基準法に基づいて建築物の高さや建ぺい率、容積率等を規制することによって、町並みの統一が図られていますが、景観を重視するという観点から建築物の高さや形態、意匠、色彩までを規制する法令は存在しませんでした。国においては、良好な景観の形成を国政の重要課題として位置づけ、景観形成に関する地方自治体の自主的な取り組みを支援するために、平成十六年六月に景観法を公布されました。本市においては、これまでさまざまな都市景観施策に取り組んでいるところでありますが、今日提案された景観条例について、順次お伺いいたします。 初めに、景観条例制定及び景観計画策定に当たっては、市政への市民参画の観点からも市民意見の反映が不可欠であると思いますが、これまでどのように市民参画を進め、市民意見との反映を図ってきたのかお示しください。 次に、景観条例素案及び景観計画素案等については、去る八月二十日から九月二十一日まで、市民参画手続としてパブリックコメント手続を実施されました。このパブリックコメント手続の実施に寄せられた意見について、賛否それぞれ主なものをお示しください。 また、賛成しがたいとするものもあったと思いますが、意見に対する当局の見解をお示しください。 以上、答弁願います。
    ◎建設局長(山中敏隆君) お答えいたします。 景観条例制定及び景観計画策定に当たりましては、平成十二年度及び十六年度に実施いたしました都市景観ガイドプラン見直しのための市民意識調査を踏まえるとともに、十八年度には、景観形成重点地区候補地の抽出とその地域特性や課題等の整理を行うため、公募市民によるかごしま市景観づくり会議を四回開催したところでございます。 また、本年度はおただしのように八月二十日から九月二十一日にかけて、景観計画素案景観条例素案等に関するパブリックコメント手続を実施し、三十四人の方から百三十八件の御意見をいただいたところであり、このうち十一件の御意見を景観計画原案景観条例原案へ新たに盛り込むこととするなど、市民意見の反映に積極的に努めてきたところでございます。 パブリックコメント手続で寄せられた主な賛成意見といたしましては、「桜島への眺望の保全を最重点と考える。城山からの眺望が最も大切である」「眺望確保については、桜島へのもの、城山へのもの、双方とも高さや範囲をもっと厳しくしてよい」「市民・事業者・行政が協働して、みんなが誇れる景観形成を進めることが大変重要だと思う」などがございました。 また、反対意見といたしましては、「高さ制限を含む景観条例制定には反対する。もっと協議を重ねて市民意見を吸収してから判断してほしい」というものがございました。 本市といたしましては、城山展望台から錦江湾に浮かぶ桜島の眺望や、城山など斜面緑地を背景とした錦江湾・桜島からの市街地景観は、本市を代表する景観であり、多くの市民や観光客からも認められておりますことから、高さ制限が必要であると考えているところでございます。この高さ制限の基準線は、都市計画で定められている現行の容積率等で一般的に建築可能な建築物を上回る高さで設定しており、また、建築物の高さがこの基準線を越える場合においても、景観審議会の意見を聞き、個別に判断する仕組みとしておりますことから、景観法に基づく適正な制限であると考えております。 以上でございます。   [上門秀彦議員 登壇] ◆(上門秀彦議員) 答弁をいただきました。 高さ制限の基準線は、景観法に基づく適正な制限であるとの考えが示されました。景観は、景観法でも国民共有の資産とされており、本市においても、市民とともに、本市特有の景観の形成を図っていくことが大切であると思います。 次に、景観条例は、景観法及び景観計画と一体となって景観形成への効果を実現する仕組みになっておりますが、景観条例及び景観計画に基づく施策として、条例等の施行とともに効力を発生するものと、条例等の施行後に地域住民の合意形成や景観審議会の審議の手続を経て効力を発生するものとがあると考えますが、このような段階的な景観形成の取り組みの考え方を示していただきたい。 次に、本市は、城山展望台から錦江湾・桜島への眺望景観等の鹿児島市らしい景観を有しておりますが、景観条例及び景観計画には、これらの特徴を生かした本市独自の施策が盛り込まれると思いますが、それはどのようなものかそれぞれお示しください。 以上、答弁願います。 ◎建設局長(山中敏隆君) 景観形成への取り組みについての考え方でございますが、本市では、全市的に景観を阻害する派手な色彩の店舗や屋外広告物が散見されますことや、開発等により斜面緑地の分断や緑地の減少が進むことが予想されますことなどから、まず、景観条例の施行に合わせて、全市域を景観計画区域に指定した上で、景観阻害要因を改善・予防するための景観誘導を行うこととしております。 次に、それぞれの地域の個性を生かす景観形成を図りますためには、地域住民の合意を得て、協働による取り組みが不可欠でございますことから、景観条例の施行後、合意形成が図られました地区から順次、住民等の方々とともに地区の景観計画を検討し、その策定をもって景観形成重点地区に指定するという段階的な景観形成を図ることといたしております。 景観条例の本市独自の要素といたしましては、市民及び事業者は、市長に対し、視点場及び眺望確保範囲を定めること等を申し出ることができること、市長は、景観形成を図ることを目的に組織された団体が要件を満たせば、景観づくり団体に認定できること、景観計画の策定や変更等について調査・審議する景観審議会を設けることなどがございます。 また、景観計画の本市独自の要素といたしましては、城山展望台から錦江湾に浮かぶ桜島の眺望及び海から城山への眺望を確保するために、必要な範囲において建築物等の高さの基準を設けていること、全市域において建築物・工作物の色彩基準を設けていること、景観形成上、重要な地区として八地区を景観形成重点地区候補地に位置づけていることなどがございます。 以上でございます。   [上門秀彦議員 登壇] ◆(上門秀彦議員) 御答弁いただきました。 景観条例には、視点場や眺望確保範囲などについて市民から申し出ることができること、景観づくり団体の設定等が盛り込まれており、市民も積極的に景観の形成に参加できる仕組みとなっております。また、段階的な取り組みである景観形成重点地区の合意形成には時間がかかることが予想されますが、話し合い等を積み重ね、市民と協働して景観形成がなされていくことを期待をいたします。 次に、景観法によれば、景観行政団体である本市は、良好な景観の形成に重要な建造物を景観重要建造物、そして同じく樹木を景観重要樹木として指定することができることになっておりますが、その指定方針と今後の指定手続の進め方をお示しください。 以上、答弁願います。 ◎建設局長(山中敏隆君) 景観重要建造物及び景観重要樹木の指定方針につきましては、道路など公共の場所からだれもが容易に見ることができ、地域の象徴的な存在として地域の景観を特徴づけ、良好な景観形成に寄与することなどの基準に該当するものを指定することといたしております。 手続といたしましては、広く市民の方々から候補を募集し、所有者の同意や景観審議会での意見聴取を経て指定を行うことを考えております。 以上でございます。   [上門秀彦議員 登壇] ◆(上門秀彦議員) 答弁をいただきました。 本市は、戦災により市街地の大部分を焼失したために歴史的建造物が少なく、景観重要建造物の指定には難儀されると思いますが、現在の建築物も含めて、ふさわしい指定をしていただきたいと思います。 次に、景観の形成は、市民・事業者・行政が協働して進めていかなければなりませんが、そのためには、景観形成に関して、市民への啓発・普及、そして市民の方々の理解を深めていただくことが必要となってきます。このようなことから、今後、どのように市民への周知を図っていくのかお示しください。 答弁願います。 ◎建設局長(山中敏隆君) 市民の方々への周知につきましては、条例の公布、計画の告示後、その内容をホームページに公開するとともに、報道機関に対する情報提供を通じて広く周知を図ってまいりたいと考えております。 また、市民のひろばや市政広報テレビ、ラジオ等による広報を継続的に行うとともに、関係団体へのパンフレット配付及び説明会を行うこととしております。さらに、市内十地域で説明会を開催することとしており、景観計画・景観条例の施行後も、引き続き周知に努めてまいりたいと考えております。このほか、景観アドバイザーの派遣や景観整備機構等の民間の活力も活用しながら、景観に関する市民意識の高揚も図ってまいりたいと考えております。 以上でございます。   [上門秀彦議員 登壇] ◆(上門秀彦議員) 答弁をいただきました。 都市の景観の形成は、行政だけでできるものではありません。先ほど申し上げましたとおり、市民との協働で進めていかなければなりません。そのためには、市民の景観の形成に関する理解を深めることが必要であります。これからも積極的に市民への啓発・普及、そして市民の方々にわかりやすい周知に努めていただくよう要請をいたしておきます。 次に、地方再生モデルプロジェクトについて伺います。 地方再生モデルプロジェクトについては、雇用情勢が厳しい状況にある地方に対し、国が地域の創意工夫のあるモデル的な取り組みを募集し、緊急かつ総合的な支援を実施することにより、地域経済の下支えを図るものであります。本市からは、公共交通の活性化・地元大学との連携促進による中心市街地の再生プロジェクトを提出し、去る十一月二十七日に国により実施が決定され、今議会に関連する補正予算が提出されているところであります。この再生プロジェクトに盛り込まれた事業について、以下質問いたします。 一点目に、鹿児島大学との連携による商店街活性化策の検討・推進について、対象となる商店街や支援方法など具体的な取り組み内容をお示しください。 答弁願います。 ◎経済局長(松木園富雄君) お答えします。 今般認定されました地方再生モデルプロジェクトに係る商店街活性化の支援対象となる団体は、中央駅南部地区の四商店街を含む中央駅南部地区リニューアル協議会でございます。具体的には、独立行政法人中小企業基盤整備機構による中心市街地商業活性化サポート事業を活用し、鹿児島大学からのより専門的な助言もいただきながら、同地区の現状把握や分析を行い、まちづくりの方向性や商店街活性化策の検討を進めるものでございます。 以上でございます。   [上門秀彦議員 登壇] ◆(上門秀彦議員) 御答弁いただきました。 商店街活性化の支援対象となる団体は、中央駅南部地区の四商店街を含む中央駅南部地区リニューアル協議会であることが明らかになりました。 今回の再生プロジェクトについては、本市がこれまで進めてきた都市再生整備計画に基づくまちづくり交付金を活用した各種事業に加えて、公共交通の活性化や地元大学との連携促進を図ることにより、中心市街地の再生を加速化させることがポイントとされております。中心市街地の商店街活性化を図るためには、天文館地区とともに鹿児島中央駅地区の商業機能の充実を図り、九州新幹線の開業効果を最大限に発揮させるという観点が不可欠であると思います。 そこで二点目に伺いますが、鹿児島中央駅東口地区において「We Love 天文館協議会」のように、地域の商業者や集客施設、町内会などが一体となって、まちづくり憲章の制定や各種イベントの開催を通じて地域情報の発信を行うことができるよう、行政としても支援する考えはないのか見解をお示しください。 答弁願います。 ◎経済局長(松木園富雄君) 「We Love 天文館協議会」は、天文館地区の皆様のまちづくりに対する熱い思いが結実し発足いたしたものでございます。一方、鹿児島中央駅周辺地区におきましては、平成二十三年春の九州新幹線全線開業を見据え、地区商店街、地元住民等の参画による個性的で魅力あふれるまちづくりの推進が今後一層期待されているところでございます。本市といたしましても、ただいま申し上げました鹿児島大学との連携による商店街活性化策の検討結果等も踏まえながら、同地区の活性化を進めるとともに、地域によるまちづくりの動きを支援してまいりたいと考えております。 以上でございます。   [上門秀彦議員 登壇] ◆(上門秀彦議員) 御答弁をいただきました。 中央駅周辺地区においては、九州新幹線全線開業も相まって、中央町十七番・十八番街区における民間の再開発ビルも動き出したようであります。さらには、中央町十一番街区、朝市のあり方など本市の陸の玄関としての魅力あふれるまちづくりの推進が一層期待されます。行政としても、中央駅周辺地区一体となったまちづくりに各面からさらなる御支援をされるよう御要望申し上げます。 今回の再生プロジェクトには、市電軌道敷緑化整備事業が盛り込まれており、既に整備済みの区間から新屋敷交差点及び中洲通りまでの区間の延伸が計画されております。市電軌道敷緑化整備事業については、これまでまちづくり交付金を活用して整備が進められてまいりましたが、今回の再生プロジェクトにおきましては、新たに都市交通システム整備事業の補助金を活用することとされております。 そこで三点目に伺いますが、市電軌道敷緑化整備事業を推進するに当たって、国の助成制度の活用の考え方をお示しください。 答弁願います。 ◎建設局長(山中敏隆君) 市電軌道敷緑化整備事業につきましては、これまで良質な補助制度であるまちづくり交付金を活用し、都市再生整備計画に基づき、鹿児島中央駅から鹿児島駅間の整備を進めてきており、市民を初め多くの方々から高い評価を受けているところでございます。今後、中心市街地活性化基本計画に位置づけた区間の市電軌道敷緑化を進めていくためには、都市再生整備計画の変更手続が必要となりますが、中心市街地の再生を加速化させるため、今回、地方再生モデルプロジェクトに位置づけを行い、都市交通システム整備事業の補助金を活用し、事業の前倒しを行おうとするものでございます。 以上でございます。   [上門秀彦議員 登壇] ◆(上門秀彦議員) 御答弁をいただきました。 既に整備済みの区間から新屋敷交差点、中洲通りまでの区間の延伸が計画され、事業の前倒しを行うとのこと。まちづくり交付金は国の補助率五分の二、都市交通システム整備事業の補助率が三分の一、あえて補助率の低い事業を導入するということは、事業の前倒し、中心市街地の再生が加速化するというメリットは理解できましたが、新屋敷交差点、中洲通りよりさらなる市電軌道敷緑化事業の延伸を視野に入れての事業ではないかと思いますので、今後の事業の展開を期待しております。 次に、商業集積ガイドプランの策定についてお伺いいたします。 本年十一月三十日から改正都市計画法が施行され、床面積一万平方メートルを超える大規模集客施設については、工業、準住居、第二種住居の各地域への出店が規制されることとなりました。また、本市においては、去る九月の第三回定例会において、鹿児島市特別用途地区内における建築物の制限に関する条例が議決され、準工業地域における大規模集客施設の出店も規制されることとなりました。しかしながら、一万平方メートル以下の施設の出店については、依然として規制がない状態が続いております。 そこでお伺いいたします。 まず、他都市においては、一万平方メートル以下の独自の条件を定めて、集客施設の適正立地を図っている都市があると思いますが、どのように把握しているのかお示しください。 さらに、市域内におけるバランスのとれた商業集積の形成を促進するためには、中心市街地活性化基本計画の策定、並びに準工業地域における特別用途地区の指定などの取り組みを踏まえて、都市計画の見直しと連携を図りながら、各地域ごとに望ましい商業施設の誘導・規制の方針を定めた商業集積ガイドプランを作成する必要があると思いますが、見解をお示しください。 以上、答弁願います。 ◎経済局長(松木園富雄君) 商業集積に関する指針の策定状況でございますが、京都市におきましては、商業集積の現状や地域特性を考慮して、市内を七種類のゾーンに区分し、地域ごとのまちづくりと商業集積の方向性を示すとともに、大型店の誘導・規制の考え方を示した商業集積ガイドプランを策定したほか、金沢市、尼崎市、西宮市などでも指針を設けて、一万平方メートル以下の集客施設の立地について誘導を図っているようでございます。 次に、商業施設の立地場所の誘導などの方針を定めた商業集積ガイドプランにつきましては、本市としまして望ましい商業集積の実現を図る観点から、他都市の先行事例等も含め引き続き研究してまいりたいと考えております。 以上でございます。   [上門秀彦議員 登壇] ◆(上門秀彦議員) 御答弁をいただきました。 商業集積ガイドプランにつきましては、他都市の先行事例等も含め、都市計画との連携を図りながら、策定へ向け努力されるよう御要望申し上げます。 次に、自転車等駐車対策について伺います。 平成八年度の自転車等の駐車対策に関する条例施行から十年が経過しておりますが、これまでの天文館を中心とする中央地区における当局の駐車対策についてお伺いいたします。 本市におきましては、当初、中央公園地下のセラ602の駐車場とテンパーク通りを結ぶ地下通路にあわせて自転車等駐車場の計画がなされました。ところが、地元からの反対陳情が議会へ提出されたことにより、議会において、地下施設を含めた整備計画について審議した経過があります。当局におかれましては、議会の指摘や要望を踏まえ、分散して駐輪場を設置することにより利用者の利便性を図る計画に見直しをし、これまでに六カ所の駐輪場を設置するとともに、その周辺約二十八ヘクタールを放置禁止区域に指定されました。また、現在、七カ所目の中町自転車等駐車場を建設中であります。先般の建設委員会に、これまでの計画から整備経過、当初計画約四十五ヘクタールの整備が一応終わることなどについての報告がなされたところであります。議会としても、他都市の行政視察を行い、先進地の事例をもとに駐車対策についていろいろと指摘した経過があります。そこで、当局が整備をしてきた駐輪場について検証して、今後の本市の駐車対策を進めていかなければならないと考えております。 そこでお伺いいたします。 まず、天文館地区における駐車対策の経過について、当初計画、その後の計画変更、来年春に予定されている中町自転車等駐車場の供用のそれぞれの時点における基本的な考え方と達成状況をお示しください。 次に、この間に、自転車等駐車場の整備に要した事業費を施設ごとにお示しください。 以上、答弁願います。 ◎建設局長(山中敏隆君) お答えいたします。 中央地区における自転車等の駐車対策についてでございますが、当初計画として、電車通りから北側の区域を対象に、照国町交差点地下に核となる中規模の自転車等駐車場を整備するとともに、その周辺に小規模な駐車場を数カ所整備することとし、総事業費約二十三億円、整備台数約一千三百台の整備計画を立案しましたが、地元の御理解を得られなかったところでございます。 このことを契機に、市議会からの御指摘等を踏まえ、利用者の利便性や費用対効果を考慮して、天文館を中心とする中央地区約四十五ヘクタールを対象として、自転車等駐車場を八カ所程度分散して整備することとし、総事業費約二十一億円、整備台数約二千三百台の計画に見直しを行い、これまで年次的に駐車場を整備するとともに、放置禁止区域を指定してきたところでございます。現在、建設を進めております七カ所目の中町自転車等駐車場を平成二十年四月から供用開始することにより、総整備台数は一千六百八十四台となり、区域内の駐車需要約一千六百台に対応できることとなりますことから、見直し後の計画に基づく整備を終えることになります。 これまで各自転車等駐車場の整備に要した事業費は、東千石が一億八千八百万円、おつきやが一億八千万円、山之口が三億二千五百万円、二本松が二億一千七百万円、松山通が六千八百万円、西千石が一億四千九百万円で、中町は六億九千二百万円を見込んでおりますことから、これまでの総事業費は十八億一千九百万円となるところでございます。 以上でございます。   [上門秀彦議員 登壇] ◆(上門秀彦議員) 御答弁をいただきました。 当局におかれましては、ほぼ計画変更に基づいた駐輪場の設置がなされ、駐車需要に見合った駐車枠の確保ができているとのこと。それぞれの施設の事業費も示されました。まさしく議会の指摘を受けての利用者の利便性や費用対効果を考慮しての駐車対策だと思います。改めて十年という年月・期間に思いをはせるのは私だけではないと思います。 さらにお伺いいたします。 放置台数の状況、自転車等駐車場の利用状況の変化を踏まえ、この間の取り組みをどのように評価しているのか。 また、今後の課題をお示しください。 以上、答弁願います。 ◎建設局長(山中敏隆君) 中央地区におきましては、自転車等駐車場の設置と放置禁止区域の指定、放置防止の周知・広報などにより、自転車等の利用者の意識向上が図られましたため、計画区域内の放置台数につきましては、平成十三年度の約三千百台が平成十九年度には約八百台で、四分の一に激減しているところでございます。 また、現在、設置しております六カ所の自転車等駐車場の利用状況につきましては、年次的に整備してきましたことから、年々利用率が向上し、六施設合わせた利用率は、平成十七年度以降は約九五%となっております。このようなことから、放置禁止区域内においては、歩行者や緊急車両等の通行障害が解消され、都市景観の向上が図られたものと考えております。 また、今後の課題といたしましては、放置される自転車等が禁止区域の周辺に移動している傾向も見られますことから、平成二十年四月に供用開始する中町自転車等駐車場を含めた各自転車等駐車場の利用状況や放置禁止区域内とその周辺の放置状況等を調査・検証し、放置防止対策について改めて検討していく必要がありますほか、撤去した自転車等の返還率の向上を図ること、返還できなかった自転車の活用策について各面から検討を行うことなどがございます。 以上でございます。   [上門秀彦議員 登壇] ◆(上門秀彦議員) 答弁をいただきました。 駐輪場も多くの方に利用されており、放置禁止区域内においては、放置自転車が激減しているとのこと。ただし、その周辺に移動している自転車等もあるようであります。また、今後の取り組みとして、駐輪場の利用状況や放置状況を検証して検討するとのこと。最終的に本市の駐車対策については、課題等を含め取りまとめられることと思いますが、これまでの駐車対策については、記録にとどめ、冊子等を作成するなり、本市の今後の駐車対策、市民への啓発につなげるよう、対応されることを要望いたしておきます。 次に、住宅行政についてお伺いをいたします。 本市においては、市営住宅ストック総合活用計画により、既存の市営住宅については、建てかえとあわせて、全面的改善工事や個別改善工事で整備を進められております。武岡住宅においても全面的改善工事により既に二棟が完成し、本年も一棟工事が進められております。全面的改善工事は、建てかえに準じた手法として、コストを抑えながら住戸性能を建てかえに近い水準を目指し、完成後三十年以上使用することを前提に取り組まれております。この全面的改善工事を促進するために、既存建物への入居者へはどのような対応をとられているのか。また、改善工事が終了した住宅に入居された入居者の評価についてお示しください。 同ストック総合活用計画を策定してから五年が経過し、ことしこの見直しに取り組まれると思うが、どのように取り組まれているのか、方針と今後のスケジュールをお示しください。 以上、答弁願います。 ◎建設局長(山中敏隆君) 住宅行政についてお答えいたします。 全面的改善工事につきましては、入居者に対しまして事前説明会を開催し、事業への理解が得られるよう努めております。工事開始に当たりましては、近辺の市営住宅に仮移転していただき、仮移転先と完成後の住宅への二回分の移転料等をお支払いしております。 評価につきましては、本年度、鹿児島市営住宅ストック総合活用計画の見直しの中でアンケート調査を実施し、その結果、約六割の方が改善してよかった、約三割の方がよかったが多少不満があるとなっております。なお、不満の内容につきましては、エレベーターの着床が踊り場であること、家賃の上昇などでございました。 また、鹿児島市営住宅ストック総合活用計画の見直しの状況といたしましては、合併に伴う旧五町の市営住宅の位置づけを行いますとともに、入居者の評価や費用対効果などを踏まえながら、既存住宅の整備方針について検討することとし、平成二十年三月までに策定する予定でございます。 以上でございます。   [上門秀彦議員 登壇] ◆(上門秀彦議員) 御答弁いただきました。 全面的改善工事により整備された市営住宅は、完成後三十年以上継続して使用することとなります。今後、入居者の高齢化もますます進むことが予想されます。バリアフリー対策など高齢者等の使用に配慮した改善工事となるよう、さらなる工夫を重ねられるよう要望いたします。 次に、議会のたびに市営住宅の明け渡しに関する訴訟が提起されています。滞納者に対する法的措置について、訴訟の対象者をどのように選定されているのか、基本的な考え方をお示しください。 また、この訴訟を行うことによりどのような効果があったのか。平成十八年度の状況について、具体的にお示しください。 以上、答弁願います。 ◎建設局長(山中敏隆君) 住宅使用料の滞納者に対する法的措置につきましては、滞納月数が六カ月以上または滞納金額が十五万円以上の滞納者のうち、納入催告に応じず、納入の意思が見られない場合に行っております。 効果につきましては、平成十八年度に提起いたしました五十件の訴訟のうち、平成十九年十一月末現在で、滞納額の完納が五件、分納中が二十三件、明け渡し退去が十件、残りが明け渡しの強制執行予定でございます。 以上でございます。   [上門秀彦議員 登壇] ◆(上門秀彦議員) 御答弁いただきました。 法的措置につきましては、滞納の理由もさまざまであり、一律にできないこともあるでしょうが、住宅使用料の滞納につきましては、法的には三カ月以上の滞納者に対して明け渡しが求められることとなっております。滞納している入居者の利にならないよう、対応をお願い申し上げておきます。 次に、この使用料の滞納状況に関して、十六年度から十八年度までの三年間の収納状況について、現年度、過年度及び現年・過年の合計の収納率、また平成十八年度における滞納総額と中核市の中でそれぞれがどのような状況なのかお示しください。 以上、答弁願います。 ◎建設局長(山中敏隆君) 収納率につきましては、現年度、過年度及び現年・過年の合計の順にお答えいたします。 平成十六年度九七・八%、一四・七%、八四・三%、十七年度九八・二%、一二・八%、八五・一%、十八年度九八・四%、一一・八%、八五・七%でございます。 平成十八年度における滞納額は四億四千三百八十二万円であり、また、中核市三十五市の中での収納率の順位につきましては、現年度四位、過年度二十二位及び現年・過年の合計で十二位でございます。 以上でございます。   [上門秀彦議員 登壇] ◆(上門秀彦議員) 収納状況をお聞きしました。現年度の収納率は中核市の中でも高い位置を占め、また、現年・過年の合計の収納率もわずかではありますが、年々向上していることに対しましては評価をいたします。しかしながら、過年度の収納対策を含め、すべての入居者に対する公平・公正の観点から、今後も収納率の向上に努めるよう要望いたします。 次に、公共建築物ストックマネジメント事業についてお伺いいたします。 本市の所有する公共建築物は、簡易なものを除き、棟数で約三千八百、床面積の合計で約二百万平方メートルを超えております。これらの多くが昭和五十年代に建設され、建築後約二十年以上経過しており、全体の棟数の約六〇%を占めております。今後、さらに老朽化が進む状況にあると思います。このような状況の中で、建物を良好な状態で長期にわたって利用していくことは、大変に重要なことであり、適切な対応を行うことは、財政面や地球環境保全の面でも有効なことであると思います。本市では、これまで施設ごとに独自で行われていた修繕等が生じてから対処する維持保全から、全庁的に統一した方針のもと、中長期を踏まえた計画的・効率的な維持保全を行う目的で、平成十七年度より公共建築物ストックマネジメント事業に取り組んでいます。 そこでお伺いいたします。 まず、平成十九年度の進捗状況をお示しください。 答弁願います。 ◎建設局長(山中敏隆君) お答えいたします。 公共建築物ストックマネジメント事業は、既存の公共建築物につきまして、計画的で効率的な維持保全と日常の適切な維持管理を主要な柱として、その長寿命化と施設の維持に要する費用の軽減を図ろうとするものでございます。 事業の進捗状況につきましては、平成十七年度に基礎的な調査等に着手し、十九年度からは順次、建築物ごとの保全計画を作成することといたしております。まず、本年度におきましては、約三十棟について劣化調査を行い、計画の作成を行っているところでございます。平成二十年度からは、この計画をもとに具体的な維持改修を実施していくことといたしております。 以上でございます。   [上門秀彦議員 登壇] ◆(上門秀彦議員) 次に、施設の維持保全の充実を図るため、全庁的な連携をどのように図っているのか。 各施設等による日常の維持・点検をどのように行っていくのか。また、その結果と計画的な維持修繕と整合性を図るため、予算編成にどのように反映させるのか。 以上、答弁を願います。 ◎建設局長(山中敏隆君) 庁内の連携体制についてでございますが、これまで施設ごとに行われていた維持修繕が、全庁的に統一した形で実施されていくことは大変重要でありますことから、公共建築物ストックマネジメント検討委員会等の場で、本事業の全庁的な取り組みの推進について協議を重ねてきたところでございます。特に、円滑な事業の推進のためには、多くの施設を有する部署との連携・調整や財政的な措置が重要となりますことから、これらの関係部署との綿密な協議も行ってきたところでございます。 また、建築物を良好な状態で保つためには、日常の維持管理が大変重要となりますことから、今後は、施設ごとに各管理者が日常点検を行うものとし、その結果を定期的に報告することといたしております。日常点検の実施に当たりましては、その項目や手法等をわかりやすく解説した維持保全ガイドブック等を作成したところであり、現在、各施設管理者を対象に、このガイドブック等を用いた説明会等を実施しておりますほか、修繕の事例や点検方法のアドバイスなどを紹介する保全ニュースも作成・配付し、庁内への情報提供を行っているところでございます。なお、点検結果は、保全計画の見直しや改修等の予算措置に反映してまいりたいと考えております。 以上でございます。   [上門秀彦議員 登壇] ◆(上門秀彦議員) 御答弁いただきました。 市役所東別館が床面積一万平方メートルの建物であるということを考えれば、本市は東別館を約二百棟抱えている状況であります。これらの施設を管理、維持保全するには、莫大な費用がかかることは想像にかたくありません。中長期の視点に立ち、計画的・効率的に維持保全ができますよう御要望申し上げます。 最後に、スポーツ施設の早朝開放について伺います。 平成十八年度の国土交通白書によりますと、団塊の世代のアンケートで六十歳を過ぎてからの人生でやってみたいことの四位に、スポーツ・体力づくりが入っております。団塊の世代の四人に一人がスポーツをやってみたいとのアンケート結果であり、高齢者の方々のスポーツニーズの高まりが今後見込まれます。 このような中、私のほうに早朝テニスクラブの方々から、条例に違反しているのではないかということで、長年行ってきた早朝テニスができなくなって困っているというお話がありました。高齢者のスポーツは、高齢者の健康維持、増進の面からも果たす役割は大きいものがあり、折しも、来年本県で開催されるねんりんピックの開催趣旨と同じ意義を持つものと考えています。 そこで教育長にお伺いいたします。 高齢者の方々へのスポーツが果たす役割をどのように考えているのか。 次に、他都市においてもスポーツ施設の早朝開放を行っている都市が多数あります。高齢者のみならず、多様化する市民ニーズに的確に対応するため、スポーツ施設の早朝開放が考えられないのか答弁願います。 ◎教育長(石踊政昭君) お答えいたします。 高齢者の方々にとりまして、スポーツは体を動かすという人間の欲求にこたえるとともに、健康や体力の保持・増進、仲間づくりや生きがいづくりなど、明るく豊かな生活を営むために大きな役割を果たすものと考えております。 次に、スポーツ施設の利用時間は、条例で定められており、スポーツ大会準備などの特別な場合を除いて、時間内に利用していただいているところでございます。施設の早朝開放につきましては、今後、利用者ニーズ、管理運営体制、コスト及び周辺住民への影響など、各面から検討してまいりたいと考えているところでございます。 以上でございます。   [上門秀彦議員 登壇] ◆(上門秀彦議員) 御答弁をいただきました。 スポーツ施設の早朝開放は、他都市においては朝四時からとか朝六時、また、日の出から開放している都市もあります。また、私の調査では、中核市において三十五市のうち二十九市、九州・沖縄県都市八市のうち六市が早朝開放を実施しているようであります。条例との関係、管理体制、周辺住民との関係、また、公園施設の関係など、解決しなければならない問題があることは、私も承知しております。他都市を調査され、市民ニーズの高まりも把握をされ、早朝開放がなされるよう強く要望しておきます。 以上で、私の個人質疑のすべてを終了いたします。 ○副議長(秋広正健君) 以上で、上門秀彦議員の個人質疑を終了いたします。(拍手) 次は、小川みさ子議員。   [小川みさ子議員 登壇](拍手) ◆(小川みさ子議員) 二〇〇七年十二月議会に無所属の立場で質問してまいります。 なお、重複及び理解に至った質問は割愛いたしますので、御了承ください。 まず、青森県下北半島の六ケ所村にある核燃料再処理工場についてお尋ねいたします。 昨年三月三十一日、多くの反対の声を押し切り、原発の使用済み燃料を再処理して、人類が手にしてはならないと言われる猛毒プルトニウムを抽出する試運転が始まりました。当初はことしの八月に本格稼働と言われていましたが、トラブルが続いて十一月に延期、さらに来年の二月に再延期されて、今日を迎えております。 プルトニウムを燃料とする福井県にある高速増殖炉もんじゅが、一九九五年十二月八日、ナトリウム火災事故を起こして十三年になります。つまりプルトニウムの在庫を使わなくなって十三年もたち、プルトニウムを平和的に使用するなどと言い、プルトニウムの混合燃料、いわゆるMOX燃料を使用するプルサーマル計画を慌てて進めているのです。 原子力の安全神話は、茨城県東海村のJCO臨界事故で死者を出し、東電トラブル隠しで十七基の原発がすべてとまったことなどで完全に崩壊し、核拡散の誘因やテロ・犯罪の標的となることが懸念される今、プルトニウムの大量抽出をなぜ国是として進めなくてはならないのか。日本の方針、世界の潮流はどうなっているのか、以上、お示しください。 答弁を求めます。 ◎環境局長(川原勤君) お答えいたします。 海外における主な再処理工場につきましては、国に伺いましたところ、これまで七カ国十九施設の稼働実績がございましたが、現在は、イギリス、フランス、ロシアの三カ国五施設の稼働が確認されているとのことでございます。 国は、エネルギー政策の基本方針に基づいて原子力行政を進めておられるところでございますが、再処理工場の稼働につきましては、住民の生活の安全性の確保がすべてに最優先しなければならないものであると思っております。 以上でございます。   [小川みさ子議員 登壇] ◆(小川みさ子議員) お示しいただきました御答弁にありましたように、世界の再処理政策は衰退しています。イギリスの再処理工場も二〇〇五年に事故があり、現在、日本などから委託されている処理が終われば、この再処理から撤退するのだそうです。周辺、特に海産物が汚染され、白身を除く魚やロブスターやエビは放射能が濃縮されていて、この地方では海藻は食べないそうです。 つい先日、六ケ所村を訪れた私の子供たち、若い世代も現地で米農家のお米が売れなくなったという悩みを聞き、少しずつ注文してきたと話していました。試運転でも風評被害が起き、実害が脅かされているのです。 もしかして本市は、日本の再処理工場は遠い青森県のことと他人事のように考えているのではないでしょうか。私たちが川内原発から送られてくる電気を使い、その使用済み燃料が青森まで送られ、再処理がなされています。私たちは、危険を過疎地である六ケ所村に押しつけていることへの見解、また、さきの柏崎刈羽原発の震災でも明らかなように、原発震災は一たび起きれば復興は無理です。原発隣接市の本市として、原発震災で想定できること、また、原発に依存しない持続可能な分散型エネルギーについての現状をまとめてお示しください。 以上、答弁を求めます。 ◎環境局長(川原勤君) 国の原子力政策は、エネルギー基本計画や原子力政策大綱に基づき進められております。川内原発の使用済み燃料の処理につきましても、国が定めた方針に基づいて行われると思っておりますが、このことにつきましても住民の生活の安全性の確保がすべてに最優先されるべきものであると考えております。 次に、川内原子力発電所の震災による影響につきましては、県に伺いましたところ、半径十キロメートルを超える範囲に重大な影響を与える事故の発生は想定されないために、鹿児島市について災害対応すべき影響が出るような事故は想定していないとのことでございます。なお、震災後は、電力の安定的な供給の面が懸念されるところでございます。 また、本市における分散型エネルギーの現状は、太陽光発電システムが二千五百基を超え、風力発電も九基稼働いたしている状況でございます。今後も、分散型エネルギーにつきましては、地球温暖化防止にも大きく貢献することから、積極的に普及促進に取り組んでまいりたいと考えているところでございます。 以上でございます。   [小川みさ子議員 登壇] ◆(小川みさ子議員) 答弁いただきました。 川内原発周辺に活断層がありながら、わざわざ市民の安心安全をないがしろにした回答を県から得て、それをうのみにして答弁されるのはいかがかと思います。 昨年三月には、想定を超えた地震動によって被爆の可能性があるとし、滋賀原発の運転差しとめ判決で勝利。ところが、ことしの十月二十六日原子力の日に、東海地震の予想震源のど真ん中にある原発、浜岡原発差しとめ訴訟があっさり棄却。私も原告に名を連ねていましたので、急ぎ控訴の手続をしました。 このような判決を見ての県の回答なのかもしれませんが、原発震災及び原発から毎日出る使用済み燃料の再処理問題は、地球規模、そして人類の歴史上の問題です。再処理工場の二月の本格稼働を凍結させるために、私たち母親は何としても子供たちに安全な未来を手渡したいとし、署名だけでなく、青森県の三村知事、六ケ所村の古川村長、内閣総理大臣、経済産業大臣にメッセージを添え、絵はがきを送る運動も進めています。 一立方センチメートルで二千万人の人が死ぬと言われているプルトニウム。これは長崎型原爆ファットマンの材料です。日本では核兵器と原子力は平和と軍事で分けられていますが、日本以外の外国では完全に一つの同じ敷地に並んでいるのです。私が台湾の原発を視察に行きました際も、台湾では原発を核電、つまり核の電気と呼んでいました。 イギリスのセラフィールド工場でもフランスのラ・アーグ再処理工場でも、核兵器部門と原子力部門は全く分けることはできません。原爆工場イコール原子力工場なのです。ミサイルを製造しながら同時に原子力産業の仮面をかぶっているにすぎないのです。フランスのシェルブール港から一九九二年、九三年にかけて日本にあかつき丸でプルトニウムが返還輸送されました。当時の西駅前にテントを張り、座り込みをして抗議をいたしましたが、それらもすべて原爆工場から来ていたのです。 日本のメディアが北朝鮮の核兵器を問題にしながら、青森県六ケ所村の世界最大の原爆の材料であるプルトニウム工場イコール原爆工場を問題にしないのは全く理解できません。 鹿児島市は、原発立地市ではない理由で原発震災すら対岸の火事といった姿勢。地球温暖化ばかりを騒ぎ、かすんでしまっている原子力政策。いずれにしても分散型エネルギーの代表と言える太陽光発電が、本市では百軒に一軒の割合で普及していることは了としますが、できれば防災対策も含め、避難先に使用される施設、体育館などへの太陽光発電の設置を要望しておきます。 今回は、別に重要な質問を抱えておりますのでこの辺で切り上げますが、私たちの使用した電気の使用済み燃料から再処理工場が本格稼働すれば、毎年八トン、つまり核兵器一千発分のプルトニウムが毎年抽出されるのです。市ももっと真摯に情報を集め、もっと誠意ある独自回答ができるよう求めておきます。 新たな質問に入ります。 県外資本の大型商業施設進出の影響についてのお尋ねです。 中心市街地活性化を目的としたまちづくり三法のうち、改正都市計画法などが完全施行されるのに加え、工業地域、準工業地域内への大規模商業・娯楽施設の建設が大幅に規制されるとの報道がありましたが、今回の大規模商業・娯楽施設の建設規制とは具体的にはどのようなものか。都市計画法と関連する建築基準法の一部改正の内容。また、建設時の基準には合っているものの、既存不適格建築物とされる大型店舗は具体的にどこか。果たして中心市街地、地域まちづくりに効果があると思われますか。 以上、答弁を求めます。 ◎建設局長(山中敏隆君) お答えいたします。 建築基準法等の一部改正の内容といたしましては、広域にわたり都市構造に大きな影響を与える床面積一万平方メートルを超える店舗、飲食店等の大規模集客施設の立地について、商業地域、近隣商業地域及び準工業地域に限定するなど所要の見直しが行われ、本年十一月三十日から施行されております。 今回の改正は、人口減少・超高齢社会を迎える中、これまでの拡大成長を前提としたまちづくりのあり方を転換し、都市機能の無秩序な拡散に歯どめをかけ、多くの人々にとって暮らしやすい都市機能がコンパクトに集積した都市構造を実現することが重要であるという基本認識のもとに行われたものであり、中心市街地の活性化や地域まちづくりに一定の効果があるものと考えております。 以上でございます。   [小川みさ子議員 登壇] ◆(小川みさ子議員) 御答弁いただきました。 既に駆け込むように次々にオープンした大型店舗。では、シャッター通りの谷山及び地域商店街への影響はどのようにとらえていらっしゃるのでしょうか。盛んにメリットと言われる新規雇用の増加、消費者の購買意欲を喚起し、固定資産税など市税増収のかわりに失うもの、デメリットはどうなのでしょう。 また、地域の商店街の果たす重要な役割に対する認識についてお示しください。 以上、答弁を求めます。 ◎経済局長(松木園富雄君) 大規模商業施設の進出により、地元での新規雇用の増加や消費者の購買意欲の喚起等につながる一方で、交通渋滞の発生など出店地周辺の生活環境面での影響や、既存の小売店や商店街にとっては来客数や売上高への影響があるものと考えております。 次に、地域の商店街は、日常生活に必要なものを提供する買い物の場として市民の生活を支えるとともに、イベントなどの交流活動や防犯・清掃などの地域活動を通じて良好な環境づくりを進めているところもあり、地域コミュニティーの核として重要な役割を果たしていると考えております。 以上でございます。   [小川みさ子議員 登壇] ◆(小川みさ子議員) 御答弁いただきました。 イオンなど郊外型の大型店舗の出店後、私の住む桜ケ丘のスーパーマーケットでは、衣料品、また手芸用品店がテナントから姿を消しました。このことでお年寄りは買い物の楽しみが狭められました。市当局は、何でもないほんのささいなことだと思われるかも知れませんが、今後さらに影響を及ぼしてきた場合、地域の商店街への今後のソフト・ハード面の支援策及び小売業の方が廃業に追い込まれるような場合の支援策を講じる必要があると考えますが、現在はどのような支援があり、拡充は考えられないか。 以上、御答弁を求めます。 ◎経済局長(松木園富雄君) 地域の商店街に対しましては、CI戦略推進事業や商店街等交流活性化事業、元気の出る中小企業支援事業などを実施しているほか、街路灯や休憩施設等の共同施設の設置に対して助成するなど、ソフト・ハードの両面からその取り組みを支援してきているところでございます。また、本年度から新たに、頑張る商店街支援事業を創設し、商店街等が地域の実情や特色に応じ創意工夫を生かして実施する事業に対して助成を行っているところでございます。今後とも、これらの事業を積極的に活用し、地域に親しまれる商店街づくりに取り組んでいただきますとともに、本市といたしましても地元との連携を図りながら、活性化を進めてまいりたいと考えております。 次に、経営に関する支援を必要とする個々の事業者に対しましては、商工会議所、商工会等の経営相談窓口を御案内するとともに、中小企業融資制度の利用等について相談に応じているところでございます。 以上でございます。   [小川みさ子議員 登壇] ◆(小川みさ子議員) 御答弁いただきました。 私は、団地内で店の将来を案じる声をよく耳にします。消費者である団地住民は不便を訴え、お店のオーナーは不安があったのでは希望もなく、ストレスで健康も害すると意気消沈しています。相談事業の活用をもっと親切丁寧、積極的に進め、アイデアを提供したり、具体的に地域商店街が元気になる施策に取り組んでいただきたいと思います。超高齢時代を迎え撃つには、何かを求めるたびに隣の団地や大型店舗まで出かけていくような町ではなく、自転車・手押し車・徒歩圏内が理想なのです。団地や一つの商店街で日常生活の用が足せることが大事です。 さて、地域商店街で話題になっている宇宿では、これまでもミニFM放送、パークアンドライド、まちの駅、照明などの実験、都市再生モデル調査事業としての社会実験をされてきましたが、このたび空き店舗を利用した一から二坪の楽しげでユニークなお店を募集し、六区画で店がオープンし、今までになかったお店も加わり、町が元気になっているのではと期待を集めています。 私は、一昨年、名古屋市の若者たちが老朽化したビルや空き店舗などをうまく改装した個性的で小さな店舗が集積したまちづくりを紹介され、一番大きな旧さくらや旅館の客室をそのまま店舗にして、三十軒のお店が集積するさくらアパートメントを視察したことがあります。空き店舗・空き施設を区切って使用するということはわくわくする新たな発想だと思います。しかしながら、これはリーダーあってのこと。人材養成ノウハウなどを含めた指導、情報提供などを要望するとともに、今後さらに調査を重ね、次の機会に質問してまいります。 新たな質問に入ります。 危惧される生活保護基準の切り下げと市民の暮らしについては、一つずつお尋ねする予定でしたが、既に複数の質疑が交わされていますので、危惧されるさまざまな低所得者向けの施策の適用基準、具体的に国民健康保険料の減免基準、介護保険の保険料・利用料、障害者自立支援法による利用料の減免、公立学校の授業料免除基準、児童生徒の学用品支給など就学援助の給付の対象基準・非課税基準など。また、労働の最低賃金引き上げの目標額が下がるのではないかと危惧されること、市もそのように考えていらっしゃいますか。 以上、まとめて答弁ください。 ◎健康福祉局長(邦村昇蔵君) お答えいたします。 生活扶助基準が見直された場合、利用者の負担額等を定めている国民健康保険税や介護保険料の減免などに影響があると考えております。また、最低賃金が確定される際には、生活保護に係る施策との整合性に配慮することとなっておりますことから、見直された場合、何らかの影響があるのではないかと考えております。 以上でございます。   [小川みさ子議員 登壇] ◆(小川みさ子議員) 御答弁いただきました。 そもそもこのような格差拡大の事態を招いた背景への認識、グローバリズムによる大企業の一人勝ち、市場競争主義による福祉の切り捨て、多重債務者の生活再生支援が優先されるべき現状、働いても働いても生活保護の水準になれないワーキングプア、ネットカフェ難民やホームレス生活者の支援、ガソリン代値上がりや消費税アップで想定される格差拡大について、それぞれへの認識・対応についてお示しください。 以上、答弁を求めます。 ◎市民局長(四元正二君) お答えいたします。 本市におきまして、多重債務問題は重要な課題であると認識しており、消費生活センターでは、これまで多重債務相談マニュアルを活用した職員への研修や市民を対象とした多重債務解決セミナーを開催するとともに、十月から毎週火曜日を多重債務重点相談日と定め、法律専門家への案内やその後のフォローに努めているところでございます。今後におきましても、生活保護を所管する部署や関係機関との連携などを図りながら、問題解決に向けて積極的に取り組んでまいりたいと考えております。 次に、ガソリン代値上がりや仮に消費税率がアップした場合に想定される格差についてでございますが、特に低所得世帯にとりましては、これらの影響によりさらに家計に及ぼす負担が増大していくのではないかと考えております。 以上でございます。 ◎健康福祉局長(邦村昇蔵君) 生活扶助基準につきましては、厚生労働省社会援護局長のもとに設置されました生活扶助基準に関する検討会において検討を行っておりましたが、報道によりますと、保護を受けていない低所得世帯等の消費実態と比較し、生活扶助がやや高めになっており、水準の見直しが必要などとした報告がなされたようでございます。 次に、規制緩和につきましては、国におかれましてこれまであらゆる分野で検討がなされておりますが、賛否両論あるようでございます。本市としましては、各面から総合的に判断しながら福祉行政を推進してまいりたいと考えております。 いわゆるワーキングプアにつきましては、国におきましても定義が明確化されておらず、その実態の把握はなされていないところであり、また、ネットカフェ難民につきましても一般の利用者と区別がつかないことなどから、いずれも対応が難しいところでございます。これらの方々やホームレスの方々につきましては、関係団体や関係部局とも連携を図りながら、必要な方には生活保護を適用するなど支援してまいりたいと考えております。 以上でございます。   [小川みさ子議員 登壇] ◆(小川みさ子議員) 御答弁いただきました。 私は、消費生活者大会と生活保護切り下げ抗議集会で、鹿児島大学の伊藤周平教授のお話を伺いました。日本で飢餓が起きていること、過労死もふえ、自殺者も七年連続三万人を超え、非正規・不安定雇用が三人に一人、多重債務・自己破産の増加、ホームレス生活者が全国二万人、低年金、ワーキングプア、貧困の増大と貧困政策の不在などの指摘をされました。 日本の生活保護世帯は百万を超え、ワーキングプアの方々は四百万人以上と言われています。ワーキングプアやホームレスの方々の暮らしを今の生活保護水準に引き上げるべきを、生活保護基準をもっと大変な暮らしの人に合わせ切り下げるとは、弱い者をさらに苦しめ、いじめようという悪政。生活保護水準を引き下げるということは、「すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する」と盛り込まれた憲法第二十五条の理念に違反すると思われますが、市長の見解をお示しください。 以上、答弁を求めます。   [市長 森 博幸君 登壇] ◎市長(森博幸君) 小川みさ子議員にお答えいたします。 生活保護法第一条にありますとおり、生活保護法は、憲法第二十五条に規定する理念に基づいたものであり、国は生活に困窮するすべての国民に対し、健康で文化的な最低限度の生活を保障するもので、生活保護制度は、国民の最後のセーフティーネットとしての機能が図られるべきであると考えております。 なお、生活扶助基準の見直しにつきましては、先日来申し上げておりますように、国において十分に協議し慎重に検討がなされるものと思いますので、今後、国の動向を見守って対応してまいりたいと考えております。   [小川みさ子議員 登壇] ◆(小川みさ子議員) 市長に御答弁いただきました。 新たな質問に入ります。 DV(ドメスティック・バイオレンス)とストーカー防止対策について、三年前の二〇〇四年、本市で起きたDV殺人事件二件は教訓となっているのかお尋ねします。 当時、七月の真砂の殺人事件について九月議会でおただししましたが、そのかいもなく、ちょうどそのころ伊敷の女性が本市の窓口に相談に来られ、三週間後の十月に夫から殺害されています。そのときに保護できていればと悔やまれますが、窓口、県警、救護施設との連携、命綱としての相談及び救護施設は二十四時間体制となっているのか。 以上、お示しください。 ◎健康福祉局長(邦村昇蔵君) DVに関する相談につきましては、内容によりまして相談者の安全確保の面から警察への相談を助言するとともに、母子生活支援施設への入所等の相談に応じるほか、同伴する児童がいない場合は、県の婦人相談所と連携を図っております。 また、相談体制としましては、平日は男女共同参画推進課やこども福祉課、谷山福祉事務所に相談員を配置し、相談に当たっているほか、休日や夜間における緊急な相談につきましても管財課庁務係と連携をとりながら、職員が対応しているところでございます。また、母子生活支援施設の中には、緊急の入所に二十四時間対応できる体制をとっている施設もございます。 以上でございます。   [小川みさ子議員 登壇] ◆(小川みさ子議員) 母子生活支援施設の中には、緊急の入所に二十四時間対応のできる体制をとっている施設もあると御答弁いただきましたが、そのことをDV被害者である市民はどこでどうやって知ることができるのですか。マインドコントロール状態にある被害者に二十四時間体制で駆け込めるところがある、大丈夫と伝えることはできないものか。 以上、答弁を求めます。 ◎健康福祉局長(邦村昇蔵君) 救護施設の二十四時間体制につきましては、市や県の相談窓口、または警察への相談があった場合、それぞれの機関におきまして具体的にお話をお聞きする中で案内しているところでございます。 以上でございます。   [小川みさ子議員 登壇] ◆(小川みさ子議員) 答弁いただきました。 さて、今年度はDVに対するアンケートによる意識調査がなされましたが、平成十四年、今年度の十九年の顕著な意識の変化はあるのか。 今回初めて調査した未成年男女の意識調査。今回の調査結果を踏まえて、今後の防止対策など男女の回答者数、回収率とともにお示しください。 以上、答弁を求めます。 ◎市民局長(四元正二君) DVに対するアンケートによる意識調査の結果につきましては、現在、分析中でございます。 今回の調査では、市内に居住する十八歳以上の男女計三千人を対象に無作為抽出による調査を行いましたところ、回答者数は男性三百六十人、女性六百四十二人、性別不明四十三人の合計一千四十五人、回収率は男性二一・八%、女性四七・六%、全体で三四・八%でございました。 以上でございます。   [小川みさ子議員 登壇] ◆(小川みさ子議員) 御答弁いただきました。 結果については分析中とのこと。結果が気になります。 アンケート回収率は女性の方が高いということですが、このことは、男女共同参画情報誌すてっぷによる効果であると考えますがどうですか。 また、本市のカードサイズのDV相談先案内のリーフレットによる問い合わせなど、市民への効果はどうなっていますか。 以上、答弁を求めます。 ◎市民局長(四元正二君) DV被害者の大半は女性であることから、アンケートに対する回答率も高くなったものと思いますが、おただしのすてっぷによる啓発効果もあったのではないかと考えております。 次に、カードサイズのDVリーフレットにつきましては、市内のスーパー、金融機関、公共機関等に置いているところでございますが、リーフレットを見て相談に来られる方も多く、中には一人で悩んでおられた方で、リーフレットを読んで自分がDV被害者であることに気づき、救われたような気持ちになったという声も寄せられるなど、その効果はあるものと考えております。 以上でございます。   [小川みさ子議員 登壇] ◆(小川みさ子議員) 御答弁にありましたように、情報発信・啓発の大切さを改めて考えさせられます。リーフレットに、ぜひ特定するのではなく、二十四時間体制の有無だけでも記していただきたいと要望します。 次に、一昨日は、県議会でも質疑が交わされましたDVとストーカー行為による殺人事件の件ですが、私は、県議のお二人と市の当時の相談員、母子救護施設の寮長さん、そして被害者のお父様、妹さんをお訪ねしてお話を伺いました。 その際、同じ事件なのにこれほどまでに温度差があるものかと愕然といたしました。県議会でも公表されましたので申し上げますが、殺害された女性は、まず本市へ電話をかけています。そのときは特に一時保護のことは教えてもらっておらず、別なルートで知り、母子救護施設へ駆け込まれています。寮長さんは、それまでに多くの被害者の救済をされてきたその経験で、緊急措置が必要と思われたそうです。そこで、寮長さん、寮母さん、妹さんと当事者である女性は、急ぎ本市の女性相談窓口を訪ねています。わらをもすがる思いで市に相談に来られたのに「そんな人はたくさんいる。県外に逃げなさい。もう時間ですから」など親身になっていただけなかったと当時を振り返っています。寮長さんが机をたたいて「これがDVでなければ母子寮はだれを預かるのか」と、抗議をされたことも伺いました。 ある程度決定可能な正規職員を相談窓口に配置すべきではないか。適材適所、責任ある立場の職員を配置できないものか。 以上、答弁を求めます。 ◎市民局長(四元正二君) サンエールかごしま相談室では、心理・医療・教育などの専門的知識を有する相談員と職員が常に情報を共有し、連携を図りながらDV被害者の相談に対応しているところでございます。 以上でございます。 ◎健康福祉局長(邦村昇蔵君) 女性相談室では、相談に当たり、相談員と職員が情報を共有するとともに、重篤なケースにつきましては、相談員と職員が連携し、迅速かつ的確な対応を図れるように努めております。 以上でございます。   [小川みさ子議員 登壇] ◆(小川みさ子議員) それぞれ答弁いただきました。 相談員は現場の空気がわかっていますか。研修の中に母子救護施設の現場視察を加えることも強く要望いたしておきます。 さて、二〇〇一年に施行されたDV防止法は、三年ごとの見直しがなされてきています。その第一次改正、第二次改正の主な特徴をお示しください。また、被害側でない加害側がDVであるということを認識していないケースは多々あります。そこで、DV加害者の教育プログラムは本市ではどうなっていますか。 さらに、婚外者である元配偶者や内縁の関係、恋人からの精神的苦痛に対する保護体制は現在どうなっているのか。 以上、答弁を求めます。 ◎市民局長(四元正二君) DV防止法改正の特徴でございますが、まず、平成十六年の第一次改正の主な特徴として、元配偶者からの暴力及び心身に有害な影響を及ぼす言動についても配偶者からの暴力と定義されました。また、保護命令制度が拡充され、被害者と同居している子供についても接近禁止命令の対象となり、また、加害者に対する住居からの退去命令の期間が二週間から二カ月に延長されました。 次に、十九年の第二次改正の主な特徴としまして、保護命令制度がさらに拡充され、身体的暴力だけでなく、生命や身体に対する脅迫も保護命令の対象となりました。また、電話や電子メールなどによる接近を禁止することができるようになるとともに、その対象も被害者の親族等まで拡大されました。 次に、DV加害者への教育プログラムについてでございますが、女性に対する暴力対策検討委員会で作成しました対象者別暴力対策プログラムに基づき、十六年度に男性を対象とした暴力に関する講座を実施いたしております。また、現在、男女共同参画センターでは、隔月に男性相談を行っているところでございます。 次に、DV防止法では、元配偶者や事実上婚姻関係にある者からの暴力も保護の対象になっておりますが、恋人等からの暴力は対象外となっているところでございます。 以上でございます。   [小川みさ子議員 登壇] ◆(小川みさ子議員) るる御答弁いただきました。 DV加害者プログラム、恋人からのデートDVは、次の改正時の課題です。 三年前のような悲しい事件が発生しないためには、NGO、NPO、民間シェルターの補助体制が重要ですが、どのようになっていますか。 また、施設に入所しているDV被害者で住所を伏せた就労支援はどうなっていますか。 以上、答弁を求めます。 ◎市民局長(四元正二君) NPO法人やシェルターへの支援につきましては、その取り組み状況を見ながら、どのような支援ができるのか検討してまいりたいと考えております。 以上でございます。 ◎健康福祉局長(邦村昇蔵君) 母子生活支援施設に入所されておられる方々につきましては、当該施設の母子指導員などが自立支援計画表などを作成し、ハローワークに同行するなど個々の状況に応じた就労支援を行っているところでございます。 以上でございます。   [小川みさ子議員 登壇] ◆(小川みさ子議員) 答弁いただきました。 各面の施策拡充が必要です。殺害された女性は実に多くの嫌がらせをされており、ブレーキオイルが抜かれていたり、盗聴器をしかけられたり、火災通報されて消防車が駆けつけたり、大量のピザや通販で買わない物が届いたり、陰湿な虐待に生きる気力を失っていました。あのとき母子救護施設に一次保護されていたら、消防車が親のところまで一日置きに出動したときにおかしいと市が察知して県警に訴えていてくれたらという悔やむに悔やまれない御様子が十分過ぎるほどにわかりました。二度とこのような事件で御家族やお子さんを悲しませることのないよう、本市の女性相談窓口の適切な対応、適切な配置を強く要望しておきます。 次の質問に入ります。 小学校の特別支援学級のあり方と入級指導についてのお尋ねです。 六月二十五日、第二回定例会個人質問で特別支援学級についてお尋ねしました。その現状、入級に至る判断及び手続、児童・保護者への配慮についてお聞きし、教育長からは、十八年度の特殊学級の児童生徒はすべて障害による理由で在籍している、問題行動のある児童生徒が通常学級の円滑運営のため在籍しているケースはない、入級に際して、保護者の了解を得られぬまま入級しているケースもないとの回答をいただきました。 私がある小学校で平成十八年・十九年において障害を理由としない入級がされていると聞いていますと申し上げたところ、適正な就学がなされるよう指導してまいりたいとの回答をいただきました。その件からお尋ねします。児童の人権にかかわる質問となりますので、小学校名など匿名で質問させていただきます。 私の質問後、九月まで三カ月間、市はどのような対応をされてきたのでしょうか。 十月五日、私からA小学校の入級手続について担当課に問い合わせをいたしましたが、どのような対応をされたのでしょうか。また、その回答はいつされましたか。 以上、答弁を求めます。 ◎教育長(石踊政昭君) お答えいたします。 教育委員会では、その後、各学校へ保護者の心情に配慮した教育相談を実施すること、保護者や市就学指導委員会等の意見を踏まえた上で校内就学指導委員会を進めることなどについて通知するとともに、管理職や特別支援教育担当者の会合で、適切な就学指導がなされるよう指導に努めてきたところでございます。 次に、お問い合わせいただきました内容につきましては、担当課よりすぐに電話で回答させていただきましたが、文書にまとめて回答しましたのは十一月二十七日でございます。 以上でございます。   [小川みさ子議員 登壇] ◆(小川みさ子議員) 御答弁いただきました。 十月五日の問い合わせの際には、私はA小学校の名前を出しました。先ほどからの回答をお聞きすると、すべて校長経由で確認をとられてきているのでしょうか。私は、この学校長の対応こそ問題であったと考えています。いわば過失の当事者に過失の有無を問うということは、余りにも無責任な調査です。教育委員会が保護者に直接確認することはございませんという回答を何度も文書でも得ておりますが、同意の有無を親に聞く、入級が妥当か担任に聞くなどということは当たり前です。親は同意していないと言っているのです。児童への対処状況を担任に直接聞かずに、なぜ校長を通して意見を聞くのでしょう。現場に耳を傾けてください。 次に、問い合わせの文書回答について確認させていただきます。 A小学校に通う児童A・Bは、平成十七年度まで通常学級で学習をしておりました。平成十八年度から特別支援学級に入級し、今年度も中学校に進学した児童Aは中学校の特別支援学級に、児童BはA小学校の特別支援学級に在籍しています。児童A・Bは姉弟ですが、二人はなぜ特別支援学級に入級となったのか。親の同意はあったのか。それは文書か、口頭のみか。 児童A・Bは情緒障害と判断されておりますが、情緒障害とは何か。 学校教育課、市就学指導委員会は、児童A・Bについて、家庭内における児童虐待の報告を受けたのか。 市就学指導委員会の判断が校内就学指導委員会の判断と異なることがあるのか、あれば具体的にどのように変更がされたのか。 以上、答弁を求めます。 ◎教育長(石踊政昭君) お答えいたします。 特別支援学級入級の判断は、障害の状況に応じた指導を行うために児童生徒や保護者の意思を尊重しながら行っており、お尋ねの事例につきましては、障害の状況や保護者の口頭による同意をもとに、特別支援学級に入級しております。 次に、情緒障害とは情緒のあらわれ方が偏っていたり、そのあらわれ方が激しかったりする状態を自分の意思ではコントロールできないことが継続し、学校生活や社会生活に支障となる状態であるととらえております。 次に、虐待の報告についてでございますが、学校教育課及び市就学指導委員会は、二人が家庭内で虐待されているとの報告は受けておりません。 次に、校内就学指導委員会と市就学指導委員会の判断が異なることはございます。例えば、学校は知的障害学級と判断しても、市の委員会が通常学級での経過観察と判断する場合や、学校は通級指導教室への通級と判断しても、市の委員会が情緒障害学級と判断する場合などがございます。その際、学校は市就学指導委員会の助言等を踏まえ、本人や保護者と十分話し合い、保護者の同意を確認した上で学校長が総合的に判断し、決定しております。 以上でございます。   [小川みさ子議員 登壇] ◆(小川みさ子議員) それぞれ答弁いただきました。 より実態に応じた指導とは具体的にどういう内容か。また、その指導は八人を一人の教師が見ていく環境で可能ですか、可能ならその根拠は何でしょうか。アンケートなどで現場の教師の声を聞いたことはありますか。担当教師が対処できない場合、どうサポートされますか。 親の同意はあった。そして、支援学級への入級は口頭の同意で構わないと言われます。私は、親は入級に同意しておらず、入級後も納得していないと聞いています。市は親に直接確認をされたのでしょうか。していなければ、なぜ確認をとらないのですか。 教育長は、問題行動のある児童生徒が通常学級の円滑運営のため在籍しているケースはないと断言されています。児童A・Bは情緒障害を入級の理由とされています。情緒障害の類型的特徴を読むと、私たち自身にもそれぞれ思い当たる内容です。二人の場合、通常学級でなく特別支援学級が妥当と判断したのは、どのような理由か。また、通常学級の円滑運営のためではないと判断した理由は何か。入級後に適切な指導ができているのか、どう検証してきたのか、具体的にお示しください。 学校教育課、市就学指導委員会ともに児童虐待の事実を知らないということですが、小学校の校内就学指導委員会から報告されていないということか。また、報告がないことは問題ではないか、教育長の見解をお示しください。 以上、答弁を求めます。 ◎教育長(石踊政昭君) お答えいたします。 特別支援教育に関するより実態に応じた指導とは、障害の状況に応じ一人一人の教育的ニーズを踏まえて行う、よりきめ細かな指導ということでございます。特別支援学級の一学級の児童数は、法律により八人までとなっており、担任は在籍児童一人一人に可能な限りきめ細かな指導に取り組んでおります。アンケートにつきましては、特別支援教育指導員等を配置する際に、学校長を通して教師の意見を聞いているところでございます。特別支援学級に対するサポートとしましては、在籍児童生徒の状況に応じて特別支援教育指導員を配置しているところでございます。 次に、親の同意の確認につきましては、学校長が保護者の同意の有無を確認し、報告することになっており、教育委員会が保護者に直接確認することはございません。 次に、市就学指導委員会におきましては、医学・心理学・教育学の専門的立場から、特別支援学級への入級が望ましいと判断しており、通常の学級の円滑運営のためという観点で、就学判断はしていないところでございます。おただしの児童につきましては、入級後、情緒面の落ちつきが見られていると学校から報告を受けております。 次に、家庭において児童への虐待があった場合には、教育委員会に報告することになっており、今回の事例については、いろいろな課題はありますが、学校から虐待があるという報告は受けていないところでございます。 以上でございます。   [小川みさ子議員 登壇] ◆(小川みさ子議員) 御答弁いただきました。 A小学校の校内就学指導委員会から市就学指導委員会に提出された書類は、どのような書類かお示しください。 児童A・Bは、平成十四年に鹿児島市へ転入してきました。二人について児童虐待のケース会議が複数回開かれ、市の担当者も参加しています。平成十四年から平成十九年まで何回のケース会議が開かれ、市からはだれが出席してきたか、会議の年月日とあわせてお示しください。 ケース会議では、通常学級から特別支援学級への入級について、A小学校から事前の相談があったのか。また、学校教育課が二人の児童虐待の事実を知らなかったのはなぜか。ケース会議による課題の共有、解決への努力ができているのか。 現状の体制で児童一人一人に応じた適切な指導・支援が可能なのか、市の見解をお聞かせください。 市就学指導委員会の判断が校内就学指導委員会の判断と異なるケースは、十八年度・十九年度で数件あると聞いておりますが、入級後、二人は情緒面の落ちつきが見られていると御回答いただきました。この報告も校長からでしょうか。入級後の指導が適切か、どう検証したのかお尋ねしました。第三者の目はなく学校内のみの検証ですか。外部の検証もないまま、なぜ適切と判断できるのか。これも教育委員会が直接確認することではないと繰り返されますが。 サポートの特別支援教育指導員を配置している学校がありますか。あるなら、何校に何名配置しているのかお示しください。 以上、答弁を求めます。 ◎教育長(石踊政昭君) お答えいたします。 学校から市就学指導委員会に提出される書類は、相談の経過や保護者の意見、校内就学指導委員会の判断等を記した就学教育相談依頼票、乳幼児期の発達状況等を記した生育歴、学習の状況や行動の特徴、心理検査等の結果を記した調査書等でございます。 次に、今回御指摘のケース会議につきましては、一回目は県児童総合相談センターが主催し、平成十四年十二月十六日に、二回目以降は市こども福祉課が主催し十五年四月十五日、十七年六月九日、十月二十五日、十二月二十日、十八年六月九日、十九年六月十九日、九月二十六日と、これまでに八回開催されております。市からはこども福祉課を初め保健センター、支所福祉課及び該当校の校長や担当者が出席しているとのことでございます。 次に、このケース会議は、特別支援学級の入級について審議・判断する会ではないことから、学校側はこの会議に入級についての事前相談はしていないということでございます。なお、おただしのことにつきましては、先ほども述べましたとおり、虐待があったという報告は受けておりません。教育委員会としましては、児童生徒の虐待等に関しましては、今後、さらに学校や関係機関と連携を深めてまいりたいと考えております。 次に、現在、鹿児島市における特別支援学級一学級当たりの平均在籍数は、知的障害特別支援学級に平均三・二人、情緒障害特別支援学級に二・八人であり、学校の実情に応じ、特別支援教育指導員を配置するなどして、児童一人一人に応じた適切な指導・支援ができるよう努めているところでございます。 次に、学校は、担任を初め多くの職員のかかわりにより子供の状況を確認しており、それを踏まえて校長が教育委員会へ報告するシステムになっております。また、教育委員会の担当指導主事も学校へ出向き学校生活について観察し、その変容を確認していることから、特別支援学級入級後に二人に対して学校の適切な対応がなされていると考えております。 次に、今年度の特別支援指導員の配置につきましては、小学校十五校、中学校五校にそれぞれ一人ずつ計二十人配置しております。 以上でございます。   [小川みさ子議員 登壇] ◆(小川みさ子議員) 御答弁いただきました。 学校教育課も市就学指導委員会も、二人の家庭内虐待は報告を受けていないそうですね。いろいろな課題はあるが学校から虐待の報告は受けていない。しかし一方では、平成十四年から十九年の六年間に八回のケース会議も開かれています。これはなぜ開かれているのですか、長期に見守りが必要な児童ということです。教育長は繰り返し虐待の報告は受けていないと言われます。本当にそうですか。食事が与えられない、服の着がえがない、おふろにも入ってない、これはネグレクトではないのですか。これを虐待の報告がないと言われるのでしょうか。 ケース会議に参加されているこども福祉課、保健センター、支所福祉課にそれぞれお聞きします。二人の状況は虐待はないと判断されるのか。また、校長は入級についてケース会議に事前に相談はしていないとおっしゃいます。通常学級から特別支援学級への入級は当該児童にとって大きな問題です。判断が妥当か。その後にどのようなところがこの校長は必要ないと事前に話されているのか。ケース会議を軽視し、子供の将来を軽視する校長の対応に問題はないのでしょうか。鹿児島の福祉・教育の方向が問われる問題です。教育長、こども福祉課、保健センター、支所福祉課の見解をお聞きします。 情緒障害特別支援学級が平均二・八人と回答されましたが、平均の話をしているのではありません。六月に質問しましたが、今年度も三つの小学校で児童八人を一人の教諭が見ておられます。ここで児童一人一人に応じた適切な指導・支援が可能なのでしょうか。外部の検証・助言・支援が必要なのではないですか。市の見解をお聞かせください。 以上、答弁を求めます。 ◎健康福祉局長(邦村昇蔵君) お答えいたします。 おただしの世帯につきましては、虐待のケースとしてケース会議を開催してきているところでございます。 以上でございます。 ◎教育長(石踊政昭君) お答えいたします。 学校長は、入級前後の対象児童の状況等についてはケース会議で報告し、会議の内容をその後の指導に生かしており、学校長の対応はケース会議を軽視しているとは考えていないところでございます。なお、特別支援学級の入級についての審議・判断は、市就学指導委員会で行っており、入級について事前にケース会議に相談するシステムにはなっておりません。 次に、おただしの三校につきましては、特別支援教育指導員をそれぞれ配置しており、担任につきましても、特別支援教育について豊かな経験のある教員を配置しているところでございます。また、必要に応じて担当指導主事が学校に出向いて指導・助言を行い、適切な指導・支援が行われるよう努めております。 以上でございます。   [小川みさ子議員 登壇] ◆(小川みさ子議員) 健康福祉局長は虐待のケースとして会議をされてきて、教育長は虐待の報告は受けていないという大きな矛盾点です。 この問題の最後に、児童A・Bには今後どのような指導・支援をされていくのか、教育長の見解をお聞かせください。 以上、答弁を求めます。 ◎教育長(石踊政昭君) お答えいたします。 特別支援教育においては、これからも保護者との連携を密にしながら、一人一人の状況に応じてきめ細かな指導を充実させるとともに、担任や交流学級担任を中心に全校体制で支援していくことなどを学校に指導してまいりたいと考えております。 なお、当該児童の虐待につきましては、学校を含め関係機関等で適切に対応されているものと思っておりますが、教育委員会としましても、必要に応じて連携してまいりたいと考えております。 以上でございます。   [小川みさ子議員 登壇] ◆(小川みさ子議員) これまでも支援されてきたとのこと。何年間も放置され支援がなされていないから、るるお尋ねしてまいったのです。 私は、このケース会議の会議録を何度も読みました。この児童たちの近くに住む方が、ある日、おふろも食事も与えられないこの三人が、幼い弟をお姉ちゃんが背負って近くの棟上げのおもちを拾いに行き、一緒にまかれたお金を拾って見せに来た。その五円玉を握り締めて、何か食べ物を買うのだと話していたそうです。その後ろ姿を想像すると涙があふれて仕方ありません。時間の都合で今回はここまでにいたしますが、るる答弁を伺ってきて、児童A・Bとその幼い弟の三人は、親からだけではなく、社会から見捨てられてしまっているとしか思えません。引き続き、この子供たちの未来を確認できるまで質問を続けてまいります。ネグレクトという児童虐待からの救済を早急に求めて要望しておきます。 次に、観光行政について。 まず一点目、西郷銅像への大島紬マント着用の認否についてお尋ねいたします。 申し入れはいつあり、どのようなメンバーで検討され、判断したのか、その経過についてお示しください。 観光・産業振興に対する市民の熱い思いをどのように感じたのか。 今回のことで郷土の歴史に対する市民の関心の高まりはどうか、一石を投じることになったのではないか。 地場産業、地域おこしの側面から大島紬の日を設けて着用させてはどうか。 関連団体・業界へのアンケート調査はされませんか。 このような自由な市民発想の起用こそ、まちづくりへの士気が高まり向上するのではないかと考えますが、当局の見解をお示しください。 以上、答弁を求めます。 ◎経済局長(松木園富雄君) お答えします。 西郷銅像へのマント着用に関しましては、観光振興や大島紬宣伝の面からも意見等が寄せられているところであり、改めて西郷南洲翁の偉大さを感じたところでございます。 大島紬の日の設定につきましては、大島紬産業の活性化につながる有効な手段と考えますが、今後とも、関係団体と連携をとりながら、さまざまな機会をとらえて大島紬のPRに努めたいと考えております。 関係団体や業界に対するおただしのアンケート調査につきましては、実施する考えはないところでございます。 市民の方々の御提言等をまちづくりへ生かしていくことは、市民協働によるまちづくりを推進する観点からも大切であると認識しているところであり、今後とも、観光振興や地域経済の活性化に当たって、可能な限り生かしてまいりたいと考えております。 以上でございます。 ◎建設局長(山中敏隆君) お答えいたします。 西郷隆盛銅像へのマント着用につきましては、平成十九年十一月二十八日に西郷銅像にマントを着せることを目的とした占用許可申請書が提出されましたが、マントの着用は、美術的かつ文化的価値を有する西郷銅像本来の姿形を公園利用者が自由に鑑賞する行為に支障を及ぼすこと、占用目的についても客観的な必要性・公益性に乏しく、必要やむを得ないとは認められないことから、十二月四日に許可しないことと決定し、通知したものでございます。 以上でございます。   [小川みさ子議員 登壇] ◆(小川みさ子議員) 答弁いただきました。 私の友人で観光ボランティアをしている女性たちは、市の判断に対して反対です。新聞のひろば欄でもありましたが、西郷さんは太っ腹で、むしろ喜ばれると思うのです。私は、鹿児島のあらゆる石橋の保存運動にかかわってまいりましたが、ことごとく解体されました。あの江戸時代の参勤交代に使われたという西田橋でさえ、もとの場所になく移設され、鹿児島市の文化行政には疑問符だらけです。その市が文化的価値を理由にされるのを笑っているのは私だけでしょうか。西郷さんへの熱い思いを込めた質疑は同僚議員に期待しますが、どうしても納得できないことをお伝えしておきます。 次に、南国情緒豊かな実や花の咲く樹木で旅人を歓迎してはどうか。桜ケ丘の住民の提案を込めて質問いたします。 私は鹿児島が大好きです。南の玄関口・中央駅の鹿児島らしさの演出について、また、鹿児島らしく桜島小みかん、マンゴー、パパイヤ、ハイビスカス、ローゼル、ジャボチカバなどの植栽で南国的演出をされてはどうでしょうか。 冬でも亜熱帯の植物で南国らしさを感じてもらうため、大学など専門分野との連携で冬越しを工夫されないか。 以上、答弁を求めます。 ◎経済局長(松木園富雄君) 鹿児島中央駅は、鹿児島の陸の玄関口であり、新幹線などを利用して来られた観光客の方々に南国らしさを感じてもらう仕掛けづくりは、大切であると考えております。こうしたことを踏まえ、中央駅前東口広場においては、駅名改称の際、寄贈いただいたブーゲンビリアのほか、ハイビスカス、ストレチア、シンノウヤシを植栽し、南国らしさの演出を行っているところでございます。 本市では、中央駅前東口広場の樹種の選定に当たっては、冬季の特別な防寒対策が不要なものなど、維持管理の面にも配慮しながら植栽しているところでございます。 以上でございます。   [小川みさ子議員 登壇] ◆(小川みさ子議員) 私たちが青森などの駅に立ち寄りますと、リンゴの花、赤い実、緑の実と季節ごとに楽しませてもらえます。市当局が誇らしげに答弁された植物は、いずれも実がならないものばかり。花よりだんごではありませんが、実のなる植物を主に提案させていただいています。ジャボチカバ、パパイヤは私のホームページのトップページでも紹介していますので、ごらんください。観光行政の御答弁にいずれも宮崎の東国原知事に負けているなと感じるのは私だけでしょうか。イルミネーションや観覧車では旅人の心が「ああ、鹿児島に来たな」「また来てみたい」と残りますか。もっと市民のアイデアを生かしていただくことを要望し、私の質問をすべて終わります。 ○副議長(秋広正健君) 以上で、小川みさ子議員の個人質疑を終了いたします。(拍手) ここで、しばらく休憩いたします。              午 後 零時  五分 休 憩            ─────────────────              午 後 一時  四分 開 議 ○副議長(秋広正健君) 休憩前に引き続き会議を開き、質疑を続行いたします。 次は、竹之下たかはる議員。   [竹之下たかはる議員 登壇](拍手) ◆(竹之下たかはる議員) 平成十九年第四回市議会定例会に当たり、平成の会の一員として引き続き個人質疑を行います。 時間によっては、一部割愛することがありますことをあらかじめ申し上げておきます。 私は、先月、市立病院の救命救急センターで十日間ほどの入院診療を受け、救命救急事業や医療の重要さを痛感いたしましたので、今回は医療を中心に質疑を行います。 救命救急センターについて質疑を行います。 厚生労働省の救急医療対策実施要綱では、救命救急センターは都道府県が整備をし医療を確保すると明記をされております。この実施要綱では、救命救急センターの整備、二十四時間診療体制を確保するために必要な職員配置を規定し、これらの運営に要する経費は、国の補助対象とすると記されております。本県下の中核的総合病院として、市民はもとより県民の健康保持に必要な医療を提供している鹿児島市立病院は、県からの救命救急センターの設置依頼を受けて、市立病院内に救命救急センターを開設しております。この救命救急センターでは、重篤救急患者の救命医療を行うために、市立病院内の各科の診察機能を組み合わせて二十四時間体制で対応し、救命救急体制を確立しております。 救命救急センター事業は、その性格から採算ベースに合わないことは明白であり、安定した運営がなされるためには財政的な裏づけ、保障がなければならないと考えます。 そこで市長に伺います。 救命救急センター設置の役割をどのようにお考えなのか。また、市立病院の果たす役割は何かお示しいただきたいのであります。 以上、答弁を願います。   [市長 森 博幸君 登壇] ◎市長(森博幸君) 竹之下たかはる議員にお答えいたします。 市立病院は、急性期に対応可能な総合病院として、市民はもとより県民の健康保持に必要な医療を提供しており、大きな期待と信頼を寄せられております。特に、民間医療機関では担うことの難しい救命救急医療につきましては、第三次救急医療機関として県内で唯一、救命救急センターを設置し、重篤な救急患者さんへ安心安全で高度な医療を二十四時間体制で対応をしておりまして、県内における救命救急医療の中核として大変大きな役割を担っているものと考えております。   [竹之下たかはる議員 登壇] ◆(竹之下たかはる議員) 市長に御答弁をいただきました。 救命救急センターは、民間医療機関で担うことの難しい第三次救急医療機関として県内で唯一設置をされ、重篤な救急患者医療の中核として必要不可欠な役割を担っておりますけれども、元来採算ベースに合わない施設であり、財政的裏づけが保障されなければならず、また、県民・市民の健康保持に必要な医療を提供している市立病院の健全経営を圧迫することにならないように、それぞれの役割と経費区分を明確にするべきと考えます。 そこで引き続き伺います。 救命救急センター事業が不採算事業であるとの認識をお持ちなのか。財政的負担をだれが担うべきと考えているのかお示しいただきたいのであります。 さらに、救命救急センター会計が病院事業会計に与える影響をどのように考えるか、見解をお示しください。 以上、答弁を願います。 ◎市立病院長(上津原甲一君) お答えいたします。 救命救急センターは、第三次救急医療を二十四時間体制で担っていることから、人件費、経費、医療機器の維持費等の運営費がかさみ、不採算部門となっております。センターは、県からの要請を受け設置され、県全体を対象としていることから、不足分は県が財政的負担をすべきと考えておりますが、十八年度の三位一体改革に伴う税源移譲の観点から一般会計とも協議を行っているところでございます。 救命救急センターの収支が病院事業会計に与える影響につきましては、十八年度のセンター運営費の県補助金が約七千万円削減されたことにより、その分病院事業全体の会計にも影響が出ているところでございます。 以上でございます。   [竹之下たかはる議員 登壇] ◆(竹之下たかはる議員) 御答弁をいただきました。 救命救急センターは、二十四時間体制でスタッフをそろえ、救急患者にこたえる施設で、その目的からして不採算になることは明白であり、救急患者の診療報酬にその経費をすべて計上することもできず、採算ベースで考えられない事業であります。救急患者を搬送する救急車が採算ベースで考えられないのと同様であり、整備費、運営費等の所要額を明確に把握をし、設置依頼者の県に対して、これらの経費を負担してもらうルールを確立すべきであります。 十八年度病院事業会計は、救命救急センター運営費が県の分担金約七千万円削減されたことにより、収益が八千四百二十六万円に減少し、大きな影響を受けています。病院事業会計と救命救急センター事業は、会計上区分をして、病院事業会計への影響を受けないようにすべきと考えます。 そこで、病院事業会計への影響を受けないためにどうするべきとお考えなのか、答弁を求めます。 ◎市立病院長(上津原甲一君) 病院事業会計への影響を受けないためには、御指摘のとおり、救命救急センターの収支を明確に区分する必要がございますが、現状では光熱水費など病院事業会計と区分が困難な経費もあるところでございます。   [竹之下たかはる議員 登壇] ◆(竹之下たかはる議員) 救命救急センターの経費の負担について、県、一般会計との協議を進めるために救命救急センター事業の収支を明確に把握をして、運営経費、所要経費を算出して協議に臨むべきと考えます。 県、一般会計との協議を具体的にどのように進めようとしているのかお示しいただきたいのであります。 以上、答弁を願います。 ◎市立病院長(上津原甲一君) 救命救急センターに必要な経費は、センター分として明確に区分できる専任医師・看護師の人件費はその額を積算し、区分が困難な光熱水費等については、患者数案分や面積案分等により積算した費用をもとに算出して、県及び一般会計と協議を進めておりますが、今後、経費を明確に把握できる算出法がないか検討してまいりたいと考えております。 以上です。   [竹之下たかはる議員 登壇] ◆(竹之下たかはる議員) 御答弁いただきました。 県、一般会計との協議を進めるに当たっては、救命救急センター事業が年間幾らの所要経費を要したかを算出をし、その収支決算をもとに協議を進めるべきであります。積算区分の基準を県・市とも早急に協議をして、共通の理解のもとに経費を積算をし、救命救急センター事業収支を明らかにして応分の負担を求めるよう要望をいたしておきます。 次に、ジェネリック(後発)医薬品について質疑を行います。 厚生労働省は、先月、新薬と有効成分が同じジェネリック(後発)医薬品の普及を促す新たな対策を中央社会保険医療協議会に提示をし、医師の処方せんで原則として後発医薬品の使用を促すよう様式を変えるほか、後発医薬品を一定以上使用した薬局に対して、調剤基本料を手厚く配分することを明らかにし、来年四月から実施する方針を示しております。 そこで、ジェネリック医薬品について伺います。 ジェネリック医薬品の全医薬品に占めるシェアについて、国際比較と国内シェアの推移についてお示しいただきたいのであります。 また、ジェネリック医薬品の先発医薬品との効能比較は、どのような検証がなされているかについてお示しいただきたいのであります。 以上、答弁を願います。 ◎市立病院長(上津原甲一君) ジェネリック医薬品の全医薬品に占めるシェアでございますが、医薬工業協議会の調査によりますと、外国においては二〇〇六年の数量ベースで、アメリカ等四カ国は六〇%前後の高い国内シェアとなっております。一方我が国では、一九九九年に一〇・八%であったものが、二〇〇六年には一七%へと推移しておりますが、外国に比べますと相当低いシェアとなっている状況がございます。 次に、先発医薬品との効能比較の検証でございますが、ジェネリック医薬品は、中小医薬品メーカーからの販売が多く治験も要しないことから、安全性の確認や安定的な供給等が懸念されますので、当院では個別の効能の比較・検証を十分行った上で採用しているところでございます。   [竹之下たかはる議員 登壇] ◆(竹之下たかはる議員) 御答弁いただきました。 ジェネリック医薬品が国内で使用されている割合は一七%、欧米では約六〇%前後と多いのに比べておよそ三分の一どまり、使用量の推移も横ばいの状況であります。ジェネリック医薬品が普及しない理由は、薬価差益が期待できず、医療機関の収入源が少なくなるとの指摘もありますが、ジェネリック医薬品の普及に対しては、先発医薬品との効能比較・検証が広報され、患者のジェネリック医薬品への不安を払拭する必要があります。この積極的な取り組みを要望いたしておきます。 次に、ジェネリック医薬品の使用に当たっての課題は何かについて明らかにしていただきたいのであります。 ジェネリック医薬品は、製薬会社が巨額の研究費を投じて開発した先発薬に比べて研究費がかからないこと、臨床使用の試験項目が少なく開発費が抑えられるために薬価が安く定められていると言われております。ジェネリック医薬品による医療費の節減、薬剤費の削減額は幾らかについてお示しいただきたいのであります。 以上、答弁を願います。 ◎市立病院長(上津原甲一君) ジェネリック医薬品の使用につきましては、先発医薬品と主成分が同じであってもその有効性や安全性について十分確認する必要があることから、副作用等の適切な情報提供を行うことや常に安定した供給が得られるかどうかが課題であると考えております。 次に、ジェネリック医薬品による医療費節減につきましては、先発医薬品に比べますと、その開発費用が少ないため安価となっており、医療費の節減とともに薬剤購入費用の削減につながるものと考えております。当院のジェネリック医薬品の採用による購入費用の節減額は、十八年度に採用したもので申し上げますと、約五百二十万円の節減となっております。 以上でございます。   [竹之下たかはる議員 登壇] ◆(竹之下たかはる議員) 御答弁いただきました。 ジェネリック医薬品の使用に当たっては、薬品の有効性や安全性の確認、副作用等の適切な情報提供がなされ、患者が安心して服用できるよう要望いたしておきます。 次に、ジェネリック医薬品の試用期間と患者サービスについて伺います。 厚生労働省は、患者の後発医薬品への不安を和らげるために、試用期間を設けて調剤指導を提示していると言われております。ジェネリック医薬品の試用期間はどのようになっているのか。試用期間後の効能の確認や患者サービスについてお示しいただきたいのであります。 以上、答弁を願います。
    ◎市立病院長(上津原甲一君) ジェネリック医薬品の試用期間につきましては、厚生労働省が来年度の診療報酬改定に向けて検討を開始されたとのことでございます。これは、患者さんの同意を得た上で短期間試用期間を設けて、ジェネリック医薬品への切りかえに対する患者さんの不安を和らげようとするもので、その試用期間等については、今後、具体的な検討を進めるものと伺っておりますので、国の動向を注視してまいりたいと考えております。 以上でございます。   [竹之下たかはる議員 登壇] ◆(竹之下たかはる議員) 御答弁いただきました。 ジェネリック医薬品の試用期間については、厚生労働省が検討を開始した段階とのことでありますが、実施に当たっては、患者に十分な説明を行い、理解を得た上で実施されるよう要望いたしておきます。 次に、新医薬品について質疑を行います。 二〇〇四年の調査によりますと、世界で採用され、最も販売、使用されている薬品上位十品目のうち、日本ではその半数の五種類しか認可をされておらず、入手できない新しい医薬品が日本に出回るのは欧米よりもおくれているというレポートがあります。日本の新医薬品の認可はどのようになっているのか。新医薬品認可の国際比較はどのようになっているか、お示しをいただきたいのであります。 そして、日本の新医薬品がおくれているとすれば、なぜそのような結果になっているのか。新医薬品認可の遅延要因は何かについて、また、新医薬品の使用が患者の治療制限につながり、ハンディになっていないかについてお示しいただきたいのであります。 以上、答弁を願います。 ◎市立病院長(上津原甲一君) 新医薬品認可の国際比較につきましては、我が国は海外と比べて、国内の認可には治験における我が国独自の手続により承認までの期間が長いことや、多額の費用がかかることが挙げられます。このため、諸外国で既に発売されている医薬品の認可が日本ではおくれている現状がございます。 次に、新医薬品認可の遅延要因としましては、諸外国で発売されている薬品においても新たに治験をする必要があり、さらに医薬品の製造販売承認を得るためには、臨床試験が三段階に分かれている上、国の審査を受ける必要があることや、医薬品の製造や販売にも薬事法による許可が必要となること等により、販売までの間に長い期間を要するためと考えられます。これにより、患者さんにとっては必要な新薬がすぐに使えないことで治療の機会を失する場合もあることが考えられます。   [竹之下たかはる議員 登壇] ◆(竹之下たかはる議員) 御答弁いただきました。 新医薬品の認可のおくれによる患者のハンディ、不利益をもたらしている実態を関係団体等を通じて国に情報発信をし、その解消に努められるよう要望いたしておきます。 新医薬品の開発の多くが外国で行われているために、再度国内での治験に多くの時間を要しているとの指摘がありますが、新薬品開発の国内の動向についてお示しください。 以上、答弁を願います。 ◎市立病院長(上津原甲一君) 新医薬品開発の国内動向につきましては、新医薬品の治験に長い期間を要することや開発に巨額の費用が必要とされること等から、新医薬品の開発は厳しい環境であることが考えられます。 以上でございます。   [竹之下たかはる議員 登壇] ◆(竹之下たかはる議員) 御答弁いただきました。 国外新薬の早期承認の必要性が一層求められることが認識をされました。これらの働きかけをしていただけるよう重ねて要望いたしておきます。 次に、混合診療について質疑を行います。 政府の規制改革会議は、先月十四日、保険診療と保険外診療を併用できる混合診療の全面解禁を盛り込むことを明らかにしております。混合診療の全面解禁の診療への影響をどのようにとらえているか、見解をお示しください。 規制改革会議では、混合診療によって臨床が活発になって医療技術の高度化につながるとの意見が出されておりますが、混合診療の解禁が医療技術の高度化につながるのか、見解をお示しいただきたいのであります。 一方、厚生労働省は、混合診療を全面的に認めると医療の安全性が確保できないと強く反発をしていると言われております。混合診療の安全性についてどのようにとらえているか明らかにしていただきたいのであります。 以上、答弁を願います。 ◎市立病院長(上津原甲一君) 混合診療の全面解禁の診療への影響につきましては、当院は現在混合診療は行っておりませんが、混合診療が解禁されますと、保険外の診療の費用は患者さんの負担となりますので、支払い能力によって受けられる医療に格差を生ずるおそれがあると考えております。 次に、混合診療の解禁と医療技術の高度化につきましては、臨床におきまして既に開発された医療技術を適用しておりますので、混合診療の解禁が即、医療技術の高度化につながるかどうかは、一概には言えないと考えております。 混合診療における安全性につきましては、現在、保険が適用されていない薬や治療方法は治験等の承認がなされていないために、その有効性や安全性等が確認されていないものもあるのではないかと考えております。   [竹之下たかはる議員 登壇] ◆(竹之下たかはる議員) 御答弁いただきました。 混合診療の全面解禁は、支払い能力によって受けられる医療に格差を生じること、薬や治療法の有効性や安全性が確認されていないものもある等、懸念の答弁がなされました。 引き続き質疑を行います。 混合診療の全面解禁によって、保険診療と保険外診療を併用できるようになれば、患者の選択肢がふえ、患者サービスにつながるという意見がありますが、混合診療の解禁と患者サービスについてどのようにとらえているのか、御見解をお示しください。 以上、答弁を願います。 ◎市立病院長(上津原甲一君) 混合診療解禁と患者サービスにつきましては、混合診療の解禁は、国民皆保険制度に大きな影響を及ぼすおそれがございまして、保険外診療分の経済的負担が大きいため、患者さんの経済的な事情次第によっては受診できる診療に格差が生じることが考えられます。   [竹之下たかはる議員 登壇] ◆(竹之下たかはる議員) 御答弁にもありましたように、混合診療の全面解禁は、国民皆保険制度の崩壊につながる危険性があり、患者の経済的な事情によって受診できる診療に格差が生じる、患者サービスに逆行する要素をはらんでいます。今後の規制改革の動向に注目し、的確な対応をなされるよう要望をいたしておきます。 次に、医療サービスについて質疑を行います。 アメリカ、ハーバード大学の行った患者の満足度調査比較では、待ち時間や診療時間では日本は最低となっており、国内の調査でもこれらについて多くの患者が不満を抱いていると言われております。日本の患者は、医師の診察を年間十四回受けているが、年間診療時間の合計は年四回程度しか受けていないアメリカ人よりも短い。つまり、一回当たりの診療時間が圧倒的に短いとの指摘があります。待ち時間と診療時間についてお示しください。 次に、インフォームド・コンセント(治療方法の説明と同意)について伺います。 医者が患者との信頼関係を保ちながら治療を進めるためには、症状を克明に説明をし、その治療方法を具体的に明示して、患者の同意・納得を得て治療を進めることが必要であります。インフォームド・コンセント(治療方法の説明と同意)の活用について、見解と取り組みを明らかにしていただきたいのであります。 次に、医療サービスとしてのクリティカルパス(医療の標準化)と入院日数について伺います。 以上、答弁願います。 ◎市立病院長(上津原甲一君) 外来患者さんの待ち時間と診療時間につきましては、市立病院におきましては、予約を必要としないフリーアクセス制をとっており、多くの患者さんが来院されること、また、CT等の時間がかかる検査結果も受診当日にお知らせしていることから、待ち時間が長くなる傾向がございますが、患者さんの納得のいくような診察に心がけるとともに、自動再診受付機や医療費自動精算機の導入など、待ち時間の短縮に努めてきているところでございます。待ち時間につきましては、今後も少しでも短縮できるように努力してまいりたいと考えております。 次に、インフォームド・コンセントにつきましては、医師が治療を行う上で患者さんに十分な説明を行い、患者さんが納得・同意して医療行為が行われることで、治療効果を上げるためにも重要なことであると認識いたしております。市立病院におきましても外来診療時には、病状等の説明を十分に行いますが、特に入院時には入院期間、手術や検査の内容を入院診療計画書によって十分に説明・納得していただいて治療を行うことで、インフォームド・コンセントの徹底に努めているところでございます。 次に、クリティカルパスは、必要な治療が計画的・効率的になされることにより、患者さんが納得した上で治療を進められることから、市立病院においてもクリティカルパスを導入しているところでございます。クリティカルパスの導入は、医療の質の向上や診療の効率化等が図られることから、入院期間の短縮化につながるものと考えております。 以上でございます。   [竹之下たかはる議員 登壇] ◆(竹之下たかはる議員) 御答弁にもありましたように、患者の納得のいくような診察を目指して、インフォームド・コンセントの徹底とクリティカルパスのさらなる導入により、医療サービスの効果が上がるよう要望いたしておきます。 次に、専門医の確保について質疑を行います。 さまざまな社会的背景から産婦人科や小児科、麻酔科の医師が全国的に不足をし、勤務状況が厳しいこれらの科は新人医師からも敬遠され、社会問題であるとの指摘があります。小児科医、産婦人科医あるいは麻酔科医の確保は問題はないのかお聞かせください。 また、専門医の長期育成、充足計画についてあわせてお示しいただきたいのであります。 以上、答弁を願います。 ◎市立病院長(上津原甲一君) お答えいたします。 小児科や産婦人科、麻酔科の医師が御指摘いただきましたように全国的に不足しておりますが、当院におきましては、幸いにもこれらの医師は現在のところ確保されているものと考えております。 当院では、基本的に大学医局からの派遣で医師を確保しておりますが、大学医局に在籍する医師が減少傾向にあることから、当院独自の対策として、研修制度の充実を図っているところでございます。具体的には、十六年度から新たな初期臨床研修制度を導入するとともに、二年間の初期臨床研修を修了した医師を対象とする後期臨床研修制度を十八年度からスタートさせ、専門医の育成に努めているところでございます。 以上です。   [竹之下たかはる議員 登壇] ◆(竹之下たかはる議員) 御答弁をいただきました。 医師の確保がなされているということに安心をいたしました。これからも独自の研修制度の充実を図り、専門医の長期育成を進めて医師の不足が生じないような対策を要望いたしておきます。 次に、がん医療の充実について質疑を行います。 鹿児島市立病院は、がん患者に高度な専門医療を提供することを目指しています。先月一日付で日本がん治療認定医機構から認定研修施設としての認定を受けて、新たなスタートを始めました。この認定研修施設は、がん治療認定医としての不可欠な知識、経験、臨床的判断、心構えを習得するための環境を提供する施設と位置づけられております。 そこで伺います。 がん治療認定研修施設の認定と今後の取り組みについてお示しいただきたいのであります。 また、がん治療の充実策についてどのように進めるのかお示しいただきたいのであります。 以上、答弁を願います。 ◎市立病院長(上津原甲一君) がん治療認定研修施設は、がん治療認定医として不可欠な知識、技能、臨床的判断等を習得するための研修施設でございまして、年間百例以上のがん患者の診療をし、院内に放射線治療装置等が整っていることなどが認定の要件となっており、当院では十九年十一月一日付で認定研修施設として認定を受けたところでございます。今後は、認定医の育成と治療装置の整備に取り組み、より一層の充実を図ってまいりたいと考えております。 次に、がんの治療には、基本的に手術、放射線療法、抗がん剤を投与する化学療法がございますが、がんの種類や進行状況に応じて患者さんにとって最も適切で効果的な治療を行うために、各診療科がお互いに連携を図っております。 以上でございます。   [竹之下たかはる議員 登壇] ◆(竹之下たかはる議員) 御答弁いただきました。 市立病院のがん治療認定研修施設の認定は、認定医の育成に大きな役割を果たすことになり、大いに評価されると考えます。がん治療認定医の資格を有する医者の育成、市立病院のがん治療レベルアップに引き続き努力をなされるよう要望いたしておきます。 次に、医療トラブルについて質疑を行います。 鹿児島市立病院は、本年四月、医療安全管理室を設置し、医療事故防止と安全管理に努めております。医療安全管理室の役割と効果についてお示しいただきたいのであります。 また国は、平成十六年の十月に医療事故報告制度を制定し、医療事故事例情報の収集・分析・検証を行い、広く国民に情報を提供することなどを通じて、医療安全対策の一層の推進を図ることを目的としております。加入対象となる義務医療機関の国立病院や大学病院のほかに、任意加入できる制度となっており、既に二百五十以上の医療機関が参加をしていると言われております。 そこで伺います。 市立病院の国の医療事故報告制度の加入についての見解を明らかにしていただきたいのであります。 以上、答弁を願います。 ◎市立病院長(上津原甲一君) 医療安全管理室の役割につきましては、医療安全管理に関する委員会の運営、職員に対する教育や研修及び医療事故に関する情報収集・分析・対策等に関することであり、その効果としては、医療事故の再発防止、医療の安全確保、質の向上について、組織的な活動が円滑に効率的に推進しているものと考えております。 次に、国の医療事故報告制度につきましては、当院の場合は任意加入となり、現在のところ加入しておりませんが、この制度は医療安全対策に資することから、今後、他の自治体病院等の加入状況等も調査し、研究してみたいと考えております。 以上です。   [竹之下たかはる議員 登壇] ◆(竹之下たかはる議員) 御答弁いただきました。 医療安全管理室は、長期にわたる継続的な取り組みが必要であります。引き続き、積極的な取り組みを期待いたしておきます。 国の医療事故報告制度の加入は、創設一年余りで、義務づけられている医療機関のほぼ半数の二百五十七医療機関が任意加入をし、医療事故事例の情報収集・分析・検証に参画をし、医療安全対策の推進に努めていると言われております。他の自治体病院の加入状況を早急に調査をされ、任意加入を進めて医療安全対策が図られるよう要請し、今後の取り組みを見守ってまいります。 医療トラブルのADR(裁判外紛争解決制度)の評価と導入について伺います。 頻発する医療トラブルについて対立する医者と患者、家族という不幸の構図を覆そうという試み、ADR(裁判外紛争解決制度)がなされております。トラブルの当事者同士が対話のテーブルに着き、真実を話し合い和解に至るこの手法で、今春、東京女子医大の心臓手術や検査などで子供が死亡したり、重度の障害を負った八組の家族が病院側と和解をしております。この背景には、裁判では医師の有罪・無罪ばかりが焦点となって、真相の解明や再発防止につながりにくいことがあり、これらの家族が病院側と粘り強く対話を続けて、不信や対立から和解へと至った三年間のプロセスを振り返り、患者と医療者がなぜ不信に陥るのか、どうしたら理解し合えるのかを考える報道がなされました。 医療トラブル解決策として、この東京女子医大の試み、ADRをどのように評価されるのか。また、導入する考えはないかお示しください。 以上、答弁を願います。 ◎市立病院長(上津原甲一君) ADRにつきましては、これまでの裁判や法的解決では達成し得ない問題に対して、双方のニーズにこたえる注目すべき評価できる制度だと伺っております。この制度は、本年四月に施行されたものであり、医療分野においても現在導入が検討されているところで詳細については把握しておりませんので、今後、情報を収集して分析してみたいと考えております。 以上でございます。   [竹之下たかはる議員 登壇] ◆(竹之下たかはる議員) 御答弁をいただきました。 医療トラブルのADR(裁判外紛争解決制度)については、患者側と医療側の双方のニーズにこたえるものとして評価できる制度との見解が示されましたが、今後の導入を含めた検討がなされるよう要望をいたしておきます。 次に、医療機能評価について質疑を行います。 国民の医療に対する信頼を揺るぎないものとし、その質の向上を図るために、病院を初めとする医療機関の機能を学術的観点から中立的な立場で評価をし、その結果、明らかとなった問題点の改善を支援する第三者機関として財団法人日本医療機能評価機構が設立されております。 そこで伺います。 医療機関の第三者評価の必要性をどのように考えるのか。 医療機関の第三者評価の効果と利点は何か。 日本医療機能評価機構の評価を受けて、病院経営の今後に生かすべきと考えるがどうか。これらの取り組みについてお示しいただきたいのであります。 以上、答弁を願います。 ◎市立病院長(上津原甲一君) 医療機能評価における医療機関の第三者評価につきましては、医療機関に対する客観的な総合評価を得られることから、現状の機能を見詰め直すよい機会になると考えております。第三者から問題点を提起されることで、病院のすぐれている部分、改善すべき部分等がより鮮明になる効果があり、これらをもとに改善を加えていくことによって、より一層医療の質やサービスの向上が図られるものと考えております。 当院におきましては、建物・施設の老朽化に伴う諸問題等、大きな課題がございますが、評価の認定を目指すことにより職員の意識の向上が図られ、改善の成果を示すことで医療に対する信頼も高まることから、新病院計画等も考慮しながら医療機能評価の受審に向けて準備してまいりたいと考えております。 以上でございます。   [竹之下たかはる議員 登壇] ◆(竹之下たかはる議員) 御答弁いただきました。 第三者の医療機能評価は、客観的な総合評価がなされて、病院の現状の機能・課題が解明され、改善目標が定まることによって医療の質・サービスの向上が図られるとの見解が示されました。第三者医療機能評価を受ける準備をするとの答弁ですが、できるだけ早い機会に受審をされ、医療の質やサービスの向上に努められるよう求めておきます。 次に、包括医療制度について質疑を行います。 二〇〇三年に導入された医療費の包括評価制度は、薬漬け・検査漬けの医療を是正するために行われたと言われております。包括医療評価制度は、病院の薬代・検査代の合計を入院一日当たり定額にする制度で、二〇〇三年四月に特定機能病院等にこの包括医療評価システムが導入されております。厚生労働省は、ことし包括医療評価システム(DPC)の募集を行い、全国七百病院が応募したと言われております。 そこで伺います。 この包括医療制度(DPC)導入のメリットを病院側、患者側のそれぞれからお示しいただきたいのであります。 また、市立病院の包括医療制度(DPC)の導入への取り組みとスケジュールを明らかにしていただきたいのであります。 以上、答弁を願います。 ◎市立病院長(上津原甲一君) DPC導入のメリットでございますが、DPCという共通の指標を用いることで病院ごとの医療内容の評価が可能となり、病院にとりましては、効率的な医療サービスの診療体制が整備され、医療の標準化が図られるとともに、患者さんにとっては医療に関する情報の透明化や適切な医療サービスの受容や在院日数の減少等が考えられます。 当院におきましては、本年度、DPC準備病院として申請を行い、二十年度からの導入を目指して国への調査用データを提出しておりますが、今月初旬に開催された厚生労働省の中央社会保険医療協議会におきまして、データの質と量を確保し、安定性を図る観点から二年間のデータ提出期間が必要とされたために、二十一年度から対象病院への移行を目指しているところでございます。 以上でございます。   [竹之下たかはる議員 登壇] ◆(竹之下たかはる議員) 病院長から御答弁いただきました。 DPC(包括医療制度)の導入のメリットは、大きいことが明らかになりました。市立病院へのDPC導入は既に申請しているが、二十年度からの導入が二十一年度に延期されるとのことですが、早期導入対象病院への移行がなされる取り組みを引き続き要望いたしておきます。 次に、大河ドラマ篤姫館の設置運営について質疑を行います。 来年一月から鹿児島を舞台にしたNHK大河ドラマ「篤姫」の放送が始まり、観光鹿児島を全国的にアピールする絶好の機会と期待が高まっております。同時にドルフィンポート内に設置する篤姫館は、篤姫の生涯や明治維新において薩摩が果たした役割などの郷土史を紹介する施設として期待をされております。 今年、大河ドラマ「風林火山」が放映された甲府市では、甲斐の国風林火山博が開催をされ、当初の見込み二十万人の入場者が十月末で四十万人に達するという大盛況で、経済の活性化につながる実績を上げています。市当局もこの甲斐の国風林火山博を現地調査されたようでありますので伺います。 甲斐の国風林火山博から学ぶものは何か、見解をお示しいただきたいのであります。 また、篤姫館の実行委員会の主体を明らかにされ、委員を補充する考えはないかお聞かせをいただきたいのであります。 以上、答弁を願います。 ◎経済局長(松木園富雄君) おただしの風林火山博におきましては、県外からの誘客を図るために旅行エージェント等への営業活動をきめ細やかに行うなど官民一体となって取り組んでおり、既に入館者が四十万人を超えるなど大変好評を得ているようでございます。本市としましても、同博へ職員を派遣し、関係者の方々から伺った各面からの取り組みを参考にしながら、観光かごしま大キャンペーン推進協議会や市内の旅行エージェントなどと連携し、篤姫館などのPR活動を県内外で積極的に行っているところでございます。 次に、篤姫館実行委員会の会長は鹿児島市長で、事務局は市観光企画課に置いており、本市や県のほか旅行エージェントやホテル関係者などで組織する県観光誘致促進協議会、日本旅行業協会鹿児島地区会、市ホテル旅館組合及び観光コンベンション協会など、篤姫館の運営に当たって必要と考えられる関係団体等で組織しており、これらの団体と連携しながら、行政と民間が一体となって取り組んでまいりたいと考えているところでございます。 以上でございます。   [竹之下たかはる議員 登壇] ◆(竹之下たかはる議員) 経済局長から御答弁をいただきました。 甲斐の国風林火山博の実行委員会の特徴は、官民協働事業であるが、民間が主体で、民間の独創性・ノウハウを活用していることが挙げられると思います。実行委員会の会長、副会長、専務理事も民間経済界から選出をし、県や市はオブザーバーとなっております。 答弁にありましたように、篤姫館実行委員会の名誉会長、会長、副会長は、知事や市長、行政の局長がなり、また事務局長も行政からすべてを選任しており大きな差異があります。経理についても、赤字補てんのリスクは民間が負う方式を採用しており、派遣協力企業がボランティアを派遣して風林火山博イベントを盛り上げ、県民が郷土への知識を深め、郷土を愛する心の醸成につながっています。篤姫館のイベントにも運営に民間の協力を求めるべきであります。実行委員会の今後の取り組みを強く求めておきます。 次に、篤姫館開設にちなんでの歴史検定篤姫の導入について伺います。 甲斐の国風林火山博では、風林火山武田検定を創設をし、会場内にクイズ形式の簡易検定版を設置をし、入場者の多くの関心を集めています。この風林火山武田検定によって、観光客はもとより、県民・市民に郷土の歴史を再認識し、郷土への知識を深め、郷土を愛する心を醸成することに効果を上げ、会場内では多くの子供が課外学習として利用しております。 鹿児島においても篤姫館開設にちなんで、篤姫の生涯や幕末維新の薩摩の役割の歴史検定篤姫と薩摩を導入すべきと考えます。当局の見解をお示しください。 以上、答弁を願います。 ◎経済局長(松木園富雄君) 検定につきましては、昨年から鹿児島商工会議所が中心となり、鹿児島観光・文化検定を行っており、これまで篤姫に関する問題も出されております。篤姫に特化した検定につきましては、実行委員会では実施は考えていないところでございますが、御提案の趣旨も踏まえ、鹿児島観光・文化検定での篤姫の出題について、商工会議所とも協議するとともに、来館者の方々に篤姫や郷土の歴史についてよりよく知ってもらうための工夫を今後検討してまいりたいと考えております。 以上でございます。   [竹之下たかはる議員 登壇] ◆(竹之下たかはる議員) 歴史検定篤姫の導入についての答弁をいただきました。 篤姫館の設置は、篤姫の生涯や明治維新において薩摩が果たした役目などの郷土の歴史を広く県民に再認識してもらうことに役立て、郷土史の研修の場としても活用すべきと私は考えます。歴史検定篤姫の導入を図るなどの取り組みを要望し、今後を見守ってまいりたいと思います。 次に、ボランティアの活用について伺います。 風林火山博のスタッフは、事務局七名のうち県・市が各一名、残りが民間であり、会場運営のスタッフは、すべてボランティア派遣・アルバイトで運営され、県・市の職員は土日祝日に各一名が当たっているだけであります。このボランティアスタッフ派遣協力企業は四十五社・団体に及び、ボランティア主体の運営がなされておりました。ドラマ館篤姫館の運営に当たってボランティアを募り、ボランティアの活用を図るべきと考えますが、篤姫館実行委員会の会長でもある市長の見解をお示しいただきたいのであります。 以上、答弁を願います。   [市長 森 博幸君 登壇] ◎市長(森博幸君) 来年一月からの大河ドラマ「篤姫」の放送に伴い、鹿児島を訪れる観光客は例年以上に増加するものと期待をしておりまして、ぜひとも本市の観光振興につなげていかなければならないと思っております。 一方、観光未来戦略におきましては、新幹線全線開業を見据え、これまで以上に受け入れ体制の充実と着地型観光の振興を図ることといたしているところでございまして、その取り組みの一つとして、今年度、かごしまボランティアガイドの養成を行っているところでございます。 お触れになりました篤姫館での案内につきましては、業務委託により行うこととしておりますが、来館者に対する市内の観光案内等につきましては、ボランティアの方々にもお願いをしたいと考えております。   [竹之下たかはる議員 登壇] ◆(竹之下たかはる議員) イベント篤姫館のボランティアの活用についての御答弁をいただきました。 イベント内の説明などは委託、ボランティアは観光客の散策コース、ゆかりの地をめぐる案内を担ってもらうとのことでありますが、PRやイベント内で呼び込むボランティアの活用は、多くの市民が参加し盛り上げるために不可欠と申し上げておきたいと思います。今後の対応を要望しておきます。 篤姫館のイベントが篤姫効果を一層高め、多くの観光客誘致、経済活性化につながり、多くの県民・市民が参加をし、郷土の歴史を再認識する効果があるような工夫を求め、私の個人質疑のすべてを終わります。 ○副議長(秋広正健君) 以上で、竹之下たかはる議員の個人質疑を終了いたします。(拍手) 次は、大園盛仁議員。   [大園盛仁議員 登壇](拍手) ◆(大園盛仁議員) 平成十九年第四回定例会個人質問に当たり、私は、固定観念にとらわれず、市民サイドの市政を目指す立場から、個人質問を行ってまいります。 時間の都合で質問の一部を割愛する部分がありますので、御了承ください。 本年も全国でいろんな考えられない悲惨な事件・事故が起きましたが、私はそれをよそごとのように思っておりました。ところが、先日、私の住む犬迫町でも起きてしまいました。過疎化の進む中、花いっぱい運動等を行い、明るい地域づくりに取り組んできましたが、当該家族を知る町民にとっては、今でも信じられない出来事であり、悪夢であります。スポーツマンで農作業もよく手伝っていた親孝行の息子さんでしたので、なおさらです。これからの捜査で全容が明らかになることと思いますが、不景気なため、失業者が後を絶たない現代の格差社会がもたらした惨劇であるように思えてなりません。景気がよくなったとの報道はありますが、生活する中で景気が悪くなった感がするのは私だけでしょうか。 質問に入ります。 西郷隆盛と現代社会の事象に関して伺います。 昭和二年、西郷南洲先生五十年記念講演会で、当時の文豪徳富蘇峰は、「日本人が南洲翁を慕う心をなくしたときに日本は滅びる」と絶叫したと言います。今の世の中どうなっているのか。政治、経済、社会現象ともどもまさに徳富蘇峰の予言が的中する感がいたしてなりません。 西郷南洲翁は、下級武士から斉彬に見出され、明治維新をなし遂げ、西南の役で果てるまで幾多の辛酸・試練を乗り越えてきました。西郷さんが島流しに遭い、悪代官相良角兵衛を懲らしめた話は有名ですが、西郷さんは、農民のために農政の乱れの原因を制度の不備だけに求めることなく、実際政治を行う役人の精神に求めました。役人が不正を避けるという清廉の気風を打ち立てることこそが何より先であるという考え方でした。しかも、西郷さん本人が清廉潔白で私利私欲に走る人でなかったことは、周知の事実であります。農政役人は、現代で言えば公務員であります。 そこで総務局長に伺います。 本市はともかくとして、昨今の公務員の不祥事は目に余るものがあります。役人に清廉の気風を打ち立てた西郷さんの姿勢と愛民思想は、公務員のあるべき姿を示唆していると思いますが、どのようにお考えでしょうか。また、公務員の職責を果たす中において、本市行政組織の中で活用できるものはないかお伺いいたします。 また、教育長に伺います。 西郷さんの一貫した愛民思想・敬天愛人に対して、どのような見解をお持ちかお示しください。 以上、答弁願います。 ◎総務局長(草留義一君) お答えいたします。 西郷南洲翁は、みずからを厳しく律し、慈愛をもって人に接し、清廉潔白で無私無欲の人だったと言われております。これはまさに一部の奉仕者ではなく、全体の奉仕者として公共の利益のために勤務する私ども公務員の職責に通ずるものがあると思います。 今後、西郷南洲翁の教えも念頭に置きながら、市民に信頼される市政の推進に向け、人材育成に取り組んでまいりたいと考えております。 ◎教育長(石踊政昭君) お答えいたします。 西郷南洲翁の敬天愛人の精神には、人間の力を超えたものに対する畏敬の念や温かい人間愛の精神を深めることなど、多くの道徳的な価値が含まれており、この精神を学ぶことは青少年の健全育成につながるものと考えております。 以上でございます。   [大園盛仁議員 登壇] ◆(大園盛仁議員) それぞれ答弁を伺いました。 西郷さんは、青年時代、米の出来高を見積もる書記画係をし、農民の貧しさ、年貢の重さ、政の矛盾、役人の不正、身分差別の不合理を知ったようです。その考え方に影響を与えたのは、正義感が強く、気骨があり、学問に秀でた上司の迫田太次右衛門でした。西郷さんの農民的な体質と改革的な考えは、この時代にはぐくまれたようです。職場での人材育成の上において、上司の果たす役割がいかに大切かと考えさせられる例のように思うことです。本市行政として、もう少し西郷さんの精神を生かす施策を考えてほしいと思うのは、私だけでしょうか。総務局長、念頭に置くだけではだめなんです。念頭に置いて敬天愛人や遺訓等の教えを垂れ幕や色紙にして職場に張り出すなど行動することが大事であります。工夫されて市民まで広げられるよう施策の検討を要望いたします。 教育長より答弁を伺いました。 敬天愛人思想については、御理解をいただいていることがわかりました。西郷隆盛、大久保利通を初め明治維新をなし遂げた維新の先人たちは、皆、郷中教育を受けて育っております。幼児・少年期の「負けるな、嘘を言うな、弱い者をいじめるな」が一つの教えであります。この郷中教育や先ほどの敬天愛人思想の普及の必要性についてお示しください。 また、現在、学校教育・社会教育にどのように生かしておられるのかお示しください。 また、昔ながらの伝統行事や郷中教育を推進してきた学舎がだんだん閉鎖に追い込まれてきていると仄聞します。鹿児島の伝統文化教育を行っている学舎等の郷中教育団体へ活動費として補助金等の必要性は感じられないのか。補助金の交付ができなければ、その理由もあわせてお示しください。 以上、答弁願います。 ◎教育長(石踊政昭君) お答えいたします。 郷中教育や敬天愛人の精神は、先人から受け継いだ地域の教育力として今後も引き継がれていく価値があるものと認識しており、異年齢での集団活動等を通して、郷土に誇りと愛着を持つ心豊かでたくましい青少年を育成してまいりたいと考えているところでございます。 次に、学校教育におきましては、例えば紫原小における二十一世紀版郷中教育の取り組みや山下小の城山登山競争大会、あるいは清水小・松原小の錦江湾横断遠泳などを行っています。また、道徳の時間においては、読み物資料を通して西郷さんの幼少期からの生き方や考え方に触れさせる教育活動を展開しております。 また、社会教育におきましては、あいご子ども会やスポーツ少年団等が参加するセゴドンのエンコや西郷野屋敷跡での学習会、南洲翁と菅臥牛の徳の交わりが縁となった山形県鶴岡市との青少年の交流などで西郷南洲翁の教えを学ばせ、心豊かな青少年の育成に生かしているところでございます。 次に、学舎は、昔ながらの伝統を受け継ぐ青少年育成の組織であり、たくましい心身や友情をはぐくみながら、地域に根差した特色ある教育活動を展開している団体であると認識しているところでございます。青少年の健全育成にかかわる団体への補助金につきましては、活動状況等を十分把握して、必要に応じて交付しているところでございます。 以上でございます。   [大園盛仁議員 登壇] ◆(大園盛仁議員) 答弁を伺いました。 先人たちが築いた本市の文化財的価値のある石橋等の歴史文化財も少なくなってきております。せめて郷中教育の精神は、郷土に脈々と流れ引き継いでいくような施策を、一部の地域・団体にだけ頼ることなく、市内全域で具体的に施策として行っていただくよう要請いたします。 また、残っている学舎には、具体的な活動費だけでなく、少額でも年間の予算措置を講じていただけたらと思います。そのことが指導者の方々にも大きな励みになり、市民との協働のまちづくりにもなるのではないでしょうか。御検討を要望いたします。 続いて、征韓論と遣韓論に関して伺います。 明治六年の政変は、西郷さんたちの外征派と大久保利通たちとの内治派とにおける征韓の是非が起因とされております。西郷さんたちが征韓を期した動機は、国権確立もさることながら、不平不満の士族をそらし、士族の活路を求めたというのが従来の説でありますが、少なくとも当該閣議に際しての西郷さんが即時出兵や兵力帯動等の意見を抑え、礼装非武装でみずからが務める使節のみの遣韓を要請したというのは事実であります。 また、西郷さんの平和外交は、蛤御門の変を経て敵対関係であったにもかかわらず、一人長州藩に乗り込み、戦いを避けさせたことや、勝海舟との江戸城無血開城等でも明らかであります。また、庄内藩における人道的配慮は、愛民思想そのものであります。 そこで教育長に伺います。 征韓論と遣韓論についてどのような御見解かお示しください。 答弁願います。 ◎教育長(石踊政昭君) お答えいたします。 征韓論と遣韓論につきましては、専門家の間でもさまざまな見解があるところでございますが、私は、郷土教育を進める上で、子供たちに高い志と広い心を持った西郷さんの偉業に触れさせ、郷土に誇りを持つような児童生徒の健全育成に当たることが大切であると考えているところでございます。 以上でございます。   [大園盛仁議員 登壇] ◆(大園盛仁議員) 答弁を伺いました。 郷土の子供たちが、西郷さんを誤った征韓論者として認識し育つのは残念であります。 次に、市長にお伺いいたします。 西郷さんの愛民思想、清廉潔白な生き方は、本市の首長として学ばれることが多いのではないでしょうか。市長の西郷南洲翁に対する所感・評価をお聞かせください。 また、清廉潔白で私利私欲の人でなかった西郷さんの教えにかんがみて、今回の守屋事務次官逮捕という不祥事についてどのような見解をお持ちかお示しください。 以上、答弁願います。   [市長 森 博幸君 登壇] ◎市長(森博幸君) 大園盛仁議員にお答えいたします。 西郷南洲翁は、近代日本を築く原動力となり、その人柄は謙虚にしておごることなく、公平無私の心で清廉潔白な生活を貫いた郷土の偉人でございます。南洲翁の人生訓である敬天愛人は、現代に生きる私たちへの大きな教えとなっております。また、生誕百八十年を記念してさまざまな講演や記念行事が開催され、今日でも南洲翁の遺徳をしのんで山形県鶴岡市との活発な交流やセゴドンのエンコなどの行事が続けられており、市民・県民はもとより、全国の人々に深く敬愛されているところでございます。 私も西郷南洲翁の人徳に敬服しているところでありまして、今後とも、次代を担う青少年たちが西郷南洲翁の人となりや教えをしっかりと学び、継承するとともに、多くの人々に広めていくことが大切なことであると考えております。 次に、防衛省の事務方のトップである事務次官が収賄罪の容疑で逮捕されたことは、国政に対する国民の信頼を大きく失墜をさせるものであり、絶対にあってはならない許しがたい行為であると考えております。   [大園盛仁議員 登壇] ◆(大園盛仁議員) 市長に立派な答弁を伺いました。 西郷さんは、命も要らず、金も名も要らずの精神で天下・国家のために頑張りました。市長も西郷さんに負けないよう、本市と市民のために御尽力くださいますようお願いいたします。 また、事務次官逮捕と同じ癒着構造は、権力を利用して私利私欲に走って財をなした長州の山県有朋、井上馨に代表されるように明治維新時もあったようです。私利私欲に走る新政府の官僚たちを見て、西郷さんは一番憂いていました。 薩摩の若き群像の一人である札幌ビールの創始者、村橋久成は、そのような社会に抗議するようにすべての官職を辞して流浪の旅に出て消息不明になり、横浜で行き倒れで発見されました。そして、同じ薩摩の黒田清隆が遺体を引き取りに行ったようです。官軍に味方したために郷土に帰れなかった無念さが伝わってくるようです。西郷さんと全く同じ思いだったことが推測できます。 次に、西郷さんは、近代警察の創設にも力を注がれたということですが、現在問題になっている志布志事件について、愛民思想の西郷さんはどのような思いでおられることでしょうか。 そこで伺います。 まず、警察の役割についてお示しください。 また、志布志事件について総務局長はどのような御見解かお示しください。 以上、答弁願います。 ◎総務局長(草留義一君) 志布志事件についてでございますが、この事件は、警察に対する県民の信頼を損なう出来事であると考えております。 ◎市民局長(四元正二君) お答えいたします。 警察の役割でございますが、警察法第二条第一項によりますと、「警察は、個人の生命、身体及び財産の保護に任じ、犯罪の予防、鎮圧及び捜査、被疑者の逮捕、交通の取締その他公共の安全と秩序の維持に当ることをもってその責務とする」と規定されております。 以上でございます。   [大園盛仁議員 登壇] ◆(大園盛仁議員) 答弁を伺いました。 答弁にありましたように国民の生活を守るのが警察の職務であります。西郷さんの愛民思想を最も尊重してほしい警察ですが、志布志事件は、警察の犯罪として後世に語り継がれることと思います。 次に、私の周りで最近、理解しがたいことが起こりました。 平穏だった市民の生活が突然に破壊されたと言っても過言ではありません。以下、見解を求めますので、よく聞いていただきたいと思います。 この十月、善良な市民である私の知人が、唆し罪で運転免許証を取り消しになりました。理由は、この八月、高校一年の息子が五十ccのバイクで家を出ようとした際、父親は日曜大工の傍ら、親として「乗ったらだめだ」と注意したが、息子は聞かずに出て、白バイに捕まったそうです。結果、親である知人は、五万円罰金の刑事処分と唆し罪適用で免許証取り消しの行政処分を受けました。 田舎で生活する大人で免許証取り消しは、生活ができなくなるのと一緒です。ほとんどの親御さんは、このような免許取り消しがあることを知らないことと思います。親の責任を否定するものではありませんが、調書を取られる中で子供は罪を逃れたい一心、親は子供をかばう一心で応じた経過もあるようです。 しかも、調書を取る時点で免許取り消しの可能性の周知もなく、いきなりの処分であります。何十年も交通違反がなく、ゴールド免許だったこと、初めての違反であること、親の生活権・基本的人権を侵害すること等につながる配慮が全くない県警の公権力の行使は、理不尽であり、怒りを禁じ得ません。また、調書を取った警察官と公安委員会の警察官が聴聞し、委員が承認するだけの聴聞制度の機能も形骸化しているようでなりません。 そこで、市民生活を守る立場から伺います。 子供の無免許が原因で親が免許証を取り消しになったのは、法改正以来、本県内で何件あったでしょうか。また、警察は、このような免許取り消しの周知・啓発方法はどのようにしているでしょうか。また、警察の周知・啓発不足で市民の認識がない中での法執行は妥当でしょうか。また、先ほど述べた事案についての感想・見解をお示しください。 以上、答弁願います。 ◎市民局長(四元正二君) 県内における親子間の無免許運転の唆し等に係る行政処分執行件数は、県警によりますと、平成十六年から十九年十一月末までに二件あったとのことでございます。無免許運転の唆し等に関する周知・啓発につきましては、免許更新時における資料配布、ラジオによる広報により行っているとのことでございます。また、高校生に対しては、交通安全教室や二輪車の実技講習会において周知を図っているとのことでございます。 次に、今回の行政処分につきましては、県警において道路交通法や県行政手続条例に基づき行われたものと認識しており、本市としてその妥当性をお答えする立場にございませんので、御理解いただきたいと存じます。 以上でございます。   [大園盛仁議員 登壇] ◆(大園盛仁議員) 答弁を伺いました。 私は、法による処分の執行については、人が判断するわけですので、いろんな側面から十分に配慮されるべきと申したいのです。ほとんどの警察官が日夜まじめに職務に精励されていることは十分承知しておりますが、歴史的に汚名を残した志布志事件のていたらくも、民主的でない処分を手柄とする県警の体質がもたらした結果であると私は断言するに至ったことは申しておきます。 また、先ほども申したように親の責任を否定するものではありませんが、善良な市民が家庭の破壊につながり得ない状況に追い込まれました。いろんな要素があったかもしれません。親は注意をしたのにかかわらず、唆し罪で免許証の取り消しです。親が無免許でたばこでも買ってこいと言ったなら、唆し罪も理解できます。もっと警察は、人権や国民全体の幸せに配慮した組織であるべきです。 そこで市民局長に要請します。 警察は、もっと法の周知・啓発に努めるべきであり、法は法でもその執行については、社会全体の利益や個人の人権に十分配慮され、行使されるべきであると大園が本会議で申していたと、県知事や県警本部長にお伝えしていただけませんでしょうか。新たに市民の被害者が出ないとも限りません。本市行政として意見を言えない立場でしたら、伝えるだけですので御努力をお願いします。 次に、南洲公園の大灯籠に関して伺います。 西郷さんのお墓に向かった下の段の右側手前に西郷さんの親友勝海舟が贈った石碑があります。石碑には「ぬれぎぬを干そうともせず子供らがなすがままに果てし君かな」とあります。江戸城無血開城の立て役者である二人のきずながどんなに強かったのかかいま見る詩であります。 問題の大灯籠は、石段を上り着いた所とこの石碑との間にあります。この大灯籠は、昭和十四年に江戸城無血開城で戦火を免れたことに感謝された東京市より送られ、常夜灯になっております。 そこで伺います。 この大灯籠の碑文は、漢字体であるためと古くなり白いコケが点在し、私には読めませんでした。当局にはこの碑文が読めるのかどうかお示しください。 答弁願います。 ◎建設局長(山中敏隆君) お答えいたします。 本市が管理している南洲公園の常夜灯には、「江戸の開城せらるるや、西郷南洲・勝海舟両翁の折衝に依て兵火の厄を免れ、以て大東京殷盛の基を成せり。茲に奠都七十年を記念として感謝祭を行い、常夜灯を建つ。昭和十四年五月 東京市」との碑文が刻されております。 以上でございます。   [大園盛仁議員 登壇] ◆(大園盛仁議員) 答弁を伺いました。 読めるかどうか答弁にはありませんでしたが、碑文の内容等を紹介していただき、感謝いたします。本市では、もう少し碑石の保存に配慮してほしいものです。 昨日、斉彬公の眠られる玉龍高校裏の福昌寺を訪問したところ、よく管理はなされていましたが、墓前に主な方々の名前の紹介がなく、斉彬公の墓がわかりませんでした。見学ルートのアスファルトも欠けて、くぼ地がところどころできておりました。大河ドラマの「篤姫」は、明けたらすぐ放映が始まります。観光地を再点検され、善処されますよう要望いたします。 次に、江戸城の無血開城は、篤姫の存在なくしてできませんでした。大河ドラマのクライマックスシーンの一つでもあることだろうと思っております。当局には、篤姫あってこその大灯籠、常夜灯の碑である認識があるのかどうかお示しください。 また、碑文と贈呈者の一連の解説板を早急に設置すべきと考えますが、見解をお示しください。 以上、答弁願います。 ◎経済局長(松木園富雄君) 江戸城の無血開城には、篤姫が当時官軍隊長である西郷隆盛あてに徳川家の存続を願う嘆願書を届けるなど、西郷と勝海舟とともに大きな役割を果たしたとされておりますことは認識いたしております。 次に、常夜灯設置に至る経緯や贈呈者につきましては、ただいま建設局長も申し上げましたが、隣接する勝海舟歌碑に関する観光案内板の中で説明しているところでございます。しかしながら、篤姫に関しては特に触れていないことから、来年四月からのまち歩きの実施も踏まえて、篤姫誕生地などを含め、現在、観光案内板の設置に取り組んでいるところでございます。 以上でございます。   [大園盛仁議員 登壇] ◆(大園盛仁議員) 答弁を伺いました。 当局には認識され、案内板の設置に取り組んでおられるとのことですので、感謝いたします。 次に、西郷銅像のマントに関して伺います。 市民がロマンを抱き、多額のお金と多大な労力を費やして製作した西郷銅像のマントは、なぜ認められなかったのか。本市が今、一番力を注がなければならないのは観光ではないでしょうか。そのためには、本市からどのようにユニークな情報を数多く発信できるかではないのですか。私の接した約二十人の中では、賛成の声はあっても反対する声は全くありませんでした。私自身、平和外交を重んじ、愛民思想家だった西郷さんに思いをはせれば、戦前につくられた陸軍元帥としての軍服姿よりマントを羽織っていただいた方が心が和んでくるように感じます。 そこで伺います。 一点目、本市の反対理由を再度お示しください。 二点目、上野の西郷さんはよくて、本市が拒否する理由は何かお示しください。 三点目、私は、マントを羽織わせたらユニークな郷土からの情報発信になり、すべきと思っております。そこで、これまで本市がユニークな情報として発信できた情報にどのようなものがあり、今後、どのようなものを発信するお考えかお示しください。 四点目、マントの素材が地場産業の大島紬であり、羽織わせたら地場産業の宣伝・振興になります。また、観光客、市民でさえ喜ぶアイデア施策であり、にぎわうことは間違いありません。法に触れさえしなければ、このようなことは推進すべきであります。当局の見解をお示しください。 以上、答弁願います。 ◎経済局長(松木園富雄君) 本市は、桜島と錦江湾など世界に誇れる自然景観、個性ある歴史・文化などすぐれた観光資源を有しております。また、昨年度から進めている市電軌道敷の緑化及びライトアップは、全国でも例を見ないすぐれた都市景観を演出していると考えております。本市では、こうした個性をさまざまな媒体を通してこれまで全国に発信してきたところでございますが、今後におきましても、ハード・ソフトのさまざまな取り組みを通して、魅力ある鹿児島の情報の発信に努めてまいりたいと考えております。 次に、大島紬の宣伝につきましては、大島紬へのあこがれや関心には高いものがありますので、関係団体と連携しながら、潜在需要の掘り起こしを促進するなど各面から取り組んでいるところでございます。今後とも、さまざまな機会をとらえて、継続的かつ効果的なPRを行ってまいりたいと考えております。 以上でございます。 ◎建設局長(山中敏隆君) 西郷銅像へのマント着用につきましては、マントの着用は、美術的かつ文化的価値を有する西郷銅像本来の姿形を公園利用者が自由に鑑賞する行為に支障を及ぼすこと、占用目的についても客観的な必要性・公益性に乏しく、必要やむを得ないとは認められないと判断したものでございます。 なお、上野恩賜公園の西郷銅像につきましては、長年にわたり西郷南洲会において銅像の清洗式を行っていることから、許可していると伺っております。 以上でございます。   [大園盛仁議員 登壇] ◆(大園盛仁議員) 答弁を伺いました。 要望は、誕生日のたった一日だけだったではないですか。述べられた反対理由は、行政の管理権、プライドを守るだけのものとしか思えません。文化財的価値のある石橋は壊し、永久に消滅させながら、一方で美術品や文化財として主張されるのは、日ごろの当局行政の姿勢とつじつまが合いません。まちづくりの観点から、本質的に市民との協働の姿勢が欠けていることだけは指摘しておきます。 当初、一人の発案だったかもしれません。しかしながら、新聞・テレビ等で話題になり、公益性が生じてきているように思われます。大島紬の宣伝にもなり、観光客もマント姿の西郷さんを偶然見ることができて喜び、多くの市民でにぎわうことが予測されます。西郷さんも「久ひかぶい大島紬を着せもろもした。ぬきごわんど。あいがともさげもした」と喜ばれることでしょう。 行政のかたい体質が、伸びるべき本市の要因を阻害している典型的な例のように思えてなりません。行政でユニークな情報発信は絶対にできないと思われます。肩の力を抜かれて遊び心を取り入れたまちづくりが必要に思います。ユニークな発想とアイデアが必要な時代です。たとえ個人の利益になるとしても、そのことが本市に活気をもたらすのであれば、よいではありませんか。せっかく作製されたマントですので、いつか時間をかけてでも活用できるよう再検討を要望いたします。 新たな質問に入ります。 入札制度と鴨池公園水泳プール整備・運営事業のPFI制度導入に関して伺います。 中央集権下の補助金は、国・地方を問わず、政治家・官僚組織・関連業界にある種の構造をつくってしまって、国や地方政治を大きくゆがめてきました。行政改革が国政の重要なテーマとして取り上げられるようになって久しいものがありますが、その中で構造改革、小さな政府、地方分権が議論され、それに対応する形で従来の法律が改廃されたり、新しい法律が成立しています。これらの動きに対して中央省庁の役人、族議員、一部業界などいわゆる抵抗族の反抗は激しく、個別法や政省令を利用した基本法の骨抜きやさりげない障壁設定と思われる詳細設計が随所に見られると言われております。 これらの法制度改革を受け、地方自治体は財政的にも政策的にも自立が求められ、地方分権は自治体が政策・財政の運営において自己決定・自己責任を果たさなければ成り立たないようになりつつあります。いつまでも中央集権がもたらした利権構造を引きずっているわけにはいきません。各種政策の立案・運営には、経営感覚が必要になります。少ない予算で質の高い行政サービスを実現し、効率的な運営を行うためには、民間事業者の経営感覚を取り入れることがどうしても必要です。民営感覚を生かすためにPFIは登場しました。本市のPFI導入は、果たして目的に沿ったものになっていると言えるでしょうか。 そこでお伺いします。 PFI本来のねらいは何か、いま一度お示しください。 また、行政として必要な施設整備の業務要求水準書案は必要とは思うが、鹿児島市鴨池公園水泳プール整備・運営事業方針だけで十分ではないのか。行政主導で詳細な業務要求水準書案を計画した後の残りを自由提案施設として求めても限られてきます。これでは、民間の発案はほとんど行使できず、PFI制度本来の目的である行財政改革に直結しないと思っております。よって、真のPFI事業と言えるのか、当局の見解をお示しください。 また、行政主導の施設設計から運営までの一括発注方式と今回のPFI制度の相違点は何かお示しください。 以上、答弁願います。 ◎総務局長(草留義一君) PFIの目的は、公共施設等の設計、建設、運営、維持管理等を行うに当たり、民間事業者の有する資金や技術、また、経営ノウハウを活用することによって、市民への行政サービスの向上を図るとともに、効率的な行財政運営を実現することでございます。 国のPFI事業実施プロセスに関するガイドラインでは、発注する性能の具体的要件については、できる限り明確に提示し、応募者が共通の理解を得るようにすることが重要であると示されておりますこと等から、今回の新鴨池公園水泳プールにつきましても、教育委員会において業務要求水準書を作成したところでございます。また、自由提案につきましても民間の発案が期待され、本事業においてもPFI本来の目的を十分達成できるものと考えております。 次に、PFI事業につきましては、公共施設等の設計から建設、維持管理や運営までを民間の資金を活用し、一体的に行いますが、おただしの一括発注方式では、民間資金の活用は行われないところが相違点でございます。 以上でございます。   [大園盛仁議員 登壇] ◆(大園盛仁議員) 答弁を伺いました。 求める施設の具体的要件については、明確に詳細に示すべきでありますが、それは最低限の範囲内であるべきです。業務要求水準書で詳細に参加者の経験や本市の登録業者を絶対条件としてうたっていることにも納得がいきません。まるで談合を奨励しているようなものです。先ほど述べましたように、さりげない障壁設定と思われる詳細設計が随所に見られるそのものであります。条件には、一級建築士等の資格や建設能力、管理運営能力を有する具体的な条件をつけ、広く応募を募るべきであります。市民の中でもいろんな技術をもって行政に役立ちたいと願っている方がおられると思います。ゆえに今回のPFI導入は、真のPFI導入になっていないと言わざるを得ません。 また、銀行と市債の比率を端的に比較した場合、市債の方が低いゆえに民間資金を利用したら割高になることも想定されます。行政主導でわずか五%のVFMしか見込めない事業内容になっていることを考えると、効率的な行財政運営が本当に実現できるのでしょうか。 次に、新しい質問に入ります。 長野県の公共工事落札率は、全国一位の七三・二%のようです。低いからよいというものではないことは承知しております。しかしながら、質の高い工事ができて財政削減に寄与できたら、これほど頼もしいことはありません。今回の場合、PFIを新しく導入されたのに財政削減率がわずかに五%とありましたが、情けなくなります。 そこで伺います。 財政の削減率を五%となぜ決めたのか、また、決められるのか。根拠を含めお示しください。 今回のプール整備事業の場合、五%と決めたら、民間のアイデアはどこで生かされ、結果、VFMの最大化はどこで追求するのかお示しください。 以上、答弁願います。 ◎教育長(石踊政昭君) お答えいたします。 VFMにつきましては、従来手法に比べ、PFI手法で本事業を行った場合、市の財政負担の軽減が五・二%見込まれるという事業効果を試算したものであり、入札は今後行うものでございます。 次に、民間のアイデア等につきましては、施設の設計、建設、運営、維持管理に至るまですべての業務の中で生かされるものと考えております。また、VFMにつきましては、施設整備費や運営費における効果が大きいと考えております。 以上でございます。   [大園盛仁議員 登壇] ◆(大園盛仁議員) 答弁を伺いました。 業務要求水準書案で民間の発案を制限し、行政みずからVFMを五・二%と試算する。これはもう行財政改革を目的としたPFI制度でないことだけは指摘しておきます。 続いて、業務要求水準書案の問題点について伺います。 実施方針の作成後、業務要求水準書案を作成した理由についてお示しください。また、作成に要した期間をお示しください。 以上、答弁願います。 ◎教育長(石踊政昭君) お答えいたします。 業務要求水準書案は、入札に参加しようとする事業者に新鴨池公園水泳プールの設計、建設、運営及び維持管理等の業務に関して、実施方針で示した内容に基づき、市が要求する水準を詳細に示すために作成したものでございます。また、作成期間は、約六カ月間を要しております。 以上でございます。   [大園盛仁議員 登壇] ◆(大園盛仁議員) 答弁を伺いました。 先ほども申しましたが、業務要求水準書案は、必要最低限のものでなければならないと思っております。あとは、民間の自由提案を尊重すればするほどVFMは高まってきます。 次に、業務要求水準書案で民間の自由提案・発案を制限するようになった理由をお示しください。 また、行政主導で詳細に固定したら、高価で便利な土地を生かす民間のビジネスチャンス、発案、活力は引き出せないと思うが、どのような見解かお示しください。 また、リラクゼーションプールをなぜ排除したのか。パブリックコメントを経た基本構想・基本計画の中では、設置するようになっていたではありませんか。その理由を再度お示しください。また、他の施設にあるリラクゼーションプールと設置目的は一緒になるのかどうかお示しください。 また、入札参加者は、入札公告から入札までわずか二カ月余しかありませんが、この短期間で七十億以上の事業に参加者が応募できる理由を理解できません。その理由をお示しください。 以上、答弁願います。 ◎教育長(石踊政昭君) お答えいたします。 PFI事業であっても公の施設である以上、施設の基本的あり方などは行政が決めるべきものであり、行政側の考え方を示した上でも民間事業者の有する能力等については、業務全般において十分に発揮されるものと考えております。また、リラクゼーションプールにつきましては、建設費やランニングコスト、他施設の状況など必要性を考慮した上で設置しないこととしたところでございます。 なお、入札までの期間につきましては、八月初旬には業務要求水準書案を公表しており、一月の入札まで約五カ月間ありますので、十分対応できるものと考えております。 以上でございます。   [大園盛仁議員 登壇] ◆(大園盛仁議員) 答弁を伺いました。 何回も申しますが、行政として施設の基本的なあり方は必要最低限にとどめるべきであります。市民が求めるリラクゼーションプールやスケートリンク等は、整備できないように業務要求水準書案で制限しております。本来、真のPFI制度であれば、これらは高価で便利な土地ですから、自由提案の中で民間活力による施設設置が可能なはずです。また、民間から提案があってしかるべきです。行政が要求しない事業は、ランニングコストもすべて民間の負担となりますので、より以上の経営が求められます。何のためのPFIか。民間の発案を制限することで高価な土地も生かされません。 また、教育長は、もっと財政にとらわれず、教育的見地から市長事務部局に物を言われるべきであります。同じリラクゼーションプールであっても、それぞれの施設は設置目的が違います。また、本市の子供たちが、スケートを知らないで育つ現状はいかがなものでしょうか。本市教育の責任者として、たまには市長事務部局と議論され、市長と対峙されるような姿勢があってもいいのではと思います。入札まで五か月間あるから十分対応できるとありましたが、詳細に業務要求水準書案で示しているからであります。本来は七十億円以上の事業ですので、一年以上かけて民間の発案が出そろうような期間設定が必要なはずです。 新しい質問に入ります。 初めてのPFI事業導入で経験のない割には、当局が財政負担の削減率を五%と決めておられることにも納得がいきません。業務要求水準書案で詳細に参加者の経験や本市の登録業者を絶対条件として示しておられ、まるでやらせであります。 そこで伺います。 補助金頼みの箱物行政は、政官業癒着構造の根源であると言われておりますが、本市では、今回の市鴨池公園水泳プール整備・運営事業に関し、そのようなことはないですね。 答弁願います。 ◎教育長(石踊政昭君) お答えいたします。 本事業につきまして、おただしのようなことはございません。 以上でございます。   [大園盛仁議員 登壇] ◆(大園盛仁議員) 答弁を伺いました。 このように大きな財政負担を伴う事業で、しかも初めてPFI事業を導入して、当局が当初から予算と財政削減率を五・二%と見込んでおられるのもおかしな話でございます。疑問を抱くのは私だけでしょうか。 続いての質問に入ります。 入札における談合阻止の最近の施策をお示しください。 また、地方分権が進む中で、いつまでも中央のコンサルタント頼みでよいのかお示しください。 また、進む情報・技術革新で地元のコンサルタントも大抵の仕事は可能になってきていると存じます。行政の中央業者依存体質はなぜ変わらないのか、見解をお示しください。 以上、答弁願います。 ◎総務局長(草留義一君) 最近の談合防止の施策といたしましては、平成十八年四月から、工事請負契約書に新たに損害賠償の条項を設け、談合が発覚した場合、請負代金額の十分の一に相当する金額を損害賠償金として徴収することや、また、入札談合の抑止効果及び不正行為の様態に応じた指名停止措置の一層の厳正化を図るため、平成十八年四月から指名停止期間を最長十二カ月から二十四カ月に延長する要綱改正を行っております。 次に、コンサルタント業務の委託につきましては、地元業者への委託を基本としておりますが、地元事業者による実績のない特殊な業務や極めて専門性の高い業務につきましては、県外大手事業者も委託の対象といたしております。なお、新鴨池公園水泳プールのコンサルタントにつきましては、教育委員会において公募型プロポーザルにより選定された事業者に業務委託をいたしているところでございます。 以上でございます。   [大園盛仁議員 登壇] ◆(大園盛仁議員) 以上で、私の個人質疑をすべて終了します。 ○副議長(秋広正健君) 以上で、大園盛仁議員の個人質疑を終了いたします。(拍手) ここで、しばらく休憩いたします。              午 後 二時四十八分 休 憩            ─────────────────              午 後 三時二十三分 開 議 ○副議長(秋広正健君) 休憩前に引き続き会議を開き、質疑を続行いたします。 次は、北森たかお議員。   [北森たかお議員 登壇](拍手) ◆(北森たかお議員) 私は、社民党鹿児島市議団の一員として質疑を行います。 本市の財政対策について伺います。 国においては、新年度予算の編成作業が進められておりますが、地方自治体の予算づくりとも密接に関係しているだけに積極的な関与が重要な段階にあります。去る十一月十一日には、鹿児島県と県市長会、県町村長会、それぞれの議会議長会で構成する地方自治推進代表者会議で決議がなされ、国への要請がなされたと聞いております。地方交付税の復元、地方税財源の拡充・強化と偏在是正、道路整備の財源確保であります。決議の実現に向けてどのような対策や行動がなされたのか、以下、伺います。 第一は、地方交付税復元への基本的考え方であります。 地方交付税の復元は、地方自治体の財源保障・財源調整の機能を取り戻し、憲法で保障している地方自治の本旨の実現のための財政面での裏づけとして当然のことであります。しかし、国の借金財政の穴埋めのため、地方交付税を悪者にし、既に新型の交付税まで生み出し、大きくゆがめてきているのであります。これらの流れを修正し、地方自治体の適切な財政需要に基づく財源確保にどうやって持っていくのか、行動を含めた見解を示してください。 第二は、三位一体改革のもとで本市の地方交付税がどうなったかであります。 改革期間における本年度までの削減が幾らであったか示してください。また、この間における基準財政需要額と収入額の変化がどうなったか示してください。 以上、答弁を求めます。 ◎総務局長(草留義一君) 地方交付税についてでございますが、さきの三位一体改革において、その総額が五・一兆円もの大幅な削減がなされる一方、社会保障費などの財政需要が増加する中で、地方の財政状況はますます厳しいものとなっております。このようなことから、去る十一月十一日に県や県市長会等で構成する鹿児島県地方自治推進代表者会議において、地方交付税の財源保障・財源調整の両機能が十分に発揮されるよう、地方の財政需要を適切に反映させた上で地方交付税総額を復元することなどを決議し、その後、総務省、財務省等に要望をいたしたところでございます。 次に、三位一体改革が実施された三カ年において、本市の地方交付税等は約百十九億円削減されております。また、この間における基準財政需要額は約二十二億円の減、基準財政収入額は約六十五億円の増となっております。 以上でございます。   [北森たかお議員 登壇] ◆(北森たかお議員) 本市の厳しい財政状況が続いていること、特にその要因に三位一体改革における地方交付税の国による削減があることが示されました。国の予算編成時期に向けて、地方からの声を上げ、要請行動をされておりますが、さらに実効のある取り組みを本市及び本県、さらに地方六団体とともに頑張っていただきますよう要請をし、見守ってまいります。 第三は、本市財政への具体的影響と対策であります。 三位一体改革は、地方交付税だけではなく、補助金改革と税源移譲がなされておりますが、総体的な影響と新年度に向けた財政対策をどう考えるか示してください。 以上、答弁を求めます。 ◎総務局長(草留義一君) 三位一体改革による影響でございますが、本市におきましては、ただいま申し上げましたとおり地方交付税が大幅に削減されましたほか、市税や地方譲与税を加味した一般財源総額におきましても地方財政計画を大幅に下回っており、この改革が厳しい財政運営を余儀なくされている要因となっているものでございます。 また、二十年度においても引き続き厳しい財政状況が予想されますので、自主財源の確保や未収金の解消に努め、これまで以上に事務事業の峻別や徹底した見直しを行い、限られた財源の重点的・効率的な配分を行うなど健全財政の維持に最大限の努力をしていかなければならないと考えております。 以上でございます。   [北森たかお議員 登壇] ◆(北森たかお議員) 新年度の本市財政対策につきましても、歳入の確保と歳出の重点的・効率的配分による対策がこれまでにも増して重要になることから、全庁的な知恵を結集していただきますよう要請をしておきます。 新しい質問に入ります。 地域まちづくり会議、かごしままちづくり会議のまとめと今後の対応について伺います。 先月二十七日には、まちづくり会議最終報告書が市長へ提出されました。合併に伴う特例措置として設置をされ、新市の速やかな一体化と均衡ある発展を課題とした役割が期待されたのであります。議会の側も特別委員会で適宜適切な対応を重ねてきたところであります。このようにして集約され、終了したまちづくり会議の活動について、今後の対応を含めて伺ってまいります。 第一は、まちづくり会議のまとめの成果をどう生かすかであります。 地域まちづくり会議から集約された提言等をかごしままちづくり会議で議論をし、各所管へ割り振って行政へ反映することなど具体的な成果を上げてきたものであります。これらの成果の特徴を明らかにし、今後どう生かすか示してください。 以上、答弁を求めます。 ◎企画部長(新地茂樹君) お答えいたします。 各まちづくり会議では、三カ年にわたって合併後の本市のまちづくりについて各面にわたり自由闊達に御議論をいただき、去る十一月二十七日には、合計百五十七項目に及ぶ貴重な御意見・御提言をまとめた報告書を提出していただきました。 これまでこれらの御意見等については、既に各種施策へ反映したものも多くございます。具体的には、かごしま観光プログラム推進事業やグリーンツーリズム推進事業などの観光や農業の振興策のほか、地域間交流を促すぐるっとかごしまスタンプラリー事業やかごしま再発見地域めぐり事業、鹿児島プロモーション推進室の設置など早速成果としてあらわれているところでございます。 本市といたしましては、今後ともそれぞれの御意見・御提言等を真摯に受けとめ、すぐに対応できるものはすぐに対応し、長期的に取り組むべきものにつきましては、着実な計画を立てながら実現に向けて努力してまいりたいと考えております。 以上でございます。   [北森たかお議員 登壇] ◆(北森たかお議員) まちづくり会議の成果と具体的な施策への反映事例を示していただきました。項目の多さと直ちに事業化されていることを評価できるところであります。長期的観点で取り組む課題の前進についても前向きの回答をいただいておりますので、今後に期待をしておきます。 第二は、旧五町地区の人口と高齢化・過疎化について伺います。 まちづくり会議での議論と並行して、合併前と三年経過後における人口の移動が進んでいますが、旧五町地区の人口の増減がどうなっているか、高齢化・過疎化の指標がどう変わったか示してください。 以上、答弁を求めます。 ◎企画部長(新地茂樹君) 旧五町地域の人口につきましては、本市推計人口を合併時の平成十六年十一月と三年後の本年十一月とを比較いたしますと、松元地域を除き、わずかながら減少しております。 また、これらの地域の六十五歳以上の人口割合を比較いたしますと、いずれの地域でも増加傾向が見られるところでございますが、このことについては、旧市域も同じ傾向を示しているところでございます。 以上でございます。   [北森たかお議員 登壇] ◆(北森たかお議員) 旧五町地域の人口の減少と高齢化率の高まりは、傾向として明確なことを示していただきました。 これを集落ないし町内会単位で見ると、六十五歳以上が五割を上回るような限界集落も存在するであろうことが推測されるところであり、全市的な地域コミュニティーづくりが課題となっていることが明らかであります。 次に、今後の対応として、地域自治区導入による活性化について伺います。 まちづくり会議の総括の中で、地域でやれることは地域でやろうという機運が高まってきた、地域における市民と行政との協働について一定の方向性が見えてきたことも一つの成果としております。合併によって広域化と都市化が進むことにより、逆に過疎地域が生み出されることとなっており、まちづくり会議で生まれた住民自治の芽を発展させ、地域の活性化を図るため、地方自治法に基づく地域自治区を導入すべきと考えるがどうか。 第四は、地域自治区導入の検討に当たり、他自治体に学ぶことについて伺います。 全国の動きでは、合併特例による地域自治区、一般制度による地域自治区があり、長野県、秋田県、宮崎県の各市町村などが導入をしております。新潟県の上越市においても、合併特例から一般制度へ移行させる取り組みがなされております。上越市は、十四市町村が平成十七年一月一日に合併し、自治・まちづくりの主役である市民の意思が市政に反映される市民本位の市政、市民が自主的に支え合い、地域が自立していくことのできる自主自立のまちづくりを進めるとしております。他市町村の例もあること、上越市などの動きも参考になると考えますがどうか。 以上、答弁を求めます。 ◎企画部長(新地茂樹君) 地域自治区につきましては、住民自治の強化等を推進することを目的として設置されるものであり、平成の大合併を契機として幾つかの自治体では活用事例が見られ、おただしの上越市においては、同制度を活用し、自主的・自立的なまちづくりに取り組まれているようでございます。 本市におきましては、合併後、まちづくり会議などを通して地域でやれることは地域でやろうという機運が全市的に高まってきておりますことから、他都市の状況も参考にしながら本市にふさわしい方法を構築し、地域の活性化や市民と行政との協働による個性的なまちづくりに取り組んでまいりたいと考えております。 以上でございます。   [北森たかお議員 登壇] ◆(北森たかお議員) 地域自治区導入の提案に対しましては、他都市の状況も参考にしながら本市にふさわしい方法を構築するということであります。確かに検討の期間を置いて各面からの検討が必要でございますが、市長が当選以来唱えてこられた市民が主役の市政を制度的に考えるならば、行き着く方向であると考えておりますので、申し上げておきます。 次に、新しい質問に入ります。 特定健診・特定保健指導について伺います。 来年四月からは、基本健康診査の仕組みが変わることになっております。四十歳以上の市民で勤務先で定期的に健康診査を受けることのできない市民の皆さんは、保健所の健康診査と保健指導を受けておりますが、この分野が各医療保険者に義務化されることとなっております。後期高齢者医療制度とリンクをし、医療費抑制施策と関連して問題のある制度改正であることから、以下伺ってまいります。 第一は、これまでの本市の基本健康診査と課題について伺います。 生活習慣病の予防、早期発見、早期治療などを目標とし、四十歳以上の男女、三十二歳の女性を対象に受診率を上げる努力を続けておりますが、昨年度、一昨年度で足踏み状況となっております。市民の皆さんの健康意識の向上を含め、どのような課題があるかお示しください。 以上、答弁を求めます。 ◎健康福祉局長(邦村昇蔵君) お答えいたします。 基本健康診査につきましては、これまでがん検診とのセット化、土日検診の実施、検診会場の増設、各種広報による受診勧奨など市民がより受診しやすい環境づくりなどに取り組んでまいりました。その結果、ここ数年、受診者数はふえてきておりますが、おただしのとおり必ずしも受診率アップにつながっていない面もございます。 健康相談時におけるアンケート調査などによりますと、市民の健康に対する意識は高まりつつございますが、適度の運動をすることや禁煙などの行動変容や受診につながっていないことなどが課題であろうと考えております。 以上でございます。   [北森たかお議員 登壇] ◆(北森たかお議員) 本市の基本健康診査は、年々の努力によって一定の受診率のところまで達しており、市民の皆さんの健康管理に役立ってきております。それでも四〇%余りの受診率にとどまっており、難しい課題となっているところであります。 第二は、今回の制度を変える目的は何かについて伺います。根拠法の変化を含めて示してください。 第三は、目標数値と後期高齢者医療制度への支援金が役立つかどうかについて伺います。 新しい制度の考え方では、特定健康診査受診率の目標を七〇%、国保は六五%、その中で特定保健指導実施率四五%を目指し、メタボリックシンドロームの該当者及び予備軍を一〇%減らすことを目標としております。これらの数値によって、後期高齢者医療制度の支援金が加算・減算されることから、各医療保険者は数値引き上げに懸命になるだろうという考え方であります。この仕組みによって果たして後期高齢者の医療費が抑制できるのか。健診や保健指導に支援金をペナルティーとして使ってどうなのか。大きな疑問を持たざるを得ません。見解を示してください。 第四は、メタボリックシンドロームの診断基準の課題について伺います。 今回の制度は、診断基準をどのように考えているか。外見だけの肥満だけで取り扱われることはないか。課題がないかどうか見解を示してください。 以上、答弁を求めます。 ◎市民局長(四元正二君) お答えいたします。 特定健康診査・特定保健指導についてでございますが、現在の基本健康診査は、老人保健法に基づき、個別疾患の早期発見・早期治療を目的として実施しております。一方、平成二十年度から実施予定の特定健康診査・特定保健指導は、高齢者の医療の確保に関する法律に基づき実施するもので、その目的は、内臓脂肪型肥満に着目し、生活習慣病を改善するための保健指導を行い、糖尿病等の有病者や予備軍を減少させ、あわせて医療費の伸びを抑制しようとするものであります。 次に、後期高齢者医療制度に対する支援金の加算・減算と医療費の関係でございますが、この支援金の加算・減算の制度は、特定健診等を円滑に進めていくために、基本計画に沿って努力した医療保険者を評価するために設けられたものとされております。具体的には、医療保険者が特定健診等を積極的に行い、生活習慣病の有病者や予備軍が減少すれば支援金の支出も減少し、医療費が抑制されることとなります。本市といたしましては、この特定健診等の本来の目的を達成できるよう、制度の周知や対象者の利便性に配慮した取り組みを行うなど最大限の努力をしてまいりたいと考えております。 次に、今回の特定健康診査における診断基準は、内臓脂肪症候群、いわゆるメタボリックシンドロームの該当者及びその予備軍を選定するためのものとなっており、具体的には、腹囲だけではなく、血圧、血液中の脂質、血糖値の結果などから総合的に判定することになっております。また、診断基準の課題でございますが、一部の専門家から腹囲の基準などについて異論が出されていることなどがございます。 以上でございます。   [北森たかお議員 登壇] ◆(北森たかお議員) 制度改正の目的は、内臓脂肪型肥満に着目をした医療費抑制策でありますが、診断基準への異論もあることや後期高齢者医療保険制度への支援金のペナルティーで医療保険者が駆り立てられることとなり、各保険者間の格差が固定化をし、問題を新たに生むこととなること、その保険者は、特に国保において懸念があります。ペナルティー制度の見直しを求めるべきだと指摘をし、本市としての対応を求めておきます。 第五は、本市保健行政への影響と対応について伺います。 基本健康診査の取り扱いはどうなるか、新年度に向けた動きはどうなっているかなど影響と対応について聞かせてください。 以上、答弁を求めます。 ◎健康福祉局長(邦村昇蔵君) 本市保健行政への影響と対応でございますが、平成二十年度からは、これまで医師会等に委託して実施してまいりました基本健康診査は廃止し、国民健康保険などの医療保険者が特定健診と特定保健指導を実施することになります。 なお、現在、特定保健指導を保健所が行うことについて検討を進めているところでございます。また、市民の利便性を考慮し、特定健診と各種がん検診などをこれまで同様、同一会場で実施することについて、関係部局と協議を進めているところでございます。 以上でございます。   [北森たかお議員 登壇] ◆(北森たかお議員) 本市保健行政への影響では、当面は国保の基本健康診査は担当することとなりますが、これまでサービスを受けていた国保以外の保険者に加入している市民にとっても、これまでと同様、同一会場で実施することで協議中とのこと。市民サービスの低下がないように期待をしております。 次に、新しい質問に入ります。 生活保護行政について伺います。 生活保護の支給基準を見直し、生活扶助を減額する国の検討は、既に高齢者加算を廃止をし、母子加算を廃止している後だけにぎりぎりの生活をしている市民にとって大きな不安があります。これ以上の生活保護費の切り下げはすべきではなく、むしろ物価上昇の動きに逆行するものであります。 以下、伺ってまいります。重複する部分を省略させていただきます。 生活扶助基準の改定方式について伺います。 現在は、一般国民の消費水準の向上に対応して均衡を図ることが基本となっていると考えるがそのとおりか。その際の消費水準は、一般勤労者世帯の消費支出額を比較対象とし、生活保護の一定の水準を確保するものと考えるがそのとおりか。 答弁を求めます。 ◎健康福祉局長(邦村昇蔵君) 生活扶助基準の設定に当たりましては、おただしのありましたとおり現在、水準均衡方式が採用されております。その際の消費水準につきましては、一般世帯を年間収入の低いほうから高いほうへ順に並べ、十等分したグループのうち最も収入の低いグループの消費水準と生活扶助基準額を比較することが適当とされているところでございます。 以上でございます。   [北森たかお議員 登壇] ◆(北森たかお議員) 生活扶助基準の今回の切り下げ理由は、一般勤労者の消費水準が下がったために、これに連動するというものであります。この水準均衡方式の考え方は、国民の生活水準が著しく向上する時代にあって、最低生活の考え方として、家族全員が必要な衣食住を得るだけでなく、社会的費用についても必要な水準が確保されるということであります。 今日、市場経済だけを優先する構造改革政治によって労働法制の規制緩和による使い勝手のよいたくさんの労働者をつくり、いわゆるワーキングプアという社会問題まで引き起こし、新たな貧困層をつくり出した責任をよそに、単に国民の消費生活水準が下がったことを理由とする生活扶助基準の切り下げは容認できないこと。セーフティーネットをさらに弱くし、社会不安をあおることになることが懸念をされます。当局もしっかり考えて対応していただきますよう要請しておきます。 次に、本市生活保護行政の課題について伺います。 生活保護行政に携わる職員は、豊かな人権感覚と仕事に精通する知識や経験が求められております。本市においても研修制度の充実やこれまでに積み上げてきた実務上の経験を引き継ぎ、ベストの対応をしているところであります。 そこで幾つかの点をお聞きします。 一つは、他法優先の取り扱いはどのような検討の段階を踏んで判断しているのか。 二つは、本庁の受け付けは面接相談員制度をとっており、ここでの対応が大事にされなければなりません。人材確保に苦労が多いと考えるが、最善の策としてどのようにしているか。 三つは、ケースワーク体制について、一人当たりの担当件数が多いがためにケース把握による自立支援等の仕事が薄くなっていないか懸念されます。実情の把握と改善策を検討すべきと考えるがどうか。 以上、答弁を求めます。 ◎健康福祉局長(邦村昇蔵君) 生活保護は、生活に困窮する者がその利用し得る資産、能力その他あらゆるものをその最低限度の生活維持のために活用することを要件とし、また、民法に定める扶養義務者の扶養及び他の法律に定める扶助は、すべて生活保護に優先して行わなければならないとされております。他法他施策の活用につきましては、各面からの把握に努め、必要な場合は、査察指導員との協議やケース診断会議などを行い、適正な対応を行っているところでございます。 面接相談員につきましては、生活保護業務の経験や福祉関係の知識を有する人材が最適であることから、市や県の経験者を採用しているところでございます。 また、ケースワーク体制につきましては、社会福祉法に定められた標準数に沿った配置がなされるよう努めているところでございます。なお、十九年度につきましては、被保護世帯の増加に伴い、五名のケースワーカーが増員されたところでございます。 以上でございます。   [北森たかお議員 登壇] ◆(北森たかお議員) 本市生活保護行政の課題については、三つの点をただしましたが、いずれも適正受給、不適正受給の判断に微妙に響くことであり、市民の立場を踏まえ、引き続き努力いただきますよう要請をしておきます。 また、ケースワーク体制について、ワーカーの増員もなされているようでありますが、査察指導体制を含めた充実をしていただくよう要請をしておきます。 新しい質問に入ります。 保育料納入等の委託について伺います。 税や料金等の滞納対策が注目されておりますが、基本的には、市民として納入すべき義務を果たすということで、公正な取り扱いとなるよう行政の側の努力が求められているものであります。保育料については、現在取り組まれている各保育園への委託について、これが適正に、しかも協力の気持ちが込められたものとして推進されるべきという観点から、以下伺ってまいります。 第一は、現在の保育料の納入が市の窓口となっている理由・根拠を示してください。 第二は、現在進めている保育園への委託の内容とその目的を明らかにしてください。 第三は、委託に当たって、保育園側との協力体制づくりはどのようになされたか示してください。 第四は、同様の委託で他都市の事例調査をされたか。したとすれば、調査結果の概要を示してください。 第五は、委託費について当面ゼロとしていますが、委託業務を無料で続けることができるのか、今後の見解を明らかにしてください。もし、今後有料としたとき、ゼロのときとの整合性をどう考えるか。 第六は、保護者と保育園のこれまでの信頼関係には影響ないか。あるとすればどのような対応を考えているか。 以上、答弁を求めます。 ◎健康福祉局長(邦村昇蔵君) 保育料の納入についてお答えします。 児童福祉法第五十六条第三項の規定により、「保育費用を支弁した市町村の長は、本人またはその扶養義務者から、当該保育費用をこれらの者から徴収した場合における家計に与える影響を考慮して保育の実施に係る児童の年齢等に応じて定める額を徴収することができる」とされておりますことから、本市が徴収しているところでございます。 次に、保育園長などが行う保育料納入勧奨の内容についてでございますが、保育料滞納者に対しまして、催告状や納入通知書を手渡し、口頭で納入意識の啓発を行うことなどを予定しております。これらは保育料の納入促進のために行うものでございます。 保育園との協力体制につきましては、保育料納入勧奨の内容につきまして、市保育園協会や園長会への説明を行うとともに協力依頼を行っており、今後の実施に当たっての具体的方法などさらに協議することとしております。 次に、中核市の状況でございますが、三十五市中二十三市が私立保育園による保育料の納入勧奨等を行っております。業務内容としましては、主に保育園長などによる保育料収納や催告状の手渡し、滞納者への納入呼びかけなどとなっております。 次に、実施に当たっての具体的な方法につきましては、今後さらに協議することといたしておりますので、おただしのことにつきましてもその中で協議してまいりたいと考えております。 最後になりますが、保護者と保育園との信頼関係につきましては、保育料は家計に与える影響を考慮し、また、児童の年齢等に応じて定めることになっておりますことから、これらについて保護者の理解を求めながら、自主的な納付の呼びかけを行ってもらうものであり、信頼関係そのものには大きな影響を与えるものではないと考えております。 以上でございます。   [北森たかお議員 登壇] ◆(北森たかお議員) 保育料の滞納対策として、納入促進のための協力を保育園へ委託の形でお願いすること、中核市でも半分以上が同じような取り組みを実施していることなどが示されました。委託希望園との契約書づくり、委託費なども今後引き続き協議していくこととしておりますので、十分な理解と協力体制をつくり上げ、新年度までには体制ができ上がることを期待をしておきます。 以上で、私の個人質疑をすべて終わります。 ○副議長(秋広正健君) 以上で、北森たかお議員の個人質疑を終了いたします。(拍手) 以上で、通告による個人質疑を終わります。 ほかになければ、これをもって質疑を終了いたします。 △常任委員会付託 ○副議長(秋広正健君) それでは、ただいまの議案二十九件については、いずれも所管の各常任委員会に付託いたします。 △散会 ○副議長(秋広正健君) 以上で、本日の日程は終了いたしました。 今議会は、明日から委員会審査に入りますので、本会議再開の日時は、追って通知いたします。 本日は、これにて散会いたします。              午 後 三時五十七分 散 会            ─────────────────地方自治法第百二十三条第二項の規定により署名する。         市議会副議長  秋  広  正  健         市議会議員   平  山     哲         市議会議員   片  平  孝  市...