西宮市議会 2020-09-04
令和 2年 9月(第 9回)定例会−09月04日-03号
令和 2年 9月(第 9回)定例会−09月04日-03号令和 2年 9月(第 9回)定例会
西宮市議会第9回定例会議事日程
(令和2年9月4日午前10時開議)
日程順序 件 名 ページ
第1 一 般 質 問
発言順序 氏 名 発言時間(答弁を含む)
1 八 代 毅 利 86分 69
2 た か の し ん 78 84
3 宮 本 かずなり 52 98
4 篠 原 正 寛 59 104
5 河 崎 は じ め 52 114
西宮市議会議長
出 席 議 員
1番 河 本 圭 司 16番 菅 野 雅 一 30番 篠 原 正 寛
2番 田 中 あきよ 17番 吉 井 竜 二 31番 坂 上 明
3番 江 良 健太郎 18番 かみたに ゆみ 32番 佐 藤 みち子
4番 多 田 裕 19番 川 村 よしと 33番 野 口 あけみ
5番 大 迫 純司郎 20番 まつお 正 秀 34番 中 尾 孝 夫
6番 たかの し ん 21番 よつや 薫 35番 岩 下 彰
7番 うえだ あつし 22番 花 岡 ゆたか 36番 町 田 博 喜
8番 ひぐち 光 冬 23番 河 崎 はじめ 37番 大川原 成 彦
9番 一 色 風 子 24番 松山 かつのり 38番 八 木 米太朗
10番 宮本 かずなり 25番 山 口 英 治 39番 草 加 智 清
12番 脇田 のりかず 26番 山 田 ますと 40番 大 石 伸 雄
13番 福 井 浄 27番 大 原 智 41番 田 中 正 剛
14番 松 田 茂 28番 澁 谷 祐 介
15番 八 代 毅 利 29番 や の 正 史
欠 席 議 員
な し
説明のため出席した者の職氏名
市長 石 井 登志郎 産業文化局長 岩 崎 敏 雄
副市長 北 田 正 広 健康福祉局長 山 本 英 男
副市長 田 村 比佐雄 こども支援局長 時 井 一 成
政策局長 太 田 聖 子 環境局長 宮 島 茂 敏
総務局長 中 尾 敬 一 土木局長 植 松 浩 嗣
総務総括室長 大 植 進 教育長 重 松 司 郎
財務局長 荒 岡 晃 彦 教育次長 坂 田 和 隆
市民局長 土 井 和 彦 教育次長 佐々木 理
職務のため議場に出席した事務局職員
事務局長 北 林 哲 二 係長 嶋 作 智 訓
次長 奥 村 仁 美 係長 小 西 愛
議事調査課長 大 西 正 幸 書記 赤 尾 圭 介
〔午前10時 開議〕
○議長(澁谷祐介) おはようございます。
ただいまから西宮市議会第9回定例会第3日目の会議を開きます。
現在の出席議員数は40人であります。
本日の会議録署名議員に、会議規則第87条の規定により、脇田のりかず議員及び八木米太朗議員を指名します。
本日の議事日程は、タブレットに配信またはお手元に配付のとおりであります。
ここで所定の一部議員に退出をお願いいたします。
〔大石伸雄議員、大原智議員、かみたにゆみ議員、坂上明議員、佐藤みち子議員、多田裕議員、田中あきよ議員、中尾孝夫議員、ひぐち光冬議員、町田博喜議員、松田茂議員、宮本かずなり議員、八木米太朗議員、やの正史議員、山口英治議員、よつや薫議員、脇田のりかず議員退場〕
○議長(澁谷祐介) これより日程に従い議事を進めます。
日程第1、昨日に引き続き一般質問を行います。
順序に従い発言を許します。
まず、八代毅利議員。
〔
八代毅利議員登壇〕
◆15番(八代毅利) 皆さん、こんにちは。
公明党議員団の八代毅利でございます。
傍聴席の皆様、
インターネット中継を御覧の皆様、さくらFMをお聞きの皆様、本日は大変にありがとうございます。
新型コロナウイルス感染症との闘いが長期戦となっております。当局におかれましては、国、県としっかりと連携し、万全の態勢での御対応をよろしくお願い申し上げます。
それでは、ただいまより通告順に従いまして一般質問をさせていただきます。
1、
新型コロナウイルス感染症対策について。
今現在、西宮市民の方は、13名が入院中で、うち重症者は0、中等症者4名、軽症者8名、無症状者1名、ホテル療養0とお聞きしております。お亡くなりになられました皆様の御冥福をお祈り申し上げますとともに、闘病中の皆様には心からお見舞いを申し上げます。
1、保健所の体制について。
新型コロナウイルス感染者等情報把握・
管理支援システム――以下「HER−SYS」と呼ぶ――は、保健所等の業務負担軽減及び情報共有の迅速化を図るため政府が導入し、5月から利用開始となりました。HER−SYSを活用することにより、保健所、自治体、医療機関、関係業務の受託者等の関係者の間での情報共有が即時に行えるようになります。
そこで質問します。
本市でのHER−SYSの稼働状況をお教えください。現状において業務の効率化に役立っていますか。厚労省は、保健所が管理すべき必要な内容を入力することにより報告等の業務が省力化されると言っていますが、いかがでしょうか。
保健所の人員体制、業務負担や過重労働の発生はどのような状況ですか。また、保健所職員の健康管理はどのようにされていますか。休憩室等のアメニティーにも配慮すべきと考えますが、いかがですか。
ファクス個人情報誤送信事故について、この原因はどういうことですか。2度事故が起きましたが、今後の対策はどのようにされますか。今後はメール等のデジタルな手段で行うべきと考えますが、いかがでしょうか。
小項目2、
新型コロナウイルス接触確認アプリ――以下「COCOA」と呼ぶ――について。
この種のアプリは諸外国でも採用しています。中国等は、当局が位置情報、診療履歴等の個人情報をほぼ強制的に取得して、陽性者や濃厚接触者の動向を把握し、厳しい行動制限を行う積極管理型を採用しています。一方、我が国のCOCOAは、ドイツとほぼ同じで、電話番号や位置情報等の個人情報を取得せず、最もプライバシーに配慮したものです。9月1日現在、1,577万件登録されていますが、まだまだ少ないのが現状です。日本大学の研究では、人口の40%がCOCOAを利用し、接触の通知を受けた人が外出を60%控えれば、感染者数を半減できるとも言われております。私もすぐに登録しました。
そこで質問します。
COCOAができて2か月間、本市ではこのアプリについてホームページ等には全く掲載していませんでした。私が指摘してようやく掲載されましたが、本市としてはCOCOAをどのようにお考えですか。
登録数を増やすためにもっと広報すべきではないでしょうか。このたび、厚労省から、COCOAから接触通知を受けた人は、症状がなくても、希望すればPCR検査を受けられるようにするよう自治体に要請があり、本市でもそのようになりました。このことをもっとアピールして、市民に積極的に登録するよう呼びかけるべきだと思いますが、いかがでしょうか。
市長以下、市の幹部は登録すべきだと思いますが、石井市長は登録をしておられますか。幹部の登録についてはどうお考えですか。さらに広く市職員に積極的に登録してもらってはどうですか。
そして、万一接触通知が来た場合は、接触すればPCR検査を受けられるようにする、テレワークさせる等の対応をすることを職員に通知してはどうでしょうか。COCOAを登録するインセンティブになります。お考えをお聞かせください。
企業でも、感染者が出ると業務に大きな影響が出ることから、もっと企業にもこのアプリの登録を勧奨すべきだと思いますが、いかがでしょうか。
小項目3、西宮市
LINEコロナお知らせシステムについて。
登録施設数と施設コードの読み取り数はどれぐらいですか。このシステムをもっと広報すべきではないでしょうか。
また、国のアプリと両方登録しておくのが最もよいことをPRすべきだと思いますが、いかがですか。
また、市のシステムについても、国のアプリと同様に、接触通知があればPCR検査が受けられることをPRしてはどうでしょうか。
大項目2、防災・減災について。
本年も、7月に九州中部、東北に大雨が降り、多くの河川が氾濫し、大きな被害を出しました。水害は毎年起きています。コロナ禍においても、大雨、台風、地震等の自然災害は待ってくれません。
そこで質問します。
小項目1、防災マップについて。
市民の防災マップに対する認識はまだまだ低いと思います。あらゆる手段を使ってもっと認知度を上げる必要があるのではないでしょうか。今後どのように防災マップの認知度を上げていきますか。
3月議会で、防災マップを公共施設の目につきやすい場所等に置く、応援協定事業者など民間企業への協力依頼についても検討すると答弁されました。その後、どうなりましたか。
自主避難所の変更や
新型コロナ対策等があることから、今回、防災マップを改訂する必要があると思います。改訂の際には、外国人が増えていることから、外国語版も必要と考えますが、いかがでしょうか。
小項目2、マイ・タイムラインについて。
私は、昨年9月議会の一般質問で、防災における自助を推進するためにマイ・タイムラインの普及を進めるべきと提案し、本年3月議会において当局は、市立高校において研修を試行実施したと答弁。そして、私は、逃げキッドというツールを紹介し、鳴尾地域で洪水を想定して実施してはどうかと質問し、当局は、逃げキッドを参考にして手軽にマイ・タイムラインに取り組める方法を検討する、モデル的な実施も検討すると答弁しました。その後、国土交通省は、地方自治体等によるマイ・タイムラインの取組を支援するために、マイ・タイムラインかんたん検討ガイド等を公表、逃げキッドも掲載されております。
これらを踏まえて、その後の検討状況、そして、今後の取組をお聞かせください。
宝塚市では、市民向けの防災出前講座でマイ・タイムラインを解説し、普及させると同時に、スマホで自宅や職場にいる場合の逃げどきと避難所が表示される兵庫県のマイ避難カードの普及にも取り組んでおります。両方持っていれば万全だということです。本市においても、ホームページや出前講座でマイ・タイムラインとマイ避難カードを啓発するべきだと思うが、いかがお考えでしょうか。
小項目3、避難勧告、避難指示の発出のタイミングについて。
今年、最上川が3か所で氾濫した大石田町では、最初の氾濫が起きる時間の5時間以上前、午後6時過ぎに流域の地区の住民に避難勧告を出し、午後7時半に避難指示へと切り替えました。災害への対応に当たった大石田町の課長は、最上川の水位の上がり方が尋常ではないと感じ、早めに避難勧告を出した、空振りになっても構わないと早めに避難指示に切り替えましたと話していました。そして、約100棟が浸水被害を受けましたが、死者、行方不明者はゼロでした。本市においても他人事ではありません。夜中、あるいは早朝に避難指示を出すのでは遅いと思います。外に出るのは危険です。空振りを恐れず、早めに避難できる時間に避難指示を出すべきだと思いますが、いかがでしょうか。
小項目4、避難所について。
コロナ禍の避難所について。
避難所の運営は、保健所との連携が重要だと思いますが、どのようにされますか。
また、避難所のトイレは感染リスクが非常に高いので、清掃、衛生管理が極めて重要だと思いますが、どのように管理するのか、お答えください。
また、人との接触を恐れる方は車中泊を希望するかもしれません。車中泊が可能な体制になっていますか。当然その場合は
エコノミー症候群等の危険性がありますので、定期的に職員が巡回する必要がありますが、その準備もできていますか。
避難所になる小学校を、先月、3か所視察いたしました。どこも学校体育館が避難所ですが、そのとき気になったことをお聞きします。
防災倉庫が体育館の隣にありましたが、そこは
津波洪水浸水地域の1階です。これではせっかくの備蓄品が最悪使えなくなってしまいます。市内で防災倉庫が浸水地域にどれだけあるのか、その改善策はないのでしょうか。
また、鳴尾小学校は体育館が2階にあります。洪水に対しては強いのですが、エレベーターがなく、階段だけです。このように階段で上がらないといけない避難所はどれだけあるのでしょうか。高齢者が多く来られます。エレベーターをつけるべきです。どのようにお考えですか。
また、鳴尾北小学校では、換気扇を動かしても体育館の気温は36度でした。鳴尾小学校の体育館も、前もって窓を開けて風通しをしていただいても33度でした。とんでもない暑さです。自主避難所は、高齢者等、体調を崩しやすい人が早めに避難してきます。これでは避難したがゆえに熱中症の危険にさらされます。
そこで質問します。
昨日も坂上議員が質問しましたが、同じ質問です。災害時に避難所となる小学校の体育館に、他の事業をやめてでもエアコンを設置するべきだと思いますが、どうお考えでしょうか。
来年度も緊急防災・減災事業債が使えることになったら検討しますか。公明党からの強い申入れによって、政府の骨太の方針2020に、緊急防災・減災事業債等について、地方自治体の取組状況等を踏まえて適切に検討を行うと記載されました。したがって、緊防債は延長される可能性が高いと思います。
検討する場合、全小学校に一度に入れるのがよいと思いますが、どうしても難しければ、自主避難所になる学校体育館13館に優先的に入れるべきと考えますが、いかがでしょうか。
また、財政に聞いたところ、中学校体育館のエアコンは、10年で返済する市債を検討しているとのことです。エアコンは20年以上使用可能と聞いてます。エアコン1基3,500万円とすると、体育館13基設置するのに、金利を無視すると、10年間元金均等返済であれば、毎年4,500万円程度の返済になります。ただし、7割が交付税措置されることを考えると、維持費は別として、市の実質的な負担は毎年1,400万円程度になります。避難所になる全ての学校に42基設置しても、実質負担額は毎年4,400万円程度です。エアコンは教育には使いません。防災に使います。したがって、教育費ではなく、防災のための投資であります。本市の財政規模からすれば、やりくりすればこれくらいの負担は可能だと思います。小学校体育館へのエアコンの設置についてのお考えをお聞かせください。
視察したある小学校は、校庭に校区防災倉庫があり、その中に小型発電機がありましたが、30分程度しかもたないものであり、しかも、常に避難所に発電機があるわけではありません。避難所は、明かりが必要であり、スマホ等、電気を必要とするものは多いです。避難所の非常用電源はどのようなものがありますか。今後充実させるお考えはありますか。
小項目5、避難所への誘導ツールについて。
箕面市では、避難所までの経路情報が入ったQRコードがついた標示板の設置を進めています。QRコードを読み取ると、最寄りの避難所までの経路が表示されます。土地カンのない人や外国人や避難所までの経路の分からない人に非常に便利です。本市も、他市から引っ越してくる人が多いこともあり、啓発にもなります。このように、本市の地理に不慣れな人のために、現在地から避難所までのルートを案内するアプリを検討してはどうでしょうか。
小項目5、
南海トラフ巨大地震の臨時情報への対応。
30年以内の発生確率が70から80%とされている
南海トラフ巨大地震で、大地震の前兆と疑われる異常現象を観測した場合に気象庁が公表する臨時情報への対応についてお聞きします。
臨時情報が発出された場合に、市民に対してどのような行動を求め、市は何を行うのか、お聞かせください。
大項目3、公園について。
1、公園内禁煙について。
兵庫県の受動喫煙の防止等に関する条例により、本年4月より
都市公園敷地内原則禁煙となっておりますが、ほとんど全ての公園で守られていません。禁煙になったことを知らない人が非常に多いです。喫煙禁止の看板もほとんどありません。あっても全く目立たないです。図2を御覧ください。
私は、二つの小学校区の全ての公園を調べました。公園は、ふだん、自治会が清掃活動をしていますが、何と19の公園のうち、たばこの吸い殻が落ちてなかったのは二つだけでした。これは、公園内で喫煙し、ポイ捨てをしている人がほとんどの公園にいるということであります。また、10本以上落ちている公園が五つありました。喫煙禁止の看板が設置されているのは1か所でした。しかも、全く目立たない看板です。中には、灰皿代わりの空き缶を個人が勝手に設置している公園もあります。これでは文教住宅都市の名が泣きます。市の職員に禁煙を指導する権限があるのでしょうか、過料を科すのは誰でしょうか、お答えください。
喫煙については、月3回、全公園を市の施設点検受託者が巡回して点検時に指導していると聞いていますが、4月から禁煙になったことがコロナの影響で周知徹底されておりません。また、公園の中でも特にひどい公園と比較的きれいな公園があります。したがって、特にひどい公園の巡回回数を増やすべきであると思いますが、いかがでしょうか。
公園内に目立つ禁煙看板がないので、大きめの喫煙禁止の看板の設置や、図3のような花火禁止ののぼりのような、公園内禁煙と書いた公園緑地課と警察との連名ののぼりを作ってキャンペーンをしていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
また、吸い殻が多く落ちているのはベンチの近くです。藤棚等の下のベンチが最も吸い殻が多いです。そこで、喫煙禁止のサインをベンチの背もたれに設置していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
小項目2、公園の私物化について。
ベンチ前に灰皿用の大きな缶が置いてある公園があります。喫煙所代わりに公園を使っている人がいるのです。灰皿以外にも、コンテナ等が放置されたままの公園や、勝手に私物のごみ箱を置いている公園もあります。このような私物を置いている公園は、何か事故があったら市の管理責任を問われることになります。巡回の際に見つけたら警告して撤去すべきですが、どうでしょうか。
小項目3、公園内の花壇活動行為について。
ボランティアグループで公園の花の世話をしてくださっている皆様には大変感謝いたします。しかし、中には、ごく一部ですが、市に届けを出しただけで公園の利用を白紙委任されたと勘違いされる方もおられます。当然一定のルールがあります。市は、届出のときに注意事項をお渡ししていますが、これを見ただけでは分かりません。注意事項を改訂して、公園内に勝手に工作物を設置したり、注意事項を無視した草木を植えてはいけない等の取決めをもっと明確に説明すべきだと思いますが、いかがでしょうか。
大項目4、公共サインについて。
3月議会で、道路上に設置された注意喚起サインについて、現在のデザインでは地味過ぎて注意喚起の用をなさないとか全く役に立たない等、地域から苦情が来ていますということを申し上げました。そして、当局は、注意喚起サインに関して、
公共サインデザインマニュアルを改善すると答弁しました。その後、改善されましたでしょうか、お答えください。
5、社会福祉審議会について。
社会福祉審議会児童福祉専門分科会の運営について質問します。
社会福祉審議会は、市民の社会福祉に関する調査・審議を行うものであり、四つの専門分科会を設置し、専門的な事項を調査・審議します。専門分科会の一つが
児童福祉専門分科会であります。私は、本年2月に開催された
児童福祉専門分科会に委員として初めて出席しました。その議題の中で、認可保育所の新設について委員に意見を聞く場面がありました。民間保育所・
幼保連携型認定こども園を新設する場合、市が公募で決定し、西宮市
保育所等整備審査委員会で審議し、あらかじめ
社会福祉審議会児童福祉専門分科会の意見を聞き、認可することになっています。それは、児童福祉法第35条第6項及び認定こども園法第17条第3項に規定されています。
2月の分科会に出てきた当局が認可を認めたい新設保育所は、新設の社会福祉法人が設置する保育所でした。しかし、提示されたのは、新設法人の名前と設置場所と土地・建物の面積、認可定員、整備審査委員会での主な意見等の簡単な情報のみで、これでは意見の述べようがありませんでした。ある社会福祉施設の代表を務める委員は、御意見をと言われてもこの情報だけでは判断できない、もっと詳細な情報を提供してもらいたいとおっしゃいました。私はその場で、その委員のおっしゃるとおりだと申し上げ、もっと詳しい情報を提示するよう要求し、幾つかの質問をいたしました。それに対して当局は、何も用意していなかったようで、慌てて資料を種々調べて何とか答えましたが、準備不足は明らかでした。当然、委員の方々も、待機児童対策は非常に重要であると認識はあり、保育所の新設は大歓迎なわけです。しかし、中にはもうけ優先の、いわゆるブラック保育園と言われるものもあることから、注意深い審議が必要だと思います。西宮市附属機関条例第49条によって社会福祉審議会の委員には守秘義務が課せられています。ということは、新設保育所に関して個人情報に該当する情報を提示しても、それを委員は一切他言できないのです。したがって、場合によっては、新設保育所等に関しては非公開で開催して、判断に必要な情報を委員にきちんと提示して、丁寧に意見を聞くという形をとってもよいのではないかと思います。当局のお考えをお聞かせください。
大項目6、環境政策について。
西宮市環境審議会と
環境計画推進パートナーシップ会議は、市の環境政策を推進する重要な会議体です。ある世界的に有名な知識人は、環境問題やSDGsの達成を考えるときに最も影響力があるのは青年であると言われています。環境政策は、目先の問題ではなく、今の子供や若い世代に暮らしやすい地球を引き継ぐための重要なテーマです。したがって、青年の視点を入れるのは絶対に必要です。
そこで質問します。
若い世代の意見を反映するために、学生や20代の社会人等を委員に入れられないでしょうか、それが無理であれば、若い人の意見を十分に聞き、政策に反映する仕組みが必要だと思いますが、いかがでしょうか。
小項目2、プラスチックごみについて。
近年、世界全体でプラスチックの利用が急速に増え、不適正な処理のため、世界全体では年間数百トンの海洋プラスチックごみが問題になっております。我が国のプラスチックのマテリアルリサイクル、ケミカルリサイクル、エネルギー回収は、合計有効利用率は85.8%に達しています。しかし、地球規模での環境汚染に対応するために、我が国における一定程度の未利用の廃プラスチックをさらに減少させることと、国内資源循環を求められることから、政府は、プラスチック資源循環戦略を昨年度策定しました。それによると、政府は、2030年までにワンウエーのプラスチック容器包装等を累積で25%排出抑制する、プラスチック製容器包装の6割をリユースまたはリサイクルする、プラスチックの再生利用を倍にする、バイオマスプラスチックを200万トン導入と、努力目標を立てました。
そこで質問します。
事業系プラスチックごみについて。
事業系のプラスチック廃棄物は産業廃棄物に分類されることから、一般廃棄物として排出できないことになっています。しかし、事業系一般廃棄物は、組成分析によると約21%がプラスチック類です。これは、産業廃棄物として排出していない事業者が一定数いるからであると推測できます。したがって、事業者に対して産業廃棄物として排出するよう指導を強化すべきだと思いますが、どのように行いますか。
プラスチックごみ一括回収について。
本市では、生活系ごみは、汚れのない容器包装プラスチックは、その他プラとして分別回収し、リサイクルして、それ以外のプラスチックや汚れた容器包装プラスチックごみは、燃えるごみとして分別され、サーマルリサイクルしています。ところが、政府は、7月21日に発表したプラスチック資源循環施策の基本的方向性(案)において、今後のプラスチックごみのリサイクル率を上げるために、令和4年度以降に自治体が一括回収したプラスチックごみや事業者の自主回収したプラスチックごみを一体的に最新技術で効率的に選別・リサイクルするとされています。また、平成29年度にプラスチック資源一括回収実証事業を7都市8万2,600人で実施し、その結果はおおむね良好で、プラスチックごみの回収率、回収量35%程度が増えたと聞いています。
そこで質問します。
プラスチックごみ一括回収を実施することとなった場合に最も懸念されることは何でしょうか。また、汚れたプラスチックもきれいなプラスチックも回収して資源化できるのですか。
また、プラスチックごみ一括回収を国は令和4年度以降実施で検討するとのことですが、本市では指定袋制導入と同時に始まる可能性もあります。指定袋制との同時実施についてはどのような課題が考えられますか。
小項目3、指定袋制について。
3月議会の私の質問に対して、事業系ごみも指定袋制にすると答弁をされましたが、現在、市民が透明袋に入れて出しているその他プラも指定袋制にすべきと考えますが、どうでしょうか。
指定袋制について、今後、パブリックコメントや条例改正が必要だと思いますが、どのようなスケジュールを組むのか、お聞かせください。
大項目7、スマート自治体について。
今後、少子高齢化・人口減少時代において、自治体が行政サービスを維持するために、AI、RPA等のICT技術を活用し、業務プロセスを再構築していかなくてはならないということから、総務省が主導してスマート自治体の推進をしており、本市も取組を始めています。総務省によると、スマート自治体は、1、AI、RPAの活用、2、行政手続のオンライン化、3、システムの標準化であると言われております。
そこで質問します。
本市ではスマート自治体推進指針を策定すると聞いていますが、どのようなものを策定するのですか。
行政手続のオンライン化について。
デジタル手続法が昨年12月に施行され、行政手続はオンライン実施が原則化されました。とはいえ、自治体は努力義務とされております。基本原則は、利用者の利便性を上げ、行政の業務効率を向上させることであり、デジタルファースト、ワンスオンリー、コネクテッド・ワンストップの3項目です。政府は、骨太の方針2020において、全国民にマイナンバーカードを普及し、行政手続の完全デジタル化を目指すとされ、テレビ電話を活用した自治体のオンライン窓口の設置や、高齢者や障害者等への支援も行う必要があることも言及されています。
そこで質問します。
行政手続としては、公民館等の予約や図書館での本の予約等は既にオンライン申請が可能になっておりますが、ほとんどの申請はまだアナログです。また、行政手続のオンライン化は、個人と事業者とでは異なると思います。
個人の場合は、厳格な個人認証を必要とする場合、マイナンバーカードによる申請しかないと思います。また、その前提としては、マイナンバーカードの普及とオンライン申請が可能なサービスをできる限り増やすことが必要です。現在、本市でのマイナンバーカードの普及率は約21%です。マイナンバーカードに来年3月に健康保険証の機能を持たせることになっています。この8月から申請可能になっております。これで非常に便利になります。今後、顔認証付カードリーダーで受付が自動化される、旅行先や災害時に薬の情報が連携される、特定健診や薬の情報がマイナポータルで一括管理され、いつでも閲覧できる、マイナポータルとe−Taxが連携し、確定申告が簡単になる、マイナンバーカードで情報を連携するため、高額療養費の限度額適用認定証を申請する必要はない等、利便性が高くなります。国は、自動車運転免許証との連携も検討し、2022年にはほとんどの国民がマイナンバーカードを持つようにする目標を立てています。
そこで質問します。
申請の利便性を向上させる必要があります。現在、マイナンバーカードを手に入れるには、1度は市役所に来ていただかなければなりません。現在、カード発行申請が非常に多くなっていることから、通常のアクタ西宮ステーションでの土、日、祝日に加えて、本庁でも土曜日等に受け取れるようになっています。サラリーマン等の利便性を考えて、本庁で休日に受け取れる体制をマイナンバーカードが一定程度普及するまで続けていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
また、マイナンバーカードの活用ですが、妊婦の方には、マイナポータルのぴったりサービスで、出産後2週間以内の申請が求められている児童手当受給のオンライン申請がマイナンバーカードで可能になっていることを積極的にアピールしてカード取得者を増やすべきと考えます。図4参照。できれば、母子健康手帳発行時にマイナンバーカード取得を勧奨するチラシを渡すなどしてはどうでしょうか。出産後の慌ただしい時期に、スマホとマイナンバーカードがあれば、その場で申請が完了できるという非常に便利なものです。郵送も必要ありません。ぜひそれをPRしてカード取得を推進してもらいたいが、いかがでしょうか。
マイナンバーカードを使っての申請といえば、マイナポータルのぴったりサービスです。西宮市では八つの手続が申請できるようになっております。しかし、他市では、加古川市、守口市、八尾市等は16の申請が可能になっております。例えば介護ワンストップ申請等は非常に便利ですが、本市ではまだ使えません。図5。このように、オンライン申請可能なサービスを増やしていく必要がありますが、いかがお考えでしょうか。
次に、事業者のオンライン申請についてお聞きします。
このたび、コロナ関連での事業者への支援は、市の個人事業主への店舗賃料支援金等において既にオンライン申請を実施し、国や県の給付金や支援金もオンライン申請で行いました。今後、非常に広範囲にわたる事業者のオンライン申請をどのように可能にしていきますか、手数料や税金の支払いも含めてお聞かせください。
また、GビズIDの活用に対する市のお考えをお聞かせください。
小項目4、母子健康手帳発行時の保健師面談のオンライン化についてお聞きします。
私はかねてより、母子健康手帳発行時の保健師の面談は虐待等の兆候を見逃さないためにも重要であり、100%面談するためにオンライン面談を行うべきであると申し上げてきました。当局は、100%という目標は立てているが、オンラインではやらないと答弁していました。オンラインで行えばほぼ100%面談が達成できます。オンライン面談についてお考えをお聞かせください。
小項目5、業務へのAIの活用についてお聞きします。
1、保育所入所決定AIの導入について。
保育所の入所決定は、第1次申込受付分の入所判定に5名で5日間、すなわち延べ200時間程度かけて行います。また、やり直しとなるとまたさらに同じ作業を行います。それが、1次だけでなく、2次、最終とあり、さらに、5月以降、毎月、入所判定の作業があります。AIなら、数秒で結果が出て、やり直しは何度でも可能です。
私は、昨年、実証実験中の伊丹市を当局と一緒に視察して、おおむね順調な状況を確認しました。本市でもまず実証実験をすべきと考えます。平成30年9月議会の一般質問で取り上げましたが、その後の進捗をお聞きします。
2、AIによる自立支援・重度化防止に資するケアプランの作成についてお聞きします。
私は、2年前、豊橋市に視察に行き、一般質問で、AIによるケアプラン作成の実証実験の事例を紹介し、本市でも行うべきと申し上げました。そして今年、宮崎市では、市の地域包括支援センター向けのケアプラン作成に特化したAIの実証実験に取り組んでいます。年間2,000件のケアプランを自立支援・重度化防止に資するものにし、作成時間を従来の20時間程度から3分の1に短縮でき、経験の浅いケアマネでも短時間で的確に作成できるとされています。政府も、勘と経験に基づくのではなく、科学的な根拠に基づく自立支援に資するケアプランの作成を推進する方向です。以前の一般質問では研究するという答弁でしたが、その後の研究の成果をお聞かせください。
6、働き方改革について。
私は一昨年、東京都豊島区を視察しました。豊島区は、2015年に新庁舎竣工に合わせて最先端のオフィス革命を行いました。管理職からテレワークを実施し、2020年に一般職に拡大。管理職には、デスクトップとタブレット、キーボード、マウス貸与。全職員の固定電話をなくし、全て携帯電話に。閉域網サービスでどこでもテレワーク。全ての業務エリアを無線LAN化、会議資料のペーパーレス化、出先の職員が市の出先ならどこでもパソコンを持っていけば印刷可能になっています。ビジネスチャットの活用、会議は1時間と決めて実施。資料共有ツール等を使い、業務の効率化を図っています。
そこで質問します。
改革をやるなら、本市が今始めている会議及び資料作成等における事務量の削減に向けた取組の試行実施にとどまらず、豊島区のように行政のデジタル化による働き方改革を検討してはどうでしょうか。
以上で壇上からの1回目の質問を終了いたします。
なお、児童生徒のケアについては、都合により割愛します。
この後、御答弁によりまして、対面式質問席にて意見、要望、再質問を行います。
御清聴ありがとうございました。(拍手)
○議長(澁谷祐介) これより当局の答弁を求めます。
◎健康福祉局長(山本英男) 1番目の
新型コロナウイルス感染症対策についての御質問のうち、保健所の
新型コロナウイルス感染症への体制についてお答えいたします。
まず、本市でのHER−SYSの稼働状況ですが、現在、保健所では、市で管理する
新型コロナウイルス感染症患者につきましては、関連情報を全てHER−SYSに入力することで、国、兵庫県と情報共有しており、報告等の業務の一部は省力化されております。しかしながら、入力作業が分かりにくく、負担となることなどが原因で、ほとんどの医療機関や患者本人が直接HER−SYSに入力する状態にはなっておらず、結果的に保健所業務の大幅な効率化には至っておりません。
次に、保健所の人員体制、業務負担や過重労働に関する御質問にお答えいたします。
現在、
新型コロナウイルス感染症対策室には合計約70名の職員が所属しており、そのうち約40名が現場で業務に従事しておりますが、過去に患者数が急増した際には、職員の超過勤務及び休日出勤が増加し、過重労働が発生しておりました。このため、電話相談窓口――帰国者・接触者相談センターでは5月から、濃厚接触者との連絡調整や帰国者・接触者外来受診調整の窓口については7月から、複数名の医療職――保健師、看護師を派遣会社から配置し、正規職員の負担軽減を図っております。また、陽性患者に対する積極的疫学調査や医療機関との連絡調整、患者情報の管理など、患者数の増加に直接影響を受ける業務を担当しているため最も負担が大きい調査チームにつきましては、正規職員の応援を増員することで交代制の勤務が可能となる体制構築を進めること、対策室内の役割分担を見直すことなどで、業務負担を軽減すべく取り組んでおります。
保健所職員の健康管理といたしましては、勤務状況を見ながら、適宜、所属長による面談や休暇取得の呼びかけ等を行い、過重労働の抑止に努めておりますが、あわせて、御提案いただきました休憩室等のアメニティーにつきましても、職員の負担を軽減するための取組の一つとして検討してまいります。
次に、ファクス個人情報誤送信事故についての御質問にお答えいたします。
今回の個人情報漏えい事故につきましては、西宮市保健所において、8月7日と13日の2回にわたり、個人情報が含まれる連絡票を医療機関にファクスにより送信するところ、誤って一般市民宅に送信してしまいました。原因としましては、医療機関のファクス番号を新しい紙に転記しなければならないところを誤って記載したことから、今回の事態に至ってしまいました。
今後の再発防止策につきましては、ファクスから電子メールの活用への移行を検討いたしましたが、医療機関では電子メールの受信がリアルタイムに確認できないことなどから、次の再発防止策を講じることで同様の事故の再発に努めてまいりたいと考えております。
一つ目は、医療機関へのファクス番号を正確に把握するために、ファクス番号をリスト化し、役職を有する職員がそれを一元管理し、定期的にファクス番号に誤りがないかを確認することで、同様の事故の再発防止を徹底いたします。
二つ目は、ファクスの送信によるヒューマンエラーを防ぐために、ファクス番号をファクス機に登録し、送信先が正しいことを職員がダブルチェックした上で本送信を実施いたします。
三つ目は、職員に対し、再発防止策について注意喚起を徹底するとともに、今後同様の事故が再発しないよう、定期的にマニュアル等について周知徹底を行います。
今回の事案を受けまして、個人情報を漏えいしてしまったこと、個人情報保護の観点の認識が非常に甘かったことに対し、保健所職員一同、反省しております。今後、同様の事案が発生しないよう、再発防止に向けて厳格化を図って取り組んでまいります。
以上でございます。
◎副市長(田村比佐雄) 次に、
新型コロナウイルス接触確認アプリ「COCOA」についてお答えいたします。
まず、市としてどのように考えるかについてでございますが、市といたしましても、COCOAは有効な感染防止策の一つであり、登録人数が多いほど効果が増す性質であると認識しております。したがいまして、感染拡大防止のためにより普及させていくべきと考えております。
次に、COCOAの登録数を増やすための広報についてでございます。
議員御指摘のとおり、本市におきましても、COCOAから接触通知を受けた方が希望されれば無料でPCR検査を受けるようになっております。今後は、そのことを含めまして、市政ニュース、市ホームページ、SNSの市公式アカウント等、各種広報媒体を活用し、効果的に周知を図ってまいります。
次に、市長、市幹部、市職員のCOCOAへの登録についてでございます。
まず、石井市長は既に登録をしております。
幹部職員につきましても、できるだけ多くの職員が登録することにより効果が増すと考えられますので、積極的に登録するよう呼びかけてまいります。
また、職員がCOCOAから接触通知を受けた場合は、本人が希望すればPCR検査の対象になり、検査を受ければ自宅待機することになります。議員御指摘のとおり、それらの内容を通知することにより、職員がCOCOAを登録するインセンティブになると見込まれることから、その点を踏まえ、通知の内容を検討した上で、職員に対して登録を呼びかけてまいります。
次に、企業に対するCOCOA登録の勧奨についてでございます。
企業等へのCOCOA導入の働きかけにつきましては、西宮商工会議所や各産業団地などとつながりのある産業文化局とも連携させ、推進してまいります。
次に、西宮市
LINEコロナお知らせシステムについての御質問にお答えをいたします。
まず、西宮市
LINEコロナお知らせシステムは、施設に設置されたQRコードを読み取りしていただくことで、QRコードに対して訪問者の情報が蓄積される仕組みで、現在、市内では、図書館や体育館などの公立施設をはじめ、約400か所のスポット登録が行われております。また、8月31日現在で各施設におけるQRコード読み取り数の合計は約1万2,000件となっております。このシステムは、個人の所有するスマートフォン同士の接触を記録するCOCOAとは機能が異なるため、COCOAと併せて御利用いただくことが感染拡大防止に最も効果的と考えられます。したがいまして、市民の皆様に併せて御利用いただけるよう周知啓発に取り組んでまいります。
次に、COCOAと同様のPRについてでございます。
西宮市
LINEコロナお知らせシステムにおきましては、ある施設において不特定多数の方に感染が拡大するおそれがある場合のみ、市公式ラインアカウントより通知をいたします。こういった状況では濃厚接触者以外の方も行政検査の対象としてよいという見解が厚生労働省より示されておりまして、基本的には、通知を受け取った方が希望すれば検査を受けていただいて問題はないと考えております。しかしながら、まだ実際に事例が発生したことはございませんが、場合によりましては通知対象者が非常に多数になる可能性もあることから、PRの内容につきましては引き続き検討してまいります。
以上でございます。
◎市長(石井登志郎) 2番目の防災・減災対策のうち、まず、私のほうから小学校体育館の空調設備についてお答えをいたします。
まず、学校体育館について議会のほうから決議を頂いた、そうしたことの中で、様々多面的に研究検討した中、中学校に予算を立てて、本年度、準備をさせていただいている、このことを改めて申し上げたのは、様々な限られた環境の中でまずでき得ることを最大限に対応してまいっているというようなことであります。
そうした中で、今回、小学校にというようなことでありますが、もちろんこれも、財政的なことがなければ、もしくは他の課題がなければ、それはもちろんやれたらよいというような、そうした感覚は持っておりますけれども、しかし、なかなか現実問題、多面的な中での検討が要る、そこで今はまだ、そのようにさせていただきますと言える段階にはございません。
学校に避難所を開設する場合、体育館以外の特別教室や多目的教室なども使うというようなことも想定されます。既にそうした空調設備のある部屋を活用することによって、暑さ、寒さへの対応は、これは一定程度可能だと思っておりますので、配慮が必要な方には福祉避難室も用意をしてまいります。
また、御指摘の小学校などの空調設備が未整備の体育館についてでありますけども、中学校に今後整備をする空調の稼働状況などと併せて、そして、重ねて申し上げますが、市の財政状況などを見極めた上で検討させていただきます。
しかしながら、今年度は、
新型コロナウイルス感染症対策の観点から、避難所の開設場所を見直して体育館に変更したという経緯がございますので、今後、体育館空調の整備を検討する際には、避難所の運営状況を把握した上で検討材料に加えていきたいと思います。
次に、緊防債の延長があった場合でありますけれども、これが重要な要素になるというようなことには変わりはございません。そして、このたびのコロナの影響によって国の財政措置がどうなるか、本市の財政の落ち込みがどうなるか、こうしたことも当然考えていかねばならないと思いますので、そうしたことも含めて検討してまいります。
最後に、体育館空調の整備の進め方で、自主避難所となる13か所のほうから優先的に整備してはどうかという提案につきましては、今後、検討の参考とさせていただきたいと思います。
以上です。
◎副市長(北田正広) 防災・減災対策についての御質問のうち、ただいま市長がお答えした以外の質問にお答えいたします。
まず、防災マップの認知度についてお答えいたします。
防災マップの認知度を上げていくためには、今後も、市政ニュースや市のホームページを活用して防災マップの周知を図ってまいりますが、市民の皆さんが防災マップを手に取って自宅周辺のハザードを認識し、災害に備えて避難方法を考えたり、非常用備蓄品を準備するなど、実際の行動につながるような情報発信に努めたいと考えております。
また、より防災情報にたどり着きやすくなるよう、ホームページの改修に取り組んでまいります。さらに、市のSNSも活用するなどして、あらゆる世代へのアプローチも進めてまいります。
次に、防災マップの目につきやすい場所への設置についてお答えいたします。
防災マップを目につきやすい場所に置くなどの検討につきましては、
新型コロナウイルス感染症対策の影響で当初に想定していたような進展は今のところございませんが、引き続き防災啓発を進めるとともに、日頃より多くの市民が防災マップを目にすることができる工夫については今後も検討してまいります。
次に、外国語版のマップ作成についてお答えいたします。
現在、防災マップの改訂作業を進めておりますが、改訂した際には外国語版の防災マップの作成も行う予定でございます。
次に、マイ・タイムラインの検討状況についてお答えいたします。
マイ・タイムラインにつきましては、以前に議員に御紹介いただきました逃げキッドや他市の事例などを参考に、現在、より手軽にマイ・タイムラインづくりに取り組める本市オリジナルのツール作成に取り組んでおります。完成しましたら、改訂を進めております防災マップに掲載したり、市のホームページからもダウンロードできるようにする予定でございます。
次に、マイ避難カードの啓発についてお答えいたします。
兵庫県が作成いたしましたスマートフォンアプリとして利用できるマイ避難カードの啓発につきましては、今後、本市オリジナルで作成するマイ・タイムラインとともに、普及に向けて啓発に取り組んでまいります。
次に、避難勧告、避難指示の発出のタイミングについてお答えいたします。
本市では、大雨による洪水被害が発生するおそれがある場合、気象状況や河川の水位等を監視し、今後避難が必要と判断される場合には、避難に必要な時間等を考慮した上で避難勧告等の避難情報を発令いたしますが、それが夜中に発令することが懸念される場合には、避難行動自体に危険が伴うため、早めの避難情報発令を判断することとしております。
次に、避難所における保健所との連携とトイレの清掃、衛生管理についてお答えいたします。
コロナ禍における避難所の運営におきましては、避難者の体調など、避難所職員だけでは判断が困難な状況が発生することが想定されますので、保健所に職員が待機し、24時間体制で避難所からの相談を受ける体制を整えております。
また、避難所で使用するトイレには、入り口に消毒液を設置し、避難者がトイレを利用するごとに消毒を適切に行う指導をするとともに、トイレに限らず、避難スペースの共用部分につきましては、避難所職員により小まめに消毒することとしております。さらに、避難所となる施設を含む市の公共施設のトイレには、現在、自動水栓の設置を進めているところでございます。
次に、車中泊についてお答えいたします。
コロナ禍における避難所での3密対策の一つとして、今年度、避難所の駐車スペースを開放し、車中泊による避難を認めております。一方で、避難所での受入れ期間が長期化する場合には、避難者の健康面に支障を来すおそれがあるため、体育館等に滞在している避難者同様、車中泊の避難者の健康管理が必要となります。大規模な災害が発生し、避難生活が長期化する場合は、保健師やボランティア等の協力を得ながら巡回等を行うこととしております。
次に、避難所の防災倉庫及びエレベーターのない2階の体育館についてお答えいたします。
津波や洪水で浸水するおそれのある避難所の備蓄倉庫は、現在設置している35か所のうち8か所でございます。備蓄倉庫は、本来、浸水するおそれのない校舎内の上層階の空き教室等を活用することが望ましいため、設置に当たりましては、学校側と空き教室の有無を踏まえ設置場所を調整しておりますが、空き教室がなくとも、周辺の備蓄倉庫の配置状況から設置の必要性がある場合には、屋外に設置しております。今後も引き続き、空き教室の状況や建て替え等改修の状況を踏まえながら、より適切な場所への設置を検討してまいります。
また、体育館が2階にあるもののうち、エレベーターがなく、階段でしか上がれない避難所は8校あり、避難者の移動に課題があると認識しております。しかし、財政面などの問題から現時点でエレベーターの設置は困難なため、階段を昇降する際には避難所職員が介助することとしておりますが、エレベーターのある建物の教室への案内など、適宜対応してまいります。
次に、避難所の非常用電源の充実についてお答えいたします。
本市では、校区防災倉庫の発電機のほか、避難所運営用としてのカセットボンベ式発電機の計画的な購入を進めております。また、今年8月には、大規模災害の発生時に電源供給が可能なハイブリッド車等の貸与を受ける災害時応援協定をネッツトヨタ神戸株式会社との間で締結するなど、民間企業の力を活用する新たな取組も進めております。このほか、国を中心として行われる公的支援の枠組みの活用なども含め、様々な手段により避難所での電源の確保に努めることとしております。
しかし、電源には限りがあるため、携帯電話のモバイルバッテリー等、個人で用意できるものは用意していただくよう、個人の備えを引き続き啓発してまいります。
次に、避難所への誘導ツールについてお答えいたします。
避難所の場所や開設箇所を周知するための手段や媒体については、現在様々なものが考えられており、QRコードの読み取りなどスマートフォンを活用した情報入手もその一つでございます。本市では、災害の種類や状況によって開設するタイミングや場所が異なるため、避難行動の周知啓発につきましては、引き続き適切な手法を検討してまいります。
最後に、南海トラフ地震臨時情報の発表に伴う市の対応についてお答えいたします。
本市では、南海トラフ地震臨時情報が発表された場合、状況に応じて災害警戒本部を設置し、市が管理運営する施設の点検等、警戒態勢を取るとともに、市民に対して、日頃からの地震への備えを再確認し、防災対応を取るよう呼びかけることとしております。
なお、臨時情報を発表する要因となる南海トラフ沿いの想定震源区域内のプレート境界での大きな地震が発生した場合には、本市にも様々な被害が発生することが考えられるため、状況に応じて災害対策本部を設置し、各種の応急対策を実施いたします。
以上でございます。
◎土木局長(植松浩嗣) 3番目の公園についての御質問にお答えいたします。
まず、公園内の喫煙者に対する指導及び過料についてでございますが、本年4月に実施された兵庫県の受動喫煙の防止等に関する条例の改正により、都市公園についても、屋内、屋外を問わず、原則禁煙となりました。条例では、受動喫煙防止区域内での喫煙者に対して施設管理者が注意を行うこととなっており、市の公園の場合は、公園緑地課の職員が行うこととなります。こうした注意にもかかわらず喫煙行為をやめない場合には、保健所が直接の指導や過料を科すこととなります。
次に、喫煙に対する巡回についてでございますが、現在、市内の全公園で、月に3回、委託業者により実施している遊具等点検パトロールの際、喫煙者を発見した場合には、その都度、指導を行っております。
御質問の、喫煙者が多い公園などで巡回を増やすことにつきましては、市内には約600か所もの公園があり、先ほどの遊具点検に加えて新たに巡回を実施することは困難でありますが、公園での喫煙が常態化している公園などについては、市の職員が直接巡回指導を行うなど、公園の禁煙化に取り組んでまいります。
次に、禁煙の啓発につきましては、これまでにも、市政ニュースやホームページを活用するとともに、公園内の利用マナーのサインに禁煙の標示を盛り込むなど、啓発に努めております。
今後の対策といたしましては、喫煙者の多い公園のベンチに小型の禁煙サインを貼り付けるとともに、議員御指摘の禁煙を表現したのぼりや大型の注意喚起サインの設置など、効果的な啓発方法について検討してまいります。
次に、公園の私物化についてお答えいたします。
公園内では、都市公園法に基づき、許可なく占用、改築などを行うことは禁止されており、許可を受けずに設置されたものについては、設置者に撤去を求める警告を行った上で、撤去されない場合には市が撤去を行っております。今後も、巡回等で灰皿など許可を受けずに設置されたものを発見した場合には、是正指導や撤去を行い、公園の良好な環境の維持に努めてまいります。
最後に、公園花壇・緑化活動届についてお答えいたします。
公園内で花壇活動を始める際には、市と十分協議の上、活動メンバーや活動内容などに関する計画書を作成し、届け出することとなっております。花壇活動に当たっては、市が随時現地を確認し、届出内容と相違がある場合には改善指導を行うなどのチェックを行っております。今後も引き続き、花壇活動の現地確認を徹底するとともに、活動の届出を受ける際には、適正な花壇活動が行われるよう、より丁寧な指導に努めてまいります。
以上でございます。
◎政策局長(太田聖子) 4番目の公共サインの改善状況についてお答えいたします。
本市におきましては、平成30年に
公共サインデザインマニュアルを制定し、市が設置する案内板や注意喚起のサインについて基本的なルールを定め、都市景観の向上に努めております。道路上の注意喚起サインのデザインにつきましては、サインそのものの視認性が低いという点について、景観アドバイザー委員にもアドバイスを頂きながら、道路部局と協議を重ねてまいりました。その結果、看板の地色にイエローを追加するとともに、視覚的に注意を促す新たなピクトサインを追加し、都市景観との調和も図りつつ、視認性の向上を図るデザインマニュアルの改正を本年7月に行い、新たな注意喚起サインの製作に着手しております。
今後も、公共サインの設置に当たりましては、デザインマニュアルに適合するよう誘導するとともに、様々な状況に応じたマニュアル改善も重ねながら、都市景観の向上に努めてまいります。
以上でございます。
◎こども支援局長(時井一成) 5番目の
社会福祉審議会児童福祉専門分科会での保育所の設置の認可に係る事前の意見聴取についての御質問にお答えいたします。
民間事業者から保育所の設置に係る認可の申請があった場合、児童福祉法及び市条例の基準に適合するかどうかの審査に当たっては、西宮市
保育所等整備審査委員会で審査を行い、適切であるかを確認しております。
社会福祉審議会児童福祉専門分科会では、所在地や定員構成などの情報に加え、西宮市
保育所等整備審査委員会からの運営に際しての附帯条件をお示しして御意見を頂いてきたところです。本年2月に開催された当分科会において、意見聴取に当たり情報提供が不足していたという御指摘につきましては、重く受け止め、次回開催に向けて資料等の改善を検討してまいります。
また、資料等に個人情報が含まれる際は、会議を非公開として開催いたします。
保育所等の受入れ枠の確保は、現在、大きな課題ではございますが、整備に当たっては、これらの審査等を適切に行えるよう適宜改善を図り、安心して子供を預けていただけるよう努めてまいります。
以上でございます。
◎環境局長(宮島茂敏) 6番目の環境政策についての御質問にお答えいたします。
まず、西宮市環境審議会及び西宮市
環境計画推進パートナーシップ会議についてですが、これらの会議体は、市民、事業者、行政の参画と協働により、地域社会に根づいた環境施策を推進することを目的に設置し、協議いただいております。また、第3次西宮市環境基本計画の策定過程においては、パートナーシップ会議での審議だけでなく、公募市民や事業者などによるワークショップを開催し、本市の目指す環境像の実現のためどのような行動・実践を行えばよいか、意見を出し合っていただき、計画に掲げる望ましい環境像や目標の設定等に反映したところですが、このワークショップには市内の大学から6人の大学生も参加し、積極的な提案や御意見を頂きました。審議会やパートナーシップ会議においては、学識経験者のほか、多様な世代や立場の方が同じテーブルで議論できるよう、バランスの取れた委員構成が望ましいと考えておりますが、SDGsが目標達成のゴールとしている2030年に社会の中核として活躍する若者たちも、審議会やパートナーシップ会議を含め、環境施策の策定過程やその推進に参画できるような仕組みについて今後検討してまいります。
また、若者の環境活動への参画を促すためには、環境問題に関心を持ってもらい、実際の行動へつなげてもらうことが重要であり、家庭、職場、地域、学校などあらゆる場において、多様な主体による連携促進の下、環境教育の着実な実施が求められております。本市では、地球ウォッチングクラブ事業を中心に環境学習活動を推進しておりますが、持続可能な社会の担い手づくりを視野に入れ、環境学習事業についてさらに充実を図ってまいります。
次に、事業系ごみに混入しているプラスチックごみについての御質問にお答えいたします。
本市では、一般廃棄物処理基本計画において、廃棄物処理の基本方針の一つに分別の徹底とリサイクルの推進を掲げ、市民や事業者に対し広報啓発活動に取り組んでおります。しかしながら、議員御指摘のとおり、ごみの組成分析の結果、事業系ごみの中には本来産業廃棄物として廃棄されるべきプラスチック類が一定混入していることが判明しております。
現在本市では、生活系ごみ、事業系ごみともに排出時に使用できるごみ袋に規制を設けておらず、黒色など中身の見えないごみ袋が多く使用されており、このことが適正な分別排出の阻害要因の一つになっていると考えております。
これらの状況を踏まえ、分別排出の徹底とリサイクルの推進の観点から、現在、指定袋制度の導入に向けて検討を進めているところです。今後も引き続き、市ホームページや市政ニュース等による各種広報媒体を通じて周知啓発を行い、分別排出の徹底に努めてまいりますが、特に不適正排出事業者に対する指導を強化する必要性が高いことから、指導体制の強化についても併せて検討を進めてまいります。
次に、プラスチックごみの一括回収についての御質問にお答えいたします。
現在、家庭から排出されるプラスチックごみのうち容器や包装類については、いわゆる容器包装リサイクル法の対象として、多くの地方公共団体が分別収集し、日本容器包装リサイクル協会を通じて資源循環の仕組みが構築されております。しかしながら、それ以外の製品プラスチックごみについては、資源物として回収している地方公共団体は少なく、その多くが燃やすごみや燃やさないごみとして回収しているのが実情です。国は、本年7月21日に経済産業省と環境省の合同で開催した有識者会議において、今後のプラスチック資源循環施策の基本的方向性(案)を示し、プラスチックごみの一括回収について提案いたしました。しかしながら、分別方法など具体的な内容が示されていないため、御質問にあった汚れたプラスチックの取扱いを含めリサイクルの対象となる品質の基準をどうするのか、リサイクルに係る費用を誰が負担するのかなど、多くの懸念事項がございます。
本市では現在、ごみの排出時の指定袋の導入に向けた検討を行っておりますが、先ほど申し上げたとおり、現時点においてプラスチックごみの一括回収について国から具体的な内容が示されていないため、同時期の実施は困難であると考えております。プラスチックごみ一括回収につきましては、引き続き国の動向を注視してまいります。
次に、指定袋制度についての御質問にお答えいたします。
分別排出の徹底及び再資源化の推進の観点から、指定袋の導入は一定効果が得られる有効策であると認識しております。現在、学識経験者、市民代表、事業者代表から構成されております西宮市
環境計画推進パートナーシップ会議廃棄物減量推進部会において指定袋制度の導入に関する具体的な協議を行っております。案がまとまり次第、議会に御報告し、年内にはパブリックコメントを実施して、市民及び事業者の方々に対して広く意見を求める予定としております。
以上でございます。
◎市長(石井登志郎) 次に、スマート自治体についての御質問のうち、スマート自治体推進指針について私からお答えをいたします。
これからの時代、行政のリソースが限られる中、職員が職員でなければできないような仕事に注力する、それから、多様な住民ニーズにしっかりと応えていくために、ICTの活用というのは、これはもう不可欠だと思っております。総務省においては、地方自治体における業務プロセス・システムの標準化及びAI・ロボティクスの活用に関する研究会報告書にて、Society5.0時代の地方を実現するスマート自治体への転換に向けての方針が示されております。本市におきましても、5月に策定いたしました西宮市行政経営改革前期実行計画において、全庁的なICT新技術の導入やそれに伴う業務効率化の方向性を検討し、効果的な展開を図るために、スマート自治体の推進に取り組むこととしております。そして、この指針の策定を取組項目としております。
指針においては、スマート自治体の実現に加え、ICT技術により、組織が行う活動や業務プロセス、組織文化や制度を変革していくデジタルトランスフォーメーションの推進も視野に、全庁的な推進体制の構築のほか、市民の利便性向上の視点と行政経営の効率化の視点の両面から目指すべき姿についてビジョンを掲げ、庁内はもとより、市民にも分かりやすくお示ししていきたいと考えております。
スピード感を持った積極的な実証による技術の検証、ICT化自体を目的とせずに、課題解決や価値の創造など、こうしたことを目的として導入を目指したアプローチ、そして、スモールスタートをして、その検証に基づいた成功事例の効果的な庁内横展開などが可能となるよう、こうしたことを外部の知見も取り入れながら指針を策定してまいりたいと考えております。
以上です。
◎総務局長(中尾敬一) 次に、行政手続のオンライン化に関する御質問にお答えいたします。
まず、マイナンバーカードが一定程度普及するまで、休日に本庁でもカードを受け取れるようにすべきではとの御質問についてでございます。
マイナンバーカードは、通常、アクタ西宮ステーションで土、日、祝日の交付に対応しておりますが、現在、マイナンバーカードの申請の急激な増加に伴い、交付窓口の予約枠を拡大するため、本庁において臨時的にマイナンバーカードの休日特別窓口を開設し、交付を行っております。今後につきましては、申請の状況を考慮しつつ、休日の交付を含めて対応してまいります。
次に、母子健康手帳発行時のマイナンバーカード申請の勧奨についてお答えいたします。
現在、児童手当の申請はマイナンバーカードによる電子申請が可能になっていることから、議員御指摘のとおり、対象者への利便性向上のアピールのよい機会と捉え、母子健康手帳発行時にチラシなどによるマイナンバーカード交付申請の勧奨を検討していきたいと考えております。
次に、マイナポータルのぴったりサービスについての御質問にお答えいたします。
今後、介護、引っ越しなどのぴったりサービスの導入について、業務体制や今後の国の方針を踏まえ、関係課と検討してまいります。
以上でございます。
引き続きまして、事業者のオンライン申請についてお答えをいたします。
議員御紹介の新型コロナウイルス関連支援では、個人事業主への店舗賃料支援金を兵庫県電子申請共同運営システムの簡易申請システムを活用することで、分かりやすい申請フォームと必要最小限の添付書類とすることなどにより、利用者にとって利便性の高いシステムになることが確認できました。
また、税金につきましては、会社、法人の場合、申請はeLTAX――地方税ポータルシステムから、支払いは地方税共通納税システムから、それぞれオンラインで行うことができるようになっております。手数料等については、他自治体において、オンライン申請から連携してクレジットカード等による決済が可能になるサービスも導入事例が見られるようになってまいりました。平成30年度に行った本市の行政手続に関する調査では、個人が行う申請より事業者が行うもののほうが多いことが把握できており、オンライン申請でできる手続が限られていることから、今後、オンライン化は取り組むべき課題と認識いたしております。行政手続のオンライン化に当たりましては、事業者にとって利便性の高いオンライン申請システムとなるよう、他都市の先行事例の研究や検討を行ってまいります。
次に、GビズIDの活用についてです。
議員御案内のGビズIDは、経済産業省が運営する一つのIDパスワードで様々な行政サービスに事業者がログイン可能になるサービスで、現在は国の10以上のオンラインサービスで利用できるようになっております。本年8月に、地方公共団体等の行政手続システムの認証においてもGビズIDを活用できることとなりましたことから、今後、本市の行政手続のオンライン化に当たりましても、事業者にとっての利便性向上の観点から、この導入につきまして調査研究を行ってまいります。
以上でございます。
◎健康福祉局長(山本英男) 7番目のスマート自治体についての御質問のうち、母子健康手帳発行時の保健師面談のオンライン化についてお答えいたします。
議員御指摘のとおり、母子健康手帳発行時の保健師、助産師による面談は非常に大切であり、100%の実施に向けて取り組んでおります。しかしながら、
新型コロナウイルス感染症拡大による緊急事態宣言時には、窓口への来所をためらわれる方もおられることから、郵送での対応も併せて実施しており、郵送による場合には電話での相談支援を行っておりました。その後、8月臨時議会において、不安を抱える妊産婦への支援事業に係る補正予算を計上し、顔を見ながら安心して相談に応じることができるようオンラインによる保健指導等を行うため、ズーム等のオンラインツールの整備を行ったことから、これを母子健康手帳発行時の面談にも活用することが可能となりました。コロナ禍だけでなく、母子健康手帳発行時に面談を行うことが困難な方に対して、このオンラインによる面談を10月から活用していきたいと考えております。
以上でございます。
◎こども支援局長(時井一成) スマート自治体についての御質問のうち、保育所入所決定AIの導入についてお答えいたします。
AIによる保育所入所選考につきましては、これまで議員から御質問いただいた際に、AIの導入については業務の効率化及び職員の負担軽減という点で有用であると考えており、今後も積極的に調査研究を行っていきたいとお答えしております。そのことも踏まえ、令和元年度には、先行してAIの導入を行った近隣市への視察にも担当課職員が同行いたしました。しかしながら、
新型コロナウイルス感染症拡大に伴い、保育所保育料の減免対応など様々な業務が新たに発生しており、今年度は導入に関する検討は進んでいないのが現状でございます。
新型コロナウイルス感染症の対応が一定落ち着きましたら、実証実験などについて検討を進めてまいりたいと考えております。
なお、保育所入所選考の条件は市によって異なりますので、本市において実証実験などを行うためには、本市に合ったシステムを用意する必要がございます。今後、市の選考条件とシステムとの整合性などを含めた様々な課題を整理してまいります。
以上でございます。
◎健康福祉局長(山本英男) AIによる自立支援に資するケアプランの作成についてお答えいたします。
AIによるケアプラン作成支援につきましては、ケアマネジャーの業務負担軽減やケアマネジメント力の向上などを目的とし、ケアマネジャーを支援し、利用者の意思決定を支援するツールとして、近年、複数のシステムの開発が進められております。平成30年度に厚生労働省の補助金を受けて研究が行われましたAIを活用したケアプラン作成の基準に関する調査研究報告書では、ケアマネジャーとAIが相互的に補完する視点が重要であるとされ、ケアマネジャーが、AIに支援可能なこと、困難なことを理解、AIが提示した結果を基に新しいケアマネジメントの視点に気づき、AIにフィードバックすることでAIを成長させる必要があるとされていました。
令和2年3月からの宮崎市における地域包括支援センター向けケアプラン作成支援AIの共同研究につきましては、地域包括支援センターでの活用に着目した興味深い取組であると考えておりますが、研究に着手されたばかりであり、まだ具体的な進捗が判明する状況ではないとお聞きしております。
一方で、令和2年7月に策定されました内閣府の経済財政運営と改革の基本方針では、医療・介護分野におけるデータ利活用等の推進の項目が掲げられ、ケアプランのAI活用の推進につきましても明記されております。また、現在、厚生労働省の社会保障審議会介護給付費分科会では令和3年度介護報酬改定の議論が進められておりますが、この中でも、事業者団体から、AI活用に基づくケアプラン作成を推進するための加算の創設が提案されております。
このような状況でありますことから、本市としましては、国における議論を注視するとともに、介護関係業務のスマート化について研究してまいります。
以上でございます。
◎総務局長(中尾敬一) 最後に、働き方改革についてお答えをいたします。
先ほど市長が答弁いたしましたスマート自治体推進指針の中で、行政経営の効率化の観点から、スマート化、デジタル化に取り組む旨、申し上げました。この行政内部スマート化の分野に幾つかの検討チームを立ち上げることを予定しておりまして、その中に、会議効率化検討チーム、働き方改革検討チームがございます。会議の在り方の検討をはじめ、在宅勤務、モバイルワーク、職員間のコミュニケーションなどを、ICTを活用することでロケーションを選ばずに業務ができ、必要な情報やノウハウが容易に共有できることを検討してまいります。
以上でございます。
○議長(澁谷祐介) 当局の答弁は終わりました。
〔八代毅利議員「対面式質問席」使用〕
◆15番(八代毅利) 丁重な御答弁ありがとうございました。
再質問は行いませんので、以下、意見、要望を述べます。
最初に、避難所のエアコンとエレベーターについて申し上げます。
先ほども申し上げましたけど、避難所を3か所視察いたしましたけども、避難所という観点から全く整備が後れている、これが私の感じたことでございます。エアコンの問題もございますけども、非常用電源や備蓄品の保管場所等、非常に大きな問題があるなというふうに思っております。
また、小学校へのエアコンの設置については、市長から、前向きとはなかなか――ある程度は検討していただけるという雰囲気はあるとは思うんですけど、やや残念な御答弁でした。一度体育館で市長と一緒に過ごしてみませんかね、一晩。どんな状況かというのを確認されてはどうかと思います。私もお付き合いをいたしますので。
また、体育館以外のいろんな教室――多目的教室とか特別教室を使えばいけるんだと言っておられてますけども、これは今、コロナで、例えばソーシャルディスタンスを取って、これらの教室に何名入れるのかというのを実際にシミュレーションしているのかどうかですね。果たしてされているのか。また、当然、具合が悪くなった方はまた別室にするとか、様々な対応が必要になるわけですので。あるいは、エアコンの部屋に入れるのはどういう順番に入れるんですかというようなことも出てきます。早い者順ですかということになるわけですけども、2年前に本当に大きな災害があったわけですね。西宮においても現実にあったわけです。あのようなときにもし同じ人数が来られたらどうなるのか、そういったこともよく御検討いただきたいなというふうに思います。
やはり私は、非常に防災に対するお金のあれが少ないなと、投資額が。我が国自体が、避難所が非常に後れているというのは世界的に――ヨーロッパや欧米に比べてやっぱり後れているんだと言われておりますけども、それが私が感じたところでございます。
いずれにしましても、エアコンについては、先ほども御説明をいたしましたけども、自主避難所になる13か所のみに設置するのであれば、3,500万円として10年元金均等返済で1,400万円程度。維持管理費は点検だけですからね、稼働はまずめったにしませんので、せいぜい28万円ぐらい。中学校の例を参考にしますと1校28万円程度でございますので、これはできないことはないと思いますので、他のいろんな――もちろん全部必要なんですけど、市の予算の中でやりくりをして、ぜひやっていただきたいなというふうに思います。
これは、本当に私は心からぜひ御検討をお願いしたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
それと、教育委員会の方が、要するに教育費が圧迫されて大変になるということをおっしゃってましたのでね。別にこれは教育費ではないんですね。要するに、真夏に小学校の体育館のエアコンを使うのは災害のときしか使いませんので、これは教育に使うわけではありませんのでね。教育費が圧迫されるという、そういうことがあってはならないですよね。エアコンをつけたから教育費が圧迫される、それはあってはならないと思いますので、あくまで防災だという観点でぜひ御検討をお願いしたいと思います。
また、エレベーターについても同じです――今もう一度付け足すと、質問で申し上げたかどうか分からないですけど、20年以上は使えますので、10年で返済が終わって、10年間は維持管理費だけ、そういう感じになりますので、よろしくお願いします。
また、避難所のエレベーターについてなんですけども、やっぱりエレベーターがないというのは、正直言って非常に衝撃を受けまして、それを介助すればいいんだと。何人も高齢者が来られて、介護資格も持ってない職員がそれを介護するのか、これは非常に危険な発想ですので、これはよくよく考え直していただきたいなというふうに思います。
やはり今はバリアフリーの時代で、エレベーターがないというのは非常におかしなことですのでね。避難所にエレベーターがないなんていうのはあってはならない、ぜひ御検討いただきたいと思います。
あとあまり時間がないんですけども、COCOAについては、ホームページにも載せていただきまして、これから積極的に、まず市の職員についても、市長は御登録されて、また、幹部、そして職員の皆様に声かけをしていただけるということで、ありがとうございます。
また、西宮市
LINEコロナお知らせシステムもやはり同様ですので、ぜひお願いします。この
LINEコロナお知らせシステムは、クラスターに非常に有効だと言われてますのでね。ですから、広報の仕方はCOCOAとは若干違ってくるかもしれませんけど、ぜひ積極的な御登録をしていただくことには何ら問題はございませんので、よろしくお願いをいたします。
また、防災でマイ・タイムラインについて、非常にいい御答弁を賜りまして、西宮版のマイ・タイムラインを今検討いただいているということでございますので、ぜひこれをしっかりと作っていただければ、少なくとも兵庫県ではどこも作ってませんからね、オリジナルは。これは非常にすばらしい、西宮は頑張っているんだ、こういうふうに理解されますので、非常にいいなと。
先週、赤羽国土交通大臣にお会いしたら、やはり河川については、ハード対策をいろいろ、流域治水とか検討している、やることになっているんですけど、それだけじゃやっぱり災害は防げない、やっぱりソフト面でマイ・タイムラインをもっと普及しなきゃいけないというふうにもおっしゃっておりました。ぜひよろしくお願いをいたします。
また、防災マップについても、やはり外国人が増えてますので、外国語版を作っていただけるということでございますので、ありがとうございます。ぜひよろしくお願いいたします。
また、
南海トラフ巨大地震の臨時情報が発出された場合の御対応でございますが、あまり細かいことはなかなか御答弁いただきにくい部分だったと思いますけども、いずれにしても、そのときの状況によって大分違いますので、この近くで地殻の変動があれば当然既に地震が起きてますという状況でございますし、ある程度、市民の皆様がパニックにならないように、必要な情報をきっちりと広報、場合によっては市長が直接出てきて市民に呼びかけると、安心して――安心ということはないですけど、冷静に対応してくださいということを呼びかけるというのも非常に大事だと思いますので、ぜひよろしくお願いいたします。
また、公園についても、これは僕は非常にびっくりしたんですけど、質問いたしましたとおり、はっきり言って、どの公園にも全部たばこの吸い殻が落ちているんですよ。それは結局、吸っている人がいて、しかもそこに捨てていく、こういうことがあるわけです。
僕がある公園に行きましたら、子供がいっぱい遊んでいたんですよ。ベンチがあったら、見たらそこにぽおんといっぱい吸い殻が落ちてまして、そんなところで子供が遊んでいるなんていうのはあってはならないと思いますので、ぜひこれは徹底的に禁煙を、公園内は禁煙であるということを広報していただいて、それは条例違反なんですよということも明確にしていただきたいと思います。そして、きれいな公園で子供たちが安心して遊べる、親御さんも安心して子供たちを遊ばせることができる、このような公園にしていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
また、公共サインについても、改訂をしていただいて、やはり黄色というのは結構、黄色と黒の色合いだと、阪神ファンの方も多いので、目が行きやすいというんですかね、いいと思いますので、やっぱりサインというのは目的がいろいろありますので、注意喚起にやるんだったら注意喚起のためのサインらしいものにしていただくということで、全部グレーで一気に統一しちゃったので、いろいろと僕も市民の方から苦情が来てましたので、ぜひ喜んでいただけるようなサインにしていただきたいと思ってますので、よろしくお願いいたします。
また、もう一個、環境政策について……
○議長(澁谷祐介) 残り時間に御注意ください。
◆15番(八代毅利) 私は前から思っていたんですけど、とにかく若者の意見を入れていただくということでよろしく。
また、母子健康手帳発行時の面談についても、100%面談できるとかねてから言ってましたので、これができたというのは非常にすばらしいことだと思ってます。
とにかく、いよいよ大きな変革の波が西宮市に押し寄せて、西宮市も大きく変わるという時代か来たということを私は申し上げて、一般質問を終わらせていただきます。
御清聴ありがとうございました。(拍手)
○議長(澁谷祐介) 八代毅利議員の一般質問は終わりました。
ここで休憩します。
なお、再開は、午後1時の予定でありますので、よろしくお願いします。
〔午前11時30分 休憩〕
――――――――――――――――
〔午後1時 開議〕
○議長(澁谷祐介) ただいまから休憩前に引き続き会議を開きます。
次に、たかのしん議員の発言を許します。
〔たかのしん議員登壇〕
◆6番(たかのしん) 皆様、こんにちは。
会派・ぜんしんのたかのしんでございます。
傍聴にお越しくださいました皆様、本日はお忙しい中、誠にありがとうございます。
さくらFMをお聞きの皆様、
インターネット中継を御覧の皆様にも併せて御礼申し上げます。
本日は、一問完結方式にて五つのテーマを取り上げます。1点目のみ演壇から質問し、以降は対面式質問席にて発言いたします。78分の持ち時間を頂いておりますが、質問項目も多くございますので、少し早口となるかもしれません。御理解を頂ければ幸いでございます。
それでは、通告に従いまして一般質問を行います。
まずは、行政手続のオンライン化並びに業務の整理についてお伺いします。
現在、財政状況の悪化や行政ニーズの多様化を受けて、より効率的な行政運営が求められています。また、行政以外の分野では、あらゆる手続や買物がインターネット上で完結する時代です。こうした状況から、私は、市役所が提供するあらゆるサービスもオンライン化を進めるべきと考えます。本年、私たちの社会を襲った
新型コロナウイルス感染症への対応としても、対面手続を避けるためにオンライン化への注目が高まったところです。
昨年には、いわゆる行政手続オンライン化法が改正され、国においてもオンライン化推進の方向性が示されました。
しかし、実際に取組を進めていく上では、オンライン化を阻む要素が多く存在しています。その中でも代表的な課題は、本人確認、捺印、附属資料、手数料の四つに集約されると考えています。
なお、本件については、コロナ対応として今年度の補正予算に盛り込まれた内容を一部含んでおりますが、課題を体系的に整理するため、改めて取組の全体像を見ていきます。
初めに、本人確認について確認いたします。資料@を御覧ください。
国が進める行政手続のオンライン化は、マイナンバーカードの所持が前提となっています。先般の特別定額給付金でも注目されたとおり、現在、マイナンバーカードの所有率は全国で10%台にすぎません。そのため、内閣府提供のマイナポータルで多数のメニューが用意されているにもかかわらず、各自治体が導入している業務はごく一部です。本市においても、マイナポータルでの手続が可能なのは児童手当関連のみであり、申請件数に占める割合も僅かなのが現状です。マイナンバーカードの普及を進めることも重要ですが、マイナンバーカードに頼らない方法でオンライン化を進めることも大切だと考えます。
本市の行政手続には、既に郵送での申請を認めているものが多く存在します。例えば住民票の写し、課税証明書等の交付申請、転出届の提出等を郵送で行う場合には、本人確認書類の写しを同封することで本人確認としています。コロナ対策として特例的に国民健康保険の加入・脱退等でも郵送申請が認められ、同じく本人確認書類の同封によって対応しています。これらの手続は、オンライン申請へ移行しても、本人確認書類の写真を添付すれば問題ないと考えられます。
次に、捺印について確認します。同じく資料@を御覧ください。
マイナポータルでは電子署名の仕組みが構築されていますが、さきに述べたとおり、ごく一部の手続にしか対応していないのが現状です。しかし、手続時に捺印を求めている根拠は、過去から慣例的に捺印欄が存在しているだけという場合が多く、法令等に基づいていない事例が確認できています。事実、オンライン化の先進自治体として知られる福岡市では、約4,200種類の申請書のうち約2,300種類で捺印を不要とした実績がありますし、千葉市でも同様の取組が進められています。捺印ありきでオンライン化を検討するのではなく、捺印の必要性を改めて確認した上で申請書の様式変更等を行うべきです。
3点目の課題は、附属書類です。資料Aを御覧ください。
申請等を行う際に附属書類を必要とする場合があり、その数や種類の多さがオンライン化のネックとなります。しかし、多くの場合は、スキャンデータや画像の送付で対応が可能です。直近では、オンライン申請で行われたコロナ対策の店舗賃料支援において、賃貸借契約書等の附属書類を画像で送付することが認められていました。
あわせて、捺印と同様に、そもそもその附属書類が必要なのかという検証も重要です。例えば、各種手当等の受給に当たって口座情報を届け出る際、通帳等のコピー添付を求めている手続と口座番号の記入のみで対応している手続があります。こうした庁内で取扱いの異なるものは、簡素な方法に統一を図るべきです。
また、住民票の添付を求めている手続についても、市民自身が取得して提出するのではなく、職員による住基情報の閲覧や公用申請が活用されていれば、スムーズにオンライン化を進められるはずです。
4点目は手数料です。同じく資料Aを御確認ください。
窓口で支払っている手数料をオンライン申請の場合にどのように支払うかという課題です。郵送申請の場合には、定額小為替を同封するという手法が取られていますが、オンライン申請では、手数料支払いもウェブ上で完結することが望ましいと考えます。まずは、既に市税の納付等で認められている口座振込やクレジット払いの対象を拡大すべきです。また、数百円の手数料を支払うには、口座振込、クレジット払いより、電子マネーでの決済を好む方も多いのではないでしょうか。この点についても、福岡市では、交通系ICカード、ラインペイ、コンビニバーコード決済を一部導入しており、本市でも同様の取組を検討すべきです。詳細は次のテーマで述べますが、現金取扱いに伴う不祥事の抑制にも、全庁的なキャッシュレス決済の体制構築は有用と考えます。
これらの課題を解消し、オンライン化を進めていくために、まずは業務フローや申請様式の見直しに取り組むべきです。その中では、法令等の根拠を精査して、本人確認、捺印等を最小限にするとともに、通帳コピー等の事例で触れたように、全庁横断的に業務を比較することが欠かせません。
また、阻害要因が存在しない、もしくは軽微な手続は、即座にオンライン化を実施すべきです。資料Aに示したように、職員採用試験の受験申込み、不在者投票用紙の申請、防火管理講習の受講申込み等、他市でオンライン化を実施済みにもかかわらず、本市では未実施の手続が多く存在しています。ほかの自治体にできて本市にできない理由はありません。先行事例を調査し、早急にオンライン化を実行すべきです。
さらに、国でも提唱されているスマート窓口は、全てをオンラインで完結することのみを指すのではありません。来庁前に引っ越し手続の予約ができる福岡市、申請情報を事前入力できる鎌倉市などの事例は、来庁時の手間を簡素化できる点で、市民と職員双方にメリットがあります。また、来庁時は、申請書でなく、タブレット端末に情報を入力すれば、業務自動化ツールのRPAとも親和性が高まります。あわせて、出生、転入、お悔やみ等のライフイベント別に手続を集約し、窓口の一本化や案内フローの整理を行うことも重要と考えます。
以上を踏まえ、4点、質問します。
1、行政経営の効率化、市民の利便性向上、感染症対策等の観点から、行政手続のオンライン化を推進すべきと考えますが、市の見解と取組方針をお聞かせください。
2、行政手続のオンライン化を見据え、業務フローや申請書の様式等を全庁横断的に見直すべきと考えますが、市の見解をお聞かせください。
3、オンライン化に向けた阻害要因が存在しない、もしくは軽微な手続については、他市事例も踏まえて早急にオンライン化を実施すべきと考えますが、市の見解をお聞かせください。
4、来庁前の事前予約や情報入力、申請書の電子化、ライフイベント別の手続案内等を通じて、効率性や利便性を向上するべきと考えますが、市の見解をお聞かせください。
以上で1回目の壇上からの質問を終えます。引き続き、対面式質問席に移動して続きの発言を行います。
御清聴ありがとうございました。(拍手)
○議長(澁谷祐介) これより当局の答弁を求めます。
◎政策局長(太田聖子) 行政手続のオンライン化並びに業務の整理についての御質問にお答えします。
まず、行政手続のオンライン化における市の見解と方針についてですが、市民の利便性向上の視点と行政経営効率化の視点の両面から行政手続のオンライン化は有効な手法であり、令和2年5月に策定した西宮市行政経営改革前期実行計画の取組項目にも位置づけ、今年度中に(仮称)西宮市スマート自治体推進指針を策定し、全庁的なスマート化、デジタル化の取組を推進することとしております。加えて、今回の
新型コロナウイルス感染症対策としても、来庁しなくても手続ができる、来庁しても少ない時間で済むといった非接触型であったり簡素化型の市民サービスを提供することは非常に重要な取組と考えております。こうした状況を踏まえ、市民の利便性につながり、業務の効率化にも資するような手続については、今後、積極的にオンライン化を進めていきたいと考えております。
次に、行政手続のオンライン化も見据え、業務フローや申請書の様式等を全庁的・横断的に見直すべきとの御質問にお答えいたします。
行政手続のオンライン化を具体に進めるには、その前段として、議員御指摘のとおり、本人確認や押印、添付書類、手数料等の支払いといった課題を手続ごとに整理する必要があります。また、業務フローや申請書の様式などについて、そもそも不要な作業工程がないのか、添付書類等の簡素化ができないのかといった業務効率化の視点から改めてチェックを行うことも重要と考えております。
新型コロナウイルス感染症への対応が求められる中、デジタル化の推進などに向け国が取りまとめた書面規制、押印、対面規制の見直しに関する通知も踏まえ、平成30年度に行った本市の行政手続に関する調査を基に、まず押印について、法令等の変更を伴わず、市の運用の変更で対応できるものから原則廃止・省略することを目的として現在調査に着手しており、順次、添付書類の簡素化・省力化や対面規制の見直しにも取り組んでまいります。
また、キャッシュレス決済については、これまでの市税納付書によるモバイルレジに加え、ペイ払いを導入し、運動施設の窓口でもバーコード決済を導入することとしており、利用実態の把握などに努めつつ、庁内横展開を検討してまいります。
これらの取組を通して庁内横断的な見直しを図り、オンライン化の阻害要因を取り除くことで、業務の効率化にも寄与するものと考えております。
次に、阻害要因が存在しない手続は早急にオンライン化をすべきとの御質問にお答えいたします。
さきに述べた平成30年度に実施した本市の行政手続に関する調査により、オンライン化に向けた阻害要因の有無は一定把握しております。一方、手続ごとの申請件数や難易度、手続をされる方の属性やその頻度、業務の特性などを整理した上で、市民の利便性の向上と、申請方法が多様化することに伴う業務負担や費用対効果を勘案し、所管の意見も聞きながらオンライン化の要否を判断することが大切であると考えております。その上で、オンライン化が有効であると判断した手続につきましては、早急にオンライン化を進めてまいります。
次に、オンライン化以外の方法による効率化や利便性向上についての御質問にお答えいたします。
議員御提案のとおり、オンライン化以外の方法で手続の効率化や利便性向上に取り組んでいる自治体の事例も見られますが、ICT化を目的にするのではなく、課題解決型のアプローチで優先順位をつけながら、全体最適となるよう実際の効果に注視して情報収集を図っているところです。現在、本市としましては、窓口でのタブレットを用いた申請書の電子化やウェブによるライフイベントごとの手続案内などの導入を検討しております。最終的には、オンライン化により市役所に来庁することなく手続が完結できることを目標にしつつも、マイナンバーカードの普及状況やその時々のICTの成熟度、また、デジタル機器を活用できる人とできない人との格差、いわゆるデジタルディバイドなども考慮して、手続をされる方の実情に応じてスマート自治体を推進するとともに、手続、窓口ごとに最適な方法を検討し、効率化と利便性の向上を図ってまいります。
以上でございます。
○議長(澁谷祐介) 当局の答弁は終わりました。
〔たかのしん議員「対面式質問席」使用〕
◆6番(たかのしん) 御丁寧な御答弁ありがとうございました。
意見、要望を申し上げます。
本件につきましては、非常に前向きな御答弁を頂きました。積極的にオンライン化を進めていくという方針に加え、その前提となる業務フローや申請様式等の整理にも取り組んでいく姿勢をお示しいただきました。実施に向けて重要なことは、こうして掲げた方向性を現場へ、実務へと具体的に落とし込んでいくことだと思っています。全庁的に取組への理解を広げるために、情報部門だけでなく、今議場にいらっしゃる各局幹部の皆様も含めまして、どうかオンライン化の機運を高めていただきますよう要望いたします。
それでは、次の質問に移ります。
次に、現金取扱事務の見直しについてお伺いします。
市役所には、市税の納付や施設使用料の支払い、市民への給付・還付等、入金、出金を伴う業務が多く存在します。これらの中には、口座振替、クレジット払い等を認めているものもありますが、今もなお多くの手続で現金の受渡しが行われています。私は、こうした現状を改めるべきと考えています。
昨年、労政課に勤務する職員が、貸し館業務において虚偽の還付請求書を作成し、キャンセル料を不正に取得するという不祥事が発生しました。また、過去には、若竹生活文化会館で現金紛失事案が発生し、3年後に同じ建物内の若竹公民館で再度現金が紛失しています。また、こうした経緯があるにもかかわらず、昨年度の包括外部監査では、教育委員会所管施設における現金の管理について不十分な例が指摘されています。現金にまつわる不祥事の根絶に最も効果的なのは、現金の取扱い自体をなくすことです。これが、現金取扱事務を見直すべき一つ目の理由です。
二つ目に、市民の利便性向上が挙げられます。現在、例えばホール使用料の支払いが口座振込等に対応しておらず、10万円を超える現金を持参しなければならない場合があります。口座振替、クレジット払いに対応している市税の支払いにおいて、窓口での納付は約30%にすぎず、特に高額の場合には現金持参以外の方法が一般的です。手数料の支払いが行政手続のオンライン化を阻害している現状もありますし、各種電子マネー等の決済手段が普及している今では、金額の多寡や手続の種別を問わず、多様な支払い方法を求める市民ニーズは高いと考えられます。
さらに、現金の取扱いを減らせば、職員の負担軽減にもつながります。現在、必要な現金を手配するには、所管課での決済、会計室による支出命令、市役所1階の銀行窓口での現金受け取り、金種の確認・振り分け、金庫での保管という一連の手間がかかります。業務の効率化が求められる今、こうした部分の改善こそが重要です。
そこで、このたび、議会事務局の御協力の下、全庁に照会を行ったところ、現金を取り扱う事務は387事務存在していることが判明しました。資料@を御確認ください。歳出179事務、歳入203事務、歳出、歳入のどちらにも属さないもの5事務を、さらに性質別に17の区分に分類しています。今回は、この17類型387事務を対象に、その内容を精査いたしました。なお、本調査はあくまで市役所内の事務に限定しており、指定管理者や委託先での事務を含めれば、その数はさらに膨れ上がります。
この中で最も容易に、かつ即座に現金の取扱いを廃止できるのは、@の報償等――各種委員への報酬や講師謝金、旅費等の支払いです。この類型に属する支払いは全庁で483事務に上り、そのうち389事務では既に口座振込が行われています。389の事務で実施できて、残る94の事務で実施できないはずはありません。多くの場合、現金での支払いを続ける理由は、過去からずっと現金で支払っているからにすぎません。他市でも口座振込が主流となっており、これを機に全庁的に運用を見直すべきです。
次に件数の多い資料GからJの類型を確認します。具体的には、手続時の使用料・手数料、公共施設の使用料、各種講座等の受講料、書籍などの販売代金がこの分類に該当します。先ほど例に挙げたとおり施設使用料にも高額なものが存在するため、これらのグループにも口座振込等の手法は導入すべきです。一方で、数百円の支払いである場合も多く、現時点で現金払いにも需要があることは理解いたします。
そこで私が提案したいのは、先ほどのテーマでも述べました全庁的なキャッシュレス決済の体制構築です。PiTaPa、ICOCA等の交通系ICカードや、ペイペイ、ラインペイ等の電子マネー、Tポイント、楽天ポイント等のポイント払いが市のあらゆる手続で利用できるようになれば、市民の利便性は大きく向上し、現金取扱いに伴うリスクも大幅に軽減されます。このような形は、決して夢物語ではなく、既に一部の決済方法が福岡市などで導入されていることは先ほど述べたとおりです。特に、気軽な支払い方法という点でこの類型とは親和性が高く、検討を進めるべきです。
そのほか、原則は口座振込だが、例外的に現金の取扱いを認めているものや、個別に対応を検討すべきものについては、一部現金の取扱いが残る可能性はありますが、あくまで基本的には口座振込等での対応を目指すべきと考えます。支払い相手方の都合により変更が不可能なものを除き、全ての入出金事務は現金を取り扱わない方式に変更すべきです。
以上を踏まえ、3点、質問します。
1、市及び指定管理者が行う全ての入出金事務は、原則として現金を取り扱わない方式に移行すべきと考えますが、市の見解をお聞かせください。
2、報償等については、次年度から現金でのお渡しを廃止し、全て口座振込に変更すべきと考えますが、市の見解をお聞かせください。
3、申請時の手数料や施設使用料の支払いに対応するため、全庁的なキャッシュレス決済の仕組みを構築すべきと考えますが、市の見解をお聞かせください。
以上3点、よろしくお願いいたします。
○議長(澁谷祐介) 当局の答弁を求めます。
◎市長(石井登志郎) 現金取扱事務の見直しについて私からお答えいたします。
まず、全ての入出金事務について原則として現金を取り扱わない方式に移行すべきということについての見解でありますが、市の出納事務においては、議員御指摘のとおり、近年、現金の取扱いによる不祥事が続き、市政への信頼が損なわれる事態となっております。このため、副市長を会長とする事務処理適正化検討会において、同様の現金取扱事務を対象に事務処理の在り方や執行体制を点検し、改善策を検討しております。これに基づいて、現金取扱事務においては、過失による紛失や不適切な処理等のリスクは一定存在することから、組織としてのチェック機能を十分働かせて未然防止に努めるとともに、極力現金を取り扱わないよう、口座振込などの推進のほか、いわゆるキャッシュレスを推進することは非常に有効な方法と考えております。また、支払い方法の多様化や現金の持参が不要となるなどの市民の利便性につながるほか、取組が進むことで現金取扱いに伴う各種事務処理の改善や手続のオンライン化が進展するなど、業務の効率化に寄与するものと考えております。
次に、報償等を原則口座振込にしてはとの質問でありますが、審議会の委員報酬等につきましては、現在多くは口座振込により支払いを行っておりますが、先ほど議員も御指摘のとおり、一部現金での支払いも残っております。審議会等は、開催日時が前もって予定されているものがほとんどでありますので、事前の準備ができることから、原則として口座振込による支払いをするように進めてまいります。
次に、全庁的なキャッシュレス決済の仕組みの構築についてお答えをいたします。
キャッシュレス決済としてこれまで取り組んでまいりました口座振込や口座引き落とし、クレジットカード払いなどに加えて、近年、取扱いが急増しているスマートフォンによるバーコード決済も有効な方策の一つと考えております。そういうような中で、今回、先般の予算の中でスポーツ施設のキャッシュレスの導入というようなこともスタートいたしました。一方で、それにはシステムの改修、それから手数料などなど、そうした費用負担、また、今までになかった事務負担というようなことも出てまいります。そうした中で、今一部をちょっとまず進める中で、利用者のキャッシュレス普及などの課題もありますので、直ちに全てをやるということはちょっと慎重になり、一方で、一部を進める中でノウハウ、それからプラス・マイナスをしっかりと検証していくというふうに考えております。
そうしたことでもありますので、引き続き口座振込、口座引き落としを推奨し、そして、庁内で先行実施しているモバイルレジやバーコード決済、キャッシュレスの取組状況、そして他市の状況も踏まえながら、費用対効果、市民の普及状況、利便性なども踏まえて、着手可能なものから現金を取り扱わない方式への転換を図ってまいります。
以上です。
○議長(澁谷祐介) 当局の答弁は終わりました。
◆6番(たかのしん) 御丁寧な御答弁ありがとうございました。
本件につきまして意見、要望を申し上げます。
こちらについても、前向きな御答弁を頂戴できたと思っております。現金は極力取り扱わないという方針をお示しいただいた上で、報償等については口座振込を原則とすると明言してくださいました。
手数料等のキャッシュレス化については課題もあるというところの御答弁でしたけれども、キャッシュレス化の流れというのが社会全体で加速しているということを念頭に、ぜひ積極的に進めていただくことを要望しておきます。
それでは、次の質問に移ります。
三つ目の質問です。次に、契約業務の適正化についてお伺いしてまいります。資料@を御確認ください。
自治体が締結する契約について、地方自治法及び同施行令では、原則として一般競争入札にて行うことが義務づけられています。その中で一定の金額を下回るものは随意契約が認められており、本市では、西宮市契約規則にその基準額が定められています。しかし、基準額を超えていても例外的に随意契約が認められる場合があり、2019年度は契約課を介する案件だけで335件に上りました。各課での契約においても同様の案件が多数見られ、公営企業会計の病院事業では75件、上下水道事業では172件が該当します。特定の場合に随意契約を認めることには一定の意義がありますが、契約の競争性・公平性を担保するためには、これらの規定を厳格に運用する必要があると考えます。
資料Aを御確認ください。過去3年間に行われた随意契約の中から課題の見られる案件を幾つかピックアップいたしました。なお、各案件は、あくまで発注方法や契約業務に対する問題提起であり、個別の受注事業者や団体を批判する趣旨のものではないことをお含みおきくださいませ。
その上で、一つ目は、ある小学校の改築工事に当たり、改築工事の発注先を入札で決定した後、当該事業者に対して渡り廊下の改修工事を随意契約にて別途発注したものです。改築に当たって渡り廊下の改修が必要なことは当初から予見可能であり、入札時に本体と渡り廊下の合計で価格を検証するべきでした。このような案件では、総額での比較を行わなければ、入札時点で金額を抑えて落札し、随意契約の部分で売上げや利益を確保するという事業者が現れる可能性を否定できません。庁内でも、例えば書類の印刷業務と封入封緘業務では同一事業者に発注する必要があるため、総額を比較する見積り合わせを行っていますし、各種システムの導入に当たっては、保守、運用等のライフサイクルコストも合わせたプロポーザルを実施しています。こうした考えをほかの業務にも適用するべきと考えます。
二つ目は、各課契約の案件です。西宮市事務分掌規則は、契約課の事務を、工事の請負契約、業務委託契約及び修繕業務契約に関することと定め、その中でも、学術研究的なもの及び契約業務の内容が特定されるものを除くとしています。請負、委託、修繕以外の契約や学術研究的なもの、契約業務の内容が特定されるものについては、各所管課にて取り扱っています。
私はこのたび、基準額を超える随意契約について過去3年分を全件調査いたしましたが、こうした各課契約の中に違和感を覚える案件が複数存在しました。例えば資料に示した相談業務の案件では、当該事業者しか業務を受注できないという理由が明確でなく、各課契約の条件である学術研究的もしくは契約業務の内容が特定されるとする根拠が不明です。結果として同一の事業者がプロポーザル等の過程も経ず当該業務を受注し続けています。また、請負、委託、修繕に該当しない人材派遣契約では、人員や業務の増加に一定の正当性はあるとはいえ、プロポーザル実施後に契約金額が大きく増加している例が存在していました。
各課契約の目的は、業務に精通する所管課が契約事務を行うことで効率性を高め、より実態に即した判断を実現することだと認識しています。決して所管課が契約課を介さずに契約を行うための抜け道ではなく、むしろ契約課案件以上に競争性・公平性の確保に留意すべきです。また、透明性を確保する観点からは、ほかの自治体で取り組まれている随意契約実績・理由のホームページ公開等も検討する必要があります。
三つ目は、障害者・高齢者の就労機会確保を目指した随意契約です。市は、市有地の除草、清掃等を障害者、高齢者を多く雇用する事業者に発注しています。これらの契約については、特定の事業者に発注が偏った上、過度の剰余金が生じた反省から、2018年度に制度改正が行われました。その後の推移を確認しますと、発注総額は従前の8割程度に抑えられ、少しずつではありますが、受託事業者の数も増えつつあるため、制度改正の趣旨は一定程度達成できていることがうかがえます。
一方で、一部の業務においては発注額の増加が見られています。例えば資料に示した公立保育所の除草・外溝清掃は、2016年度から20年度で約3割価格が上昇しています。主たる要因は業務内容の増加ということですが、このような形で随意契約の発注額が増えていく傾向は看過できません。当該事業者は、ほかの事業者に比べて各業務の契約金額が上昇傾向にあることも気がかりです。多数障害者雇用企業等契約審査会が存在するとはいえ、その大半については同じ業務を同じ事業者が長年受注しています。どの業務をどの事業者に発注するのか、発注金額は幾らが妥当なのか、そうした決定過程について検証可能な仕組みづくりが必要だと考えます。
次に、市との財政的関与が深い外郭団体や補助団体について見ていきます。これらの団体も、税金を原資に運営されている以上、契約手続においては市と同様の厳格さが求められます。資料Bを御覧ください。
外郭団体の多くは、市の規則を準用する、もしくは団体種別ごとのガイドラインに従うといった形で、競争性・公平性を担保しております。また、補助団体の中でも西宮商工会議所や西宮コミュニティ協会等では、契約、発注に関する一定の取決めが行われています。しかし、市から年間約3,800万円もの補助金を受けております西宮観光協会ではこうした規定が存在せず、高額の案件でも随意契約を行うことが可能な状態です。
本年6月議会で菅野議員が、まちたび事業を中止したにもかかわらず補助金を返還せず、動画配信事業に同規模の金額を投入したと事実を追及いたしましたが、この動画配信に係る約900万円の業務委託も随意契約で行われています。市であれば間違いなく入札等を義務づけられる案件であり、あまりに安易な発注方法に私は唖然といたしました。
こうした補助団体についても、契約規則の作成・開示を求める、補助金要綱において入札等を義務づけるなど、契約の競争性・公平性の確保に取り組む必要があると考えます。
以上を踏まえ、3点、質問します。
1、それぞれの事例で見られた懸念事項について、課題の解消に努めるべきと考えますが、市の見解と取組内容をお聞かせください。
2、基準金額を超えて締結する随意契約について、透明性を確保するとともに、契約の競争性・公平性を担保するべきと考えますが、市の見解と取組方針をお聞かせください。
3、西宮観光協会に対し、契約規則の作成・開示を求める、補助要綱において入札等を義務づけるなど、契約の競争性・公平性を担保するための具体的な取組を行うべきと考えますが、市の見解をお聞かせください。
以上3点、よろしくお願いいたします。
○議長(澁谷祐介) 当局の答弁を求めます。
◎財務局長(荒岡晃彦) 契約業務の適正化に関する御質問のうち、懸念事項に対する市の見解等について事例ごとにお答えいたします。
一つ目の事例についてですが、御指摘の小学校の本体工事及び渡り廊下工事は、校舎間の児童の動線を確保するため工期の異なる別工事として発注することとし、いずれも入札による業者選定を行う予定でしたが、本体工事着工後、学校現場からの要望を受け、その対応の影響により工期の延長が必要となりました。その結果、渡り廊下工事の実施に向け事業者が入れ替わる準備期間が確保できなくなり、やむを得ず随意契約に切り替えたものでございます。封入封緘業務を伴う印刷発注や保守契約を伴う各種システム開発業務と異なり、発注段階で随意契約を予定していたものではなかったため、全体を含めた競争をすることができませんでした。
その他の工事においても、着工後の学校現場からの要望、保護者や地域住民からの要望などにより、別途契約が必要となることがございます。市としましては、こうした要望に対して柔軟に対応することも必要であると考えておりますが、当初の発注段階から意見や要望を反映し、全体で競争するほうが望ましいと考えていることから、可能な限り早期の要望等の把握に取り組んでまいります。
また、当初契約の後、追加で随意契約が必要となることが発注段階から明らかなものがあれば、全体で競争ができるよう取り組んでまいります。
次に、二つ目の事例のうち、相談業務についてお答えいたします。
御指摘の業務は電話でカウンセリングを行うものでございますが、その特徴として、多くの事業者が対応できる内容ではない点とカウンセリングの質の確保が重要である点が挙げられます。業務の内容と当該法人の設立目的が合致していることもあり、カウンセリングの質の確保が図られておりますが、同等のカウンセリングができる他の事業者の参入が見込まれるものであれば、プロポーザル等により受注者の選定が可能であると考えております。
現在、同様の業務を発注している他の自治体に対して聞き取りなどの調査をしており、その結果を踏まえ、プロポーザル等による受注者決定の導入について検討いたします。
次に、二つ目の事例のうち、人材派遣契約についてお答えいたします。
プロポーザルの実施に当たっては、複数年度にわたりその契約を継続することを想定し、業者からの提案を受け、想定された年度の範囲で単年度の随意契約をしております。御指摘の次年度以降の契約額の増加は、教育制度の全国的な見直しの中、学校現場からの要望を受け契約内容を充実させたことにより生じたものでございます。
一つ目の事例と同様、当初の発注段階から学校現場の意見を反映し、全体で競争するほうが望ましいと考えていることから、可能な限り早期の要望等の把握に取り組んでまいります。
また、今回の事例には当てはまりませんが、事業者からプロポーザル提案時と比較して明らかに割高な金額提示があった場合は、プロポーザルで選定したことを随意契約の根拠にできないため、当初想定しておりました年度内であっても改めてプロポーザルを実施するなどの対応をいたします。
次に、三つ目の事例についてお答えいたします。
御指摘の契約の発注金額の増加は、芦原むつみ保育所の新設に伴い清掃範囲が増えたこと、保育所現場からの要望に基づき薬剤散布の回数を増やしたこと、労務単価が上昇したことなどによるものでございます。予定価格の決定に当たっては、面積や回数などに基づき算定しており、増加した金額について妥当性を確認しております。
また、これらは障害者や高齢者の就労を目的とした契約ですが、福祉的な観点から、障害者等がなるべく同じ環境で従事することにより円滑に業務が実施できるよう配慮しており、長年同じ業務を同じ事業者に発注しております。
次に、随意契約の透明性と契約の競争性・公平性に関する御質問にお答えいたします。
随意契約に限らず、契約実績については、原則として公開する情報として取り扱っております。引き続き情報の開示と随意契約理由の説明責任を果たすことができる体制づくりを進め、随意契約の透明性の確保が図られるよう取り組んでまいります。
随意契約の主なものとしましては、メーカー独自の技術や知識が必要となる設備機器の保守業務などがございますが、最近の事例では、感染症拡大防止に使用する物品を早急に確保する必要がある場合など、随意契約によらなければ行政目的を達成できない場合もあるため、それぞれの状況を踏まえ、適切に判断する必要がございます。
一方、競争入札の優れた点としまして、契約の競争性・公平性を確保できるという点が挙げられます。従前より競争入札による受注者決定を原則としているところですが、その過程においては、市内業者の育成、契約の透明性の確保など、様々な取組が必要となります。これに伴います事務負担について、事務の効率化による改善を図りつつ、さらなる契約業務の適正化を進めてまいります。
以上でございます。
◎産業文化局長(岩崎敏雄) 契約業務の適正化の御質問のうち、西宮観光協会に関する御質問にお答えします。
西宮観光協会では会計規程を設けておりますが、その中に契約に関する内容は含まれておりません。しかしながら、運用上、契約の競争性・公平性に配慮した運用を行っており、具体的には、高額な契約については、当初の契約でプロポーザルによる選定を行ったり、複数の事業者から見積りを徴集して決定するなどの取扱いを行っております。今後、西宮観光協会では、ほかの外郭団体の規定等を参考にしながら、契約に関する条項も含めた会計規程の整備に向けて検討を行っていくとしており、市といたしましても、整備に向けて助言してまいります。
以上でございます。
○議長(澁谷祐介) 当局の答弁は終わりました。
◆6番(たかのしん) 御答弁ありがとうございました。
基準額を超える随意契約について、それぞれの事例における課題と取組内容をお聞かせいただいた上で、契約業務全般について方針を御答弁いただきました。
今回、本件の調査を行う過程で、一定の制度やチェック体制というものがきちんと構築されていること、また、大半の契約は適正に執行されているということを確認、理解することができました。
一方で、自治体の不適正な契約業務が明らかになった事例は枚挙にいとまがありません。完璧な制度やチェック体制は存在せず、ブラッシュアップを続けていかなければなりませんが、だからこそ、常に大切なのは透明性の確保だと思っています。他市が行っているホームページでの情報公開についても触れましたが、多くの方の目に触れるという環境こそが不正の防止に最も効果的だと考えています。
私も、市議会議員であり続ける限り、今回のように契約業務の情報を開示いただき、内容を精査するという取組を継続してまいります。
観光協会については、規定の整備に向けて検討を行っていく、市としても助言していくという御答弁を頂きましたので、これ以上は追及いたしませんが、過去からも職員の兼業問題等について指摘をしてきた経緯があります。これだけ高額の発注を行う組織であるにもかかわらず、契約に関する規定がこれまで整備されていなかったことは、やはり組織体質の問題と言わざるを得ません。現状の是正に取り組んでいただくよう強く要望しておきます。
今回の指摘は、多額の補助金を受ける団体として、その使い道を決めるルールは当然厳格であるべきというものであり、決して観光協会を外郭団体に位置づけるべきという主張ではありません。むしろ私は、また、我が会派は、市が主体的に観光事業に取り組むこと自体に極めて否定的な立場です。本市においては、まちの魅力発信に多くの民間事業者や団体の方々が取り組んでおり、行政自ら税金を投入する必然性は高くありません。まちづくり評価アンケートでも、都市型観光の推進への期待度は全50施策中最下位であり、市民ニーズも低いのが現状です。2019年度決算で53億円という多額の財政基金取崩しを余儀なくされ、新型コロナの影響で財政状況のさらなる悪化が予想されている今、観光事業に多額の税金を投入すること自体を見直すべき時期に来ていると考えます。
本件については以上で終わります。
次に、大きな4点目、育成センターの整備・運用についてお伺いします。
育成センターは、就労等により、昼間、家庭に保護者がいない小学生が放課後や長期休業期間中に過ごす施設です。近年、共働き世帯の増加等により利用児童数が増加し、待機児童の発生が問題となっています。本日は、待機児童解消に向けた取組や4年生児童の受入れに伴う課題を取り上げます。
資料@を御覧ください。
市は、2017年3月に「留守家庭児童育成センターにおける施設整備のあり方について」を発表し、待機児童解消等の方針を示しましたが、本年5月時点で65人の待機児童が発生しています。当計画では、利用児童数の将来推計を基に施設整備のスケジュールが示されており、本年までに待機児童が解消されていない要因は、大きく分けて、将来推計が甘かった、予定どおりの整備ができなかったの二つと言えます。
まずは、将来推計の妥当性を検証します。
2020年度の利用希望数について、2017年の計画策定時の予測と本年度の実績を比較しました。予測と実績の乖離は約半数のセンターで10名以内であり、一定の精度は確保されています。一方で、乖離の大きい3センター ――香櫨園、甲陽園、甲東において多くの待機児童が発生していることからも、予測の精度が待機児童に直結することは明らかです。また、実績が予測を下回る事例とはいえ、高須西や深津で50名前後もの乖離が発生していることも気になります。このように、予測と実績が乖離した原因を市はどのように捉えているのでしょうか。その検証を踏まえて将来推計の精度を向上させることが極めて重要です。
現在の推計根拠は保育所に入所している人数であり、保育所に通う子供たちが、小学校への入学後、育成センターを利用するだろうという考え方に基づいています。その中で精度を向上させるには、例えば幼稚園の預かり保育のような保育所以外で過ごす就学前児童も対象に加えることが必要です。また、教育委員会が児童数の予測に用いている、駐車場、空き地、社宅など地区内の開発可能な土地を加味した上限推計の考え方も有効であると考えます。
次に、整備スケジュールの進捗状況を確認します。
計画で定員増の方針が示されたのは22か所ですが、現在までに整備が完了したセンターは9か所にとどまります。また、7か所では計画が具体化していない状況です。3か所では、定員を増加したにもかかわらず、待機児童が解消されていません。計画時の整備スケジュールと実際の進捗に差異が発生し、依然として待機児童解消のめどが立たない中、余裕教室の積極的な転用等も含めて今後の具体的な対応策を示すべきです。
続いて、4年生児童の受入れについてお伺いします。
従来、育成センターは1年生から3年生を対象としていましたが、2016年度から一部のセンターで4年生の受入れを開始しています。市は当時、平成30年度代半ばには全市的に実施する予定としていましたが、本年度の実施は41か所中17か所、来年度の受入れ開始予定も3か所と、全市実施には遠く及ばない状況です。1から3年生の受入れを優先することは理解しますが、空き枠があるにもかかわらず4年生受入れを行っていないセンターが存在することには疑問を感じます。例えば空き枠が78と非常に多い北夙川や、空き枠があり、待機児童の発生も予測されていない広田、北六甲台などでは、4年生受入れを開始すべきではないでしょうか。また、現在は3年生までの児童数推計をベースに整備の検討を行っておりますが、今後は、4年生までの児童数を推計し、整備計画に反映する必要があります。
最後に、利用通知時期の見直しについてお伺いします。
資料Aに利用申込み・選考の流れをまとめました。育成センターの申込みは、12月末締切りの当初申請と、2月上旬締切りの追加申請の2回に分けて行われます。その中で4年生は、あくまでも1から3年生の利用希望者で定員が埋まらず、空き枠があった場合に受け入れるという考え方が取られています。そのため、当初申請で申し込んでも利用可否の通知を受けられるのは、追加申請後の2月下旬です。利用不可の場合、4月以降の預け先を探す、就労条件を勤務先と相談するといった調整に追われますが、わずか1か月でこれらの調整を進めることは保護者にとって大きな負担です。
私は、そんな負担を解消するために、利用通知時期の前倒しに取り組むべきと考えます。そのためには、選考過程の短縮と追加申請締切りの前倒しが必要です。
選考過程で市と指定管理者は、申請内容の精査、指数の算出といった実務を行います。当初申請では、3,677人の選考を12営業日で完了させていますが、追加申請では、282人の選考に6営業日を要しております。もちろん、対象人数と必要日数が完全に比例するわけではないものの、追加申請の件数は平均で1センター当たり約6.9件にすぎません。締切りを待たずとも、申請か提出された段階で内容の確認や指数の算定に取りかかることは可能なはずです。正確性が求められる業務ではありますが、選考期間の短縮に取り組むべきと考えます。
また、全センター一律の通知発送にこだわる必要はなく、待機が発生するセンターや4年生の受入れセンターについて優先的に選考事務を進めることも検討すべきです。追加申請の締切りは、遅ければ遅いほど、急遽、保護者の就労が決まった場合などに対応することが可能です。一方で、締切りを早めれば、先ほど来申し上げております通知時期の前倒しを実現できます。
そのバランスを取ることが重要ですが、比較対象としては保育所の入所選考が一つの参考になると考えます。昨年、育成センターの追加申請締切りは2月7日でしたが、保育所の最終申込みは1月31日でございました。保育所選考において運用に大きな混乱が生まれていないことからも、育成センターの追加申請締切りも1週間程度の前倒しは可能であると考えます。
あわせて、待機となってしまった場合でも、不許可通知時に待機順位や今後空きが発生した場合の流れ、子供の居場所づくり事業やファミリー・サポート・センター事業の情報をお伝えするなど、保護者に寄り添った案内を行うべきです。また、申請の受付時に、希望に添えない可能性があることや、4年生は追加申請締切り後の選考となることをより明確に記載すれば、保護者の受け止め方も変わってくるのではないでしょうか。
以上を踏まえ、4点、質問します。
1、本年度の利用児童数について、一部のセンターで予測と実績の乖離が発生した原因は何でしょうか。また、原因の検証を踏まえ、予測の精度向上に取り組むべきと考えますが、市の見解をお聞かせください。
2、施設整備については、2017年3月に一定の対象校、スケジュールが示されていますが、現時点で待機児童を解消できるめどは立っていません。今後の具体的な取組内容をお聞かせください。
3、4年生受入れの全校実施に向けて実施校を早急に拡大するべきと考えますが、市の見解をお聞かせください。
4、新4年生の利用希望者について、利用許可・不許可通知の時期を早めるため選考事務を見直すとともに、保護者に寄り添った案内を行うべきと考えますが、市の見解をお聞かせください。
以上4点、よろしくお願いいたします。
○議長(澁谷祐介) 当局の答弁を求めます。
◎こども支援局長(時井一成) 育成センターの整備・運用についての御質問のうち、まず、利用児童数推計についての御質問にお答えいたします。
留守家庭児童育成センター ――以下「育成センター」と申します。センターの利用児童数推計につきましては、以前は、小学校の児童数推計に利用率を乗じて算出しておりましたが、実績との乖離が生じ始めたことから、現在は、保育所に入所している児童数を基に算出しております。推計と実績の乖離が発生している理由としましては、小学校入学を機に就労を始める世帯がある、小学校入学の時期に合わせて転入転出が多い、小学校入学後は習い事や民間の学童保育を利用しているなど、状況の変化に伴うことのほか、推計においては、幼稚園利用児童など保育所に入所している児童以外をカウントできていないことが挙げられます。これらの理由のうち不確定な要素を推計に盛り込むことは難しいと考えますが、幼稚園の利用児童数を反映させることは可能と考えており、推計の精度向上に向けて取り組んでまいります。
次に、今後の具体的な取組内容についてお答えします。
育成センターの施設整備計画は、毎年度更新している育成センター利用児童数推計に基づいて見直しをしています。今後の具体的な整備計画として、令和3年度は深津及び高須西育成センター、令和4年度は春風、小松及び平木育成センター、令和5年度は安井育成センターの運営開始に向けて取り組んでいるところです。その他の育成センターにつきましても、待機児童数や施設の老朽化の状況などを総合的に勘案し、優先順位をつけて予算を確保しながら調整していきたいと考えています。
なお、育成センターの施設整備以外の待機児童対策としまして、今年度から、民設の放課後児童クラブ1か所に補助金を支給し、運営しています。来年4月には新たに3か所を開設し、合計4か所で運営できるよう準備を進めているところでございます。
次に、4年生受入れについての御質問にお答えします。
本市では、西宮市放課後児童健全育成事業の設備及び運営に関する基準を定める条例で、専用区画の面積は利用者1人につきおおむね1.65平方メートル以上、また、一つの支援の単位を構成する利用者の数はおおむね40人以下と定めています。しかしながら、全ての育成センターにこの基準を適用すると多数の待機児童が発生することから、条例の付則で、この条例の施行の際現に存する放課後児童健全育成事業所については、これらの規定を当分の間適用しないと定めています。したがって、条例が施行された平成27年度以降に施設整備計画を進め、完成した育成センター以外は、旧来の基準で受入れをしている状況でございます。
本市では、原則として、4年生を受け入れてもこの条例の基準を当面満たすことができる育成センターから4年生受入れを実施しています。近年の利用児童数の増加を考えますと、実質的には新しく施設整備をした育成センターから4年生を受け入れているのが現状です。引き続き、施設整備と並行して、民設放課後児童クラブ、放課後キッズルーム事業など、放課後の過ごし方の選択肢を増やすことにより、育成センターの利用児童数増加を緩和したいと考えています。
また、今後も、利用児童数推計を注視した上で、4年生受入れの考え方を整理し、全育成センターで4年生受入れが円滑かつ早期に実施できるよう取り組んでまいります。
最後に、利用申請における選考事務の見直しについてお答えします。
育成センターの利用許可に関することは指定管理者の業務となっておりますが、選考事務の期間については、指定管理者と協議し、可能な範囲で短縮できるよう検討いたします。
また、利用申請をした保護者がその後のスケジュールの見通しをつけやすくするため、申請書の表記をより分かりやすくするなど、工夫したいと考えております。
なお、待機になった場合の保護者への通知は指定管理者が丁寧に行っておりますが、民設放課後児童クラブや放課後キッズルーム事業の情報提供も含めて、よりきめ細かに行ってまいります。
以上でございます。
○議長(澁谷祐介) 当局の答弁は終わりました。
◆6番(たかのしん) 御丁寧な御答弁ありがとうございました。
利用児童数推計の精度向上や民設民営方式の拡充を含めた施設整備、選考過程の短縮や情報提供の在り方については、前向きな姿勢をお示しいただきました。ぜひ御答弁のとおり進めていただきますよう、よろしくお願い申し上げます。
4年生受入れの全校実施に関して、施設整備と並行して、民設放課後児童クラブ、放課後キッズルーム事業など、放課後の過ごし方の選択肢を増やすとの御答弁がありました。そこで、放課後キッズルーム事業について再質問いたします。
当該事業については、2019年度に高木北小学校、平木小学校で開始され、今年度には南甲子園、甲陽園、神原の3校が加わり、現在は5校で実施されています。本年3月10日の教育こども常任委員会所管事務報告において、毎年4校から5校程度導入したい、できるだけ全校実施を目指すという考えが示されていますが、その後の検討状況はいかがでしょうか。全校実施に向けた今後の見通しをお聞かせください。
○議長(澁谷祐介) 当局の答弁を求めます。
◎教育次長(坂田和隆) 放課後キッズルーム事業の今後の見通しについてお答えをいたします。
放課後キッズルーム事業――以下「放課後キッズ」と言います。この放課後キッズは、子供の居場所づくり事業の新方式として実施しており、緩やかなルールの中で子供の自主性を重んじながら見守りを行う有意義な取組であると考えております。また、留守家庭児童育成センター ――以下「育成センター」と言います。育成センターの待機児童対策にもつながるよう、運用を従来の方式からより育成センターに近づけたものといたしました。この新方式で令和元年度に先行的に実施した平木小学校と高木北小学校では、新たな子供の遊びや学びを支える場として評価を頂くとともに、現時点で両校ともに育成センターの待機児童が発生しておらず、一定の効果があったと考えております。
一方、その効果は、育成センターの増設を抑制するまでには至っておらず、このままでは当初見込んでいたほどの財政効果が得られない可能性があるため、事業の実施方法など、さらなる検証の必要性を感じております。また、放課後キッズと育成センターとのより緊密な連携の在り方や、平成27年度から実施してきた市職員であるコーディネーターが学校に常駐して子供を見守る従来の子供の居場所づくり事業の取扱いなど、放課後キッズの導入を進めたことで市として整理すべき種々の課題が見えてきました。そこで、教育委員会としては、新方式である放課後キッズについて、このまま毎年、実施校を拡大させていくのではなく、一旦令和3年度における拡大を控え、集中的に整理検討を行い、放課後キッズを含む放課後施策全体の今後の在り方について改めてしっかりと構築し直した上で、令和4年度に新たなスタートを切ることが望ましいと考えているところであります。
以上でございます。
○議長(澁谷祐介) 当局の答弁は終わりました。
◆6番(たかのしん) るるお答えいただきましたが、結論としましては、令和3年度における拡大を控えて、施策全体を構築し直すという御答弁だったかと思います。つい半年前に全校実施の意向を掲げていたということを思えば、これは大きな方針転換です。
その理由については、今の御答弁の中で、検証の必要性、整理すべき課題ということで、あたかも財源の問題ではないかのような御答弁でしたが、この表現には強い違和感を覚えます。そもそも、たった1年のパイロット実施で効果を検証できるものではありませんし、実際にこのペーパーですね、教育こども常任委員会所管事務報告に対する追加報告、こちらのペーパーでこう書かれているんですよね。読みます。「全校実施すると年間約5億円程度が必要となります」、「そのため、令和元年度の実施計画では毎年4〜5校ずつ拡充する予定でありましたが、新型コロナウイルスの影響で財政状況の見通しが立たない中、一旦立ち止まり」と書いてあります。明らかに財政上の問題と当局御自身がおっしゃっているわけです。今回の御答弁、ちょっと論点をずらされてしまったかなというふうに受け止めております。
といいますのが、財源の問題なのであれば、これは、今、御答弁を教育委員会から頂戴しましたけども、どの事業にどれだけお金を使うのかという問題であり、そうなってきますと、それはむしろ市全体の政策マネジメントの問題だと思っています。だからこそ、こういう事業にこそお金を使わなくてどうするんですか、私はそういうふうに思っています。私は、当該事業の全校実施について強力に推し進めていただきたいと思っています。
先日、南甲子園小学校の放課後キッズを見学させていただきましたが、子供たちが主体的に活動する場、育ちの機会をコーディネーターやスタッフの方々が自然と見守る、非常にすばらしい取組だと感じました。育成センターの待機児童解消もさることながら、子供たちの放課後の居場所を確保するという点からも、非常に有意義な事業です。文教住宅都市を掲げ、子育てするなら西宮をうたう本市ならば、大幅な予算投入も含めて子育て・教育分野の政策推進に励んでいただきたい、その点、強く要望しておきます。
そもそも国は、放課後児童クラブ運営指針において6年生までの受入れを求めており、現在進めている育成センターの4年生受入れを全校で実現したとしてもまだまだ遠く及びません。その中で、放課後キッズを実施しないという選択肢はあり得ないと思っていますし、育成センターにおいても、空き枠のあるセンターでは、4年生だけでなく、5年生、6年生の受入れを順次開始するべきです。
また、今回の質問で用いた定員数は、あくまで最大定員であり、国が求める専用区画面積1人当たり約1.65平米以上を満たさない水準です。コロナ対策として3密回避の必要性が高まっていることも踏まえれば、1人当たりのスペース確保は急務であり、より多くの施設整備や選択肢の確保が求められます。待機児童がどうしても発生してしまう中では、本当に保育を必要とする方が入所できるよう、保護者の就労状況を厳密に確認するといった観点も欠かせません。
以上を指摘して、本件の質問を終えます。
次に、最後のテーマです。安全な道路環境の実現についてお伺いします。
本件については、三つの観点から質問を行います。
1点目は、地域居住者以外からの対策要望についてです。
まずは、実例を二つお示しいたします。
資料@の1枚目を御覧ください。
樋ノ口町付近、武庫川パークロードと呼ばれる県道114号線の側道部分です。県道を北から走行してきた車が、その先の信号が赤になったことに気づき、そのまま直進すれば信号で待たなければならないため、@の箇所で右前方の側道へ進む、早いスピードで側道を下ってAを通過し、Bへ上って、側道側の信号が青のうちに県道に戻る、こうした信号回避のような走行をする車両が存在しています。本年8月、私は、複数の曜日、時間帯において現地調査を行い、該当車両を実際に確認しています。道路構造上、Aは住宅街との出入りで速度を落とすことが想定される箇所で、ここを猛スピードで走行することは極めて危険な行為です。
続いて、資料@の2枚目を御覧ください。
場所は苦楽園二番町、苦楽園小学校と西宮北高校に挟まれた長い坂道を下った箇所です。大通りではありませんが、車通勤や送り迎えによる朝夕の交通量の多さが特徴です。去る8月6日の午前7時から9時に現地で通行量調査を行ったところ、下りのみで102台の車両通行が確認されました。県道82号線が渋滞しがちであるため、市街地に出るための抜け道的な利用も多い印象があります。坂の上から車で通行すると、資料中の地図に示したAの付近で歩道がなくなり、道幅が狭くなり、Bの急カーブに入ります。スピードを保ったまま当該箇所を通行する車両も多く、対向車や歩行者にとって非常に危険な状態が生まれています。特に雨天、凍結時は、ブレーキが利かない、スリップする等のリスクが高く、通学路でもあることから、対策は急務です。
この2点に共通する課題は、お困りの方が必ずしも地域住民とは限らないという点です。一つ目の事例では、Aを一旦停止もしくは直進不可とする、二つ目の事例では、通学時間帯の通行禁止等の対策が考えられますが、こうした規制は公安委員会の管轄であるため、窓口は県警となります。市民からの要望について、県警は地域の総意が必要というスタンスであり、私も、自身で県警に相談した際にはそうした回答を受けたことがあります。交通規制は地域住民に大きな影響を与えるため、地元の合意形成は当然必要であり、県警のスタンス自体を否定することはできません。自治会長名義などでの要望書等がない限り、県警に具体的な対応を求めるのは難しいのが現状です。
地域の方のみが利用する生活道路や、その地域にお住まいの方がお困りの場合なら、自治会などの中で声を上げていくことができます。しかし、一つ目の事例で危険にさらされるのは、県道を利用する車であり、地域住民でない場合がほとんどです。二つ目の事例も、山手の住宅街でルートが限られているため、ほかのエリアにお住まいの方も多く利用します。そこで危険を感じ、何とか解決してほしいと思ったとしても、その地域にお住まいの方でなければどのように声を上げればいいのでしょうか。どんな人からのどんな要望でも無条件に聞き入れろと言いたいわけではありません。しかし、通過交通や地域外の方についても、市には生命、安全を守る責任があると考えます。
市は、こうした方々からの相談を受けても、県警と同じように地域の総意が必要と回答しているのが現状のようです。しかし、お困りの方は、その手段がないからこそ市に相談しているわけです。せめて市から地元自治会へ打診する、同様の声が上がっていないのか確認するといった相談者に寄り添う対応が必要ではないでしょうか。例えば地元の自治会では、この場所に柵の取付けを検討していますが、地元としてはどうでしょうかといった相談を道路補修課さんから受けることがあります。部署は違っても、同じように市から地元へ主体的なアプローチを行うことは可能なはずです。交通規制を取り扱う県が厳格な姿勢を示すのは当然ですが、市に求められるのは、県と同じ対応ではなく、市民の困り事と県の考え方を調整し、主体的に状況の改善に取り組むことです。
続いて、自転車利用環境改善計画についてお伺いします。
自転車は、環境にも優しく、幅広く利用されている交通手段ですが、重大事故の危険性や放置自転車の存在が長年問題視されています。国においてガイドライン等が示される中、このたび、市が自転車利用環境改善計画を策定したことは前向きに評価しています。
資料Aを御覧ください。
計画の中でも、通行空間の整備において、自転車ネットワークを形成し、主要な路線で自転車道の新設等を進めることに異論はありません。
一方で、生活道路については、より踏み込んだ対策が必要だと考えます。計画では、生活道路について、必要と考えられる場所では、路面標示や注意喚起看板等を設置としていますが、その設置場所については、過去3年以内に人身事故が発生した場所に限定するかのような記載がなされています。市民の生命、安全を守るには、事故が発生してからの設置では遅過ぎます。
危険な箇所を最もよく把握しているのは、その地域にお住まいの皆さんです。市は、事故があったら、要望があったらという受け身の姿勢ではなく、自治会、青愛協等にヒアリングを行うなど、本当に対策が必要な場所を積極的に洗い出すべきです。
また、看板、路面標示についても、計画で示されたデザインは、事故注意、事故多しの二つにとどまりますが、他市では、止まれや自転車の走行位置・方向を示す矢羽根等の標示も用いられています。注意喚起は、それぞれの箇所の実情に応じた内容で行うことが重要です。生活道路は、子供たちやお年寄りの方も多い空間であり、こうした場所にこそきめ細やかな対応が必要であると考えます。
最後に、通学路の安全対策についてお伺いします。
日本不審者情報センターの調べによると、2019年度、西宮市内で239件の不審者事案が報告されています。市と関係機関で構成する西宮市通学路安全推進会議では、西宮市通学路交通安全プログラムを策定し、合同点検等の実施に取り組まれておりますが、不審者事案については、道路環境の整備・改良だけで対応できるものではありません。
資料Bを御覧ください。地元では、里道と呼ばれる苦楽園小学校の通学路で、角石町から苦楽園二番町を結ぶ約450メートルの階段道です。山林の中の一本道で、両側にはフェンスが設置されています。大人の足でも端から端まで歩くには5分以上かかり、見通しもよくないため、私が苦楽園小学校に通っていた頃から不審者の情報をよく耳にしていました。近年、防犯カメラの設置や警備員の配置等、一定の対策は取られてきましたが、子供たちが防犯ブザーを鳴らしても、聞こえる範囲に住宅はありません。防犯カメラや注意喚起看板は、抑止力にはなっても、実際に起きてしまった犯罪をやめさせることはできないのです。
通称里道については、さらに踏み込んだ対策が必要と考えます。例えば通報ボタンや防犯カメラを備え付けたスーパー防犯灯では、緊急時にはインターホンで警察と直接通話できる上、赤色回転灯とサイレンで周囲に緊急事態の発生を伝えることができます。また、近年では、IoT等に関する技術の発展が目覚ましく、児童が持ち歩く端末から位置情報を測定し、緊急時に警察や地域の協力者が駆けつけるといったサービスも展開されています。いずれも誤報のリスクや導入コスト等の課題はあるものの、里道のような特に危険な箇所では積極的に導入の検討を進めるべきと考えます。
市内では、各所で多くの保護者や地域の方々が見守り活動に取り組んでくださっていますが、共働き世帯の増加や地域活動を担う方々の高齢化等もあり、少しずつ活動の継続が困難になっているという状況もお聞きしています。既に各校で活用されているミマモルメとの連動なども含めて、通学路の安全対策については新たな手法を取り入れるべき時期に来ているのではないでしょうか。
以上を踏まえ、3点、質問します。
1、交通安全対策について、当該地域に居住する方以外からの要望であっても、市は積極的かつ具体的な対応を行うべきと考えますが、市の見解をお聞かせください。
2、自転車利用環境改善計画の実施に当たっては、地域住民の声を積極的にお聞きし、過去に事故が発生した箇所や事例で示された注意喚起に限定せず、各地域で本当に必要とされる対策を行うべきと考えますが、市の見解をお聞かせください。
3、苦楽園小学校の通学路である通称里道について、さらなる安全対策の実施が必要と考えますが、教育委員会の見解をお聞かせください。
これで質問項目は以上になりますが、答弁ないし意見、要望の中で発言の残り時間を超過するようであれば、会派の同僚議員の時間をお借りすることといたします。
以上、御答弁をよろしくお願いいたします。
○議長(澁谷祐介) 当局の答弁を求めます。
◎土木局長(植松浩嗣) 安全な道路環境の実現についての御質問のうち、地域居住者以外からの対策要望についてお答えいたします。
交通安全対策に関して、市民の皆様から寄せられる要望への対応といたしましては、道路管理者だけで対応可能なものと、交通規制の変更など公安委員会としての対応が必要な場合がございます。交通規制の変更を行う場合、一方通行など地域住民への影響が大きいものについては、通常は地元自治会等からの要望書を添えて市から所轄警察署を通じて公安委員会に要望することとしておりますが、地域の交通利便性に大きな影響を与えない一旦停止などにつきましては、必ずしも地元要望がなくても所轄警察署と協議を行っております。
議員御指摘の地域以外の道路の利用者からの要望のうち、交通規制の変更を伴わないものについては、今後も市が現地の道路及び交通状況等を確認した上で、有効な安全対策を講じることが可能な場合には、所轄の警察署と連携して実施してまいります。
また、交通規制の変更を伴う地域住民への影響が大きい交通安全対策につきましては、地元自治会等に理解を求めるなどの働きかけを行いながら、所轄警察署に要望してまいります。
次に、自転車利用環境改善計画についてお答えいたします。
市では、本年7月に、安全・安心で快適な自転車利用環境の実現に向け、自転車道の整備などのハード対策や、自転車運転マナー向上などのソフト対策について、今後の取組方針を取りまとめた自転車利用環境改善計画を策定いたしました。この計画では、生活道路の安全対策として、事故の多い交差点などで、新たなデザインの注意喚起サインの設置や、自転車ストップマークの路面標示などの交通安全対策を行うこととしております。
今後これらの対策を実施するに当たっては、教育委員会、国、県、市の道路管理者、所轄警察署が小学校区ごとに実施している通学路合同点検などの機会を捉えて、地域の皆様に日頃危険と感じている場所や注意喚起サインを設置する際の標示内容などについて広く御意見をお聞きしながら、地域の実情に即した交通安全対策を進めてまいります。
以上でございます。
◎教育次長(佐々木理) 次に、通学路の安全対策についての御質問にお答えします。
昭和49年、大社中学校のマンモス校化を解消するために苦楽園中学校が開校されました。当時は、県道82号線の歩道を利用し通学していましたが、交通量が多いことなど安全の確保が必要なことから、昭和51年に角石町内の国有林や民有地等を利用し、苦楽園中学校への専用通路を設置しました。その後、この通路を苦楽園小学校が御指摘の通学路――以下「当該通学路」と言います――に指定して、現在に至っております。
不審者対応のための防犯対策としましては、当該通学路に照明灯を設置し、下校時間や育成センターの閉所時間には警備員を配置しました。また、平成29年度には防犯カメラを当該通学路の北側に、令和元年度には南側に、それぞれ1台ずつ設置しました。このほか、従来からの対策として、学校から児童生徒に1人で下校することを避けるよう指導するなど、継続した対策を実施していますが、教育委員会といたしましても、安全面の確保にはまだ課題があると認識しています。
IoTを含めた取組は、子供たちの危機をいち早く把握できる仕組みとして、保護者の安心感につながるとともに、子供の安全確保に有効な対策の一つであり、犯罪の抑止力としての効果を発揮することも考えられます。しかしながら、議員御指摘の誤報のリスクや導入コストなどの課題のほか、人通りが比較的多い地域や本市と比べ面積的に小規模で起伏の少ない地域では一定の効果が期待できるものの、当該通学路における有効性については十分な検証が必要と考えています。
児童にとってより安全で安心な通学路の確保は、重要な課題と認識しています。これまでの取組以外にも、IoTを活用した子供の見守りなど、地域の実情にもよりますが、様々な手法の研究検討は必要であると考えています。苦楽園の当該通学路につきましても、今後も学校や地域と協議を重ね、安全性の向上に努めてまいります。
以上でございます。
○議長(澁谷祐介) 当局の答弁は終わりました。
◆6番(たかのしん) 御答弁ありがとうございました。
住民からの対策要望については、地域居住者以外の方であっても市として取り組む姿勢をお示しいただきました。ぜひ、今回取り上げた樋ノ口町、苦楽園二番町の案件についても、積極的に課題の解消に努めていただくよう要望します。
自転車の安全対策については、地域の意見を聞きながら地域の実情に即した対策を進めていただけるとのことでした。生活道路における対策はとりわけ重要と思っておりますので、御答弁のとおり進めてください。
里道の安全対策については、学校、地域との協議を重ね、安全性の向上に努めていただけるとのことでした。質問中で取り上げたような新たな技術については、もちろん課題の検証が必要ですし、導入すること自体が目的ではありませんが、近年は様々な機器やサービスが日々展開されています。そうした情報収集には意識的に取り組んでいただき、有効性の確認できる取組については、里道以外の危険箇所も含めて、ぜひ前向きな検討をお願いしたいと思っております。
道路環境に関する課題は、費用や優先順位、地元の合意等、様々な要素から、すぐに対応できるものばかりではないことは理解しています。一方で、地域の方々にとっては非常に身近で、私たち議員の元にも様々な御相談が寄せられます。そうした中から、本日は三つの観点で質疑を行いましたが、今後も安全な道路環境の実現については、状況を注視するとともに、必要な提言を続けてまいります。
少し長くなりましたが、以上で、私、たかのしんの一般質問を終わります。
御清聴ありがとうございました。(拍手)
○議長(澁谷祐介) たかのしん議員の一般質問は終わりました。
次に、宮本かずなり議員の発言を許します。
〔宮本かずなり議員登壇〕
◆10番(宮本かずなり) 皆さん、こんにちは。
市民クラブ改革の宮本かずなりでございます。
傍聴席の皆様、ありがとうございます。
さくらFMをお聞きの皆様、
インターネット中継で御覧の皆様、ありがとうございます。
それでは、市民クラブ改革の一員として通告に従い一般質問を行います。
大項目の一つ目、防災対策についてであります。
昔の梅雨のイメージとは違い、最近では、局地的に短時間で強い雨が降る集中豪雨が観測史上初の記録を更新することは珍しいことではなく、梅雨の時期が怖いという認識になりつつあります。気象庁のホームページによれば、1976年から85年と2010年から2019年の10年間をそれぞれ比べると、1時間降水量50ミリ以上の大雨発生回数は約1.4倍に増加したと報告があります。一昨年の西日本豪雨で大規模な浸水被害があった岡山県倉敷市真備地区をはじめ、本年7月には熊本県人吉市の球磨川が氾濫し、高齢者介護施設等が浸水して多くの死傷者が出ました。いずれも線状降水帯と呼ばれる局地的集中豪雨の停滞によるもので、球磨川流域で決壊や氾濫が確認された計12か所は、重要水防箇所と指定されている場所でありました。本市には、武庫川をはじめ市内に県が管理する2級河川が17本あり、これらに接続する支流も多くあります。西宮市水防計画には、水害リスクが高いとされる重要水防箇所は、北部に8か所、南部に4か所記載されております。
そこで、重要水防箇所と避難周知について、3点、お尋ねいたします。
大雨や台風の際に、雨量や河川水位の情報を基に巡視や点検を行い、危険なところがあれば応急処理等で被害を軽減させる水防活動において、本市では重要水防箇所をどのように監視されておられるのか、お尋ねをいたします。
次に、市内の河川の氾濫に備えて、地域住民にはどのように周知啓発をされているのか、お尋ねをいたします。
また、近年、大規模な水災害が頻発していることで、国交省は、宅地建物取引業法の一部を改正し、土地や住宅の売買、賃貸契約時の重要事項説明に、市町村が提供する水害ハザードマップで対象物件の水害リスクについて説明することを義務化いたしました。この法改正による市の対応についてお聞かせください。
続いて、被災時の通信についてお尋ねをいたします。
西宮市水防計画の第8章に、兵庫県災害対応総合情報ネットワークシステム――フェニックス防災システム、インターネット、電話等で河川堤防を監視し、水位情報を収集するとあります。本年7月の熊本県人吉市、球磨川氾濫による浸水被害では、テレビ、電話、光回線、インターネットがダウンし、市役所の災害対策本部をはじめ、警察、消防への救助要請や県との連絡も不通となり、国交省のライブカメラさえも映らない状況であったと、我が党所属で自身も被災された矢上衆議院議員が7月28日の衆議院災害対策特別委員会において経験則から問題を取り上げました。通信が遮断され、大変に困ったのが、孤立地域の情報収集、身内の安否情報、避難後の所在確認で、最も有効活用できた情報ツールは、ツイッターやフェイスブック等のスマホのデータ通信であり、遮断された孤立情報や救助要請をスマホでリレーしながら、国、県、関係の行政機関へと伝え、結果、多くの方々の救出につながったと委員会で報告されております。また、同時に、地方自治体においても、ツイッターやフェイスブックを活用した連絡体制の整備の必要性も指摘しております。
お尋ねいたします。
本市が被災し、人吉市のように情報通信環境が遮断され、連絡が不通になった際の市と警察や消防、県などの関係機関との連絡手段についてお伺いをいたします。
市民との連絡手段について、ツイッター等SNSを活用することは大変有効であると考えますが、市民との双方向の連絡体制として今後活用する予定はあるのか、お伺いいたします。
神戸市では、NTTドコモと連携し、河川モニタリングシステムよりも低コストかつ設置が容易なワイヤレスカメラで、従来カバーし切れなかった中小の河川や水路の様子を職員がスマホで遠隔監視できる実験を始めております。このような行政が保有するリアルな画像情報を市民も共有できれば、市民の早期避難行動にもつながると考えますが、これについて市の御所見をお伺いいたします。
次に、津波避難ビルについてお伺いいたします。
津波や水害時に、足の悪い高齢者や障害等様々な理由で指定避難場所まで避難できない住民がいます。市内には、垂直避難施設として246施設、403棟の建物が指定されております。避難場所の選択肢は多いほど、また、充実しているほど、逃げ遅れた際に助かる確率が高くなるため、市民にとってはとても安心できる建物でもあります。
私が昨年、地域の防災訓練に参加した際に、市民の方から、津波避難ビルはオートロックがかかっていて、実際に避難は難しいと言われました。市のホームページによれば、夜間、休日に無人であれば、市の管理施設の入り口は壊して避難しても構わない、民間の場合は、施設の指示事項に従ってくださいと記載があります。
以下3点、お尋ねいたします。
実際、市の管理施設の入り口は女性や高齢者でも壊せますか。
夜間や休日に緊急避難が生じた際に、民間施設のオートロック等の解錠など、どのような対応をすることになっていますか。また、利用方法については地域住民にどのように周知していますか。
津波避難ビルとして協力いただいた場合、ビルの所有者に対して税の優遇措置など何らかのインセンティブはありますか。
次に、大項目二つ目、新しい生活様式についてであります。
国内では依然、新型コロナウイルス感染を押さえ込むことは難しく、有効な治療法やワクチンが開発されるまでは新型コロナウイルスと共存と言われております。その中で政府は、
新型コロナウイルス感染症対策専門家会議の提言を踏まえ、今後の感染拡大を防止するため、日常生活の中で取り入れる新しい生活様式の実践例を公表いたしました。これに伴い、兵庫県では、新しい生活様式の兵庫県版としてひょうごスタイルを発表し、身体的距離の確保、マスクの着用など、3密を避け、飛沫・接触感染を防ぐための対策を生活習慣に取り入れており、本市も同様に、西宮版としてホームページに周知しております。
そこで情報保障についてお尋ねいたします。
先日、市内にお住まいの視覚障害1級の男性から、市政相談の件でお話しする機会がございました。その際、世間話の中で私から新しい生活様式についてお聞きしたところ、その方は、新しい生活様式の詳しい内容は知らないとのことでした。ガイドヘルパーさんから、コンビニやスーパーなど人の集まるところではみんながマスクをしていることは教えてもらったが、周囲の景色は見えていないのでよく分からないとおっしゃっていました。
本市には、視覚に障害をお持ちの方が約900人おられます。市によれば、新しい生活様式は、市政ニュースで広報しているほか、視覚障害のある市民には点字市政ニュースや声の市政ニュースでもお伝えしているとのことでありました。声の市政ニュースとは、点字が読めない場合に、カセットテープまたはCDに録音し、市政ニュースの発行に合わせ送付されるのですが、登録をしていなければ利用はできません。登録者数を担当者に確認したところ、視覚障害者900人中54人とのことで、全体の6%の利用になっています。残りの94%の方々は登録しておられないようです。私がお話しさせていただいた方も、スマホの音声を聞き分け、使いこなされていました。
今後は、新しい生活様式等の市政情報が入手しづらい方々のために、声の市政ニュースだけではなく、ホームページ上でもスマホで簡単にアクセスできる音声による説明も必要ではないかと考えます。
また、聴覚に障害のある聾者に対しても、手話動画による説明があれば、情報取得が難しい市民にとって安心できるのではないかとも考えます。
そこで、3点、お尋ねいたします。
カセットテープやCDによる声の市政情報の提供について、当事者のほとんどが未登録の現状の中で、視覚及び聴覚に障害がある市民に対して新しい生活様式等の市政情報をどのように周知していますか。スマホで簡単に確認できる音声や手話で情報提供はできないか、お尋ねいたします。
また、市のホームページに音声読み上げ機能があることは前回の一般質問でも取り上げ、承知しておりますが、この機能を使うためには、事前にパソコン上で準備作業をしておく必要があり、誰もが簡単に使えるものではないと思います。この点は今後解消される見込みはないのでしょうか、お尋ねをいたします。
コロナ禍での手話通訳などの情報保障について、聴覚障害者の感染が疑われる場合、医療機関の受診の際などに感染防止を図りながらコミュニケーション手段の提供はされるのか、お尋ねをいたします。
次に、マスクについてお伺いいたします。
新しい生活様式にマスクの着用が推奨されておりますが、聞こえない、聞こえにくい人が医療機関等で診察を受ける際には、手話通訳や筆談等を介して医師や看護師とコミュニケーションを行うことがあります。聞こえない、聞こえにくい人にとっては、相手の表情、口元の動き、口形はコミュニケーションの一部であり、表情や口形は、手話言語の文法要素として大切なものであります。そのため、マスクは、表情や口形が見えないため、意思疎通の障壁となっています。
公益社団法人日本医師会は、一般財団法人全日本ろうあ連盟から、聞こえない、聞こえにくい人への医療機関での診療などの際の配慮についての要望を受けて、本年6月10日に、47都道府県医師会宛てにその要望の内容を伝えるとともに、会員の医療機関に周知を図り、協力を求めております。その内容とは、タブレット端末などを用いた遠隔手話サービスや電話リレーサービスについての理解、医師や看護師などの表情や口元、口形が見える工夫、マスク着用の際はコミュニケーションの補助手段への配慮、筆談の際は短く分かりやすい文章で伝える、そのような内容であります。
本市も、手話通訳者の派遣は病院での通訳が最も多いと担当者から聞いております。西宮市内で活動する聴覚障害者団体は、白マスクが意思疎通等の妨げになっていることに配慮して、他市の事例を参考に作成した手作りの透明マスクを市が派遣する手話通訳者に装着をお願いしたところ、市は、手作りマスクは安全性が確保できないという理由から、市販の白マスクでの対応が望ましいとして、使用を認めませんでした。このため、意思疎通やコミュニケーションに不安や支障が生じやすい病院受診等において、聾者や難聴者側から、手作りの透明マスクを通訳者にお願いすることは難しくなり、今は仕方がないからと意思疎通の不便を諦めている状況にあります。
ウイルスの安全性については、確かなエビデンスを双方ともに示せるものがないため、市販のマスクも手作りのマスクも大同小異であります。その中でも厚生労働省のホームページにある、平成20年9月の新型インフルエンザ専門家会議で使われた新型インフルエンザ流行時の日常生活におけるマスク使用の考え方の資料によれば、症状のある人のせきやくしゃみによる飛沫を防ぐために不織布マスクを積極的に推奨するのであり、感染していない人が不織布マスクを着用することで飛沫を完全に吸い込まないようにすることはできないと報告されています。要するに、せきやくしゃみの症状がある人が飛沫を飛ばさないためにマスクをすることに一定の効果はあるが、マスクを着用することで感染を防ぐことは難しいということであります。市販の白マスクの安全性に関して絶対でなければ、現場によっては双方の当事者間で柔軟な対応があってもよいのではないかとも考えます。
また、市が認めていない手作りマスクも、全国各地で手作りマスクを自治体等に寄贈する報道もあり、自治体からは、御協力に感謝し、有効活用するといった温かなやり取りも多く見られます。
それらのことを踏まえてお尋ねいたします。
手話通訳者が通訳の際に手作りの透明マスクを使用することなどに対して、市は、一律制限をするのではなく、柔軟な対応を取ることはできないか、お尋ねいたします。
最後に、タブレット端末の活用についてであります。
政府が目指すGIGAスクール構想は、児童1人に1台の端末と高速大容量の通信ネットワークを一体的に整備することで、特別な支援を必要とする子供を含め、多様な子供たちを誰一人取り残すことなく、子供たち一人一人に個別最適化され、創造性を育むICT環境を実現し、児童生徒の力を最大限に引き出すことを目指しております。昨今では小学生にプログラミングを教える教室なども増えており、今後ますますデジタルな時代に必要なスキルが子供たちに求められてくることを感じております。したがって、GIGAスクール構想によりタブレット端末が配備され、児童生徒に有効な活用が図られることは、子供のときからICT機器のスキルを身につけることになり、将来さらに加速していく情報通信社会に子供たちが対応していく力を育てることにもなります。
新型コロナウイルス感染症が問題になる以前から先進的にタブレット端末の活用を模索している自治体によれば、紙媒体の教科書が苦手であった子供たちも、タブレット端末を用いることで今までできなかったことや苦手だったことが改善された報告なども見られます。
例えば弱視の児童などは、眼鏡をかけても線や図形が読みにくいことがあるため、タブレット端末の拡大機能を活用し、見やすい文字の大きさやコントラストに変えることによって、図や文字を確認しながら学習することが可能になり、児童の学習意欲の向上にもつながったと報告されています。
また、教科書に描かれているイラストの定規の目盛りはとても細かく、視力の悪い児童等が目を凝らして見ても目盛りを読み間違うことがあり、頭を使う努力ではなく、改善できない身体的な努力を強いられ、ストレスとなって算数が苦手意識となれば学習にも影響が出てまいります。こうした弱視等の児童が抱える問題にICT機器を活用し、学習の困難を補うことで苦手意識が改善されれば、とても有効な活用になります。
今回の新型コロナウイルスの影響で学校が休校になり、自粛生活を送る中で、子供の読書教育も、ICT機器を活用し、アクセスできるデジタル読書があれば、読書がより身近になると感じた次第でもあります。子供たちが生きていくために必要な考える力、感じる力、想像する力は、読書によって享受されると言われ、ネット情報に受け身の姿勢となりやすい情報通信社会においては、自分の頭で考える力を養う読書の習慣を幼い頃から身につけることがとても大切になってまいります。
本市は、子供が自主的・自発的に読書活動を行うことができる環境整備を積極的に進めるため、子供の読書活動の推進に取り組んでいます。西宮市子供読書活動推進計画の基本方針には、読書は、子供が深く思考を巡らせ、他者とのコミュニケーションを支える言語能力を育み、情緒的な成長を促す効果が期待できるとされています。具体的施策の「学校園・保育所等における取り組み」に、障害の状態に応じた合理的配慮が行えるよう、設備や読書環境を整えるとともに、障害のある子供に配慮された図書の充実を図ること、また、西宮養護学校の特別支援教育のセンター的機能を充実させ、点字資料やLLブックなど様々な障害に応じた資料を収集し、活用方法を発信するとしております。
そこで、タブレット端末の活用について、2点、お尋ねいたします。
GIGAスクール構想で児童生徒に1人1台タブレット端末が用意されますが、特別な支援を必要とする児童生徒に対するタブレット端末の活用についてお尋ねいたします。
次に、令和元年6月に視覚障害者等の読書環境の整備の推進に関する法律――読書バリアフリー法が施行されましたが、視覚障害、発達障害、肢体不自由など、多様な障害のある児童に対して読書しやすい環境整備について本市の現状をお尋ねいたします。
以上で壇上からの質問を終えます。この後は、対面式質問席にて意見、要望、再質問を行います。
御清聴ありがとうございました。(拍手)
○議長(澁谷祐介) これより当局の答弁を求めます。
◎副市長(北田正広) 1番目の防災対策についての御質問にお答えいたします。
まず、重要水防箇所の水防活動についてでございますが、重要水防箇所は、県が管理する2級河川において、水防上、公共に及ぼす影響の大きい地点であり、本市は、これらの河川について、リアルタイムのカメラ映像による状況確認や、県のフェニックス防災システム及びインターネットによる河川水位情報の収集を行うなどして監視を行っております。なお、大雨により水位が一定水準に達した場合には、これらの箇所を中心に堤防のパトロールを行っております。
次に、河川氾濫に備えた地域住民への周知啓発についてお答えいたします。
本市では、想定される最大規模の洪水浸水想定区域図を基に、避難の考え方や命を守るための情報収集の手段など、市民それぞれが洪水の氾濫に備えるための情報を掲載した、いわゆる洪水ハザードマップを作成し、西宮市防災マップとして全戸に配布しているほか、ホームページや市政ニュース、SNSなど様々な媒体により広報啓発を行っております。またあわせて、防災に関する出前講座や地域住民を交えた防災訓練を実施することにより、市民の防災対応力の向上に努めております。
次に、不動産業者からの重要事項説明に関する問合せ等に対する市の対応についてお答えいたします。
従来、不動産の売買契約における重要事項説明の対象として土砂災害警戒区域が含まれていたため、不動産業者は、ハザードマップを基に該当する対象物件に関して情報を入手し、市は、それら不動産業者からの問合せに対応してまいりました。
今回の法改正により、水害ハザードマップによる水害リスクを説明することが追加されましたが、これまで同様、不動産業者がハザードマップを容易に確認できるよう、引き続き西宮市防災マップやホームページによる情報提供を行うとともに、個別の問合せに対応してまいります。
次に、情報通信環境が使えなくなった場合の対応についてお答えいたします。
市では、災害や通信障害などで電話回線がつながりにくい場合や使用できない場合に備え、情報通信環境の多重化を図っており、一般的な電話回線が不通になった際でもふくそうが生じない可搬型無線機や衛星電話等の通信手段と非常用電源を確保し、対応することとしております。
次に、SNSを活用した市民との双方向の連絡体制の整備についてお答えいたします。
現在、災害時の市民との双方向の連絡については、電話やメールが主体となっております。一方、SNSについては、重大で新たな被害がないか職員が情報収集を行う手段として、また、避難情報などを市民に一斉配信する手段として活用しております。御指摘のSNSを使った双方向の連絡体制につきましては、電話がつながりにくい際、市民の方々がスマートフォンアプリを使って情報提供し、市がその情報を取得し、共有することは、即時性もあり、有効であると認識しております。しかしながら、災害時は情報量が膨大になること、真偽の確認に多大な時間と労力がかかることなどから、人命が関わる状況での確実な連絡手段としての運用は困難であると考えております。
また、災害時におけるSNSを使った市民との情報共有の仕組みにつきましては、他市で行われている実証実験でも運用面で同様の課題が多いとの報告があり、本格運用に至っていないところでございます。
市では、公式SNSとは別に、令和3年度に稼働予定の防災情報システムにおいて、スマートフォンアプリを使った情報提供が行えるように構築を進めており、効果の検証を行うとともに、有効な活用ができないか、引き続き検討してまいりたいと考えております。
次に、河川のカメラ画像を市民と情報共有することについてお答えいたします。
市は、溢水や浸水などが比較的発生しやすいポイントに河川監視カメラを設置し、水防活動で映像を共有しております。この映像につきましては、今後、アクセスが集中しても正常に動作できるようサーバー等の環境の整備を行い、令和3年度に市のホームページで提供し、自助、共助の防災活動に活用していただけるよう広報してまいりたいと考えております。
次に、津波避難ビルの市施設の入り口は女性や高齢者でも壊して入れるのかについてお答えいたします。
津波避難ビルに指定している大半の市施設の入り口については、特別の構造とはしておりませんが、津波警報が発表されるなど周辺一帯に緊急避難が呼びかけられている場合は、一定の避難者が集まっている状況が想定されますので、万が一まだ入り口が開いていないときは、避難者同士が協力して入り口を壊すなどして避難していただくようお願いしたいと考えております。
次に、民間施設に避難する際の入り口の対応とその周知についてお答えいたします。
民間施設の津波避難ビルに避難する際の入り口の解錠につきましては、オートロックの施設では、居住者がオートロックを解除する、あるいは近くに住む所有者や管理会社が鍵を開けるなど、夜間、休日の緊急時であっても周辺の住民の方が速やかに避難できるよう、それぞれの施設によって取決めをお願いしております。
津波避難ビルの利用方法につきましては、周辺地域の自主防災会への説明や出前講座の実施などにより周知しているほか、利用時の注意事項などをホームページなどにより広くお知らせしております。
最後に、津波避難ビルへの協力に対する税の優遇措置などの有無についてお答えいたします。
本市では、税制上の優遇措置を実施するための条件となる津波防災地域づくりに関する法律に基づき県が指定する津波災害警戒区域の指定がされていないことなどから、現時点で民間施設への優遇措置は実施しておりません。
以上でございます。
◎市長(石井登志郎) 新しい生活様式についての御質問には私からお答えをいたします。
新しい生活様式の内容については、市政ニュースや市のホームページで内容を周知しております。また、視覚障害のある人には、点字版の市政ニュースや音声による市政ニュースを発行して情報提供を行っております。議員が質問の中で御指摘のとおりのところでもありますが。
そうした中で、本年7月に、聴覚障害のある人について、障害を理由とする差別の解消及び誰もが暮らしやすいまちづくりの推進に関する条例が施行されることについて、手話でお伝えする動画を市ホームページで配信いたしました。私も手話でデビューをいたしました。今後は、そうしたことも併せて、聴覚障害のある人の視点も勘案し、必要な情報を手話による動画によって閲覧できるように検討してまいります。
市ホームページの読み上げ機能につきましては、現状では、議員御指摘のとおり、事前にパソコンを設定しておく必要がございます。こうした課題を解決するため、事前設定を必要とせず、従来よりも容易に利用できる仕組みへの改善を本年度中に予定しております。これによってより多くの方に必要な情報をお届けできるよう取り組んでまいります。
次に、医療機関を受診される場合の対応についての御質問にお答えをいたします。
聴覚障害のある人の感染が疑われ、医療機関を受診される場合の手話通訳者の派遣は、医療機関の設備等にもよりますが、例えばガラス窓越しの通訳など、可能な限り感染防止対策を取った上での通訳を指示しております。
また、国の緊急経済対策の補正予算では、手話通訳者と聴覚障害のある人が所持するスマートフォン、タブレットを通して、離れた場所で意思疎通を行う遠隔手話サービス等を利用した聴覚障害者の意思疎通支援体制の強化事業が示されております。現在、この事業の実施主体である兵庫県において制度構築に向けた検討が進められており、本市におきましても、制度への参加意向を示し、導入環境の確認等、準備を進めております。今後、県から詳細が届き次第、内容を確認の上、事業を円滑に開始できるように取り組んでまいります。
以上です。
◎健康福祉局長(山本英男) 次に、手話通訳者派遣の際のマスクの着用についての御質問にお答えいたします。
手話通訳者の派遣の現場は、病院の診察室などの狭い空間で、手話通訳者と聴覚障害のある人が接近した状態で行われることが多く、感染予防の観点から、万全の対策が求められると考えております。
手話通訳者の派遣依頼があった場合、手話通訳者は、新型コロナウイルスの感染を予防するため、不織布や布製のマスクを着用して通訳を行っております。聴覚障害のある人は、手の動きのみならず、顔の表情や口の動きを読み取って内容を理解される場合も多く、マスクを着用することで口元が見えず、意思疎通が取りにくいことは認識しております。しかしながら、フェースシールドや口元を下から覆うタイプの透明のマウスガード等につきましては、飛沫防止効果の問題があり、また、手作りされた口元の部分を透明にしたマスクでは、口元の曇りや息苦しさのため、長時間の着用が難しいことや、十分な数量を準備することができないなどの問題がございます。現状では、口元が見えず、意思疎通が取りづらい部分につきましては、筆談や指文字等で補足しながら通訳を行っておりますが、手話通訳者が一定の距離を保った状態で通訳ができる場合におきましては、状況に応じてマウスガード等の着用で対応できるものと考えております。
今後も、感染防止対策を取りながら円滑に意思疎通が図れる方策について検討を行ってまいります。
◎教育次長(佐々木理) 3番目のタブレット端末の活用についてお答えいたします。
ICT機器は、特別な支援が必要な児童生徒の実態に合った活用をすることで学習効果が期待できると考えております。例えば見えにくさがある児童生徒に対して、教科書や教材を大型提示装置に拡大して映す、聞こえにくさがある児童生徒に対して、教科書を読み上げている箇所を強調して表示するなど、今までも整備されたICT環境を授業の中で有効に活用してまいりました。今後は、1人に1台タブレットを配備することになりますので、より個に応じたきめ細やかな支援ができるものと考えております。
今後は、児童生徒の障害に応じた利用方法やアプリケーションの導入などについて、本人、保護者に説明するとともに、家庭での使い方をしっかりと協議しながら、十分に活用ができる環境を整えてまいります。
次に、障害のある児童生徒が読書しやすい環境整備についてお答えいたします。
本市では、これまでも、児童生徒一人一人の障害の状態に応じた多様な環境整備に努めております。例えば視覚的に捉えやすい大型絵本や色彩の明瞭な絵本の購入、情緒を落ち着かせる空間づくりとして、カーペットを敷き詰めたり、個別スペースを設けたりするなどの工夫をしております。また、移動困難な場合においては、学校図書館から数十冊の本を教室へ運び込み、教室内での読書環境を整備するケースもございます。これらの環境は、障害のある児童生徒のみならず、障害のない児童生徒にとっても読書しやすいユニバーサルデザインの環境となっております。今後も、多様な障害の状態にある児童生徒のニーズに応じた環境整備に努めてまいります。
以上でございます。
○議長(澁谷祐介) 当局の答弁は終わりました。
〔宮本かずなり議員「対面式質問席」使用〕
◆10番(宮本かずなり) それぞれに御答弁ありがとうございます。
再質問はございませんので、以下、意見、要望を申し上げます。
まずは、防災対策についてですが、今週末に特別警報級の台風も接近しております。重要水防箇所だけでなく、河川をしっかりと監視し、市民の安全確保に努めていただくよう、よろしくお願いいたします。
また、本市では、災害時に情報通信に関して、県や消防、警察との連絡が遮断されることはないという御答弁と解釈いたしましたが、近年、想定外のことが起こる豪雨や台風ですから、想定外にならない準備をぜひともお願いいたします。
また、幾ら行政が避難情報を出しても、避難を判断するのは住民自身ですから、早期の避難行動を促すために、市が保有する災害画像の共有も必要と思います。先ほどの御答弁では、令和3年度から河川監視カメラの映像をホームページで広報していくということですので、さらに進めていただくようにお願いいたします。
津波避難ビルについては、数が多いほど避難場所が増えるため、住民にとってはよいのですが、民間のビル所有者に対しては、お願いばかりではなく、やはり何らかのインセンティブも今後必要ではないかと考えます。御検討いただければと思います。
また、不動産契約の重要事項説明に追加された水害リスクの説明ですが、同時に周辺の避難所位置についても複数示すことが望ましいとされていますから、ハザードマップの問合せがあった際は、不動産業者に対して避難所位置の説明も併せて市から伝えていただければと思います。
情報保障について意見を申し上げます。市長、御答弁ありがとうございます。
今後進めていく予定の遠隔手話サービスの提供について、聴覚障害のある人の持つスマートフォンやタブレットを通じて手話通訳を行うと御答弁いただきました。しかしながら、そういった機器をお持ちでない方もおられますので、その際は、一時的にタブレットの貸与なども御検討いただけるように要望いたします。
マスクについては、通訳者が一定の距離を保てれば、状況に応じて、白マスクではなく、マウスガード等で対応してもよいといった、少し柔軟な御答弁を頂きました。本市は7月より、障害を理由とする差別の解消及び誰もが暮らしやすいまちづくりの推進に関する条例が施行されておりますから、当事者である市民や御家族の声に寄り添った取組や話合いをしていただくようにお願いいたします。
また、報道ではありますが、コロナ対策で子供たちが無言で給食を食べている状態を改善するために、手話を使って、いただきますやごちそうさまなど、給食の前後に挨拶を交わす取組でコミュニケーションを通して障害の理解を学ぶ小学校もあるようです。本市も御検討いただければと思います。
最後に、タブレットの活用について意見を申し上げます。
8月の臨時議会で、障害のある児童生徒がタブレット端末を活用するためのアクセシビリティーな環境改善のために、入出力支援装置の整備が承認されました。GIGAスクール構想のタブレット活用については自治体任せになっており、現場の先生方は、今までの授業とオンラインの組合せで大変な御苦労とお察しいたします。しかし、タブレットの活用は、学習だけではなく、先ほども申し上げましたが、デジタル読書をはじめ、様々な活用で児童生徒の能力を引き出すことも考えられます。まだ始まったばかりのタブレット活用ではありますが、誰一人取り残すことなく、児童生徒の力を最大限に引き出せる活用をお願いいたしまして、私、宮本かずなりの一般質問を終わらせていただきます。
御清聴ありがとうございました。(拍手)
○議長(澁谷祐介) 宮本かずなり議員の一般質問は終わりました。
ここで休憩します。
なお、再開は、午後3時25分の予定でありますので、よろしくお願いします。
〔午後3時04分 休憩〕
――――――――――――――――
〔午後3時25分 開議〕
○議長(澁谷祐介) ただいまから休憩前に引き続き会議を開きます。
次に、篠原正寛議員の発言を許します。
〔篠原正寛議員「対面式質問席」使用〕
◆30番(篠原正寛) 改めまして、こんにちは。
政新会の篠原正寛です。
それでは、時もございませんので、早速ながら一般質問に入らせていただきたいと思います。
まず1問目は、放課後キッズルーム事業の今後についてお尋ねをいたします。
今年の3月10日、当時の教育こども常任委員会で、放課後キッズルーム事業のパイロット実施状況と来年度の予定についてという表題の所管事務報告が行われました。私は、委員ではありませんでしたので、資料と議事録から当時の内容を簡単に振り返りましたが、資料としては、実施概要の報告があり、これを利用した人、しなかった人それぞれのアンケート結果があり、来年度、つまり今の令和2年度に4校導入予定であることが示されていました。また、議事録による口頭の説明では、放課後キッズルーム事業は、子供の居場所づくり事業からその運用方法を留守家庭児童育成センターに近づけ、育成センターの待機児童解消につなげる狙いがあること、既に実施した2校では10名程度、育成センターを辞めて放課後キッズに登録する人がいるなど、一定の効果があったと思われること、アンケートによると、今後育成センターからは放課後キッズに移行したいという希望者の移行時期はまちまちだが、育成センターの利用年齢を外れるまでという回答もあるので、いわゆる4年生の壁、もしくは5年生の壁解消に一定の対応となり得ることが報告されています。これに先立つ2月19日、定例会初日の新年度施政方針において、石井市長は、子供の居場所づくり事業の新たな方式として始めた放課後キッズルーム事業も、実施校を拡大し、留守家庭児童育成センターの待機児童解消につなげてまいりますと述べられていますので、この一連の流れは一貫性のある自然なものと理解しておりました。
ところが、それから半年もたたぬ8月後半、突然1枚の紙で、安井小学校への放課後キッズ導入が必要なくなったこと、また、今後の他校への展開も見送ること、その先は足かけ2年ほどかけて検討するという追加報告が所管委員会の委員にのみ配付されました。よって、多くの議員は、この事実さえ知らず、あるいは事情背景を知る機会さえありません。
前市長の当時に始められた子供の居場所づくり事業ですが、私は当時、安全で自由な場所として学校を開放したい、子供の成長・発達段階に合わせて、遊びでも自習でも子供自身が考え、つくり出せばいい、最初は誰も来ないかもしれないが、少しずつ口コミで誘い合って集まるようになればいいといった考え方に共感し、見守りに地域の皆さんの協力を得るという方向性に対しても、地域と共につくる学校という趣旨から、大いに期待したことを覚えています。その後、時間の経過とともに、育成センターの待機児童問題や4年生の受入れ要望などが増大し、一部その受皿となるべく、居場所づくり事業の一種として現在の放課後キッズルーム事業という形態がつくられましたが、それは必要に迫られた合理性の追求であり、当初の志に変化はないものと理解しておりました。
このような経過もあり、今回の唐突な報告は解せないという感覚があります。
そこで、何が起こっているのか、この先どうしていくつもりなのか、これら疑問を広く解消していくため、今回、質問として取り上げることといたしました。
以上を踏まえ、以下3点についてお尋ねをいたします。
質問の1、この大幅な政策転換がなぜ年度開始後4か月余りで突然一部に報告されることになったのでしょうか。内部で何が起こっていたのか。安井小学校への導入ができなかったのは事実ですが、それが放課後キッズルーム事業そのものの意図や必要性を全て失わせたとは考えられません。ここに至った背景、事情についてまず開示をしてください。
質問の2、育成センターと放課後キッズは、保育所と幼稚園の関係にも似ています。単純化して言えば保育と教育の違いで、設置目的も所管も異なります。しかし、保育所の待機児童解消の一部を幼稚園の預かり保育でしのいでいるように、子供の居場所づくり事業を拡充し、育成センターの待機児童解消、4年生の受入れなどに活用しようとしているわけです。とはいえ、安全な環境を用意し、子供の自立・発達を促す居場所づくり事業の価値が無用となったわけではありません。今後、市内全児童の放課後の在り方について、両事業をどのように使い分け、すみ分けて充実させていくのか、また、待機児童問題など課題解決につなげていくのか、考えられる方向性についてお示しください。
質問の三つ目、組織の在り方に関わるので、できれば市長か副市長にお答えいただくことが望ましいと考えますが、本市は、細かな縦割りの弊害をなくし、子供に関する施策を一元化するため、こども支援局を創設したはずです。しかし、今起こっていることは、育成センターの機能拡充を教育委員会の一部が担い、かつ肥大化しようとしているという現実です。今回判明した突然の急ブレーキ、急ハンドルに見える転換も、そうなった要因には今の組織割りの在り方が関係していると見ています。これからの方向性をどうするかにもよりますが、今後、本件に関して組織や所管部署の在り方を見直す必要はないのでしょうか、お答えください。
本件の質問は以上です。
2問目は、コロナ禍における産業振興、市内事業者支援についてお尋ねをいたします。
税収は、時期が来れば自然に実る天然の果実ではない。市内の雇用を確保し、安定させ、互恵主義によって本市に対する愛情を育み、事業者もできる様々な市政への協力を行う、その象徴として貢献してくれる企業の認証制度や企業市民という概念がある。市内産業振興への理想はそうしたものであると、手を替え品を替え、何度も何度も私は述べてまいりました。当局御担当もさぞや耳にたこができておられるかとお見舞いを申し上げたいと思います。
2匹目のタコは、そのために自重――自らの重さを使うことの勧めです。市は、自らが毎年200億円を超える様々な工事、委託事業、物品購入などを発注する市内屈指の発注事業体であり、かつ様々な許認可や裁量という公権力を行使できる権力者でもある。これらを一定の考え方や方針に基づいてコントロールすることにより、1円の歳出増もなく、掲げた理想に近づくことができる。ただしこれは、行為そのものに予算を要しないだけに逆に難しく、予算なきところ事業なしという硬直化した思考により、理念は掲げていてもなかなか実務につながらない。そんな現状も憂えています。
ついでに3匹目のタコですが、私は、発注にせよ、各種許認可にせよ、公共に求められる正しい在り方をないがしろにしてのえこひいきを望んだことは一度もありません。ましてや、特定の事業者や団体の利益誘導を図るような卑小な話をしてきたわけでもありません。市の掲げる産業振興政策、そして行政経営改革にも記載されている理念や政策をただの印刷物で終わらせないため、本市にはまだまだできることがある、こうした信念から繰り返し本件を述べてまいりました。これに対し市及び御担当局は、御答弁で、私の拙き提案を受け入れてくださり、詳細は時間の関係上割愛いたしますが、過去のお返しに幾つもの理想や対策案、実施したい事柄を述べていただき、今後の奮闘努力をお約束いただきました。おかげさまで、もう私はおなかいっぱいです。理想や検討事項、努力目標の話はもう結構ですので、今日は実務の話をしたいと思っています。
コロナ禍で多くの市内企業が疲弊しています。特に企業体力に乏しい小・零細企業ほどダメージに弱く、国、県、市などの支援策は当然ありますが、全てを救うことはできません。このような今こそ、本市にできることとして、市内企業の受注機会を増やすための施策が加速度的に必要だと思います。どうせ必要なものをどこかから買うのであれば、価格の妥当性や入札機会の公平性を担保しながら市内企業から買ってくださいということです。
ちなみに、資料によると、隣接の神戸市、尼崎市は、具体的にそのような方向性を堂々と掲げ、実施しています。神戸市は、入札参加の案内に市内企業優先であることを明示していますし、尼崎市は、条例で市内企業からの調達推進を定めています。何々ファーストという言葉は、最近では全体利益を顧みない利己主義という意味でも使われますが、これは、近隣他市で本市の企業が排除され、本市では市外企業が自由に仕事を取るという現状なのであり、このような現状を直視せず、企業市民などの理想論を打ち出しても、誰の心にも届かない、ただのお題目として終わってしまうことでしょう。
本市の入札や発注に対する姿勢に対し、納税者、協力者への温かみを感じないという御不満や相談が時々私の元にも寄せられますが、おおむねまとまった同業団体の背景もなく、1社あるいは1人の声として単発で終わってしまう場合が多いことも課題です。市にも企業にもそれぞれ言い分はあり、どちらかが一方的に正しい、あるいは間違っているというものではもちろんありませんが、少なくとも声を束ねて届ける、事実関係と照らし合わせ、実態を基に傾向と課題を抽出していく、この必要性を痛感し、その仕組みづくりにも着手せねばと考えるところです。
以上を踏まえ、私に寄せられる声の中から、事実関係の確認を含めて、以下3点、質問してまいりたいと思います。
まずは、教育委員会にお尋ねをいたします。
学校園は、契約課を通らない少額物品の発注が多い部署ですが、参考見積りの依頼段階から既に市外業者が多く、当然、市外業者への発注が非常に多いと聞き及びます。実態はどうでしょうか。
また、本市は、公正な競争の下、市内事業者への発注を推進するという方向性を明示しておりますが、それは各学校園の共通理解として浸透しているとお考えでしょうか。
2点をお答えください。
質問の二つ目、述べたように、近隣市では、地域内企業の育成を掲げ、具体的な市内企業ファーストを実現されてます。本市も、口頭による掛け声ばかりではなく、こうした実施根拠となるような規定などを備えることも検討に値すると思いますが、お考えを教えてください。
質問の三つ目、入札に参加する事業者は多業種にわたり、同業者による団体などが組織されていない業種が多くあります。商工会議所の協力を得て要望を聞くという過去の御答弁を実行するためには、業種別の部会ではなく、言わば公契約部会のような集まりが必要であり、このほうが課題の傾向もつかみやすく、改善につながるものと期待できます。既に商工会議所には同様の内容について働きかけていると聞いていますが、その後の進捗についてお答えください。
本件の質問は以上です。
3問目は、コロナ禍における災害避難先の広報についてお尋ねします。お尋ねしますとは言いながら、実態は提案です。それも、ピンポイントのど提案ですので、どうぞよしなにお答えください。
コロナ禍とは無関係に季節は巡り、台風シーズンに突入しました。今年は、高気圧の関係でまだ発生回数が少なく、阪神間に脅威となるような事態は起きていませんが、逆にシーズン後半に大量発生する可能性もあり、この先、まだどうなるかは分かりません。思えば今からちょうど2年前の9月4日、台風21号が阪神間を襲い、本市にも甚大な被害が生じました。特に市内の大部分で停電が長時間続き、不便さと情報のなさに辟易としたことは記憶に新しいところです。自分たちの安全は自分たちで守るという防災・減災意識を市民の皆さんに持っていただくことは、いつの年度でももちろん大切ですが、今年は特に、コロナウイルス感染予防という観点から、避難所開設に対して特別の配慮が必要であり、もし避難を要する事態ともなれば、感染症との多重災害と言えます。今日まで市は、地域とともに協議を重ねながら防災マップを作成し、配布したり、ホームページにあらゆる必要な情報を掲載するなど、相応の努力を重ねてこられました。また、6月には、コロナ禍における避難所の一部変更や留意点について市政ニュースにも掲載し、我々議員にも各地域への周知を依頼されるなど、その努力は多とするところであります。
しかしながら、地域へのお知らせを6月に地域の会議でお渡しした反応としては、だから結局我々はどうすればいいのかということが十分に理解されたとの感触は得られておりません。大災害が起きたときの避難先は近くの学校という程度のイメージは多くの市民が持っておられると思いますが、思えば指定避難所という制度は、もともと目の前に公民館や地域の集会所があるのに、なぜわざわざ危険を冒してより遠くの指定場所に行かねばならないのかなど、疑問の対象になることが多く、この問題にしっかり決着がついたとは思えません。このような背景もあり、現状では、自分の地域で災害別にどこに避難できるか、しっかり理解しいている人は極めて少数であると思われます。その上に、今回は、密を避けるために指定避難場所を一部分散し、自宅に残る選択や、親戚、知人の家への避難、車中避難など、避難そのものの選択肢も分散しており、全市共通事項中心の地域団体向けお知らせや市政ニュースへの掲載だけで、自分の住む地域の正しい情報への理解が十分に進んでいるとは考えにくい状況です。
そこで一つの手段として、自分の住む地域でどのような災害が起きたらどこに逃げればいいのか、そのための準備は何かが誰にでも分かるような、保存版コロナ禍における災害時避難についてという簡便なチラシを地域別に作成し、手元に置いていただくこと、例えば冷蔵庫にでも貼っていただくことが必要ではないかと考え、質問させていただきます。
質問は以下1点です。
新型コロナウイルス感染症が収束、あるいは3密回避をさほど意識しなくてもいい状態になるまでの限定版として、各地域ごと、災害種別ごとの避難先と避難先での感染対策として準備しておくもの、必要な注意点などを明記した保存版チラシを作成し、全戸に配布するとともに、市のホームページからもダウンロードできるようにすること、もし時間や人員が足りないなら、外注してでも大至急本件に着手すべきと考えますが、当局のお考えをお聞かせください。
なお、本件は、事の性質上、今後検討します、研究しますでは済まない内容なので、できれば、着手されるかされないか、もしされないなら提案と同等以上の円滑な避難情報の提供をどうやって行う予定なのか、併せてお示しください。
本件の質問は以上です。
最後は、
新型コロナウイルス感染症対策基金の使い道についてお尋ねいたします。
今議会では、同基金の初めての使途として、生活保護世帯、就学奨励金対象世帯の子供約5,000人に、家庭学習の教材費、マスク購入など感染予防対策の経費という名目で、1人当たり5,000円、総額で約2,500万円を給付することが提案されています。まず、少額とはいえ、これらの子供たちを支援することはもちろん否定いたしません。また、この提案に反対するものでもありません。私が問いたいのは、なぜその原資が本市が独自に立ち上げた
新型コロナウイルス感染症対策基金からなのかということです。
現在、低所得者はもちろん、市民向けに様々な支援策や給付金、助成制度が創設されており、混乱さえ来しているように思える状態です。また、臨時交付金など期限付の対策資金が国費から投入され、国への申請期限に間に合わせるため、不要とまでは言いませんが、やや効果の想定や必要性への追求が粗いと感じる事業、使い方も散見されるようになってきました。ある意味で今は、怒濤の勢いでコロナ対策と名のつくお金が流れ込んできているタイミングであります。本来、低所得者への支援は福祉であり、コロナ対策事業にも当てはまるはずなので、この事業の財源は、臨時交付金を含めた一般財源から歳出されるべきではないのでしょうか。
基金は、議員や特別職が身を削ってつくり出した原資の補正投入と、企業や市民の誰かの役に立ってほしいという善意の寄附でできていますが、その金額は、歳出の予定金額を含めても現在約1.1億円程度にとどまっています。1億円というお金は大金ですが、市全体の収支、特にコロナ絡みで派手に動く金額の中においては、あまりにも少額です。イメージに例えるなら、それはまるで怒濤のように水が流れ込む川を前に、そこにたたずむ人が手に持つ1本の瓶に入った色水のようです。色水とは、人の思いという色がついている水という意味です。今、濁流に流し込んでしまえば、たちまちその色は消え、その存在すら意識されず、ただただ流れていくだけになるでしょう。
繰り返しますが、事業そのものに反対ではありません。でも、なぜ基金が原資だったのか、まさか、そろそろ何度かに分けて使っていこうかという程度の動機だったとは思いたくありません。そもそも本市は、何のために、どんな人の役に立てたくて独自の基金を創設させたのでしょうか。
生き金、死に金という言葉があります。行政では使われることはあまりありませんが、金銭は、その多寡ではなく、使う意図や使い方やタイミングによって生きも死にもするという意味です。1円が人を喜ばすこともあれば、1万円がマイナスに働くこともあります。そう考えると、事業そのものではなく、この事業の財源に基金充てることは本当に的を射た使い方だったのでしょうか。
事業には反対しないと言っているんですから、なぜこの事業が必要なのか、なぜ学習支援や感染予防という目的を掲げながらただの現金給付なのかなどは問わないこととします。ただ、独自の基金をわざわざ創設した志は何で、この貴重な寄附者の思いが入った浄財を今後どのような意図で使うつもりなのかは確認させていただきたいと思います。
以上を踏まえ、以下2点についてお尋ねいたします。
質問の1、基金は、新型コロナ対策みやっこ元気寄附金を窓口としていますが、寄附の集まり方をどのように見ておられますか。仮に予想より寄附が少ないとすれば、どのような原因が考えられますか。また、今後、知名度を向上させたり寄附金を増やすために何か対策を講じる予定はあるのでしょうか。
質問の2、そもそも市独自の
新型コロナウイルス感染症対策基金は、何のために創設したのでしょうか。どのようなときにどのような目的で使おうとイメージされていたのでしょうか。コロナ対策に寄附したいという申出が複数あったからなどの受け身的な理由ではなく、創設した積極的な志についてお答えください。
当初の質問は以上です。
御清聴ありがとうございます。
○議長(澁谷祐介) これより当局の答弁を求めます。
◎教育長(重松司郎) 1番目の放課後キッズルーム事業の今後についての御質問にお答えします。
まず、放課後キッズルーム事業――以下「放課後キッズ」と言いますが、放課後キッズの見直しを行うことになった経緯についてですが、教育委員会として、放課後キッズは子供たちの自由で自主的な遊びや学びを支援する重要な取組として今後も発展させていくべき事業であるという認識は現在も変わっておりません。令和元年度に当事業のパイロット校として先行的に実施した平木小学校と高木北小学校の両校では、現時点では、留守家庭児童育成センター ――以下「育成センター」と言いますが――に待機児童が発生しておらず、一定の効果があるものと考えております。両校で実施した利用者アンケートにおきましても、子供たちが伸び伸びと遊び学べる居場所ができたと評価を頂いております。
一方で、先ほども申し上げたパイロット校において育成センターの増設が計画されていることからも、その効果は育成センターの新規拡充を抑制するまでには至っておりません。また、市職員であるコーディネーターが学校に常駐し、子供を見守る従来方式の子供の居場所づくり事業を実施している学校に放課後キッズを画一的に導入することへの課題も見えてきました。さらに、今回の新型コロナ禍において、学校の臨時休業に合わせて3月から5月頃まで当事業を中止したため、パイロット校での検証に不十分な面が残っていることや、臨時休業期間中の学校での子供の預かりにおいては、放課後キッズが育成センターを補完する役割を十分に果たすことができなかったこともありました。
そこで教育委員会といたしましては、これからの諸課題を整理・検討していくに当たり、放課後キッズを当初の計画どおり拡充するのではなく、令和3年度については、一旦立ち止まり、より詳細かつ集中的に検討を行い、今後の事業の在り方を明確にした上で、令和4年度に再スタートを図るべきであると判断をいたしました。ただし、今年度、放課後キッズを実施している学校や従来の子供の居場所づくり事業を実施している学校につきましては、令和3年度も事業を実施・継続してまいります。
次に、育成センターと放課後キッズルームの事業をどう使い分け、充実させていくかとの質問にお答えします。
市としては、就労家庭の児童を対象とした育成センターと全ての児童を対象とした放課後キッズという事業目的は異なるが、共通点の多い両事業の在り方や進め方をいま一度見直し、より望ましい仕組みの構築を目指したいと考えています。高学年など保育をそれほど必要としない児童は、育成センターではなく、放課後キッズに参加していただく選択もあり得るのではないかと考えています。育成センターの役割を放課後キッズがこれまで以上に果たせる仕組みを検討し、育成センターの増設抑制など、市全体としての経費削減にもつなげたいと考えております。
また、地域の方々などの力をお借りして実施する従来の子供の居場所づくり事業の在り方につきましても、地域と共にある学校の観点から、改めて検討してまいりたいと思っています。
以上でございます。
◎市長(石井登志郎) 続きまして、放課後キッズ、そして育成センターに関して、組織の在り方についての考えでございます。
議員のほうから今回の方針の180度転換というふうにおっしゃっていただいたんですけども、そうではなく、今、教育長が答弁させていただいたとおり、整理すべき課題が浮き彫りになった中で、ここは、しっかりそこの整理を改めてしていこうということであります。放課後キッズはいい事業だと私は思っております。
そういう中で、留守家庭児童育成センターと放課後キッズルーム、これは、こども支援局、教育委員会の各所管で今やっているということでありますが、これについては、組織の見直しをする必要があるか、もしくはそうではなく、もっと連携を強化してやっていくべきか、そうしたことをしっかり検討して、必要であればそうしたことも含めて判断したいと思います。教育委員会ともしっかりと議論してまいります。
以上です。
◎教育次長(坂田和隆) 2番目のコロナ禍における産業振興についてのうち、学校園に関する御質問にお答えをいたします。
まず、契約課を通らない少額物品の発注実態につきましては、令和元年度中の小・中学校における発注件数は1万9,160件となっており、そのうち、市内に本社または営業所のある事業者が54%で1万286件、市外の事業者が46%で8,874件となっております。市外業者への発注については、主なものとしてはカタログ通販の利用が挙げられます。これは、限られた予算を効率的に執行するため、安価で納品が早く、利便性に優れていることが理由であると考えられます。また、教材など学校園で使用する物品の中には取扱業者が市外にしかないケースもあり、そういった事情も市外業者に発注する理由の一つだと考えております。
次に、市内業者への発注を推進する考え方についてですが、一般的に、市内業者を育成する観点から、学校園においても一定の認識はしております。今後、参考見積りを依頼するときには市内業者への声かけを行うよう改めて学校園に周知するとともに、カタログ通販の利用につきましても市内業者が扱うものに切り替えるなど、公正な競争の確保に留意しつつ、市内業者への受注機会の確保に努めてまいります。
以上です。
◎産業文化局長(岩崎敏雄) 2番目のコロナ禍における産業振興についての御質問にお答えします。
まず、市内事業者の受注機会を確保するための実施根拠となる規定等の検討についてお答えします。
本市では、産業振興に関する基本理念などを定めた産業振興基本条例とそれを具体化するための産業振興計画を策定し、その中で、市内事業者の育成と市内経済の活性化の観点から、公平な競争に留意しつつ、市内事業者への受注機会の確保に努めるとの方針を示しています。近隣市では、神戸市が、要綱を定め、物品等を指名競争入札において、地元中小企業育成の観点から、物件内容の許す限り地元業者を優先して指名することとしています。尼崎市では、平成30年4月に尼崎市公共調達基本条例を制定し、経済的合理性に配慮しつつ、市内事業者が請負等業務を受注する機会を増大させることを定めています。このように、他市においては市内事業者への受注機会を確保する規定を定めており、こうした先進市の事例を参考に、今後検討してまいります。
一方、市内では事業者数が少なく、競争性が確保できないケースもあることから、商工会議所と連携して市内事業者の育成にも取り組んでまいります。こういった取組がコロナ禍で疲弊している市内事業者の支援策になるものと考えています。
次に、事業者の意見集約についてですが、本年3月定例会で答弁しました事業者との意見交換会や個別ヒアリング等の実施については、今回のコロナ禍の影響で実現できておりません。議員から御提案のあった商工会議所内に公契約に関わる事業者の部会を立ち上げ、課題や改善点を確認することは効果的な手法であり、事業者の育成にもつながるものと考えています。したがって、商工会議所内に公共調達に関係する事業者の声を聞く場の設置に向けて具体的に協議してまいります。
市内事業者への受注機会を確保する方策や事業者の声を聞く場の設置については、年度内をめどに一定の方針を作成します。
以上でございます。
◎副市長(北田正広) 3番目のコロナ禍における避難先広報についてお答えいたします。
本市では、
新型コロナウイルス感染症対策として、大雨や台風時に開設する避難所を一部変更したことや、安全な場所であれば在宅避難や親戚または知人宅に避難するのも選択肢であることを、市政ニュースの5月25日号のほか、6月10日号、7月10日号に掲載するとともに、市のホームページでも周知を図ってまいりました。また、地域の自主防災会にも、地域住民への周知について協力をお願いする文書を6月に配付いたしました。しかしながら、議員御指摘のとおり、特に避難所の周知につきましては、予想される災害の状況や避難情報のレベルによって開設する避難所と開設しない避難所があるため、どのタイミングでどこの避難所に避難ができるのかなど、具体的に分かりやすくお知らせしていく必要があると考えております。
そこで、次の市政ニュース9月10日号において、改めて、台風に備えて自宅近くの避難所や避難所以外の避難方法などについて周知をする予定でございます。その際、市の北部や南部などの地域別や、予想される災害種別ごとに開設する避難所を明記するなど、できるだけ分かりやすく広報してまいります。
さらに、各家庭においても、日頃から目につくところに貼っていただけるように、市政ニュースの記事に切り取り線をつけるなどの工夫も加える予定でございます。加えて、市のホームページにも今回お知らせいたします情報を掲載し、いつでも閲覧やダウンロードができるようにしてまいります。
以上でございます。
◎市長(石井登志郎) 次の西宮市
新型コロナウイルス感染症対策基金の使途等についての御質問にお答えをいたします。
まず、寄附の集まり方の現状等についてどう見ているのかというようなことでありますが、今回質問いただいてから、私どもがどうしてこの基金を立ち上げて、そしてそのときどういう状況であったかというのを振り返ったところでありますが、当時は、まだ国から大変多くの交付金がやってくるというようなこともございませんでしたし、また、そうした中、市民の皆さんの中で、大変苦しい思いをされておられる方もいる、一方で、今、人と接しはできないけれども、お金でならば貢献できるよというような声も正直ございました。私は、そういう中で、市としてそうした善意を多くの方がお持ちだ、そうしたことをやはり西宮市のお困りの方を元気にしていく、市民が市民に元気を届ける、こういうような思いで基金を独自に設けていこうと。特に当時は、ちょうど設けようと思った日ぐらいに県がひょうご新型コロナウイルス対策支援基金というのをつくりました。これは、医療従事者に支援というようなことでありましたので、これについて賛同した関係上、正直申し上げておりますけれども、医療従事者というようなことは県の基金にお任せしよう、我々は市民が市民を元気にするというような、そういうようなことを大きなコンセプトとして掲げたところであります。
そういう趣旨から、まず立てつけとしては、より受入れを広くしていこうというようなことで、専用口座の開設、それから、ふるさと納税ポータルサイト以外からクレジットカード決済を導入するなど、多様な受皿をさせていただいたというようなことであります。それから、商工会議所の会報紙などにも掲載して、事業者の方にも大変多額の御協力を頂きました。
今まで頂いている額が多いかというようなことは、正直、蓋を開けるまで分からなかったですが、率直な感想は、本当に多額の、そして多くの善意を頂いているというふうに理解しております。
そこで併せて頂いているのが、やはりその方々のコメントがあるわけですね。困った人に届けてくれ、子供に届けてくれというような、そういうお声が多くあります。そういう中で、今回、今指摘いただいた事業に充当させていただきました。議員御指摘のとおり、これは、交付金からでも充当可能な事業であったとは存じますが、一方で、寄附を頂いた多くの方々のそうした御意思を形にするというのも私どもの役割ということで、今回の事業をいたしました。
あわせて、まだ数千万円、残がある中で、議員がおっしゃるように、この趣旨に沿って、そして今後、今の多くの交付金の中に紛れるのでなくて、この基金ならではの使い道というようなことについては、これはぜひ一緒に考えさせていただきながら、そうした市民の善意が元気につながり、そして、寄附をしていただいた方にも評価されるような使い方について検討してまいりたいと思います。
以上です。
○議長(澁谷祐介) 当局の答弁は終わりました。
◆30番(篠原正寛) それぞれに御答弁ありがとうございました。
時間もございませんので、今回は全て意見、要望のみ申し上げて、質問を終わりたいと思います。
質問した順序で申し上げていきます。
まず、1問目の放課後キッズルーム事業の今後について意見、要望を申し上げます。
突然の、少なくともそう感じられる方向転換の理由を幾つか述べていただきましたが、一定の理解はできましたが、それらは4月まで全く気づかなかった課題なのだろうかという疑問は残りました。今年度初めて放課後キッズを始めたわけではないのですから、コロナに絡んだ項目以外は、現存する仕組みとの調整の難しさを含めて、初めから覚悟の上で臨んだのではないかと言いたくなります。
分かることは、安井小学校への導入が、市の言い方を借りれば、必要なくなったということです。ここに至るまでの経緯についていろいろ耳にすることはありますが、臆測混じりで物を言うのは控えておきたいと思います。ただ、この調整の過程でいろいろあり、心折れたということなのかもしれません。市長が施政方針で述べたにもかかわらず、これを中断するということはよほどのことだろうと思います。現場の苦労を知らぬままこれを問うていますので、個別の責任追及のようなことをしたいわけではありませんが、令和4年度まで全く止めるのではなく、考えながらも比較的調整の容易な場所から着手し続ける選択もあったのではないかと思います。
放課後キッズは、育成センターの課題解消策として生み出された面がありますが、子供たちの安全な場所を提供し、大人があれこれ管理、指図することなく、子供の成長に合わせて自主性や創意工夫する力を涵養していくという居場所づくり事業の流れをくむものです。当局も御答弁でその価値を認め、いずれにせよ継続していくことを明言されていますので、より早い内部での整理調整を経て、少しでも前倒しで元の路線に戻られるよう期待したいと思います。
大きく分ければ、学校を舞台とした仕組みは、育成センター、放課後キッズ、居場所づくり事業と三つに分けられます。保育機能中心の育成センターは、指定管理者が安定した事業を行う反面、物理的にも費用的にも、無限に拡大することはできません。放課後キッズは、一部保育機能を補完するものの、本質的には別の目的を持つ事業で、今の仕組みでは補完機能も弱く、その割には費用がかかります。居場所づくり事業は、完全に教育の一環であり、地域の協力を仰げるなどのメリットがありますが、全ての地域に安定的に設置するのは難しく、保育機能を有することはできません。市は、一旦止まっての調整・整理が必要とのお立場ですが、結局は、今述べたこれら特徴の弱い部分を改良し、よい部分を組み合わせ、一律ではなく、その学校や地域ごとに最良の展開を図っていくことしかないのではないかと思います。
そして、これら整理・調整とともに、放課後キッズが教育委員会の所管ながら育成センターの中2階的事業になっており、それがこども支援局との業務分担で不満となってるなら、人員や予算ごとどちらかで一まとめにしてしまうほうが効率はいいかもしれません。組織の在り方については検討するという言葉でかわされましたが、今後の調整の中で避けて通れない課題として、ここにもメスを入れていただきたいと思います。
最後に、本件を通じて以前から感じていた疑問について、併せて意見を申し上げておきたいと思います。
現実にどこまでそうなっているかについては、私も実態をよく知っているわけではありませんが、以前から育成センターについては、一旦校門を出て、別の専用門からセンターに入るよう言われていると聞きました。また、居場所づくり事業も、児童は一旦帰宅し、また登校するという決まりだそうです。放課後キッズは逆に、一旦帰宅する必要がありませんということを売りにしているぐらいですから、今でも恐らくそうなのであろうと思います。この背景には、校門出ることで学校側の児童に対する管理責任がなくなるという考え方があるやに聞いています。要するに、下校したとみなす意味があるのかもしれません。ほかにも理由はもちろんあるかもしれませんが、これは、大人の都合というツケを子供に背負わせていることにはならないのでしょうか。もちろん時間無制限に学校や教師が在校児童に責任を負うというのはむちゃで無理な話です。しかし、子供に対する責任関係の話なら、次の運営者が出席を確認した時点で管理責任が移るなど、保護者も含めた大人の話合いで解決できるのではないでしょうか。
今回の調整が必要なことを理由とした事業の停滞も、みんな大人の都合です。子育て経験のない私が申し上げても説得力は全くないとは思いますし、あるいはきれいごとに聞こえるかもしれませんが、子供は、1年生から6年生までに驚くほど成長を遂げ、なおかつ、同じ年齢でも成長や発達には様々な違いがあります。学校教育以外の時間も、様々な仕組みを駆使して、また、補完協力し合って、全ての子供たちの成長に合った支援を行う、この理想のため、大人の都合によって空白や子供にとって意味のない時間をつくらない努力をお願いしたいと思いますし、教育委員会――これは教育長と教育委員の会議のことを申し上げておりますが、この教育委員会や総合教育会議では、こうした理想の実現についてこそ議題としていただきたいと思います。
まだまだコロナ禍の出口も見えず、御苦労も多いこととお察しいたしますが、関係各位の奮励努力をぜひお願いいたします。
今回、何が起こっていたのか、課題は何なのかについて、ある程度開示されたと思いますので、引き続きはまた本件に強い関心をお持ちの議員各位に掘り下げをお願いしたいと思います。
この項目は以上です。
続いて、コロナ禍における産業振興、市内事業者支援について意見、要望を申し上げます。
まずは学校園です。
本庁契約課を通らない少額物品の発注が年間に2万件近くあるとのことで、大変驚きました。この発注先の半分強が市内、半分弱が市外、この現状を見れば、市内事業者への発注意識が各学校園まで行き渡っていない現実が分かります。ただ、市外のうち、御答弁によると、金額や件数は分かりませんが、少なからずがカタログ通販によるものとのことです。名前はちょっと出せませんけれども、最近では、文具でも、工具カタログ中、学校でも使えそうな物品などでも、ネットで注文して翌日には届く、値段も安く、多くは市販より安いということで、カタログ通販がよく利用されているようです。これは、その会社に直接登録するというケースもないではないですが、ほとんどが文具や事務機などの販売業がその代理店となっており、薄利ですが、その会社の売上げになります。そのときに付き合いがあった、営業に来たなどの影響で市外業者の持ち込んだカタログをそのまま登録している場合が多いのかもしれませんが、これを今後は順次市内業者の代理店に切り替えていただけるとのことです。一歩前進の大変ありがたい御英断であると思います。切り替えても、もちろん初期登録の手間が一度あるだけで、価格もサービスも今までと一切変わることはありません。もともと少額発注ですから、市の物品発注に占める割合はごく小さいとは思いますが、ちりも積もればとか、気は心という言葉もあります。こうしたところから学校園も市内の優良な事業者とえにしを結んでいただき、発注を意識していただけるようになることも期待したいと思います。
また、参考見積りや見積合わせでも、市内なのに呼んでももらえない、あるいは小さな物品なのにはるか県外から購入されているなどのお声を耳にしたことがありますので、少なくとも競争の舞台には上がれるよう、お声がけをお願いしたいと思います。
これは、ただの通達だけでは恐らく掛け声倒れに終わりますので、発注内容に合う市内事業者の情報を学校園が把握していることが必要になります。産業振興、契約、教育総務各課で押しつけ合いになることなく、市として責任部署を決めて情報提供してください。またいずれか質問の機会に、どのような変化があったか、しっかりお尋ねしたいと思いますので、よろしくお願いをいたします。
続いて、本丸でございます。
神戸市の要綱や尼崎市の条例のような市内事業者育成の根拠となる規定を本市も整備すべきではないかと申し上げましたが、恒例の検討するでかわされました。世界平和とか地球温暖化とか、こうしたグローバルな問題は、確かに自国ファーストのような在り方が阻害要因になりますが、地産地消という言葉があるように、ローカルな問題はまた別に考えていいのではないかと思います。質問でも申し上げましたが、今の状態は、規模の大きな近隣両市で、本市の事業者が冷や飯を食わされているのに、本市だけがどなた様にも温かい飯を差し上げているようなものです。相互主義の観点から、これに対抗することは必ずしもセルフィッシュな行為ではないはずです。公正な競争を担保するという大原則との兼ね合いはありますが、それは他市も同じことです。よく他市の仕組みを研究して結論を出してください。
また、業界団体などの背景を持たない多くの業種の方々の声を集める仕組みづくりについて、これは以前からの質問でも要望し、検討が約束されていたものです。昨年秋に提出された商工会議所の要望書の中にもこれが記載されております。事業者が声を聞いてほしいと言い、商工会議所からも要望があるのですから、あとは、既にやると明言している市がやるだけです。何も御無理ごもっともで事業者の言いなりになれと言っているのではありません。市民の声を聞くように企業市民の声も聞く、その中から政策の、また、制度改善の種を見つけていく、そんなためにぜひ取りかかってください。
今回、理想、理念、目標ではなく、実務の話がしたいと質問で申し上げました。担当局長との談判で、御答弁の最後に、述べた諸課題については年度内に結論を出すという力強いお言葉を頂きましたので、今度こそ、今度こそ、もう一回言います、今度こそ期待してお待ちしたいと思います。
学校園も、トライやる・ウィークの受入れ先や通学路の子供110番など、様々な形で地域事業者のお世話になっています。その他、災害協定や市の事業への協力など、市内の様々な事業者に支えられ、納税や雇用安定以外の、金額に換算できない恩恵も含めて、本市行政は回っています。税金を使っているという責任から逸脱せず、予算を要する新しい事業も必要とせず、考え方一つでこれらの恩恵に報いることはまだまだできると思います。
今回、具体的進展があり、また、この先の一歩への端緒がつきましたので、これからも公正で温かい行政の在り方を目指し、引き続き私も微力を尽くしてまいりたいと思います。御担当も引き続きのお覚悟をよろしくお願い申し上げます。
本件は以上です。
続いて、三つ目のコロナ禍における災害避難先の広報についてです。
私が提案した保存版チラシではなくて、市政ニュースを切り取って保存版にする、そう来たかという感じの御答弁内容でありましたが、進展ありということで理解、評価したいと思います。
私に言われるまでもないことでしょうが、平時における危機管理室の使命は、防災マップの作成でも、防災情報のホームページアップでもなく、避けようのない自然災害に対し、1人でも多くの市民の命を守るため、有効なあらゆる準備をしておくことです。また、私の使命は、私の提案を無理やり通すことでも、答弁でその場限りの美辞麗句を引き出すことでもなく、ユーザー側、一般市民の視座に立って、今必要なことを予想し、施策の改善を促すことです。
内容と時期の関係上、イエスかノーかを迫るような質問になりましたこと、どうぞお許しいただきたいというふうに思います。私の提案は手段の一つにすぎず、市政ニュースを切り取るほうが費用はかからない、最も早く市民に配布できるというメリットもあります。台風への備えはスピード勝負という面がありますので、とにかくその方法でやってみてください。
ただ、この質問を作成している間にも台風10号が発生して、今も日本に近づいてきております。関西、近畿直撃ということではなさそうですが、近づいてきております。どんな影響が今後出るかは分かりません。また、今後どんどん発生していく可能性もあります。本市市政ニュースの配布が次の台風10号には間に合わないということも考慮して、この際、市長にお願いしたいことを3点、申し上げておきたいと思います。
まず、今の台風10号がどうなるかにも当然よりますが、紙配布が10号に対しては間に合いませんので、せめてもし情報開示が必要なときは、ホームページのトップにそのチラシと同じ情報を掲載していただきたいと思います。御承知のように、今はコロナ情報が筆頭に来ていますが、ある意味、コロナ禍における災害避難もコロナ情報の一種だと思いますので、台風10号をしのぎ、市政ニュースが配布されるまでで構いませんので、目立つ筆頭情報としてぜひ載せてください。もし幸いにしてこちらが防災体制を取らないで済むような場合は、この限りではありません。
そして、2点目ですが、まず御担当は、地域別チラシではなく、市政ニュースを切り取り、保存版として活用するという奇策を考え出されました。大変面白いと思います。ただ、市政ニュースのスペースを急遽取るためには、聞くところによると、血で血を洗う内部抗争があるようで、かなり頑張られましたが、保存版情報は中面の白黒スペースになってしまうようです。私の提案は、行政情報には大して関心がないし、あまり見ない、でも、台風や災害は怖い、何か備えが必要だという思いはどこかにある、こうした普通の、ふだんは行政からの呼びかけにもあまり集まらない大多数の人たちの感覚になって、どのようなグッズなら取っておこうと思えるかから発想しています。冷蔵庫にチラシを貼っておくなど、いかにも私らしい、下町の貧乏くさい発想ですが、高齢世帯や家族のいる方々と情報共有するには、ICTばかりではなく、まだまだこうした
アナログ方式も役に立つのではないかと思っています。
何が言いたいかというと、表面1ページ、いつものきれいな風景写真や市長の丁寧な御挨拶も大変結構なんですが、あまり中身まで見てくれない人でも保存版の災害情報が載っているんだと気づけるよう、できれば市長挨拶をすっ飛ばしてでも、特等席の1面カラーページにこれを載せるぐらいの大胆な発想を持っていただけないかということです。せっかく1円の歳出も伴わない方法を考え出されたのですから、やるならそのくらい大胆に思いっ切りやっていただきたいなと思います。
そしてもう一つ、広報の折にお願いしたいことがあります。2年前の大規模停電の混乱を受け、関西電力では現在、関西停電情報というアプリを提供しています。前回は、停電そのものもそうですが、何度電話しても関電につながらず、復旧の情報がないことにいらついたという方が多かったと思います。現実に大規模停電が生じた場合の情報提供能力はまだ未知数ですが、少なくとも前回の何もないよりはかなりましで、人々の心を多少なりとも落ち着かせることにつながるかもしれません。関電のホームページからQRコードなどで簡単にインストールできますので、インフラ情報の案内として市からも情報提供していただくよう、併せて要望しておきたいと思います。
あれこれと欲張りなお願いばかりですが、どうぞよろしくお願いいたします。
また、もう御答弁は求めませんが、他市では、コロナ禍での避難所設置訓練などが行われていることが新聞をにぎわせております。本市は、以前の補正予算で感染予防に資する避難所用品の購入を決めましたが、その納入具合、必要箇所への配備は進んでいるのでしょうか。さらに、市は、民間企業と様々な災害時の応援協定を結んでいますが、先日、ネッツトヨタと電気自動車、ハイブリッド車による電源供給の協定が結ばれています。台数にはもちろん限りがあるでしょうから、市内で災害による停電が発生した場合、どこにどう活用するのかというのは大変難しいところだとは思いますが、結局、協定が絵に描いた餅になったということにならないよう、これもぜひシミュレーションをしておいていただきたいと思います。
危機管理室は、組織図上、何人も名前は並んでいるんですけど、よく見ると、一人何役もこなしておりまして、あまりにも小さな所帯であります。台風はもうそこまで来てますし、またどんどん発生していきますので、人が足りなくてできませんでしたというような答えがないように、今必要なことを考え、最悪の事態を想定し、大変御苦労でしょうが、総務局、そして市全体で準備に当たってください。よろしくお願いいたします。
本件はこれで終わります。
最後は、本市独自のものとして創設された
新型コロナウイルス感染症対策基金の使い道について意見、要望を申し上げます。
念のためにしつこいほど申し上げておきますが、生活困窮世帯の子供に5,000円を給付することが死に金だと申し上げているのではありません。これはこれで有益でしょう。だから、反対しないと言っております。
ただ、問題が幾つもあります。
基金を原資としたために規模が小さくなってしまいました。これはもしかすると、1回でこのくらい使っておこうかというイメージから逆算した可能性があります。これがもし、すぐに取り組みたい、真に必要性を感じた事業なら、臨時交付金がさあ使ってくれと流れ込んできているときですから、これを原資とすれば、給付は1万円でも2万円でもよかったはずです。5,000円の現金振込だと、目的のある給付ですとうたいながら、結局日常の生活費に消え、学習支援だとか感染防止に新たなよい影響を与える可能性は低くなってしまいます。掲げた目標が後づけの建前でないのなら、手間はかかっても、子供用マスクや消毒液、学年に合った優れた教材の現物支給という方法、無理ならせめて図書券という選択もあったのではないでしょうか。
また、今回、対象者もその方の振込口座も分かっているのに、全員に5,000円に対する申請書を書かせると聞きました。ここにも役所の習慣化で凝り固まった姿勢を感じてしまうのですが、その申請書はどのようなものになるのでしょうか。恐らく、何も言わなければ、分かり切った住所や名前や子供のフルネーム、口座番号まで書かせるようなものかもしれません。事業の原資は一般財源、すなわち税金ではありません。企業や市民の善意の寄附金、そして、いまだ大半を占めるのは、議員や特別職が身を削り、公職選挙法に抵触しないよう補正で付け替えを行った事実上の寄附、つまり基金全部が人の思いが詰まった寄附金の塊です。それを腹に刻んでいるなら、無機質な申請書を書かせる代わりに、西宮市では独自の
新型コロナウイルス感染症対策基金を創設し、様々な企業や市民の皆様から寄附を頂戴しています、今回は、この中から大変な思いをしている子供たちに役立ててほしいという寄附者のお気持ちに応え、少額ながら5,000円をお贈りいたします、どうかお子様の学習教材や家庭内感染を防止する衛生用品御購入の一部にお使いくださいなどのメッセージをお届けする場面なのではないでしょうか。
冒頭に、1円で人を喜ばせることも、1万円で何かを失うこともできると述べました。金がなくて必死で生き金の使い方を考えた、そんな経験を持たない人にはちょっと理解できないかもしれませんので、簡単に例を述べておきたいと思います。
例えば、コンビニあるあるですけども、ふだんは財布に邪魔なほど小銭が入っているのに、なぜか買物に行くと会計で1円足りず、仕方なく大きなお札を出さねばならないという残念な気持ちになることがあります。そんなときに傍らにいる友人が、はいこれと言って1円玉を出してくれたら、何だか少しうれしくて、得した気分になります。もしそれが何でもないときに、よかったら使ってくれと1円玉を差し出されたら、こいつ、俺をばかにしているのかと思うのにもかかわらずです。あるいは、例えば3人で思いっ切り酒を飲んで、割り勘の会計が3万2,000円だったとき、1万2,000円をさらっと出す人は、小さな包容力や爽やかさを感じさせることで、目に見えない好感を得ることができますが、2人が1万1,000円を出すのをじっと待って会計する人は、自分も1万円払っているのに、せこさやずるさを感じさせることで、目に見えない信用を失います。この差わずかに2,000円です。
私が言いたいのは、事ほどさように、お金は、金額の大きさではなく、使う人の心根や心遣い、そして使うタイミングによって、生きも死にもするということです。寄附金も公金ですが、人々の思いが詰まったという意味において、いつもの扱い慣れた市の財源とは一線を画すべきものです。コロナ禍で動くお金としてはあまりにも小さいだけに、ベストターゲット、ベストタイミングを計って、寄附を寄せてくださった皆さんの心に応える使い方を以後は心がけていただきたいと思います。
コロナ収束後、経済、文化、スポーツ、そして地域社会に至るまで、かなり荒廃した現実を目の当たりにすることになるものと思います。しかし、人は強い。その荒れた大地からも必ず新しい芽は出てきます。そんな新しい芽を枯らさないための一すくいの水として、また、子供たちが元気に再び活動しようとするときに飲ませる一杯のおいしい水として、また、深手から立ち上がり、もう一度土俵に上がろうとする人に差し出す力水として、この限られた水を少量でも生きる水に、すなわち生き金として使ってください。慌てる必要はありません。お金は逃げません。腐りません。支援が予算化されないもの、必要だけど後回しになってしまうもの、やりたいけど税金を使うことがちょっと悩ましいもの、ちょっとした心遣いを届けられるもの、こうした、基金でしかできない、西宮でしかできない対象を見つけ出してください。来年でもいい、再来年でもいい。みんなで情報のアンテナを張り、頭と心を使って、ふさわしい使い道について今後も協議していきたいと思います。今後に大いに期待しております。
以上で一般質問を終わります。
御清聴ありがとうございました。(拍手)
○議長(澁谷祐介) 篠原正寛議員の一般質問は終わりました。
次に、河崎はじめ議員の発言を許します。
〔河崎はじめ議員「対面式質問席」使用〕
◆23番(河崎はじめ) こんにちは。
市民クラブ改革の河崎はじめです。
マスクが、3月、6月とずっとこれで3回目、苦しいねと言うていて、議会運営委員会でマウスシールドね、特に夏場は暑いからマウスシールドを使っていたんやけども、議場では駄目と言われてしまって、そこに親切なうえだあつし議員が中のフレームみたいなのをくれましたので、ちょっとはしゃべりやすいかなと思って、頑張ります。
私は、4月頃から本当に息苦しくて、かかったのかなと思うぐらい息苦しかって、5月9日にたばこをやめたんですよ、ついに。119日目。こんな低成長時代やのに自分だけ太って、たばこをやめたことによって太り、コロナで自宅におることによってまた太りという形で、高度成長してます。
私、本当に体が弱かったので、子供のときに小児ぜんそくがあったので、20歳から吸い始めて、ほんまは吸わんとこうと思っていたんやけど、山に登ったらテントの中で先輩らがどわっと吸うから、もう一緒やなと思って吸い始めて、40でやめたんです。それで44でまたちょっとしたことで吸い始めて、64でやめたんです。20年ごとにやめてますので、頑張ります。
それでは、通告に従い一般質問を行います。
あんまり生い立ちの話をしておったら、総裁選に出るのかなと思われるから、やめておきますね。
解体について。
私は、これまで数々の質問をしてきましたが、多くある条例の中で、開発事業等におけるまちづくりに関する条例――以下「開発条例」と言います――について一番多く取り扱って質問してきたと思います。数々の条例に対する質問の中で特に印象深いのは、この開発条例の適用範囲の一部が公的建築物においては適用除外になっていたこととか、また、最近改善してもらいましたが、ワンルームマンションと寮の区別が明確でなかったこと等です。その都度、問題点を指摘させてもらい、改善できた点やなかなかうまくいかない点等、様々でしたが、開発業者も開発に関する条例等をよく勉強しており、これまでも、住民や行政の盲点を突いたような開発事例が散見されてきました。
そこで、これまで多くの点で条例の盲点を突かれ、度々煮え湯を飲まされてきた私の経験から、今回は、近い将来増加が考えられ、そのときに条例等の盲点の一つとなりそうな解体について質問します。
昭和40年代の高度成長期に建設された初期のマンション等が築50年を超えて、今後建て替え需要の増加が予想されます。公営住宅や施設等の建て替え増加と同じです。法律で決められているアスベストの除去などの場合を除いて、建設リサイクル法も、届出だけで、近隣住民への配慮の義務づけ等はありません。解体工事に対する周辺住民への騒音、振動等の環境負荷をはじめ、工事手順、重機や工事車両の走行の安全確保等について、業者に対して当該周辺住民への事前説明を義務づける必要があると思います。状況等を注視しながら、近い将来的には条例化することも視野に入れて、まずは要綱等で事業主体に近隣への説明等をお願いしていく体制の確立等の検討について当局のお考えを質問します。
ごめんなさい、言うのを忘れてました。一問完結型でお願いします。
1問目、よろしくお願いします。
○議長(澁谷祐介) これより当局の答弁を求めます。
◎環境局長(宮島茂敏) 解体についての御質問にお答えいたします。
建築物の解体については、建設工事に係る資材の再資源化等に関する法律、いわゆる建設リサイクル法による届出のほか、騒音規制法、振動規制法及び兵庫県の環境の保全と創造に関する条例に基づき、建設重機を2日以上使用する際には市への届出書の提出が元請業者に義務づけられております。また、解体する建築物に使用されている建材の種類によっては、大気汚染防止法に基づく届出書や、同県条例に基づく届出書を提出することが義務づけられており、これらの届出の受理や立入検査の機会において、作業計画の妥当性、騒音・振動の規制基準、安全の確保、事前説明の実施など、地域住民への配慮等に関する事項について指導助言を行っております。しかしながら、事前説明が行われずに住民から苦情や問合せが寄せられることもあることから、事業者に対しては、近隣住民や自治会等への事前説明を必ず行うよう、啓発文書の配付などにより周知しているところでございます。
議員御指摘のように、今後、マンション等の解体工事の件数増加は全国的な傾向であり、本市においても例外ではないと認識しております。適切な事前説明によって近隣住民の不安が軽減され、工事が円滑に進められるよう、今後とも、届出受付時や立入検査時において事前説明等の実施について指導助言を徹底するとともに、一定のルールづくりについて、他の自治体の取組も参考にして検討してまいります。
以上でございます。
○議長(澁谷祐介) 当局の答弁は終わりました。
◆23番(河崎はじめ) 御答弁ありがとうございました。
本当はなるべく早く条例化とかしてほしいんですけども、実際、この質問をすることによって、それまで知らなかったんですけども、近隣住民、自治会等への建築工事等の事前説明についてのお願いというのを解体の工事のときも配っておられるということで、その中をちょっと読ませてもらうと、西宮市では、開発事業等におけるまちづくりに関する条例により、一定規模以上の建築・宅地造成事業については、事業計画や工事計画等の説明を義務づけております。しかし、条例による説明の義務づけがない規模の建築工事や解体工事において近隣への事前説明が行われていないことがあるために、近隣住民からの不安の声が寄せられています。ですから、近隣住民や自治会等へ事前説明を必ず行ってくださいというふうなお願いを出してはりますので、優秀だなと思いました。知らなかったんですけどね。これをこのまま続けていただいて、ぜひ近い将来には条例にしていただきたい。そのことも一遍話はしたい、またいつか機会を違えてしたいと思いますけども、開発条例と違うて、建設するのをいろいろ規制することが解体ではできないですわね。解体するのをやめておけというわけにはいかないので。絶対に解体はしてもらわんとあかんねんけども、そのときのいろいろな大きさによる義務づけとか、そういうのを一遍考えてもらえたらなと。近隣のところとかも研究して、また私も研究してみますけども、やっていかれたらと思います。
これはこれで以上です。
2番目は、少子化について。
2019年の出生数は86万5,234名と、1899年の統計開始以来、初めて90万人を割り込みました。今年上半期の出生数は43万709人と、過去最低の前年をさらに8,824名も下回っています。特に新型コロナの影響で5月の落ち込みが激しく、単月だけで対前年7,754名と大きく減少しています。コロナ禍にある中、今後、下半期のさらなる減少も予想され、20年度版少子化社会対策白書の中では、86万ショックとも呼ぶべき状況と危機感を募らせています。
国も、保育料の無償化や子育て支援、ひいては少子化対策に取り組んでいます。また、少し前に立案された兵庫県の少子化対策強化事業では、結婚から育児までの切れ目のない支援ということで、特に出会い・結婚への支援、妊娠・出産への支援、子育ての不安を解消するための支援の3本柱を中心に、総合的に取り組んできました。
そんな中、2019年、昨年ですが、県の出生数は4万人を割り込んだことから、新たにひょうご子ども・子育て未来プランを策定し、今後5年で18万人の出生数を目標に、「若者が就業・結婚・子育てに夢を持てる兵庫」をスローガンに取組を始めています。本市としても、近い将来の少子化を考えて、県との協調した取組を行うべきだと思います。
そこで、県の3本柱に対する本市のそれぞれの取組についての考え方、さらには、本市の独自の取組について、特に男女共働きで育児と仕事を両立しやすいと思える環境づくりや、3人以上の子供がいる多子家庭や独り親家庭に対する子育て支援の在り方について、考え方を質問いたします。
以上、よろしくお願いします。
○議長(澁谷祐介) 当局の答弁を求めます。
◎政策局長(太田聖子) 御質問のうち、出会い・結婚への支援についてお答えいたします。
兵庫県では、男女とも約9割が結婚への意欲があるにもかかわらず、出会いの機会がないことから未婚率が上昇しており、出会いからサポートする必要があるとして、ひょうご出会いサポートセンターを設置し、独身男女の出会いの場を提供する事業を行っております。このような出会いの場の提供については、西宮市が単体で実施するより県全体での取組とするほうが、対象者や出会いの場を幅広く実施することができるため、効果的であると考えております。
本市においては、県が実施する事業の広報を行うなど、県と連携した取組をしていきたいと考えております。今年度に予定しておりました県が実施する事業の広報につきましては、
新型コロナウイルス感染症の影響により実施には至っておりませんが、感染症の状況等も考慮して周知に取り組んでまいります。
以上でございます。
◎こども支援局長(時井一成) 少子化についての御質問のうち、ただいま政策局長がお答えしました以外の点についてお答えさせていただきます。
少子化対策のうち、妊娠・出産への支援につきましては、妊娠期から子育て期にわたる切れ目ない支援の充実を目指し、西宮型子育て世代包括支援センターで、保健師、助産師と子育てコンシェルジュが連携を取りながら、親子を取り巻く環境をコーディネートする形で子育て支援を行っております。
妊娠・出産期では、不妊に悩む方への特定不妊治療費助成事業や、妊娠届出時の母子健康手帳交付とともに妊婦健康診査や歯科健診の受診助成券をお渡しし、保健師、助産師の面談を実施しています。また、本年10月より、産婦健康診査助成事業の開始を予定しており、産後も早期から支援の必要な方を医療機関と連携して産後ケアなどによる支援につなげられる体制を整えてまいります。
子育ての不安を解消するための支援については、本市では、子育て世帯が子育てをどう感じているかについて平成30年に市民アンケートを実施いたしました。家庭への支援として子育て支援でもっと力を入れてほしいものは何かという問いに対し、子育てに係る経済的負担の支援という回答が最も多く48.4%、次いで、保育所への入所の支援や情報提供が34.5%という結果となりました。また、子育てに関しての不安や負担について、非常に感じる、何となく感じるという回答が50.9%あり、約半数の子育て世帯が子供の年齢や世帯の収入などに関係なく、子育てに不安や負担を感じているといった結果が示されました。
こういった中、子育て世帯への経済的支援としては、国の制度の下、幼児教育・保育の無償化を開始したほか、中学校修了までの児童を対象とした児童手当の支給、また、所得制限内の独り親世帯を対象とした児童扶養手当を支給しております。今年度は、
新型コロナウイルス感染症に対応した経済的支援策として、児童手当受給世帯を対象とした子育て世帯臨時特別給付金や独り親世帯を対象としたひとり親世帯臨時特別給付金を支給するなど、経済的な支援に努めております。
育児と仕事を両立しやすい環境づくりのため、保育所等待機児童対策を市の大きな課題として取り組むとともに、子育ての孤立化を防ぎ、子育ての不安や負担を軽減するための事業の推進についても尽力してまいりました。
また、健やか赤ちゃん訪問事業や子育ての相談から利用できるサービスにつなぐ子育てコンシェルジュ事業など、様々な接点から多面的に関わっていくことで、支援を必要とする母子の早期発見・早期支援に努め、子育てに関する不安や負担を軽減するよう取組を進めております。
令和2年5月29日に閣議決定された国の第4次少子化社会対策大綱では、少子化の背景に、個々人の結婚や出産、子育ての希望を阻む様々な要因があると分析をした上で、安心して子供を産み育てられる環境整備の重要性が示されています。今後とも、多様化する子育て家庭のニーズを把握し、多子家庭、独り親家庭への支援も含め、安心して子供を産み育てられる環境整備に努めてまいります。
以上でございます。
○議長(澁谷祐介) 当局の答弁は終わりました。
◆23番(河崎はじめ) 丁寧な御答弁ありがとうございました。
今、御答弁でもありました第4次少子化社会対策大綱で、やっぱり多子世帯、子供を育てるための財政的負担を減らすということで、決定はしませんでしたけど、出た意見としては、第3子、第4子あたり、多子世帯になったら3番目の子とかに6万円ぐらいを支払って、思い切ったものを支払っていこうかというような意見もあります。
それで、西宮自体は今すぐ急に減っているわけじゃないんですけども、1年間に、日本全体、このところは50万人弱ずつぐらい人が減っていっている、生まれる人、死んでいく人。ということは、西宮市が毎年一つずつなくなっていっているというような、そんな状況ですので、これは言われて久しい問題で、今や子供を産める世代の女の子たち自体が少子化で減ってしまっているから、すぐには特効薬がないというような、そんな状況になってます。
経済的な対策で言うたら、ちょっと面白い話をしてみると、徳川家康、16人子供がおって、末っ子は60代のときにつくったと。これはすごいなと思っていたんですけども、ちょっと調べると、11代将軍、家斉やったかな、これは53人子供がおったと。すごい、日本の歴史上で一番子供が多かったんと違うかなと。53人おるうちの成人したのは25人ぐらいとか。当時は夭折が多かったのでなかなか。でも、彼らにしたら、11代将軍家斉は、50年間将軍。15歳から65歳まで将軍、すごい人生やなと思って。一夫多妻制のことを言っているんじゃないですよ。そういうことで、すごい話やなと思ったので言ってみました。
3番目にいきます。
プラスチックごみ――以降「プラごみ」と言う――の一括回収について。
政府は、各地方自治体に対して、2022年以降、家庭から出るプラごみについて、1995年成立の容器包装リサイクル法――以降「容リ法」と言う――での回収に追加して、全てのプラスチック製品をプラスチック資源として一括で回収するように要請する方針を決定しました。分かりやすく言えば、これまでの矢印がついているプラというリサイクルの表記以外の全てのプラスチック製品、例えばボールペンなんかそうですね。ボールペンなんかでも、容器包装の商品ではないので、プラスチック製品だけども、これは今までは燃えるごみですね。そういうことで燃やしてしまっていた。そういうものを全てプラスチック資源として一括で回収してくださいという政府の方針転換です。この政府方針を受けて本市の対応はどうするのか、質問します。
次に、お隣の宝塚市と青森県五所川原市では、今回の政府方針の転換を待つまでもなく、現状でもプラごみを容リ法にこだわらずに一括回収しています。本市においても先行実施に取り組むことができないのか、質問いたします。
よろしくお願いします。
○議長(澁谷祐介) 当局の答弁を求めます。
◎環境局長(宮島茂敏) プラごみの一括回収についての御質問にお答えいたします。
まず、政府方針を受けて本市の対応はどうするのかについてですが、本年7月21日に経済産業省と環境省の合同で開催された有識者会議において、国はプラスチックごみの一括回収の方針を示しました。しかしながら、現時点では、分別方法や品質の基準、費用負担などの具体的な内容が示されていないため、本市において導入に向けた具体的な検討に入る段階に至っておりません。今後とも国の動向を注視してまいります。
次に、プラごみの一括回収を実施している事例があるが、本市においても先行実施に取り組むことはできないかとの御質問にお答えいたします。
プラスチックごみの一括回収を実施している自治体においては、プラスチックごみを回収した後に、中間処理施設において容器包装類であるその他プラとそれ以外の製品プラに分別を行い、その他プラについては、いわゆる容器包装リサイクル法に基づき再商品化事業者に引き渡し、一方、製品プラについては、市独自で引取り先を探し、市の負担によりリサイクル等を行っていると聞いております。国の動向が定まっていない中で仮に本市がプラスチックごみの一括回収を実施した場合、製品プラの再資源化に向けた独自ルートの構築とリサイクルに係る費用を負担せざるを得ないことから、直ちに一括回収を実施することは困難であると考えております。国が導入しようとする制度を踏まえた上で、今後の対応について調査研究を進めてまいります。
以上でございます。
○議長(澁谷祐介) 当局の答弁は終わりました。
◆23番(河崎はじめ) これは、今日朝一番で八代議員も少し関連してもっと詳しく聞いてはりましたので、僕はどうするねんということだけを聞きたかったので、それは国の方針に合わせるというか、見てからということでいいかなと思います。
西宮市自体がプラスチックごみの回収を普通のごみと切り離して透明のポリ袋で始めたのは平成25年――2013年、7年前なんですけども、そのときから市民の感覚としては、容器リサイクルのマークがついているものだけを、汚れていたら普通に燃えるごみにしてください、ちょっとぐらいすすいだだけできれいになるものはそうやって入れてくださいということでやってきたんですけども、7年前、私のところのマンションでも、最初にごみ袋の中に普通のプラスチック、例えばさっき言うたようにボールペンの使った後とか、私自体は、プラスチック製のごみ箱のふた、邪魔やからふたは要らんわと思ってプラごみで出したら、持っていってくれませんでした。うちのマンション、101軒あるねんけど、9個も回収してくれませんでした。言うたら、結局はそういう容器包装リサイクル法で企業がお金を出してやっているところに対しての回収なんやということを理解したわけやけど、市民の人はその辺までもう一つ分かってないし、実際の環境のことを考えたら、そんならどうするねん、燃やすんか、CO2を排出するんかということなので、その辺、打合せのときに、そんなら、普通の燃えるごみの中にこういうコップとかそういうものを入れるのは完全におかしいとは思うけども、普通の資源回収のプラスチックのプラマークのついているものの中にボールペンの使ったやつを入れても別にええやないかと言うたら、それは全体で同じことなんですとごっつい言われました。でも、まだもう一つ分かってません。もう一つ分かってませんけども、でも、それをこれから一括にして資源にしようということを今回政府は言うているので、ぜひそれを政府が決めたらやっていっていただきたいと思います。
これは、宮本議員から借りた「プラスチックごみ 日本のリサイクル幻想」という、2019年版の、NPO法人アジア太平洋資料センターが出しているDVDを見せてもらったら、結局、今、容リ法で企業が出しているお金は400億円。400億円を企業が――販売量に応じた委託料を払うだけで年間約400億円を負担。しかし、地方自治体は、回収から中間処理での手選別費用等で2,500億円を負担しているということやね。これから国は、どこに負担させるかとか、そういうことも考えていくみたいやけども、私なんかに言わせたら、これはおかしいやろう、地方自治体ばっかりに、2,500億円対400億円ですよ、6倍からかかっておる、もっと企業がちゃんと負担するべきと違うかと。しかも、容リ法の成立に伴って、企業には、それまで禁じていた500ミリリットルのペットボトルの製造解禁までして、そのためにペットボトルが一気に増えたという形なので、その辺、ちょっとおかしいんじゃないかなと思うので、これはぜひ、一括で回収してもらったほうが環境にとってはCO2の排出は減るということなのでね。
結局、「日本のリサイクル幻想」というので、今日ちょっと八代議員も言うてはりましたけども、プラスチック製品からプラスチック製品へというマテリアルリサイクルになっているのは23%にすぎないということで、ケミカルリサイクルが4%、化学製品に変えていっているやつ。この二つを足しても4分の1をちょっと上回るだけ。あとは、結局はエネルギーの回収という名前の焼却――サーマルリサイクルで58%以上のものが燃やされていると。結局、温暖化しますわな、そんなことになっておったら。それとあとは、海に出たり、埋め立てられたり、そういうことで環境汚染になっておるということをぜひ本来の形に、私が思う本来の形、市民の人もそう思うていると思うんやけども、本来の形にしていきたい、プラスチックはちゃんと回収していきたい、燃やすのではなくね、そう思いますので、ぜひよろしくお願いします。
それでは、4番目の新型コロナ対策。
一つ目、デイサービス施設でのクラスター対応について。介護・障害者施設。
7月下旬から8月にかけて、お隣の大阪府では、高齢者施設14か所で新型コロナウイルスのクラスター ――感染者集団が発生し、198人が感染しました。このことが重症者の増加において一時大阪が東京を上回った一つの要因です。多くの専門家は、クラスターの発生はどんなに気をつけても防ぐことは不可能と言っています。特に高齢者や障害者においては、マスクをすぐに外したり、手洗いの励行やソーシャルディスタンスの確保も不十分になりがちで、どうしてもリスクが高くなってしまいます。入所施設ではゾーン分け等で対応するのでしょうが、今回は、デイサービス、通所施設に絞って質問させてもらいます。
また、複数のデイサービスを利用している場合、利用施設の一つでクラスターが発生した場合、濃厚接触の有無をどのように調べて対応するのか、質問します。
デイサービスは、比較的小規模事業者が多く、経営基盤も脆弱なところがほとんどです。クラスター発生での閉鎖の場合の休業補償はどうなっているのか、質問します。
障害者のデイサービスも、高齢者のそれと併せてお答えください。
保育所施設の感染対応について。
認可保育所で園児や職員が感染した場合、施設や非感染園児についての対応はどうなるのか、質問します。
濃厚接触とPCR検査について。
厚生労働省――以下「厚労省」と言う――が濃厚接触者の定義を発表しています。定義では、新型コロナ陽性者に陽性と分かった2日前からマスクなしで1メートル以内で15分以上接触した者とされ、PCR検査の対象になります。それに対して、接触確認アプリ「COCOA」では、接触ありと該当した時点でPCR検査の対象になります。幾らアプリの加入者増加を促すためといっても、前者と後者には条件について大きな差があると思います。厚労省の定義に固執していたのでは、人の集まる場所でのクラスター化を防ぐのは困難だと思います。クラスター化して特に困ると考えられる医療、介護、教育、保育等の現場では、本市独自の基準を設けて、よりきめ細かなPCR検査の実施ができないのか、質問します。
インフルエンザ予防接種について。
国内でのインフルエンザによる死者は、2018年3,325名、2019年3,412名になっています。この数は、医師が死因をインフルエンザと認めた人だけであり、肺炎を併発したり、入院後に持病が悪化して亡くなった人は含まれておりません。本日付でコロナで亡くなった人は、国内で多分1,350名ぐらいですね。そう考えるとインフルエンザは倍以上になりますね。
政府は、今後、冬場に向けてインフルエンザと新型コロナウイルスの同時流行を警戒して、日に20万件の検査を実施すると言っています。大阪府と大阪市は、費用を折半負担してインフルエンザの予防接種を無料化することで予防接種の接種率の増加を目指しています。本市も県と協議するなどして無料化を検討してはどうか、質問します。
インフルエンザ予防接種での高齢者の重症化については、接種することで死亡リスクが5分の1に減少し、入院リスクに至っては3分の1から2分の1まで減少するというデータもありますので、今年の秋からの予防接種への呼びかけには力を入れていただきたいと思います。
以上、よろしくお願いします。
○議長(澁谷祐介) 当局の答弁を求めます。
◎健康福祉局長(山本英男) 新型コロナ対策についての御質問についてお答えいたします。
デイサービス事業所にて感染者が発生した際の事業実施につきましては、事業所内において濃厚接触者が発生していない場合など、保健所により安全が確認された場合は継続して事業が可能となります。しかしながら、事業所内において複数の感染者や濃厚接触者が発生した場合など、職員の出勤停止により利用者へのサービス提供に当たり安全に配慮した最低限必要な人員の確保ができない場合は、保健所と福祉部局が情報を共有し、一定の期間の休業要請を行う場合がございます。事業所は、事業継続について、個々の状況に応じて判断することとなります。
なお、国の通知では、一時的に人員基準を満たすことができない場合、柔軟な対応が可能とされておりますことから、本市では、利用者の心身の状態に応じてサービス提供の縮小なども検討し、可能な限り事業が継続できるよう指導助言を行っております。
また、人員確保が困難で事業継続に支障がある場合は、兵庫県の介護職員等の応援協力スキームとなっている県内のデイサービス事業所を担当する兵庫県シルバーサービス事業者連絡協議会が、あらかじめ応援職員派遣協力施設に登録した施設と派遣職員の調整を行うこととしております。
次に、市では、事業所における感染者の発生状況により、やむを得ず事業所を休業する場合、利用者やその家族に対し、休業する旨の理由や休業する期間の説明、サービス利用に関する相談体制確保などについて確認を行っております。また、事業所、ケアマネジャー等が連携し、利用者個々の状態像に応じたサービスの必要性を検討し、訪問サービスへの利用調整などが適切に実施されているか、状況に応じて事業所へ確認しておりますため、休業する場合におきましても、利用者へのサービス提供が滞ることがないよう努めております。
次に、デイサービスを利用する人は複数のデイサービスを利用している場合があり、その利用者が他のデイサービスを利用している場合、それらのデイサービスの濃厚接触者の有無などをどのように調べて対応するのかについてですが、デイサービス事業所において
新型コロナウイルス感染症患者が発生した場合、感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律や
新型コロナウイルス感染症患者に対する積極的疫学調査実施要領に基づき、その患者の行動歴や施設における感染源の調査、濃厚接触者の確認等を行います。また、保健所が特定した濃厚接触者が介護・障害サービス事業所の職員やサービス利用者の場合は、本人の同意を得て福祉部局との情報共有を図っております。福祉部局におきましては、保健所から濃厚接触者としてPCR検査を受検する情報を得た後、検査結果が陽性となった場合に備え、あらかじめ事業所より、濃厚接触者の候補者の選定、従事者数や出勤状況について確認を行うこととしており、濃厚接触者の検査結果が陽性となった場合に早期に検査対象者の特定ができるよう、保健所と福祉部局が連携して対応することとしております。
御質問の複数のデイサービスを利用している場合も、それぞれの施設においてただいま申し上げました対応を行っているところでございます。
今後も、デイサービス事業所のような高齢者や障害者が利用する施設では、重症化しやすい方が多く、クラスターが発生した場合の影響が極めて大きいことから、施設における感染拡大を最小化する目的で早期にPCR検査を実施してまいります。
次に、休業補償についてですが、市では、
新型コロナウイルス感染症に係る影響調査として、市内介護サービス・障害福祉サービス事業所に対し、6月にアンケートを実施しております。その結果、議員御指摘のとおり、前年同月と比較した収入状況は、特に通所系サービス事業所において20%以上の減収があったとの回答が約4割となっており、経営に大きく影響を受けたと認識しております。しかしながら、事業所の規模や提供するサービスの内容によって受ける影響が様々であり、減収部分の補填は困難であると考えております。
本市の事業所への支援策としましては、第8回臨時議会の補正予算、8月補正において承認されました事業継続包括支援給付金事業として全事業所への給付金を交付することとして現在準備を進めておるところでございます。さらに、事業所の職員や利用者に感染者が発生した際に保健所等が行う行政検査の範囲外となり、事業所が任意で行う感染疑いのある職員や利用者への検査費用の補助につきましても、早期に実施いたします。
今後も、保健所と福祉部局で連携して事業所の感染状況を把握し、検査対象の選定を速やかに行い、早期の検査に結びつけることで事業継続支援に努めてまいります。
以上でございます。
◎こども支援局長(時井一成) 新型コロナ対策についての御質問のうち、保育施設での感染対応についてお答えいたします。
保育施設の在園児や職員が新型コロナウイルスに感染した場合には、施設の安全が確認されるまでの間、臨時休園とすることを基本としつつ、当該施設関係者における感染者や濃厚接触者の範囲のほか、施設内消毒の実施状況などに基づき、保健所とも相談の上、個別に臨時休業の必要性や期間を判断いたします。このようなことから、消毒などにより施設の安全が確認され、保育を提供するために必要な職員が確保できれば、非濃厚接触者である健康状態に問題のない児童の受入れを行うことは可能でございます。
以上でございます。
◎健康福祉局長(山本英男) 御質問にお答えいたします。
まず、濃厚接触者とPCR検査についてですが、市では、
新型コロナウイルス感染症に係る発生届が医師から提出された際、さきに答弁いたしましたように、感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律、
新型コロナウイルス感染症患者に対する積極的疫学調査実施要領等に基づき、患者行動から感染源と接触者などを調査し、適正に濃厚接触者を特定しているため、濃厚接触者のみを対象としたPCR検査を実施しております。
一方、
新型コロナウイルス接触確認アプリ――以下「COCOA」と言います――は、御質問にもありましたとおり、厚生労働省からの令和2年8月21日付事務連絡「
新型コロナウイルス接触確認アプリで通知を受けた者に対する行政検査等について」により、
新型コロナウイルス感染症の陽性者と接触した可能性があるとCOCOAによって通知を受けた方に対し、症状の有無や濃厚接触者に該当するか否かに関わらず、希望者はPCR検査等が受検できるよう求められております。これは、COCOAの機能・性質上、
新型コロナウイルス感染症の陽性者と接触した可能性があることしか分からず、COCOAで濃厚接触者か否かの特定ができないことから、濃厚接触の有無に関わらず、希望者にはPCR検査を実施することとなっておるものです。
市では、これらの違いを積極的疫学調査とCOCOAの機能・性質上の違いによるものであり、矛盾とは考えていないことから、市独自で濃厚接触者を定義することは考えておりません。ただし、現在、厚生労働省より、
新型コロナウイルス感染症にかかっていると疑うに足りる正当な理由のある方に対しましては、濃厚接触者に該当しなくとも、クラスター連鎖が生じやすいと考えられる状況等にあると認められる場合はPCR検査を実施できるよう通達されていることから、市としても積極的にPCR検査を実施しているところであります。
今後も引き続き、
新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止のため、市民が適切かつ円滑にPCR検査が受検できるよう取り組んでまいります。
次に、インフルエンザ予防接種についてお答えいたします。
市でも、この冬における
新型コロナウイルス感染症とインフルエンザの同時流行については危惧しているところであり、インフルエンザの予防策として、例年のとおり、高齢者へのインフルエンザ定期予防接種の実施を準備しているところであります。インフルエンザ定期予防接種につきましては、接種当日に65歳以上の市民、または接種当日に60歳以上65歳未満で、心臓、腎臓、呼吸器の機能またはヒト免疫不全ウイルスにより免疫機能の障害を有し、身体障害者手帳1級を所持する方を対象に、近隣市と同様に1,500円の自己負担で接種を受けられるようになっております。また、インフルエンザ定期予防接種対象者のうち生活保護を受給されている方や中国残留邦人等支援給付を受けている方につきましては、自己負担金なしで接種を受けることができます。
インフルエンザ定期予防接種は、集団予防を目的に比重が置かれている結核やはしか、風疹と異なり、個人予防目的に比重が置かれている予防接種であることから、阪神7市1町では、現時点において大阪府のように高齢者等に対してインフルエンザ定期予防接種への全額補助を実施する予定はございませんが、厚生労働省が、この冬の
新型コロナウイルス感染症とインフルエンザの同時流行を見据え、10月前半から65歳以上の高齢者等に優先的な接種を呼びかけることから、市では、例年10月15日から開始しております当該定期接種を例年より早めて10月1日から接種することができるよう、阪神7市1町と協議しておるところでございます。
昨年度における本市の高齢者インフルエンザ定期予防接種の接種率は約43%であり、市では、インフルエンザに罹患した際に重症化しやすい高齢者の方の接種率を上げることで、インフルエンザによる重症化をなるべく減らす必要性があると考えており、また、そのことにより
新型コロナウイルス感染症患者に御対応していただいている医療機関の負担軽減にもつながると考えております。
高齢者等の方に予防接種をしっかりと受けていただけるよう、市政ニュース、ホームページやポスター掲示により幅広く広報し、多くの高齢者等の方にインフルエンザ定期予防接種の存在と当該ワクチンを接種していただく意義などを知っていただくよう努めてまいります。
以上でございます。
○議長(澁谷祐介) 当局の答弁は終わりました。
◆23番(河崎はじめ) 御丁寧な答弁ありがとうございました。
ちょっと再質問があるんですけども、西宮市内で7月に、市内のデイサービスの職員の同居家族の勤務先の同僚がPCR検査で陽性になったというケースがありまして、グループホームが8月にはクラスター化して、最終的に10人の患者が出たのかな。その人は、同居家族の仕事場の同僚が陽性になって、同居家族もPCR検査をすることになったことによって、ちょっとだけタイムラグがあったんやけども、自分自身も仕事を休んだという形で、同居家族は陽性になってしまった、本人は結局最終的には陽性にはならんかったんやけども、そのタイムラグのある間に、デイサービスの送迎をやったり、お風呂の入浴サービス、入浴介護をしたりしていた。でも、保健所には、入浴介護を2回やっているんやけども、五、六分やったということで、濃厚接触者には該当しない、マスクをしていたのでと。ほかの施設の人に聞いたら、そんな五、六分で入浴介護なんかできないですよと言っているけども、まあ仕方がない。そう申告しているということで、そうなったんやけども、そういう場合、今後は、今の答弁でもありましたけども、クラスター化したら怖いことから、積極的にPCR検査を実施するように変わったと考えてええんでしょうか。それだけ質問させてください。
○議長(澁谷祐介) 当局の答弁を求めます。
◎健康福祉局長(山本英男) 再質問にお答えします。
議員御指摘の件につきましては、その方につきましては行政検査の対象外となっておるところですけれども、しかしながら、御質問の事例も含め、事業所から福祉部局へ御相談いただいた上で、事業継続のために検査が必要であると判断した場合は、検査費用の補助等を含め、迅速な対応をしてまいりたいと考えております。
以上でございます。
○議長(澁谷祐介) 当局の答弁は終わりました。
◆23番(河崎はじめ) 分かりました。
意見ですけども、予防接種のほうですけども、大阪なんかがやっていくと。これは、予防接種法とかをちょっと調べさせてもろうたら、やっぱり費用支弁は市町村の支弁であると予防接種法第25条に書いてあるね。それで、A類疾病、B類疾病とあるんやけども、第26条では、市町村が負担、支弁したものを、A類、B類によって、3分の2とか4分の3は県が負担しなさい、その後、第27条では、県が負担した分の3分の2を国が負担しなさい、国庫で負担しなさい、そういうふうになっているので、私としては思うんやけども、最終的に大阪がもし無料とかにすれば国も動くんと違うかなと思うので、この辺、7市1町とかいうややこしいことはあるけども、その辺、動きを見て、高齢者の予防接種率が43%とかで低過ぎるし、こういうものは自由診療みたいになっているから、診療所によって、普通の私なんかが受けるのは値段がまちまちやけど、高齢者は一律1,500円になっているみたいやから、それはそれでも安いんやけども、受けないというのがあるので、その辺、ぜひ接種率を高めていっていただきたいと思います。
最後ですけども、上鳴尾町鳴尾八幡神社について。
これは、もともとは一番最初に通告していたんですけども、答弁書を見ていると腹が立って腹が立って仕方がないので、一番最後に持ってきました。最初からその答弁を受けたらやる気がなくなるかなと思ったので最後に持ってきたので。一応質問します。
新型コロナで緊急事態宣言が出る前、上鳴尾町の自治会関係者からお電話を頂き、鳴尾八幡神社に行きました。自治会長さんや自治会役員の人たちから現地でいろいろと説明を受けました。神社の外周の木々は、周辺道路に度々はみ出しますが、御神木ということで伐採に苦労すること、その御神木とされる高木の枝が台風や強風により公道上に落下して危険なこと、境内も手入れがされずに荒れ放題なので、見かねた地元住民有志が草を刈ったり掃除をしたりしても、その住民たちを不法侵入者として警察に訴えたりすることから、話がこじれて問題が大きくなっていること、樹木は生い茂り、草はぼうぼう、池の水は腐って虫が湧いていたりして、衛生面での問題が大きくなっていること等々、いろいろと聞かせていただきました。神社の敷地の広さは、地図で確認すると民家にして40軒分ぐらいになり、広い敷地ゆえに影響を受ける範囲も大きいです。市内の寺社仏閣の大半は住宅街の中にあることから、管理が行き届かなくなると一気に迷惑施設になってしまいます。
調べると、鳴尾八幡神社のブログがありました。2016年8月で終わっているのですが、前年の5月31日付で、氏子が800人ぐらいいるが、年間約5,000円の氏子費を支払ってくれる氏子は10人ぐらいで、神社の運営が成り立たないことから、敷地を売却したというような書き込みがあります。また、他の人の2014年1月の書き込みでは、取りあえず廃社は免れたが、神社の規模を縮小するという書き込みがあります。
それらを受けて、まず、鳴尾八幡神社の敷地、神主、氏子組織の現状はどうなっているのか、質問します。
八幡神社とは、大分県宇佐神宮を総本社とし、全国に4万4,000社あり、県単位の神社庁が管轄しており、本市にも、上鳴尾町以外にも数か所存在しています。縦の関係の神社庁や横の関係の市内八幡神社等の関係を駆使することにより問題解決の方法がないのか、質問します。
さらに、神社本庁には多くの関係団体があります。中でも、全国神社保育団体連合会というのは、神社関係の保育園、幼稚園で組織する団体で、加盟数は200園に及び、約2万人の幼児の保育を実施しています。鎮守の森を保育の庭にを基本理念に、心の教育の実践・展開に努めています。鳴尾八幡神社は、敷地も広く、もし保育所が誘致できれば、本市の保育所待機児童問題の解決の一助になると思います。
人々の生活スタイルや考え方が変わり、寺社仏閣の経営は苦しくなっています。そういうケースはここだけではありません。さきの関係団体等に橋渡しするような、行政にアドバイスができる体制があってもよいと思います。数世紀にわたり続いてきた伝統や文化施設を周辺住民の迷惑施設にしてしまってよいわけはないと思います。当局の見解をお聞きします。
○議長(澁谷祐介) 当局の答弁を求めます。
◎総務局長(中尾敬一) 鳴尾八幡神社についての御質問にお答えをいたします。
一般的に、市は、宗教施設や宗教団体等の運営につきまして、これは他の民間団体の運営とも同様でございますけれども、立ち入ることはできないと考えております。そういったこともございまして、まず御質問の鳴尾八幡神社の敷地、神主及び氏子組織の状況につきましては、現在、市では把握をしてございません。
また、関係団体、例えば御質問にもありました神社本庁等は、実は宗教法人ということもございまして、関連団体の運営、宗教法人等の運営につきましても、関与することはできないというふうに考えております。
しかしながら、御質問にありましたように、樹木の管理でございますとか、環境衛生に関する事柄、これは一般の行政に関わることでございますので、こういったことに関する周辺住民の方々からの御相談につきましては、それぞれの所管部署によりまして応じさせていただいております。
以上でございます。
○議長(澁谷祐介) 当局の答弁は終わりました。
◆23番(河崎はじめ) ありがとうございます。
なかなか、ほんま何回も言っても前に進まない話で、私も、県の神社庁に電話しました。そしたら、向こうも困ってはります、連絡が取れないと。自治会の人なんかに言わせても、近くにおるみたいやけど、中に住んでおらへんのと違うかみたいな話で、連絡が電話では取れない、ですから、手紙を書いているけどナシのつぶて。西宮神社に間に入ってもろうているけども、そこも全然話が進まない。上鳴尾の自治会の人らも70代ぐらいの人、私より上の人がほとんどです。ほとんどというか、全員やったと思いますね、僕が会った人らは。その人たちが、別に警察に訴えられても、警察もそんなにやから、やり続けますと言うてくれて、ある程度は片づけてくれたりはしてます。でも、草がぼうぼうの地区もあって、この中には蛇がおるとか怖いとか言うてはります。でも、こんなんはいつまでもできないですよ、お年寄りがそんなんね。
ほんまに困っているのは西宮市民ですよ。それでええんですか。宗教法人の固定資産税とかは、西宮は非課税にしているはずやし、この辺、ええのかどうかというのを聞いたら困るわね。困るから聞かへんけども、ほんま、困っているのは西宮市民やから、何とか解決の場をつくってくれるとか、話合いに応じてもらうとか。
これはここだけじゃないんですよ。ほかの八幡神宮では、野焼きをしよるというのが2年か3年前にあって、私は間に入ってえらい目に遭うて、公開質問状を出すぞまで言われて、でも、結局は警察に言って、警察は、いつでもそんなんは引っ張りますよと言うてくれて、やめさせてもらえました。近くにマンションがどおんとあるのに、日曜日の6時半から境内で、今まで1週間に集めたものをばあんと燃やしますと。毎週それをやっていて、言うたら、その煙がマンションにどおんと、日曜日の夕方6時半、「サザエさん」の時間ですわ、そのときに当たってくる、とんでもないところと。でも、それは、確かに廃棄物の処理及び清掃に関する法律で野焼きは禁止って書かれているので、警察もそれはいつでも言うてくださいということで、やめてもらいました。
それとか、あと、神社でも、中津浜線沿いのペットショップの奥側にある神社なんかは、まだその奥にあるマンションの3階建ての機械式駐車場に御神木の枝がいっぱい出ていて、季節によってはどんどん落ち葉が出ていく、何回言うても御神木やから仕方がない、そんなんありますけど、それを何とか、宗教法人やから知らんじゃなくて、困っているのは、何回も言うけど、西宮市民なんやから、何か方法はないのかなと思います。
最初から言うていたら、ここで、もう質問はいいですわ、やめまっさと自分自身言いそうやったから、だから、最後に持ってきました。
それでも、本当に困っているのは、何回も言うけども、同じ西宮に住んでおられる方々なので。完全に空き家になってしもうたら、そんなら空き家として対策を打てるのかというても、なかなかそれも四の五の言われましたし、なかなか難しい。でも、解決していきたいなと思いますので、また何かあったらよろしくお願いします。
以上で終わります。
ありがとうございました。(拍手)
○議長(澁谷祐介) 河崎はじめ議員の一般質問は終わりました。
以上で本日の日程は全部終了しました。
次会は、来る9月7日午前10時から本会議を開くことにします。
なお、ただいま議場に在席の議員には、文書による開議通知を省略させていただきますので、御了承願います。
本日は、これをもって散会します。
御協力ありがとうございました。
〔午後5時22分 散会〕...