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開催日:2018-10-05 平成30年決算特別委員会第2分科会〔29年度決算〕(建設局) 本文
開催日:2018-10-05 平成30年決算特別委員会第2分科会〔29年度決算〕(建設局) 協議事項・名簿

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  1. 神戸市議会 2018-10-05
    開催日:2018-10-05 平成30年決算特別委員会第2分科会〔29年度決算〕(建設局) 本文


    取得元: 神戸市議会公式サイト
    最終取得日: 2023-04-24
    本文へ移動 ↓ 最初のヒットへ(全 0 ヒット) 1   (午前10時0分開会) ◯主査(人見 誠) おはようございます。  それでは,ただいまから決算特別委員会第2分科会を開会いたします。  なお,林委員より,通院のため早退する旨の連絡が入っておりますので,御報告申し上げておきます。 (建設局) 2 ◯主査(人見 誠) それでは,日程によりまして,建設局関係の審査を行います。  当局の説明を求めます。局長,着席されたままで結構です。 3 ◯油井建設局長 それでは,建設局所管の平成29年度決算につきまして御説明申し上げます。  お手元の資料,平成29年度決算説明書の2ページをお開きください。  初めに,一般会計の決算について御説明いたします。  総括事項でございますが,建設局では,市民の生命と財産を守りつつ,市民生活をより快適なものにするための施策を進めているところでございます。集中豪雨や台風による大雨等の自然災害から市民生活を守るための対策や,老朽化した社会インフラの適切な維持管理により,市民の安全・安心を確保していく必要があるのはもちろんでございますが,さらに神戸の魅力を高め,より豊かな市民生活を実現するために,道路を初めとする公共空間の魅力を向上させていくことも求められているところでございます。  このような状況を踏まえまして,平成29年度は防災・減災や社会インフラの適切な維持管理に加え,神戸の魅力を高めるための事業をあわせて実施し,輝ける未来創造都市の実現に向けた取り組みを進めました。  主要な事業の概要でございますが,1.市民が地域とつながり福祉と医療をはじめ安心してくらせる街では,(1)土砂災害対策といたしまして,近年,災害が多発し,長期の通行どめを余儀なくされました六甲山エリアについて,六甲山道路防災計画に基づき,防災対策を重点的に実施いたしました。  また,平成29年が昭和42年7月豪雨災害から50年の節目に当たることから,国・県等と連携しながら啓発を行うとともに,平成28年度から兵庫県が指定を進めているレッドゾーンにつきまして,市民への広報や啓発,既存不適格住宅等に対する移転・改修支援制度の創設などの対策を進めました。  3ページをごらんください。  (2)道路・橋梁の安全対策でございますが,橋梁及びトンネルにつきましては,道路法に基づく定期点検を実施し,効率的・効果的な維持管理を行うとともに,緊急輸送道路の橋梁耐震化を進めました。  また,緊急輸送道路等の空洞調査を計画的に実施し,発見した路面下空洞の速やかな補修を実施いたしました。  (3)良好な河川環境の創造でございますが,妙法寺川等において,都市基盤河川改修事業を引き続き実施するとともに,準用普通河川改修事業の取り組みを強化いたしました。  また,河川管理施設の損傷等を早期に発見し,修繕いたしました。
     4ページをお開きください。  (4)六甲山森林整備戦略でございますが,私有林を含めた六甲山全体の森林整備や発生材の活用など総合的な事業を展開いたしました。  (5)再度公園・摩耶山の活性化・自然公園施設改修でございますが,再度公園や外国人墓地等において,活性化事業として国の企業版ふるさと納税制度の認定を受けるとともに,ハイキングコースの改修等を行いました。  また,摩耶自然観察園の再整備や摩耶きらきら小径の改修を行うほか,自然公園施設の改修にも取り組みました。  さらに,六甲最高峰エリアにおいて,トイレの再整備に向けた検討を進めました。  5ページをごらんください。  (6)公園遊具などの改築・更新,バリアフリー化でございますが,遊具等の改築・更新を行うとともに,健康ベンチなどの設置及び園路等のバリアフリー化を推進いたしました。  (7)道路附属物等の計画的な更新でございますが,歩道橋道路案内標識の配置の再検討,危険木の撤去等のアセットマネジメントを実施いたしました。  (8)街灯の整備でございますが,道路照明灯につきましては,引き続きLED照明の切りかえを順次行うとともに,私道の街灯につきましては,助成制度を拡充いたしました。  6ページをお開きください。  2.世界に誇れる夢のある街,(1)都心の将来ビジョンの実現に向けた道路整備推進事業でございますが,都心の新たなまちなか拠点として,JR元町駅東口南駅前広場において,待ち合わせや休憩ができる場所の整備を進めるとともに,KOBEパークレットを新たに京町筋に設置いたしました。  三宮プラッツにつきましては,にぎわい創出事業の継続的な実施及び改修に向けた設計を行いました。  (2)東遊園地活性化・再整備事業でございますが,再整備に向けた検討を実施するとともに,自立した持続可能なパークマネジメントの検討を進めました。  7ページをごらんください。  3.市民が元気で働けるにぎわいのある街,(1)自転車利用環境総合計画推進事業でございますが,兵庫区の西出高松前池線等において,自転車レーン等を整備いたしました。  また,兵庫駅前において,民間駐輪場事業者と連携し,放置自転車撤去等の駐輪対策を進めました。  (2)質の高い道路空間づくりでございますが,都心部において,観光地周辺の経路にベンチを設置するとともに,葺合南54号線における道路のリデザインを実施しました。また,都心以外におきましても,道路のユニバーサルデザインを推進いたしました。  (3)広域幹線道路の整備促進でございますが,ミッシングリンクとなっている大阪湾岸道路西伸部や神戸西バイパスなどの整備を促進いたしました。  (4)道路ネットワークの整備でございますが,平成29年度は神戸三田線等の幹線道路整備を推進いたしました。  8ページをお開きください。  (5)道路の不法占用対策の推進でございますが,北野地区をモデルエリアとして,新たに推進指導員を配置し,広報・啓発活動や指導を実施いたしました。  (6)御崎公園整備事業でございますが,ラグビーワールドカップ2019に向け,ハイブリッド芝等の新技術を導入した芝生ピッチ工事を実施するとともに,老朽化した受変電設備の改修工事を行いました。  (7)キーナの森整備でございますが,生物多様性保全のシンボル拠点として,キーナの森を平成29年7月に開園いたしました。生物多様性の保全・育成を行うとともに,環境学習や市民活動の拠点として活用いたしました。  (8)動物園の魅力向上でございますが,ペンギンプールの改修工事等の施設改修を実施いたしました。  続きまして,10ページをお開きください。  平成29年度一般会計歳入歳出決算額について御説明申し上げます。  なお,金額は万円単位で御説明いたします。  歳入につきましては,一覧表の最下段の合計欄に記載しておりますように,決算現額125億6,107万円に対し,決算額92億4,051万円で,予算現額に比べ33億2,055万円の減となっております。  11ページをごらんください。  歳出につきましては,最下段の合計欄に記載しておりますように,予算現額359億9,027万円に対し,決算額279億3,303万円で,翌年度への繰越額は51億372万円,不用額は29億5,352万円となっております。  14,15ページをお開きください。  歳入から順次内訳を御説明申し上げます。  15ページ中央の収入済額欄をごらんください。  第16款分担金及負担金の決算額につきましては1億3,584万円でございます。内容につきましては,右端の備考欄に記載しておりますように,道路改良整備工事に伴う負担金等でございます。  第17款使用料及手数料53億5,501万円は道路占用料等でございます。  16,17ページをお開きください。  第18款国庫支出金24億2,684万円は,道路橋梁事業に対する国庫負担金等でございます。  第19款県支出金3億7,794万円は道路橋梁事業に対する県負担金等でございます。  18,19ページをお開きください。  第20款財産収入4億387万円は,NTT無線中継所等市有林貸地料等でございます。  第21款寄附金5,325万円は,公園緑地事業等に対する寄附金でございます。  20,21ページをお開きください。  第22款繰入金1億1,047万円は,公園緑地事業等基金からの繰入金でございます。  第24款諸収入3億7,725万円は,道路掘削跡管理者復旧の受託収入等でございます。  26,27ページをお開きください。  次に歳出でございますが,27ページの支出済額欄をごらんください。  第9款土木費,第1項土木総務費の決算額につきましては54億8,306万円でございます。内容につきましては,右端の備考欄にございますように,建設局職員の給料及び諸手当等に要した経費でございます。  28,29ページをお開きください。  第2項道路橋梁費24億4,509万円は,道路の管理,街灯の新設・照度アップに要した経費,30,31ページに参りまして,私道の公道化推進の助成等に要した経費でございます。  第3項道路橋梁整備費86億3,195万円は,将来道路網設計調査に要した経費,32,33ページに参りまして,新名神関連公共施設整備等道路改良,道路美化,道路の維持補修,34,35ページに参りまして,橋梁整備,ユニバーサル歩道整備事業道路掘削跡管理者復旧工事等に要した経費でございます。  36,37ページをお開きください。  第4項公園緑地費49億1,760万円は,公園や街路樹の維持管理,六甲国立公園等の維持管理,38,39ページに参りまして,神戸総合運動公園等の維持管理等に要した経費でございます。  第5項公園緑地整備費30億1,016万円は,市内一円の公園施設整備,40,41ページに参りまして,松くい虫対策事業,花のまち神戸の推進事業等に要した経費でございます。  42,43ページをお開きください。  第6項河川砂防費13億8,001万円は,準用河川及び普通河川の維持管理,妙法寺川等の都市基盤河川改修,44,45ページに参りまして,自然災害防止事業等に要した経費でございます。  第10款都市計画費,第4項街路事業費9億7,842万円は,山手幹線等の用地買収及び街路築造工事に要した経費でございます。  46,47ページをお開きください。  第13款教育費,第11項社会教育費7億1,187万円は,王子動物園の管理運営等に要した経費でございます。  第14款災害復旧費,第1項災害復旧費3億7,479万円は,平成29年度に発生した台風による被害の復旧工事に要した経費でございます。  48,49ページをお開きください。  第15款諸支出金,第2項過年度支出4万円は,過年度支出に要した経費等でございます。  平成29年度に実施いたしました工事等の詳細につきましては,52ページから69ページに工事箇所表を掲げておりますので,後ほど御参照ください。  続きまして,駐車場事業について御説明を申し上げます。  72ページをお開きください。  駐車場事業費歳入歳出決算額一覧表でございますが,歳入につきましては,一覧表の最下段の合計欄に記載してますように,決算額は9億5,043万円でございます。  73ページをごらんください。  歳出につきましては,最下段の合計欄に記載しておりますように,決算額は9億4,392万円でございます。  76,77ページをお開きください。  まず,歳入でございますが,77ページの収入済額欄をごらんください。  第1款事業収入9億5,043万円は,駐車場使用料や他局施設負担金等でございます。  80,81ページをお開きください。  歳出でございますが,81ページの支出済額欄をごらんください。  第1款駐車場事業費,第1項運営費6億338万円は,駐車場の管理運営経費でございます。  第2款諸支出金,第1項他会計への繰入金3億4,053万円は,公債元利償還金の繰出金でございます。  続きまして,下水道事業会計につきまして御説明申し上げます。  83ページをお開きください。  1総括事項でございますが,下水道は,生活環境の改善,公共用水域の水質保全及び浸水の防除など,安全で快適な環境共生都市の実現に欠かせない基盤施設であり,まちの発展と市民生活,社会経済活動を支える重要な役割を果たしております。  平成29年度は,神戸市下水道長期計画基本構想とこうべアクアプラン2020に基づき,事業の必要性・緊急性・優先度を十分考慮した効率的かつ効果的な下水道整備に努めました。経営収支につきましては,維持管理費が増加したものの,減価償却費や支払利息の減少により,黒字決算となりました。  次に,2業務実績でございますが,下水処理量は1億8,100万立方メートル,汚水中継量は2,573万立方メートル,雨水排除量は1,178万立方メートルでございます。  次に,3主要な事業の概要でございますが,(1)市民が地域とつながり福祉と医療をはじめ安心してくらせる街では,1)西部処理場北系整備といたしまして,前年度に引き続き既存1系の代替施設となる北系水処理施設等の築造工事を実施いたしました。  84ページをお開きください。  2)魚崎ポンプ場改築・更新につきましては,設計施工一括発注方式を採用しており,平成29年度は実施設計が完了し,前年度に引き続き一部工事を実施いたしました。  3)宇治川ポンプ場改築・更新につきましては,宇治川ポンプ場は耐用年数である50年を経過し,施設の老朽化が進んでおり,改築・更新を実施しております。平成29年度は改築方針の検討を行いました。  4)浸水対策につきましては,浸水の危険性の高い低地盤地区等において,浸水被害の低減を図るため雨水幹線等の整備を行いました。また,大規模な地下街を有する神戸駅周辺を対象に,浸水想定区域及び雨水出水特別警戒水位の検討を行いました。  85ページをごらんください。  5)西部処理場の汚泥処理民間委託につきましては,西部処理場の汚泥処理施設運転管理業務につきまして,行財政改革2020に基づき,平成29年4月より民間活力の導入を図りました。  6)下水道ストックマネジメント計画の策定につきましては,施設の計画的な維持管理と改築・更新による機能保全のため,下水道ストックマネジメント計画の策定に着手いたしました。  7)今後の下水道経営についての検討及び広報につきましては,今後の下水道事業の経営と下水道使用料制度のあり方について上下水道事業審議会に諮問し,審議していただいております。あわせまして,下水道事業の現状等に対する市民の理解を得るための多角的な広報を展開いたしました。  続きまして,88ページには議会議決事項等を,89ページから91ページにかけまして工事を,92ページから94ページにかけまして業務を,95ページに会計を,96ページにその他といたしまして,他会計補助金等の使途を掲載しております。  続きまして,98ページをお開きください。  2平成29年度神戸市下水道事業損益計算書について御説明申し上げます。  なお,金額は万円単位で御説明いたします。  1営業収益は,下水道使用料,他会計負担金,雨水処理補助金で225億8,895万円,2営業費用は管渠費,処理場費,ポンプ場費などで304億2,532万円,この結果,営業損失は78億3,636万円となっております。  3営業外収益は,受取利息及配当金,他会計補助金,長期前受金戻入などで111億298万円,4営業外費用は支払利息及企業債取扱諸費,雑支出で28億4,372万円,この結果,経常利益は4億2,289万円となっております。  5特別利益は,固定資産売却益,過年度損益修正益,その他特別利益で9億428万円,6特別損失は,過年度損益修正損,その他特別損失で3,245万円,この結果,99ページにございますように,当年度純利益として12億9,473万円となっております。これに前年度繰越利益剰余金24億2,459万円を加えた当年度未処分利益剰余金は37億1,932万円となっております。  続きまして,100ページから101ページにかけまして,剰余金計算書を掲載しております。また,102ページには剰余金処分計算書を掲載いたしておりますが,この内容につきましては,後ほど決算関連議案で御説明させていただきます。  続きまして,103ページから107ページにかけまして貸借対照表を,108ページから109ページにかけましてキャッシュ・フロー計算書を,110ページから111ページにかけまして収益費用明細書を,112ページから113ページにかけまして固定資産明細書を,114ページから129ページにかけまして企業債明細書を掲載しております。  続きまして,130,131ページをお開きください。  10平成29年度神戸市下水道事業決算報告書について御説明申し上げます。  (1)収益的収入及び支出でございますが,収入の表,決算額の欄に記載しておりますように,下水道事業収益は361億2,635万円となっており,また,支出の表,決算額の欄に記載しておりますように,下水道事業費は338億5,973万円となっております。
     続きまして,132,133ページをお開きください。  (2)資本的収入及び支出でございますが,収入の表,決算額の欄に記載しておりますように,資本的収入は159億8,616万円となっております。また,支出の表,決算額の欄に記載しておりますように,資本的支出は288億2,334万円となっております。  翌年度繰越金は74億4,900万円で,工程調整のために平成30年度へ繰り越したものでございます。  なお,欄外の(注)にございますが,資本的収入額が資本的支出額に不足する額128億3,718万円につきましては,損益勘定留保資金等で補填いたします。  続きまして,134ページから135ページにかけまして基金運用状況表を,137ページ以降に下水道事業会計決算参考書を掲載しております。  続きまして153ページをお開きください。  4決算関係議案について御説明申し上げます。  第56号議案平成29年度神戸市下水道事業剰余金処分の件でございますが,1利益剰余金の処分につきましては,平成29年度末の未処分利益剰余金37億1,932万円のうち,建設改良積立金として17億1,932万円を処分しようとするものでございます。  2資本剰余金の処分につきましては,水洗化貸付金の債権放棄及び時効援用に伴う不納欠損処分により7,772万円を神戸市下水道事業基金の取り崩しのため,処分しようとするものでございます。  続きまして,155ページをお開きください。  5平成29年度決算に基づく資金不足比率の報告でございますが,下水道事業会計では資金不足は生じておりません。  以上で,建設局所管事業につきましての平成29年度決算の説明を終わります。  先ほど,ちょっと御説明のときに言い間違えたところがあります。10ページの平成29年度一般会計歳入歳出決算額についての説明のところで,予算現額と言うところを,決算現額と読み上げました。ちょっと訂正をさせていただきます。  何とぞよろしく御審議のほどお願い申し上げます。 4 ◯主査(人見 誠) 当局の説明は終わりました。  引き続いて,順位により質疑を行います。  なお,委員会運営の効率化のため,当局におかれては簡明な答弁に努めるとともに,適当なものについては担当部課長からも答弁されるよう,この際,特に申し上げておきます。また,質疑者が要望にとどめた項目についてはコメントを要しませんので,念のため申し添えておきます。  また,委員各位におかれては,質疑の要点をおまとめの上,簡明にお願いいたします。  それでは,大井委員,発言席へどうぞ。 5 ◯分科員(大井としひろ) おはようございます。  こうべ市民連合の大井です。これから,5問まとめて質問させていただいて,後,一問一答で質疑をさせていただきますんで,よろしくお願いします。  まず最初に,須磨多聞線についてお伺いをしたいと思います。  昨年の予算特別委員会で,前任の末永局長と質疑をやりとりさせていただきまして,全体計画の約7キロのうち,これまでに約4.6キロが完成していると。一部,多井畑周辺1.9キロについては,URが土地譲渡者に譲り渡している現状があるというようなことをおっしゃっておられましたけれども──これは後ほどまた質疑させていただきますが,そして,西須磨工区0.5キロについては,周辺道路とのネットワーク化を推し進めるためにも,整備を進めていきたいというような御答弁がありました。  あの答弁から約1年半がたちまして,須磨多聞線についても,ようやくことしの夏に測量作業に着手をし,現在は土質調査を行っているとお聞きをしております。今後は,詳細設計を進めて,引き続き,早期の工事着手に向けた取り組みを進めていくものと思いますけれども,事業を進める際には住民の皆さんへの丁寧な説明も必要でございますし,これまでの経緯を踏まえると,個々の住民の皆さんには,単純な賛成・反対にとどまらず多様な立場で意見があると思われます。特定の地域の団体の声だけでなく,住民の皆さんのさまざまな声に,きめ細かく対応していただくことが,須磨多聞線の進め方のあるべき姿と考えますが,御見解をお伺いしたいと思います。  次に,橋梁の長寿命化についてでございます。  ことしの8月に,イタリアの北部のジェノバで幹線道路にかかる高架橋が崩落し,多数の死傷者が出ました。この高架橋は,海風にさらされ腐食が進み,常に補修作業が必要な状態だったとのことでございます。  建設局では,橋梁の安全対策として法定点検を実施した上で計画的に修繕を行い長寿命化を図っているということでございますけれども,イタリアのような事故は起こらないのか,当局の御見解をお伺いしたいと思います。  また,国や自治体などで2014年度から進めている道路橋の一斉点検が,18年度で一巡するようでございますが,神戸市では老朽化が進んだ橋梁があるのではないかと思っております。  神戸市の点検状況をお聞きしましたところ,2,380カ所のうち2,175カ所,91%は点検が済んでおるようでございます。その中で,支障が生じており緊急に処置すべきレベル4の橋梁が1カ所,支障が生じる可能性があり早期に処置しなければならないレベル3の橋梁が245カ所あるとのことでございました。この神戸市のレベル3・4の橋梁を,どのように対策していくのかお伺いをしたいと思います。  3つ目が,最近,私,選挙運動ばかりで,大変運動不足でちょっとおなかも出てきておりまして,この運動不足解消のために……(「政治活動。」の声あり)  政治活動ね,はいはい。運動不足解消のために,今,須磨区の還暦野球チームに入れていただきまして,暇を見つけて練習に励んでおるわけでございます。名谷公園の中にあります名谷公園野球場がホームグラウンドでして,そこで練習をし,そして試合もそこで,他都市から来た方々とやっております。  それで,私もたまに公式試合に参加させていただいて,野球の試合に行くんですが,神戸市外の野球場で試合をするわけでありますけれども──明石市,播磨町,宝塚市,三木市,芦屋市,西宮市,尼崎市などで行うわけですけれども,他の野球場へ行きまして,初めて気づいたことがあるんです。要は,今言いましたような周辺の都市の野球場は,もうみんなすばらしい野球場で,一番しょぼいのが名谷公園の野球場なんですよ。これは,行ってみないとわからなかったんですけれども,もうみんなすばらしい野球場で,そういう中で,ふだんから他都市のチームはやっておられましてね──須磨の還暦野球チームは去年は1勝もできなかったそうです。それで,弱いからいうことで,私も入っても大丈夫かなと。私はもともとサッカーなんですけど,野球も,ちょっと運動不足でちょうどいいかなっていうことで野球をさせていただいておるんですけども,そういう意味でいきますと,やっぱりこの辺のところをもう少し見直していかなあかんのではないかなと。  そして,その試合に実は審判の方々が──要するに尼崎や宝塚のチームの方々が名谷公園に来て審判をするんですよ。そのときの審判の方々が来ていただいても,着がえるとこもないんですよ。他都市には,立派な本部席や審判席がバックネット裏にどこの球場にもあるんですけれども,名谷公園にはないわけなんですよ。これ1つとっても申しわけないなと,いつも感じておりまして,先日,外郭団体の特別委員会がありまして,ここでみなと総局の所掌するOMこうべに対しまして──このOMこうべが昔はニュータウン開発管理株式会社とかいう名前で,ニュータウンの開発管理なんかもやってた会社が,今,OMこうべとなっておると。OMこうべは300億近い内部留保金を持っておられるんで,そうであるならば,ニュータウンの皆さん方に感謝の気持ちも込めて,名谷公園の野球場のバックネット裏に,審判や皆さん方の本部席みたいな建物を,OMこうべが寄附してはどうですかというのを,特別委員会で質問させていただきましたらね,検討しますと,そういうお答え返ってきたんですよ。  ぜひ,建設局とみなと総局と一遍調整していただいて──高齢者の方々の野球場ではないんですよ,あそこは。子供さんたち──少年野球もするんです。少年野球の子供たちが野球するとなると,お母さん,お父さんついてくるんですよ。お父さん,お母さんも,多分,尼崎やほかのまちへ行って野球場を見てはると思いますよ。そうしますと,やっぱり若い人に選ばれるまち神戸市って,久元さん常々おっしゃっておられますけど,あの名谷球場の状態を見てると,皆ほかのまちへ若い方は出ていくっていうようなことになりかねないと思ってます。ぜひ,その辺のところも含めて御見解をお伺いします。  3つ目が,名谷駅前駐輪場についてです。  ことしの7月にリニューアルをされまして,有料エリアの集約や無料エリア──約900台弱の無料のエリアを拡大していただきまして,大変皆さんから好評をいただいております。大変,利便性が向上していると思っております。  しかし,せっかくよくなったこの駐輪場ですけれども,より多くの方に利用してもらうためには,やはりあわせて自転車走行空間──自転車専用道の整備がもっと必要ではないかと思うわけですけれども,その辺のところ,当局の見解をお伺いしたいと思います。  そして,最後は,公園における公民連携事業の推進についてです。  効果的で効率的な公園の整備や管理が求められておるわけでありますけれども,民間の自由な発想を生かした公園の利用活性化が注目されておるわけでございます。先日も企業建設委員会のメンバーで,福岡──博多あたりのそういう公園を見てきましたけれども,大変すばらしい公園の中にレストランやそういうものができておりました。  建設局では,昨年度から公園における公民連携事業の実現可能性を検討しておられると思いますけれども,この進捗状況,今後の展開等をお伺いしたいと思います。  以上,5点について質疑しますので,簡潔に御答弁お願いします。  以上です。 6 ◯油井建設局長 そうしましたら,私のほうから,まず須磨多聞線について答弁させていただきます。  須磨多聞線西須磨工区につきましては,いろんな形で住民の方々に説明したり御意見を伺っているわけですけれども,住民の皆様からいただいた御意見,御質問にお答えするために,7月に測量作業に着手しまして,現在は土質調査を行っており,今後,詳細設計を進めていく予定でございます。詳細設計の成果をもとに,住民の皆様との話し合いの場を設けて,より住民の理解深めるように努めてまいりたいというふうに考えているところでございます。  委員の御指摘のとおり,住民の間には単純な賛成・反対にとどまらず多様な立場に応じた意見があります。これまでの取り組みにおいても,さまざまな意見をお聞きしているという状況でございます。  例えば,昨年度開催しました須磨多聞線整備を考える会では,西須磨から桃山台にかけて沿道の皆様1,900戸に御案内をさせていただきまして,さまざまな立場の住民の方から広く意見をいただいたわけです。この中では,西須磨地域以外にお住まいの方からは天井川左岸線や離宮道の混雑緩和のために須磨多聞線を整備すべきという御意見をいただいております。また,学童の保護者からは通学路の安全確保を考えてほしいと,そういった意見もいただいており,実にさまざまな意見がございます。  このほか,説明会などでは,沿道にお住まいの方からは,自分の自宅の前の道路がどのような構造になるんか,例えば高さはどうなるんかとか,歩道の幅員はどうだとか勾配はどうなるんだとそういった御質問とか,また,自宅との取りつけはどのようになるのか,そういった具体的な質問をいただいております。  神戸市としましては,多様な意見を幅広く拾い上げるために,住民の皆様が自由に意見交換できる場を提供していくことが大切やというふうに考えてございまして,今年度,須磨多聞線周辺まちづくり検討会を開催をしております。ここでは住民から,交差点の計画であるとか交通安全対策,それから私有地の活用などさまざまな意見が出されておりまして,住民同士でも自由闊達に議論する場面が見られております。  今後も,この検討会の場であるとか,これまで行ってきました小さな単位での集まり,また個別相談であるとかミニニュースによる情報発信など,さまざまな形式や媒体を活用しながらきめ細かく対応していって,住民の理解を深めていくことで早期整備に向けて取り組んでまいりたいというふうに考えてございます。  それから,橋梁の関係の質問をいただきました。  イタリアでの落橋事故の話がありましたけども,これは,8月の14日にイタリア北部のジェノバで高速道路の高架橋が落橋をして40名以上の方が亡くなられたという事故が起こったわけですけれども,この高架橋は1964年代に架設されたために老朽化が進んでおったということです。何度も補修が行われていたんですけれども落橋したということで,現在のところは落橋の原因についての特定には至っていないようでございます。  神戸市は,今,道路橋として2,150橋,それから歩道橋として230橋を管理しておるわけなんですけども,過年度から点検・補修を行って対応してございます。平成26年度以降は,平成25年の道路法施行令の規則の一部改定に伴いまして,5年に1度の近接目視点検が義務化されたために,国が定めた点検要領に基づきまして,健全度の診断を行っており,必要な対策を実施しておるわけでございます。  本市の橋梁も今後,急速に高齢化を迎えることから,委員御指摘のとおり,イタリアで発生したような事故と同様の事故が起こらないように,従来の事後保全的な修繕から,予防保全的な修繕に転換しまして,点検・計画・修繕という橋梁マネジメントを確実に推進して,市民生活の安全・安心に努めてまいりたいというふうに思ってございます。  それから,橋梁点検についての対応ということですけれども,今年度末で全ての橋梁において,一巡目の法定点検が完了する見込みです。  点検結果についてですけれども,現在,緊急措置が必要な橋梁は1橋把握してございます。それから,5年以内に修繕が必要となる橋梁は,全体の10%──245橋がございます。  緊急に措置が必要となる橋梁については,田園地域における田畑へ向かう道路でありまして,交通量が極めて少ないために,現在は通行どめの措置をとってございます。今年度中に補修を行う予定でございます。  それから,5年以内に修繕が必要となる橋梁については,損傷の要因を究明して順次,適切な方法で対策を行っていくということで,平成29年度末時点では,点検により5年以内に修繕が必要となる橋梁については,67橋の対策が完了しているという状況でございます。  それから,名谷駅の自転車走行空間の話ですけれども,名谷駅前の駐輪場については,利用者の減少により収容能力に余裕が出てきたということで,地域の活性化を図る観点から安全で利用しやすい駐輪場を目指しまして,ことしの7月に一部を除きリニューアルをして,それが完成してオープンしたところでございます。リニューアルによりまして,駅に近い便利な場所を有料ブロックとして集約しまして,無料ブロックはどの方面からも利用しやすいように,東西南北に再配置をいたしております。あわせて,チャイルドシート付の自転車がとめやすい幅の広い駐輪エリアの設置やレンタサイクルも試行をしているところでございます。  御指摘のとおり,多くの方に駐輪場を利用していただくためには,自転車走行空間を整備することは非常に重要やというふうに考えてございます。現在,名谷駅前駐輪場周辺では,名谷駅につながっている名谷環状線におきまして,歩道上ですけれども自転車の通行区分によって自転車走行空間の整備を進めているところでございます。全延長は──今,約4.5キロのうち整備済み区間が約2.9キロということで,今年度は650メートルを整備する予定としてございます。名谷環状線の自転車走行空間については,早期の完成を目指して進めてまいりたいと考えております。また今年度,自転車利用環境総合計画を見直す中で,名谷駅周辺において,さらに自転車走行空間の整備が必要と考える路線についても検討を進めてまいりたいというふうに考えてございます。  それから,公園における公民の連携の推進の質問ですけれども,委員御指摘のとおり効果的で効率的な公園の整備であるとか管理運営を求められる中,Park-PFI制度など民間の自由な発想を生かした公園の利用活性化が注目をされているところでございます。  昨年,公園において公民連携事業の実現可能性を検討するために,近隣公園以上の都市公園141カ所について,民間のコンサルタント会社に調査委託を行いました。公園周辺の人口構成であるとか交通アクセス,周辺商業施設の競合環境,連動可能性,また公園施設の魅力等,民間事業者の視点から事業進出の可能性を調査をいたしました。  現在,この調査を受けまして,事業進出の可能性がある公園の特性を把握をするとともに,公園管理会であるとか自治会等の地域の意見を確認して,どのような事業がどのような公園で有効なのかを見きわめて,具体的な事業スキームについて,今,検討を行っているところでございます。  今後,地域の理解の得られる事業化のめどがつけば,民間事業者へサウンディング調査を行って,事業者公募などの具体的な手続を検討していきたいというふうに考えているところでございます。  そのほかの質問については,公園部長のほうから回答します。 7 ◯広脇建設局公園部長 名谷公園の野球場の件について,回答させていただきます。  名谷公園は,須磨区の西落合に位置しておりまして,野球場のほかにも多目的のグラウンド,遊具の広場等を有します面積約4ヘクタールの近隣公園でございます。スポーツ利用を初め,子供の遊びであるとか,日ごろの皆さんの散策とかに広く利用されております。ただ,名谷公園も設置から40年以上が経過しておりまして,施設の老朽化等が進んでいることは認識しております。  野球場については,少年から高齢者まで広くの方に利用していただいておるところです。先生も利用していただいてありがとうございます。快適に利用していただけるよう,グラウンドの整備や施設の維持補修に努めているところでございます。  名谷公園に限らず,現在,建設局で所管しております野球場──有料の野球場は全部で13公園,16球場ございます。このうち,委員のほうからお話ありました審判控室等の施設等を備えているのは,神戸総合運動公園や北神戸田園スポーツ公園など5球場で,いずれも大きな大会等も開催できるような野球場として整備したものでございます。一方,名谷公園の野球場は,こうした大規模な大会を想定しておりませんので,審判等の控室はなく,身近な利用を想定した設備になっておるところでございます。  若者に選ばれるまちの位置づけのためには,公園においてもこうした社会情勢の変化とか利用ニーズを的確に把握していく必要があるというふうに考えております。今後,名谷公園においても,地域の方々の声や利用者のニーズの把握に努めて,野球場を含む施設のあり方,こうしたものを研究していきたいというふうに思っております。 8 ◯分科員(大井としひろ) 今の最後の名谷公園の,ちょっとローカルな話からさせていただきますけれども,そういう施設が整っているのは5つしかないとおっしゃられましたけど,神戸市には9つの区があるんですよ。立派なほっともっとフィールド神戸のような球場とかサブとか,立派な球場はそれはそれなりにいいんですけども,やっぱり地域の方々が使われる──市民の皆さんが使われる球場というのが,最低でも9つはなかったらだめだと思いますよ。他都市の球場は,三木なんかは県営といえども,もう本当にすばらしい。おまけに皆,駐車場が無料なんですよ。神戸市は皆,その使用料は安いかもしれませんけど駐車料金とったりされててね。今回,外郭でOMこうべにもそんな話ししましたんで,一遍建設局としてそんな話も──どれぐらいかかるんやと,で,どうなんやというのを話ししていただけませんか。 9 ◯広脇建設局公園部長 名谷公園の野球場,どういった施設を設けるべきかをこれから研究する中で,みなと総局などにも意見を聞きながら,どんなことができるのかということは検討していけたらなというふうに思います。 10 ◯分科員(大井としひろ) 今度はまた予算委員会──予算があるんで,その辺のところでも含めて話ししますけれども,こういうものはね,もうぱっとやる。だらだらやると,それはいつまでたってもできませんよ。やっぱり若い人たちも──あそこでお父さん・お母さん,子供さんを応援に見にくるんですよ。僕,あそこだけだったら感じなかったんですけど,他都市に行くとね,もう──一遍見にいかれたらわかると思います──っていうぐらいのことになると,若い人たち,それは名谷のニュータウンに住もうかと思われないですよ。もう時間がないんです。すぐにでもやりますと,ちょっともう一遍答弁していただけますか。 11 ◯広脇建設局公園部長 失礼しました。済みません,名谷公園の野球場の施設でございますけども,審判の方だけでなく,利用者の方々が利用しやすいような施設ということで,例えば日よけでありますとかベンチでありますとか,そうした部分でまず,必要とされているものをできるところから取り組んでいきたいというふうに思いますので,よろしくお願いします。 12 ◯分科員(大井としひろ) しつこいようですけど──こんな話をさせていただいていいのかどうか。以前,私たちの会派の政策勉強会に三島部長にお越しいただきまして──三島部長,以前は都市計画におられたんで,三宮の再開発の話をお聞きしたんです。その前段で,ノミの話をされたんですよ。ノミっていうのは,自然に野にはっていますとね,ぴゅうんぴゅうんと,もうどんどん高く飛んでいくらしいです。それが,野菜のサラダボウルみたいなこんなボウルでふたをぽっとしますと,ノミってその中でぴゅんぴゅん飛んでて,そのふたをとっても,もうこの中でしか飛ばないらしいんです。だけど,また横でぴゅうんという,一匹そういうのがおれば,そのノミたちも後ついて飛びだすらしいです。  これね,どういうことをおっしゃってるかといいますと,神戸はあの阪神・淡路大震災から23年たって──23年前それ以前は,びゅうんびゅうん飛んでましたんですよ。神戸市株式会社というぐらい,神戸市の職員の皆さん,命がけで本当に特攻隊のように全国,世界に飛び込んで,いろんな──皆さん集めて来ていただいて,神戸っていうのはそういうことでどんどん大きくなって,ポーアイやああいうのができたわけですよ。そのときに,どんなことをやってたかというと,上司の人たちが,任せと,あとはおまえら行ってこいと,何かあったら,全部わしがやるっていうぐらい,いけいけどんどんぐらいでやられてたんですよ。  今の答弁聞いてますと,もう本当にボウルの中をいまだにぴょんぴょん,狭い中で──やっぱりそれではだめですよ。もう部長だったら,ぽんとそれぐらい言い切ってくださいよ。ぜひ,よろしくお願いします。  そうしましたら,須磨多聞線の問題ですけれども,実は須磨多聞線,最近見ますと天理教の交差点の入り口あたりで──天理教の東側で,以前,私,あの地域でちょっと住宅都市局とやりとりがあって,住宅都市が持っている土地をセットバックしてほしいということで近所の皆さん方からお話があって,していただいたんです。そのときに言ってこられた方々っていうのは,小さな子供さんをお持ちのそういう方々だったんで,そのときに,実は天理教の東側の一方通行の道,子供たちの通学路ですと,大変危ないと,あそこは何とかならないでしょうかと。神戸市,ようさんネットフェンスやってるけど,あれをもっと下げていただくなり何かなりませんかっていうお話をいただいて,あの当時,住宅都市それから建設局も含めてどうなんだと。いやいや,あそこは西須磨の反対の皆さん方が反対されてるんで前に行かないんです,みたいなことを言われたんで,それは違うでしょうと。やっぱり子供たちの安全を優先していただくためには,工事進めていただかなければいけないんではないですかということで話ししたんですけど,その後,工事が始まってるんで,あの辺のいきさつ,どういうことであそこ,今,工事が始まって進められてるのか,ちょっとお聞きしたい。 13 ◯油井建設局長 ちょうど天理教の東側の部分については,神戸市が用地買収して空間確保できてるということで,いろんな説明会で地域の方と話をすると,そこの南北道が,委員御指摘のとおり,やはり通学路になってて非常に危ないと。今,南行きの一方通行ですけど,そこが狭い道路で通学路になっているということで,住民の皆様から,そういう声をいただきましたので,今回測量にも着手させていただいておりますけれども,その現在の須磨多聞線の用地を活用して仮歩道をするような形で,8月下旬から工事に着手させていただいたというところでございます。 14 ◯分科員(大井としひろ) やっぱりそういう意味では安全優先──子供たちの通学路ということでは,反対とかそういう次元ではなくって,地域の皆さん方の声,よく聞いていただいて。この西須磨の多聞線の話もそうだと思いますよ。やっぱり,いろんなボタンのかけ違えもあったんでしょうけども,最終的には道路っていうのは──前にも末永さんとやりとりしましたけれども,ネットワークでつながっていかなければならないわけで,そういう意味では須磨多聞線の──これから多井畑の西地区の関係ちょっとお尋ねしますけれども,多井畑だって,あの中,道路ができるっていうことになるんでしょうけれども,あそこに道路ができても,西須磨のところで道路がつながっておらなければ,今でもまだ渋滞──私,毎日あそこ通るんですけれども,もう渋滞ずっとしてますよ。朝,早く行けば,すっと抜けられますけど──っていうようなことになると,やっぱりネットワークでつなぐためには,あそこだけの話じゃなくて,全体で話ししていただいて,早期に進めていただかないとと思います。  それで,この多井畑の西地区についてですけれども,これURが持っておられた土地を,2年半ぐらい前ですかね,28.8ヘクタールをモール・エスシー開発っていうのと和歌山の岡本設計が購入したということでありますけれども,この辺のところ,住宅都市局と連携して対応されておられるんだと思いますけれども,このモール・エスシー開発というのは,今のセブン&アイ・クリエイトリンクというセブンアイの完全子会社で,商業施設の開発などを担当されておられるそういう会社だと聞いておりますけれども,セブンアイの子会社と,0.9キロ──この道路整備についてはどんな話し合いがされておられるんですか,ちょっとお聞きしたい。 15 ◯油井建設局長 委員御指摘のとおり,道路というのはやっぱりネットワークして,それで本来の機能を果たすもんやというふうに思っています。須磨多聞線については今,渋滞している西須磨を重点にやってますけれども,委員御指摘の多井畑西地区についても,非常に重要な課題だというふうに思ってございます。  この多井畑西地区については,旧住宅・都市整備公団が平成6年に地元の要請を受けまして,土地区画整理事業を目指して用地買収を進めていたんですけれども,公団解散に伴って16年に事業が中止になってございます。その事業を引き継いだ都市再生機構が,当地区の処理を検討していく中で,平成28年5月に機構所有地の譲受者及びその事業予定者を募集しまして,先ほど委員おっしゃられた大手流通企業者と設計会社の共同企業連合体を新たな事業予定者と決定したというふうに聞いてございます。  神戸市との協議については,この事業予定者並びに都市再生機構と行っておりますけれども,この区域内の須磨多聞線の整備については,従来からの手法,土地区画整理事業として整備を進めることを前提に,協議を進めているということでございます。  現在,事業予定者が主体となって,土地区画整理事業の施工者となる組合設立に向けて,地元地権者に対する説明会を開催しておりまして,事業の事業化に向けての合意形成に努められているというふうに聞いてございます。 16 ◯分科員(大井としひろ) そうしましたら,ちょっともう少し細かな話になりますけれども,多井畑の入り口,日産の自動車の会社がある入り口,ゴルフ場の入り口のところから多井畑のトンネル,今,1本あいてますよね。これ都市計画では,もう1本あくんじゃないですか。もう1つあいて,トンネルを抜け切ったところから,その下にセブンイレブンの交差点があるんですけど,そこから先は多分,大分高いあれなんで橋梁っていうか,高架の橋をかけないとならないと思います。そうすると,末永さんとやりとりしたときに,西須磨──多井畑西ですか,1.9キロっていう中に,この辺も含まれてくるんだと思うんですけども,この辺のところっていうのは,これは神戸市がやるんですか,それともこの譲渡事業者がやるんですか,どちらなんですか。 17 ◯油井建設局長 多井畑西地区の東側ですね,それは今,多井畑工区と呼んでますけれども,1つは,神戸市が事業を進めておりまして,委員から御紹介ありましたように,今,トンネルを1本掘って──これは民間の開発に合わせてトンネルを1本掘って暫定供用しているという状況でございまして,これについては,現在,用地買収を進めているということで,この区間については神戸市が事業をやっていくということです。  それから,その部分から多井畑西地区については,谷を橋で渡っていかなあかんというところでございまして,この施工者については現在未定ですけれども,今後,多井畑西地区の関係者である都市再生機構を窓口にして,どういう事業でやるかということを協議していくことになろうかというふうに思ってございます。 18 ◯分科員(大井としひろ) もう1つお聞きしますけれども,多井畑東町から多井畑厄神の横抜けて交差点まで,あそこもそのまま未整備になってますよね,あそこはどこがやるんですか。 19 ◯油井建設局長 多井畑厄神の西側の南北道路のことを,委員御指摘をされて──奥須磨線ということで都市計画決定をしてございまして,一部,区画整理でやったとこについては──開発事業でやったところについては,整備終わってますけれども,多井畑厄神の西側については,今まだ事業をやっていません。現在,できるだけ幅員が広くとれるようにとか,そういった対応はしてございますが,そこの事業化については,やはり多井畑西地区の事業の状況を見ながら,事業化の時期について考えていこうというふうに考えてございます。 20 ◯分科員(大井としひろ) 今のところっていうのは,もともと都市計画道路ということで,あの道路じゃなくてもう1個──どういうたらいいんですかね,西側に道路が湾曲して広い道路になるような予定になってるというのは聞いておるんですけども,今,多井畑東町の皆さん方は,多井畑東町にバスを走らせようということで一生懸命やっておりましてね,あそこのあのカーブがネックになっておって,西部建設に道路の側溝とか電柱を取り除いていただくとかいろいろなことをやりながら,何とかバスが走れるような状況をつくっていただこうとはしておるんですけれども,それよりも早いことこの都市計画道路を整備をするっていうことを進めるべきではないのかなと思うんですけど,これは,どこがやるということになると──もともとあそこが残っておるっていうのは,当然URがやるんだということで残ってたんではないかなと思うんですけども,その辺も含めて,いやいやこのセブンアイがやるんです,やらないんですっていうのは,どういう形でどういうことになるんですか。 21 ◯油井建設局長 先ほども答弁させていただきましたように,多井畑厄神さんの西側の道については,都市計画道路として計画決定をしてございますので,どういった手法でやるかということも含めて──手法を決めないと誰がやるかというのも決まってこないんですけれども,神戸市としてそういう道路の必要性を決めてますので,事業のやり方としてやっぱり,先ほども答弁しましたけれども,多井畑西地区の事業の動きを見ながら,どういった手法でやるのがいいのかどうか,それについては検討していきたいというふうに考えてございます。 22 ◯分科員(大井としひろ) 要は,あそこやったら次とかいうんじゃなくて,やっぱり連動性を持って一気にやるっていうことは,スピード感っていうことにつながるんですよね。  そういう意味でいくと,やっぱりまずは西須磨の道路を開通していただかないけないですけれども,その後,多井畑西工区のあの道路も早いことやっていただく,それから,多井畑の入り口の部分やトンネル──トンネルあけるの相当かかると思いますよ。そう考えると,これどんどん後ろへ後ろへいくわけで,そうじゃなくてやっぱり一緒に連動して,流動的に一気に一つの目的に向かって話を進めていかないと,できるところはやっていかないと,なかなか前にいかないんではないかなと。結局,困るのは──垂水の先の小束山やあの辺の皆さん方が,今も大渋滞で苦しんでおられるんですよ。あの道路ができることによって,全くルートが変わって,まさにネットワークがつながるわけなんで,そのことを考えると,これもノミの話じゃないですけど,もう局長,思い切った采配振るっていただいて,やっていただかないといけないんではないかと思いますけど,どうですか。 23 ◯油井建設局長 最初に委員おっしゃられたように,道路はネットワークして一つの効果が出るというふうに,私も思っています。そういった意味で,先ほど委員からありましたように,まずやっぱり,今,事業やってます西須磨地区の事業を早くやっていくと。それと今,事業化をしている多井畑地区の事業もやってます。そういった今進めている事業の進捗を見ながら,こういう未着手の路線については,どういった時期に着手するのが望ましいんか,そういった形で限られた財源の中で一番効果的な方法を考えていきたいというふうに思ってございます。 24 ◯分科員(大井としひろ) ぜひ,よろしくお願いします。  あと,自転車関連の施策の関係ですけれども,名谷の駐輪場,リニューアルしていただきまして,本当に市民の皆さん方,大変喜んでいただいています。たくさんの方に使っていただいて,本当にまたいっぱいいっぱいになってきそうですけれども,そう意味でいくと,今回,レンタサイクル事業も試行的に実施するということでやっておられるんだと思いますけれども,この辺の利用状況,あるいは今後の展開ということでどんなふうになってますか,ちょっとお聞きしたい。 25 ◯三島建設局道路部長 名谷駅のリニューアルにあわせまして,レンタサイクルの社会実験を行っております。これは地域の活性化と公共交通の補完や自転車利用の需要の掘り起こしということを目的に行わせていただいてます。  期間といたしましては,平成30年7月17日から開始いたしておりまして,年度末で──まずは試行的にやっていこうということでございます。電動自転車なんかも入れましてやっております。それで,料金につきましても,1日料金とか定期料金ということを踏まえてやっております。9月末時点で17名の利用登録がございまして,49回の利用回数を数えていると。ただ,リピーターもございますし,利用者はだんだんふえてきているという状況でございます。また,今後はやはりもっと広報をしまして,さらに利用者をふやしていきたいと考えております。  今後の展開といたしましては,利用者の履歴の調査とか利用者アンケートをいたしまして,その効果とか運営方法につきまして検証して,展開を考えたいと思っております。 26 ◯分科員(大井としひろ) ぜひ,若者に選ばれるまちと,久元さん常々言っておられるんで,残念なまち神戸にならんように,もう本当に局長以下,部長の皆さん方,もう全てはわしに任せと,部下に行けと,それぐらいの号令かけていただいて,思い切った施策を打ってください。よろしくお願いします。ありがとうございました。
    27 ◯主査(人見 誠) 御苦労さまでした。  それでは次に,黒田委員,発言席へどうぞ。 28 ◯分科員(黒田武志) 日本維新の会の黒田です。私,建設局担当させていただくのは初めてです。きょうは30分,よろしくお願いします。  一問一答でお願いいたします。  まず,災害時の通行規制の情報発信についてお伺いいたします。  7月の豪雨災害での土砂崩れ等により,通行規制を余儀なくされた道路が市内でも多数発生いたしました。  災害時,阪神高速などの有料道路ではネットやアプリにより情報が把握できますが,市道や県道,こういった一般道が通行どめになった際,市民にとって一番信頼できる情報は本市のサイトだと思います。ただ,この建設局総務課が所管するこの本市のサイトで広報はしているんですけども,ちょっと使い勝手が悪くて,改善の余地があると感じております。  災害の緊急時,道路状況を確認する際,時間かけてパソコンで見るよりもやはりスマホで確認される方が圧倒的に多いと思うんですけども,まずこのサイトがスマホ対応されていないので──PC画面用なのでスマホで見るとすごい見にくくて,やはり50代以上の方が見られると,すごいこの緊急時,見にくいっていうのは感じます。  あと,この通行どめの道路状況っていうのを確認しようとすると,市道何とか線とか県道何とか線,あと交差点名とか正しい情報は書いてあるんですけども,そっからクリックして見るとグーグルマップに飛びますよね。そこで,通行のところだけが表示されてあって,神戸市全体として通行どめがどうなっているのかというのが,ちょっと瞬時に理解できないというところがありますので,この通行どめの情報っていうのは,情報の特質ゆえ,やっぱり重要な情報でありますので,その発信の方法を改善する余地っていうのはあると思うんです。  民間のサイトでしたら,ヤフーの地図の道路通行実績情報であるとか,グーグルマップの災害情報,あとはトヨタが提供する通れた道マップ,こういったものが民間のサービスであるんですけども,こういった民間の企業とも提携しながら,市民に対してこういう通行どめ情報とか,こういった災害の情報っていうのをわかりやすく発信する必要があると思うんですけども,その点について,当局の見解をお伺いいたします。 29 ◯八木建設局担当部長 建設局では,所管する道路につきまして,通行規制をする際であるとか,その解除といった状況の変化に合わせまして,一応,迅速・正確にホームページを通じて情報発信をしてきているというとこでございます。  ただ,今,委員御指摘がございましたが,現状の神戸市のホームページでは,路線ごとに道路の規制情報が掲載されている状況でございます。我々のほうでも,やはり全体を一度に見づらいということで,もう既に,ちょっとこれに対応すべく準備を進めているところでございます。  内容といたしましては,やはりヤフーであるとかグーグルなど,既に利用者の多い民間サービスとの情報連携を見据えまして,神戸市の地理情報システム──GISの活用を予定しているところでございます。そこでは,これまでの路線ごとの情報発信ではなくて,全ての通行規制情報を一つの地図上で可視化できるように,現在準備を順次進めているところでございます。  あと,委員から,スマホ対応ができてないというお話もちょっとございました。現在,神戸市のホームページはトップページだけがスマホ対応になってございます。ただ,それにつきましては,一応,市民の利便性の向上等を図るために,来年の秋ごろをめどにスマホ対応の全面リニューアルを実施されると聞いてございますので,順番といたしましては,まず,建設局のほうで全体的に地図情報を可視化できるように一旦しますけれども,来年の秋以降,スマホ対応が──神戸市のホームページに埋め込むという形になろうかと思いますので,スマホ対応はできると,そのように考えてございます。これからも神戸市の災害情報の効果的な発信に取り組んでまいりたいと考えてございます。 30 ◯分科員(黒田武志) 当局のほうで,そういった可視化っていうことを認識していただいてて改善されていくということは,本当にいいことだと思うんですけども,先ほどおっしゃっておりました,市のホームページが来年の秋以降,いろいろ変わっていくということなんですけども,通行どめの情報っていうのは,本当にいつ何が起きるかわからない中で,やはり緊急性を要するっていうことが大きいので,優先的に,来年の秋と言わずに早目にしていっていただくように,当局からも要望していっていただきたいと思います。  それともう1つ,防災部河川課が管理されている,市内の河川の状況をリアルタイムで伝える河川モニタリングカメラシステム,こちらも災害時,川の状況をわざわざ見にいくことなく,この先の川が氾濫しているとか,行くべきか行かないかとか,こういった便利で確認できるシステムがあるんですが,残念ながらこのサイトもちょっとスマホ対応とかなっていなくて,非常に緊急時見にくいかと思っております。こちらに関しても,先ほどおっしゃられてましたような来年の秋に向けて,その対象になってるんでしょうか。 31 ◯鈴木建設局防災部長 河川のモニタリングカメラについての御質問ということで,本市では市内22河川30カ所に河川のモニタリングカメラを設置してございます。河川の水面の映像を,ホームページでリアルタイムに提供してございまして,このカメラによる映像サービスにつきましては平成18年度から本格的に実施してございます。当初は静止画のみでございましたけれども,その後,システムの更新・改善を重ねまして,平成26年から現在の映像を提供させていただいております。このシステムにつきましては,パソコン用の画面と携帯電話用の画面と2つございまして,スマートフォンで見ていただく場合には,パソコン用の画面が──先ほど御指摘ございましたけども──出るということになってございます。  スマホ対応についてということで,先ほど,全市的に来年の秋からということで対応すると申し上げましたけれども,河川の分につきましては一部ちょっと外部のリンク張る形になってございますので,このカメラにつきましても──いずれにしましてもサービスが市民の方々にとって使いやすいもの,それから機能向上というのを常々図っていかないかんもんでございますので,スマホ対応の画面の作成につきましても,市民の方々のニーズを把握しながら,どういった画面展開が見やすいのかとかそういうことを,そういう観点から研究してまいりたいと,このように考えてございます。 32 ◯分科員(黒田武志) 僕が,なぜこのスマホスマホと言うかと申しますと,僕,会社のほうでネットショップを運営してるんですけども,そこでどういった媒体からアクセスがあるかとか,結構,分析ずっとしてきたんですけども,やはり最近はもうスマホからのアクセスっていうのが圧倒的なんですね。そういった中で,河川が氾濫しているとかこういった情報を見るっていうのは,車に乗っててこの先,川を渡るとか向かいに行くとか,いろんな状況があると思うんですけど,やはり皆さんスマホで確認して状況を把握するっていうのは,これ必須になってきますと思うので──グーグルとかヤフーの検索のアルゴリズムっていうのがあるんですけど,これがスマホ対応できてないページっていうのは,もう上位に来なくなってるんですね。やはり時代に対応してないサイトということで,もう上に検索されないっていう状況になってきておりますので,そこら辺ちょっと,この時代のニーズをいろいろ把握していただいて,危険な情報っていうのは本当に市民の皆さんにとって大切な情報ですので,できれば早急にスマホ対応っていうのはしていっていただきたいと思います。  続きまして,通行規制の件に関しましてなんですけども,7月の台風時,西区の小部明石線の木見から福谷東間の区間の土砂災害による通行規制についてお伺いいたします。  本線は,櫨谷町,西神ニュータウンから桜が丘,秋葉台,木津,そして神戸複合産業団地に抜ける重要な西の幹線であります。この道路が通行どめになると,周辺の代替道路の渋滞はひどく,近隣住民の生活への影響や産業団地の各製造工場の流通──物流に甚大な影響が今回ありました。  現在は応急の復旧により通行は可能な状況となっているんですが,今後,同様の雨が降っても同じようなことが起きないような対策をとる必要があると思います。そこで,この小部明石線の復旧状況と今後の対策についてお伺いいたします。 33 ◯三島建設局道路部長 小部明石線でございますが,小部明石線は北区の鈴蘭台の天王ダムの水呑の交差点から明石市に至る路線でございまして,神戸市でも緊急輸送道路に位置づけられてまして,非常に重要な路線でございます。同路線が平成30年の7月の豪雨に──先生おっしゃられるように土砂崩れとか,路面の土砂流出で3カ所災害を受けまして,木見の交差点から福谷東交差点で6日間の通行どめが発生しております。  現在,被災した3カ所全てで,のり面にはブルーシートによる養生,そしてのり面下には簡易防護柵と大型土のうを設置いたしまして,通行の安全性を確保いたしまして応急復旧工事を完了して通行している状況でございます。  委員御指摘のように,再度,災害を発生させないようにということで,今後,速やかにコンクリートののり枠や落石防護柵等により本復旧工事を進めることを考えておりまして,現在その工事の発注作業に入っているところでございます。工事につきましては今年度末に完了する予定で鋭意努力しているところでございます。 34 ◯分科員(黒田武志) ありがとうございます。  ということは,この小部明石線の木見から福谷東の3カ所を,先ほど言われたような対策をされますと,今後同じような降雨量が降った場合,土砂災害による通行どめっていうのはなくなるような感じの工事をされるような感じですか。 35 ◯三島建設局道路部長 今回の被災を受けました3カ所につきましては,先ほど申し上げましたように,コンクリートのり枠みたいなものとか落石防護柵ということで,しっかりしたものでとめるという形で,同程度の降雨については大丈夫ではないかと思っております。  ただ,小部明石線,他のエリアにもやはり自然のり面とか抱えておりますので,そういうところが問題になってくると。そういうところにつきましては,やっぱり定期点検をやりまして,事前に危ないところがわかりましたら補修をするとか,そういうことをやっていくということでございます。  小部明石線につきましては1カ所,藍那のところでございますが,東藍那トンネルの西出口が,ちょっとやはりのり面対策が必要だというのがわかっておりますんで,これにつきましては,来年度,対策を実施する予定でございます。  その他につきましては,全市の防災点検を今年度実施いたしております。その中で,防災計画を更新する予定でございますので,やはり先ほど申し上げましたように,小部明石線っていうのは非常に重要な路線でございますんで,対策が必要ということでありましたら,対策を優先的にできるような計画をつくっていきたいと考えております。 36 ◯分科員(黒田武志) 先ほど言われておりました藍那のとことか,当局で認識されてるところは本当に早急に対策とっていただきまして,木見から福谷東のこの区間っていうのは,地域住民とあと複合産業団地にとっても非常に大事な幹線ですので,引き続き当局には注視していただいて,対策をとっていただきたいと思います。  続きまして,同じく──ことしは本当に台風の災害が多かったので,どうしてもそういった関連の話になるんですが,先般の台風21号では高潮の影響もあり,市内で多くの箇所で浸水被害が発生しました。  西区の玉津町の西河原地区,こちらは低地盤地区であるため,大雨が降った際には例年のように浸水が発生しており,先週の台風24号においてもやはり浸水が発生しております。この西河原の雨水幹線については,来春供用開始に向けて準備を進めていると聞いておりますが,早急な事業完了が求められております。改めてこの事業の進歩状況をお伺いいたします。 37 ◯石原建設局下水道部長 委員おっしゃるとおり,西河原地区ですね,これ明石川と天井川に挟まれた低地盤地区ということもございますし,近年,小規模な開発行為で住宅地がふえてきておりまして,田んぼとかが減った関係で雨が非常に流れやすくなってしまっているという状況で,浸水被害が起こっているという状況でございます。  雨が降りましたら,既存の農業用水路,これに雨が流れて明石川まで行くような形になっているんですけれども,そもそも農業用水路の能力が不足しているということも重なっております。このような状況から,委員おっしゃるとおり,雨水幹線の整備に取り組んでおるところでございます。  西河原地区,北側から南側に勾配があるんですけれども,現在行っている幹線の工事は比較的地盤の高いところの雨を直接明石川に流すための工事でございまして──ただ非常にあのあたり道が狭いということもございまして,近接する家屋への影響を最小限にとどめたいというところで,直径2メートルの幹線を深さ10メートルぐらいのところに延長1キロのトンネルをつくっておるということでございます。トンネル自体はことしの5月末に開通してございます。  本市といたしましても,浸水被害がたびたび発生しているという状況は現認しておりますので,早期に解消するという必要性はありますので,なるだけ早く事業を完了したいなというふうに思っておりますが,先ほど申し上げましたように,非常に深いところにトンネルがあると。トンネルの上流と下流,こちらにマンホールを──管理用のマンホールですね,そういうのをつくる必要もございます。それから,既存の農業用水路をそのトンネルにつなぎ込む工事というのもございますので,今,一生懸命現場のほうでも頑張っておりますけれども,供用開始は平成31年の春ごろになるという見込みでございます。 38 ◯分科員(黒田武志) ありがとうございます。  そうですね,そういった対策をとっていっていただいているのは認識しているんですけども,これも事業の開始から5年近くたっておりまして,最近の台風による自然災害っていうのは過去のデータっていうのが当てにならないといいますか,やっぱり被害が大きくなっていると思います。そういった中,その事業開始当時の計画で,今後のこの浸水被害を解消できるのか一抹の不安があるんですけども,そこら辺は大丈夫なんでしょうか。 39 ◯石原建設局下水道部長 神戸市では浸水対策といたしまして,西河原地区も含めて10年に1回程度発生するような規模の大雨に対して浸水の被害が生じることのないよう基準を定めて整備を進めているところでございます。  委員おっしゃるとおり,近年では局所的な集中豪雨──ゲリラ豪雨ですね,これに伴いまして,神戸市のみならず全国的にも浸水被害が発生しているところではございますけれども,今回の台風21号,24号を含めて,整備がほぼ完了しております三宮地区につきましては,大規模な浸水被害等はございませんでした。そういったことを考えますと,西河原地区も整備が完了すれば,おおむね現在の整備基準で対応できるのではないかというふうに考えております。  以上です。 40 ◯分科員(黒田武志) 先ほどおっしゃられました10年に1度の災害であるとか,そういったゲリラ豪雨に対しても,一応対応されているということで,一安心するとこなんですけども,今後,より温暖化の影響による自然の災害っていうのは──もう本当に近年ますます変わってきておりますので,そういった気候の変化っていうのを注視しながら,事業計画を進めていっていただきたいと思います。よろしくお願いします。  続きまして,魅力ある公園づくりについて,ちょっとお伺いいたします。  市内には数多くの公園があり,大規模で魅力的な公園もあるんですが,私も時間があれば子供を連れていろんな各区の公園に行って楽しんでおります。  一方で,地域住民の生活に密接する中小規模の公園など,そういった公園では,何かどこも似たり寄ったりと申しますか,画一的な印象がちょっと拭えず,あの公園に行きたいとか思えるような公園が余りないような気がしておりまして──私ごとなんですけども,議員になる前はちょっと海外に行く機会も多くて,いろんな町並みを見たり,公園も含めていろんな地域,各国見て回ったんですけども,日本よりも芝生化っていうのがかなり進んでいるような印象がありますし,公園の遊具っていうのも非常に個性があって,それぞれの国とか地域によって,本当に楽しめるような公園が日本よりも多いような気がします。  そういった意味で,この神戸市で,建設局のほうで公園っていうのは管理されてると思いますが,市民が生活の中で本当に憩いの場として自分のまちの公園だと誇れるような,個性的で魅力ある公園づくりっていうのを進めるべきと,ちょっと考えるんですが,そこら辺,当局の見解についてお伺いいたします。 41 ◯油井建設局長 神戸市には,身近な公園として1,490カ所がございます。これらの公園の半数が,昭和40年から50年ぐらいに整備されたということで,ブランコや滑り台や砂場ということで,遊具は設置してきたんですけども,やっぱりその画一的な公園が多いと,そういった声があるということは認識してございます。  近年,少子高齢化の進行であるとか市民の価値観の多様化,また社会情勢の変化ということで,市民の公園に対するニーズも変化してきてございます。全国的には都市公園のストックを生かしながら,都市の魅力を高めるような動きも広がってきているということもあります。  そういう流れを受けまして,神戸市では公園の機能とか魅力の再生に計画的に取り組もうということで,ことしの2月に,神戸の未来を創造する身近な公園の再生計画として,神戸パークリノベーションを策定をしてございます。  この計画では,施策を推進するために,にぎわいのある公園づくりやストックを活用した公園づくりなど,モデル事業に取り組んでいこうということにしてございまして,その1つのにぎわいのある公園づくりでは,まちづくりの核となるような公園を拠点公園と位置づけまして,各公園のその利用状況に合わせて再整備を行うこととしてございます。例えば子供にとって魅力的な遊び場づくりということで,子供がわくわくするような特色ある遊具を設置をしたりとか,芝生などの整備などを進めていくところでございます。  もう1つは,ストックを活用した公園づくりということでいきますと,地域特性に応じてやっぱりその公園の機能の充実や簡素化に取り組んで,市民の利用に親しまれるような公園に再生していかなあかんというふうに思ってございます。例えば近くに複数の公園がある場合でいきますと,子供が遊具で遊ぶための公園──主たる目的がですね──そういった公園と,高齢者が健康づくりをするための公園など,個々の公園のその機能を特化させたりとかいうことで,地域の中で公園の機能を役割分担するような,そういったことも検討をしていきたいというふうに考えてございます。今後,利用者のニーズにあったような個性的で魅力あるような公園づくりを──やっぱり地域の皆さん使うもんですから,地域の皆さんの御意見を聞きながら進めてまいりたいというふうに考えてございます。 42 ◯分科員(黒田武志) 先ほどちょっと答弁お聞きしまして,前向きな答弁で,本当に公園に対して今後──予算とかいろいろあると思うんですけども,例えば海外とかですと,こういった遊具に関しましても大分個性的で。ドラム缶を使った公園であるとか──これはニューヨークなんですけども,こういう知的なことを育むようなこういったものがあったりとか,これ日本なんですけども,タイヤでつくった公園で,大田区にあるんですけども,これタイヤで怪獣をつくったりとかいろんな──僕ここは行ったことないんですけども,コメントを見るともう本当に評価が高くて,子供に3連休どこ行きたいって聞いたら,ここに行きたいと子供が言うとか。個性的な公園,こういうのを,ちょっと神戸では余り見ないような気がするんですね。もちろん予算であるとかそういったことも,危険性とかそういったこともいろいろあるとは思うんですが,そういったことをいろいろ考慮していただいて,今後は魅力的な公園づくりっていうのを進めていっていただきたいと思います。  再質問になるんですが,公園に関しまして地域の方から,駐車場が少ないと感じているといった声を聞くんですが,それに関して簡明に──済みません,時間がないので──ちょっとお答えいただけますか。 43 ◯広脇建設局公園部長 公園の駐車場でございますけれども,森林植物園など市内外から広域的な利用者がある公園でありますとか,スポーツ施設を有している公園,それと郊外に立地している公園などに設置しておりまして,比較的大きな公園にのみ設置しております。  今,お話あった身近な公園については,歩いて行ける範囲の方々が利用するということを想定しておりますので,原則として駐車場は設置しておりません。 44 ◯分科員(黒田武志) ちょっと時間がないので,駐車場の件に関しては,また別の機会にさせていただきます。  最後,ちょっと要望を1点させていただきます。  西区の岩岡神出線なんですけども,こちら第二神明道路大久保インター周辺から国道175号線の神出町田井に至る約6.4キロの都市計画道路ですが,この岩岡町岩岡のバイパス区間約1.8キロと国道175号線の取りつけの約100メートル,こちらの2カ所が未着手ということで,この岩岡のバイパス区間と並行する通学路で歩道がない区間に多くの交通が集中しております。  こちらの,まず整備効果の高い大久保インターから北側約200メートルの区間,県道とこの暫定整備済み区間のこの接続を,今,検討されてると思うんですが,この区間の整備によって,大久保インターから暫定整備区間を通り神戸二見線までつながれば,この通学路やここの地域住民の生活道路の安全性がかなり高まりますので,地元としては期待されるところです。  この事業化に向けて,家屋・土地の買収,また農作への補償などは,用地補償の基準に基づいて適正に算定していただき,地元と丁寧に交渉しながら,早期の開通と整備を実現していっていただきたいと要望させていただきます。  以上です。ありがとうございました。 45 ◯主査(人見 誠) 御苦労さまでした。  委員の皆様に申し上げます。  午前中の審査はこの程度にとどめ,この際,暫時休憩いたします。12時40分に再開いたします。   (午前11時38分休憩)   (午後0時42分再開) 46 ◯主査(人見 誠) それでは,ただいまから決算特別委員会第2分科会を再開いたします。  午前中に引き続き,建設局に対する質疑を続行いたします。  それでは,植中委員。 47 ◯分科員(植中雅子) 私は自民党の植中雅子でございます。75分間時間を頂戴しておりますので,岡田ゆうじ委員,それから吉田健吾委員と3人でシェアさせていただきまして,質問させていただきます。まず,私が前段を務めさせていただきまして,そのうち真打ちが次々登場いたしますので,どうぞよろしくお願いをいたします。  早速質問に入ります。北区の災害対策についてお尋ねをいたします。  北区,特に北神地区は,今回の7月豪雨や台風20号・21号のような大雨が降りますと,神戸三田線,神戸六甲線や阪神高速北神戸線など主要な道路が,雨量規制や土砂崩れのため通行どめとなり,いわゆる陸の孤島のような状況になります。  平成31年4月には新たに北神区役所が設置される予定というのにこのような状況が続くのでは,市民生活の安心・安全を守る上で非常に心もとないと考えています。例えば市街地から北神地区を結ぶ新たなトンネルをつくるぐらいのことをしないと,この状況は改善されないのではないかと思います。(「そうだ,そのとおり。」の声あり)  ありがとうございます。今回も,北神急行は……(発言する者あり)  ありがとうございます。雨にも風にも負けず,運休することなく済みましたし,新神戸トンネルも一緒でございます,しっかりとつつがなくその役目を果たしてくれております。ぜひとも,このトンネルをつくっていただきたいなという──非常に唐突な願いではございますけれども,さっき大井委員の質問で,できるのかできないかというような突き詰めた質問がありましたけれども,これはひとつ,急とは言いながら前々からそういう話もあったのではないかと思いますが,見解をお伺いいたします。 48 ◯油井建設局長 北区・北神地域の発展と,北区の住民の皆さんの日常生活を支えるために,北区とその市街地を結ぶ道路網の整備については,国道428号であるとか神戸三田線など一般道路のほか,阪神高速道路の北神戸線,また移管しましたけど新神戸トンネル,それから私どもの道路公社の山麓バイパスなど有料道路事業などで,さまざまな手法で整備に当たってまいりました。  しかしながら,六甲山の北側に位置する北区特有の地形的な制約から,どうしてもやっぱり幹線道路の一部区間ではのり面を有すると,そういった構造になっております。そういったことで,雨に弱い区間が残ってるというような現状でございます。  さきの平成30年の7月豪雨のときにも,基準雨量超過して,やっぱりそれでとめたりとか,土砂流出に伴う通行どめが相次ぎました。  先ほど,新神戸トンネルが安全・安心やということやったんですけど,そのときは新神戸トンネルに交通集中があって,北行きをとめるといったそういったことで,本当に市街地と北区を結ぶ南北ネットワークの強化というのは今後の課題やというふうに十分認識してございます。このようなことから,災害に強い道路ネットワークの構築は非常に重要やというふうに考えてございます。  委員の御指摘あった北区と──北神地区を新たに結ぶようなトンネルというお話ですけれども,過去には,新神戸トンネルと並行しまして東側にちょうど北神戸線と大阪湾岸道路を結ぶその東神戸線という計画がございました。しかしながら東神戸線については莫大な事業費がかかること,それから道路の4公団の民営化のそういったときに,社会情勢の変化によってもう事業化が困難になったことから,現在のマスタープラン──神戸市の基本計画からは削除されているというのが現状でございます。  一方,最近,国家戦略である国土強靭化であるとか,国際コンテナ戦略港湾を初めとした物流対策,またインバウンド強化への対策が求められておりまして,それを支える道路ネットワークのあり方に関する議論が国主導で始まっているところでございます。この流れを受けて,今後,国と県と一体となって,兵庫県下の高速道路ネットワークの計画を策定していく予定でございますが,その中で神戸市としては,市街地と北区のネットワーク強化も念頭に置きながら,将来的な構想路線についても検討できたらなというふうに考えてございます。  また,現在整備中ですけれども,神戸三田線有馬口工区の着実な推進,既存の道路ネットワークもあわせて取り組んでいるところでございます。 49 ◯分科員(植中雅子) ありがとうございます。  東神戸線が大変な費用が要るということで中止になったということですけれども,大変な費用と申しますけども,本当に有馬街道,あちらこちらで土砂災害であるとか陥没したりとか,そういう箇所があるたびに,これ修復するためにその費用がまたかかるわけでございます。どこかでやっぱり抜本的な方法をぜひともとっていただきたいなと要望しておきます。  その有馬街道ですが,道路の通行どめの主な原因は陥没,土砂崩れであります。道路陥没の対策については,路面下空洞調査を毎年,主要幹線道路等を中心に実施していると聞いておりますが,災害に備えて調査の結果を生かしていかなければなりません。  そこでお伺いいたしますが,この一連の災害の中で北区の主要な幹線道路,神戸三田線について,土砂崩れや陥没の被害はどれぐらい生じ,またそれを踏まえて今後どういった対策をとるのかお尋ねいたします。お願いいたします。 50 ◯油井建設局長 神戸三田線につきましては,北区北部の基幹的道路ネットワークということで,非常に重要な路線というふうに思ってございます。  一番最近で大きな被害といいますと,平成26年8月に有馬川の護岸の下部の洗掘によって,土砂の吸い出しによって路面下に空洞ができて,26日間の通行どめがあったということ。それから,その後それについては速やかに──26日後に復旧したわけですけれども……。済みません。さっき,有馬川というのは有野川の間違いです,済みません。そのほか,やはり災害のたびに──ちょっと今,数は手元にございませんが,豪雨のたびに,その五社のあたりが崩れたりとか,いろんなところで土砂崩れ等が起こってございます。  その26年の災害を受けて,神戸三田線全線の路面下空洞調査を実施しまして,そのときには17カ所の空洞を発見してございます。それらについては埋め戻し等により適切に補修をしてございます。  また,今年度は8月下旬から9月上旬に発生した台風20号・21号の影響によって,先ほども言いましたけれども土砂の流出であるとか,それ以外に倒木とかそういったことで,一時的な通行どめが生じたという状況でございます。  土砂崩れとか陥没による通行どめを防ぐためには,やっぱり事前に防災対策を実施することが非常に重要やというふうに考えてございます。  過年度に全市的な防災点検を行いまして,その中で要注意箇所を抽出しているんですけれども,神戸三田線においては18カ所ございます。これらについては緊急性を踏まえまして,落石防護柵であるとかコンクリートののり枠工などののり面対策を進めて,今9カ所が完成しているということでございます。  その要注意箇所以外に,現在,三田線については,唐櫃インターから有馬口交差点間のトンネルについてのバイパス工事に着手をしているという状況です。  今年度は,要注意箇所の残り9カ所を含めまして全市の防災点検の再度実施を考えてございます。その中で,防災計画の更新を行っていくこととしてございまして,神戸三田線については非常に重要な路線という認識がございますので,今後できる限り通行どめが起こらないようにするために優先的に対策を実施してまいりたいと思っております。また,定期的に路面下空洞調査を実施しまして,空洞が発見された場合には速やかに補修等を実施してまいりたいというふうに考えてございます。 51 ◯分科員(植中雅子) 防災対策をしっかり立てていくという御解答でございましたけれども,できましたら,あちこちほころびを直していくのではなくって,そのトンネル,ひとつ考えてください。どうぞよろしくお願いいたします。  再質問でございますけれども,平成30年度の予算特別委員会で質問させていただきましたが,国道428号線の青葉台口から大滝口間の区間についても雨量規制で通行どめになります。予特では,この課題の抜本的な解決に莫大な事業費を要するため,コスト縮減の検討を行うとともに事業化の時期について,事業中の他路線の進捗を見ながら引き続き検討を進めたいという回答をいただきましたが,現在はその進捗状況はどうなっておりますか。お願いいたします。 52 ◯油井建設局長 御指摘の国道428号の青葉台から大滝口の区間については,抜本的な改良が必要やというふうに思ってございます。
     現場は,急峻ながけがあって,反対側は志染川に挟まれておるということで,地形的な制約を受けることから工法選定が難しくて,また莫大な事業費もかかるということでコスト縮減を検討しているということです。  こういう条件のもと,1つは現道を拡幅する案,もう1つはトンネルによるバイパス案について検討を重ねておりまして,現道を拡幅する案については,急峻な斜面を切り取ることが必要やということで,山の上の宅地への影響を考慮する必要があると。また,現況の道路が1日1万5,000台ぐらいの通行がありますので,その安全を確保しながら施工方法を考えていくということで,なかなかいろいろ課題が多いなということになってございます。  一方,トンネルによるバイパス案については,今年度,公募型のプロポーザル方式によりまして,民間事業者の知見による技術提案を広く求めまして,検討業務を実施する予定でございます。この業務の中で,現場条件の調査を行って,トンネル施工の実現性であるとかコスト縮減の検討を進めてまいりたいというふうに思っております。これらの結果を踏まえて,最適な工法について来年度中を目途に絞っていきたいというふうに考えております。  事業の実施時期については,これ事業中路線の他路線の進捗を見ながらということになりますけれども,非常に重要な路線という認識をずっと持っておりますので,よろしくお願いします。 53 ◯分科員(植中雅子) 御存じのように,大滝口の上のほうには神戸北町という団地が展開しているんですけども,今この団地の中に神戸ミリオンタウン,というか万代ですね,それからしまむら,上新電機──3社がやってこられます。もう10月の半ばにはオープンするということなんですけど,今,私たちは住宅の専用地域に住んでるんですけど,その周辺って大型店舗ばかりが本当にすごくたくさん並んでいます。それで一番困るのは──64系統のバスがつつがなく通れるかどうかという問題を私たちは抱えているわけで,この大滝口が雨量規制になりましたらその車は皆,また日の峰のほうへ入ってくるわけで,日の峰のほうへ入ってきましたら,下からの車と新しくできたミリオンタウンへ来る車──既にコープデイズがあります。もうここ本当にどうなるのかなと思って,考えるだけでも本当に恐ろしいような気がするんですけど,ぜひとも,あっちこっち大変ではありますけれども,優先順位をつけていただきまして,こちらの大滝口のほうを早く整備していただきたいなと要望させていただきます。よろしくお願いします。  次の質問に移ります。土砂災害についての質問であります。  私道の土砂の処理について。  私道の土砂の処理は,原則私道の所有者で対応するということですけれども,気候変動に伴って頻繁に豪雨災害が起こる中,全て個人に対応を任せるというのも限界があると考えます。公費での負担は難しいかもしれませんが,例えば土砂の受入先の紹介であるとか相談窓口の設置であるとか,金銭面以外でも物理的・精神的なサポートができる仕組みづくりも,また必要ではないかと思いますが,いかがでしょうか。 54 ◯鈴木建設局防災部長 私道を含めた民有地の土砂処理についてという御質問でございます。  私道を含めました民有地の土砂の処理についてでございますけども,基本的には関係する地権者に行っていただくというのが原則でございます。ただし,民有地が私道である場合には一定条件のもとで市が助成を行ってございます。  それから,堆積量が非常に多いという場合には,一定条件を満たしますと災害復旧事業であります堆積土砂排除事業として行政が実施することは可能でございます。  それから,民有地の土砂処理を市が実施する場合,堆積土砂排除事業の採択要件というものが一つのよりどころになると考えてございますが,被害の程度や地域の実情,それから市民生活への影響の度合いなどを考慮して実施していく必要があると考えてございます。  あと,御指摘の金銭面以外の支援──サポートということでございますけども,関係地権者が土砂処理を実施する場合に,委員御指摘のように土砂の受入先を,市の持っている情報を御提供させていただくとか,それから土砂の状態にもよるんですけども,公共工事への流用ということも考えられますのでそういう情報を共有するなど,建設局としてどういう支援ができるのかということについて検討してまいりたいというふうに考えてございます。 55 ◯分科員(植中雅子) ありがとうございます。ぜひ,よろしくお願いいたします。  その民有地の土砂災害対策ですけれども,今,県が土砂災害特別警戒区域の指定を順次に進めているところです──北区はもう終わったんですけれども。平成26年に起こった広島の災害の教訓をもとに,市民に土砂災害の危険な地域を,区域を知ってもらうという,そういう趣旨はよく理解できるところでありますけれども,問題はレッドゾーンに指定された後の対応であります。まず,できる限り土砂崩れが起きないようにする取り組みが必要ではないでしょうか。外壁等の改修が支援制度のメニューとなっていますが,外壁を改修しただけでは対応できない土砂崩れも多々あると思われます。土砂崩れの原因となっているのり面の対策工事についても,支援制度に加えるべきと思いますが,いかがでしょうか。 56 ◯鈴木建設局防災部長 民有地の,これも土砂災害についてということで,現状,兵庫県が行います神戸市域の土砂災害特別警戒区域,いわゆるレッドゾーンの指定につきましては,平成28年6月より,北区から順次指定作業を進めてございまして,本年5月に北区が指定完了しております。それから現在は東灘区におきまして現地調査に着手してございます。今後,中央区以西の調査を進めまして,平成32年度末までに指定手続を完了する予定と聞いてございます。  レッドゾーン内の住宅改修に対する現行の支援制度といたしましては,外壁改修に対しまして100万円を限度に補助することといたしておりまして,さらに平成30年度からはレッドゾーン内のホテル,旅館の改修につきまして補助限度額を300万円とする制度を追加いたしております。  民有地ののり面対策は,原則,土地所有者等で行っていただく形になりますけども,一定採択要件を満たす場合は,砂防事業,急傾斜地崩壊対策事業,治山事業など,国・県が土地所有者にかわって実施する制度がございます。また,比較的小規模な災害復旧につきましては,一定,受益者負担のもとでございますけども,市が実施する制度もございます。  御指摘ののり面対策の推進ということでございますけども,今回の災害の状況を踏まえまして,市民の安全・安心な暮らしと命を守るためにも,委員御指摘のように,できる限り土砂崩れが起きないようにする取り組みが必要と考えてございます。  災害を予防という観点で,ハード対策がレッドゾーン内で優先的に進められるように,採択要件の緩和も含めた制度の充実と,十分な予算措置を国・県にも働きかけてまいりたいと考えてございます。 57 ◯分科員(植中雅子) 私,50分に終わらないといけませんので,ちょっと時間に追われています。再質問を要望に切りかえたいと思いますので,お願いいたします。  土砂崩れが起こってしまった場合のその対応ですけれども,民有地ののり面が原因で土砂災害が発生しましたが,所有者が費用を負担できないため復旧工事ができないという事例がありました。  この事例に限らず,やはり費用がかかるために民有地の土砂災害対策は進まないということがよくあると思います。例えば貸付制度など,民有地の災害復旧を促進させる取り組みが必要だと考えておりますので,どうかその辺も御一考くださるように要望させていただきます。  もう1点,要望があります。大池駅前の踏切の拡幅でございます。  神鉄大池駅の周辺は,再整備されて地元は大変喜んでおりますが,踏切幅が狭くて交通量も多いため歩行者にとって非常に危険であります。  神戸電鉄のほうに交渉いたしましたらば,この踏切部分の拡幅には協力をすると,階段を引っ込めてもよいというような内諾を得ておりますので,神戸電鉄が協力的な今こそ,踏切幅の拡幅あるいは歩行者専用道路の設置に向けて,神戸電鉄と協議を進めていただきたいと考えるところでございます。  岡田議員みたいに,ちょっと世帯道具を持って,本当はお示ししないといけないとこなんですけど,鈴木部長は大池のことよく御存じだと思いますので,あの踏切,山側からも,それから病院のほうからも,三方から集まって行きと帰りが──本当に歩行者がなかなか進めないというか危険な状態で,これは大池婦人会のほうで婦人市政懇のほうの要望に出ていたものでございますけれども,何とかならないかという交渉をしておりましたら,神鉄のほうが,階段はもう奥へ引っ込めると。できたらこれ,神鉄と建設局との交渉をしていただいて,気が変わらないうちに,今のうちに前へ進めていただきたい。階段を下げましたらば,2メートルぐらいの歩道で──もうちょっとあるのかな,はっきりわかりませんけれども,歩行者が歩くにはちょうど適度な幅ができると思います。その辺のところをひとつお願いしたいと思います。  それから,もうちょっと時間がありますので,上下水道の事業における悪徳事業者の対策の取り組みについてであります。  以前より我が会派では取り組んでおりましたが,先日に我が会派の吉田健吾委員が水道局へ質問し,水道事業においては水回りのトラブルといった不測の事態が起きた際に,市民がとっさの対応においても安心できる事業者に依頼できるように,修繕受付センターが積極的なPRに取り組んでいると聞いておりますが,下水道事業においてもトイレの詰まりといった不測のトラブルに対し,市民が悪徳事業者などの被害に遭うことなく安心して相談できる窓口の設置について,昨年の決算特別委員会において,上水道とも関連するため今後,市民の皆様が間違うことなく速やかに問い合わせ先がわかる仕組みづくりを水道局と連携しながら十分に検討していくと答弁がありましたが,進捗をお伺いしたいと思います。 58 ◯油井建設局長 下水に関する相談については,たくさんいただいております。そういう中で,窓口がわかりにくいという声があるのも認識してございます。そういった意味で,市民にとってわかりやすく安心して相談できる窓口の設置について,現在,検討しているというところです。  ただ,下水道はトイレが詰まったりあふれたりすると,やはり市民の方が慌ててしまうことが多くて,トラブルの原因が個人の管理する排水設備にあるのか,私どもが管理する公共下水道にあるのか特定が難しい場合が多い状況です。そういうその下水道ですけど,やっぱり24時間365日使っていくわけで,いつ何どきそういうのが起こるかわからないということで,それを相談できる窓口を設けるためには,管理区分の判定の誤りによって逆に市民の皆さんに迷惑をかけてはいけないということでいろんなことを考えてるというところです。  窓口を1本化したときのトラブルをできるだけ少なくするために,窓口の職員が通報に適切に対応できるような仕組みが必要やということで,その辺について考えているというのが1点。それから,そのためにこれまでの対応実績の検証を現在行っているということで,ちょっと時間かかって申しわけないですけど,今,そういうことをやってございます。  委員御指摘のように,市民にとって速やかに問い合わせ先がわかる仕組みという点では,相談窓口が1つであることが望ましいというふうに考えてございますので,窓口の1本化をできる限り早期に実現できるよう,引き続き取り組んでまいりたいと思っております。 59 ◯分科員(植中雅子) どうぞよろしくお願いいたします。  岡田委員にかわります。 60 ◯主査(人見 誠) 御苦労さまでした。  それでは,岡田委員,発言席へどうぞ。  なお,残り時間は51分余りですので,よろしくお願いいたします。 61 ◯分科員(岡田ゆうじ) こんにちは。自民党の岡田ゆうじでございます。一問一答でよろしくお願いいたします。  先ほど来より,我が会派の植中委員より,トンネルを初めとした市内の公共工事──土木工事を中心としたインフラについて御要望がありました。こうしたトンネルや道路,そしていろいろな建築物というものは,私たち市民の生活を非常に劇的に改善をさせますし,便利になりますし,私も人生の中でいろいろ経験ありますけども,本当に人生が変わるぐらい,大変すばらしいものだというふうに感じるわけであります。  一方で,そういう構造物が例えば崩壊をして頭の上に落ちてきたりしたら,もしくは走ってる間にがくんと崩れ落ちちゃったりしたら,死傷者が出るわけであります。そうなると,あれだけすばらしい,あれだけつくってほしいと言ってたものだったんですけども,こんなものをつくってくれなければ,こんなものさえなければ,あの子は命を落とす必要はなかった,あの人はこんな大けがをして人生を損なう必要なかったと,こんなものなかったほうがよかったというふうになってしまう。だから,我々,公共インフラ──こういった公共工事で何か物をつくるというときは,最後まで責任が伴うものでありますし,そうした意味においてはしっかりと,これは市民の命を脅かさないか,突然凶器にかわって市民を襲うことがないかということが実は一番大事なんであって,どういうものをつくるかとか,どういうきれいなデザインにするかということよりも安全性が一番大事なんであります。  神戸市の,例えば建設局の工事において,いろんな検査の業務が当然ございます。ちゃんとした費用が払われて,ちゃんとした受注が行われてて,満足いく形でしっかりと検査が行われていれば,ちゃんと検査がなされて,安全性というのは確保されるんですけども,我が市の場合はそうなってないんではないかということが,業界団体のほうから我が会派に寄せられました。  例えば長田区の工事なんでありますが,予定価格が45億,決定価格が38億8,000万,そのうち検査──非破壊の検査が──積み上げ根拠になる,いわゆる適正価格が700万,実際の受注額は435万だった。もう1件,兵庫区の工事,予定価格が7億7,600万,決定価格が6億8,500万,検査に伴ういわゆる適正価格は200万だったのに対して,実際に検査会社が受注した額は136万5,000円であります。この決定価格が予定価格の9割,8割と乖離があって,さらに,どうしてもゼネコンもちょっとはもうけたいでしょうから,それは9割,8割に削られるというのはあっても,この数字は愕然とする数字であります。これだけ削られて本当にちゃんとした検査ができてるのか,普通の一般市民だったら心配に思うのは当然であります。  だけれども,これは法律違反であるとかそういうもんでもないし,いわゆる営業の問題だから,そこまで何ていうか,大騒ぎすることではないのかなという考えもあるかもしれないけど,私が一番問題だと思ったのは,市が全然それを知らないということですよ。レクに来ていただいた──クローズな場での話なんで余りしつこくいつまでもねちねち言わないですけども,建設局の幹部の方は,いや,私20年この仕事やってますけど,そんな業者が不当に買いたたかれたとか,そんな不当な契約で無理やり値段削られたなんて相談,1件あるかないかぐらいですかねって言うわけですよ。私これ,けさも電話で聞いたんですよ,間違いないかって。電話で聞いたら教えてくれる,メールでもぱっと送ってくれた。それはそうですよ,業者にとってはよりよい検査をしたい,よりよい品質のものをつくりたい,そのためには費用がかかる,そういった費用を積み重ねての予定価格でしょう。それを積み重ねての最低価格のはずですよ。だけど,民間企業同士の生き残りの競争だからどうしてももっと安くやってくれってなるわけですよ。それはできないと,これだけのコストがかかってると,そうしたときに大事なことは,しっかりと発注者である皆さんが,いや,検査っていうのは大事だから──ぱっと見てああいいんじゃないかなって,どうぞ進めてくださいでは,10年後,20年後崩壊したときに発注者である市が責任を問われる。だから,こんな700万を435万にしたり,200万を136万にしたり,そんなむちゃくちゃなカットをしないで,ちゃんと検査にも費用かかるんだということで出してくださいと,皆さんが割って入って,自分たちが発注した市民の税金を使った工事,ちゃんとやってるかなっていうのを見なくちゃいけないのに,いや,僕のとこには全然相談がないから問題なくやってると思いますよっていうのは,およそ建設局にはもうこういう税金を使った大型公共物を発注する資格はないんだと。  我々政治家だってそうですよ。10年間政治家やってて,市民の誰からも全然,苦情とかクレームとか相談事がないと。だから,垂水区っていうのは何の問題もないんだと。それは俺のできがいいからだって言ったらね,もうあいつアウトだなって,あいつはもう政治家の資格ない──そもそも,そんな人は10年続かないかもしれないですけども。私と建設局とで議論をしたら勝負にならないですよ,私のとこにはこういう情報が全部,会派のほうを通じてですけど集まってくるんだから。皆さんのとこには一切,業界団体の声,本来これだけの価格じゃないと品質を保てないのに,これだけしかもらえなかった,だけど,この中でやらされてるんだという声が届いてないという証拠じゃないか。もし,そういうことができないんであれば,私は1個1個分離発注にすべきだと,それだけの能力が市にないんであれば。  局長にお答えいただきたいと思います。私は,そういう意味で,今の現状を見ると,そういった検査の業務を含めて全部,分離発注にすべきだと考えますが,御答弁をお伺いします。 62 ◯油井建設局長 神戸市の土木工事におきましては,土木工事共通仕様書において,請負人はその品質及びその出来形が設計図書に適合するように十分な施工管理を行うことというふうにしてございまして,施工段階による検査については,土木工事施工管理基準であるとか設計図書を見まして,工種ごとに検査項目であるとか対象数量を定めておりまして,その検査方法についてはJISであるとか各種検査手法の協会が定めるマニュアルにのっとって実施しているというのが現状でございます。監督員が各段階で,確認であるとか完成時の検査もするわけですけれども,その検査結果もチェックの対象としておりますので,設計図書に求めるような適正な品質は確保されているのかなというふうに思ってございます。  委員の御質問,検査と工事と分離発注できないかということでございますけども,仮に検査業務を工事と分離して発注した場合,工事の詳細工程については,その工事を発注した元請業者がその受注後に策定をしまして,その中でいつの段階でこんな検査をしよう,こういうやり方の検査をしようということを決定していくわけなんですけども,発注者がその中でその検査業務を別途発注するということになりますと,その検査業務の手法の策定であるとか,業者選定等に時間を要しまして,施工と検査のタイミングがずれてくることが十分考えられます。そういったことで全体工程の影響を及ぼす可能性があるというふうに思ってございます。  また,元請業者と検査業者の間に発注者が介在することで,業者間の調整,そのあたりの業務の効率の低下を招くといったこと考えられます。もう1つは,仮に品質に問題が生じた場合に,分離発注によって元請業者と検査会社の間で責任の所在が曖昧になるというおそれがあります。  このように,ちょっと分離発注は難しいというふうに考えてはおるんですけれども,御指摘のように,やはりコンサル会社から検査会社,要は下請のほうに発注の際に不当にその価格が削られるということは,私もいろいろ,国交省によるホットラインとかその辺で確認をしてございますけれども,やはり不当に価格が削られるということがあったら,品質確保の観点からも問題が生じる余地もあるんではないかというふうに思っておりますので,他の部局であるとか関係団体に対して,現状調査をさせていただきたいというふうに思ってございます。 63 ◯分科員(岡田ゆうじ) 建設局とこの件について,いろいろやりとりをずっとしてて,駆け込み寺なんていうのも国がやってるもんですから,国はもっと神戸市と違って危機意識をすごい持ってるんですよ。だから,建設局としてもコミュニケーションをよくとっていくというような御答弁をいただいて,今の局長答弁──もうちょっと具体的なプランを持っておられたと思います。そういう意味ではちょっと総論的な答弁で残念ではありますが,問題意識の1割ぐらいは伝わったと思いますので,しっかりと──発注をして金を出したら終わりじゃないんですから,20年後に事故が起こったら全部市の責任なんですから。市の責任だっていっても,市民の命が失われたらもう取り戻せないんだから,そういう意識でやっていただきたいと思います。  次に,もう少し小さな建築物なんでありますが,ぜひ──自民党はみんな知ってるんですけど,野党の先生方にも見てもらいたいのが,これが西区と灘区の標識なんですね。今現在も多分あるんであります。こんなのが頭上にあっていつ落ちてくるかもわからない。要は,この老朽化した大型道路標識が神戸市内には非常にたくさんあるわけであります。今なお,こうやって──ぶらぶらはしてないかもしれないけども落ちそうな感じで,市民の車の上,頭上にあるわけであります。  2013年2月に国土交通省より,道路ストックの総点検の実施についてという通知が出されて,神戸市も点検をしていただいております。もちろん,大半のこういう道路標識のような公共物というのは適正に管理されておるんですが,まだこういうものがあるということは,やっぱり予算が追いついてないというか,このチェックが足りてないということのあらわれであると思います。2013年ですから,もう5年以上たってますので,ことしだけでも台風が3,4回来て,また来週来るわけですから,改めて全数点検を実施して計画的に建てかえ更新を進めていくべきだと,その重要性は非常に高いと思います。  現在,市内にある大型案内標識のうち約2割が旧型テーパーポール式であって,こうしたものはもう大変危険性が高いので至急建てかえ更新が必要であると思います。決算の御報告の中で,しっかりと予算をつけていただいてるっていうのはわかってるんですが,もう少しさらに危機意識を持った予算要望をしていただきたいと,決算を踏まえての要望でありますが,当局の見解をお伺いしたいと思います。 64 ◯油井建設局長 委員,パネルで御指摘の,これ旧型のテーパーポール式の案内表示板になりますけれども,これについてはつり下げてるところのボルトの腐食によって落ちるといったことがあって,平成20年度より上下のはりで固定するF型の案内板にかえつつあります。  また,平成25年度には国の通知に基づきまして,大型案内標識について全数点検を行って,それに伴って今,改修をしているというところでございますけれども,今なお,約2割ぐらいが──今,パネルでお示しのやつが残っているということです。  今年度は,平成25年度から──全数点検から5年が経過したことから,改めて全数点検を行って健全性の把握の実施に努めてまいりたいというふうに考えてございます。点検によって危険で緊急の対応を要すると判断されてものについては,早急に建てかえを行いたいと思っております。  また,健全であると判定されたものについては,経済性の観点も含めて適正な維持管理のもと,もう少し使用していきたいなというふうに思っておりますが,いずれにしてもつり下げ型の標識の対応については優先度が高いというふうに考えておりますので,定期的に点検を行って計画的な修繕計画を策定して,精力的に対策を講じてまいりたいというふうに考えてございます。 65 ◯分科員(岡田ゆうじ) ちょっと御紹介が漏れましたので──これは垂水区の例なんでありますけども,まさにこれは倒れちゃったんですね。倒れちゃって車の上に乗っかっちゃって大事故になっちゃってるんですけども,これはまさに腐食・老朽化の最たるもんでありますので,こうしたことがないように──これは車でよかったですけど,人だったらもう本当に許されないことでありますので,ぜひ,そうした老朽化したインフラの更新についての意識を持っていただきたいと思います。  最後になりますが,この間の台風で,これは我が垂水の塩屋のノリ工場が崩壊したケースであります。こうした風雨災害,津波災害にしっかり耐えられ得るように,経済観光局にしっかりとした対策──我々の漁港,漁業者を守ってほしいというお願いをしております。  これはまさにノリ工場なんでありますが,ノリが今シーズンになってきたんですけども,こうやって工場が壊れちゃったこともさることながら──こっちは右がノリのあれなんですが──ノリの色落ちという問題がずっとあるんですね。私は機会を捉まえて,ずっと主張してきたことでありますが,この海に至る栄養源というのはもう川と下水しか基本はないもんですから,あとは海底を掘り起こして下から盛り上げるしかないもんですから,だから,実は漁業を守るという意味では経済観光ですけども,漁業の振興,その漁獲高は本当にこの下水道管理──建設局が非常にその命綱を持っているという認識をぜひ持っていただきたいと思うんです。  今,栄養塩運転管理をやっていただいてまして,大変,漁業者の中では好評でございますが,この県の規制──総量計画のリンと窒素の数値規制であるとか,また,国の法律による規制というのがいまだ残っております。県のほうもかなり,この瀬戸内海の栄養塩管理のことについては問題意識持っておるんですが,市としてももう少し働きかけをしてほしいと思うんです。  前回,3月の予算委員会で全く同じ質問をしましたので,それ以降,どういう進展があったのか,この半年間何をしてきたのか,お答えをいただきたいと思います。 66 ◯岡崎建設局担当部長 栄養塩管理運転に関する御質問でございますけれども,この栄養塩管理運転ですが,瀬戸内海を豊かな海とするという趣旨で平成27年10月に瀬戸内海環境保全特別措置法が改正されまして,その後,兵庫県では平成29年2月に豊かで美しい瀬戸内海の再生に向けた実施計画,これが策定されました。これによりまして,下水処理場は従来の水質汚濁防止法の順守に加えまして,窒素・リンといった栄養塩を増量するという栄養塩管理運転の取り組みがその計画に位置づけられております。  それで,本市の垂水処理場におきましては,委員御指摘のとおり,平成27年度から試行的にノリの生産時期であります10月から4月の間,放流水の中に含まれる窒素・リンの値を増量させるという栄養塩管理運転に取り組んでおります。この取り組みにつきましては,国や県などと協議をしまして,大阪湾の水質環境基準の達成を目指して定められております大阪湾流域別下水道総合整備計画の枠組みを守るということを前提に取り組んでおりまして,平成29年度におきましても,前年度と同量の栄養塩を供給することができております。しかしながら……(発言する者あり)  済みません。しかしながら,現状,これ以上の増量をする場合は,現行の基準では難しいということで,現在この基準につきましては,水質汚濁防止法に基づきまして県のBODと言われます汚れの指標の上乗せ条例がございますので,この豊かな海を推進する上ではこの条例の見直しが必要というふうに考えまして,現在,本市から県へ,このBODと言われる汚れの指標の規準を撤廃するよう提案をいたしておるところでございます。  また,流域別下水道整備総合計画につきましても下水道法に基づいておりますが,これも国において見直しの動きがあるということでございますので,この見直し及び柔軟な運用を提案・要望していきたいというふうに考えております。  以上でございます。 67 ◯分科員(岡田ゆうじ) 漁業は神戸の主要産業ですから,神戸のアイデンティティーの1つでありますから,三宮再開発と同じ,それ以上に漁業の振興というのは大事ですから,皆さん全力を挙げて応援をしていただきたいと思います。  以上で終わります。 68 ◯主査(人見 誠) 御苦労さまでした。  次に,吉田委員,発言席へどうぞ。  それでは,残り時間31分ほどですので,よろしくお願いします。 69 ◯分科員(吉田健吾) それでは,続きまして質問をさせていただきたいというふうに思います。  ちょっと準備してたものも数が多いんですが,お時間,予定よりもありますのでじっくりやりたいなと思いますが,その前に,本日も報道でありましたように,ヤミ専従の件についてはいろいろな事実が発覚していっているような状況で,並行して第三者委員会があったり行財政局の調査があったりというふうにしておりますけれども,先日の企業建設委員会で我が会派,むらの議員からもお尋ねがあったと思いますが,ヤミ専従について現在調査中というような回答であったと聞いておるんですけれども,その後,1週間以上たってると思うんですけれども,何かわかったことというのはありますでしょうか。 70 ◯油井建設局長 建設局では,中央水環境センターに市従本部の執行委員をしている職員がおりまして,出勤簿等そのあたりについてもう少し詳しく調査をしてございます。  職員は出退勤の際に職員証をカードリーダーにかざすため,庶務事務システムを通じて確認をすることができております。その出退勤の記録を見ますと,これを確認する限り月に多くて1~2回,出退勤の時刻がわからない日はありました。  ただ,これについては,他の職員もかざし忘れというかそういったものが実態としてありますので,ちょっとこれだけではなかなかわからないということです。  もう1つは,職免の申請もしてございまして,職免の申請については庶務事務システムから申請の有無を確認できて,必要に応じて職免の手続が行われているというところまでは確認をしてございます。  それから,常任委員会ではそういうさらに詳細な調査等を行っていくという答弁をさせていただきました。ただ,現在,第三者委員会の調査がやられてるということでございますので,例えば本人等の聞き取り等については,第三者委員会による調査に委ねたいというふうには今のところ考えてございます。 71 ◯分科員(吉田健吾) 状況はよく承知いたしました。  勤務管理のところでの確認については教えていただけましたけれども,例えば所属長の方なんかのヒアリングだとか,そういったこともあわせてあるのかなとは思うんですが,第三者委員会という言葉が出ましたので,そちらに対する協力をしっかり惜しまずやっていただきたいなというふうに思います。この件はこれだけにしておきます。  では続きまして,大阪湾岸道路西伸部についてお尋ねをいたします。  現在事業中の大阪湾岸道路西伸部は,大阪湾ベイエリアの高速道路ネットワークを形成し関西神戸の発展に寄与することはもちろん,阪神高速道路湾岸線と神戸線との乗り継ぎ車両等のために慢性的に渋滞している市道灘浜住吉川線といった身近な一般道路の渋滞緩和にも寄与するなど,環境面からも必要不可欠な路線であり,我々市会議員連盟もその整備促進に努めてきたところでございます。  年内に工事着工すると報道されていますが,順調に進捗しているように見受けられる一方,一日も早い供用開始に向けた取り組みを願っている次第です。早期開通に向けてより一層事業者に強く働きかけしていくべきと考えますが,当局の現在の取り組みについてお伺いをいたします。 72 ◯名倉建設局湾岸・広域幹線道路本部長 大阪湾岸道路西伸部でございますけれども,これにつきましては,神戸市会議員連盟のお力添えによりまして,平成28年度に新規事業化,それから平成29年度には阪神高速道路の有料道路事業が導入されたということで,直轄事業との合併施工ということで整備に弾みがついてきたというとこでございます。事業化や整備促進に当たりましては,委員を初めまして市会議員連盟の皆様に大変御尽力いただいておりますことにつきまして,改めてお礼申し上げます。  今年度も,市会議員連盟の先生方の協力のもとに,兵庫県あるいは関西経済界の方々とともに,国に早期整備に必要な予算の確保等について要望しているというとこでございます。  それから,事業推進に当たりましては沿道地域の理解あるいは協力が不可欠だということで,地域の方々の声を反映できるよう,事業者とともに事業の内容でありますとか具体的な道路の構造等につきまして丁寧に説明をしておりまして,地域との協議・調整に努めているというとこでございます。引き続き,事業者と連携しながら,各地区の企業でありますとか住民の皆様の御理解・御協力を得ながら事業推進に努めてまいりたいと思っております。  また,事業化から2年経過してございますけども,事業者のほうからは,現在,六甲アイランドにおける準備工事でありますとか,それから神戸山手線と接続するトンネル工事につきまして,契約に向けた手続を進めているというふうに聞いてございます。  湾岸道路西伸部につきましては,神戸線の慢性的な渋滞が抜本的に解消されまして移動時間が短縮されるということで,神戸港の物流機能の強化でありますとか,関西3空港の連携強化,定時制確保によります観光振興,そのほかにも災害時の代替性の確保でありますとか,委員御指摘ございました灘浜住吉川線といった一般道の渋滞解消にも寄与するということで,早期の整備について引き続き国でありますとか阪神高速道路株式会社に強く働きかけたいというふうに思ってございます。 73 ◯分科員(吉田健吾) 御説明ありがとうございます。  本当に,決まったはいいがまたこれから本当に10年ぐらいかかるんじゃないかっていうような感じでいきますと,特に,こと私の選出の灘区におきましては,この灘浜住吉川線っていうのはもうこの湾岸道路進むことが決まる前からずっとずっと渋滞緩和をすべきだというふうに唱えてきましたけれども,それが一向に進んでいない。この湾岸道路の着工ということが決まった,1つ問題が解決したということで,やはり次はこの一般道の灘浜住吉川線の渋滞緩和っていうことをしっかりと道路管理者として検討していただきたいなと思いますし,また並行した路線ではみなと総局が持っている路線もありますので,そういった他部局との連携も含めてしっかりと責任を持って課題解決をしていただきたいというふうに,これは要望とさせていただきます。  続きまして,六甲山の森林整備についてお尋ねをいたします。  ことしの豪雨災害で,六甲山では土砂災害が多発し,道路の通行規制が行われました。建設局では,六甲山の道路防災対策を重点的に行っていると聞いておりますが,土砂災害対策には森林整備も重要であるというふうに考えております。森林整備戦略を策定し取り組んでいると聞いているものの,やや印象が薄く,スピード感を持った取り組みが必要だと感じております。  そこで,土砂災害対策として,森林整備の事業について現状と課題について御見解をお伺いしたいというふうに思います。 74 ◯油井建設局長 まず,六甲山の道路防災の計画の取り組みについて,ちょっと若干お話をさせていただきたいと思います。  平成26年・27年に集中豪雨により甚大な災害が発生しまして,それを受けて,被災原因の究明とその対策法を定めた六甲山道路防災計画を平成28年に策定しまして,これについては29年度から5カ年で実施して対策していこうというふうに考えてございます。  六甲山については,植林によりまして緑の量は回復したんですけれども,同時期に同樹種の植林であるため,森林の多様性が失われているほか,手入れがやっぱり不足していると。そういったときに荒廃が進んで災害防止機能の低下が懸念されている状況でございます。  そこで,森林を健全な状態に再生維持することを目的に,平成24年度に六甲山森林整備戦略を策定いたしました。平成27年度までの準備期間を経て,今現在,37年までの短期計画期間に入ってるんですけれども,森林整備のほか,森林所有者との協働の森づくり,また発生材の活用など,市民に森林整備の重要性を知っていただく事業も行っているところでございます。  森林に関する災害対策の取り組みですけれども,まず,森林整備戦略では災害に強い森づくりを目指しておりまして,防災機能を向上させる森林整備に取り組むこととしてございます。具体的には,間伐によりまして光の差し込む明るい森にして,植生を多種多様とすることで樹木の根の力による土砂の流出の抑制を図っていこうということで対応してございます。
     また,道路沿いの危険木の伐採もしてございます。これについては,優先度の高いものについては先ほど説明した道路防災計画と連動して行っております。具体的には,平成29年度でいきますと,裏六甲ドライブウェイ沿いにおいて,県民緑税充当事業である都市山防災林整備事業というのがあるんですけど,それを活用しまして倒木する危険のある樹木約180本の伐採を行いました。今年度も引き続き,危険木の伐採など森林整備を行う予定でございます。  課題ですけれども,ただその六甲山というのは,森林面積8,200ヘクタールという本当に広大で,そこに管理道が少なく,放置された森林が多いということ。それから,六甲山の約9割を占めるのが広葉樹林ということで,その整備手法がなかなか確立されていないといったことが課題となってございます。  今後の取り組みですけども,森林整備については長い時間単位で考える必要があるというふうに考えてございまして,ただその中でもその災害対策というのは最優先事項であるというふうには認識してございます。六甲山を災害に強い森林とするために道路防災計画などと連携しながら,優先に応じて計画的に森林整備を推進してまいりたいというふうに考えてございます。 75 ◯分科員(吉田健吾) ありがとうございます。森林面積が非常に大きいので大変だということはよく承知しておりますけれども,やはりはげ山から緑豊かな山にするために植林をしたけれども,そこの管理することまでは余り考えていなかったというのが,振り返る現状かなというふうに思いますので,その点におきましては管理道の整備というのが必要不可欠で,やっぱり長い目で見ていって,森林を守っていくためには管理道をしっかりと整備してほしいというふうに考えますけれども御見解をお願いいたします。 76 ◯油井建設局長 六甲山についてはやっぱりその管理道が整備されてこなかったために,適切なルートの設定であるとかその工法の検証を行うことを目的にしまして,平成24年度より再度山の西側の二本松林道周辺をモデルとしまして多目的管理道の整備に取り組んでおるところでございます。ここについては平成29年度までに,全体の計画延長が約1.6キロあるんですけれども,そのうち1.1キロの整備を行っております。ただ,六甲山は地形が急峻なために管理道の整備やその維持に,またあるいは伐採したその材を大量に搬出することに多大な労力とコストがかかるというのがここでの課題となってございます。  六甲山を緑豊かで災害に強い森にしていくためには,委員御指摘のとおり,管理道の整備を進めていくことは大変重要だということを認識してございます。今後も,現在行っております多目的管理道の整備で得た知見を生かしながら,六甲山全体としてより効率的な管理道の整備や材の搬出方法の検討を行っていきたいというふうに考えてございます。 77 ◯分科員(吉田健吾) また今後,新たな財源として森林環境税というのが創設されて,また来年度には森林環境譲与税ということで配分されてくるというふうな,新たな財源ができることがあるというのと,森林整備のため,人材育成,木材利用の促進などがその森林環境譲与税の使途と目的としてされてるのですけれども,これまでの今の私の質問を踏まえた上でこの貴重な財源,どう活用していくかというのも御見解いただきたいと思います。 78 ◯油井建設局長 森林環境譲与税につきましては,温室効果ガスの排出削減の目標達成であるとか災害防止を図るために森林整備に必要な地方財源を安定的に確保する観点から,平成31年度に創設されて,施行されるということでございます。この譲与税については,森林整備であるとかその促進に関する費用に充てなければならないとされておりまして,その使途は間伐であるとか人材育成,担い手の確保,木材利用の促進,普及啓発などに限定をされております。現在その六甲山の森林整備は,市として,林野庁の補助事業であるとか,それから県民緑税充当事業を活用しながら行っておるんですけれども,さらに災害に強い森づくりを推進するためにも,この貴重な財源となる森林環境譲与税を,県民緑税充当事業で採択されない,例えば,保安林指定森林であるとか管理道の整備で活用するなど,有効な活用方策について検討を行ってまいりたいと思っております。 79 ◯分科員(吉田健吾) 災害に強い森づくりのために,ぜひ新しい財源も含めて効果的に活用していっていただきたいというふうに思います。  続きまして,六甲山含めてですけども,登山道の管理についてお尋ねいたします。  先日,六甲山の登山道である魚屋道で母子が道に迷い救助されたという報道がありました。報道によると,土砂崩れなどで通れない道があり,通れるところを行くうちに迷ってしまったというような内容でした。この魚屋道に限らず,ことしの豪雨災害では多くの登山道が被害に遭っており,私もハイキング愛好家の方からここは危ないとかというものをいただけば,その都度,当局に通報させていただいて対応していただいたという経緯もありますけれども,この被害の確認はどのように行っているのか,また被害状況はどうだったのかというのをお伺いいたします。 80 ◯広脇建設局公園部長 今回,報道のございました魚屋道は,東灘区の森北町から六甲最高峰を通過いたしまして有馬へ向かう約10キロ強の登山道で,枝道が数多くありますけれども主要なハイキングコースの1つでございます。  今回,迷われた親子3名の方は,六甲山南側斜面にあります蛙岩と呼ばれる岩の付近で迷われ,無事発見されたところでございます。翌日,うちの森林整備事務所の職員も現地のほうで確認をしておりまして,倒木とか路面が洗われたということで歩きづらい状況が確認できておりますけれども,大きな土砂崩れ等は確認されておりません。  登山道の被害状況の確認でございますけれども,通常,職員によるパトロール,それとハイキング道の維持管理をしていただいております森守ボランティアという市民の方々からの通報,こうしたもので情報を入手いたしまして,被災情報をもとに直接職員が現地に出向いて被害の程度を確認してるというのが現状でございます。  ことしは7月の豪雨,台風20号・21号と,立て続けに市内の登山道でも倒木や土砂崩れ,路面の洗堀,飛び石の流出など,被害が発生しております。通行に支障を来している箇所で約27カ所,現在でも被災してるところがあるということを確認しております。倒木の処理であるとか路面の洗堀など,比較的軽微な被害については直営や市民ボランティアであります森守ボランティアの方々によって作業をしていただいたり,あと,請負工事によって順次復旧を進めているところです。一方,トゥエンティクロスとか二本松林道で,大きく斜面が崩れてハイキング道がなくなっているようなところがございます。そういったところについては,ホームページ等で利用者に通行情報を発信しつつ,国や県などの関係機関と相談しながら復旧の対応を検討しているところでございます。 81 ◯分科員(吉田健吾) ありがとうございます。近隣の方であれば──市内の愛好家の方なんかであれば,自分たちで常に確認するということはしてると思いますけれども,よくあるのは,観光で来られてる方が登るケースとか,その日に上るつもりで来てるというような方がいらっしゃったりすると,こういう災害があった翌日でも登ろうとする方もいらっしゃったりするということで,対策を講じることが重要なことになるんじゃないかなと思います。  再質問させていただくんですけれども,ことしに限らずこれからも豪雨災害というのは続くと思いますが,六甲山の登山道というのは数が多いのと,被害の確認や状況が進みにくいというのはよく理解をします。しかし,今後の災害の備え,できる限り早い被害の確認や復旧のために工夫が必要だと考えますけれども,その点について御見解をお願いします。 82 ◯広脇建設局公園部長 委員御指摘のとおり,六甲山系には多数の登山道が網の目状に存在しております。被害の状況を早期に把握するのは,このように量も非常に多いということで非常に困難してるのが実情のところでございます。また,復旧についても町なかとは異なって徒歩で行かなきゃいけないところがほとんどですので,なかなか資材や機材を現地へ持っていくとか,山の工事ならではの難しさがございます。登山道の被災状況の確認については,今回,7月の豪雨のときに六甲砂防事務所の協力で,ヘリコプターによる映像によって被害状況を確認することができました。また,ことしの5月にリニューアルされた県の六甲山ビジターセンターの中のガイドハウスと連携いたしまして,ハイカーの方々から情報を入手して森林整備事務所のほうと情報をやりとりするというような試みを行っているところでございます。今後こうした情報の収集の部分でより一層工夫して,できるだけ早い被害状況の確認に努めていきたいというふうに思っております。  また,被災箇所については現地の状況に応じてまず通れることを最優先に登山道のつけかえを行ったり,あとやはり現地をよく使われているボランティアの方々との連携を密にすることによって,少しでも早く通れるような工夫をしていきたいというふうに思っております。また,委員御指摘のように,復旧まで少しやっぱり時間がかかってしまうようなところについては,早期に発見してホームページなどでわかりやすく情報のほうを発信して,危険がないように努めていきたいというふうに思っております。 83 ◯分科員(吉田健吾) ありがとうございます。本当に面積が広いし,数も多いしということで,情報収集が大切になると思いますので,それについてはシステムを構築するなどしっかりと工夫していただきたいなというふうに思います。  少し話は変わるんですけれども,ハイカーがふえている中,布引の滝周辺の環境整備についてはこれまでも我が会派の河南議員を中心として質問してきました。特にトイレについては,滝の近くにトイレがないことや砂子橋にある既存のトイレについてもくみ取り式で老朽化が進んでいると。今後,貴重な観光資源として,布引の滝周辺のトイレの整備について早急に取り組む必要があると考えますが,御見解をお伺いしたいと思います。 84 ◯油井建設局長 布引の滝へのハイキングコースですけれども,委員御指摘のとおり,多くのハイカーに人気がありまして,近年では訪日外国人観光客も増加しているという状況でございます。そういった意味からトイレの環境整備については喫緊の課題であると認識してございます。布引の滝の周辺でのトイレの整備については,まず1つは設置スペースです。どこに設置するか,それから汚水の処理の方法など,さまざまな課題があるんですけれども,専門業者等と検討を重ねながら条件整理を行いまして,実現に向けて検討を進めていきたいというふうに考えてございます。布引の滝周辺のトイレのさらなる利便性の向上,またイメージアップを図ることで国際観光都市神戸にふさわしい環境整備に積極的に取り組んでまいりたいというふうに考えてございます。 85 ◯分科員(吉田健吾) 前向きな御答弁ありがとうございます。ぜひ,本当に観光の方どんどんふえてると思いますので,そういった面で神戸としてはすごいホスピタリティがあるなと思ってもらえるように取り組んでいただきたいというふうに思いますので,よろしくお願いいたします。  それでは,もう1つ別の質問をさせていただきます。  質の高い道路空間づくりについてお尋ねさせていただきます。  建設局では質の高い道路づくりに取り組んでおられますが,この施策を進めていく上で,三宮などの都心部と都心部以外をバランスよく整備していくことが市全体の質の高い道路空間づくりにつながると考えますが,当局の今後の取り組みをお伺いいたします。 86 ◯油井建設局長 神戸市では,平成28年3月に策定をいたしましたみちづくり計画に基づきまして,それぞれの地域の課題を解決して,その地域特性を生かすことを定めて道づくりの取り組みを進めておるところでございます。  その中で,質の高い道路空間づくりに向けた取り組みとしまして,まず都心部におきましては,道路空間の活用によりまちのにぎわいの創出を図るよう,例えば,葺合南54号線の整備であるとか北野エリア周辺の経路にベンチを設置するなどをしてございます。また,都心部以外の住宅地においては,従来の道路整備を進めるとともに,坂道や医療とか福祉施設等の経路では,例えば,ベンチとか手すり,スロープの設置であるとか,また道路のユニバーサルデザインの観点で波打ち,また段差解消など,誰もが歩きやすい歩道整備に努めておるところでございます。  また,ちょっと具体的な例でいきますと,灘区の──これはそんなにメーンの道じゃないんですけど,西灘浜手13号線という道路があるんですが,道路幅員が狭くて十分な歩道幅が確保できない──既にマウンドアップしてるんですけど──確保できてなかったために波打ち歩道の解消に合わせて,縁石による歩者分離をやめて道路横断勾配をほぼフラットにして,また側溝を片側に寄せた上でガードパイプで歩道と車道を分離するということで,歩きやすい歩道空間を確保した,そういった事例もございます。  北区や西区では,神戸三田線や小部明石線などの道路ネットワークの整備も行ってるんですけど,その整備に際しても単なる道路整備ではなくて質の高い道路空間づくりの視点も踏まえて事業を進めてまいりたいというふうに考えてございます。  また,委員御指摘のように,都心部だけじゃなくて住宅地や郊外の道路まで,市内全域においてバランスよく進めていくことが重要と考えておりますので,さまざまな工夫をしながら質の高い道路空間づくりに努めてまいりたいというふうに考えてございます。 87 ◯分科員(吉田健吾) 都心部でいけば,葺合南54号線なんかはちょっとタイルについては非常にいろんな気になるところはあるんですけれども,ベンチ置いてあって,これはしっかりと活用されてるのはよく見てますので,非常に質が高くなってるという認識は持っております。  また,質の高い道路空間を目指す一方,市民にとってやっぱりどっちかというと質よりも安全・安心というのがまず第一かなというふうに思っております。市内には歩行者にとって危険な道路がまだあると思います。灘区のことを例に挙げさせていただきますけれども,摩耶ケーブルに上がる観音寺川沿いの道路は非常に急な坂道で道幅も狭いんですけれどもトラックやバス,また自家用車の通行が多いことに加えて歩行者も多いけど歩道がないというような,こんな道路だってまだまだ市内にはたくさんあるというふうに思います。特に,今の道路を例にとりますと,市バスの観音寺北停留所とかまた有馬温泉の大閤橋付近なんか,川に少し──暗渠にはできないのはもちろんわかってますけれども,川に少しせり出すような形で歩行者の安全を確保する空間であったり,そもそも歩道をつけたりということをしてるんですけども,こういった取り組みというのは今後考えていくことはできないのかお尋ねしたいと思います。 88 ◯三島建設局道路部長 委員御指摘のように,灘区の山麓部などではバス路線にもかかわらず歩道がない道路があるというのは認識しております。やっぱりこのような地区──山麓部なんかの地区につきましては,物理的な制約で歩行者空間が確保することが難しいことが多くありまして,先ほど例を挙げていただきましたが,御指摘のように河川の上部などの空間を有効活用することも考えられると思います。  委員が御指摘あった,観音寺の北停留所は市バスの利用者が道路上で通常は待機せざるを得ないということですから,やっぱりそこで歩行者の方とか車両と交差しますので,そうじゃなくてその横にある河川上の空間を活用して,橋みたいなふたをかけてそこで待機していただくという形でつくったもので,これは交通局が管理いたしております。  建設局という道路管理者につきましては,その管理する道路でもやはり道路敷地内で安全な歩行者空間の確保が難しい場合につきましては,先ほど御例示のありました有馬温泉の有馬川沿いの張り出し歩道をやってみたり,そういうことでいきますと,神戸三木線の妙法寺川沿いなどでも一例がございますし,神戸市内見ますと多くの事例がございます。そういう工夫は今までもやってきてるというところでございます。ただ,やっぱり河川上に張り出し歩道とか,ふたをかけるということにつきましては,近年雨の降り方が大分変わってきている──強い雨が降るとか,ゲリラ豪雨があるということもありますので,防災上・管理上の課題があると思われます。そのようなことと,また灘区の山麓部みたいな地区につきましては非常に高級な地区でございますので,河川沿いに民地がしっかり張りついてまして,個々に家に入る乗り入れ橋梁がありまして,それが道路勾配がきついということで,家に入るのはやっぱりレベルで入りたいという──だんだん段差ができていくような形になりまして,そのようなことの調整も大きな課題になってきます。  御指摘のような観音寺川沿いの道路でもこのような課題がありまして,河川上部の活用がなかなか難しいと考えておりますが,現地の状況を注視しまして,その交通量とか歩行者の状況,そういうものを見まして安全対策が必要であればどのようなことが可能なのか検討していきたいと思っております。 89 ◯分科員(吉田健吾) ありがとうございます。現状,私もよく理解はしております。ただ,観音寺北なんかは神戸市営バスなのでいいですけれども,またその南のほうには坂バスという公共交通ができないからといって,みんなでコミュニティバスでやってるようなもののバス停があったりします。そんなとこ誰が面倒見るのということになると,やっぱり神戸市ができない部分を民間でやってもらってるんであれば,そこは神戸市がしっかりと門戸を開いてお話を持ちかけるぐらい,安全管理については積極的に手を出していただきたいなというふうに思います。  また,済みません,灘区の話ばっかりになって恐縮なんですけれども,市バス2系統の山麓線ですね,ことしかな,護国神社の桜で少し話題になりましたけど,あの桜並木なんかも歩道の真ん中に桜がどんと植わってるんです。これは多分桜を植えたほうが歩道ができるより早かったからこうなってると思うんですけども,こういったのもせっかく名物になってるんであれば,みんなが歩いてしっかりと楽しめるような,そういう質の高い道路を今後もつくっていっていただきたいなというふうな要望をして終わらせていただきます。ありがとうございました。 90 ◯主査(人見 誠) 御苦労さまでした。  それでは,次に,山本じゅんじ委員,発言席へどうぞ。 91 ◯分科員(山本じゅんじ) では質問させていただきます。日本共産党の山本じゅんじです。よろしくお願いします。  初めに,一問一答でお願いしたいんですが,今回,災害関連について幾つか質問させていただきます。  では,1点目。土砂災害における民地被害への支援についてお聞きします。先ほどの質疑でもありましたけど,特に連携とってるわけではありませんのでそのまま質問させていただきます。  この夏は,7月豪雨を初め,たび重なる台風の襲来によって市内各地で多くの被害が発生しております。特に民間所有の土地においても土砂災害が多発し,多くの場所で復旧が進んでいない状況にあります。被害地の中には国や県の補助制度によって一定の支援をされる場所もありますけれども,補助要件に合わなければ所有者のみで復旧しなければなりません。中には個人の責任だけでは全く手がつけられないような大規模なものもあり,2次被害が心配される場所もあると聞きます。  そこでお聞きしますが,補助要件に合わない民地被害について神戸市としてこれまでの枠を超えて支援をしていく必要があるのではないでしょうか。いかがでしょうか。 92 ◯鈴木建設局防災部長 民有地の保全復旧に関する御質問でございます。  先ほども御答弁させていただきましたけども,私有地の保全・復旧につきましては,関係地権者で行っていただくのが原則でございます。ただ民地でありましても一定要件を満たすものにつきましては,国・県が所有者にかわって実施する制度もございます。  先ほど,2次災害等を含めた安全性に関する御指摘がございましたけども,土砂崩れを放置することによりまして,第三者への2次被害の発生のおそれが差し迫ってる──窮迫してる場合には,状況に応じまして原因者と調整いたしまして神戸市のほうで大型土のう,ブルーシート等による応急対策を行ってございます。  それから,要件に満たない場合ということで御指摘ございましたけれども,まずは御相談・御要望があれば,どのような土砂対策事業が適用可能なのか丁寧に御説明させていただくとともに,必要に応じて参考となる事例を紹介するなどの支援を行ってございます。  今後とも国・県と連携しながら土砂災害対策の推進に努めてまいりたいと,このように考えてございます。 93 ◯分科員(山本じゅんじ) それでは,再質問いたします。  今回,かなり土砂災害が発生してるわけですけど,ちょっとお聞きしますが,今回の7月豪雨で発生した被害のうち,急傾斜や治山事業で公費助成されるものはどのぐらいあるのか。お手元に資料お持ちであったらお答えください。 94 ◯鈴木建設局防災部長 市内の7月豪雨に伴います土砂崩れでございますけども,全市でいきますと73件でございます。そのうち,国・県・市で対応できるものが31件でございます。 95 ◯分科員(山本じゅんじ) ちょっと具体的にその各建設事務所でお聞きしてるんですけど──中には私のほうで把握してるもので,まだ調査検討が進んでないものがあるようなんです。それで,その上でちょっとお聞きするんですけれども,避難情報がまだ出てるところもあって,いまだ避難指示が解除されていないところもあるわけですけど,この地域で既存の──今紹介していただいたようなもので,公費助成で指示が解除されるというところはありますでしょうか。そういう検討はされてるんでしょうか。 96 ◯鈴木建設局防災部長 避難指示につきましては順次応急対策が完了したところから解除されていってございますので,時を追って変わってございますけども,今現在,指示が出ておるところで公費助成で進めるところも何カ所か──正確に数はございませんけども,公費といいますか,いわゆる県の災害復旧急傾斜地対策事業等で実施して,解除されていくという見込みのところもございます。 97 ◯分科員(山本じゅんじ) 幾つかあるそうなんですけれど,それは現在調整中ということで,話が整い次第すぐに復旧作業が進んでいくという認識でいいんでしょうか。もう1度,ちょっとお答えいただけますか。 98 ◯鈴木建設局防災部長 もちろん公的に事業が入っていくということでございますので,まずはその要件に合致するかどうかということと,地元地権者の方の同意等も必要でございますので,その辺の調整を進めながら実施していくということでございます。 99 ◯分科員(山本じゅんじ) ということは,公費助成の要件に合えばそれはそれでいいと思うんですけど,ただ一方で,この条件に合わないところ,そうするとずっとそのまま放置される可能性もあります。放置というかそのままほったらかしになってるわけではないでしょうけど,やっぱり手当てがおくれたりというようなことがあるんじゃないかなというふうに思います。それで,窮迫の被害が起きるかどうかは別として,やっぱりこの民地であっても何らかの対策をとっていかないと,新たに雨が降ったりということで崩れていく可能性というのは出てこないでしょうか。そういう検討というのはどうなんでしょう。 100 ◯鈴木建設局防災部長 若干先ほどの答弁と繰り返しになるかと思いますけども,基本的には関係者の方で復旧していただくということなんですが,現場を見させていただきまして,これはちょっとこのままではまずいなという場合には,行政のほうがブルーシートなり大型土のう等で養生させていただくと。その危険が迫っていない場合には,これはまた原則どおり所有者に復旧していただくというのが本来の姿かなと思ってます。ただ,例えば民有地が崩れまして道路の通行の障害になっておりますとか,そういう利用者の支障になっておる場合には行政が土砂をどけたり,応急的な対応をとってございます。 101 ◯分科員(山本じゅんじ) 説明の中で,やられている状況というのはわかるんですが,ただ,公費助成,新たにつくっていく取り組みというのも一定必要ではないのかなというふうに私は思うんです。というのが,一旦崩れたらその周囲の土地──常任委員会でもお聞きしましたけど,その周囲の土地も一緒に引っ張られて崩れていくということもあるんですよね。そうなった場合に被害がずっと広がっていくことになりますから,新たにそこに雨が降ったりというようなことになるとまた被害がさらに拡大するおそれもあります。隣の土地に被害が生まれたり,また公有地に被害が生まれたりということもあろうかと思いますが,早く手を打っておかないと,個人の負担──その地権者の責任でということになると,作業がおくれてしまうと被害が広がる可能性があるんじゃないかなというふうに,私,思うんですけれども,やっぱりそれでもなかなかケース・バイ・ケースで──地権者の責任でということになってしまうんでしょうか。 102 ◯鈴木建設局防災部長 具体的に,例えば,市の管理する公園でありますとかそういうところと民有地が一体的に被害が──今回の7月豪雨でも公園ののり面とそれから私有地ののり面が一緒に崩れたというような事例がございました。これは,公園のほうだけを直すということでは不完全な形になりますので,当然,民有地のほうも一緒に一体的に修復するということで,今回の一体的に崩れたところにつきましては公園自体の復旧と民有地の復旧と合わせて実施する計画で調整が進んでおります。  それからもう1つ,道路ののり面と民有地が一体的に崩れたというところもございまして,これはたまたま急傾斜地の事業が適用できるというケースであったんですけども,極力,民有地,公有地が隣接して影響を受けたような場合には一体的に復旧できるように市のほうでも調整いたしておるところでございます。 103 ◯分科員(山本じゅんじ) それは同時に起きた場合であって,民有地が先に崩れた後にしばらくして,それから次の災害で崩れたということになると,またちょっと対応が違ってくると思うんです。ですから,早く手を打つというふうに考えると,ケース・バイ・ケースとはいえ,地権者の責任でとはいえ,やっぱり何らかの助成というか直接助成も含めた対応が必要ではないかなというふうに思うんです。  以前に崩落した民有地の斜面もまだブルーシートがかかったところもありますし,すぐ目の前にというわけではなくて,少し間が空いてですけど民家もあったりというようなところもまだあります。土どめに大きな土のうが積み上げられてはいるんですけど,不安を感じられている近所の方もいらっしゃいます。公的支援の対象外の制度だというんであれば──この場所がそうかどうかわかりませんが,資力がなかったらそのまま放置となる可能性というのはありませんか,いかがですか。 104 ◯鈴木建設局防災部長 戸数が例えば5戸以上とか,一定,公共性・公益性といいますか,その条件をクリアするものにつきましては,比較的被害の程度の大きいもしくは影響の程度の大きいものについては国・県の事業で,それから小規模な案件でありましても,これは一定,受益者負担というのはいただくわけなんですけども,個人でありましたら9割公的に助成させていただいて県の補助を受けながら市が事業を実施していくという制度もございます。それからあと,先ほど個人の御負担ということを申し上げましたけども,特に災害の規模が大きい場合,激甚災害に指定されますと,個人の負担は免除というふうな運用もさせていただいておるということで,そういう意味では助成ということではございませんが,一定,その被災なりされた方の復旧のための公的な支援という意味では制度的にあるのかなというふうに考えてございます。 105 ◯分科員(山本じゅんじ) 激甚災害とおっしゃいましたけど,激甚というのは相当な被害が出た場合であって,ちょっと今の質問には当たらないのかなと思うんですが。今回の豪雨災害で崩れたところでも,自分のところが余りにも大きな被害が出過ぎてまして,それを直すのにどれだけかかるんかなというところですごく不安に感じられて,何度も何度もお電話いただく方もいらっしゃるんです。なかなか調査も十分にまだ進んでいない状況で,恐らく先ほど紹介していただいた件数の中に入ってない可能性がまだあるんです。ですから,相談していただいたらというふうな話もありましたけど,実際にいろんな制度が整ってるというのが初めからわかってるんであればもうちょっと当事者の方も安心できるかと思いますし,それからもっと具体的に手当てを先に打って被害を押さえると,ちょっと他の地権にもかかってくる話ですから,もう少し早く手を打てるような条件がそろうのかなというふうに思います。  ちょっといろいろ制度,準備されてるようなんですけど,今回のような,想定してるようなものには合致しないのかなというふうに思いますので,やっぱりもうちょっと踏み込んで直接支援というのは考えていただきたいというふうに思います。  特に今回,豪雨災害ですと想定し得なかったような長い期間ずっと居座ってたわけですし,今後もこういうことって起こり得ると思うんです。ですから従来の枠を超えた対策というのは,これからもっともっと必要になってくるのかなというふうに思いますので,ぜひ前向きに検討をお願いしたいと思います。  次の質問に移ります。  民有地の,今度は擁壁の助成についてお聞きいたします。  これまで何度もお聞きしてきましたが,個人資産の形成ですとか民有地であることなどを理由にして実施されてきませんでした。民有地の擁壁にはさまざまな形態があって,とりわけ空積み擁壁,こういった安全性に問題のある箇所が相当数残されてると見受けられます。  ことしに入り,大阪北部地震や胆振東部地震,大きな地震とそれに伴う被害が発生しています。中でも大阪北部地震では,ブロック塀の倒壊によって小学生が亡くなるという事故も発生したばかりであります。これはブロック塀だけにとどまらず,避難路や通学路における安全性にもかかわる問題であり擁壁も例外ではありません。民有地の擁壁の補修や強化に対して支援をすべきと考えますけれどもいかがでしょうか。 106 ◯鈴木建設局防災部長 この御指摘も過去いただいてございまして,民有擁壁の多くは宅地の擁壁ということで,その所有者等は災害が生じないように擁壁を常時安全な状態に維持する責務があるということは,宅地造成等規制法に定められております。宅地の所有者は擁壁を適正に保全すること,また,災害により損壊が生じた場合は適切に復旧するという責務があると,そういう考えが基本的なところでございます。ただ,地震によりまして擁壁が崩れ,その地域の方々の避難路に活用される場合など道路の安全な通行に支障が生じた場合は,市が公益性の観点から撤去を行うなどの対策を必要に応じてやってございます。また,撤去後も状況に応じて,先ほど申し上げましたけども,土のうやブルーシートによる応急対策もやってございます。  その他の支援という,市のそういう支援ということでございますけども,宅地擁壁に関してはその防災対策とか復旧にその所有者が技術的な知識といいますか,ノウハウがないケースでありますとか資金的に余裕がないケースもあるということで,本市におきましてはこういう対処方法,技術的な相談に乗っておるところでございます。その中で危険な宅地擁壁の復旧・解消など,防災上必要な措置をとろうとする所有者に対しましては,災害の防止にかかわる専門家,具体的には宅地建物取引士などコンサルタントですね,派遣いたしましてアドバイスを行う,被災地宅地復旧アドバイザー制度というものを設けておりまして,この辺を活用して復旧をお願いしたいなと。  それからまた,資金の融資の制度も神戸市独自の制度もございますし,住宅金融支援機構の融資もございますので,その辺の制度の活用も丁寧に説明いたしまして所有者等の復旧・保全を支援してまいりたい,このように考えております。 107 ◯分科員(山本じゅんじ) その答弁は従来から全く一緒なんですけど,支障が生じた場合市が撤去だというふうなことをおっしゃいました。支障が生じた場合って,支障が生じてからでは遅いんです。避難しようとしてるのにそこに支障が出てしまったら元も子もないわけですから。支障が出ないようにするためにこの制度をつくったらどうですかという質問をしてるんです。全然かみ合ってないですけど。制度としては,助成というのは実験的にやるとかそういうような考え方はありませんか。 108 ◯鈴木建設局防災部長 実際にその災害が発生した場合と発生する前に予防的にということではございますけども,先ほど申し上げましたように,災害が発生後か発生前かはちょっと別にいたしまして,いわゆるその第三者への被害が窮迫しておるという場合には,行政的には対応する必要があるのかなというふうに考えてございます。 109 ◯分科員(山本じゅんじ) 今回,ブロック塀の倒壊を受けて,それを受けて生け垣助成はやめたやつを復活させて実施するわけですよね。そうすると今回,民間擁壁直すための費用を助成してほしいという,この要望ですね,これ何がどう違うんでしょう,どんだけ意味が違うんでしょうか。ちょっと説明していただけますか。 110 ◯鈴木建設局防災部長 神戸市の危険ブロック擁壁の撤去助成というものを本年の9月から受け付けを開始してございます。この制度につきましては,不特定多数の方々が往来する道路・公園などに面して危険なブロック塀で高さが80センチ以上など,一定の要件を満たすブロック塀の撤去に対して上限を20万円としまして撤去費用の3分の2を助成するものでございます。  ブロック塀はそれ自体独立した工作物であり,危険な塀の撤去を促進するということは可能でございますけども,宅地の擁壁というものは背後の土地と一体となって宅地として機能するものでございますので,擁壁だけを撤去するというのはちょっと現実的ではないのかなというふうに考えてございます。 111 ◯分科員(山本じゅんじ) 不特定多数の往来って一緒だと思うんですけど。全然何も変わらないと思ってるんですけど。一旦崩れてしまいますと周囲の家屋にも影響を来しますし,住めなくなってしまいますと。例えばですけど,余りいい分け方と思いませんけど,擁壁の種類だとか,築造年代だとか,地理的条件だとか,こういった対象を絞ってある程度実験してみるという方法はあるんじゃないかなと。特に他都市では社会資本整備総合交付金,これを使ってやってるところもあるということは以前の質疑の中で指摘させていただいたんですけど,実際に使えるものがあるわけですから。社会的な要請ということで,一遍,実験的にやってみるというのはいかがでしょうか。 112 ◯鈴木建設局防災部長 そういう擁壁助成制度を有してるという自治体もあるということは承知してございます。神戸市におきましては,繰り返しになりますけれども,擁壁の保全・復旧の大原則というのがございますので,所有者等のそういう保全・復旧を行おうとする行為に対する技術的なノウハウの提供でありますとか,融資であるということを行いまして,所有者等の具体的なそういう行為の支援を行っていきたいというのが基本的な考え方でございます。 113 ◯分科員(山本じゅんじ) その基本的な考え方はわかってるんですけど,事が起きてからでは非常に遅いということがありますし,本人の意思に任せるというようなことになっちゃいますよね,結局。その助成制度をつくっても同じことかもしれませんけど,やっぱり危ないものは危ないんですよということをもう少し意識としてちゃんと持ってもらうためには,それなりに注意喚起というのも必要ですし,まだまだそれは十分足りてないと私は思っておりますので,特に生け垣助成と同じ考え方で,危険な擁壁ですね,それはやっぱり解消していくという,将来的にはきちんと全部なくしていくという観点で,少しでも安全な通学路,それから通行路を確保するという意味ではこの制度をぜひつくっていただきたいということを改めて要望しておきたいと思います。  3点目になりますが,雨水幹線についてお聞きいたします。  今回の台風21号で,東灘区の雨水幹線が破損して雨水が逆流するという被害が発生しております。破損した箇所は古くから水路として使っていたものをふたをしてそのまま雨水幹線として使用しているというところであります。東灘区で7カ所と,一番被害の発生箇所が多くなっております。被害を受けた場所の中には,床下浸水被害となった家屋もあります。また,以前に仮の復旧処置をしたところが今回再び破損したところもあり,早急に抜本的な対策が必要となっております。  そこでお聞きしますが,再び被害を発生させないためには,既存の雨水管中に新たに耐圧性のある管を入れて,雨水管そのものの構造を強化することなど対策が必要ではないかと考えますがいかがでしょうか。 114 ◯石原建設局下水道部長 委員おっしゃるとおり,東灘区では旧来石積み水路で使っていた水路にふたがけをした雨水幹線から雨水が逆流したということで被害が生じておりまして,承知しております。原因といたしましては,神戸港史上最高の潮位を記録して,そのために海水が逆流してきたということでございます。御指摘いただきましたように,石積みの水路,これは古いものでございまして,今回の高潮による雨水の逆流による内圧に耐えれなかったということもございますので,現場の事務所と被害状況,突き合わせて,それからあと調査もこれから行うというふうに考えておりますので,その被害状況と調査結果を照らし合わせてどんな対応が必要かというのは検討してまいりたいというふうに考えております。 115 ◯分科員(山本じゅんじ) 調査はぜひ進めていただきたいんですけど,今回その床下浸水の場所,当然御存じのとおりでして,実際にここではどういう構造で──それからここではどういう対策が具体的に必要になってくるんでしょうか。とりあえずはっきりしてるところですので,すぐお答えいただけるんではないかと思いますが。 116 ◯石原建設局下水道部長 委員おっしゃってるのは魚崎中町のことでしょうか。魚崎中町につきましては台風20号でも逆流したということでございましたので,応急対応として舗装を打ち直して市民の方が安全に通れるようにはいたしました。ただ,時間がなかった関係で,雨水幹線そのものに手を加えることはできませんでしたので,台風21号の際には,ふたを閉めていてそれによってまた雨水幹線の中から水があふれて舗装が持ち上がらないように,あらかじめ雨水幹線のふたをあけておきました。その周りに土のうを積みまして,そこからあふれた水が宅地のほうに行かないように措置をしておりました。もちろんふたをあけておりましたので,その際には職員が現場に立ち会って,できるだけ浸水被害が生じないような対応をいたしました。 117 ◯分科員(山本じゅんじ) ということは,今回のような場所,一応,耐圧管を入れて処置をすれば今回のような被害というのは発生しないというふうに思ってよろしいですか。 118 ◯石原建設局下水道部長 委員おっしゃるとおりです。 119 ◯分科員(山本じゅんじ) これは,今まで問題があるというふうな認識はされていたんでしょうか。それともされた上で対策はされてなかったんでしょうか。 120 ◯石原建設局下水道部長 今までも,今回浸水被害が生じたところを含めて調査等はしておりました。ただその調査につきましては,道路陥没を生じさせないようにといったことを主眼に置いておりまして,今回のように中からの圧力に耐えれるかどうかという調査は行えていなかったということは事実でございます。 121 ◯分科員(山本じゅんじ) じゃあ今後調査されるというのは,その圧に耐えれるかどうかとか,構造がどうなっているかとか,そういうことも含めて調査をするということでいいんですよね。 122 ◯石原建設局下水道部長 委員おっしゃるとおりでございます。 123 ◯分科員(山本じゅんじ) 今回,被害が特に明確に出てるところというのは,早急に調査を進めていただいて対策はとっていただきたいというふうに思います。ただ,来年度以降調査というふうに常任委員会でお答えいただいたと思うんですけど,来年度以降では来年に間に合うかどうかということもありますので,少し前倒しで調査を進めていただいて,対策を打てるところは打っていただきたいというふうにこれは要望しておきます。  関連してお聞きしますけども,今回,東灘区の話でしたけども,同様の構造になってるというところは全市内で何カ所ありますか。 124 ◯石原建設局下水道部長 箇所数ではちょっとわかりませんけれども,神戸市内で雨水幹線が660キロございます。そのうちの3%が今回,浸水被害が生じたものと同じような構造の雨水幹線ということは判明しております。 125 ◯分科員(山本じゅんじ) 38カ所というふうに聞いてるんですけど──これはまたちょっと違う話なのかなとも思うんですけど,一応3%程度あるということで,距離からすると結構な量になるのかなと思います。これも含めて全部,来年度調査するということでいいんでしょうか。
    126 ◯石原建設局下水道部長 これ予算の都合もございますので,我々としては調査したいと思っておりますけれども,今後要望していきたいというふうに考えております。 127 ◯分科員(山本じゅんじ) やっぱり先ほど来の議論の中で,集中豪雨だとか,それから台風で今回思わぬ被害も出たりもしてますし,考えられなかったような被害が──今も全然違う観点で調べてたけどこういう被害になったという話がありましたけど,新たな被害も出てくるということもありますので,できるだけ早く──予算の関係ということもありましたけど,こういう箇所というのは解消していただいて,被害が出ないようにしていただけるように,早急に対策をとっていただきたいというふうに思います。  ちょっと,いろいろとお聞きしようと思ったんですが時間がありませんので別の質問に移りたいと思います。  レッドゾーンについて1点お聞きしたいんですが,レッドゾーンに指定された宅地等への支援についてお聞きします。  神戸市内でレッドゾーン指定が進められています。既に432カ所が指定され,対象となる住戸は457戸となっております。レッドゾーンに指定されると移転もしくは建築物に対する安全策を講じるなど必要となってまいります。現状では,既存不適格住宅等について,住宅改修では最高で100万円,住居の移転については建築物の除去や新たな住宅購入費への一部助成,購入ローンの利子補給などが支援策として講じられております。しかし,とりわけ住居移転については住宅購入が前提となっており,資力のある人しか受けられず,必要とされる対策としては不十分であります。抜本的に支援策の拡充を求めますがいかがでしょうか。 128 ◯鈴木建設局防災部長 レッドゾーンの支援制度についてということで,レッドゾーン内の移転支援制度といたしましては,既存の国の制度だけでは全国的に見ましても活用事例が少ないということで,兵庫県と神戸市が独自に制度を拡充させていただいてございます。  既存の住宅の除却に対しましては,既存制度の80万円に約53万円上乗せいたしまして133万円を限度に補助することといたしておりまして,この制度につきましては平成29年7月から運用してございます。  さらには,移転先住宅の建設購入費に対しましては,既存制度の借入金の利子に相当する最大723万円の補助に加えまして,建設購入費への直接充当分として200万円を限度に,これは県・市が独自に設定──既存の国の制度ではございませんでして,県・市が独自に補助制度を設けたものでございまして,これは30年の,ことしの7月から運用をスタートしております。  それからまた,レッドゾーンから移転,住宅の建設購入ということに対しましては住宅金融支援機構の融資制度がございます。それから市営住宅への応募に際しまして,持ち家を持っておっても申し込みが可能ということで,いろんな各機関での取り組みも合わせて進められてございます。  レッドゾーン自体は,先ほども申し上げましたけども,神戸市におきましては本年5月に北区が完了したばかり。それから東灘以西につきましては,現在,指定を進めておるという段階でございまして,現時点では今の支援制度の活用にまでは至ってございませんが,説明会等で移転を具体的に検討されてる方の相談,それから市役所の窓口にも御相談ということで,支援制度の認知という意味では徐々に進んでおるのではないかと考えてございます。  いずれにしましても,まずはこの拡充された現行の支援制度を使っていただけるよう,他の機関でも行っている取り組みの情報提供も含めまして,積極的なPRに努めてまいりたいと,このように考えてございます。 129 ◯分科員(山本じゅんじ) 購入する際にいろいろ助成金出してる,補助金を出してるという踏み込んだ対応というのはされてるなと思うんですが,ただ,あくまでもこれは住宅を購入するということが前提の話で,購入しない場合には制度の適用がされないわけですよね。今,市住でも家賃が発生します。やっぱりこの指定されるということで,新たな費用負担というのがここで発生してくるわけですよね。実際に,住宅を購入する際にも年齢や収入でローンを組めないという場合もあります。資力がなかったら制度の適用すら受けられないのではないでしょうか。いかがですか。 130 ◯鈴木建設局防災部長 先ほどのちょっと繰り返しになりますけども,神戸市におきましてはレッドゾーンの指定がまだ始まったばかりということで,まずは神戸市と兵庫県でベースとなる国の制度を拡充しておりますので,その辺の運用状況を見ながらいろいろ考えてまいりたいというふうに考えてございます。 131 ◯分科員(山本じゅんじ) 運用状況を見ていくというのはわかりますけども,ただ,始まったばかりですので,指定そのものも。だから今後,市街地についてもどんどん指定を進めていくとなりますし,どれぐらい影響が出てくるかわかりません。ですから今のうちにこういったことも含めてきちんと議論をして,対策はとっておくということ,準備をしていくということが,私は必要ではないかなというふうに思います。特にレッドゾーンの指定については,イエローもそうなんですけど,結局,本人の意思にかかわらず指定をされていくということになりますよね。となると,当然,危険性が高いから指定して注意喚起するというのは必要なんですけど,ただ移転の必要性が出てくるというのは本人の意思ではないわけです,実際に。特に施策を進めていく上で出てきた話なわけですから,当然,必要のない費用がここで出てくることになるんです。それを個人の責任で経済的負担をもたらすというのはおかしいというふうに思うんですけども。資力の差でも対応の違いが出てくるし,何らかの救済策,これは必要じゃないんですか。いかがですか。 132 ◯鈴木建設局防災部長 土砂災害警戒区域の制度は,何ていうんでしょうか,裏山の危険性を十分にお住まいの方に周知できていなかったがために──もし危険の度合いがちゃんとわかっておれば自分で住宅を頑丈にするでありますとか,場合によってはその崖からも離れて住むであるとか,そういう選択をとれたのにというふうなことがないようにということで,裏山の危険度を皆さんにお知らせする制度でございますし,ただ,裏山,要するに自然斜面が大半でございますので,その辺の,何ていうんでしょうか,補強につきましては,先ほどの話になりますけども,一定条件がございますけども公的に補強したり,それから先ほど申し上げましたように,お住まいの方がみずから補強をする,もしくは移転するという場合には,これは少しでもそういう御負担を軽減するために改修支援でありますとか,移転の支援ということを設けておりますので,特に矛盾といいますか,それはないのではないかなと思いますが。 133 ◯分科員(山本じゅんじ) 全く納得できないです,今の答弁。要するに市街地を今後指定していくことになるじゃないですか,となると,その市街地が山裾までずっと広がっていったって,もともとそこに住宅をつくってもいいですよと許可してきた,そもそもそういうところから始まっているじゃないですか。それを,個人の責任で──ここはやっぱり危険なところですよというふうに言われても,引っ越しができるわけがないですよ。やっぱりそういう問題があるので,何らかの救済策が必要ではないんですかということを申し上げてるんです。  今後,どれだけレッドゾーンに指定されて,どれだけの住宅が影響を受けるかちょっとわかりませんけど,まだ先の話ですから。特に本人の意思ではなくて政策的に進められることですから,もうちょっとちゃんと踏み込んだ支援策というのは考えていただきたいというふうに私は思います。  最後の問題ですが,阪神高速湾岸線についてお聞きいたします。  道路建設には地元の合意は不可欠な要素であると思いますが──合意なく進めるべきではないと,私は考えています。そこでお聞きしますが,ポートアイランドの地元の合意は得られているのでしょうか。まずお聞きいたします。 134 ◯名倉建設局湾岸・広域幹線道路本部長 御質問のポートアイランドの関係でございますけども,ポートアイランドにつきましては,以前,都市計画手続などにより地域住民の方から環境や景観に影響がないルートの変更というのは求められた経緯もございますし,市会のほうにも陳情といったものが提出された経緯がございます。こういったことを踏まえまして,地元提案ルートを改めて比較検討するなど,丁寧な住民説明をこれまでも重ねて行ってきてございます。その結果,現在の計画ルートが最適であり,ルートそのものを変更することはできないことについて地域の方の一定の理解は得られたのではないかと思ってございまして,今年度から測量及び地質調査に着手しているというところでございます。  このように地域と協議あるいは調整すべき課題が,ルート変更から道路の高さでありますとか遮音壁等の形状の問題に移ってきたということから,事業者との協議の窓口となる組織としまして,地域代表者で構成されます港島大阪湾岸道路対策委員会というものを地元で設置されております。この委員会につきましては,この第1回目の会議が9月14日に開催されまして,この中で今後の進め方を確認するとともに,構造に関する具体的な協議をこの10月から開始するということで合意をしたところでございます。今後も引き続き,事業者と連携のもと,またこの対策委員会の場で設計協議を重ねまして,ポートアイランド地区の住民の皆様の御理解と御協力を得ながら事業推進に努めてまいりたいというふうに考えてございます。 135 ◯分科員(山本じゅんじ) まだ合意形成の途中であると,そういう認識でいいんですか。 136 ◯名倉建設局湾岸・広域幹線道路本部長 何をもって合意かというのがなかなか難しいとこでございますけども,我々としては丁寧に1つずつ──これは別にポートアイランドだけに限ったことではございませんので,各地区いろんな心配事とか,そういうことはおっしゃってございますので,1つ1つ丁寧に説明していく,あるいは必要な対応をしていくということでございます。 137 ◯分科員(山本じゅんじ) これまでこの湾岸線の問題は,例えば,渋滞の考え方の問題ですとか,それから熊本の地震を受けて政府が新たな知見やといって議論をしていた問題──新たな知見について議論していたという時期がありました。そういった問題にも触れながら,この湾岸線の問題についてはもう少し考え直すべきではないのかということを申し上げてきたわけですけれども。例えば,住民説明の中でこういった議会での議論がやられてるんだと,こういった問題が出てるんだというふうなことはきちんと説明されてこられてるんでしょうか。 138 ◯名倉建設局湾岸・広域幹線道路本部長 地元説明の中ではいろんな意見がございますので,まず我々としてはそれについて十分説明をしていくということが第一義かと思ってございます。ちなみに湾岸道路の必要性ということにつきましては,いろんな場で,例えば,リーフレットというのを各地区で配ったり,その中にその必要性というものにつきましては記載をしてございます。 139 ◯分科員(山本じゅんじ) その必要性の問題でちょっとお聞きしたいんですけど,ホームページ上では経済波及効果,そういうのが出されております。この経済波及効果でいうと,神戸市試算となっておりまして,よく御存じだと思うんですけど,時間がないので読み上げますが,税収効果が1,170億円,それから経済波及効果は1兆4,300億円だと。非常に効果があるというふうに見るんですけど,よく見ると全国ベースになってる。では,神戸市ではどれぐらいの効果があるのか,ちょっとお答えいただけますか。 140 ◯名倉建設局湾岸・広域幹線道路本部長 湾岸道路そのものが市域を区切ってどうこうというよりも,やはりこれはこれまでも申し上げておりますように,神戸経済はもとより関西経済全体に波及するということでございます。そういうことから国の直轄事業ということも入れられてるわけでございますので,計算上は神戸市域ということでは出すことはできないというふうには思ってございますけども,先ほど言われました全体としては1兆4,000億以上というような効果があるということでございます。 141 ◯分科員(山本じゅんじ) もう1つ聞きます。同じ試算で生産増加額,税収増効果ということで,237億,50億とそれぞれ出されております。もう1度お聞きしますが,これは全国ベースですが,神戸市ではどうなりますか。 142 ◯名倉建設局湾岸・広域幹線道路本部長 これにつきましても,生産増加額ということでは兵庫県,それから大阪府という内訳ぐらいでは出してございます。ちなみに兵庫県の機械製造とか食品卸ということでいきますとそのトータルは約110億ぐらいというような計算結果が出てございます。 143 ◯分科員(山本じゅんじ) もう時間ないので終わりますが,またこれは常任委員会でお聞きしたいと思います。  災害だとか防災に関しましては,できないできないということをおっしゃってましたが,道路についてはもうつくっていくんだということでずっと答弁されてます。特に私は──ついでだから言いますけど,須磨多聞線についてもつくるということを前提に地元に説明されてると,やっぱりこの姿勢というのが全然違うなというふうに私は思うんです。ですから,少なくともこうした事業の進め方については,市民の生活に密着したものについては非常に喜ばれてるわけですから,もっとそこの部分というのをしっかり仕事していただきたいということは改めて申し上げて質問を終わります。 144 ◯主査(人見 誠) 御苦労さまでした。  この際,約20分間休憩いたします。午後3時5分より再開いたします。   (午後2時43分休憩)   (午後3時5分再開) 145 ◯主査(人見 誠) それでは,ただいまから決算特別委員会第2分科会を再開いたします。  休憩前に引き続き,建設局に対する質疑を続行いたします。  それでは,沖久委員。 146 ◯分科員(沖久正留) 公明党の沖久でございます。建設局も本当に久しぶりの局別審査の担当になっておりますので,よろしくお願いしたいと思います。  質問に入る前に一言申し述べさせていただきたいと思います。このたびの本会議,また先ほどの議論となっております,いわゆる私有財産への公的関与のあり方については過去にも台風など災害のたびに議論になってきておりましたが,災害時・非常時の復旧支援の対応はもとより,平時の事前からの予防対策としての制度,ルールづくりが必要だと私どもも考えておりますので,喫緊の課題として国をも巻き込んで研究・議論していくことを申し述べさせていただきたいと思います。  それでは,早速質問に入らせていただきたいと思います。一問一答でお願いいたします。  まず,公園のあり方についてお伺いさせていただきたいと思います。  これまでも会派として,ボール遊びの件であるとか,あるいはトイレや遊具等の観点から公園のあり方について質疑してまいりました。今回は違う観点から,地域に身近な公園についてお聞きしたいと思います。先ほども──午前中にも話が出ましたけれども,神戸市はこの2月に神戸の未来を創造する身近な公園の再生を実現するための実行計画である神戸パークリノベーションを策定されており,大変期待をしておりますが,一方,要は次に具体にどう実行していくかというのが大事ではないかなというふうに思います。確かに先ほども,身近な公園というのは全市で現在1,490カ所あるというふうに言われておりましたし,政令市でも1人当たりの公園面積が非常に高い数字──政令市では2位だというふうに伺っております。一方で,地域を見渡しますと雑草が生い茂っていたり,遊具も老朽化していたりなど,余りにも管理が行き届いていなく使われていないような公園も多く見かけます。  そこで,まず身近な公園の現状をどのように把握をされているのかお伺いしたいと思います。 147 ◯油井建設局長 身近な公園の現状ということですけども,1つはその身近な公園というのは近くの住民の方が使われるということで,実際,手入れがどういうふうになってるかとか,そういった御質疑だということでよろしいですか。  今現在,公園のそういった手入れ,それから管理についてはまちの美緑花ボランティアということで制度がありまして,そういった団体の方が住区基幹公園,約1,500公園あるんですけど,その7割に当たる980公園において751団体で活動を行っていただいてるという状況にございます。もともとは公園管理会として発足を昭和42年にしてるんですけど,名称が変わって今これで活動していると。この美緑花ボランティア活動というのは地域の貴重な財産である公園を地域住民みずからの手で愛着を持って管理していただいてるということで,美観面だけでなくて利用面においてもよりよい管理につながっているのではないかというふうに考えてございます。  しかしながら,その担い手である地域の方が高齢化して,やっぱりその清掃や除草などの作業が困難になってきてるというふうな状況があるのではないかというふうに考えているところでございます。 148 ◯分科員(沖久正留) ありがとうございます。  確かに今,神戸では協働と参画という,そういった思いで地域の皆さんが一生懸命ボランティアされておりまして,公園を管理されているのかなと思うんですけども,実際かなり高齢──先ほど局長もおっしゃってましたけども,高齢化が進んだり,一時はボランティア,公園管理会として存在していたけれどももう今はなくなったしまったり,そもそも,もともとから公園管理会自体がない公園も地域では多くあるのではないかなと思うんですけども,そういったそれぞれの公園というのを,ここの公園は公園管理会で把握されているとか,あるいはここは公園管理会がいないところだとか,そういったところまで把握されてるんでしょうか。 149 ◯油井建設局長 先ほども答弁申し上げましたとおり,身近な公園である住区基幹公園1,500公園のうち,7割に当たる980公園について美緑花ボランティアで──団体としては751団体で管理しておりまして,ですから残り500団体強ぐらいが管理者がいないということですので──管理者がいないというか,管理者は建設局そのものですけれども,地域の方でそういう美緑花ボランティアとして管理していただいていないということもありますので,私どもとしてはやはりその組織化してない公園についてもいろんな広報活動や公園再整備のときの,そういう機会を捉えて新たな担い手を掘り起こしに進めていきたいと思っておりますし,現在もそういうことを進めているところでございます。 150 ◯分科員(沖久正留) 済みません,ちょっと私の聞き方が悪かったかもしれないんですけども,確かにそういった形で把握されてるということだと思うんです。今,多分,建設事務所所管でそれぞれの公園のデータを持ってるといいますか,つかんでいると思うんです,普通は,お聞きするところによると。その情報というのがどこまで実際,職員の方々が把握されてるのかどうか。確かに現場へ足を運ばないといけないと思うんですけども,私はパークリノベーションというのは,本当に期待してる部分がありまして,非常に今後,神戸市が取り組んでいかないといけない部分だと思うんですけども,でも実際,現実としては,まずは総点検といいますか,現実どういう公園がどんな状態になっているんやと,あるいは先ほど局長が言いましたように,公園管理会が存在していない公園というのがこういうとこがあって,そういうところを今度は実際どうアクションをかけていくのかというのが大事ではないんかなと思うんですけど,そのあたりいかがでしょうか。 151 ◯油井建設局長 日常の公園については,公園美緑花ボランティアについては,その公園の管理をしていただいておりますけど,当然,公園管理者として各建設事務所がそれぞれの公園についてどんな状況にあるかどうかというのは把握してございます。  それからすると,やはり美緑花ボランティアである公園管理会──地元で管理している公園に比べて,私どもだけが管理している公園を見ますと,地域の思いというかそういうふうななかなかなくて,やっぱり美緑花ボランティアの皆さんに管理していただいてる公園のほうが管理が行き届いているというふうに感じているところでございますので,やはり今,美緑花ボランティアのないところについては新たな発掘をしていきたいというふうに考えているところでございます。 152 ◯分科員(沖久正留) それではやっぱり地域の方々が参画していただいて,愛情を込めて手入れをしていただくほうが,当然,すごいレベルになってるといいますか,いい公園になってるというようなことだと思いますから,それはそれで当然,市民の方にとってみればいい評価というかありがたいことだと思うんですけども,現実に公園管理会が存在してないところというのは皆さんが行かれるということなんですけども,結構お話聞くのは,ここの公園がもう既に雑草が生えてますよとか,もう鬱蒼としてますよとかという形で,本当にそんな状態で,使われていない公園が余りにも目につく,先ほども申しましたけれども。そういったところを,要は分析しながら,多分,局長が先ほどもお話ししてましたけども生かしていくというか,そういうことをやっていこうとされていると思うんですけども,どういう手法でアクションを起こしていくのかというのをちょっとお聞きしたいと思うんですけど。 153 ◯広脇建設局公園部長 委員御指摘のとおり,公園によっては確かに使われなくなってきているような公園もあるというふうに認識しております。管理作業につきましては,やっぱり草刈りの時期等が,一斉にやらないと──やる時期がある程度限られてるので,なかなかそのぴったりといい時期にできないので,どうしても草が伸び過ぎたり,そんなことで苦情のお電話いただいたり,そんなことが生じているのが実情というふうには認識しております。  そんな中で,先ほどパークリノベーションのプランのお話もありましたけれども,公園によって機能であるとか使われ方,そういったものは個々いろいろな事情があるというふうに我々も思っております。公園については,例えば,環境面であるとか,景観面であるとか,そうした存在することだけでも十分効果があるような公園も中にはあると思っております。中にはやっぱり子供の遊びに特化したり,高齢者の方々が使いやすいようにしていってると,そんなようないろいろ公園の機能を見直しながら,できるところからより市民の皆さんに使っていただけるような公園にしていきたいというふうに思ってます。その中で管理についてもなるべく,局長が申しましたように市民の皆さんの力を得て管理していただけるような公園に,地域の方々と話をしながら取り組んでいけたらなというふうに思います。 154 ◯分科員(沖久正留) ありがとうございました。私らが小さいときというのは公園が絶好の遊び場で,本当に子供たちでにぎやかな公園ばかりだったと思うんですけども,今本当に子供たちも遊んでないというようなところで,せっかくの公園で,今回のリノベーションにしても資産として,財産として捉えて,いかにそれを有効活用やっていくかという視点だと思うので,すごく大事な視点だと思うんです。やはり公園ですから,行ってもらって幾ら,あるいは皆さんから喜んでいただいてこそ価値があると思うんです。そういう評価になるのかなと思いますので,そういう視点で取り組んでいただきたいと思いますので,よろしくお願いしたいと思います。  次に,無電柱化の推進について,ちょっとお伺いしたいと思います。  平成30年度の──今年度の予算特別委員会で,我が会派において,国土交通省の2018年から3年間で約1,400キロの無電柱化を整備目標とする無電柱化推進計画について神戸市の方針を伺いました。その際には,神戸市の新たな無電柱化計画を策定し,整備促進に取り組んでいきたいとのことでありました。そこで,改めて現在の取り組み状況と今後の方針を伺わせていただきたいと思います。 155 ◯油井建設局長 無電柱化ですけれども,国土交通省が平成30年4月に,今年度から3カ年で1,400キロの新たな無電柱化の着手を目標とした計画を策定したということで,神戸市も今現在,その国の計画を受けて,第7期の無電柱化推進計画の策定に取り組んでいるところでございます。その計画では,防災・景観・観光,それから安全・快適の観点の中で,特に防災の観点から市街地中心部における緊急輸送道路を重点的に進めることとしてございます。それで,平成30年度から3カ年で延べ約14キロ──国が1,400キロですからそれのちょうど100分の1ぐらいの延長になりますけれども,その無電柱化に着手する目標としたいと考えてございます。  年内に電線管理者等との合意を図って,第7期の計画を確定したいというふうに考えてございます。第7期計画の方針に基づいてですけれども,山手幹線など市街地の東西を結ぶ主要幹線道路を選定しまして,市街地の緊急輸送道路の無電柱化整備を推進していきたいということに加えまして,景観形成地区であるとかバリアフリーに資する道路などにおいても無電柱化を実施していきたいというふうに考えてございます。無電柱化には多額の事業費が課題となっているため,例えば,浅く電線を埋設するような浅層埋設方式など,低コスト手法の拡大を図って事業費の削減にも努めて,スピード感を持って事業を進めてまいりたいというふうに考えているところでございます。 156 ◯分科員(沖久正留) ありがとうございます。これはもともと,御存じだと思いますけれども,特に東日本の震災のときに5万6,000本以上の電柱が倒壊して,避難や救助に支障を来した点などを教訓に,防災・減災ニューディールの観点で国のほうもそういった促進ということで進めて,法制化された経緯がございます。かなり日本はおくれてるということで,その要因としてはやはりコストが非常に高いということで,先ほども局長がおっしゃってましたけれども,いかにコストを安くするか,圧縮していくかということで国もいろいろ考えられていると思うんです。当然,費用負担というのは,国・事業者・地方自治体という形になってくると思うんですけども,神戸市としても知恵を出して,そういう費用を圧縮するような方向をぜひとも考えていただきたいと思います。  今こういった取り組みというのがすごく全国的にも広まっていると。特に東京なんかは2020年のオリンピックに向けて急ピッチで進めようとしているところですけども,なかなか追いつかないというのが現状かなというふうに思うんです。やはり,こういう取り組みというのは,当然,誰もが──市民の方々が喜ぶ取り組みでありますので,全国的な機運も高まっているというふうに聞いております。そこで,今,東京なんかが条例化を進めていこうということで考えられてるそうですし,実はお隣の芦屋市さんが来月の11月10日に条例の施行をするということで,条例を踏まえてもっと積極的に進めていこうというふうな取り組みをされてるというふうに聞いております。  そこで,まだまだ全国的には少ないようなんですけども,神戸市としてはそういった条例化への取り組みといった検討についてはいかがなんでしょう。 157 ◯油井建設局長 無電柱化に関する条例でございますけれども,無電柱化の推進に関する基本理念を定めて,無電柱化に関する施策を総括的また計画的に迅速に推進することを目的として策定されてるというふうに思っております。これについては,無電柱化の推進に関する法律をもとに自治体や関係事業者の責務を明らかにする内容も含まれているということで,今現在,私どもの把握している条例については東京都とつくば市,それから芦屋市が今度設定されるということです。私も事例を調べてみますと,例えば,つくば市においては無電柱化区域を設定しまして,その区域の中での開発においては事業者への無電柱化に対する費用負担を定めることであるとか,区域内に敷設する電線においては電柱を設置することなく地中化を行わなければならないというふうにされて,そういった条例にもなってるところもあります。  神戸市の取り組みですけど,まだ条例の制定というところまでは至っておりません。今は,法律の施行により無電柱化の推進に関する機運が高まる中で本市にも計画をつくって無電柱化を推進するというところでございます。そういったことで,条例の策定をするかどうかについては今後,他都市の動きとか──今回新しく7期の計画をつくります。その進捗を見ながら,やっぱり条例したほうがいいというようなことになればそういったことについても検討してまいりたいというふうに考えております。 158 ◯分科員(沖久正留) ありがとうございます。芦屋市さんなんかは相当古く──昔から随分時間をかけてやっておられるということで,全国的には市町村の中で一番無電柱化というのは進んでるというふうに聞いております。  先ほど,まずは14キロということでお話がありましたので,そういった部分を進めながら,もっと促進する観点で条例化のほうも前向きに検討していただきたいと思います。先ほども言いましたけれども,今回の促進法の中で無電柱化の日というのが設定されてます。来月11月10日というのが実は無電柱化の日ということで,第10条で設定されているわけなんです。やっぱり国民の関心を呼び起こすということで,国及び地方公共団体は無電柱化の日にはその趣旨にふさわしい行事が実施されるよう努めるものとするということまで明記されてるんですけども,神戸市としては何か考えておられるんでしょうか。 159 ◯油井建設局長 委員御指摘のとおり,無電柱化の日というのが法律で11月10日ということで明記されて,私も記憶でいきますと,もともと民間の団体が4年ぐらい前にこういう無電柱化の日を設定したということがあって,それが法律に明記されたというところでございますが,この法律に基づいて,国土交通省が無電柱化推進計画において,無電柱化の重要性に関する国民の理解と関心を深め無電柱化に国民の協力を得られるよう,その日を生かしてイベント等を実施して無電柱化に関して広報・啓発活動をやりなさいということが明記されております。  神戸市も昨年ですけども,平成29年の11月10日から12日の3日間において,近畿地方整備局が主催となってやったんですけれども,京阪神地区の無電柱化のパネル展を実施してございます。それから,今年度は無電柱化の日を挟んで,11月の8日から14日までの1週間,花時計ギャラリーにおきまして,無電柱化のパネル展を実施してございます。何分法律に明記されて間もないところですから,こういった無電柱化の日をきっかけに,できるだけ広報・啓発活動を積極的にやっていきたいというふうに考えてございます。 160 ◯分科員(沖久正留) ありがとうございます。ちょっと楽しみにしたいと思うんですけども,何か先ほど局長もおっしゃってましたけども,当初は民間の団体さんが制定をしたということなんですけども,もともとは11月10日ということで,1というのを電柱に見立てて,110,電柱がゼロになるということで11月10日になったというふうにお聞きしているので──非常におもしろいかなと思うんです。というのは,せっかく今回もまた法律にのっとって神戸市としても無電柱化の取り組みをやっていこうという中で,やはり市民の皆様ももっともっと知っていただきたいと思うんです。やはり,街路樹はあってほしいけれども電柱は要らないという方ばっかりだと思うんです。電柱が欲しいのは犬ぐらいじゃないんかなと思うんですけど。そういった意味では非常に──やっぱりもっともっと市民の方々にこんな取り組みをしてますよといったようなことを取り組んでいただきたいと思いますのでよろしくお願いします。 161 ◯油井建設局長 先ほど,民間言いましたけど,調べてみますと,一般社団法人です。済みません,間違えてました。 162 ◯分科員(沖久正留) よろしくお願いします。  続きまして,自動二輪の駐車場についてお伺いさせていただきたいと思います。  昨今,地元からも非常に自動二輪の駐車スペースがないというような声をよく聞いております。原付125cc以下の自動二輪は市営駐車場で一定の収容台数を確保していると伺ってるんですけども,125cc以上の自動二輪については公共駐車場等における収容台数が全市で約450台,三宮周辺でも約220台と,非常に少ない状況と聞いております。一方で,放置自転車対策として自転車の駐輪スペースを民間事業者等の参画等もあり,今,拡大してきていただいてるわけですけれども,しかし,空いてるスペースも結構多いというふうに聞いております。  そこで,例えば,空いてる駐輪スペースを転用して自動二輪用に充てるなどの,そういった検討も含めて,自動二輪利用者のための駐車スペースを確保すべきと考えますが,御見解をお伺いしたいと思います。 163 ◯三島建設局道路部長 私のほうから答えさせていただきます。  神戸市では,通勤・通学によって駅までの自転車利用等の交通手段に対応するため,駅前市営駐輪場で原付及び排気量125ccまでの自動二輪を受け入れており,現在約1万1,400台の駐車枠を確保しております。これは先ほど言いました,原付,排気量125cc以下でございます。委員御指摘の125ccを超えるものにつきましては,やっぱり路上の違法駐輪対策として道路占用を活用した民間駐輪場や公共駐車場での駐車枠の確保など,工夫しながら自動二輪を受け入れておるところでございます。しかし,現在も路上には自動二輪車の放置は存在しておりまして,委員御指摘のとおり,駐車枠が不足しているんではないかと感じております。その中の,三宮周辺などの都心部の駐輪場につきましては,自転車とか125ccまでの自動二輪の,やっぱり利用率は非常に高い状況でございます。125ccの自動二輪車を駐輪場で受け入れるという余裕は今現在ないという状態で,そういうことでは都心部につきましては道路空間の占用を認めていく。三宮センタープラザの北側なんかでつくってますけども,ああいうところを使っていくとか,公共駐車場等を活用して自動二輪の駐車スペースの拡充を検討していきたいと考えております。  そして将来的には,三宮につきましては三宮再整備というのが動いております。そういう形では一定規模の集約された駐車スペースを整えていきたいということも考えております。これは,将来的な研究課題となりますが,そういうことも考えております。  また,委員御指摘のように,郊外部の駐輪場につきましては比較的やっぱり余裕があります。そういう意味では,そういう駐輪場につきましては自動二輪の需要動向や,やっぱり自動二輪入れようとしましたら車道からどうやって乗り入れるかという,そういう物理的なことも考慮しなければなりませんが,そういう形をしっかり検討しまして,125ccを超える自動二輪の受け入れについては検討していきたいと思っております。  いずれにいたしましても,125cc以上の自動二輪の駐車スペースの確保というのは足りておりませんので,喫緊の課題だと考えておりますんで,さまざまな手法を検討いたしまして対応していきたいと考えております。 164 ◯分科員(沖久正留) どうもありがとうございました。前向きに検討していただくということでありがたいと思います。  結構,自動二輪を使われる方というのは,要は通勤で使われる方もいらっしゃるみたいで,一時預かりでまた出して,またとめるという,何回も何回もそういう繰り返しをして,1日の駐輪代といいますか,駐車料金というのが非常に高くなってると聞いております。やはり,定期駐輪,そういうことができる月決めみたいなそういうスペースも一定確保しないといけないんではないんかなと思うんです。  先日もちょっと,三宮中央通りの駐車場というふうにお伺いさせていただいたんですけども,結構──68台ぐらい確保されていて,そこで定期駐車というのが55台ぐらいあるというふうに聞いてるんです。ただどうしても,そこにとめはった人は継続でずっとそのまま使われるみたいなんで,いわゆる専用で──月決めみたいになってて,新たにとめたいなと思う方々がとめれないというようなそういう実態もあるようなんです。つきましては,そういう定期的にとめれるスペース──定期スペースという確保が必要かなと思います。  今,灘区や兵庫区で駐輪場の共通利用券を試行導入されてると思うんですけども,それをもう1点展開して,自動二輪にも適用するというのはちょっと考えられないものでしょうか。 165 ◯三島建設局道路部長 共通利用券につきましては,委員御指摘のように,10月から灘区と兵庫区におきまして自転車を対象に,市営駐輪場での定期購入者が1カ月だったらさらに200円,3カ月の場合は600円を追加料金として支払うことで,当該区内──灘区と兵庫区ですけども,全市駐輪場を一時的に利用できる共通定期券というものを発行して,それを試行的に販売しております。これは駅前にある程度の駐輪スペースを確保できていることから,既存の利用者の利便性の向上とともに自転車の活用をしていっていただいて回遊性を向上させたい,また新たな需要を掘り起こしたいということを期待いたしまして,その効果を試そうということで試行実験をしているというところでございます。  今後,このような趣旨にあったニーズがどの程度あるのか,まずは灘区・兵庫区の需要の動向を検証いたしまして,制度の継続や他区への拡充の可能性について見きわめていきたいと思っております。委員御指摘の自動二輪について広げていくかということにつきましては,この辺の状況を見まして再度,さらに研究していきたいと思っております。 166 ◯分科員(沖久正留) どうもありがとうございます。そのあたりのところも検討していただきながら,本当に多くのスペースを確保できるようにしていただきたいと思うんです。  同時に,もともと市街地部分のところにスペースが少ない上に,どこに駐車スペースがあるのかどうかということもなかなかわかりづらいというような声も一方でお伺いします。そういった意味で,少ないながらでもこんなところに125以上のバイクがとめれますよといった情報をもう少しわかりやすく提供すべきではないんかなと思いますけど,いかがでしょうか。 167 ◯油井建設局長 御指摘のとおり,広報とかPRというのが利用していただくためには非常に重要だと考えております。今現在,公共の駐車場の場所やその利用方法について,神戸市のホームページや指定管理者のホームページなどで御案内している状況でございます。しかし,今現在,この出し方としましては,個々の施設,駐車場は駐車場としての情報を発信しております。そういうことでは,その個々の情報としてはわかるんですけど,利用者の目線に立ってわかりやすいかというと,やっぱりわかりにくいんではないかという気はしております。  そういうことで,新たな自動二輪が停車することができる駐車場の一覧表を,現在,掲載させていただいたところでございます。さらにわかりやすくするために,例えば,ホームページ上で自動二輪が利用できる場所やその利用方法が一覧でわかるマップ,こういうところにありますよという一覧で見れるように──ここのときはここに行こうということでそこにアクセスできますので,そういうものを掲載したいと考えております。また,自動二輪車がよく見る──民間事業者の運営するホームページなんかもございますが,そういうとこと連携して案内を行うなど,やはり利用者が見やすい,わかりやすいという広報に一層の工夫をして情報発信に努めていきたいと考えております。 168 ◯分科員(沖久正留) ありがとうございます。私は自動二輪に乗らないんですけども,ちょっとだけとめても,自動二輪ですから駐禁になっちゃう。捕まれば反則金を払わなあかんということで,相当な痛手になるんで,そのあたりも含めて,やっぱり最近そういったニーズが多いということを踏まえながら,市としても拡大に向けてぜひとも前向きに取り組んでいただきたいと思いますので,よろしくお願いしたいと思います。  続きまして,下水道事業について2点お伺いさせていただきたいと思います。  まず最初に,下水道事業における民間活力の導入についてお伺いさせていただきたいと思います。  先ほどの決算報告でもありましたけれども,下水道事業会計は29年度は黒字決算とはなっておりますけれども,これは長期前受金戻入の繰り入れ計上によるものであって,営業収支は78億円強の赤字となっております。それに加えて施設の老朽化が進む中,今後さらなる工事──更新が必要なため,厳しい経営状況が見込まれていると思います。  また監査意見では,より一層,資産・資源を活用した収入の確保や業務改善,民間活力の導入や投資の選別による効率的な経営も尽くされたいとの指摘があります。  そこで,行財政改革2020アクションプランの中でも,例えば,玉津処理場における民間活力の導入に向けての具体的な検討やポートアイランド処理場におけるさらなる民間活力が検討されているようですけども,どのように進められているのか,お伺いしたいと思います。 169 ◯石原建設局下水道部長 下水道事業におきましては,まず,市民生活の安心・安全,こういうことを守ることを最優先にしておりますけれども,その一方で経営の効率化の視点を踏まえながら安定した下水道サービスの提供に努めております。  今,委員から御指摘のありましたように,監査委員のほうからも,より一層,資産・資源を活用した収入の確保,あるいは民間活力の導入等による効率的な経営ということがございます。これにつきましては,従前から取り組んでいるところではございます。
     御質問にありました玉津処理場,それからポートアイランド処理場,これからのといいますか,現状の取り組みでございますけれども,玉津処理場におきましては,現在,民間活力の導入に向けて最適な手法,どういった形で民間にお任せするのがいいのかというところを内部で検討している状況でございます。ポートアイランド処理場におきましては,維持管理──これ全般,今,包括民間委託やっておりますけれども,これに加えまして,現在,施設が老朽化してるということで,ポートアイランド2期のほうに改築・更新をしようということを計画しておりますけれども,その改築・更新にも民間活力さらに導入できないかというところを現在検討している段階でございます。 170 ◯分科員(沖久正留) ありがとうございます。今,全国的にもこういった下水道事業の設備管理であるとかその更新に当たって,当然,民間活力を活用しましょうということで,国のほうもPPPの活用でありますとかそういったことで一層な取り組みというのを進めている中で,神戸市もさらなるそういった民間活力を活用していただきながら経営努力をしていただきたいということをちょっとお願いさせていただきたいと思います。  それから,下水道事業でもう1点,浸水対策の推進についてお伺いさせていただきたいと思います。  昨今の台風被害,特に21号の台風の被害で,本会議でも質疑がありましたけれども,先般の台風21号では,当然,市内で大規模な浸水被害が起こりました。何と,東川崎地区においても浸水被害が発生して,多くの民家が床上・床下浸水に見舞われました。過去に本当に例のない高潮が原因だったとは聞いております。私自身もユーチューブで送っていただいて,神戸駅の東川崎のところがまさに川のような状態になってるというのをまざまざと見せられて,ええ,こんなになってるんだということで,本当にこんな状況というのは初めてだなということで認識させていただいたんです。確かに本会議でも市長は,今,一方で3つのポンプ場,三宮地区で整備をしてきたわけなんですけども,その成果があって三宮地区においては大きな浸水被害はなかったというふうに,答弁されておりました。この東川崎地区においても市長は何とかしていかないといけないような,そういった御答弁だったと思うんですけど,私自身はみなと総局のほうから,確かに防潮堤も完全に機能してなかったというふうには聞いていたんですけれども,逆に高潮が逆流をして雨水幹線があふれて,そういったところでかなりダブルパンチになったというふうに伺っているわけなんですけども。  そこで今後,東川崎地区においてどういった対策をとっていくのか,見解をお伺いしたいと思います。 171 ◯油井建設局長 御指摘のとおり,台風21号によりまして,東川崎地区では床上浸水が13件,床下浸水が24件の被害が発生しました。この原因として考えられるのは観測史上最高の潮位の影響で,やはりその雨水幹線に海水が逆流しまして雨水が流れにくい状況になった上に大雨が重なったことで,地盤の低い東川崎地区に水がたまり既存のポンプ場の能力を超過したというふうに思ってございます。  それで東川崎地区の今後の対策ですけれども,みなと総局の高潮対策事業と連携しまして,建設局において抜本的な対策として三宮地区と同様に新たな雨水ポンプ場,それから雨水幹線などの整備を検討していきたいと考えてございます。  また,この対策については,三宮の場合もそうでしたけれども,三宮は16年に起こって──確かにポンプ場つくるのに時間がかかります。やはりその抜本的な対策には時間を要することから暫定的な対策といたしまして,雨水幹線に接続する側溝に高潮による海水の逆流を防ぐ弁を設置する。また,仮設の排水ポンプ場を早期に設置することで浸水のリスクを軽減していきたいというふうに考えてございます。 172 ◯分科員(沖久正留) お聞きしたところ,宇治川のポンプ場は30年度で予算をとって,設備更新をやっていこうということで伺っているんですけども,ここの東川崎のポンプ場というのは,もともとはみなと総局の所管なんですよね。運転管理を建設局さんが──下水道のほうがやってるというふうな認識でよろしいんでしょうか。 173 ◯油井建設局長 整備の経緯と維持管理については沖久委員の認識のとおりでございます。 174 ◯分科員(沖久正留) これ当然,みなと総局との連携になろうかなと思うんですけども,またこういうのがいつ来るかもわからないということで,結構整備に時間がかかるんではないかなと思うんです。そういったところで緊急的な措置としては,どういう対応になるんでしょうか。 175 ◯油井建設局長 ちょっと説明が悪かったかもしれませんけど,先ほども御説明しましたとおり,抜本的な対策としては雨水ポンプ場をつくって雨水幹線の整備をしていくということなんですけども,これはかなり時間がかかりますので,暫定的な対策としまして,先ほど言いましたように,側溝に海水が逆流しないような弁を設置する,海水が側溝に入らないような。ただそうすると側溝から水が出ていかないので,そこに仮設の排水ポンプを早期に設置して,もし逆流をする──ための弁を設置して,いかないようにしたときにそういう仮設の排水ポンプで外側に出してということで,浸水のリスクを軽減していきたいというふうに考えてございます。 176 ◯分科員(沖久正留) 済みません,確かに時間がかかるということで,応急的な,緊急的な対応はされるということなんですけれども,本当に市民の方々がまさかのことで床下・床上浸水まで起こって,あんな状況になって,先ほども申しましたように今ユーチューブでそういった状況というのが全国に発信されるわけなんです。神戸のあそこが,ハーバーランドのあの近くがあんな状態になってるということは,当然,全国の皆さんに知れ渡った状況でありますので。ですから今回,補正を,みなとさんとも協力しながら,とっていただきながらできるだけスピードアップを図りながら進めていただきたいと思うんですけどもいかがでしょうか。 177 ◯油井建設局長 いずれにしましても,みなと総局と連携してやっていかなあかんということで,どうしたらスピードアップができるかどうか,それらについてもみなと総局と連携して検討してまいりたいというふうに思ってございます。 178 ◯分科員(沖久正留) ぜひともよろしくお願いしたいと思います。  最後に,街路樹についてちょっと要望させていただきたいと思います。  今回,街路樹につきましても我が会派からいろいろ質問もさせていただきまして,質疑もさせていただいたんですけども,確かに大木化した街路樹であるとか,あるいは老朽化した街路樹であるとかというのは撤去して,そういうふうに進められてると思います。昨年の4月に街路樹再整備方針というのを策定されております。私は非常にこれも期待している1人なんです。といいますのも,一番最初に私この仕事をさせていただいたときの審査というのが建設局さんでして,そのときに街路樹のことを御質問させていただいたんです。街路樹のあり方自体,どうなってるんだろうというのも勉強を兼ねて質問をさせていただいた経緯がございます。  街路樹というのは非常に難しいなと思うんです。それぞれ肯定的な見方をされる方,それからまた逆に否定的な見方をされる方があって,街路樹の立場になってみれば本当に大変ではないんかなと思うんです。ここの街路樹の再整備方針にも書かれてますけれども,もともと街路樹というのは彩りとか,あるいは暑さをしのいだりとか,景観を保ったりとか,そういう市民に喜ばれたいということで街路樹が植えてこられたと思うんです。ところが一方,葉を落とす時期になったら,葉を落として市民の方に文句を言われて,一方また根上がりとかして,あるいは水道管とか汚水管とか,そこに邪魔をしたりすると,同じ職員の方々からも疎まれたりとか,そういう非常に厳しい立場にあるのが街路樹ではないんかなと思うんです。例えば,剪定一つにしても,街路樹が自然に葉を落とす時期というのがそれぞれ樹種によって,あるいは木によって違うと思うんですけども,市民の皆さんは葉が落ちる前に剪定してよというのが正直なところだと思うんですけど,だけどもやはり,ちょっと色が変わるとこ見たいよというようなお方もいらっしゃいますから,そういった意味で街路樹の立場になってみれば非常に難しいかなというふうに思っている1人なんです。私は勝手にそれを街路樹の嘆きというふうに呼んでるんですけども,まさに今回,街路樹の再整備方針というのを決めていただいて,やはりそれぞれ街路樹は街路樹の使命といいますか,そういうのがあると思います。大事な大事な資産ですし,本当に皆さんの経験と英知を結集して,やはりその街路樹1本1本がそのよさを最大限に発揮するとともに,デメリットを最小限に食いとめていただいて,市民に本当に喜んでいただける,市民に愛される街路樹を目指して,この街路樹再整備方針を進めていただきたいということを,街路樹に成りかわって要望させていただいて,私の質問とさせていただきたいと思います。本日はどうもありがとうございました。 179 ◯主査(人見 誠) 御苦労さまでした。  次に,高岸委員,発言席へどうぞ。 180 ◯分科員(高岸栄基) 街路樹への愛が語られた後,質問させていただきます。東灘区選出の高岸です。よろしくお願いします。  私のほうからは,できれば4問プラスあと1問,通告してない状態なんですが,少し大きな枠組みでの質問をやりたいと思ってますんでよろしくお願いいたします。  我が会派では,代表質疑にて土砂災害ハザードマップと7月豪雨との検証について御指摘をさせていただきました。私のほうからは,平成27年に構築され28年度から運用している土砂災害危険度予測システムの運用について,ハザードマップの検証と同じように7月豪雨による土砂災害をどこまで予測できたのか,またどのように予測システムを活用したのかをお伺いします。 181 ◯油井建設局長 平成27年に構築しています箇所別の土砂災害危険度予測システムでございますけれども,これについては危険エリアの絞り込みとか適切な避難のタイミングの判断をする支援の情報ということで,平成27年・28年度に兵庫県と神戸市が協力してシステムを構築しまして,29年度から関係部局の職員が運用してございます。これについては国とか出してるやつに加えて,かなり小さいメッシュでやってまして,今回の予測の精度と実際の検証については,まだ詳しくできていないところはありますけれども,過去から予測の検証と予測精度の向上を図るということで,兵庫県とともにシステムの改良を行いながらやってるという過渡期の状況です。その中でもできるだけこれを有効に活用しようということで,現在は建設事務所の重点パトロールなんかの絞り込みなんかに活用してるという状況です。 182 ◯分科員(高岸栄基) 長々と答弁していただいたんですが,要は予測できなかったという答弁だと理解していいのかなと思うんですが。  台風とかですと,また長雨というんですか,これある程度,今の気象予報では予測ができると思うんですが,そういったことを踏まえても先ほどの答弁でいうと,今回の土砂災害予測という点では予測できなかったということで理解してよろしいですか。 183 ◯油井建設局長 全てのエリアで予測ができていなかったということでなくて,かなり小さいメッシュでやってるもんですから,その全てのエリアにおいてさらにその精度を上げてやっていかなあかんという課題が見つかったということで,それぞれの災害に合わせてその辺の精度を上げていかなあかんというふうに考えているところでございます。 184 ◯分科員(高岸栄基) では,また後日になるのかと思いますが,予測できた箇所,それからできなかった箇所,明らかにしていただきたいと思うんですが,予測できたんであれば,どのように予測したものを活用したかが問われてくると思うんです。実際に民地なのか,どんなところなのか,ちょっとその小さいメッシュでずっと区切ってると言われてるんですけど,予測できたんであればいち早くこういう──ここ土砂崩れ起きますよという周知,ここまでがこのシステムの完結だと思うんですが。こういうことも今ちょっと答弁いただいても多分まともにしていただけないだろうなと思うんで,よくよく検証していただいて生かしていただきたいと思います。  その中で,29年度に4,300万円の予算で水防予防システムというのが運用されて,神戸市及び国土交通省,兵庫県の豪雨観測システム等とのネットワーク化を図り,水防情報やさまざまな災害情報を共有することで,防災体制の確立を図られたということになってるんですが,この内容について,どういう情報が共有されてどういう生かされ方になったのか,この辺についても教えていただけますか。 185 ◯油井建設局長 神戸市水防情報システム,あるいはFISKOと呼んでますけれども,風水害に対して迅速な防災体制の確立を実現するために平成9年度より運用しています。これについては,国土交通省または兵庫県の雨量とか水位情報に合わせて神戸市で独自に設置してございます雨量計であるとか水位の情報を一体的に網羅して,危機管理情報システムと連携をしてるということでございます。これらについては,平成29年度から各事務用パソコンでも専用端末に限られてた情報も確認できるように改修を行って,本年度より水防関係部局で各事務用パソコンで全ての情報が閲覧できるようになったということでございます。  この水防情報については,危機管理情報システムを通じまして職員向けに情報をメール配信して,全市的な防災体制の構築に活用してございます。またその雨量の情報については,私ども建設局の中で降雨量によって通行どめをする,しないと決める路線がありますので,そういう幹線道路における事前の通行どめやその解除の判断に活用してございます。 186 ◯分科員(高岸栄基) 私,実はあんまりシステム得意じゃないんで深堀りしたくないんですけど。  先ほど答弁の中であったように,庁内では見れると。特に建設局と危機管理関係の方が見れるというような状況で運用されてきたということの中に,最後のほうに──午前中質疑があったと思うんですが,通行どめの判断をしたり,その情報もそこで共有されてるということで,少しだけ私も見せてもらったんですが,地図上でいろいろ反映されたものが少し見れたという状況なんですが,これ局内というか,庁内だけで運用するだけで本当にそれでいいんでしょうか。やっぱり市民への一定──その全ての情報じゃないと思うんですが,公開ということも踏まえていかないといけないという点と,先ほどちょっと局長からの答弁で,雨量とかその辺の関係だけ言っていただいたんですが,それ以外の情報,例えば,土砂崩れもそうかもわかりませんし,公共のインフラ,電気がとまっている状況だとか,そういう情報も全部集約されてるのか,その辺ちょっとつけ加えて合わせて答弁ください。 187 ◯鈴木建設局防災部長 まず,水防関係といいますか,降雨に関する情報につきましては,これは国土交通省のほうが川の情報ということで一元的にホームページに公開してございます。こちらのほうには,市の,先ほど申し上げましたFISKOにつきましては現時点では一元化されておりません。ただ現在,国のその情報システムに合流すべく調整してございます。それから,その他の防災情報の一元化ということになりますと,市でいいますと危機管理室がその辺,今,束ねておりますけども,建設局としてはそういう部局と積極的に連携してまいりたい。それから必要に応じて,水防関係でありましたら国土交通省の河川局──済みません,今は,旧河川局です──が設けておりますホームページに一元化すべく調整を図ってまいりたい,このように考えてございます。 188 ◯分科員(高岸栄基) 前向きな答弁だということで理解はさせていただくんですけど,今,運用が本当に適切に行われているかどうか,ここをもう1度やっぱり──市民に対してという意味です,私が言いたいのは。市民に対して情報をどこまで開示ができるかということももう1度考えていただきたいなという点と,実際にこの大阪北部地震が発生したときに,実は大阪の被害状況と内閣府の防災システムというんですか,そのシステムと連動が実はとれていたと,そのことによって被害状況が適切に把握されたということも内閣府の防災担当者の方から直接確認をとらせていただきました。今現状とれてないということであれば,先ほど早急にやっていただくということだったんでそれに期待はするんですけれども,そもそも広域災害になったときに連携というのが,関西広域連合でも多分とられるんじゃないかなと思うんですが。私これちょっと調べていく上で,各自治体──この関西広域連合の自治体に電話かけてこの関係問い合わせても皆さんなんか,きちっとした返事がなかなかいただけないような感じなんですが,関西広域連合で考えたときではどういう形でネットワーク化を考えておられるんでしょうか。 189 ◯鈴木建設局防災部長 関西広域で具体的にどのような取り組みをされてるかというのはちょっと私ども承知しておらないんですけども,ただ,例えば,雨の情報でありますとか,そういうものは単なる計測データでございますので,これはもう一元化されていくべきものなのかな,それが国レベルであるのか,関西レベルであるのか……(発言する者あり)  大きな災害ですか。それは先ほど御指摘がありましたけれども,内閣府の総合防災情報システムというものが先導的に立ち上げられてますので,神戸市が持ち得る情報全てそちらに合流すべきかどうかという議論はありますけれども,重立ったものにつきましては連携を図っていくべきではないかなというふうに考えてございます。 190 ◯分科員(高岸栄基) この質問長くやるつもりなかったんで,あとちょっとだけこれ関連でお話をさせていただきたいと思うんですが。  本市のホームページなんですが,この災害関係でいうと,過去の災害時の写真が一部公開たしかされてるかと思うんです。最近の台風が来る前の報道で,平成○○年の台風何号とルートが非常に似ている,規模が同じような規模である,こういうことがよく報道されるんです。そうすると,そのときに本市ではどういう被害があったのかということが全く反映──全くと言うと失礼ですね,一部しか反映されていない。要するに浸水地域だとか,そういうことが反映されてない。さらに,今後予測していく上で,今回,高潮と波浪との関係がきちっと精査されてなかった結果,先ほどもありましたが,東灘区では雨水管の破裂とか防潮堤を超えた浸水とか,いろいろあったと思うんですけど,地図上にいろんな形で情報をやっぱり出していただいて,例えば,この台風と類似してますよといったときに,市民がアクセスすれば,あのときはこういう災害だったから本当に危ないなというようなことを認識していただく。また,それからこういう防潮工事を行ったから今は大丈夫ですよというような発信もそこでやっていただく。こういうことが必要だと思うんですが,そのことについての認識はいかがでしょうか。 191 ◯鈴木建設局防災部長 過去の大きな災害を市民,それから後世に伝えることは非常に重要でないかということで,これは全く同じ認識でございます。例えば,ことしでありましたら,阪神大水害から80年ということで,国・県,それから関係4市が中心になりまして,ウエブ上でデジタルアーカイブということで,過去のそういう履歴を集大成したアーカイブの構築を年末ごろに公開できるように準備を進めてございます。個人の記憶を社会の記憶にというスローガンのもと,世代を超えて防災意識の向上が図られるよう取り組んでいきたいと,このように考えてございます。  それから,ハザードマップに最新の予測だけではなくて履歴も含めて載せていったらどうかという御指摘でございますけども,予測の範囲自体も,例えば,土砂災害警戒区域なんかでありましたら,過去のそういういろんな履歴を分析して指定要件を定めまして,現地の状況を分析してイエローゾーンを指定しているということで,一定履歴も考慮した形になっておるんですけども,ただ,ハザードマップのイエローゾーン内で全ての土砂崩れが起こっておるかというとそうではございません。その外でも起こってるケースがございますので,今回の災害を受けましてイエローゾーンに改めて該当するんではないかという場合は──これ県の指定ではございますので,神戸市としてもその必要があれば再度,県に働きかけていくなり,ハザードマップの地形でありますとか,それから防災対策も進むこともございますので,その辺は必要に応じて県に働きかけていって順次更新ということでお願いしたいと思ってございます。 192 ◯分科員(高岸栄基) 災害の経験といいますか,被害状況を後世にしっかりとつないでいただくような形で反映して,減災・防災に当たっていただきたいという形でお願いします。  残り時間ちょっと少なくて予定より全然できなかったんですが,ちょっと今回この写真の状況について皆さんにぜひ見ていただきたいんですけど。この道路,実は,済みません,建設局の所管している道路じゃないんです。この道路は市民参画推進局が所管する住吉川の遊歩道なんです。これ7日から10日の間にずっと雨が降りまして,上がったのが10日の午前中,こういう状況になっております。このときに降った雨量が合計で174ミリという状況なんですが,9月の10日の朝の時点では──雨が上がった後,午後になる前この状況だったんです。この状況で,私のほうに一報が入ってきたのが夕方5時過ぎ,もう5時半になろうかというときでした。この担当は市民参画なわけですから,当然,区役所から市民参画にいって,市民参画からまたいろんな──ぐるぐる回りながら,適切に建設局へ,要するに連絡がいってなかったというような状況。これ後で確認もとらせていただきました。状況を確認すると9月の11日に建設局と市民参画が打ち合わせをして,対応をどうしようかというのを検討しようとしてた。こういうことをお聞きしたんです。9月の10日月曜日の夕方です,これ写真は。こうなると夜ここを──9月の10日ですと,昼間暑いんでやっぱり夜ここ,物すごく散歩されたり歩かれたりするのが多いんですけど,東灘区在住の方だったら御存じだと思います。これ何もしない状態で放置してれば,多分,当然けがをしてたと思うんです。私のほうから5時半境ぐらいで連絡させていただいて,建設局にその後すぐ飛んでいっていただいたんです。7時にはこういう対応をしていただいてるんです。要するに通行どめの対応ができてるんです。ということは,適切に建設局に連絡が行くという──私がお願いしたいのは,そういう遊歩道をそもそも市民参画が所管してること自体が私はちょっと不思議だなと思ってるんですけども,建設局のほうからぜひこの移管をしたいということで,なかなかいろんな力関係があると思うんですけど,言いにくいとは思うんですが,移管を申し入れていただきたいなというふうに思うんですが,いかがでしょうか。 193 ◯八木建設局担当部長 住吉川の清流の道のことでございます。  本市内部の管理につきましては一応役割分担つくってまして,市民参画推進局が占用許可手続や予算措置を行いまして,建設局のほうで通路等の維持管理を行うという役割分担,そして東灘区役所のほうで通報等の窓口になってるということでございます。そういったこともございましたので,再度,各部局役割分担再確認いたしました。まずはそれで,緊密に連携して対応してまいりたいと考えてございます。 194 ◯分科員(高岸栄基) 庁内での議論は多分そうなるんだろうと思います。市民から見ると,道路とつけば建設局,こう考えるのがやっぱり常識じゃないかなと思います。  それと,ついでに言わせていただきますと,2級河川,この河川も県が所管されてる,こういう状況だと思いますが,政令指定都市です,そこは予算もあわせて移管を求めていただいて,建設局がより身近な市民からの立ち位置で行っていただきたいというふうに思っております。  最後に,実は質問したかったことがあるんですが,時間がなくなったんでやめときます。やめときますが,実は市民の方から依頼を受けて,私も西区や兵庫区,それから地元東灘区の道路を直してもらったり,いろいろ市民の窓口として皆さんにお願いすることがあります。その作業をしていただいた後,現場作業員の方というか,現場の職員の方が依頼した陳情者に対して非常に言ってはならない言葉を発せられる,こういうことがございました。この内容については経理係の方に伝えさせていただいてるんですけれども,そういうことがないようにぜひお願いしたいと。はっきりとは言わなかったんですけど,最後お願いして終わりたいと思います。ありがとうございました。 195 ◯主査(人見 誠) 御苦労さまでした。  それでは,次に,小林委員,発言席にどうぞ。 196 ◯分科員(小林るみ子) お疲れさまです。最後ですのでよろしくお願いいたします。  最初に,踏切事故についてお伺いいたします。  先月,灘区の阪急電車の踏切で,73歳の男性が電車にはねられ亡くなりました。男性は電動車椅子に乗ったまま踏切内で動けなくなり,立ち上がって離れようとしていたところを目撃されており,目撃者が非常ボタンを押しましたが間に合いませんでした。現場の踏切は,線路がカーブし傾斜がついているため段差があり,高齢者などは通行しにくい状態でした。踏切事故は年間300件前後で推移しています。踏切事故死亡者の約7割が歩行者,そのうちの約4割が65歳以上と言われています。超高齢社会,踏切事故が繰り返されないようにするためにも,早急に対策をしなければなりません。先日,この事故に関しての対策会議が緊急に開催されましたが,どのようなメンバーで,どのようなことが話し合われたのかお伺いしたいと思います。  2つ目に警戒標識の点検についてお伺いいたします。  6月に発生した大阪府北部を震源とする地震により,大阪府高槻市でブロック塀が倒れ,通学途中の児童が亡くなるという事故が起きました。それを機に,市立学校園を含む教育委員会所管の全施設を対象にコンクリートブロック塀などの緊急安全点検が行われ,撤去などの対策がとられました。今回,児童・生徒の通学途中の安全について改めて点検が行われたわけですが,以前質疑させていただいた警戒標識落下についてその後点検が行われたのかどうか,その結果も合わせてお伺いしたいと思います。 197 ◯三島建設局道路部長 私のほうからお答えさせていただきます。  まず,踏切事故でございますが,これにつきましては,先月の死亡事故は平成30年9月16日の夜,阪急神戸線の六甲駅と王子公園駅の踏切──畑原踏切と呼ばれてますが,そこで発生いたしました。委員御指摘のように,電動車椅子に乗った御高齢の方が踏切内の下り線のレールとアスファルト通路とのすき間に車輪が挟まって立ち往生してる間に接触したということを聞いております。また,この踏切につきましては,安全対策としまして障害物検知装置が設置されておりましたが,同装置は高さ80センチ以上の障害物にしか反応しないことから,今回作動しなかった可能性が高いということで聞いております。  踏切の安全対策でございますが,基本的には踏切内の道路の維持管理につきましては,鉄道事業者が行うことになっております。このたびの人身事故を受けまして,昨日ですけども当該踏切におきまして警察さん,そして阪急電鉄,それと道路管理者で事故防止現地検討会を実施いたしました。現地の調査の中で,踏切障害物検知装置の確認,それと踏切支障報知装置──これ非常ボタンのことですが,その辺の設備があるということを確認させていただいております。その検討させていただいた中で,再発防止の観点からは,なかなかハード対策というのは難しいという形で,まずは周辺の地域の方に警察と阪急さんが啓発チラシを配布するなど,啓発活動を実施するということになっております。それとあと,事故防止現地検討会では意見は出ませんでしたが,道路管理者といたしまして,周辺道路におきまして注意喚起看板を設置することで効果が上がるようなところを探しまして,そういう必要な箇所がありましたらその設置についても検討していきたいと思っております。今後も関係者で密に連携をとりまして,踏切の安全性の向上に向けて検討していきたいと思っております。  それとあと安全標識の質問でございますが,委員御指摘の事故等の話は,ことしの1月上旬に北区の青葉台で発生した警戒標識の落下事故と認識しております。市民の方から警察に通報がありまして,その後,北建設事務所において処理させていただいております。その後,委員御指摘のとおり,市の管理する約2,900基ございますが,その警戒標識について建設事務所の職員で点検作業を進めてございまして,平成30年5月末で完了いたしております。その点検の結果,現状のままだと倒れたり落下するおそれが想定されるものが42基発見されましたので,建てかえや板面の取りかえなどの必要な措置はもう行っております。  以上でございます。 198 ◯分科員(小林るみ子) まず,警戒標識の件なんですけども,判定,要するに3ということですよね。施設の倒壊や落下等のおそれがあるという判定3を受けたのが42ということで,それに対しての対策を行ったということで。あとは,一応,全部異常なしだったということでしょうか。 199 ◯三島建設局道路部長 点検させていただいた結果,それについては対応が必要になるような警戒標識はなかったということでございます。 200 ◯分科員(小林るみ子) 私が前回取り上げたときに,学校・幼稚園・保育所ありという警戒標識──下に通学路というふうに書いた標識が横断歩道で待機している方の前に落ちて,幸いけがもなく,よかったんですけれども,それがきっかけでちょっと質問させていただいたんですが,そのときの御答弁は,7年前に設置されたもので,道路管理者としての神戸市が近接目視で安全を確認していたという答弁だったというふうに思います。これもまた通学路に潜む危険の1つだというふうに思うんですが,このような標識の点検の方法,点検の時期というのはどのように決められているのか,お伺いしたいと思います。 201 ◯三島建設局道路部長 やはり道路の通行の安全・安心を確保するというのが道路管理者の第一義的な責務だと考えております。そういうことでは,本日の議論でも再三ございましたが,国のほうで法定で点検を義務づけられている構造物もございます。それ以外にも神戸市のほうでは独自に点検をしていくということで,おおむね国の──案内標識なんかでいきますと,大型案内標識は5年に1度と言われておりますので,先ほど言いましたその他の標識につきましてもそれに準拠する形で5年に1度点検していく形で今検討しております。 202 ◯分科員(小林るみ子) 本当は定期的な点検というのは10年に1度というふうに,ちょっと私も調べてみてわかったんですが,中間点検が5年に1度ということで,そのことでよろしいでしょうか。そういうことでしょうか。 203 ◯三島建設局道路部長 案内標識につきましては,中間点検5年で詳細点検が10年という形でございます。 204 ◯分科員(小林るみ子) わかりました。ということは前回の落下した分は7年前ということだったので,この方法を守っていなかったというふうに解釈してもよろしいですね。 205 ◯三島建設局道路部長 先ほど言いました,国の法律が定められましたのが平成23年以降でございますので,その後,法律が定められたのが平成25年だったと思いますんで,26年から点検を始めております。そういうことでは,守られていなかったというんでなくて,国の制度ができた段階でちゃんとしっかりやらせていただいております。 206 ◯分科員(小林るみ子) わかりました。じゃあこれからきちんと5年に1回,10年に1回ということで点検が始まるというふうになっていくと思うんですが,方法なんですけれども,今回の場合は近接目視という形であったんですが,基本的には近接目視で──打音とか,触法とか,そんなのもあるんだと聞いてますけども。 207 ◯三島建設局道路部長 コンクリート構造物とかそういうものでありましたらひび割れとかそういうものが想定されますので打音とかそういうものがございますが,警戒標識につきましては近接目視という形になっております。 208 ◯分科員(小林るみ子) わかりました。ぜひきちんとした点検をこれからしていただきたいというふうに思います。  それから,踏切事故のほうなんですけども,踏切というのは道路と鉄道が平面交差をしているところを踏切というふうに言うというふうに私は聞いてるんですけれども,神戸市内で何カ所ぐらいあるんでしょうか。 209 ◯三島建設局道路部長 神戸市内では,踏切は152カ所ございます。 210 ◯分科員(小林るみ子) たくさんあるんだと思います。ちなみに私の住んでおります灘区は,JRはもう踏切はありません。阪神が1カ所あります。阪急が何と7カ所,狭いこの区の中にあるんです。全部踏切なんです。阪急から上の人はその踏切を通って市場や商店街に買い物に行きますので,必ず通らざるを得ない,そういう踏切だということで,実は私が知ってる範囲ででもここで事故に遭って亡くなった方,小さな子供さんや小学生も含めて,私が知ってるだけでも5人の方が亡くなっております。そういう意味ではこれは何とかしなくちゃいけないということをずっと思ってきましたし,国や県のほうも踏切事故の対策というのは結構いろいろ検討してるというか,考えておられるんですけれども,なかなかこれが解決できないという状況の中で,2005年以降は立体交差化というのを進められているようなんですけれども,抜本的な対策はこれしかないと思うんですが,応急的な対策として,先ほどのお話の中にもあったような構造の改良とか,保安設備の整備とか,そういうことも具体的にあると思うんです。道路管理者として,やはりただ啓発をするとか看板を置くとかだけじゃなくて,構造を変えることも考えていかなければいけないんではないかと,私もその場所を知ってますから,つくづく思ったんですがいかがでしょうか。 211 ◯三島建設局道路部長 御質問の,構造を変えるということ自体がちょっとイメージが湧かないんですけど,その抜本的ないうことが,御質問の中で立体ということが出てきたので,まさしく構造を変えると,立体のことなのかなと思ってます。  ただ,先ほど委員御指摘のありましたように,この区域はカーブになってて,段差があるといいますか──やはり鉄道はある程度の速度で曲がっていきます。車両は真っすぐ──直線なもんですから,それを曲げようとすればどうしてもカントといいまして,外側が高くて内側のカーブのほうが低くてという形で,その勾配で曲がっていく形になります。どうしても鉄道につきましてはカントというその勾配がありますので,線路の線形自体が,カーブのあるところにつきましては段差があるという形でございます。そういう中で,踏切については,どうしてもここにつきましては,先ほど言いました現地検討会でもやはりカントはやむを得んやろという形で,先ほど言ったハード対策はなかなか難しいけど啓発をしていくという形で対策が決められたということでございます。 212 ◯分科員(小林るみ子) それじゃあ,また同じことが繰り返されていくんではないかと。高齢社会ですから,ますます高齢者がふえていきます。先ほどの,亡くなられた方は電動車椅子というのは乗り始めて1カ月ぐらいだったので,乗り方も余り上手ではなかったということも聞いていますけれども,あの電動車椅子でさえそういう事故が起きるわけですから,やはり何とか段差がある構造というのを道路管理者として考え直さなければいけないんではないかと。ただ啓発と看板だけじゃ,また同じことが私は繰り返されていくというふうに思ってるんですがいかがでしょうか。 213 ◯三島建設局道路部長 先ほどから申し上げますように,踏切の中の管理は基本的には鉄道事業者でございます。ただ,委員御指摘のように,高齢者の踏切事故というのはやっぱり多いという形でございます。そういう形で,国のほうでもしっかりそれを検討していかなければいけないということが言われてまして,高齢者等による踏切事故防止対策検討会というのが立ち上げられてまして,先ほど言いました,この地区につきましては,センサーを飛ばして障害物があるかどうかの検知機はあったわけですけども,その検討会でやはりそれをもう少し精度を上げて感知すべきではないかということの検討もされております。そういうものがあれば,今回は感知されませんでしたけども,感知できれば緊急停車ができるであろうという,そういうことも考えられてます。ただ,それにつきましては,やはり精度を上げるという形になってきまして,精度を上げますと,この検討会の資料によりますと,小動物とか飛来物にも障害物として検知してしまいまして,不用な輸送障害が発生するおそれがあるということが言われてまして,その辺のことをやはり国上げて検討されてますので,踏切対策は道路管理者というんではなくて,鉄道管理者が基本でございますが,先ほど言いましたように,鉄道,それから警察,道路管理者,それぞれが協力しながら何ができるかをやっていくということが必要だと思っておりまして,道路管理者がやるべきことがあればやっていきたいと考えております。 214 ◯分科員(小林るみ子) それを即考えていただきたいというふうに思います。  国も考えてますし,県も考えてます。やはり基本的には鉄道事業者と神戸市との間でこれを進めていかなければいけないと思うんですが,ただ,今のままではまた同じことが繰り返されていくというふうに私は思ってますので,まず実態,要因調査という──なぜああいうとこであの事故が起きるのかということをまず神戸市として調べていただきたいなというふうに思うんですが,どうでしょうか。もうないです。 215 ◯主査(人見 誠) 御苦労さまでした。  以上で,建設局関係の質疑は終了いたしました。  当局,どうも御苦労さまでした。 216 ◯主査(人見 誠) 以上で,本日の日程は全部終了いたしました。  長時間の審査,お疲れさまでした。  委員の皆様に申し上げます。当分科会の審査は本日をもって終了いたします。  本日までの間,当分科会の運営に格段の御協力をいただき,本当にありがとうございました。  なお,来る12日から委員会審査がありますが,12日は市長・副市長に対する総括質疑を午前10時より,議場にて行いますのでよろしくお願いいたします。  本日は,これをもって閉会いたします。お疲れさまでした。   (午後4時27分閉会) 神戸市会事務局 Copyright (c) Kobe City Assembly, All Rights Reserved. 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