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平成17年第二部決算特別委員会−10月18日-06号
平成17年第一部決算特別委員会−10月18日-06号

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  1. 札幌市議会 2005-10-18
    平成17年第二部決算特別委員会−10月18日-06号


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    平成17年第二部決算特別委員会−10月18日-06号平成17年第二部決算特別委員会  札幌市議会第二部決算特別委員会記録(第6号)               平成17年(2005年)10月18日(火曜日)       ────────────────────────────────── ●議題 付託案件の審査 ●出席委員 33人     委 員 長  井 上 ひさ子       副委員長   本 郷 俊 史     委   員  小 谷 俵 藏       委   員  佐 藤 美智夫     委   員  武 市 憲 一       委   員  上瀬戸 正 則     委   員  三 上 洋 右       委   員  宮 村 素 子     委   員  馬 場 泰 年       委   員  鈴 木 健 雄     委   員  勝 木 勇 人       委   員  山 田 一 仁     委   員  長 内 直 也       委   員  村 山 秀 哉     委   員  湊 谷   隆       委   員  伊与部 敏 雄     委   員  川口谷   正       委   員  大 西 利 夫     委   員  小 野 正 美       委   員  三 宅 由 美     委   員  藤 川 雅 司       委   員  桑 原   透     委   員  小 田 信 孝       委   員  三 浦 英 三     委   員  涌 井 国 夫       委   員  阿知良 寛 美     委   員  小 川 勝 美       委   員  坂 本 恭 子
        委   員  小 形 香 織       委   員  田 中 昭 男     委   員  小 林 郁 子       委   員  坂   ひろみ     委   員  松 浦   忠       ──────────────────────────────────        開 議 午前10時 ○井上ひさ子 委員長  ただいまから、第二部決算特別委員会を開会いたします。  報告事項でありますが、芦原委員からは涌井委員と交代する旨、届け出がございました。  それでは、議事に入ります。  最初に、第3款 保健福祉費 第3項 老人福祉費及び介護保険会計決算について一括して質疑を行います。 ◆小形香織 委員  私は、老人保健施設について質問いたします。  介護保険事業所介護報酬不正受給の事案が、2002年に岩見沢市で、2003年に小樽市などで起きていますけれども、ことしに入ってから、札幌市でも、6月28日にライフふくまつ、10月14日に平和の杜が、医師の基準を満たしていないのに介護報酬を受けていたということで北海道から改善命令や取り消し処分が出されました。ことしに入って起きた札幌市内のライフふくまつと平和の杜について、どのような経過で処分となったのか、それぞれの事案について原因や経過、概要について、まず1点目としてご説明をお願いいたします。  次に、この2件のように、介護保険事業所に対する改善命令や取り消し処分は北海道が行って、介護老人保健施設への指導監査は札幌市が行ったと聞いていますけれども、北海道と札幌市の指導や監査の権限はどのように分けられているのか、これについてわかりやすくお示し願います。  質問の3点目は、ライフふくまつの場合、通所リハビリテーションに通っている方は約10人でしたけれども、平和の杜の場合は約100人いるということです。11月1日が指定取り消し日となりますけれども、この施設に通っておられる方は、今後、どうなるのでしょうか。通所されている方に法人からの説明や謝罪がなされたのかどうか。今後、通所リハビリに通うために、どこがどのように対応することになっているのか。札幌市として、具体的にどのように指導改善の対処をされたのか、この点を伺いたいと思います。 ◎宮川 介護保険担当部長  ただいまの3点のご質問にお答えいたします。  まず1点目でございますけれども、介護老人保健施設に対する処分の件でございます。  平和の杜に対する処分の件でございますけれども、まず1点目、指定居宅サービス事業者指定取り消しがございます。2点目として、介護老人保健施設サービス費について改善命令を行っております。3点目といたしまして、通所リハビリテーション、それから短期入所療養介護介護老人保健施設の3事業について、人員の基準を欠く場合は差額の返還を求めております。  処分の決定でございますが、10月14日、北海道から法人理事長あてに、指定取り消し通知及び改善命令書を手交しております。指定取り消し年月日は、11月1日でございます。  それから、2点目でございますけれども、北海道と札幌市の指導監督権限についてです。  北海道に関しては、これら指定、あるいは改善命令の処分権限を有しております。札幌市におきましては、介護保険法上に基づき調査、あるいは文書の徴収をする、あるいは職員からも事情を聞くという体制になっております。これに基づきまして北海道の方で処分を決定するという役割分担になっております。  それから、3点目でございますけれども、現在、通所リハビリテーション等で、サービスの利用をしている方々の対応につきましては、本来的に介護居宅サービス事業所指定取り消し処分の執行権限を有するのは北海道でございまして、現在、北海道が事業所に対して指導を行っております。  そこで、本年7月に指定取り消し処分になりましたライフふくまつにおきましては、通所リハビリテーションの利用登録者は28名おりまして、そのすべての方々が、豊平区や南区などの同じ通所リハビリテーション事業所への移行を完了しております。  今回の平和の杜につきましても、登録者は70名いらっしゃいますが、同様の対応がなされるものと考えております。  札幌市といたしましては、サービス利用の移行につきましては、利用者の保護を第一に考えておりますので、事業所が取り消された場合には、引き続き必要な処遇が確保されるよう各区の相談窓口などにおいても、当該事業所にかかわっていたケアマネジャーへの助言、あるいは利用者への相談を行っていくこととしております。 ◆小形香織 委員  今、詳しくご答弁がありませんでしたけれども、例えば、ライフふくまつの場合は、要するに3年1カ月の間、医師について、事実と異なる虚偽の申請をしたということでの取り消し処分がなされたと理解してよろしいでしょうかね、そういうふうに伺っております。  それから、平和の杜の場合も、同じように43カ月間のうち22カ月間、医師の配置基準を下回るような形になっていたことによって、道の権限による取り消し処分という形になっている。  こうした場合において、札幌市はどこまでやって、北海道はどの部分をするのかということをお尋ねしたのですが、もう一度わかりやすく、北海道と市の行政処分権限の分かれ方のところを教えていただけないでしょうか。 ◎宮川 介護保険担当部長  ただいまの件でございますけれども、介護老人保健施設につきましては、取り消し等処分権限は北海道にございます。また、指導監査の方でございますけれども、これも権限的には北海道でございますが、私どもの監査指導室とともに指導監査を行っているというのが実態でございます。  そして、監査の結果につきましては、当然、北海道と札幌市で取りまとめて、最終的に北海道が処分を決定するわけでございます。その後、私ども介護保険課の方では、不正受給等がございますと介護報酬の返還ということになります。これは札幌市として、介護報酬の返還請求を行うという流れになっております。 ◆小形香織 委員  今回の二つの不正請求事案については、どちらも医師の常勤換算ということが問題になっています。介護保険制度そのものが、ほかの福祉制度と異なって、医師であれ看護師であれ、介護の職員であっても、いずれも常勤換算すると。この常勤換算というのは、例えば、4時間勤務のパート職員が2人いれば、8時間勤務したこととして1人が配置されているとみなすと。これが常勤換算の中身ですけれども、昨年の特養ホームルミエールでの虐待問題のときにも、職員が79人いて、開設以来の正規職員がわずか11人だったと。そして、臨時やパートに加えて、派遣職員が34人という常勤換算によるゆがみが如実にあらわれたものと思います。  今回の平和の杜の場合も、先ほど言ったように、医師の常勤換算上で、1カ月間におおむね0.8人の医師の配置が必要なところを43カ月のうちの22カ月間がそれを下回る配置になっていたと。3年半のうちの2年近く実態がないのに医師が勤務していたことになっていたということで、医師の常勤換算という方法がネックになっていると思いますし、このような常勤換算という考え方が、不正請求を生み出すことにつながったと思いますが、その点いかがか。あわせて、今後、介護保険事業所の指導改善にどう取り組まれていくおつもりか、お尋ねしたいと思います。 ◎宮川 介護保険担当部長  ただいまの人員基準における常勤換算と処遇の問題についてでありますけれども、非常勤やパート、あるいは派遣職員であっても、他の施設において介護の経験があることが多うございまして、必ずしも処遇の低下につながっているとは限りませんけれども、施設として適切な処遇を安定的に行っていくためには、やはり短期間で交代する職員が多いというのは望ましい状況とは言えないことから、札幌市としては、今後とも、正規の職員の割合が高くなるように指導してまいりたい、今後、他の施設についても、このような形で指導してまいりたいというふうに考えております。 ◆小形香織 委員  人と人とのつながりが一番求められる福祉施設ですので、雇用形態について、ぜひ、人が次々と入れかわることのないように、今、ご答弁された趣旨をしっかり守っていただいて、正規職員を配置するという方向を求めて、質問を終わります。 ◆小林郁子 委員  私からは、介護保険制度の見直しに関して、お伺いいたします。  介護保険法が改正され、制度開始後5年が経過したことを受けまして大きな見直しが行われております。この改正の背景には、65歳以上の人が国全体では5年間で322万人、15%の増であるのに対しまして、要介護認定を受けた人が188万人、86%増加しているということや、介護保険にかかる給付費も年10%の伸びを示しているということがあります。  札幌市におきましても、2000年4月の開始時から5年間で、要介護認定を受けた人と、また、実際にサービスを利用した人は、それぞれ2倍以上となっておりますし、また、保険給付費につきましては1.7倍となっております。このような中で、今回、介護予防を進めることによりまして、制度の安定を図ろうというものです。  しかしながら、ようやく制度が定着してきたところにおける改正ですので、利用者、また事業者にとりましても戸惑いがありますし、保険者としての札幌市も、来年4月からの実施ということで、今、準備に追われていることと思います。  そこで、介護保険制度の見直しにかかわりまして、数点お伺いいたします。  初めに、今回の見直しの大きな点の一つですけれども、新たに創設されました新予防給付に関してお伺いいたします。  国では、制度開始以来、要支援、要介護1といった軽度者が非常にふえているということで、これからは単に生活機能を低下させるような家事代行型の訪問介護は原則行わない、そして、その必要性については厳格に判断するとしています。それにかわりまして、新たに筋力向上トレーニングとか栄養改善を導入する、そういう新予防給付を行うとしているわけです。  しかしながら、高齢になりますと、まずできなくなるといいますか、困ってくるのが日用品の買い物とか掃除や調理ということでありまして、それをホームヘルプサービスが補ってくれることで生活の質を保っているということがあります。そのようなことから、新予防給付の導入につきましては家事援助が制限される、ホームヘルプサービスの利用ができなくなるのではないかという不安の声があります。これについてはどのように対処されるのか、お伺いいたします。  それから次に、法改正で、今後、新たに設置されるものに地域包括支援センターというものがあります。これは、今後、総合相談とか支援、介護予防マネジメントを行いまして、地域における介護保険の中心的な役割を担っていこうというものです。  この地域包括支援センターにつきまして、国では、公正・中立であるということを強調しております。それは、これまでケアマネジャーは、通常はどこかの居宅介護事業所に属しておりますから、そういう方々が過度の利用者の掘り起こしを行って、それがサービスの増加につながっているのではないかということの問題視が裏としてあるわけですけれども、今回、ケアマネジャーについての見直しが行われておりますので、これについてもお伺いいたします。  これまで、要介護の認定を申請するときには、普通は事業所所属ケアマネジャーにお願いするということが多いと思いますが、これからは、事業所所属ケアマネジャーが申請を代行することができなくなるのかどうなのか、そのあたりの取り扱いをどうなさるおつもりか、お伺いいたします。  それからまた、国の試算では、現在、要介護1と認定されている人の7割から8割ぐらいは要支援になるのではないか、新しい要介護区分でいきますと、要支援2になるのではないかと推測されています。要支援の人のケアプランは、これからは地域包括支援センターの保健師が行うということになっております。しかしながら、これまで所定のケアマネジャーとのかかわりの中で行っている場合が多いと思いますので、それがこれからどうなっていくのかと思うわけです。今後、地域包括支援センターにつきましては、どのように要支援者とかかわっていくのか、お伺いいたします。 ◎宮川 介護保険担当部長  ただいまの3点のご質問にお答えいたします。  まず1点目の新予防給付における家事援助の制限についてです。  今回、新たに予防給付が創設されましたねらいは、利用者の意欲を引き出し、要介護状態の悪化を防ぐことにあります。  新予防給付における家事援助では、従前のようにホームヘルパーが利用者にかわって支援を行うということではなく、適切なケアマネジメントに基づきまして、まず、利用者本人が本来できることを可能な限り多く見つけ、できないことは一緒に手助けしながら自立支援を促すことに重点を置いたサービスの内容に見直されるものと考えております。  したがいまして、札幌市といたしましては、広報などを通じて、利用者に対してこのような新制度の周知を図るとともに、実際のサービス利用に当たっては、介護予防プランを作成する地域包括支援センターを中心として、適切な介護予防ケアマネジメントが行われるように、関係職員に対する研修を充実してまいりたいというふうに考えております。  2点目の要介護認定における申請代行の制限についてです。  現在、介護保険法では、利用者の要介護認定申請手続居宅介護支援事業者及び介護保険施設に行わせることができることとなっております。  改正後の介護保険法では、新たに地域包括支援センター及び地域密着型介護老人福祉施設も申請代行ができることとなりますが、利用者の意思に反する申請の防止などを目的に、居宅介護支援事業者地域密着型老人福祉施設もしくは介護保険施設であって、厚生労働省令で定めるものについては申請代行が制限される予定であります。  省令が提示されていない中で、明確には申し上げられませんけれども、国は、利用者の利便性にも配慮しつつ、サービス事業者等の代行のあり方を見直すとしておりますので、これらに関する省令が明らかになった段階で、適切に対応してまいりたいというふうに考えております。  3点目の地域包括支援センターに関連いたしまして、要支援の方と地域包括支援センターのかかわりについてです。  地域包括支援センターにつきましては、総合相談や介護予防ケアマネジメントケアマネジャーへの支援などの役割を担うことになっております。今までと違って、要支援の方の介護予防ケアマネジメントは、すべて地域包括支援センターが責任を持つ仕組みになっております。実際には、要支援の方は居宅介護支援事業者ケアマネジャーケアプランをつくってもらい、そのケアプランについて、地域包括支援センターの保健師などは介護予防の観点から評価や助言・指導を行うことになります。これらのことを通して、地域包括支援センターは、要支援の方が介護予防サービスや保健・医療・福祉のサービスなどを総合的に活用し、意欲を持って心身の健康の維持増進を図ることができるように、適切な介護予防ケアマネジメントを推進する役割を果たすものと考えております。 ◆小林郁子 委員  ただいま、軽度者に対するホームヘルプサービスのあり方、そしてまたケアマネジメントについてお伺いしたところです。  私は、今回、厚別区に事業所を持ちます訪問介護事業所の連絡会が、ことし9月にサービス利用実態について調査をしたという結果を拝見いたしました。その中で、ホームヘルプサービスの利用を制限されることにつきまして、予想される影響についての調査がありました。それによりますと、回答の多い順から、生活の後退、精神的に落ち込む、病気の悪化、家族の負担、中には虐待が起こる可能性があると示唆したものもあります。特に、認知症の方などには、粘り強いヘルパーの家事援助が重要であるとしております。  国が言うように、家事代行のサービスが過剰ということであれば、これは本来、ケアプランだとか訪問介護計画を適正にすることによって見直していくことでなければならないと思います。  札幌市におきましては、ホームヘルプサービスにつきまして、必要性の認定という点で、十分慎重にやっていただきたいというふうに思っております。そしてまた、ケアマネジャーとのかかわりや地域包括支援センターの役割などにつきましては、利用者の立場に立ったものにしていただきたいというふうに思います。  次に、今回の介護保険法の改正では、ひとり暮らしの高齢者とか認知症高齢者が増加しているということを受けまして、地域に密着して、多様で柔軟なサービスが行えるように、地域密着型サービスが創設されております。これは通いを中心として、随時、訪問や泊まりを組み合わせることができる小規模多機能型の居宅介護だとか、また、夜間対応型の訪問介護など、6種類のサービスがあるというふうになっております。  また、その事業者の指定や監督の権限は、これからは北海道ではなくて市町村で持つとしておりまして、サービスの指定におきましても、地域密着型ということで、日常生活圏域という考え方を入れております。そこで、札幌市では、日常生活圏域をどのように設定するお考えか、お伺いいたします。  それからまた、これまでの介護保険事業計画推進委員会の中では、地域密着型サービスの利用料が既に推計されております。これを見ますと、来年度からの利用が予定されていることと思いますが、実施に向けて、札幌市としてはどのような準備をされていくのか、お伺いいたします。 ◎宮川 介護保険担当部長  2点のお尋ねでございますが、まず1点目の日常生活圏域の設定についてです。  日常生活圏域につきましては、地域密着型サービスの提供に不可欠な計画単位であることから、市内で不均衡のないように設定すべきものと考えております。ただ、これまでの基盤整備が行政区単位で行われてきた経過を踏まえますと、既存の事業や施設を活用し、市内全体で介護需要に対応する必要があることから、当面は行政区を基本とし、10圏域にすることで介護保険事業計画推進委員会にお諮りしたところでございます。  なお、今後は、地域密着型サービスの基盤整備の動向と利用状況を見きわめた上で、段階的によりきめ細かい圏域設定に移行することも想定しております。  2点目の地域密着型サービスの準備についてです。  これまでの高齢者介護は、施設への入所が中心に考えられておりましたけれども、これからは可能な限り住みなれた環境の中で、それまでと変わらない生活を送ることができるようにすることが重要であるとされており、新たに地域密着型サービスが創設されたところでございます。札幌市といたしましても、その重要性を考え、一定の推計のもとに、地域密着型サービスの需要を見込むなどの作業を行っているところでございます。  今後は、新規参入する事業者への相談、受け付けや指定など、平成18年度から事業が円滑に展開されるように準備を進めてまいりたいと考えております。 ◆小林郁子 委員  地域密着型サービスは、柔軟にやっていただけるのではないかと期待しております。  最後に、保険料についてお伺いいたします。  今回の改正で、保険料の段階設定がある程度市町村で判断できるというようになりました。これまでは5段階で、第2段階の所得の幅が広いということで、それについては分ける必要があるということが言われておりましたけれども、今回は課税層を多段階にするということが可能になったわけですが、札幌市としましては、これについてはどのようにお考えか、お伺いいたします。  それからまた、税制改正も行われておりまして、65歳以上の方にかかる住民税の非課税限度額125万円が廃止されます。サービスによって住民税が課税か非課税かで分かれているものがかなりありますから、多くの方に影響があると思います。介護保険料もその影響を受けるわけですけれども、この影響を受ける人はどのくらいいるのか。そしてまた、これについてはどのように対応されるのか、お伺いいたします。 ◎宮川 介護保険担当部長  ただいまの2点の質問でございます。  まず1点目の保険料の多段階設定の件でございますけれども、札幌市の現行制度におきましては65歳以上の第1号保険料は、標準的な5段階としております。ただ、委員もご指摘のとおり、非課税層の段階が幅広く、低所得者に対する負担が重くなっているとの意見が多かったことから、今回の制度改正におきまして、負担軽減のため新たに新第2段階が創設され、また、負担能力をきめ細かく反映した保険料の設定を図る観点から、課税層の多段階設定も対応可能となったところでございます。  これらのことから、札幌市では、介護保険事業計画推進委員会におきまして議論していただいており、現在2区分となっている課税層の多段階化を図るため、全体では現行の5段階から7段階に細分化する方向で検討に入っているところでございます。  2点目の税制改正の影響を受ける人数とその対応でございます。  税制改正により、平成18年度から適用となる合計所得125万円までの、いわゆる老齢者非課税限度額の廃止によりまして、段階の上がる方は約3万2,000人、このほかに家族が課税になることによって段階が上がる方につきましては約1万人と試算してございます。その影響が大きいことから、札幌市といたしましては、保険料の負担率を変更いたしまして、2年間で段階的な引き上げとなるよう緩和措置を行うことを検討しているところでございます。 ◆小林郁子 委員  新たに課税対象になることによって、保険料段階が一気に2段階ぐらい上がる人も出てくるのではないかなというふうに思っております。  また、低所得者対策ということで、施設での居住費とか食費の負担を受けている人がいますけれども、それが受けられなくなる人が出てくるのではないかということを聞いておりますので、ぜひ、その点、十分ご配慮いただきたいと思います。このことを要望しまして終わります。 ◆小谷俵藏 委員  それでは、私の方から、ボランティアバンクというものを、これからぜひ創設していくべきではないかという観点に立って、質問させていただきたいと存じます。  現在の経済動向、そして少子高齢化、保健福祉にかかわる財源にしましても、急速な伸びを示しております。今から10年前ですと、全体に占める割合は16.4%、1,289億円ということでございました。現在は予算全体に占める割合が25.5%、これは予算ベースで申し上げておりますが、17年には2,000億円を超える予算が組まれているわけであります。これは一般会計でございますから、特別会計の中で高齢者保健の関係で介護保険など莫大な数になっていくわけですね。そういったことを考えながら、これから高齢者、あるいはこの場合、直接は含まれませんが、障がいを持った方等にかかわる財政というものは非常に厳しくなっていくわけでありまして、これから大事なのは、高齢者に対するさまざまな支援について、行政としてこの辺で新たな視点に立った考え方、方向性を見出していくべきではないかと考えるわけであります。  そこで、ボランティアによる高齢者支援活動について、有償ボランティアではなく互助の精神、お互いに助け合う、まさに人という文字そのものの精神にのっとった観点で、活動した人みずからが、やがて自分がお世話にならなければならないときにサービスの提供を受けられる、そういう活動の預託ができるボランティアバンクの創設をしていく必要があると考えるわけであります。  そこで、財団法人札幌市在宅福祉サービス協会についてでございます。ここでは在宅福祉サービスを提供する協力員派遣事業を行っているわけでありますが、有償ボランティアと、時間預託をしている者の内訳について、まずお示しいただきたいと思います。 ◎中田 保健福祉部長  在宅福祉サービス協会が行っております協力員派遣事業における有償ボランティアと時間預託の内訳ということでございます。  サービスの内容としましては、家事援助サービス、生活援助サービス、子育て支援サービスの3事業となっており、そのうち時間預託ができるものは調理、清掃などの家事援助サービスとなっております。  この内訳でございますが、16年度では有償ボランティアとして約900人の方が登録しており、3万3,500時間ほどでございます。うち時間預託を選択されている方は約20人で433時間となってございます。 ◆小谷俵藏 委員  在宅福祉サービス協会でも、時間預託を行っているということで、内容的には家事援助サービスがそうなっているというご説明がありました。これは大変いいことを実施されているなと私は考えておりますが、サービス協会だけではなくて、どこでも、だれでもサービスを受けられる、サービスをする、全市的に他の民間団体にもこれを呼びかけていく必要があるのではなかろうかと思うわけであります。  また、市民互助の精神を普及する上でも、長期にわたってボランティアバンクの基本的な仕組みをつくっていくべきではないかと考えるわけであります。ハードルはいろいろありましょう、国の制度にもまだ具体的なものはないかもしれません。しかし、今こそ、札幌市が発信市としてこういう取り組みの骨子をつくって、これからは全市民がこうした活動を展開していけるようなことが大事じゃないかなと。とても今のままでは大変ですよ、市の財政は完全にパンクです。まず自助努力、そして支え合いの互助、その上に立って公序がなければなりません。  したがって、市が何もかもやるというのではなく、この互助という大切な部分を札幌市が政策として真っ向から取り組みを行う。  民間がボランティアバンク的なものをつくってやりますよといっても、今、いろいろな問題がある時代でありますから、将来、必ずそれが保障されるかどうかわかりません。したがって、行政がしっかりとした後ろ盾になって、責任を持って、民間がやっていけるようなシステムの構築をやっていくべきではないかと。これは、今、ここで具体的な答弁はできないかもしれません。しかし、これはやっぱり、十分慎重かつ適切に練ってそういう機関をつくっていくべきではないかと私は思いますが、いかがでございましょうか。 ◎横山 保健福祉局理事  今、委員がご指摘になられている点というのは、高齢化を迎えるこれからの社会を考える上で、非常に重要な観点だと思います。  これまでも、今、ご指摘がありましたように、札幌市の中では、在宅福祉サービス協会が、行政そのものというよりは、行政の関与をもって、その中である程度保障力を持ちながら進めるということをやってきたところでございます。今後の社会を考えた場合、やはり互助の精神だとか自助の精神というものをうまく組み合わせていく方法を研究していかなければならない部分があるだろうと思いますので、先進事例なども含めまして、多少お時間をいただきながら研究させていただきたいというふうに考えております。 ◆小谷俵藏 委員  多少時間をかけながら研究していきたいという趣旨でありますが、これは研究どころか積極的に取り組んでいかなければならない時代に入ってきているのです、正直言って。これだけ福祉にかかわる財源がウエートを占めています。景気のいいときはそこにある程度ウエートを置いてもいいですよね。しかし、こういう厳しいときに、その部分、ほかの財源に非常に大きなしわ寄せがいっているという現実がありますから、そういったときに、やはり何でもかんでも、あれやれこれやれということではなくて、物によってはそれも必要でしょう。しかし、介助だとかいろいろ面倒を見るといったことについては、専門知識を持った方ももちろん必要でしょうけれども、それほど専門知識がなくても、人生経験があって、時間にある程度ゆとりのある方が、私は元気だからひとつ頑張っていきましょう、年をとってお世話にならなければならないときには胸を張ってお世話いただけるように今やっておきましょうと、これをきちっと制度化するとそういう方がふえてくる、このように私は信じて疑っていないのです。どうか、ひとつ積極的に検討し、取り組みをしていただくことを申し上げて、質問を終わります。 ◆桑原透 委員  私から、介護保険制度改正に伴う要介護の中・重度者への在宅介護サービスについてお伺いいたします。  今回の介護保険制度改正の概要を見ますと、介護予防重視型システムへの転換として、軽度の要介護者などを中心に、運動機能の維持・向上や口腔ケアなど、要介護状態等の軽減、悪化防止に効果的な事業や、要支援、要介護になるおそれのある高齢者を対象とした介護予防事業に力点を置いたものとなっております。  一方、こうした軽度の方を対象とした施設も重要でありますが、在宅で、住みなれた地域で最期まで暮らすことの意義を考えますと、要介護状態が中度、あるいは重度となった方々に対する在宅介護サービスを充実していくことは、今後、ますます重要であると考えております。  しかし、高齢者の感情は、子どもたちに迷惑をかけたくない、世話になりたくないという意見が多く、北海道では、病院などで亡くなる方が全国で一番多いと言われており、その理由は多岐にわたると考えます。北海道は病院や施設は充実していると言われておりますが、その反面、病院や施設は在宅に比べて保険料が高いという問題も言われております。  本市での特別養護老人ホームへの入所を希望する待機者数は、本年6月末現在で約4,500人と聞いておりますが、私は、こうした施設入所待機者の中にも、在宅生活を最期まで続けたいという方々がいるのではないかと思っております。在宅生活を続けたいが、在宅での介護サービスを受けると家族の負担が大きいなど、さまざまな事情から、やむなく施設入所を希望するようになったのではないかと考えているところでございます。  本市が昨年、要支援、要介護1、要介護2の認定者を対象に実施した札幌市要介護認定者意識調査によりますと、今後の介護保険サービスの希望内容について、住みなれたところで最後まで介護を受けられるサービスと回答した方が最も多く57.4%、身の回りのことが自分でできなくなったときの暮らし方について、老人保健施設に入所したいという方が7.0%、特別養護老人ホームに入所したいという方が9.8%、介護療養型医療施設に入りたいという方が14.2%と、施設入所を希望する割合が低いのに対し、今後とも自宅で暮らしたいと回答した方は53.7%と高い割合になっており、介護を受けるようになっても、住みなれた地域で在宅生活を続けたいと考える人が非常に多い状態になっております。  在宅での介護サービスが充実したものとなれば、多くの方がその希望どおり在宅生活を続けることができるものと考えるのであります。こうした希望にこたえるためには、利用者の実情に応じたきめ細やかな介護サービスが必要であり、また、家族の負担を考慮した柔軟なサービス提供が求められると思います。
     そこで、質問ですが、要介護状態が中度、あるいは重度となった方々が在宅での生活を希望している場合、そうした方々への支援を強化すべきと考えますが、今回の介護保険制度の改正により、こうした支援の強化がどう行われたのか、伺います。  また、寝たきりの方々は、多くの場合病弱でもあり、介護サービスとともに、在宅医療の面でも充実が求められております。現行の介護保険制度では、訪問介護や居宅医療管理指導などの医療系のサービスがありますし、介護認定の際には、主治医の意見書が判断の資料となるなど、介護制度は医療との連携は欠かせないものと考えております。こうした点について、今回の介護保険制度改正の際にはどのような検討が行われたのか、あわせてお伺いいたします。 ◎宮川 介護保険担当部長  2点についてお答えをいたします。  まず1点目、今回の制度改正における要介護状態が、中度あるいは重度となった方々への在宅生活の支援強化についてです。  これからの高齢者介護のあり方といたしまして、本人や家族の状態の変化に応じて、在宅でもさまざまなサービスが切れ目なく適切に提供されることが求められており、今回の制度改正では、中度、重度の高齢者や在宅支援の強化などを図る観点から、新たなサービス体系が創設されました。  そのうち、先ほど答弁いたしました地域密着型サービスでございますけれども、これは、身近な地域で、その特性に応じた多様で柔軟なサービス提供が可能となるものでございます。  一例といたしまして、夜間対応型訪問介護では、在宅の場合でも、夜間を含めて24時間安心して生活ができるように定期的な巡回訪問、または通報による随時訪問をあわせたサービスが提供されるものとなっております。  また、小規模多機能型居宅介護では、通いを中心として、その方の状態や希望に応じて随時、訪問や短期間の泊まりを組み合わせて利用することが可能となっております。  したがいまして、札幌市としても、こういったサービスが市内に順次整うよう目指していきたいと考えております。  2点目の介護と医療の連携につきましては、難病など医療ニーズと介護ニーズをあわせ持つ在宅の中度、重度の方への対応という観点から検討が行われており、今、申し上げました夜間対応型訪問介護などの地域密着型サービスを創設、充実することにより、24時間切れ目のない介護が可能となり、その中で体調の変化に対し、訪問看護ステーションや地域の医療機関と連携することにより対応するなど、介護と医療の連携強化の検討がなされております。  また、地域密着型サービスの一つであるグループホームの入居者に対して、必要な医療ニーズが生じた場合、現行制度では医療機関への入院などを余儀なくされるケースもありましたが、今後は、外部の訪問介護サービスを活用し、グループホームでの生活が継続できるようにするなど、現在、国の社会保障審議会介護給付費分科会におきまして、具体的な内容の検討が行われているところでございます。 ◆桑原透 委員  今の答弁で、在宅生活の支援強化と検討内容はわかりました。しかしながら、実際、自宅で療養、そして介護している方の問題など、まだいろいろな問題が内在していると思います。  本市としても、今、言われました24時間切れ目ない介護が可能になったということもありますが、その実態、また、人によって介護の仕方も違ってくるのかなと思っています。それに向けてぜひ議論をしていただければというふうに考えております。  次に、寝たきり高齢者などへの在宅生活支援について質問いたします。  先ほどお話ししました調査の回答にもあるように、要介護度の中度あるいは重度となり、たとえ寝たきりになっても、最後まで地域で、そして在宅で自分らしく暮らし続けたいと思っている方が多いことがわかりました。これにこたえていくことが大変重要だと思っています。  そこで、質問ですが、こうした中で、寝たきりの方などへの在宅生活を支えるために、家族の負担を考慮した手厚い介護サービスはもとより、今後、ターミナルケアを含め在宅介護、医療の両面からの支援がますます重要であると考えられますが、本市として、この点についてどのようにお考えなのか、このことについてお伺いいたします。 ◎宮川 介護保険担当部長  寝たきり高齢者などの在宅生活支援についてでありますが、高齢者の在宅療養生活を支援するために、地域の在宅医療を担う医師と、ヘルパーや訪問看護などに従事する方たち、それからケアマネジャーなどが連携し、支援の質の向上を目指して研修や事例研究を行う在宅ケア連絡会などを開催しております。それらの会議に区の職員も積極的に参加し、医療と介護、保健・福祉の総合的な連携による在宅生活支援が充実するように努めております。  今後も、介護や医療を必要とする市民が、住みなれた地域で最期まで質の高いサービスを総合的に受けることができるように、関係機関と連携を図り、在宅生活支援の充実強化を図っていきたいというふうに考えております。 ◆桑原透 委員  この制度は多岐にわたる支援があるというふうに思います。しかしながら、自宅にいる方がそういったものをどのように組み合わせていくかということについては、やっぱりケアマネジャーとの連携が必要なのかなというふうに私は思います。  しかし、ケアマネジャーによって大変違うということも聞いておりますので、そういうことのないように、先ほどの答弁で、これからもいろいろと研究し、そして区の職員も積極的に参加しながら、多岐にわたり支援をしていくということを言われていますので、ぜひお願いしたいと考えています。  最後に、要望になりますが、高齢者の在宅支援については、本市においても、小規模多機能サービスなど、充実した介護サービスが行われるよう期待いたします。今後は、介護サービス機関と医療機関がしっかりとした連携の上で、在宅サービスが行われることを要望して、私の質問を終わります。 ◆涌井国夫 委員  私からは、成年後見制度の利用支援について、それと認知症高齢者の対策について伺いたいと思います。  まず初めに、成年後見制度の件でございますけれども、ご案内のように、最近、不要なリフォーム工事を契約させて多額の代金をだまし取るリフォーム詐欺など、高齢者をねらった悪質商法が大きな社会問題となっています。  国民生活センターによりますと、70歳以上が契約当事者である相談件数は、昨年度で12万4,831件、4年間で約3倍も急増したとあります。また、リフォームの訪問販売に関する相談のうち、認知症など十分な判断能力を持たない人が契約した比率は、今年度に入りまして6.9%、10年前の約5倍に達したということでございます。  こうした認知症などの判断能力が不十分な高齢者を守るための制度として、親族など後見人が財産管理や契約を代理する成年後見制度がございます。また、社会福祉協議会が金銭管理サービスなどを行う地域福祉権利擁護事業もございます。特に、成年後見制度でありますが、制度についての認知度が大変低く、対象者の判断能力の鑑定に5万円から10万円ほどかかるということもありまして、経済的な負担が大きいと言われております。  そこで、まず成年後見人のうち、頼れる家族がいない独居高齢者など、市長が家族にかわって申し立てた成年後見制度の後見人付与件数は何件になっているのか。また、金銭管理サービスなどの地域福祉権利擁護事業の利用実績は何件になっているのか、お伺いしたいと思います。  次に、認知症高齢者対策について伺います。  認知症の人の暮らしを支えるには、介護保険サービスを初めとする公的サービスとともに、簡単な日常生活支援の手助けなど、地域での支援ネットワークが非常に大切だと思うわけであります。地域での有機的な支援ネットワークがあれば、認知症の人の行動障がい、あるいは悪徳商法被害などを防止することにより、住みなれた地域で暮らし続けることもできるわけです。つまり、地域においても、町内会あるいは商店街、郵便局など、たくさんの人たちに目配りをしていただいて、認知症の人が生活しやすい支援の仕組みが必要だというふうに思います。  そこで、札幌市は、認知症高齢者対策をどのように認識しておられるのか。また、今後はどのような認知症対策を進めようとしているのか、お伺いしたいと思います。 ◎中田 保健福祉部長  まず1点目の成年後見制度におきまして、申し立てるご家族などがいらっしゃらない場合に、市長がかわって申し立てるという制度でありますけれども、実績としましては、平成14年度、15年度においては12件、11件と推移しまして、16年度では2件でございました。そのほかにも数件のご相談はいただいております。  また、社会福祉協議会がやっております、一定の判断能力がまだ残っているけれども、意思能力不十分という方に対しての日常の金銭管理、また、福祉サービスの利用支援などを行っております地域福祉権利擁護事業の実績としましては、平成14年度から16年度まで50件、87件、109件と推移しております。  それから、認知症施策に対する認識、あるいは今後の進め方ということでありますが、ご指摘のように、これからは認知症の方がふえていくと。また、要介護の方の半数以上が認知症であるといったようなことから、国の方は、今後の高齢者介護の中心を認知症に据えるということを明確に打ち出しておりまして、介護保険制度改革などにおいても、具体的にそれが反映されてきております。  私どもは、認知症につきましてはやはり早期把握と適切なケアということが重要だと考えておりますし、ご指摘のような地域での認知症を支えるネットワークといいますか、そういう形が非常に重要であると考えております。それについては、具体的なお話になりますけれども、国は、認知症になっても安心して暮らせるまちづくり100人会議というモデル事業をつくっておりまして、地域でサポーターと言われる、いわゆる認知症の方を支援する方をどんどんふやしていこうということで、これをさらに指導する方をキャラバンメイトと言っておりますが、この養成講座を実施する事業を行っております。  100人会議には、上田市長もメンバーとして加わっておりまして、そのような関係から、ことし8月には、札幌でもこの講座を実施して、200人近い指導者が誕生したところでございます。  また、日常かかりつけのお医者さんも、この認知症に対しての理解を十分していただくことが早期把握、あるいは適切なケアに結びつくということで、これも国のモデル事業として行われているものでありますが、今後、札幌市医師会も研修等を行っていくということであります。  また、適切なケアを充実するということにつきましても、昨年、それぞれの施設のケアに携わっている方々は心身の状況をどう把握するかとか、どのような行動に対してどう対応するかといったものを具体的にマニュアル化し、さらにもっと充実した形の取り組みを目指したモデル事業を全国16市町村で行っておりまして、札幌市も61事業所が参加し、その結果をまた研修会で報告し、議論をするといった場を設けております。私どもは、今後、それらの事業を継続し、さらに充実させてまいりたい、また、関係機関とも協力をしながら充実を図るように取り組んでまいりたいと考えております。 ◆涌井国夫 委員  今、成年後見人の、いわゆる市長申し立ての付与件数は、平成16年度2件というお話をいただきました。  成年後見制度については、任意後見制度、また法定後見制度があり、法定後見制度の窓口は、家庭裁判所になってございます。私が調査いたしました札幌家庭裁判所の札幌管内の調べでございますが、後見類型が285件、保佐類型が99件、それから補助類型が67件で、合計で451件になっておりまして、市長申し立てとはいえ、16年度2件というのは極めて少ないのではないかと思うわけです。  地域福祉権利擁護事業についての相談件数が、15年度4,693件から16年度6,534件、1.39倍にふえているという状況にあるにもかかわらず、市長申し立ての利用実績ということで考えると2件は極めて低いと思うわけであります。  そこで、制度そのものの周知徹底が具体的にどのようになされているのか伺いたいと思います。さらに、今後、周知徹底の取り組みとして、どのように考えているのか、お伺いしたいと思います。  また、認知症高齢者対策についてですが、今、お話にありましたように今年度からスタートしたキャラバンメイトという事業は、2004年12月に痴呆症から認知症ということで呼称が変更されたことを契機として、認知症の状態、あるいはまた、その人たちを抱えているご家族の方たちを地域が理解することによって、だれもが暮らしやすい地域をつくっていこうという官民が力を合わせた運動であり、認知症サポーターを育成していくという大変すばらしい事業だと私も思います。  行政職員の方たちにも率先してやっていただいたらどうかと思うんですが、こうした多くのサポーターが地域に育つことによって、地域での認知症を理解する人材がふえるわけですが、実際に地域でコーディネートというのでしょうか、認知症高齢者の支援ネットワークの核となる専門機関が必要だと思います。  その意味で、先ほども若干触れておりましたが、来年スタートする地域包括支援センターに大変期待するところであります。新たにつくられる地域包括支援センターでも、権利擁護の視点を盛り込んで取り組んでいこうと、これは国の方で盛り込まれたということでありますが、権利擁護について、具体的にどのような支援をしていくのかということについて、伺いたいと思います。 ◎中田 保健福祉部長  まず1点目の成年後見制度の周知徹底ということに関してであります。  高齢者の方にかかわっているご家族の方はもちろんですけれども、主にそのような状況にある方が、ご相談に訪れる区役所や在宅介護支援センターにおける職員の対応ということが非常に大事であると考えておりまして、まず、私どもはその方々、あるいは札幌市職員に向けた手引書を作成しまして、適切な支援、あるいは相談を受けられる体制を図ったところでございます。  また、一般的な制度の周知ということに関しましては、先ほど申し上げました社会福祉協議会で行っております地域福祉権利擁護事業の相談とあわせてパンフレットの配布なども行っておりますし、成年後見制度についての相談を受ける中で啓発を行っております。また、法務局、家庭裁判所などにおいても、パンフレットの配布、あるいはテレホンサービスの実施といったことを行っており、これらの関係機関とも連携をしながら、この制度があることを市民に知っていただけるように、私どもはさらに効果的な啓発に努めてまいりたいと考えております。  それから、2点目の地域包括支援センターにおきまして、権利擁護に関する役割を担っていくことになるわけですけれども、基本的には、まず、地域で高齢者の支援にかかわる民生委員、あるいはケアマネジャーなどの総合的な相談窓口という位置づけであります。  適切なケアの提供、あるいは権利侵害の最たるものでありますが、やはり虐待防止といった部分、一般的な権利擁護にかかわるさまざまな相談を受けて、必要な場合には関係者による検討会議を開催するといったことや、成年後見制度などを含めた必要な制度の利用について総合的な支援が十分効果的に行えるように、調整や助言・指導する役割を担っていくことになります。 ◆涌井国夫 委員  成年後見制度の周知ということで述べますと、成年後見制度の利用者というのは、高齢者ばかりではなく若い人もなり得るわけで、例えば、お子さんがいる若い人が脳梗塞で倒れる、−−病院など窓口にも、さまざまな相談を受けられる係の方がいらっしゃいますけれども、特に、そういうところにもパンフレットを置いておく必要があるのではないかと思います。もっと広範囲にきめ細かく徹底していただくことが極めて大事だと思っているところでございます。  この前、資料をいただきまして、成年後見センター・リーガルサポート、あるいはまた社会福祉協議会、権利擁護センターもその相談窓口を担っているということで、当然、弁護士会もやっているわけですが、やはり市民の方たちが利用しやすく、余り負担のかからないようにしなければいけないと思うわけであります。  まず、1点目は、こういったようなリーガルサポートや権利擁護センター、社会福祉協議会でやっていることを、もっときめ細かく周知していかなければならないというふうにも思います。  さらに、最近の報道でございますけれども、東京都の場合ですが、弁護士あるいは司法書士、今言った社会福祉協議会など、第三者に後見を頼むケースが大変ふえていますが、第三者による後見では、専門家の不足や報酬を払う必要があることから、低所得の人は利用しにくい面が起きている。  成年後見人がボランティアや、少額の報酬でも済み、利用促進が図れるよう、成年後見人を市民から一般公募して養成するということで、今年度は50人を公募し、育成していこうという報道がございました。  恐らく成年後見制度は、市民に十分伝わっていないのが現状だと思います。したがいまして、成年後見制度を一人でも多くの方が周知していただく工夫を考えていただき、多くの方に利用しやすいようにもっともっと支援をしていかなければいけない。こういった東京都の取り組みも一つの参考としてぜひ取り組んでいただきたい。これは要望にしておきたいと思います。  認知症高齢者対策でございますけれども、今、キャラバンメイトのお話をしていただきましたように、今年度は国のモデル事業ということもあって、来年も養成研修に取り組んでいただけるということでございますので、ぜひ多くの方に認知症を理解していただけますように、そしてまた、支える仕組みが早くできますように工夫して取り組んでいただきたいと思います。 ◆坂本恭子 委員  私は、敬老優待乗車証、いわゆる敬老パスについて質問させていただきます。  今年度から敬老パス制度は利用上限額の設定、そして自己負担の導入と二重の改悪がなされたわけです。  従来の無料敬老パス制度から、いわゆるかぎ括弧つきの敬老と、そしてパスではなくてカードの発行ということで市民、とりわけ当事者である高齢者から不安と不満が噴出している。そういう現状のもとで、私ども日本共産党は、従前から市民不在の改悪であり、敬老の精神をないがしろにするものであるということで、繰り返し議会の中でも議論させていただいてまいりました。  今回は、代表質問の中でも、敬老カードの問題について取り上げましたので、引き続いてこの委員会でもご質問させていただきたいと思います。  私どもは、今回の代表質問でいろいろとお話させていただきましたけれども、そのときは、きょう、いらっしゃる小澤副市長に答弁していただいたわけですが、市民の理解は得られているという答弁でありました。  しかし、私どものもとには、多くの高齢者の皆さんから、利用上限額と自己負担という二重の負担について耐えることができないという声、あるいはもとの制度に戻してほしい、それから自己負担はやむを得ないけれども、利用制限は設けないでほしい、こういうさまざまな声が実際に寄せられております。  実際、市民団体も保健福祉局の方といろいろ交渉というか要望を出していると聞いておりますが、今回の代表質問の答弁にありましたように、市民の理解が得られているとは私は言いがたいというふうに思うのですけれども、この点についての認識を改めて伺わせていただきたいと思います。  それから、私たちの質問について現行制度のもとで、少なくとも1年間は利用実態の把握に努めていきたいと、これもまた代表質問でのご答弁でございます。実態の把握はするけれども、対応については、一切答えておりません。対応はしないということなのか、具体的には、何をどのような手法で実態を把握しようとしているのか、その点について明らかにしていただきたい。  それからまた、実態を把握して、今後、それを何につなげていこうとしているのか、この点についてもお聞かせください。  それから、新制度スタートの年だからこそということで、高齢者の皆さんからはいろいろ具体的な改善策や要望が寄せられているわけですけれども、例えば、年度内に使い切れないカードについては、返金も期間延長もしないということになっておりますが、そのことについて、夫婦、家族間でのカードの共有ということも要望として出されております。  しかし、やはり一番多いのが1万円から5万円まで、1万円刻みでカードを購入するわけですが、これを年度途中に買い足したいということが非常に強い要望として上がっております。  実際、3月に購入するわけですが、最初に購入したカードが少なかったということ、本当はもっとたくさん欲しかったんだけれども、お金がなくて1枚しか買えなかったというような声、それから、春になってから、体の調子を悪くして病院に通うようになり、敬老カードを使わざるを得ないということで、当初思っていたよりも使うことが多くなって足りないという、追加購入についての声が非常に多いんです。  代表質問で、この点についても一つずつご質問申し上げたんですけれども、一括答弁ということで、これについては全くご回答がなかったということですから、この委員会で、この点について明らかにしていただきたいと思います。 ◎中田 保健福祉部長  4点ご質問いただきましたが、まず1点目の市民の理解が得られているかという点でございます。  代表質問の内容を繰り返すことになろうかと思いますけれども、一昨年来多くの議論を重ねて、2万3,000円を上限とする具体的な制度の形をお示しし、さらに議論をして選択制での上限5万円という制度にたどり着き、これを新たな制度としてスタートしたという経過と、さまざまな調査をする中で、私どもは市民の理解は得られているというふうに考えてきたところであります。  また、制度スタート後におきましても、当初4万件を超える問い合わせがありましたが、そのほとんどは申請の仕方、あるいは利用方法によるものでございまして、8月ぐらいでは、その問い合わせは月数百件までに減っております。このようなことからも、理解に基づいて定着しつつあるというふうに考えております。  それから、2点目の利用実態の把握に伴う調査でございます。  これは、私どもとしては年度内に実施する予定でおります。敬老パスを利用されている方につきましては、利用区間、乗り継ぎの状況、利用目的、外出の頻度などを中心にお尋ねする内容で、また、それ以外の方で、公共交通機関を利用している方を含めて1万人程度を対象とした調査を行いたいと思っております。また、その中で新たな制度に対するご意見もお尋ねしたいと考えております。  それから3点目、この調査につきましては、やはり制度がスタートしてまだ1年に満たないわけでありますので、実績の把握、そしてその利用実態を把握するということの一環でありまして、この制度を検証するための参考ということになろうかと思います。  それから、5万円未満の選択をされた方が不足して、さらに追加交付を求めておられる、あるいは一たん交付を受けたもので、使わない場合の返還ということでありますけれども、これにつきましても、長い間の議論の中でこのような制度にたどり着き、2月、3月の交付時期においては、このような制度でありますということを市民の方にご説明し、ある意味ではお約束すると。1年の期間を区切って、5万円を上限として選択していただくという中でスタートした制度でありますので、やはりその内容を途中で見直すということはできないというふうに考えております。 ◆坂本恭子 委員  市民理解のことについてですけれども、事前に議論も尽くして十分に理解されていると、これは代表質問の中でも繰り返しおっしゃっていましたが、同様のお話でしたね。今、お話を伺って、本当に利用者の立場に立っているのかということについては、私はやはり懸念を申し上げざるを得ないというふうに思っております。  最初はコールセンターで4万件の問い合わせがあったものが、今は月数百件で推移しているので、そのことでも実証されているのではないかというお話でもありましたが、それでも数百件の問い合わせが来ているということから言いまして、本当にそれが市民の中に浸透して理解されているものなのかどうなのか。私は、やはりそこはきちんと検証といいますか、実態調査をしていく必要があるだろうというふうに思っております。  代表質問の答弁の中でも、議論を尽くしてというお話もありましたが、交通事業者から得られる協力の範囲、それから札幌市の財政状況等を総合的に判断し、その上で市民の理解は得られているという言い回しになっております。理解を得ているのは、実は交通事業者と札幌市の財政サイドであって、やはり当事者である高齢者は、泣く泣く我慢をさせられていると。先ほど言いましたが、本当に善意の気持ちから、自己負担は仕方ないけれども、利用制限はしないでほしいというのが高齢者の皆さんの率直な思いだというふうに思います。そこら辺をしっかりとお酌み取りいただく必要があると思うのですが、改めてこのことについての見解を伺いたいと思います。  それから、実態調査についてですけれども、調査は年度内に行っていきたいということで、1万人程度を対象に、利用区間であるとか乗り継ぎの状況、あるいは目的だとか利用頻度を聞くというお話でした。この間は全く実態調査については明らかにされておりませんでしたから、これをやっていくということで、一歩踏み出したのかなというふうにも思いましたが、今、部長の答弁の最後に、実態調査は、検証のための参考にするんだと。ということであれば、結局、制度の改善に反映されていかないのかなというふうに私は思うんですけれども、1万人ということですから20分の1ですよね。  そこで、実態調査にかかわって伺いたいのは、これで本当に利用者全体の意向をつかみ切ることができるのかどうなのか。  ただいま申し上げましたように、今後の制度改善に反映されないのか、そういうお気持ちがあるのかどうなのか、これを伺いたいと思います。  来年3月にまた交付事務があり、そのときに、利用されている方、それから新規に利用する方、全員に対して郵送作業をしなければならないわけですから、その中に、例えば、調査票を折り込んで、利用者全体の声を把握するなどということは極めて実務的な問題で、対応可能だというふうに私は思いますから、その点について検討するお考えがないのかどうか、伺いたいと思います。  それから、代表質問でも伺いましたが、これもお答えがありませんでした。私どもはやはり住民参加ということ、利用者が本当に参加するということで言えば、あり方検討会というものを改めて設置していくことの必要性を感じておりますが、そのお考えがないのかどうか、これを伺いたい。  それから、3点目の追加購入についてですけれども、当初の交付ルールだからこれは変えようがないというお話でございました。ことしの2月2日に敬老パスの交付規則が変わりました。この趣旨の中に新たに盛り込まれたものとして、外出支援というものがあります。今回、敬老カードになったということで、外出したいけれどもできない、ボランティアをやっていたけれどもその回数を減らした、あるいは老人クラブの行事に参加できなくなったとか、いろいろな声が聞こえてくるわけで、私たちは外出抑制につながっていると理解しています。その意味でも、今回改正された規則の趣旨に逆行していると思っております。  冬にはどうしても使わなければならないから、例えば、敬老カードを持っているんだけれども、今はバス停二つ三つのところだったら我慢して歩いて、冬場に残しておくという高齢者の声も聞いています。本当に涙ぐましい実態があると思うんですけれども、やはりつるつる路面ということもありますし、冬場にこそ敬老カードを使わざるを得ないというような状況です。  ルールがあるから追加購入、発行はできないというしゃくし定規な考え方ではなくて、冬場にこそ外出支援、あるいは高齢者福祉という立場から、私は年度内の追加購入、発行はやるべきだと思います。  先ほどもちょっと引き合いに出しましたけれども、今回の制度改定に当たっては、交通事業者との協力が大きな要因だったと思いますが、5万円の限度額まで買っていない高齢者に対して、5万円を限度として、その差額分のカードを購入してもらうということは、交通事業者との協議は全く関係なく、実績ベースでお金を払っていけばいいだけの話ですから、本市の決断だけで実行できるものだと思います。新年度ということもあり、やはりこれはやるべきだと思いますので、この点について、改めて福祉の観点も含めてお話を伺いたいと思います。 ◎横山 保健福祉局理事  多岐にわたっておりますけれども、1点目の大くくりでの市民理解、現制度に対しての見解ということでございますけれども、改めてお答えさせていただきたいと思います。  やはり長い間、多くの議論を経て、ことしの4月からスタートをさせていただいたということでございます。その間にもいろいろお話をいただいておりますが、一つには、敬老の精神というのは失わない中で、こういう制度をどうやって維持して、将来的にも継続していけるかということ。それから、やはり外出支援が大きな部分でございます。そういう面だけから言えば、従前のように無料のパスであれば、利用する方にとっては一番望ましいかもしれません。  この間、さまざまなアンケート調査とか、いろいろな声を聞いた上で、外出支援の範囲、程度というものを、限度額5万円、それから負担についてはできるだけ少ない中でやっていこうということでお認めいただいたところでございます。  利用者は何も理解をしていないと、交通事業者と札幌市だけが理解したことになっているんではないかというご指摘でございますけれども、決してそうではなくて、やはり今後続けていくためにこの制度を何らかの形できちっと残していくためには、今の制度の中で実績等を一度きちっと見て、全般的な市民の皆さんの声を聞いて、将来的にどうしていったらいいかという検討を進めるというのが、今後、我々がやっていかなければならないことだというふうに思っております。  代表質問の中で、財政状況も勘案の上ということもお答えさせていただいておりましたけれども、それは、やはり敬老パスだけではなくて、今、高齢者福祉に関する予算は膨大なものになっております。介護保険の対象者もどんどんふえております。税金あるいは皆さんの保険料をどういうふうに配分していったらいいのかというところで、今後も多くのお金がかかっていくと思いますので、そういうバランスの中でも考えていく必要があるということを、財政状況等も勘案の上という中に含めてお答えさせていただいたところでございますので、どうか理解していただきたいというふうに思います。 ◎中田 保健福祉部長  私から、予定しております実態調査の結果の活用についてですが、やはり制度がスタートして1年目ということで、実績の把握、分析とあわせて、利用実態を把握することが大事でありますから、まずその一環として行うことであります。もちろん、制度が一定程度定着をした後、当然、またこの制度に関しての検証ということになるわけですから、その中においてさまざまな議論が行われると思いますので、そういうものの有効な材料になると考えております。  それから、なるべく早く追加購入などの措置をとるべきであるという、特にその部分についてのご指摘でありますけれども、制度の趣旨ということからも、これがスタートする時点では、1年間を区切ってその中で選んでいただくと。間もなく来年3月には次の1年間の交付時期が来るわけです。そういうようなこととした制度の趣旨ということからご理解いただきたいと思います。  実務的に申し上げましても、年度途中で交付するということになりますと、これまで交付した実績を、データを稼働できる状況にしておきまして、過去に何枚交付を受けられて、さらに今回何枚を希望されるということで、その差額を計算し、納付していただく手続、そして実際に交付するということになり、単に申し出があってすぐ交付できるということではございませんで、実務的にも大変な負担という一面もございます。  そのようなことから、やはり制度を円滑に運用していく観点からも、この段階で直ちにということにつきましては難しいと、あるいは制度の趣旨からもできないということでありますので、その点をご理解いただきたいと思います。 ◆坂本恭子 委員  今、理事と部長からご答弁がありましたけれども、要するに、交通事業者の協力もあり、財政的な問題もあり、敬老の精神は持ちつつも持続可能な制度にするために市の責任で縮小したということなんだと思います。  結局、そこで当事者である高齢者が犠牲になっているということ。それから、今、理事からは、高齢者福祉ですごくお金がかかっていますと、介護保険の対象者もふえてそこにもお金がかかっていく、法律が変わって、制度が変えられていくわけですし、保険料の引き上げということもあるわけで、それは高齢者ご自身も負担がふえていくということですけれども、今、高齢者福祉にお金がかかっているという物の言い方ですね、これについては高齢化は悪であるという、そういう見方がどこかに貫かれているんじゃないのかなという気がします。ここに敬老の精神というのは全く感じられない、そういうふうに思います。  中田部長の方からは、制度の趣旨があるので追加購入はできないと、システムの問題等もあるということでしたけれども、やはりここは実態を見ないやり方だなと思いますね。最初に、横山理事は、敬老の精神を守りながらということをおっしゃいました。それとこの制度の趣旨から追加購入ができないということとは相反する流れだというふうに思います。実態の中から制度というのは生まれてくるわけですから、そこについて何を大切にして制度を守っていくのか、改善をしていくのか、そこのところがやはり私は……、皆さん何かやじを飛ばしていますけれども、高齢化が悪だという見方というのは確かにあると思う。  代表質問では小澤副市長が答弁してくださいましたから、私は、最後に、副市長から改めてこの高齢者福祉全体、それから敬老パス制度、そして今の敬老カードに対してのご見解を伺いたいと思います。
    ◎小澤 副市長  基本的には、今、横山理事からお話ししたとおりなんですが、確かに財政的には非常に厳しい状況があります。従前の制度でいきますと年間2億円程度ずつ毎年ふえていくという現実があるわけです。先ほど来申し上げておりますように、この制度を持続可能な制度としてやっていくためには、財政的な側面と利用者のご負担と、それからこの制度を支えるそのほか多くの市民の方々の理解をいただかなければいけない、それからバス事業者の理解、そういう総合的な要素を判断して現在の制度でスタートさせていただいたということであります。  私どもは、決して高齢になることが悪だということは全く思っていませんで、それは撤回していただければと思っています。私も、敬老の精神を大切にするということを言っているわけですから、それは認識を改めていただきたいと思います。  先ほど来申し上げておりますように、この制度を1年間持続することによって、どんな実態にあるのかということをきちっと調査したい。今、坂本委員のおっしゃった実態もそれは一部にあるでしょうけれども、私どもは、大きな規模の実態調査をして、全体状況を見きわめた上で、改善すべき点があるとすればそれはきちっと改善するということであります。  いずれにしても、地方行政は国家財政の影響もありまして、非常にお金がないというのは全国どこの自治体でも共通している話題ですが、その中でどういうふうに費用対効果とか、むだのない行政を進めていくかということは非常に大切な視点でありますので、この制度も実態調査の結果を踏まえて、税金を使った以上はきちっと効果が出るように見直すということで、これは行政全般に言える話であります。 ◆坂本恭子 委員  今、副市長は、最後に1万人規模で実態調査もするので、これは全体状況を見て改善すべきは改善するというお話をされました。  私は高齢化が悪であるということについて撤回する意思はございませんけれども、敬老の精神を体現するというのが敬老優待乗車証の制度ですので、私はそこを根本的に見直していただいて、本当にこれを柱に据えて改善すべきは改善するという副市長のご答弁でしたから、そこをしっかりと見守っていきたいと思います。 ◆三宅由美 委員  私からは、特別養護老人ホームルミエールの現状について質問いたします。  ちょうど今から1年前の内部告発により発覚いたしました特別養護老人ホームルミエールにおける高齢者虐待問題は、昨年12月20日、本市による改善命令を出すに至りました。  虐待問題では、恐らく全国初の行政処分である点、内部告発した職員や労組、さらにはそれを報道した新聞記者が施設側から訴えられている点など、本件は全国の注目するところとなっていると思います。  そこで、改善命令が出たその後について、何点がお伺いしたいと思います。  昨年12月の改善命令では、虐待の再発防止の措置を講ずること、また、経験豊富な指導的職員の配置など、職員指導体制の充実を図ることが命ぜられております。しかし、私がこのたび介護現場のスタッフから聞き取り調査を行ったところ、ルミエールでは、昨年12月の改善命令以降、介護スタッフの退職が相次ぎ、さらには積極的な人員募集が行われていないことなどから、慢性的な人員不足と経験者、指導者不足の状態が続いているということでした。現在、正規雇用は減り派遣の介護スタッフがふえているそうです。そして、ルミエールにおける介護スタッフの質と量の両面における不足は、再び虐待が起きかねない深刻な職場環境の悪化を招いていると、スタッフの方からお聞きしております。  例えば、レクリエーション行事や週1回のシーツ交換にも支障を来す状態だということです。また、ことしのような猛暑におきましては、お年寄りや体の不自由な入所者に対して、水を飲ませてあげるという水分補給が特に重要な介護業務なんです。この水分補給は、本来小まめに行わなければいけない介護なんですが、ルミエールではそのこともままならず、昼食介護の際に一度に500ccを飲ませるようなこともたびたびあったと聞いております。  私どもの会派では、ことしの2定、そして3定での代表質問の中で、虐待は何が原因で発生するのかということについて、人手不足で、素早い介護をする人が能力の高い職員だとみなされ、そのことが粗雑な介護につながるということで、人材確保こそが虐待を防止する一番の課題だということを申してまいりました。  そこで、質問ですけれども、1点目は、改善命令、改善指導に対する施設側の対応状況はどうなっているのか。2点目は、虐待の事実を内部告発した職員が訴えられている状況で、職員が物を言える仕組みがあるのかどうか。本市といたしましては、職員の声などをどのように把握しているのか。3点目は、入所者数、職員配置の状況をお伺いいたします。 ◎中田 保健福祉部長  3点ご質問いただきましたが、まず1点目のルミエールに関します改善命令、あるいは指導についての施設側の対応状況でございます。  昨年12月に改善命令を出した後、1月に施設側からどのような改善を図るのかという具体的な措置結果報告が出されております。それに基づきまして、それ以後、私どもは毎月の訪問調査を含め改善の状況をチェックし、把握してきております。  改善命令項目は3項目ございましたが、一つ目は、当時、入所者の処遇計画を定期的に見直していなかったり、全くつくっていないといったような状況があり、その点につきましては、家族面談を行いながらサービス担当者会議を開催する、また、ケアプランの定期的な見直しも行われているということを確認しております。  また、二つ目の、あざなど身体的痕跡がある場合の原因究明、あるいは再発防止が極めて不足しているという部分の改善命令につきましては、その後、発生状況をすべて記録し、リスクマネジメント委員会としておりますが、検討する委員会を設置し、原因の究明、あるいは再発防止の検討を行い、必要に応じて入所者家族への説明も行っているという状況でございます。  三つ目の介護技術、あるいは職員の資質の向上を図るための研修の充実、指導者の配置という部分でありますけれども、これにつきましても、施設内での研修、あるいは外部での研修が毎月実施されているという状況でございます。  また、指導項目の中でも、身体拘束の廃止に向けた取り組み、開かれた施設運営ということでは、実習生やボランティアの受け入れや、ホームページを開設するといったようなことも行われておりますし、職員処遇の改善としましては、給与の見直しを行い、また、苦情処理体制の充実ということで、苦情解決委員会を開催し、外部委員を登用するといった対応もされてきております。  私どもは、このように一定の改善は図られてきていると考えておりますけれども、今後、信頼される施設となるように、その対応が効果を発揮していくような形で、さらに指導していきたいというふうに考えております。  また、現状においても、職員の方などからいろいろな指摘があるという部分ですが、私どもも、不適切な処遇、あるいは、これは虐待ではないのかといったような事柄については、調査の時点で会議記録など、あるいはさまざまな形で私どもに寄せられる情報の中で、そのような指摘があることは把握してございます。  また、その部分につきましては、昨年、この問題が指摘された時点と比較しますと、介護職員によるワーカー会議、あるいはフロアごとの会議ですとか、また、入浴、食事、排せつ、行事等の処遇にかかわる内部の専門委員会も設置し検討が行われております。そのような定期的に開催されているさまざまな会議の中で、職員の発言の機会は確保されていると思いますが、今後、ご指摘のような部分も含めて、職員からの指摘、意見、あるいは提案というものが、施設の運営の改善に生かされるような形でさらに指導をしていきたいと考えております。  それから、入所者数、職員配置でございます。入所者数は、定員83人に対して75人の入所、ショートステイにつきましては13人に対し6人の利用ということで推移しております。  職員配置につきましては、常勤換算ということになりますが、17年9月末で36人、うち派遣職員が19人、そのほか正職員など17人ということでございます。看護師を含め入所者3人に1人の介護・看護職員の確保ということになっておりまして、国の基準は満たしていると考えております。  しかし、派遣職員が介護職員全体の半数になっているということから、より適切な処遇を継続的に行うという点では、今後、より職員が定着し、さらに常勤職員の割合が高くなることが必要だと思いますので、その点についても引き続き指導してまいりたいと考えております。 ◆三宅由美 委員  ただいまのご答弁で、改善命令、あるいは改善指導に基づいたさまざまな取り組みが指導されて、そして行われていることは理解いたしました。  しかしながら、このようなさまざまな取り組みがなされているにもかかわらず、一方では、職員から相変わらず人手不足、経験者不足により虐待が起きかねない状況だとの切実な訴えがあります。確かに国の基準は満たしておりますが、虐待の起きた1年前より正職員では約7人の人員が減っており、逆に派遣が1.5人ふえているような状況でございます。  私は、やはりここに一番問題があると思っております。お年寄りにとっては、多分、ここがついの住みかであると思います。人間として尊重され、一日一日、あるいは一瞬一瞬を安心して穏やかに暮らせるようにすることが何よりも優先課題だと考えます。そのためには、何回も言いますが、人手不足、経験者不足、専門家不足への対応が必要だと思っております。また、どの施設が質の高いサービスを行っているかなどの情報公開も必要です。  福祉が措置制度からサービス制度に変わっていくときに、こういうことが言われておりました。利用者の選択が生かされる、そして事業者間の競争が生まれ、質の高いサービスが期待できると、こんないいことが言われておりましたが、現状では、その効果は全くあらわれていないと思います。福祉が食い物にされて、弱者が犠牲になっているというふうに感じることもしばしばでございます。  そこで、再質問の1点目ですが、改善指導事項となっている第三者評価はどうなっているのか。2点目は、人材の育成、確保について、行政としてどう取り組んでおられるのか、お伺いいたします。 ◎中田 保健福祉部長  まず1点目の第三者評価についてであります。  第三者評価の実施機関が未成熟であるという現状がございます。そういうこともありまして、ルミエールについてもまだ実施されていない状況にありますが、現在、北海道におきましては、18年度に向けて北海道福祉サービス第三者評価事業推進機構というものを8月に立ち上げておりまして、第三者評価機関を募集し、それを認証するといったことに向けた準備、それから第三者評価基準そのものの検討といったことが、今、精力的に進められております。このような動向を受けて、私どももルミエールはもちろんですけれども、そのほかの施設においても、第三者評価、外部的な評価が行われるということを推進、指導してまいりたいと思います。  それから、人材育成ということに関しての行政の取り組みであります。やはりいろいろご指摘の問題は、認知症の方にかかわるものが大部分であろうかと思います。  高齢者施設に入所されている方の約8割は認知症であると言われておりますので、認知症に対する理解を深めるとか、その処遇に対する充実を図るといった意味での研修に力を入れてまいりたいと考えております。  国の方でも、平成13年度から国庫補助事業として、施設の職員などに対する研修事業を制度化しておりますけれども、札幌市では、1年前の12年度から老健、特養、グループホームの職員を対象として、介護の専門職員を養成するという観点から実践研修を実施してきております。  今後におきましても、人材の育成、養成というのは非常に大事なことだと思っておりますので、その充実を図ってまいりたいというふうに考えております。 ◆三宅由美 委員  改善命令の三つ目の経験豊富な指導的職員の配置など、職員指導体制の充実を図ることの早急な実施を厳しく指導していただきたいと思います。  また、その他たくさんの改善に取り組んでおられますが、これが形式ばかりではなく、内実が伴っているのかどうかもチェックしていただきたいと思います。  それからまた、施設側は、お年寄りの安心と同時に、職員が働きやすい職場環境を整えるという義務もあると思います。内部告発者の保護を十分行うように要望して、質問を終わります。 ○井上ひさ子 委員長  ここで、およそ1時間委員会を休憩いたします。     ──────────────       休 憩 午前11時53分       再 開 午後1時     ────────────── ○井上ひさ子 委員長  委員会を再開いたします。休憩前に引き続き、質疑を行います。 ◆川口谷正 委員  委員長のご配慮をいただきまして、午後1番で質問させていただきたいと思います。  社会福祉法人大友恵愛会の介護報酬不正運用にかかわって質問したいと思います。  既に報道などもされておりますけれども、この法人が経営する大友恵愛園は東区にございますが、この法人に関しては、私の隣におられる伊与部委員が、過去25年、4分の1世紀にわたっていろいろと取り上げざるを得ないくらいに、同法人に経営上の問題があったわけであります。  札幌市のホームページを開いてみましても、毎年毎年指摘事項があって今日に至っているにもかかわらず、このたび同法人が無縁仏用の墓地を購入したということであります。  無縁仏用の墓地そのものは否定するものではないわけですけれども、その金額が2,100万円と、一般的な相場からいえば10倍も20倍もするものを購入したというところが問題なわけであります。ここはご承知のように、理事長が大友正吾さん、88歳の方でありますけれども、彼なりにやはり社会福祉にかける情熱とか信念というものは並々ならぬものがあると思いますが、それが一つ方向を間違うと、今、私が指摘をしたように、法外な金額を投じて無縁仏用の墓地を購入するとなっているわけであります。  繰り返される不祥事は本当に何とかしていただかないと、特別会計を見ましても730億円からの予算あるいは決算になっているわけでありまして、こうした公費が大友恵愛会のような乱脈な使い方をされるというのは、本当に残念でならないわけであります。  保健福祉局には監査指導室、監査指導課が存在しております。これもちょっと見には奇異な感じを受けるわけでありますが、国の補助金であるとか、介護報酬を支払うことに伴う、きちんとした使われ方を指導・監査しなければいけない必要欠くべからざるセクションとして存在しているんだなと私なりに理解しているわけであります。  さて、札幌市もことしの2月21日に墓地問題で監査を実施し、その中で改善すべき事項として、高額な墓地の購入について適切なのかどうか、また、その必要性について理事会で検討するようにという改善通知を3月22日に出したと伺っておりますけれども、この墓地のその後の経過について、どういうふうになっているのかご答弁いただきたいと思います。 ◎板橋 監査指導室長  ただいまのご質問にお答えいたします。  その後の経過についてですが、平成16年度の定期監査におきまして文書指導をいたしました。法人からそれに対する回答がございましたが、それには、法人として墓地の必要性を述べており、改善策を検討するということではございませんでした。そこで札幌市といたしまして、是正させるために、これまで何度か施設長に対して説明を求め、あわせて指導を行ってきたところでございます。  施設長からは、検討を行うという回答でございましたけれども、現在までに具体的な進展は図られていない状況でございます。 ◆川口谷正 委員  札幌市の改善通知に対して、今日現在もきちんとした答えが来ていないということは全く遺憾な限りであります。  散骨という方法もありますけれども、法人が墓地を購入するということ自体、社会通念といいますか、習慣的に一般的な問題かなと私は思いますが、監査の過程で、墓地そのものについて高額であったということで指摘されているようなんですが、墓地の購入についてどういう理解をされたのかということと、墓地の購入に至る理事会の検討経過は、どうなっているのかということについてもお伺いしたいと思います。  実は、この墓地のすぐ横に、似たような材質の大友家の墓地が建立されているわけであります。現場を確認した方からの報告によりますと、二つの墓地が並び立っていて、しかも、ほとんど一体的に見えるつくりになっていて、大友氏のことをたたえる碑文が書かれているということもありまして、はた目には全部大友家の墓に見えるという指摘もあるわけであります。かつ、この法人の労働組合との団体交渉で、一体、無縁仏は何柱あるのかという質問に答えることができないと。将来の無縁仏に備えるんだという答えしかなかったというわけですね。言ってみれば、不要不急の墓地ではないのかということであります。  この法人の無縁仏は、25年間で1ないし2柱あった程度でありまして、それらについてもほかの墓地にきちんと永代供養されているということで何ら支障を来していないわけであります。私どもから見れば、法人会計から2,100万円という支出をして、みずからファミリーの横に建てるというやり方は、これは本当に公私混同だと私は思うんですが、この墓地購入に関する見解を伺いたいと思います。 ◎板橋 監査指導室長  法人の墓地購入についてです。  老人施設、あるいは救護施設等におきましては、身よりの全くない入所者もおり、いわゆる無縁となる場合もあり得ると思われます。無縁となった方々を弔うために、法人が墓を持つということ自体は特に問題がないものというふうに考えております。ただ、それが社会通念を超えて高額なものである場合は、法人財産の損失とも考えられますので慎重に判断する必要があると考えております。そういった意味で、今回の2,100万円という金額は、一法人の墓としては過度に高額であると判断し、定期監査において文書指導を行ったところでございます。  それから、墓地購入に関しまして理事会における検討の経過でございます。  平成16年4月23日に、墓地購入ついて提案されまして、全員賛成で決定されております。それからまた、9月23日に今度は墓石購入に関しまして審議が行われており、その予算につきまして総額2,100万円とすることで、これも全員賛成で決定をしたということでございます。 ◆川口谷正 委員  理事会で8人の理事の方は全員賛成されたと。これは理事長の大友正吾氏が提案して、理事会で全員賛成ということで決まったと私は伺っております。  この方針を決めたのが去年の4月23日、その後、7月に土地代として300万円を払っているわけです。そして、今、お答えいただいたように、9月23日に2,100万円の予算が計上されたということであります。9月27日に墓石代の半額900万円が支払われたということで、去年の12月に墓石の引き渡しが行われ、ことしの3月31日に残りの900万円を払いまして、合計2,100万円ということになったわけであります。  市の監査指導の文言を見ますと、墓地の購入を計画しているがと書いてあるんですが、この指導文書は3月22日に発信されているわけです。そのときは既に900万円を残して1,200万円は支払いが済んでいるわけでありまして、指導の文書自体が何か不自然というか、購入を計画しているようだがというのではなくて、契約はもう終わっているわけですから、購入することになっているという事実を指摘しなければいけないのではないかなというふうに思うんです。  先ほどいただいた法人からの回答は、直ちに指導に従って購入を見合わせるということになっていないようなんですけれども、私が聞いた情報によりますと、労使問題が一段落してからにしてくれというふうに答えたと伺っているんですが、そのようなことも含めて、法人の回答についてどうなっているのか、もう一度お答えいただきたいと思います。 ◎板橋 監査指導室長  お答えいたします。  私どもは、16年2月21日に指導監査を行ったところでございます。そして、3月22日に法人に対しまして文書指導を行ったわけでございますけれども、その指摘の内容がちょっとおかしいのではないかというお話でございましたが、まだ900万円支払われていないということでもありましたので、私どもとしましては、まずは計画段階というとらえ方をして、あのような表現をさせていただいたところでございます。  それから、法人からは、私どもが文書指導を行いましたその後で、これは4月20日でありますけれども、改善報告書の提出がございました。その中におきまして、2回にわたって理事会において審議したものであるということ、それから、長期的な観点から建立したものであるということを述べておりまして、市の指導には従わないという姿勢でございました。  しかし、その後、私どもは、何回か施設長を呼びまして状況の確認、あるいは指導を行ったところでございます。その中で、今、組合問題が起こっているので、このことについて速やかに対応するのは少し難しいものがあると、このようなお話がございました。ただ、私どもとしましては、組合問題は組合問題でありますし、指導は指導であるので、私どもの指導に対してしっかり対応していただきたいと、このようなお話をしてきたところでございます。 ◆川口谷正 委員  確かに組合問題は組合問題なんですが、後でちょっと組合の問題について触れさせていただきますけれども、組合は団体交渉のやりとりの中で、妥結するものは妥結をしております。  そういう意味でいうと、今、お答えいただいたような理事会で2回にわたって審議したとか、あるいは恒久的な合祀墓として長期的な観点で建立したというのですが、市の指摘には正面から答えていないわけですね、すりかえた答弁というか、どこかの総理大臣みたいな答弁ですよ。これでは監査指導室の権威にもかかわると思うんです。何よりも公費が多額に支払われているわけでありますから、ここはしっかりと指導を強化していただきたいというふうに思うんです。  この件に関する三つ目の質問に移りますけれども、実は理事会の機能の問題がございます。  この理事会の構成は、札幌市の元幹部などを含めてそうそうたる方々が名を連ねているわけであります。名前を申し上げて申しわけないんですけれども、元札幌市助役の平瀬徹也氏でありますとか石原弘之氏、また、札幌市の審議会や特別委員会の委員で公認会計士であります川崎毅一郎氏。札幌市公金保全対策会議特別委員、あるいは札幌市入札等監理委員会委員長、札幌市福祉事業団の評議員でもあるという方で、そういう意味では、札幌市にかかわって大いに寄与いただいている方だと思います。  組合との交渉で、川崎氏が法人を代表する責任者という形で出ているわけであります。伺いますと、大友氏の意思を踏まえて交渉に臨んではいるんですが、すべからく何か交渉事の結論に至る前に、一たん交渉を打ち切って、そして大友氏と意思疎通をした上でないと答えが出ないということが繰り返される。これでは困るということで、組合は不当労働行為だと労働委員会の方へも訴えているわけでありますけれども、そのときの墓地問題のやりとりで、先ほど申し上げましたように、将来のための備えとしてやったと。しかし、一体、今、何柱あるんだと言われて答えに窮するというありさまなんです。  私は、こうした公金を扱うしかるべき理事会が、理事全員の賛成で2,100万円の墓地を買ったと、そこに非常に問題を感ずるわけです。とりわけ平瀬氏は札幌市の元助役で、本来はあるべき福祉事業を行うために、こちらの理事になって、みずからのいろいろな知識、経験で寄与していただかなければいけないのに、ほとんどこの案件はパスして、理事長の言いなりだと。あるいは川崎氏に至っては、先ほど申し上げたさまざまな公職、公金保全対策会議特別委員、入札等監理委員会の委員長でもあるわけです。この墓地購入に当たって、競争入札などを行ったのでしょうか、その点、お答えください。 ◎板橋 監査指導室長  競争入札を行ったかどうかということについてでありますけれども、書類等を拝見いたしますと、これは特命随契という形になっております。 ◆川口谷正 委員  これは法人に支給された介護報酬ではありますけれども、まさに公金そのものと考えていいと思うんですよ。その場合に、この法人が買うに当たって、2,100万円もの金額が特命随契なんていうことはあり得ないと思うんですよね。特に、川崎氏の責任は非常に重たいと思うんです。みずからこういう公職について、あるべき入札制度を市長に答申するとか、あるいは公金の保全についての特別委員をやっておられるのに、一歩表へ出て、法人の理事として振る舞うときに、競争入札さえしないと。特命随契で2,100万円は全く認められない話でありまして、これはやはり責任をしっかりとってもらわないといけないと思うんです。  それと、理事長にすべからく聞かなければ何事も決まらないという、どこかの国の将軍様に聞かないと何事も決まらないような話であります、これは。全く非民主的でありまして、透明性も何もないわけです。本当にこれはまずいというふうに思います。  そこで、こうした各理事の責任について、指導室はどういうふうに考えておられるのか、お答えください。 ◎板橋 監査指導室長  各理事の責任についてですけれども、さまざまな提案に対しまして各理事も審議した上で議決しており、各理事の意思も決定には含まれているというふうに判断しておりますので、理事会におけるそれぞれの問題につきましては、それぞれの理事に責任があるというふうに考えております。 ◆川口谷正 委員  当然、連帯的な責任はついて回るというふうに思うんです。札幌市の指導を素直に受けとめれば、必然的に理事の責任が問われるところにつながるのではないかなと。私は、とりわけ川崎氏の責任は重いのではないかなと思いますが、大げさに言えば、全員、背任に当たるのではないかなというふうに思います。やるべき競争入札もやらないで、特命随契というのは全く認められないわけであります。このままいきますと時間だけが推移して、市の指導に従うという見通しがないのではないでしょうか。  しかも、今に始まったことではないわけでありまして、今後も、不祥事は繰り返されるおそれが十分にあるわけであります。この際、もっと強い手段を講じていくべきだと私は思います。例えば、介護報酬の支払いを留保する、あるいは相当額を返還させる、理事長には退陣していただくという強硬手段をとるべきだと思うんですけれども、これについていかがでしょうか。 ◎板橋 監査指導室長  強硬な対抗手段をとるべきではないかというお話でございます。私どもも、例えば、介護報酬の支給を留保するですとか、相当額を返還させるということについていろいろと検討してきたところでございますが、現行法におきましては、介護報酬は被保険者である利用者に対する保険給付であることから、不正受給等の場合以外は支払い停止措置等の手段はとれない状況となっております。  したがいまして、今回のような法人内での不適切支出の場合は、支払いの停止は難しいものがあるというふうに考えております。  今回の墓地購入にかかわる費用につきましては、その額が大き過ぎるため、法人会計から支出することは好ましくないという判断に立ちまして、相当額の返還が望ましいものというふうに考えているところでございます。 ◆川口谷正 委員  望ましいところまではわかりましたけれども、その旨は法人にきちっと伝わっているのですか。 ◎板橋 監査指導室長  そのことにつきましては、施設長を通して話をしております。 ◆川口谷正 委員  これは法人会計からの支出であります。施設会計も別に存在しているわけですけれども、それはほとんどツーツーで行ったり来たりしているわけでありますから、これは口頭だけではなくて、こちらの指導に対する回答が来たことに対し、相当額は返還すべきということは、やはり文書をもってきちっと相手に伝えるべきだと私は思いますので、その点について検討していただきたいというふうに思います。  最後になりますけれども、墓地購入問題に関連して、大友理事長は過去二十数年にわたって君臨していて、なかなか市の指導に従わないということが繰り返されているわけであります。  私はご本人に直接会ったことはありませんが、彼も人間である以上は、やはり物事を円満に解決したいと。先ほどの答弁にありましたように、労使問題があるのでちょっと待ってくれみたいな答えがくるということは、やはり労使問題も非常に彼の頭を悩ませているんだろうと思います。  しかし、人だれしも円満に物事を進めたいと思う心情は当たり前でありまして、この場合、やはり札幌市の最高幹部が出向いてじかに大友氏と会って、もろもろの問題についてどう円満解決を図るかといったトップ会談のようなことをしないと、同法人の不祥事は永遠に続くのではないかと思いますので、この点どうお考えか、お答えいただきたいと思います。 ◎板橋 監査指導室長  ただいまの件につきましてでありますけれども、理事長と直接話し合う必要性は感じておりますので、私が理事長と直接会いまして話し合ってみたいというふうに考えております。その内容や結果によりまして、今後の進め方を検討いたしたいと考えております。 ◆川口谷正 委員  室長には失礼でありますけれども、やはり担当者レベルでは至難の業かなという思いがいたします。小澤副市長もおられますけれども、やはり札幌市の最高幹部の方が大友氏にじかに会いまして、もろもろの問題解決に向けて胸襟を開いて直接話し合うという努力をいただきたいと思うんですが、見解を伺いたいと思います。 ◎小澤 副市長  ただいま委員からお話がありました理事長と直接話し合うということの必要性は私も感じておりますし、監査指導室長も会いたいということでございますので、そういう経過を見ながら、最善の方法をとりたいというふうに思います。 ◆川口谷正 委員  墓地問題について、ここで終わりにしたいと思います。  もう一つは、同法人の労使問題でありますけれども、先ほどのやりとりの中でも申し上げましたが、同法人からは労使間の懸案が一段落してから墓地問題について答えるということが言われたというわけでありまして、労使問題の背景には、やはり何といってもワンマン理事長の運営のあり方に由来するものが大方だというふうに思います。
     そこで、一つ目の質問でありますけれども、札幌市としても、労使問題の解決に向けて可能な限り努力、助言するという立場をとってみてはどうかと思います。この場合、労使問題というのは、第三者が介入すべきでないことは重々承知しておりますけれども、るる申し上げましたように、引き続く不祥事の背景には経営者の姿勢の問題がある。そして、そこに起因して労使問題も惹起しているということであるならば、やはり札幌市もこの部分について汗をかいていただかなければいけないのではないかなと思います。回り道ではあるが、そのことが大友恵愛園問題の根本的な解決につながっていくのではないかなというふうに思います。  同法人は、札幌市が委託している生きがいセンターであるとか居宅介護支援センター、各種デイサービス、そして特別養護老人ホームなどを経営しておられて、−−札幌市にとっても大変中核的な施設であり、この問題をぜひ札幌市も汗をかいて解決していただきたいと思います。  懸案となっている事項については賞与の問題で、組合の方は、当たり前ですが、賞与をカットして墓地を買うのはけしからんというふうに怒っているわけです。それから、大友氏はほとんど団体交渉に出てこないと、これは団交拒否に当たるので、やはりきちんと団交に出ると。出られない状況があるならば、当事者能力のしっかりある方を団交に出すということ。  それから、施設の改善要求も出ているわけです。これは個室化、ユニットケア、エレベーターの増設、施設の修繕、その他、これは札幌市も過去数年間、改善の指導をしている案件であります。これも組合の方からは懸案事項として法人に要求をしていることであります。  そしてもう一つ、人事の問題があります。  外部人事がありまして、次長職に別の法人にいた人物を据えたわけですが、これがまた不適切人事というか、組合の方から伺えば、暴言は吐くは乱暴ろうぜきを働くは、セクハラを起こすやらということで、とてもじゃないけれども次長のポストにふさわしくないという指摘があるわけです。こうした懸案事項がありますので、ついては、札幌市においても、支配介入に当たらない範囲で助言、あるいは何らかの努力をしていただきたいと思うんですが、いかがでしょうか。 ◎横山 保健福祉局理事  今、何点かご指摘等がございましたけれども、まず、職員の処遇問題でございますが、前提といたしまして、やはり社会福祉法人においては、入所者とか利用者の方々の処遇をどういうふうに確保していくかという点が一番大事だと考えております。そういうものを確保していくいろいろな要素といたしまして、職員の処遇問題や施設の改善問題であったり、あるいは理事会の運営方法であったり、幾つかのそういうものが確保されなければ最終的な結果を生み出せないだろうと、そういうふうに前提として考えております。  したがって、そういう面からいいまして、利用者の処遇等々にいろいろな影響が生ずるような部分につきましては、運営についての理解を十分深めていただくように、我々との協議の場に乗っていただきたいと思っております。  それから、物によっては疑義があるような、前段お話があったお墓の問題等々につきましては、できてしまってからいろいろ問題になるというよりは、事前にいろいろ協議をしていただくとか、そういうようなやりとりができるようにやってまいりたいと思います。特に、今あります労使問題の部分につきましては、正常な労使関係が保たれるように十分な指導をしてまいりたいと思います。  また、後段、施設のことが出ておりましたけれども、施設の修繕とかいろいろな整備、その辺につきましても、これは従前から、あそこは繰越金というか、剰余金というのがかなりあるではないかというお話も随分ご指摘があるところでございます。将来の改築等々の計画があるように伺ってはおりますけれども、現在いる人々に対しての処遇が必要な部分については、ある程度そういうもので対応をするようにと十分な指導をしてまいりたいというふうに考えております。 ◆川口谷正 委員  これで最後にしますけれども、これまで施設の改善について指導をしてきたわけでありますけれども、実効が上がっていないと思います。200人からの定数を持つ施設にエレベーターが1基しかないと。入所者が移動するに当たっても1基に集中するわけでありますから、エレベーターホールで何分も待たなきゃ目的の階に行けないということでありますとか、おふろが狭くて、芋を洗うがごとしという状況のようでありまして、これらについて、将来建てかえを控えているんでしょうけれども、それだけの繰越剰余金も保有しているわけでありますから、やはり入所者優先の立場で改善を強く迫っていただきたいと思います。  もう1点は、法人の運営全体に対して、札幌市のとらえ方に非常に遠慮が強過ぎるのではないかなという気がいたします。大物助役と言われた平瀬氏がいるせいか、あるいは公認会計士でもある川崎氏がいるせいかわかりませんけれども、もっと毅然たる態度で、この法人の経営健全化に向けて力を発揮していただきたいということを申し上げて、私の質問を終わります。 ◆伊与部敏雄 委員  大友恵愛園については、昭和54年から26年間にわたって、私は毎年のように追及してきましたから、今、川口谷委員からも、また、こんなことがあるのかと。私もこの中身については一生懸命勉強しました。しかし、きょうは別件で質問させていただきます。  福祉を食い物にしているところが多々あるんですね。同時に、いいところもありますよ。一生懸命福祉のために精魂込めて自腹を切ってやっているところもある。やっぱりそういう人たちは褒めてやらなければならない。  例えば、特別養護老人ホームは、16年度で40カ所、17年度で42カ所ですね。この40カ所の中で数えてみたら10カ所ぐらいはいいなと、これは。何でいいかというと、市のOBが再就職して長く続いている園はいい。大友では、札幌市のOB、局長・部長クラスが5人も行って1年間で首だから。施設長が今までに13人も変わっている。後は言いませんけれども、この数字だけ言えばわかるでしょう。  私は、監査指導室、監査事務局、そして保健福祉部に質問したい。  まず、監査指導室に質問したいことは、板橋室長、あなたたちの室は係長が6人、課長が1人、あなたを含めて8人ですが、8人で1年間どのような指導・監査をしているのか。  今、言いますからちょっと数字を書いてください。札幌市には、今、これは17年度ですけれども、生活保護施設が4カ所、老人福祉施設が69カ所、老健施設が37カ所、身体障害者更生援護施設が18カ所、知的障害者援護施設が44カ所、児童福祉施設が171カ所、合計343カ所ある。そのほかに法人が162カ所ですから505カ所、この505カ所の施設を1年に1回、8人でどんな指導・監査ができるのか、これは。どんな監査をしてきたのですか。  私は、事前に資料をもらった。あなたたちはマニュアルをつくっているのですよ。調べたら、1年間に1回、1カ所37項目について指導・監査をしている。これは実地指導ですよ。言うなれば定期監査。8人で505カ所、1カ所37項目、365日のうち皆さんは200日ぐらい実働していると言われている。これで505カ所を8人でどんな監査をしているのですか。  しかも、聞いたら、2人組みで行く。2カ月前に何月何日何時に監査に行くという通知を出している。そして2人で行ったら、向こうは何人出てくるか。今、お話があったように、8人も10人もしたたか者が出てくるんですよ。それに対して、板橋室長みたいに細面の美男子の人が2人そこに座っても太刀打ちできっこない。私みたいな、こういう細い体で行っても太刀打ちできない。橋本監査委員みたいな人が行かなかったらだめ。そういう体制で、実際に1年間に505カ所、これはできますか。  それと同時に、今みたいな特別監査があるでしょう。例えば、平成14年1月の育成園の年金寄附強要問題、15年の9月には札幌恵友会理事長不適切経理問題、16年度には清香園の理事長交代問題、16年8月にはルミエール入所者虐待問題、そしてことしになってにれ福祉会不正流用等問題、そして最近は愛和福祉会の平和の杜問題、こういう問題は特別監査をしなければならない。一方では定期監査をしなければならない、こんなことで監査指導室は8人でできますか、はっきり言って。  私の26年間の経験から言うと、小澤副市長が行くといっても大友さんは会いませんよ。軽く玄関払い、これは。会うといっても相手があることだから。本当に何月何日会うというアポイントをとったら教えてください、私もついていって傍聴したい。  そういうことで、これは監査指導室が大変な状態になっているということをまず認識して、どういう監査をしているのか、特別監査の場合はどうするのか、一般監査の場合はどうしているのか。これを明らかにしていただきたいと思います。  それと同時に、先ほども話があった愛和福祉会の平和の杜問題では、10月14日の道新の夕刊によると、札幌市の年1度の実地指導では、問題だと指摘されたことはなかったというふうに新聞に出ている。私がさっき言った福祉団体はみんな通報ですよ。あなたたちが実地指導して見つけた特別監査なんか一件もないでしょう、みんな通報。私が言いたいのは、札幌市の年1度の実地指導では、問題だと指摘されたことはなかったと。これは政党政派抜きにして、公平・平等に、適切な指導をしなかったらだめですよ、はっきり言って。  何かこれだったら、札幌市がいいと言っているのに、道が悪いというような、そんな感じです。それと同時に、先ほども話が出た1億100万円の不正があったと。そのうち札幌市の関係分は約8,300万円ですよ。これはどうするんですか、いつ返還してもらうんですか。それも含めてひとつ明らかにしてください。 ◎板橋 監査指導室長  まず、どのような監査を行っているかということについてです。  平成17年度の指導・監査の実施につきましては、老人福祉施設、障がい者の福祉施設など市内343カ所の施設につきまして監査を実施する予定で進めております。  また、それらの施設を運営する法人に対しましても監査する必要がありますことから、本市で所管いたします162法人につきましては、施設監査とあわせて法人運営に関する監査も同時に行っております。  ただし、前年度の監査の結果、おおむね適正な運営が確保されていると認められる施設につきましては、1年間に限って書面の提出を求めて行う書面監査、あるいは書類を持参していただき、幾つかの施設が集まって行う集合監査などで対応する施設もありますことから、職員が施設に出向く実地監査につきましては、今年度は271カ所ということになります。  実地監査は、おおむね週4回程度施設に出向いて実施しておりまして、その体制につきましては、課長以下7人が2班から3班に分かれて行っているところでございます。  監査の内容といたしましては、法人の役員構成が適切か、理事会が機能しているか、施設利用者や職員の処遇が適切に行われているか、経理事務は適切に処理されているかなどを着眼点に、1施設大体300項目に上る監査を実施しているところでございます。  法人施設の数も年々増加しておりまして、特に突発的な事案が発生したような場合、例えば、特別監査などを行うということになりますと、人的な体制の面で厳しくなってきている状況にあると感じているところでございます。  続きまして、平和の杜に関する部分でございます。  最初に、介護老健施設の監査につきまして、若干触れさせていただきます。  介護老健施設の実地指導等につきましては、介護保険法が施行されました平成12年度以降毎年、実地指導または書面指導を実施しております。指導に当たりましては、基本方針のほか人員に関する基準、施設及び設備に関する基準、運営に関する基準を満たしているか、あるいは介護給付の算定及び取り扱いが適正かなど、約200項目について実施しているところでございます。  平和の杜につきましても、毎年実地指導を行ってきており、人員に関する基準等に関しまして、施設からの報告をもとに指導を行ってきたところでございます。  今回の不正請求につきましては、平成16年1月に、北海道から情報提供がありまして、それを受けて調査をいたしましたところ、同施設の管理者であります医師が、定期的に他の病院で勤務していることが初めて判明し、発覚したものでございます。  その後、平成16年6月と12月に北海道と合同で実地指導を行い、そして、本年3月に北海道と合同で監査を行ったところでございます。ここで言います監査と申しますのは、一般施設の特別監査に相当するものでございます。医師が他の病院で勤務しているということにつきましては、これまでの実地指導の事前提出資料や施設側からの説明の中では全くありませんでした。  実地指導の際には、事前提出資料の出勤状況項目、出勤簿やタイムレコーダーなどを詳細に調査いたしますけれども、そういった書類におきましても、人員基準が満たされていることとなっておりました。したがいまして、特段の指導を行わなかったものでありますが、医師の配置基準を満たしていない実態を札幌市が認めてきたというものではございません。 ◎宮川 介護保険担当部長  平和の杜の介護報酬返還請求につきまして、私の方からお答えいたします。  去る10月14日の北海道の処分通知を受けまして、私どもの方として速やかに介護報酬の返還額を算定いたしまして10月17日、昨日、社会福祉法人愛和福祉会理事長あてに介護報酬不正請求分の返還請求をいたしております。  金額といたしましては、介護老人保健施設短期入所療養介護通所リハビリテーションの3事業及び高額サービス費等の介護報酬分、これが7,377万1,945円、先ほど八千数百万円ということでございましたが、時効の関係で一部減額されてこの額になっております。さらに、これに40%の加算金を加えました、総額1億258万5,115円につきまして、昨日、正式に返還請求を行っております。 ◆伊与部敏雄 委員  監査指導室長、今、あなたの答弁を聞きましたら、何百の項目があって、それを1年に1回課長以下7人で2班から3班に分かれて一々やる。私は、この体制では本当にいい悪いを見つけることはできないと思う。向こうの答弁を聞いて、はい、はいと丸をつけていくだけでは本当の実地指導監査にはなっていないのではないか。愛和福祉会なんて道庁からの通報でしょう。そして、札幌市に、あそこはおかしいぞ、一緒になって監査しましょうと、それで明らかになったと。だから、先ほど言ったようにみんな通報なんです。通報によって特別監査を行うと。今まで年に1回の実地指導・監査、これでは見つけられない。大友だって25年間、見つけたけれども、物を言ったって聞いてくれない。  私は、当時の桂助役と議論したことがある。桂さんがまだ市長になっていなかったときに、大友理事長は私の責任でやめさせると答弁した。これは議事録に載っています。ただし、年月日は言わなかったんですよ。何月何日何時何分まで言わなかった。ここの突っ込みをしなかったことについて、私はいまだに反省しているんです。今でも桂さんに会うと、私は今だってやめさせたいと思いますよと。しかし、監査指導室長ね、とてもじゃないけけれども、残念ながらあなたを初め8人ではなかなか大変だと思います。  そこで、私は、監査事務局に聞きたいのです。監査事務局は、調べたら係長が20人、課長が3人、次長が1人、局長が1人、一般職が2人、臨時職が1人、それから監査委員が4人という体制で監査をやっている。監査報告意見書は毎年出ますけれども、監査指導室からはそういう意見書みたいなものは一切出て来ない。私たちが板橋室長だとか、石塚課長のところに電話をかけて、どうなんだといったら答えてくれますよ。しかし、あなたたちは、尋ねなくてもちゃんと意見書をつくって、分厚いものを出してくる。監査意見書は、だれが見ているんだか、だれが読んだかわからないようなものを500部つくってくる。  私は、これは佐藤事務局長に率直に聞きたい。今、言った20人の係長、3人の課長、次長1人、局長1人、この体制で、例えば、監査指導室が大変だと、特別監査しなければならないと。大友へ行かなければならないというときに応援することはできないのですか。  私は、よくテレビで見るんだけれども、暴力団事務所に1人や2人で行ったってだめなんだ、20人も30人も大勢で行って監査して、そして書類を取ってきて精査しなかったらできないですよ、はっきり言って。警視庁だってそうでしょう、大勢で行ってやるんだから。人数で勝負するという体制でやっているわけです。どうですか、監査事務局では応援できませんか、これ。 ◎佐藤 監査事務局長  監査指導室の監査を監査事務局の職員が応援できないかとのお尋ねでございますけれども、監査委員は、ご案内のとおり地方自治法上、長から独立した第三者機関としての立場で、長などが行う主に財務の執行について監査を行うこととされております。  これに対しまして、保健福祉局の監査指導室は、あくまでも市長の補助組織でございまして、社会福祉法第56条の規定に基づき、社会福祉法人の経理だけではなくて、施設における入所者の処遇など、法人の運営全般にわたりまして、いわば長の業務執行の一環として検査を行っているわけでございます。  このように両者につきましては法制度上全く別個のものでございまして、特に市長から独立した第三者機関として、長の事務執行に対する牽制作用を期待されております監査委員の事務局職員が、本来、監査委員監査の対象でございます監査指導室の検査業務に従事することは、法制度の趣旨を損なうものであるというふうに言わざるを得ないのではないかと考えておりまして、そういうことで、あくまで法制度からの見解でございますが、例え臨時的な措置でございましても、検査業務に応援という意味で、監査事務局の職員が従事することはできないものであると考えます。 ◆伊与部敏雄 委員  佐藤事務局長ね、法律にこういうふうに書いてあるからこうだと、そういう豆腐を切ったようなそんな話はしてもいいけれども、税金を払っている一般市民の立場からいったら、あなたも板橋室長も同じ札幌市の職員なんですよ、これは。法律によって機構が違うから応援できないと。税金払っている一般市民から見たら、何百の監査もしなければならないのに、何で8人しかいないそこに応援できないのかと。法律があるから、機構が違うからと、そんなことで一般の税金を納めている人たちは納得しませんよ。同じ職員なんだから、これは。どうしたら応援できるのか、何か応援できる方法はないのか。  例えば、市長部局から、何とかひとつ応援してやってくれと、小澤副市長あたりから橋本監査委員を通じて、ここにも宮村監査委員もいますが、そういう人たちを通じて、そして監査事務局に応援を頼むと。私は年がら年じゅう応援してと言っているのではない。こういう特別のものが発生したと、先ほど言いましたように、1人や2人で行って監査するなんていうことはできない。向こうが10人出てくるならこっちも10人ぶつけていって監査するような雰囲気をつくらないと、本当の意味での監査はできないのではないか。何か方法はないかと訴えたいのですけれども、これは橋本監査委員に答弁を願います。 ◎橋本 監査委員  ごらんのとおり太目でございますので、褒められてうれしいのかどうかよくわかりませんけれども、お答え申し上げたいと思います。  監査制度、特に社会福祉関係の財政上に関する監査制度というのは、性善説に基づいてでき上がっている。社会福祉を担う人たちがそんなおかしなことをするはずがないというところに基づいて決まってきている。ですから、こういうようなことが頻繁に起こるようになってくると、あり方そのものを法律で変えていく必要があるのではないだろうかと、悲しい現実ではありますが、そんなふうに考えております。  では、何か工夫する余地はないのか。これはやっぱり知恵を働かせれば、ないわけではない。例えば、監査指導室は監査指導室でやる。機を同じくして、監査委員が随時監査を行う、それは理論的には可能になる。ただ、両方で一緒に動いて十分な監査ができるかというと、これはまた否定的にならざるを得ない。そんなふうなことで、知恵はあるけれども、実効性はどうかというようなことが疑問になってまいります。しかし、何らかの方法でいろいろな知恵をおかしするとか、アドバイスをするとか、いろいろなことができるのではないだろうか。結局、最後は市民の皆さんの懐に響く問題です。そこら辺のところは双方が工夫してしっかりとやっていかなければならない。工夫の余地はあるとそんなふうに考えております。 ◆伊与部敏雄 委員  小澤副市長ね、私は先ほど言いましたように、これはいろいろな工夫をして、そして本当に市民の税金が適正に使われているのかどうか、これを監査するのが行政マンの皆さん、それをチェックするのが議会、そういういろいろな立場立場がありますけれども、今、橋本監査委員が答弁したように、何らかの工夫をした方がいいのではないかと。これは市役所改革の一つでもあると思う。こんなことが改革できなくて全体の改革なんてできませんよ、率直に言って。どうですか、これ。市役所改革の一つとして、今、橋本監査委員が答弁したような、市長部局でももっと知恵を出して、いろいろな工夫をしながら監査指導をしっかりやると、そういう工夫をする気持ちがあるかどうか。 ◎小澤 副市長  私は、その気持ちは十分にあります。  先ほど橋本監査委員から知恵を出していきたいというお話でございますし、私どもも、監査事務局の持っているノウハウとか、そういうものの知恵を十分いただきながら−−先ほどおっしゃったように8人で500カ所近くの法人、施設を監査するというのは、これは物理的に不可能であります。  先ほど橋本監査委員がおっしゃったように、社会福祉法人を経営する方というのは、人格高潔でと社会福祉法でもいろいろうたわれておりますけれども、必ずしもそういう実態にないということは最近の新聞、マスコミ等をにぎわしている事件でも明らかであります。そういう意味では非常に残念なことですが、私どもとしては、大切なお金でございますので、その使い道についてはきちっとしていただくように、監査事務局ともよりよい協議をさせていただいて、最善の方法を見つけていきたいというふうに思っております。 ◆伊与部敏雄 委員  最後に、保健福祉部に質問したい。  私の手元に16年度の特別養護老人ホーム資金残高の一覧表があります。16年度の実態ベースで、驚くなかれ、今、40施設で残っているお金が80億900万円ある。これは全部我々の税金ですよ。中でも、大友恵愛園は約16億4,000万円も持っている。先ほど川口谷委員から2,100万円の話も出ていたけれども、15年度から16年度までの1年間だけで1億4,680万7,000円も残している。室長、この1億4,680万7,000円の中に、先ほどの金額が入っているか、いないか。これは抜いているのか、はっきり言って。あなたたちは監査でもってそんなことを調べたことがあるのか。  40施設全部では、1年間で7億6,200万円もふえている。例えば、ルミエールの場合は3億6,700万円ありますよ。1年間で3,859万4,000円残している。そんなことも含めて、中田部長、平成12年3月10日付の厚生省老人保健福祉局長通達で、このお金は何に使ってもいいようになった。原則として制限を設けないのだから、この80億円は何に使ってもいいわけです。  それから、平成15年3月26日付の厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部長通知では、身体障害者更生施設等における繰越金、これも原則として資金の使途については、制限を設けないことになっている。先ほど言った、特別養護老人ホーム40カ所で80億円は何に使ってもいい。  大友の話について、1億4,600万円、これに二千何百万円はこの園の金から出したのか、法人の金から出したのか、園の施設の金と法人の金とは違いますよ、別会計ですからね。さっき、何かごっちゃになったような答弁をしたけれども。施設会計と法人会計は完全に分けられているんだから。本来は、功成り名を遂げた人が法人の中にいて、そして、自腹を切って金を出して、その法人会計から施設に送ると、こういうのが本来の福祉施設のあり方なんです。大友は逆なんです。施設でもうけて法人へやっている。そして大友財団みたいなのをつくっている。とんでもない話だ、はっきり言って。  しかも、中田部長、私がびっくりしたのは、大友恵愛園の土地は30年間無償で貸している。余り具体的に言ったら名誉棄損で訴えられるから、さわりの部分だけ言っておくけれども、建物はさまざまな工夫をして、50%以上国からの補助金が来るわけでしょう。それで建てたような形跡がある。ここまでしか言いません。これから突っ込んでいったら、訴えられたら大変だから。疲れるから、これは。  それと同時に、もう一つある。税金はただなんですよ。地方税法第348条、固定資産税の非課税の範囲に定める社会福祉法人の児童福祉施設、老人福祉施設、身体障害者更生援護施設、知的障害者援護施設、これらの固定資産税は全部ただ。だから、大友は土地もただ、建物もただ、税金もただと。それで16億4,000万円も残金があるという状態ですよ。これを野放しにしておいてもいいのかと。私は、少なくとも土地ぐらいは大友に高く売って税金を取れと言ったのだけれども、税金もただだから取れない。だから、いろいろ考えたんだけれども、売るよりも高く貸した方がいいかなと。売ったらまた転売するかもしれない。あのつわものどもは、したたか者だから。それでまた金をもうけるかもしれないから、条件づきで売ると、条件づきで貸すと。  今、札幌市が土地を貸しているのは大友、それから幸栄の里、育成園、これも福祉を食い物にしているしている三悪の一人だ、曽我の爺さんは死んだけど。そういうところに無償で何十年間も貸している。そして、この人たちは残金を非常に多く膨らませている。  部長、私は、この土地問題について、12年度、15年度にこういうふうな厚生労働省からの通知があるわけだから、もうそろそろこれは野放しにしないで、この際、売るか貸すか何かいい方法、あの連中に勝つ方法を考えて対応したらいかがかと、どうですか。 ◎中田 保健福祉部長  ご指摘の施設につきましては、昭和54年以降、30年契約で無償貸し付けをしております。これは、当時、現在のように社会福祉法人においてデイサービスなどが行われていなかった時代に、先駆的にやってもらうという政策的な意味から、無償対応という形をとってまいりました。委員ご指摘のように繰越金の使い道についても、措置の時代はかなりの制限がありましたけれども、介護保険を機に、例えば、こういう土地の取得費にも事実上充てることができるようになりましたので、法人に対してこの土地について買い取っていただく、状況によっては有償で貸し付けるというようなことも視野に入れまして検討し、協議してまいりたいと考えております。 ◆伊与部敏雄 委員  わかりました。これから売るか貸すか検討すると。それは早くやってください、年度内に。  小澤副市長、今、私は大友と幸栄の里、育成園の話だけ出したけれども、まだ保育所なんて100カ所近くある、これはみんな貸している。もうこういう世の中になって、改革、改革といろいろ言われているけれども、まさに札幌市はこの辺からもきちっと改革しなかったら、真面目に税金を払っている一般の人が、その税金でもってどんなふうにやられているのか。ぬくぬくと福祉でもって肥やしている人がいるんだから。この80億円使えるんだから、そうでしょう。  育成園は障がい者施設ですが、あそこだって残金2億8,200万円ありますよ。障がい者施設全部で18カ所あるけれども、18カ所でもって、私が計算したら全体で15〜16億円あるんですよ、それだけでも100億円あるでしょう。特別養護老人ホームだけでも80億円、障がい者施設だけでも15〜16億円、その他全部含めたら何百億円と、札幌市は金がないけれども、福祉施設をやっている法人には金があると、これが実態ですよ。今まで無償で貸しているので、少しぐらい市に協力してくれと。副市長、口を開けば金ない、金ないと言うんだから、財政難なんだから、実際。そこら辺にもメスを入れて、協力してもらったらいかがですか、どうですか。  最後に一言答弁ください。 ◎小澤 副市長  先ほども保健福祉部長から説明がありましたように、都市型の特養ということで、当時の状況の中で市有地を貸与したと。保育園につきましても、保育園をたくさんつくらなければいけないということで、社会福祉法人に土地を無償貸与して保育園を増設してきたという歴史的な経過があるというふうに認識しております。  今、伊与部委員からお話がございましたように、特養が80億円ぐらいの剰余金を持っているという状況で、その使途が限定されなくなった。つまり、逆に言いますと、土地の取得にそれを充ててもいいということでありますから、その辺の状況の変化を踏まえて対応していくことが必要だろうと思います。  それから、今、幸栄の里と大友につきましては、それぞれ、平成26年、21年までの契約だということで、その契約がどういう内容になっているか、私、今は承知をしておりませんので、ここで一概にこの二つの具体例につきましてどうこうするということは言えませんが、私どもは、最近は、社会福祉法人に土地を有償で買ってもらっており、そういう状況の変化がありますので、先ほど来申し上げましたように、剰余金があるという現状を踏まえて、対応していきたいというふうに思います。 ○井上ひさ子 委員長  以上で、第3項 老人福祉費及び介護保険会計の質疑を終了いたします。  次に、国民健康保険会計決算の質疑を行います。 ◆小川勝美 委員  私は、国保について3点、簡潔にお尋ねをしたいと思います。  先日の本会議の代表質問でも、国民健康保険料の賦課方式の見直しについてお尋ねをしたところであります。この間、札幌市の国保加入者の所得が低下する中で、昭和58年当時、市民税所得割方式をとっていたとき、所得割の比率が64%でありました。これを平成4年に均等割や平等割の方に比率を回して、所得割の比率を50%にすると。そして、平成12年からは介護保険制度が創設されて、国保で抱えていた介護部分については介護保険に移行すると、こんなふうになってまいりました。  そのとき以来、1世帯当たりの国民健康保険料は14万1,597円と据え置かれているわけですが、国保加入者の所得が低下する中で、同じ収入だったら毎年のように保険料率が上がって保険料が上がっていくという仕掛けになってきています。  そういう中で、平成15年度からは今の市民税所得割方式から住民税方式、いわゆる住民税の額に丸ごと所得割をかけていくというふうに、我々から言えば改悪というのですけれども、皆さんは改革をしたということでありまして、特に、均等割については、比率を39%に上げて、所得割については46%に下げるというようなこともやられました。  以来今日まで3年がたったわけですけれども、国保加入者の所得が低下する中で、今度はさらに住民税方式から旧ただし書き方式、これは国民健康保険が始まった昭和34年当時の国民健康保険法に書かれていたやり方に戻ってしまったものですから、旧ただし書きというやり方でありますが、この方式だと所得そのものに丸ごと保険料をかけていくやり方になるのでないかなと思うんであります。  しかも、住民税方式のときには、国民健康保険料の均等割、平等割、応益のみの世帯の2割軽減世帯に対して所得割がかかっていましたが、今回、法律に基づいて均等割や平等割の5割軽減が行われる世帯にまで所得割が賦課されてくるということになって、より所得が低い人の国民健康保険料の値上げになると思うんであります。  国民健康保険料そのものが、地方税法に国民健康保険税と書かれていることに起因するわけですが、こういう旧ただし書き方式に変更していくやり方について、税制転用方式になっているために非常にわかりづらいという特徴があるんです。旧ただし書き方式に変更すると所得に丸ごと保険料がかかってくる、これを市民にわかるようにご説明いただきたいのと、そうすれば、より所得の低い人の保険料が値上げになるのではないかと思うんですが、この点について改めてお尋ねしたいと思います。  また、この方式については、今、国保運営協議会で最終的な協議がされているということでありますから、この答申を受けて、いつ賦課方式の変更に向けた取り組みを進めようとされているのか、これについて、最初にお尋ねしたいと思います。  2点目に、昨年度の決算にかかわってお尋ねしたいと思います。  一つは、国保加入者の所得が落ちる中で、高い国民健康保険料、いわゆる同じ所得であれば社会保険料の3倍ぐらいの保険料がかかってくるわけですから、なかなか納めたくても納められないという世帯が出るのは当然だと思うわけでありますけれども、昨年度1年間で全期未納の世帯は何世帯か、この点をお示しいただきたいと思います。  私たちは、所得のある人が滞納するのはやはりそれは正しいことではないなと。今、会社をやめて社会保険を離脱して、再就職先がさっぱり見つからないということでフリーターとかなんかで働いている若者が、やむなく国保に加入して、十分な収入がないために保険料を払えない世帯が多くあるなということは、私も大体想像がつくわけです。しかし、そうではなくて、昨年1年間で所得が1,000万円も超えているのに、国保料は1年間1円も払っていないという世帯があるのではないかと思うんですが、そういう1,000万円以上の世帯は何世帯あるのかも、あわせてお示しいただきたいと思います。  また、昨年の決算でも私はお尋ねしたかと思うんですけれども、十分な資力がありながら国保料を払わない世帯に対して、札幌市も差し押さえ処分をやってきているようでありますけれども、何世帯が差し押さえ処分を受けたのか、この辺についてもお尋ねしたいと思います。 ◎岡村 保険医療担当部長  私の方から、賦課方式の件についてお答えいたします。  まず、旧ただし書き方式と言われる方式ですけれども、この方式は保険料の所得割を算出する方式で、加入者の収入から必要経費と住民税の基礎控除分を差し引いたものに料率を掛けて所得割を算出するという方式になってございます。  それから、次に、より所得の低い世帯について、保険料の値上げになるのではないかと、あるいは今後の動きというようなご質問がございましたけれども、所得割の賦課方式を含めた国保料の賦課のあり方について、現在、国民健康保険運営協議会において、8月から9月にかけて実施したパブリックコメントを踏まえて審議が進められているところでございますので、近く答申をいただけるものと考えております。その答申を尊重して検討を進め、できるだけ早期に提案させていただきたいというふうに考えております。 ◎大居 国保収納対策担当部長  16年度決算の全期未納世帯数でありますけれども、これは3万3,160世帯となっております。  また、所得の関係で1,000万円超の世帯は何世帯いるかということなんですが、これについては68世帯となっております。さらに、滞納処分でありますけれども、16年度で91件であります。 ◆小川勝美 委員  岡村部長からは、収入から経費を引いて、そして基礎控除分を引いたそれに保険料率を掛けるんだというご説明がありました。  基礎控除で33万円引いて、それに料率を掛けていくことになるんですけれども、先ほど私が聞いたのは、国保料の均等割、平等割だけかかっている5割軽減世帯まで所得割がかかっていくことにならないでしょうかということを聞きながら、より所得の低い世帯には保険料の値上げになるんではないかというふうにお尋ねしたんですが、僕が聞き漏らしたのかどうかわからないものですから、その辺のことをお聞きしたいと思います。  それからもう一つ、国保運営協議会からの答申をいただいて早期に提案したいということですから、今議会に提案されないということは、4定に条例改正案が出てくるのかなと思います。あわせて今まで、旧ただし書方式に変えていく中で、いろいろと均等割の料率をふやす、あるいは平等割の料率をふやしながら所得割の料率をずっと下げてきたんですけれども、旧ただし書き方式に持っていく上で、多人数世帯等に考慮するというようなことが運営協議会の中で検討されているようであります。そこで、お尋ねしたいのは、それらについてはどういう方向で検討していて、そういうことも含めて答申をもらえるのか。それとも賦課方式だけの答申をいただくのか、どういう形に変更されようとしているのか、お尋ねしたいと思います。  それから、もう一つお尋ねしたいと思うんですが、滞納にかかわってですけれども、滞納処分が91件と、一昨年から見たら大きくふえてきているわけであります。全期未納が3万3,160世帯ということでありますけれども、必ずしも昨年度が全期未納だからということではなくて、国民健康保険証の切りかえのときに、長期の滞納者に対して資格証明書を発行してきている。先日の本会議の代表質問でも、資格証明書の発行が9月1日で1万3,000世帯にも上るということは異常だということを指摘いたしました。  特に、私どもが心配しているのは、所得が落ちてきている中で、なかなか高い国民健康保険料を払えない世帯にとっては、病院へ行ったら医療費全額を払わなければならない資格証明書というのは、保険証の役割を果たさないわけですから、どうしても病院へ行くのが手おくれになって、今まで命を落とした事例は、私が知っているだけで何件かあります。南区の大工さんは、友達が救急車を呼んでくれて医大に運ばれる途中で命を落としたと、こんなこともございました。保険証が没収されて、資格証明書が発行された世帯で、病院へ行くのが手おくれになって命を落とすということになれば、国民健康保険の役割を全く果たさないことになるのではないかなというふうにも思うものですから、資格証明書の発行は慎重に対応すべきものだと。
     この間、小澤副市長は、やらなければならないんだというご答弁でありましたけれども、やらなくてもいいんですね、やっていない自治体があるんですから。さいたま市は一件も出していません。それから名古屋市は数件しか出していません。そういう面では札幌の上田市長は人権派弁護士を標榜して市長に当選したんですが、その市長のもとで資格証明書の大量発行が行われて、人の命を守るべき国保が逆に人の命を奪ってしまうようなことだけは絶対に避けなければならないと思うものですから、このことについてどうお考えなのか。しかも、資格証明書というのは、どちらかというと単身世帯が多いという状況にあると思います。  最初に言いましたように、30歳以下の若い世帯で何割ぐらいの発行になっているのか。これら単身者の割合はどうなっているのか、これについてご答弁をいただきたいと思います。 ◎岡村 保険医療担当部長  賦課方式の件でございますけれども、確かに旧ただし書き方式にいたしますと、所得割を担う世帯は非常に広がります。薄く広く分かち合うという制度でございます。低所得世帯の保険料負担がどうなるかということでございますが、委員のお話にもありましたように、審議会の中では、特に低所得世帯に何らかの配慮をするために、賦課割合も含めた議論もされていると。賦課割合を変更した形で答申をいただけるのか、言葉で答申をいただけるのかというのは今わかりませんので、先ほどの答弁と重なりますけれども、答申をいただいた上で、検討いたしたいというふうに考えております。(「時期はどうですか」と呼ぶ者あり)  できれば、4定で提案させていただきたいというふうに思っております。 ◎大居 国保収納対策担当部長  資格証の関係でありますけれども、先ほど他都市の話がありましたが、資格証につきましては負担の公平ですとか、あるいは保険料の納付促進の観点から、法令によりまして特別な事情があると認められる場合を除きまして、1年以上滞納を続けている世帯に対して交付が義務づけられているというものであります。  交付に当たりましては、電話、文書による催告や訪問など、我々は納付折衝を全体にやっているつもりであります。今後とも、より一層滞納者との折衝の継続を図るとともに、交付の適否については慎重に判断いたしたいと考えております。  それから、資格証の単身者の状況でございますけれども、資格証は3月末で1万3,596世帯、このうち単身者の割合は77%でございます。約8割近くということでして、そのうち30代以下は54%を占めているということであります。 ◆小川勝美 委員  賦課方式の問題については、今ここで、これ以上質問しても無理なようですが、今後、答申を受けた上で4定に条例が出てくるそうでありますから、そのときにまたきっちりと審議をさせていただきたいと思います。  資格証明書の発行について法改正がされて、市町村長に義務づけするようになっているんですけれども、いろいろな形で出していない。札幌でも子どものいる世帯には出さないようにしてきたとか、さいたま市は出していないし、名古屋市はごく限られた悪質滞納者に限定するというふうなことになってきておりますので、安易な形で資格証明書を発行する、あるいは機械的に発行する、こういうことだけは絶対に避けるべきであるということを申し上げて、これらの問題については終わりたいと思います。  ちょっと違う話で、国保にかかわって、最後に1点だけお尋ねしたいと思います。  今、国会では障害者自立支援法が審議されて、参議院が先議ということで、参議院で自民党、公明党の賛成のみで可決して、今週から衆議院での審議が始まっております。障害者自立支援法が実施されますと原則10%の負担が導入されることになります。  障害年金は非課税所得ですから、今、障害年金で暮らしている方たちなどは、ほとんどの人がさまざまな福祉サービスが無料という状況になっています。さらに、医療についても、精神障がい者の入院医療については、所得150万円以上については一部負担となっておりますが、所得150万円以下については、無料でありますし、それから、通院については医療給付費で7割、残る3割のうち25%は公費負担、5%だけ本人負担となっております。  札幌市の場合は、これについては昭和38年から結核についての自己負担免除の条例を制定しておりますし、昭和47年には精神障がい者の通院にかかわる自己負担免除を追加し、昭和48年から精神障がい者の所得150万円以上にかかわる人たちの入院すらも免除する付加給付というのを行ってきて、今、精神障がい者の場合は、特別なことがなければ無料で治療が受けられる。これは札幌市の国保で行っている数少ない付加給付になっております。  それで、お尋ねしたいのですが、札幌市の精神障がい者が病院にかかったときは、国保に限っては付加給付で、無料で通院できるようになっておりますけれども、障害者自立支援法が施行されると、これについてはどうされようとしているのか。今までと同様に、市独自ででも負担軽減策をとるべきではないかなというふうに思うものですから、この機会にお尋ねしておきたいと思います。 ◎岡村 保険医療担当部長  法改正後の付加給付というお尋ねでありますけれども、これ自体も、現在、国会で審議されているところでありまして、今後の審議状況を注視しながら、付加給付のあり方については検討したいというふうにお答えしたいと思います。 ◆小川勝美 委員  この問題については、本当は、長く精神医療にかかわってこられた七田保健福祉局長あたりに、どういうふうな決意を持っているのかお尋ねをしたいところなんですけれども、今、部長が答弁した以上は出ないですよね。本日はこの程度で終わります。 ○井上ひさ子 委員長  以上で、国民健康保険会計の質疑を終了いたします。  次に、老人医療会計決算の質疑を行いますが、通告がございませんので、質疑を終了いたします。  ここで、理事者の交代がありますので、暫時休憩いたします。委員の方はそのままお待ちください。     ──────────────       休 憩 午後2時40分       再 開 午後2時42分     ────────────── ○井上ひさ子 委員長  委員会を再開いたします。  最後に、第5項 健康衛生費の質疑を行います。 ◆坂ひろみ 委員  私は、ライフサイクルの各段階応じた性の健康に関する情報提供について質問いたします。  2003年度に北海道養護教員会が実施した石狩管内の高校生を対象にした性に関する意識実態調査は、9校総計3,567人が対象となる大規模な調査となりました。また、2004年度には、札幌市教育委員会がグループ研究委託事業の中で、中・高生総計2,327人を対象に、子どもたちの性に関する実態調査を実施しました。  養護教員会の調査結果から見えてきたことを整理すると、1.従来の統計が示す年齢よりも、性行動の低年齢化が進んでいる。2.性感染症に対する知識の低さ。3.自分の体を大切にするという基本姿勢の欠如。4.性の商品化への抵抗感が希薄。5.生命尊重意識の低下。6.性行動をとる動機が、男子は衝動的であるのに対し、女子は精神面での動機が大きいことなど6点が挙げられました。  性に関する知識をどこで得るかとの問いには、両調査とも、友人が圧倒的に多く、次いで漫画、雑誌、テレビ、学校となっていることから、正しい知識を得る情報源に恵まれていないことがわかりました。  教育委員会の調査で、性に関する悩みをだれに相談しますかとの問いには、やはり友人が圧倒的に多い反面、だれにも話さない、相談できる相手がいないとの答えを合わせると、中学生が38.6%、高校生が31.7%いることがわかりました。  また、性感染症については、中学生では知らないという答えが多く、高校生でも漠然としか知らないなど、知識が定着しておらず、正しい性教育が必要と指摘されています。  本市においては、10代の人工妊娠中絶率と性感染症罹患率は、いずれも全国平均の約2倍と高い状況になっています。インターネットや携帯電話の普及によって子どもたちが、商品化され、誇張されたポルノ情報にアクセスすることも容易になっています。また、性犯罪の被害者になることも珍しいことではありません。思春期の子どもたちは、行動範囲や身体は大人に近づきつつ、経験や精神はまだまだ未熟です。しかし、思春期の性に関する行動選択は進路や将来のライフスタイルの選択にかかわる可能性もあり、子どもたちがみずからの人生の主人公として健康に成長していくためには、正しい性知識は欠かすことができません。  保健福祉局として、これまで思春期ヘルスケア事業や若者の性に関する知識の普及啓発事業等、思春期の子どもに対する正しい知識の普及啓発や指導・相談事業に取り組んでこられたことは高く評価をいたします。今後は、ライフサイクルの中で、子どもの発達段階に応じた性教育が大変重要と考えます。そこで、本市のこれまでの取り組みについて3点質問いたします。  1点目は、家庭における乳幼児期からの性教育支援についてです。  幼児期における性教育は、家庭と保育所、幼稚園がベースとなります。命に関する肯定的なメッセージとともに、大人が科学的な態度で性を含めた体の基本的な情報を伝えることで、子どもたちが心と体の大切さ、すなわち命の大切さを学ぶために適した時期だと言われています。  2005年1定の予算特別委員会において、家庭における性教育の支援方法として、健康さっぽろ21のホームページ上で性教育の進め方などについて掲載を検討し、情報提供に努めていくと答弁されておられますが、乳幼児期からの家庭での性教育の支援については、現在、どのように取り組まれておられるのか、伺います。  質問の2点目は、若者の性の健康に関する相談体制についてです。  2005年度から若者の性に関する知識の普及啓発事業を開始し、保健センターでは若者の性の健康相談や電話相談を行っているとのことですが、事業の概要について伺います。  質問の3点目は、性の健康に関する出前講座についてです。  札幌市では、市民への情報提供と対話事業の一環として、市の施策や事業について、わかりやすく説明を行う出前講座を実施しております。保健福祉局においても、18項目にわたる講座を用意しておられますが、ホームページの健康、福祉のテーマの中には、性の健康に関するタイトルがありませんでした。本市の若年層の性に関する実態をかんがみると、より多くの市民がその実態を認識し、発達段階に応じた性教育のあり方について学ぶことが必要と考えますが、今後、性の健康に関する出前講座を行う予定があるのかどうか、伺います。 ◎小林 健康衛生部長  ライフサイクルの各段階に応じました性の健康に関する情報提供について3点のご質問でございます。  まず1点目の家庭における乳幼児期からの性教育支援についてですが、電話相談や乳幼児健診などの場を通じて、性に関心を持ち始める時期の子どもの対応につきまして、保護者への必要な支援を行っているところでございます。  今後、健康さっぽろ21のホームページでの情報の提供につきましても進めてまいりたいと考えております。  次に、2点目の若者の性に関する知識の普及啓発事業おける事業の概要についてですが、市内の産科、婦人科、泌尿器科の各医療機関の協力を得まして、医療機関におきましては、人工妊娠中絶や性感染症の治療で受診された方を対象に、保健センターにおきましては、治療を終了された方や罹患に不安のある方を対象に、それぞれ正しい避妊方法や性感染症の予防につきまして、指導・相談を行っております。  また、保健センターでの相談は、来所による健康相談が各区で月1〜2回予約制で実施しており、専用電話による相談は、平日の8時45分から17時15分まで行っております。  次に、3点目の性に関する出前講座についてですが、みんなで取り組む健康さっぽろ21というタイトルには、性に関するテーマも含まれておりまして、家庭教育学級や育児サークルなどからの依頼を受けまして、各区保健センターの職員が対応しているところでございます。 ◆坂ひろみ 委員  3点ご答弁いただきましたが、まず1点目の乳幼児期からの性教育支援についてですが、保護者による性教育は、子どもが安心できる安定した関係の中で行うことが求められます。乳幼児期における保護者への性教育支援の充実とあわせて、性教育支援のスキルを持つ保育所の育成を求めておきたいと思います。  それから、2点目につきましては、相談体制についてですけれども、現行の相談時間や曜日について、ただいまご答弁いただきましたが、面談による相談は月1〜2回ということです。また、電話相談も8時45分から17時15分までということでした。この事業はことしの4月からということですので、具体的な件数や相談内容については、恐らくまだ集計がされていないこととは思いますが、実際に中学生や高校生が相談しやすい時間帯になっているのかどうか、検討が必要ではないでしょうか。  子どもたちが、性に関する悩みを持ったときに、雑誌やインターネットなどの一方通行の情報ではなく、きちんと向き合って相談に乗ってくれる相談体制の整備が今後ますます重要になります。  そこで、今後、この相談体制の見直しに向けては、相談時間や相談日の拡充を進めるべきと考えますがいかがか、再度お伺いいたします。  質問の3点目の出前講座については、健康さっぽろ21の中に含まれているといったご答弁でしたが、例えば、町内会やPTA、家庭教育学級等が学習会や講演会を開きたいといったとき、項目にきちんと性の健康などの項目がないと、興味・関心があっても、申し込むことが実際にはできません。昨年策定されましたさっぽろ子ども未来プランでは、思春期の心と体の健康づくりという基本施策が掲げられており、思春期ヘルスケア事業や家庭教育学級の拡大も個別事業として挙げられておりますし、2005年度は、新たに若者の健康に関する知識の普及啓発事業も進められておりますので、市としては、出前講座などを有効活用し、幅広く市民へ性と健康に関する情報を提供すべきと考えますが、出前講座のタイトルの見直しが早急に可能かどうか、再度お伺いいたします。  あわせて、2点再質問いたします。  質問の1点目は、思春期の性の健康に関する相談体制の充実についてです。  健康さっぽろ21のホームページを拝見いたしました。子どもたちが自分で考え、行動していくために必要な性の健康に関する情報が大変わかりやすく掲載されており、この情報を一人でも多くの子どもたちに届けるべきとの感想を持ちました。  しかしながら、子どもたちがインターネットの検索によって、このページを開くためには、札幌市のホームページにこの情報があること、さらに健康さっぽろ21という文言、またはURLを子どもたちに周知することが必要です。  そこで、ホームページや相談機関の紹介などをコンパクトなお知らせカードにまとめて子どもたちに配布することで、子どもたちが性的な健康被害から身を守るために、また、性についての情報が必要になったときに、いつでもホームページを見たり、相談できるような体制の充実を図るべきと考えますがいかがか、伺います。  質問の2点目は、保護者への情報提供と支援についてです。  思春期に当たる中・高校生への性の健康に関する情報提供と同時に、保護者への情報提供と支援も欠かすことができません。家庭教育学級やPTAなどへ、札幌市の出前講座の周知がなされていますが、子どもの性と健康に関して、保護者の意識向上を図り、情報提供に努めることは大変重要です。今後、保護者への情報提供と支援についてはどのように進めるおつもりか、伺います。 ◎小林 健康衛生部長  1点目の若者の性の相談時間や相談日の拡充についてですが、この事業は、今年度の4月から開始したところであり、今後の相談状況を踏まえまして、効果的な相談のあり方につきまして検討してまいりたいと考えております。  次に、2点目の出前講座のタイトルの見直しについてですが、みんなで取り組む健康さっぽろ21というタイトルには、健康に関するさまざまなテーマが含まれておりますが、今後、さらに市民にわかりやすいよう工夫してまいりたいと考えております。  次に、3点目のホームページや相談機関の紹介についてですが、本事業を開始した際には、市内の中学校、高校、大学、短大、専門学校に対しまして、事業の内容と健康さっぽろ21のホームページや携帯サイトの情報を掲載いたしましたポスターを配布しまして紹介したところでございます。  また、医療機関や保健センターでの相談の際に配布いたしますリーフレットにも関係するホームページや相談先の情報について掲載しているところでございます。  今後は、思春期ヘルスケア事業におきまして、児童生徒に配布しておりますチラシにもホームページなどの情報を掲載しまして、子どもたちが必要なときに正しい情報が得られるようにしてまいりたいと考えております。  次に、4点目の保護者への情報提供と支援についてでありますが、これまでも講演会や健康教育などの機会を通じ、家庭での性教育のあり方などにつきまして普及啓発をしてまいりましたが、今後も、教育委員会や地域と連携しながら、積極的に情報提供を図ってまいりたいと考えております。 ◆坂ひろみ 委員  相談体制については、経費等の課題もあるかと思いますけれども、ぜひ前向きに検討していただくことを求めておきます。  それから、出前講座のタイトルについては、経費もかかりませんし、すぐできるのかなというふうに思いますので、早急にお願いしたいと思います。  それから、相談体制の充実については、ポスターやリーフレット、チラシなどを作成したということで、私も拝見をいたしましたが、とてもわかりやすくいいものができているなというふうに思っております。しかしながら、1種類のリーフレットで小学生から高校生までを対象とするのは難しいのではないかなと思います。今後は、子どもの年齢にあわせて数種類のリーフレットを用意し、より多くの場で、より多くの子どもたちの手に情報が行き渡るように引き続き検討していただくことを求めておきます。  情報提供と支援についてですけれども、私は、実は中学3年生の息子と高校2年生の娘がおりますので、まさに思春期の子どもを持つ親として日々子育てに奮闘しているところです。議会ではこのような質問をしておりますが、実際に家庭で我が子に性教育を行おうと思っても、何をどう伝えていいのか戸惑うことが多く、私と同様に悩んでいる親が多いのが現状だというふうに思います。  子どもの年齢、発達に応じた性教育を進めるために、多くの親が子どもの性の健康に関する情報や知識を求めていると思いますので、今後も継続したPRや情報提供に努めていただきたいと思います。  最後に要望になりますが、性教育については、学校教育の果たす役割が大きく、家庭や関係機関などとの連携による正しい知識や情報の提供が必要であり、性に関する悩みや問題について、いつでも気軽に相談できる体制の充実がより一層求められています。子どもたちが持つ性に関する教育、情報を保障される権利をどう具体化していくかが今後の大きな課題です。  保健福祉局におきましては、今後も教育委員会とさらなる連携を図りながら事業の推進に当たりますよう要望して、質問を終わります。 ◆佐藤美智夫 委員  市営墓地の返還区画の再公募に関して1点お伺いいたしたいと思います。  近年、墓地を取り巻く状況を見ますと、都市化や少子高齢化の進行、さらにはライフスタイルの変化などにより大きく変わりつつあります。その中で、最近話題になっているのが、山や海などに遺骨をまく散骨を行う人や、身内がいない、あるいは身内に負担をかけたくないということから、合葬式の墓や永代供養墓を求める人たちがいる一方、先祖の墓はあるけれども、別に自分たちの墓が欲しいなど、多種多様化しているところでございます。  また、ことしの3月、長沼町で散骨の禁止を盛り込んだ条例を制定したという報道があったところであります。このように散骨や合葬式の墓などが取り上げられておりますが、まだまだ多くの市民の方は墓地を求めているのが現状であろうと思っています。  そこで、札幌市の状況でございますが、札幌市では、昭和56年に公益法人である社団法人中央公益札幌の真駒内滝野霊園と藤野聖山園の財団法人聖山会の2団体に墓地経営を許可し、現在は市民への墓地供給はすべて民間墓地にゆだねている状況であります。  許可当時の墓地区画数でありますが、2団体合計でおおむね3万8,000区画で終了の予定であったと記憶をしておりますが、その後、2団体ではどんどん拡張を進め、現在では、おおむね7万7,300区画と規模は2倍超になっていると伺っております。  私は、当時の財政状況などから、市民の墓地需要を考え、当面、民間墓地にゆだねることはやむを得ないと考えておりましたが、やはり、当然、限度数は定めておく必要があると思います。また、価格の面などで非常に高くなっていることから、市営墓地を希望する市民がふえてきている状況であります。  ところで、市営墓地を購入した方の中には、市外への転居などで札幌市に返還された墓地があり、この返還区画350区画について、平成7年度に再公募を行い、市営墓地を希望する市民の要望にこたえたところであります。その後、この返還区画は、平成16年度末で約200区画以上になっていると聞いておりますが、最近、市に伺ったところによりますと、費用対効果や公益法人の経営に対する影響などから、300区画以上になってから再公募したいとの考えのようでありますが、現在の市民の経済情勢等を考えますとき、これだけの返還区画数があるのであれば、そろそろ再公募を検討すべき時期に来ていると思われますが、札幌市としてどのように考えているのか、お聞かせいただきたいと思います。 ◎坂本 生活衛生担当部長  市営墓地の返還区画に対する再公募についてのご質問にお答えいたします。  札幌市では、市民の墓地需要に対して、昭和59年までは市営の平岸霊園、里塚霊園、手稲平和霊園の3霊園を整備して対応してきたところでございます。しかしながら、新たな市営墓地の建設は、財政状況などから困難であると判断し、昭和59年以降については、民間墓地により市民の墓地需要にこたえてきているところでございます。  委員ご指摘のとおり、市営墓地の使用者の中には、市に返還されるお墓がございまして、平成7年度に再公募したところでございます。平成7年度以降も返還されたお墓はございますが、返還数が少数なため、再公募の事業に要する費用対効果は低くなり、コスト高になってしまうなどの理由から、現在まで再公募を行ってまいりませんでした。  しかしながら、平成16年度末現在の返還区画数は222区画となり、行政財産の有効活用を図る観点などから、今後、再公募について検討してまいりたいと考えております。 ◆佐藤美智夫 委員  ただいまの答弁で、今後、再公募を検討していきたいということでありますが、早急に再公募の準備をすべきであると考えております。  そこで、具体的にいつから再公募にかかわる事務を開始し、募集はいつごろになるのか、お伺いいたしたいと思います。 ◎坂本 生活衛生担当部長  再公募の事務の開始と募集の時期についてのご質問にお答えをいたします。  再公募の事務につきましては、来年度から開始する方向で検討したいと考えております。  また、募集の時期についてですが、再公募に係る事務といたしまして、募集区画の測量及び整地、墓地使用料及び清掃手数料の改定に伴う条例改正、さらには、募集に際しての広報、現地縦覧等がございますので、これらの事務のスケジュールを勘案いたしますと、早くとも平成19年の夏ごろになるものと考えております。 ◆佐藤美智夫 委員  最後に、今後の墓地供給について質問いたします。  現在、民間墓地にゆだねておりますが、市民の多くは安い価格の市営墓地を希望しております。したがって、民間墓地の販売が終了した後は、市営墓地で市民需要にこたえるべきであると考えますが、この点について札幌市の考えをお伺いし、私の質問を終わります。 ◎坂本 生活衛生担当部長  札幌市の将来の墓地供給対策についてのご質問にお答えいたします。  現在の民間による墓地供給が終了した後の墓地供給対策につきましては、将来の墓地需要、本市の財政状況、市民の意識などを総合的に勘案しながら、今後、検討してまいりたいと考えております。 ◆阿知良寛美 委員  私からは、アレルギー性疾患対策について2点質問をいたします。  近年、花粉症を初めぜんそく、アトピー性皮膚炎、食物アレルギーなど、国民の3人に1人は何らかのアレルギー性疾患を持っていると言われております。特に、20歳代全般では9割近くが既に発症しているか、アレルギー予備軍であることが明らかになっております。このことは、将来的に国民のほとんどがアレルギー性疾患に悩むことを示唆しており、国を挙げての本格的なアレルギー性疾患対策への取り組みが強く求められております。  しかし、これだけ多くの人が罹患している反面、一般的に命にかかわることが少ないと軽視されがちなアレルギー性疾患でありますが、ぜんそくで死亡する人は、今も年間3,000人を超えておりますし、食物アレルギーでも重いショックに陥り、死亡する症例が報告されております。  また、数字にはあらわれてこない日常生活への影響でも、食物アレルギーで幼稚園や保育園の入園を拒否されたり、学校で友達と同じ給食を食べられない、あるいはアトピー性皮膚炎を悪化させて退職に追い込まれ、自宅に引きこもってしまうといった深刻な実態もあります。  札幌市における平成15年4月のアレルギー性疾患に関する実態調査報告書によりますと、アレルギー性疾患であるという診断を受けたことがあるかとの問いに、診断ありと回答した方が、3歳児では31%、その父母では、父が31.3%、母が43.6%と、おおよそ3人に1人の割合になっております。  また、アレルギー性疾患について困っていることについては、正しい情報がわからない、得られにくい、治療や予防の方法がわからないと回答した方が多くなっており、アレルギー性疾患で悩む方々への適切な情報提供など、支援の充実が重要であると考えます。  このような中、我が会派においても、平成15年3定などにおいて相談体制の充実や正確な情報提供について求めてきたところであります。各区の保健センターにおける相談の質の向上への取り組みとして、平成16年度には医師、保健師、栄養士などの相談業務に携わる職員を対象とした相談用マニュアルの作成や研修が実施されたと聞いております。  そこで、質問の1点目は、アレルギー性疾患については、継続した対策が必要であると考えますが、札幌市ではどのような取り組みを進めているのか、お伺いいたします。  2点目は、アレルギー性疾患については個別性が高く、特に、育ち盛りのお子さんが疾患を持つ場合などは母親への細かな相談体制が必要と考えますが、支援についてどのような取り組みを行っているのか、お聞かせ願います。
    ◎小林 健康衛生部長  アレルギー性疾患の対策についてお答えします。  まず1点目の札幌市の取り組みについてですが、この疾患は遺伝的な要因のほかに、環境などの要因も関与しておりますことから、できるだけ早期に予防や悪化防止の知識を普及する必要がございます。  札幌市におきましては、アレルギー性疾患の中でも、患者数が特に多いアトピー性皮膚炎につきまして、疾患の特徴や治療と予防方法などに関するリーフレットを今年度作成し、4カ月児健診を初めといたします乳幼児健診において配布して、知識の普及に努めているところでございます。  次に、2点目の母親への支援体制についてですが、乳幼児健診におけるアレルギー性疾患の相談につきましては、従来から、相談の申し出のあった方に対しまして実施しているところでございます。  平成18年度からは、新しい乳幼児健診の実施体制の中で、質問票のアレルギーに関する項目を見直しいたしまして、これをもとに各専門職が個別相談に当たることとしております。 ◆阿知良寛美 委員  神戸市では、昨年5月から庁内にアレルギー性疾患対策検討委員会を設置しております。アレルギー治療の専門医の情報提供や市民向けのアレルギー講演会を開催するなど、アレルギー対策に積極的に取り組んでいると聞いております。  アレルギー性疾患は、主治医とよく相談のもとで根気強く治療することが重要であり、治療方法等に関する情報や医療機関についての情報が必要と考えますが、市民への情報提供をどのように行っていくのかお伺いいたします。  また、最近では、インターネットなどを活用して、身近で手軽に情報を取得できる時代であることから、ITを活用した情報提供が求められていると考えますが、この点についてどのようにお考えか、あわせてお伺いいたします。 ◎小林 健康衛生部長  情報提供についてですが、札幌市におきましては、個別相談における情報提供のほか、札幌市医師会などとの連携によります市民を対象といたしました講演会を実施しており、今後とも充実を図ってまいりたいと考えております。  また、自宅や職場で手軽に情報を入手していただく方法といたしまして、保健福祉局のホームページにアレルギーの項目を設けまして、札幌市医師会のホームページとリンクさせて、専門医療機関の検索ができるようにするとともに、現在、乳幼児健診で配布しておりますアトピー性皮膚炎のリーフレットにつきましても掲載してまいりたいと考えております。 ◆阿知良寛美 委員  最後に、要望でありますけれども、先ほども申しましたが、国民の3人に1人がアレルギー性疾患を持っており、大きな健康問題であるというふうに思います。ご存じのとおり、厚生労働省の厚生科学審議会、リューマチ・アレルギー対策委員会は、先ごろ報告書をまとめまして、今後、5年間をめどに推進する総合的な施策を打ち出しましたが、その情報提供体制の確保、それから相談体制の確保が今後の重点的な取り組みとして盛り込まれております。  アレルギー性疾患で悩む多くの市民が、安心して治療、相談が受けられるよう関係部局と連携を図りながら、今後も継続した取り組みを推進していただくよう要望して、質問を終わります。 ○井上ひさ子 委員長  ここで、およそ20分間委員会を休憩いたします。     ──────────────       休 憩 午後3時13分       再 開 午後3時35分     ────────────── ○本郷俊史 副委員長  委員会を再開します。  休憩前に引き続き、質疑を行います。 ◆馬場泰年 委員  私の方からは、本市で実施している歯周疾患検診について質問いたします。  歯の健康を守るということは、健康増進を考える上で非常に重要なことであります。かむことが健康の始まりとも言われており、高齢化社会の進展とともに、元気な歯で、健康な体と心を保ち続けることの重要性が求められているところであります。また、食べる意欲は生きる意欲にもつながるというわけでもあります。  最近の新聞報道によりますと、70歳以上のお年寄りを対象として、健康な自分の歯を持っている本数と、1カ月の医療費の平均額との関係を調査した結果が掲載されておりました。それによりますと、一つには、自分の歯を20本以上持っている70歳以上のお年寄りは、4本以下しか持っていない人に比べると、病気に費やす医療費、つまり歯以外の内科等にかかっている医療費は一月平均で約9,000円も少ないということであります。  4本以下の人は平均2万6,500円ぐらいに対しまして、20本以上持っている人は大体1万7,800円ということで、自分の歯が多い人ほど医療費が少ない傾向が見られるということであります。当然、通院日数も歯の多い人の方が少なくなっているということであります。したがって、高齢になっても、自分の歯を保つということは、自分の好きな物をおいしく食べられるということだけではなく、健康を保ち、医療費の軽減にもつながっていくというわけであります。  そういう中において、現実はどうなっているかというと、日本歯科医師会が進めている8020運動、ほとんどの人はご存じだと思いますが、80歳で自分の健康な歯を20本保ちましょうという運動でありますけれども、この達成者は全国平均でわずか15%ということであります。  歯の本数にして、80歳以上の方は全国平均でわずか5本ということであります。8020運動の達成者をふやしていくためにも、何よりも歯周疾患の予防を考えていくことが必要であると思います。したがって、このために歯周疾患検診の持つ役割は非常に大きいと思うのであります。  そこで、札幌市では、平成15年度から検診制度が実施されているわけでありますが、受診者数を見ると、平成15年度は164人、平成16年度では150人と残念ながら非常に少なく、対象者に対する受診率も両年度とも0.3%と低迷している状況であります。  今年度から検診の対象年齢を、従来の40歳、50歳に加えて、60歳、70歳と拡大しておりますが、これが受診者の増加につながればと思っているところであります。事業年度当初の札幌市の予想受診率といいますか、このぐらいは受診するだろうと掲げた数字は5%と伺っているわけでありますが、それに対して実際は0.3%です。  そこで、最初の質問でありますけれども、受診率0.3%と低迷している原因はどこにあるのか。  次に、歯周疾患検診の特に受診者増加の方策について、今まで市民や関係機関に対しまして、どのようなPRを行ってきたのかお伺いします。  3点目でありますけれども、今年度から、個別に受診対象者への受診勧奨を図っておりますが、その具体的な実施方法はどういう方法をとっているのか。以上、3点お伺いします。 ◎請井 歯科保健担当部長  ただいまの歯周疾患検診についてお答えいたします。  1点目の受診率低迷の要因についてですが、委員ご指摘のとおり、歯周疾患予防の重要性への認識が低いこと、また、検診制度自体が市民の皆さんに十分浸透していないことなどが要因と考えております。  2点目の事業の市民へのPRについてですが、広報さっぽろや保健福祉局のホームページで歯周疾患検診についてお知らせをしているほか、ポスター、チラシを作成いたしまして関係機関に配布し、本事業のPRに努めているところでございます。  3点目の個別受診勧奨の実施方法についてですが、国民健康保険に加入されている満年齢で40歳、50歳、60歳及び70歳の節目になった方につきまして、検診事業のご案内と居住区内の検診実施医療機関名簿を送付しているところでございます。  また、今年度は約3万1,000人の方に勧奨してまいりますけれども、この検診は節目の検診でございますので、誕生月に配慮いたしまして、年4回に分けて勧奨しているところでございます。 ◆馬場泰年 委員  ただいまのご説明で、低迷の要因は市民に検診制度が十分浸透していないところにあるということであります。一口に言ってPR不足であるということでありますけれども、私は、実際に、白石区にある歯科医院のすぐ隣にある企業に尋ねたところ、こういう制度があることを知らないという実態でありました。担当部局としても、これは何とかしなければとの強い思いを抱いておられるのではないかと思います。  一方、受診率が低いとはいえども、実際受診された方の80%近くは、今後の治療を要するという診察結果であり、いかに事前予防検診が大切かということであります。  そこで、市民や関係機関に対してのPRの件についてでありますけれども、広報さっぽろやホームページ、あとはポスターやチラシも配布していると。それから、指定医療機関を通じてそれらを行っているということでありますが、もう少し具体的に、例えば、ポスターやチラシはどの程度つくっているのか、どういう関係機関に配布しているのか、詳しくご説明をいただきたい。  次に、受診対象者への受診勧奨の点についてでありますけれども、本市では、国民健康保険に加入されている40歳、50歳、60歳、70歳の対象者に受診勧奨の通知をしているということであります。その数は平成17年度で3万1,000人、そして、それを誕生月によって年4回に分けて行っているということであります。  そこで、質問ですけれども、本市では、すこやか健診というものが行われておりますが、これは40歳以上ということで、このようにまではいかなくても、年齢の拡大を図っていく考えはないのか、この点についてお伺いいたします。 ◎請井 歯科保健担当部長  1点目のポスターなどの作成数とその配布先についてですけれども、毎年ポスター1,700部、チラシ2万4,000部を作成しておりまして、区の保健センター、それから検診を実施しております指定医療機関、また、北海道健康保険組合連合会にも配布をしているところでございます。  2点目の検診の受診対象年齢の拡大についてですけれども、本事業は老人保健法及び保健事業実施要領に基づいて、国の補助対象事業として実施しているところでございます。検診対象となる年齢をさらに拡大するためには、札幌市の独自事業として実施することとなり、その費用の全額を負担することになりますので、現在の財政状況を考えますと、対象年齢の拡大は難しいものと考えております。 ◆馬場泰年 委員  まず、市民に対するPRの件についてですけれども、歯科の指定医療機関を初めとする関係機関へのポスターが1,700枚、チラシの配布2万4,000枚、それから広報さっぽろ、ホームページということであります。  私は、ポスターとかチラシの数が、一つには非常に少ないのではないかなという思いがしております。これは、もちろん予算も絡んでくることであり、そのことは私も十分知っておりますが、それにしても札幌市にしては少な過ぎると。ポスター1,700枚でありますけれども、これに対して、札幌市には指定の歯科医院だけでも990件からあるわけでありまして、歯科医院だけでも平均2枚は行き届かないという状況であります。例えば、待合室に1枚張って、あるいはまた診察室にも張るとしたら、その2枚は行き届かない。玄関にも張りたいと思っても、それも張れないというような状況であります。そのほかにも、各区の保健センターとか、今おっしゃった健康保険組合連合会、企業も含めてこれらに加盟している方々は相当あるわけですけれども、そういうことを考えますと非常に少ないのではなかろうかなと。  さらに、チラシについてですけれども2万4,000枚、これも少ないのではないかと。今年度の受診対象者というのは、およそ9万人と伺っております。そうすると3人に1枚も行き届かないという状況であります。40歳、50歳と節目の年が対象でありますから、対象者というのは毎年変わっていくわけです。これらをほかの都市と比較しても、それぞれの都市によって枚数は違いますけれども、札幌市としては非常に少ない状況になっているということであります。これは先ほど言いましたが、多ければ一番いいのでしょうけれども、もちろん財源との絡みもあるわけですから、そうもいかない部分もありますので、もっとそういうことを踏まえて量をふやすべきではないかと。この件については、ひとつ来年の問題点として検討していただきたく、求めておきます。  なお、札幌市だけの責任においてやるのではなくて、もうちょっと関係機関への働きかけ、当然、役割分担の中で歯科医師会、あるいはまた各組合との連携を図りながらやっていかなければならないであろうと思います。  次に問題にしたいのは、個別受診勧奨の年齢枠の拡大についてでありますが、国の補助対象事業としての実施年齢枠を広げるとそれは札幌市の単独事業になり、費用も全額市が負担しなければならない仕組みであると。したがって難しいというお話でありました。  だとするならば、私は、この制度の重要性からしても、札幌市が国に対してすこやか健診のように年齢枠を広げる、そういう何らかの行動をとるべきではないかと考えるのでありますけれども、その点はどうなっているのか。また、他都市では全くこういう動きはないのか、お尋ねしたいと思います。 ◎請井 歯科保健担当部長  検診の受診対象年齢の拡大を国に要望しているかということでございますけれども、札幌市など政令指定都市が構成員となっております大都市衛生主幹局長会議を通じまして、歯周疾患検診の対象年齢拡大について国に要望をしているところでございます。 ◆馬場泰年 委員  受診勧奨の拡大については、今、ご説明いただいたように、関係組織との動きもあるようでありますから、札幌市としても、積極的に働きかけるべきだと思いますので、この点はよろしくお願いします。  一方、単費事業となっても支出しようと考えるなら、対象年齢を広げるのも受診率向上の一つの方法だと思います。例えば、千葉市では20歳を対象に無料でやっております。神戸市では独自で35歳を対象に無料でやっている。北九州市では、18歳以上全員を対象に無料で実施しているということであります。財政状況がそれぞれ違いますから、ほかの都市がやっているからすべて右倣えということにはならないでしょうけれども、この辺もひとつ十分検討する必要があるのでなかろうかと。  一方では、受診料の自己負担が高いからといって受診率が低いわけでもない。そういう結果も出ております。仙台市や広島市は、受診料1,300円、札幌市は自己負担500円、70歳は無料ということでありますけれども、こちらの方では、大体受診率は7%から8%になっているということであります。そういうことからしますと、札幌市の受診率が低いのは、何といっても、市民がまだそういう制度があることをよく知らない。つまりはPR不足であると、私はそう思っているところであります。  PRの方法で他都市と大きく異なるのが、先ほどのポスターやチラシもさることながら、他都市の多くは40歳、50歳、60歳、70歳の対象者全員に対して、住民票をもとに個別通知を行っているということであります。仙台市、さいたま市、千葉市、川崎市ほか含めて大体9市がそういう形で行っていると。札幌市は、先ほど説明がありましたように国民健康保険加入者のみと。したがって、約3分の1にしか通知していないということであり、大体1年に1回ずつ対象者が変わっていくわけでありますから、一通り回るのに10年かかるということになるわけであります。私は、まずは全員通知を実施すべきだと考えるんですけれども、札幌市の今の考え方はどうなのか。  それから、今年度の国保加入対象者3万1,000人に通知する費用は大体どのくらいかかるのかなと。おおよそ200〜300万円かなと思うんですけれども、その辺ちょっと教えてください。 ◎請井 歯科保健担当部長  1点目の受診対象者全員への個別通知についてですけれども、今年度は受診年齢の拡大及び個別通知を実施いたしましたので、これらの状況を見きわめながら受診率の向上について検討してまいりたいと考えております。  2点目の今年度実施いたしました国民健康保険に加入されている方への個別通知に要する費用でございますけれども、直接的にかかる部分で約300万円ほどということで計上してございます。 ◆馬場泰年 委員  最後にしますけれども、伺っておりますと、今現在、17年度の年度途中であり、今年度から60歳、70歳という方々を対象にふやしているにもかかわらず大した変化もないんだというところですので、ぜひ、今申し上げてきましたとおり受診率の向上を図るために、来年度の予算を確保していただきたいと。まず全員を対象とした通知の方策を考えていただきたいなと。全員に通知を出すということで、先ほど言ったようなチラシあたりは逆にそんなに要らなくなると思うんです。でも、ポスターが行き渡るためにはある程度は必要なのかなと。それもそんなに莫大につくる必要もないのではなかろうかなと。ほかの都市と比較すると少ない状態でありますが、ことしは3万1,000人が対象になっているから、およそ3倍の900万円かかるかといったら、チラシの部分が少なくなっていきますから、そうはならないだろうと思います。来年度の予算絡みのことでありますから、ぜひひとつこの点を踏まえてご検討いただき、実行していただきたいとお願いして、終わります。 ◆三浦英三 委員  私からは、昨年の4月に、札幌市独自の制度としてスタートしました札幌市食品衛生管理認定制度について伺いたいと思います。  申すまでもなく、私たちの日常生活は、常に安心で安全な食生活なしでは到底成り立たないということであります。ところが、昨今の状況を見ますと鳥インフルエンザ、牛海綿状脳症、いわゆるBSEといった今までにない新たな問題が発生してきております。  また、ここのところ新聞等マスコミをにぎわしておりますのがアメリカからの牛肉輸入再開問題であります。現在、この問題につきましては、国の食品安全委員会で審議がなされておりますけれども、輸入が再開された場合には、牛肉の安全が本当に確保されるのかどうかと心配なところであります。  また、本市においても、10月12日に、市内の中学校で給食用の牛乳に異物が混入していた問題が発生しております。こういうことからも、食生活を取り巻く環境は、常に不安がつきまとっているのではないかというふうに思うわけであります。  昨年、全国的にノロウイルスが猛威を奮いました。これを原因とする食中毒が全国で277件発生しまして、その患者数は1万2,500人と、原因別に見た食中毒患者数の第1位を占めております。この原因を見てみますと、食材となる魚介類などが原料段階で汚染されていたという事例のほかに、調理に携わっている方が、調理器具や手などを十分に洗浄、消毒せずに作業をしたために生じた例も多い、このように聞いているところであります。  一方、このことに関しまして、法的な規制の動きでありますけれども、平成15年に食品衛生法が大きく改正されまして、食品事業者の責任が明確にされました。そして、食品事業者みずからの責任において、食の安全を確保するということが義務づけられました。つまり自主管理の重要性がこれまで以上に認識され、推進されなくてはならない状況となったわけであります。  このような状況におきまして、本市は、食の安全・安心に向けた自主的な衛生管理の取り組みを向上させていく方策の一つとしまして、昨年の4月から先ほど標題に掲げました食品衛生管理認定制度をスタートさせたわけであります。  この制度の大きな特徴といたしましては、運営体制について行政が行うものではなく、民間の衛生管理コンサルタント企業と、事務局となります札幌市食品衛生協会が中心となりまして、協賛企業とともに運営するものであります。  昨年の4月にスタートしたこの制度は、稼働してからちょうど1年が経過し、2年目を迎えているわけであります。そこで、現在、この制度がどのように運営されて効果を上げているのかという観点から質問させていただきたいと思います。  質問の1点目ですけれども、この制度において、営業者への指導を行う衛生管理コンサルタント企業及び物資や情報の提供を行う協賛企業は、それぞれ何社が登録されているのか。また、認定を審査するための審査会はこれまで何回開催され、認定された施設はトータルで何施設になっているのかお答え願いたいと思います。 ◎坂本 生活衛生担当部長  札幌市食品衛生管理認定制度の運営状況についてのご質問にお答えいたします。  現在、この制度の運営に携わっております民間企業としましては、衛生管理コンサルタント企業は13社、協賛企業は4社が登録している状況でございます。  次に、認定の取得状況についてですが、昨年4月に制度がスタートして以降、現在までに認定審査会を9回開催し、17施設を認定しております。  なお、今年度の審査会におきましては、この制度は1年更新となっておりますことから、前年度に認定を取得した7施設の更新審査も合わせて実施をしております。  また、現在、認定を取得しております17施設の内訳でございますが、飲食店が5施設、食品製造業が4施設、スーパーマーケットなどの食品販売業が8施設となっております。 ◆三浦英三 委員  今、部長からお答えがありまして、全部で17施設が認定されているということであります。当然、この認定に当たりましては、これらの17施設はいろいろと努力を重ねられて、非常に難しい審査基準をクリアした結果、認定を受けられていると思うわけであります。  そこで、再質問ですけれども、これらの認定施設は、認定を受けたことによって具体的にどのようなメリットを得ているのかお答え願いたいと思います。 ◎坂本 生活衛生担当部長  認定を取得した施設のメリットについてのご質問にお答えいたします。  認定を取得した場合は、専用のホームページにより施設名等が公表されますほか、ロゴマークの使用が可能になり、施設への掲示、製品への表示により、認定を取得したことを市民へアピールすることが可能となっております。  これによって、認定施設は自社の衛生管理について、外部機関から高い評価を受けたことを市民から広く認知されることになり、企業として最も大切な信頼が得られることになるため、大きなメリットがあると考えております。  また、このほかに、認定施設は衛生コンサルタントなどのサポートによって、有用な衛生資材や機器について的確な情報が得られるなど、より衛生管理の向上に取り組みやすい環境づくりができることがこの制度の重要なメリットであると考えております。 ◆三浦英三 委員  今までご答弁がありましたように、この制度は衛生管理の手法とともに、食品事業者の自主管理の取り組みを推進していくという観点からも、非常に食の安全・安心にとっては有効な制度である、このように私も思っております。まだ1年ですのでなかなか知られていないのが非常に残念に思っているわけでありますけれども、最後に、札幌市はこの制度の周知をどのように図ってきたのか、お答え願いたいと思います。 ◎坂本 生活衛生担当部長  制度の周知に向けて実施した内容についてのご質問にお答えいたします。  制度の周知につきましては、先ほど申し上げました専用のホームページにより、制度の概要、制度説明会の開催、認定取得施設などについて情報提供を行っております。  また、保健所主催の食品事業者向け講習会において、制度の説明を行うほか、随時、報道機関や食品関係団体の機関誌への情報提供をするなど、さまざまな機会や媒体を通して周知を図っております。  さらに教育委員会に対して、学校給食納入業者への制度の周知を依頼するほか、食品関係団体の講習会等で制度の説明を行うなど、関係機関等とも連携を図り、周知に努めているところでございます。 ◆三浦英三 委員  最後に要望ですけれども、先ほど来申し上げましたように、この制度は食の安全という観点から見るとすばらしい制度ではないかなというふうに考えており、札幌市全体の衛生レベル向上に対して極めて有効な制度であると考えております。  また、観光都市であります札幌を訪れる観光客が、衛生面について安心して施設を利用することが可能となる制度だと思うわけであります。そういう意味からも、積極的に普及推進に努めていただきたいというふうに考えるわけであります。そのためにも、ぜひ認定を受けた施設を観光情報誌へ掲載するとか、また、市民や観光客がお店を選ぶ際の目安となるように、例えば、本制度の周知推進のためにキャンペーン期間等々を設けて、市民また営業者に向けて、より周知徹底をしっかりとしていただきたいと思っております。  最後に、先ほど話したように、運営体制について行政が直接行っていない制度であり、実質的には、札幌市食品衛生協会がこの制度推進の事務局として携わっているわけでありまして、事務局は認定を取得する施設が少しでもふえるようにいろいろな方策を講じている、このようにも聞いております。  そういう意味からも、市としてもしっかりと後押しをしていただきたいと。そのためには、例えば、札幌市の学校給食等に関係するところに食品納入業者がたくさんいると思うわけですね。そういう皆さんにも、ぜひとも認定取得を働きかけていく等々いろいろ工夫されまして、この制度がより推進されますことを希望いたしまして、私の質問を終わります。 ◆宮村素子 委員  私からは、2点質問したいと思います。  1点目は保健と医療が連携した育児支援、もう1点は乳幼児健診の見直しについてです。  最初に、保健と医療が連携した育児支援についてお伺いします。  最近の母子保健をめぐる環境は、核家族化の進行により家庭内育児力の未熟さ、それから過度の育児不安や育児困難を抱え、近所に適切な相談先もなく、孤立している母子が多くなってきていると聞いております。また、医療機関からも、母親が産後退院後間もなく頭痛、不眠を訴えて来院するケースがふえており、1日か2日母児入院させて、ゆっくり安心できる環境を提供することで身体症状が回復して、育児への意欲も高まっていくという状況を聞いております。特に母親への対応いかんでは、母親が子どもへの愛着を築けないまま経過し、ひいては児童虐待に至るケースもあると聞いているところです。  そこで、質問いたしますが、本市は平成15年度から医療機関と連携した育児支援ネットワーク事業を実施しておりますが、この事業について、医療機関からの情報提供の実績とその対応状況についてどのようになっているのか、お伺いいたします。 ◎小林 健康衛生部長  保健と医療が連携した育児支援ネットワーク事業の実績についてです。  医療機関からの情報提供につきましては、平成15年度は10カ月間で109件、それから16年度は225件となっております。月平均で見ますと15年度は11件でございまして、16年度は19件とふえております。  16年度の状況についてもう少し詳しく申し上げますと、情報提供の内訳では、重複集計ではございますが、医療関係者が、養育に支援を要する親と判断した事例が122件と最も多く、全体の54.2%を占めており、続いて、低出生体重児が112件で49.8%となっております。  また、対応につきましては、225件のうち保健師の訪問による支援を行った方が201件であり、そのうちの165件につきましては、その後も継続して訪問や電話相談による支援を実施しております。残りの24件につきましても、電話相談や乳幼児健診などにより情報を把握いたしまして、必要に応じて支援を行っているところでございます。 ◆宮村素子 委員  ただいまの答弁によりますと、16年度は医療機関からの連絡がふえておりまして、月19件ですから、保健センターがあいている期間を月に20日間ぐらいと考えますと、1日1件ぐらいの報告があるといった状況かと思います。そして、やはり養育上ちょっと問題があるなと、それから赤ちゃんが小さくて対応が難しいだろうというケースがあるというふうに理解することができるわけです。保健師さんが適宜訪問を行って継続してやっているということですので、本事業はハイリスクの母子にとっては大変意義ある事業だと私は思うところです。  そこで、質問いたしますけれども、私は、本事業の中で養育支援を要する親はどんな人なんだろうかということで調べましたら、精神疾患を持っているとか、それから未婚の母親であるとか、若年の妊産婦、育児不安がとっても強い、社会生活が未熟といったことが指摘されるかと思うんですが、これで間違いがないかどうか、伺います。  札幌市では従来からずっと新生児訪問をやってきております。実績として16年度の新生児訪問件数と、委託費用としてどのぐらい使われているのか、伺いたいと思います。  それから、本事業の活用については、16年度は27施設と聞いておりますが、施設数としては足りないのではないかなと思うんです。全医療機関に周知されているのかどうか。本事業を活用する医療機関をもっとふやすべきと考えるわけですがいかがか、伺います。
     3点目ですが、16年3定で、私は育児困難や虐待のハイリスクの親を早期に把握して適切な支援を推進するといった観点から、エジンバラ産後うつ病質問票を導入してはどうかと申し上げましたけれども、他都市の活用状況はどのような状況なのか、伺いたいと思います。  それともう1点は、産後間もない期間、例えば、2〜3週間ぐらいに、特に疾患もなく育児困難や不安から頭痛、不眠などを訴える母親に対して、短期母児入院できる制度があるのかどうか、伺いたいと思います。 ◎小林 健康衛生部長  5点のご質問にお答えいたします。  まず1点目の養育支援をする親の内訳というか、どんな方がいらっしゃるかということでございますが、平成16年度で見ますと、精神疾患の方が38件、それから未婚の方が29件、若年妊婦の方が18件、その他が55件ということになっております。  2点目の16年度の実績と委託費の決算額についてですが、保健と医療が連携いたしました育児支援ネットワーク事業につきましては225件の情報提供により、これは双子を含めた対象者数ですが238人となっております。このうち、新生児が101人、42%となっており、情報提供から2週間以内に保健師が訪問を実施しているところでございます。  一方、新生児訪問の実績数につきましては、延べでございますが8,498人となっており、このうち訪問指導員への委託により実施しておりますのが延べで8,261人となっております。委託費の16年度決算額につきましては約2,000万円となっております。  3点目の情報提供医療機関の拡大に向けた取り組みついてですが、平成16年5月に情報提供書の様式変更に伴いまして、市内の産科、婦人科、小児科の各医療機関に対して事業の周知を行ったところでございます。今後とも、支援が必要な親子の情報が早期に提供され、育児支援につながるよう医師会などとの連携を深めるとともに、各医療機関へのなお一層の周知を図ってまいりたいと考えております。  次に、4点目のエジンバラ産後うつ病質問票に関する他都市の活用状況でございますが、政令指定都市の中では、福岡市が妊産婦及び新生児の訪問の際に活用しております。さいたま市、千葉市、静岡市の3市につきましては、地域または対象を限定いたしまして活用している状況にございます。  5点目の母児短期入院制度についてですが、産後間もない母親の育児疲れを解消するために、医療機関などへの入院により、一時的な休息を図る制度といたしまして、国の補助事業の出産前後ケア事業がございましたが、平成16年度をもって補助事業が終了したところでございます。なお、政令都市では、静岡市が本事業を実施しているというふうに聞いております。 ◆宮村素子 委員  それでは、再々質問させていただきたいと思いますけれども、当事業を医療機関へ周知徹底を図るということに関しまして、まだ途中ですが、17年度はどのぐらいあるのか、お伺いしたいと思います。  新生児あるいはハイリスク母子への訪問ニーズについて、情報提供医療機関を拡大すればするほど、私は、そういった支援の必要な人たちの連絡が入ってくるのではないかなと思うわけです。これからますますそういったニーズが高くなっていったときに、どのように対応されていくのか、1点伺いたいと思います。  それから、エジンバラ産後うつ病質問票の件についてですが、政令市では福岡市だけが採用のようですが、北海道では、この質問票を使った方がいいのではないかということで、使用を奨励する方向で検討に入っていると聞いており、滝川市でも導入を始めたと聞いておりますが、本市では導入することについて検討する意思はないのかどうか、お伺いしたいと思います。  それから、母児短期入院制度について、本年度からは、補助事業ではないとすれば、本市の単費の持ち出しになると思いますけれども、市内の医療機関では、やはり必要であるとして、試行しているところもございまして、大変にニーズは高いと聞いているわけですので、何とか本市で事業化できないものか、伺いたいと思います。  それから、当事業の新生児保護にかかわる訪問指導員の指導力についてですが、訪問して、体重をはかって成長の状況を見て、母乳を見てというだけでは済まない。それぞれの親が持つ、また家庭が持ついろいろな問題も踏まえて新生児訪問をしなければならない、そんな時代になっているかと思います。そうしますと、やはり指導員の力量が問われるわけで、時代のニーズに合ったどのような指導研修をしているのか、お伺いします。 ◎小林 健康衛生部長  まず1点目の17年度の状況についてですが、17年度の実績につきましては、8月末現在でございますが、情報提供については97件、内訳は産科が73件、小児科が24件となっておりまして、月平均でいきますと19.4件となっており、まだ若干ふえております。このうち新生児が57件と、全体の58.8%を占めております。また、情報提供の内訳を見ますと、養育支援を要する親が57件、49.5%と最も多く、次いで低出生体重児が43件、37%となっております。  対応につきましては、97件のうち保健師の訪問によります支援を行った方が77件ございますが、まだ年度途中でございますので、他の20件につきましても、今後、訪問する予定となっております。  次に、2点目の訪問指導へのニーズの対応についてですが、今後は他部局との連携や専門職の役割分担によりまして、虐待予防と育児支援に関する訪問指導をきめ細かく実施してまいりたいと考えております。  3点目のエジンバラ産後うつ病質問票の導入についてです。  札幌市におきましては、新生児訪問などにおきまして、母親の不眠や育児負担感などについての状況を把握いたしまして支援しているところでございます。産後うつの客観的手法につきましては、15年の2定でもお答えしましたが、保健と医療が連携した育児支援ネットワーク事業の中でハイリスク母子を早期に支援する体制づくりを行ったところでございます。エジンバラ産後うつ病質問票の導入に当たりましては、精神科医療機関との連携や訪問指導体制の充実強化など、整理しなければならない課題も多いことから、当面は保健と医療が連携した育児支援ネットワーク事業による、ハイリスク母子への支援と新生児訪問の充実によりまして、産後の母親の精神面について支援をしてまいりたいと考えております。  次に、4点目の母児短期入院の制度化につきましては、現在、実施しております新生児訪問におきまして、母親の育児負担感に適切に対応して必要に応じて民間ヘルパーですとか、他の社会支援の情報提供などを行いまして、きめ細かな支援をしてまいりたいと考えております。  それから、5点目の母子訪問指導員の指導研修についてですが、札幌市におきましては年2回の研修会を実施しており、最新の医学情報や育児支援に関する知識など、職員の資質向上に努めているところでございます。今後とも、研修内容の充実を図るとともに、母親のニーズや社会情勢の変化に合わせました支援が行われるように指導してまいりたいと考えております。 ◆宮村素子 委員  わかりました。  次は乳幼児健診の見直しについて伺いたいと思いますが、乳幼児健診も時代の変化に対応する必要があるかと思っております。特に、育児困難、虐待などを早期発見するといった観点から、私は16年3定でも見直しを求めたところでございまして、検討するということでありました。  そこで、1点目は、今後、乳幼児健診をどのように変えていくのか、伺います。  2点目は、他都市と比較して、乳幼児健診の受診率等について、お伺いしたいと思います。 ◎小林 健康衛生部長  乳幼児健診の見直しについてですが、まず1点目の見直しの内容について、乳幼児健診は育児上の問題を抱えた方々を把握する重要な機会と考えており、来年度からスタートいたします新たな健診で使用いたします質問票に育児負担感を把握する項目を盛り込むこととしております。  また、保健師など健診に従事する職員が、親子の様子を観察するための客観的な基準を作成いたしまして、育児上の支援を要する方を的確に把握するとともに、個別相談の充実や必要な支援につなげるような体制づくりを行うこととしております。  2点目の他都市と比較した乳幼児健診の受診率につきましては、平成16年度は、札幌市では4カ月児健診が99.4%となっており、政令指定都市の中では最も高い受診率となっております。  一方、1歳6カ月児と3歳児健診の受診率につきましては87.1%ということで、政令指定都市の中では低い受診率となっております。 ◆宮村素子 委員  ただいまの受診率から見まして、健診に来ないケースもあるわけですね。新生児期が終われば乳幼児期というふうに成長していくわけですけれども、札幌市の出生数というのは大体1万5,000人をちょっと切れているわけです。その中の4カ月健診が99.4%ですから、0.6%が対応できていない。そうすると、そこは90人ぐらいというふうに見ることができますし、1歳6カ月児、3歳児においても、やはりそれぞれ1,900人ぐらいは来ないということになろうかと思います。それで、健診に来ないケースのフォロー体制は現状としてはどうなっているのか、お伺いします。 ◎小林 健康衛生部長  健診に来ない方々のフォロー体制の現状についてですが、4カ月健診では、全区で再度通知をするとともに、保健師が家庭訪問などを行い、受診勧奨及び状況把握をしているところでございます。  また、1歳6カ月児と3歳児健診では、9区において再通知を実施しておりまして、そのうち5区では受診勧奨及び状況把握を行っているところでございます。  なお、経過観察を必要とする事例につきましては、すべての区で保健師が家庭訪問などにより対応しているところでございます。 ◆宮村素子 委員  ただいまお答えいただきましたけれども、来ない人にはそれぞれ再通知をして、できるだけ保健師が訪問するといった状況になっておりますが、やはり課題があるなというふうに思います。4カ月健診は全数実施となるように再通知をしているんですが、1歳6カ月児と3歳児については、全区ではまだしていないといった状況にありまして、それをどうするのかというのが今後の課題ではないかなと思います。  14日の児相の報告の中で、16年度の児童虐待は242件、その中で3歳未満の乳幼児が35人いることがわかったわけですね。その親の状況を見ますと育児放棄といいますか、十分にできないといった母親が多いということも明らかになったわけです。  健診に来ない方達の中には、いろいろな問題が内在しているのではないかと思うわけですが、その中でも、特に虐待につながる要素があるのではないか。先ほどの親の背景から見ましても不安定な状況でいるわけですね。そうしますと、やはりフォロー体制は全区にわたってきめ細かくする必要があると思うわけですが、今後、この要支援者に対するフォローのあり方についてお伺いしたいと思います。 ◎小林 健康衛生部長  要支援者のフォローのあり方についてですが、乳幼児健診の見直しに当たりましては、健診を育児上の支援が必要な方々を把握いたしますスクリーニングの場と位置づけまして、そこで把握された方々に対するフォロー体制を充実する方向で、現在、検討を行っているところでございます。  また、ご指摘のとおり、未受診となった方の中には、専門職による早期の対応が必要な場合がございます。このような方々につきましては、個別の事情を踏まえた支援が必要であることから、現在進めております乳幼児健診の実施体制の見直しによりまして、保健師等による家庭訪問などの充実を図ってまいりたいと考えております。 ◆宮村素子 委員  最後に、小澤副市長に見解をお伺いして終わりたいと思います。  今まで母子保健のハイリスク母子への支援体制の充実という観点で質問してまいりました。児相での虐待相談件数はふえている。  それから医療機関から母親の要支援を求める、そういった連絡が15年、16年、そして17年、まだ途中ですけれどもやはりふえていっているわけですね。それから、医療機関でも、どうしても対応したいと思うケースが多くなってきている。そういったことから、母親や家庭が持つ背景の複雑さが子育てに影響していると思うわけです。札幌市の対応はどのように考えているのかということを、今ずっとお尋ねしてまいりましたが、今までの事業を見直すという姿勢は評価したいと思いますし、ぜひ時代に合ったものに変えていってほしいと思いますが、やはりこのケースにとって有効な方法というのは、選択肢が多い方がいいわけですよね。  例えば、エジンバラ産後うつ病質問票の方が、有効に対象者をきちっと把握して、これは自分でチェックするので本人も自分の傾向がわかるわけですよね。ですから、このケースにとってはそれが有効、しかし、このケースにとってはそれが有効でないとか、そういうことがあろうかと思います。それは専門者が何を使うかということですし、この場合は2日間ぐらい医療機関でゆっくり休んでもらう、その方がこの母児のこれからのためにはいいとか、これは保健師の継続的なフォローでいいとか、訪問指導員にお願いするケースでいいとか、そのときに本当にメニューがたくさんあって、活用できる方が母児にとってはいいんです。  母児の背景は複雑になってきているから、限られた事業だけやっているのでは、どうしてもその中で十分フォローし切れない部分がある。多分に予算がネックにあろうかと思うわけです。産め、産めということはなかなか奨励できない状況で、少子化でせっかく生まれてきた子どもさんが最初から健康に育つ、健康な家庭を維持するということに、札幌市はできるだけ予算を使ってもそれは間違いではないと思うわけです。きめ細かく、そして質の高い支援へと時代を踏まえた対応が求められていると思うんですが、小澤副市長はどのようにお考えかお伺いして、終わります。 ◎小澤 副市長  宮村委員の過去いろいろな母子のことにかかわった含蓄豊かな知識を今聞かせていただいて、私どもの健康衛生部の方からも、時代のニーズに合わせて改善すべきところは改善をしていくという姿勢を、今、やりとりの中で、答弁させていただいたわけです。  私も、基本的にはいろいろなニーズに的確にこたえられるきめ細かなメニューがあるということは大事なことだと思いますが、それは具体的にどこまでできるのか、やっぱり一人一人のお子さんとお母さんの関係、家庭の環境というのは非常に千差万別であろうと思いますし、可能な限り私どもはそういうことにこたえていくために、例えば、専門家のネットワークをきちっとするとか情報を共有するとか、そういうことを前提にして、それぞれのセクションがその家庭に合った指導をしていくというような体制の構築を目指して、行政は進めなければいけないのだろうというふうに思っております。 ◆涌井国夫 委員  大きく2点にわたって質問いたします。  まず1点目、生活習慣病対策の取り組みについてお伺いします。  先月、厚生労働省の厚生科学審議会地域保健健康増進栄養部会は、今後の生活習慣病対策の推進についてとする中間報告をまとめました。その中で、平成12年に策定された健康日本21の進捗状況について、必ずしも十分ではない点が見られると指摘しておりまして、その上で、今後の生活習慣病対策について報告がされております。  健康に関心のある人が自主的に行う健康づくりの支援にとどまらず、健康に関心のない人や生活習慣病の予備軍の人に対して、予防の重要性や生涯にわたる健康、生活の質を向上させていく上で、社会全体で支えていく環境整備が必要であるとし、肥満者の多くが糖尿病、高血圧症、高脂血症などの危険因子を持っていることで、心疾患、脳血管疾患を発症する危険が増大していること。また、運動習慣の徹底、食生活の改善を中心とした生活習慣の改善により内臓脂肪を減少させることで、生活習慣病の危険因子のすべてが改善することを広く普及させていくことが必要であるというふうに述べております。  そこで、本市といたしまして、今後の生活習慣病対策を推進していくために、地域や産業界などあらゆる有機的な業界との一層の連携、あるいはまた支援が不可欠だと思うのでありますが、どのように考えているか、伺いたいと思います。  また、本年、国の指標でございます健康維持に必要な運動所要量や運動指針が見直されると伺っているところでありますけれども、ライフスタイルに応じた運動不足の解消を目指した具体的な実践方法等を、わかりやすく示したガイドブックを策定いたしまして、地域、職場を通じた普及啓発を積極的に進めるべきではないかというふうに思いますがどうか、伺いたいと思います。  また、健康運動指導士など運動指導の専門家育成の促進を図る必要があることから、今後、保健師、管理栄養士にも運動指導に関する知識、技術の習得が必要というふうに思いますがいかがか。この2点まとめてお伺いいたします。  また、生活習慣病の高齢者に向けた健康手帳の質問ですけれども、健康手帳の対象は70歳以上の方、65歳以上70歳未満の障がい認定を受けた方、また、40歳以上の人についても、健診を受けて希望する方に健康手帳を交付するとなっております。  健康手帳の1ページ目に、老人保健法の医療を受ける人と書いてありまして、これを見た40歳以上の方は、私には似合わないということで、いただいてもお返しする方がいらっしゃるのではないかというふうに思うんですが、この中を見ますと、いまだ成人病というふうに記載されていまして、成人病から生活習慣病というふうに変わってきているわけですから、国を挙げて取り組む時期に合わせて、見直しすべきではないかと思いますが、この点も含めてお伺いいたします。 ◎館石 健康づくり担当部長  生活習慣病予防対策についてお答え申し上げます。  1点目の産業界や民間施設と連携した対策についてですけれども、産業界や民間施設との連携につきましては、今後の生活習慣病予防対策を進める上で大切な視点であろうかと考えております。  次に、2点目と3点目につきましては、まとめてお答え申し上げたいと思います。  ご承知の高齢化の進展に伴いまして、委員からもございましたように、がんや心臓病、脳卒中等の生活習慣病が国民の主要死因の6割を占め、また、医療費に占める割合も3割に至るなど、生活習慣病の予防対策は、今や大変重要な課題になっていると認識しております。  国においては、委員からご指摘がございましたように、それぞれのライフスタイルに応じた運動不足解消の具体的な実践方法を示した運動指針を策定すると聞いておりますので、地域や職場における普及啓発の方法並びに本市の専門職員等の資質向上策等についても、それらの内容を見まして検討してまいりたいというふうに考えております。  それから、4点目の健康手帳についてのお尋ねでございます。  健康手帳につきましては、健診結果や医療の記録など、健康管理に必要な情報をご本人が継続して管理していくための大切な情報源となるものでございます。今後、国においては、老人保健制度改正等が予定されておりますので、それらの動向を見ながら、必要があれば健康手帳活用のあり方についても検討してまいりたいというふうに考えております。 ◆涌井国夫 委員  中間報告の中に、保健指導のアウトソーシングについて、今後、良質な保健サービスを提供できる民間事業者を育成するに当たり、国として医療保険者等が保健指導を民間事業者にアウトソーシングする際に考慮すべき基準を示したガイドラインが必要であり、これを示して民間でできる部分であれば積極的にアウトソーシングをやっていくことでの指摘がされておりまして、その上で本市の基本的な考え方をお伺いしたいというふうに思います。  それから、次に健康づくりセンターと指定運動療法施設の活用という部分で質問いたします。  健康診断で、肥満、高血圧、高コレステロール、高血糖という生活習慣病の4項目を指摘された人は、異常なしの人に比べて10年後の医療費が3倍以上かかり、高血糖とされた人の43%が10年以内に糖尿病になっていることが、先日、社会保険庁の調査研究で判明したという報道がございました。  厚生労働省は、運動や食事で生活習慣病を予防すれば、中長期的に医療費を減らせることが裏づけられたというふうに言っておりまして、そうした意味から、運動習慣の徹底と食生活の改善を中心とした生活習慣の改善により、生活習慣病の危険因子を改善させ、さらに医療費の抑制効果も大変期待できるというふうに言っております。  そうした中で、運動療法を実施している厚生労働省指定の運動療法施設が大変期待されているわけであります。  健診の結果、治療上の必要からかかりつけ医が指示する運動療法処方せんに基づき、施設の健康スポーツ医及び健康運動士等の指導・助言のもと、トレーニング機器を用いた有酸素運動を安全、適切に実践し、利用者の生活習慣病の予防改善を目的としている施設であります。特に、施設の利用に当たり施設利用料が一定の利用回数などを満たした場合は、年末調整の際に、所得税の医療費控除が受けられるということから、市民にとっては大変有益な制度になっております。  一方、本市の健康づくり施設として、中央、東、西健康づくりセンターの3施設を運営しておりまして、多くの市民の健康増進に寄与しているわけであります。今後、ますます健康づくりセンターの役割が重要になると思いますが、改めて健康づくりセンターのこれまでの取り組みや役割についてお伺いしたいと思います。  また、先ほどの指定運動療法施設についてでありますが、東京は12カ所ございます。政令市の横浜市、大阪市では、それぞれ市内に5カ所持っておりまして、政令市の7割近くは複数の指定運動療法施設が認定されております。本市は、実は1カ所しかありません。しかも、病院系ということで、極めて限られた施設になってございまして、他の政令市から見ると大変不十分だというふうに私は思っているわけであります。  そこで、中央健康づくりセンターなどは指定運動療法施設の認定条件がそろっているのかどうなのか。また、今後、指定を受け、医療機関と連携した事業展開に取り組むべきと思うけれどもいかがか、お伺いしたいと思います。 ◎館石 健康づくり担当部長  4点のお尋ねがございましたけれども、初めに、保健指導のアウトソーシングについてですが、健康増進法によりますと、生活習慣病予防等のための保健指導につきましては、市町村の専門職員等がこれに当たる旨が規定されてございます。  しかしながら、ご指摘がありましたように、厚生科学審議会等における議論によりますと、アウトソーシングについても検討すべきということで、委員からございましたように、アウトソーシングする際に考慮すべき専門職員等の配置や、提供されるべきサービス内容について、基準を盛り込んだガイドラインを作成すると聞いております。  したがいまして、これらが示された時点において、実際にどのようなアウトソーシングが可能かどうか、検討してまいりたいというふうに考えております。  次に、2点目の健康づくりセンターにおけるこれまでの取り組みや役割についてですけれども、健康づくりセンターでは、市民の健康と福祉の向上を目的といたしまして、健康づくり思想の普及啓発、相談、情報提供、その他健康増進に関するさまざまな事業を展開してきたところでございます。  主な事業といたしましては、健康度測定や体力測定及びその結果に応じた運動プログラムを提供し、実践指導を行っておりますほか、40歳未満の女性を対象とする健診などもございまして、いずれの事業も利用者から好評を得ているところでございます。  さらに、高齢化の進展とともに、介護予防が重視されておりますけれども、中央及び西健康づくりセンターにおきましては、虚弱高齢者を対象として筋力向上トレーニングを行う、高齢者運動プログラム推進事業を実施するなど、生活習慣病の予防、介護予防を含む市民の健康づくりに寄与すべく努めているところでございます。こうした結果、平成16年度における健康づくりセンター3施設の延べ利用者数は21万8,000人となっているところでございます。  次いで3点目、健康づくりセンターが指定運動療法施設としての指定を受けるための条件を満たしているかというご質問でございますけれども、東センターを除きます中央及び西健康づくりセンターにつきましては、日本医師会が認定する健康スポーツ医という制度がございますが、この健康スポーツ医を確保することなどによりまして、必要な条件を満たして指定を受けることは可能であると考えております。  4点目でございますが、センターが指定を受けてはどうかというお尋ねでございますけれども、この制度そのものの内容ですとか、あるいはご指摘のございました先行他都市における取り組みの状況、また、健康づくりセンターの受け入れ態勢や既存事業との整合性、さらには来年度以降に国から示される予定となっております医療制度改革や老人保健制度改正の行方、その他関連諸制度を含めまして、総合的に検討してまいりたいと考えております。 ◆涌井国夫 委員  今後、総合的に考えていきたいということでありますけれども、市民にとっては有益な制度である所得税の医療費控除が、本来受けられる制度となっているのですが、実際問題としては、この医療費控除がされていないと。ある意味では、活性化させていくというか、利用促進策の一つとして、医療費控除は極めて大事な制度ですが、その恩恵を受けている人がだれもいないということですから、ぜひともこういったような仕組みがある以上、やはり札幌市としても、健康運動療法施設の指定を受けて、施設利用を図っていくということが極めて大事だというふうに思っているところであります。  また、今後、国の方は40歳からの検診をきちっと義務づけて、生活習慣病に乗り出すべきと報告書にも載っておりまして、市民の健康維持と生活習慣の改善をさせていくためには、常にそれぞれの人に合った運動とカロリー摂取をきちっと心がけていくことが、健康管理の部分では極めて大事だと思っております。  地域でも民間のアスレチッククラブが今たくさんできてきております。できれば、健診で運動療法が必要になった人は、そうした民間のアスレチッククラブ利活用策を取り入れた地域健康ネットワークが、今後、必要ではないかというふうに思いますが、この点についてお伺いしたいと思います。 ◎館石 健康づくり担当部長  民間施設の活用と、それから地域の健康づくりネットワーク化についてですけれども、アスレチッククラブ等、民間施設と連携した、あるいは地域のネットワークを構成した形での生活習慣病予防対策については、今後の対策を進める上で非常に大切な視点であろうかと思われますので、1点目のご質問にも関係するかと思いますが、先ほどのアウトソーシングの視点なども含めまして、具体的なあり方について、今後、検討してまいりたいと考えております。 ◆涌井国夫 委員  あとは要望にしておきますが、2年前に健康増進施設の中で温泉利用型健康増進施設というものが新たにでき上がりまして、健康増進のための温泉利用を実践するための設備、圧中気泡蒸気や熱気などの浴槽設備を備えているということと、温泉利用指導者の配置があれば認定が可能だということも書かれております。  そこで、施設利用料金は、医療費控除の対象ということもありまして、ぜひ定山渓にあるライラック荘をリニューアルして活用していただければ、市民の方にも大変喜ばれるのではないかと思いますが、質問しても所管が違いますので、要望して終わりたいと思います。 ◆小田信孝 委員  私は、エイズ対策とたばこ対策について質問させていただきます。  まず、エイズ対策です。  ことしの7月1日から5日間の日程で、横浜会議に次いで11年ぶりにエイズ国際会議が神戸市で行われました。第7回アジア・太平洋地域エイズ国際会議ということで、70カ国から2,700人が参加したという報道がなされております。  札幌市でも、この会議に代表を送り出しまして、いろいろ知識を仕入れ、そして今後の札幌市のHIV対策の強化に資するものを打ち出していこうというふうになっていると思います。  そこで、会議の開催内容、そしてまた、出席したメンバーからいろいろな参考資料が届けられていると思いますけれども、札幌市として、会議結果をエイズ対策にどのように生かしていこうと考えておられるのか、まず1点目お伺いいたします。  2点目は、エイズ対策の予算でございます。  何といっても、厳しい財政の中でエイズ対策を進めるためには、それなりの予算がないと進まないわけですけれども、国も各都道府県も、そして市町村も、エイズ対策予算は大変厳しい状況に置かれておりまして、どんどん削られているわけですね。このままでは大変不安なんですが、この点についてはどのようなお考えでいるのか、お伺いいたします。  3点目は、高校生への普及啓発についてお伺いいたします。  何人かの方が性感染症の問題についてご質問されておられましたけれども、今回の国際会議でも、特に、高校生対策では、コンドーム装着の指導のあり方とかいろいろなことで話題になっておりましたし、隣同士で子どもたちにセックスの問題をどうやって教えるんだと、何が重要なんだということを具体的に話し合いましょうと言ったら、日本人の参加した人たちは、突然そういうことを言われたものですから、うわっとなって大変なムードになってしまったと。実は、今までこれは教育現場でもなかなか進まなかった問題であります。  本市においては、高校生に対し、どのような啓発を実施しているのか。また、そのためには、北海道や教育委員会との連携が不可欠と考えますけれども、どのように考えておられるか、質問させていただきます。  次に、たばこの方も頭出しさせていただきます。  ことしの2月に、世界的な条約でありますたばこ規制枠組条約が発効いたしました。私はたばこを吸いませんので、きょう、お友達のたばこの箱を借りてきたんですが、中国製の中南海というたばこがあります。たばこのパッケージの3分の1に、「喫煙は、あなたにとって心筋梗塞の危険性を高めます。疫学的な推計によりますと、喫煙者は心筋梗塞により死亡する危険性が非喫煙者に比べて約1.7倍高くなります」と、このように警告文が出ています。これはまさにたばこ規制枠組条約が発効してこういうふうに変わってきたわけです。  日本で大変ポピュラーなマイルドセブンには、「喫煙はあなたにとって肺気腫を悪化させる危険性を高めます」と、厚生労働省のホームページのアドレスも詳しく出ています。  このように、確実に変わってきているわけですね。変わってきているということは、前よりもたばこの害に対して徹底的にやりますよと。テレビの宣伝もなくなりました。街を歩いていても看板がきれいになくなりました。これは全部国際条約のおかげでこういうふうになったわけです。しかも、札幌市は8月からポイ捨て等防止条例が施行されました。喫煙の制限区域を規定いたしましたし、いよいよ10月1日、今月から罰則規定も適用ということでございましてどんどん進んでおります。  実は、びっくりしたんですけれども、JR北海道は、受動喫煙を防止するために、今年度末をめどに、道内で発着する特急列車は全部禁煙にするそうでございます。飛行機は相当長時間飛ぶところもみんな禁煙になっていますが、JR北海道もいよいよここまで踏み込んだということでございます。全体がどんどん進んでいる感じがいたします。  札幌市内でも、健康増進法で対象としている膨大な数の施設がございます。官の方は、今、学校を初め病院等それぞれの施設で分煙、あるいは禁煙になりました。そこで今度は民間施設に向かっていく番ですが、民間の施設はどうかというとまだまだですね。例えば、ファミリーレストランにしても、チェーン店によって、喫煙する人としない人とに分ける店舗と分けない店舗とがあるんですよ。こういうことで民間は非常におくれております。
     私は、特に言いたいんですけれども、お子さん連れ、それから妊婦、被害を受けやすい市民の皆さんが日常的に利用するこういったレストランや飲食店においては、しっかりと対策を立てる必要があるというふうに思います。  それから、先ほど高校生の話を申し上げましたが、最近1カ月間以内に、1回以上たばこを吸った高校3年生の男子は、前回、2000年の調査では37%だったものが、今回は21.8%に減少した。さらに、中学1年生の男子では、前回の6.8%から今回は3.2%に減少した。指導のあり方によっては、このように中・高生の喫煙が減ってくるんだということもわかりました。  しかし、その一方で、実はたばこをやめたいんだけれども、やめられないニコチン中毒の中・高生が厳然といる、ここが問題なんですね。健康さっぽろ21でも、未成年者の喫煙をなくすことを目標に掲げているようですが、大事なことは子どもたちにたばこを吸わせないよう十分な対策を講じることであります。  私は、もうちょっときつく言いたいのは、お母さん、特に妊婦の方がたばこを吸いますと、お腹にいる赤ちゃんは酸素欠乏状態になるんです。胎盤を通過するさまざまな毒性物質の影響によりまして、胎児の成長を妨げることが多くの研究者によって明らかにされております。これは最大の児童虐待ですよ、皆さん、そうでしょう。これ以上の虐待はないですよ。本当に大変なことなんです。  そこで、たばこを吸う妊婦から生まれた赤ちゃんの問題もあります。吸わない妊婦から生まれた赤ちゃんと吸う妊婦から生まれた赤ちゃんでは、平均で200グラムの体重差があるということがはっきりしております。すなわち低出生体重児が問題になっております。こういうことを考えますと、吸わない妊婦に比べてリスクが2倍から4倍に高くなっているという現状ですから、これは本当にたばこを吸う妊婦に対する指導がとても大事だというふうに私は絶叫したいのです。たばこが健康に影響することはだれもが知っているんですが、たばこの害に関する十分な知識を皆さんが持っているかというとそうでもないんです。  さっき、たばこの箱で申し上げましたけれども、心筋梗塞は大体皆さんが知っている。ところが肺気腫といったら、えっ、どんな病気なのとなかなかわからない、こういうことであります。ですから、COPDと言われているのですが、こういうこともきちっといろいろな機会を通してCOPDの啓発をしていただかないと困るなというふうに思っております。  COPDは、吸っているたばこの本数が多い、チェーンスモーカーと言いますけれども、そのピークから大体10年後、20年後に発症するんです。鼻に酸素の管を入れ、酸素ボンベをお友達にしなければならないということになるわけですが、平成15年に札幌市が調べましたらCOPDが原因で死亡した人は144人もいらっしゃいます。前年に比べて7人ぐらいふえているということです。  そこで、質問に入ります。  1点目、たばこの害から市民を守るために、受動喫煙防止対策は極めて重要であると思いますし、これからは民間に対して受動喫煙防止対策を一生懸命やっていかなければならない。そこで、禁煙とか完全分煙を行っている施設を認証する、「ここから健康づくり応援団事業」という事業をことしから始めたわけですけれども、これは大変期待をしておりました。  そこで、質問ですが、現在、どのぐらいの施設が認証されているのか、お伺いいたします。  2点目は、どのような業種の施設が多いのか。  3点目ですが、先ほども言いましたように、子どものためにやめたいんだけれどもやめられない、こういう若い人たちに対して、どのような対策を行っていこうとしておられるのか。先ほど、いい点として中・高生の喫煙が減ったと、これはいいことなんですよ。一生懸命指導しているからどこかでこういう効果があらわれたと思うんですけれども、一説では、携帯電話にお金がかかるので、たばこまで回らなかったんではないかという話もありますが、それにしてもたばこが減ったということはいいことですから、そういうことも踏まえつつ、札幌市として、若い世代に対し、たばこの害について、今後、どのように普及啓発していくのか、お伺いいたします。 ◎舘 保健指導担当部長  私からは、エイズ対策について3点お答えいたします。  まず1点目の第7回アジア・太平洋地域エイズ国際会議に参加した上で、今後、札幌市はどのような対策を考えているのかという点でございます。  会議の中では、日本においていまだに感染症患者が増加している状況にあるにもかかわらず、エイズに関する認識が薄れているとの報告があり、札幌市でも、正しい知識の普及啓発が急務であることを再認識したところであります。  また、エイズ検査につきましては、受けやすい工夫やカウンセリングに関する報告がありましたので、これらを参考にして、今後、検査内容の充実を図りたいと考えております。  さらに、各国のエイズ教育について、その現状と課題が報告されており、今後の札幌市におけるエイズ教育の貴重な参考にしたいと考えております。  次に、2点目のエイズ対策の予算状況と、それについてどのように考えているかというご質問でございますけれども、エイズ対策予算について、過去3年間の状況で申しますと、平成15年度は約887万円、平成16年度は約843万円、平成17年度は約759万円となっております。  その中で、新しい工夫をしながら対策をいたしておりますので、その対策を説明して答弁させていただきたいと考えておりますが、新しい対策といたしましては、普及啓発につきまして、学校などの教育機関やNGO団体との連携を強化することなどにより、効果的な予防啓発事業を実施してきたところでございます。  また、検査体制につきましては、この7月から夜間エイズ検査を毎月定期的に実施することとし、専門学校ですとか、産科、婦人科、泌尿器科などの医療機関に対しポスター等を配布するなど、検査周知の拡大を図ったところであり、今後も、検査体制の工夫や周知方法のより有効的な方法を検討してまいりたいと考えております。  最後に、3点目の高校生への普及啓発についてでありますが、札幌市においては、平成14年度から思春期ヘルスケア事業を開始し、エイズなどの性感染症の予防に関する事業支援を行っております。平成16年度からは、対象をそれまでの小・中学校から高等学校にまで広げたところであります。本事業につきましては、各高等学校の性に関する教育の中で活用していただけるよう市内のすべての高等学校に対し事業のPRを行っております。  今後も、高校生に対する普及啓発は非常に重要であると認識しておりますので、北海道や札幌市教育委員会との連携をさらに密にしてまいりたいと考えております。 ◎請井 歯科保健担当部長  たばこ対策についてお答えいたします。  まず1点目の禁煙・完全分煙施設の認証数についてですけれども、本年3月にこの認証事業を開始いたしまして半年が経過しておりますが、禁煙で108施設、完全分煙で20施設、合計128施設の認証をいたしておるところでございます。  2点目のこれら認証いたしました施設の業種についてですが、最も多いのが薬局で98施設、77%、続きまして医療機関14施設、飲食店10施設、このほかに大学や専修学校、個人タクシーなどについても認証を行っております。  3点目の若い世代への普及啓発についてですが、未成年の喫煙防止に関するポスターを作成し、市内すべての小学校、中学校、高等学校に配布するとともに、健康さっぽろ21ホームページによる情報提供も行っております。  また、先ほどございました思春期ヘルスケア事業の中でも、未成年の喫煙防止を取り上げているところでございます。さらに、本年9月4日には、サッポロファクトリーにおきまして小・中学生を対象に、たばこの害をテーマとしたクイズなど、楽しみながら参加し、そして学べる未成年者喫煙防止イベント、ノーノースモーキングを開催いたしました。 ◆小田信孝 委員  エイズを先にやりたいと思うんですが、財政局も、きょう、出席しておられますか。来ている方に答えていただければいいと思いますけれども、今、部長からの答弁では、平成15年度から3カ年の経緯を示されましたが、平成12年度には1,126万円の予算があったんです。平成17年度で758万7,000円ですから、実に67%まで減らされたという実態でございます。これは、工夫をすればいろいろなことはできるんですが、まず何かやるとしたら財政的な裏づけがなかったらできないですよ。  いつも、私は、何かないか、何かないかとお願いすると、いろいろなものがたくさん出てきます。いろいろなものをつくるのに予算が必要です。ですから、今、12年度から見たら67%、6割しか確保できていない。もうちょっと保健福祉局で頑張ってこの予算をふやしていかないと、日本全体がそうなんですが、エイズ対策はちょっと盛り上がったときはすごくコンドームの問題とかいろいろ盛り上がりましたけれども、今、どんどん薄れています。しかし、先ほど言いましたように、第7回アジア・太平洋会議では、日本に対して外国からいろいろ警告されているんですよ。日本はおくれていると、何やっているんだと、そういう厳しい声があるんです。  札幌市はどうするかということなんですが、財政の方で、こういうことで考えたいというお話が何かありましたらお伺いしたいのですが、どうでしょうか。 ◎新谷 財政課長  エイズ対策について財政面でも支援すべきではないかとのご質問でございますけれども、私どもも事業の必要性につきましては十分認識しているところでございます。ただ、一方で、これまでにない厳しい財政状況にございますことから、限られた予算の中で効果的に事業を実施していくというのが基本的な姿勢でございます。この点もぜひご理解を賜りたいと思います。  なお、今後、財政支援ということでございますけれども、具体的には、来年度予算でどのような取り扱いということになろうかと思いますが、来年度予算につきましては、これから始まる予算編成の中で総合的に判断してまいりたいというふうに考えております。 ◆小田信孝 委員  今、この場ではその程度しかお話ができないかと思いますけれども、厳しく指摘されたことを、やっぱり札幌市としてエイズ対策はきちっと受けとめなければならない。  何かのときには盛り上がるんだけれども、日本人の悪い癖で、熱しやすく冷めやすい。このエイズ対策は、今、完全にアフリカからアジアの問題になってきているんですよ。先進国の中でふえ続けているのは日本だけです。このことを札幌でももっと深刻に受けとめないと、大変なことになるなと。  何もやっていないということではありません。エイズ対策は一生懸命やっています。毎年、対策推進協議会の報告が出されていまして、きちっと年齢別にエイズ患者の数が出ています。それから、新たにHIVに感染した方の年齢別の数も出ています。そして、対策はどうするかとやっています。この辺は私も理解していますが、何せどんどん予算が削られていきますと、今後、5年後にピークが来ると。今、累計1万人と言われているけれども、厚生労働省は5年後に5万人になると、先進国なのに世界的に恥ずかしい状態になるとみずから反省して予測を公表しています。そのときに、このペースでいったら札幌市のエイズ対策はどんどん減っていってなくなってしまうのではないですか。そういうことを危惧し、あえてこの問題を言わせていただきましたので、幹部の皆さんにおかれましては、ぜひ、この意を介して頑張っていただきたいと思います。  たばこの再質問に行きます。  禁煙・完全分煙施設は、半年間で128件認証したということがわかりました。統計によりますと、札幌市内に事業所の数が7万1,000件あるんですよ。その中で128件ということは、割り算をしますと0.18%で、非常に少ないです。でも係の方はみんな一生懸命やっているんですよ。だけど、全庁的に進んでいないから、こういう膨大な数の事業所に進んでいないのではないかと思うんですけれども、今後、この膨大な数の民間施設に、受動喫煙防止対策の推進を具体的にどのように取り組んでいくのか、再質問させていただきます。  再質問の2点目ですけれども、未成年者用の禁煙防止イベントをいろいろやっているということは理解いたしました。先ほども、どなたか質問されておりましたが、性の問題も含めて、小学校の時代、あるいはもっと低年齢の幼稚園の時代から、家庭の中でそういうことがどんどん語られることで、子どもの発達段階によって学校でいろいろな知識が教えられますから、効果のあるイベントを関係団体と連携して、今後、どのようにやっていくのか、しつこいようですが、この辺についてもう一度質問させていただきます。 ◎請井 歯科保健担当部長  1点目の民間施設への受動喫煙防止対策の推進についてですけれども、保健医療関係団体、飲食業、遊戯・娯楽業、ホテル・旅館業などの同業組合を通じまして禁煙・分煙施設の拡大について努めてまいりたいと考えております。  また、たばこ規制枠組条約発効1周年にあわせまして、来年2月にフォーラムを開催いたしまして、これらを通して民間施設の受動喫煙防止対策を推進してまいります。  2点目の未成年者喫煙防止にかかわります関係機関との連携ということでございますけれども、先ほどお答えいたしました未成年者の喫煙防止イベントにつきましては、札幌市医師会、札幌歯科医師会、札幌薬剤師会、北海道看護協会、札幌市PTA協議会より後援をいただいたところでございます。  また、イベントの当日につきましては、札幌市小児科医会と札幌薬剤師会にパネル展示や個別相談にご協力いただきました。このイベントは、このように関係機関の協力によって非常に充実した内容で実施できましたので、これを契機に、今後もより一層連携を深めまして、未成年者の喫煙防止対策を推進してまいりたいと思います。 ◆小田信孝 委員  このティッシュは、ポイ捨て禁止条例にかかわる市民の皆さんへの啓発のために、上田市長が街頭に立ちまして一生懸命配ったんです。ニュースにもなっています。第一部の委員会でこれから論議すると思うんですが、10月1日から罰則ですから、どのぐらいの効果があったのかということは恐らく20日に審議されると思うんですが、私は、きょう、ここでは聞きませんが、トップがいろいろな運動をすることによってちゃんとマスコミも取り上げます。いろいろな効果があります。  札幌市は、非常に妊婦の喫煙率が高いので、私はあえて大きな声でやったんですが、たばこ対策で進んでいる病院は結構あります。例えば、病院の前に並ぶタクシーは禁煙車でないと並ばせないというふうに決めた病院があるんですよ。やっぱり思い切ったことをやる病院はちゃんとあるんですね。札幌社会保険総合病院です。ここは病院の前に禁煙車しか並んではいけませんということで、ちゃんと仕分けしているんです。何でそんなことをしたかというと、密室ですから、ここでたばこを吸われると、当然、吸わない運転手も受動喫煙になってしまいます。タクシーの中というのは本当に大変な密室ですから、後部座席でたばこを吸われてしまうと物すごい倍率になってしまうんです。一々言いませんけれども、物すごい数字です。  私がいただいた肺のポスターですが、健康な人の肺の色とずっとたばこを吸い続けている人の肺を見てください。ここが白くなっているのは肺がんです。これは小・中学生にわかるように札幌市がつくったポスターです。こういうことを一生懸命やらないとだめなんです。  たばこ協会も、2008年に導入予定ですけれども、今度、このカードを持っていなければ自動販売機でたばこを買えませんよというカードをつくるそうです。たばこ業界もこういうことに乗り出しましたので、札幌市は今後の主軸として、民間の施設に禁煙、分煙をしっかりやってほしいということを徹底してほしいんです。  そこで、副市長、財政的にお金をかけないで民間の皆さんに協力をしていだたく方法があるんです。それは、札幌市は建設局を初め発注する側ですから、例えば、言葉は悪いかもしれませんけれども、受注された企業を副市長がちょっと呼んで、市の仕事をするんだから、今後、あなたの会社では、社内はもちろんのこと、社員の宿舎すべて分煙、禁煙のどちらかをきちっとやるべきだ、またそういうふうにやってもらいたいと。  これは今、みんな一生懸命勉強してISOの資格を取って、少しでも受注業者として優位な地位を占めたいということで頑張っているんですよ。ですから、そういうことを見ると、札幌市が一言、民間の皆さん、今後は、たばこ規制枠組条約が発効されたんです。健康増進法ができたんです。たばこもみんな一緒になって、吸う社員も吸わない社員も一緒だったら困りますと、副市長、経済界を呼んで指導会をやってください。建設業界は非常に多いです。  協力してくれた業者の皆さんをインターネットに載せている。先ほど128カ所と言われましたが、私が引っ張り出した関係では、残念ながら119カ所しか出ていませんでしたけれども、ほとんど薬局ですよ。ですから、これからは経済界、例えば、北電とか建設協会とかいろいろなところに働きかけて、本当に社員皆さんの先端の先端までこれがきちっとできるように指導することが大事だというふうに思います。  タクシーの後ろに、こういうワッペンを張っております。これは一番新しいものです。それから、認証マークを取得した店は、禁煙か分煙のこれを張っております。だけど、こちらのタクシーのこれよりも、こちらの方は圧倒的に少ない、ほとんど見かけない。ですから、これがどんどんと見かけられるような状況に持っていかなければならない。そこで、これをしっかりとやるために、最後に、副市長、強力なリーダーシップがほしいんですけれども、しっかりとした対策を民間にお願いする立場でご答弁いただきたいと思います。 ◎小澤 副市長  たばこによる健康被害というのは、先ほど小田委員からありましたように、脳梗塞とか肺がんとかいろいろ言われております。そのポスターにあります肺がんの写真でしょうか、大事なことは、そういうことにつながるんですよという、基本はやっぱりそこをきちっと理解していただかないと、たばこを吸っている方はなかなかやめられないんだろうと思います。  ですから、例えば、業者の方に、会社の中やいろいろな場所で社員がたばこを吸わないようにと言ったところで、たばこを吸う社員の方は外に行って吸うとか、そんなことにつながるのだとすれば、それはまた対症療法的過ぎるわけでして、根本のところからやっていかなければならない。その部分というのは一朝一夕にできるものだとは私は思っておりませんので、今、お話のありました危険性をいろいろな機会に訴えていくということでもって、条約に盛られた精神を市内に広めていきたいというふうに考えております。 ◆小田信孝 委員  そのとおりなんです。時間がかかるんです。アスベストはもう33年前にWHOで警告を出しているんですよ。今ごろになって日本が大騒ぎしているんです。たばこ規制枠組条約も今年から発効になったんです。どれだけ関心を持ってしっかり取り組むかによって、日本の健康増進法が生かせるかどうか決まってしまうのです。北の大地北海道と札幌市が真剣にやればやるほど、ほかの都市の見本になると思いますし、観光客もポイ捨て禁止ですから、札幌の街がきれいになったということで来てくれます。あらゆる面で政策に全部つながっていくわけですから、この政策をしっかりと推進していただくことを強く要望して、質問を終わります。 ○井上ひさ子 委員長  以上で、第5項 健康衛生費の質疑を終了いたします。  本日はこれをもって終了し、次回は明後日20日午後1時から、農業委員会、経済局及び観光文化局関係の審査を行いますので、定刻までにご参集ください。  それでは、散会いたします。     ──────────────       散 会 午後5時33分...