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  1. 宗像市議会 2017-12-15
    宗像市:平成29年第4回定例会(第6日) 議事日程 開催日:2017年12月15日


    取得元: 宗像市議会公式サイト
    最終取得日: 2021-08-31
    ▼最初のヒットへ(全 0 ヒット) ◎ 議 事 日 程(第6号)  追加日程   第106号議案 宗像市一般職の職員の給与に関する条例等の一部を改正する条例につい                 て  追加日程   第107号議案 平成29年度宗像市一般会計補正予算(第4号)について  追加日程   第108号議案 平成29年度宗像市国民健康保険特別会計補正予算(第3号)について  追加日程   第109号議案 平成29年度宗像市後期高齢者医療特別会計補正予算(第3号)につい                 て  追加日程   第110号議案 平成29年度宗像市介護保険特別会計補正予算(第3号)について  追加日程   第111号議案 平成29年度宗像市渡船事業特別会計補正予算(第3号)について  追加日程   第112号議案 平成29年度宗像市漁業集落排水処理施設事業特別会計補正予算(第3                 号)について  追加日程   第113号議案 平成29年度宗像市下水道事業会計補正予算(第3号)について  日程第 1  第 75号議案 宗像市個人情報保護条例及び宗像市情報公開条例の一部を改正する条例                 について  日程第 2  第 76号議案 宗像市災害派遣手当等の支給に関する条例の制定について  日程第 3  第 77号議案 宗像市職員の育児休業等に関する条例の一部を改正する条例について  日程第 4  第 78号議案 機構改革に伴う関係条例の整備に関する条例について  日程第 5  第 79号議案 義務教育学校設置に伴う関係条例の整備に関する条例について  追加日程   第106号議案 宗像市一般職の職員の給与に関する条例等の一部を改正する条例につい                 て
     日程第 6  第 80号議案 宗像市農村女性の家の指定管理者の指定について  日程第 7  第 81号議案 宗像市コミュニティセンター赤間会館指定管理者の指定について  日程第 8  第 82号議案 宗像市コミュニティセンター赤間西会館指定管理者の指定について  日程第 9  第 83号議案 宗像市コミュニティセンター自由ヶ丘会館指定管理者の指定につい                 て  日程第 10 第 84号議案 宗像市コミュニティセンター河東会館指定管理者の指定について  日程第 11 第 85号議案 宗像市コミュニティセンター南郷会館指定管理者の指定について  日程第 12 第 86号議案 宗像市コミュニティセンター東郷会館指定管理者の指定について  日程第 13 第 87号議案 宗像市コミュニティセンター日の里会館の指定管理者の指定について  日程第 14 第 88号議案 宗像市コミュニティセンター玄海会館指定管理者の指定について  日程第 15 第 89号議案 宗像市コミュニティセンター池野会館指定管理者の指定について  日程第 16 第 90号議案 宗像市コミュニティセンター岬会館指定管理者の指定について  日程第 17 第 91号議案 宗像市コミュニティセンター大島会館指定管理者の指定について  日程第 18 第 92号議案 宗像ユリックス総合公園及び宗像総合市民センター指定管理者の指定                 について  日程第 19 第 93号議案 宗像市民体育館宗像勤労者体育センター、宗像市玄海B&G海洋セン                 ター及び宗像市運動広場の指定管理者の指定について  日程第 20 第 94号議案 宗像市弓道場の指定管理者の指定について  日程第 21 第 95号議案 ふれあいの森総合公園指定管理者の指定について  日程第 22 第 96号議案 宗像市大島福祉センター指定管理者の指定について  日程第 23 第 97号議案 宗像市東部観光拠点施設指定管理者の指定について  日程第 24 第 98号議案 平成29年度宗像市一般会計補正予算(第3号)について  追加日程   第107号議案 平成29年度宗像市一般会計補正予算(第4号)について  日程第 25 第 99号議案 平成29年度宗像市国民健康保険特別会計補正予算(第2号)について  日程第 26 第100号議案 平成29年度宗像市後期高齢者医療特別会計補正予算(第2号)につい                 て  日程第 27 第101号議案 平成29年度宗像市介護保険特別会計補正予算(第2号)について  日程第 28 第102号議案 平成29年度宗像市・福津市介護認定審査会特別会計補正予算(第1号)                 について  日程第 29 第103号議案 平成29年度宗像市渡船事業特別会計補正予算(第2号)について  日程第 30 第104号議案 平成29年度宗像市漁業集落排水処理施設事業特別会計補正予算(第2                 号)について  日程第 31 第105号議案 平成29年度宗像市下水道事業会計補正予算(第2号)について  追加日程   第108号議案 平成29年度宗像市国民健康保険特別会計補正予算(第3号)について  追加日程   第109号議案 平成29年度宗像市後期高齢者医療特別会計補正予算(第3号)につい                 て  追加日程   第110号議案 平成29年度宗像市介護保険特別会計補正予算(第3号)について  追加日程   第111号議案 平成29年度宗像市渡船事業特別会計補正予算(第3号)について  追加日程   第112号議案 平成29年度宗像市漁業集落排水処理施設事業特別会計補正予算(第3                 号)について  追加日程   第113号議案 平成29年度宗像市下水道事業会計補正予算(第3号)について  日程第 32 所管事務調査行政視察)報告について(総務常任委員会)  日程第 33 所管事務調査行政視察)報告について(社会常任委員会)  日程第 34 発議第  5号 議員派遣について                                     平成29年12月14日 宗像市議会  議長 花田 鷹人 様                                      総務常任委員会                                       委員長 吉田 剛                 所管事務調査行政視察)報告書  本委員会は、下記のとおり行政視察しましたので、報告します。                        記 1 期 日   平成29年10月11日~10月13日(3日間) 2 視察地及び調査事項 (1)宮城県名取市(10月11日)   ・震災復興取り組みと防災・減災のためのまちづくりについて (2)岩手県西磐井郡平泉町(10月12日)   ・世界遺産登録後の取り組みについて (3)宮城県石巻市(10月13日)   ・子育て世代包括支援センターについて 3 調査内容   概要は以下のとおり。資料は議会事務局に保管。 ◆宮城県名取市(人口77,962人、面積98.17km2[H29.4.1現在]) 【市の概要】  宮城県のほぼ中央に位置し、政令指定都市である仙台市に隣接している。JR仙台駅と仙台空港を結ぶ 仙台空港アクセス鉄道が平成19年3月に開通するなど、交通の要衝でもある。  昭和30年4月、2町4村の合併により名取町が誕生し、昭和33年10月に市制を施行した。  全国の都市を対象とした「住みよさランキング2017年度版」で、北海道・東北エリアで7年連続第 1位、全国で第11位にランキングされた。  平成29年度一般会計予算:394億8千万円 【調査事項】 〔震災復興取り組みと防災・減災のためのまちづくりについて〕 1 地震の状況について  本震:平成23年3月11日(金)14時46分、三陸沖深さ24kmでマグニチュード9.0、震度6強     の東北地方太平洋沖地震が発生。  津波:本震発生後1時間6分後の15時52分、名取市閖上港に最大浸水高9.09m、最大浸水距離     約5kmの津波第一波が到達。     仙台東部道路高速道路)が堤防の役割となり、市内中心部への浸水を防いだ。  人的被害    :死者923人  建物被害    :13,991件  非住家被害   :2,805件  避難所開設状況 :震災発生の3月11日には52カ所11,233人が避難。約3カ月後に全ての避           難所を閉鎖。  仮設住宅入居状況:震災から約2カ月後の5月3日に入居開始。プレハブなどを含んだ同年10月ピー           ク時の入居者数は5,663人。うち約20%が現在も居住中。
    2 名取市震災復興計画について (1)計画の概要  ・震災から7カ月後の10月11日に、市議会において名取市震災復興計画を可決・計画決定。  ・名取市第五次長期総合計画をふまえた、復旧・復興に関する震災対策特別計画。  ・当初は、「再生期」「展開期」「発展期」の計7カ年で「暮らし」「産業」「まち」の復興を目指す計画で   あったが、平成28年度に延長し9カ年計画となった。  ・県内で2番目に計画が策定されたにも関わらず、地元住民の同意を得るために多くの時間を要したた   め、計画期間を延長した。 (2)主な事業  1)被災市街地復興土地区画整理事業防災集団移転促進事業災害公営住宅整備事業    ハード面についてはほぼ全額を国からの復興財源から、ソフト面に関しても国からの被災者支援総   合交付金で賄っている。  2)津波防災対策    特色は多重防御にあり、国土交通省直轄事業で第一次防御ラインとして海抜7.2m地点に堤防   を築き、第二次防御ラインとして県道南北線を軸に海抜5mの高さに合わせて盛土し、地盤をかさ上   げすることによって、居住地域への浸水被害を軽減させる。第一次防御ラインから第二次防御ライン   までの地区は災害危険区域として非居住区域指定し、産業立地地区とする。現時点で数社の企業誘致   に成功している。非居住区域内にある土地は、防災集団移転促進事業として、工場等を除き国が居住   者から買い取る。  3)閖上地区の復興公営住宅計画    最終的には755戸、約2,100人規模の集落となる予定であるが、もともとの人口の半分にも   満たない規模であり、スーパーマーケットや病院といった、居住者にとって必要不可欠な施設の参入   が難しく、生活の利便性を担保できないという課題がある。  4)かわまちづくり整備事業計画    河川防災ステーション施設を平常時でも有効活用できるように設計するだけでなく、船着き場に隣   接する側帯上に平常時は仮設店舗を出店させ、災害時はこの側帯の土を切り崩し防災ステーションと   して使用できるように整備している。 (3)被災者の心のケアについて    宮城心のケアセンターへの相談と対応件数は、平成23年度は約1,100件、震災の2年後には   最大相談件数約1,300件を記録したが、平成29年度現在においては約300件に減少。高齢者   による相談が多いが、震災による心のケアが必要な相談者かどうかの判断がつかないケースが多い。 【所 感】 ・深刻な被災状況であったが、市民、行政、議会が一丸となった震災復興計画の策定、そして実行があっ  たからこその現状であることを実感した。住みよさランキングが北海道・東北エリアで7年連続第1位  であった名取市が、今後どのような復興をしていくか、心から応援したい。 ・現地を視察したことで、改めてその災害規模の大きさを実感し、何もかもが全く新しいまちづくりを果  たそうとする復興が、いかに大変であったかを知ることができた。本市においても参考になるのはもと  より、現在も続く様々な復興支援の基礎となりうるものであると感じた。災害時にはそれまでの人のつ  ながりが復興に大きく影響を与えるため、本市においても、有事の際に役立つコミュニティのあり方を  考え、人間関係の強化を図ることの必要性を感じた。 ・水田の復旧が進んだものの、稲作でなく大豆栽培にとどまっていることが残念である。復興住宅として、  集合住宅戸建て住宅の建設が進められていたが、市街地から離れたところに位置するので買い物をす  る施設もなく、日常生活を送る上ではどうなのかと思う。高速道路の南と北では被害状況に大きな違い  があり、津波対策として高速道路の役割は大きいと感じた。 ・復興の目標を新たな未来づくりとし、「暮らし」「産業」「まち」とそれぞれに目標を掲げ未来志向で復興  に取り組んでいるところに、名取市の力を感じた。震災復興計画に、「再生期」「展開期」「発展期」を設  定し、互いに支え合い未来を感じて安心して暮らせるまちを目指していることが、市民にとっては分か  りやすく、希望を抱かせるまちの復興となったのではないだろうか。本市では津波に対する意識が薄い  ように感じるが、常に予期しない事態に備え、海岸線の有識者による点検と最大浸水高ごとの津波の襲  来による浸水距離等を予測し、どこへ避難すべきかを市民へ知らせるべきではないかと考える。 ・仮設住宅への入居の際、町内会ごとに振り分けられたのは、孤独死を防ぐためであり、阪神淡路大震災  の経験者からのアドバイスによるものである。日頃からの地域のつながりの大切さを感じた。市営の集  合住宅は一人暮らしの人たちが多く住んでいるため、集会所(おしゃべりの場)をつくり、その利用者  が月に延べ500人になるという。住民が孤独にならないように配慮することを忘れてはいけないと思  った。 ・一定の復興計画は順調に進んでいるが、震災から6年が経過した今も快適な住環境が形成されたとは到  底言い難く、ゼロからの復興の難しさを感じた。集合復興公営住宅には単身者が多く入居しており、今  後の災害発生の際に効率的に声かけ、あるいは避難誘導できるというメリットを持つ。本市においても、  今後の姿としてコンパクトシティを標榜し、また災害の際における要支援者に対する保護活動の課題な  どを考えると、住民を合理的に住み替える施策をとるべきなのか、一つの参考になった。 ◆岩手県西磐井郡平泉町(人口7,851人、面積63.39km2[H29.4.1現在]) 【市の概要】  岩手県南部に位置し、南は一関市、北は奥州市に接している。北上川など河川沿いの沖積地と山地暖斜 面を利用して、古くから「米作プラス商業的畑作」という複合経営が営まれている。国道4号の西沿いを 東北自動車道が通っており、平泉丘陵の東端に平安末期の中尊寺、毛越寺、無量光院跡など藤原三代の遺 跡・文化が多く残っている。  平成29年度一般会計予算:48億円 【調査事項】 〔世界遺産登録後の取り組みについて〕 1 平泉の文化遺産の概要 (1)名称  :平泉─仏国土(浄土)を表す建築・庭園及び考古学的遺産群─ (2)構成遺産:中尊寺、毛越寺、観自在王院跡無量光院跡、金鶏山 (3)特徴  :1)仏教に基づく理想世界の実現を目指して造営された政治・行政上の拠点である。         2)寺院建築や庭園群は、現世における浄土世界を表現した顕著な空間造形の傑作、その          背景を成した精神性は、宗教儀礼・行事を通じて現在にも確実に継承している。 2 世界遺産登録までの経緯 ・平成12年:文化財保護審議会暫定リスト入り。 ・平成18年:政府からユネスコ世界遺産センターに推薦書を提出。 ・平成20年:カナダで行われた世界遺産委員会にて登録延期の審議結果となる。 ・平成22年:イコモスの勧告内容や世界遺産委員会における決議文の内容を整理検証し、一部の構成資        産を除外するなど、再提出する推薦書に反映させ再提出。 ・平成23年:世界遺産委員会にて記載の決議がされる。その後、拡張登録取り組みを行っている。 3 課題 (1)資産の保存管理   登録された資産の適切な保護・保全、未整備の庭園遺跡の計画的・学術的な発掘調査と整備、景観の  保全と開発との整合などが必要。 (2)普及啓発   次世代を担う子ども達へ平泉の文化遺産の価値を伝え、郷土に誇りを持ってもらう活動を行う。 (3)情報発信   ホームページ、VR(バーチャルリアリティー)を活用した魅力づくりを行う。 4 世界遺産登録推進関連事業費登録活動(平成12年度から平成23年度):約1億8千万円  登録後 (平成24年度から平成28年度):約7,200万円
     合計                 :約2億5千万円 ・世界遺産登録における経済効果は、特産品販売などにより約26億9,900万円とされる。 5 観光行政について (1)観光客入込数   平成12年から平成22年まで163万人から221万人の間で推移していたが、平成23年は東日  本大震災における減少と世界遺産登録効果による増加とが相殺され、平年並みの190万人となった。  平成24年は大幅に増加し、264万人となり、その後は横ばいで推移。 (2)外国人観光客数   平成23年以降は台湾からの観光客を中心に右肩上がりで増加しており、平成28年には3万2千人  となった。 (3)教育旅行   平成28年は553校、49,100人であり、グリーンツーリズムの一環で行った農業体験と併せた  民泊事業では、11校450人を受け入れた。 (4)観光客の誘致   平泉町、中尊寺、毛越寺、商工会、平泉観光協会で組織している平泉観光推進実行委員会事業計画  を策定し、大都市圏や海外、学校に対して誘致活動を行っている。 (5)外国人観光客受け入れ整備   観光案内所外国語対応、英語を表記するサイン整備QRコードの活用、ホームページの多言語化、  外国語パンフレットの作成、音声ガイドペンの導入、受け入れ対策セミナー海外旅行業者に対するバ  ス助成、平泉の文化をわかりやすく映像で見せる浄土思想多言語普及啓発映像作成事業民泊施設整備  などを行っている。 (6)二次交通の充実及び渋滞対策   巡回バスの充実、語り部タクシードライバー養成仙台国際空港直通観光バス臨時駐車場の整備  などを行っている。 (7)滞在型観光に向けた取り組み   宿泊施設は6カ所程度であるが、座禅や農家生活などの体験メニュー、道の駅整備、電柱の地中化な  どを行っている。 (8)住民参加型の観光地づくり   菜の花を休耕田に植え、油を採取して中尊寺の「不滅の法灯」の燃料として奉納する活動を住民自ら  が行っている。また住民組織を立ち上げ、中尊寺通りの整備、無料休憩所の設置、イベント開催などを  行っている。 6 幼保小中による平泉学への取り組み (1)平泉学の目標  1)平泉の良さを理解し、平泉に愛着を感じ、平泉を誇りに思う子どもを育てる。  2)文化遺産について理解し、その価値について理解を深め、文化遺産を尊重する態度を育てる。  3)平泉学を通し、平和への願い、未来の自分、平泉について考え、発信する態度を育てる。 (2)平泉学の進め方   体験的な学習や地域の行事に参加する参加体験型学習、知って話し合い、知識を深める知識思考型学  習、地域や他県へ発信、行動する発信行動型学習の3つをサイクル的に進める。 【所 感】 ・もともと観光地であるため、世界遺産によって大幅に観光客が増えたという結果ではない。町のスケー  ルや人間関係の密接さを利用して、じっくり観光行政を進めている感じがした。また、900年の歴史  と仏教の精神性を心の拠り所にしている。歴史と神道の精神性を中心として、地元と共にじっくりと宗  像独自の観光スタイルを見出していくべきだと感じた。 ・平泉町では、世界遺産に関連する場所に市民がボランティア等で積極的に参加している。本市において  は、世界遺産に関する市民意識のばらつきがあり、意識の高い市民の力を生かすといった考え方が不足  していると感じる。幼保小中による平泉学への取り組みについては、知識を経験に変える探究的な学習  が行われている。世界遺産を通して行政、地域住民がつながり、同じ目標に向かって一致団結すること  によって、時を超え次世代までその価値を継承できるしくみがあり、多岐にわたる世代の人々が活躍し  ている。世界遺産のこれからの取り組みには、「市民力を生かすこと」が必要である。 ・世界遺産登録を意識した街並み整備については、よくぞここまで整備できたものだと思った。子どもた  ちの世界遺産に関連する活動は、学校教育の中で無理なく行われていた。外国からの観光客に対しての  ガイドの方法については、もっといろいろな工夫が必要だと感じた。 ・初めて訪れる観光客は、そのまちにそれぞれのイメージを持って訪問すると思うので、何を感じてほし  いのか、しっかりと見定め全体で共有することが大事であると感じた。平泉は、豊富な観光資源が点在  し、それらによる現世の仏国土としての悠遠のかなたを連想させる趣がある。世界遺産観光資源とし  て活用するには、平泉をヒントとして民泊事業を立ち上げ、宗像大社と協力して三女神等の神話をテー  マにした語りを大社の広間で行うなど、大胆な発想が必要と思う。また、子どもたちへの世界遺産を有  する故郷を誇りに思う愛郷の教育が大切であり、宗像大社の復興等に尽力した出光佐三翁を広く市民に  知ってもらうことが、来訪者へのおもてなしの心に発展すると感じた。 ・平泉駅から史跡を巡回するバスの運行、近隣の自治体と連携した仙台国際空港発着のバスの周遊、語り  部タクシードライバーの養成など、交通アクセスの充実を図っている。本市の場合も、東郷駅大社口か  ら巡回バスを走らせたり、観光案内ができるタクシーを大社口に待機させたり、天神から宗像大社まで  のバスを増便したり、交通アクセスを良くする必要性を実感した。子どもたちに向けた世界遺産の教育  だけではなく、地域学習平泉学習)を実施し、保護者や地域の住民も一緒に歴史や文化を学んでいる。  子どもを中心に地域住民が一緒に学習する場をつくることは有効だと思う。 ・平泉町では、文化的景観の保存についての修繕費用は個人・企業を問わず全て個人負担であり、具体的  な目的を持って組織した住民団体が、直接県に政策提言することにより無電柱化の計画が実行されるな  ど、住民主体の活動が盛んである。また「伊達な広域観光推進協議会」に参画することで、広域観光の  推進を図っている。本市においても、住民参加の輪を市全体により広げていく環境づくり、また観光の  広域化という点では他市、そして福岡県全体を巻き込んだ観光周遊の導線を強化していく必要がある。  平泉学を通して、地域住民が世代を超えて共に学びを深めており、定住化施策により転入した新住民等  に対し、宗像をより深く知ってもらうという視点からも大変参考になった。 ◆宮城県石巻市(人口146,991人、面積554.58km2[H29.4.1現在]) 【市の概要】  北上川の河口に位置し、宮城県北東部地域を代表する風光明媚な都市。金華山沖は世界三大漁場の一つ に数えられ、かつお・いわし・さばなどの水産資源の宝庫となっている。  昭和39年に新産業都市の指定を受けてからは、工業都市としても発展を遂げてきた。平成13年7月 には、マンガランド構想中核施設となる「石ノ森萬画館」が完成した。東日本大震災では、沿岸部を中 心とする広い範囲で未曾有の被害を受けた。  平成29年度一般会計予算:1,891億1千万円 【調査事項】 〔子育て世代包括支援センターについて〕 1 センター開設の背景   若い世代の就労・結婚・妊娠・出産・子育ての希望を実現し、安心して子育てができる環境を整備す  るため、結婚・妊娠・出産・子育ての切れ目のない支援、石巻市版「ネウボラ」を実施する。 2 センターの概要   平成28年11月に利用者支援事業の「母子保健型(健康部健康推進課)」・「基本型(福祉部子育て支  援課)」・「特定型(福祉部子ども保育課)」をそれぞれの担当課に立ち上げ、緊密な連携のもと総合窓口  を子育て支援課に設置して一体的な支援を行う。   相談窓口に来て相談できない人のために、ホームページ内に子育てメール相談を設置している。また、  相談に来た人が相談しやすい環境にするため、週1回の託児サービスを行っている。
    3 対象者    基本型  :妊産婦及び18歳までの児童がいる家庭    母子保健型:妊産婦及び乳幼児がいる家庭    特定型  :保育を必要とする家庭 4 相談内容    基本型  :妊産婦、生活、発育(発達)、医学的問題、家庭環境等に関する相談    母子健康型:妊産婦及び乳幼児に関する専門的な相談    特定型  :保育所入所に関する相談 5 主な支援事業 (1)妊産婦相談事業  ・妊娠中の事や育児についての心配事に助産師が個別に相談に応じる。 (2)特定不妊治療者助成事業  ・不妊治療を受ける夫婦の経済的な負担の軽減を図るため、特定不妊治療(体外受精または顕微鏡受精)   に要する費用の一部を助成する。 (3)助産師による産前産後の「心と体のトータルケア」推進事業  ・マタニティ向け、祖父母向け、1歳までの赤ちゃん向けの3コースがある。 (4)地域子育て支援拠点事業  ・子育て親子や祖父母と孫が気軽に自由に利用できる。専門スタッフと一緒に遊んだり、育児相談もで   きる。 (5)ファミリーサポート事業  ・「子どもを預かってほしい人」と「子どもを預かることができる人」がそれぞれ会員登録して、相互の   信頼関係のもとに、子どもを預けたり、預かったりする地域ぐるみの子育て支援活動。 (6)子育てパパ育成事業  ・イクメン講演会を開催し、マタニティ体験、赤ちゃん抱っこ体験等の学習をすることで、育児に対す   る男性の意識改革を図り、母親の育児負担軽減を目指すもの。 (7)男性の育児参加促進事業  ・育児を女性だけの仕事にしないために、父子手帳の配布などを行っている。 (8)親になるための教育事業  ・市内中学生を対象として、父親・母親の疑似体験を実施することにより、妊産婦への思いやりを育   み、命の大切さや子どもを産み育てることの意義を理解させるもの。 6 今後の課題 ・子育て親子の育児に対する不安を少しでも解消し、精神的負担を軽減させるため、相談業務体制の充実  や相談窓口の設置方法についての検討が必要である。 ・これまでのように、子育て親子が相談に来るのを待っているだけでなく、子育て親子が集まる場所に出  向くアウトリーチ型の相談業務を拡大することで、親子の育児に対する精神的負担の軽減に努め、子育  てしやすいまちづくりを目指していく。 ・妊娠期から青年期まで重層的に子育て支援ができる仕組みをつくっているが、ファミリーサポートセン  ターなど支援する側と支援される側のニーズの格差があるため、その原因が何かを評価する必要がある。 【所 感】 ・少子高齢化という日本共通の課題にも、東日本大震災からの復興が大きく影響していると感じた。公営  住宅への入居や核家族化などから、さらに若い世代の結婚、妊娠、出産、子育てを各方面から支援する  必要性を感じた。災害を乗り越えることで、生きることの大変さ、助け合うことの大事さが伝わってき  た。支援を行う精神を学び、今後の宗像に生かしていきたい。 ・震災後の大変な時期に子育て世代包括支援センターを開設したのは、震災後増えたであろう家族の問題  が子どもに与える影響が大きな課題となることが予測されたためであったと思われる。住む地域、環境  が異なっても、未来を担う子どもたちが健全に成長するために重要な施策であること感じた。本市にお  いても来年4月に子ども・若者支援センター(仮称)(以下「センター」という。)を開設する予定であ  るが、妊娠期から青年期までワンストップで子育て支援をするために、ハード面の整備を行う前の関係  部署、関係各課の連携強化、人材育成が重要であることが理解できた。 ・子育て世代包括支援センターがある市庁舎は、民間の元デパートを改築した建物を使用しており、駅か  らのアクセスも良く、相談に来る市民の利便性も高い。震災直後に訪問したことがあるので、JR仙石  線が復旧・開通して、まちの基幹交通手段が確保されたことの大きさをしみじみと感じた。よくぞここ  まで復興し、子育て世代包括支援センターの運営にまで着手したなという思いであった。 ・今回の事業は包括的に子どもの支援を行うことを目的としているにもかかわらず、相談窓口が一本化し  ていないことには矛盾を感じた。基本型の相談事業では直営と委託があるが、直営の相談件数が委託事  業者に比べると極端に少ないことについては、研究が必要だと思う。子育てパパ育成事業の参加者が多  いとのことだが、本市で開設予定のセンターにおいては、父親が育児参加しやすいような環境づくりに  も力点を置いて欲しいと思う。 ・窓口に来て相談することができない人のためにホームページ内に子育てメール相談を設置したり、相談  に来た人が相談しやすい環境にするために託児サービスを行ったりと、相談しやすい工夫がされていて、  とても大切なことだと思った。ファミリーサポート事業は、子どもを預けたり預かったりする支援で、  お互いのことを知るために、交流会が行われている。こういったことを通して、地域の中で知り合いが  増え、子育てしやすい環境になり、助け合える地域づくりになるのではないかと思った。 ・石巻市版ネウボラは平成28年11月にスタートしたばかりの事業であるため、内容についてはさらな  る充実を検討中との印象を受けた。特に直営基本型の相談に関しては待ち時間等もほとんどない状況と  なっているが、相談窓口を外部に設置している委託基本型や母子保健型の相談件数は非常に多くなって  きており、潜在的な相談需要はまだまだ存在しているように思える。本市で開設予定のセンターにおけ  る取り組みに際し、潜在的な相談需要をしっかりとくみ取ることができる環境づくりを行う必要がある。                                     平成29年12月14日 宗像市議会  議長 花田 鷹人 様                                      社会常任委員会                                       委員長 北崎 正則                 所管事務調査行政視察)報告書  本委員会は、下記のとおり行政視察しましたので、報告します。                        記 1 期 日   平成29年10月17日~10月19日(3日間) 2 視察地及び調査事項 (1)滋賀県草津市(10月17日)   ・スポーツ推進の取り組みについて (2)京都府宇治市(10月18日)   ・初期認知症総合相談支援事業について (3)滋賀県野洲市(10月19日)   ・生活困窮者支援事業について 3 調査内容
      概要は以下のとおり。資料は議会事務局に保管。 ◆滋賀県草津市(人口:132,588人、面積67.82km2(陸域面積48.65km2)[H29.10.1現 在]) 【市の概要】  滋賀県南東部に位置し、市域の約30%を琵琶湖が占める。昭和29年10月に草津町と5カ村が合併 し草津市となった。古くは東海道と中山道の分岐・合流の地であり、現在はJR琵琶湖線や国道1号、名 神高速道路などが交わる交通の要衝である。大都市圏へのアクセスが良く生活の利便性が高いため、人口 増加が続いている。  平成29年度一般会計予算:554億1千万円 【調査事項】 〔スポーツ推進の取り組みについて〕 1 草津市スポーツ推進計画について (1)計画策定の経緯    平成23年4月 草津市スポーツ振興計画の策定    (この間、平成23年8月 スポーツ基本法の制定、平成24年3月 スポーツ基本計画の策定、     平成25年3月 滋賀県スポーツ推進計画の策定)    →中間期での見直しにより平成28年3月 草津市スポーツ推進計画の策定 (2)基本理念と基本方針  1)“ALLくさつ”でつくる「みんながスポーツ大好きなまち くさつ」  2)理念実現に向けた具体的な方向性   ・子どもの体力向上とスポーツ活動の推進、生涯スポーツ活動の推進、地域コミュニティによるスポ    ーツの推進、競技スポーツの推進、スポーツ環境の充実 2 スポーツ推進にかかる取り組み事例について (1)小中学校体力向上プロジェクト事業  ・小中学校の子どもたちの体力向上、スポーツ障害予防を推進することを目的に実施  ・小学校中学年を対象にダンス教室の実施  ・立命館大学スポーツ健康科学部の協力による、短時間運動プログラムの実施及び教員の資質向上に向   けた講習会や事業単元プログラムの実施  ・中学2年生に対するスポーツドクターによる講習会やスポーツトレーナーによる実技講習会実施  ・中学校教員の授業力向上に向けた体育実技講習会の開催 (2)スポーツイベントの実施  1)市民スポーツ・レクリエーション祭   ・各学区のスポーツ振興における相互の連携と親睦を図るとともに、市民のスポーツ健康づくりを目    的に開催   ・学区対抗や自由参加によるニュースポーツを中心とした15以上の競技を実施  2)くさつ健幸ウォーク   ・住む人も訪れる人も「健幸」になれるまちを目指し、誰もが気軽にスポーツに親しみ、楽しむ機会    の充実を図ることを目的として開催 (3)地域スポーツクラブ設立支援事業  ・市民のスポーツ環境充実、地域コミュニティの醸成等を目的として各地域にスポーツクラブを設立  ・設立に向けた初期費用の一部を補助  ・学校開放にかかる運営を各地域スポーツクラブにて各地域の実態に合わせて運営してもらう  ・各スポーツクラブの運営は各地域の体育振興会やスポーツ推進委員が中心的役割を担う  ・現在の地域スポーツクラブ設立数=4クラブ(市内には14地域あり、目標は8クラブ)  ・今年度、1つの地域で設立準備委員会を立ち上げ、平成30年4月の設立に向けて活動中 (4)野村公園整備事業  ・従来の市民利用に加えて中心市街地活性化エリアに位置することから、新たなにぎわいの創出拠点と   して整備  ・現体育館の建て替え  ・平成36年開催予定の国民体育大会・全国障害者スポーツ大会の会場地として施設整備を図る  ・地上2階建て、メインアリーナ・サブアリーナ・観客席約3,500席等の施設を整備 3 社会体育施設の管理について (1)管理体制  ・管理手法 :指定管理者制度(公募)  ・指定管理者:合同会社草津市スポーツ振興事業体  ・管理施設 :草津市立総合体育館、草津市立野村運動公園など市内7カ所の体育施設 (2)草津市ファシリティマネジメント(FM)推進基本方針  ・基本方針:利用価値を重視しフレキシビリティを持ち長期にわたって活用される市民に愛され親しま        れる公共施設の実現  ・長期的な視点でのファシリティの需要バランスの確保  ・コストの縮減と平準化  ・計画的な施設保全および長寿命化  ・施設状況の定期的な把握およびコンプライアンスの確保  ・社会資本としての必要な性能の確保およびリスクの低減 【所 感】 ・「くさつ健幸ウォーク2017」は、4km・8km・15kmのコースと4kmのノルディックコース  を設定することで幅広く市民の参加を促していた。またハロウィンイベントと連携することでウォーキ  ング参加者以外にも楽しんでもらえるよう工夫しているところが印象的だった。スポーツイベントと他  のイベントを連携することで、より多くの参加者を募る工夫は、本市でも参考にできると感じた。 ・スポーツを通じた健康づくりを推進する「くさつ健幸ウォーク」は、多様なコース設定で、参加者が楽  しめる機会が充実している。また、ハロウィンイベントやボランティアガイド協会等とも連携し、発着  地点とそれぞれのコースとなる街並みを「ステージ」に、住む人も訪れる人も「健幸」になれる工夫が  施されている。まさに“ALLくさつ”でつくるという基本理念が体現された事業であり、本市で市民  団体が取り組んでいる「宗像古道ウォーク」にも生かしていけるのではないかと感じた。 ・地域スポーツクラブ設立支援事業については、本市における南郷地区での総合型地域スポーツクラブ「南  の郷クラブ」と同様なものである。当初はtoto宝くじの補助金を受けていたが、補助金が無くなっ  た段階で6年間は中止になっていた。平成29年度から年間10万円の補助を行い、現在4クラブで再  開している。最終目標は市内14地域での設立としているが、当面は8カ所の設立を目指すとのことだ  った。今後は、スポーツを通した健康増進と交流が重要との指摘が印象的であった。 ・どこの自治体においても、財源の確保、会員の確保、指導者の確保が大きな課題である。本市において  も、モデル事業である南の郷クラブへのtoto宝くじの補助金支援が平成30年度で終了するため、  現在、その後の財源確保等について関係者が検討しているが、本市においても草津市のこのような支援  事業についての取り組みを参考にすべきと考える。 ・市民にとって身近なスポーツを“ALLくさつ”という位置づけで、市民が日常的に楽しくスポーツに  取り組むことを様々な事業で推進しているところは評価できた。また、立地条件も加味して、スポーツ  施設などが身近に設置されることで、特に事業が推進されることを学んだ。本市に生かすためには、小  規模でも、地域に身近なスポーツができる環境を整えていくのかが課題である。 ・“ALLくさつ”でつくる「みんながスポーツ大好きなまち くさつ」を基本理念に掲げて、草津スポー  ツ推進計画を策定して様々な取り組みがなされている。スポーツは、健康や体力の維持・向上を図るだ  けのものではなく、スポーツを通じて人と人、人と地域を様々な形で結び付けるものであり、市の活性  化に必要不可欠である。市の総力をあげてスポーツ推進に取り組むという姿勢は、本市も参考にすべき  と考える。 ・スポーツ推進計画の目標にある成人のスポーツ実施率については、例えばウォーキングを「運動」とし
     て受け止めるかどうかなどにより尺度が異なるため、しっかりとした定義が必要であるとのこと。また  課題は、会社員などをどのように取り込むかである。平成36年に滋賀県で開催される国民体育大会を  控え、現存体育館の建て替えを進めている。この施設には、推進計画の理念であるスポーツによる地域  コミュニティの強化のため、交流スペースも設けるとのことであり、参考としたい。 ・「みんながスポーツ大好きなまち くさつ」を基本理念として、スポーツを健康や体力の維持・向上を図  るだけでなく、人と地域を様々な形で結びつけるものとして捉え、市の活性化に取り組まれていること  が参考になった。 ◆京都府宇治市(人口188,041人、面積67.54km2[H29.10.1現在]) 【市の概要】  宇治市は京都府の南端に近く、京都盆地の南東部に位置し、京都市や滋賀県大津市などと接する。昭和 26年3月に宇治郡と久世郡の2町3村が合併して発足。戦後の著しい経済成長に伴い、昭和30年代後 半から人口が急激に増加し、昭和45年に10万人、昭和54年に15万人、平成10年には19万人と なった。  平成29年度一般会計予算:629億6千万円 【調査事項】 〔初期認知症総合相談支援事業について〕 1 宇治市認知症事業の取り組み  ・平成13年度:認知症予防教室開始(京都府のモデル事業)  ・平成18年度:認知症予防講座開始  ・平成19年度:認知症あんしんサポーター養成講座開始  ・平成20年度:認知症地域支援体制構築モデル事業受託(京都府)  ・平成21年度:認知症対応能力向上研修会・事例検討会開始  ・平成22年度:宇治市認知症地域支援事業開始  ・平成23年度:もの忘れ連絡シート作成、認知症疾患医療センター(京都府立洛南病院)  ・平成24年度:認知症疾患医療センター設置(宇治おうばく病院)  ・平成25年度:認知症初期集中支援事業設置促進モデル事業受託(国)          初期認知症総合相談支援事業開始(京都府地域包括ケア総合交付金活用)          認知症対応カフェ開始  ・平成26年度:宇治市初期認知症総合相談支援事業開始(地域支援事業)          徘徊模擬訓練「あら?どこ行かはるの?プロジェクト」          「認知症の人にやさしいまち・うじ」宣言  ・平成27年度:宇治市認知症アクションアライアンス始動  ・平成28年度:SOSネットワークおよび事前登録開始 2 施策化までの流れ  ・平成18~22年度:地域包括支援センター職員の疲弊             →センター増設や職員増員により機能強化を図るも、実施計画は毎年却下  ・平成24年度:京都府地域包括ケア総合交付金で「認知症カフェ」「初期集中支援」を全市町村に設置          の動きから、職員の増員、機能強化へ動き出す。 3 初期認知症総合相談支援事業・認知症の人にやさしいまち・うじ推進事業  ・これまで:認知症軽度~中度、重度の段階には支援があるが、認知症の疑い(初期)段階には支援が        ない。  ・初期集中支援チーム設置:認知症コーディネーターと病院や地域包括支援センター等が相互連携。  ・現在:認知症の疑い(初期)段階で、認知症コーディネーターや支援チームが介入。支援を前倒しで      行うことで、地域で継続した生活が可能に。 4 初期集中支援チーム  ・宇治市健康長寿部健康生きがい課  ・中宇治地域包括支援センター(一般財団法人宇治市福祉サービス公社に委託)  ・北宇治地域包括支援センター(社会福祉法人宇治明星園に委託)   →中宇治及び北宇治地域包括支援センターは、各地域の包括支援センターのチーム拠点  ・京都府立洛南病院、医療法人栄仁会宇治おうばく病院に認知症疾患医療センター設置  ・チーム員は、中宇治及び北宇治地域包括支援センターに所属する各種専門職(社会福祉士、介護士、   保健師など)。専門医はチーム員会議にて医学的な視点からチームをバックアップ。 5 宇治市の特徴 (1)認知症コーディネーター  ・認知症対応の専属として専門職を3人配置  ・認知症関連事業の事務局機能を持たせたことで、事業間の連携が図れる (2)認知症初期集中支援チーム  ・厚労省指定のアセスメントシートに加え、宇治市独自のシート(もの忘れ連絡票等)を活用  ・チーム員会議にはケアマネジャーや家族、本人も必要に応じて参加。地区医師会の医師にも参加呼び   かけ  ・認知症対応型カフェ(れもんカフェ)との連動 (3)認知症コーディネーター委託先   →社会福祉士や作業療法士など多種職がいる事業所や、介護予防事業経験が豊富な法人に委託 6 宇治市認知症アクションアライアンスれもねいど(Lemon-Aid)  ・認知症の人やその家族の意見を施策の立案や評価に反映させ、認知症の人の視点に立ったサポート体   制を構築することを目的とする   →まちぐるみで、生活に関わる全ての分野で認知症を正しく理解し、行動することが大切。特に地域    での買い物、金融機関、交通機関など生活密着度の高い企業・団体の連携、支援が必要。  ・目標:認知症の人にやさしい「まちづくり」「ひとづくり」、やさしさの「Win-Win関係づくり」  ・れもねいど3つの柱:正しい知識、見守り、自発的な行動  ・当事者を中心に、当事者とつくるまち  ・れもねいど加盟団体(平成28年度)   →京都銀行、宇治第一交通、青山製茶、朝日新聞サービスアンカー、京都生活協同組合、ヤマト運輸    京都主管支店、文教大学など28団体  ・事例紹介   1)買い物サポートモデル事業    ・京都生協と連携。学生ボランティアが買い物支援、ゆっくり対応の優先レジ設置   2)万願寺大作戦    ・京野菜いのうち農園と連携。     当事者や家族が参加し買い物から収穫、調理を当事者や家族が担当し食事会を開催。   3)宇治市役所の全職員が認知症安心サポーター養成講座を受講 【所 感】 ・認知症は誰でも必ずなるということを前提に、早期発見、早期治療、また地域の受け入れ体制など縦割  り行政の立場でなく、宇治市全体を含めたチームとして受け入れているとのことだった。これからの行  政のあり方、地域のあり方を学んだ。 ・80歳を超えると2人に1人が認知症になる可能性が高いという。そのため、認知症を予防するのでは  なく、認知症になっても、住み慣れた地域で安心して生活を続けていくために「認知症にやさしいまち」  をめざすという宇治市の取り組みに感銘を受けた。行政だけでなく、地域のお店、金融機関、交通機関  など生活密着度の高い様々な団体が連携し、まちぐるみで当事者を支援している。認知症に限らず、み  んなで支え合う基盤づくりは、本市が早急に取り組まねばならない課題でもあると感じた。 ・宇治市は、平成27年3月に、全国の自治体として初めて「認知症の人にやさしいまち・うじ」を宣言
     した。これは市長のリーダーシップが大変に大きいと考える。担当係長の説明で印象的だったのは、  80才以上になると2人に1人は認知症になるということと、予防ができないので「認知症の人にやさ  しいまち・うじ」を目指すという言葉だった。そのための取り組みとして、「宇治市認知症アクションア  ライアンスれもねいど」を設立。宅配業者やタクシー会社、生協など現在42団体が加盟しており、認  知症の人の視点に立ったサポート体制を構築し、認知症の人にやさしいまち・うじの実践に向けた取り  組みが行われている。本市においても宇治市のこのような取り組みを参考にすべきと考える。 ・「認知症の人にやさしいまち・うじ」宣言という基本姿勢を持ち「認知症にならないことを目標にしない  で、認知症になっても住み慣れた環境で暮らせる」このことが重要なポイントだと担当者が語ったこと  に驚き感銘を受けた。また、認知症コーディネーターを配置させ、細かな相談事業を展開し、初期集中  支援チームを作り支援に臨んでいる点は高く評価できる。またこのチームの中に医療関係者も入り事業  をすすめている点も評価できる。事業には、人材を厚く配置させることが事業の成功のカギだと認識し  た。 ・初期集中支援チーム体制がしっかり出来ており、認知症コーディネーター5人(市職員)が配置されて  いる。チーム会議にはチーム員だけではなく、地域包括センター・ケアマネジャー・介護事業所・かか  りつけ医の立場で医師に参加の呼びかけを行っている。また、全国初の「認知症のひとにやさしいまち・  うじ」宣言を実現するために、認知症を自分のこととして捉え、市民一人一人が認知症を正しく理解し、  相手を思いやる優しさを持って、自分ができるアクションを起こしていく「宇治市認知症アクションア  ライアンスれもねいど」を設立している。その加盟団体は銀行、タクシー会社、配送会社、農協、生協、  新聞販売店等の企業、商店、大学と多種にわたり、買い物サポートや社会参加の取り組み(若年性認知  症の就労等)も行われていて、実際に機能している。この取り組みの成功は、地域や企業を問わず市民  全体を巻き込んでの施策が功をなしたものだと思うが、もう一点は人的配置(増員)と担当職員の本気  のやる気が事業の成功の大きな要因であると感じた。 ・「認知症の人にやさしいまち・うじ宣言」のもと、認知症とともによりよく生きていけるまちづくりに大  変驚いた。特に予防は難しいため、「ならないことを目標にしない」「なってもよりよい環境で生活でき  る」との考えは参考となった。また、認知症のことは当事者が語ることが一番伝わるということであり、  生活ぶりや就労との連携など、当事者からの発信を広報などで行うことが効果的であると感じた。併せ  て、各機関との連携も重要だと感じた。例えば、銀行や郵便局で何度も通帳を発行しに来る人にアプロ  ーチできるような体制は、市を中心に行えないだろうか。 ・宇治市では、「宇治市認知症アクションアライアンスれもねいど」を設立され、高齢者に対しての認知症  初期集中支援チームが活動されていることが参考になった。 ◆滋賀県野洲市(人口51,123人、面積80.15km2[H29.10.1現在]) 【市の概要】  滋賀県南西部に位置し、市の北西部は琵琶湖に接している。平成16年に野洲町と旧中主町が合併して 野洲市となった。琵琶湖、野洲川をはじめとした水源に恵まれ、古代から稲作が盛んで、近代化に向けた 農業の振興と美しい田園風景保全の取り組みがなされている。利便性の高い交通網整備を背景として、京 阪神都市圏への近接性が高まり、先端技術分野を中心とした企業立地が進む。  平成29年度一般会計予算:198億7,246万5千円 【調査事項】 〔生活困窮者支援事業について〕 1 事業のこれまでの取り組み  ・平成11年 消費生活相談 設置(1人体制、週3日で開設)  ・平成16年までに悪質リフォーム詐欺や架空請求ハガキなどの急増で相談件数が7倍に  ・平成16年 2町の合併で野洲市へ  ・平成18年 ヤミ金融対策法が成立し、相談件数は減少したが、多重債務の相談件数は増え続け、市         民生活相談室を設置。  ・平成21年 「多重債務者包括的支援プロジェクト」を立ち上げ  ・平成27年までにパーソナルサポートサービスモデル事業、生活困窮者自立促進モデル事業などの国   のモデル事業を開始。市民生活相談課に昇格し、包括的な相談支援事業へと移行させる。 2 事業予算と職員体制  ・市民法律相談運営費 →無料法律相談58万6千円(市)  ・消費者行政推進事業費→消費生活相談827万6千円(国/430万円、市/397万6千円)  ・生活困窮者支援事業 →生活困窮者支援2,037万円              (国/1,461万1千円、市/575万9千円)  ・住居確保給付金200万円(国/150万円、市/50万円)  ・ハローワークとの一体的実施(全額国の補助金)  ・課長(1人)課長補佐(1人)正規職員(3人)嘱託職員(3人)臨時職員(1人)の9人体制 3 相談事業の流れ  ・相談者は、自ら相談に来ない場合も多い  →国民健康保険加入者の資格証明書発行や税の滞納から生活困窮者を発見する。   ・国保 :要綱を改正し、資格証明書の交付対象とならない「特別な事情」に野洲市の独自基準を追        加。「市民生活相談課にて相談を受けるなら保険証を交付する」旨の通知を送り、相談者        の発見につなげている。   ・税滞納:野洲市債権管理条例で市の債権の性格を、税は市民生活を支えるための財源(債権)であ        り、市民生活を壊してまでは回収しないとしている。税滞納は生活状況のシグナルで、滞        納を生活支援のきっかけとしている。 4 その他、特色ある関連事業 (1)学習支援事業「YaSchool(ヤスクール)」   対象者:市内に在住する中学校1~3年生の子どもがいる生活困窮世帯       原則として、生活保護世帯、児童扶養手当受給世帯。   方法 :学習支援に関する経験を有する民間団体に一部委託し実施。   場所 :コミセンを活用し週1回夜間(長期休暇、高校入試前は臨時で開催)   軽食 :農業青年クラブが米を提供 (2)やすワーク   市役所内にハローワークとの一体的実施施設(やすワーク)を設置。ハローワークの就労支援と市役   所の生活支援を一体的に提供し、よりよい就労を目指す。 (3)「わが事・丸ごと」の地域づくり推進事業   地域共生社会の実現を確実なものとするため、以下を支援・推進することを目的とする。   ・住民が主体的に地域課題を把握して解決を試みる体制づくり   ・複雑化した課題を包括的に受け止める総合的な相談支援体制づくり 【所 感】 ・生活困窮者の問題をどう解決すればいいのか、絡み合った糸を解すように就労支援、学習支援などに取  り組み、少しずつ着実に解決していっていることに驚かされた。特に、野洲市のまちづくりの役割の考  え方「1人を伸ばせない、救えない制度は、制度ではない」を具現化しようとしている市長、担当職員  の思いを感じることができた。 ・経済的に困窮し、社会的に孤立した生活困窮度の状況は人それぞれであり、その要因も様々である。通  常、行政に直接相談する場合は、どの窓口(係)に相談してよいのか分からないものである。ところが、  どんな相談にもワンストップで受け止められるコンシェルジュ機能と、何も言わなくても発見できるア  ウトリーチ機能を有した野洲市の生活困窮者支援事業は、「おせっかい」を基本としている画期的な取り  組みである。現場担当者の熱意も圧倒的であった。その担当者が言う「市民の相談が担当の職員(人材)  を育てる」という考えに感銘を受け、目の前の困っている人を救うことが、行政や政治の仕事の原点で  はないかと再認識した。 ・生活困窮者支援事業は、市民部市民生活相談課の役割が大変重要と認識した。まちづくりの役割として、  伸びようとする市民や企業の成長を支える、困難な状況にある市民や企業の自立を支える、秩序と安全
     を守ることと共に「1人を伸ばせない、救えない制度は、制度ではない」との指摘は大変印象的であっ  た。 ・生活困窮者自立支援法の施行が後押しとなり、野洲市くらし支えあい条例を制定し、相談機能を集約さ  せた、生活困窮者の自立へ向けた取り組みが参考になった。中でも市民相談や消費生活相談、法律相談、  税務相談、行政相談、やすワークや生活困窮相談など、あらゆる相談業務を市民生活相談課が各課と連  携を密にして、生活困窮者の自立へ向けた取り組みを推進していることに大変感銘を受けた。本市にお  いても野洲市のこのような取り組みを参考にすべきと考える。 ・野洲市くらし支えあい条例の前文には、野洲市長の市民への思い、市役所の役割が明確に記載されてい  る。「市民共通の願いは、健康、安全、幸せです。その実現のためには、市民それぞれが成長しようとす  る強い思いと行動、それを支える社会の仕組みが必要です。しかし、社会経済的要因によって生活が立  ち行かなくなる場合がある」とし「問題解決には専門的な支援が必要ですが、いずれの場合にも多様で  複雑な要因が絡み合っているため、専門分野だけの対応では断片的な対処に留まり、根本的な解決につ  ながりません」との考えから行政の役割を「市民の生活の困りごとを解決し、自立を促し、生活再建に  向けた支援を行うことは、市の重要な役割です」と定め、生活困窮者の多様で複雑な問題を総合的に支  援する姿勢には、自治体の本来の役割を改めて考えさせられた。また、担当者の長きにわたる事業への  情熱的な仕事ぶりにも感銘を受けた。 ・市民生活相談課(消費生活センター)に相談機能を集約し、「生活困窮者相談」はその一環の業務(必須)  に位置付けており、職員体制も課長以下、5人の正規職員、社会福祉士、ファイナンシャルプランナー  の専門家、臨時職員1人の計9人できめ細かい業務を果たしている。また、正規職員の中の1人の人件  費は社会福祉協議会からの研修派遣として100%を国の補助金を活用している。その他、人件費のみ  ならず様々な事業に国の交付金、補助金等を上手く活用している。 ・生活困窮者相談事業は、自立相談支援事業、家計相談支援事業、多機関の協働による包括的支援体制機  構事業(たらい回さない事業)、学習支援事業(YaSchool)を展開しており、問題に個々に対応  するのではなく、相互関係を把握して一体的な解決を目指して「おせっかい」を合言葉にして、市の相  談窓口を核に、公共サービス、専門家、地域社会の総合力を効果的に発揮させる仕組みを作っている。 ・生活困窮者の早期発見にも力を入れていて、国民健康保険の資格証明書から生活困窮者を発見して相談  から子ども学習支援、就労支援までにつないでいる。保険年金課から資格証明書となっている世帯に対  し「生活困窮状態のため納付ができず、市民生活相談課にて相談を受けるなら保険証を交付する」旨の  通知を送り相談者の発見につなげている。また、相談につながった相談者については、保険年金課、納  税推進課とともに、生活再建に向けた支援に取り組んでいるなど、包括的、継続的に支え合う仕組みが  機能している。ここでも、人的配置の重要性と、パイオニアの育成の必要性を感じた。最後に担当課長  の「研修より現場が育ててくれる」という言葉が印象深かった。 ・市民生活相談課に相談窓口を一本化して、コンシェルジュ機能を持たせてワンストップで対応できる体  制は市民にとって分かりやすいものだと感じた。やすワークによる就労支援やYaSchoolなど本  市でも可能なものは参考としたい。 ・「野洲市が豊かな自然と歴史に恵まれたにぎわいとやすらぎのあるまち」をテーマに、市長をはじめとし  て市が一丸となって生活困窮者の自立支援に熱心に取り組まれていることに感動させられた。 このサイトの全ての著作権は宗像市議会が保有し、国内の法律または国際条約で保護されています。 Copyright (C) MUNAKATA CITY ASSEMBLY MINUTES, All rights reserved....