鹿児島県議会 2011-07-04
2011-07-04 平成23年原子力安全対策等特別委員会 本文
↓ 最初のヒットへ(全 0 ヒット) 1 八、審査経過
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午前十時開会
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◯中村委員長 定足数に達しておりますので、ただいまから
原子力安全対策等特別委員会を開会いたします。
この際、御報告をいたします。
傍聴について二十名の方から申し出があり、これを許可いたしました。
ここで、
調査日程等協議のため、暫時休憩いたします。
午前十時一分休憩
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午前十時四分再開
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◯中村委員長 再開いたします。
本日は、
川内原子力発電所の安全対策等に関する調査のため、参考人から意見の聴取を行うこととし、調査日程につきましては、お手元に配付してあります日程案のとおり進めてまいりたいと思いますが、御異議ありませんか。
[「異議なし」という者あり]
3
◯中村委員長 御異議ありませんので、そのように進めることに決定いたしました。
次に、参考人の追加についてお諮りいたします。
十分な調査を行うため、参考人に、
九州電力株式会社執行役員、経営企画本部副本部長、亀井英次様を追加したいと思いますが、御異議ございませんか。
[「異議なし」という者あり]
4
◯中村委員長 御異議ありませんので、そのように決定し、手続に入りたいと思います。
次に、委員外議員から発言の申し出があった場合は、当
委員会所属委員の発言がすべて終了した後にこれを許可することとしたいと思いますが、御異議ありませんか。
[「異議なし」という者あり]
5
◯中村委員長 御異議ありませんので、そのように進めることに決定いたしました。
ここで、準備のため、暫時休憩いたします。
午前十時五分休憩
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午前十時六分再開
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◯中村委員長 再開いたします。
これより、意見聴取を行います。
最初に、参考人を御紹介いたします。
まず、
九州電力株式会社の代表取締役副社長、
原子力発電本部長、
川内原子力総合事務所長、山元春義様でございます。
7
◯山元参考人 よろしくお願いします。
8
◯中村委員長 次に、上席執行役員、
原子力発電本部副本部長、中村明様でございます。
9
◯中村参考人 中村でございます。よろしくお願いします。
10
◯中村委員長 次に、執行役員、
川内原子力総合事務所所長代理、古城悟様でございます。
11 ◯古城参考人 古城でございます。どうぞよろしくお願いします。
12
◯中村委員長 次に、執行役員、経営企画本部副本部長、亀井英次様でございます。
13 ◯亀井参考人 亀井でございます。よろしくお願いいたします。
14
◯中村委員長 次に、
電力輸送本部部長、能見和司様でございます。
15 ◯能見参考人 能見でございます。よろしくお願いいたします。
16
◯中村委員長 次に、
国際事業本部部長、加藤亮様でございます。
17 ◯加藤参考人 加藤でございます。よろしくお願いいたします。
18
◯中村委員長 次に、お客さま本部部長、犬山源吾様でございます。
19 ◯犬山参考人 犬山でございます。よろしくお願いいたします。
20
◯中村委員長 最後に、
川内原子力総合事務所調査部長、鶴田正治様でございます。
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◯鶴田参考人 鶴田でございます。よろしくお願いいたします。
22
◯中村委員長 ここで、当委員会を代表して、当席から一言ごあいさつを申し上げます。
九電の皆様方におかれましては、御多忙の中、当委員会に御出席をいただき、まことにありがとうございます。心から感謝とお礼を申し上げます。
本日は、
川内原子力発電所の安全対策等に関して、事業者である
九州電力株式会社様から、安全対策の状況等について確認する必要があることから、参考人として皆様においでいただきました。よろしくお願い申し上げます。
それでは、始めさせていただきます。
調査の進め方といたしましては、各委員が質問を行いますので、それについてお答えをいただくということでお願いをいたしたいと思います。
質問に先立ち、参考人に対して留意事項を申し上げます。
まず、参考人が発言される場合は、当席の許可を得た上で、着席のまま、簡潔に意見を述べていただきたいと思います。
次に、参考人の発言は、委員がお尋ねします範囲内でお答えをいただきたいと思います。
また、参考人は、委員に対して質問を行うことはできませんが、質問の内容がわかりづらい場合には、委員に対して御確認をいただいて結構でございます。
それでは、質問に入ります前に、提出いただいております資料について、説明をお願いいたしたいと思います。
よろしくお願いいたします。
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◯山元参考人 おはようございます。
九州電力の山元でございます。よろしくお願いいたします。
原子力安全対策等特別委員会に御招致いただきましたので、一言ごあいさつを申し上げます。
日ごろより鹿児島県議会の皆様方には、当社の事業活動に対しまして、さまざまな面で御理解と御支援をいただいております。厚く御礼申し上げます。
また、本日は、本特別委員会で東京電力の福島第一
原子力発電所での事故を踏まえまして、当社の
原子力発電所における安全対策を御説明させていただく機会をいただきまして、まことにありがとうございます。
去る三月十一日に東北地方の太平洋沖地震による津波で、東京電力の福島第一
原子力発電所では、すべての電源が喪失し、原子炉などが冷却機能を失い、放射性物質が外部に放出されるという大変な事故が発生いたしました。現在も多くの住民の方が避難生活を送っておられます。同じ事業を営む私どもといたしましても、大変心苦しく、一日も早い復旧を願っているところでございます。
また、議員の先生方におかれましてもいろいろな面でご心労をおかけしております。よろしくお願いいたします。
川内原子力発電所では、国の指示を受けまして、津波に襲われても原子炉などの冷却機能を失われないように
緊急安全対策を速やかに実施しました。
具体的な内容につきましては、資料三種類をお配りしておりますが、まず、一枚目のこの青いチラシでございます。この中で
緊急安全対策を紹介しております。
資料をあけていただきますと、ポイントは左側に三つございまして、電源の確保と、二番目が冷却水を送るポンプの確保、それから三番目の
冷却水そのものの確保でございます。この三つの緊急的な安全対策を実施しました。
それと、万一、東京電力の福島第一のような事故、過酷事故と思いますが、いわゆる
シビアアクシデントになるような状態に至りましても、迅速に対応できるような追加の安全対策も実施しました。
具体的には、お手元のこの一枚物でございます。
川内原子力発電所における
シビアアクシデントへの対応に関する措置の実施状況ということで対策をとりました。
五つございますが、左側に、例えば中央制御室の作業環境の確保、二番目の緊急時における
発電所構内通信手段の確保など五つの対策を実施しております。
これらの安全対策につきましては、国のほうから適切であるという評価をいただいております。
さらに、当社の独自の対策としまして、
マグニチュードが九といったこれまでの想定を大きく超える地震が発生し、そのときによる津波の影響について評価を実施しました。
その評価結果は、このまた一枚物でございます。川内及び
玄海原子力発電所に係る津波影響の評価について、というもので評価をし、お示しております。
結果としまして、両発電所の敷地に影響を及ぼすものではないということを確認しております。
これらの内容につきまして、これからの御質疑の中でできるだけわかりやすく御説明いたす所存でございますので、よろしくお願いいたします。
当社としましては、今後とも
原子力発電所のより一層の安全対策を進めまして、安全確保に万全を期すとともに、鹿児島県民の皆様に御安心いただけますよう全力で取り組んでまいります。
本日はよろしくお願いいたします。
以上でございます。
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◯中村委員長 ありがとうございました。
それでは、委員の皆さんから質問をお願いいたします。
25 ◯遠嶋委員 三月十一日以降、大変なお忙しい毎日をお過ごしのことと思います。そういう中できょうはおいでいただきましてありがとうございます。
私は、
薩摩川内市区選出の遠嶋と申します。
原発で申しますと、一号機・二号機建設時から興味がありまして、いろいろかかわってきているところです。今回の四月十日の選挙に当たりまして、三月十日までは、三号機増設についていろいろ私どもも地元で取り組んでまいりましたが、
原子炉設置許可変更申請書を出して許可を得るばかりのところまで来ておりまして、もうこれ以上は三号機増設を流れを変えるというのは難しいのかなと率直に思っていたわけですが、三月十一日の大震災を受けて、再度三号機増設について検討する機会を、被災地の皆さんにはまことに本当お気の毒ですけれども、もう一回見直しができるチャンスを与えられたというふうに思っています。
そういう意味では、選挙戦の最中も、地元である薩摩川内市民の多くの皆さんから、三号機増設についてあるいは一号機・二号機の安全な稼働についてさまざまな意見をお伺いしました。選挙カーに向かって、三号機をとめてくれ、と叫ばれる方もいらっしゃいました。そういう意味では、この原発に関しての関心が、特に薩摩川内市の中では大変高まっているということを受けまして、御質問をさせていただきたいというふうに思います。
私は県民連合に所属していますので、一応県民連合として質問を分担をいたしまして、私のほうからは、おおむね大枠で七点ほどお伺いしたいと思います。残りの分については、二牟礼委員のほうにバトンタッチをしたいと思います。
まず第一点目ですが、福島第一原発付近で三月十一日に地震が起きたわけですが、この福島第一原発付近で地震が発生する確率は、
全国地震動予測地図というものに基づきますと、震度六強以上の地震が三十年以内に起こる確率というのが、福島第一ではゼロから〇・八%で、薩摩川内市にある川内原発では〇・一から二・三%と、およそ三倍の確率が示されていたわけですが、実際はほぼゼロに近い福島第一原発付近で地震が起きたと。そういう意味では想定外だったと思います。
この発生確率をどのようにお受けとめになられているのかというのをお伺いしたいと思います。
また、今回、津波対策ということで、
緊急安全対策をとられたわけですけれども、川内原発の海域で、
マグニチュード九規模の地震を想定した津波が発生をする確率はないのかどうか。まず、そこら辺をお尋ねしたいと思います。
26
◯鶴田参考人 鶴田でございます。
まず、地震につきましての質問でございます。
御質問にございました
全国地震動予測地図の考え方でございますが、国の
地震調査委員会が公表しておりますこの
全国地震動予測地図と申しますものは、国民の防災意識の向上や防災対策を検討する上での基礎資料として活用することを目的に、地形、地質学的な文献調査や実際の地震観測記録に基づきまして、全国の主な断層を評価いたしまして、それから、将来起きるであろう地震の規模や確率を全国的に予測したものとされております。
ホームページ等にも公表されておりますが、大きな考え方等は、そこにきちんと記述されておりますが、個々の地点の発生確率を、どの断層をどのようにして評価したかということにつきましての根拠については、詳しくは公表されておりません。
そういうことで、この確率をどういうふうに想定されたと考えるかということに関しましては、主な断層の地点の近傍の断層の確率と予想される強度を重ね合わせた上で、その地点の将来予測される発生する確率を算出しているものと考えております。
また、川内の海域周辺で
マグニチュード九の地震が起こるかという御質問でございます。
配付資料の、九州電力の
原子力発電所における
緊急安全対策について、の資料をごらんになっていただきたいと思います。
この資料の左側下半分のプレートというような地質的な図面が載っておると思いますが、そこをごらんいただきたいと思います。
マグニチュード九の地震が、今回、発生いたしました福島第一
原子力発電所の太平洋側には、ここで図示しております、Aのところから線が出ておりますこの黒い点々々の丸のところでございますが、ここには、プレート境界という大きな地殻構造といいますか、そういう仕組みがございます。
こういったプレート境界で発生する地震は、Aのほうの細かい図面の断面図をごらんになるとおわかりになるかと思いますが、プレートとプレートが接触しております面が、実際にずれ動くことによって生じる地震でございます。
この接触している面が、約五十キロから二百キロと非常に大きいことから、そこで発生する地震も
マグニチュードが非常に大きな地震というふうになります。
今回の
東北地方太平洋沖地震は、ここが、この円ほど大きくはございませんが、縦方向に五百キロ、横方向に二百キロという大きな領域がずれ動きまして、
マグニチュード九という規模の世界でも四番目か五番目に当たります地震になったと言われております。
一方で、
川内原子力発電所が面します東シナ海では、この図のBのほうでございます。九州の西岸、東シナ海には、プレート境界が地殻構造上ございません。したがいまして、ここで発生します地震と申しますのは、このBの断面図で御説明できると思いますが、そのプレートの中がずれて動く
プレート内地震というものでございます。
この
プレート内部の地震は、実際に地震の際にずれ動く領域の幅が薄うございますので、十五キロ程度と小そうございます。そういうことで、川内の海域周辺で福島のような
マグニチュード九という規模の大地震は起こり得ないと考えております。
地震につきましては、私からは以上でございます。
27 ◯遠嶋委員 ありがとうございます。
先ほど申しましたように福島第一原発は、地震が起こる確率は〇から〇・八%と、川内の三分の一だったわけですよね。現に地震が起きたわけです。
今説明をされた、プレートが潜り込んで歪みで
マグニチュード九という大きな地震が起きたと。それは、大変申しわけないですけれども、起きた結果の分析だと思うんですよね。
例えば
全国地震動予測地図は、今のお話を聞くと、それなりに科学的に分析をされて、確率を出された資料だというふうに受け取りました。そういう意味で言えば、この確率というのは、三月十日までは、結構信頼に値する数字だったんだろうというふうに思います。
三月十日までに、これは推測で結構なんですけれども、東京電力の皆さんは、福島第一原発でこういう事態になるというふうに想定をされていらっしゃったとお思いでしょうか。
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◯鶴田参考人 原子力発電所の耐震設計をやります基準となります基準地震動の策定は、確率ではなくて、実際にそこの影響する範囲内に存在する活断層を調べまして、それを安全側に、短いものは長い、あるというようなことで、安全側に評価いたしまして、ここの断層が動いた場合の地震動がどういうふうに伝わってくるかをすべて計算いたしまして、それに基づきまして、一番大きい、それを包含するような基準地震動を策定いたしまして、そして耐震設計をやっております。
東京電力さんも同じやり方でやられております。
あと、東京電力さんがどう思われていたか、この
地震動予測地図につきましては、私どもちょっとお答えはできません。
29 ◯遠嶋委員 だと思います。
でも、実際起きたという事実は、私は大きいと思うんですよね。だから想定外という言葉が飛び交ったと言ったら表現が正しいかどうかわかりませんけれども、想定外の地震が起きたんだというふうに思います。
ですから、これはもうあくまでも推測ですけれども、東京電力の皆さんも三月十日までは、あんな状態になるというふうには恐らく考えていなかったと思うんですよね。それが、突然三月十一日に巨大な地震が起きて、今、おっしゃったように世界で四番目か五番目ぐらいの巨大な地震がそれこそ想定外に起きてしまって、今のような事態に至っているというのが、私は現実だと思いますので、やはり地震については、いろんな
バックチェックの結果だと、そういうお話もありましたけれども、もうこれ以上できないよというぐらい用心をするというのが、私はどうしても必要だろうというふうに思います。
そういった意味では、今回の
緊急安全対策はすべて津波ということでやられていますので、津波を起こす地震というのは、すべて海域の地震だということになっていると思うんですが、陸域の地震も、私は想定をされているとは思いますけれども、もうちょっとやっぱり厳しい調査及び判断をすべきじゃないかなと思います。
そういう意味では、私は今回の一般質問の中で、中央構造線は言いませんでしたけれども、仏像構造線の話とか、あとそれにほぼ並行に走っている中央構造線の話もあります。それから、川内川を隔ててというか、それを境にした断層もあると。これはいろんな議論がある中で、死断層だというふうに言われていますけれども、断層であることは、私は間違いないと思うんですよね。そして、今回、ちょっと興味があって、出水断層も調べてみました。出水断層も、確率的には、危険性が無視できるほどではないというふうには思います。
そういった意味で、陸域の活断層、あるいは断層についての評価をちょっとお聞かせいただきたいんですけれど。
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◯鶴田参考人 ちょっと手元に資料が出てまいりませんので、口頭でお答えいたします。
陸域の断層につきましては、平成十八年に改訂になりました国の
耐震設計審査指針、それから、その後、中越沖地震が発生しまして、
原子力安全委員会のほうで、それの知見を反映した活断層調査の手引きというものがまとめられました。それに従いまして、半径三十キロ及び影響を及ぼすものはその外側まで、地球地質学、それから
地球物理学的探査、調査、そういったものを最新のものを組み合わせて評価をしなさいと。それも活断層と認定するものは、十二、三万年前のより古い地層を、起きていないと証明できるものを除いては、活断層としてみなしなさいというような、非常に安全側と申しますか、そういうふうな基準で活断層を抽出をしております。
その中に、出水断層、そういうものも評価の中に出ております。
近くの陸域では、活断層といたしましては、いちき串木野市のほうを通ります五反田川断層、これを一番発電所に影響のある断層だというふうに抽出いたしまして、そこでの地震動を計算いたしまして、それを先ほど申しました基準地震動SSの算定の中に入れまして、それをきちんと包含する、もっと余裕を持って包含する地震動というものをつくるために使っております。
あと、ちょっと細かいことは、申しわけございません、何か図でもあればいいんですけれども。
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◯中村委員長 当席から申し上げます。
質問は、簡潔に私見を挟まずにお願いを申し上げたいと思います。よろしくお願いします。(「休憩中」という者あり)
暫時休憩いたします。
午前十時三十四分休憩
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午前十時三十五分再開
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◯中村委員長 再開いたします。
33 ◯遠嶋委員 今まで申し上げたのは、一つはお聞きしたいことがあって申し上げたんですが、今回は津波対策ということでやられているわけですけれども、津波対策では蒸気発生器が大変大きなウエートを占めているわけです。蒸気発生器が地震で破損をするということも私はあり得ると思うんですが、そういう意味で、地震による蒸気発生器の破損というのは想定されていないんでしょうか。お伺いしたいと思います。
34
◯中村参考人 原子力発電所におきまして、蒸気発生器は非常に重要な設備でございます。原子炉容器、それとか蒸気発生器とかECCSと言われる非常用炉心設備につきましては、非常に重要度の高い、一番高いクラスとしまして、耐震設計をしてございます。
そして、耐震の中で基準地震動というのがございまして、それをSSと言ってございます。それにつきましては、十八年に指針が改訂されまして、今、鶴田が申したようないろいろな調査をして、非常に安全な数値を持ってきて評価して、五百四十ガルという大きい地震でも耐え得るということを確認してございます。
東北の地震におきましても、今回、福島第一が津波で被災してございますけれども、同じように太平洋側にあります女川
原子力発電所は、もっと震源に近いところでございまして、そこにおきましても地震が来ておりますけれども、原子炉は安全に停止しまして、冷却設備もきちんと機能しまして、原子炉を安定な状態に持っていったという実績がございます。
ですから、蒸気発生器につきましては、基本的に地震でも耐え得るというふうに考えてございます。
以上でございます。
35 ◯遠嶋委員 地震が今度起きたのも想定外、ああいう惨事になったのも想定外。ですから、やはり大きな地震が起きたときに、やっぱり蒸気発生器も破損するということは、私は可能性はゼロじゃないと思います。だから、そういうことを想定した対策もぜひ検討していただきたいと思います。
次に移ります。
川内原発は、一号機・二号機が建設後それぞれもう二十六年目、二十七年目に入っているわけですけれども、炉心、圧力容器の脆性遷移温度ですかね、それからその他の蒸気発生器も含めた応力腐食割れなど、かなり経年化、俗に言う老朽化が私は進んでいるんじゃないかというふうに思うんですが、これまでの経年化に対する検査結果とその想定値等の関係がどうなっているのかお聞きしたいと思います。
また、特に温度の変化に対応する脆性遷移温度ですかね、あるいは、これによってはECCで突然冷やしたり、あるいは高くなったり、それに対する耐久性の問題ですね、その辺についてお聞かせいただきたいということと、また、それを確認する資料をぜひお願いしたいと思います。
と申しますのは、圧力容器のふたを交換されましたよね。あのときにちょうど古城さんが次長さんでしたけれども、私ども現地でふたを見せていただきたいと、写真でも結構ですということだったんですが、私たちは、目視で確認ができないような状態が続いているわけですけれども、私が見たのでは、アメリカのディーゼルベッセですかね、あそこの原発が、圧力容器のふたを交換するときの写真が出ていました。周りはすさまじい腐食ですね。ステンレス一枚でようやく原子炉と外気と分けられていたという状態であったんですけれども、そういうことも含めて、やっぱり資料の提供をちょっとお願いしたいと思うんですが、よろしくお願いします。
36 ◯古城参考人 説明用の資料を準備しておりますので、よろしければ配付をさせていただきたいんですが。
37
◯中村委員長 暫時休憩いたします。
午前十時四十 分休憩
────────────────
午前十時四十一分再開
38
◯中村委員長 再開いたします。
39 ◯古城参考人 脆性遷移温度についての御質問でございますが、原子炉容器と申しますのは、鉄を主体とした金属でできております。もともと金属は粘り強さというものを持っておりますが、これに中性子が当たることによってその金属が固くなりまして、粘り強さが小さくなっていくという傾向がございます。これはもう既にわかっていることでございまして、そうした場合に原子炉を運転いたしますと、ウラン燃料から中性子が出てまいります。この中性子はかなりの部分は核分裂に使われるわけですが、各分裂に使われなかった部分は、原子炉容器の壁に当たるという形になります。
それで、その辺はよくわかっている事象でございますので、原子炉容器と同じ材料でできた試験片というのをつくっておりまして、それを原子炉の中に入れております。その位置関係を申しますと、原子炉容器よりも燃料に近いところにその試験片を置いてあります。
ということは、ある一定期間運転した場合に原子炉容器の材料よりもたくさんの中性子を照射されているということになります。原子炉容器の将来的な脆性遷移温度を見る場合に先行して、もっと遠い先の評価ができるということになります。
川内一号機では、これまで四回の照射試験片の取り出しを行っております。お手元の資料をごらんいただきたいんですが、第一回S/Tと書いておりますが、これがサーベイランステストという意味でございまして、第一回、第二回、第三回、第四回と、既に四回取り出しをいたしております。
一番新しい四回目は、平成二十年の八月に取り出しをいたしております。この第四回目の部分で中性子の照射量といたしましては約百一年原子炉を運転した状態に相当いたします。その四回目の試験片から評価した場合の温度は三十六度Cでございました。
ごらんになっておわかりのとおり、左上に凡例が載っていますが、国内脆化予測法と国内の脆化予測法+MR、これはMRというのはマージンということで、ある程度の余裕度を見たものでございます。この線が予測値でございまして、その予測値にほぼ合致しているような状況にございます。
それから二号機でございますが、二号機は、過去三回取り出しを行っております。ただ、この絵の中には二回しか出てまいりませんが、三回目が、平成二十二年の四月に取り出しをいたしておりまして、現在、評価中でございますので、まだ結果が出ておりません。
失礼しました。裏面でございます。裏面に二号機のカーブを載せておりますが、二号機については、三回の取り出しを行っておりますが、三回目は、まだ評価は出ていないという状況でございます。
第二回目の試験片から評価した温度というのは、六度Cでございました。二号機につきましてもほぼ予測のカーブに乗っているという状況でございます。
私どもは、原子力の健全性といいますのを、この照射試験片の結果から強化をいたしておりまして、万一の事故において冷たい冷却水が原子炉の中に注入されまして、急冷されるという事象が起きますが、六十年間運転を想定しても問題ないということを確認をいたしているところでございます。
以上でございます。
40 ◯遠嶋委員 これで見ますと、十分対応はできるということですね。
わかりました。
あと、もう時間がないので簡潔にしろということですので、次に移りますが、六月二日に私どもの会派で現地を見させていただきました。お忙しい中、対応していただきましてありがとうございました。
その際にいろいろ感じたわけですが、御説明の中では、緊急時には三時間以内に社員を招集して対応に当たるということでしたが、およそ川内市まで十キロぐらいですね。平佐の団地まであと十二、三キロぐらいでしょうか、になるわけですが、そのアクセス道路の瓦れき類の撤去とか、あるいはどれぐらいの人数で何時間でそういうのが終了できるのかと。また、その体制ができているのかと。あのときの説明では三時間ということでしたが、それが可能なのかどうかですね。
それ以降、私もいろいろ考えて、改めてお伺いしたいと思うんですが、その際に河口大橋も使われることもあるでしょうし、あと当原発まで行く県道の宮里とか、あそこも海抜的に言えばゼロメートルぐらいのところですよね。ですから、そういうところが冠水したり、破損したときにも大丈夫なのかなと率直に思ったわけですが、その辺のことについてお聞かせください。
41
◯中村参考人 緊急時の対応といたしまして、今回、
緊急安全対策を実施したわけでございますけれども、それに伴って仮設ポンプの配置とかホースの配備、それからあと、電源車がございまして、電源車を高台のところに置いていますので、そこからきちんと接続して電源を供給できるようにするのを目標として三時間というので目標設定して、訓練等も実施してございます。
水の放出等もやりまして、実際的にできるということでやりまして、大体一時間から二時間程度で実施することができております。
その中で、今度は人の招集という問題がございますけれども、当社の正門から百メートル以内のところにみやま寮というのがございます。みやま池の後ろのほうの高台のところにございまして、そこに社員が八十名ほどおります。
ですので、何かあった際でも徒歩でも十分程度ぐらいで来れるような位置でございますので、至急集められるというふうに考えてございます。
それとあと、市内からのルートについて、今お話がありました河口大橋も破損するんじゃないかとか、地震でいろいろ瓦れきとかあるんじゃないかという御質問でございますけれども、そういうのが想定されますので、当社としましては、市内からいろんなルートを確認してございまして、そこを通って、こちらがだめならほかのルートを通るということで、複数のルートを確認して招集するようにしてございますので、いざというときには必要な人員は招集できるというふうに考えてございます。
以上でございます。
42 ◯遠嶋委員 ほかのルートも私もいろいろ考えてみたんですけれども、羽島のほうを通ってくるルートがありますよね。羽島も結構道路の海抜が低いですから、あそこも冠水したりということもあり得ると思いますので、そこ辺のこともぜひ十分対応していただきたいというふうに思います。
あと、同じく六月二日にサイト内の緊急対策のポンプを見せていただきました。私は門外漢といいますか、専門ではありませんので、もしかしたら間違っているかもしれませんけれども、ポンプ自体の容量があれで大丈夫なのかなというふうに率直に思いました。
原発が稼働中は、川内川の一・二倍ぐらい温排水が流れるという感覚からすると、停止している最中の水の冷却にはあれで十分なのかなと。ちょっとそこは不安に思ったもんですからお伺いしたいというのと、あわせてみやま池の水も使われるという説明をいただいたんですが、あそこの水を汲み上げるとき、泥も入ってくると思うんですよね。その辺のことは大丈夫なのかなということですね。その辺の対策をどうしてあるのかですね。
あと、いろいろタンクがありましたけれども、そのタンクの水も使われるという説明を受けたんですけれども、そのタンク自体が地震で破損ということもあり得ると思うんですけれども、その辺のことをちょっとお伺いしたいと思います。
43
◯中村参考人 今回の
緊急安全対策におきまして、今、委員が言われたように蒸気発生器、それから蒸気発生器を使って原子炉を冷却する。それからあと、使用済み燃料ピットも水を使った冷却内ということで水を使って冷却するということを考えてございまして、その量を計算してございます。大体二十五立米/アワー必要だということで、現在、ポンプの容量はそれに見合う三十立米/アワーの能力のものを配置してございます。これにつきましては、訓練を実施しまして、実際に水を流して、ちゃんと三十立米/アワー出るかというのを確認してございます。
先ほど言いました循環水ポンプで海水を流す水につきましては、これは復水器といって、大きな非常に容量のものでございますので、あれほど大きな水を使わなくても冷却はすることができますので、ポンプは今の容量でできるというふうに確認してございます。
それとあとみやま池につきまして、最終的にはみやま池の水も使うことを考えてございまして、みやま池は三十四万立米の水がございます。ですから、泥というところまで行くまでには大分かかると思うんですけれども、基本的に、取る場合には、仮設ポンプに異物混入のメッシュをつけますので、そういう異物が入らないようにして対応することを考えてございます。
それとタンクにつきましては、基本的に一番最初は復水タンクと呼ばれるタンクを使います。そのほかに二次系純水タンクとかろ過水タンクなど、発電所では水が必要なものですから、いろいろな水のタンクが準備してございまして、それを順次使っていくということを考えてございます。
それが、もう空になったり、いざ使えないというときには、今、申しましたみやま池の水を使うということにしてございます。
そして、それも例えば詰まったとか、そういうことがございましたら、最終的には海水も入れられるようなポンプを全部準備してございまして、今回の訓練の中で、それぞれタンクから移す、それからみやま池から移す、それから海から移しても冷却水が確保できるということを確認してございます。
以上でございます。
44 ◯遠嶋委員 次に移ります。
今、福島のほうで鎮静化といいましょうか、一生懸命努力をされていることに本当に心から敬意を表したいと思うんですが、九州電力のほうから、あるいはその関連会社で、この復旧作業に何人ぐらい派遣をされているのか。そしてその期間がどれぐらいなのか。また、いつごろまで続けられるのか。そして健康上の問題が出ていないのかどうかですね。
あと、新聞等では、内部被曝なんかを管理するのに、人数の把握とかするのに行方不明者が随分いらっしゃるという話が出ていましたが、こちらから派遣されている中にそういう方々はいらっしゃらないのかですね。
あと、ホール・ボディ・カウンターが不足しているということで、多くの人が検査待ちという状態にあると聞くわけですが、こちらから派遣された人々は、大体皆さんそれを受けられていらっしゃるのかどうかですね。それとその結果がどうなのかということ。
派遣をしている人たちの把握も含めて、行かれている方の積算被曝線量等の安全確保対策、そういうのが聞かされているのかどうか、お伺いしたいと思います。
45 ◯古城参考人 福島第一原発への社員の派遣の御質問でございますが、私ども現在、当社社員、それから協力会社の社員を福島のほうの支援に派遣しております。これは、福島第一
原子力発電所の現場の復旧作業ではございませんで、避難された住民の方々の汚染検査ですね、スクリーニングというふうに言っておりますが、汚染検査、それから周辺の環境放射線の調査、こういったものを中心に支援を行っているところでございます。
派遣の人数でございますが、社員、それから協力会社の方々も含めて、
川内原子力発電所からも支援に出ておりますし、玄海、それから本店からも出ております。大体約三十名が、今、派遣されております。常に三十名派遣されているというような状況でございます。
この派遣が終了する時期については、今のところ事態の収束がまだできていない状況でございますので、現時点では未定というところでございます。
それから、派遣に当たりましては、トップをうちの管理職、課長クラスにしておりまして、その課長クラスの者が派遣された者たちの日常の業務の管理、それから生活面でもいろんな面倒を見ているという状況でございまして、派遣者で行方不明というようなことはございません。
それから、放射線管理、被曝管理はもちろんこれは重要なことでございますので、その辺はしっかりやっているところでございます。現在のところ派遣者に健康上の問題は発生してございません。
それから、ホール・ボディ・カウンターによる内部被曝の検査でございますが、これは、派遣が終わりまして、発電所等に戻ってきたところで発電所内のホール・ボディ・カウンターでもって検査を実施しております。
その結果、内部被曝はなかったということを確認いたしておるところでございます。
以上でございます。
46 ◯遠嶋委員 確認ですけれども、三十人というのは、九電だけですか。それとも九電と関連会社を入れてですか。
47 ◯古城参考人 九電社員と協力会社の社員の方々含めて三十名ですね。
48 ◯遠嶋委員 済みません、じゃ、その三十名の内訳はわかりますか。
49
◯中村参考人 常時三十名派遣してございまして、その中で大体半々ぐらいの割合で行っています。行く期間によって変動しますので、大体二週間程度行ったら交代するような形で行っていまして、今まで大体延べで三百人ぐらい派遣してございます。
以上でございます。
50 ◯遠嶋委員 わかりました。
ぜひ健康に気をつけて頑張っていただきたいと思います。
じゃ、次に行きます。
今、使用済み核燃料がたまり続けているというふうに思うわけですが、その保管容量と現在の状況をまず、お聞きしたいということと、一年間にどれだけ、一回の定期点検でどれぐらい発生をするのか、保管をするのか、入れかえるのかという質問。あと、これまで二回リラッキングをされていると思うんですけれども、一回目が十五、六年ぐらい前ですかね、最初に私はそれを聞いたときに、そんなことしていいのかなと思ったりはしたんですけれども、その辺の安全性に問題がないのかどうか。
そして、今回、地震・津波の件で、今、福島第一は、使用済み核燃料のプールも大惨事になっているわけですけれども、その辺のことをお伺いしたいというふうに思います。
それと、使用済み核燃料は、基本的には、六ケ所村に持っていって再処理等するということですが、現状は、六ケ所村も本稼働していないという状況の中で、なかなか今、使用済み燃料の処理については厳しい状況があると思います。その辺の見解をお聞かせいただきたいというふうに思います。
また、九州電力が中間貯蔵施設について、今年度まででしたか、調査をするとかというような記事を見たんですが、その辺の計画が、今、どうなっているのかお聞かせをいただきたいと思います。
51 ◯古城参考人
川内原子力発電所一・二号機におきます使用済み燃料の保管状況でございますが、まず、貯蔵容量でございますけれども、川内一号機千八百六十八体、それから川内二号機で千三百五十六体でございます。合計しまして三千二百二十四体の貯蔵容量がございます。
それに対しまして、現在、何体貯蔵しているかでございすが、一号機は、使用済み燃料が千五十八体でございまして、それにプラス一部照射済み燃料というものがございます。これはまだ使うという燃料ですね。これが二十六体ございまして、合わせて千八十四体でございます。
それから、二号機につきましては、使用済み燃料が七百十一体、それから一部照射済み燃料が六十三体ということで、合わせまして七百七十四体、合計しますと、貯蔵量といたしましては、使用済み、一次照射済みを含めまして千八百五十八体が使用済み燃料プールのラックの中に入っているという状況でございます。
それから、使用済み燃料の年間の発生量でございますが、これは、定期検査で燃料を取りかえることによって使用済み燃料が発生してまいりますが、年間で約四十体でございます。
それから、燃料プールの貯蔵で満杯になる時期というふうなお話でございますが、今のところ、万一、六ケ所村再処理工場のほうに燃料の搬出ができない、使用済み燃料の搬出ができないという場合を仮定いたしましても、二〇二〇年ごろまでは問題ないというふうに考えております。
私どもとしましては、六ケ所村の再処理工場のほうが確実に竣工できて、使用済み燃料の搬出問題が生ずることがないというふうに考えておりますが、今後も計画的に搬出する予定にいたしております。
それから、リラッキングですけれども、一号機・二号機は、それぞれリラッキングを二回実施いたしております。一号機が平成十三年の三月にAピットが完成いたしておりまして、その次、Bピットを実施しましたのが平成二十年の六月でございます。
それから、二号機につきましては、先にBピットをやりましたが、平成十一年の五月に完了。Aピットのほうは平成二十二年の三月ということでございます。
このリラッキングをすることによって使用済み燃料プールの中に入る燃料の数がふえますけれども、それによって熱付加といいますか、熱がたくさん出てくるということになりますが、それの熱の増加に対しては、使用済み燃料ピット冷却器によりまして、十分冷却できるということを確認しております。
それから、ラックの間隔を縮めますので、臨界性というのが問題になってまいります。こちらのほうにつきましては、対策として、ボロンという中性子を吸収する材料をステンレスの中に入れまして、そういったボロンが入ったステンレスのラックをつくることによりまして、十分な未臨界性というものを保てるような設計といたしております。
そういったことから、安全上の問題はないというふうなことで考えております。
以上でございます。
52
◯中村参考人 再処理の考え方でございますけれども、基本的に日本は、エネルギー資源が非常に乏しゅうございますので、使用済み燃料を再処理してさらに燃料をつくるという原子燃料サイクルの確立が非常に重要だというふうに考えてございます。
再処理施設が、現状まだ完成してございません。しかしながら、平成二十四年の十月をめどに今、鋭意試験等を実施しているところでございまして、基本的に再処理工程につきましては十分検証ができておりますけれども、ガラス固化のところでちょっとトラブルがございまして、それを今、改善してやっているということで、当社も全面的に協力して確立するよう努力しているところでございます。
あと中間貯蔵につきましては、発電所で貯蔵した燃料を再処理するために六ケ所に持っていきますけれども、国の原子力大綱で述べられていますように、再処理するまでの時間的余裕を確保するため、非常に有効な手段である柔軟性を確保するという意味では有効な手段であるというふうに位置づけております。
当社としましても中間貯蔵の必要性というのは現在でも変わらないと思っておりますけれども、現段階では、具体的な計画はまだございません。
以上でございます。
53 ◯遠嶋委員 新聞記事を見たんですが、社長さんだったか、二〇二〇年までにつくらないと玄海が満杯になるということで、玄海町だったかな、固有名詞まで出して調査に入るというような、それもことしまでだったと思うんですけれども、そうせっぱ詰まっていないということですかね。
54
◯中村参考人 今、言われるように二〇二〇年まででいっぱいになるというのは、状況は変わってございません。ですから、中間貯蔵施設の必要性というのは認識してございます。ぜひともうちとしても具体的にしていきたいというふうに今、検討している段階でございますけれども、その具体的な計画はまだ、ございません。
玄海町というお話もありましたけれども、当社といたしましては、玄海町という話はまだしていないと思っております。
55 ◯遠嶋委員 いや、これは新聞記事か何かに玄海町って何か載っていましたので、あえてちょっと言いました。
じゃ、最後にします。
モニタリングポストのことですが、今回の福島第一の場合は、ほとんどモニタリングポストが機能しなかったというようなことも聞いております。そのために正確な情報が伝わらなくて、避難とかそういうことで不具合がというか、大変お気の毒な結果が生じたんじゃないかなと思います。
そのための回線とかサーバーの予備とかそういうのを含めて、設置は県がすることだろうと思うんですが、予防という見地で連携を十分とられていらっしゃるのかどうか、お聞かせいただきたいというふうに思います。
56 ◯古城参考人 モニタリングポストの件でございますが、当社が設置しておりますモニタリングポスト等で、何らかの原因でこれが測定できないという場合には、私どもとしては、代替手段を使って測定をやっていきたいというふうに思っております。
一つは、可搬型のモニタリングポストでございまして、これは持っていけるものでございますので、これを必要なところに置いて、それで線量を図るということでございます。
それから、もう一つございますのが、モニタリングカーでございます。これは、車にいろんな測定器を積んでおりまして、この車に積んでいる測定器でもって空間線量等を測定をできるようになっております。
そういったデータにつきましては、一元的に集約をいたしまして、国、それから自治体、オフサイトセンター、そういった関係箇所に連絡をするということで考えておるところでございます。
自治体において設置されておりますモニタリングポスト等につきましては、当社がそれについてお答えすることはできませんので、回答は差し控えさせていただきたいというふうに思います。
57 ◯遠嶋委員 今回、SPEEDIの件もありました。あっちゃならんことですけれども、そういう被害が起きたときに少しでも被曝を避けるために、そういうやるべきところの整備は、県と協力をし合ってぜひやっていただきたいというふうに思います。
大変長時間にわたりましてありがとうございました。
58 ◯二牟礼委員 きょうは参考人として出席いただきましてありがとうございます。
福島の原発事故を受けまして、川内原発に対する県民の関心も大変高くなっておりますので、それらの県民の疑問に答える形で質問させていただきたいと思います。
一つは、定期点検が行われますが、そしてまた、今回、
緊急安全対策あるいは
シビアアクシデントに対する対策がとられておりますけれども、この措置というのは、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律に基づく定期点検と、法律第二十九条第一項の原子炉設置に伴う定期点検と、第三十七条一項の保安規定による原子炉の運転開始前の許可というふうに理解すればよろしいでしょうか。
59
◯中村参考人 基本的に、今回の対策につきましては、国の指示で実施してございます。一部につきましては、保安規定を改正しまして、対策をしています。今まで保安規定では、停止時のときには、非常用でありますディーゼル発電機が一台待機していればよかったんですけれども、それを二台に変えるというようなものは、保安規定の変更申請を出して実施してございます。
そして、今回の対策につきましては、法律の中の枠かといいますと、それを超えたと言ったらおかしいですけれども、国の指示に基づく対策でございます。定期検査自体は、法律に基づく定期点検でございます。
60 ◯二牟礼委員 一部保安規定に基づく措置もあるということでありますけれども、その実施結果は、経済産業大臣が
原子力安全委員会に報告するようになっていますけれども、それはなされたというふうに承知されていますか。そこは御存じないですか。
61
◯中村参考人 それについては、多分報告されていると思っていますけれども、具体的にいつ報告したかというのは、ちょっと私どもでは知りかねております。
62 ◯二牟礼委員 今回の
緊急安全対策というのは、九州電力からいただきました最初の資料にも、津波によって全交流電源、海水冷却機能、使用済み燃料ピット、冷却機能のすべてを喪失したとしても炉心の損傷や放射性物質の放出を防止すると。それによって
原子力発電所の安全が確保できるようにするということでありますけれども、先ほど
マグニチュード九の地震は起こらないと、そのように評価もされて、国に報告されています。
川内原発の場合は敷地が十三メートルですから、それを超える十五メートルの津波を想定するというふうにせんだっての全員協議会で県議会に来られたときにも説明されましたし、今の答弁でも川内市街地へのアクセス道路への瓦れき類も想定されるというふうにお答えになりましたけれども、地震の規模は別にしまして、十三メートルを超えて十五メートルの津波が来るから対策をとるというふうに理解すればよろしいでしょうか。
63
◯中村参考人 今回の対策につきましては、今、地震の評価あるいはそれによる津波の評価でその地域性に基づいて科学的にある程度合理的に評価したものとは別に、全く津波の発生とは切り離しまして、対策としては、万が一、十五メートルの津波が来ても大丈夫なような処置をするということでございまして、津波の発生するしないとは別という形で対策を講じてございます。
64 ◯二牟礼委員 そうしますと、津波は海水ですから、海水の対策と、
シビアアクシデント対策では瓦れき類の除去も対策に加わっていますので、海水と瓦れきが来るというのが想定されているというふうに理解すればよろしいですか。
65 ◯中村参考人 発生とは別に海水が来る、あるいは瓦れきがそこにあったときに除去できるようなホイルローダーとかそういう設備を準備しているということでございます。
66 ◯二牟礼委員 おたくからいただいている一番最初の資料の拡大したものを持っているんですけれども、ここが十三メートルですから、これを超えて津波は来ると。津波は瓦れきを運んでくると。こういうことを前提に対策をとられているわけですよね。どうですか。
67 ◯中村参考人 瓦れきを運んで来るかどうかはあれなんですけれども、津波が来て、ある可能性があるということでは考えてございます。
68 ◯二牟礼委員 そうしますと、初期対策が講じられて、安全性は確保されているという保安院の認定です。それに基づいて経済産業大臣も安全だから再開してもいいということでした。
しかし、津波、瓦れきが来た場合には、ここの四、非常用ディーゼルの建屋、ここの海水ポンプのところには、まだ対策は実施されておりません。そうですね。移動式の大容量発電機車は平成二十四年度初め、今、申し上げたこの海水ポンプのところと非常用ディーゼル発電機のところは二十六年度初めとなっているわけです。これは間違いありませんよね。
そうしますと、十五メートルの津波が発生をする、瓦れきを運んでくるというのが今の時点で起こった場合には、ここの海水ポンプのところは上ぶたをするようになっていますので、あるいはここのディーゼルの建屋には、海水防止のための防水設備を施すようになっていますが、まだそれがないわけですよ。海水が来、瓦れきが来れば、ここは一遍に損傷してしまいますよね。その対策は二十六年度初めでないと完了しないわけですよ。ということは、短期の対策ができているから安全じゃないんですよね。短期対策ができているから安全ではない。安全だというふうに保安院は言いましたけれども、短期の対策は、ここにはまだ施されていないわけですよ。
ですから、二十六年度初めまでは津波も瓦れき類も来ないということが前提でなければ、安全は保障できないと思うんですが、どうでしょうか。
69
◯中村参考人 きょうお配りした資料のこの青のやつを見ていただきますと、この開いたところの左側のところに三項目書いてございます。電源の確保ということで、高圧電源車の配備をしたと。
それから外部電源復旧対策を実施してございます。
それと冷却水を送るポンプを確保してございます。
これは、先ほど言いました仮設ポンプ・仮設ホースで配備してございます。
重要な機器のあるエリアの浸水防止対策。タービン動補助給水ポンプがあるような部屋とか、電気系の部屋というのは、もう防水対策を実施してございます。
それとあと、三番の冷却水の確保ということで、水源の確保を、今、申したようにみやま池、最終的には海水まで冷却水を確保できるということで確保してございます。
それの右側の上のほうに長期対策として、今、委員が言われました大容量発電機車の配備、重要機器の防水対策、海水ポンプ等の予備品の確保、水タンクの補強。こういうものは、いわゆる製造とかそういうのがございますので、二十六年までをめどに実施してございます。
この左側の短期対策を実施してございまして、こういうのを高台に準備してございます。今、委員が言われたように海水ポンプとかDGの非常用発電機は、今のところ期待しなくても、この短期の対策、電源車とか何かをつなぎ込んで冷却水を入れることによって原子炉は安定な状態に持っていけるということで、安全は確保されておるわけでございます。
70 ◯二牟礼委員 私が申し上げるのは、この資料で言いますと五番ですよ、一番問題なのは。この五番は予備品確保という、ここに黒のふたがかぶしてありますよね。このふたは今のところないわけですよ。ありませんよね。これは二十六年度初めに設置されるわけでしょう。
そうしますと、仮に二十六年度初めまでに瓦れきを運ぶ津波が来れば、この海水ポンプ・モーターのところは浸水し、瓦れきで埋まるということになるわけですよ。
その対策ができていないのに、なぜ、安全が宣言できるのかということが私はわからないんですよ。もうちょっと詳しく説明してください。
71
◯中村参考人 こちらの配付資料の右側の図を見ていただきますと、ブルーと緑色のところがございますけれども、今、言われた海水ポンプというのが左側のほうに書いてございます。通常はこのポンプを使って原子炉を冷却します。海水を使ってですね。これはもう全くもって今回、期待してございません。
こちらではなくて、蒸気発生器、ちょっと小さくて申しわけありませんけれども、原子炉格納容器の中の蒸気発生器がございます。こちらに水を入れて冷却をするようにしてございます。タービン動補助給水ポンプでこちらに水を入れて、冷却水はたくさんございます。これはタービン動ですので電気が要りません。蒸気発生器から発生した蒸気をそのままここに持ってきて駆動してございますので、これで冷却することができると。
じゃ、熱はどこに逃がすのかというと、ここの主蒸気逃し弁、大気放出と書いてございますけれども、ここで大気放出して原子炉の熱を逃がしてやると、蒸気発生器を通して逃がしてやるということで、十分ここが冷却できるというふうにしてございますので、冷却の仕方が違ってございまして、ここの先ほど言ったタンクとかみやま池の冷たい水を蒸気発生器に入れて、蒸気発生器で原子炉を冷却することができるということでございますので、今のところ先ほど言われたように海水ポンプとかディーゼル発電機は、津波等ではその高さまで来ないんですけれども、そういうものを一切期待しない。でも、ちゃんと原子炉は安全に停止できるという手段が、この右側のほうでとられるということで、安全だというふうに申してございます。
72 ◯二牟礼委員 そうしますと、この海水ポンプ・モーターのところは、海水、瓦れきによって埋まっても何ら影響はないと。しかし、なぜ、重要機器の防水対策として海水ポンプ等の機器を津波から守るための防水工事が必要になるのか。それがわかりません。
それと非常用の発電機、この海水対策も重要な対策だと思うんですけれども、ここも海水に対する防水設備というのは、二十六年度初めまでかかると。このように、一切防水対策は実施できないのに安全であるという宣言ができるということをどうしても私は理解できない。
73
◯中村参考人 今申したように、いわゆる事故とかそういうときに、原子炉をどういうふうにするかというと、基本的に原子炉を冷やして、その中に放射性物質を閉じ込めるということが安全の基本でございます。
その手段はいろいろありますけれども、今回の場合は、海水ポンプとかそういうものを使わずしてもちゃんとできるという対策を講じて、そして長期的には、従来の設備である海水ポンプとかそういうものにも対策を施して、万が一津波が来てもそういうものの健全性を確保するということで、基本的には右側の蒸気発生器で冷却できますけれども、さらなる安全性という形で、こういう設備も、従来の設備も生かすことができるようにするという目的のためにこういう長期的対策を実施しているところでございます。
74 ◯二牟礼委員 私はその対策が施されていないうちの安全宣言というのは、全くの国民の支持は得られないというふうに思います。
次に参ります。
先ほど(「今のこれについてちょっと関連。もう一回確認、いいですか」という者あり)
75 ◯外薗委員 参考人、いいですか。
二牟礼委員の話の中で、ここは重要なところですよ。
この電源の確保と冷却水、これを今、もし事故が起きた場合のために、国が指針をだしてこの三つをやれと。
そうしますと、二牟礼委員の言い方じゃ、いや、その前にこれは二十六年度までかかるから、これができていないと安全じゃないんじゃないかということですから。仮にこのような状況が起きても、この一番の状況があることによって安全なんだと、だから、大丈夫なんだということを言わないと、今の話を聞いていますと、この冷却ポンプ、発電機、これが破損したらどうするのかと。これがまだ二十六年度までかかって、できていないのに、対応できるのかということだから、いや、これでの対応じゃなくて、完全にいろんな電源が確保されなくても、この一、二、三の対策で大丈夫なんだということをしっかり言ってもらわんとですよ。もう一回言って。
76
◯中村参考人 説明の不足で申しわけありません。どうもありがとうございます。
今、言ったのは、委員が言われた趣旨でございまして、ちょっと言い方がはっきりしなくて申しわけございませんでした。
この一、二、三を実施すれば確実に安全は確保できるということでございます。
さらなる安全という形で長期的な観点に立って、右のこの上の五項目等を実施するということでございます。
ありがとうございます。
77 ◯二牟礼委員 今、国のほうでは、福島の事故原因調査委員会あるいは原子力委員会、こういったものが今回の福島の原発事故を受けて、その原因と安全基準が妥当であったかどうかの見直し作業を行って、今後、二、三年かけて新たな安全設計指針、審査指針あるいは
耐震設計審査指針、こういったものを出すことになっていますけれども、今の時点とこれから出されてくる指針との関係というものについてはどのように認識されていますか。
78
◯中村参考人 今、御説明しましたように基本的な安全性は、この三項目で実施できているというふうに考えてございます。
今後、事故調査委員会、それから安全委員会等で指針の見直し等を実施されるというふうに聞いておりますけれども、その内容については、福島の事実を細かく調査して、新たなものが出てくると思います。
それについても基本的にこの三項目を実施していれば安全性は確保できて、さらなる対策というような形で知見が出ると思いますので、それについては適切に当社としては、今後、対応していくというふうに考えてございます。
79 ◯二牟礼委員 四月にとられた今の対策はここにあります対策で十分というお話でしたけれども、保安院がその安全性を確認して安全だと県に説明した翌日、六月七日に
シビアアクシデントの対応方針を示しましたよね。
それは、炉心の重大な損傷等によって生じる水素を放出する対策というふうになっていますけれども、重大な炉心の損傷というのは、どういった場合にどういった事故を想定されているんでしょうか。
これは、いわゆるメルトダウンとかメルトスルーと言われるような福島で起こったようなことまで発展をすると、これは炉心の重大な損傷等、などというふうに書いてあるわけですよね。そこはどこまで想定されていますか。
80
◯中村参考人 シビアアクシデントの対策につきましては、この二枚目のところの資料でございまして、これの左側の四番のところに水素爆発防止対策というのが書いてございます。
この
シビアアクシデント対策というのは、
シビアアクシデントが起こった、その前の事象がどんなことでどう起ころうと関係なくて、起こったというところから始めた対策でございます。だから、どういう事象が起こったかはわかりませんけれども、中央制御室の換気ができないというような状況、電源がないというような状況に対してちゃんと作業環境が確保できるか。また、電源がなくなったときに所内で通話ができなくて作業ができないので、そういうものの手段を確保しなさいと。
それから、高線量の作業がございますので、そういうものに対して防護服を準備しなさい。それから、瓦れきの撤去のためにホイールローダ等の措置を準備しなさいと。
あとまた、水素対策については、基本的に当社が採用している加圧水型原子炉につきましては、格納容器、原子炉容器とか入っている建物でございますけれども、それが福島のBWRの十倍ほどございます。それで、水素が発生するのは炉心にある燃料のところで、水ジルコニウム反応ということで水素を発生します。そしてそのジルコニウムは何かといったら、被覆管がジルコニウムでできているので、それが高温になると水と反応して水素が出るということでございます。
今回の場合ですと、炉心の燃料のところのジルコニウムが一〇〇%反応して、格納容器の中に水素が出てきた。どういうパスかを考えませんで、何しろ起きたと、起きて発生したとしても格納容器の中は非常にボリュームが大きゅうございますので、今回のような爆鳴、水素爆発していますけれども、あそこまでの濃度に達しないというのは確認されてございます。
ですが、念のために、もしそういう事象が発生したような場合には、その水素を再結合できる装置を三年ほどかけて設置しようというふうに考えてございます。これもなるべく低くするという目的でございまして、これで水素爆発とか発生するというようなものではございません。
さらなる安全性を目指した対策ということでございます。
81 ◯二牟礼委員 四月時点の緊急対策は、炉心の損傷等によって放射性物質を原発外に放出するのを防止するという対策だったわけですよね。
今回は、炉心の重大な損傷によって、水素が外部へ出るということへの対策になっているわけですけれども、この水素というものには、放射性物質というのは当然含まれると思うんですけれども、それを原発外に放出する場合は、安全性というのはどのように保たれるんでしょうか。
82
◯中村参考人 先ほど二枚つづりの資料を配ってございます。その資料二枚目の真ん中に絵がございますけれども、この格納容器の中に水素が出てきて、基本的にはこの中に水素はとどまってございます。
しかしながら、例えば配管とか貫通してございますので、そこも密閉しているんですが、万が一そこから漏れたという仮定をしまして、このアニュラス部と書いてございますところの貫通口の脇ですね、シールしているんですけれども、シールのところから漏れて出てきたという仮定をしてございます。ここも非常に大きいボリュームを持っていますので、ここの中のものが漏れ出たとしても、ここは非常に濃度が低くなるというふうに考えてございます。
ここから今度は左側に書いてございますアニュラス排気設備というところを通って、もし水素がここに漏れてきたらここから出すというパスをつくってございまして、もともとは目的が違いますけれども、ここにはフィルターがついてございます。ここである程度の放射能は低減できるというふうに考えてございます。
83 ◯二牟礼委員 先ほどの説明では、
シビアアクシデントは、どういう形態で起こるかは別にして、
シビアアクシデントが起こった場合というのを前提にしてというふうにおっしゃいましたけれども、先ほどの四月時点の緊急対策は、炉心の損傷等によって外部に放射性物質を出さない、放出しないというのを前提にしているわけですよね。ということは、四月の緊急対策と
シビアアクシデントの間に何らかの事故、損傷、そういうものがないと
シビアアクシデントに至らないと思うんですけれども、それは全く想定なしに
シビアアクシデントの対策なんですか。そこの至るところは全く検討されていないんですか。
84
◯中村参考人 四月時点と三月三十日の
緊急安全対策で実施したもので、基本的にこういう事象に至らないというふうには考えてございます。
ですから、委員が言われたように、対策を打った後から
シビアアクシデントの間というのは、基本的にございません。
シビアアクシデント前は、もう福島の事象を考慮しまして、起こったというところから出発して対策をしてございます。ですから、ここで
緊急安全対策を実施すれば、このようなことは起こらないというふうに考えてございます。
85 ◯二牟礼委員
緊急安全対策で起こらないということがどうしても私は理解ができません。
それと、この
シビアアクシデント対策で高線量対策対応防護服というものを配備するとなっていますが、通常の防護服は白いのを着て作業に当たっていらっしゃいますよね。あれは、いわゆる口蹄疫とか鳥インフルエンザとか、ああいう場合に使用した防護服と同じであって、基本的には放射線を通すということで、今回、高線量対応防護服ということで、被曝するのを抑えようということだと思うんですが、今回、タングステンといいますかね、そういったものも設置されるようになっているんですけれども、この防護服というのは、通常の防護服と比べてどの程度の線量を防護する能力があるのか。また、いわゆる被曝の基準値の超えない作業時間というのはどのように変わってくるのか。それを教えてください。
86
◯中村参考人 通常の防護服につきましては、委員がおっしゃるとおり放射線を通しますので、汚染をしないという形で着てございます。発電所では、通常の作業ではそんなに高線量のところで作業しません。
今回、タングステンの高線量防護服を準備してございますけれども、これは大体二割程度放射線を防ぐことができます。
基本的にこういう服を着て作業するわけですけれども、基本的に放射線防護につきましては、やっぱり作業時間と距離というのをかんがみまして、こういう防護服を着て作業するわけですけれども、基本的には、作業実施前にその場所の線量を測定して、ある程度の作業時間とか防護方法とかを考えて作業するということになります。
以上でございます。
87 ◯二牟礼委員 今回、国の指示によりまして、いろんな安全対策が講じられているわけですが、それでも事故が起きた場合の責任というのは、事業者が負うべきなのか。国はこの前、経済産業大臣が古川佐賀県知事のところで国が責任を持つと、保障しますというふうに言っていますが、原子力安全・保安院は、佐賀県議会では、安全確保の最終責任は、国際的にも事業者だというふうに説明したと。こういう記事があります。
これについて、どういった見解をお持ちですか。
88
◯中村参考人 基本的に
原子力発電所を運営しているのは電力会社でございますので、基本的に事故等の責任、発生させたところの責任は電力会社にあるのではないかというふうに考えております。
それとあと国策という形でやったところでの国の関与という問題もございますけれども、基本的に事故を発生させたものについては、電力会社に責任があるというふうに考えてございます。
以上でございます。
89 ◯二牟礼委員 次の質問に移ります。
福島原発の事故を教訓にしまして、放射性物質の飛散の方向とか距離が鹿児島県民も二十キロ圏とか三十キロ圏とか非常に関心になっているわけですが、九電としては、EPZの範囲をどのように設定すべきと考えられるのか。
福島においては、きのうも伊達市というところでは五十キロ圏のところで、基準値を超えて避難せざるを得ないというところも出てきていますが、範囲というものをどのように考えていらっしゃいますでしょうか。
90 ◯古城参考人 EPZの範囲についての御質問でございますが、今回の福島第一
原子力発電所の事故を受けまして、今後、国のほうで原子力施設等の防災対策について、これは防災指針というふうに言われておりますが、こちらの見直しが行われると思います。この見直しが行われれば、国、それから自治体の皆さんと、このEPZの範囲を含む防災対策について協議するということになろうかと思います。
以上でございます。
91 ◯二牟礼委員 三号機の増設の際に気象調査というのを行っていらっしゃいまして、その際、事故等の際に環境に放出される放射性物質の拡散を評価するに当たって、発電所内の気象観測所の気象データが使用できることを確認したというふうに記述されておりますが、今、申し上げましたようにEPZというのは、基本的には国が範囲を決めていくということですけれども、九電としても放射性物質を事故によって放出するわけですから、当然自分たちのところの気象観測所のデータに基づいて、その範囲、飛散する方向、そういったものを判断すべきだというふうに思うんですけれども、三十キロ、四十キロ、どこならば大丈夫だというふうに、九電の事故によって放出されるその放出元の九電としてはどのように考えられますか。
92 ◯古城参考人 気象データにつきましては、一年間、三号機の設置場所に気象鉄塔といいますか、簡単な鉄塔を建てまして、既に
原子力発電所の中にある気象観測装置と比較検討を行っております。
その結果、三号機についても現在ある気象鉄塔のデータで代表できるということで、今、お話になったところに書いてあるところでございます。
事故時にどの範囲かというお話でございますが、これはやっぱり事故の大きさ、そのときの風の方向といったようなことから算出していく話でございますので、それはその時々の話ということになると思います。
やはりEPZにつきましては、国の方針と申しますか、防災指針の見直しが行われたところで、国、自治体と協議をしていくことになろうかと思います。
93 ◯二牟礼委員 三号機増設の際にこういった住民の方からの意見に関して、まとめてコメントされているのがありまして、意見に、発電所から十キロ圏外であれば本当に避難の必要はないのかと、対象を広げるべきではないかという質問に対しては、EPZがあるので、放出される放射性物質の量をさらに上回るような放出があったとしても、屋内退避や避難等の防護措置は不要であるというふうに回答されているわけですよ。これはもう今の時点では、(「気に入るか気に入らんかの話。それは気に入るか入らんかの話で、説明しているのは九電の考えだから」という者あり)
九電に今、聞いているんですから。どうですか。
94
◯山元参考人 九州電力の文章を申し上げますと、九州電力は、絶対に放射能を外に出さないということで設備等いろいろ、先ほどから申しますが、あらゆる出さないような設備を、改善を、対策をとっております。
しかし、万が一の話で事故がしたときにどうするかということになりますと、やはり国、自治体での対応も一緒にやっていく必要がございます。いわゆる住民に対する動きですから。
そうしますと、九州電力の役目としましては、やはり今、発電所がどういう状況にありますというのをいわゆる防災センターに、きっちり状況をお知らせすることになります。
そうしますと、そのときには、気象観測のデータもお知らせします。そうしますと、国のほうでSPEEDI等をもって、どの方向にどれぐらいの距離で放射能が流れているというのは予測をして対応することになろうかと思いますので、先ほどの三月十一日以前に十キロ未満だというのは、その以前の知見では、十キロ前後で百万キロの
原子力発電所が事故を起こしたときも、この内で普通はおさまるだろうということで安全委員会が評価したわけでございますので、今回の福島の教訓でもって、全体を国のほうでいわゆる距離の考え方を見直すことになるんではないかと思いますので、その辺はやはり福島の知見をもうちょっと待って国は動くと思っておりますので、当社もそれに従って動こうと思っております。
以上でございます。
95 ◯二牟礼委員 ひとつ今後の課題についてお尋ねしたいと思います。
福島の原発事故を受けまして、国のエネルギー政策の抜本的な見直しが進んでいくと、そういった委員会も設置をされて検討が進みつつあります。
今後、太陽光であるとか風力であるとか、あるいは燃料電池、もう電気を使わない光ダストシステムというのなんかもできてきておりますが、そういった新しいエネルギー源が一方であると。今度の事故を機にしまして、節電、省エネというのが非常に国民、県民の間にも広がってきているわけです。
そういう状況から行きますと、九州電力が三号機増設の需要見込みというのを立てましたよね、今後の電力需要の見込みと。これは、今後、今申し上げたような点からすると、非常に需要は減り、供給力には余裕が出てくるというふうに思いますが、九電としては、今後のそういった新しいエネルギー源と省エネ・節電の状況で、九州電力が現在計画をされている需給計画どおり進むというふうに判断されておりますでしょうか。
96 ◯亀井参考人 ただいまの御質問は、今後の電力需要についてどう考えているのかという御質問でございますけれども、電力需要につきましては、現時点では、東日本大震災により、短期的には、民生用における節電や産業用における減分、増分などの影響を受けると思っております。
中長期的には、復興後の安定的な経済成長を背景に緩やかな着実に増加していくものと考えております。
御指摘のとおり太陽光・風力につきまして、当社では、平成二十年度末で、導入量は百万キロワット程度導入されてございます。十年後、平成三十二年度には、それが二・五倍、二百五十万キロになるというふうに見込んでございます。
それとLED化の省エネというようなお話もありましたけれども、確かにLED化は、白熱電球に比べて、大体同じ明るさでも八分の一ぐらいに消費電力が落ちると言われてございます。お客様の省エネ意識もだんだん高まるのではないかなと思っていますけれども、高額でありますし、どのくらいポテンシャルがあるのかということを今後、十分に見きわめる必要があろうかと思ってございます。
したがいまして、今後につきましても、最新の経済見通しやあるいは震災以降の需給動向、こういうことを考えながら、十分見きわめて策定してまいりたいと思っております。
97 ◯二牟礼委員 今度までにしたいと思いますが、あと二つですね。大きく二つ、十二時前ですので。
真部九電社長は、三月十八日の記者会見で、川内三号機着工までに国の安全指針の見直しがあれば、原子炉設置変更許可申請の記載内容の追加や見直しが出てくると。それに沿った変更をすると述べておられますが、先ほど少しお話ししましたように、福島原発の事故検証調査委員会、あるいは
原子力安全委員会での安全設計審査指針、耐震安全審査指針、こういったものの見直し作業が進んでいくことになると思うんですけれども、それが終わらなければ、なかなかこの三号機増設の安全指針の議論というのは難しいと思うんですけれども、そこのところについての認識をお聞かせください。
98
◯中村参考人 今、御指摘のとおり、国のほうで安全委員会で指針等の見直しを実施するということで着手されてございます。
基本的に三号につきましてもその結果を反映していきたいというふうに考えてございます。
99 ◯二牟礼委員 最後に、今後の電力の供給計画についていろいろ九電の資料を拝見しますと、計画停止中であるとかあります。
それで、二点確認をしておきたいと思うんですが、現在計画停止中であります唐津の二号機・三号機、これは合計で八十七万五千キロワットあります。
昨年の八月二十五日の企画建設委員会での参考人招致の際に小倉参考人は、この唐津については、現時点では、また、使おうと思えば使えると。将来のリスク対応として計画停止という形で置いてあるというふうに答えていらっしゃいます。
これは、リスク対応ということですから、まさに今、一・二号機あるいは玄海の二号機・三号機が停止している中では、リスク対応としてこの八十七万五千キロワットがあれば、十分電力の需要に対応できると思うんですけれども、今、唐津の二号機・三号機はどういうふうになっているのか。また、そういったリスク対応としてこれを稼働させる計画はないのか。
それともう一つ、松浦二号機というのがありまして、これは百万キロワット。平成十三年に着工して、平成十七年七月には営業運転の予定であったわけですが、これも昨年、小倉参考人のほうからは、高効率の石炭火力で石炭のガス化発電あるいは超々臨界発電と、こういった新しい技術開発の動向を踏まえて検討したいということでした。既にヨーロッパではいろんなCO2を削減するための実証実験というのもなされていまして、これは日本経済新聞の資料ですけれども、ここには、もうあと五年ぐらいでCO2を地中に閉じ込める方法だって実用化されるというようなこともあるわけです。この松浦二号を平成十三年から四年間で営業運転できるというふうになっていたわけですけれども、こういった非常に電力が逼迫している中で、この再開に向けて検討されると、いますぐということじゃなくても、ここ二、三年のうちにそういった実証実験の技術的な開発動向も踏まえて、工事再開、営業運転に向けて取り組むというお考えはないのかお聞きしておきます。
100 ◯亀井参考人 今、二つ御質問いただきましたけれども、一つ目は、唐津の計画停止の話でございます。
計画停止中の唐津二号・三号につきましては、既に停止期間が長期化してございます。二〇〇四年十月に停止しまして、現在、経年七年を経てございます。設備の劣化が相当進んでございます。
唐津二号が経年三十九年、それからちなみに三号が三十八年でございます。仮にこれを運転再開しようとした場合に、長期にわたる改修工事が必要でございます。我々の見込みでは二年間かかるんではないかなと思っています。それにかなり設備が傷んでおりますので、抜本的な改修が必要で、高額の投資が必要ということでございます。
したがいまして、今夏のリスク対応として、今夏の供給力としては、まず、再開を決定しましても見込めません。したがいまして、現時点では、停止中である唐津二・三号の再開は考えておりません。
もう一点、松浦のお話でしたけれども、松浦は、平成十三年三月に着工しました。工事は、冷却用水路工事をやりまして、平成十六年度に中断してございます。これは地球温暖化への対応ということで中断いたしました。
昨年の八月に小倉が説明したとおりでございまして、石炭火力は、資源量が豊富であり、世界各国に幅広く分布することから、燃料調達の安定性及び経済性にすぐれてございます。
しかしながら、石炭は、御存じのとおり石油やLNGに比べましてCO2排出量が多いこと。それから御指摘のとおりクリーンコールテクノロジーの開発が進んでございます。
一例を紹介しますと、勿来発電所、今回はちょっと震災の影響を受けましたけれども、勿来でIGCCという新しい発電方式が実証試験中でございます。設備がちょっと壊れてございますけれども、間もなく復旧するかもしれませんけれども、この実証試験が、平成二十四年、実証試験のIIということで、この試験を終えて評価されることになりまして、直近ではまだ開発が進んでいないというか、そういう段階でございます。
御指摘のとおり震災の状況を踏まえて、今後、国レベルのエネルギー政策の見直しについて議論されていく予定でございます。
松浦二号につきましても、こうしたエネルギー政策等の議論の動向を踏まえながら、当社がとるべき対応を見きわめてまいりたいと思います。
以上でございます。
101 ◯二牟礼委員 いろいろお聞きしましたけれども、最初申し上げました
緊急安全対策あるいは
シビアアクシデント対策、これは短期的な対策であって、今後の長期対策ができていない段階での安全宣言というのは、時期尚早だというふうに、私自身はそういうふうに思いますし、そこが解明されないとなかなか新たな運転再開というのは理解できないというふうに思います。
私は以上で終わります。
102
◯中村委員長 暫時休憩いたします。
午後零時三分休憩
────────────────
午後零時四分再開
103
◯中村委員長 再開いたします。
それでは、昼食等のため、ここで暫時休憩いたします。
再開は、午後一時十五分からといたします。
午後零時 四分休憩
────────────────
午後一時十五分再開
104
◯中村委員長 再開いたします。
この際、報告いたします。
傍聴について一名の方から申し出がありましたので、これを許可いたしました。
当席からあえて申し上げます。
午前中の方が長かったというわけじゃございませんけれども、質問は、簡潔にしていただいて、まだ相当の質問があるやに聞いておりますので、その辺はぜひ御協力をお願い申し上げたいと思います。
御質問はありませんか。
105 ◯成尾委員 それでは、いろいろと教えていただきたいし、また、確認をしたいということで、私のほうからも、御確認と、そしてまた、今後のエネルギー等について、九電の方々の方向性等を教えていただければということから、質問させていただきたいと思っております。
まず、ある方の話では、女川原発が事故に至らなかったのは、たった一系統の送電線による電力があったからであり、全く幸運としか言いようがない。浜岡原発に至っては、停止作業中に細管破断事故を起こしたとも言われておりますけれども、先ほどからあったように津波に対してだけは大丈夫だった。福島は津波が原因だった、地震については大丈夫だったんだと、周りは全部とまったんだというようなことが言われているんですけれども、九電の方としては、このことの事実をどのように把握されているのか教えていただきたいと思っております。
106
◯中村参考人 今、委員がおっしゃいましたように女川につきましては、外部からの送電線の故障が起きているというのは聞いております。それで生き残っておりますけれども、発電所の構内につきましては、外部の電源がなくてもまだディーゼル発電機が二系統ございますので、外部電源の高性能のところはちょっと詳細は存じませんけれども、基本的には、発電所構内のものがちゃんとしていれば安全は十分確保できるというふうに考えてございます。
それと浜岡につきましては、停止の段階で復水器のところでリークがあったというふうには聞いてございます。
やはり
原子力発電所は、安全・安定運転が基本でございまして、設備をきちんと保全して、そういうことがないように取り組むのが基本だというふうに思っております。
ということで、浜岡の場合は、設備の一つの故障でございますので、地震の影響ということではなくて、プラント停止中におけるトラブルというふうに認識してございます。
以上でございます。
107 ◯成尾委員 そういう意味では、すべて津波だけでしたというわけではなく、こういう人為的なトラブルというのはあったということで、停止するときの話ですから、とんでもないなと思っていますが、もう一つ、五月十六日に東電より福島原発三号機・四号機において、外部電源の供給の基幹設備である電気遮断機が、津波ではなく地震で破綻したことは公表されております。このことは、津波ではなくて地震だったということについての九電の認識はどうでしょうか。
108
◯中村参考人 遮断機の件につきましては、その後、保安院のほうからも指示文書が出ておりまして、基本的にあそこでトラブルを起こした遮断機について、ちゃんと確認するようにという文書が出てございまして、当方で確認してございます。
当社では、同じ型のいわゆる釣り下げ型の遮断機は使用してございませんので、当社としてはああいうことは起きないということを確認して報告してございます。
109 ◯成尾委員 もう一点、一九九七年三月と五月の北薩地方での地震の折に、九州電力は原発をとめずに運転を続けました。その折の理由が、強固な岩盤の上に立地しているので心配ないというふうに当時説明をされております。
現実は、断層の近くにあって、建設時にボーリングコア差しかえがあったとして、参議院特別委員会での参考人招致がなされていること、また、冷却水漏れを起こしてキャノピーシールですかね、ひび割れ事故が発生しているというようなことを言われているんですが、これは事実なのか、どのようになっているのか教えていただきたいと思います。
110
◯中村参考人 さつま町の北西部の地震のときにおきましては、発電所は、約六十ガルぐらいの震度でございまして、自動的にとまるようなレベルまで揺れてございません。
震度五強ですかね、二回地震が起こってございますけれども、先ほど委員から言われたとおり
原子力発電所は強固な岩盤の上に建ってございますので、地表では非常に大きな揺れでございましたけれども、
原子力発電所の揺れは大きいことはなかったということでございます。
キャノピーシールが漏れたという話につきましては、キャノピーシールという溶接部がございまして、その溶接部が、いわゆるSCCというか腐食をして、そして入って漏れたという事象でございます。
キャノピーシールにつきましては、それの対策を打って、保全をしております。
そしてまた、川内一・二号につきましては、予防保全の観点からふた全体を取りかえて、健全性を保つように対策を実施してございます。
基本的には、
原子力発電所を安全維持するために、起きてからではなくて、なるべくほかのところの事象を参考にしながら、予防保全という観点から、先手先手で保全をしてやっていくと、安全を確保していくという対応をさせていただいております。
以上でございます。
111 ◯成尾委員 先ほど私が言ったのは、冷却水が漏れを起こしてキャノピーシールのひび割れが起こったというふうに認識していたんですけれども、今、お聞きすると、地震で起こったんじゃなくて、ただ単に溶接部分だったという感じに認識したんですけれども。
112
◯中村参考人 地震ではございませんで、溶接時の不良で腐食していって、そこから漏れたということでございます。
地震とは関係ございません。
113 ◯成尾委員 ちょうどこの時期に起こった、たまたまあったという感じなんですか。要するに溶接が腐食してということを、今、おっしゃったんですけれども、地震があったときに溶接部分がずれたんじゃないか、ひび割れしたんじゃないかというふうにとらえがちなわけですよね。今、おっしゃるように溶接部分でしたから、腐食して、それがこの時期と重なっているということが非常に心配だなという感じなわけですよね。
だから、ここは、溶接部分が腐食したからこうなったというよりも、やっぱり腐食が振動によってさらにひび割れたんじゃないかなというふうに考えるんですけれども、そこあたりはどうなんですか。
114
◯中村参考人 キャノピーシールの時期と地震の時期は少しずれていたかと思います。基本的にああいう原子炉容器等は、耐震設計もきちんとしてございますし、振動でずれるような設備ではございませんので、十分……
115
◯山元参考人 キャノピーシールは平成八年、地震は平成九年に起こっておりまして、キャノピーシールは、基本的には定期検査のとき、それから地震のほうは運転中に地震が起こりました。二回起こりまして、地震でとめる数値が百六十ガルに対しまして、揺れたのが六十八ガルでございまして、大体三分の一ぐらいの揺れしかございませんでしたので、よく点検をして、異常はないことを確認した上で運転を継続しております。
それから、そのときの定期検査をその後、平成十年にやっておりますが、地震に対する異常とかそういうものは全くございませんでした。
以上でございます。
116 ◯成尾委員 そういう問題が聴取のとき出たもんですから、そこのところの確認であります。
もう一つ、川内原発における
緊急安全対策の手順においては、初動として蒸気発生器へつながるコックをあけ、水蒸気を逃がし、弁を手動であけないといけないというふうになっていると思っていますが、この手順について、例えば今回みたいなことがあったとき、本当に行ける人がいるのかなというのがあるもんですから。最初のコックをあけることができる人がいるのかな。
そうすると、緊急時に初動として蒸気発生器を手動で作業しなければいけないということが、なかなか難しいんじゃないかなと思っていますが、その場合にだれが、そしてどのぐらいの時間で、さらには作業員をどう決定されるのか、ここあたりは訓練されていると思いますが、それについて教えてくださいませんか。
117
◯中村参考人 地震が起きて、津波で全交流電源がなくなった場合には、手動で主蒸気逃がし弁を開きますけれども、その辺につきましては、基本的には、当直の人間がおりまして、その人間が現場に行って弁をあけると。そして基本的にそういう訓練を実施してございまして、現場への寄りつき、それとどういう操作をするというような訓練を実施して、基本的に実施できるというのを確認してございます。
以上でございます。
118 ◯成尾委員 今回みたいな事故を見ますと、人の手ではとてもじゃないかなと思いますので、初動のときにこういうのを本当に手動でどうするんだろうと、ものすごく心配になったもんですから、訓練はされているとは思いますが、どういう形でやるのか、疑問というか、こういう場合にできるのかどうかということだったんです。
もう一つ、作業被曝について、個人線量計を持たして、今、管理していらっしゃいますが、三月二十四日の滞留水で二から三シーベルトの被曝をしてしまったというのが福島であったと聞いています。いわゆる水を踏んづけてしまったと。
それから、川内においての事故でも、作業員のミスであったと考えられることが起こっておりますが、ここあたりは、指示をする人と、実際に作業をする人の意識の差というのが大きいから、こういううっかりミスになるのかな。水に足を入れると、こんなことは考えられないんですけれども、それが実際に起きている。こういう指示をする側と実際に作業をされる方の意識の違いというのはものすごくあるんじゃないかと。普段のときは訓練ですからいいんですが、それ以外のときに、やっぱりお互いにこういう大変なときになると、もうだれがどこからどうなるのかわかんないような感じになります。そういう意味では、どうも普段からのちょっとしたことで起きているやに思うもんですから、そこあたりの体制、それからどういう取り組みをされているのか教えていただきたいと思います。
119
◯中村参考人 福島での、高線量の水を踏みつけて被曝したという事象については、非常に残念なことですけれども、状況がちょっとよくわかりませんが、非常に混乱した状況の中で起こったんだろうと思っています。
当社では、基本的には、作業をする人間と、それと放射線計測をする人間というのは別におりまして、現場に行くときには、セットで行って、基本的には放射線管理員が状況を確認して、そして作業に入る。その場の線量を図って、大丈夫だということを確認してから作業に入ると。作業員自体は、アラームの線量計をつけていまして、百マイクロシーベルトという形で作業設定を決めて作業をして、その線量近くなったらアラームが出るというような装置もつけてございます。
ですから、基本的には、現場の状況を確認して、作業時間等も計画的に作業に入る前に計画を立てて実施するということで、時間とか遮蔽とかいうのも考慮しまして、作業をするようにしてございます。
以上です。
120 ◯成尾委員 先ほどあった浜岡のときもそうですけれども、多分人的ミスが大きいと思うんです。
もう一つはマンパワーの問題としてなんですが、今回の福島原子力発電の終息に向けて、全国の電力会社の人が、先ほども三十名とかおっしゃっていましたけれども、一生懸命取り組まれているわけですが、作業をする人の許容線量が百シーベルトから二百五十シーベルトに引き上げられましたけれども、どうも百シーベルトを超えて従事されている方がもう人数が大分ふえてきていると。
そうなりますと、一年間の放射能を受ける限度量を超えた方が、毎年今後、ふえてくるんじゃないかな。作業を一年間、または半年される中で。
そうすると、自分のところに戻ってきて、実際に点検とかいろんなのは当然しなきゃいけなくなりますが、そこあたりを考えると、今回の事故のために職員の方が行っていたり、または専門の方が行っていらっしゃって、二百五十シーベルト被曝したからもうこれできませんよというふうになっていけば、本当にどんどんどんどんマンパワーという面で非常に懸念されるんですけれども、そこあたりどうなんですか。
121
◯中村参考人 当社から応援に行っている人間につきましては、大体二十キロ圏外でモニタリングとか住民のスクリーニングですね、そういうことを実施してございまして、委員がおっしゃられたような非常に高い線量を被曝するというようなことはございません。
今、言われたような作業は、福島
原子力発電所の中で作業をされている方が、非常に高い被曝を浴びてございます。実際に福島の発電所内の作業に当たればそのぐらいのものは浴びると思っておりますけれども、当社の関係会社で基本的にうちの定期検査とか補修する人間とか、日常の安全を守るためにいろいろ作業員いますけれども、そういう人間に対しては、きちんと確保して、そういうところの応援には行かないようにと言ったらおかしいですけれども、基本的にうちの発電所を守る人間は確保するということで対応してございます。
122 ◯成尾委員 原子力の世界では、十五年ぐらい前までは、リスク評価という言葉が嫌われたみたいだというふうに聞いています。電力会社は絶対安全という言葉は使わない。
しかし、幾重にも安全装置をつけているので安全だと言い続けてこられた。本当に安全だと言われるのかというふうに考えると、先ほど来言いますようにジャンボ機も安全対策をずっとやっているんですけれども、幾重にも対策をしながらもやっぱり事故が起こる。人的ミスというのは大きいと思うんですね。だから、
川内原子力発電所についても、今おっしゃる安全対策を一生懸命されていますけれども、先ほど申し上げましたようにちょっとした人的ミスで大きな事故が起きるということもあり得ると。または茨城のJOCの問題だって、人が亡くなられたわけですけれども、ああいうことは、本当はマニュアルにはなかったんだと思うんですよね。だけどそれをやってしまったというか、そういうことで亡くなられたわけですから、やっぱり幾重にも安全装置をつけて、今回も安全のためのいろんな対策をされていますけれども、これも実際には、それを使う人、または初動も含めて、その人たちによって、これが本当に安全になるのかどうかわからない状況ですので、しっかりとそこあたり取り組んでほしいと思います。
今後のことでエネルギー対策について伺いますけれども、福島原発の事故によって、脱原発とかいろんな話になってくるんじゃないかと。先ほど来言うように
原子力発電所も六十年は経年化は何とかなると。それ以降はというよりも六十年はという話になっている。これ以上は考えられない。
そうすると、次のエネルギーの主力を見つけていかなきゃいけないという中で、丸紅の猪木さんという方が、今後十年か二十年はエネルギーの主力は天然ガスになると言っていらっしゃいますけれども、九州電力としても、二十年後には、再生可能エネルギーを当然十分活用していきながらということはありながらですけれども、そういう主張というものについてはどう考えていらっしゃるのか教えていただきたいんですが。
123 ◯亀井参考人 今後のエネルギー対策という御質問でございますけれども、原子力発電につきましては、エネルギーセキュリティー面や地球温暖化対策面といったことから、安全性を大前提として、今後もその重要性は変わらないものと考えております。
一方、東京電力の福島第一発電所の今回の事故を契機に、エネルギー政策全般について国レベルで議論が進められていくと思います。こうした政策の方向性を踏まえて、当社としての対応を検討してまいります。
御指摘のとおりLNGは、環境に優しい化石燃料でございますけれども、そういったところをどの程度導入していくか、国レベルの検討を踏まえ、我が社も検討してまいります。
以上でございます。
124 ◯成尾委員 もう一つ教えていただきたいんですが、九州電力が、今年の八月の需給見通しを五月九日付で出されたものの二枚目に、新エネルギーはコストが課題というふうに載っておりまして、ここで行くと、原子力がやっぱりコストが安いというふうになっており、風力発電その他が、太陽光もですが、高くなると。ここあたりは、これと違うようなことを言われている方もいっぱいいらっしゃるんですけれども、それについてはいかがなんでしょうか。
125 ◯亀井参考人 今、発電コストのお話がありましたけれども、少し実績を御紹介したいと思います。
まず、当社の
原子力発電所の発電コストでございますけれども、公表されています損益計算書に記載している費用、それと発電実績、こういうのをもとにして算定した結果、至近五カ年、いずれの年においても七円台というふうになってございます。
この原子力の発電コストは、当社の既設原子力ユニット六基の、その年に
原子力発電所の運転に直接間接的にかかった費用を積み上げて算定した実績値でございます。この中には、使用済み核燃料、再処理費用と、それから原子力発電施設解体費などのバックエンド費用、電源開発促進税などを含んでございます。いずれの年も七円台になってございます。
一方、火力発電所のコストでございますけれども、火力発電所は、運転の状況、設備利用率、稼働状況によって少し左右されますけれども、原子力と同様に損益計算書実績をもとに計算しますと、火力発電所十一円台でございます。一キロワット当たり十一円台。水力発電所も同じく十一円台でございます。
先ほど新エネルギーについてのコストのお話がありましたけれども、新エネルギーの発電コストの試算、これは資源エネルギー庁から二〇一〇年日本のエネルギーということで出てございますが、御紹介しますと、風力が一キロワット当たり九ないし十四円。太陽光は一キロワット当たり四十九円というふうになってございまして、そういった意味では、原子力のコストというのは、他の電源と比較して経済性に遜色はないものというふうに考えてございます。
以上で終わります。
126 ◯成尾委員 コストの面はわかりました。
ただ、今回みたいなことが起こりますと、ものすごくかかる。先ほどあったように賠償とか、国を挙げてやらなきゃいけなくなるわけですので、リスクのほうもあるということがあるもんですから。
今、おっしゃったようにそれがないものとすれば、コスト的には理解をします。(「ちょっと関連して」という者あり)
127
◯中村委員長 ちょっと成尾委員、待ってもらえますか。
先ほどの関連でちょっと発言があるそうですから。
128 ◯遠嶋委員 発電コストの件ですけれども、今、原発が大体七円台ということでありました。これには、揚水発電の経費とかが入っていますか。
129 ◯亀井参考人 先ほど申しましたように
原子力発電所の発電のコストというのは、原子力の運転に直接間接的にかかる費用をもとに算定してございます。
したがいまして、揚水発電所のコストというのは入っておりません。
130 ◯遠嶋委員 揚水発電所というのは、火力発電所を動かすために深夜電力、特に原発の場合は出力の調整が難しいですから、深夜の余剰電力を使うために揚水発電というのが、ある意味ではセットであると思うんですよね。
だから、
原子力発電所がなければ揚水発電も、ある意味では私は不要だと思うんですが、そういう意味で原発のコストの中に僕は入れるべきだと思うんですよね。その辺、揚水発電のコストは幾らですか。
131 ◯亀井参考人 揚水発電所は、その運転の特性から、非常に迅速に起動することができます。したがいまして、用途としましては、ピーク時の発電、あるいは緊急時、電源トラブル時の発電等のために運用開発してございます。
揚水発電所のコストでございますけれども、今、申しましたように揚水発電所の使用目的が、ピーク時あるいは緊急時ということでございますので、どちらかというと一キロワットアワー当たりの発電コストじゃなくて、キロワット当たりのコストということで考えております。
ちなみに小丸川発電所を開発してございまして、ことしの七月の上旬に百二十万キロ全運開しますけれども、百二十万キロで、大体記憶によりますと、キロワット当たり二十万円ぐらいのコストでございます。
132 ◯遠嶋委員 揚水発電所というのは、言えばプールが下と上にあって、深夜電力を使って下から上に上げると。基本的にはそういうシステムだと思うんですけれども、だから、その分はどうしてもやっぱり原発絡みで揚水発電というのはあると。私もいろいろ調べましたけれども、そういうことのようだと思うんですよ。
133 ◯桑鶴委員 議事進行。
きょうは、
原子力発電所の安全対策についての委員会のはずですよ。
134 ◯遠嶋委員 いや、ちょっとコストの話が出たものですから。
135 ◯桑鶴委員 これは通常の委員会でやるのと違うと思うんですが、いかがですか。
136
◯中村委員長 委員の皆さんは、安全対策についてという特別委員会でございますので、それから外れた質問は、極力御遠慮願いたいと思います。
よろしいですか、遠嶋さん。
137 ◯遠嶋委員 はい。コストが安いという印象で早くしたほうがいいということに聞こえたもんですから。
どうぞ、よろしいです。
138
◯中村委員長 よろしいですね。
139 ◯遠嶋委員 はい。
140 ◯成尾委員 もう一つ、スマートグリッドを書いていらっしゃいますが、これの実証実験をされるということを九電おっしゃっていますけれども、いつごろにどのぐらいをめどのスケジュールなのか、そういうものを教えていただきたいと思います。
141 ◯亀井参考人 スマートグリッドについて御説明をいたします。
スマートグリッドの実証試験につきましては、二月二十五日にプレス発表以降、薩摩川内市の事務局さんと具体的な実証設備の設置場所などについて協議を重ねてまいりました。これまで九回、事務局と打ち合わせさせていただいています。機器の仕様や試験の詳細項目などを今、検討中でございます。
実用化につきましては、現在進めてございます実証試験、国の実証事業等の成果を見極めた上で、太陽光発電などの出力が不安定な面がありますけれども、将来、分散型の再生可能エネルギーが大量に普及した場合においても、系統運用が最適に行えるようにスマートグリッドの構築をしたいと思っております。
具体的なスケジュールを申しますと、薩摩川内市でのスマートグリッドの試験につきましては、今年度基本的なことを固めまして、二十三年度中には現地着工させていただいて、実証試験については、二十四年度から大体三カ年をかけて試験をさせていただきたいと思っております。
主な試験の中身でございますけれども、電力需給の効率的運用に関しまして、ローカルの最適、それから全体の最適をどうしたらいいのかと。あるいは太陽光あたりの分散型電源が集中したときにどういった問題点があって、その対策をどうしたらいいのかと、そういったところを実証をさせていただきたいと思っております。
以上でございます。
142 ◯成尾委員 わかりました。
今後を見据えて、いろんな形で、原子力もそうですけれども、再生可能エネルギーも今、徐々にされている。また、スマートグリッドの実証実験もされている。そういう意味じゃ、電力の安定供給のためにいろんなことを今、実証にされていると。今回の事故を受けて、さらにこのことに取り組まれているというふうに思っております。
エネルギーの問題も含めてですけれども、一大転換の時期にそろそろ来ているのかなと。そのためにも最先端を走られて頑張っていかれるのかなと思いますし、反面で言いますと、今後のことを考えますと、安全対策は今までもいろいろやっているけれども、実際には、危機管理体制と、それから現場の人為的ミスをいかに減らすか、またそれだけの意識改革を常々どうやられるかが大事なことだというふうに思っていますので、今後とも危機管理体制、現場の体制、安全対策のハード的なものだけではなくソフトの面もさらに頑張っていただきたいと思います。
以上です。
143 ◯まつざき委員 共産党県議団のまつざきです。きょうはよろしくお願いします。
せんだっての全員協議会のときもでしたが、きょうもるる
川内原子力発電所の安全対策についてお話いただきました。
前回の全員協議会のときに私が、原発の危険性ということでお伺いしたときに、事故が起きないように安全に対して万全の対策をとるのが電力会社としての責任だというお話をされました。
そこで、まず、確認させていただきたいんですが、安全対策をとられていく。でも一〇〇%過酷事故が起きないということはあり得ないと思うんですが、その点についてはいかがでしょうか。
144
◯中村参考人 基本的に
原子力発電所につきましては、平常時におきましては、事故を起こさないで安全に運転を継続させると。
それから、万一、事故が起こっても、一般公衆に被曝を与えないように対策を実施するというのは、基本で、実施してございます。
今回、福島では、津波によって非常に大きな事故が起こりましたけれども、それに対して安全対策を樹立するということで、今回、
緊急安全対策を実施してございます。
基本的にいわゆる
シビアアクシデントが起こらないのかというふうな御質問でございますけれども、これは先ほどのお話でもありましたけれども、リスクを評価しますと、非常に小さい値で、極力こういうリスクを下げていくというのが基本ということで対策を実施しているところでございます。
145 ◯まつざき委員 今、極力という言葉でしたが、ぜひ避けていただきたいと思います。万が一というお話もありましたように、
シビアアクシデントが起きる可能性がゼロではないということは明らかだと思うんですね。
万が一起きた場合に、先ほど公衆に影響を与えないような形で抑えていくというお話がありましたが、じゃ、それができるのかというところで確認をさせていただきたいと思います。
原発の運転で生み出される放射性物質、死の灰ですね。これは、どんなことがあっても閉じ込めるという、外に出さないという技術は、現在持っていないということ。
二つ目に、軽水炉の仕組み自体が、運転中も運転停止中も常に冷やし続けなければコントロールができなくなってしまう。わずかの時間冷却できなくなると、炉心が溶け、コントロール不能に陥ってしまうということ。
三つ目には、使用済み燃料を後始末する方法が見出されていないということ。
この三点においては、原発の技術というのは未完成な技術であると言えると思うんですが、それについての御認識をお聞かせください。
146
◯中村参考人 原子力におきましては、基本的に核分裂をさせます。そしてエネルギーを取り出して発電に供するというのが基本的な原子力発電でございまして、それに伴って放射性物質が出てくるというのは事実でございますし、停止してもその放射性物質からある程度熱が出ると。それに対してはきちんとした対策をして、対策というか、設備を設けまして、熱を除去していくということでございます。
基本的に放射性物質につきましては、原子炉容器の中にとどめる。それから、さらに何かあったときのために格納容器という大きいボリュームの設備を設けて、その中に閉じ込めるということで対処してございます。
基本的には、冷却を確保していけば、そういう
シビアアクシデントは起きませんので、当社としては、基本的にその冷却設備をきちんと動かすということが大切だと思っています。
それで、今回、福島のような事象がございましたので、冷却源を確保する、冷却するポンプを確保するということで、基本的には、冷却して、そういう重大事故が起こらないと、一般的に言われるレベルで起こらないということは言えるんではないかというふうに思っております。
それと使用済み燃料につきましては、基本的に発電所内に貯蔵いたしまして、そして、先ほど申しましたように国の方針として、再処理してリサイクルするというのが基本でございまして、原子燃料サイクルを確立していって資源として有効利用していくという基本方針のもとに、再処理設備をなるべく早く稼働させてサイクルを確立するということに当社としても努力していく所存でございます。
以上でございます。
147 ◯まつざき委員 原発の技術というのが、そういうふうに未完成で危険なものであるという、それを確認させていただいた上で、それこそ重大な事故が起きないようにということの安全対策について幾つかお尋ねしたいと思います。
今回、福島での原発事故の後、原子力安全・保安院の指示に基づいて安全対策をとられてきたわけで、保安院はそれを妥当と判断したわけですが、でもこれらは、午前中の議論にもあったように津波対策が中心です。
しかし、IAEAの政府の報告書によると、福島第一原発では、地震による遮断器等の損傷や送電鉄塔の倒壊によって、六回線による受電がすべて停止した。第二原発では、一回線は地震により停止し、もう一回線が停止した、というふうにあります。
また、地震による損傷については、詳細な状況についてはまだ不明であり、さらなる調査が必要である、というふうに述べています。
つまり地震によってどのくらい施設自体が破壊されたかというのは、まだ詳細な調査を行っていないので不明であるという立場です。
そこでお尋ねしますが、今回の事故の後の対策の中で、地震についての対策、津波対策ではなくて地震についての対策が何かとられましたでしょうか。
148
◯中村参考人 東京電力が五月二十四日に福島の詳細なデータを公表してございます。
それについては保安院が評価しまして、基本的に地震時に各プラントは正常に停止するとともに非常用ディーゼル発電機は正常に動作したと。冷却機能についても各原子炉の状態に応じた機器が動作し、正常に機能していることをデータ等により確認したという報告をしてございます。
ですから、地震が発生して津波が来るまでの間においては、原子炉が自動停止し、そして重要な機器については、きちんと動作しているという報告がなされております。
先ほど申しましたように耐震の設計において安全上重要な設備は全部Sクラスということで、非常に大きな地震でも耐えられるような設備になっております。
あと、いろいろ設備がございますので、例えばCというようなものは、一般の建築物と同じような設計。これはもう安全上重要でない設備でございますので、そういうものもございますので、それについての認識を示されたんではないかというふうに思っております。
ですから、全部が全部どれもこれもすべてが健全であったというわけじゃなくて、安全上、本当に原子炉をとめて冷やす、閉じ込める等の設備は、基本的に地震では大丈夫であったという保安院の認識だというふうに思っております。
送電線につきまして、保安院のほうからも文書が出ておりまして、外部電源が、例えば変電所等が何らかの理由で使えなくなったとか、送電鉄塔につきましては大丈夫かというようなことを確認しろという文書が出てございまして、基本的に送電線等につきましては、福島の場合は、耐震性ではなくて地すべりによって壊れたということが示されております。
それにつきましては、今後、時間をかけてちょっと評価するということにしてございます。
基本的には、そういう形で耐震性についても確認してございます。
149 ◯まつざき委員 地震から津波の間の時間というのは非常に短かったわけですよね。実際にその間に現場に行って確認ができたかというと、確認できていないというふうに思うわけです。とてもそういう状態ではなかったというふうに思うわけですが、そういう中で、保安院はそういうふうに評価しているのかもしれませんが、私が東北地方の原発の配管に当たっている業者の方から直接お話を伺ったところ、公表されてはいないけれども、地震で配管が壊れて補修を行ったんだと。でも、これはもう公表されていないというふうなことで、公表されていないわけですから、私も確かめようがないというのが事実あるわけですが、実際に今回の福島第一原発についても、原子炉施設の本体自体は地震によって損傷はなかったとしても、冷やす冷却装置というのは、例えば水を送るだとかいうのはパイプで送っているわけですよね。今回は水素爆発が起きていますから、水素爆発によるものなのか地震のときの衝撃によるものなのか、配管がぐちゃぐちゃになっていますけれども、それはわからないというふうに言われています。
二〇〇七年の新潟県中越沖地震で被災した東電の柏崎刈羽原発でも、後になって、低圧タービン動翼の折損とかひびとか基礎ボルト、原子炉もですけれども、基礎ボルトの緩みとか、そういうのが幾つも発見されているわけですよね。
そういう意味で、私は、本当に今回の事故が、地震による影響というのは甚大なもので、その詳細というのは、本当にこの今の状況が終息してみないと、詳細な調査がないとわからないのではないかというふうに思っているところです。
ということは、今回の対策の中では、地震対策として、先ほど送電線についてはありましたが、特に配管等についてとか、溶接を頑丈にするだとか、そのような対策については別にとられていないというふうに理解してよろしいですか。
150
◯中村参考人 先ほど申しましたように重要な設備、設備だけではなくて、例えば原子炉容器から蒸気発生器まで行く配管につきましては、これはやはりSクラスということで、SS五百四十ガルを仮定しましても健全性は保たれるということを確認してございます。
ですから、基本的に先ほど申しましたように設備も配管も安全性にかかわるものにつきましては、重要であるというものには、Sクラスとして大きい地震でも耐えられるという設計になってございます。基本的に補強等もしっかりしてございますし、その辺についてはきちんと対応しているというふうに考えてございます。
あと、いろんな設備がございますので、例えば需要度の低いものにつきましては、タンクでも基礎ボルトにつきましては、がちっとSクラスの耐えられるものというよりも一般的なものとしてつくってございますので、そういうものが中越沖地震のときに外れていたとかいうこと等も確認してございますけれども、基本的に一番大切なのは、原子炉をとめて、それから冷やして、そして放射性物質を閉じ込めるということで、重要な設備については、基本的に耐震設計を非常に高いクラスで設計しているということでございます。
以上でございます。
151 ◯まつざき委員 福島第一原発の事故が収束をして、地震の被害についても詳細になって、また、改めて地震の対策ということで国のほうから示されたときには、万全の対策を期していただきたいと思います。
次に、非常時、緊急時の対応についてお尋ねしたいと思います。
いざ、事故が発生したときに本当に適正に緊急な対策がとられるかというのが、今、福島の状況を見ていて本当に心配になるわけですが、今回の事故の後、非常時、緊急時の対策についてのマニュアルといいますか、それについて改めて見直しする必要があるかどうかも含めて検討というのは行われたんでしょうか。
152 ◯古城参考人 今回の福島第一の事故を受けまして、私ども先ほど来申しております
緊急安全対策、それから
シビアアクシデントが発生した場合の対策等発電所の安全対策を講じてまいっておりますが、その内容を非常時のマニュアルのほうに反映をいたしております。このマニュアルに基づいてまた、訓練も実施しておりまして、その中でふぐあい点、改善したほうがいいという点があれば、そのマニュアルにまた修正を行って、さらにまた検証を行っていくという作業を行っているところでございます。
こういったことで発電所の安全性を十分確保していきたいというふうに考えております。
153 ◯まつざき委員 午前中にも緊急時の社員、職員の招集ということで、正門から百メートル以内に寮があって、直ちに招集できるんだということをお話いただきましたが、作業する職員はいたとしても、的確に指示する人がいなければと思うんですね。もちろんマニュアルはあるということでしたが、そのマニュアルに基づいて的確に指示ができるのかというところでは、どういう事態が起きるかわからない、どういう事態が進行していくかわからないというところでは、やはりそのときに対応できる専門的な職員というのが必要だと思うんですが、緊急時にそういう専門家として対処できるのかというのと、いつ緊急時になるかわからないというわけですから、日常からそういう適切に指示できる、どんな事態にも対応できる専門家というふうな職員がいるのか。その点についてはどうでしょうか。
154 ◯古城参考人 現在、
川内原子力発電所には社員が約二百九十名おります。それから、通常ですと、協力会社の方々が八百名おられます。発電所の中に訓練センターといいますものがございまして、こちらのほうで常日ごろから、緊急時も含めて教育、訓練を行っているところでございまして、まず、そういう緊急時がございましたら、一番最初に操作というか作業をしなきゃいけないのが運転員ということになりますが、運転員につきましては、新入社員のころから計画的に教育を行っておりまして、このシミュレーター訓練等を使いまして緊急時の訓練を行っています。
この緊急訓練については、このシミュレーターでもって百四十から百五十種類ぐらいのパターンの練習といいますか訓練を行うことができるようになっておりまして、結局、当直課長が一番上でございまして、当直課長の下に副長、それから主任、それからあとそれぞれ原子炉のオペレーター、電気設備のオペレーター、パトローラーといったような形になりますけれども、そういったものの指揮命令系統についてもこの訓練センターでシミュレーターを使って訓練をやっているところでございます。
それから、国家資格を持った者もおりまして、例えば法律に基づきますものとしましては、原子炉主任技術者、こちらは正・副二名が選定されておりますが、そのほかにも原子炉主任技術者の免状を持った者もおります。
それと放射線取扱主任技術者、こちらのほうも正・副二人選任しておりますが、こちらのほうもほかに技術、資格ある者はたくさんございます。
あと協力会社の方々につきましても、訓練センターでもって機器の分解・点検等の訓練をやっております。そういったことが緊急時にもまた、役に立つというふうに思っております。
以上でございます。
155 ◯まつざき委員 今回、福島第一原発で六百シーベルトを超えて被曝した二人の社員というのは、主に鼻や口からの吸入などを通して放射性物質を体内に取り込んだ内部被曝によるものだったんですが、何でそうなったかというと、事故発生後、放射性ヨウ素を除去できるマスクが少なかったために、その二人は中央制御室で作業していたんですね。中央制御室での作業なので、そのマスクは実際、外に出る人に渡して、そういう放射性ヨウ素を除去できないマスクを着用していたためなんです。
また、ヨウ素剤が中央制御室に配備されてなかったために、水素爆発は十二日に起きましたが、社員の人がヨウ素剤を服用できたのは十三日、十四日ということなんですね。
川内原発におけるヨウ素を除去できるマスクの配備とかヨウ素剤の配備というのはどうなっているんでしょうか。十分に確保できているんでしょうか。
156 ◯古城参考人
川内原子力発電所の中央制御室のほうには、マスクが三十袋準備してございます。これはヨウ素を除去できるフィルターを備えたものでございます。
それから、ヨウ素剤といたしましては、その中央制御室に百七十五人分を配備いたしております。発電所全体としては、一万人分のヨウ素剤を持っておりますけれども、中央制御室のほうは百七十五人分ということでございます。
157 ◯まつざき委員 今、福島第一原発では、それこそ社員、関連会社の作業員の方たちが本当に犠牲的、献身的に作業に当たっていらっしゃるわけですが、放射線量が高いために短時間で交代しないといけない。二千人、三千人という人たちが次から次へと交代していく。そのためか、単純なヒューマンエラー、配管の弁の回し方を反対にしたりだとか、本当に単純なミスによって、なかなか冷却が進まないという状況もあったりしますよね。
そういう面では、本当にいざというときにそれだけのきちんと的確に指示をできる、それも少人数ではなくて、多くの人に指示する人自体も交代はしないといけないという中では、本当に訓練といいますか、それと的確な指示ができるような体制をとることがとても大事だと思いますので、これは日ごろの訓練も十分に行っていただきたいと思います。
次に、安全協定についてお聞きしたいと思います。
今、こういう状況の中で、いちき串木野市長とか日置市長とかが安全協定を結ぶべきだというふうに九州電力のほうにも申し入れをされていると思うんですが、周辺自治体との安全協定を締結することについてはどのような見解をお持ちでしょうか。
158 ◯古城参考人 現在、安全協定は、鹿児島県さんと、それから薩摩川内市さんと結んでおります。この安全協定と申しますのは、
川内原子力発電所を運転するに当たって、発電所の周辺の住民の方々の安全確保、それから周辺環境の保全を図るため締結されるものでございまして、立地県の鹿児島県さんにおかれましては、この協定に基づきまして、立地市町、それと周辺の自治体を含めた圏域での代表者として、鹿児島県さんのほうで
原子力発電所の運転や管理状況を県民にかわって確認されているというふうに認識をいたしております。
したがいまして、現在の安全協定を運用することで発電所周辺地域の方々の安全確保、それから周辺環境の保全に万全を期していけるものと考えておりますが、この安全協定につきましては、先ほどまつざき委員のほうからお話のあったとおりでございまして、いちき串木野市長からも協定を結ぶべきではないかというお話がございます。
ただ、安全協定につきましては、私どもの一存で決めるわけにはいきませんで、それぞれ鹿児島県さん、それから薩摩川内市さんとも相談をしていかないといけないことでございますので、これについては、今後、自治体の方々と協議をしていきたいというふうに思っております。
159 ◯まつざき委員 安全協定について、今のお話の中でも周辺環境の保全という立場での協定だということですが、この周辺というのをどう考えるのかというところで、これまでは、それこそ八キロから十キロ圏内という形で、当該の地元としては薩摩川内市だけだったわけです。ここについてお尋ねしたいと思うんですが、今、点検中の一号機の再稼働についてということで、知事は、十分に住民に国が安全性を説明することが大事だ、と。三十キロ圏の関心のある人はだれでも説明し、質問に答えるという進め方がいい、というふうに見解を述べておられるわけですが、電力事業者として、この再稼働についての住民理解について、今の周辺環境の保全というその周辺という部分なんですが、その範囲についてはどのように考えておられるのか。
現時点で安全協定に参加していない周辺自治体も含めて理解を得る対象とすべきというふうに思うんですが、そこはいかがでしょうか。
160 ◯古城参考人 私ども今回の福島第一事故を受けまして、皆様方に原子力発電の安全性について理解活動を行っているところでございまして、まずは、私どもも発電所に近い地元の薩摩川内市の皆様、これは自治体の方々、議会の方々も含めまして、それから一般の方々も含めまして、理解活動を一生懸命やっているところでございます。
まず、薩摩川内市ということでやっておりますが、その周辺、いちき串木野市、それから阿久根市の同じく自治体、議会の方々、それから一般の方々についても御理解をいただくための活動をいたしておるところでございます。
まずは、今回の安全対策について、発電所をごらんいただきたいということで、ごらんいただくのが一番御理解いただけるんではないかというふうに私ども思っておりまして、発電所見学会を今、積極的に働きかけているところでございます。
さらに、その周辺三十キロ圏内のほうにつきましても、支店を通じてと申しますか、各営業所ございますので、営業所を通じて、それぞれ自治体の方、議会の方には理解活動を行っているところでございます。
発電再開に向けての理解活動ということではございますが、じゃ、どこまでの範囲だとかそういったことについては、私ども今、明快に答えられる答えは持っておりませんで、とにかく自分たちのできる範囲で皆様に御理解をいただく活動をしていくことだと思っています。
今、鹿児島県のお話をさせていただきましたが、九州という目でもとらえておりまして、既に五月末でしたか、新聞広告、それからきょう皆さんお手元に配っておりますこのチラシ、こういったものも、これは九州一円ではございませんが、配布して、皆様の御理解を得る努力をしているところでございます。
161 ◯まつざき委員 私の最後の質問にしたいと思います。住民の理解を得る努力をしていくということでしたが、やはり住民が安全性について理解をする。電力事業者に対する信頼関係というか、それを築いていくこと、本当に今、住民の皆さんがいろんな不安をお持ちなんですが、そのためには、まず、電力会社への信頼、国の機関への信頼ということがとても大事になっていくと思うんですね。
そういう意味で、最後にお尋ねしたいと思っているのが、先ほど紹介したように、知事も住民に対しての安全の説明を国がきちんと行うべきだというふうに言っています。
そこで、佐賀県においてせんだって、経済産業省主催の説明番組が開催されましたよね。このいきさつというのは、佐賀県議会で自民党の県議の方が、住民から住民説明会をしてほしいという要望が出されているが知事どうするのかと、国にそういうふうに求めるべきではないかというのがあり、知事が、じゃ、国にそういうふうに要請をしますというふうに言って、その後、また県議会で、自民党の議員の方の質問に答えて、国が経産省の主催で住民説明番組をすることになりました、と。住民の方は、混乱を避けるという意味で、三、四人呼んで、ケーブルテレビとかインターネットで見れるような形でそういう番組を行います、というふうにしたんですね。
結局そういうふうに県議会と知事とが要請して国が開催することになった。ところが、住民は三、四人だということで、県議会でもこれでいいのかということが議論になって、急遽また議運が開かれて、国に要請した結果、七人という人数になったんですね。で、開催されたんです。
ということは、この番組というのは、佐賀県議会と知事が要求して開催された国主催の住民への説明番組だったわけです。
私がここで取り上げたいと思っているのは、ところが、この中で、九州電力が関係の社員に、この番組中に運転再開を賛成する、支持する文言の電子メールを番組に投稿するようにというふうに会社で指示をされたというのが、我が党の調査で明らかになったわけです。結局、やらせでそういうふうに番組にメールを送れというので、私たちはやらせメールというふうに言ったわけですが。
結局、その結果、番組の中で十一通の電子メールやファックスが読み上げられて、その中では、福島事故の終息の見通しがつかない中で運転再開すべきでないとする反対意見がある一方で、原発廃止で産業が海外流出し、子供たちがどうなるのか次の世代のことが心配などといった内容のメールも紹介されたわけです。
もしこれが事実であるとすれば、電力事業者と住民との信頼関係を大きく損ねることにもなりますし、また、この番組、この説明会を要請した県議会、知事も本当に冒とくしたということになると思うんですね。
私どもの調査では、九州電力殿からという形での指示が会社からあったというふうに聞いておりますが、そういうふうに要請された事実があるんでしょうか。
162
◯中村参考人 佐賀県の国による住民説明会が実施されましたけれども、当社としては、そのような依頼を実施した事実はございません。
基本的にこういう番組がありますということで、当社の社内及び関係会社等には、こういう番組が開催されるという連絡はいたしましたけれども、それに対してどうこうしろというようなことを言った事実はございません。
163 ◯まつざき委員 事実ですかと聞いて、はい、そうですとは言われないと私も思ってはおりましたので、もうこれ以上は言いませんけれども、やっぱり住民の不安にこたえる。この県議会も県民のそういう思いにこたえて特別委員会を開いてやっておりますので、これが事実でないことを願うわけですけれども、実際にそういう指示を受けた情報というのを私どもは聞いておりますので、もし鹿児島県でそういう説明会何なりが開かれたときには、決してそういうことがないことを願っております。
原発は、きょう私の質問をさせていただいて、やはり未完成な危険な技術であって、人がつくったものでありながら、人の手でこの被害を食いとめることができない。こういう危険な原発と人類が共存していいのか。今、そのことが問われていると思うんですね。
最後に、九州電力が三号機増設を断念されること、また一号機・二号機については、近い将来の廃炉を目指してぜひ準備をしていただきたいこと。国のエネルギー政策を転換を待つことなく、再生可能な自然エネルギーへの転換に大きく踏み出される。そのことを要望いたしまして、私の質問を終わります。(「関連して」という者あり)
164
◯中村委員長 安全協定に関連して、二牟礼委員に発言を許可いたします。
165 ◯二牟礼委員
緊急安全対策あるいは定期点検の結果等を踏まえて、住民に対しての理解を求めるいろんな取り組みをされているということでありますけれども、
川内原子力発電所に関する安全協定の第六条には、発電所の運転の状況及び安全対策に関して特別の広報を行う場合は、事前に連絡するという規定がございます。
それと平常時における次に掲げる事項については、定期的にその都度連絡をすると、県に対してですね。それは発電所の運転状況というのがあるわけですが、これは
原子力発電所に関する安全協定の第十一条に連絡の方法があって、今申し上げた第六条及び第七条は、文書をもって行うというふうになっているわけです。
そうしますと、既に安全対策も講じられた、あるいは保安院等から安全であると、運転再開しても支障ないということもあります。
定期点検についても七月の上旬には終了するという段階にあると思いますが、この安全協定に基づく県へのいわゆる運転再開の事前の文書での通知というのは、いつごろどのような方法でされるというふうに考えていらっしゃるのか、その点を確認しておきたいと思います。
166 ◯古城参考人 川内一号機につきましては、五月十日から約二カ月間の停止期間ということで定期検査に入っております。第二十一回の定期検査でございますが。
現在、定期検査自身は順調に進んでおります。七月下旬には発電再開と。それから八月中旬には通常運転復帰という計画で、もうこれは既に公表しているところでございますが。
御質問にございました発電再開、それから通常運転復帰について文書で事前に自治体に御連絡するということについてでございますが、発電再開、通常運転復帰に当たりましては、その復帰、発電再開については、プレス発表を毎回やっております。やるようになっております。このプレス発表をする際には、特別な広報というのを安全協定に基づいて自治体に出さなければなりません。これは、県、市とそれぞれに出します。それがプレス発表する数日前という形になっております。
あと、今の定期検査の状況について毎週報告をいたしておりますが、それは七条のほうで自治体のほうに報告をしているというところでございます。
167 ◯二牟礼委員 運転再開のプレス発表の時期というのが、県への文書、事前連絡の時期というふうに理解しましたけれども、それでいいのかということと、その時期が今の七月下旬、八月上旬再開と、そこを目指すということでよろしいんですか。
168 ◯古城参考人 七月下旬発電再開、八月中旬通常運転復帰ということで計画はいたしております。
ただ、発電再開に当たりましては、先ほども申しましたが、皆様の理解、これが最も重要であるというふうに考えておりますので、私どもは、現時点では、とにかく皆様方に理解していただく理解活動に努めていくということだと思っております。
169
◯中村委員長 ほかに。
170 ◯井上委員 薩摩郡区出身の無所属の井上でございます。
今までのほかの委員の質問の中で少し出てまいりましたから、一、二、確認だけしたいと思っておりますが、私の地元さつま町というのは、二十キロ圏から四十キロ圏の間にちょうど入るような位置にございます。
それで、平成九年の三月二十六日と五月の十三日に突如地震が発生したと。このときにちょうど私は役場の二階に二回ともおりましたので、その震度のぐあい、いろんな被害の状況をよく把握しておったんですが、三月二十六日に
マグニチュード六・三、そのとき鶴田では震度六強と、宮之城で六弱、あるいはまたほかのところで五強とかと、いろいろ地域によって違ったようです。それから五月十三日のときが
マグニチュード六・二、鶴田でやっぱり震度が六強で、宮之城で六弱というようなことでした。
それで、地震はない地域だというふうに思われていたんですけれども、突如としてこういうことがあったもんですから、そういう断層があったんだと。そして原発の近く、それこそ今回の震源地というのは、一回目は原発から十五キロぐらいのところでしたし、二回目は二十五キロぐらいのところだったということでありまして、比較的近いところに断層があったんだなということになります。
もらったこの資料の中に、
川内原子力発電所の耐震設計上考慮する活断層という中には、多分これは入っていないのかなと思っておりますが、出水断層系とか五反田川断層に入っていない断層なのかなと。しかし、これは余り考慮するに至らないということで入っていないのか、どういう認識をしておられるものかということをまず、聞きたいと思います。
171
◯鶴田参考人 先ほど基準地震動の策定に当たりまして、断層を特定して考える地震動と申しましたけれども、もう一つ、指針の中に、断層をどうしても特定できないものが、地震としては生じるということは、現実にずっと起きております。そういうものもちゃんと考慮して地震動を考えて、その中での一番最高のものを、少し余裕を持ってつなぎ合わせて耐震設計をしなさいという指針でございます。
御指摘の平成九年三月と五月の地震につきましては、当初地表面の情報から調べますと、そこに地震を生ずる活断層があるという情報は、どうしても得ることができておりません。地震が起きた後でもいろんな機関が、そういう断層があるのかということを調べております。
しかしながら、やはりどうしてもそこに明瞭に地上から捕まえられる情報は得られないということになっておりまして、私どもも耐震
バックチェックの中で、やはりやっております。しかしながら、どうしてもつかめることができませんでした。
したがいまして、近傍で実際に起きました地震というものは、震源を特定しない地震というものの一つの重要な実績の中に組み込みまして地震動を計算いたしまして、四百五十ガルという震源を特定しない地震動というものの中で十分に考慮しております。
そういうことで、今回の私どもの安全性の中には十分に取りこんでいるということでございます。
172 ◯井上委員 川内原発での最大加速度と、このガルの基準というのは、五百四十ガルを想定していると。これに耐えられる加速度ということを想定しているということでしたが、その三月のときの私たちの町の震度においては、三月二十六日が四百九十三ガル、それから五月十三日のときが九百二ガルということで、非常に大きなガル数であったと。私も二階におりましたけれども、非常に強い振動が来て、どうなるかなあとちょっと動きがとれないような状態に立たされたことを思い出すわけですが、しかし、そのときの川内原発における岩盤の上に建っている原発でのガル数は六十八ガルだったという話を聞いて、そんなに違うものだったんだろうかということでびっくりしました。
この六十八ガルというのは、三月と五月、それぞれはどんな感じだったんでしょうか。
173 ◯古城参考人 三月二十六日の地震では六十四ガルでございました。あと五月十三日のほうが六十八ガルという加速度でございました。
174 ◯井上委員 今回の福島の地震の様子を見、そして、やっぱり万が一ということがあったときの放射能被害、放射能に対するいろんな影響ということを考えたときに、特に私たちも住んでいる立場から無視できないなという、無関心でおれないという思いを強くしたわけですけれども、これだけ原発に近いところで、また、最近こういう地震があったということは、よくやっぱり確認をしながら対策というのを、それ以上のものがないという保証はないわけですから、そういう断層があって、大きなものがあったと。
きょうの新聞に北薩地方で地震が三月と五月に発生したときが、日本列島が地震の活動期に入って初めて原発を襲った地震との報道もあったということが書かれておりましたが、そういうことで、やっぱり地震というものに対して影響がないことを望むわけですけれども、万全の努力をしていただきたいと思います。
この地震に対して全く被害はなかったと、損傷はなかったんだということでありますので、今回はよかったということになりますが、そういう点で今後とも十分な努力をしていただきたいと思っております。
以上です。
175
◯山元参考人 ただいまの地震の話でございますが、数字は、
川内原子力発電所の基礎の部分で六十四とか六十八でございますが、井上委員の言われますように地上では、やはり相当揺れております。
そういうことで、岩盤がしっかりしたところにつくることが、我々は大事だと思っております。
それからまた、今、おっしゃいますようにやはり地震に対してしっかりした対策をとることが、やはり基本だと思っておりますので、津波もありますけれども、まずは地震の話も県民の皆様にしっかりお知らせすることも大事だと思っておりますので、よろしくお願いします。
176
◯中村委員長 よろしいですか。
177 ◯井上委員 はい。
178 ◯吉留委員 大体もう皆さん質問したもんですから、確認の意味でちょっと二点御質問したいんですが。私の家は、原発から直線距離で十四キロほどです。しかも私のいちき串木野市は、五反田川断層というところですが、その真上に町がありますので、ある面では我がことのように皆さんからいろんな御意見が私のほうに寄せられてきます。
今、ちょっといろんな議論があったもんで、確認だけさせていただきますが、津波対策云々なんですが、過去の津波の有無、あったかなかったかの確認を地質調査で行っているのか。津波堆積物があるのかないのか。ボーリングして、文献調査ではなくても地質調査で、過去数千年、数万年単位で川内原発のあるところであったのかなかったのか。そういう地質調査をしているのかというのが一点。
先ほど来耐震設計の話が出てきていますが、津波対策はわかりましたので、地震そのものの揺れに対して、いわゆる原子炉、圧力容器や格納容器の地震動の基準、SSですかね、いわゆる緊急炉心冷却装置がSクラスということで、一段緩いんではないか。そうした場合にいざというときに炉心は大丈夫だったけど、配管等で割れたりして冷却系統がだめになって冷却ができないんじゃないかということがあるんですが、その辺はどうなのかということ。
この二点。
179
◯鶴田参考人 最初の津波の調査について御説明いたします。
津波対策というものにつきましては、基本的には、国の
耐震設計審査指針あるいは手法につきましては、土木学会で平成十四年にまとめております手法の基準、そういうものを参考に文献調査等数値シミュレーションを実施して、
川内原子力発電所の敷地に与える影響を評価しております。
文献調査につきましては、過去の日本中の有史以来の津波被害記録がいろんな古文書等に載っておりますが、そういったものを取りまとめております複数の資料、一つは、日本被害津波総覧第二版(一九九八年)、それから日本被害地震総覧(二〇〇三年)、それから理科年表、それから気象庁福岡管区気象台資料、そういうものの文献をもとに、まず、文献調査を行っております。
これらの文献は、今、四冊程度のものでございますが、それを取りまとめるに当たりましては、過去の多くの研究者の資料、それから直接古文書の再解読、そういったものが徹底してなされておりまして、同じものを複数の人がチェックしているというようなことも実施されておりまして、現時点における過去の調査においては、十分にその調査、チェックを果たしているというふうに思っております。
そういう文献調査の結果でございますが、この発電所の敷地及び敷地周辺に過去に被害をもたらした津波というものの記録は、どうも認めることができませんでした。
したがいまして、過去の津波の調査というものは、現段階においては、文献調査をやっているということでございます。
それで、津波の堆積物調査をやる必要があるのではないかという御質問でございますが、文献調査に関連せずに単独で、これが津波堆積物だというようなものが明確であるようなものがめったにございません。通常は文献に記録がある地震や津波情報を一つのターゲットと申しますか、導きどころにして地層を調査いたします。
その地層の中でその年代に合うもので津波堆積物等の性状を有しているものがございましたら、それをその時期の津波堆積物と一応同定いたしまして、それから、それ以前に繰り返し来ていないかというようなことで、それ以前の深い地層を調べていきまして、同じような地層があるかないか、あるいは広がりがどの辺まであるのか、そういったものを系統的にデータとして集めてまいるという手順で津波の堆積物調査というものは進んでまいります。
したがいまして、やみくもにボーリングをしましても、これが津波堆積物であるということが非常に判断が難しいという現実がございまして、私どももまだこれで十分に文献が調査が済んだとは思っておりません。引き続き情報があれば、どんどんその情報は収集して反映してまいりたいというふうに思っております。
以上でございます。
180
◯中村参考人 緊急炉心冷却装置が、ちょっと一段低い耐震基準でやられているのではないかという御質問でございますけれども、
原子力発電所の耐震設計の方針につきましては、平成十八年に
耐震設計審査指針が見直されてございます。
そこで、耐震クラスについては三クラスになってございまして、一番重要度の高いのがSクラス、それからBクラス、Cクラスという三クラスになってございまして、原子炉の圧力容器、それから格納容器、それから今、御心配になられている緊急炉心冷却装置につきましては、Sクラスという一番重要度の高いクラスになってございまして、評価するに当たっては、いろいろ文献調査や地表調査をやりまして、SSという基準地震動をつくります。そのSS、五百四十ガルでございますけれども、それを使ってSクラスはそういう状態でも耐えられる設計ということで確認してございます。
ですから、緊急炉心冷却設備につきましても一番重要度の高い設備として耐震設計を実施しているというところでございます。
以上でございます。
181 ◯吉留委員 それじゃ確認しますけれども、川内原発の一号機・二号機は、いわゆる炉心と緊急炉心冷却装置は同じ基準で耐震設計なされていると理解していいわけですね。
182
◯中村参考人 同じ基準で実施しているということでよろしゅうございます。
183 ◯吉留委員 わかりました。
それと地質調査は、要するにただボーリングしただけではそれが津波の堆積物かどうかは判断できないということなんですか。
184
◯鶴田参考人 なかなか、情報が乏しゅうございまして、はっきりそれが津波堆積物だと評価するには難しゅうございます。
185 ◯吉留委員 それじゃ、要するにまだボーリングはやったことがないということですね、そういうことがわからないから。
186
◯鶴田参考人 現状ではやっておりません。
187 ◯吉留委員 はい、わかりました。
188 ◯田中委員 薩摩川内市の田中でございます。簡潔に質問させていただきます。
まず、川内原発の定期検査についてなんですけれども、電気事業法第五十四条においてなされるわけなんですが、基本的なことからちょっと質問いたしますけれども、一号機の定検状況、それから二号機の定検予定についてなんですが、定期検査の最終段階の内容、作業内容とか手続項目について、まず、お示しいただきたいということと、どの作業をもって定検というのは終わりになるかということ。今、川内原発一号機も定検中なんですが、通常の予定の場合はいつごろ終わる予定なのかということ。
それから、川内二号機も定検予定を聞いておるんですけれども、これも具体的にいつごろ始まっていつごろ終了予定の見込みかについてお示しください。
189 ◯古城参考人
川内原子力発電所一号機の定期検査の状況、それから二号機の定検開始の予定でございますが、一号機につきましては、五月十日から定期検査に入っておりまして、現在、順調に検査を進めているところでございます。
今後でございますが、準備が整ったところで原子炉の起動ということになります。原子炉の起動というのは、制御棒を抜き始めるというところでございますが、その後、発電再開、最終的には、国の総合負荷性能検査というのを受けまして、これに合格したところで定期検査は終了で、通常運転復帰ということになります。
何をもって終了かというところは、定期検査については、最終的に国の総合負荷検査に合格したところで終了ということでございます。
通常の場合、すぐ終わるかということでございますが、先ほど申し上げたとおりで、一号機については七月の下旬に発電再開、八月中旬に定期検査終了の計画でございます。
それから、二号機につきましては、九月上旬から約三カ月の予定で第二十回定期検査を行う予定でございます。
以上でございます。
190 ◯田中委員 川内一号機の定検というのは、今の七月四日時点でどこまで作業が来ているかということと、それから、玄海原発は定検中ということなんですけれども、どの時点でとまっているかということをお示しいただきたいんですけれども。
191 ◯古城参考人 川内一号機につきましては、燃料の原子炉への装荷が済んだところでございます。
192
◯中村参考人 玄海二号と三号の状況でございますけれども、発電再開の手前まで来ておりまして、いろいろな定検期間にやる項目はほぼ全部終了して、あとはヒートアップというか、暖めていって、並列するところの前で作業はとまっている状況でございます。
193 ◯田中委員 次に移りますが、川内原発では、おのおの一・二号、二十五年以上運転してきていますが、運転実績について二項目なんですけれども、この川内一・二号機の運転実績率として、設備利用率がどれぐらいの数値かということと、他電気事業者と比べてどのような状況かということをまず、お示しください。
194 ◯古城参考人
川内原子力発電所の稼働率でございますが、一号機は昭和五十九年七月に営業運転開始いたしておりまして、現在二十七年目に入っております。それで、運転を開始してから累積の設備利用率でございますが、一号機は八三%でございます。
同じく二号機につきましては、六十年十一月から営業運転開始しておりますが、設備利用率にしますと八四%ということになっております。
川内原子力発電所一号機・二号機合わせたところでの設備利用率というのが八三・三%でございまして、これは全国でもトップクラスでございます。累積で言いますと、泊発電所に次いで全国二位というような状況でございます。
以上でございます。
195 ◯田中委員 数字はよくわかりました。
基本的な確認ですけれども、設備利用率が高いということは、そういう機器の故障というのが少ない。当然数字が高いほどそういう意義は高いという当然の理解でよろしいんですかね。
196 ◯古城参考人 そういう理解で結構でございます。
197 ◯田中委員 今度は逆といいますか、いろいろ異常事象、不具合、トラブル、事故とか、この原発をめぐってあるんですが、川内原発の安全協定書の第八条でも異常時の報告事項の義務規定があるんですけれども、これまでこの川内一・二号の運転実績に関連しまして、そういう不具合、トラブルの件数とか、それから特に福島原発の評価でも問題になっています国際原子力放射線事象評価尺度に照らして、この二十数年間の一・二号の不具合、トラブルはどういう評価かということですね。
評価対象外なのか、あるいはもう今、議論されているレベル七という範疇があるんですけれども、この二十六、七年間の川内原発の運転実績、不具合についての評価についてお示しください。
198 ◯古城参考人 まず、一号機でございますけれども、一号機では、蒸気発生器電熱管の損傷、それからタービンソレノイド、これタービンの油圧系のバルブの関係ですが、これの動作に伴う原子炉自動停止、通常運転中に原子炉自動停止したのは、このタービンソレノイド動作に伴う原子炉自動停止が一回でございます。
それから、充てんコア中のポンプの主軸の折損といったようなものがございます。
二号機では、一次冷却材温度測定用配管戻り弁の損傷、それから蒸気発生器電熱管の損傷といったようなものが発生しております。
いずれも国際原子力の評価尺度で言いますと、尺度以下ということになります。
トラブルの回数でございますが、事故・故障ということで、法律に基づくもので申し上げますと、一号機が十二件、それから二号機は四件ということでございます。
トラブルも全国的に見て少ないのではないかというふうには思っております。
このトラブルの中も蒸気発生器の細管のトラブルが多うございまして、既にこれは川内一号機につきましては、蒸気発生器も取りかえております。その後はトラブルは発生しておりません。
二号機についても今後、蒸気発生器は取りかえる予定にしておりますので、この蒸気発生器に関するトラブルというものは、今後、ほとんどないのではないかというふうに思っております。
199 ◯田中委員 はい、わかりました。
ちょっと確認なんですけれども、今、尺度以下という言葉でしたけれども、数字で言うとレベルゼロということですね。
200 ◯古城参考人 そうです。
尺度以下ということで、ゼロでございます。
201 ◯田中委員 次に、緊急に取り組むべき安全対策ということで、るる説明もあったんですが、私は特に短期的な
緊急安全対策の位置づけについて総括的に質問したいんですが、その前段で、薩摩川内市民の中からまず一番最初によく聞かれるのが、今回の大震災で震源に近い女川原発、それから福島第二原発、東海第二原発は安全に停止して、なぜ、女川より震源にやや遠い福島第一原発だけで重大事故が起きたのかというのをよく聞かれておるんですよ。
それで、質問の一番目は、川内原発と福島第一原発の違い、わかりやすい立地条件等についての違いをお示しください。
202
◯中村参考人 福島第一
原子力発電所と当社の
原子力発電所につきましては、まず、設備的にあちらのほうはBWR、沸騰水型、当社のほうはPWRということでございまして、先ほど御説明しましたけれども、蒸気発生器というものがございまして、それを使って炉心を冷却できるというところが非常に大きく違います。
設備的には、格納容器が大きいとか、使用済み燃料ピットが、いわゆるグランドレベルにあるとか、そういう違いはございます。
それとあと、立地条件で違うということにつきましては、先ほど鶴田のほうから御説明いたしましたように、あちらはプレート型の地震が起こる境界があるところでございますけれども、当社の
川内原子力発電所は内陸型であるということでございますし、敷地の高さにつきましても、当社は十三メートルございます。向こうのほうは八メートルぐらいの敷地の高さだと思っております。
今回、十五メートルの津波が来て、あそこだけが津波の影響で今回みたいな事象が起きたというふうに認識しております。
以上でございます。
203 ◯田中委員 わかりました。
きょう私が一番確認したかったのは、この
緊急安全対策の中の短期的な
緊急安全対策の位置づけなんです。これまで、先月までの指示を受けて、御案内のとおり三月三十日指示の
緊急安全対策、それから四月九日、四月十五日指示の電源信頼性向上対策、それから六月七日の
シビアアクシデント対策という三区分があって、さらにこれは、時間軸で言うと短期的な安全対策と、それから中長期的な安全対策に分かれておるわけですよ。要するに市民からしますと、この升目が総合的な取り組むべき六つの升目に分かれておりまして、私が市民と話す中では、イメージ的には、短期的な安全対策というのが、安全性の相互からいうと六分の一にしか聞こえないというのがあるわけです。それは次々と出る追加指示の多さということがこういうことになると思うんですけれども。ですから、私は特に国にも次回申し上げたいんですけれども、電気事業者においても再開についての理解を得るための説明の仕方であれば、この
緊急安全対策の短期的な四月に即時実施したこの升の現実対応で、想定する津波・地震については万全です、安全ですということを言い切れなければ、これは市民とか議員の理解を得るのには非常にしにくい説明の仕方だと思っています。
保安院からの資料を全協でもらいましたけれども、要するに六つの升目の六分の一のウエートしか印象がないものですから、そこ辺が国においても説明の仕方かと思うんですが、この短期的な
緊急安全対策で再開するに十分な対策であるかということを改めて問いますけれども、どうですか。
204
◯中村参考人 御指摘のとおりでございまして、ありがとうございます。ちょっと説明が緩くて申しわけなかったんですけれども、基本的に
緊急安全対策として実施すべき事項は、先ほど言いました短期と言われている三項目を実施すれば、
原子力発電所の安全は確保できるということでございます。
その後、いろいろ指示が出ておりますけれども、基本はこの短期的対策の三項目を実施して、電源の確保、冷却水を送るポンプの確保、それから冷却水の確保というのが基本的に実施されておれば確保できるということで、あとはいろいろ途中で知見とかいろいろ福島の状況が進んでございますので、そういうところから得たものに対して、その都度、よりよく安全対策を実施するということで保安院のほうから指示が出て対応しているものと思っております。
そういうものでございますので、基本これをやっていれば、
原子力発電所の安全は確保できると、短期的対策で実施していればできるというものでございます。
以上でございます。
205 ◯田中委員 それから、きょう津波評価の資料もいただきましたけれども、地震と津波の想定の問題なんですが、この資料にございますようにプレート内の
マグニチュード八ですかね、それからプレート境界のケース一、ケース二があるんですけれども、この三つを想定するというのは、発生し得るという、そういう知見のといいますか、発生するであろうことに対するケースなのか、あるいは科学的に発生はしないだろうけれども、想定を超える設定としてこういう
マグニチュード九を設定したのか、もう一回ここをすっきりと説明をお願いしたいんですが。
206
◯鶴田参考人 それでは、配付資料の川内及び
玄海原子力発電所に係る津波影響の評価についての資料で御説明いたします。
津波の影響評価につきましては、先ほど申しました文献調査以外に数値シミュレーションで想定をすることにしております。
まず、数値シミュレーションに至りますまでに海上音波探査などを詳細かつ入念な地質調査をいたしまして、津波の発生源となる海の中にある活断層を設定いたしまして、そして、その活断層から発電所までの海底地形などを考慮した上で、精度の高いシミュレーションを計算機で行うことにしております。
今回行いましたものは、長崎海脚断層と申しまして、
川内原子力発電所から甑島の横を通って真っ正面に八十キロの長さがございます長崎海脚断層というものを津波の発生源と、一番大きな津波の発生源となる断層というふうに私どもは求めまして、そこに
マグニチュード八・一の地震が起きる。これは断層の長さと地殻の厚さを考えますと、最大級のこのプレート内、プレート間じゃなくてプレート内の地震における想定される最大級の地震の規模を考えております。
それにおきまして、津波は水深が非常に効きますので、海底地形もきちんと再現いたしまして計算をしております。
その計算結果が、この表の一番上の
川内原子力発電所の部分、プレート内東シナ海での海抜三・七メートル程度の数字でございます。
これは、私どもの耐震指針及び土木学会の指標を用いて技術的に想定をした数字でございます。
そのほかにこちらに図面ございますが、今回の
マグニチュード九の
東北地方太平洋沖地震がプレート境界で発生したことから、当社では、じゃ、九州の近傍のプレート境界にある南海トラフに同規模の
マグニチュード九の地震による津波が発生したと想定いたしまして、発電所への津波の影響を、これを社内検討の段という位置づけで試算をいたしました。それがこのプレート境界のケース一、ケース二でございます。
その結果、津波の高さは川内で海抜二・五メートル程度と、高くても二・五メートル程度になりまして、一応そういう技術的な想定ではなくて、仮に社内で意思決定過程でのいろいろなパラメーターを振ったそういう検討という位置づけでの検討でも二・五メートル程度だと、こういうことでこの表に記載させていただいております。
したがいまして、技術的に想定するものは、この一番上の三・七メートルという位置づけでございます。
207
◯鶴田参考人 先ほど吉留委員からの御質問で、ちょっと誤解を招いたかと思いまして、訂正させていただきたいと思います。
津波堆積物のボーリング調査でございますが、やれるのにやらなかったというような意味に取られたかとちょっと思っておりますので、訂正させていただきたいと思います。
まず、先ほどから申しましたようにボーリングコアの中のそういう層というものは、やはり事実の記録がないと非常に薄いものだったりして判別ができませんので、ボーリング調査をやるまでに情報が集まらない。それぐらい津波の記録がない。津波がないところであるということで、そこのボーリング調査にまでは至らなかったというふうに御理解いただければと思っております。
208
◯中村委員長 ここで、速記の都合等のため、暫時休憩いたします。
再開は、おおむね三時二十分といたします。
午後三時 七分休憩
────────────────
午後三時二十一分再開
209
◯中村委員長 再開いたします。
210 ◯田中委員 質問を続けます。
次に、中長期的な
緊急安全対策についてということでございますが、まず、川内原発と浜岡原発のわかりやすい違い、立地条件等の説明をお願いしたいと思っております。
それから、保安院からいろいろ指示が出ておりまして、
緊急安全対策の中長期的な部分につきましても統一的な指示があるんですけれども、例えばわかりやすく言いますと、浜岡原発は中長期的に一から三年内に防潮堤の設置がなければ再開させない。この間に防潮堤をつくりなさいということになっておるんですけれども、川内原発につきましては、言葉としては、防潮壁とかこういう言葉があるわけです。ですから、統一的な指示として保安院から出されたそういう指示についても、当然に個々の対応の違いというのが出てくると思うんですけれども、受けとめ方と、川内原発の場合には、そういう防潮堤の必要性といいますか、防潮壁なのか、そこ辺の違いの説明をちょっとお願いしたいんですが。
211
◯中村参考人 浜岡と当社の違いでございますけれども、浜岡原発は、先ほど言いました福島第一
原子力発電所と同じBWR型の原子炉を有してございます。ですから、設備的なものは先ほどの福島第一の違いと同じように、浜岡
原子力発電所は、いわゆる熱の炉心の冷却はやり方がちょっと違っておりまして、蒸気発生器等がございません。それと燃料のピットも高さの三十メートルのところにありますけれども、当社はグランドレベルにあるという、そういう違いがございます。
それとあと、地域的な違いということで、同じように先ほど鶴田のほうから御説明しましたようにプレート間の地震が起こるいわゆる境界のところで立地しているわけでございますけれども、当社は内陸型というふうなところで、非常に地震・津波等が起こりにくい場所に設置しております。
浜岡の敷地高さはちょっと今、データ持っておりませんけれども、当所は十三メートルに対してある程度の高さはあるというふうに聞いております。
そういうことで、あと、浜岡のほうはまた、この間の敦賀湾の地震等も起きているというような状況がございます。
基本的に防潮堤の話がございますけれども、当社は、今、言いましたように十三メートルの敷地高さを持っておりまして、地勢的にも地震・津波が起こりにくい状況でございますし、対策として十五メートルまでの対策を実施しております。
今後、現在のところそういう意味で防潮堤というのは必要ないというふうに考えてございますけれども、今後いろいろ知見が出てきたり、そういうふうなところにおいては、また柔軟に検討していきたいというふうに考えてございます。
212 ◯田中委員 これは意見ですけれども、五十四基に対する統一的な指示は出るんですけれども、やはり説明の仕方として受け取る市民からすると、全部防潮堤が必要じゃないかという市民の会話もあるわけですよ。ですから、その前段で、私ももう再三質問していますけれども、そういうところと川内の立地条件の違いとか、それから想定する地震・津波を丁寧に説明して、わかりやすく言うと、他のところではこういうことだけど、うちのところでは防潮壁で十分ですというわかりやすく説明したほうが、聞くほうは理解しやすいというふうに私は思っております。
質問を続けます。
もう一つは、この追加指示の多さのことで、特に保安院にも国にも申し上げたいんですけれども、もう既に御案内のとおり三月三十日に
緊急安全対策の指示が出て、四月九日、四月十五日、四月二十八日、そして五月六日には、
緊急安全対策は適切と評価しました。そして五月六日には、総理の判断で浜岡の停止要請。そしてその後も五月十七日指示、六月六日指示があって、そして六月六日には、保安院から鹿児島県庁に対して、
緊急安全対策は、川内原発については適切であるという報告をされました。
そして翌日、これもよく問題になりましたけれども、六月七日には、
シビアアクシデントの対策の指示が出ておるわけです。
私は、この五月雨みたいなこの指示について、電気事業者として安全性の評価の点からどう受けとめているかということと、自分自身としては、やはりさっき申し上げましたように、きちんと説明しなければ、短期的な
緊急安全対策の位置づけはますますかすんでしまって、足りないから打ってきているんだとしか受け取らんわけですね。
先ほど六つの升目を申し上げましたけれども、そのほかも細かく言えば相当数の指示が出ているわけですよ。最初出て、三月三十日に指示をして、五月六日ですかね、適切評価しというこの時間軸がぶれないというような説明でないと、私は安全性と再開についての県民の理解というのは、非常に電気事業者も保安院のほうも難しいと思うもんですから。質問としては、追加対策指示について安全性の点からどう受けとめているか、ちょっと所見をお願いします。
213
◯中村参考人 委員の御指摘のとおり当初三月三十日に
緊急安全対策が出た後、各種の指示が出てございます。
当方としては、基本的な安全対策は、三月三十日の短期対策でできていると。その後の追加対策につきましては、さらなる安全性というか、さらなるベター論というか、そういうことでの指示だというふうに受けとめておりまして、委員がおっしゃるとおり、説明の仕方によっては、どこが中心か全然わからなくなると、おっしゃるとおりだと思います。
当方としても理解活動におきましては、基本的に必要なのは安全対策だと、
緊急安全対策のパンフレットに書いてある短期項目であるということを中心に理解活動を実施していきたいと思っております。
追加指示についても適切に対応していきまして、ほとんど対応してございますし、長期的に残っているものについては、どうしても長期でやらなければならない発注とか設備対策、設計とかが必要なものでございまして、これらにつきましてもなるべく早く実施するようなことで対応していきたいというふうに考えてございます。
以上でございます。
214
◯中村委員長 この際、御報告いたします。
傍聴について一名の方から申し出があり、これを許可いたしました。
215 ◯田中委員 もう少し質問があります。
再開についての地元理解についてなんですが、午前中もそういった説明活動を広く実施されているという説明がありましたが、九電として再開するに必要な条件とは何か。何をもって地元理解を得たと判断されるんでしょうか。
216 ◯古城参考人 私ども川内一号機の発電再開に向けて、草の根的に理解活動を今現在実施しているところでございますが、何をもって理解と判断するかということにつきましては、なかなか難しいところでございますが、私どもとしましては、とにかく皆様方に今回の福島第一の事故を受けて、当社がとった安全対策について、とにかく御理解をいただくための理解活動、これを懇切丁寧に皆様方にやっていくと。もうそれしかないというふうに思っているところでございます。
以上でございます。
217 ◯田中委員 佐賀県の状況を見ていましても、立地自治体あるいは県、行政当局、議会のそういった意味の理解だと思うんですけれども、九電としては、地元理解が得られるまで川内原発一号機の起動というのは考えていないという受けとめ方でよろしいんでしょうか。
218 ◯古城参考人 私どもといたしましては、川内一号機の発電再開に当たっては、地元の方々の御理解が重要というふうに考えておりまして、地元の皆様方の御理解を得ないと発電再開は難しいのではないかというふうには思っております。
219 ◯田中委員 最後の質問です。
説明活動の一環として、いろんな不安、意見、要望があるんですけれども、九州電力として川内原発の安全性に関する説明会とか、そういった説明会を開催する考えをお持ちじゃないのか、最後にお伺いします。
220 ◯古城参考人 現在、私どもは、草の根的にいろんなところを、地区の方々とか、それぞれ公民会の会長さんとか、そういった関係者のところを回りながら理解活動を行っておりますけれども、基本的には発電所に来ていただいて、実際に目で見ていただいて、そこでまた説明もして御理解をいただきたいというふうに思っております。
そういったフェイスツーフェイスといいますか、非常に丁寧な説明というものを心がけておりまして、たくさんの方にお集まりいただいての説明会というようなことではなくて、もっと草の根的な、地道ではありますが、確実に皆様方に御理解をいただく方法をとっていきたいというふうに考えているところでございます。
221 ◯山田委員 地元の方々の理解を得る努力というのは、何に限らずいろいろなものをつくるときはしないといけないと思う。例えば、川内で今、問題になっていますけれども、産業廃棄物の処分場、うちにつくってくれよというところはなかなかないんですけれども、全体的に判断をして、我々も産廃は出すんだから、どこかで処理をしないといけないよねということで、川内も御理解をいただいて、今、ああいう状況になっている。
原発もやはり必要だということ、あるいは必要性というのは、今のこういう流れの中では、全くこれを否定する人というのはいないと思うんですけれども、ただ、今回みたいにこういう事故があれば、やはり大きな不安を抱いている方というのは多いわけですので、一つは、反対をされる方には、どんなに説明をしてもまだ説明が足りない、どんなに努力をしても努力が足りないと。そういう人たちを説得するということは、口では言えても現実としては難しいわけです。
だから、九電の考え方をちょっと聞かせてくださいと言いたいところですけれども、三号機の問題などもありますけれども、一号機と二号機をバトンタッチしないといけない。そういうときに軽々に地域の住民の方々の理解を得る、あるいは何キロ圏内の方々の理解を得る。こういう言葉を使ってもらえば、反対のために反対をする人、どんなことを言ってもおれは理解せんという人を説得するという、そういうとらえ方を私みたいなのがするから、だから、やはり説得に向けては最大限の努力をしないといけないし、説明の仕方によって、あるいは説明をしないときに不安を抱いて、こういう案件に反対をされておられる方には、私は何時間かけても、努力を惜しまずに九電としてはやってもらいたいな。そのかわり軽々に反対をされる方を説得して何か言う。言葉を使えば、非常にあいまいな言葉なんですよ。反対のために反対をやっている人たちもそれなら説得できるのかと、そういう話にならんとも限らないから、もう一回繰り返しますけれども、不安を抱いている人には、これを取り除いてあげる努力はしないといけないと。この努力については労を惜しまないと、そういうもとで、特にこうなくてはならない。しかし、不安がある。どこかにかつくってくれ、どこかにかつくらないと、今の時代の要請に対応できんというようなものというのは、口には出せなくても根っこの部分では認識を持った行動をしないと、それならあそこが反対しているじゃないか、ここがだめじゃないかと、そうなったときに、あなたたち言っていることが違うんじゃないかと、反対があるのにまだやろうとするのかと。そういう話にならんとも限らないから、余計なことですけれども、答弁は要りませんが、私はそう思います。
以上です。
222 ◯鶴田委員 きょうは、この
緊急安全対策に対しまして貴重な御意見を伺わさせていただきましてありがとうございます。
私は、肝属郡といいまして、薩摩川内からは最も遠い地域に住む人間ですけれども、そういった立場で、特にこの安全対策にかかわる電力の需給関係等に対して三点ほど簡単にお伺いをしたいというふうに思います。
まず、現在、県民の理解と、それから信頼、これが得られるまでは、現在、止まっている三基の原発、これはなかなか再開が難しいというような話も聞いております。
そこで、この三つが止まった状況の中で、今度の夏の需給見通し、これは既に発表をされているようでありますけれども、改めてどんな状況なのか教えてください。
223 ◯能見参考人 ことしの夏の需給状況についての御質問でございます。
現在、委員のおっしゃったように玄海の二号機・三号機、それから川内の一号機の三台が停止してございます。この三台が仮に動かないという状況のまま、ことしの夏のピークを迎えるという前提でお話させていただきますけれども、ことしの夏の最大電力需要の見通しが千六百六十九万キロワットと想定してございます。
これに対して、この三基がないときの供給力合計が一千七百二十八万キロワットということで、その差は五十九万キロワット、これがその想定需要に対する余力、これ供給予備力と呼んでございますけれども、これが五十九万キロワットで、率にすると三・五%ございます。
問題は、この三・五%で十分安定供給ができるのかどうかということでございますけれども、結論から申し上げますと、大体八%ないし一〇%の供給予備率が安定供給のためには必要だとされてございます。そのあたりをもう少し具体的に御説明させていただきたいと思いますけれども、例えば九州全体の気温が一度上がったといたします。そうしますと九州電力全体の電力需要が大体五十万キロワットから六十万キロワット増加いたします。これは過去の夏の実績からそのようになってございますけれども、先ほど申し上げました三・五%、五十九万キロワットの余力というのは、一度の気温上昇で吹っ飛ぶというレベルだということでございます。これは需要の面でございますけれども、ちょっと申しおくれましたけれども、電力の需給というのは生き物でございまして、需要というのは、今、申し上げたような気温の影響あるいは景気の影響、そういったことに非常に敏感だということで変動いたします。
また、供給力のほうでも、例えば水力発電所は雨がたくさん降ったときと降らないときでは出力が変わってまいります。
また、そうあってはならないんですけれども、火力発電機というのもトラブルがございます。当社、九州電力の火力発電機、一基当たりの平均が大体五十五万キロワットでございますので、これが一台トラブルが起こりますと、先ほどの余力というのはやはり吹っ飛ぶということでございます。
ということで、これを仮定の話ではなくて実績で申し上げますと、例えば昨年の夏は暑かったということを御記憶かと思いますけれども、昨年の夏の最大電力の実績が一千六百九十八万キロワットでございます。ことしの想定千六百六十九万キロワットよりも大きいわけでございますけれども、仮に去年ぐらいの暑さになって去年ぐらいの最大電力需要になりますと、千七百二十八万キロワットという供給力では余力が三十万キロワット、一・八%ということでございます。
最近の気象台の長期予報によりますと、ことしの夏は暑くなる可能性が高いということでございますので、これはそう無理な想定ではないと考えてございます。
また、五年前、平成十八年もかなり暑かったんですけれども、この年も想定の電力は大体千六百万キロワット弱を想定しておりましたけれども、実績は千六百八十万キロワットぐらい、八十四万キロワットぐらい想定よりも高かった。これはちょうどプラス五%になります。
それから、これは需要のほうでございますけれども、供給力のほうで言いますと、これは至近の例でございますが、ことしの一月二十日にお隣の熊本県にございます苓北火力発電所、石炭火力でございますけれども、これの二号機七十万キロワットがトラブルで緊急停止いたしまして、これは三週間停止が続きました。
このときも需要に対して五%の供給力が急に失われたということで、今、二つの実例を申し上げましたけれども、需給というのは需要側でも供給側でも五%ぐらいの変動というのは起こり得るということを私どもは経験としてわかっておりますので、ことしの夏の、先ほど申し上げました余力、平年並みの気温で三・五%、昨年ぐらい暑ければ一・八%というものは、五%程度の変動は起こり得るという観点からいたしますと、非常に危ない状況だということで、私ども需給を預かる者といたしましては、ことしの夏はまさに綱渡りといいますか、社長も記者会見で薄氷を踏むという表現をいたしましたけれども、そのような状況で毎日心配しているところでございます。
需給に関しては以上でございます。
224 ◯鶴田委員 わかりました。
昨年並みだと供給予備率が一・八%ということで、まさしく二十九日の社長の例の薄氷を踏む記者会見、まさしくそうだなというふうに思っておりますし、これが例えば東京においても電力がダウンして、大体三十分で電車で帰れるところを歩いて六時間かかったとか、それから、今回は暑いとなると熱中症による死亡、こういったことも懸念されているわけですね。
そこで、素人みたいな質問で恐縮ですけれども、もしこれが、供給より需要が上回った場合はどんなふうになるんですか。
225 ◯能見参考人 これは非常に単純でいて実はお答えするのが難しい質問なんでございますけれども、需要と供給のバランスというのが、実は電力安定供給する上での最も重要な肝でございます。
わかっていただくために少しお時間いただきたいと思いますけれども、今の電力ネットワークというのは、皆様コンセントに差し込めば必ず電気が来る状況でございますけれども、実際それは当たり前ではなくて、ある大学の先生は、電力のネットワークというのは、人類がつくり上げた最も大規模、複雑かつ精緻なシステムだ、ということをおっしゃっておられます。
これはどういうことかと言いますと、電気を使う方は、勝手にと言ったら大変失礼ではございますけれども、いつでも使われるわけですね。それで、それに対して電気というのは基本的にはためられませんので、それに合わせた供給力を常に発電していなければならない。
ちょっとわかりやすい例で申し上げますと、自動車を時速六十キロで低速にずっとどこまでも走らせるといったイメージで、そのときに実は人がどんどん乗りおりして車にかかる付加がしょっちゅう変わっていると。その中で車をずっと同じスピードで走らせるという、しかもその車が何万台も連なって同時方向に走っているというのが電力ネットワークのわかりやすい姿だと思っておりますけれども、これで車の六十キロというのが、周波数で言えば六十ヘルツ、それからタイヤの回転数が発電機が回転しているイメージで思っていただければいいと思います。それで、時速六十キロで走っておりまして、急に人が一人飛び乗ったら、そのままアクセルを踏まずにいると当然スピードが落ちるわけです。同じように電力のほうも需要のほうが供給力を上回りますと、周波数が下がります。逆に供給力のほうが上回りますと、アクセルを余計踏み込んだ状態ですので、スピードが速くなる。すなわち周波数が高くなります。
この周波数というのは、お客様の機器のほうでもある一定の周波数がないと困る機器もかなりございますし、発電機のほうでも、最大でもマイナス五%ぐらいまでの範囲では運転しないと発電機自体が壊れてしまうといった問題がありますので、ずっと同じスピードで走らせなくてはいけない。それを維持するのに大変な努力というか技術があるわけでございます。
それで、本当に最終的に電気が足りなくなった状態というのは、今の例で申し上げますと、六十キロで走っていて人が一人飛び乗ってもアクセル踏めばスピードは維持できるわけですが、もう幾らアクセルを踏み込んでももうそれ以上エンジンの力がない状態と思っていただければ結構です。
そうなりますと、六十キロが維持できなくてどんどんスピードが遅くなります。そうしていきますと、車なら安全にとまればいいわけですが、先ほど申し上げたように発電機というのは、だんだん周波数が下がると、自分が壊れるのを防ぐために自分からさよならしてしまいます。切れてしまいます。そうするとますます周波数は下がってしまいます。そういうことが連鎖的に電力系統の中で起こりますと、広域的な大停電が起こり得るということで、これは実際に二〇〇三年にイタリア全土が停電したことがございますけれども、これはスイスから電気をもらっている送電線が切れたためです。これはその瞬間にもらっているものが切れたわけですから、電気が足りなくなった状態。その中でイタリアの中にもそれ以上供給力がなかった。要するにアクセルがそれ以上踏めなかったということで、周波数が下がって発電機が連鎖的に落ちてイタリア全土が停電したという例が二〇〇三年にございます。
ニューヨークの大停電も同じような状況でございます。
こういったことが起こり得るということで、通常の場合であれば、例えば九州がそういう状況になったとしてもほかの電力会社に余裕があれば、短期的には緊急に応援してもらえるという状況でございますが、ことしの夏は御案内のとおり各社とも厳しい状況でございますので、他社が余り当てにできないということで、さらに例年よりも厳しい状況であるということでございます。
ちょっとおわかりいただけたかどうかわかりませんけれども、以上でございます。
226 ◯鶴田委員 非常にわかりやすい御説明をいただきました。
そう言われてみますと、アメリカ、イタリアで、確かに全土で停電があったり、いろんな問題がありましたね。
そこでちょっとお伺いしたいんですけれども、いわゆるそういった状況に対する対策、これはどんなふうに今、おとりでしょうか。
227 ◯能見参考人 確認させていただきます。
対策というのは供給力確保対策という意味でしょうか。
228 ◯鶴田委員 ユーザー対策というか、特に企業活動、それから民生へのさまざまな影響、これをお伺いしたいと思っていますので、そういった方面に対する対策をどのようにおとりか教えていただけますでしょうか。
229 ◯犬山参考人 今の御質問は、企業や一般家庭が具体的にどういうことをするのかと、どういう状況が考えられるのかと、こういった御質問かと思いますので、お答えいたします。
現在、私ども日常生活や、あるいは生産活動に支障のない範囲で上手に電気をお使いいただくということで、節電によく似た言葉なんですが、省電ということで、電気を省く省電というのをお願いしているところでございます。
御家庭におきましては、例えばエアコンや、それから冷蔵庫の御使用方法を工夫していただくとか、あるいは無駄な電気をこまめに消すといったような、そういう省電をお願いしておるところでございます。
特に御家庭にあっては、夏場の負荷の高いときにおきましては、エアコンの占める比率が非常に高いと。半分以上占めておりますので、例えば設定温度をちょっと上げていただくといったことをしていただければということで、大体二十八度を目安にしていただくようにお願いしておるところでございます。
ただ、非常に暑い中で省電をやり過ぎますと、熱中症等ございますので、そこはそれぞれのお客様の状況に合わせてやっていただければありがたいと思っておるところでございます。
それから、オフィスあるいは工場におきましては、照明の間引きであるとか、あるいは空調の設定温度をこまめに調整するといったことで省電をお願いしておるところであります。
高気温で具体的な需給逼迫状況が判明した、そういう段階になりますと、当社のホームページに電気予報、天気予報をもじって電気予報というのを実は明日からホームページに掲載するようにしております。
こういったところで、今、電気がどういう使われ方をしているかと。アッパーのところに今、何%まで近づいているか。そういうところがわかるようなお知らせの仕方でやっていこうと思っておりまして、もし、限界に近づいてきたところでは、マスコミさん等にお願いするとかいろんなことが考えられると思いますが、そういうことで一層の省電をお願いすると、そんなことも考えておるところでございます。
以上でございます。
230 ◯鶴田委員 それでは、例えばより一層の節電とか計画停電とかいうようなことの計画はお持ちでしょうか。
231 ◯犬山参考人 需給状況が逼迫してくれば、それに合わせて、例えば私ども大口のお客様を個別訪問して、どういうことで節電やっていただけるのかとか、そういったこともアンケートをやったりお聞きしたり、そういう活動をやっておりますので、そういうところにお願いするとかいうようなことで、需給の逼迫状況が来ましたら、いろんな手段でそこを乗り切っていきたいということで考えているところであります。
232 ◯鶴田委員 わかりました。
233 ◯能見参考人 非常に需給が逼迫した状況で、今のお話は需要側の対策でございますけれども、当然供給側のほうも、例えば来週本当に逼迫するとわかったときには、何が何でもいろんなものをかき集めます。
一つの例を申し上げますと、例えば火力発電所は、短時間、四時間程度までであれば若干の過負荷運転ができると。これは国とかの許可を得ている話でございますし、あるいはもう一つの例で申し上げますと、長崎県に五島というのがございます。ここは平成十七年に海底ケーブルで本土とつながったのを機会に現地の発電所は運転を停止してございますけれども、そういうものを緊急に立ち上げるとか、ありとあらゆる方策を供給側ではいたします。
それから、需要側でも先ほどのようなお願いをするということで、何としてでも計画停電といったことは避けるという方向で考えてございます。
234 ◯鶴田委員 それでは、一点ちょっと要望をさせていただきますけれども、七月六日に政府が電力使用制限令を出していますね。東電が三%未満で計画停電の予報を発令。それから、一%以下になると計画停電を実施する。その計画停電に関しましても、例えば二十三区は実施しないとか、グループ分けで実施するとか、時間帯を設定するとか、非常に細かいことで対応しているというふうに思っております。
それは企業もそうですし、民間もそうですけれども、足りなくなってからいきなり示されてもなかなか対応ってできないと思うんですよね。
ですから、そこは、今まさしく想定外の想定というのをせよというような状況だと思っておりますので、ぜひ電力事業者の責任として、そこのところもぜひお取り組みをいただきたいなというふうに要望をしておきます。
それから、一点、燃料の調達に非常に難儀をされているって聞くんですけれども、その辺の状況は、今、どんな状況でしょうか。
235 ◯加藤参考人 当社におきましては、
玄海原子力発電所の二号機・三号機、それから
川内原子力発電所一号機の停止に伴いまして、原子力の代替といたしましては、主に火力発電所で対応することといたしております。
四月以降、石油及びLNG、これは天然ガスでございますけれども、これを中心に燃料の手当を行っているところでございます。
ただ、七月から九月の追加所要量につきましては、天気予報等で予報が出ておりましたけれども、ことしの夏は暑くなる可能性が非常に高いということが一点。その対応で、石油換算でおよそ二十万キロリットル、さらに追加をしようというふうに考えております。
また、秋以降も燃料の供給が非常に逼迫しているんではないかというふうに考えられますので、十月以降の燃料の手当といたしまして、先取りで二十五万キロリットル相当追加で必要になるというふうに考えておるところでございます。
このようなことを踏まえますと、仮に原子力の運転再開が行われないと、七月、九月の追加所要量については、石油換算で約百四十五万キロリットル必要と考えています。
ただ、現時点では、このうち七十五万キロをことしの四月以降、追加で手当いたしておりますので、残りさらに七十万キロリットルを確保していくこととなっております。
これに関しましては、日々、今、調達に走っているところでございますけれども、今後、全国的に原子力の停止が継続した場合、各電力会社とも大量の追加調達が必要になりますので、燃料の調達につきましては、容易ではない、結構厳しい状況が続くんではないかというふうに想定いたしておるところでございます。
236 ◯鶴田委員 やはり世界的に燃料の需給が逼迫していて、非常に買い付けに対して値段が高騰しているということを聞くんですけれども、それはそんな状況なんでしょうか。
237 ◯加藤参考人 今回の東日本大震災の影響ということばかりでなくて、中国やインド等の新興国が非常に経済状況が順調であるというようなことから、エネルギー全体が大体今、高くなっているところでございます。
そういうことで、日本に入ってくるエネルギー、日本のエネルギー需給率は低うございますけれども、その価格が高くなっているというのは現状でございます。
238 ◯鶴田委員 それでは、最後に一点、我々庶民が非常に気になるのが電気料金の話なんですけれども、今現在、電気料金の設定に関しては、いわゆる投資の原価、それから適正な利潤、これを上乗せして総括原価方式というんですか、こういった制度を使っていらっしゃると思います。
これのことに関しては、例えば火力発電所の補修であるとか、こういった原子力対策、安全対策が、当然そのコストに乗っかってくるというふうに思っているんですけれども、そのいわゆる料金に対する反映の状況は今後どうなるのか。
それからもう一点、燃料費に関しましては、三カ月に一遍、燃料費の調整制度というのがあって、これはそれに応じて調整をされるというようなことも聞いております。
したがって、このいわゆる燃料の高騰等が、電気料金にどんなふうに跳ね返ってくるのか。それはどんなふうになるのか、最後に一点教えてください。
239 ◯亀井参考人 今後の電気料金というお話ですけれども、まず、今後、どのくらい追加燃料が必要なのか、それから福島第一の事故を踏まえての安全対策費用や原子力損害賠償費用、こういったのがどのくらい乗っかかってくるか、まだわかっておりません。
当社としましても最大限効率化を進めて、できるだけ電気料金に響かないようにしたいと思うんですけれども、それも程度問題だと思いますので、いずれいろんな前提条件を図ってきますでしょうから、今後、検討を深めていきたいと思っております。
240 ◯鶴田委員 わかりました。
終わります。
241 ◯岩崎委員 本当にきょうは長時間御苦労さまです。
私の地域も川内原発から直線にして二十九キロ内外だと思いますけれども、福島で言いますと緊急時避難準備区域内に入るんじゃないかなと思います。
きょうは福島第一
原子力発電所の事故を受けて、その原因の分析や対応等について、質疑の中で、そしてまた資料等でも教えていただいて、理解するところもあるんですけれども、今までの質問の方と重複するところがあるかもわかりませんけれども、ちょっと教えてください。
今まで原因の分析や対応をされて取り組んでいらっしゃる。
そこで、
川内原子力発電所として固有の問題点の検討などを九州電力会社みずから行っていらっしゃるのか。
そしてまた、国からの指示への対応以外に九州電力独自の対策を何かとられておられるのか。
そのことについて教えてください。
242 ◯古城参考人 川内一号機におきましては、三月三十日の国の指示に基づきまして、
緊急安全対策、それからその後の国からの指示に基づいていろんな安全対策をとってきておりますが、その中で当社独自でやったということですが、訓練をやりました。その中で外部電源が全部なくなったという場合に、仮設の送電線を引っ張っていきまして、発電所のほうに仮設の変電所を設けて、そこから必要な電気をそれぞれの機器に送るという訓練をやりました。
これは当社独自でやったものでございまして、大体二日以内、一・五日ぐらいでできると。二日以内で大体そういう送電線を仮設で引っ張ってきて、発電所のほうに電気を送ることができるということの確認もしたところでございます。
以上でございます。
243 ◯岩崎委員 仮設の電源を引っ張ってきて云々ということなんですけれども、そこで、ちょっと先ほども説明があったんですがお聞きします。
まず、
緊急安全対策のところで電源の確保もされ、そしてまた、仮設のポンプも準備されたということで、こうして資料の中にも写真つきで入っているんですけれども、福島の場合も発電機の燃料もやられたというのも聞いたような気がするんですけれども、この高圧発電機車の燃料、それとこの仮設ポンプの燃料、そこらあたりはどうなっているのかですね。
要するに福島のあのような事案が発生したときに対応するために、安全対策のためにこの高圧発電機車の配備と仮設ポンプもこういう形で準備されているんですけれども、もちろん車の中にも仮設ポンプの中にも恐らくそれなりの燃料は入っていると思います。
ただし、それもやはり時間的に制約があるんじゃないかなと思いますが、そこらあたりはどのように考えていらっしゃるのかですね。
244
◯中村参考人 おっしゃられるとおりポンプも電源車も燃料で動きます。
もともといろいろ燃料タンクがございます。川内の場合には、ディーゼル発電機の燃料タンクが地下に埋めてございまして、A重油が入ってございまして、この発電機車もポンプもこの燃料で使うことができます。
また、もう一つは、補助ボイラーというのがございまして、それの燃料タンクもございまして、その二つで十分な日数の運転ができるようになってございます。
以上でございます。
245 ◯岩崎委員 これは私の間違った認識かもわかりませんけれども、福島の場合、たしかあそこは岸壁のところに何か燃料タンクがあって、それが津波でやられてどうしようもなかったというふうに聞いたような気がするんですが、それはそういうような状況だったのか。
それとあと、津波に対して、もちろん海抜の問題もあろうと思いますので、確認になるんですけれども、津波がある程度の、極端に言えば福島のような高さで来た場合、先ほどから聞いているとどうも高さは川内の場合はあのようなことはないと言われるんですけれども、もしあのような高さの津波が来た場合にも問題ないのか。それについて教えてください。
246
◯中村参考人 今、言いましたタンクでございますけれども、ディーゼル発電機の燃料タンクにつきましては、十三メートルのグランドレベルのところの地下に埋設してございますので、あのような津波が来ても十分確保できるようになってございます。
それともう一つの補助ボイラーのタンクでございますけれども、これも十三メートルの高さのところにタンクがございます。それにつきましては、ちゃんと周りをコンクリートで囲ってございまして、十五メートルぐらいの津波が来ても十分確保できるというふうに考えてございます。
247 ◯岩崎委員 あと二点なんですけれども、一つは、先ほど成尾委員の質問でもちょっとあったんですけれども、スマートグリッドですか、それに関係するかもわかりません。
実は、風力、太陽光発電等の自然エネルギーからの電力を買い上げた場合、日本の場合は今のところ一%から二%ということですので、そう影響はないみたいなんですけれども、聞くところによるとドイツ等はもう二割から何か買い入れておって、そしてそれが電力会社の売電事業に影響が出ると。そして特に周波数や電圧等にやっぱり影響が出ているというような話も聞くんですけれども、そこらあたりの欧州等のそういう問題がわかっていたら、ちょっと教えてください。
それはわかりませんでしょうか。
248 ◯亀井参考人 質問を確認させていただきたいんですけれども、系統の運用の状況ということでしょうか。
249 ◯岩崎委員 自然エネルギーの太陽光とか風力で発電した電力を電力会社が買った場合、今度は売電のときに周波数とか電圧とか、そういうところに何か影響が出るというような話を聞いたんですけれども、そこらあたりについて。
250 ◯能見参考人 先ほどちょっと周波数のお話をいたしましたけれども、要は太陽光、風力は、風任せ、お日様任せで、本来、電源というのは、変動する需要に対して合わせなければならないものなんですけれども、合わせるどころか自分がそうやって動いてしまうと。そういうものが少しであれば、問題はもちろんございませんけれども、地域的には電圧の問題というのが出てまいります。
これは皆様方も御家庭で経験されたことはあるかもしれませんけれども、例えば冷蔵庫が設定温度になると急にモーターが入ります。そうすると家の中の電気が一瞬暗くなるようなことがあるかと思うんですけれども、あれはまさに電力の消費が急にふえて電圧が下がっているわけで、これは太陽光を設置している場所で言えば、急に曇れば同じようなことが起こると。そういった電圧の問題と、それから周波数というのは、先ほど御説明しましたように全体的な需要と供給のアンバランスによって生じるものでございます。
この両方の面で、やはり変動の大きい太陽光、風力というのがたくさん入りますと、そういった問題が出てくるということで、我が国でも、もちろん先ほど話にありましたスマートグリッドの検討、研究テーマの主なものがそこら辺の対応ということでございます。
以上です。
251 ◯岩崎委員 最後ですけれども、福島ではモニタリングポストのトラブルがあったということなんですけれども、先般私は一般質問もしたことなんですけれども、先ほど言いましたように自分の場合は、三十キロ圏内に住んでいると。今、どちらかというと、それこそEPZの問題、そしてまた、原子力の安全協定の問題で、この環境モニタリングの調査等については十キロ内を主体に調査されているようであります。
今回、東北であのような形で、もう遠いところは五十キロ以上も離れたところでも影響が出ているということでもありますので、どうしても早急に今、調査されていないせめて三十キロと言うとまた、語弊があるのかもわかりませんけれども、せめて三十キロ範囲も調査していただきたい。
もちろん県としても国の指針を見ながらとか答弁でもそういう話があったわけですけれども、調査がされていない原発から近い地域にとっては不安でもあるわけです。もちろん県も国の動向を見ながら、そしてまた、恐らく国の指針との整合性の問題、予算の問題等があって早急にはできないというのが県の答弁でもあるんですけれども、せめて九電として、
原子力発電所を持っていらっしゃる会社として、親切心からでも早急にモニタリングの調査の箇所を十キロ以上のところにもふやしてもらえないか。これはまた、要望みたいな形にもなるんですけれども、どうでしょうか。
252
◯中村参考人 今、モニタリングにつきましては、基本的に発電所周辺、その外側につきましては、県のほうで実施していただいている状況でございます。
今、委員が言われた御不安というのは十分理解できるところでございます。今後、県等と検討していきたいというふうに考えてございます。
以上でございます。
253 ◯岩崎委員 先ほど、もう要望と言いましたけれども、県としては、恐らく他県との問題等や財政的な問題もあって、確かに私の質問の中でEPZの拡大については、二十キロの選択肢もあるという答弁はいただきました。
ただし、それはあくまでも二十キロですので、できたら三十キロとか、また、それ以上に、やはり今回の福島を見ても、風向きによっていろんな問題が発生していますので、九州電力としてもこの問題については検討していただけたらありがたいと思います。
以上です。
254 ◯桑鶴委員 岩崎委員の質問と重複するところがあるかもしれませんけれども、一点だけ確認をさせていただきたいと思います。今回の福島原発の事故を受けて、
緊急安全対策を実施されて、そしてそれに基づいて所内での、仮設鉄塔の訓練を行いましたという御説明を先ほどいただいたところですけれども、そのほかにも集中管理システムの訓練ですとか、その他防火の訓練とか、結構おやりになっていると思うんですけれども、これまで行っていた所内での防災訓練と変わったところがあったら、事象に対する訓練の内容を教えていただけませんか。
255
◯中村参考人 防災訓練につきましては、まだ実施してございませんけれども、教育訓練で実施します訓練センターでの訓練等につきましては、全交流電源の喪失を想定した訓練等もカリキュラムに入れております。
それとあと、直近では、例えば緊急時対策訓練におきましても夜間でやってみるということで、そういう厳しい状況でもやるというようなことも実施してございます。
256 ◯桑鶴委員 それから、県が実施しております原子力防災訓練がありますね。それに対して事業者として連携をとる、あるいは協力するという訓練をなさっているんですけれども、これからこの危機事象を受けてEPZの見直しですとか、県が実施する防災訓練もその内容が随分変わってくるんじゃなかろうかと思っています。それらの防災訓練に対する事業者としての基本的な姿勢を御説明いただきたいと思います。
257
◯中村参考人 委員がおっしゃられるように、今回の福島の事象を受けて、防災訓練はいろいろな形で変わってくると思います。今のところこれという状況は見えてございませんけれども、基本的に今回の事象を受けたいろんなパターンとかそういうものが変わってくると思いますので、それにつきましては柔軟に対応していきたいというふうに考えてございます。
258
◯中村委員長 ほかにありませんか。
259 ◯小幡委員 身近な問題を四つ質問したいと思いますが、一点目は、南海トラフの
マグニチュード九と別に
原子力発電所周辺では、八規模の地震を想定し、津波の影響を試算されているが、なぜ、玄海周辺で八クラスの地震を想定したのかというのが一つ。
二点目は、
川内原子力発電所周辺で同じ
マグニチュード八規模の地震の試算をしていないのはなぜなのか。
三点目は、東シナ海では、
マグニチュード九の地震が発生することはないのかということ。
あと一つは、福島
原子力発電所のように水素爆発が発生するのではないか。川内原発の
シビアアクシデント対策は十分されているのかということ。
それと、
緊急安全対策の問題ですけれども、国から安全対策が指定されているわけですけれども、それはどのようになっているのか。そしてまた、安全対策をやっていないのはなぜかというのをお聞きしたいと思います。
二番目は、九州電力自体で安全対策をされているはずでございますけれども、その内容がわかっていたら教えていただきたいと思います。
260
◯鶴田参考人 最初の御質問は、この津波影響評価の資料で、玄海のところで
マグニチュード八の規模をどうして設定したのかというものですが、津波の影響評価につきまして、
玄海原子力発電所のほうでは、今まで
耐震設計審査指針の十八年度の改訂を受けました
バックチェックにおきましては、玄海の海底の調査を行いまして、それで津波の発生源として考慮したのが、ここに書いております対馬南方沖断層というもので、これが長さ三十五キロで
マグニチュードが七・四でございました。
今回、試算といたしまして、南海トラフのところで
マグニチュード九というのを試算として設定いたしました。それと、プレート境界がない西側のほうにおいては、最大限のもの、理論上、地殻の厚さから想定されるものは、約
マグニチュード八クラスでございます。
したがいまして、西側においても
マグニチュード八クラスの規模のものを想定、これも想定でございますが、想定して試算をしてみようということで、これはちょっと間違いやすいんですが、この対馬南方沖断層ではございません。その近くにありますが、そこにありました幾つかの断層を無理やりつないで長くいたしまして、
マグニチュード八規模を設定いたしまして、そこで試算をしてみたということでございます。
261
◯山元参考人 東シナ海での
マグニチュード八のいわゆる解析の件でございますが、この資料の川内のほうの絵を見ていただきたいんですが、川内のほうは、先ほど鶴田が申しましたように長崎海脚断層ということで、
マグニチュード八・一を想定するということで、実はもう既にこれを評価して国に出しております。評価済みで報告しました。
ところが、この上のほうをごらんください。玄海のほうで想定しましたのが、
マグニチュード七・四で、対馬南方沖断層がありますということで評価をしておりました。
ということは、川内をやっているのにもっと強いのを玄海でもすべきじゃないかという話がございまして、それを想定しました。玄海でも
マグニチュード八クラスをどっか探して評価すべきだということで新たに仮定したのがこれでございます。
今度はこの表の右のほうでございます。微妙な言い方が違いますのは、プレート内の
マグニチュード八のやつで
川内原子力発電所は三・七メートル程度の津波がありますと書いてあります。これは国に報告しております。
右側のほうの玄海のほうを見ていただきますと、海抜四・九メートルの津波があります。括弧して試算としております。これは、玄海がないので九州電力が後で評価したものでございまして、ですから、川内がやっていないんじゃなくて、川内はもう東シナ海の大きい地震による津波できっちりやっております。
以上でございます。
262
◯中村参考人 緊急安全対策の件でございますけれども、この資料の真ん中の開いたところの左側につきまして、
緊急安全対策ということで、電源の確保、冷却水を送るポンプの確保、そして冷却水の確保ということで、津波が来て全交流電源が喪失したような場合でもきちんと原子炉を安全に停止できるような対策を実施してございます。
これについてはもう完了して、これがありさえすれば安全であるということで対策を実施している状況でございます。
それと
シビアアクシデントの件でございますけれども、この資料四番目にございますような水素爆発は起こらないのかということでございますけれども、川内の
原子力発電所で、水素の発生源であるものを最大限に仮定して水素が発生したという状況を想定いたしましても、原子炉の格納容器の中の濃度が、爆鳴に至るのには大体一三%の濃度がないと爆発しないと言われておりますが、その濃度まで達することはございませんので、川内において水素爆発が起こるというようなことはないというふうに考えてございます。
以上でございます。
263 ◯古城参考人 九電独自の安全対策という御質問でございましたが、資料の上に訓練の実施というところがございまして、ここに四つ写真を載せておりますが、その右下のほうですね、こちらの鉄塔等の仮復旧訓練、これがございますが、先ほども申しましたけれども、当社独自の対策といたしまして、この鉄塔を敷地内に仮につくりまして、電線を引っ張ってきまして、それから変圧器も移動用のものを持ってきて、そこで発電所の設備に電気を供給するという訓練をやっております。
私どもは、
緊急安全対策として高圧発電機車等の配備をいたしております。それによって電源の供給はできるんですけれども、基本的にはやはり外部から、送電線から電気を引っ張ってくるというのが非常に重要なことになってまいりますので、こういった鉄塔の仮復旧の訓練をやったところでございます。
以上でございます。
264
◯中村委員長 ほかに。
265 ◯日高委員 きょうは御苦労さまでございます。
私は、熊毛郡種子・屋久の地域から出ております議員でございまして、遠く離れたところの者でございます。今、川内にこのような原発、皆様方の発電所があるわけでございまして、当時、誘致する、設置するということについては、さまざまな問題があったと思っています。賛成の人もおれば反対の人もおったと。
私の熊毛の種子島の馬毛島も、今、国防ということで、そして迷惑施設だということで大変いろんなことを考えさせられる。なければならないとかいろんな意見がある真っ最中でございまして、そういう意味では、やはり川内のこの原発というのは、いい参考にもなるんじゃないかなと思いながらきょうは聞いていたところでございます。
そこで、これらをやっていくには、やはり地元の理解が必要だと。その努力をされているということでございましたが、これまで、地元とはどこかと、いろんな話は出ておりますが、改めて聞かせていただきたいと思うんですが、皆様方の判断をしていく上での地元は、どういう範囲と考えていらっしゃるのか。
それと地元の理解というものがどのような形になったら、これも答えにくい部分かもしれませんが、やはり一定の時間の段階、段取りもあると思いますが、どのような形になったらある程度理解を得たなと、そういう状況になったなという判断をなされますか。ちょっとお聞かせいただきたいと思います。
266
◯中村参考人 地元の範囲でございますけれども、基本的に現段階までの地元という意味では、立地市であります薩摩川内市、それと立地県である鹿児島県全体を地元というふうに考えてございます。
今、あと地元の理解の話でございますけれども、先ほども古城が答えたように非常に難しい問題でございますけれども、我々として理解活動をやって、そしてやれるところまで一生懸命やるということが、基本的に地元の理解につながるのではないかというふうに考えてございますので、どこまで行って、どのレベルでという判断基準とかそういうものではなくて、できるだけのことをすべてやるという、当社としてはそれが理解活動ですし、そこのところで皆様の御理解を得るというのが我々の活動だと思っております。
267 ◯日高委員 できる限りの理解を得るというのは、やはり大事だと思っています。
また、一方では、今の状況で全部原発が止まってしまうという問題でもありますので、やはりそういう意味では、期限がある程度切られてくると思っていますので、そこら辺はにらみながらやっていただきたいと思っております。
きょうもずっと意見が出ておりましたように、やはり今までどおり原発だけの発電ではどうかなという話になっていたと思っています。
そういう意味では、これからまた、再生エネルギーとかいろんなエネルギーが急速に出てくると思っております。安定した電力を供給しなければならないということが皆様方はもう常々あるわけでございますが、そういう意味で、今、風力を初め地熱とかいろんなものが出ておりますが、今現在において、これらの供給力というものはどのように判断をされているか。そして、これらが今の原発の発電力に追いつく、追いつくというより肩がわりできるなというような状況になるというのは、どれぐらいのスパンとか期間で見ていらっしゃるか、そこら辺をちょっと教えていただきたいと思います。
268 ◯亀井参考人 再生可能エネルギーのお話だと思いますけれども、当社は、国際エネルギー有効活用の観点、それから地球温暖化防止対策の観点で再生可能エネルギーの積極的な導入を進めてございます。
一例を紹介いたしますと、地熱は、全国の四〇%が九州にございます。
また、風力につきましては、九州は大体一割経済、一〇%シェアなんですけれども、風力につきましては、全国の一五%、太陽光につきましては、二十二年度末で二〇%、そういった導入をされてございます。
それで、今後は、東京電力の福島第一発電所の事故を受けて、再生可能エネルギーのさらなる導入も含めたエネルギー政策全般、こういったことに関する議論がなされるものと承知してございます。
当社は、その方向性に沿って適切に対応していきたいと考えてございます。
もう少し補足しますと、風力、太陽光は、御存じのとおり気象によって出力が変動します。安定した供給力として見込めないことに加えまして、非常に設備利用率が低うございます。
例えば太陽電池は、定格容量の大体一二%ぐらい、風力は二〇%ぐらいしか年間設備利用率が見込めません。原子力、火力等の基幹電源等と同等の電力を得るためには、大規模な土地、設備を要するなどの課題があり、電力需要の多くの部分、多層を担うことはかなり難しいのではないかなと思っております。
太陽光についてでございますが、九州管内の一戸建ては約三百万戸ございますけれども、約半分の百五十万戸に標準的な家庭用の太陽電池、三・五キロですけれども、仮にそれが設置された場合の総量は約五百三十万キロワットです。
先ほど言いましたようにこの五百三十万キロワットの設備が出す電力量というのは、設備利用率が一二%しかございませんので、約五十六億キロワットアワー、年間ですね。
一方、川内の
原子力発電所一基の出力は八十九万キロワットでございます。例えば設備利用率を八〇%と設定しますと、年間の発電電力量は六十二億キロワットアワー、要は、九州全域の戸建ての半分に太陽光を設置したら五十六億キロワットアワー、川内の一基が回れば六十二億キロワットアワー、要するに
川内原子力発電所一基が回れば、今申しました太陽光による発電より一割も多いというような状況で、先ほど説明しましたように大規模な土地、設備を太陽光等は要してございまして、電力設備の多層を担うということは難しいんではないかなと考えてございます。
以上でございます。
269 ◯日高委員 もし担える部分まで来るとすれば、どれぐらいかかりそうですか。それをちょっと教えてもらえませんか、今の大体でいいですよ、皆様の予想とかですね。
それによって、やはり今あるものをしっかり活用するという考え方もあるわけですので、そこら辺を皆さんも持ってなければ、明日でもできますよ、すぐできますよということであれば、それじゃすぐ変えなさいという話になるわけです。やはりしっかりと体制を整えて安定してやるということは必要ですので、ちょっとそこら辺がわかりましたら教えていただきたいと思います。
270 ◯亀井参考人 現在の国のエネルギー基本計画では、太陽光を二〇二〇年度に二千八百万キロワットアワー導入するというような計画がございます。
これは、非常に高い目標というんですか、実現するにはいろんな前提をクリアしないといけないと思ってございます。
先ほど申しましたように二千八百万キロということは、全国で行きますと五百三十万戸ぐらい全部つけないといけないということになりまして、国の目標を達成するためには相当ハードルが高いというふうに思っております。
以上でよろしゅうございますか。
以上です。
271 ◯日高委員 それからすると、なかなかこれぐらいでという話にはなってこないという状況だということですよね。
そういう意味でもやはりいろんな問題もあるけど、それを安全と県民なんかにしっかりわかっていただいてやっていくというのは大事だと思っております。
世の流れもございますので、そういう状況であっても今後の電気供給ということについては、再生エネルギーに変わらなければならないんじゃないかなと、そういう皆さんの思いがあると思っていますので、この考え方についてはどうなんでしょうか。
今、それを持ちながら、時間はかかろうともやっていこうとしているのか、そこら辺をちょっと教えていただきたいと思います。
それからもう一つ、先ほどの自然エネルギーの皆様方の買い取りのことですね。それもすべてを買い取れるということであれば一定の制限もあるんだと、地域によるのか知りませんけれども、そういう話も聞くんですが、そこら辺はどうでしょうか。
まとめてお願いいたします。
272 ◯亀井参考人 今回の東京電力の福島第一発電所の事故を受けまして、エネルギー政策については、今後、国レベルの議論がなされてまいります。当然再生可能エネルギーの導入目標についても議論はなされていくと思っております。
当社は、その議論を踏まえまして、そういう方向性に沿った形で、今後、どの程度導入していくか、そういったところを検討してまいりたいと思います。
273 ◯日高委員 先ほどから申しますように風力とか太陽光とか、いろんな方が発電されているわけでございますが、発電をしたものすべてを買い取らなければならないという形になっているように私は思っていたんですが、いや、そうじゃないんだよと。地域割かどうか知りませんけれども、制限があって買えないんだよというような、そういう話も聞くんですが、そこら辺はどうなんでしょうか。
274 ◯犬山参考人 今の自然エネルギーの買い取りの制限についてでございますけれども、風力について申しますと、現在、入札制度をとっております。そういう意味では、ことしは何万キロワット風力を買いますというようなことで公示いたしまして、それに対して希望者の方が応募されると。その中で技術的要件を満たす者、それからあと、いろんな条件を出していただいて、その中で抽選を行っております。
抽選に当たったところで、フィジビリティスタディー、実際つくるまでにまた、いろいろやりとりをする中で発電所ができていくというようなことなんですが、ときどき抽選に当選されましたけれども、結局応募を断念したとか、そんないろんなケースがございますけれども、基本的に風力につきましては、そういう入札制度で、今、やっておるところでございます。
それから、太陽光につきましては、全量買い取り制度ということで、基本的に家庭用の話でございますけれども、例えば十年間なら十年間で取り付けの設置費用が回収できるという単価を国のほうで定めていまして、現在四十八円でしたか、ちょっと数字をうろ覚えで申しわけございませんけれども、私どもの九州電力は、大体電灯のお客様だったら、一キロワットアワー二十円半ばぐらいの値段で売っているというか送っておるわけですが、そういう意味で、ほとんど倍に近い価格で買っております。
それにつきましては、お客様のほうで設備投資にお金がかかりますので、大体基本的な国の考え方としては、十年間でその設備投資が回収できると。そうやって弾みがついてくると、だんだん太陽光パネルの量産ができますので、それでだんだん価格が下がっていくだろうと。
そういうことで、その買い取りの単価につきましては、四十八円の固定ではなくて、それがだんだん毎年変わってくるような、そういう仕組みになっております。
私からは以上でございます。
275 ◯日高委員 今、風力発電の話が出ましたが、それじゃ、風力発電所をつくってからだめだったということじゃなくて、つくる前に協議があるということですかね。勝手につくりましたから、買ってくださいというわけにはいかないようですので、その前に協議があってつくっていく、そういうふうな形ですかね。
もうこれで終わります。
276 ◯犬山参考人 風力発電所をつくったので電気を買ってくれというようなことじゃないのかということでございます。
今は、勝手につくっていただいても買えませんというようなことになっておりまして、まずは協議をして、技術的要件を満たす、そういったものについて抽選を行うと。応募者が多ければ抽選を行うと、そういうやり方でございます。
ただ、最近の動向を見ますと、ちょっとネガティブな話に聞こえるかもわかりませんけれども、低周波問題とかいうのもございますし、それから、鹿児島県においては、景観条例というものが決められているというような話も聞いておりますけれども、一時期に比べると随分応募の勢いが落ちているというふうな印象を私は持っております。
以上でございます。
277 ◯外薗委員 六時間弱にわたるいろんな質問等が出ました。私のところは
原子力発電所から八キロですから、一番近いところに住んでおりまして、席も九州電力の参考人に一番近いところに座らせていただいておりまして、もう最後の質問でございます。基本的な質問でございます。
まず、
緊急安全対策で三点ありました。これで現在福島で起きた事象に対しては完全に安全だと言えるわけですね。
278
◯中村参考人 この
緊急安全対策で福島の事故に対して安全であるということはできます。
279 ◯外薗委員 ありがとうございました。
きょうもこうして皆さん方から参考人としての意見を聞く間も、我々は割と仮想的な中で今、話を聞いていたわけですね。
しかし、現実問題として福島県では、こういう問題じゃなくて、今、事象が起きている。一日も早く収束をせんといかんという問題だろうと思います。今、福島原発では、事故を起こした原因としては福島の東京電力の皆さん方も責任があるとはいえ、一生懸命に今、事態の収束に全力を挙げていらっしゃる。この皆様方の努力は、国民、また我々県民も忘れてはならない御努力だなと思っております。
そういう中で、最後に責任という問題が出てくると思うんです。先ほど中村参考人が二牟礼委員の話の中で、最終的な責任は電力事業者にあるんだと。そしてその先には国があるんだというのを私は確認したつもりでございますので、最終的な事故の責任というのは、先ほど参考人が言われた九州電力であり、国の責任であるわけですね。
どうですか。
280
◯中村参考人 委員が今おっしゃるように、
原子力発電所を運営管理しているのは当社でございますので、基本的に責任はあるというふうに思っております。
281 ◯外薗委員 そうするとならば、賠償というのが今、出てきております。
あってはならないことです。もう絶対にあってはならないことだけど、今、現実問題として、我が日本で福島県のこの原発事故というのは起きています。
そうしますと、この賠償責任というのは電力会社であるのか、国であるのか、そこをはっきりさせていただけますか。
282
◯中村参考人 原子力の賠償につきましては、国の法律がございます。基本的に原子力賠償責任に関する法律、ちょっと今、正確な言葉はあれですけれども、法律がございまして、それに基づいて原子力の賠償をすることになってございます。
一応保険等に入りまして、千二百億円までは電気事業者の責任でその保険から払われると。それ以上につきましては、国等と協議というふうな法律体系になってございます。
283 ◯外薗委員 この
緊急安全対策で大丈夫だという意見を聞きました。
我々原特委員会では、十一日にまた保安院の皆様方にも同じ質問をさせていただきたいなと思っております。
それときょうは、二点ほど、非常に九州電力の取り組みを評価できるのかな。
さっき岩崎委員のほうからの質問もありましたモニタリングポストについても、電力会社としてある程度幅を持った形で設置できるのかなというのも住民の方々が言われておりますので、そのことも、今後、国との協議の中でされると思いますけれども、ぜひこの二十キロ、三十キロの範囲も含めて検討してほしいなと。これはもう要望でございます。
それと、川内の十キロ範囲内にはもうある程度説明も非常に何回も丁重にされていただきましたが、二十キロ、三十キロも、古城参考人が言われましたとおり、やっぱり懇切丁寧に草の根的な説明会が必要かなと思っておりますので、再度この説明会の内容についてしっかりと説明をしていただきたいなと要望をしておきます。
この二つの点の要望をよろしくお願い申し上げまして、国の責任、九電の責任、そしてまた、あってはならない賠償の責任というのがよくわかりましたので、これで私の質問を終わらさせていただきます。
ありがとうございました。
284
◯中村委員長 ほかにありませんか。
[「なし」という者あり]
285
◯中村委員長 委員外議員もいらっしゃいませんので、これで参考人に対する質疑を終了したいと思います。
ここで、当委員会を代表して、参考人に一言お礼を申し上げます。
九電の皆様方には、きょうは長時間にわたって当委員会の委員の質問にお答えいただきまして、本当にありがとうございました。
県民の方が不安に思っておられることは、すべてきょうの委員会の委員の質問で出尽くしたんじゃないかというふうに思っている次第でございます。
安全にこれ以上というものはありませんから、今後とも安全に十分に留意をされて、県民に理解をしていただいて、本当に電気の供給というのは私も大事だと思っています。
そういうことで、これからも大変なことでございましょうけれども、努力していただくようにお願いを申し上げまして、また、きょう一日本当にお疲れさまでしたことを重ねて御礼申し上げまして、御礼の言葉とさせていただきます。
ありがとうございました。
以上で、参考人に対する意見聴取を終わります。
ここで、参考人が退室をされますので、暫時休憩いたします。
委員及び県執行部並びに傍聴の皆さんは、しばらくお待ちください。
[参考人退室]
午後四時五十一分休憩
────────────────
午後四時五十三分再開
286
◯中村委員長 再開いたします。
川内原子力発電所の安全対策等に関する調査に当たりまして、経済産業省原子力安全・保安院に対して参考人として出席を求めることについて、お諮りいたします。
参考人に意見を聞く必要性及び日程につきましては、六月二十四日の当委員会で決定しておりますので、本日は、出席を求める参考人、出席を求める時間及び場所並びに意見を聞こうとする案件についてお諮りいたします。
出席を求める参考人といたしましては、経済産業省原子力安全・保安院の原子力発電検査課長の山本哲也様、川内原子力保安検査官事務所長の松本善登様、川内原子力保安検査官事務所の原子力保安検査官の深沢幸久様の三名としたいと思いますが、御異議ありませんか。
[「異議なし」という者あり]
287
◯中村委員長 御異議ありませんので、そのように決定いたします。
次に、参考人に出席を求める日時、場所については、県議会環境厚生委員会室において、七月十一日午後一時三十分からとする。
意見を聞こうとする案件については、原子力の安全規制の考え方等について、とし、進め方については、各委員の質問に対して意見を伺うという形をとりたいと思いますが、以上のような内容で相手方との手続を進めることで御異議ありませんか。
[「異議なし」という者あり]
288
◯中村委員長 御異議ありませんので、そのように決定いたします。
それでは、この件については、手続に入ります。
次に、鹿児島県議会会議規則第七十五条の規定に基づく閉会中の委員会活動に関する継続審査事件についてお諮りします。
閉会中の継続審査事件については、
川内原子力発電所の安全対策等について及び付託されている請願・陳情の審査といたしたいと思いますが、御異議ありませんか。
[「異議なし」という者あり]
289
◯中村委員長 御異議ありませんので、そのように決定いたしました。
ほかに何かありませんか。
[「なし」という者あり]
290
◯中村委員長 ないようですので、以上で、本日の日程はすべて終了いたしました。
なお、次回の委員会の開催については、六月二十四日の委員会で決定いたしましたとおり、閉会中の七月十一日午後一時三十分から経済産業省原子力安全・保安院からの参考人意見聴取を、翌十二日午前十時から県執行部への調査を行います。
これをもちまして、
原子力安全対策等特別委員会を閉会いたします。
御苦労さんでした。
午後四時五十七分閉会
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