一、散 会
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3 ◯副議長(溝口宏二君)まず、一般質問であります。
通告に従って、順次発言を許可いたします。
田之上耕三君に発言を許可いたします。
[田之上耕三君登壇](拍手)
4 ◯田之上耕三君 おはようございます。
質問通告に従って、質問をいたしてまいります。
最初に、知事対話についてであります。
我がふるさと牧園町、霧島町を、八月の二十四日と二十五日の二日間、知事対話を開催され、知事に要望、意見がなされたところであり、両町民の皆様方も知事に直接に会い、「知事は、遠い存在と思っていたが、思っていた以上にざっくばらんな人で、県政を身近に感じられた。なお、現場をつぶさに見てもらい、やる気が出た。今後の観光、農業と産業の発展や芸術の森構想の早い実現に大いに期待をした」との反応がありました。また、この知事対話は、非常に印象深く心に残っておられると思います。それは、桜島の火山灰が我が姶良地域を襲って、かって今まで経験のなかった
九州縦貫自動車道の鹿児島―加治木間がストップし、国道十号線や県道栗野・加治木線、鹿児島・吉田線が渋滞をし、鹿児島空港では出発時刻に合わないなど、交通混乱を来した一日でありました。
そこでお尋ねいたします。
第一点は、牧園・霧島町における知事対話の感想をお聞かせください。
次に、知事から地元に対する率直な期待感をお伺いいたします。
さらには、栗野町、横川町、吉松町と、今回を含め姶良郡の半分終了いたしましたが、残りの町からも強い要望がありますので、日程を調整され、実施を望むものでありますが、お考えをお聞かせください。
次に、福祉問題についてであります。
私は、先ほど、鶴田議長の御高配により、全国議長会の
東西欧州地方行政視察に参加してまいりました。
一例を挙げますと、オランダの
首都アムステルダムでは、日本で言えば
一般養護老人ホームと
特別養護老人ホームの両方の機能を持つ老人ホームを視察するなどいたしましたので、幾つかの点を披瀝し、質問を行いたいと思います。
オランダにおきましても、高齢者の割合がふえていることや高齢者の福祉に係る経費が増大をしてきていることなどから、今後、老人ホームのあり方というよりも、高齢者福祉対策がどのように改革されるべきか、議論がなされております。また、国民の税負担については、直接税、間接税を合わせると三八%から四〇%で、福祉関係の税の占める割合が高いとのことでありました。オランダでは、一般的に老人は社会が面倒見るものという考えが支配的のようであります。また、老人ホームの運営も、財団方式によるものが市内には数多くあります。老人ホームは、町の中に設置されており、地域との交流が盛んというよりも、むしろ一つの公共的な施設として社会の中に溶け込んでいるような印象を受けました。どの施設でも職員のほかに多くのボランティアの人が働いており、施設福祉の大きな支えとなっております。施設で対応する高齢者は、特別な介護や看護を必要とする人を中心として、それ以外の高齢者に対しては、自分で生活することができるような環境を整えて自活してもらおうとする考えなどがあり、例えば老人だけが集まって一つの村をつくるといった案もあるようであります。また、老人ホームは、何らかの疾患があったり、痴呆性のある老人の割合が半数以上にも達することから、介護・看護施設のみが残されて、在宅ケアという形に改革されるであろうと思います。そうなりますと、医療施設と社会福祉施設の連携を強めていく方向にあり、なおボランティアとして働きたいと思っている人もふえてきているようであります。
そこでお尋ねいたします。
第一点は、欧州における高齢者福祉政策と日本の福祉政策の出発点は異なる部分があると思いますが、欧州においては、子供は親と離れて生活する。しかしまだ日本では、親、夫婦、子供夫婦とが同じ家に住み、生活している場合も数多くあります。在宅志向の面からも、部屋の数とか広さに加え、高齢者にとって生活がしやすいような住居が求められていると思います。高齢化社会に対応した住宅対策を推進する必要を痛感いたしましたが、いかがお考えか、お伺いをいたします。
第二点は、これからは、地域の方々や他の社会福祉施設との連携の強化を図ることも強く感じました。国におきましても、近年、老人福祉施設と児童福祉施設の合築や併設の促進も図られているようであり、学校の空き教室を利用したデイサービスの取り組みなども見られるようであります。我が姶良郡内におきまして、保育園に併設したデイサービスがこの春オープンをいたし、子供たちにもお年寄りにも大変喜ばれているようであります。高齢者の社会経験、体験を子供の保育等のために生かすことにより、高齢者は生きがいを感じ、また子供たちも高齢者をいたわる気持ちをはぐくむことになると思います。今後のデイサービス等、老人福祉施設と他施設との施設整備のあり方について、お考えをお聞かせください。
第三点は、特養、一般養護を問わず、老人ホームは、今後、市街地、集落内での整備を進め、地域の中に溶け込んだものにすべきであると思いますが、どうお考えでしょうか。
第四点は、ボランティアの参加と協力についてでありますが、現在、県内の老人ホーム等で活動しているボランティアの状況、さらには今後どう位置づけていかれるかについてお伺いいたします。
[知事土屋佳照君登壇]
5 ◯知事(土屋佳照君)去る八月二十四、二十五日の両日、牧園町と霧島町を訪問いたしまして、現地の実情をつぶさに見させていただきますとともに、住民の皆さんと直接お会いをいたしまして、いろいろと話をすることができたことは、大変うれしいことでございました。対話会場では、多くの住民の皆さんにお集まりをいただき、地域活性化への切実な思いや県政に対する率直な意見を聞くことができました。また、ミニ対話や視察箇所におきましても、いろいろな意見をお聞きできまして、大変有意義で大きな収穫であったと思っております。
また、今回の知事対話を通じて、九州電力大霧発電所や丸尾地区の町並みづくり、神話の里公園などすばらしい観光資源とか、発展しつつある町の姿を見せていただきました。温泉が豊富で緑の美しい両町は、いろいろな面ですばらしい素材に恵まれ、これからその特性を生かしながらますます発展していく地域ではないかと、改めて認識をした次第であります。
また、丸尾地区のまちづくりのように、地域の皆さんが力を合わせて、地域興しに明るく、そして熱心に取り組んでおられる姿に接することができまして、非常にうれしく、また意を強くした次第でございます。今後、基幹産業であります観光や特色のある農業、畜産業の振興に努めますとともに、住民の方々が一緒になって知恵を出し合い、地域にあるすばらしい資源の活用に力を入れていかれるならば、さらに魅力のある地域になっていくのではないかという感じを受けた次第であります。
県でも、この地域の農林業はもとより、霧島らしい豊かな自然を生かした芸術空間の形成に努めておりまして、平成六年にオープンしたみやまコンセール、現在計画を進めております霧島彫刻ふれあいの森など芸術文化の多様な創造拠点となる霧島国際芸術の森の整備を進めているところでございます。今後とも地域の皆さんと一緒になりまして、お互いに知恵を出し合い、力を合わせながら地域興し、地域づくりに取り組んでまいりたいと思っております。
知事対話は、地域の実態に直接触れることができ、また県民の方々の生の声が聞ける大変貴重な場でございますので、なかなか時間がとれないのが残念でございますが、できる限り日程の調整を図りながら、積極的に実施をしていきたいと考えております。
次に、高齢者や障害者が住み慣れた地域や社会で健やかに過ごすためには、各種の福祉政策と相まって、県民がノーマライゼーションの理念のもとに、福祉の心を持って積極的に住みやすい社会づくりに参画することは、極めて大切なことだと思っております。
県民の
ボランティア登録者数は、平成七年三月末現在で約六万人となっておりまして、このうち老人ホーム等での活動者数は約九千人となっております。こういう方々が、入浴や食事の介助等、日常生活の援助や話し相手、また夏祭り等を通じての交流、園内の補修や理髪奉仕などさまざまな活動が行われております。
県や市町村の社会福祉協議会に設置しております
ボランティアセンターでは、小・中・高校の中から
ボランティア協力校を指定をいたしまして、児童生徒の社会福祉への理解と関心を深め、ボランティア精神を養いますとともに、社会人のボランティアへの関心を高めますために、体験研修や
ボランティア講座等の開催、また企業団体等との意見交換を行いますなど、県民がボランティアに積極的に参加していただくように努めております。
また、各市町村社協におきましては、
ボランティア活動を円滑に進めるため、
ボランティアコーディネーターを設置し、
ボランティア活動を希望する人々には、ボランティア登録をお願いをいたしまして、その人に合った活動を紹介することや、ボランティア情報について広報誌等により広く県民に紹介することによって、ボランティアへの理解と参加を促進しているところでございます。
今後とも、高齢化が進む中で心のこもった福祉社会づくりを推進するために、これらの事業を展開しながら、できるだけ多くの県民の皆様方が広く
ボランティア活動に参加していただけるような環境づくりに、積極的に努めてまいりたいと思っております。
6 ◯土木部長(横田穰二君)高齢者に対応する住宅施策につきましては、設備や間取りに配慮したサンビレッジプロジェクトを昭和六十三年度から、また福祉施策との連携に配慮しましたシルバーハウジングプロジェクトを平成五年度から推進しているところでございます。また、一般公営住宅におきましても、平成三年度から、新築建てかえの際に、高齢者にも生活しやすいように、住戸内の段差の解消、手すりの設置等を行うバリアフリー化を実施しているところでございます。また、高齢者同居、二世帯住宅等の個人住宅についても、近年、改善が重ねられている住宅金融公庫の割り増し融資制度の活用等により、高齢者の皆様にとって住みやすい住まいづくりを推進してまいりたいと考えております。
さらに、さきの鹿児島県住宅政策懇談会の提言におきましても、高齢者住宅施策の推進の必要性が言われていることから、今後策定いたします鹿児島県
住宅マスタープランにおいて、重点施策の一つとして位置づけ、高齢者に配慮した住宅整備を推進してまいりたいと考えております。
7 ◯県民福祉部長(岡元杉夫君)近年、
高齢者福祉ニーズの増大や児童数の減少等を背景としまして、老人福祉施設と児童福祉施設等の社会福祉資源の有効活用が課題となってきておりますが、本県におきましても、
デイサービスセンターの整備に当たりましては、保育所等との併設を促進しており、今年度は二カ所について保育所との併設を進めています。これからも世代間の交流、サービスの効率的提供、土地の有効利用等の観点から、デイサービスの事業主体である市町村の意向を踏まえながら、保育所や
地域福祉センター等への併設を進めてまいりたいと考えております。
また、
特別養護老人ホームにつきましては、地域との交流ができるよう、集落に近い便利な場所に建設するよう進めているところでありますが、土地の確保等の問題もございまして、なかなか難しい状況にあります。県といたしましては、生活や交通に便利のよい場所にできるだけ設置するよう、今後とも設置者や市町村に対しまして協力を求めていきたいと考えております。
[田之上耕三君登壇]
8 ◯田之上耕三君 それぞれ答弁をいただきました。
知事対話につきましては、日程調整をいただきまして、この知事対話がスムーズに進みますように、お願いを申し上げておきたいと思います。
さて、高齢化社会の問題でありますが、私、二十数年前、東京に住んでいたとき、有吉佐和子さんの「恍惚の人」を読んで、大きな衝撃を受けました。まさか、そのような現実があるのかなと疑ったのであります。高齢化問題に出会いましたのが、このときでありました。今まさに、深刻な老人問題が現実となってきております。老人問題は、子供でもいつかは年をとり、お年寄りになるわけであります。何人も逃れることのできない問題でありまして、他人事ではありません。高齢化社会への対応をさらに積極的に取り組まれることを強く要請をしておきます。
次に、第二期
テクノポリス開発構想についてであります。
第二期構想では、平成七年度を目標年次として、第一期計画の成果をもとに、総合基本計画との整合性を図り、高度で個性豊かな地域産業の創造と、これまでの産・学・住に、新たに「遊び」、遊機能を付加したゆとりのある心豊かなまちの建設を二本の柱に、
テクノポリス圏域はもちろん、県土の全域にわたる経済の活性化や定住化、新たな文化やふるさとづくりの機運が醸成されるなどの効果を予想されまして、第二期計画を策定をされ、総合基本計画の目標、基本方向を達成するための中核的なプロジェクトとして位置づけられ、目標達成のための二本の柱の中に、合わせて十二の力点という施策方向を打ち出されて、実現を図ってこられたところであります。
そこで以下お尋ねいたしますが、第一点は、第二期テクノポリスを策定された平成三年に比べ、企業誘致の減少等、経済環境は大きく変化しているようであります。初めに、この構想の最終年次を迎え、知事のテクノポリス建設についての今の感想と今後の取り組みについてお伺いいたします。
第二点は、第二期
計画テクノポリスにおける工業開発の目標水準のうち工業出荷額、工業従業者数は達成されているのか、その実績、
テクノポリス圏域の企業誘致の状況と実績についてもお伺いいたします。
第三点は、都市型施設や優良住宅の立地環境の整備は、企業の立地決定の大きな要素となっております。企業活動の円滑化や住民生活の利便性の確保、高次都市機能の整備を民間活力で整備する
テクノポリスセンターの四つの施設のうち、去る八月にオフィスマンションビルが、シンボル施設となるホテルが九月にオープンし、またスポーツセンターも七月に着工し、来春には完成する予定で、残りの
ショッピングセンターについても早く整備され、四つの都市型施設の相乗効果により、地域の魅力を高め、企業誘致を有利に進める上からも、早急な整備が期待されているところであります。
そこで、
ショッピングセンター整備計画の事業主体である山形屋と県の対応について、さらには
隼人ガーデンシティについては、昨年の十一月に隼人町と開発業者との間に用地の売買契約がなされたところでありますが、その後どのようになっているのかお伺いいたします。
第四点は、交通インフラの問題であります。
母都市鹿児島市とテクノ圏域とを結ぶ主要道路としては、
九州縦貫自動車道のほか国道十号線があります。まだ、交通基盤の整備は十分とは言えません。圏域外とつなぐ幹線道路の整備とともに、圏域内の道路整備を図ることは重要な課題であります。国道十号線は、恒常的な交通渋滞を来し、幹線道路の機能が十分発揮されていないところであります。
そこで、現在事業が進められております鹿児島北バイパス、姶良バイパス、加治木バイパス、白浜・磯拡幅の工事の進捗の状況と、さらに県の取り組みについてお尋ねいたします。
また、圏域内の道路についてでありますが、国道五〇四号、県道北永野田・小浜線、日当山・敷根線、豊後迫・隼人線、一般国道二百二十三号線、主要地方道栗野・加治木線、宮之城・牧園線、国分・霧島線の整備状況と見通しについてお尋ねいたします。
第五点は、テクノポリス区域と母都市の海上交通についてでございますが、先ほど質問がございましたので、私はここで要望をさせていただきたいと思います。
一昨年の悪夢としか言いようのない風水害の被害を受けましたとき、私も何回となく加治木港を訪れ、災害時の運航の実態も見ております。さらには、この議場で数回質問をいたしてまいりましたが、今後も海上交通問題には積極的に取り組みいただくことを強く要請をいたしておきます。
第六点は、企業誘致が減少する今日、地域企業の活性化を図るためには、新製品、新技術の開発等に意欲的に取り組む研究開発型企業の育成が急務と言われておりますが、経営基盤が弱く、研究開発部門を持てない企業が多い本県においては、
工業技術センターに対する期待は大きなものがあります。
そこで、
工業技術センターにおける
テクノポリス地域企業の技術開発支援の取り組みや、同センターにおいて開発した技術の民間企業への移転についてお伺いいたします。
第七点は、本県では、鹿児島空港の開港当時、鹿児島市から空港間とのアクセス手段として、現時点から見ますと、先見的とも言える可能性調査が当時の企画部でなされた経緯があります。このことを踏まえまして、さきの平成三年九月の本会議で、複線軌道高架式の新交通システムの導入について、二十一世紀の課題として、ぜひ前向きに検討されるよう要望いたしたところでございますが、今回は既に空港の乗降客が五百万人を突破し、さらには、さきには八百万人の体制の空港のビルも完成したところであります。
そこで、JRの駅を空港につくって、鉄道輸送の体制を整える時期と思います。仮に日当山駅周辺から空港まで直線ではかりますと、三ないし五キロメートルぐらいの距離であります。この新たな路線は考えられないのか、また調査をされるお気持ちはないかお尋ねいたします。
次に、農政問題についてであります。
総合基本計画で「食の創造拠点かごしま」を目指し、低コスト・高品質農業を基本とした競争力の強い産地を育成するため、平成元年度から「かごしまブランド」確立運動を展開され、県外に誇れる
ブランド産地づくりを進めておられるところであります。これまで加世田のカボチャを初め、最近では沖永良部のバレイショなど八品目九産地が指定され、市場関係者や消費者から高い評価を得る一方、周辺産地への産地拡大や後継者が増加するなど成果を上げております。しかしながら、近年の農業を取り巻く環境は、国内の野菜供給力の低下や円高の進行等を背景とする生鮮野菜の輸入の増加やバブル崩壊後の景気低迷の中で、消費者の青果物に対するニーズは、新鮮、おいしさ、安心、安全志向に加えて、ネグロ感の高まりなど楽観を許さない情勢であります。
そこでお尋ねいたしますが、第一点は、発足当時と、農業を取り巻く情勢は、今申し上げましたとおり変わっております。その中で、知事は今後の本県の
ブランド産地づくりをどのように推進されるのか、その基本的な取り組み方針をお伺いをいたします。
第二点は、県内の
次期ブランド候補産地の一つといたしまして、姶良地域においては、北部の栗野・吉松町を中心に、伊佐地域の大口市、菱刈町と一体となって、白ネギの広域的な産地づくりを進めております。こうした両地域の取り組みを評価していただきたく、昨年度に
ブランド産地指定申請をいたしたところでございますが、指定が見送られたところであります。しかし、その後、両地域で歩調を合わせた一体的な取り組みとして、生産者大会や研修会など具体的に活動を進めております。品質の改善や面積拡大にも組織的に取り組んでおりまして、市場からも高い評価を得ていると認識をしております。
そこでお尋ねいたしますが、伊佐・姶良地域の白ネギのブランド指定について、どのような考え方を持っておられるのかお伺いいたします。
次に、花卉振興についてお尋ねいたします。
花卉の消費につきましては、九〇年に大阪で開催された国際花と緑の博覧会を契機に、各種の花に関するイベントが開催され、国民の花と緑に対する関心が急速に高まり、家庭で消費する花や鉢物の消費が伸びております。生活に花を積極的に取り入れ、花を楽しみ、心豊かな人生を送る機運の高まりとともに、今後ますます花の消費はふえるものと思われます。
ところで、県内の花卉生産に目を向けてみますと、南薩大島地域を中心に、曽於、肝属、熊毛地域においても、産地化が進みつつあり、花卉の生産額も年々伸びているようでありますが、一方、我が姶良地域を考えますとき、花卉生産には、気象条件等の立地条件には非常に恵まれていると思われますが、産地化がおくれております。
こうした産地化がおくれた地域を含め、第一点は、今後の花卉の新産地づくりの基本的な考え方についてお伺いいたします。
第二点は、温泉熱利用による園芸振興についてお尋ねいたします。
本県は、全国でも有数の温泉地帯であり、既に指宿市や山川町では、温泉熱を利用した花卉栽培が行われております。また、地熱発電施設の余剰地熱水を利用した花卉栽培も、大分県の九重町でもバラやシクラメン等の栽培も行われております。本年におきましても、平成七年三月には山川町で地熱発電施設が稼働し、先ほど知事も申されましたが、平成八年三月には牧園町から栗野町にかけての大霧地域でも地熱発電施設が稼働する予定でありますが、これらの施設から大量に出てくる余剰地熱水を利用した園芸振興への取り組みについての基本的な考え方についてお伺いいたします。
[知事土屋佳照君登壇]
9 ◯知事(土屋佳照君)第二期の国分・
隼人テクノポリス開発計画につきましては、第一期の成果を踏まえ、産・学・住、それに遊が一体となったまちづくりを進めているところでございます。これまで、地域産業の技術の高度化や新たな地域産業の形成を支援する鹿児島県新産業育成財団や、産業の頭脳部門の育成導入を促進するとともに、地域産業の高度化を推進する中核的な施設としての鹿児島頭脳センター、大学と産業界等との研究協力を推進する鹿児島大学地域共同研究センターが設置をされております。
また、高次都市機能を備えた
テクノポリスセンターにつきましては、オフィスマンションビルやシンボルとなるホテルがオープンをし、スポーツセンターも着工したところでございます。さらに、ゆとりのある住空間を創出する
隼人ガーデンシティにつきましては、開発事業者への用地引き渡しを終え、着工に必要な事務手続を進めているところでございます。また、天降川ふるさとの川整備事業や錦江湾ウオーターフロントの整備が着実に進んでおりますほか、霧島国際芸術の森基本構想の中核施設として、国分・隼人地区に隣接してオープンしたみやまコンセールは、県民へゆとりと豊かさを提供する施設として、好評を得ております。
このようなことから、国分・
隼人テクノポリス開発計画は、おおむね所期の目的に沿って進捗しているものと考えております。御承知のような景気の状況のもとで、企業の進出は余りはかばかしくないわけでございますが、今後は、先般、栗野町に決定したエアポートサイド産業拠点や溝辺町及び隼人町にまたがります鹿児島臨空団地等の整備を進めますなど、一層の充実を図ってまいりたいと思っております。
次に、「かごしまブランド」確立運動におきましては、質のそろったものを計画的、安定的に出荷できる産地を「かごしまブランド」産地として指定をいたしまして、これを核に周辺地域へ産地拡大を図っておりますが、市場流通の大型化や消費者ニーズの変化など情勢の変化に対応いたしまして、今後さらに、品質はもとよりでありますが、コストやロットを重視したより広域的な産地づくりが必要ではないかと思っております。
このため、本年度から地域ごとにブランド産地広域化計画を作成をいたしまして、実証圃の設置や産地間交流の促進など広域化に向けた活動を推進いたしますとともに、育苗施設、集選果施設等の整備を通じた農作業の分業化や規模拡大を進め、広域的なブランド産地化を推進することといたしております。さらに、かごしま遊楽館を活用し、本県ブランド品目の一層のイメージアップと販路拡大を図ることといたしております。今後とも、これらの施策の円滑な推進を図りながら、より広域的な産地づくりを進め、市場対応力の強いブランド産地の育成に努めてまいりたいと思っております。
10 ◯商工労働部長(濱田隆道君)第二期国分・
隼人テクノポリス開発計画におきます工業開発の目標水準のうち人口につきましては、目標七十四万五千人に対しまして平成七年十月末現在で七十六万三千人と、既に目標を上回っております。工業出荷額の目標一兆一千七十八億円に対しましては、現在のところ平成五年の数値しかございませんが、これによりますと、七千八百八十二億円となっておりまして、既に七割を超えている状況でございます。工業従業者につきましても、平成五年末の数値しか公表されておりませんが、目標の四万人に対して三万三千百人余りと、八割を超えております。
企業誘致の状況につきましては、テクノポリスの計画承認でございました昭和五十九年三月以降、現在までの企業立地件数は、電気、機械、金属関係を中心に九十三件ございまして、それ以前に進出した企業を含めますと、百七十一社の誘致企業が操業いたしております。現在、景気低迷の影響もございまして、企業誘致は厳しい状況にございますが、優遇措置の充実に努めるとともに、企業誘致戦略の見直しなどを進め、誘致の促進を図ってまいりたいと考えております。
テクノポリスセンターの
ショッピングセンターにつきましては、昨年六月に山形屋が、現下の経済情勢、特に流通業界の厳しい経営状況から、事業計画の見直しが必要があること等を理由に、着工延期の意向を示したところでございます。県といたしましては、地元隼人町や国分市とともに一体となって、山形屋に対し、これまで再三にわたり早期着工を要請するとともに、県道北永野田・小浜線の拡幅改良などアクセス道路の整備や共同駐車場の整備方法等について、調整を進めているところでございます。
隼人ガーデンシティにつきましては、昨年十一月に隼人町から西武建設への用地引き渡しを終え、現在、着工に必要な開発許可、林地開発許可等の事前協議を進めているところでございまして、今後とも地元町及び西武建設との連携のもとに、早期着工が図られるよう努めてまいりたいと考えております。
工業技術センターは、地域企業の技術開発、技術力の向上を支援する中核的施設として、バイオテクノロジー、エレクトロニクス、新素材等の先端技術に関する研究開発やシラス、竹、杉などの地域資源の有効利用に関する研究開発を進めながら、産・学・官による共同研究、技術相談、技術指導、技術情報の提供など地域企業の技術開発支援や技術移転に、積極的に取り組んできております。
民間企業への技術移転につきましては、大規模なものから部分的なものまで広範多岐にわたっておりますが、最近の代表的な技術移転の例といたしましては、大断面集成材、微粉砕シラス構造材、竹平板等の製造に関する技術や、しょうちゅう原料の自動供給を行うシステム化技術などがございます。今後とも引き続き地域企業のニーズを把握しながら、地域をリードする技術開発等に取り組み、地域企業の技術的なよりどころとしての役割を果たしてまいりたいと考えております。
11 ◯土木部長(横田穰二君)一般国道十号につきましては、建設省直轄事業として整備が進められているところでございます。このうち鹿児島北バイパスにつきましては、現在、鹿児島市祇園之洲以南約一・二キロメートルが供用され、残る鹿児島市祇園之洲から同市花倉間約三・二キロにつきましては、一昨年の被災状況を踏まえ、災害に強い道路づくりという観点から、現在の計画ルートのうちトンネル区間を除いて、海側へ移す計画を基本に見直しを行っており、今後、関係者の理解を求めながら、都市計画変更の手続を行い、整備を進めることにしていると聞いております。
次に、白浜・磯拡幅につきましては、現在、鹿児島市花倉から鹿児島市姶良町境間のうち約六・一キロメートルが供用され、残る鹿児島市の花倉・大崎地区と姶良町内の約三・八キロメートルについては、鹿児島市側の用地買収が進められているところでございます。
次に、姶良バイパスにつきましては、現在、姶良町脇元から同町十日町間のうち約四・一キロメートルが供用され、残る脇元と東餅田の一部区間の約一・五キロメートルについては、本年度も引き続き用地買収及び工事を進めることとされております。
加治木バイパスにつきましては、現在、姶良町十日町―加治木団地間の約一・九キロメートルが供用され、残る加治木団地から加治木インターチェンジ間の約二・三キロメートルについては、本年度も引き続き用地買収を進めることとされています。県としては、これら国道十号のバイパス等の整備促進につきまして、今後とも引き続き建設省に強く要請してまいりたいと考えております。
次に、圏域内道路の整備についてでございます。
まず、国道五百四号につきましては、
テクノポリス圏域における整備として、現在、北薩空港道路の整備を進めているところでございます。本路線は、昨年十二月、地域高規格道路の計画路線の指定を受け、さらにこの四月には、北薩空港道路を含む延長十二キロメートルについて、整備区間の指定を受けたところでございます。今後とも地域高規格道路として整備を推進してまいりたいと考えております。
次に、国道二百二十三号につきましては、現在、霧島町泉水拡幅及び牧園町小谷拡幅の整備を進めております。このうち泉水拡幅については、現在整備を進めている第五泉水橋の完成により、本年度整備を完了することとなります。また、小谷拡幅につきましても、新丸尾橋等の整備を鋭意進めており、早期完成に努めているところでございます。
県道国分・霧島線につきましては、現在、国分市福島地内、霧島町高千穂地内の整備を進めております。このうち高千穂地内については、マイロード事業を導入して、霧島地区の雄大な自然と神話の里をイメージした道路整備を行うこととしており、早期完成に努めております。
県道牧園・薩摩線については、現在、牧園町宿窪田地内において、八年度完成をめどに整備を進めております。
県道日当山・敷根線については、現在、隼人町内地内、国分市姫城地内、国分市敷根地内の整備を、県道栗野・加治木線については、横川町深川地内、加治木町城地内の整備を進めております。
また、県道北永野田・小浜線については、国分市清水地内、隼人町小田地内の整備を、県道豊後迫・隼人線については、小鹿野地内の整備を進めております。
県としては、今後とも予算確保に努めまして、これら圏域の道路の整備推進に努めてまいりたいと考えております。
12 ◯企画部長(中野敦嚴君)鹿児島空港へのアクセスにつきましては、現在運行されております鹿児島市と鹿児島空港を結ぶ空港連絡バスの座席利用率は三割程度となっておりまして、輸送能力は現在のところ余裕がある実情であります。このような状況の中で、軌道系の輸送機関を導入することにつきましては、過去においても検討されたこともありましたが、膨大な建設費がかかりますことや採算性など、いろいろな問題もありますので、今後さらに研究してまいりたいと考えております。
13 ◯農政部長(松本浩二君)伊佐・姶良地域の白ネギのブランド化につきましては、郡域を越えた広域的な産地づくりに向けまして、生産組織の充実強化を図り、品質や生産性を向上するための栽培技術の統一など、現在、生産者を初め地域の関係機関、団体が一体となって取り組んでおられるところでございます。
ブランド産地の指定につきましては、両地域の品質の均一化、ハウスネギの栽培技術の定着化などが課題でございますので、これらをクリアできた段階で、産地からの申請を待って、総合的に判断することといたしております。
花卉の生産振興につきましては、国民の花と緑に対する関心の高まりにより、消費量が年々伸びておりますことから、本県の温暖な気象条件を生かした菊、ユリ、グラジオラスなどの切り花を中心とした高品質花卉の生産拡大によりまして、ブランド産地化の育成を図ることといたしております。
このため、これまで新品目、新品種の導入、栽培施設や集出荷施設等の整備による産地の育成を進めてきているところでございますけれども、さらに産地拡大と指導体制の強化を図るために、平成七年度から県、市町村、経済連等で組織いたします県園芸振興協会のもとに、新たに普及所単位に十九の花卉支部を設置をいたしますとともに、新産地におきましては、品目の導入や作付体系など産地育成計画に基づきまして、育苗施設、栽培施設等の整備を推進をいたしまして、新しい花卉営農団地の育成を図ることといたしております。今後とも新規農家の主体的な取り組みを、県や関係機関、団体一体となって指導、支援し、市場対応力のある産地を育成してまいることといたしております。
地熱発電所から排出される余剰地熱水を花卉などの園芸振興対策に利用することにつきましては、エネルギー資源の有効利用などの観点から意義があると、このように考えております。
園芸における地熱発電の余剰地熱水の利用につきましては、熱の交換施設や発電施設から栽培圃場までの配管施設の整備、さらに沈殿物による配管の詰まりを防止するための施設整備等に多額の初期投資を要しますことから、現行の重油によります暖房方式との比較の検討課題がございます。
[知事土屋佳照君登壇]
24 ◯知事(土屋佳照君)南薩地域振興計画策定調査は加世田市、枕崎市等二市六町の強い要望のもとに実施をされたものでございますが、提案された吹上浜ネイチャーランドなどの重点戦略プロジェクトにつきましては、地域の特徴ある自然や歴史、文化など多様な資源を生かし、広域的な視点から地域の活性化を目指しておられるもので、圏域の一体的な発展に資するものであると受けとめております。
既に一部市町においては、加世田市の物産センタールピナスの設置や、川辺町の清水岩屋公園における桜のやかたの整備など、これらのプロジェクト構想に沿った事業が進められていると伺っております。県としても新しい半島振興計画や鹿児島サン・オーシャン・リゾート構想などの推進を通じまして、当プロジェクトの実現に必要な半島循環道路や南薩縦貫道など交通基盤等の整備を初め、吹上浜海浜公園や、農業開発総合センターなどの整備に努めてまいりたいと思っております。
25 ◯土木部長(横田穰二君)吹上浜砂丘自転車道につきましては、計画延長二十四キロメートルのうち、加世田市側の五・一キロメートルが完成し、平成五年七月から供用中でございます。現在、金峰町から吹上町間の約九キロメートルを整備中でございまして、平成八年度までに供用する予定でございます。今後とも現計画の全線の早期完成に努めてまいりたいと考えております。
また、計画区間の延長につきましては、現計画の整備状況や利用状況等を踏まえて検討してまいりたいと、かように考えております。
次に、吹上浜海浜公園についてでございますが、この公園はスポーツやレクリエーションを気軽に楽しめるものとして、これまでプール、キャンプ場及びサイクルセンター等を共用しておりまして、園内での自由な自転車利用は、この公園の特色の一つとして考えております。
レンタサイクルについては、平成六年七月に自転車百五十台の規模で供用を開始し、平成六年度は約一万七千人、平成七年度は九月末までに二万一千人が利用しております。レンタサイクルの充実につきましては、利用者の要望を踏まえ、平成七年度に二十二台をふやし、また平成八年度においても増車することを計画しており、サイクルセンターの拡張につきましては、今後の増車状況を見ながら検討してまいりたいと思っております。
また、二人乗り自転車であるタンデム車等変わり種自転車の導入等につきましては、他県の類似施設における導入状況等も参考にしながら、今後検討してまいりたいと思っております。
以上です。
26 ◯企画部長(中野敦嚴君)鹿児島交通線跡地の有効活用につきましては、去る五月沿線の二市六町で跡地利用推進協議会が設立されまして、現在跡地の具体的な利活用について検討を進められておりますが、県といたしましても、この問題を協議するために、先般庁内に関係課長会議を発足させたところでございます。今後地元の意向等も踏まえながら、適切な対応を図ってまいりたいと考えております。
27 ◯商工労働部長(濱田隆道君)来年六月第四十一回全国建具組合連合会鹿児島大会が開催されることになっており、関係者一体となってその準備に取り組まれておられますが、全国各地からの参加人員が約三千名と大規模な大会でもあり、また住生活の質的向上に寄与するとともに、本県観光振興にもつながるなど、その効果は大きいことから、県といたしましても協力をいたしたいと考えておりますが、その具体的内容につきましては、これまで開催されました他県の例も参考にしながら、今後検討してまいりたいと考えております。
[本坊輝雄君登壇]
28 ◯本坊輝雄君 答弁をいただきましてありがとうございます。
具体的な施策推進につきまして、七つのポイントがあると言われております。
第一には人的交流、二番目には地域の得意わざ、持ち味をそれぞれの団体、地域が発揮すること。三番目は女性が参加すること。それから四番目に広域で連携をきちんととること。そして五番目に異業種の交流が大事だと。六番目は情報を発信し、七番目に美と感性だと言われておりますが、何はともあれ、最も大切なことは、地域をよくしようという前向きの姿勢と夢の実現を目指す意欲ではないかなと思います。南薩地域振興計画の実現化に向けて、知事初め執行部、そしてまた地元とともに頑張ってまいりたいと思いますので、よろしくお願いを申し上げたいと思います。
鹿児島交通線跡地につきましては、地元の関係二市六町も心を一つに取り組んでまいりますので、いろいろとクリアしなければならない問題がたくさんございますが、会社側の御理解をいただきながら、関係市町がやるべきこと、県の力がどうしても必要なこと等をきちんと整理をし、薩摩半島西岸地区発展のため避けて通れぬ問題として受けとめ、全面的な御協力を重ねてお願いを申し上げる次第でございます。
続きまして、第五十回のかがやき県体について、質問をいたします。
県体の歴史をひもといてみますと、第一回県体は、第一回国体開催から一年おくれまして、昭和二十二年鹿児島市の動物園と併設の鴨池運動場で開かれました。翌二十三年になりますとオリンピック式の入場行進で開会式が行われ、男女高校生一千人のマスゲームが初めて行われました。第六回では市町村の女性の代表の皆さん方、千名のマスゲームが行われ、第十四回に四千名の大マスゲームとなったところでございます。その後、第二十六回県体は太陽国体開催の年でもあり、県下を十二の地区に分けて、地区大会を実施いたしておりますが、国体終了後は、この十二地区からの代表で競技をすることになりまして、また、会場もその地区が鹿児島市と交互に開催し、地方開催の第一回は昭和四十九年鹿屋市をメーン会場に大隅地区で行われました。この歴史を経過して、現在は十二地区の巡回方式で開催され、ことしの四十九回大会は「感動の汗 さわやかな風になれ きらめく大地に」をとテーマに、きらめき県体が曽於地区で盛大に開催されたところであります。このように数多くのスポーツ選手、リーダーをはぐくんでそれぞれの地区に活力を与えて参りました県体も、来年はいよいよ記念すべき第五十回大会が川辺地区で開催されます。川辺地区二市五町、九万六千人の地区民が第五十回という記念すべき大会を実施する誇りを持ちまして、今後さらに連帯意識の高揚を図りながら、心豊かで明るい郷土づくりを推進し、郷土がますます輝くことを願いまして「第五十回記念かがやき県体」と名づけられました。
また、「翔べ南さつまの海と緑と太陽に」をスローガンに各市町準備委員会を設置し、施設の整備や花の栽培、懸垂幕の作成など、地区住民の意識の高揚を図りつつ、積極的に準備に取り組んでいるところであります。
そこでお尋ねをいたしますが、第五十回記念のかがやき県体は、過去を振り返りながら、新たな県体のあり方を考えるとき、より一層の県民総ぐるみのスポーツの祭典として、節目の記念大会にふさわしい大会として位置づける必要があると思いますが、お考えをお尋ねをいたします。
次に、農業振興についてお尋ねをいたします。
初めに、認定農業者の育成についてでありますが、ウルグアイ・ラウンド農業合意の実施に伴う、国際化の影響が懸念をされる中で、本県農業の体質の強化を図るには、高能率な経営体の早期育成を図ることが大きな課題であります。平成五年に農地の流動化の促進と合わせて、あすの地域農業を担っていく効率的、かつ安定的な農業経営を育成することを目的とした農業経営基盤強化促進法が制定され、認定農業者制度がスタートし、本県においても九十三の市町村において同法に基づく基本構想が策定されております。本制度の趣旨が、県下全域に浸透し、本県農業の担い手育成に大きな成果が上げられることを期待するものであります。本県農業を担うすぐれた経営体を着実に育成していくためには、目標水準に到達間近の農業者はもちろんのこと、経営的にはまだ課題を抱える農業者についても、地域営農の仕組みづくりを進めるのと歩調を合わせて、その底上げをしながら、今後認定農業者として育成していくことが重要であると考えますが、現在までの認定農業者の育成状況について、また今後認定農業者の育成をどのような形で進めるのか、お尋ねをいたします。
さらに、現在策定中であります農業農村のビジョンの中で認定農業者を核とする地域営農の姿をどのように考えておられるのか、あわせてお尋ねをいたします。
次に、環境保全型農業の推進についてお尋ねをいたします。
県におきましては、平成四年三月に策定をいたしました鹿児島県農業農村のビジョンの基本的方向として、食の創造拠点かごしまの形成を目指した施策を展開しており、また平成六年四月に国が示しました環境保全型農業の基本的な考え方をもとにしまして、地力の維持、増進、新技術を利用しました病害虫防除技術の開発、普及、有機減農薬農法の技術確立、普及に努め、環境に優しい持続的農業を推進するため、平成六年十月鹿児島県環境保全型農業の基本方針を策定されたところでありますが、そこでお尋ねをいたしますが、去る十一月環境保全型農業についてのシンポジウムが県の主催により、行政、農業団体、生協の関係者が出席して開催され、有機農法など環境に配慮した農業の必要性が叫ばれている背景、県内の現状と課題について考え、意見が出されたとのことでございますが、シンポジウム開催の成果についてお尋ねをいたします。
次に、市町村への推進状況についてであります。沖永良部の和泊町では、平成四年から平成六年にかけ町内五十一カ所で実施した水質検査により、地下水の汚染が進んでいたことが判明し、これがきっかけとなりまして、平成十二年度までに農薬や化学肥料の使用量を二割減らすことを目標に町を挙げて推進委員会を設置して取り組んでおりますが、他市町村の事業の推進の状況等についてお示しをいただきたいと思います。
次に、本県における農薬化学肥料の流通量は昭和六十年を一〇〇とした場合、平成五年度は農薬が七八%、化学肥料が八二%と減ってきています。また、家畜ふん尿のリサイクルなどによる土づくりや新品種の育成及び作付体系などの各分野における技術開発と、農薬、化学肥料の効率的な使用を推進することによって、両資材の使用量を削減する新たな農法の開発、普及を図る必要があり、環境保全型農業を定着させるためには、技術実証展示圃の果たすべき役割は大きなものがあります。私はさきの行政視察により、静岡県の伊豆にあります大仁農場を見学する機会を得ました。大仁農場は財団法人自然農法国際研究開発センターの中央研究農場で、自然農法が二十一世紀の新しい農法として農業社会の中に生かされるための研究と実証を行い、合わせ、その普及推進を目的に設けられた農場であります。有機物資源のリサイクルなどによる土づくりにより、新鮮なキャベツや白菜を目にしたときには大変感激をいたしました。まさに百聞は一見にしかずとはこのことであります。そこで、今日までの技術実証展示圃の取り組み状況についてお尋ねをいたします。
次に、園芸振興についてお尋ねをいたします。
野菜は全国的な高齢化や、労働力の不足によりまして、国内生産量は減少傾向にあります。国内自給率で過去十年間を比較しますと、六ポイント低下し、全国的に作付面積も減少傾向にあり、地域に格差が拡大いたしております。こういった国内供給力の低下と円高の進行によって生鮮野菜の輸入に拍車がかかっている現状であり、このような状況の中、国は国内供給力の強化に力を入れておりまして、本県などの産地拡大に大きな期待がかかっております。県におかれましては、系統組織と一体となって畑作農業の再編を図るべく、今年度畑作野菜営農基地育成事業をスタートさせ、大規模農家による露地野菜の大型産地を育成する、畑作営農基地づくりを進めておりまして、本県の広大な畑地を活用した露地野菜の産地化は、国内事業からいたしましてチャンスであると確信をいたしております。しかしながら、本県は夏から秋にかけての台風や干ばつによりまして、生産が大変不安定であることや、野菜は御案内のとおり本年産の大根、レタスのように豊作、凶作の波が大きく、価格に不安を抱いているのが現状であります。この畑作野菜、営農基地づくりは、知事の言われる鹿児島ブランド産地をつくり上げていく事業として、野菜を経営の柱とする大規模経営体の育成や、国際化競争に打ちかつ、強固な産地体制の確立に向けて、県民の大きな期待がかかっています。これをぜひとも成功させる必要がありますが、農家の新たな取り組みに対して、県の絶大なる支援対策が欠かせないところであります。特に目まぐるしく変化をいたします市場流通形態の中で事前値決め販売や産地バイヤーによります市場買い契約取引などの推進を図る価格安定対策や、災害の常襲地帯でございますから、特に秋から冬の大根、ニンジン、キャベツなどの植えつけ時期における災害のときの再生産対策などが極めて重要であり、具体的な支援対策が必要と思いますが、このことを踏まえまして、今後畑作野菜営農基地造成に向けてどのような支援対策をお考えか、尋ねをいたします。
次に、本県の温暖な気象条件を生かした施設園芸を振興するため施設化の推進につきましては、県単の園芸ブランド産地育成事業が果たしてきた役割は、大変大きなものがあります。しかし、近年野菜生産農家の減少や高齢化に伴う労働力の不足から施設野菜の生産振興のためには、施設装備の充実による省力化及びコストを低減することが不可欠であります。現在の事業は、本体施設のみの整備だけが補助の対象となっておりまして、農家はかん水施設、換気扇、自動開閉装置など附帯施設の整備に大きな負担がかかり規模拡大のネックとなっております。今後本県の特徴を生かす施設園芸を大きく伸ばす意味からも附帯施設も補助の対象とし、農家の負担を軽減することが必要と思いますが、考え方をお伺いいたします。
最後に、園芸を主体といたしました畑作農業の機械化についてお尋ねをいたします。
本県ではゆとりある農業経営体の育成のために農業所得七百五十万円以上、年間労働時間二千時間以内とする目標が設定され、この目標の達成に向けた取り組みが行われているところであります。これらの目標達成のためには、経営規模の拡大、低コスト生産が必要でまた他産業同様、農業現場での労働力の確保が課題になっており、農業機械の果たす役割がますます重要になってきております。そこで園芸を主体とした本県の最先端機械の開発状況と導入が、今後期待できるもの等についてお示しをいただきたいと思います。
29 ◯教育長(有馬 学君)県民体育大会はお示しにもございましたけれども、第一回大会を昭和二十二年に開催をいたしまして、来年度第五十回大会というものを迎えることになります。この間、本大会は、競技力の向上はもとより、県民のスポーツに対する関心を高め、健康増進と体力の向上に寄与いたしますとともに、市町村におきましては、これを契機として体育施設の整備、指導者の養成、体育協会等の育成強化などが図られてきておりまして、本県の体育スポーツ振興に貢献しているものと考えております。
来年度川辺地区で開催される県体につきましては、地元において早くから地区準備委員会が設置されて第五十回記念かがやき県体の内容、運営等について検討が進められております。県といたしましても、これまでの大会の成果を踏まえますとともに、高度化、多様化しております県民の生涯スポーツに対するニーズにも対応できますよう、県体育協会や開催地区とも十分連携を図りながら、五十年の節目にふさわしい大会となりますよう努めてまいりたいと存じます。
30 ◯農政部長(松本浩二君)まず、認定農業者の育成等についてでございますけれども、本県の認定農業者数は、平成七年十一月末現在で一千百九十経営体でございます。そのうち、個別経営体が一千百五、組織経営体が八十五となっておるところでございます。現在の県農業農村のビジョンにおきましては、本県の農業の将来を担う中核的な農家の育成目標を一万四千戸としているところでございますけれども、認定農業者はこの担い手農家の主力となる経営体として位置づけておるところでございます。
現在、県の農業農村のビジョンの見直しを行っておるところでございますけれども、その中で市町村の認定計画等も踏まえまして、今後の県としての認定農業者の育成、確保の目標等についても検討を行っておるところでございます。これらを明らかにしながら経営基盤強化法に基づきます各面の施策など農業関係のあらゆる施策の重点化を図りまして、これらの経営体の積極的な育成に取り組んでまいることといたしております。
また、地域農業の維持発展を図るためには、御指摘のとおり、認定農業者等を中心に高齢兼業農家の役割も生かしながら、農作業受委託や農地の利用集積などを行う集落や地域段階におきますところの集落農場などの営農システムづくりを一層推進いたしますとともに、これをサポートいたします農協の農業管理センター、第三セクターによりますところの農業公社の育成や機能強化についても積極的に支援指導してまいることといたしておるところでございます。
次に、環境保全型農業の推進についてでございますけれども、環境保全型農業シンポジウムにつきましては、市町村、農協、試験研究機関等から約二百二十名の参加を得まして十一月六日に開催をいたしまして、環境保全型農業の意義と今後の方向に関する講演、県内におきますところの具体的な取り組み事例の発表等を行ったところでございます。これまで二回開催をいたしておりますけれども、これらのシンポジウムを通じまして、環境保全型農業の意義、意識啓発と、この取り組みに役立ったものと考えておるところでございます。
市町村におきましては、平成六年度から七年度までに二十市町村において環境保全型農業総合推進事業に取り組んでおりまして、環境保全型農業推進方策の策定とか、推進体制の整備を行いますとともに、必要に応じまして、土壌の診断施設や、農薬廃液処理施設、堆肥生産施設等の条件整備を図っているところでございます。さらに八年度におきましても十市町村での実施を計画をいたしておるところでございます。
実証展示圃につきましては、平成六年度から三カ年継続して十普及所におきまして、それぞれ化学肥料、農薬の使用削減量等の目標を設定をいたしまして、それに応じた技術の実証と農家等への普及に取り組んでいるところでございますけれども、今後これらの成果を環境保全型農業についてのマニュアルとしてまとめまして、広く県内に普及をしてまいることといたしておるところでございます。
次に、畑作野菜営農基地の造成についてでございますが、大規模経営体の育成と国際競争力の強い産地体制の確立をねらいといたしまして、野菜の大規模経営体の主体的な取り組みを県や経済連など関係機関団体が一体となって指導支援しまして、モデルとなる営農基地をつくり上げていくということで、ことし基地づくりがスタートをいたしておるわけでございますが、本年度は畑作野菜営農基地育成事業を創設をいたしておりまして、この事業でもって、まずはモデル営農団地の育成、育苗施設や、野菜の植えつけ収穫機等の条件整備を進めているところでございます。御指摘の経営安定対策につきましては、畑作野菜営農基地づくりを推進する上で極めて重要であると考えておりまして、国の指定野菜にかかわる価格安定制度の充実、量販店等の契約取引を確立する制度の創設を国に要望をいたしておるところでございますけれども、県としましても、年間を通じた安定的な生産体制の確立などについて支援対策について検討してまいる考えでございます。
園芸ブランド産地育成事業につきましては、野菜、花卉、果樹の面積拡大を主体として、施設化を積極的に推進し、重点産地の生産の安定と品質の向上が図られ、生産額も大幅に伸びますとともに加世田のカボチャを初め七品目、八産地のブランド産地が誕生するなどの成果を上げているところでございます。しかしながら、最近の消費者の低価格志向の高まりや輸入農産物の増加など新たな情勢に対応するためには、管理作業の省力化や規模拡大等による生産コストの一層の低減が求められておりますので、これらの点を総合的に勘案をいたしまして、今後附帯施設の取り扱いについては検討してまいりたいと考えております。
今後とも園芸ブランド産地育成事業を主体として積極的に施設化を推進をいたしまして、国際競争力の強いブランド産地を育成してまいりたいと考えております。
最後に、園芸を主体とした畑作農業の機械化についてでございますけれども、特に、現在課題となっておりますのは植えつけ、収穫、調整作業の機械化でございます。県の農業試験場におきましては、これまで農機具メーカーと提携をいたしまして、ニンジン畝立て、マルチ播種同時作業機、さつま芋の半自動操苗機、里芋作付機などを開発をして普及に移しているところでございます。
また、国におきましては、最近、野菜接ぎ木ロボット、キャベツ収穫機などが開発実用化されているところでございます。民間で開発され、今後導入が期待できるものといたしましては、特に葉菜類の移植機、ネギ調整皮むき機、さつま芋の小型収穫機、ニンジン収穫機などがございます。
[本坊輝雄君登壇]
31 ◯本坊輝雄君 答弁をいただきましてありがとうございます。
園芸振興につきましては、特に畑作野菜営農基地づくりは、外国産野菜の輸入が増大いたしておりますので、これに負けない産地づくりの柱でありますし、また、本県の園芸振興の切り札となるべき事業であると思いますので、積極的な取り組みをお願いをいたしたいと思います。
ここで、知事に本年最後のお願いがございます。
それは、農業全般に言えることでございますが、農業関係のあいさつ、祝辞の中で必ず「厳しい」ということをまくら言葉のごとく使っているような気がしてなりません。郷土の出身で大隅半島の出身の三遊亭歌之介師匠の落語の一節にありますが、鹿児島の方々は農業を支える方々が、また農業に携わる方々がみずからが「農業はやっせんど、もう、ちんがらっじゃっどと、農業はのさんど、厳しかど」ということを言っていると、もっと明るく、もっと元気に、もっと前向きにいくべきじゃないかということをお話をされたことがございますが、確かに農業を取り巻く環境の厳しさは言うまでもなく、お互い御理解しているかと思いますが、十分厳しさは痛感いたしますが、たびたび耳にいたしますと厳しさをあおっているような気がいたしてならないところでございます。今後厳しいという言葉の使用につきまして御検討いただくよう、ことし最後の要望をいたします。お願いいたします。要望いたしておきます。
終わりに、平成七年も静かなまた平和な日本で景気も回復するんじゃないかということで、過ごしてまいりましたが、一月の阪神大震災に始まりまして、オウム真理教の事件、そして全日本空のハイジャック、過去最高の円高、最低の公定歩合など、昨年と同じく過去に体験してないというくらい言葉が耳に入る年でございまして、平成七年も残り少なくなってまいりましたが、その中で四月に無事に統一地方選挙をクリアさせていただきまして、二期目のスタートとなりましたが、あくまでも当選は手段で目標は住んでいる人も地域も元気なきらりと輝く郷土をつくることでありますので、私にとりましても来年は議員活動十五年目、そして人生の折り返しの本厄を迎えます。議場内の皆さんにも私の厄を薄く広くからっていただきまして、安心で安全な平成八年を明るく元気に県民の皆さんとともに過ごさしていただきたいと念じ私の質問を終わります。(拍手)
32 ◯議長(鶴田辰巳君)次は、山口修君に発言を許可いたします。
[山口 修君登壇](拍手)
33 ◯山口 修君 新進党の山口修でございます。
発言通告書に基づきまして、暫時質問をさせていただきます。
昨日の代表質問、そして本日の一般質問ということで、ベテラン議員になりますと、視点を変えてとかいろいろてにをはを変えまして質問内容を交わしていくわけですけれども、走り出しの一年生でございまして、文面にまとめました内容どおりとしかいけませんので、どうか御容赦お願いいたします。
平成七年、一九九五年イノシシの年、まさに猪突猛進と申しますか、大変な年でございました。何人も申し上げましたけれども、一月十七日の阪神・淡路の大震災、死者が五千五百二名、損壊家屋が十九万戸という大変な災害となったわけでございます。地震列島日本ということですけれども、本県の喜界島沖でも十月十八日から多発的な地震が起こっております。日本全国地震列島というような状況であろうかと思います。
自然界にこのように異変が起きますと、その地上に住んでおる者もいろいろと大変なことをやり出すということでございまして、サリンの話も出ましたし、それから東京の八王子では、深夜スーパーの女子の従業員、パート者をピストルで射殺するとかですね、とんでもないことが起こっております。
また九月議会では、意見書採択しましたけれども、沖縄県での米国軍人によります少女拉致暴行事件、それから、私には全く関係ございませんけれども、昨日は某代議士が逮捕されたというようなことで、東京協和、安全の二信用組合の不正融資事件というようなことで、非常に暗い話が多かったように思うわけでございます。
また、教育の場におきましても、全国的に自殺が相次いでおります。県内におきましても、中学生の自殺事件が後を絶ちません。今ここに来まして、家庭内の教育あるいは学校の教育、そして地域の教育、三位一体となった教育のあり方、必要性が再認識をされておるところではないかなというふうに思っております。県内では、コカインあるいは覚せい剤の常習者の検挙もありましたし、銃刀類の検挙も起こっております。それから、中国関係では、たばこの密輸とか、あるいは領海侵犯とか、よその県のことと思っていたことが、この鹿児島県でも頻発してきております。
こういう社会現象を考えて見ましたときに、日本の社会の中に何か目に見えない病巣がはびこっておるというふうに思う一人でございます。特にことしは、戦後五十年でございました。五十年という時間を振り返ってみたときに、この病的現象の原因の一つがあるのではないかなというふうに思っております。
GHQいわゆる進駐軍が日本に入ってまいりました。その中の重要な政策が、いわゆる民主的な日本をつくっていくということであったのではないかなというふうに思います。いわゆるアメリカナイズという言葉は悪いですけれども、そういう社会への仕組みを組みかえていったわけですけれども、私たち国民みずからの手で、残念ながらつくり出した民主的な社会ではなかったのではないかなというふうに思います。そういう部分が、こういうほころび始めたもろもろの現象の一因になっておるのではないかというふうに思っております。
日本には、日本の歴史的なあるいは民族的な考えをベースにしたもっとよりよい民主的な社会制度がつくり出されるのではないかなというふうに考えておるところでございます。これから、中堅という立場で一生懸命仕事をしていく私たち団塊の世代が、もっとしっかりしなくてはならないなというふうに思うところです。この戦後五十年の歳月、歴史を改めて検証して、いい国、いい県にやっていきたいなというふうに思います。
そこで、戦前、戦中、そして戦後という中でですね、一生懸命といいますか大変重要な仕事をなされてまいりました土屋知事に、率直な御感想をお尋ねいたしたいというふうに思います。
バブル経済が九一年に崩壊をしまして、大分時間が過ぎてまいりました。しかし、先ほど本坊議員が厳しいという言葉は使うなということでしたが、そういう経済情勢の中で、大多数の県民の皆さんが頑張っていらっしゃいます。まさに額に汗して、手にあぶらしての毎日だというふうに思っております。このことにこたえるのが知事、執行部でありまして、そして私たち県議会の議会人であろうかというふうに思います。高齢化があり、過疎化があり、離島問題があり、農林水産業対策、地場中小企業対策、さらには教育問題、目の前に、私たちの前に大変大きな仕事がたくさん残されておるわけでございます。
そのような中に、去る十一月二十四日、鹿児島県行政改革推進委員会より県の行政改革に関する提言が提出をされました。これを踏まえまして、県では本年十二月中に行政改革大綱を策定して行政改革に積極的に取り組んでいきたいというふうにしております。提言されました内容、組織機構の見直しとか、あるいは事務事業の見直し、民間委託化など、よく考えてみますと、これまでの県議会の中で先輩の議員の皆さんが、都度取り上げられて指摘をしてきた課題が非常に多いというふうに思っております。そのような中で、本庁の組織機構の改革というのがございます。その中に、政策形成の機能の強化というふうにうたってございます。現在、各部の施策を総合調整をしている担当課、ある面では筆頭課というふうに申してもよろしいかと思いますが、そういう担当課の業務を統合して、全体的な政策決定をする機能を持たせてこそ政策形成の機能強化というふうに考えますが、具体的にはどのようにお考えなんでしょうか。
それから、社会資本の整備の促進として、交通体系、生活環境の整備など、社会資本整備をさらに一層推進するための組織機構を整備すべきというふうにあります。県の基幹産業であります農業の後継者の問題が常に課題になりますけれども、今の若い世代、ある面では私たちも含めてですが、東京におっても福岡におっても、ふるさとの実家におっても、同レベルの生活条件を求めるのが若い世代だというふうに思います。例えば、鹿児島市以外の市町村を考えますと、下水道、特にトイレでございますけれども、この下水道の整備は、戦後五十年になるわけですけれども、三十年前あるいは四十年前のくみ取り式の便所のままなのでございます。これでは、息子に戻ってこいよというふうに申し上げましても、その嫁さん、そしてお孫さん、実家には帰らないわけでございます。まだまだ鹿児島には社会資本の投入が不足しておると、おくれておるというふうに思っております。そういうことで、県民生活を全体的に向上させて、知事の言われる健やかな郷土の実現を目指して、県下九十六市町村が公平な生活条件を確立することが大事だというふうに思います。社会資本を整備する組織機構の強化が大いに望まれますけれども、そのためにどのような組織の見直し、強化をなさっていかれるのでしょうか。
それから、出先機関の組織機構として統廃合が挙げられております。
県の出先機関は、過疎化が進む地域にありましては特に大事な事務所になっております。本来の県行政の執行業務とあわせまして、その地域の文化あるいは体育行事などの担い手でございます。地域活動の核になっておるのが過疎化の県の出先事業所ではないかというふうに思っております。効率化と裏腹に、地域に密着した県行政の推進、これも非常に大事ではないかなというふうに思います。そういうことで、これらの出先機関、特に過疎地域の機関の統廃合についての基本的なお考えをお伺いいたしたいというふうに思います。
以上、三点につきまして、委員会での審議経過を踏まえまして、知事の御見解をお伺いいたします。
それから、二つ目に道路行政についてでございます。この道路行政も、もう常に論議がなされてきております。特に一昨年の八・六災害の折に、国道三号線は小山田で道路決壊、十号線は竜ケ水のがけ崩れ、高速道路ものり面等の崩壊によって通行どめになりました。百五十年タイムトリップをいたしまして、島津藩に立ち返ったような鹿児島になったわけでございます。同年の九月議会におきまして、国道を補完する立場で鹿児島市内に通ずる県道の拡充、促進についての質疑が交わされております。当時の土木部の回答を要約いたしますと、ライフラインの確保の見地から県道の拡充は不可欠であり、年度計画に取り上げながら県道の改修に努力をするというのが総括した回答ではなかったかというふうに思っております。
また、さきの九月議会におきましても、鹿児島市内の北部の交通渋滞対策から改修状況の質問がなされたところでございます。鹿児島市周辺の道路改修工事につきまして、本当、毎回毎回ですね、議会で論議がされております。市内には県道が二十五路線あるそうです。各路線とも、鹿児島市内から近隣の町村、それから空港などを結ぶ大変大事な幹線道路として位置づけられております。各路線が市街地を通過するというようなこと等もございまして、土木事務所の職員の皆さんの御努力がありますけれども、地権者との用地買収に時間を要し、改修工事計画が思うように進んでいないのが現状でございます。八・六水害の教訓を生かして、交通途絶にならない鹿児島市とするために、特に空港への道路確保が課題になったところです。その対策として、伊集院・蒲生・溝辺線の改良工事が着手されておるというふうに聞きますけれども、進捗状況あるいは完成年度、おわかりでしたらお示しください。
それから、日増しに鹿児島市内の朝夕のラッシュが慢性化をしております。そして、昼間帯も混雑がひどくなってきております。市内の交通事情が悪化していく中で、高架式の東西幹線道路、南北幹線道路の話が話題になっておりますけれども、供用までにはまだまだ相当の歳月が必要だというふうに思っております。市街地の交通緩和策として考えられますのが、国道三号線の小山田方面から谷山へのバイパスをつくること、あるいはまた十号線の話が出ております祇園之洲あるいは花倉のバイパス、あわせて蒲生・吉田線の改良拡充だというふうに思います。特に、小山田から谷山中山地区に抜けます県道小山田・谷山線というのがございますけれども、県道とは呼びがたく、真ん中付近の犬迫方面になりますと、離合もひと難儀というような県道がございます。この県道を早急に改修いたしまして、三号線から加治屋町に入っていく三号線を通らずに、産業道路、二号用地につながるバイパス道路として早く改良できないかというふうに思っとったわけですけれども、幸いに、今年度新路線といたしまして、小山田、松元仁田尾のバイパス道路の調査が始まっております。大いに歓迎をしている一人でございます。このバイパス道路は、鹿児島市が計画をしております中山地区のスポーツ中核施設、そしてそこには、県がサッカー場など多目的な球技施設をつくるわけですけれども、それへのアクセス道路の一つにもなります。ただこのバイパス道路の供用開始につきましては、少なくともこのスポーツ中核施設の開設にあわせて供用開始というのが願わしいわけですけれども、現在の調査状況をお示しください。
それから二つ目には、ふれあいとゆとりの道づくり事業についてであります。車社会になりまして、各家庭にマイカー二台の時代がやってきております。仕事にレジャーにと車を使う機会は年々多くなってきております。御案内のように、高速道路には一定区間ごとにトイレつきのサービスエリア、いわゆるパーキングがあるわけでございますけれども、このエリアは事故の防止、安全運転の確保の観点からも欠かせない大事な施設となっております。しかしながら、一般道いわゆる県道を初めとする道路につきましては、こういう車社会でありながら休息のスペースが少ないわけでございます。
建設省は、道の駅ということで、休憩機能、情報交換機能、地域の連携機能を持ったこの道の駅をつくっております。県内にも六カ所計画がされ、既に喜入と樋脇の二カ所がオープンして運用を図っておるところです。また県の事業としても、ふれあいとゆとりの道づくり事業として、現在六カ所設置されておるそうでございます。
車社会の今日、県民の交通手段、大半がマイカーでございます。私たちは生き物でありまして、ある一定時間ごとに催すわけでございます。男性諸君はドライブの途中でありましても、その生理現象につきましては、やぶや木立の間に走り込んで、まあ用を足すわけですけれども、女性の場合はなかなかそうはまいりません。鹿児島県は観光立県を基本の政策の一つにしておるところでございます。現在取り組んでおりますふれあいとゆとりの道づくり事業を積極的に推進をいたしまして、だれもが利用できる休息と憩いのスペースを拡大する必要があるのではないかなというふうに思います。今後の主要計画、あわせて建設省の道の駅の今後のオープン、日程等について、わかっていたら御回答いただきたいというふうに思います。
三点目、精神薄弱者、それから知的障害者の福祉についてでございます。
若干、この部分、私不勉強でございまして、言葉遣いで勇み足になる部分があるかもしれませんが、御容赦をお願いしておきたいと思います。
本年三月に、鹿児島県は国の障害者対策に関する新長期計画をもとにして、鹿児島県新障害者対策長期計画が策定をされました。これからの十年間の障害者対策に関する基本的な計画を示したものでございます。タイトルには、すべての人のための平等な社会づくりを目指してというふうにうたってございます。特にこの計画書の中で気になりましたのが、精神薄弱者の皆さんへの対策でございます。知的障害者というふうにも言われますけれども、ややもしますと御両親が、あるいは御家族の方がですね、そういうことを表に出したがらないということもありますし、さらには障害者御本人が自分の意思をうまく表現できないということ等も重なりまして、他の障害者の皆さんと比べましたときに、国や県の対策が今一歩おくれておるのではないかなというふうに思った次第でございます。
県内の障害者の状況でございますが、平成六年三月現在ですけれども、身体障害者の方が八万六千五百二十一名、精神薄弱者の方が八千九百五十四名、精神障害者の方が一万五千二百四十四名の合計十一万七百十九名の方が障害者というふうになっております。精神薄弱者の方はその八%に当たります。実は、勉強不足を反省しながら市内の更生相談所を訪問いたしました。職員の皆さんに業務の状況等を聞き、武岡台の養護学校に見学に出かけたわけでございます。たまたま養護学校は、地区の商工会の皆さんのボランティアの日で、もちつき大会等が行われておりました。体の御不自由な生徒さんたちが、ボランティアの皆さんと一緒になってもちをつく姿も見ました。何かしら、今までの自分の不勉強さが身に刺さったといいますか、目からうろこが落ちるといいますか、そういう思いがいたしました。
この子供さん、そして生徒さんたちは、学校を卒業して社会人になっていくわけですけれども、残念ながら社会に出られない生徒の方も多いわけでございます。その生徒さんたちは、授産施設あるいは厚生施設、児童福祉施設、福祉作業所等に入所をして、さらに訓練、指導を受けることになります。高校の養護教育を終えた生徒さんの行く先、一〇〇%あるわけではございません。七年五月一日現在ですけれども、入居待ちの皆さんが厚生施設で百四十八名、授産施設で三十七名というふうに聞いております。その後、新しい施設ができまして、若干この人数減っておるというふうに聞いておりますけれども、そういう入居待ちの待機の方がたくさんいらっしゃるわけです。そういう皆さんは、おのずとみずからの家での生活になります。十八歳ともなりますと、体も大きくなりますし、家族の皆さんでの介抱あるいは介護というのが精神的にもあるいは肉体的にも大変苦労が重なるわけでございます。養護学校高等部を卒業したときに、全員の皆さんが心配なく各種の施設にあるいは社会参加ができる体制をつくっていくのが私たちの責任ではないかなというふうに思う次第です。精神薄弱者の施設の入退居の現状と今後の対策等含めまして、御計画をお示しいただきたいというふうに思います。
それから、この知的障害者の子供さんたちは、小学校の特殊学級といいますかスタートいたしまして、中学校そして高校と進むわけでございます。親御さんたちは、高校に入れるのか、あるいはまた養護学校ではどうなるのか、そして福祉施設に入るのか、非常に心配をなさるというふうに聞きます。それぞれの生徒の皆さんが障害の程度が違いますから、進路決定は大変なもののようでございます。健常者といいますか、普通の親御さんでも悩むわけですので、そういう知的障害者を持たれておる御両親の悩みは深いというふうに聞いております。
さらには、精神薄弱児の中学校卒業後の進路選択ということも出てまいります。精神薄弱を判定するのに、知能指数で行かれるというふうに聞いております。養護学校にするかあるいは一般の高校に進学できるか、境界線上にいる生徒さんもかなりいらっしゃるようでございます。ただ、県内にはこの境界線上の子供さんたちが通える専門的な高校がまだございません。養護学校でもこの境界線上にいる生徒の皆さんの学習指導が課題になっていると聞いております。県立高等学校の再編整備に関する審議が今行われておりますけれども、ぜひとも精神薄弱児のこういう実態も再度把握をしていただきまして、程度の軽い子供さんたちが通える高校を新設あるいは併設することができないのか、お伺いをいたしたいというふうに思います。よろしく御検討をしていただきたいというふうに思います。
以上の件につきまして、御回答お願いいたします。よろしくお願いします。
[知事土屋佳照君登壇]
34 ◯知事(土屋佳照君)戦後五十年を数え、二十一世紀を間近に迎えようとしておりますこの時期に、豊かさの実感という点ではなお遠いと言われながらも、国民がかって経験をしたことのないような高い生活水準を享受しております中で、政治や経済情勢が激しく複雑に揺れ動き、先行きが見通しにくい状況のもとで、震災やオウム事件等、社会不安が続発しているということもございまして、国民の間に漠然とした社会不安が増大しているのではないかという指摘もございます。そういうことから、異常な社会現象が多発しているという見方もできると思いますが、私の気持ちとしては、一般的には生活は豊かで、社会的には無関心な層が広がる傾向にあり、そういった中で、なんとなく自己主張のできにくい、平板な閉塞的な社会環境から抜け出したい、何とかはけ口を求めたいという風潮が醸成されつつあるように見受けられるのでございまして、お示しのようなさまざまな社会現象が起きているのも、一つにはこういった社会情勢を反映しているのではないかという気もいたします。
ともあれ戦後あの荒廃の中で、国民は豊かさを追い求めて一生懸命ハングリーで働いたわけでございます。ようやく物の豊かさは得たわけでありますけれども、これは私の気持ちでございますけれども、自己主張とか権利主張が先行して、何か協調の気持ちとか心の豊かさといったような大事なものを見失っているような気がしてならないのでございます。先般公表されました国民生活白書でも、伝統や習慣もそれなりの意味があり、できるだけ大切にすべきだとする意見がある一方で、長期雇用や年功賃金といった雇用慣行の変化もありますし、また男は外で働き妻は家庭を守るという考え方に変化を生じてきていると。一つの流れであろうと私は思いますが、そういったことや、家族の役割が休息や安らぎを得る精神的機能に順化しているということ、また社会制度を変えることに無力感を持ちながらも、世間一般の人とは違った個性的な生き方をしたいと考える若者が多くなってきておることなど、我が国の社会情勢が大きく変化していることを指摘をして、その変化を踏まえた多様で豊かな生き方の実践を提言しておるわけでありますが、私はそのためには、我が国の伝統や美風も生かしながら、お互いに協調し合う思いやりのある心豊かな社会を構築していかなければならないと思っております。そしてその意味におきまして、将来を担う青少年の教育が極めて重要であるということを再認識しておる次第でございます。いずれにしても、新しい世紀に向けて、県民の皆さんが希望を持って生き生きと心豊かに暮らすことのできる健全で魅力のある地域社会づくりを進めていくことが重要であると考えておりまして、県の総合基本計画の基本理念で、健やかな郷土、ゆとりの文化圏域の構築をうたっておりますのも、そのような考え方に立つものでございまして、今後とも多彩な豊かさを持つ県土づくりに積極的に努力をしてまいりたいと思っております。
次に、行政改革につきましては、去る十一月二十四日、県の行政改革推進委員会から行政改革に関する提言を受けたわけでありますが、新たな時代に対応できる簡素で効率的な行政運営が行われるよう、行財政全般に当たる改革を進める必要があるという考え方に立って、いろいろな御指摘をいただいております。この提言の中にあります政策形成機能の強化につきましては、社会経済情勢が大きく変化をし、地方分権が進展する中で、二十一世紀を展望した県政運営を図るため、社会経済の実態を踏まえた的確な政策決定が機を失することなくできるよう、政策形成機能を強化していくことが極めて重要であると考えておりまして、現在、このための組織機構の見直しや職員の資質向上の方策について検討を進めているところでございます。
また、県土の均衡ある発展の基盤を築くためには、交通体系や生活環境などの社会資本の整備が県政にとって極めて重要な課題であり、これらの施策を適切に、また積極的に推進する体制の強化を図る必要がありますので、まだ具体的にちょっとここで申し上げるわけにもまいりませんが、そういった意味で組織機構の見直しを検討しておるところでございます。
出先機関については、提言の中で交通通信手段の飛躍的な発達、県民の日常生活圏域や経済活動圏域の拡大、出先機関に対する高度かつ専門的な指導の要請の高まりなどに対応して全般的な見直しが必要であり、市郡の区域移譲を基本とした所管区域の見直しや総務事務所の機能の強化などを検討すべきであるとしております。私も、基本的にはこの提言の趣旨はよく理解できるわけでございまして、そのような趣旨を踏まえて、もっと出先機関が効率的に動くことができるように、そしてまた市町村に対しても指導力を発揮できるように、市町村だけではないいろいろな農家、団体、そういうものに対してもという意味でございますが、指導力を発揮できるよう出先機関の組織機構の見直しを検討をしているところでございます。その具体的な実施に当たっては、簡素で効率的な行政運営等、県民サービスの維持、向上に配慮しながら、また地域の実情も踏まえながら進めてまいりたいと思っております。
35 ◯土木部長(横田穰二君)道路行政についてでございますが、まず県道伊集院・蒲生・溝辺線につきましては、伊集院方面と鹿児島空港を結ぶ重要な幹線道路であることから、現在、郡山町賦合地内及び吉田町都迫地内、姶良町山田地内、加治木町西別府地内の四地区において、鋭意整備を進めているところでございます。
県としては、平成五年の集中豪雨等による災害により、交通が途絶し県民生活に大きな支障を及ぼしたことにかんがみ、本年度新たに創設しました重点投資推進枠の路線に選定し、予算も投入したところでございます。今後とも予算の確保に努め、整備推進に努めてまいりたいと考えております。
次に、県道小山田・谷山線についてでございますが、県におきましては、平成五年八月の豪雨災害により国道三号が途絶したことを踏まえ、この代替路線ともなる県道小山田・谷山線を強化する方向で、災害に強い道路ネットワークの構築を図ることといたしました。鹿児島市小山田から松元町仁田尾間のバイパス計画については、これまでに概略設計を終え、本年度から実施設計のための測量等に着手したところでございます。県としては、早期に事業着手し、整備推進に努めてまいりたいと考えております。
ふれあいとゆとりの道づくりについてでございますが、まず道の駅につきましては、駐車場、トイレ、電話及び案内サービス施設等を道路管理者と地域が協力して整備するもので、現在、本県では道の駅喜入等三駅が供用されており、道の駅阿久根等二駅を整備中でございます。
一方、ふれあいとゆとりの道づくり事業は、旧道敷きを利用して休息スペースを整備するもので、頴娃町の富士見ロードパーク等六カ所が供用されており、ふれあいパーク高隈等五カ所を整備中でございます。今後とも設置場所につきましては、利用頻度が高く、しかも景観等特性のある場所の中から、県下の地域バランスを考慮して選定するとともに、市町村等協調を図り、道路利用者がゆったりとくつろげる憩いのスペースの整備拡充に努めてまいりたいと考えております。
36 ◯県民福祉部長(岡元杉夫君)精神薄弱者更生施設、授産施設、福祉工場の精神薄弱者援護施設の入所及び待機状況につきましては、平成七年三月三十一日現在、施設数は四十三施設、入所人員は二千百六十一人、通所人員は二百九十三人で、計二千四百五十四人でございまして、待機者数は百八十六人となっています。平成七年度には、四施設百二十人分のオープンを図り、待機者の解消に努めているところであります。これからも、県内の施設の配置状況や待機者の状況等を勘案し、施設の整備を進め、障害者の自立と社会参加が図られるよう努めてまいりたいと考えております。
37 ◯教育長(有馬 学君)軽度の知的障害児であります中学校特殊学級卒業生の進路につきましては、平成七年三月の状況では、八十九名のうち高等学校へ進学される方が一六%、それから養護学校の高等部への進学が三九%、職業訓練校等への進学が一五%、それから就職二〇%など多様な進路となっております。
近年、中学校特殊学級を卒業いたしまして養護学校高等部に進学する者の割合はふえておりまして、養護学校高等部では、障害の程度や特性に応じた教育過程を編成いたしまして、作業学習を充実するなどして対応しておりますが、生徒の社会自立を図る上で、職業教育の充実等が課題であると思っております。
県教委といたしましては、軽度の知的障害児に対します後期中等教育の充実は、今後の課題の一つと認識しておりますが、当面は生徒の個性、能力に応じました養護学校高等部の教育内容、方法等の充実向上に努めて対処してまいりたいと考えております。
[山口 修君登壇]