香川県議会 2020-02-01
令和2年[2月定例会]経済委員会[農政水産部] 本文
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有福委員長 理事者の説明は3月6日の委員会で聴取しておりますので、直ちに質疑、質問を開始いたします。
米田委員 まず1点目は、
コロナウイルスの影響について伺わせていただきたいと思います。
委員会冒頭で
コロナウイルスの影響について報告いただきましたが、学校給食の停止による牛乳や野菜の販売の
キャンセル等への対応は、何とかほかのルートでさばく道を開こうとしているとの報告がありました。それでも、何ともならない状況も伝えておきたいと思います。
香川県
食糧事業協同組合では、米は農協から直接
学校給食会が購入をしているので、そこの問題ではないのですが、組合では精米、炊飯、配送の部門を受け持っており、給食がなくなると600万円の収入減になるとのことです。それから、業務がなくなるのでパートの仕事を休ませなければならないため、人件費や資金繰りの問題を心配しているとの話を伺いました。同じような状況は、肉屋だって魚屋だってあると思います。そうしたところに想像力を働かせなければならないと思いますし、ほかに目を転じると、イベントや卒業式、結婚式等の中止で花卉の販売にも影響が出ていると聞いています。
また、中国関係では、生産資材の輸入の滞りや、
中国人技能実習生の入国ができず、人手不足が懸念されているとのニュースも耳にします。もう少しきめ細かく情報収集をして、全容をつかむようにしないといけないのではないかと、報告を聞きながら思ったところですが、今申し上げたような分野の影響について、つかんでいるところがあれば御報告いただきたいと思います。その上で、こういった非常事態の際には、情報をつかむ能力と態度が問われていると思いますが、そうした点についてどのように考えているのか、教えていただきたいと思います。
国分農政水産部長 まず、花卉についてですが、
関係団体等からの聞き取りによると、イベントや卒業式等の中止や規模縮小などに伴い、一部の品目で取引が低調になっていると聞いています。中国との関係では、
農業用生産資材につきましては、JA香川県によると、一部の園芸肥料の原料については、中国からの輸入が一時的に滞りましたが、在庫等で対応できており、今週から輸入が再開される見込みで影響はないと聞いています。
中国人技能実習生については、受入れを行っている主要な管理団体3団体に問い合わせたところ、現時点では影響は生じていないとのことです。
新型コロナウイルス感染症の
本県農水産業への影響については、JA香川県や卸業者など
関係業界団体等からの聞き取り、また、農家に近い各
農業改良普及センターによる現場での情報収集などを行っているところです。
今後、
新型コロナウイルスによる感染が長期化した場合には、
業務用農産物の販売などへの影響も懸念されますが、引き続き情報収集に努め、
県内農水産業への影響を注視してまいりたいと考えています。
米田委員 JA等々とも密接に情報交換しながら、まだ事態がどっちの方向へ向いていくかわからない状況ですので、大きな損失があらわれるようであれば、しっかりと地方の声を取りまとめて、県として政府に対して働きかけていただくことをお願いいたします。
2点目は、米ふるい
目幅見直しの問題についてです。
先日、農業新聞の1面に、農水省が2020年産から玄米選別のふるい目幅を見直すとの大きな見出しが踊りました。
作況指数の算定に使うふるい目幅が各
県生産現場で異なっていたので、作況指数と実態が異なるとの意見をもとに見直しに踏み切ったとのことですが、少しのみ込めませんでした。作況指数を比べるなら、全国統一の同じふるい目幅にしてこそ公平と考えるのですが、県によって異なるふるい目幅を設定するのはどういうことなのか、説明いただきたいと思います。
また、目幅を大きくする傾向にあると見えるのですが、そうすると当然編み目から落ちてしまう粒も増えますから、単収や
作況指数を下げる方向に力が働くと思いますが、県によっては1ランクだけでなく2ランクも目幅を大きくするというところもあると農業新聞は伝えていましたが、このように大きく目幅を変える狙いはどこにあるのか、その目的と効果、費用、そしてこれによって香川県産米がどのような影響を受けるのか、教えていただきたいと思います。
岡崎農業生産流通課長 水稲については、その年の収穫量が多いか少ないかなど、作柄がよいか悪いかをあらわす指標として、
農林水産省が毎年、作況指数を公表しています。水稲の場合、
作況指数は10アール当たり平年収量を100とし、それに対する当年産の収量の比率です。
当年産の収量は、県内全域の水田から無作為に選ばれた
サンプル調査を行う水田について、穂やもみの数の調査とともに、もみすりを行い、実際に測定した玄米の重量を用いて算出をしています。この
作況指数の算出のもととなる玄米の重量を出す際、商品価値のない、いわゆるくず米を除き、一般に
主食用米等として流通できる米を選別するために使用されるのがふるいです。
ふるいには、目幅の種類がありまして、当然大きい目幅にすると、目幅より小さい米は下に落ちるため、米全体の重量に対してふるいの上に残る米の重量は、ふるい目幅を大きくするほど減少することとなります。米の
作況指数の算出に当たって使用されるふるいは、昭和31年産から平成26年産までは全国統一で同じふるい目幅1.7ミリメートルが採用されていました。しかし、近年
販売戦略等の観点から大粒で粒ぞろいのよい米を選別するため、各産地の現場で使われるふるい目幅は徐々に大きくなる傾向となっており、作況指数の算出で使われるふるいと現場で使われるふるいとが異なっていました。
こうしたことから、生産者からは作況指数の算出と生産現場で使われるふるいが違うことで、生産現場の作柄の実感と
作況指数が乖離し、合っていないとの指摘が続いていたところです。
こうした指摘を踏まえ、
農林水産省は、
作況指数の算出に使われるふるいについては、平成27年産から、11の
農業地域ごとにその地域の農家等で多く使用されているふるい目幅に変更され、四国は1.75ミリと設定されたところです。
しかしながら、それでも四国の場合、実際に生産現場で多く使われているふるい目幅は、香川、徳島、高知は1.80ミリ、愛媛は1.85ミリと異なっていることから、より地域ごとの生産者の実感に近いものとするため、令和2年産より
作況指数の算出に使われるふるいを、生産現場で使われるふるいと合わせる方法として、11
農業地域ごとよりもさらに細かく
都道府県別にふるい目幅を設定変更することとなったところです。これにより、より現場の実態に合った
作況指数となることが期待されます。
米田委員 そうすると、出荷する現場で使われているものに合わせていくということだと理解したのですが、将来的にはもう一度、全国統一の設定になっていくのか、それとも
産地間競争という側面がついて回りますから、違う設定で推移するのか、この先どのようにふるい目幅をめぐっては動いていくのか、方向性についてわかるのであれば教えてください。
岡崎農業生産流通課長 まず、本県におけるふるい目幅の見直しの影響について、先ほど御質問いただいておりましたが、補足をさせていただきます。
香川県の場合、現在、四国地域として一律に1.75ミリメートルの設定となっています。変更後は1.80ミリメートルとなります。本県の農家では、1.80ミリメートル以上の使用が直近の5カ年で76%と高くなっていることから、今回の見直しは作況指数を生産現場の実態に近づける効果があると考えられます。なお、作況指数の算定に用いられるふるい目幅が変更となりましても、農家段階で新たにふるい自体を買い換える必要はないとのことで、農家の費用負担が増えることはありません。
このふるい目幅の見直しについては、先ほど述べたとおり、
作況指数のみに影響するもので、
産地間競争とは直接関係ないものです。今後、
農林水産省は、令和6年産においてさらに見直しを予定しているとのことになっていまして、より農家の実態に近い形で、
作況指数は今後も見直されていく方向となっています。
米田委員 3点目は、お茶の振興について伺わせていただきたいと思います。
地場産品の振興を図っていく中にあり、高瀬茶をはじめとしたお茶の扱いが気になっています。新年度予算でも、茶園の
樹勢回復実証圃の設置、
お茶生産団体が行う新商品開発や
販売促進等の取組を新規事業として行うとしています。しかし、これは
地域特用作物等産地支援事業の中で、全体で150万円の予算組みをしているので、全額お茶の産地を立て直すのに使うことでもないと読めます。お茶は、香川県において余りにも低過ぎる扱いではないかと感じたところです。香川県では高瀬茶は有名ですが、地盤沈下をしていることのあらわれと思いました。
お茶の振興についてどのように考えておられるのか、現在、お茶の産地の現状がどのようになっているのか、
生産農家数、作付面積、そして課題等について教えていただきたいと思います。
国分農政水産部長 まず、本県のお茶生産の現状ですが、生産については、昭和40年代の後半から始まり、ピーク時には栽培面積で403ヘクタールまで拡大しましたが、その後の消費者の嗜好やライフスタイルの変化に伴うリーフ茶、いわゆるお茶っ葉の消費の減退、それに伴うお茶の価格、茶価の低迷のほか、高齢化等による
担い手不足などにより栽培面積は減少し、令和元年には33ヘクタールとなっており、農家戸数も令和元年度では39戸となっており、香川県茶産地については厳しい状況にあると認識しています。
茶産地については、課題としては大きくは2点、次代の担い手の確保と消費拡大が考えられ、それらについて検討して、しっかり取り組んでまいりたいと考えています。
米田委員 昔は、試験場のあった仲南や塩江にも茶畑が見られたのですが、今はそういうところはないですか。
国分農政水産部長 現在、産地としては、令和元年に高松の西植田町の産地も生産を中止したので、三豊市高瀬町、まんのう町の2産地なります。
米田委員 改めて、お茶の生産の状況が最盛期の10分の1以下の面積になり、厳しい状況と認識させていただきました。いっとき、高瀬の
お茶まつりがなくなった時期があり、厳しい状況との認識がありましたが、今は、もう
お茶まつりは行われていないのでしょうか。産地として危機との状況にあるのなら、言い尽くされたことですが、ピンチをチャンスに変えるという気概を持って支援すべきと考えています。
あるお茶屋の
ホームページを見ていると、かつて高瀬の
二の宮地区は、昭和20年代に寒村の振興になる
特産づくりとして、先人が苦労して栽培を始めて、その努力が実って一気に評価の高いお茶を生産する、幻の銘茶という言われ方もしたと載せられていました。こうした先人が、地場産品で貧しい山村でなりわいを起こしていくという高い志を持って取り組んで成立させた産地をこのまま潰してしまうことにならないよう、ぜひ力を注いでいただきたいと思います。
それでは、課題として、担い手の問題や消費拡大をどうするかと挙げられていましたが、私は有機農業を調べておりまして、次のような例がありました。長崎県の北松浦郡の佐々町は、去年かことしの表彰を受けている地域で、面積自体は8.3ヘクタールで、担っているのはわずか11人ですが、お茶を有機栽培で、生産から加工、販売の一貫体制を構築していて、今は
オーガニックがブームであるため、
オーガニック指向の高い香港やニューヨークまで販売先を開拓しているとの成功例が
農林水産省の
ホームページに載っていました。こうした今の状況にフィットさせて取り組んでいるところを、ぜひ参考にしていただき、頑張っていただきたいと思います。
国も、このほど、
お茶振興法に基づき、茶業・
お茶文化振興基本方針を見直すとのことで、骨子案が示されたと農業新聞で拝見しました。この3月末までに基本方針をまとめるとのことですから、こうした動きも見逃さず、ぜひ地元の産地の方に勇気を与えるよう、力を入れていただきたいと思いますが、考えを聞かせてください。
国分農政水産部長 お茶の振興については、これまでも少し話に出ましたが、昭和54年にお茶専門の
試験研究機関として、
農業試験場満濃分場、現在のまんのう試験地を開設し、茶の早期成園化や高品質化などの栽培技術の確立のほか、管理作業の省力、軽作業化などに関する試験研究なども行い、栽培農家への普及に努めてきました。そうした事業を通し、
乗用型茶園管理機などの導入が図られています。
また、消費拡大に向けては、茶の生産団体、JA、茶産地のある市町及び県で構成する香川県
茶業振興協議会と連携して、茶の生産技術の改善や品質向上に加え、需要拡大を目的とする香川県茶品評会などを開催しています。
また、例年4月末から5月末が一番茶の時期ですので、それにあわせて栗林公園などで開催している
新茶まつりなど、消費拡大を図るための普及宣伝も行っています。さらに、子供たちにお茶に親しみを持ってもらう茶育活動を進めるため、小学校の児童を対象に、先ほど申し上げた栗林公園での
茶摘み体験や、学校給食でお茶を使用したパンやちくわ、魚の茶揚げといったことも提供している市町もあり、また、急須による茶の入れ方や、県内の茶の生産についての指導などの取組も行っています。
こうした取組を進めていますが、茶産地の現状が厳しい中、県においては、来年度から新たに茶産地の生産体制の整備を支援する
茶産地生産体制整備支援事業を講じることとしたところです。具体的には老園化した茶園において、樹勢回復を図り、生産基盤の強化による担い手の確保を図るため、改植に代わり
コスト軽減が可能な、せん枝や管理技術の実証圃を設けるとか、喫緊の課題である労働力不足に対応するため、外国人材やボランティアを活用した
労働力確保などの取組も支援していきたいと考えています。
さらに、一層の消費拡大に向け新たな茶需要の創出を図るため、茶の生産者などがみずから行う
消費者ニーズに合った茶の新製品の開発支援などにも取り組んでいきたいと考えています。
今後とも、国の茶業・
お茶文化振興基本計画も踏まえ、香川県
茶業振興協議会など関係機関と連携を密にし、県独自の支援策も活用しながら、県内の茶産地の維持、復活、復興と香川県茶の生産振興に積極的に取り組んでいきたいと考えています。
米田委員 先ほど紹介した長崎県の例では、実際のお茶本来の使い方のみならず、歯磨き粉に採用するとか、化粧品の分野にとか、本当にいろいろな方面で活用の仕方はないかと探る努力をしていますので、ぜひ参考にし、国の検討会の中でも、お茶をもっと給食の中で、飲むんでもらい子供の理解を深めることも大切ではないかといった議論も出されているのを拝見しましたので、ぜひ振興のビジョンを思い描き、進めていただくよう要望します。
最後は、この1年間ずっと申し述べてきましたが、
小農支援策について伺います。
世界が、産業としての農業が地球や人類を壊しつつあるという危機感から、家族農業を重視するとの宣言をして、農業政策の転換を促していることをずっと紹介をしてきました。我々も、その投げかけに耳を傾け、
担い手づくり、強い農業ばかりに力を注がずに、過小評価してきた家族農業の重要性と役割、魅力を伝えて、そういう姿でもいいですからと呼び込んでいくことができないものか、重要ではないかと申し上げてきました。
部長の答弁からは、まだまだ、そうだと相づちを打てるような答弁がいただけていないと感じていますが、消極的とはいえ、国はきちんと国連「家族農業の10年」というサイトを設け、それに沿うような姿勢を見せています。
その一つとして、ことし中
山間地ルネッサンス事業に取り組まれたと認識しておりますが、今どういう状況で1年間の成果を見出そうとしているのか、お聞かせください。
国分農政水産部長 中
山間地域の現状は、傾斜地などの地理的な不利性に加え、鳥獣害の増加や、
担い手不足など厳しい状況に置かれています。
こうしたことから、国においては、平成29年度に中
山間地農業ルネッサンス事業を創設し、中
山間地域の特色を生かした農業の展開や、農地等の地域資源の維持・継承の取組を支援・推進することにしたところです。これを受け、県においても、平成29年度から中
山間地農業ルネッサンス推進事業を実施しています。
この事業は、中
山間地域農業の活性化を図るため、地域の創意工夫にあふれた取組などを支援する事業で、農村地域の
リーダー確保・育成に関する研修会、また、地域の未利用資源の活用等に関する特産物の産出や、優良事業を横展開するための
パンフレット作成などに取り組んでいます。
こうした中、今年度は、中
山間地域の活性化を図るため、県内40地域における
地域人口推計を行っているところです。
地域人口推計については、対象地域における直近5カ年の人口により、地域人口の現状及び今後の推移を予測し、
何人程度定住人口を増加させれば
農業生産活動を維持できるかを推計するもので、地域の現状と将来を見える化し、目標設定ができるツールになると考えています。
米田委員 中
山間地域の
担い手確保のための現状分析のツールと認識しました。この点は少し私も勉強しましたら、どの年代のところでどれぐらい人を増やせば、地域が消滅せずに安定してくるかの処方箋を示すもので、手の届くような目標を提示するという内容ですから、中
山間地域の担い手の方々にやる気を引き出すにはいい
プログラムかと思っています。
一方、その処方箋を示さず、「地方は消滅するぞ、消滅するぞ。」と、あおり立てることがありましたから、そうではなく地に足をつけてやっていっても維持できることを、ぜひその取り組んだ地域で実感できるものにつなげることに結びつけていただきたいと思います。
そこで、もう少し突っ込んでお聞きしたいと思います。
40地域の人口推計をしたとのことですが、この40地域をどのような基準で選んだのか、そしてこのシミュレーションした結果の数値からどのような傾向がうかがえるのか、さらにこれは分析したというので終わらせたりしては何の意味もありませんから、それをどのように次年度以降活用して本来の目的につなげようとしているのか、その道筋についてお聞かせください。
国分農政水産部長 40地域の選定ですが、平成29年度に実施した中
山間地域等直接支払制度の
アンケート調査の中で、同制度に取り組んでいる約半数の組織が、高齢化などにより現在と同じ面積や参加人数で次期対策に取り組んでいくことが難しいとの回答があったところです。このため、市町などの意見も踏まえ、こうした将来的な事業継続が懸念される組織を含む地域について、おおむね網羅するよう40地域を選定したところです。
それから、今
地域人口推計については、まだ委託期間内であり内容を精査中ですが、40地域における地域人口については、5年間の
人口減少率が7.7%、65歳以上の高齢化率は33%から38%に増加、また、
農業就業人口は5年間の
人口減少率が20%、高齢化率は71.2%から71.7%と依然として高い傾向となっており、中
山間地域の厳しい現状がうかがえるものとなっています。
今後のデータの活用についてですが、
地域人口推計データは、中
山間地域等直接支払制度の維持継続に活用していきたいと考えており、来年度を初年度とする令和6年までの第5期の計画への継続が難しい地域を中心に、継続推進に向けて
人口減少対策や持続的な
農業生産活動について、地域みずからが話し合いを通じて考えていただくための一つのツールとして活用してもらいたいと考えています。
このため、来年度は、まずこの
地域人口推計についての理解促進を図るため、
市町担当者を対象に、
地域人口推計の活用方法についての勉強会を開催したいと考えています。
さらに、
地域人口推計の成果を活用し、優良でうまくいっているところの集落の現地調査や要因分析などを行い、その結果を優良事例として横展開を図り、中
山間地域の活性化につなげていきたいと考えています。
中
山間地域の活性化に向けては、市町等とも連携し、担い手への
農地集積集約化や、
集落営農組織化、基盤整備を図ることはもとより、この
地域人口推計も活用し、中
山間地域等直接支払制度を継続することにより、持続的な
農業生産活動を支援していきたいと考えています。
米田委員 私も、職員時代にかかわっていた島の地域が、結局、高齢化によって、活動していないという状況になってしまいました。本当に、言うは易く行うは難しです。特に、人々のマインドをやる気にさせるところが難しいと思います。
その意味で、答弁にあったように、まずは研修を行って市町職員の中にもその意識性を高めていくことはいい視点だと思います。県の多忙な状況は十分わかりますが、
普及センターの普及員の中でも、みずからが
指導的役割を果たしていくとの
意識合わせと、手法、
プログラムの有効性をわかった上でかかわっていこうとの意思統一をしっかりして、中
山間地域直接支払制度が機能するよう引き続き頑張っていただくよう期待して、質問を終わりたいと思います。
松岡委員 まず、私からは地域農業を支える担い手の確保、育成について質問いたします。
農業を取り巻く状況は、高齢化とリタイアが加速しているわけですが、本県の
基幹的農業従事者の平均年齢は70.4歳、全国平均が67歳ですので、かなり上回っている状況かと思います。
そのような中で、例えば農業委員が農家を戸別訪問して、後継者がいるか、いないかの状況や、農地の維持管理についての
アンケート調査に尽力していただいています。時間がない中、戸別訪問して、いろいろな状況を聞いていくわけであり、大変な労力と思っています。本当に頑張ってくださっていますが、これらは、農地を誰がどのように守っていくか、地域での
話し合い活動を進めるために、地域農業の将来ビジョンとなる新たな人・
農地プランの作成に向け、こういった取組が行われていると伺いました。
また、ある地域では、その地域のいろいろな問題、高齢化はもちろんのことですが、相続で農地を取得したが、農地を守っていくスキルもなく、ほかの仕事をしていたため、いざ帰ってきて農業をやる自信もないといった方も、もちろんたくさんいらっしゃり、そういった地域、
自治会単位で潜在的な困難が顕著化してきたことで、自治会みんなでこの問題に取り組んでいこうと、農地機構や農業委員にも介在していただき、三位一体となって自治会みずからが農地集積に取り組んでいるとのことで、この間もそのような会に参加させていただきました。
話を聞いていると、若い人をどう取り込んでいくかという話になっていくわけですが、県としても若返りが重要だとのことで、力を入れていると聞きました。
今まで以上に後継者活動を進めていく必要があるとのことで、国としても、次世代人材への投資事業が平成24年から始まっていて、農業への就職という間口が広がったとのことです。こういったことから、県もどのように今後、取り組んでいくのかを前提とし、質問させていただきます。
地域の農業、農村を持続的に発展させるためには、兼業農家を含めた多様な農業者が安心して営農できる環境づくりが必要と考えます。県では、地域の農業を守るために集落営農組織の育成に積極的に取り組んでいます。こうした組織もやはり高齢化は否めないとのことで、地域の農業を支える役割を期待されている集落営農組織の円滑な世代交代を進める観点から、集落営農組織の現状と若返りなども含め、今後の対応についてお伺いいたします。
国分農政水産部長 農業を持続的に発展していくためには、地域として農業を支えていくことが重要であり、そのためには
集落営農組織化が重要であり、県としても推進しています。
まず、現状ですが、ことし2月末現在、県全体で集落営農組織は272組織あります。そのうち法人が約4割の116組織で、今年度新たに7法人が設立され、近年、集落営農組織については増加傾向にあります。こうした集落営農組織が経営する経営耕地面積は、全体で3,029ヘクタール、平均経営面積が11.4ヘクタールと、地域の農地の維持発展に貢献しているところです。
一方、構成員の平均年齢は平成30年度末で70.3歳と毎年上昇し高齢化が進んでおり、集落営農組織の実態を把握するため、昨年10月に
アンケート調査を実施したところ、約8割が課題として後継者の育成を挙げています。
こうした結果を踏まえ、高齢化する集落営農組織の後継者を早急に確保・育成するため、来年度から集落営農組織の若返りや事業継承の促進に重点的に取り組んでまいりたいと考えています。
具体的には、集落営農組織の若返り支援として、JAと連携して県内7カ所程度でモデル組織を選定し、組織の10年後を見据えた若返りビジョンの作成について話し合ってもらう場の創出、また、組織みずから行うリクルート活動の支援などに積極的に取り組むとともに、これまで農業をしていなかった兼業農家の子弟などについても、集落営農組織への構成員として誘導するため、農業の基礎を学べる農業入門出前講座なども開催したいと考えています。
さらに、地域農業を支える多様な若手グループを育成するため、グループによるドローン防除などの農作業支援活動を促進して、こうしたグループについては将来的には、集落営農組織への発展へとつなげてまいりたいと考えています。
また、ハード面の支援としても、新たに組織の若返りを事業の採択要件として、必要な農業用機械等の整備も支援したいと考えています。こうした取組により、ハード、ソフト両面から地域を支える集落営農組織の円滑な事業継承や若返りを積極的に進めたいと考えています。
松岡委員 平均年齢が70.3歳と高く、アンケートの8割が後継者を必要とし、また、若返りを望んでいるといったことも踏まえ、農業農村の持続的な発展には、長期的な視点で見ると、若い新規就農者の確保・育成も大切だと思います。
特に、香川県で農業をしたいと夢を持って就農する県外や非農家出身の新規就農者の方がいらっしゃると思うのですが、そういった方々をどう確保・育成していくか、お伺いいたします。
国分農政水産部長 県では、これまでも多様なルートから意欲ある人材を確保するため、就農から定着まで一貫したサポート体制を構築し、就農についての情報発信や就農相談にきめ細かく対応するなど、就農希望者の円滑な受入れに努めているところです。
また、こうした中、新規就農者の状況をみると、昨年度の新規就農者が138名ですが、そのうち県外出身者が3割、また、新規に農業に参入する方の割合が6割と、県外や農業以外からの就農が多くなっているところです。このため、県ではこれまでも東京、大阪などの都市部で開催される新・農業人フェアや移住フェア等で就農相談コーナーを設け、県外からの就農希望者の確保に取り組んでいるところですが、来年度からは、さらにその情報発信や就農相談の取組を工夫、強化してまいりたいと考えています。
また、農業以外からの新規就業者の確保についても、農業入門出前講座などの新しい取組を行い、さらに強化していきたいと考えています。
さらに、県外や農業以外からの新規就農者の方にできるだけ早く定着していただくことも重要ですので、そういった円滑な育成に向けて、就農希望者が先進的な農業者から技術を習得して独立するのれん分け就農を促進するため、新規就農者の里親支援事業により、新規就農者を受け入れる里親に対しての研修費用なども支援しているところです。
また、新規就農者から認定農業者への円滑な移行などを図るため、来年度新たに新規就農者経営フォローアップ事業を創設し、税理士などの専門家による個々の経営診断を行うなど、新規就農者みずからが経営確立できるよう支援を行うとともに、きめ細かな支援を行いたいと考えています。
今後とも、就農相談から定着・発展まで切れ目ない支援を行い、県外や農業以外からの新規就農者も含めた県内外の多様な人材をしっかり確保し、全てを担い手へ育成するよう取り組んでいきたいと考えています。
松岡委員 先日、移住者かつ農業者ばかりの若手の会に行ってきました。本当に雰囲気が明るく、前向きな話しか出てきません。その中に1人だけ地元出身の方がいて、彼は、譲り受けた土地を少し小さくし、そのかわり余ったエネルギーで、6次産業を考えているとのことで、自分で加工したり、いろいろなことを考えたりしているとすごく前向きな取組をしており、それ以外の方も、こういう野菜を今度つくりたいとか、中には移住をとにかく香川にしたくて、香川に実際移住し、その次に仕事をしたいと思ったときに、周りの友達になった人がみんな農業をしていたので、農業大学校に入ったとのことでした。そして、4月からはいよいよ果樹をスタートさせるのだと、本当に前向きで、私もエネルギーをもらったわけです。
その会で、みんなが、「ああ、そうそう。」と言ったことが1つあります。それは、新規就農をする際、書類作成のハードルが高いことです。要は、何年後にはこれぐらいの収穫をしてといった数値を、目標を掲げるために書かなければいけないのだと思うのですが、全く農業をしたことがなかった人にとっては、そういうことのハードルが高くなればなるほど、気持ちが一瞬萎えそうになるといいます。
確かに、「その作業があったから、農業への取組が簡単なものでない。」とか、「その作成をしたから大変勉強になった。」といった声もあったのですが、それに対して、もう少し参考になる資料やデータを県の
ホームページなどで、書き方をわかりやすくするとか、そういう過去のデータなどがあると助かるとのことです。
同時に、
普及センターの方も相談したら丁寧に教えてくれるが、家でとなると、ネットを使うわけです。そういう情報提供の改善も含め、県として新規就農者に対する支援の中で、例えば今回の書類作成の実質的なところについて、具体的なサポートをどのように行っていく予定かお伺いします。
国分農政水産部長 新規就農者へのサポートについてですが、お話がありましたように、新規就農者については、例えば認定新規就農者の認定を受けるためには、青年就農計画をつくる必要がありますし、また、助成金の申請などの作成も必要になってきます。
このため、県ではそうした新規就農者に対し、
農業改良普及センターが中心となり、そういった計画の作成支援など、新規就農者の状況や目標に合わせた個別支援を行っているところです。
また、そうした中で、県の
ホームページ「かがわアグリネット」がありますが、そこでは栽培する栽培品目の組み合わせごとに、作付面積や収量、農業所得、労働時間など48のモデルを示しており、新規就農者がそういった計画をつくる際の作成がよりスムーズになるよう支援しているところです。
新規就農者が必要とする情報を提供するこうしたサイトのページの充実を図るとともに、より工夫してわかりやすいものにするなど、より使っていただけるよう取り組んでいきたいと考えています。
松岡委員 ネットへのそういった情報提供の改善をしっかりしていただけるとのことでよろしいでしょうか。
国分農政水産部長 そういった情報提供をしっかりして、新規就農者が安心して就農できるよう取り組んでまいりたいと考えています。
松岡委員 きょうは、そこのところの確約をいただかないことには、これから頑張りたいと思っているいい仲間たちがいろいろなところにいるので、私もそれを何とかつなげてあげたいと思いますし、少しでも前向きに農業に取り組んでもらえるようにしていただきたいと思います。その姿をまた、今まで頑張ってこられた先輩方に見てもらうと安心もしていただけるだろうし、僕たちもまだまだ最後まで頑張らないと、という思いにもなっていただけると思いますので、しっかりこういったところのサポートをしていただきたいと要望しまして、次の質問に移りたいと思います。
6月定例会でも質問いたしましたが、農泊についてお伺いいたします。
まずは、農家民宿の数も含めた進捗状況をお伺いします。
国分農政水産部長 農泊につきましては、今年度、香川の農泊推進事業を創設しまして、滞在拠点となる農家民宿の開業支援の強化、開業支援セミナーや先進地視察、模擬受入れ宿泊体験などを行い、農家民宿の開業促進を図っているところです。
この事業では、段階的にスキルアップできる仕組みとしており、参加者のネットワークも活用しながら農泊の普及推進を図っており、昨年度から行っている関係機関との調整や、必要な書類の作成指導を行うワンストップ窓口での開業支援についても、開業希望者に浸透してきたところです。
また、そうした中、今年度、新設した開業に必要な火災報知機や消火器などの施設整備に対する支援も6件行ったところです。
さらに、今年度はインバウンドの誘客を図るため、グリーンツーリズム関連施設を紹介した英語版のパンフレットを作成するとともに、また、委員からも助言いただき、参考にしながら、「のうはくくん」というマスコットキャラクターを設け、「かがわのいなかに泊まろう!」と題し、県下の農家民宿30軒を紹介する親しみやすいパンフレットを現在作成しています。
こうした中、農家民宿の開業数は、昨年度4軒、本年度9軒開業するなど大幅な増加傾向になっています。これまでは、瀬戸内国際芸術祭の開催などにより島嶼部での開業が多かったのですが、近年は本県の内陸部の中
山間地域を中心に開業が増えている状況で、現在、県下の農家民宿は5年前が15軒でしたが、それに比べ約2倍の32軒となっています。
松岡委員 一つ一つ着実に進んでいるなとの印象を受けましたし、「のうはくくん」のようなマスコットキャラクターやチラシといったお客様を受け入れるシステムを、今後、さらに作っていく必要があるかと思います。作るときは、確かに生む苦しみはあるかもしれませんが、そういう積み重ねが一つ一つ大切で、最近新聞やテレビでも農泊が多く取り上げられ、県内でも認知されてきたのではないかと感じます。
農家民宿の数が増えてきたからこそ、経営者同士の情報交換や横のつながりが大事になってくると思います。あわせて、農泊を中心とした周辺に点在する観光資源の活用も考えていくべきと考えます。
例えば、今防災の観点から、ため池がどうしても悪者のイメージになりがちですが、決してこれは悪者ではなく、私たちの命をつなぐものですから、ため池も私たちの生活の中の風景の中の一つだということを知っていただくためにも、観光資源として何かつながるようにやっていけばいいかと思ったりもします。そういったこともあわせ、今後の取組をお伺いしたいと思います。
国分農政水産部長 農泊とは農村の食、体験、泊を柱として、農村の地域資源を生かしながら地域が一体となって行うものであり、拠点となる農家民宿だけではなくて、地域の魅力あるブランド農産物、また、ため池などの独特な農村風景、豊かな自然環境に加え、地域の郷土料理や農村文化などを有機的に連携していくことが必要と考えています。
このため、農家民宿を核として観光農園や農村レストラン、産直市などのグリーンツーリズムなど、多様な地域資源が一体となって取り組めるよう、関係者が横の連携を図るための交流会を平成30年度から開催しており、今年度は60名の参加により昨年の12月19日に観音寺市の五郷で開催し、交流促進を図ったところです。来年度も、こうした横の連携を図る取組を強化してまいりたいと考えています。
また、現在、農家民宿の開業状況を地域的に見ますと、東讃地域4軒、高松南部地域2軒、それから綾川町を中心に中讃地域に6軒、西讃地域4軒、島嶼部16軒となっており、いわゆる農泊地域が形成されています。
県としては、今後とも市町と連携しながら、農家民宿の開業促進とともに、観光資源を含めた地域の魅力あるコンテンツの充実強化を図り、地域が一体となった取組を促進し、農泊地域の創出につなげてまいりたいと考えています。
松岡委員 農泊地域との表現がありましたが、確かにそういうのが各地域で出てくると、また、そこにある意味の色づけというか、付加価値をつけていくと、点と点が結んでいけるとも思いました。
こういう話が進んでいく一方でこういった声もありました。ある農泊の経営者の方から、「先日、裏の山の木が倒れてきそうなのだが、このままいくと民宿を開いているところに倒れかかってしまう。」とのことで、このようなとき、周辺環境の整備の相談も、農村整備課が設けているワンストップで対応できるのか、あわせて今後、農泊に影響が出る前提で、同じようなことがあれば対応してもらえるのか、お伺いします。
国分農政水産部長 先ほどもお答えしましたが、ワンストップ窓口とのことで開設していますが、農家民宿の開業支援者の希望者などにも浸透してきたところであります。
また、既に開業した方々におきましても、例えば関係法に伴う定期検査の手続とか、経営に関する各種の相談なども寄せられている状況です。
今、話のあった農家民宿の周辺環境等の相談につきましても、ワンストップ窓口に気軽に相談いただきたいと考えています。
具体的には、個別対応となりますので、そこで全てが解決することにはならないかもしれませんが、関係市町とも連携しながら、必要に応じて担当部署につなぐなど、できるだけの対応をしてまいりたいと考えています。
松岡委員 そういうことを聞くと、これから始めようとされる方、今実際にされている方は安心すると思いますので、何かあったときには私もそのように伝えたいと思います。
香川の魅力を伝えるためにも、農泊をもっと生かしていただきたいと思いますし、この1年をかけて、たくさん点在する魅力あるいいところをとにかく線でつないでいただきたいことも要望し、そしてまた、経営者へのサポート、情報提供、宣伝に引き続き尽力していただきますようお願い申し上げ、私の質問を終わります。
松本委員 まず、県産花卉の振興についてお尋ねしたいと思います。
花卉の振興については、昨年の6月定例会、9月定例会の本委員会でも取り上げさせていただきました。
農家数や栽培面積が全国的に減少傾向にあるなど、花卉を取り巻く環境が厳しさを増す中、カーネーションやマーガレット、菊、盆栽などを中心とした県産花卉の振興を図ることは、本県の重要な課題であることから、今回もそういった観点の目線から質問させていただきたいと思います。
花卉の消費に目を向けると、これまで述べてきたように花卉の購入金額は長期的に減少傾向にあり、本年2月に総務省が公表した家計調査によると、令和元年の本県高松市における切り花の世帯当たり消費支出は前年より約6%減少し、全国順位も14位から21位に後退してしまいました。
一方、本年1月に
農林水産省が公表した本県花卉の平成30年における農業産出額は、前年と同じ29億円と、最近では30億円前後で推移していることから、平成3年をピークに減少していた本県花卉の農業産出額は、その減少傾向に一定の歯止めがかかりつつあると感じています。
こうした中、2月29日、3月1日に予定していたフラワーフェスティバルかがわ2020につきましては、
新型コロナウイルス感染症の感染防止を図る観点から急遽中止となりました。ですが、さきの2月9日にバレンタインデーに大切な人へ花を贈る、フラワーバレンタインのPRイベントを高松市内で開催したというのを報道等で見ましたが、大変にぎわっていたとお聞きしています。このフラワーバレンタインのPRイベントがどのような状況だったのか、まずお尋ねしたいと思います。
国分農政水産部長 フラワーバレンタインのPRイベントは母の日、それから父の日などいわゆる物日の花贈り文化の定着を図る一環として取り組んでいるもので、ことしは2月9日に高松市南部の3町ドームで実施いたしました。
実施に当たりましては、商店街を通行する方に、この取組が一目でわかるように、大型のPR用の懸垂幕をドーム天井からつるすとともに、オリーブをはじめ、カーネーション、ラナンキュラス、マーガレットなど県産花卉で彩ったフォトスポットをドーム中央に設けました。
また、若い世代の花卉への関心をより一層高めるため、県産花卉を飾ったいわゆるストリートピアノをフォトスポット内に設置し、来場者や通行する方に自由に演奏してもらうとともに、有名なユーチューバーのピアニストを招いて花にちなんだ曲を弾いてもらい、SNSにより本取組を発信したところです。当日は約500人もの来場があり、会場はにぎわったところです。また、その後インターネットに公開された動画は、再生回数が20万回にも上り、発信力のあるユーチューバーを招いての花卉イベントとして大きな効果があったと手応えを感じたところです。
また、会場では、生産者団体による県産カーネーションのフラワーバイキングとカランコエやサイネリアのオリジナルの鉢入れづくりのワークショップなども開催し、こちらも約150組の参加があり、多くの方でにぎわい、県産花卉の消費喚起につながったと考えています。
松本委員 イベントも好評で、動画も20万回再生されたことも含めて、県産花卉の関心が県内外含めて高まっているのは望ましいことで、ぜひともこういったイベントはどんどん開いていただき、花卉の香川県のよさをぜひ広めていただきたいと思いますし、また、そういうPRができたのであれば、次は県産の花を香川県を含めた消費者の方々に選んでもらいたいと思うわけですが、この県産花卉を今後ともしっかりPRしていくとともに、まず県民の方々にも県産花卉をしっかり知っていただくことが重要であると思います。
県では、県産花卉の認知度向上と需要拡大に向けてさまざまなことに取り組んでいると思いますが、どのようなことに取り組んでいるのか、お尋ねします。
国分農政水産部長 県では、県産花卉の需要拡大に向け、先ほど申し上げましたようなさまざまなPRイベントを実施しています。そうした中、例えば全国高校生花いけバトルや県民花まつりなどの中で、来場者への
アンケート調査を実施しています。その結果を見ると、花を購入する際に県産を買いたいと思いますかと尋ねたところ、82%の方が県産花卉を購入したいとの回答があり、県民の方々の県産花卉への関心の高さがうかがわれたところです。
こうした県民の皆さんの意識の高まりを実際の花卉消費につなげるため、県産花卉を購入できるお店が身近にあることが重要でありますので、県では県産花卉を積極的に取り扱う販売店を香川県産花卉取扱協力店として登録し、PRに努めるとともに、ワークショップや花育における講師、物日のイベントで花卉の装飾などをしてもらうなど、協力店の方と連携した取組を進めています。
一方、先ほどのアンケートの中で県産オリジナル品種の認知度に関してもお聞きしました。その結果ですが、カーネーションのミニティアラを知っていると回答された方が2割、ラナンキュラスのてまりを知っていると答えた方が27%であり、これまでPRに努めているものの、まだまだ認知度が低い状況にあります。
こうしたことから、県では県産花卉の認知度をさらに1段階高めていくことが必要とのことで、来年度新たに県産花卉PR強化事業を創設し、県産花卉のPRの充実強化を図ることにしています。
具体的には、本委員会において委員からも提案があった県産花卉をPRするためのロゴマークなどを新たに作成したいと考えています。また、オリジナル品種のミニティアラシリーズやてまりシリーズをはじめ、新たなロゴマークを付した県産花卉のポスター、ミニのぼりなどのPR資材を作成し、旬の時期に県産花卉取扱協力店で掲示してもらうなど、店頭における県産花卉のPRの充実強化を図ることとしています。こうしたロゴマークやPR資材の作成に当たっては、県産花卉協力店の方の意見も十分に聞きながら、実際に店頭で活用していただけるものとなるよう、工夫していきたいと考えています。
また、生産者団体や販売店と連携して取り組むさまざまな花卉のPRイベントにおいても、そういったPR資材を積極的に活用するなど、本事業を最大限に生かして県民の県産花卉への注目を高め、認知度向上が図られるよう取り組みたいと考えています。
また、さらにこれまでの県産花卉のPRの取組も強化していきたいと思っており、全国高校生花いけバトルにつきましては、大勢の方が来場されるので、そういった場をしっかり県産花卉をPRする場として活用するとともに、今年度花卉のワークショップを開催しましたが、ファミリー層でにぎわい、好評であったことから、次回大会においても来場者が県産花卉に親しみを持てる取組を強化していきたいと考えています。
また、花育活動ということで、幼稚園や小学生等を対象としたカーネーションの植付け体験や花束づくりなどの活動もしていますが、今年度新たに花の有する癒やしの効果に着目して、病院施設の入院患者を対象とした花育活動を実施したところです。そのアンケート結果によると、患者の皆様からは気持ちが明るくなった、また、病院のスタッフの方からは、お花は癒やされるのでぜひ続けてもらいたいなどの声もありましたので、来年度についても花卉の癒やしや安らぎの効果を生かした病院施設での花卉の利用促進も取り組んでいきたいと考えています。
また、今年度からやっているかがわ「旬のイチオシ」農産物フェアにおいても、県産花卉を積極的にPRしています。こちらも、消費者、量販店の方から好評ですので、来年はより一層PRする取組を強化していきたいと考えています。
今後とも、こうした取組を通じまして、県産花卉の認知度向上を図り、もって県産花卉の消費拡大に積極的に取り組んでまいりたいと考えています。
松本委員 県産花卉に対して82%の方が関心を持っているとの話で、私もこの議会でずっと訴えてきたのが、実際、生産者の方と販売する方、それを購入する消費者の方といろいろ話していて、例えば野菜であれば産地があるのですが、私も花屋を何箇所か回りましたが、生産地はわかりません。でも、消費者の方と話していると、例えばプレゼントをもらったとき、県産の花束等をもらったらどうかと聞くと、普通のものより香川県の花束は何かうれしい気がするとのことでした。つくる側もまた、その花束をつくり販売する人たちも、県産品となるとやっぱり自分たちの地元の花だと喜ばしいとのことで、今回農林水産部でもイベントの中で県産の花卉のPRをしていただいたら、いろいろな取組がうまくいき、購入意識も高まってきたことから、今回、ロゴもつくるとの話を幾つかの場所でお話ししたら喜んでくれたので、ぜひどんなロゴができるのか楽しみだと思います。来年度に入ったら夏ぐらいにはこのロゴの募集があると思いますから、お子さんがもしそういう絵心があるのであれば、花卉の感覚が向上してほしいという意味で、ぜひともいいロゴを描いて、参加してくださいとお願いしたので、しっかりこのロゴも含め、いろいろな取組をされていますので、今後とも花卉の生産に向けてぜひ力を入れていただきたいです。
また、今回の
新型コロナウイルス感染症拡大の影響で、生花の需要が激変していると思います。身近なところでは結婚式、あと高校がもう始まりましたけれども、これから小・中・幼稚園は卒業式があるわけですが、イベント等の自粛がいろいろなところで相次いだことによって、花の注文のキャンセルが続出しており、つくる側も販売する側も危機感を強めているとのことです。
そうした中で、競り下げ方式で行われている花卉市場の価格の下落が進んでいるとの話も聞きしましたが、その中で部長が先ほど言われたのは、
関係団体等にも聞き取りを行っているとのことで、私が心配しているのは、生ものでなければ保存できるのですが、花だと冷蔵庫へ入れたりしても期間が限られていると思うので、バレンタインは終わりましたが、これから、父の日、母の日や、卒業式、入学式などいろいろある中で、花卉の生産者は敏感だと思うのですが、どのような内容の聞き取りが今とれているのか、もし状況がわかれば教えていただきたいと思います。
国分農政水産部長 高松花市場における取扱価格の状況の中で、一部の品目について取引が低調になっているとお聞きしています。それから、生産者の方からは、イベント需要に生産者の方もいろいろ取組があり、そういったところに特化、重点的にされている方については、キャンセルなども出ていると聞いていますが、いずれにしましても、
新型コロナウイルスの感染症の影響が長期化していくと、いろいろな影響が出てくることも懸念されますので、そうした中でもしっかり県産花卉の需要拡大の取組を強化したいと考えています。
松本委員 江藤農林水産大臣が6日の閣議後、職場や家庭に花の購入を促進する取組を始めると記者会見をしていました。その中で、3月14日のホワイトデーには、たとえ義理チョコであっても花をお返しすることをお願いしたいとの話もありましたので、お返しにはたしかマシュマロだったと思うのですが、ここにいる皆さんも協力していただいて、花卉の生産のPRに向けてぜひお願いしたいと思います。今後とも県産花卉のPRを強化するとともに、先ほどからお話が出ていましたが、全国高校生の生け花バトルをはじめとした、さまざまな取組が本県の花卉の振興に結びつくよう、今後、ますます生産者、関係団体と連携し戦略的にぜひ取り組んでいただきたいと要望します。
2点目です。家畜防疫対応についてお尋ねします。
平成30年9月に国内で26年ぶりに豚熱が発生して以来、野生イノシシ等の野生動物を介して病原体が農場に侵入することが発生の一因とされております。中部、関東地方の発生県等においては、使用豚への予防的ワクチン接種や、野生イノシシへの経口ワクチン投与を始めたことにより、うまくいけば収束に向かうのではないかと思っておりました。
ところが、本年の1月8日に、これまでの発生地から遠く離れている沖縄県で発生しました。その原因は、野生イノシシではなく病原体が含まれた肉製品を十分に加熱せずに給与したことのようです。その後も、沖縄県では人や車両を介したと考えられる感染が続いております。
そのような中、沖縄県農林水産部は6日、豚熱の拡大防止のために、沖縄本島全域の豚へのワクチン接種を開始しました。初日は獣医師、家畜防疫員9人を導入し、養豚農家が飼育する約8,000頭の豚にワクチンを接種したとのことであります。沖縄県は、本島全域230戸を対象に計23万8508頭にワクチンを接種するわけですが、期間は2カ月間、5月上旬の終了を見込んでいるとのことですが、感染のリスクが少ないとされている離島では実施しないとのことでした。
1月8日にうるま市の養豚場で34年ぶりに豚熱の感染が確認されて以来、これまでに6例、9養豚場で約1万1941頭が殺処分されたようです。ちなみに、このワクチン接種に係る費用が1頭当たり約160円で、初回に係る約3816万円は公費で負担、2回目以降は農家の負担になるようです。
また、予防法、治療法のないアフリカ豚熱はアジア諸国で今なお続発しており、我が国への侵入リスクは一段と高まっていると感じます。国は、先月5日、家畜伝染病予防法の一部を改正し、豚コレラから名称を変更するとともに、アフリカ豚熱発生時に口蹄疫と同様の予防的殺処分が行えるようにするなど、国内でのアフリカ豚熱の発生に備えるほか、豚熱対策強化をしております。
先月25日には、家畜伝染病予防法改正案を閣議決定しております。アフリカ豚熱がアジアで流行していることを踏まえ、空港の水際対策に当たる家畜予防官の権限を強化し、違法持込みの肉類を防疫官が破棄できるようにすること、また、最大100万円だった罰金を300万円、法人に関しては5000万円に引き上げたようです。イノシシなど野生動物による感染の予防策も盛り込まれていることも同時に閣議決定したようです。
我が県としても、養豚場での水際対策はしっかり行い、感染予防対策を万全に行うことが重要であると考えます。
そこでまず、11月議会で補正予算計上した野生イノシシ等の侵入防止柵の設置状況を含め、現在、豚熱の防疫対応についてどのように行っているのか、お尋ねしたいと思います。
国分農政水産部長 県内で豚熱を発生させないためには、その病原体を農場に侵入させないことが何より重要です。このため、県内32の養豚農場のうち、野生イノシシ等の野生動物の侵入防止柵が未整備の農場について、国の事業を活用して行う侵入防止柵の整備を支援しているところで、また、設置に当たりましては立地環境に応じた設置の指導・助言、また、設置後の管理の指導をしているところです。
これまで未整備であった24農場のうち、自己資金で対応するなどの9農場を除く15農場が侵入防止柵の整備に着手し、現在、5農場が完了し、残りの農場も今年度中に完了する予定です。
また、沖縄県で豚熱が発生した一因として、病原体の含まれた肉製品を十分に加熱せずに餌として給与していたこと、また、農場に出入りする人や車両の消毒が不十分であったことを受け、県内で食品残渣を給与している9農場に対し、肉製品の含有の有無や加熱処理状況等の現状を聞き取り、加熱処理の徹底についての指導を行ったところであり、また、飼料会社などの農場関係者に対しても、人、車両の消毒を徹底するよう注意喚起を行うなど、飼養衛生管理基準遵守の徹底を指導しているところです。
松本委員 発生リスクが高まっている豚熱とアフリカ豚熱のほか、もう一つ心配なのが鳥インフルエンザであり、こちらも季節的に心配しております。どの家畜伝染病も全国どこで発生してもおかしくない状況にあると思います。
来年度は、我が県におきましては家畜伝染病予防事業費として約4500万円の予算を計上していますが、家畜防疫対応の具体的な取組はどういうことが行われるのか、お尋ねしたいと思います。
国分農政水産部長 家畜伝染病の発生防止として、農場内への病原体侵入を防ぐことが何よりも重要です。また、万が一発生した場合には、蔓延しないよう迅速に防疫対応を行うことが求められており、新年度においても発生防止と防疫体制の強化に積極的に取り組んでいくこととしております。
まず、具体的には、発生防止対策として家畜保健衛生所の家畜防疫員が農家を巡回し、飼養衛生管理基準の遵守を徹底するよう指導するとともに、早期発見のため農場で鳥インフルエンザや豚熱の抗体検査等を行うほか、正確に検査を実施するため、新しい診断技術の取得や診断機器の整備を図ってまいります。
また、迅速かつ的確な防疫対応が行えるよう、防疫マニュアルに基づき、国や市町の防疫従事者、自衛隊員、関係団体の担当者等とともに、鳥インフルエンザや豚熱の発生を想定した実地訓練や、消毒ポイント設置などの実践型の防疫演習を実施することとしており、さらに防疫対応に必要なフォークリフト等のオペレーターの人材育成、また、初動対応に必要な資材、器具の整備を行うこととしています。
今後とも、危機感を持って国や各市町、関係団体と連携しながら、飼養衛生管理基準の遵守を徹底するよう指導するとともに、防疫体制のより一層の強化に取り組んでまいりたいと思います。
松本委員 この家畜伝染病対応につきましては、水際の対策、そして発生予防、発生時の初動対応が重要だと思います。
本県では、ちょうど2年前、さぬき市で鳥インフルエンザが発生したときの初動の対応がよくて、感染が広がらなくてよかったとのことで、皆さんも重要であることは肌で感じていることだと思います。
また、アフリカ豚熱の課題としては、患畜・疑似患畜以外を含めた予防的殺処分の決断が難しいと思うのですが、これも感染の拡大をとめるために大事ですし、野生動物の対策が大事で、現在は、感染動物の発生場所の消毒とか通行制限ぐらいで、ほかの対応が余り示されていません。国でも対応がなかなかないとお聞きしますので、こういう野生動物対策もどうしていくか、今後も、考えていかなければいけませんし、また、県ではしっかりやられているとのことでしたが、農場周辺での石灰などの散布を含めて、農家をはじめ、日常的にしっかり県として指導を含めた飼養衛生管理徹底に尽きると思います。あと、飼養衛生管理の責任体制もしっかり構築しなくてはいけないと思うわけですが、今後とも畜産農家への指導や支援もやっていかなければいけませんし、また、防疫体制の強化もしっかり取り組み、広がったときにどう止めるかは大変だと思いますが、しっかり要望させていただき質問を終わりたいと思います。
氏家委員 まず、試験研究の充実強化についてお尋ねいたします。
国内外の
産地間競争が激化をする中、全国に比べて経営規模が小さく、高齢化が高い本県農業の経営の安定と持続的発展を図っていくためには、新品種の育成、高品質化、省力化、低コスト化など、担い手の取得向上につながる研究開発を行う県農業試験場が果たす役割は大きいと思っております。
その中で、さきの11月定例会の経済委員会におきまして、昨年3月に策定された香川県農業試験場試験研究推進構想の内容や、また、同構想の実現に向け取り組んでいる試験研究の具体的な内容について伺いましたところ、部長から、国の研究機関である農研機構西日本農業研究センター四国研究拠点と連携して、アスパラガスに関する共同研究を強化してまいりたいとの答弁があったわけです。
この共同研究は、政府関係機関の中央移転がなされたことで実現可能となった案件であるとお伺いしています。来年度の当初予算でも、四国研究拠点との共同研究事業として計上されております。
そこでまず、この共同研究の具体的な内容や進め方についてお伺いいたします。
国分農政水産部長 今回の共同研究は、政府関係機関の地方移転の一環として、農研機構西日本農業研究センターが、京都府にある綾部研究拠点の機能の一部を本県善通寺市にある四国研究拠点に移管し、拡充することを契機として開始されるものです。
具体的には、農研機構の高度な施設機器や、治験、分析ノウハウと、県農業試験場が有する地域の特性を踏まえた実践的な生産管理技術など、お互いの強みを生かして技術開発の加速化を進めてまいりたいと考えています。
共同研究を開始するに当たっては、県と農研機構はこれまで連携会議を開催し、検討を重ねまして、2月10日に連携協力や研究成果の取扱いなどの基本的な事項について定めた連携協力に関する協定書を締結したところです。
共同研究の中身としては、新規就農者にも作付が拡大しているアスパラガスに注目し、さらなる経営発展に向け、アスパラガス大規模生産技術の開発をテーマとすることとしており、研究期間は令和2年から4年度までの3年間、研究内容としては、県オリジナル品種さぬきのめざめについて行うこととしています。
アスパラガスはハウス栽培ですので、農研機構が開発した低コストハウスと、施設内の温度や湿度などの環境制御技術に香川県が開発した高畝栽培方式を組み合わせまして、さらなる省力化、高品質化の技術開発などに取り組むこととしており、大規模経営の実現につなげてまいりたいと考えています。
今後のスケジュールといたしましては、今年度末を目途に共同研究の内容や役割分担等を定めた共同研究契約書を締結いたしまして、本年4月から農業試験場の職員1名を四国研究拠点に派遣し、共同研究を開始することとしております。
県としては、今回の農研機構との共同研究を通じ、本県の施設野菜の振興、また、農業経営の発展につながるよう積極的に取り組んでまいりたいと考えています。
氏家委員 アスパラガスは、今香川県の野菜の産出額の3割ぐらいとのことで、主力になっています。アスパラガスは、今、生産量的には多分一進一退の攻防ぐらいかと思っています。
ブロッコリーの生産量が伸びているとのことで、これはなぜかというと、まずはハウスが要らない、露地なので初期投資が少ないことが一番の理由かと思っていますし、ブロッコリーは、朝早く起きて氷詰めで出荷していて、苦労もしているということもありますが、初期投資が少ないとのことでしやすく、生産量の拡大につながっていると思いますので、そういった初期投資の低減を特に研究でしっかりと成果が得られるよう頑張ってもらいたいと思います。
今部長から報告があったように、共同研究については、よい成果が得られるようしっかり取り組んでください。
他の産地との競争に打ち勝つためには、常に先手を打った試験研究が重要であると考えていますが、共同研究以外で来年度新たに取り組む試験研究についてお伺いします。
国分農政水産部長 来年度は、新たに大きく2つの課題で研究に取り組みたいと考えています。
1つが、キウイフルーツで、現在、農業試験場府中果樹研究所において、食味や貯蔵性に優れたキウイフルーツの新品種候補が育成されており、品種登録に必要な試験データが整い次第、品種登録の出願申請を予定していますが、キウイフルーツについては定植してから初めて果実がなるまで三、四年かかります。また、本格的に収穫できるまでは、8年ほどの期間を要します。
このため、品種登録の出願申請後に早期に普及できる栽培技術を確立するため、府中果樹研究所に専用の果樹園を整備いたしまして、実証試験に取り組むほか、県内主要産地での現地適用性試験も開始することとしています。
2つ目が、シャインマスカットであります。シャインマスカットは他県に先駆けて導入に取り組んだブドウであり、本県産の品質は全国的に高い評価を受けているところです。
こうした中、従事者からは7月の中元需要に対応するため、加温栽培により出荷時期を早めたものの増産が求められています。しかし、加温栽培については、他の栽培方法に比べ気象変動の影響を受け品質低下を招きやすい現象が生じており、このことが加温栽培に取り組む際の障害になっております。
こうした障害の原因の解明と対策などについての技術開発に取り組み、シャインマスカットのより一層のブランド力の強化につなげてまいりたいと考えています。
氏家委員 今、府中果樹研究所の取組とのことでお聞かせいただきました。キウイフルーツやシャインマスカットなどのさぬき讃フルーツは評判がいいと聞いていますので、研究の成果を大いに期待をいたしております。
ところで、府中果樹研究所ですが、現在、整備工事が行われていると思います。整備の概要と工事の進捗状況についてお尋ねいたします。
国分農政水産部長 坂出市にある府中果樹研究所ですが、老朽化が進んでいるとのことで新たに整備をすることとし、平成27年度に基本設計に着手し、平成29年度から造成工事を開始しています。
平成30年度には選果場が完成し、令和元年度からは本館の建築工事を開始しており、令和3年2月の開所を予定しています。
新しい府中果樹研究所の特徴といたしましては、本館2階の実験棟などと選果場の1階が連絡通路でつながれ、一体化した構造であり、作業動線がよく、研究業務の効率化が図られること、また、今回選果場に設置しました低温貯蔵庫は、精密な温度管理が可能であり、より詳細な貯蔵試験が可能となります。
それから3点目といたしましては、農業者などが果実などを持ち込み、みずから糖度、酸度などの分析を行うことに対応できるよう、分析機器とスペースを確保し、研究員が直接指導・助言することにより、迅速に現場の課題解決を図るなど、開かれた研究所としての機能を有しているところです。
新しい府中果樹研究所につきましても、本県の果樹経営の技術革新の核となる研究施設として、さらなる技術開発、研究の加速化につなげてまいりたいと考えています。
氏家委員 農研機構との共同研究や府中果樹研究所の整備など、試験研究の充実強化に積極的に取り組んでいただいていますが、研究開発には資金も時間もかかりますので、引き続き継続的にしっかりと取り組んでいただきたいと思います。
今後も、次代を担う農業者の方々が安定して経営ができるよう、また、香川の農業をより一層もうかる産業へ成長できるように、将来を見据えた治験、研究に取り組んでいただきたいと要望して、次の質問に入らせていただきます。
次は、中
山間地域の振興についてお尋ねいたします。
2点ほど質問させていただきますが、まず有害鳥獣対策についてであります。
農林水産省が公表いたしました昨年度の
都道府県別鳥獣被害額によりますと、全国での鳥獣被害額は158億円と6年連続で減少しており、香川県におきましても1億500万円と、前年度より2800万円減少いたしております。なお、お隣の徳島県の被害額も1億300万円、香川県と同程度でありました。
また、鳥獣被害は農作物への直接的な被害だけではなく、農家の営農意欲の減退や耕作放棄地の拡大にもつながるものであります。
本県では、集落の農家や猟友会の方々の協力もありまして、有害鳥獣対策の成果が一定程度得られているものと考えていますが、そうした対策をより実効性のあるものにするためには、これまでの取組の効果を踏まえながら、市町と連携して、地域の実情に即した総合的な対策を講じることが重要であると強く考えています。
そこで、本県における農作物被害の具体的な状況と、有害鳥獣対策の取組についてお伺いをいたします。
国分農政水産部長 平成30年度の野生鳥獣による農作物被害につきましては、農作物被害面積は179ヘクタールで、これは対前年比の84%、被害金額は1億473万円で、対前年比79%と減少しており、特に被害金額については、平成25年度の2億8229万円から5年連続の減少となっております。
これを獣種別に見ますと、イノシシでは被害金額が4621万円、対前年度比76%と大幅に減少しており、サルについては被害金額が1681万円、対前年度比80%となっております。
このように被害額は減少傾向となっておりますものの、鳥獣被害は営農意欲の減退、耕作放棄地、離農の増加等の被害等をもたらしており、被害額として数字にあらわれる以上に深刻な影響を及ぼしているものと認識をしています。
このため、県におきましては市町と連携しながら、1つには地域に寄せつけない環境づくり、2つが捕獲奨励、3つが侵入防止対策の3点セットで被害防止対策に取り組んでおります。
具体的には、鳥獣被害の防止につきましては、地域が一体となって侵入防止や捕獲等に取り組むことが効果的であることから、そうした被害防止活動により効果を上げている優良事例について、県内全域での普及を図るため本年度18のモデル集落を設定し、鳥獣被害の防止対策を重点的に推進するとともに、研修会などの機会を通じてこうした取組事例の紹介に努めております。
また、加害鳥獣の捕獲を推進するため、被害額の大きいイノシシ、サルについては、市長の許可を得て行う有害鳥獣捕獲により捕獲した場合、国の交付金による助成に加え、市町の上乗せ額に応じて1頭当たり最大2,500円を県費で上乗せする鳥獣捕獲等助成事業を実施しているところであり、さらにより積極的な捕獲を推進するため、イノシシについては狩猟期間以外に限って助成していましたが、28年度からは通年化したところです。
こうした取組を強化したことにより、平成30年度の捕獲奨励金の対象捕獲頭数は合計で1万2528頭と、5年連続で増加しており、中でもイノシシが前年度比107%の1万507頭となっています。
また、県では市町が行う捕獲個体の処理が円滑に行われますよう、本年度から新たに有害鳥獣捕獲許可により捕獲したイノシシ等の処理を廃棄物業者等が行う場合、処理した個体を一時的に保管する冷凍庫施設を整備する市町に対して助成を行う事業を創設いたしました。本年3月に、丸亀市の本島と広島に整備されることとなっています。
今後とも、引き続き香川県鳥獣被害防止対策協議会を通じまして、情報提供や対策の協議を行うなど、各市町をはじめ関係者とより緊密に連携しながら、捕獲活動をはじめ、中
山間地域での鳥獣被害に強い集落づくりの推進など、総合的な有害鳥獣対策に取り組んでまいりたいと考えています。
氏家委員 通年化について、一生懸命我々も訴えて実現していただき、相当効果も出ているとのことですが、捕獲奨励金は、聞くところによりますと、イノシシでいうと大体1万円とのことで全県行っていると思いますが、1万円以上支給している市町や他県の事例もあるようですが、その事例についてどこでどれぐらいの金額が支給されているのか、中身の内訳などがわかれば教えていただきたいと思います。
丸尾農業経営課長 まず、県内におけるイノシシにつきましては、国の事業や、県、市町を合わせまして、全市町が成獣については、1万円の支出をしている状況です。
サルとシカについて、東かがわ市におきましては市が上乗せをして1万円を超える状況で対応しているところもあります。
四国近県で聞き取りをしたところによると、県で奨励金を上乗せしているところは愛媛県と香川県だけで、高知県、徳島県では行っていない状況です。
また、各市町、他県3県におきます市町の上乗せ状況につきましては、各市町でそれぞれ、極端なところですと0円のところもありますし、多いところでは1万円を超えるようなところもある状況です。
氏家委員 県の上乗せは香川県と愛媛県が行っており、高知県と徳島県は県の上乗せはないことがわかりました。
これについても、いろいろ現場の御苦労等々もお聞きしており、皆さんもよくお聞きしていると思いますので、この金額等々について要望とか相談がありましたら、ぜひ前向きに検討していただきたいと思います。
次に、農地や農業施設の維持管理についてでありますが、中
山間地域におきましては、農業従事者の高齢化、また、農地の高低差が大きいことから多大な労力を要します。草刈りなどの維持管理が困難な状況にあると常にお聞きをいたしております。このため、私の地元のまんのう町では、県単独事業の農地維持管理省力化事業を活用して、防草シートの設置による草刈りの省力化等を図っているところでありまして、相当な成果、効果を上げており好評な事業であると聞いております。
本事業は、平成29年度から令和元年度までの3年間の事業として創設されたとお聞きをいたしております。実施状況と今後の取組についてお尋ねいたします。
国分農政水産部長 この事業は、農業従事者の高齢化等に伴い、農地や農業用施設の維持管理の中でも多大な労力を要する農地等の法面の草刈りなどを省力化し、担い手の農地の集積、集約化を推進するため、県単独事業として平成29年に創設したところです。
事業内容は、法面管理の労力軽減を図るため、芝などの植栽により雑草を抑制するカバープランツ、防草シート、草刈り小段の設置等について支援するものです。
平成29年度からの3年間で、カバープランツや防草シートの設置を、まんのう町の2地区などで法面積3万1000平方メートルにおいて実施いたしまして、草刈りの省力化や高い法面の草刈り等の安全対策とともに、担い手への農地集積を促進したところです。
本事業は、令和元年度までの時限事業でしたが、草刈り作業の軽減効果が高いことや、中
山間地域の農業者の方を中心に事業要望が強いことなどから、来年度以降も継続実施することとし、今議会に予算を提案させていただいているところです。
今後とも、本事業の推進に当たりましては、中
山間地域等直接支払制度とも連携し、一層維持管理の省力化を推し進め、中
山間地域の活性化を図ってまいりたいと考えています。
氏家委員 この事業については、現行の土地改良事業、県単ではなかなか取り組みにくいとのことで、さまざまな要望もあって実現していただいたとのことで、まんのう町でも3万1000平方メートルに防草シートを張っており、効果を得ていると思いますので、今後とも積極的に取り組んでいただきたいと思います。
最後に要望ですが、先ほど来より米田委員からお茶の振興の話で要望がありましたし、また、松岡委員からは農泊の話があり、これは両方とも中
山間地域の活性化になりますし、特にお茶については、きょう初めて知ったのですが400ヘクタールが33ヘクタールになったとのことで、大変な状況になっていると思っていますので、これは何とか食いとめていただきたいと思います。産地が高瀬とまんのうとお聞きしましたが、高瀬では茶畑の跡に薬草のミシマサイコを植えようと、今、苦労されており、また、まんのう町ではオリーブに変わっているとのこともあり、県はオリーブを一生懸命進めていますが、ぜひ茶畑の維持発展もしっかり取り組んでもらいたいと思います。
その中で私がいつもお願いしているのが、まんのう町のヒマワリの振興で、たしか25ヘクタールぐらいになっていると思うのですが、100万本を超えているとのことでありますし、いつも言われるのが、ここでは観光の話は少し言いにくいですが、きょう松岡委員の質問に、農泊は観光につながるとの答弁がありましたので、そういういったことも考えていただけているのだと強く感じたところです。6次化産業の支援など、いろいろあり、そちらの活用との話もありますが、ぜひ、来年度1年をかけてしっかりと議論したいと思っておりますので、よろしくお願い申し上げまして質問を終わります。
有福委員長 それでは、暫時休憩いたします。
午後は1時から再開いたします。
(午前11時48分 休憩)
(午後 0時58分 再開)
有福委員長 再開いたします。
質疑、質問を続行いたします。
松原委員 新年度は、3本柱の重点施策のうちの成長する香川の中で、農政水産部は農水産業の持続的な振興というところでもありますので、引き続き新年度においても、香川県の農業、水産業の振興に努めていただくようお願いを申し上げまして、質問をさせていただきます。
それでは、私から農産物のブランド力強化についてお伺いさせていただきたいと思います。
本県農業といいますと、県の面積と比例して作付面積も全国に比べて余り広くない条件にはなるのですが、効率的な農業経営、また、平野部が多いという特性も生かしながら、生産性の高い農業が営まれているところでもあります。その中でも、さぬき讃フルーツ、また、野菜ではオリジナル品種である、さぬきのめざめのアスパラガスなど市場でも高い評価を受けているなど、気候が良く、日照時間が長いということで、いろいろな農作物の栽培に適している地域特性もあり、すばらしい野菜が栽培されているところです。
私の地元三木町の例でいいますと、さぬきのめざめをはじめ、イチゴのさぬきひめ、小麦ではさぬきの夢が栽培されております。また、近年ではブロッコリーが急激に伸びてきておりまして、今ではイチゴを上回って、13ヘクタールの栽培量となっているわけですが、そのブロッコリーは今旬を迎えている中、農家が朝早くから収穫作業に追われているところで、私自身もスーパーに行きますと、ブロッコリーや新鮮な野菜が並んでいるところもよく目にする時期になっております。
食べ物、農産物、水産物にしても、旬のものが一番おいしいわけであります。この旬の野菜等々はうまみが濃くて栄養成分も多いところでありますが、旬の食材は、そうしたおいしいだけではなくて、夏には野菜でいいますとキュウリ、トマト、スイカなどは、清涼感を与えてくれ、秋から冬にかけて、根菜野菜は体を温めてくれるといったように、体調管理にも大切なものであると思います。そうした旬の食材を食べることで、私たち日本人は季節を感じて、四季の移り変わりを感じています。
そうした中、香川県で、さまざまなメリットのある旬の時期の新鮮な農産物を皆に味わってもらおうとのことで、旬に応じた多彩な県産農水産物の利用促進により県民の豊かな食生活に貢献できるよう、香川らしい地産地消を推進するとともに、県産農産物の輸出の拡大を図るとのことを、今回の質問の内容であります県産農産物ブランド力総合強化事業で目的の一つと挙げております。
そこでまず、この事業の今後の取り組みという点で、お聞かせいただきたいと思います。
国分農政水産部長 県産農産物のブランド力を強化するためには、まず県民の皆様においしい旬の時期に県産農産物のよさを理解、実感していただくことが重要と考えています。
このため、県では、今年度から毎月県内量販店に旬の時期の農産物を取りそろえた特設コーナーを設けまして、かがわ「旬のイチオシ」農産物フェアを実施しております。旬を迎えた県オリジナル品種のさぬきのめざめや、さぬきひめなどの試食販売や調理方法の動画放映に加えまして、野菜ソムリエによる食べ方セミナーなど、販売から消費までの一貫したプロモーションを通じて、県民の皆様へのアプローチを強化してきたところです。
こうした取組を昨年7月からこの2月まで、県内の主要な量販店4社、延べ44店舗で行ったところです。
フェアの開催につきましては、事前に各店舗にチラシ等で告知し、各店舗の集客力を生かすとともに、店舗では統一したポスターなどを用いまして、県産農産物の特産コーナーであることが目立つようなディスプレイも行うような工夫もしたところです。
そうしたことを今年度続けてまいりまして、消費者や量販店に対するアンケートも踏まえますと、消費者、量販店双方とも継続してほしいなど好評でした。
そうしたことから、来年はこの取組を拡充しまして、子供のころから県産農産物を身近に感じてもらい、大人になっても選んで購入してもらえるよう、ロメインレタスや本県オリジナルのアスパラガスさぬきのめざめなど、特徴のある県産農産物を旬の時期に学校給食で提供することにより、子供たちに新鮮でおいしい県産農産物を味わってもらいたいと考えています。
また、給食での提供にあわせまして、旬の県産農産物に係る情報を給食だよりに掲載したり、生産者による給食講座を開催したり、給食を食べながらの生産者と児童との交流などにも取り組みたいと考えています。
さらに、今年度の取組を踏まえまして、集客力のある店舗における試食販売やセミナーなど、重点的にPRを行う店舗数も増やしていきたいと考えています。
引き続き、来年度もかがわ「旬のイチオシ」農産物フェア事業を積極的に展開いたしまして、旬の県産農産物をより身近に感じていただくことにより、県民への県産農産物の理解促進と購買欲の向上に努めてまいりたいと考えています。
松原委員 地元の消費拡大に向けて随時取組を行っていく予定というところですが、もう一点お聞かせいただきたいのですが、品目によってそれぞれ異なるとは思うのですが、例えば特に出荷量の多いブロッコリーやレタスの流通状況はどうなっていますか。県内の流通状況、県外に向けて等々、そのあたりの状況がわかれば教えてください。
国分農政水産部長 主要農産物の流通状況ですが、これはJA香川県の取扱いのもので、市場を通ったものということになります。それ以外にも、
契約栽培等で出ているものもありますので、その数字については今把握していませんが、JA香川県の取扱いで市場を通ったものの出荷状況を見ますと、平成29年度で、主要野菜全体の総出荷量が6万7543トン、出荷先が品目によって差はありますものの、県内向けが11%、県外向けが89%となっております。県外では、重要市場である京浜市場に約4割、京阪神市場に21%が出荷されております。品目別で見ますと、ブロッコリーにつきましては9,714トンが出荷されており、68%が関東、7%が京阪神、5%が香川県内を中心とした四国内となっています。アスパラガスにつきましては、620トンが出荷され、18%が京浜、35%が京阪神、29%が香川を中心とした四国内に出荷されている状況です。
松原委員 まずは、この地元の野菜への理解であるとか、また、そのおいしさを県民の皆さんに広く知ってもらい、それから、県外に向けても消費拡大につなげていくことをお願いしたいところでありまして、新年度そうした中で、まずはこの学校給食を活用して子供たちにそうした県内野菜にも親しんでもらい、触れてもらって、それを今後の県内、県外の消費拡大につなげていくための取組とのことでありますので、今後ともその推進についてはお願いしたいと思います。
そこで、もう1つ質問させていただきたいのですが、香川県はお話ししたように、さぬきのめざめ等々特色のある郷土野菜があるわけですが、生産者、また、市場関係者の方から、もう少し消費拡大につなげるために、購買意欲を高めるような取組をしてほしいという声をよく聞くのですが、県としてどのように取り組んでいかれるのか、再度お聞かせいただきたいと思います。
国分農政水産部長 本県野菜は、本県の農業産出額の3割以上を占めています。本県農業を牽引する主要な品目であり、
産地間競争を勝ち抜くためには、より一層のブランド力強化を図り、いかに本県野菜を消費者に選んでもらうかが重要です。
このためには、本県オリジナルのアスパラガスさぬきのめざめやブロッコリーなど、品質が自慢の県産野菜の特徴を広く知ってもらい、そのよさを理解してもらう必要があります。
そうしたことから、これまで、京浜や京阪神市場におけるトップセールスや、先ほどのかがわ「旬のイチオシ」農産物フェアなど、県産野菜の魅力をアピールするとともに、野菜ソムリエなどと連携して県産野菜の魅力を伝えるセミナーなどに取り組んでいます。
一方で、生産者や市場関係者の方からは、より消費者の購買意欲を高めるような取組を求める声がこれまでに聞かれているところです。
こうした中、これまで県では、野菜の主要品目である青ねぎ、キュウリ、アスパラガスについて、より一層の鮮度保持ができる出荷体制の構築に向けた流通試験とその普及啓発など、鮮度にこだわった取組を進めており、県産野菜の鮮度の高さは高く評価されているところです。
こうしたことから、来年度は新たに鮮度などをキーワードに、生産者や市場関係者の方と連携して、県産野菜の強みを明確に打ち出した県産野菜のイメージ戦略を作成し、この戦略に沿って生産者の需要を喚起する効果的なプロモーション活動を展開することで、県産野菜全体のイメージアップ、消費拡大に取り組むとともに、産地の活性化につなげてまいりたいと考えています。
具体的には、戦略を策定した上で、県内の主要な野菜や郷土野菜をPRするためのキャラクターやキャッチフレーズなどを新たに設けます。そうした中で、県内での各種イベントや量販店でのフェア、県外においては、主要市場におけるトップセールスや販売店などへの販売促進など、広報啓発活動に活用するとともに、JAと連携して野菜の包装資材等に使用するなど、県産野菜が広く認知されるよう取り組んでまいりたいと思っております。
こうした取組を通しまして、県産野菜のイメージアップによる認知度向上、消費拡大を推進し、生産者の経営発展とブランド化を積極的に進めてまいりたいと考えています。
松原委員 最後、要望ということで終わらせていただきたいと思うのですが、午前中の質問にもありましたように、高齢化、
担い手不足といったように、県内農業を取り巻く環境は厳しい状況が続いているところですが、反面、瀬戸内国際芸術祭などの効果もあり、香川県に移住したいという方も増えてきているような状況もうかがっております。また、その移住者がイチゴ、ブロッコリーなどの農業をしてみたいといった興味も持って、農業に参入してきてくれるとの話も聞きますが、これからはそうした意欲ある生産者、若者が、こうした県産の野菜や果物等をつくっていく中で、しっかりと、もうかる農業につながっていけるような支援等の取組をお願いします。
広瀬委員 1点目は、農耕車にかかわる大型特殊自動車免許の取得についてであります。
ことしの1月ごろ、私の知人で農業従事者の方が、農業用のトラクタを公道に走らせるのに、トラクタの後ろに何か耕したりするような機械等をつけて公道を走る場合に、そのつけている機械の幅が1.7メートルを超えるようなものを牽引する場合には、去年の4月ごろから大型特殊免許が必要となっており、困っているとのことでした。
急にそうなっても困るという話だったのですが、大型特殊免許というのは、通常は運転免許センターとかで資格を取るわけですが、それ以外に農業大学校でもその資格は取れるとのことで、その方が言うには、同じ資格を取るのでも運転免許センターで取るより、農業大学校で取ったほうが安いので、農業大学校で取りたいのだが、農業大学校で、資格が取れる枠が少なくて、なかなか1回では取れないので困っているとの話を伺いまして、私も全然そういったことを知らなかったので、そうなのかと思っていろいろ話を聞きましたら、実際には少し違う感じだったのですが、その辺の事実関係を含めて、今回の改正について御説明をいただきたいと思います。
丸尾農業経営課長 今回の大型特殊にかかる基準緩和の概要についてですが、平成31年4月に道路運送車両法におきます道路運送車両の保安基準第55条に基づく規制緩和がなされたところです。これによりまして、一定の条件を満たすと、トラクタにロータリーなど直接農作業機をつけたまま公道を走ることが可能となり、規制が緩和されたとのことです。
この基準緩和に伴う主な条件としましては、農作業機を装着することでトラクタの後ろの安定性が少し不安定になるとのことでもあり、その安定性内の保安基準を満たしてない場合は、公道を走る速度を時速15キロメートル以下にするということ、それから小型特殊免許、また、普通免許で運転可能な小型のトラクタに装着する場合であっても、作業機を装着した場合に、長さが4.7メートル、幅が1.7メートル、高さが2メートルを超えた場合は大型特殊免許が必要となっています。そのほかにも、農作業機を装着してしても方向指示器のような灯火器類が交通状態で確認できるということがあります。
そういった制度の中、農業大学校におきまして、大型特殊のうち農耕車に限って受験をすることができることになっています。具体的には、農業大学校におきまして「農業機械利用技能者養成研修I」で、安全運転などの講義、また、走行練習を5日間ほど研修した上で免許を取得することが可能というものです。本研修につきましては、地域農業の担い手となる農業者における農業機械の適正かつ安全な利用を推進することを目的に行っているものであり、受講資格については県内に居住地のある農業者等々となっています。今年度の定員は80名という状況です。
広瀬委員 その80名が少ないとのことで、それを広げるという話を伺っているのですが、どうでしょうか。
丸尾農業経営課長 定員の状況ですが、今回の基準の緩和に伴いまして、大型特殊免許の取得を希望する農業者の増加が見込まれることから、県としましては、免許の試験官をお願いしています香川県の警察交通部と協議を重ねまして、農業大学校における研修、受験回数を今年度は3回でしたが、令和2年度につきましては5回に増やし、年間の定員数も80名から約2倍弱の130名まで増員して実施することを考えています。少しでも多くの農業者の方々の要望に応えられるよう、積極的に取り組んでいきたいと思っています。
広瀬委員 確認ですが、あくまでも農業大学校でその資格が取れるのは農業関係者ということで、一般の人が大型特殊を取りたいからといって農業大学校で取るわけにはいかないのですね。わかりました。
次の質問がスマート農業の推進についてとなりますが、私が、これについて質問するのは2回目になるのですが、1回目が平成26年9月定例会の一般質問でさせてもらったのですが、何でこのタイミングで質問したかというと、平成25年11月に国でスマート農業の実現に向けた研究会が設立されたというニュースを見て、スマート農業について勉強しまして、県としても、いち早く取り組むべきと思い質問したのですが、国もそのときはまだ研究の段階だったので、県としても答えが難しかったかと思うのですが、最近は実現の段階になってきて、スマート農業実証プロジェクトにも取り組んでいるようです。
そこで、最近の県のスマート農業に対する取組についてお伺いをしたいと思います。
国分農政水産部長 県におきましても、農家の減少や高齢化が進んでいる中、本県農業の持続的な発展を図るためには、ICT、AIなどの先端技術を活用した生産性の高い農業、いわゆるスマート農業が有効なツールになると考えています。
このため、県では平成29年3月に、「かがわ農業ICT導入・活用戦略」を策定いたしまして、より一層の品質向上や安定生産、農作業の効率化、省力化等を目指し、本県の実態に即したICTの研究開発や導入を進めることにしています。
そうした中、国が「スマート農業技術の開発・実証プロジェクト」を公募しています。今年度、県も応募いたしまして、採択をされたところであります。
内容につきましては、「都市近郊小面積多筆数水田での加工業務用の葉ネギ栽培のスマート実証」が、採択を受けたところです。
具体的な内容といたしましては、善通寺の大規模な農業生産法人や農機具メーカーなどと連携をして取組を進めており、その内容としましては、必ずしも熟練作業者でなくても、真っすぐ畝立てをしながら、肥料散布とマルチ張りが同時にできるGPSを活用したトラクタの実証とか、生育状況を画面で判断しながら、ドローンによる肥料散布を行うなどの現地実証を行い、経験が少なくても操作できる生産方式の導入とか、作業時間の短縮効果などについて検討を進めているところです。
この取組については、2年間の取組で、今年、来年と継続して取り組むこととしています。
県では、今後とも生産者や
関係団体等と連携いたしまして、スマート農業の実施に向け、それがうまく本県農業に活用できるよう取り組んでまいりたいと考えています。
広瀬委員 尾野農園で行うとのことで、期待したいと思います。
ことしの2月だったか、農業大学校に初めて行かせていただいて見学させていただいたのですが、そのときに農業大学校に新しい温室ができるとのことでした。国の補助を得て温室ができると伺いまして、今から作る温室は、当然スマート農業が導入された温室になるのだろうという思いだったのですが、当然これから農業を学ぶ人ですから、そういった人たちにスマート農業を経験してもらうためにも、これから作られる温室は、そういう温室がつくられればいいと思うのですが、その辺の予定はいかがでしょうか。
国分農政水産部長 農業大学校で学ぶ学生などについては、次代の担い手ですので、スマート農業の知識の習得や、その生産現場を体験することが重要と考えています。
このため、農業大学校では、次年度から新たに履修科目としてスマート農業を設けるとともに、今回の国の補正予算を活用いたしまして、来年度ICTを活用したイチゴ、ミニトマトなどの新たな栽培ハウスの導入も計画をしています。
具体的な中身といたしましては、当該施設につきましては、県が香川高等専門学校と連携して開発いたしました施設内の栽培環境の制御とあわせて、環境データ、炭酸ガス、温度、日射量等が自動的に収集されるシステムを導入することにしております。
このシステムでは、環境データとともに防除などの管理作業のデータもクラウド上に転送され、ウエブ上で閲覧、共有できることになります。
こうしたことから、ハウス内環境の見える化により、栽培管理の改善と意欲の向上につなげていこうというものです。
あわせて、農業大学校のカリキュラムの中で、スマート農業に取り組む先進的な農業者の施設見学など、知識の習得を進めることとしており、こうした取組によりまして、農業大学校の生徒が就農後の経営にスマート農業技術を生かせるよう、取り組んでまいりたいと考えています。
広瀬委員 いい取組だと思いますので、ぜひよろしくお願いしたいと思います。
スマート農業は、効果が大きいと思うのですが、私の5年前の質問の中で、スマート農業の効果、メリットをまとめているのですが、1つは超省力化が進み、大規模生産が実現できる、あるいはそういった先進技術や過去のデータを活用して細やかな栽培がされて、多くの収穫ができ、高品質の効率生産ができるとか、きつい作業だとか危険な作業から解放され、お年寄りでも、あまり知らない若者でも誰もが取り組みやすい農業が実現されるとか、消費者に安心と信頼を提供するクラウドシステムにいろいろな情報が提供されるので、そういった情報を見ながら消費者も消費できるなど、さまざまなメリットがあります。
このスマート農業をいかに早く導入するかで、農業の
産地間競争に勝てるかどうかも決まってくるのではないかと思うので、これからもしっかり本県としても、スマート農業の振興を図っていただくことを要望いたしまして、質問を終わります。
宮本委員 ため池の水質の問題について、知事と部長から、池の水を抜いたらどうか、と答えていただき、今回、神内上池の水を抜きました。20数年ぶりに、底ゆるまで抜きまして、ヘドロが3メートルか4メートル、ずっと溜まっていて、水が抜けなかったため、バキューム配管で取り除きました。立米5万円かかるので、土地改良区も、「どうしたらいいものか。」と言っていたのですが、2000万円の県単事業を採択していただいて、1月半ほどかけて行いました。1番から4番までのゆると、底ゆるがあるのですが、4番ゆるが完全に埋まっていました。そういった中で、きちんと事業に取り組むことができ、地元も水が溜まらないのでどうしようとの問題があったのですが、きのう、きょうと雨が降ったのですが、心配していたよりは上流からの水の溜まりがいいとのことで、今はもう3番ゆるまで溜まっています。
この事業はほかの土地改良区でもいろいろな池があり、水が溜まらないとのことで、池干しをためらっている土地改良区もあると思いますので、今回を事例として、指導することも大事かと思います。きれいな水になることで、よい米ができ、よい作物ができると思っておりまして、非常にその意味では感謝しております。
では、質問に移りますが、そういう農業地域の農家の高齢化や後継者不足、耕作放棄地など、農村地域を取り巻く環境は厳しいとのことですが、継続的な
農業生産活動を行うには、農業生産の土台である農地、農道、ため池や水路の水利施設などの整備がなされ、将来にわたって保全管理される必要があると思います。これらができてまた、香川県で農業ができるのではないかと思います。それを担っているのが土地改良区の役割でもあると思っております。
高松市の土地改良区においても、単県、市単事業などを活用して、多くの農業生産基盤の整備を行っておりますが、厳しい農業情勢で、農家の整備意欲も減退をしているとのことです。土地改良区自体が県単、市単事業を、土地改良区の役員がいろいろ探し回って見つけなければ、土地改良区の運営ができないような状況になっております。
こういった中、経済委員会で三木町の田中北部地区を視察させていただきまして、住宅の農地転用も増加しておりますが、平成30年度から圃場整備に取り組んでいるとのことで、農事組合法人の設立や担い手への農地集積が進んでいるところで、小麦やブロッコリーの生産拡大などにも地域農業の継続を積極的に推進している状況ですが、後継者の問題があると思っております。
そこでまず、圃場整備をはじめ農業生産基盤整備の現状について、県営の圃場整備事業が全県で、何年か前から取り組んでいるのが実を結び、圃場整備事業ができて、これから取り組んでいく地域もできたとのことで、その辺の状況をお聞かせください。
国分農政水産部長 まず、最初にお話のありましたため池の話ですが、今回、先駆的に取り組みいただき、ありがとうございます。ため池の保全や水質の浄化という面において、効果が大きいと考えています。ぜひまた、そういった成功事例を県下の他のため池にも広げてまいりたいと思います。
農業生産基盤整備の現状についてですが、圃場整備など営農条件を整えるとのことですが、そうしたことは農地の利用集積などを進めていく上で重要です。しかしながら、本県においては、ため池をはじめとする特殊な水利慣行があることや、1戸当たりの耕地面積が小規模ということから、圃場整備は遅れている状況にありまして、農業従事者の高齢化や後継者不足などに伴う農家の整備意欲の減退などにより、これまで圃場整備の実施は低調でした。
しかしながら、こうした中、平成25年からですが、国の補助制度が農地の集積率や集約率に応じて農家負担が軽減できるように拡充されたことなどから、徐々に地元での整備機運が高まりまして、整備要望も増えてきている状況にあります。
今年度の県営基盤整備は計5地区、面積8ヘクタールにおいて実施中で、また、来年度着工を目指し、1地区の事業計画を策定しているところです。
来年度の経営基盤整備ですが、三木町の田中北部地区、それから綾川町の羽床下地区、坂出市の坂出北部地区、三豊市の下高野地区など計6地区で面積13ヘクタールにおいて実施するとともに、2地区において、令和3年度の着工を目指して事業計画の策定を行う予定としています。事業費にして約4億7600万円ですが、対前年比で166.6%と、当該予算を今定例会に提案させていただいているところです。
また、国の農地耕作条件改善事業や、県単独の集落営農推進生産基盤整備事業を活用した小規模で地域の実情に即したきめ細やかな基盤整備につきましても、今年度31地区において実施中であり、来年度につきましても高松市ほか5市3町34地区において3億8000万円、対前年度比109.5%の予算で実施してまいりたいと考えています。
宮本委員 基盤整備が、全県で動き出したようで、いいことだと思います。また、そういう中で、田中北部地区の県営圃場整備等が増加しているとのことですが、継続的な農業が期待できるとともに、整備により担い手の育成・確保、そして集落営農組織の設立や、農地集積などの効果があると思います。松岡委員が言ったように農泊という形で、集落営農組織の中で活用して農泊もできるといったいろいろなバリエーションができてくると思います。
基盤整備等々をきちんとしていくことによって、生産性も上がってきます。そして、そういうところでおいしいものを食べていただくのもいいことだと思っており、そういう中で、農業生産圃場整備をはじめとして農業生産基盤を今後、積極的に推進していく必要があると思いますが、今後、どのように取り組んでいかれるのか、お伺いをします。
国分農政水産部長 地域を支える
担い手確保を育成し、農地集積を推進するためには、圃場整備を実施し、良好な営農状況を備えた農地を確保することが重要ですが、近年の農業情勢を鑑み、その推進に当たっては、できるだけ農家負担が少なくなるような事業制度を活用しながら推進していく必要があると考えています。
特に、国補助の県営基盤整備事業におきましては、担い手への農地の集積率や集約率に応じて地元負担を軽減できるような制度拡充がなされており、農地集積率85%以上の要件を満たせば農家負担なく、圃場整備ができる仕組みとなっております。
また、平成30年度からは、農地中間管理機構が借り入れている農地を、農業者の費用負担を求めずに基盤整備できる新たな制度「農地中間管理機構関連農地整備事業」も創設されたところです。
また、国の圃場事業の採択要件を満たさない小規模な地域におきましては、平成25年に県単独事業として創設した集落営農推進生産基盤整備事業を活用いたしまして、圃場整備等の農業基盤整備を通じて集落営農の組織化、強化を図ることとしており、今年度からは客土を新たに対象工種といたしまして、高収益作物導入が図れるよう拡充したところであります。
さらに、平成29年には、集積・集約率に応じて農家負担を軽減するというソフト対策を県独自で創設しております。
今後とも、こうした各種事業を積極的にPRし、地域のニーズに即した経済的で効率的な基盤整備を推進することにより、これらの事業を活用し、担い手への農地集積、高収益作物への転換につなげてまいりたいと考えています。
宮本委員 どんどんそういう形で、細かいところも含めてしっかりやっていただきたいと思います。まだまだ小規模な農業生産基盤整備も多いということで、土地改良区が単県、市単事業を活用して、水路や農道など数多くの農業生産基盤の整備を行っております。それらの施設の積極的な保全管理に努めています。また、その活動を通じて地域農業の持続性や地域の活性化も促進している単一の小さな土地改良区が苦労しております。
その中で、土地改良法の改正が行われて、複式簿記の導入なども進めている、そしてまた、専任職員が配置されていない小規模な土地改良区においては、複式簿記は大変でありまして、全国の土地改良連合会などがある程度手を差し伸べていただいているとも聞いておりますが、厳しい状況です。
これまで、土地改良区の体制強化に向けて支援が必要と本委員会でも要望しておりますが、改めて、土地改良区の体制強化支援の現在の状況と今後の対応について、また、香川県独自にいろいろ農業施策を出しており、小規模の土地改良区にも県独自の単県事業もありますが、それについては土地改良区の役員や理事長がいろいろ足を運んで、組合員に改修の了承を得ることに苦慮していますので、そういう状況に対し支援をお願いしたいと思うのですが、どうでしょうか。
国分農政水産部長 土地改良区は、ため池や水路などの土地改良施設の保全整備、また、農業用水の排水管理を行うなど、農業の振興はもとより県の保全にも大きな役割を果たしていると考えています。しかしながら、委員御指摘のとおり、近年農家数減少などにより、また、農村地域の都市化、混住化によりまして土地改良区の運営は厳しい状況が続いており、県全体の土地改良区のうち約3割、30の土地改良区においては専任職員を配置できないなど、運営基盤が小規模で脆弱な状況であるとことは承知しております。
こうしたことから、県では土地改良区の運営基盤等の体制強化に向け、市町と連携しながら、1つには土地改良区の合併や合同事務所の設置を推進しており、合併に向けた指導・助言を行うとともに、合併に要する統合整備の経費などに対して補助を行っているところです。こうした取組において、丸亀市内の土地改良区の合併、また、さぬき市土地改良区の新設など、20年前142あった土地改良区が現在102の土地改良区に統合整備され、また、三豊市、高松市など14の土地改良区において3カ所の事務所が設置されたところであります。さらに、今年度は、まんのう町内の3つの土地改良区において、令和2年度の合併を目指して昨年7月から整備推進協議会が設置され、協議を進めております。県としても協議会に参加し、合併に向けた指導・助言を行いますとともに、来年度予算には土地改良区統合整備強化対策事業として400万円を計上し、合併に向けた維持管理経費の策定に対して補助をすることとしています。
また、小規模な土地改良区への支援については、お話があります土地改良法の改正に伴い作成が義務づけられた貸借対照表につきましては、その作成に必要な土地改良施設の資産評価の作業については、来年度も引き続き資産評価データ整備事業により助成を行うこととしております。加えて、複式簿記の導入についても、香川県土地改良事業団体連合会が実施する会計事務研修や、土地改良区の巡回指導に対し、施設・財務管理強化対策事業を行いまして、土地改良区のさらなる負担軽減に努めてまいりたいと考えています。
今後とも、小規模な土地改良区を中心に、その運営基盤の強化、体制強化に向けて積極的に支援に取り組んでまいりたいと考えています。
宮本委員 最後に要望ですが、今いろいろ支援していただけるとのことでしたが、基盤整備や作物、生産の問題につきましても、いろいろなネットワークで、取り組んでいただきたいと思います。そこが地域で1つ1つばらばらにやるのではなく、農政水産部が1つとなるような形で、農業生産の基盤は土地改良区、また、農協も含めていろいろな集落営農の皆さんなど、いろいろな形で1つにまとまって、そこでその地域の特色を出したような農業のあり方でやっていくのが、これからの香川的な農業のいい姿だと思っていますので、ぜひ農政水産部自体がそういう形にまとまっていただいて、いろいろな形で水も大事、そしてまた、担い手も大事、いろいろな大事なところを上手に伸ばしていただいて、すばらしい香川の農業をつくっていただきたいと思います。
有福委員長 以上で農政水産部関係の質疑、質問を終局いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
有福委員長 御異議なしと認め、農政水産部関係の質疑、質問を終局いたします。
本日はこれをもって散会いたします。
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