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  1. 広島県議会 2017-09-04
    平成29年9月定例会(第4日) 本文


    取得元: 広島県議会公式サイト
    最終取得日: 2023-06-05
    トップページ 検索結果一覧 使い方の説明 (新しいウィンドウで開きます) 平成29年9月定例会(第4日) 本文 2017-09-25 文書・発言の移動 文書 前へ 次へ 発言 前へ 次へ ヒット発言 前へ 次へ 文字サイズ・別画面表示ツール 文字サイズ 大きく 標準 小さく ツール 印刷用ページ(新しいウィンドウで開きます) 別窓表示(新しいウィンドウで開きます) ダウンロード 表ズレ修正 表示形式切り替え 発言の単文・選択全文表示を切り替え 単文表示 選択表示 全文表示 発言者表示切り替え 全 79 発言 / ヒット 0 発言 すべての発言ヒット発言表示切り替え すべての発言 ヒット発言 選択表示を実行・チェックの一括変更 選択表示 すべて選択 すべて解除 発言者一覧 選択 1 : ◯議長(宇田 伸君) 選択 2 : ◯議長(宇田 伸君) 選択 3 : ◯宮崎康則選択 4 : ◯議長(宇田 伸君) 選択 5 : ◯知事湯崎英彦君) 選択 6 : ◯議長(宇田 伸君) 選択 7 : ◯農林水産局長上仲孝昌君) 選択 8 : ◯議長(宇田 伸君) 選択 9 : ◯土木建築局長三上幸三君) 選択 10 : ◯議長(宇田 伸君) 選択 11 : ◯危機管理監(土井 司君) 選択 12 : ◯議長(宇田 伸君) 選択 13 : ◯教育長下崎邦明君) 選択 14 : ◯議長(宇田 伸君) 選択 15 : ◯副議長(松岡宏道君) 選択 16 : ◯福知基弘選択 17 : ◯副議長(松岡宏道君) 選択 18 : ◯知事湯崎英彦君) 選択 19 : ◯副議長(松岡宏道君) 選択 20 : ◯福知基弘選択 21 : ◯副議長(松岡宏道君) 選択 22 : ◯知事湯崎英彦君) 選択 23 : ◯副議長(松岡宏道君) 選択 24 : ◯福知基弘選択 25 : ◯副議長(松岡宏道君) 選択 26 : ◯商工労働局長(佐伯安史君) 選択 27 : ◯副議長(松岡宏道君) 選択 28 : ◯福知基弘選択 29 : ◯副議長(松岡宏道君) 選択 30 : ◯知事湯崎英彦君) 選択 31 : ◯副議長(松岡宏道君) 選択 32 : ◯福知基弘選択 33 : ◯副議長(松岡宏道君) 選択 34 : ◯健康福祉局長(菊間秀樹君) 選択 35 : ◯副議長(松岡宏道君) 選択 36 : ◯福知基弘選択 37 : ◯副議長(松岡宏道君) 選択 38 : ◯知事湯崎英彦君) 選択 39 : ◯副議長(松岡宏道君) 選択 40 : ◯福知基弘選択 41 : ◯副議長(松岡宏道君) 選択 42 : ◯健康福祉局長(菊間秀樹君) 選択 43 : ◯副議長(松岡宏道君) 選択 44 : ◯福知基弘選択 45 : ◯副議長(松岡宏道君) 選択 46 : ◯健康福祉局長(菊間秀樹君) 選択 47 : ◯副議長(松岡宏道君) 選択 48 : ◯福知基弘選択 49 : ◯副議長(松岡宏道君) 選択 50 : ◯健康福祉局長(菊間秀樹君) 選択 51 : ◯副議長(松岡宏道君) 選択 52 : ◯福知基弘選択 53 : ◯副議長(松岡宏道君) 選択 54 : ◯環境県民局長(森永智絵君) 選択 55 : ◯副議長(松岡宏道君) 選択 56 : ◯福知基弘選択 57 : ◯副議長(松岡宏道君) 選択 58 : ◯福知基弘選択 59 : ◯副議長(松岡宏道君) 選択 60 : ◯教育長下崎邦明君) 選択 61 : ◯副議長(松岡宏道君) 選択 62 : ◯福知基弘選択 63 : ◯副議長(松岡宏道君) 選択 64 : ◯狭戸尾 浩君 選択 65 : ◯副議長(松岡宏道君) 選択 66 : ◯知事湯崎英彦君) 選択 67 : ◯副議長(松岡宏道君) 選択 68 : ◯農林水産局長上仲孝昌君) 選択 69 : ◯副議長(松岡宏道君) 選択 70 : ◯土木建築局長三上幸三君) 選択 71 : ◯副議長(松岡宏道君) 選択 72 : ◯健康福祉局長(菊間秀樹君) 選択 73 : ◯副議長(松岡宏道君) 選択 74 : ◯商工労働局長(佐伯安史君) 選択 75 : ◯副議長(松岡宏道君) 選択 76 : ◯危機管理監(土井 司君) 選択 77 : ◯副議長(松岡宏道君) 選択 78 : ◯教育長下崎邦明君) 選択 79 : ◯副議長(松岡宏道君) ↑ 発言者の先頭へ 本文 ↓ 最初のヒットへ (全 0 ヒット) 1:         午前十時三十一分開議 ◯議長(宇田 伸君) 出席議員六十三名であります。これより会議を開きます。         自第 一 県第五六号議案         至第十六 報第 一四 号 2: ◯議長(宇田 伸君) これより日程に入ります。日程第一、県第五六号議案 平成二十九年度広島県一般会計補正予算から日程第十六、報第一四号 損害賠償額の決定についてまでの各案を一括上程議題といたします。  前会に引き続いて質問を行います。宮崎康則君。         【宮崎康則君登壇】 3: ◯宮崎康則君 皆さん、おはようございます。自民議連、広島市佐伯区の宮崎康則でございます。今次定例会において質問の機会を与えていただき、議長を初め、先輩、同僚議員各位に心から感謝を申し上げます。  今月七日及び十九日、メキシコ合衆国南部沖合及び中部首都付近で大規模な地震が起こり、多くのとうとい人命が失われるなど甚大な被害が発生しております。本県とメキシコ合衆国との間では、グアナファト州との経済交流協定を初めとして、二〇二〇年に開催される東京オリンピックでは広島県はメキシコ選手団の事前合宿に関して基本協定を結んだところであり、深い友好関係を築いております。このたびの地震により亡くなられた方々へ慎んで哀悼の意を表し御冥福をお祈りするとともに、メキシコ合衆国の皆様に対して心からお見舞いを申し上げます。  本日は、広島の多岐にわたる身近な諸課題について質問してまいりますので、県当局にはわかりやすい答弁をお願いいたしまして、最初の質問に入ります。  最初の質問は、旧広島陸軍被服支廠の保存・利活用等についてお伺いします。  旧広島陸軍被服支廠は、広島に残る貴重な被爆建物であり、巨大な赤れんが倉庫四棟が並ぶ市内最大級の近代化遺産であります。  五百メートル近く続く赤れんがの倉庫群を目の前にすると、その巨大なスケール感に圧倒されます。爆風により曲がったまま残されている多数の窓の鉄扉は、この空間に身を置くことで被爆の実態をあるがままに、見る者に直感的に伝えます。  また、この建物は、被爆建物であるとともに国内最古級の鉄筋コンクリート造であり、建築史の面からも価値を持っています。国内で現存する初期の鉄筋コンクリート造の建物としては、一九一一年竣工の旧三井物産横浜支店や小野田セメント工場建物があり、それから二年後の一九一三年に被服支廠は建造され、外壁はれんが造りで、内部の柱やはりは鉄筋コンクリート造となっています。被服支廠は軍の倉庫ということもあり、デザインも明治期に導入された西欧の様式から徐々に離れ、装飾的な要素は余りありませんが、外観が重厚でレトロな印象なのに対し室内はモダンな印象となっており、風格と新しさが共存する大変貴重な歴史のある建物です。  県では、被服支廠について、県が所有する三棟のうち爆心地から最も近い一号館を対象に耐震性能等を調査し、一部保存や部分的活用の可能性や補強方法を検討することとしています。この調査結果をもとに保存と活用について検討するということですが、歴史的価値を継承していくことが私たちの責務であると考える一方で、保存を選択した場合は、管理者である県が半永久的に保存の責任を負うことにもつながります。このため、その判断は慎重にならざるを得ませんが、老朽化した建物を考慮すれば、早急に保存方針を決定していくことは重要であると考えます。  類似の国内最古級の鉄筋コンクリート造の建物の利活用の事例を見ますと、旧三井物産横浜支店は、所有者により耐震工事がなされ、現在もKN日本大通ビルとして利用されています。小野田セメント工場建物も、経済産業省から近代化産業遺産に指定され、太平洋セメント環境技術開発センターとして活用されているようです。  旧広島陸軍被服支廠は、国内最古級の鉄筋コンクリート造の建物であるのみならず、戦前戦後を通じ広島の近代化、復興を象徴する建物であり、前向きに保存し活用していくべきと考えます。  そこで、今後の保存や活用策の検討について、今回の調査結果を踏まえ、国や広島市などとの連携等、今後どのように進めていこうとするのか、知事の御所見をお伺いいたします。  質問の第二は、犯罪被害者等の支援についてお伺いいたします。  不幸にも犯罪の被害を受けた人は、犯罪によって傷つけられるだけでなく、事件が解決した後もさまざまな問題を抱えることになります。警察の捜査や裁判においては時間的、精神的な負担を強いられますし、周囲の人たちの無理解や安易な言動によって傷つけられる二次的被害もあり、幅広くきめ細かい継続的な支援が必要です。
     こうした犯罪被害者を支援する主な機関として、警察、検察庁、法テラス、弁護士会、自治体として県、市町があります。また、公益社団法人広島被害者支援センターでは、窓口での相談やこれら多くの機関における手続のお手伝いや付き添いを行い調整するなど、被害者の方を総合的に、被害直後から長期にわたって切れ目なく継続的にサポートする等、幅広い活動をされています。相談室も、平成二十五年の福山市に続き昨年は呉市に開設され、被害者が身近に頼ることができる場所として機能しております。  犯罪被害者が事件の被害や精神的なショックから立ち直り、再び平穏な生活を営むことができるようになるためには、周囲の皆さんの理解が重要であるとともに、県や市町、被害者支援団体などが役割分担と連携を図りながら取り組むことが必要であります。こうした連携体制を全県的に展開していくためには、その根拠となる条例の制定が望ましいと考えることから、私は、平成二十六年九月定例会において条例制定について伺ったところ、当局から、条例策定も含め、施策展開のための制度的枠組みについて他県の状況も踏まえながら調査研究すると答弁をいただきました。  あれから三年が経過し、全国の都道府県の状況を見ると、犯罪被害者等支援に特化した条例を制定しているのは、三年前の五県から九県に増加し、支援の項目を盛り込んだ関連の条例を含めますと二十八府県と半数を超える府県で対応が進められています。県内市町においても、呉市、府中市、安芸高田市、大竹市、江田島市の五つの市と神石高原町において条例が策定されており、犯罪被害者への公営住宅提供など支援が広がっています。また、県内の市町では、県の指導もあり、全市町で総合的対応窓口が設置されるなど支援の枠組みについては徐々に進展しています。  一方で、ある市町においては、犯罪被害者等への公営住宅提供は先例がないと断られるケースがあったり、条例をつくりたいがベースとなる県条例がなく役割分担が明文化されていないため、策定が困難だと言う市町もあると聞いております。このように、県の条例策定が進まない中、市町との連携にちぐはぐな面が生じており、じくじたる思いをしております。  不幸にも県民の誰もが犯罪被害者となる可能性があります。安全で安心して暮らせる社会を実現することは全ての県民の願いでもあり、県がリーダーシップを持って犯罪被害者支援の強化を後押しすることが責務であると考えております。  そこで、条例策定も含めた調査研究結果を踏まえ、条例制定に向けた認識について知事に御所見をお伺いいたします。  質問の第三は、再犯防止対策についてお伺いします。  刑法犯により検挙された者の数は、ピーク時の平成十六年の約三十九万人から平成二十八年には約二十三万人と、約十六万人減少しています。初犯者が大幅に減少しているのに対し、再犯者の減少は小幅にとどまっており、約三割の再犯者によって約六割の犯罪が行われているとのことです。刑務所の再入所者の状況を見ると、約七割が再犯時に無職であり、仕事のない人の再犯率は仕事のある人の三倍と高く、適切な就労を確保し社会で自立した生活を送られるように支援することが再犯防止に大変有効であることがわかります。  これまで再犯防止施策は、民間の力を取り入れながら国が中心となって推進してきましたが、平成二十八年十二月に再犯の防止等の推進に関する法律が公布・施行され、今後は地方公共団体にも地域の状況に応じた再犯防止施策を講ずる責務があることが明示され、国と並ぶ再犯防止施策の主体として位置づけられました。本法律では、国は施策を推進する上での基本となる再犯防止推進計画を本年十二月ごろをめどに閣議決定することとしており、この計画を勘案し、都道府県及び市町村は地方再犯防止推進計画を定めることとされております。  県では、全国に先駆けて、今年度から非行や罪を犯した少年の再犯防止に向けて有効とされる就労体験の取り組みを支援する事業を展開しており、大変評価しているところでございます。県民が犯罪による被害を受けることを防止し、安全で安心して暮らせる社会を実現することは、住みよい県、住みよい社会づくりへの挑戦でもあります。県としても、スピード感を持って計画を策定するとともに、市町と一体となって施策を推進していくための連携や支援体制の構築も必要であると考えます。  そこで、地方再犯防止推進計画の策定について、国の推進計画の策定状況等を踏まえ、今後どのように取り組んでいこうと考えているのか、知事の御所見をお伺いいたします。  質問の第四は、日EU・EPA協定締結を見据えた農林水産業のあり方についてお伺いいたします。  平成二十九年七月六日に安倍総理大臣とEUのユンカー欧州委員会委員長が首脳協議を行い、交渉から四年余りを要した日本とEUとの経済連携協定、いわゆるEPAが大枠合意に至り、新聞報道では平成三十一年の発効を目指すこととなったようです。実際に発効されますと、域内人口約六億人、世界の国内総生産の約三割、貿易額の四割弱を占める巨大な自由貿易圏が誕生することとなります。全貿易品目のうち、日本側が最終的に関税を撤廃するのは九五%前後と見られ、TPPとほぼ同水準となる模様です。  大枠合意というのは今後詳細が決まってくる分野もあるということでしょうが、政治的に両者ともに、このタイミングで合意という一定の成果が欲しかったという利害の一致があったのだろうと思われます。  あれだけ大騒ぎしたTPPと同水準と言われる交渉結果となりましたが、世間の関心は随分と薄いようです。しかしながら、日EU・EPAについては社会的な影響が大きいと思われますので、そのあたりについて質問します。  関税の撤廃により、自動車や電化製品、日本酒等は、日本からEUへの輸出には追い風となりそうです。EUから日本への輸入はチーズ、チョコレート、ワイン、豚肉等多様な農産物の値下がりが期待でき、消費者に幅広く恩恵が及びそうです。  一方で、合意の内容をよく見ると、カマンベールなどソフトチーズは低関税の輸入枠を設置する等、TPPよりも踏み込んだ水準になっているものもあります。このソフトチーズの輸入枠により、北海道の国産チーズ向け牛乳が行き場を失い、北海道産牛乳が都府県に押し寄せて飲用乳価も下がり、共倒れになるとの心配もされております。  また、報道などの関心は低いようですが、構造用集成材など林産物十品目についても八年目には関税が撤廃されることも今回の合意内容に含まれています。県では、集成材に加工する大規模製材工場への原木供給量を安定的に増加し県内の加工体制を整備する施策を打っていますが、今後、安い欧州材を使った集成材に押され県産材が売れなくなるといった影響も懸念されます。  そこで、今後、日EU・EPAが発効した際には、県内の農林水産業にはどのような影響を与えると想定され、また、県内の農林水産業にどのように取り組んでいこうとするのか、知事にお伺いいたします。  質問の第五は、カキの採苗不調について質問します。  先日、カキの採苗が不調であり、必要量の二割から三割しか確保できない業者が相次ぎ、来年もとれなければ死活問題になるとの報道がありました。  広島のカキは、瀬戸内海の天然種苗をホタテの貝殻に付着させることで安価で大量に確保でき、さらに、沖合のカキいかだにつるすことで餌代のかからない瀬戸内海の豊富なプランクトンを利用することにより、経費のかからないビジネスモデルを確立してきました。  平成二十五年度、平成二十六年度と二年連続してカキの採苗が不調に終わったことは記憶に新しく、消費拡大の流れに水が差され、広島かきの安定的な生産を揺るがした大きな問題でもありました。対策として、平成二十七年度から、カキの採苗の安定化が図られるよう、餌となる植物プランクトンの発生量が多い広島湾の河口付近に産卵用母貝のいかだを集中して移動させ、産卵後の幼生が順調に生育する環境を整えることにより生存率を高める策を講じてきました。その結果、平成二十七年度、平成二十八年度は好調であったものの、一転して今年度は不調に終わってしまいました。  近年の不調の対応として県や広島市が安定した採苗のための調査をしておりますが、今のところ原因はわかっていないようです。昨年が好調であったので、すぐに生産量が減ることはないようですが、過去五年間のうち三年が不調となっており、今後も瀬戸内海においてカキ産業が継続できるのか、大変強い危機感を抱いております。  そこで、本県のカキ産業の最大のメリットである天然採苗の安定的な生産に向けて、生産者、地元自治体、国、関係機関と一体となって、より一層の原因究明と対策を講ずるべきであると考えますが、知事の御所見をお伺いいたします。  六番目に、防災・減災対策についてであります。  一点目は、防災・減災対策の公共事業費の確保について質問します。  国内の各地では、近年、過去に見られなかった大規模の豪雨災害が頻発しています。気象庁によると、一時間五十ミリ以上の豪雨が降る頻度は、約三十年間でアメダス一千カ所当たり百九十回から二百四十回と約三割の増加、八十ミリ以上では十一回から十九回と約七割増加しているとのことです。本県でも記憶に新しいのですが、八・二〇広島土砂災害では安佐北区で百一ミリの一時間降水量を、ことしの九州北部豪雨でも福岡県朝倉市で百二十九・五ミリを観測する等、いわゆる豪雨と言われる雨のレベルがこれまでの想定を大きく超えている状況にあります。  これは、地球温暖化による気温の上昇も一因と指摘されています。気温が一度上がるごとに大気中の水蒸気量は六、七%ふえるとされ、日本の平均気温は百年当たり一・一九度のペースで上昇すると試算されていることから、今後さらに八十ミリを超えるような豪雨の頻度が増加するものと見込まれます。  こうした中、防災・減災対策について、ハード面では、県は社会資本未来プランにおいて重点化方針に位置づけ整備を進めることとしていますが、中期財政運営方針においては、公共事業費を一般財源ベースで平成二十七年度の水準に維持することとしております。  現在、県の公共事業は、県土の将来像を実現するための社会資本未来プランにより優先順位に基づき予算配分されていますが、今後見込まれる豪雨の規模や頻度を考えれば、中期財政運営方針の見直しを含め、公共事業費を増額し、防災・減災対策に寄与する公共事業の優先順位をさらに高くして整備の加速化を図っていく必要があると考えますが、知事の御所見をお伺いいたします。  二点目は、土砂災害特別警戒区域等の増加による新たな課題についてお伺いします。  本県では、土砂災害防止法に基づく土砂災害警戒区域及び特別警戒区域への指定を平成三十一年度末までに完了させることとして、その取り組みを加速しております。一方で、特別警戒区域等の指定の作業が進むのに伴い、指定緊急避難場所となっている小中学校へ住民が向かう経路が特別警戒区域に含まれてしまう課題が浮き彫りになっております。先ほど申し上げたとおり、各地で集中豪雨が頻発する中、最終的には安全な場所に避難するということが被害を防止する上で最後のとりでとなります。  そこで、県が指定を増加する一方で、市町では指定緊急避難場所までの安全な避難ルートの確保ができないといった新たな課題も生じており、そのほかにこのような新たな課題が生まれていないのでしょうか、また、その場合、課題に対して国、市町と連携してどのように取り組まれるのか、知事にお伺いいたします。  質問の第七は、ひろしまアダプト活動支援の推進についてお伺いいたします。  御承知のとおり、アダプト制度は、道路や河川、公園など公共空間に対して、市民や地元企業の方が行政との取り決めのもと、美化活動を行う仕組みのことです。アダプトとは、英語の養子縁組をするという意味です。道路や河川の公共空間を我が子のように面倒を見ることで愛情と責任を持って活動を行うことで、地域に我がまち意識を育むことにつながる取り組みと言えます。  県では、広島県アダプト制度を創設し活動経費の一部を助成するなど、その活動を支援しております。その活動状況として、活動団体数は計九百八十団体、活動人数は計三万三千九百十七人、活動延長は道路が五百九十四キロメートル、河川が二百四十九キロメートル、計八百四十四キロメートルと聞いております。  この制度は、平成二十年度の創設から来年度は十周年を迎えますが、私の周辺に聞くところ、制度の認知度も高くはないようです。また、構成員も高齢化が進展している中で、活動の低迷を大変危惧しております。  そこで、積極的な活動ができるよう活動経費の増額や活動団体の連携による活動意欲の向上、アダプト制度の手続の簡素化も一つの方法かと考えますが、今後の活動の維持・継続策について知事にお伺いいたします。  質問の第八は、一学年一学級規模の高等学校の活性化への支援について質問します。  私の地元の広島市佐伯区にあり一学年一学級規模の湯来南高等学校では、生徒が主体となって、地域の特産品であるコンニャクと地域の川に生息するオオサンショウウオとをコラボさせて、地元の食品関係業者の協力も得てオオサンショウウオこんにゃくという新たな商品を開発し、好評を博しているとお聞きしています。この取り組みは、生徒がみずからの興味・関心から自然環境について学んだことを契機として、地域のさまざまな方々を初め、ほかの高等学校とも連携して商品開発まで及んだものであり、まさに生徒の課題発見・解決学習の好事例であると考えます。湯来南高校では、このほかにも生徒が積極的に地域でボランティア活動を行っているとお聞きしております。  こうした取り組みのように、地域の特色を生かしながら生徒がみずから活躍していく取り組みを推進し、学校の活性化を図っていくことは、生徒の学びの変革の推進に資するとともに、郷土を愛する心を育み、将来、地元で活躍したいと思う志を涵養することにつながると考えます。そして、そうした取り組みにより学校の活性化が図られれば、生徒が学びたいと思う学校になり、また、保護者も学ばせたい学校になり、そして、地元からも信頼される学校になると思います。今後とも、こうした取り組みを、湯来南高校を初め、他の学校においても、ぜひ積極的に進めていただくよう要望しておきます。  さて、湯来南高校では一学年一学級規模の高校として学校活性化地域協議会を設置して、全校生徒数八十人以上を目指し、これまで三年間、学校の活性化に取り組んできたところでありますが、残念ながら入学者の増加にはつながっていない状況であります。また、その他の一学年一学級の高等学校においても、活性化の取り組みが入学者の増加につながっていない学校も見られます。  そこで、活性化の取り組みが入学者の増加につながっていない学校には主にどのような課題があると認識しているのか、また、そのような学校に対して県教育委員会としてどのような支援等を行っていくのか、教育長にお伺いいたします。  質問の第九は、乳幼児期における家庭教育の充実について質問いたします。  家庭の教育力の低下が指摘されて久しいですが、家庭教育の中でも、とりわけ人間形成の基礎が培われる乳幼児期の家庭教育の充実を図ることが重要であるのは言うまでもありません。また、乳幼児期における教育の質が小学校での学力向上など子供の健やかな成長に重要な役割を果たすという研究報告もあり、乳幼児期における教育は、まさに未来への投資であるということも言えます。  本県では、乳幼児期における教育・保育の充実に向けて、本年二月に「遊び 学び 育つひろしまっ子」推進プランを策定されましたが、ぜひとも、これからの社会を担う本県の子供たちが健やかでたくましく成長していくことができますよう、オール広島県での取り組みに強く期待をしております。  乳幼児期における家庭教育の充実は、県内の全ての家庭において進められる必要がありますが、そのために、まずは全ての保護者に対して乳幼児期の家庭教育の重要性を伝え、各家庭での取り組みにつなげていくことが重要であると私は考えます。意識の高い保護者は、あらゆる方法で情報を入手し、家庭の教育力を向上させるための講座などに参加されますけれども、必ずしも意識が高くない保護者もおられます。そういう方にこそ必要な情報を届け、家庭教育に関する講座などに参加してもらう必要があると考えます。  先ほどの推進プランにおいても、全ての保護者に情報を届ける取り組みの充実について示されていますが、そもそも子供の教育に関心のない保護者や、仕事などで多忙のため情報を入手する機会に乏しい保護者、さらに、インターネットを気軽に使用できる環境にない保護者もおり、推進プランで掲げる全ての保護者に対して情報を伝えていくというのは、決して簡単なことではないと考えます。また、情報が単に伝わればよいというものではなく、入手した情報等を参考にして保護者の理解を深め、そして、実践につながるような情報提供となることが最も重要であると考えます。  そこで、推進プランでは、全ての保護者に情報を届ける取り組みの充実に向けて、平成二十八年度までの発信における試行の成果等を受けて平成二十九年度に方法等を決定するとのことですが、これまでどのような取り組みを行い、その成果と課題はどうだったのか、また、その成果等を踏まえて全ての保護者に情報を届けるための今後の実効性ある取り組みにどのようにつなげていくのか、教育長にお伺いいたします。  以上で私の質問を終わります。御清聴、まことにありがとうございました。(拍手) 4: ◯議長(宇田 伸君) 当局の答弁を求めます。知事湯崎英彦君。         【知事湯崎英彦君登壇】 5: ◯知事湯崎英彦君) まず、旧広島陸軍被服支廠の保存及び利活用についての御質問でございます。  県が所有しております旧広島陸軍被服支廠は、被爆の実相を今日に伝える最大級の被爆建物であり、また、竣工後百年以上を経過する日本近代建築初期の建物としても貴重なものであると認識しております。  そのような建物としての重要性を踏まえまして、これまで保存を含め、その活用について検討を行ってまいりましたが、施設の規模が大きいことなどから、保存及び活用には多額の費用が見込まれるなどの課題があり、具体化ができていない状況にございます。  この費用の算出基礎となる耐震性能調査は二十年前に実施したもので、最新の基準に基づく安全性を確認するためにも、今年度、改めて建物の耐震性や補強手法などの調査を実施しているところでございます。  今後の保存及び活用につきましては、この調査結果を踏まえ、広島市や隣接する四号館を所有する国との連携を図りつつ、関係する方々の御意見もお伺いしながら、一部保存や部分的活用を含めて検討してまいりたいと考えております。  次に、犯罪被害者等の支援についての御質問でございます。  犯罪被害者及びその御家族、御遺族の方々は、犯罪による直接被害にとどまらず、経済的困難や精神的苦痛などさまざまな問題に直面されており、こうした方々が一日も早く平穏な生活に戻るためには、それぞれの状況に応じたきめ細かな支援を継続的に行うことが極めて重要であると認識しております。  このため、本県におきましては、毎年十一月の犯罪被害者週間での街頭キャンペーンなどの啓発活動を県内全域で展開するほか、被害者の方々を対象とした総合窓口を県及び全市町に設置し、さまざまな課題に対応できる体制を整備したところでございます。  全国の条例策定状況につきましては、継続的に情報収集等を行っているところでありますが、平成二十六年以降、本年四月一日現在で犯罪被害者等支援に特化した条例を制定している都道府県は五県から九県に増加する一方、関連条例に被害者等支援の項目を盛り込んでいる都道府県は十九団体で増減はございません。  また、全ての制定団体で規定されている項目につきましては、基本理念、地方公共団体の責務、都道府県民の責務、関係機関等との連携協力の四項目で、具体的な施策に関する項目の規定範囲や内容は一様ではございません。  一方、本県と同様に条例を制定せず計画または指針を策定して施策の推進を図っている都道府県は十八団体で、各団体の状況に応じた具体的な施策を定めている傾向にございます。  条例につきましては引き続きの検討が必要と考えておりますが、本県といたしましては、こうした調査の結果を踏まえ、まずは現在の計画に本県の実情に応じた具体的な施策を盛り込み、犯罪被害者等の支援の実効性を高めてまいりたいと考えております。  次に、再犯防止策についてでございます。  犯罪や非行をした方が地域社会の一員として受け入れられるためには、社会生活を送る上で生じるさまざまな課題に対して必要な支援が必要なときに受けられる社会環境の構築が必要であると認識しております。  国におきましては、支援を必要とする方の情報やノウハウを持つ刑事司法関係機関と地方公共団体や地域社会、民間支援団体等が再犯防止という観点から協力し合う仕組みがないとの課題認識のもと、こうした関係者の連携による再犯防止の取り組みの促進に向けて、平成二十八年十二月に再犯の防止等の推進に関する法律を制定したところでございます。  本県におきましては、国と同様の課題認識から、昨年度、国、県、支援組織から成る非行少年等再犯防止に関する連絡会議を設立して議論を進めており、その中でお互いが連携して取り組むことの重要性を確認した上で、今年度から新たに非行少年等を対象とした就労体験事業をスタートさせたところでございます。  こうした中、本年十二月に策定予定の国の再犯防止推進計画では、地域におきます推進体制の整備や地域の実態把握、担当窓口の設定等につきまして定められる見込みであり、県といたしましては、その内容についても関係者による連絡会議で協議をいたしまして、より効果的な役割分担や支援体制のあり方、連携して行う施策の内容、地域計画の策定等について検討してまいりたいと考えております。  今後とも、犯罪や非行をした方の円滑な社会復帰を促進するため、国や関係者等と連携して積極的に取り組んでまいります。  次に、防災・減災対策の公共事業費の確保についてでございます。  公共事業は、社会資本の整備を通じて県民生活の安全・安心の確保を図るための重要な役割を果たしているものと認識しており、中期財政運営方針に掲げた県債発行額の適切なマネジメントなどを着実に進めつつ、必要な事業量の確保に努めるとともに、緊急性や情勢変化などの観点も常に考慮しながら適切に対応する必要があると考えております。  近年、全国で大規模災害が頻発しており、本県におきましても災害に強い県土づくりの必要性はますます高まっていることから、平成二十八年三月に改定いたしました社会資本未来プランにおきましては、防災・減災対策を充実強化する事業を広域的な交流・連携基盤を強化する事業などと同様に最も高い優先順位として位置づけ、事業費の配分を見直したところでございます。  また、近年の土砂災害や河川の氾濫の発生状況を踏まえまして、このたびの補正予算案におきましても防災・減災対策事業を重点的に盛り込むなど、必要な公共土木施設の整備などに積極的に取り組んでおります。  さらに、国への施策に関する提案におきましても、防災・減災対策を初めとする補助公共事業等の配分を強く要請するなど、公共事業予算の総額確保に努めているところでございます。  今後も、引き続き、防災・減災対策に寄与する公共事業の優先順位を十分意識した経営資源の配分に努めてまいりたいと考えております。  その他の御質問につきましては、担当説明員より答弁させていただきます。 6: ◯議長(宇田 伸君) 農林水産局長上仲孝昌君。         【農林水産局長上仲孝昌君登壇】 7: ◯農林水産局長上仲孝昌君) EUとのEPA協定締結を見据えた農林水産業のあり方についてお答えいたします。  日本の輸出入総額の約一割を占める主要貿易相手国である欧州連合との経済連携協定、いわゆる日EU・EPAが大枠合意に至ったことを踏まえ、国は、引き続き、協定の署名に向けた協議を進めるとともに、経済効果の分析も含め、発効の効果を最大限に生かすために必要な政策を検討しております。  また、農林水産分野においても、新たな市場の開拓を推進するとともに、将来にわたって意欲ある農林漁業者が希望を持って経営に取り組めるよう、強い農林水産業の構築に向けた体質強化対策などを講じるため、国においては平成二十七年十一月に定めた総合的なTPP関連政策大綱の改定を進めております。  現在のところ、日EU・EPA協定の発効による農林水産業への影響については公表されておりませんが、チーズや豚肉、林産物において、関税引き下げによる輸入量の増大などの影響が考えられるところでございます。  本県といたしましては、農林漁業者が安心して経営を継続できるよう、全国知事会などとも連携をとりながら、国に対して経営安定対策などセーフティーネットの充実を要望するとともに、国の検討状況を注視しつつ連動した効果的な対策を講じることで担い手の経営力強化を図るとともに、本県農林水産業の競争力を高めてまいります。  次に、カキの採苗不調についてお答えいたします。  広島かきが安定的に出荷されるためにはカキの種苗が確実に確保されることが重要であり、平成二十六年に起きた採苗不調を踏まえ、平成二十七年からは餌の多い太田川河口付近へ母貝いかだを移動させるとともに、カキ幼生調査等の情報の共有化を行うなど、生産者や関係機関が連携しながら種苗の確保に取り組んでまいりました。  本年のカキの採苗につきましては、前回の採苗不調の状況とは異なり、産卵や幼生の発生は確認できたものの、その後の生育が不良となったことから、八月末の段階で必要数量の五割程度しか種苗が確保できていない状況となっておりますが、昨年は順調に採苗が行われたため、今シーズンのカキの出荷には影響がないものと考えております。  しかしながら、採苗不調が続くと生産に必要な種苗が十分に確保できず、最終的な出荷への影響が懸念されるため、採苗不調の原因について、改めて生産者も含め、県、関係市町、国等による検討・協議を行い解明に努めるとともに、海域環境などの状況について詳細な分析を行った上で、より科学的な根拠に基づいた種苗の安定確保の仕組みを再構築してまいります。  加えて、来期におきましては、母貝いかだの配置等による種苗の確保対策に取り組むとともに、採苗調査の状況によってはリスクの分散を図る上で早期に県外からの種苗の確保を検討するなど、引き続き、今後のカキの生産安定に努めてまいります。 8: ◯議長(宇田 伸君) 土木建築局長三上幸三君。         【土木建築局長三上幸三君登壇】 9: ◯土木建築局長三上幸三君) ひろしまアダプト活動支援の推進についてお答えいたします。  アダプト活動につきましては、会員の高齢化などにより今後の活動に支障を来す団体も生じており、各団体が活動しやすい環境整備や認知度の向上を進めていく必要があると考えております。  このため、環境整備におきましては、アダプト制度に関するアンケート調査を実施し、回収ごみの処分に係る地元市町の支援や県への活動実績報告書の簡素化などを行ったところでございます。  認知度の向上におきましては、若者によるアダプト活動の発表や表彰を行う青少年活動コンテストを県内各地で行い、若年層のアダプト活動への参加を促すこととしてございます。  また、県による支援内容に関する質疑応答集を活用した説明会を毎年県内十カ所で開催するとともに、各地域で活動する団体をホームページで紹介するなど、積極的な広報に努めているところでございます。  こうした取り組みの結果、本県のアダプト活動認定団体数は、平成二十九年六月末時点で道路、河川合わせて一千団体を超えるなど、その活動は地元企業や町内会を中心に着実に広がってございます。  なお、活動経費への助成につきましては、平成二十年度の制度創設以来、所要額の確保に努めておりますが、今後、NPO法人ひろしまアダプトや市町と意見交換を行いながら、そのあり方について検討してまいりたいと考えております。  今後とも、市町や関係団体などとの協力を一層強化し活動しやすい環境整備等を進めるとともに、アダプト活動団体の連携や意欲向上を図るなど、アダプト活動の一層の推進に取り組んでまいります。
    10: ◯議長(宇田 伸君) 危機管理監土井 司君。         【危機管理監土井 司君登壇】 11: ◯危機管理監(土井 司君) 土砂災害特別警戒区域等の増加による新たな課題について、複数部局にわたるお尋ねでございますが、私が代表してお答えいたします。  土砂災害警戒区域等の指定につきましては、平成二十七年三月に小学校区を単位として策定・公表した基礎調査実施計画に基づいて加速化を進めており、調査対象である三百七十七小学校区のうち、これまでに二百八十八校区の調査に着手し、順次指定を進めているところでございます。  指定が完了した区域内には、避難ルートに加え、新たな課題として、避難場所そのものが土砂災害警戒区域等に含まれることが判明したケースも生じております。  こうした課題に対しましては、市町に、安全な避難場所や避難経路に見直した上でハザードマップを作成し、速やかに住民に周知するとともに、危険性が高まったときには早めに避難勧告等を発令し、その情報を多様な手段で住民へ確実に伝達するよう働きかけているところでございます。  また、県民の皆様には、お住まいの地域の危険箇所や安全な避難場所などを改めて確認いただくとともに、いざというときには適切に判断して災害から命を守る行動をとっていただくことができるよう、「みんなで減災」県民総ぐるみ運動を通じ周知を図っているところでございます。  今後とも、指定に伴い課題が生じた場合には、国や市町等の関係機関と連携し、その解決に努めてまいります。 12: ◯議長(宇田 伸君) 教育長下崎邦明君。         【教育長下崎邦明君登壇】 13: ◯教育長下崎邦明君) 二点についてお答えいたします。  まず、一学年一学級規模の高等学校の活性化への支援についてでございます。  一学年一学級規模の高等学校におきましては、学校関係者や地域関係者、市町等で構成いたします学校活性化地域協議会におきまして検討されました活性化策に基づき、地域の皆様方や市町からさまざまな御支援をいただきながら取り組んできたところでございます。  その結果、学校全体が活気づいてきている学校や、学校の新たな魅力の創造やさらなる活性化が図られ入学者が増加している学校がある一方で、入学者の増加につながっていない学校もございます。  その要因といたしまして、例えば、学校の活性化や魅力の向上に向け学校と地域が一体となって取り組むことが十分にできていないことや、学校の取り組みが生徒、保護者のニーズに合ったものとなっていないことなどがあると考えております。  今後、より一層学校の魅力を向上させ入学者数を確保することができるよう、各学校の課題や実情を踏まえた、より具体的な取り組みを進めていく必要があると考えております。  教育委員会といたしましては、引き続き、学校活性化地域協議会に事務局職員を派遣し、校長に対し必要な指導・助言を行うなど緊密な連携を図りつつ、各学校において、生徒、保護者のニーズに応える魅力ある取り組みや学校の特色を生かした教育活動が地域と一体となって行われるよう、必要な支援を行ってまいりたいと考えております。  次に、乳幼児期における家庭教育の充実についてでございます。  乳幼児期における家庭での教育は、心身と人間関係の基盤を形成する大きな役割を担っており、子育てに悩んでいる保護者や関心の低い保護者などに対して、信頼できる情報や学習機会の提供などの支援が必要であると考えております。  子育てに役立つ情報提供の取り組みにつきましては、全ての保護者に対して、家庭での取り組み内容を四こま漫画やイラストを用いた親しみやすくわかりやすい啓発資料を作成し、幼稚園・保育所等や乳幼児健診会場、ショッピングセンターなどで配布したり、SNS等を活用し発信したりするなど工夫をしながら取り組んできたところでございます。  啓発資料を配付いたしました園・所等の保護者へのアンケートにおきましては、啓発資料の内容を実践したとの回答が、初年度約五割であったものが二年目には約七割となるなど、一定の成果が上がったところでございます。  一方で、園・所等に通っていない乳幼児に対しましては、乳幼児健診の受診率が一〇〇%でないこと、また、ショッピングセンターでの取り組みが限定的であったことなどから、保護者への周知は必ずしも十分できているとは言えない状況でございます。  教育委員会といたしましては、これまでの成果のあった取り組みをさらに充実させるとともに、今後、多くの保護者が利用することとなるひろしま版ネウボラと連携するなど、全ての保護者が自信と安心感を持って子育てをすることができるよう、家庭教育への支援に努めてまいります。 14: ◯議長(宇田 伸君) この際、暫時休憩いたします。午後の会議は一時から開きます。         午前十一時二十一分休憩              ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~         午後一時一分開議 15: ◯副議長(松岡宏道君) 出席議員五十六名であります。休憩前に引き続き会議を開きます。  引き続いて質問を行います。福知基弘君。         【福知基弘君登壇】 16: ◯福知基弘君 皆さん、こんにちは。広島県議会民主県政会の福知基弘です。今次定例会において一般質問の機会を頂戴いたしましたこと、議長を初め、先輩、同僚議員の皆様方に厚く御礼を申し上げます。  本日は、高齢化と労働力の減少、少子化といった喫緊の課題について、また、県民の暮らしや命、平和を守るといった観点から質問させていただきます。県民の皆さんが明るい未来を感じられるような御答弁を湯崎知事にお願いし、質問に入らせていただきます。  最初の質問は、核兵器廃絶に向けての取り組みについてであります。  十一月二十七日及び二十八日の日程で核軍縮の実質的な進展のための賢人会議第一回会合が、二十九日、三十日の日程で第二十七回国連軍縮会議が、ともに広島市で開催されることが決まっています。両会議の開催により、核兵器廃絶に向けた着実な一歩が踏み出され、核兵器のない世界の実現に向けた国際的な機運が高まることを大いに期待しております。  しかし、一方で、核兵器の使用や保有などを法的に禁ずる核兵器禁止条約が採択され、被爆者にもたらされた苦痛との一節を前文に入れた人道的見地から核兵器の存在を否定する条約が誕生し、九月二十日時点で五十カ国・地域が署名したにもかかわらず、日本政府は条約の交渉にすら参加しておりません。もちろん、日本が核兵器禁止条約に参加すれば核兵器国への対立をあおることになりかねず、唯一の被爆国として核兵器国と非核兵器国の橋渡し役となるべき日本が対立を生むような行動を行うべきではないでしょう。しかし、橋渡し役となるためには、条約の交渉に参加し、核兵器国と非核兵器国の溝を埋める具体的な提案を行い、核兵器廃絶に向けたリーダーシップを発揮すべきではないでしょうか。  湯崎知事は、ことし八月六日の平和記念式典の挨拶の中で、「日本政府には、この地獄の現実をくぐり抜けた唯一の国として、そのリーダーとなっていただきたい。核兵器国と非核兵器国の分断を埋め、核兵器廃絶への道のりを全ての国の力で進んでいくために必要な、具体的な提案と行動を提示することをお願い申し上げます。」と述べられました。十一月に開催される賢人会議は、核軍縮の進め方等をめぐり核兵器国、非核兵器国の間で意見が対立している現状を踏まえ、核軍縮の進展に向けて各国の信頼関係を再構築するとともに、核兵器のない世界に向けた現実的かつ実践的な道筋の進展に資する提言を得るものであり、まさに我が国が行うべき具体的な提案やとるべき行動についても提言が行われるものと思います。  そこで、核兵器禁止条約の交渉に参加しなかった日本政府の対応についてどう考えておられるのか、また、知事が考える日本政府が提示すべき具体的な提案と行動とはどのようなものなのか、さらに、十一月の賢人会議や国連軍縮会議の開催を国際平和拠点ひろしま構想にどのようにつなげていこうと考えておられるのか、知事にお伺いし、本日は一問一答で質問を行いますので、ここで質問用演壇に移らせていただきます。(質問用演壇に移動) 17: ◯副議長(松岡宏道君) 知事湯崎英彦君。         【知事湯崎英彦君登壇】 18: ◯知事湯崎英彦君) 核兵器禁止条約につきまして、日本政府に対し、本県といたしましても、交渉会議に参加して、核兵器廃絶に向けた積極的なリーダーシップの発揮をお願いしてまいりましたが、日本政府は、条約の交渉に核兵器国が参加せず、核兵器国と非核兵器国の間の溝が深まっていることが、核兵器国と非核兵器国が協力して核軍縮を進めるべきという日本の立場と一致しないことから、核兵器禁止条約交渉会議に参加しなかったと承知しております。  日本政府におかれましては、核兵器の廃絶に向けた取り組みを進めるという点で本県と思いを同じくしていると考えており、核軍縮の実質的進展のための賢人会議や国連軍縮会議を広島で開催することも、そのあらわれの一つであると考えております。  今後とも、日本政府におかれましては、唯一の被爆国として、核兵器廃絶に関しまして、国際社会における積極的なリーダーシップを発揮していただきたいと考えております。  次に、日本政府に期待する行動等につきましては、核兵器廃絶の取り組みを実質的に進展させるためには、そのための議論に核兵器国が参加し、核兵器国が非核兵器国の理解を得て、それを実行していくスタンスを示していくことが必要であると考えております。  本年八月に開催したひろしまラウンドテーブルの議長声明におきましても、核兵器国と非核兵器国の間の溝を埋めるため、核兵器国や核の傘に依存する国みずからがステップ・バイ・ステップ論におけるステップを明確化する会議の広島開催が提言されたところであります。  また、こうした会議の開催に当たっての日本政府の指導的役割への期待も示されたところであり、日本政府には、核兵器廃絶の具体的なステップを明確化する提言をまとめていただき、核兵器国と非核兵器国との橋渡し役としての役割をしっかりと果たしていただきたいと考えております。  次に、本県ではこれまで核兵器のない平和な世界の実現に向けて、国際平和拠点ひろしま構想に基づき、その方策の一つとして、G7外相会合やNPDI外相会合など国際会議の誘致や開催を推進してきたところであり、今般の賢人会議や国連軍縮会議の開催も広島の平和の拠点性向上に大きく資するものと考えております。  また、賢人会議には、ひろしまラウンドテーブルに参加する研究者や広島県との連携協定先である海外研究機関の関係者も参画しており、ラウンドテーブルを初めとするこれまでの活動との連携が図られるものと期待しております。  今後とも、連携協定先であるUNIDIR──国連軍縮研究所やSIPRI──ストックホルム国際平和研究所との共同研究を進めて日本政府等へ提案できるよう、ひろしまラウンドテーブル議長声明での核兵器国と非核兵器国との間の溝を埋めるための方策などの深化を図り、核軍縮の議論の進展に貢献してまいりたいと考えております。  こうした取り組みを進めることによりまして、国際平和拠点ひろしま構想の実現を図ってまいりたいと考えております。 19: ◯副議長(松岡宏道君) 福知基弘君。 20: ◯福知基弘君 被爆地広島を抱える県のリーダーとして、政府に対しても言うべきことはしっかり言っていただき、核兵器廃絶に向けてさらに力を入れて取り組んでいただくようお願いしまして、次の質問に移ります。  次の質問は、中小企業における労働力確保についてであります。  厚生労働省が発表した全国の本年七月の有効求人倍率は一・五二倍、大卒、高卒の就職内定率も大幅に改善し、転職市場も活況を呈するなど雇用環境は好転している一方で、少子高齢化、生産労働人口の減少が続く中で人手不足の状況が深刻化しつつあります。  広島県においても有効求人倍率は高水準で推移しており、本年七月時点で一・八〇倍、全国で七番目に高い水準と、県内企業の人手不足感は全国平均を上回る状況が続いております。広島県中小企業家同友会のアンケート調査によれば四三・二%の企業が経営上の問題点として従業員不足を挙げており、中小企業の労働力不足は大きな課題となっています。また、業種別で見ると建設業の正社員不足が七割超にも及び、金融業、サービス業、小売業における非正規社員不足が五割以上となっています。さらに、二〇一六年に休廃業や解散をした企業は県内六百八十九社に上り、建設業、小売業、サービス業、製造業の割合が多くなっています。経営者の高齢化と後継者不足などの理由で事業をやめるケースが多く、事業承継や技能の伝承が危ぶまれます。  これから労働力人口がさらに減少していく中で、地域経済の重要な担い手である地場・中小企業の労働力確保は喫緊の課題であり、県の最重要施策の一つとして取り組んでいく必要があります。従業員の働き方改革を通じた労働生産性向上に対する支援や採用活動に課題を抱える企業への個別相談の充実、すぐれた技術や知名度向上に資する情報発信やIoT、AIを活用した設備への支援など、大規模な投資を行いづらい中小企業に対して県が予算の重点配分も含めた支援の充実を図るべきではないでしょうか。これまでものづくり県広島として守ってきた技能をきちんと伝承させることや、事業を承継させるための支援にも取り組まなければなりません。  労働力人口が減少する中で、労働力の確保に課題を抱える地場・中小企業に対する支援をどのように行っていこうと考えているのか、予算の重点配分も含めた支援の充実や技能伝承、事業承継への支援についての考えとあわせて知事の御所見をお伺いいたします。 21: ◯副議長(松岡宏道君) 知事湯崎英彦君。         【知事湯崎英彦君登壇】 22: ◯知事湯崎英彦君) 労働力人口が減少する中で中小企業が持続的に発展するためには、労働力確保を含めた経営基盤の強化と生産性の向上を図ることが重要な課題であると認識しております。  喫緊の課題であります労働力の確保につきましては、これまで求職者と中小企業のマッチングを目指し、県内外の大学生や高校生を対象とした合同就職面接会や、インターンシップの促進や企業見学会、業界研究セミナーの開催など県内就職に向けた意識醸成を図るとともに、中小企業の採用力向上、PR力の強化を図る取り組みを進めているところでございます。  このほか、今年度は初めて、転職を希望する若者を対象としたひろしま転職フェアをお盆に帰省する機会を捉えて開催し、県内外から参加した多くの若者と中小企業とのマッチングを実施いたしました。  さらに、建設業や製造業、輸送業など人手不足が顕著な分野の人材確保につきましては、県や広島労働局及び業界団体で構成いたします現場人材確保対策連絡会議を設置して効果的な取り組みの共有化を図るとともに、連携策の検討を進めているところでございます。  また、生産性の向上を図るためには、イノベーションを通じて企業が付加価値の高い商品やサービスを創出することが重要であり、企業の成長戦略に必要な即戦力人材いわゆるプロフェッショナル人材の受け入れ支援や、IoT等の新たな技術に対応したひろしまデジタルイノベーションセンターの整備など、イノベーションを生み出す人材の育成や確保、また、環境づくりを強化してまいります。  あわせまして、企業の新陳代謝を図る観点から、第二創業や新事業展開を促進するとともに、M&Aを初めとする経営承継に取り組もうとする企業に対し経営承継円滑法に係る税制等の優遇措置の活用を促すことにより企業を支援してまいります。  今後とも、労働力人口の減少などの社会情勢の変化に柔軟に対応できる足腰の強い中小企業の持続的な成長をしっかりと後押ししてまいりたいと考えております。 23: ◯副議長(松岡宏道君) 福知基弘君。 24: ◯福知基弘君 生産年齢人口がさらに減少していく中で、支援したとしてもこれからますます労働力確保は厳しくなっていきます。高齢者の活用が必要だと思いますが、退職後の安定した生活が確保されて初めて、働いたり地域で活動したりできると思います。そうした観点から、中小企業退職金共済への助成について質問させていただきます。  中小企業退職金共済制度は、昭和三十四年に中小企業退職金共済法に基づいてつくられた中小企業のための国の退職金制度であり、中小企業の相互共済と国の援助によって退職金制度を確立し、従業員の福祉増進と中小企業振興に寄与することを目的としております。本年三月末現在、本県では八千六百八十九事業所の八万五千七十六人が加入しており、中小企業で働く労働者の退職後の生活の安定につながっています。  適格年金の廃止や厚生年金基金の解散が進み、中小企業が企業年金に加入している割合は低下しておりますが、中小企業で働く労働者にとって退職金の外部保全となる企業年金制度の意義は高くなっております。しかし、確定拠出年金や確定給付つき企業年金はコストや手続、投資教育等の課題が大きく、加入しにくいものとなっております。  こうした状況下においては、中小企業退職金共済がほぼ唯一の選択肢であり、中小企業の企業年金の受け皿として助成制度の充実を図る必要があります。現在、三十二都道府県内の市町村が助成制度を設けておりますが、広島県内においては助成している市町はありません。私は、広島県においても各市町に対し助成制度の導入について働きかけを行うべきと考えます。  そこで、県として中小企業退職金共済制度の意義についてどのように認識しているのか、また、助成制度の導入など、この制度の活用促進を図るべきと考えますが、どのように考えておられるのか、あわせて商工労働局長にお伺いいたします。 25: ◯副議長(松岡宏道君) 商工労働局長佐伯安史君。         【商工労働局長佐伯安史君登壇】 26: ◯商工労働局長(佐伯安史君) 中小企業退職金共済制度は、独自に退職金制度を設けることが困難な中小企業で働く方々を対象に、退職した後の生活の安定を目的に設けられた国の制度であり、従業員の福祉の増進と雇用の安定を図り、中小企業の振興と発展に寄与するものと認識しております。  この制度の活用促進を図るためには、国は加入後四カ月目から一年間、事業主に対して掛金の二分の一を助成しており、一部の地方公共団体におきましても助成を行っているところでございます。  これまでも、国や運営主体である独立行政法人勤労者退職金共済機構が連携して、毎年十月を加入促進強化月間と定め、各地方公共団体や事業主団体などへ集中的な加入促進活動を展開しているところであり、県におきましても、ホームページによる制度の紹介や機構が主催する説明会への開催協力など、国と連携し制度の周知を図っているところでございます。  今後とも、国などと連携しながら、この制度の活用につきまして一層の普及啓発を推進するとともに、各市町に対しまして、引き続き、県内企業の加入促進の取り組みに対する協力を働きかけてまいります。 27: ◯副議長(松岡宏道君) 福知基弘君。 28: ◯福知基弘君 中小企業退職金共済の問題は、十六年前の二〇〇一年に我が会派の宮議員が取り上げ、助成制度の導入を検討するよう求めております。その当時の答弁は、県といたしましては、この制度の活用について一層の普及啓発を推進し、加入促進に努めてまいりますというものでありました。このときの答弁によれば、当時、本県におけるこの制度の加入状況は、従業員数で九・三%、企業数で八・七%とほぼ全国並みでした。しかし、現状、従業員数で二・五四%、企業数で二・三九%となっており、全国平均から大きく落ち込んでいる状況であります。今後、全く進んでいないということのないよう、PDCAをしっかり回して加入を促進していただくよう要望して、次の質問に移ります。  次は、介護人材の確保・育成と定着について、二点お伺いいたします。  一点目は、介護職員にとって働きやすい職場づくりについてであります。  二〇一五年六月に公表された厚生労働省の二〇二五年に向けた介護人材に係る需給推計によると、二〇二五年には全国で二百五十三万人もの介護人材が必要であり、三十七万七千人もの介護人材不足に陥ると推計されております。本県においても、七千人程度の介護人材不足が生じる見込みとなっておりますが、県としては二〇二〇年における介護人材不足ゼロを目標に掲げ、広島県福祉・介護人材確保等総合支援協議会を設置して、さまざまな取り組みを推進しております。しかし、依然として介護関係職の勤続年数は短く、また、離職率も高くなっております。  公益財団法人介護労働安定センターの平成二十八年度介護労働実態調査による県内の状況は、直前の介護の仕事をやめた理由として最も多かったのが、職場の人間関係に問題があったための二六・七%、続いて、法人や施設、事業所の理念や運営のあり方に不満があったための一五・八%となっています。また、同調査によると、半数以上が働きがいのある仕事だと思ったから介護の仕事を選んだと回答しており、介護人材の多くは、働きがいを求めて介護業界に就職しながらも、理想とかけ離れた介護現場の実態に直面して離職している現状があります。  このため、介護人材の確保・定着を図っていくには、介護職員にとって魅力的な働きやすい職場づくりや待遇の改善が必要です。私は、介護事業者に対する働き方改革や人間関係のマネジメント研修への支援を行っていく必要があるのではないかと思っております。  そこで、介護人材の確保・育成・定着に向け、介護職員にとって働きやすい職場づくりにどう取り組んでいこうと考えておられるのか、知事にお伺いいたします。 29: ◯副議長(松岡宏道君) 知事湯崎英彦君。         【知事湯崎英彦君登壇】 30: ◯知事湯崎英彦君) 平成二十八年度の介護労働実態調査によりますと、広島県の介護職員の採用率は一八%、離職率は一七・二%となっており、介護職員数に換算いたしますと、年間約七千八百人が入職するにもかかわらず、約七千五百人が離職しているという実態がございます。  離職者のうち一年未満の者の割合が三四・六%と採用しても定着しにくい傾向にあり、その結果として、介護業界全体の勤続年数の平均は全産業の十二・一年に対して五年となっており、職場に経験やノウハウが蓄積しにくい状況となっております。  このため、介護業界全体として人が育ち、定着し、質の高いサービスを継続的に提供できる職場に転換するための経営努力に取り組むことが重要であり、県といたしましても積極的に支援していくことが必要であると考えております。  本県におきましては、これまでも経営者や管理者等へのマネジメント研修の実施や、経営者が職場環境の課題を客観視し改善に取り組む魅力ある職場づくりのための自己点検ツールの活用促進など、経営者の意識改革を促すための取り組みを行っております。  また、就業環境が優良な事業所を認定する魅力ある福祉・介護の職場宣言ひろしま制度も実施しており、平成二十八年度の宣言事業所の離職率は一二・四%と全体平均よりも低く、制度を開始した二年前と比べても一・四ポイント減少するなど一定の効果があらわれております。  さらに、週休三日制あるいは短時間シフト等介護職員の希望に応じた働き方の工夫や、体系的な人材育成や資格取得支援、ICT等を活用した業務改善など業界内外の先進的な事例に学びまして実践する宣言事業所も増加しております。  今後は、これまでの取り組みを着実に推進いたしますとともに、人材の育成や定着対策に積極的に取り組む介護事業所等への個別のコンサルティングを実施し、その成果を業界全体に波及させながら、介護事業者や行政など関係者が一丸となって、魅力的で働きやすい職場づくりを推進してまいります。 31: ◯副議長(松岡宏道君) 福知基弘君。 32: ◯福知基弘君 続いて二点目は、潜在的介護職員の再就職支援についてであります。  介護人材の確保・育成に向けては、介護職に関する資格を持ちながら介護職員として従事していない潜在的な介護職員も積極的に活用していく方策が必要であります。介護福祉士として登録されている人の総数は、二〇一六年三月時点で百四十万八千五百三十三名ですが、そのうちの約四〇%、五十六万人は潜在的介護福祉士となっています。また、日本総合研究所が行った調査によれば、訪問介護員養成研修、介護職員基礎研修のいずれかを修了したものの訪問介護員として従事していない潜在ホームヘルパーが二百二十八万八千人にも上ると見られております。  本県にも潜在的介護職員が多数おられると思われますが、彼らが復職しやすい環境整備に努める必要があります。現在、県では、離職した介護人材に向けた再就職支援セミナーや合同求人面談会、相談会などが行われていますが、職場における人間関係が介護離職の原因として高い割合であることを踏まえ、職場体験を通した再就職を支援することも必要であると考えます。  そこで、介護福祉士や訪問介護員の資格を持ちながら職に従事していない潜在的介護職員の再就職支援にどのように取り組んでいこうとしておられるのか、健康福祉局長にお伺いいたします。 33: ◯副議長(松岡宏道君) 健康福祉局長菊間秀樹君。
            【健康福祉局長菊間秀樹君登壇】 34: ◯健康福祉局長(菊間秀樹君) 全国の介護福祉士登録者数に占める従事者の割合は約六割であり、広島県の登録者数に換算すると約一万人が資格を持ちながら介護職に従事していないと推測され、その理由のトップが出産、子育てによるもので三一・六%となっております。  一方で、再就職のきっかけや動機については、生活費が必要が四五・四%、この仕事が好きが三七%、労働日、時間、通勤等の希望に合った職場が見つかったが三四・六%の順となっており、現在仕事をしていない有資格者への積極的な働きかけが有効な人材確保策になり得ると考えております。  再就職に当たりましては、ミスマッチを防止する取り組みが重要であると考えており、求職者向けの職場見学会の開催や合同求人面談会に出展する介護事業所に対する職場体験の受け入れの義務づけを行っております。  また、魅力ある職場宣言制度により認定される優良事業所の拡充など、介護現場における環境改善の経営努力を促すとともに、広島県介護福祉士会などの関係団体を通じて有資格者等への再就職の働きかけにも取り組んでまいります。 35: ◯副議長(松岡宏道君) 福知基弘君。 36: ◯福知基弘君 かなり取り組んでいるということであります。二〇二〇年に介護人材不足ゼロを目指しているということでありますが、労働力人口の減少によって介護人材は特にこれから確保が難しくなっていき、さらに高齢化によって介護が必要な人もますますふえていくことになります。二〇二〇年に介護人材不足ゼロを達成したとしても、そこからまた乖離していくということも十分あり得る話だと思いますので、長期的な視点で取り組んでいただくよう要望して、次の質問に移ります。  次に、保育サービスの充実について、二点お伺いいたします。  一点目は、多様な保育サービスの充実に向けた取り組みについてであります。  現在、子育てをしている親の中には、延長保育や休日保育などが実施されていないために就業を諦めたり、祖父母に預かってもらうなどして乗り越えているといった現状があります。県としては、市町が策定した子ども・子育て支援事業計画に基づいて施設整備補助などの財政的支援を行い、休日保育や夜間保育、延長保育など、多様な保育サービスの充実に努めることとしておりますが、広島県の子育てポータルサイト・イクちゃんネットを見ると、二〇一七年四月現在で夜間保育は福山市のみ、休日保育は九市町十七保育所となっており、働きながら子供を生み育てることのできる広島県の実現に向けては、まだまだ体制が不十分と言わざるを得ません。  今年度は子ども・子育て支援事業計画の中間年に当たり、本県の支援事業計画に当たるひろしまファミリー夢プランの見直しに当たっては、地域のニーズ、特に地域において多く就業している商業やサービス産業等で働く皆さんのニーズをきちんと把握した上で中間見直しを行わなければなりません。県として各市町に対し、保育所入所児の親に一律でアンケート等を行うのではなく、独身世代の希望も含め、現場で働く皆さんのニーズをきちんと酌み上げるように助言し、その上でプランの中間見直しを行う必要があります。  そこで、ひろしまファミリー夢プランの中間見直しに当たり、地域のニーズをどのように把握していこうと考えておられるのか、少子化対策として、また、若い世代の生活の安定のため、休日保育や夜間保育、延長保育など多様な保育サービスの充実に向けて県としてどのように取り組んでいこうとしているのか、知事にお伺いします。 37: ◯副議長(松岡宏道君) 知事湯崎英彦君。         【知事湯崎英彦君登壇】 38: ◯知事湯崎英彦君) 近年の働く女性の増加によります保育ニーズの急増に対応するため、保育所等の整備や保育士の確保を進め、平成二十二年度からの七年間で約九千人分の保育の受け皿を確保したところでございます。  また、就労形態の多様化によるさまざまな保育ニーズに対応するため、保護者等の意見やニーズに基づき市町が策定した子ども・子育て支援事業計画により、延長保育、休日保育、夜間保育、病児保育等を進めてきているところでございます。  しかしながら、女性の就業率の上昇による保育ニーズの急増や女性の就業形態の多様化による延長保育を初めとした多様な保育サービスの必要量が市町計画以上に推移していることから、今年度、各市町におきまして計画の見直しを進めているところでございます。  計画の見直しに当たりましては、市町において、住民に対するアンケートにより潜在的な保育ニーズ等を洗い出すとともに、出生数の推計等の見直しや、保護者の就業形態や通勤状況を確認し地域ごとに分析を行うなど、今後の保育サービスのニーズの把握を行っているところでございます。  あわせまして、保護者だけでなく一般住民、保育実施者、地域の関係者、有識者などによる子ども・子育て会議を設置し、その審議を通じて、さまざまな視点による意見やニーズ等を酌み上げることとしておりまして、その内容をひろしまファミリー夢プランの見直しに反映してまいります。  県といたしましては、市町への財政的支援を引き続き行うとともに、多様な保育サービスを支える保育士の確保や資質の向上を県の保育施策の核と位置づけて重点的に取り組むことにより、県全体の多様な保育サービスの充実を図ってまいります。 39: ◯副議長(松岡宏道君) 福知基弘君。 40: ◯福知基弘君 続いて二点目は、障害児保育についてであります。  働きたくとも障害がある子供の預け先がなく、仕事を諦めてしまう親は少なくありません。フルタイムで働く母親の就労率は、健常児の場合三四%である一方で、障害児の場合わずか五%との調査結果もあり、特に重度の障害を持つ子供の母親の就労率はほぼゼロと考えられます。保育園による障害児の受け入れは進みつつあり、障害が軽度であれば保育園に預けることが可能です。しかし、医療的ケアが必要な重度の障害児となると保育園に預けることは難しく、親は働きたくとも働くことができないのが現状であります。また、障害児を育てている家庭における母子家庭率、父子家庭率も、健常児を育てる家庭と比べると高く、経済状況が非常に厳しいにもかかわらず、障害児を育てる家庭に対する社会的支援は非常に脆弱であると言わざるを得ません。  そうした中、障害者総合支援法と児童福祉法の一部が昨年改正され、障害児への支援の拡充が盛り込まれました。人工呼吸器の使用、たんの吸引や経管栄養など医療的ケアが必要な障害児、いわゆる医療的ケア児が増加しており、医療的ケア児が地域において必要な支援を円滑に受けることができるよう、地方自治体は、児童発達支援センターや特別支援学校などの福祉・教育機関と小児科診療所や地域小児科センターなどの医療機関とが連携を図るため連絡調整を行う仕組みをつくることとなり、さらに都道府県障害児福祉計画の作成も義務づけられることとなっております。  本県には障害児保育施設が少なく、特に医療的ケア児を預けて働くことができない状態を改善するためにも、県の障害児福祉計画策定に当たり、経済状況の厳しい母親等に対し十分配慮する必要があります。  そこで、母親が重度の障害児を預けて働くことができるような環境の整備をどのように進めていこうと考えておられるのか、お伺いいたします。 41: ◯副議長(松岡宏道君) 健康福祉局長菊間秀樹君。         【健康福祉局長菊間秀樹君登壇】 42: ◯健康福祉局長(菊間秀樹君) 障害児保育につきましては、ほぼ全ての市町での受け入れが進んでおり、平成二十八年度の実績では、四百四十三園で千六百三十人が利用しております。  一方で、医療的ケアが必要な重度の障害児を受け入れている保育所は平成二十八年度、県内に十一カ所あり、十一人の重度障害児が利用しておりますが、医療的ケア等を行うために配置することが望ましい看護師の確保が困難な状況がございます。  こうした状況を踏まえまして、自治体において看護師を雇い上げ医療的ケア児の受け入れを行う保育所に派遣する国の医療的ケア児保育支援モデル事業が今年度から実施され、府中市の事業が採択されたところであり、こうした事業の活用も含めて、障害児保育の環境整備を進めてまいります。  また、第一期広島県障害児福祉計画の策定に当たりましては、医療的ケア児を含む障害児保育に対する支援体制の充実に向け、必要な施策を検討してまいりたいと考えております。 43: ◯副議長(松岡宏道君) 福知基弘君。 44: ◯福知基弘君 女性が子供を預けて働きやすい環境を整備することは、労働力の確保と少子化対策につながりますので、しっかりと取り組んでいただきたいと思いますし、特に、障害児保育は貧困対策でもあるだろうと思っておりますので、ぜひとも環境整備に努めていただきますよう要望して、次の質問に移ります。  次は、骨髄移植等に関する提供希望者、いわゆるドナーへの支援の充実について、二点お伺いいたします。  一点目は、ドナー登録をふやす取り組みについてであります。  骨髄移植や末梢血幹細胞移植は、白血病や再生不良性貧血などの病気により正常な造血が行われない難治性の血液疾患等に対する有効な治療法と言われており、広く一般の方々に対して善意による骨髄等の提供を呼びかけドナーと患者を結びつける骨髄バンク事業は、移植に用いる造血幹細胞の適切な提供の推進に関する法律に基づいて、公益財団法人日本骨髄バンクが主体となって実施しております。  骨髄バンク事業においては、二〇一七年七月末現在の提供希望者、いわゆるドナー登録者数は四十七万人を超え、骨髄・末梢血幹細胞移植例数は累計で二万九百例を超えています。しかし、移植を成功させるためにはHLA型と言われる白血球の型が合わなければならず、一致する確率は兄弟姉妹間で四分の一、非血縁者間ではわずか数百人から数万人に一人と言われており、結果、移植を希望しながら移植に至っていない患者数は全国で千四百五十七名、本県においても三十九名おられます。  全ての患者さんを救うためには一人でも多くのドナー登録が必要であり、隣県の岡山県内には十カ所、島根県、山口県にもそれぞれ九カ所、ドナー登録の受け付け窓口が設置されておりますが、県内で骨髄ドナーの登録ができるのは広島市内に二カ所、福山市内に一カ所の計三カ所しかなく、県民がドナー登録しやすい環境を整備する必要があります。  そこで、本県内においても県が主導して窓口をふやすなど、ドナー登録をふやす取り組みを行うべきと考えますが、御所見をお伺いいたします。 45: ◯副議長(松岡宏道君) 健康福祉局長菊間秀樹君。 46: ◯健康福祉局長(菊間秀樹君) 本県における骨髄ドナー登録者数は、本年八月末の時点で八千二百五十三人となっており、年々少しずつ増加の傾向にはありますが、新規の登録者数をふやしていくことが、骨髄移植の推進を図る上で必要不可欠であると認識しております。  県内における骨髄ドナー登録は、献血ルームもみじなど三カ所の常設の登録受け付け窓口のほか、移動献血車による献血併行型登録会においても実施されており、平成二十八年度は延べ四十四回の登録会を開催し、三百九十四名の新規登録を行っております。  他県においては、保健所を常設の受け付け窓口としているところも多くありますが、必ずしも登録者数の増加につながっているとは言いがたい状況にあります。  一方、こちらから出向いていく献血併行型登録会は、大学や事業所など身近なところで行われること、献血目的で来られるため登録に理解を得られやすいことなどから、常設の受け付け窓口に比べて新規登録につながりやすいと考えております。  このため、まずは公益財団法人ひろしまドナーバンクや広島県赤十字血液センター等と連携をとりながら、献血併行型登録会の回数をふやすことにより新規登録者数の増加を図ってまいりたいと考えております。 47: ◯副議長(松岡宏道君) 福知基弘君。 48: ◯福知基弘君 常設の窓口は少ないけれども、移動して、より身近なところでドナー登録ができるということでございますので、ぜひ、その周知を図っていただいて、より登録者数をふやすように取り組んでいただければと思います。  二点目は、ドナーが休業する場合の助成制度の創設についてであります。  現状、移植のためのヒト白血球抗原の初回検索適合率、すなわちドナーと患者の白血球の型が適合する割合は九割を超えています。しかし、一方で、ドナーの健康上の理由や提供に伴う通院や入院等のための休暇を認めるか否かについて事業主ごとに対応が異なることなどの理由により、移植率は六割程度にとどまっております。  骨髄バンク事業では、骨髄等の提供のための検査費用、入院費といった費用についてドナー側の負担はなく、また、万一、骨髄等の提供に伴う健康障害が生じた場合でも骨髄バンク団体傷害保険による保険金が支払われるなど、ドナーの負担軽減に向けたさまざまな取り組みが行われております。しかし、ドナーが検査や入院等で仕事を休業した場合の補償は、一部の地方自治体や企業を除いて現在行われておらず、ドナーが安心して骨髄等を提供できる仕組みづくりが求められております。  県として、ドナーによる骨髄等の提供に伴う入院、通院、打ち合わせ等のために休業する場合の助成制度を創設すべきと考えますが、御所見をお伺いいたします。 49: ◯副議長(松岡宏道君) 健康福祉局長菊間秀樹君。 50: ◯健康福祉局長(菊間秀樹君) 県内では本年八月末の時点で、これまでに五百三十八名の方が、善意により骨髄等の提供を行っておられます。  骨髄等の提供には、採取前後の健康診断を含めて、通院、入院に九日程度必要とされており、この間に仕事を休んだ場合の収入減を理由として提供を断念するといった事例があることは承知しております。  本県といたしましては、骨髄ドナーあるいはドナーの勤務先に対する助成を行うことでドナーの増加につながる誘導策となり得るのか、まずは、既に助成制度を導入している十三都府県の実施状況について事業効果も含めて十分に調査・分析し、検討してまいりたいと考えております。 51: ◯副議長(松岡宏道君) 福知基弘君。 52: ◯福知基弘君 しっかり研究し、ぜひ環境整備を前に進めるよう御検討を要望して、次の質問に移ります。  次の質問は、飲酒運転根絶に向けての取り組みについてであります。  飲酒運転による悲惨な事故は後を絶ちません。道路交通法等の改正により罰則が強化され、他県においては飲酒運転撲滅条例が制定されるなど撲滅を目指す機運は非常に高まり、飲酒運転による事故は減少に転じました。しかし、また、悪質な飲酒運転による死傷事故が依然として発生しています。全国的に見ても、昨年は、飲酒運転の死者数が十六年ぶりに増加に転じており、二百二十一人と、前年から十六人ふえております。  本県においても、警察による取り締まりの強化や広報啓発活動などが進められ、飲酒運転の事故件数は減少してきておりましたが、残念ながら昨年は件数、死者数、負傷者数ともに増加に転じました。また、ことし、県内の八月末までの飲酒運転事故件数は四十八件で前年同期比二十八件の減、死亡者数は一名で前年から三名の減となっているものの、歓楽街を管轄する広島中央署管内における事故件数は、前年に比べ倍以上に増加しているとの報道もあります。  飲酒運転はひき逃げや無申告につながることが多く、また、その死亡事故率は非常に高くなっており、県民の命を守るためにも根絶しなければなりません。飲酒運転が危険かつ悪質な運転であり、飲酒運転根絶のためには、飲酒運転に対する意識を変え、社会意識を向上させる必要があります。私は、飲酒運転根絶条例を制定し、飲酒運転の撲滅に向けて、運転者、彼らに酒類を提供する可能性がある飲食店等の事業者、そして、飲酒運転によって被害を受ける可能性がある社会全体が毅然として飲酒運転を拒絶すべきことをうたうことにより、飲酒運転根絶に向けた運動を強化すべきと考えます。  県として飲酒運転根絶条例の制定についてどのように考えておられるのか、環境県民局長にお伺いいたします。 53: ◯副議長(松岡宏道君) 環境県民局長森永智絵君。         【環境県民局長森永智絵君登壇】 54: ◯環境県民局長(森永智絵君) 飲酒運転根絶に係る条例につきましては、現在、八道県で制定されており、それぞれの団体について、条例制定後毎年の飲酒運転事故減少率を全国平均と比較した場合、上回る年も下回る年もあり、全体として、条例制定後の顕著な減少傾向は確認できておりません。  このため、引き続き、効果検証手法も含め、検討を続けてまいりたいと考えております。  県といたしましては、まずは飲酒運転根絶対策分科会での検討結果を着実に具体化することとしており、運転者には酒を提供しないことを宣言する飲酒運転根絶宣言店の登録促進などの各種取り組みを進めてまいりたいと考えております。 55: ◯副議長(松岡宏道君) 福知基弘君。 56: ◯福知基弘君 条例をつくったからといって飲酒運転がなくなることはあり得ません。罰則を強化しても飲酒運転がゼロになることはないと思っています。人間は過ちを犯すものであります。だからこそ、我々は人の命を奪うことのないように飲酒運転根絶に向けてのたゆまぬ努力を続けなければならない、条例の効果を検証するなどナンセンスだと私は思っています。県民の総意として県民の命を守るために飲酒運転を根絶するのだ、そのためのたゆまぬ努力を我々広島県民はし続けよう、その声を知事がリーダーシップを発揮して声高らかに宣言すべきではないのか、そのために飲酒運転根絶条例を制定すべきではないかということを、私は申し上げたいと思っています。飲酒運転根絶条例制定に向け、ぜひ、知事に前向きに御検討いただくよう要望して、最後の質問に移ります。  最後の質問は、児童の虐待死の防止に向けた教育の充実についてお伺いいたしますので、教育長は答弁待機席に移動をお願いします。 57: ◯副議長(松岡宏道君) 教育長、答弁待機席へお願いします。 58: ◯福知基弘君(続) 二〇一六年度に全国の児童相談所が児童虐待に関する相談・通報を受けて対応した件数は、十二万二千五百七十八件で過去最多を更新しております。また、二〇一五年度に虐待で亡くなった子供は全国で八十四人にも上っております。無理心中を除く五十二人中三十人がゼロ歳児となっており、そのうち、予期しない妊娠で妊婦検診も受けていない事例が三割以上もあったことが明らかになっております。本県においても、県内のこども家庭センターが受けた二〇一六年度の児童虐待の相談は二千六十六件で過去最多となっており、昨年三月には呉市で乳児が衰弱して亡くなった事件も発生しております。  厚生労働省の報告によれば、児童虐待により死に至るケースで一番多いのがゼロ歳ゼロカ月ゼロ日の赤ちゃんであり、加害者の九割はその子を産み落とした母親となっています。この悲劇の背景には、親たちがそこまで追い詰められているという事情があることを理解すべきであり、悲劇を生まないための方策が必要です。  本県においては、新生児の特別養子縁組を前提に出産前から相談や援助を行い、乳児院を経ずに家庭へ赤ちゃんを里親委託する愛知方式に取り組んでこられた萬屋育子さんを講師に招いて赤ちゃん縁組推進フォーラムを開催するなど、さまざまな事情で産んでも育てることのできない親と子供を家庭で養育したいと願う夫婦の橋渡しとなる特別養子縁組の取り組みを広げていくこととしております。  もちろん、こうした取り組みはさらに進めていかなければなりません。しかし、予期せぬ妊娠をしてしまった女性に十分な知識がなければ、相談することも利用することもなく産んだ子供を死に至らしめてしまうことをとめることはできません。  したがって、悲劇を生まないためには、予期せぬ妊娠に対するサポートについての知識を含めた人権に根差した性教育の充実を図るべきと考えますが、御見解をお伺いいたします。 59: ◯副議長(松岡宏道君) 教育長下崎邦明君。         【教育長下崎邦明君登壇】 60: ◯教育長下崎邦明君) 学校における性に関する指導は、学習指導要領に基づき、児童生徒の発達段階に応じて、性に関する科学的知識とともに生命を尊重する態度やみずから考え判断する能力を身につけさせ、望ましい行動がとれるよう、保健体育科、特別活動、道徳等を中心に、学校の教育活動全体を通じて実施しているところでございます。  また、関係部局と連携いたしまして広島県医師会等の監修のもとに作成されました妊娠・出産等の正しい知識を啓発する教材を高等学校へ配付するとともに、こうした教材等を活用した出前講座や、医師、助産師、保健師等を招聘した講演会を開催するなどによりまして、命の大切さや予期しない妊娠等に関する内容を含めた保健学習を各学校において実施いたしているところでございます。  教育委員会といたしましては、こうした教育活動を通じ、予期しない妊娠に対するサポートについての知識を含め、母子への保健・医療サービスの適切な活用等について理解させるなど、性に関する教育の充実を図ってまいります。 61: ◯副議長(松岡宏道君) 福知基弘君。 62: ◯福知基弘君 時間になりましたので、以上で質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手) 63: ◯副議長(松岡宏道君) 引き続いて質問を行います。狭戸尾 浩君。         【狭戸尾 浩君登壇】 64: ◯狭戸尾 浩君 皆さん、こんにちは。自由民主党広島県議会議員連盟の狭戸尾でございます。今次定例会におきまして一般質問の機会を与えてくださいました宇田議長を初め、松岡副議長、先輩、同僚議員の皆様に心より感謝申し上げます。  湯崎知事は、あと二カ月で二期目を終えられようとしております。三期目に向けての決意は六月議会でお聞かせいただきましたが、先を読むことと、その実行力により多くの成果を生み出してこられました。本日も、がん対策、農林水産業の振興など、これまで私が取り上げてきた課題を中心に質問させていただきます。知事を初め、執行部の皆様には、わかりやすい答弁をお願いいたしまして、質問に入らせていただきます。  質問の第一は、持続可能な平和支援メカニズムの構築に向けた取り組みについてお伺いします。  北朝鮮が広島県などの上空を飛行するミサイルの発射を予告するなど、世界の平和と安定が脅かされる状況が続いています。  ことし七月には、アメリカ・ニューヨークの国連本部において、核兵器の開発や保有などを初めて法的に禁止する核兵器禁止条約が採択されました。この条約では、前文で被爆者の容認しがたい苦しみと被害に留意すると明記したということに評価があった一方で、アメリカやロシアを初めとする核保有国や日本政府も交渉に参加をいたしませんでした。  八月には、四年八カ月という戦後歴代二位の在任日数を務められた岸田外務大臣が退任されました。広島出身の外務大臣として、これまで湯崎知事と両輪となって現職のアメリカ大統領の初めての被爆地広島訪問を実現されるなど、軍縮・核不拡散に大きな成果を上げてこられました。  核兵器禁止条約の署名式は、九月二十日にニューヨークの国連本部で行われ、知事は、核兵器禁止条約の採決に当たり日本政府への要望として、核兵器のない平和な世界の実現に向けて、唯一の被爆国としてリーダーシップを発揮していただきたいとコメントされました。  また、本県の取り組みとして、核兵器国と非核兵器国がともに協力して建設的な議論や交渉を進めて、核兵器のない世界の実現に向けて取り組む必要があると知事は言われており、この点について国連の軍縮研究所やストックホルム国際平和研究所と連携して取り組むこととされております。ストックホルム国際平和研究所へは、ことし五月に県議会団も知事とともに訪問し、本県との連携協定も締結されたところです。  平成二十三年十月に策定した国際平和拠点ひろしま構想において、平和に関する人材、知識・情報、資金などを集積し、継続的な平和活動を可能とする仕組みづくりを目指しております。なお、資金面で見ますと、ストックホルム国際平和研究所は、その活動の独立性、客観性、中立性を脅かすような外部からの資金援助を拒否し、予算の半分近くはスウェーデン政府からの援助となっており、本県が構築を目指すオール広島の体制整備に際しても、相応の財政負担が県に生じることが想定されております。  そこで、今後の検討に当たっては、関係機関との間で適切な役割を行うことが重要であると考えますが、持続可能な平和支援メカニズムの構築に向けた取り組み状況について知事にお伺いします。  質問の第二は、農林水産業の振興についてお聞きします。  一点目は、ひろしまの森づくり事業について伺います。  ことし七月の九州北部豪雨災害では、福岡県、大分県の一部で観測史上最大の大雨を記録し、林野関係の被害として山崩れ千七十七カ所、林道施設千五百四十カ所など、甚大な被害がもたらされました。このたびの被害は、樹木の根の保水効果が及ばないような大雨が降ったために、森林土壌の水が飽和状態となり、森林だけで崩壊を防ぐことができなかったために発生したようでございます。こうした異常な豪雨による災害を防止するためには、間伐等による森林の機能の維持向上などの対策をとっていくことが必要です。  本県では、平成十九年度にひろしまの森づくり県民税を創設し、ことし二月定例会において平成二十九年度以降五年間の継続が決定し、本年度は九億円の予算規模で事業を進めていますが、新規のメニューとして新たな森の守り手の育成があります。これは、小規模林業経営者や地域住民など森林を活用しながら整備を行う者を新たな森の守り手として育成し、森林の活用と整備を進め、手入れ不足となっている森林の解消を目指すものですが、市町ごとに実情も異なることから、ある程度柔軟に対応していくことも必要であると考えます。
     そこで、県民の誰もが心身ともに豊かな暮らしを享受できる森林環境の実現に向け、新たな森の守り手をどのように育成していくこととしているのか、お伺いいたします。  二点目は、女性農業者の育成に向けた取り組みについてお尋ねします。  国が平成二十七年三月に策定した食料・農業・農村基本計画においては、農業就業者の四割を占める女性農業者が一層活躍できる環境整備を進めることが必要であるとされております。また、女性が参画している農業経営体ほど販売金額が大きく、経営の多角化に取り組む傾向が強いなど、地域農業の振興において女性農業者は重要な役割を担っております。  国では、女性農業者の知恵と民間企業のノウハウ、アイデアなどを結びつけ、新たな商品やサービス開発などを行う農業女子プロジェクトという組織が立ち上げられ、ことし三月時点のメンバー数は全国で五百七十五人、本県は十二人という状況であり、少々少ないのではないかという印象を持っております。女性にもっと農業に関心を持っていただくために、企業が女性を中心とした女子プロジェクト農業塾、ガールズ農園・農場といったものをつくることも考えられると思います。  本県の担い手育成施策において、女性に特化した取り組みは見当たらないように思います。女性農業者が活躍できる環境を整備し、地域農業の活性化につなげていくことは重要であると考えます。  そこで、地域農業における次世代のリーダーとなり得る女性農業者の育成について、どう取り組んでいこうとしているのか、お伺いいたします。  次の質問は、つくり育てる漁業の推進についてお聞きします。  平成二十七年に瀬戸内海を豊かな海、里海を目指す瀬戸内海環境保全特別措置法の一部を改正する法律が成立し、今後、瀬戸内海を豊かな海、里海とするため、漁業資源の回復の一環としてキジハタなど高級魚を重要魚種と定めて稚魚の放流に取り組んでいます。  かつて本県では、高級魚として人気のあったクロダイ──チヌを大規模に放流し、漁獲増による漁業者の所得向上をもくろみましたが、漁獲はふえたもののそれに見合う販路開拓が十分でなく、価格が低迷し、今やこのクロダイは二束三文の魚になってしまいました。  栽培漁業が成功するには放流による資源の増大に加え、漁業者が将来にわたって生活設計を描けるよう所得の向上を図ることが重要と考えます。  そこで、キジハタ、オニオコゼなど本県の新たな核として育成している魚種について、今後、どうやってブランド化や販路確保などの確立に取り組むのか、知事の御所見をお伺いします。  また、これまで県東部での稚魚の放流が先行しており、県西部での稚魚の放流は非常に少ない状況にありますが、今後、どのように取り組んでいくのか、あわせてお伺いいたします。  質問の第三は、県民の安心な暮らしづくりについてお聞きします。  一点目は、自主防災組織についてです。  前回質問したときに、県内には自治会を中心に三千を超える組織はあるが活動自体は余りしていないという指摘をさせていただきました。  三年前の八・二〇土石流災害では、自助は当然のことながら、ともに助け合う共助、近所づき合いが非常に重要であると、被災された皆様が口にされたとお聞きしました。近ごろでは、ふだんの近所づき合いは余りなく、被災して初めて、近所との助け合いが多くの方々にとって大切に感じられたのではないかと思っております。  本県の自主防災組織の組織率は、今年四月時点の速報値で九一・八%と、八・二〇広島土石流災害前と比べて高くなっていますが、活動はまだまだ低調なところも多いと伺っております。今後は組織を活性化し、自分たちの地域はみんなで助け合い、守る組織にする必要があります。  そこで、災害に強い日本一安全な県土づくりに向けて、今後、どのような取り組みにより自主防災組織の組織力の強化を図っていくのか、知事にお伺いいたします。  次に、防災士資格の取得に向けた支援の充実についてお伺いします。  地域の防災リーダーの中心となるのは、防災士の資格を持った人たちです。これは、防災に関する十分な意識と一定の知識・技能を修得したことを専門機関が認証した人で、県内には約二千四百人が登録されていますが、他県と比べても比率は低く、自主防災組織の活性化に向けてまだまだふやしていく必要があると思います。  県は、市町の防災リーダー養成のための補助金制度を設けていますが、補助基準は一人当たり二万円です。一方、防災士になるには受講料などで六万円もかかります。  防災士の養成は、専門機関のほか自治体でも研修を実施できることとなっており、都道府県では鳥取県や山口県など二十一県が、県内では広島市と福山市が実施しているところです。  そこで、県民の防災士資格の取得に向けた支援を拡充し、地域の防災力の向上につなげることが重要であると考えますが、御所見をお伺いします。  二点目は、ドローンなどを活用した公共土木施設の維持管理についてお聞きします。  今後、一斉に更新時期を迎える公共インフラに多額の維持管理・更新費用が発生することが想定されています。  国の推計によると、国内のインフラストックは、平成二十一年度には七百八十六兆円の規模でありますが、そのうち、道路、下水道など社会資本十分野では、平成二十五年度に約三・六兆円の維持管理・更新費用が、平成三十五年度には五兆円程度に達すると推計されています。人材不足や財政状況の悪化などの立ちはだかる課題を克服し、インフラを適正に維持管理、更新、マネジメントしていくために、インフラに係る全プロセスにおける効率化が求められています。  ことし三月に政府がまとめた科学技術イノベーション総合戦略二〇一七では、人手不足や建設会社の減少が進む中、老朽化する公共インフラについて、人工知能や小型無人機ドローンを活用して道路や橋梁の傷みぐあいを定期検査することが盛り込まれており、二〇二〇年までの成果目標として、国内の重要インフラ・老朽化インフラの二〇%をセンサーやロボット、非破壊検査技術などの活用により点検・診断を実施することとされています。  本県においても、四千を超える橋梁の点検をする箇所があります。その中には仮設足場だけでも数千万円かかる箇所がございます。小型無線機ドローンなどの活用により、省力化はもちろん、費用の削減につながることが十分期待されています。ちなみに、県内にはレーザーで測量できるドローンの販売を始めた企業もあることから、今後、連携も期待できると思います。  そこで、老朽化する公共インフラの効率的、効果的な維持管理のために、本県でもドローンの活用などの推進が必要であると考えますが、御所見をお伺いいたします。  三点目は、がん対策日本一に向けた取り組みについてお伺いします。  我が国は、国民の二人に一人ががんにかかっており、世界でもトップクラスのがん大国です。先日の新聞報道によりますと、国の推計で年間百一万四千人が新たにがんと診断され、三十七万八千人ががんで命を落とすとされています。日本のがん死亡者数は戦前からふえ続けていますが、欧米では年々減少しており、先進国の中でがんで亡くなる数がふえているのは日本くらいです。  がんで命を落とさないためにも、禁煙、節酒、運動、体型の維持など、がんにならないような生活を心がける一次予防と、がんになった場合でも早期に発見する二次予防の二段構えが大切であると言われています。しかし、我が国のがん検診受診率は、欧米の半分程度にとどまっており、平成十九年に策定されたがん対策推進基本計画で目標とした受診率五〇%は、十年たった今でも達成できておりません。国が策定を進めている第三期がん対策推進基本計画においても、がん検診の受診率の向上が重要課題に位置づけられています。  本県のがん検診受診率についても、胃、肺など五つの部位全てで全国平均を下回っております。県は、受診率の向上に向け、今後、ソーシャルマーケティングを活用した受診の勧奨などに取り組むこととしていますが、二年後の平成三十一年に受診率五〇%を達成するのは非常に困難であると思います。  私の地元、大竹市では、友人、知人、家族など身近な人に受診を勧めるがん検診推進員の養成や、大腸、子宮、乳がん検診の受診券を一枚につづった案内通知による受診勧奨などにより、受診率が前年度と比較して、部位によっては約一〇%もアップするなどの成果を上げています。こうした取り組みを全県に波及させていくことが重要であると私は考えます。  そこで、本県のがん対策の大きな柱である受診率五〇%の達成に向け、今後二年間でどのような取り組みを行うことにより、がん対策日本一の実現を達成していくのか、知事の御所見をお伺いいたします。  次に、AYA世代の患者支援についてお伺いします。  AYA世代とは、思春期や若年の成人を指し、明確な定義はないようですが十五歳から三十九歳までの年代を指すことが多いと言われています。ちなみに、乳がんにより今年六月に三十四歳の若さで亡くなった小林麻央さんも、このAYA世代に入ります。  この世代で発症するがんの課題といたしましては、小児と成人領域という二つのはざまに置かれて、診療体制が定まっておらず、患者が適切な治療が受けられないおそれがあるという点が挙げられます。年代によって、就学、就労、妊娠等の状況が異なり、個々の状況に応じて多種多様なニーズが存在することから、成人のがんとは異なる対策が求められています。  例えば、高校生ががんで長期入院した場合、留年を避けるためには学習支援が必要ですが、報道によれば国の調査ではこうしたケースで七割の高校が実施していないようです。小中学生については病院内の特別支援学級などが都道府県に一カ所以上あるのに対し、高校生への支援が制度化されているのは、神奈川県や大阪府など一部の自治体にとどまっています。  昨年、一部改正されたがん対策基本法においても、国と地方公共団体は、小児がんの患者やその他のがん患者が必要な教育と適切な治療について、継続的かつ円滑に受けることができるよう必要な環境整備や施策を講ずるものとされています。法改正を受け、現在、厚生労働省は第三期がん対策推進基本計画の策定を進めていますが、その中でこのAYA世代の患者支援も新たな課題として対策が盛り込まれています。  国民の二人に一人ががんにかかる時代です。AYA世代のがん患者は決して少なくはなく、今後、支援を進めていく必要があると考えます。  そこで、このAYA世代への患者支援について、今後、どう進めていくこととしているのか、お伺いいたします。  質問の第四は、介護食の開発支援についてお聞きします。  高齢人口の増大に伴って、介護食品の市場規模が急速に拡大しています。  民間の調査会社の予測では、やわらかい食品や流動食等の介護食の市場規模は、平成三十七年には二千億円規模になる見込みであり、今後、五百億円以上拡大するとされております。介護食品の用途は広く、介護が必要な人からアクティブシニアと呼ばれる元気な高齢者まで、利用者が幅広く存在します。また、やわらか食品からとろみがついた食品まで数多くの種類があります。ただ、これまで、一般に流通している介護食品には、利用者に抵抗のある介護というネーミングのかわりに、はつらつ食品やいきいき食品などの商品名がつけられてきました。  農林水産省が、昨年十一月にスマイルケア食という介護食品のやわらかさなどを表示する枠組みの運用を始めました。これは、介護食品を青、赤、黄の三色に分け、かむのが難しい人向けは黄色のマークとするなど、高齢者の方などが何を基準に選べばよいかわかりやすくするためにつくられた制度です。  本県では、酵素の働きで食材の見た目や風味をそのままに、舌で潰せるほどのやわらかさを実現した凍結含浸法による商品を開発して十年がたちましたが、平成二十八年度の市場規模は平成二十二年度の約二十倍にも成長しています。大竹市には、介護食を手がけて全国を駆けめぐっている企業があります。また、他県では、大阪商工会議所が高齢人口の増加する台湾市場へ参入する企業の支援を進めています。  そこで、本県でも、今後も拡大する国内外のシルバー市場をターゲットに、介護食品の開発に取り組もうとする企業を支援していく必要があると考えますが、御所見をお伺いいたします。  質問の第五は、いじめ問題についてであります。  実は、先日、ニュースで九月一日は子供の自殺が最も多くなると聞いて、びっくりいたしました。子供たちの多くが、夏休みの明ける九月一日に学校へ行くことへの恐怖に耐えられず、みずから命を絶つというのです。私ども、喜び勇んで学校に通っていた者にとっては、信じがたいことであります。  ことし七月には、広島市内の中学校でいじめが原因と見られる自殺があったばかりです。  本県では、平成二十六年三月にいじめ防止基本方針を策定して取り組んでおり、認知件数も平成二十七年度は千三百七十五件と、ピークであった前年度から減少するなど効果はあらわれているようですが、それでもまだ年間千件を超えるいじめが認知されています。こういうことを考えると、重大事態が発生しないよう日ごろから早期発見と対応に努めることに尽きると思います。  さらに、学校の対応だけでなく、教育委員会や保護者を交えて適切な対応を図るとともに、学校、地域、PTAが連携し、一体となった取り組みが求められております。そのためには、学校側も地域に出向き、しっかりと取り組むことが重要です。  そこで、いじめ防止基本方針策定以来の本県の取り組みについて、どのように評価し、今後の取り組みにつなげていこうとしているのか、教育長の御所見をお伺いいたします。  質問の第六は、最後ですが、大竹港晴海地区の商業施設用地についてお尋ねいたします。  この問題については、昨年六月の定例会でも質問したところですが、県が整備した商業施設用地のうち、四ヘクタールは平成七年の完成以来、いまだ分譲されていない状況にあります。前回の土木建築局長の答弁は、現時点では分譲の見込みが立っていない、用途の見直しを含めて早期分譲に取り組むというものでした。しかし、あれから一年以上経過しましたが、何ら進展はありません。  私は、県が大竹市に働きかけを行い、製造業の立地が可能な工業用地など、用途計画を変更して県内外の企業の受け皿をつくることが大竹市の今後の発展にもつながると考えます。  県内の沿岸部の産業団地では、まとまった土地がほとんど完売の状況にあるとお聞きしています。  そこで、県は、この土地の商業施設用地としての見込みをどう考えているのか、また、今後、用途の見直しなど、より一層のスピード感を持って対応していく必要があると考えますが、御所見をお伺いします。  以上で質問を終わりますが、少々時間が残っていますので、少しこうやって傍聴席を見ますと、きょうは十人から二十人ぐらい来てくれるのかと思ったら、数えられないくらいの私の元同僚が来てくれておりまして、本当に頼もしく思っているところでございます。これからも県政発展のため頑張ってまいりますので、引き続き、よろしくお願いいたします。御清聴、まことにありがとうございました。(拍手) 65: ◯副議長(松岡宏道君) 当局の答弁を求めます。知事湯崎英彦君。         【知事湯崎英彦君登壇】 66: ◯知事湯崎英彦君) まず、持続可能な平和支援メカニズムの構築に向けた取り組みについての御質問でございます。  核兵器のない平和な国際社会の実現は、広島の使命であると認識しており、本県では、国際平和拠点ひろしま構想に基づき、その実現に向けて核兵器廃絶と復興・平和構築のための取り組みを包括的に進めるとともに、それを推進するための持続可能な平和支援メカニズムの構築を目指しているところでございます。  そのためには、広島のシンボル性を生かし、世界の人材、知識・情報、資金を集積し、結びつけ、平和のための新たな活動が生まれる拠点となることが必要であるため、世界的な平和研究機関との連携による広島の平和研究機能の強化・集積、NGOなどのグローバルネットワークの構築と海外平和拠点との連携、国連の新たな開発目標SDGsへの貢献を通じた企業やNGOなどのさまざまな主体の連携の促進と、いわゆるCSRやBOPビジネスの強化、オンライン教育の活用によるグローバルな平和の担い手の育成、広島の国際平和の拠点性向上につながる事業推進主体としての新たなセンター機能の検討などについて取り組みを進めているところでございます。  とりわけ、核兵器のない平和な国際社会に向けて、真に広島が国際平和拠点となり、その使命と役割を果たすためには相当規模の資金が必要となりますが、そのための費用を県民のみに求めることはできないことから、世界から人材や情報だけでなく資金を集め結びつけることにより、平和のための新たな活動が生み出される持続可能な平和支援メカニズムを構築していく必要があると考えております。  これまで、カンボジアやフィリピンにおける平和構築支援に向けたJICA資金の獲得や交付金の活用など資金を確保した事例があるものの、現状では、篤志家や公益的な財団などに対して働きかけは行ってまいりましたが資金の獲得に至っていないことから、その対策が大きな課題の一つであると認識しております。  このため、今後は、企業、NGO、NPOなど世界からさまざまな主体の参画を促し、共感と理解を獲得し、世界の人々の積極的な参加と幅広く資金を獲得するための仕組みの導入や事業推進主体の検討、国際平和の実現に積極的に取り組む財団などへの一層の働きかけなどを進めてまいりたいと考えております。  こうした取り組みを具体化することにより、自律的な手段を有する持続可能な平和支援メカニズムを構築し、核兵器のない平和な国際社会の実現に貢献できるよう取り組んでまいります。  次に、漁業におけるブランド化や販路確保等の取り組みについての御質問でございます。  漁業者が将来にわたって生活設計を描けるよう所得の向上を図り、魅力的な水産業を確立するためには、水産資源の増大による漁獲量の増加とあわせて、キジハタなど重点魚種のブランド化や販路の確保が重要であると考えております。  重点魚種のブランド化におきましては、販売単価が高いこと、活魚など鮮度が高い状態で取引ができること、料理店などからもニーズが高いことなど、市場や飲食関係者などからの意見も踏まえ、地域の核となり得る魚種を選定しております。  その上で、市場価値を高めるため、鮮度保持の手法や統一的なサイズの基準について検討を進めるとともに、漁業者みずからも市場価値の高い大型の魚を提供できるよう漁獲サイズの規制などに取り組んでいるところでございます。  さらに、呉市におけるオニオコゼや尾道市におけるキジハタなど、地域の中で漁業者と飲食関係者などが連携し、県内外からの観光客に瀬戸内の地魚を安定的に提供できる体制を整え、ブランド力の強化を図っているところでございます。  また、資源増大に対応した販路確保に向けて県内の市場関係者と協議するとともに、直売所などにおいて漁業者みずからによる販売が行われ生産から販売までが一体となった取り組みが進むよう、直接販売や共同集出荷に取り組む漁業者グループや漁協に対して販売施設等の整備を支援しているところでございます。  県といたしましては、こうした取り組みを推進しながら、漁獲量の増加だけでなくブランド化や販路の確保を推進することで漁業者の所得向上につなげてまいりたいと考えております。  次に、自主防災組織の組織力の強化に向けた取り組みについてでございます。  災害発生時において共助のかなめとなる自主防災組織をより有効に機能させるためには、組織力の強化が不可欠であることから、防災リーダーの養成支援や自主防災アドバイザーの養成、自主防災組織活性化プロジェクトの実施、活性化マニュアルの作成などにより継続的に組織の活性化に努めております。  こうした中、平成二十七年度に自主防災組織実態調査を実施した結果、活性化している組織の割合が三七%にとどまっていることに加え、活動ノウハウがない、防災リーダーがいないなど、組織ごとの個別課題が明確になったところでございます。  また、これまで実施してきた活性化の取り組みから、自主防災アドバイザーによるきめ細かい指導が有効であることも明らかとなったところでございます。  このため、平成二十八年度から組織ごとの課題に応じまして市町と県で役割分担を行い、市町は活性化が比較的容易な組織に対し活性化マニュアルなどを活用した働きかけ、県は活性化が困難と思われる組織に対し自主防災アドバイザーの派遣による継続的な指導・助言を行った結果、活性化率が四八・六%に上昇しております。  今後とも、市町と連携した取り組みを積極的に行うことによりまして、県内全ての自主防災組織の活性化を進め、「みんなで減災」県民総ぐるみ運動が目指します災害に強い広島県を実現してまいりたいと考えております。  次に、がん検診受診率の目標達成に向けた取り組みについてでございます。  本県におきましては、がん対策日本一の実現を目指し、がんで死亡する県民の減少を第二次がん対策推進計画の全体目標に掲げまして、予防、検診、医療などの総合的な対策に取り組み、一年早く死亡率一〇%減少の数値目標を達成したところでございます。  その中で、早期発見のためのがん検診受診率向上対策につきましては、検診対象者の意識段階を無関心期、関心期、準備期に分け、それぞれの段階に応じた本県独自のさまざまな取り組みを進めてまいりました。  その結果、無関心層に対するデーモン閣下を起用した啓発キャンペーンにつきましては、認知度が八割を超えるなど、がん検診に対する関心の高まりには一定の効果があったところではございますが、実際の受診行動には十分つながっておらず、関心を持った層へ向けた個別受診勧奨の強化が課題であると考えております。  このため、今年度から、受診率向上の実績が確認できている大竹市の受診券方式による個別受診勧奨など、効果の高い勧奨方法を他の市町に波及させるべく導入支援を行っております。  また、県内全ての検診対象者へ受診機会が提供されるよう、これまでの受診勧奨が十分に行き届いていないと考えられる職域の被扶養者に対しまして、昨年度から協会けんぽ広島支部や市町と連携して個別受診勧奨を実施しております。  一方で、昨年度末、本県独自に実施いたしました職域のがん検診実態調査におきまして、職域の被扶養者だけでなく、従業者自身もがん検診の受診機会が十分に与えられていない実態が明らかになりました。  今後、個別受診勧奨の強化に当たりましては、受診機会が十分に与えられていない層、女性特有のがん検診の受診環境に不安を抱いている層など、課題ごとに対象をさらに細かく分類し、それぞれに応じた対策を実施する必要があると考えております。  引き続き、がん検診受診率五〇%の目標達成に向け、市町、医療保険者、民間企業など関係者の協力・連携体制の構築に向けまして、県がリーダーシップを発揮するとともに、新たな仕組みの導入などさまざまな視点から効果的な対策を検討し、県民総ぐるみとなって取り組んでまいります。  その他の御質問につきましては、担当説明員より答弁させていただきます。 67: ◯副議長(松岡宏道君) 農林水産局長上仲孝昌君。         【農林水産局長上仲孝昌君登壇】 68: ◯農林水産局長上仲孝昌君) 農林水産業の振興について、三点お答えいたします。  まず、ひろしまの森づくり事業についてでございますが、ひろしまの森づくり事業につきましては、今年度から、小規模な林業経営者や自主的に活動する森林保全団体など、森林を活用しながら整備を行う人や団体を新たな森の守り手として育成することとしたところでございます。  この守り手の育成を進めるためには、林業活動に必要となる器具や技術・木材などを販売するルートの確保、森林資源の状況や作業技術・就業形態などを踏まえた収支モデルの構築、新たに地区外から参入する際に必要となる住居や副業などの生活設計や活動場所の確保など、取り組みごとに異なる問題の解決が必要であると考えております。  このため、現段階で取り組みを希望している五市町の団体と、初期投資や収支モデルの構築など、それぞれが抱える問題の解決に向けて検討を進めているところでございます。  今後とも、市町や関係者と連携し、新たな森の守り手による手入れ不足の森林の解消に向けた森林整備が行われるよう取り組んでまいります。  次に、女性農業者の育成に向けた取り組みについてお答えいたします。
     人口減少が進む中、農業が持続的に成長を続けるためには女性の参画が不可欠であり、また、多様な消費者ニーズに対応する女性ならではの視点も重要であると考えており、近年では本県におきましても、トマトやホウレンソウなどの野菜産地において、女性が経営者として活躍している事例や新商品開発を行っている事例が生まれてきております。  このような中、本県では、経営力の高い担い手を育成するために、ひろしま農業経営者学校を開設しておりますが、いまだ女性の参加率は一割程度と少なく、さらに、女性が働くための労働環境の整備につきましても、他産業と比較して農業分野においては不十分であると考えております。  このため、女性の農業経営者の育成に向けては、経営スキルの習得を図るため、ひろしま農業経営者学校への参加について、地域で活躍している女性農業者に対する呼びかけを強化するとともに、専門家の派遣による経営者の意識醸成を図ることにより、女性が働きやすい環境づくりに取り組む必要があると考えております。  こうした取り組みをより一層推進することにより、地域農業の振興を担う次世代のリーダーとなり得る女性農業者の育成を図ってまいります。  次に、県西部地域における稚魚の放流についてお答えいたします。  水産資源の増大対策につきましては、定着性が強く放流効果が期待できるガザミ、オニオコゼ、カサゴ、キジハタの重点魚種の集中放流と、漁業者みずからによる徹底した資源管理に加え、稚魚の育成の場となる藻場など漁場環境の整備を一体的に取り組むことが重要であると考えております。  このため、昨年度は、県東部海域においてガザミとカサゴの集中放流などの取り組みを開始したところでございます。  また、今年度からは、県中西部海域においてオニオコゼ十万尾とキジハタ六千尾を集中放流するとともに、漁業者による漁獲サイズの自主規制など資源管理の取り組みを開始したところでございます。  さらに、今年度は、呉市における藻場造成の取り組みを支援するとともに、来年度から平成三十三年度まで、県みずから八ヘクタールの造成を進めてまいりたいと考えております。  今後、これらの取り組みの効果を検証し、県中西部海域において、ガザミ、カサゴの集中放流にも着手するなど、水産資源の増大を図ってまいりたいと考えております。 69: ◯副議長(松岡宏道君) 土木建築局長三上幸三君。         【土木建築局長三上幸三君登壇】 70: ◯土木建築局長三上幸三君) ドローンなどを活用した公共土木施設の維持管理についてお答え申し上げます。  公共土木施設を適切に維持管理していくためには、補修工事のコスト縮減のみならず、効果的かつ効率的な施設点検を行うために点検・診断に係る技術を向上させることが非常に有効であると考えております。  そのため、本県独自の取り組みとして、広島県長寿命化技術活用制度のもと、ドローンを活用した点検技術等の実証実験を行うなど、実用化に向けた開発を促進しているところでございます。  また、国におきましても、ドローンなどを活用した点検技術の実用化に向けた研究開発を進められているところであり、市町に対して新技術の情報提供や点検業務の効率化に関する助言などに努めているところです。  今後とも、ドローンなどの新技術の活用、導入を図り、効率的かつ効果的な施設点検を進め、県内の公共土木施設の適切な維持管理に努めてまいります。  続きまして、大竹港晴海地区の商業施設用地についてお答え申し上げます。  大竹港晴海地区の商業施設用地につきましては、昨年九月に商業施設が新たに開業するなど、平成七年の竣工以降合計で四・三ヘクタールの分譲を行ったところでございます。  残りの約四ヘクタールにつきましては、今年度に入りまして商業施設用地としての可能性を改めて確認するため、ディベロッパーなどへのヒアリングを行いましたが、現時点では具体的なニーズは確認できておりません。  このため、県といたしましては、大竹市がこの地区を臨海公園や既存の商業施設と一体的なにぎわいを生み出す地区と位置づけていることを踏まえ、現在、関心の高いと思われる個別企業を訪問し、商業施設以外の企業ニーズの把握を行っております。  また、市と連携し、具体的な企業を想定した誘致戦略の検討を開始したところでございます。  今後、商業施設用地の分譲の可能性や商業施設以外の企業ニーズを見きわめた上で、用途変更も視野に入れて、県と市の検討体制を一層強化し、スピード感を持って取り組んでまいります。 71: ◯副議長(松岡宏道君) 健康福祉局長菊間秀樹君。         【健康福祉局長菊間秀樹君登壇】 72: ◯健康福祉局長(菊間秀樹君) AYA世代のがん患者支援について、健康福祉局と教育委員会にわたるお尋ねでございますが、私が代表して御答弁いたします。  AYA世代のがん患者は、他の世代に比べ患者数が少なく疾患構成が多様であり小児がんのフォローアップ症例も含まれること、ライフステージによって就学、就労、妊娠等の課題が異なり個々の状況に応じた多様なニーズが存在することなどから特有の対策が必要となっており、国の次期計画案におきましても新たな課題とされております。  このため、小児がん治療後のフォローアップにつきましては、これまで中国・四国地方唯一の小児がん拠点病院の広島大学病院を中心に、小児がん治療後のAYA世代への診療体制を構築しており、小児科と成人診療科の連携を強化しているところでございます。  入院中、療養中の高校生への支援につきましては、現在は在籍校の担任が病院等を訪問し本人や保護者の相談に対応しているところであり、さらに、高校生の進路の実現に必要な支援を行えるよう、教育委員会において先進県の状況を参考にしながら検討しているところでございます。  就労への支援につきましては、がん診療連携拠点病院の相談支援センターと連携し、晩期合併症等により就職が困難な方々の相談支援ニーズの洗い出しを行い、関係機関と対応を協議することとしております。  妊娠への支援につきましては、現在、県立広島病院が中心となって、がん患者の生殖機能温存への取り組みを始めており、他のがん診療連携拠点病院との連携強化を図ることで必要な支援を受けることのできる体制を構築してまいります。  今後とも、若くしてがんと闘うこととなったAYA世代の患者や御家族の方の思いをしっかりと受けとめ、支援に取り組んでまいります。 73: ◯副議長(松岡宏道君) 商工労働局長佐伯安史君。         【商工労働局長佐伯安史君登壇】 74: ◯商工労働局長(佐伯安史君) 介護食の開発支援についてお答えいたします。  我が国の六十五歳以上の高齢者人口は、十年後には現在の四人に一人から三人に一人の割合となり、間もなく超高齢化社会が到来する見通しとなっております。  国の試算によれば、要介護認定者数ベースでの介護食品の潜在的なニーズは約三兆円に上るとされており、高齢化社会の進展に伴い、その市場規模は今後も拡大するものと考えております。  また、民間のアンケート調査では、介護食品に求めるものとして、価格の安さだけではなく、スーパーやコンビニでの販売、見た目のよさや味のおいしさ、メニューのバリエーションが上位となっており、消費者のニーズの多様化に対応した商品の付加価値化も重要になってまいります。  さらに、国内にとどまらずアジア諸国におきましても急速に高齢化が進み海外への市場が拡大するなど、先行的な販路開拓に取り組む必要があり、昨年度は、中国四川省で実施した見本市におきまして凍結含侵技術を採用した介護食のマーケティングを行い、県内企業の市場参入に向けた取り組みの支援を行ったところでございます。  県といたしましては、介護食品を初めとした高齢化社会に対応する新たなビジネスの創出に見込みはあると考えており、今後とも、専門家のチームによる商品開発やブランディング、国内外におけるマーケティングや販路開拓などの支援によりまして、新たな成長市場にチャレンジする県内企業を後押ししてまいりたいと考えております。 75: ◯副議長(松岡宏道君) 危機管理監土井 司君。         【危機管理監土井 司君登壇】 76: ◯危機管理監(土井 司君) 防災士資格の取得に向けた支援の拡充についてお答えします。  地域の防災力を向上させるためには、自主防災組織において、防災士などの防災に関する専門的知識や技能を有する防災リーダーの存在が欠かせないものと認識しております。  このため、県では、平成二十一年度からの五年間でひろしま防災リーダーを約三百名養成し、平成二十七年度からは全ての自主防災組織に複数の防災リーダーが置かれるよう、市町による防災リーダーの養成に財政的な支援を行っているところでございます。  この支援制度を利用し、各市町において、独自の研修や防災士制度の活用などにより、平成二十七、二十八年度の二カ年で約七百名の防災リーダーが養成されております。  なお、各市町が広島市や福山市のようにみずから防災士養成研修を実施する場合は、講師となる専門家の確保や受講者百名以上の募集計画の作成などの条件を満たすことが日本防災士機構から求められることから、市町からの要望に応じ、研修の実施に向けた支援についても行ってまいりたいと考えております。 77: ◯副議長(松岡宏道君) 教育長下崎邦明君。         【教育長下崎邦明君登壇】 78: ◯教育長下崎邦明君) いじめ問題についてお答えいたします。  学校は、児童生徒が安全で安心して通え、夢や希望を持って自主的、自発的に活動し、自己実現できる場でなければならないと認識しており、そうした学校づくりが推進されるよう指導してきたところでございます。  県内全ての学校におきまして学校いじめ防止基本方針が策定されるとともに、校内にいじめ防止委員会等が設置され、校長のリーダーシップのもと、いじめ防止等のための組織的な取り組みが進められており、一定の成果があらわれてきているところでございます。  具体的な取り組みの例といたしましては、生徒会が主体となっていじめの加害者役や被害者役、はやしたてる観衆役、見て見ぬふりをする傍観者役を演じたDVDを作成し、いじめの構造や防止及び解決策などについて全ての生徒が正しく理解する取り組みがございます。  また、地域の方々も参加していただいている学校評議員会等におきまして、積極的にいじめを初めとする生徒指導上の諸問題の状況等を報告し、解決に向けての助言をいただいている取り組みもございます。  県教育委員会といたしましては、こうした取り組みについて、生徒指導主事研修や生徒指導フォーラム等の研修を通して全県に広め、学校が地域と一体となって解決に向けた取り組みを推進するよう、各学校、各市町教育委員会を指導してまいります。 79: ◯副議長(松岡宏道君) 明日も引き続いて質問を行います。明日は午前十時三十分から会議を開きます。  本日はこれをもって散会いたします。         午後二時五十一分散会 発言が指定されていません。 広島県議会 ↑ 本文の先頭へ...