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  1. 広島県議会 2010-02-05
    平成22年2月定例会(第5日) 本文


    取得元: 広島県議会公式サイト
    最終取得日: 2023-06-05
    トップページ 検索結果一覧 使い方の説明 (新しいウィンドウで開きます) 平成22年2月定例会(第5日) 本文 2010-02-25 文書発言の移動 文書 前へ 次へ 発言 前へ 次へ ヒット発言 前へ 次へ 文字サイズ・別画面表示ツール 文字サイズ 大きく 標準 小さく ツール 印刷用ページ(新しいウィンドウで開きます) 別窓表示(新しいウィンドウで開きます) ダウンロード 表ズレ修正 表示形式切り替え 発言単文選択全文表示を切り替え 単文表示 選択表示 全文表示 発言者表示切り替え 全 43 発言 / ヒット 0 発言 すべての発言ヒット発言表示切り替え すべての発言 ヒット発言 選択表示を実行・チェックの一括変更 選択表示 すべて選択 すべて解除 発言者一覧 選択 1 : ◯副議長大曽根哲夫君) 選択 2 : ◯副議長大曽根哲夫君) 選択 3 : ◯緒方直之選択 4 : ◯副議長大曽根哲夫君) 選択 5 : ◯知事湯崎英彦君) 選択 6 : ◯副議長大曽根哲夫君) 選択 7 : ◯土木局長大野宏之君) 選択 8 : ◯副議長大曽根哲夫君) 選択 9 : ◯総務局長藤井雅文君) 選択 10 : ◯副議長大曽根哲夫君) 選択 11 : ◯健康福祉局長佐々木昌弘君) 選択 12 : ◯副議長大曽根哲夫君) 選択 13 : ◯教育長榎田好一君) 選択 14 : ◯副議長大曽根哲夫君) 選択 15 : ◯議長(林 正夫君) 選択 16 : ◯大井哲郎選択 17 : ◯議長(林 正夫君) 選択 18 : ◯知事湯崎英彦君) 選択 19 : ◯議長(林 正夫君) 選択 20 : ◯農林水産局長冨永嘉文君) 選択 21 : ◯議長(林 正夫君) 選択 22 : ◯健康福祉局長佐々木昌弘君) 選択 23 : ◯議長(林 正夫君) 選択 24 : ◯土木局長大野宏之君) 選択 25 : ◯議長(林 正夫君) 選択 26 : ◯田辺直史君 選択 27 : ◯議長(林 正夫君) 選択 28 : ◯知事湯崎英彦君) 選択 29 : ◯議長(林 正夫君) 選択 30 : ◯土木局長大野宏之君) 選択 31 : ◯議長(林 正夫君) 選択 32 : ◯企画振興局長(妹尾幸太郎君) 選択 33 : ◯議長(林 正夫君) 選択 34 : ◯総務局長藤井雅文君) 選択 35 : ◯議長(林 正夫君) 選択 36 : ◯健康福祉局長佐々木昌弘君) 選択 37 : ◯田辺直史君 選択 38 : ◯議長(林 正夫君) 選択 39 : ◯田辺直史君 選択 40 : ◯田辺直史君 選択 41 : ◯議長(林 正夫君) 選択 42 : ◯知事湯崎英彦君) 選択 43 : ◯議長(林 正夫君) ↑ 発言者の先頭へ 本文 ↓ 最初のヒットへ (全 0 ヒット) 1:         午前十時三十一分開議 ◯副議長大曽根哲夫君) 出席議員六十名であります。これより会議を開きます。         自第  一 県第一号議案         至第七十五 報第 四 号 2: ◯副議長大曽根哲夫君) これより日程に入ります。日程第一、県第一号議案 平成二十二年度広島県一般会計予算から日程第七十五、報第四号 損害賠償額の決定についてまでの各案を一括上程議題といたします。  昨日に引き続いて質問を行います。緒方直之君。         【緒方直之君登壇】 3: ◯緒方直之君 皆さん、おはようございます。自由民主党広島県議会議員会の緒方直之でございます。今次定例会におきまして一般質問の機会を与えていただき、議長を初め、先輩、同僚各議員に心より厚く御礼を申し上げます。  さて、民主党政権が発足してから五カ月が経過いたしました。ハネムーン期間も終わり、本格的政権運営が始まったわけでございますが、甘い予測による誤算とマニフェストの不履行に、国民の愛情も冷め始めてきているのではないかと感じております。  先日、自民党の県連大会がありましたが、そこで我々は、時代に適さぬものを改め、維持すべきものを守り、秩序の中に進歩を求める日本の保守主義を政治理念とすることを再確認したところであります。  我々が守り続けてきたリベラリズムは、市場原理主義でもなく、無原則な政府介入主義でもなく、利己主義を放任する文化でもありません。自立した個人の義務と創意工夫、自由な選択、他への尊重と寛容、共助の精神から成る自由であると思っております。この広島においても、そうした精神のもと、和ときずなを大切に、温かみのある政治を目指さなくてはいけないと思っております。  本日は、国体にかかわる事柄から本県の将来を担う子供や若者の問題まで、幅広く質問させていただきますので、湯崎知事には、将来への希望が持てる、明るい答弁をお示しいただくようお願いし、質問に入らせていただきます。  質問の第一は、地域主権の意味についてであります。  湯崎知事は、マニフェストの中で、地域主権を進めて真の地方自治体の確立を目指すと述べておられます。新年度当初予算の重点施策においても、五つの挑戦の一つの柱として、真の地域主権の確立という表現が見られますが、ここでいう地域主権とは一体何を意味されているのでしょうか。  日本国憲法の前文では、主権は国民にあり、国政は国民の信託によるものであって、その権威は国民に由来し、その権力は国民の代表者がこれを行使するとうたわれております。さらに、第一条においては、「天皇は、日本国の象徴であり日本国民統合の象徴であって、この地位は、主権の存する日本国民の総意に基く。」と定められております。すなわち、主権は日本国民にあるという主権在民を明記しているのです。  本来、主権とは国家の統治権を意味する言葉であり、現在の日本では、主権在民の思想のもと、内閣総理大臣がこれを代行しており、そういう本来の意味からすれば、地域主権という言葉は存在し得ないのではないかと感じるのであります。例えば、ドイツでは、連邦共和国という名称にもあるように、十六の州がそれぞれ強い自治権を持った連邦制をしいており、各州は独自の憲法と行政権を持ち、まさに地域主権を体現した統治体制をとっております。  鳩山首相は、国会の所信表明演説において、地域主権改革を断行すると述べられ、地域主権推進担当大臣を置くとともに、全国知事会議の席上、地域主権の理念を示す基本法を制定する意向を表明されました。この政権は、明治以来の我が国の国家体制を大きく変え、ドイツの連邦制のような統治体制を目指そうとしているのでしょうか。それとも、ただ地方分権の比喩表現として、地域主権という言葉をキャッチフレーズ的に使っているだけなのでしょうか。  仮に、地域が主権を持つようになれば、独立国として憲法や法律を制定することができ、独自の通貨も発行することができますし、極論すれば、戦争さえも行うことができるようになるわけであります。  さらに、地域主権の思想は、外国人参政権の問題にもつながっております。地域が独自の選挙法を制定し、外国人の参政権を認めるようになれば、参政権を国民固有の権利として認める憲法第十五条に反することになります。  民主主義における国民とは、国家を守っていく精神、国家に対する忠誠としての愛国心を持つ者であり、そうした心を持たない外国人が意図的に行動を起こせば、我が国の治安や社会保障制度、教育制度までをも脅かすことができるのです。中央大学の長尾教授は、軍備拡大に走る中国人が沖縄県名護市に千人引っ越せば、選挙のキャスチングボートを握ることになり、日米安全保障条約を破棄にまで持っていく可能性もあると指摘しておられます。
     地域主権という言葉を、そうした思慮もなく、具体的な国家像を描くこともなく、国民受けをねらったスローガンとして使ってはいけないのではないでしょうか。確かに聞こえはいいですし、私も地方分権を進めるということ自体は賛成でありますが、主権がどこにあるかということは、国のあり方を揺るがす非常に重いテーマであります。安易に地域主権という言葉を使用すべきではないと思うのであります。  そこで、湯崎知事は、地域主権の意味をどのように解釈され、真の地域主権の確立とはどういう状況を目指そうとしておられるのか、お伺いいたします。  今申し上げた地域主権という思想は、我が国の教育再生への道にも暗い影を落としかねないと思います。敗戦後、占領軍のもとつくられた教育基本法は、愛国心や宗教的情操教育の涵養などの伝統的価値観を否定し、戦後六十年もの長きにわたって、我が国の伝統・文化をはぐくむことの重要性を奪ってきたと言わざるを得ません。  そうした教育基本法の改正がようやく実現し、新しい時代の教育が幕をあけたのです。  しかし、昨年、政権がかわりました。この中では、教育行政の責任を首長に移管し、自治体の長が責任を持って教育行政を行うこと、また、学校は、保護者や地域住民などが参画する学校理事会制度によって主体的・自立的な運営を行うことが言われております。  私は、教育までも地域やそれぞれの学校にゆだねられたとき、果たして教育基本法の理念が実現できるのかという懸念とともに、ようやく改正されたこの教育基本法が改悪されるのではないかという危機感を覚えるのであります。  私は、こうした危機感を抱きながら、質問の第二として、教育基本法の目標を実現するために欠かすことのできない、子供の発達に応じた体系的な教育、特に、武道教育についてお伺いいたします。  戦前の我が国では、学校においても、地域においても、武道教育というものが盛んに行われ、その中で礼儀作法というものが徹底され、伝統・文化への尊重も形成されておりましたが、戦後、武道教育が軽んじられることとなってきたのであります。  申し上げるまでもありませんが、武道教育は、修行・鍛錬を通じて、古来よりの武道精神を確立し、伝統や文化を尊重する態度を養うとともに、みずからを律し、相手を尊重するなど、豊かな人間性を培う上でも極めて有効なものであります。  改訂された中学校学習指導要領においても、武道の伝統的な考え方を理解し、相手を尊重する態度を養うために武道を必修することとしております。平成二十四年度から完全実施されるこの必修化については、私も大いに評価しているところでありますが、一方で、この武道精神を伴った学校での本物の授業というものが果たして現実に行えるのかという疑問がございます。  武道教育の授業では、剣道、柔道、相撲のうちから選択することとなっておりますが、中学校の体育教員のうち、相撲を教えることができる教員は県内に何人いるのでしょうか。そして、何割が真の武道を理解しているのでしょうか。多くの教員は武道の未経験者、あるいは多少は触れたことがあるといった程度なのではないでしょうか。  これら教員に武道教育の研修を行うとしても、武道の心とわざは一朝一夕に身につくものではありません。こういった現実からは、教員のみでの授業というのは極めて困難であり、例えば、各武道の連盟など外部の指導者を招いて直接指導してもらう方法も選択肢の一つだと思います。  また、この授業については、地域や学校の実態に応じて、剣道、柔道、相撲以外の武道を履修させることもできるとしております。私は、我が国や郷土の文化・伝統を受けとめ、これを継承・発展させるという目的、さらには優秀な指導者の確保といった面からも、それぞれの地域で受け継がれている武道というものを積極的に活用すべきであると考えております。  正直に申し上げて、もし本物の武道教育をやらず、ごまかしのような、とりあえず取り組みましたという程度で済ますつもりならば、むしろやらない方がいいのではないかとすら思うのであります。  ライフスタイルや価値観が多様化する中、それでも変えてはいけない日本人の心、その根幹をなす伝統・文化の尊重、郷土や国を愛する心は、家族を支え、地域を支えていくのです。何より本県が武道教育の先進県となるよう、平成二十四年度の完全実施に向けて、万全の準備を進める必要があります。  そこで、今回改訂された、中学校体育における武道の必修化に向けた教員の指導力の向上と指導者の確保、さらには地域に根づいた武道の活用について教育長の御所見をお伺いいたします。  さて、我が国の地域や社会をより発展させていくためには、こうした伝統・文化を尊重する精神や、郷土を愛する心を培うとともに、一人一人が社会の中で担うべき役割をしっかり認識し、その義務を果たしていく必要があります。  そういう観点から、第三の質問として、納税意識の向上策についてお伺いいたします。  税金とは、国や地方公共団体が活動を行うための費用を国民が負担するものであります。社会の構成員として税金を納め、その使い道に関心を持ち、さらには納税者として社会や国、県のあり方を主体的に考えることは、民主主義国家における国民の義務であり、と同時に、そのことを誇りに思えないといけないのです。恩恵を受けることばかり主張して義務を放棄する者がふえれば、社会の均衡はたちまち崩れてしまいます。  私は、納税意識の度合いと政治への関心度はつながっているものだと考えます。働いて納めた税金が、何に使われ、どういう成果が出ているのかという行政のコストパフォーマンスを意識する者が多くなれば、政治への関心も高まっていくのではないでしょうか。  税金を徴収することだけではなく、県民が、ふだんの生活の中で個々の事業にどれだけ税金が使われ、具体的にどういう成果が出ているかがわかるよう、税金の使途と成果の見える化をより一層進めていく必要があるのではないでしょうか。  一つ事例を御紹介したいと思います。広島市では、昨年から、市が発注する工事について、現場に設置する工事標示板に事業費を記載しております。(パネルを示す)このフリップは、実際の県の工事の標示板でございます。この写真なのですけれども、ここには工事費の記載はございません。そして、一方、広島市の標示板では、工事名や発注者の名前とともに、工事費が二千九百六十万円と記載されております。  これは、市民の税金の使い道に対する関心を高めるとともに、同時に、工事受注者にとっても、適切な工事の施工と品質の維持に努める意識の向上につながる手法であると考えております。これに取り組むには、関係規定を改正すれば済むことであり、全く予算を必要としないものでありますので、広島県でもぜひ導入してはいかがかと考えます。  現在、県庁内でも財政健全化へ向けてさまざまな取り組みが行われていますが、外にも目を向けて、県民一人一人が税金に対する意識を高めることができれば、さらに県政への関心、また監視する意識が高まり、ロングスパンで見たときには、県財政改善の一助にもなるのではないでしょうか。  そこで、県においては、こうした工事現場での事業費標示を導入するお考えはないか、また、子供のみならず、大人を含めた納税意識の向上に向けて、今後どのように取り組んでいくのか、お伺いいたします。  質問の第四は、児童虐待についてであります。  子供の健やかな成長は親の願いであり、それを支えるのは社会の義務です。しかしながら、ようやく虐待問題がクローズアップしてきているにもかかわらず、それでも、無抵抗の子供を虐待する悲惨な事件が後を絶ちません。  我が国では、家庭内の虐待によって命を失う子供は毎年百二十人以上もおり、親子心中を除くと、年間五十人から六十人、すなわち一週間に一人のペースで、親や近親者によって子供の命が奪われております。  先月も、東京都江戸川区で、小学一年生の男の子が、食べるのが遅いという理由で両親から暴行を受けて死亡するという痛ましい事件が報じられました。この家族が住むアパートでは、一年も前から、男のどなり声や子供の「ごめんなさい、ごめんなさい。」と何度も泣き叫ぶ声が聞こえ、子供の顔や背中、両腕、太ももには暴行の跡と見られる古いあざが幾つもあったそうです。  私は、こうした虐待に関する資料を見させていただくこともありますが、あるとき、説明されている方から、「そのページ以降は見ないほうがいいかもしれません。」と言われたことがあります。「なぜですか。」と聞くと、「そのページ以降は実際に虐待を受けた子供たちの写真が載っており、とても直視できないからです。」と言われました。私は、あのとき感じた深い失望感と悲しみを忘れることができません。そして、このような卑劣な虐待行為は断じて許すことはできないのであります。  皆様御存じのように、全国の児童虐待の相談件数は年々増加し、平成二十年度は四万二千件を超え、五年間で六割も増加しております。本県のこども家庭センターにおける児童虐待の相談件数は、昨年度一年間で千三百七十八件であったものが、今年度は上半期だけで八百三十二件に達しており、かなりのペースで増加しております。長引く景気の低迷による家計の悪化が虐待増加の背景にあるという指摘もあります。  こうした児童虐待の対策については、予防のための意識啓発や相談支援体制の充実が重要であることは言うまでもありませんが、現実に起きている事案に対する行政の対応の問題も見逃すことはできません。さきの江戸川区の事件では、子供のあざを発見した歯科医師からの通報を受けた子ども家庭支援センターが小学校に連絡し、校長と担任教師が自宅を訪問するなどの対応をしておりましたが、同センターは状況把握を学校に任せきりにし、また、学校側も児童の長期欠席の状況を同センターに伝えておらず、両者の連携が不十分であったことが指摘されております。  こうした行政の対応を見るとき、果たして本気で取り組んでいるのかという不信感を抱くのは、私だけではないと思います。子供の危険を知らせる通報があったとき、関係機関それぞれが、子供を守るのだという強い意志と行動力を持って真摯に対応する必要があります。  一昨年の二月定例会一般質問において、私は、虐待を受ける子供の命の保護を最優先して、県は強制力を発動できるようにすべきではないかとお伺いしました。職権による強制的な一時保護については、親子関係の修復を考慮して慎重な判断が必要であるという知事の答弁でございました。  もちろん、親子関係の修復、家族の再統合は最終の目標ではありますが、それ以前に、虐待という肉体的・精神的苦痛から子供を解放することを最優先にすべきではないでしょうか。子供が亡くなってしまっては何の意味もないのです。無抵抗の子供が、だれも助けが来ない密室で虐待を受ける状態を放置することはできません。  平成二十年四月には、児童虐待防止法の改正により、行政の権限が強化され、裁判官の許可状を得た上で強制的にかぎをあけて立ち入りできる権限が与えられるとともに、子供を保護している間、親の面接や通信を制限できるようになりました。また、法務省では、子供を保護するため、親の親権を一時的に停止させる民法改正について議論が進められております。  こうした中、県においては、強制力の発動についてどのように認識し、虐待が疑われる場合にどう対応していくのか、同じ小さなお子さんをお持ちの父親世代である湯崎知事の御所見をお伺いいたします。  質問の第五は、先日の代表質問においても、犬童議員から県職員の人材有効活用策について質問がございましたが、私は、特に若手職員の能力を発揮させる仕組みについてお伺いしたいと思います。  県においては、近年の採用抑制により、三十歳以下の職員層が極めて薄くなってきておりますが、若手職員の新しい発想、チャレンジ精神、エネルギッシュな行動力は、ベテラン職員を刺激し、組織を活性化させる源泉となると思っています。  県も、新たにプロジェクト・チームや新しい総合計画などの策定を考えておられますが、ぜひ若手職員の斬新な発想を積極的に生かしていくべきだと思います。事業仕分けや経済財政会議など、外部の人材に予算を使うことも必要だと思いますが、県内部を活性化させて英知を結集する仕組みをつくることにも、さらに力を注いでもよろしいのではないかと思います。シンクタンクとしての県の質的水準の維持・向上を図るため、若手職員のやる気や能力を最大限に生かせるような環境を整えていくことは、組織の長である知事の責務であると思います。  私は、平成十五年九月定例会の一般質問において、オフサイトミーティングの導入を提案いたしました。オフサイトミーティングは、複数の職員が集まって、自分の役職や担当業務から離れて、本音で自由な議論をするもので、職場のコミュニケーションや信頼関係が深まり、課題に対してみんなで知恵を出そうとする意識が高まると言われております。  県においては、平成十七年度からオフサイトミーティングを導入し、さまざまな職場で、例えば、都市計画や集落法人、地域事務所再編など、多彩なテーマでミーティングが開催されております。実際に参加した職員の話を聞くと、部の業務を全体的にとらえるきっかけとなった、横断的な情報共有が役に立ったなど、積極的な意見が聞かれます。  組織で働く者は、とかく縦割り的な思考に陥りやすいものかもしれませんが、こうした組織横断的、そして世代交流的なオフサイトミーティングやタスクフォースなどの取り組みは、組織の活性化と職員本人の研さんにつながるものであり、引き続き、全庁的に広げていただきたいと思います。  若くしてベンチャー企業を立ち上げた経歴を持たれる湯崎知事は、先を見通す発想力や判断力、行動力の重要性や若者の活用について独自のお考えを持っておられると思います。県の若手職員が十分にその能力を発揮し、県勢発展に貢献できるような仕組みについて、今後どのように取り組んでいくのか、知事の御所見をお伺いします。  質問の第六は、広島空港の軌道系アクセスの整備についてであります。  このアクセス問題については、一昨日、我が会派の杉西議員の代表質問でも取り上げられたところですが、知事の御答弁は、一層の機能強化を図ることが重要であるとのことで、具体策については御回答いただいておりません。このことは、本県の今後の発展を左右する重大な問題でありますので、再度お尋ねしたいと思います。  広島空港へのアクセスについては、平成十八年に藤田前知事がJRの協力が得られないことを理由に軌道系アクセス事業を見送ることを表明され、現在、唯一の公共交通機関として、リムジンバスに頼っている状態となっております。  しかしながら、昨年は、ETC休日特別割引制度の導入により、山陽自動車道の渋滞が激化し、バスの欠便が相次ぎました。ゴールデンウイークでは百八十一便が欠便し、お盆期間中も運行予定数の八%に当たる百七十四便が欠便しました。九月のいわゆるシルバーウイークでも八十六便が欠便しております。また、たとえ運行されても数十分のおくれが生じるなど、バスの定時性・高速性の信頼は揺らいでいると言っても過言ではありません。  観光で広島を訪れた方々に不便な思いをさせてしまえば、二度と広島には来てもらえないかもしれませんし、定時性が確保できない空港はビジネスマンにも利用されなくなり、広島空港の競争力は落ちていくばかりであります。  そこで、私は、軌道系アクセスの整備について、やはり、いま一度検討すべきではないかと思います。かつて、平成七年度に白市駅と空港の間をリニア鉄道で結ぶ計画がありましたが、既に十五年が経過して、技術革新が進み、今やリニアは一世代前の交通体系となっています。現在では、広島駅と広島空港間をリニアより速い時間で走行でき、太陽光と風力という自然エネルギーのみを用いる新しい交通システムが研究され、既に走行実験の段階にも入っております。こうした新しい交通システムは、ゼロエミッションやモーダルシフトを進める意味からも、十分検討に値するものであると思います。私たちは、常に前を見て、夢を描いていかなくてはいけないと思うのです。  湯崎知事が提唱する海の道一兆円構想を現実のものとするためにも、国内外から来られる観光客に快適な旅を約束できるインフラが必要ではないでしょうか。  そこで、観光だけでなく、ビジネスの面での利用、そして他空港との競争などを総合的に勘案したとき、広島空港の機能強化、すなわち広島都市圏からのアクセスの改善を図るお考えはないのか、そして、前知事が凍結した軌道系アクセスの整備について、いつまでこの状態を続けるのか、また再検討を始めるお考えはないか、知事にお伺いします。  さて、以上が私の質問でございますが、湯崎知事は、挑戦、そして実現という言葉を御自分のモットーとして掲げられております。  私も、このたび、ある挑戦をしました。実現はしませんでしたが。ただ、実際に挑戦してみないとわからなかったこともたくさんありますし、山の向こうは、実際に山に登ってみないと見えないものであります。そういった意味で、この数週間は私にとって貴重な経験でありました。本当の人の優しさや思いやりに数多く触れさせていただきましたし、また、叱咤激励、厳しい御意見もいただきました。すべてのことに感謝し、改めて原点に立ち返り、真摯な気持ちで県政発展に向けて努力していくことをお誓い申し上げる次第でございます。  今、この国は幸せの形が変えられようとしています。何もしなくても、国が直接お金を給付してくれる、私は、こうしたやり方を未来永劫続けていくべきであるとは思いません。誇りを持って働く場所が確保され、納税し、家族の笑顔とともに暮らしていく、この当たり前の幸せを、広島では保守勢力が一つに力を結集し、守っていかなくてはならないと思っています。  どうか、知事におかれましては、現政権の動向に惑わされることなく、地に足のついたリアルな政策、そして、同世代というと僣越かもしれませんが、これからを切り開いていく同じ世代として、果てなき夢で、先を見通すビジョンで、この広島をリードしていただくことを心から願いまして、私の質問を終わらせていただきます。  御清聴、まことにありがとうございました。(拍手) 4: ◯副議長大曽根哲夫君) 当局の答弁を求めます。知事湯崎英彦君。         【知事湯崎英彦君登壇】 5: ◯知事湯崎英彦君) まず、地域主権の意味に関する御質問でございます。  私は、これからの時代におきましては、地域のことは地域に住む住民が責任を持って決め、活気に満ちた地域社会を築いていくことが求められていると思います。  地域分権は、国の権限と財源を地方に分け与えるという考え方でありまして、これまでもさまざまな取り組みが行われてきましたが、これでは不十分ではないかと感じております。  これからの時代は、地方は、分け与えられるということではなく、国からの思い切った権限と財源の移譲によって強い自己決定権を持ち、それぞれの創意工夫によって地域の発展を図る条件整備を主体的に進めることが不可避であると考えておりまして、地域主権はその意味を明確にする言葉であると理解しております。  真の地域主権の確立とは、よりよい行政サービスをより効率的に提供できるよう、国の役割を原則として外交、防衛など国家の存立に関する事務等に限定していき、その他、内政に関する事務は、その権限と財源を大幅に地方に移譲し、住民にできるだけ近い地方自治体が、自主性を持って、みずからの判断と責任で個性豊かな地域社会を築いていくことであると考えております。  私が目指す地域主権型社会は、行政分野にとどまらず、産業や社会経済をも視野に入れたものであり、その具体的な姿につきましては、できるだけ早期に取りまとめて、その実現に向けて、国等にも積極的に発信、提案してまいります。  次に、広島空港の軌道系アクセスの整備に関する御質問についてお答え申し上げます。  広島空港が中四国地方の拠点空港として今後も発展するためには、空港機能の一層の強化を図ることが重要であり、とりわけ広島都市圏からのアクセスの利便性向上は大きな課題であると認識しております。  広島空港の軌道系アクセスにつきましては、平成元年から調査・検討を開始して、リニア鉄道や在来線型鉄道の整備案について、幅広く調査・検討を行ってまいりました。  しかしながら、事業の前提であるJR西日本の協力が得られず、膨大な建設費を要することや大幅な赤字経営が予測されておりまして、鉄道事業認可の取得が困難であるということから事業実施を見送ることとしたところでございますが、その状況は現在でも変わっておりません。  これまでにも、山陽自動車道の通行どめや著しい渋滞等の緊急時には、迅速な情報提供などによる利用者のJR山陽本線への誘導や、JR白市駅と空港間の連絡バスの増便、乗りおくれたお客様に対する便の振りかえの弾力的運用など、関係者と一体となって対処してまいりました。  今後は、こうした取り組みに加え、高速道路網の整備も重要であると考えております。  なお、各種アクセス課題に対応するために、今月、官民で構成する対策会議を設置したところでございまして、今後、この会議において総合的な対策に向けた検討を行ってまいります。  次に、若手職員の能力を発揮させる仕組みについての御質問でございます。  若手職員の柔軟で斬新な発想や意見をできるだけ県政に生かしていくためには、時代のニーズに即した政策の推進や組織の活性化にとっても重要であると私も考えております。  このため、具体的には、新たな職員提案制度の検討、重点プロジェクトへの参画、グループリーダー級の職員によって構成する経営戦略スタッフ会議の設置、そしてオフサイトミーティングの活用などを進めてまいります。  また、私自身も積極的に若手職員とのコミュニケーションを深めるために、来月から随時、ランチミーティングを開催するほか、政策的な意見交換をする場も設けていくつもりでございます。  なお、職員が、県の存在意義や目的と行動指針を共有して、同じ目標に向かって取り組みを進めることができるよう、現在、ミッションステートメントの策定作業に入っているところでございますが、若手職員を初め、全庁的に活発な議論が行えるよう、私の基本的な考え方を、昨日、全職員へメールで伝えたところでございます。  こうした取り組みを通じまして、若手職員のモチベーションや政策形成能力を高め、将来の県行政を担う人材の育成を図ってまいります。  その他の御質問については、担当説明員より御回答させていただきます。 6: ◯副議長大曽根哲夫君) 土木局長大野宏之君。         【土木局長大野宏之君登壇】 7: ◯土木局長大野宏之君) 工事現場での事業費標示についてお答えいたします。  県民の皆様に、税金によって行われている公共事業の内容を正しく理解していただくことは、極めて重要であると考えております。  工事標示板は、道路利用者や周辺の住民の皆様に対して、工事の種類や目的などの工事に関する情報をわかりやすく提供することにより、円滑な工事の実施を確保するため、設置いたしております。  県工事の請負金額等につきましては、これまでホームページを通じて公表しておりますが、公共事業に対する理解を深めていただくためにはどのような工事情報の標示が効果的であるのか、今後、検討してまいりたいと考えております。 8: ◯副議長大曽根哲夫君) 総務局長藤井雅文君。         【総務局長藤井雅文君登壇】 9: ◯総務局長藤井雅文君) 納税意識の向上についての御質問にお答え申し上げます。  県民の皆様に、県税の仕組みやその使途を正しく理解してもらい、税に対する関心を高めていただくことは、納税意識の向上を図る上で重要なことであると考えております。  このため、これまで小中学生に対しましては、国や市町などと共同しまして、税についての教材の配布や、国や県の税務職員が講師となって租税教室を開催するなど、租税教育の推進に取り組んできたところでございます。  広く県民の皆様に対しましては、税について御理解いただくという視点から、県の予算や主な事業の紹介もあわせ、県のホームページによる情報発信や冊子やパンフレットの配布による広報なども行ってきたところでございます。  今後とも、県民の皆様に県政への関心を高めていただくため、さまざまな機会をとらえまして、納税意識の向上を図るための取り組みに努めてまいります。 10: ◯副議長大曽根哲夫君) 健康福祉局長佐々木昌弘君。         【健康福祉局長佐々木昌弘君登壇】 11: ◯健康福祉局長佐々木昌弘君) 児童虐待に対する強制力の発動についてお答えいたします。  児童虐待は、子供の生命や身体に重大な危険を生じさせるばかりでなく、心と体の成長、人格の形成に深刻な影響を与える権利侵害であり、虐待が疑われる場合には、子供の安全を最優先とした対応の徹底が極めて重要であり、適宜適切に強制的権限を行使することが必要であると認識しております。  このような中、平成二十年四月に児童虐待防止法等を改正する法律が施行され、県に対する児童の安全確認の義務化や立入調査の強化などが規定されたところでございます。  このため、県といたしましては、虐待に関する情報提供があった場合、原則として四十八時間以内に子供の安全確認を直接目視により行うとともに、平成二十年度においては、職権による強制的な一時保護を、前年度の二倍以上に当たる三十七件について実施するなど、子供の安全確保に努めているところでございます。  さらに、長期間、子供の安全が確認できない場合などには、保護者への出頭要求や立入調査なども行っていくこととしております。  今後とも、虐待の未然防止から早期発見、虐待を受けた子供への適切な対応に至るまで、市町や学校、警察を初め、関係機関との緊密な連携のもと、子供の安全の確保に万全を期してまいります。
    12: ◯副議長大曽根哲夫君) 教育長榎田好一君。         【教育長榎田好一君登壇】 13: ◯教育長榎田好一君) 地域に根づいた武道教育についてお尋ねがございました。  中学校体育における武道は、平成二十四年度から必修化されることから、指導体制の充実に向けた取り組みを計画的に進めております。  具体的には、本年度、すべての体育の教員を対象とした研修会を実施し、武道の必修化の趣旨や授業の進め方などを指導いたしました。  また、本年度から三年間、柔道と剣道の実技講座を実施し、教員の指導力の向上を図ることとしております。  こうした取り組みにより、すべての体育の教員が武道を指導できるようにするとともに、地域や学校の実情に応じ、外部指導者を活用するため、県内の武道関係団体と連携しているところでございます。  県教育委員会といたしましては、今後、市町教育委員会に対し、外部指導者などの情報の提供や活用についての助言を行うなど、指導体制の充実に努めてまいります。  また、なぎなたなど、柔道、剣道、相撲以外の武道につきましても、地域や学校の実態に応じて履修できますので、武道関係団体と連携し、外部指導者等の情報の提供を行うなど、効果的、継続的な学習ができるよう支援してまいります。 14: ◯副議長大曽根哲夫君) この際、暫時休憩いたします。午後の会議は一時から開きます。         午前十一時十六分休憩              ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~         午後一時一分開議 15: ◯議長(林 正夫君) 出席議員五十六名であります。休憩前に引き続き会議を開きます。  引き続いて質問を行います。大井哲郎君。         【大井哲郎君登壇】 16: ◯大井哲郎君 皆さん、こんにちは。私は、自由民主党広島県議会広志議員会・フォーラム広島の大井哲郎でございます。今次定例会において質問の機会を与えていただき、議長を初め、先輩、同僚議員各位に心から感謝を申し上げます。  また、湯崎知事には、就任から間もない中で、来年度予算案の取りまとめのほか、マニフェストの実現に向け、新たな組織を立ち上げられるなど、県政運営に精力的に取り組んでおられる姿に頼もしさを感じております。ぜひとも、知事のリーダーシップのもとで、本県の底力を引き出し、県民福祉の向上を現実のものにしていただきたいと期待しております。それこそが、知事選の投票率が低かったことに象徴される県政に対する県民の無関心さを解消し、県民と一体となった広島県づくりにつながるものと考えております。  本日は、私が最も関心を持って取り組んでまいりました、第一次産業の振興と福祉対策の充実についてお伺いいたしますので、知事の誠実な御答弁を期待いたしまして、質問に入らせていただきます。  質問の第一は、第一次産業の振興についてであります。  一点目は、地産地消の推進についてお伺いいたします。  現在の日本では、食品売り場に足を運ぶと、商品が山のように積まれ、我々は手軽に、欲しいだけ食料を手にすることができます。  しかし、このように豊かな食生活を可能にしているのは、海外からの食料輸入であり、決してみずからの力で実現しているのではありません。我が国のカロリーベースの食料自給率は四一%と、先進国の中では極めて低い水準となっておりますし、本県は二三%とさらに低くなっております。また、広大な農地を必要とする穀物類だけでなく、四方を海に囲まれ、世界的な好漁場を有しているにもかかわらず、食用の魚介類の自給率も六二%で、昭和四十年の一一〇%からほぼ半減しております。  我々は、このような状況を漫然と見詰め、何も策を講じることなく過ごしてよいのでしょうか。食料自給率の低下とともに、我が国の農水産業は脆弱化が著しく進行しております。生産者の減少や高齢化、埼玉県の面積に匹敵する耕作放棄地の発生、鳥獣被害の拡大、それに伴う農山漁村地域の疲弊など、食料生産の問題にとどまらず、そこに人が住むための最低限の条件が失われつつあり、国土保全機能の低下が懸念されております。  こうした中で、近年、地産地消運動が全国的な高まりを見せております。本県でも、食品売り場に県内産コーナーが目立つようになり、道路沿いに設置された直売所が盛況を呈しております。  今次定例会の質問の初日にありました、犬童議員の産直市場の振興に関する質問に対し、来年度は、主な産直市場を掲載した地産地消マップの作成や県内産農産物の積極的なPRを行っていくとの御答弁がありましたが、まことに結構なことであり、ぜひとも積極的な取り組みをお願いしたいと思います。  もともと適地適作という言葉があるように、農業や漁業は、その地域固有の気候風土と切り離せない営みでありますし、生まれ育った地域の食べ物をとるほうが健康によいというのも理にかなった考え方であります。  また、作り手が食材を消費者に直接手渡し、食べ手もその食材に値段以外の価値を見出すといった、お互いの顔が見える関係を構築でき、都市と農山漁村の相互理解を深めることができるのも地産地消の魅力の一つであります。  私は、このように多くのメリットを持つ地産地消をより一層積極的に推進すべきと考えておりますが、そのためには、消費者が求める多種多様な食材を安定的に供給できなければいけませんし、消費者が手にとった食材が間違いなく県内産であることや、安全・安心に関する情報が的確に伝えられることが必要であります。生産者自身の努力や消費者が関心を深めることが必要なのはもちろんですが、行政も、生産振興に向けた支援や食品の信頼性を保証するなど、制度的な後押しが欠かせません。  そこで、本県の農水産業の振興を図る上で、地産地消をどのように位置づけておられるのか、また、今後どのような取り組みを展開していこうと考えておられるのか、知事にお伺いいたします。  二点目は、漁業振興についてであります。  本県の海面漁業は減少傾向が続いており、平成二年と平成十九年を比較すると、漁獲量、漁業生産額とも約三分の二になっております。漁獲量が減った原因はいろいろと指摘されておりますが、海に魚がいなくなったというのが根本的な原因であることは間違いありません。  これまで何度も申し上げてきたことですが、漁業者にとって、海に魚がいることが何よりも大切なことであり、魚がいなければ、漁師は腕の振るいようもないのであります。いかに海に魚を呼び戻すか、これが漁業振興を図る上で最も重要なポイントであります。  しかし、漁場が本来持っている資源の回復力が衰えている今、放流などによる栽培漁業の重要性が増しております。放流により水産資源をふやし、多種多様な魚介類を生息させることは、海洋環境の改善につながり、漁業者のみならず、釣りを楽しむ遊漁者にとっても大きなメリットがあります。  このため、放流にはこれまで以上に力を入れていくべきと考えておりますが、本県の取り組みについて、私が疑問に感じていることが二点あります。  その一つは、放流する魚種であります。漁業者が放流を待ち焦がれている魚として、地場のいそに根づき、高値が期待できるキジハタという高級魚がおります。お隣の山口県では、既に大規模な放流が行われていますが、本県では、いまだ実現に至っておりません。  私が見るところ、これは、技術的な問題という以前に、漁業者のニーズを的確に把握し、スピーディーに研究へ反映していく体制ができていない、つまり、水産行政を担当する農林水産局から試験研究部門を切り離したことの弊害が出ているのではないかと思うのであります。十分連携してやっていると言われますが、おのずと限界があるのは明らかであり、農林水産部門の試験研究のあり方については、再検討をお願いしておきたいと思います。  もう一つは、種苗生産の経費負担であります。平成十六年度から、漁業者主体の栽培漁業という視点のもと、種苗生産における漁業者負担の見直しが進められております。放流の最大の受益者が漁業者であることは間違いありませんが、遊漁者を初め、多くの県民がその思恵を受けているのも事実であります。そうであれば、経費についても、漁業者のみに負担させるのではなく、公平なやり方を検討していくべきと考えるのであります。  一方で、漁業は、海が育ててくれた魚をとる仕事でありますから、魚が元気に育つことのできる漁場環境を守っていくことが不可欠であります。  かつて、本県の海域には、全国でも有数の藻場や干潟が存在し、多種多様な魚介類を生み出す生育場となっておりましたが、高度経済成長期以降の沿岸域の埋め立てなどにより、その面積が大幅に減少しております。瀬戸内海の水質が昔に比べて改善しているにもかかわらず、魚の減少がとまらないのは藻場・干潟の減少による影響が大きいとも指摘されております。放流の効果を上げるためにも、魚の産卵・育成の場となる藻場や水質の浄化機能を持つ干潟などの再生に積極的に取り組むべきであります。  このほか、資源管理の徹底なども含め、魚を海に呼び戻し、漁獲量を向上させるためには、海全体の活力を回復させる観点から総合的な対策を講じていくことが重要なのであります。  しかし、来年度の当初予算案を見ると、水産関係予算の削減率は農林業に比べてかなり大きくなっており、今後、水産振興に前向きに取り組んでいただけるのか、大変不安を感じざるを得ません。  そこで、本県海域の水産資源の現状についてどのように認識しておられるのか、そして、水産資源の維持・増大に向けてどのように取り組んでいこうと考えておられるのか、知事の御所見をお伺いいたします。  水産資源が減少しているにもかかわらず、魚の価格は長年にわたり低迷し、漁業者の経営環境は厳しさを増しております。  魚の価格が低迷している要因としては、消費者の魚離れによる消費量の減少に加え、水産物の消費流通形態の変化が指摘されております。かつては、魚は鮮魚店で買うのが一般的でしたが、今では、消費者の三人に二人はスーパーで魚を購入し、中食や外食での消費もふえております。この結果、量販店などが購買力を武器に市場の価格決定に圧倒的な発言力を持つようになり、生産者や卸売業者に対し、常に一定の価格で供給するよう強く求める時代になっております。  以前は、魚の価格は、水揚げが減れば上がり、豊漁のときには下がっていましたが、今は不漁のときでも需給が十分に反映されない構造に変わっております。そして、消費者の低価格志向から一層店頭価格が抑えられ、輸入水産物の増加もあって、魚の価格は恒常的に低迷しているのであります。  漁業経営を続けるためには、当然ながら、再生産が可能な価格で売る必要があり、市場流通にのみ依存するのではなく、新たな販路を開拓するなど、漁業者自身が値決めできる仕組みをつくっていく必要があります。最近、農商工連携や農業の六次産業化が注目を浴びておりますが、漁業についても、二次・三次産業の要素を取り込み、漁業者の手取りをふやすような取り組みが求められているのであります。  こうした中にあって、知事は、マニフェストに、中山間地・島嶼部の振興策の一つとして、「瀬戸内 海の道一兆円構想」と農業・漁業を通じた食による地場観光政策への支援を掲げられておられます。海の道一兆円構想については、観光を中心に取り組んでいくとお聞きしていますが、観光客にとって、その地域の特産物や郷土料理などの食は、最も楽しみにし、関心が高いものであろうと思います。  本県の沿岸島嶼部は、宮島など集客力のある観光地に加え、カキや瀬戸の小魚に代表される海の幸にも恵まれており、これらの食材に磨きをかけ、観光資源としての食の価値を今以上に高めていくことが重要ではないでしょうか。例えば、広島かきは日本一の生産量を誇っていますが、その地位に安住することなく、品質面でも日本一を目指していく必要がありますし、観光客に一番おいしいと思ってもらえる料理の出し方を工夫するなど、いろいろと知恵を絞っていくことが大事であります。  観光とタイアップした形で、こうした取り組みを進めることにより、水産物の新たな販路や需要が開拓でき、本県の漁業振興につながるのではないかと大いに期待しているところであります。  そこで、海の道一兆円構想の中で水産資源の活用についてどのように位置づけておられるのか、知事の御所見をお伺いいたします。  質問の第二は、福祉対策の充実についてであります。  一点目は、高齢者の介護サービスの確保についてお伺いいたします。  我が国の少子・高齢化は今後急速に加速し、本県も、平成四十七年には県民の三人に一人が高齢者となり、ひとり暮らしや夫婦のみの世帯も増加していくと予測されております。  超高齢社会の到来が近づく中で、高齢者にとっては、住みなれた土地で、近所の人々に見守られながら、生きがいを持ち、心安らかに暮らしていくことこそが大切なことだと考えております。そうした社会を実現するためには、第四期ひろしま高齢者プランの重点施策である、元気で活躍する高齢者づくりや自立生活を支える地域づくりを着実に進めていくことが必要であることは言うまでもありません。  しかし、寝たきりや重度の認知症など在宅サービスでの対応が難しい高齢者が多く存在し、本人や介護が大きな負担となっている家族の中には、施設サービスの充実を望む声が多いのも現実であります。  先般取りまとめられた調査によれば、本県の特別養護老人ホームヘの入所希望者一万九千六百八十人のうち、他の介護施設などに入所できず自宅で過ごしている方は七千七百六十六人で、その過半は、排せつ、入浴などに全面的な介護が必要な要介護度三以上の方であります。  本県の第四期介護保険事業支援計画における受け入れ増加枠が、介護老人保健施設などを加えても三千七百二十五人分であることを考えれば、高齢者が必要としているサービスの確保にはほど遠い状況となっております。  また、介護保険施設の確保に大きな影響を与える要素として、国が進めてきた療養病床転換推進計画が挙げられます。この計画は、社会的入院を解消するため、療養病床を医療の必要度の高い患者に限定し、それ以外の患者は病院ではなく、在宅のほか、介護老人保健施設や特別養護老人ホームなどで対応する考え方をとっております。  本県も、国の動きに呼応し、転換を推進していますが、平成十九年八月と平成二十一年一月に行われた医療機関への意向調査を比較すると、療養病床として残るものが八百八十七床ふえる一方で、介護保険施設への転換は九百八十七床減少しております。転換先として期待されていた介護療養型老人保健施設への国の支援策が、医療機関の予測を下回ったことが要因と言われており、その後改善が図られたものの、本当に計画どおり円滑な転換が進むのか、大変不安を感じております。  財政環境が悪化の一途をたどる中で、介護保険施設をふやすことが難しいのは理解できますが、施設不足が常態化し、今後もニーズの一層の高まりが確実視されることを考えれば、計画を前倒ししてでも整備を進めることが必要であります。全国には、国の緊急経済対策を活用して、施設整備を早めたり、統廃合される学校の校舎を介護保険施設に転用するなど、財源確保や実施手法に工夫を凝らしながら取り組んでいる事例も多いと聞いております。  本県でも、こうした事例を参考にしつつ、広島県介護基盤緊急整備等基金を活用するなど、市町との連携のもとで積極的な対応をしていただくよう願うものであります。  そこで、療養病床転換推進計画の進捗見込みを含め、今後の施設系介護サービスの確保についてどのように見通ししておられるのか、また、サービスの充実強化に向けてどのように取り組んでいこうとお考えなのか、知事の御所見をお伺いいたします。  二点目は、障害者の自立支援についてお伺いいたします。  先月七日、障害者自立支援法違憲訴訟原告・弁護団と国との間で基本合意文書が締結され、障害者自立支援法の廃止と新法の制定が決まりました。合意文書では、十分な実態調査や障害者の意見を十分に踏まえることなく、拙速に法が施行されたことや、応益負担の導入等を行ったことにより、障害者に多大な混乱と生活への悪影響を招き、障害者の人間としての尊厳を深く傷つけたと総括しております。私も全く同感であります。  私は、平成十八年二月の予算特別委員会の質問の中で、障害者にとって、福祉サービスはぜいたくではなく、生きる上で不可欠なものであり、決して利益ではないと申し上げました。それは、この法律に基づき導入された応益負担という考え方が、障害者の生活実態を無視しているだけでなく、障害者福祉に反する危うい思想を内包していると感じたからであります。  応益負担制度は、障害者に対する支援を利益とみなし、提供するサービスの量に応じて一律に対価を求める仕組みですが、障害者が支援を受けて健常者並みの生活に近づくことは、利益ではなく権利であり、障害者基本法の基本理念の一つであります。障害が重く、多くの支援を必要する障害者ほど自己負担が大きくなり、負担ができない障害者は支援を断念せざるを得ない、このように、障害者福祉の基本理念に反する制度が障害者の自立を手助けしないことはだれの目にも明らかで、現場に混乱が生じたのも当然であります。  もちろん、私は、この法律のすべてを否定するわけではありません。ノーマライゼーションという理念や最終的な目的が障害者の自立にあることを明確にしている点などについては、私も全く同感であります。  現在、政府において新法制定に向けた議論が始まっておりますが、現行法の失敗の轍を踏むことなく、障害者が人間として尊重され、真に障害者の自立を後押しする制度となることを期待するものであります。  そのためには、障害者対策の基本理念を再認識するとともに、制度設計に当たっては、十分に現場実態を把握し、そして、何よりも障害者自身の意見を取り入れながら検討を進めていくことが重要であります。  また、新法制定は、遅くとも平成二十五年八月までに実施することになっていますが、その間も障害者は日々の生活を送り、自立に向けて取り組んでいかなければなりません。県としても、現行法に基づく可能な限りの支援を行うとともに、国の議論をただ待つのではなく、主体性を持って取り組みを進めていく必要があると思います。  そこで、障害者自立支援法の廃止決定により、県の障害者対策も見直しを迫られることになると思いますが、今後、新法制定までの間、どのように障害者の自立支援に取り組んでいこうとしておられるのか、知事の御所見をお伺いいたします。  先月の二十九日、広島港字品・出島地区の土地利用計画の見直しについて、そのあり方を検討していた委員会が意見・助言を行いました。  今後、県は、これを港湾計画に反映させ、港湾審議会に諮るなど、事務手続に入る段取りになっております。この計画は、瀬戸内海のグローバルゲートウエーにふさわしい国際交流拠点の形成を目指し、国際コンテナターミナルの整備やウォーターフロントにおけるにぎわいづくりなどを目的としております。  今回の見直しの内容は、物流拠点の確保や親水空間を生かしたにぎわい施設の整備などでありますが、あわせて、広島市立広島特別支援学校の移転が盛り込まれております。変更計画のゾーニングでは、埠頭用地や港湾関連用地、交流拠点用地がほとんどを占める中で、学校建設用地がぽつんと設定されております。  私なりに計画で示された内容を頭の中でイメージすると、港に接岸された船から大量のコンテナが積みおろしされ、隣接する倉庫群からはトラックで荷物が運び出される光景であり、集客施設が並ぶ中を行き交う人々の群れといったものであります。どちらのイメージも、静かな環境を必要とする学校にふさわしいとは考えられず、わざわざこうした地区に移転させる計画を奇異に感じるのは、決して私だけではないと思います。  また、学校建設予定地の南側は、今後埋め立てが進められるため、土砂などを搬入する大型車両が頻繁に往来することが予想されますし、一部の工区は産業廃棄物処分場として利用されることになっております。  騒音や振動、産業廃棄物から排出される粉じんや悪臭などが教育環境を大きく低下させるのではないか。また、特別支援学校には、慢性の呼吸器疾患などを患う児童生徒も在校しております。病状の面でも影響が懸念されるものであります。  もちろん、特別支援学校をどこに移転させるかは、設置者である広島市に判断の責任があるわけですが、出島地区の港湾整備の主体である県にも、この地区に学校を移転することが、国際交流拠点としての機能を確保する上でどのような影響を及ぼすかということだけでなく、教育環境の確保が可能かという視点からも十分に検討する責任があると私は考えます。  そこで、広島港出島地区に特別支援学校が移転することの妥当性について、移転した場合の教育環境の確保という視点を含め、どのように判断しておられるのか、知事にお伺いいたします。  最後に、昨日追加提案された広島エアポートビレッジ開発株式会社に対する債権放棄について一言申し上げたいと思います。  提案された債権放棄額は約十七億円となっておりますが、大半が失われることになる出資金を加えれば、県民に四十億円を超える損失を与えることが予想されているのであります。  今回はやむを得ない事情があり、追加提案になったようですが、本来であれば、当初提案の中で十分に時間をとって、議論を尽くすべき重大な問題であると考えます。県民への説明責任を果たすため、我々議員としてもしっかりと議諭していく必要があると思っておりますし、この件を今後の教訓とするためにも、このような事態を引き起こした原因について検証いただくよう強く要望しておきます。  以上で、私の質問を終わります。大変眠たい時間での御清聴、まことにありがとうございました。(拍手) 17: ◯議長(林 正夫君) 当局の答弁を求めます。知事湯崎英彦君。         【知事湯崎英彦君登壇】 18: ◯知事湯崎英彦君) まず、地産地消の推進についての御質問でございます。  地産地消は、地元でとれた新鮮な農水産物を消費者が安心して購入できるだけでなく、生産者と消費者の相互理解が深まることに加えまして、県内産品の消費拡大により生産者の所得向上につながる重要な取り組みであると考えております。  このため、県といたしましては、JAグループと連携して、広島都市圏の量販店に県内産品の常設売り場を今年度中には二十五カ所にふやすとともに、県独自の認証制度である「安心広島ブランド」の普及拡大などに取り組んでいるところでございます。  来年度は、これらの取り組みに加えまして、県内産品の認知度を高めるため、地産地消シンボルマークの利用促進やさまざまな媒体を活用したPR活動を積極的に行うなど、県内産品の消費拡大に取り組んでまいりたいと考えております。  また、引き続き、広島県農産物販路開拓協議会での生産者と流通・食品関連事業者等との連携の仕組みづくりや、県内農水産物の学校給食への利用促進に努めてまいります。  今後、こうした取り組みをさらに推進するためには、県内産の野菜等の供給量が十分ではないことから、その生産拡大が急務となっております。  このため、集落法人などを主体とした担い手の確保や稲作から園芸作物、畜産への転換を図る農業の構造改革を強力に推し進めることによって、県内産品の安定的な供給体制の確立に取り組み、地産地消の推進につなげてまいりたいと考えております。  次に、「瀬戸内 海の道一兆円構想」における水産資源の活用についての御質問でございます。  本県の水産物には、全国一の生産量を誇るカキ、そしてメバル、タチウオ、小イワシなど、新鮮でおいしい瀬戸内海を代表する食の宝がありまして、観光資源としても大きな魅力を有していると考えております。  また、県内の各地におきましては、漁協等による、かき祭りや朝市の開催、観光定置網や修学旅行生を対象とした体験漁業、地域の水産物を活用した加工品づくりなどが行われておりまして、せとうちおさんぽクルーズにおいても、地域の水産物を使った食の提供などを行って、大変好評を得ております。  しかしながら、これらの瀬戸内海の食や地域での取り組みについては、水産物の供給体制が整っていないことや、それぞれの資源が相互に連携していないことなどによって、観光資源として十分には活用されていない状況にあると考えております。  こうした認識を踏まえて、「瀬戸内 海の道一兆円構想」の策定に当たっては、瀬戸内海の地域資源を発掘し、付加価値を高め、発信していく方策を議論する中で、水産資源の活用についても検討してまいりたいと考えております。  次に、新法制定までの間の障害者自立支援対策に関する御質問でございます。  現在、国におきましては、障害者自立支援法の廃止とそれにかわる新法の制定を初めとした、障害者に係る制度の改革が進められております。
     県といたしましては、国の制度改革の動向を踏まえつつ、新たな制度が確立するまでは、利用者負担の軽減や事業者の経営基盤の強化などを目的とした障害者自立支援特別対策を、効果的かつ積極的に取り組んでまいります。  また、検討中の新たな制度におきましても盛り込まれると考えられます、障害者の自立支援に必要な地域生活への移行や一般就労支援の充実につきましては、これらの具体的な目標を定めております第二期広島県障害福祉計画に基づいて、引き続き施策を着実に推進してまいります。  施策の推進に当たりまして、来年度、就業面や生活面における一体的な支援を行うセンターを広島西障害保健福祉圏域など二つの未設置の圏域に新たに設置するなど、本県独自の取り組みも積極的に行ってまいりたいと考えております。  なお、現在、国において検討されております制度改革は、障害者が真に自立できる環境づくりに大きな影響を与えることから、制度設計に当たっては地方自治体等と十分に協議するよう国に申し入れておりまして、今後とも機会をとらえて意見を述べてまいりたいと思っております。  その他の御質問については、担当説明員より御回答させていただきます。 19: ◯議長(林 正夫君) 農林水産局長冨永嘉文君。         【農林水産局長冨永嘉文君登壇】 20: ◯農林水産局長冨永嘉文君) 水産資源の維持・増大に向けた取り組みについてお答え申し上げます。  本県の海面漁業生産量は、十年前に比べ約二割減になるなど、全般的には減少傾向にございますが、マダイ、ヒラメなどの栽培漁業対象魚種につきましては、生産量は比較的安定しております。  また、沿岸域の埋め立てなどによりまして、魚介類の産卵や幼稚魚の育成の場となる藻場や干潟が減少するなど、漁場環境が悪化している状況にございます。  こうした状況を踏まえ、本県では、広島県栽培漁業基本計画に基づきまして、マダイ、ヒラメなどに加え、地域から要望の強いオニオコゼなど、地元の海域に定着し販売価格の高い魚種の種苗放流を行いますとともに、瀬戸内海の関係府県と連携し、サワラなどの広域回遊魚の効果的な資源管理に取り組んでいるところでございます。  また、魚介類の育成の場となります藻場・干潟の造成や海底堆積物の除去など、漁場環境の維持・修復に取り組んでいるところでございます。  今後とも、市町や漁業関係者と協議を行い、漁業者が主体となった栽培漁業を安定的に継続して推進できる体制の構築に努めますとともに、本県の水産振興を図る上で最も重要課題と位置づけております漁協合併を推進していく中で、市町や漁業関係者と一体となって水産資源の維持・増大に取り組んでまいりたいと考えております。 21: ◯議長(林 正夫君) 健康福祉局長佐々木昌弘君。         【健康福祉局長佐々木昌弘君登壇】 22: ◯健康福祉局長佐々木昌弘君) 高齢者の介護サービスの確保についてお答えいたします。  昨年八月時点の、本県における自宅におられる要介護三以上の特別養護老人ホームへの入所希望者は四千百二十七人であり、こうした方々に対して、必要な施設系介護サービスを確保していくことは重要な課題であると認識しております。  このため、昨年度策定した第四期介護保険事業支援計画におきまして、平成二十三年度末までに介護保険施設等を三千七百二十五人分新たに整備することとしております。さらに、今後の要介護者の増加を踏まえ、国の緊急経済対策に呼応し、次の第五期計画で見込まれる施設等を前倒しして、四百五十九人分を整備することとしたところであり、これらにより四千百八十四人分の入所枠が確保でき、先ほど申し上げました入所希望者のニーズを充足できるものと考えております。  また、療養病床転換推進計画における介護保険施設等への転換数は三千七百二十床で、平成二十一年度末の進捗見込みは約七%となっておりますが、計画では平成二十三年度に集中して整備されることとなっておりますため、おおむね計画どおり転換が進んでいると考えております。  県といたしましては、介護保険施設等の確保につきまして、介護基盤緊急整備等基金も活用しながら新規の施設整備を着実に進め、施設系介護サービスの充実に努めてまいります。 23: ◯議長(林 正夫君) 土木局長大野宏之君。         【土木局長大野宏之君登壇】 24: ◯土木局長大野宏之君) 広島港出島地区への特別支援学校の移転についてお答えいたします。  広島特別支援学校の移転につきましては、現校舎の老朽化や在籍児童生徒数の増加などに対応するため、平成十七年に広島市が策定した広島養護学校の建替えに係る基本構想において建てかえの必要性が示されたことを受け、広島市より、港湾管理者である県に対し、広島港出島地区への移転の検討が要請されたものです。  移転候補地の選定に当たり、広島市におきましては、広島港出島地区を含む市内五カ所での比較検討が行われ、就学区域や交通利便性、多機能型教育施設整備を可能とする空間の確保などの面から児童生徒の教育環境を総合的に勘案し、当該地が最も適当と判断したものであります。  広島市からの要請を受け、県におきましては、広島港宇品・出島地区土地利用あり方検討委員会を設置し、地区内の現行の土地利用計画について、児童生徒の通学路と物流動線の分離、騒音・振動に配慮した施設の配置、緩衝緑地の整備などの変更を加えるべきとの結論が得られたものです。  県といたしましては、この結果を受け、速やかに港湾計画の変更を行うこととしており、引き続き、広島市と連携を図ることにより、円滑な港湾活動や学習環境の確保に努めてまいりたいと考えております。 25: ◯議長(林 正夫君) 引き続いて質問を行います。田辺直史君。         【田辺直史君登壇】 26: ◯田辺直史君 公明党広島県議会議員団の田辺直史でございます。  まず初めに、本年一月十三日にハイチを襲った大地震によって亡くなられた方々の御冥福を心からお祈り申し上げます。また、御家族や友人を亡くされた方々、被災された方々にお見舞い申し上げます。甚大な被害に胸が痛むばかりであり、国際社会全体で総力を挙げて救援活動を進め、一日も早く復興がなされることを深くお祈りするものであります。  我が党県本部の街頭募金、あるいは新年賀詞交歓会場での募金の呼びかけに対し、皆様にも御協力いただきましたことに対し、心より感謝申し上げます。  推定死者は約二十三万人、屋外でテント生活を余儀なくされている住民は百二十万人を超えています。衛生状態はかなり悪く、間もなく雨季に入るため、必要な支援策は数多いとされています。  県におきましても、一月二十五日の我が会派の予算要望の際にあわせて行った募金の提案に対し、即断即決され、県施設や関係団体にも協力を呼びかけ、日本赤十字社が行う募金・救援活動を支援されました。さらに、三月三十一日まで延期されましたことに対し、心より敬意を表したいと思います。  さて、昨年、我が国の新しいかじ取りを担う鳩山政権が誕生してから、きょうで百六十三日目を迎えました。メディアが政権への厳しい批判を控える、いわゆるハネムーン期間である百日間はとうに過ぎているわけでありますが、新政権は、首相自身の偽装献金問題を初め、小沢幹事長の資金管理団体に関する政治資金規正法違反により現職の衆議院議員が起訴されるなど、スタートしたころには予想もしなかった、まさに政権運営を揺るがすような厳しい批判にさらされ、支持率も低下しております。  また、今国会においてもさまざまな論戦が繰り広げられておりますが、その焦点として、鳩山政権の三K、いわゆる景気・雇用のK、献金のK、基地のKの三つのKが浮上しております。本来の三Kである、きつい、汚い、危険の言葉になぞらえて、きつい国民生活、汚い政治、危険な基地問題とやゆする声もあります。もはや鳩山政権は、ハネムーンというより物言えぬ家庭内離婚寸前になっているのではないかと思います。子供に当たる国民が一番不幸であります。  また、去る一月二十七日には、アメリカの格付会社であるスタンダード・アンド・プアーズが日本の長期国債の格付の見通しを安定的からネガティブ──弱含みに引き下げたという新聞報道がありました。日本の国債は国内でほとんど消化されており、大丈夫だという向きもありますが、これは、国民が将来の生活のために一生懸命ためた貯金の多くが、金融機関によって最もリスクが少ないと言われている国債の購入に充てられているということであります。つまり、仮に日本の国債が市場の信認を失い、暴落して紙くず同然になれば、国民の金融資産がすべて吹き飛ぶという大変な事態になるということを意味しているのであります。  格下げの理由としては、鳩山政権における当初予算の新規国債発行額が、約三十七兆円の税収に対し過去最大の約四十四兆円にも上り、財政健全化が一段とおくれそうなことや、経済成長率が今後も低水準にとどまりそうなことが挙げられております。  県政におきましても、無駄を廃した成長戦略による財政再建が重要であります。鳩山政権における新年度予算は直接給付型の政策に特化しており、いわゆる経済のパイを積極的に拡大するための政策が見当たりません。昨年末に新成長戦略の基本方針を発表しましたが、目標達成の道筋は依然として示されないままであります。  さらに、急激な少子・高齢化社会に向け、マニフェストにおいて国民に約束した年金制度の一元化と最低保障年金の実現、後期高齢者医療制度の廃止とその後の制度の具体策、介護サービスの充実などの社会保障制度の見直しを今後どう進めていくのか、貧困格差の是正にどう対応していくのか、鳩山政権は、歳入歳出のあり方も含め、早急かつ具体的に明確なビジョンを示すべきであると思います。  さて、こうした中で、本県も湯崎知事が就任されてから八十八日が経過し、そろそろハネムーン期間も終わろうとしております。ハネムーン期間にまとめられた平成二十二年度当初予算が今次定例会に提案され、我々議会としても慎重に審議させていただきますが、成果主義を唱えられる知事としては、この予算審議を経て、来年度さまざまな政策を実行に移される中で、いよいよ真価が問われることになると思います。  知事にとって、当面する最重要課題は平成二十三年度からの財政健全化計画の策定であります。今後十年間、四百億円以上の財源不足が生じるという厳しい財政状況をどうやって立て直すのか、大変難しい課題でありますが、単純に歳出を削減するだけでは、やがて行き詰まるのは目に見えており、同時に、県経済を活性化させ、歳入の増額を図ることが求められることは言うまでもありません。  知事が元通産官僚であるからというだけではありませんが、私が感ずるところでは、知事が掲げられている五つの挑戦の中で最も優先順位が高いとされるのは、実は新たな経済成長への挑戦、すなわち本県の成長戦略ではないかと思うのであります。やはり、本県産業の発展なくしては、財政健全化も最終的には達成できませんし、県民生活を守るという責任も果たせなくなると思うのであります。  加えて申し上げれば、成長のパイの配分先については、福祉、介護、医療など、県民生活のセーフティーネットをより確かなものにするための政策を充実させることも忘れてはならないと思います。  知事は、来年度予算を新たな挑戦に向けた仕込みと基盤づくりの予算と表明され、政策実現に向けた仕込みに力を注いでおられますが、これからはすべて結果が求められます。  そうした中で、あえて申し上げておきたいのは、政治というものは結果責任であり、知事の四年間の任期中に必ず結実させなければならないということであります。その結実が次の道を開くのであります。  私は、知事には、若さと行動力、そして大胆な決断力を感じております。就任早々、事業仕分けの実施や経済財政会議の設置、さらには定例記者会見を毎週することで情報発信力を高めるなど、矢継ぎ早に新たな取り組みを実施されており、その行動力には目を見張りますとともに、評価もしております。  さらに、いきなり、議会には何の相談もなく給与カットの縮小を決定するという驚くべき大胆な決断力をも発揮されました。これによって議会は大変な思いをし、今も変なチラシが出るなど、尾を引いているのであります。藤田前知事の給与カット一二・五%をこんなに強く支持されているグループがあることを知り、過去を知る者として頭が混乱するのであります。  ただ、私としては、職員の給与カットの縮小に反対したのであれば、今後、結果的に議員自身の報酬がアップする部分については、正々堂々と供託するという方法もあると思っておりますので、その点も注目していきたいと思います。おいしいところ取りだけではいかがなものかと思います。  そこで、まず、知事にお伺いします。  あれもこれもいろいろとやりたいこと、やらなければならないこともあるでしょうが、知事として、この四年間において最も優先して取り組むべき課題として、本県における現状の何を変えようとされるのか、また、その場合に具体的な数値目標として何を打ち出したいのか、現時点における率直なお考えをお伺いいたします。  次に、広島市との課題についてお伺いします。  湯崎知事は、先月の二十七日にトップ会談を行い、県・市における喫緊の重要課題であった出島地区廃棄物処分場整備事業、福祉医療費公費負担事業、広島西飛行場のあり方という三点について一定の整理をされたことについては、今後の県・市の連携構築に向けた大きな一歩として大変評価いたしております。  その他の県・市の懸案事項については、四つ目として、広島港出島地区のメッセ・コンベンション用地における土地利用は広島市の特別支援学校の移転用地として見直しをする方向であり、五つ目として、広島高速五号線については、自然破壊や地盤沈下を懸念する住民の要望に対しては、県・市連携して取り組んでおります。  私は、知事が言っておられる広島県の持つ底力を発揮するためには、広島市の役割は極めて重要であり、広島市が人・もの・情報が集まる魅力的な都市として世界中に発信していくことが不可欠であると思います。そのためにも、今回のトップ会談を契機として、知事には、広島市とのきずなをより強固なものとし、何でも言える信頼関係をぜひとも構築していただきたいと期待しております。  一方、今回一定の整理がなされたものの、積み残された課題も当然残っております。福祉医療費公費負担事業については、一たん白紙に戻して改めて検討ということであり、西飛行場についても、広島市に一たんボールが渡っただけであります。  特に西飛行場については、広島市議会は、東京便就航の実現に向けた取り組みを進めるというこれまでどおりのスタンスに立った広島市の基本構想を可決しており、今後、市議会の動きがどうなるのかも危惧されるところであります。  そこで、知事は、広島市との関係における個別の懸案事項について、今後残された課題をどう認識され、どう対応されようとしているのか、お伺いいたします。  次に、平和のための国際貢献活動についてお伺いいたします。  広島市との課題として、新たに二〇二〇年の夏季オリンピック招致構想が浮上しております。広島市は、単独開催に向け、今後具体的な計画策定を行うこととしており、知事も県として協力することを表明されておりますが、必要経費や資金確保の方策等が明らかではなく、まだ県としての具体的な協力の中身も見えてきておりません。  また、広島市は、この夏季オリンピック招致にあわせて、核廃絶ヒロシマ会議の開催も検討しております。さらに、二十四日の我が会派の日下議員の質問において、原爆投下から七十年に当たる二〇一五年に、広島市で核廃絶サミットを開催することを提案いたしました。  私は、県と広島市の関係において、このような国際的なイベント、特に、世界最初の被爆地であるヒロシマを世界に発信し、恒久平和、核廃絶の実現を理念とする国際的行事については、県と広島市がばらばらに考えるのではなく、当初から基本的な理念、方向性を共有し、協力しながら進めていくべきであると思います。  広島市が独自で中身を決めた後に、最後になって県が市からの要請によって応分の負担を払うといったスタイルや、お互いが主導権争いで競い合うというのではなく、県と市が当初から協力しながら進めていくという姿勢でぜひともお願いしたいと思うのであります。  また、広島市との連携もさることながら、県独自の平和貢献活動も極めて重要であります。冷戦後の国際社会においては、民族紛争やテロなど新しい脅威が発生、拡大し、武力紛争によって荒廃した地域の復興支援など、いまだ危うい平和を真の平和に変えていく努力、いわゆる「創り出す平和」が求められております。  そうした中で、国際的な平和、安全保障の担い手として、国際機関や中央政府、NGOに加え、地方自治体も重要な一員となっております。特に、本県の場合は、世界最初の被爆地である広島が、そのとうとい犠牲の上に世界平和のための新たな役割を見出そうとするという意味でも大きな意義があります。  こうしたことから、本県はこれまで、ひろしま平和貢献構想に基づき、広島にふさわしい平和貢献として、紛争終結地域の復興支援をテーマに、内戦で荒廃したカンボジア王国のさまざまな復興支援活動を支援してきたところであります。  そこで、本県がこれまで平和貢献事業として実施してきたカンボジアに対する復興支援事業を知事はどう評価され、来年度以降どう対応されようとしておられるのか、まずお伺いいたします。  また、知事は、マニフェストに、ひろしま国際平和センター機能の構築を掲げ、具体的な事業として、例えば平和の賢者三十人広島会議の創設や平和国際貢献のNPO、NGOの首都となることを目指した国内外のNPO、NGOの招致、あるいは「原爆の日 Hiroshima十万人ピースコンサート」の開催の収益によるNPO支援などを挙げられております。  私は、こうした平和貢献に関するマニフェストを実施することが、知事が他県とは違う広島の知事であることのあかしであり、多くの県民の期待にこたえることになるのではないかと思うのであります。しかし、残念ながら、来年度の予算においては、知事が考えられる平和貢献事業はほとんど見込まれておりません。  知事には、原爆の社会的影響に関する研究をなされていたお父様がいらっしゃったともお聞きしておりますが、そうした環境の中で知事がはぐくまれた平和に対する思い、理念とはどのようなものなのか、さらに、知事がマニフェストに掲げられたさまざまな事業の実現に向け、今後四年間の任期中にどのようなスケジュールで取り組まれようとされているのか、あわせてお伺いいたします。  次は、福山市との課題についてであります。  福山市との間においては、御承知のとおり、鞆地区の埋立・架橋計画という大変大きな課題を抱えております。この課題について、知事は、来年度当初予算案に関連事業費を盛り込む一方で、計画の是非について、推進、反対両派の合意形成が得られていない状態では予算を執行しないという考え方も示され、さらに、早速、先月十一日には、現地を視察された上で、双方との意見交換会にも臨まれたのであります。  こうした知事の姿勢が、正念場を迎えたこの問題の決着につながるよう期待するところでありますが、こうした知事の姿勢に対して、私からの提案も含め、お伺いしたいと思います。  まず、先ほど申し上げた意見交換会の中で、知事は、第三者を仲介役にした対話集会への双方の出席を求めたとされておりますが、現時点においては、複数の第三者の人選に時間がかかり、いまだ対話集会が開催されていないという状況となっております。  また、福山市は、九月ごろまでに県が一定の結論を出すことを望んでおりますが、知事は、二〇一〇年度中に合意形成を図るという姿勢を崩されておりません。  そこで、知事にお伺いします。この問題については、年度末までとあえて期限を区切る合理的な理由もないことから、県としては、福山市の九月までという要望に対し、早急な結論を得るべく最大限努力する必要があると考えますが、知事はどのように対応されるのか、お伺いいたします。  また、具体の事業実施に当たっては、認可権者である国の意向が大きな影響を及ぼすことも考えられるため、政権交代後、明確となっていない国の方針についても、新たな知事として、前原新国土交通大臣に対し早急に確認すべきであると思いますが、あわせて知事の御所見をお伺いいたします。  また、知事は、県が新たな提案を示す可能性にも言及されております。そこで、私も知事に対して一つの提案をさせていただきたいと思います。  それは、埋立沈埋トンネル案、いわゆる海底トンネルによる整備手法であります。現在の埋立・架橋計画案については、鞆地区道路港湾計画検討委員会等の検討を踏まえ、埋立沈埋トンネル案及び山側トンネル案とともに比較検討される中で、地域の活性化や生活環境の整備に最も効果が高いとして決定されたものであります。  しかしながら、現行の架橋案については、鞆の歴史的景観が国民共有の財産であるという主張がますます高まっている状況において、このままでは合意を得ることが極めて難しいことも事実であり、当初比較検討された他の二案も含めて、再度整備手法を検討することも必要なのではないかと考えるのであります。  その際、山側トンネル案については、景観や歴史的遺産の保存という面では最良である一方、地域の活性化や生活環境の整備という面では、効果が期待できないばかりではなく、広島高速一号線における福木トンネルや広島高速五号線の二葉山トンネルの問題でもあるように、地盤沈下や崩落の懸念も発生するのであります。  このため、私といたしましては、生活環境の整備にあわせて、景観、歴史的遺産の保存、双方に一定の効果のある海底トンネル案こそが実現可能な整備手法であり、知事も検討されるべきではないかと考えるのであります。  昨年、この鞆の問題に関して、住民同意ではない、国民同意だと言って混迷の度合いを深めた方がおられます。私は、国として口出しをするのであれば、財政的な裏づけを持った上で意見を言うべきではないかと思います。知事が検討されるに当たって、このことも考慮されるよう、あえて申し上げておきたいと思います。  再度申し上げます。前原国土交通大臣に早急に会うべきではないでしょうか。  そこで、知事は、今ある架橋計画にかわる新たな整備手法をどう考えておられるのか、新たな提案を示す可能性に言及された知事のお考えをお伺いいたします。  鞆の問題は、もめていることが最大の経済効果であると自虐的に言う人もいますが、この問題は私が生まれた─私は昭和二十四年生まれでありますが、その翌年の昭和二十五年に鞆地区の道路拡幅に関する都市計画決定がなされ、以来六十年間解決できていない問題なのであります。私の目の黒いうちにぜひとも解決していただくよう、よろしくお願いしたいと思います。  次に、知事と我々県議会の関係についてお伺いいたします。  知事は、就任後初の定例会において、知事と議会の関係について言及されており、「知事と議会は、広島県民の暮らし・生命・安全を守り、県勢の発展を目指すという点では目標は共通している。知事は、行政の執行、そして議会は行政執行へのチェックや議決を通じた意思決定を行うという役割のもと、相互の深い信頼を構築し、互いに切磋琢磨しつつ協力して、公平・公正、そして透明な広島県政をつくる」と所信を述べられました。  私も、まさにそうあるべきだと思います。そして、そうした知事の県議会との関係をより確かなものにするためには、広島エアポートビレッジ開発株式会社、いわゆるHAVの経営破綻の問題を検証し、明らかにすることが必要不可欠であります。  HAVは現在、民事再生の手続の最中でありますが、昨日、本県がHAVに対して有する債権放棄に関する議案が提案されたところであります。この問題については、預託者保護の観点も踏まえ、さらなる県費の投入も検討されておりましたが、最終的には、法的手続に移行という判断をなされたところであります。我が会派としても、一千二百万円の会員権を買える人の損失を庶民の血税で、これ以上の税金投入は県民の理解が得られないことから、やむを得ない選択として支持したところであります。  しかしながら、県の出資法人がこうした状態に陥ったことについては、県の経営責任も重大であり、また、監視機関としての議会の責任も免れないことから、私は従来からHAVの問題の検証を求めてきており、今回の債権放棄はやむを得ないとしても、この問題をこのまま放置することは断じて許されないと思います。  こうした観点から、このHAVの問題についてお伺いいたします。  HAVは、広島空港周辺地域の活性化を担う企業として、県、地元企業などが出資して、平成二年に第三セクターとして設立いたしましたが、御承知のとおり、ゴルフ場の業績不振などにより赤字経営が続き、県などの再三にわたる支援にもかかわらず、昨年経営破綻に陥り、現在、民事再生手続を行っている最中であります。これまでの見通しの甘い経営を続けてきたHAVの経営陣の責任、さらには筆頭株主として経営にかかわってきた県の責任も極めて重いと考えるのであります。  ここで私が指摘しておきたいのは、この計画段階から破綻に至るまでの経緯や原因について検証し、その問題点や責任の所在を明らかにする必要があるということであります。  とりわけ、私が感じておりますのは、確かに県自身の責任が重大であることは言うまでもありませんが、このHAVの経営破綻問題の背後には、予算の議決権を有する県議会が、むしろ積極的に広島空港周辺地域の整備を推進する役割を果たし、執行部が追従せざるを得ないような状況にあったのではないかということであります。  例えば、フォレストヒルズガーデンの整備につきましても、計画段階での施設のコンセプトは、小規模ながらもハイクオリティーな施設とされていましたが、オープンしてみると、豪華けんらんという指摘もあり、県議会においても、県直轄の整備手法、高級家具調度品の購入、開設準備に当たっての委託業者の選定など、不透明な面が多いとの指摘もなされてきたのであります。  私は、藤田前知事がこうした不透明な事業執行を行ってきた背景には、我が県議会の中にも要求型の構図があったのではないかとの疑念を抱かざるを得ないのであります。仮にそうだとすれば、県議会として、県民の代表として、知事の行政執行に対し適切なチェックを行うという原点に立ち返り、反省すべきであることを痛切に感じているのであります。  また、これから知事が打ち出されるさまざまな構想、例えば「瀬戸内 海の道一兆円構想」についても、現時点ではこの一兆円は観光消費額であるということですが、今後の構想次第では、HAVと同様の構図にならないとも限りません。  そこで、知事の所信にありますように、公平・公正で県民から信頼される県政運営を行うためには、HAVにかかわる一連の事実を解明し、実態を明らかにすることによって、過去の知事と県議会との関係を戒めとすることが必要であり、そのためには、第三者委員会の設置によるHAV問題の検証を行うべきと考えますが、知事のお考えをお伺いいたします。  次に、事業仕分けについてお伺いいたします。
     この事業仕分けにつきましては、我々公明党も早くから提唱しており、政策決定の透明化という観点から、公開実施について一定の評価をしているところであります。  また、今回の事業仕分けの実施によって、特に、県議会の事業執行に対するチェック機能のあり方について、その手法が波紋を呼んだところでありますが、今後、議会も、主体的に事業仕分けを実施する方向になったことから、我々議会としても、地域の実情、県民意識の実態、さらには中長期的な視点など、執行部の事業仕分けとは異なる観点も踏まえた事業仕分けを行うことが求められていると思います。  先般の質問で、知事は、来年度の事業仕分けに係る事業選定の考え方を示されたところでありますが、私としては、まだ事業仕分けの全体像がイメージできません。平成二十一年度の試行、平成二十二年度の本格実施による仕分け結果を踏まえ、千三百ある事業に反映させていくということですが、それぞれ政策目的が異なる事業に対して、すべて横ぐしが通せるとは思えません。  そこで、千三百ある事業について、今後四年間の中でどのように実施されようとしているのか、改めて知事にお伺いいたします。  また、私は、事業仕分けの結果を最大限発揮するためには、聖域を設けることなく対象事業を選定する必要があると考えますが、議会費も対象とされるのか、事業仕分けの本格実施に向けた知事の覚悟のほどを含めてお伺いいたしたいと思います。  次に、県東部地域における障害児療育体制の整備についてであります。  近年、発達障害あるいはその疑いのある子供たちの数が全国的にふえております。  こうした中、本県においては、支援の中核施設として東広島市に広島県発達障害者支援センターを設置し、発達障害の相談等に対応するほか、県立障害者療育支援センターにおいて診療を行うとともに、診療ができる医師やスタッフを養成する研修事業に取り組んできております。  しかしながら、いまだ十分な医師や医療機関が確保されている状況にはなく、とりわけ、東部からでは県立障害者療育支援センターを利用することが難しく、多くの児童が県立大学保健福祉学部等への支援を求めざるを得ない状況にあります。  こうした状況も踏まえ、福山市においては、外来診療機能を持つ療育センターの整備を目指して、基本構想をまとめ、今後、本県に提出する意向を示されております。  また、本県においても、来年度、県東部地域の障害児療育体制の充実強化を図る必要があることから、現在、療育機能を果たしている県立福山若草園の全面改築と発達障害児の療育体制について検討を行うこととされており、こうした取り組みについては、高く評価するところであります。  しかしながら、この課題は福山市だけではなく県東部地域全体の課題でもあり、県立による療育センターの設置に関する要望も四市一町が連名で行っております。  こうしたことから、現在福山市が単独で検討されている基本構想についても、本来であれば県東部地域の市町が連携して策定すべきではなかったのかと思うのであります。  また、そうした場合の調整役となり、リーダーシップを発揮することが本来の県の役割ではないかと思うのであります。  そこで、県東部地域の療育支援体制の整備について、来年度において、どのような検討を行い、関係市町とどのような調整を行おうとされているのか、知事にお伺いいたします。  最後に、「瀬戸内 海の道一兆円構想」に関し、一言、御提案申し上げます。  知事は、瀬戸内海という世界にも通用する本県の観光資源に真っ先に魅力を感じられ、知事就任前から「瀬戸内 海の道一兆円構想」を掲げられたのだと思います。  しかし、私は、広島県の財産はこの瀬戸内、海の道だけではないと思っております。例えば、尾道松江線が全線開通した暁には、中国横断自動車道からしまなみ海道、さらには四国縦貫自動車道、四国横断自動車道を通って、日本海から瀬戸内海、さらには太平洋までつながります。また、広島県内は高速自動車道路を一周することもできるようになり、日本全国でも珍しい高速道路のネットワーク網が構築されます。  こうした本県が持つ日本一とも言えるメリットを生かし、海から山へ、山から海へ、さまざまな道をつなげることによって、中国・四国地方のありとあらゆる財産を最大限に活用することが可能となり、さらにスケールの大きな構想を目指すことができるのではないかと思うのであります。  その一方で、高速道路料金の引き下げなどによって深刻な影響を受ける瀬戸内海の航路事業の維持・存続問題も顕在化しております。  そこで、私の提案ですが、まず来年度、「瀬戸内 海の道一兆円構想」を策定される際には、やはり、瀬戸内海という財産を共有する他県との連携を図ることが不可欠であり、全国に向けた情報発信も兼ね、知事がリーダーシップを発揮することによって、瀬戸内海に面する自治体を集めた瀬戸内海サミットのようなイベントを開催してはどうかと思います。  そして、航路存続問題のような、光と影と言えば影の部分の問題についても、そうした場で議論を深め、観光振興策の中で何ができるのか、構想策定に生かすことも考えるべきではないでしょうか。  そうした上で、さらに瀬戸内海に加えて、日本海から太平洋までつながる道として、ロシアや韓国、中国などの東アジアを含む、世界に開かれ、世界に通じるための海の道をイメージした、よりスケールの大きな構想とすべきであると考えますが、知事の御所見をお伺いいたします。  日ごろの思いのたけを述べさせていただきました。御清聴ありがとうございました。(拍手) 27: ◯議長(林 正夫君) 当局の答弁を求めます。知事湯崎英彦君。         【知事湯崎英彦君登壇】 28: ◯知事湯崎英彦君) まず、私の任期における最優先課題についての御質問でございます。  本県は、全国平均を上回る速度で人口減少や高齢化が進展しており、総人口は、今後二十年間で、現在の二百八十七万人から二百五十一万人、一二・五%の減に、また、生産年齢人口は百八十二万人から百四十四万人、二〇・八%の減に、逆に、老年人口は六十六万人から八十三万人に、これは二五・二%の増でございますが、ふえることが予想されております。  一人当たりのGDPを見ますと、この十年間、三百万円前後で推移しておりますけれども、総人口に比べて、生産年齢人口が大きく減少する見込みの中で、生産性の向上等が図られなければ、一人当たりGDPも縮小するということになります。  このように、今後、人口減少と高齢化が大きく進む中、広島県全体の経済規模は、労働力人口の減少とともに大きく落ち込み、その結果、教育・医療・福祉など社会インフラを維持することが大きな困難に直面することが危惧されております。人口減少や本格的な高齢化が進む時代の転換点に立っている今こそ、新たな活力を生み出すことに挑戦していかなければなりません。  地方自治体に求められるものは、第一には、暮らしの安心を守ることであると考えております。しかしながら、先ほど申し上げたような人口や所得の大きな動きの中では、暮らしを守るためにも、エンジンとなる新たな経済成長に、まず取り組んでいくことが重要であります。  他方、暮らしの分野においても、また経済成長においても、その担い手となる人づくりは欠かせないものであります。  このように、五つの挑戦は、相互に優劣があるというよりもシステムとしてつながっておりまして、新たな活力を生んでいくためには、全体として取り組んでいかなければならないと考えております。  具体的な数値目標につきましては、個別の施策に対応するような指標は有効であると認識しておりますが、政策の効果を総合的な指標で総括的にはかることは適切ではないと考えております。  個別の施策にかかわる県民の皆様にもわかりやすい指標については、来年度策定する新たな総合計画や県政・財政運営の基本方針の中で検討してまいりたいと考えております。  次に、広島市との課題に関する御質問でございます。  広島県の発展のためには広島市の中枢拠点性の強化が不可欠であり、また、広島市の発展にとって広島県の発展が欠かせないという相互関係にございます。この観点に立って、お互いに連携・協力して、県政、市政運営に当たることが極めて重要であると認識しております。  先月二十七日の市長との会談におきましては、広島市との間の懸案事項について一定の合意を得るとともに、お互いの立場を理解した上で共通の着地点を見出していこうという考え方を共有できたものと考えております。  この会談で協議した懸案事項のうち、福祉医療費補助につきましては、平成二十一年度と平成二十二年度は従来どおりの補助率となりましたが、平成二十三年度以降については、財政状況の見通しや歳出の抑制のあり方を考えていく中で、今後、十分に検討し、再度、市と協議してまいりたいと考えております。  また、広島西飛行場については、最大の懸案でありました県の財政負担について、一定の歯どめをかけたところでございます。その他の点については、今後、市において一年程度かけて検討が行われた後、判断がなされることになっておりますので、その結論を待って対応してまいりたいと考えております。  このほかにも、県・市が発展に向けて共同して取り組む課題として、JR広島駅周辺の再開発や指定都市高速道路の整備など、広島市の中枢拠点性の向上に向けた共通課題があるものと認識しております。  今後とも、県と市の発展のために、ともにその解決に取り組んでまいりたいと思っております。  次に、平和のための国際貢献活動についての御質問でございます。  カンボジアの復興支援につきましては、JICAや県内大学、県教育委員会等と連携して、教育、保健分野において現地ニーズに応じた支援を実施してきておりまして、授業方法の改善や学校での健康診断への自発的な取り組みが芽生えるなど、具体的な成果が出てきております。また、県内NGOや市民団体も、現地での保健医療活動や交流拠点づくりに成果を上げております。  来年度につきましては、第二期の三カ年計画の最終年度として、引き続き教育関係の支援を行うとともに、これまでの成果を踏まえて、新たな展開も含めて、今後の対応を検討してまいりたいと思っております。  私は、父が原爆被害などの研究を行っていたこと、そして私自身、広島で生まれ育ったことから、平和への強い思いを持っており、人類最初の原子爆弾の惨禍を経験した広島県の知事として、核兵器廃絶の機運を醸成していきたいと考えております。  さらに、県としては、原爆による破壊と復興の経験を踏まえ、国際的にも認知されている広島という名前のもと、地域紛争や災害からの復興支援なども含め、より幅広い平和への貢献を行うことができるのではないか、また、それが、世界の力をいただきながら復興を果たしてきた広島の責務ではないかと感じております。  また、こういった平和への貢献は、国際的に大きな影響力を持ち、かつ持続可能なものであるべきと考えております。  以上が、私がマニフェストに掲げましたひろしま国際平和センター機能の構築にある基本的な理念でございますけれども、具体的にはNPOやNGOによる国際平和貢献活動の充実、この広島の知名度を生かした平和施策の実施などについて、各分野の専門家などの御意見もいただきながら、まずNPO、NGOや国際機関等とのネットワークの構築などの基礎づくりから始めて、私の任期中を通じまして、実現に向けて着実に取り組んでまいりたいと考えております。  次に、鞆地区の埋立・架橋計画に係る合意形成等に関する御質問でございます。  鞆地区の埋立・架橋に係る問題につきましては、将来に禍根を残すことがないよう、十分な議論を行うことにより、住民の合意形成を図っていくことが重要であると考えております。  また、これまで長い時間が経過していることもあり、早期に結論を得る必要があるという地元の思いも十分に理解しております。しかし、まずは議論を重ねることが重要であり、地元での合意形成の場を設定することとしております。  しかしながら、いたずらに時間をかけることも適切ではないと考えてもおりますので、丁寧かつ速やかに議論を進めてまいりたいと思っております。  これまで、仲介役となる第三者の選定を進めてまいりましたけれども、このたび、内諾はいただいているところでございまして、今後、地元との調整を急いで、早期に第一回目の会合を開催したいと考えております。  なお、今後の推移を見守りたいという国土交通大臣の発言もありまして、国においては、地元での合意形成への取り組みに対しても理解をいただいているものと認識しております。  今後、県としては、合意形成の状況を見ながら国に対して説明を行い、事業への協力をお願いしたいと考えております。  次に、「瀬戸内 海の道一兆円構想」についての御質問でございます。  「瀬戸内 海の道一兆円構想」の策定に向けましては、県内市町や住民の方々はもとより、瀬戸内海に面する他の自治体など、多方面からの御協力が必要であると考えております。  さらに、構想に基づく事業の推進に当たっても、さまざまな課題の解決に向けて、他県と連携して意見交換を行い、瀬戸内海全体の魅力を高めるよう努めてまいりたいと思います。  また、この構想は、瀬戸内海を中核的なエリアとして、地域資源を発掘して磨き上げ、ネットワーク化を図ることをねらいとしておりまして、その対象や手法についても広く検討することが基本であります。  他方、御指摘のように、瀬戸内海と日本海とのつながりでは、北前船であるとか、世界遺産、石見銀山に通じる銀の道、あるいは、東アジアとのつながりでは朝鮮通信使といった、いにしえの交易・交流ルートを生かした地域振興策などもあると思っております。  海の道構想をこうした取り組みとも組み合わせながら、航路や高速道路網などの交通インフラのメリットを生かすなど、地域資源を複合的に組み合わせることによって、その効果をより高めてまいりたいと考えております。  その他の御質問については、担当説明員より御回答させていただきます。 29: ◯議長(林 正夫君) 土木局長大野宏之君。         【土木局長大野宏之君登壇】 30: ◯土木局長大野宏之君) 鞆地区の埋立・架橋計画にかわる新たな整備手法についてお答えいたします。  鞆地区道路港湾整備事業の計画の策定に当たりましては、有識者を含めた計画検討委員会などを設置し、長年にわたり議論や検討を重ねてきたところであります。  その過程におきましても、埋立架橋案、山側トンネル案、埋立沈埋トンネル案などのルートを提案し、総合的なまちづくりの視点から比較検討を行ってまいりました。  しかしながら、今後の地元での合意形成の場においては、基本的な姿勢として、予断を持って臨まないことが重要であり、解決策だけが先行することのないよう議論を進めていく必要があると考えております。  そのため、まずは鞆の抱える基本的な課題を認識し、議論を深めていく中で、住民の合意形成が図られる解決策を見出してまいりたいと考えております。 31: ◯議長(林 正夫君) 企画振興局長妹尾幸太郎君。         【企画振興局長妹尾幸太郎君登壇】 32: ◯企画振興局長(妹尾幸太郎君) 広島エアポートビレッジ開発株式会社に係る第三者委員会の設置についてお尋ねがございました。  広島エアポートビレッジ開発株式会社は、経営を継続しながら債権債務を円滑に処理し、会社の再生を図るため、現在、監督委員や裁判所の指導・監督下で民事再生手続を進めております。  監督委員や裁判所の審査・調整を経て確定した再生計画案は、今後、債権者集会の決議に付される予定でございまして、司法による公正・公平な判断に基づく手続が着実に進行しているところでございます。  この計画案に県が同意するためには、計画案に示された同社に対する県の債権放棄について議会の議決を経る必要がございまして、今次定例県議会に議案を追加提案したところでございます。  現段階におきましては、民事再生法による法的枠組みの中で作業を進めることが本県の責務であると認識しており、第三者委員会の設置による検討等については、なお検討を要するものと考えております。 33: ◯議長(林 正夫君) 総務局長藤井雅文君。         【総務局長藤井雅文君登壇】 34: ◯総務局長藤井雅文君) 事業仕分けについての御質問にお答え申し上げます。  平成二十二年度の事業仕分けにつきましては、事前準備や当日の仕分けに要する作業量と時間などを考えまして、百事業程度を対象として検討したいと考えております。  事業仕分けの対象事業につきましては、まずは対象事業を幅広く設定しまして、その中から、長期的に継続実施しているもの、事業のより効果的・効率的執行が求められるもの、事業費が大きく、かつ一般財源の割合が高いものを念頭に置いて選定を進めてまいりたいと考えております。  議会費のうち、事務局費につきましては、検討の対象になるものと考えております。  なお、事業仕分けの実施を通じまして、仕分け対象事業の見直しはもとより、類似事業についても同様の見直し効果を波及させることが可能であるほか、仕分け作業における指摘や意見を踏まえ、県みずから検証を行うことにより、事務事業全般にわたりまして、徹底した見直しを行ってまいりたいと考えております。  平成二十三年度以降の事業仕分けの取り扱いにつきましては、平成二十二年度の実施状況等を踏まえました上で検討することとしますが、いずれにせよ、事務事業の見直しを初めとしまして、歳入歳出全般にわたり、不断の見直しを徹底して進めていく必要があると考えております。 35: ◯議長(林 正夫君) 健康福祉局長佐々木昌弘君。         【健康福祉局長佐々木昌弘君登壇】 36: ◯健康福祉局長佐々木昌弘君) 県東部地域における障害児療育体制の整備についてお答えいたします。  県東部地域における障害児療育につきましては、症状の極めて重い超重症児の増加、療育機能を持つ県立福山若草園の老朽化、さらには、発達障害に係る専門医療機関の不足などの課題があると認識しているところでございます。  このため、来年度は、重症心身障害児支援体制の強化のため、県立福山若草園の全面改築に向けて、入所定員や超重症児の対応などを具体的に検討してまいります。  また、発達障害児の支援体制の強化のため、今年度、福山市が検討されている療育センターの基本構想も踏まえ、県の役割やこれに伴い必要となる機能について検討してまいります。  なお、検討に当たりましては、医師、療育の専門家や県東部四市一町の方に参画をいただく療育体制推進会議を来年度設置し、専門的かつ広域的な観点から調整を図り、県東部地域の障害児療育体制の整備を鋭意進めてまいります。 37: ◯田辺直史君 議長……。 38: ◯議長(林 正夫君) 再質問を許します。田辺直史君。 39: ◯田辺直史君 広島エアポートビレッジ株式会社に係る第三者委員会の設置については、知事に答弁を求めます。  ほかの人は当事者だから、そこを明らかにしたくないというのがあるので、新知事が、フレッシュな今の気持ちで真相解明する。これはほかの人が答弁したらだめなのです。有岡副知事も当事者なのだからだめなのです。この十七億円の債権放棄も、結局は庶民に負担をかけているわけです。やはりこれは、原因究明して、県民に報告する義務があると思うのです。  我々も痛みを感じているわけで、若い議員の方は何のことかさっぱりわからずに、債権放棄のことだけと、権利の侵害はあったが、それは預託者にきちんと返さなければといけないと言うけれども、そもそも論から入らないといけないと思っているのです。  この真相解明なくして、知事と議会との関係も……。今後、知事は、自分が勉強しなければいけないと思います。ここにふたをしたら、新知事の意味がないのです。その決意を知事から聞かないと、ほかの人が答えるべき内容ではないと思うのです。  知事の新鮮な目で見て、これは、議長にもかかわる問題なのですけれども、議会側に設けるのがいいのか、それとも執行部側に設けるのがいいのか。チボリの場合は県の執行部のほうに設けられたわけです。やはり、そういったことが県政を県民の前に明らかにするという点です。私は、これを、ぜひもう一度知事にお聞きしたいと思うのです。  事業仕分けについても聖域を設けない。やはり、最初の気迫が大事なのです。職員の給与カットのことについては、我々議会にも相談なし。いいか悪いかは別として、あの判断力は大事です。事業仕分けも聖域を設けずにやることが新知事への期待です。知事選はダブルスコアで勝っているわけです。だんだん染まってはだめです。やるべきことをやらなければ、一年、二年たってくると、だんだんみんなだめになってしまうのです。今やるべきことを、フレッシュな感じで、県民に取り戻すのが、あなたが県民から直近で選ばれた新知事の役目だと私は思うのです。
     事務費だけではなく、議会費も一回やってみたらどうですか。         【「わけのわからぬことを言うな」と言う者あり】 40: ◯田辺直史君 ああいう不規則発言は、ぜひとも……。私は議長の許可を得てしゃべっております。ああいうのは退場させていただきたいですね、議会神聖のためには。  知事、よろしくお願いします。         【発言する者あり】 41: ◯議長(林 正夫君) 御静粛にお願いいたします。発言のあるときには、議長の許可を得て御発言いただきたいと思います。  当局の答弁を求めます。知事湯崎英彦君。         【知事湯崎英彦君登壇】 42: ◯知事湯崎英彦君) まず、私は、一、二年たってもだめにならないように、きちんと対応するつもりでございます。それについては、そういうことで御理解いただければと思います。  御質問の広島エアポートビレッジ開発株式会社に関する第三者委員会の設置についてでございますけれども、御指摘のとおり、今般、債権放棄をするということになると、多大な税金が失われるということになると認識しております。  それを最小限の金額で抑えるのが現在の再生計画であるというふうに認識しておりまして、私としても、現段階において、まず、民事再生法における法的枠組みの中で作業を進める、この計画を実行するということが本県の責務であると認識しておりまして、そういう意味で、第三者委員会の設置等については、なお検討を要するということだと考えております。  そして、第二点目の事業仕分けの対象でございますけれども、御指摘の議会関連の費用、政務調査費もという御趣旨かというふうに理解しておりますけれども、議会の活動に要する経費については、執行部が事業仕分けをするというよりも、議会御自身の御検討をいただくものかというふうに思っておりますので、執行部が事業仕分けを行うというものにはなじまないものというふうに考えております。 43: ◯議長(林 正夫君) 明日も引き続いて質問を行います。明日は午前十時三十分から会議を開きます。  本日は、これをもって散会いたします。         午後二時四十四分散会 発言が指定されていません。 広島県議会 ↑ 本文の先頭へ...