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  1. 広島県議会 2007-09-02
    平成19年9月定例会(第2日) 本文


    取得元: 広島県議会公式サイト
    最終取得日: 2023-06-05
    トップページ 検索結果一覧 使い方の説明 (新しいウィンドウで開きます) 平成19年9月定例会(第2日) 本文 2007-09-25 文書発言の移動 文書 前へ 次へ 発言 前へ 次へ ヒット発言 前へ 次へ 文字サイズ・別画面表示ツール 文字サイズ 大きく 標準 小さく ツール 印刷用ページ(新しいウィンドウで開きます) 別窓表示(新しいウィンドウで開きます) ダウンロード 表ズレ修正 表示形式切り替え 発言単文選択全文表示を切り替え 単文表示 選択表示 全文表示 発言者表示切り替え 全 47 発言 / ヒット 0 発言 すべての発言ヒット発言表示切り替え すべての発言 ヒット発言 選択表示を実行・チェックの一括変更 選択表示 すべて選択 すべて解除 発言者一覧 選択 1 : ◯議長(林 正夫君) 選択 2 : ◯議長(林 正夫君) 選択 3 : ◯議長(林 正夫君) 選択 4 : ◯山崎正博選択 5 : ◯議長(林 正夫君) 選択 6 : ◯知事藤田雄山君) 選択 7 : ◯議長(林 正夫君) 選択 8 : ◯副知事(有岡 宏君) 選択 9 : ◯議長(林 正夫君) 選択 10 : ◯福祉保健部長迫井正深君) 選択 11 : ◯議長(林 正夫君) 選択 12 : ◯商工労働部長光本和臣君) 選択 13 : ◯議長(林 正夫君) 選択 14 : ◯教育長榎田好一君) 選択 15 : ◯議長(林 正夫君) 選択 16 : ◯副議長蒲原敏博君) 選択 17 : ◯内田 務君 選択 18 : ◯副議長蒲原敏博君) 選択 19 : ◯知事藤田雄山君) 選択 20 : ◯副議長蒲原敏博君) 選択 21 : ◯福祉保健部長迫井正深君) 選択 22 : ◯副議長蒲原敏博君) 選択 23 : ◯土木部長(大野宏之君) 選択 24 : ◯副議長蒲原敏博君) 選択 25 : ◯都市部長(岡崎修嗣君) 選択 26 : ◯副議長蒲原敏博君) 選択 27 : ◯空港港湾部長(塩崎正孝君) 選択 28 : ◯副議長蒲原敏博君) 選択 29 : ◯教育長榎田好一君) 選択 30 : ◯副議長蒲原敏博君) 選択 31 : ◯警察本部長(飯島久司君) 選択 32 : ◯渡壁正徳君 選択 33 : ◯議長(林 正夫君) 選択 34 : ◯渡壁正徳君 選択 35 : ◯議長(林 正夫君) 選択 36 : ◯空港港湾部長(塩崎正孝君) 選択 37 : ◯議長(林 正夫君) 選択 38 : ◯土木部長(大野宏之君) 選択 39 : ◯議長(林 正夫君) 選択 40 : ◯杉西加代子君 選択 41 : ◯議長(林 正夫君) 選択 42 : ◯知事藤田雄山君) 選択 43 : ◯議長(林 正夫君) 選択 44 : ◯空港港湾部長(塩崎正孝君) 選択 45 : ◯議長(林 正夫君) 選択 46 : ◯都市部長(岡崎修嗣君) 選択 47 : ◯議長(林 正夫君) ↑ 発言者の先頭へ 本文 ↓ 最初のヒットへ (全 0 ヒット) 1:         午前十時三十二分開議 ◯議長(林 正夫君) 出席議員六十一名であります。これより会議を開きます。              ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 2: ◯議長(林 正夫君) 諸般の報告がありますので、書記をして朗読いたさせます。         【書 記 朗 読】                                  平成19年9月21日 広島県議会議長 林   正 夫 殿                                  広島県人事委員会委員長 高升 五十雄           条例案に係る意見について  平成19年9月19日付けで,地方公務員法第5条第2項の規定に基づく意見を求められた次の条例案については,適当と考えます。  県第89号議案 職員の旅費に関する条例及び特別職の職員等の給与,旅費及び費用弁償に関する条例の一部を改正          する条例案              ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~         自第  一 県第八五号議案         至第二十七 報第二〇号 3: ◯議長(林 正夫君) これより日程に入ります。日程第一、県第八五号議案 平成十九年度広島県一般会計補正予算から日程第二十七、報第二〇号 損害賠償額の決定についてまでの各案を一括上程議題といたします。  これより各案に対する質問に入ります。通告者に順次発言を許します。山崎正博君。         【山崎正博君登壇】 4: ◯山崎正博君 おはようございます。お元気ですか。ことしの夏は記録的な猛暑が続き、岐阜県多治見市で四十・九度と国内最高気温を七十四年ぶりに塗りかえ、また、気象庁は最高気温三十五度以上の日を新たに猛暑日と定めました。そうした中でも季節は移ろい、もうすっかり秋の気配であります。皆様方におかれましても御健勝にて御活躍のこととお喜び申し上げます。  さて、広島県は徐々にではありますが、明かりが見え始めた状態にあります。さらなる県政の発展のためには、バランス感覚を持ち、将来の広島県やすべての県民が幸せになれる施策を積極的に推し進めることが望まれるところであります。執行部におかれましては、未来へ向けた明るい答弁をしていただくよう期待して、質問に入らせていただきます。申しおくれましたが、私は、自由民主党広島県議会刷新議員会・県民会議の山崎正博でございます。
     まず初めに、今後の藤田県政の基本姿勢についてお伺いします。  知事は、平成五年十一月に、参議院議員を経て、県政発展に尽力するとして広島県知事に就任されました。全国最年少の清新さに、県民は大いに期待したところであります。当時は、バブルの崩壊による経済の低迷期に当たり、それまでの我が国の社会経済システムの枠組みが大きく変わる歴史的な転換期であり、非常に厳しい時代の中での県政のかじ取りとなりました。平成七年には十年間の県政運営の指針として、「日本で一番住みやすい生活県」を掲げた第四次長期総合計画を策定され、目標達成のため、教育改革や徹底した行財政改革を初めとするさまざまな改革に取り組んでこられました。国の三位一体改革の影響などにより、財政改革こそ、もくろみどおりに進みませんでしたが、知事の懸命な努力と県民の御協力により、「教育県ひろしま」の再生、刑法犯認知件数の減少、先端技術関連企業の立地、広島空港の機能の高度化、高速道路や広島港、福山港の整備など、着実に成果は出てきており、将来への強固な礎となったところであります。特に、分権改革については、全国一の市町村合併の実現、積極的な権限移譲など、広島型分権改革として全国的な評価を得ています。こうした中、昨年、新たな総合計画「元気挑戦プラン」を策定され、さらなる県政発展に向け、新たなスタートを切られたところであります。  世界も、我が国においても、政治・経済など社会は激動し、県政の課題は極めて多岐にわたっています。課題解決に向けた日々の精進が二百八十八万県民の命運を左右することになります。  そこで、今後の広島県政発展のため、最も重要と思われる課題を三点指摘させていただきます。  まず一点目は、将来の地方分権、道州制を見据え、地域を牽引していく力強いエンジンとなる中枢拠点性を持った都市機能の強化、二点目は、集落崩壊が急速に進む中山間地域と都市部、中央と地方、年代間、職業間の格差の是正、三点目は、戦略的な企業誘致によるバランスがとれた産業構造への転換であります。どれも、将来の広島県をさらに発展させ、安定と安心を支える大きな柱となるものであり、今、取り組むべき喫緊の課題であります。  あわせて、分権型社会の中で主役となる基礎自治体との連携は、今後ますます重要となり、広島市や福山市、過疎地域を抱える中山間地域の多くの市町と、同じ目標に向かって手を携えて進んでいかねばなりません。  知事は、さきの定例会で、山積する課題への対応は一刻の猶予も許されず、県民の信頼と期待にしっかりとこたえ、全力を傾注すると、強い決意を表明されました。  そこで、知事は、県政の発展に当たっての喫緊かつ重要な課題は何であるととらえ、具体的にどのように取り組んでいかれるのか、御所見と決意をお伺いします。  質問の第二は、都市の道路基盤の整備についてであります。  今、盛んに道州制の導入が議論されていますが、国、道州、市町がどのような役割を担うことが住民にとって最良であるか、効率性と地域性を両立させた議論を望むところであります。ブロック割りについてはさまざまな案があるようですが、中国五県の歴史・文化的な関係や地域の交流状況から判断して、中国州に共感するものであり、州都はぜひとも広島にするべきと考えております。  そのためには、広島都市圏が中国地方の中枢拠点都市として、さらに拠点性を高めていくことが重要であり、広域交流基盤としての空港・港湾機能の強化を図ると同時に、やはり広域交流ネットワークを形成する柱である高速道路の早急な整備が必要であります。  現在、国の新直轄事業として建設中の中国横断自動車道尾道松江線は、平成二十年代の後半には完成予定であり、また、広島高速道路についても、工事着手に向け、地元説明を行っている五号線を含め、平成二十五年度の全線開通に向けて整備を進めておられますが、一刻も早い完成を要望しておきます。  広域交流ネットワーク形成のための高速道路は、ほぼ完成のめどが立ったところでありますが、高速道路から広島市内に入ると、途端に慢性的な交通渋滞に巻き込まれるようでは、その効果は半減してしまいます。特に、広島の玄関口である広島駅周辺は、市街地再開発事業や新球場の建設が行われており、広島市が整備を進めている関連道路の早急な整備が必要であります。また、広島市東部地区連続立体交差事業や広島港のさらなる機能強化、将来を見据えた広島駅北口の国有地活用問題など、早急に意思決定すべき課題が幾つも残っています。だれもが州都となることが当然と感じられる高次都市機能を備えた広島の実現が大きな課題であり、とりわけ交通基盤の整備が急務であります。  そこで、来るべき道州制を踏まえ、どのような都市道路基盤の整備に取り組まれるのか、また広島市との連携はどのように考えておられるのか、知事にお伺いします。  質問の第三は、現在検討が進められている県の組織再編計画についてであります。  県が目指した広島型分権改革が進む中で、基礎自治体である市町は、合併や権限移譲が大きく進み、体制の強化が図られてきました。次は、担うべき役割に応じた県の体制・組織の再構築であります。厳しい財政事情からも、簡素で効率的な組織を目指し、行財政改革を果敢に進めることが必要であります。平成十三年に、それまでの単独事務所制を廃止し、県内七カ所に地域事務所が設置されましたが、平成十六年に策定された第二次行政システム改革推進計画において、市町村合併や権限移譲が一定程度進展した段階で、七つの事務所体制を三ないし四カ所に再編するとされました。このため、今年度、行政システム改革推進懇話会を設置し、再編計画の検討が進められています。  市町村合併により、多くの地域事務所の所管は集約され、また全国的にも進んでいる権限移譲により、担うべき役割も縮小し、ミニ県庁としての役割は終えつつあり、地方機関のあり方の見直しが必要となっています。市町村合併は分権型社会の構築に向けての第一歩であり、その効果が十分に発揮されるには、まだまだ時間が必要です。また、地域住民は合併による役場や農協の再編、民営化による郵便局の集約など、今後の地域の維持に強い不安を感じていることも事実であります。  県は、こうした状況の中で、避けて通れない地方機関の再編をどのような理念のもとで進めようとされているのか、また、組織再編を進める中で、地域の活力低下に不安を抱える市町にどのような配慮をしていかれるのか、知事にお伺いします。  さて、振り返って、私が初めて議員になった平成元年は、後にバブル経済と称された空前の好景気であり、勝ち組、負け組という言葉はまだなく、日本社会は平等かつ均質で一億総中流とされ、皆がきょうよりもあす、あすよりもあさってと希望を持って暮らしていたように思います。その後、バブル崩壊に伴う景気後退を構造改革、効率・能力主義の導入により乗り越えようと必死で頑張った時代を、会期を重ねながら、ともに歩んでまいりました。  最近では、派遣、アルバイトなどの非正規社員の増加、地方の凋落、中小企業・農業の衰退、ネットカフェ難民など、収入、資産、教育など、あらゆる分野で格差の固定化が始まっているとも言われています。効率が劣るものは淘汰され、強いものだけが果実を独占する経済至上主義が横行する今のこの社会が、本当によいのだろうかと疑問を感じています。  さきに行われた第二十一回参議院議員選挙において、自民党が歴史的な大敗北を喫したのは、弱者と言われる人々や地域、産業の悲鳴が形にあらわれたと言えるのではないでしょうか。未来へ向けたさらなる飛躍が求められる今こそ、国も県も、弱い立場の人々への配慮を忘れてはならないという警鐘であると感じています。小泉政権以来、構造改革という名のもとに進められた効率を優先する政策は、影を生み、光が強いほどその濃さは増しています。  以上、最近の情勢を踏まえた思いを述べさせていただきました。そこで、総務省で国の施策に携わり、また、広島県などにおいて地方の実態をつぶさに見てこられた副知事に、こうした状況に対する率直な御感想をお聞かせください。  次は、最近増加している悩める人々に関する質問に入らせていただきます。  まず、自殺対策について伺います。  近年の自殺者数の推移を見ると、平成十年に三万人を超えて以来、年間の交通事故死者数六千人をはるかに上回る高い水準が続いており、自殺死亡率は、欧米の先進諸国と比較すると高い水準にあります。広島県においても、毎年六百人を超える方が自殺されており、憂慮すべき事態が続いています。また、全国的に見ても、自殺者のうち六十歳以上の高齢者が全体の三分の一を占めています。  こうした中で、自殺の防止と親族等への支援を充実し、国民が健康で生きがいを持って暮らせる社会を実現するため、昨年十月に自殺対策基本法が施行されました。人の命は何ものにもかえがたく、自殺は本人にとってこの上ない悲劇であるだけでなく、家族や周りの人々に大きな悲しみと生活上の困難をもたらし、社会全体にとっても大きな損失であります。  高齢者の方が、病気や家庭の悩みを抱え込んだまま、相談する相手もなく、みずから死を選ぶという胸が詰まるような例を耳にするたび、こうした人たちが生きがいを持って暮らしていける社会づくりの必要性を痛感し、住んでみたい、住み続けたい広島県を目指す我が県は、その先頭に立って取り組むべきと考えます。  本県は、厚生労働省の自殺防止モデル自治体に選定され、自殺対策に積極的に取り組むとのことですが、どのような取り組みをされるのか、知事にお伺いします。  次に、うつ病対策について伺います。  自殺者を対象にした調査によると、七五%の人が何らかの精神障害を起こし、そのうち半数近くにうつ病の症状が見られたとしています。社会構造が競争・能力主義に移行し、世の中はストレス社会と言われており、うつ病患者は増加傾向にあります。うつ病の初期症状としてあらわれる身体的不調を訴える患者の多くは、かかりつけ医で受診し、精神科を訪れることは少なく、適切な早期治療に至っていない割合が四分の三程度あるとされています。  先日、専門医でなければ見過ごしがちな早期のうつ病を、かかりつけ医が発見し専門医へ紹介するため、うつ病に関する研修を行うことを厚生労働省が検討しているとの新聞記事を見ましたが、有意義な取り組みであり、自殺防止にもつながると大いに期待するものであります。  うつ病は、だれもがかかる可能性がある心の風邪とも言われ、また、早期発見と専門医による適切な治療により回復し、社会復帰が見込める病気であります。県民皆が生き生きとした社会生活を送るためには、うつ病の早期発見と適切な治療が可能となるシステムを確立し、家庭はもちろん、企業においても、体と同様に心の健康にも十分気を配る取り組みが不可欠だと考えます。  そこで、今後どのようなうつ病対策に取り組まれるのか、知事にお伺いします。  三点目は、在宅介護への支援についてであります。  高齢化の進行により、県内の要介護認定者は、制度導入時の六万二千人から平成十八年四月には約十一万五千人と、一・八五倍に達するなど、年々増加傾向にありましたが、本年二月に初めてわずかに減少したと聞きました。これは、予防重視型の介護システムへの転換を図るとして、昨年大幅な制度の見直しが行われたことの影響だと言われています。しかし、今回見直された介護報酬は、従来の時間単位から月単位の定額制に切りかわり、高齢者から使いづらい制度になったとの声も聞きます。さらに、利用限度額も新たにサービスの種類ごとに上限額を定めることができ、不安を感じています。  人は、だれしもが家庭の温かい手で介護され、地域の人々とのつながりを保ちながら人生の最期を迎えることが最良だと思っております。しかし、現実には、高齢者が高齢者を介護する老老介護や、介護疲れによる悲劇が多数発生するなど、在宅介護の環境は整っておらず、多くの課題を抱えています。  近年、若年性認知症患者との心の交流や葛藤をテーマにした映画「私の頭の中の消しゴム」や「明日の記憶」などが話題を集めました。実際に若年性認知症患者の介護を経験された方が、愛する家族のこうした姿を見るのは大変つらい、自分が精いっぱい介護したいが、先の見えない状況に心が折れてしまいそうになる、いっそ二人で、と考えたこともあったと聞き、介護者の負担軽減の必要性を痛感させられました。  在宅介護は二十四時間切れ目がないため、介護者の負担は想像を絶するものがあり、また、医療制度改革に伴う療養病床の削減により在宅介護がますます重要になってくる現状から考えても、在宅介護を支援するシステムの充実が大きな課題であると考えます。  安定した家族関係を維持し、良質な介護につなげるためには、一日のうち数時間でも介護から開放される時間が遠慮なく確保できることが重要であります。  そこで、より気軽に訪問介護やショートステイを活用できる使いやすいシステムづくりを進めるとともに、場合によっては在宅介護に対する金銭的支援も検討し、介護者の負担を少なくする取り組みが必要と考えますが、知事の御所見をお伺いします。  質問の第六は、学校におけるキャリア教育の取り組みについてであります。  ニート、フリーターの増加が、労働力不足や社会保障制度の崩壊、さらには少子化の加速や格差社会の拡大など、日本の活力をそぐ要因になると懸念されています。そして、一部に今の若者の我慢の足りなさや若者の職業意識の希薄化が大きな原因であると言われていますが、一般社会の変化のスピードに学校教育の変革のスピードが追いつかず、社会の変化と学校教育との間にずれが生じていることも一つの要因ではないかと考えています。  日本企業の多くが構造改革を推し進めたことにより、請負、アウトソーシングがふえ、人材派遣会社の求人増加が目立っています。こうした企業の一部では、ごく短期間の教育や技術訓練を行っただけで第一線に配置し、即戦力たることを要求するケースもあると言われます。成果だけを競わされ、余裕のない環境に戸惑い、離職に至るケースは珍しくないと聞きます。終身雇用制度が崩壊しつつある現在、企業の従業員に対する考え方も変わり、以前の企業家族的な考えから、単なる労働力として見る傾向が強くなり、こうした中で若者たちは翻弄され、職を失うばかりか、働く意欲や自信までもなくしてしまう者も多いと考えられます。  これまで、勤労観や職業意識の醸成に力点を置いたキャリア教育が行われてきましたが、働き方の多様化や雇用の流動化、成果主義の導入など、さま変わりする労働環境のもとで働くには、キャリア教育の内容を社会の変化に対応したものにする必要があると考えます。例えば、労働基準法、社会保険や雇用保険の仕組みなど、自衛手段となる基礎知識を習得させることも大切であり、希望する仕事とミスマッチが生じた場合、みずからどのように対処していくのか、また、離職後においても再チャレンジできる仕組みや気構えなど、目的地に到達するための道は一本だけではなく幾通りもあり、仮に一時的に道を見失ったとしても取り返すことは十分に可能であることなど、長期的な視点に立って、生きる力を身につけさせる必要があると考えます。  そこで、社会や雇用環境が激変する時代のキャリア教育はいかにあるべきとお考えか、教育長の御見解をお伺いいたします。  質問の第七は、激動する経済状況に耐え続けている中小企業への支援についてであります。  まず一点目は、資金需要への迅速、適切な対応など、中小企業への支援について伺います。  企業の売上高経常利益率はバブル期のピークを超えており、企業部門の好調さが雇用・所得環境の改善を通じて家計部門へ波及することが見込まれるとの評価もありますが、いまだ本格的な消費拡大の場面には至っておらず、その恩恵は都市部や大企業に限られ、地方の中小企業へはまだまだ及んでいないのが現実であります。  県内の製造業は、中小企業が事業所数で九八・七%、従業員数で六六・八%を占めており、中小企業の振興なくして広島県の産業振興は望めるはずもありません。しかし、中小企業の多くは原油や原材料などの価格上昇分を製品やサービスへ転嫁できず、その九割が収益を圧迫され、依然として厳しい経営環境の中であえいでいます。  県では、これまでも中小企業者に対し、長期の低利融資制度を設け、支援されてきました。昨年度の新規貸し出し実績を見ると、景気の回復もあり、七百七十五億円と、近年にない額となっています。また、新たな取り組みとして、無担保スピード保証融資の要件緩和や再チャレンジ枠が創設されるなど、中小企業にとって大きな支援になると期待しています。  しかし、融資制度のほとんどは信用保証協会の保証が必要であり、保険事故率の高まり等に対応するため、保証協会と金融機関とが適切な役割分担をする責任共有制度を導入されると聞いています。金融機関にもリスクが生じることから、金融機関の対応次第では、中小企業の資金調達に大きな影響が生じることも懸念されています。  緩やかながらも続いているとされる景気回復が、地方の中小企業にも実感できるためには、資金需要に迅速・適切にこたえるなど、中小企業の元気が出る取り組みが欠かせないと考えますが、どのように取り組まれるのか、知事にお伺いします。  二点目は、技術者の確保と技術継承の支援について伺います。  日本の総人口は、平成十七年の国勢調査で初めて減少に転じました。あわせて、平成十九年度から団塊の世代の大量退職時代を迎え、一時期に大量の退職者が出ることによる労働力の不足と技術の継承が大きな課題となると言われています。  経済のグローバル化による国際的競争に中小企業が勝ち残るためには、製品の差別化や生産の効率化などの経営努力と、事業展開の核となる人材の育成が欠かせません。従業員三百人未満の県内企業の求人充足率を見ると、大企業の採用拡大や新卒者の大手志向の強まりなどにより、平成十五年の五四・九%から平成十七年には三八・六%と、人材不足が深刻化し、人材不足を感じている企業の割合は、平成十三年の九%から平成十八年には三六%と急増しています。  大企業に比較して条件整備がおくれている中小企業が人材を確保するためには、まずは働く人々から見て魅力ある企業になることが一番であり、中小企業自身が積極的に構造改革に取り組み、情報発信などの努力をすることが重要でありますし、加えて、行政の支援も必要と考えます。既に一部では、再雇用、定年延長などの対策を行うことで労働力を確保し、技術継承のための研修を実施する例もふえていますが、経営基盤が脆弱な中小企業にとって、単独企業での求人機会の確保やPR、技術継承のための取り組みは大きな負担となっています。  ものづくり県広島の産業の競争力強化には、中小企業の技術者の量・質の確保と技術継承による活性化がこれまで以上に重要ではないかと考えますが、今後どのような支援をお考えか、知事にお伺いします。  私の質問は以上でありますが、現在、我が県は解決すべき多くの問題に直面しており、待ったなしでの対応が求められています。孟子は、「天のときは地の利にしかず、地の利は人の和にしかず」と言っています。潤沢な財源があるわけではありませんが、知事、執行部及び議会が、県民と一丸となり、知恵と強い意志を持って取り組んでいくことが、明るい未来を開くためのかぎであると思っています。  魅力ある元気な広島県を実現できることを祈念して、私の発言を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手) 5: ◯議長(林 正夫君) 当局の答弁を求めます。知事藤田雄山君。         【知事藤田雄山君登壇】 6: ◯知事藤田雄山君) 山崎議員の御質問にお答えを申し上げます。  まず、今後の県政の基本姿勢についてお尋ねがございました。  県政が直面している喫緊の課題の一つは、地方分権改革への取り組みでございます。現在、政府の地方分権改革推進委員会において、これまでの国と地方の関係の抜本的な見直しやこれに伴う地方支分部局の大胆な見直しなど、新たな分権一括法に向けた議論が大きな進展を見せております。  県といたしましては、さらなる税源の移譲や国からの権限移譲の促進、二重行政の解消など、この第二期分権改革が真の地方分権の確立につながるよう、引き続き、全国知事会等と連携し、積極的な提言を行ってまいります。  また、このような地方分権改革の取り組みは、将来の道州制の本格的な導入への道筋をつけるものであることから、道州制の導入を視野に入れつつ、広島都市圏や備後都市圏が、名実ともに地域ブロックの拠点となるための高次都市機能や産業集積など、中枢拠点性のさらなる向上に戦略的に取り組んでいく必要があると考えております。  このため、グローバルゲートウエーとしての空港・港湾機能の強化、広域的な高速道路網や都市間・都市内幹線道路網の整備、都市型産業の集積促進や製造業の高付加価値化、文化面でのにぎわいの創出や高度な人材育成など、一層の高次都市機能の強化を図ってまいります。さらに、産業集積の面では、本県が世界に誇る、鉄鋼、自動車、造船、一般機械などのさらなる高度化と、電子・電気機械など先端技術産業の一層の集積により、二十一世紀の我が国経済をリードする国際競争力のある産業拠点づくりを目指してまいりたいと考えております。  このため、成長性の高い先端的企業の積極的な誘致を目指し、企業の旺盛な投資意欲に即応できるよう、このたび、その受け皿となる大規模区画用地を確保する取り組みを御提案申し上げたところでございます。  次に、本県は、住民に身近な基礎自治体が、地域の実情や住民ニーズに沿った行政を自主的かつ総合的に実施できるよう、全国に先駆けて市町村合併による新たな枠組みづくりに取り組んでまいりました。今後、第二期地方分権改革を実効あるものとするため、合併の成果等を検証しながら、市町の体制整備に係る支援を行うなど、適切なフォローアップを講じることにより、分権時代を担う基礎自治体の確立に努めてまいります。  一方、県内の過疎地域におきましては、高齢化が一段と進み、崩壊の危機に直面する集落の増加、医師の不足や生活交通手段の衰退など、地域の活力低下が一層顕著になりつつあります。このため、全庁横断的にこれらの課題に取り組むべく専任スタッフを配置したプロジェクトチームを来月から立ち上げ、的確な対策を講じてまいります。  今後とも、社会経済環境の変化や県民ニーズをしっかりと見定め、県内外の人々から、住んでみたい、住んでよかったと心から実感していただける活力と安心、希望のある広島県の実現に向け、全力を傾注してまいる所存でございます。  次に、都市の道路基盤の強化と広島市との連携についてお尋ねがございました。  将来の道州制を見据え、広島都市圏が内外の人々や企業から選ばれ、魅力ある都市圏となるためには、人・もの・情報の交流が促進される交通基盤の整備が必要であると考えております。とりわけ、道路はブロック内外の各都市を結ぶ高速道路から都市圏内の拠点を結ぶ関連道路まで、道路網として一体的に整備することが重要であると認識をいたしております。広島都市圏の幹線道路網につきましては、国、県、広島市などで構成する広島周辺幹線道路網整備連絡協議会において検討し、それぞれの役割分担に応じ、順次整備を進めているところでございます。  県といたしましても、広島高速道路の完成に努めるとともに、広島南道路の未着手区間の整備が課題であると認識しており、引き続き、事業に着手できるよう調整してまいります。また、広島駅周辺の再開発等に関連した道路につきましては、都市計画手続等を通じて広島市と協議を図ってまいります。  今後とも、広島都市圏の幹線道路網の早期整備に向け、あらゆる機会を通じ、広島市と密接な連携を図り、計画的かつ着実な事業の推進に取り組んでまいる所存でございます。  続きまして、地方機関の再編についてお尋ねがございました。  県の組織機構を行政需要の変化に即応して事務事業をより効率的、効果的に執行できるよう編成すべきであり、県と基礎自治体、行政と民間の新たな役割分担、交通基盤の整備、高度情報化の進展などの状況変化を踏まえつつ、よりよい行政サービスを的確かつスピーディーに提供できるスリムな組織づくりが必要であると考えております。  その際、真の地方分権型社会の実現に向け、基礎自治体は地域における総合的な行政主体として住民に身近な行政を自己完結的に実施し、県は基礎自治体で担えない、より広域的な事務などを担っていくという基本的な方向性に沿って、県の組織機構を構築していく必要があると考えております。  こうした考えのもと、地域事務所の再編につきましては、市町村合併の進展など、第二次行政システム改革推進計画策定後の環境変化を踏まえた検討を行うため、市町の首長を含む有識者による広島県行政システム改革推進懇話会を設置し、議論を重ねていただいているところでございます。こうした懇話会での議論を踏まえつつ、機会をとらえて市町の意見などをお伺いしながら、今後の地域事務所のあり方などについて検討を進めてまいりたいと考えております。  また、市町に対しましては、事務・権限の移譲を円滑に推進するとともに、あわせて市町職員の実務研修や県職員の派遣などを通じて、分権社会の担い手となる基礎自治体としての体制整備が図られるよう、そのフォローアップに万全を期してまいりたいと考えております。  次に、自殺対策についてお尋ねがございました。  本県における自殺者の現状につきましては、平成十年以降、議員御指摘のとおり毎年六百名を超える方が亡くなられており、家族の心理的・経済的損失のみならず、社会的にも大きな損失をもらたす重要な課題であると認識いたしております。  自殺の主な原因、動機が、健康問題、経済・生活問題、家庭問題のほか、地域や職場のあり方の変化など、さまざまな社会的要因が複雑に関係していることを踏まえ、自殺対策は総合的に取り組んでいく必要があると考えております。  このため、県といたしましては、関係するさまざまな分野の有識者で組織する自殺対策連絡協議会を去る七月に設置し、先般、第一回協議会を開催したところでございます。第一回協議会においては、関係機関が今年度実施する対策について情報を共有するとともに、今後の自殺対策の推進体制や連携のあり方について協議したところでございます。今後は、当協議会において、本県における自殺の現状を分析した上で、自殺による死亡率を低下させるなどの具体的な目標値を定めた自殺対策推進計画を策定し、関係機関との密接な連携を図りながら総合的な自殺対策を推進してまいりたいと考えております。  その他の御質問につきましては、担当説明員より答弁いたさせます。 7: ◯議長(林 正夫君) 副知事有岡 宏君。         【副知事有岡 宏君登壇】 8: ◯副知事(有岡 宏君) 最近の情勢に対する認識、あわせまして本県の情勢に対する認識についてお答えを申し上げます。  私は、これまで国や幾つかの地方自治体で勤務を経験してまいりました。全国的に見ますと、社会経済情勢の動きにつきましては、議員御指摘のとおりの状況にございます。近年になりまして、今まで潜在していた問題がにわかに顕在化するようになり、従来の価値基準や手法が妥当しなくなりつつあると考えております。  一方、これまで勤務した自治体との比較で申しますと、本県につきましては、製造業の集積が進み、県経済を牽引しているという認識を持っております。あわせて、県民の皆様のものづくりに対する誇りやこだわり、他の地域には負けたくないという強い意気込みも痛感している次第でございます。さらに、このように活発な製造業を中心に、県全体といたしましてもバランスのとれた産業構造の中で、これまで順調に発展を遂げてきたという印象を、まず抱いたところでございます。  しかしながら、実際に、この広島に生活する中で、都市部と農山漁村地域の地域格差の問題が予想以上に深刻な状況に立ち至っており、若年層の非正規労働者や未就業者、生活保護世帯の増加など、全国と同様に多くの問題を抱えていることも、改めて認識したところでございます。  こうした問題に対しましては、これまでも国やすべての地方自治体がさまざまな施策を講じてきたところでございますが、それ以上に情勢の変化のスピードが大きかったというのが私自身の反省を含めた認識でございます。このため、本県の特性を見きわめた上で、先ほど知事が答弁申し上げたような本県の強みをさらに伸ばすための施策を推進するほか、地域格差に対するきめ細かな対策を講じていくことが重要だと考えております。  私自身、これまでの経験を生かしつつ、職員と一丸となって、そして、何よりも明るい希望を持って元気な広島県の実現に取り組んでまいりたいと考えております。 9: ◯議長(林 正夫君) 福祉保健部長迫井正深君。         【福祉保健部長迫井正深君登壇】 10: ◯福祉保健部長迫井正深君) 二点についてお答えをいたします。  まず、うつ病対策についてお尋ねがございました。  うつ病には有効な治療法があり、また、うつ病に起因する自殺の多くは適切な治療により防ぐことができるとされていることから、うつ病対策の推進は、自殺防止の観点からも非常に重要であると認識をいたしております。  このため、県といたしましては、精神保健福祉センターや保健所における電話や電子メールでの心の健康に関する相談事業、うつ病に関する普及・啓発を目的とした県民に対する講演会、かかりつけ医等、医療従事者のうつ病診療の向上を目的とした研修会などの事業を実施しているところでございます。  うつ病対策においては、かかりつけ医等がうつ病を早期に発見し、精神科医等による適切な治療につなげることが重要であり、かかりつけ医と精神科医等との連携強化が課題となっております。
     このようなことから、今後はこれまでの事業を着実に実施するとともに、かかりつけ医の精神科医等との連携方策について関係機関と協議を進めるなど、より一層、うつ病対策を推進してまいりたいと考えております。  次に、在宅介護への支援についてお尋ねがございました。  平成十八年四月の介護保険法の改正により、予防重視型システムへの転換が図られ、利用基準などが改められたことから、利用者に不安が生じている状況もあると認識をいたしております。  このような利用者の不安に対しましては、居宅介護支援事業所や地域包括支援センターの相談支援機能の充実強化を図ることにより、より実情に合ったきめ細かな対応を行うことが必要であると考えております。このため、これらの相談支援を担う介護支援専門員に対する研修などを実施し、資質の向上を図ることにより、要介護者それぞれの状態に応じたサービスの提供が円滑に行われるよう努めてきたところでございます。  また、在宅介護を行っている家族への支援といたしましては、平成十八年度に創設された地域支援事業において、市町の判断により、家族の身体的、精神的、経済的な負担の軽減を目的とした介護教室や交流会の開催、介護慰労金の支給などの介護者支援が行われているところでございます。  県といたしましては、引き続き、制度の運営主体である市町や事業者に対し指導や助言を行い、要介護者それぞれの状況に応じたきめ細かな介護サービスが適切に提供されるよう努めてまいります。 11: ◯議長(林 正夫君) 商工労働部長光本和臣君。         【商工労働部長光本和臣君登壇】 12: ◯商工労働部長光本和臣君) 二点につきまして御答弁申し上げます。  まず、中小企業への支援についてでございます。  中小企業の振興のためには、円滑な資金の供給を初め、新製品、新技術の研究開発や経営革新への取り組みの支援、産業人材の育成・確保など、企業課題に応じたきめ細かな支援策が必要であると認識をいたしております。  このため、融資制度におきましては、今年度からわかりやすく利用しやすい制度とするため、資金メニューの統合などを行ったほか、無担保スピード保証融資では、十月から簡易な設備資金を対象とするとともに、融資限度額の引き上げを行うことといたしております。  また、中小企業・ベンチャー総合支援センターにおきましては、ワンストップで各種支援サービスを提供いたしますとともに、新たに創設したひろしまチャレンジ基金などを通じ、首都圏や海外への販路の拡大など、意欲ある中小企業の取り組みを支援してまいります。  今後とも、金融経済情勢の変化に留意しながら、施策を総合的に展開することによりまして、現在の景気回復の動きが広く波及し、中小企業の活性化につながりますよう積極的に取り組んでまいります。  次に、技術者の確保と技術継承の支援についてでございます。  中小企業の技術者の確保と育成に向け、今年度新たに即戦力人材の広域的な確保のため、U・Iターン就職希望者を対象といたしまして、インターネットで求職登録ができるシステムを開発し、運用開始いたしましたほか、人材確保に関するスキルアップのため、中小企業の事業主や採用担当者を対象といたしましたセミナーや企業PR向上セミナーの開催、製造現場の中核となる生産管理の責任者の育成研修などに取り組んでおります。  また、技術・技能の継承に向け、ひろしまマイスターによります技能実演や技能指導を通じた後継者の育成などにも取り組んでいるところでございます。今年度実施いたしました企業訪問調査の結果、引き続き中小企業の多くが人材の確保・育成や技術の継承が喫緊の課題としている現状から、今後は、広島高等技術専門校に二年課程の導入を進めるほか、働く意欲のある技術系OB人材の活用や産学官連携によります高度産業人材の育成システムづくりなど、総合的な取り組みによりまして人材確保・育成策の充実に努めてまいります。 13: ◯議長(林 正夫君) 教育長榎田好一君。         【教育長榎田好一君登壇】 14: ◯教育長榎田好一君) 学校におけるキャリア教育についてのお尋ねがございました。  子供たちがみずからの可能性を高め、社会で活躍できるようにするためには、現代社会についての理解を深めるとともに、望ましい勤労観、職業観など、社会人、職業人として自立していくための資質や能力をはぐくむことが重要であると考えております。  このため、例えば総合的な学習の時間において、社会人から仕事の体験談を聞いたり、将来のライフプランを作成することなどを通じ、社会的・職業的な自立に向けた指導を行っているところであります。また、インターンシップを初めとする体験的な活動を通して、勤労観、職業観やみずから学ぶことへの意欲・態度をはぐくんでいるところであります。  さらに、中学校社会科や高等学校公民科においては、産業構造の変化や雇用をめぐる状況の変化などについての理解を深める指導を行っております。  教育委員会といたしましては、今後とも変化の激しい社会を力強く生きるために必要な資質や能力を身につけていけるよう、地域や産業界等とも連携しながら、キャリア教育の一層の充実に努めてまいります。 15: ◯議長(林 正夫君) この際、暫時休憩いたします。午後の会議は一時から開きます。         午前十一時二十六分休憩              ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~         午後一時二分開議 16: ◯副議長蒲原敏博君) 出席議員六十二名であります。休憩前に引き続き会議を開きます。  引き続いて質問を行います。内田 務君。         【内田 務君登壇】 17: ◯内田 務君 こんにちは。広島県議会民主県政会の内田 務でございます。  さて、私は、十九年間、鉄鋼の現場の最前線で一生懸命働き、その後の十八年間、労働組合の専従役員として、組合員のため、社会のために活動してまいりました。こうした活動を通じて得られた教訓は、働いている皆さんが元気であること、地域基盤の確立は地場産業が発展すること、地域の活力は人と人とのつながりが大切で、信頼し助け合うことであります。  現代は、いろいろな面で便利になり、物的には豊かになった反面、人と人とのつながりが希薄で、心は貧しくなったと実感しており、身近なことを大切にする社会を築きたいと意を強くするものであります。  戦後間もない時期に生まれた団塊の世代が、ことしから還暦を迎えます。高度成長時代を生き抜かれた先輩が、会社を卒業され、新しい社会づくりに参加する時代になります。私は、その団塊の世代の先輩に育てられた世代の代表として、子供たちや孫たちに胸を張って継承できる社会となるよう、県議会議員としての使命を全うする所存であります。  本日は、団塊の世代の大量退職への対応などについて、労働者として働いてきた三十七年間の感性と目線で質問をいたしますので、明快で前向きな答弁をお願いいたします。  では、早速質問に入らせていただきます。  質問の第一は、財政健全化への取り組みについてお伺いいたします。  本県では、平成十二年の中期財政運営方針の策定を皮切りとして、藤田知事のリーダーシップのもと、積極的に財政健全化に取り組んでまいりました。これまで、県民の負託を受けた知事として数え切れないほどのプロジェクトを夢描いてこられたことでありましょうが、ときには凍結、あるいは休止などを余儀なくされ、苦渋の判断をされてきたであろうことは想像にかたくありません。ゆえに、財政健全化がいまだ道半ばにある現状に対し、歯がゆい思いをされていることであろうと思います。  先月、今後の財政収支見通しが公表されましたが、昨年度策定した財政健全化に向けた新たな具体化方策の効果額を反映する前の平成二十年度から二十四年度までの財源不足額は、おおむね六百億円台で推移する見込みとされています。この財源不足額の見込みは、昨年度の見込みよりもやや悪化しており、依然として厳しい財政環境に置かれていることをあらわしています。本県以上に財政悪化が懸念されていた岡山県では、平成十八年度の決算見込みにおいて、実質公債費比率が一八%を下回り、全国で四道県のみであった県債発行の許可団体から脱却すると伝えられております。また、先月末に公表された当面の財政見通しにおいても、財源不足額が縮減する見込みとなり、岡山県は着実に財政健全化が進みつつあります。  知事は先般、県政の活性化に取り組んできたが、その道はいまだ半ばであり、責任を放棄することなく、全身全霊を傾注すると述べられましたが、本県は財政健全化の道筋がつけられるか否かの重要な時期に差しかかっており、全力でその取り組みを進めていかねばならないと考えます。  そこで、依然として厳しい財政状況にある要因をどのように分析し、このたびの財政収支見通しを踏まえ、今後、財政健全化にどう取り組んでいかれるのか、知事の御所見をお伺いします。  質問の第二は、中小企業の活性化についてお伺いいたします。  地域活力の基盤確立は、基幹産業である鉄鋼、自動車、造船などの発展はもちろんのこと、それを支える中小企業に活力と発展がなければ、いずれは大企業も衰退し、地域の発展も望めません。  本県においては、九九・八%が中小企業であり、しかも、その八六・九%は常用雇用者数二十人以下の小規模企業であることから、中小企業で懸命に働く人たちの潤いこそが地域発展の源であるのです。  本県経済の動向を見ると、県内景気は総じて回復を続けている状況にあるものの、中小企業においては原油価格や原材料費の高騰に伴うコスト高の影響などにより、依然として厳しい状況にあるところが少なくありません。また、政府の自由競争という改革の名のもと、大企業と中小企業との格差は拡大し、その格差が社会を崩壊させようとしているとも言われています。  中小企業の中には、固有な技術、斬新なアイデアを有しているところも数多くありますが、多くの企業は深刻な資金難に陥っていたり、団塊の世代の大量退職などによる人材不足を来しているのが現状であります。私の地元、福山市においても、熾烈なコスト競争にさらされ、淘汰の波に飲まれてしまう企業や、従業員を新たに雇い入れることができず、廃業を待つばかりの企業も見受けられます。  県では、企業の成長段階に応じた多種多様な支援策を構築しておられますが、依然として厳しい中小企業の現状を踏まえ、いま一度、中小企業のニーズに対応したものとなっているのか検証し、施策を再構築する必要があると考えます。また、活用する側の企業が支援策を知り得ていなければ画餅に帰すこととなることから、最も厳しい状況にある零細企業にまで情報が行き渡るよう、きめ細やかな周知を図るべきと考えます。  中小企業の活性化は、基幹産業の持続的発展へとつながる本県産業の活性化そのものであり、道州制の導入を見据えた中枢拠点性強化の成否のかぎを握るとも考えますが、今後、中小企業の活性化にどう取り組んでいかれるのか、知事の御所見をお伺いします。  質問の第三は、少子・高齢化社会への対応についてお伺いいたします。  その一点目は、安心して子供を育てられる環境の構築についてであります。  我が国は、処方せんを見出せないまま、長きにわたり少子化という重い病を患っており、その状況は本県においてもしかりであります。少子化は、社会の担い手であり、活力の源でもある人口を減少させることとなり、将来を支える若い人たちが減少した結果、高齢者の生涯を支える社会保障制度の見直しなどを余儀なくされているのであります。  我が国の平成十八年の合計特殊出生率は、四年ぶりに一・三台に回復して一・三二となり、本県においても〇・〇三ポイント上昇し、一・三七となりました。しかしながら、合計特殊出生率は上昇したとはいえ、産む世代の女性人口が減少していることもあり、出生数は平成十七年に次いで過去二番目に少ないことから、長期的な少子化傾向にあることには変わりありません。  先日、奈良県の妊娠六カ月の女性が、大阪府と奈良県の病院への受け入れを次々と断られ、搬送中の交通事故も重なって死産するという出来事が起こりましたが、この痛ましい結果に至った主要因として、昼夜を問わない過酷な労働条件などから、深刻化している産科、小児科の医師不足が挙げられます。その他、若い世代の就労への不安感や育児への負担感に加え、核家族化や地域住民相互のつながりの希薄化、養育費の増大など、出産や育児を取り巻く環境の悪化が、結果として少子社会をつくり出しているのです。  人の感性や規範意識などは、乳幼児期における育ちの過程が大きな影響を与えるとも言われており、幼児期から人と触れ合い、はぐくんでいける環境を構築することが大切であると考えます。私が子供のころは、家にはいつも祖父母がおり、ときには褒められることもありましたが、厳しくしかられながら物事の善悪を教わったものであり、現代社会で問題となっている児童虐待、少年犯罪の凶悪化・低年齢化、ひきこもり、不登校などとは無縁の世の中であったと記憶しております。  県では、平成十七年三月に策定した未来に輝くこども夢プランにおいて、子育てをみんなで支える環境づくりを進めることとし、具体には、地域の子育て機能の向上や地域への相談・情報提供体制の構築のほか、地域において子供が活躍できる居場所づくりを進めることなどを施策して掲げ、取り組んできたところです。私が理想的な家庭の形態と考える三世代同居と同じとまではいかないまでも、安心して子供を育てられる環境を早急に構築していくべきと考えますが、これまでどのような取り組みの成果があり、今後どう取り組んでいかれるのか、知事の御所見をお伺いいたします。  二点目は、介護に係る人材の確保と育成についてであります。  超高齢化と核家族化とが相まって、介護を必要としながらも施設にも入れず、自宅で介護し合うお年寄り夫婦がふえています。本県においては、要介護、要支援認定者のうち、居宅での介護支援サービス受給者の数は六割を超えており、自宅で介護し合うお年寄り夫婦も相当の割合を占めているものと思われます。  昨年十月、日本医師会は、療養病床削減のあおりを受けて退院を余儀なくされ、老人ホームでも受け入れられず、自宅での介護を強いられるなどの状況にある介護難民が全国で約四万人に達するおそれがあると推計しており、こうした介護難民は、心身の疲れや将来への絶望感にさいなまれているのです。自宅での介護では、介護される側は家族に見守られる安心感がありますが、その反面、介護する側が経済的負担、精神的負担、肉体的負担を伴います。  私の地元でも、自分の妻を介護するために何かと出費が必要となるものの、お金もなく、十分に面倒を見てやれないと、涙ながらに訴えられたお年寄りがいらっしゃいました。現在の高額な医療費や社会保障関係経費の支払いなどで年々厳しくなる財政負担に対し、少額な年金で対応せざるを得ず、生活も困窮しているというのが紛れもない現実なのであります。  最近では、老夫婦で生活している人たちの悲しい事件・事故も多発しております。六月には、お隣の岡山県の倉敷市において、寝たきりの夫を妻が死に追いやり、みずからの命を絶つという悲しい事件が起こりましたし、七月には、滋賀県において「介護に疲れた」との遺書を残し、妻が夫を巻き添えに無理心中を図ったと見られる事件も起こっているのです。  超高齢社会が今後も続いていくとされる中、介護施設での十分な対応が困難な状況においては、地域密着型サービスや居宅サービスの充実強化を進めていかなければなりませんが、団塊の世代の高齢化に伴う介護需要を賄うためには、平成二十六年までに介護職員を四十万人から六十万人ふやす必要があると言われております。しかしながら、実労働時間が長いにもかかわらず収入が低いといった実情もあり、介護福祉士の資格を持ち、介護職への志を持ちながら、その四割は介護職につかないなど、人材難が深刻化しているのです。  十分な在宅介護を可能とする体制を整えるためにも、介護支援専門員なども含め、マンパワーの確保とその育成が喫緊の課題であると考えますが、今後、介護に係る人材の確保と育成にどう取り組んでいかれるのか、知事の御所見をお伺いします。  三点目は、高齢者の社会参加の促進についてであります。  国立社会保障・人口問題研究所が平成十八年十二月に公表した日本の将来推計人口によると、六十五歳以上の老年人口は、平成十七年時点では全人口の二〇・二%でありますが、十年後の平成二十七年には二六・九%となり、平成三十五年には三割に達すると推計しています。  平均寿命が延びたことで、定年退職後の第二の人生はもはや老後ではなくなりました。仮に現役時代の労働時間を週四十時間とすると、定年までの四十年間で約八万時間となりますが、定年退職後の二十年間は一日の半分の十二時間を自由に費やせるとすると九万時間となり、現役時代の労働時間にほぼ匹敵することとなるのです。  少子化に伴う社会全体の活力の低下が懸念される中、経験の豊富な高齢者の能力、そしてエネルギーとパワーを生かせるかどうかが、今後の地域社会が持続的に発展し得るかどうかのかぎを握ると考えます。しかしながら、定年後も引き続き社会とのかかわりを持ち続けたいと考える高齢者は多いものの、どうしたらよいかわからず途方に暮れたり、落ちつかない日々を過ごしているのが現状です。意欲的に社会とのかかわりを望む高齢者に対しては、社会の担い手の一員として、仕事やボランティア、あるいは趣味などで活躍することができる機会を創出していくべきと考えます。  高齢者が生きがいを感じられるよう、社会活動や地域活動に積極的にかかわることができる環境の構築に努めていくべきと考えますが、今後、高齢者の社会参加の促進にどう取り組んでいかれるのか、知事の御所見をお伺いします。  質問の第四は、教員数の減少への対応についてお伺いします。  文部科学省では、いじめや学力低下の問題などを解決するためには、教員が子供と向き合う時間をふやす必要があるとして、公立小中学校の教員を来年度からの三年間で二万人ふやす方針を固め、平成二十年度の概算要求に必要経費を盛り込むこととしています。  小中学校の教育現場における教員は、保護者からの問い合わせや苦情などの対応に追われ、子供と接する時間が少なくなっているという指摘も踏まえ、月平均三十四時間とされる現在の教員の残業時間を半減させ、子供と向き合う時間をふやそうとするものであります。  小中学校の教員数は、行政改革推進法において子供の減少率を上回るペースで削減することが定められていることから、予算案として正式決定がなされるかどうかは不透明ですが、子供と向き合う時間をふやそうとするその方向性については共感をするものであります。  一方、本県では、平成十八年度において七百五人の教員が公立学校の現場から退いています。また、現在の教員の年齢構成は五十歳がピークであり、数年後からは千人程度の教員が定年退職すると見込まれています。こうした中にあっても、経験豊富な教員の指導力を着実に継承していくことにより、一人一人の子供としっかり向き合っていく必要があると考えます。  そこで、経験豊富な教員が教育現場から退いていく中で、子供としっかりと向き合う時間をふやすための取り組みをどのように進めていくお考えなのか、教育長の御所見をお伺いします。  質問の第五は、橋梁の安全管理についてお伺いします。  九月一日は防災の日であり、県内各地で天災が起きた場合を想定した防災訓練が行われましたが、私も地元福山の総合防災訓練を見せていただきました。本番さながら、真剣に取り組んでいる姿に、大変心強く思う一方で、改めて気が引き締まる思いでありました。  先般、米国ミネソタ州ミネアポリスにおいて、高速道路の橋梁が突然崩落するという信じがたい事故が発生し、多くの貴重な生命が失われました。国内で建設されて五十年が経過する橋は、平成十八年度時点では全体の六%にすぎませんが、十年以内に二〇%となり、二十年後には約半数に達すると言われています。ミネアポリスで崩落した橋梁は築後四十年とのことでありますから、我々の身近に同様の事故が発生する危険が迫っていると言っても過言ではなく、決して安閑としていられない状況となっています。  また、橋梁の点検についても、アメリカでは二年に一度と決められているとのことですが、日本では国が管理している橋梁でさえ五年に一度であり、地方自治体が管理している橋梁に関しては義務づけがないことから、一県と千五百六十六市区町村が全く点検をしていないとの報道がなされており、まさに絶望的な状況であります。  県が管理する国道、県道の橋梁数は約三千五百橋とのことでありますが、阪神・淡路大震災後や安芸灘地震後に緊急点検を行ったほか、平成十六年度に橋梁の定期点検要領を策定して以降、順次点検を実施していると聞いております。  県民の生命と財産の保護は県に課せられた責務であり、点検結果を十分に分析し、万全の対策を講じる必要があると考えますが、これまでの点検の状況と、今後の橋梁の安全管理にどう取り組んでいかれるのか、知事の御所見をお伺いします。  質問の第六は、福山地域の物流基盤整備についてお伺いいたします。  その一点目は、福山地域の道路網の整備についてであります。  福山地区におけるグローバルゲートウエーである福山港では、今年度、箕沖地区において第二バースの整備が始まりました。福山港箕沖地区では、これまで沖待ち等の課題を抱えていたことから、経済界を中心として規模拡大に対する要望は強く、一日も早い完成が待ち望まれるところであります。また、陸路面では、平成二十年代後半の完成を目指し、中国横断自動車道尾道松江線のつち音が響いているなど、福山地区が飛躍的に発展を遂げるための物流拠点は整いつつあります。さらに、福山地域の箕沖産業団地、新市工業団地のみならず、福山北産業団地も地元企業の進出によってほぼ完売となるなど、経済活動は再び活気を見せつつあります。  しかしながら、福山沼隈道路、福山西環状線及び福山道路など、福山市域内の幹線道路の整備は、まだ緒についたばかりであります。福山港箕沖地区から福山市中心部へ至る過程においては、慢性的な渋滞が発生しているほか、重量制限がしかれている橋梁なども散在しています。  活気づく産業拠点と基盤が整いつつある物流拠点とを有機的に結びつける幹線道路が整備されなければ、十分な機能を発揮させることはできません。また、幹線道路の整備は、交通渋滞により失われている経済的損失を軽減するほか、排ガス量の減少による環境負荷の低減などの効果ももたらすことから、一刻も早い整備が望まれます。  極めて厳しい財政状況のもとでもあり、十分な効果が見込まれない路線の整備を凍結させてでも、経済効果の高い幹線道路の整備を重点的に進めていくべきと考えますが、福山地域の物流の効率化に向け、今後、道路網の整備にどう取り組んでいかれるのか、知事の御所見をお伺いします。  二点目は、神辺水呑線の整備についてであります。  神辺水呑線は、山陽自動車道福山東インターから福山港箕沖地区に至るまでの間の中心部に位置し、今後の福山地域の物流の中心的役割を担う重要な幹線道路であります。これまで、県は経済界などの要望を踏まえ、平成十五年度に緊急物流基盤等整備事業として、入江大橋北詰交差点の右折レーンの改良などに取り組んでこられました。比較的小規模の改良ではありますが、大型車通行の円滑化や渋滞解消の面で目に見える効果を上げており、その取り組みを大変評価しております。  しかしながら、現在の入江大橋は右折車両が直進車線に滞留し、直進車両の進行を妨げていることから、ピーク時の交通量をさばくには限界がある上、重量制限もあることから、幹線道路であるにもかかわらずコンテナや建設用重機を輸送する大型トレーラーは迂回せざるを得ないのが現状であります。  今後、広島県東部地区のグローバルゲートウエーとして福山港国際コンテナターミナルの将来を展望したとき、極めて重要なかぎを握る入江大橋について、新たな橋梁の架橋と現在の橋梁の補強を早急に進めていくべきと考えます。  そこで、入江大橋の整備を含め、今後、神辺水呑線の整備にどう取り組んでいかれるのか、知事の御所見をお伺いします。  三点目は、福山港鞆地区の公有水面埋立免許の審査状況についてであります。  平成十九年五月二十三日、重要港湾福山港鞆地区の埋立免許の出願があり、現在審査中と聞いております。埋立架橋事業は、長年にわたっての懸案事業であり、県民の関心も高く、先日には地元福山市議会に対し、地元の九割の方から事業の早期実現に関する請願があり、採択されたところであります。  そこで、現時点の最大の関心事である埋立免許の審査状況についてお伺いします。  質問の第七は、県民の治安に対する不安の解消についてお伺いいたします。  その一点目は、警察の信頼回復についてであります。  警察官がストーカー行為の果てに、市民を守るための拳銃で知人を撃ち殺す、先月、東京都で発生した信じがたいこの事件により、警察官の信頼は根底から崩れかねない状況となっています。本県においても、本年六月に三次市で警察官が顔見知りの女性に拳銃を持たせていたとの報道がなされるなど、全国各地で警察官が引き起こす事件や不祥事が続発しています。  こうした事件や不祥事は、崇高な使命を胸に汗を流す多くの警察官の思いに泥を塗り、信頼を寄せる国民の期待を踏みにじる行為であり、警察全体の倫理観、使命感が欠如しているのではないかとの疑念を抱く者も少なくはないはずであります。  そこで、いま一度住民の生命、身体及び財産を守るという警察の使命に立ち返り、組織を挙げて職業倫理を高めていかねばならないと考えますが、今後、警察の信頼回復にどう取り組んでいかれるのか、警察本部長の御所見をお伺いします。  二点目は、警察への通報者の安全確保についてであります。
     今次定例会に、「減らそう犯罪」ひろしま安全なまちづくり推進条例の一部を改正する条例の提案がなされています。子供、高齢者、女性等が犯罪による被害を受けるとき、あるいは受けることが明らかなとき、警察官への通報、その他の適切な措置を講じるよう努めることを県民の責務として規定するものであります。  本年四月、JR北陸線の特急の車内で女性が暴行に遭い、被害者は助けを求めたにもかかわらず乗務員や警察への通報はなされず、救済の手が差し伸べられなかったという痛ましい事件が発生したのは、記憶に新しいところであります。本県においても、本年五月、JR可部線の車内で女性が痴漢に遭い大声を上げたにもかかわらず、助ける人はいなかったという事件が発生しています。  このたびの条例改正は、困っている人や被害に遭っている人を助けるため、警察官への通報等を行わなければならない旨、条例に明記することで、実際の犯罪の被害を最小限に食いとめるとともに、犯罪の起こりにくいまちづくりを一層進めていこうとするものであり、その趣旨には大いに賛同いたします。  しかしながら、条例に努力規定を設けることをもって、事件の現場に居合わせただれしもが、警察に通報するなどの適切な行動がとれるのだろうかと考えたとき、私は疑問を抱かざるを得ません。実際に、JR北陸線の事件の現場では、乗客のだれ一人として行動することができなかったとのことであり、そこには、仕返しや逆恨みなどで身辺が危険な状況にさらされるのではないかという乗客の心理も働いていたものと考えます。  通報者の不安要素を取り除く手だてを講じなければ、犯罪を見過ごさないという県民意識の高揚に水を差す結果となりかねないと考えますが、条例改正に際し、通報者の安全確保にどう取り組んでいかれるのか、警察本部長の御所見をお伺いします。  以上で、私の質問を終わります。御清聴、まことにありがとうございました。(拍手) 18: ◯副議長蒲原敏博君) 当局の答弁を求めます。知事藤田雄山君。         【知事藤田雄山君登壇】 19: ◯知事藤田雄山君) 内田議員の御質問にお答えを申し上げます。  まず、財政健全化への取り組みについてお尋ねがございました。  本県では、これまで弾力的で持続可能な財政構造への転換を図るため、全国に先駆けて行財政改革に取り組んでまいりました。  しかしながら、このような取り組みにもかかわらず、本県財政はこれまでの数次にわたる経済対策により発行した県債の償還などにより、公債費が今後も高い水準で推移すること、高齢化の進展に伴い福祉医療関係費が増加することなどに加えまして、三位一体改革により地方交付税が大幅に削減されて以降、歳出に対して必要な財源が十分に確保できない状況が続いていることなどにより、現在もなお厳しい財政状況となっております。  本年八月に試算いたしました今後五年間の財政収支見通しにおきましても、このまま財政健全化策を講じなければ財源不足額は今後もおおむね六百億円台で推移する見込みであり、依然として厳しい財政状況にあることを改めて確認したところでございます。さらに、今後の税収の動きや国の歳出歳入一体改革の動向によっては、現在の収支見通し以上に財源不足額が拡大する懸念もございます。  このため、今後の財政運営に当たりましては、国の動向等も見きわめつつ、昨年策定いたしました財政健全化に向けた新たな具体化方策に沿って、内部管理経費や普通建設事業費等の削減、県税の収入未済額の縮減などの歳入歳出の徹底した見直しに取り組むなど、計画的かつ着実に財政健全化への取り組みを進めてまいりたいと考えております。  次に、中小企業の活性化についてのお尋ねがございました。  本県の中小企業は、独自の技術やノウハウによって新たな分野に挑戦するなど、本県産業の発展に大きな役割を担っており、こうした中小企業の活性化は、本県経済の持続的発展に不可欠であると認識をいたしております。  このため、これまで新製品、新技術の研究開発や経営革新への取り組み支援、円滑な資金の供給、産業人材の育成・確保など、企業課題に応じたさまざまな支援策を講じてまいりました。  こうした施策展開に当たりましては、毎年約百五十社の中小企業を対象に行っている企業訪問調査等によって、経営状況や課題を具体的に把握し、適宜、施策の見直しを行っているところでございます。  今年度は、多くの中小企業からの御意見を踏まえ、新事業の開拓を目指す意欲ある企業を支援するひろしまチャレンジ基金の創設や、地域産業資源を生かした企業の独創的な取り組みに対する新たな支援策の活用など、施策の充実を図っております。  今後、商工会等関係団体とも連携し、支援施策の一層の周知に努めるとともに、喫緊の課題となっている産業人材の育成・確保に対するさらなる支援策を検討するなど、企業ニーズに応じた施策の見直しと充実を進め、中小企業の活性化に積極的に取り組んでまいりたいと考えております。  次に、安心して子供を育てられる環境の構築についてお尋ねがございました。  急速な少子化の進行や核家族化など、家庭や地域を取り巻く環境が大きく変化する中で、安心して子供を産み育てることのできる社会の形成が重要であると認識をいたしております。このため、全庁を挙げて総合的に取り組むため、私が本部長となって次世代育成支援対策推進本部を設置し、未来に輝くこども夢プランの着実な推進に加え、あらゆる主体の参画による次世代育成ポジティブ・キャンペーンを展開しているところでございます。  こども夢プランの推進については、計画に掲げる四十六項目の数値目標のうち、放課後児童クラブの設置などの二十七項目で達成率が七〇%を超えるなど、地域の子育て環境の整備はおおむね順調に進んでおります。  また、ポジティブ・キャンペーンでは、企業等の協賛による子育て応援イクちゃんサービスの全県的な普及、小児科医やNPO等と連携した親育ちの応援など、出産や子育ての意義、すばらしさの理解を深め、子育てを社会全体で応援する意識の醸成に努めているところでございます。  今後とも、子育て家庭や次の世代の人々が安心と喜びを持って子育てができる環境づくりに向け、行政や企業、NPOなどの多様な主体が参画する、より実効性のある施策の展開に全力で取り組んでまいりたいと考えております。  次に、福山地域の道路網の整備についてお尋ねがございました。  本県では、産業活動を支える基盤の強化を図るため、広島県新道路整備計画に基づき、産業団地とインターチェンジを結ぶ幹線道路の整備を計画的に進めております。  福山地域においても、福山港や山陽自動車道と産業団地を結ぶ物流ネットワーク構築のための幹線道路として、一般国道二号バイパスである福山道路、県道福山沼隈線並びに福山西環状線などの整備に優先的に取り組んでいるところでございます。  また、これらの幹線道路の整備とあわせ、県民、企業ニーズにこたえるため、これまで県単独事業として緊急物流基盤等整備事業や交通・物流円滑化道路整備事業などを推進し、交差点改良や大型車両対応の橋梁補修を実施いたしました。  今後とも、国や福山市と協力し、効率的な物流ネットワーク構築のため、着実な事業の推進に努めてまいります。  その他の御質問につきましては、担当説明員より答弁いたさせます。 20: ◯副議長蒲原敏博君) 福祉保健部長迫井正深君。         【福祉保健部長迫井正深君登壇】 21: ◯福祉保健部長迫井正深君) 二点につきましてお答えをいたします。  まず、介護に係る人材確保と育成についてお尋ねがございました。  高齢化の進展に伴い、今後さらに拡大が予測される介護、福祉ニーズに対応できる質の高い介護職員や介護支援専門員等の人材を安定的に確保していくことが重要な課題となっております。  このため、人材確保育成対策として、訪問介護員養成研修事業者の指定、指導や介護支援専門員に対する研修を実施するとともに、福祉職場の説明会などを行う広島県社会福祉協議会の人材育成センターとも連携した取り組みを実施してまいりました。このような状況の中で、国の人材確保対策の基本方針となる社会福祉事業に従事する者の確保を図るための措置に関する基本的な指針が改正され、本年八月に告示されたところでございます。  指針においては、適切な給与水準の確保等の労働環境の整備の推進や従事者のキャリアアップの仕組みの構築などの取り組みが重要であるとしており、これらの仕組みづくりに向けた関係者の役割も明確にされたところでございます。  県といたしましては、これまでの取り組みを充実させるとともに、国の指針に基づき、関係機関や関係団体等と連携しながら、介護、福祉関係の人材確保と育成に努めてまいりたいと考えております。  次に、高齢者の社会参加の促進についてお尋ねがございました。  少子・高齢社会の到来を踏まえ、高齢者の社会参画につきましては、これまで、健康福祉センターで開校している高齢者健康福祉大学校において、地域のリーダーとなる人材育成などに取り組んでまいりました。  しかしながら、本年には県内の百歳以上高齢者数が初めて千人を超え、人生八十年時代が現実のものとなるなど、高齢者の社会参画は高齢者自身はもとより、元気な広島県づくりにとっても喫緊の課題であると改めて認識をいたしているところでございます。  このため、昨年度から団塊世代の一斉退職を踏まえ、高齢者の社会参画への機運を醸成するため、ポスターやテレビ番組の制作、イベントの開催などマスメディアと連携したキャンペーンにより啓発活動を強化いたしております。また、長年培ってきた経験や技能を生かしながら、地域活動がスムーズに実践できるよう、シニアボランティアやコーディネーターの養成を行うなど、地域活動を支援する取り組みを進めております。  県といたしましては、これらの取り組みに加え、団塊の世代が、引き続き産業や地域の活性化などに着実に貢献できるよう必要な環境整備を進めることにより、高齢者一人一人が生き生きと活躍できる社会の実現に努めてまいります。 22: ◯副議長蒲原敏博君) 土木部長大野宏之君。         【土木部長大野宏之君登壇】 23: ◯土木部長(大野宏之君) 橋梁の安全管理についてお答えいたします。  本県におきましては、多くの橋梁が高度経済成長期に整備されたことから、今後、橋梁の老朽化が急速に拡大していくことが懸念されており、これまで以上に適時適切な管理が必要であると考えております。  橋梁点検の状況につきましては、平成十八年度末までに約千九百橋の点検を完了し、いずれの橋梁も安全性に対し、特に問題はないと判断しております。今後、平成二十一年度までに、残る約千六百橋について点検を実施する予定であり、引き続き、五年に一度のサイクルで定期点検を行うこととしております。  また、点検の結果を見ると、一部の橋梁では劣化等が進行しており、また今後、更新時期を迎える橋梁も相当数あることから、計画的な補修による施設の延命化や維持修繕及び更新費の平準化等が必要となってきます。このため、今後の維持修繕においては、これまでの事後保全型から計画に基づく予防保全型へ転換するため、現在、橋梁アセットマネジメントシステムの開発を行っており、平成二十一年度より本格的に実施することとしております。  今後とも、道路利用者の安全確保のため、効率的、効果的な橋梁の安全管理に努めてまいります。 24: ◯副議長蒲原敏博君) 都市部長岡崎修嗣君。         【都市部長岡崎修嗣君登壇】 25: ◯都市部長(岡崎修嗣君) 神辺水呑線の整備についてお答えします。  神辺水呑線は、県東部の物流拠点である福山港へのアクセス道路として重要な幹線道路であると認識しております。  このため、平成十五年度から入江大橋の南北交差点を含む延長約一・二キロメートル区間の整備に着手しております。このうち、入江大橋北詰交差点の慢性的な渋滞緩和を図るため、右折車線の改良工事を本年三月に終えたところでございます。今年度は、残りの区間について、引き続き用地取得に努めるとともに、新たな橋梁の詳細設計を完了し、来年度には、一部、橋梁の下部工事に着手する予定としております。  なお、現在の橋梁の補強についてでございますが、既に床版補強を行っており、一般大型車両である二十五トン対応の構造となっております。国際標準コンテナ車対応である四十四トン荷重までの大型車両につきましては、所定の手続が必要となりますが、通行可能となっております。  引き続き、福山港の国際港湾物流の機能を強化し、地域産業の活性化に資する神辺水呑線の早期完成に向けて事業推進に努めてまいります。 26: ◯副議長蒲原敏博君) 空港港湾部長塩崎正孝君。         【空港港湾部長塩崎正孝君登壇】 27: ◯空港港湾部長(塩崎正孝君) 福山港鞆地区の公有水面埋立免許の審査状況についてお答えいたします。  重要港湾福山港鞆地区の埋め立てについては、平成十九年五月二十三日付で出願があり、その後、七月十二日から八月一日までの間、公有水面埋立法の規定に基づき所定書類を縦覧したところ、利害関係者から意見書の提出がありました。  現在は、出願書類及び提出のあった意見書について、厳正に審査しているところであります。 28: ◯副議長蒲原敏博君) 教育長榎田好一君。         【教育長榎田好一君登壇】 29: ◯教育長榎田好一君) 教員数の減少への対応についてお尋ねがございました。  「教育は人なり」と言われているように、学校教育の成否はその直接の担い手である教員によるところが大きく、教員の資質向上を図るとともに、教員が子供たちにしっかりと向かい合い、きちんと指導を行えるようにすることが重要であります。  このため、教員の大量退職期を迎える中で、児童生徒数の減少も踏まえつつ、長期的な視野に立って必要な教員数をしっかりと確保できるよう、本年度、採用予定者数を十五年ぶりの高水準となる五百五人程度としたところであります。  また、少人数授業による個に応じたきめ細かな指導を可能にするため、小学校一・二年生はばたきプランや中学校一年生はつらつプランなどを実施しているところであります。さらに、学校が作成・提出する調査報告書などの精選を図るとともに、一部の教員に過重な負担がかからないよう主任を中心とした校務分掌を適切に整えるなど、校務運営の効率化に努めているところでございます。  今後とも、国の動向も踏まえつつ、こうした取り組みを通して教員が子供としっかりと向かい合い、教育活動がより充実するように努めてまいりたいと考えております。 30: ◯副議長蒲原敏博君) 警察本部長飯島久司君。         【警察本部長飯島久司君登壇】 31: ◯警察本部長(飯島久司君) 二つ御質問をいただきました。  まず最初の警察の信頼回復についてお答えをいたします。  県警察といたしましては、県民の皆様の信頼なくしては治安の維持は成り立たないということを十分に認識しておりまして、その確保に平素から努めているところでございます。         【副議長退席、議長着席】  このため、平素から治安の維持という警察の責務が県民の皆様から負託されたものであることを、あらゆる機会を通じて、すべての警察職員に自覚させるよう努めているところであります。  今後とも、職員の特性や資質に即したきめ細かな人事管理、業務管理を徹底して、非違事案の未然防止に努めるとともに、県民の皆様に目に見える形で警察活動の成果をお示ししていくことができるよう、全力を挙げて取り組む所存でございます。  二つ目に、警察への通報者の安全確保についてお答えいたします。  「減らそう犯罪」ひろしま安全なまちづくり推進条例の一部改正の要旨は、犯罪の被害を受けているとき、または受けようとしていることが明らかなときは、状況に応じた救済の手を差し伸べることであります。具体的には、警察官への通報を初め、非常通報ボタンの活用、駅員、店員、管理者などへの通報、携帯電話のメール機能の活用などであり、みずからの危険を顧みず対応を講じることまでを求めているものではございません。  警察といたしましては、通報者に危害が及ばないよう配慮することは当然のことでございますので、後難が及ぶことのないよう、一一〇番通報、被害届や告訴告発の受理などと同様に、通報者の安全確保には全力を尽くしてまいる所存でございます。以上でございます。 32: ◯渡壁正徳君 議長、関連……。 33: ◯議長(林 正夫君) 関連質問を許します。渡壁正徳君。 34: ◯渡壁正徳君 鞆地区道路港湾整備事業について関連質問をいたします。  先ほどもありましたように、福山市議会九月定例会において、鞆地区道路港湾整備事業の早期実現に関する請願が採択されました。県議会においては、同様の請願を一九九九年二月定例会で採択しております。私も、そのときの紹介議員の一人であり、今後この事業が早期に着手され、一日も早く完成することを願っております。  御承知のとおり、この事業に反対する住民団体があります。その住民団体が、去る八月に、県に対して全体では一万九千百八十六人、そのうち鞆町住民千七百五十六人の反対意見書を提出しております。それは、五千百人余りの鞆町の人口からすると、三割を超えるものです。このたび福山市議会へ提出された請願書には、二十歳以上の住民四千五百十一人のうち、四千百五人の署名がついており、実に有権者の九一%が事業の早期着工を望んでいるということになります。  ところで、鞆住民の三分の一以上が反対署名したとされていますが、現在係争中の埋立免許事前差しとめ訴訟において、県が裁判所に提出している準備書面の中で、反対する住民団体が提出した反対意見書の署名一万九千百八十六人中一万二千七百三十六人、鞆町在住千七百五十六人中千二百八十二人分が別の署名の名簿部分をコピーし、張りつけたものであることが明らかとなっております。  そこで、お伺いをいたします。  第一は、信じられないことでございますが、そのような署名が本当に提出されているのかどうか、お伺いします。  また、本当であるとすれば、県の対応と提出団体による釈明について、どのような釈明をしておられるのか、お伺いいたします。  第二は、転用された署名の原本には、この署名以外の目的には使用しませんと明記してあったとのことでありますが、そうであるとすれば確信犯であり、個人情報保護の観点からもゆゆしきことと考えますが、県当局の御見解をお聞かせください。  第三は、割り増しをしたり偽造した署名数を基礎に埋立免許の可否を有利に進めようとするものであり、裁判所や免許庁を詐欺にかけようとする極めて悪質なものであるばかりか、住民意思を愚弄するものであると考えますが、御見解をお伺いいたします。  最後に、鞆地区住民は、現在もなお安全性や利便性が確保されず、不安な毎日を過ごしております。加えて、人口は激減し、町の将来にも大きな影を落としております。一日も早い整備が急がれておりますが、鞆地区道路港湾整備事業の推進について、県の決意をお聞かせください。 35: ◯議長(林 正夫君) 当局の答弁を求めます。空港港湾部長塩崎正孝君。         【空港港湾部長塩崎正孝君登壇】 36: ◯空港港湾部長(塩崎正孝君) 重要港湾福山港鞆地区埋め立てに係る意見書の取り扱いについてお答え申し上げます。  公有水面埋立法に基づき、七月十二日から八月一日まで埋立免許願書の縦覧を行い、多数の意見書が提出されたところであります。この提出された意見書のうち、一部について署名欄がコピーである上、切り張りした形跡がありました。このため、取りまとめた団体に確認したところ、他に提出された要望書の署名欄を張りつけたとの回答を得ているところであります。この意見書の取り扱いにつきましては、署名欄が切り張りされているもののままでは問題があるため、本人の同意を得ているかどうか確認できるものを提出するよう団体に求めているところであります。  なお、個人情報保護の観点につきましては、団体の返答を受けた上で、必要であれば関係部局と相談してまいりたいと考えております。 37: ◯議長(林 正夫君) 土木部長大野宏之君。         【土木部長大野宏之君登壇】
    38: ◯土木部長(大野宏之君) 鞆地区道路港湾整備事業の推進についての県の決意についてお答えいたします。  鞆地区道路港湾整備事業は、道路交通の円滑化や港湾機能の強化、さらには生活環境の改善や歴史的町並みの保存などを実現するために必要な事業であり、このたび、改めて地元の大多数の住民が埋立架橋の実現を望んでいることが示されたことから、早期の事業着手に向けて福山市と連携して努力してまいります。 39: ◯議長(林 正夫君) 引き続いて質問を行います。杉西加代子君。         【杉西加代子君登壇】 40: ◯杉西加代子君 皆様、こんにちは。自民党議員会の杉西加代子でございます。今次定例会におきまして、質問の機会を与えていただきましたこと、皆様に心より感謝申し上げます。さわやかに質問をしてまいりたいと思います。  さて、先日、女子柔道の谷亮子さん、あのヤワラちゃんが、ママになっても金と、出産後の世界選手権大会で見事に金メダルを射止められました。これは、働きながらいろいろなことに頑張っている多くの母親たちに、大きな夢と希望を与える出来事でございました。私も、四月の選挙におきまして、地元の皆様の温かい御支援のおかげで二期目の議員活動を迎えることができました。ヤワラちゃんを見習い、信念を持って頑張らなければならないと心を新たにしたところでございます。初心を忘れることなく、母であり妻である女性としての日々の暮らしの視点から、また、設計士として生きてきた民間での経験を踏まえ、引き続き県政発展のために力を尽くしてまいりたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。  それでは、質問に入らせていただきます。  質問の第一は、財政状況が厳しく、県政の停滞が続く中で、今、最も必要とされるべき戦略的な県政運営について、幾つかの質問をしながら、県の考えを問いただしてまいりたいと思います。  まず第一点目は、公共プロジェクトの選択と集中の考え方について質問します。  先月初めに発表された日本の人口は一億二千七百五万人で、二年連続の減少となり、東京、名古屋、関西の三大都市圏の人口が日本の人口の半分を超えました。好景気の恩恵を受けている東京や名古屋などが勝ち組となっている反面、他のほとんどの地方では人口が減り、今後も大都市と地方との格差の拡大が危惧されます。  成長を引っ張る都市圏に資源を集中して成長力を高めることにより他への波及を図るという考え方も確かにございますが、その恩恵を受けるためには、受け皿としての力を確実に維持するとともに、地域間競争の時代の中で、その競争にしのぎを削っていかなければなりません。  ことし五月に公表された将来推計人口では、三十年後には全国で千七百万人もが減少し、広島県でも私の地元でございます呉市の倍近い四十八万人もの人口が減少する予測でございます。将来への不安をあおるわけではございませんが、少子・高齢化が深刻になる中で、いかに地域が生き残っていくかは最も重要な課題であり、こうした中で我が広島県も地域間競争に勝ち残っていかなければなりません。  地域が元気になるためには、もちろん産業や経済の発展が必要不可欠でございますが、その主役はやはり民間です。一方で、公共としての役割は数々のプロジェクトを駆使し、こうした民間活動の基盤整備やさまざまな誘導を行い、地域の成長を高めていくことにあります。そして、そこにこそ行政経営の本当の力量が問われるのでございます。  しかし、これまでの本県の取り組みを振り返ってみますと、がんセンターを初め、広島空港アクセス鉄道、エルミタージュ美術館の分館構想など、数々の大型プロジェクトが頓挫し続けてまいりました。公共事業についても、予算の厳しい縮減が続いており、広島市の東部地区連続立体交差事業のように、遅々として進まないものもたくさん出てきております。いわゆるハード整備である普通建設事業の推移を見ましても、ピークだった平成五年度の三千六百億円に比べ、今年度の当初予算では千六百四十五億円と半分以下にまで落ち込んでおります。  厳しい財政状況の中で、ハードからソフトへ、あるいは小さな政府へといった大きな流れを否定するものではございませんが、縮こまった守りの行政運営だけでは、何ら新たなものは生まれてきませんし、県民に将来の夢すら与えられません。  九月の補正予算についても、今年度は大きな災害がなかったという事情はございますが、県単独の公共事業費の補正が昭和五十年以来、実に三十二年ぶりにゼロとなっております。大規模プロジェクトの見直しや公共事業の多くを進度調整していく中で、一体どこに財源を集中投資しているのか、私には県の戦略がまるで見えないのでございます。財源が乏しく、ばらまき行政をするわけにはいかないことは重々承知しております。だからこそ、県としての選択と集中の考えをわかりやすく示して、県民の理解と協力を得ていかなければならないと強く思うのでございます。  そこで、現在、戦略を持って最優先で取り組んでいる事業は何か、公共プロジェクトにおける選択と集中の考え方について、まずお尋ねいたします。  次に、本県には、広島西飛行場と広島空港の二つの空港がございますが、選択と集中の必要性をわかりやすく示す例として、県内の空港機能の問題について検証していきたいと思います。  まず、広島西飛行場のあり方の見直しについて質問いたします。  広島西飛行場は平成九年から十年度には九つの路線がありましたが、経営上の問題から、現在は宮崎と鹿児島の二つの路線、一日四便のみになっております。搭乗者の数も、平成十四年度には十三万人を超えておりましたが、昨年度は半分以下にまで落ち込んでおり、平成二十三年春に九州新幹線の全線開通が予定されており、残る路線の存続も厳しいものがございます。  一方で、維持管理に要する経費についても、毎年約五億円もの赤字を県と広島市で折半して負担しております。それに加えて、施設の老朽化に伴い、無線施設の更新や滑走路などの補修が必要になり、毎年の維持管理費の負担を含め、今後十年間で何と約百億円もが必要とのことでございます。財政状況がよいときならまだしも、今の財政状況や今後の財政負担を考えれば、広島空港に集約化し効率的な対応をとるべきだということは、だれの目にも明らかです。そして、これこそが選択と集中ということではないでしょうか。  先日の新聞報道では、県は規模縮小を前提とした見直しを検討しており、年内にも中間的な取りまとめをして、来年の春、広島市との本格協議に入るとのことでございます。一方で、広島市は、広島都市圏の交通機能の核の一つとして、規模縮小は考えられないとの見解でございますが、毎年の多額の赤字の負担、そしてせっぱ詰まった施設更新を考えますと、一刻も早い勇気ある決断が必要とされております。先般、六月に出された広島商工会議所からの提言では、道州制の州都を目指し、公営の州都便を就航させるべきとされております。しかし、この構想はあくまでも理想であり、これまで多くの路線が廃止となったことを考えれば、赤字補てんが将来にわたって県の財政に重くのしかかってくることは容易に想像されます。県も、これまでに新球場をつくるだけの赤字が出ているとおっしゃっているように、これ以上、財源の浪費は避けなければなりません。  西飛行場の空港機能の存続が必要であるならば、広島市に管理を全面移管し、県は広島空港に専念するといった政令市との役割分担も一つの選択肢ではないでしょうか。広島西飛行場は見直すべきと考えますが、県としてどのように考えていらっしゃるのか質問します。また、今後、広島市と厳しい協議が予想されますが、見直しの実現に向けた強い決意をお聞かせ願います。  次に、広島西飛行場の機能を集約すべき広島空港についてお尋ねいたします。  広島空港は、現在、国内線が五つの路線、東京羽田便十五便を含め一日二十便、一方、国際線については七つの路線、ソウル、上海など週三十四便が就航しております。乗降客の数について見ますと、平成十七年度は三百二十九万人、全国十位であり、国際線のみで見ますと三十一万人で新千歳空港に次いで全国七位で、中四国地方の拠点空港としての地位を築いております。  また、現在、霧などによる欠航を改善するため、総事業費約九十六億円をかけて計器着陸装置の高度化、いわゆるCATIIIa化に取り組んでおり、来年度の供用開始が予定されております。広島西飛行場から広島空港への集約化が進めば、空港機能の二重投資を避けられるとともに、広域からの集客が進むことにより使用機材の大型化なども可能となってまいります。この集約化を円滑に進めていくためには、受け皿となる広島空港の機能強化が欠かせませんが、中でも広島都市圏からのアクセスの改善が最も重要となってまいります。  広島空港のアクセスの問題について、平成五年の開港以前から、その課題が指摘されておりました。このため、平成元年に軌道系アクセスの調査・検討を開始して以来、実に十八年にも及ぶ検討が続けられ、予備設計や環境調査など、八億八千万円もの経費をかけてまいりましたが、ちょうど一年前、昨年九月の定例会で、知事は一時見送ることを表明されました。JRの協力が得られないため、やむを得ないとのことでございますが、広島空港のアクセス機能の弱さを考えると、私は残念でたまりません。これまで二重投資をしてきた広島西飛行場への財政負担、さらには施設更新などにより今後必要となる極めて多額の負担を考えれば、広島空港に集中投資することにより、違う結果となったのではないでしょうか。リニア鉄道から在来線型への曲折があったにせよ、十八年もの歳月を要したということは、結局、県は最初から二の足を踏みながら検討を続け、決断を先送りばかりして、県民から、結局はやる気がないからだと批判されても仕方ありません。  空港へのアクセスについて、大量輸送ができること、また事故や雪によるおくれの不安解消がなされなければ、広島空港の拠点性向上にとって大きなアキレス腱となることは間違いございません。今後、本県は観光立県を目指しておりますが、海外や県外からの観光客にとっては、広島空港は重要な玄関口です。そのアクセスは非常に大切な機能です。このままでは、観光立県の取り組みにも支障が出てくるのではないでしょうか。  乗降客数の上位十位空港を見てみましても、順に羽田、成田、福岡、伊丹、さらには新千歳、関空、那覇、そして一昨年二月に開港した中部国際空港と、八位までの各空港でいずれも連絡鉄道があり、整備されていない空港は九位の鹿児島と十位の広島のみなのです。十一位の仙台空港ではことし三月にアクセス鉄道が開業し、仙台駅からの所要時間はそれまでの車による四十分から、電車でわずか十七分と大幅に短縮され、実際に利用した友達の話でも、実に快適であり、これで出張も楽になったと非常に喜んでおりました。本県の検討開始よりも遅かったにもかかわらず、宮城県では積極的な取り組みにより確実に成果を上げておられるのです。  県は、JRの協力がない限り検討は再開しないと言われるのでしょうか。  広島空港は、新幹線と競合関係にあることは承知しております。しかし、「思う一念、岩をも通す」という言葉もございます。信念を持って前向きに検討しない限り、未来永劫、JRの協力が得られるはずもありません。一時見送りとされた広島空港へのアクセス鉄道の整備について、拠点空港として必要不可欠の機能であり、引き続き検討し、早期に整備するべきだと強く思うのでございますが、知事御自身の胸の内の正直な思いをぜひともお聞かせください。  これまでは、戦略的な県政運営の必要性の視点から質問してまいりましたが、さらに県の施策が戦略として真の効果を上げていくためには、タイムリーでスピーディーな政策決定が必要不可欠でございます。民間では、このスピード感が最も重要視されます。クライアントからの要望にスピーディーに対応しなければ、信頼を失い、企業生命を危うくしてしまいます。また、常に新しい情報を感じ取り、他社に先駆けてビジネスチャンスをつかみ取っていかなければ、厳しい生存競争には勝ち残れません。  私も、これまでの民間での仕事の中で、その厳しさは痛いほど経験してまいりました。だからこそ、先ほども指摘した西飛行場の問題や、アクセス鉄道を初め、多くのプロジェクトが、何年もの月日と多額の経費を浪費しながら成果に結びついていない今の状況を思うにつけ、憤りを通り越し、情けなくて仕方がないのです。民間では、結果が出なければ給料は出ませんし、浪費した経費の弁償さえ要求されます。面倒なことからは遠ざかり、問題をうやむやにし、専ら先延ばしにすることが行政の安泰であり、それが公務員の最大の使命であると勘違いされていませんでしょうか。  もちろん、多岐にわたる行政の施策展開にはさまざまな反対意見が出ることは避けられません。しかし、こうした反対者を含め、幅広い意見を持つ人々にぶつかりながらも、誠心誠意理解を求め、スピーディーな施策展開に結びつけていくことこそが、県としての力の見せどころなのです。そして、その取り組みの陣頭指揮をとるのが県民からの直接の負託を受け、行政のトップとしてすべての権限を持っていらっしゃる知事のリーダーシップであると思います。  さきの六月定例会で、知事は、将来に向けたビジョンを持って道筋をつけていくことが私の責務である、そのため全身全霊を傾注して県政推進のために責務を果たしていくと誓われました。県民からの信頼を取り戻すため、知事に課せられた責務は非常に重たいものがあり、今後は強い信念を持って県政のかじ取りを続けられるわけでございますが、県民に対し、県政の道筋をスピーディーに、かつ具体的に目に見えるものとして示していくことが求められております。  地方分権や道州制、また格差社会の中での地域間競争など、地方行政を取り巻く環境は激しく揺れ動いております。こうした中で、県の施策をタイムリーに、常にスピード感を持って展開し、求められる成果をきちんと発揮してほしいと思いますが、スピーディーな政策実現について知事御自身の決意をお聞かせ願います。  質問の第二は、先日明らかになりました県立広島病院の前の副院長による収賄容疑事件についてでございます。  この問題については、ニュースなどでも報道され、皆さん御存じのことと思いますが、在職中の県の公務員の不祥事であり、非常に残念なことでございます。そもそも副院長というのは、院長に次ぐポストであり、県庁で言えば知事の下の副知事に当たる極めて重要なポストでございます。その重要なポストにある者のかかわった事件であり、これは一個人の問題ではなく、組織全体としての極めてゆゆしき問題であると指摘せざるを得ません。組織を代表して、公務員としての倫理観を率先していかなければならない者の一人でありながら、このようなことはとても理解できるものではありません。  昨年、ある雑誌で、累積赤字にあえぐ自治体病院として、県立広島病院が全国ワースト二位であるとのことでしたが、副院長がこの程度だから県病院の経営も何をしているかわかったものではないといった批判も出てくるのではないかと非常に心配しております。  現在、公立病院の多くは厳しい経営事情にあります。このため、国は年内までの公立病院改革のガイドライン策定に向けて懇談会を七月に設置するなど、全国的に改革が進められようとしております。また、六月に成立した財政健全化法では、自治体に対する財政規律の監視機能の強化を目的として、監視する対象を病院などの公営企業会計も含める内容となっており、赤字病院を抱える全国の自治体で、収支の改善が大きな課題となっているのでございます。  病院改革の大事な時期にあって、このような事態を招いていては、組織の内部や患者さんを含めた県民からの理解や協力が得られるはずもなく、厳しい改革を進めていくことは不可能でございます。  知事も含め、組織のマネジメントをつかさどる者は、その職責の重さをしっかりと認識しておかなければならないと改めて強く訴えたいのですが、今回のこの事件に関し、県の組織のトップとしての知事の御所見をお尋ねいたします。  次に、私は今まで設計士として多くの建物の建築に携わってまいりましたが、最後の質問は、このたび改正されました建築基準法の施行により、現在生じております建築業界の大変な混乱について御指摘をさせていただきたいと思います。  姉歯元一級建築士による耐震強度偽装問題を契機に、昨年六月に建築基準法が改正されました。そして、ことし六月二十日以降の建築確認申請からは、一定規模以上の建物の構造計算については、従来から行われている建築主事などによる構造審査に加えて、都道府県知事による構造計算の適合性の判定が義務づけられるなど、改正基準法が六月二十日に施行されました。  しかし、今回の改正法は技術的な準備ができていない段階での見切り施行となっており、いまだに不透明な点が多く、多くの設計事業者が建築確認申請を出せない状態になっており、明らかに政策ミスでございます。これは法の改正当初から懸念されていたことでございますが、この大改正に対して、実務者からは、こんなに煮詰まっていないのなら、最低でも施行を一年以上はおくらせるべきだったのにという悲痛な声をたくさん聞いております。  具体的に申し上げますと、改正法に対応した新しい構造計算プログラムについて、いまだ大臣認定されたものはなく、その上、改正基準法の詳細な講習会もようやくこの九月から全国スタートするというお粗末なありさまでございます。さらに、告示や技術的助言の内容が不十分なため、審査する側も理解不足で判断をおろせず、確認申請の停滞が発生しております。  例えば、今回の改正が審査の厳格化が目的であると言いながらも、技術的な運用基準がはっきり示されておらず、一体どの程度までの設計変更ならば、継続性のある変更として認められるのかが不明確となっております。施工段階の調整などで発生する軽微な変更までも確認申請図に表現することはとても不可能であり、社会の要求するスピードと合わなくなってしまいます。それに加えて、今回追加された構造計算の適合性判定手数料が、一件当たり数十万円もの高額な手数料であるため、再度申請し直すとなると、経費的にも時間的にも大変な負担になってしまいます。このため、多くの設計事業者が建築確認申請を出せない状態になっており、工事の発注ができず、建築着工のめどが立たない現状にあります。  今回の改正は、姉歯元建築士のような犯罪者を排除することが目的であり、まじめにやっている技術者やクライアントに必要以上の負荷をかけるものではないはずです。  建築基準法改正に当たって、国の説明によれば、細かい取り扱いは実際の建築確認審査に当たる県に任せると聞いておりますが、技術的な運用基準について、県はどのように判断し、指導していくおつもりか、お尋ねいたします。  また、今回の件で、中小零細企業あるいは下請建設業者は、工事の停滞により経営が相当圧迫されており、瀕死状態で、倒産や廃業する会社も出てきております。建設業界は公共事業の削減のあおりを受け、いまだ景気回復とはほど遠い苦しい経営を強いられており、官の施策のミスのツケを建設業者に回すようなことは絶対に避けなければなりません。融資を含めた支援対策について、県はどのように考えていらっしゃるのか、あわせてお尋ねいたします。  質問は以上でございますが、一言だけ申し添えたいと思います。  私は、広島県で生まれ、広島県で育ち、そして広島県で子供を育てて、ずっとここで生活をしてまいっております。  いろいろあっても、やっぱり広島県が大好きなのです。広島県はどこよりも住みやすいんじゃけんと、他県の人たちに自慢したいのです。そして、企業や生活者から選んでもらえる広島県になってほしいのです。しかし、今の県政の停滞感を見るにつけ、先人たちが築き上げてくれた中四国地方の雄県としての財産の上にあぐらをかいているように見えてなりません。岡山や山口など他県からの声も、追いつけ広島から追い越せ広島に変わってきております。受け継いだ財産に実や花をつけ、私たちの子供や孫たちに手渡していくのが我々の責務ではないでしょうか。宮崎県の東国原知事のようになれとは申しませんが、知事が県民と同じ目線に立ち、知事みずからの言葉で、知事の誠の心を県民に投げかけてほしいのです。そして、県民と行政と議会とが心を一つにして乗り切っていかなければならないのです。どうぞ、やる気がしっかり目に見える行政を心からお願いいたしまして、私の質問を終わらせていただきます。  御清聴、まことにありがとうございました。(拍手) 41: ◯議長(林 正夫君) 当局の答弁を求めます。知事藤田雄山君。         【知事藤田雄山君登壇】 42: ◯知事藤田雄山君) 杉西議員の御質問にお答えを申し上げます。  まず、公共プロジェクトの選択と集中の考え方についてお尋ねがございました。  厳しい財政状況の中にあっても、広島県総合計画の基本目標に掲げる活力と安心、希望のある元気な広島県を実現するため、選択と集中を図りながら、実施計画に位置づけた八つの新展開施策に、先導的・集中的に取り組んでおります。中でも、中国ブロック全体を視野に入れ、その成長を牽引する国際競争力のある産業集積の形成や本県の拠点性の強化への取り組みは、県勢の発展の基盤となるものであり、重点的に取り組んでいるところであります。  具体的には、成長性の高い先端的企業の誘致や、その受け皿となる大規模区画用地の確保、製造業の国際競争力の強化、グローバルゲートウエーとしての空港・港湾の機能強化、中国横断自動車道尾道松江線などの広域的な高速道路網の整備促進、広島高速道路などの都市間・都市内幹線道路網の整備促進などに取り組んでおります。  今後とも、限られた財源を最大限有効に活用し、こうした県勢の発展の基盤となる公共プロジェクトの効果的、効率的な執行を図り、着実に成果があらわれるよう重点的に取り組んでまいりたいと考えております。  次に、広島空港へのアクセス鉄道整備についてお尋ねがございました。  広島空港へのアクセス機能の充実強化は、本県の中枢拠点性の向上のために極めて重要であると考えております。このため、昨年まで、定時性や大量輸送性にすぐれたアクセス鉄道の整備につきまして、検討を進めてまいりました。  しかしながら、アクセス鉄道の整備の前提となるJR西日本の協力を得る見通しが立たず、また、県独自のシャトル鉄道を整備する場合は、多額の建設費に加え大幅な赤字経営が予想され、法律による鉄道事業としての許可が得られないものと判断し、この事業は一時見送るものといたしました。  広島空港へのアクセス機能の充実強化につきましては、大雪や交通事故の際にもできるだけ定時に広島空港へのアクセスが確保できますよう、広島高速道路や国道二号バイパス等の早期整備、白市駅から空港までのバス路線の充実等に引き続き取り組んでまいる所存でございます。  次に、スピーディーな政策実現についてお尋ねがございました。  私は、知事に就任して以来、厳しくかつ不透明な時代にあって、元気な広島県の実現を目標に据え、時々の状況をさまざまな角度から分析し、県民の皆様の負託にこたえるべく政策判断を行い、取り組んでまいりました。基礎自治体の強化については、全国に先駆けて市町村合併と県から市町への事務・権限移譲に取り組んだ結果、二十三の市町に再編されるとともに、全市町での旅券申請・交付の実施や町での福祉事務所の設置が進むなど、基礎自治体が主役となっていく枠組みが整いつつございます。  また、安心できる社会づくりでは、「減らそう犯罪」広島県民総ぐるみ運動に集中的に取り組むことにより、刑法犯認知件数では、平成十四年の五万九千件が昨年では三万五千件へ、率にして四一%減少するなど、短期間で大きな成果を上げております。  さらに、戦略的、機動的な企業誘致を進めた結果、半導体関連など先端技術産業の集積が進み、製造品出荷額は中国、四国、九州で二年連続して一位となっているほか、有効求人倍率も五年前の〇・六五に対し一・二一へとほぼ二倍近くに増加しております。  今後とも、社会経済情勢の変化や県民ニーズを見きわめ、コスト意識やスピード感を持って成果を重視しながら判断し、活力と安心、希望のある元気な広島県の実現に向け、全力を傾注してまいる所存でございます。  次に、県立広島病院の前副院長による収賄容疑事件についてのお尋ねがございました。  先週の九月十七日に、県立広島病院の元副院長が、在職中に患者の紹介をした見返りに商品券を受け取ったとして収賄容疑で逮捕されました。このことは、県立病院に対する県民の信頼を著しく損ねるもので、まことに遺憾であり、今後、こうしたことが二度と起こらないよう取り組んでまいります。  このため、県立広島病院における患者紹介の実態把握と不正の再発防止を図る観点から、外部委員による患者紹介システム調査検討委員会を設置することとしたところでございます。この委員会で早急に調査を進め、県としての改善策を策定することにより、再発防止に全力を挙げるとともに、現在進めている県立病院の改革にいささかも影響を与えることのないよう全力で取り組んでまいります。あわせて、職員の綱紀粛正の徹底を図ることにより、県民の皆様の信頼回復に最大限の努力をしてまいる所存でございます。  その他の御質問につきましては、担当説明員より答弁いたさせます。 43: ◯議長(林 正夫君) 空港港湾部長塩崎正孝君。         【空港港湾部長塩崎正孝君登壇】 44: ◯空港港湾部長(塩崎正孝君) 広島西飛行場のあり方の見直しについてお答えいたします。  広島西飛行場につきましては、本年七月に広島南道路の都市計画が橋梁方式へと変更されたことに伴い、滑走路が約四百メートル短縮されることとなったことを受け、今年度中に、これを前提とした再編基本計画を策定する必要があります。  一方、広島市においては、東京便の就航を検討されていますが、その可能性を見きわめる一つのポイントとされている羽田空港の再拡張事業は、平成二十二年十月の供用開始に向け、既に工事が本格化しております。  したがいまして、まずこのような情勢を踏まえるとともに、コミューター路線の今後の動向等も勘案しつつ、将来の方向性を具体的に決める時期が来ていると考えております。  県といたしましては、現時点で広島市の描かれる具体的な方向性をお聞きした上で、県民全体の交通利便性の向上や費用対効果などを踏まえ、広島西飛行場の今後のあり方について検討してまいります。 45: ◯議長(林 正夫君) 都市部長岡崎修嗣君。         【都市部長岡崎修嗣君登壇】 46: ◯都市部長(岡崎修嗣君) 建築基準法の改正に伴う県の対応についてお答えします。  今回の法改正は、構造計算偽装問題の再発防止を目的として、建築確認及び検査の厳格化を図り、六月に施行されたところでございます。法施行に先立ち、国及び県は、新たな技術的運用基準や細かな法解釈などの情報を申請側と審査側が共有し、円滑に確認審査事務を処理するため、説明会を開催してまいりました。  しかしながら、法施行までに時間的な余裕がなく、御指摘のように改正内容の周知徹底が十分できていなかったことなどから、新設住宅着工件数が減少するなどの傾向が見受けられます。国は、こうした状況を受け、手続の円滑化について、九月上旬に関係する審査機関及び県内建築関係団体との意見交換会を開催されております。  県といたしましては、引き続き、県内特定行政庁などと協力し、事前相談の充実や技術的運用基準の周知を図りながら、建築確認や設計変更などの迅速な処理に努め、建設業者の事業活動に支障が生じないよう支援してまいります。  また、融資につきましては、小規模事業資金や経営安定資金など、建設業者が利用可能なさまざまな融資制度の周知を図るなど、関係部局と連携して支援を行ってまいります。 47: ◯議長(林 正夫君) 明日も引き続いて質問を行います。明日は午前十時三十分から会議を開きます。  本日はこれをもって散会いたします。         午後二時四十四分散会 発言が指定されていません。 広島県議会 ↑ 本文の先頭へ...