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2002-03-12 平成13年度予算特別委員会(第3日) 本文
2002-03-12 平成13年度予算特別委員会(第3日) 名簿

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    トップページ 検索結果一覧 使い方の説明 (新しいウィンドウで開きます) 平成13年度予算特別委員会(第3日) 本文 2002-03-12 文書発言の移動 文書 前へ 次へ 発言 前へ 次へ ヒット発言 前へ 次へ 文字サイズ・別画面表示ツール 文字サイズ 大きく 標準 小さく ツール 印刷用ページ(新しいウィンドウで開きます) 別窓表示(新しいウィンドウで開きます) ダウンロード 表ズレ修正 表示形式切り替え 発言単文選択全文表示を切り替え 単文表示 選択表示 全文表示 発言者表示切り替え 全 112 発言 / ヒット 0 発言 すべての発言ヒット発言表示切り替え すべての発言 ヒット発言 選択表示を実行・チェックの一括変更 選択表示 すべて選択 すべて解除 発言者一覧 選択 1 : ◯質疑木山委員選択 2 : ◯答弁知事選択 3 : ◯質疑木山委員選択 4 : ◯答弁知事選択 5 : ◯質疑木山委員選択 6 : ◯答弁知事選択 7 : ◯質疑木山委員選択 8 : ◯答弁地域振興部長選択 9 : ◯質疑木山委員選択 10 : ◯答弁地域振興部長選択 11 : ◯質疑木山委員選択 12 : ◯答弁地域振興部長選択 13 : ◯質疑木山委員選択 14 : ◯答弁地域振興部長選択 15 : ◯質疑木山委員選択 16 : ◯答弁地域振興部長選択 17 : ◯質疑木山委員選択 18 : ◯答弁知事選択 19 : ◯要望木山委員選択 20 : ◯質疑藏田委員選択 21 : ◯答弁教育長選択 22 : ◯質疑藏田委員選択 23 : ◯答弁教育長選択 24 : ◯質疑藏田委員選択 25 : ◯答弁教育長選択 26 : ◯質疑藏田委員選択 27 : ◯答弁教育長選択 28 : ◯質疑藏田委員選択 29 : ◯答弁(福祉保健部長) 選択 30 : ◯質疑藏田委員選択 31 : ◯答弁(福祉保健部長) 選択 32 : ◯質疑藏田委員選択 33 : ◯答弁(福祉保健部長) 選択 34 : ◯質疑藏田委員選択 35 : ◯答弁(福祉保健部長) 選択 36 : ◯質疑藏田委員選択 37 : ◯答弁(福祉保健部長) 選択 38 : ◯質疑藏田委員選択 39 : ◯答弁(福祉保健部長) 選択 40 : ◯質疑藏田委員選択 41 : ◯答弁(福祉保健部長) 選択 42 : ◯質疑藏田委員選択 43 : ◯答弁(福祉保健部長) 選択 44 : ◯質疑藏田委員選択 45 : ◯答弁(福祉保健部長) 選択 46 : ◯質疑藏田委員選択 47 : ◯答弁(福祉保健部長) 選択 48 : ◯質疑藏田委員選択 49 : ◯答弁(福祉保健部長) 選択 50 : ◯質疑藏田委員選択 51 : ◯答弁知事選択 52 : ◯質疑藏田委員選択 53 : ◯答弁知事選択 54 : ◯要望・意見(藏田委員選択 55 : ◯質疑木山委員選択 56 : ◯答弁(農林水産部長) 選択 57 : ◯質疑木山委員選択 58 : ◯答弁(農林水産部長) 選択 59 : ◯質疑木山委員選択 60 : ◯答弁(農林水産部長) 選択 61 : ◯質疑木山委員選択 62 : ◯答弁(農林水産部長) 選択 63 : ◯質疑木山委員選択 64 : ◯答弁(農林水産部長) 選択 65 : ◯質疑木山委員選択 66 : ◯答弁知事選択 67 : ◯質疑木山委員選択 68 : ◯答弁(農林水産部長) 選択 69 : ◯質疑木山委員選択 70 : ◯答弁(農林水産部長) 選択 71 : ◯質疑木山委員選択 72 : ◯答弁(農林水産部長) 選択 73 : ◯質疑木山委員選択 74 : ◯答弁知事選択 75 : ◯要望木山委員選択 76 : ◯質疑(森本委員) 選択 77 : ◯答弁教育長選択 78 : ◯質疑(森本委員) 選択 79 : ◯答弁教育長選択 80 : ◯質疑(森本委員) 選択 81 : ◯答弁教育長選択 82 : ◯質疑(森本委員) 選択 83 : ◯答弁教育長選択 84 : ◯質疑(森本委員) 選択 85 : ◯答弁教育長選択 86 : ◯質疑(森本委員) 選択 87 : ◯答弁(警察本部長) 選択 88 : ◯質疑(森本委員) 選択 89 : ◯答弁(総務企画部長) 選択 90 : ◯質疑(森本委員) 選択 91 : ◯答弁(総務企画部長) 選択 92 : ◯質疑(森本委員) 選択 93 : ◯答弁(総務企画部長) 選択 94 : ◯質疑(森本委員) 選択 95 : ◯答弁(政策企画局長) 選択 96 : ◯質疑(森本委員) 選択 97 : ◯答弁知事選択 98 : ◯質疑(森本委員) 選択 99 : ◯答弁知事選択 100 : ◯要望(森本委員) 選択 101 : ◯質疑(中田委員) 選択 102 : ◯答弁(環境生活部長) 選択 103 : ◯質疑(中田委員) 選択 104 : ◯答弁(環境生活部長) 選択 105 : ◯質疑(中田委員) 選択 106 : ◯答弁知事選択 107 : ◯質疑(中田委員) 選択 108 : ◯答弁(政策企画局長) 選択 109 : ◯質疑(中田委員) 選択 110 : ◯答弁知事選択 111 : ◯質疑(中田委員) 選択 112 : ◯答弁教育長) ↑ 発言者の先頭へ 本文 ↓ 最初のヒットへ (全 0 ヒット) 1: 5 会議の概要  (1) 開会  午前10時30分  (2) 質疑・応答 (木山委員◯質疑木山委員) 皆さん、おはようございます。自民党議員会の木山でございます。早速質問に入らせていただきます。  まず、中枢機能の強化についてお伺いいたします。  最近、広島は元気がないとか、地盤低下が著しいとかということをよく耳にいたします。今から15年ぐらい前であったと思いますが、地方中枢都市の代名詞として「札・仙・広・福」ということが言われ、地方の担い手として脚光を浴びた時代がございました。その後、バブルの崩壊などで社会経済環境が大きく変わった中、広島県はどうなったのかと考え、データを調べてみますと、卸売販売額、小売販売額については、ここ10年間ほぼ横ばいですが、県内総生産のシェアは、昭和60年の2.31%が平成10年には2.21%に低下し、製造品出荷額は平成元年の2.76%が平成12年には2.41%に低下しております。福岡、宮城、北海道が伸びた中で、広島県は13%も低下しております。また、地域活力のバロメーターとも言える人口も、年々シェアが低下し、平成12年の国勢調査ではマイナスになるというショッキングな事態が生じております。  このように、データの結果から見ますと広島の地位が低下していると言わざるを得ませんが、この原因は何にあると考えられているのか、知事の御所見をお伺いいたします。 2: ◯答弁知事) 近年、経済のグローバル化や高度情報化の進展など、我が国を取り巻く社会経済情勢が大きく変化している中で、本県では、基幹産業である製造業の低迷、卸売業を初めとする拠点機能の伸び悩み、人口の社会減少の拡大など、活力の低下が懸念される状況にあることを喫緊の、かつ最大の課題として、かねて厳しく受けとめているところでございます。  こうしたことの原因としましては、これまでの本県の産業を支えてきた自動車、一般機械などの製造業が、国際的な経済環境の変化による厳しい影響を受けていること、情報通信ネットワークの整備に伴い、支社・支店の整理統合が進んでいること、集客力を持った都市型のサービス産業の集積のおくれなどがあると考えております。 3: ◯質疑木山委員) 次に、中枢機能を支える交通基盤として、広島ではアストラムラインができましたが、他の3都市では地下鉄が整備され、また、高速交通のかなめである空港への軌道系アクセスについても、福岡、札幌は既に開業し、仙台も平成18年の開業を目指して着手しております。広島は、これを見ましても取り残されているのではないかと思うところであります。  都市内の交通網も、福岡では昭和46年に県と福岡市、北九州市で公社を立ち上げ、指定都市高速道路の整備がされてきております。本県でも平成9年に広島市と公社を設立し整備を始めましたが、20年以上もおくれております。さらに、国内・国際航空路線も、福岡は充実しており、交通機能面での福岡との差は開くばかりと考えるところであります。  にぎわい、商業機能も、本県では紙屋町地下街、パルコ新館などショッピング機能も徐々に整いつつありますが、福岡では既にシーサイドももちに福岡ドームやホテルなどから成るホークスタウンが完成しており、その後さらに再開発事業も多く手がけられ、ホテル、劇場、美術館、交通ターミナル機能などを備えた複合施設としてキャナルシティ博多など、多くの魅力ある大規模な複合集客施設が誕生しております。  こうした施設の整備効果もあってか、福岡県の平成12年の入り込み観光客は8,800万人と10年連続して増加しております。福岡県には若者や家族連れなどが、九州ばかりでなく、海外からも集客を図るシステムができ上がっていると思われます。若者を初め多くの人が集まり、にぎわいが創出されることによって地域も活性化いたします。また、そのことが中枢機能の向上にもつながってくるものと考えられます。  これまで本県は、中枢機能の向上を目指して各種施策に取り組んでこられたと思いますが、知事は、本県の中枢拠点性について、福岡などに比べて現状をどう認識しておられるのか、お聞きいたします。 4: ◯答弁知事) 福岡県は九州一円を商圏とする商業都市・福岡市を中核として発展してまいりました。一方、広島県は、沿岸部の各都市が主に製造業などのものづくりを通じて成長してきた歴史がございます。そうした歴史の違いなどもあり、本県では他の地方中枢都市圏に比べ、広島市など県の活力を牽引してきた都市部において、製造業や卸売業の低迷などにより、総じて人口の転出超過が拡大傾向にございます。したがって、内外の企業や人々から選ばれる魅力あふれる元気な県づくりに、広島市、福山市などの市町村や経済界とこれまで以上に連携しながら、全力を挙げて取り組むべきときであると認識いたしております。 5: ◯質疑木山委員) 広島が名実ともに中四国の中枢県として発展していくためには、元気を取り戻さなければならないと考えます。広島県の平成12年の入り込み観光客は、しまなみ効果の反動とも言われておりますが、福岡県とは逆に6.7%、280万人減っております。私は、元気の再生のためには、先ほどの福岡県の例からして、集客による地域の活性化を図るべきと考えます。人が集まることは、人が人を呼び、にぎわいの輪が相乗的に広がり、交通、宿泊、飲食、産品など多方面にわたり大きな経済効果をもたらすことになります。  そこで、再開発などによって、より高い集客力が見込める市域内で、広島でしか体験できない大規模な集客機能を持つ施設を新たに整備してはどうかと考えますが、いかがでしょうか。現在、観音地区で広島FMP開発事業が進められておりますが、さらに相乗効果が発揮できると考えます。  このような事業の推進に当たっては、政策決定のスピードとタイミングが重要であり、決断のいかんによって事業の成否が決まると言っても過言ではありません。知事の御見解をお伺いいたします。 6: ◯答弁知事) 本県には、国際的な知名度を初め、ものづくりの歴史や産業技術の集積という強みがあることに加え、国際的にも大変貴重な観光資源であり、また産業、海運、観光、文化など、あらゆる分野で高い集積を築いてきた瀬戸内海地域という恵みもございます。これらを生かして、平和の発信・創造機能、国際的芸術文化拠点の機能など、新たな視点も加えた都市機能の一層の強化や、広島フェスティバル・マーケット・プレイスのような、民間の資金やノウハウを活用したにぎわい創出プロジェクト、瀬戸内海地域を新しい時代のモデルとなる地域として再生するため、新たな法整備も視野に入れた構想調査などを進めております。
     これからの本県の元気づくりには、本県独自の強みや恵みを最大限に生かして、国の内外から企業や人々が集まってくる、時代に対応した魅力づくりに取り組むことが重要だと考えておりまして、スピード感を持って取り組んでまいりたいと考えております。 7: ◯質疑木山委員) 政策決定は、調査・検討を行った上で決定するのが通常のパターンでありますが、慎重に調査・検討を重ねる余り、長時間を費やしたり、決断をちゅうちょすることによって、結果としてタイミングを失ってはなりません。政策は、先ほどもお話がありましたように、スピード、タイミング、決断によって成否が決まると考えます。もちろん慎重さは必要ですが、元気な広島県の構築に向けて、こうした姿勢で県政運営に当たっていただくようお願いいたします。  次に、市町村合併についてお伺いいたします。  市町村行政を取り巻く社会経済環境は大きく変化いたしております。とりわけ地方交付税の段階補正の見直しなど、小規模市町村を取り巻く環境は非常に厳しいものがございます。  本県では、全国でもトップランナーと言われるくらい、市町村合併の機運が高まっており、各地域で合併に向けた取り組みが真剣に行われている状況であります。具体的に県内の合併動向を見ますと、本日現在で、法定協議会が4、任意協議会が14、その他の検討組織を合わせると全部で33の検討組織が設置されており、実に全市町村の9割以上の市町村で合併に向けた取り組みが進められております。また、14年度の早い時期には、新たな任意協議会や法定協議会が県内各地で設置される見込みとお聞きしております。なぜこれだけ急速に県内の合併協議が進展しているのか、これまでの市町村の取り組みについてどのような所感をお持ちか、お伺いいたします。 8: ◯答弁地域振興部長) 現在、県内すべての市町村で、地域の将来を展望し、合併に向けて真剣に御議論をいただいております。その背景には、厳しい国・地方の財政状況、少子・高齢化の現状など、市町村を取り巻く大きな環境変化や、分権時代を迎え、広域化、多様化する住民ニーズに対応したより広域的な視点に立ったまちづくりの必要性など、市町村が直面するさまざまな行政課題がございます。  こういった背景を踏まえ、それぞれの市町村が将来にわたって住民サービスの維持・向上を図る上からも、合併による行政体制の整備が必要であるという認識をいただいた結果だと考えております。 9: ◯質疑木山委員) 確かに合併協議が各地で進んでおりますが、地域で大きな課題、問題が生じていることも事実でございます。法定協議会や任意協議会での協議の過程で、新市町村の名称や本庁舎の位置の決定をめぐり、協議確認事項の白紙撤回の申し入れや町長の辞任など大きな混乱が出てきております。対等合併を目指す中山間地域を中心とした合併協議の中で起きているこういった問題について、どのように受けとめられているのか、また、どう対応されようとしているのか、御所見をお伺いします。 10: ◯答弁地域振興部長) 合併は地域の思いを一つにまとめていくという非常に困難な取り組みでございます。今回の市町村の新しい名称や本庁舎の位置の決定をめぐる問題は、合併協議におけるそれぞれの地域の強い、熱い思いから生じたことだと受けとめておりますが、これを解決していくためには、お互いの理解と歩み寄りが必要でございます。合併という大きな目標を念頭に置きながら、ぜひとも議論を尽くしていただいて、合併合意を図っていただきたいと考えております。  県といたしましても、地域の実情や思いをしっかりとお聞きしながら、課題の克服に向けて歩み寄りが図られるように最大限の努力を行ってまいります。 11: ◯質疑木山委員) また、単独町制を目指すと表明されている町長もおられます。先日には単独町制でいく旨の議決がなされ、その旨を決定された町もあります。これらについてどう受けとめられているのか、また、これまでこうした町に対して、県としてどういった取り組みや支援を行われてきたのか、お伺いいたします。 12: ◯答弁地域振興部長) 県といたしましては、これまで合併に関するさまざまな情報提供や助言、また研修などを通じて、その必要性について理解を求めてまいりました。現在、各地で合併に向けた真剣な論議が行われておりますけれども、その中で単独町制を維持していくと判断された町もございます。  しかしながら、合併は、広域的な視点に立った将来のまちづくりでございます。また、過疎・高齢化の進行、厳しい財政状況を踏まえますと、合併による行政体制の整備の必要性は今後さらに増していくものと考えております。こういった観点から、今後とも合併について引き続き議論を深めていただきたいと考えております。 13: ◯質疑木山委員) 国におきましては、昨年6月、経済財政諮問会議がいわゆる骨太の方針を出し、その中で、規模の小さな町村については仕事と責任を小さくし、都道府県が肩がわりするなど、団体の規模に応じた役割を見直すことを検討する方針が打ち出されました。それを受けて国の地方制度調査会において、こういった検討が具体的に進められることとなってくるものと思います。  私は、こうした役割の見直しは、小規模市町村の自治そのものを制約するものになるのではないかと考えますが、合併を進めるためには、こういった情報も町村に提供し、合併協議の進まない地域に一層の働きかけを行い、積極的にリードしていくべきではないでしょうか、御所見をお伺いします。 14: ◯答弁地域振興部長) 先ほどから御答弁申し上げておりますけれども、現在、県内のほとんどの市町村におきまして、合併に向けた取り組みが行われております。合併後の将来のシナリオが描きにくいことなどもございまして、具体的な議論が進んでいない地域もございます。  合併は、市町村にとりまして、みずからの地域の将来のまちづくりを行うためのものでありますが、県にとりましても極めて重大な課題でございます。このため、これらの地域に対しましては、分権改革の中での今後の市町村の姿などの情報も提供しながら、あらゆる機会を通じて働きかけを行い、合併の必要性についての理解を求めてまいります。 15: ◯質疑木山委員) 次に、合併協議の中で周辺部の町村長さん方が抱えている大きな不安についてお伺いいたします。  合併によって周辺部になることによって、自分たちがこれまで行ってきたサービスの維持ができなくなるのではないか、自分たちの声が結果として、人口の多い地域の声にかき消されるのではないかといった不安の声が、とりわけ中山間地域の町村から聞こえてまいります。  昭和の大合併以降、50年間続いてきた町村の枠組みを変えることは、町村長さん方にとりまして大変な苦しみを伴うものがあると思います。そこでお伺いしたいのは、県として、そうした声をどう受けとめておられるのか、また、合併後の新しい市や町の姿をどう描いておられるのか、さらに、そのためにはどのような支援を行っていこうとしておられるのか、御所見をお伺いいたします。 16: ◯答弁地域振興部長) これまで市町村長さん、議会の議員の方々など多くの方々から合併協議過程における課題や悩みをお聞かせいただきました。その中で、自分たちの町がなくなることへの不安、特にこの15年間、ふるさと創生以降、地域住民の意見を聞きながら、参加を得ながら進めてきたまちづくりが、まだ半ばでございます。それが大きな町に飲み込まれ、周辺部になることによってうまくいくのだろうかという切実な思い、また、合併後の将来の姿を住民に示すことなく合併は進まないという御意見も伺っております。  県といたしましても、合併の終局の目的は、これまでの地域の方々が培ってきた伝統や文化、産業などの魅力を生かし、それぞれの地域が生き生きと輝き、またそれを実感できる、そういった将来のまちづくりであると考えております。  こうしたまちづくりの実現に向けて、国の支援プランの活用はもとより、来年度予算で新たにお願いしておりますけれども、地域の生活基盤の整備や地域のコミュニティーの構築など、できる限りの支援をしたいと考えております。 17: ◯質疑木山委員) 中山間地域の規模の小さな町村が、それぞれの地域の風土と歴史の中で営々として築いてこられた文化や伝統を大切にし、合併後も魅力と存在感のある地域として輝いていくよう、県として合併協議の過程を通じてしっかり応援していただき、実りある合併を実現していただくことを強くお願いしたいと思います。  ここで、改めて合併推進に向けての知事の決意をお伺いしたいと思います。 18: ◯答弁知事) 今回の合併は、少子・高齢化の進展や経済情勢の変化などに対応する今、市町村が地方分権の担い手にふさわしい行政体制の整備を図ろうとするもので、この半世紀近く続いた枠組みを大きく変える極めて重要な取り組みでございます。  多くの困難を伴うことと思いますが、その実現に向けて課題を克服しながら、粘り強く取り組みを進めていただきたいと考えております。今後とも、最大限の支援を行ってまいります。 19: ◯要望木山委員) 合併について、大きな問題を抱えている町村について、県はどのように指導してきたのかお伺いをいたしました。合併の取り組みが進めば進むほど、いろいろな問題が起きております。しかし、私は、県が本当に合併が必要と思うなら、もっと強力に市町村の指導に取り組むべきと思います。合併しようという機運の盛り上がった町村に対する助言と、そうでない町村に対する指導は、おのずから密度が異なって当然だと思うのであります。もちろん、合併は住民の意思、市町村の主体性によるべきものであることは言うまでもありませんが、それは議論の末に、最後は住民、市町村が決めることであって、県の意思をはっきり言ってはならないということではないと考えます。  また、今後、合併が目の前に来れば、例えば庁舎の位置など、対等合併であればあるほど合意に向けて大きなエネルギーが必要となってまいります。そうしたとき、県は、市町村の問題だからと言って傍観するのではなく、県の意見を的確に示して、最後は市町村の決断に任せる、こうした対応が強く求められると思います。  以上のようなことを強く要望して1回目の質問を終わります。 20: (藏田委員◯質疑藏田委員) おはようございます。自由民主党広島県議会議員会の藏田義雄です。  3月25日から11日間、選抜高校野球大会が大阪で始まりますけれども、広島県からは広陵高校と広島商業高校の2校が出場します。その中で、活力ある広島県のためにも、願わくは私は両校が決勝戦で当たってくれることを心から思いながら質問に入らせていただきます。  本日の予算特別委員会の場におきまして、元気な広島県づくりの推進として知事が議会に提案されました平成14年度当初予算案の中でも、特に、新たな「教育県ひろしま」の創造、安心が実感できる県民生活の確保について、これをより一層推進していくための観点から、中高一貫教育校について、また、現在、国を中心としてさまざまな議論がなされております社会保障制度改革などについて質問していきたいと思います。  それでは、質問に入らせていただきます。  まず、中高一貫教育校についてであります。中高一貫教育校は、東広島市に県立の併設型中高一貫教育校として設置されることとなりましたが、このたびの予算案では、14年度は約29億円、15年度の債務負担行為といたしまして約38億円、計約67億円の整備費が計上されております。財政事情が大変厳しい中でのこの措置であり、新たな「教育県ひろしま」の創造に向けた切り札として、中高一貫教育校にかける教育委員会の意気込みを感じております。  さて、中高一貫教育校については、昨年6月定例会で当委員会の山田委員長が、そのあり方について質問されたところでありますが、その後の進捗状況等を確認する意味で私が改めてお伺いしますので、教育長の御答弁をよろしくお願いいたします。  まず、質問の第1点は、中高一貫教育校の必要性についてであります。中高一貫教育校は、本県教育のリーディングスクールとして位置づけがされておりますが、ではどのような教育課題に対して中高一貫教育校が本県の全体をリードしていくのか、また、なぜ中高一貫なのか、中高一貫教育校を設置する必要性、理由について教育長にお伺いします。 21: ◯答弁教育長) 中高一貫教育校設置の必要性についてのお尋ねでございますが、本県教育におきましては、現在、是正指導の徹底あるいは教育改革の推進ということに努力しておりますけれども、その大きな目標として、新たな「教育県ひろしま」の創造ということがございます。その課題の一つといたしまして、新しい時代をリードする人材を育てていくことが重要であると考えております。このことは、本県の産業や文化の発展にとって必要不可欠でございますし、国家や国際社会の発展にも寄与するものであると考えております。  このため、新設の中高一貫教育校では、6年間という長いスパンでの計画的、継続的な指導を行うことができますので、その利点を生かしまして、将来、自分は社会に対してこうかかわっていくのだという明確な目的意識とともに、高い知性と幅広い教養を身につけさせる全人的な教育を目指したいと考えております。そして、個に応じた指導を通して、いわゆる難関大学への進学も含め、生徒や保護者の希望や願いを最大限実現することができるような学校にしてまいりたいと考えております。  現在、県内の各学校では、学力向上、豊かな心の育成ということで努力を重ねておりますが、東広島市にこの新しい学校ができることで、県内の他の学校にもよい意味での刺激を与え、相互に協力し、競い合う中で、全体として本県公教育の飛躍が期待できるものと考えております。 22: ◯質疑藏田委員) 答弁でいろいろ言っていただいた中で、すべてのことが入っているように思うのですが、もっとかみ砕いて、次に、教育校の教育方針についてお伺いしたいと思います。  本県教育のリーディングスクールとしての役割を持つ中高一貫教育校は、それにふさわしい教育方針を私は明確にしていただきたいと思います。さきの本会議の質問最終日に、我が党の平田議員から質問がありまして、教育委員長が御答弁されました、志をはぐくむ教育を実現する場としての中高一貫教育校もあると思います。つまり、志の確かな人材、困難に耐え得る人材、独創力に富む人材といった広島県の精鋭を養成することが求められているのでありまして、そのリーダーが私は中高一貫教育校であると思います。ついては、中高一貫教育校ではどのような教育方針のもとで、どのような子供たちを育てていくのか、教育長にお伺いいたします。 23: ◯答弁教育長) 中高一貫教育校の教育方針等につきましては、現在、協議会を設置して議論を進めているところでございます。これまでのところ、育てたい生徒の資質や能力といたしまして、1つには、確かな学力や論理的な思考力、2つ目として、規範意識や他人を思いやる心、3つ目として、高い目的意識や困難を乗り越える精神力などが挙げられております。  志をはぐくむ教育という点では、6年間という長いスパンの中で、自分自身を深く見つめ、将来の職業や人生設計を考えて、その実現のために今何をなすべきか、どういう経験を積むべきかなど、自己のあり方、生き方を考える学習を重点化する方向を検討しております。 24: ◯質疑藏田委員) 協議会設置という言葉を聞きまして、本当に安心しております。  次は、地域の教育資源としての教育力の活用についてお伺いいたします。  中高一貫教育校が設置される東広島市は、学園都市と言われますように、東広島市だけでなく、県内あるいは国内、国外を視野に入れたテクノプラザ、そしてまた広島大学、近畿大学など、さまざまな教育機関や研究機関がございます。このように大変恵まれた地域の教育資源や教育力を、中高一貫教育校の教育に十分活用すべきであると思いますが、具体的な方策を教育長にお伺いいたします。 25: ◯答弁教育長) 御指摘のように、東広島にはさまざまな教育的資源がございますので、地元の御理解、御協力をいただきながら、積極的に連携してまいりたいと考えております。  まず、国際協力事業団やテクノプラザがございます。体験学習などの面での連携を考えております。海外の文化や最先端技術など本物に触れさせることで、子供たちの豊かな知性や感性をはぐくむことが可能になります。そしてそのことが、みずからのあり方、生き方を考える上で土台づくりにつながっていくということを期待しております。  また、近隣の大学あるいは県立教育センターにつきましては、授業研究や公開授業などの面で協力いただいて教員の資質向上を図るとともに、高大連携によって、高校生が大学の授業を受ける機会も確保してまいりたいと考えております。 26: ◯質疑藏田委員) 大いなる活用をしていただきまして、本当の人材育成をしていただきたいと思います。  次は、中高一貫教育校に関しましては、寮の設置を伺っております。この寮の位置づけと活用についてお伺いいたします。  この学校では、県内すべての生徒に入学の機会を与え、そのために寮を設置すると伺っております。そのような通学事情に配慮しての寮の設置ですが、せっかくつくるのですから、有効な活用を工夫することが必要だと思います。とりわけ少子化の影響で兄弟姉妹の少ない子供たちに、共同生活を通しての社会性の育成やルールを守ること、学習習慣を身につけること、あるいは当たり前のことが当たり前にできることなど、寮生活は大きな成果を上げると私は思います。この寮の位置づけ及び活用について教育長の考えをお伺いします。 27: ◯答弁教育長) 寮でございますが、この寮は、自宅通学できない地域の生徒が常時入寮し、切磋琢磨の環境の中で、学習習慣や社会性、協調性を培う共同生活を行うこととなりますが、同時に、通学生につきましても、一定期間入寮体験をさせることで同様の教育効果をねらうこととしております。中学校1年生から高等学校3年生までの異年齢集団が、規律ある寮生活をともにすることで、学習習慣の定着、社会性や協調性の育成など全人的な教育の場として活用してまいりたいと考えております。  こうした寮におきます教育的な機能を充実するために、地元の大学院生などによりまして生徒の学習を補助していただく、あるいは外国語指導助手の協力によりまして国際感覚の醸成のための指導を行うということも検討しているところでございます。 28: ◯質疑藏田委員) 寮の意義を本当に考えてやっていただきたいと思います。これまでの答弁を伺いまして、教育長、また県の考え方がはっきりわかってきたような気がいたします。  締めくくりとなりますけれども、中高一貫教育校に関しての要望を申し上げておきたいと思います。  生徒数の減少、財政事情を考えますと、このたびの中高一貫教育校は、新設校としては恐らく最初で最後の県立学校になると思います。その意味でも、この中高一貫教育校が本県教育をリードする学校として、東広島市や関係者の方々の理解や協力を十分得て、地元と一体となって設置され、教育実績、教員の指導力、学校経営等の面でその力を十分発揮することを期待しております。  また、中高一貫教育は、多くの私学も取り組んで進学実績を伸ばしております。地元の東広島市には私学の中高一貫校もありますが、お互いにいい意味での競い合いをしていただいて、ともども本県全体の学力向上の成果を挙げていただくことを願っておりますし、議会としても、そのための支援をしてまいりたいと思っております。  続きまして、社会保障制度全般についてお伺いいたします。まず、社会保障制度の現状認識についてであります。  少子・高齢化の急速な進展、経済活動の停滞、国と地方を通じた財政状況の極端な悪化など、社会保障制度を取り巻く環境は厳しさを増しております。年金、医療、介護などの社会保障給付費は、今や国の一般会計予算82兆円に匹敵する78兆円という巨額に上っております。社会保障制度は、国民の安心と生活の安定の基礎をなすものでありますが、若い世代を中心に、制度そのものの持続可能性や将来の負担増に対する不安、懸念が増大しております。  そこで、国における社会保障制度の構造改革論議の中では、今後は給付は厚く、負担は軽くというわけにはいかないという指摘がされておりますが、このような現状認識についてどのように受けとめておられるのか、まず福祉保健部長にお伺いします。 29: ◯答弁(福祉保健部長) もとより給付と負担は表裏一体のものでございます。今般の社会経済情勢の中で社会保障制度を安定的に維持していくためには、国民経済全体の負担能力という、いわばマクロの面と、所得、年齢等に応じた個人の負担能力のバランスというミクロの面から、その負担のバランスについて考えていく必要があると考えております。  また、給付につきましても、生活水準の向上、価値観の多様化などに伴いまして、より質の高いサービスを適切かつ効率的に提供することが求められております。このような観点から、給付と負担の両面において、その内容を国民に明らかにしながら社会保障制度改革は進められるべきものであると認識しております。 30: ◯質疑藏田委員) 国の方への要望もよろしくお願いいたします。  次は、社会保障制度の意義についてお伺いいたします。  我が国の場合、社会保障の主要な部分は、公的な制度によって担われておりますが、制度のあり方について、むだがあるとか、負担が不公平であるといった指摘がございます。生命保険は民間で実施されておりますし、公的な介護保険制度では対応し得ない部分をカバーするように民間の介護保険も出てきております。このような状況の中で、社会保障を公的に実施する意義がどこにあるのか、福祉保健部長にお伺いいたします。 31: ◯答弁(福祉保健部長) 国民の相互扶助と社会連帯によって支えられております社会保障制度は、何らかの形で生活の安定が損なわれた場合に、個人の尊厳を尊重しつつ、健やかで安心できる生活を保障するために、国民全体の合意のもとに制度をつくり、皆で支えていくべきものであります。  国民のだれもが安心・安全を実感するためには、社会のセーフティーネットたる社会保障が確固たるものであるということが大前提であると考えております。このような国民生活を維持する上での基礎的な社会基盤は公的に構築すべきものであり、県もその一翼を担うものであると考えております。 32: ◯質疑藏田委員) わかりました。  次は、福祉・保健施策を推進する県の役割についてお伺いいたします。  福祉・保健の分野では、平成2年の社会福祉関係8法の改正、平成6年の地域保健法の制定によりまして、地方分権が先行して進められております。住民に最も身近な市町村において、サービスが総合的・一元的に提供される体制になっております。このような制度改革の経緯を踏まえて、福祉・保健施策を推進するに当たっての県の役割をどのようにとらえておられるか、福祉保健部長にお伺いします。 33: ◯答弁(福祉保健部長) 福祉・保健分野におきましては、県から市町村への権限移譲が急速に進められまして、現在、対人サービスのほとんどについては、一義的には住民に身近な市町村において総合的に提供される状況となってきております。このような中で、県の主な役割は、市町村を包括する広域の地方公共団体として、市町村で処理することが困難な広域的または専門的な業務を処理することや、県全体としてのあるべき姿に近づけるための政策誘導などであると考えております。 34: ◯質疑藏田委員) まだまだこの中身は尽きないと思いますが、次は介護保険等の県の財政負担についてお伺いします。  介護保険に関して、当初予算案では、県は介護給付に要する費用の8分の1といたしまして、151億円を義務負担することとなっております。特別養護老人ホームの整備に当たっても、費用の4分の1、約7億円を義務負担することとなっております。子供の保育においても、運営費、施設整備費について県の義務的な負担がたくさんございます。これらの県の財政負担は法律に基づくものではありますが、介護も保育も市町村が主体となって実施されている事業でございます。殊に介護保険に係る財政負担は今後大幅に増大するものと思われます。  そこで、地方分権の時代にあって、県が市町村の事業に対してこのような丸抱え的な財政負担を行う趣旨について福祉保健部長にお伺いいたします。 35: ◯答弁(福祉保健部長) 市町村が運営いたします介護保険、あるいは市町村が実施する保育、さらには社会福祉法人が行う社会福祉施設の整備につきましては、県民全体の福祉の向上という観点から、県もその費用の一部を負担または補助することとされているものであります。  しかしながら、今後、地方分権改革による県や市町村への税財源の移譲、社会福祉構造改革などに伴いまして、これらの事業に対する財政支援の内容もおのずと見直されるものではないかと考えております。 36: ◯質疑藏田委員) 財政支援の見直しもやがては大変な時期が来ると思いますので、よろしくお願いします。  次は、介護分野等への民間事業者の参入についてお伺いいたします。  社会保障は大変大きな規模の産業分野とも言えると思います。また、介護、保育などのサービスは、今後、多様な需要が急速に拡大する成長分野、新規産業や新規の雇用を創出する分野とも言われております。介護の分野も保育の分野も、これからは利用者にとってお仕着せではない、利用者の選択に耐えられるような多様な民間事業者の参入を積極的に求めていくことが必要と思いますが、この点についてどのように考え、対応しておられるのか、福祉保健部長にお伺いします。 37: ◯答弁(福祉保健部長) 少子・高齢化や価値観の多様化などを背景といたしまして、社会保障制度におきましては、より多様で効率的な対応が求められてきていることから、措置から利用者によるサービスの選択制へ変更されるなど、構造改革が行われているところでございます。  これに伴いまして、福祉サービスを提供する事業主体につきましても、従来の公を中心としたものから、民間活力を導入した多様なサービスを提供するシステムに移行しつつあります。例えば介護保険におきましては、制度発足当初から民間事業者の参入を前提としており、また、保育事業におきましても、市町村や社会福祉法人に限定していた設置主体が、NPO法人や株式会社などに拡充されたところでございます。今後とも、これらの分野におきまして民間事業者の参入を含め、多様なサービスが提供できるよう進めてまいります。また、このことが本県の福祉産業の振興にもつながっていくものと考えております。 38: ◯質疑藏田委員) 民間事業者の参入がどれだけ活力になるのか、そこも考えていただきたいと思います。  次は、国民健康保険事業における県の役割についてお伺いいたします。  国民健康保険は、住民福祉の増進を図る市町村行政と密接な関係があることから、市町村が運営することとされており、昭和36年に国民皆保険体制が確立されて以来、我が国の医療保険制度の中核となっております。本県では人口の3割を超える約96万人が加入しておられ、年間の事業規模は2,000億円を超えております。この国保事業について県はどのような役割を担っているのか、福祉保健部長にお伺いいたします。 39: ◯答弁(福祉保健部長) 市町村を保険者といたします国保制度におきましては、国はその健全な事業運営を確保するため、保険給付に要する必要経費の一部を負担するとともに、保険者に対する指導、その他必要な措置を講じることとされております。  その中で県の役割につきましては、国民健康保険法におきまして、国保事業の運営が健全に行われるように、必要な指導・助言、保険基盤安定のための財政負担等を行うこととされているところでございます。 40: ◯質疑藏田委員) 財政負担も大変になると思います。  次は、国民健康保険事業における県の財政負担の根拠等についてであります。  国保事業については、国と市町村の共同事業ということで、給付費用の2分の1を保険料で、残りの2分の1は国庫負担で賄うこととなっております。基本的には県の財政負担は生じないはずでありますが、これまで県は多額の負担を行っているように思われます。県がこのような負担を行う理由と、その根拠、そしてまた、具体的な市町村支援の内容について福祉保健部長にお伺いいたします。 41: ◯答弁(福祉保健部長) 県が市町村への財政支援を行っている制度といたしましては、2つございます。1つは保険基盤安定制度でございます。これは、国民健康保険法の規定に基づくものでございまして、低所得者の加入割合が高い市町村国保の財政安定化を図るために実施されているところでございます。その内容といたしましては、市町村が所得の低い保険者に対しまして行う保険料の軽減額の4分の1を県が補助するというものでございます。平成14年度予算といたしましては、16億4,100万円余を計上しているところでございます。  2つ目の制度といたしましては、高額医療費共同事業でございます。これは、国が定めた要綱に基づくもので、高額な医療費の突発的な発生により市町村国保の財政運営が不安定にならないために実施されているものでございます。その内容は、80万円を超える高額な医療費に対し、その一部を県費により補助するものでございます。平成14年度予算としては11億1,800万円余を計上しているところでございます。 42: ◯質疑藏田委員) 負担がだんだんふえていく中で非常に心配しておりますけれども、それはそれでやっていただかなくてはならないところでございます。  次は、医療制度改革への対応についてお伺いいたします。  政府の予算案で示された平成14年度の医療制度改革では、国保制度の財政基盤強化を図る措置といたしまして、国保広域化等支援基金の創設、先ほど申された高額医療費共同事業の拡充・制度化、保険者支援制度の創設などが打ち出されております。これらの改革案についての県の受けとめ、また、これらの事業において県がどのように位置づけられ、かかわることになるのか、また、県の財政負担が伴うのか、伴うとすればどの程度の額になるのか、福祉保健部長にお伺いいたします。 43: ◯答弁(福祉保健部長) 今回の医療制度改革におきましては、国保制度の財政基盤の強化を図るため、新たな制度の創設が検討されているところでございます。その一つでございます国保広域化等支援基金の創設は、市町村合併の際の保険料平準化などを図るための基金を都道府県に設けまして、国保財政の広域化等を促進するものとされております。  また、高額医療費共同事業の拡充・制度化や保険者支援制度の創設は、特に小規模な保険者や低所得者の多い保険者への財政支援のさらなる強化をねらいとするものでございます。これらの制度は、国保財政の安定化に一定の役割を果たすものと考えておりますけれども、国・地方の役割分担や費用負担のあり方など、制度内容につきましては、現在検討中と伺っております。今後、これらの制度の検討が進められるに当たっては、地方が過度の財政負担を強いられることなく、持続可能で安定した制度となるよう、全国知事会などとも連携いたしまして国に要望してまいりたいと考えております。 44: ◯質疑藏田委員) ぜひ、国の方にも声を大にして言っていただきたいと思います。
     次は、老人医療への県の財政負担についてお伺いいたします。  70歳以上の高齢者につきましては、加入している保険にかかわらず、老人保健法による医療を実施するということで、居住地の市町村が医療費の給付を行うこととされております。この老人医療に関して、県は年間どの程度の財政負担をされているのか、福祉保健部長にお伺いいたします。 45: ◯答弁(福祉保健部長) 老人医療に関する県の負担についてのお尋ねでございますが、老人保健法に定められている義務的経費で、老人医療費の総額から自己負担額を除いた額の5%とされているところでございます。本県の平成12年度における老人医療費総額は3,169億円でございまして、県費として148億円の負担を行っているところでございます。 46: ◯質疑藏田委員) わかりました。  次は、老人医療保険制度改革に対する県の認識等についてであります。  国では医療保険制度の財政破綻を回避するため、老人医療の対象年齢を現行の70歳以上から75歳以上に5年間で段階的に引き上げることとしております。この改革が県民に与える影響について、どのように認識しているのか、また、県の財政負担にどのような影響を及ぼすと考えられるのか、福祉保健部長にお伺いいたします。 47: ◯答弁(福祉保健部長) 御指摘のように、平成14年10月に予定されております医療制度改革におきましては、老人医療の対象年齢を現行の70歳から75歳に5年間で段階的に引き上げることとされているところでございます。この年齢引き上げによりまして老人医療の対象から外れる70歳から74歳の高齢者につきましても、老人医療の対象者と同じ1割の自己負担で医療を受けられることとされておりまして、そういう点では、年齢引き上げによる負担の違いは生じないのではないかと考えております。  次に、県財政への影響について申し上げます。  今回の改革案によりますと、老人医療の対象年齢の引き上げと同時に、老人医療費の県費の負担割合が5%から8.3%に段階的に引き上げられることとなっております。高齢者医療制度につきましては、平成14年度中に策定される新たな基本方針に基づきまして、おおむね2年を目途に具体化するとされており、現時点で将来の県財政への影響について推計を行うことは困難な状況となっております。しかしながら、今後、県費の負担増も考えられるということで、引き続き、財政負担が増加しないよう、全国知事会などとも連携いたしまして、国に対して強く要望してまいりたいと考えております。 48: ◯質疑藏田委員) 地方の財政負担がふえると、本当に大変なことになると思いますので、全国知事会の方でもよろしくお願いいたします。  次は、県内の国民健康保険事業の現状と今後の見通しについてであります。  今回の改革も抜本改革ではなく、対症療法的な改革で、これでは国民の健康保険の財政基盤の悪化は、私は改善されないと思っております。  そこで、県内の国保の経営内容の現状と、今回の改革案を踏まえた今後の見通しについて福祉保健部長にお伺いいたします。 49: ◯答弁(福祉保健部長) 県内86市町村における国保の経営状況につきましては、平成12年度の単年度経常収支が60市町村において黒字となっております。その総額は約19億円でございます。一方、26市町村において赤字となっておりまして、その総額は4億円となっております。  今回の医療制度改正案につきましては、国が示した資料に基づきますと、平成14年度において、全国規模で国保は1,600億円の財政負担の軽減が見込まれるとされているところでございます。保険料、患者負担、公費という限られた財源の中で、特に増大する老人医療費に対応するためには、持続可能な皆保険制度に再構築していく必要があると考えておりますが、高齢化等の進展に伴いまして、国保事業の運営はさらに厳しくなることが予想されております。このような視点から、高齢者に対する医療保険制度の見直しが緊急の課題であると認識しているところでございます。 50: ◯質疑藏田委員) 本当に大変な時代になっているのですが、社会保障分野における県の役割も大変だと思っており、この県の役割についてお伺いいたします。  社会保障制度は、国民生活の安定に欠くことのできない極めて重要な基盤であると思います。しかしながら、社会保障が経済成長を超えて拡大し続けた場合、制度の破綻を来すのは当然であります。今こそ国民の理解を得て、必要な範囲で負担増を求めて、将来にわたって持続可能な、安心できる制度に再構築することが求められているのではないかと思います。  社会保障の制度設計は国の役割とされておりますが、これまでの質問でも明らかなように、県民の生活に直結した問題であります。県も一定の財政負担を行い、制度の運営に深く関与しております。国が決めた枠組みの中で、国の言うとおりやっていればよいという時代、あるいはそういう状況ではないと思います。県は県の立場で、県民の社会保障はどうあるべきか、給付と負担の関係も含めて公的な制度で対応すべき範囲はどうあるべきか、県と市町村はそれぞれどのような役割を担うべきか、白紙から考え直し、みずからのありようを見直していくことが求められていると思います。その状況を県民に公開して、理解と協力を得ることも必要ではないかと思います。  また、最近の国における医療制度改革の議論では、政管健保について、国保と合わせて都道府県単位の地域保険に再編する案も取りざたされておりますように、今後は社会保障に関して県の関与の度合い、役割がより高まるのではないかと思われます。医療保険の運営責任を県が担うこととなる場合には、財源をどう手当てするのか、保険料の地域格差をどうするのかといった問題がどうしても避けて通れない課題となっております。  ついては、このような動向を踏まえて、医療、介護、少子化対策などの社会保障分野での今後の県の役割をどのように考え、どう果たそうとしておられるのか、知事の御所見をお伺いいたします。 51: ◯答弁知事) 医療、介護、少子化対策などの社会保障分野におきまして、県や市町村は、その実施において、特に大きな役割を担ってきたところでございます。また、地方分権が進む中で、国、県、市町村それぞれの役割分担を明らかにして、住民ニーズにきめ細かく対応できる効率的な制度の運用に努めてまいりました。  例えば県と市町村の関係におきましては、住民に身近な市町村が総合的なサービス提供を行う一方、県は市町村を包括する広域の地方公共団体として、市町村で処理することが困難な広域的または専門的な業務の処理や、県全体としてのあるべき姿に近づけるための政策誘導などの役割を担っております。  しかしながら、少子・高齢化や社会経済情勢の変化が急速に進み、社会保障を取り巻く環境が大きく動く中で、それらの役割分担につきましても見直しが必要になってくるものと考えております。これらの動きを敏感にとらえまして、県民一人一人が生き生きと活動し、安全で安心して暮らすことができる元気な広島県づくりのために、県の役割について、引き続き検討を重ねてまいりたいと考えております。 52: ◯質疑藏田委員) 県の役割、重要性がどこまであるのかというのを本当に再認識していただきたいと思います。  質問の最後は、医療制度改革に対する知事のお考えを伺います。  医療制度改革では、保険制度の一元化が大きなテーマであり、国はこの問題について具体的な検討を始め、一定期間内に結論を得るとしております。ここでいう一元化とは、従来から市町村や町村会が主張してきた国保と被用者保険との一本化ではなく、国保の財政責任を都道府県か国に集約することを意味すると政府内では解釈されているとの報道があります。現に坂口厚生労働大臣は、先月25日の衆議院予算委員会におきまして、国民健康保険は統合していかなければならない、将来的には保険者を都道府県単位に集約していくべきだとの考えを示されております。しかしながら、平成12年4月に施行された地方分権改革の中で、国と地方公共団体とが分担すべき役割を明確にするため、社会保険関係の事務が国の直接執行事務と位置づけられた趣旨からすれば、一元化の主体は国にあるのではないかと思います。また、今回の国民健康保険制度に関する改革案については、いずれも都道府県の財政負担を重くするように思われます。医療保険制度の抜本改革については、決して国のみに任せておくべきではないと思われます。ほうっておきますと、都道府県に何の相談もなく、財政負担だけが膨らんでいくのではないかと、本当に危惧するところでございます。  国民健康保険を初めとする医療制度改革については、県民が安心のできる確固たる制度とするため、また、県が過度の財政負担を強いられることのないように、望ましい制度の設計について、県としても積極的に発言すべき時期に来ていると思いますけれども、どのように考えておられるのか、知事の御所見をお伺いします。 53: ◯答弁知事) 現行の医療制度は、今日まで県民の健康、安心、安全の確保に多大に寄与し、県民に信頼される制度として機能してまいりました。この医療制度を維持していくために、県としても、市町村の国民健康保険や老人医療に対して相応の財政負担をしてきたところでございます。  しかしながら、急速な高齢化や医療の高度化などにより、現行医療制度は制度疲労を来し、現在、国において医療保険の統合再編といった抜本的な医療制度改革が進められようとしております。  この改革の中で、地方公共団体がどのような役割を果たし、どのような負担を担うのか、県政にとって最大の関心事の一つでございます。県といたしましては、まさに制度の設計が始まろうとしているこれからの時期に、市町村などの現場の状況を詳細に把握し、各都道府県共通の課題として全国知事会などを通じて、国に対してあるべき姿を提案してまいりたいと考えております。 54: ◯要望・意見(藏田委員) 全国の市町村が国に対して要望をどんどんしていただければ、本当に国も変わっていく、また変わらなければならない方向性が出ると思いますので、よろしくお願いいたします。  最後になりますが、元気な広島県をつくっていく上で、教育と福祉の充実は絶対欠かせないものだと思っております。特に社会保障制度については、県民の生活に密接にかかわるものであり、現在、国においてさまざまな改革が行われようとしておりますが、先ほども申し上げましたとおり、県としてもその動向を注視し、県の果たすべき役割をしっかりと見きわめていただいて、発言すべきときには積極的に発言するといった態度が、私は今後一層必要になってくるのではないかと思います。先ほど御答弁で、しっかりと広島県のためにも頑張っていくと言っていただきまして、ありがとうございます。そのような姿勢が、安心が実感できる県民生活の確保にも結びつき、元気な広島県にも結びついていくものと考えております。  以上で私の質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。 55: (木山委員◯質疑木山委員) 先ほどに引き続きまして、質問を行います。  BSE対策について伺います。先日の本会議で我が会派の児玉議員が、BSE対策について質問されたところでありますが、BSEが昨年9月に発生して以来、既に6カ月を経過しようとしているとき、いまだに協議中という答弁があり、改めて質問いたします。  1点目は、広島牛の安全宣言についてであります。  先日の知事の答弁で、子牛の生産段階から肥育、屠畜、小売店までの生産農場や牛の個体番号、また使用した飼料の内容を明示したパスポートを添付し、その内容を消費者が直接確認できるシステムをつくり、消費者に信頼される広島牛のブランド化を推進すると発言されました。しかし、牛は、屠畜をし肉にすれば、牛の個体番号の耳標も外れ、どの肉とパスポートが一致するのか判別できなくなるおそれがありますが、どのように事業を展開するつもりなのか、見解をお伺いいたします。 56: ◯答弁(農林水産部長) パスポートシステムは、当面、全農広島県本部が実施しようとするもので、広島牛生産農場とは、飼料内容など飼料管理についての協定を、販売店とは、表示、数量確認等の協定をそれぞれ結び、牛の個体識別番号を表示して流通させるシステムを構築するものであります。この個体識別番号により、消費者が生産者や牛の飼養管理等の情報を確認できることとなります。 57: ◯質疑木山委員) 小売店までの流通経路はいろいろあります。すべての広島牛の情報が提供できなければ、広島牛の安全宣言にはなりません。消費の回復こそが最大のBSE対策であり、関係団体と早急に協議し、すべての広島牛の安全宣言が出せるように進めなくてはならないと思いますが、その決意をお伺いいたします。 58: ◯答弁(農林水産部長) 当面は全農広島県本部だけの取り組みでスタートいたしますが、すべての広島牛にパスポートシステムを導入できるよう、他の関係団体に強く働きかけてまいります。 59: ◯質疑木山委員) 2点目は、高齢牛の処理対策について伺います。  まず、県内で搾乳を終えた乳牛や、繁殖を終えた和牛が屠畜場に出荷できず、農家に何頭係留されている状況なのか伺います。 60: ◯答弁(農林水産部長) 2月末現在、県内の廃用牛は、乳用牛が約500頭、和牛繁殖牛が約200頭となっております。 61: ◯質疑木山委員) 今の700頭ですが、この係留されている頭数は、昨年の12月、そしてことしの1月、2月の3カ月の統計だろうと思うのですが、これを年内、今からお話をさせていただきますが、地方がどんどんおくれることによって、ややもすると年内は2,800頭以上になるような計算になるのですが、もう少し認識を持ってやっていただきたい。  高齢牛処理の最大の問題点は、食肉市場などが、BSEを発見されたときの影響を避け、受け入れを拒否していることにあります。国も新たに廃用牛流通緊急対策事業をつくり、屠畜場の円滑な受け入れに対する助成をすることとし、屠畜の推進を図ろうとしておりますが、屠畜場を運営する広島市との協議の状況はどのようになっているのか、お伺いいたします。 62: ◯答弁(農林水産部長) 3頭目のBSEの発生によりまして、12月1日から廃用牛の出荷は自粛が続いており、生産者団体、食肉処理場関係者との協議を重ねております。この協議においては、廃用牛の計画的出荷や売れない枝肉の処分方法等について調整を行っておりますが、万一、屠畜場でBSEが確認された場合、すべての枝肉取引ができなくなること、牛肉の売上が激減するおそれがあることから合意に至っておりません。一日も早く屠畜場へ受け入れが可能となるよう、引き続き協議を進めてまいります。 63: ◯質疑木山委員) 合意ができていないということでございますが、国内でBSEが発生した3頭の牛がいずれも5歳以上の乳牛であったことから、食肉市場や流通業者が警戒しているものと思われますが、この際、高齢牛は食肉に回さず、肉骨粉や焼却処分にしてはどうかと考えます。そのために県で専用屠畜場をつくってはどうかと私は考えております。  知事も、昨年10月に、肉骨粉の処理対策の記者発表で、肉骨粉と駆除したイノシシとをあわせて焼却できる施設の必要性を述べられましたが、全く私も同感でございます。イノシシも年間1万頭を超える数を捕獲しておりますが、市町村では、捕獲したイノシシの大半は地中に埋めているようであります。穴を掘る手間がかかったり、強烈な腐敗臭もあるため、処理に頭を悩ませているのが現状です。  県で専用の屠畜場から焼却場までつくれば、高齢牛や死亡牛の問題、イノシシの処分問題など、今抱えている課題を一挙に解決できる策だと思いますが、知事は、記者発表から5カ月を経過し、新たに高齢牛の問題も発生した今、どのような考えを持たれているのか、お伺いいたします。 64: ◯答弁(農林水産部長) 国は廃用牛も食肉として利用することを基本とする考えを示しておりますが、食肉利用による廃用牛の円滑な処理ができない場合は、簡易な処理場を設置して処分する方法も考えられます。この場合も、BSE対策の一環として国の責任において行うべきものであり、新たな財源対策などを国に求めていくことが必要と考えております。  また、死亡した家畜やイノシシ等の処分については、民間処理場の活用や県域を超えた広域的な処理などについて検討いたしております。 65: ◯質疑木山委員) 広島県は、中国地方の中枢県として他県からの期待を背負っております。知事も本会議でお話をされましたが、道州制や都道府県合併が議論される時代に、国や他県の状況を見ているばかりではなくて、中枢県としての自覚を持っていただき、広島が専用の屠畜場や焼却場を建設し、隣県の面倒も見るぐらいの積極的なBSE対策をとっていただきたいと思います。  次に、県独自の価格補てん制度の継続についてお伺いします。  県は昨年12月、補正予算で、国の価格安定制度と連携した牛海綿状脳症緊急対策事業をつくり、和牛子牛の出荷等に対し価格下落分の補てん等を実施され、和牛農家は県の支援に大変感謝しているところであります。しかしながら、この制度は国の制度に合わせ3月までの事業で、14年度予算に新年度分が計上してありません。雪印食品から始まった表示偽装事件により、消費者の牛肉に対する不信感はますます募り、消費の回復はしばらくは見込めず、家畜の価格も回復しそうにありません。  国は4月以降の制度の継続を検討しているようでありますが、国の検討状況と、継続された場合の県の対応についてお伺いいたします。 66: ◯答弁知事) 昨年9月に国内で初めてBSEが確認されて以来、国、県を挙げて各種の対策を講じておりますが、雪印食品事件なども加わり消費が低迷いたしております。畜産農家の皆様方が置かれている困難な状況は十分に承知いたしております。  本来、BSE対策は国の責任において対処すべきものであり、国は平成14年度のBSE関連対策を年度内に示すことといたしております。県といたしましては、その内容を見て、対応を早急に検討してまいりたいと考えております。 67: ◯質疑木山委員) 現在、農家に係留されている和牛、乳牛は、先ほども言いましたように、このまま進めば、年内に2,000頭以上の頭数が係留されることになります。そして、イノシシも広島県だけではないと思いますが、大変な問題でございます。ぜひとも知事には英断を持っていただいて、事業を進めていただきたいと思います。  広島牛の安全性を完全に証明することができれば、県内の消費者はもとより、県外の消費者にも受け入れてもらえ、販路も広がると考えます。そうすれば、肉用牛の改良や優秀な種牡牛の造成なども必要となり、夢と希望の持てる肉用牛経営の発展につながると確信しているところであります。BSE問題は待ったなしの状況になっております。知事の素早い決断により早急な対応をされることを期待しております。  次に、森林の整備について伺います。  1点目は、森林・林業基本法制定後の森林整備についてであります。  森林を取り巻く環境の厳しさは、これまでも何度も繰り返し述べてまいりました。木材価格の長期低迷や林業従事者の減少及び高齢化などにより森林所有者の意欲が低下し、大変厳しい状況にありますが、県は、今回の法律の改正を受け、今後の森林整備をどのように進めていこうとしているのか、まずは基本的な考えをお伺いいたします。 68: ◯答弁(農林水産部長) 昨年の法改正に伴い、国においては、多様な機能の発揮に向けて効率的、効果的な森林整備を展開することとし、森林を重視すべき機能に応じて区分するとともに、それぞれの森林区分に対応した望ましい森林整備の推進方向が示されたところであります。県としても、こうした国の施策を踏まえ、森林整備事業等を積極的に活用し、重視すべき機能に応じた森林の整備を推進してまいります。  また、こうした森林整備の推進とあわせて、本県林業が直面する厳しい状況に対応し、特に主要林業地である備北、太田川地域を対象に林業生産の低コスト化を図り、採算の合う林業の再構築を目指してまいります。 69: ◯質疑木山委員) 林業基本法は37年ぶりに改正されました。それを受けまして、県は新たな森林整備を展開していこうとされているわけですが、その対策の目玉の一つとして、森林整備地域活動支援事業を打ち出されております。この事業は、計画的かつ一体的な森林施業の実施に不可欠な地域活動を支援するものであります。  森林は、木材の生産を初め、災害の防止や水源の涵養、あるいは教育、レクリエーションの場としての活用、さらに地球温暖化の防止など、多様な機能を発揮すると言われております。今回提案されている森林整備地域活動支援事業は、森林所有者の期待にこたえる健全な森林づくりへの誘導策に本当になるのか、見解をお伺いいたします。 70: ◯答弁(農林水産部長) この事業は、森林の生育状況の調査や境界の確認、歩道の整備など、森林整備を行う上で不可欠な地域活動に対して支援するものであり、森林整備に向けて大きなインセンティブを与えるものと考えております。  厳しい経営環境のもとで森林づくりに対する森林所有者の意欲は減退しておりますが、この事業により、これまで補助対象となっていなかった森林所有者の地道な取り組みに対して、新たに支援の道が開かれることから、森林所有者や地域林業を支える方々の意欲を喚起し、森林整備に向けた取り組みが促進されるものと考えております。 71: ◯質疑木山委員) 森林整備に意欲のある森林所有者にとりまして、当事業は森林整備の誘導策になるということでありますが、市町村との連携はもちろんでございますが、森林所有者がその気にならないと、せっかくつくった制度も機能しないわけでございます。制度を有効に活用させるために、県はどのように事業を進めていこうとしているのか、見解をお伺いいたします。 72: ◯答弁(農林水産部長) この事業は、森林整備の効率化を図る観点から、一定のまとまりを有する森林を対象に、多数の森林所有者に共同で参画していただくこととしております。また、不在所有者等にかわり、森林組合などそれぞれの地域において森林整備を担っている方々が事業に参加できる仕組みとなっております。今後、地域の特色を生かした取り組みができるよう、事業主体である市町村と連携しながら、地域一体となった計画的な森林整備に向け、この事業を強力に推進してまいります。 73: ◯質疑木山委員) 森林整備の最後に、知事にお伺いしたいと思います。  森林の持つ機能は、先ほども申し上げましたが、木材の生産から地球環境の保全、流域全体の治水、教育環境の視点など多岐にわたっております。農林水産部長は、担当する林業の立場からしか答弁できませんが、自然環境の保全機能なら環境生活部の問題でもあります。教育の場と考えれば、教育委員会の問題でもあります。治水の話なら土木建築部の問題でもあるわけでございます。森林の整備にはいろいろな視点から取り組めると思いますが、知事に、先ほど言いましたような総合的な視点からの森林の整備に対する御所見をお伺いいたします。 74: ◯答弁知事) 先人たちの努力により守り育てられてきた森林は、さまざまな面で、安全で豊かな県民生活を支える重要な役割を担っております。しかしながら、社会経済情勢の変化などにより、森林に対する県民の期待とは裏腹に、森林の管理が手薄になっているという実態がございます。このため、国土保全、水資源の涵養に加え、里山など身近な生活環境や、すぐれた自然環境の保全、環境教育の場の提供、さらには地球温暖化防止など、総合的な見地からの取り組みを進めてまいりたいと考えております。 75: ◯要望木山委員) 事業に取り組むに当たっては、切り口を求めて事業を行うのも、知事を初めとして皆さん方の仕事だろうと思いますので、今、知事が言われたように、しっかりと取り組んでいただきたいと思います。  アメリカは大恐慌時代、ニューディール政策の柱として国土保全に取り組み、職のない若者を国家が雇用し、自然環境を保全する仕事に従事させたのであります。1935年のことでありますが、50万人の雇用を創出したとのことであります。今日の経済状況と余りにも似ているので、紹介をさせていただきます。どうぞ森林整備に一層の御尽力を賜りますよう、よろしくお願いします。  (3) 休憩  午前11時59分  (4) 再開  午後2時 76: (森本委員) ◯質疑(森本委員) 県民連合の森本でございます。早速質問に入らせていただきます。  これからの県行政は、行政コストを削減しながら行政サービスの質を高めていくという相反する命題にこたえていく必要があります。さらに、その行政サービスは、地域の主役である県民を基点とする発想で、常に県民の方々の満足度を高め、わかりやすく提供していくことが求められます。  そこで、まず質問の1点目は、県の当初予算の約4分の1を占めます教育関係の行政サービスのうち、少人数教育についてお尋ねいたします。  4月から実施される新学習指導要領や完全学校週5日制に伴い、学力が低下するのではないかとの懸念が高まっております。こうしたことを背景に、基礎学力の定着や学級崩壊の防止を目指し、少人数教育への取り組みが各県で進められております。14年度には19道府県で実施を予定されており、前年に比べ約3倍に増加しております。広島県ではいち早く、13年度から義務教育段階での確かな学力の定着を図るため、少人数による授業や複数教員による指導を実施する「小学1年生はばたきプラン」と称し、国の基準である1学級の上限40人を下回る35人の少人数学級での授業を実施しておられます。  そこで、13年度の実施効果についてどのように分析されているのか、教育長にお尋ねいたします。 77: ◯答弁教育長) 本年度から「小学1年生はばたきプラン」によりまして、児童一人一人に応じたきめ細かな指導を実施しております。市町村教育委員会の調査結果などによりますと、本事業を実施している教員からは、児童一人一人の状況をより的確に把握することができ、個々の児童のつまづき等に対する指導がより適切にできるようになった、あるいは、授業中の立ち歩きやおしゃべりが入学のときに比べると2学期中途では著しく減少して、児童が落ちついて学習できるようになったというような成果を聞いております。また、保護者からも、複数の先生が子供の学校での様子を細かくつかんで、毎日、連絡帳などを通してのやりとりがあるので、安心して学校へ行かせているなどの評価を得ているところでございます。所期の目的はおおむね達成されていると考えております。 78: ◯質疑(森本委員) 小学校への入学というのは、義務教育のスタートの大切な時期でもありますので、引き続き、効果を十分確認しながら進めていただきたいと思います。  それでは、次に少人数授業の拡充についてお尋ねいたします。  平成14年度におきましては、はばたきプランの対象を小学1年だけから小学2年まで拡充するとともに、新たに中学校においても、中学1年の特定教科について少人数教育を行う「中学1年生はつらつプラン」を実施されようとしておりますが、どのような考え方で小学2年、中学1年に拡充するのか、教育長にお伺いいたします。 79: ◯答弁教育長) 小学校の2年生につきましては、1年生と同様に小学校生活の基盤づくりの時期でございます。また、クラスも持ち上がりになるということが通常でございます。したがいまして、きめ細かな指導を継続して行うことが必要であると考えまして、第2学年まで拡充してまいりたいと考えております。  次に、「中学1年生はつらつプラン」でございますが、中学校に入学しますと、教科の学習内容が難しくなること、新たな人間関係が生ずることなどから、1年生の段階で問題行動等が格段に増加する傾向にございます。したがいまして、この時期に生徒一人一人にきめ細かく対応することが、学力の面でも、生徒指導の面でも大変重要であると考えております。このことから中学校第1学年の国語、数学、英語において学習内容の習熟の程度などにより学級を分割して、個に応じたきめ細かな指導を行うことができる少人数授業を実施してまいりたいと考えております。 80: ◯質疑(森本委員) ありがとうございました。要するに学年進行も考慮され、「小学校1・2年生はばたきプラン」に拡充されたと理解いたしますけれども、教育委員会では、この先何年生までおやりになる考えなのでしょうか。義務教育段階での学力向上につながる効果がどの程度あるのかをしっかりと分析した上で、慎重に検討すべきと考えます。義務教育段階における少人数授業による基礎学力の定着とはどこまでをお考えなのか、少人数教育の今後の取り組み方針について教育長にお伺いいたします。 81: ◯答弁教育長) 今後の少人数授業に係る方針についてでございますが、財源が限られている中で、現在ぎりぎりの工夫を行って、特に効果があると考えられる学年を対象として実施しておりますので、今後の拡充ということは難しいと認識しております。今後は、この少人数プロジェクトについて、授業を通して児童生徒の変容等を詳細に把握し、その成果や課題を多角的に検証してまいりたいと考えております。 82: ◯質疑(森本委員) 拡充は難しいということですけれども、小学生だけでなく中学校の方にも拡充されたということについては、評価したいと思います。中学1年生ということについて言えば、思春期の入り口の部分でありますから、十分にその辺についても配慮ある対応をしていただきたいと思います。  次に、緊急地域雇用創出基金事業を活用した非常勤講師の雇用についてお尋ねいたします。  小学1・2年、中学1年を除く学年での少人数授業対策として、教育委員会では緊急地域雇用創出基金を活用し、非常勤講師を配置してチームティーチングを実施することを考えておられるとのことであります。この方法で100人の雇用創出効果を見込んでいるとのことですが、私も雇用創出と基礎学力の定着の2つの視点に立った有効な方法だろうと思います。  しかし、その実施方法につきましては、懸念される点があります。会社のリストラに遭われ失業している方であれば、教員の免許の有無は採用の条件にならないと聞いておりますけれども、それでは一体どのような人がチームティーチングに加わり、子供たちに一体何をすることになるのか、常勤の先生がついているとはいいましても、子供たちを預ける我々親たちの立場からすれば、一定の採用基準や採用方針は最低限明示していただきたいと思います。教育長から納得のいく御見解をお示しいただければと思います。 83: ◯答弁教育長) 基金事業で配置する非常勤講師につきましては、チームティーチングにおいて、これは教員免許を持った正規の教諭の授業を補助することが役割でございますので、教員免許状の有無は採用条件にございません。  しかしながら、採用に当たっては、教科の指導内容についての業務経験、例えば海外勤務の経験を英語の授業で生かしていただく、仕事でコンピュータを扱っていた経験を情報教育で生かしていただくといった社会人としての知識経験や専門性を生かした指導を期待しておりますので、そういう観点から適任者を確保するように努力してまいりたいと考えております。 84: ◯質疑(森本委員) それでは、責任を持って適任者を確保して、実効のあるものとしていただくように要望させていただきます。  続きまして、少人数教育の最後の質問といたしまして、非常勤講師の指導力の確保についてお伺いいたします。
     14年度に予定しておられます少人数教育関係だけで、合計約300人の非常勤講師を投入されるとのことであります。ところが、現在の制度の中では、生徒が先生を選ぶということはできません。ただ、言葉は悪いですけれども、運を天に任せるのみといったことでありますから、我が子の担当教員に指導力があるのかどうか、こういったことが保護者の最大の関心事の一つであります。さらに、言うなれば本務本職でない先生が一斉に教壇に立たれることになるわけですから、その指導力に心配はないのか、保護者の間では大変な不安感としてあります。常勤の先生の中でさえ、指導力の不足した先生がおられる、こういった印象を保護者の立場として持つわけですけれども、運悪く我が子がそうした先生に当たってしまった場合、保護者の方々からすれば、何ら解決策がないまま悩んでおられるといったこともよく聞く話であります。  まして、教員免許はお持ちだとしても、採用試験の基準がいいか悪いかは別として、県の教員採用試験に合格していない方々が大切な子供を預かり、そういう立場で教えられるということでありますから、本当に大丈夫なのか、当然、懸念される問題であると思います。特に「中学1年生はつらつプラン」では、成績のいい子供のクラスには非常勤の教員だけでクラス運営をゆだねられる考えもあるようですが、このような扱いをされて、我々としても大変不安な気持ちになるわけであります。それを解消するために、非常勤教員の方々に指導力があるのかについて、どのようなチェックをされているのか、また、初任者研修を初めとした資質向上や能力維持のための手だては講じられているのか。非常勤教員を活用し、新たな施策に取り組むのも大変結構なことだろうと思いますけれども、確かな指導力を持った教員でなければ意味がないと思います。県教委で責任を持っていただくことが大前提であると思いますけれども、この責任をどのように果たしていかれるのか、教育長の御見解をお伺いします。 85: ◯答弁教育長) まず「小学校1・2年生はばたきプラン」につきましては、これは2つのケースがございますが、一つは常勤の教諭を配置するというパターン、もう一つは、チームティーチングで常勤の教諭を補助するという形式で非常勤講師を配置するということでございますので、いずれにしても、非常勤講師が単独で授業を行うということはございません。  「中学校1年生はつらつプラン」につきましては、国語、数学、英語の3教科について非常勤講師がそれぞれの教科の授業を行うことになりますが、この場合には、教員免許状を保有していることを条件といたしますとともに、例えば過去に常勤の教諭としての経験を持つ者、あるいはチームティーチングにより実際の授業に参画した経験を有する者を優先的に採用することなどによりまして、適任者の確保に努めてまいります。  また、各学校への配置後につきましても、校内での研修や指導主事による学校訪問指導を通して指導力の向上を図ってまいります。 86: ◯質疑(森本委員) 非常勤講師の採用基準につきまして一定の方向性を示していただいたわけですけれども、先ほども申し上げましたとおり、保護者とすれば大変不安な部分もございます。県教委といたしましても、非常勤講師については、適任者の確保と指導力の向上の面で十分に気配りをしていただくように要望いたします。  質問の第2点目は警察関係で、暴走族の社会復帰支援に係るサービスについて質問させていただきます。  先般、県警本部は、暴走族など少年犯罪を総合的に取り締まるための暴走族・少年犯罪対策課を設けるなど、組織面での暴走族の取り締まりの強化策を発表されました。また、暴走族取り締まりに係る資機材の充実も図られていると聞いております。暴走族の取り締まり強化策はある程度整いつつあると認識しておりますけれども、私は、その次に強化すべき点は、暴走族少年の社会復帰支援に尽きると思います。暴走族も広島の将来を担う大切な人材であるという認識で取り組みをお願いしたいわけですけれども、そこで、現在の少年課を少年育成課に組織改編し、暴走族離脱サポートセンターの機能強化を図っていくと聞いておりますが、今後の暴走族の社会復帰支援についてどのような取り組みをされていくのか、警察本部長に御見解をお尋ねいたします。 87: ◯答弁(警察本部長) 県警では、暴走族青少年の離脱サポートや社会復帰の支援活動を、取り締まりと並ぶ暴走族対策の大きな柱と考えて対策を推進してきたところでございます。この過程で県民各層の貴重なボランティア活動の盛り上がりもありまして、これまで相応の成果を上げているところでありますが、委員の御指摘にありますように、今回の組織改編では、暴走族に関する事務を、少年の非行防止、健全育成を専門に取り扱う生活安全部門に移管することによりまして、暴走族への加入防止、離脱サポート活動、社会復帰支援などを暴走族取り締まりと連動させ、これまで以上に一元的かつ効率的に暴走族対策を行おうとするものであります。  その際、30名の暴走族相談員、あるいは暴走族問題に関心の高い幅広いボランティアの方々とさらに連携を強め、現在実施しております離脱、学力向上、就業及び社会参加活動等の支援を、御指摘のように、少年の健全育成という観点を強く持ちまして、さらに推進していく所存でございます。  なお、暴走族相談員の枠の拡充につきましては、暴走族問題あるいはチーマー等の非行集団問題等の今後の推移を見ながら、今後の検討課題といたしたいと考えております。 88: ◯質疑(森本委員) 十分に対応していただきたいと思います。1点要望ですけれども、条例とか、いろいろできておりますが、暴走族追放条例ということで、どちらかというと排除していくといった視点が言葉の上では受けとめられるわけです。先ほど言いましたとおり、広島県を担う人材でもあるわけですから、排除するだけでなくて、中に取り込んで立派に更生させていくことが重要だと思いますので、よろしくお願いいたします。  それでは、続きまして、質問の第3は行政システムについてお尋ねいたします。  本県では、行政システム改革推進計画を平成12年3月に策定されております。私は、時代の要請にマッチした簡素で効率的な行政システムの構築につながるものと、大きな期待を寄せております。  この計画は5年間の計画であり、平成14年度はその折り返し点に当たるわけで、ちょうど中間年ということになります。県民の皆さんに、その取り組み状況や成果についてわかりやすく示す区切りの時期であるとも思います。このことについては、今、私のところでお引き受けをしております議員インターシップ、市立大学や広大の方から来ていただいておりますけれども、学生の皆さん方も大変注目して興味を持っておられる部分でもあります。  そこで、行政システム改革推進計画について、今までの取り組み状況をどのように評価し、今後どのように進めていこうとされているのか、総務企画部長にお尋ねいたします。 89: ◯答弁(総務企画部長) 初めに、行政システム改革推進計画のこれまでの取り組み状況について主なものを紹介させていただきますと、まず組織については、平成13年度に本庁組織のフラット化と主要な地方機関の地域事務所への再編を実施いたしました。また、職員数の見直しについては、知事部局と教育委員会を合わせて、平成14年度に向けての削減見込みを加えますと、この3年間で1,270人を削減することになり、5年間の削減目標数である約2,100人に対しまして6割以上の達成率となります。  出資法人の見直しについては、平成11年の見直し計画に基づいて統廃合等を進めておりますが、今年度、国の特殊法人改革や社会経済情勢の変化に対応して、さらに見直しを行い、来年度、それを具体化するプログラムを策定することにしております。  また、権限移譲につきましては、市町村が住民に身近な行政サービスを自主的かつ主体的に行えるよう、包括的に権限を移譲することとしておりまして、市町村合併の進捗状況を見ながら推進してまいります。  以上のとおり、全般的には各種の改革はその計画に沿って進んでいると認識しておりますが、民間委託の推進や施策の点検システムなどについては、さらなる取り組みが必要であると考えております。引き続き簡素で効率的な行政システムを構築するよう改革を推進してまいります。 90: ◯質疑(森本委員) 今御答弁の中で、特殊法人とか出資法人という言葉が出てまいりましたけれども、今、小泉改革の方でも、国の特殊法人を改革していくといったことが示されております。県出資法人も、国で言えば特殊法人になろうかと思いますけれども、これは質問通告しておりませんので、答弁は求めませんけれども、私も中身の方を詳細に勉強しておりませんので、よくわかりませんが、規制緩和とか自由化、民営化といった言葉を言えば耳にはやさしいわけですけれども、そういった言葉を言えばいいという小泉改革とは違う、本当の意味での改革を進めていくという観点に立って、まさに藤田改革として、広島はこういうことをしていくということを県民に示す必要があると思いますので、ぜひとも近いうちにお示しをいただきますよう、1点要望をさせていただきます。  次に、公務員制度改革大綱についてお伺いいたします。  平成13年12月25日、国において公務員制度改革大綱が閣議決定されました。こういった公務員の古い体質を改め、外務省の公金乱用事件でありますとか、香川県や高知県の裏金問題といったことで失墜した公務員に対する信頼を回復させていくためには、住民にとって真に必要な行政とは何かといった観点で公務員制度を見直すことが重要であると考えます。  公務員制度改革大綱が目指す方向に国民だれもが異論はないと思います。私は、こうした動きを先取りし、本県における行政サービスが、時代の要請に応じて県民の信頼を確保しながら、機動的、効率的に提供できるよう、一刻も早く取り組みを開始すべきであると思います。公務員制度改革大綱を踏まえた本県における対応をどのように考えておられるのか、総務企画部長にお伺いいたします。 91: ◯答弁(総務企画部長) 国の公務員制度改革大綱の中に盛り込まれている、国民本位の行政の実現という基本理念や、能力と実績に基づく新人事制度、多様な人材の確保などは、平成12年3月に策定した本県の行政システム改革推進計画の中にも取り入れていると考えております。この計画に沿って、平成12年度には一職一級制を導入し、本年度には目標申告制度や自己評価を含んだ新しい人事評価制度を導入するとともに、室長級の民間実務経験者の採用試験を実施するなど、人事・給与制度の先進的な改革に取り組んでいるところでございます。今後とも、国の公務員制度改革の動向にも留意しながら、本県のさらなる人事・給与制度の改革に取り組んでまいります。 92: ◯質疑(森本委員) それでは、続きまして、人材育成と意識改革ということでお尋ねしようと思いましたけれども、時間がちょっと経過しておりますので、要望にとどめさせていただきます。  県職員の方にお願いしたいわけですけれども、県民の皆様方は、県職員にとってお客様であるといった意識を十分に持って仕事に取り組んでいただきたい。このことを要望させていただきまして、具体例として一つ質問をさせていただきます。  コストを削減していくことによって、肝心の行政サービスが低下していってはならない、こういった観点で行政サービスというものを考えていただきたいわけですけれども、例えばパスポートを申請する旅券センターにおきましては、平日4時半には窓口が閉まってしまう、金曜日も6時半までしかやっていない、土日は休みといった状況であります。パスポートを取りに行こうと思えば、休みを取らない限り、通常のサラリーマンなどは対応ができないという状況になっております。この辺について何らかの対策をお願いしたいと思いますけれども、総務企画部長の御答弁をお願いいたします。 93: ◯答弁(総務企画部長) 県民本位の行政サービスにつきましては、行政システム改革推進計画の中でも、改革の視点として県民満足度の向上を掲げており、県民のニーズを的確に把握し、常によりよいサービスを効率よく提供することが必要と考えております。  御指摘の旅券センター窓口の土日開設につきましては、実は外務省のホストコンピュータが停止しておりますため、都道府県が独自に交付窓口を開設するためには、責任ある発給体制を確立し、外務省の承諾を得ることが必要となります。その場合、一定のコストの増大も想定されますので、費用対効果も含めて検討する必要があると考えております。今後とも、多様化する県民ニーズに対応した行政サービスを進めるため、努力してまいります。 94: ◯質疑(森本委員) 今、外務省の関係でちょっと難しいという御答弁でありましたけれども、まさに外務省改革の一環として、土日も外務省の職員には仕事をしてくださいとは私の立場上、なかなか言えませんけれども、機密費で買ったワインを飲む暇があれば、そのぐらいのことをしていただきたい。こういったことは私が言っても聞いていただけないと思いますので、知事の方から要望しておいていただければと思いますので、よろしくお願いいたします。  続きまして、県庁舎の関係について質問させていただきます。  建てかえ問題がいろいろと取りざたをされておりますけれども、広大跡地へということで知事の御答弁が以前ありました。広大跡地ということになりますと、広島市が遊創文化の発信拠点として「ひろしま遊創の杜」を計画していると聞いておりますので、今後、広島市との調整が必要と考えますけれども、その点について政策企画局長にお伺いいたします。 95: ◯答弁(政策企画局長) 広島大学本部跡地につきましては、御指摘のように「ひろしま遊創の杜」構想との調整や、あるいは被爆建物である旧理学部1号館の扱い、あるいは東千田公園に係る都市計画の変更など、いずれも県と広島市が協調して取り組まなければならない課題がございます。  これまで、これらの課題解決の可能性を検討するために、広島市の担当部局と逐次、協議を行ってまいりました。今後とも、広島市との連携を密にして、課題の解決に向けて協議・調整に努めてまいりたいと考えております。 96: ◯質疑(森本委員) 協議をしていただいているということでありますから、安心させてはいただきますけれども、いろいろな事例におきまして、市と県の調整がうまくできていないのではないかという声をよく耳にします。政令市と県ということで、なかなかうまくいかない部分もあるとは思いますけれども、十分な調整を、私も広島市に住む住民の一人としてお願いしておきたいと思います。  それともう一点、県庁舎のスケジュールについてお伺いいたします。  今後、市町村合併が済んだ後には、都道府県が合併するかどうかはわかりませんけれども、道州制という論議も出てまいります。そういったことも踏まえて慎重に検討すべきではないかと思うわけですけれども、その点について、スケジュール等示すものがあれば、お答えをいただきたいと思います。 97: ◯答弁知事) 県庁舎の整備に当たりましては、現在議論されております道州制などの動向も踏まえて検討する必要があろうかと考えております。  一方で、現在の県庁舎では、防災拠点として十分な機能が発揮できないこと、高度情報化へ十分な対応ができないこと、県民サービスなどのためのスペースが狭隘であることなどから、県庁舎の早期整備が望ましいとも考えております。  また、移転整備を行い、現在地に今以上のにぎわいが創出できれば、広島市中心部の活性化や経済効果が期待できると思っております。これらの点を総合的に勘案した結果、広大本部跡地が有力と判断したところでございます。  しかしながら、広大本部跡地への移転整備には、その前提として、ただいま局長が御答弁申し上げましたように、解決すべき諸課題がございますので、まずはその解決に努力をしたいと考えております。 98: ◯質疑(森本委員) それでは、次の質問に移らせていただきます。  知事は、「日本一住みやすい県広島」ということを言われておりましたけれども、「元気な広島」ということにトーンダウンしたように感じます。私としては、藤田知事をリーダーとして「世界一元気な広島」にしていかなければならないと思うわけですけれども、知事の決意をお伺いします。 99: ◯答弁知事) これまで私は、県民の皆様がどこに住んでおられても、安全で快適な環境の中で、安心して心豊かな生活を送ることができる「生活県ひろしまづくり」を目指して県政に取り組んでまいりました。しかしながら、近年、我が国を取り巻く社会経済情勢が大きく変化する中で、本県の活力の低下が懸念される状況があらわれてまいりましたことから、日本一住みやすい生活県を実現するためには、まず活力のある元気な広島県を実現することが急務であると考えまして、あえてそれを県政中期ビジョンの目標として掲げたところでございます。  現在、産業の再生、新たな教育県の創造、市町村合併など、広島県の活力を生み、元気を再生していく取り組みを進めております。その結果、住んでよかった、住み続けたいと県民が満足し、誇りが持てる郷土広島、あるいは、魅力にあふれ、内外の人々や企業から選ばれる元気な広島県、そういったものが実現すれば、日本で最も住みやすい生活県になると言えるのではないかと考えておりまして、今後とも、私が先頭に立って、総力を挙げて取り組んでまいる所存でございます。 100: ◯要望(森本委員) ありがとうございました。大変前向きな決意表明をしていただいたと思います。私は広島には一つだけ日本一があると思うのですけれども、日本一の知事がどこの知事か、こういうことを考えたときに、日本一まじめな知事は藤田知事であると信じておりますので、知事をしっかりと支えながら、私も、日本一の広島と言わずに、世界一の広島を目指して頑張っていきたいと思いますけれども、県民の皆様の協力がなければできませんので、県民の皆様の元気を結集していただいて、そういったことを実現していければと思います。  以上で終わります。 101: (中田委員) ◯質疑(中田委員) 公明党・県民会議の中田でございます。きょうはいただいたお時間を文化芸術振興対策を中心に、いろいろ質問してみたいと思っております。どうぞよろしくお願いします。  文化は「精神の宝」、文化は「平和の武器」、文化は「人間勝利の美」であるという有名な至言がございますが、私もそう思っている一人でございます。ここでいう文化とは、もちろん文化の重要な柱に芸術というものが含まれていることは言うまでもないことでございます。  話は変わりますけれども、きょう、実は広島で中国の京劇の公演が行われております。これは御存じのとおり、日中国交回復記念30周年記念で中国政府の公認する公式の交流行事の第一弾として広島で公演をされると伺っております。それも、京劇の最高峰と言われる中国京劇団のトップ俳優の皆さんがおそろいになっていると聞いております。これを実現いただいた関係者の皆さんに心から感謝申し上げたいわけでございますけれども、日中国交回復の交流の第一弾にこの京劇団を持ってきたという中国政府の思いというものを私は考えてみました。本当にすごいなと思います。中国を代表する文化芸術はたくさんございますが、その中の第一弾として公式に京劇団を持ってきた。この京劇で中国の心というものをよくわかってもらいたいということだと思うのです。こういうところを見ましても、文化芸術、文化といいますと幅が広うございますが、芸術の持っているもの、何千年という歴史に裏づけられた京劇を見ていただくことによって、中国の心をわかっていただこうと、全国各地を公演なさるそうですが、私は、そういう中国政府、中国人民の思いというものを感じている一人でございます。  昨年末に臨時国会で文化芸術振興基本法が成立して交付されたことは、御案内のとおりでございます。そして、今後、この基本法を踏まえて、政府の具体的な文化芸術振興方策が示されることになっておりますけれども、その内容にも大変心から期待しております。また、本県におきましても、昨年の12月定例会、それから今2月定例会でも、知事が、文化芸術振興対策について積極的に取り組むことを答弁されておりまして、私はもちろんでありますが、県民の多くの皆さんも大変喜んでおられるのではないかと思っております。  そこで、本日はもう少し内容に踏み込んで、文化芸術振興対策について質問を幾つかしてみたいと思っております。  なぜ今、文化芸術振興が重要なのかということを、やっぱり御理解いただかなければなりませんので、若干述べさせていただきたいと思うのであります。21世紀が開幕いたしまして、今、我が国では明治維新とか太平洋戦争後の大きな社会変化と比べるほどのすべてのジャンルにおける大構造改革が求められ、今その緒についていると思います。そしてまた、大きな痛みを伴うデフレ不況の真っただ中にあるとも思っております。私は、こういうときだからこそ、思い切った文化芸術振興対策を実施しなければならないと、心の底からそう思っているのです。  なぜそういうことを言うかというと、こういう大変革期だからこそ、日本人としてのアイデンティティーはどうなっているのか、また、どんな状況になろうとも絶対負けないという精神力でありますとか、生き抜いていく力、それから、他者を本当に思いやる、特に弱者に対して思いやる心といったもの、また、利己主義の克服、無から有を生み出す感性の創造力というもの、要するに敬譲の精神性、心というものが今最も必要なのではないかと私は思っております。  今回成立しました基本法は国の大事な基本法でありますから、その一部だけちょっと読ませていただきたいと思います。文化芸術振興基本法の附則というのがあるのです。この附則の中に非常に重要なことを書いています。「文化芸術を創造し、享受し、文化的な環境の中で生きる喜びを見出すことは、人々の変わらない願いである。また、文化芸術は人々の創造性をはぐくみ、その表現力を高めるとともに、人々の心のつながりや相互に理解し尊重し合う土壌を提供し、多様性を受け入れることができる心豊かな社会を形成するものであり、世界の平和に寄与するものである。さらに文化芸術は、それ自体が固有の意義と価値を有するとともに、それぞれの国やそれぞれの時代における国民共通のよりどころとして重要な意味を持ち、国際化が進展する中にあって自己認識の基点となり、日本文化の伝統を尊重する心を育てるものである。我々は、このような文化芸術の役割が、今後においても変わることなく、心豊かな活力ある社会の形成にとって、極めて重要な意義を持ち続けると確信する。」もう少し附則は続きますが、このところに、平和に寄与するものであるとか、心豊かな活力ある社会の形成にとって極めて重要であるとか、多様性を受け入れる心豊かな社会を形成するもとになるとか、重要なことを書いております。だから、今こそ文化芸術というものを、何よりも振興しなければいけないのです。  そして、目的というのが、第1条にあります。「この法律は、文化芸術が日本に多くの恵沢をもたらすものであることにかんがみ、文化芸術の振興に関し、基本理念を定め、並びに国及び地方公共団体の責務を明らかにするとともに、文化芸術の振興に関する施策の基本となる事項を定めることにより、文化芸術に関する活動の自主的な活動を促進し、文化芸術の総合的な推進を図り、もって活力ある社会及び心豊かな国民生活の実現に寄与することを目的とする。」と書いております。このとおりだと私は思います。  ここで世界的に有名な歴史的事実を2つほど御紹介をしたい。他の委員会でも一度御報告したことがございますけれども、それは、皆さんよく御存じの、1929年、ウォール街における株式の大暴落に端を発した世界恐慌が起きました。日本でもこの影響を受けまして、大銀行や大工場が次々倒産いたしました。本当にすさまじいほどの不況であったと歴史的には残っております。そして、失業者が街にあふれ、いろいろなものをアジアに求める中で、日中戦争であるとか太平洋戦争に向かっての軍国化の流れの原因の一つになったことは御案内のとおりです。  このとき、アメリカでは、この大不況からどう立ち直るかというのを、ニューディール政策、新規まき直し政策と言いますが、それを1930年代にずっととっていきます。これは、ダムをつくるとか、道路をつくるとかという大規模な公共事業、財政出動をやったというのは、我々は学校で社会の時間に習いました。歴史の時間でも習いました。そんなことだろうと思っています。  ところが、よくこれを見てみますと、ニューディール政策のもう一つの政策の柱に、「フェデラル1」というのがあるのです。これは教科書から落とされております。ところが、アメリカ社会では、歴史的にも非常にこれは重要視されておりまして、これは5つの項目を柱につくられている政策でありまして、簡単に言うと文化芸術振興策です。その5つの柱を幾つか紹介しますと、一つは、連邦美術プロジェクトというのがあるのです。それは5,300人の美術家を政府が直接雇用しまして、2,500カ所の公共建築物へ、壁画の制作や、1万800点の絵画、1万8,000点の彫刻制作を賃金で雇ってしてもらった。それから、連邦音楽プロジェクトというのがあるのですが、これはどういう基準で選ぶか、いろいろ細目はいっぱいありますが、これは省きます。1万6,000人の音楽家を直接雇用して、毎週音楽会やコンサートをやる。それから、音楽教室をやって、音楽を教えるということです。それから、連邦劇場プロジェクトというのをやっていまして、1万2,700人の舞台芸術関係者を直接雇用して、毎月約1,000の公演をやる。そして、100万人以上の人々に見てもらう。これは全部ではありませんが、ほとんど無料でそれを劇場公開した。そんなことをやっているのです。それ以外にも、連邦作家プロジェクトであるとか、歴史記録調査プロジェクトというのをつくっているのです。これを30年代に徹底的にやったのです。その結果どうなったかというと、大不況、大恐慌の不景気でものすごく国民の心も沈んでいた。ところが、それが心に明るさを取り戻し、経済復興の大きな力になって、今の映画産業はアメリカの国の軍事産業に次ぐ第2位の大産業ですが、ハリウッドの映画産業になったとか、ニューヨークの世界中から見に来るブロードウェーのミュージカルの基礎になったと言われているのです。  もう一つの事例は、イギリスの第二次世界大戦の直後です。有名なケインズという経済学者がおります。そのケインズを議長にして、英国芸術評議会というのがつくられた。これも有名な歴史的事実でありまして、イギリスは、第二次世界大戦のときにロケット攻撃をされまして、空襲を受けてイギリスの主要都市がほとんど破壊された。それから、ヨーロッパ大陸にもどんどん兵隊を出して、大変な戦争をやったわけです。その戦後復興の一つの大きな柱に、英国芸術評議会というのをつくり、ケインズを議長にしたのです。そして徹底的な文化芸術振興策をやっているのです。この評議会の基本に、国の責任だと規定してあるのです。  まだたくさんあります。時間がありませんので省略しますが、要するに歴史的にも、文化芸術の振興というものがどれだけ経済発展や社会発展に寄与していくものなのかということは、実証済みなのです。そういう意味で、私どもは、広島県における文化芸術振興対策に非常に頑張らなければいけない、本気になって取り組まなければいけないと、いろいろなところで訴えさせていただいているわけでございます。  そこで、前置きが長くなって恐縮いたしますけれども、第1の質問をいたします。  知事は、本会議で、約10年前に策定された広島県文化振興ビジョンを見直すと答弁されたのです。ぜひ見直していただきたいと思うのです。振興ビジョンをきょう持ってきておりますけれども、これを見ますと、前知事があいさつを書かれており、これが大事なのです、内容が集約されております。この中に芸術の一言もないのです。文化しか書いてないのです。文化というのは非常に幅広うございます。我々も今回の基本法を推進する中で、党内論議に私、参加しましたが、文化振興基本法ではないのです、文化芸術振興基本法なのです。文化という幅広い中でも特に芸術を振興することが大事なのだという意味なのです。文化と芸術を並列に書いているものではないのです。文化というのは非常に幅広いですから。我々の生活の周りはすべてが文化と言ってもいいぐらいで、その中の特に芸術を焦点に置いて振興するのですよという基本法だと私は理解をしているのです。  そういう意味で、私は、振興ビジョンの見直しという角度だけでは不足だと思っています。いいものは残して構わないです、非常によくまとまっているのはまとまっているのですから。県内をよく調査してあります。わかりやすくも書いてある。しかし、私は、今回の基本法というのはそういうものではなくて、先ほどから述べているように、大変重要なテーマを持った基本法でありますから、新たな角度で文化芸術振興方策というものをぜひ策定してもらいたいと思うのでありますが、まずお伺いいたします。 102: ◯答弁(環境生活部長) 現在の広島県文化振興ビジョンは、地域に根差した文化交流拠点・広島を目指して、平成4年に策定されました。このビジョンに基づいて施策を推進してまいりました結果、多くの県民の文化への関心が高まったこと、地域においてさまざまな分野の文化活動が展開されるようになったこと、活動の基盤となる文化施設の整備が進んだことなどの成果がありました。  これらを基礎として、今後の視点といたしましては、文化活動の参加機会や鑑賞機会の増加に伴う、多様でより高度な芸術文化を求める県民のニーズにこたえること、また、国内外の人々との交流により地域文化を発展させるとともに、異文化に対する理解を深めること、そして、文化芸術振興基本法の基本理念を踏まえることなどが考えられます。  スケジュールと進め方でございますが、各方面の御意見を賜りながら、国が策定される文化芸術の振興に関する基本方針も参考に、年内を目途に進めてまいりたいと考えております。 103: ◯質疑(中田委員) 振興ビジョンが今まで10年間に大きな寄与をしていないと私は言った覚えはない、すばらしいものなのです。ですけれども、今、視点をおっしゃったけれども、新たな視点の中で、本当に具体論まで突っ込みながら、文化芸術振興ビジョンをぜひおつくりいただきたい。  また、つくるに当たりましては、実は、この振興ビジョンというのは、各部全部いろいろなところにまたがるのです。ですから、今、部長がお答えになりましたけれども、中心は、あなたの部でおやりになるにしても、やはり全庁的な熱意の中で、いろいろなセクションのノウハウを生かされる中で、総合的につくり上げていきませんと、実効的には非常にお寒いものになるのではないかという心配をいたしております。ぜひともしっかり、年内にとおっしゃいましたから、おつくりいただきたいと思います。  次の質問は、それにかかわるのですけれども、では、そういう芸術振興ビジョンが年内にできるとなると、できた後、推進体制を考えればいいというのではないのです。振興ビジョンを組み立てながら体制というものを考えていかないといけないと思います。この間、芸術文化振興対策特別委員会の参考人で、埼玉県芸術文化振興財団の諸井理事長においでいただいた。有名な方です。現代音楽の作曲家としても有名だけれども、この振興財団のおやりになっているシェークスピアの一連の舞台芸術でありますとか、100人のピアニストの連続演奏会でありますとか、ベートーベンシリーズとか、バッハシリーズとか、2035年ぐらいまでのスケジュールが基本的に決まっておりまして、ものすごい財団活動をおやりになっている有名な方ですが、この方がおいでになって、お話を聞き、参考になりました。自分も、もう少し真剣に考えなければいけないと思わされました。  その一つは、このビジョンをつくり、推進体制をつくる中で、県行政は相当覚悟しなければいけないということです。本当に文化芸術を振興するんだという覚悟をしないと、いいかげんな気持ちではできないなと、諸井さんの話を聞いていて感じました。ということは、一流の芸術家のネットワークをつくっていったりしますから、1年限りで終わるなどということはできないわけです。だから、やり出したら連続的に行かざるを得ない。財団というものの性格上、財政的にも相当な負担がかかる、また、県民の皆さんの御理解をいただく努力を続けなければいけない、相当な覚悟が要るなというのが一つです。  もう一つは、諸井さんのお話を聞いて、中心となる人を得ないと、できはしないと思いました。淡々と話されるのですけれども、すごい人でした。こういうのは人なのでしょうね。やはりいい人を見つけないといけないというのが2つ目です。  知事は、推進体制については、財団法人広島文化振興基金を見直し、企業や文化団体など幅広く県民が参加できる推進体制の整備を図りたいと答弁されておりますが、そのとおりだと思います。本当にそうしてもらいたいと思いますが、これにつきましても、体制の整備の考え方、スケジュール、進め方について御答弁をお願いします。 104: ◯答弁(環境生活部長) 新たなビジョンに基づく文化芸術の具体的な振興を図るため、財団法人広島文化振興基金の機能を見直し、仮称でございますが、広島県文化振興財団というようなものに改組したいと考えております。このため、財団運営の基礎となります事務局組織の強化や、市町村、企業、文化団体など幅広く県民が参画できる運営方法、また、今後の事業展開が柔軟にできるような体制づくりについて取り組んでまいります。  改組に当たりましては、関係者の理解と協力を得ながら、本年の早い時期、できれば6月には新たな体制でスタートできますよう努力したいと考えております。  今後は、国の翌年度概算要求の動向などを見守りながら、平成15年度からの財団における新たな事業展開が図れるよう、市町村を初め、関係団体との協議を進めてまいりたいと考えております。 105: ◯質疑(中田委員) しっかりしたものをつくっていただくようにお願いしたいと思います。  質問の第3番目は、今、話題にもなっております国際的芸術文化拠点の整備ということ、それと、そこで出てきておりますサンクトペテルブルグとの交流についてお伺いしたいと思っております。  知事は、これも答弁なのですが、「国際的芸術文化拠点の整備は、県民に世界トップレベルの芸術作品に触れる機会を提供し、そして本県の魅力を世界に発信するとともに、広域的な集客や交流が可能となる重要なプロジェクトである」、ちょっと真ん中は省きますが、「2003年の建都300年祭を一つの契機ととらえ、芸術文化の先進地であるサンクトペテルブルグとの交流に向けた調査などを行ってまいりたい」と言われているわけです。私はすごいなと思って、その答弁を聞いていたのです。私は、全員委員会で御報告させていただきましたが、昨年8月に同僚議員とともにサンクトペテルブルグへ視察に行かせていただきました。大変ありがたいことだと思いました。  そこには、私も世界のいろいろな都市を見させていただいておりますが、ちょっと趣が違っていまして、世界屈指のエルミタージュ美術館となっている冬の宮殿という世界遺産、それから、夏の宮殿、それから、これも有名ですが、世界有数のワガノワバレエ学校、それからサンクトペテルブルグ・フィルハーモニー、昔のレニングラード交響楽団です。それから、プーチン大統領の出身校であるサンクトペテルブルグ国立大学等、ほかにも行きましたけれども、どんどん訪問させていただいて、関係者の皆さん、責任者の皆さんにも幸運にも結構お会いできました。  そこで見せていただいて、お話を聞かせていただいた感想は、やはり300年の歴史を持った、世界有数の文化芸術都市だなと思いました。本当にすごい町です。商業都市でもなければ工業都市でもないのです。本当の文化芸術都市です。そこは12カ月のうち、世界からお客さんが来るのは5カ月だけで、北緯63度のカムチャッカ半島の根っこのところにある。それをずっと西に行ったらサンクトペテルブルグになる。だから、11月といったら雪が降り始め、零下になってくる。5月、6月、7月、8月、9月ぐらいの5カ月ぐらいしかお客さんは来ないのです。でも、そこのエルミタージュ美術館には、年間400万以上の人が、そのわずかな限られた日数に来るのです。ワガノワバレエ学校には、世界中から女の子たちが、寄宿舎生活をしながら来るし、逆に世界公演などもどんどんおやりになるようなすばらしい町でした。  そこでコォリティンさんというサンクトペテルブルグ市文化委員会の委員長さんとお会いしたのです。結構若い人でしたけれども、この人が建都300年、及びサンクトペテルブルグの文化芸術都市をつくっていく最高責任者なのです。この人とお会いしましたときに、建都300年祭を契機として、世界に誇る文化芸術都市としてのサンクトペテルブルグをさらに発展させていきたいと、ものすごく力強くおっしゃっていました。それから、世界平和の原点とも言える広島と総合的な文化芸術交流をぜひ推進したいし、建都300年祭にもぜひ参加してもらいたいと言っておられました。情熱的に語られる方で、すばらしい人でした。本当に熱意が伝わってきた会見でございましたけれども、私もぜひ、サンクトペテルブルグとの交流というのはすべきだと思うのです。  そこで、知事に御提案なりお伺いしたいのですけれども、やはり行ってみるということは大事だと思うのです。知事は、今までニューヨークとか、パリとか、世界的に有名な文化や芸術や歴史性のある都市はたくさん見ておられると思うのですけれども、サンクトペテルブルグにはまだ行かれていないと聞いていますので、「百聞は一見にしかず」ということもありますから、広島が国際芸術拠点都市を目指すのであれば、私は大きな力になるし、参考になるし、大きなネットワークが組める可能性のある相手だと思っております。できるだけ早い時期に、また、いい時期に知事自身が訪問されることを私は期待いたしますが、知事、いかがですか。 106: ◯答弁知事) 委員御指摘のように、サンクトペテルブルグにはエルミタージュ美術館を初め、バレエ、音楽、演劇など世界のトップレベルの芸術文化の集積と歴史があり、また、2003年の建都300年祭を契機として世界各地との交流を目指しておられると伺っております。  一方、本県におきましても、海外との幅広い文化交流により、多様な文化への理解を深めるとともに、県民文化の振興を目指しているところでもございます。こうしたことから、サンクトペテルブルグの芸術文化交流に向けた調査などを行うとともに、御指摘の訪問につきましても検討してまいりたいと考えております。 107: ◯質疑(中田委員) 今言いましたように、限られたときしか行けません。氷の中へ行ってもしょうがないので、6月は白夜ですばらしいそうですから、気候の一番いいころに行かれたらどうかと思います。  国際的芸術文化拠点整備というのは、私はものすごい課題だと思います。今、県庁外の有識者に構想をお願いしている委員会もあるわけでありますけれども、どういうものが出てくるか期待しているわけであります。知事が国際芸術文化拠点整備というのは、今さっき少し言いましたが、県民にトップレベルの芸術作品に触れる機会を提供すること、それからもう一つは、本県の魅力を世界に発信するとともに、広域的な集客や交流が可能になる重要なプロジェクトだとおっしゃっているわけです。私は、これは大事な視点だと思うのです。県民の皆さんに、世界のトップレベルの芸術作品に触れる機会を提供する。私は、この後が大事だと思うのです。広島の持っている本県の魅力を世界に発信するというのは大変なことだと思うのです。だから、次の2つを聞かなければいけないのです。それは何かというと、ここで知事が言われた、世界のトップレベルの芸術作品というのはどんなものを想定されているのか、それから、もう一つは、世界に発信する本県の魅力というのは、具体的にどんなことを想定されているのかということをここでちょっと聞いておかなければいけないと思うのです。御答弁いただきたいと思います。 108: ◯答弁(政策企画局長) 具体的には国際的芸術文化拠点整備構想策定委員会において、現在検討をいただいておりますが、例えば世界のトップレベルの芸術作品というのは、エルミタージュ美術館など海外の有名な美術館が有する絵画、彫刻、工芸品、歴史的な文物などの鑑賞機会を提供すること、また、世界的なクラシック音楽、バレエや歌劇、ミュージカルなどの鑑賞機会を提供することなどが想定されると考えております。  と同時に、それに伴って本県の魅力を世界に発信するというのは、そういった世界レベルの芸術に触れる機会があると同時に、神楽やオーケストラなど地域の伝統芸能や芸術文化、本県の持つそういった芸術に触れる機会を提供することも、本県の新たな魅力として世界に発信されることではないかと考えております。 109: ◯質疑(中田委員) 私もそうだと思うのです。広島の中では、実は私は前から神楽に注目していまして、神楽というのは、専門家の皆さんが実は評価しているのです。簡素化された動きの中で、非常に芸術性があり、そして伝統的、歴史的な深さ、それから、非常にシンプルなのだけれども、人に与える感動性、そういうものが非常に高く評価されております。特に広島の新舞と言われる神楽の部分は、圧倒的なファンを今、開拓しつつあるのです。古典的な旧舞と言われるもの、古舞というのでしょうか、それは余りにもシンプル過ぎて、舞台に上げますと映えないというか、好きな人は好きなのだけれども、芸術的に見ると、ちょっと派手さが足りず、内容的に厳しい部分があるのだろうと思うのです。私はそういう古いものも好きで、非常におもしろいと思うのですが、新舞を中心に、広島の神楽というのは、もっと徹底的にブラッシュアップしなければいけないと思うのです。特に町おこし、村おこし、地域おこし、そしてこれを、多分サンクトペテルブルグに持っていったり、パリやニューヨークでやったらびっくりされると思います。舞台芸術にする以上はそれなりの脚色や、いろいろなことをしなければなりませんが、広島の新舞なんかを持っていったらすごいのではないでしょうか。  それとか、広島交響楽団も、今や再建をされて、評価も高まっていまして、秋山さんという指揮者を得て、ヨーロッパにも演奏に2回行ったりして、すばらしいレベルになってきています。専門家に言わせれば、もうちょっとどうかなというところもあるけれども、それは、もう少し力を入れれば、そういうレベルになると思います。  それから、県立美術館の所蔵作品などでも、世界に通用するものがいっぱいあると思います。すばらしいものだと思っています。奥田元宋先生の絵、平山郁夫先生の絵、児玉希望先生の絵、靉光のすばらしい作品など幾らでもあります。これらは世界に通用すると思います。私が最も期待しているのは、実は厳島神社の舞楽、雅楽なのです。これは、実は大陸式と朝鮮半島式の2つの流れを持っているのはここしかないのです。宮島の持っているものは、宮内庁にはないのです。こういうものも、もっと世界の人や国民の皆さん、県民の皆さんの目に触れるようになったらいいなと思うのです。  それ以外にも、たくさんいいものがあると思います。福山には能の家元がおられるそうです。評価の高いすばらしい能のグループがおられる。広島には、島原帆山先生のつくられた尺八の流派とか、探せばいっぱいあると思うのです。そういうものを発見し、光を当て、そしてそれを育て上げていくことが最も大切なことだと思うのです。  そういう意味で、私は国際的芸術文化拠点というのは2つの意味があるのだととらえた方がいいと思います。外のいろいろな世界の各都市とのネットワークを人的、また、いろいろなもののネットワークをどうつくって、それを広島にどう流入していくか、そして広島から全国へどうそれを発信するか、また、広島にあるものの中で、世界性、全国性のあるものをどういうふうに育て上げて、世界に通用するものをどうつくっていくか、この2通りだろうと私は思うのです。  そしてこのことにつきまして、私は知事を先頭に、言われた以上はどんなことをしても進めてもらいたい。広島県というのは世界的な知名度がございます。先ほどもおっしゃいました。本当の意味での恒久平和を求める広島の心というものがあるからこそだと私は思うのです。そういう恒久平和を求める、核廃絶を求める広島の心という世界的な知名度を芸術の翼に乗せて世界をネットワークしていくというのは、壮大な事業だと思いますが、知事の御決意をお伺いしたいと思います。 110: ◯答弁知事) 文化芸術は人の心に安らぎや潤いを与えるとともに、心と心を結ぶ架け橋ともなりますし、また、時代や国を超えて人が豊かに生きるために極めて重要な要素であると考えております。経済情勢が厳しいこのような時代だからこそ、心豊かな県民生活を目指して、その基盤となる広島の文化を創造していく必要があると考えております。  このため、新たなビジョンに基づきまして、広島が誇る有形無形の文化芸術を継承・発展させること、国内外のトップレベルの文化芸術との交流を促進することなどに取り組み、文化芸術の分野における広島の魅力を高め、これを国内外に発信できるよう市町村、関係団体、県民と力を合わせて、より一層の努力を傾注してまいりたいと考えております。 111: ◯質疑(中田委員) 実は教育問題について聞きたかったのですが、もう時間がなくなりまして、最後、教育長に一言だけ御答弁いただきたいと思います。
     文化芸術の基本は国語なのです。国語教育をどう充実させるかということ、それから、芸術活動をどういうふうに学校現場にリンクさせていくかという2つの大きい問題があろうかと思うのです。今まですばらしい取り組みをされていることも評価しております。重ねて問うわけでありますが、簡単で結構ですから、その質問をして終わりたいと思います。 112: ◯答弁教育長) 国語教育についてお尋ねがございました。国語の果たす機能といたしまして、まず学問や技術を学ぶ上で必要不可欠な基礎である、また、人と人とのコミュニケーションの重要な手段である、さらに伝統文化を理解し、感性や情緒といった豊かな心を育てる上でも大切であるというようなことで、文化の基盤と言えるものだと考えております。  このために、学校教育では読み・書きなど基礎・基本を徹底することや、読書指導などを通じて国語の授業を充実することはもとより、新しく始まる「総合的な学習の時間」においても、本や新聞などを読む機会を設ける、あるいは学習した成果を文章にまとめる、それをみんなの前で発表するということなどを通して国語力を養成することは大切だと考えております。そういう点で国語教育の充実に努力をしてまいりたいと考えております。  また、学校教育における文化芸術活動の充実ということでございますが、この点につきましても、現在、音楽、美術、総合的な学習などの時間を中心として取り組んでいるところでございます。その中で、県内にもさまざまな芸術団体もございますので、連携・協力を図りながら、教育の中身の充実を図っていくということで、引き続き努力を重ねてまいりたいと考えているところでございます。  (5) 閉会  午後3時15分 発言が指定されていません。 広島県議会 ↑ 本文の先頭へ...