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  1. 広島県議会 1999-06-03
    平成11年6月定例会(第3日) 本文


    取得元: 広島県議会公式サイト
    最終取得日: 2019-08-07
    1999年06月29日:平成11年6月定例会(第3日) 本文 ▼最初のヒット個所へ(全 0 ヒット) 1         午前十時三十二分開議 ◯議長(檜山俊宏君) 出席議員六十名であります。これより会議を開きます。  この場合、知事、行政委員会の長並びに説明員の出席を求めるに御異議ありませんか。         【「異議なし」と言う者あり】 2 ◯議長(檜山俊宏君) 御異議なしと認めます。よって、直ちに出席を要求いたします。         【知事、行政委員会委員長並びに各説明員出席】              ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~         自第  一 県第六〇号議案         至第三十七 報第一四号 3 ◯議長(檜山俊宏君) これより日程に入ります。日程第一、県第六〇号議案 広島県介護保険審査会の公益を代表する委員の定数を定める条例案から日程第三十七、報第一四号 平成十年度広島県水道用水供給事業会計予算繰越計算書までの各案を一括上程議題といたします。  昨日に引き続いて質問を行います。浅野洋二君。         【浅野洋二君登壇】 4 ◯浅野洋二君 私は、このたびの県議会議員選挙で、福山市沼隈郡選挙区から選出されました広島県議会公明党・県民会議の浅野洋二です。私は、公明党・県民会議を代表して、当面する県政の諸課題について質問いたします。  初めに、国政における公明党の政治判断についてであります。昨今の国際情勢の中で、もはや一国平和主義は成り立ちません。将来、日本が国際協調の上で、恒久平和を目指すべきであります。そうした観点から、公明党は、今回のガイドライン関連法案の審議に対し、政府の原案が日米安保条約の実質的拡大につながらないか、平和憲法の精神と原則に反しないかという問題については、厳しくチェックしてまいりました。その上で、日米安保の枠内の協力であることの明記、周辺事態の概念の明確化、後方支援地域のための自衛隊出動の国会承認といった重要部分での修正を加えて、懸念を取り除きました。  一方、通信傍受法案に対しては、国際化が進む中で、一国では防ぎようのない組織的な犯罪がふえている現状に対し、公明党は、国際的秩序と基本的人権のバランスをどう考えるかという観点から対処いたしました。一般市民まで適用範囲が及んだ政府原案を大幅に修正し、百項目以上あった対象犯罪を薬物・銃器・密航・組織的殺人の四種類に絞り込み、立会人を義務づけるなど、規制を厳格化し、通信傍受を特殊な犯罪に対する特殊な捜査として限定させました。これによって、法律の質が全く変わったのであります。その上で賛成したことは評価されるべきであることを訴えておきたいと思います。  さて、質問の第一は、広島県の長期総合計画の見直しについてであります。この長期総合計画は、知事が提唱された「日本で一番住みやすい生活県」の実現に向けて、平成七年三月に十年後の平成十七年度を目標年次として策定されました。この計画を具体化するため、現在まで二度にわたって実施計画が策定され、生活者の視点に立った施策を推進するとともに、新たに躍進する県づくりに向けた施策に、重点的・戦略的に取り組まれてきたところであります。  さて、この長期総合計画が策定されてから今日まで四年が経過したところでありますが、この間、我が国や広島県を取り巻く社会経済情勢は大きく変わっております。いわゆるバブル経済の崩壊以降、戦後最悪の景気低迷が続いております。我が国経済は、成長率が二年連続でマイナスになり、失業率もかつてない水準の五%に達しようとしており、経済の再生と雇用の確保、流動化が喫緊の課題となっております。  また、中長期的には、人類の歴史におけるミレニアム、千年紀という大転換期を迎えており、二十世紀後半の我が国の発展を支えてきた社会・経済の枠組みが変革に向けて大きく動き始めております。国際的には、世界の一体化が進行し、人や物、資金、情報が自由に移動する時代にあって、世界共通の枠組みやルールのもとでの激しい地域間競争が始まっております。国内的には、自由な選択と自己責任を基調に、行政主導から民間活動へ、規制から自由競争へ、中央集権から地方分権への転換が確実に具体化しつつあります。  こうした中で、全国よりも速いペースで高齢化が進行している本県においては、平成十七年ごろには、人口減少過程に突入することが予想されます。本格的な少子・高齢社会の到来、県民の価値観の高度化・多様化、産業技術の高度化、高度情報化の進展、環境問題などの地球的課題の顕在化など、時代潮流を的確にとらえた上で、将来の県民生活や産業の姿、また、瀬戸内海の沿岸に面した本県固有の都市像や中山間地域像を明確にし、長期的かつ戦略的な視点に立った地域経営が求められております。  また、厳しい財政環境の中で、最小の経費で最大の効果を上げる、県民の負託に着実かつ機動的にこたえる行政運営が求められております。景気の低迷や社会・経済システムの大転換を背景とする県民の将来への不安感や地域・社会全体に漂う閉塞感を打破し、県民に将来への明るい展望と希望を持っていただき、二十一世紀に輝き、自立する広島県をつくっていくためには、地域・社会の将来像を明確にするとともに、その実現に向けた道筋、シナリオと具体的な推進方策を県民の皆様に具体的にわかりやすい形で示す必要があると考えますが、いかがでしょうか。
     そこで、早急に長期総合計画を改定し、あるいは新しいビジョンを策定して、時代の大変革期における、これからの地域経営及び行政運営の方向を明らかにする必要があると考えますが、知事の御所見を伺います。  質問の第二は、環境問題に関し、循環型社会への転換に向けた取り組みについてであります。今日の大量生産、大量消費、大量廃棄の経済システムと利便性優先のライフスタイルは、これまで長い年月を経て蓄積された有限な化石燃料や資源を大量に使い、自然環境の中で分解できる量をはるかに超えた大量の廃棄物を排出しており、それが環境への負荷を与え、さまざまな環境問題を引き起こしております。資源の面でも、環境の面でも、地球的規模での限界が見えつつある情勢を深く認識し、資源と環境の両面での負荷の大幅な削減を図り、有限な地球環境と共生した経済社会を目指していくためには、物の生産から消費に至る動脈部分と、消費後の廃棄物等を資源化し、再生産につないでいく静脈部分が有機的に連結し、環境の循環の輪ができた資源循環型社会を形成していくことが不可欠であります。循環と共生を基調に据えた環境共生型社会を目指して、社会を構成するあらゆる主体が適切な役割分担のもと、生産・流通・消費の各段階にわたって廃棄物の抜本的な排出抑制、減量化、再資源化を行い、究極的には、あらゆる廃棄物をゼロにすることを目指した新しい資源循環型社会システムの構築、いわゆるゼロエミッション構想の実現が求められております。  そこで、質問の第一点として、本県は、今年、新たな事業として、このゼロエミッション構想の実現に向け、備後地域を中心とした循環型経済拠点構想を策定することとなっておりますが、どういった内容のものを目指そうとされているのか、また、策定に向けた今後のスケジュールについてお聞きいたします。  次に、リサイクルセンターに関してお聞きいたします。県は、昨年度、廃棄物広域リサイクルシステムの構想を策定し、基本方針として、廃プラスチックのリサイクルの推進、可燃ごみの熱エネルギーの高度利用、焼却灰の安定化、リサイクルを行うこととし、そのシステムの中核となるRDF発電を中心としたリサイクルセンターの整備について、今年度、調査・検討することとなっております。可燃ごみの持つ熱エネルギーの有効利用、ダイオキシン対策等のごみ処理の安全性、そして、経済性を高める観点からも、ぜひとも早期実現を望むものであります。  そこで、広島県一般廃棄物広域処理計画との整合性や、さきにお聞きいたしました循環型経済拠点構想との関係も含め、リサイクルセンターの今後の取り組みと基本的な進め方について、御所見をお伺いいたします。  三点目は、瀬戸内海の環境保全についてお尋ねいたします。瀬戸内海には、かつて海の幸と白い砂、緑濃い里にはぐくまれた豊かな人間の営みがありました。愚かにも、我々は、産業開発を優先させ、巨大な環境破壊に走ったことを謙虚に反省し、確固たる決意を持って、瀬戸内海を新しい生活ゾーンとして創造しなければならないと訴えるものです。瀬戸内三橋時代を迎え、人間と自然の共生の場としての瀬戸内海を総合的、一体的に保全することが、ますます重要となってきていると考えるものです。いわゆる瀬戸内法施行四半世紀を踏まえ、先般、瀬戸内海環境保全審議会は、瀬戸内海における新たな環境保全・創造施策のあり方について、環境庁長官に答申しました。失われた良好な環境を回復させる施策として、生物の生息環境である藻場、干潟の造成による自然の浄化能力の向上、海岸緑化などによる景観の改善、海砂利採取への対応、埋め立ての抑制などが盛り込まれております。推進方策としては、瀬戸内海環境保全基本計画や埋め立て基本方針の見直し、沿岸域の環境保全・回復計画の策定、住民参加の推進、環境教育・環境学習の充実、調査・研究、技術開発の充実などが挙げられております。県としても、本年度から、環境保全・創造プランの策定などに取り組むこととされておりますが、知事は、瀬戸内海の環境保全について、どう考えられ、今後どう取り組もうとされているのでしょうか、知事の御所見をお伺いいたします。  四点目として、有害な化学物質による環境リスクの低減についてお尋ねいたします。ダイオキシン類や外因性内分泌攪乱化学物質、いわゆる環境ホルモンなど、多種多様な化学物質による人の健康や生態系への影響が危惧されております。去る二十五日には、政府のダイオキシン対策閣僚会議で、ダイオキシンの耐容一日摂取量──TDIを、これまでの体重一キロ当たり十ピコグラムから四ピコグラムに強化することが決定されました。また、現在、国会では、公明党や自民党、民主党により、総合的なダイオキシン対策を盛り込んだ法案の提出に向け、検討が進められているほか、環境汚染物質排出移動登録、いわゆるPRTR制度の導入を図る法案が衆議院で可決され、今国会での成立を目指し、参議院で審議されている状況下にあります。  本県としても、これらの国の動きと連携しつつ、有効な環境リスクの低減対策の構築を急がなければならないと思います。本年度、県は、環境リスク管理、低減への取り組みとして、検査体制の整備や県内全域での大気、水質、土壌、底質の環境汚染状況の調査、PRTRのパイロット事業として、二百の化学物質について事業所等から排出、移動する化学物質量の実態把握をするなど、新たな事業に取り組むこととしておられますが、その状況と今後の方針について知事の御所見をお伺いいたします。  質問の第三は、介護保険についてであります。二〇〇〇年四月からスタートする介護保険制度の導入に向け、準備が大詰めの段階に入っております。しかしながら、制度導入に対する不安も根強くあり、我が党としても、福祉現場の実態調査や、各団体からのヒアリングをもとに、昨年十一月、福山市において介護保険シンポジウムを開催し、政府に対し緊急提言を行ったところであります。その内容は、市町村への財政支援を強化すること、低所得者への配慮、適正な介護保険料の水準設定、サービス基盤のさらなる整備など十項目にわたるものであります。  また、我が党国会議員の質問に対し、宮下厚生大臣は、家族介護の導入についても前向きに検討すると答弁しているところであります。一部には、制度の凍結や先送りなどの議論もあり、また、国においては、財政支援等も検討されていると伝えられております。流動的な要素はありますが、二〇〇〇年四月からは制度が発足し、今年十月には要介護認定が始まる予定なのであります。  そこで、本県における介護保険の準備状況について、二点お伺いいたします。  第一点目は、居宅サービス事業者のサービスについてであります。在宅介護サービスを提供できるのは、主として、県知事が指定した居宅サービス事業者であります。この六月八日から事業者説明会を開催されているようでありますが、居宅サービス事業者は、社会福祉法人、医療法人、その他民間事業者など多様な事業主体が参画できることから、競争原理を働かせたサービス提供が期待されております。しかし、その一方で、余りに経済原理を優先させ、サービスの質が低下するおそれもあるのであります。いい意味での競争原理によって、より高いサービス提供がなされなければなりませんが、県は、居宅サービス事業者のサービスの質をどのように確保していこうとされているのか、お伺いいたします。  第二点目は、保険料負担や利用者負担に関する低所得者への配慮措置についてであります。保険料について、国は当初一人平均二千五百円と見込んでおりましたが、現在では、平均三千円程度ではないかと言われてきております。保険料や利用者負担が高額になると、低所得者にとって、サービスを利用できなくなる事態も懸念されます。年金収入に頼るしかないお年寄りが、負担が重いために介護サービスを利用できないというのでは、本末転倒なのであります。県として、どう対応されようとしているのでしょうか、お伺いいたします。  介護保険の最後として、介護保険の対象とならない人への保健福祉施策について要望をしておきます。現に特別養護老人ホームに入所されている方のうち、要介護認定の結果、要介護者に認定されなかった人については、五年の経過措置はあるものの、結果として、施設を退所せざるを得なくなります。また、デイサービスやショートステイを利用している人は、これらを利用できなくなるおそれがあります。介護保険の実施により福祉が後退することは許されないのであります。県としても、介護保険の対象とならない方への保健福祉施策について、その重要性を十分認識し、対応されるよう強く要望しておきます。  質問の第四は、NPOへの支援についてであります。国際化、少子・高齢化が進展する中で、それらの社会的課題に対応し、活力のある、安心して暮らせる社会を築くためには、ボランティア活動を初めとする市民の自発的な非営利かつ公益性のある社会参加活動を活発化し、市民・企業・行政がパートナーシップを構築していくことが極めて重要であります。こうした中で、昨年十二月に施行された特定非営利活動促進法に基づいて、いわゆるNPOへの法人格を付与する認証業務が本県においても始まったところであります。  そこで、以下、二点についてお尋ねいたします。  まず一点目は、法人認証の申請についてであります。広島県における申請及び認証件数は期待されたよりも少なく、六月十一日現在で、申請が十三団体、認証が八団体と聞いております。私は、認証件数が少ないのは、NPOの相談・指導の窓口が、県内に県庁の一カ所ということも大きな要因となっているのではないかと思うのであります。すなわち活動団体の大半は、地域を拠点としている地域密着型のものであり、相談や指導を受けるために、いつも広島まで出向いていかなければならないというのでは、大変不便であり、このことが申請の出足を鈍らせている一因となっているのではないでしょうか。このため、相談・指導の窓口を県内のどこに住んでいようと、不便のないように、例えば、県の各地方機関に設置するなどしていただくよう強く要望するものであります。県として、認証申請がこのように少ない状況についての原因をどのように考えておられるのか、このことへの具体的な対応策について御所見をお尋ねいたします。  第二点目は、NPOに対する支援についてであります。今後、地方分権のための条件整備が整う中で、地方自治体とすれば、これまで以上に独自性を発揮しやすい環境になりますが、一方では、行政運営の力量が問われることとなります。行財政改革を推進し、行政コストの縮減を図りながら、施策の重点化や選択を余儀なくされる中で、行政とNPOが知恵を出し合う「協働」という考え方による役割分担と支え合いなくして、本当の意味での県民本位の住みよい県づくりはできないと考えます。そのためには、多様な自主的活動を展開するNPOやボランティア団体の活動を支援する機能が必要であり、その役割を担う「サポートセンター」の推進を提言するものであります。これは、これまでのような公設公営ではなく、公設市民運営を原則とし、既存の公的施設との整合を図り、市町村あるいは広域圏単位に整備する場合に、所要の助成をする制度を創設してはいかがでしょうか。また、今後、企業や行政ではできない事柄についてNPOなどの市民セクターがまちづくりに役割を果たすためには、行政として、どのようにかかわるのか、ボランティア意識の醸成、市民活動の促進、支援のあり方などを盛り込んだ基本方針を持たなければならないと考えます。幸い、本県においては、基本方針を策定されていると聞いておりますが、今申し上げたような項目を盛り込んでいただきたいと思うのであります。そこで、知事は、NPOに対する支援について、基本的にはどのようにお考えでしょうか、知事の御見解をお聞きいたします。  質問の第五は、教育改革についてであります。二〇〇二年からスタートする新学習指導要領は、学校週五日制の完全実施を前提に、これまでの知識詰め込み型教育からの脱却を目指しています。この新指導要領を定着させるためには、幾多の課題があろうかと考えますが、私は、これからの二十一世紀を担う子供に求めるべきは、受験知識の多い少ないではなく、豊かな独創性や創造性と確固たる自律心や自主性であると訴えるものであります。そのために、教育は何ができるか、まずは、子供たちの側から見る視点で、能力や関心に応じて伸び伸びと学ぶ教育環境を整えることが肝要ではないかと思うのであります。  例えば、和歌山県の「きのくに子どもの村学園」のように、プロジェクトと呼ぶ体験学習を通じた総合学習、ジョン・デューイの「なすことによって学ぶ」の理論を援用した大胆な教育実践で、教科書なし、宿題なし、試験なしの学習形態が関係者から注目されています。また、神戸事件の反省から、兵庫県内の全公立中学校の二年生を対象に実施した「トライやる・ウイーク」が、地域の職場での職業体験や介護ボランティアの実践など、体験学習によって不登校児の七割が登校するようになったとの報告もあります。さらには、不登校の子供たちのために、学校外の学びと、子供たちの交流の場として開設されたフリースクール「東京シューレ」の実践など、子供たちの意思を最大限に尊重する教育が本県の教育改革の方途に多くの示唆を与えてくれるものと考えるものですが、教育長はいかがお考えでしょうか。自主性、自立性を高め、地域に根づいた特色ある学校づくりが積極的に行われるよう、教育現場の徹底した規制緩和と意識改革が必要と考えますが、基本的な考え方と現在の取り組み、さらには、今後のビジョンも含め、教育長の御所見を明らかにしていただきたいと思います。  また、自然体験、社会体験、農業体験など、体験学習による不登校児童生徒の指導のあり方を本格的に研究し、実施することが肝要と訴えましたが、その取り組みと今後の方針についても、あわせて明らかにしていただきたいと思います。  質問の第六は、世界遺産の保存・継承についてであります。厳島神社や広島平和祈念碑、いわゆる原爆ドームが、人類共通の文化遺産として、ユネスコの世界遺産に登録されたことを記念して、本県においても、これまでの間、人類の宝を後世に継承する目的で、平成九年度、十年度と二カ年にわたり世界遺産シンポジウムを開催し、人類共通の貴重な遺産に対する県民の認識を高めてきたところであります。この間の取り組みについて、県としてどのように評価しておられるのか、私は、この意義ある事業を継続しなければならないと考えるところでありますが、教育長の御所見をお伺いいたします。  また、福山市の福山ブルガリア協会においては、平成五年度からバルカン半島のブルガリア共和国カザンルク市とバラを通した文化交流を深めておりますが、同国のバラの谷は、紀元前三百年ごろ、トラキア人が残した墳墓壁画があり、カザンルクのトラキア人墓地として世界遺産に登録されております。同協会はまた、この壁画を保存するため、恒温恒湿計を贈るなど、積極的な支援活動を続けてきているところであります。また、黒海に注ぐドナウ川の下流域には、ヨーロッパ有数のスレバルナの湿原が広がっており、スレバルナ自然保護区として、同じく世界遺産に登録されております。こうした機会に、瀬戸内海を有する本県の海水域の自然保護活動について、関係者が交流し、議論する意義は大きいと考えます。これまでの実績を踏まえ、県としても、これらの世界遺産の関係者を招き、シンポジウムを開催してはどうかと考えますが、御所見をお伺いいたします。  質問の最後は、福山都市圏の地域問題についてであります。県経済の発展を図り、県民生活の質の向上を目指すためには、地域間交流の活発化や、物流の効率化が不可欠であります。特に、県東部の備後地域においては、去る五月に開通した「しまなみ海道」による交流効果を生かしつつ、瀬戸内の交流軸として、重要な役割を果たす地域でありながら、幹線道路交通網の整備がおくれており、具体的には、福山市内の中心部を走る国道二号線に交通量が集中し過ぎており、市内の交通渋滞の原因となっているだけでなく、山陽地方の東西交流軸の弱点にもなっているのであります。県においては、備後地域の幹線道路網の整備に向け、いわゆる福山道路や福山西環状線等の都市計画案を持っておられますが、国など関係者とも協調して早急な整備着手が望まれるところであります。これら福山都市圏の幹線道路網の整備見通し及び今後の取り組みについてお尋ねいたします。  次に、福山市の中心市街地活性化事業についてお伺いいたします。生産と消費の場である都市において、活力は欠かせないものであります。都市に活力がなければ、市民が真に豊かな生活を送ることはできないのであります。近年のモータリゼーションの進展や消費スタイルの多様化等の影響から、福山市の「まちの顔」である中心市街地の空洞化が急速に進行しております。平成十年七月、いわゆる中心市街地活性化法が施行され、通産省や建設省などが支援措置を講じておりますが、県当局も、ハード・ソフトの両面から市町村を支援する必要があると思うのであります。県当局の御所見をお伺いいたします。  また、去る三月に中心市街地活性化基本計画を策定した福山市においては、現在、商工会議所が中心となって、タウン・マネジメント・オーガニゼーション、いわゆるTMOによる福山市中心商業活性化計画も、その素案がまとまりつつあります。ハード・ソフトの両面の施策を盛り込んでおりますが、きめ細かな助成制度を用意する必要があると考えるところであります。県当局の御所見をお伺いいたします。  以上で私の質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手) 5 ◯議長(檜山俊宏君) 当局の答弁を求めます。知事藤田雄山君。         【知事藤田雄山君登壇】 6 ◯知事(藤田雄山君) 浅野議員の御質問にお答えを申し上げます。  まず、広島県長期総合計画の見直しについてお尋ねがございました。現行の第四次長期総合計画を策定して以来、四年が経過したところでございますが、この間、景気の急激な後退と低迷の長期化、それに伴う国・地方を通じた財政状況の悪化など、行財政運営の前提となる社会・経済フレームが変化したこと、地方分権や規制緩和を初め、我が国の社会・経済システムの抜本的な見直し、改革が進展していることなど、本県を取り巻く環境は大きく変わってきております。こうした状況に対応するため、本年度、長期総合計画のフォローアップを行っているところでございます。このフォローアップにおきましては、人口・経済などの計画フレームの点検、これまでの施策・事業の進捗状況の点検、本県社会・経済の将来像の検討などを行い、本県が二十一世紀に発展していくための政策課題を洗い出すことといたしております。  また、地方分権時代における県の使命や市町村との役割分担を明確にし、スリムで効率的な行政運営を図るため、本年度新しい行政システム改善推進計画及び地方分権推進計画の策定を進めております。このような取り組みを進める中で、長期総合計画の見直しについて検討してまいりたいと考えております。  次に、循環型経済拠点構想についてお尋ねがございました。この構想は、循環型社会の形成に向けた取り組みの一つとして、備後地域を対象に、先進的な資源循環型経済システムの拠点づくりを行うためのマスタープランとなるものでございます。内容といたしましては、廃棄物を再資源化する中核的なリサイクル施設の集積、地域全体のリサイクルを一層促進するための企業連携システムの構築、これらを技術的に支援するための研究機能の充実強化などについて既存のインフラを活用しつつ、この地域に導入すべき機能や手法の検討を行うことといたしております。この構想策定事業は、国の支援制度を活用し、年度内に取りまとめたいと考えております。  次に、瀬戸内海の環境保全についてお尋ねがございました。瀬戸内海の環境は、一時期の危機的な状況からは脱したものの、藻場、干潟、自然海岸などの良好な環境の消失や新しいタイプの赤潮の発生など、依然として多くの課題が残されております。これらの課題に対応するためには、瀬戸内海環境保全審議会の答申に示されているように、これまでの規制を中心とする保全型施策の充実に加え、失われた良好な環境を回復させるための施策を幅広い連携と参加のもとに展開していく必要がございます。具体的には、沿岸地域の特性に応じて環境を保全すべきゾーンや回帰すべきゾーンに区分し、各ゾーンにおける施策を明らかにする環境保全創造プランを今年度から二カ年で策定することとしております。  さらに、水質や生物の生育環境を改善するため、通産省中国工業技術研究所と共同して、海底の底質改善技術の研究を行うこととしております。また、閉鎖性海域である瀬戸内海の環境保全には、広域的な連携が欠かせませんので、このため、海砂利採取問題や海域環境の改善対策について、引き続き瀬戸内海環境保全知事・市長会議などの場を通じて、国や沿岸府県との共同した取り組みへの働きかけを行ってまいります。  次に、NPOに対する支援策についてお尋ねがございました。ボランティア活動など、いわゆるNPO活動は、公益の増進に寄与し、自己実現や社会参加を図る場であり、さらに、行政、企業に次いで、社会を支える第三の部門として、今後ますますその役割は大きくなるものと考えております。このため、NPO活動の持つ自主性・主体性という特性を尊重しながら、活動が継続し、発展していけるような支援をしていく必要があると認識をいたしております。今後の支援策につきましては、本年度、NPOの皆さんや有識者にも参加をしていただき、検討委員会を設置して、NPO活動にかかわる基本方針を策定することとしており、御指摘の点も踏まえまして、検討してまいります。  その他の御質問につきましては、担当説明員より答弁いたさせます。 7 ◯議長(檜山俊宏君) 県民生活部長阪本博臣君。         【県民生活部長阪本博臣君登壇】 8 ◯県民生活部長(阪本博臣君) 初めに、リサイクルセンターについてお答えをいたします。廃棄物の処理に当たっては、排出量を抑制するとともに、やむを得ず排出されたものは、積極的にエネルギーとして有効利用を図るなど、従来の焼却して埋め立てる処理方式から、いわゆるリサイクル型の処理方式に転換していくことが重要な課題となっております。これらの課題を解決するものとして、ごみを固形燃料にしたRDFによる発電や、焼却灰を溶融・加工して、土木資材へ再生するリサイクルセンターの整備が望まれるところであります。本年度は、リサイクルセンターの実現に向けて、一般廃棄物広域処理計画に基づく広域ブロックとも十分協議を行うとともに、事業規模や運営形態などについて詳細な事業化調査を行い、できるだけ早い時期に方向性を明らかにしたいと考えております。なお、このセンターは、循環型経済拠点構想の中においても中核的な施設の一つとして位置づけたいものと考えております。  次に、有害化学物質による環境リスクの低減についてお答えをいたします。ダイオキシン類や環境ホルモンなどの有害化学物質の問題につきましては、未解明な点も多いところでございますが、世代を超えた影響が懸念されていることから、重要な課題であると認識しております。このため、国の施策に呼応して実態を把握するなどの取り組みを行っているところでございます。具体的には、今年度、いわゆるPRTR制度のパイロット事業として、広島中央テクノポリス地域の約五百の事業所を対象に、化学物質の排出量と移動量を調査するとともに、県内のダイオキシン類や環境ホルモンの環境調査を行うこととしております。  また、ダイオキシン類を初め、これらの化学物質の検査を県保健環境センターで行えるよう、新たに検査施設を整備するとともに、専門の検査職員を養成いたします。今後、ダイオキシン対策やPRTR制度の法制化に対応して、事業所の指導を強化し、有害化学物質の排出削減や廃棄物の減量化などにより、環境リスクの低減対策を推進してまいります。  次に、NPO法人の認証申請についてお答えをいたします。法人の認証申請が少ないとの御指摘でございますが、その原因として考えられるのは、法律上、一つには、法人格を取得することで毎年、事業報告書等の提出が求められるなど、事務量がふえ、煩瑣になること、二つには、法人税の取り扱いや寄附金控除など、税の優遇措置が講じられていないことなどから、今後、活動を展開する上で、法人格取得のメリットとデメリットを見きわめている団体が多いのではないかと思われます。このため、本県では、多くのNPOが小規模で苦しい財政状況にあることから、税制面で配慮することといたしまして、収益事業を行わない法人の法人県民税均等割を免除することとしております。また、県内市町村に対しましても、法人市町村民税均等割の減免を働きかけているところであります。なお、特定非営利活動促進法の附則において、三年以内に制度全般について見直すという規定がございます。このため、国の動向も勘案しながら、御指摘の相談窓口のあり方も含めまして、問題点の把握に努め、必要な対応策を検討してまいりたいと考えております。 9 ◯議長(檜山俊宏君) 福祉保健部長谷口 隆君。         【福祉保健部長谷口 隆君登壇】 10 ◯福祉保健部長(谷口 隆君) 介護保険につきまして二点、御答弁申し上げます。  まず、居宅サービス事業者についてでございます。介護保険の居宅サービス事業者等につきましては、原則として法人格を有し、かつ人員や設備、運営基準を満たせば、法人の種別を問わず、県の指定により事業を行うことが可能となります。こうした事業者が行うサービスの質の確保につきましては、事業者の指定に際して、人員や設備基準などの審査や指導等を十分に行うとともに、的確な指導監査を実施していくこと、また、事業者のサービス内容や提供体制等に関する情報を県や市町村が住民に積極的に公開するとともに、事業者自身の自主的な情報公開を促進していくことなどの取り組みを進めることといたしております。  また、利用者からの苦情処理業務を行う国民健康保険団体連合会や、直接に住民の窓口となります市町村と十分に連携をいたしまして、サービス事業者の指導に努め、利用者の方々に満足していただける良質なサービスの確保に努めてまいりたいと考えております。  次に、保険料負担等の低所得者への配慮措置についてでございます。介護保険制度上、高齢者の保険料につきましては、五段階の所得区分により設定されるなど、被保険者の負担能力に応じた金額になるような措置が講ぜられております。利用者の負担につきましては、上限額を設けることとされておりますが、低所得者の方には、この限度額を一般の場合よりも、さらに低く設定をいたしまして、負担の軽減を図ることとされておりますほか、施設入所者の食費負担につきましても、減額措置が行われます。県といたしましては、このような利用者負担の限度額が適切に設定されますよう国に要望を行っているところでございます。  また、あわせて、こうした制度の適切な運用を行うことにより、低所得者の方が必要なサービスを受けられるよう、市町村に対してきめ細かな指導をしてまいります。 11 ◯議長(檜山俊宏君) 土木建築部長中村俊行君。         【土木建築部長中村俊行君登壇】 12 ◯土木建築部長(中村俊行君) 福山都市圏の幹線道路網の整備について御答弁申し上げます。  福山都市圏の幹線道路網については、平成五年に策定された備後・笠岡都市圏将来道路網基本計画に基づき、体系的に整備を進めることとしております。これらのうち、都市圏の環状軸を形成する倉敷福山道路、福山環状道路が、地域高規格道路の計画路線の指定を受け、さらに整備区間として、倉敷福山道路を構成する福山道路の赤坂─瀬戸間、また、福山環状道路を構成する瀬戸─駅家間の福山西環状線の全線が指定を受けたところであります。これらの福山道路、福山西環状線及び関連する福山沼隈道路などを都市計画決定するため、五月二十日から六月三日まで、都市計画案を縦覧し、現在、縦覧期間中に提出された意見書の取りまとめを行っているところであります。本年六月十二日に環境影響評価法が施行されたことに伴い、建設大臣、環境庁長官等の意見を踏まえた環境影響評価書の作成に相当な期間を要するものと考えられますが、平成十二年度の早い時期に、都市計画決定ができるよう努めてまいります。  都市計画決定が行われた後は、速やかに現地測量等、事業実施に向けた調査に着手することとしております。特に、緊急に整備の必要がある福山道路の赤坂─瀬戸間及び福山西環状線、これに関連する福山沼隈道路について、優先的に事業を推進するとともに、今後も、福山都市圏の幹線道路網の整備に努めていきたいと考えております。 13 ◯議長(檜山俊宏君) 商工労働部長中村茂章君。         【商工労働部長中村茂章君登壇】 14 ◯商工労働部長(中村茂章君) 福山市の中心市街地活性化事業についてお答えをいたします。  中心市街地の活性化を図るため、県といたしましては、昨年六月に関係部局で構成する連絡協議会を設置し、市町村の基本計画策定に関する助言等を行うとともに、国の施策に呼応した各種の支援措置を講じているところであります。ハード面に対する支援としましては、商店街振興組合等が実施する多目的ホールなどの商業基盤施設の整備に対する補助や、高度化資金の融資を行うこととしております。また、ソフト面に対する支援といたしましては、広島県産業振興公社を通じて、まちづくり機関、いわゆるTMOが実施するコンセンサス形成事業などに対しましても助成することとしております。福山市におきましては、本年三月に中心市街地の将来像を描き、まちづくりの整備方針を明らかにする中心市街地活性化基本計画を策定しましたが、県としましても、策定段階で必要な指導・助言を行ってまいりました。本年四月には、福山商工会議所が中心となって事業主体や実施する事業の種類などを記載したTMO構想を策定し、現在は、この構想を具体化するためのTMO計画を策定中と伺っております。今後、県としましては、計画の策定状況等を見守りながら、コンセンサス形成事業に対する助成を初め、ハード面での資金助成など、必要な支援を行ってまいります。 15 ◯議長(檜山俊宏君) 教育長辰野裕一君。         【教育長辰野裕一君登壇】 16 ◯教育長(辰野裕一君) まず、教育改革についてお答え申し上げます。  これからの学校教育におきましては、子供たちがみずから学び、みずから考え、生涯を通して学び続けていく基礎となる力を身につけていくことが求められております。御紹介がありました他県等でのさまざまな取り組みにつきましては、いずれも、子供たちの自主性を尊重しながら、豊かで多様な体験と交流の機会を持たせようとするものと受けとめております。本県におきましても、基礎学力を着実に身につけさせるとともに、これまで以上に自然体験や社会体験などの体験を重視した学習を進め、子供一人一人のよさや可能性を最大限伸ばして、自主性・自立性を培っていくことが、教育改革の重要な視点の一つであると考えております。また、これからの学校においては、地域や学校の実態に応じて、創意工夫を凝らし、特色ある教育活動を積極的に展開していくことが求められております。そのためには、教育活動に地域の方々やボランティアの方々の協力を得たり、地域の自然や文化などの持つ豊かな教育力を活用していくことも、極めて有意義であると考えております。  このような多様な教育活動が各学校において幅広く展開されるよう、新しい学習指導要領におきましても、例えば学科等の枠にとらわれず、各学校がその内容を工夫し実施していく総合的な学習の時間を導入するなど、基準の一定の弾力化が図られているところであり、これを契機に、地域に根差した特色ある教育活動が一層伸びやかに展開されるよう努めてまいりたいと考えております。このため、県といたしましても、小・中学校においては、ニュースクールモデル校を指定し、新しい教育のあり方について実践的な研究に取り組むとともに、県立学校におきましては、学校から提案のあった授業について審査し、助成を行う「フロンティア21」の事業などを通して、各学校の特色ある教育活動を支援していくことといたしております。  次に、不登校児童生徒の指導のあり方についてでございますが、御指摘のように、不登校児童生徒に対し、さまざまな体験を通して、自主性や集団生活に適応できる力を育成することは、重要であると考えております。このため、教育委員会といたしましては、地域や大学生のボランティアの協力を得て、キャンプやマリンスポーツなどの体験活動を実施しているところでございます。今後とも、これらの体験活動を積極的に取り入れ、不登校児童生徒の指導・支援の充実にも努めてまいりたいと考えております。  次に、世界遺産継承事業の評価についてお尋ねがございました。世界遺産など歴史的な遺産を継承していくことは、歴史を学ぶだけではなく、人類普遍の価値を学ぶことでもあります。このような意義を踏まえ、厳島神社及び広島平和祈念碑、いわゆる原爆ドームが、平成八年十二月七日にユネスコの世界遺産に登録されたことを記念して、平成九年度にはブラジルから、十年度にはペルーから、世界遺産の保護に尽力されている講師を招き、高校生や大学生を対象とした講演会の実施や、県民を対象とした世界遺産シンポジウムを開催してきたところでございます。この事業は、人類共通の貴重な遺産の保護に向けて、これらの遺産が次代へ適切に継承されるよう県民意識の高揚を図るとともに、このシンポジウムを通して、諸外国における世界遺産に対する実践活動を学ぶことができたものと考えております。この二年間にわたるシンポジウムの開催を契機として、世界遺産を有する関係府県に遺産の保護等への取り組みを協議する会議の開催を呼びかけ、賛同を得たところでございます。本年は、広島で、この世界遺産関係府県主管課長会議を開催いたしますが、この会議の場で、御指摘の点も踏まえ、協議・検討を行ってまいりたいと考えております。  次に、世界遺産シンポジウムの開催についてお尋ねがございました。本年度は、中国・四国地方では初めての、全国規模の生涯学習フェスティバルが、福山市を初めとして七市二町で開催されます。その開催地の一つである福山市におきましては、かねてから、民間レベルでブルガリアとの間にバラを通じての交流があると承っております。御提案のあった世界遺産に関するシンポジウムは、国際理解を深め、生涯学習の振興という点からも、大変有意義であると考えておりますので、本フェスティバル期間中におけるシンポジウムの開催について、今後関係者と前向きに協議・検討してまいりたいと考えております。 17 ◯議長(檜山俊宏君) この際、暫時休憩いたします。午後の会議は二時から開きます。         午前十一時三十分休憩              ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~         午後二時二分開議 18 ◯副議長(間所 了君) 出席議員六十三名であります。休憩前に引き続き会議を開きます。  引き続いて質問を行います。吉岡広小路君。         【吉岡広小路君登壇】 19 ◯吉岡広小路君 私は、自由民主党広島県議会議員会の吉岡広小路でございます。  新たに改選された最初の定例会において質問の機会を与えていただき、厚く感謝申し上げます。昨日からの質問も、私で最後になりますが、私は、二百八十八万県民が直面する切実な課題について質問させていただきますので、当局の明快で愛情ある御答弁をお願いいたします。  質問の第一は、教育問題、同和教育、同和対策事業についてであります。本年、卒業式を翌日に控えた二月二十八日、県立世羅高等学校の石川校長先生が自殺されるという悲しい出来事がありました。その訃報を聞いたとき、私の中には、十四年前の忘れることのできない悪夢が脳裏によみがえりました。十四年前の昭和六十年二月二十二日、二十五歳の小学校教諭だった私の同級生は、その日、突然、みずからの命を絶ったのであります。いまだに詳細については不明でありますが、本人が何カ月も差別事件に関して悩み、確認糾弾会への出席、家の方にも「いつまで教員を続けとるんなら」というような脅迫にも似た電話が頻繁にかかっていたようです。先生として、生き生きとして働いていたときの様子が今でも頭に浮かんでくると同時に、いまだにやるせない思いが私の頭の中にあります。そして、今回の事件、石川校長先生の御冥福をお祈りすると同時に、この十四年間を考えただけでも、何も変わっていない広島県の教育、やる気のある若い先生や生徒から信頼されているベテランの先生たちが、みずからの命を絶たなければならなかったという、その思いに対し、自分自身の無力を恥じるとともに、こうした体質にメスを入れることができなかった教育委員会に対し、許すことのできない気持ちでいっぱいであります。現在、教育委員会も、文部省の是正指導のもと、本県の教育改革に積極的に取り組んでおられることは、高く評価いたします。  しかしながら、肝心の学校内における同和教育、解放教育、そして、部落解放同盟等のかかわりを整理しなければ、幾ら校長先生の権限を強化したところで、第二、第三の犠牲者が出るのではないかと考えるのは、私だけでありましょうか。確かに、大正十一年三月三日に全国水平社が設立され、昭和四十年に同和対策審議会答申、いわゆる同対審答申が出され、昭和四十四年、十年の時限立法で同和対策事業特別措置法が制定された当時においては、同和地区の劣悪な環境を改善するためのさまざまなハード面の整備が必要であったし、ソフト面においても、同和問題解決のための学校教育や社会教育が必要であったでありましょう。その過程においては、確認会、糾弾会などで行政の姿勢を厳しく正すことも当然であったと認識をしています。しかしながら、現在に至っては、ハード面の整備も進み、同和地区の環境整備については、十分整ってきたと考えます。一方、ソフト面については、これだけ本県の学校教育の中で人権教育、同和教育を推進しながら、依然として部落差別が根絶されず、就職、結婚などで差別が存在するのは、なぜなのでしょうか。やはり、今までの人権教育や同和教育の方向が間違っていたと指摘せざるを得ません。行き過ぎた同和教育によって、同和問題や部落差別を語ることは怖いというイメージをみんなに植えつけ、学校においても、職場においても、地域社会も、家庭も真摯な議論を避け、問題に触れることさえ、タブーとしてきた風潮があります。おかしいと思いながらもおかしいと言えず、陰で批判することはあっても、決して議論の対象にはならなかったのであります。議員も行政もマスコミも、そういった今までの体質を改め、自由に議論しながら、部落差別の解消、同和問題の解決を図っていくのでなければ、いつまでたっても同和問題の解決にはつながらないと考えます。決して、これまでのような確認会、糾弾会のように、相手を威圧する方法では解決にならないし、怖いというイメージも払拭することはできません。  そこで、地対財特法が平成十四年三月に期限切れとなりますが、その後の同和対策事業の基本的な考え方についてお伺いいたします。  まず、ハード面については、完全に一般事業に移行するのかどうなのか、先ほども申し上げたとおり、道路や環境整備などのハード面については一定の整備を終えており、一般事業の中で、その対応がされるべきと考えますが、いかがでしょうか。同和地区だから、特別に整備するだとか、負担金なども要らないという考え方は、同和問題解決に逆行した施策であります。また、県は、国の方向に沿って、市町村においても単独の同和対策事業が残されないよう、厳しく指導される必要があると考えますが、その対応についてお聞きをいたします。  今までの行政の同和対策事業の進め方というのは、決して県民の理解を得られたものとは言えません。毎年行われる部落解放同盟広島県連合会に対する行政説明会や、昭和六十年に結ばれた「広島県における学校教育の安定と充実のために」という、いわゆる八者合意にしても、県民の納得できるものではありません。これらの課題を早急に是正し、最初に申し上げたとおり、広く県民の理解を得て、自由な議論の中で同和問題の解決を図るべきと考えますが、知事の御所見をお伺いいたします。  また、教育委員会においても、今までの同和教育を抜本的に見直し、真に子供たちの個性を伸ばす教育について考え、その改革を行ってほしいということであります。現在の学校教育の中では、それぞれの活動や取り組みが、人権教育、同和教育を中心に進められているという印象をぬぐえません。先日、小学校に子供が通っているお母さんが、こんな話をしていました。「夏休みになったら、保護者で順番にプールの監視当番をしなくちゃいけん。仕事のある人は休まなきゃいけないし、先生に頼んだら、学校の授業じゃないのでと断られた。でも、平和行進は一生懸命してんよ。」と、先生にも先生の言い分があるのでしょうが、やはり、子供のプール監視はできなくて、平和行進には積極的に参加するという姿勢は理解できないのであります。教育委員会は、子供たちの個性を伸ばすと言いながら、現在の公立学校においては、そのような教育がされていないのが現実です。一つには、これまでの行き過ぎた人権教育によって、個性を伸ばす教育が行われにくいということがあります。学業の成績の優秀な生徒が、その力をより伸ばすために、いわゆるハイレベルの学校に進学したいと思うのが罪悪であるかのように、また、走るのが速い子供が徒競争で一番を目指すのがいけないことであるような風潮があります。勉強ができる子供がいれば、できない子供もいる、スポーツの得意な子供もいれば、不得意な子供もいる、これが当たり前だし、それが子供の個性で、それをお互いが尊重し合うことが大切と考えます。今の学校は、何でも平等の名のもとに、行き過ぎた同和教育の弊害で、個性ある教育が展開されていません。確認書や協定書といったものも、生徒や保護者には何の関係もありません。教育委員会は、今までの確認書や協定書は、すべて白紙に戻し、同和教育の抜本的な見直しを行い、真に地域や保護者に信頼される教育を取り戻すべきと考えますが、教育長の御所見をお伺いいたします。  また、学校現場においては、お互いの先生が自由に議論できる体制づくりが急務と考えます。現在のように、部落解放同盟などの民間運動団体が、個々の学校の対応を追及したり、校長会や校長に対して教育内容などを批判しているようでは、自由に議論できる体制づくりとは言えません。教育委員会が真の教育改革をしようと思うなら、第二、第三の石川校長先生のような犠牲者を出すまいと思うなら、全力で校長先生を、そして先生方を、学校を守り抜くという姿勢が大切と考えます。そのためにも、教育にかかわるすべての問題は教育委員会で対応し、部落解放同盟等の民間団体との交渉も、すべて教育委員会が責任を持って当たるべきと考えますが、あわせて御所見をお伺いいたします。  質問の第二は、中山間地域活性化対策にかかわり数点、質問をさせていただきます。  その第一は、中山間地域活性化対策に係る本県の姿勢と基本的な考え方についてであります。藤田知事は、過疎・高齢化に悩み、そして、崩壊寸前の集落を多数抱える中山間地域活性化のため、平成九年、中山間地域対策総室を新設され、地方機関においても、それぞれの農林事務所内に中山間地域対策室を設け、その第一歩を記されました。崩壊寸前の集落を何とか維持するために、県も全力を挙げたい、知事を先頭とした執行部の熱い思いに、私自身、中山間地域に住む者の一人として、「やっと過疎・高齢化に悩む山間部に県の行政が目を向けてくれた、これからいろいろ大変だろうが、一緒に中山間地域活性化の夢が見たい」と力強く感じたものでした。そのための、集落拠点整備のモデル事業を平成九年度、十年度で各五カ所を指定し、現在継続中であります。しかしながら、中山間地域対策総室は一年で姿を消し、指定されたモデル事業も福祉施設を共同でつくったりというものが多く、夢であった「集落を守る」という思いからは、かけ離れた事業になってしまいました。知事や地域振興部の「村を守る、集落を守る」という思いは、一体どこに行ってしまったのか、まずお伺いをいたします。  現在、国においても、WTO農業協定から、二十一世紀における活力ある農村地域を維持・発展させるための新たな取り組みとして、平成十年に「農政改革大綱」が取りまとめられ、新農業基本法とも言うべき「食料・農業・農村基本法」が議論されているところであります。中山間地域は、ほかの地域に比べ、過疎化・高齢化が急速に進行する中、農業生産条件が不利な地域が多く、耕作放棄地の増加などにより、公益的機能の低下が懸念され、直接支払い制度などの検討が現在されております。しかしながら、本県の場合、一戸当たりの農業粗生産額が四十七都道府県中第四十五位、農家人口のうち、六十五歳以上の比率が全国第一位、また、女性の占める割合が全国三位、耕地利用率が最下位の四十七位という数字を見れば、これまでの県の農業施策が十分であるとは考えられません。とても、中山間地域の農業・農村・農地を守るといった姿勢からは、ほど遠い気がいたします。あるときは、和牛振興のため、牛の飼育を勧め、それがだめなら、今度はアスパラをつくれと言う。アスパラも安くなった今、県は一体何をつくれと指導するのでありましょうか。今、広島県としても、独自の手厚い農業施策を打ち出し、信頼を失ってしまった農民の心を取り戻し、農業・農村・農地を守るという基本に返るべきと思いますが、御所見をお伺いいたします。  昔は、米をつくりながら豊作を祈り、一俵でも多く米ができるように頑張っていました。しかし、今、農民は豊作を喜ぶのではなく、憂い、嘆く状況にあります。一生懸命米をつくった者が、農業をしてきた者が報われる行政の対応を期待したいものであります。そもそも、農林水産業というものは、すぐ結果の出るものではありません。五十年後、百年後の将来を見据え、食糧を守る、農地を守る、山を守る、県土を守る、国土を守る、そして、環境を守りながら地球を守るものでなくてはいけません。現在、本県には、そういった考え方があるのでしょうか。口や文章では環境保全ということを述べながら、どこにその施策や事業があらわれているのでしょうか。私は、大きな疑念を抱いています。  今年、平成十一年度から、「緑と水の森林公社」による植林事業がストップしました。平成十年度は造林事業として、新植分百三十ヘクタール、二億三千万円の予算で行われた事業は、すべてカットであります。農林水産部の説明によると、現行の金利、木材価格で計算したとき、平成七十年度末で三百二十七億円の損失が見込まれるからというのが理由であります。山を守る、森を守る、県土を守るという施策は、前にも述べましたように、五十年、百年後の広島県を夢見て行っている事業であり、たとえ三百億円、四百億円の財政負担が見込まれたとしても、それ以上の効果を県民にもたらすものであり、このことで、政策が変えられるものではありません。今、植林した人も、それが伐採できるのは、孫の世代であります。山を守るという仕事は、昔から将来の世代に夢をかけて行ってきたことであります。今後、本県の山を守る、森を守る、林業を守る施策をどのように展開するつもりなのか、お聞かせください。  次の質問は、中山間地域の介護保険導入に伴う本県独自の支援策についてであります。介護保険制度については、昨日の同僚の平議員の質問も含め、たびたび議論のされてきたところでありますが、私は、中山間地域、特に高齢者の比率が高く、財政基盤の弱い市町村に対して、本県がどのような指導を行い、どのような支援を行っていくのか、お伺いしたいと思います。  本年十月から実施が予定されております要介護認定については、各地域で広域的な取り組みが展開されておりますが、地域によっては、保健婦の確保等、人材の確保が難しい場合も想定されます。また、今回の介護保険施行に伴い、市町村の財政負担は、現行制度に比べて増加するのかどうなのか。特に、高齢化率の高い小規模の過疎市町村については、その財政負担にたえられるのかどうなのか。国は調整交付金として、市町村への介護保険財政への国負担分二五%のうち五%を使って、一号保険者の保険料が高くなり過ぎないよう調整することとしていますが、果たしてそれで十分なのか、都道府県は、財政安定化基金を設けて、市町村の赤字をカバーすることとしているが、果たして、これで市町村の財政負担は解消されるのか、さまざまな懸念がわいてまいります。本県としては、県内のどの市町村も同じ水準のサービスを、同じ水準の保険料、財政負担も同じ方向に指導されるべきと考えますが、本県の人的・財政的支援も含めた基本的な考え方について御所見をお伺いいたします。  高齢者の率が高く、財政基盤の弱い中山間地域の市町村が、介護保険導入によって、ますます財政が圧迫されるとか、都市部よりも福祉サービスの水準が低くなるというようなことは、決して許されません。中山間地域は、条件不利地域ゆえに、悩める問題もさまざまであります。特に教育においては、少子化による学校の統廃合、複式学級の増加など、教育条件が著しく悪化しているのが現状です。それに加えて、最近は、地元出身の教員が少なくなっており、教員の採用、配置において、若い地元以外の出身の教員が多く配置をされ、中山間地域の中で、二、三年たつと都市部に帰っていく傾向が続いています。私の地元の三次市においても、小学校で三十歳以下の教員のうち、三次周辺出身の教員が十人なのに対して広島市など都市部出身の教員は二十一名と、倍以上になっています。自分の学校のある町に居住せず、新しく来て、すぐ都会に帰っていく、地域の行事にも参加しないし、これでは開かれた学校とは言えないというのが、現実の声であります。やはり、その地域に住み、地域の人たちの声を聞き、地域の中で一緒に汗を流さなければ、地域に信頼される教員とは言いがたいと考えますが、中山間地域における教員の採用、配置の考え方について、教育長の御所見をお伺いいたします。  質問の第三は、地方分権、広域行政、広域合併の推進についてであります。地方分権の推進については、現在、地方分権一括法案が国会で審議中であり、今国会での成立、来年四月より施行の見通しであります。税財源をめぐる国と地方の配分等、まだ、たくさんの課題を抱えてはおりますが、国と地方とを対等の関係とし、地方の公共団体が、権限も財源も有しながら独自の事業展開ができることを期待するものであります。そのためにも、地方自治体が分権にふさわしい力を蓄え、能力を発揮するために、行財政改革、広域行政、さらには広域合併の推進をどのように行うことができるのか、重要な時期に来ています。そして、県の行政の立場として、どのように国と市町村との関係を保っていくのか、その真価も問われるときだと感じています。  そこで、まず、県の行財政改革の基本的な姿勢についてお伺いをいたします。きのうの質問でも取り上げられましたが、先般、政府は緊急雇用対策を決定し、今国会にそのための補正予算の提出が予定されております。我が国経済の再生と雇用の安定確保は、国・地方を通じた緊急課題であり、速やかに適切かつ効果的な対策を講じられることを強く要請するものであります。  しかし一方で、今回、政府が決定した緊急雇用対策に盛り込まれている、地方公共団体による直接雇用については、私は強い疑問を抱いております。本県の財政環境は極めて厳しい状況にあり、行財政改革の推進が県政の最優先課題であることは、今さら指摘するまでもないことであります。こうした時期に、国と連携した緊急雇用対策とはいえ、県による直接雇用を実施することは行革の基本姿勢をゆがめることになると考えますが、今後の行政システム改善に対する知事の基本的な姿勢をお伺いいたします。  次に、県は、地方分権を推進していく上で、どのような姿勢で臨もうとしているのか、私自身考えるのに、地方分権を推進しようとすればするほど、中間的に位置する県の役割がどんどん少なくなっていく。逆に言えば、県の権限や財源もどんどん市町村に移行させながら、市町村の権限を強化させる責務が県にはあると考えていますが、いかがでしょうか。どこの会社にも、よい管理職と悪い管理職がいるように、広島県という中間管理職も、地方分権の流れの中で、国の意向を受けて市町村を指導するといった従前の姿勢を転換し、市町村の側に立って、権限と財源を思い切って移譲する、市町村の思いを酌んで、市町村の行いたい事業が早期に実現できるよう、国に強く要請していく、そういうよい管理者として地方分権を進めていかなければならないと考えますが、知事の基本的な考え方をお伺いいたします。  一方で、分権が定着するまでは、県の大きな役割として、広域行政、広域合併の推進について積極的な指導や支援をしなければならないと考えます。今までの県は、どちらかといえば、広域行政を唱えながら、これまで余り指導力を発揮できていないように思います。今、県下どこの市町村も財政は逼迫しており、行財政改革と事業の見直し、広域行政の展開は急務の課題であります。これまでの市町村は、言葉は悪いですが、金太郎あめのように、隣の町に運動公園ができれば、うちの町にもつくる。福祉保健センターがうちの町にはないので計画をする。こういった状態で事業の展開がなされ、どの町にも同じようなものができ上がってはいないかと危惧をしています。現在では、道の駅とか温泉施設のラッシュであります。ちなみに、中山間地域北部の第三セクターなどによる温泉施設の建設は十五市町村にも上っており、道の駅や民間施設も加えると、かなりの数になります。すべての施設が順調に経営されていくことを望んでいますが、少し多過ぎる気がします。やはり、県が広域行政の観点から、もっと指導を強化し、広域的に共同でできる事業は広域的に行う。ほかの市町村にないものを、県も市町村も知恵を絞って考える。そうした中で、市町村の役割分担をしながら、広域合併を促す。そうした時期に来ていると思いますが、御所見をお伺いいたします。  また、地方分権、広域合併が推進されれば、近い将来、道州制の導入も検討されるべきと考えますが、いかがでしょうか。四国を加えると、少し無理がありますが、四国を抜いて、中国州ができるということになれば、地理的な要件から、三次がその州都ということになります。知事の御所見をお伺いいたします。  知事はよく、百年先の将来からのカウントバックという表現をされます。百年先の広島県の姿を頭に描き、五十年後、十年後、五年後の計画を立てるという意味と理解しております。ぜひ、百年後の夢を持った答弁をお願いしたいと思います。  最近、よく、過疎地の家も余りない、イノシシしか通らないところに道ができている、そういう公共事業は見直せという議論があります。しかしながら、行財政改革と中山間地域の活性化、あるいは過疎化・高齢化を直すということは、別の問題であります。人口だけでいくなら、車の通る台数だけでいくなら、中山間地域における事業は何も浮かび上がってきません。たった一軒、山の中に家がある。消防車も行かないので、道をつける。そこに何億円も予算をかけるのがいいのか悪いのか、私にも結論は出せません。しかし、その人はそこに住んでいます。行政や政治の光を信じて、そこに道がつくのを待っています。私は、その人のために道をつけてあげたいと思う。知事の熱い思いを期待して、質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手) 20 ◯副議長(間所 了君) 当局の答弁を求めます。知事藤田雄山君。
            【知事藤田雄山君登壇】 21 ◯知事(藤田雄山君) 岡議員の御質問にお答えを申し上げます。  まず、地対財特法期限切れ後の同和対策事業の基本的な考え方についてお尋ねがございました。まず、物的事業の一般対策への移行についてでございます。同和対策事業につきましては、県が平成九年三月に決定した法期限後の基本方針に基づき、残された課題の解決に向け、関係施策の推進に努めているところでございます。この中で物的事業は、国の方針に合わせ、五年間の期限を設けたところであり、平成十三年度末までに事業が完了するよう、市町村と連携しながら、計画的な執行に努めているところでございます。平成十四年度以降において、物的事業を一般対策へ移行することにつきましては、今後、国の動向や本県の実態を勘案しながら、検討してまいります。  次に、平成十四年度以降における市町村の単独事業についてでございます。市町村の単独事業の見直しにつきましては、それぞれの市町村が地域の実態に即して、主体的に検討されるべきものであると考えております。しかしながら、同和問題の早期解決のためには、国・県・市町村による連携が不可欠でございますので、今後、県といたしましても、市町村へ必要な助言に努めてまいります。  また、同和問題解決に向けた基本的な考え方についてでございますが、同和問題の解決のためには、議員御指摘のとおり、自由な意見交換が行われ、広く県民の理解を得ることが極めて重要であると考えております。このため、県におきましては、これまでも県民の理解を得るための各種啓発に努めてきたところでございます。今後とも同和問題につきまして、自由な議論が行われ、広く県民の理解が得られるよう努めてまいります。  次に、中山間地域活性化対策に係る本県の姿勢と基本的な考え方についての御質問がございました。過疎化や高齢化が進む中で、集落崩壊の進行が基幹的集落などの生活拠点の機能低下を招き、さらには、市町村レベルあるいは中山間地域全体の衰退という現象を引き起こしてきたと考えております。このため、県は、周辺集落を含む地域全体の活性化を目的に、地域の核となる整備集落や生活拠点に対して施策を総合的・重点的に実施する集落生活拠点整備モデル事業に取り組んでおります。このモデル事業において、集落の特性を生かしたまちづくりが推進され、地域全体の活性化が図られることが、集落の崩壊防止に結びつくものと期待をいたしております。今後とも、周辺集落を含む地域全体の活性化を図るため、公共事業の重点的な投資ができるシステムの構築を初め、中山間地域活性化対策基本方針に基づき、全庁を挙げて活性化対策の具体化に努めてまいります。  次に、地方分権を進める上での県の姿勢についてのお尋ねがございました。今回の地方分権の推進は、国・県・市町村の関係を上下の関係から、対等・協力の関係に変え、それぞれの役割分担を明確にした上で、共通の目的である住民福祉の向上のため、協力していこうというものでございます。来るべき分権型社会に向けては、県と市町村は自己決定権が拡大されると同時に、自己責任の拡大を伴うこととなり、県と市町村の役割分担についても、住民に身近な行政は、住民に最も近い市町村が実施するという観点から見直していく必要があると考えております。このため、県といたしましては、市町村の主体性を尊重しながら、県独自で移譲することができる権限については、それに伴う財源も含め、さらに積極的に移譲を進めてまいります。また、さらなる地方分権の推進に向けて、国に対して働きかけるなど、分権型社会における県と市町村のパートナーシップの構築に努力してまいります。  次に、地方分権の進展に伴う道州制の導入についてのお尋ねがございました。戦後、これまで国の調査会や審議会を初め、経済団体から道州制についての数多くの意見や提言がなされ、国会においても審議されてきた経緯がございます。また、本年四月には、経済審議会が、新しい経済計画で検討すべき政策課題として、道州制の導入や府県合併による地域活性化を指摘し、近く提言が出されると聞いております。今般の地方分権推進法を契機として、地方分権が進展し、全国的に広域的な連携や合併が進んでいくことによって、道州制の議論が一層活発化していくことが予想されます。今後、道州制の議論をしていくに当たっては、国政のあり方や地方制度の枠組みの検討がさらに進められる必要があり、国民全体にかかわる問題であることから、国会を初め、全国知事会、市町村団体など、各方面で大いに議論していくべき課題であると考えております。州都につきましても、こうした道州制の議論が進展していく過程で検討されるものと認識をいたしております。  その他の御質問につきましては、担当説明員より答弁いたさせます。 22 ◯副議長(間所 了君) 農林水産部長中尾昭弘君。         【農林水産部長中尾昭弘君登壇】 23 ◯農林水産部長(中尾昭弘君) 二点、お答えを申し上げます。  まず、本県独自の農業施策についてであります。本県は、中山間地域が多いなど、土地条件に恵まれないことに加えまして、経営規模が零細なままにとどまっているという問題がございます。しかしながら、圃場整備の実施等により農業生産基盤が順調に整備されるとともに、規模拡大や新技術の導入などにより地域特性を生かした収益性の高い経営を行う農業者も多く育っており、こうした人々を核にした特色ある産地が増加しつつあります。このような状況を踏まえ、本県では意欲ある企業的農家を中心とする一億円産地を育成するための総合補助金制度、無利子融資制度を活用し、地域の創意工夫を生かした農業活性化に鋭意努めているところでございます。  また、食料・農業・農村基本法の制定などの動向も踏まえ、おおむね十年先の将来を見通した農林水産業、農山漁村活性化のための行動計画を本年度中に策定することといたしております。これに基づき、農業生産法人制度や直接支払いなどを活用して、効率的な生産方式の実現や、生活空間としての農山漁村の活性化に努めてまいりたいと考えております。  次に、林業政策についてでございます。本県の中山間地域は、その大半が森林によって占められておりますが、担い手の減少、高齢化、木材価格の低迷など、かつてない厳しい環境の中で、保育や間伐が不十分な森林が増加している状況にあります。しかし、森林は県土保全や水源の涵養、さらには地球温暖化防止などの公益的機能を有しており、その機能を維持・発揮させるためには、健全で質の高い森林の整備を積極的に進めていく必要があります。このような観点から、流域を一体とした保育・間伐など、総合的な森林整備や治山事業の推進により、森林の機能の維持や県土の保全を図ってまいります。  また、御指摘の「緑と水の森林公社」につきましては、現在、植栽面積が一万五千ヘクタールに達し、既に広島県の人工林面積の約一割を占めております。公社の森林は、今後保育が必要な時期を迎えるため、当分の間は、保全管理に万全を期していきたいと考えており、県といたしましても、貸付金の金利を本年度から一・一%に引き下げ、公社の負担軽減に努めているところであります。 24 ◯副議長(間所 了君) 福祉保健部長谷口 隆君。         【福祉保健部長谷口 隆君登壇】 25 ◯福祉保健部長(谷口 隆君) 中山間地域の介護保険導入に伴う県の支援についてでございます。  介護保険の施行に伴います市町村の財政負担につきましては、現行制度に比べて総じて負担増にはならない仕組みになっているところであります。また、国の調整交付金や県が設置をいたします財政安定化基金などによりまして、市町村格差の是正や保険財政の安定化が図られることとなっております。  なお、この制度は、保険者が市町村でありますことから、単独で実施をした場合、地域の実情に合った事業展開の結果、保険料やサービス水準において市町村間で多少のばらつきが出るのはやむを得ないことではございますが、その格差が余り大きくなるというのも、安定的な運営という面から問題でございます。このため、県といたしましては、これまで中山間地域の市町村を中心に広域的な対応を強く働きかけ、中山間地域六十九市町村のうち、六十の市町村が要介護認定事務を中心に広域的取り組みを進めているところでございます。  しかしながら、多くの地域が認定事務の広域化にとどまっていることから、サービス基盤の整備や保険財政の運営を含めた、さらなる広域化への取り組みを進める必要があると考えております。こうした中山間地域の現状を踏まえまして、現在、県を挙げて、保健婦などを想定した人的支援や財政的支援を検討しているところでございます。今後、これらの施策を具体化いたしまして、中山間地域の市町村において制度の円滑な実施と安定的な運営が図られますよう、積極的な指導・支援をしてまいります。 26 ◯副議長(間所 了君) 総務部長渕上俊則君。         【総務部長渕上俊則君登壇】 27 ◯総務部長(渕上俊則君) 緊急雇用対策と行財政改革の関係についてお尋ねがございました。  新しい時代に対応できるスリムで効率的な行政システムの構築に向けた行財政改革は喫緊の課題であり、積極果断に取り組む必要があると考えております。先般、国において緊急雇用対策が取りまとめられたところでございますが、本県といたしましても、県内の厳しい雇用情勢を踏まえ、国の補正予算などで具体化される施策と連携を図りながら、より実効ある雇用対策に取り組んでまいりたいと考えております。簡素で効率的な行政システムを目指して、行財政改革に取り組んでいるところでございますので、緊急雇用対策を県や市町村が実施する場合にあっては、介護保険制度の関連や少子化対策など行政ニーズに緊急に対応する必要がある分野などにおいて、行財政改革と整合性を図りつつ、検討を進めてまいりたいと考えております。 28 ◯副議長(間所 了君) 地域振興部長岩井猛彦君。         【地域振興部長岩井猛彦君登壇】 29 ◯地域振興部長(岩井猛彦君) 市町村の施設の効率的配置と広域行政の推進についてお答えをいたします。  県内の各市町村におきましては、これまで特色ある地域づくりのために、文化施設、スポーツ・レクリエーション施設などの整備が進められてまいりましたが、結果として、画一的な事業展開になった側面もございます。一方、中山間地域を初めとする市町村では、少子・高齢化の進展や経済状況の悪化に伴う厳しい財政環境により、広域的視点に立った施設配置など、簡素で効率的な行政システムの実現に向けた取り組みが求められているところでございます。このため、最近では、例えば中国山地県境サミットにおける「エメラルドパスポート」や、近隣の市町村の公共施設を利用する「やどかり文化活動」のように、市町村の枠を超えた取り組みも始められております。こうした状況の中で、県といたしましては、市町村に対しまして、近く終了する広域市町村圏計画の改定に当たり、施設の適正配置に十分配慮すること、本年度から取り組むことといたしております広域行政推進連絡協議会で、広域的な施設の配置や利用方法について検討をすることなど、計画的な施設配置に努めるよう指導したいと考えております。  さらに、今後は、広島県地方分権推進計画の策定を通じて、市町村の合併を含む広域行政の実現に向けた積極的な取り組みをしてまいります。 30 ◯副議長(間所 了君) 教育長辰野裕一君。         【教育長辰野裕一君登壇】 31 ◯教育長(辰野裕一君) まず、同和教育の抜本的見直しについてお尋ねがございました。  同和教育は、日本国憲法の理念にのっとり、同和問題の解決を目指して行われる教育であり、その推進を図ることは、教育委員会としても重要な課題であります。この場合、公教育における同和教育につきましては、もとより教育の中立・公正の原則のもとに、関係法令等にのっとり、適切に行われるものでなければなりません。したがって、公教育の場に特定の運動論を持ち込んだり、学校教育が教育本来の目的に従って、自主的に行われることを阻害する、いわゆる教育介入のようなことは、決してあってはならないことであります。このため、教育行政としては、御指摘の趣旨も踏まえ、関係法令等に照らし、適切に対応していくことが必要と考えております。  また、学校における諸活動につきましては、保護者や地域の方々にその内容を広く公開し、その理解と協力を得ながら進めることが大切であり、同和教育に関しても、このような観点に立って、信頼される公教育の確立を図る中で、その適正な実施に努めてまいりたいと存じます。         【副議長退席、議長着席】  次に、学校現場での自由に議論できる体制づくりについてお尋ねがございました。御指摘の民間団体とのかかわりにつきましては、教育の中立・公正の原則のもとに、その自主性、自立性が、厳に確保されることが基本と考えております。こうした観点から、現在、県教育委員会として、校長会を初め、関係者から学校現場における実態や課題等について広く意見を伺っているところであり、今後これらの団体との対応のあり方について、具体的に検討してまいりたいと存じます。  最後に、中山間地域の教育の活性化についてお尋ねがございました。教職員の人事配置につきましては、同一校在職期間の適正化や広域人事交流の促進、あるいは新規採用者の適正配置などに重点を置いて行っているところでございます。また、中山間地域におきましては、地元出身者の採用が少ない中で、できるだけ地元に配置するなどの配慮をしているところでございます。御指摘のように、これまで三次教育事務所管内では、全教員に占める新規採用者の割合が高く、短期間で都市部へ異動していく傾向がございました。このため、昨年から新規採用者の配置や人事交流に際し、特に地域バランスを考慮して人事異動を行っているところでございます。その結果として、三次教育事務所管内では、全教員に占める新規採用者の割合が平成八年度末では四・七%であったものが、平成九年度、十年度末では、それぞれ一・三%と三分の一程度に下がっております。また、中山間地域から都市部への転出者につきましても、余り短期間の間に異動することがないよう在職期間の改善を進めており、新規採用者の適正配置や教員の地元への定着につきましては、一定の前進が図られつつあるものと考えております。もとより、教員は出身地にかかわらず、配置された学校で地域に溶け込み、地域の方々と交流し、地元の行事などに参加しながら子供の健やかな成長を図っていくことが重要であります。今後とも、市町村教育委員会との連携のもとに、地域住民の信託にこたえ、地域に根差した教育活動の充実を図り、中山間地域における教育水準の維持・向上に努めてまいる所存でございます。 32 ◯議長(檜山俊宏君) これをもって質問を終結いたします。  お諮りいたします。ただいま上程中の議案中、県第八七号議案 広島県公安委員会委員の任命の同意について、県第八八号議案 広島県人事委員会委員の選任の同意について並びに県第八九号議案 広島県収用委員会予備委員の任命の同意について、以上三件については、この際、委員会への審査の付託を省略し、直ちに本会議において議決するに御異議ありませんか。         【「異議なし」と言う者あり】 33 ◯議長(檜山俊宏君) 御異議なしと認めます。  それでは、まず県第八七号議案 広島県公安委員会委員の任命の同意についてを採決いたします。本案は原案に同意するに賛成の諸君は御起立願います。         【賛成者起立】 34 ◯議長(檜山俊宏君) 起立総員であります。よって、本案は原案に同意するに決しました。  次は、県第八八号議案 広島県人事委員会委員の選任の同意についてを採決いたします。本案は原案に同意するに賛成の諸君は御起立願います。         【賛成者起立】 35 ◯議長(檜山俊宏君) 起立総員であります。よって、本案は原案に同意するに決しました。  次は、県第八九号議案 広島県収用委員会予備委員の任命の同意についてを採決いたします。本案は原案に同意するに賛成の諸君は御起立願います。         【賛成者起立】 36 ◯議長(檜山俊宏君) 起立総員であります。よって、本案は原案に同意するに決しました。  その他の各案については、それぞれ所管の常任委員会へ審査を付託いたします。議案付託表は後刻お手元へ配付いたします。  お諮りいたします。明三十日及び七月一日は、委員会審査のため、本会議は休会とするに御異議ありませんか。         【「異議なし」と言う者あり】 37 ◯議長(檜山俊宏君) 御異議なしと認めます。よって、さよう決します。  次回の本会議は七月二日午前十時三十分から会議を開きます。  本日はこれをもって散会いたします。         午後二時五十五分散会 広島県議会...