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  1. 広島県議会 1998-12-03
    平成10年12月定例会(第3日) 本文


    取得元: 広島県議会公式サイト
    最終取得日: 2023-06-05
    トップページ 検索結果一覧 使い方の説明 (新しいウィンドウで開きます) 平成10年12月定例会(第3日) 本文 1998-12-11 文書発言の移動 文書 前へ 次へ 発言 前へ 次へ ヒット発言 前へ 次へ 文字サイズ・別画面表示ツール 文字サイズ 大きく 標準 小さく ツール 印刷用ページ(新しいウィンドウで開きます) 別窓表示(新しいウィンドウで開きます) ダウンロード 表ズレ修正 表示形式切り替え 発言単文選択全文表示を切り替え 単文表示 選択表示 全文表示 発言者表示切り替え 全 41 発言 / ヒット 0 発言 すべての発言ヒット発言表示切り替え すべての発言 ヒット発言 選択表示を実行・チェックの一括変更 選択表示 すべて選択 すべて解除 発言者一覧 選択 1 : ◯副議長平田修己君) 選択 2 : ◯副議長平田修己君) 選択 3 : ◯副議長平田修己君) 選択 4 : ◯副議長平田修己君) 選択 5 : ◯面迫幸雄選択 6 : ◯副議長平田修己君) 選択 7 : ◯知事藤田雄山君) 選択 8 : ◯副議長平田修己君) 選択 9 : ◯土木建築部長中村俊行君) 選択 10 : ◯副議長平田修己君) 選択 11 : ◯福祉保健部長谷口 隆君) 選択 12 : ◯副議長平田修己君) 選択 13 : ◯教育長辰野裕一君) 選択 14 : ◯犬童英徳選択 15 : ◯副議長平田修己君) 選択 16 : ◯犬童英徳選択 17 : ◯副議長平田修己君) 選択 18 : ◯総務部長渕上俊則君) 選択 19 : ◯副議長平田修己君) 選択 20 : ◯福祉保健部長谷口 隆君) 選択 21 : ◯犬童英徳選択 22 : ◯副議長平田修己君) 選択 23 : ◯犬童英徳選択 24 : ◯副議長平田修己君) 選択 25 : ◯知事藤田雄山君) 選択 26 : ◯副議長平田修己君) 選択 27 : ◯議長(檜山俊宏君) 選択 28 : ◯田辺直史君 選択 29 : ◯議長(檜山俊宏君) 選択 30 : ◯知事藤田雄山君) 選択 31 : ◯議長(檜山俊宏君) 選択 32 : ◯商工労働部長(高見貞四郎君) 選択 33 : ◯議長(檜山俊宏君) 選択 34 : ◯福祉保健部長谷口 隆君) 選択 35 : ◯議長(檜山俊宏君) 選択 36 : ◯空港港湾局長(上田 寛君) 選択 37 : ◯議長(檜山俊宏君) 選択 38 : ◯土木建築部長中村俊行君) 選択 39 : ◯議長(檜山俊宏君) 選択 40 : ◯教育長辰野裕一君) 選択 41 : ◯議長(檜山俊宏君) ↑ 発言者の先頭へ 本文 ↓ 最初のヒットへ (全 0 ヒット) 1:         午前十時三十三分開議 ◯副議長平田修己君) 出席議員六十二名であります。これより会議を開きます。  この場合、知事、行政委員会の長並びに説明員の出席を求めるに御異議ありませんか。         【「異議なし」と言う者あり】 2: ◯副議長平田修己君) 御異議なしと認めます。よって、直ちに出席を要求いたします。         【知事、行政委員会委員長並びに各説明員出席】              ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 3: ◯副議長平田修己君) 諸般の報告がありますので、書記をして朗読いたさせます。         【書 記 朗 読】                                  平成10年12月10日  広島県議会議長 檜 山 俊 宏 殿                                  広島県人事委員会委員長 丸 山  明            条例案に係る意見について  平成10年12月10日付けで,地方公務員法第5条第2項の規定に基づく意見を求められた条例案のうち次の条例案については,給与制度上の趣旨に照らして特別例外な措置であるが,財政状況を考慮してとられた措置であり,やむを得ないものと考えます。  追県第23号議案 特別職の職員等の給与の特例に関する条例案中職員に関する部分  追県第24号議案 職員の給与の特例に関する条例案  追県第25号議案 市町村立学校職員の給与の特例に関する条例案  また,次の条例案については,適当と考えます。  追県第26号議案 職員の給与に関する条例及び母子相談員及び婦人相談員の報酬及び費用弁償に関する条例の一           部を改正する条例案中職員に関する部分
     追県第27号議案 市町村立学校職員の給与,勤務時間その他の勤務条件に関する条例の一部を改正する条例案              ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~         自第  一 県第一〇一号議案         至第三十七 報第二二号 4: ◯副議長平田修己君) これより日程に入ります。日程第一、県第一〇一号議案 平成十年度広島県一般会計補正予算から日程第三十七、報第二二号 損害賠償額の決定についてまでの各案を一括上程議題といたします。  昨日に引き続いて質問を行います。面迫幸雄君。         【面迫幸雄君登壇】 5: ◯面迫幸雄君 社会民主党県議会議員団の面迫幸雄でございます。  一言で言って、暗い年、活力を失った年、元気が出ない年とも言える一九九八年も、やがて終えようとしています。人々は、かつてない停滞感に包まれたこの一年、明けて一九九九年、二十一世紀への不安は深刻であります。  今日、国際化時代、情報化時代、先端技術時代と、大きな社会全体の進歩と変化の中で、経済は一大競争時代を迎え、バブル崩壊後の経済システムは大混乱に陥りました。それに加えて、あらゆる場において弱肉強食の経済原理のあらしが支配し、予想だにしなかった金融破綻が起こり、すべての企業が生き残りをかけて合理化を進めております。その結果として、働く人々の暮らしと権利が侵害され、今、県民は不安と苦痛を背負っての年の瀬を迎えています。政府は、世界恐慌を思わせる経済危機の中で、金融機関へ四十三兆円に及ぶ巨額の公的資金を投入し、一方で、大失業時代の到来により、先行き不透明で、県民の生活不安は年末を迎え、さらに深刻化しています。いつの時代でも生活不安は必ず社会不安を引き起こします。この一年、和歌山のカレー毒物混入事件を初め、各地で同様の事件が続発し、国民の生活を脅かしています。子供たちの世界も、この大人の社会不安を反映し、学ぶ意欲を失い、生きがいを失った結果、いじめや不登校が広がって、自殺やナイフ殺人事件に至り、子供の未来に一層暗い影を投げかけています。一方で、社会は高齢化時代を迎え、とかく弱者の立場にあるお年寄りの福祉はどうなるのか、力のない障害者の老後はどうなるのか、大きな不安の中でお年寄りの自殺が相次ぎ、大変心が痛むのであります。つくられた一大競争時代、今こそ人間復活をさせ、人輝くための政治の責任は極めて重いと考えます。強者を守り、弱者の犠牲を強いる無秩序な市場原理の支配を規制し、公正公平、人間本位の社会と経済を構築しなければ、世界と日本のあすはないと言っても過言ではありません。暗雲に包まれる中で、ヨーロッパでは新しい道が着実に開かれつつあります。それは、市場第一主義をコントロールし、人間を限りなく大事にすることを基調として、経済社会各分野に民主主義を貫こうとするものであります。つまり、ドイツ、イタリア、フランス、イギリスを初め、十五のヨーロッパ諸国のうち、社会民主主義の政治システムを進めている国は十三カ国に及び、二十一世紀の世界政治の一大潮流が壮大につくられています。このことを思うとき、私たちの社会民主党の力不足を深く自戒し、ヨーロッパ諸国に続いて、日本の政治での社会民主主義の実現へ向けて不断の努力を重ねることを心から誓うものであります。以下、この志に立って質問いたします。  質問の第一は、景気回復、経済政策についてであります。どこに行っても、「景気が悪い」があいさつ言葉になっています。いつ倒産するかわからない不安におののく中小企業の方々の深いため息、一方で、全県各地に見られる大型スーパーの進出など、強い者が生き残り、その陰で、町の電器屋、八百屋、魚屋、食堂などの店じまいを告げる寂しい張り紙がシャッターに張られて、店は閉められています。今回の不況は、単なる不況ではありません。世界的規模で押し寄せる景気のどん底状況にほかなりません。生産、流通、消費の経済システムに活力をよみがえらせるために何をなすべきか、国、地方を通じて政治の責任が問われています。大企業本位の支援策では、決して経済をよみがえらせることはできません。政府の金融支援策に見られるように、これを機に財閥が復活するとも言われ、まさしく強者が君臨する経済システムでは、より多くの人々の経済的営みを決してよみがえらせるものではありません。かつて一九二〇年、三〇年代の世界大恐慌のとき、アメリカのルーズベルトは、いわゆるニューディール政策を断行し、不況の底からアメリカ経済を立て直したことを思い起こすのであります。積極的な雇用拡大、労働者・大衆の購買力向上のための賃上げなど、政府の財政支出による積極的経済政策を実行しました。つまり、経済の活力を台所、職場からよみがえらせて、経済を蘇生させたのであります。一方、我が国は、働く人々の犠牲を強いて、外国・アジアに対して軍事力をもって植民地支配することによる市場拡大をねらい、戦争という犯罪行為、そして軍需産業により日本の経済の行き詰まりを打開しようとしたのであります。そのような歴史的な教訓に立つとき、秩序なき競争至上原理に、冷静さと人間主義を取り戻し、公正公平性を追求した経済政策を実行すべきであります。今、国も地方も抱え切れなくなるほどの赤字財政の中で、何をなすべきか、政治の英知が問われています。そこで、今、深刻化しつつある景気後退に対する知事の現状認識と、本年の国の数次にわたる緊急経済対策に対する評価及び藤田県政の個性と特徴ある景気対策について、まず、お尋ねいたします。知事の経済論をお聞かせください。  質問の第二は、本県財政の現状と来年度予算編成などについてであります。昨年度末の国の財政状況を見ますと、これまでの経済対策に伴い、公債残高が約二百五十五兆円に上るなど、財政の硬直化は危機的な状況になっています。また、地方財政の状況も、国の経済対策に呼応する形で、借入金に依存した財政運営を続けてきた結果として、今年度末の地方全体の借入金残高が約百四十九兆円になるなど、財政の硬直化が一層進んでおり、今年度の経済対策により、さらに厳しさを増すことが予想されます。本県も、一九九二年以降、経済対策や収支不足に対応するため、県債の増発を続けた結果、昨年度末の県債残高はついに予算総額を超える一兆七百九十四億円に上っており、いまだかつて経験したことのない危機的な財政状況なのであります。今後も、この公債費が大幅に増加する一方で、県税収入は増加どころか、大幅に減収となることが見込まれているにもかかわらず、知事は、景気対策として公共事業を中心とした大規模な補正予算を提案されました。幾ら景気対策が重要であっても、県が民間企業の倒産に当たる財政再建団体になるのでは、本末転倒と言わざるを得ません。今回、知事は、来年度の当初予算編成に当たり、事務事業の徹底した見直しや事業の緊急度、優先度による重点化を表明されましたが、それは当然のこととして、今こそ、土木建築中心の、いわゆる従来型景気対策から脱して、可能な限り生活に直結した教育、福祉、医療、住宅、雇用拡大・創出、中小企業支援策など、人間の生きる地点に到達する施策こそ重視して、着実に実行しなければならないと考えます。このことが、厳しい財政状況の中で、有効な景気対策を実施することにつながると考えるのであります。このとき、知事は、財政難を理由に、全国に先駆けて県職員の一年間の定期昇給ストップを提案され、実施が決まったところでございます。全国でも最も厳しい今回の賃金切り下げの措置が、長年培われてきた労使の信頼関係を崩し、県職員の勤労意欲を大きく減退させるのではないかと心配するものでございます。今回の定期昇給ストップなどの賃金合理化により、県職員の給与は全国四十五位の水準になるとお聞きしていますが、県勢順位相当の考え方からすると、余りにも厳しい措置と言わざるを得ません。長引く不況の中にあって、国を挙げて景気回復のための血の出るような努力がなされており、その最大の決め手は個人消費の拡大を図ることだと言われています。だからこそ、今、開会中の臨時国会でも、賛否両論のある中で、あえて商品券の配布によって個人消費の拡大を図ろうとしているのです。減税に次ぐ減税策も同様です。このようなときに県職員の賃金切り下げを断行することは、県内の多くの中小零細企業を初め、県民に与える影響ははかり知れないものがあり、県経済の回復に水を差すだけでなく、個人消費を拡大しようとする国の施策にも逆行するものだと言わざるを得ません。そこで、本県の財政状況に係る知事の現状認識と、私の提案を踏まえた来年度予算の編成方針について、知事の御所見をお伺いいたします。  次に、今回提案されている補正予算の執行について知事にお尋ねいたします。九月定例会でも、我が社会民主党会派は、公共事業の発注に当たっては、県外企業への発注をできるだけ抑えて、県内企業へ優先的に発注することを強く要請したところでございます。今次定例会にも、十二月県議会としては過去最大の五百八十六億七千二百万円の補正予算が計上されており、そのうち、公共事業の補正予算は五百五十八億九千六百万円ですから、補正予算のほとんどすべてが公共事業の予算だと言えます。提案されている五億円以上の工事請負契約の締結について、五件ほど議会の承認が求められています。その五件の内容を見てみると、県内企業の受注額は、共同企業体の地元分を含めても四割にすぎないのであります。これでは、知事を初め関係当局が県内企業や県民のために努力した跡がうかがえないのであります。十二月の定例会としては、これまでにない多額の補正予算を計上し、しかも、その財源のうち四四%に当たる二百四十八億円が県民からの借金である県債で賄うことになっています。多くの県内企業が不況で苦しんでいるとき、県債を発行してまで県外のゼネコンや企業のために公共事業予算を計上する必要があるのか、改めて知事に問いたださなければなりません。藤田知事は広島県の知事ですから、真っ先に広島県民や広島県企業のことを考えるべきです。これでは、広島県民を犠牲にして東京や県外のゼネコン、大手企業の救済をしているのではないかと県民から思われても仕方がないと考えます。知事は、公共事業を発注する際に、県民や県内企業のためにどのような対策をされ、努力をされたのか、明確にお答えいただきたいと思います。  質問の第三は、平和政策についてであります。一九九八年を振り返るとき、各地の地域紛争を初め、世界の平和をめぐる厳しい事件が相次いで発生しました。特に、被爆県広島にとって大きな衝撃を受けたのは、去る五月のインド、パキスタンの核実験の強行であります。国境を連ね、隣接する両国の緊張の続く中で、両国の対立意識を露骨にしたこのたびの核実験は、南アジアにおける核戦争の脅威をもたらしました。核拡散防止条約(NPT)体制を根底から揺るがし、世界の核拡散の危険を招き、「核なき世界」、「二十一世紀を核なき時代に」という人類の要請を打ち砕くものであり、憂慮にたえません。そこで、被爆国日本が何をしてきたのか、何をなし得るのか、世界から問われているのです。アメリカの核の傘の中にある日本が、唯一の被爆国として核実験反対の意思表示をすることが、国際的に信頼性がなく、説得力に欠けていることを、まざまざと明らかにいたしました。迫力をもって核否定を主張し得る被爆国日本の一貫した平和政策の、よって立つ基本条件を確立することが、国民の側に求められています。平和国家としての指針である憲法改正の動き、そして周辺事態法、いわゆる新ガイドラインの問題、昨今の韓国及び中国代表に対する過去の植民地支配・侵略の歴史認識と謝罪に関する明確な意思表示をしない政府の態度など、平和外交のリーダーとしての条件を確立していません。このたびのインド、パキスタンの核実験の強行で、国際的にヒロシマ、ナガサキが知られていないことが厳しく問われています。それは国内外に対して言えることです。そこで、改めて知事の非核の誓い、ヒロシマ、ナガサキの世界化のためのさらなる取り組みの強化について御所見をお尋ねいたします。  次に、私は、この際、ある被爆死された遺族の訴えを知事に率直に伝え、広島の犠牲への償いは終わっていない、終わらせるための行政責任を、ともに意を注いでいただきたいのであります。私たちに、大阪在住の七十三歳の遺族から、「ヒロシマから五十三年訴え続けて」と題する手記が寄せられ、私たちは胸を打たれました。この方の母親は、八月六日の当日、比治山国民学校の養護教師として戦時下働いていました。遺族は戦地にいて、九月初めに広島に帰られ、焦土と化した広島の駅頭に立ち、母の存命を祈りながら、どこで、どのような状況で亡くなったのか、探し続けました。その追跡の中で、母は疎開している学童のための物資運搬中、住吉橋で原爆の業火により死亡したことがようやく判明し、母の眼鏡と物入れが逃げていく人によって拾われ、遺族のもとに届けられ、その遺品は、現在、原爆資料館に展示してあります。遺族の証言によると、母の八月分の給料はもとより、公務による死亡退職金なども支給されていないまま、五十三年の歳月が経過していると言われています。あのとき、教職員であった方々は、だれがどこで犠牲になったのか、その真相もいまだに調査されておらず、せめてもの償いである給料さえ支給された形跡が突きとめられないまま、今日に至っているのです。実は、当時の教職員の任命権、給与等の支払義務者は県知事であったことを、知事は御承知だと思います。原爆の犠牲となった母、しかも、公務で死亡した母の霊に報いるものがいまだないことは、死者と遺族にとって、ただ無念と言うほかありません。お金の問題を超えて、とうとい犠牲者の霊に何をもって報いるべきか、遺族の悲しみと痛みを思うとき、いたたまれません。八月六日、知事も慰霊碑にぬかずき、哀悼の誠をささげられますが、今、具体的に五十三年間、「母の八月分の給料を墓前に供えてやってください」と訴え続けてこられた遺族にどうこたえるべきか、いまだなされていない犠牲者への償いをどうするのか。私は、この際、教職員の原爆犠牲者の実相の調査を行っていただき、知事の「人としての心」とその意思の具体的行為を公式の場において承り、任命権者としての犠牲者への弔意を承りたいのであります。御所見をお尋ねいたします。  質問の第四は、教育の再生についてであります。  いじめに耐えられず、みずからのとうとい命を絶った沼南高校の悲劇は、改めて今日の教育について、全国民に事の重大性について提起しました。また、広島県における児童・生徒の自殺者は、昨年度までは年に一、二名だったものが、本年度は既に中学生、高校生、それぞれ三名の合計六名が、そのとうとい命をみずから絶っているのです。心から御冥福をお祈りするとともに、決して悲劇を繰り返さないための努力を県民の皆様に誓うものであります。県教育委員会の調査によりますと、公立学校におけるいじめの発生状況は、バブル崩壊の影響が顕著になってきた一九九四年度から急増し、発生学校数は公立学校の約三割、発生件数は毎年一千件を超えるという異常な状況となっております。この調査に関して、現場の教職員や保護者たちからは、「氷山の一角にすぎず、不登校や問題行動の増大、暴走族集団による組織的犯罪へのエスカレートなど、授業ができない、いわゆる学級・学校崩壊が随所で発生し、学校の秩序さえ危ぶまれている」との訴えが寄せられています。大人社会は暗い不況に苦しみ、人間のぬくもりを失い、子供たちはあすに生きる目的を失い、楽しい学校への希望を失っているではないでしょうか。今こそ、学校を子供の生き生きとした喜びの声がこだまするものにしなければなりません。また、子供たちが人間らしく育つ自然や文化の花を地域や家庭に開かせなければなりません。「日本一住みやすい生活県ひろしま」の建設の基礎は、人づくりにあります。百年の大計を打ち立てるために、知事は何よりも率先し、かつ優先して教育の推進に全力を注いでいただきたいのであります。とかく学校教職員の非難に終始し、その意欲をそぐことは、政治の力で行ってはならないことであります。一般の行政、議会は、教育の条件整備に力を尽くさなければなりません。保護者、教職員、地域の教育力をどう高めるのか、心を砕かなければなりません。教育基本法第十条の理念に立って、教育再生の道を開かなければなりません。知事の本県教育の現状認識と教育にかける決意、そして、教育再生への具体策について、まずお伺いいたします。  次に、私たちが現場の教職員との対話の中で実感したことの第一は、教職員の方々が疲れ切っているという事実であります。心身ともに疲れているという現実があります。それを示すデータとして、公立学校の昨年度の長期病気休暇者は四百五十二名に上り、回復のおくれなどに伴う休職者は年間百数十名にもなっています。しかも、休職者の四割近くは神経・精神疾患に伴うものであり、昨年度は五十一名で、前年度の三割増と急増しているのであります。教職員の疲労回復のための確かな施策が現場では求められております。教育長の御見解をお伺いいたします。  次に、教職員は、子供たちといかにして、より密度高く触れ合い、話し合い、心をつなぎ合うか、そして、学び、生きる喜びをよみがえらせるか、大変心を砕いております。その実現のためには、教職員を大胆にふやし、先進諸外国のように、三十人以下の学級をつくることこそ、教育再生の切り口であると信じるものであります。この際、教育再生への道をどう切り開くのか、私の提案も含めて、教育長の御所見をお尋ねいたします。  質問の第五は、福祉政策の推進についてであります。  「ゆりかごから墓場まで」、これは人間が生涯にわたり人間らしく生きる条件をつくるための社会保障、社会福祉の理念を共通の認識とした言葉であります。これは、憲法の人権、平和的文化的生存権の実現を目指した、まさしく戦後政治の原点とも言える、生きる権利のあまねく保障を表明したものであります。戦後五十三年、廃墟の中に立ち、飢えと貧困から人間らしい生活をどうつくり出すか、戦後政治の一貫した努力と言っても過言ではありません。そのための制度や法の整備が行われ、今日の生活保障の時代が築かれたのであります。そして今、二十一世紀の到来を前に、いまだかつて見られない社会変化に直面し、今日まで築き上げた社会保障、福祉はどうなるのか、試練の節目に立っていると将来を懸念するのは、私一人ではないと思います。今、少子・高齢化社会に入り、いつでも、どこでも、だれでも、幸せな生涯を送ることができるのか、その不安が重くのしかかり、私たちの前に立ちはだかっています。広島県が、この新しい時代を見据えて、一九九四年、平成六年に策定した広島県老人保健福祉計画は、来年度にはその計画内容を終了します。知事は、その計画書の冒頭、将来必要とする高齢者の保健福祉サービスの整備目標と提供体制を定めるとし、サービスの実施主体である市町村、保健・医療・福祉関係団体と連携を深め、計画的・総合的な推進を図ると述べておられます。いよいよ二〇〇〇年度から介護保険制度が始まります。介護保険の高い費用負担に耐えられるのか、サービスは公正公平にニーズにこたえられるのかなど、町や村ではさまざまな心配の声が高まっています。そこで、第一に、これまで進めてこられた広島県老人保健福祉計画は具体的かつ着実に計画に沿って進められてきているのかどうか、総括的に、まず知事の御所見をお伺いいたします。  次に、本計画は在宅福祉サービス、施設福祉サービスの提供についての計画推進を提起しています。介護保険制度の実行段階で、受け入れ可能な体制と条件がつくられてきているのかどうか、その実情についてお尋ねいたします。また、これらのサービスを提供するホームヘルパーなど、人の確保が今日まで心配され続けてきたのでありますが、今、万全の状況と言えるのかどうか、あわせてお伺いいたします。  さらに、県のレベルで懸念されるのは、人口、地勢、財政力に違いのある市町村では介護サービスに格差が生じるのではないかと、心配する声が強く存在します。その懸念を払拭するために、県はどのような支援と調整を行うのか、お伺いいたします。いつでも、どこでも、だれでも、人らしく生きることのできる日本一の福祉の町や村をつくるために、知事の不断の努力を切に願うものであります。  明けて、来る一九九九年が、不況から脱出し、明るく輝ける年でありますように、また、県民の皆さんの御多幸を祈念し、私の質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手) 6: ◯副議長平田修己君) 当局の答弁を求めます。知事藤田雄山君。         【知事藤田雄山君登壇】 7: ◯知事藤田雄山君) 面迫議員の御質問にお答え申し上げます。  まず、経済政策についてのお尋ねがございました。世界経済の現状と先行きは別の機会に論ずるとして、本邦に限れば、国内経済の現状は、個人消費、住宅建設が低迷するとともに、設備投資が大幅に減少し、雇用情勢は完全失業率がこれまでの最高水準で推移しているのが現状でございます。本県におきましても例外ではなく、県内景気は後退を続けており、極めて厳しい状況と認識いたしております。こうした中、県内の景気浮揚のため、国の本格的な総合経済対策に呼応して公共投資を拡大するとともに、事業の前倒し執行や中小企業に対する貸し渋り対策などを講じております。その結果、公共投資の額が前年との比較で大幅に増加するなど、幾分かの改善を示す動きがあり、効果は徐々にあらわれてくるものと考えております。次に、経済対策を講ずるに当たっては、市場原理にゆだねていたのでは適切な対応ができない分野に重点的に施策を講じることを基本とし、二十一世紀に向けた県土づくりに寄与する事業の推進を図っているところでございます。具体的には、県内経済を支える中小企業への金融支援や国際交流インフラの積極的な整備など中長期的に本県の発展に資する施策、社会福祉施設の設備の推進など生活県づくりに資する施策などを経済対策の一環として進めております。また、県が現在取り組んでおります経済活性化の施策を広く県民の皆様に提示するとともに、アイデアや意見を求めるホームページを開設いたしました。グローバル化が進む今日、一つの地域だけを取り出して経済政策を論ずるには、余りにも多くの問題がございますが、施策を適切に実施することにより、一日も早く本県の景気が回復するよう全力を傾けてまいる所存でございます。  次に、本県財政の現状と来年度予算編成についてのお尋ねがございました。本県財政の現状として、一つには、毎年度の予算編成段階で、税収の低迷を反映し、歳入と歳出とのギャップが拡大をしております。また、九年度の経常収支比率は過去最高となっており、人件費や公債費などの経常的経費が歳入の伸びを上回って増加し、財政構造が硬直化してきていることが挙げられます。厳しい財政状況のもとでも、二十一世紀における県勢発展のためには、来年度当初予算において、許される範囲内で、経済活動などを支える基盤の整備とともに、教育などの人材育成、保健・福祉・医療の総合的整備など、実施計画に盛り込まれた主要プロジェクトを着実に推進していく必要がございます。そのためには、スリムで効率的な県政の構築に向けて、行財政改革などに積極的に取り組まなければなりません。このため、時代の変化を踏まえ、真に必要な行政サービスとは何かを検証しつつ、県民の皆様の理解を得ながら、事務事業の見直しを進め、必要な施策に財源を重点的・効率的に配分していくことが重要でございます。このたび、特別職等の給与等のカットとともに、職員の協力を得て給与の特例措置を講じることといたしておりますが、これは、私を含め県職員が、県民とともに、この厳しい財政状況を克服し、県民福祉の向上、県勢発展に最大限努めていく所存であるということを御理解賜りたいと思います。なお、戦後最悪と言われる景気を下支えするため、十二月補正予算案は公共事業を中心とする内容となっておりますが、国の緊急経済対策のうち、社会福祉施設整備や中小企業金融対策など、県の予算措置が必要と思われる事業につきましては二月補正で対応することとしておりまして、今後とも総合的な経済対策に取り組んでまいる所存でございます。  次に、ヒロシマ・ナガサキの世界化の取り組みの強化についてのお尋ねがございました。本県では、昭和六十一年の「核兵器廃絶に関する広島県宣言」を県政の立脚点として、核兵器の廃絶と恒久平和の実現に向けたさまざまな取り組みを行ってまいりました。最近においては、臨界前核実験やインド、パキスタンの核実験などにより核軍縮が危ぶまれたことから、国連事務総長に書簡を送るとともに、本年十月には国連本部にアナン事務総長とダナパラ軍縮担当事務次長を訪ね、核兵器の廃絶と恒久平和を願う広島県民の心を伝え、また、核軍縮に向けての国連の一層の取り組みを要請してまいりました。しかしながら、八日にロシアが臨界前核実験を実施し、また、米国も近く同様の実験を行う予定であることに見られるように、核軍縮をめぐる状況は依然として厳しいものがございます。したがいまして、今後とも、こうした県民の願いを訴えていくとともに、世界の平和と繁栄に貢献する道を探ってまいりたいと考えております。  次に、教職員の原爆犠牲者に対する私の弔意についてのお尋ねがございました。広島が人類史上初めて原子爆弾の惨禍を受け、多くのとうとい命が失われたことは、決して忘れ去ってはならない悲劇であり、今なお、私たちに平和のたっとさを訴え続けているところでございます。当時、県職員としての職務を全うされながらも、原爆の犠牲となられましたこと、そしてまた、肉親を失われた御遺族の悲しみと御労苦を推察いたしますとき、痛切の念にたえません。御質問の教員に係る給与や死亡退職金などにつきましては、被災時の混乱により支払い及び受領を証明する証拠書類が焼失等により不明であること、請求に係る時効の問題や法に定める受給資格がないことにより、残念ながら、いずれもお支払いすることができないことを御理解いただきたいと存じます。  次に、私の教育にかける決意、教育再生の具体策などについてお尋ねがございました。本県教育の現状につきましては、いじめ、問題行動などが深刻な状況にあることや、異例とも思える文部省からの是正指導を受けたことなどにより、県民の期待に十分こたえるものとなっていないことが大きな課題であるととらえております。教育委員会では、このような本県教育の課題を真摯に受けとめ、これまで県民の不信・不安を払拭するよう懸命に取り組まれているところでございます。教育の改革は県政における重要な責務であると認識し、教育委員会が県民の期待にこたえ得る教育施策を実施できるよう、最大限の支援をしてまいりたいと考えております。また、子供たちの将来の夢と願いがかなえられる教育の実現に向けて、私自身が先頭に立ちまして、県民運動の機運の醸成に努めるなど、積極的に取り組んでまいる所存でございます。  その他の御質問につきましては、担当説明員より答弁いたさせます。 8: ◯副議長平田修己君) 土木建築部長中村俊行君。         【土木建築部長中村俊行君登壇】 9: ◯土木建築部長中村俊行君) 補正予算の執行について御答弁申し上げます。  建設工事の発注状況については、平成十年十月現在、例えば、土木建築部発注の随意契約を除く工事一千百四十七億円のうち、県内業者が受注した金額は七百二十二億円で、前年同月と比較しますと百九十二億円の増加となっております。中でも、五億円未満の指名競争入札においての県内業者の受注率は八八%で、平成九年度の八二%に比べ、高くなっております。県内業者の育成対策といたしましては、昨日も御答弁いたしましたように、これまでさまざまな入札・契約制度の改正などを行い、県内業者の受注機会拡大に取り組んできております。土木建築部発注工事における県内業者の受注率の推移を、平成五年度から九年度で見てみますと、土木一式工事では六二%から七三%に、建築一式工事では四八%から八七%へと大幅に上昇してきており、県内業者への優先発注の効果があらわれてきていると考えております。また、九月定例会での御指摘を受けまして、土木建築部の所長会議等において、県内業者への優先発注について徹底したところでございます。さらに、現在、県外業者が受注した一億円以上の大型工事において、県内業者の下請としての参入状況や資材調達状況を把握するための調査を行っております。この調査結果を活用し、県内業者の優先使用について、県外元請業者に対する指導を強化していきたいと考えております。今後とも、県内業者の受注機会の確保について努力してまいります。 10: ◯副議長平田修己君) 福祉保健部長谷口 隆君。         【福祉保健部長谷口 隆君登壇】 11: ◯福祉保健部長谷口 隆君) 福祉政策につきまして、三点御答弁を申し上げます。  まず、老人保健福祉計画についてでございます。この計画は、高齢者の生きがいや健康づくり対策を初め、ホームヘルパーなど在宅サービスや特別養護老人ホームなどの施設の整備につきまして具体的な数値目標を掲げるなど、だれもが生涯を通じて安心して生活できる明るい長寿社会の実現を目指したものでございます。計画の推進に当たりましては、当初から市町村や保健・医療・福祉の関係団体と密接に連携しながら、地域の実情に即してサービス基盤の整備等に努めてきたところでございます。現在までの進捗状況につきましては、施設整備は十一年度末までの計画期間内にほぼ目標を達成できる見込みでございますが、在宅サービスにつきましては、ショートステイを除き、計画どおりの整備となっていない状況にございます。このため、市町村はもとより、民間事業者等とも連携して、民間活力や潜在的なマンパワーの活用を促進し、在宅サービスの基盤整備を進めるとともに、施設の整備につきましても積極的に対応して、各種サービスのより一層の充実を図り、介護保険制度の施行に万全を期してまいります。  次に、福祉サービスの提供体制についてでございます。介護保険における施設サービスにつきましては、特別養護老人ホーム、老人保健施設とともに、療養型病床群の整備も進んできておりますので、必要なサービスは確保できるものと考えております。在宅サービスにつきましては、ショートステイは施設整備と同様に順調でございますし、デイサービスには若干のおくれは見られますものの、医療機関のデイケア等も含めれば、需要には応じられるものと考えております。現在、進捗がおくれておりますホームヘルパーにつきましては、全県で千六百人おられる登録ヘルパーの有効活用や民間事業者等の参入をさらに促進いたしまして、需要にこたえていく必要があると考えております。また、これらのサービスを担う人材の確保につきましては、ホームヘルパーは、これまでの養成研修修了者に加えまして、現在も年間二千人を超える方が新たに受講されているほか、介護の専門資格者である介護福祉士は年間八百人以上が新たに資格登録をされる状況にございます。このほか、介護保険制度のもとでの新たな職種であります介護支援専門員につきましても、先般実施いたしました実務研修受講試験におきまして多くの合格者を得たところでございますので、介護サービスに当面必要な人材につきましては確保されるものと考えております。  次に、市町村格差是正に係る県の支援等についてでございます。施設サービスにつきましては、整備も進んでおりますので、各老人保健福祉圏域ごとに一定の水準は確保されるものと考えております。在宅サービスにつきましては、現時点でも各市町村の老人保健福祉計画の進捗状況等において格差があるのが実態でございます。このため、引き続き、現行老人保健福祉計画の目標の達成に向けまして市町村の取り組みを一層指導していくことはもとより、市町村の区域を越えて介護サービスの需要と供給の均衡が図られますよう、介護保険の事務処理やサービス供給等の共同化・広域化につきまして市町村の指導・支援を強化してまいります。また、これからの介護サービス提供の担い手といたしまして、農協や企業など民間事業者も極めて重要な役割を果たすと思われますので、市町村とも連携しながら、広報・啓発等を行い、参入の促進に努めてまいります。さらに、こうした取り組みにつきましては、今後、県の方で作成いたします介護保険事業支援計画にも具体的に盛り込み、格差是正を含め、全体的なサービス基盤の充実に継続的に取り組んでまいります。 12: ◯副議長平田修己君) 教育長辰野裕一君。         【教育長辰野裕一君登壇】 13: ◯教育長辰野裕一君) 教育問題について二点御答弁申し上げます。  まず、教職員の疲労回復のための施策についてお尋ねがございました。各学校において充実した教育活動が行われるためには、日々子供たちと接する教職員が、心身ともに健康で、意欲を持って教育に当たることが重要であります。近年、教育を取り巻く状況の変化、とりわけ個性化・多様化した児童生徒や保護者の要望への対応等のため、教職員の心身の負担が増大している面もあろうかと思われます。特に教員の場合、精神疾患による休職者の率が一般行政職員に比べ高くなっておりますが、このことは、学校という職場での人間関係や生徒指導にかかわる悩みなどから来るストレスが大きいことのほか、教員が広く社会に触れる機会が比較的少ないということも、その背景としてあるのではないかと推測しているところでございます。このため、教育委員会といたしましては、従来から実施している人間ドックなどの各種の検診事業や福利厚生のための事業に加え、教職員のストレスや職場での悩みの解消などを図るため、「心の健康ダイヤル」を設置し、これらによって教職員の健康管理に努めているところでございます。また、県立学校においては、本年度からメンタルヘルスのための講習会などを実施し、教職員の健康回復や健康管理の自己啓発等に努めているところでございます。さらに、これらに加え、教職員に対し実地の社会を広く体験させるための方策等についても、今後検討してまいりたいと存じます。今後とも、こうした施策の充実を図り、教職員の健康の保持・増進とともに、教育に取り組む意欲の充実を図ることに努めてまいりたいと存じております。  次に、教育再生についてお尋ねがございました。これからの学校教育においては、ゆとりのある教育環境の中で、子供たちが、みずから学び考える力や豊かな人間性などの「生きる力」をはぐくむことが求められております。そのためには、個々の教員の指導力の向上を図るとともに、各学校が創意工夫を生かして、子供一人一人に応じた多様な教育活動を行えるような環境を整えていくことも重要な課題であると考えております。この場合、御提案の三十人以下の学級をつくるということも貴重な御提言と考えますが、県全体の人件費の総額削減の観点などから、これらを直ちに実現することは困難な状況にあることを御理解いただきたいと存じます。現在、本県といたしましては、平成五年度から実施されている国の新しい教職員配置改善計画にのっとり、複数の教員が協力して授業を行うティーム・ティーチングの実施や生徒の興味・関心に応じた多様な選択科目の開設、きめ細かい生徒指導の充実等に必要な教職員の配置の改善を図っているところであり、極めて厳しい財政状況の中ではありますが、平成十二年度までの完成に向けて、その着実な実施に努めてまいりたいと考えております。教育委員会といたしましては、各学校においてこれらが有効に機能するようにするとともに、法改正により、本年七月から教員免許を有しなくても教壇に立てる特別非常勤講師制度が拡大されたことなどを踏まえ、学校外の人材や地域の人々の協力を広く求めるなどの新たな発想による取り組みを促すなどにより、ゆとりある多様な教育の一層の推進を図ってまいりたいと考えております。 14: ◯犬童英徳君 議長、関連……。 15: ◯副議長平田修己君) 関連質問を許します。犬童英徳君。 16: ◯犬童英徳君 それでは、二点ほど関連質問をさせていただきます。  一点目は、先ほど知事から、若干、答弁の中にありましたけれども、ソ連の臨界前核実験に対して、知事の抗議の談話とか電報とか載っています。その点は評価したいと思うのですが、アメリカも計画しておりますが、先ほどのニュースを聞いておりますと、装置に異常が見つかって延期するという発表をいたしております。したがって、この際、私は、アメリカに対して、臨界前核実験、未臨界核実験と言うのですか、の延期を知事として求める行動をぜひしていただきたい、こう思うのですが、知事の見解をいただきたいと思います。これが一点目です。  二つ目は、福祉政策推進について、関連して質問させていただきます。それは、知事も御存じだと思いますけれども、福祉マンパワーの確保というのは、今、説明がありましたように、順調にいっている、ホームヘルパーは少しおくれているということでありますけれども、一見順調にいっているように見えるわけでありますけれども、民間の福祉施設等にかかわりまして、その実態というのは非常に大きな問題を抱えているというふうに思っております。特に、そこに働いている人の労働条件の問題が非常に悪いといいますか、そういうことで関係者から改善を求める声が実は上がっているわけであります。それは、例えば賃金が低い、あるいはパートで雇っている人もたくさんいるのですが、労働災害の保障がないとか、あるいは勤務時間が不規則だ、有給休暇や退職金制度が整っていないなど、小さな職場が多いわけで、そういう面で、働いている人からいろんなことがあるわけです。まして、この仕事というのは、高齢者・障害者と向き合った仕事でありまして、非常に重要で、かつ重労働の職場であることは、皆さん御存じのとおりであります。若い人が、福祉学校、専門学校等を卒業して、希望を持って福祉の職場に入るわけでありますけれども、実際働いてみると、とてもこれでは結婚したり家庭を持ったりは難しいのじゃないかとか、そういう非常に重たい気持ちになっておりまして、辞める人がたくさんいるのです。ですから、福祉関係の職場はしょっちゅう、この不況下でも職員を募集しているところはあるわけでありまして、その点は、それは民間企業がやることだからということでは済まされない。これには国や市町村、県の予算をつぎ込んで仕事を委託している、あるいは、お願いしているという部分もあるわけでありますから、私は、若い人が特にこういった現場にどんどん入っていくには、それなりの労働条件を整えてあげないと希望を持って勤められないという状況があり、そのことが高齢者・障害者に対するサービスが低下したりする、そういうもとにもなろうというふうに思って、危惧いたしているわけです。したがいまして、これは商工労働部と福祉保健部が共同して、実態がどうなっているのか、そして、職員を採用するときにはもちろんハローワークを通すわけでありますけれども、そのときに労働条件について十分指導していくとか、そういった取り組みがどうしても必要だと思うのです。したがって、実態調査と、それから、こういった労働条件の改善に向けてどう取り組んでいかれるのか、知事の御見解をいただきたいと思います。以上です。 17: ◯副議長平田修己君) 総務部長渕上俊則君。         【総務部長渕上俊則君登壇】 18: ◯総務部長渕上俊則君) 臨界前核実験に関するお尋ねにお答えを申し上げます。  臨界前核実験を含めたすべての核実験が行われることのないよう、御指摘の方法も含め、さまざまな方法により、今後訴え続けることによりまして、広島県民の願いでございます核兵器の廃絶と恒久平和の実現に向け、今後とも努力を続けてまいりたいと考えております。 19: ◯副議長平田修己君) 福祉保健部長谷口 隆君。         【福祉保健部長谷口 隆君登壇】 20: ◯福祉保健部長谷口 隆君) 福祉マンパワーの労働条件の調査と改善につきましての関連質問にお答えを申し上げます。  福祉マンパワーの適正な処遇ということにつきましては、少子高齢社会におきまして、質の高いマンパワーを確保し、良質なサービスを提供する上で大切なことであるというふうに認識をいたしております。これまでも、ゴールドプラン、新ゴールドプランを通しまして、民間施設の職員の方々の給与の改善の対応、また、ホームヘルパー手当の大幅なアップといったようなものが図られまして、それまでに比べまして、全体としてかなり改善はされてきたとは考えております。ただ、個々の福祉施設の職員の労働条件等につきましては、一義的には法人と就業者との間で定められることであるというふうに考えておりまして、職員の勤務労働条件等は入所者や利用者の処遇に直接影響することにもなりかねませんので、社会福祉法人に対する指導監査等を通じまして、給与の支給状況でございますとか、就業規則、給与規程等が労働基準法等の関連法令に基づきまして適切に制定され、運用されるよう、これまでも指導してきているところでございます。今後とも、定期監査等を通じまして、十分にそういった指導を行い、御指摘の点につきまして適切に対応してまいりたいと考えております。 21: ◯犬童英徳君 議長、再質問……。 22: ◯副議長平田修己君) 再質問を許します。犬童英徳君。 23: ◯犬童英徳君 まず、臨界前核実験の問題です。私がお聞きしたのは、一般的な、基本的なことではなくて、アメリカが今やろうとしている、先ほどの報道を聞いておりますと、延期したということですが、私は、やはり、この臨界前核実験に対して、知事がみずから中止を求めて、関係機関に要請される、それが必要だというふうに思っているのです。実験が済んだ後、抗議をするという後追いの抗議、もちろん大事でありますけれども、それだけでは、知事が日ごろ言われます未然に阻止していく、未然に取りやめさせていくと、そういうことには通じないと私は思うのです。したがって、知事に私は答弁をお聞きしているのであって、知事はどう考えているか、知事から直接お伺いいたしたい。  それから、もう一つ、福祉政策についてですけれども、確かに、民間の場合、そこに雇われる人と経営者との間の交渉の問題であります。しかし、一般的に労働組合もないというのが実態でありまして、したがって、交渉する場というのは個人になるわけです。個人で経営者に向かって労働条件を上げろと言える人はかなり大胆というのですか、かなり勇気が要る。また、狭い職場です。まして、こういう不況のときです。そうしますと、全くそれは公的な資金が投入されていない事業所であれば別ですけれども、基本的には国がやるべきことを民間にやってもらう、あるいは、民間に助成する形でやってもらう、そういうことであるわけです。ほとんどが職安等を通しての職員募集でしょう。そうしますと、当然ながら、福祉保健部と商工労働部が協力して、強制はできせまんけれども、指導をきちっとやっていく、そして、低いところはもっと考えてもらうようにしていく、若い人が就職してもずっと夢を持って勤めていけるという職場にしていくのは、最低限の行政や政治の仕事だというふうに私は思っております。その面から、これは知事、あなたのお考えもあわせて答弁をいただきたい。以上です。 24: ◯副議長平田修己君) 当局の答弁を求めます。知事藤田雄山君。         【知事藤田雄山君登壇】 25: ◯知事藤田雄山君) ただいま総務部長並びに福祉保健部長が答弁したとおりでございます。 26: ◯副議長平田修己君) この際、暫時休憩いたします。午後の会議は二時から開きます。         午前十一時三十九分休憩              ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~         午後二時二分開議 27: ◯議長(檜山俊宏君) 出席議員六十名であります。休憩前に引き続き会議を開きます。  引き続いて質問を行います。田辺直史君。         【田辺直史君登壇】 28: ◯田辺直史君 公明党広島県議会議員団の田辺直史でございます。  ロシアは、未臨界核実験を実施しました。今回のロシアの行動は、核兵器の廃絶を目指すCTBTの精神を著しく損なう暴挙であり、全世界の核兵器廃絶、核軍縮の大きな潮流に逆行する、まさに国際社会の信頼を裏切る行為であります。県知事は、ロシア政府に厳重抗議するとともに、今後、実験を予定しているロシア、米国に対し、未臨界核実験の計画を撤回するよう強く要求すべきであります。原爆による悲惨な体験をした県民として、今後の臨界前核実験の中止と、両国が世界の大国として核軍縮に指導的役割を果たすよう、強く求めておきたいと思います。  まず最初に、私たち公明党は、去る十一月七日の公明党全国大会において、新党平和と公明が合流して新しい公明党として船出いたしました。私たちは、「大衆とともに」の立党の精神に立ち、日本政治の閉塞状況を打破し、信頼と希望に満ちた新しい日本を創造するために総力を上げて取り組んでいくことを新たに決意し、質問に入らせていただきます。  御案内のとおり、現在、国全体として大変な不況の中にあります。去る十二月三日、経済企画庁が明らかにした一九九八年七月から九月までの国民所得統計速報では、実質GDP、いわゆる国内総生産は、前期に比べ〇・七%減と戦後最悪を更新し、四期連続のマイナス成長となりました。また、雇用状況の悪化、所得の落ち込みを背景に個人消費は低迷しており、企業の設備投資も四期連続で減少し、まさに民間需要は総崩れとも言うべき状態で、不況にあえぐ日本経済の実態を浮き彫りにしているのであります。政府自身が認めた戦後最悪と言われる深刻な不況の中で、公明党は国民生活を守るため、商品券支給を含む十兆円規模の大型減税を初め、住宅ローン減税などの政策減税、大胆な公共事業見直し、新社会資本整備といった多角的な景気対策を打ち出してまいりました。こうした公明党の主張を受けて、政府・自民党は、大幅な減税、地域振興券の配布、中小企業金融安定化特別保証制度などを政策として実現し、また、しようとしているのであります。そこで、今回の緊急経済対策に関連して二点お伺いいたします。  まず第一点は、地域振興券についてであります。この地域振興券の目的は、「これを誘い水として、個人消費を喚起し、地域経済の活性化を図る」と明記されているとおり、間違いなく景気対策であります。国内総生産の六割を占める個人消費をどのように喚起するかがキーポイントであり、この券の発行で〇・一五%程度の景気浮揚効果があると見込まれております。この地域振興券は、本年初めに我が党が総額十兆円規模の減税対策の一環として提案した、国民一人当たり三万円、総額四兆円規模の商品券構想に端を発するものであり、夏の参議院選挙でも、景気対策の一つとして国民にその実現を訴えてきたところであります。そして、多くの国民の皆様の御支持をいただいたところであります。その後、商品券支給法案をつくり、国会へ提出し、いろいろ努力を重ね、公明党の自民党に対する粘り強い説得により、地域振興券といった形で実現したものであります。公明党は、党の主張のすべてが受け入れられなければだめという、オール・オア・ナッシングの手法をとらず、国民のために一歩でも公約を実現できればとの姿勢を貫き、実質的な国民生活のレベルアップに取り組んできたのであります。自民党と公明党との幹事長会談でも、今回は第一段の試みであり、少しでも景気浮揚の効果が得られれば、第二段、第三段もあり得ることが確認されております。商品券構想は机上の空論で思いついたものでも、学者が考え出したものでもありません。全市町村の約三割に当たる八百七十二もの自治体が商品券を発行または使用しているという実例を調査しながら、現場第一主義でつかみ取った庶民の知恵であります。地域振興券の配布の対象の一つが、二千八十八万人いる十五歳以下の子供たちであり、その子供たちを育てている世帯に配布されます。特に、永住外国人の世帯への配布については、公明党の要請が実ったものであります。そして、高額所得者を除く六十五歳以上の高齢者の約五割、さらに児童扶養手当や生活保護、原爆被爆者諸手当の受給者など、全体として、国民の四人に一人に当たる約三千五百万人が対象となり、その家庭など間接的に恩恵を受けるのは国民の約半数以上に上ります。この議場の中の県議会議員の先生方も、外孫、内孫を含めて何らかの恩恵を受けているのではないかと御推察申し上げます。一人当たり二万円ですので、支給総額は七千億円になるのであります。広島県内の交付対象者は約八十万人、支給総額は百六十億円にも上ると聞いております。何しろ、初めての試みであり、評論家やマスコミ界でも賛否両論があり、混乱していましたが、最近では、自治体や商店街発行の商品券等の好反響を評価する報道になっているところであります。期待は高まっているのであります。  また、公明党が主張してきた六兆円を超える規模の恒久減税も平成十一年度予算に盛り込まれ、この商品券の支給から外れる納税者には大幅な減税が行われる予定であります。また、十六歳以上二十三歳未満の高校生や大学生などは、特定扶養控除の対象となっています。こうした子供を抱える親は、現在、公明党の主張が実り、所得税で五十八万円、住民税で四十一万円の所得控除を受けており、年間二万円から四万円の、いわゆる教育減税が実施されているのであります。  十五歳以下の子供については、国からの本格的な経済支援が薄い世代であり、また、小中学生は義務教育で、教育費の負担軽減を図る意味で支援することは妥当な判断と言えます。未就学児についても、子育てに対する親の負担は重く、政策的なバックアップが必要であります。低金利で苦しい生活を強いられ、減税の恩恵にも浴さない社会的に弱い立場の高齢者と子育て世帯を対象とした地域振興券の支給が、地域経済の活性化にどれだけの効果を上げるのか、一般庶民は、今、かたずをのんで見守っているのであります。  地域振興券は、来年三月ごろまでに配布できるのではないかと言われておりますが、この券を発行するのは市町村で、消費者が券を使える地域は発行した市町村内というのが原則であり、利用できる期間は配布されてから六カ月となっています。消費を拡大するため換金は禁止し、つり銭は支払われないなどの規定も盛り込まれております。また、商品券の額面は、偽造防止の観点からも、使用しやすい一律千円で、通信販売を含む物品購入のほか、飲食、クリーニング、旅館、理容など各種サービスに使用できます。ただし、商品券を扱う民間事業者、特定事業者の決定は市町村が行い、登録証明書を交付することになっております。人口十万人につき約六億円の商品券が地域経済活性化のために活用されるわけであり、今後は、地域振興券の発行をいかに円滑に進めるか、また、地域経済活性化に結びつく有効な活用を確保していく仕組みを考え、実行するかに尽きると思います。対象者等県民への広報、特定事業者の指定方法など、詳細は今後詰められると思いますが、特に二点ほど要望しておきたいと思います。  十五歳以下の子供のいる世帯には郵送で通知されますが、高齢者などは窓口で証明書等を示し、申請することになっています。高齢者の方などに、そのような煩雑な手続をさせることはどんなものでしょうか。受け取り漏れを防ぐために、プライバシーにも配慮しつつ、効率的な対象者把握や郵送による周知なども考えられないものでしょうか。御検討をお願いいたします。  また、多くの民間事業者が手を挙げ、これを契機に工夫し、いかに消費を伸ばすかに、この地域振興券の成果はかかっております。私の地元の福山市本通り商店街振興組合でも、二割のプレミアムつき商品券を売り出したところ、当初予定の一千万円を十日間で完売し、追加の一千万円も十日ほどで売り切れ、「不景気だが、要は、やり方次第だとわかった」と報道されているところであります。使用できる民間事業者をふやすためには、市町村が区域内の事業者に登録等を要請することが重要ですので、県としても商工会連合会など各種団体に働きかけ、さらに、個人商店街においても、できるだけ市町村の区域内で利用できるよう、要請していただくことを要望しておきたいと思います。  今回の地域振興券の実施主体は市町村でありますが、都道府県は、この事業が円滑に進むよう、助言、指導、その他必要な協力を行うこととされております。そこで、知事は、地域振興券をどう評価され、県として円滑な事業執行にどのように取り組まれようとされているのか、お伺いいたします。  お願いがございます。地域振興券を受給される方は、どうか、日本経済回復と地域経済活性化の主体者としての自覚のもと、有効利用されますよう、また、民間事業者におかれては、積極的に登録を申請され、知恵を絞ったアイデアを出されますよう、心よりお願い申し上げる次第であります。  次に、中小企業支援対策について御質問いたします。今回の国の緊急経済対策においても、景気回復の前提は、経済の動脈とも言うべき金融システムの安定化と信用収縮の回復が対策全体の前提となっております。日銀が一昨日発表した、国内のすべての銀行の十一月の貸出残高は、前年同月比で四・〇%も減少しており、減少幅は過去最悪になっており、景気低迷の長期化で企業からの資金需要が減少しているだけでなく、金融機関の融資回収や貸し渋りが依然として引き続いていることを改めて裏づけているところであります。こうした厳しい状況の中で、その影響を直接、また最終的に受けるのは中小企業であり、中小企業は生き残りをかけた厳しい対応を強いられているのであります。我が公明党は、こうした中小企業の切実な声を踏まえ、年初以来、一貫して中小企業の資金需要に確実に対応できる特別保証枠の設置などを訴えてまいりました。政府自民党も、ようやく八月に貸し渋り対策大綱を策定し、十月から信用保証制度に特別枠二十兆円が設定され、保証条件も大幅に緩和されたところであります。こうした信用保証を取りつけるため、金融機関の貸し渋りに苦しむ中小零細企業が全国の信用保証協会の窓口に殺到しており、全国的に一カ月十万件を超える勢いとの報道がなされております。そこで、広島県における中小企業金融安定化特別保証制度について、広島県信用保証協会の受け付け、審査状況はどうなっているのでありましょうか。また、年末の資金需要期を目前に控え、信用保証協会の執行体制に万全を期す必要があります。他県においては、県から信用保証協会へ職員を出向させるなど、業務の執行が滞らないようにしているとも聞いております。県として、円滑な保証業務の遂行について、保証協会とどう調整されているのか、県として支援を考えておられるのか、お伺いしたいと思います。  質問の第二は、現代病と言われる心の病対策についてであります。御承知のように、ストレス過剰社会の中で、心身症や神経症など、心の病が急増しております。厚生省の発表で、精神科の医療機関に入通院した人は、全国で二百十七万人にも上っており、過去三年で六十万人もふえております。広島県でも約五万人の入通院者がいると言われておりますが、これらの数字は、医療機関にかかった人の数字であり、実際に心を病んでいる人は倍以上もいるのではないかとも言われております。社会情勢がますます複雑化していくことが予想される二十一世紀には、大きな問題になると認識しております。  そこで、公明党広島県本部として、今月三日には厚生大臣に精神保健福祉対策の拡充を求める申し入れを行ったところであります。県は、現在、県立総合精神保健福祉センターの情報研修棟を整備されております。心の病対策で最も大切な早期発見、適切治療を推進するためには、単に施設を整備するだけでなく、情報提供や遠隔地の人に対する適切な指導など、ソフト面での工夫が最も必要であり、情報を受発信できるよう各保健所等のマンパワーや機器などの受け皿を整備する必要があると思われます。  また、心の病を負っている人たちが地域で安心して暮らし、適切な治療を受けるためには、家族だけでなく、地域住民の理解も不可欠であり、そうした面から県民の意識啓発が急務とも言えます。そのためには、地道に啓発活動を展開していくことが必要であり、例えば「精神障害者福祉の手引き」など、啓発冊子をつくることも必要ではないでしょうか。  さらに、保健室登校や不登校、校内暴力など、学校教育の中でも心の病にかかわる問題がふえております。学校でもスクールカウンセラーや心の相談員など、体制を整備されているところでありますが、数が不足しており、専門家の対応が強く求められております。そこで、センターの専門スタッフなどが、学校、学校医、教育委員会などと連携して相談・指導に当たる事業を実施されることを提唱いたしますが、いかがでしょうか。これら心の病対策のソフト面での対応について、当局の考えをお伺いいたします。  質問の第三は、教育問題、教育改革についてお伺いいたします。平成七年の高校教育改革中長期ビジョンの策定以来、義務教育改革を含めて、本県教育の改革は着実に推進されてまいりました。しかしながら、その過程において、性急な全入制の導入による受け入れ体制の問題や、校長権限に基づくべき入学者選抜制度との矛盾、教育現場における長年の慣行の弊害などが一部で噴き出しており、教育制度全般の改革の困難さがうかがわれるところであります。しかし、二十一世紀の広島県、否、日本国を担う児童生徒にかかわる事柄であり、一歩たりとも後退したり、ゆるがせにするわけにはまいりません。文部省や中央教育審議会の動向などを真正面から見きわめながら、本県教育のさまざまな課題に真摯に取り組む必要があります。教育長、あなたは着任されてからまだ数カ月しかたちませんが、本県教育の現状に対し、根本的には何が問題であるとお考えでしょうか。改革に当たっても、場当たり的ではなく、総合的かつ戦略的な取り組みが求められると思いますが、教育長は、どこから改革を進めていくべきと考えておられるのか、まず、お伺いいたします。  我が国において後期中等教育と位置づけられた高等学校教育は、すべて小中学校教育、すなわち、義務教育の九年間の教育的基盤の上に成り立つものであります。幾ら高校教育改革を叫び、実践しても、中学校までの教育が揺らいでおれば、高校教育改革の成果は何も望めないのであり、一日も早く義務教育改革のビジョンがはっきりとした形で県民に示されなくてはなりません。昨日も議論されておりますように、県民意識調査で、本県の小中学校教育に対する保護者の信頼度が極端に低下している現状を真摯に受けとめる必要があります。義務教育における教科学力が、すべての高等教育の基礎となることを再度認識され、義務教育改革のビジョンを一日も早く県民に示し、県民の信頼を回復するため、具体的に改革に着手されることを要望しておきます。  続いて、教育にかかわる具体的な問題について御見解をお伺いいたします。  第一点目は、障害児教育についてであります。現在、本県の障害児教育は、盲・ろう・養護学校という三つのパターンと、小中学校の障害児学級に学ぶパターンとで推進されております。本日は、盲・ろう・養護学校についてお伺いいたします。障害児教育の基本は、障害児が自立して人生を生き抜いていく力を身につけさせる点にあるということについては、異論のないところであります。この自立への教育こそ、より専門的に、また、個別的に行われるべきであり、一段と実りのある充実した障害児教育の推進が期待されるところであります。自立への教育の確立のためには、一人一人の障害児の状態に応じた個別の教育カリキュラムを作成すべきであるし、それがあって初めて、小学部から高等部までの十二年間を、一貫性があり、また個性に応じた教育実践に取り組むことができるわけであります。我が子の自立を願う保護者の切なる願いにこたえられるよう、障害児教育の確立が強く強く望まれているところであります。こうした願いにこたえていくに当たって、障害児教育の現状における課題はどこにあるのでしょうか。それらの課題にどう取り組まれようとされているのか、お伺いいたします。  また、ろう学校について、尾道ろう学校の寄宿舎が廃止されると聞いておりますが、今後のろう学校全体のあり方について、どのように考えておられるのか、あわせてお伺いいたします。  教育問題の第二点目は、定時制・通信制高校についてであります。生涯学習に対する考え方が浸透し、さらには、社会的にも重要視され、学習環境が整備されてくるに従って、高校教育における定時制・通信制教育についても、抜本的な見直しを迫られてきているのではないでしょうか。日本の高度経済成長期において、中学校卒業後、すぐさま実社会に出て、働きながら学ぶという勤労青少年のための教育を目的として、定時制高校の多くは全日制高校に併設されており、関係者の大変な努力によって、その教育目的が達成、維持されてきました。しかしながら、社会環境の大きな変化の中で、定時制教育のありようが大きく変質してまいりました。九九%を超える中学生が高校進学を希望する現在、従来の、働きながら学んでいる生徒が何人定時制に通っているのでしょうか。中には、全日制に入りたくても入れない生徒が多く含まれているのではないでしょうか。また、仕事を退職後、勉強してみたいと定時制に通われている方もおられると聞いております。このように教育対象が多様化し、全日制課程の補完や生涯学習の一形態として機能している部分が多くなってきているのが、定時制教育の実情ではないでしょうか。こうした実情のもと、勤労青少年のためという教育目的に基づく定時制高校の使命も変わってきたのではないか。少なくとも、現在のような学校数を維持しつつ、少人数指導という名のもとに、生徒一人当たりで言えば膨大な費用をかける必要はないのではないか、また、毎日の通学を義務づける必要があるのか、こうしたことを根本から問い直す時期に来ていると考えます。  一方で、通信制教育について、広島県では、平成三年四月に、独立した通信制高校が広島市と福山市に二校設置され、その充実に努められてきました。県民の教育ニーズが多様化していくとともに、情報化社会の進展、定着等により、高校教育を提供する場として、今後、通信制教育の重要性はますます高まっていくのではないでしょうか。そうした場合の問題点として、スクーリングの場として、県内で東西の二校だけでよいのでしょうか。スクーリングに通う利便性を考えれば、地域バランスにも配慮した設置が必要だと思いますが、ただ単に通信制高校を整備するのではなく、定時制高校と一体的に考え、定時制高校を見直し、縮小し、その一部を通信制に転換していくという抜本的な見直しが必要となってきていると考えます。県民の生涯学習へのニーズが高まっていく中で、定時制・通信制高校を生涯学習の場として、どう位置づけていくのかを抜きに、今後の定時制・通信制のあり方を検討することはできないと言っても過言ではないし、逆に、定時制・通信制の改革を推進することが、生涯学習をよりスムーズに定着させる上で欠かせないものと考えます。教育委員会として、定時制・通信制教育の現状をどうとらえ、社会情勢等を踏まえたこれらの抜本的な変革について、どう取り組まれようとしているのか、お伺いいたします。  質問の最後は、備後地域の振興についてであります。私は、平成三年四月に県議会議員に選ばれて以来、一貫して、備後地域は、多様な業種で優良な地場中堅企業を有するなど、広島県発展に資する潜在的な力を有しており、その能力を発揮させるための環境整備、つまり陸・海・空の基盤整備が必要であると訴えてまいりました。幸いに、基盤整備は多くの点で前進しております。来年には、井原線、しまなみ海道が相次いで開通し、また、中四国を南北で結ぶ尾道松江線や、世界の港に直結する箕沖地区の港湾整備も整備に向けて着々と動き出しております。備後地域をめぐる交通・物流基盤の全貌が具体的な姿として語れるようになったことについて、地元住民の一人として喜ぶとともに、知事を初め執行部の御努力に謝意を表するものであります。今後は、この基盤整備をどう生かし、備後地域の発展をいかに推進していくかが重要であり、そのためには、この地域に関するビジョンを明確にし、県と地元が連携して取り組んでいく必要があります。備後地域のあるべき姿を描いたグランドデザインとして、県は、平成二年三月、備後中核都市圏振興計画を策定されましたが、いかんせん、古過ぎます。また、平成五年度に福山地方拠点都市地域基本計画が策定されましたが、新たな基盤整備など、その後の環境変化にも対応した、二十一世紀半ばを見据えたビジョンが欠かせないところであります。また、この地域の将来を語る場合、福山市の発展が欠かせないのは、もちろんであります。福山市は、今年度から中核市として権限、機能が拡大されたところでありますが、単に福祉サービスなど一部のサービスで県と同等の権限になったことにとどまるのではなく、真の意味で、地域を引っ張る中核都市になることが求められております。福山市にも、中核都市として他団体を引っ張っていき、地域全体の発展を担わなければならないことを意識づけさせ、みずから取り組んでいくようにするためにも、福山市の位置づけを明確にしたビジョンが必要ではないでしょうか。備後地域の今後のあるべき方向性についてどのように考えておられるのか、その中で福山市に何を期待されるのか、知事の御所見をお伺いいたします。
     次に、福山市内の問題についてお伺いいたします。  まず、福山港内港についてであります。この地区の整備は、当局の御努力により、「リーデンローズ」の前に当たる一工区の駐車場部分は既に完成し、二工区の緑地部分も完成に向けて着実に工事は進展しております。これらの工区は、PCB汚染の処理対策として始まったものであり、完成後も県は定期的に監視をし、問題が発生した場合は、直ちに最善の対処をすると確約されてきましたが、再度確認したいと思います。  さて、残るは三工区の整備であります。この工区には、交流施設や道路などを整備する計画があり、「バラのまち・福山」の活性化の拠点として、その早期整備に地元住民は大きな期待を抱いております。この整備の前提ともなる三工区の岸壁部分への旅客船埠頭を整備する計画については、採算性や交流拠点の具体化など事業全体の整理が必要であることは十分理解できます。計画では、交流拠点として臨海部活性化センターが示されておりますが、私は、従前から瀬戸内海環境センターを提案してまいりました。計画は今後詰められるでしょうが、福山市の新たな中心拠点にいま一つの大輪のバラを咲かせることも、二十一世紀への夢として進めることはできないものでしょうか。多くの問題点を整理し、三工区の早期整備が図られるよう強く望むものでありますが、現時点における整備スケジュール及び一、二工区の定期的な監視についてお伺いいたします。  次に、福山市内の道路問題についてお伺いします。先ほども触れましたが、中四国、隣県から地域内を結ぶ交通基盤は整備に向け着々と進んでいますが、福山市内に目を転じると、東西方向の国道二号、南北方向の国道百八十二号、三百十三号においては、慢性的な渋滞を来すなど、幹線道路の整備が緊急の課題となっており、私も、何度も指摘し、要望したところであります。そのためには、福山都市圏の環状道路を構成する国道二号バイパスの福山道路など、幹線道路を一体的に整備していくことが重要であります。幸い、県は、福山道路とこれに関連する道路を同時に都市計画決定するため、現在、鋭意、地元説明会を開催されておりますが、これらの路線の都市計画決定、事業見通しについてお伺いいたします。  最後に、私たちは、どこまでも「大衆とともに語り、大衆とともに戦い、大衆の中に死んでいく」との永遠の指針を原点とし、庶民の心を心として、国民とともに堅いスクラムを組んで、新しい未来を創造するために全力を尽くして戦い抜くことを誓い、来る年が希望あふれる年でありますようお祈りし、質問を終わらせていただきます。御清聴、まことにありがとうございました。(拍手) 29: ◯議長(檜山俊宏君) 当局の答弁を求めます。知事藤田雄山君。         【知事藤田雄山君登壇】 30: ◯知事藤田雄山君) 田辺議員の御質問にお答えを申し上げます。  まず、地域振興券についてのお尋ねがございました。この事業は、緊急経済対策の柱の一つとして実施されるもので、金券の現物支給であること、有効期間が六カ月と短期間であること、比較的可処分所得の少ない層を対象としていること、利用できる店舗等が原則各市町村内に限られることなどの特徴を持つ、これまでになかった新しい試みであり、その成果が注目をされているところでございます。県といたしましては、先般、この事業の実施主体である市町村への指導・助言を行うため、庁内の支援体制を整え、対応しているところでございます。今後とも、市町村の円滑な事業実施を目指し、県としても適切な指導や必要な協力を行ってまいりたいと考えております。  次に、備後地域の今後の方向性についてお尋ねがございました。備後地域は、県境を接する井笠地域などと一体的な都市圏を形成するとともに、広島都市圏や備北地域と並んで、県全体の発展を牽引する役割が期待をされております。今後、備後地域のさらなる発展のためには、地域の特性を最大限に活用して、中核都市福山を中心とした高次都市機能の充実強化を図ることが重要であると考えております。このことを踏まえまして、圏域においては、高速交通ネットワークに合わせた地域内の循環道路網や国際物流拠点などの基盤整備、高い全国シェアを誇るナンバーワン企業を数多く輩出するなど、独創性の高い多様な産業集積を生かした新産業の創出・育成、しまなみ海道沿線地域などの瀬戸内海沿岸から内陸部にわたる、魅力ある多彩な観光資源を活用した広域観光ルートの形成や観光産業の育成・振興、そういったことに中長期的な観点から重点的に取り組むことが必要であると認識をいたしております。このため、県といたしましては、福山地方拠点都市地域基本計画などの既存計画の着実な実施を図りますとともに、新たな振興方策の必要性についての検討などに当たっては、できる限りの支援を行ってまいりたいと考えております。なお、その際には、福山市の一層の創意とリーダーシップの発揮が肝要かと存じます。  その他の御質問につきましては、担当説明員より答弁いたさせます。 31: ◯議長(檜山俊宏君) 商工労働部長高見貞四郎君。         【商工労働部長高見貞四郎君登壇】 32: ◯商工労働部長(高見貞四郎君) 中小企業支援対策についてお答えをします。  国におきましては、中小企業への貸し渋り対策の一環といたしまして、中小企業金融安定化特別保証制度を十月一日から創設をしております。広島県におきましても、全国同様、多数の中小企業から申し込みがなされております。お尋ねの広島県信用保証協会での受け付け、審査状況についてでございますが、十一月末までの累計で、保証申し込みが一万八百二十七件、保証申し込み額は二千百三十八億円となっております。また、事務処理につきましては、保証協会への申し込みが、ピーク時には一日五百件を超えておりましたが、十二月に入りまして二百件程度と落ち着いた動きとなってございます。現在、協会におきましては、本所・支所を含めまして、五カ所で人材派遣会社から派遣を受けるなど、体制を強化して業務に支障のないよう対処されているところでございます。県といたしましては、この制度の円滑な運用を図りますために、市町村や商工会議所、商工会等に対しまして説明会の実施や制度内容について指導いたしますとともに、中小企業者からの相談に対しましては積極的に対応し、保証協会を側面的に支援をいたしているところでございます。今後とも、信用保証協会及び関係機関と連携を図りながら、円滑な保証業務の推進を支援してまいりたいと考えております。 33: ◯議長(檜山俊宏君) 福祉保健部長谷口 隆君。         【福祉保健部長谷口 隆君登壇】 34: ◯福祉保健部長谷口 隆君) 心の病対策につきまして御答弁申し上げます。  県内における精神障害者につきましては、厚生省が実施をした患者調査に基づきまして、平成九年で四万七千九百人と推計をいたしておりますが、明らかに精神障害であるとまでは言えないまでも、心の病を持つ人は、複雑化する現代社会を反映いたしまして今後も増加するものと思われます。このため、精神保健福祉に関する県の中核的な専門機関でございます総合精神保健福祉センターでは、県民の心の健康づくりに対するニーズにこたえるために、現在、情報研修棟の整備を進めております。来年四月の運営開始後は、保健所、市町村、社会復帰施設など、心の病を持つ県民の相談・援助に当たる関係機関の専門スタッフに対する研修の充実を図るとともに、県民や関係機関に対し、精神保健福祉に関する情報を迅速に提供できる体制を整備してまいります。また、保健所等との情報交換のために、県の行政情報化計画に基づくLANの導入、インターネット、さらにはパソコンを利用した画像通信システムの活用などについて可能性を検討しておりまして、これらにより、運営面の充実にも努める所存でございます。  次に、心の病を持つ人が地域で社会生活を送るためには、地域住民に対する意識啓発が不可欠であり、精神保健福祉施策の展開とあわせまして、県民に対する普及啓発を進めることが重要課題であると認識をいたしております。このため、本年三月に策定いたしました障害者プランにおきましても、今後の指針をお示しいたしましたように、啓発イベントの開催や広報冊子の作成などにより、心の病を持つ人に対する県民の理解を深めるよう努力してまいります。  さらに、学童期、思春期の児童生徒が、学校などで直面している心の問題につきましては、総合精神保健福祉センターの専門スタッフが教育現場関係者に対する技術援助や研修会を実施しているほか、連絡会議による情報交換を行うなどの支援を行っておりまして、今後とも、必要に応じて教育関係機関等との連携を図りながら、相談指導体制の充実を図ってまいります。 35: ◯議長(檜山俊宏君) 空港港湾局長上田 寛君。         【空港港湾局長上田 寛君登壇】 36: ◯空港港湾局長(上田 寛君) 福山港内港地区についてお答えをいたします。  福山港内港地区の整備につきましては、平成十年度に一工区、平成十一年度に二工区の埋め立てを完了し、平成十二年度から緑地の整備を行うことといたしております。三工区につきましては、現在極めて厳しい社会経済情勢にあることから、地元福山市とも緊密な連携をとりながら、その整備スケジュールや整備手法について検討を進めてまいりたいと考えております。  また、公害防止対策事業に伴う水質等の環境監視につきましては、工事完了後も引き続き行い、環境の保全には万全を期すことといたしております。 37: ◯議長(檜山俊宏君) 土木建築部長中村俊行君。         【土木建築部長中村俊行君登壇】 38: ◯土木建築部長中村俊行君) 福山市内の道路問題について御答弁申し上げます。  福山都市圏の幹線道路については、平成五年に策定された「備後・笠岡都市圏将来道路網基本計画」に基づき、体系的に整備を進めることとしております。この計画において、都市圏の外郭環状軸と位置づけられました福山道路、福山西環状線及びこれらに関連する福山沼隈道路などを同時に都市計画決定するため、十一月五日から、建設省、福山市と協力して地元説明会を開催中でございます。関連道路の総延長は約三十キロメートル、関係する町内会は約五十地域に上ることから、都市計画案の地元説明には相当に期間を要するものと考えられますが、地域住民の理解を得まして、平成十一年度の早い時期に都市計画決定できるよう努めてまいります。都市計画決定が行われた後は、速やかに現地測量等、事業実施に向けた調査に着手することとなりますが、特に地域高規格道路の整備区間に指定されている福山道路の赤坂-瀬戸間及びこれに関連する福山西環状線、福山沼隈道路について、優先的に事業を推進してまいりたいと考えております。 39: ◯議長(檜山俊宏君) 教育長辰野裕一君。         【教育長辰野裕一君登壇】 40: ◯教育長辰野裕一君) 教育問題について三点お答え申し上げます。  まず、本県教育の現状認識等についてでございます。着任以来五カ月余りになりますが、この間、教育現場を訪れたり、関係者の方々のお話を広く伺ってまいりました。また、義務教育の改革に対し、先般行った県民アンケート調査や県内各地での公聴会やシンポジウム、さらには教育長のホームページ等により、県民の皆様から広く御意見・御提言をいただいております。これらを通しまして、私として感じますのは、個々の学校においてすばらしい取り組みが多々ある一方、長年積み重ねられてきた慣行や形式的な平等のみに重きを置きがちな考え方、あるいは、学校の閉鎖性等によりまして、県民の願いや期待に十分にこたえ切れていないという実態も一部にあり、その結果、公教育に対する信頼が損なわれていることが根本的な問題であると考えております。したがいまして、信頼される公教育を確立していくことが、目下の緊急の課題ととらえているところであります。このためには、まず、さきの文部省の是正指導を着実に実施し、公教育のしっかりとした基盤づくりを行うとともに、県民の願いや期待に積極的にこたえていくための教育活動の充実を図っていく必要があると考えております。一方、国におきましては、二十一世紀を目前にして、「教育改革の波」とも言うべき大きな動きがございます。平成十四年度、西暦二〇〇二年に実施される完全学校週五日制に向けて、本年度、新しい教育内容の基準である学習指導要領が示され、これとあわせて教員の養成や学校の管理運営のあり方、学校・家庭・地域の役割の明確化などについて具体的な提言や制度改正が相次いでおり、これらの具体化に向けた取り組みを、教育関係者が一体となって進めていくことが求められております。こうした点を踏まえ、今後、県教育委員会といたしましては、各学校の特色づくりを推進するとともに、教職員の指導力の向上や、風通しのよい開かれた学校づくりに努めるなど、活力ある広島県教育の実現に向けて、義務教育改革と高校教育改革を一体的、総合的に進めてまいりたいと考えております。  次に、障害児教育についてお尋ねがございました。障害児教育におきましては、御指摘のとおり、一人一人の障害の状況に応じ、自立や社会参加の基盤となる力をはぐくんでいくことが基本的な責務であります。しかしながら、現状におきましては、自立に向けての専門的な指導が不十分であったり、教科指導のあり方や学校全体の指導体制の確立等にも課題があり、一人一人の個別の教育ニーズに十分にこたえ切れていないという状況にあると考えております。また、卒業後の生活をより豊かにするための教育と労働、医療、福祉等の関係機関との連携も十分とは言えず、保護者の願いにこたえ切れていないという課題がございます。このため、教育委員会といたしましては、本年十一月に「盲学校、ろう学校及び養護学校における教育のあり方」を策定し、こうした課題の改善に取り組んでまいりたいと存じます。すなわち、教職員が保護者の願いを受けとめ、専門性の確立が図れるようにするとともに、一人一人の子供の状況に応じ、個別の指導プログラムに基づき、きめ細かで系統的な教育を推進していくよう努めてまいりたいと考えております。  次に、今後のろう学校のあり方でございますが、聴覚障害のある子供につきましては、言語の指導という点から、幼少期からの早期の教育的対応が必要であり、現在、それぞれの地域で、幼稚部から高等部までの教育が行われております。当面は、この現行の受け入れ体制を維持しつつ、これからのろう学校のあり方につきましては、今後、県内の聴覚障害児に関する実態調査を実施したいと考えており、その結果等を踏まえ、聴覚障害教育の一層の充実を図る観点に立って、将来の総合的な構想を検討していく必要があると考えております。  最後に、定時制・通信制高校についてであります。定時制・通信制課程につきましては、本来、勤労青少年に高等学校教育の機会を確保するために設けられた制度でございますが、御指摘のように、近年におきましては、社会情勢等の変化により、多様な生徒が入学するようになってきております。こうした状況も踏まえ、昨年七月に県教育委員会が策定しました「定時制・通信制課程における教育のあり方について」におきましては、これからの定時制・通信制課程の位置づけ、役割について三つの観点から整理し、一つは、勤労青少年に高等学校教育の機会を保障する場、二つ目は、さまざまな生徒に対して多様な学習形態による高等学校教育を提供する場、三つ目は、生涯学習の観点からさまざまな学習ニーズを持つ生徒や社会人に対応した多様な教育内容を提供する場と示しているところであります。とりわけ、今後は、御指摘のような生涯学習のニーズにこたえるなどの観点から、定時制・通信制課程の教育機能が重要性を増していくことが考えられます。そのため、定時制・通信制課程の柔軟なシステムという特性を一層生かし、例えば、一定の科目だけを履修することができる制度や、生徒の主体的な科目選択を促す単位制の活用、さらには、御指摘のような定時制課程と通信制課程との密接な連携などを進めてまいりたいと考えております。定時制・通信制課程の今後のあり方につきましては、このような観点に立って、その適正配置等も含め、引き続き検討を進めてまいりたいと存じます。 41: ◯議長(檜山俊宏君) 次回の本会議は十二月十四日午前十時三十分から会議を開きます。  本日はこれをもって散会いたします。         午後二時五十一分散会 発言が指定されていません。 広島県議会 ↑ 本文の先頭へ...