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  1. 広島県議会 1997-09-03
    平成9年9月定例会(第3日) 本文


    取得元: 広島県議会公式サイト
    最終取得日: 2023-06-05
    トップページ 検索結果一覧 使い方の説明 (新しいウィンドウで開きます) 平成9年9月定例会(第3日) 本文 1997-09-25 文書・発言の移動 文書 前へ 次へ 発言 前へ 次へ ヒット発言 前へ 次へ 文字サイズ・別画面表示ツール 文字サイズ 大きく 標準 小さく ツール 印刷用ページ(新しいウィンドウで開きます) 別窓表示(新しいウィンドウで開きます) ダウンロード 表ズレ修正 表示形式切り替え 発言の単文・選択・全文表示を切り替え 単文表示 選択表示 全文表示 発言者の表示切り替え 全 49 発言 / ヒット 0 発言 すべての発言・ヒット発言表示切り替え すべての発言 ヒット発言 選択表示を実行・チェックの一括変更 選択表示 すべて選択 すべて解除 発言者一覧 選択 1 : ◯議長(檜山俊宏君) 選択 2 : ◯議長(檜山俊宏君) 選択 3 : ◯議長(檜山俊宏君) 選択 4 : ◯小島逸雄君 選択 5 : ◯議長(檜山俊宏君) 選択 6 : ◯知事(藤田雄山君) 選択 7 : ◯議長(檜山俊宏君) 選択 8 : ◯副知事(久保信保君) 選択 9 : ◯議長(檜山俊宏君) 選択 10 : ◯商工労働部長高見貞四郎君) 選択 11 : ◯議長(檜山俊宏君) 選択 12 : ◯県民生活部長(土井一彦君) 選択 13 : ◯議長(檜山俊宏君) 選択 14 : ◯土木建築部長(中村俊行君) 選択 15 : ◯議長(檜山俊宏君) 選択 16 : ◯空港港湾局長(上田 寛君) 選択 17 : ◯議長(檜山俊宏君) 選択 18 : ◯教育長(木曽 功君) 選択 19 : ◯渡壁正徳君 選択 20 : ◯議長(檜山俊宏君) 選択 21 : ◯渡壁正徳君 選択 22 : ◯議長(檜山俊宏君) 選択 23 : ◯土木建築部長(中村俊行君) 選択 24 : ◯議長(檜山俊宏君) 選択 25 : ◯農政部長(山川雅典君) 選択 26 : ◯議長(檜山俊宏君) 選択 27 : ◯県民生活部長(土井一彦君) 選択 28 : ◯蒲原敏博君 選択 29 : ◯議長(檜山俊宏君) 選択 30 : ◯蒲原敏博君 選択 31 : ◯議長(檜山俊宏君) 選択 32 : ◯総務部長(株丹達也君) 選択 33 : ◯議長(檜山俊宏君) 選択 34 : ◯議長(檜山俊宏君) 選択 35 : ◯箱上恵吾君 選択 36 : ◯議長(檜山俊宏君) 選択 37 : ◯知事(藤田雄山君) 選択 38 : ◯議長(檜山俊宏君) 選択 39 : ◯福祉保健部長(谷口 隆君) 選択 40 : ◯議長(檜山俊宏君) 選択 41 : ◯教育長(木曽 功君) 選択 42 : ◯議長(檜山俊宏君) 選択 43 : ◯人事委員会事務局長(河野二六夫君) 選択 44 : ◯箱上恵吾君 選択 45 : ◯議長(檜山俊宏君) 選択 46 : ◯箱上恵吾君 選択 47 : ◯議長(檜山俊宏君) 選択 48 : ◯教育長(木曽 功君) 選択 49 : ◯議長(檜山俊宏君) ↑ 発言者の先頭へ 本文 ↓ 最初のヒットへ (全 0 ヒット) 1:         午前十時三十二分開議 ◯議長(檜山俊宏君) 出席議員六十三名であります。これより会議を開きます。  この場合、知事、行政委員会の長並びに説明員の出席を求めるに御異議ありませんか。         【「異議なし」と言う者あり】 2: ◯議長(檜山俊宏君) 御異議なしと認めます。よって、直ちに出席を要求いたします。         【知事、行政委員会委員長並びに各説明員出席】              ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~         自第 一 県第五七号議案         至第二十 報第一五号 3: ◯議長(檜山俊宏君) これより日程に入ります。日程第一、県第五七号議案 平成九年度広島県一般会計補正予算から日程第二十、報第一五号 損害賠償額の決定についてまでの各案を一括上程議題といたします。  昨日に引き続いて質問を行います。小島逸雄君。         【小島逸雄君登壇】 4: ◯小島逸雄君 皆さん、おはようございます。社民党県議団を代表して質問をいたします。  二十一世紀を間近に控え、国際化の進展、地球的規模での環境問題、産業の高度化などにより、時代は大きく変化しております。時あたかも、藤田県政四年間を締めくくり、改めて広島県の長を選ぶ一つの区切りとも言える九月県会であります。ここで戦後の本県を振り返ってみることの意義は大きいと考えます。  一九五二年に大原知事により生産県構想が打ち出され、重化学工業、農林水産業の振興、交通網の整備などの施策が展開されました。この間、財政赤字に見舞われましたが、工業化の進展により県経済は大きく伸びたところであります。一九六二年、永野知事就任当時は、日本経済は高度成長期の時代であり、本県も飛躍的な発展を遂げた時期でありました。備後地域が工業整備特別地域に指定されるなど、地域開発に力が注がれ、産業基盤整備に向けての施策が実行されました。しかしながら、急激な工業化、都市化に伴い、工業地域を中心に大気・水質汚染などの公害問題が顕著になった時期でもありました。その後、一九七三年に宮澤知事就任当時は、第一次オイルショックのさなかであり、社会全体として高度経済成長から安定成長への過渡期でもありました。こうした時代背景もあり、開発中心からコミュニティーという連帯と共同の近隣社会づくりが推進されました。二度にわたるオイルショック、円高の進行は県経済に大きな影響を与え、経済成長率は鈍化し、人口も社会減が続きました。こうした中で、一九八一年に就任された竹下知事は、簡素で効率的な行政を行うため、全国に先駆けて行財政改革に取り組まれました。また、あわせて産業活性化の基盤としての道路、空港、港湾などの交通網の整備などを重点的に進められたところであります。  さて、藤田知事は、四年前、多くの県民の支持のもとに全国最年少の知事として当選され、四年間県政を推進してこられました。この間、「日本で一番住みやすい生活県」を目指した長期計画を策定され、これまで指定都市高速道路の着手、産業科学技術研究所の整備、空港の三千メートル化の着手、子育て機能支援のための「ひろしまこども夢財団」の設立、アジア競技大会・国民体育大会の開催、福祉のまちづくりへの対応など、ハード、ソフトの両面にわたり施策を展開されてきました。しかしながら、少子・高齢化対策、中山間を初めとする地域振興対策、産業の振興対策など多くの残された課題が山積しており、新時代に向けての政策遂行はいまだ半ばと言えます。また、県民のニーズ、価値観は複雑多様化するとともに、社会経済は国際的枠組みの中で動いているのが実態であり、まさに先行き不透明な時代であります。こうした時代にこそ、県政運営での強力なリーダーシップが求められるのであります。知事は、「日本で一番住みやすい生活県」づくりの推進を標榜され、次期知事選挙に出馬を表明されました。政策の推進は、何といっても、まず確かな現状認識が原点だと言えます。  そこで、お尋ねします。日本一を目指す広島は、四十七都道府県で、現状、何が最も秀でて、何が決定的に欠落しているとお考えなのか、広島県の現状をどのように認識されておられるのか、そして、今後重点的に推進しなければならない具体的な施策をどのように考えておられるのか、お伺いいたします。  とりわけ、「日本一住みやすい生活県」構築の基調は、県民の平和と安全を守り、つくることにあることは何人も異論のないところであります。特に、人類最初の犠牲を受けた被爆県広島として、さきに宣言を発した、いわゆる非核広島県宣言を県政の基本に据え、県政各般にわたって平和に徹し、平和行政の先進的役割を果たさなければなりません。そのとき、いかなる戦争、いかなる核兵器、いかなる軍備も拒否し、戦争や核兵器の開発・保有・使用を許すことがあってはなりません。ヒロシマは、核否定に徹することが何よりも求められています。去る十九日、アメリカが、核廃絶を求める国際世論に逆行して、核兵器開発につながる臨界前核実験を強行したことは、核大国の暴挙であり、絶対に容認できません。知事は、今日の核状況と核実験の包括的禁止条約を空洞化するばかりか、核開発競争に拍車をかける核実験に対して、どのような基本認識を持っておられるのか、まずお伺いいたします。  次に、非核広島県宣言の普遍化について、どのような努力を内外に向けて実行されてきたのか。知事は、今年の八月六日、平和記念式典において「悲惨な体験を風化させることなく、再び同じ悲劇を繰り返さない決意を新たにし」と述べておられます。具体的な施策の実行についてどう対処されてきたのか、お尋ねします。また、過日開館された四川省の「広島・四川中日友好会館」に、この被爆県広島の心である非核県宣言やヒロシマの実相を伝える資料などを展示されてはどうかと考えますが、いかがでしょうか、あわせてお尋ねします。  一方、国は防衛指針、いわゆるガイドラインの見直しを進めています。これは、国民の生命、財産、人権を侵すことを、有事の名において国家権力で強制できる道を開くものであって、平和憲法に反するものであり、まことに憂慮するものであります。これが決定に向けて重大な関心を寄せざるを得ません。
     質問の第三は、行政改革についてであります。今日、国、地方を問わず、財政危機が最大の政治課題となっています。本県も本年度末の県債残高が一兆四百五十億円にも達し、これは県の一年間の予算に匹敵する額に相当します。一方、バブル経済崩壊以降、県経済も低迷を続けており、そのため県税収入は落ち込み、今後の税収の見通しは極めて厳しいと言われております。このような状況の中で、行政システム改善推進懇話会が開催され、九月定例会の直前に提言がされました。これを受けて、知事を本部長とする広島県行政システム改善推進本部は、九八年度から五年間で、知事部局を中心として職員数の三%を削減する方針を決定されました。いつものことながら、財政が苦しくなると行財政改革が一段と強く叫ばれます。もともと財政の悪化を招いた最大の要因は、確かな財政計画のないままに、膨大な金を公共事業に投資してきたことにあると言えます。しかし、いつも、このような財政悪化に直面すると、人件費だけが矢面に立たされ、口をそろえて人員削減が行財政改革の救世主であるかのごとき議論がされます。この人員削減を実施することにより、県民へのサービス低下が大変懸念されるところであります。なぜ、今日の財政危機を招いたのか、その原因をきめ細かく分析・総括することが、まず何よりも大切なことだと考えます。そのことなしに行財政改革を論じることは、本末転倒と言わざるを得ません。知事は、今回の懇話会の提言をどのように受けとめ、基本をどこに置いて、どのように進めようとされているのか、お伺いいたします。  質問の第四は、九月二日に出された地方分権推進委員会の第三次勧告についてであります。かねてより懸案となっていた国の機関委任事務に従事している地方事務官の身分移管について、地方事務官制度を廃止して職員は国の事務官とする勧告が出されたところであります。これは、地方分権推進法の本旨にも反する、これまでの経過と実情を全く無視した勧告と言わざるを得ません。地方事務官は、本来もっと早く都道府県職員とすべきものであったものを、五十年間も変則的な身分のままに置かれてきたのであります。これまでに三度にわたる国会決議を初め、全国知事会の決議、全国の地方議会における意見書の採択など、国も地方も挙げて身分移管の要請が行われてきたところであります。九五年五月に地方分権推進法が制定され、国として今後、地方分権を積極的に進めていくことが確認されたところであり、地方自治法の趣旨からも、地方事務官は地方に移管されるのが当然と言わなければなりません。知事は、今回の地方事務官にかかわる勧告をどのように受けとめ、今後、関係機関にどのような働きかけをされるおつもりか、お尋ねいたします。  質問の第五は、新規学卒者の就職状況と最近の雇用情勢についてであります。さて、本県経済も引き続き緩やかな回復の動きが続いていると言われています。それがどのように来春の新規採用者に反映されるのか、果たして採用の拡大が期待できるのか、関係者は極めて深刻な思いで事態の推移を見守っております。ここ数年、新卒者の就職状況は抑制が続いており、まさに氷河期と言われるほどの厳しさにさらされています。特に、女性の就職はより深刻であります。一方、企業の合理化などによって職場を追われる労働者は依然として後を絶たず、中高年層から若年層へと拡大しています。失業者の増大は、パートタイマー、派遣労働者、臨時職員労働者など、無権利状態にさらされる労働者を生み出しています。加えて、休日・深夜労働が増大し、労基法の女子保護規定の廃止とともに、女性もまた残業、休日出勤、深夜労働が男性並みにふえてくることが予想されます。このように、県内の労働者を取り巻く雇用環境は極めて厳しい状況下にあります。知事は県内の雇用情勢をどのように受けとめ、来年の新規学卒者の就職状況が現在どのようになっているのか、お伺いいたします。また、雇用の一層の促進のため、今後どのように対応されようとしているのか、あわせてお尋ねいたします。  質問の第六は、廃棄物処理問題についてであります。  塩化ビニールやプラスチック系のごみを焼却すると発生する猛毒のダイオキシン問題についてであります。我が党県議団は、ダイオキシン問題の調査のため、廿日市市を訪れ、排ガス濃度の削減に懸命に取り組んでいる実態や焼却施設の稼働状況、施設改善状況をつぶさに見聞いたしました。今春実施された厚生省による調査では、ダイオキシンの濃度が緊急対策の基準値一立方メートル当たり八十ナノグラムを上回った焼却場が、全国で百五カ所あったと公表されております。我が県でも、市町村が設置する四十八カ所の一般廃棄物処理施設のうち、五カ所で厚生省の基準を超えるダイオキシンが検出されました。国土の狭い我が国では、廃棄物は歴史的に衛生処理、減量化処理を優先してきており、その結果、焼却による処理が七〇%強と主流になっております。欧米での焼却処理率が三〇%以下であることを考えると、いかに我が国が焼却処理に頼っているかがわかります。まさに焼却大国日本と言えるわけであります。また、ドイツやアメリカでの平均的な焼却炉の規模が日量五百トンであるのに対し、我が国では平均五十トンと、十分の一の小規模であることも、ダイオキシン問題を引き起こしている大きな要因の一つであります。現在、厚生省は、ごみを二十四時間連続して燃やすよう地方自治体に求めております。そのためには、ごみ処理を広域化し、一日最低百トン以上のごみを収集する必要があると言われております。すなわち、日量百トン以上の焼却施設にしか施設整備の支援を行わないことで、ごみ処理の広域化を誘導し、それ以下の中小炉は廃止あるいは休止とする方針であると聞いております。厚生省は、今年五月に「地域内処理の原則」を転換し、年度内に広域化計画策定を求める通知を出しております。しかしながら、それでなくとも迷惑施設として敬遠されがちな焼却施設をどこにつくるのか、市町村の枠組みを超えて広域化を相互に調整するのは、かなり困難ではないでしょうか。また、市町村にとっては、ごみ処理施設の更新時期など、おのおの事情も異なり、市町村のみで対策を講じるには非常に厳しい状況であります。県として広域化の対応などに強力な指導・調整がないと、なかなか実現できるものではありません。また、ダイオキシンの抑制を、処理施設の大型化のみによる一方的な強制だけではなく、小型処理方式による効果的な抑制も検討すべきと考えますが、いかがでしょうか。県として、今後どのようにしてダイオキシン削減対策を推進していくのか、また、市町村に対し、どのように指導していこうとするのか、御所見をお伺いいたします。  一方、ごみ処理の広域化に際しての廃棄物の輸送性、保管性、燃焼時の環境保全性からRDF(ごみ固形化燃料)が、現在有力になりつつあります。このRDFは、可燃ごみを乾燥・粉砕するなどした後、圧縮してつくるクレヨン状の固形燃料であり、北海道など一部の地域で暖房用ボイラーや温水ハウス、セメント製造の燃料として利用されているほか、発電所の燃料としての活用も計画されております。RDFは、加工過程で金属など異物を取り除くため、安定した燃焼が可能で、エネルギーとしての有効利用と同時に、ダイオキシンの抑制対策としても効果が高いと言われております。多くの自治体がRDFに関心を寄せているところでありますが、今後、県としてごみの固形燃料化にどのように対処されるのか、御所見をお伺いします。ごみ問題の基本は、すぐれて総量をいかに減らすかにあり、廃棄物を資源として有効活用するリサイクル化を可能な限り行うべきと考えます。そのために製造業や流通業、行政、消費者がそれぞれの責任を確実にクリアし、実効の上がる対応が強く求められております。  質問の第七は、教育問題についてであります。  第一は、いじめ問題についてであります。教育のあり方を問うさまざまな問題が、この二、三年、子供たちの死という痛ましい形で提起されました。一九九五年から九六年にかけての相次ぐ自殺と自殺予告、そして、本年五月の日本じゅうを震撼させた神戸の小学生連続殺傷事件など、子供たちの人権にかかわる事件が引き続いてまいりました。こうした中、広島県においては、本年七月、「いじめの問題の指導のために」という手引きを出され、学校の指導体制の総点検や校内研修を実施されました。しかし、一九九六年公立小中高校における生徒の実態調査報告は憂慮すべきものがあります。いじめの状況報告では、公立の小中高校の千二十校中、発生校が三百十六校、約三一%もあり、件数は前年の千三百三十六件より減少傾向を示してはいますが、弱い者いじめが定着していることがうかがえます。また、いじめがその大きな原因となる不登校の状況については、三十日以上欠席の生徒が、小学校で前年より二百二十五人ふえ、五百五十八人、中学校では二百四十三人ふえ、千四百五十人と増加しています。この深刻ないじめの実態の原因を、教育長はどう把握し、分析され、対応されるおつもりか、お伺いいたします。  第二点は、不登校、中途退学への対応についてであります。不登校では、「不安などの情緒的理由」が小学校で三二%、中学校で二三%となっていますが、これは生育の過程で人対人の働きかけが乏しかったり、不安や本音を語る人に恵まれなかったためであります。何がこの子供たちに必要か、何を準備すべきかを考えるべきであります。高校における中途退学者の状況も、千八百十人、前年より二百九十一人増加しています。全国的に見ても高い率であります。これは高校四校分に相当する人数であり、一向に減少しないばかりか、ふえ続けている深刻な実態にあります。中途退学の理由としては、学校生活への不適応が三五・三%と高く、続いて、進路変更が三五・二%となっています。進路変更の理由に就職を希望とありますが、これは初めから希望していたものか、それとも、方法が全くなく、やむなく就職に変更したのか、疑問が残ります。今後、こうした子供たちにどのようにかかわって、不登校・中途退学の減少を図っていかれるのか、教育長に見解を伺います。  第三点は、子供の教育権の保障についてであります。一九九四年四月、我が国で批准された「児童の権利に関する条約」は、教育を受ける権利として、すべての児童が中等教育を利用する機会が与えられるよう、また、すべての者に対し、高等教育を利用する機会が与えられるよう明記されています。特に二十八条では、中途退学率の減少を奨励するための措置をとることが記されています。まさに、子供の人権にかかわる問題提起と言えます。教育行政として、いじめ、不登校、中途退学の子供たちがどんな思いや願いを持っているのか、どんな場を望んでいるのか、的確に把握し、ここなら行けるという公的な場を学校や地域に準備すべきでありましょう。また、こうした子供たちに直接会って声を聞く時間やゆとりや人的配置を講ずべきでありましょう。特に、高校教育改革は中途退学者対策と一連のものであると認識しておりますが、改革の中でさらに取り残される子供たちが出てはなりません。そこで、子供の教育権を保障していくため、具体的にどのように取り組まれるのか、教育長にお伺いします。  質問の第八は、瀬戸内海での海砂利の採取についてであります。自然環境の保全と水産資源の保護のため、一九九〇年に一九九九年からの海砂利採取の全面禁止の方針と伺っておりましたが、その方針を転換されるような報道が最近なされています。そこでお尋ねしますが、まず、一九九〇年に採取の禁止を決定した基本理念は一体何であったのか、さらに、採取の禁止を直前にして禁止時期の延期が報道されていますが、自然環境を犠牲にしてまで延期する根拠は何なのか、お尋ねいたします。  質問の最後は、広島都市圏西部の交通体系整備についてであります。  広島市西部は、相次ぐ住宅団地の開発により、市内中心部への交通量は年々増加の一途をたどり、その基幹的な道路である国道二号西広島バイパスは、今や慢性的な交通渋滞になっております。現在も、広島市西区の田方地区と己斐地区において、区画整理による大型団地開発が進められており、交通環境はますます悪化するものと考えられます。私は、これの緩和のため、昨年の二月議会において西広島バイパス高架の延伸の工事促進が欠かせないことを重ねて指摘したところ、西広島バイパスの交通渋滞の緩和のため、高架の延伸はぜひとも必要であり、早期に工事着工されるよう国に強く要望していくとのことでありましたが、いまだに延伸部の工事に着手されておりません。これが、いつごろ、どのように建設されるのか、お伺いいたします。  その二点目は、臨港道路廿日市草津線の整備についてであります。現在、五日市地区では、二〇〇一年度の完成を目途とし、公共岸壁や関連用地造成が進められており、また、廿日市地区も同じく、一九九八年度には完成の見込みと聞いております。折しも、本年度から五日市地区と廿日市地区を結ぶ橋梁の整備に着手されると伺っております。この橋梁は、廿日市地区と五日市地区、西部流通業務団地を一体化し、人や物の円滑な流れを確保し、港湾物流機能の強化を図るとともに、国道二号線を補完する道路としての役割も果たすことになり、これが早期完成することに大きな期待を寄せているところであります。完成時期も含めて、今後のスケジュールについてお伺いいたします。  以上で質問を終わりますが、最後に一言申し上げます。「広がる生命 輝く未来」、これはやがて迎える二十一世紀の幕あけのとき、本県で開催される第十五回国民文化祭のテーマであります。二十一世紀の希望をしっかりととらえた言葉でもあります。本県が正しくこのテーマにふさわしいものに発展することを心から祈念し、私の質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手) 5: ◯議長(檜山俊宏君) 当局の答弁を求めます。知事藤田雄山君。         【知事藤田雄山君登壇】 6: ◯知事(藤田雄山君) 小島議員の御質問にお答えを申し上げます。  まず、広島県の現状認識と今後の重点施策についてのお尋ねがございました。人口や生産額を初め、本県の主要な社会・経済指標の多くは、全国の四十七都道府県の十番台前半の値を示しております。また、経済企画庁が毎年公表いたしております新国民生活指標、いわゆるPLIでございますけれども、これを見ましても、多くの領域でほぼ全国平均並みとなっております。これらの指標のみですべてを語ることはできませんが、本県は決定的に欠落したものがない反面、突出した面も少ないというのが、全般的な現状ではないかと認識いたしております。しかしながら、本県の特色や指標などを詳細に検討してみますと、幸いにも、広島県は世界的な知名度を有すると同時に、国民的な財産である瀬戸内海に面していること、中四国地域の拠点空港としての役割が増している広島空港を初め、広島港や福山港の整備が進展していること、中枢都市広島市や中核都市福山市を初め、多彩な都市群を擁していること、「教育県広島」と言われるように、高等学校や大学等への進学率が全国有数の水準にあること、さらに、本県には物づくりの伝統を持つ加工組み立て産業の技術集積があることなどの強みを有しております。  その一方で、県土の四分の三を占める中山間地域においては、全国よりも相当早いペースで高齢化が進展しております。このため、今後は、本県の特質などを十分に踏まえた上で、国際観光・コンベンションの振興や国際交流インフラの重点的整備などにより、広島県の拠点性の向上と交流の強化を図ること、指定都市高速道路などの都市基盤の重点的整備により、競争力の高い中枢・中核都市圏の強みを一層強化すること、教育改革や大学・研究機関の機能強化などにより、二十一世紀の広島県を支える活力の源となる人材育成や頭脳の集積強化を図ること、広島県産業科学技術研究所の活用や、競争力のある中堅基幹産業の重点的育成などにより、多元的な産業構造を構築すること、基幹集落や中小都市の重点的、総合的な整備により、中山間地域の振興を図ることなどを、戦略的に展開する必要があると考えております。  次に、臨界前核実験に対する基本認識についてのお尋ねがございました。昨年七月に国際司法裁判所において、「核兵器による威嚇や使用は、一般的には国際法に違反する」という勧告的意見が出され、また、同年九月の国連総会において包括的核実験禁止条約、いわゆるCTBTが圧倒的多数で可決されるなど、全世界において核兵器廃絶への機運が盛り上がっております。しかしながら、世界には依然として多数の核兵器が存在し、人類の生存を脅かし続けているところであり、またCTBTについても、いわゆるシミュレーション実験の余地が残されているなど、核兵器廃絶への道のりは依然として厳しいものがあると認識しております。こうした中で、米国が本年七月に引き続き、今月十九日に再び臨界前核実験を強行したことは、全世界の核兵器廃絶への機運に逆行するものであるとともに、CTBTの発効をおくらせることにもなり、極めて遺憾なことであります。このため、核兵器廃絶と世界の恒久平和の実現を願う本県として、米国に対し、繰り返し臨界前核実験を行うことは極めて遺憾である旨の意を表すると同時に、これ以上、臨界前核実験を繰り返すことのないよう強く要請したところでございます。  次に、非核広島県宣言についてのお尋ねがございました。人類史上最初の原爆による惨禍を経験した本県は、世界平和の実現に向けて果たす役割が大きなことから、昭和六十一年三月に県議会において決議された「核兵器廃絶に関する広島県宣言」を県政の基本的な立脚点として位置づけ、平和施策の推進に努めております。この宣言の決議の後、核保有国や国連軍縮特別総会へこの宣言と知事メッセージをあわせて伝達するとともに、国連軍縮会議や軍縮シンポジウムを実施するなど、さまざまな機会を通じて核兵器廃絶と世界平和の願いを国の内外へ伝えてまいりました。こうした中、米国が臨界前核実験を強行したことに関連して、核保有五カ国に対してCTBTの早期発効への努力と、兵器用核物質生産禁止条約交渉の再開へ向けての取り組みを要請し、さらに、米国に対して今後実験を繰り返さないよう強く求めております。今後とも、あらゆる機会を通じて、世界のより多くの人々に核兵器の廃絶と世界の恒久平和の実現を訴えていくとともに、世界の平和と繁栄に貢献していくため、国際協力、国際貢献などの取り組みを積極的に行ってまいりたいと考えております。  また、このたび、広島県と四川省との友好交流の拠点となる「広島・四川中日友好会館」が竣工しましたが、この会館内に、四川省の皆様に本県の姿を知っていただくための紹介コーナーを設けました。このコーナーの中で、被爆県広島の心を伝えるため、四川省側の理解を得ながら、被爆直後の写真など本県の平和への願いを伝えるパネルを展示しております。なお、このパネルとともに、「核兵器廃絶に関する広島県宣言」のパンフレットについても紹介をいたしております。今後とも、この宣言にあらわされている広島県民の心を、展示などを通じて、できるだけ多くの方々に理解していただけるよう努めてまいります。  次に、行財政改革についてのお尋ねがございました。御指摘のとおり、本県の財政は大変厳しい状況に直面しております。歳入面では決算ベースで県税収入が平成三年度を下回る状況が続いており、歳出面では公債費を初めとする義務的経費が急増するなど、財政の硬直化が進んでおります。その要因の一つとして、平成四年度から県債を活用して積極的に実施してきた経済対策が挙げられます。これは、低迷する日本経済に対し、てこ入れを図ろうとする国の政策に呼応したものであり、全国的な対応でもありました。この取り組みの結果、景気の下支えなど一定の効果はあったところでありますが、思ったほど税収は回復せず、現在の厳しい財政状況に至ったものであります。この難局を乗り切るためには、早期に、財政の健全化のみならず、行政システムの改善を含めた処方せんを策定することが必要でございます。もとより、行政の運営については、常に最小の経費で最大の効果を上げるということを基本にして、不断の努力を続けているところですが、昨日も御答弁申し上げましたとおり、県民の皆様の御理解をいただきながら、事務事業を見直すに当たっては、まず県みずからが痛みを伴う改革を推進していく必要がございます。特に、歳出の三割を占める人件費の抑制、とりわけ職員数の見直しは避けて通れない重要な課題であります。また、このような状況の中で、今回、行政システム改善推進懇話会から御案内のような提言をいただきました。私としては、この提言を真摯に受けとめ、先般、私を本部長とする行政システム改善推進本部において県としての方針決定を行ったところでございます。今後、職員数の見直しに向けた具体的な作業に入っていくことになりますが、これにとどまらず、予算配分の重点化や事業の見直しなど、行財政全般にわたる点検を進めていきたいと考えております。  次に、地方分権推進委員会の第三次勧告についてのお尋ねがございました。国の地方分権推進委員会が、地方事務官制度を廃止することとされたことについては、これまで知事会が主張してきた意見に沿うものでありますが、この制度を廃止した後、地方事務官が行ってきた社会保険や職業安定の事務を国の直接執行事務にすることとされたことについては、知事会の主張してきた意見と異なるものでございます。ただ、この勧告は、各方面の意見を十分に聴取した上、国と地方公共団体の新たな関係にふさわしい仕組みとなるよう、多面的に検討された結果であると理解しております。したがいまして、今後、国レベルにおける議論の推移や勧告の実施に向けての動向を注意深く見守ってまいりたいと考えております。  次に、ダイオキシン削減対策の推進と市町村指導についてのお尋ねがございました。市町村のごみ焼却施設から発生するダイオキシンの削減対策は、県民の健康を守り、生活環境を保全する上で極めて重要な課題であると認識しており、これまで市町村に対し緊急対策を指導してまいりました。先月二十九日、廃棄物処理法の政省令の改正によって、ダイオキシン排出基準が新しく設定されましたが、この基準を達成するため、焼却管理の徹底と施設の改善、ごみ焼却量の削減を引き続き指導してまいります。さらに、ダイオキシンの抑制やごみエネルギーの活用、効率的な施設整備には、日量百トン以上のごみを、二十四時間連続して焼却する必要があることから、施設の広域化を進めてまいりたいと考えております。広域化に当たっては、市町村の焼却施設の更新時期に差があるなど、多くの課題もあります。私自身、先日の政府との閣僚懇談会で、国庫補助金制度の充実や起債の繰り上げ償還の免除などについて国の対応を要請したところでございます。今後、広域処理計画や来年度から策定するブロックごとの実施計画策定作業の中で、広域化に向けての暫定的なごみ処理方策、焼却施設の建設場所、地域の実情を踏まえた小規模施設の立地の可能性などについて、市町村とも十分協議をし、具体的な施策に反映させてまいります。  その他の御質問につきましては、担当説明員より答弁いたさせます。 7: ◯議長(檜山俊宏君) 副知事久保信保君。         【副知事久保信保君登壇】 8: ◯副知事(久保信保君) 海砂利の採取について御答弁申し上げます。  海砂利につきましては、長年にわたる大量の採取の結果、砂の枯渇とこれに伴う水産資源や自然環境への影響が憂慮され、また一方で、海砂利が重要な建設資材であり、かつ有限の資源でもございますことから、代替資材の供給動向も勘案しながら、その安定供給を図る必要がございました。このため、本県では、平成二年十一月に「海砂利採取に関する基本方針」を改定して、採取許可量を漸減し、平成十一年からは採取禁止とすることにいたしました。採取禁止を二年後に控えた本年に入りまして、採取禁止の環境が整っているかをフォローするため、今後の需給予測をより正確に行うとともに、当初予定していたような形で代替材の開発が進んでいるのか、輸入や他県からの移入が安定的に見込めるのか、周辺の瀬戸内各県で本県同様の採取の禁止を検討しているのかなどの観点から検討を進め、関係者から成る生コンクリート安定供給連絡協議会をこれまで二回にわたって開催し、意見を聴取してまいりました。その結果、代替材の開発が思うように進んでいないなど、場合によっては採取禁止により建設用の砂の需給が逼迫し、建設コストの上昇が懸念されることが判明いたしました。したがいまして、現在、これらの影響を最小限に抑えるため、期間の延長を初めとして代替材の開発促進対策、環境調査の実施などの暫定措置を講じる必要があるのではないかという方向で検討を進めている最中でございます。 9: ◯議長(檜山俊宏君) 商工労働部長高見貞四郎君。         【商工労働部長高見貞四郎君登壇】 10: ◯商工労働部長高見貞四郎君) 新規学卒者の就職状況と、最近の雇用情勢についてお答えをします。  本県の雇用情勢は、景気動向が一部に足踏み感はありますものの、総じて緩やかな回復基調にあることを受けまして、企業における休業等の雇用調整も鎮静化し、求人も増加傾向で推移するなど、改善の動きが見られます。しかしながら、求職が引き続き増加傾向にあるとともに、失業率についても本格的な改善を見るに至っておりません。したがって、労働力の需給動向は注意を要する状況にございます。このような中、今春の大学等の就職率は八九・五%で、前年度と比較しまして一・二ポイントの上昇となっておりますが、来春の新規学卒者の就職状況につきましては、就職協定廃止によります就職環境の変化等もあり、現時点での正確な把握は困難な状況にございます。ただ、県内のハローワークで取り扱いました求人の受理状況を見る限り、八月末現在で昨年を三四・六%上回っております。  なお、新規学卒者につきましては、引き続き、企業合同面接会の開催や学生職業相談コーナーの設置などによりまして、就職支援に努めることといたしております。さらに、産業構造の変化が急速に進展する中で、今後、新分野におきます雇用機会の創出や産業間、企業間の失業なき労働移動を円滑に進めますために、改正業種雇用安定法、改正中小企業労働力確保法などを活用しました企業の支援など、雇用促進センター等関係機関と一体となりまして雇用環境の改善に努めてまいります。 11: ◯議長(檜山俊宏君) 県民生活部長土井一彦君。         【県民生活部長土井一彦君登壇】 12: ◯県民生活部長(土井一彦君) ごみの固形燃料化について御答弁申し上げます。  ごみ固形燃料、すなわちRDFは、生ごみに比べ長期間の保存が可能で、しかも、運搬も容易であり、その製造過程において焼却を行わないため、施設の立地に当たって住民の理解が得やすい面があります。一方、RDFを熱エネルギーとして利用する場合には、その施設がダイオキシンの排出基準に適合し、継続的かつ安定的な受け入れが見込まれることが必要であります。したがって、現在、本県で調査、検討しているRDF発電などへの利用が考えられますが、利用が困難となれば、ダイオキシン排出基準に適合した焼却施設でごみと混合して焼却するなど、RDF化施設を建設する場合には利用先を慎重に検討する必要があります。今後、ごみ処理施設の広域化によって、ごみの運搬距離が長くなる市町村や離島の場合には、RDF化施設も含めて検討してまいりたいと考えております。 13: ◯議長(檜山俊宏君) 土木建築部長中村俊行君。         【土木建築部長中村俊行君登壇】 14: ◯土木建築部長(中村俊行君) 西広島バイパス高架延伸の工事促進についてお答え申し上げます。  広島都市圏西部地域と中心部との間における交通量の増加は、深刻な都市問題の一つであると考えております。広島県といたしましては、この問題への対応として、本年六月に広島市と共同で広島高速道路公社を設立し、広島南道路、広島西風新都線等の自動車専用道路の整備を積極的に推進することといたしました。また、西広島バイパスの高架延伸計画につきましては、バイパスの交通渋滞緩和を目的に、平成六年八月に都市計画決定しております。  その後、建設省において、測量や地質調査、阪神・淡路大震災の教訓を踏まえた実施設計の見直しや、工事期間中の交通処理対策の検討などが進められてまいりました。現在は、最優先の課題であります供用中の高架橋の耐震補強工事を実施しておりまして、今年度末を目途に早期処置の必要な鉄筋コンクリート製単柱橋脚、いわゆる一本柱の補強を終えることとなっております。その後は、引き続き、残りの補強工事とあわせ、高架延伸工事に順次着手する予定と伺っており、県といたしましても、早期整備が図られるよう、国に積極的に働きかけてまいりたいと考えております。 15: ◯議長(檜山俊宏君) 空港港湾局長上田 寛君。         【空港港湾局長上田 寛君登壇】 16: ◯空港港湾局長(上田 寛君) 臨港道路廿日市草津線の整備についてお答えいたします。  臨港道路廿日市草津線の一部であります五日市地区と廿日市地区を結ぶ橋梁につきましては、広島港の港湾物流機能の強化並びに国道二号の渋滞緩和を図るため、ぜひとも必要な施設と認識しております。本橋梁は今年度の新規事業として国の採択を受けておりまして、現在、その調査・設計を実施しているところであります。今後のスケジュールにつきましては、平成十年度より橋梁工事に着手し、厳しい財政状況下ではありますが、平成十三年度には、五日市地区において現在整備中の大型岸壁と同時期に供用を開始する予定としております。 17: ◯議長(檜山俊宏君) 教育長木曽 功君。         【教育長木曽 功君登壇】 18: ◯教育長(木曽 功君) まず、いじめ問題についての御質問にお答えいたします。いじめ問題につきましては、依然として、極めて深刻な状況にあると考えております。今日の子供たちは、学歴偏重、偏差値偏重の社会的風潮の中で大きなストレスを受けております。また、核家族化や少子化の進行により、家庭や社会の教育力が弱まってきている状況にあります。さらに、学校教育においても、一人一人の個性を生かす教育活動が十分でなく、子供が自分のあり方、生き方を見出せないでいると考えられます。これらのことが、いじめの背景になっていると考えられます。教育委員会といたしましては、子供が目的意識を持って学校生活を送ることができるようにするなど、教育環境の改善を図るとともに、いじめは絶対に許さないという毅然とした姿勢で取り組みを徹底し、いじめのない学校づくりに努めてまいります。  次に、不登校・中途退学への対応についての御質問でございます。不登校・中途退学への対応としては、一人一人の子供が大切にされ、学校の中に自分の居場所を持ち、自己実現が実感できるような学校づくりに努めることが重要であると考えております。そのため、教育委員会といたしましては、明確な目的意識を育てる進路指導の実施、人間関係や生活体験を豊かにするための教育活動の推進や、多様なニーズにこたえることができる柔軟な教育活動の充実を行うなど、魅力的な学校となるよう努めてまいりたいと考えております。また、一人一人の子供が不安や悩みを安心して相談できる体制を充実するため、スクールカウンセラーの派遣や学校巡回訪問指導等の充実に努めてまいります。  最後に、子供の教育権の保障についての御質問でございます。すべての子供の教育を受ける機会を確保していくためには、一人一人の子供の思いや願いにこたえることができる教育活動を推進し、子供が目的意識を持って学校生活を送ることができるようにすることが大切であると考えております。そのため、教育委員会といたしましては、教職員一人一人が子供の心を理解し、悩みを受けとめる態度を育成するための研修を充実してまいります。また、このたびの高校教育改革においては、総合学科の充実、自由選択制の導入などを行うことにより、豊かな教育内容が提供できる教育条件の整備に努めているところであり、すべての子供が主体的に学習し、生き生きと楽しく学べる学校づくりに全力で取り組んでまいりたいと考えております。 19: ◯渡壁正徳君 議長、関連……。 20: ◯議長(檜山俊宏君) 関連質問を許します。渡壁正徳君。 21: ◯渡壁正徳君 海砂利採取について関連質問をいたします。  今、海砂を採取しております忠海の海域というのは、どうなっているかといいますと、もともとは五メートルから十メートルの水深の海域でございました。今は、その深さが、実に四十五メートルから、深いところは五十五、六メートルぐらいの水深の海域となっております。それで今、あと幾ら砂が残っているかということでございますが、千六百万立米の砂が残っているというふうに言われております。広島県が採取しておりました時期は、最高時、一年間に五百万立方メートルでございますので、そのレベルでいいますと、三年すれば、これは一粒も残らないように全部とってしまうということになるわけでございます。したがって、私は、五年といえば何か制限したように聞こえますけれども、中身は一粒も残らないよう全部とりますよという意味だというふうに理解をしなければならない。そういう意味では、これは五年も三年も十年も同じなのです。だから、五年間本気でとろうと思えば、他の海域に砂の採取場を広げない限りは、五年間とることはできないという実情になっていると思います。まず、そういう実情を踏まえていただきまして、三つほど質問しますので、お答えいただきたいと思います。  七年前に、県が海砂の採取を一九九九年からやめるということを決めているわけでございますが、その時点で当然、代替資材というものを考えておられたと思うわけでございます。土木建築部長、あなたは、この七年間どういう努力をしてきたのか。それで、副知事は今、なかなか予定どおり進んでいないということでありましたが、具体的にどういう努力をしてきたのか。このままでいきますと、これからもなあなあでやりまして、五年たっても、また足りないということになるわけでございますが、これからの見通しはどうなのか、このことについてお答えをいただきたいと思います。  広島県は、山砂については県外へ売っているというようなことも聞くわけでありまして、そういう実態を見ますと、どうしてもそれをとらなければどうにもならないというものではないのではないかとも思うわけでございますが、その辺のところを、具体的にどういう努力をされてきて、どうなっているかということをお答えいただきたいと思います。  それから二つ目は、この砂をとっている海域の漁業が壊滅状況になるということは当然でございますが、その周辺地域にはスラッジ、粒子の小さい砂が流域へ流れていくわけでございます。流域へ流れていきまして、これは十五センチメートルから二十センチメートルぐらい周辺海域へ堆積していると言われております。そうしますと、これは粒子が小さいものですから、海の底にすんでおりますトリガイとかシャコとかワタリガニとか、あるいはタコとか、一番被害が大きいのは、それに加えて稚魚というものが、粒子が小さいために酸欠状態になって育たない、死んでしまうということになっているわけでございます。それらの漁業被害については、この五年間延長を決める際に農政部はどういう進言を知事や副知事にされたのか、どういう認識を持って、どういう進言をされたのか、農政部長にぜひ答えていただきたいと思うわけでございます。  兵庫県と広島県と底びき網の漁獲高を比較しましたら、兵庫県が一年間に一千万円の水揚げがあるのに対して、広島県は四百万円しかないというデータもあるわけでございますが、それらの問題も含めて、どういう認識をして、どういう対応をしているのか。これは漁業者にとりましては一大事でございますので、農政部がどういう認識をしているのか、この際、明らかにしていただきたいと思うわけでございます。  三番目は、こういう決定をする際には、もともと七年前に決定したときに環境問題としてやられているわけでございますから、新しい環境アセスメントというものをやらなければならないと思うわけでございますが、その環境アセスメントについては、どういうことをやられて意見具申をされておられるのか、これは県民生活部長ということになるのでしょうか、お答えをいただきたいと思います。以上三つ、よろしくお願い申し上げます。 22: ◯議長(檜山俊宏君) 当局の答弁を求めます。土木建築部長中村俊行君。         【土木建築部長中村俊行君登壇】 23: ◯土木建築部長(中村俊行君) それでは、代替材の開発についてお答え申し上げます。  山砂開発につきましては、平成二年の海砂採取の削減計画決定を受けまして、県は機会をとらえまして関係業界に対して山砂等の代替材の開発・増産を要請してきたところでございます。ただし、バブル崩壊によりまして、主要資材である砂の需要そのものが減少したこと、それから山砂生産のためのプラントを新設するためには、やはり巨額な設備投資が必要であること、それからまた、海砂に比べて、これは地域によって違うわけなのですけれども、価格面等で割高につくというようなことがありまして、山砂開発がおくれてきたと考えているわけでございます。今後につきましては、県発注の工事において、砂を原材料とする生コンクリートやアスファルト合材、それからコンクリート二次製品等については、発注段階で、ある程度、その設計図書の中に山砂等代替材の使用を明示するということで転換を進めていきたいと考えております。それからまた、真砂を使ったコンクリートというようなことも、従来から技術開発等いろいろやってきているわけなのですけれども、試験施工等を踏まえて、そういう面の開発も引き続きやっていきたいというふうに考えております。 24: ◯議長(檜山俊宏君) 農政部長山川雅典君。         【農政部長山川雅典君登壇】 25: ◯農政部長(山川雅典君) 海砂利採取におきます漁業被害等につきまして、その対策も含めて御答弁申し上げます。  海砂利採取におきまして、海底の変化でありますとか、あるいは濁りの発生などにより、漁業への影響が懸念されているところでございまして、その影響を軽減して水産資源を回復するために、私どもといたしましても、栽培漁業の振興でありますとか、あるいは漁業基盤の整備を初めとする水産振興施策を推進してきているところでございます。具体的には、特に稚魚の育成に重要な場所であります藻場でありますとか干潟、これらにつきましても、今後とも造成技術の開発を初め、漁場環境の維持保全といったことに努めてまいりたいというふうに考えております。  なお、海砂利採取につきましては、前回の基本方針の見直しの際にも、海区の漁業調整委員会の意見として、海砂利採取は漁業に及ぼす影響が大きいことから採取しないことが最善であるとの意見もございます。私どもとしても、今後、海区漁業調整委員会の意見を十分尊重して対応してまいりたいと考えております。 26: ◯議長(檜山俊宏君) 県民生活部長土井一彦君。         【県民生活部長土井一彦君登壇】 27: ◯県民生活部長(土井一彦君) 海砂利子取の環境影響でございますけれども、海底地形の改変とか海洋生態系等、環境への影響が懸念されるわけでございますが、このたび話題に上がっております期間延長ということになりませば、関係の許可部局、いわゆる事業者が多いわけでございますので、アセスは事業者にやっていただきますけれども、この場合は、まとめて許可する関係部局において、事前に水産資源、自然環境に及ぼす影響について調査を実施の上、十分配慮した許可がなされるよう、関係部局と協議・調整を図ってまいりたいと考えております。 28: ◯蒲原敏博君 議長、関連……。 29: ◯議長(檜山俊宏君) 関連質問を許します。蒲原敏博君。 30: ◯蒲原敏博君 行財政改革に関する関連質問をいたします。  知事の答弁で、昨日もそうですが、きょうの答弁もそうですが、この財政危機を乗り越えるためには、三割を占める人件費の削減は避けて通れない、不可欠だと、こういう表現をたびたび繰り返していらっしゃいます。ちなみに、今年の予算ベースで見てみますと、一般会計の職員の給与費は、確かに三千四百億円です。その中で、知事部局の占める給与費というのは約六百億円です。今回、五年間で三%ですか、削減をしなければならぬというのは、知事部局の職員を対象にしているわけです。五%のうち二%を戻すと言うのですが、これはわからないですよ。戻すかどうかというのはわからないですから、要するに、五年間で三%ということですが、知事部局を対象にして言っておられるわけでしょう。人件費を削減しなければならぬというのは、一般会計に占める知事部局の給与費を対象にされているわけです。これは、一般会計の中で占める割合は五・四%に相当するわけです。三二%というのは、これは学校の先生、公安職の警察の職員の皆さん方の給与費、これはもう法律でちゃんと決まっているのですから、この人員の削減ができるのは知事部局だけなんです。知事部局の関係で言えば五・四%、その部分を削減することによって財政の健全化を図れると、こういうことを知事は言っていらっしゃると思うのです。思い起こせば、十五年前、前の知事ですが、竹下知事が誕生されて二年目に、八三年から八七年の五年間に、全国でも例のない一割定数削減という過酷な定数削減をおやりになりました。これは大変な状況だったのです。そのときを思い起こしていただければ、この五年間に一割定数削減をしたために、県の現職の職員が七十名も亡くなっているのです。最盛期には、一番多いときには、一年間に十七名も現職の職員が死亡されました。そして、公共事業は、事業費の方はどんどんふえて、土木関係の予算を見ますと、当時の八三年と九五年を比較したら、約三倍になっているのです。しかし、知事部局の職員の数はほとんどふえていない。こういう状況の中で、今おっしゃるように三割を強調されて、実際には知事部局の職員の皆さん方の人件費というのは、わずかと言ったら語弊があるかもわかりませんけれども、五・四%のところへメスを入れるというやり方は、果たして県民の理解を得られるかどうか、私は大変心配をするのです。  しかも、今回、もう人事委員会は試験をしているんです。来年四月に採用する職員の試験を済ませているんです。竹下県政のときにも、八三年四月に採用する百三十一名を人事委員会で合格発表をしていた。ところが、実際に四月に採用したのは五十一名です。あとの方は、採用延期なり、県に入るのをあきらめるという状況が生まれました。これは社会的に、公募して採用を前提に試験をやっていらっしゃるのに、これがどうなるのかというのは大変責任が重いと思うのです。果たして、採用試験合格者を来年四月にきちっと採用されるかどうかというのは、県の責任として非常に重要だと思うのです。だから、その点をどのように考えていらっしゃるか、そして、人件費をそのように受けとめていらっしゃるということに対しては異議がありますから、その点をきちっとお答えいただきたいと思います。以上二点です。 31: ◯議長(檜山俊宏君) 当局の答弁を求めます。総務部長株丹達也君。         【総務部長株丹達也君登壇】 32: ◯総務部長(株丹達也君) 県の他部局にまたがるものがございますが、行政システム改善推進本部の事務局の立場から答弁させていただきます。  県財政の現状は御案内のとおりでございまして、多額の財源不足が想定をされております。財政健全化に向けましては、すべての事業を聖域なく見直す必要がございます。その点につきましては、昨日、知事答弁もあったとおりでございます。それにあわせまして、歳出の中で大きなウエートを占めております人件費の抑制もまた必要であるというふうに考えておりまして、そういう中で、職員数の削減の具体的目標を掲げまして、この抑制に取り組んでいくこととしたものでございます。具体には、削減目標の数値は知事部局の職員を対象として設けたものでございますけれども、法令あるいは配置基準などの制約のある教育委員会、警察本部につきましても、人件費の抑制を図るという方針につきましては同様でございます。教育委員会につきましては、職員給与費の三分の二を占めております。生徒減に応じた適切かつ計画的な削減をすることとしております。警察本部につきましても、警察官以外の事務職の増員の抑制を図ることといたしております。知事部局の職員数のみを削減するということではございませんで、全体の職員数を適切に管理をして、抑制を図りたいというものでございます。  また、今後の人員削減との関連で、来年度の採用についての御質問がございました。今回の人員削減につきましては、五年間での採用調整を中心として考えてございます。今年度、試験に合格をして、来年度採用されるという方につきましては、人材確保の視点あるいは合格者の期待などにも配慮しながら、採用を希望する方につきましては採用がなされるよう、できるだけ努力をしてまいりたいと存じます。 33: ◯議長(檜山俊宏君) この際、暫時休憩いたします。午後の会議は二時から開きます。         午前十一時四十九分休憩              ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~         午後二時二分開議 34: ◯議長(檜山俊宏君) 出席議員五十八名であります。休憩前に引き続き会議を開きます。  引き続いて質問を行います。箱上恵吾君。         【箱上恵吾君登壇】 35: ◯箱上恵吾君 公明広島県議会議員団の箱上恵吾でございます。  まず、故堀友議員の御逝去に対し、謹んで哀悼の意を表します。  さて、十代、二十代の青少年、無軌道な若者による世上を騒がせる凶悪事件が続発しております。そして、これらの事件でやり切れない思いにさせられるのは、彼らの犯行動機が余りにも衝動的、短絡的に過ぎることであります。神戸の連続殺傷事件では、当時十四歳の少年が、人間の壊れやすさを確かめたくて小学生に凶器を向けておりますが、その背景には学校生活に適応できない強いフラストレーションがあったと見られます。奈良では、声をかけた女子中学生に無視された近所の男が、かっとなって殺害をしております。都内周辺で連続していた通り魔事件の容疑者は、同居人から借金の返済を迫られたことがストレスとなり、通りがかりの女性の顔を凶器で殴りつけております。いずれの事件も、伝えられる犯行動機は警察発表の域を出ておりません。しかしながら、殺傷された被害者の方たちに、害を加えられるような理由があったわけではないことは明らかであります。もとより、犯罪に正当な理由など存在しませんが、若年層による凶悪犯罪は、ねらわれた被害者への個人的な恨みなど見当たらないというところに恐ろしさがあります。自分たちのはけ口のない欲求不満を、見ず知らずの弱者の生命を傷つけることで発散をしているのであります。青少年がストレスを抱えていることが単に問題なのではなく、日本の将来を担うべき世代がストレスに弱くなり、そのはけ口を弱者に向けることが重要な問題なのであります。また、こういった事件が起こるたびに、学校などの責任を問う声が上がります。明らかに学校に問題がある場合もありましょうが、ともかく、だれかを悪者にしなければ気が済まない週刊誌、ワイドショー的な論法、問題発生の原因を他者に押しつけ、その解決方法を他者への攻撃に見出そうとしている風潮、これもまた、憂うべきことであります。  話は変わりますが、国民に大幅な負担増を強いる医療保険改革が九月から施行されました。財政赤字解消という錦の御旗のもとに医療改革を目指そうとしている、ここにも弱者にそのしわ寄せがのしかかろうとしております。また、このたびは過去に有罪となった人が国務大臣になっておりました。全身病んだ日本、こんな日本をどうすればいいのだ。政治の一端を担っている者として、自責の念を感じながら質問に入りたいと思います。  質問の第一は、十一月に控えた知事選に関してであります。四年前、「生産県から生活県へ」の公約を掲げて就任された藤田知事に対し、我が公明は、人間主役社会への改革、教育の改革、環境配慮型への改革、政治と行政の改革など七つの改革の視点に基づいて、行財政改革の推進、中小企業に対する支援、高齢者対策の着実な実行などの具体的な提言を行ってきたのであります。二十一世紀の到来を目前にして、すべての分野で抜本的な改革が迫られている現在、本県においても経済、行政、福祉、教育等の分野で積極的な改革が強く望まれているのであります。個別の政策・事業について言えば、喫緊の課題である行財政改革への取り組みを初め、国際競争が激しくなる中での中小企業に対する支援の強化、荒廃の進む農山村地域への対応や少子・高齢化対策、児童生徒本位の教育改革、青少年の健全育成、環境対策などは、今後さらに充実・強化させる必要があると考えております。知事は、再選出馬に当たりまして、一期四年間で残された課題をどのように総括しておられるのか、また、今後どのような方針で取り組まれるつもりなのか、再度お伺いしたいのであります。  質問の第二は、県と広島市との連携についてであります。札幌、仙台、広島、福岡の四都市は、地方中枢都市として位置づけられ、東京一極集中を是正する地方の受け皿として期待をされてきたのであります。これらの都市は、その力をはかるバロメーターの重要な指標である人口の増減を見ても、それぞれ北海道、東北、中国、九州という人口の流出が続く地方の中で、人口を吸収し、人口流出に歯どめをかける役割を担ってきたわけであります。しかしながら、広島市の人口の伸びは、他の都市の伸びに比べて低いことは否めません。これは、他の三市がブロックゾーンの中枢管理機能を築いているのに比べて、広島市は比較的生産加工機能を持つ工業都市としての色彩が強く、しかも、関西や福岡の経済圏に近く、吸引力に欠けており、中国ブロックの中でも岡山都市圏と競合していることなどによると考えられます。私は、広島都市圏、とりわけ広島市の発展が広島県全体の発展を牽引する役割を担うものであると信じて疑わない者の一人でありますが、現実は、それを実現するための県と広島市との連携・調整、言いかえればパートナーシップが十分機能していないと思うのであります。その原因の一つとして、県と政令指定都市との関係について、県と広島市双方とも十分認識していないのではないでしょうか。広島市域内に関しては、広島市の問題であるから県は関与できない、しない、あるいは逆に、政令指定都市だから県から助言・指導は受けない、そういった意識が県・市双方にあるのではないでしょうか。確かに、地方自治法では、大都市に関する特例として県が行うべき事務の多くを政令指定都市が行うものとしており、また、一定の事務につきましては県知事の行政監督権限を除外しております。しかし、これは広島市を包括する県が行うべき指導調整機能を否定するものではないと考えるのであります。むしろ、政令指定都市について特例があるだけに、事務処理上のそごが生じないよう、他の市町村以上に県と広島市は相互に十分な連絡調整を行い、常時、密接な連携協力関係を確保できるよう努めなければならないと思うのであります。広島市が昭和五十五年四月に政令指定都市になると同時に、県と広島市との間に新たなパートナーシップを確立させ、中四国地方の中枢拠点都市にふさわしい県政、市政が展開されてしかるべきであったと考えますが、今日まで、どちらかと言えば、双方の不協和音が随所に見られ、ここ二十年ほどの間に、他の札幌、仙台、福岡に多くの分野で水をあけられたというのが、私を初めとする多くの県民、市民の率直な実感なのであります。確かに、これまで個別事業を見ると、アジア競技大会、海と島の博覧会といった大規模イベント、さらには、放射線被曝者医療の国際協力事業など数多くの事業を共同して取り組んできているのも事実であります。ところが、そうした数多くの連携・共同プロジェクトの実績を積み上げているにもかかわらず、全体として県と広島市ががっちりスクラムを組んで、広島の発展に邁進しているという実感がわいてこないのであります。  最近の事例としては、ワールドカップの広島開催に関する広島市側の協議不足、西風新都の開発にかかわる一連の手続の不備の問題、広島大学跡地の利用調整や紙屋町地下街建設の財政負担の問題など、枚挙にいとまがありません。私は、これらの件について、一つ一つこの場で議論するつもりはありませんが、このような状態では、中四国の中枢都市としての機能の確立どころか、ますます吸引力を失っていくのではないかと危惧するものであります。現在、県知事と広島市長の間で定期的に県・市首脳会談が行われてはおりますが、二十一世紀を目前にし、今後一層、地域間競争が激しくなっていく中で、真に広島の中枢機能を高めるためにも、この際、基本論から県と広島市の関係、とりわけ両者間の連携、役割分担のあり方について検討し、新たなパートナーシップのもと、力強く政策を推進すべきときであると思うのであります。そして、仮に藤田県政二期目になれば、その最大の課題が、県と広島市の連携問題と言っても過言ではないと思うのであります。知事は、県と広島市との関係のあり方について、どう考えておられ、今後どう取り組んでいかれようとしておられるのか、知事の率直な御意見をお伺いしたいのであります。  次に、福祉・医療問題についてお伺いいたします。
     まず第一点目は、臍帯血移植についてであります。私は、昨年六月の本会議において、子供の白血病などの血液疾患に対する有効な治療方法として臍帯血移植を指摘した上で、臍帯血バンクの早期設立について質問をいたしました。このとき、知事は、臍帯血移植について将来的な可能性を秘めた治療方法と認識された上で、技術的に詰めるべき課題もあることから、研究情報を収集するとともに、広島県骨髄バンク推進連絡協議会の場において、その有効性や可能性について検討していくと答弁をしてくださいました。臍帯血移植については、国内ではこれまで血縁者間において十七の移植例がありましたが、本年二月には横浜市立病院において初めて非血縁者間での移植が行われました。これは、神奈川臍帯血バンクから提供された臍帯血を移植したものであり、バンクの存在がいかに重要か、改めて認識させられました。骨髄移植のドナー不足が叫ばれている中で、それを補完する治療方法として注目されてきている臍帯血移植によって、今後、多くの幼い、とうとい命を救うためにも、バンクの設立が不可欠なのであります。臍帯血バンクは、先ほどの神奈川のほかに近畿臍帯血バンクなどがありますが、いずれも大学病院や赤十字センターなどの医療機関が費用を持ち寄って設立したものであり、行政が支援して設立したものはありません。欧米諸国においては行政の支援を受けて臍帯血バンクの設立が進んでおり、国内においても、一日も早い公的バンクの設立が望まれているのであります。そこで、お伺いいたします。臍帯血バンクについて、昨年来、県としての検討状況はどうなのでありましょうか。また、バンクを利用した移植例が出たことを考えれば、検討の段階から設立へ向けての具体的な取り組みへと移るべきであると考えますが、いかがでしょうか、知事の御所見をお伺いしたいのであります。  第二点目は、中山間地域の医師の確保について質問をいたします。広島県では六十二地区が無医地区となっており、全国で二番目に多いと聞いております。こうした無医地区は、いわゆる中山間地域とも重複するわけでありますが、中山間地域は高齢化が急速に進んでおり、中山間地域に住む医師も例外ではありません。本年六月現在、中山間地域、中でも過疎地域の指定を受けている五十四市町村の開業医の平均年齢は六十二・五歳となっており、七十歳以上の占める割合は実に四割となっているのであります。このように中山間地域の医師の高齢化が進む一方で、医師の後継者の不足が極めて深刻な状況にあると聞いております。中山間地域には無医地区が点在するとともに、その背後に、医師の高齢化と後継者不足の結果、十年後には無医地区となるおそれのある地域が相当数あるのではないでしょうか。県は九年度から中山間地域対策の専管組織を設置されましたが、中山間地域への定住を促進するにしても、医療体制が整っていない地域に住もうという人は少ないのであります。中山間地域対策を考えるとき、医療体制をいかに確保するかということが必要不可欠なのであります。そして、中山間地域の医療体制の確保対策は、県と市町村と医師会が、がっちりとスクラムを組んで初めて実効性のあるものになると思うのであります。県は本年度、大学や医師会などとともに構成する広島県地域保健対策協議会において、中山間地域の医療の確保について関係者のコンセンサスづくりを進めると聞いておりますが、どのような状況なのでしょうか。また、地域ごとに医師の後継者の有無などをきめ細かく把握し、後継者のいない地域に対する支援を早目、早目に行うなど、踏み込んだ対応も必要と考えますが、今後の県の対応方針はいかがでしょうか、あわせてお伺いしたいのであります。  福祉・医療問題の第三点目は、がんセンターの整備に伴う県立広島病院のあり方についてであります。現在、がんセンターの整備について、がんセンター整備推進委員会のもとで、整備の内容や、その場所等が検討されていることは御承知のとおりであります。がんセンターの整備については、誘致運動が起こっていることなど、どこに整備するかが関心の的になっているように感じられます。もちろん、どこに整備するかは重要な問題であります。私の住む広島西区及び佐伯区の人口は、合わせて三十万人余でありますが、中核となる病院がないのが現状であり、この際、広島市西部にがんセンターを設置することをぜひ検討していただきたいと思います。しかしながら、県民全体として、より重要なことは、がんセンターを整備することにより、例えば、非常に高度な医療技術を要するがん治療は、がんセンターが専門に行い、県立広島病院など他の主要病院は別の医療分野の充実に力を注ぎ、結果として、県の医療水準全体がレベルアップすることだと思います。要は、主要な病院がそれぞれ特色ある医療体制の整備を図り、それらの病院が有機的に連携し、高度で効率的な医療を提供できることが重要なのであります。そこで伺いますが、県は基幹病院である県立広島病院について、これまで母子総合医療センターの整備などを行ってきておりますが、がんセンターの整備に伴い、互いの役割分担を含め、今後の県立広島病院のあり方についてどう考えておられるのでしょうか、現段階での県当局の見解をお伺いいたします。  次に、四点目として身体障害者の障害程度の認定についてお伺いいたします。本県の場合、脳血管障害等の原因により身体に障害がある場合、身体障害者手帳交付のための障害程度の認定は、原則として発病後六カ月経過後となっております。これは、脳血管障害等による機能障害については、発病後一定期間を経過し、症状が固定化した後でないと障害程度の認定を行うことが困難であり、その一定期間の経過後というのが六カ月経過後であると聞いております。しかしながら、脳血管障害等により寝たきりとなった方、そして、病院あるいは在宅でその方の介護を行わなければならない家族の方々にとって、六カ月という期間は、精神的、経済的負担を考えた場合、余りにも長いというのが実感ではないでしょうか。御承知のように、身体障害者手帳の交付を受けることによって、重度身心障害者医療費公費負担制度の適用、日常生活用具や補装具の給付を受けることが可能となってまいります。高齢化の進展に伴い、今後ますます脳血管障害等を原因とする身体障害者手帳の早期交付を望まれる方はふえるものと思われます。また、MRIによる検査など診断技術の進歩は目覚ましいものがあり、三カ月経過後には症状固定時の障害の判断も可能となっているのではないでしょうか。この際、一歩踏み込んだ決断が求められるのであります。脳血管障害等による障害程度の認定は、原則として発病後三カ月経過後とされるよう提案いたしますが、県当局の見解をお伺いしたいのであります。  次に、世界遺産に関して二点質問いたします。  まず第一点目は、広島市の平和公園内にあるレストハウスの解体問題についてであります。御承知のように、昨年十二月、原爆ドームが世界遺産条約に基づき、ユネスコの世界遺産に登録をされました。この条約の締結国は、登録された遺産を保護し、将来に継承する義務が課せられております。また、条約は同様の責務を地元自治体や住民に求めているのであります。登録自体はドームとその敷地でありますが、あわせて、世界遺産の保護を目的に指定するバッファーゾーン、緩衝地帯として平和公園全体と周囲の元安川が指定されております。現在、解体問題が起きておりますレストハウスは、緩衝地帯である平和公園内にあり、しかも、市内に現存する数少ない被爆建物であります。広島市は、原爆ドームが世界遺産に登録される前の平成七年末に、レストハウスを地下室のみ残して解体し、新しい建物を建てる計画を打ち出し、原爆ドームが世界遺産に登録され、平和公園全体が緩衝地帯に指定された後も、解体計画を中止しようとはしていませんでした。これに対し、これまでいろいろな市民団体が解体計画の撤回を要望しております。また、この七月には文化庁も、レストハウスの現状保存が望ましいと、解体の再考を求めてきたのであります。八月六日に世界に対し原爆の悲惨さと世界平和を訴える広島市が、その一方で、人類の負の遺産として登録された原爆ドームのバッファーゾーンの中にあり、しかも、ドームと同じ被爆建物であるレストハウスを解体しようとすることは、広島市の世界遺産登録に対する認識を疑わざるを得ません。解体すれば、世界的にも信用を失いかねないと思うのであります。今月になって、広島市が文化庁と協議した結果、全面解体は避ける方向で検討していくことになったと聞いておりますが、今後、実際にどうなるか定かではありません。広島市は、この問題について、県に相談を行ったというようなことはないようでありますが、この際、県は広島市の適切な処理を期待するという消極的な姿勢ではなく、国に対し世界遺産への登録を要請した立場として、さらに、世界遺産を守るべき立場にある地元自治体として、広島市に対し積極的にレストハウスの保存を働きかけていくべきだと考えるのであります。レストハウスの解体に対して、県はどう認識されているのか、また、広島市に対し何らかの働きかけをする考えはないのか、お伺いしたいのであります。  次に、大久野島の世界遺産化に関して質問をいたします。本年三月の予算特別委員会において、知事は、大久野島の旧毒ガス製造関連施設の世界遺産化について、その前提となる国の史跡指定に向け、文化庁の近代遺跡調査の対象となるよう文化庁に働きかけていきたいと答弁をされております。また、本年五月、公明県本部は国の史跡指定と世界遺産登録を求める六千四人分の署名を集めた上で、知事に対し、県としての積極的な取り組みを求める申し入れを行った際には、国の史跡指定の意義を認められた上で、前向きに対応される旨、述べられました。原爆ドームがそうであったように、人類の負の遺産として大久野島の毒ガス関連施設を後世に残すことは、現在に生きる私たちの責務であると思うのであります。そこで、国の史跡指定に向けて、現段階の県の取り組み状況はどうなのでしょうか、また、今後どう取り組んでいかれる方針なのでしょうか、お伺いしたいのであります。  次に、教育問題として、地域スポーツクラブの振興について質問をさせていただきます。昨年六月の本会議で、私は、本県スポーツ振興を図る上で、地域スポーツクラブの振興の重要性を申し上げるとともに、地域スポーツクラブに対する評価制度の必要性を訴えたのであります。その結果、平成九年度当初予算において、地域スポーツクラブの認定のための予算が措置されました。しかしながら、どういった基準で地域スポーツクラブの認定をするのか、さらに、認定後の評価制度、すなわち、認定を受けることによって、その団体、その団体に所属する子供たち及びその団体の指導者に対する具体的な評価システムをどう確立していくかということが重要な問題なのであります。私が役員をしておりますシニア・リトルリーグの子供が全日本選抜に選ばれ、台湾に遠征することになりました。その旨、その子供の中学校の校長に話しに行きましたところ、「そんな優秀な子供がうちの学校におりましたか。」と驚いておられました。学校教育の中では、地域スポーツクラブで活躍する子供の把握が十分にできていないと思われます。地域スポーツクラブで活躍する子供たちが、高校進学の際の、いわゆる内申書で適正な評価を受ける、ボランティアで頑張っておられる指導者の方々が社会的に評価される、そういったシステムづくりが地域スポーツクラブの振興、ひいては本県スポーツ全体の振興に寄与するものと思うのであります。そこで、地域スポーツクラブの認定についての現在の取り組み状況と、今後どう展開される方針なのか、教育長の御所見をお伺いしたいのであります。  質問の第六は、行政委員会の委員の人選についてであります。県の教育委員会、公安委員会、人事委員会は、行政委員会として県知事から独立した組織となっておりますが、その委員の選任は県知事が行うものとなっております。私は、これらの委員の方々の年齢構成を調べてみました。この九月一日現在で、最高齢が七十二歳、最年少が五十八歳、平均年齢は六十五・六歳となっており、年齢構成が高齢者に偏っていることがうかがわれます。しかも、委員の方のほとんどは会社の代表や弁護士など、本来の仕事が極めて多忙な方々ばかりであり、また他にも、いろいろな役職につかれている方ばかりであります。これらの行政委員会は、知事から独立した組織として、それぞれの行政分野の執行に当たることとされておりますが、執行の前提として、委員会で多種多様な意見が出され、十分に議論を尽くされていることが必要であります。そこで、私は、委員の選定に当たっては、年齢も考慮し、高齢者に偏らない配慮が必要ではないかと思うのであります。現場で活躍をしておられる若い人の斬新な意見がどんどん出され、委員会で十分議論されれば、行政委員会の運営も今以上に活性化するのではないかと思うのであります。また、本来の仕事が極めて多忙な方や、他に多くの職を兼務している方は、委員会の議論に十分に集中することも難しいと思われます。委員の選定に当たっては、そのあたりも十分に考慮する必要があると思うのであります。そこで、これら行政委員会の委員の選定についてどう考えておられるのか、知事の基本的なお考えをお伺いしたいのであります。  質問の第七は、人事委員会の不服申し立ての審査についてお伺いいたします。地方公務員法では、懲戒処分などの処分を受けた職員は、その処分について不服がある場合、人事委員会に対して不服申し立てをすることができるようになっております。そして、人事委員会は、不服申し立てを受理した場合、迅速に審査し、その審査結果に基づいて処分の承認あるいは取り消しなどの措置をとることとなっております。  さて、自治省が行った全国調査の結果を見ますと、全都道府県の人事委員会に出された不服申し立てのうち、未処理となっている件数は、平成七年度末で約四十九万件に上っているとのことであります。一方、本県の未処理件数は、現在四万八千件余りと聞いており、調査時点がずれてはいるものの、全国の約一割に当たることになります。全国的には、福岡県の十六万件が最も多く、本県は四番目に多いとのことであります。未処理を多く抱える県に共通することは、昭和四十年代あるいは五十年代の教職員の争議行為、いわゆるストライキに対する処分についての不服申し立てが未処理件数のほとんどを占めているとのことであり、本県も例外ではないようであります。ストに参加した教員も相当数となったため、処分も大量になり、これに対する不服申し立ても莫大な数に上ったものと思われます。しかしながら、事情はあるにせよ、不服申し立ての制度は、処分を受けた職員の権利の救済とあわせて、適正な行政運営の確保を図ることを目的としていることから、人事委員会としては制度の趣旨にのっとり、迅速に処理することが求められると考えるのであります。現在、未処理のまま大量に抱えている不服申し立てについてどのように処理されようと考えておられるのか、人事委員会の見解をお伺いしたいのであります。  最後に、厳しい状況のもと、藤田県政が「生活県ひろしま」の確立に向け、行財政システムの改革など時代の趨勢に応じた取り組みに邁進されることを期待いたしまして、私の質問を終わりたいと思います。  御清聴、大変ありがとうございました。(拍手) 36: ◯議長(檜山俊宏君) 当局の答弁を求めます。知事藤田雄山君。         【知事藤田雄山君登壇】 37: ◯知事(藤田雄山君) 箱上議員の御質問にお答えを申し上げます。  まず、一期目の総括と今後の取り組み方針についてのお尋ねがございました。私は、この四年間、二十一世紀に向けた県政の基本方針であります長期総合計画に基づいて、「生活県ひろしま」の基盤づくりに積極的に取り組んでまいりました。一期目を振り返って、その残された課題を総括してみますと、一点目は、本格的な少子・高齢社会に備えた保健・医療・福祉の分野における取り組みや地球的課題に対応した環境対策など、県政の基調となる施策を充実・発展させていくこと、二点目は、広島空港や広島港、福山港など国の内外と人的・物的な交流を促進するための基盤の重点的整備と、広域交流や国際観光の振興などにより、これらを有効に活用する仕組みやソフトを充実させていくこと、三点目は、競争力のある産業の育成に向けた産業構造改革、二十一世紀の本県を支える人材育成のための高校教育改革、新たな視点に立った中山間地域活性化対策を初め、地方分権時代に対応した行財政のシステムづくりなど、一期目に手がけた諸改革を戦略的に推進していくことなどではないかと考えております。  私は、再度、県民の皆様の御支持を得られましたならば、昨日も御答弁申し上げましたとおり、こうした諸課題への対応と、二十一世紀の新たな行政需要に対応できる体力を養うため、財政健全化を初めとする行財政改革を着実に実行いたしますとともに、これまで基調としてまいりました生活者の視点に基づく県政を着実に継続すること、また、本県が中四国地域連携軸における中心的な役割を担い、二十一世紀においても持続的に発展する県とするため、「国内外ともに輝く広島県づくり」と「地域自立のための仕組みづくり」に戦略的に取り組んでいくことを基本方針に、真に豊かで活力ある「生活県ひろしま」の実現に向けて全力を尽くしてまいりたいと考えております。  次に、県と広島市との関係についてのお尋ねがございました。本県の発展を図る上で、広島中枢都市圏の中心都市でございます広島市との連携は、極めて重要であると認識をいたしております。このため、これまでも中枢性の向上に資する各種の施策の展開に当たっては、県と広島市が共同・連携しながら取り組んでまいりました。今後、ますます広域交流が進む中で、広島中枢都市圏が県全体、ひいては中四国全域の発展を牽引していくためには、広島港、指定都市高速道路などの大規模な基盤整備や大規模未利用地の活用を初め、広域的視野に立った中四国地域連携軸構想の推進など、県と広島市が共同して積極的に取り組んでいく必要がございます。こうした取り組みにより、中四国地方においてさらなる中枢拠点性の発揮ができる高度な都市機能の充実を目指し、より一層、広島市との十分な連携に努めてまいりたいと考えております。  次に、臍帯血移植についてお尋ねがございました。臍帯血移植は、提供者への負担がなく、骨髄移植の場合よりも適合する割合が高いなど、将来的には骨髄移植を補完するものとして可能性を秘めた治療方法と期待されております。このため、神奈川や近畿地区、東海大学などにおいて、医療機関を中心に臍帯血バンクが設置され、移植に向けての環境づくりが行われております。こうした状況を踏まえ、本年三月に骨髄バンク推進連絡協議会を開催し、専門医を招いて臍帯血移植の現状や今後の動向について説明を伺うとともに、他地域における先行事例の調査をしてまいりました。その結果、臍帯血移植の症例数は十八例と少なく、また、安全に移植を行うためには臍帯血の採取、保存について検討すべき技術的課題が残っており、まだ試験研究段階であると認識しております。しかしながら、臍帯血移植は今後期待されていることから、国においても、臍帯血移植の有効性や安全性について研究が行われているところであります。このような現状に対応するため、引き続き、国の研究情報の把握に努めるとともに、新たに骨髄バンク推進連絡協議会の中に、専門家を中心とした検討班を設置し、臍帯血バンクの有効性や可能性について具体的な検討を始めてまいりたいと存じます。  次に、大久野島毒ガス関連施設の史跡指定についてのお尋ねがございました。大久野島の国の史跡指定につきましては、文化庁が実施をしています近代遺跡調査事業の中で調査の対象とされる必要がございます。この近代遺跡調査は、明治以降、第二次世界大戦までの政治、経済、社会、文化など、あらゆる分野における重要な遺跡が対象になり、このうち大久野島は政治分野のうちの軍事に関する遺跡に該当するとされております。文化庁のスケジュールでは、軍事に関する遺跡については、平成十年度に都道府県から提出されたリストをもとに所在調査を始め、対象遺跡を選定し、平成十三年度から詳細の調査を実施した上、平成十五年度に報告書を作成する予定と伺っております。現在、教育委員会において、平成十年度のリスト提出に向けて関連資料の収集に努めているところであります。また、文化庁に対して調査対象とされるよう、今後とも引き続き、機会をとらえて要望を行ってまいりたいと考えております。  次に、行政委員会の委員の人選についてのお尋ねがございました。行政委員会の委員の人選につきましては、各委員会の所掌事務や選任の根拠となる法令の定めを考慮した上で、幅広く県内の各方面で御活躍中の皆様の中から、豊富な経験と見識をお持ちの方々にお願いをしているところでございます。御指摘のとおり、委員も各分野で御活躍中でございますが、県政のため、それぞれ貴重な時間を割いて活発な議論をいただいていると伺っております。これまでも、委員会のために十分な時間を割いていただけるかどうかといったことや、委員の在任が余りにも長期にわたらないよう、内部的な目安を定めて人選を進めてまいりました。御提案のありました幅広い年齢構成といった面も考慮しながら、今後とも適正な人選を進めてまいりたいと考えております。  その他の御質問につきましては、担当説明員より答弁いたさせます。 38: ◯議長(檜山俊宏君) 福祉保健部長谷口 隆君。         【福祉保健部長谷口 隆君登壇】 39: ◯福祉保健部長(谷口 隆君) 三点、御答弁申し上げます。  まず、中山間地域の医師の確保についてでございます。御指摘のように、医師の高齢化や後継者不足等によりまして、中山間地域におきます医療の確保は、本県にとりまして大きな課題でございます。このため、本年四月には県地域保健対策協議会に中山間地域医療対策特別委員会が設置をされ、精力的に御検討をいただいているところでございます。この委員会では、長年、僻地医療の現場で取り組んでこられた医療関係者のほかに、医師会や広島大学医学部、市町村、保健、福祉の関係者にも御参加をいただきまして、実践者の立場から中山間地域の医療の確保についての共通の問題意識をまとめ、総合的な医療対策を御検討いただいているところであり、近く御報告をいただくことになっております。また、御指摘のありました後継者対策を初めとする中山間地域における医師の確保対策につきましても、この委員会におきまして、勤務環境の改善や人材のあっせん対策として中山間地域医療人材バンクの設置、学会への出席等のための代診医の派遣などのほか、情報通信技術の活用などが協議されているところでございます。中山間地域における医療の確保は、地域の発展のための重要な要素であり、この報告書の御意見を尊重しながら、その具体化のための検討を早急に、かつ、着実に進めてまいりたいと考えております。なお、医師確保の環境づくりの第一歩として、本年十月から、僻地勤務で問題となる情報不足に対応いたしますため、インターネットを利用して多様な情報提供を図るとともに、情報交換の機会を提供することといたしております。  次に、がんセンターの整備に伴います県立広島病院のあり方についてでございます。一般的に、高度専門医療につきましては、医療提供の効率性を高め、多様な医療ニーズに的確に対処できますよう、医療機関相互が積極的に連携をし、適切な機能分担を図っていくことが極めて重要であると言われております。現在、がんセンターの整備について検討をお願いしている整備推進委員会においても、既にがん診療を実施している他の医療機関との機能分担や連携の視点を含め、がんセンターの機能、規模について議論をしていただいているところであり、県立広島病院についても、今後、こうした議論を踏まえた上で、がんセンターとの連携や病院機能のあり方について検討してまいります。  次に、脳血管障害等による身体障害者の障害程度の認定についてでございます。脳血管障害により、身体に障害が残る人は年々増加をし、その症状も多様化しております。その機能障害は、発症後、ほぼ六カ月経過後に固定するのが通常とされておりますことから、身体障害者手帳の交付のための障害程度の認定も、原則として発病六カ月後に行うこととしているところでございます。しかしながら、近年の診断技術の進歩によりまして、六カ月未満であっても、症状固定時の障害程度の判断が可能な場合もありますので、そのような場合には、その時点で障害程度の認定を行っている事例もございます。原則として三カ月経過すれば認定すべきとの御提案でございますが、障害程度認定の指標の一つでございます日常生活上の動作能力に着目をいたしますと、リハビリテーションによって回復する期間は、脳血管障害の症状によってかなり幅がありますことから、一律に三カ月という短期間ではその判定が難しいケースが多いものと見込まれます。したがいまして、脳血管障害による障害程度の認定に際しましては、六カ月経過後の判定を原則としながらも、特に重度の障害が見込まれる人などへの福祉にも配慮いたしまして、三カ月経過の時点であっても症状固定時の障害程度の判定が可能と見られるケースにつきましては、その時点で審査医の判断を仰ぎ、判定を行うなど、より一層柔軟に対応してまいります。以上でございます。 40: ◯議長(檜山俊宏君) 教育長木曽 功君。         【教育長木曽 功君登壇】 41: ◯教育長(木曽 功君) まず、平和公園レストハウス解体問題についての御質問にお答えいたします。広島市平和公園内にあるレストハウスにつきましては、所有者である広島市と文化庁がその取り扱いについて協議した結果、文化庁から、現在の建物を解体しないで、保存し活用するための補強・修復を行うことは可能であるという意向が示されたと聞いております。この問題につきましては、あくまで、レストハウスの所有者である広島市が最終的判断をされる問題であると考えております。レストハウスが、文化遺産の保護を徹底するため、その周囲に設けられたバッファーゾーンの中にある被爆建物であることから、その趣旨に沿って処理されるものと考えており、広島市が文化庁との協議結果を踏まえて適切な処理をされるよう見守りたいと考えております。  次に、地域スポーツクラブの振興についての御質問でございます。地域スポーツクラブの認定につきましては、その実施に向け、現在、各市町村やスポーツ関係団体を通じて、児童生徒を対象とした地域スポーツクラブの実態調査を行っているところでございます。認定の基準や認定を受けたスポーツクラブに対する各種の事業につきましては、実態調査を踏まえ、また、広くスポーツ関係者の御意見をお聞きしながら、今後策定し、実施してまいりたいと考えております。各種事業といたしましては、地域スポーツクラブでの活動を希望される方に対する認定クラブの紹介、クラブの指導者に対する研修機会の提供や、クラブやその指導者の表彰などを計画しております。  なお、御指摘のように、児童生徒の学校外でのスポーツ活動などを学校において適切に評価し、これを学校教育における指導に生かすことは重要なことであると認識しております。教育委員会といたしましては、今後とも、このような取り組みを通じて地域スポーツの振興に努めてまいりたいと考えております。 42: ◯議長(檜山俊宏君) 人事委員会事務局長河野二六夫君。         【人事委員会事務局長河野二六夫君登壇】 43: ◯人事委員会事務局長(河野二六夫君) 人事委員会に対する不服申し立ての審査について御答弁申し上げます。  当人事委員会が受理しました地方公務員法による不服申し立て事案のうち、現在も係属中のものは四万八千三百七十九件で、全国的に見ても多くの件数を抱えております。その大半は、昭和五十年代に行われた争議行為に参加した職員が、戒告等の懲戒処分を受け、その処分に対し、不服申し立てが提起されたもので、それが大量に累積しているものでございます。これらの事案は、争点を明らかにするために求めました書類の提出がなされないなどの事情により、審査が中断をしております。この制度の趣旨からして決して好ましい状態ではなく、早急に処理を進める必要があると考えております。これらの事案は、件数が膨大であるだけでなく、受理してからかなりの期間を経過し、退職や配置がえなどによって不服申し立て人の所在等の特定が難しい状況もあります。そこで、現在、個人別リストの整備などを電算処理を活用しながら急いでいるところであります。これらの作業が完了次第、不服申し立て人の方々の意思を確かめながら、できる限り早く処理できますよう努力してまいりたいと考えております。 44: ◯箱上恵吾君 議長……。 45: ◯議長(檜山俊宏君) 再質問を許します。箱上恵吾君。 46: ◯箱上恵吾君 皆さん方のお許しをいただきまして、再質問をいたします。  私は前半、広島県と広島市の連携について質問をさせていただきました。事務処理上にそごが生じないよう、他の市町村以上に連携・調整が必要である、密接な連携協力関係を確保していただきたい、前半、このように申し上げましたところ、知事から前向きな御答弁をいただきました。その上に立って、私はレストハウス解体問題について再質問をいたします。  先ほど教育長から、このレストハウス解体問題について、文化庁から、現在の建物を解体しないで、保存し活用するための補強・修復を行うことは可能であるという答弁をいただきました。しかしながら、九月二十二日、広島市議会の一般質問におきまして、市長は、文化庁の見解といたしまして、建物に一切手を加えてはならないという意味ではなく、建物を保存・活用するための補強・増改築を行うことが可能である、こう答弁をしておられるわけであります。私は、この補強・修復と補強・増改築というのは根本的に違うと思います。修復は、その原形をとどめて補強、また原形に戻すということであろうというふうに思いますし、増改築は、原形をとどめない改築もあり得るということになるのではないでしょうか。世界の文化遺産及び自然遺産の保護に関する条約から文化庁はそのように答弁をしていると思いますが、修復と増改築ではその意味合いが私は違うと思います。同じ文化庁の見解が、県と広島市とで異なって理解されているようでは、先ほど知事が県と広島市との関係について述べられた県と市との十分な連携もおぼつきません。文化庁の見解は、果たしてどうだったのでしょうか。また、文化庁の見解について県と広島市の認識が異なるようであれば、私は、県は広島市に対し、同一の認識になるよう働きかけるべきであると考えますが、教育長に再度お伺いしたいのであります。 47: ◯議長(檜山俊宏君) 当局の答弁を求めます。教育長木曽 功君。         【教育長木曽 功君登壇】 48: ◯教育長(木曽 功君) 文化庁の見解は、世界遺産の趣旨を踏まえて、保存・活用する方向で、補強・修復といった意味の範囲内での増改築はあり得るということであると理解しております。そういうことでございますので、基本的認識のそごはないと考えている次第でございます。 49: ◯議長(檜山俊宏君) 明日も引き続いて質問を行います。明日は午前十時三十分から会議を開きます。  本日はこれをもって散会いたします。         午後二時五十五分散会 発言が指定されていません。 広島県議会 ↑ 本文の先頭へ...