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  1. 広島県議会 1994-12-03
    平成6年12月定例会(第3日) 本文


    取得元: 広島県議会公式サイト
    最終取得日: 2023-06-05
    トップページ 検索結果一覧 使い方の説明 (新しいウィンドウで開きます) 平成6年12月定例会(第3日) 本文 1994-12-13 文書発言の移動 文書 前へ 次へ 発言 前へ 次へ ヒット発言 前へ 次へ 文字サイズ・別画面表示ツール 文字サイズ 大きく 標準 小さく ツール 印刷用ページ(新しいウィンドウで開きます) 別窓表示(新しいウィンドウで開きます) ダウンロード 表ズレ修正 表示形式切り替え 発言単文選択全文表示を切り替え 単文表示 選択表示 全文表示 発言者表示切り替え 全 26 発言 / ヒット 0 発言 すべての発言ヒット発言表示切り替え すべての発言 ヒット発言 選択表示を実行・チェックの一括変更 選択表示 すべて選択 すべて解除 発言者一覧 選択 1 : ◯議長檜山俊宏君) 選択 2 : ◯議長檜山俊宏君) 選択 3 : ◯議長檜山俊宏君) 選択 4 : ◯住川征一君 選択 5 : ◯議長檜山俊宏君) 選択 6 : ◯知事藤田雄山君) 選択 7 : ◯議長檜山俊宏君) 選択 8 : ◯都市局長(南 公男君) 選択 9 : ◯議長檜山俊宏君) 選択 10 : ◯ひろしま国体局長皿谷邦彦君) 選択 11 : ◯議長檜山俊宏君) 選択 12 : ◯教育長(寺脇 研君) 選択 13 : ◯議長檜山俊宏君) 選択 14 : ◯警察本部長武居澄男君) 選択 15 : ◯議長檜山俊宏君) 選択 16 : ◯議長檜山俊宏君) 選択 17 : ◯渡壁正徳選択 18 : ◯副議長砂原克行君) 選択 19 : ◯知事藤田雄山君) 選択 20 : ◯副議長砂原克行君) 選択 21 : ◯福祉保健部長中谷比呂樹君) 選択 22 : ◯副議長砂原克行君) 選択 23 : ◯農政部長(町田 博君) 選択 24 : ◯副議長砂原克行君) 選択 25 : ◯教育長(寺脇 研君) 選択 26 : ◯副議長砂原克行君) ↑ 発言者の先頭へ 本文 ↓ 最初のヒットへ (全 0 ヒット) 1:         午前十時三十一分開議 ◯議長檜山俊宏君) 出席議員五十九名であります。これより会議を開きます。  この場合、知事、行政委員会の長並びに説明員の出席を求めるに御異議ありませんか。         【「異議なし」と言う者あり】 2: ◯議長檜山俊宏君) 御異議なしと認めます。よって、直ちに出席を要求いたします。         【知事、行政委員会委員長並びに各説明員出席】              ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~         自第  一 県第八四号議案         至第二十二 報第二〇号 3: ◯議長檜山俊宏君) これより日程に入ります。日程第一、県第八四号議案 平成六年度広島県一般会計補正予算から日程第二十二、報第二〇号 損害賠償額の決定についてまでの各案を一括上程議題といたします。  昨日に引き続いて質問を行います。住川征一君。         【住川征一君登壇】 4: ◯住川征一君 皆さん、おはようございます。(「おはようございます」と言う者あり)民主クラブ議員会の住川でございます。任期四年も、あとわずかとなりました、この十二月定例会に質問の機会を与えていただきました関係各位に心からお礼を申し上げます。私は、「広島県の活力」と「県民がそれぞれひとしく潤いのある豊かな生活」を二つの柱として、地域、議会で活動をしてまいりました。総決算のときでもございますので、この二点を中心に質問をさせていただきたいと思います。  「活力」の部分で申し上げますと、昨日もいろいろと論議がございました。イベントの開催で県の活力を生み出す、そのよい例が、本年十月に開催されました第十二回広島アジア競技大会でございます。初めての首都圏以外での開催にもかかわらず、アジアの皆様と県民の温かみのある交流で、一部課題は残しましたけれども、成功のうちに終えることができました。各国参加の選手数を東京オリンピックと比較をいたしましても、このアジア大会は大きく上回り、日本における最大級の国際大会となったわけであります。大会関係者の皆様の御努力に敬意を表したいと存じます。  さて、ポスト・アジア大会として広島県は、来年五月に天皇・皇后陛下をお迎えして第四十六回全国植樹祭、また、平成八年には第五十一回国民体育大会が開催されることになっております。地域の活性化に欠くことのできない全国規模の大きなイベントが既に決定をされ、これの実施に向けて着々と準備が進められております。県民の活力、地域づくりに大いに期待をしているところでございますが、まず、知事に、この種のイベントに向けての県の台所事情、つまり財政についてお尋ねをいたします。竹下前知事の時代に、箱物、公共事業として費用のかさむ建築物や県下の主要道路などについて平成元年から平成五年にかけて積極的に取り組み、県内の高速自動車道である中国自動車道、山陽自動車道、広島浜田線の総延長は三百キロを超え、一時期、全国でも第一位の県内延長距離となりました。さらに、新広島空港、県立総合体育館、現在建築中の県立美術館は百五十億円を超える大きな事業費となつております。これらを合わせ、まさに広島県の財政状況が苦しいところとなっております。支出額は増加したにもかかわらず、県に入ってくる収入は不景気のために落ち込んでいることから、苦しいときのために積み立てた県の財源も、平成六年度、ことしの当初予算で九百億円余りを取り崩し、平成七年度では取り崩す財源さえなくなっているのであります。知事がこの十月末に各部局に示された来年度の新規・重点事業枠は百億円と言われております。これの内容と新年度の予算編成方針についてお伺いするわけでございますが、財政が苦しいということで、まさか県民が期待をしている県の活力を生み出すいろいろな事業、さらには、教育や福祉の大切な部門が削減されるのではないかと不安に思っております。ぜひ積極的な予算編成の方針をお示しをいただきたいと思っております。  さらに、後々のためにということで県が抱えている借金、つまり県債の返済計画についても、御見解をお伺いいたします。  次に、県の発展計画、第三次長期計画が本年度で一区切りとなります。新しく平成七年度からスタートをする第四次広島県長期総合計画の策定を急がなければなりません。この計画についてお尋ねをいたします。前段で申し上げましたように、多額の投資で高速自動車道や大型公共施設の建設など一応のめどがつき、今後は県民一人一人が豊かさを実感できる地域づくりと地域を中心とした対策が強く求められており、新計画の実現に向けて、さらに一層の努力をしなければならないと考えております。新しい計画は、県民に広く徹底をさせるためにも、わかりやすいスローガンと、向こう十年間の具体的かつ実現可能な目標を示すべきと考えますが、この新しい第四次広島県長期総合計画について御所見をお伺いいたします。  質問の第二は、だれもが住みやすい優しい町づくりに向けた公共事業のあり方についてであります。  さて、私は、道路、河川、住宅などの公共事業の執行について、県民に活力と潤いのある配慮が大切になっているのではないかと考えております。少し具体的過ぎるかもしれませんが、例を挙げながらお尋ねをいたします。道路交通網について、まずお尋ねをいたします。高速自動車道ができ、物流の活性化には大きく貢献をいたしておりますが、過疎地におけるバス路線はどうなったのでありましょうか。つい先日も、地方交通機関のなくなる過疎地から大変だというお話も承りました。また、タクシーの運転手さんは、アジア大会のメーン会場でのタクシー乗り場の不便さ、これは旧市内でも同じでございますが、これら公共交通対策のおくれを指摘をされております。県では各市町村と最寄りのインターチェンジを結ぶ、いわゆる三十分道路網の整備を急ぎ、現在では、それがほぼ実現したものと考えております。今後は、県民の生活面からの対策として、日常の生活道路や子供たちや高齢者、障害者が安全で快適に通行できる道路の整備についての全県的な取り組みが必要だと考えております。そこで、生活に密着をした道路交通網と歩行者に配慮した道路整備についてどのように考えておられるのか、お尋ねをいたします。  さて、道路の次は河川でございます。県下の知事管理河川の総延長は三千七百キロに及び、その整備状況は平成五年度末で三四%、大変おくれております。おくれているのを幸いに、今こそ、河川改修について意を払わなければならないと考えております。安佐南区の祇園町の山本川でも、今から六十九年前に大洪水があり、二十四名のとうとい犠牲者が出て、先日、七十年の慰霊祭がございました。私は、当然のことながら、河川は地域の防災、さらには地域住民にとって安心のできる生活のための河川でなければならないと考えておりますが、さきの建設省の公共投資基本計画でも、水と親しみ河川に魚がすみつくということも忘れてはならないごとだと示されております。私の住む安佐南区のビッグアーチに近い奥畑川は、環境庁指定のホタルの里として多くの方々が努力をされ、今では夏の風物詩として市民から親しまれております。中小河川はブロック張りの改修が主に実施をされ、住民が川におりようにもおりることができません。魚やカニがすみにくい工事が今日まで進められてきましたが、都市河川は住民の憩いの場でもありますし、今、安佐南区の安川、奥畑川では、地域の住民が先頭に立って、河川にすむ動植物を昔の姿に返すべく努力をされております。県の河川工事においての動植物への配慮をどのようにお考えか、お尋ねをいたします。
     公共事業執行に関する質問の三点目は、公営住宅対策でございます。広島県は、山地が多く、居住可能面積は県全体の二六%しかございません。持ち家比率も六一%と、全国第三十八位の低位にございます。住宅の不足を補うために、昭和三十年代後半に多くの県営住宅が建設されるなど、戸数を増加させることを中心に取り組まれたため、安佐北区あさひが丘や安佐南区上安のサンハイツなど一部には空き家もございますが、その反面、都市中心部に近い新しい県営住宅は予想を超える入居希望者があるなど、住宅対策の難しさがあらわれています。県は、県営住宅の再生、活用を図り、その適切な水準の維持管理について県営住宅の将来像を検討しなければならない時期だと考えます。当面の課題としては、県営住宅の空き家対策と老朽化の進んだ県営住宅の建てかえだと思いますが、県営住宅の整備方針と、古い県営住宅、特に、新交通が開通し、上安駅近くの建設予定戸数が四百五十戸とも言われている上安県営住宅の整備方針について、都市局長にお尋ねをいたします。  質問の第三は、福祉・保健対策の総合的な推進についてであります。県は、二十一世紀において到来する超高齢化社会に対応するため、先般、老人保健福祉計画を策定され、その目標年度である平成十一年に向けて各種事業を着実に推進をされ、その成果に大いに期待を寄せるものであります。そこで、私は、このような高齢者対策を進めるに当たり、高齢者の方ができるだけ住みなれた地域や家庭で住み続けられるように配慮することが重要であり、そのためには高齢者の方々に対する保健福祉サービスの拡充とあわせて、生活の場である地域社会を基盤として地域住民等の参加と協力を得ながら、保健・医療・福祉の総合的サービスが提供できる包括的介護システムが必要だと考えております。そのよい例が、広島県でも御調郡御調町で幅広く展開をされ、地域の皆様方からは、ぜひ県もこのような福祉対策をという強い要請があるところでございますので、いかがお考えか、お伺いをいたします。  昨日の質問にもございましたが、入院患者の食費負担について、国会で入院治療を受ける患者の食費が各人負担となる健康保険法の一部改正法が施行され、十月から実施をされております。そのため、入院患者のみならず、病気に対する不安を持つ多くの県民から、この制度の画一的な実施に対して不満が出ているのが実態でございます。先日も、生まれて間もない赤ちゃんの食費が幾らかかるのか、赤ちゃんのミルク代が六百円なのかという質問に、病院の事務担当者も大変お困りだと聞いております。新生児の食費、さらに、高齢者の年金生活者で、夫婦が病気で入院されている方など、県で何らかの対応をしなければならないのではないかと考えます。まさに、これこそ全国画一的な制度ではなく、知事が言われている「住みやすい生活県づくり」の柱として対応を検討いただいでもよい問題だと考えております。昨日の竹田議員の質問に大まかにお答えをいただきました。私自身、この食費の問題に絞って、高齢者に対する公費助成のお考えを、再度お尋ねをいたします。  質問の第四は、情報化社会における県の広報広聴活動のあり方でございます。本県においては、平成六年、広報広聴活動の一元化体制をつくることから、「県民だより」を発行している秘書広報課の、テレビ広報番組なども担当している広報部門と県民課の県民の意向や動向を把握する広聴部門を統合し、広報広聴課を設置をされました。情報化社会の先取りとして、それなりの評価はいたしておりますが、県民のニーズをいち早く把握し、県政推進のために、それを反映させていくことが大切でもあります。県の広報広聴活動は、平成六年度で見ると、広報で「県民だより」やテレビ番組など予算額にして約四億円、また、広く聴くという意味での広聴活動は、県政懇談会、県政世論調査などに加え、情報公開や生活センターにおける各種相談業務など予算額約八千万円で、ざっと合計しますと五億円近い事業を実施し、関係人件費を考えると相当額の県の予算を投入されているところでもあります。広報広聴の基本は、開かれた県政、個々の県民や地域ニーズを的確に把握し、効果的な県政を進めるためのものでなくてはならないと考えています。世の中はマルチメディアの言葉に代表されるように、産業活動や日常活動に至るまで高度情報化時代が来ようとしておりますが、広報の柱「県民だより」、テレビなどの放送による県の広報がどの程度県民の期待にこたえているのか、フォローしなければならないと考えます。マルチメディアなどの高度情報化時代に対応する新しい広報広聴システムの確立についての検討をぜひお願いしたいと考えておりますが、御所見をお伺いいたします。  また、各種広聴制度による県民ニーズの把握をし、その結果をどう県政に反映させるのか、あわせて知事の御見解をお伺いいたします。  質問の第五は、教育問題についてであります。寺脇教育長の就任からちょうど一年でございます。文部省からおいでいただいて、この間、今、愛知で大きな問題となり、全国的な話題となっております、いじめによる自殺の問題、広島県ではどう取り組んでおられるのでございましょうか。さらには、文部省の時代に寺脇教育長が手がけたと言われる業者テストの広島県内での一部実施があり、私ども、寺脇教育長の就任一年間を強く期待をし、その成果を求めておりましたが、この一年を振り返り、忌憚のない御所見をまずお伺いをしたいと思います。  続いて、高校教育を中心とした問題について、数点質問をさせていただきます。いわゆる平成の教育改革が今進められ、その柱が生涯学習であることは、よく知られているところであります。その中で、県立高校の果たすべき役割は何なのか、また、県立高校の学科再編のあり方や東広島市に予定をされている新設高校の建設、開校がどのようになっているのか、私なりの考え方を申し述べながら、質問をさせていただきます。高校教育は、だんだんと大学と同じ教育内容と学校運営になっていると言われております。それは、来春、県内で初めて募集をする高陽東高校の総合学科に象徴されていると思うのであります。総合学科は、みずから進んで学ぶ姿勢の中から、好きな教科・科目の単位を取り、望ましい職業観、勤労観を身につけさせた上で、希望をする進路の達成を図る趣旨と聞いております。これは、小学校、中学校の義務教育に対して、生徒みずからの学ぶ姿勢を求める教育が、今後の県立高校教育に大切な要素になるものと思われます。しかし、保護者のほとんどは依然として大学への進学のための学力を身につけさせることを強く望んでおります。学力に重きを置く大多数の保護者と教育や学習の本質を求める県教育委員会の姿勢は、県立高校の、昨日も質問がございました総合選抜制度、さらには、学科再編のあり方にも大きな影響を与えるものと考えますが、学力中心を要望する保護者の意向に総合学科導入はどうこたえているのか、また、県立高校の将来像についてどうお考えなのか、お尋ねをいたします。  次に、今、大学が開かれたものになりつつありますが、高校も、当然のことながら、開かれたものとして、生涯学習の場としても役立つことが必要と考えます。開かれた高校を求めてどうすべきとお考えなのか、お尋ねをいたします。  教育問題の最後は、東広島の新しい高校の建設計画についてお尋ねをいたします。東広島では、高校入学希望者の増加などから高校新設の話が出た後、新設高校のあり方について検討委員会の提言が示されてから早くも二年が経過をしましたが、いまだにその姿が見えてきません。この東広島の新しい高校の建設計画はどうなったのでしょうか。他の地区においては生徒急減期でもありますが、この建設計画について現在の状況と今後の見通しについて教育長にお尋ねをいたします。  質問の第六は、国民体育大会についてであります。県民に大きな感動と国際交流の絶好のチャンスとして第十二回アジア競技大会は成功裏のうちに終えることができました。平成八年の国民体育大会は、昭和二十六年に広島で開催をされてから、まさに四十数年ぶりの地方スポーツ振興の全県的イベントとなります。昭和二十一年に京都で第一回大会が開催されて、各県ごとの開催で二巡目になり、国体の運営についての改善がいろいろと指摘をされております。その主なものは、国体開催についての基本ルールでございます。文部省、日本体育協会、そして主催を希望する広島県の三者が、競技種目、参加人員、競技施設について話し合い、それぞれの立場で、無理のない取り組みでなくてはならないと考えるのでありますが、過去の国体の開催経費を見ると、多いところで、施設、運営費、選手強化費など六百億円を超えるところもございます。中でも施設整備費がその八〇%だとも言われております。平成八年のひろしま国体について主たる事業費として幾ら計上されようとしているのか、全体像について、まずお伺いをいたします。  国体の会場地となる市町村が県下四十二とも言われております。厳しい財政環境の中で地方自治体も大変だと思いますので、市町村に対する県の支援なり、国の補助はどのようになっているのか、あわせてお尋ねをいたします。  施設整備とあわせて、地元選手の強化策も立てなければ、ひろしま国体は盛り上がらないことは当然であります。大会終了後の施設の活用や大会後の各種スポーツの普及と国民生活を豊かにする大会の目的を達成させることを忘れてはならないと考えます。地域に根差した国体の競技種目、競技施設の整備を強く要望をしておきます。  さて、多くの市町村では競技が開催されるということで、市町村教育委員会との連携も大切なことだと考えます。開会式、閉会式の集団演技、競技運営などへ多くの児童生徒や教職員が参加することから、学校教育への支障があるとの懸念もあります。事前の調整が必要と考えますが、どう対応されているのか、お尋ねをいたします。  大会を盛り上げるためには、広島県の選手団の活躍がなくてはなりません。ことしの愛知国体は、天皇杯第十二位、皇后杯第十四位と、昨年とほぼ同じ成績でした。来年の福島国体への期待もありますが、当面する選手強化策についてどのように取り組んでおられるのか、お伺いをいたします。  質問の最後は、地域の安全確保についてであります。年末も押し迫り、恒例のことながら、年末特別警戒など防犯対策が県警本部で取り組まれております。全国各地でけん銃発砲事件が多発し、憂慮すべき状況にあります。本県においても、過去、一般市民が巻き込まれた昭和六十二年の広島駅ホーム、さらには平塚町での発砲事件がございました。県民は、いつ、また広島で起こりはしないかと不安に思っているところでもあります。そこで、県警本部長にけん銃対策についてどのように取り組まれているのか、お尋ねをいたします。  最後に、地域の問題として、警察に期待をする大きな要素として交番・駐在所の活動がございます。県警本部として交番の役割と、その整備方針をどう考えておられるのかお尋ねをし、私の質問を終わらせていただきます。  年の瀬も押し詰まり、新しい年がよい年でありますよう祈念をしながら、終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手) 5: ◯議長檜山俊宏君) 当局の答弁を求めます。知事藤田雄山君。         【知事藤田雄山君登壇】 6: ◯知事藤田雄山君) 住川議員の御質問にお答えを申し上げます。  まず、県財政と新年度予算編成についてのお尋ねがございました。本県は、これまでアジア競技大会を一つの目標として各種施策に積極的に取り組んでまいりました。しかし、この間、経済状況が悪化し、戦後二番目の長期にわたる不況となり、県税収入は平成三年度をピークに六百億円も落ち込み、昭和六十三年度の水準にまで低下しております。このような状況から積立基金の大幅取り崩しを余儀なくされるとともに、県債の増発により対応したところであります。この結果、平成六年度末の県債発行残高は七千億円を超え、特に四年度以降の増発分の償還が始まる九年度には公債費負担が一千億円を超えることが見込まれております。今後の財政運営に当たりましては、県債の発行について事業の重点化などによる総額の抑制、地方交付税による財源措置のある有利な県債の活用を図るなど、できる限り後年度負担を軽減したいと考えております。  次に、このような財政状況の中での七年度予算編成でありますが、新長期総合計画の初年度に当たる重要な年であり、限られた財源を県として戦略的な施策に重点配分し、県の活力を引き出し、発展させるために有効活用してまいります。なお、百億円規模の新規・重点化枠につきましては、昨日も御答弁申し上げましたように、厳しい財政状況の中で、植樹祭や国体開催準備など当面の対策や、「日本一住みやすい生活県」を目指した本県のさらなる発展に必要となる施策に取り組むために設けましたが、具体的には、これからの当初予算の編成の中で決定してまいりたいと考えております。  次に、第四次広島県長期総合計画についてお尋ねがございました。私は、「日本で一番住みやすい生活県ひろしま」を目指して県政運営に当たっておりますが、そのためには、御指摘のとおり、これまで整備してきた社会基盤等を生かしながら、だれもが生活の豊かさや潤いを実感できる活力のある県づくりを進めていく必要があると考えております。こうしたことから、現在策定中の次期長期総合計画におきましては、生活の面では住宅や下水道、生活道路など生活関連基盤のきめ細かな整備を進めること、広域的ケアシステムや文化、生涯学習のネットワーク化などによるサービス提供機能の充実と、それらを通じた活発な交流を推進すること、新たな社会資本や社会基盤等の整備、国内外に向けた情報発信機能の強化などによる本県の拠点性の向上と広域交流圏の形成に努めることなどを盛り込んでいきたいと考えております。さらに、こうした豊かさを支え、生み出していくためには、足腰の強い産業づくりが必要であります。このため、本県社会経済を取り巻く厳しい環境に対応できるよう、産業構造の改革や研究開発、技術革新等の積極的な支援に取り組むこと、農林水産業や流通・観光などのサービス業の活性化に取り組むことなどに努めていく必要があると考えております。こうしたことを基本に、生活と産業が、いわば車の両輪として支え合いながら、躍進する二十一世紀の広島像を打ち出していきたいと考えているところでございます。  次に、生活に密着した道路交通網の整備等についてお尋ねがございました。広島県では、平成五年度から広島県道路整備計画に基づき、高速道路から生活道路に至る一体的な道路ネットワーク──ひろしま交流ネットワークの確立を目指して整備を進めております。御指摘の生活道路につきましては、主要集落と市町村の中心地を結ぶ道路や主要集落と幹線道路を結ぶ道路及びバス路線等八百二十キロメートルを、いわゆる十五分道路として位置づけて、定住ネットワークの確立を図ることとしております。この生活道路の整備につきましては、平成九年度末までに七五%、平成十二年度にはおおむね九〇%の整備を行うこととしております。また、歩行者に配慮した道路整備については、高齢者や障害者の方々も安心して利用できるよう幅が広く段差の少ない歩道の確保に努めるとともに、通学児童等の安全の確保を図るよう通学路の安全点検を実施し、危険な箇所について緊急に整備を行うこととしております。さらに、道路上の障害物となっております電柱を撤去するとともに、電線類の地中化事業や沿道修景美化事業など、良好な景観の創出を進めてまいります。今後とも、幹線道路から生活道路に至る一体的な整備を進めるとともに、沿道の生活環境はもとより、歩きやすさや景観にも配慮した、ゆとりと豊かさが実感できる快適な道路づくりに積極的に取り組んでまいります。  次に、河川工事における動植物への配慮についてのお尋ねがございました。河川工事は洪水による河川のはんらんや高潮から人々の生命や財産を守ることを最大の目的として進めてまいりました。しかし、近年の環境問題に対する関心の高まりを受けて、平成元年度から動植物の生態などに配慮した多自然型川づくりに取り組んでいるところであります。この川づくりは、多様な自然の保全、再生、創出を目指し、瀬や淵を生かすとともに、生き物に優しい川とするため護岸形状を工夫するなど、現在、県内の二十河川で実施をしております。安川につきましても、平成四年度からの二次改修において下流部の約二・八キロメートルの区間では、ブロック張り護岸にかえ、植物の生育が可能な植生ブロックを施工し、また、奥畑川につきましても、地域の実情に応じホタル護岸を施工するなど、自然環境に配慮した川づくりを進めているところでございます。このような環境に視点を置いた川づくりをさらに充実させるため、河川に生息する生物を調査する河川水辺の国勢調査や魚が上りやすいように魚道を設置するなどの事業を引き続き進めていくこととしております。今後も、治水安全度を高める河川整備を進めるとともに、豊かな河川環境を実現するため、御指摘のような動植物に配慮した川づくりに積極的に取り組んでまいりたいと考えております。  次に、保健・医療・福祉の総合的なサービスの提供についてのお尋ねがございました。議員御指摘のように、高齢者が地域で安心して生活するためには、保健福祉サービスの量の拡大や質の向上とあわせて、一人一人の高齢者に保健・医療・福祉のサービスを総合的、継続的に提供できるケアシステムをつくることが大切でございます。既に我が県におきましては、地域住民等の参加と協力を得ながら、病院を中心に地域包括ケアシステムをつくっている事例、町立診療所を中心に保健、福祉部門が一体的にサービスの調整や提供を実施している事例、特別養護老人ホームと町がコンピューターでネットワークを結び、サービスの提供に当たっている事例などの先進的な取り組み例がございます。県といたしましては、これらの事例を参考にしながら、各市町村に対し、それぞれの地域の特性等を生かしたシステムづくりができるよう助言、指導をしてまいります。さらに、特別養護老人ホームや老人保健施設の市町村圏域を越える利用等についての広域調整を図るとともに、在宅介護支援センターの全市町村への設置促進を図るなど、今後とも地域ケアシステムづくりに向けての支援を推進してまいりたいと存じます。  次に、入院患者の食費負担についてお尋ねがございました。昨日も御答弁申し上げましたように、入院時食事療養費については、健康保険法改正の趣旨を尊重し、自己負担をお願いしておりますが、重度障害者、母子家庭、乳児等の方々につきましては特別な福祉的配慮も必要であるとの観点から、障害や疾病で入院している方々への福祉的な援護、母子家庭の方や乳児の医療の確保・充実など、新たな支援策の検討を始めているところであります。同様に、重度障害を持つ高齢者の方々につきましては、福祉的配慮という観点から、新たな支援策の対象とする方向で検討を進めているところでございます。しかしながら、今回の法改正の趣旨が、高齢社会における医療保険制度の長期的かつ安定的な運営と、入院と在宅における費用の負担の公平化などであることから、高齢者に対する入院時食事療養費の一部負担金の助成は困難であると考えておりますので、何とぞ御理解を賜りたいと存じます。  次に、県の広報広聴活動のあり方についてお尋ねがございました。私は、就任以来、県政運営の基本方針として「開かれた県政」を掲げ、県民ニーズを把握し、それを施策に反映させる広聴活動と各施策に関する行政情報を県民に提供する広報活動の充実強化に努めてきたところでございます。具体的には、県外で活躍されている本県ゆかりの方々や地域の女性など県の内外から意見を聞く県政懇談会の開催や実践広報・広聴マニュアルを全職員に配布し、広報広聴活動に対する意識の向上を図るなど、新たな取り組みを進めてきたところでございます。  お尋ねのマルチメディアなどの高度情報化時代に対応する新しい広報広聴システムについてであります。マルチメディアなどの高度情報化への県の取り組みといたしましては、本年度、学識経験者から成る広島県地域情報化研究会を設置し、基礎的な調査、検討を始めたところであります。御指摘のマルチメディアなどを活用した広報広聴システムについては、県の高度情報化の今後の検討の中で勉強してまいりたいと考えております。  次に、県民のニーズを把握し、その結果をどう県政に反映させるのかについてでありますが、県政懇談会などでいただいた意見や県政世論調査の結果は、これまでも部長以上で構成する幹部会議において検討するなど、施策への反映について努めてきたところでありますが、なお一層、努力してまいりたいと存じます。いずれにいたしましても、開かれた県政の推進に向けて、広報広聴課にとどまらず、全庁を挙げた広報広聴活動への積極的な取り組みを積み重ねてまいりたいと考えております。  残余の御質問につきましては、説明員より答弁をさせていただきます。 7: ◯議長檜山俊宏君) 都市局長南 公男君。         【都市局長南 公男君登壇】 8: ◯都市局長(南 公男君) 県営住宅の整備方針についてお答えいたします。  県営住宅の整備につきましては、建てかえ等の長期的な整備計画を策定しております。その計画では、住宅の整備・改善の緊急性や建設後の経過年数を各団地ごとに考慮いたしまして、老朽化した団地の建てかえや統廃合、あるいは規模が小さい住宅の住戸改善など、それぞれの団地の活用計画の方向を定めますとともに、入居者の実態や空き家の発生状況にも配慮しながら、地域的及び住宅種別のアンバランスを解消していくこととしております。  次に、県営上安団地の整備でございますが、当団地は交通の便に恵まれました大規模な団地でもあり、広島市北部での県営住宅の拠点団地の一つとして、周辺団地との統合をも合わせ、目標数といたしまして四百五十戸の公的住宅の建設を予定しております。整備に当たりましては、地形上の制約あるいは関係法令等の諸規制はございますが、土地の高度利用のための高層化や利便施設の整備の問題等も含めまして、周辺の街づくりと調和した計画にいたしたいと考えております。現在、基本構想、基本設計を策定しているところでございますが、引き続き、関係者の御意見をいただきながら、来年度以降、実施設計等具体的な事業に着手してまいりたいと考えております。 9: ◯議長檜山俊宏君) ひろしま国体局長皿谷邦彦君。         【ひろしま国体局長皿谷邦彦君登壇】 10: ◯ひろしま国体局長皿谷邦彦君) 国体の開催経費について御答弁申し上げます。  ひろしま国体は、「簡素で実効ある国体」を目指すことを開催基本方針としております。特に施設整備につきましては、可能な限り新設を控え、既存のものを活用することといたしました。国体で使用する八十六競技施設のうち、新設三十、既設五十一、仮設五となっており、また、将来の施設利用動向を踏まえ、過剰な施設投資を抑制するため民間施設の積極的な活用を検討した結果、十四施設という他県に例を見ないほど多数の民間施設を活用することといたしました。その結果、施設整備費につきましては、アジア競技大会に使用した施設を除く競技施設の整備費が、福山市の屋内競技場プール七十四億円や廿日市市の体育館五十三億円など、整備中のものを含め、概算で三百六十億円となっております。  次に、県の開催運営費につきましては、開閉会式の全体計画や主会場の仮設施設整備計画など現在検討中であり、不確定要素も含んでおりますものの、現時点では、市町村への補助を含め、おおむね八十億円程度になると見込んでおります。選手強化費につきましては、ひろしま国体のための選手強化費補助金が創設されました平成元年度から八年間を合計いたしまして、おおむね二十億円程度になると見込んでおります。したがいまして、開催経費といたしましては、市町村開催運営費を除いて、おおむね四百六十億円程度になる見込みでございます。  次に、市町村に対する県の支援及び国の補助について御答弁申し上げます。市町村施設の整備費約三百二十億円に対し、国及び県の補助金は合わせて約五十億円で、残りは地域総合整備事業債や公園緑地債など市町村の整備事業に対応した起債措置を講じているところであります。また、市町村の開催運営費に対する助成につきましては、先催県の例では、会場地市町村の財政負担の軽減と円滑な大会運営を期するため、県から運営費の一部を交付するなどの助成制度を設けております。本県においても、広島県の実情に即した適切な方法を検討しているところでございます。いずれにいたしましても、多額の県費及び市町村費を必要とするため、市町村と連携を図りながら創意と工夫により節減に努めまして、以後の国体の模範として全国の皆様から評価されるよう努力してまいりたいと考えております。 11: ◯議長檜山俊宏君) 教育長寺脇 研君。         【教育長寺脇 研君登壇】 12: ◯教育長(寺脇 研君) 御答弁申し上げます。  まず、本県教育についての私の所見をお尋ねでございます。昨年末に教育長に就任させていただきまして以来、まず取り組みましたのは、本県の教育の実情把握と課題認識でございます。学校教育、社会教育等の現場に可能な限り出向きまして、校長、教職員等との対話を深めるとともに、各方面の方々から本県教育について積極的に御意見を伺ってまいりました。そうした中で感じましたことは、保護者を初め、県民の皆様方の学校教育に対する関心と期待が極めて大きいことでございます。入試制度の改善を初めとする高校教育改革や学校運営体制の確立、いじめや不登校、中途退学の問題、さらには、先日の業者テストの使用問題など課題が山積しており、これらを解決していくことが県民の皆様の願いにこたえることだと認識しております。しかしながら、それ以前の問題として、市町村教育委員会や学校現場から見て、県教育委員会が十分な信頼を得ていないのではないかと憂慮せざるを得ない状況にあるように存じます。そこで、まず信頼される県教委になることを目指して、教育行政の明確な責任意識の上に、毅然とした姿勢で業務に当たっていくことが肝要と考えております。市町村教委、教育現場と一枚岩の体制をつくり、学校教育上のさまざまな課題を一つずつ着実に解決していくとともに、社会教育、スポーツ、文化などを含め、各分野を通して生涯学習社会の実現に向けて進んでまいる所存でございます。今後とも、県民の方々にわかりやすく教育行政方針を明らかにし、何事も迅速を旨として仕事を進めたいと考えております。今回のいじめの問題や業者テスト問題につきましても、早急に適切な対応を行い、県民の皆様の不安を解消することに全力を尽くす所存でございます。県議会を初め、関係者の皆様方の御支援、御協力を何とぞよろしくお願い申し上げます。  次に、総合学科の導入と県立高校の将来像について御答弁申し上げます。総合学科におきましては、将来の生き方全体までを視野に入れた進路のガイダンスが最も重視をされております。このガイダンスを受けまして、生徒は多様な普通科目や専門科目を自己の進路希望等に基づいて主体的に選択し、自分固有のカリキュラムを編成することができるようになっております。したがいまして、生徒はそれぞれの適性、進路に応じて学習を進めることができます。また、小人数のクラスで学習することが多く、よりきめ細かな授業が行われることにより教科学力も向上し、それらは進学、就職といった自己の進路を実現する助けになるものと考えております。また、総合学科が新しい高校教育のあり方を目指して充実した教育を展開することにより、既存の学校や学科における特色づくりを促す方向ヘ進むものと存じます。その結果、高校教育が全体として生徒の多様な能力、適性等に対応することができるものとなり、生徒一人一人の自己実現が図られる県立高校に変革していくものと確信いたしております。  次に、開かれた高校について御答弁申し上げます。人々が生涯のいつでも自由に学習する機会を得ることができるような生涯学習社会の実現に向けて、学校も大きな役割を担うことが必要でございます。とりわけ高等学校におきましては、今までの後期中等教育機関としての機能のほか、新たに生涯学習を行う場の一つとして地域における教育、文化に一定の役割を果たしていく必要があると考えております。既に一部の学校におきましては、地域の方々のための講座の開設、社会人講師の活用などを行い、学校の門戸を開いておりますが、今後、一部の教科、科目の履修を目的とする社会人等のための単位制の導入などにつきましても検討を行ってまいりたいと考えております。  次に、東広島の新しい高校の建設計画について御答弁申し上げます。新設高校につきましては、平成四年十二月に新設高校整備検討委員会から提言をいただいておりますが、その後の国の制度改正により、総合学科の設置や単位制の導入などが打ち出されており、こうした新たな制度も勘案する必要が出てまいりました。現在、生徒減少期における後期中等教育のあり方を展望し、幅広い視点に立って調査研究を行っているところであり、中長期ビジョンの策定にあわせ、検討してまいりたいと存じます。  次に、国体の学校教育への影響について御答弁申し上げます。御指摘のように、ひろしま国体においては、開閉会式における集団演技を初め、競技会の補助員など、さまざまな形での児童生徒、教職員の参加が予想されます。こうした児童生徒、教職員の参加につきましては、それぞれの学校において授業に影響の生じないように適切な年間指導計画を立てて参加するよう指導してまいりたいと考えております。また、ひろしま国体の開催に向けて多くの教職員がこれにかかわり、競技運営や準備業務等に従事することが予測されますが、校務運営等に支障が生じないよう必要な措置を講じたいと考えております。教育委員会といたしましては、今後とも市町村教育委員会等関係機関と十分連携を図りながら適切な対応に努めてまいりたいと考えております。  国体の選手強化策について御答弁申し上げます。ひろしま国体で活躍が期待できる強化選手の指定、企業クラブへの優秀な選手の受け入れ、また、企業クラブの創設などに取り組んでまいりました。また、競技団体に対しまして、県内合宿や県外遠征を通じて競技力の向上が図られますよう資金面での支援を行ってきたところでございます。今後、これらを再点検し、従来にも増して、より効果的な強化策を講じてまいりたいと考えております。具体的には、国体強化指定選手の一層の強化、日本のトップレベルのコーチによる指導などに重点的に取り組んでまいりたいと存じます。 13: ◯議長檜山俊宏君) 警察本部長武居澄男君。         【警察本部長武居澄男君登壇】 14: ◯警察本部長武居澄男君) 住川議員の御質問にお答えいたします。  まず、けん銃対策でございますが、けん銃問題は、現実には不法所持が拡散している実情から、直接担当の生活安全部門におきましては、ことしの四月、生活保安課に銃器犯罪を専門に担当する室長以下十五名の銃器対策室を設置するなど体制を強化し取り組んでおり、暴力団を担当する刑事部門、右翼を担当する警備部門におきましても、これを最重点課題として取り組んでおります。さらに、地域、交通等の部門におきましても、日常の業務活動の中において常にけん銃摘発を念頭に置いた職務執行をしており、警察の総力を挙げて取り組んでいるところでございます。ことしになりまして、十一月末現在ではございますが、けん銃三十四丁を摘発しており、うち三十丁は真正けん銃でございまして、この真正けん銃の摘発丁数は過去十年間で最高の数となっております。今後におきます対応でございますが、けん銃を使用した犯罪は治安の根幹にかかわる重大な犯罪と認識し、今後とも暴力団関係者を初めとするけん銃不法所持者からの銃器の摘発、あるいは、国内への密輸入を防止するための水際対策として税関等関係機関との連携を強化するなど、県警の総力を挙げて、引き続いて、けん銃使用犯罪の根絶を期する所存であります。  次に、交番の役割及びその整備方針についてのお尋ねでございます。  まず、交番の役割についてでございますが、かつて私が警察署長をやっていた経験から申し上げまして、交番及び駐在所は日本の治安基盤の根底をなす最重要施設であり、拠点であると思います。言葉をかえて申し上げるならば、地域の方々に信頼され、よりどころとなる交番・駐在所があってこそ、日本の治安のよさは保たれてきたと言えるのではないかと考えております。  次に、交番及び駐在所の新設を含めた整備方針でございますが、その地域の人口、世帯数、面積、行政区画及び事件または事故の発生状況、警察拠点の必要性及び警察活動の効率性等を総合的に検討して計画的に整備しております。基本的には、団地造成や駅前開発等による人口の急増地域や事件、事故の増加の著しい地域の整備を強力に進めていくこととしております。とは申しても、過疎化の著しい地域等の治安維持にも万全を期さなければならないことは、当然のことでございます。今後におきましても、県下全般の治安情勢を総合的に検討し、地域住民の皆さんの要望等も勘案しながら、必要な箇所につきましては交番・駐在所の新設、整備を計画的に進めてまいりたいと考えております。  次に、空き交番対策についてでございます。地域の方々の要望をお聞きしますと、要望の強いものの一つには、いつでも交番にお巡りさんがいてほしいというものでございますし、一つには、もっと近所をパトロールしてほしいというものでございます。この二つは、ある意味においては二律背反の事柄でありますが、地域の方々の偽らざる気持ちであろうかと思います。そこで、警察官の増員の難しいこの時代ではございますが、両方の要望に沿うべく警察としては努力してまいりたい。その一つが、警察官OB等によるシルバー人材による交番相談員制度でございます。相談員は、パトロール等で不在中の警察官にかわって地理案内ですとか、各種の相談業務等を行うものでございまして、現在では十の交番において活躍しており、地域の方々からも高い評価を受けております。これからも関係方面の御理解を得て、不在がちな交番を対象としてシルバー人材の確保に努めていく所存でございます。また、人が確保できない場合であっても、テレビ電話システムを導入しているところでもございます。このシステムは勤務員が不在中に交番を訪れた方々の対応をテレビ画面を通じて本署の警察官が行うものであります。このほかにも、電話の不在転送装置ですとか、ファクスの設置等の対策も関係方面の御理解を得ながら整備しているところでございます。いずれにいたしましても、交番・駐在所は治安の原点であります。これからも、地域の生活安全の中核となるセンターとして位置づけ、地域の方々に信頼されるよう努力してまいる所存でございます。 15: ◯議長檜山俊宏君) この際、暫時休憩いたします。午後の会議は二時から開きます。         午前十一時三十九分休憩              ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~         午後二時一分開議 16: ◯議長檜山俊宏君) 出席議員六十名であります。休憩前に引き続き会議を開きます。  引き続いて質問を行います。渡壁正徳君。         【渡壁正徳君登壇】 17: ◯渡壁正徳君 日本社会党広島県議会議員団の渡壁でございます。議員団を代表して、当面する県政の重要課題について幾つか御質問を申し上げます。知事並びに関係当局の積極的な御答弁をお願いいたします。  さて、激動の年、一九九四年も、やがて幕を閉じようとしています。国際的には、東西の対立から対話、協調の時代へと大きく変わり、国内にあっては、経済的にはバルブの崩壊、産業の空洞化、景気の長期低迷が続き、また、政治的には五五年体制が終焉し、新連立時代を迎え、この一年の間に総理が三人も交代するという、戦後例を見ない激変の年でありました。今、政界再編など政治的には不透明、不安定の状況の中で年を越そうとしております。この間、藤田知事は、就任後一年を経過され、着実に日本一住みやすい広島県づくりへと意欲を燃やされているところであります。この一年で、将来にわたって記念すべき事業は、何といっても、第十二回アジア競技大会であったと言えます。この大会は、平和都市・広島の地での国際イベントであり、アジアの若人が相集い、国際親善への貢献のため、ヒロシマの願いを普遍化し、平和への願いを共有し、いまだいえないアジア諸国の人々との心の交流と相互理解を深め、国際友好親善に大きく寄与いたしました。また、直接的には、県民のスポーツについての関心が高まり、スポーツ人口の拡大に役立ったことは、言うまでもないことであります。さらに、各種競技施設、交通などを含め社会基盤の整備が進み、生活環境の確保にも大きな財産を築くことができました。大会は、平和のとうとさを実感する大会、温かみのある大会、最良の環境での正確な大会の三つを運営の課題として、組織委員会を中心に準備万端、成功に向けてあらゆる努力が重ねられました。参加国・地域は実に四十二、参加選手・役員数は六千八百名に及び、大会史上最大の規模でありました。地方都市では初めての開催ということで、スタッフ、宿泊施設、交通整理、通訳の確保など困難な事情はありましたが、それを乗り越えて大会成功に到達しました。ここで見逃してならないのは、多くのボランティアや一館一国運動、ホームステイなど全県民の支援体制にしっかり支えられた大会であったことであります。県民の心にアジアの人々との友情が長く刻まれ、開かれた広島県づくりに多大の貢献をしたものと高く評価し、改めて関係者の御努力と熱意に心からの敬意を表するものであります。知事は、この大会から学んだこと、反省すべき点を、これからの県政に組み入れていただきたいと思います。特にアジアの国々が、かつて我が国の植民地支配や侵略による多大の被害を受け、今日なお、その傷がいやされていない状況にあって、アジア大会を契機に、県並びに全市町村、民間団体も含め、広くアジアとの平和と親善を推し進めなければならないと思うのであります。  そこで、まずお伺いしたいのは、アジアに対する今後の貢献策についてであります。とりわけ、戦後五十周年を迎える今、広島県としてアジアへの貢献の施策をどのように展開されようとしているのか、具体的な貢献策についてお伺いいたします。例えば、各分野にわたるアジアの留学生の招聘を従前以上に大規模に行われることを提言したいのでありますが、知事の英断を期待するものであります。  次に、平和政策、特に被爆者援護問題についてお尋ねいたします。被爆県民の一貫した願いであった国家補償に基づく被爆者援護法は、国家補償が明記されないものとなり、広島として断じて譲ることのできない原爆投下の国際法違反と、その遠因である戦争責任を認めない結果となりました。そして、特別葬祭給付金、いわゆる弔慰金の支給についても被爆者健康手帳所持者に限定するなど、極めて問題のある内容であります。被爆者団体が挙げて強く不満の意を表明したことは、容易に理解されることであります。国家補償に基づく真の被爆者援護法制定に向けた知事の一層の努力を要請するものであります。また、老人保健施設入所被爆者には重い負担が続いているなど、各種施設利用者間の不公平性の問題、被爆者の心の不安である被爆二世、三世の健康管理の問題、黒い雨地域の拡大の問題、そして高齢化など、被爆者援護の問題は山積しています。これらの被爆者援護の基本認識と今後の対応につきまして知事の見解をお伺いいたします。  また、先日、我が党は、呉空襲被災調査団を呉市に派遣し、呉市当局や被災者のお話をつぶさにお聞かせいただいたところです。そして、呉地域や福山地域の空襲を初め、一般戦災の事実や一般戦災者の詳細な実態が正確に把握されていないことが判明いたしました。知事は、この一般戦災の事実調査や一般戦災者の実態調査についてどのように取り組まれるのか、お考えをお聞かせいただきたいと思います。  質問の第三は、来年度予算編成方針についてであります。知事は、来年度予算編成に当たって、来年度は二十一世紀を見通した新長期総合計画の初年度となる重要な年度であると位置づけておられます。一方、本県財政は、自主財源である県税収入が三年連続して減少し、来年度も好転は見込めないこと、地方交付税も増収が見込めないこと、調整財源である基金も底をついていることなど、極めて深刻な状況が予測されることから、施策の重点化や計画的な推進、徹底した経費の節減合理化を進めることとされております。また、このことを基本に予算要求基準と歳入歳出に関する留意事項を定めているわけであります。  そこで、お伺いしたいことの第一点は、県税や地方交付税の増収が見込めない要因の認識についてであります。知事は、長期にわたる景気の低迷や円高の影響による企業収益の悪化と説明しておられます。私は、それに加えて、経済の国際化、空洞化という従来にない構造的な要因をも含んでいると考えるものでありますが、御見解をお伺いいたします。  第二点は、もし、そうであるとすれば、今日のような厳しい財政状況は、さらに相当長期にわたって続くものと覚悟しておかなければなりません。その意味で、歳入を増加させるための抜本的、技術的施策を含む、長期にわたる財政計画を持って予算編成を行うことが極めて重要と考えます。地方自治体として一定の限界があることは承知しておりますが、しかし、第一次、第二次及び第三次産業の本県への立地が国際競争に耐え得るような基盤整備に努め、歳入低下をもたらす構造的要因を克服するために自治体なりに目的意識を持って努力することが求められていると考えますが、知事の御所見をお聞かせください。  第三に、各部局の予算要求基準の設定、新規及び重点施策に係る特別枠の確保方針については、それなりの意義を認めるものでありますが、事務的、画一的に過ぎると、戦略的施策まで切り捨てられる危険性をはらんでおります。何を育て、何を抑制しようとしているのか、将来の姿が見える指針をお示しいただきたいのであります。  質問の第四は、医療、病院にかかわる課題についてであります。  その第一は、小児医療の充実についてであります。子供たちが激減している、いわゆる少子化問題は、出生率が既に一・五を割り、日本の将来に深刻な影を落としつつあります。しかし、少子化を克服し、健全なる社会発展を実現する一連の子育て支援政策は、目的意識や子育てが楽しい社会づくりへの具体的施策を持って実行されているとは言えない現状にあります。その最たるものが小児医療、未熟児医療だと言えます。そんな中で、広島県は時代を先取りして、平成八年度オープン予定の県立広島病院母子総合医療センターを平成七年以降の早い時期に前倒ししてオープンできるよう整備することを明らかにされました。その御努力に心から敬意を表したいと思います。このセンターは、産科センター及び未熟児センターとして整備されるものですが、県内のこの医療分野における中核的施設となるよう、今後さらに充実整備されることを強く要請しておきます。         【議長退席、副議長着席】  そこで、小児の中でも、特に未熟児医療に紋ってお伺いいたします。近年、未熟児の出生が増加傾向にあります。重度の未熟児の場合には医療機関のきめ細かい手当てが必要とされ、未熟児一人に看護婦一人が必要とさえ言われています。ところが、県内では、未熟児を受け入れている病院は県立広島病院、広島市民病院、呉共済病院、国立呉病院、尾道総合病院のほぼ五つの医療機関に限定されています。民間の経営する病院では、未熟児を受け入れてくれるところは、現在、ほとんどないというのが実情でございます。なぜ民間病院で未熟児医療を実施しないのか、それは人手と金がかかり過ぎて、とても採算が合わないからです。現在、未熟児を受け入れている公的病院でさえも、いつまで続けられるかわからないというところもあります。県内で現に生まれてくる未熟児を現在のベッド数では対応できないという現状は、非常に深刻です。少子化が大きな社会問題となっている今日、この世に生を与えられた子供たちを健全に育てることは、現在に生きる私たちの共同の責務であり、未来への大切な義務ではないでしょうか。民間病院でも積極的に未熟児の受け入れができるよう、医療制度の改革とあわせ、県としても何らかの支援策を打ち出すべきであると私は考えます。未熟児医療の現況と専門医療機関やベッド等の整備について具体的にどのような施策を考えておられるのか、お伺いいたします。  第二は、付添看護や介護のための人員の確保についてであります。我が国は、今、世界に例を見ない勢いで高齢化が進み、二〇二五年には高齢化率が二五%に達し、この状況は出生率の低下と相まって二〇四五年ごろまでさらに進行すると予想されています。高齢化が在宅医療や介護体制の一層の充実を要求するのは当然のことでございます。ところで、さきに平成六年度の中央社会保険医療協議会の小委員会決定が厚生大臣に提出されました。その中で、患者家族の負担を伴う付添看護・介護を原則として平成七年度をもって禁止するという内容の答申がされました。これまで、お年寄りを抱え、やむなく入院を余儀なくされ、長期にわたって家族の付添看護を必要とするとき、家族だけでその対応ができないケースが少なくなかったわけであります。現に、本県内でも付添看護を家政婦協会等にお願いしておられる入院患者は約一千五百名に上っております。しかし、今回の法改正によって、これらの付添看護は病院の責任で提供することとされました。病院側の付添看護や介護に対する人員確保など受け入れ態勢の現況と整備見通し並びに県の基本的な対応策をお伺いいたします。  質問の第五は、障害者対策についてであります。  まず、作業所における重度障害者対策についてお伺いいたします。国において、昨年十二月、心身障害者対策基本法が障害者基本法に改正されました。そして、その基本的理念として、すべて障害者は社会を構成する一員として社会、経済、文化、その他あらゆる分野の活動に参加する機会を与えられるものとするということが加えられました。これを受けて、本県でも去る十月、障害者に関する第二次広島県長期行動計画が策定され、ノーマライゼーションの推進のための具体的方策を示されました。障害者の重度化、重複化や高齢障害者の増加、また、難病疾患の拡大などの傾向が見られる中でのいち早い取り組みを評価するものでありますが、その施策の具体化と計画的実行を強く求めるものであります。このたび、私は、福山市内の作業所を訪問し、その実情をつぶさに調査いたしました。二十名の障害者のうち、重度の障害者が十三名に及びますが、指導員はわずか五人で、十分な対応ができないのが実情であります。しかし、障害者一人当たり月額三万六千円の補助金では、到底、これ以上の指導員の増員はできません。軽度の障害者の場合、不十分ではありますが、行く職場も、作業所も、授産施設も、ある程度あります。しかし、重度障害者はほとんど家に取り残されているのが実情です。そうした障害者とその保護者が、何とか家に閉じ込められずに、少しでも社会性を求め、生きがいのある生活をしたいと切望するのは当然の要求であり、基本法のねらいもそこにあります。私は、重度障害者を受け入れている作業所にこそ、行政の光を行き届かせる施策が最も必要だと考えます。障害者を雇用する企業への支援・助成があるように、こうした作業所についても特別の支援・助成が必要であり、とりわけ重度障害者への特別の加算措置が講じられるべきであると考えます。知事の御所見をお伺いいたします。  さらに、障害者に対するデイサービスには県内各自治体間でばらつきが見られるのが実情であります。障害者のデイサービスの現状と自治体間の格差是正を含めた県当局の今後の対応方針についてもお伺いいたします。  質問の第六は、農業・農村問題についてであります。  その第一は、広島県の農業の再構築、農村活性化施策についてであります。今、農業をめぐる情勢は、経済の長期低迷や食糧消費の伸び悩みに加え、円高・市場開放による輸入農産物の増大、さらには、昨年十二月のガット・ウルグアイ・ラウンド農業合意と今秋からの実施など、一段と厳しさを増し、新たな農政の展開が求められております。とりわけ、第二次、第三次産業以上に農畜産物や林産物の国外生産、逆輸入が増大し、国内農林業などの空洞化は深刻です。さらに、日本農業と農村の現状は、過疎化と高齢化が進み、あわせて、農畜産物、木材等の価格が低迷する中で、後継者が育たず、農家の生産意欲は著しく減退していると言えます。減反等による耕作放棄地もふえ、圃場整備した田畑さえ荒らされており、乏しい年金の中から圃場整備の負担金を償還している農家も少なくありません。このような中で、政府は、農業再建のために来年度から六兆円余の予算を計上することとし、地方自治体にも一兆二千億円の予算計上を求めてきております。まさに、これは日本農業再建のための最後の機会と言っても過言ではないと私は思います。逼迫する世界の食糧事情、国土・県土の保全、農村活性化など、どの観点から見ても農業再建、食糧の国内確保は、日本の将来、広島県の将来にとって最も重要な課題だと思うのであります。そこで、お伺いいたします。国際競争に耐え得る近代的農業の姿を知事はどのように描いておられるのか、また、そのような農業確立のための課題は何か、この際、明らかにしていただきたいのであります。  あわせて、県の達成目標と、その取り組みの現状についてお伺いいたします。  さらに、農地や農業・農村社会を維持する当面の措置として、農地や農作業の受委託、機械化センターの設立が進められていますが、さらなる支援策の確立と具体的施策についてお伺いいたします。  第二点は、干ばつ対策についてであります。この夏の渇水・干ばつは、果樹や稲などの農作物にも多大の被害をもたらしました。被災農家の皆様に改めて心よりお見舞い申し上げます。当面の対策として農業用水確保のための井戸の掘削やポンプの設置等に対して補助金が支給されることとなりましたが、事業費が高く、各農家や自治体の負担は重くなっています。今後、このたびの教訓を生かし、将来にわたって安定的に農業用水を確保するため、ため池、水路等の整備が必要となります。そのためには、特に中山間地域を対象とした小規模の整備事業に係る補助枠の拡大など、県の積極的な支援が望まれるところです。特に改修が非常におくれている農業用ため池の整備は重要な課題で、県独自の対応が農家や県内市町村から切望されています。そこで、県の今後の取り組み方針について具体的にお聞かせください。  農業に関する質問の第三は、農協の健全な運営についてであります。御承知のとおり、農協は、農業が他産業に比ベ零細な生産構造にあることから、農業者が力を合わせ、協力して、みずからの経済的、社会的地位の向上を図るためにつくられた相互扶助の組織であり、組合員のために最大限の奉仕をすることが目的とされております。しかしながら、農協は若年労働者の流出、農地の転用増加、農産物の市場開放などの情勢変化に対応できず、苦しい経営を余儀なくされるようになり、みずからの経営安定を優先させる余り、農業不在、農民不在と言われるような事態に至っております。今回のJA広島安佐農協の不祥事も、いわば、この延長線上で起きた事件ではないかと考えられます。しかし、日本農業再建のためには、農協が時代に即応して一定の役割を担うことが不可欠と私は考えるのであります。この際、農協が原点に立ち返り、地域農業の活性化を柱とする営農指導などの事業展開を強化することが重要と考えます。今後の農協に対する指導方針、農協の進むべき方向についてどのように考えておられるのか、お伺いいたします。  質問の第七は、教育問題についてであります。  その第一は、公立中学校の業者テスト実施問題についてであります。偏差値教育を助長するとして文部省が廃止を決定し、県教育委員会も一昨年から実施を禁止していた業者テストが、県内九つの公立中学校で実施されていることが明らかとなりました。この問題は、単に業者テストの是非にとどまらず、教育が直面する重要な課題について問いかけていると考えるのであります。その第一は、偏差値教育に対置する教育像、自発的で個性的な人間づくりが明確に意識され、周知徹底されていないこと、第二は、指示、通達の不徹底に問題があるのではなく、長年の偏差値教育が教師の自発性や人間性をもむしばんでいること、子供はその犠牲者であるとの自覚を迫っていること、第三に、中学校から高校、高校から大学への進学制度を改革しないで、偏差値による選抜制度を温存したままで問題の解決はないことなどでございます。NHK衛星放送の朝のドラマ「春よ、来い」の主人公が、日本の敗戦によって命令が来なくなって、何をしてよいかわからなくなったと言うくだりがありますが、通知で足りるとする教育委員会ではなく、ともに考え、考えさせ、自発性を引き出す教育委員会であってほしいと願うものであります。業者テストと教育の現状についての教育長の認識と対応についてお伺いいたします。  また、最近、いじめをめぐり痛ましい犠牲が発生し、国民に大きなショックを与えています。衷心より哀悼のまことをささげます。私どもは再発防止に決意を新たにしているところであります。そこで本県における、このようないじめや不登校の状況について、その実態はどうか、お伺いいたします。それとともに、県教育委員会の原因究明とこれが対応策はどうか、お聞かせください。  また、この課題の根本に迫るため、教育団体を含め、県民ぐるみのいじめの発生防止対策や教育改革に取り組むべきと考えますが、御所見をお聞かせください。  質問の最後は、県東部地域の諸課題についてであります。  その第一は、広島空港へのリムジンバスの運行についてであります。昨年十月、将来への増大する航空需要への対応、二十一世紀に向けての高度情報化・国際化の進展、経済の活性化、地域開発など、大きな期待を担って中四国の拠点・新広島空港が開港いたしました。あれから一年、リムジンバスは空港アクセスとして重要な役割を果たしてまいりました。しかし、福山駅、尾道駅、三原駅、呉駅などと広島空港を結ぶリムジンバスはいずれも大幅赤字で、キロメートル当たり費用は二百五円に対し、収益は百三十二円で、一キロメートル当たり七十三円の赤字となっており、路線の継続が危惧される事態となっております。県は、さきに東京便の利用者を増加させるためとして空港県営駐車場の利用料金の割引を実施したところでありますが、これがリムジンバスの利用客の減少に拍車をかけるのではないかと懸念するのであります。リムジンバスが、もし撤退することにでもなれば、空港の機能そのものが減退することになると心配するものでありますが、リムジンバスの運行と経営支援策についての今後の方針をお伺いいたします。  第二は、県東部県民の浜構想についてであります。広島県は、県民の浜や県民の森、もみのき森林公園、中央森林公園、緑化センターなど、自然を守り、自然と親しむための多くの施設整備を進めてまいりました。しかし、残念ながら、県東部地域におけるこれらの施策には見るべきものがありません。県東部地域で瀬戸内海の美しい自然を残した海浜は数少なくなりました。自然海浜はかけがえのない貴重な県民共有の財産であります。内海町横山海岸は、美しい自然を残す数少ない海岸でありますが、今日では、内海大橋の開通によって注目を集めている海岸の一つでもあります。この内海町横山海岸に、自然を生かした、多くの人々が親しむことのできる「東部県民の浜」を建設してはいかがでしょうか、知事の御見解をお聞かせください。  やがて激動の一九九四年も暮れ、新しい九五年を迎えます。新しい年が、県民の皆様にとりまして、すばらしき、よき年であり、また、広島県政発展の年でありますよう祈念いたしまして、私の質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手) 18: ◯副議長砂原克行君) 当局の答弁を求めます、知事藤田雄山君。         【知事藤田雄山君登壇】 19: ◯知事藤田雄山君) 渡壁議員の御質問にお答えを申し上げます。
     まず、アジアに対する今後の貢献策についてのお尋ねがございました。国際的な相互依存がますます深まり、国際化も友好交流から協力へという流れの中で、本県ではアジアへの貢献策として人づくりを主要な柱の一つとして位置づけ、留学生や技術研修生の受け入れ、支援を積極的に行っているところでございます、また、現在、アジア地域を中心とした開発途上国の人材育成や技術移転の促進を図るため、広島国際協力センターとJICA広島国際センターを併設した国際人材育成拠点施設の整備を平成九年四月の開所を目指して進めているところでございます。御指摘の留学生の招聘につきましては、現在、広島には約七百三十名の留学生が滞在し、勉学に励んでおります。国においては留学生十万人受け入れ計画が推進されており、今世紀末には倍増するものと思われます。本県におきましても、なお一層多くの留学生に広島に来ていただけるよう、また、安心して勉学に専念できるよう、県内の各大学や財団法人ひろしま国際センターなどと連携しながら、留学のための情報提供や広島での生活支援対策など、来日前から帰国後まで一貫した支援が行えるよう、事業の拡充を図ってまいりたいと考えております。  次に、被爆者援護の基本認識と今後の対応についてお尋ねがございました。私は、これまで被爆者援護対策は国家補償の精神に基づいて行われるものであるとの考えのもとに、あらゆる機会をとらえ、国や関係国会議員に対し、画期的な援護対策の確立を要請してまいりました。このたび、臨時国会において政府提案による原子爆弾被爆者に対する援護に関する法律が成立したところであります。内容的には各種手当に関する所得制限の撤廃や特別葬祭給付金の支給など、現行の原爆二法に比べ前進したものとなっております。来年には被爆五十周年という大きな節目の年を迎えるこの時期に、こうした法律が制定されたことは意義あるものと考えております。しかしながら、被爆者の方々には十分なものとは言えないとの御意見があり、また、八項目から成る附帯決議もなされております。こうしたことを踏まえ、県といたしましては、今後とも、御指摘のございましたいろいろな問題を含めまして、高齢化が進む被爆者の援護施策の充実について、八者協議会と緊密な連携を図りながら、引き続き、できる限りの努力をしてまいる所存であります。  続いて、来年度予算編成方針についてのお尋ねがございました。来年度の予算編成方針について三点のお尋ねがありましたが、まず、県税や地方交付税の増収が見込めない要因であります。現在の地方税、地方交付税制度は、とりわけ都道府県においては法人課税が中心であるため、景気の動向に敏感に左右されやすい構造となっております。このため、企業収益が悪化すると急激に県税収入が落ち込む反面、企業収益が回復しても直ちに県税収入の増加につながらないというのが増収の見込めない大きな要因でございます。しかしながら、御指摘のとおり、経済の国際化や空洞化などに起因する県内事業所の収支決算の低下などに伴う面があることも否定できないと考えております。  次に、歳入構造など長期見通しに立った予算編成についてであります。県政を推進していく上で長期的な視野に立った財政運営を行っていくことは、極めて重要なことでありますが、特に現在のような厳しい状況下においては、従来にも増して中長期的観点に立った財政運営が求められているところであります。また、景気動向に左右されない安定した財政運営ができる歳入構造とするためには、法人課税のあり方など現行税財政制度の抜本的な見直しがなされるか、御指摘のように、景気の影響を受けにくい、国際競争に耐え得る産業基盤を構築していくことが必要であると考えております。地方としてできることにはおのずと限界がありますが、現在、二十一世紀を展望した本県商工業の発展方策について構想の策定を行っており、この結果も踏まえて、今後の本県産業のあり方などを検討するとともに、予算編成に当たって事業の重点化などを通じて国際競争に打ち勝つことができる産業基盤の整備という面にも配慮してまいりたいと考えております。  第三点の予算編成の指針についてでありますが、来年度の予算編成において具体的にどのような事業に重点配分し、どのような事業を抑制するかについては、これからの編成作業を通じて決定してまいりたいと考えております。基本的な方向について申し上げますと、社会経済情勢の変化に応じた事業のスクラップ・アンド・ビルドを原則とし、県民生活を支える社会基盤や社会資本の整備、県経済の活性化のための産業の振興、国際化・高齢化への対応など、本県二十一世紀のさらなる発展に向けた施策を厳選し、財源の重点配分を行いたいと思っております。  次に、小児医療、特に未熟児医療の充実についてのお尋ねがございました。御指摘のように、未熟児医療は専門の診療施設やマンパワーの確保が必要であること、不採算であることなどから、民間病院での対応がなかなか困難になっているのは事実であり、当面は公的病院を中心に対応してまいりたいと考えております。このため、平成八年度オープン予定の県立広島病院母子総合医療センターを平成七年七月以降に前倒しして稼働させることといたしましたが、それのみで対応することは困難であり、その他の公的病院の増改築に当たっても積極的に未熟児医療に取り組むよう要請するなど、体制の充実強化に努めたいと考えております。また、未熟児医療の実態を把握するため、広島県地域保健対策協議会において産科、小児科を有する医療機関にアンケート調査を実施し、現在、最後の取りまとめが行われている段階でありますので、その報告を踏まえ、民間病院の未熟児医療システムへの取り込み方策、公的病院との役割分担等について検討してまいりたいと思っております。  次に、付添看護や介護のための人員確保についてのお尋ねがございました。議員御指摘の付添看護・介護の問題にいたしましても、患者側の経済的な負担が月十万を超えるケースがあるなど極めて大きいこと、実際の医療の現場では病院の職員との役割分担などに関して往々にして問題が生じるなどにより、その解消が長年の懸案でございました。そのため、今般の制度見直しを反映した診療報酬体系におきましては、病院の看護・介護体制の充実のためのさまざまな措置、例えば付添介護人の院内化特別加算を設けて、付添看護・介護の解消を目指すこととし、その目標年次を平成七年度末とされたところでございます。この実現に当たっては、御指摘のようなことも懸念されますが、県といたしましては、これまでに県医師会及び病院協会等を通じて制度改正の趣旨の周知徹底を図り、付添看護・介護を要しない充実した医療づくりを要請しているところであります。なお、現在、半数以上の病院で付添看護・介護の解消が実現しているほか、付添看護解消計画を策定している病院が二十ございます。今後とも、未実施の医療機関につきましては、さらに指導を徹底するなどして、入院患者の方々が付添看護・介護に頼らなくても、必要にして十分な入院看護・介護サービスが受けられるよう努力してまいりたいと考えております。  次に、近代的農業の確立についてのお尋ねがございました。農業の国際化が進展する中で、国際競争力に耐え得る近代的農業の姿につきましては、まず農産物に対する消費者ニーズにこたえるため、商品性が高い農産物を安定的に生産し、消費者の納得の得られる価格水準で提供することであります。次に、農業従事者の一人当たりの生涯所得は地域の他産業従事者とほぼ同じような水準であることであります。このための課題といたしましては、第一に、消費者ニーズに対応して本県の気象、立地条件やすぐれた技術を活用し、施設化などによる個性ある産地づくりを進めていくこと、第二は、圃場整備を進めるとともに、農地流動化などを加速し、規模拡大による低コスト化を推進すること、第三は、担い手の高齢化や新規就農者の減少に対応するため、中核的農家・生産組織や農作業受託組織など多様な担い手の育成を図ることなどであります。このため、現在の広島県発展計画の目標では、一つ目は、消費者ニーズに対応して一産地一億円以上の産地を県内各地に育成すること、二つ目は、低コスト化に対応して圃場整備率を五〇%に高めること、三つ目は、担い手不足に対応して地域農業集団二千二百集団を育成することなどを掲げております。また、これらの目標に対する取り組み状況につきましては、平成五年度末で一産地一億円以上の園芸産地が三十六産地育成され、圃場整備率は四三%、地域農業集団の育成率は目標に対して六八%となったところでございます。今後とも、これらの目標を達成するために必要な施策を講じてまいりたいと存じます。  次に、広島空港へのリムジンバスの運行についてのお尋ねがございました。県東部からのリムジンバスは、福山市、三原市、尾道市から、それぞれ路線が運行されております。県が行った調査によりますと、県東部からの空港旅客は全体の約二〇%を占めておりますが、そのうちリムジンバスの利用者は約四〇%で、自家用車とあわせて主要な空港アクセス手段になっているものと認識をしております。しかしながら、県東部のリムジンバスの利用率が低い水準で推移しているため、経営面からは厳しい状況にあることは御指摘のとおりでございますものの、福山市などの東部都市圏は、広島都市圏に次ぐ人口の集積があり、空港利用に関してはまだ相当の潜在需要があるものと考えております。このため、十一月にはバス事業者、航空事業者、旅行業者、関係市、商工会議所などと空港需要の底上げやリムジンバスの利用促進について検討を行ったところでございます。その検討の中で、アンケート調査による利用者のニーズの把握、フライトダイヤとバスダイヤとの接続上の工夫、航空券とリムジンバス乗車券のセット販売などの利用促進策が挙げられており、これらを具体化するために広島県空港振興協議会の場を通じて関係機関の協力を仰ぎ、空港アクセスにおける公共交通機関としてのリムジンバスの振興策を実施してまいりたいと考えております。なお、県営駐車場料金の割引を十一月から実施しておりますが、この割引の効果やリムジンバスへの影響等を現在調査中であり、その結果を分析し、今後の施策に反映してまいりたいと考えております。  県東部県民の浜構想についてのお尋ねがございました。御案内のように、県内には自然公園として世界に誇る瀬戸内海国立公園を初め、二つの国定公園、五つの県立自然公園があり、これらのすぐれた自然を保護・保全するとともに、県東部の自然公園の海浜整備では大久野島、大浜崎、仙酔島の施設の整備を進めてきております。御指摘のように、内海町横山海岸は美しい自然を残す数少ない海岸であり、県の自然海浜保全地区に指定されております。県といたしましては、今後とも引き続き、これらの県東部の貴重な自然を保護するとともに、既存施設の拡充、質の向上を図ってまいりたいと存じます。御指摘の県東部県民の浜構想につきましては、海洋性レクリエーション需要の動向、近隣の類似施設の整備状況等を勘案しながら検討してまいりたいと存じます。  残余の御質問につきましては、説明員をして御答弁申し上げます。 20: ◯副議長砂原克行君) 福祉保健部長中谷比呂樹君。         【福祉保健部長中谷比呂樹君登壇】 21: ◯福祉保健部長中谷比呂樹君) 三点御答弁申し上げます。  まず第一に、一般戦災の事実調査等についてでございます。一般戦災者の実態については不明瞭であるとの御指摘でございましたが、さきの大戦の空襲等による被災の実態につきまして、県としては既に現存する資料をもとに、その概況を取りまとめ、広島県戦災史として昭和六十三年三月に刊行したところであります。御質問の一般戦災者に関するさらなる事実調査につきましては、本県のみの問題ではなく、一般戦災者をどう取り扱うかという国の基本的な考え方を踏まえる必要があると考えております。今後、国として、どう対応されるのか、その動向を注意深く見守ってまいりたいと存じます。  次に、作業所における重度障害者対策について御答弁申し上げます。小規模作業所では、年々その利用者が増加し、御指摘のとおり、重度の障害を持つ方々の利用もふえてまいっております。県では昭和五十四年度に小規模作業所の運営費に対する助成制度を創設し、以来、その増額に努めてきたところでありますが、今後とも作業所の実態に配慮した運営費の確保に向けて努力をしてまいりたいと考えております。さらに、これと並行して、安定した運営が期待でき、また、重度の障害者への加算措置もある法定施設への移行についても指導してまいりたいと考えております。  最後に、障害者に対するデイサービスについてお答え申し上げます。障害者だけを対象としたデイサービス事業を実施しているのは九市町村であり、このほか二十三市町村が高齢者のデイサービス事業において障害者へのサービスを提供しております。しかしながら、積極的な取り組みに至っていない市町村もあるなど、自治体間でその取り組みに差があるのは御指摘のとおりでございます。今後、県といたしましては、障害者だけを対象としたデイサービス事業が可能な市町村に対しましては、その単独実施を働きかけるとともに、対象となる障害者が少ない市町村に対しましては高齢者のデイサービス事業との相互利用の促進を指導するなど、障害者の方々に適切なサービスがそれぞれの市町村で提供されるよう指導してまいりたいと考えております。 22: ◯副議長砂原克行君) 農政部長町田 博君。         【農政部長町田 博君登壇】 23: ◯農政部長(町田 博君) 農作業の受委託等への支援策につきまして御答弁申し上げます。  本県農村におきましては、農業従事者の高齢化や兼業化が進みまして、農地を管理する受け手が不足していることから、農作業の受託組織が重要な担い手となっております。しかし、この受託組織の運営は、まとまった受託作業量が確保できないことでありますとか、年間を通した作業がないことなどによりまして経営が不安定となりがちであります。このため、県といたしましては、第一に、圃場整備を進めますとともに、受託農地が集積されますよう地域内の話し合いを指導すること、第二に、今年度設立されました広域の農業生産法人が受託いたしました農作業というものを受託組織などに再委託することによりまして安定的な作業量を確保していくこと、さらに第三に、農作業の受託に限らず、森林管理作業なり農産物の販売、さらには土木工事の請負などに取り組みまして、周年を通じて就業確保を図るように指導することなどの対策を講じていくことといたしております。また、農機具などの装備に対する低利融資なり農作業受託料の前払い制度などにつきましても充実したいと考えております。  次に、干ばつ対策についてであります。ため池など農業用水の施設につきましては、ため池の改修を初めといたしまして、用水路などを整備してまいりましたけれども、本年の異常干ばつを契機といたしまして用水の安定供給の重要性というものが再認識されたところであります。本年は、農作物の干ばつ被害を最小限にとどめるために井戸の掘削やポンプの設置などの経費に対しまして助成措置を講じたところであります。こうした状況の中で安定的な農業用水を確保するために、ため池の整備について、国に対して予算の拡大を要望するとともに、小規模な整備につきましては県単独事業をあわせて配分するなどによりまして推進してまいります。また、新たな対策といたしまして、ため池の改修にあわせまして、貯水容量の増加を図りますために、ため池のかさ上げや掘削などによりまする整備につきまして検討してまいりたいと考えております。このほか、中山間地につきましては、「中山間ふるさと・水と土の保全基金」の運用益の活用によりまして、行政と地元農家が一体となって、ため池や水路施設の適切な保全管理に努めたいと存じます。  次に、農協の健全な運営についてであります。農協は、産地の育成や農産物の流通などを通じまして地域農業の振興に中心的な役割を果たすとともに、地域の活性化にも大きく寄与しているものと考えております。しかし、近年、農村の過疎化、組合員の高齢化、あるいは農産物の価格の低迷や金融自由化の進展なり他の業態との競争激化などによりまして厳しい経営を余儀なくされているところであります。さらに、農協の大型化や組合員ニーズの多様化といった問題にも適切な対応が求められているわけであります。このような状況の中で、農協は事業利益が漸次減少いたしまして、収益性が低下しつつあること、営農指導が不十分な面が見られること、組合員との意思疎通が十分に図られていないこと、経営管理体制に不備が見られることなどの問題が生じているわけであります。このため、県といたしましては、まず第一に、中長期的な計画のもとに組織の見直しなり人員の再配置などを行いまして効率的な事業運営を進めること、第二は、農協の原点であります営農指導につきましては、財源の確保に努めながら、地域農業振興計画の策定によります営農指導や販売力の強化を図りますとともに、生活相談や高齢化に対応した福祉活動の充実にも努めること、第三は、地区別懇談会の充実などによりまして組合員の意向の把握と事業への反映に努めるとともに、各種情報の提供などにより組合と組合員との意思疎通を図ること、第四に、役員の意識改革を図りますとともに、理事会、監事会のあり方を見直し、また、内部検査体制の充実など、経営管理やチェック機能の強化を図っていくことなどが重要と考えております。今後、県といたしましては、この方針によって、県農協中央会と連携いたしまして的確な指導、検査を行い、農協がその機能を十分発揮し、農業・農村の活性化に一層貢献できるよう努めてまいりたいと存じます。 24: ◯副議長砂原克行君) 教育長寺脇 研君。         【教育長寺脇 研君登壇】 25: ◯教育長(寺脇 研君) 公立中学校の業者テストの実施問題について御答弁申し上げます。県内の公立中学校の一部におきまして業者テストを実施していた事実が明らかになりました。このことは、業者テストの使用の禁止が徹底していなかったにとどまらず、使用の背景にあった偏差値偏重教育を是正するための指導が不十分であったと認識せざるを得ません。受験を間近に控えた生徒や保護者の方々に対し、不安や動揺を与えることにもなり、教育委員会といたしまして深く責任を感じ、反省するところであります。従来行われてきた偏差値偏重の教育は、生徒の興味、関心や適性などよりも、記憶力中心の教科学力の結果に重きを置くものであり、さまざまな弊害を生んできたものであります。そこで、こうした偏差値教育からの脱却を図るため、これからの学校教育は画一的で知識偏重の教育から個性を尊重した人間性重視の教育への転換を進めていくことが何より大切であると考えております。そのため、生徒一人一人のよさや可能性を重視した新しい学力観に立った教育を充実するとともに、中学校の進路指導を業者テストに依存したものから将来の生き方を考えさせるものにしていかなければなりません。また、こうした改善方策を推進するため、高校入試制度の改正や多様な生徒のニーズに応じた教育課程の編成による高校の特色づくりにも取り組んでいるところでございます。なお、偏差値教育の背景には学歴偏重の社会的風潮などがあることから、保護者の皆様を初めとする県民の方々の理解が何よりも必要であり、そのため、PTA等とも連携しつつ、広く啓発活動を推進してまいりたいと考えております。  次に、いじめ等の現状と対応策についてでございます。県教育委員会が把握をしているところの平成五年度における本県のいじめの発生件数は、小学校では六百六十校中で八十二件、中学校では二百五十五校中で二百六十八件、高等学校では百三校中で百五十三件発生しており、前年度と比較して小学校と高等学校では増加するなど、深刻な状況にあると認識をいたしております。不登校の状況につきましては、平成五年度公立小中学校における三十日以上欠席の児童生徒が、小学生二百九十一人、中学生九百九十人であり、そのうち、いじめやけんかなど友人関係をめぐる問題がきっかけとなっているものは、小学生で一二・〇%、中学生で一八・五%でございます。いじめや不登校の原因といたしましては、教師や友人との人間関係、学校の指導のあり方など、学校における問題や、しつけや親子関係等家庭における問題などが複雑に絡み合っていると考えております。  また、これらの問題の対応策といたしましては、いじめについては児童生徒の心身に大きな影響を及ぼす深刻な問題でありますことから、いじめを許さないという意識を高めるよう、道徳や学級活動等の充実について指導してまいってきたところでございます。さらには、県教育センターや福山及び三次の教育事務所に相談室を設置し、いじめを受けた子供たちが直接相談できる体制を整えるなど教育相談の充実に努めますとともに、これらの相談機関を紹介するパンフレットを配布し、周知を図ってきたところでございます。先般の愛知県での痛ましい事件につきましては、私どもとしても、これを深刻に受けとめており、教職員の目に触れていないいじめがありはしないか、改めて子供たちの状況に目を向けるよう緊急に通知を出すなどして、指導の徹底を図ってまいりたいと考えております。また、不登校につきましては、教師と児童生徒との人間関係づくりや望ましい集団活動の工夫などにより、その未然防止に努めますとともに、不登校児童生徒の心の居場所としての適応指導教室の充実に努めているところでございます。いじめの問題を解決する上では、学校のみならず、関係行政機関、さらには家庭や地域が一体となった取り組みが必要なことは御指摘のとおりでございます。教育委員会といたしましても、関係者との連携を一層深めるよう努めてまいりたいと考えております。 26: ◯副議長砂原克行君) 明日も引き続いて質問を行います。明日は午前十時三十分から会議を開きます。  本日はこれをもって散会いたします。         午後三時五分散会 発言が指定されていません。 広島県議会 ↑ 本文の先頭へ...