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  1. 鳥取県議会 2019-06-01
    令和元年6月定例会(第3号) 本文


    取得元: 鳥取県議会公式サイト
    最終取得日: 2023-06-07
    ▼最初の箇所へ        午前10時00分開議 ◯議長(藤縄喜和君)ただいまから本日の会議を開きます。  本日の議事日程は、県政に対する一般質問並びに議案に対する質疑であります。  それでは、議案第1号「令和元年度鳥取県一般会計補正予算(第1号)」から第12号「鳥取県環境影響評価条例の一部を改正する条例」までを一括して議題といたします。  これより、一般質問並びに議案に対する質疑を行っていただきます。  30番島谷龍司議員 ◯30番(島谷龍司君)(登壇、拍手)皆さん、おはようございます。県議会自由民主党の島谷でございます。  きょうは、令和最初の、また、平井知事4期目の初めての一般質問で、1番バッターとして登壇させていただきます。よろしくお願いいたします。  前の任期で4年間、全ての議会で質問させていただきましたが、初心を忘れることなく、今回の任期につきましても、全ての議会で質問、提言等をさせていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。  それでは、通告しているパートナー県政の推進について伺います。  先日の代表質問で我が会派の斉木議員が、平井知事の県政運営の基本姿勢を初め、本県を取り巻くさまざまな課題について、広く、また詳細に質問されました。代表質問と重複する部分もあるかと思いますが、よろしくお願いいたします。  平井県政4期目がスタートし、はや2カ月近くが経過しています。知事は今回の知事選に臨むに当たり、鳥取から未来への礎づくり、新時代チャレンジ55として、県政のさまざまな分野において、本県が目指すべき方向性や取り組みをマニフェストに掲げ、さきの知事選において、見事勝利され、県民の負託を受け、引き続き県政を担われることとなりました。このマニフェストの内容を拝見しても、前回の鳥取を変える、鳥取から変わるというマニフェストの成果をもとに、本県が抱える諸課題に対して、微に入り細に入り、その処方箋を示されており、また、代表質問でも、知事が答弁された県政の基本姿勢について、その目指すところは、おおむね私が考えていることと合致しており、評価するところでございます。  知事が県民に約束した県政を推進するためには、それを実行していく職員の皆さんが必要となるわけですが、本県は、人口が全国最少県であり、県の職員数も全国最少となっています。県民のためにも、全国最少の職員数でも、他の46都道府県と同範囲で、また、かつ同水準以上の施策を推進していかなければならないことはもちろんです。しかし、知事が今回約束されている全国的にも先進的な各種の施策を推進するためにも、この最小の資源、これは職員の皆さんのことですが、この最小の資源で最大の効果を上げる必要があります。  以前、県庁は不夜城と言われるほど職員の皆さんは夜遅くまで一生懸命勤務され、少ない職員数をカバーされてきていたと思われますが、昨年6月29日に働き方改革法案が成立し、本年4月より、順次、民間企業に適用開始されている中、本県庁においても、働き方改革が求められています。  このような少ない職員数で、かつ限られた時間で、県民の要求する水準で県政運営を遂行していくためには、平井知事がこれまで3期12年間、県民や各種の団体、企業、市町村などと一緒になって推進してきたパートナー県政、県民との協働をさらに発展させていく必要があるのではないでしょうか。そのためにも、このパートナー県政、県民との協働について、3期12年間の総括が必要だと考えますが、平井知事はこのことについてどのように総括されているのか伺います。  平成25年3月に県民参画基本条例が制定施行され、本県は県民との協働を推進しているわけですが、この条例には、県民参画の手法について、随時、必要な見直しを図り、県民が県政に参画することができる新たな手法を取り入れるよう努めなければならないと規定されていますが、私が見聞きする限り、現在、本県では、事業提案や事業評価など、施策立案過程における県民や企業などからの積極的な関与がないように見受けられます。  現在では、官と民に限らないのですが、複数の主体が何らかの目標を共有し、ともに力を合わせて活動する協働という概念は世間に定着していますが、最近ではもう一歩進んで、異なる立場や業種の人、団体が協力して新たなサービスや価値観などをつくり出す共創という概念が普及しつつあります。  横浜市では、市民等から公民連携に関する相談・提案窓口として、共創フロントを開設するとともに、共創ラボという特定の社会的課題の解決に向け、市民、団体、企業など、多様な主体が参画した公民対話を通じて、具体的な公民連携事業を創出する実験的な活動の場、リビングラボとして、福祉や教育、まちづくりなど、さまざまな分野で住民が主体として活動する場が設けられています。  このように、行政と民間の共創では、漠然とアイデアを募るのではなく、目的を明確化し、そのためにどんな事業ができるのか議論する必要があり、このような場を設けることが、これからの行政に求められる役割であり、本県においても、民間はもとより、住民も加わった新たな地域プラットフォームを設けるべきだと考えますが、このことについて知事の所見を伺います。  また、県民生活の向上のためには、まちづくりを初め、観光、防災、福祉、教育など、あらゆる分野で市町村との協働連携が必要であり、これは論をまたないと思いますし、知事も同様に考えておられると思います。
     人口が全国最少の上、さらに人口減少が進んでいく現状を鑑みると、行政運営には専門的な知見、技術も必要となる場合もあり、県下の市町村も少ない職員で全ての分野を住民が満足できる行政運営は困難となっています。例えば観光面においても、一つの市町村単位での観光施策では限界があり、東部・中部・西部での枠組みでの取り組みは現在でも行われていますが、県内全域をインバウンドを初めとした国内外の観光客が求める観光地にしていくためにも、県と市町村の連携、さらに市町村間の連携に今まで以上に県として積極的にかかわっていくべきと考えます。  これは、観光面にだけ限ったことではなく、全ての行政分野に言えることであり、また、これまでも、平成22年5月に策定された三段ロケット型分権国家モデルの提案において、自治体間のパートナーシップ等による執行体制の確立を示し、ハイブリッド行政を提案されるなど、県・市町村の連携、市町村間の連携に取り組まれていますが、さらに発展、拡大を図るべきと考えますが、このことについて知事の所見を伺います。  また、パートナー県政の一環として、技能を有した人材の不足への対応として、企業との連携を図り、県への民間企業職員の配置を図るべきと考えます。  昨年は、地震、台風、大雨などの災害が全国各地で発生し、本県においても、7月の西日本豪雨や10月の台風24号により、県内各地に土木災害を中心に甚大な被害をもたらしました。このような大規模な土木災害に対して、行政改革の必要性を迫られ、県の行政組織のスリム化を求められている現状では、本県の技術職員の採用を大幅に増加させることは不可能ではないかと考えます。その代替策として、設計、施工など人手が必要とされる際に、民間企業や関連する団体からの職員派遣を受け入れてはいかがでしょうか。  また、効果的な観光施策を検討する際には、消費者や観光客といった外からの視点が必要とされており、旅行団体などの長期間従事している専門的な企業の職員に対して、比較的短期で異動が伴う我が県の職員の発想だけでは限界があると思われます。今知事が盛んに発信されている関係人口をふやすためにも、旅行会社から人材を派遣してもらうなど、専門的な人材を県庁内に配置してはいかがでしょうか。  その好例として、豊岡市では、総務省の地域おこし企業人制度を活用して、旅行会社から出向者を迎え入れるなど、民間の力を取り入れ、体制を整備し、海外戦略を進めていった結果、外国人宿泊客数が2011年の1,118人から2017年には5万800人に、6年間で実に45倍になるという大きな効果をもたらしています。  以上の例は、ほんの一例であり、本県の県政運営を円滑かつ有効に進める上でも、企業、団体との連携を今以上に図る必要があると考えますが、知事の所見を伺います。  以上で私の登壇の質問といたします。 ◯議長(藤縄喜和君)答弁を求めます。  平井知事 ◯知事(平井伸治君)(登壇)島谷県議の一般質問にお答えを申し上げます。  島谷県議からは、パートナー県政、県政の対応につきまして、御質問をいただいたところでございます。  島谷県議も新しいスタートをまた切られまして、これから全ての議会でも質問しようというようなお話もございました。今回、本議場で一般質問で31名の方が予定をされていまして、代表質問を合わせて32名、率にすると91%でございます。本会議質問率が私の得票率に迫る勢いでございまして、本当に全国的にも珍しい議会になっているなと思うのですが、こういう活発な議論というのが、やはり地域と県政を身近にし、支えるものだというふうに思います。島谷県議におかれましては、これまで福祉であるとか、あるいは観光、あるいは港湾のことなど、多くの質問をいただきましたけれども、それぞれに地元の状況を踏まえながら、そして、実際の当事者の実情を踏まえながら、県政が展開する原動力になりました。また、マニフェストの思いを共有していただけるということでございますので、ぜひ、ともにこの県政を進めていければと思います。  その大切なところがこうしたいろんなきずなを結びながら知見を共有をして、また、力をお互いに出し合っていく、そういうパートナー県政の進め方ということだと思います。きょう御質問いただきましたのは、そうした観点での御質問でございました。  まず、これまで3期12年間、パートナー県政、県民との協働を進めてきたことにつきまして、どういうふうに総括をするのか。また、横浜市の事例を引きまして、共創の考え方、こうした新しいプラットフォームというものを考えていくべきではないだろうかと、こういうお尋ねでございます。  私も就任をしたころから、一つ地域のモデルとして考えてきましたのは、島谷議員が今、共創という言葉も使われましたが、協働というともに働くという意味での協働、あるいは単に自立ということだけを言っていた時代背景がありましたが、自立と連携ということ。それを前面に出していくべきではないだろうか。それは、地方分権という物の考え方があったわけであります。本当に地方分権が私たちの生活を豊かにし、地域の活力を産業界等も通じながら、高めていくことができるかどうか。  鳥取県の場合は、何せ器が小さいものですから、ここで本気でやらないといけないと。そのためには、地域の皆様にもこの県政に加わっていただく。知恵も出していただき、また、時に資金的にも一緒にやっていただき、そして、働くという意味で、ボランティア活動、あるいは地域のさまざまな地域おこし活動、こういうことにともに汗をかいていくと。それがモデルなのではないかというふうに思っていました。  分権というのは、本来そういうところにこそ恵沢がもたらされるのだと思います。単に権限が私たち県庁に来た、県議会に来たということでは何も解決はしないわけです。ここで議論して、みんなで決めていくところに、より多くの地域の自主性、あるいは知恵、そういうものが盛り込まれて、正しい判断をしていく、最も前に進むような判断をしていくことができなければいけません。さらに言えば、それを進めていく上でも、単に限られた県庁職員の人数だけで全てできるはずもありません。もちろん委託だとか、あるいは請負というようなこともあるでしょうけれども、そういうことだけでなくて、自分たちでやる、だから一緒にやろうというふうに言ってくれる地域や団体、こういうところと協働してやっていくほうが、よほど速いスピードで地域おこしや産業活力の増進を進めることができるだろう、こんなように考えたわけであります。  そこで、いろいろな考え方を取り込んできた12年間でありました。その最たるものが平成25年に県民参画基本条例をつくりました。ここに県民の皆様に対する定点観測のようなアンケートをしっかりやっていくということであるとか、審議会には必ず公募の委員を入れることを原則にしましょうということであるとか、さらに、新藤先生ですね、当時、条例の草案をつくるときの座長を務めていただいたわけでありますが、新藤先生と東京でちょっと打ち合わせをしたときに、全国にもないことだけれども、アドボカシーという考え方を入れてはどうだろうかということです。これはアドボケイトプランニングということ、アメリカでグラウンド・ゼロがあのように瞬時にしてテロで破壊された後、もう一度それをよみがえらせようというときに、民間の皆様のいわば創造力、それを発揮していただきやっていく、アイデアなどそういうのをむしろ民間のほうで出しながら、それを取り込んでいくと。アメリカの場合は、そこに民間の資金も大量に入るわけです。そういうようなことで進めていくという手法で、ニューヨークは今、グラウンド・ゼロを再興したわけでございます。  そういうようなことなど、海外では事例があるのですけれども、まだ日本の中ではそうした新しい県民参画の状況というのは生まれていないと。そこで、そういうアドボカシープランニングというものを入れてはどうかというのが条文化をされ、可決していただきました。それに基づいて、例えば森のようちえんという地域との協働の中で始まった事業でございますが、それを公に認知をして支援をしていきましょうという、そういう仕組みをつくるに至ったところでございました。今ではこれが移住の原動力にもなっているところでございます。  こうしたことなど、鳥取県としても12年間、いろんな形で参画を求めてきたわけでありますが、今、横浜の共創という考え方をお話をいただきました。共創フロントというのは、住民の皆様の窓口としまして、それで我々でいう協働というようなことを実行していきましょうという、そういう一元化されたものでございます。お話ございましたようなリビングラボ、共創ラボというのも、そういう実験的な地域の事業おこし、これをやっていこうというものでありまして、現実には、例えばコンビニ等も活用をしながら、フードロケーションといいますか、そういうことをやっていくなど、幾つか事例はできてきているようです。ただ、現実は今まだ実験的に横浜の場合やっているということであります。  実は横浜の取り組みは、私たちの取り組みと非常によく似ているというか、双子の兄弟みたいな感じがいたします。それは、ともに知恵を出し合ってやっていくということであります。私どもでいうと、これまで元気づくりだとか、そうした基金をつくりまして、これを今度、令和創造のための基金としていこうと思いますが、そういう住民の皆様がさまざまなことをやる。例えば鳴り石の浜であるとか、そうしたことを住民の皆様がされる。それを採択をしまして、初動で応援をしたり、大きくするときに応援をするというようなことを県が独自に切り開いてまいりました。また、先ほどのアドボカシープランニング等々、ともにいろんなアイデアを出していただいて進めていくということもしてきたところでございます。  そういう中で、若者の声をもっと取り入れる制度をつくろうということで、若者広聴レンジャーというのを考えてみて、それに基づいて、例えば子育てだとか、そうした政策も実行されてきています。  実は、横浜がやろうとしている共創という世界は、こうした私たちのやっていることとちょうど同じような狙いだろうと思います。また、本県の場合は、さらに一歩進んで、スーパーボランティア制度というようなことも始めています。これは土木でもともと河川ボランティアなどがございました。そういうボランティアをさらに一歩進めて、例えば公園丸ごと河川敷のこの部分は任せてしまおうと。自由に使っていいですよと。今までは一々許可だとかいろんな規制があったところでありますけれども、イベントなどで使ってもいいと。ただ、そのかわり、そこをやはりきれいに維持をしてもらうということをしてくださいというやり方であります。それに30万円とか、県のほうでも状況を見て、支援の方策を資金的にもとると。我々のほうからすれば、ある意味リーズナブルに管理をすることができますし、まして、住民の皆様のニーズがそのまま生かされることになりますので、満足度も高くなるわけですね。ですから、ある意味、そういう意味では、コストパフォーマンスが行政側にもいい。住民の皆様にも地域がそれでまとまっていく道具立てになりますし、また、自分たちがやりたいように公共施設を使うことができるというものでございまして、メリットもあると。お互いにウイン・ウインの関係になれるということであります。ここで若干そうしたファイナンスもしているというのが鳥取県のみそでありまして、恐らくこういうやり方というのは、全国には余りまだ取り入れられていないことであります。  共創フロントというのは、うちでいうと県民室、それから参画協働課、この両方をあわせ持つような機能だということであるわけでありますが、今回、実は組織改正を皆様に御提案申し上げています。その中に、この両課を、いわば一つにまとめるという、そういう組織改正も入っていまして、ワンストップでこうした住民との対話、また、政策づくり、地域づくりが進むように、今回考えを改めたところでございます。そういう意味では、横浜の共創フロントの考え方も私どものほうにも取り込まさせていただくというようにさせていただいております。  ぜひ、そうした形で、これからいろんな自由な発想での展開ができればと思います。これまでも、例えばライヴさん、NPO法人のライヴですね、淀江のものでございますけれども、これは御崎漁港でのワカメを、それをもともと漁師中村さんのところでやっておられて、それを障害者の方が丘の上、浜のほうではその手当てをすると。それで、そこに県のほうの事業なども入れまして、日本財団も最終的には協力しましたけれども、加工場を障害者の作業施設としても準備をしていく。このようなことを今やっているのですが、これも実はNPO法人側からのアイデアをアドボカシープランニングの手法で取り込んできたものであり、その後、県のほうのスキームもつくりまして、こういう障害者の施設を協働化してやっていく、そういう事業をつくって対応していったものでございました。このようなことを、ぜひ横浜の考え方も取り入れながら進めてまいりたいと思います。  次に、県と市町村との連携につきまして、県と市町村との連携、市町村間の連携、これをさらに発展、拡大させるべきではないかということでございます。  これも三段ロケットのかつて分権のころに、鳥取県型分権をやろうという研究会のお話もいただきました。三段ロケットの手法の話は、実は全国知事会の中でも取り上げさせていただいていまして、平成29年の全国知事会の分権の研究会報告にも、その趣旨が盛り込まれているところであります。やはり鳥取県で当時問題提起をしましたが、県と市町村とがそれぞれ全く別の領域であって、さらに国もそうでありますけれども、こういうものが、それぞれが同じような行政をやって、お互いの調整も余り行われないということでは、効率もよくないですし、まして、同じことをやっているとどうしても重複が起こりますので、むしろ役割分担をしたり、一緒に一つの事業をやったり、そういうことがあっていいんじゃないだろうか。これが三段重ねのひし餅のような形ではなくて、それぞれに三段それぞれがそれぞれの機能を果たして、一番遠いところの宇宙へと運んでいくような、そういう役割分担と協働をしていく、そういう形の分権のあり方を考えようじゃないかということでございました。  実は本県もこういうことに従いまして、例えば日野郡のほうでは、今、連携協約を結び、これは全国でも県と市町村とが入った連携協約は初めてのケースなのですが、例えば福祉のこととか、それから除雪のことだとか、そうしたことを役割分担をして協働でやっていくということをやり、これは効果も上げていると思います。  また、システム開発等がばかにならないわけでございますけれども、住民の電子申請、これも協働化していくと。協働開発すると。これを県・市町村の協働組織をつくりましてやりまして、5億円ぐらい経費を浮かせることができました。さらに学校現場の省力化を図っていく。そういうためにも、システムで事務作業などを代替していくと。これも県・市町村協働でシステム開発をして、12億円ぐらい開発経費自体でもお金を浮かせることができています。このようなことを今後も市町村間や県の間でも展開していけるのではないだろうかということでございます。  さらに言えば、それを半官半民の組織等も含めてやっていくというのもあるのかなと。議員のほうも若干問題意識ございましたけれども、例えば災害のときとか、そういうときに、どうしても市町村は技術者がいないので難しいです。ですから、7月豪雨、昨年は特別警報が出たときに、鳥取県では県の技術者をあらかじめ送り込むと。被害が出る前に送り込んで、その後、実は交通が途絶していたので、本当に送り込んでいてよかったのですけれども、そんなような対策を智頭町役場等ととったところでございました。  これは復旧の段階でもそうでありまして、人手が足りない。現実には西日本豪雨の後、あるいは熊本地震の後等々、鳥取県からも技術者が支援に行くぐらいであります。まして、市町村などは、そこの人材が足りないわけでありまして、そこを県市町村が協調してやっていくということにしなければいけないわけでありますが、そこで、実は県ではOBですね、県のOBがいらっしゃいますので、そういう方々に防災・砂防ボランティアになっていただき、実は100人以上登録していただきまして、こういう方々が中部地震のときだとか、大きな災害のときには見回り点検をしたりして、初動の忙しいときに大変に我々のほうは助かっているということがあります。  また、災害復旧など、どうしてもこれも人手が要るし技術も要るところでありますが、そういうところを建設技術センターのほうでも最近は業務をするようになってきております。こういうところで実は技術人材を若干ふやしてきているのですね。そういうもので積算だとかそうした市町村の技術業務に加えて、そういう災害復旧なども含めてやり始めているわけでありますけれども、この辺も実は需要が高まってきているように思います。  ですから、議員がおっしゃるように、これまで以上に、例えば直接公務員で雇うのが得策かどうかということはありますので、そういう半官半民のところなども活用しながら、柔軟に市町村や県の行政が回るように展開をしていく必要があるのかなというふうに思います。  実は、国のほうでは、2040年の構想を、研究会をやったりして、これは結構市町村は大騒ぎになっています。本県は、そういう県と市町村との補い合いについては既に始めてきているところでありますが、やはり自治の心髄は守らなきゃいけませんので、そこの枠組みづくりで、こうした今までいろんな工夫を展開をしていってはどうかと思います。  次に、技能を有した人材不足へ対応するために、民間企業職員、豊岡の例を引かれながらお話をいただきました。こういう民間の職員につきましては、国の制度で、そうした地域おこし協力隊の企業人版というのがございます。ただ、残念ながら、市町村事業でございまして、県事業というのはございませんけれども、県内でもその事業を活用して、日野町とか琴浦町では博報堂の方に来ていただいて、それで観光振興等々をやって効果を上げてもおられます。こういうようなことを私ども県のほうでももちろん展開したいということでございます。  実は、県の場合は、どちらかというと採用できてしまうということもあります。いろんな事情がありまして、さっきの観光などもそうでありますが、本県でももう20年ぐらいですかね、観光会社から移った方がいらっしゃって、県の観光の中核を担ってきていただき、新風を巻き込んでいただいたことがございました。最近では、平成29年度にそうした観光振興のコースで大手の観光会社の方がこちらに転職をして、若手が入ってきているということがあったり、それから、昨年度の採用の中では、これは御存じだと思いますが、ケーブルテレビでよくアナウンサーをしていたような、別のそうしたケーブルテレビの方、そちらの方にこちらに来ていただいて、採用していたり、私も驚いたのですけれども、我々もなじみのある地方紙の記者さんが県のほうに、そうした県のいろいろな、最近こういうコースをつくりましたので、それで転業してきて、こっちに入ってこられるというようになってきています。どちらかというと、民間人材との関係は、県の場合はそういうふうにリシャッフルで、そもそもDNAを丸ごと入れてしまうというのが効果もあるのかなというふうに思っております。  それから、海外の観光開拓もしなければいけませんが、実はエイチ・アイ・エスさんと先般、協定を結びました。その前段ということになりますが、ウエンさんという若いベトナム人の女性に研修生という形で鳥取県庁で仕事をしていただくということをしました。それででき上がったのはベトナム語の観光パンフレット、それから、ベトナム語での観光の情報発信をウエブサイト上で、SNS上でということができました。こういうことは、やはりなかなか県庁の公の職員だけでもできない部分があろうかと思います。議員がおっしゃるのも非常に的を射た話ではないかなというふうに思います。  本県でも外部団体も活用したりして、例えば観光連盟のほうで、コーディネーターをとっていただいて、その方のおかげで最近教育旅行、それがふえてきています。そのような効果を、やはりそうした外郭のほうでも人材のほうの採用等をして進めていく必要があるのかな。このようなことをいろいろと県庁の中で、それから県庁と結びついた形の諸団体等にも協力をしていただきながら、いろんな知見と実行力をつけていく必要があるだろうと思っております。 ◯議長(藤縄喜和君)30番島谷議員 ◯30番(島谷龍司君)ただいま知事から、登壇の質問に対して、るる御答弁いただきました。確かに私も登壇でも申し上げたように、本県は県民との協働というのは、他の県に比べて大変進んでいるというふうに思います。私も市の職員時代、協働推進課というところで市民との協働を仕事のなりわいとしておりましたが、県との協働にも、それも一生懸命やらせていただきました。現在、本当に市町村との協働も進んでいると思います。  また、先ほど共創の話も出ました。言い方は違うのですけれども、共創の考え方は本当に県の施策としても私も認めているところでございます。  また、観光につきましても、本当にいろんな人材を入れて、いろんなことをやられております。確かに県外から呼び込むためにプロモーションというのは大変必要だと思います。先ほどの知事のお話では、プロモーションに対しては大変力を入れておられます。ただ、一番最初にあるべきは、地域の観光資源の磨き上げとか、本当に人が行きたいなと思うような資源を、これからもしっかり民間の力を入れながら、また市町村との連携を図りながらしていただければなというふうに思います。  それでは、追及のほうに入らせていただきます。  登壇の質問でも触れたように、知事が進められているパートナー県政のカウンターパートとして、県内の市町村、これは非常に大きな割合を占めているということは論をまたないと思います。中でも本県の人口56万人弱、面積3,507平方キロメートルに対して、人口19万人弱、面積760万平方キロメートル、人口で約3分の1、面積で4分の1を占め、中枢中核都市として周辺地域を牽引している鳥取市は、県政を運営する上で絶対に欠かせないパートナーと言ってもよいと思います。  平井知事の前任者時代、鳥取市との関係は大変ぎくしゃくしていたのを覚えています。先ほど少し触れましたが、当時、私は鳥取市の職員であり、交通政策を担当していました。当時の県職員から、平井県政になってからでは本当に考えられないような、地域住民にとって大変理不尽な制度変更を、対象となる市町村の意見を全く聞くこともなく、一方的に強行されたことを覚えています。パートナーとは、目的を達成するために協働で取り組む相手であり、決して一方的な優位性を発揮すべきではないということは、知事もよく御存じであり、このことを十分留意して県政運営をなさっていることは本当に評価しているところです。  鳥取市とは、これまでも副知事、副市長レベルでの地域活性化協議会を初め、担当部局レベルでの諸課題についての協議などにより、それぞれの政策のすり合わせが行われ、協調して県民生活、市民生活の向上に取り組んでこられているということは理解しています。先日、昨年の8月以来、約8カ月ぶりに鳥取県と鳥取市の政策連携懇談会が開催され、幾つかの地域課題について、平井知事と深澤市長が直接意見交換されたと伺っています。国レベルでもそうですが、やはり自治体のトップである首長同士が直接忌憚のない意見交換を行うということは、大変意義があることだと評価しますが、これがこれからの県政運営、パートナー県政に生かされなければならないと考えます。  昨年の懇談会では、県・市連携による経済地域活性化について意見交換が行われましたが、その結果を受けて、どのように県政に反映されているのか、また、今回の懇談会について、どのように評価され、今後の県政運営にどのように生かされようと考えておられるのか、知事の所見を伺います。 ◯議長(藤縄喜和君)答弁を求めます。  平井知事 ◯知事(平井伸治君)(登壇)島谷県議から重ねてお尋ねがございました。  最初に、参画協働ということでのお話がございましたけれども、そういう協働につきまして、鳥取市役所でも大変に手腕を発揮していただいたわけでございます。確かに最近、大分かみ合ってきたところもあると思いますが、多分、私はそうしたことがいかにも山陰らしさ、鳥取らしさではないかなと思います。住民と行政との関係性、それから、また住民同士が地域できずなを結び合って、災害を乗り越えたり、地域をもう一度よみがえらせようとする、そういう力、また、県とか市町村、そういうところとの関係性、諸団体との関係性、そういうところは、やはりパートナーシップ、山陰の場合、鳥取の場合は組み得ると思いますし、それがむしろ大都市とは違った味のある、さらには力のあるパワフルな、そういう行政につながるだろうというふうに思います。「君は君、我は我也、されど仲よし」という武者小路実篤さんの有名な言葉がありますが、それが私たちのモットーとすべきところではないかと、議員のおっしゃるところに共鳴をするものであります。  そういう意味で、お取り上げになられましたけれども、地域交通の問題等々も含めて、市と県とでよくこれから協議と意思疎通を図って、ともに役割それぞれ果たすべき分野は違うんですけれども、そこをコーディネートしたり、方向性を合わせて取り組むこと、これがまずは基本であろうかというふうに思います。  私が就任する前、平成18年に大変な騒動があったバス補助問題を今おっしゃったわけであります。当時の状況、私も就任した後、よく聞いてみて、こういうことかというふうに思ったのですけれども、バス補助は複数市町村にまたがるということで、補助金制度をつくっていたわけでありますが、広域合併をしますと、当然ながら一つの市町村の中に入ります。一つの市町村の中に入ったところは補助対象から外してしまうということがございまして、それで、鳥取市など典型的に補助対象から外れるということになった。あるいは乗車密度が2.0人未満のところは、従来よりもハードルを上げて補助対象から外していくと。その理念というのは、自立という言葉があったわけでありますが、それぞれ地域で自分たちで何とかするべきだとか、交通会社のほうで本来はやったり、あるいは採算がとれなければやめてしまえばいいと、そういう当時の発想があったところでありました。  一番大切なのは生活交通というのは地域の足であって、医療だとか教育だとか、そういうことの前提になります。私が就任した後、それは地域との関係を大分壊しましたし、当時、私も議会で大分申し上げましたけれども、交通政策は社会政策であると。アメリカなどは特にそうなのですね。公共交通の分野というのは、採算合わなくて当たり前なのです。それを固定資産税などでみんなでお金を出し合って支えていくというのが、それがアメリカの都市交通、それはニューヨークですらそうです。地下鉄などもありますが、あれは固定資産税が入っているのですね。そういうようなことで、社会政策として地域の足を守っていくということをやっている。  ですから、そういう意味では、もう一度、発想を転換し直そうということで、経過措置の期間中に、経過措置、一回延ばしたりもしましたけれども、最終的には、それぞれの地域で知恵は出し合いながら、頑張っておられるところに、それは域内、市内ということであっても対象にしてやっていくというようなことで、そこのところは全体を組みかえたということがありました。今回それをさらにもう一段今やりかえようというふうに考えているところであります。  このようなことでありますが、昨年、鳥取市長さんとお話し合いをさせていただいた眼目は幾つかありました。1つは鳥取西道路が開通をするので、その前に通過交通だけの地域にしてはいけないと。そこで、観光振興であるとか、むしろこれを利用して、例えば地域の住宅開発などもあるかもしれませんし、さらに企業の張りつけ、地元企業の元気を膨らます、そういうことにつなげることもあるでしょう。特に観光キャンペーン等は大阪だとか大消費地に向かって打っていかなければならない。それを協働してやるというのが一つ眼目としてありました。  あと、駅前の振興ですね。鳥取市役所ができ上がるその時期をにらんで、鳥取市政の中でも駅前というのを何とかやろうということで、計画をつくって動き始めていました。そういう中、私たちのほうでも、これも初当選のときから申し上げているのですが、主要駅というのは地域の顔なので、主要駅の周辺というのは、やはり県としても力を入れてやっていくと、こういうことを申し上げていました。現に今、倉吉のところもきれいになりましたし、今、米子も県も半分持とうというふうに声も出させていただいて、今前に進んでいます。鳥取市のところは、これまでもいろいろと手を入れてきておりますけれども、外国人の観光客もふえてくる、そういう中で、どういうふうに新しい地域の中核の顔をつくっていくかということであろうかと思います。これは県政上の課題でもあって、県有地もかなりあのエリアにありますので、協働してやる必要があるだろうと。ですから、こういうことを重点テーマとして取り上げました。  もともと発足したのは、保健所設置に伴いまして、中核市が円滑にスタートするためにこの会を設けたのですけれども、そういうように今地域課題に対応しようとしています。現在、スクランブル交差点だとか、そうした方面にも、先般、会議をやりまして、いわばターゲットを今考えながら協議を深めているところでございます。このような形で、市と県とのこうした意思疎通、これを議員がおっしゃるように、大切にしてまいりたいと思います。 ◯議長(藤縄喜和君)30番島谷議員 ◯30番(島谷龍司君)今、知事のほうから答弁ございました。追及しようとしている部分について、かなり踏み込んだ答弁もいただきましたが、本当に先日、鳥取県・鳥取市政策連携懇談会では、先ほど知事が申されたように、西道路開通を受けた今後の方策とか取り組み、山陰近畿自動車道、いわゆる南北線などの地域課題について意見交換されたというふうに今も答弁でございました。鳥取市は地勢的にも沿岸部から中山間地まである。また、県都として、先ほど知事も申されたように、鳥取駅を核として中心市街地も発達しており、いわば本県の縮図であるというふうに思ってもいいのではないかというふうに思います。そのためにも、生活交通の維持、これは大変重要な問題でもありますし、知事が先ほど今後の県としてしっかりと取り組むという言葉もございました。代表質問でも斉木議員から地域生活交通の維持、発展をどうすべきかということに対して、知事の力強い答弁もありましたので、これについてはこれ以上の追及はするつもりはありません。  ただ、駅周辺のにぎわい創出についてなのですが、これについては、私が子供のころは、鳥取駅、この駅前のあたりは、鳥取大丸、今現在でもあるのですけれども、鳥取大丸や駅前、本通り、そして、若桜街道などの商店街、本当に大変にぎわいがありました。まちに行くというふうに言って、わくわくしながらバスに乗って出かけていった思い出があります。しかし、現在、県都の表玄関とも言える鳥取駅周辺の寂れ方は、駅を出た瞬間に駅前一等地にある店舗のシャッターが軒並み閉じている、こういう状態、目を覆いたくなるような惨状だというふうに感じざるを得ません。このことは、鳥取駅前に限ったことではなく、全国的な傾向でありますけれども、モータリーゼーションの進展によって、郊外型の大型店舗ににぎわいが移っており、近年では、さらにネット社会の進展でネットショップへの買い物に流れており、徐々に実店舗への足が遠のいているのが現状ではないかと思っています。  しかし、この状態を座視していいわけではないので、早急に何らかの対策を打たなければならないと考えます。先日の懇談会でも、先ほど知事がおっしゃったように、このことについても話題になっております。ことしの10月には、鳥取市の市庁舎が鳥取駅の近隣に移転しますし、それによって人の流れも変わってくると思われます。  中心市街地の活性化については、地元鳥取市が考えることだというのではなくて、先ほども知事もおっしゃいました。鳥取市と一緒にというふうにおっしゃいましたが、鳥取駅北側は、風紋広場やケヤキ広場を初め、駅前ロータリーやバスターミナルなど、本当に大部分が、これも先ほど知事もおっしゃいました、大部分が県有地であり、さらには駅前を横切っている鳥取福部線、これは県が維持管理している県道です。このように、鳥取駅北側周辺、多くの部分を県有地が占めており、本県を抜きにしてこの駅周辺部の利活用、活性化は検討できないと思われます。  地元である鳥取市と協調することは当然必要です。先ほどおっしゃられたスクランブル横断歩道の設置、これは本当に必要だと私も思いますし、ただ、設置だけをする議論にとどまらず、まさに今、本県として県都のエントランス、玄関として、玄関にふさわしい鳥取駅周辺のにぎわい創出のために、施策を主体的に、そしてかつ積極的に考え行動していく段階になっていると私は考えます。このことについて知事の所見を伺います。 ◯議長(藤縄喜和君)答弁を求めます。  平井知事 ◯知事(平井伸治君)(登壇)重ねて鳥取駅周辺につきましてお話がございました。結論的には全く賛同するものでありまして、鳥取県自体が地権者としてあの辺の一帯、駅のすぐ近くはJRが持っていますけれども、バスターミナルのところとか、もちろん鳥取福部線であるとか、鳥取県のほうにむしろ敷地があるところもございます。こうしたいわば関係者でもあり、また、広域的な交通拠点、それから広域的なにぎわい、地域の活性化を進めていく上でもポイントとなるところだろうと思います。  そこで、私ども市長さんと協議をする場をつくり、それに基づいて地域活性化協議会というのを私どもでいうと、統轄監がトップで、市の副市長さんがトップで、今進めております。そういうところでも議論させていただき、さらには駅周辺活性化連絡協議会というのを羽場さんの御提案でさせていただいて、これにはJRさんも参加をしていただき、これも会議を重ねてきております。いろんなアイデアがこれから出てこようかと思いますし、現実論として申し上げれば、市自体は平成30年3月に中心市街地の活性化計画、それから駅周辺の再生基本計画、こういうものをやり直してみているところでありまして、それに基づいて一定の絵も描きながら、市としての思いも持っておられます。それをどういうふうに市側と調整をしながら役割分担をして進めていくのかということだと思います。  私は、駅周辺の活性化に向けて、決して未来がないわけではないと思います。最近やはり観光客の目線が鳥取県東部にも向いてきていまして、楽天などのデータでは、随分上昇傾向が出てきていますし、関係者のお話も割と明るいお話が聞こえてきます。そういう方々が実は買い物をしようとか、それからちょっと町歩きをしようというところを求めているであろうということでありまして、ここに大丸さんが今再編をしようというふうにされています。また、近くでは、最近、人気が出てきている民芸のそういうスポットもございますし、いろいろとつなぎ合わせていくと、宿泊施設も含めてにぎわいというものが一定程度出てくるのかなと。  実は今、米子でいえば、米子の駅前のほうは活性化が進んできているのですね。飲食店を中心にしまして、にぎわいが戻ってきていると。境港に至っては、シャッターは全部あいたという状態になりました。鳥取市もこれからいろいろとやり方の難しいところがあると思うのですね。だからこそ、二核構想ということを市のほうは言っていて、こちらの城の近くのところと、それから鳥取駅のところと二核にして、そこを結ぶ若桜街道、智頭街道を動線にして活性化しようということを最終的にはもくろんでいるわけですね。ただ、現実にはだんだんと両街道が寂しくなってきているというふうにみんなは言っているところでございまして、こうした意味でも、市役所の跡地問題もこれから出てくるでしょうから、正念場になってくるのではないかなと思います。しっかりと県市の協調を図りながら進めてまいりたいと思います。 ◯議長(藤縄喜和君)30番島谷議員 ◯30番(島谷龍司君)知事がおっしゃられたように、本当に県都っていいますか、県庁所在地鳥取市の発展、そういうことは鳥取県の発展にもつながるわけですので、ぜひ今の潮流を維持発展していただいて、連携しながら頑張っていただきたいというふうに思います。  それでは、続けて追及質問に入らせていただきます。  市町村とともにパートナー県政の主要なカウンターパートとして各種の団体がございます。その中でも、本県はさまざまな地域の課題解決に向けて、2016年から2020年の期間で日本財団と共同プロジェクトに取り組まれています。例えば私たちが日ごろ目にする黄色のUDタクシー、そして、この議場で何度か私も質問させていただきました布勢総合運動公園の障害者スポーツを含むスポーツの拠点化や難病児への支援、そして、障害者作業所の工賃向上への取り組み、さらには子供の貧困対策として第三の居場所づくり、こういうさまざまな分野に取り組んでいることは、この議場の皆さんはもちろん、多くの県民が知っているところだと思います。さらに、先ほどの追及質問でも取り上げましたけれども、市町村間の連携の中で言いました中山間地域において、公共交通の維持という観点から、そういう日本財団と共助による交通の仕組みづくりに向けたモデル的な取り組みは行われているというふうに聞いております。  このように、日本財団とともに、さまざまな地域の社会的な課題の解決に向けた取り組みをなされていますけれども、登壇の質問でも申し上げたように、本県の財政規模、職員数で全ての課題を解決するということは困難です。  近年、行政サービスをNPOや企業に委託して民間の資金提供者から調達した資金をもとに事業を行い、事業があらかじめ合意した成果を達成した場合のみ、行政から資金提供者に報酬が支払われるという、行政と事業者による成果連動型支払いと民間資金の活用を組み合わせた新たな官民連携の仕組みであるソーシャル・インパクト・ボンド、これは日本語に訳しにくいのでそのままSIBと言いますけれども、これが注目されつつあります。このSIBについて、国内でも2015年4月に横須賀市や八王子市、また神戸市などでさまざまな取り組みが始まっています。全て市レベルなのですけれども、市レベルであるということで、県として先進的に、本県でもさまざまな分野で、まだいまだに解決できていない社会的課題が存在しているわけですので、せっかく日本財団との連携を進めているのですから、先ほど申し上げた全国にも先駆的なモデルとなるような取り組みを積極的に進めてはどうかと考えますけれども、知事、いかがでしょうか。 ◯議長(藤縄喜和君)答弁を求めます。  平井知事 ◯知事(平井伸治君)(登壇)島谷県議から重ねてお話がございました。  議員おっしゃるように、UDタクシーだとか日本財団との連携のもとに、本県も一定の進展が図られてきました。UDタクシーも200台導入されましたけれども、導入率たるや富が集中している東京では考えられない。あそこは力を入れていますけれども、そういう状況でありまして、他県から来られた方々も驚かれる状況になってきています。  新しい社会づくりには、こうした財団との連携、あるいは民間の活力の導入ということが大切であろうかと思います。ソーシャル・インパクト・ボンドについては、例えば広島の自治体、あるいは神戸市、こうしたところで先駆的な導入事例も出てくるようになりました。まだ決して数は多くないですし、そこそこ10年ぐらいの話でありまして、イギリスで始まったものが今世界中に広がっているということであります。このやり方で例えば健康づくりとか、がん予防だとか、そうしたことで導入がされてきて、まだ成果がどれほど上がったかというところまではいっていないわけではありますけれども、そういう導入が始まりました。  せっかく日本財団さんが社会的投資推進財団を通してかかわっている事例でもございますので、ちょっと相談もさせていただきながら、また市町村等で解決すべき課題で、こういう成果型でやっていこうという、そういう自治体とのマッチングなどもさせていただいて、導入に向けまして促進を図ってまいりたいと思います。  これについては、今、ひと・まち・しごと、地方創生の新しい基本方針の中でも盛り込まれて、国も何らか支援をするのではないかと思いますので、情報もとりながら進めてまいりたいと思います。 ◯議長(藤縄喜和君)30番島谷議員 ◯30番(島谷龍司君)本当にせっかく日本財団とうまい関係でやらせていただいていますので、特にがんの関係などは、本当に本県の大変取り組むべき課題だというふうに私も思っております。全国的にもまだまだ少ないということですので、本県からそういうことの先駆的な足跡をつけていただければなと。またそれが成果になるように、知事、市町村との連携、団体との連携、パートナー県政の推進を今まで以上に頑張っていただきたいと思います。  以上で私の質問を終わらせていただきます。 ◯議長(藤縄喜和君)11番山口雅志議員 ◯11番(山口雅志君)(登壇、拍手)皆さん、おはようございます。  鳥取県議会自由民主党所属の山口雅志でございます。元気、本気、勇気をモットーとしております。今回、質問においても、元気、本気、勇気、特に勇気の部分を持って質問をさせていただきたいと思います。  昨年10月末に地元山陰合同銀行を退職しまして、その前も住友銀行に勤務しておりまして、合計30年間、銀行員生活を経てここに登壇させていただいております。また、鳥取県、島根県の合資で組成されましたDMO、山陰インバウンド機構におきましても、事業創生担当部長として携わり、希有な経験をさせていただいております。民間で培ったさまざまな知見とネットワークを生かし県政に資していきたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。  合銀の広報を担当しておりました折、年始の知事・頭取対談で幾度も直接平井知事のお話を聞くことがございました。当時、話題が大変豊富な上に、判断、決断の早さに、まさに信じられない、そういう思いで聞いておりました。思い出の一つとしまして、あいサポート運動を始められて間もなく、その理念にあわせて民間にも展開したいという思いをお聞きしまして、そのときに平井知事と頭取の即断、即決で民間第1号のあいサポート会員が決まったのを覚えております。ありがとうございました。  また、3月5日、県議会で山口享、そこにおりますけれども、最後の一般質問を傍聴させていただきましたが、答弁として平井知事からいただきました過分なお言葉に胸が大変熱くなりました。ありがとうございました。父の議員生活11期44年、一番近くでその背中を見てまいりましたが、地域の方々の声に耳を傾け、問題を共有し、一緒になって解決の枠組みをつくり、責任を持って実行する。まさにその積み重ねでございました。師たる実像が目の前にあったことは、私にとって大変幸いでございました。引き継ぎました政治家としての心情、基本を全うするつもりでございます。  これから質問を行いますが、歴史の大変深い平井知事や先輩方になかなか到底かないませんが、半年間、歩いて拾った市民の生の声、要望、疑問としてお聞きいただければ幸甚だと思います。  まずは、知事のマニフェストに関してでございます。  平井知事は、選挙公約の中で、平成の次の時代、令和の時代は鳥取県がリードする時代です。ふるさと鳥取から新たな時代にふさわしい幸せの形と地域の活力を創造するための未来の礎づくりに挑戦すると言っておられます。ここで重要なキーワードが未来への礎づくりです。「礎」を広辞苑で調べますと、家屋の柱の下の土台石、物事の基礎となるものとあります。過去3期にわたり財政のスリム化を図り、昨期におかれましては、財政誘導目標として3KPIを設けられ、実際にクリアしてこられました。大変すばらしいことだと思います。しかるに、新たな時代にふさわしい幸せの形と地域の活力を創造するためには、未来への投資も必要と考えます。財政の健全化と未来への投資、このバランスが必要だと考えますが、知事のお考えをお聞きしたいと思います。  この質問の背景には、鳥取の将来に自信がない、不安を覚える若者、経営者がたくさんございました。このことが背景にございます。  あわせて、未来投資を実現するためには、将来を展望した県民共通のアイディアルが必要となります。過去にも鳥取県経済成長創造戦略を立てておられますが、AI、IoT、デジタル新時代を見越した未来の鳥取にふさわしい産業形態の創造、情報ネットワーク、きのうもありましたけれども、港湾整備など、未来創造に向けた産業インフラ、未来志向の教育環境の整備、鳥取県のあらゆる機能がシンクロできる、平井知事が本にも書いておられますが、小さくても勝てる夢のある創造的なコンセプト、これが必要だと考えます。  以上、2点について知事のお考えをお聞きします。  僣越ながら、私の選挙公約としておりますのが未来投資でございます。将来の鳥取、20年後、それ以上になりますけれども、あるべき姿を思い起こして、インフラへの投資、人材への投資を今やらなくては鳥取の未来はない、そういうお話を皆さんにさせていただいております。知事もこの間、Start today,not tomorrow. まさにそのとおりでございます。御代がわりの本年こそが未来投資元年というわけでございます。
     続きまして、幾つもある質問の中で、3つに絞らさせていただき、質問させていただきます。  1つ目が、道路整備とその有効活用に関する課題についてです。2つ目が、国土強靱化に関する課題について、3つ目が、子育て支援に関する課題についてでございます。順次、展開します。  まず、鳥取西道路に関してです。  開通により、15分間の時間短縮がありました。道路へのアクセス、渋滞、信号待ちが考慮されていませんので、その効果はその数字以上です。早い速いは安心・安全の上にあって初めて有用性を発揮します。5月30日、高速道路交通警察隊鳥取分駐隊の庁舎落成式に行ってまいりました。鳥取分駐隊では鳥取西道路供用開始後、管轄区間として鳥取道、山陰道、合計70キロを所管し、体制として指導員1名、隊員12名が三交代で昼夜勤務されています。業務も多岐にわたり、交通事故処理、逆走や自転車の進入防止、最近では、いわゆるあおり運転を初めとする悪質危険な行為の取り締まりといった高速道路の安心・安全のかなめとなる重要な責務を果たしておられます。  以上はソフト面での安全対策ですが、知事にお聞きしたいのは、ハード面の安全対策です。暫定2車線の高速道路の危険性は、ドライバー皆が知っているところです。幾ら自分で気をつけても、対向車線から突っ込んでこられたら一巻の終わりです。特に雪国鳥取での対策は必須でございます。今回、鳥取西道路に初めて登場したのが安全性が高く、低コストのワイヤロープ式防護柵ですが、県警の人的安全対策と並行して効果は大きく、事例としましても、5月21日に鳥取西道路で事故が発生しましたが、県警のお話だと、ワイヤ防護柵がなければ正面衝突は免れなかった。最小限に事故は食いとめられたということでございます。  今後の自動車専用道路の安全対策計画について、国土交通省中国地方整備局にお尋ねしました。新設区間については、今後、標準的に設置があります。供用済み区間についても、おおむね5年間での設置を目指すということでございました。県東部を南北に貫く鳥取自動車道についても、おおむね対応区間、時期が決まっております。設置を待つだけということでございました。この4月までの過去6年間をさかのぼりますと、県内高速道路で144件の事故が発生し、うち11件が死亡事故となっています。他区間につきましても、早期設置に向け要望を重ねていただきたいと思いますが、知事の所見をお伺いしたいと思います。  あわせて、国交省所管外の県所管の自動車専用道路の安全対策についてお聞きします。  具体的には、北条湯原道路、岩美道路についての施設面での安全対策について、いかがお考えでしょうか。また、自動車専用道路ではございませんが、同様の利用形態である河原インター線、かわはら八頭フルーツライン、安全対策、ここの部分についてもどうお考えでしょうか、知事の所見をお伺いします。  次に、自動車道に関して経済面の課題について質問します。  大阪、神戸、広島、岡山につながる高速道路網にあわせて、鳥取西道路の開通により、県内東西南北自動車網がおおむね完成し、今後、その利用価値をいかに高めるかが問われています。しかしながら、従前より、道の駅の整備だとかインバウンド事業等、観光面での検討はなされているものの、鳥取の東西南北が高速でつながること。すなわち県土が実質的に縮小、シュリンクする経済効果による利用価値向上についての検討が余りされていないように思われます。鳥取の潜在力を引き出し高めるには必要な議論だと思います。  農業1次産品に関していえば、付加価値の高い売り方が問われています。低価格でそこそこ品質の都市近郊農業に対抗するには、運賃の上乗せ部分を超える鮮度を生かした高付加価値販売や集約的集荷出荷による流通コスト削減が必要になります。発案としまして、東西連結のかなめとなる中部地域に大きな貯蔵庫みたいなものもあってもいいかなと思いましたけれども、ちょっとそれは置いておきます。今ある施設の有効利用を前提に、県内17カ所ある道の駅の集荷拠点としての有効活用について提案をいたします。  御存じのように、多くの道の駅では、指定管理料や補助金を差っ引いたところの営業利益段階では、赤字経営にあると思われます。付加価値やミニマムロット取引による高い流通マージン取得により、経営改善はもとより、集荷コストの削減による農業生産者の所得向上、ひいてはもうかる農業へのインセンティブになります。共同集荷は他県でも実績があり、高速道路を利用した鳥取ならではの仕組みにより、農業生産性目標達成への貢献も少なくないと思われます。知事の所見を伺います。  道路交通に関して、最後の質問です。道路を利用するドライバーの安全対策についてです。  交通事故全体が減る中、近年、高齢者ドライバーによる交通事故は多発しています。対策として、平成29年3月にスタートした高齢運転者対策があり、認知症機能検査に基づく高齢者講習が実施されています。県警はもとより、委託機関である県内9カ所の自動車学校との連携により対処されていますが、高齢者全体の数がふえる中、対象となる高齢者ドライバーの数は年々増加傾向にあります。県警もそうですが、委託先の自動車学校のキャパシティーも逼迫しています。予想される高齢者ドライバーの増加に準じて安定的な体制を確保しなくてはなりません。しかしながら、経営存立の問題もあり、民間でむやみに人員をふやすわけにはいきません。安定的な体制確保のために、まず、県警としてどう計画されているのか、今後の高齢者講習の対応について、県警本部長にお聞きしたいと思います。  続きまして、国土強靱化についてです。  避難行動の前提となる地域コミュニケーションの確保と住民の防災意識についてお伺いします。  先日、千代川河川敷で、総勢数百名の規模で鳥取県水防訓練が実施されました。平井知事も御参加でございました。蛇足になりますが、水防訓練でいう訓練は、英語でドリルであらわし、トレーニングでもディシプリンでもありません。何度も何度も繰り返し、想定する災禍が発生したときに、確実に実行されることを意図します。まさに今回の水防訓練は、河川氾濫と人命救助を想定し、洪水罹災状況と相対する状況判断が確実に伝達され、水防行動に及ぶことが企図されていました。想定とはいえ、真剣勝負であり、その集大成が水防訓練なのだと実感しました。  そのときショックでしたのが、真剣勝負のシナリオの舞台が、私の近隣、鳥取市吉成の大路川と千代川の接続水域であったことです。これは、当地域が内外が認める最も洪水リスクが高いエリアだということを意味しており、実際に大路川、千代川接続水域の形状は、さきに60人の犠牲者を出した真備町のそれに全く酷似しており、下流域の浸水想定高、それは5メートル、ここでいう白い時計の下の線ぐらい、これが5メートルぐらいになるのですけれども、そこぐらいに達します。  洪水発生は、すなわち多くの住民の死を意味します。リスクが高まる梅雨の時期を前に、排水ポンプの増強等、対策が進められています。私も参加しましたが、昨日も鳥取県土整備事務所による地元向け排水ポンプ操作講習会も開催されています。  ハード面も重要ですが、さらに大切なのは災害時の避難行動です。言うまでもなく、避難行動の基本は自己責任です。避難行動を確実にするには、日ごろの人的ネットワーク確立が重要です。私も実際、真備町に行って、老若男女、さまざまな方のお話を聞きました。また、防災の権威である岡山大学前野詩朗教授に、真備町の災害を踏まえました防災、内水氾濫と外水氾濫の複合発生、それと地域防災についてお聞きしてまいりました。繰り返しますが、命を守るには、防災情報を避難行動にどうつなげるかがポイントです。日ごろの地域コミュニケーションの確保と個々の防災意識のあり方が問われます。昨年の真備町の災害では、災害情報、避難情報が伝えられなかったり、災害情報が入っても避難行動につながらず、死亡した世帯が多くあったようです。地域住民と距離のあった母子家庭、このミッシングリンクの被害者になった、そういった親子もいらっしゃいました。  今後、防災警報はレベル表示プラス付加情報になりますが、レベルに合わせて機動的に動けるよう、地域としての取り組みが極めて重要となります。防災意識の高い地域では、日ごろから災害訓練を行い、高齢者世帯の家族連絡リストも整備されています。ところが、若者世代、新興住宅地、アパート、マンションでは、町内会が存在しなかったり、地域活動に関与しない世帯が増加しています。このような自治会、町内会頼りの穴あきの状況をどうお考えなのかお聞きしたいです。また、今後、どう対策されるのでしょうか、知事の所見をお聞きします。  最後の質問は、子育てに関してです。  平井知事は、子育て王国鳥取として、日本一の子育て環境を認じ、県職員の方、地域の方々、それぞれ自負と誇りを持ってさまざまな対策に臨んでおられます。その結果として、5月に発表された女性のストレスオフ県ランキングで鳥取県は3年ぶりに1位に返り咲きました。子育て環境のよさが好影響を及ぼしているのではないかと思います。  子育て環境は国の幼保無償化もあり、ドラスチックに変化しつつあります。その中で、質問は、国の地域こども・子育て支援事業のうち、子育て援助活動支援事業、いわゆるファミリーサポート、ファミサポに関してです。  ファミサポ、ここでは育児型を意味しますけれども、相互援助の理念を前提に、乳幼児や小学生の児童を有する子育て中の労働者や主婦等を対象として、児童の預かり援助を受けることを希望する者と援助を行うことを希望する者のマッチングをする事業と言えます。実施内容としては、自宅から保育施設までの送迎、終業後の塾、習い事への送迎、預かり、保護者の病気や休養時の児童預かり、買い物等外出時の児童預かり、病児・病後児の預かり等、まさに子育て支援の駆け込み寺的存在で、多くの主婦層に利用され、また賛同を得ています。  ところが、その仕組み、組織が崩壊の危機にあります。事業組織は援助を行うことを希望する方が前提となっており、その登録会員は高齢化と新規登録減少により縮小の途にあります。その要因・背景として、支援提供会員の賃金支払いが600円と最低賃金の762円を大きく下回るという責任を持って預かるには余りにも賃金が低過ぎる問題。送迎に際して、支援提供会員の自家用車使用が前提となっており、事故が発生したときの対人・対物補償がなく、恐ろしくて車を使えない問題。支援場所が支援提供会員や児童の自宅が前提となっており、自宅の安全確保に物すごく手間がかかる問題。それ以外も預かり児童へのヒアリング負担とか、支援員資格取得負担等があり、支援員のなり手不足が深刻な問題となっています。事業実施は各市町村に委ねられていますが、事態を把握した上で、鳥取県としてできること、市町村への指導、支援、さまざまな補助、支援場所の提供があると思います。幼保に通う場合、大きな支援がありますが、みずからの手で家庭で子供を育てたいという父母に対しても、同等の支援が必要と考えます。サステーナブルな子育て環境に向けた知事の見解をお聞きします。  以上、よろしくお願いいたします。 ◯議長(藤縄喜和君)答弁を求めます。  平井知事 ◯知事(平井伸治君)(登壇)山口県議の一般質問にお答えを申し上げます。  山口県議からは、このたび初当選された思いを語っていただきました。勇躍新しい県政の舞台に立たれたこと、心からお祝いを申し上げますとともに、これまで山口享議員から賜りました鳥取県のすばらしい議会の伝統を引き継いでいただき、また、私どもも教えられたことを、それを胸に刻み込みまして、鳥取県政を前に進めていきたいと考えております。  議員の今の御質問、まさに元気、本気、勇気があふれるものでございまして、また、未来投資というそういう説得力のある言葉もいただきました。そうした方向で、令和の新しい時代をともに開いていければというふうに思います。  先ほど合銀さんの頭取と米子で対談をしたときのお話だと思いますが、私もあのとき山口議員に初めてお会いをして、御家族のことなども伺ったことを記憶いたしておりますが、あいサポート運動ですとか、そうしたものを当時スピーディーに取り組んでいただいたことがございました。そのスピードが信じられないというお話でありましたけれども、信じていただきたいと思います。  また、山口議員におかれましては、まさしくこれが県政だという雅志の名前をぜひこれから県政の中に生かしていただければというふうに思います。  議員のほうからお話をいただきましたのは、まず、こうした県政の大枠につきまして、財政とのバランス、どのようにとりながら、投資だとかそういうものを進めていくのかということがございましたし、また、未来に向けた創造的なコンセプトというのを考えていくべきではないかと、こういうお話でございました。  私ども、先般、全員協議会でもお話を申し上げましたが、そこの両立を上手にとりながら、やるべきことをやりたいと考えております。実は、私が就任する前は、それは手品のように思われていたところがございました。ただ、12年間やってみまして、非常に目に見えないところで我々も努力しているのだろうと思うのですが、例えば子育てだとか、あるいは障害福祉だとか、また、インフラストラクチャー整備でも、東西を結ぶ鳥取西道路を初めとした道路整備等々、かなりの財政負担もしながら進めてきていますが、そこで選択と集中を実はやっておりまして、これをやることが県民の期待だというところに重点的に先行投資をし、また、やり方としても財源上の工夫をしたり、片方で行財政改革にトヨタのカイゼン方式を導入しまして、抜本的に進めてきております。だからこそ、借金をふやさずに貯金も減らさずにこういうような事業を展開してこれたということでありますが、これまでの県議会の皆様の大変な御協力と御理解をいただいたことで実現できたというのが実情でございました。  これから令和の新しい時代が始まりますが、そこにおいても、サステーナブルな持続可能なバランスというのをとっていかなければなりません。そういうこととあわせて、未来投資というお言葉がございましたが、やるべきことをしっかりとやっていくことが必要だろうと思います。  道路を初めとしたインフラストラクチャーもこの4年間でもいろいろと整備を進めていくことになろうかと思います。例えば4車線化という範疇でいいますと、鳥取インターチェンジのあたり、それからあるいは山陰道の米子道路のあたりなど、この4年の間に目鼻がつくのではないかと期待されるところもございますし、私の気持ちとしては岩美道路も県境に結んでいく4年間になればなと思いますが、ひょっとすると5年かかるかもしれませんけれども、できるだけ早くそうしたインフラストラクチャー投資効果を出していくということを目指していかなければなりません。その意味での財源をやはりつくっていかなければならないわけであります。  先般、いろいろと御質問もいただいた全員協議会でお示しをした財政誘導目標でございますが、これで従来の固定的な数字によるものではなくて、経済実勢や財政実勢の連動型に移行させていただきたいというふうに申し上げました。これでより柔軟な投資等に結びつくような財源も可能かと思います。議員がおっしゃる投資というのは、教育だとか、あるいは福祉や農業なども含めての意味だと思いますが、そうしたことに振り向ける財源もできればと思います。ざっと見て200~300億円ぐらいある程度余力財源を持ちながら進める4年間になれるかなというふうに思っておりまして、ぜひ先般お示しをしました誘導目標に対して御理解をいただければというふうに思います。  これまで進めてきたいろんな成果を下敷きにさせていただきながら、県民の皆様、議会と一緒に、小さくても勝てるような、そういう鳥取県をつくってまいりたいと思います。  多分その際のコンセプトといいますか、共通に目標となり得るのは、未来投資ということ、あるいは令和の新しい時代を我々が未来への礎づくりとして、その4年間、大きなものをつくっていくんだと、こういうことではないかと思います。安全・安心、あるいはひと・しごと、さらには暮らしやふるさと、そうした礎をつくっていければというふうに思います。  議員のほうから具体的に3点にわたりまして大きなテーマをいただきました。まず、1つ目が道路整備のことでございました。ワイヤロープの設置に向けて、国直轄の部分、それからさらには県での施工部分についてどうかということであります。県事業のところにつきましては、県土整備部長のほうから詳細を申し上げたいと思いますが、大体国の直轄でやっています山陰道、それから鳥取自動車道、また米子道もこれもNEXCO西日本のほうでの事業ということになります。これらを合わせますと57キロぐらいワイヤロープ設置可能区間があるのではないかなというふうに思われます。  我々、実は要望の中にもワイヤロープ設置についてお願いをしてきておりますが、先般、全員協議会でお示しを申し上げましたように、地方六団体そろって要望する中にも、こうした安全対策を盛り込まさせていただければというふうに考えており、粘り強く展開していかなければなりません。  実は国のほうで示されました基本方針が、議員も同様のことを事務所から聞いたというお話でございましたが、これから設置する暫定2車線のところは標準装備をするのとあわせて、さらに既設区間につきましては5年を目途にやっていくのだと、こういうことであります。我々も呼びかけをさせていただき、状況をお伺いをしておりますけれども、交通安全対策の中で、国土交通省でもワイヤロープ予算は確保してきたということで、中国地方にも配分があると見込まれています。そこで、青谷から米子西に向けて山陰道を施工していただいたり、鳥取道での施工等々、用瀬-鳥取間などを進めていただく必要があるのではないかなというふうに思います。この辺、重点的にできるだけ前倒しをしてやっていただくということに呼びかけをさせていただきたいと思います。  また、斉木議員の代表質問でも申し上げましたが、こうした国の方針に倣って、県としても5年以内にはそうしたことを展開していければというふうに思いますが、できるだけ前倒しできるなら前倒しをしながらワイヤロープの設置をもくろんでいきたいと思います。  実は完成2車線の区間がございまして、暫定2車線ということになりますと、北条湯原のところということになろうかなと思いますが、そうしたところについて、まずは国のほうのそういう安全対策の助成制度等々を確保していかなければいけませんので、そういう財源上の措置なども国に要求をしてまいりたいと思います。  次に、道路に関連して、道路交通を利用した農産物を外へ出していくと。集積として道の駅だとか、そうしたところを活用することができないか、そういう集約出荷施設ということでありまして、大山インターのところのお話がございました。確かに大山恵みの里公社というのを大山町のほうで設けられまして、そこで結構繁盛しているのですが、いろんな養鶏製品なども含めて展開をされている。そこで集まるものを利用して、丸合さんだとか、そうした地元のスーパーのほうに出荷をされるということを始められています。なかなか御苦労もあるようでありますけれども、現実にはそうしたこともできているということであります。  実は私も同じアイデアをかつて持っていまして、それで、就任したころ、JAの中央会の坂根会長さんもそうしたことに非常に共鳴をしていただき、当時、地産地消という言葉をかなり使っていたこともございまして、地産地消市場などを展開したりしていました。私は実は当時、着目していたのは、アスパルとか、ああいうのは結構はやっているということです。これは実は農業の当事者の皆さん、生産者の皆さんにも生産意欲を高めることになりますし、実は買いに来られるお客様にも地元のものを使っていただいて、食育という観点でもシンボリックなことにもなりますし、それがうまくフィットしているから、結構、売り上げが伸びているのではないかというふうに思っていました。こういうことを全県でも応援しましょうということを当時やりました。そこに出される農家さんのために、小型のハウスといいますか、生産を整えるような基盤整備だとか、そういうことの応援も含めて、こうした地域におけるそういう地産地消型の即売所の応援をさせていただきました。  そういう中で、わったいなが賀露のほうにつくられるわけであります。これが全県的なそういう施設にしようというふうにしまして、株式会社食のみやこでしたかね、そういうようなものをつくられて運営をされることになりました。また、同時期、実は鳥取中央農協さんのほうでは、満菜館という大型の即売施設をつくられることになります。  実はそこに集出荷を組み合わせているわけです。わったいなのほうに集荷して、それで例えば消費地のほうに送るだとか、そういうようなことも念頭に置きながら、実は全体計画を組んでおりました。満菜館もそういう意味で、単に売り場ということだけではなくて、それを集出荷に結びつけていくというようなこともやっているわけですね。残念ながらわったいなのほうは、まずそこに集めてくる野菜だとかそういう生産物を集めるところに手いっぱいでございまして、なかなか外に売っていくというところまでは現実にはこれまでうまくいっていないというところでありますけれども、わったいな自体は採算もだんだんよくなってきて、大分ベースも上がってきました。  県全体でもこの程度のやつは今飛躍的に伸びていまして、これも当たっているのですけれども、満菜館さんももちろん売り上げもあるのですが、実はあそこで集まったものをJAの職員の方が2トントラック、4トントラックで運転をしまして、関西へ持っていって阪急オアシスに鳥取の地産地消市場というのを開いているわけです。これは今でも続いていますし採算も合っています。こういうことで、ただ、JAさんは自分で運転したりして結構苦労もされているわけでありますが、全体としては、そこで採算もとれるような形になっています。  また、東京のアンテナショップに行かれるとおわかりかと思うのですけれども、久米にこにこ市、やはり倉吉でございますけれども、そこの産品が並んでいます。あれは実は久米にこにこ市さんのほうでまとめられますけれども、それを宅配便等も使って持って出て、それを東京のアンテナショップのほうが運送代も払って取り寄せる形であちらで売って、向こうでももちろん売れているということであります。これはよってみたい菜という倉吉市内の直売所も含めて、こういうことを今、東京のアンテナショップとの関連でできているのですね。ですから、そういう意味で、手づくり感でやっているそういうものが、集荷の役割も果たして外に出るというのは、県内でも成功例や実践例もできてきたところでありまして、大山もそれと同じ形態を今試みられているということであります。  ぜひ、議員のそうした御提案もございましたので、こういう今なかなか採算に合わせるのが大変なのですけれども、つまり、御案内のように、単価が安いものですから、単価が安いものを外に持っていく運搬費というのは、これは必ず足かせになりますので、そこのところの採算を合わせるのはなかなか難しいのですけれども、うまくいっている例もありますので、せっかく集荷したものを生かすことを関係者とも今後も話し合っていきたいと思います。  次に、国土強靱化につきまして、防災訓練をやっても自治会、町内会にいわば空白が生じてしまっていると。これをどういうふうに見るべきかというお話がございました。  実は、これは全国的に大問題でありまして、自治会、町内会の加入率の低下ということがあります。鳥取市は今66%でございますが、全国区はそれを下回る64%でございます。実は町村部、県内は今でも8割、9割ぐらいをキープしていまして、ただ、それでもやはり、例えばアパートが建ったとか、いろんなことがありますと、そこの住民の加入率ということがあります。県内でいきますと、米子市さんが大体少し低目の加入率になっているということでございますけれども、鳥取市でも全国平均を上回っているということでありまして、まあまあ頑張ってはいるほうではあります。  ただ、それでも3分の2というベースになってきましたので、それだけやはり防災等のとき、いざというときに機能を発揮し得るのか、この辺の課題があります。また日常のいろんな諸行事の運営であるとか、それから地域での回覧板の問題、こういうことなど顕在化しつつありまして、ここ数年にわたりまして、ずっと自治連合会、自治会の連合体でございますけれども、こういうところからは毎年のようにこうしたことの対策を求める要望というのが出されてきています。  そういうこともありまして、県のほうでは地方創生交付金という市町村が使える交付金がありますが、そういう中でこういう自治会の加入対策、こういうものもできるようにさせていただいてございます。いろいろと工夫はしたりしているのですけれども、多分、今のお話のポイントは、防災そのものではないかというふうに思います。  実は、最近、中部地震を経験したり、それから水害があったりして、市町村、あるいは現場のそれぞれの地域レベルでも防災意識についての関心は高まってきていると思います。現実にも鳥取県が進めてまいりました支え愛マップと言われます福祉と防災を組み合わせたような考え方でありますが、いざというときにこの人を救っていかなければいけないと、避難所に連れていかなければいけないという方をリストアップしていくと。それをみんなで共有をしたり、また、地域の危険箇所などもみんなで点検をして見ておくと。それで、できれば役割分担も決めて、サイレンが鳴ったら、あのおばあちゃんは私が連れていきますというふうに決めておくとか、こういうようにする活動を今推奨していまして、これがうまくできていたところが中部地震でも避難が早く、それからさらには集会所のほうで防災の備えなどもできていたりしまして、避難所に行く手前のところの我々今これを支え愛避難所というふうに位置づけているのですが、そういう支え愛避難所での対策、こういうことも、今、てこ入れを図ろうというふうになってきています。  こういうようなことが自治会活動以前の問題として、やはり地域の中で取り組むべきなのではないかなというふうに思います。これまで福祉部局が先行してやっていましたが、近時、こういう経験も踏まえて、危機管理部局のほうが中心になって、市町村と連帯をして、今、呼びかけるようにさせていただいたり、個人情報の開示の問題もありますので、そうしたところにも取りかかっていただいたりしているところでございます。  やはりこうしたことを地道に積み重ねていくことが、いざというときの安心の支えになると思います。議員の御懸念というのは、もっともなところでございまして、地域のいろんな主体とかかわり合いながら、こういう活動を前に進める必要があるのだと思います。  実は、自治会活動以外でも問題意識を持って協力してくれるところも出てきました。例えば、穴吹興産さん、マンションですけれども、あそこでは、やはり多分共益費を使っているのだと思うのですが、防災グッズを備蓄をするようになってきまして、そういう防災情報などについても、マンションとしても協力をするというようなところも出てきています。また、自治会への加入については、鳥取市さんは宅建業界さんとかと協定を結ばれまして、加入促進の協定というもので後押しをしようというふうにされています。ぜひ、問題意識を持って市町村にも呼びかけ、また、こうした防災という観点での別途の取り組みということも推奨させていただいて、展開を図ってまいりたいと思います。  最後に、ファミリーサポート事業につきましてお尋ねがございました。  さまざまな点を上げられました。そういう課題があるという実態を把握しながら、改善を図るべきではないかと、こういう御趣旨でございました。  子育て王国、地域を挙げてやってまいりまして、もう10年くらいかもしれません。そういう中で、鳥取県では、例えば子育て支援センターであるとか、さらには全国でも唯一でありますが、ネウボラを、そういうものをやったりとか、そういうことを全市町村で展開をしてきている中で、ファミリーサポート支援センター、これについては、ほぼ全市町村を網羅する形になってきました。これについては、このたび日野町さんで6月から展開をされまして、残りは伯耆町さんだけということでございますが、どうしても郡部はお子さんの数が少ないものですから、これは地域のボランタリー組織でございますので、立ち上がらないといけないということがございました。そういう形で今全県に展開されていると言っていい状況になってきております。  もともとはファミリーサポートセンター、市町村の議会の方も多いわけでありまして、御案内と思いますが、平成6年に労働省が当時始めたものでございまして、預け合いの制度なのですね。ですから、もし厚生省がやっていれば、預かり保育だったのでしょうけれども、労働省が、要は働く御家庭ですね、共働きの家庭など、そうしたところで問題意識があって、お互いに預け合ってやっていこうということで推奨したものでございます。それが今全国に広がっているわけでございまして、正直申し上げまして、先ほどいろいろ問題点の指摘もございましたが、評判はよろしいというふうに思いますし、だからこそ県内でもほぼ全市町村に広がってきたところであります。  ただ、もともとが預け合いの組織ということでありますので、だから実費弁償的なボランティアの補償みたいなことで数百円をやりとりをするとか、それから車での送り迎えをどうしようかとか、その辺は地域地域で設定をされながら、皆さんの話し合いの中でやってきているというのが実情でございます。  ただ、地域によっていろいろと区々でございまして、例えば鳥取市のほうは預けるほうの、そういう依頼するほうの会員が物すごく多いのですね。ただ、預かるほうの会員が必ずしも多くないと。他方では、日南町のほうへ行きますと、預け合いの会員が一番多いのですけれども、預けるだけの会員というのは一人もいなくて、預かってあげますという会員はいらっしゃると。だから、地域によって需給バランスは当然ながら違うわけですね、子供の数が多いとか、そういうことをやってくださる人が多いかで。ですから、それぞれのところで、やはり組んでいかなければいけないシステムであります。  ただ、おっしゃるように、いざ、万が一のときにどうするかとか、実は送り迎えのことなどについても、地域によってはいろいろとルールをつくって制限したりするところもありますし、いろいろでございます。そこで、今お話もございまして、実はそういう悩み事をおっしゃられる方々もいらっしゃるわけでありまして、正直あれで預かって賃金を稼ごうという人はそんなにいないと思います。どちらかというと、自分も預けなければいけないので、そのときは払わなければいけませんから、預け合いでありますから。そういう意味で、いろいろと悩み事をちょっと改善していく、そういうことをやっていく必要はあるのかなと。せっかく御意見も出ましたので、市町村等々、意見交換会、我々も仲裁役で入りまして、介添え役で入らさせていただき、意見交換会をさせていただき、これから新しい令和新時代の一歩先、子育てのあり方を県全体でも検討しようと思いますので、そういう中にも還元させていただいたり、市町村での実務に役立てていただければと思います。  例えば、多分そういうのの一つのモデルになるかなと思われますのは、八頭町さんなどがそうでありまして、八頭町さんの場合は、どちらかというと預かるほうのボランティアは余り多くないのですね。やはり都市近郊型でありますから、預けるほうがどちらかというと多いと。それで、どういうことをやっているかと、要は町の施設を会場として、普通は家で預かるのですけれども、町の施設を預かり会場として、そこに連れてきてもらうと。だから、どっちかというと保育園的なイメージで預かる。それをボランティアが運営している、そういうようなタイプのやり方でありまして、ある意味合理的ですし、今風なのかもしれません。最初は家へ連れていって、ではこの子をきょうよろしくお願いしますねというところから始まったものでありますけれども、今どんどんとシステマチックになってきていますし、働く人たちが多い土地柄であれば、そういう効率的に預かれるというやり方もあるのかもしれません。ですから、そうすると、いろんな例えば保険の問題だとか解決もしやすくなるかもしれませんし、地域によってはそういうやり方もあるのかもしれません。そんな意味で意見交換会をまずはセッティングをさせていただきたいと思います。 ◯議長(藤縄喜和君)草野県土整備部長 ◯県土整備部長(草野愼一君)2点、県内の主要な高速自動車道であります岩美道路と北条湯原道路、また、河原インター線についての補足の答弁をさせていただきます。  まず、県管理の自動車専用道路でございますが、大きく完成2車線と暫定2車線という種類分けがございます。完成2車線というのは完成時点から2車線の道路で、初めから中央をガードレールで完全に分離をしているというものです。暫定2車線のほうは将来4車線になるのだけれども、現時点ではまだ暫定2車線で供用しているという種類でございまして、当県内では、北条湯原道路の3つの区間があるのですが、真ん中の倉吉道路、それから南のほうの倉吉関金道路、この2つが完成2車線でございます。それと、岩美道路も完成2車線でございます。ですので、これら完成2車線のところは既に土工部分、トンネル、あと橋梁につきましてもガードレールがありまして、安全対策がとられております。  ただ、北条湯原道路の一番北のほうに北条倉吉道路という区間がありますが、こちらのほうは暫定2車線の区間となっております。現在、ラバーポールで対策をとっておりますが、平成19年の供用以降、今のところ大きな事故は起こっておりませんけれども、昨年、国のほうで国のほうの暫定2車線の対応というのが発表されているのですけれども、その発表に合わせまして、高規格幹線道路以外の自動車専用道路のワイヤロープ式防護柵の設置についても国のほうで今後検討されていくということは情報提供がなされておりますので、そちらのほうの状況を見ながら、当県といたしましても、できるだけ早期に対応をとってまいりたいというふうに考えております。  2点目の河原インター線につきましてですが、河原インター線は一般道でございまして、一般道としての幅員ですとか線形、また、標識等の設置の安全対策を実施しておるところでございます。今後、交通の状況を見まして、警察等の関係機関とも協議をしながら、安全対策を進めてまいりたいというふうに考えております。 ◯議長(藤縄喜和君)佐野警察本部長 ◯警察本部長(佐野裕子君)山口議員から高齢運転者講習に関してお尋ねがありましたので、お答えいたします。  更新期間満了日における年齢が70歳以上の高齢運転者には、公安委員会が行う高齢者講習の受講が、同じく75歳以上の高齢運転者には、公安委員会が行う認知機能検査の受検及び高齢者講習の受講がそれぞれ道路交通法上義務づけられております。  本県では、更新時の認知機能検査及び高齢者講習を県内9校の指定自動車教習所に委託しております。昨年は受講待ち日数の長期化によって、免許証の更新期限が切迫するなど、受講者の方の負担となる傾向が見られたことを受けて、これら各校に受講枠の拡充を依頼するとともに、本年1月10日から更新切迫者を対象に公安委員会直轄による認知機能検査を開始いたしました。直近1年間で最も受講待ち日数が長かった昨年11月末と本年4月末を比較したところ、認知機能検査の受講待ち日数は、約71日だったものが約28日に短縮されており、運転免許を更新しようとする高齢者の負担は軽減されつつあるというふうに考えております。  今後、高齢化の進展によって、高齢者講習の受講対象となる方が増加することも想定されるところ、県警察では、これに対応するため、認知機能検査に加えて、高齢者講習についても公安委員会による直轄実施に向け検討を開始したほか、更新期限が切迫する原因の一つにもなっている受講申請のおくれを解消するため、受講通知の封筒への表記方法を見直して、受講者に早期の受講申請を促すことや、認知機能検査の委託先を拡充することなどについても、今後検討していくこととしております。  今後とも高齢運転者の方の免許更新手続の安定的かつ円滑な実施に向け、委託先である自動車学校と連携しながら、適切に取り組んでまいりたいと考えておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。 ◯議長(藤縄喜和君)11番山口議員 ◯11番(山口雅志君)追及で質問させていただきます。  国土強靱化に関連して、ハード面に関する質問でございます。  平井知事は、御当選後、中山間地の活性化について対策強化を打ち出しておられます。その前提となる安心・安全かつ安定した生活基盤の確保について知事に質問します。  私も選挙前後を通して、住民の方から多くのお話を聞きましたのが河川整備、しかも農業に直結した用水路に関する問題です。用水路の整備は、農業のみならず防災減災にも寄与し、国土強靱化の取り組みの一つになっております。この間も県、市、地元の方と一緒に現地視察をしてまいりました。河原の和奈見であるとか高津原の用水路、大塚の用水路等でございます。一部の用水路については、長期にわたり抜本的な対策がとられておらず、そのしわ寄せが住民の人的労役によって担保されていました。高齢化が進む中、大きな負担となっています。農家の後継者問題は喫緊の課題でございますが、このような状況が継続的に続くと果たして後継は大丈夫かと危惧します。このような長期にわたる対策が遅延している案件がありますが、現状について県としてどうお考えなのか知事にお伺いしたいと思います。 ◯議長(藤縄喜和君)答弁を求めます。  平井知事 ◯知事(平井伸治君)(登壇)山口議員から重ねてお尋ねがございました。  特に農業水利等、やはり長年なかなか手がつきにくいところもございまして、最近ようやくため池であるとか、それからそうしたことに向けまして私どもの農業土木の事業を起こさせていただきまして、みんなで取りかかろうというふうに若干転換をし、災害のときにそれを活用してやっている例も出てまいりました。  最近でいえば、例えば大口堰のところでは、これは平成29年の台風災害でまず損傷があったのですが、昨年の7月豪雨のときに積んであった大型土のう等もやられてしまいまして、水が行かなくなった。それで国交省のほうにあのときはすぐにかけ合わさせていただき、国直轄のほうでもそこをつけていただいて大型土のうをつくらさせていただいて、それを設置してとりあえず応急復旧での分流を行って水利を得たということをし、現在その災害復旧にようやくかかるという形で懸案であったところを今この夏に向けて復旧工事、これは鳥取市のほうが中心になりますが進めていただいているところでございます。  また、今在家のほうでこれもやはり農業水利のこと、これも地域と協働しながら前に進めるという形で事業を活用して進むことになりました。  今おっしゃった和奈見のところも長年の懸案というところでございまして、鳥取市さんが地元と一緒に国交省のほうに事業のあり方をたび重ねて今要望を続けておられるところでございます。私どももそうしたところを一つ一つ地元とも丁寧に話し合いもさせていただきながら、解決に向けていける手だてを考えていければと思います。  国交省さんはなかなかこれは河川事業ではないということで今ちょっと話が合わないということなのだろうというふうにも思いますが、かわりに農林省系の事業立てもございますが、それをやろうと思いますとやはり地域との合意形成も必要になってくるところであり、そうしたことなども含めて一つ一つ今後対応してまいりたいと思います。 ◯議長(藤縄喜和君)11番山口議員 ◯11番(山口雅志君)ありがとうございます。  最後に質問させていただきます。高速道路の経済的有効活用についてでございますが、やはり農業生産者の所得向上ということがまず一番だと思います。いろんな取り組みを具体的に展開されておられますが、やはり農業立国鳥取でございます。後継者問題であったり、やはり食っていける農業を展開するためにも、ぜひとも平井知事と一緒になって今後取り組みをさせていただきたいと思いますし、民間とも一緒に、私も山陰合同銀行出身でございます。一緒になって取り組みをさせていただきます。  その民間との協業について、知事の最後に見解をお聞きしたいと思います。 ◯議長(藤縄喜和君)答弁を求めます。  平井知事 ◯知事(平井伸治君)(登壇)農業につきまして、民間との協業につきましてお尋ねがございました。
     例えば意外に他県から注目されるのは地域商社であります。これは金融機関も入っていただいて、それで販路をつけようということで地域商社をつくり、農業の特産物の販売も含めて打って出るということをしているところであります。こういう販路開拓などでは、やはり市場側とのマッチングを図る上で民間の力というのは大きく作用すると思います。  また、例えばでございますけれども、全国チェーンをやっておられる食堂で鳥取県内に着目をしていいただいて、私どものあいサポート運動だとかそれから私どもが今展開しております特例子会社制度の応援制度なども注目されたのだと思いますが、鳥取県の障害者の皆様と一緒に野菜づくりをしようと。そういうことを中部のほうでも展開をし、拡張もしてきていただいている。このように企業の方自体が農業経営にかかわっていただくということも出てきていようかと思います。  また、今回実は山田さんという賀露出身の方が不二家の会長をされていますが、その不二家の系列レストランをこの際全面的にやりかえて、鳥取和牛大山というお店を心斎橋に出そうと。心斎橋でありますから、御案内のように中心地でございます。そこであえて鳥取の食材を使う。そこに和牛はもちろんのこと、そのほかにも白ネギであるとかそれからシイタケであるとかそうしたものを実は我々も仲立ちをしましてあっせんをし、またJA等関係者にも協力をしていただいて、アンテナレストランに事実上なっていただくというような取り組みをしているわけですね。こんなような形でも企業とのかかわり合いというのは行政だけではできないサポートも農業に対してできようかと思います。ぜひそうした形で協業を進めてまいりたいと思います。 ◯議長(藤縄喜和君)11番山口議員 ◯11番(山口雅志君)皆様にいろいろ御答弁いただきまして大変ありがとうございます。  ぜひとも豊かな鳥取、新しい新時代の豊かな鳥取に向けて、知事を含めまして皆様と一緒に歩みを進めてまいりたいと思います。ぜひとも御協力をよろしくお願いいたします。  以上をもちまして質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。 ◯議長(藤縄喜和君)暫時休憩いたします。午後の本会議は午後1時10分より再開いたします。        午後0時08分休憩    ────────────────        午後1時10分再開 ◯副議長(福田俊史君)再開いたします。  引き続き一般質問並びに議案に対する質疑を行っていただきます。  31番川部洋議員 ◯31番(川部洋君)(登壇、拍手)皆さん、昼からの時間ですがしっかり頑張りますので、よろしくお願いいたします。  鳥取県議会自由民主党の川部です。  今回は鳥取県の持続可能性についてということで、次世代を生きる子供たちのためにいつまでも暮らし続けていけることのできる地域をつくるにはどうしたらいいのかということについて知事に質問いたします。  持続可能性という言葉、もう皆さんよく使われていると思いますが、英語ではサステーナビリティーといいますが、読んで字のごとく持続する可能性そのままであります。もともとはこれは水産資源による分野の専門用語だったということですが、現在では環境やエネルギー、それ以外にも政治、経済、文化など人間活動全般に用いられる概念となっています。これにつきましては、平成26年の本会議での質問に対して知事がしっかりと答弁されておりますが、考え方としては地球の資源は有限であるというふうな1972年のローマクラブの成長の限界レポートから始まって、1987年の国連環境と開発に関する世界委員会でのブルントラント報告で人間活動全般にわたる概念として持続可能性という言葉が提起されました。  社会、経済、環境など住民の暮らしにかかわるあらゆる面を通じて持続可能な地域をつくること。すなわち、私たちが生活するこの地域でいつまでも暮らし続けていけるようにすること。それはこの地域に住むみんなの願いであります。そして、それは自治体としての大きな役割だと思います。  しかし、この地域の持続可能性を阻害する要因として、人口減少という非常に厳しい課題が立ちはだかっています。2014年には「消滅可能性都市」という言葉が大変話題になりました。この持続可能性という概念とは全く真逆の話であります。  改めて消滅可能性都市を説明すると、2040年に20歳から39歳の女性人口が半減する自治体を消滅可能性自治体と定義して、約1,800ある市町村のうち約半数の896の市町村がそれに該当するということでした。鳥取県では、19ある市町村のうち13町村が消滅可能性都市に該当するということであります。議場でもこの問題を多くの議員が取り上げてきました。県としても、当該町村としてもこうした状況に対していろいろ対策を練ってきたと思いますが、人口の減少はとどまっておらず、状況が改善されたというふうなことは言えない状況にあります。  倉吉市は消滅可能性都市とは言われておりませんが、個別の集落を見てみますとなかなか存続が厳しいところがやはり見受けられます。数字だけで見ますと、世帯数が15以下の集落が関金地区で3カ所、高城地区で2カ所、そのうち3カ所は限界集落になっております。こうした状況は、県内の中山間地で多く見られる状況ではないでしょうか。移住がふえたとはいえ、高校卒業時の若者の流出による社会減、人口の年齢構成から来る自然減はこれは全国の地方都市に共通する構造的な問題であり、一朝一夕に改善されるものではないというのは理解しております。したがいまして、人口減少を前提としながら住みやすい地域社会を維持していくことが求められています。  そうした状況における持続可能な地域とは何か。鳥取県における持続可能性についてどのように考えているのか、知事の所見をお伺いします。  以前の質問でも言ったと思いますが、出生数の増加、県外流出の歯どめ、I・J・Uターンの促進等、人口を維持する施策とあわせて人口の減少に合わせて地域や行政サービスをダウンサイジングしていく施策、この両方向が求められていると思います。そうした中、県民の地域での暮らしを守るために県は何をすべきなのか。市町村の存続も厳しくなってきている中、持続可能な地域をつくるために広域自治体としての県の役割は何なのか、知事の考えをお聞かせいただいて壇上での質問といたします。 ◯副議長(福田俊史君)答弁を求めます。  平井知事 ◯知事(平井伸治君)(登壇)川部議員の一般質問にお答え申し上げます。  持続可能性ということにつきまして、どういうふうに我々は考えるべきなのか。また、県政としてそれに対してどういう手法、アプローチを今後とるべきなのか。そういう哲学、基本的な考え方につきましてのお尋ねをいただきました。  持続可能性という言葉、確かにローマクラブの一つの限られた地球の上で資源がない。それから食糧、これも限定されている。そういう中でマルサスが言うような人口爆発が起こる。そうすると、この地球を食べ尽くすわけにもいきませんので、いつかどこかで限界が来るだろうと。持続しなくなるのではないか。こういうことから持続可能性ということが言われるようになり、また、リオデジャネイロで行われました地球環境会議の中でも、サステーナブル・フォレストリー・マネジメントですかね、持続可能な森林経営という言葉が生まれまして、結構これははやった時期がございました。それも、森林というのもブラジルだったものですからアマゾンが開拓され尽くしてしまうのではないかということで、それがCO2 を引き上げる原因になる。つまり光合成が失われることになればO2を生み出すことにならない。CO2 の濃度が上がってくると地球温暖化につながる。このまま放置してはおけないということで、そういう意味で例のCO2 の問題提起とあわせて森林の持続可能性ということもクローズアップされたりもしました。もともと、そういうふうに環境問題だとか資源とのかかわりの中で使われてきたものであります。  私が感覚として申し上げれば、サステーナブルの語源のサステインという英語がございます。この語感は、持続よりはもっと厳しい言葉だと思います。持ちこたえる、何とか生き延びる。サバイブに近いようなそういう語感のある言葉だと思います。テインというのはオブテインなどと一緒で、得るという、持つということに通じるわけでありますが、それにサスという接頭語がついているということだろうと思います。こんなようなことでありまして、実はその語感の中には人類の未来に対する悲観があるのですね。あるいは環境に対してこれは危機感を持って当たらなければならない。そういう意味で、サステーナブルという言葉が充てられます。  そういう同じ平面で考えれば、今、中山間地域の持続可能性であるとか、あるいは私たちこうした市町村の持続可能性、その言葉の中には危機感であったり未来への悲観であったり、そういうものがあるのだと思います。現に私たちもこうしてこの場に立たせてもらう前に、議員も同様、あちこち選挙区内を回られたところだと思います。私も倉吉の中を回ってみますと倉吉も広うございますのでなかなか回るのは大変なのですけれども、その際にやはり集落に数えるほどしか家がない。またお年寄りばかりの集落になってしまっているとか、またちょっと入っていきますと通信もうまく入らない。中山間地を何とかしてほしいという結構若い、多分引っ越してこられたかなというような感じの方のお話に出会ったり、倉吉の中でそういう危機感というものがやはりあるのではないかなというふうにも思いました。  ただ、これは地方創生ということがそれに対するアンチテーゼだと思うのです。そうはいっても、では都会がいいことばかりかと。むしろ大都会ではなくて、地方のほうに新しい価値観があるのではないだろうか。私は、そういう意味で令和という言葉の中に日本という国が本来持っている自然とともに生きていく、また人々が支え合って生きていく、そういう生き方、生活観、国家観というものがあるのではないかと思っていまして、この令和というモチーフの中で私たちは新しい時代の価値観をむしろこういう持続可能性と言われているような地域の中から生み出していける力もあるのではないかなというふうに考えているところであります。  現実にも例えば識者の中にもいろんなことをおっしゃる方もいらっしゃいます。早稲田大学の高野先生などは、大都市というのはこれはグローバル経済であると。ですからどんどんと大きくなって成長していきますし、大変なパワーと魅力に満ちているように見えます。しかし、それは逆に言うと大きなリスクにもさらされるわけです。何となれば、バブルがはじけてしまえば持っている資産がみんななくなってしまうわけですね。ではそこで暮らしている人たちの食糧はその東京のど真ん中でつくっているかといえば、倉吉の農村部でつくっているわけであります。では水だとかエネルギーの源泉はどこにあるかというと、それは私たちの地域のほうにむしろあるのであって、火力発電所やそういうものでなければ大都市の中ではエネルギーや水でも供給できないということでありまして、本来脆弱なところなのですね。ある意味フィクションと、それから虚構の上に成り立っているという部分がある程度やむを得ないのが都市の世界ではないかと思います。そこで割と窮屈な思いをしながらせめぎ合うようにして生きていく。それがでは人間の本性にも合うかというと、そうでもないのかもしれません。  高野教授はおっしゃるわけでありますが、農村部、我々のような地方というのはどちらかというとそれはローカル経済の中にある。それは循環型の経済の中に生きている。だから私たちのところはたとえグローバルがむちゃくちゃになっても、今、目の前で例えば畑を耕し、そして水を得て、そしてエネルギーというものを、火をおこしてでもやっていけば生きていけるわけですね。その辺は大都市よりもむしろ強いところがある。だからこそ今、東日本大震災の後、価値観が変わったかのように倉吉も移住の人気地になりました。そんなように、私たちのほうにはむしろチャンスがあるのかもしれないというふうに思うわけであります。  私自身、地方分権改革推進会議で席をともにして親しくさせていただいていますが、西南学院大学の勢一教授がいらっしゃいます。この方もどちらかというと地方自治的なそういうアプローチでございますけれども、彼女もおっしゃっておられますけれども、人口が少ないから持続可能性がないということにはならないというわけですね。持続可能性というのは人口が少なければ失われるというものではなくて、これは地方自治で住民がみずからつくり上げるものだということをおっしゃっているわけです。私は、まさにそこにこそポイントがあるのではないかなと思います。  今、鳥取県内でもいろいろと工夫をしながら、補い合いながら、例えば都市と農村との交流なども含めて進みつつあることが出てきています。先般も日野の俣野の集落のほうに新しく学校を改装しまして、本来廃校になったわけでありますが、そこが診療所に生まれ変わる。そこでは以前から鳥取大学の学生さんがその俣野に入り込んでいて、それで健康づくりだとかそうした地域医療のサークル活動をやってきたわけです。別にお金を払っているわけではなくて、そういうサークル活動の場としてやってきました。それが集落の方々と非常に親しく溶け込んでいって、いろんな餅つきみたいなそういう行事に呼ばれるようになり、交流が続き、それでは今度は拠点として夏休みの間、寝泊まりできるようなそんなことにしましょうと。現にそういう簡易宿所みたいな形にもして、そこに診療所も設けて、ここに江尾の国保の診療所から人も派遣されてきて、武地先生とかがそちらで面倒を見られる。こんなようなことに初めてなったわけです。  今回そういうような形で農村部、中山間地域ですとなかなか医療のサービスというのは受けにくくなるものでありますけれども、そうした形で人の力で補い合いながら、自分たちでいろいろと手も加えて持続可能なそういう集落に変えていこうという努力があちらこちらで始まっています。ただ、なかなかシステム的なアプローチは難しく、今回もテーマとして出されています地域交通の問題などが典型例でございまして、やはりそうした意味で県も重要なファクターとして、市町村だけでなくて、市町村が主役だと思いますが、市町村とそれと県といろいろ広域的にも県もかかわり、人材や知恵やあるいはファイナンスという意味でもかかわらせていただいて、鳥取県内、持続可能にこれから限界集落と言われてもまたそこに若い人が入ってくるとか産業が継続するとか、特に防災力を維持していくとか、そうした方向性を見出してまいりたいと思います。 ◯副議長(福田俊史君)31番川部議員 ◯31番(川部洋君)持続可能性について、今いろいろ知事のほうから答弁いただきました。  本当におっしゃるとおり都会ではないこの地方であることの強みだとかを生かしながら、どうやってサステーナビリティーはサバイブに近いと言われましたけれども、生き残っていくのか。そういうことを本当に考えていかないといけない時代になっています。そこにはやはり自治が大事だと言われたのですけれども、そこでいつまでも暮らしたいという住民の思いがあってこそではないかなというふうに思っていまして、しっかりそこは支えていくべきでしょうし、もう高齢者が多くて諦めているところもあるのですが、倉吉市の場合、関金の福原というところはそれこそ限界集落にはなっていないですけれども「旅をする木」という新たな幼稚園ができて、若い人たちが入ってきている。それから小泉にはそれこそ養魚場ができて、若い人をそこで雇って何とか維持していこうという動きがあります。こうした動きをやはり広げていくというのも大事ですし、一方で私の住んでいる町なかのほうでも高齢化率が最も高い地域になっていて、本当にあと何年かしたら中山間地とは違う意味で人口がいなくなるような状況にあるのですが、そこでも何とか頑張っていこうとしている。それらに対して、県としてもぜひとも支援していく。市町村と一緒になって。なかなか市町村も財政的に厳しくなっているという状況があるので、ぜひとも県もしっかりと状況を見ながら持続可能性を追求していっていただきたいというふうに思います。  続きまして、SDGsと令和新時代チャレンジ55について質問いたしたいと思います。  この地域の持続可能性という理念には、国際的な目標が掲げられています。それがSDGsというサステーナブル・ディベロップメント・ゴールズの略で、持続可能な開発目標というふうに訳されています。2015年9月の国連サミットで採択されて、持続可能な世界を実現するための17の目標と、それに向けた169の達成基準から成る2030年までの国際目標であります。地球上の誰一人取り残さないことを目指して、世界中の全ての国が一丸となって取り組むこととされていまして、国だけでなく地方自治体、そして企業、団体、個人がこの目標の達成に向けてそれぞれの役割を果たすことが求められています。  17の目標の中身については、例えば貧困をなくすだとか飢餓をゼロにだとか人々に保健と福祉をみたいな、とにかく世界的な南北問題に取り組んだようなゴールが掲げられています。これらの17の目標に169個の具体的な達成基準と232個の達成指標が示されていて、それぞれの国の取り組みの達成度が同じ基準で比較できるようになっています。  2018年の日本の達成度は156カ国中15位ということで、個別のゴールで見ると教育についてはスコアが高いのですけれどもなかなか低いスコアもあったりして、世界基準で達成度がわかって何に力を入れればいいのか一目瞭然でわかるような指標になっています。こうしたことを用いて、2030年までに何とか世界的にこの目標を達成しようとしていると言えます。  それで日本政府も2030年に向けて取り組みを始めております。2016年にSDGs推進本部を設置して、実施指針が決定されました。2017年にはアクションプランが策定され、2018年に拡大版のアクションプランが決定しております。  こうした動きを全国の自治体に波及させるために、内閣府ではSDGs未来都市というのを選定しています。このSDGs未来都市は、この理念に沿った取り組みを推進している地域の中からよりポテンシャルが高い都市や地域を選んでいます。現在29の自治体が選定されていて、都道府県では北海道、神奈川県、長野県、広島県が選ばれています。  また、こういうSDGsの達成基準は、先ほども目標を示したようにそのままではなかなか地方自治体には当てはまらない項目も多いので、自治体SDGsとしてローカル指標なども検討されています。こうした自治体を含めた官民一体の取り組みで、日本としても2030年の目標達成を目指しているということであります。  一方で、私も実はそうだったのですが、このSDGsに対して余り認識がありませんでした。ある調査によると、半数以上の自治体はSDGsを認知しておらず、推進する予定のない自治体が6割以上を占めているというふうな調査結果もあります。  また、法政大学川久保研究室によると、2018年10月末現在で自治体の計画の中でSDGsに言及していないところが47都道府県のうち25。そして、言及していない市町村が1,741自治体のうち1,591という調査結果で、本当にまだまだ普及されていないというふうな状況であります。全国的にこういう状況ではあるのですが、国としても、国連としても何とか2030年までにこの目標を達成したいというふうな動きがあります。  このような状況の中で、鳥取県としての取り組みはいかがでしょうか。  とりネットで検索してみますと、SDGsについてはやはり環境系のところが上位に上がってきます。なかなか社会、経済、環境など統合的な総合的な取り組みになっていないのではないか。鳥取県としては、まだまだではないかというふうに感じました。  昨年の議会でも福浜議員がSDGsを取り上げましたが、ジオパークに絡んででありまして、まだまだ認知や理解が進んでいないように思いますが、そうであっても県としてもSDGsにこれから取り組みを始める必要があると考えます。このSDGsについて、知事はどのように認識されているのでしょうか、お尋ねします。  そして、県内の自治体でも取り組みを始めているところがあります。中部の北栄町、琴浦町では、まちづくりビジョンや総合戦略にSDGsの理念を取り入れようとしていると聞いています。先日、琴浦町長からは、ぜひ県としてもSDGsに取り組んでいただいてリードしてもらいたいというふうな話も聞きました。県としては、これまでも持続可能なまちづくり、地域づくりということで取り組んでこられたということは十分承知していますが、だからといってSDGsを関係ないものとして扱うわけにはいかないと思います。SDGsは世界共通の目標であり、その指標を使うことで取り組みの達成度が同じ基準で比較できます。既にある県の施策をSDGsに当てはめ、鳥取県の取り組みの評価も明確にしていくことが必要ではないでしょうか。  ちょうど知事の4期目の始まりで、この令和新時代チャレンジ55がこれからの4年間の県の政策の方向性として示されています。これをSDGsと関連づけて整理して足りない項目を加えたりしてはどうかと思いますが、知事の所見を伺います。 ◯副議長(福田俊史君)答弁を求めます。  平井知事 ◯知事(平井伸治君)(登壇)川部議員から、重ねてSDGsについてお話がございました。  これは国連のほうで17のテーマ、そして169のターゲットに分けましてやっていこうということで示されているものでありますが、本県も含めて例えば企業さん、あるいはいろんな団体も含めてSDGsを意識してやっておられるところはふえてきていると思いますが、まだまだ全国的にもそうそう浸透しているわけではありません。  ただ、本県も実は1月の末にSDGsの宣言に加わらさせていただいています。これは神奈川県などが主導してやったわけでございますが、例えば世代あるいはジェンダーを超えたパートナーシップであるとか、官民の連携であるとか、またそのほか社会投資等々、そうしたことなどを項目に入れまして、それでそうしたSDGsの自治体の宣言をしようと。本県もその輪の中に入れさせていただいたところでございます。  今、そうした意味で端緒は開きつつあるというふうにお考えをいただければなと思いますが、結論から申し上げて、今、川部議員がおっしゃったようなことは本県も実は今乗り出さなければいけないと意識をしていたところでございまして、例えばこれからひと・まち・しごと総合戦略を国がことし末までにつくっていきます。その中に示されている新規軸は、ソサエティー5.0とあわせてこのSDGsでございます。このことは元気づくり総合戦略という我々の地方創生の戦略、これはすなわちかなり政策全般にわたるものであり、市町村などと要は協働しながらつくっていくものでございますが、それに私としてはSDGsを国の考え方も明確にもなりましたし入れるべきではないかなというふうに考えておりました。  また、実は今作業にかかりつつあるところで指示を出させていただいておりますのは、環境基本計画を再改定しなければなりません。この環境基本計画を考える際に、今またこれを改めてつくるというタイミングであれば、この国連のSDGsとの関係性を明確にしながら環境基本計画を策定すべきではないかと考えておりまして、またいずれ議員の皆様にもお示しをする時期が来ると思いますが、今その作業にこの春から取りかかってもらっているところでございます。  こんなような形で、やはりSDGs、国連という遠い世界のことだと思わずに地域の中でそれを生かしていくことができれば、例えばこれは教育だとか福祉だとかあるいは中山間地問題だとか、先ほどおっしゃったさまざまなことも含めてそういう持続可能な開発のゴールという観点でかかわっていますので、おのずから鳥取県の発展あるいはサステーナビリティーの確保ということにもつながってくるだろうと思います。  先ほど例えば小泉の話などもございましたけれども、ああいうところも本当に大化けしてきていると思うのですね。もともとはワサビをつくったり、それから養魚場があって、それでそこに食事を兼ねて観光客がやってくるということもありましたけれども、今行ってみますともうサケの稚魚であふれていまして、作業をしておられるのは大阪から来た人で、その寝泊まりするところなども確保したりして、関金の一番奥のほうになりますけれども、それがむしろ源流であることを逆手にとって、その美しい水で稚魚を育てていく。そういうことにビジネスを切りかえたわけであります。それが今ある意味大当たりをしまして、若い方々が移住してくるようになったり就業してくるようになったりするわけでございます。  こういうようなことで、いろいろと我々のチャレンジの可能性というのはあると思いますので、議員がおっしゃったSDGsを県の総合的な計画の中にも取り込んでまいりたいと思います。 ◯副議長(福田俊史君)31番川部議員 ◯31番(川部洋君)SDGsについて、当然考えられていると思いましたが、これから元気づくり総合戦略に組み込んだり環境基本計画についてはSDGsとの関係性を示しながら策定していきたいということで、本当に全世界だけではなくて個人も含めて同じ基準の中で取り組んでいけるというふうなものですので、県が取り組むことによって県下の自治体も同じ基準でどれぐらい取り組めているのか、それから企業だとか団体がどういうふうな取り組みをしてどのように貢献できているのか明確になるので、ぜひとも県としてはそのあたりリードしていっていただいて、持続可能性について追求していっていただきたいと思います。  さて、前回の質問で、私はこれからの県政の大きな課題は雇用から県民所得の向上へというふうなことで質問させていただきました。やはりこの持続可能な地域ということであるためには、生活の安定というのがどうしても必須になります。確かに言われるとおり、地方都市としての豊かな暮らしというのはあると思います。都会ではない豊かな暮らしというのはあるとは思うのですけれども、経済的にある程度安定していないとやはりその豊かさというのがどうしても足元から揺らいでしまうのではないかと思っています。  先ほど小泉の話がありました。養魚場の社長さんは、やはり中山間地であっても仕事をつくることで若者に移住してもらいたい。やはりそこは仕事、収入があるというふうなあたりからアプローチをされている。これは一つ正しい方向ではないかなというふうに思っています。  それで前回の質問では1人当たり県民所得の向上についてお伺いして、これを例えば本当に250万円なら250万円に上げていくというふうな目標を設定したらどうかという質問をしたところ、知事のほうからは1人当たり県民所得という指標はなかなか使いにくい。3年ぐらい前の数字になるので、現状を把握していないので、県民所得の向上というより県内総生産、付加価値額をふやすことで結果的に県民所得をふやすというふうなアプローチがいいのではないかというふうな答弁だったと思います。  私も、方向性としては同じように考えております。知事はそのときに期の終わりだったので、新たな任期になったらぜひ議場でももう一度議論しましょうということだったので、もう一度私も俎上に上げたいと思っていまして、やはり県内総生産を上げていくというのは当然大事なことであります。そして生産性を一方で上げていくことによって、1人当たりの生産高を上げていく。それがひいては賃金につながっていくという流れになるのでしょうけれども、目標値としてはやはり収入というあたりを見据えたほうがいいのではないかというふうに思っております。実際に出てくる数字としてはなかなか使いにくい指標ではあるとは言われましたけれども、全国でも最低クラスにあるこの県民所得について、知事としてはどう思われているのかもう一度お聞きしたいと思います。この県民所得の向上についての知事の思い。  その指標についてですけれども、今なかなかはっきりとした指標がない、現状をあらわすものがないのでしょうか。現在の鳥取県の県民所得の状況をあらわす何かいいものはないのか。県民所得を把握するための指標はないか。これについて、ちょっとお聞きしたいと思います。 ◯副議長(福田俊史君)答弁を求めます。  平井知事 ◯知事(平井伸治君)(登壇)重ねて川部議員からお尋ねがございました。  いろいろとこれから要は所得、要はやはりエコノミーも大切ですから、そういう意味で私たちが暮らしていく上でのわかりやすい考え方として豊かさを何か指標化しながら、ここを膨らませていこうということを考えられないかという御趣旨で、県民所得であるとかそれから総付加価値である総生産などのお話がございました。  現状の足元のことを申し上げれば、前回も申し上げたかもしれませんが、1人当たり県民所得、今241万円でございまして、全国的には低目ということになります。ですからこれを何とか上げていきたいというのが御趣旨だと思いますし、それは私も、多分皆さん賛同される話であります。  実は、我々はこの10年くらい何をやってきたかといいますと、リーマンショックで大分痛められました。それからあと海外への移転であるとか、それから県内での大手の生産拠点が事実上再編されてなくなってしまってということで、かなり生産額がへこんだのですね。前回ちょっとお話ししましたが、その生産額がどうしてもへこんでしまいますと、結局それは所得の中に全部組み込まれてきまして、給与所得などは余り変わらないのですけれども、そういう法人等のところが大きくへこんでしまう。それで足し算をすると出てくるものを割り算して1人当たり県民所得をつくるのですが、そこのところの減少要因になってきた。これをはね返すことに一生懸命やってきたわけでありますが、リーマンショック前は1人当たり県民所得は231万円でありました。これがへこんでいたものが今何とか戻り始めて、今241万円まで来ています。全国から見ると、大分おっこちた分を取り戻せていませんから順位的には厳しいわけでありまして、例えばこうした順位を上げていこうというようなことは一つの目標としてもいいような、そういうわかりやすい考え方かなというふうに思いながら今伺っていました。  実は、これは割り算で出てくるものですから、1人当たり国民所得の計算上の前提となる県民総生産のほうを捉えますと1兆8,234億円でございます。これもリーマンショックのころ大分へこみまして、一番底辺から900億円強、910数億円取り戻しています。ですから底のときから910数億円上がって、今1兆8,234億円になっています。このことでかなり戻ってきているわけでありますが、実はあのころ我々のほうで危機感を持ちまして、経済成長戦略をつくりました。その経済成長戦略で目標としたこの総付加価値額、国民総生産、県民総生産については700億円取り戻しましょうという目標を立てたのですが、それよりも200億円余り既に上回っていまして、目標年次は令和2年度だったものですから、1年前倒しで達成できているというようなことになろうかと思います。  ただ、こうした指標はちょっと以前の経済状態から何年かかけて積み上げてつくってくる数字なので、どうしても同時性に欠けるわけです。同時性にある程度欠けるところをもう少し緩和するという意味では、生産額、出荷額、こうしたベースがあるのかなというふうに思いました。  実は、川部議員とは選挙前にそうした議論をした上で、何か豊かさをわかりやすく考える指標はないかということで、今回掲げさせていただいているのが実はそれでございますが、製造品の出荷額、これはデータがありまして、1年ぐらいは最近のものを総生産とか国民所得よりはとれるので、これですと9,000億円を目指してみようではないかと。今、8,000億円弱でございますけれども、こうしたものを取り戻していき、いずれは1兆円を目指すということでありますが、4年間の間に挑戦してみてはどうだろうかというふうに考えてきたところであります。  同じように、これも生産の一部になりますが農業生産もこれも統計がありますので、これはかなり新しいところまでわかります。この農業の生産額ですと765億円が現状数値でありますが、これを900億円に伸ばそうと。こうした意味で9,000億円と900億円をわかりやすく並べてみて、こうしたところを目指していけばおのずから県民所得も上がってくる。こんなようにリードしてみてはどうかなというふうに考えたところでございます。  それに向けて、今、農業生産の基盤をつくるための諸事業であるとか、それから作業応援の補助金づくり、条例づくり、これを本議会に提案をさせていただいております。議員が目指しておられるような経済的な豊かさ、ある程度のそうした自己資金の確保というのを県民ベースで図っていただけるように、そうした指標を目指して政策を総合してまいりたいと思います。 ◯副議長(福田俊史君)31番川部洋議員 ◯31番(川部洋君)前回の質問の後からいろいろ考えていただいているということで、ありがとうございます。  私としても、本当に別に指標がどうこうだからということではないのですけれども、この生産額、出荷額をもとに目指すことによって最終的なその賃金につながるのではないかというふうなことで、了としました。  4年間で何とか900億円が1兆円ぐらい目指したいということであるのですが、その中で具体的に出ているのが農業だったと思います。ただ、私として気になるのは、1次産業が県内の総生産なり生産額に占める割合というのはどうなのだろうなと。ここに県民経済計算があって県内総生産のところを見てみると、1次産業として農林水産業が大体513億円。2次産業が3,897億円、第3次産業が1兆4,119億円というふうな感じで、割合としては農業は割と少ない。確かに農業の売り上げを伸ばしていくということは大事ですけれども、産業構成上第3次産業の売り上げを伸ばすみたいなところももう少し明確に出してもいいのかなと。多分、ここにかかわっている人の人口も多いのではないかなと思います。  しっかり考えていっていただきたいなと思っておりまして、一応通告項目というか聞き取りの項目の中には県民所得をいつまでに幾らぐらい向上させようとするのか。そのためにどのように取り組んでいるのかというふうなことをお聞きしましたが、なかなかこれについては答えが難しいのかなと思います。先ほどの答弁で一応了とさせていただきますが、ぜひとも全ての産業において生産を伸ばしていきながら生産性を向上させて、1人当たりの収入をふやしていくという方向性について、これまで以上にしっかり取り組んでいただきたいなというふうに思っております。  私としては、今回の質問は以上で終わりたいと思います。ありがとうございました。 ◯副議長(福田俊史君)23番内田隆嗣議員 ◯23番(内田隆嗣君)(登壇、拍手)鳥取県議会自由民主党の内田隆嗣です。  まず最初に、教員の働き方改革と部活指導について質問させていただきます。  国が進める働き方改革が、いよいよ来年の4月から教育現場に本格的に適用されます。大きく影響があると思うのが部活指導の場であります。月45時間以上の残業が認められないために、部活指導を月曜日から金曜日まで2時間ずつ行えば月45時間を超えることを考えると、土日の部活指導はできないというようなことが発生します。このような事態が来年の4月には現実に起こることを想定すると、今年度早々に対応を決め、年度途中から何らかのモデルテストをする必要があると考えます。競技力向上という側面からもこの点は大きなマイナスになると考えますが、知事、教育長の御所見を伺います。  また、この問題に本県サッカー協会の池田氏が日本サッカー協会副会長の立場で解決策を検討し、山本教育長に提案されたスキームがあると聞いております。それは教員に兼職兼業制度を適用し、土日は教員ではなく部活指導者の立場で部活を指導し、教員の勤務時間に通算しないという方法です。私は、この解決策以外に解決方法はないのではないかと考えております。子供の思い、指導者の思いを大切に制度を構築していただきたいと思います。教育長の答弁を求めます。  次に、産業廃棄物最終処分場について伺います。  産業廃棄物最終処分場について、先般、意見調整手続が終結しました。私は、県経済の持続可能な発展と産業廃棄物行政を取り巻く厳しい環境の変化を考えたときに、最終処分場は必要不可欠なインフラであると断言できると思います。10年後、20年後の鳥取の未来を担う子供たちに対する大きなギフトになると確信しておりますが、知事の御所見を伺います。  また、土地所有者たる米子市に土地の提供について、もちろん事業主体である環境管理センターがこれから実質求めていくことになると思いますが、当然県としても米子市に対し必要不可欠なインフラであるという認識を、そして施設の安全性について語りかけ、土地の提供依頼をすべきと考えますが、知事の御所見を伺います。  次に、容器包装プラスチックの処分について、大きく国際環境が変わり容プラ、廃プラの海洋汚染問題が国際会議でも大きく取り上げられています。容プラ、廃プラは中国が輸入を禁止したことで国内の処理システムが完全に機能不全に陥り、大都市部を中心に大きな問題になっていると言えます。  国は、これに対応する形で産業廃棄物として収集された廃プラ、容プラについて、自治体営の一般廃棄物の焼却施設で焼却処分を進め、協力する自治体に対して交付金あるいは補助金を出すと発表しました。鳥取県としても、今年度この対策の予算計上をされているわけですが、廃プラ、容プラを一般廃棄物処分場で焼却処分できるのであれば産廃全体の減量化にもつながるし、最終処分場の延命化にもつながるわけです。産廃関係者と連帯して自治体に廃プラ、容プラの焼却処分について協議すべきだと考えます。また協力を引き出すこと、つまり地元の自治体、そして立地地元に理解を得るためにもしっかりした地域振興策が必要であれば、そして自治体、地元が求めるのであれば県として応分の負担をすべきと思いますが、知事の御所見を伺います。  また、最終処分場の延命のためにも、そして2年か3年か、できるまでの数年間の処分先の確保についてもしっかりと検討すべきと考えます。具体的には隣県に処分場の枠を確保すること、この可能性を探るべきと考えますが、知事の御所見を伺います。  最後に、残土処分場のあり方について。先般、鳥取県建設技術センターが伯耆町に残土処分場を建設する計画を発表し、この計画が進んでいます。このままセンターの処分場の計画が進むと、20キロ圏内には優先してセンターの処分場を使うという規制があるために、先行していた民間処分場に大きな影響を与えます。いわゆる民業圧迫につながり、この20キロ規制はこれを機に撤廃するべきと考えますが、知事の御所見を伺い壇上からの質問とします。
    ◯副議長(福田俊史君)答弁を求めます。  平井知事 ◯知事(平井伸治君)(登壇)内田隆嗣県議の一般質問にお答え申し上げます。  まず、教育委員会とあわせまして私のほうにもクラブ活動、そうしたスポーツ活動の指導につきましてお尋ねがございまして、競技力向上といったことでも影響がありはしないか、対策はどうかと、こういうことであります。  具体的な御提案も含めまして山本教育長のほうからいろいろと答弁があるかと思いますが、私のほうの関連するようなところを中心にだけ申し上げさせていただきたいと思います。  学校の先生だけでスポーツの競技力、それを維持するというのはややもう時代としては難しくなってきているわけでありまして、数年前から特に積極的にそうしたクラブ活動に外部指導員、これを入れることを我々はファイナンスでサポートをする。そうした形で教育委員会の後押しをさせていただき、大分変わってきつつあると思います。  また、御案内のように、競技力向上につきましても近年有望な選手も出てくるようになってきましたが、それも何か学校単位でやっているというような時代でもないので、むしろ学校の垣根を越えて指導するような体制で、若い方々ができれば東京オリンピックにも挑戦しようではないかと。そういう夢を形にするようにさせていただいているところであります。  具体的なことで言えば、例えば自転車のほうでは河田先生がいらっしゃいますけれども、これに元教員でございまして理事長をされている岡田さんとか、それから金田さんだとか、そうした教員以外の方も入りまして学校に限らず倉吉の競技場をベースにして指導して、実際に国体でも大活躍をする有望な選手も出てきているところであります。  同じようなことは例えばホッケー等もそうでありまして、道端先生とかそうした学校の先生方ももちろんいらっしゃいますけれども、伊藤さんだとかいろんな方々もかかわられて、いわばみんなでチームになってホッケーの競技力向上をやる。そのときに八頭高校のグラウンドを使ったり、そういうことで進めていくところであります。  相撲なども城北高校という舞台がありますけれども、それに限らず例えば倉吉とかいろんなところの関係者とも協調しながらやっていく。こんなようなことで、やはりスポーツ全体の競技力を支えていくことが筋道なのかなと思います。  今後もよく教育委員会サイドともいろいろ協議もさせていただき、競技団体などとも話し合いをさせていただきまして、必要な体制整備を図ってまいりたいと思います。  次に、産業廃棄物処分につきまして何点かお尋ねがございました。  まず、産業廃棄物最終処分場の必要性や経済に与える影響は確かにあるのではないかということ。それから、米子市に土地提供を依頼するということが必要ではないか。こんなような観点でのお尋ねがございました。  詳細は副知事のほうからお答えを申し上げたいと思います。  また、今回新しく当選された方々もいらっしゃるので若干だけ説明を要するかと思いますが、県の場合、廃掃法と言われます廃棄物処分の法律のほうで産業廃棄物については県内のそうした産業廃棄物処分が適正に行われるように、それを調整して目指していかなければいけないということが努力義務として書かれておりまして、そういう責務は私どもが負っているところであります。  それとあわせて、実際に処分場ができてきたときには、むしろ公益的立場に立ってそれを判定していかなければいけない。本当にこれが適正な処分場と言えるのかどうか。環境基準等と照らしまして最終判断をするという意味の両者がございまして、当県ではそこは立場が2つ混在しているものですから、ちょっと分けながらさせていただいているところでございます。  そういうことを前提としてまたお聞きいただければと思いますが、最終処分場につきましてはそういう廃掃法等もあるように、やはり一つの基礎的インフラとしてそれは整備されなければならないところがございます。これは一般廃棄物と同じように産業廃棄物もそうです。基本的には排出者責任というのがございますから排出者が基本的な責務を負うところでございますが、ただ片方で本県の場合は管理型の最終処分場に欠けるというそういう課題を抱えたままもう何十年も来ているということでありまして、他県はそこの整備が進んできているということは一つ言えることではございます。  その上で、その最近のアンケート等をとってみまして、やはり9割ぐらいのそうした関係者の方々、廃棄物関係の方々はやはり県内にないとこのままでは大変なことになるというアンケート結果が出てきております。それは他県において、もう搬入してくれるなという県がだんだんとふえていることでございます。本県はそういう意味で今隣県等に頼っているところでありますが、そちらのほうが今後どうなるかというところに不安視されている、そういう関係者も多くなってきている。  また、産業廃棄物というふうに言うので産業ばかりかといえば、例えばお医者さんの営みの中でもやはり廃棄物が生まれますが、そういうものも産業廃棄物にもなります。また、暮らしていく上で住宅がありますけれども、その住宅が壊された後、大分量は減ってまいりましたがそうしたものの処分ということもありまして、暮らしを続けていく上でも産業廃棄物の処分場の必要性ということはそれはあるわけであります。  経済的な効果というふうに今おっしゃいましたけれども、そういう意味で企業活動を営む上でも必要なものという面があります。  ただ、これはやはり地元の理解等も得ながら進めていかなければならないわけでございますし、先ほどもう一つの立場と申し上げましたが、それが厳正に環境基準に適合するものかどうかということも見ていかなければなりません。ですから、そういう意味で慎重に今後手続を進めていくべきものだというふうに思います。  また、米子市に対して土地提供依頼をすべきではないかということでありますが、建設事業者は環境センターということになります。ですから環境センターが使うので、米子市に依頼すること自体はそれは環境センターの課題になりまして、現にそういう準備をセンターのほうで進めておられます。  私どもについて申し上げれば、米子市に対しまして今、条例手続というものが終結しましたので、そのことをきちんとお知らせもしながら、今後センターとの協議に応じていただくようにと、そういうことを申し上げる立場ではないかというふうに考えております。  次に、廃プラスチックにつきましてお尋ねがございました。これにつきましては、詳細は生活環境部長のほうからお答えを申し上げたいと思いますけれども、国のほうでも今回指針が示されまして、あわせ処理というふうに法律上なっておりますが、一般廃棄物処分場でも従来から産業廃棄物の処理を行うことができるというふうになっております。これを使ってプラスチック、今、中国等で受け入れないというふうになってきていまして、東南アジアもそういう流れの中にある。ですからそうした廃プラスチックの行き場を失ってしまった関係で、それを受け入れることに市町村、一般廃棄物処分場も協力してもらいたい、これが環境省の今回の通知の趣旨でございます。  これは従来からあわせ処理は制度上可能でございまして、その制度の運用ということになろうかと思います。結論から申し上げれば我々としては見守りたいと思いますが、市町村のほうの動向というのも注視をしてまいりまして、県のほうで御協力できることがあるのであればそれは御協力申し上げるということで対応していくのかなと思います。  ちなみに、実はざらっとした調査はさせていただいているのですが、県内の産廃関係の廃プラの状況からしますと一般廃棄物の処理場のほうにこれだけたくさんごそっと持っていかなければいけないよという、そういう需給状況ではありません。実は、今回騒ぎになっているのは主として大都市の問題でありまして、大都市のそういう産業廃棄物が大量に出ます。そうした廃プラスチックの持って行き場がなくなってきているというのが主たる問題になっていまして、私どものような地方部の場合はどちらかというと需給のバランスはとれているというふうに御理解いただいてもよいのではないかと思います。  次に、最終処分場建設までの延命化のために県が他県での処分先を確保してはどうか、こういうお尋ねでございます。  これにつきましては、生活環境部長のほうから詳細を申し上げたいと思いますけれども、なかなか産業廃棄物の問題、これは一般廃棄物もそうでありますけれども、これについては地域間での対立が起こりやすいことでございます。かつてで言えば、江東区と杉並区が東京でごみ戦争というのを起こしました。大分報道されたわけでございます。美濃部都政、随分前のことでありますが、杉並区にごみ処理場をつくるのつくらないのというそういうことがイシューになったときに、受け入れていた江東区のほうでもうごみは受け付けない、持って帰れと、こういうことになりまして大騒ぎになったということであります。  ですから、そういう意味で今私どもで何か他県と、県が前に出て折衝することは得策なのかどうかというと、私はかえって今ごみが受け入れていただけているそういう状況からすると、それを継続していったほうが最終的にはいい結果になるのではないかと思っております。  現実どうなっているかといいますと、今、他県で受け入れておるところは大体協定を結んでおりまして、民間同士の協定の中でいろんな条件があり受け入れているという形になっております。ここに他県の行政体が入ってくるということは想定されていませんで、なかなかそういうオペレーションといいますか、操作性は難しいのではないかと思っております。  最後に建設技術センターの残土処分、これはごみではなくて残土のほうの処分でございますが、それについてお尋ねがございました。開設地20キロの規制があるけれども、これが民業圧迫になるのではないかということであります。  結論から申し上げれば、見直したいと思います。これは私もちょっと経緯は詳細まではよくわからないところもあるのですけれども、残土処分というのは実は経済行為でございまして、最初に投資をするのですね。どんどん残土を受け入れていきます。それが最終的には使えるようになるということでございますが、そこで残土処分料というものを得ていくわけですね。ただ、最初にその残土処分を受け入れるために結構大きな投資がありまして、それをぼちぼち回収して何とか最後につじつまが合うかどうかの結構リスクがあるのです。ですから、建設技術センターが実は全部やる必要はもともとはないのかもしれないなと思います。民間がそのリスクもとりながら建設残土の引き受けをしてくれて、それについて一定の技術基準なり安全基準を守ってくれるということであれば、それを監視する立場で行政がかかわり、あるいは建設技術センターがかかわってやっていくという、そういうビジネスモデルも本来あり得るのではないかなというふうに思います。  ただ、以前はなかなかこの業態に民間は入ってこなかったわけであります。今おっしゃるように民間事業者が参入してきているということでございまして、そういう意味で一定の調整は必要だと思うのですけれども、ただ、今の要はオール・オア・ナッシング的なルールがいいのかどうかというと、そこは見直すべきものが出てきたのではないかなというふうに思います。  そういう意味で、これは実は御指摘の処分場につきましては開設時期がまだ先でございますのでしばらく時間がありますから、少し猶予をいただきまして関係者のいろんな事情も聞いた上で調整可能な新しいスタンダード、基準によって今後対応していってはどうかなと思います。  実は、鳥取県は東・中・西ありますが、西部の場合は今残土の処分の必要量が多い時期に来ています。そこに持ってきまして、先般もNEXCO西日本さんと話をしましたが、今4車線化を一部するわけであります。そうするとトンネルを掘るわけですね。その残土の持っていき場というのがその4車線化にゴーサインを出す前提になるということを遠回しで私も言われました。そういう意味で、ある程度やはり地元のほうでも残土の受け入れ可能性というのを広げていかなければいけない局面でありますので、そういう意味で今持っている基準については見直しを考えてみたいと思います。 ◯副議長(福田俊史君)野川副知事 ◯副知事(野川聡君)最終処分場につきまして2点補足をさせていただきます。  初めに、必要性の話は議員も必要不可欠なインフラだとおっしゃいましたが、御案内のとおりでありますけれども、産廃はやはり1次産業から3次産業まで全ての事業活動にわたって排出されるものでありますし、先ほど知事がお答えしましたように例えば家屋の新築、解体、あるいは病院の医療廃棄物の燃え殻など日常生活においても産廃は出るわけでありまして、それらの産廃を処分する最終処分場というものは必要不可欠なインフラであるとともに、産業活動、産業振興、雇用の場の確保など、やはり県内経済を支える大変重要な施設だとまず認識をいたしております。  経済界からもこれまでいろいろお話を伺っております。商工3団体あるいは廃棄物業界のほうから、やはり近年とみに他県の搬入物、これは規制が厳しくなっておりまして、このままだと廃棄物が受け入れられないということによって事業活動が停止をする。これでは県内経済に非常に重大な懸案であるということでありまして、これまでもいろいろな場面で最終処分場の早期設置について御要望を伺っておりますし、要望書という形でも過去2回いただいております。  また、県内排出事業者のほうにもアンケートをしております。平成26年と平成30年に2回アンケートをとっておりますが、やはりこの4年間で業界の声も厳しくなっておりまして、先ほど申し上げましたように処分場がないと今後困るであろうというそういう回答の割合も高くなっておりますし、県内に処分場が必要であるという声も非常に高くなっているということで、業界の必要性の声も高まってきているとそのように感じております。  次に、県として必要不可欠なインフラである。あわせて施設の安全性、さらには土地についても県のほうから米子市にお話をすべきではないかというお話であります。  米子市のほうも、当時、野坂議員が市議会議員のときには市議会のほうでも答弁がやりとりをされて、賃貸借契約を事業者と結ぶのだというような話から、直近の議会では市議会において条例手続が終了した際にはこの土地の問題については判断をすると、そういう議場でのやりとりもございます。  土地につきましては御案内のとおりでありますけれども、米子の土地、旧淀江町の土地が約46%あります。その他の地権者につきましては、契約はまだ交わしておりませんけれども借り入れということで合意がなされておりますので、その条例の手続が終了したというこのタイミングで環境管理事業センターのほうが米子市のほうに正式に協議に行くということになろうかと思います。  施設の安全性あるいは必要性についてですが、必要性については先ほど来お話ししたとおりであります。  施設の安全性であります。これも従来平成29年11月に米子市と、また米子市議会からも施設の安全性についてしっかり検証してほしい、そういう文書をいただいております。そういう文書をいただいて、今日まで廃棄物審議会のほうで先生方にしっかりとその安全性について確認をしていただき、今月の6日には米子市の議会の全員協議会におきまして意見の調整の結果並びにその施設の安全性について、生活環境部長、次長、課長、補佐4人がその全協に出席をさせていただいて、都合4時間半近く説明等をさせていただきましたが、その中で意見調整結果だけではなくて、このたびの整備事業計画の施設の安全性についてもお話をさせていただいております。  議員がおっしゃいましたので、土地の協議をお願いする際にきちっと文書と実際部長が出席をして説明をしておりますけれども、あわせて施設の安全性あるいは必要性、あるいは土地の協議に入っていただくようお願いすることを県としてもあわせてやらせていただきたい、そのように考えております。 ◯副議長(福田俊史君)酒嶋生活環境部長 ◯生活環境部長(酒嶋優君)産業廃棄物処分場にかかわりまして2点補足の答弁を申し上げたいと思います。  まず、廃プラスチック類の一般廃棄物焼却施設におきます処理についてでございます。  御案内のとおり、中国の使用済みプラスチック等の輸入禁止措置が段階的にとられたことから、全国的に廃棄物処理施設におきます廃プラスチック類とそれに関連をいたします廃棄物処理に支障が生じつつあるという状況にあるというふうに言われております。  ただ、この廃プラスチック類の滞留につきましては主に大都市圏で生じているというふうに聞いておりまして、本県では県内の処理業者への事業場への立ち入りなどにおきましても、定められた保管量を超過するような状況は確認されていないという状況でございます。  現在のところ、このごみ焼却施設等を有します県内の市町村におきまして、産業廃棄物に該当します、これは安定型のものになりますけれども、廃プラスチック類等を受け入れて処理するという動きは承知をしておりません。もともとごみ焼却施設につきましては市町村内の区域を定めて一般廃棄物の処理をするという処理計画でありますとか地元との協定、約束がございますので、仮に県外等の区域外から産廃に該当するプラごみ、こういったものを受け入れる場合には、そのごみの受け入れには地元の理解が不可欠でございます。したがいまして、各市町村も慎重に対応されるものと認識をしておりまして、今後の動向を注視しているところでございます。  2点目でございます。産業廃棄物最終処分場延命化につきまして、補足の答弁を申し上げたいと思います。  現状、県内には管理型品目の受け入れが可能な処分場がございません。したがいまして、県内で発生する管理型品目につきましては排出事業者によりまして全量県外に搬出をされ、その大半が近県で最終処分されているという状況でございます。  知事答弁にもございましたが、この県外搬出に当たりましては他県の厳しい搬入規制がございまして、現状では県外産業廃棄物の搬入規制が36道県で実施されるなど、将来にわたって県内の処分先に産業廃棄物を搬入できる確証はないというそういう状況でございます。  また、近年の最終処分場の残余容量の減少でありますとか、全国的にも新規の最終処分場の設置が減少している。そういう状況もございますことから、議員御指摘のとおり処分先の確保というのは課題であると認識をいたしております。  なお、廃棄物処理法では産業廃棄物の処理責任はあくまでも排出事業者にございます。従来から県外での最終処分先は各排出事業者等が民間同士の契約でそれぞれに確保されてきたというところでございます。県外での最終処分先の確保にも県がかかわるようにとの議員の御提案かと存じますけれども、現状民間事業者同士の契約で行われているものにつきまして県のほうが口を出すということは、知事答弁にもございましたけれどもかつて東京ごみ戦争というごみ処理に関する自治体間の論争がございましたけれども、近県との関係に影響を及ぼすことも危惧されるところでございます。  県といたしましては、県内の産業廃棄物の適正処理の観点から県内に安全な最終処分場を確保するという努力義務を果たしていく考えでございますし、また引き続き他県の搬入規制等の状況を注視いたしながら、産業廃棄物排出量の一層の削減あるいはリサイクル率の向上につなげる施策の推進に努めてまいる考えでございます。 ◯副議長(福田俊史君)山本教育長 ◯教育委員会教育長(山本仁志君)内田隆嗣議員の一般質問にお答え申し上げます。  私のほうには、教員の働き方改革と部活指導のいわば両立についてお尋ねがございました。  部活動につきましては、昨年度生徒のスポーツ傷害の防止等のために過度な練習を制限するようにした方針を策定しまして、計画的かつ適正に実行されるように取り組んでおるところでございます。  そうした中、関連法の制定などを踏まえて働き方改革が社会全体で進められていることに伴いまして、文部科学省のほうから公立学校の教員についても週休日の部活動指導も含めた時間外業務の時間数に関して月45時間、年間360時間という上限の目安時間が示されたところでございます。部活動指導者の大半が教職員であるということでございますし、また勤務時間外に行われる部活動指導が教員の過重労働の要因の一つという状況の中、これまでどおりのやり方のまま部活動指導を行うことが場合によっては物理的に困難となるということも生じるおそれがあります。指導者の勤務時間の観点も含めた部活動のあり方について、今、見直しを迫られている、そんな状況にあるわけでございます。  県の教育委員会としましては、外部指導者でありますとか外部部活動指導員の活用、あるいは先ほども少しお話がありましたが拠点地域を決めてそこで合同練習する、あるいは社会スポーツクラブでの合同練習をするそうしたこと。あるいは効果的な練習方法を導入することによって、練習時間そのものを減らしていく。そしてまた、今、国のほうで検討が進められております変形労働時間制、こうしたものを活用する。そうしたことなどさまざまな対応方法について検討を行っているところでございます。  そうした中で、先ほどお話がありました県のサッカー協会の池田会長が訪ねてこられまして、池田会長はかつて県立学校の校長をしておられたということもおありだったわけでございますが、かねてこの部活動の問題を随分気にかけているというお話の中から、今、サッカー協会の会長という立場でも競技団体としてこの問題にかかわっていきたいというお話の中で、先ほどお話がありましたように部活動という学校教育活動の一部を競技団体が行う社会スポーツに委ねる形でこの問題解決を図れないだろうかというような提案を受けたわけでございます。  具体的には、土日の部活動を学校教育から一旦切り離して、例えば県の体育協会等に委託するというような形で社会スポーツクラブ活動として実施をする。そこに教員は参加するのだけれども、それは勤務として参加するのではなくていわば外部指導者的に社会スポーツの指導者として任意参加をするのだと。現在そこに手当が必要であるとすれば、部活の特勤として支払われているものをそうした謝金、報酬等に振りかえて支払っていく、そんな形の案であったというふうに理解をしておるところでございます。この案は非常に大胆だなというふうに思ったわけでございますが、そのままの形で実施できるかどうかは別として、例えば生徒が練習したいという思いであったり、教員の中にも一生懸命指導したいと思っておられる方もあります。多方面のいろんな思いであるとか、あるいは競技力の向上といった観点を踏まえて考えていけば、部活動運営を持続可能なものとしていく一つのアイデアではないかなというふうに考えて、検討してみる価値はあるのではないかなとそのとき受けとめまして、担当に具体的に実施可能性について検討するように指示をしているところでございます。  ただ、いわば理論上の形は変わるにせよ、同じように同じ場所で同じ指導者と同じ生徒が同じところで練習をするというその形態そのものが、形を変えた勤務だというふうに判断されるおそれはないのだろうかというようなこともあります。また、教員が任意でかかわりますので、私は指導したくないという者があった場合に、その指導する人も含めて受け皿となってくれる社会スポーツの主催者といいますか団体が果たしてうまく見つかるだろうか。そうした懸念もあるわけでございますし、また保険など部活動の場合ですと国のほうの制度がありますので、そうした面での保障があるわけですが、社会スポーツクラブということになるとまた別の制度に入っていかなければならない。そうした負担などのことも考える必要がある。いろいろ考え、解決すべき課題もあるのかなというふうに思っております。  いずれにしても関係者との調整でありますとか合意形成、そうしたものを早く図っていく必要があるのではないかなと思っておりまして、提案のアイデアを含めて対応についてできるだけ早く方向性を示せるように尽力してまいりたいと考えております。 ◯副議長(福田俊史君)23番内田議員 ◯23番(内田隆嗣君)産業廃棄物最終処分場について、何年になるでしょうか、私はここでずっと本当に何回も何回もこのことについて取り上げさせていただいて議論をさせていただいていました。知事の二面性というのはもちろん私もよくわかっておりますし、それが知事の誠実な姿、知事らしいなというふうに答弁を聞き入っておりました。  常任委員会の説明資料であるのですけれども、本当に意見照会手続についてもしっかり、地元自治会、西尾原が10月13日、下泉が11月、12月、3月と3回、個人についても6回というようにかなり丁寧な意見の調整手続がなされていて、私はこの産業廃棄物最終処分場の設置について結構いろんな県の事例を見てきて学習しておるのですけれども、ここまで丁寧な手続を踏んで許可の厳正な審査をするという立場でされている。つまり安全性の担保について県民の理解を得、そして地元理解を得るためにされているというのは、希有な、まれな例であるというふうに確信しておりますし、その姿勢について高く評価するものであります。  一方でもう一側面、そういった側面を持つ関係上、知事からこれを推進、大きな旗を振って今の段階で推進していこうというような言葉というのはなかなか難しいのかなと思いながらも聞いておりましたが、しっかりと副知事よりいただけた言葉について高く評価したいなというふうに思います。産業界の気持ち、そして鳥取県経済発展、そして10年、20年後の姿を含めてやはり必要性についてしっかりと言及していただいた。そして土地提供についても、しっかりと判断をするというような答弁をいただいたところに際しまして、私はこの議場でのやりとりを高く評価したいと思いますし、その姿勢を2側面を含めて進める、産業振興上、県の基礎的インフラ上必要だという立場と厳正な安全性を担保する立場、両側面を今後も大切にしていただきたい。知事のその姿勢を堅持していただきたいなというふうに深く思った次第であります。  今回の議場での議論をしっかりと受けとめさせていただいて、次のステップに進んでいきたいというふうに私、推進論者としては思いますので、よろしくお願いいたします。答弁は結構です。  そして廃プラ、容プラについて、現状調査で、県内では大体そこまで自治体で焼くほどのこともないよという調査が上がっているという報告でもありましたし、よく存じ上げております。ただ、一歩踏み込んで仮に県の産廃なり業界が要請をして自治体が動くというふうになったときに、先ほど来答弁がありましたとおりやはり地元の理解というのは欠かせませんし、そこでやはり手続的にもしっかりと地元の理解を得ていくというのは必要であると思います。その際に仮にあったとしたら、地元の要請があったら対応していきたいと知事から答弁が出ていましたので、そういう方向で検討していただければいいと思っていますので、よろしくお願いをいたします。答弁にそごがあったら訂正していただければと思います。  最後に、最終処分場の延命化についてです。これは私も県が中に入っていって成功した例のほうが少ないというのは承知していますが、成功した例も承知しております。長崎と佐賀でしょうか。ただ、ここにおいて知事が言われましたとおり民民の協定が今も生きている段階で、新たに県が手を突っ込むのはどうなのかというところだと思うのです。ただ一方で、酒嶋部長は確保の必要性については、やはり要るよねというところだったと思います。  私はここで可能かどうかぜひ検討してみてもらいたいと思うのが、例えば民民の契約時にある一定の担保になるようなお金が要ったとしたときに、融資制度などをつくっていただけないかなというふうに思っておりますが、いかがでしょうか。制度融資の制度があれば、例えば無利子融資とかですよね、非常にいいツールになるのかなというふうに思いますけれども、どうでしょう、検討をお願いいたします。  残土処分場について、はっきりと見直すと言っていただきました。しっかりと関係各位と調整していただいて、処分場の確保、いろんな方法があると思いますので検討していただきたいと思います。  それでは、教員の働き方改革の部分に入りたいと思います。  先ほど、山本教育長のほうより具体的な話があったと思います。実際にさっきも話をしましたが、毎日2時間ずつ普通に月・金で指導して、土日のどっちか遠征とか対外試合をしようと思ったら、超過勤務45時間にひっかかって大変、できなくなりますよということです。これは私は全員にそういうふうにしろという発言ではありません。もちろん働き方改革というのは重要なことですし、教員の過剰労働というか、労働時間に対してメスを入れている法案ですので、希望しない教員についてはもちろんしっかりと外部指導者を入れて、競技力の向上、そして部活というのはやはり教育行政上も非常に必要不可欠なツールだと私は思っておりますので、そこをどうしていくかというのは一方でしっかりと考えていかないといけないというふうに思っております。  しかし、逆にいわゆる強いところって想像つくと思うのですけれども、米子東高校とか米子高校とか米子南高校のボート部であるとか米子南高校のアーチェリー部であるとか、さっき言われましたけれども八頭高校のホッケー部であるとか、強いと言われている部活動の部活には当然いい顧問の先生という、子供が行きたいなというような顧問の先生がおられて、それが結果として教員の場合が多いです。そういった場合、当然子供もそこで競技をしたいと思って行くわけですし、顧問も教えたいと思っている。そういうときに、この45時間というのがいささか不幸な産物になってしまう。これに対してどういうソリューション、解決策があるのだろうなと考えた結果だと思います。それが先ほど同じ場所で同じ人が指導してどうなのだという話にもつながるかもとも思うのですけれども、そこを回避するための方法はやはり考えなくてはならないというのは間違いない。例えば今現在2年生で来年全国大会を目指してきょうも日々部活動を放課後やっていて、土日は練習試合をしています。でも、来年の4月から、いきなり土日部活動、練習試合は引率できませんなどと言われた生徒はどう思うでしょうか。何でそんなことするの、私は部活動やりたいよ先生と言うに決まっていますし、教えたい顧問もいるはずです。  そこで、何かしらの解決策を示さないといけないというのが今まさに迫っているテーマでありまして、これは知事にぜひ要望したいのですけれども、競技力向上という意味でもそういった場合の保険適用についてやはり予算措置の問題があるということが教育長からありましたが、そういった場合、仮にこういう制度を教育委員会がしたいよという何らかの制度を持ってきて必要な予算措置というのが要望されたときには、しっかりと対応していただきたいなというふうに思います。これは結構肝でして、保険をどうするのだよというのは学校の業務から外れているわけですね。だから別に保険を掛けていかなくてはいけない。保険は部活動よりは必ず高くなります。そこに保護者負担をいきなり求めるわけにもいきませんし、ここは絶対ボトルネックになるはずだと思っておりますので、これは教育長、間違っていたら否定してください。保険はしっかりと部活動ではないところで部活をするというときにはしっかりと掛けていく必要があるというふうに思いますが、教育長の御所見、そして必要性について知事の答弁を求めます。 ◯副議長(福田俊史君)答弁を求めます。  平井知事 ◯知事(平井伸治君)(登壇)内田県議から重ねてお尋ねがございました。私どもに2点ございました。  まず、1点目としまして他県に最終処分、今は持っていかざるを得ない状況でございますが、それを民民の契約でやるに当たりまして状況に応じて資金的な貸付制度ということはあり得ないかと、こういうことでございます。  これはちょっと現状を関係業界とも話をさせていただき把握をさせていただいた上で、現在も実は商工融資等でも一定の状況に応じた制度融資の制度などもございます。恐らくそれに準じるような形で、例えば何か基準を満たすための設備投資であればそうしたこともあり得ましょうし、また運転資金の中でも特別な事情があればということもあるかもしれません。これはちょっと状況をよく把握させていただいた上で、必要な制度について検討させていただきたいと思います。  また、2点目としまして教育長のほうにお話がございましたけれども、この保険料の相当額の負担でございます。  こういう保険料の問題というのも、当然ながら人件費の一つであろうかと思います。これにつきましてはちょっと教育長の答弁も聞いてみないといけませんが、教育長のお考え、教育委員会のお考えとすり合わせをさせていただき、我々のほうで外部人材を投入することに応援をしている趣旨の中でそうした予算措置についても検討させていただきたいと思います。 ◯副議長(福田俊史君)山本教育長 ◯教育委員会教育長(山本仁志君)内田議員から、重ねて部活動指導につきましてお尋ねがございました。  私もいろいろ隘路はあるけれども、ぜひこの案がかなうのであれば実現できればなというふうにも思っているところでございます。そうした中で、一つ保険の話が出ました。保険の部分というのは、先ほどもお話をいたしましたが部活動については国のほうの制度がある。ただ、社会スポーツについては、それとは別にスポーツ傷害保険というものに加入しなければならない。これがどれぐらいの負担になるかという試算まではまだいたしておりませんけれども、やがてこれを制度化するということになればそうしたことも検討していかなければならないというふうに考えておるところでございます。  ただ、そこについて、今、部活の特別勤務手当というものがあって、それが要らなくなるということも一方ではありますので、そうしたところとの兼ね合いも出てくるのかなと思いながら今検討を進めておるところでございますが、トータルでこの教員の働き方改革と部活動をどう両立させていくのかという大きな問題に積極的にチャレンジをしていきたいというふうに思っているところでございます。 ◯副議長(福田俊史君)23番内田議員 ◯23番(内田隆嗣君)保険の件、よろしくお願いいたします。  あと制度融資等、これは関係者と話してみて、それが可能であればということで構いませんので、しっかりとコミュニケーションをとっていただければと思いますのでよろしくお願いします。  そして、今くしくも出ましたが、部活動の超過勤手当が必要がなくなるという教育長から発言がありました。つまり土日はあくまでも外部指導者ですから、その分の給与を払ってあげる主体が必要なわけで、そこに対して財源措置も必要なわけですね。だからそこは財源の振りかえと同じような財源更正になりまして、例えば池田会長が提案されているのは体育協会を通じて体育協会から超過勤手当相当分を支払っていく。あるいは体育協会でなければPTA連合会、これは高校で皆さん模試を受けたことがありますよね。進研ゼミの模試とか。これは超過勤手当が出ているのではなくて、PTAから特別勤務手当の相当分が出ているという仕組みがあります。実際にPTAがそこで出しているという実績もあるので、PTA連合会で検討してみてはという案もこの2案が大体あって、今そこを多分教育長が調整してどっちがいいかなというふうに判断をしているところだと思います。  両方にそれぞれ問題点があるように聞いておりますが、どのような問題点があるのかというのをお聞かせください。  また、財源の振りかえについて、当然可能だと思うのですが、要請があれば準備ができるのでしょうか。知事、答弁をお願いします。 ◯副議長(福田俊史君)答弁を求めます。  平井知事
    ◯知事(平井伸治君)(登壇)内田県議から重ねてお尋ねがございました。  教育委員会のほうの予算の範囲内でその中での予算執行のことでありまして、会計規則上どうかということで、適正に行われるように我々もアドバイスをしてまいりたいと思います。 ◯副議長(福田俊史君)山本教育長 ◯教育委員会教育長(山本仁志君)内田県議から重ねて御質問を賜りました。  どちらがいいかというよりは、これは本当に主体になっていただけるかどうかということが一番の課題であろうというふうに思っております。体育協会が仮に受けていただけるというような場合でも、実際に会場で何か外部指導者が入るとすればそれは競技団体が絡んでくる話でもありますし、一概に体育協会が全体として受けますという話にも多分ならないと思います。それぞれの競技団体とも相談していく必要があります。  そうした意味で、関係者の方々と相談しながら合意形成をしていくというこうした段階が必要ではないかなというふうに思っておりまして、そうしたことも含めて検討を進めてまいればというふうに思っております。 ◯副議長(福田俊史君)23番内田議員 ◯23番(内田隆嗣君)PTAの答弁がなかったということは体育協会を念頭に置かれているのかなというふうに思いますが、いずれにしましても来年の4月にこの事態が起こるのです。解決して何らかの手だてを打っておかなければ、部活動の遠征に行けないというか、子供たちが今やっている同じことが担保できないという課題があります。これは必ずクリアしていただきたい。約束していただけますでしょうか。 ◯副議長(福田俊史君)答弁を求めます。  山本教育長 ◯教育委員会教育長(山本仁志君)いずれその勤務時間につきましては来年度から上限月45時間というキャップがかけられるわけでございまして、そうしたことをクリアしていかなければなりません。例えば同じ練習をしていても、土曜日と日曜日を仮に別の者がついていくとかということで、何とかして一方の働き方改革の基準もクリアする必要があります。一方では、生徒の希望もこれも大事にしていかなければならない。そうしたことをトータルでやはり進めていかなければならないなと思っておりまして、これは非常に難しい課題ではありますが、解決しなければならない課題でもあろうという認識は持っておりますので、しっかりと取り組んでまいりたいと思います。 ◯副議長(福田俊史君)暫時休憩をいたします。午後3時5分より再開いたします。        午後2時52分休憩    ────────────────        午後3時05分再開 ◯議長(藤縄喜和君)再開いたします。  引き続き一般質問並びに議案に対する質疑を行っていただきます。  27番西川憲雄議員 ◯27番(西川憲雄君)(登壇、拍手)県議会自由民主党の西川でございます。  本日5番目になりました。今定例会では、一般質問6日間で全て5名以上という今までにない、これはハイレベルなのでしょうか、なかなかなかったことですので、皆さんきょうの5番目の私を経験として最後までお聞き願いたいと思います。  それでは、通告済みの2問について質問いたします。  木材出材38万立米の取り組みと課題について。平成13年に始まった持ち出し支援、その年度に木材は3.4万立米でございました。平成29年、実にそれが22.1万立米とすごい成果を上げております。実際には出材は29万立米ありましたけれども、持ち出し支援の対象は22.1万立米でございました。これは時代が合板、バイオマス、そのような需要が増してきまして、政策を後押しする結果となりました。  国内を見渡しますと、国有材、つまり杉、ヒノキですけれども、それの利用が長年20%弱、18%で推移しておりましたけれども、先ほどの状況のように直近では36%、倍というすばらしい成果を現在上げております。多分来年、再来年、今以上の成果が生まれると私は確信しております。  それで32年の38万立米には約ですけれどもまだ10万立米不足しております。それに向けて県としてはどのような取り組みをお考えなのか、知事にお伺いいたします。  そのような成果の中でも、やはり問題点はあります。それは担い手不足であります。近年、全産業の人手不足が相まって、山に入る人たちが多くありません。私の地元、智頭農林高校には森林科学科がありますが、その多くの生徒は他の職業についているのが現状です。農林の生徒に頼るわけではありませんが、林業を勉強した人がその仕事につかないのは何か理由があるのではないか。それらを究明し、対処することが必要ではないかと考えます。実業高校の特色化という観点からもぜひ対応してほしいと考えますが、教育長の見解をお伺いいたします。  次に、2問目、中山間地域の農業についてお聞きします。  私の周りは多くが、余りいい言葉ではありませんが、三反百姓というような形態で自分のところで賄うだけの兼業農家です。畑作は余り多くありません。それはそれで継続していければよいのですが、自分の代で終わりだ、機械が壊れたらもうやめるという方が大多数であります。このことが大きな問題で、農業を考えていく上で対策が必要ではないでしょうか。  生産量や生産額はさほど多くありませんので、国や県で考えれば大きな問題とはならないかもしれません。実際、年間の米の消費量は毎年7万トン減少しております。食糧は、需給を考えると東京都のように食べ残しを考えれば需給バランスはどちらかといえば生産過剰だと言っても過言ではありません。その上、高齢化、人口減少という需要の減少が起こってきます。人口とは人の口と書きます。つまり、食べる人が減少するということです。そのような状況下で、対策や将来展望を考えるのは大変容易ではありませんが、だからといってほっておくわけにはいかないと考え、何らかの対応が必要と考えております。  鳥取県では、農産品900億円の生産額を考えておりますが、それらには余り多く寄与しませんが、担い手がいなくなってからは遅いわけで、今、県として取り組んでいる中山間地の稲作、畑作の政策があれば知事にお伺いし、壇上での質問といたします。 ◯議長(藤縄喜和君)答弁を求めます。  平井知事 ◯知事(平井伸治君)(登壇)西川県議の一般質問にお答えを申し上げます。  森林の問題、それから稲作等の中山間地の農業の問題につきましてお尋ねがございました。  林業についてでございますが、議員もおっしゃったように切り出し間伐、そういう意味で搬出をしていく。その搬出支援の間伐の事業が本県の一つのスタートだったと思いますが、これを本格化させながら智頭でも例えば鳥取式の作業道をつくる。最近は自伐林家であるとか、また若桜では今度は条例をつくってこういう林業とともに生きていこうという地域づくりをやっていく決意を固められたり、いろいろとこれまでも取り組みをされているところでございます。  間伐の持ち出し支援は一つの効果はあっただろうと思います。議員から22万立米のお話がございましたけれども、実は昨年度この数字が出てきたのですが24万立米になっていまして、また2万立米ぐらいふえています。かつてから考えると、もう桁が大分違ってまいりました。思い起こしますと私も最初に知事になるとき、たしか智頭のラーメン屋か何かだったと思うのですが、西川県議ら智頭の議員の皆さんに囲まれてこの間伐の持ち出し支援をぜひ強化しろということをいただきました。ああいうことが実は今生きていまして、その間伐の量は大分ふえてきた。さらに言えば、最近は若い方々の就業もふえてきています。  こういうようなことなどいい風も吹いてきていまして、38万立米、今令和2年度での完了を目指して進んでいるところでありますけれども、議員の今のお話もございましたので、令和という新しい時代に入って実は今環境が変わり始めていますから、もう一度森林組合など関係者と話をさせていただいて、新しい目標設定をこの際考えるべき段階に来たかなと。  まだちょっと集計中なのですが、昨年度は多分30万立米は超えたと思います。ちょっと細かい数字まではよく集計し切れていませんけれども、38万立米もあともう2年間で見えてきているといえば見えてきているのですが、大切なのは新しい森林管理経営システムが導入されたということです。この4月から、主たる担い手として市町村が入ってくることになります。その市町村が森林経営の役割をみずから行うことも可能性としては出てきますし、それからそれぞれの集落に入り込んでどういうふうに森を管理していくのか。また、林業を育てていくのかということを個別にまた議論していくことになります。現に智頭町さんでは今年度レーザー航測をされることになっておりまして、これで施業中の状況把握が進むはずであります。  さらに、那岐が森林組合の地元でございますので、那岐から初めてそうした話し合いといいますか、目標づくり、今後の計画づくりということに具体的に入ってくれというように、今設計図を描き始めました。これは今、各市町村で動き始めています。ですから、来年度までの計画よりはさらに例えば向こう5年のうちに40万立米だとか、10年間で50万立米だとかそういうふうにだんだん目標を上げていって、市町村も加わって一緒にやりましょうと。こういうように大きくもう一度計画を見直す時期に来たのかなというふうに思います。  そういう上で、今まで効果があったこと、例えば機械化であるとか、それから若い方々の安全対策あるいは研修、そうしたことがやはり大きく作用してきたと思います。そうしたさまざまな対策を一層強化をさせていただいて、38万立米を目指すことで終わることなく40万、50万と先を見越していくような、そういう林業政策を今年度考えてみる必要があるかなと。  森林管理の経営が始まること、さらには譲与税が導入をされてくる。それによる財源も生まれてくることになります。今、もう一度勝負をかけるべきときに来たのではないかなというふうに思います。  もう一つの農業のことでありますが、身近なところで持続可能な形で農業を経営していくというのを中山間地等でどうやって今後も支えていくのかということであります。  智頭も手のひらのように谷が入り組んでいまして、それぞれにまた特色を生かした地域経営をされているところでございます。五月田のほうも水田などもされていますけれども、特産品での土地などを利用してようかんだとかそういうことをいろいろとこれまでも手がけてこられて、ある意味集落のまとまりができているところであります。その五月田などでいえば、これは鳥取銀行さんと平成27年に共生の里の協定を結ばれまして、それで毎年のように一緒にその村を守るために農地を守る事業、こういうことなどをされて、これは銀行さんのほうでもそうした体験ということを家族も含めて楽しまれるというようになってきました。こんなようなことで、一つ持続可能なそういう姿というのを求めていくのもありかなと。  また、林道だとか特産品もある。そういうところを育てていくとか、また最近はシイタケ等々の林産物、これももともとは集落で身の回りの田んぼや畑をやり、そして山に入ってそこの恵みも得ているという入り会いで管理をしてなどという暮らしがありました。それをもっと現代風にして、所得の可能性を複線化していくということもあるのではないかと思います。こういうシイタケを導入することは、実は河原の西郷であるとかそのほか各地でも行われていますけれども、なかなかちょっと大規模にはやれていなかったのですが、最近智頭の芦津でそういう成功例が出てきました。要は山合いというのは逆に言えばそういう林産物の生産には適しているところでありまして、最近は収益性も高まってきていますし、特に鳥取茸王みたいなそういう稼ぎ頭も出てきますし、鳥取県も今回全国では全農のコンテストで第2位に団体でも入り、最優秀賞など個人賞もとっているという技術力もしっかりしてきています。こんなような意味で、そういう展開を横に広げていくこともあるだろうと。  智頭ではキクラゲの生産をされているところもございまして、これも地域の元気にも役立っています。  そこで、今回6月補正の中にも提案させていただきましたが、こういうシイタケなどを使って集落営農などそうした受け皿などもあえて対象にして、それでこうした林産物での所得向上を目指す。そういうのを今回提案をさせていただいております。  さまざまな形で中山間地における農村の持続可能性というのを探求してまいりたいと思います。 ◯議長(藤縄喜和君)山本教育長 ◯教育委員会教育長(山本仁志君)西川議員の一般質問にお答えを申し上げます。  私には、智頭農林高校におきます林業人材の育成につきましてお尋ねがございました。  智頭農林高校、県内で唯一森林ということを銘打った小学科を設けて、林業あるいは木材加工など地域産業に発展、貢献できる能力、そして態度を備えた人材育成を行っておるところでございます。  最近、平成28年度からは専門家集団の皆さんからの助言や評価などをいただきながら、地域と連携して各種事業に取り組むことによって地域林業等の担い手を育成する県版スーパープロフェッショナルハイスクール、SPHと呼んでおりますが取り組んできておりまして、生徒に森林組合等での長期就業体験でありますとかインドネシアとの交流学習、また高度な資格取得でありますとか全国大会等への挑戦などに取り組ませているところでございます。  また、地元の森林組合と連携をいたしまして、高性能マシンを使った木の伐採、搬出等の実習でありますとかフィールドワークによります地域の調査、現場体験実習を行うような科目を設定をしたり、あるいは木のおもちゃをつくることでそれを子供たちに使ってもらう木育などを通じて地域連携あるいは貢献事業などを行うことで、幅広く生徒の興味関心を養っておるところでございます。  また、平成29年度からはこれは県のほうのスーパー農林水産業士の認定制度ができたということで、智頭農林高校の生徒もこれにチャレンジをいたしておりまして、この認定を受けて森林組合等に就職する生徒も出てきておりまして、こうした取り組みの成果もあったのかもしれません。昨年10月に生徒アンケートを実施したところ、この森林科学科につきましては約4割の生徒が将来森林、林業系の進学、就職を希望しているといったような状況も生まれてきております。  また、近年わずかずつではございますが、林業関係産業への就職あるいは進学者の割合がふえてきているという状況もあります。これまでの取り組みが功を奏し、生徒にこの林業産業の担い手としての意識が育ちつつあるのではないかなと感じておるところでございます。  一方、お話もありましたけれども少し調べてみますと体力面で不安があるといったことでありますとか、あるいは事故災害を不安視する保護者の方がいらっしゃる。そうした保護者の反対があって、また高校でいろんな学びをするうちに少し林業ではなくて違う方向の進路を選択したりというようなことで、林業を勉強しながらも別の仕事につく生徒もいらっしゃるわけでございますが、そうした生徒に対してもそうした不安があるのであれば不安を払拭するような形での指導でありますとか、あるいは林業で木を切るだけではなくてシイタケ栽培など6次産業化というような道もあるよというような指導なども行いながら、林業に関連した産業への進路が選択できるように取り組んでおるところでございます。  いずれにしましても、専門人材育成に向けて引き続きこうした取り組みを行ってまいりたいというふうに思いますし、また智頭町の基幹産業であります林業を活用した学校の魅力化というさらなる魅力化にも取り組んでまいりたいと考えておるところでございます。 ◯議長(藤縄喜和君)27番西川議員 ◯27番(西川憲雄君)それでは、追及に入らせていただきます。  知事答弁の中で、40万立米、50万立米という大変すばらしいお言葉をいただきました。ただ、現実的には今38万立米を目標にしている途中であっても、私の地元などは特に林業作業道がどこまで入っておるかということで可能性が生まれます。特に山の上まで植えてあったり、それから作業道や家屋から相当離れた地域ではほとんどがまだ現実手つかずです。それで状況を調べてみますと、例えば38万立米を目標にしたときに出材が大体30万立米余りに木材、ヒノキ、杉では計画されますが、実際に鳥取県の成長量をお聞きしたとき、大体70万立米ぐらいあるのではないかというお話を聞きます。そうしますと大体4割が出材対象になっていまして、残り6割が手つかずの山という形になります。それはなぜかというと、やはり林道が入っていなかったり民家から余りにも離れて出すのに経費がかかるところは採算性が合いません。県の持ち出し支援がありながらも、それでも足らないということです。  そこで、私が考えるのは、やはり全てが採算性のいい山になるとは考えられないわけです。そして、特に林業というのは再生してそれがなりわいとなって循環するというのが最終目標でありますので、例えば今、植わっている山の木を全て切って再造林をするというのはいかがなものかという考えもあってもよいのではないか。  ただ、一つ勘違いされて困るのは、例えば4割切って山の上の6割がそのまま残った。見た目にはすばらしく自然を維持しているように感じますけれども、実は持ち出し支援の以前、20数年間、木材の価格が低迷しましてほとんど山に入っておりません。枝打ちどころか間伐もしていない山がほとんどであります。それが今、伐期に向かっているわけですけれども、先ほど言いましたように人が一度手を入れた山というのは人が管理しなければ山は維持できない。これは昔の言い伝えでございます。ただ植わっているから、きれいだから山は維持できている。そんなものではないのです。実際に鳥取県、特に智頭町などはそうなのですけれども、山というのは1ヘクタール3,000本植えます。これは間伐をするという前提で植えてありますので、実際は4分の1、5分の1、800とか600の数字になるように植えてあるのです。ところが間伐をしなければ密植してしまって、木というのは上に伸びるばかりでなしに枝を張ります。そうすると日が差しませんから、下草が生えません。下草が生えんということは、腐葉土ができないのです。そして、特に今八頭郡では鹿の害で残った草まで全て鹿に食べられて、もう地面がそのままあらわになっております。  先ほど言いましたように、山というのは人が一旦手を入れれば人が管理しないと維持できないというのが前提なので、今、残りの4割5割、山上の木をいかに対応するかという政策が今後必要になってくると思います。  そこで1点、林道が十分入ればいいのですけれども、やはり昔から言います、1日を考えた食糧、1年を考えると野菜、農業、10数年を考えると林業。そうしますと、10数年考えるものの投資効果や経済効果は薄いので、林道が一般の鉄道や国道のように縦横に張りめぐらせていただけることは不可能だと私は考えておりますので、それでは山をどのように活用するか。今植わっている上層部の木は切って、自然に返すというのもあっていいのではないか。そのためには、道がなくても昔あった架線搬出、そういうものを頭に入れてこれから政策を打ち、自然に返すという政策も今後の方向として検討していただければと思いますが、知事、いかがでしょうか。  次に、教育長にお伺いします。  先ほど智頭農林の紹介をしていただきました。6次化も取り組んでおられると。私もお聞きしまして、ちのりんショップというのを取り組んでおられるそうです。そこでも一つ上を目指すためには、やはり若者がこれから生活をしていく上でもうかるという商売の原則を多少勉強させるのも必要ではないかと考えます。その点について、教育長にお伺いしたいと思います。  以上2点、よろしくお願いいたします。 ◯議長(藤縄喜和君)平井知事 ◯知事(平井伸治君)(登壇)西川県議から、重ねてお尋ねがございました。  詳細は局長のほうから、お答えを申し上げたいと思いますが、議員がおっしゃるとおりだんだんと手のつけやすいところはだんだん手が入ってきて、最近現に生産量がふえてきて、多分30万立米ぐらい今いっているのではないかというのはそうした成果のあらわれであります。  ただ、山頂だとか、特に智頭の場合は長年かけて手入れをして財産をつくるというイメージがあり、高級材をこれまでも生産をしてこられたところでございます。確かに山の上のほうまで植わっていまして、そこを、ではその林道をどこまで通すかというとちょっと想像しにくいところもありまして、現実なのは架線系を使うというのは一つのアイデアではないかなと思います。  最近は若い方々も結構それで林業に入ってくる傾向もあるのですが、大型のタワーヤーダを入れまして簡易な形で架線を引く。ですから山頂に近いところに施業地があって、そこから架線系で持ってきて、あるところで林道が通っているところまでタワーヤーダで引っ張ってきて、そこでやる。それでハーベスターとかいろんなものを入れながら安全に、かつ素早く木の処理をしていく。そういうことを現場でやりながら持っていけば、確かに林道はなくてもできるのかなと思いながら今伺っておりました。  また、従来型の架線というのもございますし、それは本当にロープウェーのように張りまして、それを使ってやるというようなやり方もありましょうけれども、いろいろと工夫の余地はあるのではないかなと思います。  タワーヤーダでこのワイヤロープがありますけれども、これをずっと今までえっちらおっちら谷を一旦おりて向こうの谷まで持っていくということでございますが、最近、当方の林業試験場のほうでもドローンを使ってそれを乗せていく。それで引っ張って持っていって、ここでこう下に落とすという装置もつけてこれを試したところ、昨年度で一定の成果が得られました。小型のドローンを使って、そのロープの操作というところの機械、装置をつける。それを作動させて、一つめどが立ちました。この試作機をまた森林組合などにもこれから現場でも研修していただきながら、使っていただくことを始めようかなと。まだそういう意味で緒についたところかもしれませんが、そういう技術開発なども含めて従来だとなかなか入りにくかったところですし、やろうと思うとよっぽどの熟練技術を持った人が時間をかけてやるというようなことにならないやり方というのをいろいろ工夫してみる余地があるのかなと。そんな意味で、そういう機械助成であるとかそういう技術支援であるだとか、いろいろと組み合わせながら今の議員の問題意識にも応えていく必要があるかなというふうに考えております。 ◯議長(藤縄喜和君)森本森林・林業振興局長 ◯森林・林業振興局長(森本智史君)手つかずの山の管理について補足答弁をいたします。  まず一つは、冒頭知事も申しましたけれどもこの4月から市町村が主体となった新たな森林管理システム制度が始まりますので、この中で山頂にそういった森林があるところでそういう集落があれば、市町村と話し合うということは進んでいくのかなと思います。  それから、実際施業する場面では架線系ということですよね。その主流が今大体車両系で来ていますけれども、それが道がないところはやはり架線系。この架線系は2種類ありまして、知事が申しましたタワーヤーダと、あと従来型の架線系の林業機械を活用する、この2つがあります。タワーヤーダにつきましては、先ほど知事も言いましたが、県内に入っているのは実際は八頭中央と中部森林組合だけでありまして、まだ智頭町は入っておりません。となれば従来型のいわゆる架線系ということになるわけでありますが、これにつきましては私もちょっと智頭町森林組合と一度お話をさせていただきました。今現在この従来型の架線系を使ってリードロープを張れる人はなかなかいないという現状があるようでありまして、少なくとも森林組合の人はいないという話でありました。ということで町内にわずかしかいないということ、自伐林だと思いますけれども、そういう方がおられるとお話を聞きました。提案がございましたので、その方から一回実情を聞いてみたいというふうに考えております。 ◯議長(藤縄喜和君)山本教育長 ◯教育委員会教育長(山本仁志君)西川議員から重ねての質問を賜りました。  経営という視点ということでございましたが、そのことは本当に大切だなというふうに思っております。  今、智頭農林に限らず県立高校はキャリア教育というものを進めておるわけでございますが、その中で将来の人生設計について考えてみるというような取り組みもやっておりますし、専門高校では経営の視点を取り入れたようなさまざまな活動を行っておりまして、先ほどおっしゃいましたちのりんショップなどもそうでございますし、商品を実際に企業の方と連携して開発をしてみたり、その開発した商品であったり、例えば智頭農林でいいますとつくった原木シイタケであったり曲げわっぱであったり、そうしたものを実際に模擬商店のようなところで売って経営的なことに携わってみたりというような、そうしたいわば体験的なところを通じて経営の視点を学んでいく。そうしたこともやっておりますし、もう一つは実際に若手の林家の方、卒業生等に来ていただいて、その林業経営でありますとか林業を行っていく楽しさ、あるいはこういうところに苦労しているのだというような話を実際にもう生徒が直接話を聞くというような取り組みもやっておるわけでございます。こうしたことを通じながら林業に興味を持ち、さらにそれを実際にやってみようという意欲までつなげていくような、そうした取り組みをぜひともこれからも続けてやっていきたいなというふうに思っておるところでございます。 ◯議長(藤縄喜和君)27番西川議員 ◯27番(西川憲雄君)知事及び局長に答弁いただきました。  先ほど、架線はなかなか現場でやる方が少ないというお話もありましたが、実際にはまだ2組のグループが智頭町には森林組合ではないのですけれどもあります。それでその方にお聞きしたら、教えることは幾らでもできますよというお話もいただいております。  実は、それが別に必要でなくてもいいのですよ。林道ができたり、先ほど言ったタワーヤーダで対応できればいいのですけれども、実際に智頭、若桜へ行っていただいたらとてもタワーヤーダで届くような山ではないのですね。やはり林道がある程度入れば別なのですけれども。そうすると、本当に山頂部の2割、3割の山を切ってしまうということになれば本当に昔の架線でないととても対応できない。現実的には、いつまで林道ができるのを待つのだというような話になります。  私は、やはり山の上まで林道をつける必要があるのかというとこれも疑問に思っていまして、やはりある程度投資効果のある中山間の中部の辺までを林道で対応するべきではないかなと。そのほうが利用頻度も高いし、循環型の林道というのが成り立つのではないかなという思いをしております。そこら辺も含めて、今後の参考にしていただければと思います。  それで先ほど言いました、これは可能かどうかわかりませんけれども、山頂部の伐採をした後に植栽が基本的には必要なのですけれども、これを自然の山に返すというのもあってもいいのではないか。実はきのう、一般質問の前ですけれどもちょっと飲み会がありまして、そこの中でちょっと山林の方と話をしたら、以前は大体2割ぐらいは山には木は植えないものだというお話でした。ところが戦後の植林で山の山頂部まで植えた山も数多くありますけれども、もとに返すという考えもあっていいのではないかなというお話もあって、私もそれに賛同しました。  ところが一つ難点がありましてね、例えば智頭町などもそうですけれども、大方の山が若桜もそう、保安林に指定されておりまして、特に奥部の場合は水源涵養で対象になりますので、多分知事の対応だけではできない制度のようになっております。  そこで、できれば将来的ですけれども、その保安林を解除するときに再造林の部分を地域別で対応できるような方策を国に要望していただけないかと思いまして、その点について知事にお伺いしたいと思います。  次に教育長ですけれども、先ほどもうけるというその経営の分野も一生懸命やってみてはというお話をいただきました。本当に私もお聞きしてSPHの取り組み、これは本当に効果があって、まだチェーンソーの段階だそうですけれども、いろんな資格をここで取れるようになれば採用もスムーズだし、給料も出せれるという体制になるので、できるだけこれを今以上に取り組んでいただきたいのと、特に思いますのが斉木議員の代表質問の中で今まで余り健全な答弁しかされない山本教育長が農業の分野で日本一の農業高校を目指すというお話をされました。大変びっくりしまして、本当に山本教育長のお言葉かなと思いながら聞いていたのですけれども、では私も日本一の林業高校とはなかなか現実的には言えませんので、日本有数の林業高校ということで頑張っていただきたい。特に、ことしは定員いっぱいの26名が入学しております。その中で県外、横浜からおいでいただいておりまして、やはり智頭農林に来たいという県外の方もあるのです。そこら辺を今以上に日本有数の林業高校にしていただく思いはどうか、御答弁願いたいと思います。 ◯議長(藤縄喜和君)答弁を求めます。  平井知事 ◯知事(平井伸治君)(登壇)西川県議から、重ねてお尋ねがございました。  保安林というのは議員も御考証のとおり非常にかたい制度でございまして、保安林の目的がございますから、その設定目的に従ってその林を設定している都合上、もとに戻すというのが原則でございます。ただ、それが自然な形で、またそれが形成されること、またもともと別の木が生えているとか、そういうようなことがないといけないとかいろいろと細かい条件もございまして、なかなか例外が適用され得るような状況でもないと思います。  議員からせっかく御提案もございましたので、ちょっと実情をよく検討させていただいた上でどういう要請をすべきかも含め、智頭町さんだとかいろいろ地元のアイデアも伺って、国に対する要請活動を考えてみたいと思います。  その復元の仕方も一定程度、例えば空き地も可とするとかいうこともあるかもしれませんし、いろいろと考えようかなと思うのですが、やはり今現実にその頂上まで全部経済性を考えて植えたのかどうか当時はわからないですが、現在それを回収しようと思うとなかなか難しいという実情の中で、もう一回同じ植林をするということが妥当するかというと、本来妥当しないのではないかというふうに考えられるわけです。ですから、そろそろそうした保安林制度についてもやはり見直すべきところは見直しながら、要は例えば崩壊を防止するとか、それから砂防、防砂の関係だとかいろいろとそうした保安林の目的に応じた復元の仕方や、あるいは放置をすると言うとちょっと言い過ぎかもしれませんが、自然の力にあとは委ねるということも、何らかの技術も使ってもいいのかもしれませんが、検討し得る時期に入ったのではないかなと思います。古い制度でありますので、検討させていただきたいと思います。 ◯議長(藤縄喜和君)山本教育長 ◯教育委員会教育長(山本仁志君)西川議員から、重ねて御質問がございました。  ことしの森林科学科の入学生の中には、将来森林組合に入って仕事をするというようなことであったり、進学をしてさらに森林について学びたいという本当に明確な意思を持って入ってきている生徒がおります。そうした生徒たちをしっかりと導いていく、将来の林業の担い手として活躍できるような人材に育てていく。そうしたことが必要ではないかと思っておりまして、そうしたことに先ほど申し上げましたスーパープロフェッショナルハイスクールでありますとかスーパー農林水産業士の制度などを使いながら、しっかりと取り組んでまいりたいというふうに思っております。  もともとこの林業というものを銘打って取り組んでいる学校が全国的にもそんなに多くない。38か39ぐらいしかないのですけれども、その中でも有数な学校の一つになりますよう、これは地元の智頭町あるいは林業関係者、そして農林水産部などともしっかりと連携をしながら、県外からでも志望していただけるような魅力ある高校づくりを目指して取り組んでまいりたいと思っております。
    ◯議長(藤縄喜和君)27番西川議員 ◯27番(西川憲雄君)知事から御答弁いただきました。  初めにも言いましたけれども、例えば水源涵養と言いながら、今、植栽されている杉、ヒノキの先ほど言った間伐していない山、とても水源涵養のような状況ではありません。本当に見ていただいたらわかるけれども、地肌が出て腐葉土なんてただの1センチもないのです。それで鹿が食べて、もうとても本当に地肌が出ている。やはり水源涵養というのはそういう状況に戻すということが前提なので、今までの植林は戦後なのですよね、こういう状況をつくってしまったのは。以前は山の上はやはり自然のまま残していたので、長いスパンで見ればそちらのほうが正しいわけです。そこら辺は僕は知事に国にいろんな手だてを使ってでもやはり現状はこうですよと。山というのは、山の上まで植林するのが全てではないですよというのをぜひとも頑張ってやっていただきたいと思います。  教育長には、答弁が全国有数の農林高校にというお話がいただけませんでしたので少し残念ですけれども、これで質問を終わりたいと思います。 ◯議長(藤縄喜和君)本日の議事日程は全て終了いたしました。  これをもって散会いたします。        午後3時48分散会    ────────────────...