京都府議会 2023-06-01
令和5年6月定例会(第6号) 本文
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定例会(第6号) 本文 2023-06-27 文書・発言の移動 文書 前へ 次へ 発言 前へ 次へ
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発言者一覧 選択 1 :
◯議長(
石田宗久君) 選択 2 :
◯議長(
石田宗久君) 選択 3 :
◯議長(
石田宗久君) 選択 4 : ◯二之
湯真士君 選択 5 :
◯議長(
石田宗久君) 選択 6 :
◯知事(
西脇隆俊君) 選択 7 :
◯議長(
石田宗久君) 選択 8 : ◯二之
湯真士君 選択 9 :
◯議長(
石田宗久君) 選択 10 :
◯建設交通部長(
濱田禎君) 選択 11 :
◯議長(
石田宗久君) 選択 12 : ◯二之
湯真士君 選択 13 :
◯議長(
石田宗久君) 選択 14 :
◯建設交通部長(
濱田禎君) 選択 15 :
◯議長(
石田宗久君) 選択 16 : ◯二之
湯真士君 選択 17 :
◯議長(
石田宗久君) 選択 18 :
◯教育長(
前川明範君) 選択 19 :
◯議長(
石田宗久君) 選択 20 : ◯二之
湯真士君 選択 21 :
◯議長(
石田宗久君) 選択 22 : ◯水谷修君 選択 23 :
◯議長(
石田宗久君) 選択 24 :
◯知事(
西脇隆俊君) 選択 25 :
◯議長(
石田宗久君) 選択 26 :
◯建設交通部長(
濱田禎君) 選択 27 :
◯議長(
石田宗久君) 選択 28 : ◯水谷修君 選択 29 :
◯議長(
石田宗久君) 選択 30 :
◯知事(
西脇隆俊君) 選択 31 :
◯議長(
石田宗久君) 選択 32 : ◯水谷修君 選択 33 :
◯議長(
石田宗久君) 選択 34 : ◯危機管理監(南本尚司君) 選択 35 :
◯議長(
石田宗久君) 選択 36 : ◯総務部長(吉井俊弥君) 選択 37 :
◯議長(
石田宗久君) 選択 38 :
◯建設交通部長(
濱田禎君) 選択 39 :
◯議長(
石田宗久君) 選択 40 : ◯水谷修君 選択 41 :
◯議長(
石田宗久君) 選択 42 : ◯危機管理監(南本尚司君) 選択 43 :
◯議長(
石田宗久君) 選択 44 : ◯水谷修君 選択 45 :
◯議長(
石田宗久君) 選択 46 : ◯小原舞君 選択 47 :
◯議長(
石田宗久君) 選択 48 :
◯知事(
西脇隆俊君) 選択 49 :
◯議長(
石田宗久君) 選択 50 : ◯農林水産部長(小瀬康行君) 選択 51 :
◯議長(
石田宗久君) 選択 52 :
◯建設交通部長(
濱田禎君) 選択 53 :
◯議長(
石田宗久君) 選択 54 : ◯小原舞君 選択 55 :
◯議長(
石田宗久君) 選択 56 : ◯北川剛司君 選択 57 :
◯議長(
石田宗久君) 選択 58 :
◯知事(
西脇隆俊君) 選択 59 :
◯議長(
石田宗久君) 選択 60 : ◯総合政策環境部長(岡本孝樹君) 選択 61 :
◯議長(
石田宗久君) 選択 62 : ◯北川剛司君 選択 63 :
◯議長(
石田宗久君) 選択 64 :
◯教育長(
前川明範君) 選択 65 :
◯議長(
石田宗久君) 選択 66 : ◯警察本部長(白井利明君) 選択 67 :
◯議長(
石田宗久君) 選択 68 : ◯北川剛司君 選択 69 :
◯議長(
石田宗久君) 選択 70 :
◯議長(
石田宗久君) 選択 71 :
◯議長(
石田宗久君) 選択 72 :
◯議長(
石田宗久君) 選択 73 :
◯議長(
石田宗久君) ↑ ページの先頭へ 本文 ↓ 最初の
ヒットへ(全 0
ヒット) 1:
◯議長(
石田宗久君) これより本日の会議を開きます。
─────────────────────
2:
◯議長(
石田宗久君) 日程に入ります。日程第1、諸報告。
本日までに受理いたしました請願は、お手元に配付の請願文書表のとおりであり、それぞれ所管の委員会に付託いたしましたので、御報告いたします。
(請願文書表は巻末に掲載)
─────────────────────
3:
◯議長(
石田宗久君) 次に日程第2、一般質問を行います。
まず、二之
湯真士議員に発言を許可します。二之
湯真士議員。
〔二之
湯真士君登壇〕(拍手)
4: ◯二之
湯真士君 自民党議員団の二之
湯真士でございます。
議長のお許しをいただきまして一言申し上げます。この4月の統一地方選挙で5回目の当選を果たすことができました。御支援いただいた皆様に心より感謝申し上げます。改めまして、この5期目、府民の思いを受けて府民の代表としてしっかりと議会人として仕事をしてまいることをお誓い申し上げます。
それでは、通告に従いまして質問いたしますので、知事並びに関係理事者には明確な答弁をよろしくお願い申し上げます。
まずは、京都府の国際化について質問いたします。
これからの京都を考えると、世界的に人々を魅了する価値の掘り下げ、その積極的な発信によるプレゼンスの強化が重要です。それは、文化庁移転を契機に、全国民から京都に寄せられる期待とも重なります。今回は、京都府の国際化について、国際会議の機会等を通じた価値発信は極めて重要との立場から、まずG7開催に向けての京都府の取組についてお伺いいたします。
本年は、日本がG7の議長国を務める年であり、5月には広島でG7サミットが開催されました。この1年を通じて国際社会の重要課題が議論される中で、特に開催国である日本に注目が集まります。それを通じて、今後の国際社会が進むべき方向を示す政治的発信にとどまらず、我が国の自然や歴史、文化、技術などを発信する絶好の機会でもあるとも考えます。関係閣僚会議は、全国15都市で開催されますが、残念ながら京都での開催はありません。本年は、文化庁移転の年であり、これまで以上に世界への日本文化発信に対して責任を負うことになった京都としては、不満足なことだと思います。
そこでまず、京都で関係閣僚会合が開催されないことについての知事の所見をお伺いします。
併せて、そもそもG7関連会合の開催場所はどのような手続によって決定されるのか、また京都府及び府内自治体は会合の招致に向けていかなる努力をしてきたのか、特に宝ヶ池に国際会議場が所在する京都市とは、府市協調の点からどのような相談をされてきたのか、御説明ください。
ところで、国際化には、国内で育まれた価値を発信し国際的に生かす方向と、国外の人材、知恵、技術などを京都が成長発展する力として生かす方向の両面があります。後者については、イノベーションを起こす点から極めて重要と考えますが、それは京都が外国人をいかに受け入れるかにかかっております。
そこで次に、日本語が不得手な外国人起業家への対応についてお伺いいたします。
京都府の総合計画中の基本計画におけるビジョンの一つ「未来を拓く京都産業の実現」の中に、世界に伍するスタートアップエコシステムの展開という重点分野があります。その実現のために「外国人の起業におけるビザの壁、言葉の壁、人脈の壁を克服する」と明記されており、具体的には、「4年間で外国人スタートアップ100社創出を目指す」とか、住まい・医療・教育・コミュニティーの形成など「英語で暮らせるまちづくり」等の意欲的な目標が掲げられております。令和5年度予算にも、グローバルスタートアップエコシステム構築事業費が新規に計上され、海外人材の生活から起業、ビジネス展開まで一貫した支援をすると記されております。
これらの目標達成のためには、独り京都府の努力だけではなく、民間事業者や地域社会の理解を得る努力が必要です。そのためには、多くの府民にこの目標が共有されることが不可欠ですが、そのために京都府はどんな努力をしておられますか。また、生活から起業、ビジネス展開までの一貫支援となれば、不動産業界、医療界、教育界、地域社会など様々な方々と協働することが不可欠ですが、それらの方々とどのような具体的な意思疎通の場を持っておられますか。
さらには、ビジネスをする大前提として、金融機関の理解と協力が必要不可欠ですが、外国人起業家にとっては、しっかりとした事業計画があっても口座開設は厳しいという現実があると聞きます。これまで京都府は、金融機関とどういう協議をし、どんな合意を得ておられますか。
以上について答弁を求めます。
5:
◯議長(
石田宗久君) 西脇知事。
〔知事
西脇隆俊君登壇〕
6:
◯知事(
西脇隆俊君) 二之湯議員の御質問にお答えいたします。
G7サミット関係閣僚会合の開催に向けての京都府の取組についてでございます。
G7サミット及び関係閣僚会合の開催地につきましては、令和3年10月に外務省から都道府県及び政令指定都市に希望調査があり、開催を希望する自治体の中から宿泊施設、会議場、交通アクセス、警備などを総合的に検討を行った上で、令和4年9月に開催地が決定されたものでございます。
今回、京都府は、京都市、経済界やコンベンションビューローとともにG7サミット及び関係閣僚会合の誘致について検討を行いましたが、大規模な警備が府民生活や観光に多大な影響を与えること、新型コロナ感染症対策への懸念などから、オール京都での開催機運が高まらず、応募に至らなかったものでございます。
一方で、国際会議の開催は、国内外から集まる多くの研究者や経済人などによる新たな交流やビジネスの創出が期待できます。これまで京都府は、国際博物館会議京都大会や国連犯罪防止刑事司法会議などを誘致してきたほか、本年10月には、国連が主宰するインターネット・ガバナンス・フォーラム2023が開催され、世界の産学官から約5,000人の方が参加される予定となっております。今後とも、大小の国際会議の誘致に積極的に取り組み、文化の発信や地域産業の振興につなげてまいりたいと考えております。
また、日本語が不得手な外国人起業家への対応についてでございます。
京都産業の国際競争力を持続・発展させるためには、国外からも多様な高度人材を集め、社会課題解決を目指すスタートアップ企業の育成を図ることが重要だと考えております。京都府では、国の各種支援策を活用するため、「世界に伍するスタートアップ拠点」にオール京都体制で応募し、選定されました。
また、令和2年4月からは、外国人が起業するために必要な在留資格を認めるスタートアップビザ制度を導入し、この間、16人の方がビザを取得しておられます。
外国人起業家の課題としては、出資金を確保するためのビザ取得要件が高く、また1年で更新が必要となる「ビザの壁」、ビジネスや生活の様々な場面で日本語能力が求められる「言葉の壁」、相談相手や情報源が少なく最適な協力者の情報が得づらい「人脈の壁」が指摘されており、外国人起業家を増やすためには、生活からビジネス展開までの一貫支援を行いますとともに、英語でコミュニケーションが取れる環境を整備していく必要がございます。
このため、外国人起業家の生活・ビジネスをワンストップで支援する「京都インターナショナルスタートアップセンター」を7月の設立を目指して準備を進めております。また、英語で暮らせるまちづくりに向け、産業団体や国際交流団体などで構成するスタートアップ支援ネットワークを発足予定であり、地域や商店街の行事への外国人起業家の参加を支援するなど、地元住民との交流の中で相互理解を促進してまいりたいと考えております。今後、センターや支援ネットワークの活動や議論を踏まえ、外国人起業家が活動しやすい環境を整えるなど、支援制度の拡充を図ってまいりたいと考えております。
なお、議員御指摘の金融機関への対応につきましては、現状では、京都府やジェトロの支援により問題なく口座を開設されておりますが、長期の借入れが難しいなどの課題もございますから、一人一人に寄り添って金融機関と対応を協議してまいりたいと考えております。
今後とも、世界から外国人起業家が集まり、安心して活躍できる起業環境の構築に取り組んでまいりたいと考えております。
7:
◯議長(
石田宗久君) 二之
湯真士議員。
〔二之
湯真士君登壇〕
8: ◯二之
湯真士君 まず、国際会議等における京都の文化発信等についてですけれども、G7の開催を求めなかったという理由はよく分かりましたけれども、例えばコロナの中でもそれこそ先ほど御答弁のあった京都コングレスなどは、その前から決まっていたということもあるかもしれませんけれども、行っておられたわけですので、これからもより世界的な注目が集まる国際会議の招致に努めていただきたいと思います。こちらに多くの方々が来られるという恩恵ということのみならず、もっと積極的に日本の文化の集積地、そして世界で求められる日本文化を発信する、積極的に世界平和に貢献するというそういう姿勢でこれからも積極的な取組を求めたいというふうに思います。
後段の外国人起業家の支援についてですけれども、最後、知事が口座開設については問題なく進んでいるというような御答弁でしたけれども、私が聞いたところでは、しっかりと事業計画もあるところでなかなか口座開設が難しいというところがあるみたいです。京都府と京都の地域金融機関がしっかりとそういったことについて一定の合意を得て、もちろんこういう問題はマネーロンダリング等の難しいことがあるというのは承知しておりますけれども、もう一度その実態を確認していただきまして、さらに多くの意欲ある方が日本で起業できるというような環境を金融機関とともにつくっていただきますことを要望いたしたいと思います。
それでは、次の質問に移ります。府立嵐山公園と桂川の整備についてお伺いします。
まず、亀山地区について。
いわゆるコロナ禍が収束し、京都でも屈指の観光地である嵯峨・嵐山エリアには、インバウンドを含む多くの観光客が戻ってきたことは大変喜ばしいことです。しかし、広い嵯峨・嵐山の中でも、渡月橋から天龍寺へ至る長辻通りとそこから竹林の小径に至る特定の場所に観光客が集中しており、地域全体で観光の恩恵にあずかっているというのには程遠い状況です。例えば鳥居本の伝統的建造物群保存地区は、閉店した店舗が軒を連ねているような状況です。各地に価値ある文化資源が点在しているので、観光客が周遊する仕掛けが必要と痛感します。その一つが、亀山地区の整備です。
昨年度の私の一般質問に応えて亀山地区の維持管理費も増額され感謝しておりますが、それをうまく活用して魅力向上を図り、観光客の分散化、周遊へとつなげることが重要と考えます。そのために、地元住民らと連携しつつ具体的にどのように取組を進めていくおつもりか、お伺いいたします。
次に、中之島地区に設置された鵜屋・鵜飼展示施設(以下、「鵜屋」と言います)について、質問いたします。
平安時代に始まる鵜飼の伝統が継承され、重要な観光資源にもなっている、ついては今後も文化・観光の発展に貢献できるだろうから鵜屋及び鵜飼の展示施設を整備したいという理由で、一般社団法人嵐山鵜飼観光文化振興協会(以下、「協会」と言います)から許可申請がなされ、令和5年5月29日付で当時の京都土木事務所長が設置を許可しました。ところが、この鵜屋は完成間近で建設が中止され、一般に展示施設として供用されることはなく放置され、そのまま設置許可期間である令和5年3月31日が過ぎました。その期限の少し前、令和5年2月14日、京都土木事務所長は書面によって、嵐山通船株式会社宛に鵜屋の除去と原状回復を求める勧告をされました。
鵜屋の建築主及び所有者は協会であり、嵐山通船が除去及び原状回復をする権利も義務も有しておりません。しかも、協会は令和2年3月12日付で、設置許可を受けて建築した鵜飼小屋の維持管理などの一切のことについては責任を負う旨の誓約書を京都府知事宛てに提出しているので、京都府も、誰が所有者か、誰が除去すべきかは認識しているはずです。にもかかわらず、令和5年2月27日には京都土木事務所長から嵐山通船に対して、「京都府立嵐山公園中之島地区における違法行為の是正について」という文書を送り、その中で「指導を無視しているので警告をする、それも無視するなら告発等の措置を講じることがある」と記しております。
京都土木事務所長による株式会社嵐山通船へのこの対応について、正当性、妥当性を御説明ください。
次に、一の井堰上流の堆積土砂撤去についてお伺いいたします。
渡月橋一帯の地域は、たびたび桂川の氾濫に見舞われますが、同時に国の史跡名勝に指定されています。そのため、最大限景観に配慮した治水対策が検討され、結果、昨年度、可動式止水壁が竣工したところです。国と連携したこれまでの京都府の努力に改めて感謝申し上げます。
ただ、その止水壁の計画段階から、止水壁による左岸溢水対策と同時に河道掘削も進める必要があると認識されていたはずであります。しかし、一の井堰上流の国管理区間と府管理区間の境目付近については、河床に堆積した土砂等の除去がなされず中州が形成され河岸付近の河床が浅くなり、船が着岸しにくい状況になっております。
これでは、河川流量も減少し止水壁の効果も半減するため、治水対策上、定期的な堆積土砂の撤去が必要と考えますが、御所見をお伺いします。
9:
◯議長(
石田宗久君) 濱田建設交通部長。
〔建設交通部長
濱田禎君登壇〕
10:
◯建設交通部長(
濱田禎君) 府立嵐山公園亀山地区についてでございます。
嵐山は、桂川や渡月橋、小倉山などが織りなす風光明媚な景勝地でございます。その一角を形成する嵐山公園亀山地区は、都市計画法に基づく風致公園として美しい景観や豊かな自然環境を守り育んできたことで、地域の方々からも愛され親しまれる憩いの場となっております。この公園のさらなる魅力向上につきましては、地元自治会の方々や事業者などで構成されております嵐山まちづくり協議会において、環境保全に加えて地域活性化といった観点からも議論が進められているところでございます。
京都府といたしましては、この協議会からの御意見を伺う中で、今年度から園路と階段を改修することとしております。今後とも、協議会をはじめ地元関係者の皆様と連携を深めながら、現在の景観や自然環境を守る中で、多くの方々に愛される公園づくりに努めてまいります。
次に、中之島地区についてでございます。
議員御紹介の鵜屋につきましては、一般社団法人嵐山鵜飼観光文化振興協会から、都市公園法に基づく設置許可の申請があり、教養施設として設置することを京都府が許可したものでございます。同協会への許可期間が本年3月31日に満了したにもかかわらず、鵜屋が放置されているため、その鵜屋を除却し原状回復するよう求めているところでございます。
また、協会への指導を行う中で、建築工事の発注者が嵐山通船株式会社であることを確認したため、法律の専門家の意見をお伺いした上で同社に対しましても原状回復を求めているものでございます。
京都府といたしましては、工事途中の鵜屋が放置されている現状は、防災・防犯・景観保全上、不適切であると考えておりまして、引き続き法令に基づき両者に対して適切に対応してまいります。
次に、桂川の一の井堰上流の堆積土砂についてでございます。
一般に河川の河床につきましては、増水の影響等により水位や流速の変化に伴いまして侵食、運搬、堆積を繰り返しながら常に形を変えていくものでございます。土砂が堆積し続け、中州や寄州が固定化することにより洪水の安全な流下が妨げられる場合は、必要な河道断面を確保するため、河川管理者が堆積土砂の撤去や河床整正などの適切な維持管理を行うこととしております。
桂川の一の井堰上流におきましても、土砂堆積により治水上の支障が生じた際に、国による土砂撤去や、京都府による河床整正を行ってございます。京都府といたしましては、土砂の堆積状況に関する情報を国と共有しており、治水対策として必要な場合は土砂撤去を行うなど、引き続き国と連携して適切な維持管理に努めてまいります。
11:
◯議長(
石田宗久君) 二之
湯真士議員。
〔二之
湯真士君登壇〕
12: ◯二之
湯真士君 まず、亀山地区の整備については、よろしくお願いいたします。その点で一つ、要望なんですけれども、あそこが史跡名勝に指定された理由というのは、あそこからの眺望がすばらしいということなんですね。渓谷が見える、そして市中が見えるというこの眺望の確保という観点もしっかりと持って、維持管理、整備を進めていただきたいと要望いたします。
それと、一の井堰上流の堆積土砂撤去については、治水安全対策上問題ない範囲かもしれませんけれども、状況は変わりますのでその状況の変化については注視していただきまして、問題があるということになりましたら、しっかりと除去のほうをお願いしたいというふうに思います。
鵜屋の件なんですけれども、鵜屋の発注者が嵐山通船だという話なんですが、これは設置を求めた協会、一般社団法人が結局収益を生むような事業ではないということで融資が受けられなかったと。それで嵐山通船の当時の社長が、嵐山通船の土地建物を担保に金融機関から融資を受けて、それを鵜屋の建設に使ったというそれこそ迂回融資と言われるものなんですけれども、それでもって発注者がいずれ所有者になるから、そこが除去すべきというのは非常に無理があると思います。
また、令和元年12月度のその協会の月次報告会においても、鵜屋の所有は協会であると。建設資金は嵐山通船から貸与しているもので、通船は鵜屋、鵜飼のことをしますからその鵜屋を借りるということでその家賃を払うというようなこういうことが確認をされているわけで、事実上の発注者、建築主は協会でありますから、その点をいま一度よく御理解をいただきまして対応を求めたいと思います。再答弁を求めたいと思います。
13:
◯議長(
石田宗久君) 濱田建設交通部長。
〔建設交通部長
濱田禎君登壇〕
14:
◯建設交通部長(
濱田禎君) 二之湯議員からの再質問に対してお答えいたします。
先ほども御答弁させていただきましたが、協会のほうに、除却し原状回復するよう求めているところでございます。一方で、協会への指導を行う中で、建築工事の発注者が嵐山通船株式会社であることを確認したため、法律の専門家の御意見をお伺いした上で両者に対しましても原状回復を求めているものでございます。
引き続き、法令に基づき両者に対して適切に対応してまいります。
15:
◯議長(
石田宗久君) 二之
湯真士議員。
〔二之
湯真士君登壇〕
16: ◯二之
湯真士君 今の再質問に対しての再答弁は、急に違う答弁が出てくるとは思わないわけですけれども、あえて再質問したのはこれは非常に重要な問題やということでありますので、これはまた部内でしっかりと検討をしていただきたいと思います。
最後の質問に移ります。教育庁による教育現場のガバナンスについてお伺いいたします。
まずは、教職員間でのパワハラ・セクハラ等の実態とそれらへの対応についてお伺いいたします。
教育現場では、児童生徒間におけるいじめだけでなく、教職員の間で起こるパワハラ・セクハラも存在します。これは人権問題であり、加えて教職員の心身の状況は指導に影響しますから、極めて重要な問題です。現状では、被害者は学校の管理職等に相談する、教育庁に相談するといったことが考えられますが、学校はさることながら、人事交流によって教職員との人間関係ができている教育庁は第三者とは言い難く、相談する側もされる側も何事にもとらわれずに解決に動くことが難しいのではないかと感じます。
教職員同士のパワハラ・セクハラ等の実態と対応の在り方について、現状と課題をどうとらえているか、教育長の御所見をお伺いします。
次に、教職員による児童生徒への体罰・性的事案についてお伺いします。
あってはならないことですけれども、京都府においても、教職員による児童生徒への体罰や性的事案は発生しています。残念ながら、刑事事件として明るみになり、教職員が処分されるものは全体の一部だろうと推察いたします。これらについては、実態を明らかにし、徹底した再発防止策が講じられるべきです。
しかし、特に特別支援学校では、被害児童生徒による被害に対する証言能力が乏しく、そうした事案の立証自体が難しいと考えます。私が相談を受けた具体的な事例の概要をお話しします。
平成30年度に宇治支援学校の高等部2年生において、Kという教諭が複数の生徒に対して暴言を浴びせ、体罰とおぼしきことを行っていたと。極めて悪質な行為の被害を受けた生徒の保護者が、「教育現場の改善とともに、事の真相を教育庁に報告し、しかるべき対処を望む」と学校長へ要望されましたが、学校長はすぐには教育庁に報告せず、その後も誠意ある対応を取らなかった。そこで保護者が直接教育庁に教育現場の実態を伝えようとしたが、当時の特別支援教育課の副課長も総括指導主事も、その事情聴取を拒否し続けた。加害教諭Kは、年度途中に病気を理由に突然休職し、翌年度に生徒への謝罪もなく他校へ異動した。保護者には、加害者に対する処分はあったのかどうかも全く知らされなかった。教育庁は、学校長からの実態とは異なる報告のみに基づき、教員を軽い処分にしたのだろうとのことです。その後、その総括指導主事は、管理職として教育現場に復帰されたそうです。
京都府の特別支援教育の目標は、障害のある子ども一人一人の自立や社会参加であるはずなのに、被害生徒は本来安心できる学校で教員によって虐待され、障害が軽度のBから重度のAに悪化してしまい、現在、御本人も御家族も非常に厳しい毎日を過ごされているとのことです。この具体的事例について、適切な対応だったのかどうか、教育長から御説明を求めます。
私が紹介した具体的事例には、教員と教育庁の人事交流が身内意識を醸成し、学校現場、教育庁全体が教職員による不祥事を隠蔽する方向に作用しつつあることを示唆しているといえます。安心して学べる教育環境を保つためには、利害関係等のない第三者による相談窓口や実態調査が必要と考えますが、教育長の御所見をお伺いします。
17:
◯議長(
石田宗久君) 前川教育長。
〔教育長
前川明範君登壇〕
18:
◯教育長(
前川明範君) 二之湯議員の御質問にお答えいたします。
教育庁による教育現場へのガバナンスについてでございます。
教職員によるパワハラ・セクハラ行為は、相手の尊厳や人格を傷つける行為であり、教職員としてはもちろん社会人として許されないものとして厳正に対処し、児童生徒が安心して学び、教職員も安心して働ける環境を整備することは、教育委員会の責務であると考えております。
教職員間で起こるハラスメント行為の実態についてでありますが、府立学校における相談件数は増加傾向にあり、上司や同僚からの威圧的な態度、飲酒時における同僚からの不適切な言動などが見られます。ハラスメント行為の相談があれば、状況の確認など個別に対応を行っておりますが、職場の人間関係に起因するものは教育委員会の機関には相談しづらいという課題もあり、第三者の相談窓口を令和4年から設置したところでございます。今後も引き続き、管理職、教職員の意識啓発による未然防止に努め、相談があれば丁寧に対応してまいりたいと考えております。
次に、教職員による児童生徒への体罰や性的事案についてでありますが、これらの事案が発生した際は、児童生徒の心のケアを最優先しつつ、児童生徒、該当教員や関係者等から事実確認を丁寧に行い、状況に応じて該当教員には厳正に対処を行うとともに、再発防止の徹底を図っているところでございます。また、事実確認に当たっては、児童生徒の発達段階等を考慮して丁寧に行う必要があると考えております。
議員御指摘の事例におきましても、保護者や該当教員や周りの教員に事実確認を行い、そのほかにも全教職員や全保護者に対するアンケート調査を行うなど、状況の把握に努めており、事実確認及び該当教員への対処については適切であったと考えております。
一方、関係部署の職員が保護者との面談等を継続してきたところでございますが、保護者の納得が得られていないことは事実であり、改めて御本人、御家族の思いを受け止め、丁寧に対応してまいります。
なお、教職員によるハラスメント行為については、教育委員会として責任を持って対処することは当然でありますが、相談や事実確認等の過程において外部の専門家の協力を得ることが有効な場合もあることから、個別の状況を踏まえつつ、より客観性を得られる手法について検討してまいりたいと考えております。
府教育委員会といたしましては、重大な人権侵害である教職員によるハラスメント行為に対して、引き続き厳正に対処するとともに、教職員の人権意識の向上を図り、児童生徒が安心して学べる教育環境の確保に向けて取り組んでまいります。
19:
◯議長(
石田宗久君) 二之
湯真士議員。
〔二之
湯真士君登壇〕
20: ◯二之
湯真士君 ただいまの御答弁の中で、必要に応じて外部の専門家等の意見を聞くのはいいこともあるということでしたが、答弁を総じて聞いておりますと、やはり私は、教育庁が学校現場のそういった諸問題に対して対応するのは非常に難しいのかなというふうな感想を持ちました。極めて残念だなというふうに思いました。
外部の専門家ということでいいますと、先ほど私が具体的に申した事例に関していいますと、そういう教員による虐待とおぼしきことがあった後に被害生徒は非常に状況が悪くなって、医者がその教員による行為によって状態が悪くなるという診断書を書いて、それを提出しているにもかかわらず、「それは医者の御意見ですよね」ということでそれに取り合わず、教育環境の改善等もなかったということです。一方で、書面では、保護者から質問を出されてその回答には、そういった医者の診断が行われたことについて見解を述べるものではないけれども、それを踏まえて生徒の状況の変化に速やかに対応できるように見守りの配慮とか学習上の配慮を行うというふうに書いておられるんですけれども、実態はそうなっていなかったということですね。
いかに実態を把握していないかというのはさらにありまして、事件は2年でした。それから、3年に進級したときに非常に状況が悪くなったにもかかわらず、この教育委員会特別支援教育課による回答では、「お子様も新たな担任教員の下で新学年に進級され、心理的に学校がより落ち着ける教育環境として整ったものとしております。御子息の成長を感じておられるのではないかと思います」ということが書かれてるんですね。全く現場を把握していない。そういったことが平然となされているわけですから、やはりこれは第三者による相談窓口や実態調査機関の設置を求めて、私の質問を終わります。
どうもありがとうございました。(拍手)
21:
◯議長(
石田宗久君) 次に、水谷修議員に発言を許可します。水谷修議員。
〔水谷修君登壇〕(拍手)
22: ◯水谷修君 日本共産党の水谷修です。一般質問を行います。
天ヶ瀬ダム再開発、淀川水系河川整備計画についてです。
5月9日朝、天ヶ瀬ダム直下で宇治川右岸の道路ののり面崩落、白虹橋橋台付近の河岸洗掘、志津川区のほこらの着水被害が起きました。天ヶ瀬ダム再開発によって建設した、日本最大級のトンネル式放流設備から初めての本格的放流で起きた事故であります。
6月7日に開催された天ヶ瀬ダム放流調査委員会の資料には、事故発生時はダム本体のコンジットゲートは使用せず、天ヶ瀬発電所から毎秒約180トン、トンネル式放流設備から毎秒約620トンを14時間以上放流していました。トンネルはけ口から宇治川の流れに対してほぼ直角に放流され、対岸に当たって起きた事故であります。天ヶ瀬ダム水理模型実験報告書には、トンネルからの単独放流を行う場合には、370立米パーセコンド以下とすることが望ましいと書かれています。
お伺いいたします。
今回、トンネル式放流設備から毎秒約600トンの放流によって異常事態がもたらされた。徹底的な精査が必要です。事故原因と対策について、御説明ください。また、天ヶ瀬ダム再開発そのものの再検討を行うとともに、十分な検証がなされるまではトンネル式放流設備の運用を止めるべきですが、いかがでしょうか。
この再開発の目的は、第1に宇治川の流量を毎秒1,500トンに増やすことで、第2は利水で、府営水道の取水を17万人分増大させることなどであります。再開発の総事業費は当初430億円でしたが、660億円に1.5倍も膨張いたしました。660億円のうち京都府負担は128億円で、そのうち水道の利水分58億円、治水分70億円です。一方で京都府は、水余りを理由に市町の浄水場廃止を例示した府営水道ビジョンを策定しました。
お伺いします。
府営水道の水事業が2000年ごろをピークに減少しているときに、17万人分の水道用水の増大のために天ヶ瀬ダム再開発を推進し、府財政と水道会計から多額の支出をしたことは間違いだったと思いますが、いかがでしょうか。
今後の宇治川と上流の開発計画についてです。
淀川水系河川整備計画によって、治水効果が極めて限定的な天ヶ瀬ダム再開発、大戸川ダム建設、鹿跳渓谷開削、宇治川の河道掘削などを行って、宇治川に毎秒1,500トン放流をしようとしています。鹿跳渓谷は、毎秒700トン程度しか流下しない狭隘部であることから、下流の安全が保たれているため開削することは危険です。また、大戸川ダムは「穴あきダム」で、環境破壊が懸念される上、破綻した際の被害の大きさが問題になっています。
宇治川毎秒1,500トン放流の危険性についてです。
2013年台風18号洪水のときには、天ヶ瀬ダムが満水になって、クレストゲートから最大毎秒1,160トンの緊急放流を行いました。そのため、宇治川が計画高水位を超えて、堤防の漏水も各所で発生し決壊の危機に直面したため、6万人に避難指示を出す危険な状態になりました。これは、天ヶ瀬ダムの洪水調節計画の毎秒840トンを上回る放流をしたこと、三川合流点からの堰上げ、河道内の大木繁茂による粗度増大によるものでございました。
今日の宇治川は、みお筋等で堤防下部よりも深堀れが進み、また勾配の緩い区間等で堆積が進み、さらに河道内に大木が繁茂しており危険です。堤防は砂でできたもので、旧河道を横断して人工的に築堤されたものです。とても毎秒1,500トン放流に耐えることができません。粘り強い堤防にするなど、堤防強化こそ必要です。
そこでお伺いします。
天ヶ瀬ダムトンネル式放流設備の運用や大戸川ダム建設や鹿跳渓谷開削は中止すべきですが、いかがでしょうか。
まずは、ここまで御答弁をお願いいたします。
23:
◯議長(
石田宗久君) 西脇知事。
〔知事
西脇隆俊君登壇〕
24:
◯知事(
西脇隆俊君) 水谷議員の御質問にお答えいたします。
天ヶ瀬ダム再開発についてでございます。
治水と利水の機能を有する天ヶ瀬ダムにつきましては、管理者である国において、ダム本体からの放流に加え、新設トンネルからの放流も可能とする再開発事業を実施されました。新設トンネルにより、ダム湖の水位を速やかに低下させることが可能となり、大雨前にダムの空き容量を多く確保できるようになるなど、防災機能が向上したところでございます。
運用開始後である5月8日から9日にかけての放流の際、トンネルはけ口の対岸のり面の一部が崩れたことなどを受け、国において調査委員会を設置されました。第1回の委員会において国より「崩れた際に行われた放流についてはトンネルからのみであり、ダム本体からは行われていなかった。また、崩れた要因は放流水が対岸に打ち上げられたためと想定される」との報告が行われますとともに、今後委員会において、被災要因の分析、対策工事の選定、放流方法の検証を行うとされたところでございます。
国は、トンネル放流について、宇治川における長年の河川改修の効果を十分に発揮させるために、また三川合流地点の洪水時の水位を低下させ、今後、桂川の治水対策を進めていくためにも不可欠とされております。
京都府といたしましては、国に対し、委員会における議論の結果を踏まえ必要な対策を取った上で、ダムの洪水調節機能を十分に発揮させる運用を行うよう要請したところであり、今後とも天ヶ瀬ダム再開発による効果が十分に発現するよう求めてまいりたいと考えております。
その他の御質問につきましては、関係理事者から答弁させていただきます。
25:
◯議長(
石田宗久君) 濱田建設交通部長。
〔建設交通部長
濱田禎君登壇〕
26:
◯建設交通部長(
濱田禎君) 天ヶ瀬ダム再開発事業に対する利水負担についてでございます。
天ヶ瀬ダム再開発事業の完成までは、府営水道の宇治浄水場が許可されていた水利権、毎秒0.9トンのうち、3分の2に当たる毎秒0.6トンについて再開発事業への利水参画することで暫定的な許可を受けてまいりました。この暫定的な水利権を保有することで、都市化に伴う急激な水需要の増加に対応してきたところでございまして、必要不可欠なものと認識しております。
なお、一日の最大取水量は、許可を受けた水量の80%程度で推移しているところでございます。本年度からは、事業が完成したことによりまして、毎秒0.9トン全量を安定水利権として許可を受け、受水市町に対しより安定的に水道水の供給ができており、本事業への費用負担は適正と考えております。
次に、淀川水系河川整備計画についてでございます。
国において、淀川水系全体の治水安全度をさらに向上させるため、令和3年に淀川水系河川整備計画が変更されました。整備計画には、天ヶ瀬ダム再開発に加え、宇治川から淀川に注ぎ込む洪水の調節を目的として、大戸川ダムの建設や出水後の琵琶湖の水位を速やかに低下させるための対策が記載されております。
国においては、瀬田川・宇治川の流れにくい狭窄部であります鹿跳渓谷を整備し、流下能力を向上することによって、琵琶湖の水位が早く下がり洪水調節機能が高まる、また、天ヶ瀬ダム下流の宇治川については、堤防強化や河道掘削などを実施したため、天ヶ瀬ダム再開発、加えて鹿跳渓谷整備後の目標流量であります最大毎秒約1,500トンの水を安全に流下させることが可能とされております。
さらに、大戸川ダム建設による貯留容量の増加により、宇治川をはじめ淀川水系全体の河川について、大規模な降雨の際における水位を大幅に低下させ、流域全体の治水安全度を大きく向上させることができるとされております。
京都府といたしましては、三川合流地点における出水時の水位が下がることによって、桂川における流下能力を大幅に上げていくための改修が可能となりますことからも、整備計画に基づく対策の推進を国に要望してまいります。
27:
◯議長(
石田宗久君) 水谷修議員。
〔水谷修君登壇〕
28: ◯水谷修君 先ほど答弁で、調査委員会で調査していただいているという旨の御答弁がございましたけれども、この調査委員会では、減勢工には問題がなかったということを第1回で言っています。これに対して、先日も宇治の市議会で自民党の議員からも「なぜ減勢工に問題がないのか」という厳しい批判も含めてございました。特別の調査もしてないのに、減勢工に問題なかったとする調査委員会の報告がされてることはいかがなものかというふうに思います。
私は先日6月18日に、河川工学等の研究者・専門家の皆さんと現場を調査いたしました。「トンネル式放流設備から毎秒620トンの放流で異常事態をもたらした」「宇治川の流れとトンネルからの放流が狭窄部でほぼ直角に交差していて危険だ」「初歩的な設計ミスであった可能性は否めない」「トンネル式放流設備を封鎖するか、合流部周辺の河道をコンクリートで厚く三面張りにし保護するかのいずれかであるが、膨大な費用がかかって、景勝地である周辺の景観を台無しにするもので、これは無理だ」という話でございました。
トンネル放流量が危険であった、そういうふうに思いますが、この点はいかがなんでしょうか。お伺いするものでございます。
また、お伺いしますが、コンジットゲートを使わず、トンネルから毎秒600トンを放流したのはなぜか。ダム堤体の劣化が進んでいて、本体から長時間大量に放流できなかったのではないかと思われますが、いかがでしょうか、御説明いただきたいと思います。
この2点について、再度お伺いします。
29:
◯議長(
石田宗久君) 西脇知事。
〔知事
西脇隆俊君登壇〕
30:
◯知事(
西脇隆俊君) 水谷議員の再質問にお答えいたします。
まず最初に、現場視察された際の様々な見解について御紹介がありました。先ほども答弁いたしましたけれども、国が設置されました委員会におきまして、被災要因の分析、対策工事の選定、放流方法の検証を行うとされたところでございますので、2点目のトンネルだけから放流したことについての理由等も含めて、その委員会の中で今後、要因が明らかになり、それに合わせた対策工事、放流方法の検証が行われると思っておりますので、先ほど申し上げました必要な対策を取った上で洪水調節機能を十分に発揮させるような運用を行うよう要請したところでございます。引き続き、国に強く求めてまいりたいと考えております。
31:
◯議長(
石田宗久君) 水谷修議員。
〔水谷修君登壇〕
32: ◯水谷修君 今、知事からは、総括的に調査委員会で今後検討されるというふうなお話でございました。それはそれで、結果は7月の次の委員会で出すとされていますので見ていきたいと思いますが、部長が答弁された淀川の整備計画、ここで鹿跳開削や大戸川ダムの建設、これは先ほども言ったように危険ですし、1,500トンの放流は宇治川は危険です。
宇治川河川は、大木がたくさんあって管理も不十分で、少し水位が上がれば粗度が上がって抵抗が大きくなって危険である。河道内の樹木の伐採など日常管理も不十分だということが現にございますので、安全を守る点でも、1,500トン放流については見直しをするべきだと、淀川河川整備計画そのものを見直すべきだということは指摘しておきたいと思います。
次に移ります。消防や水道などの広域化、圏域行政化、公務の民間開放についてです。
自公政権が自治体戦略2040構想で、2040年に高齢者人口が最大になるから、行政のフルセット主義を排し、圏域単位、あるいは圏域を超えた連携を進め、都道府県、市町村の二層化を柔軟化するとしました。総理が6月21日の会見で、新しい資本主義を掲げ、官民連携による設備投資や研究開発投資の促進を成長戦略の柱に位置づけると改めて表明されました。
2006年、消防組織法改悪で市町村の消防の広域化を位置づけ、2022年中の広域化推進に期限を定め、自治体に押しつけました。消防職員の削減と消防車両や施設の統合・縮減は、弱体化であり、施設と人員の強化こそ必要です。水道については、2013年水道ビジョンの中で、海外への展開と水ビジネスの連動展開を打ち出し、民間開放を推し進めてきました。2019年に水道法を改悪し、公共施設等運営権制度を導入し、民間開放を進めてまいりました。また、国は、有利な財政措置を示して、2020年中の広域化推進プラン策定を都道府県に要求しました。
一方、消防組織法では、市町村の区域における消防を十分に果たすべき責任を有すると市町村の責任が明確に書かれています。水道法第1条では、清浄にして豊富低廉な水の供給を図り、もって公衆衛生の向上と生活環境の改善とに寄与することを目的としています。それぞれ、自治体の根幹の業務として明記されています。京都府はまるで国の出先機関であるかのように、国方針どおりに消防や水道、下水道などの広域化と民間開放を強引に進めています。
お伺いいたします。
自治体戦略2040で圏域単位での行政、都道府県・市町村の二層化の柔軟化など、公務の民間開放を進めています。知事は、自治と公共の役割を潰すのではなく、水道や消防などは市町村の基本的な業務として体制充実と財政支援に全力を挙げるべきですが、いかがでしょうか。
消防広域化についてです。
京都府は消防広域化を進めるとして、まず消防指令業務を北中部と南部の2か所に集約しようとしています。中北部の消防指令センターについては、来年4月から運用するため、福知山に建設中です。京都府中北部地域の6消防本部の指令業務には、現行52人体制であるものが24人に半分以下の人数になるもので、十分な体制になるかが危惧されています。
府南部消防指令センターの実施計画について、先日6月16日、大手コンサル会社「EY Japan株式会社」が発注先と選定されました。その発注仕様書によれば、建設場所は、京都府・市消防学校と決定されています。関係議会にも住民にも説明がありません。消防司令は、火災や災害の通報を受け災害発生場所を早く特定し判断をして、活動方針を決め命令を行う業務で、生命・身体・財産を守る消防業務遂行の第一歩を担う消防活動の基本的部署であり、広域化すべきではありません。
お伺いします。
京都市以南の消防指令の広域化を事務委任、事務協議会もしくは長の内部組織の共同設置で行う、このことを決めようとしています。自治の基本に関わる問題ですが、全く明らかにされておらず、住民や議会とのコンセンサスもありません。強引な共同運営はやめるべきですが、いかがでしょうか。
消防指令の共同運用について、府南部の消防指令台は15台の予定で、常時座る人数は15人以下になり、指令体制が大きな後退となる懸念があります。広域化すれば、経費、財源が安くなると言っていますが、広域化によって指令センター設置経費は地方債充当率が10割で、償還の7割が交付税参入されるという仕組みであることをもって、広域化したほうが自治体負担が安くなるという説明をしています。しかし、次の更新時にはその財源措置はありません。1回きりの財政措置で誘導して自治の在り方を変えるのは間違っています。平成の大合併で合併した団体では、合併特例債や特段の財政措置がありました。しかし、年数がたって今、財政措置はなく、周辺の地域の運営が困難になっただけではありませんか。
お伺いいたします。
消防広域化に係る財政措置は広域化時のみで、更新時の財政措置はありません。集約すれば経費が安くなるが、業務の手が届きにくくなります。広域化は財政措置があって有利との誘導、押しつけはやめるべきですが、いかがでしょうか。
水道広域化についてです。
京都府営水道ビジョンに対するパブリックコメントには117人・団体から285件、グランドデザインには24人・団体、65件の意見が出されました。3月には、「水道広域化・民営化を考える京都南部の会」や城陽、大山崎、長岡京のそれぞれの会から、「水道広域化押しつけをやめよ」「市町村の水道事業を充実してほしい」「地下水を守ってほしい」と京都府に要望書が提出されました。地下水を水源にとのパブコメでの意見に応え、地下水の水源の位置づけについては追記することになりました。さらに、本
定例会には「城陽の安全でおいしい地下水を守る会」から地下水利用継続と府営水道負担軽減に関する請願が提出されています。
水道グランドデザインと水道ビジョンが3月に策定されました。
お伺いします。
廃止する浄水場の一覧については削除しましたが、浄水場の統廃合試算が計画の中心をなしています。公民連携、経営統合を進める一つの道だけを示したものになっています。施設統廃合、経営統合、公民連携ではなく、自治を守って地域の浄水場や水源を守り充実させることを優先すべきですが、いかがでしょうか。
平成29年策定の水道広域化ビジョンにおいても、水需要は減少を推定していました。にもかかわらず、水源開発で天ヶ瀬ダムの再開発を促進し、17万人の新たな用水確保をしてきたということで先ほど答弁がございましたけれども、これまでの府営水道などの過大投資を市町村に負担させるべきではないと思いますが、いかがでしょうか。
上下水道における人材不足の問題です。
京都府が浄水場や汚水処理場管路管理において包括民間委託などを推進してきた結果、水道事業では50歳以上の職員構成比が、府内平均は34%に対して府営水道は61%と2倍になっています。下水道についても同様です。
お伺いいたします。
広域化、公民連携は人材不足、高齢化の解決にはならず、一層深刻化をさせるだけと思いますが、いかがでしょうか、お伺いするものであります。
33:
◯議長(
石田宗久君) 南本危機管理監。
〔危機管理監南本尚司君登壇〕
34: ◯危機管理監(南本尚司君) 消防指令業務の共同化についてでございます。
消防指令センターの共同運用は、消防力を維持・強化していくための有力な方策の一つであり、令和3年7月に改定した「京都府消防体制の整備推進計画」に基づき、京都市を含む京都府南部の9消防本部が共同で検討会を設置し、京都府も参画して検討を重ねてまいりました。
検討会では、各消防本部の指令システムの共同化が消防活動に及ぼす影響や効果のほか、時期や方法、概算費用などについて調査や検討を行い、全ての消防本部で住民サービスの向上と消防体制の充実・強化の効果が認められたことから、本年1月、全本部が取組を進めることを公表したところでございます。
検討内容は、関係市町の議会で説明され、全市町で令和5年度の設計費に係る予算が記述されたことから、本年4月11日には京都市以南の9消防本部の市町長が一堂に会し、京都府の立会いの下、消防指令業務の共同運用に関する基本協定を締結し、共同司令システム設計業務の発注手続を進めてきたところでございます。
今回の消防指令センターの共同運用に向けた設計などは、消防の広域化とは別に消防の連携・協力として国の有利な財政措置が講じられており、各消防本部にとって財政面からも有意義なものと考えております。
京都府といたしましては、消防指令センターの共同運用により、消防力の向上を図ることで府民の安心・安全の確保につながるよう、令和9年度以降の運用開始に向けしっかりとサポートしてまいります。
35:
◯議長(
石田宗久君) 吉井総務部長。
〔総務部長吉井俊弥君登壇〕
36: ◯総務部長(吉井俊弥君) 市町村の業務に対する支援についてでございます。
御指摘の自治体戦略2040構想研究会の報告書及び第32次地方制度調査会の答申におきましては、人口減少や少子高齢化が全国的に進む中であっても、市町村が今後の変化やリスクに的確に対応し、持続可能な形で行政サービスを提供していくため、行政のデジタル化や公共私の連携、市町村の広域連携などの対応が必要である旨が指摘されております。
京都府といたしましては、人口減少下においても行政サービスが持続的に提供されますよう、例えば「きょうと地域連携交付金」の交付や行財政改革の取組に対する助言、職員の派遣など、府内の市町村に対しまして、地域の実情に応じた幅広い支援を行ってきたところでございます。
今後とも、府内いずれの地域においても、府民の皆様に対して安定した行政サービスが提供されるよう、研究会報告書や地方制度調査会の答申の内容も踏まえつつ、府内の市町村に対して必要な支援を行ってまいりたいと考えております。
37:
◯議長(
石田宗久君) 濱田建設交通部長。
〔建設交通部長
濱田禎君登壇〕
38:
◯建設交通部長(
濱田禎君) 水道事業についてでございます。
将来にわたり安心・安全な水道水を供給していくために、水道事業の基盤強化が求められてございます。このため、京都府全域の水道事業の方向性を示した「京都水道グランドデザイン」では、水道の基盤強化に向けて、事業者が個別に行う取組から連携して行う取組まで、様々な選択肢を示しております。
水道事業の広域化は、全体最適化の観点からより合理的な経営が可能となり、また公民連携は民間事業者の優れた技術やノウハウの積極的な活用によりサービス水準の向上を図ることが可能となるなど高い効果が見込めることから、有効な基盤強化策の一つであると考えております。
京都府と市町村は、地域の水道を守るという共通の目標の下、公的責任をしっかり果たすという観点から、事業者が個別に行う取組に加え、広域化や公民連携を含めたあらゆる選択肢について、今後も丁寧な意見交換を行いながら検討を進めてまいります。
次に、天ヶ瀬ダム再開発における市町の負担についてでございます。
先ほど御答弁いたしましたとおり、府営水道の安定給水を継続するため、天ヶ瀬ダム再開発事業に利水参画したものでございまして、水道用水を供給する上で欠かせない経費として受水市町に御負担いただいているものでございます。府営水道におきましては、今後とも効率的な運営に努めるなど府民負担の軽減に向けた取組を進めてまいります。
次に、人材についてでございます。
府営水道や流域下水道では、府職員が直接担わなくても質が維持できると考えられる業務につきましては、積極的に民間サービスを活用することで運営体制を確保しているところでございます。
今後、技術力のあるベテラン職員の退職が増えてまいりますが、引き続き新規採用等による職員の確保に努めるとともに、技術指導員として経験豊富な職員の配置などを行いながら、技術継承を着実に進めてまいります。
また、広域化や公民連携は、管理運営の効率化により生み出されるマンパワーを再配置できることや、民間も含め専門的な人材の確保により運営体制が強化できることから、市町村においても水道事業の持続性の確保に有効と考えております。市町村の職員数や年齢構成は様々ですが、市町村が地域の実情に応じて運営体制を強化できるよう、引き続き支援してまいります。
39:
◯議長(
石田宗久君) 水谷修議員。
〔水谷修君登壇〕
40: ◯水谷修君 1点だけ再質問いたします。
消防指令の広域化についてですが、来年度から工事着工になります。したがって、それまでにどの方針でするのか、決める必要があります。長の内部組織の共同設置で調整中とのことですが、そういうことになっているんでしょうか。
また、そういったことについては、議会も住民も一切聞いていません。今年度中に決めるというのに、こうしたやり方は改めるべきだと思いますが、いかがでしょうか。
41:
◯議長(
石田宗久君) 南本危機管理監。
〔危機管理監南本尚司君登壇〕
42: ◯危機管理監(南本尚司君) 水谷議員の再質問にお答えいたします。
設計業務を発注したところでございまして、今後、設計の進捗に合わせまして、運営協議会におきまして今後の方針等につきましても同時に検討を進めていくこととしているところでございます。
43:
◯議長(
石田宗久君) 水谷修議員。
〔水谷修君登壇〕
44: ◯水谷修君 設計をしているところなんで、どういうふうにするかは決めていないということですが、来年当初から着工するわけで、それまでにどの方式にするか、地方自治法上の体制を決めなければならない。もう6月議会で市町村は何も聞いていません。我々も聞いていません。このタイムスケジュールの中で、どういうふうにするのか、いまだに何も言わないというのは、やり方自身おかしいということを指摘しておかなければなりません。
また、消防の指令台の台数は15台、現在、京都市の消防指令センターは9台で、災害時の18台に対応可能ということになっています。全体として指令台が減ることになるのではないかと思います。消防弱体化になるという懸念がある、このことについては改めるべきだということを指摘しておきたいと思います。
水道の広域化、公民連携については、結局新しい資本主義の下での大規模設備投資、公共投資が目当てで、将来の莫大な府民負担を押しつけることになる。府営水道においては、過大な水需要を市町村に押しつけて、使いもしない負担をさせるものであり、建設負担水量については直ちに是正すべきだということを指摘しておきたいと思います。
先だって6月9日、京都府主催の府民講演会で、地下水の水源についての位置づけが、浦上先生からも明確に述べられました。安全でおいしい地下水を水道水源として重視するためには、水源管理が重要です。この点については、平成26年に策定された水循環基本法に基づいて地下水の保全、涵養について位置づけをきちんとするべきだということを指摘しておいて、私の一般質問を終わらせていただきたいと思います。
御清聴いただきまして、ありがとうございました。(拍手)
45:
◯議長(
石田宗久君) 次に、小原舞議員に発言を許可します。小原舞議員。
〔小原舞君登壇〕(拍手)
46: ◯小原舞君 府民クラブ京都府議会議員団の小原舞です。よろしくお願いいたします。
まず、看護人材の確保についてお伺いいたします。
京都府における看護師等の就業数は、令和2年12月末時点で3万5,065人であり、2年前に比べて223人減少し、2025年に団塊の世代が75歳以上の後期高齢者となる中、今後、約7,500人の確保が必要だという試算が出ています。
また、二次医療圏ごとの病院等における看護師充足率は、令和4年度には京都府平均は72.4%、北部地域では58.7%になっており、その内訳を見ると丹後は54.1%、中丹は60.5%となっています。さらに、令和2年末の50歳以上の看護職員従事者数は、京都府平均が33.7%、中丹地域38.4%、丹後地域が50.6%と半数以上になっており、看護職員の高齢化も懸念され、看護職員の確保や定着の支援が求められています。
また、京都府内には令和5年4月時点では、看護師等学校養成所が25校ありますが、令和4年度の京都市内の大学9校の定員充足率が101.9%である一方で、京都北・中部では唯一の2年課程の市立福知山市民病院附属看護学校、5年課程の高校2校、これは舞鶴市の日星高校、南丹市の聖カタリナ高校、において、少子化や学生の4年制大学看護学部への入学希望者の増加等が影響し、定員充足率が6から7割であり、入学者の確保が非常に難しくなっております。また、このたび舞鶴市の舞鶴医療センター附属看護学校が令和9年3月末で閉校を発表し、京都北部で深刻化している看護師不足への対応が喫緊の課題となっております。
そのような厳しい状況を踏まえ、北部地域の看護師確保のため、平成26年度から「北部地域看護師確保のあり方懇話会」が本府主導により設置され、京都府北部地域や200床未満の病院等に従事する方への看護師等修学資金貸与事業や北部地域看護師確保対策等の事業を展開していただいており、約7割の学生が北部地域に就職していますが、貸与制度の継続と増額等による充実化、貸与の返還免除期間の5年以降も残ってもらえるよう北部でキャリア形成が見込める体制づくりや、職場の魅力向上による離職防止等が必要となってきます。
また、北部地域養成校への入学希望者を増やすために、学生の大学志向などのニーズを把握し、大学編入の優遇や大学を出てから北部に帰ってくる看護師の確保のための制度設計が必要かと思われます。
このような状況の中、与謝野町にある京都府立看護学校の機能拡充に向けた基本方針を策定するに当たり、今
定例会において中間案が報告される予定ですが、舞鶴医療センター附属看護学校の閉校等の影響を見据え、北部地域における看護人材の確保という視点でお伺いいたします。
新たに看護職員を養成し確保することは短期間では難しいことから、看護師の資格を持つ方の再就業が看護人材不足の解決の一助になるのではないかと考えております。新型コロナワクチンの接種では、多くの潜在看護師の皆さんが復帰をされたことから、その方々に復帰していただけるような仕組みが必要と考えています。本府における取組と今後の展望についてお伺いいたします。
次に看護教育の充実についてですが、本府においては、専任教員養成講習会等を開催し看護教員養成の充実に取り組まれているところですが、府内の養成所において、将来看護師になる学生への教育の質の維持が重要と考えます。そのためには、看護教員の体系的なキャリア形成の構築により、看護教員希望者を増やし、人材確保・育成するための取組も必要かと思われます。また、学生については、大学志向等により舞鶴地域では看護科5年課程を希望する中学生が減少していると聞いております。
そこで、看護師等養成所の看護教員の確保の充実に関する対策の御見解と、将来を担う看護学生のさらなる確保の取組と今後の展望についてお伺いいたします。
次に、漁業振興についてお伺いいたします。
先日、地元舞鶴の小橋・三浜・野原地区の「雄島参り」に参加させていただきました。この伝統行事は、水産庁から「未来に残したい漁業漁村の歴史文化財産百選」に指定されており、冠島(別名雄島)は島全体が国の天然記念物に指定されているため上陸禁止になっておりますが、毎年6月1日は特別に地元の漁師や住民の方々が大漁と海上安全を願って参拝するという歴史と伝統ある行事となっております。
参拝の後、若い漁師さんから、「このままでは漁師のなり手もなく、漁村がなくなってしまう。伝統行事もいつまでできるか分からない、何とかしてほしい」という声を伺い、改めて危機感と問題意識を抱き、漁業と漁村の現状認識と今後の対策について質問させていただきます。
我が国の漁業は、昭和59年に生産量1,282万トンをピークに年々減少し、平成30年には442万トンとなり3分の1程度と減少しています。要因として、昭和50年代の200海里漁業水域の設定による遠洋漁業からの撤退や、沿岸の開発や乱獲による水産物の減少等が指摘されてきました。近年は、地球温暖化の影響による海水温の上昇等でサケやスルメイカが急激に減る一方、例えば宮城県でサバが1,000倍に増え、北海道ではオオズワイガニが大量に発生し1パイ150円で売られ、カレイは半分以下の水揚げ量になるなど、海に大きな変化が出てきています。
海洋環境をめぐる状況については、海水温の上昇によって回遊性の魚種の漁場が北上し、100年後にはサンマの漁場が日本近海でほとんどなくなる可能性や、南方系海藻の分布が徐々に広がっており、海藻に生育する生物や周辺環境に与える影響も指摘されています。また、京都の海では、サワラが温暖化の影響で北上し、平成11年以降に急増して日本一の漁獲量になるなどの変化が起きています。
地元舞鶴にある京都大学フィールド科学教育研究センター舞鶴水産実験所の益田玲爾教授は、舞鶴湾等にて定期的な潜水調査を継続されており、海の温暖化の影響について「取れる魚が変わってくる。旬が変わることもある。異常な事態だと思う」と述べられています。
そのような中、2018年に70年ぶりとなる漁業法が改正され、新たな資源管理体制への移行や漁場の有効利用などが導入されますが、世界的な懸念となっている持続可能な水産業のための改革の一方で、8割以上を占める小規模漁業者、小規模養殖業者を通じた地域社会をベースとした漁業管理や保全、科学的知見を基にしたきめ細やかな資源調査と管理が求められます。
京都府の漁業は大型定置網の比率が生産量と生産額ともに高く、全国でも、大型定置網の生産量が8割を占める都道府県は京都府のみとなっています。定置網は、待ち受けの漁法であり、魚種の選択が困難なことからブリ、サワラが年間の漁獲量を定めるTAC(タック)制度対象になる予定であり、漁業経営に大きな影響を受けることが予想されます。また、既に管理対象魚種に指定されているクロマグロの配分量については、小型魚の場合は平成22から24年、大型魚の場合は平成27年から30年を基準とした数値割合になっており、資源回復の兆候が見られる中で少ない漁獲可能量になっており、上限に達するとリリースや休業等の厳しい管理措置が必要になり、漁師の方々からも切実な声が上がっています。また、京都府の漁獲量は、平成元年の9万3,959トンから令和3年では約8,500トンと激減しており、依然厳しい環境にあります。
漁業は、水産物の安定供給、食料安全保障や漁村振興、漁村文化の継承のみならず海上保安庁や警察との連携の下、海難救助や密輸、密入国、不法操業等への抑止力として機能することから、国境を監視し国益を守る重要な公的役割を果たしており、漁獲量の減少等による厳しい環境の中、持続可能な漁業の実現のために変化に合った施策やさらなる積極的な支援が必要となってきます。
そこで、漁業法の改正において、京都府の水産業における資源管理の取組と課題、持続可能な漁業に向けての今後の展望についてお伺いいたします。
次に、担い手支援についてお伺いいたします。
また、平成30年の漁業センサスによると、京都府の漁業就業者数は928人であり、直近の5年間で493人、34.7%減少しています。65歳以上の就業者は、就業者全体の39.8%を占め、また経営体数の減少傾向や個人経営体のうち90%も後継者がなく、漁村人口がさらに減少することなどを踏まえて新規就業を図る必要があります。これまでも、担い手の確保のため京都府立海洋高等学校の生徒を対象にした漁業体験学習や全国漁業就業者フェアの出展等により、担い手確保に尽力いただいています。
また、平成28年9月
定例会において質問いたしました「海の民学舎」の取組については、新規漁業者の育成、定着につながっており大変期待するところですが、これまで定員10名に近い人数が集まっていましたが、今期の研修生は2名になったと伺っています。
「海の民学舎」にて視察を行った際に研修生から入学の動機を伺うと、「京都のブランド力、ポテンシャルの高さ」「自分でネットで調べてきた」「余暇でサーフィンを楽しむことができて充実している」などの意見がとても印象的で、若い世代のライフスタイルが多様化し、働き方や暮らし方も変化しており、漁師を目指す若者も徐々に増えてきていると言われていますが、就業につなげるには、さらにSNS等を活用した情報の発信等で京都府の漁業が若者に選ばれ、漁村が存続していくために空き家の活用や住宅支援等のUIJターン政策を含めた総合的な人材確保、定着支援が必要かと思われます。
本府において、漁業に係る支援制度として先進的な取組として、「海の民学舎」運営事業、京都府農林漁業就業相談会、漁業担い手用漁船・漁具リース事業費補助金等の支援を行っていますが、これまでの担い手支援の成果と課題についてお伺いいたします。
次に、高度衛生管理型漁業、市場の整備についてお伺いいたします。
本府では、間人ガニで有名な間人地方卸売市場において、2019年12月に国の交付金を活用し高度衛生管理型の最新施設が完成、自動製氷・貯氷施設、殺菌冷海水設備を整備されました。これによって食品安全に対する国内外のニーズに対応し、漁獲物の付加価値を高めることができます。舞鶴地方卸売市場は、京都府の水産物の流通拠点で、京都府沿岸で水揚げされた魚介類の約8割が集荷されており、縦貫自動車道の開通により京阪神等へのアクセスが改善され、役割も高まってきている中、冷蔵施設の老朽化や外壁がないため鳥が入ってくることへの対応として、高度衛生管理に沿った市場の改修や機器の整備等の必要について、これまで京都府、府漁協、地元市町等が連携して協議されてきましたが、舞鶴地方卸売市場の整備、機能強化についての本府の御見解と今後の展望についてお伺いいたします。
次に、森里海の連環についてお伺いいたします。
地元舞鶴には京都大学フィールド科学教育研究センター舞鶴水産実験所があり、海から見た森里海の連環を研究されています。私がこの研究に関心を持ったのは、十数年前に宮城県気仙沼市のカキ養殖業を営む畠山重篤氏から「森は海の恋人運動」の講義を受け、当時、手入れされていない奥山の人工林に広葉樹の植樹をする活動を立ち上げていた頃であり、森を豊かにすることが海の環境にまで大きく作用することが分かり、大きな衝撃と感動を受けたからです。
これらのことは、当時、北海道大学の松永勝彦名誉教授によるフルボ酸鉄説、これは広葉樹の森の腐葉土層を透過した水はフルボ酸鉄を大量に含み、河口域で植物性プランクトンに取り込まれ、その増殖を促進するという研究によって科学的に明らかになっています。畠山氏による「森は海の恋人運動」は、漁師による植樹活動として全国各地に広がり、山に大漁旗が翻る光景がニュースでも取り上げられました。
京都においては、平成13年から17年に伊根町太鼓山において「漁民の森づくり活動」が行われ、ヤマザクラ、コナラ等の広葉樹を約3,500本植樹する取組が行われています。農林漁業の垣根を超えた取組や産官学民の連携の下で豊かな森をつくることは、海の資源管理にもつながり、海の砂漠化と言われる磯焼けにより魚の産卵場所が減りつつある中で、海の環境保全に貢献し、森里海連環学の発祥の地である京都の海における環境保全活動が、「海の京都」のブランド力向上、高付加価値化につながるのではないかと期待いたします。
そこで、本府の森里海の連環についての御見解と今後の取組についてお伺いいたします。
最後に、人口減少下における都市計画についてお伺いいたします。
先日、地元にて市街化調整区域内の農地の現状を見てほしいという要望があり調査に伺ったのですが、水田や畑の中に荒廃農地が多く点在し、樹木が茂って山地化しシカが2頭潜んでいたり、「あの田んぼももうやめるらしい」という話も聞きます。
また、調整区域内は原則として住居の建替えや新築ができず、過疎化や人口減少が進む府北中部でUターンやIターンを妨げているという課題があり、綾部市の要望を踏まえ、京都府は2016年には綾部市の線引きを廃止しています。
舞鶴市では、将来のコンパクトシティー都市形成に向けて、全国でも事例が少ない、市街化区域を市街化調整区域へ編入する逆線引きを行っています。舞鶴市の逆線引きには、住民の合意形成、京都府の都市計画部局、農政部局との協議等に時間を要し、基本方針の作成から5年以上、合意形成に3年以上かかっています。
今後さらに人口減少が進む中で、市町の地域特性を踏まえ、線引きの廃止や逆線引きなどを行う自治体も増えてくると思われます。
石井良一滋賀大学教授の都市計画制度に関する717市町村へのアンケート調査によれば、都市計画法や農地法に関する権限に関して、7から8割の市町村が「現状のまま、都道府県及び政令市が行うべき」と回答していますが、人口減少や過疎化が切実な小規模自治体ほど「権限移譲を希望する」という結果になっています。
現行の都市計画制度は、50年前の高度経済成長期に拡大する市街地をどのように抑制するかという観点から考えられている制度のため、人口減少社会に即したものになっておらず、市町村が主体的、戦略的にまちづくりを行えるよう抜本的な改革や見直しも検討されるべきだと思います。
人口減少下における都市計画に関し、府下市町村の動向について、また変化に対応するための本府の御見解についてお聞かせください。
以上、御答弁よろしくお願いいたします。
47:
◯議長(
石田宗久君) 西脇知事。
〔知事
西脇隆俊君登壇〕
48:
◯知事(
西脇隆俊君) 小原議員の御質問にお答えいたします。
府北部地域における看護人材の確保についてでございます。
議員御指摘のとおり、看護師を短期間で新たに養成するのは難しいことから、一旦離職された潜在看護師に再就業していただくことが、看護人材を確保する上で重要だと考えております。コロナ禍におけるワクチン接種業務などでは、勤務時間や曜日などの選択肢が多様であったことから、北部地域におきましても、子育てなどで仕事を中断されていた100名を超える潜在看護師の方に復職していただくことができました。
こうした経験を踏まえ、昨年度から、看護協会と連携し、求人側である医療機関等に求職者の希望に沿った勤務形態について助言するなど、看護師のマッチングについて取組を強化しているところでございます。また、潜在看護師の再就業に当たっては技術的な支援が重要なことから、最新の知識と技術を習得するための講習会を北部地域で開催するなどの取組を行っております。今後とも、看護師のライフステージに応じた柔軟な働き方が実現できるよう、潜在看護師の再就業に取り組んでまいりたいと考えております。
また、京都府ではこれまでから、北部地域での看護師の就労を促すため、北部地域の医療機関に勤務することを条件とした修学資金の貸与などを行っておりますが、将来にわたり北部地域において安定した医療提供体制を維持するためには、看護教員や看護学生を確保するための取組をさらに進めることが重要だと考えております。
現在、京都府では看護協会と連携し、看護師が看護教員になるための養成講習会を実施しているところですが、今年度からはオンラインによる受講回数を増やすとともに、教員養成に必要な実習施設を新たに北部地域に確保するなど、北部地域にお住まいの方でも受講しやすい環境を整えているところでございます。
また、これまでから、医療現場の将来を担う看護学生を確保するため、北部地域の高校生などを対象とした看護に関する出前授業の実施や北部地域の看護の魅力発信動画の作成、看護師の仕事を紹介する漫画などの普及啓発媒体の充実などに取り組んでいるところですが、今年度からは、多くの子どもたちが看護の仕事を身近に感じてもらえるよう、北部地域の小・中学生に対して看護体験学習の場を新たに設けるなど、看護の魅力を伝える取組を強化していまいりたいと考えております。
今後とも、潜在看護師の再就業支援をはじめ、看護教員や看護学生の確保に向けた取組など、様々な手段を講じて北部地域の看護人材の確保に取り組んでまいりたいと考えております。
その他の御質問につきましては、関係理事者から答弁させていただきます。
49:
◯議長(
石田宗久君) 小瀬農林水産部長。
〔農林水産部長小瀬康行君登壇〕
50: ◯農林水産部長(小瀬康行君) 水産業における資源管理についてでございます。
京都府では、水産資源の持続的な利用による漁業経営の安定化を図るため、全国に先駆けてズワイガニの保護区の設定などによる自主的な資源管理を実施し、その取組が近隣県にも広がるなど、日本海沿岸の資源保護につながっているところでございます。
一方、国におきましては、クロマグロをはじめとした魚種の数量管理が行われており、今後、京都府が有数の漁獲量を誇るサワラなども対象魚種に追加される見込みとなっていることから、定置網漁業の経営安定のためには、生産性向上と高価格販売により漁業者の所得を確保していく必要がございます。
生産性向上に向けては、魚種ごとに割り当てられた漁獲可能量の範囲内で操業が続けられるよう、ICTを活用した魚群探知機の導入により、陸上から定置網に入った魚種の情報を入手し出航の判断を行うことで、効率的に操業を行う取組を支援しております。さらに、国において開発中のLEDを用いた特定魚種の判別技術などを積極的に活用し、効率的な操業につながる取組を進めてまいります。
また、高価格販売に向けては、自動生け締め機の導入などにより商品の高付加価値化を図るとともに、主要魚種でありますサワラやブリなどのブランド力の強化に取り組んでまいります。さらに、経営安定のためには、取る漁業に加えて、つくり・育てる漁業の振興も重要であり、トリガイなどの需要に応じた生産量の確保や「金あじ」など新たな養殖技術の確立により、ブランド養殖魚の生産拡大を推進し、持続的な漁業の実現に努めてまいります。
次に、担い手支援の成果と課題についてでございます。
京都府では、将来の漁業・漁村を支える新たな担い手を育成するため、漁業団体や沿岸市町とともに「海の民学舎」を設置し、漁業者に求められる知識、技術や経営ノウハウなどの幅広い実践研修と伴走支援に取り組んでいるところでございます。その結果、これまでに20名の修了生が漁業現場で活躍されており、漁業経営者として独立したり、漁家民宿の経営を計画するなど漁村地域の活性化にも一翼を担っております。
しかしながら、近年、「海の民学舎」の入舎生が減少傾向にあり、入舎後に途中退舎されるケースも出てきております。こうした状況は、漁業に興味はあるものの「自然に左右され収入が不安定」「常に危険と隣り合わせ」などのイメージに起因するものと考えられることから、新規就業者を確保するためには、生産性の向上による所得向上や就業環境の改善を進め、漁業をやりがいのある魅力的な産業とすることが重要でございます。
このため、AIによる給餌管理システムを活用した陸上養殖などの付加価値の高い次世代型漁業や、スマート機器を用いた省力的で生産性の高い海面養殖の導入を推進してまいりたいと考えております。
今後とも、産業としての漁業の魅力を高め、新たな人材の確保・育成に努めてまいります。
次に、舞鶴地方卸売市場の機能強化についてでございます。
舞鶴地方卸売市場は、府内の各漁港で水揚げされた水産物の8割が集荷され取引が行われており、京阪神や東京などの市場への輸送拠点の役割を担う重要な施設でございます。開設約50年を迎え、京都府漁協や地元市町と施設の将来像について話合いを重ねた結果、安心・安全や鮮度を重視する消費ニーズに応えられるよう、衛生管理や流通システムの機能強化を図り、高価格で取引ができる市場への輸送拠点としての必要性が確認されたところでございます。このため、施設内の気密性を高めたHACCP(ハサップ)仕様への改修による衛生管理の向上や、府内各漁港の保冷・氷温施設の整備によるコールドチェーンへの対応と電子入札システムの導入による迅速な流通体制の構築など、ハード・ソフトの両面から支援し、漁業者の所得向上につなげてまいりたいと考えております。
次に、森里海の連環についてでございます。
森里海の連環は、森から海までの自然環境と人間社会の相互関係を表すものであり、持続的で健全な国土環境の保全が豊かな海を育み、水産資源の恵みをもたらすと考えられております。京都府では、議員御紹介のとおり、伊根町におきまして漁業関係者が主体となった先進的な森林保全活動を行われているほか、漁業団体や海洋高校の生徒などが参加する森林環境学習への支援を通じ、森づくりの意義を広めてまいりました。
今後はさらに、多様的な主体による相互理解が必要と考えており、京都モデルフォレスト運動による企業と府民ボランティアが連携した海岸沿いの森林保全活動など、取組の裾野を広げてまいりたいと考えております。
引き続き、府民や企業などと一体となって海と森の環境への理解促進を進め、京都府の北部地域の豊かな漁場と美しい自然環境の保全を通じ、「海の京都」エリアの魅力向上と漁業の活性化につなげてまいりたいと考えております。
51:
◯議長(
石田宗久君) 濱田建設交通部長。
〔建設交通部長
濱田禎君登壇〕
52:
◯建設交通部長(
濱田禎君) 人口減少下における都市計画についてでございます。
高度経済成長期におきまして都市部へ人口が急速に集中した結果、各地で無秩序な市街化が進んだことなどから、国において昭和43年に新たな都市計画法を制定され、無秩序な市街化を防止する規制として線引き制度を導入されたところでございます。その後、半世紀以上が経過し、人口減少や市町村合併など社会情勢が変化する中で、市街地の一部で人口や施設の密度低下、空白化が進み、商業サービスの撤退や行政サービスの低下といった課題が顕在化してまいりました。
これらの課題に対応するため、国において平成26年に都市再生特別措置法などが改正され、従来の規制に加え、住宅や医療、福祉、商業などの居住に関連する施設を都市の中心拠点などに誘導する立地適正化計画制度が創設されました。
こうした中での府内市町のまちづくりの動向についてでございますが、この立地適正化計画によって居住や都市機能を誘導することで、それらの密度向上を目指す取組が進んできております。加えて、議員から御紹介がございましたが、都市計画法などに定められた府と市町の調整の仕組みなどを活用し、逆線引きと組み合わせて効果を高めている舞鶴での例や、区域区分を廃止し土地利用の自由度を高めつつ中心拠点へ誘導を図ろうとする綾部での例もございます。
京都府といたしましては、このような市町による誘導などを用いた主体的なまちづくりを尊重しつつ、市町を超える広域的な観点からのバランスも配慮していくことが重要と考えております。このため、13の都市計画区域ごとに定めているまちづくりの将来像等を示すマスタープランについて、市町の意向や社会情勢の変化を踏まえ見直しを行うなどにより、今後とも各市町のまちづくりを支援してまいります。
53:
◯議長(
石田宗久君) 小原舞議員。
〔小原舞君登壇〕
54: ◯小原舞君 御答弁ありがとうございました。まさに将来を担う看護学生の確保と定着の一連の取組をさらによろしくお願いいたします。
人口減少、少子高齢化は本当に待ったなしで、さらに京都北部に光をよろしくお願い申し上げまして、私の質問を終わらせていただきます。
御清聴いただきまして、ありがとうございました。(拍手)
55:
◯議長(
石田宗久君) 次に、北川剛司議員に発言を許可します。北川剛司議員。
〔北川剛司君登壇〕(拍手)
56: ◯北川剛司君 国民民主党・日本維新の会京都府議会議員団の北川剛司です。通告に基づき、知事並びに理事者の方々に質問させていただきます。よろしくお願いします。
まず初めに、京都府スマート社会推進計画についてお伺いします。
この計画は、京都府が目指すスマート社会推進のための施策について定めたられたものであり、官民データ活用推進基本法(平成28年法律第103号)第9条第1項に基づいて都道府県が定めるべきものとされ、官民データ活用の推進に関する施策についての基本的な計画も含むものであり、令和2年度から令和5年度の4年間の期間を設け令和2年3月に策定されました。
デジタル技術の活用に関する視点として記載されているのは「京都府の政策にデジタル技術を積極的に活用し、より効果的に推進します」として、計画の中では「人口減少社会の到来とスマート社会の進展を見据え、今後の京都府行政においては、デジタル技術を積極的に活用した政策を展開する必要があります。デジタル化に伴う技術やサービスは、それを得意とする人だけが活用するものではありません。むしろ、そうでない方々がこれまでできなかったことをより簡単にできるようになり、より便利に暮らしを送れるよう、住民福祉の向上のため、簡素で効率的な民間事業者のサービスも参考にしながら、これまで以上に府民目線に立った政策へ再設計する必要がある」とうたわれています。
また、それを実現するための方法については、「行政サービス・事務をデジタル社会にふさわしいサービスにデザインする必要があり、行政が率先して自らの改革に取り組む必要があること、多様な主体と連携、共働することにより社会全体のスマート化を目指す」と述べられています。
このような府民目線に立ったデジタル技術の活用や、多様な主体との連携によって社会全体のスマート化を目指すという考え方は、京都が長年培った産学公連携にも通じるものであり、今後の京都府政推進に当たって重要な考え方と捉えて、これまで注目してまいりました。
そして、本計画の令和2年度、令和3年度での実施状況が令和4年4月に公表されています。本計画の中では、「京都府総合計画基本計画及び行財政改革プランにおけるPDCAサイクルと連携し、施策の評価・分析を行った上で、必要な見直しやさらなる推進策を実施します」と記載されています。
京都府総合計画については、令和4年12月議会で議決し、改定され、今年度から計画期間がスタートしました。それに伴い、京都府スマート社会推進計画も、京都府総合計画を基に改定する必要があると思っています。
そこでお伺いします。
京都府スマート社会推進計画では、全ての府民がデジタル化の恩恵を受けることができるように政策を展開するとされている一方、令和4年4月に公表された「これまでの実施状況」では、多くの実証実験等の目的達成のための手段は記載されているものの、目的達成に向けた分析については記載されていません。そこで、これまでの取組の成果をどのように捉え、令和4年度以降においてどのような政策を展開され、また府民がどのようなデジタル化の恩恵を受けることができたのか、お伺いします。
また、現行の京都府スマート社会推進計画の計画期間は今年度が最終年度になりますが、今後も府民がデジタル化の恩恵を受けるためにも、京都府スマート社会推進計画を改定し、政策を展開する必要があると思います。そこで、今後の計画改定の方向性についてどのように考えておられるのか、お伺いします。
まずは、ここまでお伺いします。
57:
◯議長(
石田宗久君) 西脇知事。
〔知事
西脇隆俊君登壇〕
58:
◯知事(
西脇隆俊君) 北川議員の御質問にお答えいたします。
京都府スマート社会推進計画の改定の方向性についてでございます。
現行の京都府スマート社会推進計画は、ビッグデータやデジタル技術を活用することで府民一人一人の夢や希望が実現し、産業や地域活動が創造的に展開される社会の実現を目指して、令和2年3月に策定いたしました。この計画では、スマート社会を支える土台として、デジタル分野の人材育成とサイバー攻撃に備えるセキュリティーの分野を、また府民の暮らしや産業に関しては、地域交通の利便性の向上を目指すモビリティーのほか、農林水産業、防災、行政の分野を掲げ、この6つの分野を推進モデルとして取り組んでまいりました。
取組の成果といたしましては、京都ビッグデータ活用プラットフォームに約170団体の参画を得て、農林水産業、モビリティー、セキュリティーなどをテーマとした延べ28のグループを形成することができました。さらに、これらの取組を通じた官民の交流が人材育成にもつながっていると考えております。
特に行政分野では、キャッシュレス決済対応の電子申請システムの整備に加え、今年からはパスポートの電子申請にも対応するなど、デジタル技術の活用により府民の利便性向上を図ってきたところでございます。
この計画の初年度であります令和2年度には、新型コロナウイルス感染症の感染拡大が始まりました。デジタル技術によるテレワークやリモート会議という新たな働き方が普及した一方で、府民の暮らしの中でデジタルの利便性を感じていただく府民参加型の実証実験などが十分に進まなかった面もございます。
また、デジタル技術は日進月歩で進化しており、ブロックチェーン技術の進化により、次世代インターネットとして注目されるWeb3.0と呼ばれる概念や、チャットGPTなどの生成AIの登場など、技術トレンドの変化への柔軟な対応も今後の検討課題であると考えております。
今後、計画の改定に当たっては、強固なセキュリティーの確立といった安心・安全対策を重視し、京都府が目指すスマート社会の実現に向けさらに検討を進めてまいりたいと考えております。
その他の御質問につきましては、関係理事者から答弁させていただきます。
59:
◯議長(
石田宗久君) 岡本総合政策環境部長。
〔総合政策環境部長岡本孝樹君登壇〕
60: ◯総合政策環境部長(岡本孝樹君) スマート社会の実現に向けた取組の成果と施策展開についてでございます。
具体的な事例で申し上げますと、農林水産の分野ではドローン等を活用した実証実験により、水稲栽培で約30%の作業時間削減効果が判明しました。それを受けまして、府独自の補助制度の対象に加え、設備の導入を支援しているところでございます。
また、防災分野では、「水位・氾濫予測システム」の開発を京都大学と共同で進めており、今後、水位等の予測情報の精度や実用性を検証の上、早期の避難情報発信に活用できるよう、6月1日から市町村及び気象台に予測情報の配信を開始したところでございます。
さらに、昨年度からスマートウオッチを活用した健康関連の実証実験など、府民の日常生活により身近なテーマの取組も進めております。
今後とも、様々な取組を分析し、その成果を横展開するとともに、生産性の向上や暮らしの中での利便性や安心・安全などについて、府民の皆様がデジタル技術の恩恵を感じていただけるよう努めてまいります。
61:
◯議長(
石田宗久君) 北川剛司議員。
〔北川剛司君登壇〕
62: ◯北川剛司君 御答弁ありがとうございます。これからも、府民がデジタル化の恩恵を受けるように施策の展開をお願いします。また、デジタル技術は、先ほど知事も言われていたように日進月歩していきますので、必ずPDCAサイクルで事業を推進していただきたい。
そして、京都府として生成AIの実証実験を行うならば、まずは本庁にある全ての資料をPDFでOCRテキスト化し、検索可能な精度の高い環境を整え、その上で実証実験を行うよう提案いたします。ちなみに、国立国会図書館では、約247万点の資料をPDF OCRテキスト化され、ビッグデータとして活用して検索活用で成果を上げられています。これからもやはりビッグデータというのは非常に大事ですので、資料のOCRテキスト化をよろしくお願い申し上げます。
質問に移ります。
次に、教育長にお伺いします。
以前から幾度となくICTを活用した教育に関して質問してきました。生徒に思考スキルを身につけさせるために、筋道を立てて物事を考え、構築し表現する力、いわゆる論理的思考力と、その力を活用して自分の考え、そして他人の考えを協働して、さらに発展させよい考えへと再構築していく力の両方を育む教育を効率的に行うことができるのが、ICTを利用した教育方法だと私は考えています。
そこで、コロナ禍の中で京都府教育委員会が提示した「京都府教育委員会からの挑戦状」は有意義なコンテンツだと以前、一般質問でも述べました。その後、京都府デジタル学習支援センターにおいて、まだまだ数は少ないと思いますが、徐々にコンテンツが格納されているようです。また、リンクされている東京都生涯IT地域支援センターが記載している「障害のある人に便利なアプリ一覧」のようなコンテンツを京都府教育委員会も独自で記載していただきたい。
また、2023年6月6日の京都新聞の記事に記載されました「デジタル苦手な教員なくそう」という記事の中で、府立の中学・高校、特別支援学校の全教員に対し技能研修の受講を義務化したとありました。以前にも、幾度となく質問しましたが、指導者のICTを活用した指導能力の向上も、ようやく行われるようになりました。これからは、今までの教育スタイルからの脱却、そしてAIを活用した教材コンテンツが非常に重要だと考えており、AIを活用した教材のコンテンツ次第で学習の理解度、応用力が左右されると思っています。
そこでお伺いします。
ICT環境はほぼ充実したと思っています。AI、ICTを導入することで今までの学習方法を大きく転換する必要があると思います。今までの授業は記憶が中心で、詰め込み授業が大半だったと思います。しかし、AI、ICTを導入することで、自律を促す授業に転換することが可能だと思っています。例えばグループ討議、調査研究型の授業などを多く取り入れ、またこれを機に教育の目的として自律できる子どもの育成にシフトする必要があると思いますが、今後、AI、ICTを活用した教育の在り方をどのように考えておられるのか、また今までの学習方法を大きく転換するよい機会だと思うのですが、今後、AI、ICTを活用した授業をどのように展開されようと考えているのか、お伺いいたします。
次に、府警本部長にお伺いします。
まず初めに、以前にも質問させていただきました電動キックボードに関する質問をさせていただきます。
電動キックボードに係る改正道路交通法が今年の7月1日に施行されます。現在、電動キックボードは、定格出力によって「第一種原動機付自転車」もしくは「第二種原動機付自転車」等に区分されています。私が乗っている電動キックボードは第一種原動機付自転車になりますが、この電動キックボードに乗るには原動機付自転車免許もしくは普通自動二輪免許や大型自動二輪免許等を取得しなければなりません。
そして、これらの電動キックボードが通行できるのは車道のみで、ヘルメットの着用が義務づけられていますし、自動車傷害賠償責任保険もしくは自動車損害賠償責任共済の契約、ナンバープレートの装着も必要です。
7月1日からの変更後は、新たに設けられた区分「特定小型電動機付自転車(特定原付)」に分類されるのは、出力0.6キロワット以下、時速20キロ以下、車体の長さ190センチ幅60センチ以下の電動キックボードです。それ以外の電動キックボードは、一般原付や普通自動二輪等になります。一般原付におけるルールは改正前と変わりません。しかし、特定原付の場合は、16歳以上であれば免許がなくても乗ることができます。
これにより、高校生から高齢者まで幅広い年代の人が特定原付を利用しやすくなることが見込まれます。また、ヘルメットの着用は一般原付と異なり、努力義務となります。万一、事故があった場合、ヘルメットを着用しているのといないのとでは被害が大きく変わります。努力義務とはいえ、リスクを減らすためにもヘルメットは着用するほうが安全です。
そこで、警察本部長にお伺いします。
電動キックボードに係る改正道路交通法が7月1日に施行されます。施行後において、特に京都市内での観光客、学生などの利用が増大すると思われます。ただ、普及するまでは少し時間がかかると思いますが、今回の改定では、免許が要らない電動キックボードが一定の条件下で歩道も走行可能となります。そこで、普及するまでに安全を確保する対策を講じる必要があり、普及する前に適切な対応を行い、安全で安心なルールの意識づけを行い、また安全な環境を整える必要があると思います。
そこで、私としては、異なる区分の電動キックボードが存在する中、警察官も区分を認識する必要もあり、ルールが浸透する当面の間、特に京都市内において自転車と同様に取締りを強化するべきだと考えますが、府警本部として所見をお伺いいたします。
次に、JAFが昨年実施されました、信号機のない横断歩道の歩行者がいるときの停車率調査について質問させていただきます。
調査期間は2022年8月10日から8月31日の平日のみ、調査時間は10時から16時、場所に関しては都道府県各2か所ずつ、横断歩行者はJAFの職員が行い、調査回数は1か所につき50回の横断で調査されました。
京都府と近隣府県の結果は、滋賀県が33.3%、大阪が26.4%、兵庫県が64.7%、奈良県が32.1%となっています。そこで、京都府は23.5%の結果が出ています。ちなみに全国平均が39.8%となっています。
歩行者が横断歩道を渡る際の安全確保を鑑みますと、停車率を向上させ交通事故を少しでも減らす活動を行う必要があると思います。
ただ、信号機のない横断歩道に関して道路交通法的にも複雑で、例えば自転車は歩行者ではなく軽車両であるということ、軽車両は自動車やバイクと同じく道路交通法上の車両に該当します。横断歩道にいる自転車であっても、歩行者でなく軽車両ということになり、したがって道路交通法的に自転車に歩行者のような優先権はないので、「歩行者の安全を担保するための違反」という位置づけの横断歩道歩行者妨害にはならないのです。ただし、例外があり、自転車を押して歩いている場合は歩行者となり、自転車でなくバイクを押している人も歩行者になります。しかし、自転車横断帯を走行している自転車は自動車やバイクに対する優先権を持つので、自動車などは停止する義務があります。これは、道路交通法第38条第1項にある「または横断しようとする歩行者等があるときは」の「歩行者等」に自転車横断帯を横断しようとする自転車が含まれるという解釈です。いろいろと規定はありますが、ただ、横断歩道を歩行する人の安全が最優先です。
そこで、お伺いします。
信号機のない横断歩道において歩行者がいるときの停止率が全国45位となっています。JAFの調査に関してもう少し精度を上げる必要があると思いますが、しかしこのような結果が出ています。府警本部として、この調査をどのように捉え、今後停止率を上げ、歩行者の安全を確保するためにはどのような対策を講じていくのか、所見をお伺いします。
御答弁よろしくお願いします。
63:
◯議長(
石田宗久君) 前川教育長。
〔教育長
前川明範君登壇〕
64:
◯教育長(
前川明範君) 北川議員の御質問にお答えいたします。
ICTやAIを活用した教育についてであります。
知識を教え込むことに重点を置いた授業から、思考力や主体的に学ぼうとする態度を育む授業への転換を実現するためには、これまでの教育の実践とICTを最適に組み合わせていくことが必要であり、ツールとしてのICTの効果的な活用が重要になると考えております。
こうした中で各学校においては、1人1台端末環境が整い、日々の授業でのICT活用が進められるとともに、AIドリルを活用した児童生徒の理解度に応じた学習指導についても実践が始まりつつあります。
これからは、単にICTの積極的な活用を促すだけではなく、ICTを活用し個々の学習環境や進度に合わせた「個別最適な学び」と、グループで意見を交換し自分の考えを構築する「協働的な学び」を充実させるといった効果的な活用の段階の発展が必要と考えております。
そのためには、児童生徒が学ぶことの面白さを感じ、さらに学ぼうとする意欲を引き出すことができる授業への改善が重要であります。例えば、自律的・自発的な学びを促す課題解決型の学習においては、情報収集や分析を行う場面でのICT活用が非常に有効となります。
府教育委員会といたしましては、今後、AIを含むICTを全ての教員が効果的に活用できるよう、教員研修の充実に加え、京都府デジタル学習支援センターを中心としてICTを活用した授業実践例の紹介やコンテンツの作成などを通じ、授業改善の取組を進めてまいります。
65:
◯議長(
石田宗久君) 白井警察本部長。
〔警察本部長白井利明君登壇〕
66: ◯警察本部長(白井利明君) 北川議員の御質問にお答えいたします。
電動キックボードに関しては、現在は原動機の定格出力等に応じて原動機付自転車、または自動車等に該当し、これを運転するに当たっては運転免許を受け、その車両区分に応じた交通方法によって運転しなければならないこととされているところであります。
今回の改正では、最高速度が時速20キロメートルを超えない構造であることなど、一定の要件を満たすものを特定小型原動機付自転車とし、そのうち時速6キロメートルを超えない構造であることなど一定の要件を満たすものが特例特定小型原動機付自転車として、新たに定義されることとなります。
これらの電動キックボードについては、運転免許が不要で16歳以上から乗ることができ、乗車用ヘルメットの着用が努力義務とされます。また、車道、普通自転車専用通行帯等を通行することができ、特例特定小型原動機付自転車にあっては、道路標識等により自転車の通行が認められている歩道に限り歩道通行も可能となります。
今回の改正により、販売事業者やシェアリング事業者には、購入者等に対して交通安全教育を行うことが努力義務とされることになります。府警察では、これらの事業者等と連携し、交通安全イベントでの啓発や貸出し等の機会を捉えた、電動キックボードの交通ルールを周知するための取組を行っているところです。
また、議員御指摘のとおり、警察職員が電動キックボードの交通ルール等について正しく理解する必要があることから、体験型の研修会を実施するなどして、改正内容の周知徹底を図っております。
電動キックボードについては、これまでも酒気帯び運転や信号無視、歩道通行等の違反を検挙しているところでありますが、今後、幅広い年代で手軽な移動手段として普及することが見込まれ、交通事故や交通違反の増加が懸念されるところであります。
引き続き、悪質、危険、迷惑性の高い違反に重点を置いた指導取締りを強化するとともに、街頭啓発や各種広報媒体を活用しまして、ヘルメット着用の必要性等を含めた交通ルールの周知等交通安全対策に努めてまいります。
次に、信号機のない横断歩道における交通安全対策についてでございます。
議員御指摘の日本自動車連盟による「信号機のない横断歩道における車両の停止率実態調査」につきましては、承知しております。府警察としては、その結果にかかわりなく、これまでからも横断歩行者等妨害等違反の交通指導取締りをはじめとして、横断歩道における交通安全対策について重要課題として取り組んでいるところであります。
具体的には、歩行者には運転者とのコミュニケーションを図る合図横断に関する交通安全教育、運転者には横断歩道における歩行者優先義務の遵守はもとより、歩行者を保護し、他の運転者の模範となる「はんなり運転」を運輸関係団体と連携して推奨するなど、横断歩行者の保護の徹底について周知する広報啓発活動を行っているところであります。
また、一つの試みであり、今後の検証の必要もありますが、大学生による自由な発想を交通安全対策に反映する施策「ポリス&カレッジ」で提案された「トリックアートによる横断歩道の立体化」による運転者に注意を促すような横断歩道を取り入れるなど、市町村などの関係機関と連携した取組も行っているところであります。
しかしながら、横断歩道上での交通事故がいまだに発生している状況から、横断歩道における歩行者優先意識が定着しているとは言えず、さらなる取組の強化が必要と認識しております。引き続き、交通指導取締りの強化、交通安全教育、広報啓発、関係機関と連携した道路交通環境の整備等により、自動車と比較して弱い立場にある歩行者等の安全確保を重視する「人優先」の交通安全思想が定着するよう様々な取組を行ってまいります。
67:
◯議長(
石田宗久君) 北川剛司議員。
〔北川剛司君登壇〕
68: ◯北川剛司君 御答弁ありがとうございます。
教育の最終目的は、子どもたちの自律と思っています。これまでの記憶する学習でなく、得られた情報に対して何が正しく、何が間違っているのかを自ら判断できる力を身につける教育が必要であり、教育環境が大きく変化する現状を鑑みて教育の在り方を再度見直していただき、自律できる子どもを育てていただきたいと思いますので、よろしくお願い申し上げます。
あと、信号のない横断歩道の停車率の向上ですが、ナッジ理論を応用することが効果的だと思っています。例えば、答弁にありましたトリックアートの横断歩道は効果を得ていますし、このことを鑑みても、小学校の近くにある交差点などで早急に採用してみてはと思います。
そして、実証の確認も含め、例えば井手町井手小学校付近にある交差点に信号の設置が長年要望されています。立地条件や予算を鑑みても難しい点がありますが、しかし信号等は手段であり、いかに目標を達成するかが重要だと思っています。そこで、浮き出る横断歩道などを整備していただき、少しでも子どもたちの安全・安心を確保していただきますよう、よろしくお願い申し上げます。また、これからも効果的な対策を講じて、歩行者の安全確保をお願いいたします。
電動キックボードに関しては、歩行者との接触事故が多く発生すると思われます。そこで、ルールが浸透する当面の間、事故がないよう対策を講じていただきますようよろしくお願い申し上げます。
特に自転車のヘルメット着用率は8.7%であり、電動キックボードも着用率が低くなる可能性があると思います。努力義務でありますが、安全性を向上させるためにも、京都府警のみならず京都府としても、自転車及び電動キックボードともヘルメット着用の啓発に力を入れていただくよう要望し、私の質問を終わります。
御清聴ありがとうございます。(拍手)
69:
◯議長(
石田宗久君) 以上で、一般質問を終結いたします。
─────────────────────
70:
◯議長(
石田宗久君) 次に日程第3、第1号議案から第8号議案まで、第10号議案及び第11号議案の10件を一括議題といたします。
これより質疑に入りますが、通告がありませんので質疑を終結いたします。
お諮りいたします。
ただいま議題となっております議案10件のうち、第1号、第2号及び第10号の議案3件については、予算特別委員会に付託することに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と言う者あり〕
71:
◯議長(
石田宗久君) 御異議なしと認め、そのように決定いたします。
次に、第3号から第8号まで及び第11号の議案7件については、お手元に配付の議案付託表のとおり、それぞれ所管の常任委員会に付託いたします。
(議案付託表は巻末に掲載)
─────────────────────
72:
◯議長(
石田宗久君) 以上で、本日の日程は終了いたしました。
お諮りいたします。
明6月28日から7月4日までの7日間は委員会審査等のため休会とし、7月5日午後1時15分から本会議を開きたいと思います。御異議ございませんか。
〔「異議なし」と言う者あり〕
73:
◯議長(
石田宗久君) 御異議なしと認め、そのように決定いたします。
それでは、7月5日午後1時15分から本会議を開きますので、御参集願います。
本日はこれをもって散会いたします。
午後3時36分 散会
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