滋賀県議会 2023-12-15
令和 5年12月15日環境・農水常任委員会-12月15日-01号
令和 5年12月15日環境・
農水常任委員会-12月15日-01号令和 5年12月15日環境・
農水常任委員会
環境・
農水常任委員会 会議要録
開会 9時58分
1 開催日時 令和5年12月15日(金)
閉会 12時22分
2 開催場所 第三委員会室
3 出席した委員
周防委員長、駒井副委員長
谷委員、田中(誠)委員、小川委員、加藤委員、有村委員、
中沢委員
4 出席した説明員
森本琵琶湖環境部長および関係職員
5
事務局職員 光野主査、
福野主任主事
6 会議に付した事件 別紙次第書のとおり
7 配付した参考資料 別紙のとおり
8 議事の経過概要 別紙のとおり
議事の経過概要
開会宣告 9時58分
1 議第132号 令和5年度滋賀県
一般会計補正予算(第5号)のうち
琵琶湖環境部所管部分について
(1)
当局説明 白井琵琶湖環境部次長
(2)質疑、意見等 なし
(3)採決 全員一致で原案のとおり可決すべきものと決した。
2 議第136号 令和5年度滋賀県
琵琶湖流域下水道事業会計補正予算(第3号)について
(1)
当局説明 白井琵琶湖環境部次長
(2)質疑、意見等 なし
(3)採決 全員一致で原案のとおり可決すべきものと決した。
3 議第161号 令和5年度滋賀県
一般会計補正予算(第6号)のうち
琵琶湖環境部所管部分について
(1)
当局説明 白井琵琶湖環境部次長
(2)質疑、意見等
◆
加藤誠一 委員 資料2の主な事業概要について、先ほどの議第132号では繰越しの話がありましたが、こちらの議第161号ではほとんどありませんでした。議第132号の説明に併せてこちらでも説明していただくほうが分かりやすかったと思います。
この中で、2ページ目の
高性能林業機械整備事業について、事業費が2,332万円でこれも繰越しになっていますが、滋賀もり
づくりアカデミーの関係の機械は、どのようなものが入る予定か教えてください。また、今まさに事業を実施しているのに、あと3か月は機械が入らないということなのでしょうか。一刻も早く機械を入れたらどうかという思いをもっています。
◎西川
びわ湖材流通推進課長 一刻も早く入れたいところですが、国の交付決定が年明けの1月か2月ぐらいにありまして、それからの購入になります。機械を注文してからつくっていただくため4か月ほどかかりますが、できるだけ早急に設置したいと考えております。
◆
加藤誠一 委員 これについては理解しました。もう一つ伺います。3ページの
伊吹山保全等対策事業です。9月補正もありましたが、その補正と今回の補正の関係が分かりません。せっかくの機会なので、もう少し具体的に御説明をお願いします。
◎辻田
自然環境保全課長 9月補正では、
測量データの解析を行うための予算確保ということで、それにより斜面の詳細な平面図や、縦横断図を現在作成させていただいております。
今回の補正により、そうした図面を用いて、さらにどういった工事内容とすべきかという設計を行おうとしているものです。
◆
加藤誠一 委員 そうすると、今は国からの予算措置があり、せっかくなので使わないといけないので、今回補正で予算措置をしておいて、9月補正で措置した図面のデータが作成できた段階で、それを基に実施設計をしようという話だということで、理解しました。
◆中沢啓子 委員 加藤委員の関連です。今、設計をされるという御説明でしたので、その設計に合わせて今後事業を展開されると思いますが、それは来年度からということになるのでしょうか。
◎辻田
自然環境保全課長 工事自体は早くて再来年度からと考えております。
◆中沢啓子 委員 大体何年ぐらいかかるという見込みでしょうか。
◎辻田
自然環境保全課長 現時点では、何年で終わるか見込みがない状況です。
現在の状況ですが、米原市や県の関係部局とともに、どういった事業をどの所属が実施するのか調整しているところです。来年度にかけて、どういった分担で、どういったスケジュールで工事を行っていくのかという一定の
ロードマップを作りたいと思っておりまして、その中で完了の見込みも見えてくるものと考えております。
(3)採決 全員一致で原案のとおり可決すべきものと決した。
4 議第162号 令和5年度滋賀県
琵琶湖流域下水道事業会計補正予算(第4号)について
(1)
当局説明 白井琵琶湖環境部次長
(2)質疑、意見等 なし
(3)採決 全員一致で原案のとおり可決すべきものと決した。
5 議第150号
指定管理者の指定につき議決を求めることについて(
滋賀県立近江富士花緑公園)
滋賀県立近江富士花緑公園の魅力向上について
(1)
当局説明 樽谷森林政策課長
(2)質疑、意見等
◆有村國俊 委員 先日、現地を視察させていただいて、いろいろと勉強させていただきました。
西武造園株式会社が中心となり長年ずっと頑張ってこられたところでしたが、いろいろな事情もあって今回入札できなかったということです。今回、
引き受け手があってよかったと思います。3月までは引き続き
西武造園株式会社のグループが事業をされて、4月1日から新しい事業者に引き継がれるということで、もちろん市、県が間に入るということなのでしょうが、特に水回り等いろいろな図面もありますので、内実は
西武造園株式会社のグループが長年の経験からよく知っていると思います。
そうしたことから、新しく今度
指定管理になってくださる方も、初めてのところで分からないことがあると思いますが、その時は県の
森林政策課に質問されると思います。ただ、
森林政策課も大変だと思いますので、3月の引き継ぎがうまくできるような連携を考えられているのではないでしょうか。そういうところをスムーズにできるように、例えば建物の引き渡しや、事業者が変わった後もスムーズに過去のことが分かるような段取り等ができていると、我々も楽になりますので、そういったシステムを考えていらっしゃるか確認させてください。
◎樽谷
森林政策課長 委員御指摘のとおりだと思っておりまして、やはり来年4月からの公園運営が適切に行われるために、それまでにきちんと引き継ぎをしておかなければならないと思っております。
今回議会に補正予算をお認めいただければ、現在の
指定管理者である
西武造園株式会社を中心としたグループと、新しい
指定管理者、そして当然県も中に入って、本格的に今後の運営であったり、
体制づくりであったり、そういった公園業務について引き継ぎを行っていかなければならないと思っております。
また、
ローム株式会社の工事もありますので、その工事との関係性であったり、
イベント関係等の公園運営であったり、そういったことを総合的に円滑にできるように、県としても役割を果たしていきたいと思っております。
◆
小川泰江 委員 有村委員の関連で伺います。今の
指定管理者は
西武造園株式会社が中心となっている
近江富士花緑公園ゆうゆう
パートナーズですが、そちらが
公園管理をされて何年くらい経つのでしょうか。
◎樽谷
森林政策課長 近江富士花緑公園ゆうゆう
パートナーズは、
西武造園株式会社が中心となりいろいろと
グループ構成員を変えておりますが、平成18年度から携わっています。
◆
小川泰江 委員 先ほども
ローム株式会社の事業の説明で、県との協働により
公園管理を進めてきたし、これからも進めていくということですが、その協働の中には、現在の
指定管理者である
西部造園系の
近江富士花緑公園ゆうゆう
パートナーズも確実に入ってきていると思います。しかし、いよいよ事業が本格化するという段になって、諸事情があったとはいえ、全く初めてのところに変わってしまうということで、
ローム株式会社側も少し不安があるのではないでしょうか。その辺について何か伺っているようなことがありますでしょうか。
◎樽谷
森林政策課長 ローム株式会社側からは、特に
指定管理者の変更について、話を聞いておりませんが、いずれにしても
ローム株式会社側の工事も適切に行う必要があると思います。例えば、これまでの
西武造園株式会社と
ローム株式会社との間の関係性等、いろいろな引き継ぎするべきことがあると思いますので、そのあたりは適切に引き継ぎができるように、県としても役割を果たしていきたいと思っております。
◆
小川泰江 委員 今働いている方をどうするかということも検討されていると伺いましたが、それに関してはいかがでしょうか。
◎樽谷
森林政策課長 先日行われた
指定管理者の
選定委員会において、新たに公募された新しい会社の方から、現在のスタッフについては、もし希望があれば受け入れるというような提案がありましたので、また両者で話し合っていく中でそのあたりが決まっていくものだと思っております。
◆
小川泰江 委員 今のスタッフについて私がすごくいいなと思ったのは、現場で頑張っている方に若い女性が多いことです。ぜひともそういう方に引き続き頑張っていただけたらと思いますし、利用者も含めていろいろな関係性ができていると思いますので、条件次第ではありますが、ぜひともその点はよろしくお願いしたいと思います。
◆中沢啓子 委員 小川委員の関連です。いろいろな理由があって今回公募をされたということはいいことだと思いますが、申請者の
グループ構成を見ていると、環境学習や森林学習を
メイン事業として行っている企業が1社も入っていません。様々な魅力的な提案があったため選定したということですが、この
グループ構成では、管理はできるかもしれませんけれども、
環境学習等の経験が豊富なところはないように見受けられます。
県内の行政調査でも行かせていただきまして、いろいろ頑張ってこられているというところを見ました。その中で、今まで頑張ってこられた方について、条件次第といった話だったかと思いますし、
指定管理制度自体がどうなのかっていうことになりますが、
官製ワーキングプアというとおかしいですけれども、
指定管理者が変わって、条件次第でぶちぶちと経験が切れていって、せっかく積み上げてこられた様々な関係性であったり、様々な技術であったり、いろいろなものをお持ちの方がそういう形で使い捨てていかざるを得ないような状況にならないように、ぜひ何とかなるといいなと思います。
企業の雇用関係の話ですし、もう既にこういうような形で出てきている話なので、なかなか注文を付けにくいところだとは思いますが、そこは単純に書類で引き継ぎましたということではなく、そういう大事な資源も含めてしっかりと引き継いでいかれるような形になるようなことを願っています。
◎樽谷
森林政策課長 これからの体制のことについては、協議していかなければいけないと思っております。その中で提案段階では、様々な魅力的でこれまでにないような環境学習であったりとかイベントであったり、そういったものが提案されていました。ただ、提案だけでなく、それをきちんと実行に移せる担保が必要だと思いますので、そのためにはやはり人材が重要だと思います。どういった者が配置されるのかというところもきちんと見ていかなければならないと思っておりますので、そういった点でも、きちんと県も注視していきたいと思います。
◆
加藤誠一 委員 今回の
指定管理者に手を挙げていただいた1グループについてですが、そもそもこの公募をされるとき、
ローム株式会社の計画が、こういう形で整備されるとオープンになっていて、その上で公募されたのでしょうか。
そうでなければ、今回こういう形に変わりますという提案や、またいろいろな形でいろいろな展開ができるという提案がどれだけ魅力的であっても、
ローム株式会社の再整備によってこれだけ変わりますと、もうその後の対応となってしまいます。どのようになってしまうのかイメージが湧きませんので教えてください。
◎樽谷
森林政策課長 まず、応募段階で民間による再整備計画があるということと、県による木育拠点の整備があることをきちんと明記した上で、実際に運営するに当たっては、そこときちんと調整しながら進めていくというように仕様書で書かせていただいておりますので、そういった前提での提案ということになっております。
その上で、例えば木育に関係するような提案もありましたので、その辺りは、一定理解していただいた提案になっているかと思っております。今後、きちんと体制を構築した上で、実行に移していくということになろうかと思います。
◆
加藤誠一 委員 これについては分かりました。
それから、資料4の裏面にきれいな
工事概要図を見せていただきまして、ここに木育拠点もありますが、10月末に
県外行政調査で
福岡おもちゃ美術館に白井次長とともに行きまして、あのようなものができるのかと今期待をしています。実際イメージからして、どの
程度福岡おもちゃ美術館のような感じになるか、今、構想をお持ちでしたらお聞かせください。
◎西川
びわ湖材流通推進課長 東京おもちゃ美術館が監修して設置されている
おもちゃ美術館は全国に12ほどありますが、そこは大体似通った構造になっておりまして、地域の文化を取り入れたおもちゃも入れながら整備をされています。あそこまでできるかというと、なかなかお金の面もありますが、
コンセプトとしていろいろな方に遊んでもらうであったり、地域の文化を絡めたおもちゃを作ったり、そういう理念は
おもちゃ美術館に倣いながらやっていきたいと思っております。
◆
加藤誠一 委員
指定管理制度の良いところは、そういう
コンセプトもこの枠の中で取り入れて、できるだけ外部の、例えば
おもちゃ美術館を運営されているような方等のノウハウを途中からでも引っ張ってくることができるという点です。そのための
指定管理ですので、公募の時点で固定された枠だけでやっているわけではないと思いますので、新たな
木育拠点施設ですし、しかも
ローム株式会社も入って整備されるというタイミングなので、今度新たに
指定管理を受けていただく団体には、県として積極的にそういうものを取り入れるような方向で、
管理委託者という立場から協議していただいて、より良いものにしていただきたいと思います。
◆
小川泰江 委員
ローム株式会社の
多目的デッキや木製遊具の整備の件について伺います。開園当初の
近江富士花緑公園では、今ではカフェになっている近くに、物すごく広くて大きな
木製デッキが設置されていましたが、その後どうしても老朽化によって撤去せざるを得なくなったという経緯があります。木製の場合、どうしても更新が必要になってくるかと思いますし、おそらく更新の期限がほかのものより早いのではないでしょうか。そういうことも含めての整備という理解でよろしいか確認をさせてください。
◎樽谷
森林政策課長 やはり
ローム株式会社としても、今回整備するものの魅力や価値を継続的に発揮していきたいという思いがあります。そのための
ランニングコストについて、今後ネーミングライツにするかどうかについては協議中ですが、何らかの方向で維持管理ができるように考えていきたいと思っております。
◆
小川泰江 委員 この
多目的デッキや木製遊具は、大体どれぐらい耐久年数があると見込んでおられますか。最近はまたそういった年数も伸びているのではないかと期待していますが、いかがでしょうか。
◎樽谷
森林政策課長 防腐処理等を行うことで、普通の木材よりはもつかと思います。技術革新によりそういった耐性は長くなってきています。具体的に何年というところまでは分かりませんが、極力劣化しにくく、しっかりとしたものを設置して、木製だから駄目だといわれてしまわないようにしていければ思っております。
○駒井千代 副委員長 2点伺います。1点目は、
木育拠点施設についてです。今、
木育拠点施設の設置に向けてワークショップを進めていただいていると思いますが、現在の進捗状況についてお伺いします。特に、4月以降に
指定管理者も変わりますし、いよいよ
実施設計等に入っていく中で、新しい
指定管理者に協議に入っていただいて、外で遊ぶことをつながるような
木育拠点施設の設置に向けて、
お互い確認をしていただく必要があると思いますが、その辺についてお伺いしたいと思います。
2点目は、
先ほど指定管理のことが話に出ましたが、以前から申し上げていますように、今回は5年間の
指定管理ということですけれども、宿泊施設の件などがペンディングになっておりますので、5年後には
希望が丘青年の城の宿泊施設と合わせた形で、その先をどうするかを考えた期間設定なり、
指定管理の委託の在り方なりを考えていただきたいということを、改めて意見として申し上げたいと思います。
◎西川
びわ湖材流通推進課長 木育拠点施設について、今検討しているところですが、検討委員の構成は、
子育て支援団体の方であったり、木育について勉強されている学生であったり、あるいは保育園の経営者や木材関係の方であったり、合計10名となっています。県は、オブザーバーという立場で、観光部局や福祉部局、
環境学習部局が同様に10名ぐらい入って検討しています。
現在の進捗は、検討会を2回実施し、先進地の視察を2回行っております。検討については、まず大まかな設計をたたき台として提案しています。どういう機能が必要なのかであったり、トイレであったり、授乳室であったり、そういった機能面の検討も含めて、県としてどういう
木育拠点施設がいいのかを洗い出して詰めているところです。
先進地視察につきましては、岐阜県と民間で運営されている木育施設の
ぎふ木遊館と、徳島県が
おもちゃ美術館に運営を委託された
徳島おもちゃ美術館、民設民営でやっておられる
讃岐おもちゃ美術館を見せていただきました。それぞれでいろいろな特徴がありますが、基本的には子供に優しい設計であったり、その動線をしっかり考えた間取りであったり、そういうところが非常に参考になりましたので、今後、設計に反映していきたいと思っております。
◎樽谷
森林政策課長 2点目の
指定管理の考え方についてです。現在、
希望が丘文化公園と
近江富士花緑公園はそれぞれ別の
指定管理者になっております。両者の規模も非常に違いまして、今の段階で一緒に
指定管理をしてしまうと、
近江富士花緑公園が余りにも規模が小さいので飲み込まれてしまうおそれがあります。そうならないように、今
近江富士花緑公園の魅力向上を図っているというところです。特に
ローム株式会社による再整備や
木育拠点施設の再整備等、
近江富士花緑公園の魅力をアップさせることで、仮に
希望が丘文化公園と一緒に
指定管理をすることになっても飲み込まれないように、まずきちんと再整備なり魅力向上なりを図っていく必要があるかと思います。
その先に、次期の
指定管理の状況で、関係各課ともよく調整をしなければなりませんが、一体的な
指定管理ができるのかどうかの検討に入ることができると思います。やはり一体的な
指定管理では、管理費等を削減できるメリットもありますし、具体的な再整備により一体感ができると思いますので、そういったことも探っていければと思っております。
○駒井千代 副委員長 全体を一体的に管理するのか、一部をそのようにするのか、いろいろな方法があると思います。全体を一体化したとしても、こちら側からどのようなことを求めるのかについてしっかりと提案し、それに沿った内容で実施されることが重要ですので、そういったことも含めて、今後、検討をよろしくお願いいたします。
◆
加藤誠一 委員 先日、
県内行政調査で現場を見に行ったとき、県道を渡る木の橋がありました。あの橋について、修繕の要否が検討されていましたが、今はまだ大丈夫なのでしょうか。
◎樽谷
森林政策課長 若干老朽化していますが、構造上今のところ問題はありません。大規模な修繕はできませんが、少しずつ補修をしながら使っていきたいと考えております。
◆
加藤誠一 委員 大規模修繕ができないとおっしゃいましたが、
工事概要図に植物園の遠路等の改修といった内容も記載されています。今後、その橋が原因で県道が通行止めにならないように、早め早めに対応をお願いしたいと思います。
◎樽谷
森林政策課長 指定管理者による日常点検もありますが、委員御指摘のとおり何か大きな事故につながるようなことがありますといけませんので、早めの対応を心がけてまいりたいと思います。
(3)採決 議第150号 全員一致で原案のとおり可決すべきものと決した。
6 滋賀県の森林・
林業行政推進のための造林公社の
あり方検討について
(1)
当局説明 樽谷森林政策課長
(2)質疑、意見等
◆谷成隆 委員 今年度の造林公社の現状ということで、令和5年度から旧
びわ湖造林公社の事業地の伐採が始まりましたが、この伐採量、
立法メートル数はどれぐらいでしょうか。また、これが果たして上手に販売できるのか、利益率を上げていけるのか、その利益率が分かれば教えていただきたいと思います。
◎樽谷
森林政策課長 令和4年度の公社の伐採実績としましては約8,300立法メートルでしたが、令和5年度の計画で1万1,400立方メートルということで、3,000立方メートルほど増加した計画となっております。
利益については、
早期発注等により事業者をきちんと確保した上で、伐採を計画的に進めていきたいと考えております。
◆谷成隆 委員 滋賀県産材の利用を促進する中で、
県外行政調査でも視察しましたが、滋賀県産材としてはA材を売りたいようでして、B材やC材等についてあまり積極的には考えていないという気がします。今後は、それも上手に出していって、販売できるような考えをお持ちでしょうか。そういった計画があれば教えていただきたいと思います。
◎樽谷
森林政策課長 造林公社はやはり収益を求めている団体でして、採材をする木をどのように切ったら一番高く売れるのか、市況を見ながら伐採しているところです。そして、一番いい材はA材として市場のほうに出し、B材につきましては、県内の
木材流通センターを介して、県外の
大型製材工場に効率的に販売するというような手法を組み合わせながら、利益の最大化を図っていくように取り組んでいるところです。
◆谷成隆 委員 今御答弁されたように、県外の視察先でも、A材とB材をきちんと上手に使い分けておられましたので、そういうところを見習って、滋賀県でもそのようにやっていただいたくように指導していただきたいと思います。
◆中沢啓子 委員 資料5の2ページ、④今後の課題で、伐採開始から8年が経過し明らかとなった公社事業の成果や課題を踏まえつつ、と書いてありますが、成果が何で課題が何か教えてください。
◎樽谷
森林政策課長 成果としては、これまで造林公社が、県内で2万ヘクタールの分
収造林事業を行ってきた点です。こちらは琵琶湖の水源林としての機能を果たすといった
公益的機能を有しております。
また、平成27年度から主伐を開始しておりまして、その中で、当初はなかなか資材料も上がらなかったのですが、当然、伐期が来たものから切っていかねばならないので、令和5年度は1万立方メートルを出す計画を立てております。県内の
素材生産量が10万立方メートルですので、県内の1割は公社から出ているというところで、そういった木材供給の機能を果たしている点で成果があると考えております。
一方で、委員御指摘のとおり課題もありまして、長期計画と収益が乖離しているという状況があります。中期計画では、収益面で目標を達成しておりますが、長期計画と比べると、まだ目標に達していませんので、その辺を今後どのようにしていくかが課題であると認識しております。
◆中沢啓子 委員 契約変更はもう100%完了したのでしょうか。まだあと少し残っていたという記憶がありますが、もう完了したのかについて教えてください。
また、契約解除をされているところがかなりあります。今はもう基準が変わっているのかもしれませんが、搬出道路から500メートルより奥の山林は契約解除をしていたかと思います。
先ほどの御説明では、様々な災害に対する
公益的機能について触れられていましたが、放置林みたいな形になっていくと、その後様々なことが起こるのではないかと危惧しています。その辺は造林公社として何らか関わっていかれるということなのでしょうか。
◎樽谷
森林政策課長 契約更改の状況についてです。令和4年度末での分収割合の変更について、こちらは所有者と造林公社の分収割合を、6対4から9対1にするというものですが、85.8%まで進んでいます。期間延長については、94.9%、そして契約解除については、83.3%というような進捗状況です。これらはいずれも最終的に100%を目指しております。
また、委員御指摘のとおり、一度人口的に造林したところを放置すると災害のおそれがあります。間伐が行き届いていないと混み合ってしまい、下層植生も生えずに、ちょっとした雨でも崩れてしまうというようなおそれもありますので、奥地につきましては、環境林整備事業費などを使いながら間伐を行い、適切な森林整備を行っているというところです。
◆中沢啓子 委員 環境林の整備について、実際はなかなか難しいのだろうと思っています。費用的にも、たしか割合はあんまり高くなかったと思います。
もう10年以上前の段階で、奥地の荒れているところは、造林公社の所有林が多いという話を、現地に入った方が結構おっしゃっていました。今の段階ではなく、既にその段階から、手をつけられないところは手をつけず、生産性のあるところを主として管理されていたということです。当然、お金になるところはやっていただかないといけないので、そういう取組は非常に理解できる話で、国でも何かの予算をつけていただく等できることもあろうかと思います。
もっとも、災害の防止の観点で考えるのであれば、やはりその奥地をどうするのかについて、今後計画時点で少し意識して取り組んでいただけたらと思いますが、いかがでしょうか。
◎樽谷
森林政策課長 特定調停に基づき、県も、造林公社の造成した森林が
公益的機能を発揮するように支援しなければならないとなっておりますので、そういった形で毎年財政支援をしております。
これは伐採して収益を得るという行為ではなくて、きちんと
公益的機能を図るための財政支援ですので、引き続き琵琶湖の水源林として適切にその機能が発揮されるよう森林整備をし、併せて指導もしていきたいと思っております。
◆
小川泰江 委員 中沢委員の関連です。決算特別委員会のときに、財政健全化判断比率の中の将来負担比率が、他府県に比べて滋賀県が結構悪くて、その主たる原因が造林公社の債務約180億円であるという御答弁がありました。こういった滋賀県全体の財政にまでかなり影響を及ぼしているという大きな課題を抱えたまま、
公益的機能ということで、滋賀県もこの支援を続けているということですが、はたして先が見通せるのでしょうか。
今回の公社造林
あり方検討会では、そこまで大きなところまでは議論せずに、収益を少しでも増やそうといったことなのでしょうが、特にこの債務の状況がましになっているという言い方は変かもしれませんけれども、何らかのビジョンやめどは持てる状況でしょうか。確認させてください。
◎樽谷
森林政策課長 特定調停に基づき、もともと1,144億円あった債務のうち、下流の団体である兵庫県や大阪府、京都府などに債権放棄していただきまして、債務につきましては188億円になっております。この188億円を、現在県が全額無利子貸付けをしており、造林公社の分
収造林事業の伐採収益により少しずつ償還をしているというところです。償還については、現在188億円のうち、約4億円程度償還をしているところです。今後も償還していかなければなりませんので、まだまだ課題があると思っております。
一方で、今回在り方の検討で見直すのは、造林公社の役割についてです。公社のできること、できないこといろいろあるかと思いますが、この役割については、琵琶湖森林づくり基本計画の中に定められておりませんので、改めて最近の社会情勢の変化も踏まえて、どういった役割が求められているのか、森林審議会において御審議いただいた上で、位置づけをはっきりさせていきたいと考えております。
◆
小川泰江 委員 188億円の債務のうちようやく4億円が償還されたということです。全額償還のめどは立ちにくいと思いますので、もちろん今答えられるわけではないと理解しておりますが、今回の概要説明にしても、例えば造林公社の現状で、計画から大きく乖離しているものの、その次には順調に進んでいるみたいなこともおっしゃいますので、余りに課題をオブラートに包むといいますか、隠すでもないですけれども、そういったスタンスが見えます。私個人の見解ではありますが、この琵琶湖の環境のためにという理由も後づけのように見える気がします。債務の償還について、本当にどこかの段階でこの問題に取り組まないといけないと考えておりますので、これは意見として申し述べさせていただきます。
◆
加藤誠一 委員 年明けに審議会へ諮問をされるということで、これはとても重要な話だと思います。前回の検討テーマと今回の検討テーマを見ますと、やはり時代が変わってきて、造林公社自体が次のステージの話を考えないといけない時期だということが理解できます。
前回、採算性の話もありましたが、そういう取組が一定程度進んできて、伐採が終了した後の造林公社はどうするのかという話だと思います。土地開発公社はもうやめるという話になっていますが、造林公社はまだまだ残債務が多い状況ですし、だから今、森林組合が一本化しようという別の動きがありますし、滋賀県の森林をどう守っていくのかというときに、造林公社がどういう形でやっていくのか、これは非常に重要なところだと思います。
来年1年間かけて森林審議会へ諮問されますけれども、造林公社だけの話ではなくて、ここにあるような公益的な役割の部分について、いろいろな視点から造林公社の位置づけを改めて整理していただく重要な時期だと思います。森林審議会にどんなメンバーが入られるのか分かりませんが、いろいろな人から話を聞いてもらうということで、ぜひとも議論を注視したいと思いますので、来年の常任委員会のメンバーも変わりますが、定期的に常任委員会に御報告をお願いしたいという思いです。要望でよろしくお願いします。
◆中沢啓子 委員 造林公社の在り方の話に関連して、以前お話を伺ったときに、山の中のことを御存じの方は、高齢の方がかなり多くいらっしゃるということでした。たしか40年を超える長期の計画だったと思いますので、それをきちんと受け継いでいけるのかどうか、その辺もしっかりと考えてやっていっていただければと思います。
在り方自体がどうなるかによって、プロパー職員がどうなるかにも影響があると思います。以前、造林公社では、プロパー職員だからということで、いきなりいろいろな方が紹介されて、人がいっぱいになった後、人件費がどんどん上がってしまい破綻していったという経緯がありましたので、その辺りもしっかりと考えていただいて、計画に反映していただけたらと思います。
7 建築物における滋賀県産木材の利用推進の取組状況について
(1)
当局説明 西川
びわ湖材流通推進課長
(2)質疑、意見等
◆中沢啓子 委員 様々なところで木材を使っていただくのは非常にいいことだと思いますし、木質化されていると精神的にも非常にいいとのことです。気になるのは、木材だとシロアリがたくさん上がってくのではないかと思うので、その辺りのこともしっかり対応していただいて、できるだけ長く使っていただくとことが必要かと思います。前に聞いた話では、木材にガラスコーティングをするとシロアリに非常に強くなるようですので、経済的な意味も含めて長く使用していただけるように、その辺りもまたよろしくお願いしたいと思います。
◎西川
びわ湖材流通推進課長 委員御指摘のとおり、シロアリに弱かったり、腐ったり、あるいは燃えやすかったり、そういうデメリットが木材にはありますが、それらを克服するような形で、木材を使わなくてもいいところに無理に木材を使うということで利用促進をしているわけではありません。県産木材の利用を促進していく上でクリアしなければならない課題がありますので、その辺は木造建築セミナーでそういう項目の講座を設けるように要請する等、引き続きしっかり対応をしていきたいと思います。
◆田中誠 委員 資料6の1ページ目の市町利用方針の改定状況について、下線が引いてない市町が3市町ありまして、草津市、高島市、豊郷町ですが、その3市町が未改定で改定見込みもない明確な理由があれば教えていただきたいです。
◎西川
びわ湖材流通推進課長 具体的な木造建築の計画があるという市町については積極的に利用方針を改定していただいていますが、今のところ何も計画がなかったり、長期的に見て建築材として木材はいかがなものかと考えておられたりすれば、利用方針を改定するまでに至っていない状況です。その辺についてはしっかりと市町と情報交換をしながら積極的に木造、木質化を進めていただくよう支援していきたいと思っています。
◆田中誠 委員 何年か先に具体的な建築の計画がなくても、県全体で県産木材の利用を促進していくという機運が大事だと思いますので、各市町においても主体性を持ってやってもらうように促してもらえたらと思います。
◆谷成隆 委員 建築物における県産材利用の課題について、県産材の品質、量の確保が困難であったり、使用木材をすべて県産材で調達することが困難であったり、そういった記載があり、この解決に向けた取組として、県外の製材加工工場等との連携による安定価格での流通、供給に取り組まれるということですが、現況どのような連携を検討されているのか伺います。
◎西川
びわ湖材流通推進課長 県産材を使う事業者をびわ湖材認定事業体として認定していまして、県内では160事業者が登録されています。
県外の大手工場では、21工場を認定しており、実際に県からもそこに出荷して、製品として帰ってくるというところで、県外とも連携させていただいております。
◆谷成隆 委員 やはり木質化を拡大していこうと思えば、流通をきちんと確保していかないといけないでしょうし、これから使っていくCLT製材についても、岡山県や愛媛県といった大規模な製材所を抱える県とつながる接点を設けていかないといけないと思います。滋賀県としてそういう点に力を入れていけるのであれば、できることを考えていくべきですし、木質化やCLT製材に目を向けているのであれば、もっと力を入れていったほうがいいと思います。
◎西川
びわ湖材流通推進課長 委員御指摘のCLT製材については、先日の県外視察で御覧になられた株式会社サイプレス・スナダヤや、岡山県の銘建工業株式会社がびわ湖材認定工場に認定されており、実際に取引しているところです。
県外の認定工場を増やす一方で、県内の製材所とのすみ分けをしっかりしていく必要がありますので、その両輪で進めていきたいと思っております。
◆
加藤誠一 委員 滋賀県県産材の利用の促進に関する条例が昨年度制定され、執行部の皆さんには御苦労いただいていると思います。県産材の利用について、大阪・関西万博のメイン会場に大きな木製のリングができるそうですが、そこに滋賀県産材も使われるのかとふと気になりましたので、使われているか分かれば教えてください。
また、先ほどの
ローム株式会社による再整備について、全部県産材を使用されるか確認させてください。
◎西川
びわ湖材流通推進課長 大阪・関西万博の会場に設置される木製のリングについて、滋賀県産材が使われているかどうかは分かりません。と言いますのも、びわ湖材の証明書がついて流通するのであればどこに滋賀県産材が利用されるのか確認できるのですが、必ずしもびわ湖材の証明が末端ユーザーまで必要かというと、流通段階においてどういう対応されるかによって異なりますので、使われているのか、いないか分からない状況です。また調べさせていただきたいと思います。
それから
ローム株式会社の再整備につきましては、基本的には県産材を使うということで進めたいと思います。
◆
加藤誠一 委員 何が言いたいのかというと、公共施設に使っていただくための手法はいいのですが、今、大阪・関西万博をはじめ、県内の市町も含めて、いろいろなところでいろいろなイベントが開催されていて、そういった先々の利用可能性を見据えて行動しないといけないのではないかということです。要は、滋賀県産材の利用促進をやっていますからぜひ使ってくださいという形でもいいのですが、何年か先にこういう大規模なイベントがあるのであれば、例えば県の施設や市町の庁舎改修等も含めて、そういうところには必ず県産木材を使うという意識を常に持って対応していただかないといけないと思います。また、実際に設計していく中での問題に対して、滋賀県産材を使っていただくためのアドバイザーについて御説明がありましたが、それも必要なことだと思います。
それから、今、谷委員もおっしゃいましたが、建築物における県産材利用の課題解決について、まずは使ってもらうための高い意識を持って設計に入れてもらうということと、実際に県産材そのものについて流通や供給を考える必要があるということです。そこで、県産材製品流通調整員という方がいらっしゃいますが、あまり聞いたことなかったので、どんな方でどういう活動をされているのか聞きたいと思います。
◎西川
びわ湖材流通推進課長 県産材製品流通調整員は4名おりまして、現在、滋賀県森林組合連合会の
木材流通センターで活動していただいております。活動内容としては、木造設計の段階で、どこから木を調達したらいいのかであったり、該当する寸法の木はどこに今在庫があるのかであったり、そういった情報を設計士と共有して、橋渡しする役割を担っております。
◆
加藤誠一 委員 そういう地道な努力も大事ですので、しっかりやっていただきたいと思います。
先ほどの大阪・関西万博の話で、滋賀県ブースがつくられるようです。そこにも積極的に滋賀県産材でいくと思っていますが、そこではしっかりと滋賀県産材が使われるという認識で良いのか聞きます。やはり使ってもらうには、こちらから言っていかないといけないと思います。繰り返しになりますが、そういうイベントがあるときにいかにセールスするかという姿勢も大事ですので、そういったところを工夫していただければと思います。滋賀県ブースに県産材が使用されるのかについて、お答えください。
◎西川
びわ湖材流通推進課長 申し訳ございませんが、滋賀県ブースに県産材が使用されるのかについて、まだ分からないところです。もっとも、委員御指摘のように、待っているだけではなくて、しっかりプロモーションをかけていきたいと思います。
◆
小川泰江 委員 今、加藤委員がおっしゃったように、先日株式会社サイプレス・スナダヤに県外視察に行ったとき、これがあの大阪・関西万博のリングに使われるCLT木材ですと山積みになった木材について説明を受けましたが、リング自体について今物議を醸しているというニュースが流れるたびに、思い出しております。
それに関連して、先日ある公共図書館がオープンした際に、物すごくきれいな木質化された図書館でしたので、これは県産材ですかと聞くと、とても手に入らなかったので使えませんでしたという説明を受けました。建築物における県産材利用の課題にあるように、県産材の品質・量の確保について、まだまだ困難な状況が県内にあるとの認識を新たにしました。またその辺について公共施設に対するサポートも必要なところがあるかと思いますし、そういった現実があるということを指摘させていただくとともに、引き続きしっかりと取り組んでいただきたいと思います。
8 滋賀県環境影響評価条例の一部を改正する条例案要綱に対する意見・情報の募集について
(1)
当局説明 明石環境政策課主席参事
(2)質疑、意見等
◆
加藤誠一 委員 市町が「促進区域」を設定する際の環境配慮基準を、県が策定されるということですが、これはCO2ネットゼロ推進課で検討されているということです。これについて、米原市が先に区域指定しましたが、今度県で条例改正をした場合、そこを含めて対象となりますか。
◎明石 環境政策課主席参事 委員御指摘のとおり、米原市は先行して指定されていると聞いておりまして、この後、県が基準をつくれば、その基準との整合性を取るように米原市において改めて調整されると聞いております。したがいまして、米原市も同じようにこの適用を受けると考えております。
9 下水汚泥の有効活用状況および今後の取組予定について
(1)
当局説明 久岡下水道課長
(2)質疑、意見等
◆
加藤誠一 委員 下水汚泥の再生リンの有効活用については、以前から聞いておりまして、他府県でも取組例もいっぱいありますが、滋賀県は琵琶湖を抱えていますし、農地についても他府県にはない問題がありますので、そう簡単にはいかないという気がしています。いずれにしても有効活用するという意味では、いろいろな研究をしていただきたいと思います。
せっかくの機会なので伺いますが、以前、下水熱の利用も活用するような議論がありました。下水熱を利用したそういう研究をやっておられたら、この機会に教えていただければと思います。
◎久岡 下水道課長 下水熱、下水が持つ熱の利用につきましては、県でもいろいろと多分野にわたってPRをして、活用できる施設はないかといった話をしております。
県の施設で言えば、下水処理場の中で、汚泥の乾燥のために下水熱を回収するといった利用をしています。ただ、外部の施設となると、下水管に熱を回収するための装置を設置して、そこから熱を引き上げなければならないという仕組みなので、まず下水管に近い施設に限定されるということと、最初に施設をつくるときに下水熱を利用することを含めて設計をしないと、後づけが非常に難しいということで、利用が困難であると聞いております。今後、施設の改築のタイミングを狙って導入していければと考えています。
市町にもいろいろ話はしておりますが、なかなかそのタイミングが合う施設が今のところないという現状です。技術そのものは確立されたものがありますので、引き続き市町等に対してPRしていきたいと思っております。
◆
加藤誠一 委員 最終的に処理水が外に放水されるときに、水力発電をするといった話はないですか。
◎久岡 下水道課長 おそらく、小水力発電のことをおっしゃっておられるかと思いますが、小水力発電につきましては、ある程度の落差が必要になります。下水処理場は最下流で、一番琵琶湖に近いところにありまして、そこから琵琶湖の中に放流をしておりますので、その落差が非常に小さい状況です。過去に一度、小水力発電について、処理場の中でも使えないかという検討をいたしましたが、なかなかコストに見合うほどの発電量が賄えないというような結果が出ております。
またいろいろと状況が変わっておりますので、より高効率な発電システム等が出ているという話も聞きますので、その辺については随時、新しい情報を仕入れて検討していきたいと思っております。
10 滋賀県立自然公園条例の一部を改正する条例案要綱に対する意見・情報の募集について
(1)
当局説明 辻田
自然環境保全課長
(2)質疑、意見等
◆中沢啓子 委員 今の御説明の中で、いろいろな計画を作成して、知事の認定を受けた場合には、計画に記載された事業の実施に必要な条例上の許認可を不要とするとおっしゃいましたが、そうであれば、知事の認定を受ける時点で、他の条例上の様々な必要な許可との関係に照らして、適合しているということを確認された上で、認定されるということでしょうか。もしも何か不具合があれば、その時点で知事の認定が出なくなり、認定を受けるに際してここを直してくださいといった助言が出来るというような、そんな考え方でいいのでしょうか。
◎辻田
自然環境保全課長 委員御指摘のとおりでして、計画を審査する段階で、その中に盛り込まれている個々の事業について妥当性を確認いたします。そこで認め難いような内容がある場合は、不許可という形ではなくて、計画の中での書きぶりや内容を変更することについて指導するといった形になろうかと思います。
また、この計画策定後に変更することも可能ですので、新たな取組、あるいは内容的にその最初の段階では認め難かったものを再度精査した上で、後の段階で認定するということも可能です。
11 (仮称)生物多様性しが戦略2024の原案に対する意見・情報の募集について
(1)
当局説明 辻田
自然環境保全課長
(2)質疑、意見等
◆
小川泰江 委員 前回の常任委員会にて、意見として申し上げました三方よしについて、地球規模まで話を展開していただいてありがとうございます。
その上で一つ分からなかったのが、その上に記載されている、滋賀ならではの「再考」をしていくための土台という箇所で、「再考」の部分について、これも唐突に出てくるので、どういう意味なのか、あえてここに唐突に入れた意図がありましたら伺いたいと思います。
◎辻田
自然環境保全課長 「再考」という字について、漢字は違いますが、国内外の動向のところの、ネイチャーポジティブの括弧書きで「自然再興」と書いてあり、こことの同音異義語でかけているものです。ここで国がネイチャーポジティブの和訳で「自然再興」を用いている背景には、今後の自然と人との在り方をみんなで考えていこうという意味がありますので、自然再興には「再考」というのも込められています。そうしたことも踏まえまして、左側の策定趣旨でも、滋賀ならではの「再考」をみんなでしていくという思いを込めて記載しているものです。
◆
小川泰江 委員 右側に漢字の違う「再興」もあったので、何か引っかけているのかと思っていましたが、これだけ唐突に見ると、そこまで読み取れないかと思いますので、また本文でも反映されていくことを期待したいと思います。
12 滋賀県ニホンザル第二種特定鳥獣管理計画(第5次)の原案に対する意見・情報の募集について
(1)
当局説明 清水自然環境保全課鳥獣対策室長
(2)質疑、意見等
◆中沢啓子 委員 最後に説明されたハナレザル対策ですが、被害が確認されれば捕獲等を行うという一文を書き加えていただいて非常にいいと思いますが、これはどこが主体となって捕獲をしていただけるのでしょうか。
◎清水 自然環境保全課鳥獣対策室長 有害捕獲の実施主体は、ますは市町となっております。そのときに捕獲手法等についての相談を県が受けた場合は、一緒に相談に乗りながら実施体制を考えていきたいと考えております。
13 一般所管事項について
(1)質疑、意見等
○駒井千代 副委員長 今年度のオオバナミズキンバイの除去に関して、淀川方式を高島市新旭のほうで実施されましたが、その後のモニタリング経過について、その状況が分かれば教えてください。
◎辻田
自然環境保全課長 淀川方式でのオオバナミズキンバイの駆除について、幾つかの箇所でやっておりますが、御質問の高島市新旭浜で行った結果としては、もともと5,000平方メートルを超える群落があったところ、今年9月に国際ボランティア学生協会の支援を得まして駆除活動を行い、その後、二、三週間ごとに現場を確認して、再生群が発生していればそれをまた駆除するという作業を繰り返し行いまして、5,000平方メートルあった群落のほとんどが今消失しかかっているという状態です。
○駒井千代 副委員長 そうしますと、今回の淀川方式で、抑えるという目的が達成されたと理解してよいか確認させてください。
◎辻田
自然環境保全課長 そのとおりです。ただ、最後まで油断せずに見ていきたいと思っております。
◆
加藤誠一 委員 昨日の農政水産部所管事項調査のときにも水産課に対して聞きましたが、今、琵琶湖の水位がかなり低下しており、もちろん水そのものについて節水等の話がいろいろ出てきますので、影響調査をされています。それはそれとして取り組んでいただければいいのですが、それに加えて、この機会なので、何か積極的にできることはないのでしょうか。例えば昨日聞いた水産課では、漁港の清掃をする等、水が引いているからこそできる部分をやってもらっているようです。
琵琶湖環境部においては、管理という意味で、水が少なくなっているからこそ、この機会にできそうなことがたくさんあるような気がします。琵琶湖に流入している河川管理は土木交通部でやりますが、そうでない部分で、ふだん管理するのに琵琶湖に水があるから行けないところまで今なら行けます。例えば、木の伐採など、景観面や環境面を含めて、今の機会にやろうというようなお考えはありますでしょうか。ぜひともいろいろな場所を見て回ってもらい、この機会にできるところがないかを探してでもやってほしいと思いますが、いかがでしょうか。
◎中嶋 琵琶湖保全再生課長 琵琶湖の水位の低下に伴って、水質や水草等どういった悪影響が出ているのか、モニタリング調査をさせていただいています。一方で、委員御指摘のとおり、この際何かできることがないかという視点に立って、今までできなかったことをやるという点について、ごみの清掃についてはやっておられるかと思いますが、御提案いただいたような木の伐採や景観上何かするというようなことは、現時点では特に具体的な検討をしていない状況です。
◆
加藤誠一 委員 そういうモニタリングはそれでいいのですが、やはり水が減っているのは今しかないです。できることはいろいろあります。琵琶湖沿岸は管理者が誰なのか非常に難しく、例えば河川管理者や水資源機構、
公園管理者などたくさんあります。そういうところを考えると、琵琶湖を総括的に管理している琵琶湖環境部が音頭を取って、この機会にできることをやろうという話を切り出してしかるべきだと思います。ふだんは水を抜いてまでもできませんので、この機会にやれることがあるかと思います。
文化財でいえば、今、坂本城で湖底遺跡の調査をされています。その感覚をやはり持たないといけません。今はマイナス77センチメートルで、今後どうなるか分かりませんし、この冬の時期だからということもありますけれども、一度そういうことを考えてもらうことができませんでしょうか。
◎森本 琵琶湖環境部長 私も今回、湖岸の清掃に参加しまして、できるだけ奥に入っていってやらせていただきましたが、委員から頂いた御意見について、今このタイミングでしかできないことを、琵琶湖環境部として、特に土木交通部と連携した上で、できることはしっかりやっていきたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。
◆
加藤誠一 委員 今、滋賀県水位低下連絡調整会議がありますので、そういう提案をぜひとも琵琶湖環境部からやってほしいと思います。例えば農業関係でも、農業用排水路がありまして、樋門を管理しているのは水資源機構、出たところは河川管理者だと思います。そこは富栄養化して、非常に雑草も多いです。ちょうどそこら辺にいろいろな魚が集まってきますが、結局雑草が多いので、何ともなりません。雑草があるから上流からのいろいろなものがそこへ溜まってしまっています。これは琵琶湖の水位が高いと、船を出しても取れず、何もできません。今ならかなり除草できるというところがたくさんあるそうでして、そういう県民の声がいっぱいあります。ぜひともこの機会に、その調整会議で琵琶湖環境部から声を上げていただきますように、よろしくお願いします。
◆中沢啓子 委員 今の水位低下の話ですが、琵琶湖環境部としてこれだけ水位が下がっていることに関して、何か影響があるのか教えてください。
また、川の河口部に盛土がされていて、ほとんど閉鎖しているような形になっている川が結構あるのではないかと思いますが、それは環境に影響がないのかについても教えてください。
併せて、水位低下の影響で、夕日のきれいな湖北のみずどりステーションの前のところですが、島に歩いていけるようになったところがあって、皆さん歩いてそこに行かれているというニュースを見ました。あの島自体は、今まで人が歩くようなところではなかったところで、そのように多くの方が島を歩かれるのは、環境に対して何か影響があるのでしょうか。もし分かれば教えていただきたいと思います。
それから、水位低下の話ではありませんが、ミシシッピアカミミガメの処分の件に関して、以前の常任委員会で要望をお伝えしていました。多過ぎて処分ができなくなるのでやっていませんといった話だったかと思いますが、今後何らかの検討会や協議会において対策を検討し、行政が処分すべきだと思います。
実際に、地元の方の話では、自分の仕事に影響があったので捕まえたけれども、処理方法が分からなかったので行政に電話すると、それを自分で処分できないのであれば、元のところに放してくださいと言われ、非常に困られたそうです。その方の場合は、処分できる方にすぐにアクセスできたので処分できたようですが、そういうことを個人でするのはなかなか大変だと思うので、そこはやはり行政がしっかりと処分できるようにすることが大事だと思います。そのあたりをどうお考えか教えてください。
◎三和 琵琶湖環境部理事 水位が低下することによる環境への影響についてですが、琵琶湖は400万年の歴史がありますので、こうした渇水や洪水を繰り返しながら環境とともに変化してきました。今回も大きく言えばその範囲内であるということで、一時的に、例えば生物への影響等が見られることがあるとは思いますが、水位が回復していく中でまた生物への影響も回復していくものであろうというのがまず基本的にあります。ただ、どういう影響が出てくるかについては、水質のモニタリングを含めて調査をして、しっかりとキャッチをしていく必要があります。
水質について、一般的に誤解がありますが、前回のマイナス123センチメートルのときもそうでしたけれども、流入負荷となる川からの汚れが入ってこないということもあり、琵琶湖のような大きな湖では、水質はよくなる傾向にあります。例えば、水位が下がった南湖では、風が吹くと巻き上げで一時的に濁るというようなこともありますけれども、水質そのものは若干よくなっている傾向も見られる地点があります。
それから、陸と地続きになった奥の洲について、昨今、新聞あるいはマスコミに取り上げられた結果、非常に多くの人が島に入っておられます。これには非常に懸念をしていますが、担当職員が実際に現地を見に行った結果、踏み荒らされている部分を確認しております。ただ、それが実際にどう影響するのかについては、まだ明確な影響があるわけではないと思います。
ただ一方で、そもそも人間が入るような場所ではないということについて、これは一人一人がしっかりと自覚した上で、節度を持っていただきたいと思います。個人的なことも含めて、勝手に他人の土地に入っていくのではなくて、しっかり護岸から見る等、自制を求めたいと思います。
◎辻田
自然環境保全課長 ミシシッピアカミミガメについての御質問についてお答えいたします。以前も御質問いただきましたが、その際、問題となっていましたミシシッピアカミミミガメの処分方法について、苦痛を余り与えないように凍死をさせることが推奨されていますけれども、そうした施設がなくてお困りだったというお話でした。
その後の検討状況ですが、行政において捕獲個体の引き取りするような検討をしていきたいと考えています。
◆中沢啓子 委員 河川の一番河口部が閉鎖されるというのは、別にそんなに影響はないのですか。
◎三和 琵琶湖環境部理事 現時点でそれで何か大きな影響が出ているという認識は持っておりませんが、中長期的にどうかというと、まだ分からない部分があります。
14 委員長報告について
委員長に一任された。
閉会宣告 12時22分
県政記者傍聴:なし
一般傍聴 :なし...