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  1. 愛知県議会 2021-02-01
    令和3年2月定例会(第2号) 本文


    取得元: 愛知県議会公式サイト
    最終取得日: 2023-06-18
    愛知県議会 会議録の閲覧と検索 検索結果一覧に戻る 検索をやり直す ヘルプ (新しいウィンドウで開きます) 令和3年2月定例会(第2号) 本文 2021-03-02 文書発言の移動 文書 前へ 次へ 発言 前へ 次へ ヒット発言 前へ 次へ 文字サイズ・別画面表示ツール 文字サイズ 大きく 標準 小さく ツール 印刷用ページ(新しいウィンドウで開きます) 別窓表示(新しいウィンドウで開きます) ダウンロード 表ズレ修正 表示形式切り替え 発言単文選択全文表示を切り替え 単文表示 選択表示 全文表示 発言者表示切り替え 全 23 発言 / ヒット 0 発言 すべての発言ヒット発言表示切り替え すべての発言 ヒット発言 選択表示を実行・チェックの一括変更 選択表示 すべて選択 すべて解除 発言者一覧 選択 1 :  ◯議長神戸洋美君) 選択 2 :  ◯議長神戸洋美君) 選択 3 :  ◯議長神戸洋美君) 選択 4 :  ◯知事大村秀章君) 選択 5 :  ◯議長神戸洋美君) 選択 6 :  ◯九十八番(原よしのぶ君) 選択 7 :  ◯知事大村秀章君) 選択 8 :  ◯教育長長谷川洋君) 選択 9 :  ◯四十番(田中泰彦君) 選択 10 :  ◯議長神戸洋美君) 選択 11 :  ◯議長神戸洋美君) 選択 12 :  ◯議長神戸洋美君) 選択 13 :  ◯七十七番(谷口知美君) 選択 14 :  ◯知事大村秀章君) 選択 15 :  ◯警察本部長後藤和宏君) 選択 16 :  ◯教育長長谷川洋君) 選択 17 :  ◯議長神戸洋美君) 選択 18 :  ◯五十二番(市川英男君) 選択 19 :  ◯知事大村秀章君) 選択 20 :  ◯教育長長谷川洋君) 選択 21 :  ◯四十一番(丹羽洋章君) 選択 22 :  ◯議長神戸洋美君) 選択 23 :  ◯議長神戸洋美君) ↑ 発言者の先頭へ 本文 ↓最初のヒットへ (全 0 ヒット) 1:     午前十時二十分開議 ◯議長神戸洋美君) ただいまから会議を開きます。  直ちに議事日程に従い会議を進めます。      ━━━━━━━━━━━━━━━━━   日程第一 諸般の報告 2: ◯議長神戸洋美君) この際、諸般の報告をいたします。  三月一日、知事から追加提出されました議案は、各位のお手元に送付いたしました。  以上、御報告いたします。      ━━━━━━━━━━━━━━━━━   日程第二 第九十八号議案令和二年度愛知県一般会計補       正予算(提案理由の説明) 3: ◯議長神戸洋美君) 次に、第九十八号議案令和二年度愛知県一般会計補正予算を議題といたします。  直ちに知事の提案理由の説明を求めます。  大村知事。     〔知事大村秀章君登壇〕 4: ◯知事大村秀章君) 皆さん、おはようございます。  それでは、説明をいたします。  このたびの二月定例県議会におきまして御審議をいただきます議案につきましては、去る二月十九日に提案をいたしました。さらに昨日、追加提出いたしました二〇二〇年度一般会計補正予算案の御説明を申し上げますが、それに先立ちまして、まず、新型コロナウイルス感染症への対応について申し上げます。  本県では、一月十三日の緊急事態宣言発出を受け、緊急事態措置を定め、県民、事業者の皆様に不要不急の行動の自粛、飲食店等の営業時間の短縮、テレワークの徹底、イベントの開催制限等をお願いし、オール愛知で感染防止対策に取り組んでまいりました。  この結果、一月七日に過去最多四百三十一人を記録した新規陽性者数は減少に転じ、七日間平均値で、一月二十一日にステージの四、二月二日にステージの三、二月二十三日にはステージの二を下回り、今、新規陽性者はステージの一ということで、着実に減少を続けております。
     また、入院患者数も、七日間平均値で、二月十日にステージの四からステージ三に移行し、二月二十五日には三か月ぶりに三百五十人を下回るなど、減少傾向が続いております。  このような状況を踏まえ、二月二十三日に国に対し緊急事態宣言の解除を要請し、愛知県、岐阜県をはじめ六府県について、二月二十八日をもって解除されたところであります。  医療機関の皆様には昼夜を問わず献身的に対応をいただくとともに、県民、事業者の皆様には、外出自粛や時間短縮要請等に御協力をいただき、全ての皆様に心から感謝を申し上げます。  しかしながら、現在も、県内全域で新規陽性者や高齢者施設、医療機関でのクラスターの発生は終息に至っておらず、医療の現場には依然として高い負荷がかかっており、今後、春休みや年度末に向け人の移動が活発になる季節を迎えるため、確実に感染の再拡大を防止することが強く求められております。  また、関係機関と協力し、感染症克服に大きな期待が寄せられているワクチン接種体制の構築に全力を挙げております。今後、迅速に接種を進めていくためにも、医療機関の負荷をさらに減少させていくことが不可欠となっております。  このため、感染の再拡大を確実に防止し、第三波を終息させるため、緊急事態宣言の解除後も愛知県独自の厳重警戒宣言とそれに基づく措置を三月十四日まで、これは継続、延長というふうに申し上げたほうがよろしいかと思います、そして、必要な対策を継続することといたしております。  県民、事業者の皆様、医療関係者、市町村等関係機関、オール愛知一丸となって、心を一つにワン愛知でこの大きな波を克服し、一日も早く日常を取り戻していくため、再度、御協力をお願いいたします。  それでは、補正予算案の内容について御説明申し上げます。  県の営業時間短縮要請に応じていただける事業者に対して交付する愛知県感染防止対策協力金につきまして、今般の緊急事態宣言の解除及び厳重警戒措置の実施に伴い、対象期間及び支給額について見直しを行い、三月一日から十四日までの期間については一店舗につき一日当たり四万円として実施することとし、その所要額として五十六億円を増額するものであります。  なお、この予算案につきましては、協力金の申請受付を、営業時間短縮要請の終期である三月十四日の翌日、十五日から開始する予定でありますことから、よろしく御審議の上、早期の御議決を賜りたくお願いを申し上げます。        ─────────────     〔議案は別冊付録に掲載〕      ━━━━━━━━━━━━━━━━━ 日程第三 一般質問 5: ◯議長神戸洋美君) これより一般質問を行います。  通告により質問を許可いたします。  原よしのぶ議員。     〔九十八番原よしのぶ君登壇〕(拍手) 6: ◯九十八番(原よしのぶ君) 皆さん、おはようございます。早速でありますが、自由民主党愛知県議員団を代表いたしまして、順次質問をしてまいります。  代表質問に当たり、質問内容の組立てに相当悩みました。結果、コロナと命にフォーカスした質問をさせていただくことにしました。コロナの影響はあまりにも大きく、コロナの不安はこれからも続くからです。  つい先日、緊急事態宣言が解除されました。コロナは終息に向かうのか、それとも第四波が来るのか。専門家の多くは、どれだけ遅らせることができるかであって、第四波は来るとの見方です。コロナワクチンの効果が実感できるのは年明けとも言われます。それもワクチン接種が予定どおりに進むことが大前提です。だからこそ、命と生活、経済を守るために、コロナに向き合い、県民皆さんの不安に寄り添うべきだと思いました。県民皆さんへ、これからのコロナ対応とメッセージを伝えるべきと考えました。そこから皆さんが抱くコロナへの不安を安全・安心につなげ、コロナの先にあるすばらしい愛知の未来と希望を描いていきたいと思いました。私の思いが、知事はじめ理事者皆さんに響き、県民皆さんに安全・安心の形となって届くことを願いながら、コロナ禍での新しい価値観を皆さんで考えていきたいと思っています。  順次質問をしてまいります。  質問の第一は、新型コロナウイルス感染症対策における医療、教育等への取組についてであります。  初めに、新型コロナウイルス感染症医療提供体制の確保についてお尋ねします。  一月二十九日、犬山の冬の夜空に花火が上がりました。緊急事態宣言下のことでした。この二日前に、医師会からこの地域の医療機関にファクスが流れてきました。内容は、名古屋経済大学の学生さんより医療従事者へ感謝の気持ちを込めてサプライズ企画で打ち上げ花火を行います。三密を避けるためにシークレットでお願いしますというもの。そう、この花火は、医療従事者の皆さんへシークレット、感謝の花火だったのです。医療従事者の皆さんは、夜空に輝く大輪の花火を眺め、日々の緊張からの解放と、学生さんが寄り添ってくれる思いに感動しながら涙されました。コロナに関わっている医療機関の皆さんは、それほど疲弊をしているのです。  振り返れば、長きにわたる緊急事態宣言は、医療現場の逼迫と医療従事者の疲弊で医療が崩壊しかねないとの懸念からの再発出でした。本県はこれまでも適時適切に医療体制を確保してきましたが、課題に向き合い、さらなる対応を考えていかなければなりません。  そもそもどうして病床が限界に近づいてしまったのか、本県の状況に目を向けてみます。十万人当たりの病床数や医師、看護師数は全国平均を下回ります。専用病床だけでは受入れができず、一般病院にも頼らなければならなくなりました。でも、多くの病院が民間の中小病院であることから、一般患者と陽性者を分けることが困難であること、コロナ対応には専門知識が求められ、感染リスクに不安があり、受入れに慎重になる病院が多かったことなどが医療現場の逼迫につながりました。  また、中等症や重症患者の入院調整と、コロナ後も療養が必要な高齢者らの転院先確保も課題でありました。陽性者の受入れについては、今以上に医師や病院同士の連携を深めることで、症状や各病院の設備に応じて分担と効率化を図っていかなければなりません。  さらに、コロナ以外の救急搬送も深刻です。コロナ病床の逼迫で病院の搬送に時間がかかる事例が増えたからであります。  ここで、本県の救急搬送件数と搬送困難事案を示します。二〇二〇年はどの月も搬送件数は少ないのに、一月と七月以外は搬送困難件数が大きく増加しているのです。必要なときに適切な医療が受けられないことにつながることもありました。救急医療とコロナ医療の両病床を確保し、両立させることが必要です。  そこでお尋ねをします。  新型コロナウイルス感染症に対する十分な医療提供体制の確保について、今後どのように取り組んでいかれるのか、知事の御所見をお伺いします。  続いて、高齢者施設における感染拡大防止対策についてお伺いをします。  医療従事者同様に、高齢者施設で働く皆さんも、緊張と多忙、不安の中、現場で奮闘をされています。クラスターは高齢者施設で多く発生することが分かっているからです。もしクラスターが発生したらどうなるのか、施設で働く看護師さんの話を紹介します。  クラスターが発生したときは、どうしていいのか分からずパニックになるばかりでした。感染者は救急搬送をしなければなりません。一度に何人もの陽性者が確認されたときは壮絶でした。看護師としての通常業務は手が付けられません。他の利用者の体調変化も気にしなければなりません。施設外にも感染が広がらないか不安で、自分の子供は実家に預けつつも、コロナでいじめに遭わないか不安でした。コロナから解放された後も、一日二回の全館消毒を続けるなど、やらなければならないことばかりです。ただ、クラスターを乗り越えられたのは様々な応援があったから。連携の大切さを知りましたとのことでした。  そのクラスター発生で、病床がどのような状況になるかを確認してみます。高齢者は重症化リスクが高いとなれば、高齢者施設でクラスターが発生をすれば、多くの方がコロナ病床での入院が必要となります。また、持病に合わせた治療にも対応しなければなりません。しかも入院は長期化します。これも病床が逼迫する一因でした。  高齢者施設でのコロナを阻止したい。でも、施設には専門家はいません。だから、専門家が入るシステムが必要で、施設と専門家の連携も求められます。また、施設における感染防止の観点から、職員さんを対象とした検査も重要と考えます。  そこでお尋ねをします。  高齢者施設における感染拡大防止のための専門家による支援や職員さんに対する定期検査について、知事の御所見をお伺いします。  次に、新型コロナウイルスワクチンの接種体制の確保と県民の皆さんへの情報提供について、二点お伺いをいたします。  二月十八日、愛知県にコロナワクチンが到着をし、十九日から先行して医療従事者への接種が始まりました。そこから今月には民間病院の医療従事者、四月以降は高齢者や基礎疾患のある方へと接種が進みます。ワクチンで人と生活、経済の命が守られることを願い、期待するばかりです。  一方で、接種が円滑に進むかは不安もくすぶります。ワクチンが計画どおりに入手できるか不透明な上、注射器など機材の調達に間に合わない懸念があるからです。そして、ワクチンの供給は世界で逼迫し、争奪戦が激しいのが現状です。  もしワクチン供給が計画どおりに進まなかったら、調達の全体像が分からないから準備が進みません。会場の変更も考えなければなりません。医師や看護師のスケジュール確保が難しくなります。高齢者のワクチン接種は十二週間ですが、接種主体の市町村の混乱は長期にわたるおそれもあります。このように市町村は、制度と財務、実務で多くの課題を抱えています。  そこで、我が党は、県内全五十四市町村から要望と課題を国に提言するために聞き取り調査を行いました。二月十七日に要望として政府へ提出、さらに、二月十九日には、直接、河野太郎ワクチン担当大臣へ手渡し、実現を申し入れたところであります。  本県においては、国と県、市町村、医療機関などの団体が連携を密にして、接種体制を整える役割を担っています。  そこでお尋ねをします。  県民の皆さんが安心できるワクチン接種体制の確保に向けて、現在の準備状況がどうなっているのか、また、どんな課題を想定しているのか、さらに、県として今後どのように取り組んでいくのか、知事の御所見をお伺いします。  ここまではワクチン接種を望む皆さんへの対応ですが、接種には安堵と不安が背中合わせです。  よって、ここからは、ワクチン接種の効果と副反応、安全性に不安を抱いている皆さんの立場でお聞きをしていきます。  ワクチン接種については、百の国立病院などの医療従事者から先行接種が始まりました。当初示されたその数は一万人から二万人です。その数字の間にある「から」の言葉が引っかかり、確認すると、接種を希望するかしないかの差が一万人もあり得るとのことでありました。さらに気になり、県内の四つの先行接種病院で、医療従事者がどれだけ接種希望をしたのかを確認してみました。その段階では、ほとんど接種希望、六割、二割、一割と、病院により様々でした。医療従事者でも不安なのです。となれば、県民であればなおさらです。  また、予防接種法の附帯決議には、適切に対応すべき十四項の措置が示されています。そこには、接種は強制ではなく、個人が判断をすること、分かりやすい情報提供と周知が求められていること、さらに、接種をしなくとも差別があってはならないことなどが定められています。厚労省でも、医療従事者への先行接種で痛みや発熱などの副反応の有無を調査し、週一回公表するとしています。繰り返しますが、接種を希望するかしないかは個人の判断ですが、大切なことは、接種に当たっての情報提供と情報共有ができていることが判断の大前提になることです。  そこでお尋ねをいたします。  県民の皆さんが新型コロナウイルスワクチンの接種を行うか否かの判断を行うに当たっては、その有益性とリスクを正確に理解することが重要と考えますが、そのために県としてどのように取り組んでいかれるのか、知事の御所見をお伺いします。  次に、公立学校におけるこれからの新型コロナウイルス感染対策と部活への応援についてお聞きをしていきます。  まさに一年前の今日、三月二日から県内の小中学校、高校、特別支援学校の一斉休校が始まりました。友達との学びと遊びの時間が止まってしまいました。休校で誰もいない学校はすごく寂しそうでした。子供たちのいない学校は無表情で温もりも感じません。学校は子供たちの笑顔や声、つぶやき、時には涙など様々を吸収して生き生きしているのだと気づかされました。  五月下旬からは学校が再開されましたが、子供たちの学校生活は変わってしまいました。卒業式や入学式、学校行事は簡素化や中止、延期が相次ぎました。夏休みも短かった。子供たちは一生懸命に手洗いとうがいを実践し、暑い夏でもマスクを外すことなく、汗だくになりながらの登下校でありました。どれもこれまでに経験がないことばかりです。  改めて公立学校の感染状況を調べてみましたが、学校現場からの感染はほとんどありません。これは、子供たちと先生方の頑張りと努力があってのことだと思っています。  でも、子供たちのほとんどはワクチン接種の対象外です。これからもコロナと向き合わなければなりません。子供たちと保護者皆さんの不安は続きます。  また、気になる数字が示されました。子供の自殺数がこれまでになく増えている報告です。二〇二〇年の全国の小中高生の自殺総数は四百七十九人で、中でも高校生が三百二十九人と、いずれも過去最多となっています。子供たちにとっても、コロナによる社会情勢の変化が自殺の増加に影響を与えている可能性が十分に考えられます。そこには、リモートなどで学校に行けないことからの孤独感や、部活の大会が中止決定されるなど、学校生活でのやりきれない思いを抱くことがきっかけになっていることも指摘されています。  振り返ってみれば、コロナの影響で様々な大会が中止決定され、最後の機会を奪われた子供たち、元気をもらっていた地域、家族の心は大きく揺れました。子供たちが仲間と成し遂げるこの一年はもう戻ることはありません。独自大会や代替大会などで規模を縮小して開催されたものの、子供たちからやりきれない思いが消えることはなかったのです。子供たちは、コロナの終息を願いながら、不自由や不便、我慢を重ねてきました。その思いと声を我々大人は受け止めなければなりません。子供たちの声が聞こえなくなったら、その国は滅びます。  そこでお聞きをします。  子供たちがこれからもコロナに向き合っていかなければならない中で、子供たちや保護者の皆さんが安心して新学期を迎えるために、新型コロナウイルス感染症対策をどのように進めていくのか、さらに、部活を頑張る子供たちへどうサポートや応援をしていかれるのか、教育長の御所見をお伺いいたします。  次に、コロナ禍における東京二〇二〇オリンピック聖火リレーの開催に向けた取組についてお伺いをします。  二〇一七年、犬山祭のからくり人形が主役のからくり町巡りが、オリパラのプレイベントとして国の日本の魅力を発信するプロジェクトに選ばれました。応募総数は百八十事業で、選定数は僅か二十事業、中部地方では犬山だけが選ばれました。  なぜ採択されたのか。オリパラの精神にのっとり、オリパラを盛り上げるために、インバウンドの方には英語案内で、聴覚障害者の方には手話でからくり文化を案内することでバリアを感じないイベントを展開していくことが評価されたからです。そして、多くの皆さんがからくり文化に触れ、楽しんでいただきました。  その後、犬山市が聖火リレーの愛知県ルート十五市の一つになりました。犬山では、聖火リレーを犬山祭で歓迎する予定になっています。だから、私には、聖火リレーとオリパラに寄せる思いがあります。  しかし、コロナでオリパラが一年延期となり、それどころではないという現実と、聖火をつなぎたいという思いで揺れています。オリンピック組織委員会から、聖火リレーの実施に向けたガイドラインが示されましたが、まだ実施内容は明確になっていません。  ここで、どうしてオリンピックを招致したのか、原点に立ち返ります。招致には、十年の節目を迎える東日本大震災からの復興という思いがあったはずです。では、聖火リレーやオリパラは何のために行うのか。誰もが社会で楽しく平和に暮らすために、文化や芸術、音楽などのいろいろな手段があって、スポーツもその手段の一つです。だから、アスリートファーストだけの考えではなく、社会ファーストがオリパラの精神にあるはずです。震災からの復興も、からくり町巡りも皆さんの幸せのためであり、社会ファーストにのっとったものです。だから、皆さんの思いと力を一つにして、本県で四月五日、六日に行われる聖火リレーを成功させることが、コロナ禍の希望と光明につながると思っています。  そして、このオリンピックに向けた機運の高まりを、全てのスポーツに親しまれる皆さん、そして、二〇二六年に本県で開催されるアジア競技大会に紡いでいくためにも、感染防止対策を徹底しながら、安全・安心に聖火リレーを実施されることが望まれると思います。  そこでお伺いします。  東京二〇二〇オリンピック聖火リレーの愛知県での開催に向けた考え方と、どのように準備を進めていかれるのか、知事の御所見をお伺いします。  質問の第二は、新型コロナウイルス感染症対策における産業への取組についてであります。  まず、コロナ禍における県内中小零細企業への支援についてお伺いをします。  二〇二〇年の本県の倒産件数は五百四十二件と、前年を下回り、低い水準にとどまりました。本県の見解は、コロナで県の無利子融資の実績は一兆円を上回り、国や県が講じたコロナ対策が効果を発揮しているとのことです。なるほどと思いつつも、どこか違和感を感じます。  そこで、改めて整理をしてみました。  確かに、全国の倒産件数は過去五十年間で四番目の低さです。一方で、休廃業、解散した企業は約五万件と、前年比約一五%増で対照的な結果です。民間企業の金融資産と負債状況を確認すれば、借入れによる資金調達は前年比プラス一〇%で、資金繰り支援が短期的な破綻回避に寄与していました。しかし、休廃業、解散した企業にとっては、中長期的な事業の持続可能性の改善には直結しておらず、先行きを見通せず、休廃業の回避ができなかったのです。また、休廃業した企業の約四二%で代表者の年齢が七十歳代と、事業承継も進まなかったことが分かりました。  さらに、金融資産に占める現金、預金の割合を見てみると、前年比一四・三%と現金と預金が増えています。資金調達が増え、なぜか流動資金を確保する動きも顕著になっているのです。  この現状を、愛知県新型コロナウイルス感染症対応資金、三年間無利子無担保融資の制度に当てはめてみます。コロナで影響を受けた事業者が融資を求めます。初めはすぐ貸してくれます。一月には融資限度額が増えました。そこで、緊急事態宣言の長期化で、経営難ゆえに再融資を求めます。しかし、お客さんが来ない現実に銀行はお金を貸してくれません。再融資の際には返済計画も求められます。  では、どこが順調な資金調達をしているのか。コロナの影響を受けていない企業です。銀行は安心できる企業にお金を貸したい。その企業も、コロナ禍の万が一に備えて、預金や現金があれば安心ができる。加えて、ゼロゼロ融資であり、三年で返せば何のリスクもないので、融資限度額まで借りることになります。しかし、そのお金は設備投資などにはつながらず、お金は手元に置き、三年以内に返して終わるだけとなるのです。また、休廃業や解散する企業は、借金を重ねるよりも、傷口を広げないうちにお店を閉める選択をした結果も多く見られます。これが、私の本県の融資制度に対する分析です。  もちろん公的支援により倒産が抑制できているという大切な側面があります。一方で、コロナ禍の長期化で中小零細企業の経営体力は弱りつつあるのです。我慢から限界を迎えると、苦渋の決断に迫られることになります。既に多くの経営者が倒産や休廃業の瀬戸際まで追い込まれていると見られる中、資金的な支援とともに、事業の見直しや業態の転換を図る新たな一歩を踏み出す支援が必要だと思います。  そこでお尋ねをいたします。  コロナ禍で厳しい経営状況に陥っている県内中小零細企業を、県として今後どのように支援していくのか、知事の御所見をお伺いします。  次に、コロナ禍における雇用対策についてお伺いします。  報告によれば、コロナ感染拡大により一部に厳しい状況があるものの、持ち直しているとの判断がなされています。  しかし、こうした回復は雇用にはつながらず、実感もありません。本県の有効求人倍率は、本年一月が一・〇三倍と、五か月連続で全国平均を下回っています。正社員の有効求人倍率に至っては、昨年五月以降、九か月連続で一倍を下回りました。厳しい状況が続いています。  また、正規雇用に比べて非正規雇用の大きな減少が気になります。本来、雇用吸収力が高いとされる飲食業や観光業などの企業で人手不足感が弱まっており、非正規雇用の多い女性にしわ寄せがいっていると考えられます。その女性については、経済的な困窮や外出自粛によるストレスが影響しての自殺が目立ちます。特に本県の特徴として、全国に比べて二十歳未満、二十歳代、三十歳代の女性の自殺増加率が高く、コロナが無関係とは言い切れない状況にあります。  もう一つ心配材料を示しておきます。雇用の悪化は、大学生などの新規学卒者の就職にも深刻な影響を与えています。県が発表している大学生等の就職内定率は、本年一月末現在で八六%と、売手市場であった近年を大きく下回ります。もし、このままの状態が続いた場合、バブル経済の崩壊やリーマンショック時と同様に、多くの学生が未就職のまま卒業することとなります。となれば、第二の就職氷河期世代が生まれることも危惧しなければなりません。  コロナ禍で社会経済活動の低迷が長期化する懸念がある中で、従業員の生活を守るために懸命に努力している企業や、新たに新規雇用を考えている企業を、今こそ県が支えていかなければなりません。加えて、国などの関係機関と連携しながら、雇用対策のさらなる充実を図る必要があります。  そこでお尋ねをします。  本県として、コロナ禍における雇用対策について、今後どのように取り組んでいかれるのか、知事の御所見をお伺いします。  次に、ウイズコロナにおける観光関連産業への対応と、ポストコロナを見据えた観光振興策についてお伺いをします。  つい先日のことでした。私たちの町にある中小旅行業の皆さんから切実な話を伺いました。団体には約二百三十社所属しているが、三月末には十社以上の仲間が退会をし、旅行業を廃止する。このままでは旅行会社というものが立ち行かなくなるとのことです。  本県の延べ宿泊者数は、昨年十一月調査では、十か月連続で前年同月を下回っています。旅行大手も大胆な人員削減を実行するなど切迫状態です。  今、国内旅行の回復ペースは鈍く、一段と厳しい状況が続いています。夏以降、GoToトラベルやLOVEあいちキャンペーンが旅行需要を押し上げましたが、コロナの拡大で一時的な効果にとどまりました。それ以降やってきたのは予約キャンセルの嵐です。さらに、一月以降は緊急事態宣言の発令のため、ホテル、旅館の宿泊の稼働率は過去に類を見ない下げ幅になっています。人の動きと流れが止まっているから、値下げしても部屋は埋まりません。  では、これからどんな旅行の展開が望まれるのかを考えます。日本の観光市場は二十八兆円あります。インバウンド需要はしばらく戻りません。しかし、インバウンドによる市場は約二割しかないため、国内需要を伸ばせば乗り切れる可能性があるはずです。また、これまで日本からの海外旅行は、旅先で支払われる金額だけで二兆三千億円の市場があり、海外旅行に行かなくとも、その分の消費が国内旅行に回れば観光需要の回復が期待できます。もっと国内旅行需要を押し上げることを考えていくべきです。遠くに行かなくとも、近くにいいものがいっぱいあるのです。マイクロツーリズムの考えです。  だから、この先を見据えて、本県の歴史や産業、文化、自然などの地域資源をぴかぴかに磨く、それにより本県の魅力を高めて、愛知に来ていただける仕組みと仕掛けを考えることが求められているのです。  例えば、本県は犬山城や名古屋城など第一級の史跡など、お城のデパートであります。これまで文化財は保存していくものとされてきましたが、これからは観光への活用という転換を図ることで、さらに価値が高まることになります。また、お城には合戦などの歴史の物語があります。複数の物語を一つのストーリーでつないでいけば、さらにその魅力が深まります。折しも、二〇二三年のNHKの大河ドラマは徳川家康の生涯を描く、どうする家康に決定したところであり、本県のお城文化や観光を盛り上げる絶好の機会となります。それに、本県にある犬山祭をはじめとする誇るべきお祭りや車山、山車、からくりの文化も大切な観光関連産業の核であります。  そこでお聞きをいたします。  旅行業など観光関連事業者との連携を含め、ウイズコロナにおける観光関連産業への対応と、ポストコロナを見据えた観光振興の方向性について、知事の御所見をお伺いします。  次に、コロナ禍における農林水産業への支援についてお伺いをします。
     犬山市では、農業と福祉がコラボした農福連携事業で、おじいちゃんとおばあちゃんが育てた、おいしい花子という名のトマトが販売をされています。トマトと人は近いと言われます。トマトが過ごしやすい温度は十五度から三十度です。人が暑いと思えばトマトも暑いと感じる。人が寒いと感じればトマトも寒いと思っている。だから、人がトマトに優しく接すればトマトも優しく成長し、人がトマトに心を寄せればトマトも人に心を寄せてくれると言います。犬山のおじいちゃんとおばあちゃんが真面目に温かな心で笑顔いっぱいに育てたおいしい花子は、それは評判です。シーズンになりました。ぜひ機会があれば御賞味をいただきたいと思います。  このように、農産物は農家さんの手とハートで丹精込めて生産をされます。でも、この年末年始は、白菜やレタスなど、コロナの影響で価格の低下から、出荷しても赤字になってしまうがゆえ、野菜廃棄が急増する報道の映像に心が痛みました。命を育み、命をつないでくれる野菜を廃棄しなくてはならない事態が起きていました。  本県でも、コロナにより、花卉やつまもの、牛肉、マダイやヒラメの高級水産物などの価格低下が本県農林水産業の現場に深刻な影響を与えました。名古屋コーチンについては、在庫量が前年の四倍に膨らみました。  こうした現状に対しては、これまで県事業や国が措置してきた予算で事業を活用するなどの支援を行ってきました。今後はさらに、新しい生活様式を踏まえた生産と販売方法や地産地消の推進、新たな需要を喚起する新品種の開発など、幅広い取組が求められています。それらの取組で、コロナ終息後の農林水産業振興策を示し、生産者が将来に希望を持てる経営を確立する必要があります。  そこでお尋ねをいたします。  コロナ禍における農林水産業に対して、今後どのように取り組んでいかれるのか、また、生産者をどう支援されていくのか、知事の御所見をお伺いします。  質問の第三は、安全・安心な暮らしの実現と人づくりについてであります。  まず、災害から命を守る新たな基幹的な防災拠点の早期整備についてお伺いをします。  もうすぐ東日本大震災から十年の節目を迎えます。改めて三月十一日、議会開会前に皆さんと共に心静かに黙祷を捧げさせていただきたいと思っています。  ここで、十年前を振り返ります。  震災後、テレビは毎日同じCMでした。そのCMが大事なメッセージを届けようとしていることを理解すると、繰り返されるつまらないCMが大事なCMに思えるようになりました。CMのフレーズは、心は誰にも見えないけど、心遣いは見える。思いは見えないけれど、思いやりは誰にでも見えるです。そのフレーズとともに、主役の青年の行動映像がマッチします。  妊婦さんが満員電車に乗ってきて、青年が席を譲ろうか迷っていると先を越されてしまいます。青年はしまったという顔をします。場面が変わります。おばあちゃんが両手いっぱいに買物袋を持ちながら公園の階段を上がっています。すると、青年は、一旦おばあちゃんを通り越してしまいます。が、おばあちゃんの元に戻り、買物袋を持って一緒に歩きます。二人は笑顔というシーンです。  津波で大切な全てが奪われました。でも、立派に残ったものもありました。我々の心と思いです。もう一度、皆さんの心と思いでコロナ難局を乗り越え、三・一一を忘れずにいたいと思っています。  そこで、ここからは十年前の被災地現場を振り返ります。  岩手県では、沿岸部の全域が津波により甚大な被害を受けました。そのため、県中央に位置する遠野市に拠点が置かれ、災害応急活動が始まりました。遠野運動公園では、全国より支援部隊が集まります。昼夜を問わずの救助活動とともに、体育館などでは支援物資の供給ターミナル基地として物資が受け入れられます。また、遠野病院では、全国から受け入れたDMATにより医療支援が展開をされました。これらの後方支援活動が多くの被災者の生命を守り、被災地の復旧活動に大きな役割を果たしたのです。ここから、巨大災害時に全国からの支援と連携する基幹的な防災拠点の重要性が改めて認識をされました。  本県では、南海トラフ地震の発生リスクは日に日に高まっています。県土全体の災害対応力の一層の強化が喫緊の課題であることは論を待ちません。  こうした中、知事は、一昨年九月議会において、県土全体の後方支援を担う新たな防災拠点の方針を表明されました。さらに、昨年九月議会では、名古屋空港と名古屋高速との間に位置する豊山町青山地区を候補地として整備に取り組む旨を答弁されました。  そこでお尋ねをいたします。  三・一一から十年の節目を間近に控えて、南海トラフなどの巨大地震へ県として対応するため、新たな基幹的な防災拠点の早期整備に向け、今後どのように取り組んでいかれるのか、知事の御所見をお伺いします。  次に、手話通訳をはじめとする意思疎通支援者や介護人材について、二点お尋ねをいたします。  議長のお許しをいただいたので、エコバッグを持ってきました。     〔エコバッグを示す〕  でも、思ったより見づらくてすみません。このエコバッグは頂いた物であります。バッグは、コロナの影響による日常生活の困りごとから作られたもので、ここには、十七の簡単な言葉と絵が描かれています。例えば、レジ袋が要らない、温めてください、幾らですか、ポイントを使うかなどであります。     〔発言に併せて手話を始める〕  このバッグは、コンビニなどの買物時に自分の意思を伝えるために企画、製作されました。使うのは、聾者です。コロナ禍で店員さんがマスクをしているため、口話が読み取れないから、コミュニケーションを取るために考えられたバッグです。コロナは、聾者の生活すら変えてしまったのです。  それだけではありません。手話通訳の人材育成で重要な役割を果たしている養成講習会も、コロナの影響で中止や延期、規模縮小が相次いでいるのです。  確認をしてみました。すると、手話に限らず、要約筆記や点字などの意思疎通支援者についても、養成数は減っています。人手不足が深刻な介護人材の確保についても、コロナの影響により研修の実施方法や啓発事業の見直しが必要になっています。  さらに、昨年六月に開催予定だった全国ろうあ者大会inあいちがコロナのため中止になりました。聴覚障害と手話の理解を深めてもらえる機会が失われたことは残念でなりません。  一方、いいこともありました。知事の記者会見で手話通訳者が配置されるようになったことです。これによりコロナ情報が速やかで正確に伝わり、知ることができるようになりました。  改めて、手話通訳者をはじめとする意思疎通支援者の必要性が認識され、人材を確実に確保していくことが求められます。  福祉はなぜ必要なのでしょう。ふだんの暮らしが幸せであるためです。福祉は、ハードが変わらなくとも、ハートで変えられます。ハードはお金と時間がかかるし、すぐ変えることは難しいです。でも、ハートはすぐ変えられます。そして、思います。福祉は大変じゃありません。心と思いが詰まった福祉は、本当に格好いいと思っています。  そこでお尋ねをします。     〔手話を終える〕  コロナ禍において、手話通訳をはじめとする意思疎通支援者や介護人材の確保にどのように取り組んでいくのか、知事の御所見をお伺いします。  また、県民の皆さんに意思疎通支援や介護への理解と知識を深めていただくためにどう取り組んでいくのか、知事の御所見をお伺いいたします。  質問の第四は、行財政運営についてであります。  最初に申し上げます。本県の行財政運営は相当の厳しさに直面をしています。しかし、これは県側に立ってのことです。  一方で、企業や県民の皆さんの立場ならどうなるのか。企業収益が相当悪化しているから、法人二税が落ち込んでいます。従業員の皆さんが解雇や減給になれば住民税が減少するし、給料が減れば買い控えによって消費税も減ります。だから、当たり前ですが、本県の税収不足は、企業や県民の皆さんが大変であることを念頭に質問をしていきます。  まず、県税収入の見通しについてお伺いをします。  我が国の経済は、コロナの影響により厳しい状況にあります。その中で、持ち直しの動きが続いているものの、弱さが見られます。先行きについては、感染防止に取り組む中で持ち直していくことが期待されていますが、内外の感染拡大による経済の下振れリスクの高まりにより十分注意しなければなりません。  また、企業収益については、本県の主要産業である自動車などの製造業では業績に下げ止まりが見られるものの、全体では大幅な減益見込みとなっています。特に、外出自粛の影響を受ける飲食や旅行、運輸などのサービス消費関連の企業は大変厳しい状況です。  このような社会経済情勢の中、来年度の当初予算案における県税収入は、一兆五百三十二億円が計上されています。これは、本年度の当初予算額を千百三十七億円下回り、地方譲与税と合わせると千六百十八億円もの大幅な減収とのことであります。  そこでお尋ねをいたします。  来年度の県税収入をどのような見通しの下で計上されておられるのか、知事の御所見をお伺いします。  最後に、今後の財政運営についてお伺いをいたします。  令和三年度当初予算は、千六百五十四億円もの収支不足が生じる大変厳しい財政状況での予算編成でありました。  この収支不足を解消するため、県債を最大限に活用し、多額の基金の取崩しで対応をされました。引き続き感染拡大の影響による景気の下振れリスクに十分に注意する必要があり、当面、厳しい財政状況が続くのだろうと思われます。  こうした中でも、県民の生命と財産を守るため、コロナの感染拡大防止や地域経済の早期回復に最優先で取り組み、長引くコロナの影響により大変苦しい状況に置かれている県民生活や産業活動を徹底して下支えしていかなければなりません。  あわせて、私の代表質問はあえてコロナに特化させていただきましたが、県民の皆さんの多様なニーズに応え、本県の未来を切り開くための投資も行わなければなりません。  とりわけ安全・安心な暮らしを確保し、危機に強い地域づくりを進め、DXなどによる産業構造の大きな変化に的確に対応し、日本一の産業県愛知を支える次世代産業の育成と振興などの施策に重点的に取り組む必要があります。  そこでお尋ねをいたします。  知事は、新年度の当初予算を新型コロナウイルス感染症の克服とウイズコロナ、アフターコロナを見据えた愛知のさらなる前進を目指す予算と位置づけられましたが、厳しい財政状況の中、今後の財政運営にどのように取り組んでいかれるのか、御所見をお伺いします。  以上、自由民主党愛知県議員団を代表いたしまして、県政各般にわたる様々な課題について質問をしてまいりました。  ところで、いい町って何なんでしょう。町の力は町の大きさじゃないし、町の元気は人の数じゃありません。町の魅力は、地域割りや立派な建物でもありません。いい町は、町の関係者の密度だし、町に寄せる思いです。そして、人と人とのつながりです。こんなときだからこそ、つながりが感じられる建設的で明快な御答弁を期待申し上げて、質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手)     〔知事大村秀章君登壇〕 7: ◯知事大村秀章君) 自由民主党愛知県議員団の原よしのぶ団長の質問にお答えをいたします。  その前に、今日のマスクは、議長さんの地元の春日井市の下水道の方が作ったマスクでありまして、マンホールの蓋は下に落ちないので、落ちないマスク、受験生の皆さんへのエールということでございます。  そして、スーツはいつもの尾州のスーツということで、靴も尾州の靴ということでございます、ということで、それではお答えいたします。  初めに、新型コロナウイルス感染症の医療提供体制の確保についてお尋ねをいただきました。  本県では、一月に入院患者が七百人、最大七百二十四人となりました。病床が逼迫する厳しい状況になりましたが、県民、事業者の皆様に様々な自粛をお願いし、緊急事態宣言に御協力をいただきました。そして、何よりも医療従事者の皆様方の献身的な御尽力によりまして、新規の陽性者も減り、そして、入院患者も減ってまいりました。先ほど申し上げましたように、新規の陽性者は、本日時点で三百二十七人、昨日よりも十一人減っております。もう七百二十四人の半分以下ということにまでなってまいりました。これは入院患者ですね。入院患者が三百二十七人、そして、新規陽性者数は、昨日が三十二人、再感染一人なので三十一ということでありまして、五十人を切っておりますので、ステージIということでございます。  私どもは、今は入院患者が三百人がラインなので、ステージIIIとステージIIのラインということで、我々はステージIIをしっかりと目指していきたい、それを定着させていきたいということで、さらに引き続き厳重警戒宣言による措置で、三月十四日までこの様々な規制を継続していきたいと、よろしくお願いを申し上げたいと思います。  さて、秋から冬にかけては感染症が流行しやすい時期であり、本県ではこれに備えるために早くから医療提供体制の確保に取り組んでまいりました。  昨年七月は、入院病床七百六十六床でありましたが、今年二月九日までに千二百十五床プラスアルファ、このうち重症者用病床は、四大学病院を中心に百二十六床を確保、宿泊療養施設は三施設合計千百九室を稼働しております。  また、十月は、中等症患者及び軽症の高齢者を受け入れる専門病院として愛知病院を開設し、地域に診療、検査医療機関を指定し、現在、千五百六十四か所、一日当たり約四万件の抗原検査、PCR検査が可能となるなど、医療提供体制のさらなる充実に努めております。  さらに一月二十一日には、愛知県対策本部内に医療体制緊急確保統括官、その下に医療体制緊急確保チームを設置し、病床確保と入院調整の機能強化を図っております。加えて、新型コロナウイルス感染症の退院基準を満たしたものの持病などで退院できない患者さんを受け入れた医療機関に対して、一人当たり十万円を上限に補助する県独自の制度を一月二十六日に創設いたしました。現在、百五十三の医療機関から協力の申出をいただいており、これらの医療機関の連携により転院を促進することで空き病床を確保し、新型コロナウイルス感染症対応で大きな負荷がかかっている救急医療への影響の軽減につなげてまいります。  こうした様々な取組を引き続き強力に推し進め、万全の医療提供体制を確保し、県民の皆様の生命と健康を全力で守ってまいります。  続いて、高齢者施設における感染拡大防止対策についてお答えをいたします。  本県の高齢者施設のクラスターは、先月末までに四十件発生しております。高齢者は感染すると重症化しやすく、また、クラスターが発生すると医療機関への負担が大きくなることから、医療体制を確保していくためにも、高齢者施設におけるクラスターの発生や拡大を防止していく必要があります。  そのため、本県におきましては、感染症患者が発生した高齢者施設に対し、これまでにDMAT隊員の資格を持つ医師等により構成された、医療体制緊急確保チームからの医師等の派遣を十二施設、延べ十六回、感染管理認定看護師等の派遣を十六施設、延べ二十六回行い、感染拡大防止に向けた助言、指導を行っております。  また、高齢者施設のうち、特に入所施設におけるクラスターは、感染した職員から生じる傾向が多いと国から示されておりますので、県全域の入所型の高齢者施設及び障害者施設約三千二百施設の職員約九万人を対象に、集中的なスクリーニング検査を今月中に実施をいたします。今後、準備が出来次第、速やかに検査に着手してまいります。  また、定期的な検査の実施につきましては、今後の感染状況等を踏まえ、改めて検討してまいりたいと考えております。  こうした取組により、高齢者施設における感染拡大防止にしっかりと取り組んでまいります。  次に、新型コロナウイルスワクチンの接種体制の確保に向けた準備状況と課題についてであります。  発症を予防し、発症した際の重症化リスクを低減する効果があるワクチンは、新型コロナウイルス感染症対策の強力な切り札になるものと、私も大いに期待をいたしております。  本県では、二月十九日から名古屋医療センターはじめ四つの医療機関で先行接種が始まり、接種後の健康調査も進められております。  また、今月からは、最前線で御尽力されている医療従事者等約二十七万人への優先接種が始まる予定であり、現在、医療機関の皆様と接種体制や対象者について最終的な調整に入っております。そして、四月からは、重症化しやすい六十五歳以上の高齢者約百九十万人を皮切りに住民接種が始まります。  その実施主体である市町村では、接種会場の確保など必要な準備が着々と進められておりますが、一方で、市町村で必要となるワクチンの数量全体について国から具体的な供給スケジュールが提供されないため、医療や看護師の配置計画が立てられない、住民に対して接種計画を前もって示すことができないといった声も市町村から聞こえております。  県としては、ワクチンの供給スケジュールを早く示すよう繰り返し国へ申し上げてきておりますが、今後も地域が抱えるこうした課題を解消するため、引き続き強く要請をしてまいります。  ワクチン接種を円滑に進めるため、県では、一月二十七日にワクチン接種体制整備室を二十六人体制で設置し、市町村のバックアップに力を入れているところであります。  また、専門家の参加も得た愛知県ワクチン接種推進本部を立ち上げ、接種体制の在り方など、幅広い視点から検討を行うとともに、県、保健所、市町村による連絡協議会も立ち上げ、積極的な情報共有と緊密な連携を図っているところであります。  引き続き、市町村や医療関係団体等としっかり調整を行い、万全の体制を整備してまいります。  続いて、ワクチン接種の有益性とリスクの理解促進についてのお答えをいたします。  今回の新型コロナウイルスワクチンは、これまでに例を見ないほどのスピードで開発が進められてきたことなどから、ワクチン接種により引き起こされる副反応など、健康への影響が社会的な関心事となっております。  このため、県民の皆様に、ワクチン接種により得られる効果と副反応のリスクの両面から情報を幅広く提供し、理解を深めていただくことが大切なことだと考えております。  そうしたことから、県としては、ワクチンの効果や安全性、副反応等の最新の情報をウェブページで発信するとともに、インターネットを利用されていない皆様に向けても、チラシなどを活用し、ワクチンに関する情報を分かりやすくお知らせしてまいります。  さらに、十二の県、保健所等の新型コロナウイルス感染症に関する電話相談窓口においても、二十四時間体制で、看護師や保健師が専門的な視点からワクチンに関する相談を受け付けており、県民の皆様から寄せられる様々な疑問や不安に丁寧にお答えしてまいります。  今回のワクチン接種は、十六歳以上の愛知県民約六百四十万人が対象となる、前例のない、まさに県を挙げた大事業であります。ワクチン接種を希望する全ての県民の皆様が、安心して速やかにワクチン接種できるよう、しっかりと取り組んでまいります。  次に、コロナ禍における東京二〇二〇オリンピック聖火リレーの開催に向けた取組についてであります。  東京二〇二〇オリンピック・パラリンピックは、人々に希望を与えるスポーツと平和の祭典であるとともに、東日本大震災からの復興を後押しする特別な大会であります。新型コロナウイルス感染症の影響を克服し、大会が無事開催されることを切に願っております。  四月五日、六日の愛知県での聖火リレーまで、残すところ三十四日となりました。大会を成功に導くためには、県民の気持ちが一つになることが重要です。そのためにも、県民の皆様の関心と期待を呼び起こす聖火リレーをぜひ成功させたいと考えております。  コロナ禍での実施となりますので、感染防止対策を徹底し、安全・安心に聖火リレーを実施できるよう準備を進めております。沿道の密集対策として、ライブ配信を御覧いただくよう呼びかけるほか、当日は沿道にスタッフを配置し、密集回避を呼びかけてまいります。タレントやオリンピアンなどの著名なランナーの皆様には、密集対策ができる場所を選び、走行していただくこととしております。また、聖火の到着を祝うセレブレーションは、事前申込制により社会的距離を確保し、観客数を大幅に減らして実施をいたします。聖火が県民一人一人の夢と希望を乗せた火となって全国をつなぎ、記憶に残るすばらしい聖火リレーとなるよう、感染防止対策に万全を期し、準備を加速してまいります。  次は、コロナ禍における県内中小零細企業への支援についてであります。  県ではこれまで、感染拡大によって急激に縮小した経済活動の影響を受けた中小企業の事業継続を最優先する観点から、無利子、無担保、保証料負担なしで融資を受けられる感染症対応資金などによる資金繰り対策に全力を注ぐとともに、相談業務や専門家派遣を行うなど、中小企業の皆様が抱える経営課題の解決に向けて、総力を挙げて取り組んでまいりました。  今後は、従来のビジネスモデルが大きく変化することが見込まれる中、経営改善などを図る必要がある中小企業に対する融資制度の創設や、経営環境の変化を先取りした新サービスや新商品の開発、新規事業への進出を支援する補助制度などを通じ、ニューノーマルに対応した中小企業の取組を積極的に後押しし、足腰の強い経営体質への転換を図ってまいります。  また、経済、社会のデジタル化が一段と加速することが見込まれることから、企業の経営者を対象とするセミナーや、企業内でのデジタル化を推進する人材を育成する研修会の開催、相談窓口の設置や専門家によるコンサルティングなどにより、中小企業のデジタル化を強力に促進し、県の産業経済と雇用、地域社会を支える中小企業の持続的発展を図ります。  引き続き、地域経済の原動力である中小企業の皆様がコロナ禍を乗り越え、元気を取り戻せるようしっかりと支援してまいります。  続いて、コロナ禍における雇用対策についてお尋ねをいただきました。  新型コロナウイルス感染症の影響により社会経済活動が低迷する中、本県の雇用情勢も大変厳しい状況が続いております。  県ではこれまで、中小企業の資金繰り支援の拡充や、国の雇用調整助成金等の利用促進を図ることにより、県内企業の事業継続と雇用維持を図ってまいりました。  こうした中で、航空機や観光関連の企業を中心に、過剰となった従業員を一時的に出向させ、雇用を維持する動きが出始めております。
     このため、従業員の雇用を守りたい企業と人材を受け入れたい企業のマッチングを推進することを目的に、今月十九日、労使団体や各種支援機関などを構成員とするプラットフォームを設置し、相互の情報共有や連携強化を図ることといたしました。  一方、求職者の支援につきましては、引き続きハローワークと連携し、非正規雇用労働者や女性といった離職者それぞれの特性に応じた求人を一件でも多く確保するとともに、県内各地で就職面接会を開催し、求人意欲のある企業とのマッチングを推進してまいります。  また、来年度は、未就職卒業者を支援する新たな取組として、人材派遣会社が未就職卒業者を一定期間雇用した上で、採用意欲の高い企業へ派遣をし、職場実習を行うことにより、その後の正社員就職につなげる事業を実施いたします。  今後とも雇用情勢を注視し、県民生活を守るための雇用対策に万全を期してまいります。  次に、ウイズコロナにおける観光関連産業への対応と、ポストコロナを見据えた観光振興策についてお答えをいたします。  まず、ウイズコロナについてはしっかりと観光需要を下支えしていく必要があることから、本県が独自に行う県内旅行商品の割引などの観光消費喚起事業について、国のGoToトラベル事業に合わせ、実施期間を本年六月末まで延長し、引き続き旅行業や宿泊業などの観光関連産業を幅広く支援してまいります。  また、ポストコロナを見据えた観光振興策については、昨年十二月に策定したあいち観光戦略に沿って取組を進めてまいります。  具体的には、愛知が誇る類いまれな資源である、多くの武将や城郭を生かして、県内に残る様々な史跡や興味深いエピソードをつなぎ、ストーリー性を持った奥深い魅力のある旅行商品を観光関連事業者等と連携して造成するなど、観光の付加価値を高めるあいち「ツウ」リズムを推進します。  また、二〇二二年秋に開業するジブリパークについて、国内外から訪れる多くの来場者を県内での宿泊や周遊に導き、その効果を広く県内に波及させてまいります。  さらに、世界最大級の旅行博ツーリズムEXPOジャパンをはじめとするMICEの誘致開催などにも取り組んでまいります。  愛知の観光を回復から成長へと導き、本県の産業の柱の一つとして観光が力強く飛躍していくよう全力を尽くしてまいります。  次に、コロナ禍における農林水産業への支援についてであります。  昨年十二月に策定しました食と緑の基本計画二〇二五では、新型コロナウイルス感染症でダメージを受けた農林漁業者の経営支援や、新しい生活様式への対応に取り組む施策を、コロナ禍克服プロジェクトとして推進することとしております。  今後の具体的な取組といたしましては、市場ニーズの変化に応じた菊の新品種開発や品目転換の促進、地産地消を推進するための産地直売所の活性化や地域内流通網の構築のほか、カキやアサリの養殖などによる漁業経営の多角化等を進めてまいります。  さらに、テレワークの推進による在宅時間の増加等をチャンスと捉え、日常の生活空間で花を楽しむことや、木材を取り入れた木のある快適な暮らしを県民の皆様にオンライン等を通じて広く提案してまいります。  また、影響を受けている生産者への支援といたしましては、今年度補正予算により急ぎ支援してきました農林水産物のインターネット販売や学校給食への提供などの事業について、国が第三次補正予算で直接支援することになりましたので、県内の農林漁業者や関係団体が引き続き実施できるよう、積極的に協力してまいります。  これらの取組を通して、厳しい状況にある農林漁業者に寄り添った支援を行い、本県農林水産業の早期回復を目指してまいります。  次は、災害から命を守る新たな基幹的な防災拠点の早期整備についてお答えをいたします。  東日本大震災から十年が経過する中、その教訓を生かし、本県においてもハード、ソフト両面から県土の強靱化に全力を挙げているところであります。特に、南海トラフ地震の発生リスクが高まる本県にあって、県土全体の災害対応力の一層の強化は最も重要な課題であり、このため、全国の防災機関と連携、連動して災害応急活動を展開する基幹的な防災拠点についても、一日も早い供用が必要であります。  国においても、切迫する大規模災害に備え、本年度三次補正から、総額約十五兆円規模の防災・減災、国土強靱化のための五か年加速化対策が開始され、本県としても、国土交通省の主要施策の一つである防災公園として、対策期間内である二〇二五年度の完了を目指し、集中的な整備を図っていきたいと考えております。  また、平時はスポーツや触れ合いの場となる都市公園として活用を図り、地元豊山町の新たなにぎわいを創出するまちづくりと一体となって、より大きな事業効果を発揮できるよう取り組んでまいります。  今後も、巨大な災害から県民のかけがえのない命と財産を守るため、県土全体の強靱化の礎として、基幹的な防災拠点を一日も早く供用できるよう、国や名古屋市、豊山町などの関係機関と共に全力で取り組んでまいります。  次に、手話通訳をはじめとする意思疎通支援者や介護人材の確保についてであります。  まず、意思疎通支援者の確保につきましては、二〇一六年に手話言語・障害者コミュニケーション条例を制定して以降、手話通訳者等の養成講習会の定員を拡大するなど、人材養成の強化を図っております。  また、二〇一八年度からは、手話通訳者等の職業病と言われる頸肩腕障害の早期発見と予防のための健康診断や健康管理講座を実施するなど、人材の定着にも取り組んでいるところであります。  次に、介護人材の確保につきましては、介護職を目指す高校生を対象とした介護施設等見学事業や、福祉介護の就職フェアの開催、さらには、元気な高齢者等を対象とした介護の入門的研修などを実施し、幅広く介護人材の確保に努めているところであります。  また、来年度から、コロナ禍で離職した方などの介護分野への就職や福祉系高校に通う学生の修学を支援する返還免除条件付の貸付金制度を創設し、新たな人材の確保と定着を図ってまいります。  コロナ禍におきましては、感染防止の徹底と実施方法を工夫して講習会等を開催するなどにより、今後とも意思疎通支援者や介護人材の確保にしっかりと取り組んでまいります。  続いて、県民の意思疎通支援や介護への理解促進についてお答えをいたします。  まず、意思疎通支援につきましては、条例制定以降、県民の皆様向けに手話・筆談講習会を開催しており、これまで約三千三百人の方に受講いただき、理解を深めていただきました。また、来年度は、障害のある方が日常生活で接する機会の多い小売業、金融、交通の三業種で働く方を対象として、障害の特性に応じた配慮について紹介する小冊子を新たに三万部作成するとともに、感染防止策を徹底して、意思疎通支援に理解を深めるためのシンポジウムを開催してまいります。  次に、介護につきましては、今年度、密を避けるため、これまでの集合イベントからテレビ放映等に変更して実施した介護の日普及啓発事業や、小中学生、高校生について、介護について正しく知っていただく小冊子の配布、さらには、介護の魅力を発信するポータルサイトの運営など、様々な取組を行っているところであります。  意思疎通支援や介護について県民の皆様に理解と知識を深めていただくことは、人材の裾野を広げることにもつながる重要な取組でありますので、こうした理解促進や人材の確保に向けた取組につきましては、今月中に策定するあいち障害者福祉プラン及び第八期高齢者福祉保健医療計画に位置づけ、しっかりと推進してまいります。  次は、県税収入の見通しについてのお尋ねであります。  来年度の県税収入につきましては、各種経済指標や昨年十二月上旬までに行った主要企業への聞き取り調査の結果などを踏まえて積算したところであります。  上場企業の本年三月期の業績予想は、自動車産業などで業績の持ち直しが見られるものの、連結経常利益全体では二三%もの大幅な減益見通しとなっております。  こうした企業業績を反映し、法人二税につきましては、本年度当初予算額に比べ二割を超える六百八十四億円の減収が見込まれます。加えて、地方消費税は、経済活動自粛に伴う個人消費の減少により二百二十八億円の減収、個人県民税は、現下の厳しい雇用・所得環境を反映して百四十四億円の減収が見込まれます。県税全体では、本年度当初予算額を千百三十七億円下回る一兆五百三十二億円を計上し、全国的な企業収益の悪化により減収となる特別法人事業譲与税などの地方譲与税と合わせると千六百十八億円の減収を見込んでおります。これは、当初予算としては、リーマンショックの影響を受けた二〇〇九年度、前年度に続き赤字決算となった一九九九年度に次ぐ過去三番目の減少幅であります。  税収を取り巻く環境は大変厳しい状況でありますが、新型コロナウイルス感染症が本県経済へ与える影響を注視しながら、県税収入の確保に向けて全力で取り組んでまいりたいと考えております。  私からの最後の答弁となりますが、今後の財政運営についてであります。  今後の財政運営を展望いたしますと、歳入では、大きく落ち込んだ県税収入の速やかな回復を期待するものの、景気は新型コロナウイルス感染症の影響により厳しい状況にあり、現時点では、今後の本県の税収動向は不透明であります。  一方、歳出では、当面は新型コロナウイルス感染症を克服するため、あらゆる施策を総動員することが必要であり、中長期的には、今後ますます都市部で進展する高齢化に伴い、医療、介護などの扶助費の増加は避けられないものと考えられ、極めて厳しい財政運営が続くものと考えております。  このような認識の下、中長期的な課題への対応を見据えて財政運営を行うことは大変重要であります。  そこで、あいち行革プラン二〇二〇に基づき、通常の県債の実質的な残高の維持、抑制や基金残高の確保など目標を掲げ、財政の健全化を着実に進めるとともに、限られた財源を真に必要な施策に投入できるよう、不断の行財政改革に全力で取り組んでまいります。  加えて、新型コロナウイルス感染症の克服、さらにウイズコロナ、アフターコロナを見据えた成長戦略に係る幅広い施策により産業の活性化や雇用の維持拡大を図り、地域経済をしっかりと下支えすることで、税収の回復確保につなげ、健全で持続可能な財政基盤の確立に向けて取り組んでまいります。  以上、御答弁申し上げました。 8: ◯教育長長谷川洋君) 公立学校における新型コロナウイルス感染症対策についてお答えをいたします。  間もなく迎える新学期に向けて、学校における感染症対策の徹底と、児童生徒の学びを止めない、安心・安全な教育環境の整備が重要であると認識しております。こうした認識に基づき、県立学校においては、校長の判断で感染症対策を機動的に行えるよう、学校規模に応じて一校当たり三百二十万円を上限に、学校教育活動継続事業費を措置してまいります。  また、小中学校においては、小学校第三学年に三十五人学級を拡充し、ゆとりのある教育環境の整備を図ってまいります。  高等学校においては、民間のオンライン学習支援サービスの利用を継続するとともに、夏季の学習環境を充実するため、空調設備を公費により設置、運用をしてまいります。  さらに、特別支援学校におきましては、スクールバスの増車を継続し、登下校時の乗車定員の少人数化を図ってまいります。  また、新型コロナウイルス感染症に伴う児童生徒の不安等に適切に対応するため、スクールカウンセラー、スクールソーシャルワーカーの配置を拡充してまいります。  部活動につきましては、競技や部門によっては活動内容に制約を受ける場合もございますが、感染状況を見極めながら万全の感染症対策を講じた上で、必要な支援に取り組んでまいりたいと考えております。  引き続き、児童生徒の学びを止めない、学びを保証するための教育環境の整備にしっかりと取り組んでまいります。      ━━━━━━━━━━━━━━━━━ 9: ◯四十番(田中泰彦君) 暫時休憩されたいという動議を提出いたします。     〔「賛成」と呼ぶ者あり〕 10: ◯議長神戸洋美君) 田中泰彦議員の動議のとおり決しまして御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 11: ◯議長神戸洋美君) 御異議なしと認め、暫時休憩いたします。     午前十一時三十六分休憩      ━━━━━━━━━━━━━━━━━     午後一時開議 12: ◯議長神戸洋美君) 休憩前に引き続き会議を開きます。  通告により質問を許可いたします。  谷口知美議員。     〔七十七番谷口知美君登壇〕(拍手) 13: ◯七十七番(谷口知美君) それでは、新政あいち県議団を代表して、持続可能な社会の発展と県民の皆様の幸せを願い、順次、県政の課題について質問してまいります。  今年度は新型コロナウイルス感染症が蔓延し、社会全体に大きな不安と打撃が広がり、各世代の方が不安を、負担を強いられる社会となりました。  コロナの被害を受けられた方々にお悔やみとお見舞いを申し上げますとともに、コロナへの対応に御尽力くださっている医療関係者の方々をはじめ、全ての皆様の御努力に敬意と感謝を表させていただきます。  コロナ第三波は少し落ち着きましたが、コロナの影響は今後も続くことが想定される中、まず、行財政運営について質問いたします。  今回のコロナ禍は、十二年前のリーマンショック時のように、失業して、住まいをなくされた方が多くみられるという状況とは違いますが、コロナ禍を耐えてみえた職種や労働者の方々の事業継続や生活の厳しさが、今後さらに露見してくることが想定されます。リーマンショック時とは違う業種間格差、正規と非正規雇用労働者の格差、就職できた時期による世代間格差など、格差社会と言われている近年の傾向がさらに増す状況と言えます。  コロナの第一波、第二波で疲弊した業種に、第三波はさらに追い打ちをかけました。  この二月で閉店した中堅のアパレル関係のお店の従業員の方は、第二波は何とか乗り越えられたのですが、第三波は乗り越えらませんでした。私たちはこれから職探しですとおっしゃっていました。  コロナ禍では、相談窓口に電話がつながらず、不安を募らせた多くの県民の方がいました。  この点については、現在、協力金などは相談窓口を外部に委託するなどして方策が取られていますが、相談体制の重要性も確認されました。  また、東日本大震災の余震と言われる震度六強の地震が二月十三日夜発生し、その後も、各地で地震が続いています。災害対策も確実に進めていかなければなりません。  さらには、今後の愛知の発展に向けた事業も必要です。  こうした中で編成された令和三年度予算は、新型コロナウイルス感染症対策関連事業費が千三百億円を超え、扶助費も増え続けていますが、県税収入は一兆五百三十二億円と、昨年度当初予算と比較し千百三十七億円の減収が見込まれ、厳しい財政状況となっています。  一方、そうした中にあっても、投資的経費については、昨年度当初予算より百三十六億円増加し、また、知事部局や教育委員会の定数が増員されました。  行財政改革の名の下、県の職員は、第三次行革大綱以降の取組で一九九八年度の四分の三程度に減っていますが、一昨年からの豚熱、昨年からのコロナ対応で、県職員も勤務時間を大幅に超えその対応に追われたことを踏まえれば、定数の増加は意味あるものと考えます。  今回のような新たな脅威についても、県民の不安により迅速に対応できる行財政運営に取り組むことが大切なことです。  そこで質問です。  新型コロナウイルス感染症の打撃はまだこれから露見し、様々な支援が必要になることが想定される中、来年度の県税収入について、どのような見通しをされているのか伺います。  また、今回の予算編成を踏まえ、今後の行財政運営にどのように取り組んでいかれるのか、知事のお考えを伺います。  次に、コロナ禍における支援について、三点伺います。  まず、医療機関についてです。  新型コロナウイルス感染症第三波においては、入院患者数、高齢者の新規陽性者数が危険領域で高止まりし、病床使用率も逼迫している期間が続きました。一昨日で緊急事態宣言は解除されましたが、まだ今後も油断できません。  コロナに対応してくださった医療従事者の方は、第一波のときから、自らが感染しない、家族に感染させない、家族から感染しないために、御家族も含めて大変な緊迫感の中で過ごしてくださっています。  病床確保については、本県でも、感染症指定医療機関だけでは感染症患者を受け止めきれず、公立・公的病院を中心に、急性期医療を担う多くの病院で感染症患者に対応していただいています。  しかし、コロナ患者を受け入れた病院の経営は厳しいものになっています。  日本病院会、全日本病院協会、日本医療法人協会の三団体が、二月十六日、二〇二〇年度第三・四半期の経営状況の調査結果を公表しました。四月から十二月の累計では、医業利益率はマイナス六・五%、前年同期のマイナス一・三%より大きく悪化しています。  本県の病院も、基本的には独自の経営努力を重ねてみえますが、経営が悪化している民間や公的病院は、国や県からの融資を受けたり、公立病院については、近隣を含めた市町村からの財政支援が必要となっています。  コロナ患者の受入病院へは、本県は独自に、コロナ対応の医師や看護師に医療従事者応援金を交付しています。この応援金には、県民の方をはじめとした多くの方からの寄附が寄せられていますが、病院の経営が厳しくなることで、今後の医師確保、看護師確保が一層厳しくなることも心配されます。  本県が二〇一六年に策定した地域医療構想は、医療や介護を必要とする高齢者の増加が大きな課題と示されています。今後はこうした一層の高齢化への対応もしなければなりませんが、本県の人口十万人当たりの病床数や医師数などは、全国平均を下回っています。ポストコロナ及び今後の高齢化に対応する医療提供体制の確保のためにも、コロナが落ち着くまでの間、医療機関への支援が必要だと考えます。  そこで伺います。  ポストコロナを見据えながら、地域の医療提供体制を確保するため、コロナ禍の医療機関支援をどのように行っていかれるのか、お考えを伺います。  二点目は、コロナ禍での雇用継続や就労への支援について伺います。  一月二十九日に、総務省が発表した二〇二〇年の年平均の完全失業率は二・八%、前年より〇・四ポイント悪化しました。この失業率の悪化は、前年にリーマンショックがあった二〇〇九年以来、十一年ぶりです。  また、二〇二〇年の就業者数は、前年より四十八万人減り、六千六百七十六万人に。正規雇用の働き手は増えた一方、非正規雇用の働き手は七十五万人減っており、中でも女性が男性の倍、減少しています。  さらに完全失業者数は、前年より二十九万人増え百九十一万人に。仕事を休まされた休業者数は、年平均でも前年比八十万人増の二百五十六万人と、一九六〇年以降で最も多くなりました。  大企業でも、業種によっては大きな影響を受け、例えば二大航空会社でも大幅な赤字に転落。同じく外出自粛やテレワークによって、愛知県民の足となる公共交通機関についても運営が厳しくなっています。これら事業者は、社会に必要なインフラの一つとして、移動を必要とする人出が戻ってきたときのために、飛行機や電車、バス、人員等を維持していかなくてはなりません。大企業も含めて、業績が悪化している業種での雇用継続は大きな課題であり、国は、在籍型出向制度、いわゆる雇用シェアを活用して、従業員の雇用を守る企業を支援しています。
     また、休業支援金・給付金が、大企業の非正規雇用労働者にも給付されることとなりました。本県としても、こうした雇用継続のための支援を進めていく必要があります。  また、厚生労働省が二月三日に公表した令和二年上半期雇用動向調査結果の概況によれば、正社員などの一般労働者は、入職率が離職率を上回っている一方、パートタイム労働者は、離職率が入職率を上回っています。  さらに、こうした統計に計上されない派遣やパート、アルバイトなどは、繁忙期と閑散期がある業種での雇用の調整弁となっている面もあり、コロナ禍で仕事に入れる時間が減り、収入も減っています。実質失業しているとの悲鳴も上がっており、そこに多く従事している女性や学生を含めた若者、外国人が大きな痛手を受けています。  休業支援金・給付金の情報が必要な方に届いていないという課題もありますので、県としても情報提供に努めていだきたいと思います。  そして、昨年の春に卒業した若者の就職にも大きな影響が出ました。内定取消しが、コロナの影響を受けた業種を中心に一昨年の五倍以上に増えました。奨学金を受けていた学生は、ある意味借金を抱えたまま、不安定な状況になっています。  この春卒業の学生の就職内定率も前年から低下しており、就職できないまま卒業する学生が増える懸念があります。第二の就職氷河期世代をつくらないこと、そして、雇用の継続や就労を希望してみえる方への支援を、県として強力に進めていくことが必要です。  そこで質問です。  雇用シェアなどの雇用継続支援、離職した非正規雇用労働者や就職できなかった新規学卒者への就労支援をどのように進めていかれるのか、お考えを伺います。  三点目は、事業者への支援について伺います。  残念なことに、閉店した飲食店やアパレルショップをしばしば目にするようになっています。感染拡大防止のために営業時間短縮要請を受けた事業者のみならず、移動や会合、観光、娯楽等に関わる幅広い業種が大変な打撃を受けています。  東京商工リサーチの発表によれば、二〇二〇年二月からのコロナ関連破綻は、今年二月二十六日現在で、全国で一千件を超え、業種別では、負債一千万円以上の新型コロナ破綻が、飲食業で百八十一件、アパレル関連九十九件、工事計画の見直しなどを受けた建設業が九十二件、宿泊業が六十八件となっています。  本県でも、負債一千万円以上の新型コロナ破綻が五十件となっています。  さらに支援策頼みで経営を維持している企業も多いため、年度末を控え、コロナ関連破綻の発生はさらにピッチを上げる可能性が高まっています。  人が動かないということの社会経済への影響の大きさに驚かされます。  国では、営業時間短縮要請の対象外の業種でも、飲食店の時短営業や営業自粛により、売上げが大きく減少した事業者には、最大六十万円の一時金の支給が準備されていますが、県としても、疲弊した地元企業、地元店舗の事業継続のためのさらなる支援が求められています。  また、新たな事業の展開のため、新しい生活様式における技術や発想の支援、情報の提供などの支援、そして、コロナが落ち着いた後には、需要喚起に向けた働きかけや工夫が必要です。  そして、こうした事業者への支援が、先に述べた仕事に入る時間が減り、収入が減って困ってみえるパートやアルバイトの方への支援にもつながります。  そこで質問です。  新型コロナウイルス感染症で大きな打撃を受けた事業者の事業継続支援や、感染症が落ち着いたときの需要喚起についてどのように取り組んでいかれるのか、お考えを伺います。  この後は、本県の持続可能な発展に関する取組について、三点質問してまいります。  まず、MICEについてです。  本県では、名古屋市や地元経済界、ホテル、コンベンション団体等と連携して、愛知・名古屋MICE推進協議会を設置し、会議や研修や学会、国際会議や展示会などのMICEの誘致を行って、愛知、名古屋の知名度向上と経済効果への波及を図っています。  また、中部国際空港やその周辺エリアにおいて、MICEを核とした国際観光都市についての調査研究を進めています。  そうした取組の下、コロナ前までは、国際会議の開催数は順調に増えていたと聞いていますが、MICE NAGOYA JAPANのホームページによると、参加者五千人以上の国内会議の開催実績は、二〇一九年十五件、二〇二〇年は三件、参加者千人以上の国際会議は、二〇一九年五件、二〇二〇年はゼロ件となっており、コロナの影響は深刻です。  また、そのホームページに掲載されているMICE施設やその他の会合施設においては、全てがコロナの影響とは限らないものの、閉鎖に陥っているところもあります。  アイチ・スカイ・エキスポにおいても、コロナ禍において、多くのイベントや会合が中止されました。本県は、官民連携組織を通じて会場費などの支援をしており、展示会での利用はあるものの、オンラインへの変更も多くなっています。コロナが落ち着きを見せる状況になっても、オンラインでの会合や、会議やイベントが増えていくことが想定され、今後の運営に与える影響も懸念されます。  しかしながら、実際に会う、実際に体験する、現場の空気を吸うということは、感動を得るという点で大変に重要だと考えます。人は、心を動かされることが次の行動への動機づけとなります。感動し、学びや人とのつながりを得て、新しい発想につながるように、イベント等の企画や誘致を進めていただきたいと考えます。  本県では、名古屋市との補助制度で、ハイレベルな国際会議や海外の富裕層旅行者等の誘致及び地域のブランド力向上のため、高級ホテルの誘致を進めており、二月二十二日に認定第一号が発表されました。こうした環境整備が今後の地域の活性化につながることが期待されますが、数年は続くであろうと言われているコロナによる人の移動の減少、オンライン化の流れなど、コロナの影響を踏まえながら、MICEの推進について考えていくことが必要です。  そこで質問です。  新型コロナウイルス感染症の影響で、MICEの中止やオンライン開催が増えたことを踏まえ、今後のMICEの誘致、開催についてどのように考え、地域の活性化につなげていかれるのかお伺いいたします。  二点目は、あいち・とこなめスーパーシティ構想について伺います。  昨年十二月、中部国際空港島及びその周辺地域を、最先端技術・サービスの社会実装フィールドとする、あいち・とこなめスーパーシティ構想の基本的な考え方案が発表されました。  このスーパーシティ構想は、昨年五月、国家戦略特別区域法の一部を改正する法律、いわゆるスーパーシティ法が成立し、大胆な規制改革の下、まるごと未来都市を目指し、実践の場をつくっていこうとするものです。  世界では、既に新しい技術を進めるためのまちづくりをして、大きな成果を上げているところもあります。  このまるごと未来都市は、まずは複数の先端的サービス間でのデータ連携基盤を確立し、その基盤を下に、キャッシュレス化、行政手続ワンスオンリー化、遠隔教育、医療、自動走行など、複数分野にわたる暮らしの便利さに直結する最先端技術・サービスの実装実験の場とするものです。  また、国においては、最先端サービスの実現に必要な複数の規制改革について、これまで省庁別の許可が必要でしたが、スーパーシティ構想では、同時、一括、迅速に進める仕組みを整備していくこととしています。  本県の構想では、データの連携の下、五つのプロジェクトを進める計画です。  一、未来を先取りする移動・物流サービス、二、すべての人々に満足を届ける最先端おもてなしサービス、三、ゼロ・カーボンで世界最高水準のレジリエンス機能の実現、四、人口減少社会にふさわしい人に優しい社会の実現、五、世界最先端を創り続けるイノベーションエコシステムの構築というものです。  そして、中部国際空港島及びその周辺地域から始め、常滑市街地、さらに県内各地に展開していこうとする面的な発展性も盛り込まれています。  まずは四月十六日締切りの第一次の区域指定に応募し、基本構想やビジネスモデルの検討、住民との合意を進め、そして、二〇二五年を目途に、順次サービス実装を始めていく計画です。  本県は、スタートアップの中核支援拠点ステーションAiの整備をはじめ、スタートアップ・エコシステムの拠点形成を図るプロジェクト、Aichi─Startupを立ち上げ、海外のスタートアップ支援機関とも連携を図りながら、イノベーションを創出する仕組みの早期構築に取り組んでいます。スーパーシティで実装の場ができれば、大きな後押しになります。  そして、二〇二六年に開催予定のアジア競技大会では、アジアからの来訪者に、本県の技術を発信するよい機会となります。  しかし、現在、他地域も、スーパーシティの区域指定が得られるように準備を進めています。  特に二〇二五年にいのち輝く未来社会のデザインをテーマに万博を開催する大阪は、スマートシティ構想とリンクさせながらの万博の開催を目指しており、こうした他地域との差別化が課題となります。  現在、本県が競争力を維持し、日本、世界をリードしていくための様々な取組が推進されていますが、さらに人や環境に優しく、ドラマチックな未来都市として、注目とイノベーションを集め、常に新しい技術を発信する未来都市であり続けることを期待します。  そこで質問です。  あいち・とこなめスーパーシティ構想について、世界から注目と技術を集める上での本県の強みと、その強みをどのようにアピールしていかれるのか、お考えを伺います。  三点目は、持続可能な社会の実現に向けて、大きな課題であるエネルギーについて伺います。  コロナで落ち込んだ社会、経済の立て直しには、グリーンリカバリーの視点が求められています。  グリーンリカバリーとは、脱炭素や生態系、生物多様性の保全など、環境問題への対応を重要な観点とし、技術革新などによって、コロナ禍からの緑の復興を進めていこうというものです。ヨーロッパを中心に提唱され、国際的にSDGsやグリーンリカバリーを進める企業への投資も進んでいます。  あいち・とこなめスーパーシティ構想のプロジェクトには、ゼロカーボンも掲げられており、グリーンリカバリーの象徴的な地域としての発信も期待できます。  持続可能な開発目標SDGsの目標年の二〇三〇年まで十年もありません。  日本でも温暖化によると思われる大雨や大雪などが災害化しています。脱炭素を目指し、温暖化による災害や食料供給の危機、エネルギーや資源の不公平な搾取などへの対応にスピードを上げていかなければなりません。  今年度策定されたあいちビジョン二〇三〇にも、二〇三〇年度までに温室効果ガスを二〇一三年度比二六%の削減を目標とし、また、二〇四〇年の日本社会の姿として、脱炭素の進展、循環型社会への移行及び再生可能エネルギーが主力電源にと示されています。再生可能エネルギー、そして、利用時にCO2が出ない水素エネルギーへの取組を加速化していなかなければいけません。  水素は、貯蔵もできるエネルギーとして、本県も愛知県水素ステーション整備・配置計画を策定し、水素ステーションや愛知県内のFCV普及、水素エネルギー社会の形成に向けた地域の機運の醸成を図っています。  しかし、水素製造時には電力が必要であり、その電力を作る際にもCO2を発生させないために、太陽光発電や風力発電、現在利用していないものの活用など、多様な再生可能エネルギーの活用が必要です。  太陽光発電については、まだ導入されていない警察署などの県有施設や、課題は多いながらも、集合住宅への導入、農業用地の活用などの可能性を探ることもできると考えます。  ポストコロナにおける環境やエネルギーの観点からの持続可能な社会の構築に向け、水素エネルギーの導入に向けた再生可能エネルギーのさらなる取組の推進、また、再生可能エネルギーの地産地消、技術革新などの取組が必要です。  そこで質問です。  再生可能エネルギーや水素エネルギーの利用拡大についてどのように考え、今後どのように取り組んでいかれるのか伺います。  次に、持続可能な社会の構築のために大切な子供、若者の健やかな成長のための取組について、四点伺います。  まず、若者の県政への参画についてです。  今の若者は、環境問題や気候変動危機への意識が高いと言われています。持続可能な社会のための現在の取組が、今の子供、若者が将来暮らす社会のありように直結することを考えれば、当然です。  先ほどもエネルギーの問題に触れましたが、あと十年もないSDGsの目標年二〇三〇年までに解決すべき課題は山積しています。  グリーンリカバリーの技術革新においても、若い世代の柔軟な発想と行動が必要であり、若者の活躍の場はたくさんできてくると思います。  コロナ対応で注目を浴びた台湾のオードリー・タンIT担当大臣のように、IT技術を駆使できる若者が、人々の幸せにつながる施策を生み出してくることが期待されます。  さらにタン大臣は、革新技術の活用のみならず、施策について広く意見を求め、若者のアイデアを採用し、若者が参画し、社会を動かす場をつくっています。  コロナでは、成長の過程において一日一日が大きな意味を持つ子供や若者が、大きな影響を受けました。コロナ禍で若者の自殺者が増えていますが、若い世代へのセーフティネットの脆弱さと無関係ではないと思います。  女性や障害者については、当事者としての参画が進められるようになってきました。今、そして未来を生きる当事者である若者についても、当事者としての意見を生かした施策が必要です。  第二波、第三波のコロナ対応では、若者の行動が大きな鍵と言われました。国では、若者の行動変容を促すために、若者を介した発信を工夫していましたが、方策を考える段階からもっと若者を巻き込むことが効果的ではないでしょうか。  本県では、東三河の施策の推進に当たって、来年度、豊橋市や新城市の若者が参画するとのことであり、こうした取組がさらに進むことを期待します。  二〇二二年四月一日からは、成年年齢が十八歳に引き下げられます。自分の未来にさらに意識を持ち、投票行動につなげるためにも、実際の場への参画や成功体験が大きな意味を持ちます。  さて、日本が一九九四年に批准した児童の権利に関する条約、いわゆる子どもの権利条約には、高校生世代も含む子どもの権利として、大きく分けると四つ、生きる権利、育つ権利、守られる権利、参加する権利が掲げられています。  子供、そして若者は、保護されるだけの客体ではなく、権利の主体です。  カナダでは、子供の権利を擁護するため、子供やユースとパートナーを組んで、彼らの抱える問題を表に出し、彼らと一緒に問題の解決を探ることを定義とするアドボカシーを推進するアドボカシー事務所が設置され、子供や若者の意見を政策にも反映する取組が進められています。  本県でも、より一層若い世代に期待し、また、課題を共有して、若い世代と共に施策を進めていくことが必要だと考えます。  そこで質問です。  持続可能な社会の構築のため、活躍が期待される若者について、施策への参画をどのように促進されるのか、お考えを伺います。  二点目は、子供の権利を守る取組について伺います。  外出自粛、学校の休校などで、子どもの権利条約に示されている、参加する権利も保障されにくい状況になりました。  また、コロナでの在宅が増える中、親のストレスが子供に向かったり、孤立化した育児になっていることからの虐待が心配されています。虐待は、子供の生きる権利や育つ権利、そして、守られる権利を脅かします。  児童虐待については、コロナ前においても、県所管での二〇一九年度の虐待相談対応件数は六千四十五件あり、十年連続して過去最多を更新し続けています。  また、厚生労働省の発表によれば、今年度上半期、全国の児童相談所が対応した児童虐待は、前年同期を上回っています。  そうした中、児童養護施設等で生活することになった子供たちは、本来なら一番に守ってくれるはずの保護者がいない状態であり、特に子供の権利を守るための取組を進めていかなければなりません。  日本は、子どもの権利条約に批准しているものの、児童虐待などに取り組む方々をはじめとして制定を求める声が上がっている、子供の権利を守るための子ども基本法が制定されていません。  しかしながら、令和元年六月の児童福祉法の一部改正の検討規定において、児童の保護、支援に当たって意見表明権を保障する仕組みの構築や、その他の児童の権利擁護の在り方について、施行後二年を目途に検討を加え、必要な措置を講ずることとなりました。  権利を守るために子供の話を聞き、代弁する子どもアドボカシーの取組が始まっている自治体もあります。  誰でも一番言いたいことは、なかなか話すことができないのではないかと思います。ましてや身近な人や児童養護施設内などでの性的虐待などは特に口に出せないことです。専門的な訓練をした話を聞く人をアドボケイトと呼びますが、施設外の第三者としてのアドボケイトの派遣や活躍が期待されます。  特に政策的に権利が守られることが必要な児童養護施設や里親の下で暮らす子供たちへのサポートが必要です。  そこで質問です。  虐待などで児童養護施設などで暮らす子供たちの権利を守るための取組をどのように進めていかれるのか、お考えを伺います。  三点目は、若者の大麻の乱用についてです。  若者に期待する半面、若さゆえに様々な誘惑に見舞われ、その後の人生に影を落としかねない若者の問題についても伺います。  昨年十一月に発行された令和二年版犯罪白書では、薬物犯罪が特集されました。  近年、刑法犯認知件数が減少し、薬物犯罪の中でも、覚醒剤取締検挙人員は減っている一方、若年者を中心に、大麻取締法違反の検挙人員が急増していることを受けての特集です。  県内でも、大麻栽培で検挙されている事件をしばしば報道で目にします。最近も、若者の大麻グループの検挙がありました。覚醒剤よりも身近で手に入りやすいということ、また、インターネットによって販売者につながりやすいことが、若者に蔓延していく理由の一つであるようです。  さらに大麻はゲートウエードラッグと言われ、より依存性の高い覚醒剤につながっていく可能性もあります。  また、薬物の入手のために、他の犯罪に手を染める可能性もあります。  犯罪白書での薬物の使用の理由についての分析では、女性は、幼い頃の虐待などによって心理的つらさから逃れるために、若者は、快楽を求めるために、薬物にはまる傾向が見られるとの記載がありました。  コロナ禍で若者も大きなストレスにさらされました。外出を自粛する中で、インターネット情報からの誘惑を受けていることは想像に難くありません。また、若者や女性の自殺が増えました。DV、虐待、将来不安など、苦しみから逃れようと薬物に依存していくことも想像されます。
     大麻は、その利用に際し、ハードルを下げるような間違った情報があります。コロナ禍を利用し、大麻を供給する側が若者をターゲットにその輪を広げていかないように、しっかりと対応していくことが必要です。  そこで質問です。  近年増加している若者の大麻乱用に関して、本県における若者の大麻に関わる犯罪の現状はどのようになっているのか、また、その対策をどのように進めていかれるのか、警察本部長に伺います。  最後に、少人数学級に関して伺います。  少子化、そして、コロナ禍での密を避けるという背景の下、国は、来年度から小学校一年生に加え、小学校二年生から六年生まで、順次三十五人学級を進めていく教職員定数の改善の方針を打ち出しました。  さらに本県では、これまでの小学校一年生、二年生、中学校一年生での三十五人学級に加え、国に先立って小学校三年生までの三十五人学級を実施する議案が提出されています。  現在、学校現場では、コロナによる不安、また、刻々と変わるコロナの感染状況に対して、これまで以上にきめ細かな配慮が必要となっています。子供たちの健康観察、度重なる行事の変更、そのたびごとの子供たちへの指導と保護者への連絡と、大変な状況が続いています。  また、コロナ前から、特別な配慮を要する児童生徒や外国人児童生徒へのきめ細かな対応や、技術革新、生活様式の変容が激しい時代において、基礎学力とともに個々の発想を伸すことがさらに必要になっており、少人数学級、少人数指導の必要性が増していました。  そうした中、国に先んじての本県の少人数学級の推進は、子供たちへのきめ細かな指導や、教員の多忙化解消に向けての大きな前進です。  しかし、小学校三年生への三十五人学級の拡大により、小学校三年生の学級数が増えた分の教員数は増員される一方、少人数指導の教員が減ってしまった学校があったとのことです。教室不足が発生している学校もあるようです。  そして、一番困っているのは教員の確保です。  これまでも常勤の講師不足の問題は取り上げてまいりましたが、これから四月までに教員を確保することが極めて厳しい地域もあります。  少人数学級の推進に当たっては、課題を十分に認識し、十分な準備の下、三十五人学級の学年を順調に増やしていくことが求められています。  二〇一九年度海外調査団の一員としてフィンランドの小学校で拝見した少人数での授業は、子供たちが自ら発見し、十分に意見交換できるよう、先生方が周到に準備し、子供たちの分かったを引き出していました。単位人数が少ないことで、先生が余裕を持って、子供たち一人一人を生かすことができていると感じました。  子供たちの成長に携われるすばらしい職業である教員を志す人材を増やし、また、できるだけ早く中学校三年生まで少人数学級が進むことを期待し、ここで質問です。  少人数学級の推進に当たっての課題に対し、どのように取り組んでいかれるのか、教育長のお考えを伺います。  以上、県政各般にわたって質問をしてまいりました。県民の皆様の希望につながる答弁を期待し、質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手)     〔知事大村秀章君登壇〕 14: ◯知事大村秀章君) 新政あいち県議団の谷口知美団長の質問にお答えをいたします。  その前に、今日は、午後は、このマスクは、岡崎出身のタレントの天野ひろゆきさんがデザインをしたアマビエのマスクということでございまして、天野さんは、LOVEあいちサポーターズあいちお笑い大使ということで、愛知のPRを担っていただいておりますが、四月の聖火リレーランナーの予定でもあります。ということで、悪疫退散、疫病退散ということで、よろしくお願いいたします。  さて、それでは、まず初めに、県税収入の見通しについてお答えをいたします。  来年度の県税収入につきましては、新型コロナウイルス感染症の影響が本格的に現れてまいります。企業収益の状況を見ますと、海外経済の改善に伴い、輸出が回復をし、自動車産業などの製造業で業績に持ち直しに動きが見られるものの、感染拡大防止のための経済活動自粛の影響を受けた非製造業の業績は依然として厳しい状況が続いております。加えて、感染拡大に伴い、サービス消費を中心に個人消費が減少し、所得、雇用情勢にも厳しさが見られます。  こうした状況を踏まえまして、来年度当初予算の県税収入は、本年度当初予算から千百三十七億円下回る一兆五百三十二億円を計上しております。また、特別法人事業譲与税などの地方譲与税と合わせると千六百十八億円の減収となり、これは、当初予算としては過去三番目の大幅な減収であります。  先行きにつきましても、感染症の影響による不透明感は強く、内外の感染拡大が本県経済に与える影響は懸念され、県税収入を取り巻く環境は大変厳しい状況であります。引き続き感染拡大防止と社会経済活動の両立に向けて、オール愛知で全力を挙げて取り組むとともに、当初予算計上額の確保に努めてまいりたいと考えております。  次に、今回の予算編成と今後の行財政運営についてお答えをいたします。  二〇二一年度は、総額千三百八億円に上る新型コロナウイルス感染症対策関連予算を当初予算案に計上するとともに、感染症対策関連の職員定数を二百三十五人増員するなど、財源や人材等の県の持つ経営資源を重点的に投入し、感染症の克服に向けて万全の体制で取り組むことといたしました。  また、感染状況に応じて迅速かつ的確な対策を講じていくためには、非常時への備えとして、一定の基金残高を確保しておくことも重要であります。そこで、今回の当初予算編成においては、県債を最大限に活用することで、可能な限り手元資金を残すこととし、四百七十七億円の財政調整基金残高を確保したところであります。  今後を展望いたしますと、歳入では、大きく落ち込んだ県税収入の動向が現時点では不透明である一方、歳出では、足元の感染症対策にあらゆる施策を総動員することが必要であり、また、中長期的には扶助費の増加は避けられないものと考えられ、極めて厳しい財政状況が続くものと考えております。このため、あいち行革プラン二〇二〇に基づく各取組を通じて、一層の人財力の強化を図り、効率的、効果的な行政運営を行っていくとともに、通常の県債の実質的な残高の維持抑制や基金残高の確保など、中期的な視点に立った規律ある財政運営を徹底し、一層の財政健全化を進めてまいります。  こうした取組により、感染症の克服、ウイズコロナ、アフターコロナを見据えた成長に向けた政策展開を切れ目なく、着実に推進していくための行財政運営を実現してまいります。  続いて、コロナ禍における支援についてお尋ねをいただきました。  まず、医療機関への支援についてであります。  医療機関、医療従事者の皆様には、新型コロナウイルス感染症が確認されて以来一年余にわたりまして、昼夜を問わず献身的に従事をしていただいており、改めて感謝を申し上げたいと思います。  限られた医療資源の中で、感染症患者への対応と通常の医療を両立させて地域医療を守っていくため、本県では、積極的に医療機関、医療従事者の方への支援に努めてきたところであります。  まず、新型コロナウイルス感染症患者を受け入れていただいた医療機関には、空床確保や設備整備の補助金に加え、本県独自で、患者一人当たり百万円から四百万円の応援金を交付しており、これは昨年一月の県内発生一例目から継続をしているところであります。また、この応援金には、個人、法人に関わらず広く募集した寄附を財源として、患者さん一人当たり十万円を上乗せして交付をし、オール愛知で医療機関、医療従事者を支援する取組を推進しております。  一方、感染拡大の状況においても、地域の救急医療体制を堅持するため、県独自で、二次救急医療を担う医療機関を運営する医療法人への無利子、無担保の融資制度を設け、今年度は三医療法人へ貸し付けております。  さらに本年一月からは、新型コロナウイルス感染症から回復しても引き続き入院が必要な患者を受け入れる後方医療機関に対して、新たな補助制度を創設したところであります。  こうした取組を継続し、引き続き全力で医療機関、医療従事者を支援するため、新年度予算では七百九十四億円を計上したところであります。  新型コロナウイルス感染症の対応が長引く中、医療機関をしっかり下支えすることが、ポストコロナにおいても、それぞれの医療機関がその機能を果たし、地域医療提供体制を確保することにつながってまいります。今後も、県民の命と健康を守るため、しっかりと医療機関を支援してまいります。  次に、雇用継続や就労支援についてお答えをいたします。  コロナ禍による経済の悪化が、非正規雇用労働者を中心とする雇用環境や、この春大学や短大を卒業する学生の就職状況に深刻な影響を与えていることから、企業における雇用継続や離職者、未就職卒業者への支援にスピード感を持って取り組まなければならないと考えております。  業績が悪化している企業での雇用継続については、雇用過剰となっている従業員を、在籍したまま一時的に人手不足の企業へ出向させる取組が注目を集めております。県としても、そうした取組を円滑に進めるためのプラットフォームを今月、三月十九日に新たに立ち上げ、情報共有や連携強化を図ることといたしております。  また、離職者に対しては、女性や若者、外国人それぞれの専門相談窓口において、キャリアコンサルタントによる就労相談や、ハローワークと連携した職業紹介などの支援を実施してまいります。  このほか、高等技術専門校におけるスキルアップのための職業訓練や、地元で働ける企業を集めた地域別就職面接会の開催など、一人一人の職歴や希望に応じてきめ細かに支援してまいります。  さらに来年度は、未就職卒業者の就職支援を強化するため、人材派遣会社が未就職卒業者を一定期間雇用し、社会人基礎力を身につけるための研修や職場実習を行い、実習先への正社員就職につなげる取組を新たに実施いたします。  今後とも、県内の雇用安定に向けて、愛知労働局はじめ関係機関と緊密に連携しながら、雇用対策にしっかりと取り組んでまいります。  続いて、事業者への支援についてであります。  コロナ禍により、極めて厳しい状況にある県内事業者の支援に当たっては、感染症の状況に応じて、必要とされる施策をタイムリーに展開していく必要があります。具体的には、外出自粛などにより事業活動に制約が生じる段階では、資金繰り支援を中心とした事業継続支援や感染症と共存する事業活動の促進に全力を挙げ、感染症の終息が見込まれる段階に至った際には、冷え込んだ消費マインドを上向かせる施策展開を進めることが重要であると考えております。こうした考え方の下、事業継続支援については、実質無利子、無担保、保証料ゼロの感染症対応資金をはじめとした金融支援を実施してまいりましたが、本年四月から、経営改善等支援資金を新設し、経営の立て直しが必要な中小企業を支援してまいります。  また、国が実施する飲食店の取引事業者等への最大六十万円の一時金などの利用促進を図ってまいります。  併せて、感染症と共存する事業活動の促進に向け、中小企業が実施する新サービス、新製品の開発と販路拡大に対する補助を行うとともに、商業団体が実施する感染防止対策を講じたイベントや、ニューノーマルに対応したオンライン化の取組などを支援してまいります。  さらに、感染の終息を見据えた消費喚起策として、市町村が実施するプレミアム商品券の発行事業への支援や、県内旅行商品の割引による県内旅行の需要拡大などを図ってまいります。  このように感染症の状況に応じた適時適切な施策を展開することにより、県内事業者の支援に万全を期してまいります。  次に、MICEについてお答えをいたします。  新型コロナウイルス感染症により、多くのイベントが中止や延期、開催形態の変更といった大きな影響を受けており、本県等が主催をした先月のSDGs AICHI EXPO二〇二〇やAICHI IMPACT!二〇二一も、オンラインのみのイベントに変更して開催をされたところであります。  一方で、臨場感や一体感が魅力であるコンサートや、現物を見て体験してもらうことが販売につながる展示会などでは、実際の会場で開催することによって効果が発揮されるため、今後は、感染症の終息に伴い、適宜オンラインを生かしながら、対面型のMICEが回復してくるものと考えております。  こうした動向を踏まえて、本県では、国内最大級の九万平米の大規模展示場であり、中部国際空港に直結する利便性などの特徴を持つとともに、5Gなど優れた通信環境により、オンラインでの開催にも十分対応できるアイチ・スカイ・エキスポの魅力を国内外にアピールしてまいります。  また、MICEの開催地としての競争力を高めるためには、地域独自の魅力の向上が必要であることから、愛知・名古屋MICE推進協議会において、移送用機械や食料品など、モノづくりの幅広い分野で視察や経営者との面談などを行う産業視察メニューの充実を図ってまいります。  さらに、大型のMICEは地域への経済効果も大きいことから、十五万人を超える来場実績があるツーリズムEXPOジャパンのアイチ・スカイ・エキスポでの二〇二三年開催を目指し、地域が一体となって誘致に取り組んでまいります。  こうした取組により、MICEの誘致開催を進め、愛知の知名度の向上や産業の振興など、幅広い効果を生み出して、地域の活性化につなげてまいります。  続いて、あいち・とこなめスーパーシティ構想についてであります。  本県のあいち・とこなめスーパーシティ構想の強みといたしましては、第一に、中部国際空港と周辺地域が自動運転やサービスロボットなどの実証実験の積み重ねにより、最先端の技術、サービスの実装フィールドとしてのポテンシャルを有していることであります。  加えて、日本一のモノづくり産業の集積を背景に、世界最高レベルのスタートアップ支援拠点ステーションAiとの連携が図られることによって、開発の実証が実用化するサイクルを形成していくための環境が整いつつあることも、本県ならではの強みであると考えております。  また、世界に開かれた国際空港を中心としたこの地域は、ジブリパークやアジア競技大会といった世界から注目を集めるプロジェクトも相まって、まさに世界中からイノベーターを集め、最先端をつくり続けるショーケースとしての最適な条件を備えているものと確信をしております。  本県といたしましては、この構想の強みを世界に向けてアピールしていくためにも、魅力的な未来の都市像を打ち出すことができるよう、国への提案に向けて構想をブラッシュアップしてまいります。  折しも本年秋、本年秋には、アイチ・スカイ・エキスポにおいて、スマートシティをテーマとする国際会議であります日ASEANスマートシティ・ネットワークハイレベル会合など、各国の高官が出席するSDGs関連国際会議が開催をされることとなっております。そうした機会を最大限に活用しながら、この構想の強みを世界に発信してまいります。  次に、エネルギーについてのお尋ねであります。  本県の温室効果ガス総排出量の約九割は、エネルギーの生産利用時に化石燃料の燃焼により発生するものであることから、太陽光や風力などの再生可能エネルギーや、利用段階でCO2を排出しない水素エネルギーの活用は非常に重要であると考えております。  国も、二〇五〇年カーボンニュートラルに伴うグリーン成長戦略において、電力部門の脱炭素化に向けて、これらの最大限の利用を掲げております。  まず、再生可能エネルギーにつきましては、固定価格買取制度における都道府県別導入容量で、昨年、本県は全国第二位でありまして、うち住宅太陽光発電及びバイオマス利用は全国第一位となっております。このため、こうした実績を十分に踏まえながら、引き続きスマートハウスやZEH(ゼロ・エネルギー・ハウス)などの環境に配慮した住宅への補助による支援の充実を図るとともに、地球温暖化対策計画書制度により、事業者への現地指導、助言やエネルギーの地産地消に向けた取組の強化など、再生可能エネルギーの導入拡大を促進してまいります。  一方、水素利用の拡大に向けまして、製造段階でもCO2の排出量が少ない水素を認証する本県独自の制度を活用して、低炭素水素サプライチェーンの構築を進めております。そして、昨日、大口町にあるトヨタ自動車株式会社の事業所において、県内五番目となる低炭素水素の製造に係る計画を新たに認定いたしました。これは部品センターですね。この施設では、太陽光発電設備を活用した電力による水電解で水素を製造して、燃料電池フォークリフト、その中で使う燃料電池フォークリフトの燃料を賄うこととしております。  こうした低炭素水素の供給利用の拡大など、全国を先導する取組を展開し、脱炭素社会の実現に向けて着実に取り組んでまいります。  続いて、若者の県政への参画についてであります。  県政の様々な分野の施策において、若者の参画を促進していくことは大変重要であると考えております。これは議員御指摘のとおりでございます。  このため、来年度は、企業等が行うSDGsの先進優良取組事例集の作成に当たって、大学生が取材、執筆を担当することによって、SDGs推進施策に直接若者が参画する機会を創出してまいります。  また、大学生を中心としたユース組織が行う生物多様性保全活動や、フリーペーパーなどによる活動に関する情報発信への支援を通じて、生物多様性分野における若者の参画を促してまいります。  さらに観光振興に係る若者のアイデアを募り、発信する、あいち学生観光まちづくりアワードに引き続き取り組んでまいります。  加えて、地域が一体となって取り組む次期東三河振興ビジョンの策定に当たりましては、豊橋市、新城市に設置されている若者議会委員等との意見交換を通じて、若者の意見を次期ビジョンに反映してまいりたいと考えております。  併せて、県の施策への若者参画を促していくためには、若者が県政情報等に触れる機会を増やしていくことが必要であります。このため、県政情報等の発信に当たっては、LINEやツイッターなど、若者になじみのあるSNSを活用するほか、県内大学と連携した県政に関する講義の実施や、若者向けに講師を派遣する出前講座の開催などに引き続き取り組んでまいります。  SDGsが目指す、誰一人取り残さない、持続可能な社会をつくっていくためには、若者が社会に参画し、主体的に行動をしていただくことが大変重要でありますので、今後も様々な機会を通じて、県の施策への若者の参画を積極的に促進してまいります。  私からの最後の答弁になりますが、子供の権利を守る取組についてお答えをいたします。  児童虐待などにより家庭を離れ、施設等で暮らす子供たちが安心・安全に生活をしていくためには、自分からは声を上げにくい子供が意見を述べることができる機会を確保するなど、子供の権利を守る取組が重要であると考えております。  このため、本県では、これまで施設等で暮らす子供たちに、権利の意味や権利が侵害された際の相談先等を掲載した子ども権利ノートと、子供たちが不満や不安を直接児童相談センターに伝えることができるミニレターを配付しております。また、センターの児童福祉士が定期的に面接し、施設等での暮らしぶりや悩みを子供たち自身から聞き取るなど、子供の意見を支援に反映する取組を行ってまいりました。  こうした中で、児童福祉法が改正され、国は、保護や支援が必要な児童の権利を擁護する仕組みとして、子供の意見を聞き、調査、審議をする第三者機関を都道府県等の児童福祉審議会などに設置することや、子供の意見を代弁する意見表明支援員、いわゆるアドボケイトを都道府県等が民間支援団体などに委託して配置することなどについて検討を進めており、来年三月を目途に必要な措置を講ずることとしております。  本県といたしましては、こうした国の検討状況についての情報収集を行うとともに、他の都道府県などにおける先進事例なども調査をいたしまして、今後、国から具体的な方針等が示された際には、直ちに、速やかに対応できるよう準備を進めさせていただいて、施設等で暮らす子供たちが健やかに成長できるよう、権利を守る仕組みづくりに引き続きしっかりと取り組んでまいりたいというふうに考えております。  以上、御答弁申し上げました。 15: ◯警察本部長後藤和宏君) 県警察における二〇二〇年中の大麻事犯検挙人員は三百八十一人と、薬物事犯全体の約三割を占め、前年と比較して百二十五人、約五〇%増加しており、過去五年間で倍増しております。  その中で、最近の傾向といたしましては、特に二十歳未満及び二十歳代の若年層の増加が目立っており、二〇二〇年中は、大麻事犯検挙人員の約七割に達するなど、若年層へのさらなる蔓延拡大が懸念されるところです。  県警察といたしましては、大麻事犯は、覚醒剤等のより依存度の高い薬物乱用の契機となる可能性がありますことから、末端乱用者だけではなく、営利目的での大麻栽培事件や薬物乱用を助長するSNS等を利用したあおり・唆し事件、暴力団員、不良外国人が関与する密売事件についても検挙しております。  また、若年時から薬物の恐ろしさを理解してもらうため、教育委員会や学校と連携し、小中高等学校等における薬物乱用防止教室を開催しております。  さらには、薬物の危険性について、若者に関心を持ってもらうために作成した漫画の県警ツイッター等への掲載、大学や駅、スーパーなど人が集まる場所への大麻乱用防止ポスターの貼付など、薬物乱用防止機運の高揚にも努めております。  今後も、引き続き末端乱用者の検挙はもちろん、栽培や密売といった大麻供給源の壊滅に向けた取締りをより一層強化し、大麻等の違法薬物について、需要の根絶と供給源の遮断を図るとともに、関係機関と連携の上、その危険性、有害性等に関する広報啓発活動を推進して、乱用の未然防止に努めてまいります。 16: ◯教育長長谷川洋君) 少人数学級の推進に当たっての課題についてお尋ねをいただきました。  今後、少人数学級を順次拡大していくためには、計画的に教員の採用を進める必要があります。このため、少人数学級の拡大を見据え、退職見込み者数や児童生徒数の増減に伴う教員の過不足数などを考慮しながら、確保が困難となっている常勤講師の数を減らすということも念頭に置いて、積極的に正規教員の確保に努めてまいります。  また、優秀な教員を数多く採用するためには、本県の教員採用選考試験をより多くの方に受験していただく必要がございますので、筆記試験を一次試験に集約するなど、受験者の負担を軽減した新たな選考試験を来年度から実施してまいります。  さらに、学校現場で、子供たちと共に生き生きと活躍する教員のインタビュー動画をSNS上に配信するとともに、少人数学級や学校における働き方改革の取組など、教師の働きがいがある、魅力的な教育環境づくりを積極的に進めていることを発信することで、教職の魅力を高め、教員志願者の増加につなげてまいりたいと考えております。  次に、一部の学校では、教室不足が生じることも想定されますので、県といたしましては、市町村が国の補助制度を活用して校舎の増築などの施設整備を計画的に実施できるよう、国に働きかけ、教室不足に対応してまいりたいと考えております。  最後に、現在のところ、義務標準法では中学校は少人数学級の対象となっておりませんが、本県では、独自に第一学年で三十五人学級を実施いたしております。今後は、できるだけ早期に中学校の少人数学級を法制度化するよう、国に対して働きかけてまいります。 17: ◯議長神戸洋美君) 進行いたします。  市川英男議員。     〔五十二番市川英男君登壇〕(拍手) 18: ◯五十二番(市川英男君) それでは、公明党愛知県議員団を代表して、県政の諸問題について、順次お尋ねをいたします。
     質問の第一は、財政運営として、県税収入の見通しと今後の財政運営についてお伺いいたします。  まず初めに、県税収入の見通しについてであります。  来年度当初予算における県税収入は、本年度の当初予算を千百三十七億円下回る一兆五百三十二億円が計上されております。法人二税に加え、地方消費税や個人県民税といった幅広い税目で減収が見込まれているとのことであります。  東海地域の最近の経済情勢を見ますと、生産活動が自動車関連産業を中心に緩やかに回復するなど、持ち直しているものの、新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響により、個人消費がサービス消費を中心に減少し、雇用情勢も弱い動きが続くなど、厳しい状況が残るところであります。  先行きにつきましても、引き続き持ち直しが続くことが期待されるものの、内外の感染拡大が、輸出型産業が集積する本県経済へ与える影響が懸念されるところであります。  そこでお尋ねいたします。  このような東海地域の経済情勢を踏まえ、来年度の県税収入をどのように見込まれたのか、知事の御所見をお伺いいたします。  次に、今後の財政運営についてであります。  本年はコロナ禍克服への突破口を開く重要な年であります。  感染拡大に歯止めをかける取組を強力に推し進めながら、県民の暮らしを足元から支える施策をより丁寧に行っていかねばなりません。その上で、ウイズコロナ、アフターコロナを見据え、短期、中長期の両面から安心と希望の未来、人と地域を生かす社会を目指して、着実に施策を推進していく必要があります。  令和三年度当初予算は、大変厳しい財政状況の中での編成となりましたが、内容を見ますと、今後の財政運営上の懸念も幾つか見受けられます。  まず、喫緊の課題である新型コロナウイルス感染症対策に一千三百億円を超える予算を計上したことで、当初予算の規模は過去最大となりました。また、高齢化の進展等に伴って増加の一途をたどっている医療、介護などの扶助費が、今回の当初予算において初めて三千億円を超えたほか、公債費についても、以前、一般会計で計上していた借換債の影響を除くと、過去最大の予算額となるなど、義務的経費の増加による財政の硬直化が大変懸念されます。  一方、歳入では、県税収入及び地方譲与税の大幅な減収見込みに対して、地方交付税の振替措置である臨時財政対策債の大幅な増加を見込んだことなどにより、県債の予算額が、当初予算として初めて四千億円を超えました。この結果、二〇二一年度末の県債残高は五兆六千四百四億円となり、こちらも過去最大となる見込みであります。  未曾有のコロナ禍においては、県民の命と生活を守り抜くための施策をちゅうちょなく実行していくことが何よりも大切であるため、財源確保のために県債を最大限に活用することはやむを得ないと受け止めております。  しかしながら、県債残高の累増は公債費負担の増加につながり、財政の硬直化をさらに進める要因となるとともに、将来にわたる本県財政の持続可能性という観点からも、決して望ましいものではありません。  そこでお尋ねいたします。  今後の財政運営において、増加する県債残高をどのように捉え、取り組んでいこうと考えておられるのか、知事の御所見をお伺いいたします。  質問の第二は、コロナ禍から県民を守る地域づくりについてであります。  まず、新型コロナワクチン接種の相談体制等についてお伺いいたします。  昨年一月に国内で初めての感染者が確認されて以来、流行している新型コロナウイルス感染症は、依然として厳しい状況下であります。そのような中、ワクチン接種は、感染拡大に歯止めをかける手段として大きな期待が寄せられています。  現在のところ、国内で接種に使用されるワクチンは、米国ファイザー社に加え、米国モデルナ社及び英国アストラゼネカ社が製造したものが予定されており、このうち、ファイザー社製のワクチンはすでに国内で薬事承認をされており、先行接種として、医療従事者約四万人を対象とした接種が始まっています。  ファイザー社とモデルナ社のワクチンはメッセンジャーRNAワクチン、アストラゼネカ社のワクチンはウイルスベクターワクチンです。ウイルスベクターワクチンは、すでに先天性の代謝疾患やがんの治療に応用されており、感染症の領域でもエボラ出血熱のワクチンとして海外で実用化されています。一方のメッセンジャーRNAを用いたワクチン開発は新しい技術であり、実用化されるのは今回が初めてであります。  今回のワクチン接種については、新しい技術によるワクチンに対して不安を感じ、副反応を心配する方、接種を当面見合わせようとする方が相当程度見込まれていることが、民間のアンケート等で明らかとなっています。  通常、ワクチンの承認申請には、臨床試験により収集された安全性と有効性に関するデータを提出することが必要であり、提出されたデータの解析に時間を要するため、承認には少なくとも十年以上を要することが一般的ですが、今回のワクチンについては、迅速性を最優先として、異例とも言えるスピードで承認されています。このことも、県民の方が不安を感じる一つの要因であると考えられます。  先月十七日から始まった医療従事者等に対する国の先行接種では幾つかの医療機関から、軽度の副反応事例が報告されておりますが、おおむね大きな問題もなく順調に進められています。しかしながら、副反応は、接種後、数週間経過した後に起こることもあり得ることから、国ではワクチン接種後、約一か月間、健康状況の調査を行い、被接種者の健康経過をしっかりと見守っていくこととしています。  そこでお尋ねいたします。  県民の方に安心してワクチンを接種していただくためには、万一、副反応が出てしまった場合にも対応できる体制を整えておくことが重要だと考えますが、県としてどのように取り組んでいかれるのか、知事の御所見をお伺いいたします。  次に、学校の新しい生活様式に向けた、児童生徒への支援体制と学校運営の支援の充実についてお伺いいたします。  昨年五月末にコロナ禍で休業していた学校が再開されて以来、学校では、臨時休業期間中の授業時間を取り戻すために、夏休みの短縮や学校行事を中止、短縮するなどの見直しをせざるを得ない状況となりました。  さらに、経済的状況の悪化により、家庭環境が急変するなど、様々なストレスを抱えた児童生徒も増えました。  こうしたことから、様々なストレスを抱えた児童生徒への対応や日々の感染症対策等により、これまで以上に業務が増えた教員への対応として、本年度はスクールカウンセラー、スクールソーシャルワーカー、スクール・サポート・スタッフ、学習指導員の追加配置等が行われました。  ある市では、スクールソーシャルワーカーがほぼ全ての小中学校を訪問するなどし、支援が必要な家庭の早期発見につながったと聞いております。  しかしながら、新型コロナウイルス感染症については、第三波による感染拡大に見られるように、いまだ予断を許さない状況であり、今後も児童生徒にとって制約の多い学校生活が長く続くことが予測されます。  この状況が続けば、心や体の不調を抱えたり、家庭状況が不安定となったりする児童生徒がさらに増え、一人一人の状況にきめ細かく対応していくために、教員の業務がより一層増えていくことは、容易に想像できます。教員の業務の増加は、これまで以上に教育活動に支障を来すことが懸念されます。  児童生徒が長期休業明けに久しぶりに出会った友人や先生方の顔を見たときの笑顔を見れば、学校教育の重要性を感じずにはいられません。コロナ禍においても、子供たちには、感染予防対策を最優先しながらも、学校で友人と先生と共に学ぶことの楽しさを味わわせることができるよう、多くの大人の手で支援をし続けることが大切であると考えます。  そこでお尋ねいたします。  県教育委員会として、学校の新しい生活様式に向けた児童生徒への支援体制と学校運営の支援を今後どのように充実していかれるのか、教育長の御所見をお伺いいたします。  質問の第三は、支え合う地域づくりについてであります。  まず、地域共生社会の実現に向けた取組についてお伺いいたします。  少子・高齢化の進展に伴う家族構成の変化や住民同士のつながりの希薄化などにより、地域社会における支え合いの力が低下し、こうしたことを背景に高齢の親が地域社会から孤立し、長期間ひきこもりの状態にある中高年の子供の生活を支える八〇五〇問題や、子育てと親の介護を同時に担うダブルケアの問題など、個人や世帯が抱える課題は複雑化してきています。  こうした複雑化する課題を解決していくためには、介護や子育て、生活困窮など従来の分野別の支援では十分な対応が難しく、分野横断的な支援が求められるとともに、行政による取組だけでなく、人と人、人と地域社会がつながり、一人一人が生きがいを持ち、助け合いながら暮らしていくことのできる地域共生社会の実現が求められております。  具体的には、介護や障害、子供、生活困窮などの分野を問わず、複雑化する相談を受け止めることができる相談支援、ひきこもりの状態にある方などに対し、世帯や個人の課題に応じて社会とのつながりを促す参加支援、独居高齢者や子育て世帯の孤立などを防ぐために、住民同士の交流を深め、互いに支え合う地域社会を構築する地域づくりに向けた支援の三つの取組を推進していくことが重要となってまいります。  そのため、昨年六月に社会福祉法が改正され、これら三つの取組を一体的に進める重層的支援体制整備事業が創設され、本年四月から市町村が実施できることとされました。また、この事業に取り組む市町村への財政支援として、事業に要する費用の一部を国や県が負担する交付金制度も新たに設けられたところであります。  昨年九月議会の私ども公明党の代表質問において、地域共生社会の実現に向けた県の取組について質問をしたところ、知事からは、今年度、市町村職員向けの研修会を実施するなど、市町村の取組を支援していく旨の御答弁をいただきました。  そこでお尋ねいたします。  県として、地域共生社会の実現に向けてどのような取組を進めてこられたのか、また、今後、どのように進めていかれるのか、知事の御所見をお伺いいたします。  次に、子供の貧困対策についてお伺いいたします。  新型コロナウイルス感染症の影響が長期化する中、経済活動が停滞し、休業による収入の減少や失業者の増加など、県民の生活にも多大な影響が生じ、こうした中、子供の貧困の問題はより深刻さを増していることが懸念されます。  昨年七月に厚生労働省が公表した国民生活基礎調査によれば、二〇一八年の子供の貧困率は一三・五%であり、子供の七人に一人が貧困状態にあることが示されました。子供の貧困率とは、中間的な所得の半分に満たない家庭で暮らす十八歳未満の子供の割合を示しており、我が国における子供の貧困率は、二〇一二年の一六・三%をピークとして、これまで改善に向け進んでおり、前回二〇一五年の一三・九%から二〇一八年には一三・五%へと僅かに改善してまいりました。  しかしながら、新型コロナウイルス感染症の影響による解雇や雇い止めなどにより就労の機会が失われ、経済的に困窮する子育て世帯も増加し、数字以上に子供の貧困の問題はより一層深刻化していると考えます。  県においては、二〇一八年二月に子どもが輝く未来へのロードマップを策定し、教育の機会の均等、健やかな成育環境、支援体制の充実の三つの視点から、子供の貧困に対する取組を進めてきました。  具体的には、生活困窮者に対する自立に向けた支援や生活困窮世帯の子供に対する学習支援、居場所の提供、また、子どもが輝く未来基金を活用し、子ども食堂の開設や児童養護施設等の子供たちへの支援などに取り組んできたところでありますが、コロナ禍により、子供の貧困がより一層深刻化している現状においては、子供の貧困対策の充実、強化が強く求められております。  そこでお尋ねいたします。  コロナ禍における子供の貧困への対応について、県としてどのように取り組んでいかれるのか、知事の御所見をお伺いいたします。  次に、AYA世代のがん患者に対する妊よう性温存についてお伺いいたします。  AYA世代とは、アドレッセント・アンド・ヤングアダルトの略で、一般的に十五歳から三十九歳までの思春期及び若年成人世代を言います。また、妊よう性とは、妊娠するための力のことをいい、女性だけでなく男性にも共通して関係するところであります。  抗がん剤や放射線、さらには手術などの治療により、生殖機能が影響を受け、妊よう性が低下したり、失われたりすることがあります。  AYA世代のがん患者さんにとって、妊よう性の温存は、将来自分の子供を持つという希望を抱いて、前向きにがん治療に取り組むために、大変重要であると考えます。  しかしながら、妊よう性温存治療を進めるに当たっては、二つの大きな課題があると考えています。  まず、妊よう性温存に関する患者さんへの情報提供についてです。国立がん研究センターが二〇一九年度に全国のがん患者さんを対象に実施した調査によれば、がん治療を開始する前に、医師からその治療による妊よう性への影響について説明があったとする回答割合は約半数にとどまっており、妊よう性温存に関する情報がAYA世代のがん患者さんに十分届いていない可能性があります。  AYA世代のがん患者さんは、年代によっても、病状だけでなく、就学、就労など個々の事情が大きく異なり、正確な情報を県や医療機関がきめ細かく確実に患者さんへ提供することが必要であると考えます。  また、高額な治療費に対する経済的な支援についても重要です。妊よう性温存治療は医療保険が適用されないため、全額自己負担となります。患者団体が二〇一七年に、がん罹患時に二十歳から五十歳であった男女を対象に実施したアンケートによれば、約二一%の人が妊よう性温存治療に関する費用が高額であるため、治療を諦めたと回答しております。特にAYA世代は、若年で経済的基盤が弱い方が多く、高額ながん治療に加え、妊よう性温存治療費も負担しなければならず、経済的な支援を必要としています。  そこでお尋ねいたします。  AYA世代のがん患者さんの妊よう性温存について、どのように取り組んでいかれるのか、知事の御所見をお伺いいたします。  質問の第四は、魅力、活力ある地域づくりについてであります。  まず、地域のイノベーションを支えるスタートアップの創出、育成についてお伺いいたします。  現在、新型コロナウイルス感染症の感染拡大により社会経済を支える多くの企業がダメージを受け、先行き不透明感が世界中に広がっています。  感染再拡大にさいなまれる中でも、欧米諸国では、ポストコロナにおいて今後成長を牽引するイノベーションを加速する攻めの姿勢に軸足が移されています。我が国でも昨年十二月に総合経済対策が閣議決定され、中小企業の事業再構築支援を通じた体質強化や、スタートアップをはじめ、イノベーションを生み出す環境の強化などの施策に資源を集中投下する方針が示されました。  県では、スタートアップを起爆剤とするイノベーション創出に本腰を入れて取り組んでいるところですが、十二月に開催された日本経済新聞主催のスタートアップをテーマとするシンポジウムでは、様々な意見が出される中で、地元企業には優秀な技術者が多くおり、そうした人材を有効に活用する必要があるとの課題が挙げられていました。  本県には、大企業はもとより中小企業にも多くの優秀な人材がおり、まだその力を発揮する余地があるということだと思います。  一方で、グローバル化やデジタル技術の加速度的な進展により、今後、産業構造も大きく変革されていくことが想定されます。日本の成長エンジンであるこの地域が、引き続き産業競争力を維持、強化していくためには、地元の優秀な人材が活躍するスタートアップの起業を促し、成長を後押しすることで、イノベーションの起爆剤となるスタートアップの厚みをさらに増やし、本県産業の変革を支えていかねばなりません。  そこでお尋ねいたします。  二〇二四年十月に開設するステーションAiには千社のスタートアップを見込んでいるとのことですが、当地域の人材を生かして、どのようにイノベーションを支えるスタートアップを創出、育成していかれるのか、知事の御所見をお伺いいたします。  次に、観光振興におけるジブリパーク開業効果の活用についてお伺いいたします。  新型コロナウイルス感染症は、観光の分野にも大きな影響を与えております。人の移動を伴う観光需要は大幅に減少し、観光関連産業は大変厳しい状況に置かれております。  JNTO(日本政府観光局)の統計では、二〇一〇年に八百六十一万人だった訪日外国人旅行者数が、二〇一九年には三千百八十八万人まで増加するなど、右肩上がりの成長を続けていました。  今後、ワクチン接種の進展などにより、感染症への不安がなくなれば、観光は、再び成長性のある魅力的な市場となり、再び地域間競争が厳しさを増していくと思われます。新型コロナウイルス感染症の影響で旅行、観光市場が冷え込む中においても、感染症が終息した後の反転攻勢に向けて、しっかりと準備を進めていく必要があると考えます。  県では、昨年十二月に策定したあいち観光戦略二〇二一─二〇二三において、観光関連産業の振興を図ることを目的として、感染拡大前に過去最大であった二〇一九年の観光消費額の実績、約八千六百億円をさらに伸ばし、二〇二三年に一兆円とする目標を設定しております。  そして、この目的、目標の達成に向けた取組の方向として、多様な資源の磨き上げによる観光コンテンツの高付加価値化と、愛知の独自の強みの活用、伸長による競争力の向上を掲げております。  二〇二二年秋に開業予定のジブリパークは、間違いなく世界中から注目を集める、魅力ある付加価値の高い観光コンテンツとして、観光振興における本県の最大の強みの一つとなることから、その開業効果を十分に活用することにより、本県の観光をさらに大きく伸ばしていくことが期待されます。  そこでお尋ねいたします。  ジブリパークの開業効果を県内に広く波及し、観光消費を拡大させていくため、今後どのように取り組んでいかれるのか、知事の御所見をお伺いいたします。  質問の第五は、安全・安心な地域づくりについてであります。  まず、若者世代の防犯意識の醸成についてお伺いいたします。  本県における昨年の刑法犯認知件数は、前年対比二〇%減少の三万九千八百九十七件であり、二〇〇六年以降、五次にわたる短期、集中的な三年ごとの地域安全戦略の取組により、戦後最多を記録した二〇〇三年の約二十二万五千件から約二割まで減少いたしました。  しかしながら、特殊詐欺につきましては、昨年の認知件数は五百六十九件と八%減少したものの、被害総額は約十三億円と三〇%増加しており、県民の安全・安心を脅かす非常に憂慮すべき状況にあります。  また、被害者の八割以上を高齢者が占めており、老後の生活の糧となる貴重な財産を奪われ、精神的な痛手も大きく、極めて卑劣で許されない犯罪であります。  その犯罪構造を見てみますと、若者が重大な犯罪という認識もなく、アルバイト感覚で受け子やかけ子等の実行犯として加担している状況にあります。今後も、コロナ禍における収入の減少と失業者の増加といった社会不安に乗じて、特殊詐欺が一層増加することも懸念されます。  このため、県警察においては、検挙活動の強化に加え、留守番電話機能等の活用を促す広報啓発や、特殊詐欺被害防止コールセンターから高齢者宅への注意喚起を行うとともに、高額出金者への声かけと警察への通報を金融機関等に依頼するなど、被害の未然防止のための各種取組が展開されているところであります。  現在策定が進められております、次期あいち地域安全戦略二〇二三では、刑法犯認知件数のさらなる減少を目指して、各種の施策が盛り込まれておりますが、特殊詐欺の撲滅に向け、抜本的な対策を講じていくためには、これら県警察の対策に加え、若者世代の防犯意識や規範意識の醸成など、新たな視点からの対策も非常に重要だと考えます。  そこでお尋ねいたします。  特殊詐欺の撲滅に向け、若者世代の防犯意識を醸成していくために、今後どのように取り組んでいかれるのか、知事の御所見をお伺いいたします。  次に、防災・減災、国土強靱化のための五か年加速化対策を踏まえた今後の治水対策についてお伺いいたします。  近年、気候変動の影響により、水災害は激甚化、頻発化し、令和二年七月豪雨では、梅雨前線の停滞により全国各地で記録的な大雨となり、大河川での氾濫が相次いだほか、土砂災害、低地の浸水等により、人的被害や物的被害が多く発生しました。  県においては、愛知県地域強靱化計画に基づき、二〇一八年から国の防災・減災、国土強靱化のための三か年緊急対策を活用するなど、これまでも様々な防災・減災対策やインフラの老朽化対策に取り組んでおりますが、いまだ備えは十分ではなく、災害に屈しない強靱な県土づくりを進めるためには、防災・減災、国土強靱化の取組の加速化、深化を図る必要があります。  こうした中、国は、国土強靱化基本計画に基づき、おおむね十五兆円程度をめどとした防災・減災、国土強靱化のための五か年加速化対策を昨年十二月に定め、来年度からの五年間で重点的かつ集中的に対策を講ずることとしました。  この対策は、風水害や大規模地震等への対策、予防保全型インフラメンテナンスへの転換に向けた老朽化対策の加速、デジタル化等の推進を柱として取組を進めることとしております。  本県は、日本最大のゼロメートル地帯に約八十万人の県民が暮らし、製造品出荷額等が約九兆円に上る産業も集積しています。  しかし、伊勢湾台風や高度成長期に集中的に整備され、ゼロメートル地帯を守ってきた排水機場などのインフラは、今後一斉に老朽化が進み、維持管理、更新を確実に実施しなければ、中長期的なトータルコストの増大を招くのみならず、本県の行政・社会経済システムが機能不全に陥る懸念があります。  この現況下において、大規模な水災害が発生すると、多くの人命が危機にさらされ、また、産業や交通が機能停止するようなことがあれば、全国に甚大な経済損失を与えることとなります。
     防災、減災を政治、社会の主流に掲げる、私たち公明党は、地域を守る防災インフラの老朽化対策と併せ、激甚化する風水害への対策を加速していかなければならないと考えます。  そこでお尋ねいたします。  五か年加速化対策を踏まえた本県における今後の治水対策についてどのように取り組んでいかれるのか、知事の御所見をお伺いいたします。  質問の第六は、一人一人が輝く地域づくりについてであります。  まず、愛知県におけるDXの推進についてお伺いいたします。  国は、新型コロナウイルス感染症の拡大防止対策を通じ、行政分野のデジタル化に関する様々な課題が明らかになったことなどを受け、その対応を含め、社会全体のデジタル化を強力に進めることとし、昨年十二月二十五日にはデジタル社会の実現に向けた改革の基本方針を閣議決定いたしました。  この基本方針では、デジタル庁の設置の考え方や、デジタル社会の目指すビジョンとして、デジタルの活用により、一人一人のニーズに合ったサービスを選ぶことができ、多様な幸せが実現できる社会を掲げ、このような社会を目指すことは、誰一人取り残さない、人に優しいデジタル化を進めることにつながるとしています。  県では、昨年十月に愛知県DX推進本部を立ち上げ、DX推進本部を司令塔として、プランに掲げる施策に全庁一丸となって取り組むこととし、十二月には、行政のデジタル化、産業界におけるDXの促進、産業人材育成、ICT教育など様々な施策を幅広く盛り込み、新たに進捗管理指標等を設定するあいちDX推進プラン二〇二五を策定しております。その間、十一月議会には、行政手続等のオンライン化に向けた課題分析等、県行政のデジタル化に向けた取組に係る予算を提案されるなど、これらの矢継ぎ早の取組を高く評価したいと思います。  また、県のデジタル化には、民間との連携、協力が極めて重要であることは言うまでもありません。十二月十六日には、我が党の議員も立ち会わせていただき、愛知県と日本マイクロソフト株式会社との連携・協力に関する包括協定が締結されました。デジタルを利用した学校教育やデジタル人材の育成などについて連携、協力することとし、民間との連携にも県は積極的に取り組む姿勢を見せております。我が党も、民間と連携を進める県の取組の後押しをしっかりとしてまいりたいと思います。  来年度当初予算案では、プラン策定後の最初の予算として、テレワーク環境の整備、デジタル人材の育成、自動車安全技術の推進、スマート農業の推進など、新規、拡充事業を含め幅広く計上されており、この中には、我が党が要望しているデジタル社会を支える人材の育成の強力な推進、デジタルミニマムの視点を踏まえた、高齢者をはじめ、デジタル機器に不慣れな人に対する環境整備も含まれており、きめ細かな対応がなされております。早急に着手し、着実に成果を上げていただきたいと思います。  その上で、愛知県における行政のデジタル化、DXを迅速に推進し、県民サービスの向上に迅速、着実につなげていくためには、司令塔であるDX推進本部を中心に、県の組織体制をさらに整備し、必要となる予算をしっかり確保し、集中的に取り組むことが必要と思われます。  そこでお尋ねいたします。  国も行政のデジタル化を進める中、県として今後どのように行政のデジタル化、DXに取り組んでいかれるのか、知事の御所見をお伺いいたします。  次に、県立商業高校におけるデジタル人材の育成についてお伺いいたします。  現在、県においては、先ほど申し上げたとおり、あいちDX推進プラン二〇二五が策定され、デジタル人材の育成が柱の一つとして掲げられ、学校教育においては、ビジネスモデルの変革を推進できる産業人材の育成に向けて、ICT教育を充実することとしております。  こうした中、教育委員会では、高速通信ネットワークの整備や、生徒用タブレット端末四万台の配備を進め、民間のオンラインサービス、スタディサプリを全県立学校の生徒を対象に導入して学習支援に取り組むなど、ICT教育の充実を図っております。  また、来年度から県立工業高校を工科高校に校名変更するとともに、IT工学科の新設やロボット工学科の拡大など、デジタル化が進む産業界で即戦力となる人材の育成に取り組んでおります。  さて、本県の職業学科の中で工業高校に次いで生徒数が多いのは商業高校であります。本県は、商業科で学ぶ生徒は全国で最も多く、約一万三千人であります。そのうち県立商業高校は約八千人であり、以前からプログラミングやネットワークの情報教育に取り組んでおります。こうしたデジタル人材育成の素地がある商業高校の学びをさらに充実させていくことが重要であると考えます。  県立商業高校には、十一月補正予算により生徒一人一台、タブレット端末を重点的に配備することとされております。また、二月補正予算においても、国が進める工業や商業などの職業系専門高校を対象としたスマート専門高校の実現に向けた事業を受け、県立商業高校において最先端のデジタル化に対応した産業教育装置を整備する予算が計上されております。  そこでお尋ねいたします。  県立商業高校ではデジタル人材の育成に向けて、どのような取組を進めていかれるのか、教育長の御所見をお伺いいたします。  最後に、新しい生活様式に対応したテレワークの推進についてお伺いいたします。  ICTを活用して時間や場所にとらわれない柔軟な働き方を可能にするテレワークは、従業員の仕事と生活を両立させるワーク・ライフ・バランスの実現や、女性、障害者などが活躍する機会の拡大、労働時間や通勤時間の削減など、新しい働き方を実現する手段の一つでもあります。  また、企業にとっても、生産性の向上を図ることや、人材の確保につながるほか、オフィスの維持や従業員の移動に伴うコストの削減につながる効果も期待され、さらにはBCP対策として、緊急時の事業継続としても効果が期待されます。  昨年四月、五月の新型コロナウイルス感染症の拡大による緊急事態宣言を契機に、急速にテレワークが広まりましたが、テレワークは緊急事態宣言解除後、減少していると言われています。  一般社団法人中部経済連合会が二〇二〇年十月から十一月に実施したコロナショックによる課題認識、対応状況に関するアンケートにおいても、二五%の企業がテレワークを新型コロナ以降に実施したが、現在は取りやめたという結果になっております。  一方、テレワークの導入に当たっては、できる業務が限られている、情報セキュリティーの確保が難しい、書類、資料が電子化されていない、勤怠管理が難しいといった様々な課題が明らかになっております。  さらに、実際にテレワークを実施した企業からも、部下と上司、同僚、取引先とのコミュニケーションが取りづらかった、人事評価や健康状況の把握など、これまで想定していなかった労務管理上の対応に苦慮したとの声も聞いております。  ウイズコロナ、ポストコロナの時代も見据えると、テレワークの役割はますます重要であり、企業がこうした課題を克服し、適切に労務管理を行いながら、労働者が安心して働くことのできる形でテレワークを推進し、定着させていくことが必要であります。  そこでお尋ねいたします。  ウイズコロナ、ポストコロナを見据え、テレワークの導入促進と定着のために今後どのように取り組んでいかれるのか、知事の御所見をお伺いいたします。  以上、公明党愛知県議員団を代表いたしまして、県政各般にわたる様々な課題について質問をしてまいりました。  知事はじめ、理事者各位の明快な答弁を期待いたしまして、質問を終わります。  御清聴ありがとうございました。(拍手)     〔知事大村秀章君登壇〕 19: ◯知事大村秀章君) 公明党愛知県議員団の市川英男団長の質問にお答えをいたします。  初めに、県税収入の見通しについてお答えをいたします。  来年度の県税収入につきましては、各種経済指標や企業の業績予想のほか、昨年十二月上旬までに行った主要企業五百社への個別の聞き取り調査の結果などを踏まえて見込んだところであります。  上場企業の二〇二一年三月期の業績予想は、本県の主要産業である自動車産業などで持ち直しの動きが見られるものの、新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響により、連結経常利益全体で二三%もの大幅な減益が見込まれております。こうした企業収益の状況を反映し、法人二税は、本年度当初予算額に比べ二割を超える六百八十四億円の減となる二千五百七十四億円を計上したところであります。  加えて、個人消費の減少による地方消費税の減収、現下の厳しい雇用・所得環境を反映した個人県民税の減収など、幅広い税目で減収が見込まれることから、県税全体では、一兆五百三十二億円と、本年度当初予算から一千百三十七億円の減収が見込まれます。また、特別法人事業譲与税などの地方譲与税を合わせますと一千六百十八億円もの減収が見込まれ、これは過去三番目の大幅な減収であります。  税収を取り巻く環境は大変厳しい状況でありますが、今後も、新型コロナウイルス感染症が本県経済へ与える影響を注視しながら、当初予算計上額の確保に努めてまいりたいと考えております。  次に、今後の財政運営についてであります。  二〇二一年度当初予算では、県税収入等の大幅な減収に対応するため、地方交付税の振替措置である臨時財政対策債を前年度から一千四百億円増額計上した結果、二〇二一年度末の県債残高は五兆六千四百四億円となり、前年度に比べ、一千百八十六億円増加する見込みであります。  このうち、投資的経費に充てる通常の県債の実質的な残高は、二〇二一年度末で二兆四百四十一億円となる見込みであり、あいち行革プラン二〇二〇の進捗管理目標である二〇一九年度決算における残高を超えない水準を維持しております。今後も、着実に償還を進めつつ、必要な公共投資を確保しながら、残高の水準を維持、抑制するよう努めてまいります。  一方で、県債残高の半分以上を占める臨時財政対策債などの特例的な県債の発行が多額になっており、これは県債残高全体を増加させる要因となっております。  臨時財政対策債の元利償還金は、後年度に国が全額財源保障するものでありますが、地方財政全体の持続可能性の観点から大きな課題であると認識をしております。本来あるべき姿は、地方交付税として交付されることでありますので、国税の法定率引上げ等による臨時財政対策債の廃止について、引き続き国に主張してまいります。  あわせて、来年度は国が拡充した財政融資資金などの低利な公的資金を可能な限り確保してまいります。  続いて、新型コロナウイルスワクチン接種の相談体制等についてのお尋ねです。  新型コロナウイルスの感染終息の兆しが見えない中、その切り札として期待されるワクチン接種については、安心して県民の皆様に受けていただき、集団免疫の獲得につなげていくことが重要です。  そのためには、国、県、市町村、そして、ワクチンメーカーが、それぞれの役割に応じて、ワクチン接種に関する様々な相談に対応していく必要があります。  その役割において、市町村では、ワクチン接種に関する一般的な相談を受け持つ一方、県では、市町村で対応困難な医学的知見を必要とする専門的な相談に対応することとなっております。  こうしたことから、県では、現在十二の保健所等で実施している、保健師や看護師による新型コロナウイルス感染症の電話相談窓口において、ワクチン接種に関する相談によりきめ細かく応じていくため、四月から体制をさらに拡充し、市町村では対応困難な相談にもしっかりと対応できるようにしてまいります。  さらに、ワクチン接種後、副反応を疑う症状を示した方への対応につきましても、県内十か所程度の専門的医療機関の協力を得て、かかりつけ医では対応困難な副反応の症状に総合的に対応できる医療体制を今月中に確保してまいります。現在調整を進めているところでございます。  こうした取組によりまして、県民の皆様からの相談等にきめ細やかに対応し、安心してワクチンを接種していただける体制を万全に整備してまいります。  次は、地域共生社会の実現に向けた取組についてお答えをいたします。  地域共生社会を実現するためには、地域住民の複雑化する様々な課題へ的確に対応する重層的支援体制整備事業に市町村が積極的に取り組んでいただくことが重要であると考えております。  そのため、本県では、昨年十月に地域共生社会の推進に関する研修会を開催し、有識者による講演や県内外の自治体の先進事例を紹介するなど、事業の実施に向けて市町村を後押ししてまいりました。  こうした取組の結果、岡崎市、豊田市、東海市、大府市、長久手市が来年度からこの事業に取り組んでいただけることになり、五市への交付金四億余円を二〇二一年度当初予算案として提案をいたしております。  この事業につきましては、来年度、全国で四十二の市町が事業を開始する予定としており、五市の実施は都道府県の中では最も多く、本県では積極的に取組を進めていただいている状況にあります。  また、今月中に策定するあいち福祉保健医療ビジョン二〇二六では、二〇二六年度までに、二〇市町村での実施を数値目標に掲げることとしており、目標達成に向けて、引き続き市町村を対象とした研修会を開催し、有識者による講演や、先行実施する五市の取組状況を紹介するなど、市町村における取組を促進してまいります。  今後とも、地域で暮らす全ての方々が、生きがいや役割を持ち、共に助け合いながら安心して暮らせる地域共生社会の実現に向け、しっかりと取組を進めてまいります。  次に、子供の貧困対策についてであります。  コロナ禍における子供の貧困対策につきましては、休業や失業などに伴う収入の減少により、経済的に逼迫する子育て世帯を支援することが重要であります。  そのため、生活福祉資金貸付金の対象に、コロナ禍により収入が減少した世帯を加えるとともに、生活困窮世帯の家賃相当額を支給する住居確保給付金の支給要件の緩和などを行ってまいりました。  この結果、本年一月末までの生活福祉資金の貸付決定額は約百五十六億八千万円、住居確保給付金の支給額は約九億八千万円と、非常に多くの方々に御活用いただいております。  また、コロナ禍で人と人とが触れ合う機会が減少する中、子ども食堂は子供たちに食事を提供するだけでなく、子供の孤立を防ぐ居場所として重要な役割も担っておりますことから、安全・安心に開催できるよう、十一月補正予算で感染防止対策に必要な経費を計上し、衛生用品等の購入費用を助成しているところであります。来年度におきましては、新規に開設される子ども食堂の感染防止対策に必要な費用を助成することにより、コロナ禍における子ども食堂の開設を支援してまいります。  今後とも生活困窮対策や子ども食堂への支援など、子供の貧困対策を推進し、コロナ禍においても、未来を担う子供たちが健やかに成長できる環境の整備にしっかりと取り組んでまいります。  続いて、AYA世代のがん患者に対する妊よう性温存についてお答えをいたします。  がん患者さんの妊よう性温存は、将来自分の子供を持つという希望を抱いて、前向きにがん治療に向き合うためにも、大変重要であります。  まず、妊よう性温存に関する情報提供についてであります。  本県では、AYA世代のがん患者さんに対し、がん対策のウェブページやがんに関する有用な情報を記載したあいちのがんサポートブックの中で、妊よう性温存について普及啓発しております。また、今月新たに、専門医監修の下、がん治療が妊よう性に与える影響や妊よう性温存治療までの流れについて分かりやすく記載したリーフレットを作成し、医療機関に配布することにより、がん患者さんや御家族に必要な情報が確実に届くようにしてまいります。  次に、妊よう性温存に対する経済的支援についてであります。  妊よう性温存にかかる治療費は高額なため、患者さんへの経済的な支援が必要であると認識しております。そこで、本県では、来年度から治療費を助成する事業を新たに創設し、受精卵凍結には三十五万円、卵巣組織凍結には四十万円など、治療方法に応じた費用を直接患者さんに対し助成できるようにしてまいります。  今後も、丁寧な支援を継続し、AYA世代のがん患者さんに寄り添い、がんになっても安心して自分らしく暮らせるあいちの実現を目指してまいります。  次は、地域のイノベーションを支えるスタートアップの創出、育成について御質問をいただきました。  世界的な大企業やノーベル賞を輩出する大学などに多くの優秀な人材を抱える本県は、スタートアップ拠点としてのポテンシャルが非常に高い地域であると考えます。  新型コロナウイルス感染症の終息後、本県産業がさらなる飛躍を図るためには、この地域の優秀な人材がスタートアップを立ち上げて、次々とイノベーションを創出することが必要となります。ステーションAiは、その中核施設でありまして、昨年十一月に入札公告を行い、PFI事業者の選定手続を今進めているところであります。今後は、本年七月に落札者を決定し、九月議会に事業契約議案を提出する予定としておりまして、その後、十月にPFI事業契約を締結し、設計、建設の整備期間の約二年八か月を経て、二〇二四年十月に供用開始する計画であります。  また、ステーションAiを整備する間においても切れ目のない支援を行うため、WeWorkグローバルゲート名古屋に設置する早期支援拠点を、四月からプレ・ステーションAiとして機能強化し、起業を志す方、第二創業者、社内起業家など、多様なスタートアップの活動拠点としてまいります。  さらに、社会人起業家をメインターゲットとするあいちスタートアップキャンプや、新たに事業承継、第二創業者に対象を拡大する起業支援金、世界トップクラスの経営大学院であるフランスのインシアードによる企業の新規事業担当者向けの講座などにより、スタートアップや新規事業を次々と生み出し、育て、成長を促す取組を強化してまいります。  イノベーションの創出に大きな潜在力を持つ地域には、人々を吸い寄せる強い磁場があります。この地域の人材の育成とともに、国内外から人材を集め、多様な人材が活躍する愛知独自のスタートアップ・エコシステムを形成し、日本経済を盛り上げてまいります。  次に、観光振興におけるジブリパーク開業効果の活用についてであります。  ジブリパークは、世界中の多くの人々を引きつける、大変強力な観光コンテンツであることから、その開業効果を活用して、国内外から多くの旅行者を呼び込むとともに、県内各地での宿泊や周遊観光に誘導し、観光消費を拡大させていくことが重要であります。  そのため、本県では、ジブリパークの来場者に対し、旅行業、宿泊業、観光施設などの観光関連事業者等が、デジタルを活用して効果的に情報発信を行うための仕組みを構築することとしております。  具体的には、ジブリパーク来場者への入場チケットの販売を担う株式会社ブギウギエンタテインメントと連携し、同社が保有する来場者の年齢、性別、居住地や趣味、嗜好などのデータを活用して、観光関連事業者等がターゲットに対し的確にインターネット広告を配信するシステムを構築してまいります。  また、ジブリパークを生かして、本県の観光のブランド力を強化するため、株式会社スタジオジブリに監修を依頼して、ジブリパークのある愛知をイメージしたデザインや動画を制作して、本県や市町村、観光関係団体及び事業者等が行う観光誘客の取組に活用してまいります。  ジブリパークの開業を機に、ジブリパークのある愛知として地域が一体となり、本県の観光を大いに盛り上げ、新たな顧客を開拓していくことにより、観光消費の拡大につなげてまいります。  続いて、若者世代の防犯意識の醸成についてお答えをいたします。  特殊詐欺は、被害者の大半を占める高齢者の生活の根幹を脅かす、極めて卑劣な犯罪であるにもかかわらず、その重大性を認識せずに加担する若者が多いことも事実であります。若者世代の防犯意識の醸成に社会全体で取り組むことが大変重要であると考えます。  このため、次期あいち地域安全戦略二〇二三では、特殊詐欺を最も重要な課題の一つとして位置づけ、県警察による検挙活動はもとより、高齢者の被害防止対策として、金融機関での声がけや、老人クラブ、民生委員等と連携し、年々巧妙化する手口への注意喚起を行うなど、地域が一体となった取組を推進してまいります。  また、特殊詐欺の撲滅に向けた新たな対策として、将来ある若者たちが安易に加害者となることがないよう、大学や自主防犯団体等と連携をし、インターネット上に潜む危険や犯罪行為としての重大性を呼びかけ、防犯意識と規範意識の醸成を図ってまいります。  さらに、同じ若者の立場からの取組も極めて重要でありますので、県主催の養成アカデミーにおいて、学生ボランティアの育成強化を図るとともに、若者による防犯ボランティア団体の立ち上げや活動を支援し、若者世代の参画を一層促進してまいります。  今後も、次代を担う若者世代の防犯意識の醸成にしっかりと取り組み、特殊詐欺のさらなる抑止につなげてまいります。  次は、防災・減災、国土強靱化のための五か年加速化対策を踏まえた、今後の治水対策についてのお尋ねであります。  水災害が激甚化、頻発化する中、治水対策は、危機に強い愛知、安全・安心な愛知をつくっていく基本となるものであります。  国土強靱化に向け、昨年取りまとめられた五か年加速化対策において、国土交通省は、風水害や大規模地震等への対策を柱の一つとして掲げております。  本県におきましては、五か年加速化対策を計上した今年度の国の第三次補正予算も積極的に活用し、これまで一体的に進めてきた八田川の改修と地蔵川の排水機場及び広田川の菱池遊水地などの早期完成を目指します。  また、柳生川地下河川や日光川二号放水路の工事着手に加え、大山川では豊山町青山地区における広域防災拠点の計画と併せ、調節池を整備するなど、広域にわたって治水効果を発揮する大規模事業にも取り組んでまいります。  さらに、地震、津波、高潮に備え、堤防の耐震対策や機能強化を進めるとともに、排水機場、水門をはじめとした防災インフラの老朽化対策を加速するなど、事前防災対策を一層推進してまいります。  今申し上げましたように、今回のこの五か年加速化対策を目いっぱい活用させていただいて、国土強靱化関係予算を最大限活用した河川や雨水貯留浸透施設の整備などに加え、水害リスク情報の充実や避難体制の強化など、あらゆる関係者が協働して、流域全体で行う流域治水の方針に基づき、治水対策に引き続き全力で取り組んでまいります。  次に、愛知県におけるDX(デジタルトランスフォーメーション)の推進についてであります。
     昨年十月に愛知県におけるDXの司令塔として愛知県DX推進本部を立ち上げました。年末には、あいちDX推進プラン二〇二五を策定し、来年度予算案には、プランに掲げる様々な施策を積極的に実施、推進するため、二〇二〇年度を大きく上回る総額約四十億円のDX推進関連予算を計上いたしました。  また、本年四月一日に、新たに総務局内にDX推進室を設置いたしまして、民間企業、市町村からの派遣職員七名を含め、県の職員七名で、十四名で、プランに掲げる施策の実施、推進を加速させてまいります。  この体制により、AI、RPA等の先進的なICT技術を取り入れた業務変革、テレワーク環境の整備充実、デジタル人材の育成、市町村との連携、協力等を進めてまいります。さらに、行政手続のオンライン化についても、行政手続の実態調査、課題分析等の結果を踏まえ、今後、県としての方針の策定を早急に行ってまいります。  加えまして、新たにデジタル人材を確保していくことも重要と考えております。民間企業との人事交流の実施はもとより、民間企業等職務経験者を対象とした職員採用試験にICTの試験区分を新設するとともに、新年度から採用試験を、それは今までは一回で四月採用だったのを年二回として、随時採用として幅広く人材を求めるなど、人材の確保にも取り組んでまいります。  さらに、連携・協力に関する包括協定を締結している日本マイクロソフト株式会社さんから技術的アドバイスをいただきます。これは議員も御指摘のとおりで、また、御同席もいただきましたが。アドバイスをいただいた上で、愛知県感染防止対策協力金に関する県民の皆様からの御質問にAIにより自動応答するシステムであるチャットボットを一月十四日から導入、運用しております。  これは、マイクロソフトさんから、そういうプラットフォームというか、技術アドバイスをいただいて、県の職員がAIを使ってシステムをつくって、チャットボットを一月十四日から導入、運用しているということでありまして、昨日三月一日までに八千二十二件の問合せにお答えをした実績があります。  これによりまして、県民の皆様の御質問には二十四時間対応できるようになりまして、チャットボットの導入前日の一月十三日は、この感染防止対策協力金の電話での問合せが一日で八百十九件ありましたが、現在では、平日が百件から二百件、休日は五十件程度となっておりまして、特に、日中はコールセンターに電話できない方などにとって、利便性が向上したと考えております。  要は、質問と回答が定型的なので、それを毎日毎日付け加えていくと、AIが自動的にどういう御質問ですかといって、ぽんぽんぽんとスマホなりタブレット、パソコンで答えてくれるということでございまして、一か月半で八千件の問合せ実績、一日八百件あったものが、百件から二百件、休日は五十件と、これでやはり相当合理化、県民の皆さんの利便性も向上いたしましたし、行政のほうの効率化も進んだというふうに考えております。  今後は、こうした施策を他の施策への横展開を図りまして、各部局にこういうものがあるよということで広げて、各部局もそれぞれ県民の皆様からの問合せには、そうしたチャットボットを使って、もっともっと合理化、効率化してほしいということで、今、展開をさせていただいておりまして、一層の利便性の向上とさらなる業務効率化を進めてまいります。  今後も、DX推進本部を司令塔として、行政のデジタル化、DXに、庁内横断的、機動的に取り組んでまいります。  私からの最後の答弁になりますが、新しい生活様式に対応したテレワークの推進についてお答えをいたします。  テレワークは、ウイズコロナ、ポストコロナ時代における新しい働き方であり、ワーク・ライフ・バランスの推進や人材確保などを通じた企業の地蔵的発展にもつながることから、円滑に制度の導入や定着を図っていく必要があります。  このため、今年度は、テレワークの導入プロセスなどを学ぶセミナーや相談会、アドバイザー派遣を実施しており、支援企業の約六割が導入済み、残り四割の企業も導入に向けて準備中であるなど、着実に成果を上げております。  こうした取組をさらに加速させるため、年度内に策定するあいちテレワーク推進アクションプランに基づいて、二〇二三年度までの三か年で、中小企業等に対するテレワークの導入支援を集中的に行ってまいります。  初年度となる二〇二一年度においては、新たに名古屋市内にテレワークサポートセンターを設置し、専門家による導入に関する相談、機器操作体験、動画による業種別の導入事例の紹介、導入後のフォローなど、導入から定着まで一貫したサービスをワンストップで提供いたします。  今後とも企業に寄り添った取組を着実に進めることにより、テレワークを一時的なムーブメントに終わらせず、多様な働き方が可能で、誰もが安心して、生き生きと働ける社会の実現を目指してまいります。  以上、御答弁申し上げました。 20: ◯教育長長谷川洋君) 最初に、新型コロナウイルス感染症に関する児童生徒及び学校運営の支援体制の充実についてお答えをいたします。  学校の新しい生活様式の中で、子供たちが安心・安全な教育環境で生き生きと活動し、成長していくことが大切であります。そのためには、スクールカウンセラーなどの外部人材を有効に活用して、支援体制をより強化していくことが必要であると考えております。  まず、スクールカウンセラーにつきましては、小中学校の相談時間数を増やし、高等学校、特別支援学校は増員することで、児童生徒の心をケアする体制を充実してまいります。  また、スクールソーシャルワーカーについては、小中学校における相談体制を整えるために、全市町村に配置できるように支援を拡充し、高等学校、特別支援学校には増員をすることで、家庭状況に課題を抱える児童生徒への支援や関係機関との連携を強化してまいります。  さらに、小中学校には、授業準備や感染予防業務等の補助を行うスクール・サポート・スタッフや児童生徒への学習支援を行う学習指導員を配置し、教員が児童生徒にきめ細やかな対応ができる体制を整えてまいります。  今後も、児童生徒及び教員や学校への支援体制を充実し、子供たちが安心して学校生活を送れるよう努めてまいります。  次に、県立商業高校におけるデジタル人材の育成についてお答えいたします。  社会におけるデジタル化が急速に進む中、工業高校ではモノづくりの生産現場に密着した面から、商業高校ではサービスやビジネスを担う面から、地域の産業を支えるデジタル人材を育成していくことが重要であると考えております。  教育委員会では、議員お示しのように、県立商業高校に本年度、生徒一人一台タブレット端末を配備いたしますとともに、高性能PC端末などの産業教育装置を新たに整備することに加えまして、来年度も民間のオンライン学習支援サービス、スタディサプリを全ての県立高校で継続利用できるようにしてまいります。  商業高校では、これまでも情報処理技術に関する国家試験の合格を目標の一つとして、情報教育に取り組んでまいりました。今後は、タブレット端末を活用した課題解決学習やアプリケーション開発に取り組み、また、スタディサプリのWebデザインプログラミング講座を活用するなど、整備されたICT機器等を有効に活用して、社会で求められる実践的なICT活用能力を身につけたデジタル人材の育成に努めてまいります。  このような取組により、商業教育全体を時代のニーズに合わせ、先進的な産業教育へとステップアップしてまいりたいと考えております。      ━━━━━━━━━━━━━━━━━ 21: ◯四十一番(丹羽洋章君) 本日はこれをもって散会し、明三月三日午前十時より本会議を開会されたいという動議を提出いたします。     〔「賛成」と呼ぶ者あり〕 22: ◯議長神戸洋美君) 丹羽洋章議員の動議のとおり決しまして御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 23: ◯議長神戸洋美君) 御異議なしと認めます。  明三月三日午前十時より本会議を開きます。  日程は文書をもって配付いたします。  本日はこれをもって散会いたします。     午後三時七分散会 発言が指定されていません。 Copyright © Aichi Prefecture, All rights reserved. ↑ 本文の先頭へ...