調布市議会 2010-12-02
平成22年 第4回 定例会−12月02日-02号
平成22年 第4回 定例会−12月02日-02号平成22年 第4回 定例会
平 成 第4回
調布市議会会議録第 22 号
22年 定例会
12月 2日(木曜日)
出席議員(28人)
第 1番議員 内 藤 美貴子
第 2番議員
ドゥマンジュ恭子
第 3番議員 清 水 仁 恵
第 4番議員 福 田 貴 史
第 5番議員 丸 田 絵 美
第 6番議員 井 上 耕 志
第 7番議員 鈴 木 宗 貴
第 8番議員 田 中 久 和
第 9番議員 橘 正 俊
第10番議員 小 林 市 之
第11番議員 井 樋 匡 利
第12番議員 岸 本 直 子
第13番議員 宮 本 和 実
第14番議員 川 畑 英 樹
第15番議員 内 藤 良 雄
第16番議員 鮎 川 有 祐
第17番議員 林 明 裕
第18番議員 伊 藤 学
第19番議員 荻 窪 貞 寛
第20番議員 福 山 めぐみ
第21番議員 大 河 巳渡子
第22番議員 雨 宮 幸 男
第23番議員 武 藤 千 里
第24番議員 広 瀬 美知子
第25番議員 漁 郡 司
第26番議員 土 方 長 久
第27番議員 大須賀 浩 裕
第28番議員 元 木 勇
欠席議員(0人)
――
―――――――――― ―― ――――――――――――
出席説明員
市長 長 友 貴 樹
副市長 小 林 一 三
副市長 宮 地 淳 夫
教育長 海 東 元 治
行政経営部長 伊 藤 栄 敏
行政経営部参事 小 西 健 博
総務部長 大和田 正 治
危機管理担当部長 大 森 康 正
市民部長 花 角 美智子
生活文化スポーツ部長 塚 越 博 道
産業振興担当部長 島 田 尚
子ども生活部長 今 村 孝 則
福祉健康部長 西 田 雄 次
環境部長 長 岡 博 之
都市整備部長 井 上 稔
都市整備部参事 杉 山 和 穂
教育部長 小 山 俊 夫
選挙管理委員会事務局長 土 浦 治
監査事務局長 小 川 武
――
―――――――――― ―― ――――――――――――
事務局職員出席者
事務局長 風 間 直 樹
事務局次長 小 林 明 信
事務局主幹 宮 川 節 夫
議事係長 高 橋 慎 一
議事係主任 牧 野 泰 三
12月 2日 議事日程(第2号)
第 1 一 般 質 問
49 7番 鈴 木 宗 貴 議員
50 8番 田 中 久 和 議員
51 10番 小 林 市 之 議員
52 9番 橘 正 俊 議員
53 15番 内 藤 良 雄 議員
54 13番 宮 本 和 実 議員
55 5番 丸 田 絵 美 議員
56 1番 内 藤 美貴子 議員
57 3番 清 水 仁 恵 議員
58 4番 福 田 貴 史 議員
59 23番 武 藤 千 里 議員
60 11番 井 樋 匡 利 議員
61 12番 岸 本 直 子 議員
62 22番 雨 宮 幸 男 議員
63 2番
ドゥマンジュ恭子 議員
64 14番 川 畑 英 樹 議員
65 19番 荻 窪 貞 寛 議員
66 20番 福 山 めぐみ 議員
67 6番 井 上 耕 志 議員
68 16番 鮎 川 有 祐 議員
69 24番 広 瀬 美知子 議員
70 21番 大 河 巳渡子 議員
午前 9時29分 開議
○
大須賀浩裕 議長 皆さん、おはようございます。ただいまより、平成22年第4回
調布市議会定例会を再開いたします。
ただいまの出席議員の数は28人であります。したがいまして、定足数に達しておりますので、会議は成立いたしました。
直ちに会議を開きます。
日程に入る前に、本日も
行政経営部広報課並びに
議会事務局による本会議場の写真撮影を許可しておりますので、御了承をお願いいたします。
これより日程に入ります。
――――――――――― ―― ―――――――――――
△第1 一般質問
49 7番 鈴木 宗貴議員
○
大須賀浩裕 議長 日程第1 一般質問。
初めに、質問通告の順序により、7番、鈴木宗貴議員の質問を許します。
7番、鈴木宗貴議員。
〔7 番 鈴木
宗貴議員登壇〕
◆7番(鈴木宗貴 議員) 皆様、おはようございます。ただいま議長より発言の許可をいただき、前回に引き続きましてトップで一般質問をさせていただきます鈴木宗貴です。まだ至らぬ点が多々あることと思いますが、よろしくお願い申し上げます。
今回は、産業振興と環境教育に関連して御質問をさせていただきます。
本市は、
京王線連続立体交差事業の進捗と、それに伴う
中心市街地づくりなどにより、まちが大きく変わりつつあります。
交通利便性の向上とともに、相続による宅地開発や既存住宅の建てかえなどによる戸数増加などにより、今後も10年前後は高い担税力を持つ市民の微増が続いていくものと推察されます。
しかし、事業者を見ますと、
リーマンショック以来の長引く不況の中で、円高、原料高を初め、さまざまな要因が重なり、多くの皆さんが極めて厳しい経営状況に置かれております。そこで、まず市内の産業の動向と調布市の現状認識、また、それに対する現在の対応についてお伺いさせていただきます。
先般、ある雑誌で、
中小企業金融円滑化法、
モラトリアム法について取り上げたものを見ました。これに関しては、国会でも
補正予算関連で現状を考えれば来年の本予算審議でなく補正予算の中でこの
中小企業向けの予算を考えるべきとの質疑が行われたものですが、政府は補正の中での言及には及びませんでした。
もう一度この法について見ますと、資金繰りに苦しむ中小企業を救うため、借入金の返済を猶予する法律で、昨年12月に施行、平成23年3月までの時限措置です。記載内容を見ると、大手4銀行が6月までに実行した返済猶予の件数は累計8万2,300件。それに、信用金庫など
小口実行件数、3月末時点での数字を加えると累計36万8,074件に上り、実際に猶予されている企業は10万社くらいだろうと予測されている方もおり、この23年3月までの時限措置が終わると、この法により恩恵を受けている企業の90%程度が問題になるという予測もあるそうです。
ある大手新聞の10月26日の武蔵野版で、4月から9月の多摩地区の倒産件数187件、負債272億円という見出しで
東京商工リサーチ立川支店の2010年度上半期の多摩地区の倒産状況の発表があり、見出しのような状況でありましたが、内容は、前年同期に比べて件数で20件減、9.7%、負債総額で約214億円減、44.1%となったそうです。187件のうち負債総額10億円以上の大型倒産は、前年同期より1件増、5,000万円未満の小口倒産は107件と全体の半数以上を占めているそうです。
この分析ですが、前出の雑誌で、
モラトリアム法の存在が倒産減の役割を果たしており、
公的金融支援で一時的に資金繰りが緩和され、中規模の倒産が減ったというものです。しかし、時間の経過とともに余力が乏しくなる企業がふえる傾向にあると指摘しています。
ことしに入って、調布市もこの3月、調布市
事業所経営実態調査を行った結果の報告書が示されました。ことしに入って、
円高ドル安など大きな日本経済に対する課題もあり、特に輸出産業に大きな影響がありました。GNPにおいては、世界第2位の位置も中国に近いうちに奪われるという記事もよく見かけます。そして、この11月17日の新聞には、
就職氷河期さらにという記事がトップに掲載され、大学生の就職難が10月1日現在の内定率57.6%で、調査を始めた96年以降、最低を更新、企業が不況を背景に新規採用を控えるとコメントしておりました。
また、昨日の新聞紙面には、失業率が前月よりも0.1ポイント上昇し、4カ月ぶりに悪化、今後も厳しい雇用環境が続きそうとの記事もありました。
このような状況下で、調布市の産業の現状について、ここで実態調査を見ながら検証することで、そこから調布市の今後のあり方について御質問をさせていただきます。
まず、今後の調布市の
まちづくりにも影響を与える景気ですが、この調査では、今後の
景気見通しについて、平成22年4月の景気予測について事業者はどう考えるかについてです。
1月時点、景気は「悪い」32.6%、「非常に悪い」は30.1%、「やや悪い」と合わせて悲観的な回答は8割を超えていました。3カ月後の4月では、「悪い」が37.4%、「やや悪い」「非常に悪い」という悲観的な回答が約7割となり、この時点では比較的回復を見込んでいるとしています。6カ月後の7月では、「悪い」が34.8%、「やや悪い」「非常に悪い」を合わせた回答は約6割となり、悲観的な回答が減少しています。そして、1年後の来年1月では、景気は「どちらでもない」が31.9%、次いで「悪い」が29%で悲観的な回答は5割台へと減少し、よくなる見通しとは言いませんが、1年後は比較的改善を見込んでいるとしています。
この調査によれば、来年は希望が少しでも持てるという予測があったわけですが、さて、現状はどうでしょうか。
まちづくりは、産業の創出にも連動するものですが、この点、調布市の関係部署の考え方について、
まちづくりは
まちづくり、産業振興は産業振興という単独関係のものか、どのようなものかお伺いさせていただきます。
次に、先ほどお話ししました
モラトリアム法ですが、調布市が市内産業の育成に対して、企業融資が幾つかありますが、市内企業、事業者はどのような利用実態なのか、また来年3月という時限について調布市はどのように考えておられるのか対策をお聞きいたします。
調布市も市政運営の財源確保のために、優良企業の誘致について取り組むことを積極的に推進するとされています。しかし、それには誘致する条件に魅力が必要です。私は、市内にも優秀な企業があり、その企業の税収は、全部とは言わずとも一定割合は産業の活性、支援、更新に投入するという積極的な
制度づくりも大切であると考えます。産業関連の税収を含めて
制度づくりをすることについてお伺いをさせていただきます。
また、かつての準工業地域がマンションなどに変わってきている中で、経営者からは、周辺環境の変化などから経営面に対しても影響がさまざまに出てきており、もっと市内産業の保護、育成を大切に考えてほしいという声もお聞きする中で、さまざまな面で産業振興が
まちづくりの柱と位置づけられるような積極的な姿勢を出していくことも大切だと考えておりますが、いかがでしょうか。あわせてお伺いをさせていただきます。
続きまして、調布駅周辺でも、少し離れますと新築ビルでも1年、2年と募集中の看板が出たままになっている物件があります。まして、
中心市街地を離れますと、経年した物件では、もう何年も
借り主募集中の看板が出たままという物件も目につき、空き店舗が目立つ商店街がふえる中で、商店会としての活動が維持できなくなるなどのケースも地域によっては出てきております。私が住む多摩川でも、多摩川5丁目だけを限って見ても、10数件の物件があいたままの状況となっております。
その一方で、調布駅を初めとした
中心市街地においては、店舗を出したくても空き物件がないという状況も続いております。そのような中で、現在、飛田給から国領に至るまで、各駅周辺の再開発などが進み始めています。それに伴う商業面積の増加は、地域にどのような影響をもたらすでしょうか。
私は、
中心市街地においては
フランチャイズ店舗の拡大、
中心市街地を離れた地域においては空き店舗の拡大を招くことを大いに危惧しております。
商店会においては、イベントの開催や協力を初め、さまざまな取り組みを通して
魅力づくり、活性化に取り組まれておりますが、昨年の
中心市街地の商店会との
意見交換会の議事録を見ますと、事業に行き詰まりを感じる意見や
フランチャイズの拡大が商店会を閉塞させていくなどの意見が出されており、新たな方策の必要性が求められていると感じます。
そこで、初めに、本市が担う
商店会活性化及び
空き店舗対策への取り組みの現状と成果についてお伺いをさせていただきます。
次に、商店街を活性化させる手法はさまざまにあると思いますが、ここで2つの例を挙げさせていただきながら、今後の市の方策についてお伺いをさせていただきます。
1つは、本市でも少しずつふえてきておりますが、小規模の飲食店や物販店など、
個人事業主が個性的な魅力を出した店舗がふえることで、周辺に新たな活力を生み出していく例です。ここでは三鷹台の例を挙げますが、5年ほど前、駅から5分ほどの寂しい住宅地の中に、スペインの
立ち飲み屋、バーの
スペイン語読みでバルと言うんですが、10人も入ればいっぱいになってしまうお店がオープンしました。当時、27歳だった経営者とその友達で、ほとんど手づくりでつくったお店です。しかし、このお店は、郊外にあるおしゃれな
立ち飲み屋として
グルメ雑誌などにもたびたび掲載され、その雰囲気を楽しみに遠くからもリピーターが来るお店になりました。窮屈な立ち飲みのお店ですから、肩が触れ合う中でお客さん同士の会話も自然に生まれ、地域住民の新たな交流の場にもなっております。今、三鷹台には、個性的なこのようなお店が新たに何店もオープンし、おもしろいまちに変わりつつあります。
彼のように自分でつくったお店の誕生物語を集めた本があります。自分で個性的なお店をつくりたいという人にとっては、バイブル的な1冊になっている本ですが、もちろんこのお店も登場します。この本の編集者と御一緒した際、彼のように自分の力でお店をつくりたいと強く思い、チャンスを探している人が年齢を問わず多いことと、そして、こういう手づくりのお店が全国的にふえているということをお伺いしました。
商店街に新たな活力を与える大きな要素の1つは、わざわざ足を運んでもらえる個性的な魅力ある店舗がふえていくことだと思います。調布は楽しめるお店が本当に少ない、そんな声を聞いたことがあるのは私だけではないと思います。
本市においては、長期の空き店舗でさえ、オーナーの貸す意欲が高くないのか、家賃や保証金などの費用が高く、また面積が広過ぎて個人が経営できる規模を超えているなどのハードルがあるとともに、
中心市街地においては、個人で出店できる物件自体がほとんど出ないという状況から、彼のようにみずからの力でチャレンジできる物件を探すことが極めて困難なのが現状です。結果、
フランチャイズの拡大や空き店舗の拡大を招き、商店街の活力、魅力を低下させる一因となっているのではないかと考える次第です。
そこで、本市において、商店街、そして地域の活性化へとつながる
空き店舗対策として、また
中心市街地において魅力ある事業を展開しようとする
個人事業者に対して、事業資金の融資だけではなく、
出店環境面での支援を行っていくことができないかお伺いをさせていただきます。
余談ですが、このお店は来月、富士見ケ丘に
開業予定資金100万円で2店舗目となるお店をオープンさせます。また、その次の計画として、三鷹駅から徒歩15分ほどの寂れた商店街に日本初めてのバール街をつくろうと今計画をしています。
2つ目の例は、今、大規模な再開発が行われている二子玉川の例を短く取り上げさせていただきます。2004年、高島屋の裏の路地を再生する事業として柳小路がスタートし、昨年、再開発も含めて形となりました。京都の町屋のイメージで、入り組んだ路地を再生させております。手がけているのは
玉川高島屋の運営会社ですが、建てかえをしない建物には既存の壁に千本格子を取りつけるだけで、舗道の石畳と、ところどころの柳の木とともに、とても落ちついた雰囲気を出し、新たなにぎわいを生み出しています。
本年、本市においては、ことしの
流行語大賞となった「ゲゲゲの」効果による大きな恩恵を受けているところですが、長期的に商店街の魅力、特に
中心市街地を離れたにぎわいを失いつつある商店街に活力をつくっていくためには、このような思い切った取り組みも必要だと考えます。
モデル商店街を選定し、行政の支援のもとに商店街全体のイメージ、コンセプトをつくり、新たな事業者にも魅力ある
商店街づくりをしていく取り組みに対してどのように考えられるか、市の今後の施策とあわせてお伺いをさせていただきます。
次に、学校敷地内につくった農園や花園をなどの学校園を通した環境教育、食育という言葉が身近になりましたが、
子どもたちが緑を守り、育てることを通して緑の大切さを認識し、環境保全に関する意識を高める緑育について御質問をさせていただきます。
先般、ある新聞紙面に大見出しで、「樹木の名前を覚えるぞ 立川の2小学校、校庭を舞台に学ぶ」と題し、
小見出しリードに、「サルが登ろうとしても滑ってしまうといわれる木は何」とあり、
子どもたちに身近な木に親しんでもらおうと、立川市の小学校2校がクイズに答えながら校庭の木を覚える
グリーンアドベンチャーを始め、市内の
農業後継者の皆さん30人がアドバイザーとして全面的に協力しており、この事業を来年度以降、毎年2校ずつ参加校をふやしていく予定という内容の記事がありました。立川市では、市民と連携し、学校や地域における食育、緑育の意識を高め、地域の農業や緑地環境への理解を深める施策を打ち出しています。
調布市の環境行政において、現在 CO2の削減が求められる中で
子どもたちへの環境教育は欠かせません。この学習との関係において、植物、樹木、そのための緑地の確保はどのようにすべきかと考える中で、本市での農地の田畑や崖線の緑地取得など、さまざまな計画を伺ってきました。所有者や取得者の事業、社会経済の変化により、なかなかタイミングが合わないことが多かったと思います。ここで、この時代に来ては、取得地、希望地について行政の考え方を柔軟にする必要があるのではないかと思います。
調布市は、
皆様御存じのように、
市民アンケートでは、都心に近く、利便性に富み、また水や緑などの自然環境にも恵まれ、これからも住み続けたいという大きな評価をいただいており、これは市、市民、事業者、各団体が相互に協力し、努力してきた結果だと思います。
平成7年3月に調布市
環境管理計画の策定、その後の調布市緑の基本計画、庭園のまち調布という
まちづくりの方針が示され、現在は世界的な環境問題に国の対応と協調し、行政の総合的、横断的な取り組みという見地から調布市
環境基本計画を策定、この実現に向け、各種事業が実施されています。しかしながら、
CO2削減に大切な自然環境の保全には大きな財源が必要ですし、さまざまな課題があります。
手元のデータは、平成17年3月のデータで少々時間がたっていますが、その後、現在まで市内の大型開発や大規模な道路の改修拡幅なども考慮すれば増減はあるかもしれないことを御理解いただいた上で、この時期、調布市の緑地率は全面積の3分の1ありました。平成5年から16年にかけては36.7%から33.2%へと低下がありました。
細かく見ますと、立体的緑の面積は約400ヘクタール、構成比は全市域の18.6%、その内訳は、構成比で公共施設3%、民間施設1.5%、公園3.4%、市内の果樹園、苗圃等が2.9%となり、公共施設の緑は公園の緑より構成比で0.4%少ないだけとなります。ちなみに、平面的緑の面積は田畑、草地で約314ヘクタール、構成比は14.6%となり、公共施設の緑の存在が大変重要であることがわかります。
この公共施設の中で、学校がどのくらいなのか明確でないところが残念ではありますが、公共施設、特に学校において緑化推進についての現状と課題についてをお伺いさせていただきます。
そこで、柔軟な考え方の拡大の大切さを先ほど強調させていただきましたが、大きな土地の一区画を取得するということも大切ですが、公共施設の緑化、特に学校敷地を拡大し、学校園に力を入れ、環境教育の向上を図っていくことについてお伺いします。
本市においても、学校ごとにさまざまに環境学習の取り組みを行っており、本年度は
八雲台小学校が
環境教育優良校賞を受賞していますが、環境学習における
教育委員会の考え方について続きましてお伺いをさせていただきます。
まだ、市議となりまして私は半年にも満ちておりませんが、この間、さまざまな学校行事に参加させていただく中で、学校の敷地が狭いと感じるところもあり、私の母校である
富士見台小学校では、校庭に接した緑豊かだった敷地が宅地開発され、住宅が校庭の目前に建ち並び、大変な圧迫感をせんだって感じました。この敷地のせめて校庭と接する部分だけでも買収し、緑を残すことができたらなと考えられた方は、卒業生の私だけではないと思います。
富士見台小学校の例のように、機会あるごとに学校の隣接地を取得していくことで、緑の確保のもと、
子どもたちの環境教育を身近で実践する場として、学校敷地の樹木や植物の植栽地を学校園として重点的に整備することが大切なのではないかと思っております。
そこで、学校教育の中で食育が行われていますが、立川市では
グリーンアドベンチャーを緑育としています。
教育委員会において、この緑育についてどのように考えられるか、また学校園という考え方はどうかお伺いをさせていただきます。
そして、地域に対しては、その利用は学校教育のほかに社会教育への利用、学校開放事業と同様に地域の皆さんと管理運営ができないかをあわせてお伺いさせていただきまして、一般質問を終わらせていただきます。御答弁をよろしくお願いいたします。
○
大須賀浩裕 議長 答弁を求めます。長友市長。
◎長友貴樹 市長 おはようございます。本日より一般質問ということで、まず最初に、鈴木宗貴議員より御質問をいただきました。大きく2点にわたるわけであります。
私からは、まちに活力を与える産業振興をとの御質問のうち、市内産業の現状と今後の施策展開についてお答えいたします。
まず、調布市の産業について、事業所・企業統計調査によりますと、事業所数、従業者数は平成18年の段階で6,716事業所、7万4,879人となっており、10年前の平成8年から事業所数、従業員数とも減少しております。
また、業種構成比が最も高い卸売・小売業について、平成19年の商業統計調査によりますと、平成16年から事業所数が12.7%減少する一方で、年間商品販売額は6.0%の増加となっております。
しかしながら、平成21年度に市内全事業所を対象に実施した
事業所経営実態調査によると、直近の決算における年間の利益については42.9%の事業所が赤字と回答していることや、1年後の
景気見通しについては58.6%の事業所が悲観的な回答をしているなど、全国及び東京都全体と比較し、市内事業所の景況感はほぼ全業種にわたり低い結果となっております。調査結果からは、市内事業所の苦しい経営環境が浮き彫りとなっており、今後、調布市商工会とも連携した産業施策の構築が必要であります。
このため、本年7月に商工会副会長を委員長とする新バイ調布推進委員会を設置していただき、市内商工業の振興に向け、商工会、商業協同組合、調布市の三者が連携して、今後の産業施策の構築に向け、検討に着手したところであります。
次に、産業振興の考え方、支援の方向性についてであります。
調布市では、昨今の原油価格高騰や
リーマンショック後の景気後退の局面において、市民生活や市内企業の経営にも大きな影響が出ていることから、平成20年度から3年間にわたり市民生活の安定、雇用機会の確保、地域経済の活性化の3つの柱による緊急対応を実施しております。
地域経済活性化への対応における主な取り組みとしては、公共工事等の追加や前倒し発注、工事請負契約制度の改正、中小企業事業資金融資あっせん制度の拡充、積極的な雇用機会の創出を初め、プレミアム商品券発行による市内消費の喚起とともに、商店街活性化に取り組んでまいりました。
一方、中長期的な視点で地域経済を活性化するためには、身近な生活圏を支える商店街の活性化はもとより、市内産業の基盤を支えている中小零細企業の支援、創業支援や優良企業の誘致、地域資源を活用した観光や産業の振興などを積極的に推進し、活力ある
まちづくりを進めていくことが重要と考えております。
また、
京王線連続立体交差事業によるまちの都市構造が大きく変化する機会をとらえ、市民、商業者、市内事業者など多くの主体の参加により、ソフト、ハードが一体となった
中心市街地活性化基本計画の策定に向け、取り組みを進めているところであります。
多様な機能が集積する
中心市街地の
まちづくりを初め、市内産業の振興と都市の円滑な活動を支える都市基盤の整備を段階的、計画的に進めることにより、税収や雇用機会の創出などに貢献するものと考えております。
また、調布市は、豊かな自然環境、活発な芸術文化活動、スポーツ施設の拠点である味の素スタジアムなどの諸施設、産学連携に積極的に取り組んでいる大学、歴史ある映画・映像産業など、地域資源に恵まれております。こうした豊かな地域資源と都市イメージを市内外に積極的に発信して、調布市のイメージを高め、ソフト、ハードの両輪でまちの活力を高めていきたいと考えております。
次に、中小企業者等に対する金融の円滑化を図るための臨時措置に関する法律、いわゆる
モラトリアム法に関する御質問についてであります。
この法律の主な特徴として、金融機関は、中小企業者等の借り手から申し込みがあった場合には貸付条件の変更等を行うよう努めるとともに、貸付条件の変更に関する実施状況を公表することとされておりますが、市内事業所に限定して実施状況をつかむことができませんので、利用実態については把握することはできません。
この法律は、平成23年3月までの時限措置でありますことから、貸付条件の変更が必要な市内事業所は、既に早目の相談とあわせ、条件変更を実施されているのではないかと伺っております。加えて、条件変更のデメリットとして、新規融資は困難も多いと伺っております。
調布市としては、中小企業事業資金融資あっせん制度による信用保証料の全額補助の期間延長について、経済動向を注視しながら適切に対応してまいりたいと考えております。
その他の御質問につきましては、担当よりお答えいたします。
○
大須賀浩裕 議長 島田
産業振興担当部長。
◎島田尚
産業振興担当部長 私からは、商店街活性化及び
空き店舗対策の取り組みについてお答えいたします。
初めに、取り組みの現状と成果についてであります。
調布市内の商店街は、京王線の各駅周辺、旧甲州街道沿道を中心にして、市内各地域で形成されており、現在34の商店会が組織されております。
商店街は、市民の日常生活に密着し、日々の暮らしを支え、日用品の買い物環境や地域コミュニティーの形成において重要な役割を担っております。また、少子高齢社会が進む中、徒歩圏の生活機能の充実として、身近な地域で買い物ができることに加えて、地域コミュニティー増進の場となる機能を充実させていくことが求められています。
一方、市内商店街は、大型小売店舗との競合に加え、商店街に対する需要の質的変化などによる売上高の低迷、商店主の高齢化や後継者不足、商店会加入数の減少などの課題を抱えております。
このため、
中心市街地内の商店街については、
京王線連続立体交差事業による都市構造が変化する機会をとらえ、
中心市街地活性化基本計画の策定に取り組んでいるところであり、現在、実践的な取り組みとして、9つの商店会が連携して活性化モデル事業を平成21年度から実施しております。
平成22年度においては、水木しげる作品を活用した、まちなかパネル展や妖怪を探そう!!2010の開催、ウインターイルミネーションの合同開催、日活芸術学院と連携した商店会CMの制作などを実施するとともに、「みんながまた来たくなるお店づくり・
商店街づくり」をテーマに意見交換を重ねているところであります。
ことしは、NHK連続テレビ小説「ゲゲゲの女房」の放送による影響や調布市観光案内所、ぬくもりステーションの開設と相まって、
中心市街地の回遊性向上と商店街の活性化が進展しております。
一方、
中心市街地以外の商店街についても、平成19年度からスタートした調布市産業振興計画を踏まえ、調布市商工会とも連携しながら、商店街の活性化に取り組んでいるところであります。
商店街活性化支援の主なものは、商店街イベント事業の支援に加え、ホームページ開設支援、商店街街路灯の維持管理に関する支援のほか、平成21年度においてはプレミアム商品券の発行を通して、市内消費の促進と商店街活性化の取り組みを進めてきたところであります。
市民の消費動向は、買い回り品は都市部を中心に市外で、日用品は市内で消費する傾向があります。また、調布市の商業環境としては、市外から消費者を呼び込む構造になっていないことも課題の1つとなっております。このため、商店街の役割の重要性や商業環境の現状を踏まえ、より一層の商店街活性化の支援に努めてまいりたいと考えております。
また、
空き店舗対策の取り組みについては、平成14年度に空き店舗活用推進事業を創設し、商店会が空き店舗の活用を通して活性化を図る取り組みを支援しております。これまで3つの商店会が本制度を活用して
空き店舗対策を図った実績がありますが、平成19年度以降は景気低迷と相まって、商店会自身の自己財源の確保が困難なこともあり、新たな取り組み実績がなく、十分な成果には結びついていない状況です。
次に、
空き店舗対策に係る
出店環境面での支援についてであります。
平成22年3月に中小企業庁が公表した商店街実態調査報告書によりますと、退転または廃業した理由は、商店主の高齢化、後継者の不在が62.6%と最も高く、続いて、他の地域への移転、商店街に活気がないとなっています。また、空き店舗が埋まらない理由は、商店街に活気がないが32.0%と最も高く、続いて、家賃が高い、所有者に貸す意思がないとなっています。
調布市内の空き店舗の状況は、この調査結果と同様の傾向があるものと考えます。
一方、空き店舗問題に必要な行政支援に関する調査結果を見ると、一時的な穴埋めではなく、商店街を含む
まちづくり計画の立案情報の提供が34.2%と最も高く、続いて、家賃補助、改装補助などの支援、新規出店等の誘致となっています。
そこで、今後の
空き店舗対策に係る
出店環境面での支援に向けては、魅力ある
商店街づくりへの支援はもとより、宅地建物取引業協会と連携した空き店舗情報の発信とともに、新たな空き店舗活用事業として、創業支援と商店街活性化を連動させた支援制度の創設ができないか検討したいと考えております。
次に、
モデル商店街選定による商店街活性化の取り組みについてであります。
市内34の商店街は、業種構成や規模、立地条件や交通環境など、商店街が置かれている状況はさまざまであり、地域の実情に応じた活性化策が求められております。
商店街活性化の支援は、中長期的な展望を持ちながら、地道な活動の積み重ねが必要であります。現在、
中心市街地活性化基本計画の策定作業を通して、9つの商店会を中心に商店街活性化策の検討を進めております。
これらの取り組みを1つのモデル的な取り組みとして、他の商店会にもつなげてまいりたいと考えておりますので、御理解を賜りますようよろしくお願いいたします。
以上でございます。
○
大須賀浩裕 議長 小山教育部長。
◎小山俊夫 教育部長 私からは、身近な緑で環境教育の充実をとの御質問についてお答えさせていただきます。
最初に、学校施設における緑化の現状と課題についてであります。主な緑化の取り組みといたしましては、通常は樹木や学校園により緑化対策を行っており、それ以外の緑化対策といたしましては、校庭の芝生化と校舎の壁面緑化を実施しております。
校庭の芝生化につきましては、平成20年度に
富士見台小学校、平成21年度には北ノ台小学校、平成22年度は深大寺小学校についてそれぞれ校庭の一部の芝生化を実施しております。また、今年度中に染地小学校の校庭の一部を芝生化する予定であります。
壁面緑化につきましては、教室内温度の上昇の防止や温暖化対策を目的として、平成19年度からつる性植物を利用した壁面緑化を行っており、平成22年度は小・中学校4校で実施いたしました。
校庭の芝生化と校舎の壁面緑化につきましては、緑化対策だけではなく、環境教育への活用を進めていくことも課題となっており、継続的な取り組みが必要と考えております。
次に、学校敷地の拡大と環境教育の向上を図っていくことについてであります。
学校敷地が拡大され、学校園として活用されることは、緑化対策になるだけではなく、環境教育の向上にも役立つものと認識しております。一方、学校敷地の拡大については、取得できる可能性のある適切な隣接地等があっても、多大な財政負担を要することから、学校園としての活用だけではなく、校舎の増築等、適切な活用についても総合的に勘案し、慎重に検討を進める必要があると考えております。
次に、学校教育における環境教育の考え方についてであります。学習指導要領上における環境教育の位置づけは、各教科、道徳、特別活動及び総合的な学習の時間等において、それぞれの特性に応じた形で相互に関連させながら、学校教育全体の中で行われることとなっております。
調布市
教育委員会では、この点を踏まえ、調布市の教育振興計画である調布市教育プランの主要事業の1つとして、環境教育の推進を掲げているところであります。
これまで、
教育委員会では、教員を構成メンバーとした調布市環境教育推進委員会を設置し、児童・生徒一人一人が環境について学び、主体的に環境について考え、環境に配慮した行動を意識して毎日の生活を送ることができる力を身につけることを目標として、4つの事業に取り組んでまいりました。
1つ目は、東京都
教育委員会と連携し、
CO2削減のための取り組みを6月と12月を中心に実施しております。2つ目は、地球温暖化防止を啓発するリーフレットを作成し、10月と2月に市内の全児童・生徒に配布しております。3つ目は、時代の変化に適応した「ごみと環境」という小学校副読本及び指導資料の作成を行っております。4つ目は、児童が環境問題についての問題解決への意識を高めていくことができるための授業研究に取り組みました。
こうした環境教育への取り組みに呼応して、
八雲台小学校では教育活動の重点に環境教育を掲げ、ゼロエミッションの考えに基づいた活動を行ったこと、また
CO2削減アクション月間においては、5、6年生及び保護者も協力する中で取り組んだこと、環境教育の広報活動を活発に行っていることなどが評価され、環境教育優良校として東京都
教育委員会から表彰されました。
これらの取り組みのほかにも、環境教育の一環として調布市の自然を活用した水辺の楽校や科学センターにおける植物や野鳥、水生生物を観察することや採取する活動を行っております。
次に、環境教育の一環として緑育を進めていくことについてでありますが、自然のすばらしさや不思議さ、また力強さなどに気づき、植物を大切にしようとする気持ちを育てることが期待できるものとして、とても大切なことであると受けとめております。
例えば、これまでにも、多摩川小学校において校庭にある木のうち1本を自分の木として決め、年間を通して観察することで四季による変化や成長の様子に気づくことができる活動をしております。また、第一小学校においては、校庭にある15種類の木々を学年の木として育て、果実を収穫し、みんなで食することなどを通して木に対する愛着が持てていることが報告されております。
そのほかにも、学校にある花壇等を学級園などとして位置づけ、花を植えて育てることや稲作栽培、あるいはビオトープ等として活用し、自然体験活動に結びつけているところです。
このように、学校の敷地内にある土地を学校園として有効に活用し、植物とかかわる活動を行うことで、改めて自然のすばらしさを感じ、環境の大切さを見直す機会となると考えております。今後、授業の工夫等の研究を進めてまいりたいと考えております。
次に、学校園等の地域での利用についてであります。
学校園は、従来から主に理科の教材として活用するほか、生活科や総合的な学習の時間における授業に役立てており、社会教育や学校開放事業には活用していない状況になっております。
一方、樹木等については、一部の学校で地域の方による枝の剪定等が行われており、学校と地域との交流に役立っているものと考えております。また、校庭の芝生の維持管理につきましては、地域の方々やPTA、学校が協同して芝刈り等が行われており、地域コミュニティーの発展に寄与しているものと考えております。
今後とも、学校における環境教育の充実に努めてまいりたいと考えておりますので、御理解いただきますようお願い申し上げます。
以上であります。
○
大須賀浩裕 議長 7番、鈴木宗貴議員。
◆7番(鈴木宗貴 議員) 御答弁、それぞれにありがとうございました。
短くまとめさせていただきます。
市内事業所の景況感が全国及び東京都全体と比較し、ほぼ全業種にわたり低い結果となっているとありました。私がかつて2年間理事長を務めました青年経済人の団体では、本年、経営の悪化や倒産などにより、本年度の年会費が払えず除名、あるいは活動の継続ができず退会せざるを得ないメンバーの数が過去最高になるという報告を受けました。
また、厳しい雇用環境の中で、最も深刻となっている過ちを犯した方の雇用確保のため、昨年末、調布・狛江地域で協力雇用主会を立ち上げ、私がまとめ役を務めており、就労活動のお手伝いをする中で、雇用主、求職者双方のお話を伺う中で、景気からの就労の深刻さを痛感しているところであります。
このような情勢の中で、本市でもさまざまな取り組みが行われておりますが、経営者から最も求められる支援は融資にかかわるものであると思います。
モラトリアム法についての利用実態の把握ができていないとのことでございましたが、事業所にとっては融資が死活問題であるという重い認識のもとに、先行きがまだまだ不透明な中で、行政の適切かつ速やかな対応をお願いするものであります。
商店街活性化は京王線連立事業のもと
中心市街地において進んでおりますが、活気を失いつつある地域においては、御答弁にありましたが、さまざまな取り組みが行われる中でも、今何とかしてほしいと地域住民も事業主も強く思っているところでございます。ハード面、ソフト面ともになった個性ある
魅力づくりが速やかに必要だと思います。特に商店会の活動が低迷している地域においてはその担い手がなく、行政の積極的なかかわり、支援が不可欠であると思います。
中心市街地活性化においては、商店会の連絡会議が継続し、活発な会議が行われているところですが、市外からもわざわざ足を運んでいただける、市民にとって魅力ある店舗がふえていく商店街にしていくために、新たな力を取り込んでいけるハード面、ソフト面ともに環境を整えていっていただき、商工一体となって、産業振興による市全体に波及する
まちづくり、そして税収、雇用創出へとつながる力強い支援策を求めるものであります。
続きまして、市街地においての緑は単に景観をよくするというだけではなく、虫や鳥などが集まる環境をつくり、防火、防災や地球温暖化の防止にも役立ちます。地球の未来を担う
子どもたちに緑の大切さを身をもって体感してもらう、日々接する最も身近な学習の場として、学校敷地を生かした学校園を整備し、緑の専門家である造園業、花卉生産者などの皆さんを初め、地域の方々とともに管理運営できることは大変意義あることだと考えております。緑地確保に対する行政の柔軟な考え方のもとに、既存の学校敷地における緑の活用も含めた全市的な取り組みとして、緑育を環境教育の大きな柱に置いていただくことを願い、一般質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
○
大須賀浩裕 議長 以上で7番、鈴木宗貴議員の質問は終わりました。
――――――――――― ―― ―――――――――――
50 8番 田中 久和議員
○
大須賀浩裕 議長 続いて8番、田中久和議員の質問を許します。
8番、田中久和議員。
〔8 番 田中 久和議員登壇〕
◆8番(田中久和 議員) 皆様、おはようございます。議席番号8番、調布創政会の田中久和でございます。ただいま
大須賀浩裕議長から発言のお許しをいただきましたので、ただいまから一般質問をさせていただきます。
本日は、改正
まちづくり三法のもとにおける調布の
まちづくりについてお尋ねしたいと思います。
私が幼かったころ、仙川の駅前はまだまだ一面の畑、駅舎の裏は屋敷林と竹林、竹やぶでございました。商店街といいましても、今から思えば数店舗が建ち並ぶ大変静かで寂しいものでありました。どこからか迷い出てきた鶏やチャボが駅前をうろうろしている姿は当たり前の光景でもありました。
私が生まれたのが昭和29年であります。昭和30年には、
皆様御存じのとおり、調布町と神代町が合併し、市制が施行されました。調布市の東部地域は市内でも早い時期に市街化が進んだとのことであります。都営仙川アパート、通称緑ケ丘団地や神代団地の開発が行われ、仙川駅やつつじヶ丘駅を中心とした市街地が形成されていったようであります。仙川駅周辺は桐朋学園や神代高校、白百合女子大学が立地し、学生のまちとしても色合いを深めております。企業を思い浮かべましても、幼いころ、秋祭りのときに大きな太鼓を引いて立ち寄ったWやSは既にこの地を離れ、間もなくのQ工場の転出にも時の移り変わりを感じるところであります。
現在、調布市内には京王線の駅が御存じのとおり9駅あります。東の外れから数えてみますと、仙川駅、つつじヶ丘駅、柴崎駅、国領駅、布田駅、調布駅、西調布駅、飛田給駅、そして京王多摩川駅の9駅であります。それでは、1日の乗降客の比較はどうでしょうか。昨年度の比較でありますが、もちろんのこと調布駅が一番多いです。1日およそ11万5,000人であります。2番目はどこでしょうか。仙川駅で1日およそ7万1,000人であります。3番目がつつじヶ丘駅の4万5,000人ですので、仙川駅と2万6,000人の差があります。それではということで、千歳烏山と仙川駅を比較してみました。千歳烏山駅がおよそ7万5,000人、仙川駅が先ほどのおよそ7万1,000人であります。両者7万人台でありまして、差が4,000人でありますが、仙川駅が徐々にその差を詰めている状況にあります。仙川駅を調布の東の玄関と言った人がいましたが、それほど的を外している言葉でもなさそうです。
仙川駅にはやっと快速がとまるようになりましたが、朝夕の通勤快速がとまらず、いささか不便さを感じます。ある方が急行をとめろと言いました。千歳烏山駅、仙川駅、つつじヶ丘駅が各駅停車になるのでだめと言われたとか言われないとか。私は準特急をとめていただきたいと思っておりますが、またいずれの機会に長友市長さんにお願いしたいと思っております。
そして、調布市の一番東の外れの仙川駅を利用するのはどなたでしょうか。まずは私を含めた東の外れ組、調布市緑ケ丘、仙川町、若葉町、入間町の方々であり、周辺地域からは三鷹市北野、中原、新川など、また、世田谷区の給田、祖師谷、成城など、そして狛江市からの利用客と思われます。そんな立地の中、私のような土着組と周辺地域組が入り乱れ、まちとしてますます活気を呈しているところでもあります。
余談となりますが、世の中よいことがあれば悪いこともあるわけでございまして、選挙のときなど、候補者が調布市の候補者なのか、三鷹市の候補者なのか、はたまた世田谷区の候補者なのか判断がなかなかつきませんし、みずからが駅頭でおじぎをしても、どこのどなたにお願いしているんだか全くわからない状況であります。
さて、その後、仙川駅周辺は大きく変革を遂げてまいりました。長年にわたる行政の御努力はもちろんのことであります。都市計画に協力を惜しまなかった地権者や地域の方々の存在も忘れることはできません。行政と市民が一体となった
まちづくりが行われてきたあかしでもあり、今後の
まちづくりにしっかりと引き継がれることを強く願うものであります。
数軒から始まった仙川の商店街も今では500店舗を数えるほどになり、大勢のお客様に足を運んでいただいております。しかし、旧来からの店舗は後継者問題等の事情によりまして、姿を消したり、営業形態を変化させているのが現状であります。駅周辺のビル建設ラッシュも衰えを見せず、きょう現在、知る範囲で5棟が建設されており、日々周辺の景色が変化するようでもあります。
さて、仙川駅周辺の特異な現象として、大型店の進出が目立っております。京王線の南側には商店街内にしにせのSストアやM正、クイーンズIや駅舎の上にはKストア、また、この10月にオープンしたばかりのSホームズ、そして京王線の北側にはスーパーのLがあり、緑ケ丘との境ではIショッピングセンターが来年のオープンをめどに建設中であります。私の頭に浮かんだだけでも6店舗が立地し、営業を続けております。
前置きが長くなりました。まだ何も質問をしておりません。これからその大型店舗の出店と、それに伴う生活環境の対策について、特に渋滞問題や騒音、歩行者の安全に視点を当ててお尋ねしていきたいと思います。
平成10年のこと、改正
まちづくり三法が公布されました。1つには、
中心市街地における市街地の整備改善及び商業等の活性化の一体的推進に関する法律。2つには、改正都市計画法。そして3つ目といたしまして、大規模小売店舗立地法であります。平成12年6月1日に施行されております。ここでは、この3法のうち、大規模小売店舗立地法、いわゆる大店立地法に注目させていただきます。
地方都市を中心に、中心部の商店街などはシャッター通り、シャッター街などと言われ、郊外に立地する大型店舗に消費者が流れてしまっている現象が起き、まさに
中心市街地の衰退は深刻化しており、その再生は喫緊の課題となっています。
そして、それだけではなく、近年、都市の無秩序な拡散が加速化し、市役所ですとか病院等の郊外移転によって高齢者等が市役所や病院などの公共公益施設に歩いていくことができないとか、
中心市街地の社会資本が有効利用されない一方で、郊外では新規の公共投資が必要になるといった公共投資の非効率性、環境負荷の増大などの問題が生じていることは
皆様御存じのとおりであります。
大店立地法の施行が平成12年6月1日でありました。ということは、ことしは平成22年でありますから、施行から10年が経過したこととなります。これまでの大店法を廃止し、大店立地法が施行されたわけでありますが、私も勉強不足でありまして、新法への改正の目的、そしてその目的の最大のポイントは何だったのか。また、新法の大店立地法と旧大店法とはどこが違うのか、まずはお尋ねしておきたいと思います。
先ほどもお話ししましたが、私の住む最寄りの駅を1つ取り上げましても、その周辺には現在でもさまざまな大型小売店舗が進出しております。今後もこの傾向にますます拍車がかかるものと想像するところであります。新法施行後、この10年に調布市内でこの法のもとに建設されオープンした件数並びに現在建設中の物件についてもあわせてお尋ねいたします。また、何らかの事情により計画を取りやめ、撤退を余儀なくされたケースがあるのかないのか、撤退の理由についてもお尋ねしたいと思います。
次に、新法となり、届け出先が大臣や都道府県から、都道府県や政令都市に変わりました。同時に、市町村の意思の反映を図ることとし、また広範な住民の意思表明の機会を確保することとなりました。これには地方分権への流れがあるとも言われています。審査基準についても従来の店舗の面積や営業時間などの点から、騒音やごみ問題、交通渋滞など、周辺環境に配慮した審査基準に変更されたとのことであります。
そこで、届け出について詳細をお尋ねしたいと思います。まず、大規模小売店舗の社会的責任に関する取り組みの推進についてであります。コンパクトで個性豊かな
まちづくりの推進に関する基本的な方針、平成19年3月策定に基づいて、一定規模以上の大規模小売店舗の設置者に対して社会的責任に対する取り組み方針の作成を求めて、地域住民に公表する制度を平成20年度から導入したとありました。それでは、ここに記載する想定される取り組み事例とはいかなるものなのか、また、地域住民への説明会の開催と内容についてもお尋ねしたいと思います。
さて、審査基準についても審査内容が変更されました。生活環境保持への配慮がなされるとともに、生活環境対策が不十分な場合には勧告することとなっております。調布市においても法の改正とともに、より一層
まちづくりへの大きな責任を担うこととなったわけであります。生活環境の保全が具体的にどの範囲に及ぶのか、運用次第では大型小売店舗の野放し化を助長したり、逆には出店への規制強化につながるなど、運用指針の透明性が求められるところであります。
次に、自治体では周辺住民の意見を聞きながら、大型小売店舗の出店が交通渋滞や駐輪問題、騒音やごみの対策など、環境面から立地計画が適切なものか否かについて審査を行い、場合によっては大型小売店舗側に出店を撤回させるなどの対応を求めることもあろうかと考えます。ここで、周辺地域に及ぼす生活環境への影響と対策についてお尋ねしたいと思います。
ことしの10月でありましたが、若葉町のとある工場跡地に――ここは実名といたします――大型小売店舗、島忠ホームズがオープンいたしました。かつて調布市議会に渋滞にかかわる請願が提出されたことは皆様御承知のとおりであります。オープンの翌日、私も店舗内と周辺道路の状況を見に行きました。店舗内はあふれんばかりのお客様、周辺道路は予期したとおりの大渋滞でありました。遠く離れた私の自宅前の交差点にも係員がプラカードを持ち、駐車2時間待ちと案内するほどの大混雑さでありました。
そのような光景を見まして、ふとこんなことを思いました。一般車やタクシー、それ以上に時間で走行する路線バスは大丈夫であろうか、通勤者や通学者は時間どおりに目的地に到着するんだろうか、既存の商店街、いわゆる中小商店への影響はどうなんだろうか、歩行者の安全、特に通学路の安全はいかようになっているのだろうかなど、さまざまな思いが一瞬のうちに脳裏をよぎりました。
しかし、冷静に考えてみますと、当然のことながら、オープン前までには少なくとも行政と事業者、地域住民と再三にわたり協議され、解決したはずの事態と考えますが、市の見解はいかがでしょうか。
そして、オープンし、およそ2カ月が経過いたしました。今、私のところにはさまざまな意見や要望等が寄せられております。車両数の増加に伴う渋滞問題や裏道進入による危険性への対応、騒音、振動、排気ガス増加による環境の悪化など、また、ごみやペットボトル、たばこのポイ捨てなどの対策など、また、通学路など歩行者の安全性はどうなのか、大浴場Uの里前への信号機の設置について、この場所については危険この上なく、自治会の方々などが
子どもたちを見守っているとのことであります。歩行者の違法横断。これもめちゃくちゃでございます。仙川駅を出て南に向かうと、島忠ホームズまでは一直線でありまして、都道118号をみんなで渡れば怖くないなのでしょうか、大きな事故が起きるのも時間の問題と思います。ガードレールの設置や横断歩道の設置も考えていく必要があるのではないでしょうか。そして、5点目として、桐朋学園前交差点、これは仙川の商店街を南に出たところでありますが、この交差点の渋滞や歩行者の危険度を考えますと、信号のスクランブル化や横断歩道の拡幅が地域として大きく求められているところであります。今述べましたこれら直面する重大な問題に対して、今後行政としてどのように対策を講じていかれるのか、一項目一項目、明確な御答弁をいただきたいと思います。
また、大型小売店舗がオープンした後においても、周辺状況等を把握するため、事業者としてはもちろんのこと、行政においてもしっかりと調査等が行われていることと思いますので、その報告についてもあわせて求めたいと思います。
次に、調布市の今後のまちの秩序ある整備についてであります。
今回は、改正
まちづくり三法、
中心市街地活性化法、改正都市計画法、大店立地法のうち、特に大店立地法を取り上げてお尋ねいたしました。人口の減少や高齢化の社会を迎えて、都市機能の拡散に歯どめをかけたコンパクトな都市構造を実現するには、第1には、広域的な都市機能を有する施設の無秩序な立地を規制し、地域の判断を反映させた適切な立地を確保し、立地可能な用途地域の見直しなど、これらの施設の立地に地域の判断を反映した都市計画の手続を必要とする仕組みをつくること、第2に、都市機能の拡散の防止等のため、学校や病院、庁舎等の公共公益施設についても立地に際して一定のチェックを行う仕組みにすること、そして第3に、都市機能の拡散等に対して、広域的な都市機能による対処が可能となる仕組みを充実させることなどが適当であるとされております。これらの対策はあくまでも地方都市を中心としたものでありますが、基本的な考え方や方針は、殊この調布市の
まちづくりについても当然のことながら反映されるべきものであります。調布の市民にとって暮らしやすい都市構造の実現に向けた都市計画制度、建築規制等の制度改善の方向について、地域の主体的な判断により的確に判断していくことが肝要であります。ここで、改正
まちづくり三法が施行され、区切りの10年が経過いたしました。本法施行下での調布の
まちづくりの成果、現状についてお尋ねいたします。
次に、今後の課題ということになります。
都市におきましては、広域的都市機能を初めとする各種都市機能が無秩序に薄く拡散していくと、提供する機能ごとに都市の中心が散在する状態となって、かつてあった都市の中心が空洞化していくこととなります。地方都市においては、このような現象に伴う都市構造上の問題を以下のように取り上げております。
無秩序に薄く拡散した都市構造では集積のメリットが失われ、インフラだけではなく、各種公共的サービスの提供効率が低下する。都市経営コストの増大、ひいては財政構造のさらなる悪化。そして、機能が集積から拡散へと転じると、社会的効果である交流やにぎわい、文化などが消失していく。機能の拡散、散在は自動車利用の加速によって、地球環境への影響、自然環境への負荷の増大といった問題も生じる。さらに、自然環境や優良農地を虫食い的に食い荒らしていく事態も予想され、環境全体のバランスにも悪影響を及ぼすことが懸念されている。空洞化が進行すると、高齢化の進展により、コミュニティー維持の困難に伴って、公共的機能、防犯ですとか防災、福祉等の維持も困難となることが懸念されております。
一部分を取り上げましたが、これはあくまで地方都市中心の課題でありますが、調布市も大都市、首都東京の一自治体であります。東京都全体としての計画を考慮すれば、人ごとではなくなってまいります。ここで、調布市の
まちづくりへの今後の課題についてお尋ねしておきたいと思います。
さて、最後の質問となります。
まちづくりとは何でしょうか。今まさに
まちづくりの時代とも言われています。それはきっとそこで生活、活動する市民が注目し、興味を持ち、自分たちが何とかしていきたいと思う気持ちが長い年月の中で私たちのより身近なものへと変えてきたようにも思えます。
まちづくりにはさまざまあります。安心・安全の
まちづくり、福祉の
まちづくり、水と緑の
まちづくりなど、あらゆるものに視点を当てた
まちづくりが行われてきました。しかし、これからの時代は
まちづくりの総合化の時代へと進み、まさに総合的な観点での
まちづくりが要求されていくものと推測されます。そこで、このような時代の中にあって、今後の調布の
まちづくりをどのようにお考えになり、描いていかれるのか、改めてお尋ねしたいと思います。
今回は、
まちづくりという一番身近であり、また余りにも大き過ぎるテーマを取り上げました。前段の言葉に戻ってしまいますが、調布のまちは大きく変革を遂げてまいりました。そして、これからもやむことなく発展を続けるものと願っております。私も一市民として、一議員として、そして調布をこよなく愛する一人として質問をさせていただきました。御答弁のほどよろしくお願いいたします。
○
大須賀浩裕 議長 答弁を求めます。宮地副市長。
◎宮地淳夫 副市長 ただいま田中久和議員より大型店舗の出店と生活環境対策を問うということで、3点にわたり御質問をいただきました。私からは、まちの秩序ある整備についてお答えいたします。
我が国は人口減少、超高齢社会を迎え、また、都市を取り巻く状況においても、モータリゼーションの進展、産業構造の転換、地球環境問題の高まり、あるいは厳しい財政状況など時代の大きな転換期にあります。地域においては大規模な集客施設の郊外立地による都市機能の無秩序な拡散が進行し、
中心市街地の衰退のみならず、自動車を運転しない高齢者等の利便性の低下や環境負荷の増大など、各都市においてさまざまな課題が生じております。
これらを背景として、人口増加に伴う都市の拡大を前提としたこれまでの
まちづくりから、都市機能を集約したコンパクトな
まちづくりへと転換することを目的として、平成18年に
まちづくり三法が改正されました。拡散型から集約型の都市づくりを目的とした改正
まちづくり三法によって、自治体や民間におけるそれぞれの取り組みにより、魅力的でにぎわいある
まちづくりが進むことが期待されております。
調布市におきましては、
京王線連続立体交差事業と一体となった
中心市街地の
まちづくりが進展しているところであります。また、NHKの連続テレビ小説「ゲゲゲの女房」が放映され、調布のまちに対する関心が全国的に高まりを見せるとともに、地元の商店会などにおいても活性化に向け主体的な取り組みを行っております。これらのハード、ソフト両面からの取り組みを契機として、より一層にぎわいと魅力あふれる
まちづくりを進めていく必要があると認識しております。このため、現在検討を進めております
中心市街地活性化基本計画の策定に向け、引き続き取り組んでまいります。
次に、
まちづくりの今後の課題と展望についてお答えいたします。
まちづくりは地域が主体となって推進する時代を迎えております。行政と市民の適切な役割分担のもと、市民の自発的な意思に基づく参加と協働の
まちづくりを進めていくことが何より必要であり、最重要な課題であると認識しております。秩序ある都市づくりにおいては、都市計画の基本的な方針を示した都市計画マスタープランに沿って、適切に土地利用のコントロールを行うことが重要であると認識しております。
今後は、地域の特性を生かした地区レベルの
まちづくりを進めていく必要があると考えております。そのため、地域住民や権利者などとの意見交換を十分行いながら、規制誘導を行う最も有効的な手法と考えられる地区計画制度を活用し、地区の特性に応じたルールづくりを進めているところであります。今後も将来都市像の実現に向け、参加と協働の
まちづくりを推進してまいります。
その他の御質問については、担当よりお答えいたします。以上でございます。
○
大須賀浩裕 議長 井上
都市整備部長。
◎井上稔
都市整備部長 私からは、大店法から大店立地法へと周辺地域に及ぼす影響についてお答えいたします。
大規模小売店舗における小売業の事業活動の調整に関する法律、いわゆる大店法と、改正法の大規模小売店舗立地法、いわゆる大店立地法は、平成12年6月に廃止及び施行されております。
その改正目的は、小売業を取り巻く環境変化を踏まえて、中小小売業の事業活動の機会の適正な確保から、大規模小売店舗の立地がその周辺の地域の生活環境を保持しつつ、適正に行われることの確保にその目的を変更し、大規模小売店舗の設置者に対し、その施設の配置及び運営方法について配慮を求めるものとしたものであります。
大店法と大店立地法の違いについてですが、大店法が大型店の立地に際して商業調整を行うというものであったのに対し、大店立地法は、計画的な
まちづくりの視点とともに、生活環境面への配慮を求めるようになったことであります。また、大店法では対象となる店舗面積が500平方メートル以上に対して、大店立地法では店舗面積1,000平方メートルを超えるものを対象としております。
平成12年6月から施行した大店立地法による大型店の市内での新規出店は、これまで4件あるほか、現在1件の届け出が出されている状況です。なお、法施行後、計画の取りやめ、撤退を余儀なくされた事例はありません。
次に、大店立地法における大型店の社会的責任に関する御質問についてであります。
大型店の社会的責任については、大店立地法第4条第1項に定められた指針、大規模小売店舗を設置する者が配慮すべき事項に関する指針で、大規模小売店舗を設置する者が配慮すべき基本的な事項として、立地に伴う周辺の地域の生活環境への影響についての十分な調査や予測、地域住民への適切な説明、都道府県からの意見に対する誠意ある対応、小売業者の履行確保、責任体制の明確化、大規模小売店舗の開店後における適切な対応が定められております。
そのほか、立地場所の選定に際して、
まちづくりに関する各種公的計画等を十分検討した上で行うことや出店時における地域の貢献など、今後の運営方針について広く情報を提供するよう努めること、また、出店後においても周辺地域への生活環境に配慮して必要な対応策を適時適切に実施することが求められております。
次に、地域住民への説明会の開催と内容についてです。
大店立地法第7条で説明会の開催が定められており、大規模小売店舗の新設及び変更に関する届け出をした日から2カ月以内に届け出内容を周知させるための説明会を開催することが義務づけられております。また、説明するべき内容は、大規模小売店舗の名称及び所在地、新設日、店舗面積、施設の配置、施設の運営方法に関する事項などとなっております。
次に、周辺環境に及ぼす生活環境への影響と対策についてであります。
大型店舗の出店計画は、大店立地法により都知事に届け出ることとされ、渋滞対策等の交通協議を東京都や警視庁と行っております。同時期に市も地域の課題を抽出し、課題解決に向けた協議を行っております。また、延べ面積1,500平方メートル以上の店舗につきましては、調布市ほっとするふるさとをはぐくむ街づくり条例により、住民への説明や市との事前協議を義務づけており、市はその協議の中で歩行者の安全を確保するための壁面後退による歩行空間の設置などを事業者にお願いいたしております。
御質問の島忠ホームズ仙川店は、ことし10月7日に新規開店しております。市といたしましては、開店当初は周辺の渋滞は少なからず発生すると想定しておりましたことから、事業者には広範囲に手厚く交通整理員を配置し、歩行者の安全と円滑な交通が確保されるよう要請いたしました。
開店当日は平日にもかかわらず入店待ちの車列が生じ、また、開店後最初の土日では3連休に当たっていたこと、特に土曜日は雨天であったこともあり、車での来店客が多く、周辺の道路に影響が及んでおりました。また、店舗前では混雑により車道にはみ出す歩行者が散見されたり、車の間を縫うように道路を横断していることもあったと聞いております。
市としましては、事業者に対し、早急に対策を講ずるとともに、近隣住民の方などからの御意見が寄せられた場合には真摯に対応することを要請いたしました。開店から2カ月ほどたった現時点では、大きな渋滞や車道にはみ出す歩行者は見受けられなくなりましたが、横断歩道を使用せずに車道を横断される方がいまだにおられ、安全に関して懸念を抱いているところです。
一方、この出店により、仙川駅周辺地区地区計画による
まちづくりのルールに沿った壁面後退による歩行空間の確保が実現し、当該店舗周辺では歩きやすい環境が整ったものと認識しております。
御質問にありました地元の方々の御要望についてですが、渋滞に関しては現時点では落ちつきつつあります。今後も大きなイベントに伴った渋滞の発生を抑制すべく、駐車場の出入りが円滑になるような店舗運営を事業者へ要請してまいります。
裏道への車の進入やそれによる騒音等、環境の悪化については、裏道への進入が不要となるような誘導を徹底するよう事業者に要請するほか、道路網や緑地等の整備を推進してまいります。
ごみのポイ捨てについては、ポイ捨て者の特定は困難であることから、少なくとも事業者として可能なこと、例えば店内で発生したごみは店内に置いていってもらう工夫をするなど要請してまいります。
通学路の歩行者の安全確保に関しては、当該店舗南側の道路供用に際し、信号機の設置を警察に働きかけ、神代高校前に設置されたところです。しかし、都市計画道路3・4・17号線との交差点については設置されておりませんので、再度お願いしてまいりたいと考えております。また、この交差点には若葉小学校及び第四中学校の児童・生徒の通学時間帯に児童交通擁護員を配し、安全確保を図っているところです。
歩行者の車道横断箇所へのガードレールや横断歩道の設置に関しては、既に当該店舗では横断を抑止する掲示を行っておりますが、市としても同様の表示の設置を検討してまいります。
仙川商店街南端部の交差点にある信号機のスクランブル化や表示パターンの変更及び横断歩道の拡幅に関しては、現行の2サイクルから3サイクルに表示パターンを変更するよう働きかけておりますが、歩行者の待機スペースが不足していることから実現に至っておりません。先ほどの信号機の設置同様、再度お願いしてまいります。
最後に、開店後の調査についてお答えいたします。
事業者においても開店後の状況について正確に把握すべく、10月7日の開店日、10月10日の最初の日曜日及び開店後1カ月を経た日曜日である11月7日の3日を観察日として、駐車場の稼働状況や周辺交差点の混雑状況を調査し、現在報告書に取りまとめているところと伺っております。また、取りまとめた後には、調布市や大店立地法による届け出先である東京都に提出する予定とも伺っております。
市といたしましても、開店後の店舗の運営状況を折に触れ確認しているところです。当初の想定とは異なる事象もありますが、市として対応が可能なことはできるだけ速やかに、また、事業者や関係機関に要請すべきものは要請することにより、より安全で快適な
まちづくりを目指してまいりますので、御理解賜りますようお願いいたします。
以上でございます。
○
大須賀浩裕 議長 8番、田中久和議員。
◆8番(田中久和 議員) 御答弁いただきましてありがとうございました。それでは、まとめとさせていただきます。
まず、大店立地法の関係でありますが、法改正のポイントについては詳細な御説明をいただきました。また、大店立地法が施行されて10年が経過し、新法のもとで建設されオープンした物件、建設中の物件等についてもあわせて御答弁をいただきました。この件数が多いのか少ないのか、私にはよくわかりませんけれども、所管としては市町村の意思を最大限反映することを目指して、広範な住民の意思表明の機会を確保するため、全力で職務を全うされていることと思います。
質問の中で、この10月には島忠ホームズが開店し、京王線の北側ではIショッピングセンターが来年の夏前の開店をめどに建設が進んでいるとの話をさせていただきました。既存の大型店舗を含めると合計7店舗であります。ますますにぎわいあるまちへと変貌を遂げてまいります。従来からの地元商店街の方々も、大型店の進出には決して反対することはなく、何とか共存共栄に向けた努力を続けているところであります。
さて、大店立地法の施行は、国の中小企業施策が保護から市場主義へ移行したものとも言われます。大店法時代の中小商店保護から、周辺環境への配慮に切りかえたのが特徴とのことであります。自治体では住民の意見を聞きながら、大型店の出店が交通渋滞や騒音、ごみ対策など環境面から適切かどうかを審査し、大型店舗に出店撤回を含む必要な対応を求めていくこととなりました。新法が目的とする生活環境の保全がどのような範囲に及ぶのか。要するに、いいかげんに運用していれば、大型店の野放し化や出店規制強化につながり、理想的な
まちづくりが行えないこととなります。
このたびの島忠ホームズやIショッピングセンターについても、新法に基づき慎重に検討されてきたものと考えます。しかし、オープン前までの予測と違う、予測した数値と大きく開きがあるなど、また、オープン後の予測し得なかった事態もあるでしょう。肝心なことは、そうした事態を今後どのように解消していくのかだと思います。
生活環境への影響とはどのようなことでしょうか。例えば、大規模小売店舗の駐車場待ちの車で渋滞が起こり、周辺で生活する住民の利便性に影響を与える場合、あるいは大規模小売店の出入り口が商店街の顧客の通行を妨げた場合、あるいは大規模小売店の騒音やごみが住民の生活を悪化させる場合などでありまして、ちなみに、大規模小売店の出店に伴う他の商業施設の売り上げ減少というようなものは生活環境への影響とは考えられないとのことであります。
私のもとにはたくさんの意見や要望が来ています。市民は行政に何を望んでいるのでしょうか。それは生活環境をしっかりと守ってほしいということであります。このところ、日曜、祝日等の渋滞はともかく、顧客もある程度落ちつきを見せてきているようであります。ある方は、これ幸いに、客がだれも来ないほうがいいくらいのことをおっしゃっておられます。行政の対応1つがそこに住む人々、市民の言葉や行動を変えてしまうこともあるのでしょうか。市内の片隅で起こったたった1つの事柄。このたった1つの事柄が調布のイメージを決定づけてしまうこともあるかもしれません。デメリットのフォローこそが重要ではないでしょうか。そして、大型店を取り込んだ広い視点を持った
まちづくりにさらなる御努力をいただきたいと思います。
最後に、副市長さんからも
まちづくりについて御答弁をいただきました。平成22年3月に作成されました各地域の街づくり方針には、市長さんの言葉でこのようなことがうたわれております。今までの
まちづくりの成果を引き継ぎ、経済的、物理的な豊かさや生活の利便性のみを追求せず、福祉、環境、安全などの新たな視点を加えて、良好な都市環境を備えた魅力的なまちを創造し、将来の世代に継承していく。このため、
まちづくりの主体者である市民、事業者及び調布市がそれぞれの役割と責任を自覚して、
まちづくりについてともに語り、学ぶことによって、新たな関係を築いていくとあります。そして、本方針は、これらを踏まえて地域の特性に応じたきめ細かな
まちづくりを推進するとともに、地域主体の
まちづくりを推進するための指針としていくと結んでおられます。
何事も前向きに手がけていくことはよいことだと思います。しかし、行動を起こせば好ましくない影響も生まれてまいります。あとのことは知りませんでは困りますし、中途半端や未完成で終わっては、市長さんが描かれる
まちづくりからはほど遠いものとなってしまうのではないでしょうか。
今回は、質問の中に要望も取り上げさせていただきました。もちろんのこと、私一人の意見ではなく、地域の総意を私が代表したものであります。周辺には大勢の方々が生活されております。本方針に沿ったきめ細かな
まちづくり、地域主体の
まちづくりに大きく期待するところであります。周辺地域の生活環境をしっかりと守っていただきたい、そのための最善、最大の御努力を強く要望いたしまして、私の一般質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
○
大須賀浩裕 議長 以上で8番、田中久和議員の質問は終わりました。
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51 10番 小林 市之議員
○
大須賀浩裕 議長 次に10番、小林市之議員の質問を許します。
10番、小林市之議員。
〔10番 小林 市之議員登壇〕
◆10番(小林市之 議員) こんにちは。10番議員、公明党の小林市之でございます。議長から発言のお許しをいただきましたので、これより一般質問をさせていただきます。
今回は、市民生活の向上に向けてと題して、大きく4点にわたり質問をさせていただきますので、理事者の皆様の明快な御答弁をよろしくお願いいたします。若干所管部門にも触れてまいりますが、任期4年の残りわずかということでもありまして、市民の声をお届けしていくということからでありますので、御容赦をお願い申し上げます。
まず、中小企業支援策についてお尋ねいたします。
急激な円高やデフレによる経済・雇用情勢の悪化が深刻であります。日本経済を取り巻く状況に好転の兆しが見えない中、先行き不安が広がっております。8月に発表された内閣府調査では、全国1万人の方に政府に対して何を求めるのかと質問したところ、景気対策との答えが前回調査より6.8ポイント急増して、過去最高の69.3%になったという結果が明らかになりました。公明党にも、いつになったら景気がよくなるのか、あるいは先行きが全く見えない、景気を回復させて、雇用を何とかしてもらいたいという切実なお声をたくさんいただいているところであります。
そのような現場の声が強い中、特に世界金融危機後、中小企業を支えてきた緊急保証制度が何と民主党政権により来年3月末で打ち切られてしまいます。この緊急保証制度は、世界的な金融危機の引き金になった平成20年9月の
リーマンショックがきっかけであり、その翌月、当時の自公政権が緊急実施した平成20年度第1次補正予算に、中小企業を守るための資金繰り対策として盛り込まれたものであります。
この制度を利用したことで破綻を免れた中小企業は少なくありません。増加傾向にあった倒産件数は、平成21年1月から3月期をピークに、それ以降は減少に転じ、緊急保証制度がなくなれば再び倒産がふえるおそれがあります。日本経済の状況は何ら好転していないのに打ち切ろうとする菅民主党政権。今こそ切れ目のない支援策が必要であると思うところであります。
さて、平成22年第1回定例会で私は、市内事業者の受注機会確保に積極的な取り組みをしてほしいと質問をさせていただきました。特に市内事業者を育てる観点から、市内本店の事業者が扱える金額の引き上げ等を要望させていただきました。
その結果、本年5月10日から来年3月末までの時限ではありますが、経済状況の悪化に伴う市内建設業者の経営状況などにかんがみ、市内事業者の受注機会を拡大し、地域の活性化を図る目的で、調布市制限つき一般競争入札実施基準の中で、設計金額5,000万円、道路工事等は7,000万円以上、1億5,000万円未満の工事について、市内本店に限定する制度となりました。
市内中小企業の取り巻く状況は依然として厳しい環境でもありますので、期限を3月末以降も延長すべきと思いますが、御答弁をお願いいたします。
2点目の中小企業事業資金融資の信用保証料全額補助については、私は平成20年第4回定例会で要望させていただき、平成23年3月末までの特例で信用保証料全額補助が実施されているところであります。
このことについても、さきの入札制度の期限延長と同様に延長すべきと考えますが、御答弁をお願いいたします。
3点目には、前倒し発注についてであります。市内事業者の受注機会が減少する期間、3月、あるいは4月を考慮して、受注する機会を確保するため、平成21年度、平成22年度について、市では公共工事等の追加及び前倒し発注を実施いたしました。特に22年度については、国の経済対策にかかわる交付金等を最大限に活用し、翌年度に予定していた公共工事の追加及び前倒し発注により、市内事業者の受注機会を確保してきたところであります。この点について大きく評価をするものであります。
そこで、来年3月、4月を見据え、市内事業者の皆さんの仕事の受注は大変に厳しいものがあります。特に、現在、平成23年度の予算編成作業の中でもあると思いますので、ぜひとも公共工事等の前倒し発注について実施すべきと考えるところでありますが、御答弁をお願いいたします。
次に、大きな2点目として商店街振興策についてお尋ねいたします。
少子高齢化や過疎地域の拡大が進む中、移動手段がない高齢者を中心とする買い物弱者がふえております。9月の定例会でも民主党の福田議員さんから買い物弱者対策への質問がありました。私は、視点を変えて、商店街振興につながる買い物弱者対策、買い物に出られない高齢者に宅配サービスを、商工会やあるいは商店街と連携しての宅配サービスのモデル事業の実施について伺いたいと思います。
経済産業省は、商店の撤退などで高齢者の買い物が難しくなる買い物難民対策に乗り出し、高齢者向けに宅配サービスや店舗までの交通手段を提供する民間事業者などの初期投資を補助すると伺っているところであります。
買い物弱者の問題は、決して過疎地域だけの問題ではなくなってきております。都市近郊でも身近にあった商店街の閉店や大型小売店の撤退により、食料品や日用品の買い物に不自由する高齢者がふえ、経済産業省のことしの報告によれば全国で600万人いると推測しております。
富山県富山市では、日常の買い物に不便を来している高齢者世帯などのために、宅配サービス事業を民間事業者に委託して実施しております。カタログやチラシから商品を選び、電話やファクスで注文すると、当日中に商品を宅配サービスするモデル事業であります。また、群馬県の館林市では、商店街が高齢者から電話で注文を受け配達する御用聞きサービスを実施している等々あります。
このようなサービスを商店街活性化のためにも行政が主導して実施すべきと考えますが、御答弁をお願いいたします。
続いて、駅前広場を活用した土曜、日曜開催のマルシェ、市長、これはフランス語ですかね。市場の考え方についてお尋ねいたします。
平成21年度農林水産省総合食料局関連事業である地産地消・産直緊急推進事業のうち、仮設型直売システム普及事業、マルシェ・ジャポン・プロジェクトというらしいんですけれども――においてこの運営者として森ビルが選定されております。
このプロジェクトは、農林水産省が大都市における農産物の直売を支援するため、公園などを活用し、テントなどの仮設施設による直売事業、マルシェの運営経費の助成を行うプロジェクトであります。この運営者は、生産者等の出店の募集や会場の準備などを行い、通年にわたってマルシェを開催することが条件になっているようであります。
産地直送のこだわりの生産物、旬の野菜や果物の販売のほか、焼きたてパン、ワイン、加工品、調味料など、新鮮で取っておきの食材が並ぶマルシェ。都市におけるマルシェは、まさに人と人、都市生活者と生産者が出会う場であり、また近隣住民のフェース・ツー・フェースのコミュニケーションをはぐくむ絶好の機会でもあります。焼きそばやたこ焼きといった御当地のB級グルメ大会で盛り上がっている地域も報道されているところであります。
そこで、現在、京王線の連続立体交差事業で調布駅前広場が使用できずに、市役所前庭で多くのイベントが開催されているところでありますが、今後、調布、布田、国領に新たに創設する広場で、土曜日、日曜日、常時開催のマルシェ、市場を開催していくという考え方について御見解をお願いしたいというふうに思います。
次に、大きな3点目として、さらなる市民の利便性についてお尋ねしたいと思います。先ほど創政会の田中議員さんから仙川駅についてるるお話がございました。
少し前のお話になりますが、平成12年第4回定例会で当時、自民党の伊藤義男先輩議員さんが仙川駅へ特急、急行、快速の停車について質問をされております。先日、久々にある会合でお会いをし、一時倒れられて心配をしておりましたが、大変お元気になられ、当時をほうふつする大きな声でのごあいさつをいただき、見違えるようなお元気な様子に安心をした一人でもございます。
平成13年3月のダイヤ改正で、このときの質問が仙川駅に快速が停車するようになったということでもありまして、その後、平成15年には準特急について伊藤議員さんが仙川にという質問がありました。しかし、それは少し難しいようでございました。
話はそれだけですが、平成11年度以降の市内9駅の乗客数の人数を比較いたしますと、つつじヶ丘、柴崎、調布、京王多摩川、この10年間ぐらいで10%未満の伸びなんです。つつじヶ丘、柴崎、調布、京王多摩川ですね。残念ながら西調布はマイナスということで、これからだというふうに思います。現在はマイナスということですが。
伸び率での最高は味の素スタジアム開設もありましたので飛田給駅です。当然ですね。イベント開催時は2万人、3万人という観客が入るわけでありますので。ただ、乗客数の平均は、飛田給駅は1日2万3,000人ということで、市内9駅中5番目でございます。
飛田給に続いて2番目の伸びが仙川ではなくて国領駅でございました。平成11年度に比べると32%ふえて、1日の乗客数が3万8,000人ですから、当時に比べ約1万人、この10年間で国領駅がふえている。乗客人数のふえは、仙川駅も同じぐらいの約1万人ぐらいふえているんですけれども、現在、市内9駅の中で調布、仙川、つつじヶ丘、続いて4番目に利用客が多いのが国領駅というふうになるわけであります。
市内3番目は先ほどお話ししましたつつじヶ丘駅でありますが、現在4万5,000人で、11年度からこの10年間で2,000人弱しかふえていない。こういうことを見ると、国領駅がつつじヶ丘駅を抜いてしまうというのは時間の問題かなというふうに思うところでありますが、さらに京王線の連続立体交差事業が終了すれば、国領駅を起点とした多摩川住宅からのバス路線新設――これは私が思っているところでありますが――や調布3・4・18、甲州街道から原山線に至る都市計画道路の完成を見ても、新たなバス路線が国領駅を中心に事業者も検討してくるのではないかなというふうにも思うところであります。
そんなようなところで、多くの地元の皆さんからも、国領駅に快速をとの声をいただいているところであります。このような声は、ほかの議員さんも伝わってきているんじゃないかなというふうにも思うところであります。
平成24年度末には、当然大幅なダイヤ改正もあるのではというふうにも思いますので、市としても京王にしっかり働きかけていただきたいというふうに思うところであります。
そこで、国領駅に快速、あるいは通勤快速を停車させることについて御見解をお願いいたします。
次に、品川道の大町地域のバス運行についてでありますが、私は平成18年第4回定例会でこの件について質問させていただいております。この件については、菊野台地域の皆様から多くの声をいただいているところであります。
京王線連続立体交差事業の完成後には、未開通路線のバス運行について積極的に事業者に働きかけていただきたいと思いますので、これの御見解についてもどうぞよろしくお願いいたします。
最後に、子育てしやすい住環境について質問させていただきます。
子どもさんは、大人には思いつかないことをするものであります。今もお子さんを育てている方もいらっしゃると思いますが、皆さんも小さなお子さんを育てたときに、大きなけがに至らなくても、冷やりとしたことはないでしょうか。そんな子育て世帯の冷やりを少しでも減らせるように、子どもの目線に立ってマンションのお部屋や、あるいは共有部分の仕様などに工夫を凝らした民間のマンションを行政が子育て応援マンションとして認定するというものがあります。
墨田区では、世帯の小規模化や核家族化も相まって、マンションでの若い夫婦による子育ての悩みを相談できる相手も得られず孤立化してしまうといったことが問題となり、バランスのとれた定住人口を確保していくためには、住宅政策の面から子育て支援が必要であるとの観点から、この制度を導入したとのことであります。
そこでは、健康に優しい低ホルムアルデヒド建材の使用、転倒してもけがのしにくいクッションフロアの採用、台所など危険箇所に子どもが入り込まないようにチャイルドフェンスの設置、コンセントには感電防止のために子どもの手の届かない位置の工夫、マンション内のキッズルームなどを設け、子どもが安心して遊べる環境や、さらに近隣の幼稚園や保育園との連携など。
隣の世田谷区にも同様な制度があり、キッズルーム整備事業の助成や子育てサークルの情報提供や、あるいは地域コミュニティーとの交流を一定期間支援していくものであります。
また、横浜市でも同様な制度がありますが、横浜市では市が認定し市民に公表することによって、子育て世帯の住環境をよくしていくという目的で制定されておりますので、施設整備への補助等はしていないという制度でもあります。
調布市もこのような工夫を凝らしたマンションを行政が子育て応援マンションとして認定する制度を創設すべきと考えますが、いかがでしょうか。ぜひともこのような制度に取り組むべきと考えますが、御見解をお願いいたします。
以上、大きく4点にわたり質問をいたしましたので、明快な御答弁をよろしくお願いいたします。
○
大須賀浩裕 議長 答弁を求めます。長友市長。
◎長友貴樹 市長 ただいま小林市之議員より、市民生活向上の観点から4点にわたり御質問をいただきました。私からは、中小企業支援策についてお答えいたします。
政府は、11月の月例経済報告で、基調判断は景気回復が停滞する足踏み状態とした10月の判断を据え置き、政策効果の息切れや円高により生産の落ち込みが続いていると分析しています。また、先行きに関しては、海外景気の下振れ懸念や為替の動向次第で、景気がさらに下押しされるリスクが存在するとの警戒感を示しています。
こうした経済状況下において、市内企業の99.7%を占める中小の事業者を支援し、地域経済を活性化させることは、市政の重要な役割であると考えております。
既に御承知のとおり、調布市では中小企業を初めとする市内事業者への支援について、一昨年の世界経済危機以降、市政の緊急対応として市民生活支援、緊急雇用対策とあわせて、工事請負契約制度の見直し、中小企業事業資金融資あっせん制度の充実、公共工事の追加、前倒し発注を中心とした地域経済対策を取りまとめ、市としても継続した取り組みを進めてまいりました。
まず、工事請負契約制度の見直しについてであります。
市発注工事について、市内事業者の受注機会を拡大することにより地域経済の活性化を図るため、平成22年5月から制限つき一般競争入札における市内事業者の範囲を拡大いたしました。
この改正により、予定価格1億5,000万円未満の工事は、市内本・支店事業者だけが入札に参加できるようになり、この規模の工事における市内本店事業者の受注率は、平成20年度80.4%、平成21年度82.0%から、平成22年度は10月末現在で90.5%に向上しており、一定の成果を上げることができたものと認識しております。
依然として景気回復の兆しが見えない中におきましては、引き続き市内事業者の受注機会に配慮していくことが必要であると考えております。
次に、中小企業事業資金融資の信用保証料全額補助についてであります。
信用保証料の補助は、資金融資を受ける際の信用保証協会への信用保証料を補助するものでありますが、緊急支援策として平成20年12月から信用保証料の全額補助を実施しているところであります。
これまでの実績として、保証料の全額補助を開始した平成20年12月から平成22年10月までの23カ月間の補助件数の総数は482件で、補助金額の総額は5,540万円余であります。
今年度の補助申請の件数は、前年度と比較すると減少傾向にあるものの、現下の経済情勢において市内事業者の経営実態はいまだ予断を許さない状況にあるものと認識しており、制度拡充の期間延長につきましては、経済動向を注視しつつ、適切に対応してまいりたいと考えております。
次に、市内事業者の受注機会の確保を目的とした前倒し発注については、工事等の発注機会が減少する期間と言われます年度末から年度当初に継続的な緊急対応を講じたものであります。市単独の取り組みだけでなく、国の経済対策としての交付金などを最大限に活用し、市内事業者の受注機会が創出できるよう取り組みました。
また、昨年の学校ICT関連事業や地上デジタル対応における小・中学校へのパソコン、デジタルテレビ等の導入では、市内を地域ごとに区分した分割発注などにより、他団体に比較して高い比率で市内事業者の受注機会を創出しております。
なお、従前と2カ年の取り組み実績を比較いたしますと、特に受注機会の減少期と言われます3月、4月では、平成19年度3月期と平成20年度4月期の合計6件の契約件数が平成20年度実績では10件、平成21年度実績では17件の契約件数となっており、市内事業者の受注機会の確保にもつながったものと認識しております。
本定例会に議案提出しております一般会計補正予算第3号におきましても、年度末を見据えた道路や公遊園の補修工事費等の増額補正を計上いたしておりますが、現下の経済情勢を踏まえ、今後、予算の弾力的執行とともに、年度末での補正予算での対応も含め、市内事業者の受注機会の創出にも努めてまいりたいと考えておりますので、御理解賜りますようお願い申し上げます。
その他の御質問につきましては、担当よりお答えいたします。
○
大須賀浩裕 議長 島田
産業振興担当部長。
◎島田尚
産業振興担当部長 私からは、商店街振興策についてお答えいたします。
初めに、宅配サービスのモデル事業についてであります。
宅配サービスについては、商店街の衰退とともに、高齢化の進行によるいわゆる買い物難民の解決策の1つとしても取り組まれており、これまでは地方都市が抱える問題とされておりましたが、最近では都市部においても問題が顕在化しつつあります。宅配サービス事業につきましては、大手スーパーの多くが手がけており、消費者の関心の高まりも感じるところであります。
この宅配サービス事業を市内商店会で実施することにつきましては、これまでも商店会で議論されてきたところですが、実現には至っておりません。その理由として、商品カタログの作成、配達用自動車の手配やストックヤードの確保といった設備面に関する問題、家族経営等、少人数での運営が多い小売業における人材面の問題など、宅配需要と運営経費を比較した際の費用対効果において、実現に至らなかった経緯があります。
また、宅配サービス需要の主たる商品であります食料品を扱う店舗が商店会に少ないことなども課題として挙げられておりますので、宅配サービスにつきましては今後も商店会と連携して、研究を重ねてまいりたいと考えております。
次に、駅前広場を活用したマルシェについてお答えいたします。
現在、市役所前庭を利用したさまざまな催しが実施され、姉妹都市である長野県木島平村から朝どれ野菜などが直送されるトラックセールは、開催するたびに商品が完売し、毎回多くの市民でにぎわい、次回を期待する声が上がるほどの人気イベントとなっております。
このほか、観光物産展では、木島平村のほか山梨市や甲府市、神津島などから出店いただき、市内物産とともに、現地の物産が購入できるとのことから、毎年好評を博しているイベントとなっております。
京王線連続立体交差事業の完了後に整備が予定されている駅前広場に、これら継続的に行われているトラックセールや観光物産展などの人気イベントを開催したり、調布市独自のマルシェを実施することにより、観光振興はもとより、市内商業の活性につながるものと認識しておりますので、駅前広場の整備に合わせて、庁内関係部署と協議の上、イベント開催につきまして検討してまいります。
また、土曜、日曜に開催されているマルシェにつきましては、輸送コストの問題や定期的な供給といったさまざまな課題を研究し、先進事例を参考にしながら検討してまいります。
今後におきましても、商店街振興に向けて観光振興、産業振興に努めてまいりますので、御理解を賜りますようお願い申し上げます。
以上でございます。
○
大須賀浩裕 議長 井上
都市整備部長。
◎井上稔
都市整備部長 私からは、公共交通のさらなる利便性と子育てしやすい住環境についてお答えいたします。
初めに、国領駅の快速、通勤快速の停車についてですが、京王線全体の1日当たりの乗降人員につきましては、平成11年度と21年度の実績を比較すると約9%増加しており、調布市内の9駅につきましても多くの駅で増加しております。中でも国領駅につきましては、2万8,662人から3万7,827人に増加しており、約32%の増加率となっております。
このように乗降人員が推移する状況のもと、各駅停車の車両のみが停車する国領駅に快速や通勤快速等の車両を停車させてほしいという市民の声をさまざまな場面で伺うことがあります。
京王電鉄株式会社では、平成13年3月に「より早く、より便利に、より快適に」を柱とした大幅なダイヤ改正を行っておりますが、この際、現行の特急のスピードアップとともに、準特急を新設したほか、仙川駅を快速停車駅とした実績があります。しかしながら、快速電車等の停車駅をふやすことにより、京王線全体のダイヤに影響を与えることは明らかであり、市内にあるほかの駅にも列車本数や所要時間、停車時間等へ影響が及ぶものと考えられます。
現在工事が進んでいる
京王線連続立体交差事業の完成により、京王線と京王相模原線の平面交差が解消されます。この平面交差が電車運行上の大きな障害と聞いておりますので、市としましては、鉄道の地下化に伴い何らかのダイヤ改正があるものと認識いたしております。
鉄道の停車駅をふやすことにつきましては、他の駅への影響も十分に勘案することが重要でありますので、市民の意見や京王電鉄株式会社の考え方を確認しながら、市としての対応を検討してまいりたいと考えております。
次に、品川道大町地域のバス運行についてお答えいたします。
国領町8丁目交差点から神代団地交差点までの品川通り約1.4キロメートルの区間につきましては、議員御指摘のとおり路線バスは運行しておりません。
これまでもバス事業者である小田急バス及び京王バスには、この区間の運行の可能性についての検討をお願いしているところでありますが、現在のところ、この経路については京王線に平行し、かつ国領駅、柴崎駅に比較的近接していることから、バス運行には需要や採算的な課題があると聞いております。
一方、現在市では高齢化社会への対応、環境負荷の軽減、まちの活性化の観点から、公共交通の充実や安全な歩行空間の確保など、各種交通施策の連携のもとに効率的な展開を図るため、総合交通計画の策定に取り組んでおり、バス事業者にもその策定作業に加わっていただいております。
連続立体交差事業や周辺都市計画道路整備の進捗及び周辺の土地利用動向を踏まえ、東西方向だけではなく、南北方向の路線も絡めた公共交通の戦略的展開の可能性について、路線の新設のほか、既存路線の延長、経路変更も含めて、今後もバス事業者と協議を行ってまいります。
次に、子育て応援マンション認定制度についてでありますが、子育て応援マンションとは、子育てしやすい施設、設備、サービス等が整っていると認定されたマンションのことをいい、認定制度につきましては、墨田区が平成14年に全国に先駆けてスタートさせ、その後、世田谷区、大阪市、神戸市、横浜市などが同様の制度を始めております。
子育て応援マンションの特色ですが、具体的には住宅内の仕様についてはファミリータイプの間取りがあること、収納等が確保されていること、段差の解消等バリアフリー化されていること、シックハウス対策がなされていること、遮音床となっていること、大人と子どもが一緒に入れるトイレの広さがあること等があり、また、共用部分の仕様についてもスロープを設置すること、子どもがつかめる位置に手すりを設置すること、防犯性の高いエレベーター仕様であること、自転車、三輪車、ベビーカー置き場が確保されていること、危険箇所への侵入防止策がとられていること、キッズルームや遊び場が確保されていること等が一定の条件となっております。
また、ソフト面でも託児サービスや子育て相談の実施、近隣の保育・医療施設との連携やベビー用品を入居者同士が交換できるなど、子どもが安全かつ健康的に過ごせる配慮が制度の軸となっており、子育て中、またこれから子育てをされる方にとって大変利便性の高いマンションと言えます。
一方で、認定を受けるマンション業者にとっては、分譲や入居者募集の際に市が認定した子育て応援マンションであると表示、アピールができるほか、市のホームページにより認定物件として紹介してもらうことによって、他のマンションと差別化を図ることができるメリットがあります。
厚生労働省が行った人口動態統計調査によると、住宅における子どもの不慮の事故による死亡者数は交通事故より多いという報告があり、安全に安心して子育てができる住環境の整備は重要な課題と認識いたしております。
子どもにとって、また親にとっても子育てがしやすい安心・安全な住環境づくりが必要であり、子育て応援マンションのような良質な住居がふえることは、子どもの生活環境の向上に大きく寄与するものです。
また、
まちづくりという視点からも、少子高齢化が進む中で、高齢者世帯や子育て世帯など多種多様な世帯が暮らす健全なコミュニティーの形成にもつながります。
こうしたことから、今後、先行事例の調査等、子育て応援マンション認定制度について研究、検討してまいりますので、御理解賜りますようお願いいたします。
以上でございます。
○
大須賀浩裕 議長 10番、小林市之議員。
◆10番(小林市之 議員) 御答弁ありがとうございます。市長から中小企業支援策について御答弁もいただきました。まとめさせていただきます。
来年の3月末で切れる工事請負契約制度の見直し、そしてまた、中小企業事業資金融資の信用保証料全額補助については、市長答弁のように依然として景気回復の兆しが見えない景気状況を考慮していただいて、市内事業者の受注機会に配慮していく必要があると認識していただいています。保証料の全額補助の期限延長も、経済動向を注視し、適切に対応するという御答弁をいただきました。
事業者の皆様に安心していただくためにも、早目の期限延長の発表をお願いしたいところであります。特に、また来年度予算にしっかりと盛り込んでいただくことを要望させていただきたいと思います。
先ほどちょっと気になったのは、件数はふえましたけれども、市内事業者といっても市内の支店、あるいは本店、両方を言われているわけでありますが、やっぱり市内の本店の事業者がしっかりとれるように、生活をしている、調布に住んでいる本店をしっかりとやっていかなければいけないのかなというふうにも思いますので、その辺のところについても今後よく検討していただきたい、そんなふうにも思うところであります。
特に公共工事の前倒し発注については、年度末での補正予算対応、こういうふうにおっしゃっていただき、評価をするところでもあります。市内事業者の受注機会の拡大について、さらに努力していただくことを要望させていただきたいと思います。
今月1日から東京都では、緊急円高対策として経営環境の悪化にあえぐ都内中小企業への金融融資、経営支援を実施するとともに、資金繰りなどに関する年末特別相談窓口の開設を発表したところであります。これは、都議会公明党が先月末に緊急要望したものを受けたもので、ぜひ調布市も東京都と連携して市内事業者の資金繰り支援についてのアドバイスを積極的に実施していただくよう要望するところであります。
続いて、商店街振興策についてでありますが、先ほど部長答弁では食料品を扱う店舗が少ないということでありますけれども、幾つかの商店街を合わせて、例えば
中心市街地、9商店街が勉強会をやっているということでありますが、そういうところとか、あるいは市がそういうところに補助して、モデル事業としてぜひとも取り組んでいただきたいというふうに思います。あるいは、商工会などに委託をして、研究を始めていただくというのも必要ではないかと考えるところであります。
先日も福祉部さんのほうでしょうか、各ふれあいの家で地域懇談会を開催したときにも、やはり地元の御高齢の方から買い物に出られない等々、こういう話も出たと伺っているところでありますので、高齢化社会に対応した商店街のあり方をぜひ模索していっていただきたいというふうに要望するところであります。
次の駅前広場を活用したマルシェについてでありますが、統一したテントやカウンター、あるいは販売台等々、行政が準備をして、青空市場的な調布市独自のイベントをぜひ開催していただきたいというふうに思います。今、深大寺近辺だけが人の集客があるようなことではなくて、来た人たちを駅前広場に、調布の真ん中に呼び込んでいく、つなげていくようなマルシェの考え方をぜひ御検討していただきたいなというふうに思いますので、要望しておきます。
国領駅に快速や通勤快速を停車させていくことについては、京王線の連続立体交差後には調布駅付近で電車が待機待ちしている時間が解消されることから、大きく時間短縮されるのではというふうに思います。
そのことから見れば、先ほど部長さんからの御答弁のような国領駅に快速が停車しても電車の本数に影響が出るとか、あるいは他の駅への影響が出る云々、こういうことはないのかなというふうに思うわけであります。
ちなみに、仙川に快速が停車したからといって、各駅停車の本数が減ったなどということは聞いていないんですね。今後、多くの地元の皆さんの声を行政に届けてまいりますので、行政も積極的なバックアップをぜひお願いしたいというふうに思うところであります。
また、菊野台地域の品川道へのバス路線についてでありますが、過日、市長のふれあいトーキングでこの話が実は出て、市長は、このような話は初めて聞いた、そういうふうにおっしゃったようで、地元の方は大変に怒っておりました。私も同じ意見でございます。地域の課題は前もって勉強してからこういうところに取り組んでいただきたいなというふうに思うんですね。これは18年のときも私は同じことを言ったんですけれども、今、回送のバスが品川道、菊野台付近をどんどん出ているけども、乗れないという本当に腹立たしい思いをしている皆さんが地域にいらっしゃる。ぜひともこの区間の運行の可能性について、御検討をお願いしているとのことでありますが、バス事業者に強く申し入れをしていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
最後に、子育て応援マンション認定制度でありますが、先行事例も数多くありますし、財源をつけなくてもできる制度でもあります。
先ほど部長さんからも、子育て応援マンションのような良質な住居がふえることは、子どもの生活環境の向上に大きく寄与すると述べられ、
まちづくりという視点からも、少子高齢化が進む中で高齢者世帯や子育て世帯など多種多様な世帯が暮らす健全なコミュニティーの形成にもつながる、こういう話でもあります。財源をつけなくてもできる、そういう制度をつくっている市もあります。良質な子育ての環境が整うことがやはり大切ではないかというふうに私は思います。
今後、検討していくということでありますので、条例でなくても、他の市では要綱でやっているところもありますので、のんびり研究をしているということではなくて、ぜひ実施していただきたいと思います。
地方分権、地域主権の時代を迎え、住民の声をより一層地方政治に反映させるための取り組みが今求められているところであります。これからは私ども議員が議員提案による条例制定をしっかりと取り組んでいかなければならないというふうにも思います。
いいものは党派を超えてどんどん議員提案で条例等をつくっていくことをここに改めて決意をさせていただき、私の一般質問を終わらせていただきます。御清聴のほどありがとうございました。
○
大須賀浩裕 議長 以上で10番、小林市之議員の質問は終わりました。
ここで暫時休憩いたします。
午前11時49分 休憩
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午後 1時29分 開議
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大須賀浩裕 議長 本会議を再開いたします。
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52 9番 橘 正俊議員
○
大須賀浩裕 議長 続いて9番、橘正俊議員の質問を許します。
9番、橘正俊議員。
〔9 番 橘 正俊議員登壇〕
◆9番(橘正俊 議員) 皆さん、こんにちは。議席番号9番、公明党の橘正俊でございます。ただいま議長より発言の許可をいただきましたので、これより一般質問をさせていただきます。
本題に入る前に、皆さんも既に御存じかと思いますけども、きのう、ことしの世相を反映し、話題になった言葉に贈られる2010ユーキャン新語・
流行語大賞が発表され、大賞に「ゲゲゲの」が選ばれ、「ゲゲゲの女房」の著者、調布市在住の武良布枝さんが受賞されました。先般の調布市市政功労に続いての受賞に対し、この場をおかりいたしまして一言お祝いを申し上げたいと思います。大変におめでとうございました。
「ゲゲゲの女房」の最後に、終わりよければ、すべてよしとあります。ことしも余すところあと1カ月。武良布枝さんのこの一言がことしを象徴するのではないでしょうか。調布市にとってもそうであってもらいたい、そのように思うものであります。またこれからも調布市の発展に御尽力をお願いしたいと思うものでございます。
では、本題に入らせていただきます。今回は通告書のとおり、大きく4点にわたり質問をさせていただきます。
初めに、小・中学校空調整備5Upチャレンジについて質問をいたします。
既にこのようなものが皆さんにも行っているかと思います。近年の地球温暖化の影響、あるいはヒートアイランド現象が深刻化する中、夏場における小・中学校の教室内の温熱環境は最悪の状態となり、学習効率の低下だけでなく、児童・生徒が熱中症になるなどの健康への影響が生じました。本市でもこの夏、空調のない学校では、暑さが原因で保健室への来室者数は1日平均2人から3人、多い日で7.4人という報告がなされております。
私も夏休み明け、近くの小学校と中学校、両方訪問し、体験してきました。9月というのに教室内はまだまだ暑く、特に上の階に行くほどその暑さは厳しいものがありました。窓側にあるわずかな緑のカーテンも申しわけなさそうに暑さですっかり枯れ果て、全くその機能を果たしていませんでした。
特にことしの夏の猛暑は異常でした。児童・生徒の健康を心配し、私たち公明党にも多くの父兄から猛暑対策の要望が寄せられました。9月議会の時点における行政側の対応ですが、空調設備の設置について対応が必要な課題と認識はしているものの、多額の財政負担が必要となるため、コスト面や設置方法等についてまず調査をしたいとの、いわばコスト面も含め設置可能かどうかはまだまだ未知の状態でありました。
そこで、私たち公明党は9月議会におきまして、公立小・中学校に冷房機設置を求める意見書を議会に提出し、満場一致で可決されたわけであります。その後、調査と前向きな検討を行い、調布市は来年度、市内の全市立小・中学校の普通教室にエアコンを整備する方針を打ち出しました。新聞報道には、市議会も9月議会で公立小・中学校に冷房機設置を求める知事あての意見書を可決し、市側が導入に向けて検討してきたとありました。市議会の役割が大きく反映された結果であると思います。
しかし、本市の財政状況は決して余裕があるわけではありません。厳しい財政状況も十分踏まえつつ、児童・生徒の健康と学習環境の整備を最優先にされたことは評価するものであります。エアコンの耐用年数に応じて10年から13年間のリース方式で約9億9,000万円と聞いております。単純計算しますと年間約7,000万円から1億円の財源を確保しなければなりません。その財源をどのように確保していく計画でしょうか。けさの読売新聞に大きく掲載されていましたが、武蔵野市は一括購入とのこと。ほか、三鷹市や狛江市、西東京市も検討しているようですが、本紙がエアコン設置に至ったまでの経緯とリース方式を選択した理由、そして財源の確保について答弁をお願いいたします。
また、本市の場合、エアコンを独自予算で設置するとのことですが、当然高額なコストがかかります。それに対し国や東京都の財政補助などはあるのでしょうか。リース方式には国の交付金がつかないとも伺っています。9月議会において東京都知事に提出した意見書には、冷房化を促進するため、財源措置を早急に講ずることと明記しました。よって市も東京都に対し財政措置を強く求めるべきと思いますが、見解をお聞かせください。
次に、夏休み期間の補習授業についてお尋ねします。
既にエアコンの入っている学校では夏休み期間中、補習授業や自由研究など、快適な環境のもと、さまざまな活用がされているとのこと。どのように活用されているのか、現状をお聞かせ願いたいと思います。来年の夏からは全校が空調設備の整った環境の中で学べるわけですので、既に設置されている学校を参考にしながら、ぜひ有効活用をお願いするものであります。また、既に設置されている2校では補習授業も行っているようですが、その際、課題となるようなことはあるのでしょうか。もしありましたらあわせて教えていただきたいと思います。
中学受験や高校受験を控え、塾に行きたくても何らかの事情があり行けない生徒もいるのではないかと思います。そのような生徒のためにも夏休み期間中、全校で補習授業が受けられる体制、もしくは対応が必要かと思いますが、いかがでしょうか。見解をお願いいたします。
先ほどの小・中学校空調整備5Upチャレンジには、夏休み期間での地域コミュニティーの場としての有効活用と明記してあります。今までも学校施設を地域に対しコミュニティーの場として開放してきたと思います。これからはますます快適な環境となり、さらに発展させていくことができるのではないでしょうか。冷房機器のない部屋で一日じゅう閉じこもっている高齢者が気軽に学校を訪れ、さまざまな行事に参加できるようなことも考えられないでしょうか。夏休み期間中の有効活用についてぜひ検討していただきたいと思います。地域コミュニティーの場としてどのようなことができるのか、また、どういったふうに考えているのでしょうか。市の見解をお聞かせください。
次に、学校給食についてお尋ねします。
本市では、食育推進基本計画に基づき、学校給食を生きた教材として活用することにより、食への関心や感謝の気持ちを育て、健康な食に関する基本的知識やマナーの習得など、食に関する学習を推進しています。平成21年度から開始された学校給食食器枚数の3枚化も、この食育という観点から導入されたものと理解するところであります。平成21年度が滝坂小学校、今年度は上ノ原小、緑ケ丘小、杉森小、柏野小、そして七中、八中の6校に食器の3枚化が導入されました。大変よい、また重要な取り組みであると評価するものであります。
さて、学校給食の食器が2枚から3枚になり、学校現場ではどのような効果があったのでしょうか。また、食育という観点からの影響はいかがなものでしょうか。既に導入した学校の実態を踏まえ答弁をお願いいたします。
次に、今後の導入についてお尋ねします。3枚化の今後の導入は調布市基本計画推進プログラムによりますと、平成23年度9校、平成24年度10校、そして平成25年度をめどに全校導入することになっています。学校給食に皿が3枚あることにより、おかずがふえたり、単品で味を楽しめたりなど、プラス面が多くあると思われます。
しかし、導入の時期が数カ年にわたることにより、一度も3枚の皿を使用せずに卒業してしまう生徒たちがいるわけであります。導入の学校の順番によっては、小学校のみならず中学校でも3枚化の経験ができないで義務教育課程を修了してしまうことにもなります。同じ調布市内で学び、給食費も同じように納めているにもかかわらず、不公平にはならないものでしょうか。このような不公平感をなくすためにも、食器の3枚化を全校一斉に導入すべきであると思いますが、いかがでしょうか。一斉導入する場合、どのような課題が考えられるのでしょうか。市の見解を求めます。
もう一点、食器と同様に大事になってくるのは食べるときの道具であります。食事のときは必ずはしやスプーンを使うと思います。はしの持ち方や使い方、スプーンでの飲み方を教えることは大事であります。給食の献立によってはフォークが必要な場合もあると思います。このフォークも既に導入している学校とそうでない学校があると伺っています。何ゆえにこのような状況が起きているのでしょうか。食器の3枚化に伴い、フォークでの食事も食育上大事であると思うものであります。こちらも学校による不公平感をなくすためにも一斉に導入すべきと考えますが、いかがでしょうか。市の見解を求めるものであります。
大きな3点目の質問は、このたび多摩川1丁目にできました新公務員住宅の周辺環境についてであります。
以前から西調布住宅として公務員住宅は同じ敷地にありました。財務省の管理する合同宿舎と国税庁や厚生労働省の宿舎があり、216世帯の方が住んでいました。しかし、建物の老朽化に伴い建てかえが決まり、一たん全世帯退去することになったわけであります。国税局宿舎は平成15年3月から、また合同庁舎及び厚生労働省宿舎は平成17年9月と10月に退去要請が出され、平成20年4月には216世帯、全世帯が退去を完了いたしました。
一時問題になりましたが、都心の一等地にある公務員宿舎を閉鎖し、今回その分も含め新公務員宿舎として新たに世帯265戸、単身、独身150戸、合計415戸の、以前あった216世帯の倍に近い大型マンション同様の公務員住宅が完成したわけであります。
今現在、徐々に入居が始まり、来年の3月までにはほぼ入居が完了するのではと思われます。よって来年の4月以降は周辺地域の人口は当然ふえ、交通量も増加するのは確実であります。それに伴い、さまざまな不安材料も考えられ、事前に対応できることはすべきではないかと思うものであります。
まず1点目は、新公務員住宅前を走るミニバス西路線であります。公務員住宅に入る予定者のほとんどが西調布駅を利用すると思われます。しかし、中には相模原方面に通勤する方も何十人かいるとのこと。そうしますと、京王多摩川駅を利用することになります。公務員住宅から京王多摩川駅まで歩くには少し距離があります。交通手段として考えられるのは自転車かミニバスの利用となります。雨の日は確実にミニバスを利用することになるでしょう。ミニバスの西路線は市が運行事業補助金を出している唯一の路線であります。しかし、東路線が平成21年度利用人数19万8,078人、北路線が22万9,866人に比べ、西路線は32万5,701人と大きく利用人数は上回っております。さらに、東・北路線とも平成21年度は前年度より利用人数が減少しているにもかかわらず、西路線だけは平成16年以降、年々増加しています。特に京王多摩川駅を経由し調布駅方面に向かう朝の通勤時間帯は大変混雑しています。
利用者の中には通勤、通学だけではなく、高齢者の方が病院に通うために利用したり、障害者の方が作業所に行くのに利用している市民も多くいます。来年4月以降、公務員宿舎のどれだけの方が利用するのかはわかりませんけども、少なくともふえると予想されるのであれば、時間帯によるミニバスの増便も検討すべきと思いますが、いかがでしょうか。小学生はふえるであろうということで、第三小学校の教室は増設し、事前対応したわけであります。新公務員住宅建設に伴い、ミニバス西路線の増便に対する市の見解を求めます。
ただし、先ほども触れましたが、調布市内の3路線の中で唯一補助金を出しているのがこの西路線であります。行政としても昨今の厳しい財政事情もあり、極力支出を抑えていきたいと思うのは当然であると思います。反面、増便を求めると補助金を増額せざるを得ないのではないかと思うものであります。しかし、ミニバス、いわゆるコミュニティーバスの本来の目的である交通不便地域の移動手段を確保するという市民の利便性も考慮する必要もあります。補助金を縮小する方向の中、増便も必要となった場合、市はバス事業者に対し、どのように向き合い、そしてどのような姿勢で取り組むつもりでしょうか。先ほども申し上げましたように、西路線は年々利用者がふえています。当然、事業者としましては収入もふえていると思いますし、民間企業ですから広告募集も企業努力で行えるはずであります。行政は市民へのサービス向上のために、バス事業者と毅然とした態度で向き合い、大いに汗を流していただきたいと思うものでありますが、市の見解を求めるものであります。
次に、周辺道路の安全確保について質問します。
公務員住宅の建てかえにより、415世帯、人数にしましたらその倍近い人口増加となります。児童・生徒数の増加を見込み、小学校の教室もふやしました。通学路の安全の確保も今以上に必要となります。当然それには地域住民の協力も必要であります。
先般、深大寺通り交通社会実験中間状況のお知らせという、このようなチラシが皆様のボックスにも入っていたと思います。調布市、深大寺通り街づくり協議会が主体となり、深大寺通りを通行する車両が30キロ規制を守っていただけるよう、イメージハンプと呼ばれる路面の模様や看板などを設置したり、速度超過ドライバー自覚促し実験や速度提示実験を行ったとのことであります。地元の皆さんと行政が協力しながら自分たちのまちは自分たちで守るという姿勢は大変評価できるものであります。
公務員住宅の周辺を歩いてみますと、通学路にもかかわらず多くの乗用車や大型のトラックが猛スピードで走り抜けていきます。しかし、周辺道路にはスピードを規制する交通標識が極端に少ないように思います。スピード注意とか横断歩道ありなどの道路標示や交通標識が必要と思いますが、市の見解を求めたいと思います。
ある地域では、横断歩道ありという大きな文字で道路標示することにより、約60メーター手前から視界に入るため、ドライバーに注意を促す効果があるとも言っておりました。道路標示や標識の設置に関しては、所轄が違うのかもしれませんけども、市の見解を伺いたいと思います。
最後に、大きな4点目の質問は、木造住宅の耐震化についてであります。
木造住宅の耐震化につきましては、本年第2回定例会でも一般質問をさせていただきました。よって、今回は少し違う角度からの質問をさせていただきます。
東京都は、震災時の救援活動などで優先的に使われる緊急輸送道路沿いにある建物の耐震診断を義務化し、罰則などを盛り込んだ素案を公表いたしました。その素案では、30年以内に南関東地域でマグニチュード7程度の大地震の発生確率が70%に上ると指摘した上で、緊急輸送道路沿いにある建物の耐震化は所有者の責務とする一方、社会全体の支援も必要であるとしています。義務化の後は建物の所有者が診断の実施状況について報告、必要に応じて都が立入検査をし、主要道路ごとの耐震化状況を公表していくそうであります。
最初に東京都の取り組みを紹介させていただきましたが、耐震補強は当然必要でありますけれども、その前に耐震診断をまず行うことが大事であるということであります。東京都が耐震診断を義務化しようとしているのは、それだけ診断に重きを置いているとの判断からではないでしょうか。
私は6月議会の一般質問で、木造住宅の耐震診断と補強工事の推進、強化を訴えました。それには行政みずからが先頭に立って汗を流してもらいたいとお願いもいたしました。9月には耐震相談会が開催されたようでありますが、どのような状況だったのでしょうか。行政と、そして資格を持った民間の専門スタッフとの協働作業の結果はいかがでしたでしょうか。この場でぜひ報告をお願いしたいと思います。
以前から伺っていることでありますけども、耐震診断の平均費用は約18万円かかると言われております。それに対し市の助成金は5万円。診断を受けたいという希望はあるものの、自己負担が多過ぎてなかなか決断できないという声であります。本市の場合、一般助成対象者が5万円、高齢者や身体障害者には10万円が助成されるという制度があります。それぞれ予算を立て執行していると思いますが、今現在、一般助成対象者と高齢者世帯の支援を必要とする方の診断利用状況はどのようになっているのでしょうか。答弁をお願いいたします。
仮に5万円助成の対象者と10万円助成の対象者のバランスが極端に違う場合、例えば5万円の助成希望者が多く、10万円の助成希望者が少ないとした場合、10万円の助成枠を5万円の助成枠に組み替え、一般助成対象者の助成額を増額することにより、耐震診断希望者を促進させることはできないものでしょうか。これはあくまでも利用者の負担額を軽減し、耐震診断希望者が受けやすい環境を整備することが大事であると思いますが、いかがでしょうか。見解をお願いいたします。
次に、耐震補強工事についてであります。順番的には耐震診断を受けたら、次は補強工事であります。本市では耐震補強工事1件につき30万円の助成を行っていますが、こちらもやはり自己負担が多く、工事までする方が少ないように聞いております。耐震補強工事に対する本市の助成金額の活用状況はどのようになっているのでしょうか。答弁をお願いいたします。
先般、国の補正予算が成立しましたが、その中に緊急総合経済対策として耐震改修の補助制度が組み込まれていました。その内容は、現在、市で行っている補助制度に加え、さらに30万円が国から交付されるというものであります。補強工事の助成が倍になる制度でありますので、広く情報提供をし、より多くの希望者に活用してもらう必要があると思います。行政としては既に心の準備を整え、やる気満々とは思いますが、行政としてどのように取り組んでいくのか、意気込みをこの場で答弁をお願いしたいと思います。
しかし、緊急総合経済対策とはいいながら、この助成を受けられるのは、既に耐震診断を受けた方が有利になってきます。診断を受けた方がこれから補強工事の見積もりをし、その後、業者に発注し工事に取りかかる。来年の3月までそれができるのは、既に診断を受けたなど、条件が整ったごく一部の方に限られてくるのではないでしょうか。それゆえに耐震診断者を今のうちにふやすことが必要となるわけであります。さらに今回の制度では、平成23年3月末までに申請を受理すれば、工事の完了が翌年度になっても補助が受けられるとしています。しかし、調布市の現行制度では対応が難しいとも聞いています。近隣の他市においては対応可能なところとそうでないところがあるようです。本市の場合はいかがでしょうか。答弁をお願いいたします。
以上、大きく4点に対し、前向きな答弁をお願いいたします。
○
大須賀浩裕 議長 答弁を求めます。長友市長。
◎長友貴樹 市長 ただいま橘正俊議員より大きく4点にわたり御質問をいただきました。私からは、小・中学校空調整備5Upチャレンジにおけるエアコン設置の財源措置についてお答えいたします。
今回、この方針を検討するに当たっては、これまでの間に多くの保護者の方々並びに教育現場から早期改善を求める御意見をいただく中で、特に保護者の皆様に多大な御心配をおかけしてきたこと、また、さきの第3回
調布市議会定例会において、公立小・中学校に冷房機設置を求める意見書が満場一致で可決されたことを重く受けとめたところであります。
現下の経済状況を背景として、調布市の財政状況は決して余裕があるわけではありませんが、ことしの猛暑によって授業中に体調を崩す児童・生徒が相次いだことから、いち早くその対策を検討するよう指示し、さまざまなシミュレーションを実施いたしました。そして、過日公表いたしましたとおり、小・中学校のうち、普通教室として使用する全450教室への空調整備を目指し、導入コストの縮減、学校運営に支障のない整備期間の確保、安定的なメンテナンスなどについて熟慮を重ねました。その上で、猛暑対策、学習環境、早期整備、コスト縮減、既存事業見直しの5つの取り組みで構成する小・中学校空調整備5Upチャレンジとしてまとめたエアコンリース方式での整備方針を決定させていただきました。
この整備方針を決定するに際しては、児童・生徒の安全・安心と学習環境の改善を最優先し、財源確保とコスト縮減の両面から導入コスト及びランニングコストの低減策を検証し、先進事例である都内23区での標準的なリース方式を参考に、総額約10億円をマックスと試算した上で、国の安全・安心な学校づくり交付金の適用による直接工事方式との費用比較分析を実施いたしました。その結果、現行制度における交付金や、さらに補助率の弾力化があった場合をシミュレートしても、なおリース方式での整備にメリットがあるとの結論に至ったものです。
今後、導入コストのさらなる縮減方策を講じつつ、当該増加コストへの対処については、公共建築物維持保全手法の見直しや経常的な事務事業の見直しによって最大限の努力を重ね、対処していくことを前提としています。
また、都内23区でのリース方式においては国の交付金の対象外とされていますが、11月4日付で東京都市長会から東京都知事及び東京都教育長に提出した公立小・中学校空調機器整備に対する支援に関する要望書にて、普通地方交付税の交付、不交付によって異なる国庫補助率の格差を是正するよう国に対し働きかけるとともに、都としても特段の配慮を講じること、また、継続的に必要な財源措置や市町村の後年度負担にも配慮することを要望したところであります。
現在、平成23年度予算の編成過程にあり、厳しい財政状況の中での選択と集中を図っている途上にありますが、調布市の宝である次代を担う大切な
子どもたちの学習環境の改善に向け、限られた経営資源の最大限の有効活用を検討してまいりますので、御理解と御協力をお願いいたします。
その他の御質問につきましては、担当よりお答えいたします。
○
大須賀浩裕 議長 小山教育部長。
◎小山俊夫 教育部長 私からは、小・中学校空調整備後の夏休み期間の活用と学校給食についてお答えいたします。
初めに、普通教室にエアコンが入っている市内2校の補習授業の現状についてお答えいたします。
八雲台小学校では、1学期の国語及び算数の基礎・基本の復習や親子料理教室、親子陶芸教室を1学年につき4日間実施しております。また、調和小学校では、自由研究をしようと題し、児童が課題を追究する学習を進め、実験が必要となる場合には、理科室において理科の専科教員が指導を行うなどの取り組みを2日間実施いたしました。
これらの取り組み以外に、新学習指導要領実施への移行措置に伴う授業時数増に対応するため、夏季休業日を短縮して通常の授業を行う日を
八雲台小学校では2日間、調和小学校では4日間設定しております。さらに、夏季休業日以外にも、両校は土曜日2日間授業を行い、月曜日を振りかえ休業日とはせず、授業時数の確保をしております。
次に、補習授業を行う場合の課題についてでありますが、夏季休業日は、この時期ならではの教育活動を行うことのできる時期であり、プール指導、部活動、地域行事、夏季施設等が各校で行われます。補習授業はこれらの活動に加えて計画することとなり、調布市で一律に補習授業を設定するより、各学校の判断にゆだねることが適切であると考えられ、この点が全校一律実施に向けての課題だと考えております。
3つ目の、全学校で補習授業対応をすべきと思うがいかがかという御質問についてでありますが、公立学校においては、日々の授業を充実させることで児童・生徒に学力を確実に身につけさせるということが第一であると考えます。その上で、空調設備が整備されることのメリットを生かした取り組みを夏季休業日中に実施できるようにしたいと考えております。
調布市においては、調布市立学校の管理運営に関する規則に、各校の校長が夏季休業日中の授業日の設定について判断できることを定めております。そのことを踏まえながら、地域に根差した取り組みを初め、児童・生徒一人一人の実態に応じたきめ細やかな指導を実現させるための補習教室やテーマ別学習教室等、さまざまな可能性があることを学校にも指導、助言を行いながら、夏季休業日中における教育活動につきましても支援をしてまいりたいと考えております。
次に、夏休み期間の地域コミュニティーについてでありますが、学校施設は、
子どもたちが1日の大半を過ごす学習と生活の場であるとともに、地域住民にとっては最も身近な公共施設であり、地域コミュニティーの拠点ともなるものであります。
特に、エアコンが教室に整備されることになれば、夏休み期間を有効活用し、これまで以上に地域コミュニティーを発展させることが期待できるものであり、高齢者が気軽に来られるような場として活用することも有効であると考えております。
一方で、学校においては不特定多数が来校することによる
子どもたちの安全確保や学校備品の管理など、学校運営上の課題があるものと考えております。そうしたことから、学校運営上の課題への対応を含め、夏休み期間の教室の有効活用について今後検討してまいりたいと考えております。
次に、学校給食についてお答えいたします。
まず、学校給食における食器3枚化の導入効果についてですが、今年度導入した6校にアンケート調査を実施いたしました。その結果によりますと、それぞれの味がまざらなくてよいとの意見や、3枚目の食器があることで主食、主菜、副菜、汁物など、食の形態がよいとの意見が多数寄せられております。また、給食指導が行いやすくなったや、見た目がきれいになったことで、食事を大切に思う気持ちが高まり、おかわりをする児童がふえたという報告もあることから、学校給食を活用した食育等をより進めやすい状況となっております。また、食器が2枚のときにはやむを得ず使っていた使い捨ての容器を減らすこともでき、ごみの削減につながる効果も出ております。
今後につきましては、食器3枚化を早期に全校に導入することが望ましいと考えておりますが、導入するためには食器の購入だけでなく設備の改善も必要となり、財政面での負担も大きいことから、調布市基本計画推進プログラム及び調布市教育プランに掲げているとおり計画的に整備を進めてまいりたいと考えております。
次に、給食時に使用するフォークについてでありますが、食育推進モデル校として事業を展開している中で、必要と判断して導入した経緯がございます。
教育委員会といたしましても、スパゲッティ等、献立によってはフォークの使用が望ましい場合もあるとの認識は持っておりますが、月に2回程度の使用頻度の実態を考慮いたしますと、3枚目の食器導入を優先する必要があると考えております。そのため、フォークの導入につきましては、今後の食器導入に係る状況を踏まえながら検討してまいりますので、御理解いただきますようお願いいたします。
以上でございます。
○
大須賀浩裕 議長 井上
都市整備部長。
◎井上稔
都市整備部長 私からは、新公務員住宅の周辺環境整備と木造住宅の耐震化について順次お答えいたします。
初めに、ミニバス西路線の拡充についてですが、平成12年3月に運行を開始したミニバス西路線の近年の利用者数は、平成19年度が約30万7,200人、平成20年度が約32万4,500人、平成21年度は約32万5,700人であり、着実に利用者が増加しております。
その内訳といたしましては、シルバーパス利用率が約55%となっており、2人に1人以上が70歳以上の高齢者の利用となっております。
今後、西調布公務員住宅の建てかえにより、路線沿線の居住者の増加は想定されますが、高齢者の居住割合や、バス、徒歩、自転車などさまざまな移動手段の選択肢がある中で、日常的にバスを利用する方の割合など不明確な点もあります。
調布市のミニバスは、広い幅員の道路が少ない公共交通不便地域を運行している性質上、運行できる車両に制限があります。また、ミニバス西路線につきましては、京王バス東株式会社と事業協定を結んで運行しており、営業利益の赤字分を市が運行事業補助金として交付している唯一の路線です。そのため、調布市としても継続性を確保しつつ、バス事業者による自主運行の可能性について協議しているところであり、バスの増便については予想される運行経費等の増加、運賃体系、補助金のあり方など、総合的な検討が必要であると考えております。
今後も地域貢献の視点から、上石原3丁目を運行する車返団地折返場と調布駅を結ぶ既存バス路線の増便や車両大型化など、西路線の負担を減らすとともに、適切な運行サービスの維持、改善方策について、バス事業者と協議してまいります。
次に、周辺道路の安全確保についてお答えいたします。
公務員住宅周辺の道路は現在、調布市立第三小学校や多摩川小学校の通学路と指定されており、登下校に利用されております。現地を確認いたしましたところ、周辺道路は制限速度30キロに規制されておりますが、議員御指摘のとおり、場所によっては速度を規制する標識や道路標示物が少ないと思われる箇所がありました。速度規制等の標識設置につきましては、所管が交通管理者でありますことから、所轄の警察へ要望し、さらなる道路の安全確保に努めてまいりたいと考えております。
次に、木造住宅の耐震化についてお答えいたします。
最初に、本年9月2日、3日に市役所で開催した木造住宅耐震相談会の状況についてですが、2日間で延べ32人の方から相談がありました。今回から自治会への回覧による周知を依頼したため、本年1月に実施した相談会より相談者が20人増加いたしました。今後も情報提供の一層の充実に努めてまいります。
次に、木造住宅耐震診断助成の執行率ですが、平成18年5月に一律3万円であった助成額を、災害弱者とされる高齢者や身体障害者の利用を促進するため、高齢者世帯等の特別に支援を要する方には、支援助成対象者として助成額を10万円に増額し、一般助成対象者についても限度額を5万円に引き上げました。
平成22年度の当初予算は全体で150万円で、11月26日現在、一般助成は3件、支援助成は2件の利用があり、支出額が35万円となり、執行率は約23%でありますが、現在申請中の案件もありますので、執行率は今後伸びる予定となっております。
次に、助成対象者の見直しですが、平成21年度は、一般助成1件、支援助成7件となっており、助成対象者の内訳は年度によって変動はありますが、耐震住宅のストックを拡大するため、一般助成や支援助成における助成額を見直すなど、利用者の負担軽減に努めてまいります。
次に、居住環境改善資金補助制度の予算の執行状況ですが、耐震補強工事の予算は4件で120万円を確保しており、既に3件の申請があり、1件分30万円を執行しております。
国の緊急総合経済対策である耐震改修の補助制度の活用ですが、補正予算は成立したものの、制度そのものが不確定な状況であります。現時点で国からの情報では、調布市のように補助制度が整備されている自治体は、現行の制度に加えて定額で30万円の国費の交付が受けられることになっておりますので、現行の補助制度に上乗せして補助を受けることが可能かと思われます。
早急に国の制度の利用ができる申請者の洗い出しを行い、既に耐震診断を受けられた方へ案内文を送付するなどの情報提供を行い、より多くの市民に制度を活用してもらえるよう努めてまいりたいと考えております。
最後に、国の緊急総合経済対策を受ける場合における市の耐震改修制度の申請期限についてお答えいたします。
国は、地方公共団体が繰り越すことを条件に、平成23年3月末までに申請を受理すれば、工事の完了が翌年度になっても補助できるとしておりますが、調布市の現行制度は耐震改修工事が年度内に完了することを条件としております。
繰り越しの可否については、国の制度の詳細把握に努めるとともに、他市の動向などを注視しながら検討してまいりたいと考えておりますので、御理解賜りますようお願いいたします。
以上でございます。
○
大須賀浩裕 議長 9番、橘正俊議員。
◆9番(橘正俊 議員) それぞれの質問に対し答弁をいただき、まことにありがとうございました。再質問はございませんので、まとめさせていただきます。
エアコン設置に関しましては、9月議会での意見書を重く受けとめたとの市長答弁がありました。そして、早急に調査、検証され、いち早く導入を決断されたことに対し、上から目線とはなりますけども、大いに評価したいと思います。
財源に関しましては、公共建築物維持保全手法の見直し、経常的な事務事業の見直しをしながら財源確保に努めるとのことであります。限られた財政状況の中でやりくりするのは大変とは思いますが、次代を担う
子どもたちの健康と学習環境の改善のために、よろしくお願いしたいと思います。
都議会公明党も、多摩地域における小・中学校の冷房化推進に関し、財政措置を講じるよう石原都知事に申し入れをしました。同じ公共事業であるにもかかわらず、直接工事方式だと交付金があり、リース方式だとないというのは、現行制度そのものに欠陥があるのではないでしょうか。財政状況の厳しい中、自治体の独自予算で設置することは大変な負担となります。今回の本市の英断は、多摩地域のほかの自治体に与える影響が非常に大きくなってくると思います。
今後、エアコンの設置を検討している多摩地域の自治体のためにも、ぜひ国や都の財政支援を強く働きかけていただきたいと念願するものであります。私ども調布市公明党も都議会公明党と連携し、東京都に対し財政措置を今後も強く求めてまいりたいと思っております。
空調設備のある学校での夏休み期間中の活用に関しましては、補習授業に限らずさまざまな活用がなされているようであります。ことしの夏からは、全校で、空調設備の整った環境の中で勉強ができます。今まで以上学習効率が上がり、調布市の学力向上は間違いないと信じたいと思いますが、教育長、いかがでしょうか。これは質問ではございませんので、単なる呼びかけですので、答弁は要りません。
夏休み期間中、全校で、補習授業の実施提案や、高齢者が気軽に涼みに来れるようにと提案いたしましたが、それぞれ課題もあるようです。答弁にもありましたけれども、要は空調設備が整備されるメリットを大いに生かし、地域の方にも喜んでいただけるよう、ぜひ有効活用をお願いするものであります。
学校給食における食器の3枚化とフォークの全校一斉導入につきましては、なかなかできない裏側には厳しい財政状況がひしひしと伝わってまいりました。それでも何が何でも一斉導入にこだわり続けることはいたしません。これ以上の無理は言えませんので、調布市基本計画推進プログラム及び調布市教育プランのとおり、計画的な推進を確実にお願いしたいと思います。市長、よろしくお願いいたします。
答弁を伺う中で、食器の3枚化の導入は食育の観点からも効果があったものと受けとめました。今後とも、食育の推進には今以上に力を入れていただくことを切望いたします。
公務員住宅の建てかえに伴うミニバス西路線の増便ですが、今時点ではまだ判断するのは難しいと私も思います。しかし、いつも利用している高齢者の方や、障害を持つ父兄からの心配する声には、前向きに受けとめるべきであると思っております。唯一の赤字路線かもしれませんが、市民の交通の利便性と利用者の安心・安全も最大限に考慮し、取り組むべきであると思いますので、状況を随時調査、また現状把握をしながら、ぜひ臨機応変に対応を求めるものであります。
周辺道路の安全確保についてでありますが、答弁にもありましたように、まずは必要と思われる箇所に交通標識の設置を所轄の警察に強く要望していただきたいと思います。要望だけにとどまらず、その後の経過や結果も随時情報交換をしながら、安全確保に取り組んでいただきたいことを要望いたします。
最後に、木造住宅の耐震化であります。木造住宅の耐震診断化も義務化ができればよいのでしょうが、件数的、また財政負担ともなると、大いに無理があります。地道に、そしてまずは耐震診断を受けやすい環境をつくることが大事であります。耐震診断の助成金を増額することにより診断件数をふやしていただくことを強く要望いたしまして、私の一般質問を終わります。御清聴ありがとうございました。
○
大須賀浩裕 議長 以上で9番、橘正俊議員の質問は終わりました。
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53 15番 内藤 良雄議員
○
大須賀浩裕 議長 次に15番、内藤良雄議員の質問を許します。
15番、内藤良雄議員。
〔15番 内藤 良雄議員登壇〕
◆15番(内藤良雄 議員) こんにちは。民主・社民の会の内藤です。ただいま議長から発言の許可が得られましたので、一般質問を始めさせていただきたいと思います。今回は、通告書にあるとおり、23年度の予算編成についてと雇用対策についての2件であります。
それでは、早速ですが、最初に、平成23年度の予算編成についてお伺いをいたします。
長友市長は、10月12日、平成23年度における市政の経営方針についてと題しまして、通達を職員に発信いたしました。その通達を見ますと、冒頭において、日本経済はデフレ、円高、株価の下落など、不安定な要素を有しており、今後の見通しが不透明であると指摘し、その影響は、我が市においても今年度当初予算で大幅な減収を見込んでの予算編成をしたとのことであります。
そして、平成23年度においても、市税や各種譲与税、交付金の減収が懸念され、市財政を取り巻く環境は厳しい状況が続くものと認識していることがうかがわれております。
一方、基本構想で掲げた
まちづくりの実現を目指し、総仕上げに取り組むとの意欲を示しており、連立関連事業の推進、新ごみ処理施設の整備、多摩国体の開催など、重要な事業を促進するとともに、市民生活を支援し、市民が安心して暮らせる
まちづくりを第一の責務であることを方針の中に位置づけております。
さらに、まとめとして、市政経営を取り巻く環境は極めて厳しいが、厳しいからこそ創意と工夫が求められている。全職員とともに一丸となってこの難局を乗り越えていくと力強く締めくくっております。
そこで、まず市長にお尋ねしますのは、23年度も、先ほど言いましたように重要な事業がメジロ押しになっていることについては理解をいたしますが、市長も触れられておりました、市民生活を支援し、安全に安心して暮らせる
まちづくりが第一の責務ととらえていることにつきまして、その基本的な考え方、市長の目指す方向について、御見解をお聞かせいただきたいと思います。特に平成23年度の予算編成のポイントや、新規事業に対する予算配分について、市長のお考えをお示しいただければと思います。
さらに、現在は予算編成の作業中だと思いますが、現状において、22年度と比較して概略の予算規模はどのような状況になっているのか、収支の乖離は把握できているのかお尋ねするとともに、今後の予算編成スケジュールについてお聞かせいただきたいと思います。
また、歳入の見込みと市民税の割合は把握できているのか、今後の対応についてお聞かせください。
そして、財源確保に向けた取り組みの強化、税収納に対する各種制度の創設なり見直しについて検討していることがあれば、お知らせいただきたいと思います。御答弁をいただきたいと思います。
次に、予算編成の手法についてお尋ねいたします。
平成22年度は、全事務事業を見直しての編成作業が行われました。今年度も同様に対応していると思いますが、21年度予算を振り返り、さらには22年度の事務事業見直しでの予算編成と比較して、その効果はどのように評価しているのか、また、成果をどのように期待しているのかお聞かせいただきたいと思います。
そして、調布市版事業仕分けと言われております、20事業を対象とした事務事業側面評価について、23年度予算にどのように反映したのかお聞かせいただきたいと思います。特に見直しを求められている事業についての取り扱いをどのように対処していくのか、状況把握ができていればお聞かせいただきたいと思います。
私といたしましては、予算の中に何らかの変化が生じていると思っておりますので、それらを含めて御答弁をいただければと考えます。
予算編成での3番目の質問になります。景気対策、雇用対策に対する予算への反映を求めていきたいというのが質問の趣旨であります。
市長も景気が低迷していることを重々認識されているところでありますが、現在の日本経済はまさしく厳しい状況だと私も感じています。このような社会情勢においてこそ、市長が日ごろから言っていますように、行政の経営が最大限発揮されると思っています。市長の手腕の見せどころではないかと思っております。市民の暮らしの支援が非常に大切だと思っている長友市長だからこそ、市民の目線に立った予算編成ができるのではないかと期待しております。
そこで、景気対策に対して、平成23年度予算への反映をいかにするのか、どのような事業を想定して調布市の独自性を発揮するのかお聞きしたいと思います。御答弁をお願いいたします。
さらに、雇用の問題がいまだ社会不安になっています。各自治体で行うことは非常に限られていると思いますが、市長の創意工夫をして予算編成に当たっていくとの強い気持ちから、景気対策同様に、調布市として対応できる施策の展開と、それに見合う予算の計上を求めますが、市長の見解をお聞かせください。
続いて、緊急雇用対策への予算についてお尋ねいたします。
この間、調布市におきましても、国、東京都の補助を受ける形で緊急雇用対策事業が行われてきました。これはこれで1つの事業として評価をいたしますが、その成果というものがなかなか見えにくく、実際に効力を発揮しているのか早期に把握できない状況にあると思います。
そこでお尋ねすることは、この間、緊急雇用対策事業が幾つ行われ、総予算は幾らぐらいになっているのか把握していれば、お聞かせいただきたいと思います。
さらに、調布市の独自事業として取り扱ったものはあるのか。なければ、今後、市として取り扱うことを求めますが、市長の見解をお聞かせください。
また、23年度予算での緊急雇用対策事業に充てる予算の内訳がわかれば、お教え願いたいと思います。
次に、大きな質問事項の2点目であります雇用対策についてお伺いをいたします。
リーマンショック以降、雇用に対しての社会状況は、依然として厳しい状況が続いているのが現状だと思いますし、2年前の年越し派遣村が思い出されて仕方ありません。また、ことしもあのようなことが起きるのかと考えますと、非常に寂しく思い、ことしこそは派遣村をなくし、何とかして就労の機会をつくり出していただきたいと願うのは私だけではないと思っています。先ほども申し上げましたが、基礎自治体での対策では限りがあるのは認識をしておりますが、少しでも力になれるよう努力をしていただければと考えます。
そこでお尋ねすることですが、市において雇用対策への事業をつくり出していただきたいと思うのであります。もちろん正規職員での雇用が原則ではありますが、現在の財政状況等を考慮いたしますれば、緊急避難的な事業でもやむを得ないと考えます。市の独自政策、単独事業を模索していただきたいと考えますが、市長の見解を求めますので、御答弁をお願いします。
また、従来から行っている事業についても、23年度で終了するのではなく、23年度以降も必要に応じて事業の展開をすべきだと考えますが、あわせて見解を求めます。
2点目の質問は、緊急雇用対策事業のさらなる拡充を求めての質問事項であります。
この間、調布市においては、国、東京都からの補助金をもってこの事業を推進しておりますが、まず現状の認識についてお伺いいたします。
22年度事業について、現在の事業進捗と今後の見通しについてお聞かせください。
そして、23年度以降も継続して行える事業は幾つ予定しているのか。22年度で終了する事業なら、23年度への事業延長も視野に入れての事業拡大を図るべきと考えますが、市長の見解をお願いいたします。
さらに、22年度内において事業の拡大を図ることはできないのか検討していただきたいと思いますが、御答弁をお願いいたします。
最後の質問となりますが、雇用への相談窓口の拡充、労働相談に対する窓口を充実していただきたい観点から質問をさせていただきます。
現在、調布市で行っている雇用対策なり労働相談については、調布国領しごと情報広場を中心に、ハローワーク府中を初め、各種の団体などとの連携を図って取り組みを行っていると認識しています。
そこで、まずお尋ねいたしますのは、現在の状況についてであります。国領しごと情報広場を利用されている方々をどのように把握し、相談体制はどのようになっているかをお聞きいたします。
特に労働相談については、市役所において専門的な相談窓口が設置されていない状況の中で、国領しごと情報広場の果たす役目は非常に有意義なものであると理解をしていますので、さらなる充実をしていただきたいと思いますが、御見解をお示しいただきたいと思います。
さらに、専門性を求められる相談のケースも多くあると思いますが、それらへの対応についても、ぜひ拡充の方向で検討していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。御答弁をお願いいたします。
次に、国、東京都を含めた関係機関との連携の強化について質問させていただきますが、ここでは、あくまでも相談者のニーズに合った情報の提供が行われるよう求めるものですが、調布市において対応できるもの、ほかの団体での情報を含め、相互に対応できるシステムの構築が必要ではないかと考えます。見解を求めますので、御答弁をお願いいたします。
以上、予算編成についてと雇用対策についての質問をいたしましたので、市長の真摯なる御答弁をお願いいたします。よろしくお願いします。
○
大須賀浩裕 議長 答弁を求めます。長友市長。
◎長友貴樹 市長 ただいま内藤良雄議員より大きく2点の御質問をいただきました。私からは、平成23年度に向けた市政の経営方針の基本的な見解についてお答えいたします。
平成23年度は、現下の厳しい経済状況において、持続可能で効果的、効率的な市政経営に取り組むことはもとより、調布市22万市民の生活を支援することが大変重要であると考えております。
そのため、過日、10月12日に通達した平成23年度における市政の経営方針において、市民生活を支援し、市民が安全に安心して暮らせる
まちづくりが市政の第一の責務であり、市政の諸課題の解決に向け着実に取り組んでいくため、市政経営を取り巻く環境が極めて厳しい中、創意と工夫をもって対処するよう指示したところです。
また、本年7月から、私にとって3期目の市政を担わせていただくことになりましたことから、公約として掲げた主要な取り組みについては強い決意を持って取り組むことといたしました。
さらに、基本計画における5つの重点的な取り組みを初めとする
まちづくりの重要課題の着実な推進を図るため、歳入歳出両面からの不断の見直し、改革、改善と、選択と集中の実践によって、限られた財源の重点的な配分を行うことといたしました。
予算のポイントとなる重要な事業については、幾つかについて経営方針においてお示ししたところでありますが、市民生活を支援するとともに、現在、調布市が大きな変革期にあることを踏まえ、夢のある
まちづくりを推進してまいります。
また、私の通達を踏まえ、
行政経営部長から通知した平成23年度の予算編成方針においては、継続的な市民生活支援等セーフティーネットへの対応を初めとする3つの基本姿勢を定め、持続可能で効果的、効率的な市政経営を目指すこととしております。
一昨年下半期からの急速な経済状況の悪化に伴い、市政経営を支える市税収入や、景気に連動した各種交付金の主要な一般財源が大幅な減収影響を受ける中ではありますが、市民福祉の向上のため、最小の経費で最大の効果を上げることをポイントとして、予算の編成に最大限の努力を重ねているところです。
現在、予算編成過程にあり、個別の事業については調整を図っている途上にありますことから、その一例として、市政経営方針の中でも重要課題に位置づけた猛暑対策となる学校施設環境の整備として、全450教室へのエアコンリース方式での整備方針を決定いたしました。
限られた財源の中にありますが、平成23年度での全校導入を目標に取り組むこととし、導入コストの縮減方策とともに、増加コストへの対処を事務事業の見直しによって最大限の努力を重ねてまいります。
その他の新規事業や拡充する事業につきましては、事業効果や優先度などの事前評価や、既存事業の見直しの視点を踏まえた総合調整を実施した上で、改めて平成23年度予算案として御提案させていただきますので、御理解と御協力をお願いいたします。
その他の御質問につきましては、担当よりお答えいたします。
○
大須賀浩裕 議長 伊藤
行政経営部長。
◎伊藤栄敏
行政経営部長 私からは、平成23年度予算編成の状況、事務事業側面評価への対応、雇用対策などについてお答えいたします。
初めに、予算編成の現状と今後の対応についてでありますが、各部からの予算見積もり段階での一般会計の集計におきましては、歳入の根幹である市税収入は、個人所得の減少に伴う個人市民税の大幅な減要因を見込み、前年度と比較して総額10億円余の減収での見積もりであります。
また、景気に連動する各種交付金を含めた一般財源総体として、本年度と比較して下方での見込みとなっております。歳出に連動する国・都支出金やその他の歳入も含め、総体での歳入見積額は755億円余となっております。
一方、各部の要求額を積み上げた歳出見積額は820億円余であったことから、歳入歳出差引額は約65億円の財源不足での集計となりました。
現時点における一般会計の予算規模の想定といたしましては、今後の国の施策の動向にもよりますが、市税収入を初めとする歳入歳出両面での時点修正を図る中で、本年度の当初予算766億円余を超える規模と考えております。
現在、行政経営部と各部課の担当者間のヒアリングを終了した段階でありますが、今後、各部課との諸調整を重ね、限られた財源の中、平成21年度決算の振り返り、今年度上半期の実績、事業進捗等を重ね合わせた総合調整を通じ、最小の経費で最大の効果を上げる予算編成に取り組んでまいります。
続きまして、財源確保対策についてであります。
現下の経済状況の悪化に伴う厳しい徴収環境の中ではありますが、歳入の根幹をなす市税の平成21年度徴収率は96.1%と一定の水準を維持いたしました。本年度におきましても、市税や国民健康保険税の徴収率向上に向け、東京都の緊急雇用補助金を活用した支援員の配置や、モバイルレジの収納税目の拡大に取り組んでおります。
今後も引き続き市税徴収スリーアップ作戦の実践による徴収強化を初め、市民の皆様が納税しやすい環境づくりなどに取り組んでまいります。
また、歳入の約2割を占めます国や東京都からの補助金等の特定財源につきましても、引き続き最大限活用する中で、新たな補助の枠組み等の動向を注視しながら、積極的な財源の確保を図ってまいります。
次に、事務事業評価への対応についてでありますが、昨年同時期の平成22年度予算編成におきましては、諸計画の策定と並行して事務事業評価を基軸とした予算編成に取り組み、歳入歳出両面からの見直しや事業進捗調整等を実施いたしました。
10月に全庁に通知した平成23年度の予算編成方針におきましても、引き続き事務事業を単位とした決算振り返りによる行政評価と一体となった総合調整型の予算編成を継続することとし、歳入歳出両面からの不断の見直し、改革、改善に取り組み、選択と集中を図ることといたしました。
予算編成における今後の諸調整の中でも、各事務事業の効率性や他団体比較などを踏まえた各事務事業の方向性を再検証するとともに、事務事業評価に基づく優先度や事業進捗調整等、事業仕分け的な視点で総合調整を図ってまいります。
次に、側面評価結果を予算編成にどのように生かしているのかであります。
事務事業側面評価は、前年度に実施した全事務事業の振り返り評価を踏まえて、対象事業の仕分け過程における議論や指摘事項、評価結果に基づく今後の取り組みを次年度以降の予算に反映させることを前提に実施しております。
平成21年度に実施した事務事業側面評価では、事業の方向性に沿って男女共同参画広報紙の発行事業を見直しました。その他にも、事業の方向性に沿った取り組みを実践する過程で、介護保険等推進活動補助事業については予算額の縮減を行い、また、奨学金制度については制度の見直しを行っております。
平成22年度事務事業側面評価の対象とした20事業についても、評価、仕分け結果を事務事業の見直し、改革、改善につなげるため、行政経営部が事務局となって、評価結果を踏まえた担当課との意見交換、調整を行い、今後の事業の方向性や具体的な取り組み内容について取りまとめた後、特別職及び部長職で構成する行政経営会議での議論を踏まえて、予算への反映を視野に入れながら、最終決定をしております。
今後、段階的な廃止に向けて取り組むべき事業、3事業を初めとして、実施内容を見直すべき事業や、改善が必要な事業など、今後の事務事業の方向性に沿った取り組みを、実施年を含めて2カ年にわたって進行管理を行うこととしております。
取り組み状況については、年2回、行政経営会議に報告し、その結果を公表するなど、全庁的な取り組みとして側面評価の取り組みの実効性を確保してまいります。
次に、景気対策、雇用対策についてであります。
景気対策といたしましては、国の地域活性化交付金を活用し、平成21年度の補正予算において、公共事業の前倒し発注や、市内事業所の受注機会の確保に取り組んできたところであります。
また、雇用対策といたしましては、平成21年度から継続している国の補助制度を活用し、平成23年度は、業務委託等24事業により約160人の新規雇用の創出を図るべく、概算で2億7,000万円程度を補助申請し、鋭意検討を進めております。
調布市単独で新たな緊急雇用対策を開始することは大変難しい状況ではありますが、現在、この制度を活用して実施している事業の中には、当初の計画より時期を前倒しして開始した事業も複数含まれており、これらの事業については、平成23年度末をもって補助制度が終了した後もその成果を検証し、必要に応じて継続してまいりたいと考えております。
これまでの雇用対策の成果といたしましては、平成21年度は、「市報ちょうふ」等の配達事業、郷土博物館収蔵資料の整理、デジタル化事業など12事業を実施し、237人の新規雇用を創出したところであります。
平成22年度においても、歴史資料のデジタル化事業、自転車駐車場の場内管理事業、観光PR事業など16事業を実施しており、10月末現在で64人の新規雇用を創出するなど、緊急雇用対策としての成果を着実に上げてきております。また今後も可能な限り対応を図ってまいりたいと考えております。
国においては、雇用、人材育成や地域活性化、社会資本整備、中小企業対策など、本年10月に閣議決定した円高・デフレ対応のための緊急総合経済対策に係る補正予算が先月26日に成立をいたしました。
このような動向も踏まえ、調布市においても、これらの拡充された制度を最大限活用し、より一層の景気・雇用対策の充実に取り組んでまいります。
以上であります。
○
大須賀浩裕 議長 島田
産業振興担当部長。
◎島田尚
産業振興担当部長 私からは、雇用対策に係る相談窓口の拡充についてお答えいたします。
調布市では、調布国領しごと情報広場を拠点に、ハローワーク府中を初め、東京しごとセンターや東京都労働相談情報センター八王子事務所などとの連携を図り、就労に関する相談窓口の充実と情報の共有化を図っているところであります。
リーマンショック以降、雇用に関しましても冷え込みが続いているところであり、それを反映するかのように、調布国領しごと情報広場を訪れる来所者は毎月4,000人を超えている状況です。
調布国領しごと情報広場では、専門のスタッフによる求人や求職に関する相談、応募を希望する企業への面接日の調整などの連絡や問い合わせなどを行っております。また、都内及び近県の求人情報をパソコンで検索できる来所者用求人検索機が14台設置され、利用者の利便性向上が図られております。
これらに加え、調布国領しごと情報広場に、調布市の相談員として、さまざまな行政分野を経験した再任用職員等を配置し、発達障害や知的障害、生活保護などに対する福祉分野と連携した支援や、子どもを抱えて就職に悩む女性に対する支援として市の事業を案内するなど、行政経験を生かした的確な相談を行い、ハローワークとの緊密な連携を図っているところであります。
新たな相談窓口の拡充といたしましては、昨年1月よりマザーズコーナーが設置され、子育てをしながら就職を目指す方のサポートが強化されました。マザーズコーナー専属の相談員が、それぞれの希望、状況に応じた就職実現プランを作成し、担当制によるきめ細やかなサポートを実現するほか、絵本やおもちゃを備えたキッズスペースを用意するなど、利用者には大変喜ばれており、利用実績も増加しているところです。
このほか、昨年8月には、訓練情報連携推進員の配置に伴い訓練相談窓口を開設し、訓練の各コースの案内と生活支援給付の相談、訓練の受講申し込み受理等を行っております。
労働相談の内容は多岐にわたり、それぞれ対応するには専門性を要することから、市に相談に訪れた方に対しては、相談内容に応じた相談機関をそれぞれの専門分野ごとに御案内させていただいております。
次に、関係機関との連携につきましては、国や東京都と情報を共有し、ホームページで労働相談に関する情報を案内するなど、常時、新たな情報を発信、提供できる環境づくりに努めているところです。
このほか、ハローワークと調布市の担当者間による運営協議会を定期的に開催し、就労セミナーや相談会などを共催で実施する際の事業提案や情報交換を行い、相互で持ち寄る情報を共有することで、相談者のニーズに沿った事業実施の運営に努めております。
今後におきましても、さらに国や東京都との連携を綿密に行うとともに、市民が相談しやすい環境づくりに努めてまいりますので、御理解を賜りますようお願い申し上げます。
以上でございます。
○
大須賀浩裕 議長 15番、内藤良雄議員。
◆15番(内藤良雄 議員) 御答弁ありがとうございました。市長からは、23年度予算の基本的な考え方をお示しいただきました。ぜひ現下の厳しい経済状況を乗り越えていただき、市民の目線に立った、市民生活を支援し、市民が安心して暮らせる
まちづくりに向けた経営努力をお願いしたいと思います。
さらに、景気対策、雇用対策への対応についても可能な限り行っていくとしております。国、東京都の制度見直しによる拡充された事業にも積極的に対応していただけるというふうに受けとめましたので、ぜひ頑張っていただきたいと思います。
さらに、相談窓口の充実、各種団体との連携についても今まで以上に整備されるということでありますので、今後の相談窓口の状況が好転できるようお願いいたしまして、私の一般質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
○
大須賀浩裕 議長 以上で15番、内藤良雄議員の質問は終わりました。
ここで暫時休憩いたします。
午後 2時52分 休憩
――――――――――― ―― ―――――――――――
午後 3時33分 開議
○
大須賀浩裕 議長 本会議を再開いたします。
――――――――――― ―― ―――――――――――
54 13番 宮本 和実議員
○
大須賀浩裕 議長 続いて13番、宮本和実議員の質問を許します。
13番、宮本和実議員。
〔13番 宮本 和実議員登壇〕
◆13番(宮本和実 議員) 皆さん、こんにちは。13番議員、宮本和実でございます。ただいま議長より、一般質問の発言の許可をいただきましたので、これから一般質問をさせていただきたいと思います。
今回は、質問を大きく3点お尋ねしたいと思います。
まず、第1点目の質問は、長友市長の3期目の公約にもあります近隣他市との連携についてお伺いしたいと思います。私は、さまざまな施策がある中で、このテーマについて長友市長の思い入れが非常に強いように感じましたので、その思いをお聞きしたいと思います。
先日の10月31日に開催されました、第1回5市市長が語る地域自治体連携シンポジウムにつきましては、市民との協働をいかに進めるかというテーマで、武蔵野市長、東村山市長、福生市長、東久留米市長、この4市の市長とのシンポジウムでありました。
このシンポジウムでは、各市の取り組みや課題点、さらには他市の先進事例などが紹介され、大変参考になる有意義なシンポジウムであったと聞いております。このように、特定のテーマについて近隣のそれぞれの市がどのような取り組みをしていて、また、どのような課題や問題点に悩んでいるのか、そういった具体的な話を直接意見交換できるということは、我が市にとっても大変勉強になることであるなと思いました。
そこでお尋ねしたいと思いますが、通常、近隣他市との連携といえば、隣接している他市との連携ということで、例えば、ごみ処理についてや公共施設の共同利用など、そういったことを思い浮かべてしまいますが、今回のシンポジウムでは、隣接しているわけではない三多摩の中にある4市との取り組みでありましたが、長友市長の考える近隣他市とは、一体どのような枠組みを考えているのか。また、今後このようなシンポジウムを開催する場合は、今度は別の市を考えているのか、あるいはまた、同じこの4市なのか、そういった点についてもお聞かせください。
また、今後の取り組みと将来的なビジョンについてお聞かせいただきたいと思います。本当に根本的な質問になりますけれども、長友市長の考える近隣他市との連携というものは、一体何を指しているのか。先ほど紹介したようなシンポジウムを続けていくことなのか、あるいは、何か長友市長が目指すものがあるのか。市長の率直なお考えをぜひ聞かせていただければと思います。よろしくお願いいたします。
続きまして、大きな2点目の質問をさせていただきたいと思います。投票率の向上に向けた取り組みでございます。
長友市長は、先ほどのシンポジウムのテーマにもありましたが、市民との協働や積極的な市民参画を強く求めている市長と感じておりますが、私は、投票率とはまさにその根本ではないかと思っております。そこで、現在行っている投票率向上に向けた取り組みについて、現状をお聞かせください。
私は、さまざまな啓発活動も大切とは思いますけれども、現状の最も有効な投票率向上策としては、期日前投票に関する体制の整備強化ではないかと考えております。
現状では――これは前回の衆議院選挙時の状況でありますけれども――市役所の6階と国領駅前にあります市民プラザあくろす、そしてつつじヶ丘児童館ホールの3カ所が期日前投票所となっております。しかしながら、市民プラザあくろすでは3日間、朝の9時から夜の7時まで、つつじヶ丘児童館ホールに至っては2日間、9時から5時まで、そういう日数も時間帯も非常に短い状況であります。
ちなみに、近隣他市の状況を御紹介いたしますと、こちらも前回の衆議院選挙時の状況でありますけれども、お隣の三鷹市では、これは2カ所になりますけれども、設置期間は7日間、時間帯は8時半から夜の8時まで。また、八王子市では――こちらはちょっと規模が大きいと思いますけれども――8カ所で設置期間は7日間、時間帯は8時半から8時まででありました。
そこで、選挙管理委員会にお尋ねいたしたいと思います。なぜ市役所以外の市民プラザあくろすとつつじヶ丘児童館ホールについては、期日前投票の設置期間や時間帯をもっとふやすことができないのか。できない理由とふやしていきたいという考えはあるのかないのかお聞かせいただきたいと思います。また、来年4月には統一地方選挙がございますが、その時点において期間と時間帯の延長を私は実現していただきたいと思うのですが、御見解をお聞かせいただきたいと思います。
さらに、今後の取り組みについてもあわせてお聞きしたいと思います。以前に、私も一般質問で京王線駅前などに期日前投票所の増設について御提案させていただきましたけれども、今後、選挙管理委員会としては、期日前投票所の増設については、どのようにお考えになられているのかお聞かせいただきたいと思います。また、そのほか、投票率向上に向けた今後の取り組みなどがございましたらお聞かせいただきたいと思います。
続きまして、大きな3点目の質問をさせていただきたいと思います。
子どもたちが犯罪やトラブルに巻き込まれないための携帯電話についての啓発と教育についてお尋ねしたいと思います。
この問題につきましては、先日開催されました調布市健全育成推進地区委員会発足50周年記念式典のとき、安川講師による記念講演としてお話をいただいた内容でもあります。お聞きになられた方もいらっしゃるかと思うんですけれども、本当に大変参考になりまして、また、とても重要なことであると思いますので、改めて調布市
教育委員会としてどのような対応をしていくのかお尋ねしたいと思います。
最近の
子どもたちを取り巻く犯罪環境について、特に急増しているのが携帯電話を利用して、犯罪に巻き込まれるケースであります。これはインターネットを利用した犯罪が蔓延してきた影響でもあり、幾ら規制の網をかけても、その網をかいくぐる犯罪者たちとのイタチごっこ状態が続いているからであります。
少し前は、インターネット上におけるいわゆる出会い系サイトと言われるサイトからの犯罪が非常に多かったわけですけれども、現在では、18歳未満による出会い系サイト利用への規制が強化されたためか、ゲームサイトなどの一般サイトから犯罪に巻き込まれるケースというものが急増しております。この一般サイトというのは、ゲームだけではなく、日記風のブログや自己紹介用のプロフと呼ばれるプロフィールサイトも含まれているわけであります。
このようなサイトは、いまやパソコンだけではなく、携帯電話で利用できるものであります。
子どもたちにとっては、携帯は電話ではなく、電話もできるインターネット端末と言えるものであります。
子どもたちを取り巻くこのような環境の中で、ネット上の誹謗中傷やチェーンメール、学校裏サイトやなりすましメールなど、さまざまないじめの被害相談も急増しているのが現状であり、その入り口が携帯電話ということが非常に多いと言われております。
以前、私も
子どもたちへの薬物乱用防止教育について質問をさせていただいたことがございますが、まさにその薬物犯罪に関しても、いまや携帯電話を利用してのケースというものが急増していると言われております。
こうした非常に危険な携帯電話を利用した犯罪環境の中で、私たちを含めた大人たちがどれだけの知識を持っているのか。ブログやプロフ、チャットって何、なんて言っていられる状況ではなくなっているのではないかと思います。特に、現場の教師や子どもを育てている保護者には、子どもを犯罪から守る責任として、非常に重要な知識になるのではないかと言えます。ここで、皆様にも少し問題を出してみたいと思います。
今、インターネット上で、携帯でできるわけですけれども、隠語というものが非常にはやっています。いろんなサイトがありますけれども、いろんな規制がある中で、例えば自分の連絡先の番号をそこに入れると、そういうのは規制で取られてしまったり、いろんなことがあるんですが、これを読めるかどうかということで、まず第1番目は「乾燥部して93しよう」と。市長、わかりますか(「わからない」と呼ぶ者あり)。教育長、いかがでしょう。議員の皆様でわかられる方はいらっしゃいますか。――2人ですね。26名中2人ということでございます。これは「乾燥部して」というのは、英語でドライ。ドライブして、「93しよう」、93というのは草、大麻。ドライブしながら大麻やらないかいと呼びかけているメールなわけです。これがわかる人たちがそこにアクセスしたりという、隠語というあれですね。
あと、例えば、出会い系サイトなどというのは、あるサイトにAさんとBさんが入っていくわけですけど、この2人は直接できないわけです。ですから、自分の連絡先等々を教えられないんですけど、そういうところでこういう言葉を入れて、これがメールのアドレスになっています。「かずみ」というのは私の名前ですけど、これがわかる方いらっしゃいますか。「かずみやわらぎ」。教育長、わかりますか。これがわかる方いらっしゃいますか。これがメールの番号になっています。
子ども生活部長(「いろいろ見たんですけど忘れました」と呼ぶ者あり)。これは「kazumi@」やわらかい銀行ということで、ソフトバンク。「kazumi@softbank.ne.jp」、そういうメールですよということを伝えるための隠語になるわけです。
こういうのをわからないと言っていれらない状況なのかなと思うんですが、最後にこれ、「のり塩あるよ野菜もねP1」と。教育長、いかがですか。これは大体ニュアンスでわかりますか。「のり」はのりピーの「のり」ですね。「塩」、押尾さんの「塩」。「のり塩あるよ」、MDMAがありますよと。「野菜もね」、野菜ですから、これも大麻。「P1」というのは、ポンプ。注射が1本ありますよ、シャブもありますという意味です。非常に危険なメールなわけです。これがわかる人はわかって、取引がそういった携帯サイトからされてしまうと。
以前も薬害についてさせていただきましたが、私、薬物を打っている人に車をぶつけられたという経験がありますんで。また、隠語は知りませんでしたけど、こういうものが非常にはやっていると。そうすると、やっぱり
子どもたちというのはこういうのが非常に得意ですから、また、暗号みたいにおもしろいということでだんだんはまっていってしまうということもあるわけです。
ただ、今の、特に
子どもたちを取り巻く犯罪環境の中で、非常に低年齢化をしているという現状の中で、特にこの携帯電話。お子さんをお持ちの方で、お子さんの中でも使われている方がいらっしゃるかと思うんですけど、今、フィルタリングというのがあると思うんです。フィルタリングというのは多分皆さんお聞きになったことがあると思うんですが、ただ、フィルタリングをしてしまうと、着メロだとか着うただとか、曲をダウンロードできないとか、あるいは、コマーシャルなんかでやっているような一般のゲームがフィルタリングをするとできなくなっちゃう。だからフィルタリング外してよというようなことを大抵の親は言われているわけです。大抵の親が、それはしようがないねということで外してしまう。ですから、フィルタリングをつけている
子どもたちというのは結構少ない。これが現状です。
そんな話を先日聞いたんですが、誤った知識といいますか、大人たちが本当の知識じゃない誤解した知識を頭に入れているということで、先日の講演会においては、安川先生の話によりますと、フィルタリングをかけても、今はそういう着メロ、着うたのダウンロードですとか、一般のゲームサイトというのも全部できるらしいのです。ですから、
子どもたちもわかっていなかったり、
子どもたちの言うことをうのみにしてしまうという大人たちの知識の浅いところが原因でそういうふうになっている。ただ、携帯電話を利用したいろんな被害ですとか犯罪のほとんどが、フィルタリングをしていないというのが現状です。ですから、安川先生の話ですと、そういう知識を大人たちも持って、フィルタリングをできるだけかけるように親がしっかりと教育をしなさいと。また、学校の先生方もそういう知識を入れてくださいというお話でありました。
私も、そういった意味ではちょっとした誤解もあって、フィルタリングというのはそういうものではないのかななんていう誤解もしていました。ですから、今後は、大人たちも含め、そういう新しい知識は日進月歩でどんどん変わっていきますので、そういう知識というものを頭に入れなければいけない。
それでは、
教育委員会としては、そういった点についてどう対応していけばいいんだろうかと。そこで、お尋ねしたいと思うんですが、まずは、こういった携帯電話に関する非常に危険な状況における
子どもたちに対しての指導の仕方というものは、今、実際どういうことを行っているのか。また、こういったいろんな犯罪が起こっているという認識は、
教育委員会が持っているのか。あるいは、親ですとか現場の教師、そういった方々にもいろんなことを教えていかなければいけない。そういう研修制度等々、指導の仕方というものはどういうふうになっているのかというものもお聞かせいただきたいと思います。
特にこの犯罪について、
子どもたちに親がしっかりと教育をしていかなければいけないんですけれども、インターネットの世界というものは進歩も非常に早いし、大人が苦手な分野でもございます。そういう意味においては、
教育委員会として、参観日みたいな形で親に授業に来てくださいといっても来られる方というのは少ないと思うのです。ですから、その都度、警察やそういう専門家たちの新しい情報というものは文書にしたりして、子どもも含め、親にも正しい情報をどんどん提供していくようなことも私は必要ではないかなと思うんですが、その辺を含めた
教育委員会としての対応の仕方というものを御答弁よろしくお願いしたいと思います。
大きく3点の質問になります。御答弁よろしくお願いいたします。
○
大須賀浩裕 議長 答弁を求めます。長友市長。
◎長友貴樹 市長 ただいま、宮本和実議員より大きく3点にわたり御質問をいただきました。
私からは、近隣他市との連携についてお答えいたします。
市長として3期目の市政経営を担うに当たり、その基本政策として7つの柱を掲げました。その1つが質の高い行政サービスを提供するまちの実現であり、そのためには、健全財政の維持や民間委託の推進、公共施設の計画的な維持保全等に加え、近隣自治体や姉妹都市との連携強化を図る施策の展開が必要と考えた次第です。
自治体間をつなぐ組織としましては、全国市長会や東京都市長会のほか、個別具体的なテーマについて研究、協議する全国の市長有志による幾つかの組織は既に存在していますが、多摩地域に限定した共通、または広域的な課題解決を図る方途を見つけるアプローチを積極的に推し進める必要性を強く抱いたところです。
その活動の第一歩が市長会における懇談等を通じて、共通の問題意識を持ち、趣旨に賛同いただいた武蔵野、東村山、福生、東久留米の市長と私とで、去る10月31日に開催した第1回5市市長が語る地域自治体連携シンポジウムであります。
同じ多摩地域にありながら、人口規模や面積はもちろん、個々の施策展開もそれぞれ異なる自治体同士が相互に情報交換及び協議することで、課題解決への可能性が広がることが期待できます。今回のシンポジウムでは、市民との協働をいかに進めるかをテーマとし、市民協働について各市の取り組み状況を報告していただきましたが、その中で協働に当たっての基本的な考え方や問題点が確認でき、さらには、市民協働の核となる人材育成に関しても意見交換ができました。
今後につきましては、今回のシンポジウムを1つの契機としてさまざまな可能性を探りながら、5市のみの連携にとどまらず、他の自治体にも働きかけてまいりたいとは思っております。しかしながら、本取り組みはまだ緒についたばかりですので、当面はこの5市での活動を継続する中で共通課題についての理解を深めながら、活動の意義を広く発信してまいりたいと考えております。これによって、輪に加わっていただける自治体がふえるようであれば、さらに強固な広域連携へと広がり、例えば、三多摩格差是正といった重要課題についても議論が深まり、解決への道が開けるのではないかと期待しているところであります。
その他の御質問につきましては、担当よりお答えいたします。
○
大須賀浩裕 議長 土浦
選挙管理委員会事務局長。
◎土浦治
選挙管理委員会事務局長 私からは、投票率向上に向けた取り組みについてお答えいたします。
投票率向上に向けた取り組みといたしましては、選挙の大切さや投票の呼びかけ等を行う啓発活動と投票しやすい環境の整備等が挙げられます。啓発活動にも各選挙時に有権者に直接働きかける選挙時啓発と、それ以外の期間に行ういわゆる常時啓発があります。
一方、投票しやすい環境の整備では、投票所の増設やバリアフリー化といったハード面の整備と、期日前投票制度の活用や自宅で投票できる郵便投票制度等を円滑に利用できるようソフト面の工夫を行うことなどがあります。
調布市の場合は、選挙時啓発として、調布駅、国領駅、つつじヶ丘駅の3駅への広告塔の設置を初め、調布駅、つつじヶ丘駅の駅頭での明るい選挙推進委員の皆さんによる啓発グッズを配りながらの投票の呼びかけ、調布エフエム放送でのスポット放送や大型スーパーでの店内放送などを実施しております。常時啓発としては、小学生を対象として、毎年1,000人以上の参加をいただく明るい選挙啓発書道展を実施しております。
また、20代を中心とした若年層の投票率向上につなげるため、ことしの成人式から啓発グッズを配布いたしました。今後もこの事業を継続していくとともに、平成23年の成人式では、地元の大学生等による成人式実行委員会が手づくりによる小冊子を作成し、新成人に配布する予定となっております。その中に選挙について紹介するページが入ることとなり、先日、その取材も兼ねて模擬投開票を実施し、その模様がテレビ広報調布のエンディングで放送されたところでございます。
また、投票しやすい環境の整備においては、平成21年の東京都議会議員選挙から第36投票所として国領小学校の新設や、3カ所目の期日前投票所を市民プラザあくろす内に設置したほか、バリアフリー確保のため、投票所施設の変更等も行っております。
さらに、本年の選挙からは、期日前投票をより利用しやすくするため、これまで期日前投票所で記入していただいていた宣誓書についても、投票所入場整理券の裏面に印刷し、有権者の皆さんが自宅で記入し持参していただくことで、期日前投票所での混雑や煩わしさの解消と投票時間の短縮に大きな効果がありました。
次に、期日前投票所の延長と拡充についてです。現在、調布市においては、市役所、つつじヶ丘児童館ホール、市民プラザあくろす内市民活動支援センターの3カ所に期日前投票所を設置しております。設置期間及び時間につきましては、市役所が告示日の翌日から投票日前日までで、時間は午前8時30分から午後8時までとなっております。
つつじヶ丘児童館ホールと市民プラザあくろす内市民活動支援センターについては、投票日に近い日程でそれぞれ2日間と3日間設置し、時間も前者が午後5時まで、後者が午後7時までとなっております。なお、期日前投票の適正執行を確保するため、本年執行の選挙からは、全庁的な応援体制として、市役所各部局に必要な人数を割り当てて実施してまいりました。
しかしながら、選挙管理委員会事務局の体制や応援職員の本来業務との兼ね合いの中で、一定の制約があることも事実であります。今後の拡充のためには、事務局体制の強化とさらなる応援体制の構築が必要不可欠であり、関係部署と調整等を行っているところです。
選挙管理委員会といたしましても、期日前投票の拡充については、有権者の利便性の確保、ひいては投票率の向上にも大きく寄与するものと考え、重要な課題と認識しているところでございます。したがいまして、投開票事務を中心とした他の選挙事務に支障が生じないよう調整しつつ、開設期間と時間について可能な限り拡充できるよう検討してまいりたいと考えております。
最後に今後の取り組みについてですが、若年層の投票率向上に向けては、引き続き成人式実行委員会と連携しながら、効果的な啓発に取り組んでまいります。また、より投票しやすい環境を確保するため、ソフト・ハード面での改善に努めてまいりたいと考えております。
特に、期日前投票所の増設につきましては、市内の施設整備状況を踏まえ、その実現に向けて努力していく所存でありますので、何とぞ御理解のほどお願い申し上げます。
以上でございます。
○
大須賀浩裕 議長 小山教育部長。
◎小山俊夫 教育部長 私からは、
子どもたちが犯罪やトラブルに巻き込まれないための携帯電話についての啓発と教育についてお答えいたします。
まず、携帯電話を取り巻く犯罪環境の認識について申し上げます。平成20年7月に東京都
教育委員会が実施した子どものインターネット・携帯電話利用についての実態調査によると、携帯電話の所有率は、小学生が38.4%、中学生は66.4%であり、そのうちトラブルがあったと回答した小学生は10人に1人、中学生は4人に1人という調査結果が出ております。
トラブルには、チェーンメールを使った誹謗中傷による精神的被害、出会い系サイトなどにかかわっての性的被害など、多様で、かつ深刻な被害に発展する場合が多く、学校教育の場においても防犯意識の向上や被害防止のための教育を充実させていく必要があると認識しております。
次に、
子どもたちへの教育についてお答えいたします。調布市
教育委員会では、定例校長会や小・中学校生活指導主任会において、携帯電話を初めとするハイテク犯罪防止の指導の徹底について取り上げ、指導の徹底が図れるようにしているところであります。
また、調布警察署との連携や携帯電話会社によるケータイ安全教室等の実践を紹介し、その活用を呼びかけているところであります。また、教員に対しては、情報モラル教育研修を毎年実施しており、情報モラル教育についての指導力の向上を図っております。特に、中学校生活指導主任会においては、研修テーマとして携帯電話の使用の実態と問題点を取り上げ、指導に関する研修をしてまいりました。
各学校では、調布警察署との連携のもと、犯罪被害防止教育を推進するためのセーフティ教室を全校で実施しております。このうち携帯電話利用にかかわる内容で、セーフティ教室を実施した学校は、昨年度において小学校5校、中学校6校であり、今年度においては、小学校6校、中学校5校となっております。
今後も携帯電話を利用した犯罪事例と未然防止対策の具体について学校へ定期的に情報提供するとともに、関係機関との連携を一層深め、児童・生徒に対する指導の充実を図るよう、各学校を指導してまいります。
最後に、保護者への啓発についてお答えいたします。子どものインターネット・携帯電話利用についての実態調査によると、家庭で携帯電話の利用ルールを定めているとする割合は、子どもと保護者とで回答にずれが生じているのが実情であります。フィルタリングをかけている割合は全体の30.7%となっており、保護者への啓発が一層必要であると認識しております。
先ほどの答弁でも触れましたセーフティ教室では、保護者の危機管理意識の向上を図る取り組みを進めておりますが、今後、内容、実施方法を工夫し、保護者の参加意識が向上するよう、各学校に指導してまいります。
そして、
子どもたちが携帯電話を適切に使用、活用できるようにするためには、まずは保護者こそが携帯電話使用にかかわる指導責任を果たすことでその効果が期待できると考えております。
教育委員会といたしましては、児童・生徒への指導の充実だけでなく、保護者が積極的に参加したり、主体的に企画したりする講習会等の実施についても、各学校に働きかけてまいります。
以上でございます。
○
大須賀浩裕 議長 13番、宮本和実議員。
◆13番(宮本和実 議員) 御答弁ありがとうございました。
今回、3点質問させていただいたんですが、そのうちの1点再質問させていただきたいと思います。
2番目の投票率の向上について、選挙管理委員会に質問させていただいたんですが、選挙管理委員会にもう一度確認をさせていただきたいんですが、選挙管理委員会としては、期日前投票所については、拡充をしていきたいという思いはあるけれども、ネックとなっているのが選管事務局体制の強化と応援体制が不可欠であると。そういうことで理解してよいのか。逆に言えば、その体制さえ整えば、来年4月の統一地方選挙から拡充ができるようになると考えているのか、そこの確認をちょっとお願いします。
○
大須賀浩裕 議長 答弁を求めます。土浦
選挙管理委員会事務局長。
◎土浦治
選挙管理委員会事務局長 宮本和実議員から再質問をいただきましたので、お答えいたします。
選挙管理委員会といたしましては、期日前投票を可能な限り拡充したいと考えておりますので、それが実現可能となる体制づくりを目指しているところでございます。
したがいまして、一定の体制整備が可能となれば、明年の統一地方選挙からでき得る限り、期日前投票の拡充をしていきたいと考えておりますので、よろしく御理解のほどお願いいたします。
以上でございます。
○
大須賀浩裕 議長 13番、宮本和実議員。
◆13番(宮本和実 議員) 御答弁ありがとうございます。
ただいま選挙管理委員会より、期日前投票所の期間及び時間帯の延長については、選管事務局の体制の強化とともに、いわゆる市長部局からの応援体制があれば、来年の統一地方選挙から拡充できるという旨の御答弁をいただいたわけですけれども、このような要請に対して、長友市長はどのようにおこたえになっていくのか、明確な御答弁をいただけたらお願い申し上げます。
○
大須賀浩裕 議長 答弁を求めます。長友市長。
◎長友貴樹 市長 お答えいたします。
選挙事務の執行に当たっては、これまでも全庁的な取り組みとして応援体制の整備に努めてまいったわけでありますが、期日前投票の拡充等につきましても、選挙管理委員会からの要望等を踏まえて、万全の応援、協力体制を構築してまいりたいと考えております。御理解いただきますようお願いします。
○
大須賀浩裕 議長 13番、宮本和実議員。
◆13番(宮本和実 議員) 御答弁ありがとうございました。市長からも万全の体制を構築するというお言葉もいただきましたので、質問のほうはここで終わりにして、まとめさせていただきたいと思います。
まず、第1点目の長友市長の3期目の公約に掲げている近隣他市との連携についてでありますけれども、今回は長友市長の思いを語っていただきたいと思っておりました。まだスタートしたばかりでもありますので、今後の広がりと長友市長の熱い思い入れに期待をしていきたいと思います。
こうした取り組みから、三多摩格差の是正という大きな流れをつくりたいとの旨の御答弁でしたが、ぜひとも長友市長には大胆に、積極的に頑張っていただきたいと思っております。
第2点目の投票率の向上につきましては、選挙管理委員会、そして市長、双方から御答弁をいただきましたけれども、市役所以外の2カ所、つつじヶ丘児童館ホールと市民プラザあくろすにつきましては、現状では2日間と3日間、それも夜は5時と7時までという、有権者から見れば非常に利用しにくい中途半端な状況でありましたけれども、選挙管理委員会からはその問題点、解決策等の御答弁をいただき、また、それにこたえるように長友市長からは、今後は万全の体制を構築していくという力強い御答弁もいただきました。来年4月に行われる統一地方選挙からつつじヶ丘児童館ホール、市民プラザあくろすの期日前投票の期間の延長、時間帯の延長を実現していただけるものと私は理解させていただきました。
私は、市民参加の促進という意味においては、まずその原点とも言える投票という権利の行使を1人でも多くの有権者に行っていただけるよう、具体的な投票率向上の策を進めていくことが大切なことであると思っております。そのような意味においても、この期日前投票所の期間延長、時間帯延長という改善につきましては、大変評価をさせていただきたいと思っております。今後の取り組みにつきましても、改善の手を緩めることなく、投票率の向上に向けた施策の展開をぜひお願いしたいと思っております。
続いて、3番目の質問でした
子どもたちが犯罪やトラブルに巻き込まれないための携帯電話についての啓発と教育に関して御答弁をいただきました。その御答弁の内容からしますと、先ほどの隠語ではないですけれども、まだまだ危機感が非常に薄いのかなという印象も受けました。
このような問題というのは、家庭内での教育が必要であるというのはもちろん当然でありますけれども、逆に言えば、学校教育と家庭教育のはざまのようなところで、お互いにしっかりした教育ができない問題にもなりかねない可能性があるのではないかと思います。犯罪の低年齢化が進む中、その入り口となる可能性が高いのがこの携帯電話ではないかと私は危惧しております。便利になればなるほど、その危機感は逆に薄れ、また、機能が充実すればするほど、逆のリスクも高まっていくのではないかと思います。
現状から推察すれば、ますます進化していくであろう携帯電話を利用しての犯罪というものは、今後も増加していく可能性は非常に高く、被害を受ける
子どもたちの低年齢化という傾向も続いていくのではないかという気もいたします。そうした危機感を持ちながら、
教育委員会にはより充実した指導体制を早急に構築していただきたいと思います。
また、先ほどの御答弁では、セーフティ教室等を利用して、親も含め、啓発活動を行っていくという旨でありましたけれども、先ほど質問でも述べさせていただきましたが、なかなか学校に来られない親御さんもいらっしゃると思いますので、そうした情報というものを、別の形でもいいから新しい情報を常に親に届ける、いろんなものを提供していくということも重要ではないかと思っております。とにかく危機感を持った対応というものをぜひよろしくお願いしたいと思います。
以上、今回は3点質問をさせていただきました。これで終了させていただきます。ありがとうございました。
○
大須賀浩裕 議長 以上で13番、宮本和実議員の質問は終わりました。
――――――――――― ―― ―――――――――――
○
大須賀浩裕 議長 お諮りいたします。
本日はこれにて散会いたしたいと思います。これに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○
大須賀浩裕 議長 御異議なしと認め、さよう決定いたします。
したがいまして、明12月3日午前9時に御参集願います。
本日はこれにて散会いたします。お疲れさまでした。
午後 4時16分 散会...