平成21年 6月 定例会(第2回) 東京都北区議会会議録第六号(第二回定例会) 平成二十一年六月十五日(月)(午前十時
開議)--------------------------------------- 出席議員(四十四人) 一番 山中邦彦君 二番 石川 清君 三番 花見 隆君 四番 佐藤有恒君 五番 大畑 修君 六番 福田伸樹君 七番 永沼正光君 八番 渡辺かつひろ君 九番 野々山 研君 十番 福田 実君 十一番 安田勝彦君 十二番 金子 章君 十三番 平田雅夫君 十四番 林 千春君 十五番 鈴木隆司君 十六番 宮島 修君 十七番 榎本はじめ君 十八番 椿 くにじ君 十九番 山田加奈子君 二十番 太田奈保子君 二十一番 福島宏紀君 二十二番 相楽淑子君 二十三番 本田正則君 二十四番 山崎たい子君 二十五番 近藤光則君 二十六番 青木博子君 二十七番 稲垣 浩君 二十八番 大島 実君 二十九番 樋口万丈君 三十番 池田博一君 三十一番 藤田隆一君 三十二番 戸枝大幸君 三十三番 八巻直人君 三十四番 木元良八君 三十五番 中川大一君 三十六番 八百川 孝君 三十七番 土屋 敏君 三十八番 上川 晃君 三十九番 横満加代子君 四十番 小関和幸君 四十一番 宇野 等君 四十二番 小池たくみ君 四十三番 黒田みち子君 四十四番 山崎 満君 出席説明員 区長 花川與惣太君 副区長 山田統二君 政策経営部長 清正浩靖君 政策経営部参事 依田園子君 (企画課長事務取扱) 総務部長 谷川勝基君 総務部参事 佐藤公夫君 (職員課長事務取扱) 危機管理室長 中澤嘉明君 地域振興部長 越阪部和彦君 区民部長 風間秀樹君 生活環境部長 長尾晴彦君 健康福祉部長 井手孝一君 保健所長 深澤啓治君 子ども家庭部長 依田 実君 まちづくり部長 萩原松博君 会計管理室長 石井 博君 政策経営部 財政課長 都築寿満君 広報課長 上山 勉君 財政課財政主査 三井孝紀君 総務部 総務課長 風間美子君 総務課総務係長 加藤正明君 教育委員会 教育長 伊与部輝雄君
教育委員会事務局次長 内田 隆君 教育改革担当部長 伊達良和君 議事日程 第一号日程第一 第四十七号議案 東京都北区ネスト赤羽条例の一部を改正する条例日程第二 第四十八号議案 東京都北区特別区税条例等の一部を改正する条例日程第三 第四十九号議案 東京都北区国民健康保険条例の一部を改正する条例日程第四 第五十号議案 東京都
北区立特別養護老人ホーム条例の一部を改正する条例日程第五 第五十一号議案 東京都北区手数料条例の一部を改正する条例日程第六 第五十二号議案 東京都北区
自転車等駐車場条例の一部を改正する条例日程第七 第五十三号議案 児童用机及び椅子の購入契約日程第八 第五十四号議案 桐ケ丘中学校新築に伴う厨房機器の購入契約日程第九 第五十五号議案
仮称赤羽自衛隊跡地運動場管理棟新築工事請負契約日程第十 第五十六号議案 車坂跨
線人道橋脇昇降施設棟設置工事(躯体)請負契約日程第十一 第五十七号議案
明桜中学校新築工事請負契約日程第十二 第五十八号議案 旧
豊島中学校土壌汚染対策工事請負契約の一部を変更する契約日程第十三 第五十九号議案 都市公園を設置すべき区域を定めることについて日程第十四 第六十号議案 東京都北区立桜田保育園の指定管理者の指定について日程第十五 第六十一号議案 尾久駅前自転車駐車場の指定管理者の指定について日程第十六 第六十二号議案 平成二十一年度東京都北区一般会計補正予算(第一号)
○議長(平田雅夫君) ただいまから平成二十一年第二回東京都北区議会定例会を開会します。 これより本日の会議を開きます。 この際、会議時間の延長をしておきます。 まず、会議録署名議員を定めます。本件は、会議規則第百十五条の規定により、議長から指名します。 二十六番 青木博子さん、三十一番 藤田隆一さんにお願いします。
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○議長(平田雅夫君) 次に、書記から諸般の報告をさせます。 (書記朗読)二十一北総総第千五百九十四号平成二十一年六月八日 東京都北区長 花川與惣太 東京都北区議会議長 平田雅夫殿 東京都北区議会定例会の招集について 平成二十一年六月八日付東京都北区告示第二百二十七号をもって平成二十一年第二回東京都北区議会定例会を六月十五日に招集したので通知します。
---------------------------------------◯写東京都北区告示第二百二十七号 平成二十一年第二回東京都北区議会定例会を左記のとおり招集する。 平成二十一年六月八日 東京都北区長 花川與惣太 記一 日時 平成二十一年六月十五日 午前十時一 場所 東京都北区
議会議場---------------------------------------二十一北総総第千六百十一号平成二十一年六月八日 東京都北区長 花川與惣太 東京都北区議会議長 平田雅夫殿 議案の送付について 平成二十一年第二回東京都北区議会定例会へ提出するため、左記議案を送付します。 記第四十七号議案 東京都北区ネスト赤羽条例の一部を改正する条例第四十八号議案 東京都北区特別区税条例等の一部を改正する条例第四十九号議案 東京都北区国民健康保険条例の一部を改正する条例第五十号議案 東京都
北区立特別養護老人ホーム条例の一部を改正する条例第五十一号議案 東京都北区手数料条例の一部を改正する条例第五十二号議案 東京都北区
自転車等駐車場条例の一部を改正する条例第五十三号議案 児童用机及び椅子の購入契約第五十四号議案 桐ケ丘中学校新築に伴う厨房機器の購入契約第五十五号議案
仮称赤羽自衛隊跡地運動場管理棟新築工事請負契約第五十六号議案 車坂跨
線人道橋脇昇降施設棟設置工事(躯体)請負契約第五十七号議案
明桜中学校新築工事請負契約第五十八号議案 旧
豊島中学校土壌汚染対策工事請負契約の一部を変更する契約第五十九号議案 都市公園を設置すべき区域を定めることについて第六十号議案 東京都北区立桜田保育園の指定管理者の指定について第六十一号議案 尾久駅前自転車駐車場の指定管理者の指定について第六十二号議案 平成二十一年度東京都北区一般会計補正予算(第一号)
---------------------------------------二十一北総総第千六百十二号平成二十一年六月十五日 東京都北区長 花川與惣太 東京都北区議会議長 平田雅夫殿 地方自治法第百八十条第一項の規定による議会の指定議決に基づき専決処分した和解に関する報告について このことについて、地方自治法第百八十条第二項に基づき、別紙のとおり報告します。
--------------------------------------- 専決処分調書(子ども家庭部) 件名
食物アレルギー原因物質(牛乳)摂取事故に関する和解+
------+------------------------------+|専決処分 |平成二十一年二月十八日 ||年月日 |
|+------+------------------------------+|決定額 | 支出額 || | 九万三千十円 || |(内訳) || |
自治体総合賠償責任保険賠償保険金 || | 九万三千十円
|+------+------------------------------+|相手方 |北区上中里在住区民
|+------+------------------------------+|事故の概要 |平成二十年五月二十九日、北区立中里保育園において、職員の不注|| |意により
食物アレルギー原因物質(牛乳)を摂取した。そのため、|| |アナフィラキシー、食物アレルギーを発症し、治癒までに入院五日|| |、通院一日を要した。
|+------+------------------------------+(まちづくり部) 件名 監察パトロール時における庁有車による物損事故に関する和解+
------+------------------------------+|専決処分 |平成二十一年三月三十日 ||年月日 |
|+------+------------------------------+|決定額 | 八千円 || |(内訳) || | 任意自動車保険金 || | 八千円
|+------+------------------------------+|相手方 |北区西ケ原在住区民
|+------+------------------------------+|事故の概要 |平成二十一年二月六日、北区西ケ原四丁目五十八番十一号での監察|| |パトロール時に現場調査終了後、路地より庁有車を後退させる際に|| |、倒れていた区民所有の自転車後輪およびサドルを損傷した。
|+------+------------------------------+ 件名 公園脇道路における転倒事故に関する和解+
------+------------------------------+|専決処分 |平成二十一年三月十三日 ||年月日 |
|+------+------------------------------+|決定額 | 支出額 || | 二十一万六千七百九十円 || |(内訳) || |
自治体総合賠償責任保険賠償保険金 || | 二十一万六千七百九十円
|+------+------------------------------+|相手方 |北区王子本町在住区民
|+------+------------------------------+|事故の概要 |平成二十年二月五日午後四時頃、中央公園脇道路において一時的に|| |張っていたフェンスが突風にあおられ、走行中の自転車に接触し転|| |倒した。その際に頭部打撲、擦過傷及び肋骨にひびが入った。 |+------+------------------------------+
---------------------------------------二十一北総総第千五百六十八号平成二十一年五月二十七日 東京都北区長 花川與惣太 東京都北区議会議長 平田雅夫殿 東京都北区監査委員の選任について(通知) 平成二十一年五月二十六日付二十一北区議第千三百十五号-二をもって同意のありました標記委員について、別紙写しのとおり選任しましたのでお知らせします。
--------------------------------------- 樋口万丈 東京都北区監査委員に任ずる平成二十一年五月二十六日 東京都北区長
花川與惣太---------------------------------------二十一北総総第千五百六十八号-二平成二十一年五月二十七日 東京都北区長 花川與惣太 東京都北区議会議長 平田雅夫殿 東京都北区監査委員の選任について(通知) 平成二十一年五月二十六日付二十一北区議第千三百十六号-二をもって同意のありました標記委員について、別紙写しのとおり選任しましたのでお知らせします。
--------------------------------------- 小関和幸 東京都北区監査委員に任ずる平成二十一年五月二十六日 東京都北区長
花川與惣太---------------------------------------二十一北総総第千六百十三号平成二十一年六月八日 東京都北区長 花川與惣太 東京都北区議会議長 平田雅夫殿 報告書の送付について 平成二十一年第二回東京都北区議会定例会へ提出するため、左記のとおり送付します。 記報告第一号 平成二十年度東京都北区
繰越明許費繰越計算書報告第二号 平成二十年度東京都北区事故繰越し繰越計算書報告第三・四号 平成二十年度東京都北区情報公開・
個人情報保護制度実施状況報告書---------------------------------------
○議長(平田雅夫君) 会期についてお諮りします。 今次定例会の会期は、六月十五日から六月二十五日までの十一日間としたいと思います。ご異議ありませんか。 (「異議なし」と呼ぶ者あり)
○議長(平田雅夫君) ご異議ないと認め、そのように決定します。
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○議長(平田雅夫君) これより質問に入ります。 二十七番 稲垣 浩さん。 (二十七番 稲垣 浩君登壇)
◆二十七番(稲垣浩君) 私は、公明党議員団を代表して花川区長、伊与部教育長に大きく八点質問します。 まず、
新型インフルエンザ対策について伺います。 メキシコでの大量感染から始まった
新型インフルエンザは先月から関西を中心に感染が広がり、国内感染者は既に五百人を超え、先週、WHOは世界的な大流行を示す、警戒レベルフェーズ6へ引き上げました。 北区では発生当初より対策本部を設置し、発熱相談センターを中心に迅速な対応を行いました。そこで、これまでの相談件数や発熱外来での受診状況など、教育委員会の動きも含め、北区の現状とその対策について伺います。 また、板橋区では区内感染が確認された場合、緊急保育を実施する方針で、もし、区内で感染者が出れば、学校はもちろんのこと、保育園や通所介護などを行う高齢者施設も閉鎖され、保護者や家族は園児や被介護者の預け先がなく、仕事にも行けないなど区民生活への影響が出てくると思いますが、どのように対応するのか。 三として、秋にも予想される第二波に備え、感染拡大で職員の登庁が困難になったときや、また今後、猛毒性の鳥インフルエンザが発生した場合を想定した業務継続計画を早急に策定すべきだと思いますが、いかがでしょうか。 次に、大きな二点目、景気対策について伺います。 昨年からの世界同時不況で未曾有の経済危機や雇用危機が叫ばれる中、景気の悪化はこのところやや緩やかとの報道もありますが、依然として完全失業率は五%、有効求人倍率は過去最低の〇・四六倍と厳しい雇用情勢は続いており、また、国際機関の見通しは下方修正が相次いでおります。IMFでは今年の世界全体の成長率を、戦後初となるマイナス一・三とし、来年の景気回復は不確実ですが、一・九のプラス成長と予測し、日本は今年の成長率マイナス二・六からマイナス六・二と、先進八カ国の中で最悪となり、来年もプラス〇・五%との厳しい予測であります。 先月、内閣府は一月から三月の実質成長率が四半期連続マイナスと発表し、GDP年率はマイナス一四・二%と戦後最悪の落ち込みを記録しました。今後、個人消費の低迷から企業の業績不振を招き、雇用の悪化や賃金の抑制が一段と消費不振につながるという負の連鎖が深刻となり、さらに物価が継続的に下落するデフレ経済への後戻りも懸念されます。 今回のアメリカ発の金融危機は実体経済に大きく影響し、急速な景気後退は広範囲に及び、こうした底が見えない景気の下落に区民の先行きへの不安は増大しております。 昨年十一月、北区ではこの経済危機から区民生活への影響を最小限に食いとめるため、緊急景気対策として三億円の補正予算を組み、今年度は、積み立てに対して一部から批判のあった基金を取り崩し、健全財政を維持しつつ、意欲的に問題解決に取り組む総額一千九百四十一億円の積極予算とし、私は今にして思えば、大変先見の明があったと強く感じております。また、花川区長は所信表明でも、区民が安心して暮らせ、住んでいてよかったと思える北区を必ず実現すると述べられており、私も全く同感で、今こそ区民の皆様の不安を真正面から受けとめ、生活者の視点に立った具体的な手だてを迅速に講じ、区民生活と地域経済を守る正念場だと思います。 そこでまず、現下の経済認識とこれまでの北区の緊急景気対策の成果について伺います。 二として、今回上程された補正予算では国や都からの予算を区としてどのように活用し、景気対策を具体的に進めていくのか。 また、成立した国の補正予算には今後どのように対応するのかお尋ねします。 三として、二十年度に実施された緊急雇用臨時職員の募集では、就労期間など、雇用条件のミスマッチも見受けられ、二百人の採用予定に対し十人にとどまりましたが、区ではどのようにとらえているのか。 四として、今回の臨時職員募集では、役所や学校の行政文書整理やデータ入力など雇用条件の緩和も含め、全庁的に推進し、また、今回の国や都の緊急景気対策は中小企業の支援強化と雇用機会の創出を目指したものであるため、雇用と経営の区民相談会を関係機関とともに共同開催するべきだと思いますが、ご見解を伺います。 次に、大きな三点目、今後の区政経営と行財政改革の推進について伺います。 これまでの地方分権の改革の流れの中で、住民に一番身近な基礎自治体はいまだに地方公共団体と呼ばれ、以前には、執行あって経営なしと言われた時代もありました。昨今、民間企業では経営と執行が分離する組織づくりが進んでおり、行政も最小限の経費で最大の効果を上げる政策形成が問われ、従来の事業官庁から質の高い政策官庁としての地方政府の時代に入ると思います。つまり自治体改革のポイントは、財源がないからやめるという単純な壊す改革ではなく、行財政の効率化と行政の生産性の向上を両立させながら、いかにして住民満足度を高めるのかというつくる改革であり、的確に区民ニーズをつかむマーケティングでの経営が今後必要であると考えます。 都の今年度一般会計予算は前年度マイナス三・八%の六兆五千九百八十億円と五年ぶりの減額となり、特に都税収入の見込みは過去最大で七千五百二十億円の大幅な減収額となり、都区財調への影響は必至であります。 北区では、今年三月に改定された中期計画の財政計画では、二十一年度の成長率を〇・一%、二十二年度は世界経済の順調なシナリオから一・五%、二十三年度は二・三%と見ておりますが、現状からでは特別区税や財調交付金もさらなる減収が予想され、とても難しいのではないかと思います。 そこでまず、持続可能な財政運営と予算編成の新展開についてお尋ねします。 今後の財政運営では、社会経済情勢の変化にも十分に対応し、基本計画との一体化と整合性を図るため、マイナス成長も見据えた複数のシミュレーションの結果から、中長期的な対策を検討する時期だと思いますが、いかがでしょうか。 また、景気後退局面でも財政の健全化とバランスシートのスリム化のため、基金と起債はどのような方針で活用していくのか伺います。 次に、今年度から具体化する新基本計画と経営改革プランの改定についてお尋ねします。 北区基本計画2005をどれだけの区民の皆様がご存じでしょうか。これは介護保険計画など部門別計画の上位に位置づけられ、中長期での施策の方向性を示すとともに、毎年の予算編成でも重要な方針になりますが、法律上では何ら議決は必要とされておりません。したがって、私は今後基本計画策定時に議会の議決を義務づける新たな条例を設けることも一つの考えであり、議会でじっくり審議されれば、区民の皆様や関係団体にも知ってもらう機会がもっとふえるのではないかと思いますが、いかがでしょうか。 また、北区では高齢化率が二四・一%と二十三区で第一位になり、元気な高齢者の皆さんの生きがいづくりや低炭素社会の構築など、新たなサービス需要が出てくると思いますが、新基本計画には何を優先し、どこに重点を置くのか、あわせて策定までの区民の皆様の参加や進捗評価も含めた説明責任を、どのように果たしていくのかお尋ねします。 二として、私は外部化を機軸とした今までの経営改革プランの財源確保にもそろそろ限界を感じております。したがって、経済の見通しが困難な今だからこそ、既存のやり方を総点検するときであり、区有資産の活用を具体化し、資産全体を総合的に管理するアセットマネジメントや、施設全体を付加価値へ転換し効率化を図る
ファシリティマネジメントを導入し、将来を見据えた区政経営戦略が今必要だと考えますが、いかがでしょうか。 また、指定管理者審査には
コンプライアンス項目が追加されましたが、今後、民間の信用調査も導入するべきではないでしょうか。したがって、経営改革プランのこれまでの総括と改定の方向性について伺います。 次に、行政評価の新たな指標である事業仕分けとSWOT分析についてお尋ねします。 先月、公明党議員団は新潟市と浜松市の行財政改革について視察をしてまいりました。新潟市では、平成十六年に三千七百にのぼる事業を総チェックした事業仕分けを行い、職員給与計算やレセプト点検業務など二十七業種を改善した結果、十九年度までに七億四千万円の効果を出しました。また、浜松市では、市民の目線や外部の視点で議論することが効果的な事業仕分けであると位置づけ、市が行っている仕事がそもそも必要な仕事か、必要であるならばだれが一番適切かとの視点で事業の選択と集中を行っており、昨年五月には二日間にわたり市内三カ所での公開事業仕分けを開催しました。その結果、姉妹都市交流事業や公用車を廃止し、約八千万円の効果を出しました。また、大阪市では従来の事務事業評価を凍結し、約二年間かけ六十七の主要事業を、企業が経営戦略を立てる際に用いるSWOT分析を行い、各部局が独自に目標管理をする制度を導入し、透明性を高め、説明責任を果たすことで市民の信頼を深めております。 北区ではこれまで成果重視の行政運営のため、施策評価と事務事業評価を実施しておりますが、内部の自己点検型のため、体系的で精密ではありますが、目標設定がどうしても甘くなり、既存の制度や予算の枠組みも踏襲しがちになると思います。したがって、こうした傾向を防ぐため、既に都内十二区では外部評価を実施しております。そこで、北区でも役所は何にどれだけのお金を使っているのか、本当に成果を出しているのかといった素朴な疑問にわかりやすく答えるために、事務事業評価を一たん凍結し、浜松市での公開型事業仕分けによる施策評価や大阪市のSWOT分析などほかの手法への見直しを提案いたしますが、ご見解を伺います。 次に大きな四点目、職員の意識改革と綱紀粛正について伺います。 ある大手コンサルティング会社が、国民の行政サービスに対する満足度を世界二十一カ国で調査したところ、第一位はシンガポールで、満足度五九%、続いてカナダ五三%、アメリカ四七%、そして日本は一二%と、何と二十一番中二十位でした。同社は、日本国は国民の視点に立ったサービス提供が強く求められていると指摘しております。 今年四月、富山市のさわやか窓口サービス推進運動について視察をしてまいりました。富山市では、平成十四年度から全庁的に職員の意識改革を推進しており、能動的に行動する市役所を目指し、職員みずからが考え、できることから実行することで市民へのサービスの向上を図るため、職員の自己判断を毎年行い、部局ごとには推進リーダーを配置し、また、職場の朝礼や電話応対の際には必ず所属名と氏名を名乗ることを徹底させました。この視察で私が特に印象に残ったことは、窓口カウンター以外でも極力職員の机を正面に向け、全員での対応を心がけていたことであります。 私は、平成十五年に接遇から接客での窓口サービスの向上について初質問をし、その後、職員の皆さんの大きな名札の着用や、一階ロビーでの案内係の配置、そして先月には音無橋へのバリアフリーエレベーターの設置など、既に高く評価するところでございます。 そこで北区でも、さらに区民の皆様が喜んで来庁していただくため、富山市のように日常的に窓口応対のある部署では事務机をなるべく窓口に向け配置し、カウンターには花を置くなど、和らいだ雰囲気づくりに努めるべきだと思いますが、いかがでしょうか。また、今後、電話応対の際には所属と氏名を名乗ることも含め、職員の意識改革について伺います。 三として、最近、区職員や教員の不祥事が連続的に発生し、昨年から現在まで教員は二件、職員では五件と、区民の皆様からの期待を裏切り、これまでの信頼を失墜させることになりました。そこで今後、区として職員及び教職員への綱紀粛正についてどのように取り組んでいくのかお尋ねします。 次に大きな五点目、地域コミュニティの活性化について伺います。 この十年ほどの間、我が国は小さな政府を目指し、さまざまな構造改革を実施してきましたが、今、百年に一度と言われる深刻な不況のもと、経済や雇用、福祉の各分野に行政からの支援を充実させることが求められております。しかし、もし要望されたすべての事業を実施すれば、予算は膨らみ、また効率的ではなく、硬直的にもなりかねません。したがって、これからの社会の主体として重要な一翼を担うことが期待されているのが、まさに地域コミュニティでの市民活動であります。 今までも福祉やまちづくり、そして防犯などの基礎的な部分を町自治会などの支援団体が大きな役割を担い、これまで区民生活を支えてきました。しかしながら、このコミュニティ機能が超高齢化や人口減少で著しく低下し、山間地帯や離島だけではなく、都会でも限界集落が増加し、新宿区の都営戸山団地では高齢化率が約五二%に達し、昨年、役員の担い手がないため、やむなく自治会を解散しました。 今後、北区でも子どもが独立し、高齢者の親だけの家庭がますます集中してくれば、そのまま都会の限界集落になることも予想され、孤独死の増加や、自治会機能の崩壊までも懸念されます。また、マンション居住者や若者世帯の町自治会未加入の進行は、近隣関係が希薄化し、地域の祭礼や、従来のレクリエーション行事にも支障を来すことにもなりかねません。今、町自治会にとって役員の高齢化と参加率の低下は深刻な問題であり、早急に区民と行政が連携を密にし、将来の担い手を育成しながら地域の潜在力を十分に発揮できる仕組みづくりを行うことが大変に重要であると考えます。 大阪の池田市では、二年前より地域分権推進に関する条例を施行し、市内十一中学校区に予算提案権を与え、地域コミュニティ推進協議会を設け、従来の行政サービスから各地域の実情に合わせ、最も住民のニーズにこたえる最適化サービスを実施しております。 そこで、町自治会との協働による地域コミュニティの活性化について今後区として町自治会に何を期待し、どのように強固なパートナーシップを確立していくのか。また、大きな課題である高齢化による担い手不足や町自治会への加入率低下に対して具体的な支援についてのお考えをお伺いします。 二として、私は運営方法や会計処理など疑問点をわかりやすく解説した町自治会活動ハンドブックを区で作成し、また、部課長級職員の皆さんが一人ひとり区内約百七十町自治会を必ず担当し、協働でのまちづくりを目指す町自治会職員サポーター制度を実施すべきだと思いますが、いかがでしょうか。 三として、北区でも新たな地域活性化の担い手を育成し、活動しやすい環境を整備していくために、池田市のように、十九連合町会に区当局へ予算提案権のあるまちづくりの協議会を発足させ、住民が一番必要と考えるサービスを実施する条例制定を提案いたしますが、以上、三点お伺いをいたします。 次に大きな六点目、セーフティネットのまちづくりについて伺います。 一昨年、総務省のコミュニティ研究会中間のまとめでは、地域コミュニティによるセーフティネット強化の必要性が増大したと指摘したとおり、現在、地域の課題や解決方法が多様化し、こうした動きに対応するため、行政サービスの質や水準も変化してきました。最近では若者のソーシャルビジネスやNPOボランティア団体など、地域力を再編したコミュニティビジネスで課題解決を図ることが期待されております。 そこで、北区でも昨年から区民とともに都の基本姿勢を具体化するため、地域づくり応援団事業を実施し、協働でのまちづくりや地域の問題解決への支援を行ってきましたが、これまでどのような成果や課題が見えてきたのか。 二として、今後の地域づくり応援団事業や政策提案協働事業の選定では、NPOやボランティアの活性化のため、病児保育や認知症ケアなど区民ニーズの高いテーマに絞り込み、協働によるセーフティネットのまちづくりをさらに推進していくべきだと思いますが、いかがでしょうか。 三として、四月二十五日付の東京新聞では、区営住宅入居時に浴槽などの自己負担に関して、自治体によって対応がまちまちとの報道がありました。都では昨年度より入居者負担をやめ、空き家になった住宅から順次設置をしておりますが、今後の区の対応についてお聞かせください。また、都営住宅の建て替え移転に際し、高齢の居住者の皆さんから粗大ごみの収集では自力では運び出せないとの声が数多く寄せられておりますので、今後、区で何らかの支援はできないでしょうか。 以上、三点伺います。 次に大きな七点目、在宅介護と子育て支援の強化について伺います。 介護保険は三年ごとに見直され、今回の第四期計画では介護報酬改定のほか、六十五歳以上の保険料は都内八区で引き下げられ、北区では準備基金から十八億円を取り崩し、平均基準額は月額三千四百六十九円、年率は一九・一%と所得によって異なりますが、二十三区では一番低い保険料になり、さらに七段階から九段階への多段階の設定で負担軽減も図っております。また、今回の改正では、認定基準の変更もあり、調査項目は八十二から七十四になりましたが、適切な認定調査を行うため、家族の立ち会いが原則であることを確認する一方、例外的にケアマネジャーの立ち会いも一部認めることにしました。 介護保険制度が十年目にして今求められていることは、介護と医療の連携や地域密着型サービスの充実であり、今後、北区の高齢化人口と高齢化率は伸び続け、平成二十六年には二六%になることも見込まれ、介護の必要な人が十分なサービスを受けられず、介護保険の網からこぼれ落ちることがないようにしなければなりません。 また、在宅介護支援強化の一環として、介護者への支援の充実も急務だと思います。先月、秦野市の高齢介護者へのうつ予防支援評価事業について視察をしてまいりました。この事業は平成十九年度から自己評価式尺度をもとに介護者実態調査を行い、介護者のうつ傾向を見ながらサポートする仕組みで、市職員とケアマネジャーが連携をとり、定期的な訪問や電話で状況を確認しながら、必要な支援を包括的に行っておりました。私はこの視察を通し、改めて、介護者を取り巻く環境は想像以上に過酷で厳しいことがわかりました。 そこで、老老介護やシングル介護など、介護者支援強化について区はどのように考えているのか。また、北区でも秦野市のように、まず介護者実態調査を行い、介護者の身体的、精神的苦痛を和らげるため、在宅介護の具体的な仕組みづくりが必要だと思いますが、ご見解を伺います。 次に、保育園の待機児解消策についてお尋ねします。 この不況下のもと、保育園の待機児童は都市部を中心に急激に増加し、保護者からは数多くの悲鳴が上がっており、北区の待機児童数は昨年四月一日では四十九名でしたが、今年四月一日には八十八名になり、児童福祉法では例年四月一日現在で待機児が五十名以上になった場合、市区町村は保育の供給体制の確保に関する計画を策定することになっており、北区でも保育計画を策定することになります。したがって、区では今年度から公立保育園と私立保育園合わせて七十九名の定員を拡大し、家庭福祉員についても設置準備に十万円の補助を出しながら、さらに定員を二十名に拡大をする予定です。また、認証保育所も現在、浮間と田端の二カ所から今年度新たに四園を誘致し、保育料の一部も補助します。しかしながら、二十三区内では毎年のように認証保育所を開設している区や、区有施設を社会福祉法人に貸し付けるところもあり、都内では認証保育所の誘致競争にもなっているのが現状であります。 公明党議員団は、文京、渋谷、荒川、杉並区の待機児解消策について視察をしてまいりました。文京区では緊急対策として直営での認可外保育所で今年四月から区立幼稚園五つを利用し、退職した保育士を六人再任用し、ゼロ歳と一歳児計十名のグループ保育を開始し、また、杉並区では先月から区有施設の空きスペース四カ所を利用し、直営で一歳から二歳児六十五名を受け入れております。そして先ごろ、目黒区では来年度から新しい保育園の開設を進めておりますが、来年四月まで待たなければならないため、今年から待機児童の家庭を対象に助成金を支給する補正予算が提出されました。 そこで、今後、学校跡地以外の区有施設を利用した保育園分園のさらなる北区での増設、また家庭福祉員の利用者負担の軽減や、保育園との連携強化と人員拡大のため、資格条件や設置条件の緩和など、そして委託料の見直しも検討するべきだと思いますが、ご見解を伺います。 次に、子どものインフルエンザ予防接種費用の助成についてお尋ねします。 今回の
新型インフルエンザで懸念されていることは、第二波での感染拡大であります。区では、昨年から六十五歳以上のインフルエンザ予防接種費用の助成を行っており、七十五歳以上は無料化になりました。台東区では既に、世田谷区も含め、子育て家庭の負担軽減策として子どものインフルエンザ予防接種費用の助成を実施しており、全国では十九の自治体にのぼります。 そこで北区でも、予防接種率の向上で医療費給付の減額や、
新型インフルエンザ対策の観点から、幼児から高校生までインフルエンザ予防接種費用の助成を行うべきだと思いますが、いかがでしょうか。 次に大きな八点目、教育・スポーツ先進区の実現について伺います。 学校の授業は文科省の定めた学校指導要領を基準に行われ、幼稚園では今年度から、小学校は平成二十三年度から、中学校は二十四年度から新しい内容に変わります。したがって、小学校では今年度から二年間、中学校では今年度から三年間にわたり現在の教科書と補助教材を使いながら徐々に新学習指導要領の内容を取り入れる移行措置が始まりました。 そこで、本格実施までの移行期間での取り組みは大変に重要であると考えますが、課題は何か、また、補助教材や理科備品の購入では一律ではなく、学級数や児童数に応じ、きめ細かい対応を行うべきだと思いますが、いかがでしょうか。 また、区ではこれまで外国語活動や理数教育を先取りで実施してきましたが、理解力や表現力を養う言語活動をさらに充実させるため、辞書引き学習も推進すべきだと思いますが、いかがでしょうか。 三として、先月から裁判員制度が始まりましたが、相手の人格を尊重し、人間性を育む道徳教育の一環として社会的教育の側面から、今後、専門家による出前授業で司法制度のほか、自他の権利と義務を教える法教育や、特に知的財産教育も実施すべきだと思いますが、以上、三点について伺います。 最後に、生涯スポーツの推進についてお尋ねします。 北区体育協会では、少林寺拳法連盟からサッカー協会に至るまでさまざまなスポーツ団体が加盟し、現在、三十団体の加盟者約二万人が区内各所で青少年の健全育成と区民の健康増進を図っております。そこで、二〇一六年の東京オリンピック招致がさらに具体化し、二〇一三年には東京国体も予定されておりますので、区民の健康づくりや豊かなスポーツライフの実現をどのように目指すのか、これからの体育行政の方向性について伺います。 以上で、私の質問を終わります。 ご清聴まことにありがとうございました。(拍手) (区長 花川與惣太君登壇)
◎区長(花川與惣太君) ただいま、公明党議員団を代表して、稲垣浩議員から
新型インフルエンザ対策を初め、厳しさを増す経済環境下における北区の景気対策や行財政改革、さらに介護や子育て、教育、スポーツと、さまざまな分野の諸課題について具体的なご意見、ご提言をるるちょうだいいたしました。まことにありがとうございました。 それでは順次お答えをさせていただきます。 最初に、
新型インフルエンザ対策についてのご質問です。 初めに、現状と対応についてお答えします。
新型インフルエンザに対しましては、北区
新型インフルエンザ対策行動計画に基づき、五月一日に私を本部長とする北区危機管理対策本部を設置して、対応方針を定めました。その後も適宜本部会議を開き、流行初期における区施設等の対応を決定するなど、教育委員会を含め全庁が一丸となって対応しています。区民の皆様へは区のホームページ、北区ニュース、区の施設や掲示板への掲示、町会自治会の回覧板、北ケーブルテレビ等で随時予防方法や区の対応などについて的確な情報を提供しています。また、区内の医師会や薬剤師会、医療機関、消防署、警察署と対策連絡会を開催し、連携を図っています。区民等からの相談には四月二十六日から北区保健所に電話相談窓口を設置して、土日祝日も受け付けています。 なお、昨日までの電話相談の総数は千八百三十五件で、発熱外来の受診者は九名ですが、現在までに区内で感染が確認された方はおりません。 次に、感染拡大時の保育園、介護施設等の対応についてお答えします。 今回、
新型インフルエンザの区内発生時における区の施設の休業につきましては、区民生活への影響を最小限に抑えつつ、感染の拡大を防止するため、適時適切に対応することを基本方針としています。保育園、介護施設につきましては、区民生活への影響の大きさを考慮し、小・中学校を休校とした場合でも感染状況に注意しつつ、当面継続させたいと考えています。 なお、国及び東京都の要請があった場合はその内容も踏まえ対応いたします。 次に、業務継続計画の策定についてお答えをいたします。
新型インフルエンザの感染拡大防止と社会機能維持の観点から、業務継続計画の策定は不可欠なものと認識しております。現在流行している
新型インフルエンザは弱毒性と言われていますが、流行の過程で強毒性に変異する危険性があります。また、今後、強毒の鳥インフルエンザウイルスが人から人へ感染する事態も考えられるため、強毒性の
新型インフルエンザを想定した業務継続計画の策定にできるだけ早く取り組んでいきたいと考えています。 次に、現下の経済認識と緊急景気対策の効果に関するご質問にお答えをいたします。 昨年来の金融危機に端を発した世界同時不況は、地方自治体の財政運営に対しても大きな影響を与えているところです。これまで発表されているさまざまな経済手法を参考といたしましても、今後直ちに景気回復を期待できるものは少ない状況であり、地方自治体の財政運営にとってもいまだ予断を許さない状況が続いているという認識を持っております。 また、これまで北区では昨年の第四回定例会に補正予算を計上し、急激な景気後退に対して緊急に景気対策を実施し、さらに二十一年度も当初予算に引き続き、本定例会でも緊急雇用等補助金を活用した景気対策事業を提案させていただきました。今後も区民の皆様の雇用不安などの生活に対するさまざまな不安を緩和し、この困難な時期を乗り越えるために国や東京都の動向にも十分注視し、議会ともご相談しながら、さらなる景気対策の取り組みへの対応を検討させていただきます。 また、さきに成立いたしました国の平成二十一年度補正予算につきましては、その詳細が明らかになりました時点で速やかに対応をさせていただきます。 次に、臨時職員の緊急雇用についてのご質問にお答えをいたします。 まず、北区が昨年度実施した緊急雇用対策の面接に至った方が、十四名、そのうち採用となった方が十名という結果でした。今回の支援策は基本的に求職活動中の短期的な支援と位置づけており、本格的な採用等を求める方の要望とは必ずしも一致しない点もありましたが、就労に当たり特別に技能習得を要しない作業を提供するなどの配慮を行っており、一定の意義のある施策であったと考えています。 次に、今回の補正予算でご提案いたしました緊急雇用創出事業での臨時雇用についてであります。 本事業の目的が、失業された方の一時的な雇用、就業機会を創出するものであることから、雇用条件については業務内容とも照らし合わせ、適切な水準で定めてまいります。また、募集に当たりましてはハローワークと連携し、求職者の方への情報提供に努めます。 さらに、ご提案のありました区民相談会につきましては、景気悪化に伴った仕事や生活に関する相談会を、区のほか国、東京都の関係機関と連携しながら七月に実施する予定です。事業内容につきましては、所管委員会にご報告させていただきます。 次に、今後の財政運営と予算編成に関するご質問にお答えいたします。 現在の日本経済は悪化のテンポが緩やかになったものの、依然として厳しい状況にあります。先行きにつきましても、経済対策の効果などが景気を下支えすることが期待されるが、生産活動が極めて低い水準にあることなどから、雇用情勢の一層の悪化が懸念され、景気をさらに下押しするリスクがあるとの判断があり、いまだその好転の時期が見えない状況です。 したがって、現在策定を進めている新基本計画においても、その財政計画ではしばらく厳しい局面が続くことも想定しながら、その改定作業を進める必要があると考えております。 また、その際、起債や基金についても将来世代への負担を十分に配慮しながら、有効に、そして計画的に活用するとともに、あわせて経営改革プランのより一層の推進に取り組み、内部努力の徹底、役割分担の見直しを進め、堅実で無駄のない区政運営を展開していくための努力をさらに続けてまいります。 次に、基本計画改定時の議会議決条例と、今回の改定についてのご質問にお答えいたします。 自治体の進むべき方向を定めた基本構想は、議会の議決事項とされており、現在の基本構想は平成十一年六月に区議会の議決をいただいております。基本計画は行政計画と位置づけており、基本構想の将来像を実現するための施策の方向を定める十カ年の長期計画として五年ごとに改定しているものです。 基本計画が基本構想の方向に沿って計画されていることや、区議会への進捗状況の報告や計画の説明会等の場において幅広い議論をいただいた上で策定すること。区民向けにさまざまな情報提供を行っていくことから、義務化条例を制定しなくとも同様の機能を果たしていると考えております。 また、今回の計画は過去にないほどの大変厳しい財政状況の中での改定であり、それを踏まえた上で北区の将来を見据え、夢と希望が感じられる計画にするためには、今まで以上に事業の重点化や、優先順位づけが重要になってまいります。少子高齢化への対応、地球温暖化対策、安全・安心や地域を活性化させるまちづくりの推進など、魅力あるふるさと北区づくりの視点から計画を策定してまいります。 区民参加と説明責任についてでありますが、現在、学識経験者、区内団体代表、公募区民からなる改定のための検討会から答申をいただいたところであります。今後、区議会への報告、自治会や産業団体への説明会、街角トークなどで幅広くご意見を伺い、計画に反映させてまいりますとともに北区ニュースやホームページを活用し、説明責任を果たしてまいります。 次に、経営改革プランの総括と改定の方向性についてお答えいたします。 これまで、区議会や区民の皆様の協力を得つつ改革に取り組んだ成果として、区民参画の推進や協働の機会の拡充が図られたほか、指定管理者制度の導入に伴い、施設管理経費の縮減と指定管理者による民間事業者ならではの経営ノウハウや創意工夫を生かした、区民サービスの向上策が講じられてきました。また、職員に対する目標による管理の実施や、施策立案グループの発足など、職員の意識改革や人材育成に向けた取り組みも推進してまいりました。 新たな経営改革プランでは当面の経済危機への対応を最優先課題にすえつつも、現行プラン同様、新基本計画を着実に実現するための資源調達と持続可能な行財政システムの構築を目指し、役割分担の見直しと内部努力の徹底を図ってまいります。区有財産の積極的な利活用や指定管理者制度の推進は新たなプランにおいても重要な方策と考えています。 ご紹介いただきましたアセットマネジメント、
ファシリティマネジメントといった経営管理手法や民間の信用調査などについても、他区の事例も踏まえながら検討してまいります。 今後とも基本構想の将来像、ふるさと北区の実現を目指し、区議会や区民の皆様の協力を得ながら、職員が一丸となってさらなる経営改革に取り組んでまいります。 次に、新たな行政評価についてお答えいたします。 行政評価のうち、事務事業評価につきましては平成十二年度に全庁導入した後、重点評価対象事業の見直しや評価結果の公表方法の工夫など改善を重ねながら、制度の定着を図ってきました。また、施策評価についても平成十五年度に本格的に導入した後、評価手順の見直しなどを行いながら、基本計画、中期計画の進捗管理や施策の見直しを行うためのツールとして、これまで活用を図ってまいりました。 ご紹介いただきました事業仕分けの手法は、区民や外部の専門家を含めて議論を行う仕組みとして、事務事業の再構築を進めていくための有効な手法の一つと認識しております。また、SWOT分析は自治体の使命やビジョンを導き出し、中長期的な戦略を策定する際などに有効な手法の一つと認識しております。 一方、どちらの手法についても作業や検討の過程そのものに膨大な時間と労力が必要となる点が重要な課題ではないかと考えております。 行政評価についてはより効果的な活用が図られるよう絶えず見直しを行ってまいりますが、これらの新たな手法についても意義や課題を十分に踏まえつつ、既に取り組んでいる自治体の実績や効果などを検証しながら今後とも調査研究を進めてまいりたいと考えております。 次に、職員の意識改革と綱紀粛正についてのご質問にお答えをいたします。 まず、さわやか窓口サービス推進運動の実施について、富山市の事例をもとにご提案をいただきました。机の配置がえなど、庁舎が手狭な北区ではハード的に実施困難な面もありますが、これまでも窓口、廊下等の緑化には努めているところであり、さらに接遇を充実してさわやかな窓口サービスを推進していく考えです。接遇については平成十九年度から二十一年度までの三カ年を接遇研修の重点期間と位置づけ、新任研修、主任主事研修などすべての職層研修の中で接遇研修を実施し、私も率先して参加しているところですが、今年度からさらに新規事業として窓口職場を対象にした職場単位の接遇研修にも取り組むなど、窓口サービスのより一層の充実に努めてまいります。また、ただいま申し上げました接遇研修では電話応対の際に所属と氏名を名乗ることも含め、誠意ある対応、責任ある対応など接遇の基礎、基本をしっかりと学ばせているところであります。接遇日本一を目指すという高い目標のもと、接遇改善活動をてこにして職員の意識改革に取り組んでまいります。 次に、職員の綱紀粛正への取り組みについてお答えする前に、不祥事が相次ぎましたことについて、区民の皆様並びに区議会の皆様に改めて深くおわび申し上げます。公務員としての自覚はもとより社会人としての自覚すら欠いた職員がいたこと、服務管理が極めて甘い職場が現に存在したことは、まことに遺憾の極みであります。 職員の不祥事に対しては厳罰を持って臨みますが、こうした不祥事の根を絶つためには、一連の不祥事を真の教訓とし、すべての職員一人ひとりが自分の問題としてとらえ、それぞれの組織が抱えている課題を公務員倫理と区民感覚を基準として徹底的に洗い出し、解決に取り組む職場風土をつくり上げていく所存です。また、全管理職及び係長級職員対象にした公務員倫理研修を実施いたしまして、さらなる綱紀粛正に努めてまいります。 区民の皆様の信頼なくして、区政は立ち行きません。区民の皆様に区役所は本当に変わったと実感していただけるよう、信頼の回復に向け、私も先頭に立って職員とともに綱紀粛正に取り組んでまいります。 次に、地域コミュニティの活性化についてのご質問に順次お答えをいたします。 まず、町会自治会とのパートナーシップについてです。町会自治会は地域の皆様が自主的に組織運営し、相互扶助と親睦を目的に活動をしています。その活動は、安全・安心で快適に暮らせる地域社会をつくっていく取り組みであり、このことは行政目的である住民福祉の向上と同一です。まさに行政のよきパートナーであり、これからも町会自治会との連携を密にしながら、地域コミュニティの活性化のためにさまざまな支援策を講じてまいります。 次に、町会自治会の活性化の取り組みについて順次お答えいたします。 まず、高齢化による担い手不足や町会自治会への加入率低下に対してどのような支援を講じていくかについてであります。町会自治会への加入促進については、これまでも北区ニュースやポスター等で加入を呼びかけてまいりました。また、昨年、集合住宅の建築及び管理に関する条例を制定し、建築主等は入居者の町会自治会への加入等について協力するものとしたところであります。 今後は団塊の世代が大量に地域に戻り、地域活動の担い手となることが期待されるところですので、だれもが加入しやすく、活動しやすい町会自治会となるように、町会自治会のIT化支援や活動ハンドブックの作成に取り組むとともに、地域における拠点となる地域振興室の機能強化など、さまざまな支援策を検討してまいります。 なお、町会自治会活動ハンドブックについては、現在たたき台の作成に取り組んでおり、町会自治会のご意見をお聞きした後、秋ごろを目途に取りまとめる予定です。 次に、町会自治会サポーター制度についてですが、区の幹部級の職員が幾つかの町会自治会を分担して担当する墨田区のような例は承知しております。十九地域ごとに地域振興室長を配置し、地域との連携をきめ細かく進めているのが北区の特徴であると考えております。今後とも地域支援策を充実してまいります。 次に、区への予算提案権のあるまちづくり協議会の発足についてです。 池田市の場合、地域の各種団体と地域住民とが連携協力してまちづくり協議会をつくっており、予算提案権が付与されるなど、特色のある取り組みであると考えております。今後、地域活性化策検討の中で先進的な事例として研究してまいりたいと存じます。 次に、セーフティネットのまちづくりのうち、地域づくり応援団事業の課題と成果についてです。 まず、課題ですが、これまでの助成団体からは団体の活動、そのものを支える人材やノウハウの不足を感じます。また、応援団事業は三年を限度に継続して助成を受けることが可能ですが、収入の中では助成金に依存する割合が高く、自主財源が少ないなどの理由から、補助の終了が即事業の終了につながりかねない例も散見されます。 次に成果です。この事業の実施を通して、団体と区が話し合う機会が従来よりもふえ、徐々にではありますが、お互いを対等のパートナーとして認め合うようになったことが一番の成果だと思います。 次に、今後の地域づくり応援団事業や政策提案協働事業の選定において病児保育や認知症ケアなど区民ニーズの高いテーマに絞り込むべきとのご質問ですが、この地域づくり応援団事業や政策提案協働事業では、区民の創意工夫を生かすことを基本に考えているので、テーマについても自由な提案を大切にしております。しかし、行政もさまざまな課題を抱えていることから、特に政策提案協働事業ではテーマを決めて募集する課題提案事業も設けているところです。今後も募集テーマについては重要な課題や区民ニーズの高いものを設定するように努めてまいります。 次に、区営住宅の浴槽等についてお答えいたします。 昭和五十六年以前に建設された区営住宅につきましては、浴槽等は設置されておらず、入居者のご負担で設置していただいております。区営住宅も都営住宅と同様な取り扱いをすることを原則といたしておりますので、来年度より空き家の発生にあわせて順次区が設備として浴槽等を設置する方向で、適切な浴槽の選択や使用料の見直しなど、必要な事項について検討してまいります。 次に、高齢者の方への粗大ごみの運び出し支援についてお答えをいたします。 清掃事務所では粗大ごみを家の外に運び出すことが困難な高齢者世帯に対し、運び出しサービスを行っています。ただし、都営住宅の建て替えやリフォームに伴う引っ越しの場合は東京都都市整備局が引っ越し業者を入れていますので、引っ越しの際に業者さんが外へ出すようにお願いしております。入居者の方への事前説明会には清掃事務所職員も出向いて説明しておりますが、今後も丁寧に説明して入居者の方の不安解消に努めてまいります。 次に、介護者支援の仕組みづくりについてお答えいたします。 昨年実施した高齢者実態調査の中では、介護するときに困っていることをお聞きしたところ、精神的につらい、自分自身の健康に不安があるという回答が上位を占めています。いわゆるシングル介護、老老介護に限らず支援を必要とする方々の生活を支えるためには区や地域包括支援センター、民生委員、介護事業者などさまざまな方々との連携が不可欠です。高齢者保健福祉計画では、在宅で介護している家族への精神的な負担を軽減するため、在宅サービスの充実を掲げていきます。現在、家族介護者リフレッシュ事業や家族介護者教室、介護者懇談会などを行っており、今年度からは介護サービスを補う高齢者生活援助サービスも始めました。今後とも、ご紹介いただいた秦野市など先進自治体の事例を参考にしながら、どのような支援の仕組みを整えられるか検討させていただきます。 次に、保育園待機児童の解消策についてお答えをいたします。 今年度四月当初の待機児童数は八十八名と、前年度の四十九名を大きく上回り、保育計画の策定が必要となりました。 区はこうした事態を深刻に受けとめ、緊急の対応として公立保育園の分園二園の開設や認証保育所二カ所の追加誘致など、緊急整備に必要な補正予算を今議会に提案させていただきました。今後、議会ともご相談させていただきながら、保育計画の策定を進めるとともに、他区の事例についても研究を行い、新たな追加策を検討するなど待機児解消に向けて積極的に対応を行ってまいります。 次に、子どもに対するインフルエンザ予防接種費用の助成につきましては、国や東京都の動向を踏まえながら、予防接種の効果と副作用を勘案し、有効性を確認しながら検討してまいります。 以上、お答え申し上げました。 本日いただきましたご意見、ご提言を踏まえて、区政推進に当たり、なお一層の努力を重ねてまいりますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。ありがとうございました。
◎教育長(伊与部輝雄君) (説明員) 私からは、最初に、
新型インフルエンザ対策での北区教育委員会の対応についてお答えいたします。 本年四月二十八日午前中、国の
新型インフルエンザ等感染症の宣言がされたとの報道に基づき、東京都教育委員会からの要請前ではありましたが、即学校等に対し、手洗い、うがいの徹底等予防対策をとるよう指示を行うとともに、北区
新型インフルエンザ対策行動計画についても再度周知を行いました。 また、連休中の学校等への緊急対応として、教育委員会内に関係課長で構成する緊急本部を設置し、学校間、保護者、教育委員会内部の連絡体制について再点検確認し、学校休校の場合に備え、家庭における学習の事前準備の指示、海外渡航者の把握及び経過観察の要請等を行ってまいりました。 さらに教育委員会として、五月出発の中学校修学旅行の延期を決定させていただきました。あわせて、これまで感染症予防上必要がある場合の学校休校措置については、教育委員会の議決案件となっておりましたが、緊急時には教育長の専決事項とする規則の改正も行ったところです。 今後も
新型インフルエンザ対策等については国、東京都、関係部署との連携を図るとともに迅速、適切な対応を行ってまいります。 次に、職員の意識改革と綱紀粛正についてお答えいたします。 このたび、教職員の不祥事が相次ぎましたことにつきましては、教育委員会といたしましても保護者の皆様、区民の皆様並びに議会の皆様に改めて深くおわびを申し上げます。 不祥事に対しましては今後とも厳正に対処してまいる所存ですが、不祥事を防ぐためにはふだんから身近な上司が職員に公務員倫理の重要性を啓発するとともに、服務規律の乱れや変化を早期に発見し、未然に正していくことが何より重要です。 したがいまして、今後につきましては学校の管理職に対し、管理者の役割について改めて周知徹底を図るとともに、研修の充実を図り、すべての教職員に公務員倫理の重要性を十分に認識させ、再び不祥事が起こらないよう綱紀粛正に全力を挙げてまいります。 次に、教育スポーツ先進区の実現についてお答えいたします。 まず、新学習指導要領の移行期間における課題と対応についてお答えいたします。 今回の学習指導要領では「生きる力」という理念が継承されました。確かな学力、豊かな人間性、健康・体力を身につけたバランスのとれた人間の育成という基本理念とその必要性を学校関係者だけではなく、保護者や地域社会へ浸透させていくことが課題の一つと考えます。また、新学習指導要領のねらいに迫る学習を進めるために、備品や教材等の整備を進めていくことも重要な課題であると認識しております。今後、備品や教材の整備に際しては学校からの要望を大切にしつつ、きめ細かな対応をしてまいります。 次に、言語活動の充実のための辞書引き学習の推進についてお答えいたします。 今回の学習指導要領改訂の重点の一つに言語活動の充実が挙げられています。思考力や表現力を育成するために、子どもの発達段階に応じた言語活動の工夫、例えばレポートや意見文を作成、発表、討論などが重要となります。また、それらの言語活動はあらゆる教科や領域において求められます。議員ご指摘の辞書引き学習は国語科に限らず、他の教科の調べ学習や日常生活の中で辞書を活用する学習であり、言語活動を支える有効な手段であると考えます。既に多くの学校で実践しておりますが、今後さらに推進するよう学校へ働きかけてまいります。 次に、法教育や知的財産教育の実施についてお答えいたします。 新学習指導要領の社会科では、法の意義の理解や裁判員制度について扱うことが新たに明記されました。子どもの発達段階に応じて、小学校の段階から計画的、系統的に法教育を進めることが今以上に求められるようになりました。議員ご指摘の専門家による出前授業や、知的財産に関する教育は道徳教育と関連させつつ、法教育の一環として社会科だけでなく音楽、図工、美術、技術家庭などさまざまな教科や領域で計画的、系統的に進めることが重要と考えます。今後の移行期間の中で法教育の推進を教育委員会から指導してまいります。 次に、生涯スポーツの推進についてお答えいたします。 初めに、これからの体育行政についてですが、子どもたちの体力向上、区民の健康づくり等を目指し、総合型地域スポーツクラブの育成支援と、そのための人材育成に引き続き努めるとともに、スポーツ施設の計画的整備、既存施設の有効活用を進め、競技スポーツ、生涯スポーツの場の充実に努め、豊かなスポーツライフの実現を図ってまいります。 また、北区体育協会と連携し、オリンピック、国体などを目指す選手育成のためのジュニア育成事業にも取り組んでまいります。 以上、お答え申し上げました。
◆二十七番(稲垣浩君) ご答弁大変にありがとうございました。 今回の私の質問では、区政運営と今後の教育行政についてお尋ねをいたしましたけれども、大きく八点でございますけれども、私のこの質問の基本的な考え方は三つでございます。 一つ目は積極的な雇用政策への転換、二つ目はセーフティネットを含めた生活支援の充実、そして三点目は仕事と家庭が両立できる環境づくりということであります。 つい先ごろまでは、改革なくして成長なしという言葉もありましたけれども、私はこれからのキーワードは子どもなくして成長なし、また、若者なくして将来なしだと思います。安定して仕事ができる社会、そして安全に子どもが産み育てられる社会、そして安心な老後と、この三つの安定・安全・安心を今後花川区政においてぜひとも実現していただきたいということをまず強く要望させていただきたいと思います。 環境や福祉など産業構造の転換による新しい雇用の創出はもうしばらく時間がかりそうでありますので、今回上程されました補正予算での百九十三名予定の緊急雇用事業については前回のようなことがないように全庁的な取り組みをきめ細かく推進していただくことを重ねてお願いをしたいと思います。 先ほどお話をしました私の三つの考え、これをずっとそのまま実行しますと、当然コストもかかって財源も必要になります。したがいまして、ご答弁もいただきましたから、新経営改革プランでの選択と集中を具体化していただきながら、今後しばらく厳しい財政運営が予想されます。また、少子高齢化が進む中で、財源確保と事業実施の優先順位が十分に留意をしていただいて、花川区長が所信表明で決意を述べられていらっしゃったとおり区民の皆さんが安心して、そして将来、夢と希望が持てる北区をその実現するための基本計画策定については、ぜひ英知を結集してお取り組みいただきたいと思いますし、議会でもしっかり勉強して審議をさせていただきたいと思います。 以上で終わります。ありがとうございました。
○議長(平田雅夫君) 二十四番 山崎たい子さん。 (二十四番 山崎たい子君登壇)
◆二十四番(山崎たい子君) 私は、日本共産党北区議員団を代表して、花川区長に大きく六点、一、核兵器廃絶について、二、雇用の拡大、改善について、三、生活困窮者への支援、区民負担の軽減策、四、医療、介護、保育の充実について、五、
新型インフルエンザ対策、六、石神井川の浄化と親水性の整備について質問します。 初めに、核兵器廃絶に向けた北区の取り組みについて質問します。 先月二十五日、北朝鮮政府は核実験を強行しました。これは国連安保理決議や北朝鮮が合意した六カ国協議共同声明にも違反する暴挙であり、日本及び北東アジアの平和と安全を損ない、核兵器廃絶を切望する国際世論に対する重大な挑戦です。 日本共産党は厳しく抗議を表明し、北朝鮮政府に対し、これ以上の核実験を厳に慎むこと、一切の核兵器及び現在の核計画を放棄すると合意した六カ国協議に復帰することを強く求めるものです。 こうした動きの一方で、アメリカのオバマ大統領は四月のプラハ演説の中で「核兵器を使用したことのある唯一の核兵器保有国として、アメリカは行動する道義的責任がある」と、核兵器のない世界を目指し、その協力を世界の諸国民に呼びかけました。 日本共産党は、こうしたアメリカ大統領の公式発言を心から歓迎し、オバマ大統領に対し、核兵器廃絶を主題とした国際交渉の開始と来年のNPT、核不拡散条約再検討会議で、核保有国が自国の核兵器廃絶を明確に約束する提起をするよう志位和夫委員長から書簡を送りました。これに対し、アメリカ政府から「核兵器廃絶に向けての情熱をうれしく思うとともに、この目標に向かって具体的な前進をつくり出すために、日本政府との協力を望んでいる」とのお礼の返書が届いたところです。 また、オバマ大統領の呼びかけに賛同し、世界のノーベル平和賞受賞者十七名が、全人類の利益のため、すべての国の指導者が固い決意で核兵器廃絶の目標を追求することを訴える「ヒロシマ・ナガサキ宣言」を発表しました。 こうした核兵器廃絶への国際政治の大きな機運をとらえ、北区として積極的に行動するときと考えます。そこで区長に以下四点お尋ねします。 一、日本政府に対し、今こそ唯一の被爆国として核兵器廃絶のイニシアチブをとるよう求めていただくこと。二、区民へ、ノーベル平和賞受賞者らの「ヒロシマ・ナガサキ宣言」を紹介し、核兵器廃絶の世論を喚起すること。三、広島、長崎の平和記念式典に区民や子どもたちを派遣し、核兵器廃絶や被爆者の運動をバックアップすること。四、北区平和都市宣言に核兵器廃絶を明記すること。以上四点、核兵器廃絶に向けた区長の熱意ある答弁を求めます。 大きく二つ目の質問は、北区経営改革プランを改め、雇用の拡大、改善に具体的に取り組むことについてです。 先月末、政府が発表した経済統計によると、四月の完全失業率は五%、有効求人倍率は〇・四六倍と過去最低、このうち正社員は〇・二七と前年四月の半分に落ち込み、昨年十月から今年六月までに失職する非正規労働者は約二十一万六千人と雇用情勢は一段と悪化していることが明らかとなりました。このことはさらに家計へ波及し、個人消費の低迷は過去最長を更新しています。 こうした国民、区民の窮状を改善するためには、大企業への優先的支援や一時的、時限的な生活対策、あげくの消費税増税ではなく、医療や介護など社会保障の再建や雇用の安定化を図り、区民の懐を直接温めることです。 この間北区が進めてきた北区経営改革プランは、指定管理者制度などによる人件費の抑制や、正規から非正規雇用への置きかえ、受益者負担に基づく区民負担増など、雇用や暮らしを悪化させるものであり、こうしたやり方は改めるべきです。 日本共産党北区議員団は、新年度予算要望に続き、去る五月二十五日、区長に対し、雇用の拡大、改善の具体化を求める申し入れを行いました。北区では昨年度の補正予算で短期の臨時雇用者十名を採用しましたが、四月以降は未実施のままです。今議会の補正予算で北区の雇用対策がようやく示されましたが、一日も早い雇用拡大の具体策を求め、以下五点質問いたします。 一、北区経営改革プランを見直し、人件費抑制施策を改めること。二、特養ホーム、保育園、障害者施設、学校、消費者センターなど、区立施設の官製ワーキングプアをなくし、人的体制拡充と処遇の改善を行うこと。三、国や都の交付金なども活用し、正規、長期雇用を軸に、区の直接雇用、委託先の雇用拡大について、一日も早く具体化を図ること。四、福祉人材の育成支援とあわせた雇用確保について、居宅の介護事業者にも拡充することや、高齢者生活援助サービス事業についても雇用確保としての位置づけを行うこと。五、雇用と生活の総合相談窓口の開設を行うこと。 以上五点、雇用の確保、改善について、区長の本腰を入れた答弁を求めます。 大きく三つ目の質問は、生活困窮者への支援、住民負担の軽減についてです。 二月にいわゆる派遣切りにあった四十代の区民から相談を受けました。早速、昨年度の臨時雇用の相談に伺いましたが、三月いっぱいで終了と受けられず、都の生活安定化事業なども条件を満たさず、受けられませんでした。ハローワークなどで何社にもエントリーしましたが、仕事が決まらず、結局、生活保護を申請、受理され、生活のめどが立ちました。 私は改めて、セーフティネットのとりでである生活保護の重要性を痛感しました。稼働年齢であっても、現下の厳しい雇用環境の中で、努力しても就労できずにいる方には、就労で生活ができるまでの間、今後も適切に保護を適用されるよう強く要請します。こうした背景のもと、北区における生活保護受給者も昨年よりさらにふえています。ケースワーカーの受け持ち件数も平均で八十二世帯と大変多い状況です。また、生活保護費支給日の混雑した状況、保護費を受け取るまでに何時間も待たされるなど、改善されなければならないと考えます。 そこでお尋ねいたします。 一、ケースワーカーの増員や赤羽地域での臨時窓口設置など、相談体制を拡充すること。 二、失業給付が出るまでの生活資金、応急小口資金などの拡充を図るよう求めます。 三、離職後の国保料軽減策について、すぐに就職が決まらない場合、国民健康保険に加入することになりますが、前年所得に基づく保険料算定のため、収入がないにもかかわらず、社会保険料よりも高い国保料を払わなければなりません。失業時の保険料減免を実施するよう求めます。お答えください。 四、次に、民間低額宿泊所について伺います。 先月中旬の一般新聞の報道では、生活困窮者を支援する民間低額宿泊所を千葉市で運営するNPO法人が、本人の同意を得ずに、入所者名義の銀行口座を開き、生活保護費を管理していたとありました。この施設では約五十人が入居。薄い壁で仕切られた二畳半ほどの部屋で、トイレ、台所は共用。毎月、施設使用料四万五千円、食費、運営費四万五千円など約九万円が天引きされ、残りの約三万円が本人へ渡されていました。こうした民間低額宿泊所は、厚生労働省によると全国に四百十五施設あり、入所者は約一万三千人、北区でも同様の施設があると仄聞しています。 そこでお尋ねします。北区としての現状把握と認識についてお答えください。 以上、生活困窮者の支援、負担軽減について四点、区長の温かい答弁を求めます。 大きく四つ目の質問は、医療、介護、保育の充実についてです。 この十年間、何がぜいたくといえばまず福祉、という石原都政のもとで最も厳しく削減されたのが高齢者福祉でした。かつて喜ばれた六十五歳以上の医療費助成や、老人福祉手当は廃止され、シルバーパスも有料化、特養ホームの運営費助成や用地取得費も廃止され、その結果、都の決算総額に占める高齢者福祉の割合は、全国二位から四十七位と最低まで落ち込んでしまいました。北区も東京都に倣い、これらの事業を廃止してきたことを厳しく指摘するものです。 医療費の点では、六十五歳を過ぎても三割負担、外来でも複数の診療科にかかるとすぐに月数万円の負担となります。七十歳を過ぎても国の税制改定で所得ありにされた方は、入院で保険だけでも十万円近くかかります。医療費の負担を軽くしてほしいとの声は切実です。イギリス、フランスなどでは医療費の窓口負担はありません。 そこで、一、六十五歳以上の医療費の負担軽減について都に求めていただくよう求めるものです。 次に、特別養護老人ホームについて伺います。 東京二十三区の整備率は全国平均をかなり下回り、待機者は東京で四万人、北区でも八百人を超える方が待っておられます。その上、介護保険制度導入以来、国が推進している個室ユニット型の特養ホームの自己負担は一割の利用料に加え、食費や居住費、その他の日常生活費用を含めると、区内の新設特養ホームでも月十五万以上の利用料がかかり、国民年金や生活保護受給者は利用料の負担に耐えられず、入所を辞退するなどの格差が生まれています。 こうした中で、今年三月、群馬県の無届けの高齢者施設で火災が起こり、十名のお年寄りが亡くなりました。うち六名は都内に住所のある生活保護受給者でした。四月末の都の調査では、都内で生活保護を受給し、こうした有料老人ホームに入所している高齢者は七百八十一人、北区でも十三人となっています。生活に困窮する高齢者が入れる公的施設の不足で、劣悪な施設に頼らざるを得ないのはまさに政治の責任ではないでしょうか。 そこで二点質問します。 一、低所得者の要介護高齢者のための施設整備に向け、財政支援を都に求めること。二、北区として既存施設の活用や新設特養ホームなどに、利用料の心配なく入所できる多床室の増床を図るよう求めます。お答えください。 次に、四月からの介護保険運営について伺います。 初めに、国の新しい介護認定基準の問題です。四月から現在まで、全国では認定が下がり、十分な介護サービスが受けられないという事態が相次いで報告されています。国会で、我が党の小池晃参議院議員が明らかにした厚生労働省の内部文書では、認定を抑制することで給付費を二百八十億円も削減する試算が行われていました。とんでもないことです。 そこで三点お尋ねします。 一、四月からの新認定基準のもと、北区の実情をお聞かせください。二、認定に立ち会ったヘルパーさんからは、重い認知症の方なのにそのことが調査に反映されず、結局、要支援だったとの声も伺っています。生活実態を反映した調査を行っていただくよう求めます。三、国に対し、新基準の撤回を求めていただくこと。 以上三点、介護認定にかかわって答弁を求めます。 次に、利用料負担の軽減策について伺います。 四月からの介護報酬の引き上げによって、北区では利用料負担がふえています。世田谷区や目黒区ではホームヘルパーなどの居宅サービスの利用料を一〇%から五%へと負担軽減策を実施、また、新宿区などではデイサービスなどの食費を二百円補助するなどの軽減策を行っています。北区は残念ながら利用料軽減策が実施されていません。北区でも利用料の負担軽減に踏み切るときではないでしょうか。区長の決断を求めます。 次に、配食型の食事サービスについて伺います。 北区ではこの間、配食型の食事サービスは廃止し、会食型の充実を図ってきました。しかし、自分では調理が困難な高齢者の毎日の食事を保障するには、介護保険のデイサービスやヘルパー支援、会食サービスだけでは不十分です。港区、中央区などでは週七日の配食サービスが行われています。北区としてもやり方を工夫しながら、毎日型の食事サービスを検討するよう求めます。 続いて、保育園の待機児解消について伺います。 不況の中、共働き家庭がふえ、都内でも保育園の入所希望が増加し、待機児は一万五千人にのぼっています。北区での平成二十一年四月一日現在の待機児数は八十八名と、過去三年間の比較で見ても、約一・九倍になっており、特に一歳児、二歳児が大幅に増加しています。そこで、公的施設活用での認可保育園の緊急整備や分園の設置など、待機児解消を求めるものです。ご答弁ください。 大きく五点目の質問は、
新型インフルエンザ対策についてです。 世界的な感染拡大、国内での感染者の発生の中、北区でも北区危機管理対策本部を立ち上げ、国、東京都と連携し、
新型インフルエンザの感染予防、拡大防止対策に尽力されていることに敬意を表します。北区での相談体制の中心である北区保健所の発熱相談センターでは、平日、土日、祝日も相談体制を組み、現在までの相談実績は千八百三十五件となっています。今後も区民への適切な情報提供や相談に応じ、地域での感染の広がりや重症化、さらに冬場に向けての心配など、現状での適切な緊急対策と感染症対策強化の抜本対策を同時に進める立場から、以下質問します。 一、北区発熱相談センター及び健康福祉部での保健師体制など、人的体制を強化すること。二、発熱外来が設置された医療機関への支援を行うこと。三、指定医療機関以外へのキット、マスク、資材などの確保と支給、ハイリスク患者へのタミフルなどの優先供給ができるネットワークの整備を進めること。四、今後も重要となる感染症対策の体制強化について検証、検討を行うこと。五、国保の資格証明書発行の区民に対する配慮ある手だてを行うこと。 以上、
新型インフルエンザ対策について、五点ご答弁ください。 大きく六点目の質問は、石神井川の浄化、親水性の整備についてです。 日本共産党は、JR王子駅南口トイレ汚水が石神井川に垂れ流しされていた問題を真っ先に北区議会で明らかにし、その原因の究明や住民、議会、北区などへの説明及び再発防止策の実施をJRと都に求めてきました。 さらに、我が党の行った調査で、平成十二年から十三年にかけて、首都高王子線にかかわる雨水管の切りかえ工事が行われた際、南口汚水の排水管がJRによって雨水管の撤去部分から、切りかえ地点より上流側につけかえられていたことも確認され、JRもこの事実を認めました。北区主催の四月二十二日の住民説明会でJRは、接続してはいけない管だとは知らなかった。都への申請は首都高が行うこととなっていたと言い逃れしましたが、都は首都高からの申請、報告は受けていない。工事は無許可で行われたものであるとしています。 少なくとも七、八年前からJRが汚水の垂れ流しについて本格的な対策をとらず、再度違法な状態を継続させた責任は重大です。加えて、東京都は二年前に汚水垂れ流しを把握していたが、必要な対策を怠ってきました。そして今回も我が党の調査、公表がなければ公にはうやむやにされていたのではないかとの疑念はぬぐえません。十分な管理責任を果たしてこなかった都の責任も問われています。 そこでお尋ねいたします。 一、東京都、JR、首都高に対し、責任の所在、原因の明確化と河川汚染の原因者負担、住民への補償及び一方的に利用時間を短縮した南口改札時間の延長を要請するよう求めます。 二、次に、このたびの事態で改めて明らかになった合流式下水道の問題です。これは汚水と雨水を同一の管で収容する方法のため、大雨が降った際、汚水管からオーバーフローした汚水混じりの雨水が川へ直接流れる方式です。王子駅から下流の石神井川には、この雨水はけ口が四つもありました。都はこのはけ口を減らすための対策を行うとしていますが、根本的には三多摩と同様、下水道の分流式の整備を展望すべきと考えます。そこで、まずは不特定多数の人が使う施設などから分流式の整備を進めるよう都に求めることです。お答えください。 三、次に、石神井川の浄化や親水性の整備について伺います。川の歴史を振り返ると、昔は泳いだり、魚をとったり、自然の中で人々の暮らしと川が溶け込んでいた時代から、工場用水などの廃液で死の川となったり、洪水を防ぐためにコンクリート護岸やカミソリ堤防などを整備したりと、川は汚いもの、危ないものとして近づかないように人々の暮らしから分断されていた時代もありました。 しかし、自然や環境を守る運動や法律の改正を重ね、川は治水、利水とともに、親水性を加え、潤いある自然空間として環境を整備していく方向に進んできています。北区でも二十七年前、会派の中川大一区議が、川に恵まれている北区が真にふるさとと呼べるにふさわしい自然環境を取り戻していくために、水質改善のための下水、雨水の浄化や魚の放流、定期的な水質調査や生物実態調査、さらに緩傾斜堤防や河川管理道路の遊歩道整備、そこに桜並木を初め緑化や潤いある空間をつくることなどを提案しました。当時の小林区長も、すばらしい提案で、全面的に賛同すると答弁し、その実現に努力し、区内の河川整備が進められてきました。今では、新河岸河にはコイ、フナ、テナガエビが生息し、鳥たちも訪れ、石神井川の王子駅上流も含めて、川や緑を楽しみながらウオーキングできるなど区民に親しまれています。 しかし、今回、王子駅南口の汚水排水で問題となった石神井川下流は、高速道路の建設にあわせ、コンクリートで固められた人工の川、護岸もカミソリ堤防のままで、臭気もただよい、緑の空間もほとんどなく、親水性とはほど遠い状況で取り残されたままです。先ほどの住民説明会でも、区民から一日も早く川をきれいにしてほしい、昔は泳げる川だったとの声もあがりました。汚水排水問題で、東京都は先日十二日、下水道局の副参事や局長ら管理職に対する処分を発表しましたが、川の浄化に対する区民の長年の思いにこたえるために、東京都も北区と一緒になって真剣に取り組むことが求められています。 そこで二点お尋ねします。 一、水質調査について、石神井川では三カ所で実施されていますが、いずれの地点でも、その代表的指標のBOD、生物化学的酸素要求量や、DO、溶存酸素量などの値は、コイやフナなどの魚が住めると言われる環境基準をなかなかクリアできていません。加えて、特に悪臭や汚濁が強い、王子駅から溝田橋までの水質調査は実施されていませんので、今後はこの区間での水質調査や分析も定期的に実施するよう求めます。そして、魚が住める川を目指し、BODなどの数値の改善目標を定めた基本計画を策定し、川の構造の見直しも含め、石神井川全体との関連も見据えた対策を実施するよう求めるものです。 二つ目に、現在、改定中の北区都市計画マスタープランに、この区間の親水性の向上について、緑化空間の確保、遊歩道の整備など、自然環境を取り入れた長期的な周辺整備構想を住民参加で策定することを求めます。 以上、東京都や関連区との協力により、石神井川の浄化と親水性の整備について、区内の河川が整備されてきた経験を発展させ、必ず潤いのある空間として再生させる区長の力強い答弁を期待し、質問を終わります。 ご清聴ありがとうございました。(拍手) (区長 花川與惣太君登壇)
◎区長(花川與惣太君) ただいま、日本共産党北区議員団を代表しての、山崎たい子議員から核兵器廃絶の問題、生活困窮、医療や介護、さらに
新型インフルエンザや石神井川の問題など幅広くお尋ねをいただきました。 それでは順次お答えをさせていただきます。 まず、核兵器廃絶に向けた取り組みについてのご質問にお答えをいたします。 先月、朝鮮民主主義人民共和国、北朝鮮による核実験は、世界の良心を踏みにじる蛮行にほかなりません。世界の恒久平和を願い、平和都市宣言をしている北区として断じてこれを容認することはできず、直ちに抗議と遺憾の意を表明したところであります。 一方、政府は、唯一の被爆国として従来から核実験の即時停止と核兵器の廃絶を全世界に訴えてきています。このたびもいち早く国連安全保障理事会の緊急会合を要請し、日本のイニシアチブで開催を実現させたと認識しています。 また、ご承知のとおり北区では長年にわたって平和祈念週間を設け、平和の尊さや戦争の悲惨さを考えさせる多くのイベントや展示を行ってきています。パネルや写真の展示は広島、長崎関連の資料等を含め、毎年内容の充実を図っているところですが、ご紹介いただきましたノーベル平和賞受賞者十七人による「ヒロシマ・ナガサキ宣言」の紹介を含め、今後も一層の工夫をしてまいります。 次に、広島、長崎の平和記念式典への参加についてのご質問ですが、北区には戦跡も多いことから、これらを十分活用し、身近なところでより多くの子どもたちが戦争や平和について考えられる機会をふやしていきたいと考えています。今年は、子どものための平和バスツアーを計画しているほか、多くの子どもたちに広島、長崎の経験をより身近に感じてもらうために、広島から借用したビデオの放映を予定しています。 次に、北区の平和都市宣言についてです。 平和都市宣言は、我が国が非核三原則を堅持することを求めるとともに、世界の恒久平和と永遠の繁栄を願ったものです。核兵器廃絶の願いも平和都市宣言の中に込められているものと理解しています。 次に、北区経営改革プランについてお答えします。 北区経営改革プランは、低成長経済下にあって、急速に進む少子高齢化に伴う需要が増大する中、基本構想及び基本計画を着実に実現するため、必要な資源の調達とともに、今後の社会構造の変化に対応できる持続可能な行財政システムへの改革を目指して策定したものです。 このプランは、区議会や区民の皆様の協力を得つつ、職員が一丸となって区民との協働の推進に、民間ノウハウの活用、そして資源の重点配分などを推進していくものです。また、指定管理者制度の導入については、公の施設の設置目的を効果的に達成する最も優れた事業主体という観点から検討を行い、区民サービスの向上を図るとともに経費の節減を図るものです。導入に際しては、働く方々の労働条件が不安定となることがないように適切な指定管理料の算定に努め、また、労働基準法等関係法令遵守についても徹底をしてまいります。今後とも基本構想の将来像、ふるさと北区の実現を目指して、基本計画の着実な推進に向けて区民の皆様との協働により、必要な経営改革に取り組んでまいりたいと考えています。 次に、区立施設の人的体制拡充と非正規職員の処遇改善についてのご質問にお答えをいたします。 区立施設への指定管理者制度の導入に際しては適切な指定管理料の算定に努め、労働基準法等の法令遵守についても改めて徹底してまいりたいと考えております。また、非正規職員の処遇改善につきましては、二十一年度の当初予算におきまして特別支援教育指導員、介護保険訪問調査員、ファミリーサポートアドバイザーなど七職種について報酬の単価アップを図るなど、必要に応じて改善を行っております。今後とも国や他自治体の動向、社会状況などを見ながら適切に対応してまいります。 次に、国及び東京都の制度を活用した雇用対策についてですが、今議会の補正予算でご提案いたしました緊急雇用創出事業は基本的には厳しい雇用情勢への臨時応急的な措置として、一時的なつなぎ就業の機会を提供することを目的としています。また、ふるさと雇用再生特別事業は、継続一年以上の安定的継続的な雇用を目的としています。区といたしましては、それぞれの事業の趣旨を踏まえ、着実に進めてまいります。 次に、現在、区が実施している福祉人材の育成支援策を居宅介護事業所に拡充することにつきましては、国や東京都の支援策を注視しながら、今後検討していきたいと考えております。 また、今年度から開始した高齢者生活援助サービス事業は、地域のボランティアが担い手となるもので、社会福祉協議会の友愛ホームサービスを活用した一回一時間を単位とする簡易な家事援助サービスです。今後、サービス内容の拡充を検討する中で、雇用対策の視点にも留意してまいります。 次に、雇用と生活に関する相談への対応についてですが、ご提案のありました総合的な相談会につきましては七月に実施する予定です。事業内容につきましては所管委員会にご報告をさせていただきます。 次に、生活困窮者への支援、住民負担の軽減についてのご質問に順次お答えをさせていただきます。 初めに、相談体制の拡充についてですが、急激な景気悪化に伴い、本年一月以降、生活保護の相談件数も大幅にふえておりますので、四月からはケースワーカー等を増員し、相談支援体制を拡充しております。 次に、失業給付が出るまでの生活資金、応急小口資金等の改善、拡充をとのご質問ですが、国が平成二十一年度第一次補正予算において、失業給付が出るまでのつなぎ資金の貸し付けや生活福祉資金貸付事業の見直しなど、住居を失った離職者を支援する新たなセーフティネットの構築案が示されております。今後、示された制度内容等を研究し、必要な対応を行ってまいります。 次に、離職などの理由で収入が激減したことにより、国民健康保険料の軽減につきましては、保険料の減免に関する要綱に基づき、収入実態などを把握の上に減免の措置を行ってまいります。区といたしましては、今後とも被保険者が必要な医療の給付を適切に受けることができるように努めてまいります。 次に、民間低額宿泊所についてのご質問ですが、民間低額宿泊所は生計困難者のために無料、または低額な料金で簡易住宅を貸し付け、または宿泊所その他の施設を利用させる事業であり、社会福祉法に定める第二種社会福祉事業として設置、運営されているものです。現在、北区内には四カ所の民間低額宿泊所があり、生活保護受給者など約百七十人が入居しております。民間低額宿泊所の経営状況につきましては、都道府県が調査権限等を有しておりますので、事業者が社会福祉法の趣旨を踏まえた適切な事業運営を行うよう、東京都と連携を図って対応をしてまいります。 続いて、医療、介護、保育の充実のうち、六十五歳以上の医療費負担につきましては、現在、厚生労働省が高齢者の負担割合の引き下げなどを検討していると伺っておりますので、こうした動向を十分に注視してまいります。 次に、低所得の要介護高齢者のための施設整備に向けた財政支援要望につきましては、群馬県の静養ホームたまゆらの火災事故を受け、五月に特別区長会が東京都知事に行った緊急要望の中で、財政的支援策を講ずるよう東京都に要望しております。また、多床室の増床につきましては、今回、既存施設の活用により増床いたしましたが、今後も国や東京都に多床室の整備も補助対象となるよう要望していきます。 次に、四月からの新しい認定基準についてです。 要介護認定の適正化と効率化を図るため、調査項目や調査方法の変更など認定制度の全般的な見直しが行われました。一方、申請者の希望に応じて、従前のままの要介護度を適用する経過措置が同時に開始されました。こうした動向に際して、利用者が不安を感じることがないように、利用者に対する丁寧な説明や認定調査員に対する研修などを行い、認定の結果についても一件ごとに担当職員が慎重なチェックを行うなど、きめ細かな対応を図ってまいりました。また、国においては要介護認定の見直しにかかる検証・検討会において、現場の状況を踏まえた検証が行われます。今後、こうした検証結果についても十分に注視してまいります。 なお、新しい基準による認定状況の詳細につきましては、所管委員会に報告させていただきます。 次に、利用料負担の軽減策についてお答えいたします。 北区では、国のいわゆる社会福祉法人と利用者負担軽減制度及びこれを拡大した東京都の制度を活用して、生計困難者に対する軽減策を実施してきております。区独自の新たな利用料軽減策につきましては、他区の事例も参考に区議会や区民の皆様のご意見をいただきながら検討を進めてまいります。 次に、配食型食事サービスについてお答えをいたします。 現在は、民間の配食サービスも充実し、高齢者ふれあい会食会や地域支え合い団体による会食会も活発に行われております。今年度から介護保険サービスを補うために、社会福祉協議会の友愛ホームサービスを活用した高齢者生活援助サービスを始めましたので、家事援助の観点からもご利用いただけるものと思っております。 次に、保育園の待機児解消についてです。 区では大きく増加した待機児の解消を図るため、緊急の対応として、旧小学校跡地を活用した公立保育園の分園の追加整備や認証保育所の追加誘致など、乳幼児の待機児解消に重点を置いた補正予算案を今議会に提案させていただきました。今後も新たな追加策について積極的に検討してまいります。 次に、
新型インフルエンザ対策についてのご質問にお答えいたします。 まず、北区保健所発熱相談センター及び健康福祉部の保健師体制など人的体制を強化することについてであります。区では四月二十六日から保健所で
新型インフルエンザの電話相談を開始し、土日祝日も含めて実施しております。 なお、区で受け付けている以外の時間帯については東京都発熱相談センターにおいて都と特別区の職員が共同して対応する体制をとっております。ご相談には主に保健所職員が当たっておりますが、保健師については健康福祉部の各課が協力し、休日や夜間も含め、相談体制を強化して取り組んでおります。 次に、発熱外来が設置された医療機関への支援についてお答えをいたします。 区内の
新型インフルエンザ診療協力病院に併設されている国内発生早期の発熱外来に対して、区からは陰圧テント及び関係資材一式を提供しており、発熱外来に活用されております。また、東京都からは防護服、マスク、ゴーグルなどの資材や抗ウイルス薬のタミフル及びリレンザが提供されております。 次に、指定医療機関以外への資材等の支給と、ハイリスク患者への薬剤の優先供給ができる体制の整備についてお答えをいたします。
新型インフルエンザの感染が拡大した場合、指定医療機関だけでなく、多くの医療機関での診療が必要になります。そのため、保健所では東京都と連携し、北区医師会の協力を得て、流行期の発熱外来を担う医療機関の登録を進めております。登録した医療機関に対し、区からは医師会を通じ、サージカルマスクの提供を行いました。今後、必要に応じて、区で備蓄している防護服等の資機材を提供する予定です。タミフル等の薬剤の供給については、東京都では流通を通じて登録医療機関に対し、優先的に行うとしております。また、重症化しやすい基礎疾患を持つハイリスク患者の医療が円滑に行われるよう区では医師会と連携を強めてまいります。 次に、今後も重要となる感染症対策の体制強化について検証、検討を行うことについてのお答えですが、現在、区では
新型インフルエンザの感染拡大を抑制し、区民の健康被害を最小限にとどめるために、全庁一丸となって取り組んでいるところであります。これまでの取り組みについても、危機管理対策本部等で検討しながら進めておりますが、流行の区切りがついたところで、今後想定される第二波への対策も含めて検証してまいります。 次に、国民健康保険の資格証明書の取り扱いにつきましては厚生労働省が都道府県を通じまして、一般の被保険証として取り扱うよう、区市町村や医療機関等に通知しているところであります。 次に、石神井川の浄化、親水整備について順次お答えをさせていただきます。 まず、東京都等に対する責任の明確化と河川汚染の原因者負担、南口改札時間の延長についてでありますが、区はJR東日本及び東京都下水道局に対し、汚水排水問題について抗議するとともに、両者が協力して原因を究明し、経緯を含めて報告するように申し入れております。南口改札時間の延長につきましては、引き続きJRに要請しているところであります。また、現在、東京都と北区は連携して石神井川の臭気対策の検討を進めております。詳しくは所管の委員会に報告をさせていただきます。 次に、下水道の分流式の整備についてお答えをいたします。 東京都では既に合流式下水道の改善に向けて幹線整備や貯留施設の整備を推進しているとのことであります。今後も引き続き東京都では合流式下水道の早期改善を求めてまいります。 次に、石神井川の水質改善と親水性の向上についてお答えいたします。 石神井川の水質につきましては、本年度予算において調査費を計上しておりますので、まずは王子駅周辺の下流部などについて調査をしてまいります。この結果を踏まえ、水質改善に向けた適切な対応をしてまいります。また、王子駅付近から隅田川合流点までの散策路の整備や親水性の向上につきましては、現在、改定作業を進めております。北区都市計画マスタープランの中で検討してまいります。 以上、お答え申し上げました。 これからは区政推進に全力を傾けてまいります。何とぞご理解、ご了解を賜りますようによろしくお願いを申し上げます。ありがとうございました。
◆二十四番(山崎たい子君) 再質問と要望をさせていただきたいと思いますが、初めに核兵器廃絶の課題についてです。 区長も質問で紹介させていただいたオバマ大統領の呼びかけにこたえて、ノーベル平和賞受賞者らが行った「ヒロシマ・ナガサキ宣言」、これらを含めて工夫していくというご答弁いただいたんですけれども、この宣言は本当にとてもすばらしい宣言で、この中に、人類がこれまで三度目の核兵器による悪夢を避けることができたのは、単なる歴史の幸運な気まぐれだけではない、第二の広島や長崎を回避するために世界へ呼びかけ続けてきた被爆者たちの強い決意が、第三次を防止することに確かに役立ってきたというご紹介もされています。これは本当に被爆者の方々の、苦しみを背負って頑張って来られた方の人生を勇気づけ、励ますものではないかなと私も感じています。 さらに、平和を希求する被爆者たちを指示してきた何百万という人々がいることや、人類全体が核の使用を自制してきたという現実は、人間にはより健全で崇高な資質、つまり暴力を排し生命を守ろうとする本能が備わっていることを示唆しているというふうにも書かれていて、本当に胸の熱くなる内容だと思います。 こうしたオバマ大統領の世界に向けての、アメリカ大統領としては初めての核兵器廃絶に向けての大統領としての宣言、これまた受けてのノーベル平和賞受賞者らの「ヒロシマ・ナガサキ宣言」という形で、今、国際政治の上では非常にこの核兵器廃絶に向けて大きな盛り上がりを見せているという中ですが、これ来年の春に行われる国連で開催されるNLP再検討会議の中で、この目標が具体的にどう動いていくかという点では、核兵器を持っている国が核廃絶を達成するために明確に約束をさせていくという、そういうことが具体的には大事になってくると思うんです。 このためにはやはり国際的な世論が高揚していくことがとても大事になると思いますけれども、この点で唯一の被爆国である日本が国内世論にしても、また日本としてどんな運動の盛り上がりをつくっていくかということが、この国際的な課題として非常に重要な意義を持っているというふうに私どもは受けとめております。 区長からご答弁いただいた内容については、私はもっとこういう意義を受けとめて、目に見えて北区としても国際世論に向けて呼応して頑張っていくということでは、北区の平和都市宣言に核兵器廃絶ということを明確に打ち出していく、先ほど区長は非核三原則に込められているというふうにおっしゃっておりますが、やはり込めているだけではなく、前面に出して、国際政治課題に北区としても頑張っていくんだという、そういう表明をしていくときではないかなというふうに思っておりますし、国に対しては余り積極的に言っていこうというご答弁ではなかったかなと思いますので、ぜひ、この点についても国に対しイニシアチブをとるように求めていただきたいということを、これを改めて要望させていただきたいと思います。 再質問なんですけれども、私が今申し上げた、この国際的課題に北区としてどう向き合っていくのかという大変重要な局面という認識について、北区としてどう受けとめているのかという点について再質問させていただきたいと思います。 それから、二つ目は雇用の問題なんですけれども、今、日本だけではなく、世界的に、またヨーロッパなどでも失業が大問題ですが、首都で派遣村ができたというのは本当に日本だけで、余りにも働く人たちを守るルールが貧弱、しかもこの間の構造改革の中で壊されてきたということですので、こういう事態を本当に改善していくことがこれからの日本に必要だと思います。 この間、北区議会では政府に対し、国に対して労働者派遣法の改正や、大企業が雇用を守る社会的責任を果たして直接雇用を進めることや、また、最低賃金の引き上げなどを求める意見書なども議会としてあげてきました。私は北区としてもこうした雇用改善の姿勢に立って取り組んでいただきたいというふうに思います。 ご答弁の中身は、全員協議会でも今回の補正予算の中で雇用の具体的な中身がご紹介されているんですけれども、百九十三名の臨時雇用を図っていくということで提案されているんですが、この中身について私ども一定評価をしておりますけれども、私はさらにその中身を見てみますと、百五十人は六カ月未満の雇用状況ということで、これでは十分な期間とは言えないのではないかというふうに考えています。 国が今、考えている交付金の要件の中に、雇用就業期間は原則六カ月未満というふうにありますけれども、介護、福祉、子育て、医療、教育分野については更新を一回可能にして、実質一年間というふうにして提案もしているということになっているんです。 こういう目から見ると、北区はこの点のメニューが事業内容として非常に少ないということになっているので、私はぜひ改善してほしいと思います。例えば杉並区などでは学校教育とか保育園の待機児解消策に活用したり、高齢者の閉じこもりを防ぐための社会参加を促す、介護保険で対応できない部分のヘルパー支援の活用なんかにも使っている。また、文京区でも、介護の仕事に関心のある区民の有償型インターンシップ事業ということで、こういう形でいろんな工夫しながら提案もされていると伺っています。 私は先日、王子東児童館の運営委員会にも参加をさせていただいたんですけれども、その中で今年度、王子東児童館はリニューアルがあって、その間、これまでの事業をほかの施設に分散して進めていくことになっていくわけなんですが、例えば学童クラブの送迎とか職員がやりくりしなくてはならないということも伺いました。また、王子小学校の中にある学童クラブは現在百七名を受け入れているということで、大型で対応するということを当初から念頭に置いて施設整備もしてきたというふうには思うんですけれども、実際としては水道やトイレの活用など、非常に今、苦慮されていて、それだけでは足りずに職員が学校内のほかのトイレに誘導を進めたりという形で、非常に現場は工夫しながら対応されているというお話も伺いました。ですが、大勢の子どもたちを見ながら、個別に一人ひとりトイレの誘導を図るということも含めると非常に大変だなということも感じ、さらにこれが夏休みとかという形で一日育成ということになってくると、人出のほうも必要ではないかなと、私は非常に感じました。 ですので、こうした現場の要望にぜひ積極的にこたえていただき、区民サービスの充実と雇用の拡大という視点を備えて、さらに北区としての長期的な雇用対策、雇用期間も延長していくメニューということを考えていただきたいというふうに、これは再質問させていただきたいと思います。 それから、三つ目の質問なんですけど、石神井川の環境の改善についてです。 ご案内のとおりこの地域の皆さんは、高速道路王子線の騒音振動被害、また護岸決壊での水害被害、そしてこのたびの汚水問題ということで、本当にご苦労されておられます。ですから、この住民の皆様の痛みにこたえてしっかり北区が取り組んでいくということが求められているわけなんですけれども、汚水の問題については私も質問で紹介されたように東京都はこの問題で管理職の処分を発表されました。JRのほうはいまだ説明会での言いわけということはありましたし、謝罪ということもありましたけれども、その後、JRとしてどう対応していくか、汚水管を正式な改善をするということは余りにも当然のことなんですけれども、それ以外にJRとしてこの不祥事にどう対応していくかという点についてはまだいまだに何の回答もないという状況でありますので、これは本当に直ちに北区としても交渉をし、JRからの回答をきちんととっていただきたいというふうに思います。 住民説明会からも出されましたが、この間懸案だった王子駅南口の改札の延長というのは、住民のほうから積極的な提案もあって、もし大変だったら人は置かなくてもまず開けてくれというところまで、住民としては切実な要求として出されておりますので、この点については早急にJRは、まずは申しわけなかったということでやるべきだというふうに私は思いますので、この点迫力を持って対応していただきたいと思います。これについてももう一度再質問させていただきます。 それから、東京都の処分の内容について、これについてはいわゆるトカゲのしっぽ切りではないかという声も中には聞こえてくるんですが、私は大事なことは、この問題を機にして河川の問題を改善してくために、東京都もその責任の一端を担って北区と一緒に取り組んでいくという、このことがこれから非常に大事だというふうに思っています。 今回の問題に先立って、同僚の中川大一区議と石神井川の上流や下流、また新河岸川と、この間、区が整備を進めてきたところも調査をさせていただいたんですが、先ほど紹介した新河岸川の浄化の問題では、十三年にわたって毎年二万匹のコイを放流してきたという実績もあり、当時住民を悩ませていたユスリカ対策としても非常に効果を得て、今では魚が住めるような川になってきたと。 私はやはり環境を改善していくというのは、熱意と本当にエネルギーをかけて頑張って取り組んでいく、そして本当に皆さんが喜んでいける自然のある川づくりということが実現するんだなということ思ったんですが、石神井川の下流という点では昔から暴れ川ということで、どうしても治水ということが念頭にありますけれども、やはりこの下流についても治水対策優先ということをあきらめるのではなく、魚や植物や動物が生息できるような、そういう粘り強い取り組みを、ぜひ東京都と一緒になって行っていただきたいというふうに思っています。緑化の確保という点では用地の確保なども今後課題となってくると思いますが、この点についても東京都との連携が必要かなというふうに思っておりますので、ぜひ北区としては都とともにこの課題に取り組んでいくということについて、再質問でご決意をお聞かせいただきたいと思います。 以上三点、よろしくお願いします。
◎総務部長(谷川勝基君) (説明員) 平和、あるいは核の問題など、国際的な課題に立ち向かうことについての北区の認識をというご質問でございますが、先ほど議員のほうからお話もございましたように、ノーベル賞の受賞者によります宣言の中でも、来年度核拡散防止条約の再検討会議が開かれるという状況を踏まえて、こういった問題についての極めて意義のある宣言がなされたものというふうに考えてございます。 また、私どもに直接関係いたしますことでございますけれども、アジア、特にアジアの平和に直接影響のある北朝鮮の核実験というものがこの近いうちになされ、また今後ともなされようとしているというような状況にございます。そういう中で日本政府そのものも、これは潘基文国連事務総長と総理との間での電話会談がされ、そういった中で国連の事務総長が、北朝鮮の核実験、核開発の問題に対しては、国連安保理が一致して行動することが重要であり、そのために日本が果たしているリーダーシップを評価しているという旨の発言があったというふうに述べられているところでございます。 私どももこういった世界のさまざまな平和を守るための動きというものを踏まえ、北区として区民の安全・安心を守る自治体として恒久平和の実現に向け、粘り強く取り組んでいくべきであろうというのが、私どもの基本的な認識でございます。
◎地域振興部長(越阪部和彦君) (説明員) 今、ご質問いただきました緊急雇用の関係でございますが、国と合わせて三つの雇用メニューがございます。それぞれの条件、枠組みの中で各所管課が工夫をいたしまして、今回十五の事業をご提案させていただいたところでございます。それぞれ現場の必要性、あるいは実現可能性等も踏まえながら精査した内容というふうにご理解をいただければと思っております。 なお、ご提案いただきました他区の例等につきましては、今後の検討に当たっての参考とさせていただきたいというふうに考えております。
◎まちづくり部長(萩原松博君) (説明員) 私のほうからは駅の改札時間と、あとは今の石神井川問題についてお答えさせていただきます。 先ほど区長も、今回の汚水排水問題につきましては、JR東日本及び下水道局に対して強く抗議をいたしまして、原因究明等を報告するようにということを申し入れております。 また、南口駅の改札時間でございますけれども、この問題が発生した以降、区長及び議会も含めましてそのJRの対応の改善を強く申し入れております。その後、まずは一時間終わりの時間が延びたというようなことにもなっております。引き続き強くJRには改善を要請してまいります。 それと石神井川の改善でございますけれども、北区としましては都と連携して、今年度、水質とか水の流れとかスカムの発生、それらの現場調査を実施しまして、臭気発生のメカニズムを解明する調査を実施いたします。その結果を踏まえまして、短期的、中期的な対応というものもあると思いますけれども、よそで取り組まれているような臭気対策、その事例なども参考にしながら、関係機関が知恵を出し合って対策を検討してまいります。 以上、お答え申し上げました。
◆二十四番(山崎たい子君) 石神井川の問題については、改めて積極的に対応していただきたいということを要望しておきたいと思います。 雇用の問題のところ、他区の状況も検討しながら、これからも検討していただくというご答弁だったんですけれども、私は改めて雇用のときには一時的、臨時的ということから、もう少し積極的に出て、区として、この間、人件費を抑制していく、または非正規でいいというような、そういう対応じゃなくて、根本的に働く人たちの雇用改善ということと、区民サービスを拡充していくということで、改めてこの視点できちんと雇用対策を打っていくということが今すごく求められていると思います。 なので、別の質問で待機児解消のことにも触れたわけなんですけれども、区は今回、認証保育所を二つ誘致をふやしたということになるから、来年四月の目標では、これで一園三十人掛ける四として百二十名ぐらいの定員を認証保育所として考えているのかなと、認可保育園の分園のところ、これも補正予算で二園ということで出たんですが、どちらかというと認証保育所の数のほうがこの点では上回っているというところでは、私は認証保育所というのは民間にお願いして対応するものですし、やはり必ず、確実に待機児を解消していくというときに、この民間頼みという点で本当に確実性があるのかということとか、認証保育所そのものがこの間、質の面とかも含めていろんな課題があるということからすると、まずは認可保育園の整備、認可保育園の分園の緊急対応ということも含めて、ここに力を入れるということで区として雇用も含めて対応していく、これが私が今非常に重要ではないかなというふうに思いますので、この姿勢について、認可保育園のところの活用の姿勢について、今後の雇用の確保も念頭に置きながら、待機児解消策について改めて姿勢を伺っておきたいと思います。
◎子ども家庭部長(依田実君) (説明員) 保育園の待機児解消につきましては、今年度、保育計画を作成することになっております。今回、緊急の対応ということで議会に補正をご提案させていただきましたが、今後の対応につきましてはその保育計画策定の中で、議会ともご相談させていただきながら検討してまいりたいというふうに考えております。 以上でございます。
○議長(平田雅夫君) 議事の都合により休憩します。 午後零時二十五分休憩
--------------------------------------- 午後一時二十五分開議
○議長(平田雅夫君) 休憩前に引き続き会議を再開します。 質問を続けます。 六番 福田伸樹さん。 (六番 福田伸樹君登壇)
◆六番(福田伸樹君) 私は民主区民クラブを代表して、以下大きく六点について質問します。 その第一は雇用問題に関してであります。 五年間続いた小泉政権下で行われた構造改革、規制緩和、労働の自由化などによって、多くの非正規労働者が生み出されました。その数は一千七百万人と推計をされております。 こうした原因の第一は二〇〇九年問題です。二〇〇四年の労働者派遣法の改正によって規制が緩和され、これまで認められてこなかった製造業への労働者の派遣は一年間という期限つきで認められるようになり、二〇〇六年には擬装請負問題が発覚し、製造業界側は規制が厳しい請負から派遣へ労働力をシフトしました。そのために、二〇〇六年度の製造業への派遣労働者は前年度の三倍以上にも膨れ上がり、そして二〇〇七年には再度労働者派遣法が改正され、派遣期間が最長三年間へと延長になりました。この間、大手企業などは直接雇用を行わなかったために、結果として二〇〇九年に大量の派遣切りの労働者が生み出されました。 その象徴的事例が、経団連会長も務める御手洗キャノン会長が大分工場の派遣契約の打ち切りと、日産自動車の派遣社員と期間工の打ち切りなどです。また、ある大手電機メーカーの副社長は「こうした不況時に対処するためにパート、期間工、派遣社員の比率を上げてきたのだ。痛みを最小限に抑え、回復時への体力を温存するために、彼らを調整弁にすることは企業にとって合理的な行動だ」と発言しているのです。 空前の利益を上げてきた名だたる大企業が、収益が下降に転じると真っ先に派遣切りを行うなど、全く許すことはできません。むしろ大企業は社会の構成員として社会的責任を果たすために、非正規社員に対してスキルアップの道を開き、やる気のある、能力のある非正規社員を正規社員に登用すべきであります。それがひいては生産性の向上と景気対策につながる道と考えます。 第二の原因は、昨年九月のリーマンショックです。アメリカ市場への輸出が大きな比重を占めてきた自動車、電機、半導体などの産業が大きな打撃を受けるとともに、建設、不動産、流通などあらゆる産業分野にもその影響が及びました。 こうした状況を背景に多くの派遣切りが行われ、昨年の年越し派遣村は記憶に新しいところです。この派遣村に年末年始の居場所と就労相談などを求め、着の身着のまま約五百人もの派遣切り労働者が集まり、NPO団体や労働組合は炊き出しを行いながら、派遣切りの実態調査、生活保護、就労相談、当面の暮らしなど、厚労省の支援も受けながら生活再建のために奔走をしました。 各自治体はもとより北区においても、短期就労の導入や就労・住宅相談など国や都の制度の活用も含めて対策を講じてきました。 そこで以下四点につきまして質問をいたします。 一、企業の派遣切り、また非正規労働者が全労働者の三分の一に及ぶ事態をどのように受けとめているのか。二、昨年の短期就労の総括について。三、派遣切りセーフティネットとして、生活保護申請、国保保険料の減免申請、雇用促進住宅のあっせん、雇用調整助成金、生活支援金、雇用保険の適用、就労相談などの区内の実態について。四、何よりも緊急シェルターの必要性が言われていましたが、北区では都営住宅、民間アパートの借り上げ、防災センターを利用した住宅施設の提供をすべきでしたが、その考えはなかったのか。 第二の質問は地域経済についてであります。 我が国の経済情勢は昨年のリーマンショック、国内のGDPマイナス三・九%、大手企業の赤字決算、中小企業の倒産、突然の解雇、内定取り消し、先進諸国に比べ景気は冷え込み、先行きは不透明な状態です。 こうした経済状況を踏まえ、北区では昨年緊急景気対策本部を立ち上げ、事業の前倒しや緊急融資の補正予算の計上、さらには雇用の確保と区内での物品調達などの要望書を関係団体に提出をしました。このこと自体は評価いたしますが、これらの施策が北区の地域経済にどのような効果があったのか定かではありません。一つ一つの事業を検証する中で、強化すべきところは財政も含めた支援を行うことが何よりも大切と考えます。 そこで一括して以下の事業の状況についてお聞かせください。①原油・原材料高騰対策緊急融資。②緊急景気対策資金融資あっせん。③区内団体への要請。④特養等で働くヘルパー資格取得について、であります。 次に、区内の中小・零細事業所の経営状況に関して質問いたします。 北区では四半期ごとに帝国データバンクに委託し「北区の景況」が作成され、私どもに配付されております。そのデータは社団法人信用金庫協会からの提供と伺っています。景況感が右肩上がりのときには従来の手法でも問題はありませんが、百年に一度という経済危機の中ではいかにも形式的な調査であり、本当に町場の事業所の実態を的確にとらえ、適切な指導、助言、対策を講じようという熱意を感じることができません。 荒川区では今年の一月と四月「区内中小・小規模企業の緊急経営状況調査」を実施されました。この調査では非常勤の企業相談員、産学連携推進員の各三名が、区内八十四社を一件一件面接による聞き取り調査を行ったと伺っています。具体的には、経営状況では電子機器製造業、雑貨・電気関係部品のニッケルメッキ業者、各種ワッシャー製造業者、パッキン製造業者など十三社、一五・五%が受注の大幅な減少と、非稼働日が増加し「大幅な経営悪化」と回答しております。同様に「悪化」と回答している事業所が三十五社、四一・七%となっています。資金繰り状況では「大幅悪化」「悪化」合わせて二十四社、二八・六%。従業員の雇用状況では「大幅悪化」「悪化」合わせて二十四社、二九・七%。それぞれ一月調査時点より悪化の傾向が見られています。 その対策として、資金繰りについては区の融資制度や自己資金でのやり繰りとしていますが、これ以上景気悪化が長期化した場合、資金繰りに支障を来すとしています。雇用については、雇用調整助成金を受給または申請で対応としていますが、その申請が複雑なため、何らかの支援が必要としています。 そこで以下二点、質問をいたします。 第一は緊急景気対策融資については、円滑に融資が受けられるよう支援を行うとともに、保証協会の審査は通過しても金融機関から却下される場合が多いと聞いています。区としても適切な指導を行うべきと考えます。 第二は北区の中小・零細事業所の景気悪化の実態把握に努め、適切な対応を図ることを求めます。 参考までに、先日、協同組合田端機友会から伺った話を紹介いたします。田端機友会の組合員のお仕事は金型や金属製品のプレス、車・電気のパーツ、ネジ類、歯車、穴あけ、携帯フレームなどの製品をつくる機械の展示販売をしていると伺いました。昨年十一月から全く製造業者の会社から引き合いがない、展示品が集まらない、売れない状況が続き、経営は深刻な状況のようです。重ねて、状況把握と対策の強化を求めます。 第三の質問は
新型インフルエンザについてであります。 本年三月、メキシコで発生した
新型インフルエンザウイルスは国境を越え、感染者はアメリカやカナダ、さらにはヨーロッパなどへも拡大。この異常な事態を受けて、世界保健機構、WHOは四月二十七日緊急会合を開催し、
新型インフルエンザのパンデミック、世界的大流行の警戒レベルを、従来のフェーズ3からフェーズ4に引き上げました。世界への感染拡大はとまらず、二日後の二十九日、フェーズ5に引き上げられました。そして今般、フェーズ6に引き上げられました。 我が国においては四月二十八日、政府内に
新型インフルエンザ対策本部が設置をされ、北区においては同日、保健所に発熱相談センターが、五月一日に
新型インフルエンザ対策として北区危機管理対策本部が設置されました。 このインフルエンザはメキシコでは死亡者が出たものの、感染性は強いが毒性は弱いと言われています。しかし、多くの国民は物々しい防護服を着た検疫官が機内に入っていく姿、日本人男性教師と男子高校生の感染確認や、渡航歴のない兵庫県と大阪府の高校生を中心とした感染報道。また、花粉の時期ですら見たことのないマスク姿であふれるまちの様子やマスクの在庫切れなどの報道を見るにつけ、区民は不安を感じたことも事実であります。 何よりも肝心なことは、
新型インフルエンザに対する正しい知識の普及啓発、的確な情報の提供、相談体制と適切な医療体制の確保が感染拡大と区民の不安解消につながるのであります。 そこで以下三点について質問をいたします。一、今申し上げた感染の拡大と区民の不安解消に向けた広報も含めた体制は十分確保されているのか。二、備蓄体制について三点お伺いします。①マスクについては売り切れ、品薄状態が続きましたが、サリン事件などの科学テロ等にも対応できるマスクなどを備蓄すべきではないか。②感染の拡大防止策としてうがい、手洗い、ドアノブ、スイッチなど、身近に接触する箇所の消毒並びに人の出入りの多い施設では、耳で体温を測る体温計が有効な対策と伺っています。これらの対策強化を求めます。③役所職員において、感染者及び感染の拡大を防ぐための自宅待機者が多数出た場合でも、行政サービスの提供は待ったなしであります。こうした緊急事態に対する対策の確立及び区内事業所についても在宅勤務のあり方について指導すべきと考えます。また、既に北区では電話、ファクス、メール等による各種相談、問い合わせ、届け出業務を実施しています。今後は日常的に上記方法を周知することが感染防止に役立つものと考えます。お答えください。 第四は安心の地域医療の確立と病院の存続を求めてお尋ねいたします。 その第一は、依然として続く医療不安の現状と地域医療の整備の課題についてであります。巨大都市東京で緊急医療のたらい回しのあげく、妊産婦などの患者が死亡ないし重篤に陥るなどの事件が相次いで発生したことから、医療の荒廃ここに至れりと都民に衝撃を与えました。時を同じくして、北区では東十条病院の閉鎖など、入院病床の減少が続き、さらに東京北社会保険病院と国立印刷局東京病院が政府によって整理・売却の対象にされたことで、その存続が危ぶまれるなど、北区の医療情勢はこの間大きく揺れ動いてまいりました。 その一方、最近になって東十条病院跡に板橋大和病院などを運営する医療法人財団明理会が移転し、今秋十月から診療開始、順次診療科目と入院病床を拡大していくとの方向が本決まりとなるなど、朗報も飛び込んできております。 北区の医療資源は、平成二十一年四月現在で病院十九カ所、診療所二百七十八カ所、歯科診療所二百四十八カ所となっています。入院病床を種類別に見てみると、一般病床千五百四十六、療養病床四百四床、精神病床二百三床で、合計二千百五十三床となっております。療養病床がわずか一年半の間に約百床、二割も減少しているのは大きな問題です。いわゆる二次医療圏としての入院設備の整った病院は、現状において十分とは言えず、北病院と国立印刷局東京病院の存続及び拡充は不可欠の要件です。急性期医療の病床では周産期医療と小児科の不足が顕著であり、高齢者を対象にした慢性期医療に対応した療養病床については、政府と都の動向が揺れ動く中で、将来不安を拡大させています。リハビリ難民の懸念も増大しています。 そこで以下四点について質問いたします。一、北区における地域医療の現状と整備の課題について。二、旧東十条病院跡に進出する仮称明理会中央総合病院の特徴や診療科目、病床規模など、開設スケジュールも含めた今後の計画について。三、今、北区民にとって最大の不安と関心の的になっている北社会保険病院の将来展望について。四、印刷局東京病院の存続・継承について、その後の進捗についてお答えください。 二十三区で初の区立病院が本年四月に誕生しました。台東区立台東病院です。先般、会派で視察し、都内屈指の高齢化率を背景とした地域医療のニーズ、医療と介護の連携に正面から向き合って取り組もうとしている台東区の姿勢を学び、感銘を受けました。同病院の前身は都立病院。平成八年に休止して以来、存続を求める区民の強い要請を受けて、長期の検討の末に、新たな建設に着手し、オープンさせたのです。病床は旧病院の規模と同格との制約から、百二十床と小規模ですが、その上に百五十床の老健施設、一般百床、認知症五十床。通所リハビリ一日四十人を上乗せをしております。 同病院のコンセプトは高齢の方の慢性疾患に対応した病院と、在宅復帰に必要な入所施設である老健を備え、地域医療機関や介護従事者等の関係機関との連携を図ることによって、地域で一貫したサービスを提供するシステムを構築するものとしており、広いリハビリ室と充実した設備、地域連携相談室、いわゆる地域包括支援センターをわかりやすい名称をつけていました。北区としても参考にすべきであります。台東区を含む三区の二次医療圏は過剰でありますが、台東区自体としては不足しているという認識に基づき、特に高齢化の中で慢性疾患の医療の不足に視点を置いて病院の性格を特徴づけ、老健との一体運用で採算性も乗り越えていく方針のようです。高齢化の増大に伴う医療と介護の連携に着目をし、その拠点の医療施設としての性格づけと役割については大いに参考になりました。 東京病院の存続及び北区の医療と介護連携の視点から、この台東区の取り組みをどう学び、生かすか、北区の前向きな姿勢を問うものです。 第五の質問は、第四期介護保険事業計画実施に関してであります。 本問題の第一点目は、要介護認定調査項目削減の影響についてです。厚生労働省は本年四月から要介護認定の仕組みを変更しました。それは、介護の手間は時間で換算を原則に、調査項目を八十二から七十四に削減、「火の始末」や「暴言・暴行」などが削除され、「認知症患者が正しく判定されないおそれがある」という批判や、「座位の保持」も十分から一分に変更するなど、人間性を否定する変更内容に介護事業を担う関係者からは厳しい指摘が寄せられております。導入前に、要介護度が軽く判定されるとの批判に対し、厚労省は認定更新の場合に限って当面の間、従来の要介護度を選択できる経過措置を示してはいます。 そこで質問をいたします。昨年五月と本年五月における北区の要介護認定にはどのような変化が生じているのか。また、第一号被保険者など区民からの苦情等についてどのように把握されているのか。加えて、これに関する職種として訪問調査員、介護認定審査会委員、ケアマネジャーなどからの声をどのようにとらえているのか、の三点についてお答えください。 二点目は、今回の介護報酬改定の効果と影響についてであります。厚労省はこの間、二回にわたる介護報酬の引き下げを行い、介護に対する社会的使命や意義を抱きながらも生活できないとして介護労働者の現場から国民を遠ざけてしまいました。こうした事態に介護関連事業者はもとより、保険者である地方自治体及び地方議会からの職員処遇改善のため、介護報酬改定をとの声を受け、厚生労働省はようやくこの四月に、在宅分一・七、施設分一・三の合わせて三%の介護報酬引き上げを行いました。 そこで質問いたします。 今回の改定による効果と影響について、北区社会福祉事業団及び区内介護保険関連事業者の実情についてどのように把握されているのか。 第二点は、平成二十一年度の国の補正予算で追加措置も盛り込まれているようですが、これも踏まえた処遇改善の見通し及び北区としての厚労省に対する今後の働きかけについてお尋ねをいたします。 三点目は、低所得層高齢者の入所施設整備を求め、二つの視点で質問をいたします。既にご案内のとおり本年三月、群馬県渋川にある高齢者施設、静養ホームたまゆらの重大な火災で入所者十人が犠牲となり、そのうち六人が墨田区から紹介された生活保護受給者でした。四月十八日のある新聞には、二十三区の生活保護受給者の施設入所状況として、当該の墨田区はもちろん、北区の状況も報道されていました。これによると、北区では生活保護受給者七千三百五十八人中、施設入所が二百四十六人で、そのうち五十一人、約二一%が都外施設に入所している実態を明らかにしておりました。 そこで以下三点について質問をいたします。①この数字が正しいのか、また五十一人もの人をどのような事情や理由で都外施設に入所させているのか。②区立四、法人立五の区内合計九施設及び北区が関与している介護老人福祉施設を、どの程度生活保護受給者がついの住みかにしているのか。③区長会では五月一日に本問題に関する要望書を厚労省と東京都に提出しておりますが、北区として今後どのように対応されるのかお答えください。 次に、今後の介護老人福祉施設、特に多床室型整備について問います。これについては前述の点とあわせ、我が会派として国及び都に対する意見書案を提出していることを申し上げ、質問の趣旨はそれに譲りたいと存じます。 介護保険制度の保険者は地方自治体の首長であります。それぞれの地域の実情に合わせたソフト、ハードの整備が保障されてしかるべきと考えます。要介護認定もしかり、介護老人保健施設整備もしかり、国が物差しを決めてそれを地方に押しつけてくる、この姿勢は厳しく指摘せざるを得ません。国及び東京都の施設整備に関する補助制度について、その運用の改善について毅然たる態度で迫るべきと考えますが、この点に関する花川区長の答弁を求めます。また、当面の措置として既存施設の入所定員の拡大についても検討すべきと考えます。お答えください。 私の最後の質問は、赤羽西地区の諸課題についてであります。 初めに、旧赤羽台東小学校と赤羽台保育園及び旧赤羽台中学校の跡地計画であります。旧赤羽台東小は平成十七年三月に閉校し、その後暫定的に、保育園などの耐震改修のときの移転場所やグランドステージ赤羽の居住者のための荷物置場などとして、旧赤羽台中は現在、桐ケ丘中として桐ケ丘中学校の新校舎ができるまで利用をされております。この二校の跡地利用について平成十九年三月の学校跡地利活用検討委員会において跡地利活用計画案が策定されました。そのコンセプトは「みどり」「教育」「交流」であり、具体的には居住者の意向であるオープンスペースの確保、防災機能の向上、地域との連携・交流の場づくりに配慮しながら大学等の教育機関を誘致するというものです。都市再生機構においても平成二十年八月、同区域内は文化、教育、居住複合機能ゾーンとして位置づけられました。いよいよ来年四月には桐ケ丘中学が新校舎へ移転。中期計画においても二十三年度中に大学機能の誘致が位置づけられております。 そこで以下三点について質問いたします。一、この間、大学誘致の意向がたびたび議会に示されてきましたが、その進捗状況と具体性について。二、大学誘致となれば土地の構図、面積、アクセスは重要なポイントです。私は桐ケ丘中と接する公団住宅の十、十一、五十四、五十五号棟を一体的に整備ができるよう積極的に都市機構に働きかけるべきと考えます。三、旧赤羽台東小と赤羽台保育園の利活用について、売却及び貸与も含めその基本的な考えについてお答えください。 諸課題の二として、最近、赤羽地区の関係者から、旧赤羽台東小、赤羽台保育園及び都市再生機構の敷地に防災公園を併設した五万人が収容できるサッカー場建設構想を耳にします。この構想の信憑性についてお伺いいたします。また、JOCが同地区にアイススケートリンクを希望しているとも伺っています。あわせてお答えください。 次に、仮称自衛隊運動公園についてお伺いします。 この間の経緯については省略し、端的にお伺いします。 ①ネーミングについては、名称の一部にサッカー場という希望もあるようですが、ワークショップでの議論を踏まえ、運動公園にふさわしい名称をつけるべきと考えます。②オープニングセレモニーについては、競技団体のみならず幅広く区民が参加できる竣工式を求めます。あわせて運動場利用についてはサッカー、ゲートボール、ラクビーに限定せず、幅広い区民利用をあわせて求めておきます。③同運動公園に関連して、隣接する多目的グラウンドについては少年野球が安全にできるよう、ダッグアウトの設置とこのことに伴う敷地の拡張及びピッチャーマウンドと芝生の整備を求めます。この際、北運動場のトラックの芝生化についても求めておきます。 最後の質問は区営住宅の浴槽設置についてであります。この間、都営住宅の浴室については入居者の自己負担で設置してきましたが、昨年度から都の予算で設置することが決まりました。そこで都から移管された区営住宅についても浴槽を設置すべきと考えます。お答えください。 花川区長の前向きな答弁を求めて、私の質問を終わります。 ご清聴ありがとうございました。(拍手) (区長 花川與惣太君登壇)
◎区長(花川與惣太君) それでは、福田伸樹議員の民主区民クラブを代表してのご質問にお答えをさせていただきます。 予断を許さない景気の中での雇用や地域経済の問題、さらに病院機能存続問題や介護など、いずれも区政の根幹にかかわる課題について大局的な見地からご意見、ご提言を賜りまして、まことにありがとうございました。 それでは順次お答えをさせていただきます。 初めに、雇用問題に関する質問のうち、全労働者のうち、三分の一が非正規雇用労働者となっている事態についてお答えいたします。 非正規雇用は、主に自動車や家電製品など、製造分野での国際競争力の維持のため、急速に増加してきました。ご指摘にもありました昨年九月以降の世界的金融不安による企業業績の悪化が多くの企業に影響を与えたため、非正規雇用を中心に雇用や生活面での社会不安となっています。国の調査によれば、昨年十月から今年六月までに職を失ったか、失う予定の非正規雇用労働者は約二十一万人になるとしています。 このような状況において、区としては派遣労働に関する制度の見直しや、適切な支援制度の構築、国の指導、監督の強化などについて国として速やかに検討し、早期に改善することが必要と考えています。 次に、昨年度北区が実施した緊急雇用対策の総括をとのご質問にお答えをいたします。 北区が昨年度実施した緊急雇用対策については、基本的に求職活動中の短期的な支援と位置づけ、国、東京都の補助金を活用した事業に先駆け実施したものです。賃金や雇用期間などの条件面で本格的な採用等を求める方の要望とは必ずしも一致しない点もありましたが、どなたでもできる簡単な作業を提供するなどの配慮を行っており、一定の意義のある施策であったと考えています。 次に、各種セーフティネットに関する区内の実績についてでありますが、平成二十年度末の数値としては、生活保護申請は九百七十四件、国民健康保険料の減免申請は四十三件となっています。いずれも前年度と比べますと三百十四件、二件の増加となっています。また、雇用保険受給資格決定件数は四千九百八十四件で、六百二十六件の増加となっています。 なお、区内の雇用促進住宅のあっせん及び雇用調整助成金の件数につきましては、公表されておりません。生活保護及び雇用保険の件数の伸びが大きいことから、昨年九月以降の景気悪化の影響があらわれているものと考えています。 次に、緊急シェルターに関するご質問ですが、区営住宅の活用につきましては、多くの方が既に入居をお待ちになっている現状から、離職者のための緊急シェルターとして区営住宅を活用することは難しいものと考えています。区としては失業等により住宅を失った方に対しては、福祉事務所の窓口でその方の経済状況、健康状態、本人のご意向などをお聞きした上で簡易旅館、宿泊所、保護施設などをご案内するとともに生活保護適用も含め、必要な支援を行っています。 次に、緊急景気対策の総括についてお答えいたします。 まず、原油原材料高騰対策、緊急融資はあっせん件数三百四十六件、あっせん金額約十二億六千万円であり、同様に緊急景気対策、資金融資は昨年度末現在で八百八十九件、約五十九億円となるなど、多くの区内事業者にご利用いただき、資金繰りに苦しむ事業者にとって大いに効果があったものと考えております。また、区内団体への要請につきましては、各団体や企業等においては要請の趣旨を重く受けとめていただいたものと理解しています。 なお、特養等で働くヘルパー資格取得については、今年度実施する事業であり、区内四十二施設に集中するとともに、福祉の仕事総合フェアでも積極的にPRを行っているところです。 次に、区内中小・零細事業所への支援に関するご質問にお答えをいたします。 緊急景気対策融資につきましては、今年度より新たに融資専門相談員を配置するなど、窓口での相談体制の充実を図り、円滑な融資あっせんに取り組んでいます。また、金融機関で融資が却下された場合にも必要に応じて金融機関に問い合わせるなど、理由の把握に努めているところであります。区といたしましては、今後も円滑な融資の実行に向けて丁寧に対応してまいります。 次に、区独自の緊急調査のご質問にお答えいたします。 昨年来の景気悪化を受けての区内企業の経営状況につきましては、四半期ごとに実施している景況調査を基本としつつ、機会をとらえて経営支援アドバイザーが企業を訪問するなど、その把握に努めているところであります。区といたしましては、ご紹介のありました荒川区の例も参考にしつつ、さまざまな手法を活用しながら、区内企業の経営状況を把握するとともに、適切な対応に努めてまいります。 次に、
新型インフルエンザについてのご質問にお答えします。 初めに、感染拡大と区内の不安の解消についてのご質問です。不安の解消やパニックの防止のためには、区民の皆様に
新型インフルエンザに関する正しい知識と的確な情報に基づいて冷静に行動していただくことが最も重要と考えます。そのため、北区危機管理対策本部のもとに関係部署が連携し、区のホームページ、北区ニュース、区の施設や掲示板への掲示、町会、自治会の回覧板、北ケーブルテレビ等により、予防方法や区の対応などの情報を随時提供しています。区民の皆様からの相談には北区保健所の発熱相談センターを設置して、土日祝日も対応しています。医療体制については、既に区内発生早期の発熱外来を設置しており、さらに北区医師会と連携しながら、流行期の発熱外来の登録を進めてまいります。 なお、区内の医師会や薬剤師会、医療機関、消防署、警察署と対策連絡会を開催し、連携を図っています。 次に、マスクの備蓄についてお答えいたします。
新型インフルエンザ対策としては、区民の皆様への感染を防止するために窓口等において職員が使用するマスクの備蓄を進めています。化学剤が使用された事態への対応としましては、必要な処置を行う職員の安全を確保するため、防毒マスクのほか、化学防護服、手袋、長靴などを備蓄しています。今後も必要な物資を備蓄してまいります。 次に、感染拡大防止対策についてのご質問にお答えをいたします。 区では感染予防の基本である手洗いやうがい、せきエチケットの励行を区民や職員に強く進めているところです。また、区の庁舎や施設では速乾性の手指消毒剤や、不特定の人が手を触れる場所、消毒するための薬剤、職員等の健康管理のための体温計など、必要な資機材の整備を進めてまいります。 次に、緊急事態を見据えた執行体制についてお答えいたします。 今後、強毒性の
新型インフルエンザが流行した場合には、出勤できない職員が多数発生する事態が想定されます。
新型インフルエンザの感染拡大防止と社会機能維持の観点から、強毒ウイルスの感染の事態を想定した業務継続計画の策定に取り組んでまいります。区内事業所への在宅勤務の要請につきましては、国の基本的対処方針において事業者に対し従業員の感染機会を減らすために工夫を検討するよう要請するとされており、この要請は関係省庁が関係団体に行っています。 次に、各種相談、問い合わせ、届出業務についてです。 感染の拡大を抑えるためには接触の機会を減らすことが必要ですので、電話、ファクス、メールなどを活用して行うことができるサービスについては北区ニュース、ホームページなどにより区民の皆様に周知してまいります。 次に、安心の地域医療の確立と病院の存続のご質問にお答えいたします。 まず、募る医療不安の現状と地域医療整備の課題についてです。東十条病院跡は板橋の大和病院が移転し、明理会中央総合病院として今年の秋に五科目を先行開院し、最終的には十三科目になると聞いております。 また、地域医療の現状と課題につきましては、北区は区民の日常生活を支える健康づくりの推進や疾病の予防など、一次保険医療圏としての責任を全うするとともに、区西北部二次医療圏における基準病床数や緊急医療体制の確保等、専門的、広域的な視点に基づいた施策の取り組みについて、東京都の適切な対応を求めてまいります。 次に、北社会保険病院と国立印刷局東京病院の存続につきましては、この二つの医療機関は北区民の地域医療のためにはなくてはならない施設です。今後も現行の病院体制が引き継がれる形での運営がなされるよう、国の動向を十分注視し、区議会や医師会ともご相談しながら、医療機能の確保に向けて全力をあげて取り組んでまいります。 次に、医療と介護の連携につきましては、高齢者一人一人が心身の状態やその変化に応じて必要なサービスが適切に受けられるように配慮し、たとえ病気や障害により介護が必要になっても、地域で安心してその人らしく暮らせるよう支援していくことが大切であると認識しております。例えば区西北部保健医療圏では病院、医師会、各区の関係で構成する脳卒中医療連携検討会を設置し、脳卒中の地域医療連携体制の構築を検討しております。今後も台東病院の例に見られるような医療、保健、福祉、介護の連携や、地域の人材ネットワークが参画した仕組みづくりを進めていきます。 次に、第四期介護保険事業計画実施に関する諸問題についてお答えをいたします。 北区の要介護認定の変化について、今年五月の状況を昨年五月と比較した場合には、要支援一の割合が減少し、要支援二及び要介護一の割合がふえていることが特徴となっております。 なお、新しい制度による認定状況の詳細につきましては、所管委員会に報告させていただきます。 次に、利用者など区民からの苦情につきましては、当初、新しい認定制度について、自分の要介護度が軽度に判定されてしまうのではないかといった声があったものの、国が経過措置を導入し、認定結果についてきちんと検証を行おうとしたことにより、こうした不安も解消されてきたと感じております。 また、介護保険に携わる方からは新しい制度によって認定調査の方法が明確になり、わかりやすくなった、より正確に介護の手間が判定できるようになったといった声が多くある一方で、問題行動に関する調査項目が削減され、認知症の方の認定が低く出てしまうのではないか。心身の状態が改善されても、経過処置を希望する場合には従前の要介護度とすることに疑問を感ずるなどのさまざまな声も聞かれます。区といたしましては、国の要介護認定の見直しに係る検証、検討会の検証結果を注視しつつ介護現場が混乱することがないように、今後とも丁寧な説明や情報提供に努めてまいります。 次に、介護報酬の改定の効果と影響についてお答えいたします。 まず、介護保険事業者の実情につきましては、今回のプラス三%の改定を踏まえて、職場環境の改善や研修体制の充実など、処遇面の向上への取り組みが見られるものの、一律に賃金を引き上げることは経営的にも難しい現実があると感じております。一方、経済対策の一環として国の補正予算で盛り込まれている介護職員処遇改善交付金につきましては、賃金の確実な引き上げを交付の要件としており、賃金改善を含む処遇の改善がさらに進むものと期待しております。 なお、国においては給与等の引き上げ状況から、勤務形態、労働時間などとさまざまな項目にわたる調査を行い、検証を行うとしております。区としたしましては、こうした調査の検証結果にも留意しつつ、従事者が安心して働けるように支援を行いながら、必要があれば他の自治体と連携して、国に要望等をしてまいる所存です。 次に、低所得層高齢者の入所施設整備についてのご質問です。 まず、静養ホームたまゆらに係る新聞報道で明らかになった北区の入所実態ですが、いずれも報道された数字に間違いありません。都外施設に入所する理由については、居宅での介護が困難で、かつ低所得な高齢者等を受け入れる施設が都内には少なく、結果としてその受け皿を都外に求めざるを得ないという状況になっているものと考えております。 次に、北区が関与する介護老人福祉施設における現在の生活保護受給者の入所は約四十人です。 次に、今後の北区の対応ですが、現在、居宅での介護が困難な低所得の高齢者に係る現行制度や施設等の課題を整理し、特別区としての対応策を取りまとめることについて特別区副区長会に指示しているところです。北区としては、その対応策が示され次第、各区とも連携して必要な対応を行ってまいります。 次に、今後の特別養護老人ホームの多床室の整備につきましては、既存施設の改修による増床を検討するとともに、地域の実情にあわせ、ユニット型個室だけではなく、多床室の整備も補助対象となるように国や東京都に強く要望してまいります。 次に、赤羽西地区の諸課題についてお答えいたします。 初めに、旧赤羽台中学校、旧赤羽台東小学校の跡地利用、そして赤羽台保育園についてであります。両校の跡地利活用計画では、跡地利活用のコンセプトにふさわしい教育関連施設の誘致を行うとし、その実現のために団地再生事業の一環の中で、都市再生機構と一体的な整備を行うよう協議を行うとしています。 また、都市再生機構が設置した赤羽台地域再生推進委員会において、両校を含むエリアを文化、教育、居住等の複合機能ゾーンと位置づけ、赤羽台の地域再生実現に向けた方策として、新たなコミュニティの創出には、大学等教育機関の知的資源と連携した地域活動の仕組みをつくることが効果的との報告をまとめております。 それらを踏まえ、北区として学校跡地に教育機関誘致に向けた検討を進めており、基本計画改定の中で場所についても明らかにし、実現に向け準備を進めてまいります。 旧赤羽台中学校隣接の住宅については、跡地利活用計画において、都市再生機構用地と一体的に整備することでより有効な土地活用を図るとしていることから、活用について機構と十分協議してまいります。 赤羽台保育園は機構から敷地を借りていることから、建て替え計画の中で移転改築を予定しております。旧赤羽東小学校や赤羽台保育園を含めたエリアは、赤羽台地域の活性化を図り、閑静な住宅地の中でも魅力的なエリアになるように、都市再生機構とともに団地再生事業と一体で検討を進め、その中で土地の処分の方法についても協議してまいります。 次に、旧赤羽台東小学校を含むエリアにおけるサッカー場やアイススケートリンクの建設構想についてです。そのような話があることは聞いておりますが、都市再生機構、文部科学省や国土交通省からは聞いておりません。まずは都市再生機構がこのエリアの具体的な計画を示すものと考えておりますので、今後、機構から計画が示されましたら、議会にご相談申し上げます。 次に、仮称赤羽自衛隊跡地公園の名称についてお答えします。 仮称赤羽自衛隊跡地公園と運動施設は平成二十二年四月にオープンする予定であります。公園の名称につきましては、地域住民から広く公募を行い、町会自治会等の関係者とも協議した上で決定してまいります。また、運動施設名につきましては、公園名を踏まえた名称を考えております。 次に、オープニングセレモニーについてです。 オープン式典の具体的な内容は今後決めてまいりますが、公園と運動施設をあわせた形での開催を考えております。式典には多くの区民が参加でき、楽しめる内容にしたいと考えております。 また、運動施設の利用ですが、特定の競技に限定せず、幅広い利用を考えております。 次に、赤羽自然観察公園多目的広場における、ベンチスペース設置とグラウンド整備についてお答えいたします。 この公園の管理につきましては、ボランティア団体にお願いしておりますので、ボランティア会議においてご指示を提案し、整備の方向で調整してまいります。 次に、区営住宅の浴槽等についてお答えします。 昭和五十六年以前に建設された区営住宅につきましては、浴槽等は設置されておらず、入居者のご負担で設置していただいております。区営住宅も都営住宅と同様な取り扱いをすることを原則といたしておりますので、来年度より空き家の発生にあわせて、順次区が設備して浴槽等を設置する方向で、適切な浴槽等の選択や使用料の見直しなど、必要な事項について検討してまいります。 以上、お答え申し上げました。 いただきましたご意見、ご提言を踏まえて、区民生活の安定と向上のためにさらなる努力を重ねてまいりますので、どうぞよろしくお願いを申し上げます。ありがとうございました。
◆六番(福田伸樹君) 多岐にわたった質問に対して、それぞれご答弁をいただきました。若干の要望も含めて、お話をさせていただきたいなというふうに思っておりますが、まずは派遣の実態についての見解でございます。 十分なメモではございませんが、先ほど区長の答弁では国際競争の上から、一言で言うと、やむを得ないんではないかというような趣旨だったかなというふうに思います。確かに、国際競争の面では企業にとってはそれは有効な手だったかもわかりませんけれども、そこに働く労働者にとってみると、派遣というのは極めて身分が不安定、賃金も不安定、そういう中で子育ての問題や教育の問題やそれぞれの生活を抱えている中で、派遣というのは極めて不安定な状況なんですね。できれば正規に変えていくというのが基本的な考え方で、僕はあってほしいというふうに思っております。ですから、派遣の認識についてもう少し企業の側に立つんじゃなくて、そこに働く労働者の立場に立ったものの考え方をぜひしていただきたいなというふうに思っています。 それから、緊急雇用については本格的な雇用を求めているがために、わずか一カ月という短期間の中では十分な要望にこたえられていなかったのかなというふうに思います。わずか一カ月の中で、その間に本格的な雇用は極めて難しいと思うんですね。やっぱり緊急雇用というのは一カ月という短期間ではなしに、もう少し、三カ月とか半年だとかそういう長期なスパンで緊急雇用をし、その中で次の職場を見つけるための機会を、やっぱりしっかり設けるべきだったろうなというふうに思います。 それとこの派遣切りをされた方々にとっては、まずは住宅の問題であったり、いわゆる当座の資金がないわけですね。ですから、今回の緊急雇用についてはいわゆる一カ月間働いて、そして何日締めかわかりませんけれども、後払いですよね。そうじゃなしにして、やっぱり前払いをして、もう緊急事態なんですから、そういうためには前払いで賃金を払って、それで生活再建の一助にするだとか、そういう大胆な発想が僕はあってしかるべきだなというふうに思いますね。 それはシェルターの問題についてもしかりですよ。確かに先ほど、区営住宅が入居待ちの方がたくさんいらっしゃる、それはそうでしょう、そういうことも十分理解しますけれども、場合によっては企業のあいている寮を借り上げるだとか、そういうような、通り一遍の仕方ではなしに、本当に緊急雇用のためにやるんだ、こういう強い意思を持って、僕は事に当たっていただきたいなというふうに思っております。 それから、いわゆる団体に雇用の問題とか、あと地元でのいろんな物品の購入などの要請書が送られました。これに対して花川区長は、恐らく送られた側は重く受けとめているだろう、こういうお話でした。これは前区議会の中でも福田実議員が質問したのと全く同じ答弁なんですね。それは重く受けとめていることは重く受けとめているけれども、その後一体どうしたんだということなんですよね。やっぱりそういう要請を送って本当に雇用の促進になったのか。それとも地域経済のためになったのか。やっぱりその辺は検証をしなきゃいけないと思うんですね。ぜひこの辺は検証して、検証することによって次の手だてというものは当然考えられていくんだろうと思います。ぜひ、この辺の検証についてはもう一度しっかりとしたご答弁をいただきたいなと思います。 それから、緊急融資についても同じようなことなんですけれども、保証協会のほうはオーケーが出たけれども、金融機関のほうからはだめだったと、これについては問い合わせをしているんですね。じゃ、問い合わせをしてどういう理由で実際に融資が受けられなかったのか。もし、足らずまいがあれば区のほうで一定の支援をして、何とか融資を受けられるような、そういうフォローアップというものも、僕はあってしかるべきだろうなというふうに思います。この辺の理由や、その理由によって北区として何らかの対応を図ったのか、この辺についてご説明をいただきたいなというふうに思います。 それから、
新型インフルエンザについてはこれから、今回の場合は弱毒性ということでありましたが、これは今区長の答弁の中にも、強毒性に変異をするという可能性はあります。今回は少し世の中騒ぎ過ぎだったんじゃないかというようなお話もありますけれども、やっぱりこれは次のこれから秋、冬に向けてどういう事態に遭遇するかわかりません。ぜひ、そういう体制を整えていただきたいなというふうに思います。 それから、病院問題、これはもう多くの議会も区民も両病院の存続を強く求めております。特に社会保険庁の北病院、これについては僕の知り合いが心筋梗塞で緊急手術をしました。緊急手術をして、かなり回復傾向になった段階で、もうあなたは同病院に来なくてもいいよと、そのかわりどこどこの病院を紹介するからそこで後の治療を受けてくれと、こう言われたそうです。それと同じようなことがやっぱり他の患者さんもそういう指導を受けているようですね。 こういうようなことが、町場の中で一つ一つの事例としてあらわれてくると、本当に東京北社会保険病院がなくなっちゃうんじゃないか、こういうような、本当に危惧をしておりますね。ぜひこの辺はまさに議会、行政も一体となって、存続に向けた働きかけをぜひ求めておきたいと思います。 それから、多床室の整備については、今回の補正予算の中でも二つの特養の増床が言われました。そういう中でいまだにまだ八百を超える待機者がいる中で、多床室の整備を求める声はいまだに大きいと思います。ぜひ、この辺の整備を今後も改めてするように求めておきたいと思います。 それでは私の再質問についてご答弁をください。
◎地域振興部長(越阪部和彦君) (説明員) まず、雇用の促進、あるいは地域での調達、これらの要望に対する検証ということでございます。これにつきましては前回の議会でも申し上げましたように、それぞれの企業の活動の中で把握をするというのは非常に難しい面がありますけれども、私どもとしてもいろいろな側面でこの効果が上がるように努力をしてまいりたいというふうに考えているところでございます。 それと融資の関係でございます。これについてのフォローアップということでございますが、ちなみに緊急景気対策の中であっせん件数が八百八十九件ということでご報告申し上げました。このうち、今、三月末の段階で実行ができたのが二百四十二件ということでございますが、そのうち否決というのが九件ということでございます。これらにつきましてはいろいろご相談をいただいたもの、また、ご相談の中で経営支援のアドバイザーがいろいろ具体的なアドバイスをして、一定の、満額ではありませんけれども、一定の融資につながった事例もあるというふうに聞いているところでございます。いずれにいたしましても、そのような実態を踏まえながら、私どもとしても区内の中小企業の経営の安定に努めてまいりたいというふうに考えてございます。 以上でございます。
◆六番(福田伸樹君) 今、答弁の中で区から出した要望については、先ほど区長は重く受けとめている、それから今の答弁では、効果が得られるようにしていきたいということですよね。効果が得られるということは、一体どれだけのものが採用されたのか、どれだけのものがそこで買われたのか、そういうことがわからなかったら効果の上げようもないんですよね。これ雇用の問題だけじゃなくて、こうした一つ一つの事業の検証、確かに事務事業評価制度というのはありますけれども、もっと親身になった検証、総括、こういうものをしていきながら、ぜひ区民の暮らしや実態生活に合った政策を続けていただきますように心からお願い申し上げて、私の質問終わります。 ありがとうございました。
○議長(平田雅夫君) 十一番 安田勝彦さん。 (十一番 安田勝彦君登壇)
◆十一番(安田勝彦君) 私は、あすか新生議員団を代表して、区長、教育長に質問をいたします。 東十条小学校の校庭から校舎に入るところに大きなソテツがあります。その下に鹿児島県大島郡与論町の茶花小学校、与論小学校、那間小学校三校と東十条小学校との間に交わされた姉妹校盟約の記念碑があります。 昭和五十五年九月二十二日、当時の小林正千代北区長、岩田嘉幸教育長、与論町の山市郎町長、益田元甫教育長との間で盟約の調印式が行われ、碑は、その後記念碑として建てられたものであります。 そもそものいきさつは、昭和四十四年に東十条小学校に赴任された第四代目校長の山下為吉先生が奄美の与論島の出身で、その話を伺った教員や当時のPTAの夏目吉明会長などが与論島に行ってみようと声をかけ、二十数名で与論島を訪れたのが合流の始まりだということであります。 初めて与論島を訪れてから四十年、盟約締結してから来年は三十年を迎えようとしております。その間、与論の小学生が隔年東十条を訪れ、東十条小学校の児童、PTAは毎年与論を訪れるという交流になりました。 昨年、四十年来の念願であった区長の与論島訪問が、与論小学校の校舎落成にあわせ、花川区長みずから訪問することで実現をいたしました。 私たちあすか新生議員団も、遠い地でありますが、長い間積み重ねた交流事業の実態を見るため与論町へ伺いました。東京から飛行機で沖縄まで二時間三十分、さらに乗りかえて四十分、与論島に到着いたしました。空港に出迎えていただいた与論町の田中教育長のご案内をいただき、早速、与論の三小学校に伺いました。校長先生から交流の話を伺い、「東十条の部屋」を案内していただきました。与論の子どもたちが東十条小学校を訪れ、一緒に授業を受けている写真や、体育館での交流の模様の写真、交流の感想文などが掲示され、東十条小学校から送られた児童の絵画や書道の作品、東十条との交流の歴史、北区の位置、環境が展示されておりました。 交流事業は、九月二十二日の盟約の記念に行われるインターネットを通しての相互の小学校の集会や、訪問時はホームステイを取り入れ、既に家族ぐるみの交流となっております。 「青雲の志をもって臨め」と東京に子どもを送り出す与論の人たちの心情と、自然を知らない東十条の子どもたちが与論島の生活で培うたくましさを思うと、この交流の大事さを実感した次第であります。 それにしても人口約五千八百人、一般会計予算三十四億円規模の与論町ですが、隔年とはいえ、子どもたちの東十条訪問に百万円の予算を計上、町挙げての取り組みに驚きました。 東十条小学校の場合は、北区からの財政援助はなく、新聞雑誌などの資源回収で得たお金と、自費を使っての交流となっておりますが、それでも昨年は五十三名の参加で与論島を訪れたということであります。 東十条小学校のPTAやOBの皆様からの話を伺うと、北区に対して、交流の事務的な経費だけでも出していただきたいと何回もお願いしましたが、当局から、一校のみの交流には予算化することはできないということで却下され、自費での交流となったということであります。 東十条小学校の歴代の校長先生に伺って驚いたことは、与論島を訪れた回数が私は九回、私は十三回、私は十五回とその回数の多いことであります。さらに、PTA、OBの皆様に伺うとさらにそれ以上の回数を示され、その交流にかける熱意に圧倒されました。 来年は姉妹校盟約締結三十周年を迎えるこの交流は、長い年月、与論と東十条の学校関係者と地域の皆様の熱意の積み重ねによってきずなが深められてきたものだと思います。 そこで質問に入ります。昨年、花川区長は与論島を訪れておりますが、まずその感想をお聞かせください。 東十条小学校のみならず、今後の都市間の学校交流について、どのような見解を教育委員会はお持ちかお答えください。また、財政面でのバックアップはぜひお願いしたいと思いますが、いかがでしょうか。 内容は関連しますが、次の質問に移ります。 与論三小学校と東十条小学校との姉妹校盟約記念の碑には、北区長、教育長の名前が記されて公の交流となっているのに、与論町は交流予算が計上され、北区はどうして予算化されないのだろうと関係者は述べておりましたが、私も不思議な思いでありました。北区役所内部の話によると、一校の学校のみの交流事業に区長、教育長が表に出てくることは、今なら考えられないことだと、暗に当時の区長の一存でやったのだろうとのことでありました。当時の区長なら一存でものごとを処理できるとすると、その当時の問題が現在の行政にも引きずることがあり得るのではないかと思いました。 最近、ある土地の所有者から別件の相談の中で次のような話を伺いました。その人の親の代のことですが、北区から公の施設をつくるので土地を貸してほしいとの依頼がありました。当時の北区長から、公のことだから地代を安くしてほしい、返還するときはもとの土地形態にし、無償でお返ししますという話があり、地代は近隣の土地の半分、更新料はなしということで、区長と一筆を取り交わしたということであります。 年月が経て、既に約束をした区長も亡くなっており、土地の所有者も後継者に代がわりしておりました。あるとき、北区側から施設の使命も終わり、老朽化したので取り壊しをし、土地を返すという話が来たということであります。当然、当初の条件どおり無償で土地を返還してくれるものだと思っていたら、借地権が発生しているので、その分の金額を払ってもらいたいとの請求が来たということであります。 当初の一筆は無効と言われ、あれだけ区長と直接話をし、自分の責任において約束を守ると確約したのに、北区及び区長に裏切られた思いをしたということであります。請求された金額を払い、土地を取り戻しましたが、公ということで地代を半分にし、更新料も取らなかったのは何だったのだろうか。釈然としない思いと、これからは北区を絶対信用しないという考えになったという話を伺いました。当時の区長の責任の問題になるわけですが、今だったら、一民間の人と勝手に約束をすることは考えられませんよとの役所内部の見解でありました。 このような区長の一存にまつわる話はまだ相当あるようにも伺っております。 既に移転しましたが、かつて飛鳥山公園内に老人いこいの家という施設がありました。この老人いこいの家は都市公園法の目的外使用に当たるので、北区の施設としては望ましいものではないと問題となっておりました。それでも公という名のもとにこの施設はつくられたわけですが、建設の際、内部でこの問題の議論はされていたと思います。しかし、最終的な判断は、問題を承知で区長は行ったわけであります。長い間、目的外使用を承知で老人いこいの家は事業を行っていたわけですが、博物館などの建設もあったとはいえ、移転の背景には、都市公園法目的外使用の問題があるので早々に移転をしたということが真相のようであります。 同じような例ですが、現在でも区内の公園内に、都市公園法目的外使用の建物が建っている例が数件あると伺っております。担当者に伺うと、このような問題の建物がどのようないきさつでいつ公園に建てられたのか、書類が残っている場合もあるし、残っていない場合もあり、不明確の部分があるということであります。しかし、推測するならば、勝手に当事者が建てられるわけでもありませんし、区の担当者が勝手に許可をするわけではありません。区の最高責任者の区長が何らかの形で関与しなければできないことであると思います。 これらの事例は過去の行政責任者から引きずったものですが、文書等証拠書類がある場合などは現在においても処理責任が生じると思います。今後の行政管理の面から考えると、過去の清算をここでする必要があるのではないかと思います。 そこで、一、土地の問題などを含め、現在まで問題を引きずっている案件はあるのでしょうか。 二、新しい行政管理に脱皮するため、過去の行政責任に関する清算をすべきだと思いますが、責任の所在をどうような対処でお考えなのか、今後の取り組みを含めお示しください。 次に、以前、我が会派の石川議員も質問いたしましたが、事業開始三年を経過した地域包括支援センターのあり方について質問をいたします。 五月十九日の産経新聞に「限界団地の悲鳴」という見出しで北区桐ケ丘やまぶき荘地域包括センターの記事が掲載されました。忙し過ぎて困っている世帯を支援しきれない、そんな悲鳴が地域包括センターの職員から聞こえてくる。特に低所得が多かったり、高齢化率が五〇%を超え、「限界団地」を担当する場合は深刻だ、の書き出しで内容が記事となっておりました。 私も桐ケ丘やまぶき荘にお伺いをし、現場の話を伺い、その実態のすさまじさに驚きました。桐ケ丘やまぶき荘が担当するエリアは赤羽台、桐ケ丘という団地を抱え、このエリア特異のひとり暮らし、高齢化が進んでいる、いわゆる高齢化率五〇%の限界団地であります。さらに、担当する高齢者は約七千五百人、国基準をはるかに上回っております。そのエリアを主任ケアマネジャー、社会福祉士、看護師の三人の専門職で担当しなければなりません。 地域包括支援センターは、①自立して生活できるようにするための支援、介護保険の要支援一、二と認定された人の介護予防サービス、②何でも相談、③権利を守る、成年後見や虐待、消費者被害などの対応、④地域ネットワークづくりとありますが、担当するエリアの広さと抱える高齢者の数とこれらの現場対応をこの専門職三人ですることは、こちらのほうも限界ということが現状であります。 話を伺う中で幾つかの問題点が指摘されました。介護予防という視点から要支援一、二のランクができましたが、北区は他の区と比べると圧倒的にその数が多いわけであります。そのことが地域包括支援センターの現場にも影響を与えて、負担を大きくしているということであります。例えば支援のため団地を訪問しますが、この人がなぜ要支援なのか理解に苦しむことがしばしばあるということであります。 認知症のお年寄りでとても一人で生活できる状態ではないのですが、その他はすべて元気ということで要支援の認定です。しかし、現場でその人を見るととても要支援とは言い難い。せめて要介護であればある程度の支援体制が組めるのに、要支援のため要介護の支援が受けられない状況になっているということであります。それで困っている現状を見ると、掃除や洗濯までやらざるを得ないということであります。介護現場から見ると、要支援の認定者が多いこと、その認定者も本来は要支援の認定すべき人ではないかと思うことが多いということであります。 つまり介護認定の仕方に言及せざるを得ないのですが、介護の現場からすると、認定に当たり福祉の視点が欠けていると言わざるを得ない。そのことが要支援が多くなり、要介護と同じ支援を地域包括支援センターで負担をしなくてはならない結果を招いているとの話を伺いました。 介護予防のための支援であるべき仕事が要介護と同じ支援をしなければならない状態の人が多く、結果として予防の仕事ではなく、介護の仕事をやらざるを得ない状況となっているということであります。 相談業務となりますと、さらに多岐にわたる問題に取り組まざるを得ない状況です。相談件数としての数字は上がっておりますが、その一件一件の内容は根の深い、大変な状態のものが多いということであります。 相談があったので、急遽様子を見に家を訪問、家に上がると相談した人はひとり住いのお年寄りで病気になっておりました。だれもいないので、付き添って救急車で病院に搬送、家族と連絡がとれず、緊急の手術に立ち会い、時間は夜中になってもいつ帰れるかわからない。 近所から相談があり、その家に伺うと認知症のお年寄り、家はごみ屋敷となっており、ごみの清掃をしなくてはならない。 お年寄りの虐待の通報があり、急遽駆けつけると同居している家族が立ちはだかり、あなたが全部面倒を見てくれるのかと逆に責められる。見るほうも見られるほうも切ない状態である。 このような相談は、枚挙にいとまがないわけでありますが、一つ一つの問題の根の深さもあり、相談といっても時間と労力と精神力がなくては問題の解決に向かわないわけであります。 他の地域包括支援センターにおいてもその地域の特性があり、相談内容はやや異なりますが、支援については同じような大変な取り組みをしております。 介護予防の取り組みや相談業務、虐待など権利擁護と地域とのネットワークづくりなど、取り組む課題が多いわりには、人もお金も足りないというのが現状です。委託料も含め、財政的な支援を考えるべきであると思います。 北区の地域包括支援センターは平成十八年度からスタート、そのときには三カ所、平成十九年度は四カ所追加、平成二十年度はさらに五カ所ふやされ、現在は全体で十二カ所で運営されております。それでもおぼつかない現状であります。今年度桐ケ丘やまぶき荘、王子光照苑は非常勤一名が委託料に上乗せされました。当事者から、助かりましたという話を伺いましたが、根本的な解決にはなっていないと思います。 そこで地域包括支援センターについて質問をいたします。 一、平成十八年度から地域包括支援センターはスタートしましたが、当初の見込みから、扱う人数も大きくふえ、内容も広く重くなってきております。三年経過し、ここでその内容を検証し、その問題点を見直すべきだと思いますが、いかがでしょうか。 二、今、十二カ所の拠点をもっておりますが、扱い件数が多くなっていること、エリアによってばらつきがあること、地域によって相談内容が異なることなどがあります。今のままでは飽和状態であります。まず、拠点をふやすことが必要だと思います。さらに、バランスのとれたエリアの再編をすべきだと思いますが、いかがでしょうか、お答えください。 三、介護のはざまという言い方もありますが、地域包括支援センターは介護のあり方とあらゆる相談、支援のお願いが寄せられます。特別養護老人ホームにすぐにでも入らなければならない状況でも、すぐには入れない。緊急事態でもどの施策にも該当しないケースだからといって断るわけにもいかない。そのような場合、区との連携は当然のこととして、地域や医療機関を含めた関係機関とのネットワークづくりを一層進める必要があると思います。ネットワークにより、ものごとの処理がもっと軽減されるということになると考えます。いかがでしょうか、お答えください。 最後の質問は、特別養護老人ホームの指定管理者指定の問題と、待機者の問題についてであります。 特別養護老人ホームの指定管理者移行がいよいよ二期目を迎えることになります。指定管理の一期目の総括と、二期目を迎えるに当たりどのような対応で指定管理を行うのか大変注目することであります。 指定管理者制度導入当初は、指定管理料の算定については確たるものがなく、桐ケ丘やまぶき荘は介護報酬のみの運営ということで、指定管理料はなし、現在は修繕などの費用ということで三百万円ということであります。北区社会福祉事業団が運営する上中里つつじ荘などは、委託料で運営していたときの経費と、指定管理者制度が始まる時点で見込まれた介護報酬との差額を指定管理料として算定して、区は支出をしているということであります。つまり指定管理料について施設間に大きな差があり、どのような基準で算定したのか、施設においてまちまちであります。 北区社会福祉事業団が運営する上中里つつじ荘、清水坂あじさい荘は、指定管理者制度の移行を機に、北区側から介護報酬の中で運営するようにと経営努力を求められてきたところですが、人件費の増加と、民間施設と比べて、区立施設における光熱水費等に見られる効率の悪さなどがあり、努力の中で大変な運営をしているということであります。桐ケ丘やまぶき荘は、当初介護報酬のみの運営でありましたが、指定管理者となって、小規模の修繕などに使う費用として管理料三百万円が算定されました。上中里つつじ荘などと同じように、人件費の増加や介護報酬のダウンなどの要因で平成二十年度は二千万円の赤字となりました。既に介護報酬のみの運営ではなかなか厳しい状況になってきたとも言えます。 そこで指定管理者制度二期目の指定管理料の算定に当たり、北区として指定管理料のあり方についてどのように考えているのか示す必要があるのではないかと思うのであります。例えば介護保険導入以前に建設された区立施設は、経営という概念より共有部分の快適さを求め、広いスペースをとるように設計されております。おのずから光熱水費の負担が多くなるということですが、指定管理者の経営努力以前の問題であります。介護報酬の中で運営をしていくことは基本として、区立施設ゆえに経費がかかる部分については、指定管理料として算定すべきであると思います。 また、介護保険制度においては、従来型多床室の居住費について、支払いができない低所得者のための補足給付制度がありますが、他の入居者は日額三百二十円徴収と決められております。そのため、この補足給付制度を適用すると、低所得者分は介護報酬の中から給付を受けられるものの、実際には他の入居者の居住費を含め全体の経費はそれ以上かかっているわけですから、かかる経費の差額を施設が持ち出さざるを得ないわけで、指定管理者の負担が大きくなっているということであります。 また、うきま幸朋苑や飛鳥晴山苑などの民間施設の場合は、民営ということで東京都から補助金を受けておりますが、北区立の場合はその適用がないということで、その不公平さについて区として考えるべきだと思います。 以上、特別養護老人ホームの経費にかかる問題点を指摘いたしましたが、一、今後について指摘した問題点をどのように考え、対処に取り組もうとされているのかお答えください。 二、二期目を迎える特別養護老人ホームの指定管理料算定に当たり、北区はどのような基準をつくろうとしているのかお答えください。 次に、特別養護老人ホームの入所希望の待機者問題について質問をいたします。 北区における入所希望の待機者が八百人を超えているとの話を伺いますが、経管栄養など医療行為がある方については、受け入れ施設が限られていることから、長期間入所できない待機者が多いと聞いております。 一、医療行為がある方の待機状況はどのようになっているのかお聞きいたします。また、対応等についてどのようになっているかお答えください。 二、特別養護老人ホームの建設の補助金はユニット方式、個室のみを対象にしていることから、うきま幸朋苑や飛鳥晴山苑がせっかく建設されたにもかかわらず、入所可能となった待機者が費用の面で辞退をするという話を伺います。つまりユニット式はホテルコストが高く、低所得者の入所はしにくい状況であります。そこで現在ある従来型特別養護老人ホームの改築や増築をすることで従来型の増床を図ることは、待機者解消の一助となると思います。今定例会においても、清水坂あじさい荘、桐ケ丘やまぶき荘において増床の条例改正がありますが、今後、この増床についてどのような展開をするのかお答えください。 三、北区において現在ポイント方式の入所調整を実施しております。公平性の確保をするために、ポイント方式にしたのですが、施設からすると退任者が出て、新たな入所者が決定するまでの時間が三週間程度かかり、年間を通すとかなりのロスタイムとなり、収支面で大きな影響があるということであります。待機者の立場に立ってできるだけ早く入所していただくような方策を考えていただきたいと思いますが、お答えください。 以上、質問をいたしました。 ご清聴ありがとうございました。(拍手) (区長 花川與惣太君登壇)
◎区長(花川與惣太君) あすか新生議員団を代表しての安田勝彦議員から学校交流事業を初め、地域包括支援センターや特別養護老人ホームなど、いずれも区民の生活に密着した課題を掘り下げてのご意見、ご提言を賜りました。まことにありがとうございます。 それでは順次お答えをさせていただきます。 まず、都市間の学校交流事業についてであります。 東十条小学校と与論島の小学校との交流が来年で三十周年を迎えることは、学校関係者及び地域の方々の並々ならぬ熱意の積み重ねの成果であり、多いに敬意を表するものであります。 与論島の感想ですが、面積は北区とほぼ同じでありながら、人口はわずか六千人余りで、美しい海に囲まれ、自然と人情が豊かなすばらしいところだなと感じたところであります。 次に、過去の行政責任等に係る問題への対応についてお答えをいたします。 用地問題など長年にわたり解決できていない課題は幾つかございますが、このような課題については、まずは過去の経緯等の解明が第一となりますので、改めて調査をいたします。今後とも誠意を持って粘り強く解決へ向けた努力を重ねてまいる所存であります。 次に、地域包括支援センターについて順次お答えをいたします。 制度創設から三年が経過し、地域包括支援センターは身近な総合相談窓口として地域に定着してまいりました。しかし、ひとり暮らしの認知症、高齢者への対応や、高齢者虐待等の困難ケースの増加、特定高齢者の把握など、新たな課題も生じています。このような課題に適切に対応するために、高齢者を取り巻くさまざまな問題を解決する中核的な拠点として、地域包括支援センターの機能強化に取り組んでまいります。 次に、地域包括支援センターの地域の再編成についてお答えをいたします。 現在、十二カ所体制で運営している地域包括支援センターは担当地域によって高齢者人口や高齢化率が異なるために、地域の特性を十分考慮し、それぞれの実情に応じた配置が望まれています。地域包括支援センターの再編成につきましては、今後、改定を予定している基本計画の中で地域包括支援センターの増設も含め、検討を進めてまいります。 次に、地域包括支援センターのネットワークづくりについてお答えいたします。 高齢者の地域での生活を支えるために、地域のさまざまな関係機関の連携が重要です。民生委員の訪問、障害福祉分野との調整、近隣住民や専門機関と連携した協働のアプローチ、ボランティア等の住民活動など、インフォーマルな活動を含めた地域と社会資源とのネットワーク化が欠かせません。地域包括支援センターを中心に関係機関との連携の輪を積極的に広げてまいります。 次に、特別養護老人ホームの指定管理と待機者問題に関するご質問にお答えいたします。 まず、指定管理料につきましては、特別養護老人ホームの施設の規模や介護の運営方法等の違いにより、施設間において差があることは事実です。区といたしましてはこうした状況を踏まえ、介護報酬での事業運営を基本に、個々の施設の状況をも反映した指定管理料の算定が重要であると考えております。二期目の指定管理料算定に当たっては、サービスの維持、向上とともに、この点を重視して基準を検討してまいります。 次に、待機者問題についてでありますが、医療行為が必要な人の受け入れには看護職員の確保が必要であり、受け皿が限られていることから、五月現在百二十三名の待機者がおります。特別養護老人ホームの介護職員にも、一定の条件下で医療行為を認める国の動きもあり、今後、区立施設を中心に受け入れ体制の充実を検討してまいります。 また、低所得者の入所がしやすくなるように、既存の特別養護老人ホームの改修による増床を検討するとともに、多床室の整備も補助対象となるように国や東京都に要望してまいります。 入所者の決定につきましては、入所者情報の事前提供に努めるとともに、施設の規模に応じ複数推薦を行うなど、推薦方法を見直し、入所調整の迅速化を図ってまいります。 以上、お答え申し上げました。 本日のご意見、ご提言を踏まえて、よりよい北区、安心して暮らせる北区のためにさらに力を尽くしてまいりますので、よろしくお願いいたします。
◎教育長(伊与部輝雄君) (説明員) 私からは、都市間の学校交流事業についてお答えをさせていただきます。 初めに、今後の都市間の学校交流についての見解です。 ただいまは鹿児島県大島郡与論町立茶花小学校、与論小学校、那間小学校の三校と、北区立東十条小学校との間の四十年にわたる多くの皆様に支えられた交流の歴史をご紹介いただきありがとうございました。あわせて、この間の関係者の皆様の熱意とご尽力に心から感謝申し上げたいと思います。 北区における都市間の学校交流は、東十条小学校のように学校間だけでなく、PTA関係者を初め地域ぐるみのご支援をいただきながらの取り組みや、最近ではICTを活用して双方向で映像や音声でのやりとりを行うなど、工夫と努力を凝らしてさまざまな形で実施されています。 そこで、今後の学校交流事業の考え方ですが、平成十四年六月、経済財政運営と構造改革に関する基本方針二〇〇二の中で、都市と農山漁村の共生、対流の推進が閣議決定されました。これは個性的な文化のある便利な暮らしの都市と、美しい自然、伝統文化のある共生の暮らしの農山漁村を行き交う新たなライフスタイルを広め、都市と農村漁村、それぞれに住む人々がお互いの地域の魅力を分かち合い、人、もの、情報の行き来を活発にする取り組みですが、今後の都市間の学校交流を考える上で、大変重要な意味があるものと考えております。 子どもたちにとっては異なる風土や自然、人々の生活、伝承文化、産業などへの興味関心、学習意欲の向上や体験を通じて問題発見能力や問題解決能力が育まれること。交流や触れ合いによって豊かな人間性や社会性、コミュニケーション能力が高まるなどの効果が期待できること。また、学校交流を契機に地域人材の発掘や地域資源を見直す機会ともなり、お互いの地域の活性化にもつながると言われております。 今後、東十条小学校の取り組みなどに学び、十分に参考としながら、新たに交流事業を始めようとする学校をどのように支援していくかについて検討してまいります。 また、交流事業に対する財政的な支援につきましては、こうした交流事業の持つ多くの効果に着目し、財政当局とも相談しながら必要な支援のあり方を考え、可能なものから実施してまいりたいと存じます。 以上、お答え申し上げました。
◆十一番(安田勝彦君) ご答弁ありがとうございました。 今、教育長がご答弁いただきましたけれども、私も本当にこれ、東十条小学校の皆さんから話を伺って、よくぞ四十年間も交流を続けたなという思いをいたしましたけれども、実際に与論島、みんなパンフレットなんかはヨロントウと書いてあるんですけれども、正式にはヨロンジマと言うそうで、今日はヨロンジマという言い方をさせていただきましたけれども、一般的にはヨロントウ、ヨロントウと言っていますから、ヨロントウでいいのかなというふうに思いますが、与論島に行きまして、やっぱり向うがまた、迎えるほうも、四十年間そこの交流をやっていこうという熱意があった。双方がそういう気持ちがないとこれだけ続かないんだなという感じを受けました。 そういう意味では大変貴重な、北区にとっても大変貴重な交流事業の一つかなという感じをいたしました。今後ともひとつよろしくお願い申し上げたいと思います。 それから、包括支援センターの件ですけれども、なかなかこの包括支援センターという名前そのものがちょっとなじみがどうも持てないというか、そういう感じをずっと持っていたわけですけれども、ところが、仕事の内容というのは、特に介護予防が入ってきてからかなりハードなものになってきているという実態を、私も話を伺ったり、現場を見させていただいてそういうような思いをいたしました。 確かに、今、区長のご答弁で、包括支援センターは今現在北区は十二カ所ありますけれども、さらにふやしていただくようなお話も聞きましたけれども、そういう意味で、ふやすということによって大分軽減するのかなという思いもありますけれども、しかし、実際問題として一つの包括支援センターが三人の専門職だけで大変多くのものを抱えながらやるということの大変さという、特に予防の問題が入ってきてからすごい大変だということを伺いました。 そういう意味ではこれからも確かに包括支援センターをふやすということもそうですし、それから内容の面でももうちょっと精査をしながら、いろんな意味で北区のほうでその辺のところの取り組みをしていただきたいというふうに思います。 それから、先ほど、特別養護老人ホームの待機者解消の質問をいたしました。医療行為に係る待機者というのが百二十三名あるという話でありました。これは医療と福祉との問題があって、新聞などでは、いわゆる簡単な吸引だとかいろんなことぐらいのところはできるような形で看護師さん含めて、看護師さんはできるんですけれども、ケアマネさん含めて、中の見る人ができるような形で取り組みを少し広げ、いわゆる範囲を広げたいという新聞報道もございます。 そういう意味でこの百二十三名が受けられる、特にこの人たちが割と長い間待っているという、もう長期に待っているという方ばかりみたいなんですね。そういう意味では、今後、迎え入れのところの医療行為ができることの拡大と申しますか、そういうことと迎え入れる受け皿というものがもうちょっとできれば、結構待機者というのが減るのかなという思いをいたしました。 それぞれご答弁をいただきましたけれども、今後ともぜひ、いろんな意味での皆さんのご支援をいただきたいと、このように思います。 質問を終わりたいと思います。 どうもありがとうございました。
○議長(平田雅夫君) 議事の都合により休憩します。 午後三時二十分休憩
--------------------------------------- 午後三時四十分開議
○副議長(小池たくみ君) 休憩前に引き続き会議を再開します。 質問を続けます。 三十番 池田博一さん。 (三十番 池田博一君登壇)
◆三十番(池田博一君) ただいまより自由民主党議員団を代表いたしまして質問をいたします。 初めに、北区財政から見る諸課題への見解をお伺いいたします。 イ、日本経済は不動産バブル崩壊、ITバブル崩壊、サブプライム住宅ローンに端を発した金融バブル崩壊と、この二十年間に大きなバブル崩壊が続けて発生してきました。 日本経済は二〇〇二年初頭から息の長い景気回復を続けてきました。しかし二〇〇八年より足踏み状態に入ってきております。その主な原因は、一昨年、アメリカのサブプライム住宅ローン問題に端を発した金融バブル崩壊でありました。アメリカ経済の急激な減速は、日本からの車を代表とする輸出にも影響を及ぼし始めました。このことにより、金融基本市場の大変動、原油、原材料価格の高騰は、事業収益やさまざまなマインドを圧迫してきました。景気回復を支えてきた企業部門の勢いが徐々に失われることになりました。 企業の売上高を見ると、全産業ベースで二〇〇八年一~三月期で約五年ぶりに減収となりました。経常利益も、原材料コストの上昇などの要因により変動費の大幅な増加により減益が続き、いわゆる減収減益になっています。そして人件費の増加が収益の下押し要因となっており、派遣労働者の雇いどめもあり、失業率も高水準にあります。また、賃金は、定期昇給が低調に推移する一方、ボーナスも振るわず、全体として伸び悩んできています。このことが国内需要の盛り上がりに欠け、それが内需の回復をおくらせる大きな原因となってきています。 内需の回復がおくれることにより、企業の収益の低下となり、必然的に税収にも大きく影響を来しております。また、失業者の増大、景気減速は行政財政の支出拡大となってきております。 内閣府は四月、二〇〇九年度の国内総生産成長率見通しを実数でマイナス三・三%、名目でマイナス三・〇%に下方修正し、臨時閣議で報告しました。昨秋からの世界的な景気減速を受けて、いずれも過去最悪の水準となっています。 現下の日本経済の状況をさまざまな角度から見たとき、北区財政の影響はどの程度のものになるか、その見解をお伺いいたします。 ロ、過去の例を見ても、日本経済は海外発のリスクに対して脆弱さを抱えています。これは海外の活力を取り込む体制も弱く、また国内に十分な成長機会もなかなか見当たらず、企業はリスクの高いプロジェクトを避け、リスクを回避しようとするあまりに企業活動も活発化してきません。これは家計にも当てはまり、企業も家計もリスクマネーに大変消極的になってきています。これは行政にも言えることかもしれません。今までのように他国企業が高リスクの中で経営を推進する中で、日本の企業は便乗して低リスクの中で生きることが困難な時代になってきています。これは家計にも言えることかもしれません。高リスク高リターン、低リスク低リターンは当然であります。リスクは計測可能なものと言われています。また、よりリスクをとっている企業ほど収益率が高いとも言われています。 北区内の企業、家計に、リスクを取りたくても取れない状況に陥っているのかもしれませんが、北区は区内の産業振興施策に対して、急激な景気後退による地域経済雇用情勢の悪化に対応して、中小企業や区民生活を支援するため、地域振興部内に緊急景気対策を担当の副参事を設置し、全庁を挙げ引き続き景気対策に取り組んでいくとの決意のもと、平成二十一年度一般会計当初予算に一千二百億円を計上しました。 予算編成方針の中で、区民とともにという基本姿勢のもとに、四つの重点戦略を中心に、限られた資源を各分野において重点的、効率的に配分しました。特に、子どもと元気を再重点としています。健全財政を維持しつつ、意欲的に課題解決に取り組んだ積極的予算ですとのもとに、力強い、頼りになる平成二十一年度会計予算が決定していますが、現下の日本経済の状況から見て、現在での予算に対して自己評価をどのように下しているのか、その見解をお伺いいたします。 ハ、国では二〇〇九年度の補正予算が五月二十九日に成立しました。過去最大の経済対策がいよいよ動き出しました。しかしながら、完全失業率はこの三カ月で〇・九ポイント悪化し、失業者数は一年前より約七十万人増と、過去最大のふえ方となり、これは過去に例を見ない上昇です。有効求人倍率も過去最低の水準に落ち込みました。今回の補正予算は落ち込んだ雇用の改善を追加経済対策の中心に据えながら、失業を食いとめ、公共投資の積み増しなどで今年度の実質経済成長率を一・九ポイント押し上げようとする補正予算であります。 一方、全国上場企業の前期決算は、昨年秋以降の金融危機の影響で急速に企業業績が悪化し、ITバブル崩壊で不況となった二〇〇二年三月期以来七年ぶりに幅広い業種が赤字に転落をしました。特に自動車の生産が大きく落ち込み、これにつながる製造業に大きな打撃を与え、雇用にも大きな打撃を与えました。行政が直接的に景気を上昇させることはなかなか困難であります。民需の自律的な経済回復を側面から行う経済対策で、どこまで後押しをできるかが問題になってきます。そして行政が民需の自立的な経済回復を図れるような効果的な経済対策が必要となってきます。 元来、補正予算は、そのとき困っている状況を打破するための対処療法的なものであり、持続性を持たせることに余り主眼が置かれていないようである。それだけ本予算の編成はその年度の政策の遂行だけでなく、将来のあるべき姿の構築を見ながら設計すべきであります。 そこでお伺いをいたします。今後の日本経済の動向予測をしたとき、北区のいわゆる義務的経費、投資的経費はどのようにとらえることができるのか、その見解をお伺いいたします。 ニ、国の税収も減収が現実的となり、行政の職員の期末手当の凍結、民間賃金の伸びも期待できず、全体的に企業の売り上げも縮まり、民間の収入も同じく縮まる傾向にあります。当然このことは、行政が各施策を実行する上に多大なる影響を与えてきますし、民需の活性化につながっていきません。現在の状況を和らげる必要がありますが、生活は将来につながっていきます。単に現在を見るだけでなく、将来につながるインフラの整備など、積極的な対策が必要と思われます。場合によっては大胆な義務的経費の削減、また将来につながる投資的経費の拡大を行う必要があると思います。 現下の日本経済の回復は、世界経済の回復状況にかかっているようですが、北区基本計画2005及び新中期計画を踏まえ、行政運営をしていこうとしている北区として、将来の財政健全化をも念頭に積み立ててきた基金の適切な活用、各施策手法の大胆な見直しを含め、今後、義務的経費、投資的経費にどのような対応をして乗り越えようとしているのかお伺いをいたします。 次に、財政を横目に見ながらではありますが、将来の北区のあるべき姿をどのように具現化するのか幾つかお伺いをいたします。 イ、平成二十年の北区人口推計調査報告書によると、二十年一月現在は約三十三万二千人であります。そして大規模な新規開発による新たな人口流入もあり、平成二十年から平成二十四年の今後の四年間は人口増加となるが、その後は減少に転じる。減少の大きな要因は、生産年齢人口の減少であり、これは主に高齢者層への移行が中心と考えられると述べられております。 また、平成十七年の総人口を百とした場合に、北区は平成三十七年に九十五に減少し、全国では九十三、東京では百四と、北区は全国並みの減少幅が推計されるとも述べられております。 若年層を呼び込もうとするとき住宅にかかる費用が安いことも大切な要因です。当然一人で住もうとするときに、ワンルームに目が行くことは当たり前です。しかしながら、北区においては自治会活動に参加しない、ごみ出しがいい加減であるなどの理由もあり、ワンルーム規制を行いました。それはそれで一つの考え方であるので間違っているとは思いません。しかし反面、若年層を呼び込む手段の一つを失ったことにもなります。 とかく一つのことに一〇〇%を求めるという考え方が強いようです。全体の調和を求め、八〇%でもよしとする考えを持たないと、ややもすると偏ったものができ上がってしまいます。意図的に北区の人口構成をバランスよく保たせることは大変難しいことと思いますが、施策をうまく組み合わせることによって、多少意図的に変えることが可能であると考えています。区として人口構成のバランスを保つための方策を、どのように考えようとしているのかお伺いをいたします。 ロ、平成二十年度の北区民意識・意向調査によると、北区の印象、将来像のアンケートによると、北区のイメージは便利で住みやすいまちが回答者の五〇・一%で突出しており、ついで緑豊かなまち一五・五%で、三番目はごみごみしているまちという否定的なイメージとなっています。望ましい将来像は健やかで安心して暮らせるまち五六・七%が多く、次いで、安全で災害に強いまち、生活利便性の高いまち、快適な住環境を育むまちと続いています。 また、半数の人が公園や緑などの多い自然と親しめるまちを期待しています。次いで、閑静で環境のよい住宅地、よい品物が安く購入できる商店があるまち、次に、近隣相互の交流がある人情味あふれるまちと続いています。 区の魅力を伝える情報発信が求められており、北区の魅力を伝える北区の情報誌やマップの作成が多くの人に望まれ、次いで、多様なメディア媒体による北区に関する情報、北区ならではの文学賞や音楽・演劇など文化事業の開催と続いていました。日用品の買い物は徒歩圏内で買い物をしているということも判明しました。ほかにさまざまな設問での調査が図られており、この調査は大変意義があり、北区の今後の指針づくりに貴重な資料であります。 その中に、区民の意識の中に、ごみごみしているまちという意識がありました。ごみごみしているという、その意味はさまざまなことが潜んでいると思います。その一つに、木造住宅密集地を指していることもあると思います。北区の施策の中に、木密解消対策の事業があります。その中でさまざまな手法を用いて解消に向けて努力していることは承知していますが、反面指定された地域以外ではミニ開発が進み、一区画十五坪程度の木造住宅が密集開発され、新たな木造密集地域が現出しています。上手の手から水が漏れるがごときであります。 北区のまちづくりの方向性を考えたとき、当然、文化的利便性、快適性などを考慮し施策を進めていくものと思いますが、どの程度の世帯数、どの程度の人口、余裕空間を想定して北区内を整えていこうとしているのかお伺いをいたします。 ハ、平成二十年三月の北区人口推計調査報告書によると、今後も少子高齢化が進み、高齢者に対しては現在の二・八人で一人の扶養から、平成三十年前後には働き手二・三人で一人の扶養と、扶養負担が最大となってきます。農業が産業の中心にあった時代は、早く結婚して多くの子どもを産むことが家を繁栄させるために必要でありました。しかし、現在は晩婚化などもあり、少子化の時代となりました。少子化の時代で困るのは、実は我々もそうであるが、若年層もそういうことになります。人は老いることは当たり前のことです。年金や医療、介護などの社会保障制度も損なわれてきます。 日本での家庭での成り立ちは、高齢となった親を子が面倒を見、その子が高齢者になったとき、その子が面倒を見るという、いわば順送りをするというサイクルで成り立っていました。その順送りもなくなりつつあります。また日本においては、現役世代が引退した高齢世代に富を仕送りし、高齢世代の生活に充当しています。したがって、現役世代から高齢世代に仕送りをすることにより、生活も成り立っており、少子化の時代にはその仕送りの道筋も細っていきます。また、現役世代が減少することによって生産力も下がり、そのような時代に耐えられる施策の再構築、施策の大胆な変換も必要とならざるを得ません。北区の少子化対策への積極的な対応を求められますが、どのように対応していくのかお伺いをいたします。 我が国の高齢化の状況は、六十五歳以上の高齢人口は男性一千百七十万人、女性で一千五百七十六万人であります。そのうち、後期高齢者人口は男で四百七十七万人、女性で七百九十九万人であり、総人口に占める割合は九・九%となっています。今、高齢社会を迎え、高齢化率も二一%を超え、五人に一人が高齢者であり、十人に一人が後期高齢者という本格的な高齢社会に突入しています。 そして、今後の長期の人口減少過程に入ると言われています。そして総人口が減少する中で高齢者が増加することにより、高齢化率は上昇し続けていきます。高齢者人口のうち、後期高齢者人口は団塊の世代が高齢期に入った後に、平成二十八年の一千七百四十四万人をピークに迎えるとも言われています。そして四十三年までは減少傾向となるとも言われています。そして一九九四年の痴呆性老人対策に関する検討会報告によると、認知症高齢者の出現率は二〇〇〇年で七・二%、二〇一〇年で八・一%、二〇二〇年で八・九%にも上ると報告されています。また、寝たきりの原因は、脳血管疾患、高齢で衰弱、骨折、転倒に次ぐ認知症が挙げられます。 そのような中、田端に新たな特養も誘致を図ることになっていますが、現在、利用料金と支払い能力にかなりのギャップが生じてきています。それらの解消も含めた施設の設置、拡充が求められますが、十年、二十年のスパンでの対応をどのようにしていくのか、また五人に一人ということでなく、むしろ三、四人に一人は高齢者になることを前提にした長寿社会を基本にした、大胆な施策を採用すべきと考えますが、その見解をお伺いします。 ホ、今直面している施設入所者の重度化に伴う特養の施設改修、特に浮間さくら荘でありますが、入浴設備が現在の入所者の対応に不具合があり、設備改修をすることになっているが、具体的な改修日程はどのようなものかお伺いをいたします。また、エレベーターは一基あるが、現在の入所者の利用状況を見たとき、一基ではとても賄えず、増設を望みますが、現在の置かれている状況での増設工事が無理ということであるならば、他の施設を一時的に利用するか、新たに適地を求め、特別養護老人ホームを新設することも念頭に対応すべきと考えるが、どのような対応をしていこうとしているのかお伺いをいたします。 ヘ、平成十八年で六十五歳以上の高齢者のいる世帯は八百二十九万世帯で、全世帯の三八・五%を占めます。また、そのうち単独世帯が四百十万、世帯夫婦のみの世帯が五百四十万世帯、親と子のみの世帯二百九十四万世帯、三世代世帯が三百七十五万世帯となっています。今後、単独世帯、夫婦のみ世帯がますます増加すると見込まれています。 被介護者への食事を与えない、乱暴な言葉を投げかける、下着を取りかえない、性的暴力などなど防止のため、平成十八年四月一日より高齢者虐待防止法は施行されました。一方、家族介護者は今、介護、家事、仕事、勤務、地域生活、家族間、兄弟間の葛藤などなど、さまざまな問題、課題に直面し、その問題、課題を丸ごと受けとめ介護をしています。私の家庭もそうであるが、家族介護者と被介護者が閉じた関係の中で窒息しそうになっている家庭はたくさんあると思います。 そして老老介護から認認介護へ時代は移りつつあります。介護保険に掲げた介護の社会化ということだけでなく、家庭介護をするためになされる支援、家族を介護から解放する支援を包括した脱家族化支援として、在宅での介護環境の整備を家族者介護支援として再構成、再構築する必要があります。私は介護者虐待防止条例を制定すべきと考える一人であります。北区での理念はどうあるのか、今後どのような施策として対応していくのかお伺いをいたします。 最後に、赤羽駅東口周辺を含めた課題についてお伺いをいたします。 イ、赤羽駅東口周辺に放置自転車の数は相変わらずすさまじい限りです。歩道、植込みと置けるところなら何でもありのようです。今まで多くの議員からも質問がなされていますが、なかなか進展しません。私も何度か質問をさせていただいています。今回も一昨年同様、地下駐輪場か地上での立体駐輪場の設置を強く要望いたします。具体的に検討するとの話も仄聞していますが、今後も含め、どのようになっているのかお伺いをいたします。 ロ、赤羽駅東口地区まちづくり全体協議会が、十条まちづくり協議会にややおくれ立ち上がりました。協議会メンバーは商店街、近隣町自治会、PTAなどを中心にして、地元と区が協働して運営することになっています。 その目的は、地域に愛着を持ち、住み続けられるまちづくりを目指し、まちづくりの勉強会や情報などを交換し、互いに考え、行動することで相互理解を深め、赤羽駅東地区まちづくりの円滑な推進を図ることを目的としています。ただし、対象地域については必要に応じて協議会で見直すことができるものになっています。 まちづくりの定義はなかなか難しい問題であります。平成二十年度北区民意識・意向調査の結果でも、北区に住み続けたい定住意向派が約八割にのぼっています。そして転居希望者は約一五%の方がいます。その主な理由は、現在の住宅に不満があるが一番目であり、買い物や日常生活に不便だからが前回と比べ約三倍に増加し、おおむね転居希望者の一一%の方が回答しています。そして北区に愛着を感じるというのは約八割の方がおり、愛着を持つ人が圧倒的な多数派となっています。日用品の買い物は徒歩圏内でという方が約八四%の比率であり、ほとんどの区民が個店かスーパーマーケットか、いずれかで買い物を済ませていることになります。消費金額はわかりませんが、区民の懐から相当の消費がなされていることになります。そして、生活環境評価では、生活の利便性については全体的に満足しているとの傾向でした。また、自宅周辺の住みやすさはおおむね全体の八割強を占めています。 調査の結果だけで判断すると、北区はおおむね住みよいというより、かなり住みよさそうであります。内にいると外のことが強調されるあまり足元のよさがわからなくなりそうです。そのような評価の中でまちづくりは大変難しいと思います。住宅を中心にしたまちづくり、商店を中心にしたまちづくり、教育施設を中心に捉えたまちづくり、それぞれの置かれた環境によりまちづくりは変わってくるものと思います。それぞれの違った立場でのまちづくりを、狭い地域でつくり上げるにはかなりの摩擦が起きるものと思いますが、北区ではどのようなまちづくりを理想としているのか。また、どのような決意で参加していくのかお伺いいたします。 ハ、北区では、高齢者や障害者を初めだれもが安心して移動できるまちづくりを進めるため、また民間バス路線が廃止になったことによる代がえとしての考えから、民間事業者と連携し、白い車体に桜の花びらの
コミュニケーションマークを配したコミュニティバスのモデル運行を行っています。モデル運行開始から一年が過ぎ、今年の四月には一日に二千人を超える乗車があったと仄聞しております。大変利用者からは好評をいただいているものと判断をしております。他区から古河庭園に代表される観光地に訪れる方がかなりの比率を占めているとも仄聞していますが、その利用実態についてどのように把握をしているのか。また、バスは単に移動するための手段であります。この手段の使い方によっては北区全体の商店街の活性化、住宅街のまちづくりに大変有効に作用します。北区のコミュニティバスはどこに向かって、何のために走ろうとしているのかお伺いをいたします。 以上で質問を終わります。 ご清聴ありがとうございました。(拍手) (区長 花川與惣太君登壇)
◎区長(花川與惣太君) それでは、自由民主党議員団を代表しての池田博一議員から、未曾有の経済危機に当たっての将来を見据えた行財政のあり方や、少子高齢化の課題、赤羽のまちづくりに関する課題など、多岐にわたって大変貴重なご意見、ご提言をちょうだいいたしました。まことにありがとうございます。 それでは順次お答えを申し上げます。 まず、日本経済現況から見た北区財政への影響に関するご質問にお答えをさせていただきます。 昨年来の金融危機に端を発した世界同時不況は、地方自治体の財政運営に対しても大きな影響を与えているところであります。これまでに発表されているさまざまな経済指標を参考といたしましても、今後直ちに景気回復を期待できるものは少ない状況であり、地方自治体にとってはいまだ予断を許さない状況が続いているという認識を持っております。特に、雇用情勢と企業収益の悪化は北区の歳入予算の大宗を占めます。特別区税と特別区交付金に大きな影響を及ぼすことから、今後も景気の動向については十分な注意を払っていく必要があるものと認識しております。 次に、平成二十一年度予算に対する現下の評価に対するご質問にお答えをいたします。 平成二十一年度予算は、重点戦略を中心に、子どもと元気を最重点戦略とするとともに、経済情勢を踏まえた緊急景気対策に優先的に対応するなどの積極的予算であると認識しております。さらに、本定例会では当初予算に引き続き緊急雇用等補助金を活用した景気対策事業を提案させていただきました。今後も区民の皆様の雇用不安などの生活に対するさまざまな不安を緩和し、この困難な時期を乗り越えるために国や東京都の動向にも十分注視し、議会ともご相談しながら、さらなる景気対策についての対応を検討させていただきます。 次に、今後の日本経済の動向予測での各経費のとらえ方と今後の行政運営への対応に関するご質問にお答えいたします。 現在の日本経済は悪化のテンポが緩やかになったものの、依然として厳しい状況にあり、先行きについても経済対策の効果などが景気を下支えすることが期待されるが、生産活動が極めて低い水準にあることなどから、雇用情勢の一層の悪化が懸念され、景気をさらに下押しするリスクがあるとの判断があり、いまだその好転の時期が見えない状況であります。このため、現在策定を進めている新基本計画においても、その財政計画ではしばらく厳しい局面が続くことも想定しながら、その改定作業を進める必要があると考えております。 このような状況のもとで、自治体の行財政運営を持続可能なものとしていくためには人件費、交際費などの義務的経費を抑えつつ、各自治体が抱える課題に対し、適切に対応できるための財源を確保していくことが何より重要であると考えております。 これまで北区は人件費を中心に義務的経費の削減に努力してまいりましたが、今後、学校改築を初めとした施設更新などの投資的経費の需要増に対して、その財源を起債に求めてまいりますと、将来的には義務的経費の増大も懸念がされるところであります。 したがいまして、今後とも持続可能な運営を可能とする行財政体制への転換を進めていくためには、将来世代への負担を十分に配慮しつつ、起債と基金を有効に、そして計画的に活用するとともに、あわせて経営改革プランに基づいて、内部努力の徹底と役割分担の見直しを一層進めていく必要があると考えております。 次に、将来の北区のあるべき姿への創造のうち、人口構成バランスへの対応についてお答えをいたします。 北区の総人口は昭和四十年代の四十五万人台をピークに減少し続け、ここ数年は増加傾向にあるものの、平成四十年には約三十一万人になると予想しています。人口規模面から見ると、中核市規模を保つと予測していますが、人口構成は現状より少子高齢化が進展し、今以上に人口構成のアンバランスが大きな課題です。今から生産年齢人口、年少人口の割合を高めるための効果的な施策を実行していくことが重要と考えております。子育て世代や若年層の誘致のためには民間導入などの住宅対策だけでなく、緑豊かな環境やまちづくり、子育て支援の充実、教育先進都市の実現、生活利便性の向上など、子育て世代や若年層が住みたくなる総合的な施策の推進を図ることが重要です。 区民意識・意向調査における世代のニーズを分析し、求められている事業を展開するとともに、先進的で時代を先取りするような事業、北区全体の魅力を高める事業に積極的に取り組んでまいります。また、その事業や魅力を発信して北区の知名度を高めてまいります。 次に、今後のまちづくりの方向性への対応についてお答えします。 北区の世帯数は、平成二十四年の約十六万六千世帯をピークに、その後減少に転じ、平成四十年には約十五万五千世帯になると推計されています。また、総人口は二十年後には約二万人減少することが推計されています。 しかしながら、区としましてはだれもが住み続けることができるよう、多様な価値観とライフスタイルにあわせた、良質な住宅ストックの形成に取り組む必要があると考えております。そのため、区内におけるミニ開発を抑制し、宅地の細分化を防止する効果的な方策を今後検討してまいります。 次に、北区の少子化対策についてお答えいたします。 北区の合計特殊出生率は東京都の平均を下回り、平成十五年には〇・九五まで落ち込みました。平成二十年は一・〇三とわずかに回復したものの、急激な少子化が進行しています。急激な少子高齢化は労働力人口の減少や内需縮小により、確実に経済成長を抑制させます。しかし、少子化は社会におけるさまざまなシステムや、人々の価値観と深くかかわっています。 この事態を克服するためには、長期的な展望に立った不断の努力の積み重ねが不可欠です。 そのため北区では現在総合的な子育て支援計画として、「北区次世代育成支援行動計画」後期を平成二十二年三月策定を目途に検討中であります。後期計画は働き方の見直しによる仕事と生活の調和の実現と、その社会基盤である包括的な次世代育成支援の枠組みの構築を車の両輪とした上で、多様な保育サービスの充実、妊娠、出産、育児の不安の払拭、家族や地域の子育て力の支援などを柱として検討しているところであります。この計画を着実に実現することにより、子どもを産み育てることのすばらしさを感じることのできる北区、子育てするなら北区が一番を目指してまいります。 次に、長寿社会への施策対応について、特別養護老人ホームのご指摘の点は重要な課題であると認識しており、今後、対応策を検討してまいります。また、元気な高齢者から介護認定を受けている高齢者まで、それぞれの状況に応じ、だれもが生涯を生き生きと生活できる仕組みを構築していくことが使命と考えております。介護予防事業の一層の推進を図るとともに、地域密着型サービス拠点やショートステイの拡充など、在宅支援の強化策も基本計画の中で検討してまいります。 次に、浮間さくら荘の入浴設備につきましては、現在、工事内容について検討中であり、年内の完成を目指しております。また、エレベーターの増設につきましては、今年度改修のための調査を行い、その結果を踏まえ、対応を検討してまいります。 次に、介護者支援についてお答えをいたします。 ご指摘のとおり、介護期間の長期化などで介護者の負担はますます増大しています。また、昨年実施した高齢者実態調査でも、主な介護者の年齢をお聞きしたところ、六十五歳以上が四五・八%という結果でした。そのため、高齢者保健福祉計画では、在宅で介護している家族への身体的、精神的な負担を軽減するため、在宅サービスの充実を掲げていきます。今後とも地域包括支援センター、民生委員、介護事業者など、さまざまな方々と連携し、介護者のケアや負担の軽減に努めてまいります。 次に、赤羽駅東口周辺の駐輪対策についてお答えします。 赤羽駅周辺の放置自転車対策では、土日を含めた連日の撤去活動や、区民の皆様とともにクリーンキャンペーンなど放置自転車削減に取り組んでまいりましたが、まだまだ不十分であると考えております。今年度は赤羽駅周辺の自転車駐車場設置検討調査を行い、駅周辺の現状等を踏まえた課題を整理し、新たな自転車駐車場の整備のあり方について総合的に検討してまいります。 次に、赤羽駅東口地区における区が理想とするまちづくりと、協議会に参加する決意についてであります。 区では、まちづくりの主役は地域に生活する区民の皆様と考えております。現在、赤羽駅東口地区は新仲地区の共同建て替え、ダイエー赤羽店ファッション館跡地のマンション計画や、赤羽すずらん通り商店街の建物更新、また、自治会、商店会、PTAの皆様から地域のまちづくりに対し強い要望をいただくなど、まちづくりの機運が高まっております。 区といたしましては、この機を逃すことなく、赤羽駅東口地区まちづくり全体協議会に参加し、地域の皆様が立場の違いを越え、活発な意見交換や相互理解を深める場となるように努力をしてまいります。今後とも地域と区が連携し、赤羽駅東口地区をにぎわいがあり、だれもが住みたくなるまちとなるようまちづくりに積極的に取り組んでまいります。 次に、コミュニティバスの方向性についてお答えいたします。 コミュニティバスの利用実態については昨年四月末から今年三月までの調査人数の累計が四十三万五千人で、一日当たり約千三百人の利用がありました。特に、今年の飛鳥山の花見時期には多くの方が訪れ、二千人を超える日がありました。商店街には名探偵★浅見光彦の住む街・ミステリーウオークで活用していただくなど、コミュニティバスが地域に定着しつつあります。モデル運行を通じてコミュニティバスが商店街や病院を経路に含む地域の身近な生活の足であるとともに、商店街の振興や観光にも生かし得る多面的な機能を有していると確認いたしました。今後はさらに利便性を高めるため、中央図書館の閉館時間に合わせた運行時間の延長や、乗り継ぎの改善などに取り組み、本格運行を目指してまいります。 以上、お答え申し上げました。 これからも緊急景気対策に全力を傾注して、またさらに信頼される自治体を目指してまいりたいと存じます。どうぞよろしくお願いを申し上げます。 ありがとうございました。
◆三十番(池田博一君) ご答弁ありがとうございました。 特段、再質問はいたしませんが、最後にコミュニティバスのお話があったわけですが、車はハンドル切ればどこでも走って行かれるわけですけれども、できる限りしっかりハンドルを握って運転していただきたいなとこのように思っておりますので、よろしくお願いいたします。 それと、高齢者対策なかなか難しいと思いますし、これから高齢者もどんどんふえるというところでの施策は大変だと思います。それだけによっぽどの覚悟をやっていただかないと対応しきれないなと思っておりますので、ぜひその対応だけはしっかりやっていただきたいなと思っておりますし、今日の質問はほとんどどのような考えを、覚悟を持って言っているんですかという、そんなような質問で余り具体的なのは入れてなかったわけですが、人間社会ですから、何らかの形でアクションを起こしていかない限りは発展もないですし、進化もないと。言ってみれば、新石器時代と旧石器時代合わせれば二百万年続いたわけですね。余り進歩がなかったという形になりますが、そういった時代じゃなくて、今はかなり進化をする時代ですので、それだけに対応をしっかりと持っていただきたいなと思います。 それと、これはある漫談家が言っていることですけれども、人生八十年一夜にしてならずという、そういう言い方をした方がいるんですね。当然、高齢者対策を、施策を進めるときにいきなりみんな七十、八十になったわけでもないですし、いきなりみんな認知症になったわけでもないわけですから、前もってそういうのが十分予知というか予測できるわけですから、そういうことも含めて将来を予測して進めていかない限りは、今だけ何とかするという形だけで果たしていいんですかということになると思いますので、ぜひその辺も十分お考えをいただいて、施策の推進をしていただくことを要望しまして終わります。 (副議長退席、議長着席) ありがとうございました。
○議長(平田雅夫君) お諮りします。 本日は、この程度で散会し、六月十六日午前十時、本会議を開会したいと思います。ご異議ありませんか。 (「異議なし」と呼ぶ者あり)
○議長(平田雅夫君) ご異議ないと認め、そのように決定します。 ただいまご着席の方々には改めて通知しませんので、ご了承願います。 本日は、これをもって散会します。 午後四時三十分散会...