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  1. 東京都議会 1998-03-19
    1998-03-19 平成10年都市・環境委員会 本文


    取得元: 東京都議会公式サイト
    最終取得日: 2023-06-14
    午後一時九分開議 ◯島田委員長 ただいまから都市・環境委員会を開会いたします。  本日は、お手元配布の会議日程のとおり、都市計画局関係の平成十年度予算の調査及び付託議案の審査を行います。  これより都市計画局関係に入ります。  これより予算の調査及び付託議案の審査を行います。  第一号議案、平成十年度東京都一般会計予算中、歳出、債務負担行為都市計画局所管分、第十三号議案、第六十三号議案及び第六十四号議案を一括して議題といたします。  本案につきましては、既に説明を聴取しております。  その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。  資料について理事者の説明を求めます。 ◯土肥総務部長 資料につきましてご説明いたします。  お手元の都市・環境委員会資料の一ページをお開き願います。首都高速道路公団に対する出資金等の支出状況でございます。  首都高速道路公団に対する出資金及び貸付金につきまして、年度別に記載しております。  次に、二ページをお開き願います。多摩都市モノレール事業概要でございます。  多摩都市モノレールの事業につきまして、その目的、内容等の概要と事業費の内訳を年度別に記載しております。  次に、四ページをお開き願います。都市計画道路区市町村別整備状況でございます。  区部、多摩、島しょの都市計画道路計画延長距離完成延長距離、完成率を記載しております。  次に、五ページをごらん願います。市町村土木補助の十年間の推移でございます。  市町村が施行する公園事業、道路事業、下水道事業に対する都の補助金の額を年度別に記載しております。  次に、六ページをお開き願います。財団法人東京都新都市建設公社が受託した首都圏中央連絡自動車道用地取得実績でございます。  東京都新都市建設公社が建設省及び日本道路公団から委託を受けた首都圏中央連絡自動車道用地取得実績を年度別に記載しております。
     次に、七ページをごらん願います。平成八年度屋外広告物許可件数でございます。  屋外広告物の種類別の許可件数を、許可を所管しております都、区、市ごとに記載しております。  大変雑駁ではございますが、以上でご要求のございました資料につきましての説明とさせていただきます。  よろしくご審議のほどお願いいたします。 ◯島田委員長 説明は終わりました。  ただいまの資料を含めまして、本案に対する質疑を行います。  発言を願います。 ◯たぞえ委員 初めに、東京都の建築行政について伺います。  お尋ねをしたいのは、昨年十一月十七日、世田谷区に確認申請がされて、同月の二十五日に東京都に申請書類が送付され、現在審査中と思われる、世田谷区上北沢五丁目に建設予定の新宿木材ビル増築工事についてであります。  この計画は、大規模小売店であるヤマダ電機が、延べ床面積約一万七千六百平方メートルの、都内最大の面積の店舗出店をしようというものです。販売予定価格は年間三十五億円、杉並区や世田谷区の家電店の年間売り上げの四六%を占め、深刻な不況のもとで地元家電店は壊滅的な打撃を受けざるを得ないという事態になっています。この店舗をつくるために、既存の用途が違うビルを設計上増設をするというのが今回の確認申請の中身であります。  私は申請者から、東京都大規模小売店舗審議会、いわゆる大店審に提出された申請書類と、近隣住民に説明用として配布されている書類、あるいは現場に掲げられております建築計画お知らせ看板に示されている数値について、現地を歩いたり、またいろいろ調べましたら、大幅に相違があることに当初疑問を抱いていました。そこで私は、本計画の内容が建築基準法に適合しているのかどうか、この間、業者の皆さんや住民や建築士の皆さんとともに、数回にわたって東京都都市計画局に事実の確認と見解を聞いてきました。  そこで、初めに、これまで東京都としての見解を伺ってきた事項と都の基本姿勢について、まず事実の確認をしたいと思います。  その第一は、今回、建て主が近隣住民や東京都に提出した建築計画について不適合部分が明らかになりましたが、この不備について、建築主の申請者は、行政庁の指導に従って是正をすると都に述べていますが、そうでしょうか。 ◯佐藤建築指導部長 ヤマダ電機の建築申請につきまして審査いたしておりますけれども、敷地のとり方、あるいは一の建築物とするというような点で、若干不備がございました。そのとおりでございます。 ◯たぞえ委員 次に、その不適合部分の一つである用途地域に関連する部分について伺います。  現在の住民に示している計画では、敷地の過半数が第一種中高層住専地域に属しています。ですから、申請のある規模の店舗はできないわけですが、敷地の一部を計画している土地から切り離して確認申請することによって、敷地の全体が準住居地域になり、計画予定の店舗の建設が可能となる。同時に、単に敷地を区分するだけではなく、切り離したはずの敷地が後日再び店舗用敷地とならないようにするため、切り離した土地に対して他の建築物を計画するよう、新規の建築確認申請が世田谷区に受理された時点を勘案して、今回の確認申請を審査するなどの方向で指導したいと都は述べていますが、そうでしょうか。 ◯佐藤建築指導部長 その方向で現在指導いたしております。 ◯たぞえ委員 もう一つの不適合部分の増築の問題です。今回の申請では、既存のビルに用途が全く異なる店舗用建物を、約四メートルの間隔を置いて配置して、双方二つの建物を簡単な平屋の渡り廊下と各階を外の非常階段で連絡をさせたもので、増築と呼ぶにはふさわしくない形となっている。したがって、二つの建物が少なくとも複数階で建物の接続をし、一部機能を隣接住宅にも含ませるような計画であればやむを得ないと都は述べていますが、そのとおりでしょうか。 ◯佐藤建築指導部長 ご指摘のとおり、建築物の増築におきまして、構造的、形態的あるいは用途的に一体となれば、それを一つの建築物ということで判断いたしております。 ◯たぞえ委員 そこで、用途地域に関連して要望しておきますが、切り離したはずの敷地の一部が再び店舗用地にならないための保障として、今答弁があった方向で指導するといわれたことは、道理ある内容だと思います。私が懸念をしていますのは、実際に建物が建築されなければ、全くそこに意味を持たない、いわば空手形になって、指導も生きてこないというふうに思うんです。そこで、こうした件については、突っ込んだ、真に保障となり得る指導を改めて要望しておきたいと思います。  増築の部分について伺いますけれども、建築基準法施行令の冒頭、第一条第一項一号で、建物の敷地について定義があります。そこでは、敷地とは「一の建築物又は用途上不可分の関係にある二以上の建築物のある一団の土地をいう。」と、このように規定がされています。つまり、二つ以上の建物が互いに切り離すことができない関係にある場合は、それらの建物は、同じ敷地の中に建てることは許されますけれども、用途が不可分でない二つ以上の建物は別々の敷地として区分をしなければならないと、法律でなっています。今回の、六階建て、延べ床面積一万平方メートル余りある隣の純粋なオフィスビルに、用途の全く違う四階建て、三千六百九十平方メートルの売り場面積を持つ店舗を建設するために接続をするという行為は、この法律の趣旨に反していると思いますが、いかがですか。 ◯佐藤建築指導部長 建築基準法では、一つの建築物には一つの敷地というのが原則でございます。二以上の建築物を一つの敷地に存在させるためには、用途上不可分、切り離すことのできない用途という関係になければならないわけでございます。しかしながら、一つの建築物であれば、関係のない二つ以上の用途、こういうものが一緒に入っている複合建築物、こういう区分になりますので、法律上許容されてもやむを得ないというふうに考えております。 ◯たぞえ委員 質問と答弁が違うと思うんですけれども、要するに、法律の精神に逆らって、用途が違う建物を敷地を別々にせずに建てることを業者は申請してきているわけです。これでは、申請者の自由な判断で何でもできちゃう、こういうことになりかねないと思うわけです。先ほど答弁ありました内容では、二つ以上の用途を持った一つの建物が一つの敷地内に許されてしまうことになるのじゃないでしょうか。今回やろうとしている計画は、既にオフィスビルがあって、別の用途の店舗を新たに建設しようというのですから、この場合は敷地を切り離すということがこの法律の趣旨であるはずなんです。申請者は何とか法をくぐり抜けて計画書を出していますが、こういう計画が、地域環境ですとか商業のあり方にも、また都市づくりの観点からも大きな影響を与えかねない。このことを考えますと、行政として建築基準法の精神に従ってオフィスの敷地をきちんと区分して店舗の申請をさせるべきだと思います。都として毅然と指導するよう、とりわけ強く求めておきたいと思います。  次に、二子玉川の再開発について伺いたいと思います。  世田谷区の西の外れ、二子玉川ですが、現在、高島屋を初め東急などのさまざまな事業が行われているところです。この土地に東京都、また組合、世田谷区がこの駅周辺で再開発を計画しておりますが、どのような内容の開発計画なんでしょうか。 ◯進藤開発計画部長 ご質問の再開発の計画の、まず位置ですけれども、東急田園都市線の二子玉川駅周辺でございます。この駅周辺は老朽化した建物が多く、商店街も活気を欠いている状況にあります。また、かつて二子玉川園の遊園地であった大規模空閑地が有効利用されていないという状況にもあります。この再開発は、このような地域で、都市計画の整備とあわせて駅周辺の商業と業務の活性化を図るとともに、国分寺崖線や多摩川など水と緑の豊かな自然環境と調和した、安全で快適な居住機能を含む複合市街地の創出を図ることを目標としております。  組合施行の市街地再開発事業が計画されておりまして、現在準備組合が設立されております。その準備組合が公表している事業の概要ですけれども、面積は約十一・二ヘクタール、公共施設の整備としましては、幹線道路や交通広場の整備を行う、それと、二子玉川公園や多摩川と連携した緑豊かで快適な環境づくりのために、水と緑の公開空地とか歩行者広場、街区公園の整備を行うということにしております。建築物の規模ですけれども、全体で約三十五ヘクタールほどでございます。用途は、駅に隣接した街区では、駅と一体となった立地を生かしまして商業・業務施設を計画、その東側の街区では、商業・業務施設のほかホテルを計画しております。さらにその東側では住宅を計画しているところでございます。 ◯たぞえ委員 今伺っていますと、大変大規模な再開発計画で、都内では、A、B、Cに分けますとAランクに入る、そうした事業になっています。この計画について、昨年の九月の二十九日と三十日に、区内の都立玉川高校で説明会が開かれたと聞いておりますが、その際出席した住民からはどのような意見が行政側に示されたんでしょうか。 ◯進藤開発計画部長 昨年九月の住民説明会は、世田谷区が開催したものですが、この再開発事業に関連しました都市計画道路、用途地域の変更素案の説明会を開催しております。あわせてまちづくりの概要についても説明を行っております。二日間で五百七十一名の方が出席されておりますが、住民の方から出された主な意見は次のようだったというふうに聞いてございます。  一つは、上野毛通り二子玉川公園でとまっているのはなぜか。それと、環状八号線、国道二四六号線がどうにもならない交通量であり、地区内だけいじっても意味がない。また、玉堤通りの拡幅が二子玉川公園の端でとまっているが、目黒通りまで延ばすべきである。それと、東側の商店はさびれ始めており、高島屋のある西側におくれをとっているので、再開発事業を早く進めてほしいというような意見があったようでございます。 ◯たぞえ委員 既に半年が経過をしておりまして、昨年中にアセスの手続に入る、そのような説明があったと聞いています。しかし、ことしに入ってからもう既に三カ月経過をしていますが、私たちとしては何か問題があるのじゃないかというふうにしか思えないんですが、具体的に問題はあるんでしょうか。 ◯進藤開発計画部長 まちづくりを進める上で、関係住民の方々、周辺の方々のご理解を得ることが必要だというふうに考えておりまして、世田谷区では、先ほどご説明しました一般住民の方々への説明会のほかに、地区内の関係権利者の方々を対象に説明会も開いております。その際には、先ほどの意見に加えまして、事業のスケジュールとか実施に当たっての生活上の不安などの問題が出されたというふうに聞いております。 ◯たぞえ委員 予定されている建築物が高さが百メートルを超えるとか、駐車場が一千台を超えるとか、道路が四車線だとか、いろいろなことから、住民の不安もあって、そうした事業者である準備組合も、慎重にやるために時間をかけているのかなというふうに思うわけです。これほど大規模な開発を行う場合に、相当、手続も、また住民との合意もきちんとやらなければならないわけですが、今後の見通しはどうなっているんでしょうか。 ◯進藤開発計画部長 今後の見通しですが、この計画は環境影響評価条例の対象になっております。環境影響評価書案の作成を続けておりましたが、その作成についてはほとんど終了しております。また、東京都と区が行ってきました建設省などの関係機関との調整も進んでいることから、世田谷区といたしましては、十年度のできるだけ早い時期に都市計画決定の前段としてのいわゆる環境アセス前合わせの手続に入りたいということを考えてございます。 ◯たぞえ委員 先ほどから私が発言をしておりますように、今度の計画は非常に大規模な計画でありまして、周辺住民への影響も大変大きいと指摘されている事業です。特に、この再開発を導入するために、道路拡幅を初め多摩川の河川敷を新たに変更するなど、大変環境にも影響を与えるものです。その説明会でも、納得がいかないということで多くの方が意見を述べているようでありますから、この事業については、そういう意見が引き続きあるもとでは、十分時間をかけて話し合いをきちんと行う手続を踏んでいただきたいと思います。  最後に、外環について伺います。  東京外環道路、これは昭和四十一年に都市計画決定がされました。総延長八十五キロという環状道路でありますが、常磐道、東北道、関越道、中央道、東名高速、こうした放射方向の高速道路とすべて接続するという高速道路であります。したがって、当時、周辺の区や市は、この計画に反対の意思を示しました。例えば、昭和四十一年、都市計画決定がされた年でありますが、三鷹市議会は議長が反対要望を表明、同じく六月に調布市長が再検討の要望、同じ六月に武蔵野市長が路線変更の要望、四十三年に入ると、六月に都議会で反対の請願が採択され、同七月には練馬区議会が反対の請願を採択する、その後昭和六十年に入りましても、武蔵野市、杉並区、調布市、狛江市、三鷹市、該当する区市すべてがこの外環道路について反対の意思決定をしたわけです。それから既に相当な時間が経過していますが、その当時、昭和四十五年に凍結宣言が国会で行われました。それからですと、ちょうど三十年近くなるわけですね。  ところが、東京都は昨年、この都市・環境委員会にも外環道路の調査についての報告を出してまいりましたが、私は、凍結という事態になっているもとで、行政が新たな動きをつくったというふうに考えています。これは凍結を解除したというふうに受けとめていいんでしょうか。 ◯山下施設計画部長 昭和四十五年当時でございますが、参議院の建設委員会で建設大臣が次のような発言をしております。すなわち、地元と話し得る条件の整うまでは、これを強行すべきでない、その間においてはしばらく凍結せざるを得ないと思っている、これがいわゆる凍結宣言というふうにいわれているものでございます。私ども昨年来、九月の建設省と東京都から成ります懇談会の設置、あるいは外環を地下構造とした場合の地上部のあり方を都市計画的観点から多角的に検討した、いわゆる外環調査の発表、さらには、十月でございますが、第九回の首都道路会議の開催など、外環につきましては行政としていろいろと検討してまいりました。現在、関係区市の意見を聞く連絡会の設置に向けて調整を行っておるところでございますが、私ども、こうした構造等の検討その他を含めまして、当時の発言にもございます地元と話し得る条件、これをつくっている段階であるというふうに理解しているところでございます。 ◯たぞえ委員 地元との話し合いは十分に大事なことなんですが(パンフレットを示す)同じパンフレットに見えると思うんですけれども、実は、中身はほとんど同じなんですが、外環のパンフレットなんです。これをつくったのは建設省の関東地方建設局です。二冊ありましたので、同じものだというふうに広げておりましたら、実は、東京都が七年、八年に調査をした最中に出されているパンフレットと、最近出されたパンフレットということがよくわかりました。しかし、中身は全く同じなんです。中身が違わないんだから、まあいいだろうと思って見ておりましたら、実は中身が変わっていたということなんですね。見えにくいと思いますけれども、こちらが最近出されたパンフレットです。こちらがその前のパンフレットです。どこが違うかといいますと、左下の三つの紫、緑、ピンク、この色は同じなんですが、ここに入ってない文字があるわけです。何が入ってないかと比べてみましたら、私が冒頭いいました、四十一年、武蔵野市議会議長反対要望、そこから始まりまして、平成二年七月、武蔵野市議会反対意見書提出、この部分が丸々なくなっているんです。いわば地元の行政がどういう意思を決定したかということが、今、東京都と国が扱っているパンフレットにはすべて削除されているわけですよ。これを新しく見た方は、武蔵野や該当する区や市がまさかそんな決議をしていたとは見えないわけです。皆賛成していると思っちゃうんじゃないでしょうか。作為的なんですよね。今、部長が、凍結宣言を国会でやったと。地元との話し合いを大事にしなければいけない根拠というのは、こうした区市が反対の決議を上げていたからじゃありませんか。それをこうしたパンフレットから削除して、あたかも平和で自然に今後進められるような、こういう手法は、この国会での対応にも反するやり方を建設省がやっているというふうにいわざるを得ません。  そこで、この計画でありますが、今月中に杉並、世田谷、また他の市などの関係区市と東京都、国から成る連絡会が発足すると聞いていますが、各区や市はどういう立場でこの連絡会に出てくるのか、それぞれ区や市の立場を示してください。 ◯山下施設計画部長 関係する区市は全部で七つございます。世田谷区並びに杉並区におきましては、同じ意見でございますが、区の意見を述べるために参加するということでございます。それから、これは順不同でございますが、練馬区は、環境への配慮や地域住民の声を反映できるよう連絡会に参加して都や国と意見交換をするというふうにいっております。また、武蔵野市及び三鷹市につきましては、市の意見を述べるために参加するということでございます。それから、調布市におきましては、情報収集及び意見交換をするために参加する、狛江市におきましては、情報収集のために参加するというふうに意見が表明されております。 ◯たぞえ委員 いずれの区も市も、これからどういうまちづくりが必要か、区の意見を述べるために、市の意見を示すために参加するのだと、こういって、この計画について賛成というスタンスでは今ないわけです。ですから、地元の行政は、これまでの経過をもって慎重に対応しているわけです。先ほど私が申し上げたようなこれまでの地元市の経緯がこのパンフレットから削除されて、そういうパンフレットが出回るということは、市の独自の自治体としての裁量権を奪いかねないと思いますが、部長、お答えください。 ◯山下施設計画部長 これまでも、先ほど申し上げました昨年の十月の首都道路会議の後、区市に対しまして、行政の立場から連絡会を設置したいということで呼びかけてまいりました。そうした中で、これまで三回ほど、行政ベースといいますか、部長級の会議、これは意見交換会というふうに呼んでおりますけれども、行ってまいりましたが、その中で各区市から述べられた意見でございまして、区市それぞれの立場の状況を十分反映した、区あるいは市のご意見が反映されているというふうに考えておるところでございます。 ◯たぞえ委員 先ほどいい忘れましたけれども、東京区間の各区や市だけじゃないんですね。埼玉県でも草加市が反対決議とか、和光市が反対決議、千葉区間でもあった。これが全部削除なんですね。ですから、部長が今、これから行政や住民の声を聞いてしっかりやっていくんだといっているけれども、これまでの経緯をなかったこととするような、そういうスタンスで今後区や市の意見を聞こうというならば、それは歴史を踏み外すことになるんではないでしょうか。今後、連絡会は、外環の検討をどのようにその場では進めていこうと考えているんですか。 ◯山下施設計画部長 外環の計画の具体化でございますけれども、これはやはり都市計画を行う立場の東京都が検討していかなければならないと考えております。そういう意味では、今後連絡会をいろいろと開催していきたいと考えておるわけでございますけれども、この連絡会は、外環の検討を進める場というふうには位置づけておりませんで、私ども東京都があくまでも外環の整備並びにこれらに関連するまちづくり、こうしたものについて関係区市あるいは国の意見を聞くために設置するものでございます。都は、連絡会におきますこうした区市あるいは国の意見、そのほか地域住民の方々あるいは多方面の幅広い意見を踏まえまして、計画の具体化に向けて検討を進めたいというふうに考えているところでございます。 ◯たぞえ委員 あくまでも前提は計画を進めるために意見を聞くというふうに今おっしゃいましたが、国会で凍結がされているわけでありますから、進めるのかどうかというその二つの選択権を持った議論でなければならないはずです。最も大事なのは、そこに住んでいる住民なんですね。私の地元、この計画は線が引いてありますけれども、先日、この都市・環境委員会都市計画局の請願審査でも、野川の湧水、地下水について質疑をさせてもらいました。ちょうど今度の外環は、野川と国分寺崖線の間を走る道路で、しかも地下構造は幅四十メートル、そして、その上に地上道路もくっついている、二階建ての道路がこの崖線のところを走り抜いていくわけです。病院坂のあの道路問題だけでは済まされない、巨大な道路が計画されているわけです。いわばこの道路というのは、単に車が通るというだけではなくて、自然環境にも重大な影響を及ぼすものです。したがって、住民の意見をこれからどのように聞いていこうという立場でしょうか。 ◯山下施設計画部長 地域住民の方々の意見をどう聞くかということでございますけれども、私どもといたしましては、できるだけ多くの方から、また幅広く意見を聞く必要があると考えております。連絡会におきましては、まず地域住民あるいは多方面からの意見を幅広く聞く方策そのもの、これにつきましてもいろいろとご意見を伺いたいと考えておりまして、そうした意見を踏まえながら、私ども東京都が中心となって、地域の方々あるいは広く都民のご意見を聞いていくようにしたいと考えているところでございます。 ◯たぞえ委員 最後に要望ですけれども、区や市の議会の意思、それから行政の意思、そして、そこに現に住んでいる住民の意思、そういうものが総合的に検討されなければならないと思います。東京都が二年間かけて調査をやったんだから、そろそろ区も市もうんといってほしい、こういう気持ちではなくて、どうしたら利便性のあるまちがつくれるか、そこをまず第一義的に、そういう立場で検討することを特に強く要望しておきたいと思います。  以上で終わります。 ◯藤田委員 私は、緑のマスタープランと、今大きな問題になっています分権と都市計画法の改正というような点で質問させていただきたいと思います。  東京都の緑のマスタープランは、新たな制度のもとでどういう位置づけ、内容を持っているかをお尋ねいたします。 ◯水庭地域計画部長 東京都緑のマスタープランにつきましては、国の通達をもとに昭和五十六年に策定したものでございまして、緑とオープンスペースについての都市計画の指針となるものでございます。その内容は、緑の確保目標量や配置の方針等から成っておりまして、この基本的事項は、現在の都市計画法七条四項の市街化区域及び市街化調整区域の整備、開発又は保全の方針、いわゆる整開保でございますが、それに位置づけられております。平成六年に都市緑地保全法が改正されまして、区市町村が、公表を前提とした、緑地の保全及び緑化の推進に関する基本計画、通称緑の基本計画といっておりますけれども、これを定めることができるようになりました。都の緑のマスタープランは、この法律改正を機に改定するものでございます。緑の基本計画を踏まえて緑のマスタープランを改定し、この基本的事項を整開保に位置づけることによりまして、従前の計画にも増して市民の協力とご理解が得られやすい計画となるというふうに考えております。 ◯藤田委員 策定のタイムチャートはどういうふうになっておりますでしょうか。そして、現在では作業としてどんな段階に入っておりますか、お聞きいたします。 ◯水庭地域計画部長 現在の整開保の緑に関する事項、これが平成十二年までの計画でありまして、これに合わせまして都の緑のマスタープランを改定する予定でございます。このため、平成八年の初めには区市町村に対し緑の基本計画の策定を依頼し、また九年度におきましても促進方を要請してございます。これによりまして、既に二区二市より完了の通知を受けております。現在は十区十四市で計画策定に取り組んでおりまして、都としては区市町村の相談、調整等に対応しているところでございます。また、十年度中に策定を完了する区市町村は、十四区二十五市町の予定でございます。 ◯藤田委員 多摩地域では市町村が共同して緑の調査を行って、マスタープランづくりを行ったと思います。これは大変すばらしいやり方だというふうに思いますけれども、どのような経過でどんなふうにつくっているんでしょうか。 ◯水庭地域計画部長 小平、東村山、田無、保谷、清瀬、東久留米の六市で設置されました多摩北部都市広域行政圏協議会が平成五年度に共同で緑の実態調査を行いまして、平成九年度には、六市が個別に策定する緑の基本計画の指針となる多摩六都緑化計画を作成中でございます。各市はこれらを共通の指針として緑の基本計画を策定することとなっておりまして、このことは、地元市町村があらかじめ広域的な視点を踏まえた計画策定をすることともつながりまして、都としても望ましい計画策定手法の一つであるとして、高く評価をしてございます。 ◯藤田委員 まだ実際には策定をしていないところがありましたり、それから、聞きますと、策定できない、あるいは策定の来年度計画の予算が組まれていないというようなところもあるわけですけれども、都としてはどんなふうに市区町村に対応していくのでしょうか。 ◯水庭地域計画部長 現在どの区市町村も財政が厳しい状況でございます。緑の基本計画の策定につきましては、都としても引き続き区市町村に対し策定努力をお願いすると同時に、国庫補助金の確保等にも努力してまいりたいと思っております。 ◯藤田委員 細かいことは大きなくくりとして最後にやりますので、もう一件、今、いわゆる大店法の並びになりまして、これを変えていくというところで、それぞれの市区町村で大変商店街が圧迫されるのではないかというような話になっておりますけれども、この都市計画法の改正、私はある意味では、本当に地域が、自分たちがいろいろなことを決めていけるということでは大変評価をしているわけですけれども、今回、分権ということで、国会で審議中の都市計画法の一部改正、これについて内容を伺いたいと思います。 ◯水庭地域計画部長 今回の都市計画法改正案の内容でございますが、現在国会で審議中の都市計画法改正案におきましては、第一に、市街化調整区域内で地区計画を積極的に活用して郊外型住宅の建設等を促進すること、二つ目に、特別用途地区を多様化し、地域の実情に的確に対応したまちづくりを推進すること、第三に、重要港湾以外の港湾における臨港地区の都市計画決定権限を都道府県知事から市町村に移すこと、この三つを改正のポイントとしてございます。 ◯藤田委員 特に第二の特別用途地区を多様化し、というところに主眼を置いて質問させていただきたいと思いますけれども、この制度の改正について、大店法とのかかわりが大変大きいと聞いておりますけれども、どのような関係があるのでしょうか。 ◯水庭地域計画部長 現在国会においては、大規模小売店舗立地法案、いわゆる新法が審議されておりまして、現行の大店法にかわる新しい枠組みづくりが進められているところでございます。都市計画法の改正案に含まれます特別用途地区の多様化は、特別用途地区の法令による種類の限定を廃止いたしまして、地域の実情に応じてより柔軟な運用ができるようにするものでございます。本制度の改正によりまして、大型店の立地の制限が、区市町村の主体的な判断に基づき、あらかじめよりきめ細かく決められるようになるといわれております。 ◯藤田委員 今、特別用途地区の多様化によって地域の実情に応じたまちづくりが可能になるといわれているとお答えがありましたけれども、どういう効果が期待されるのか、例えば、今のお話にありました大型店の例を挙げて、またはそのほかに例がありましたら、ご説明をいただきたいと思います。 ◯水庭地域計画部長 特別用途地区は、区市町村が都市計画として定めるものでございまして、用途地域制度を補完するものでございます。現行の特別用途地区は、特別工業地区や文教地区など、法令に限定列挙された十一種類しか指定することができない仕組みとなっておりますけれども、新しい特別用途地区は、これまでの十一種類にとらわれずに、地域の実情に応じたより柔軟な運用が可能となります。例えば、商業地域において、良好な町並みの形成を図りつつ中小専門店街の育成を図るため、小規模小売店舗地区という特別用途地区を定め、一定規模以上の店舗、事務所等を制限したり、第二種住居地域において、良好な住環境の形成を図るため、住環境形成地区といったような特別用途を定めまして、一定規模以上の店舗、事務所を制限することなどが考えられます。 ◯藤田委員 非常に言葉がかたいものですから、わかりにくかったかもしれませんけれども、具体的にいえば、突然奇異なビルができちゃったり、あるいは、いわゆる文教地区といわれるようなところにラブホテルができたり、それから、不健全図書を売るような、そういうお店ができてくるというのに対しては、私たちも何とかしたいなと思っても、今まで全くそういうことが可能じゃなかったわけですけれども、基礎自治体でそういうふうに独創的な特別用途地区の設定が可能になったのかなと思いますけれども、それについてお伺いします。そして、もしできるとすれば、何か条例のようなものが必要なのでしょうか。 ◯水庭地域計画部長 新たな特別用途地区制度につきましては、法案審議中でございまして、運用などの詳細については、法成立後に出されます運用通達などにより明らかにされることとなりますので、現時点ではどの程度まできめ細かい制限が可能になるか、明確にお答えすることはできませんけれども、今回の改正案の趣旨からすれば、ご指摘の点も含めて、地域の実情を踏まえた柔軟な運用がなされるものと考えております。  それから、条例の件につきましては、建築指導部長の方からご答弁申し上げます。 ◯佐藤建築指導部長 ただいまお尋ねの後段の建築規制条例についてでございますけれども、特別用途地区が定められますと、当該地区におきまして具体的にどのような建築制限を行うのかというような建築制限条例というものが必要になってまいります。建築基準法第四十九条に基づきまして地方公共団体がつくるものでございます。  これまでの例といたしましては、第一種及び第二種の特別工業地区というものがございますけれども、これは都におきまして共通の運用を行うべきということで、都が条例を定めております。それから、中高層階住居専用地区につきましては、地区特性をより反映した運用が必要であるということから、区市がそれぞれ条例を定めております。  これからできます新しい特別用途地区制度につきましては、新たに指定される特別用途地区については、地域の実情を反映した独自性の強いものとなるというふうに見込まれておりますので、基本的には当該自治体において条例の制定がなされるものと考えております。どちらにいたしましても、運用につきましては、実情を踏まえまして柔軟な対応が求められると考えております。 ◯藤田委員 特別の用途地区を指定する場合に、現在都はどんな役割を果たしておりますでしょうか。それから、分権の推進の流れを踏まえまして、今後都道府県行政としてどういう役割を果たしていくのかということをお尋ねしたいと思います。 ◯水庭地域計画部長 現行法では、区市町村が特別用途地区の都市計画を決定しようとする場合、都知事の承認を受けることが必要となっております。建設省通達によれば、都道府県知事の承認は、都市計画の一体性を保つ観点から、都市計画の合理性、都道府県知事が定める都市計画との整合性について、事前に十分調整を図るために必要とされております。  今後の地方分権の推進の流れに関しましては、国の地方分権推進委員会の勧告や都市計画中央審議会の答申によりますと、都市計画決定の中心的な主体は市町村とされ、市町村の区域を越える広域的、根幹的な都市計画に限って都道府県が決定するとの基本的考え方が示されております。また、同一の区域に定められます都市計画が全体として一体的であることが必要との観点から、市町村が定める都市計画については都道府県と調整する仕組みが不可欠とし、市町村は都市計画決定に当たって都道府県と同意を必要とする事前協議を行うこととされてございます。このようなことから、地域のまちづくりは市町村が中心となって行うことがより一層明確になるものと考えております。 ◯藤田委員 いずれも分権といいますか、どんなふうに市民が参加をしていくかということで、両方のこの仕組みについて質問させていただいたわけです。緑のマスタープランでは、今それぞれの市区町村でつくり始めている、あるいは、もちろん終わったところもありますけれども、私どもの杉並区でも、フィールドワークをしてみますと、実際に緑が、今、五年前に比べて一・五ポイントぐらい減っています。それはどのくらいかというと、一ポイントが大体善福寺公園の四倍ぐらいなんですね。そういうことから考えましても、もう大変減っている。そして、フィールドワークを最初にしたときから、それが終わって資料を書き始めたときに、既にばっさりいかれて、全部そこがマンションに変わってしまうというようなのがもう何件もありまして、やはり基本的には私有財産の緑を守っていくのが大変困難だということを、今実感をしているところです。  もちろん育てるというところでいろいろな方法がありますけれども、市区町村の公有化資金の話も前に出ておりましたけれども、補助金として与えられるのではなくて借りるということで、大変厳しい条件もありますけれども、ぜひこういうところでも──市民は既にいろいろな場面で、私の知っているところでは、緑の基本計画を持っているところの勉強会を初め、市民案を行政に提案をしていこうとか、あるいは区民大学で農と食と健康を考えるというような、そんなグループがありますけれども、そこが都市農業をどう考えるかというようなところで実際に動き始めていますので、ぜひ市民の協力も得ながら、そしてなおかつ、最後にありますが、国庫補助の確保についてもご努力をいただきたいと思います。  それから、建築法のことですけれども、これもやはり地域がそれぞれしっかりしたマスタープランをつくっていくのがまず第一だと思うんですね。私も実際に歩いて、いろいろフィールドワークしながら提案をしていく仲間に参加をいたしましたけれども、市民案がおかげさまで杉並区の場合は一三%ほど盛り込まれたといわれるほど、大変高く評価をしていただきました。  もともとは大体基本構想がありましたので、それをどうやって今回のマスタープランづくりに反映させていくかということでやりましたので、違いがどんなことがあるかというと、住民参加が非常に大きくうたわれました。それから、NPOのことについても、ここに位置づけられています。それから、私たちは子どもの視点ということをかなり強くいってまいりましたので、これがかなり盛り込まれています。それから、生活道路というものを車の通過交通のものとはっきり分けまして、今まで十三メートルだったところを八メートルに変更したというようなことでも、大変これは評価が──片方では困るというようなところもあるかもしれませんけれども、きちっと生活道路といわゆる車の道路とを分けていったということでは、大きな評価だというふうに思っています。  それから、全体方針とゾーン別ということを考えたときには、ゾーン別がかなり強くなっています。これもやはり先ほどの都市計画法の特別用途地区をにらんでいく上には、大変大きな成果ではないかと思うわけです。実際に普通の用途地域だけでは、私たちが地域に住んでいて、本当にこんなところにこんなものができていいのかなというようなのがかなりありますから、そういう意味では、細かく特別用途地区が決められて、自分たちで町の中で決めていくことができるという意味では、分権をして、なお自分たちのまちづくりが市民とともにできるということでは、大きな前進ではないかと思っています。ぜひこの点についてもいろいろな面で応援をしていただかなければいけない点があるかと思いますので、要望をいたしまして質問を終わります。  ありがとうございました。 ◯今井委員 おくれてきて申しわけございませんが、早速二つの問題について伺います。  第一点は、過日国で発表になりました誘導用途建築物の容積率の緩和問題、もう一点は、都市計画道路の進捗状況、促進方についてお伺いしたいと思います。  まず、誘導容積率の緩和は、昨年の十二月に建設省が、日本の国の大変低迷している経済を浮上させる意味では、建築物をつくることが大変各企業に影響がある。例えば鉄筋の場合は、鉄骨屋さんだとか、セメント屋さんだとか、職人さん全部、木造の場合は、約二百八十企業の方に経済効果を及ぼす、こういうことをいわれておりまして、内需拡大の中では非常に重要な課題、こういうことで政府が閣議で決めて、十二月に建設省が通達を各都道府県に出して、東京都は二月二十六日に施行に踏み切ったわけですが、この内容をまず説明していただけますか。 ◯水庭地域計画部長 東京都が先日改正しました高度利用地区の運用基準の改正でございますが、これは、ご指摘のように昨年十二月二十五日に出されました建設省通達を受けて行ったものでございまして、都心商業地などの、建築物の老朽化や陳腐化等の課題を抱える枢要な拠点市街地における都市機能の更新の的確な誘導を図ることを目的とするものでございます。その主なポイントは、空地の確保を条件としない機能更新型高度利用地区の特例を新たに追加いたしまして、都市基盤とのバランスに配慮しながら、都市機能の維持発展に資する建築物に対して、容積率を最大三〇〇%に緩和することができるという内容でございます。 ◯今井委員 これは大変に期待しているわけでございますが、国の方の通達の名分は、都市商業地域機能の更新、したがって、場所といたしましては銀座というふうに規定されているわけですね。規定というか、そういう文言が入っております。やはり商業地域というのは銀座だけではなくて、東京二十三区区部ですね、多摩地区なんか特にそう、周辺区だってそうでございますが、容積率が最大三〇〇%に緩和されるということは、このボーナスに対しては大変期待しているわけですね。ところが東京都では、銀座地域に絞って、なおかつ七カ所の副都心以外には許可を認めないというのか、そういうような方針であると伺っておりますけれども、この辺は柔軟に対応できるのか、あくまで都心商業地域というと、どこなのか。 ◯水庭地域計画部長 本制度の対象区域の主な要件といたしましては、都心、副都心等の業務・商業重点地区として指定されていること、それから、鉄道等の公共交通の広域的ネットワークが卓越して整備されていること、地元区における都市計画マスタープラン等の位置づけがあり、地域の望ましい更新の構想や計画が策定されていることなどとなっております。銀座につきましては、日本を代表する成熟した中心市街地でありまして、建物の老朽化、陳腐化等の更新上の課題を抱えておりまして、本制度の適用を地元区において検討中と聞いております。  対象地区の要件につきましては、銀座は都心にあって業務・商業重点地区の位置づけがあること、また公共交通がきめ細かく整備されている等の条件は満たしておりまして、地域のまちづくり構想や計画はこれから整理する必要がありますけれども、銀座においても適用の可能性は十分にあるというふうに考えております。 ◯今井委員 そうじゃなくて、銀座だけに適用するというのが非常に強いですよね。ではなくて、商業地域というのは銀座だけじゃないわけですよ。今、私、葛飾ですよね。江戸川、足立、見ていますが、商店街がどんどん歯抜け状態になって、皆さんシャッターをおろして、売りに出しているけれども、売れない。建てかえをしたい。ところが、容積率のこういったボーナス制度は全くない。例えばスーパーに建てかえてみても、駐車場がない。もうちょっと床面積が欲しいんだけれども、緩和できない。こういう条件がちまたにたくさんあるわけですね。そういう建てようとしている商店が建てかえできない。したがって、周辺の工務店さんの仕事がない、はっきりいえば。こういう連鎖反応が東京全体、日本全体に今起こっていて、経済を大変に沈滞させているわけですよね。  この制度はあくまでも、政府では景気を浮揚するために特効薬的に用いた制度なんです。したがって各都道府県では、これらの運用についてはできるだけ拡大する、こういう意味のことが含まれておりますが、どうも東京都では銀座だけに限定しているように思いますが、これはどうでしょうか。 ◯水庭地域計画部長 今回の運用基準改正の前提となりました建設省通達によりますと、機能更新型高度利用地区制度は、現に高次の都市機能が集積していることにより都市の中心的な核としての役割を果たしている地区を対象とし、歩道や地下道等の歩行者空間の充実した地域で、かつ大量輸送の可能な公共交通の傑出した条件を備えた地区に限定して適用することとしております。また、道路や鉄道等の都市基盤施設が十分整備されていない地区で適用いたしますと、都市基盤とのバランスを欠くおそれもございます。以上のような理由から、本制度の適用対象区域は、都心、副都心等の業務・商業重点地区としたものでございますけれども、他の地域におきましても、特定街区とか、あるいは再開発地区計画、総合設計等、各種の容積率緩和制度なども活用しながら、地域特性に応じたバランスのあるまちづくりを適切に推進したいと考えております。 ◯今井委員 都市計画の容積率の緩和については、高度利用地区だとか総合設計制度、特定街区、再開発、いろいろな手法がありますよね。今東京都でお考えになっているのは、銀座に限定して、国のいったとおりそこだけにしようと、こう思っていらっしゃる。それを拡大しても副都心七地区にしよう、こういう限定でいらっしゃるようでございますが、私は何回もいっていますとおり──都議会に来て毎回いっていますよ。周辺区、多摩地区がおくれているんです、道路もまちづくりも。新宿に私は今、電車で毎日通ってきていますが、これ以上人は要らないですよ。地震なんかあったら大変ですよ。この町をもっと育成して容積率をよくしよう──それはやってもいいですよ。やるんだったら、周辺の区のこの条件に合うところがたくさんあるじゃないですか、うちの新小岩もそうだし、亀有もそうだし、立石もそうだし。そういうところは今までの都市計画の総合設計制度だけに限定して、副都心の七地区、それから銀座に限っては今回の容積緩和を適用する、こんな不公平なことがあっていいんでしょうかね。どうでしょうか、部長。 ◯細渕総合計画部長 今、確かに先生お話しのとおり、地域の中心市街地が衰退をしていて、そこを何とかしなければならないというようなことで、国の方におきましても、東京都におきましても、生活都市東京構想の考え方を踏まえまして、生活心しんというような新しい考え方を導入いたしまして、地域の中心軸を中心にしまして、身近な生活圏の育成に取り組んでまいっております。  一つ国の考え方でございますけれども、基本的に生活心しんにも通ずる考え方でございますので、ご紹介をさせていただきながら考え方とさせていただきたいと存じておりますけれども、今まさにお話しのとおり、東京に限らず全国的にも、地域の中心となる商店街が非常に空洞化するなど、地域経済あるいは地域社会の発展という面から非常に大きな問題が生じていると考えております。こういうことで、一つは、地域商業の発展と、それから都市開発、市街地の改善を一体的に推進して、地域社会の発展と地域経済の発展、そして中心市街地の活性化を図っていくことが必要だというふうに考えております。  今回、国におきましても、中心市街地活性化に関連する法案が上程されておりまして、地域の中心となる市街地の活性化を図るために、地域の創意工夫を生かしつつ、ただいま申し上げました市街地の整備改善と市街地等の活性化を柱とする総合的、一体的な対策を、関連する省庁と地方公共団体、それから民間事業者等が連携して推進することとしてございます。  このために、新しく町中の都市づくりの事業として、区画整理事業とか市街地再開発事業ですとか、これまで以上にそういった活性化に向けた取り組みができるようなメニューが創設されておりますし、補助制度もできております。また、この活性化のための税制上の緩和措置等も施策として整備されてきております。今回の国のこういった地域における中心市街地の活性化の施策を十分踏まえて都市づくりに取り組んでいく必要があると考えております。このためにも、都庁内の労働経済局、あるいは具体的な地域施設の整備等を進める区市町村、それから関連局等と十分連携をとりながら、こういった都市づくりの面からも市街地の活性化に取り組んでまいりたいと考えております。 ◯今井委員 今、生活都市東京、いろいろな発表がありまして、総合計画部長の話を聞いていますと、これに逆行していますよ。むしろ銀座とか副都心というのはかなり熟成してきているんです、今。熟成しているんですよ。景気というのは平面的に全部浮上させなければだめなんです、スポット的じゃ。  余談になりますけれども、今、私は区民相談をやってきて──区民相談というのをやっているんです、我々、帰って十二時ごろまで。余談ですが、皆さん聞いてください、現場の声を。融資を受けたい方が私のところに三十七件来たんです、先月の二十日から今月のきょうまでに。十五件の方は、やっと保証協会、民間銀行に頼んで、どうやら受けられそうだ。あとの残りは融資が受けられないんですよ。国で二兆円どうだとか、三十兆円どうだとかいっていますが、十二件の方は倒産なんですよ、この二十五日で。きょう来た方は、今井さん、夜逃げのトラックを用意してくれ、どこかにないかな──まじめな話なんですよ。親子三代続いた工務店、仕事がないんです。本当なんです。商店街の店はどんどんつぶれている。それを行政が、政府がどのように手を打つか、日本の国の沈没を、経済を救うかというのが皆さん方の手腕じゃないですか。その中でいろいろな構想が出てくる。現実、都民にはみんな関係ないですよ。銀座を育成するのも結構、副都心を育成するのも結構ですよ。そういう周辺の、日本の国の経済の九二%を支えているのは中小零細企業なんです。おじちゃん、おばちゃんなんですよ。そういう方々を応援してあげないで、融資も全部切られて、あなた方は倒産しなさい、これでは東京都政が将来沈没しますよ。そういうまちづくりを、あなた方が敏感に感じて、これをいち早くやらなければいけないんじゃないですか。  私はこの問題で大阪府にも問い合わせました。神奈川県議会にも横浜にも問い合わせました。何といったと思います。非常におくれている町の、中心市街地ではないけれども、てこ入れにむしろ応用するというんです。そうしてバランスをとる。東京都は銀座だけやる。副都心七カ所に──副都心七カ所というのは東京都が決めたことじゃないですか──限定する、こういう都市計画をやってたんじゃだめなんですよ。後で都市計画道路もいいますよ。皆さん、計画をつくって、百年もうちが建てられないんです、道路の計画線のために。木造の二階しか建てちゃいけない。こんなまちづくりは世界で東京だけですよ。こんなに優秀な人がたくさんそろってて。局長、国のこういう応用が東京都でできるんだから、もうちょっと幅の広い意味で東京都としては考えるわけにいかないんですか。どうしても銀座──そんなに銀座がいいんですか。 ◯名倉都市計画局長 今井委員からるるお話を承りましたけれども、ご承知のように、生活都市東京構想におきましては、大きな目標といたしまして、人々の暮らしと都市の機能がバランスよく調和し、一人一人の生活にゆとりと豊かさを実現させなければならない、こういうことがうたわれております。こうした視点から、都におきましては職住の均衡した多心型の都市づくりを進めているところでございまして、都心あるいは副都心、また生活心しんに至るまで、それぞれの特性を生かしながら、全体としてバランスよく配置され、東京が全体としてよりよく発展していくことが必要であると考えております。  このためには、各地域の土地利用や交通状況など、いろいろな特性を踏まえまして、個性あるまちづくりを進め、これらが全体としてよりよく影響し合って都全体がバランスよく発展すべきだというふうに考えております。地域の生活心しんにつきましても、先ほど来部長が説明してございますけれども、いろいろな都市計画制度もございます。それから、中心市街地の活性化に関する法案につきましても上程中でございます。これらの諸制度を有効に活用して、生活心しんの整備に向けて努力していきたいと思いますけれども、また、この地域の生活心しんにつきましていろいろ工夫があれば、都市計画局としても今後検討させていただきたいと思います。
    ◯今井委員 局長ね、それは皆さん、総合設計制度、特定街区、よく知ってますよ。そんなの何年かかってできると思いますか。十年も二十年もかかるんですよ。その間にばたばたつぶれちゃう、商店街、中小企業は。ですから、そんなに行政が、言葉は悪いが、もたもたしてたんじゃ、二十一世紀はとても東京都は世界都市とは競争できませんよ。敏感にスピーディーにぱぱぱぱっとできるようにしていきたいと思うんですよね。  余談になりますけれども、山一證券が破綻いたしました。一万七千人の方が途方に暮れています。私のところに三人就職で来ています。三十七歳の課長補佐、何で山一證券が破綻したか。トップ企業ですよ。簿外だとか飛ばしだとか、そういうことで今問われていますが、実は、今から十年、二十年前に、優秀な課長がいろいろなアイデアを設けても、部長が皆はねちゃうというんですね。部長がそれをやっても、常務とか役員会に持っていくと、毎回検討、検討、検討しますと。(「ボクシングだ」と呼ぶ者あり)ボクシングだ。都市計画局と全く同じ。いまだにチャンピオンは出てないけれども。それで、彼がいうのには、入社して、山一證券は将来つぶれるなと二十年前に思った。いろいろなものを出しても全部役員会で結論が出ない。十年間も同じ検討ばかりしている。この会社はだめだ、こう彼は二十二歳で感じたというんですね。  この間テレビの討論会で、各日本の国のトップクラスの企業の社長が全部集まっていました。今日本の国をどうしようか、こういう論議で、自動車メーカーの社長が、ともかく検討会とか打ち合わせ会というのを全部簡素化して、トップが出ていってその場で決める、バーンといってすぐやれ、これをやらなければ、日本の国はもうこれから対外的に経済競争ができない、こういうことを明言していました。  都市計画局にいろいろなことを私、五期の間いってまいりましたけれども、一つも実現しない。できたのは、あちらにいらっしゃる部長さんと──二人は一生懸命やってくれた。あとは、二十年間、三十年間、何を頼んでも検討、検討、検討を繰り返している。こんなんじゃだめですよ、皆さん、本当に。本当にスピーディーにやってもらいたい。  多摩の議員さんもいるけれども、多摩に行ってごらんなさい。朝晩の道路の渋滞。環八なんか百年かかっていまだにでき上がらない。この間商店街の人にいわれました。今井さんね、百年もかかって道路ができない国なんて世界にありません、何やってらっしゃるんですかねと。私はいいました。まさか東京都の建設局とか──都市計画道路ですから、それは国が悪いんですといっておきましたけれども、本当にそのとおりです。笑い事じゃないんですよ、局長。どうかそういう意味で、この市街地の容積率緩和については、今まで高度利用とか共同化とか、あるいは壁面のセットバック、建ぺい率の低減、空地の確保、いろいろなことを条件としていたけれども、こういう条件はなくなりましたよね。なくなったんですよ。東京都が七副都心というのをかえただけなんです。国では都心といっているんですよ。例えば銀座、こういっているんです。その応用の仕方は、他県では全く違う。どうですか。もう少し周辺区とか多摩とか、東京都の税金の恩恵の薄い薄い都民のために、もう少しこういうものを応用してあげて、倒産を救ってあげたい。そのかぎを握っているのはあなた方なんですよ。そういうことを考えますと、どうですか、総合計画部長、きょうから考え方を改めませんか。 ◯細渕総合計画部長 問題認識は、私どもも、今ご指摘のとおり何とかしなければならないというふうに考えております。ただ、地域づくりは、直ちにできるものと時間がかかるものと、それから、町の多くの人たちの合意に基づいて進めていくということも考え方でございます。  ただ、我々の反省といたしましては、これまでハード面を中心とした考え方で進めてきたことも事実でございます。今、この社会経済状況が大きく変化する中で、特に景気が非常に落ち込んでいるという中で、やはり商業的な施策、いろいろな商業施設の整備の事業や、あるいは事業者を補助する制度、こういったものや、あるいは福祉のまちづくりというような観点もありますし、防災の面からもやはり地域をよくしていこう、こういうようなもろもろの施策を総合化して、そして重点的に、かつ地域の考え方を基本にしてまちをつくっていくことが大事なことではないかと思っております。  その中では、ハードな面から考えますと、これまでも地域の中でも拠点都市であります地域については、業務・商業マスタープランというようなことで考え方も整理してございますので、そういった都市開発諸制度も──今回の制度は直ちに使えないといたしましても、都市開発諸制度、再開発地区計画制度ですとか、総合設計ですとか、特定街区の制度等も、状況によっては活用が可能な部分も出てくるわけでございますが、いずれにしましても、総合的なまちづくりの観点から、関係部局、そして市区町村と十分連携をとりながら、社会経済状況を踏まえて的確、迅速に対応してまいりたいと思っております。その面では、生活心しんというものが大変重要になってまいります。今、市区町村ともいろいろな地域の改善のための協議を続けているところでございますけれども、東京都がどういうふうに支援していくのかも含めまして、この夏をめどに一定の考え方も整理したいと考えているところでございます。今後とも積極的に、また社会経済状況の変化を十分踏まえた都市づくりというものに取り組んでまいりたいと考えております。 ◯今井委員 そんなの部長、二十年前の話ですよ。それは十年前、二十年前の論議だよ。今、違うんです。そんな時代じゃないんですよ。そんなことずっと聞いているよ、二十年間。そんなことやってちゃ間に合わないんです、今。もういい、答弁は。  具体的に聞きますけれども、銀座──好きですね、銀座、銀座の表通りは今まで八〇〇%、裏通りが七〇〇%、こういうふうになってましたね。この道路に面して四メートルから五・五メートル、裏が四・五から五メートル、こうなった場合には、一〇〇%ボーナスして、なおかつ一〇〇%ボーナスして、裏のあれがあると三〇〇%になりますから、一〇〇〇%になるわけですね。こうなりますと、売り場面積が非常に広がるので助かる。小さい商店だったら隣と合同でやって、売り場が三〇〇%も広がれば駐車場の二十台分ぐらいできるんですね。それが今できない。銀座だけできるんですよ。こういうことになりますけれども、やはり東京都はそういう適用の仕方になるんですか。 ◯水庭地域計画部長 容積率緩和の条件でございますけれども、まず、特定用途を定めまして、誘導用途建築物と呼んでおりますけれども、この特定用途の建築物が、機能更新型高度利用地区内にある建築物の特定用途の部分が原則として三分の二以上ある場合には、最高で二〇〇%を緩和いたします、それから主要道路、これは四車線以上の道路に面していて五・五メートル以上の歩道がある場合には、さらに一〇〇%を上乗せする、合計で最高三〇〇%容積率を緩和するというのが一番大きな要点でございます。 ◯今井委員 そうなった場合に、やはりセットバック分とか、さっきいったように入れない、あるいは北側斜線──ほとんど商業地域ですから、こういういろいろな条件がありますよね。こういうものはいいのかどうなのか。  それから、私は一週間ぐらい前に、どこだったか、地下八階というビルに入ったんです。地下八階なんてびっくりしまして、逆におりちゃったかなと思ったけれども、そういうところがありましたけれども、都心では地下八階とか何か、今までいったとおり日本の国は容積が厳しいから、下へ潜る。だけど、これは違法じゃないかと思うんですけれども、この大深度──深く入っていく建物の八階まで東京ではできるのかどうなのか、できる場合はどんな条件なのか、あわせてお聞きします。 ◯水庭地域計画部長 容積を緩和する場合、最低二メートル以上の歩道が必要となってまいりますし、また、四メートル未満の歩道については、ある程度、一階部分でもセットバックしまして、四メートルを確保するというような条件となっております。  また、斜線のお話が出ましたけれども、斜線制限の緩和といいますのは、やはりこれと違った地区計画、町並み誘導型地区計画といったものを併用して都市計画決定すれば、斜線制限の緩和があるということでございます。  それから、地下の問題ですけれども、地下の部分も、容積率の範囲内であって、かつ建築構造上耐震性のあるものについては、認められると思います。 ◯今井委員 今、地下は容積率に入っているんですか。 ◯佐藤建築指導部長 容積制限の中では、地下室も建築の床面積に入ってございます。地下八階、仮に今あるとすれば、具体的にはわかりませんけれども、既存不適格かなという気はいたします。 ◯今井委員 東京に地下八階あるの知らないの、建築指導部長。霞が関の何とか図書館の下──もしくは東京に八階の地下がどこか知らないとしたら、知ってる人、教えてください、どこにあるのか。三カ所あります。説明してください。 ◯佐藤建築指導部長 地下八階まである現状の建築物という点では、寡聞にして、たしか国会図書館がそうかなと思いますけれども、その他の二つは、今思い浮かびません。申しわけございません。 ◯今井委員 そういうのがあるんですよ。見てください、後で教えますから。東京の都市計画の指導部長が知らないなんて──皆さん、知らない人大分いるみたいですが、そういうのがあるんですよ。あれを認めたんですか、部長。国のものだから構わないんですか。 ◯佐藤建築指導部長 国会図書館はかなり昔の建築物でございまして(今井委員「八年前です、建てかえました」と呼ぶ)八年前に──一つ、先ほど申し上げましたように既存不適格があるかなという気はいたしますけれども、もう一つは、床面積に計算しないという用途もございますので、そういう適用を受ければ、地下八階でも可能だということになります。 ◯今井委員 都市計画の方、見ておいてくださいね、場所を。いいですか、建築指導部の方。大事なことなんですから、お願いしたいと思います。  これはたくさんいろいろな論議がありますけれども、もう一回最後に部長に聞きますけれども、そうすると、国では銀座に限定、東京都は、適用は七副都心に限定、ほかはだめですよ、こういう結論でお進めになるんですか、どうなんですか。地域計画部長、もう一回はっきりしてください。 ◯水庭地域計画部長 本制度の対象区域でございますけれども、都心、副都心等の業務・商業重点地区として指定されていること、それから、鉄道等の公共交通の広域ネットワークが卓越して整備されている、それから、地元区において都市計画マスタープラン等の位置づけがある、そういった地区を対象に考えておりまして、現在のところは、どの地区とどの地区というふうに限定してございません。 ◯今井委員 局長、答弁は要りませんけれども、これは検討していただいて、こういう不況状況の経済の中でのまちづくりというのは非常に重要な問題ですから、東京都も恐らく七副都心以外に考えてないと思いますが、どうか周辺区、二十三区、多摩地区、こういうところが、例えば鉄道が若干入っていなくても、将来交通のアクセスになるところも適用できないわけじゃありませんから、どうかひとつ検討ではなくて、近い将来そういうことも応用できるようにご尽力をいただきたい、こういうふうに要望しておきます。この問題はこれで終わります。  次に、都市計画道路なんですね。この間アメリカのワシントンDCへ行ってきまして、そこから車で二時間のボルティモアというところがありますが、都市計画道路の計画を論議しておりました。私はこの委員会に出ました。そうしたら、地元の不動産屋も全部います。それから、東京でいえば、都の皆さん方は後ろの方にいて、論議している委員は皆、町の人なんですね。都市計画道路の大綱を決めて、それで皆さんが論議して、民間の不動産屋が土地を買収している、こういう場所に行きました。個人で、非常に興味があるので、毎年自費で行って見てきました。三年たったら都市計画道路がびいっとでき上がっちゃっています。すごいなと思いましたね。面積的には臨海副都心ぐらいの面積でしたけれども、ともかく二十六本の都市計画、補助線、全部三年でばあっとでき上がった。工事が上がっちゃっているんですよ。今、東京では、多摩地区も周辺区も、朝の渋滞、また公害問題、大変な問題をずっと引きずっている。依然として幹線道路はできない。反対している方もいらっしゃいますけれども、いずれにしてもこれはやらなきゃいけない。  しかも、都市計画道路というのは、親子三代かかっていまだにでき上がっていない。その線引きをされたうちは木造の二階しか建てられない。初代のおじいちゃんが死ぬときに遺言で、この都市計画道路が入ったらうちを五階に建てて、おまえに遺言として残しておく、その二代目もできなくて、三代目もできなくて、やっと四代目に、いよいよ都市計画道路の計画決定から事業決定が始まって、土地買収が始まった、こんなことやっているんですよ、都市計画道路というのは。こういうことを皆さんどう思いますか。 ◯山下施設計画部長 確かに都市計画道路につきましては、戦後二十一年に、東京都の区部におきましては、基本的な骨格が体系づけられて都市計画決定されております。また、多摩地域におきましては、昭和三十九年前後を中心といたしまして、各都市計画区域によって違いますが、それ以来都市計画として道路が定められております。ご指摘のとおり現段階では、多摩地域、区部合わせまして、まだ半分、約五〇%弱の都市計画道路の完成しか見ていないところでございます。私どもといたしましては、こうした都市計画道路、これは極めて重要な都市の骨幹的施設であるという考えから、できるだけ、限られた財源の中でも効率的に、さらに計画的に整備をしていきたいということで、区部、多摩、両地域におきまして事業化計画を定めて、できるだけ効率的、計画的な整備に努めている次第でございます。 ◯今井委員 都市計画道路というのは、都市計画法で戦後四十三年ですか、決まって、それから見直しも何回かされて、我々都議会に出たときに、都市計画は全般的にいつやるかわからないんで、前期と後期に分けて、前期道路については平成十二年に完成、後期については十二年から十年後に完成、二十二年ですか、それで見直して、それから排除するものは排除して、これはきちっと決めた、そういう経緯があるわけですよね。この数字をいただいていますけれども、現在、前期の進捗状況、特に放射線、環状線、補助線、これのパーセンテージを教えていただけますか。 ◯山下施設計画部長 区部におきます前期事業化路線につきまして、それの着手率でございますが、放射線では、箇所数で五〇%でございますけれども、延長でいきますと二九・四%、環状線ではそれぞれ四三%、四四%程度、そのほか補助線がございますが、全体といたしましては、箇所で四一%、延長では二八%の着手率となっております。この数字は、平成九年三月末現在でございます。 ◯今井委員 細かい点を論議していると、かなり時間を食いますから、大体申し上げますが、そこで、多摩地区なんか平均は五・二%ぐらいですよね。市の施行の路線等もありますけれども、こういう状況では、区部にあっても平均しまして五〇いくかいかないか、放射も環状も補助も入れてですよね。補助線なんか一番おくれています。しかも五・何%ぐらい、多摩地区は。一〇〇とした場合ですよ。これだけおくれているわけですよね。私は、一つには、財政的に土地買収ができない、また住民の反対もいろいろありますが、東京都のやっていることはもう時代にそぐわない。計画路線を東京都が計画決定して、事業決定したものを建設局に渡す。先行投資で私たちが、地元で、売りますよといったって、予算がないから買えない。しかも、やっているのは、都市計画局なり建設局の職員が現場へ行って、土日は休みですから、そういう交渉をしているわけですよ。だから、いつまでたったってできませんよね。お金がないのはやむを得ません。だけれども、今ボルティモアの例を挙げましたとおり、ボルティモアでは、国土利用法で一定の土地の価格を抑えてあります。行政、政府が。都市計画道路はそれより二割高く買い上げるんです。それで、不動産屋さんが全部交渉に当たっています。当然、日本でいえば三%の利潤をとっています。それは全部認めています。だから、都市計画道路の網がかかってくると皆喜ぶわけです、高く売れるから。そういうバランスが非常によくとれている。  それともう一点、進め方については、地元の住民が中心で実行しているんです。調べてもらいたいんですが、法律的な──オランダのアムステルダムもそうだし、パリもそうだし、ローマでも、あそこの遺跡の部分を除いてはそういう処方が……。特に早いのはシンガポール、香港、韓国──韓国なんかはちょっといろいろな事情がありますが、そういう手法を隣の国あたりで全部やっているんですよ、何十年前から。借地権を用いて、何十年とかそういうスパンでやっている。そういうものがありながら、全然取り入れないでしょう。この都市計画道路は、今までと同じ手法で今後もおやりになっていくんですかね。どうなんですか、いろいろな手法を考えていらっしゃるんですか、民間活力も入れて。 ◯山下施設計画部長 ご指摘の民間の主導による都市計画道路の整備というようなことでございますけれども、東京都におきましても、これまで全くそういう事例がなかったわけではございません。それから、現在でも行われている区画整理組合あるいは再開発組合、それから、いわゆる民間の開発行為による都市計画道路の整備というのは、ある意味ではそうしたものの変形だと思いますが、都市計画道路だけを民間にやってもらうという仕組みは、確かに我が日本国においてはないというのが現状ではなかろうかと思います。そうした意味では、これまで財源が限られておりますので、私どももいろいろな手法を考えながらやってきておるわけでございますけれども、そうした民間の活力を活用した都市計画道路の整備方策については、一つの今後の方向を見る中での課題の一つかというふうに考えております。 ◯今井委員 時間的にもうあれですから、最後になりますが、都市計画道路で事業決定しますよね。建設局が土地買収する。そうすると、ずらっと並んでいる──今、具体的にいうならば、葛飾区の二七四号線、親子三代にわたってやっています。私も三十年間、区会議員当時から用途の緩和、指定がえをお願いしていて、いまだにできない。検討、検討、検討、検討と、三十年間検討なさっている、葛飾区も東京都も。二七四号線を例に挙げますと──いっぱいありますからいいますね──例えば十六メートルなり十一メートルなり二十メートルなり線引きされます。そうすると、その建物は二階しか建てられない。今回三階が建てられますけれども、木造に限定。そうしますと、その都市計画道路が線引きされたために、この財産は永久に制約されちゃうんです、永久に。しかも、土地買収が終わった。そうすると、商店は、中小企業、零細企業ですから、三十坪ぐらい、百平米ぐらいしか皆持っていない。それを半分切られちゃうと十五坪なんです。このうちの例をとると十五坪。商売したくても、建てかえがきかない。何でかというと、容積率が二〇〇%なんですよ。三〇%で二〇〇%で、今度半分に切られても二〇〇%。しかも、この道路形態は、立石の商店街から葛飾の区役所まで全部商店街ルートですよ。このわずかな部分だけ容積を緩和してあげて、そして四階、五階が建てられるようにしてくれというのが住民の願いなんです。それがいまだにらちが明かない。  これは葛飾だけの問題じゃなくて、あちこちですよ。これは重大な問題なんですよ、皆さん。商店街へ行ってごらんなさい。もうシャッターがおりて、野良猫がたくさんいて、けさも私、えさをやってきましたけれども(笑声)店は皆シャッター閉めている。本当だよ。そうなっているんですよ。ここにいらっしゃる五、六十人の方、野良猫を見ていらっしゃいよ、商店街の。こんなこと間違えたら大変ですよ。しかも、そのうちは、残る十五坪ぐらい、この二割が近隣商業、準工住宅。私はいうんです。用途変更は、住居地域、商業地域、こういうものは簡単に変えちゃいけないけれども、形態がそうなっているところで部分的にそのまちづくりにそぐわないのは、順次どんどんやってあげたらいいじゃないですか。総合設計がどうだとか、何計画がどうだとか、まちづくり構想を示せなんて──葛飾区に今度いいました。そうしたら、葛飾の立石は再開発をやりますと。再開発は二十年かかるんです。それまで待ってください。何いってるんですかと。しかも陳情を七回も出しているんですよ、最近は八年に。それでも検討、検討、検討で三十年。ですから、線引きが入って、商店街形成がなされて、当然これは将来わかるんだから、部分的に用途を変えてあげて、土地買収が終わったところは五階も六階も建てられるように、ボーナスを先に上げたらどうなんですか。そうすれば息つくんですよ。そうすれば数多くの都市計画道路の方が助かります。大工さんが仕事がふえます。タイル屋さんに仕事が出ます。ブリキ屋さんに仕事が出ます。今こういう状態なんですよ。どうか皆さん、この問題まじめに考えてもらいたいと思う。  それで、今皆さんは、道路形態が、全部舗装が終わって、きれいにL溝が入って、歩道ができ上がってからじゃないと──葛飾区の計画を出してもらって、東京都が検討して、じゃそれは地区計画でやりましょうと。しかもそこは不燃化促進事業地域にも入っている。三代目がもう六十七歳で、そろそろぐあいが悪いんで、亡くなると、四代目が引き受ける。皆さん、こういう苦労をしているんです。おふろ屋さんが、いつの間にか都市計画道路がどんと入っちゃった。お父さんが亡くなった。おふろ屋をマンションに建てかえたい。都市計画道路があるから建てかえがきかない。いつやるんですか、わかりません、こういう状態ですよ。せめてこの計画線が──計画地はいい、しようがない、事業決定して土地買収が入ったら、同時にこの沿線は、いわゆる土地利用拡大、ボーナス的な緩和をしてもらいたい。悲痛のお願いでございます。どうですか、これは。 ◯水庭地域計画部長 道路整備と用途、容積率との関係でございますけれども、確かに道路等の基盤整備事業の実施によりまして、土地利用の形態が大分変わってくるところがあろうかと思います。その際には、地元区で考えますどのようなまちにしていくのかといったような区や市のマスタープランに基づきまして、また事業の進捗状況も勘案しながら、必要に応じて地区計画等による適正な沿道の土地利用の誘導策を講じることによりまして、適切な見直しの検討を進めてまいりたいと思っております。  ご指摘の二七四号線でございますけれども、本道路は、現在葛飾区の施行によりまして事業を実施中でございますけれども、平成十年度に歩道の整備を行えば事業が完了するというふうに聞いております。この二七四号線の用途地域の見直しにおきましても、葛飾区が補助二七四号線及び補助一四一号線の沿道につきまして、都市防災不燃化促進事業に関する調査を今年度行っておりますので、その結果を踏まえまして、今後の区のまちづくり計画に合わせて、地元の葛飾区とともに適切な検討を行っていきたいと考えております。 ◯今井委員 何かいいますと、これは都市計画道路は区施行なんですよ。だけど、都市計画道路なんで、東京都の都市計画の責任なんですよ、建設局とかね。区にいえば、都の許可がおりなければできません、こういう。今、都にいえば、葛飾区のまちづくりの構想が上がってきて、それによって対応します、こういうふうにずっと続けているわけです。両方でボールを投げているんです。テニスをやっているんですよ。私は申し上げたいんですよ。むしろ東京都が逆に誘導してあげて、こうしてあげなさいよと。しかも陳情が地権者四十七名全部出ているんです、何回も何回も。反対者はいないんです。まちづくり懇談会を今からやって、葛飾区がまちづくりの構想をということになると、立石の周辺全体を含めてなんですよ。十年かかりますよ。これは私たちの葛飾区だけの問題じゃない。皆さんの地域全部そうです。皆そうなっているんですよ。だからいっているんですよ、私は。わかりやすく葛飾のこういうものを取り上げて今お話ししていますけれども、そういうことなんですよ。だから、もっと行政が早く対応しなければいけないと思うんですね。  余談になりますが、徳川幕府の中興の祖といわれた八代将軍吉宗、それから、今話題になっている慶喜、最後の十五代将軍。この慶喜は、水戸藩の大名を集めて、もう徳川幕府は古い、私は幕府としてやる気はない、こういう意味のことをいった。大変な騒ぎになった。政治は、もう今では都民のために都民の意見を行政が補ってあげるんだ、こういう発言をしたんです。で、慶喜が今、有名なんです。それが必要なんです。地元のいい方をいかに皆さんが助けてあげるか、サポートしてあげるか。あれやっちゃいけない、これやっちゃいけない、これは法律でだめ、そういう時代じゃないんです。皆さんが逆に、何でもやってあげなさい、出しなさいよと。それから、八代の徳川吉宗は、いつも田に来て、一番末端の田んぼに水があるかどうかいつも調べていた。最後の田んぼまで水が伝わっているかどうか、それが政治の原点だといったんですね。  都市計画の皆さん、葛飾の町、周辺の町、知ってますか。商店街がばらばら店がなくなって、夜逃げしているんですよ。そこまでいって政治を論じたんです。皆さんも優秀なんだから、一人や二人そういう人がいてもらいたい。都市計画が日本の東京の町を救うんですよ、あなた方が。経済を立て直すんですよ。ですから、本当にこんなことをいって大変失礼でございますけれども、それは何でかというと、もう何十年同じことをいっているんですよ、私は。どうかそういう意味で都市計画道路については、土地買収に応じて、それにおこたえしてくれた都民がやりいいように都市計画をどんどん進めてもらいたいし、市区に指導してもらいたい。市はともかく区に。そういうふうにしてもらいたいですね。  ともかく局長、最後に申し上げますけれども、さっきいった誘導用途の建物の容積率も、今日本の低迷している経済の一つの大きな底上げの手段なんです。ですから、何回もいうようですが、副都心だけではなくて、交通アクセスがあってそれなりの条件が整うところはどんどんやってもらいたい。それから、都市計画道路についても、民間活力等も早く導入できるものは入れて、土地買収を進めて──財政的な面はしようがない、それから、いろいろな計画道路で事業化して、協力して土地を売却して終わった道路の駐車場に使うとか、あるいは、それを皆さんが早く活用するように──ブレーキをかけちゃだめなんですよ、そういうサポートをするように都市計画局は改めていただきたい。局長、最後にひとつ答弁を──また二十年後に同じことをいわせないでくださいよ。 ◯名倉都市計画局長 今井先生からごらんになると、私などはまことに期待外れの人間でございまして(今井委員「そんなことありません」と呼ぶ)じくじたるものがあるわけでございますけれども、先ほどボクシングのお話が出ましたが、私も都市計画局で長いこと、もう十五年ぐらい勤務しておりますけれども、ボクシングに例えますと、私などはいつもなぐられっ放しでございまして、名字も名倉というものですから、相手をなぐった覚えは一遍もございませんで、時には雨あられのごとくなぐられたことを覚えております。そういった中で、非常に冷や汗をかきながら都市計画の行政を私どもは進めておるわけでございまして、そういった気持ちもひとつごしんしゃくいただきたいと思います。  先生のお話も非常に理解できるところもございますので、私どもとしても頑張っていきたいと思いますので、よろしくご支援のほどお願いいたします。 ◯島田委員長 この際、議事の都合によりおおむね五分間休憩いたします。    午後三時六分休憩      ━━━━━━━━━━    午後三時十五分開議 ◯島田委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。  質疑を続行いたします。  発言を願います。 ◯清水委員 初めに、臨海副都心線の第二期区間の工事について、大崎駅までの延伸事業が行われているわけですけれども、その完成時期について伺いたいと思います。  先日、担当の方から、臨海副都心線の第二期区間の工事の発注状況の一覧表と、それから工事の工程表をいただきました。まず、それについてお伺いいたしますが、品川ふ頭の工事が進められているんですけれども、その一の工事の竣工の期日はいつでしょうか。 ◯城石新線計画担当部長 お尋ねの品川ふ頭工事につきましては、その一工事としては、支障物の移設工事であるとか土どめの工事を行うものでございますけれども、竣工の予定は平成十年度の冬ごろというふうに聞いております。  なお、工事自体は、日本鉄道建設公団という公団が運輸大臣の指示を受けて建設を行っているもので、いわゆる民鉄線工事方式をとっております。 ◯清水委員 それでは、その二の工事の竣工の予定はいつでしょうか。 ◯城石新線計画担当部長 その二の工事は、掘削工事、構築工事などを行うものでございますが、竣工予定は平成十二年度の夏ごろと聞いております。 ◯清水委員 その二の工事になっているんですけれども、その二の工事以降の工事というのはあるんでしょうか。その年月日を教えてください。 ◯城石新線計画担当部長 品川ふ頭工事につきましては、その二の工事で終わりでございます。その後の工事はございません。 ◯清水委員 それでは、天王洲ステーション、東品川ステーションなど、その他の工事の工事件名は、ここに書いてあるのは一ということで、土どめ工事や路面を覆う工事などで一ということで書いてあるんですけれども、その二の工事や二以降の工事というのは、それぞれのステーションの工事であるのでしょうか。 ◯城石新線計画担当部長 各駅の工事につきましては、土どめ工事等を行いまして、それと、その進行状況などを踏まえまして、ある程度同時並行的に、掘削工事であるとか一部の構築工事、それから建設設備工事といったようなことを行うこととなります。その一、その二という分け方は、駅部についてはしておりませんけれども、品川ふ頭工事との対比で申し上げますと、掘削工事等に入りますのが大体平成十年の夏から秋にかけて、それから、建設設備工事、これも並行的にやっていきますが、大体平成十一年の秋ごろにかけて入っていくというような状況でございます。 ◯清水委員 工事の確認をしたいんですけれども、駅部の開削工事を終了した後にトンネルの工事は掘っていくというふうに考えていいですか。それで、その工事が終わったら駅のステーション、駅舎の工事を完了させるという方法でよろしいんでしょうか。 ◯城石新線計画担当部長 工事のやり方でございますけれども、駅部の工事、土どめ工事といいますか、掘りまして、その後、躯体というか、駅部のコンクリートをつくるわけです。それが終わりますと、一緒にシールドトンネルを発進させて、躯体の最後の方をつくるのとシールドの工事は同時並行的にやってまいります。 ◯清水委員 では、株式会社が出した臨海副都心線のお知らせの中では、工事の進め方の説明で、工事の順序は、まず駅部を開削工法でつくり、その後、駅と駅の間のトンネルをシールド工法でつくるということで、今のお話だと、同時並行だといわれるんですけれども、駅部の開削工事が終了した後にトンネルシールド工事が行われるというふうに、これを見るとそう書いてあるんですけれども、そうではないんですか。 ◯城石新線計画担当部長 工事の手順といたしましては、当然穴をあけないとトンネルを発進できませんので、開削をして、トンネルを発進するのと同じ時期に駅をつくり上げる。だから、駅の構造をつくり上げるのとシールドトンネルが動いているのが同じ時期であると。順番としては、もちろん掘削があってシールド発進ということになります。 ◯清水委員 じゃ、開削工事を始めてからトンネル工事を進められるまでの時期というのはどのぐらいかかるんですか。開削工事をしてからトンネルを掘ることができるまでの工事期間。 ◯城石新線計画担当部長 トンネル工事のシールドでございますけれども、駅の工事の進みぐあいによりましてある程度ばらつきはございますけれども、大体平成十年の夏ごろからシールド機械をつくるということを始めまして、これに一年ぐらい要します。その後、平成十一年の夏ごろから実際に発進する。したがって、開削を平成十年の夏から秋にかけて始めまして、一年ぐらいたてばシールドが発進できる状態になるというふうに考えております。 ◯清水委員 では、トンネル工事が十一年の夏から始まったとして、トンネルの掘削工事というのはどのぐらいかかるんですか。 ◯城石新線計画担当部長 シールドトンネルの工事期間は大体一年以内というふうに見ております。 ◯清水委員 そうすると、もしトンネルの工事が早く終了したとして、十二年の夏ぐらい、で、駅舎の工事というのは並行的に行うという意味なんでしょうか。 ◯城石新線計画担当部長 ご指摘のとおりでございまして、駅舎の工事につきましても、平成十二年の夏ぐらいにはでき上がるのではないかと予想しております。 ◯清水委員 じゃ、もう一回戻りますけれども、トンネルの工事というのは一年で終わるんですか。一年間で掘れるんですか。 ◯城石新線計画担当部長 シールド機械を使いますので、シールド機械をつくる製作期間を一年要しますが、実際にトンネルを掘るという期間は、一年以内で終わると見ております。 ◯清水委員 シールドの機械は何個用意してトンネルを掘られる予定ですか。当初はどういう予定だったのか、そして、そのトンネルを掘る期間は、シールドの機械の個数によってどのように変わってくるのか伺います。 ◯城石新線計画担当部長 副都心線の延伸部分につきましては、単線のトンネルを二本掘るということになりますが、当初はシールド機械が行って帰ってくるということで考えておりましたけれども、現在は並列で二つシールド機械をトンネルには導入するということを考えております。 ◯清水委員 そのシールド機械というのは、何て数えるんでしょうか。一つというんですか。一体というんですか。(「一基」と呼ぶ者あり)一基、値段は幾らなんですか。 ◯城石新線計画担当部長 シールド機械は量産品ではございませんので、工事ごとに注文生産ということになります。まだシールド機械の発注をしているわけではございませんので、類似の例で考えますと、大体一基十億程度になろうかと思います。 ◯清水委員 そうすると、当初は一基のシールド機械で掘ろうとしたものを、二基用意して、一基十億円のマシンを二基用意して、一年以内で掘るということなんですが、なぜ当初一基の予定だった機械を二基にふやしたんですか。 ◯城石新線計画担当部長 少し訂正させていただきたいと思いますが、シールドマシンの機械は、一つのトンネル区間で二基でございますので、全部のトンネル区間を合わせますと八基になります。並進で掘削ということであります。  当初一基だったのを二基にふやした理由でございますけれども、一基でまいりますと、工期が二基の場合に比べますと倍かかるということで、工事を促進する観点から二基にふやしたものでございます。 ◯清水委員 そうすると、当然のことながら四基の予定が八基になったということですよね。そうすると、工事費が十億ふえたということでなくて、一基十億とすれば、四十億が八十億にふえた、四十億ふえたという計算でよろしいわけですよね。  それでは、そのように工事費を膨張させても完了期間を平成十二年、二〇〇〇年というふうにしなければならない理由は何でしょうか。 ◯城石新線計画担当部長 臨海高速鉄道につきましては、第一に、臨海副都心へのアクセス向上にとって極めて重要な路線であるということで、臨海副都心に進出しております企業などから早期開業を求める声が強い。第二に、天王洲から大崎までの沿線地域のまちづくりであるとか、あるいは活性化に大きく寄与する路線でございまして、地域の期待も非常に高い。第三に、東京圏における広域的交通ネットワークの形成あるいは東京の都市構造の再編にとって極めて重要な路線であるということで、平成十二年開業が求められているところでございます。 ◯清水委員 それでは、もう一度お伺いしますけれども、四基のマシンを八基にふやしたら、当初の予定どおり二〇〇〇年に開業できるのですか。 ◯城石新線計画担当部長 工事はこれから本格化するわけでございますので、絶対ということはございませんが、私どもとしては十二年開業を目標に頑張っているところでございます。 ◯清水委員 工事の関係者とかいろいろな方面から、二〇〇〇年には完成は不可能ではないかというような声が最近上がってきていると思うんですね。それで、今なぜ二〇〇〇年に開業しなければならないかという理由はわかりましたけれども、実際に今の機械をふやしたり、そういう手だてをとって、果たして確実にそれ自身を完成できるというふうに──今、絶対とはいえないとはいいましたけれども、そういう予想はお持ちなんですか。改めてお聞きしたいんです。 ◯城石新線計画担当部長 今、絶対と申し上げましたのは、土の中を掘る、自然が相手であるという意味で、何か予想つかないものが起こるかもしれないという意味で、非常に少ない確率を申し上げましたので、私どもとしては十二年開業を目指して最大限の努力をしておるところでございますし、それに向けていろいろな工夫もしてまいったところでございます。 ◯清水委員 地下鉄十二号線の工事の様子を見させていただいても、確かに短いところは着手してから二年半ですが、三年、五年、六年、七年、八年ということで、大変長期を要している地下の工事だと思うんです。で、大変難しい、JRをくぐるところもありますし、地下埋蔵物が交錯していると予想されるところもあります。ですから、私は、東京都として本当に二〇〇〇年に開業するということがもしも──関係者からおくれるかもしれないといわれているわけですけれども、もし実情がそうであるならば、それを正確に公表すべきではないかと考えるんですけれども、そういう予想というのは、現状の中で予想されるそうしたものの中で、おくれるというのは、今いわれたように、本当に万が一のことだけなのでしょうか。 ◯城石新線計画担当部長 今ご指摘のありました、例えばJRとの協議であるとか、地下の埋設物、地下にございますと、動かしたり、支障物移転ということで、移設したりしなければいかぬわけですが、これはすべて終了いたしております。先ほど都営十二号線の例がございましたけれども、おくれているのは、例えば用地の問題であるとか、いろいろの人のかかわりがある部分が主たる原因じゃないかと思いますが、用地の問題も、この延伸部分についてはございません。したがいまして、天災とかそういうものを除けば、十二年開業に間に合うものというふうに考えております。 ◯清水委員 私自身も直接関係者の方から延ばさざるを得ないかもしれないという話を伺っていますし、また新聞の記者が、東京都交通局の関係職員の話として、JRや道路管理者の警視庁との調整に時間がかかり、ライフラインの地下埋蔵物が交錯しているので、予定どおり完成することはまず無理だろうというような話が出ているんですよね、実際に。この線は、もう既にご承知のように、八八年の三月に策定された臨海部副都心開発基本計画で、道路などの整備スケジュールを大幅に延期しましたけれども、この臨海副都心線だけは当初計画のままでありました。ですから、もともと無理な計画なのではないでしょうか。そして、見直しをしなかったというのが原因だというふうに思うんですね。今、天災でもなければといわれましたけれども、実際には多くの関係者からおくれるだろうということが指摘されている中で、それを無理やり隠すのではなくて、都民とか企業に明らかにすべきじゃないですか。直前になって延期しますというようなことであれば、それは都民や企業にも迷惑がかかるかもしれないというふうに考えるわけですよね。  それからまた、工事費を四十億円も膨張させて工事を進めるというようなことが──先ほど何人もの方から大変厳しい都民の状況が語られましたけれども、そういう中で、トンネルを掘る機械に一基十億円、四つもふやすというような工事を東京都がやっていいんだろうか、これが明らかになれば、そういうことだっていわれざるを得ないと思うんですよ。ですから、その意味では大変大きな問題がある工事だというふうに考えますけれども、局長のお考えをお聞きしたいと思います。 ◯名倉都市計画局長 今、委員から臨海高速鉄道の開業時期についていろいろお話がございました。どういう関係者が開業時期がおくれるということをおっしゃっているのかよくわかりませんけれども、責任のある立場の人じゃないと思うんです、おっしゃっているのは。私どもは、この開業につきましては、工事を施行している鉄道建設公団、臨海高速鉄道株式会社ともども、技術的に詰めまして工程管理をしておるところでありまして、全力を挙げて十二年度開業に向けて今取り組んでいるところでございます。これによりまして、臨海地域の開発にできるだけ寄与できるように頑張っていきたいと思っております。 ◯清水委員 工事費が膨張することについても、局長のお考えを伺いたいんです。 ◯名倉都市計画局長 失礼いたしました。トータルの工事費につきましては、いろいろな要素がございますので、算出はまだできませんけれども、確かにシールドマシンがふえるというようなところは、工事費が増加する要素になるかもしれません。一方で、当初予定していた借入金の金利がかなり下がっておるというようなこともございますので、経営採算としてはプラス、マイナスいろいろな面がございますので、今後の検討にまたれるところでございます。 ◯清水委員 それでは、最後にいわれました経営採算という面でも、今後明らかにしていただきたいということをまず要望しておきたいと思います。  次に、交通需要マネジメントについて伺います。  環境保全局の質疑の中で山本委員も触れましたけれども、環境保全局の予算として計上されているわけなんですけれども、都市計画局の現在の取り組みはどういうふうになっているでしょうか。 ◯山下施設計画部長 交通需要マネジメントにつきましては、政策報道室、都市計画局、警視庁など、交通政策に関連いたします八局一庁から成ります交通需要マネジメント連絡調整会議を設置いたしまして、横断的な協力体制のもとに具体的な検討を行っております。さらに、学識経験者や国など関係機関、あるいは都の関係局で構成いたします東京都交通需要マネジメント検討会議、これはいわば国等を交えて執行の体制をつくることをねらいとしておるわけでございますが、そこにも検討のメンバーとして都市計画局は参加し、情報交換などを行っておるところでございます。  今年度は、マイカー通勤車、業務車、物流車、買い物レジャー車などにつきましてそれぞれの部会を設けまして、ケーススタディーを行っております。来年度のモデル試行に向け、現在調査を進めているところでございます。
     都市計画局といたしましては、このうち物流車対策、それから地下鉄十二号線、多摩都市モノレール開業時のTDM施策、これにつきましての部会、二つの部会の主管局となって検討を行っているところでございます。 ◯清水委員 先日の環境保全局審議では触れたんですけれども、都市計画局として、例えば金沢市だとか鎌倉市だとか、そうした事例を独自に調査して──今、都市計画局の部会が物流ということなんですけれども、私たちが要望したいのは、やはり交通政策として主体的に、一部会を受け持つというだけでなくて、他都市の事例、他都市の経験を独自に調査しながら行ってほしいなというふうに考えているわけですが、その点ではどうでしょうか。 ◯山下施設計画部長 諸都市の事例収集などにつきまして、あるいはそれの東京都への適用可能性の検討などは、非常に重要なものがございます。私ども、我が局の独自の予算ということではございませんが、環境保全局についております予算を利用しながら、これらの各種の事例につきましても調査を行って、具体的なTDM施策につなげていくことが必要だと考えております。そういう意味で、環境保全局についております予算は、各局がそれぞれの立場で考えていった場合にも活用できるというようなことで考えられておりますので、都市計画局としてもできるだけ総合的な検討に結びつけていけるよう努力をしたいと思います。 ◯清水委員 金沢市が担当しているところは、都市政策部交通対策課という場所で、市内の渋滞解消策としてこれを取り入れているわけですよね。それで、環境保全の方面に対しては、都市政策部対策課の方から環境保全に働きかけるというような話をしていました。ですから、都市交通としてリードしてやっておられたわけですよね。確かにそれがすべてよいとか、東京都の方がおくれているとかいう話ではないですけれども、都市計画局として主体的に渋滞解消の重要な施策として、今、日本でも世界でもそうした方向に進みつつあるわけですから、そうした姿勢をとってほしいということなんです。  それで、この交通需要マネジメントを推進することは、道路をつくることをやめていこうというような方向に進んでいかなければいけないと思うんですけれども、これまでのお考えを聞いていると、道路づくりはこのまま進めるというようなお話を伺っているわけですけれども、そうした立場に立たなければ、この施策が本当に進んでいかないというふうに考えるわけです。出発の視点がそうした立場に立たなければならないと考えるわけですが、その点で改めてお考えをお伺いしたいと思います。 ◯山下施設計画部長 東京都の交通需要マネジメントは、大気汚染などのいわゆる公害対策の側面のほかに、渋滞対策、それから交通安全の確保といったような総合的な目的を持っておるわけでございまして、そうした意味で各局がそれぞれの立場で協力をし合って進めているところでございます。  私どもといたしまして、交通渋滞という意味合いが非常に強いわけでございますけれども、交通渋滞を解消し、都市交通の円滑化を図るためには、道路整備による供給サイドの施策、それと交通需要マネジメントなどによります需要サイドの施策の両面からの取り組みが必要であると考えております。東京の都市計画道路の整備状況を見ますと、ネットワーク的にも、それから量としても、まだまだ不十分でございます。今後とも事業化計画などによりましてネットワークの整備を計画的かつ効率的に推進する必要があると考えております。その上で、道路整備とあわせまして、自家用車から公共交通への利用転換、モーダルシフトといわれている分野でございますけれども、できるだけ公共交通への利用転換を図るとか、あるいは既存施設の有効活用、建設局で行っておりますすいすいプランなどのようなものも非常に重要な施策の一つだと思いますが、そうした既存施設の有効活用なども、TDMにつきまして関係局と連携しながら積極的に取り組んでいかなければならないと考えております。 ◯清水委員 そうした考えが根本にあれば、積極的に推進していくといわれましたけれども、本当にそれが進んでいくというふうには思えないんですね。今、都市が自動車と共存することは大変困難だと考えます。理想的な車社会は世界のどこの都市にもないといわれております。世界のどの都市も、新しい文明として車社会の趨勢に合わせようとしてきました。自動車道路の拡張や駐車場の増設に力を入れて、増大する自動車に必死で追いつこうとしてきました。しかし、都市内に新たに道路をふやしても、しばらくすれば満杯となって、さらに新しい道路の建設を要求しています。その結果一時的にスムーズになりますが、走行台数が前より増加して、やがて再び道路混雑が始まっているというのが現状じゃないでしょうか。そして、これはどこまでも続き、都市全体を道路と駐車場にしてしまうまで終わりなく続けられるという研究者もいます。道路、自動車追随型の対策は、結局この繰り返しをとめることができません。  都市の交通については、需要と供給という経済の一般論を当てはめることができないと、交通問題の研究者たちはいい始めています。ですから、海外では、供給をふやしても需要の伸びに追いつけないということから、交通需要そのものを発生源におりて管理するという考え方が打ち出されて、TDMの施行が海外でも大きく広がってきて、そして欧米の交通施策の主流を占めるようになって、採用され始めています。シンガポールとかアメリカのロサンゼルスとかポーランドなどは、自動車依存型からの脱却に向かっていると聞いています。私はこれが世界の流れだ、大気汚染を食いとめるためにも、本気になって東京都が一気にこれを進める必要があるというふうに考えます。LRTの調査を東京都が行っている、都市計画局が行っている、それにTDMの施策に本気になって都市計画局が積極的に取り組むことが求められていると思います。ぜひその点を強力に今後も推し進めていただきたいということを要望して、質問を終わります。 ◯山本委員 私の方からは防災都市づくりの推進計画にかかわって何点か伺おうと思います。  これは昨年の三月に策定をされましてから、既に一年が経過をしております。そうした中で、防災都市づくり推進計画の十一重点地区、ここでどのような手法を取り込んでいるのか、このことをまず教えていただきたいと思います。 ◯林防災都市づくり推進担当部長 十一の重点地区でございますが、防災都市づくりのための修復型事業と基盤整備型事業を集中的かつ重層的に行うこととしているところでございます。修復型事業でございます都市防災不燃化促進事業、木造住宅密集地域整備促進事業、防災生活圏促進事業等につきましては、おおむね全地区で実施中でございます。また、基盤整備事業でございますが、街路事業が八地区で事業中となっております。連続立体交差事業につきましては、三地区で準備中のほか、品川区の東急目蒲線で事業中となっております。また、土地区画整理事業、市街地再開発事業につきましては、東池袋地区、十条地区、町屋・尾久地区、鐘ケ淵周辺地区の四地区で、現在準備をしているところでございます。 ◯山本委員 これらの事業は膨大な事業費がかかると思うんですけれども、都としてこれまでどんな予算を組み、来年度どのように予算編成をしているのか、また区の財政負担をどのようにお考えか、教えてください。 ◯林防災都市づくり推進担当部長 現在、防災都市づくり推進計画の整備計画を進めるために事業を実施しておるところでございますが、初年度の平成九年度につきましては、メニューの拡充に力点を置いております。具体的に申しますと、新規施策といたしまして、防災都市づくり用地先行取得事業や緊急木造住宅密集地域防災対策事業、こういったものを創設いたしました。また、防災生活圏促進事業につきましては、公共施設整備の補助率の拡充でございますとか、住民のまちづくり活動を新たに補助対象に加えるなどの対応を図ったところでございます。  次に、平成十年度の重点地区に係ります予算ですが、生活都市東京構想の重点計画、この重点課題に位置づけることによりまして、大変厳しい財政状況のもとではありますが、都市計画局、住宅局並びに建設局の三局で総額約百四十二億円を計上し、積極的な対応をしていくこととしているものでございます。また、防災都市づくりによって生じます区の財政負担に対処いたすために、重点地区におきます防災都市づくり事業は、すべて都区財政調整の対象事業といたしているところでございます。 ◯山本委員 防災まちづくり、本当に具体的な取り組みということで考えますと、主体となるのはやはり基礎的な自治体だというふうに思うんです。伺うんですが、各区の取り組みは今どのような段階に来ていますか。 ◯林防災都市づくり推進担当部長 ご指摘のとおり、防災都市づくりを円滑に進めていくためには、住民に最も身近な自治体でございます区が中心となって取り組む必要があると考えております。そのために、現在、防災都市づくり・木造住宅密集地域整備促進協議会のもとに、重点地区ごとに区が主宰いたします防災都市づくり推進連絡会といったものを設けていただきまして、都区の緊密な連携を図りつつ、まちづくりを進める態勢をとっておるところでございます。こういったことで、幾つかの重点地区におきましては、各区が主体となりまして、既に地元の住民説明会等を実施してきております。また、他の地区におきましても、防災都市づくりの理解を得るために、区の広報等を通じまして住民への周知に努めてきているところでございます。 ◯山本委員 防災都市づくりということで、今、区の状況を伺ったんですけれども、何といっても町ですから、これはやはり住民が主体になって行っていくことが必要だと思うんです。そこで、住民対応というのが欠かせない問題なんですが、都としてどういうふうに住民の皆さんと対応を展開していくのか、伺いたいと思います。 ◯林防災都市づくり推進担当部長 住民のご理解と協力がございませんと、防災都市づくりは進みません。そういったことで、先ほど申しましたが、重点地区の関係区で区が主催していただきまして、整備計画に基づく住民説明会を開催いたしてきております。都といたしましても、昨年十月から現在までに開催されました北区、豊島区、墨田区、こういったところの地元説明会に積極的に出席いたしまして、都の考え方も説明するなどの対応を図っているところでございます。  また、住民の防災まちづくり活動を支援するために区が助成を行う場合は、都としても防災生活圏促進事業で区に補助を行う制度を平成九年度設けまして、積極的に対応してまいりたい、こう考えております。 ◯山本委員 今、都の考えを説明するなどということをおっしゃったんですけれども、やはり今後のまちづくりというのは、上で決めたことを説明してわかってもらうというスタンスから、本当に住民自身が何が必要なんだろうかということを考え合って、そして、行政が持っている大きな情報が住民に提供されて、同じ土俵でまちづくりが考えられる、こういう流れに変えなければいけないと思うんですね。阪神・淡路大震災の経験から見ても、本当に地震や災害に強いまちをつくっていくという意味で、住民自身の役割、そして、それを支援していくという意味でも、基礎的な自治体であります区の役割が非常に重要だと思うんですが、そこのところを伺いたいと思います。 ◯林防災都市づくり推進担当部長 防災都市づくりというような事業、非常に身近な生活環境の改善事業でございます。こういったものにつきましては、住民の方々と住民に最も身近な自治体でございます区といった両者が中心になって進められるべきと考えております。ご指摘のように、阪神・淡路大震災におきましての経験ですが、従前から住民が主体的にまちづくりにかかわりまして、住民と地元の市が共同のまちづくりを進めていた、そういった幾つかの地区におきましては、復興のまちづくりも非常に円滑に進んでいるというふうに聞いております。こういった経験に学びながら、都といたしましては、地域危険度などの防災情報を積極的に提供するなどいたしまして、防災都市づくりに対する住民のご理解とご協力を得たいと考えております。また、区が住民の主体的なまちづくり活動を支援し、いろいろな方々がいる住民の合意形成を進めるに当たって支援をする場合には、都としても積極的に応援をしていきたい、こう考えております。 ◯山本委員 今お答えいただきましたけれども、本当に住民を主体としてこの問題に取り組んでいけるように、それを応援するというスタンスでぜひとも対応していただきたいと思います。  最後に、屋外広告物条例の値上げの問題について、意見だけ申し上げたいと思います。  ここに資料をいただきましたけれども、本当に膨大な数です。この中には、例えば商店街のアーチでありますとか、装飾街灯でありますとか、本当に今この不景気の中で商店街一生懸命頑張ろうというふうに思っている上で欠かせないものも含まれております。そうした意味で、今の時期に、屋外広告物の許可ということではありますけれども、これに対しての値上げは、私はするべきではないというふうに思います。そうした意味で、この値上げの条例はぜひとも引っ込めていただきたいということを申し上げまして、質問を終わります。 ◯小礒委員 一点だけお聞きしたいと思います。  先ほどからもございましたけれども、各区市において行われている都市計画マスタープラン作成、これに基づいて、東京都におけるまちづくり、すなわち用途地域指定のあり方、この点についてお考えをぜひここで明らかにしていただきたいと思います。 ◯水庭地域計画部長 用途地域の指定の考え方でございますけれども、用途地域は、都市機能の特化、配分を図るために、地域地区等の土地利用制度の中で最も基本的なものでございまして、かつ住宅と工業などの相互に排斥し合う用途の混在を防ぎ、地域の環境を保全するとともに、同種あるいは関連の用途を集めることで利便性の向上を図ること、それから機能的な都市活動、生活環境保全といったような役割を果たすものであると考えております。 ◯小礒委員 それではもう少しお聞きしたいと思いますけれども、前回、三年前でしょうか、五年に一度の一斉見直しという中で、用途地域の見直しが行われてきたわけでありますけれども、前回の用途地域一斉見直しの経過について教えていただきたいと思います。 ◯水庭地域計画部長 前回の用途地域の一斉見直しの経緯でございますけれども、まず、平成四年六月に、住居の環境の保護等を図るため、都市計画法、建築基準法の改正がございました。その中で住居系の用途地域が細分化されまして、平成八年六月までには用途地域を見直せということになったわけでございます。  都における経緯でございますけれども、まず平成四年六月に法改正がありまして、平成五年六月、東京における土地利用に関する基本方針につきまして、都市計画地方審議会から知事へ答申をいただきました。これをもとにいたしまして、平成五年九月に、用途地域等に関する指定方針及び指定基準、これを策定しております。これに基づきまして区市町へ用途地域等の原案作成を依頼しております。そこで、地元区市町では地元説明会を行いながら案を作成いたしまして、平成六年九月に区市町から用途地域等の原案の提出をいただいております。  次に、平成七年四月に東京都素案を作成いたしまして、同年四月に東京都素案を都市計画地方審議会に報告してございます。それから、四月から五月にかけまして東京都素案を縦覧しております。それから、六月には東京都素案に対する公聴会を開催しております。九月に都市計画案の作成を行いまして、区市町への意見照会をすると同時に、平成八年一月から二月にかけまして都市計画案の縦覧、意見書の提出をしていただきました。平成八年三月に都市計画案を都市計画地方審議会に付議いたしまして、平成八年五月に都市計画決定の告示を行ったものでございます。 ◯小礒委員 実際、各区、各市におきましても、地元説明、原案を取りまとめる。で、原案を都の方に示していくということでありますけれども、その中で実質的に約一年有余にわたって原案作成を各区、各市でしていると思うんですね。その間、都市計画局との調整というのはどういうふうに図られてきたんでしょうか。 ◯水庭地域計画部長 都は、区市町への原案作成依頼に際しましては、区市町が用途地域等の原案を作成する際の基準となります用途地域等に関する指定方針及び指定基準に沿って作成するよう要請しております。したがいまして、区市町との調整に当たりましては、方針、基準との整合性を基本といたしまして、周辺の土地利用状況及び地区計画等による将来のまちづくり構想等も考慮しつつ行っております。具体的には、区市町の原案策定までの段階で指定方針、指定基準との整合性について相談を受けた場合には、必要な調整を行ってきてございます。また、区市町の原案提出後、同様の調整を行いながら都素案をまとめたものでございます。 ◯小礒委員 実際、約一年間かけて、実質その種の指導というんですか、相談、各区、各市から、担当者が都の意向を確認するというんですか、原案作成する、この取りまとめられた原案、しかし、その過程として、実質的に地元の自治体の方で担当者が取りまとめた原案に対して、この一年間、例えば取りまとめているその期間において、都の意向がかなり出ているんではないですかね。  例えば、ある市において計画的なまちづくりが進められて、一定の町並み形成が図られてきた。その中で道路整備、そして新線も引かれて、駅舎も当然整備された。まさに駅前ですよね。歩けばまさに五分以内、二、三分だ、こういうところが、二十数年来、特に二十年という一つの時間に限定しても、東京都へ地元、特に市の方から、これを見直していただきたいという話が再三にわたって出されていると思うんですね。私もこれをいただいて、例えば新住区域──あるというのは実は多摩市なんですけれども、多摩ニュータウン、約六割、この中で特に一部地形、駅から見てかなり高低差がある。これ一区画が実質的に一企業なんですね。一企業だけなんですよ。全体地域を見ても、そのような配慮をしているところはないんですよね。ところが、ここの部分については歴然として近隣商業区域として指定されている。周辺は住居ですよ。近くに白抜き地区もある、こういう状況ですね。  一方、南多摩地区の南多摩医療圏、この中において、ベッド数が極端に少ないんですよ。また、医療機関もまさに駅の至近にある。ですから、通院する患者も多いし、搬送されてくる患者も多い。ベッド数をふやしたい。ところが、さまざまな規制がかかっているので、できないんですよと。さらに、町並み整備は進んでいるんだけれども、このような規制がかかっているので、次の展開がなかなか難しい。次の一斉見直しは何とか変更してもらえるんじゃないか。ところが、遅々として、さっきの話、二十年たったって一向にない。このあたりどうなんですかね。地元の原案──もう時間もありませんからいわせていただくと、駅の直近に地元市と住都公団で、第三セクターですけれども、合築方式で駅ビルを建てたんですよ。実際もう建ちましたけれども、これもいわゆる高低差制限がある。私がいっているのは、要は、一私企業だとか、一不動産関係の利害のことをいっているのじゃなくて、公に供するものを地元が要望し続けていることに対して東京都はどう受けとめていただいたのか、そのあたりなんです。 ◯水庭地域計画部長 具体的に区市の案と、最終的に都との調整によって区から上がってきた素案に対して変更を認めなかったといいますか、指定基準に合わなかったというような箇所もかなりございました。これは全部で二十五区市で五十四地区ほどあったわけですけれども、具体的なご指摘の多摩の件につきましては、調査をしてみないとわかりませんけれども、そういったかなりの調整をさせていただいております。  それから、用途地域の指定につきましては、私ども、この指定方針、指定基準に基づいてやっておりまして、いろいろな土地利用の現況であるとか、あるいは新しく都市基盤整備ができているかどうか、面的事業等による土地利用の条件が変化したかどうか、そういったもろもろの状況を判断いたしました上に基準に合うかどうかを検討して、最終的な東京都としての案をつくったわけでございます。 ◯小礒委員 せんだって、これは映画にもなって、テレビでも再放送しましたけれども、平成狸合戦、アニメですけれども、ここはまさにその地域だったんです。だけれども、この二十年、十年の変化というのは、大変な都市化なんですね。変化しているんですよ。それを、実際上、各区市でもそうでしょうけれども、原案を持って東京都の意向をお伺いを立てに行くわけですよ。何回も行く。一回や二回じゃないんです。どうでしょうか、どうでしょうかというわけだ。都はそれを待っててチェックするわけです。変化している実情ぐらいは、やっぱり皆さんの目で確かめてくださいよ。これは見ればわかります、はっきりいって。何であの高台の方の一区画が──これは一私企業だよ、はっきりいって。周りは全部低層住宅だとか、白抜きだ、隣接が。そこだけ何で近隣商業に指定されるのかわからない。ところが、今いった駅の直近、このところはずっといい続けているんですよ、何とかしてくださいと。ここだって、今のような指定方針、いろいろな話を担当者に持っていけば、これはだめですよ、いいですよ、だめですよ──いいところもあるかもしれないけれども、ほとんど毎回、地元総意の声として東京都が受けとめてくれてないんですよ。反映してくれない。これはぜひ部長、現地に、部長は行かなくても担当の方が行っていただくとか、そのぐらい配慮していただけませんかね。物すごい変化しているところですし、計画的にまちづくりを進めているところですから。であるならば、公に供する部分については弾力的対応を講じていただかないと、現実にそぐわないですね。一般生活にとっても、都民、市民生活にとっても、なかなか難しくなってくるわけですから、先ほどもお話ありましたけれども、そのあたりどうでしょうか、局長。 ◯名倉都市計画局長 私は、具体的なことを、申しわけありませんけれども、よく実情を把握しておりませんので、具体の問題につきましてはよく調査させていただいて、どのように対応したらいいか勉強させていただきたいと思いますので、よろしくお願いします。 ◯小礒委員 実際、私、今事例を出させていただきましたけれども、これは事この市に限らず、先ほどお話もありましたけれども、多摩地区だけでもないと思うんですよね。かなり変化してきている。道路整備においてもそうだ、さまざまな周辺開発においてもそうだと思うんですよ。ですから、ぜひそのあたりを現実的対応をしていただくため、しっかりとこれらの問題、担当の方はやはり見ていただくか、区なり市なりの担当者ともっと鋭意調整をしていただきたいと思うんですね。いずれにいたしましても、一地域に限定いたしましたけれども、ぜひそのあたりお願いしたいと要望いたしまして、終わります。 ◯島田委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。  本案に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ◯島田委員長 異議なしと認め、本案に対する質疑は終了いたしました。  以上で都市計画局関係を終わります。  これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。    午後四時十三分散会...