〔「なし」と呼ぶ者あり〕
◯白井委員長 発言がなければ、お諮りいたします。
本案に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
◯白井委員長 異議なしと認め、本案に対する質疑は終了いたしました。
以上で
監査事務局関係を終わります。
━━━━━━━━━━
◯白井委員長 これより
総務局関係に入ります。
予算の調査及び
付託議案の審査並びに
報告事項に対する質疑を行います。
第一
号議案、平成十年度東京都
一般会計予算中、歳出、
債務負担行為、
総務局所管分、第二
号議案、第四
号議案、第三十二
号議案から第三十四
号議案まで、第三十六
号議案、三十七
号議案及び第三十九
号議案から第四十五
号議案まで、並びに
報告事項、
行政改革の
取り組みについて及び平成十年度
都区財政調整についてを一括して議題といたします。
本案及び
報告事項については、いずれも既に説明を聴取しております。
その際、要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
資料について理事者の説明を求めます。
◯今村総務部長 去る二月二十四日開催の当
委員会におきましてご要求のございました資料につきまして、ご説明申し上げます。
恐れ入りますが、お手元にお配りしてございます
総務委員会要求資料をごらんいただきたいと存じます。表紙の次の目次にございますように、ご要求のございました資料は全部で四件でございます。
一ページをお開き願いたいと存じます。1、
市町村振興交付金、
調整交付金の推移についてでございます。
市町村振興交付金は、市町村が行う
公共施設の経費に対して、また、
市町村調整交付金は、市町村が実施する
各種施策に要する経費に対して、それぞれ財源補完する制度でございます。それぞれの
交付要綱で定めております
事業区分別、
配分項目別の交付金の推移を、平成四年度から平成八年度までの五年間を掲げてございますので、ごらんいただきたいと存じます。
次に、二ページをお開き願います。2、
同和対策事業の予算額及び執行額の推移でございます。
この資料は、昭和五十四年度から平成十年度までの二十年間の
同和対策事業に係る予算額、執行額及び執行率の推移を一表にまとめたものでございますので、ごらん願います。
次に、三ページから六ページにかけましては、3、
同和対策事業の
執行状況及び予算額についてでございます。
この資料は、平成六年度から平成十年度までの五年間の
同和対策事業を
所管局別、事業別に分類し、平成六年度から平成八年度までは執行額及び執行率を、平成九年度は当初予算額を、また、平成十年度は予算案をそれぞれ整理して一覧にまとめたものでございます。ごらん願います。
最後に、七ページから九ページにかけましては、4、
同和対策事業と
一般対策事業との比較についてでございます。
この資料は、現在、
激減緩和措置といたしまして、平成九年度から五年間の
経過的措置を講じております
同和対策事業のうち、
同和地区出身者を対象とした主な六つの
属人的事業を類似の
一般対策事業と比較し、それぞれ事業名、所管局、
事業内容等に区分して一覧に掲げたものでございます。ごらんいただきたいと存じます。
以上、甚だ簡単ではございますが、ご要求のございました資料につきましての説明を終わらせていただきます。よろしくご審議のほど、お願い申し上げます。
◯白井委員長 説明は終わりました。
ただいまの資料を含めて、本案及び
報告事項に対する質疑を行います。
発言を願います。
◯倉林委員 私は、
小笠原関係の諸問題につきまして、過去にも本
委員会において質疑をさせていただいておりますので、お尋ねしたいと思いますが、幸い、空港問題につきましては、
予算特別委員会の総括におきまして、我が党の
山崎委員さんがお尋ねをしておりますので、私は、
小笠原諸島における
振興開発の
根拠法令であります
小笠原諸島振興開発特別措置法についてのみお尋ねをしていきたいと思います。
ご承知のように、戦後、鹿児島県の
奄美群島は昭和二十八年の十二月に、また、沖縄県は昭和四十七年の五月に、それぞれ返還をされたわけであります。
小笠原諸島は、沖縄に先立ちまして昭和四十三年の六月に返還をされたわけでありますけれども、
小笠原の戦後を振り返りますならば、昭和十九年に
強制疎開を強いられて以来、米国の
施政権下にあり、
本土復帰までの戦後の二十数年間、旧島民が島に帰りたくとも帰れず、また、帰島してみれば、荒廃したふるさとが待っていたというような特異な体験を味わった島ではないかと、こう思うわけであります。すなわち、
小笠原諸島の
振興開発は、戦後処理問題としてとらえるべきであるといっても、決して私は過言ではないだろうと思っているところでございます。
一方、同諸島は、本土から約千キロメートルを隔てた
外海諸島で、離島でありまして、我が国の領海の五%、二百海里水域の約三一%を占めるという大変広大な海域を擁している等、
国土保安上も重要な位置を占めているわけであります。
小笠原につきましては、昭和四十三年六月二十六日、我が国に返還をされて以来、昭和四十四年からの
復興事業、昭和五十四年からの
振興事業、そして
平成元年からは、現行の
振興開発事業等が進められてきております。これらの事業につきましては、いずれも
小笠原地域のみを対象とした
特別立法に基づいて実施をされてきたわけであります。一般に離島は、
離島振興法によって
振興事業が実施をされてきておりますけれども、特に
小笠原につきましては、二十数年間の空白によりまして、おくれていた
基盤整備をいかに
本土並みにするのか、また、そのための整備を迅速かつ重点的に行う必要があったからこそ、一般法ではなく、
特別立法によりまして振興策が図られてきたのであります。このような法律こそが、現在の
小笠原村民の生活や産業の基盤を支えているわけであります。
ところが、お聞きいたしますと、この
特別措置法は平成十年度末をもって失効となっていくわけでありますけれども、そこで、これに関しましてお尋ねをしていきたいと思います。
まず最初に、現行の
特別措置法の目的について、改めて確認の意味でお尋ねをしたいと思います。
◯金内地域振興担当部長 現行の
振興開発特別措置法、この法律では、
生活基盤、
交通基盤、
産業基盤等の
基礎条件の改善と地理的及び
自然的特性に即した同諸島の
振興開発を図り、あわせて、帰島を希望する旧島民の帰島を促進し、住民の生活の安定と福祉の向上を図ることを目的としております。
◯倉林委員 それでは、その目的を達成するために、返還以来三十年にわたって、復興、振興、
開発事業がそれぞれ進められてきているわけでありますけれども、そういう意味からいきましての今日までの成果と課題といいましょうか、これにつきましてもお答えいただきたいと思います。
◯金内地域振興担当部長 これらの事業を実施してきた結果、上下水道、学校などの
生活基盤施設、それから漁港の整備、農地の造成、これらの
産業基盤の整備、及び道路や港湾などの
交通基盤の整備、これらにつきましては一定の成果をおさめ、現在では二千三百人余りの人が居住するに至っております。
しかし、同諸島は本土から約一千キロメートルを隔てた
外海離島であるという
地理的条件にありますことから、
交通アクセスの改善、産業の振興、旧島民の帰島の促進等、引き続き解決すべき課題がございまして、
自立発展の基礎を確立するために必要な諸条件の整備が十分達成されたとはいいがたい状況にございます。
◯倉林委員 生活基盤の整備等については一定の成果をおさめた、今、こういうご説明をいただきました。よくわかりました。
一方、
産業振興については、いまだ多くの課題が残されているわけでありますけれども、これらの課題は、これまでの
法改正のたびに繰り返し課題として出てきており、なかなか解決がなされておりません。そこで、残された課題を解決するために、具体的な施策があるのか、効果の上がる施策等がありましたら、お伺いをしておきたいと思います。
◯金内地域振興担当部長 これらの課題を解決するためには、
小笠原の
自立発展を基本に据えまして、これに向けて有効な施策を実施していくことが大切であるというふうに考えております。
主な施策といたしましては、まず
交通アクセスの改善についてですが、ご存じのとおり、
空港建設位置を決定し、できるだけ早期に
空港建設の事業に着手してまいります。産業の振興につきましては、
自立発展型の
産業構造としていくため、災害に強い
農業施設の整備や、観光と連携した農、漁業の振興、
流通システムの整備、これらを実施してまいります。
こうした自立化を促進する諸施策にあわせまして、住宅の整備を一層進めることにより、旧島民の帰島の
条件整備が図られるものと考えております。そして、これらの施策を体系的に整理いたしまして、
計画大綱案として取りまとめてまいります。
◯倉林委員 今、いろいろと施策についてお伺いをし、ご答弁をいただいたわけですけれども、私は、空港こそが
小笠原の
自立発展のポイントになるものであるというふうに当然考えております。現在、
小笠原まで船で二十五時間半もかかるということであります。この二十五時間半という所要時間は、ジェット機を使えば地球の裏側の方まで行ってしまうほどの長時間の距離であります。まさにその意味では、
小笠原は東京都にありながらも、世界一不便な遠い島ではないか、こんなこともいえるんじゃないかと思うわけでありますが、
空港建設を大きな柱として強力に推進するためにも、
特別措置法の改正、延長はぜひとも必要であり、不可欠だと思っているわけでありますけれども、どのようにお考えになっているかをお伺いしておきます。
◯金内地域振興担当部長 ご指摘のとおり、
空港整備を初めといたします諸課題を解決し、
小笠原の真の
自立発展を図るためには、引き続き
特別措置法の改正、延長が不可欠であるというふうに考えております。都といたしましては、
小笠原村の意向も踏まえまして、国へ
法改正、あるいは延長を要望してまいりたいと考えております。
◯倉林委員 小笠原諸島の真の自立と発展に向けて、
特別措置法の改正、延長を国へ要望していくということでありますけれども、それでは、これから取り組んでいきます
スケジュールについてご説明をいただきたいと思います。
◯金内地域振興担当部長 特別措置法の改正、延長に関しましては、その重要性にかんがみまして、全庁的に取り組む必要があることから、知事を本部長といたします
多摩島しょ振興推進本部におきまして、現在検討を進めているところでございます。この検討結果を取りまとめまして、本年四月、来月には
法改正の要望書、七月には、先ほどご説明をいたしました
計画大綱案を国へ提出したいというふうに考えております。
◯倉林委員 スケジュールにつきましては、四月の
法改正の要望書、七月には
計画大綱を国に提出をしていきたいと、こういう考え方でありますけれども、先ほど申し上げましたように、法律の
有効期間の延長は来年の三月末までとなっております。この日程の中で大丈夫なんだろうかという思いもするわけでありますけれども、まさにそのような中で手をこまねいていて、
特別措置法の改正、延長ができないというようなことにでもなれば、国も都も
小笠原を見捨てたのではないかと、こう批判されるような事態となりかねないわけであります。
そこで最後に、法の改正、延長におけます
総務局長さんのご決意のほどをお伺いをして、私の質問を終わらせていただきたいと思います。
◯木宮総務局長 先ほど担当部長からお答え申し上げましたように、
特別措置法の改正、延長につきましては、私ども、ぜひとも改正し、措置法の延長をしたいというふうに考えているところでございます。現在、
小笠原村を初め、また、国土庁を初めとする
関係省庁と鋭意準備を進めているところでございます。ことしは、
小笠原が返還されてから三十年の節目になるわけでございまして、これを契機に、さらなる
住民生活の安定と福祉の向上を図るために、
特別措置法の改正、延長に向けまして全力を挙げて取り組んでまいりたい、かように考えております。
都議会の皆様方におかれましても、ぜひこの
法改正、延長につきまして、ご支援、ご協力方をよろしくお願い申し上げたいと思います。
◯村松委員 私は、
行政改革の
取り組みについてお伺いしたいと思うんですが、まず初めに、
行革大綱と
財政健全化計画の関連についてお伺いします。
◯幸田参事 行政改革大綱と
財政健全化の関係ということでございます。
現行の
行政改革大綱では、生活者の視点に立って
生活都市東京を創造する、こういう目的を大きく掲げまして、それに関連した
行政改革事項を大綱にとりまとめた、これが一つでございます。
それから、もう一点、この大綱の中に位置づけてございますけれども、特に財政面から見て、緊急に達成すべき当面の目標とその実現のための方策については、大綱を踏まえて別に
財政健全化計画を策定する、こういう格好になってございます。
◯村松委員 ご答弁にありました
行革大綱の第一の目的が、生活者の視点に立って行政を改革をする、そういうことですよね。では、そのことが
都民生活にどういうかかわりがあるのかということでちょっと質問しますけれども、この
行政改革を進める中で、職員の
定数削減があったと思うんです。それを福祉局、衛生局、教育庁、住宅局で示してください。
◯大関理事 まず、福祉局でございます。平成十年度は、百二十八の増で三千二百五十三名となってございます。それから衛生局、これは八十六の減で、総数で一万三百八十名となります。それから、住宅局が二十五名の減で六百五十二名ということになります。それから、
労働経済局が四十三名の減で二千百四十五名となります。それから、もう一つ、教育庁が七名の減で九百十九名となってございます。
◯村松委員 都民生活にかかわるところでの
定数削減を教えていただいたんですけれども、東京都の
財政健全化計画実施案の中で、これは四八ページに書かれているんですが、
公営住宅の建設と管理、ここで打ち出されているんですが、先ほどの答弁ですと、生活者の視点の重視、生活者の視点に立って行政を変えていくというふうにいっておりますが、この
公営住宅の建設と管理の中の、これは
都営住宅の問題だと思うんですけど、これが都民にとってどんな状況だったのかというので、個別のことは聞かれてもわからないということでしょうから、私の方が、今、
都営住宅の問題がどうなっているかということをちょっと紹介したいと思うんです。
財政健全化計画で位置づけられてから、
都営住宅が今どんどん
建設戸数が落ちているということがあるんです。例えば、平成八年度が
建設戸数が千八百戸だったんですが、九年度が千二百戸、十年度が七百戸に落ち込んでいると。一方、都民の申し込みはどうなのかということを見ますと、
募集戸数に対して、八年度は千八十戸に対して三万四千九百十七人、三二・三倍の倍率なんですよね。それから、九年度が八百二十九の募集に対して三万七千四百四十一、倍率が四五・二倍になっているんですよ。そういうふうに、本当に都民にとっては、この
行革大綱、
財政健全化を進めるということが、どれだけ都民の視点に立っていないかということだと思うんです。
東京都は、もう
民間賃貸住宅の絶対総量があるから、だから建てないみたいなことをいっているんですが、そうしたらこういう応募や倍率は出てこないと思うんですよ。こういうことが、皆さんが進めている
行革大綱、あるいは
財政健全化計画の中でやられている、そういうふうにやっぱり受け取ってほしいと思うんです。
それから、
先ほど答弁をいただきましたけれども、衛生局の方でも、八十六名、人が削減されているんですよね。その主な
削減理由というのはわかりますか。
◯大関理事 主に
給食調理の委託の減でございます。
◯村松委員 衛生局は、
都立病院の
給食調理と。保健所の統廃合による定数は減ってはいないんですか。
◯大関理事 主に九年度に保健所の方は終わっておりまして、おおむね百三名ほど減でございます。
◯村松委員 保健所の統廃合で百三名ほど減っていると。そのことによって
都民サービスにどういう影響があるか、そういうことも多分、これを進めた
本家本元の方は知らないと思うんです。私たちがいつも相談を受ける内容というのは、特にこの時期は季節の変化、変わり目ですから、いろんな症状の病気がふえてくるということで、保健婦さんに頼らなければならないという、そういう
精神障害の方もいるんですよね。その人たちが今、何ていっているかというと、保健婦さんを探しても、きょうはあっちへ行ってる、こっちへ行ってると、直接なかなかつかまらない、そういうふうに心配しているんですよ。前みたいに、すぐ呼べば来てくれるという、そういう関係じゃなくなった。保健婦さんはどういっているかというと、訪問に対して、丁寧に訪問ができない、できるだけ
訪問回数をふやそうと思えば、広範囲になっていますから、後ろの時間が決まっているもんですから、本当に一人一人をきちっと診てあげられないということで、すごくつらい思いをしているというふうにおっしゃっておりました。
それから、広範囲になったにもかかわらず、庁用車をふやしていないもんですから、例えば南多摩の場合は、日野の保健所がなくなって多摩の方へ行かなきゃならない、多摩の方から保健婦さんが日野まで来なければならないということで、そこで車を使うのに、庁用車がふえていないから、自転車で来るとか、本当に大変な思いをして出歩かなければならないというようなことがあるんです。これは、三多摩の保健所の統廃合をされたところは、ほとんどそういうのがあるんです。
そういう問題なんかもありますし、利用者の方で、これは
精神障害者の施設を運営されている人なんですけれども、今度は保健婦さんに遠慮するようになったと。本当はすぐにでも来てほしいし、すぐ連絡をして対応しなければならないのに、保健婦さんに、相手が忙しくて大変だというのがわかっているから遠慮してしまうと。保健所の統廃合をするときには、
サービスは絶対に低下させないというふうにいっていたけれども、これは明らかな低下になっている、そういうふうにいっているんですね。
行政改革という名前で人を減らすことによって、明らかに
都民サービスを切り捨てている、そういうことがいえると思うんです。
もう一つ、教育の問題で、絶対やってはいけない
養護学校の
給食調理の
民間委託。
養護学校の給食というのは、命の事業といわれるほどに大事な
学校給食だったのを、調理を
民間委託してしまって、今、現場の中でどんなことが起きているかというと、今までの調理を後退させないという意味で、
先生たちも、栄養士さんも相当頑張っている、だけど、
民間委託をして、民間の方の人の意見というのですか、できるだけ手を抜いたようなことが迫られるというんです。例えば、ゴボウなんかも、泥のついたゴボウから最初は調理していたのが、できるだけ漂白して、手がかからないのを使えないかとか、そんなことをやっぱりいわれるというんですよ。それから、カレーなんかも、ルーからつくっていたものを
インスタント物は使えないだろうかと。そうすると調理員さんの手間が省けるという意味でいっているんだと思うんですが、そういうふうにどんどん
サービスが低下している。でも、そこでは、栄養士さんが頑張ってこれまでどおりやっているというふうにいっておりましたけれども、そういう現場の頑張りを頼らなければ、今までどおりの
サービスを保てないと。本来なら、
給食調理の
民間委託というのは、もっともっと内容を向上させるという理由でやったわけですけれども、とてもそんなところに行くどころではないというのが、今、実態なんです。そういうところを、ぜひよく理解していただきながら進めていただきたいんです。
私は、結局、この
行革大綱でなされた
行政改革、また
財政健全化計画の中身というのは、本当に都民の願っている
行政改革ではない、そのことをはっきりと申し上げたいと思います。私たちが思っている本当の
行政改革というのは、私たちの税金が本当に有効に、そして納得できるような、そういうふうに使ってほしいと思っているわけです。とりわけ今の都政は、私たちはいつもいっているんですけれども、大
規模開発を優先させたり、臨海副
都心開発を進めるような、ああいうところにお金をつぎ込むんじゃなくて、もっと私たちの方を向いた、都民の方を向いた財政の使い方をしてほしいということ、私は、そのことが本来の
行政改革ではないかと思います。
地方自治体の役割というのが、今どんどん投げ捨てられようとしているというのは、先ほど来から住宅問題、あるいは教育、それから衛生局の問題でも指摘いたしましたけれども、
行革大綱が今度見直されるといっておりますが、これをやっぱり大きな反省として、真の
行政改革を目指して頑張っていただきたい、そういうふうに指摘をいたしまして、私の質問とさせていただきます。
◯吉住委員 都立科学技術大学及び
都立短期大学の
授業料改定についてでありますが、我が国の
経済状況は、
金融機関の
経営破綻を契機として、経済、金融の先行きに対する不安感が払拭できないでおります。そういった大変厳しい状況である中で、都の平成十年度の予算案では、都民の暮らしに直結する各種の使用料や手数料など、過去最大の六十七項目の
値上げ案が上程され、本会議や
予算委員会、また昨日、我が党の
共同声明で厳しく指摘しているように、多くの問題点が内在しております。そこで、この改定について、二、三伺います。
まず、今回の改定では、授業料はどのくらいアップになるのかお尋ねします。
◯長野学事部長 ご提案申し上げております授業料の改定案の具体的な内容についてでございますが、平成十一年度以降の入学生につきまして、
科学技術大学の場合に、
正規学生の授業料が年額九千六百円、率にして二%のアップ。それから、
都立短期大学の場合、
正規学生の授業料が年額六千六百円、率にして一・九%のアップということになります。
◯吉住委員 物価の横ばいの中での
授業料等の引き上げになるわけですが、それの改定に対する考え方をお尋ねします。
◯長野学事部長 大学を選択する上での
基礎的条件の一つでございます学費につきましては、負担の公平を図る意味から、できるだけ他の大学との均衡を図ることが望ましいと考えております。こうした観点から、都立の大学、
短期大学の授業料につきましては、これまで
国立大学に準じて改定を行ってきたところでございます。今回の改定案も、同様に
国立大学に準じたものとなっております。
◯吉住委員 今回の授業料の見直しは、
財政健全化の一方策として行うのか伺います。
◯長野学事部長 授業料等の改定に当たりましては、物価指数、あるいは学生教育に要する経費の推移、さらに、大学に進学しないで納税をされる方との負担の公平などにつきましても十分考慮する必要があると考えております。したがいまして、学費の改定は、歳入確保を主眼にしたというものよりも、一定の期間ごとに受益者負担のあり方を見直しまして、都民相互間の負担の公平、公正を図るという見地から行うものでございます。
◯吉住委員 長引く不況の中で都民が苦しんでいるときに、
国立大学が授業料を上げるからという理由だけで学費の改定を行うというのは、論拠がまことに薄弱だと私は思うわけです。したがって、我が党は、この
授業料等の改定に反対であることを表明して、私の質問にさせていただきます。
◯林委員 私は、昨年の七月二十三日からの任期で、いわば一年生でありますので、単純なことを質問に入る前にまずお尋ねをしたいんですが、今、話題になりました使用料、手数料が六十五条例二規則にわたって、大体総額七十八億ぐらいで提案されているわけです。当然そのお金は、予算の方の歳入に組み込まれた形で予算案も提案されているわけですよね、確認させていただきたいと思います。一年生だからわからないんです。
◯今村総務部長 そのとおりでございます。
◯林委員 そうしますと、使用料、手数料の方を反対すると、こっちの予算の歳入の方の七十八億分に限っては、絶対反対のはずなわけですね。都庁の予算の規模はすごい大きいですから、七十八億はいかようにでもなるというんだったら話は別ですけれども──それだったら最初から提案しなきゃいいわけです、手数料、使用料の七十八億ぐらいだったらどうにでもなるというのだったら。そうすると、両方反対だったら理屈に合うし、両方賛成だったら態度としては間違いないわけですね、これは都民は見ませんから。わかりました。(笑声)
それで、そのほか特殊勤務手当が今回、同じように改正を提案されているわけですけれども、今まで経済が、景気がよかったですから、改正するたびに値上げがされてきたというふうに伺っていますが、今回の改正の特徴を、今までの推移も含めてご説明いただけたらと思います。
◯藤堂勤労部長 特殊勤務手当の見直しの経過と今回の見直しの概要ということでございますが、特殊勤務手当につきましては、これまでも不断の見直しを行っておりますが、最近では三年に一度、大きな見直しを行ってまいっております。その結果、昭和五十四年度には都庁全体で二百五十六手当あったものが、前々回の見直しの平成四年度には百四十八手当になり、前回平成七年度には百四十四手当となったところでございます。
今回の改正は、特殊勤務手当の原点に立ち返り、支給内容、範囲、水準及び方法について改めて全般的に見直しを行ったところでございます。その結果、全体で百四十三手当のうち、十六手当を廃止、十五手当を減額いたしまして、七十九手当を据え置きとし、百二十七手当となったところでございます。また、今回の見直しにより、平年度ベースで二十二億の節減額を捻出したところでございます。
このように見直しを行った結果、節減額が出たのは、最近では今回の改正が初めてでございます。総務局の所管する知事部局等についてちなみに申し上げますと、総務局で所管している手当につきましては、知事部局全体で三十九手当ございますが、このうち四手当を廃止いたしまして、十手当を減額、十九手当を据え置きとし、三十五手当となっております。
◯林委員 私のところに資料をいただいたのがありまして、教育
委員会だとか交通局、下水道局、水道局ですか、特に水道局の一番最後にあります水道業務手当、能率維持向上のためとかということで、水道事業の業務能率の高揚を図るため、当該業務に従事した者に対して、日額百分の七掛ける勤務日数で支給しているなんていうのがあるんです。水道局に来て勤務していれば、水道業務に携わるのは当たり前だと思うんですよね。私はそう思います。こういうのが幾つか、下水道局にもありますし、教育
委員会なんかは、話を伺いますと、田中角栄内閣のときに、教育にかかわる人たちに対する処遇が急速にアップしたというような話を聞きまして、それを引きずっているような雰囲気のものもかなりあるような気がするんです。これは僕の感覚ですから……。
あと、知事部局の方に関しては、今、廃止が四つあるということですが、その廃止の中で、下水道等調査・清掃業務手当だとか乗船手当、それから養護施設等業務手当、水門等管理業務手当を廃止するということなんです。これは、どういう考え方からなのかなというふうに思うんですが、簡単でいいですから、簡潔に答えていただきたい。
◯藤堂勤労部長 四手当の廃止理由でございますが、まず乗船手当につきましては、これは船舶に乗船して行う業務に支給されているものでございますが、従来、常時乗船して行う業務の危険性に措置したものでございます。しかし、航行の範囲が湾内、河川に限定されておりまして、船の設備、性能の向上など、手当を支給するほどの特段の危険性は認められないということで廃止したものでございます。
それから、下水道等調査・清掃業務手当でございますが、これはマンホールに立ち入りまして、汚水管の汚泥量調査業務や、築地と淀橋市場の清掃業務に支給されているものでございますが、従来、汚水管内の汚泥量調査や、市場の排水管等の清掃業務の不快性に着目して措置してきたものでございます。しかし、それぞれ業務の内容を精査したところ、現在では手当を支給するほどの特段の困難度等が認められないことにより廃止したものでございます。
それから、養護施設等業務手当でございますが、昼間時における乳幼児の養育保護等の業務に支給されるものでございますが、従来、乳幼児の養育保護や生活指導等の困難性に着目して措置してきたものでございます。しかし、これも現在では、夜間に比べ昼間の作業については、手当を支給するほどの特段の困難度が認められないということで廃止をしたものでございます。
もう一点、水門等管理業務手当でございますが、管理宿舎に居住する職員の水門等の管理業務に対して支給されるものでございまして、従来、機器操作や作業の危険性、また、管理宿舎に居住する拘束性や不便性に措置してきたものでございますが、これにつきましては、遠隔操作システムの導入により作業の危険性が解消されてきていること、また、住宅の集合化や立地条件の改善、これは従来は町中ではなかったんですが、現在、町中になったというような状況がございますので、そういうような居住の不便性も解消されているということで廃止をしたものでございます。
◯林委員 どこまでが従来で、どこから先が危険がなくなったというのは特定できないわけですよね。平場の感覚からすれば、もともと大した危険はなかった、危険があるようなところに人を張りつけるわけにはいかないわけですから。やはりこういう手当というのは、都民感覚、普通に大方の人がやむを得ないなというのが物差しのはかりどころだというふうに思うんです。
例えば、扶養手当なんかが毎月支給されるというのがあるんですが、配偶者に当然支給されますね。それから、配偶者以外の扶養親族二人までに毎月五千円ずつ、それから、その他の扶養親族も毎月二千円ずつ、それ以外に、十六歳から二十二歳までの子供がいれば、一人に対して三千五百円毎月加算される。これは、扶養手当が同じ人間に対してダブって、例えば二人しかいなければ、五千円プラス三千五百円という形になっていると思うんです。これなんかも、一般の民間の会社がどういうふうになっているかは知りませんけれども、普通に考えてどんなもんなのかなと思うんです。
このような形で、例えば特殊勤務手当の中で、子どもだけを見ていますと、一つの手当とほかの手当が重なって、オーバーラップされて支給されているようなケースがあるかどうか、今の扶養手当に対する考え方と、二つとか三つ重なって支給しているようなケースがあるかどうか伺いたいんです。
◯藤堂勤労部長 まず、一点目の扶養手当の特定期間加算についてでございます。これは人事
委員会の勧告に基づき設けたものでございまして、満十六歳から二十二歳の子を扶養する職員の場合、教育を中心に家計に占める養育費の負担が高いことから、これを考慮して加算を行っているものです。
◯林委員 理屈はわかるんですけれども、一般的にどうかという意味です。
◯藤堂勤労部長 これは、民間企業におきましても、年齢や在学の条件なしで支給する手当に加えて、大学卒程度まで手当を支給する事業所が半数を超えていたというのが、平成四年度の民間企業実態調査、これは人事院と人事
委員会でやるんですが、そこの調査でそういう結果が出てございます。そういうようなものをもとにいたしまして、公務員についても、そういう特定期間加算制度を設けたということでございます。
それから、手当の併給の問題、これはいろいろございますが、例で申し上げますと、交代制勤務者等業務手当というのがございます。これは病院や何かでローテーションの職場におられる方で、土日を含めて勤務しているという方と、休日に出勤した場合に休日給というのが出ます。このような重複した支給というのは例がございます。休日給と申しますのは、休日に休めばこれは出ないんでございますが、休日に、ほかの人より休日分だけ余計に働いた場合には休日給が支給されるというのが一つの例でございます。
◯林委員 全然雰囲気がかみ合っていなくて残念なんですけれども、例えば、今、東京四区で選挙をやっていますが、普通の選挙でも、開票業務に公務員の人が大勢出かけていって作業をやっていますよね。あれ、伺ったら、練馬区なんかの場合ですと、一日出ると平均で五万円以上になるというんです。今度二時間延長されると深夜にわたるものですから、八万円ぐらいになるというんです。これも、僕は普通の感覚だとどうなのかなと。もちろんいろんな要素が絡み合ってくるんですけれども、それを聞いたので、今回も特殊勤務手当を少し細かく見させていただきたいなと思って資料を要求したんですけれども、先ほど申し上げたように、これはもうとらえ方で随分違うんですよね。勤労部は、今までこうなっていれば、当然そのまま作業を進めていくのもよくわかるんですよ。ただ、こういう厳しい財政状況のときですし、これから先、財政が、収入がふえていくという要素もそんなに考えられないわけですから、やはり民間の普通に働いている人たちの感覚で一度見直してみる。例えば、百人ぐらいアトランダムにいろんな業界の人たちを呼んで、これはこういう形で支給していますけれども、皆さんどう思いますかぐらいのことをやれば、相当精査されるような気がするんです。ぜひそういう形で、もう一度洗い直していただきたいというふうに思います。
全然かみ合わないので、気合いが入らないんですけれども、例えば、この間、新宿高校で習熟度別授業のあれがありましたよね。調査をしていたら、正規の教員が正規の授業数を持っていなかったと。部活一時間を含めて十八時間持たなければいけないのを持っていなかったというのがありまして、そうしたら今度は、十八時間持たせようとして教育庁の方はやっているんですよ。今まで、さぼっていたというのはいい過ぎですけれども、少なくしていたところを非常勤講師が今まで埋めていたんです。だけど、今度は正規の教員に正規の実数を持たせると、非常勤講師の実数がなくなって、やめなきゃいけないようなケースがあるんです。やめなきゃいけないのは非常勤ですから、ある意味では一年契約ですから仕方ないとしても、例えばAという高校で私がやっていたとしますね。私が昭和五十六年以降からの採用ですと、五十六年以前の人を優先して連れてくるんです。美濃部さんのときらしいんです、組合と協定があって。ですから、よく都庁に来るようになってから施策総点検という言葉を耳にして、前にも私、質問したんですけれども、身内で点検しても、できるのは限度があると思うんです。今の教育庁の話のように、次から次へ問題点が出てくるような気がするんです。
ですから、今後も当然
行政改革を進めていかなければいけないと思いますので、そういう意味で、やっぱり外部から見たら、普通の都民が見たらどうかという視点を常に持っていただいて取り組んでいただきたいなと思います。たまには局長、済みませんが……。
◯木宮総務局長 給与制度全般について、いろいろな角度からご質問いただきました。私どもの給与制度は、ご案内のとおり地方公務員法に基づく人事
委員会の勧告が基礎になっているわけでございまして、先ほどの選管の事務の手当につきましても、私どもの勤務時間に対応した給与が定められておりまして、それを超える勤務についてどういう手当がということでお話があったのだろうと思っています。
特勤につきましても、あわせてでございますけれども、やはり、いろいろな経過がありといえども、こういう時代でございます。できる限り社会
経済状況の変化であるとか、勤務実態の変化に対応した見直しをこれまでも行ってまいりましたけれども、これからもさらに、ただいまのご質問の趣旨も踏まえまして、できるだけ一般都民の目に立ってどうかということに留意しながら見直しに努めてまいりたいと、かように考えてございます。
◯遠藤委員 私は、今回新たに創設される職員のボランティア休暇についてお伺いします。
いわゆるボランティア活動につきましては、さきの阪神・淡路大震災、北海道の奥尻島の津波災害、福井県三国町を中心とした「ナホトカ号」の油流出事故など、それぞれの被害地における被災者への支援活動として、その存在が非常に高く評価されているところであります。社会的関心も広がりを見せているわけであります。
また、今、国会におきましては、民間の非営利団体の法的な整備を目的としたNPO法が上程されまして、きょうにも成立されるということを聞いています。ボランティア活動、ボランティア団体をめぐる社会環境は、こういったことでだんだん整いつつある状況にあるわけであります。
もとよりボランティアの必要性については、私も十分認識しており、今回の制度創設については、基本的には賛成ではありますが、そもそもボランティアというもの自体、輪郭がはっきりしていないものであり、これを休暇制度としてどのように活用し、都政に反映していくのか、その考え方を明確にしておく必要があると思うものであります。
そういった見地から、何点か質問させていただきますが、まず、今回提案されるボランティア休暇制度の中身についてでありますが、具体的にどのような制度を考えているのか、まずお聞かせ願いたいと思います。
〔委員長退席、田島副委員長着席〕
◯田島副委員長 委員長に所用がありますので、暫時私が委員長職を務めさせていただきます。よろしくお願いします。
◯藤堂勤労部長 ボランティア休暇は、職員が自発的に、かつ報酬を得ないで社会に貢献する活動を行う場合で、勤務しないことが相当であると認められるときに、一年において五日の範囲内、これは国と同じ日数でございますが、休暇を与えることを考えております。
◯遠藤委員 社会に貢献する活動を行う場合、ボランティアということですけれども、具体的にどのような活動を対象としているのかお伺いします。
◯藤堂勤労部長 対象活動といたしましては、一つは、相当規模の災害が発生した場合に、その地域で被災者を支援する活動、二つ目でございますが、社会福祉施設や病院等の施設における高齢者、障害者等の援助活動、三点目といたしまして、常態として日常生活を営むに支障がある者の介護、その他の日常生活を支援する活動、四点目といたしまして、都内で開催され、国、地方公共団体等が主催、協賛する国際交流事業で、通訳その他外国人に支援する活動を行う場合の、四種類に限って認めることといたしております。
◯遠藤委員 災害や社会福祉施設への支援活動、これはわかりやすいんですけれども、日常生活を支援する活動と外国人を支援する活動という、これはどういう場合なのか、もうちょっと具体的に説明をお願いいたします。
◯藤堂勤労部長 日常生活を営むのに支障のある者の介護、その他の日常生活を支援する活動につきましては、身体上の障害等により、常態として日常生活を営むに支障がある方に対して行う調理、衣類の洗濯や家財の補修、慰問などの援助活動を考えてございます。
また、外国人を支援する活動につきましては、都内における国または地方公共団体等が主催、協賛、後援する国際会議、国際スポーツ大会などの国際交流事業で、通訳や案内、相談など、語学的能力を用いて外国人を支援する活動を考えております。
◯遠藤委員 ボランティア活動には、ほかにもいろいろあると思うんですけれども、どうして対象活動を限定しているのか、それについて伺います。
◯藤堂勤労部長 ボランティア活動につきましては幅広いものがございますが、都職員の、いわば公務員の休暇制度として今回導入するに当たりまして、休暇の対象となる活動を明確にしておくことが必要でございまして、国や他団体の同様の制度との均衡、社会的必要性などを踏まえ、対象活動を明確にしたところでございます。
◯遠藤委員 もう既に国や道府県においては、ボランティア休暇を導入されていると聞いておりますけれども、今回、東京都の導入しようとしているボランティア休暇制度の特徴といいますか、その辺がありましたら。
◯藤堂勤労部長 先ほど対象活動をご説明申し上げました内容は、ほぼ他の道府県や国と近い内容でございますが、東京都におきましては、首都として、国際的地位と重要性から、国際交流事業を円滑かつ有意義なものとすることにより相互理解を深めることは、世界平和の発展に貢献すべき都の役割にかなうという趣旨から、国際交流事業における外国人支援活動を対象活動として加えたことが特徴でございます。
◯遠藤委員 ボランティア休暇を設ける主な趣旨といいますか、それは職員がボランティア活動に従事することにより、その視野を広めたり、地域社会への関心を深め、そこで得た経験を職務に反映するというように理解をするわけでありますが、有給の休暇と聞いておりますけれども、都として、職員が有給でのボランティア活動に従事することをどのように位置づけられているのか、その辺についてお聞きします。
◯藤堂勤労部長 ご指摘のとおり、職員の視野の拡大、地域への関心の強化を図ることなどが、この制度の主な目的でございます。職員がこの休暇制度の趣旨を十分に理解してボランティアを体験し、それを職務に反映するとともに、その経験を生かして、自主的に使える時間を広くさまざまなボランティア活動に使うことによって、ボランティア活動の普及、振興が図れることが、今後の都政運営にとって非常に有意義であると考えております。
◯遠藤委員 ボランティア活動を振興すること、それに都職員が積極的に参加して、都政にその経験を生かすということは大変結構なことだと思います。しかし、「ナホトカ」のとき、ボランティアが現地に行ったものの、余りの寒さに何もできなかったという例もあったように聞いています。現地で支援活動をしていく上での専門的といいますか、基礎的な知識が不足し、混乱を生じて、この活動がうまくいかなかったということもあるようであります。
また、ボランティア活動、ボランティア精神といいますか、あるいは意欲だけで支援に行くというのではなくて、自己完結、自分を管理することがまず大切であり、例えば泊まる宿とか食事、このくらいは自分で責任を持って用意するくらいでないと、なかなかボランティア活動はうまくいかない、むしろ先方にも迷惑をかけるということになるようであります。現地の情報を的確に把握することが特に必要だというふうに思うわけでありますけれども、これらの点についてどうお考えか、お聞かせいただきたいと思います。
◯藤堂勤労部長 「ナホトカ」の際に、ご指摘のような混乱があったことは聞いておりますが、ボランティア活動は本来自発的なものだけに、専門家に限るということではなく、活動を通じて、それを次の活動に生かすというように、さまざまな活動と経験を重ねることにより、徐々に円滑になっていくものと考えてございます。とりわけ、災害の際の現地の状況につきましては、活動を行う者が、自己の責任においてしっかりとその把握に努めるべきことはもちろんでございますが、休暇の対象を、制度の中で相当規模の災害としてございますので、都としても当然被災地の情報把握に努めますし、こうした情報は職員の活動にも役立つものと考えております。
◯遠藤委員 せっかくボランティアに行こうという、非常にすばらしいことでありますので、それが本当にそれだけの成果が出せるように、それにはやっぱり繰り返しになりますけれども、情報を的確なものを持っていくということが必要であると思いますので、その辺は特にお願いしておきます。
それにあわせて、ボランティア休暇の承認手続といいますか、どのような手続をとっていくというふうになっているのか、ちょっとお聞きします。
◯藤堂勤労部長 今回の休暇の承認に当たりましては、まず、事前に活動計画書を出させることを考えてございます。これにより、所属長が活動期間、活動場所、活動内容等について事前に把握できることになります。また、施設における活動を除いて、ボランティア団体等を仲介としたものに限るとすることとして考えております。
◯遠藤委員 ボランティア活動を一層振興するためにも、この制度が使いやすく、また、有効に活用できるようにしてもらいたいと思うわけでありますが、一方で有給の休暇であることから、先ほどちょっと触れましたけれども、特に誤解を受けるようなことがあってはならない、制度の適正な運用を図る必要があると思いますが、これについての見解をひとつお聞きかせください。
◯木宮総務局長 ご指摘のとおり、制度を生かすためには適正な運用が不可欠であろうというふうに思っております。今ご質疑の中でもありましたように、東京都の職員が有給で休暇を得た上で参加する活動でありますので、都民の誤解を受けることのないように、制度の趣旨の徹底と適正な運用に努め、広くボランティア活動の普及、振興に努めてまいりたいと考えています。
◯遠藤委員 さきの阪神・淡路大震災の災害時におきまして、私の地元、調布でありますけれども、これは市の職員もそうでありましたけれども、青年会等が中心になって大勢のボランティアが参加したわけであります。今後、さまざまな場面でボランティアの活動が広がっていくというふうに思うわけでありますけれども、今回のボランティア休暇ということで、東京都の職員がボランティアに参加するきっかけづくりとなることは、大いに結構であります。しかし、制度が適正かつ有効に使われなければ、かえって都民の信頼を裏切る、先ほどちょっと触れましたけれども、裏切る結果になるわけであります。初めから完璧な制度とまではいうつもりはございませんけれども、実態を踏まえながら、適正な運用にぜひとも努力をしていただきたい。
以上、このくらいにいたしまして質問を終わります。
◯植木委員 私は、今回、産業労働会館の条例の改定が出ておりますので、それに関して同和の事業について質問したいと思います。
今回、同和の事業をいろいろ調べてみまして、都民から見て大変わかりにくい事業だな、これで理解を得られるのかなという思いがいたしました。そういう意味で、わずか限られた時間の中で各分野にわたってやるのはなかなか至難のわざだなということも思いましたが、しかし、今、都の抱えている問題点を私の立場から指摘していきたいと思っています。
同和事業というのは、いろんな法律があるわけですけれども、すべて時限立法でできている。昭和四十四年にできました
同和対策事業特別措置法は十年の時限立法、その後の地域改善対策
特別措置法は五年、このように、その都度その都度時限立法で、これは結局、その対策が、一定の目標があって、目標はいずれ終了するということのもとに時限立法になっていると思うんです。ですから、国の同和事業というのが今どういう状況になっているかということと、それから都の関係、これが非常に大事になってきていると私は思うんです。
そこでお聞きしますけれども、この法律の中に、同和地区の指定地域という言葉があるわけですけれども、都にそういう指定地域というのはあるんでしょうか。
◯石山同和対策部長 都内に同和地区の指定地域があるかというお尋ねでございますが、昭和五十三年に、東京都は同和問題懇談会の答申をいただいております。その中でも触れておりますが、東京におきます同和行政は、戦災ですとか震災、こういった変化と産業人口の集中等によりまして、同和地区が明確でなくなったということが指摘されております。そういう意味で、地域指定までには至らなかったけれども、都内の一部には、歴史的、社会的沿革から同和問題を内包する地域が存在していること、また、他府県に所在する同和地区の出身者が多数来住しているという都の実態もございまして、事業の緊急性から、法の規定によらず、他の方法によってでも積極的に
同和対策事業を推進すべきであるというふうに提言をいただいております。
◯植木委員 同和地区はないというお話ですね。しかし、五十三年の懇談会ではというお話がございましたけれども、数量的に正式に示せないわけですよね。都の同和事業というのは、そういうふうに実態がはっきりわからない。では、国のどの法律を根拠にするのか、これはどうなんでしょうか。
◯石山同和対策部長 東京都は、先ほど申し上げましたような考え方に基づきまして、各種法律ですとか、この間の各種答申といった精神等を尊重いたしまして、国や他府県の動向を勘案しながら、都の実態に即して同和事業を実施してきたところでございます。
法律のことでございますが、先ほど、先生が法律の経過をお話しされております。現在の法律は、昭和六十二年に地域改善対策特定事業に係る国の財政上の特別措置に関する法律、長いので、通常、地対財特法と申しております。これが平成四年から五年延長されまして、平成八年度末までとなっておりました。これを迎えるに当たりまして、それに先立ちまして、国では、附属機関でございます地域改善対策協議会が八年の五月に総理大臣等に意見具申を行っております。その後、今申し上げました法律は、平成九年度から一部改正されまして、五カ年間延長されてきております。すなわち、この間の同和地区の実態等についての意見具申でございましたが、物的な生活環境を初め、さまざまな面で存在していた格差が大きく改善されたとしながらも、教育、就労、産業等の面でなお課題が残されているということから、このように措置がされたものと理解しております。
◯植木委員 今のは国の法律の話でしょう。私は、都の同和事業は国のどの法律を根拠法律にしているのかと聞いているんです。
◯石山同和対策部長 直接的に法律に基づいてやっておりません。ですから、東京都の
同和対策事業は都単独事業でございますが、先ほど申し上げたような法律、それから意見具申等の趣旨を尊重しながら行っているところでございます。
◯植木委員 実態がない、地域指定がない、国の法律の指定はない、その精神の尊重、こういっている。これで都の独自事業としてやるということ、非常に問題の出てくる原因はここにあるんですよ。都の考え方も、いろんな文書でいただきましたけれども、例えば、都の今後の同和対策の基本的な考え方というところ、この中では、原則として国の方針に沿って、つまり、地域はないけれども国の方針に沿ってやるということが第一にある。第二には、これまでの成果や閣議決定の趣旨を踏まえ、一般対策で対応する──一般対策、つまり同和対策じゃないもので対応すると、こういうふうに書いてある。それから、これは九年度以降の
同和対策事業のあり方、今後の方向という都の基本的な考え方の中に書いてありますが、なお、一般対策に類似の施策がないものについては原則として八年度末で終了するが、そのうち激減緩和を講ずる必要のある事業については、最長五年間の経過措置を設けて終了する。八年度で原則的には終了する、激減緩和の必要のあるものは経過措置を設けて終了すると。つまり、終了の方向で基本的な考え方が八年の十一月に出ている。
九年になると、これが、その中の具体的な事業ということでいろいろ書かれていることを踏まえているんだと思うんですけれども、全部読むと時間がなくなってしまいますから、同和対策についての表書きのところに、その際──その際というのは、先ほどの基本的な考え方の終了事業の方向という中で指摘されている中で、平成九年度の検討課題とされた、同和問題に関する差別意識の解消に向けた教育及び啓発の施策、及び産業労働会館、財団法人東京都同和事業促進協会について別紙のとおりということで、いろいろ入ってくる。国の施策にないけど、国の方針に沿って独自事業をやるよと。しかし、一般施策で対応できるものは移っていく、類似施策のないものは原則としては終了する、激減緩和で措置を設けて終了する。しかし、そのほかにまだ課題があるよということで、産業会館や財団法人の問題が出てくる、こういう関係になるんです。
しかし、全体としては、同和地区の地域指定がないもんですから、都の独自の判断でやっている。しかし、特定できない。これはどうしてかという問題を質疑すれば、物すごく長くなっちゃうんですけれども、私どもがこれまでいろんな場面でこの同和問題を質問してきた中では、都の実態については全くいえないわけです。調査もない。これは私でなくても、質問すればそういう答えになる。
そういうことで、実態のないものに対して事業を進めるものですから、目標が達成されたのかどうかという数量的な数字も、恐らく出てこないと思います。数量的な数字、あと残目標がどのくらいあって、残はいつまでに解消しますよということはいえますか。
◯石山同和対策部長 国の方では実態把握調査を行う中で、同和地区の対象地域、またはそこに住んでいらっしゃる地区出身者の方々についての調査を行っておりますが、先生ご指摘のとおり、東京では、ここが同和地区であるという指定はされておりませんし、また、地区出身者を特定してございません。したがって、そういう比較のデータはございません。
◯植木委員 そこから問題がいろいろ発生してくるわけです。きょう資料をいただいた中にも幾つかあるんですけれども、全部挙げていると切りがありませんから、一つだけ挙げます。
これも、何回も出している問題なんですけど、いつまでたっても私はこれがわからない。資料の七ページの
同和対策事業の高校・大学進学奨励と、それから
一般対策事業としての育英資金や私立高校入学支度金貸付等々、これは、学資金が育英資金と、例えば高校の国公立で七千円違う。それから、大学、短大のところで、私学へ行きますと三万五千円違うんですか、こういうことですよね。そのほかにも、全部いっていたら切りがありませんが、入学支度金は一般施策にはないということになっているわけです。
私は、必要であるなら、これは認めなければいけないと思うんですけれども、なぜこんな大変な違いがあるのか、お示しいただきたい。
◯石山同和対策部長 ただいまの個人給付的事業、東京都では
属人的事業という形で呼んでおりますが、この事業につきましては、
同和地区出身者の方々がさまざまな差別を受けまして、生活が低位な状態にあることに着目いたしまして、特定期間、一般対策より有利な条件で特別対策を講ずることによりまして、一日も早く生活改善を図るという同和行政の趣旨に即した、その目的に沿いまして事業を実施してきたところでございます。したがいまして、通常の一般対策よりは、これら東京都の行っている
属人的事業は、程度の差はございますが、有利な条件となっております。
◯植木委員 生活が低位な方に助成する、私はそれは大事なことだと思うんです。ちょっとお聞きしますけれども、この一番下に収入基準というのがあるんです。高校四人世帯の例で左右比較してありますけれども、これはどちらが低位なんですかね、一般施策と同和施策。どうですか。
もう一回お聞きしましょうか。
同和対策事業では、総収入の所得が八百六十五万円以下、
一般対策事業は総収入額七百九十九万円以下、つまり所得の高い人も対象になっている、これはそういうことでしょう。所得の高い人も対象になっている。どちらが低位なのか、先ほどのお話を聞いていて私はわからないんです。教えてください。
◯石山同和対策部長 ただいまご指摘の収入基準でございます。育英資金との比較が出ておりますが、東京都のやっております東京都高等学校・大学等進学奨励事業につきましては、育英会の定める収入基準の一・一倍以下となっておりまして、こちらの方が有利というふうに思っております。
◯植木委員 有利なのはわかるんですよ。先ほど、低位な方に施策をやると。私、低位な方にするのは大事だと思っているんです。だから、私学助成なんかも強化してほしいということを今までもいってきているんだけれども、明らかに総収入額が高い設定でしょう。だから、高い人にもいいということになっているわけでしょう。
もう一つお聞きしますよ。入学支度金、これの所得制限というのはどこにあるんですか。幾らなんですか。
◯石山同和対策部長 入学支度金につきましては、
同和対策事業の方だけでございまして、
一般対策事業にはございません。
◯植木委員 入学支度金は所得制限がないんです。つまり、低位な人だけじゃないんですよ。あるんですか。(長野学事部長発言を求む)学事部長じゃないんですよ。
同和対策事業の入学支度金の所得制限があるんですかと聞いているんです。
◯石山同和対策部長 学資金と同様に、その制度はございます。
◯植木委員 つまり、ないんですね。
◯石山同和対策部長 失礼しました。それはあるということを申し上げたのでございます。
◯植木委員 所得制限があるんですか。幾らですか。
◯石山同和対策部長 学資金と同額でございます。
◯植木委員 やっぱり高いわけですね。
◯佐藤委員 植木理事の質問、ご答弁の中に出てくる言葉で、
同和地区出身者にこういう資金をお貸ししたり優遇することがあると、こういうふうにおっしゃっているんですが、先ほどの答弁では、同和地区というのはないっていっていたんだよね、指定がないということで。
同和対策事業を適用する方というのは、どこが基準で、どうやって見るんですか。わかりやすく説明してくれないとわからないんだよね。まず、その辺を聞かないと根本の説明がわからない。
◯福田理事 先ほどから同和対策部長が申し上げておりますが、東京は震災、戦災がありまして、沿革的には同和地区に相当する部分があったわけですが、それが明確にならないので指定できなかったということ、もう一つは、都外の同和地区の出身者が多数おいでになって住んでいらっしゃる、そういう人たちに対して
同和対策事業を実施していると、そういうことでございます。
◯佐藤委員 それは先ほどご答弁があったことで、わからないことはないんだけれども、要するに一般の方々とそこをどうやって、どういう方に対して──申請からそうなんですよね、見きわめはどうやってやるんですか。
◯石山同和対策部長
属人的事業でございますから、
同和地区出身者であるということがその要件でございます。そのために、私どもは、この事業を申請される方に対しまして、出身確認をさせていただいております。この出身確認につきましては、当然プライバシーの問題ですとか、さまざまな問題がございます。したがいまして、こういう事業があるということをまずお示しし、出身地の申告をあくまでも自発的にしていただく。それに基づきまして、行政が主体的にその事情をお聞きした後、出身地を認定し、この方は間違いないということの上で、ただいま申し上げております東京都が行っています
属人的事業の適用をするわけでありまして、当然ながらそれぞれの局で所管してございますので、その事実確認後、審査会等で事業の対象者を決定するという運びになってございます。
◯佐藤委員 出身確認といわれたんですが、それは証拠書類か何かを出すわけですか、口頭だけですか。
◯石山同和対策部長 いわゆる出身認定等の確認におきまして、必ず出さなきゃならないという書類はございません。ただ、参考に、その方が出身地である等を証明するためにというんでしょうか、確認のために自発的に持ってきていただくような場合はございますが、行政の方から特にこれこれというような指定はしておりません。
◯植木委員 出身地の証明をするだけでも差別だって、今いわれてるんですよ。三多摩の方の地方自治体の幹部の人が団体に呼ばれて、戸籍を記入するだけで大問題になっているわけでしょう。差別をわざわざ固定化するような作業を、皆さんやっていることになるんです。だから、東京に、そういう同和地区の指定がないところに、無理やりこの事業を進めようとしているところに出発点の問題がある。実際に進める中で、そうした、わざわざ確認の作業をやる。わざわざ、どこの出身で、本籍はどこでと、顕在化させようとするわけでしょう。あなたたちが差別意識を拡大することになるんですよ。だから問題点が、だれが聞いてもわからないんです。
私、先ほど入学支度金と所得のことを聞きましたけれども、一般的な意味で底位の方に施策を充実するということは大事だ、しかし、こういう逆の差別をそのまま人権問題を考える皆さんがやっていいのか。どうですか。
◯石山同和対策部長 先ほども申し上げておりますとおり、東京都には地区指定がございませんので、いわゆる
属人的事業として事業を実施してきているわけでございます。先ほど先生ご指摘のとおり、一昨年の東京都の同和対策本部会議におきまして、それらの事業につきましては……
◯植木委員 逆差別があっていいのかどうかを聞いているの。それに答えなさいよ。
◯石山同和対策部長 そういったような趣旨でございまして、その趣旨に基づきまして、先ほど私が申した会議の趣旨でございますが、原則終了、それと国の事業に準じまして
激減緩和措置を講ずる必要のあるものにつきましては、五年間の
経過的措置を講じて終了をするという方向を出しているところでございます。
◯植木委員 私の質問に答えていないんです。私、部長が答えたら同じ答えだから、局長にお伺いしたいんです。人権問題を扱う皆さんが、こういう逆の差別をわざわざやっていいのですか。お答えください。(福田理事発言を求む)局長に聞いているんです。
◯福田理事 この同和対策の事務は私の方が分任を受けておりますので、私の方からお答えさせていただきます。
先ほどから申しましたように、都内には、多くの同じような同和地区の出身者が住んでいらっしゃるわけです。それを全国と平等に、同じように処遇したい、そういう意味で、そういう資格要件を付して、自発的にお申し出いただきましてやっているわけです。しかも、その申し出いただいたものについては、私どもはまさに行政そのもので、それはプライバシーを保護するために厳重に管理している、そういう状況になっておりますので、決して差別しているとは思っておりません。
◯植木委員 私の質問に答えてないんですよ。私は、学資金と入学支度金の所得制限の違いが出てきている、一般施策と違っている、そういう差別をそのまま認めていいのですかと聞いてるんです。認めていいというふうに、あなたはいえるのかということを聞いてるんですよ。どうですか。真っ正面で答えてくださいね。
◯福田理事 今、都が実施しております進学奨励事業は、国に準じて昭和四十五年から実施しているわけです。これは国の制度の中にもあるわけでございます。それで、貸し付けの償還等についても、国の事業と、基準として同じようにやっているわけでございます。ですから、これについては、先ほど同対部長が申しましたが、今事業についても国が九年度からの五カ年計画で終了するということなので、東京都としても同じように終了させたい、そういうふうに考えているわけです。
◯植木委員 国の法律に基づかないといったんだから、国に準拠しているだけであって、法律じゃないんですよ。それから、同じことを聞いても──要するに、あなたたちは逆差別があっていいという答弁はできないはずなんですよ。やっちゃいけないことをやっている、こういうことなんですよ。
もうこの問題の本質がはっきりしたと思うんですが、時間がないので先に進みますが、今回出されている東京都産業労働会館の条例改定、もともとの出発点が違っているんですから、条例改定といってもいろいろ問題があるんですけど、それはさておきまして、この産業労働会館というのはどのような事業を行っているんでしょうか。
◯石山同和対策部長 産業労働会館は、主といたしまして、歴史的、社会的理由によりまして生活環境等の安定、向上が阻害されている人々が従事しております産業を振興させまして、あわせて住民の福祉の向上を図るということを目的といたしまして、昭和四十七年の七月に設立されたものでございます。開設以来、都の
同和対策事業の推進センターとして、同和問題の普及啓発や皮革関連産業の振興などの事業を実施し、同和問題の早期解決に向けて貢献しているところでございます。
◯植木委員 今回、改定の理由が、委託をする必要性ということだけで、よくわからないんですけれども、これはいつ決めて、何を委託するのか、それから委託の範囲を示していただきたい。
◯石山同和対策部長 順序が逆になるかもわかりませんが、まず委託に至った経緯でございます。
都は、地域改善対策協議会の意見具申、閣議決定されました同和問題の早期解決に向けての今後の方策、方向について、それから国連十年の国内行動計画、こういったものを踏まえまして、先ほどお話に出ました平成九年の十二月に東京都の同和対策本部会議におきまして、都の今後の同和対策について決定したところでございます。その中で、国と同様に同和対策を人権問題の重要な柱としてとらえ、一般対策として、人権教育、人権啓発に発展的に再構築するとしたところでございます。
この方向に沿いまして、東京都産業労働会館と財団法人の東京都同和事業促進協会、これは同促協と申しておりますが、この機能を整理統合いたしまして、同促協につきましては東京都人権啓発センターに改組することにいたしまして、この委託先につきましては、ただいま申し上げました、新しく考えております財団法人の東京都人権啓発センターに委託する予定でございます。
委託の範囲でございますが、今、条例でお諮りしておりますとおり、産業労働会館条例の第二条のうち、知事が指定する事務ですとか、会館の施設設備及び物品の維持管理に関することを考えております。
◯植木委員 一つだけ答弁抜けていたんですけど、都としての方針を決めたのは最終的にいつなのか。
◯石山同和対策部長 東京都としての、この方向でいこうという方針を決定いたしましたのは、昨年の十二月二十五日、東京都同和対策本部会議でございます。
◯植木委員 昨年の十二月二十五日に決めたと。東京都同和対策本部、都庁内の本部ですよね。財団法人の同和促進協会には、いつ具体的に提案があったんですか。
◯石山同和対策部長 この問題につきましては経緯がございますので、ご説明申し上げたいと思いますが、先ほどの都の決定につきましては、その前の年の、やはり同じ同和対策本部決定におきまして、今後の東京都のあり方を考えるに当たって、この課題につきましては一年の宿題というふうになりました。その後、私ども、いわゆる本年度に向けましていろいろと庁内で検討をしてまいりました。そして昨年の十月、この庁内の会議でございます同和対策本部の中に、各局の部長で構成される幹事会というものがございますが、そこで原案をまとめまして、この原案に基づきまして、いわゆる関係団体等との意見交換に入ったわけでございます。
したがいまして、今お尋ねの同促協につきましても、この東京都の考え方をお示しし、同財団協会の理事会でいろいろとご審議をお願いしてきたという経緯がございます。
◯植木委員 今、日付がなかったんですが。
◯石山同和対策部長 最初にお話を申し上げた日付はちょっと定かではございませんが、昨年の十一月から十二月にかけてということでございます。
◯植木委員 十二月二十日でしょう。つまり、本部で正式に決めたのは十二月二十五日、部長が理事を務めている促進協会では十二月二十日に正式に提案しているんですよ。これは別の団体だといわれるかもしれない。だけど、あなたは財団に入っているわけですから、正式に決める前に提案していいんですか。
◯石山同和対策部長 大変失礼いたしました。先ほどの質問をちょっと勘違いいたしまして、最初にお話を出したのはいつかというふうに聞いたものですから……。
ただいま先生がご指摘の話は、同促協の理事会において提案されて、この東京都の考え方の、基本的方向に行くことが了解された日付でございます。これを調べましたら、十二月十六日でございました。この考え方につきましては、同促協の根幹にかかわる問題でもございます。都におきます最終的な方向の決定以前に同協会の意向を確認する必要もあり、そういう意味で理事会の中でご審議をお願いしたということでございます。
◯植木委員 いずれにしても、理事を務めているからということで、十二月十六日の段階で正式に話す。それは打診はいろいろあると思うんですよ、事務レベルでの詰めはね。それは別に僕は否定はしていない。それから、前年度にも課題としてはのっているという。しかし、正式決定は十二月二十五日と。手続的には、やっぱりおかしいんですよ。そういうことをやっているから、いろんなおかしい手続の問題がある。
東京都産業労働会館を運営するに当たって、要綱に基づいて運営協議会が置かれている。その運営協議会にはどんな方々が参加されて、その方々との協議は行われたんですか。
◯石山同和対策部長 産業労働会館の運営協議会の構成でございますが、十七名おります。その内訳でございますが、住民代表が二名、業界代表が二名、かつ、靴ですとか草履等の組合の方々が合わせて三名、民間の同和の運動団体の方々が四名、その他一名というふうになっております。