栃木県議会 2007-03-05
平成19年 3月農林委員会(平成18年度)−03月05日-01号
平成19年 3月農林委員会(平成18年度)−03月05日-01号平成19年 3月農林委員会(平成18年度)
農林委員会会議記録
1 開会日時 平成19年3月5日(月)午前10時00分〜午前11時10分
2 場所
農林委員会室
3 委員氏名
委員長 五月女 裕久彦
副委員長 青 木 務
委 員 本 多 勝 美
高 橋 修 司
吉 沼 正 夫
佐 藤 栄
栗 田 城(欠席)
渡 辺 渡
4
委員外出席議員 なし
5
執行部出席者職氏名
(1)林務部
部長 小 林 恒 夫
次長兼林政課長 小 松 茂 夫
林業振興課長 立 壁 敏 夫
森林土木課長 片 浦 康 法
造林課長 鈴 木 正 計
自然環境課長 横 山 孝
林政課総務主幹 高 橋 茂
6 出席を求めた参考人 なし
7 会議に付した事件 別添会議順序のとおり
8 議事経過 別紙のとおり
9 その他の必要事項
(1)委員会報告
あり(本会議録に記載のとおり)
(2)委員長報告(審査及び結果の報告)
あり(本会議録に記載のとおり)
────────────────────
午前10時00分開会
○
五月女裕久彦 委員長 ただいまから農林委員会を開会いたします。
本日の
会議録署名委員に吉沼委員、佐藤委員を指名いたします。ご了承願います。
次に、今定例会において本委員会に委託されました議案のうち、
林務部関係議案の審査を行います。
議事に入ります。
第1号議案第1条歳出中
所管関係予算及び第3条中
所管関係予算、第9号議案、第10号議案、第34号議案、第35号議案、第57号議案第1条歳出中
所管関係予算及び第2条中
所管関係予算、第69号議案を一括して議題とし、審査に入ります。
なお、質疑につきましては、説明終了後に一括して行うこととしますのでご了承願います。
最初に、付託議案等の概要等について執行部の説明を求めます。
説明は着席のままで結構です。
小林林務部長。
◎小林 林務部長 早速、本議会に上程しております議案のうち、林務部所管の議案につきましてご説明申し上げます。
平成19年度当初予算につきましては、予算関係で3件、条例の一部改正が2件、平成18
度補正予算及び市町村が負担する金額の変更についての計7件でございます。
平成19年度一般会計当初予算につきましてご説明申し上げます。
平成19年度につきましてもとちぎ元気プランの三つの柱に基づきまして施策を推進してまいりたいと考えております。
最初の環境を支える森林づくりでございますが、間伐等の森林整備の促進や治山事業の推進など健全で活力ある森林づくりを進めてまいりたいと考えております。特に2008年1月からは京都議定書の第一約束期間がスタートいたします。
地球温暖化防止のための
森林吸収源対策にも積極的に取り組んでまいりたいと考えております。また、森林環境税、「とちぎの元気な
森づくり県民税」につきましても平成20年4月の導入を目指しまして検討を進めているところでございますが、来年度につきましても県民の理解促進に努めてまいりたいと考えております。
次に、2番目の柱でございます活力ある林業・木材産業の振興でございますが、これにつきましても森林施業の集約化による経営規模の拡大や低コスト化を図るとともに、製材加工の大規模化や流通の効率化等の取り組みに着手していきたいと考えているところでございます。
3本目の柱でございますが、豊かな自然環境の保全利用と緑づくりでございますが、自然環境との共生を目指しました取り組み、特に条例の一部改正を考えております。また、野生鳥獣の適切な
保護管理対策を推進してまいります。また、自然との触れ合い活動の推進を図るため、自然歩道の整備や
日光自然博物館の展示更新などを進めてまいる考えでございます。さらに県民が
緑づくり活動に参加しやすい環境を整えるため、
森林ボランティアの
ネットワーク化等に取り組んでまいりたいと思います。
これらの取り組みによりまして平成19年度の
一般会計予算といたしまして108億2,000万円余を計上したところでございます。
次に、平成18年度補正予算につきましては、
地球温暖化防止対策の
森林吸収源対策に伴う国の補正予算に呼応いたしまして治山や造林の事業費を計上したところでございます。
以上が議案等の概要でございますが、主要事業の概要及びその他の議案につきましては次長兼林政課長及び担当課長から説明させますので、よろしくご審議をお願いいたします。
また、報告事項が1件ございますが、これも担当課長から説明させますのでよろしくお願いいたします。
○
五月女裕久彦 委員長 次に、平成19年度関係議案のうち
予算関係議案の説明を求めます。
小松次長兼林政課長。
◎小松 次長兼林政課長 私の方から林務部の平成19年度
一般会計予算につきましてご説明を申し上げます。
提出議案(1)説明資料、白表紙の3ページをお開き願います。
7、林務部の欄に記載のとおり、林務部の平成19年度
一般会計予算当初予算額は108億2,349万1,000円でございまして、対前年比は90.0%となるものでございます。
続きまして、林政課所管の主要事業につきましてご説明申し上げます。
同じ資料の75ページをお願いいたします。
1の
森林計画編成事業費でございます。これは森林の有する多面的機能を総合的、かつ高度に発揮させることを目的に、国が策定をいたします
全国森林計画に即しまして
地域森林計画を充実するものでございます。平成19年度は鬼怒川流域の計画編成のための
森林資源調査、それと
空中写真撮影等を行うこととしてございます。なお、これらの森林資源の調査結果は
地球温暖化森林吸収源対策の基礎資料としても活用することといたしております。
以上が平成19年度当初予算に係る林政課所管の主要事業でございます。
次に、債務負担行為につきましてご説明申し上げます。議案書(1)、緑表紙の17ページをお開き願います。
17ページの上から5段目でございますが、栃木県
森林整備公社の
事業資金借入金に対する損失補償といたしまして記載の金額をお願いするものでございます。以上でございます。どうぞよろしくご審議をお願いいたします。
○
五月女裕久彦 委員長
立壁林業振興課長。
◎立壁
林業振興課長 提出議案(1)の説明資料にお戻り願います。75ページをお開きください。
林業振興課所管の番号、2から9の主要事業のうち、新規事業を中心に説明させていただきます。
まず、
五月女農林委員長から本会議において質問いただきました関連事業であります。3の
提案型森林施業促進事業費でございます。間伐を低コストかつ効率的に実施するためには複数の小規模所有者の森林施業を森林組合等の林業事業体が取りまとめて団地化する施業の集約化が必要であります。そのためには事業体の方から現況写真の提示などにより間伐の必要性や施業方針、木材の販売金額、必要経費などを明示しながら間伐を実施して手元に幾ら収益が残るか、森林所有者に提案し、森林施業に結びつけていくことが重要でございます。
現在の林業事業体は書面による正確な見積もりではなく、経験に基づく概算経費を口頭で伝えて契約している状況にあるため、平成19年度は県内各地でいろいろな条件のもとでの
間伐材生産工程に関するデータ収集を行い、本県に合った経費積算のプログラムを開発するものでございます。平成20年度はプログラムの開発等、現地適用や検証作業を行い、平成21年度から本格運用を目指してまいります。
次に、4の県産
材流通合理化対策事業についてご説明いたします。本県の原木流通は
県森林組合連合会などが運営する市場を経由した流通が主体となっており、山元から市場に運搬し、集積、選別、入札の後に製材工場へ運搬するという多くの工程を経ているのが現状であります。また、原木の供給量が季節的に大きく変動するなど必要な原木を安定して調達したいという木材加工業者のニーズに対応し切れていない現状も見受けられます。
このような状況の中で国内の先進地においては素材の生産現場から大手製材工場や
大手ハウスメーカー等に至るまでの関係者が協定に基づき大規模ロットで直送する取り組みが進められております。県内の林業、木材産業が産地間競争を勝ち抜くためには需要者ニーズに対応できるよう構造改革を図ることが不可欠であり、流通の合理化による直送方式の拡大や既存流通の中核となります原木市場の機能強化、効率化を図ることが喫緊の課題であります。
そこで、この事業は県内の木材流通に係る関係者が合意形成を図るための協議会を開催し、原木流通の実態調査や流通の合理化に関する検討を行い、低コスト、安定供給を図るための
原木流通合理化ガイドラインを策定するものであります。
続きまして、76ページの6、
特用林産振興対策事業費ですが、この事業は特用林産の振興対策の推進に要する経費であります。今年度10月から1月にかけまして本県産ハタケシメジのPRと認知度を高めるための愛称募集をしておりましたが、3,000件を超える応募の中から平仮名で「とちぎのこ」という愛称が決定されました。
説明欄2の
ハタケシメジ普及促進事業費では
愛称入りラベルシールの作成配付とともに3の
特用林産物生産促進事業によりまして生産施設の支援などもしましてハタケシメジの普及や生産振興に取り組んでいくこととしております。
続きまして、77ページの9の
森林整備推進事業費ですが、これは計画的な森林整備を行う上で不可欠な境界の確認や歩道の刈り払いなどの地域活動を支援する事業として平成14年度から平成18年度までの5カ年間実施してまいりました交付金の事業でございます。この
森林整備地域活動支援交付金につきましては、県議会から国へ継続要望の意見書を提出いただいたこともありまして国の交付金制度が継続実施されることになりましたので、本県においても森林整備を促進するために引き続き取り組むものでございます。
説明欄1の交付金の対象となります事業は、
森林施業計画の認定を受けた森林を対象に45年生以下の人工林の面積に応じて地域活動を行うことを条件に市町村との協定に基づき協定締結者に
ヘクタール当たり年5,000円を交付いたします。また、森林施業の集約化を促進するために
森林施業計画が作成されていない36年生から45年生の森林を対象に森林の現況調査を実施し、調査結果を公表した場合に
ヘクタール当たり1万5,000円を交付するものでございます。
事業実施期間は平成23年度までの予定でございます。
説明欄2の基金積立金につきましては、国からの交付金をあらかじめ基金に積み立てて運用するものです。
以上が平成19年度当初
予算一般会計にかかわる
林業振興課所管の主な事業でございます。
次に、111ページをお開き願います。
特別会計歳入歳出予算の概要をごらんください。
9の林業・
木材産業改善資金貸付事業ですが、これは森林所有者や林業事業体、製材工場等が林業機械や
木材加工施設等を整備する場合に必要な資金を無利子で融資する制度であります。平成19年度予算は1億4,690万円を計上しています。以上でございます。よろくしお願いいたします。
○
五月女裕久彦 委員長
片浦森林土木課長。
◎片浦
森林土木課長 森林土木課でございます。同じ資料の81ページにお戻り願います。
32の公共事業費でございます。説明欄1の治山事業から7の
首都圏自然歩道整備事業までの公共事業に要する経費でございます。
まず、治山事業でございますが、集中豪雨等に起因した山地災害から県民の生命、財産を守るとともに、水源地域の森林整備を推進するため県下55カ所で事業を実施するとしております。
2の
保安林整備事業は、保安林の持つ
各種公益的機能の維持、強化を図るため、本数調整伐や下刈りなどの改良、保育事業を実施するものでございます。
3の林道事業では森林整備の促進と山村地域の活性化の基盤となる林内路の整備を図るため県営、補助営合わせて28路線の開設、改良、舗装工事を実施するものでございます。
4の
森林整備事業では森林に対する社会的要請にこたえられるよう県下22万1,000ヘクタールの民有林において造林事業などにより植林から間伐までの森林整備を実施いたします。
なお、1の治山事業、2の
保安林整備事業、4の
森林整備事業の中には
森林吸収源対策関係の予算も含まれております。
5の林業・
木材産業構造改革事業でございますが、この事業は地域や団体が意欲的に取り組む構造改革に対し支援する事業でございます。平成19年度は乾燥材の安定供給体制を確立するため、矢板市を中心とした県北地域4市町の製材工場により構成されました
栃木高品質木材協同組合による
木材乾燥施設等の整備などに支援するものでございます。
6の新
山村振興等農林漁業特別対策事業は、地域の農林業の振興や生活環境の整備促進を目的とした事業でございます。来年度は茂木町における山村と都市との交流拠点施設や農林業の
生産施設整備などに支援いたします。
7の
首都圏自然歩道整備事業費は、本県の
首都圏自然歩道23コース、259キロメートル間の施設の再整備を行うものでございます。また、
東北自然歩道との
ネットワーク化を図るため、茂木町から福島県白河市に至る自然歩道の整備を3カ年で実施することとしております。
続きまして、33の県単公共事業費でございます。これは県単独で実施する林道、治山、
自然公園施設整備及び
ふるさと林道整備に要する経費でございます。まず、従来分の
森林路網整備事業でございますが、この事業は国庫補助の対象外の林道の改良、舗装及び作業道の開設、整備を実施するものでございます。また、
既設県管理林道の安全向上を図るため防護工事なども実施いたします。
(2)の治山事業では災害により発生した小規模崩壊地の復旧を中心に27カ所において工事を実施いたします。
自然公園等施設整備事業では、日光国立公園や
県立自然公園において自然との豊かな触れ合いの実現を図るため、県有施設の整備、改修を実施いたします。
2の
ふるさと林道整備事業では、継続7路線の開設、改良工事を実施することとしております。なお、当事業におきましては平成19年度が最終年度でございます。今後、国の動向などの情報収集に努めるとともに、市町の意見を踏まえながら制度要望も含め対応してまいりたいと考えております。
以上が県単公共事業費でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
○
五月女裕久彦 委員長 鈴木造林課長。
◎鈴木 造林課長 続きまして、造林課関係の平成19年度一般会計当初予算に係る主な事業につきましてご説明させていただきます。
同じ資料白表紙77ページにお戻りをいただきたいと思います。
まず、11の林野保護費でございます。これは松くい虫被害から森林を守ることを目的に薬剤散布による予防や被害木を伐倒し、駆除することなどに必要な経費をお願いをするものでございます。
次に、12の
広葉樹林整備促進事業費と、次のページの13の
条件不利地域緊急間伐推進事業費でございます。これらは森林の持つ公益的機能の増進を目的といたしまして栃木県
森林整備公社を事業主体として市町村、所有者の三者により協定締結された普通林を対象といたしまして所有者の負担を求めることなく杉、ヒノキが生育するような箇所に広葉樹を植栽し、また林道から遠く条件が不利な箇所の間伐を実施するための経費をお願いするものでございます。
次に、17の
森林ボランティアネットワーク化促進事業費でございますが、これは
森づくり活動に県民参加を促進するために
ボランティア団体活動を
ネットワークで結びまして活動情報を県民が得やすくする仕組みづくりを推進するための経費として昨年度に引き続きお願いをするものでございます。
79ページをお開き願います。
21の
県民協働森づくり事業費でございますが、これは本会議におきまして知事から名称をいただきましたとちぎの元気な
森づくり県民税(案)でございますが、この導入に向けまして県民理解の促進を引き続き行うために要する経費としてお願いするものでございます。
以上が一般会計に係る主なものでございますが、続きまして、第9号議案平成19年度栃木県
営林事業特別会計当初予算につきましてご説明申し上げます。同じ白表紙(1)の111ページをお開きいただきたいと存じます。
8の県営林事業でございます。これは県有林、県行分収造林の合わせて1万1,000ヘクタール余りの管理経営に必要な経費として歳入歳出ともに7億991万円をお願いをするものでございます。財源内訳のうち、地方債は森林の持つ公益的機能の維持を目的として伐採期間を延ばすことで認められる低金利資金への借りかえの経費として県有林経営の
長期債務負担軽減を図るための返済をお願いするものでございます。
以上でございます。どうぞよろしくお願い申し上げます。
○
五月女裕久彦 委員長
横山自然環境課長。
◎横山
自然環境課長 続きまして、自然環境課でございます。79ページをお開きいただきます。
自然環境課所管の22から33までの事業のうち主要事業の概要についてご説明申し上げます。
79ページの22の
特定鳥獣保護管理事業費でございますが、本事業は近年、生息数の増加や生息域を拡大しておりますシカ、サル、カワウ、クマ、イノシシなどの野生鳥獣につきまして、
鳥獣保護事業計画あるいは
特定鳥獣保護管理計画に基づきまして当該種の長期的視点からの保護に配慮しながら
農林漁業等被害の軽減を図ることなどを目的に科学的、計画的な保護管理を行うために必要な
モニタリング調査の実施等に要する経費をお願いするものでございます。このうち特に5の
イノシシ保護管理対策事業は、今年度、県として初めて策定いたしました
イノシシ保護管理計画に基づき個体情報の整理、分析等を行うものでございます。
次に23の
イノシシ管理緊急対策事業費でございます。これは今年度からの事業でございますが引き続き来年度も県内のイノシシの個体数及び生息域を短期集中的に適正な状態に減少させるため、説明欄記載のとおり、1の
イノシシ捕獲促進緊急対策事業として個体数調整に取り組む市町村に助成を行いますほか、2のイノシシを寄せつけない
地域づくり事業としてイノシシに係る指導、相談を初め、わなの購入や侵入防止さくの資材購入、さらには狩猟免許の取得などのメニューを活用して地域ぐるみでの繁殖抑制対策に取り組む市町村に支援を行うための経費をお願いするものでございます。
次に、80ページ、24の
鳥獣管理地域計画促進事業費でございますが、
野生鳥獣対策において県は主としてモニタリングや市町村への技術的あるいは経費的支援を、また市町村は
特定鳥獣保護管理計画に基づく地域計画を策定し、個体数調整や
被害防止等対策を実施する主体となってございますが、
鳥獣対策体制の弱い市町村が各種対策を実施する上で必要な新たな支援等に要する経費をお願いするものでございます。具体的には、1の体制整備としてシカの捕獲促進のための大量捕獲わなの設置や不足している
クマ用ドラム缶わなの整備、クマを人里に近づけないための電気さくの普及促進、さらには
狩猟免許初心者のための
レベルアップ研修などの対策を来年度新たに行いますほか、今年度から始めました2の
野生鳥獣保護管理指導者の養成研修を引き続き行うものであります。
次に、26の自然環境との
共生推進事業費でございますが、本事業は里地、里山の管理放棄地の増大や外来種による異常な繁殖による生態系の攪乱など自然環境を取り巻く状況変化に対応して、今年度行ってございます
自然環境保全に関する意識調査や里地、里山の現況調査等を踏まえまして来年度は自然環境の保全及び緑化に関する条例の改正や、それを具現化するための計画目標水準や配置計画、あるいは整備手法等を内容とする
アクションプランの策定を総合的に行い、県民協働による具体的施策の展開を図るために必要な経費をお願いするものでございます。
次に、28の
奥日光フィールドミュージアム事業費でございますが、本事業は
ラムサール条約湿地として登録された奥日光の湿原等、すばらしい自然を持つ奥日光一帯を
フィールドミュージアムとしてとらえ、自然学習の場としての機能の強化や安全快適な公園施設の利用促進を図るため、
日光自然博物館を拠点施設として各種施設の
ネットワークを図るための施設整備等を行うものでございますが、来年度は平成3年7月にオープン以来、展示施設等の更新がなく、陳腐化が指摘されております
日光自然博物館の展示施設を更新するための基本実施設計を今年度行っておりますが、それを踏まえまして
日光自然博物館の展示施設の更新を行うものであります。
次に、81ページ、31の
中禅寺湖東桟橋復旧事業費でございますが、本事業は
中禅寺湖東桟橋が昨年4月3日の強風等により被災したため、今年度から緊急対応してございますが、来年度は固定桟橋など代替施設の整備等、その復旧に要する経費をお願いするものでございます。以上でございます。よろくしお願いいたします。
○
五月女裕久彦 委員長 次に、平成19年度関係議案のうち条例案について説明を求めます。
立壁林業振興課長。
◎立壁
林業振興課長 今の資料でございます。
提出議案説明資料118ページをごらんください。
第34号議案、栃木県
森林整備地域活動支援基金条例の一部改正についてでございますが、これは先ほど説明しました
森林整備地域活動支援交付金の実施期間を平成23年度まで5年間延長するために基金条例の一部改正を行うものでございます。以上でございます。よろしくお願い申し上げます。
○
五月女裕久彦 委員長
片浦森林土木課長。
◎片浦
森林土木課長 続きまして、第35号議案、栃木県
営林道事業分担金条例の一部改正についてご説明いたします。
今回の改正は栃木県
行財政改革大綱に位置づけられました
農林部門公共事業の県費負担率の見直しに従い一部県費の負担率を変更するもので、その結果、平成19年度から新規に実施する
県営林道事業について森林所有者の負担が一部変更となるため分担率の変更をお願いするものでございます。以上でございます。よろしくお願いいたします。
○
五月女裕久彦 委員長 以上で平成19年度関係議案の説明は終了しました。
次に、平成18年度関係議案について説明を求めます。
小松次長兼林政課長。
◎小松 次長兼林政課長 平成18年度の補正予算の概要につきましてご説明申し上げます。
議案(2)白表紙3ページをお願いいたします。
3ページの7の林務部の欄をごらんいただきたいと思います。歳出予算額でございますが、既定予算額が120億6,711万1,000円でございまして、今回の補正が3億454万8,000円の増額でございまして、補正後の歳出予算でございますが一番右端にございますが123億7,165万9,000円となるものでございます。今回の補正に係る主要事業につきましては後ほど担当課長の方からご説明申し上げます。
続きまして、繰越明許費につきましてご説明申し上げます。
議案書(2)、緑色の11ページをお願いいたします。
11ページの第6
款農林水産業費第4項林業費の欄の林業・
木材産業構造改革事業から、同じページの第7款商工費第2項観光費の欄の
自然公園等施設整備までのうち、
観光基盤整備事業費を除く11事業でございますが、これと14ページの最後でございますが第11款災害復旧費第1項農林水産施設災害復旧費の18年発生県単治山災害復旧事業費におきまして所要の金額につきまして翌年度への繰り越しをお願いするものでございます。繰り越しの主な理由といたしましては、用地交渉の難航または地元との計画調整に不測の日数を要したことなどでございます。
同じく緑色の資料の57ページをお願いいたします。
第69号議案、市町村が負担する金額の変更につきまして説明します。これは平成18年度に林務部が実施します建設事業につきまして設計変更や工事の精算等により事業費が変更されたことに伴い市町村の負担金等に変更が生じたため、議会の議決をお願いするものでございます。変更の内容につきましては記載のとおりでございます。
以上が林務部関係の議案の関係でございます。よろしくご審議をお願い申し上げます。
○
五月女裕久彦 委員長
片浦森林土木課長。
◎片浦
森林土木課長 議案2の説明資料8ページでございます。共通事項1の公共事業費のうち2の部分の補正予算でございます。
森林吸収源対策として国の補正予算に呼応し、治山、保安林整備及び造林事業の3事業の補正をお願いするものでございます。
今回の補正対応額6億5,097万4,000円でございますが、当初予算における国の認証残額を除く純増分でございます1,603万5,000円をお願いするものでございます。
以上でございます。よろしくお願いいたします。
○
五月女裕久彦 委員長 鈴木造林課長。
◎鈴木 造林課長 造林課所管の平成18年度補正予算に対しましてご説明申し上げます。同じ白表紙(2)の説明資料の7ページです。中ほどにございます林務部事業名、
森林整備公社事業費でございます。これは財団法人栃木県
森林整備公社が事業執行のため、農林漁業金融公庫から借り入れました資金のうち、3.5%を超える高金利の借入金の繰り上げ償還がこのたび認められましたことから、繰り上げ償還に必要な経費として貸し付けを行うため記載の金額をお願いするものでございます。以上でございます。どうぞよろしくお願いを申し上げます。
○
五月女裕久彦 委員長 以上で説明は終了いたしました。
議員の質疑をお願いいたします。
佐藤委員。
◆佐藤栄 委員 これはうちの会派で議論になったことですから詳しく聞いておきます。県
営林事業特別会計ですが、6,000ヘクタールの県有林の説明はお聞きしたんですが、歴史的にこういう事業が始まったというのはいつごろからなんですか。
○
五月女裕久彦 委員長 鈴木造林課長。
◎鈴木 造林課長 所有者と県とで分収契約に基づいて行うものでして・・・。
◆佐藤栄 委員 分収というのはどういうものですか。
◎鈴木 造林課長 分収というのは伐採をしたときの収穫を契約に基づき、比率で分けていくというやり方です。これを分収と呼んでおります。これが始まったのがはっきりした記憶ではないんですが明治時代からもう既に始まったと記録では残っています。
○
五月女裕久彦 委員長 佐藤委員。
◆佐藤栄 委員 分収林という概念はその6,000ヘクタールの中でどのくらいあるんですか。
○
五月女裕久彦 委員長 鈴木造林課長。
◎鈴木 造林課長 全部です。県有林が約5,000ヘクタール弱なんですが、これは県が土地から立木まで全部持っているものが県有林としてございます。そのほかに土地が一般の森林所有者が持っていて、その上に地上権として県が立木を造林して育て上げてきたというのがございまして、これが6,000ヘクタール強ございます。
○
五月女裕久彦 委員長 佐藤委員。
◆佐藤栄 委員 この事業に約7億円ぐらいがずっと毎年使われていると考えてよろしいんですね。
○
五月女裕久彦 委員長 鈴木造林課長。
◎鈴木 造林課長 若干低いと思いますが。
○
五月女裕久彦 委員長 佐藤委員。
◆佐藤栄 委員 この中で県債、これがことし、2億4,000万円入ってきた。これはずっと毎年じゃなくて去年はなかったんですがことし初めてもらったのですか。
○
五月女裕久彦 委員長 鈴木造林課長。
◎鈴木 造林課長 この制度が国に認められたのが平成13年くらいからあったかと思うんですが、実は栃木県として受け入れられるだけの条件がかなり厳しい条件でございました。平成19年度いっぱいで制度が終わってしまうということなんですが、おととしになりましたが、実は長伐期、公益的機能の維持のために伐採期間を多少延ばすことで条件緩和をされたという制度でございまして、それまでは栃木県として受け入れができなかったという部分でございます。その条件に合わなかったと。それが平成19年度いっぱいを期限といたしまして認められておりますので、せっかく長期債務が多少減るということもあるものですから来年度に限り県債をお願いしたいということです。過去には出てきておりません。
○
五月女裕久彦 委員長 佐藤委員。
◆佐藤栄 委員 私から見ると、悩ましい時期に悩ましい地方債の発行をされたという感じがするんですが、今まではいろいろあったが国の起債条件が厳しくてできなかったのが来年度に限っては条件が緩和されて認められたので2億4,000万円行ったと理解していいですね。今の時期だと、うちの会派でもこれは悩ましい話だから聞いてこいと言われてお聞きしたわけなんですが、この県営林事業の特別会計というのは歳入歳出を見ると、いろんな形でやって繰入金が7億円のうちの4億円ですから相当のウエートを県が持ち出している分もあるし、地方債発行している分もあるしということでは、造林課長の立場からするとこういう事業の見通し、そういうものはどのようにお考えなんですか。
○
五月女裕久彦 委員長 鈴木造林課長。
◎鈴木 造林課長 県営林事業につきまして相手方があることですので簡単に契約を途中で解除してしまうというのは無理です。昭和61年から新規契約は契約してございません。残っている契約期間が最後に来るのは平成62年まで残るわけですが、できるだけ経営を軽くしていかなきゃならないだろうという考え方の中で今の庁内の合意をとりながら経営改善に向けた努力をしているということで、契約期間をできるだけ延長はしない。返してくれてもいいという所有者がいればお返しをするということで、返し方についてどういうふうなやり方があるかというのを検討している状況でございます。
○
五月女裕久彦 委員長 佐藤委員。
◆佐藤栄 委員 一義的には昭和20年代、30年代の材木の価格のときにこんな世の中になるなんてだれも思っていなかったはずで、そのときに県が行って所有者と折半して分収林対策というものを行ってそれなりの展望があったんですが、余りにも長期過ぎたため世の中がこんなに変わったと。そこは理解できるんですが、これはいろんな時期にこういうものができて平成62年となるとまだまだあるので考えなければならない問題だと思います。山の値打ちは昭和20年代、30年代というのはすごかったわけです。山持ちというのはすごい時代でそのときはこれでよかったが、今の時代に合った対処法、平成62年までというのは余りにもこれから長過ぎるのでその辺の対策はこれから皆さんで考えてほしいという意見を申し上げておきます。以上です。
○
五月女裕久彦 委員長 本多委員。
◆本多勝美 委員 関連なんですが、分収林というのは、はっきり言って金がなくて間伐したくてもできないと。年数が来たら全伐して返してしまおうという気運が高まっているんですね。そういうことでこれは私は国と地方とやっているのかと思ったら県も入っているんですか。
○
五月女裕久彦 委員長 鈴木造林課長。
◎鈴木 造林課長 今、本多委員がおっしゃったのは通常の二者による分収林ではなく、三者による分収林ではないかと思うのですが、県で行っている三者分収というのはございません。国と整備公社があるわけですが県では持ってございません。
○
五月女裕久彦 委員長 本多委員。
◆本多勝美 委員 国と地方でやっているんですね。うちの方のも一部借りてやっているんですが、昔は手入れしていたんですね、昔は間伐とかそういうことをしたんですが今は間伐してもその手間も出ないし、売っても国の土地ですから奥の方なのでお金にならない。そのままにしておいて期間が来たらきれいに精算しようという雰囲気があるからそのことを聞いたんですが、そういうところにも今度の森林環境税はつぎ込むということもあり得るんですね。
○
五月女裕久彦 委員長 鈴木造林課長。
◎鈴木 造林課長 国がやっている部分については底地が国有林だと思うんです。国有林につきましては国にきちっとやってもらいたいということでお願いすると考えているところです。
○
五月女裕久彦 委員長 そのほかございませんか。
高橋委員。
◆高橋修司 委員 お聞かせいただきたいんですが、部長が冒頭話されました元気プランに沿って環境を支える森林づくりとか、豊かな自然環境森づくりとか、これに従っての森林保全の取り組み、いろんな取り組みを持っているんですね。自然環境と共生していこうという取り組みを進めているところだと思いますが、生活環境部の方とまたがるんですが、森林に不法投棄とかがすごく多いんです。場所によっては自然と交わりたくてもネットを張られて入れないような状況、そういったところが結構あるんですよ。不法投棄されないがための手当てをするためにすべてネットを張って変な感じになってしまっているところがたくさんあるんですが、生活環境部とも絡んでいるんでしょうが林務部としてはどういう考えなんでしょうか。長年、不法投棄に関しては悩まされていると思いますが、その対策はどうなんでしょうか、何かお考えですか。
○
五月女裕久彦 委員長 鈴木造林課長。
◎鈴木 造林課長 不法投棄は、林道ができるとごみは捨てられるという話もよく聞かされます。これはモラルの問題という部分もあるかと思いますが、やはり一番大きな原因は人が山に入らなくなってきたというのも一つの原因としては考えられるんだろうと思います。できるだけ山に人に入っていただきたいということで、一つにはボランティアとして入っていただいて所有者の了解を得られればそういった方の土地をご提供いただいてボランティアの方たちに森林整備をしていただくというのも一つの手法としては考えられる。特にごみが捨てられやすいというのは、奥山よりもむしろ里山に近いところなのかという感じがするものですから、こういうところにつきましてはできるだけ地域の皆さんのご理解をいただきながらそういったボランティアといいますか、地域の皆さんと協働して何か作業していただくような仕組みづくりができればなということで、いわゆる
ネットワークみたいなものを組めればということで取り組みを始めたいと考えているところですが、直接的な不法投棄に対して林務部としては仕掛けができないという部分もあるのかと考えております。それはできるだけ人に入っていただきたい、山に対して理解をしていただきたいというのが今、私たちが取り組める最大の取り組みではないかと思います。
○
五月女裕久彦 委員長 高橋委員。
◆高橋修司 委員 確かにモラルの問題が大だと思いますが、ここにもあります平地林緑総合対策事業とかいろいろ自然環境と共生をしたいということで予算づけをしているんでしょうが、実際のところ、ボランティア組織は頭を悩めていまして、この問題、どうやったらいいだろうと。監視体制を強化しようとかいろんなことを言ってくるんですが限界に来ていると思っているんですね。その辺の対策を生活環境部ともっと煮詰めていただきたいと。実効力のあるような対策をとってもらいたいとお願いしたいと思います。
○
五月女裕久彦 委員長 その他ございませんか。
本多委員。
◆本多勝美 委員 広葉樹林事業が大変重要なことだと思うんです。それに伴って林業に携わる方々というのは大変重労働なんです。そういう意味で最低限の生活ができるような仕組みがあれば、それは山は常にきれいだと。今言われたごみが捨てられるというのは大体は入り口に草むらがたくさんあるところにポッとだれかが捨てると次から次に捨てられて一つの大きなごみの山ができるということで、山がきれいになっていれば余りそういうところには捨てないんですね。山というのは本当に技術を要する長い経験がなければできないんですね。そういうことに配慮して山に従事する方がしっかりとした生活ができる報酬が得られるような仕組みもちゃんとつくっていただきたいなと思います。これは要望でいいです。
○
五月女裕久彦 委員長 よろしいでしょうか。
(「なし」と呼ぶ声あり)
○
五月女裕久彦 委員長 なければ、以上で
林務部関係議案の質疑を終了いたします。
これより採決を行います。
本委員会に付託となった林務部所管の第1号議案第1条歳出中
所管関係予算及び第3条中
所管関係予算、第9号議案、第10号議案、第34号議案、第35号議案、第57号議案第1条歳出中
所管関係予算及び第2条中
所管関係予算、第69号議案を一括して採決することにご異議ありませんか。
(「異議なし」と呼ぶ声あり)
○
五月女裕久彦 委員長 ご異議がありませんので一括して採決いたします。
本案は、それぞれ原案のとおり決定することにご賛成の委員の挙手を求めます。
(賛成者挙手)
○
五月女裕久彦 委員長 挙手全員であります。したがって、本案はそれぞれ原案のとおり可決されました。
なお、閉会中に行う委員長報告の内容については、正副委員長にご一任願うことにしてよろしいですか。
(「異議なし」と呼ぶ声あり)
○
五月女裕久彦 委員長 それでは正副委員長にご一任願います。
続いて、林務部所管事項について報告があります。
報告事項は、とちぎの元気な
森づくり県民税(案)についてであります。
説明は着席のままで結構です。報告願います。
鈴木造林課長。
◎鈴木 造林課長 とちぎの元気な
森づくり県民税(案)につきましてご説明申し上げます。お手元に報告事項1と書かれている資料が配られているかと思います。
これまでの経過につきまして、一昨年の11月に有識者会議から提言をいただきました後、その提言に沿いまして県議会を初めとしまして県民、市町村あるいは各団体等のご理解をいただくべく説明を行ってまいりました。
昨年2月までの活動につきましては1枚めくっていただきまして資料1、県民協働森づくり広報・広聴活動についてというペーパーをごらんいただきたいと思いますが、実績をまとめて記しておきましたのでお目通しをいただきたいと思います。
広聴活動や説明会などではパンフレット等によりまして5万7,000人ほどの方に説明をしてまいりました。また、昨年11月から県内7地域でフォーラム、あるいは10月にはシンポジウムを開催したところでございますが、そういう状況につきましてもあわせて資料の裏のページに記してございますのでごらんをいただきたいと思います。森林を見学するバスツアー、森づくりフォーラム、シンポジウム等でお知らせしておりまして、あわせて9回、2,500人ほどの方にご参加をいただきました。また、各地のフォーラムなどでは議会の議員にもご参加をいただいた会場もございまして大変ありがたく存じております。
これらの説明会を通じまして多くの県民の皆様からいただきましたご意見では、森林を社会全体で支えていく必要性についてのご理解や、そのための税導入について賛成のご意見をいただいております。今後とも森林の大切さや税の必要性につきまして引き続き説明をしていくとともに、ただいま検討してあります施策案につきましてもパブリックコメントを初めとして説明会などを通し、県民の皆様方のご意見をいただきながらご理解を賜りたいと考えております。
次に、とちぎの元気な
森づくり県民税(案)につきましてご説明をさせていただきます。
この件につきましては渡辺委員、本多委員からもご質問をいただいた内容でございます。資料の2と書かれているものをお開きいただきたいと思います。
現在、厳しい状況の中で3万ヘクタールに及ぶスギ、ヒノキの人工林が放置され荒廃をしてきているという状況でございます。これは人工林の4分の1を占めまして手入れを最も必要とする16年生から45年生までの森林の半分近くに及んでいるという実態がございます。また、本県の特徴でもございます里山林におきましても、先ほどお話しが出ましたような利用されないまま放置されましてごみが捨てられたり、イノシシやクマなどの出没する原因ともなっているということが考えられるわけでございます。森林は県民生活に不可欠なきれいな水や空気をはぐくみ、土砂の流出を防ぐとともに、安らぎや快適環境を提供する社会的に果たす役割も大きい県民共有の財産というふうなことでもございます。これらのことから県民協働の理念に基づきまして森林を再生するための財源といたしまして新たな税を導入することとしたところでございます。
また、税の目的を明確にする趣旨から名称につきまして、知事が本会議で回答したとおり、「とちぎの元気な
森づくり県民税」にしたいと考えているところでございます。
この税の使い道でございますが、荒廃している奥山林や里山林を再生する「元気な森づくり」と、森林の大切さを理解いただき協働して森づくりに参加していただける人を育成する「森を育む人づくり」の構築、二つの取り組みに活用したいと考えるところです。
最初に、元気な森づくりの中の元気で安全な奥山林の整備でございますが、対象とする森林は本県の水源地域でもあるとともに、土砂災害を防止する面からも重要な森林でございます。このような公益的機能の発揮を期待されている森林において、まずは過去15年以上、間伐などの手入れがされていない荒廃したスギ、ヒノキの人工林におきまして強度の間伐を実施して林の中に光を入れながら下草やコナラなどの広葉樹をはやし、機能が高く、今後、余り手入れの手間がかからない森林に整備してまいりたいと考えております。
整備した森林は一定の期間、伐採を制限する協定を結びまして将来的にも管理しているような方針でございます。また、このような整備を進めることによりましてスギなどの花粉の量を減らし、花粉症対策にもつながるとともに、野生生物と共生できる森林環境を取り戻すことができるということに期待しているところでございます。
次に、明るく安全な里山林の整備でございますが、かつては燃料や生活資材、農業用肥料、山菜などの供給、あるいは遊び場だったりと日常生活に密着した里山でございましたが、生活様式あるいは農業生産の方式などの変化等によりまして活用されず放置され、暗く人の立ち入りを拒むほど荒廃をしてきたということでございます。
これらを整備するに当たりましては、地域にお住まいの方やボランティアの方々が里山とのかかわり合いを取り戻すことが必要なものではないかと考えております。例えば地域の憩いの場として将来に残す里山の整備、クマやイノシシなどの野生獣の被害を低減する耕地周辺の森林の整備、また通学路や住宅地に隣接していて暗く危険な森林を明るく地域で活用できる林にしていくことなどが考えられます。これは特に市町村からの要望も多く、地元住民やボランティアの活用も含めさまざまな広がりが期待をされるところでございます。
次に、大きな取り組みの二つ目でございます。「森を育む人づくり」の中の県民の
森づくり活動への支援でございます。本県における森づくりボランティア活動は、NPO法人足尾を緑に育てる会や、財団法人グリーントラストうつのみやなどの活動にも代表されますように、多くの皆様が参加し、現在把握しているだけでも50の団体がそれぞれの地域で活発な活動を展開されております。現在、活動団体の情報を
ネットワークで結び活動情報の発信をしながら多くの皆様にご参加を呼びかける仕組みづくりに向けまして活動団体の連携を深める取り組みに着手をしたところでございます。税ではボランティアなどの情報を収集整理いたしまして県民に発信する仕組みの整備や指導者の育成、活動の支援を市町村と連携をしながら進めてまいりたいと考えております。
最後に、森林の大切さの理解促進でございます。地域の特性を生かした森林環境学習の場の提供や資材の支援と、さらに木材を利用することが森林整備につながるというご理解をいただくために森林整備により生産された木材を使いまして学習机、いすなどの整備を進めてまいりたいと考えております。
これらを進めていく事業期間と事業費についてでございますが、事業期間につきましては中心となる森林整備の実施還元期間を考慮いたしまして10年といたしました。
また、これらの概算経費の積み上げ、全体で80億円といたしました。これから1年間当たり8億円となり、17年度の個人県民納税者数を92万人といたしまして個人、法人の県民税額から、個人が年額700円、法人が法人県民税均等割額の7%としたものでございます。
「元気な森づくり」、「森を育む人づくり」を二本の柱といたしました「とちぎの元気な森づくり」は、県民協働を基本理念として進めていくために県や市町村が適切な役割分担と連携を図りながら取り組んでまいります。県は公益的機能の発揮にかかわる奥山の森づくりに主体的に取り組み、人家や通学路周辺の里山林の整備やクマやイノシシを寄せつけない森林の整備など地域住民とのかかわりを多いものにつきましては市町村に担っていただきたいと考えております。
また、ボランティアの育成や森林環境学習など森をはぐくむ人づくりにつきましては、情報収集や発信する仕組みなど県全域にかかわることは県が、森林環境学習など地域住民にかかわることにつきましては市町村と連携を進めてまいりたいと考えております。これら市町村に担っていただく事業を円滑に進めていくために交付金として活用していただきたいと考えております。
なお、仕組み等につきましては、今後、市町村にお諮りをしながら検討、指導を進めてまいりたいと考えております。
これら「とちぎの元気な
森づくり県民税」の管理の仕方につきましては、透明性を図るため、他の財源と区別する基金を設置したいと考えております。さらに説明責任と客観的な評価をいただくために県民の代表や有識者からなる外部機関で事業の評価を実施いたしまして、その結果を毎年度、公表することを考えております。また、税の導入効果、事業の進捗状況、社会経済情勢の変化等を踏まえまして施行後、5年をめどに見直しを行うこととしております。
以上がとちぎの元気な
森づくり県民税の概要についてでございます。
税の仕組みについて4ページにまとめて示してございますので、後ほどお目通しを願います。
また、1枚目にお戻りいただきまして、今後のスケジュールにつきましては資料が整い次第、3月から4月にかけて1カ月間、パブリックコメントを実施したいと考えております。その後、パブリックコメントの結果を踏まえまして最終的に関係条例をまとめ、できれば平成19年の6月議会に上程をしたいと考えております。
以上でございます。よろしくご指導をお願いしたいと思います。
○
五月女裕久彦 委員長 以上で報告は終了いたしました。
質疑がありましたらお願いいたします。
渡辺委員。
◆渡辺渡 委員 これから詰める部分というのが相当残っていると思いますのできょう、ここで余り細かいことを聞いてもしょうがないんですが、市町村からも交付税の関係で既に問い合わせなんかあるのですか。
○
五月女裕久彦 委員長 鈴木造林課長。
◎鈴木 造林課長 最初に、里山林の役割分担の方で私の方から市町村でどういうお考えをお持ちでしょうかという問い合わせをさせていただきました。その結果として、里山が相当荒れているので市町村としては使いたいという意見をお寄せいただいております。ただ、栃木県、里山林が原風景とも言えるわけですが、市町村によると里山林の残り方が大分違っているのかなということで、今後につきまして市町村の皆さんと十分ご協議をさせていただきたいということで考えております。
○
五月女裕久彦 委員長 渡辺委員。
◆渡辺渡 委員 決まったのか検討の段階かわかりませんが、交付税の額、県と四分六ぐらいの割合でということが出ているようですが、同じ40%を市町村に交付するにしてもその40%、3億幾らになると思いますが、それも市町村が平等なのか、一律なのか、森林面積などに応じてするのか、その辺もまだ固まっていないんでしょうかね。
もう一つは、足尾で緑を戻す運動で植林を行っていますね。ああいう事業にこれは回せるのかどうか、そんなこともまだ詰めていないとすれば検討してもらいたいと思います。これは要望です。
○
五月女裕久彦 委員長 高橋委員。
◆高橋修司 委員 もう既にパブリックコメントが始まっていると思うんですが、3月から4月の間ですね。
○
五月女裕久彦 委員長
小林林務部長。
◎小林 林務部長 3月末ぐらいからです。
◆高橋修司 委員 今までいろいろ見ていますと、パブリックコメントが寄せられる情報というのは本当に少ないと思うんですね、数件だと思うんです。いろいろ広報・広聴活動をしながらなるべく理解していただくように広げているんだと思いますが、なかなか私も自分の地域で話しても理解していないんですよ。ぜんぜんわかっていないんです。そういったことからいろんなところに出向いて会合とかで説明していると思うんですが、企業においても法人税の中で企業から取る税もあるわけですから企業からこういっていただくような活動をどんどんしていただいた方が私はいいのではないかと。県の広報とか見ていない方が多いんですね。その辺、アピールできる施策というのをもっと考えていただいた方がいいかと思います。お願いします。
○
五月女裕久彦 委員長 本多委員。
◆本多勝美 委員 これからパブリックコメントをやるのにこれは末端の意見をしっかりと聞かないと、本当に異論を持っている人はたくさんいるわけです。上の方だけで決めないでしっかりとした意見を聞いて集約をしていただきたいと思います。以上です。
○
五月女裕久彦 委員長 佐藤委員。
◆佐藤栄 委員 一つだけ。使い道の問題でいろいろ純粋に税をいただくような条例をつくっていくわけですが、都市計画税とかいろいろありましたが、コンセプトとしてこういう目的税という体系の中でこういう書き方でいいのですか。
○
五月女裕久彦 委員長 鈴木造林課長。
◎鈴木 造林課長 税体系の方では目的税と普通税があるわけですが、ここでは普通税の形でお願いすることです。県民税の上乗せというふうな形で普通税の形になってございます。そのためにそういう一般財源と分ける形で管理をしなければならないだろうということで基金を設置して管理するのが一番ふさわしいと今は考えております。
○
五月女裕久彦 委員長 佐藤委員。
◆佐藤栄 委員 余り細かい説明は条例化で必要ないのですか。
○
五月女裕久彦 委員長 鈴木造林課長。
◎鈴木 造林課長 条例の内容につきましても関係各課と煮詰めているところでございますので、単独条例でいくのか、あるいは現在あります県税条例の一部改正でいくのか、その辺もあわせまして現在、検討中ということでございます。
◆佐藤栄 委員 どちらにするかはこれからということですね。
◎鈴木 造林課長 まだはっきりした結論は出ていません。
◆佐藤栄 委員 出ていないんですね。わかりました。
○
五月女裕久彦 委員長 ほかにございませんか。よろしいですか。
(「なし」と呼ぶ声あり)
○
五月女裕久彦 委員長 なければ、報告事項についての質疑を終了いたします。
次に、その他林務部所管事項について何かありましたらお願いいたします。
(「なし」と呼ぶ声あり)
○
五月女裕久彦 委員長 ほかになければ、以上で林務部関係議事を終了いたします。
次に、閉会中の継続調査事件についてを議題といたします。
調査事件はお手元に配付の6件とし、議長に申し出ることについてご異議ありませんか。
(「異議なし」と呼ぶ声あり)
○
五月女裕久彦 委員長 ご異議がないと認め、この6件を閉会中の継続調査事件として議長に申し出ることに決定いたしました。
以上で本日の日程はすべて終了いたしました。
なお、本日を持って今年度の本委員会における林務部関係の審査がすべて終了いたしましたので、林務部幹部職員の皆様に一言ごあいさつを申し上げます。
委員の皆様の温かいご推挙によりまして、昨年3月に委員長に就任いたしましたが、これまで委員各位には委員会運営に格別のご協力をいただき、まことにありがとうございます。厚く御礼を申し上げます。
また、小林部長を初め林務部職員の皆様には懇切丁寧な説明、答弁をいただくとともに、本県の森林、林業の健全な発展並びに自然環境の保全のためご尽力いただき、心から深く感謝申し上げます。
さて、皆様ご承知のとおり、森林は木材の生産はもとより、災害の防止、大気の浄化など県民の生活環境を守るという重要な役割を担ってきました。また、近年においては、地球温暖化の防止などその役割は地球的規模にまで広がっています。
しかしながら、山村地域の過疎化や担い手の高齢化に加え、木材価格の低迷など森林をめぐる社会情勢は厳しいものがあります。
このような状況の中、4月からは生活環境部の環境部門と林務部が統合し、環境森林部となるわけでありますが、どうか職員の皆様には今後とも本県の森林、林業の振興のため、そして、「ふるさと栃木」の豊かな自然環境や美しい景観を、次代を担う子供たちに確実に引き継いでいくためにもさらなるご活躍を期待しております。
終わりに、委員及び執行部の皆様のご健勝を心からお祈り申し上げ、私のあいさつといたします。ありがとうございました。
小林林務部長。
◎小林 林務部長 本年最後の農林委員会に当たりまして、御礼のあいさつをさせていただきます。
この1年間、五月女委員長初め各委員の皆様には、林業を取り巻く大変厳しい状況があるわけでございますが、各種施策につきましてご理解、ご指導をいただきましてまことにありがとうございました。
平成18年度はとちぎ元気プランのスタートの年でございました。森林整備、林業の振興、そして自然環境の保全等々、いろいろな厳しい中でもおかげをもちまして順調に施策を展開することができました。特にただいま報告申し上げました森林環境税につきましても一応の目鼻、方向が見出せたなと考えているところでございます。また、引き続き来年度、県民の理解の促進を図りながら平成20年4月の施行に向けて努力していきたいと思いますので、引き続きご指導をいただきたいと思います。
来年度はただいま委員長が申されたとおり、林務部が環境森林部と衣がえするわけでございます。
地球温暖化防止等環境の保全、そして森づくりと新たな視点から森林林業の施策を展開をしていきたいと考えておりますので、引き続きご指導をいただきたいと思います。まことに1年間、ありがとうございました。
○
五月女裕久彦 委員長 ありがとうございました。
これをもちまして農林委員会を閉会いたします。お疲れさまでした。
午前11時10分閉会...