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  1. 茨城県議会 2009-04-23
    平成21年土木常任委員会  本文 開催日: 2009-04-23


    取得元: 茨城県議会公式サイト
    最終取得日: 2024-09-09
    ↓ 最初のヒットへ(全 0 ヒット) 1                  午前11時1分開議 ◯山岡委員長 ただいまから,土木委員会を開会いたします。      ─────────────────────────────── 2 ◯山岡委員長 初めに,本日の委員会記録署名委員を指名いたします。  鶴岡委員と梶岡委員にお願いします。      ─────────────────────────────── 3 ◯山岡委員長 次に,4月の人事異動に伴いまして,本委員会の担当書記が変わりましたので,紹介いたします。  議事課係長飯岡勇君,政務調査課係長片岡唯明君であります。  次に,出席説明者の紹介を須藤土木部長からお願いいたします。 4 ◯須藤土木部長 4月1日付で土木部長を拝命しました須藤修一でございます。よろしくお願い申し上げます。  出席者を紹介する前に,若干ごあいさつをさせていただきます。  まず,昨今の最重要課題でありますが,経済雇用対策につきましては,全庁的に連携して,あらゆる施策を講じているところでございます。土木部といたしましても,過去最高水準の上半期契約率80%を目指した工事の前倒し発注や,地元企業の受注機会の確保に努め,さらに,国が示す平成21年度の追加経済対策の動向も見ながら,県民の不安解消と一刻も早い景気回復を目指し,引き続き全力で対応してまいりたいと存じます。  なお,直轄事業にかかわる県内建設業者の受注機会の確保については,昨日,常陸河川工事事務所,常総国道事務所に対し,要望を行ったところであります。  また,県財政も大変厳しい状況でありますが,産業大県づくりに向けた陸・海・空の広域交通ネットワーク整備や,県民が安全安心で快適に暮らせる「住みよいいばらき」の実現に向け,重点化・効率化を図りながら,早期に整備効果が発現できるよう公共事業の推進に取り組んでまいりますので,土木委員の皆様の御支援,御協力を賜りますよう,よろしくお願い申し上げます。  それでは,3月の第1回定例会から執行部メンバーも一新しておりますので,改めて出席説明者の紹介をさせていただきます。着席順に紹介いたします。  委員の皆様方から向かって私の左側からでございますが,土木部理事兼次長の栗田則夫でございます。  都市局長の進藤崇でございます。  参事兼用地課長の鶴田隆でございます。  技監兼道路建設課長の羽部道紀でございます。  監理課長の根本俊英でございます。
     次に,こちらに移らせていただきます。  総括技監の村田正文でございます。  次に,港湾振興監の佐々木宏でございます。  次に,技監兼検査指導課長の諸橋伸明でございます。  次に,技監兼建築指導課長の内藤初男でございます。  次に,2列目に参りまして,右側からでございますが,下水道課長の鈴木守でございます。  次に,都市整備課長の宇野光義でございます。  次に,営繕課長の長谷川幸正でございます。  次に,河川課長の高須進でございます。  次に,企画監の澤田勝でございます。  次に,道路維持課長の宮本正治でございます。  次に,港湾課長の須藤賢一でございます。  次に,都市計画課長の上遠野和夫でございます。  次に,公園街路課長の立藏義明でございます。  次に,住宅課長の野澤謙次でございます。  3列目に参りまして,右側からでございますが,港湾課港湾経営室長の浅野康雄でございます。  次に,道路建設課高速道路対策室長の坪山克之でございます。  次に,河川課ダム砂防室長の照沼孝雄でございます。  最後になりますが,住宅課住宅供給公社対策室長の吉見剛でございます。  以上でございます。今後とも委員の皆様方からの御意見,御提案を賜りながら,土木行政のなお一層の推進に取り組んでまいりますので,何とぞよろしくお願い申し上げます。 5 ◯山岡委員長 次に,本日の日程について申し上げます。  本日の委員会は,将来を見据えた社会資本整備のあり方について,まず初めに執行部から説明聴取を行い,その後,3名の参考人から意見聴取を予定しておりますので,よろしくお願いいたします。      ─────────────────────────────── 6 ◯山岡委員長 それでは,これより議事に入り,執行部の説明を求めます。  最初に,羽部技監兼道路建設課長。 7 ◯羽部土木部技監兼道路建設課長 それでは,道路に係る社会資本整備の現状と課題について,御説明させていただきます。  資料の1ページをお開き願います。  表の中で左側の<現状>でございますが,本県は全国第4位の広大な可住地面積を持ち,道路延長は北海道に次いで全国第2位の約5万6,000キロメートルを有しております。その大半が市町村道で,延長も長いこともあり,整備率は36.3%で全国最下位の状況にあります。  また,歩道の整備率は9.8%で全国第42位,国道・県道の通学路の歩道整備率は69.5%となっており,整備がまだまだ不十分であることが,数字からも浮き彫りとなっております。  また,本県の人口1,000人当たりの乗用車保有台数は全国第3位の598台で,一人当たりに換算いたしますと約0.6台となります。一番保有台数の少ない東京はO.26台で,本県は東京の倍以上を保有し,日常生活が車に高く依存している状況にあることが推計されます。  次に,道路に係る社会資本整備の成果でございますが,県におきましては,平成4年に策定いたしました「県土60分構想」に基づき,広域交通ネットワークの整備を進めてきたところでございます。  主な道路整備として,昨年12月に県内区間が全線開通いたしました北関東自動車道を初め,首都圏中央連絡自動車道東関東自動車道水戸線など高規格幹線道路の整備や,基幹道路となる国道・県道の整備を推進してまいりました。  その結果,県内主要都市間の平均移動時間は,平成18年度末で約85分であったものが,平成20年度末で約71分と,約14分の短縮となっております。  これらの整備効果といたしましては,県内観光施設の入場者数にもあらわれ,北関東自動車道の県内区間が全線開通した昨年12月20日以降の年末年始における入場者数は,国営ひたち海浜公園では約22%の増,アクアワールド大洗水族館では約7%の増と,いずれも前年を上回るものであり,特にアクアワールド大洗水族館では,栃木県,群馬県からの来場者数が大幅にふえている状況となっております。  また,これら幹線道路の着実な整備によりまして,県内への工場立地件数は全国トップクラスを続け,過去10年間の工場立地面積の合計は約1,175ヘクタールで,全国第1位となっております。  さらに,生活道路の整備につきましても,安全快適なみち緊急整備事業等によりまして,交差点や急カーブ等の交通危険箇所,幅員狭小箇所の解消に努めてきたところであります。  一方で,資料の左側下段に示させていただいておりますように,昨年9月に実施いたしました道路の課題現況調査の結果によりますと,「安全を確保してほしい」という課題箇所が,全体の85%と最も多く挙げられております。以下「渋滞」の解消,「産業」「観光」「医療・福祉」などの課題が挙げられておりまして,改めて道路整備がまだまだ不十分であることが浮き彫りとなったところであります。  さらに,本年2月と3月には,道路の課題調査を補足するものとして,道路と医療の関係,あるいは道路と産業・物流の関係につきまして,「みちづくりフォーラム」と「みちづくりシンポジウム」を開催いたしました。  これは,さまざまな専門分野の方から意見を聞き,改めて真に必要な道路とは何かを県民とともに考えることを目的として開いたものであります。  まず,みちづくりフォーラムでは,道路利用者の視点から医療と道路,「命を守るみちづくり」をテーマとした医療フォーラムと,「企業活動を支える道路とは」をテーマとした産業立地・物流フォーラムを2月17,18日の2日間にわたり行い,専門家の方々から道路に対する意見をいただいたところであります。  また,みちづくりシンポジウムにおきましては,これら2つのフォーラムの成果とともに,「生活者の視点に立った安全の確保」をあわせまして,総括的な議論がなされたところでございます。  表中右側の<課題>の欄には,それぞれのフォーラム等で出された意見のうち,代表的なものを記載させていただいておりますが,医療フォーラムにおきましては,救急搬送を中心に病院へのアクセスタイム短縮の重要性,産業立地・物流フォーラムでは,物理的な距離感の克服によるマーケットの拡大や発展性などについて意見交換が行われまして,それぞれ約200人の県民が参加し,熱心に耳を傾けていただいたところであります。  「医療」欄の右側には,第三次救急医療施設への搬送時間の圏域を色分けして示させていただいておりますが,東関東自動車道水戸線が全線開通いたしますと,鹿行地域から水戸医療センターへの搬送時間は,大幅に短縮されることになってまいります。  しかしながら,産業立地・物流の関係者から意見が出されましたように,高速道路に乗るまで,あるいはおりてからの一般道につきましては,整備がいまだ十分でないことから,基幹道路となる国道・県道の整備を推進し,交通ネットワークの充実を図っていく必要があると認識しております。  また,「観光」につきましては,高速道路の整備の推進と,3月下旬から実施されております休日の料金引き下げが相まって,他県との交流はますます増加してくることが予想されます。  そのため,新たな広域的観光圏を形成するための高規格幹線道路等の整備や,観光客の移動性の向上,混雑回避のための迂回ルートの整備,観光施設への誘導,案内対策等や,地域の観光資源を活用した住民参加のみちづくりの推進も必要となってくると認識しております。  最後に,県民の皆様から最も要望の高かった「安全の確保」についてですが,県といたしましては,これまで交差点や急カーブ等の交通危険箇所,幅員狭小箇所の解消といった,どちらかというと道路の構造やドライバー側の課題への対応に重点を置いていたところがございます。  今回,シンポジウム等でいただきました「子供や高齢者等の交通事故防止のためにも,歩道整備を進めてほしい」との御意見につきましては,引き続き快適な歩行空間の確保として歩道整備に努めるとともに,それぞれの地域の実情,それぞれの地域で暮らす人の目線で,今後の道路整備に取り組んでいく必要があるものと認識しております。  さらに,高度経済成長期に建設された多くの橋梁が今後急速に老朽化し,あるいは機能の面で社会の要請にこたえられなくなっていくことが予想されます。県が管理している15メートル以上の橋梁においても,架け替えの目安となる建設後50年以上の橋梁の割合が,平成38年には42%と急増してまいります。  従来の壊れたら本格的に直す,あるいはつくりかえるといった対症療法的な対応でなく,費用対効果の高い維持管理を行う予防的な対応に転換し,橋梁の長寿命化を図るなど,安心安全な地域づくりを推進していく必要があると認識しております。  県といたしましては,地域の経済活動・発展はもちろんのこと,県民の生活や医療・福祉を支える上で重要な役割を果たしている道路について,利用者や地域の生活者の視点も踏まえ,コスト縮減を図りながら,真に必要な道路整備の推進に努めてまいりたいと考えております。  以上で,道路建設課の説明を終わらせていただきます。よろしくお願いいたします。 8 ◯山岡委員長 次に,須藤港湾課長。 9 ◯須藤港湾課長 私のほうからは,港湾部門について御説明させていただきます。  資料の2ページをごらんいただきたいと思います。  まず,社会資本整備の現状でございますが,海に囲まれた日本の輸出入貨物のほとんどを港湾が担っております。エネルギーの93%,食料の60%を海外からの輸入に依存しており,港湾は国民の生活や企業の生産活動の拠点として,また,日本経済の安定・発展にとって重要な役割を果たしているわけでございます。  そのような中,茨城の港,重要港湾鹿島港及び茨城港の現状といたしましては,表を見ていただきたいと思いますが,年間取扱貨物量が年々増加しておりまして,平成19年につきましては,前年比約10%増となってございます。  平成20年におきましては,速報値が出ておりますが,記載してございません。世界的不況により11月以降は減少しておりますが,昨年夏までの好景気により,平成19年よりわずかですが,平成20年は増加することとなってございます。  ただ,平成21年におきましては,この1-3月期の取扱貨物量は大きな落ち込みを見せており,厳しい状況になるものと想定してございます。  このような中,日本全国の重要港湾126港における茨城の港といたしましては,平成18年度の統計ではございますが,鹿島港が19位,茨城港は39位と位置づけられているところでございます。  本県における社会資本の現状についてでございます。港湾施設の整備・土地造成につきましては,グラフの下のほうの表にございますが,岸壁の整備状況などを表にしてございます。  茨城港におきましては,現在,常陸那珂港区のマイナス9メートル岸壁が,ことし夏ごろの供用開始を目指し整備を進めてございます。  また,鹿島港におきましては,現在,外港地区のマイナス14メートル岸壁が整備中でございます。  表にバースという文字がございますが,1隻の船舶が接岸できるだけの施設を1バースということで数が載ってございます。  係留施設のみを掲載してございますが,港湾の施設としましては,船舶が接岸し荷役をする岸壁等の係留施設,または船舶が運航し,停泊する水域施設。係留施設や水域施設を波浪等より守る防波堤などの外郭施設,そしてクレーン,曳舟,荷さばきをする埠頭施設などの機能施設を含めまして,一体的に稼働されている状況でございます。  これとあわせまして背後地に,港湾に隣接する土地で活動することが有利な企業に対しては,土地の提供等を積極的に行っているところでございます。  次に,海洋性レクレーション基地といたしまして,海浜公園や公共魚釣り園,大型クルーザーなどの保管できる公共マリーナを整備し,魅力ある港湾空間の整備を進めているところでございます。  また,地震災害時の緊急物資輸送への対応を含めて,公共貨物に対応する岸壁の整備を耐震化するということで進めてきておりますが,計画岸壁が5バースあり,現在供用中は1バースということになっているところでございます。  港湾整備を進めた結果によりまして,最近の港湾への進出企業としては,コマツ,中国木材,日立建機などの進出があり,企業が臨海部に進出し,地域の活性化と港湾利用の増進が図られているところでございます。  次に,課題でございますが,地域の活性化への対応といたしまして,物流面及び観光面からの2つございます。物流面としては,企業立地と連携した多目的国際ターミナル等の整備で,具体的には基幹産業を支えます石油,石炭,穀物や木材などの──バラ貨物と言ってございますが,このバラ貨物等の安定的かつ低廉な輸送の確保のため,大型船舶に対応した大水深の岸壁の整備が求められているところでございます。  観光面としましては,国際競争力のある魅力ある観光地を形成するため,心地よい観光空間の創造と快適な旅客ターミナルの整備等による観光客の移動の快適さの確保が求められておりまして,特に大洗マリーナでは,沖合のカジキ漁に人気があり,トローリングで使われている30フィート以上の大型艇の利用が増加しておりますが,マリーナへの保管の需要につきましては,大型艇への対応ができないという状況になっているところでございます。  次に,国際競争力の強化といたしまして,定期航路の充実による国際海上コンテナ輸送網の強化や,税関手続きや入出港届け,荷役機械の使用申請などの港湾管理手続き一元化等港湾サービスの高度化が挙げられてございます。  次に,安全・管理の確保といたしまして,災害への対応では,大規模地震発生時における避難者や海上輸送機能を確保するため,港湾施設の耐震強化が求められているところでございます。  港湾における保安・安全対策の推進では,テロ等の犯罪対策として,フェリーターミナル等における保安対策の強化が求められております。  また,航路等施設のしゅんせつや航路標識などの保全・管理の強化が必要となっているところでございます。  次に,地球環境問題への対応といたしまして,茨城の場合においては,具体的には右側の図にて説明させていただきますが,京浜港と茨城港との比較では,茨城港を利用した場合には,約40%CO2が削減されることになります。茨城港の利便性の向上が求められているところでございます。  次に,海面処分場の計画的な確保が求められてございます。常陸那珂港区には,東京電力発電所からの石炭灰の処分用地,また,茨城港,鹿島港全体において,しゅんせつ土砂や陸上残土の処分地の確保が必要になっているところでございます。  次に,具体的な企業の動向としまして,運搬コストや環境負荷の削減への対応等を目指しまして,東京ガスの日立港区への進出がございます。これにつきましては,日立港をLNGの基地とするとともに,日立-真岡ラインの整備による既存ネットワークとの接続を目指すもので,港湾計画の変更や港湾の新たな整備を今後推進する必要があると考えてございます。  また,コマツ茨城工場の生産体制の増強,また,東京電力第2発電所の建設等も予定されておりまして,これらに適切に対応する必要があると考えているところでございます。  資料の説明は以上でございます。今後,これらの課題を踏まえ,利用者の視点に立った,より便利に,より利用しやく,安全安心な港整備を進めてまいりたいと考えております。よろしくお願いいたします。 10 ◯山岡委員長 次に,上遠野都市計画課長。 11 ◯上遠野都市計画課長 それでは,私のほうから,都市計画における社会資本整備の現状と課題について御説明いたします。  お手元の資料の3ページをお開き願いたいと思います。  初めに,バブル崩壊後の社会経済情勢の変化についてでございますが,御案内のとおり,高度成長期以降に続いてきました右肩上がりの時代に終わりを告げまして,バブル崩壊後,人口減少・超高齢社会を迎えるという大きな時代の転換期というふうになっております。さらに地球環境問題の深刻化,さらには財政的な制約の高まり等,都市のあり方に大きな影響を与える社会経済情勢の変化が現在進んでございます。  これら国レベルの社会経済情勢の中で,本県における都市を取り巻く現状について御説明いたします。  まず初めに,1)でございますが,人口減少・超高齢社会の到来と都市の分散化についてでございます。  本県の人口は299万人前後をピークとしまして,平成27年ごろまでは人口の自然減少が緩やかに進むものの,つくばエクスプレス沿線への人口の定着により社会増加も見込まれることから,おおむね295~300万人程度で安定的に推移すると見られております。  しかし,今後,さらに自然減少が進みまして,平成42年ごろには,おおむね270~285万人程度になると予想されております。  また,65歳以上の高齢化率でございますが,平成17年度におきましては,県人口全体の約19%程度でございますが,平成27年度には25~26%程度,さらに平成42年には約30~32%程度と,急速な高齢化が進むものと見込まれております。  次に,本県は可住地面積が全国第4位と広うございます。県土に占める割合も65%と高くなっておりまして,言ってみれば,どこにでも住めるという状況でございます。  そういう中で,市街化区域内には県人口の約半分が今現在住んでおりますが,御案内のように,人口5~15万人規模の中小都市が点在しておりまして,可住地が広いということもあり,全国に比べ,人口も含めて都市的な集積が低いということが,大きな特徴となっております。  次に2)でございますが,地球環境等への負荷の増大でございます。  本県の特徴であります,先ほど申しました広い可住地に都市が点在している分散型の都市構造と同時に,最近,郊外に大規模な集客施設の立地が進むなど,都市機能の拡散が顕在しております。それにより,自動車利用の回数がふえることや移動距離の増大,交通渋滞等によるCO2排出量の増加による環境への負荷の増大が懸念されております。  次に3)でございます。これも大きな課題でございますが,中心市街地の衰退でございます。  先ほど申しました郊外における大規模な集客施設の立地によりまして,中心市街地の衰退に拍車をかける状況にあります。また,商店街において,空き店舗の増大等が現在大きな課題になっております。それにより,地域の防犯・防災面等でも問題が若干発生しております。  下の表とグラフは,県内の中心市街地の現状の一例でございますが,上の表は,県内に約7,200店舗ある商店街の空き店舗率でございまして,平成14年度と平成20年度のデータで,おおむね1割が現在空き店舗となっている状況にございます。  また,下のグラフは,県内の商店街244団体に対して行った「来街者に関するアンケート調査」の結果でございます。  回答をいただいた商店街の約8割が「来街者が少なくなった」という回答をいただいております。  次に,4)番目の画一的なまちづくりでございます。  経済性や効率性を優先しまして,全国的に同様なまちづくりが進められがちであるため,歴史・文化・景観などといったその地域が持っている個性が,都市においても現在失われつつある状況があるという課題がございます。
     次に,5)番目の公共交通の衰退でございます。  繰り返しになりますが,本県の分散型の都市構造と郊外部へ大規模な集客施設の立地等によりまして,自家用車の依存度がますます高まっております。それに反しまして,市民の足としての公共交通が,これも御案内のとおり,現在衰退している状況にございます。  資料の中ほどのグラフでございますが,左側は,本県における旅客輸送分担率をグラフ化したものでございます。このうち紫色,一番長いものでございますが,それが自家用車の分担率でありまして,自家用車の依存度をあらわしてございます。平成15年度で約9割,一番下のグラフでございますが,約9割を占めております。  また,右側のグラフは,本県の鉄道等公共交通による旅客輸送の推移を示してございます。公共交通利用率は,2005年は1995年に比べまして約7割,約3割が減少しているという状況になっております。  次に6)番目の産業立地需要の動向でございます。  北関東自動車道や圏央道,茨城港,さらには茨城空港などのインフラ整備が現在進み,または供用開始しております。特に,高速道路のIC周辺や港湾・空港などの交通結節点への産業の立地が増加する傾向となっております。  最後になりますが,7)番目の財政的制約の高まりでございます。  本県も厳しい経済・財政状況にございまして,県土木部の予算額につきましては,平成21年度の当初予算で比較しますと,ピーク時──これは平成10年でございますが,の約6割という状況になってございます。  また,都市活動に必要な道路や下水道等の社会資本の維持管理コストについては,社会資本のストックの増大あるいは老朽化等によるリニューアル等も着実にふえていくということで,増大をしていくという現状にございます。  一番最後に,課題を7点ほどまとめてございます。今まで申し上げました現状に基づいて,課題につきましては,7つの項目を列挙してございます。  課題としまして,1番目でございますが,人口の増加とそれに伴う都市の拡大,成長による分散型の都市構造から,人口減少・超高齢化社会を見据えたコンパクトな集約型の都市構造への転換が必要ではないかと考えております。町中居住といいますか,町中に住んで暮らせるような,できれば都市機能を町中のほうに集積したコンパクトな都市づくりが必要であるというふうに考えてございます。  国におきましても,歩いて暮らせるようなまちづくりを目指しまして,公共交通の整備や歩行者空間の確保,商業や医療・福祉施設と住宅が一体となったまちづくりの推進を現在進めております。  2番目は,都市活動に伴い発生するCO2の排出量の削減などでございます。現在,つくば市などでは,環境モデル都市としまして,交通関係では,自転車によるまちづくり,または,低炭素新交通体系を構築するといった取り組みも始まっております。  また,都市緑化という観点から,都市公園,生産緑地の指定,都市の緑の保全等も当然推進していく必要があると考えてございます。  3番目は,中心市街地の再生でございます。今現在,まちづくり三法の改正を受けまして,県内でも石岡市などが,中心市街地活性化基本計画を策定中でございます。  また,まちづくり交付金制度を活用した道路や広場,交流施設などのにぎわい拠点づくりも進められておりまして,これらのまちづくり関連施策について,関係する部局と連携して積極的に展開をしていく必要があると考えてございます。  4番目の課題でございます。歴史や景観などの地域資源を活用した個性豊かで魅力あるまちづくりの課題でございます。  現在,例えば桜川市の真壁地区では,歴史まちづくり法──これは新しい法律でございますが,によりまして,歴史的建造物の保全や町並み整備を進めようとしております。今後,そのような積極的な取り組みがさらに必要と考えてございます。  5番目は,高齢者など交通弱者への公共交通サービスを守る観点からも,公共交通の維持あるいは活性化,もしくはバリアフリー化等の必要があるという課題でございます。  例えば,現在進めております,かしてつ跡地のバス専用道化や水戸市のバリアフリー化計画など,関係機関と調整を図りながら,今後とも進めていく必要があると考えてございます。  6番目でございます。産業立地需要への対応ということで,高速道路のインターチェンジ周辺や茨城港などの重要港湾,さらには茨城空港などへの工業や物流,商業などの立地誘導がさらに必要になってくると。これにつきましては,地区計画等の都市計画制度を適切に活用することが必要であるというふうに認識しております。  最後の課題,7番目でございますが,財政状況が逼迫し,社会資本の維持管理コストが増加する中,市街地におけます社会資本のストックの活用や,民間活力の導入によるまちづくりが必要であると認識しております。  例えば,道路や歩道のリニューアルによるまちづくりと一体となった景観形成や歩行者空間の確保など,民間との協働によるまちづくりを進めていくことが必要であると考えてございます。  いずれにしましても,本県は可住地面積が広く,市街化区域以外にも多くの県民が居住をしているといった特性がございます。そういう特性を踏まえまして,これまで述べました課題認識のもとに,市町村や関係機関と連携しまして,茨城らしい,かつ持続可能な人に優しい環境を目指し,まちづくりを進めていくことが必要であるというふうに考えております。  以上で,都市計画課の説明を終わりにします。 12 ◯山岡委員長 最後に,立藏公園街路課長。 13 ◯立藏公園街路課長 それでは,都市公園に係る整備の現状と課題について御説明いたします。  資料は4ページでございます。  まず,資料左上の<現状>から御説明いたします。  本県の都市公園の整備状況でございますが,平成20年3月末現在,都市計画区域内人口一人当たりの公園面積は,8.32平方メートルとなっております。これは,全国平均の9.39平方メートルからは1平方メートルほど少なく,全国順位では第37位という状況でございます。  また,この指標につきましては,全国的に人口の多い県が低い値となる傾向にございまして,関東の1都6県で比較いたしますと,本県は栃木県,群馬県に次いで第3位という状況でございます。  資料の棒グラフは,本県の都市公園開設面積の推移でございます。  平成19年度末の国,県,市町村の都市公園を合わせた面積は約2,400ヘクタールとなっておりまして,20年前の昭和62年度と比較すると約2.3倍,10年前の平成9年度と比較すると,1.25倍の面積となっております。  ここ数年,伸びが鈍化しておりますけれども,今年度につきましては,先日4月18日に,国営ひたち海浜公園が12.1ヘクタール追加開園したところであり,また年度末には,茨城空港の開港に合わせまして,空港公園の一部区域,約7ヘクタールの開園を予定しているところでございます。  次に,都市公園整備による成果でございます。  整備された都市公園におきましては,県民・市民の憩いの場として,散歩やスポーツ,レクリエーションなど,幅広い利用がなされているところでございます。  また,都市公園は観光資源やイベント会場としても活用されており,特に大規模公園におきましては,県外からの来園者も含め,大きな集客力を有する観光拠点として,地域の振興にも寄与しております。  都市公園を会場とした大規模イベントにつきまして,3公園の事例を記載しておりますけれども,約100万人が来園する偕楽園を中心とした水戸の梅まつりや,ゴールデンウィーク中県内最多の参加者を誇る笠間芸術の森公園の陶炎祭,国営ひたち海浜公園で夏に開催される国内最大級の野外コンサートなどがございます。  このほか,市町村の公園におきましても,古河市の古河総合公園で開催される桃まつりや,取手市,稲敷市の都市公園での夏祭りなどにおきまして,それぞれ10万人以上の参加者があるなど,都市公園の活用が地域の活性化に寄与しているところでございます。  次に,資料の右ページ,<課題>についてでございます。  都市公園の整備に関する課題といたしまして,大きく2つに分けて整理しております。  まず1つ目でございますが,地域振興拠点としての活用や少子・高齢社会への対応など,地域や時代のニーズに対応した整備でございます。  昨年12月の北関東自動車道の東北道との接続や,今年度末に予定されている茨城空港の開港など,本県を取り巻く広域交通ネットワークの整備は大きく進展しております。  このような状況を十分に活用し,大規模な都市公園においては,地域振興に資する観光拠点として,施設の充実や利用の促進に一層努めていく必要があると考えております。  参考といたしまして,ことしの水戸の梅まつり期間中に行いました周辺駐車場での車両ナンバー調査の結果を記載いたしております。普通車では県内が約28%に対し,県外が約72%,バスでは県内約7%に対し,県外は約93%となっており,県外からの駐車場利用者が,県内より圧倒的に多い状況が確認されました。  今後は,これら県外からの観光客や,茨城空港の開港により大幅に増加すると見込まれます外国人観光客への対応といたしまして,案内サインの整備や公園施設の充実など,観光資源としての魅力向上に努めながら,本県のさらなる観光振興に向けて,役割の一端を担っていく必要があると考えております。  また,少子・高齢社会,あるいは障害者への対応といたしまして,園路やトイレ,休憩所など,公園施設のバリアフリー化やユニバーサルデザインの導入を推進する必要がございます。これまでも園路やトイレのバリアフリー化を実施してまいりましたが,まだ不十分な状況でありますので,今後,国の補助制度などを活用しながら,計画的に整備を行っていく必要があると認識しております。  さらに,都市公園における防災機能の向上につきましては,多くの公園が地域防災計画等におきまして,避難地などに位置づけられております。このような状況から,災害時に確実に機能が果たせるよう,ソーラー式照明灯の設置や放送施設の整備など,防災機能の向上を図る必要があると考えております。  次に,大きな課題の2つ目といたしまして,老朽化する公園施設への対応を記載しております。  港公園,洞峰公園,霞ヶ浦総合公園の事例を掲載しておりますけれども,県営都市公園におきましては,昭和50年代から大規模な公園施設を整備してまいりました。現在まで,随時,部分的な修繕を実施してきたところでございますが,今後の老朽化の進行に対し,計画的・効率的に対応していく必要がございます。  今年度は,公園施設の長寿命化に関する新たな補助制度が創設されたことなどから,維持管理コストの低減も含めた公園施設の長寿命化計画を策定することにより,計画的な修繕や改築に努めてまいりたいと考えております。  また,公園施設の改築や更新につきましては,新たな施設の整備と同様,地元や利用者の意見を踏まえながら,地域や時代のニーズに沿ったリニューアルを検討していく必要があると考えております。  公園街路課の説明は,以上でございます。本県といたしましては,県民の生活環境の向上や地域経済に与える効果など,都市公園が果たす役割を見きわめながら,より一層効率的・効果的な整備を図ってまいりたいと考えております。  御審議のほどよろしくお願いします。 14 ◯山岡委員長 以上で説明聴取を終わりますが,説明漏れ等はございませんか。──。  ないようですので,説明聴取を終了します。  それでは,ただいまの説明に対する質疑に入ります。  質疑のある方は,お願いいたします。  佐藤委員。 15 ◯佐藤委員 2点ほど,ちょっと聞かせていただきたいというふうに思っております。  まず最初に,港湾の関係で,茨城港の中の課題のところに,宇都宮市からの荷物の時間というものが書いてありますけども,こういった現状の中で,群馬県あるいは栃木県等々の貨物の量はどういう現状になっているか,把握されていればお聞かせ願いたいと思います。 16 ◯須藤港湾課長 済みません。今の段階で,その資料はちょっと用意してございませんので,後日,用意して説明させていただきたいと思います。 17 ◯佐藤委員 まあ,こういう比較の中で,その利便性を効果的にこれからやっていこうという現状と課題の中で,方向性をこれから論議していくということでございます。ぜひ,後ほどお願いしたいというふうに思っております。  それから,もう一点。都市計画課の部分で,3)のところに中心市街地の現状という形で,空き店舗の状況が示されております。この数字は,ここに書いてありますように,空き地,駐車場となったものを除くという統計上のことでのとらえ方でございまして,まあ,1割という形では,そんなに大きく平成14年と20年が変わってないように見受けられるというふうに思うんですけども,私,水戸の中心市街地等々を見ますと,確かに空き店舗は,数ではそう変わらない,統計の数字と変わらないと思うんですが,それ以上に駐車場が非常に大きくなっている。そこをやはり加味した形での中心市街地の現状というものをとらえていかないと,店舗数だけがこうだという数字だけだと,そんなに大きく変わっていないというとらえ方がありますけども,現状としてはもっともっと来客数も少なくなっているという状況がありますので,この現状のとらえ方について,もう少し違うところで,統計上あるのかどうかはわかりませんけども,その辺のとらえ方で,もしございましたらば,お願いしたいと思います。 18 ◯上遠野都市計画課長 都市計画基礎調査というのがございまして,土地利用の現況を,きょうはちょっとデータがないんですが,空き地率みたいなものを出すことは可能でございます。中心市街地の中で,例えば駐車場も1個の空き地ととらえて,どのくらい中心市街地の建物がなくなって空き地化しているかと。今,データが整理されてないので,ちょっとお示しはできませんが,そういう形でのデータは示せるかというふうに思っております。 19 ◯佐藤委員 ぜひ,そういったことでの現状というものをしっかりとらえた上で,これからの課題,方向を論議していきたいというふうに思っております。  そういったことからすれば,コンパクトシティーというようなこと,中心市街地に住んで,そこで生活をしていただくと。これは一番いいことだというふうに思っておりますし,これから,合併をしたことによっての過疎化というものが,ある意味進行してしまうと,私も心配をしているんですけども。今までは境界がありましたから,そこから行くとという,これから合併したことによって,もっと大きくなったエリアに住めば同じだというとらえ方が,これから先出てくるんだろうというふうに思っているんです。そうすると,今まで以上に過疎化が進行する。そういった中で,ここにもあります課題の中で,どう集積をした地域をつくっていくのかというところを,ある程度先を見込んだ考え方的なものを示しながら,地域とのタイアップをして進めていかなければいけないのかなというふうに思っています。  以上,御意見申し上げます。 20 ◯山岡委員長 ほかにありませんか。──高崎委員。 21 ◯高崎委員 種々説明ありがとうございました。  まず,道路のほうですけども,課題に交通ネットワークの充実による地域の活性化,これは医療という面で非常に大事ですし,進めていっていただきたいなと。いわゆる病院への搬送時間,これの短縮。これは非常に大事な問題です。私,水戸ですけども,結局,日赤病院のその手前に常磐線があると。これ問題は,踏み切りの問題があります。  赤塚周辺においては,大分東西の踏み切りを拡幅していただいているとか,昨年度,赤塚の東側ですかね,あそこの歩道の拡幅とかしていただいたり,安全上の対策を講じていただいていることは大変ありがたいことなんですが,一つは,よく水戸市内で言われるのは日赤病院で,柵町の踏切──踏切名は忘れましたけども,結局あそこは,実は渋滞というのが非常に問題になる箇所でありまして,日赤病院が目の前に見えても,やはり踏切で遮断されている。また,水戸市内の中心地に向かう上でも,非常に大事な道路であるというような位置づけもある中で,ただ,これは,水戸市が「じゃ」と言っても,なかなか水戸市も進まない。県にしてみれば,市道であるからという話になってなかなか進まないと。また,踏切はJRだというところがあるわけであります。近くに病院があっても,踏切で遮断され渋滞ということがありますので,その辺も。これは意見で結構ですので。  水戸市内だけじゃありませんけども,常磐線沿線とかさまざまあると思うんですが,やはり踏切の,要はオーバーであるとかアンダーであるとか,ただ,その付近の問題とかさまざまあるんでしょうけども,その辺も大変な問題であるかと思うんですが,踏切のまた渋滞だということで,病院への搬送時間の短縮にも視点を置いて整備していただければなと。これは意見・要望でございます。  観光面ですけども,今,大子町の袋田の新観瀑台が非常に好評で,ただ一つは,非常に渋滞が多いと。秋口非常に渋滞が多かったというようなことがありまして,それで,混雑解消のために迂回ルートの整備ということが非常に大事ですけれども,これとナビシステム,要は車に皆さん今結構ナビをつけていますから,その辺の連動といいますか連携というのは,今どのような状況なんでしょうか,これは質問でございます。 22 ◯羽部土木部技監兼道路建設課長 委員御質問のように,袋田の新観瀑台の後,大分車がふえている。観光客ももちろんふえていますけれども,その対策ですが,国道118号からの入り口交差点部分の改善のほうは,道路維持課予算で進めていたところなんですけれども,ただ,それを迂回する道路としては,118号袋田バイパスというのがございます。今,橋梁のほうの整備を進めているんですが,これが袋田駅の近くまでつながらないと,迂回の機能はまだとれないという状況があります。  あと,それと同じように,県北地区の国道461号の旧水府村区間につきましても,非常に幅員が狭くて,これはどういうことを今までやっていたかというと,道路の整備のほうは今補助事業で進めておりますけれども,地元のほうで,ゴールデンウィークとかそういう渋滞時期には,誘導員を20人とか配置して,車の一方通行とか誘導をやっていたと,そういうことがございます。  袋田のほうも,国道からの出入り,それから迂回路の整備も力を入れてまいりますけれども,曲がってからの駐車場への誘導とか,その辺もまだ研究の余地があるのかなというふうにも感じておりますので,その辺,地元の町との調整もやっていきたいと考えております。 23 ◯高崎委員 大子町の袋田の件だけではなくて,要は結局迂回させる,その誘導員もそうでしょうけども,例えば案内板の設置であるとか,こういうのがやはり非常に大事になってくるわけですね。  ただ,ナビは今,案内板とは違う独自のシステムでこうさせますね,近道とか。ですから,これは私の素人考えで申しわけないんですけど,ちょうど今せっかく県で案内板を整備して,そして,要は余り町中を通らないとか,うまく広い道であるとか,そういうところへ誘導させようというのは,県が現場のことでわかるんですが,結局ナビの場合は,設定する近道をやると,本当に想定外のところへ行かせる。また,非常にナビ自体,私はそんなに高性能なナビではないですけど,今はかなり技術も発達している中で,県が考えている交通渋滞回避のための迂回ルートという考えと,ナビシステムはちょっと違うものがあるんです。せっかく県でもそういう部署で取り組むものと,いわゆるナビシステムが,できれば観光地なんかは余計渋滞する箇所は連動できるようなそういうシステムを,まあ,国との連携とかをしていくのも大事かなというふうに思っていますが,その辺はいかがでしょうか。 24 ◯羽部土木部技監兼道路建設課長 これまでもナビシステムは,どうしても国道とか上位の道路を誘導してしまうというようなきらいがありまして,私ども,その辺何とかならないものかというような意見といいますか,そういう悩みも持っておりました。とりあえず,それぞれのドライバーが持っているナビシステムも,いろんなバージョンといいますか,古いものから新しいものがあったり,それから,その利用の仕方も個人差があるというのも,確かにそういう事情もあるというのを感じております。  その中で,とりあえず手っ取り早くというと表現が悪いかもしれませんけれども,やはり委員がおっしゃったような地元の誘導といいますか,立て看板といいますか,そういうものを使った誘導策で渋滞ピーク時の迂回を,お客様を誘導してはどうかということで今取り組んでいる場所があります。具体的には,北関東道を進んできまして,水戸大洗インターチェンジをおりたところで,海水浴の帰りの時間が大変長時間かかるということで,それを別な県道に誘導する方策を,今地元の市町とやっております。あわせてインターチェンジの改造のほうも,国とNEXCOのほうで夏までに終わらせるようにというような調整をしておりまして,今は工事に一部着手しているような状況です。そういう道路構造面の対応と,あとは地元の誘導策というものを組み合わせて,当面しのいでいきたいと考えております。 25 ◯高崎委員 観光立県ということで,今は北関道も開通して,今御説明ありましたように,ひたち海浜公園,前年比22%増,アクアワールドも7%増と,非常に喜ばしいことですけども,ただ,これからもっともっとふえれば,結局渋滞になるわけで,渋滞をしてまで行きたいところなのかという。今のこの増加であると,まだ渋滞していてもスムーズに行けるような状況かもしれない。ただ,これが倍になってきたときには,恐らくそうではない。例えばディズニーランドみたいに,どんなに込んでも行きたいと,そこに行っても待つんですよ。ただ,ひたち海浜公園であるとか,アクアワールドが倍ふえて,それで渋滞になったときには,やはりそれであきらめて帰ってしまう。だから,袋田の滝も新観瀑台もそうなんです。そこら辺を逃がさないようにキャッチして,しっかり金も落とさせるような,そういうことも,観光立県として茨城県も取り組む中では,しっかりお願いしたいなということがありますので,よろしくお願いします。  次に,都市公園なんですけども,課題の中でトイレ,休憩所,公園施設のバリアフリー化,ユニバーサルデザインの導入,あとは防災機能の向上など,これらはしっかりと進めていただきたいというのはあるんですが,これは難しいかもしれませんけど,今,公園ってかなり人が来るところでありますから,一つはその防災機能というのは大事ですけども,要は来られた方の救命率の向上,そういう面はどういうふうに,何か考えられているんですか。 26 ◯立藏公園街路課長 今の御質問は,AEDの関係ですか。 27 ◯高崎委員 そうです。 28 ◯立藏公園街路課長 今,御指摘のように,やはりたくさんのお客様がいらっしゃるということで,都市公園におきましてもAEDの設置というのを進めております。現在,ほとんどの公園で設置しておりまして,いざというときには対応できるような体制を整えております。 29 ◯高崎委員 わかりました。ありがとうございました。要は,今度は使う側,公園って,イメージ的にはしっかりした管理棟があって,だれかがいらっしゃるようですが,そうでない場合のところは,仮にAEDが設置になっているとすれば,どういうふうな使う場合の手だてといいますか,されているんですか。 30 ◯立藏公園街路課長 今,ほとんどの公園と申し上げましたけれども,基本的には,そういう管理事務所があって,その中に設置しているという状況でございますので,職員が常にいるような状況での使い方でございます。 31 ◯高崎委員 やはり非常にAEDによって命が助かる事例が多く,茨城県内にもありますし,大事なことなので,よろしくお願いしたいというのと,あとはその管理棟がない場合,そういうときにどうするのか。その辺も今後,これは質問じゃなくて,大勢集まる──例えば千波湖にしたって大勢来るわけですから,そこで,まあ,119番で救急車が来ればいいのかもしれませんが,そのとき逆にそういうものがあって,それが使える方,今,AEDの講習を受けている市民の方もかなりいらっしゃいますし,管理棟がない中でも,救命率向上に向けて都市公園としての何らかの機能といいますか,その辺もお考えいただければと,これは意見でございます。  以上で,質問は終わります。 32 ◯山岡委員長 ほかにありませんか。──。  ないようですので,以上で質疑を終了いたします。      ─────────────────────────────── 33 ◯山岡委員長 ここで暫時休憩いたします。  再開は,午後1時といたします。                  午後0時1分休憩      ───────────────────────────────                   午後1時開議 34 ◯山岡委員長 休憩前に引き続き,委員会を再開いたします。  これより議事に入り,参考人お三方から意見聴取を行います。
     意見聴取の進め方でございますが,初めに参考人から御意見をいただき,その後,参考人との意見交換を行いたいと思いますので,よろしくお願いいたします。  それでは,お一人目の参考人を御紹介いたします。  株式会社ジェイティービー常務取締役清水愼一様です。  清水様のプロフィールにつきましては,お手元にお配りしておりますが,現在,株式会社ジェイティービーの常務取締役として,観光立国推進・地域活性化を担当されておりますほか,立教大学特任教授も兼任され,さらには,内閣府の地域活性化伝道師や内閣官房地域活性化戦略チーム委員を務められるなど,地域活性化推進の牽引役として御活躍されております。  また,昨年は県議会総務企画委員会におきましても,参考人として御意見をいただくなど,日ごろから御指導,御支援をいただいているところでございます。  清水様には,大変お忙しい中,本委員会に御出席いただきまして,まことにありがとうございます。委員会を代表いたしまして,厚く御礼を申し上げます。  清水様からは,「広域観光時代の社会資本整備のあり方」をテーマに御意見をお伺いいたします。  なお,説明にはスクリーン画像が使用されますので,見えにくい場合は,適宜席を移動してごらん願います。  それでは,清水様,よろしくお願いいたします。 35 ◯清水参考人 ただいま御紹介いただきましたジェイティービー常務の清水でございます。こういう機会をいただきまして,ありがとうございます。  前任は,JR東日本の営業の役員から,東北の鉄道の責任者をやっておりました。常磐線の関係では大変御不便をおかけしたり,いろいろ御迷惑をおかけしたかと思います。  なお,私の妻の実家が水海道でございまして,あの辺が私どものフィールドでございまして,大変茨城県とは御縁がございます。最初に国鉄で駅長を,若いときにやらせていたんですが,やったのが古河でございました。古河で駅長をやっておりました。そういった意味では,茨城県とは少なからぬ関係があるかというふうに思います。  きょうは短い時間でございますので,一応ここに,きょうお話することという形で書いてございますけれども,「観光立県」という形で,観光をこれからはもっと盛んにしていただいて,茨城が元気になるということです。昨年申し上げましたが,これからの観光というのは,農業と密接不可分でございます。食の問題がありますので,やはり農業がきちっとしないと観光ができないということがありまして,そういった意味で,農業がもともとしっかりした茨城県でございますので,ちょっとした工夫の中で,観光がもっと盛んになるだろうというふうに思いますし,外からお客様が来ることによって,ものづくりだとか商店街が元気になるということでありますので。まあ,茨城県は,そんなに観光に熱心な県じゃないんですけれども,どうぞ茨城空港を契機に,少し観光でいろんなことをやられたらいいのではないかというふうにかねがね思うわけでありまして,そういった意味で観光の話を。  それから,観光振興のやり方では,「まちづくりと広域観光」という形で,どうやって点を磨いていくか,これは地域ですね。それから,それをどうやってつないでいくか。それで,面としてどうやって宣伝をしていくか。この3つのことを申し上げて,この点を線でつなぐということで,当然のごとく社会資本整備の話が出てきますし,点を磨くということでは,まちづくりの話が出てきますので,そういった意味で,社会資本整備のあり方としての住みやすい魅力あるまちづくり,それから,地域間移動が容易なインフラ整備,この2点に話を持っていきたいというふうに思います。  最初の観光の話につきましては,簡単にぱぱっと御説明していきたいと思います。じゃ,パワーポイントも使いながら,あとはお手元にございますので。  茨城県のまず観光についてちょっとレビューしたいと思いますけれども,ここのところ横ばいですが,日帰りがもう圧倒的に多いと。東京の近くですから,日帰りが非常に多い。それから,特に大きな観光地があるわけじゃなくて,各地域満遍なくお客様を集めているというようなことだろうと思います。  それから,圧倒的に首都圏で9割近くのお客様を集めておられるということで,埼玉県,千葉県,東京都,神奈川県,栃木県,それと一部東北ですね,というような形のお客様が来ておられるということです。  首都圏に近いということもありますし,日帰りが多いということでありますから,当然マイカーが9割ということでございます。  こういったことを踏まえて,茨城県でも観光振興の基本計画をつくっておられて,ブランドイメージの構築だとか,新たなイメージ構築といったことをやられております。観光客5,000万人の実現ですね,というような形でやっておられる。  特におもしろいのは,この観光満足度ですね。60%を80%に上げていきたいということで,まあ,いろいろ議論はされていると思いますけれども,もう少しちょっと工夫が必要かなというふうに思うわけです。  それで,「茨城観光」の現状と課題について,簡単にちょっとお話しますと,茨城県は,行ってみたい旅行先にはなかなか入ってきません。これが私どもの調査ですけれども,大体北海道,沖縄,京都,そういった有名な観光地が上位にありますし,外国でもハワイ,イタリアといったところが上位にあるわけですが,ずっと30位,かなり下のほうに行かないと,茨城県というのは入ってこないと。まあ,はっきり申し上げて,茨城県は観光地だと思ってないという方が圧倒的に多いということですね。  それで,私ども,いろんなアンケートを含めた中で,宿泊数を一応つくっております。これは県の発表とちょっと違うんですけれども,これをごらんになっていただきますと,やはりこの首都圏近郊の中で,宿泊が極めて少ないのは茨城県と埼玉県という形で,まあ,私どもから見ると,両方とも観光にはもともと熱心じゃないという感じがするところであります。そういった意味で観光というのは,ある意味で,トップも含めて熱意がなければ実現をしないわけであります。そういった意味で,茨城県,埼玉県の実績がここにあらわれているかなという感じがいたします。  これが,小さくて申しわけないんですけども,外人のお客様がどこに訪問をするかということであります。茨城県は1.4%,本当に外人のお客様から見ても,全く眼中にないという感じだと思います。ただ,つくばとか,しかるべき外国の方々が非常に注目をしているところがありますから,これから可能性は大変高いということでありますし,茨城空港が,そこにどうやって寄与できるかということだろうと思います。  それで,茨城の観光に対するあこがれ・期待は大変低いと。東京には近いんですけれども,何となく魅力が感じられない,イメージが沸かない,納豆が苦手,それから,新幹線が通ってない。これ,よく聞かれるんです。新幹線が通ってない。という形で,認知度,イメージ形成が極めて弱い県であるということであります。  それで,ここにありますけれども,認知度ですね。茨城観光については「訪れたいと思う観光地がない」「観光地がわからない」というようなお客様がおられるということです。  茨城のイメージを見てみますと,田舎であるということ,それから海,それから納豆,地味,暗い,ダサイと,ちょっとマイナス,プラスいろいろ取りまぜてあるということですね。だけど,田舎のイメージって実はすごいプラスイメージなんですよ。ですから,すばらしい田舎をもっとアピールされたらいいんじゃないかと。今は,田舎というのがあこがれなんです。ですから,逆に言えば,田舎のイメージがあるということは,うまくすれば大きくプラスにできるということだろうと思います。  どうもいろんなパンフレット,私どももJR東日本のときに,茨城県といろんなキャンペーンをやりました。つい最近は,向こうのいわきから浜通りで随分やっていますけど,どうもなかなかイメージが定まらない。ですから,いつもいろんなパンフレットをつくっちゃ何かやっているんですが,例えば仙台と言えば,もう「杜の都」とか,そういった形ででき上がってくるんですけど,どうも茨城ができ上がってない。ですから,漫遊王国とかいろんな言葉を考えたんですけれども,なかなか出てこない。この辺のブランドイメージを,やはりどうやって決めていくのか。この辺はトップの一つの大きなセールストークとか,あるいは動きとかといったことに実はかかわってくるんですが,ぜひ,この辺のイメージを定める必要があるかなと。  まあ,と言いながらも,観光資源は極めて豊富であるということは事実であります。茨城の魅力は大変多いと。「自然がすばらしい」「食事がおいしい」というような形で,大変満足をしている方が多い。ですから,イメージがなかなか決まらないんですが,一度来てみると,こんなにいいところはないんで,すばらしいところばかりだというふうに思われる方がたくさんおられる。ですから,日帰りでお帰しするのは本当はもったいない。泊まっていただきたい。もっとじっくり観光していただきたいと,そういった思いが,我々としても強いわけであります。  ですから,一つは,お客様にこの茨城に目を向けさせるということ。それから,来たお客様に,もうちょっといたほうがいいよというような感じで,滞在時間を延ばしていく。そんなことの仕掛けがもう少しでき上がってくれば,茨城の観光というのは,かなりのところまでいくのではないかというふうに思うわけです。というのは,去年もお出ししましたけども,この右上に行くところが,最近ブームになってきている旅行でございます。最近の旅行はグルメ,歴史・文化,この辺が大きなポイントであります。やはり「食なくして観光なし」「歴史・文化なくして観光なし」。そういった意味で,歴史・文化も豊富で,食材が豊富で,なおかつ自然が豊かで,しかも景観がよろしくて,というような茨城県というのは,今のお客様の志向にぴったりなんですけれども,どうもそれがお客様の動向とマッチングしない。この辺は仕掛けの問題です。  という形で,「茨城観光」の課題というのは,もう認知度,イメージ形成をどうやってやっていくのかというようなことに尽きるわけであります。今のお客様というのは,ある意味で一つのテーマ・物語,例えば,いばらきの食を徹底的に味わっていくとか,あるいは,いばらきの豊かな暮らしを味わっていくとか,そういったところを求めているわけでありまして,まさに漫然と宣伝していてもだめなんで,茨城のそれぞれのテーマに従ったすばらしいものを,きちっとどうやって訴えていくかということに尽きるかというふうに思います。  そんなことをやることによって,まず,茨城を目的に来る観光客をどうやってふやしていくか。去年申し上げましたけども,茨城空港の問題というのは,単に茨城が,いわば首都圏の空港として,あるいは羽田・成田の補完としてやっていくということだけではないと。やはり茨城を目的に来る観光客を,きちっと持ってくるところなんだと。ですから,逆に言えば,茨城を目的に来る観光客をどうやってつくり上げていくのか。まさに茨城のイメージ形成と茨城空港の問題というのは,セットであるというふうに思うんですね。そういった形で,この茨城ということを,どうやって目的にさせていくか。  それから,つくばあるいは鹿島含めて,ビジネスで来るお客様がたくさんおられますから,そういったお客様にどうやって観光をしていただくのか。単にTXでつくばに来て,そのままお帰りになっちゃって,後は秋葉原で買物をするということではなくて,つくばに来たお客様に筑波山を回っていただいて,温泉に入って,真壁の町並みを見てというような形で,どうやってそれを誘導していくのか。そんなところが,テーマ性だとかテーマ観光というふうに言われているんです。それが日帰りから宿泊にもっていくことですし,リピーターにさせていくということになるわけであります。  観光戦略はもう大体語り尽くされておりますから,あえて繰り返しませんが,ここにあるように県のイメージ戦略ですね。目的地としての茨城,ここを県としてしっかりとやっていかなきゃいけない。  それから,同時に,やはり一つ一つの地域が光ってないといけない。ですから最近,桜川市の真壁が非常に元気が出てきているのは,やはりあそこのまちづくり,あるいはつい最近やっている「ひな祭り」だとかを含めて,町を磨いていますね。そういった動きが,お客様を吸引していく。この辺では,佐原とか川越が俄然,今まで観光地でなかったのが観光地になったというのは,まさにまちづくり,地域の魅力づくりといったものに住民が取り組んできたからだと。そういった動きがあるわけでありますので,まさに真壁のようなそういった動きを,茨城を牽引するような地域として育てていくと,そんなものが必要かなと。  それから,最後に必要なのはテーマ観光戦略ですね。どうしても単独の町・村だけでは,お客様も満足しません。せっかく来たからには,あちこち見ていきたいというお客様がありますから,それぞれの地域をテーマでつないでアピールをしていこうという形で,ここで広域観光戦略というところが出てくるわけであります。  という形で,「広域観光時代」に話をもっていきたいと思いますけれども,今のお客様は日帰りではなく1泊,1泊ではなく連泊,せっかく来たのだから十分楽しみたい。よくよく見たら,おもしろそうなところが近くにあるんだなというような形で,少しじっくりと回りたいというような御希望が大変強いです。  こういうことを言うと,「いや,うちは日帰りが多い。例えば偕楽園の梅を見て,お帰りになる」というような話がたくさんあるんですけれども,そうじゃなくて,本当はお客様はそれで満足されてない。ですから,そういうふうにマイカーで来て,日帰りで2時間ぱっぱと見てお帰りになる観光客が圧倒的に多いんだというのは,現実には,不満足なお客様をたくさんつくり上げているんだということをしっかり御理解されないと。単にそれで5,000万人来ればいいんだと。日帰りのお客様で,わずか2時間茨城県に来て滞在するようなお客様が何千万人来ても,地域には余り貢献されない,お金が落ちない。それで,観光客も満足しないというようなことがあります。ですから,そういった意味で,どうやって地域をつなぎながらお客様に満足をしていただくか,させていただくかといったところが必要なわけでありまして,まさにそういった意味で,単独の町だけでは観光は限界があると。  観光客にとって,自治体の境界というのは全く関係ないんですね。ですから,それぞれ真壁なら真壁,桜川市なら桜川市で頑張っていただくんですけれども,それを他の市町村とどうやってつなげていくか,まさにそこが県の力量が問われるということですね。県として,どうやってそこをつないでいくのか,そこを今問われているということだろうと思います。  これは私どものデータでありますけれども,今のお客様は,圧倒的に1泊が多いんですけれども,潜在的には連泊をしたい,本当は2泊したいと。しかし,1泊でお帰りになる。なぜか。つまらないから。あるいは,足が不便だからというようなこともありまして,この潜在的な希望をなかなか実現できない地域が多いんですけれども,その典型が,この茨城かなというふうに思います。  今,国土交通省で観光庁の発足に合わせまして,観光圏整備ということで,このA市,B市,C町,D町という形で,幾つかの市町村が連携しながら一つの観光地をつくり上げて,そこでお客様にじっくり滞在をしていただく,じっくり味わっていただく,そういった試みをしているわけであります。まさにこれは,お客様にさまざまなメニューを提供しながら,じっくりと滞在をしていただく。そのために,複数の地域が一体となって連携をしていきながら,楽しいプログラムをアピールしていくと。それが観光圏整備ということであります。全国で16カ所でございますけれども,茨城県では,この水戸ひたち観光圏ということで1カ所あるわけであります。  これが,「水戸ひたち観光圏 ~あなたの空と大地~」という形で,水戸を中心に北部ですね。日立市だとか常陸太田だとか,高萩,北茨城,大子町だとかといったところが連携をとりながら,単に水戸に来て,それで食事をしてお帰りになっちゃうとか,大洗に行ってアンコウなべを食べて帰っちゃうとか,そうじゃなくて,水戸から,じゃ,大洗に泊まっていただいて,翌日は,それぞれ大子のほうに行ってみたり,あるいは高萩のほうに行ってみたりという形で,少し滞在時間を長くさせようじゃないかという試みをやっておられるわけであります。こういった動きが,今,全国であちこち出てきているわけですけれども,この動きは大事なところだろうというふうに思います。  こういった広域連携型というのが,これからの観光の一つのポイントになりますけれども,そのときのポイントというのは,地域間の連携,それから物語,それから案内ですね。例えば水戸駅でおりて,水戸駅の案内所に水戸の案内しかないなんていうのはあり得ないわけでありまして,水戸駅というのは一つの拠点ですから,水戸駅の案内所に行ったら,茨城県全域の案内が行われていると。例え,水戸市がその案内所を経営していたとしても,茨城県全域のことを案内すると。TXのつくばの駅に着いたら,つくばから茨城県全域,場合によっては栃木県,そういったところの案内まで行われていると。それが,この観光圏整備のポイントになるわけです。  さらに言えば,そこには単に人がいて,無愛想な格好で「地図がありませんか」「はい,地図」と言って,単に渡すだけの案内所というのは全く意味がないわけでありまして,お客様のいろんな御質問にお答えする。「おいしいレストランはどこですか」「きょうは大洗に1泊するんだけど,翌日どこを回ったらいいですか」そういったことに何でもお答えできるような人がそこにいる。これがコンシェルジュということであります。そういった意味で,今のほとんどの自治体がやっている案内所というのは,全くむだな案内所が多うございます。単に暇そうな人が座っていて,それでお客様が来たら渋々窓を開けて地図を配っていると。こういう案内所はやるだけむだなわけでありまして,まさにすべてを語り手配する人が必要だろうというふうに思います。  それで,きょうの本題でありますけれども,こういった地域をつなぐ足,さらに言えば,地域自体の魅力,この2つがなければ,実は観光圏整備も観光も成り立たないということであります。広域観光時代と社会インフラ整備の関係で申し上げますと,これからの社会インフラ整備のポイントは2つありまして,1つは,それぞれの地域・町が,いかに住みやすいか,いかに魅力あるか,そういったところが不可欠であります。  よくコンパクトシティーという言葉が言われますけれども,これから高齢化社会,何でもかんでも車で移動するなんていうことはあり得ない。ですから,できるだけ町中に公的な機関も集中させて,それで商店街を歩きながら,美術館,博物館,そういう町並みを見ながらというのがコンパクトシティーの考え方ですけれど,これはある意味で,高齢者がふえる地域の住民にとっても,あるいはよそから来るお客様にとっても,極めて魅力があるということであります。そういった意味で,茨城県は完全な車社会ですから,ある意味で,少し政策を大胆に変えていかないといけない。  後段の移動を容易にするインフラ,これは不可欠です。茨城県の場合には,車で移動することが圧倒的に多うございますから,高速道路のネットワークだとか生活道路を私はもっと充実する必要があるというふうに思いますけれども,町中は,どうやって車社会を脱却するか,これが今の生活と観光に問われているわけであります。町中は歩けるように,移動は車で容易にというところであります。ですから,この辺の使い分け,移動はどうしても鉄道が不便ですから,車で移動する。こういった意味で,車で移動しやすいように,しかし,その町に着いたら,町を歩けるようにということが,実はこれからのポイントなんです。ここを間違えちゃうと。車で来た人を平気で町の中に入れてしまう。あるいは完全に車社会を町中につくり上げてしまう。これは遠からず,住民にとっても限界ですし,観光客にとっても限界になるんです。まあ,非常に言いにくいことをはっきり言えば,こんな遠いところに県庁があるなんていうのは,これからもうあり得ないと。やはりこれから,行政なんかも含めて町の中にある。やはり県民とともに歩む行政,県民の中にある行政とすれば,こんな田舎,こんな田んぼのど真ん中に県庁をつくるなんてことはあり得ないということが,これからの考え方だというふうになるわけです。  町中は歩けるように,これは,実はヨーロッパでは当たり前の考え方ですね。もうフランスでは,どんどん町中の車の規制をやっております。町中はできるだけ歩けるように,これは高齢者にとって優しいですし,観光客にとっても優しい。ですから,もしちょっと離れていれば,町の中に公共交通機関を整備していくということなんですね。  一方で,町を移動するときには,当然のことインフラが必要ですから,高速道路ネットワーク,鉄道のネットワーク,茨城空港──私も,これはつくったからには,極めてこれから活用しなければいけないというふうに思います。それからアクセス道路,生活道路,交通結節点の利便性,公共交通機関,こういったものは,私は住民にとっても観光客にとっても不可欠であると。  イタリアが,ムッソリーニの時代に高速道路を徹底的につくりました。はっきり言って,これが今,イタリアの観光を支えています。高速道路のネットワークがあるから,イタリアは移動しやすいということがあります。そういった意味で,観光にとって高速道路のネットワークは不可欠です。一応,もう高速道路のネットワークが大体ヨーロッパではでき上がったので,今,徹底的に鉄道のネットワークをつくり直しているわけですね。観光にとっても,このネットワークというのは不可欠なんですけれども,同時に,何回もお話しますけども,町に入ったからには,コンパクトに歩けるように,車社会からどうやって脱却するか。そこが,これからの社会インフラ整備のポイントであるというふうに思ってございます。  たまたま,国土形成計画の基盤部会の専門委員を東大教授の家田仁さんと一緒にやらせていただいて,そんな議論をずっとやりながら,最近こういった議論が通るようになってきたなというふうに私も感じておりますけれども,ぜひ茨城県でも,そういった議論をやられたらいいのではないかというふうに思います。いずれにしても少子高齢化,地球環境問題,コミュニティーの維持の問題を含めて,「住んでよし」「訪れてよし」ということがポイントになるわけなんですが,これが社会インフラ整備における視点になってくるというふうに思います。  それで,住みやすいまちづくりについて幾つかお話をしたいと思いますけれども,ともかく高齢者や子供,すなわちこれが,実は観光客と一緒なんです。高齢者や子供,観光客といったところに,どうやって優しく心地よい町をつくっていくのか,この観点がこれから不可欠だろうと。観光には,この観点がなければもうだめですね。ですから,まちづくりをするときに,どうやって安心して,のんびり歩けるような町をつくり上げていくか。これが観光にとって不可欠なんです。  今はもう,観光の一番のポイントは町歩きです。ですから,長崎の「さるく」という言葉がありますけれども,もうとにかく今のお客様は,車からおりて町歩きをしたい。そういった意味で,町歩きができないような地域は,もう観光になりません。  町歩きをするというのは,安心して歩ける。ここにありますように公共交通機関が整備されているということと同時に,歩いていて町並みが歴史・文化を感じさせる。町並みが,どこでもあるようなつまらない町並みだったり,あるいは商店街がシャッター通りだったら,そんなところにお客様は行きません。ですから,そういった意味で,町中歩きというのが1つポイントになりますけれども,安心して歩けると同時に,町のにぎわいがあるというところが,これからポイントになります。今までの何でもかんでも郊外に公共の建物だとか,あるいはバイパス沿いにショッピングセンターだとかといった考え方は,観光にとってはまさにマイナスになっていく。ですから,それをもう一回つくり直さなきゃいけないというような形で,まちづくりをやられたらいいと思いますが,そのときに,当然のごとく歩道や歩行者と車両の分離,こんなものがなければだめですね。日本の道路づくりの一番まずいのは,歩道をつくるという,そもそもの原点がないですね。歩道は当たり前です。もう欧米では歩道は当たり前。  それから,公共交通機関ですね。LRTを含めて,こういったものをどうやって整備をしていくのか。あるいは歴史・文化をどうやって大事にして,つまらない建物をふやさないか。さらに言えば,必ず目印になる公共空間があります。教会の前の広場だとか駅前広場だとか,そういった公共空間のつくり方ですね。あるいは,広告看板デザインに秩序を。さらに言えば,最近やっと認められるようになりましたけれども,歩道の上で休めるとか,コーヒーが飲めるとか,まさに公共空間をみんなで活用していく,そういう観点が,まちづくりのポイントだと思います。  そういった意味で,長野県の小布施なんかは,ある意味で成功しているところでありまして,長野県の小布施は,町長以下市村兄弟みんなで──ともかく,こういった公共空間づくりで一番まずいことをするのは行政なんですね,行政の建物とか交番とか。あと,もう一つが金融機関なんです,一番まずいのが。くだらない銀行の建物とか,信用金庫とか。それで,それをみんなでデザインを決めて,この小布施の町に合うような建物に変えていく。この写真にありますように,信用金庫にしても,交番にしても,それから町の案内所にしても,みんなデザインを統一していく。これが小布施の公共空間づくりなんですね。ですから,左下にあるように,駅前食堂といえども,ちょっとこんな感じで工夫をしていく。こういった形で,心地よい空間をどうやってつくっていくか。  あるいは,これは竹原ですけれども,歴史的な町並みを大事にしていくというような形ですね。というような形でやっています。  これはヨーロッパですけども,ヨーロッパではこういった形でありまして,左上,これがオープンカフェですね,歩道の上。まあ,街路樹は当たり前です。街路樹があって,大きな歩道があって,歩道の上でコーヒーが飲める。  日本の場合ですと,歩道の上にこういった形でいすを張り出して出すと,すぐ警察の人や行政の人に「ここに張り出しちゃいけないよ」というふうに言われるんですけれども,そうじゃなくて,こういった歩道を使いながら,みんなゆっくり休んでいくと。  あるいは,この真ん中の上ですけれども,自転車道が──これはイタリアのボローニャなんですが,こういった形で必ずある。あるいは右上,これはこういった形で,町の中で音楽が行われている。左下は,これもイタリアのボローニャですね。これは,こういった形で大きな通りに車が容易に入れないようにするという形,車の規制を徹底的にやっています。それから真ん中の下は,これはマルセイユですけれども,こういった市電。それから右下が,これもマルセイユですけれども,必ずどんなところでも歩道があるという形で,歩けるまちづくりを徹底しようということをやっております。この思想が貫徹されないと,観光は成り立たないと。  さて,人気の真壁,きょうは写真がたくさんあるんですけど,時間がないからあれなんですが,今や人気の真壁ですが。それでもここにありますように,まだまだ歴史ある町並み整備が不十分だと。一番典型が,相変わらず電柱と電線がのさばっているということですね。こういったところは集中的にぜひ金を入れて,やはり電柱,電線の埋設を含めて観光地づくりをやっていただきたいなと思いますし,先ほどあったように歩道がありません。真壁といえども,ほとんどありません。そういった形で,歩道などの歩車分離をもっとやっていただきたい。  それから,そもそもあそこには,土浦から岩瀬の間の筑波鉄道,関東鉄道常総線があったのが平気で廃止されてしまう。ですから,本来駅前広場が地域の拠点,地域のへそになって,そこにお客様が行って,それからあちこち回るという形で非常にわかりやすい拠点があったんですけれども,そういった鉄道が平気で廃止されますから,非常にわかりにくい。なおかつアクセスがマイカーだけになってしまうというような形ですね。  あるいは,地域や住民,観光客が楽しめる仕掛け──オープンカフェのようなもの,そういったものがまだまだ十分じゃないと。ですから,そういった意味で,地域を磨いていく,地域を光らせていくということを,もっと茨城県は取り組んでいただきたいなと。とりわけ,さっき申し上げたとおり,重要な拠点,まあ,水戸も含めて重要な拠点については,そういった政策をもっと貫徹していただきたいなと。これは地方自治体の首長がやる部分が結構多うございますけれども,県としてもしっかりとリーダーシップを発揮していただきたいなというふうに思うわけです。  さて,都市間移動が容易な地域づくり,次にこれに入りますけれども,茨城の観光で一番不満だった点,「交通が不便」だというお客様がおられますね。これは,まだまだ交通の移動が容易になるようなインフラになってないということになるかと思います。  これから茨城というのは,田舎あるいは農村というのは一つの売りで,体験型観光としてのグリーンツーリズム,文部科学省の「子ども農山村プロジェクト」に象徴されるようなグリーンツーリズムといったものが,多分盛んになると思います。ですから,この里美地区の荒蒔邸,こういったものをやりながらグリーンツーリズムをやろうとか,笠間のクラインガルテン,週末農園ですね。そういったものが今行われつつあるわけですけれども,これは都会の方々が,この農村にどうやったら行きやすいのか,まさにそういったところがポイントになります。  先ほどありましたように,イタリアではグリーンツーリズムが極めて盛んです。アグリツーリズムと言って,早くから都会の人が,週末とか季節によって農村に滞在をするというのが盛んですけれども,それを支えているのが一つはバカンス法,もう一つが高速道路ネットワークだというふうに言われております。まさにこういったグリーンツーリズムというのは,多分茨城県の観光の大きなポイントになるかと思いますけれども,どうやって移動を容易にしていくのか,この辺がこれから問われると思います。  そういった意味で,高速道路ネットワークの整備,地域の生活道路,それからJR,交通結節点の利便性確保,公共交通機関の維持,こういったものがこれからポイントになるわけでありまして,まず高速道路のネットワーク,これは順調に進みつつあるのかなというふうに思います。ネットワークは1つでも欠けていると,ネットワークにはなりません。ですから,ネットワークをつくるからには,私は早く完成させるべきだというふうに思っております。ちまちまやらないということだろうと思うんですね。そういった意味で,高速道路のネットワークは不可欠ですし,地域の生活道路の問題,これもいろいろデータをいただくと,まだまだ道路改良率なんかが弱いという話もありますので,この辺は,私は引き続き力を入れていくべきであろうというふうに思います。  それから,鉄道のお客様というのは全体の1割以下なんですけれども,やはり鉄道というのは,これからお客様にとって重要な足になります。特に高齢化社会,我々の世代になりますと,マイカーじゃなくて鉄道で行こうという人が非常にふえてきます。それから今,若い女性を中心に,マイカーではなく鉄道で移動するというお客様がふえております。そういった意味で,この常磐線,水郡線,水戸線,それから地方鉄道は極めて大事だろうと思います。  常磐線の問題で,私も当事者だったので,私が言うのは本当はおかしいんですけれども,これから上野から東京までの縦貫線ができますので,これを使って,常磐線をいかに東京駅以南まで乗り入れをするか。これははっきり申し上げて,茨城県の熱意にかかっていると思います。栃木県知事は,もう知事が先頭になって毎回のように入れてくれと。東北高崎線,常磐線,これをどうやって東京に乗り入れするかと。ダイヤは私の時代もずっと議論していましたけれども,私どもは,やはりどうしても熱意のあるところにおこたえせざるを得ないというような形になります。そういった意味で,茨城県ははっきり言って弱いなと。そんなに深く必要性を感じておられないのかなというふうにかねがね思っていたんですけれども,どうぞ,言われたらいいんではないかなと。やはり常磐線が,私はずっと全国を見渡して見て一番不便だと思っています。そういった意味で,東京駅乗り入れ,それから,前からあります直流電車の土浦乗り入れですね。例の交直のデットセクションの問題があって,「だめだ,だめだ」と言っていますけけれども,技術的には,私は,ほぼ問題なくでき上がってくるんじゃないかなと思っております。  バリアフリー,これもやらなきゃいけない。あるいは,新駅設置の問題──これは,ちょっと後で申し上げます。  それから茨城空港,もうできるからには,当然のごとくこれは使わなきゃいけない。そのためには,LCC含めて茨城空港の足の問題,あるいは茨城空港のアクセスの問題が大きく問われますから。まあ,昨年はここで,鹿島鉄道を廃止したことは非常に問題だということを申し上げましたけれども,もうなくなっちゃったんですから,ぜひ茨城空港のアクセス,ともかくLCC(ローコストキャリア)にしても,空港からの利便性というのを必ず問いますから,空港からの利便性。幾ら空港の着陸料が安くて茨城空港を使いたいと思っても,空港からのアクセスが非常に時間がかかるとか,金がかかるんだったら使いません,はっきり申し上げて。そういった意味で,茨城空港アクセスは,空港そのものにどうやって乗り入れていくかということも含めて,きちっとこれはお考えになったらいいと思います。  という形で茨城空港の可能性,これはちょっと省略しますね。  それで,あと一つぜひお考え願いたいのは,交通結節点,交通相互の乗りかえ,乗り入れですね。これが実は意外に盲点なわけでありまして,これは水戸周辺の地図ですけれども,水戸周辺には,水戸から水郡線で常陸青柳,常磐線で勝田,さらに上のほうで赤塚,そこまで駅がなくて,偕楽園が臨時停車場になっていますけれども,私は茨城県,水戸市を含めてもっと新駅設置について熱心にやるべきだと思います。これから高齢化社会を迎えて,非常に鉄道利用というのはふえてくると思います。この新駅設置によって,交通結節点がふえる。それによって,バスの渋滞だとか自動車の渋滞がなくなり,同時に利便性が増すと。ですから,例えば偕楽園──私が言うのもおかしいんですけれども,何で梅の時期しかこれは開いてないんだと。何で年間,通年でここに駅がないのかと,かねがね思っているんですけれども,私,JR時代ずっとそれを思っていたんですが,茨城県あるいは水戸市の方,だれも言ってこないのでほうっといたんですが,やはりここに新駅をきちっとつくっていくと,通年でこの千波湖の観光を含めたものができ上がってくるし,さらに言えば,水戸から赤塚の間というのは異常に長い距離です。ぜひ,こういったところの新駅配置を含めて,交通結節点をどうやってふやしていくのか,お考えになったらよろしいんじゃないかと。  ただJRは,新駅設置費は全部地元負担だというふうに言っています。そういった意味で,地元負担のお金の問題があるかと思いますけれども,うまい形でJRと少し調整をされたらよろしいんじゃないかというふうに思います。  あるいは,公共交通機関ですね,こんなものは当たり前と。ですから,鹿島鉄道の廃止は残念だということです。いずれにしても,地域公共交通の活性化の問題というのは,これから観光の問題にとって大きくなります。地域の生活だけではなくて,観光の問題でも大きくなりますので,公共交通をどうやって活性化していくかということでお考えになったらいいと思います。  最後に,公共交通機関としての鉄道,今,私は復権する時代だというふうに思ってございます。茨城県は鉄道廃止の歴史ですけれども,富山県が市内のLRT含めて鉄道の再生に取り組んでおられると。という形で,今富山県の観光が脚光を浴びておりますけれども,本当に観光に生きようとするならば,あるいは地域住民のことを考えていくんだったら,こういった鉄道の問題についても真剣にぜひお取り組みいただきたいと思います。  鉄道のメリットはあります。ただ問題は,経営の問題ですけれども,ここにありますように,固定設備の建設費,維持費の負担の問題があります。ただ,私が手伝っている例えば青森県の津軽鉄道なんかは,わずか1日900人しか乗らなくても,ちゃんと黒字を出しています。ここは,三菱商事を辞めた澤田という社長がふるさとに帰って経営者をやっています。それで私,お手伝いするきっかけになったんですが,わずか1日900人でも,ちゃんと黒字を出している。ですから,こういったところで,赤字だから辞めますなんていうのは極めて安易だろうというふうに思います。  まさに津軽の場合には,1日900人でもみんなで鉄道を維持しようということを決めています。青森県も,応援しようということを決めています。鉄道がなくなったら,全国とつながらなくなってしまう。鉄道がなくなったら,観光客が来ない。という形で,津軽鉄道のストーブ列車をみんなで応援しようと。実は津軽鉄道黒字の原因は,地域の方々を含めた鉄道収入以外の,いわゆる寄附金だとか支援金ですね。そういったもので成り立っているシュアが高いんです。そのぐらい地域の方々が,鉄道は大事だということで,単に鉄道会社に任せないで,みんなで応援をしていくという体制ができ上がっています。茨城県は,みんなで応援をするという体制がないのかなというふうに思いますね。そういった意味で,ぜひ,これから鉄道の問題にお取り組みいただきたいなと。  鉄道の駅というのは,地域の玄関口になります。さらに一つ言えば,鉄道技術は,これから随分変わってきます。このDMBというのは,バスと鉄道と両方できるやつで,線路の上に乗るときはサーッと行って,踏切で途中から道路に入っていけるようなやつですから。こういった技術あるいは燃料電池の電車,そうすると建設費が極めて安くなります。架線とかなんか引かないで済みます。あるいは,次世代交通システムですね。こういった意味で,鉄道技術の進展というのは,これから大いにあります。もう一度,車社会からどうやって変えていくのかということも含めて,お取り組みされたらよろしいんじゃないかというふうに思います。  以上でございます。よろしくどうぞお願いいたします。 36 ◯山岡委員長 どうもありがとうございました。  ここからは,意見交換の時間とさせていただきます。  ただいまのお話について,委員の方から何か意見または質問がありましたら,お願いいたします。  佐藤委員。 37 ◯佐藤委員 大変厳しい御指摘も含めていただいて,参考にさせていただきます。ありがとうございます。  私も水戸に住んでおりまして,先ほどの偕楽園駅の関係なんですけれども,住んでいていろいろ言われるのは,水戸駅におりないと,町の中を回遊して偕楽園なり何箇所かの歴史・文化施設に行けないというような視点がありまして,あそこにつくられると,あそこに行って,そのまま帰ってしまうと。まあ,そういうような意向が強いのかなというふうに思っております。いろいろなところの御経験の中で,どういう視点で──ほかの方がどういうふうに見ているかというのが大切だというふうに思っておりますので,そういう視点で,何か御意見がありましたら。 38 ◯清水参考人 私は,そういった交通結節点の新駅ができることによって,いろんな周遊コースの幅が広がると。ですから,偕楽園の駅でおりて,水戸市内を歩いて水戸駅に行くとか,あるいは水戸駅でおりて,水戸駅に戻るだけじゃなくて偕楽園の駅に行って,そこから乗ってお帰りになるとか,そういった意味で,観光コースの幅は一気に広がっていくと。そういった意味で,私は新駅は有効だと思います。  それと,やはり鉄道で来るお客様というのは,基本的に歩かれる。歩かれることによって実は満足していくんですけど,同時に地域にとってみれば,歩かれるお客様が一番商店街でお金を落としていただける。飲んだり,食べたりしていただけます。マイカーのお客様は,単に来て,それで,ちょっと見て,お酒も飲まないでごみと排気ガスだけ残してお帰りになっちゃうわけですね。歩かれるお客様は,もう酒も飲んで,お土産物買って,レストランで食べて,そういった意味で,地域における経済効果は非常に高くなります。ですから,そういった歩かれるコースをどうやってたくさんふやしていくか。これが,町中歩きなんですね。これが,これからの観光のポイントになります。そのためには,やはり歩かれるコースの幅を広くしなきゃいけない。ですから私は,水戸駅だけでおりるんではなくて,偕楽園の駅でもおりると。それで,いろんなコースをつくり上げていく。  あるいは,偕楽園と赤塚駅の間に,大学の前にまた駅をつくって,そこでやっていくとか,そういった形でやることによって,観光は広がると思います。同時に住民の方も,例えば大学の前につくれば,大学生がマイカーで通うなんてことは,地球環境問題も含めて極めておかしい話なんで,ぜひ私は取り組まれたらいいんじゃないでしょうかと。  ついでに言うと,JRは,さっき申し上げたとおり地元負担というのが基本的に原則でありますけれども,一時あったのは,JR地元負担というのが十何億円もかかると,新駅をつくるのに。だから,だめなんだという話があるんですが,その辺はJRも,やっとしかるべき理解も進んできています。ですから,そういった意味で,うまい形で協議をされれば,私はかなりいいところにいくんじゃないかというふうに思いますけれども。 39 ◯山岡委員長 ほかにございませんか。──高崎委員。 40 ◯高崎委員 今の新駅の件で,佐藤委員のほうからお話がありましたが,私も水戸でございまして,いろいろとありがとうございます。  一つ,お話していて,そのとおりだなと,いわゆる歴史ある鉄道も,それが廃止されている。その茨城県の中で唯一味わいある鉄道とか歴史ある鉄道は,これは水郡線だと私思います。私は今,住まいは水戸,実家が大子にある中で,やはり今お話あった中で,この水郡線を活用した観光というのは,もっともっと進めて行かなきゃと。そういう中で,水郡線の活用に関しまして,何かアイディアとかアドバイスとか,その辺ございましたら,ちょっとお聞きしたいんですが。 41 ◯清水参考人 水郡線の沿線というのは,先ほどのまさにグリーンツーリズムを含めた地域の農業だとか,あるいは地域の暮らしをベースにした観光ですね,これが最も展開しやすいところなんです。非常に多彩な自治体がそろっていますし,自然も豊かですし,農産物もあれですし,さらに言えば,古い民家だとか,そういった観光資源が豊富であるという形で,さらにもっと言うと,地域の自治体の方々も非常に熱心な方が多いということなんで,私はそういった意味で,茨城県におけるいわばグリーンツーリズム,さらに言えば,田舎というイメージがあれば田舎観光ですね。そこの拠点になり得るのが,水郡線の沿線だというふうにかねがね思っています。  JRも,水郡線については新しい車両を入れて,できるだけ乗りやすく,それから,スピードアップも含めてやっています。ですから,そういった意味で,この水郡線沿線の観光というのは,私は非常に可能性があると。  結局問題は,水郡線の各駅からおりたときの足の問題ですね。いわゆる二次交通です。これは,やはりお考えいただかなきゃいけない。鉄道で来るお客様は,さっき申し上げたとおり,単に歩くだけじゃなくて,ちょっと遠いところだと,それなりの足を用意しないといけないですね。マイカーで来るお客様は,それはないんですけれども,ただ,これから鉄道で来るお客様が非常にふえてくるというふうに私は思っているんですが,そうすると各駅でおりられて,それからの足の問題,歩くだけじゃなくて。この足の問題をどうやってやっていくか。これが実は,水郡線沿線の中では弱いところなんです。ですから結果的に,ちょっとグリーンツーリズムに行くにしても,鉄道を使うと不便だね。だから,じゃ,車で行っちゃおうかと。ところが車で行くと,本当はお客様は満足しない。ですから,そういった意味で,鉄道を使うことによってお客様にじっくりと観光していただく。そのかわり,駅でおりたときの足の問題だとか,駅における案内の問題だとか,そういったものをもっと充実する必要があるんじゃないかと。  足の問題は,これはまさにあちこちで実は今,一番問題なわけですね。路線バスなんていったってお客様はいないですから,なかなか充実できない。という中で,先ほどの公共交通の活性化,あるいはモビリティ・マネジメントという言葉がありますけれども,どうやってそういったお客様を公共交通機関とマッチングさせるかという中で,よくあちこちであるのは,例えば福祉バスだとか通学バスだとか,行政がそのほかで行政サービスとしてやっているようなバスと,観光客の足の問題をくっつけていくとか,そんな議論はもうあちこちで行われているわけです。そういったものを含めた形で,トータルで目的地まできちっと公共交通機関で行けるようにしていくということをお考えになったらいいと思うんですね。  もう一つは,新幹線がないことを逆手に取れば,水郡線というのは,うまくすれば,上野駅から直通列車が入れるところだと。昔は当然直通列車があったんですから。まあ,むこうはDCで,こちらがECですから違うんですけれども,ただ,先ほどありましたように,これからの鉄道技術の中で平気でECとDCを,電車と気動車を併結しようなんてことはあり得ると思うんですね。ですから,ある意味で鉄道の強みというのは直通運転ですから,直通運転をどうやってこれからつくっていくか。そうすると,東京,上野から水郡線のほうにずっと直通列車を入れていくと,これによって利便性はまた変わってきますので,そんなことも視野に入れながら,やられたらよろしいんじゃないかというふうに思いますけども。 42 ◯高崎委員 ありがとうございました。 43 ◯山岡委員長 梶岡委員。 44 ◯梶岡委員 極めて客観的な御意見で,私も今後,緊張感を持って県政運営に当たらないといけないなと,身の引き締まる思いで聞いておりました。
     8ページの「茨城のイメージ《田舎,海,納豆》」というところの「地味・暗い・ダサイ」とか,そういうのを見ていますと,私,サーフィンでときどき宮崎県に行くんですけど,これを見ていると,宮崎県に非常に近いイメージがあるんですが,何だか知事が変わって,宮崎県のほうがフューチャーされて,大分距離があいちゃったかなと思うんですけど。ポテンシャル的には,宮崎と茨城では客観的に見て劣るのか,それとも同じようなものなのか,それともトップセールの問題なのか。(笑い声)その辺を客観的に御指摘いただけるとありがたいと。  私も茨城県の海を見て,湘南の鎌倉とか,ああいうのをいきなり目指そうとは思わないんです。大洋村のほうの海は何にもなくて,ファミレスすら国道にない。だけど,鎌倉へ行くと,たいまつを炊いてあるレストランがあって,何か愛を語れそうな雰囲気があって,やはり何か違うと思うんです。それは,やはりこの晩婚化の問題もあって,茨城で愛を語れる雰囲気があるような,おしゃれなさわやかさがないかなと思うんです。ですから,まず湘南を目指すんじゃなくて,宮崎を参考にして,まずはもっとこの「地味・暗い・ダサイ」を,さわやかな県のイメージにしていきたいなと考えているんですけども,ビシッと御意見をお願いいたします。(笑い声) 45 ◯清水参考人 微妙な時期だから,なかなか難しいんですけども。(笑い声)一つ言いますと,まずポテンシャリティは圧倒的に茨城県ですよ。これは私,東国原知事に頼まれて「宮崎の観光をどうするんだ」と言ったときに,悪いけども昔の新婚旅行,1969年を頂点にした新婚旅行ブームを頂点にずーっと落ち込んでいるんです。その後,何にもやらなかったんです。ですから交通インフラも全くだめ。飛行機便も全く不便,鉄道も不便。同時に,一番のメインの観光地である青島に,十数年間倒産したままの旅館があるという形で,全くやってこなかった。だから,それを東国原知事は何とかしようと。  そのときのポイントは「滞在型観光だ」ということを彼は言われて,私は「全くそのとおりだ」ということを言って,それで私申し上げたのは「まず,イメージを変えていただきたい」と。それで「イメージを変えて,ちょっと向けたところで,一気に中身を変えていただきたい」ということを申し上げたんですが,イメージは変わりました。問題は中身なんですが,これは時間がかかります。ただし,着実にやっていますよ。交通インフラ,それから青島の倒産した旅館の撤去を含めて,着実に拠点づくり,インフラづくりやっておられる。こういったいわばアクションプランをきちっとやっておられるというのはすばらしいですね。  私は,茨城県はポテンシャリティも極めて高いと。首都圏に近いですし,何でもできます。だから,一つはイメージ,これをせっかく田舎だと言うんだったら,もうすばらしい田舎なんだということを徹底的に言われたらいいと思うんですよ。それを変に何か下らない造語使ったりなんかしたって,もともとわからない茨城が,もっとわからなくなっちゃうんですよ。(笑い声)ですから,そこが私が見ていて,JR時代から,どうも茨城県の方々と議論していると,チャンネルが合わないんですが,そこを,まず。  それと,あとはアクションプラン,これは着実にさっき申し上げたとおり,まちづくり・インフラ整備。それで,まちづくり・インフラ整備は,今までの思想をちょっと変えなきゃいけないですよ。やはりまちづくりにおける車社会とかを含めて,その思想を変える。これは申しわけないんですけど,すべてこういった思想を変える,イメージを変えるには,ここが非常に微妙で,やはりトップの発言って大きいですね。ですから,どなたが知事になっても,私は期待をしたいと思います。(笑い声)  やはり,知事によって違いますよ。やはりトップです。きのうも,実は首相官邸で麻生総理の有識者会議があったんですが,私は麻生総理に申し上げたのは「もっと観光のことを言っていただきたい」と。日本の国づくり,このことを言わないと,観光って夢ですから,トップが語ることによってイメージが収れんされてくるんです。これが幾ら担当者,観光課長が一生懸命語ったってだめですよね。ですから,トップが語るか語らないかというのは,観光はもう本当に大きいです。ぜひ,よろしくお願いいたします。 46 ◯梶岡委員 私と一緒で,しがらみのない御意見ありがとうございました。(笑い声) 47 ◯山岡委員長 ほかに,よろしいですか。──。  それでは,以上で「広域観光時代の社会資本整備のあり方」についての意見聴取を終了いたします。  清水様には,貴重なお話をありがとうございました。  本日,お話いただいたことにつきましては,今後の委員会審査の参考にさせていただきます。  どうもありがとうございました。(拍手)      ─────────────────────────────── 48 ◯山岡委員長 ここで,暫時休憩いたします。  再開は,午後2時15分といたします。                  午後2時2分休憩      ───────────────────────────────                  午後2時17分開議 49 ◯山岡委員長 休憩前に引き続き,委員会を再開いたします。  本日,お二人目の参考人として,水戸済生会総合病院救命救急センターセンター長の須田高之先生をお招きしておりますので,御紹介いたします。  須田先生のプロフィールにつきましては,お手元にお配りしておりますが,東京医科大学医学部を御卒業後,東京医科大学霞ヶ浦病院の救急医療部長を務められた後,水戸済生会総合病院において現職につかれておりますほか,水戸地区救急医療協議会検証部の部長を務められるなど,県央地域の救急医療を担っていただいているところでございます。  須田先生には,大変お忙しい中,本委員会に御出席いただきまして,まことにありがとうございます。委員会を代表いたしまして,厚く御礼を申し上げます。  須田先生からは,「本県における救急医療事情と社会基盤整備」をテーマに御意見をお伺いいたします。  それでは,よろしくお願いいたします。 50 ◯須田参考人 初めまして,今御紹介にあずかりました,私,水戸済生会総合病院救命救急センターの須田と申します。  初めに,この土木委員会にこういう発言の機会を与えていただきましたことを,関係各位にまずお礼申し上げたいと思います。  私,そもそも行政としての土木事業等に関しましては,自分が医師ということもあり,全くの門外漢であります。その関係もありまして,といいますか,正直申し上げて,最初にこの委員会にというお話をいただいたときに,私自身,非常に戸惑いを覚えたことも事実です。土木というと,単純に私が想像しますのは,道路であったり,建物であったり,あるいは町を整備する,あるいは港を整備するというような,そんなことしかイメージに沸いてまいりませんで,何をお話したらいいのかということで非常に迷ったところもあったんですけれども,私自身は,今御紹介にありましたように,救急医という立場から,そういうような視点から,社会基盤整備というお話でありましたので,医療情勢というものを踏まえながら,救急医の立場から見た社会基盤整備ということについて,私なりの私見ではありますけれども,お話申し上げたいと思います。まあ,そういうところでお聞き願えればと思います。  私自身,今御紹介にありましたが,大学に入る前,当然子供の時代があったわけで,私が育ちましたのは,実は隣の県の非常に山深い,具体的に言いますと,那須と塩原の間にある板室というような,そういうところで育ったものですから,今,この水戸におりますけれども,町並みや道路の状況とかいうものを私の子供時代から比較しますと,全く異なる様相を呈しています。今回のお話の中で,茨城県にお世話になって,そういう意味ではこの環境そのものが,いろんな歴史の中で社会基盤というものが順調に整備が進められてきたのが現代なのかなというふうに感じています。  そういう中で育ちました私は,いわゆる高度成長期からオイルショック,それからバブル,バブルが崩壊した時代,最近までは,特に昨年の秋までですか,いまだかつてない長期にわたる好景気が続いていたというような時代の中で,一転して,最近政府のほうでも100年に1度の未曾有の不景気だと,あるいは経済危機であるというふうなことが毎日のようにテレビ・新聞等で報道されている。そういう時代の中で,私がこの委員会の中で,これから申し上げるような機会を得たということは,我々救急医療に携わる人間にとっては,ひょっとしたら皆さんに,自分たちが今置かれている状況も含めて御理解いただけるいい機会かと思いまして,これからのお話を進めさせていただきたいと思います。  現実問題といたしまして,実は私,このお話をいただいたときに,先ほども言いましたように非常に戸惑いました。戸惑って,周囲の病院の先生方あるいはほかの方々にも,ちょっと御意見をと思いまして,実は土木委員会でこんなお話を,ということで,一体何を私が意見として皆さんに聞いていただいたらいいのかというふうにお話しましたところ,皆さん,僕と同じ職種の方が多いものですから,やはり病院までの道路をきちっと整備してほしいとか,あるいは病院そのものがいろんな町にあるけれども,病院が町の中心であったり,アクセスが非常にいいところにあるという病院は少ないと,あるいは整備されているような病院でさえ,実際救急車に乗ってそこに行くまでにはカーブがあったり,あるいは交差点があったり,場合によっては路面が荒れていたりしていると。そういうところも含めて,きちっと整備してほしいというようなことを,委員の皆様にお願いしてこいというような御意見も賜りました。  あるいは,ほかの方々からは,例えば,いろんなところにサイクリングロードみたいなものが今,整備されていると思うんですけども,サイクリングロードに入るところに,必ず車どめがある,鉄柱がある,あるいはブロックがあると。ところが,そこで実際にサイクリングしている方々,特に最近は高齢者が多いということも含めて,そういう方々が,そういうものにつまずく,あるいは引っかかるということで,結構重症頭部外傷であったり,中には不幸にして頸椎損傷で運ばれてくる方が,実際に先生,いっぱいうちにもいますよねということで,ああいうものが本当に必要なのかどうか。例えばブロックを撤去してほしいとか,鉄柱も撤去してほしいなんていうこともお願いしてこいというような,まるで陳情まがいなようなことを言ってこいという先生が多くて,私が本当に土木委員会というところで,そういうことを言うことがいいのかどうか,それぐらい我々からすると,この土木と,その社会基盤というのが非常になじみがないというようなところで,これからお話申し上げるので,そういう意味では,ちょっと不適切なことも多々あるかと思うんですが,その辺は,私が救急医療というものに従事しているものですから,そういう事情を少しかんがみていただいて,御容赦いただければと思います。  前置きがちょっと長くなりましたけれども,そんな私の,今の現状の中からお話させていただきたいと思うんです。何度も申しますけれども,私は行政そのものに全く門外漢であるということで,先ほど委員長から御紹介がありましたように,大学卒業後はずっと臨床畑で過ごしてきたものですから,そういう意味では非常に見方として,私自身の見解がひょっとすると委員の方々とちょっと違っていたりとかというような中でものを申し上げるということになるかもしれませんけれども,ひとえに私自身は,救急医療──特に茨城県のこういう今の現状の中で,少しでも今の情勢を好転させたいという中で仕事をさせていただいているということを御理解いただければと思います。  それでは,これから先は,ちょっと簡単にスライドをつくらせていただきましたので,それを使って述べさせていただきたいと思います。  我々,救急医療を担うといいますか,従事している者の一番の今の関心事は,ここに掲げてありますところの,いわゆるPreventable Death──日本語に訳しますと「防ぎ得た死」,これをなくそうということに主眼を置いております。じゃ,「防ぎ得た死」というのはどういうことなのかといいますと,きっかけになったのは,今から14年前の阪神淡路大震災です。あの大震災のときに多くの方が犠牲になられました。その中で,我々救急医療に従事している者が,まあ,当時の考え方もあったと思うんですが,要するにああいう未曾有の大災害に対して,我々自身がなかなか思ったように機能することができなかった。それで結果的には,具体的に申しますと実際に建物が崩れて,あるいは火災が起きて,そこに下敷きになったり火災に巻き込まれてその場で亡くなった方はたくさんおられると思うんですが,一方,ひょっとしたら長時間挟まれていても,ある時間にある処置をして,きちっと病院に搬送してそれなりの処置ができていたなら,そういう方はとうとい命を亡くさないでも済んだんじゃないかというような反省から,今,日本全国,たまたま阪神淡路大震災の死というのをきっかけに,あらゆる「防ぎ得た死」というものをなくそうと,そういうような努力を積み重ねているのが今の我々の,救急医療に従事する医者だけに限らず,病院関係者あるいは消防,あるいは消防の中にありますレスキューも含めて,我々はそういう意味では,人の命を救う大事な仲間だというふうに認識しております。  そういう中で,一方,茨城県の体制というのは,どうなっているのかというのをちょっとお示ししたいと思うんですが,一昨年,私は県が主催しますところの救急医療対策検討会議の委員の一人に選ばれまして,そのときに示されたデータの中からちょっと拾ってまいったんですが,今,茨城県の救急医療体制の中では,特に医療機関ですが,ここにお示ししたように第三次医療機関,すなわち国・厚生労働省が認めるところの救命緊急センターですが,4施設ございます。水戸にある,昔の国立水戸病院ですね,今の水戸医療センター,それから筑波メディカルセンター病院,それから土浦にある協同病院,それから,ちょっと西のほうになりますけれども,西南医療センターの4つが,いわゆる救急の三次医療を担うところの救命緊急センターとして機能しております。  そのほかに,県内にいわゆる二次救急を標榜しているところの施設が65施設ありまして,その中に地域救命センターと言われる──救急を三次ほど大規模じゃなくても,もうちょっとミニセンター化したような地域救命センターというのが県で指定されていて,現に今,運用しているのは多分行方総合病院だけだと思うんですが,実は私のおります済生会病院も,地域救命センターに早く認定になれというふうに県のほうから御指導もいただいていると思うんですが,実は私ども人員が不足していて,地域救命センターを名乗れる数だけの病床が全部オープンできておりませんので,そういう意味では非常に私も歯がゆい思いをしています。そういう地域救命センターが,私どもも含めていただけると2施設,それから,そのほかにもまだ何病院か,これから地域救命センターという機能を担おうとしている施設がございます。それも含めても,とにかく二次医療機関というのが65施設あります。  当然,救急ということを考えますと,それぞれそこの医療機関,当然二次に限らず場合によってはいわゆる町の先生,開業医の先生方のところにも患者,あるいは傷病者は行くわけで,そういう中に,その搬送を担ってくれるところの消防本部が26消防本部,県内にございます。そういう中で,県の救急医療体制というのは今支えられているといいますか,それが実際に運用されているところでございます。  一方,これは非常に不名誉な数で,こういうところで申し上げていいのかどうか,ちょっと迷ったんですが,茨城県の人口10万人当たりの医者の数です。おととし,平成18年のデータしかここにはお示ししておりませんが,まだ,県のホームページで拾っても,この2つが一番最新のデータなので,それしかお示しできないんですけれども,人口10万人当たり150人,あるいは平成18年で155人。それが果たして多いのかどうかということを考えていただく前に,その全国平均が,隣に書いてある210数人,それを全国平均と比較しますと,大体単純計算して60人から70人医者の数が少ないと。全国で下から2番目。ちなみに,私どもの後ろにいるのは,お隣の埼玉県です。  さて,そういうふうな中で単純計算しますと,実は全国平均に至るまでに,この数字で人口換算すると,ざっと1,500人足りないということになります,全国平均までの医師の数です。その1,500人をどうするかというのは,この席でということではなくて,そういう中で私どもの救急医療という側面から見ますと,ちょっと見づらいグラフかもしれませんが,上にお示ししているのは,茨城県下全県で救急車が出動している件数,具体的な回数ですが,10万件を超えていると。例えば水戸地区ですと,この数年,年間1万件を超えております。  もう一つ,茨城県の現状というのは,全体の医師の数でさえ全国平均に比べると非常に少ない。その中で救急の出動件数は,ごらんのように右肩上がりに増加している。恐らくこれ,新しいデータになるとさらにふえます。  そういう中で,我々,救急に従事している人間を同じようなホームページから引っ張りますと,実際は,茨城県の医者の中で救急をやっているというふうに御自分から名乗っていらっしゃる先生は,統計的に言いますと,たった18人です。しかもその中で,現場で働いている医師は,恐らくその3分の2くらいです。私は,実はきのうもおとといもずっと病院におりまして,この2日間の睡眠時間は多分5時間ぐらい,私自身がそういう状況です。  そういう中で,まずこの搬送件数と,それから,この下にお示ししたのは,これは消防のデータですけれども,恐らく救急車で来なくてもよかったであろうと言われるところの軽傷者の数です。大体年間約半分,50%は,ほとんどの方は軽傷者。これは全国平均だともうちょっと高いデータというのも出ているんですが,まあ,茨城県の場合は,たまたまこういうふうな数字が出ています。  じゃ,これを示して,私が,何が申し上げたいかというのは,それは救急に従事している医者に限らず病院も,それから病院関係者,消防も含めて,こういうような状況の中で軽傷者を運びながら,非常につらい思いをしているんだということ申し上げたいわけではなくて,じゃ,こういう状況を我々これからどうしようかということを,今,一生懸命我々は考えているんだということを,委員の方々に御理解していただきたいという趣旨です。  これは何と読むのかわかりますか。Sun Tzu(サンツー)と読むのか…。実は,中国の古代の兵法学者,孫子です。皆さんよく聞く孫子の兵法という中に,いわゆる軍形篇──これは要するに,これから我々が救急医療としてどういうような戦略の中で,先ほどお示したような状況を打破するために,どんなことを考えながらというところで,ちょっと孫子の兵法を用いた言い方で考えてみようというふうにして,このスライドをつくらせていただきました。  その中に,まあ,御存じの方もあるかもしれませんが,その孫子の兵法の中に「勝兵はまず勝ちて,しかる後に戦いを求め,敗兵はまず戦いて,しかる後に勝ちを求む。」と。要するに,負けてから,ああすればよかった,こうすればというんじゃなくて,最初から,勝つためにはどういう戦いをしなきゃいけないかということをきちっと考えろということだと思うんですね。残念ながら今,救急医療情勢は,さきに示した,どうも後のほうのことをやっているような気がしてしようがないというのが私の実感ではあるんですが,その中で,じゃ,これからどうしようかというお話をさせていただきます。  要するに,自分たちを守る。すなわちこれは,社会を守るという意味にとらえていただきたいんですが,日本国憲法には第25条に「すべて国民は,健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する」と確かあったと思うんですが,その中で,特に「健康で」というところで,安心して安全な医療を受けられるということは非常に大事なことだと思うんですね。健康を維持するための医療,健康を維持するための救急医療,特に救急というのは,不幸にしてその健康が維持できない,あるいはそこが危機に陥っているから,救急医療というものに当然ニーズが来るわけですね。そのニーズが先ほど示したような状況の中で,どうも我々としては,つらい立場といいますか,負け戦を戦っているような状況で。じゃ,それを防ぐためにということで,こんな考え方をしていこうと。要するに,我々が守らなきゃいけない自分たちの体制ですね。救急医療体制というのを考えたときに,病院の中でただ待っていて患者さんたちが運ばれてくる。今まではどちらかというと,皆さん苦しくなったら,つらくなったら,いつでも救急車に乗って病院に来てくださいと。私どもはいつでも皆さんのそばにあって,皆さんによりよい医療を提供する,それが我々医療人です,あるいは病院ですというふうな考え方をしていたと思うんですね。  ところが,ここに書いてありますように,ただ待っているというよりも積極的な防御ということが非常に大事じゃないかと。それも,例えば医者がただ言う,それではだめで,医者も,病院に働くすべての人が,実際に現場に行って傷病者を運んできてくれる消防救急隊の方々との協力と,我々がそれなりの準備を進めた上でやっていこうと。  これを,右側の丸を病院として考えてください。左側から来る矢印が,攻めると言いますとちょっと語弊がありますけれども,いわゆる押し寄せてくる傷病者といいますか,救急車の出動要請,あの数と考えていただいたときに,ただ待っているだけでは,どんどん来るだけで,一つ破られてしまうと,もうこれは勝敗は明らかですよね。どうも今まで我々は,こういうような体制で,救急医療というものをとらえていたんじゃないかと。  そこで,今我々が考えているのは,先ほどと同じ考え方でいきますと,押し寄せる救急車といいますか,押し寄せるニーズに対して,我々自身が向こうから来るところに積極的に出ていって,一番我々を圧迫するであろうところにみんなで取りついていけば,今のような状況からもう少し脱却できるんじゃないかというようなことを考えております。  具体的にどういうことかといいますと,当然救急医療体制というのは,もちろん救命救急センターをきちっとそろえて──数も設備もですけれども,その中で我々救命センターと,それから実際に現場に出ていく人たち,彼らの戦力を強化していくということが,先ほどお示ししました自分たちを守ることだと。それを積極的にこちらから守りに入っていって,結局は,国民の健康維持に努めると。いわゆる安心安全な医療を受けられるような環境をつくり上げていくというのが,一番よろしいんじゃないかというふうに,今,救急医学会を含めて,そういうふうな中で救急医療体制を整備しようというふうに考えているんだと思います。  具体的に申しますと,先ほどから何度か申し上げましたが,今までは医療というのは,病院でしか行われてなかったと思うんですね。ところが,ここにプレホスピタルケアというふうに表現させていただきましたけれども,今や病院でしか行われない医療,それは社会のニーズもあると思うんですが,先ほど示したそういう戦略的な意味も含めて,そういう中ではもう成り立っていかない,そういう社会だと。いわゆる市民の医療ニーズというものも,こういうところに発しているのかもしれませんけど,当然我々からそれをきちっと受けとめて,先ほども言いましたように積極的に,その来るところに我々が出ていく。医療処置そのものを,病院だけでやるものではないんだというような考え方をきちっとしようと。  ですから,具体的に申しますと,今は,昔のように救急車に乗っている方々は,ただの救急隊,いわゆる救急車を運用して傷病者を運ぶだけの人たちでは,もうありませんよね。いわゆる救急救命士という人たちが,実際に医療行為であるところの行為,具体的に申しますと,この電気的除細動であったり,高度な気道確保の道具と言いますか,気道確保をする。それから,輸液もきちっとできるというようなことが定められて,さらに現在では,そのほかに薬剤までもというような。当然そのためには,彼らは教育も受けていますし,訓練もされている。そういう状況の中で,救急医療業務というのは現在推進されているところであるわけです。  実際に救急救命士が,今申し上げたようなことはどういうことかといいますと,これは下に出ている1本棒と,何かわけのわからないぐちゃぐちゃとした曲線は,これは心電図の波形というふうに認識していただいて,具体的に申しますと,これは,いわゆる心臓がとまっている,心停止という状況の中の2つの心電図の波形です。心静止と言われる1本棒,それから心室細動と言われる,この何かよくわからないぐちゃぐちゃとしたような心電図の波形で,特にこの心室細動というのは,心臓がよく震えているような状況というふうに表現されると思うんですけども,こういうふうな方がもしいらしたとすると,救急救命士が電気的な,いわゆる一般的に言う電気ショックをかけることができると。  しかも,それはどういうふうなことかといいますと,法整備が平成15年になされて,救急救命士さんたちは我々の──我々というのは,医師の指示がなくても,自分たちがそこの現場に行ったときに,電気ショックの機械を持っていって,ああいう心室細動という波形であれば,自分たちで電気ショックを打てるというふうに法が整備されました。まあ,そうは言っても平成15年,まだそんなに歴史があるわけじゃないんですけれども,そういう中で,救急救命士さんたちが医療処置をきちっとできるような,そういうような時代になっていると。  そういった電気ショックの機械──通称AED,いろんなところでこのごろ名前が出てくるので,最近では東京マラソンで,よくテレビに出てくるコメディアンが倒れて,このAEDの世話になって社会復帰しているというような状況は,皆さんにとって記憶に一番新しいところだと思うんです。実は,多分この議事堂の中にも,あるいは県庁舎の中にも何台か設置されていると思うところの体外式除細動器(AED)ですが,最後は,これは人がボタン押さなきゃいけないんですね,当然ですけれども。これが,先ほどは救急救命士が,というお話をさせていただきましたけれども,現代においては,だれでも,一般の人がこれを使えるようになったと,そういう状況が今,現にあるわけです。  実は,これは何を意味するかといいますと,先ほど私が言いましたように,医療は病院だけで行うという──もちろん病院でしか行えない特殊な治療というのもありますけれども,特に心停止,心臓がとまってしまったというような状況の中で,このAEDのボタンを押すという行為が,今までは病院でしかできなかったんですね。それが一般の人が,極端に言いますと道で倒れた人が,そこにAEDがあれば,その電気的な除細動をかけていただくことによって,その人の──特に心室細動と言われる先ほどのこういうような波ですね。あれに効く唯一の治療というのは,電気ショックなんです。ですから,実は我々だけが医療を行うという,そういう時代じゃないんです。一般の人も立派に救助者であるし,そういう意味では,私たちと同じ医療者であるというふうな認識を我々は今持っています。特に救急の医者は,あるいは救急に携わる救命士も看護士も,みんなそういうふうに。一般の方も,我々と同じ医療者なんです。医療者になれるんですというふうなことを一生懸命,今我々は市民に対して情報を発信しているところであります。  さて,じゃ,そのAEDの話をちょっとさせていただきますけれども,これはAEDがどうして使われるようになったかというような,きっかけになったお話なんです。残念ながら日本で進められた研究ではなくて欧米の,特にオランダで,AEDという電気的除細動を使っているところと使ってないところで入院患者を比較したところ,数字で見ると,使用しているところと使用してない地区で,患者が,これは心停止の方ですよ,その中で,15%と18%の差があった。実はこれは,たった3%の差というふうにお考えになるかもしれませんけれども,実はたった3%なんですが,つい最近まで日本は,心停止の方が心拍再開して,まして社会復帰となると,全心停止例の1%未満でした。今はもちろんそれが10%近くに上がってきている現状ではあるんですが。ですから,この3%というのは,決して低い数字ではないんだということをまず認識していただいて,じゃ,先ほど言いました心臓がとまっている,心停止に対する直流除細動というのは,先ほども言いましたように非常に有効で重要な処置です。これは,もちろん十分医療処置です。  実際には,なるべく早く,そういう心室細動に陥っていれば1分1秒でも早くという,当時そういう証拠がなかったんですね。今はもう科学的なデータがきちっと出て,実は心室細動に対するこの電気的除細動というのは,1分おくれるごとに7~10%の心拍の再開率が落ちるという,きちっとしたデータが出ています。ただ,当時,こういう概念が生まれる前のオランダの研究のときには,どうもそうらしいと。ところが証拠がない。確かに電気的除細動というのは,心室細動に効くんだと,それが心拍再開への道なんだという,当時証拠がなかったわけですね。そこで考えたことというのは,とにかく倒れた人を早く見つけて,どうも効くらしいから,早く除細動を打てと。  じゃ,その証拠を集めるためにはどうしたらいいかということを考える中で,この条件,ここに示したような条件がきちっとできる状況というのは,どういうふうなところだったんだろうかというのが,次にお示しする,ここがいかにもアメリカらしいんですが,実はこれを見ただけで,多分これはアメリカのお話だろうと想像できたかと思うんですが。もうインターネット上で,このフィルムといいますか,映像はずっと流れている。過去,僕の知っている限り一番古いのは,10年ぐらい前の映像が実際にあるので,ひょっとするとお目にかかった方もいらっしゃるかもしれませんが,実はアメリカのカジノで──監視体制は整っているわけですね,アメリカのカジノというところは。当然ここに書いてあるような人たちがいるという意味で,監視をしているのかどうかわかりませんけれども,たくさん警備員がいると。じゃ,そのカジノに働いている警備員に,いわゆる蘇生法と,先ほどお示しした,いわゆる電気ショックをかけるAEDの機械の使い方と方法を訓練・教育して,実際に32のカジノで約3年にわたる調査でデータを取った。  その32カ所のカジノで,興奮しているせいなのか,もともと病気があって倒れたのかわかりませんけれども,実際に90人の方が倒れて,心肺蘇生を受けている。当然心肺蘇生をしながら──このCPRというのは,心肺蘇生の略語です。AEDは,除細動電気ショックをかける機械ですね。その機械を装着して3分半,ちょうど倒れたのを見つけて3分後には蘇生処置が始まって,それから30秒後,3分半後にはAEDが装着されて,それから解析したりなんかするので,実際にボタンを押すまでに4分半ぐらいかかるというデータが出てきました。その中で,この方,倒れて電気ショックをかけるということは,心臓がとまった状態なわけですね。その方の約6割が生きて病院を出ていらっしゃる。細かい分析をすると,実際に倒れて3分以内であると,8割の方が生存退院できる。ところが,3分を超えてしまうと,残念ながらちょっと数字が落ちてしまうというようなことがわかってきたわけです。  こういうようなデータをもとに,先ほど最初にお示ししたように,今は日本でも一般の人が電気ショックを打てるんですが,同じようなことが──これはニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシンという,これはイギリスの医学雑誌ですけども,いわゆる航空会社のフライトアテンダント,スチュワーデスに同じような教育をして,実際に飛行機の中で倒れた方がいらしたんですが,その方たちがきちっと生存退院なさっていると。  同じようにアメリカでは,こういうような24の地域で,今,申し上げましたような同じような試みをしながら,実際にきちっと心肺蘇生の処置をして,特に電気ショックをきちっとかけていると,何と23%,約4分の1の方が,一度心臓がとまっても,退院なされているというような現実があったわけです。  世界はこういうような状況だという中で,日本でもということで,先ほど申し上げたような救急救命士であったり,一般の方がというふうになってきたわけですけれども,そのことそのものは,とても大切なことなんですけども,当時結局何がいけなかったか。実は現状でもそうなんですが,我々病院に働いている医師が,あるいは町の開業医でもいいんですけれども,なかなかそういう現場にいつもいるというわけには……。当然いないわけですよ。ですから,我々が外にいけるような体制といいますか,それは実際具体的に申し上げますと,実は今,県では,来年かあるいは再来年をめどにということで,ドクターヘリを導入しようというお話が進んで,まあ,進んでいるというか検討に入っているということは委員の方々も御存じだと思うんですが,結局あれも,ここにつながっているわけですよね。例えばドクターヘリに私が乗って,交通事故の現場だったり,あるいはそこで倒れている方だったりに早い医療処置をすること。それでもって,ひょっとしたらその方が亡くならずに済むかもしれない。そういうような病院前の体制も含めて,我々が先ほど最初に示した孫子の兵法じゃないですけども,待っていただけではだめで,防御する側も積極的にそこに行って防御態勢をとるというような姿勢というのは,非常に大事なんではないかと。  実際には今,一般の人たちにも,呼吸がないということを確認して,先ほど言いました電気ショック,いわゆる除細動をしていただくというような中で,いろんな講習が行われています。病院も,私どものところはさせていただいていますけれども,主には消防が「普通救命講習」という名のもとに,多いところだと多分,年間2,000人以上の一般の方々に,こういう講習を広げているところであります。  実際には,そうはいっても簡単にということじゃなくて,やはり3時間ぐらいな講習のわけですけども,心臓マッサージと言われる肋骨圧迫と,それから先ほどお示しした除細動器というのをきちっと使っていただいて,きちっとボタンを押していただくと。  そういう中で,我々自身が,今まで病院側でただ待っていた。あるいは運ばれてくるのをというふうな,そういうことではなくて,一般の人も含めて私たちと同じ視点,あるいはそういうような考え方から,助けられる。先ほど言いましたが,「防ぎ得る死」を少なくするという意味で,医療従事者と言われる我々ですけれども,そういうような同じ目線の中できちっとやっていくことが非常に大事なんじゃないかと。  孫子の言葉でいうと,こんなしゃっちょこばった言い方になるわけですけれども,要は,命を救うということは医者だけじゃ決してなくて,そういうことに向かう治療も含め,その必要なところにきちっと集中させて発揮できる,先ほど言いましたAEDに代表される,一般の人がそこでボタンを押してくれるというようなことが非常に大事な,そういうふうな時代に今あるんだという中で,ここに,最後こんな言葉を述べさせていただきました。我々全員がこういうことをきちっと認識した中で,救急医療というものを考えていただいて,私は,例えば救急医療をやっていて,実際に水戸地区,例えば水戸消防──先ほど言いましたけれども,年間1万台のうちの救急車の約25%から30%を私どもの病院で受けていますし,その周囲のひたちなか市であったり,そういうふうな中で,それはもう私どもの水戸済生会だけじゃなくて,どちらの医療センターもそうです,県立中央病院もそうですけども,救急医療を担う,あるいは現場で働く医者というのは,確かに疲弊しています。非常につらいということも事実です。でも,それは置いといて,土木委員会の委員の皆様方も,そういう意味では我々と同じ市民の目で,現状の茨城の救急医療の情勢というのはこういう状況の中にあると。しかも,我々救急医療に携わる者たちは,病院の中だけで待っている姿勢じゃないんです。我々は積極的に現場にも出ていきますし,そこで救える命は救いたい。そういう中で,我々は今仕事をさせていただいているということを,ぜひ委員の方々にも御理解いただいて,その上で社会基盤整備という意味での土木事業というか,そういうものに反映していただけたら,今回私がここでお話させていただいたことの意味が,少しはあるのかなというふうに認識しているところであります。  私の言いたいところが,どこまで伝わったかはわかりません。つたない意見陳述で申しわけないんですが,これで私の意見を終わらせていただきます。  御清聴ありがとうございました。 51 ◯山岡委員長 どうもありがとうございました。  ここからは,意見交換の時間とさせていただきます。  ただいまのお話について,委員の方で何か意見,質問がありましたら,お願いいたします。  高崎委員。 52 ◯高崎委員 きょうはありがとうございます。また,県民の救急医療のお話や本当に御苦労されていることに対しまして,まず敬意を表しますとともに,きょうはありがとうございます。  私はきょうの午前中に,委員会としてAED,いわゆる人が大勢集まる都市公園に──今はマラソンも,千波湖の周辺ですけども,千波湖でマラソンをやっている方が多いですし,ジョギングも多い。まあ,そういう中で,管理棟がある中にAEDを設置しましょうというのが,今,茨城県の都市公園でやっています。  ただ,やはり管理棟がなくても,どちらかというと,そういう多く人が集まりそうなところ,そういう公園においてはAEDの設置が,救命率ということを考えると必要かなというのが一つありまして,そういう話を午前中したわけです。要は職員がいない,管理する人がいない,そういう場所にAEDを例えば置いた場合──今,自動販売機でも,メーカーが商売だけじゃなくて,自動販売機にAEDを設置していくというのも,やはり福祉といいますか,医療といいますか,そういうものにタイアップしたような動機もあるわけですが,まあ,私自身は先ほど午前中に言ったときに,そこに職員もいない中で,そのものを置いただけ。そこは漠然として,そういうことも意見として午前中申し上げた経緯があるんですが,市民はマラソンしている。ジョギングしている。例えば千波湖の周りを,そこの自動販売機が──例えばですけれども,そこにAEDの設置なんかがあった場合,また別に,AEDをわかりやすいような場所に置いておくというような場合,ただ,一つはそれを使える人がいなくなってくるわけですけども,ただ,講習を受ける方も多くなってきた中では,例えばそういう職員がいないような中で,どこにでも置く,そういうことに対しては,どのようなお考えなのか。若干そういうところも,ある国ではこういうふうになっているよとか,もし何かその辺の話,先生のところに,知識とか,または御意見とか,その辺ちょっとお伺いできればと思います。よろしくお願いします。 53 ◯須田参考人 まず,AEDの設置に関してですけれども,例えば具体的に申し上げますと,国内では,羽田空港のターミナルビルには,全部で150台設置してあります。もう古くはロサンゼルス──アメリカですけども,これはロサンゼルスの空港に,僕も行って実際に確かめてきましたけども,400メートルおきに1台置いてあります。これが,空港という人がたくさん集まるところに設置されている,国内と国外の一番いい例だと思うんですが。そういう意味では,委員がおっしゃるように人が集まるところには,もう必ずと言っていいぐらいAEDを置くべきだというふうに僕自身は考えています。  実際に,イルコアという国際蘇生法協議会という国際的な組織があるんですが,そちらの科学的なデータの中でも,5年に1遍,そこで人が倒れるような可能性があるのであれば,AEDは置くべき,それが結局,医療資本の削減につながるというようなデータがもう示されています。  ですから,そういう意味では,どこにでも必ず置くべきでしょうし,もう5年前のデータになりますが,例えば──ちょっと話が長くなりますが,後楽園球場で巨人阪神戦の試合があるとします。そうすると,あそこに1回の試合に数万人という人が入るわけですね。そうすると,アメリカのデータですけれども,7試合に1回,そこでは心停止が起きます,確率だけで言いますと。ですから,そういうふうな人口比率からいきますと,先ほど申し上げたように,国内あるいは県,または市も含めて,そういうふうな可能性のあるところという意味では,どこにでも置かれて,それがきちっと作動するというのは非常に大事なことだというふうに思います。じゃ,それを,先ほど言いました管理が,とか,実際にそれを動かす人がいないという意味では,これは外国の例ですけれども,小学校の教育の中に実際にもう心肺蘇生処置というものを取り入れて,小学校の授業で心臓マッサージと人工呼吸,それからAEDの使い方を教えている。それが年に確か──私が実際に知っているのはチェコ共和国ですけれども,チェコ共和国では,年に2回,小学生たちに教育しています。  残念ながら日本は,具体的に申しますと,実は私,ここに赴任する前は稲敷の阿見町というところにおりました。そこのある大学で,阿見町の教育委員会も含めて,小学校と中学校で講習会をやらせてくれと。ところが,当時,小学校・中学校も多分カリキュラムが非常に忙しくて,なかなかそういう時間を割いていただけなくて,実現しなかったんですけれども,今,東京の国士舘大学のグループは,東京の限られた地区ですけれども,そこにモデル事業として中学生を相手に何回かこういうような講習をしています。それから獨協医科大学越ケ谷病院も,学校法人というその獨協学園の中で,中学生対象にやっていらっしゃるというのをお聞きしています。  ですから,そういう意味では,ぜひ何かの機会をとらえて,いわゆる幼い時期にきちっとこういうことを教育するということが,恐らく委員がおっしゃる中では一番近道といいますか,きちっと作動させるということができるようにするには,やはり子供たちを,と思いますね。僕がこれから先,例えば倒れたとき,隣にいる子供たちが僕の胸を押してくれたら多分うれしいですし,一家に一台AEDを,というようなことも今は言われているような時代なので,やはり子供たちにきちっとそういうものを教育していく。もちろん,それは大人の意識も変わってきて,ということが前提にはあるのかもしれませんけど,それが一番効果的なんじゃないかと私自身は考えています。こんなお答えでよろしいでしょうか。 54 ◯高崎委員 ありがとうございます。 55 ◯山岡委員長 梶岡委員。 56 ◯梶岡委員 先生の,少しでも「防ぎ得た死」を,1人でも2人でも命を救おうという前向きな姿勢を,とても頼もしく感じました。  先生がおっしゃるように,確かに自分の子供のときというのは救急車を見かけると,わー,大変な事故が起きたのかなとか,そういう印象があったんですけども,今は何か当たり前のように救急車が通っていて,このグラフが物語っているように,何かそんなに重症じゃなくても乗っているんじゃないかというイメージもなきにしもあらずで,この5割は軽症かもしれない。ただ,自分たち素人としてみれば,もう少し早く来てくれればなとか,結構重症なんだよと逆に言われるのも怖くて,コンビニ受診みたいなものになってしまっているんじゃないかなと。この情報化社会でさまざまな情報が錯綜していて,何を信じていいのかというのが多分多くの市民の方がわからないのではないかと思う。例えば,風邪薬を飲むにしても,ジュースで飲んだり,コーラで飲んだりしているような人もいるでしょうし,神がかり的な医療に頼ったりする人もいるかと思います。例えば子供のときに,おはしの持ち方や字の書き方を習ったり,あと,歩道は自動車と違うほうを歩いたほうがいいよとか,そういう道の歩き方は親から習うけど,この情報を信じたほうがいいとか,この情報はどうやって本質を見抜くかとか,情報の選び方みたいなものがやはり学べてこなかったから,いまいち自信を持って,自分の助けられるほう,助けるほう,その現場で,みんなが救急救命士的な役割を果たすべきだとおっしゃられているんですけども,いまいち自信が持てないのは,これだという確信が,情報の選び方がわからないという,そこの教育の問題と思うんです。そのメディアリテラシーに関して,先生の立場からちょっと御意見をいただければと思います。 57 ◯須田参考人 そういう意味では,委員がおっしゃるように,ひょっとすると我々医療者,特に医師側が,まだまだ情報発信という意味では足りないのかもしれません。我々救急の人間としましては,私と同じような思いは,皆さん持っていますし,学会としても動いてはいるんですが,なかなかそれが,全国津々浦々というところには確かにまだいってないというのも現実問題としてあります。また,その情報が本当に──いろんな情報がありますから,例えば救急医学会として,これが国際的にも日本でもゴールドスタンダードなんです。ですから,これをきちっと,皆さんまず基本的なところを理解していただいて,というふうな中で教育を進めていくという考え方も非常に大事だと思います。  その方法論的なことも含めて,実は,一昨年から県が主催している救急医療対策検討会議という中で,行政もきちっと県民に対して,そういうような情報発信をしようじゃないかと,あるいは,してくれというようなことを我々からもお願いしましたし,行政側も,ホームページその他いろんなところで推進してくださるというふうに言っていらっしゃいますので,そういうところには,私自身は期待しています。  先ほど,コンビニ受診であったり,救急車がもう少し早くというところで,残念ながら出動回数,出動件数がどんどんふえている中で軽症が,大体多いところで6割,少ない地方でも50%はみんな超えています。そういう中で,実は,そこが非常に問題でして,実際救急車は,通報から現着まで,私の記憶ですと3年前は6分弱です。今は多分,全国平均は7分に近くなってきている。延びているんですね。延びているというのは,これはどういうことかというと,結局,本来行くべきところに行ける状況にないんですよ。要するに,空いている救急車がない。そこを多分一番圧迫しているのは軽症者だということで,今,東京消防庁あるいは横浜消防局なんかは,救急車を──まあ,出さないという選択はないんですけれども,救急車のほうで現場に行って,場合によっては,せっかく呼んでいただいたんですけれど,軽症なので御自分で行かれたらどうですかみたいなことを言うふうな動き,東京消防庁はとりあえずというようなことも含めてやっておりますし,横浜消防局なんかは,まあ,現実にはまだ導入していませんけども,有料化しようというような動きもあります。実は私,その県の会議の中で,私自身は「もう茨城も有料化しろ」と。「そうじゃないと,とてもこの件数は我々さばき切れない」と「おれにこれ以上頑張れと言って,それはおれを殺す気か」みたいなことまで,実はその会議で発言して笑われてしまったんですが,ですから,そういうふうなものも一つの手かもしれませんし,ただ,現実問題としては,実際に救急車の現着までの時間は,ちょっとずつ延びつつあります。ただ,そこを是正しようと努力している我々もいるんだということも,おわかりいただければと。 58 ◯山岡委員長 ほかに,ございませんか。  それでは,以上で「本県における救急医療事情と社会基盤整備」についての意見聴取を終了いたします。  須田先生には,貴重なお話をありがとうございました。  本日,お話いただいたことにつきましては,今後の委員会審査の参考にさせていただきます。  どうもありがとうございました。      ─────────────────────────────── 59 ◯山岡委員長 ここで,暫時休憩いたします。  再開は,午後3時35分といたします。                  午後3時19分休憩      ───────────────────────────────                  午後3時35分開議
    60 ◯山岡委員長 休憩前に引き続き,委員会を再開いたします。  本日,最後の参考人の方を御紹介いたします。株式会社日通総合研究所主任研究員経済研究部担当部長の大島弘明様です。  大島様におかれましては,トラック運送事業における経営環境や労働・安全問題,物流効率対策等に関する調査研究を初め,諸外国との物流環境の比較調査や東アジアにおける物流関連の調査研究などを手がけられておりますほか,各種検討委員会等の委員を務められるなど,大変御活躍中でございます。  詳細のプロフィールにつきましては,お手元に資料をお配りしておりますので,ごらん願います。  大島様には,大変お忙しい中,本委員会に御出席いただきまして,まことにありがとうございます。委員会を代表いたしまして,厚く御礼を申し上げます。  大島様からは,「物流体系の効率化・再構築と社会資本整備のあり方」をテーマに御意見をお伺いいたします。  それでは,よろしくお願いいたします。 61 ◯大島参考人 日通総合研究所の大島でございます。  本日は,こういう席でお話をさせていただく機会をちょうだいし,ありがとうございます。  今,御紹介いただきましたとおり,物流一筋ということで,20年ほど調査研究に携わらせていただいております。それらの経験をもとに,本日はお話をさせていただきたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。  本日,「物流体系の効率化・再構築と社会資本整備のあり方」ということで,お話をさせていただきたいと考えております。物流というものにつきましては,もう皆さん御存じのとおり,我々が衣食住すべてにおいて,必ず物流を介さないと手元に物が届かないという状況。そして,特に我が国の場合は国土が狭い,また,周りを海に囲まれている。そういう状況の中で物流の大半を,特に国内の物流の大半をトラック輸送が占めているということになりますと,社会資本整備というものとトラック輸送が栄えてきた,その辺には,非常に密接に関係があるというふうに考えております。  これから先のことにつきましても,物流はきょうのタイトルにありますとおり,一層効率化・再構築というものが求められていく時代だというふうに考えておりますが,その中で,社会資本整備はどういう点がまだまだポイントになるんだろうかという考えの部分をお話させていただきたいと考えております。  それでは,早速中身に入らせていただきます。  まず最初に,本日は,物流を取り巻く環境の変化というところから,今,物流がどういう状況に置かれていて,タイトルにもありましたとおり,物流の効率化が考え方としてどういうふうに進んでいるんだろうか,そして,これからどういうふうに進むのだろうか。それとともに,物流のインフラ等々がどういうニーズが高まってきているのか。我々の会社名にあるとおり,私ども,日本通運の100%子会社のところでございます。現場をつぶさに見ながら物流を行う立場から,社会資本整備の部分を少し考えさせていただければと思っておるところでございます。  さて,タイトルにあります物流を取り巻く環境の変化ということでございますが,言うまでもなく,現在,世界的な景気の低迷というところで,貨物量が減少しております。ただ,ここにつきましては,昨年まで,GDPが緩やかであれ右肩成長であった時代から,既に国内の物流量が減少傾向に入っておりました。その辺につきましては主たる理由が,やはりきょうのタイトルにもある物流の効率化ということですね。同じものが我々の手に届くまでに,多段階の輸送というものが排除され,あるいは2度3度,人の手を介していたものが,ダイレクトに我々に届くようになる。一番わかりやすい例が,宅配便を介してインターネットで買い物ができるようになった。それ以前にはテレビで,電話で,こういうもので買い物ができるようになったものが,我々の手元にダイレクトで届くようになった。これが今までは,卸・小売ということを介してやっていますと,同じ物が売れるまでに2段階,3段階,輸送が発生していたんですね。この部分が発生しなくなっているという,物流の効率化という視点から,貨物量が減少してきているということを考えますと,これから先,仮に景気がよくなったということがあっても,貨物量はふえるというふうには我々予測はしておりません。  大きな理由は2つ。今,挙げました物流の効率化をさらに進めていこうということ。物流の効率化を進めるということは,我々が買う商品の価格に如実に影響するものでございます。多段階輸送をすればするほど,それがコストとしてその商品に盛り込まなければ,売る側は売れないわけですから,そういうところがかかわってくるという点において,物流の効率化をさらに進めていこうという企業活動がより盛んになるという点が1つ。  2つ目が,少子高齢化という世界の中で,我が国の人口が減少するということ。人口減少すれば,おのずと消費量・消費貨物,こういうものが減ってくるということから,将来的に見まして,貨物量はやはり減少基調にあるというふうにとらえていただいたほうがいいかと思います。  それは,いみじくも2)にありますとおり,あらゆる産業で競争が激化しているという中で,それを支えているのが物流である。その物流につきましては,4)にあるような,生き残りをかけてローコスト化を推進している。量販店は量販店同士の競争がございますし,あるいはこちらのほうで,産業として製造業があるのであれば,製造業は製造業で競争している。その中で,いかに競争力を高めるか。それは商品価値とともに,商品をいかにローコストで売るか。その売るコストの中に,間違いなく物流コストが含まれるというところです。そちらをローコスト化していこうという競争は,これは間違いなく,これからもまだまだ厳しくなっていこうというところでございます。  その一方で,安全問題,環境問題,特に先ほど来,トラック輸送がメインであるというお話をしましたが,トラックによる事故なり何なり,こういうものが,まだ撲滅はされていない。確かに減ってきているのは事実でございますが,全くなくなっているわけではないというところ。それから,地球環境問題,CO2の排出等々に向けまして,物流においても,環境対策により一層寄与するということを求められているというところがございます。  それらの対応をしていこうとなると,コストアップの要因というのが,非常に多くなってきております。例えば,今言いました安全対策,これをやっていこうとするのであれば,例えばドライバーに対する教育,あるいは必要な器材の整備,こういうものでコストというのは上がっていくということが一つ考えられます。  それから,今,昨年に比べますと若干落ちつきはしましたが,軽油価格が高騰している。特にトラック輸送の場合,間違いなく軽油を使う。この部分において,輸送に占めるコストの中で軽油の割合というのは,かなりの部分を占めてもおりますので,コストアップ要因として顕在化するということがございました。  環境対策につきましても,これをきちんと対応しようとすれば,何かしらのコストは間違いなくかかるということがございまして,物流を取り巻く環境は,今まで以上に本格的な物流の効率化への取り組みが不可避な状況にあるというのが,経済を支えるという意味での物流の状況だということで,御理解いただければというふうに思います。  先ほど長期的スパンの中で,貨物量は減少していきますというお話をさせていただきました。弊社の中では毎年,今,四半期に1回なんですが,経済と貨物輸送の見通しというものを発表させていただいております。これは短期見通しではございますが,2009年度の経済の見通しはかなり厳しい状況で,国内輸送量は対前年に比べまして7.0%の減少,これは1969年以来,40年ぶりに輸送トン数が50億トンを割れ込むという水準まで下がってくるのではないかということを予測しているところでございます。  これは国内貨物輸送でございますが,その中で主として占める自動車──トラックによる輸送ですね,この自動車につきましても,2009年度は対前年比7.0%の減少を見込んでいるところでございます。  次に,インフラ,物流という意味では,何も国内輸送のみならず国際輸送,後ほどインフラの話としては,茨城県におきましても,常陸那珂港あるいは茨城空港というところの拡張整備を次第に進められている状況については,理解をさせていただいております。そこに絡むお話といたしまして,国際貨物輸送量ですね,これがどういう状況にあるか。  これまで世界的な産業の分業化,我が国において我々が消費しているもの,これの多くの部分が中国を中心とした外国で生産され,それを輸入して我々が消費しているという状況が長らく続いてきておりました。その環境については変わらないんですが,これについて,より貨物の輸送が──まあ,産業がとまっているという意味で,国際間輸送についても非常に厳しい状況となっております。  これまで外貿のコンテナ輸送──海運のほうですね,海運として運ぶコンテナ輸送についても,また航空貨物輸送も,これまでずっとプラス基調できていたものが,昨年来,マイナス基調に陥っている部分でございます。外貿のコンテナ輸送は,輸出においては2009年はマイナス19.6%,2割減近い。輸入においても8.4%の減少ということで,これもかなりの影響度合いがあるであろう。航空貨物につきましても,これはさらに厳しい状況で,輸出についてはマイナス32%,輸入においてもマイナス20%という状況を予測しております。これだけ世界の経済が動いてない。経済が動かないということは,やはり物の売り買いがないということで,輸送がなされない。こういうことが現状として出てきている。まあ,これが遠い将来,かなり景気等々回復をしたとしても,それまでのような右肩上がりというのは,国際輸送についても,余り望めないのではないかなというふうに,我々考えさせていただいておるところでございます。  さて,全体,マクロの話を見させていただいた後,ここでは北関東3県の物の動きということで,特に国内輸送を考えた場合,また,インフラ整備というところを考えた場合,我が国の場合,先ほど来申し上げておりますとおり,陸上輸送が中心であるという中で,直近,北関東自動車道,これが茨城県と栃木県の間が全通したと。近いうちには,これが群馬県にまで延びるということがあろうかと思われます。県の施策としても,茨城県,栃木県,群馬県という北関東での連携ということについては,以前より取り組まれている状況は把握させていただいております。  そんな中で,物の動きはどうなっているかというのを簡単に整理をさせていただいたものが,この表でございます。見ていただいておわかりのとおり,当然物の動き方というのは,自県内の動きが一番多いですね。発着については,上が自動車の全品目であらわしているものでございます。その下が,自動車で雑貨部分だけを抜き出したものでございますが,それにしても自県内が最も多い。  そして,茨城県を発進するもの,左側が発ですね。表頭のほう,頭のほうが着で見ていただければ,茨城県発栃木県,これが,茨城県発が──ここで言う数字でいうと,もう約7万という数字に対して,その10分の1が栃木県に。また,そこから4分の1程度のボリュームに減りますが,群馬県にという動きがあるというところでございます。  そして,逆に今度は栃木県,茨城県からはどうかということになると,茨城県から栃木県,群馬県へ動いている量に比べて,栃木県や群馬県から茨城県に入り込んでいる量のほうが少ないという状況になります。  物流というのは,大概上りと下りが大体アンバラスになるんですね。この辺が,効率化を進めようとしても,例えばトラック輸送も,片道行ったら,片道空で帰ってくるというのは非常にもったいないんですけれども,なかなかこれが整合がとれない。この辺が将来に向けても,きっと永遠の課題にはなるんではないかなというふうに思っているところでございます。  この辺,ちょっと済みません,つくり込みが細かくなってしまったようで,一緒くたにお見せいたしますが,物量を効率化していこうということにつきまして,今,民間企業ではどういう動きをしているか,それにどうインフラなり何なりという社会資本が貢献といいますか,マッチをしていくのかというところを考えていく上で,ポンチ絵的な御紹介にはなりますが,我が国の流通あるいは物流の流れというものは,元来,メーカーで物がつくられる。そこにおいては,メーカーの工場までは調達物流,部品が入ったり原材料が入ったりという物流が発生し,そこでつくられた製品が,メーカーの例えば物流拠点というところに一度送られ,商売の流れとしては,メーカーは卸売業者に物を売りますというふうになりますと,そこから販売物流ということで動きます。そのたびに今までは,これ,販売という行為とともに物が動いていたのが,旧態依然の物流の仕組みということになります。卸売業は小売業に売り,小売業の物流拠点──例えばこれはスーパーの物流センターというものをイメージしていただければと思います,こちらに運ばれ,その小売の物流拠点から,今度は店舗ごとに仕分けたものが最終的に小売業の店舗に納品され,そこで我々が買い物ができるという状況。さらに,そこで売れ残ったもの,返品,回収,廃棄というものも,これで今度は反対に送り返す──静脈物流という呼び方をしますが,物流として発生しているという状況でございます。  そして,この国内の輸送の大半がトラックの輸送で行われる。あるいはこの物流拠点と呼ばれているところが,どこの地域に置かれることが一番効率的な配置になるのかということとして影響してくるというところで,御説明をさせていただいた中身でございます。  今,御説明をさせていただきました,いわゆる製造・卸・小売という流通の段階,これをもう少し効率化していこうじゃないかというところにおいて,物流の効率化を進めようとする動きがございます。  流通の流れ,これ,サプライチェーン,供給をする連鎖ですね。このサプライチェーンをマネジメントしていきましょう。製造業は製造業だけ,卸売業は卸売業だけ,そして小売業は小売業の中だけで効率化を進めようとしても,そこには限界がある。したがって,小売業のほうから,消費者がどういうものを求めているか。その求めている情報を即座に吸い上げ,それを製品化する情報に生かしていこうと。  以前は,この辺の情報がなかなか伝わらなかった。あるいは小売業や製造,途中の流通段階の方々が,流通の川上のほうになかなか情報を提供しなかったというのが,商売の中では実はあったものが,全体効率化をしなければ結果的には生き残りが図れないという中で,タイムリーで正確な需要の情報をつかんだ上で製品をつくる,あるいは商品を購入する,仕入れするということをしないと勝ち残れないということで,こういうものをサプライチェーン,流通全体をマネジメントしようという考えが,大分我が国の中でも浸透してきているという状況でございます。  これは考え方なんですが,実際に,じゃ,どういう仕組みの見直しが行われているだろうかというところを模式図的に書かせていただいたのが,この物流チャネルの類型と効率化というところでございます。  先ほどお話をさせていただきました,例えばメーカーの工場から小売の店舗までというのは,一番上のパターン。まあ,旧態依然のといいますか,売ったとともに物は動かされ,そして丸の部分は,何かしらの保管作業,物がそこでとどまっている状況があるというふうに判断を,ちょっとこの図としては見ていただければと思います。そして,矢印は輸送しているという意味でとらえていただければと思います。先ほど御説明した例が一番上の例,そうしますと,ここは物流拠点は3カ所。途中からですね,メーカーから小売までの間に3カ所経由している。ということは,3カ所の物流拠点が必要になっている状況です。物流拠点が3カ所あったら,3カ所で必ずコストがかかります。そして,そこを動かす間にも,物流輸送するためのコストがかかりますという考え方です。  この間をどれだけ効率化できるか,抜いていけるかというところが,今,勝負している状況です。一般的に言うナショナルブランドのメーカーさん,全国展開をしているメーカーさんなんかは,以前は,例えば北海道,東北というエリアごとに1カ所ずつこういう拠点を設けて,そこから物流供給をする。それは,前の日の夕方に入ったオーダーを,翌日に届けるためという範疇の中では,それぐらいでないと間に合わなかったという状況がございます。  ただ,最近は,もっと物流拠点を減らしましょうという状況なんです。減らせる環境になったのは,大きい環境が一つ。道路の整備については,国を初めいろいろ言われてはおりますが,道路環境が整備されたがゆえに,一つの拠点から同じ時間の間で運べる距離が,やはり足が長くなっているんですね。プラスアルファ,例えば受注をしてから仕分けをしてトラックに載せるまでの時間も,コンピュータ化・IT化ということで,短時間で作業ができるようになっている。そういうところから,以前は全国,例えば5つないしは細かいところだと9つぐらいのエリアに物流拠点を設けていたものが,今は,例えば西日本1カ所,東日本1カ所で,以前と同じサービスレベルが維持できる環境にはなっています。そこにおきましては,やはり物流拠点を減らすということが,コストの面では非常に大きいんですね。物流拠点を減らすと,そこにおける在庫の量も減らすことができます。  一方で,でも,物流の足が延びるじゃないか。輸送の足が延びるじゃないかということは確かにございます。ただ,メーカーさんなり,この流通チャネル全体の中で考えたときに,どれが積み上げの上でのコストが一番安いのかということを考えると,やはり拠点のコストのほうが影響度合いが大きいんですね。したがいまして,輸送を含めたトータルコストは,うちの仕組みの場合,この商品の場合,どれが一番適切なのかというのを考えるような時代になってきているというところがございます。  一番の極論は,一番下の,メーカーの工場から直接小売の店舗あるいは我々に直接届くというパターン。一番は外資系のコンピュータ,これなんかは,今,もうインターネット等で個別に発注ですね。個別に発注して,こういう仕様のをつくってくださいという発注をすれば,それで組み立てられたものが,宅配等を通じて我々の手元に直接届くという状況です。こういうものも,一つの物流効率化の結果,それは競争力を高めるために,その会社としてはどういうものをやればいいか。日本のナショナルブランドのメーカーは,そういうやり方はなかなかできないかもしれないですが,一つ商売をやっていく上では,そういう考え方もあるというところでございます。  さて,国内の物流の効率化という意味では,先ほどいろいろ模式的には見させていただきましたけれども,実際に効率化をする上ではどんな手法があるのか,これをちょっと簡単に御説明をさせていただきます。一つは,我々──うちの会社だけで物を運ぶんではなくて,幾つもの会社が手を取り合って輸送をしましょうと。これについては,行きと帰り,うちは行きの荷物を持っているけれども,帰りの方面の荷物というのがなかなかないよということにおいては,行きと帰りで,じゃ,お互い手を結んで──これは同業者同士でも結構やっているんですね,というような共同輸送というもの。  それから,先ほど来申し上げている物流拠点の見直し,あるいは輸送手段の見直し。これは最近ではモーダルシフト,特に環境の面から,長距離をトラックで運ぶより,鉄道で運んだほうが効率がいいであろう。それは環境面でもいいであろうというところから,モーダルシフト等の輸送手段の見直しも,徐々に行われるようにはなってきているというところでございます。  ここに,共同配送の例ということで,この資料,または次の資料のところで簡単に幾つか整理をさせていただきましたが,例えば10ページの一番上の例を見ていただきますと,要は同じパン屋さん同士が,物流を効率・共同化しましょうと。以前はこういう考えはあり得なかったというのは,パンメーカーだとすれば,同業他社に,うちの会社の売れ筋がわかってしまうという考え方があったものが,いやいや,今はそんなことをしなくたって,マーケティング等々で,どこの会社が何が売れているのかわかる。それ以上に物流の部分は手を結んだほうが,結果的には配達先が一緒だったりするわけですね。そういうものは効率化したほうがいいんではないかというところ,これを荷主さん同士で手を組む場合もあれば,運送事業者が幾つか抱えている荷主をまとめて運ぼうという提案の中でできる場合と,幾つかのケースがございます。  こちらは,荷主主導型というところでもって,例えばダイエーとイオンという,まさしくライバルの中でも,物流のある面は共同でやりましょうという動きが出てきているのも事実でございます。  先ほど,物流を効率化しようという中で,拠点を見直すというところが非常に影響度合いが大きいんだというお話をさせていただきましたが,荷主企業のニーズで──またダブったような話になりますが,拠点の集約化というところがあります。これについては,配送コスト・プラス・拠点コストを最小限化する。先ほど申し上げましたとおり,それを可能にするのは,道路交通アクセスであるということがございます。したがいまして,例えばで挙げました全国5カ所の拠点を,東西2カ所に整備しようとすると,各1カ所の拠点は,今までに比べて大規模なものが必要になってくるということに,どうしてもなってきます。したがいまして,大規模な物流施設の需要が,特に昨年まで大きくなってきていた。皆さんもお話を聞かれたことがあるかもしれないですが,例えばプロロジスという外資系の企業,これが物流の施設をみずからつくり,それを賃貸するというようなやり方で,大規模な施設提供というものを大分積極的にこれまで行ってきたような経緯がございます。それが不動産開発,不動産投資会社による大規模物流施設が,年々活発化してきているというところもございます。  じゃ,使う物流事業者,特に荷主企業さんからの物流を一手に引き受けて,これを効率化していこうという動きを物流事業者はするわけでございますが,そのときの物流事業者も,みずから施設を持つということに非常にリスクを感じていて,こういうレンタルの施設を積極的に利用していこうというところが,企業の経営におけるキャッシュフロー,あるいはリスクマネジメントという点においても,非常に積極的になってきているというところがございます。  これを今度,行政,都市計画という意味で見たサイドで考えてみますということになりますと,物流拠点立地を集約化するというところは,一つこれからはポイントになってくるのではないかと。特に物流施設というのは,どちらかというとやはり迷惑施設に見られがちである。その施設にトラックがしょっちゅうやってくる。夜中においても作業をする。これは周辺環境ができていないと,その施設にやってきたトラックが周りで渋滞をなして,順番待ちをしているという状況も,まあ,発生しないとも限らないということがございますので,特に市街地周辺においては,それがどうしても迷惑施設となり得る部分がございます。  先ほど申し上げたとおり,道路の環境とこの物流の施設,物流の効率化というものについては非常に密接な関係があるとするならば,やはり高速道路のインターチェンジ,あるいはジャンクション周辺というところに,物流拠点を集約立地させるということにおいて,結果,それでポテンシャルが上がるというようなことにつながっていくのではないか。したがいまして,首都圏においても新しい道路ができ,特に圏央道等々でき上がったときには,まだあのころは景気も今のような状況ではありませんでしたので,一時,例えば埼玉県の鶴ケ島あたりというのは,かなりもてはやされたといいますか,ニーズが高まり,もう既に拠点ないよというような状況がございます。  そこから,例えば茨城県を例に挙げれば,都市部からすると距離がちょっとあるところでありますが,とにかくこの拠点立地ということを考えますと,高速道路のインターチェンジ,あるいはジャンクション周辺というところが,ポテンシャルが高いということは間違いないというふうに思っております。したがいまして,ここに後,立地誘導,立地支援をどうしていくのかというところも,これからの都市計画という視点では,これも必要になってくるのではないかと考えさせていただいているところでございます。  実際に統計上見ても,首都圏の物流施設の立地状況,以前は東京を中心とした臨海部にかなり拠点集約されていたものが,どんどん外周化をしてきているというようなところは,統計上,また,この絵から見ていただいてもわかるとおり,外周化をしてきているというところがございます。  特に近年,大規模な施設というところで物流の施設ができ上がり,これは東京都市圏物資流動調査という調査から,整理をなされました,物流から見た東京都市圏の望ましい総合都市計画体系のあり方という報告の中から拾わせていただいておりますが,やはりポテンシャルが高いというところについては,東京の外縁部が物流拠点としての立地ポテンシャルが高いということが,結果として出ているところでございます。それとあとは,やはり臨海部ですね。こちらについても,ポテンシャルが高いという状況になっております。  そして,もう一つ,国際物流という視点から申し上げますと,当然ながら国際物流におきましては,海から入ってくる物流と,空を介して航空輸送で入ってくる分というのがございますが,もうボリュームからしますと,圧倒的に海から入ってくるものの量のほうが多い。となると,当然ながら臨海部に物流拠点というのが今まで多かった。1990年以降に開設したエリアとしても,当初この臨海部というところは,特に東京,そして横浜エリアの中にかなりのボリュームが集約されているというところがございます。やはりこちらのほうが,どうしても立地上のメリットという点において,高まっているというところがございます。  さて,茨城県の物流ポテンシャルの変化ということで,今,首都圏を中心に,あるいはそれまでは,我が国全体でどうかというところのマクロの話をさせていただきましたが,茨城県という中で,物流という切り口の中でポテンシャルがどう変化をするというところを概括お話させていただこうと思います。  まず,ポテンシャルという意味におきましては,北関東自動車道が開通して,間違いなく首都圏を中心にした道路ネットワークが拡大しているという中で,この北関東自動車道の沿線という立地状況からすると,やはり物流という意味でも,非常に流れがよくなっていることは間違いない。そういう意味で,ポテンシャルが高まっているというところについては,一つ明るい話題ということでとらえてもいいのかなというふうに思っております。  それから,特に茨城県の場合,今申し上げました陸上輸送のみならず,海運それから航空,これから2010年の茨城空港開港もございます。それから,ちょっと鉄道はなぜ括弧をしているかとなると,どうしても高速輸送という点においては,少し他県に比べて,まだまだ基盤の弱い部分があるのかなというところで,括弧書きというところはございます。要は,他の輸送モードを組み合わせるモーダルシフトという点についても,海運,航空,あるいは鉄道が使えるまだ可能性の部分がございます。それを通じて,環境負荷軽減ということを達成させられる立地ポテンシャルということは,あるんではないかなというふうに思います。  それから,もう一つ,大規模施設というものが,これからもまだまだ物流を効率化していこうという上では,拠点の集約化という中では,大規模施設の立地というものが求められるであろうというふうには考えております。そこで,その立地が可能な適地を確保できる可能性が,県内にはまだ残されているのではないかなというところでもございます。  それから,同じ茨城県内でも,より都心に近い,東京に近いほうに圏央道が走っているというところもございますが,圏央道が仮に全通をしたというところでも,まだまだ不足する部分,あるいは首都圏全体または東日本全体を考えた場合の物流拠点の立地としたときに,より都市部に近いほうがいいのか,少し外縁部でもいいのかという,その辺の判断は,これから先出てくるのではないかなというふうに思っている部分で,ポテンシャルにつきましては,やはり私鉄立地が可能であるという点とネットワークのよさという点については,他県に比べても決して見劣りしない部分ではないのかなというふうに思っているところでございます。  ただ,課題というところを,私なりに思っているところを少しお話させていただこうと思います。  陸上輸送の部分につきましては,後ほどお話させていただきますが,まず,どうしても海運,航空,常陸那珂港,あるいは,これから開港します茨城空港というところにおいても,やはり物流という面において,皆さん期待感というのは非常に高いのではないかなと思っております。  ただ,輸出入貨物,先ほど足元の数字としても物流量が下がっているというところをお話をさせていただきましたものを初め,輸出入貨物の取り扱い拡大というのは非常に厳しい状況にある,これは茨城県のみならずですね。というのは,海だけをまず考えれば,主たる港湾に今まで以上に集中する。まあ,主たる港湾が取扱量,ボリュームとしては,かなり飽和状態にある部分もあるんですけれども,それでも使う側からすると,主要港湾にやはり目が向いているのも,まだまだ事実であるというふうに思っております。  それの理由といたしまして,海運はここに書かせていただきましたが,航路とフリークエンシーの確保という問題でございます。要は,例えばこちら常陸那珂港と東京港,横浜港を比較した場合に,当然航路の数が違うという点は,圧倒的な条件の違いになってしまうということと,仮に同じ方面の航路があったときに,フリークエンシー,週に何便あるのかというところ,これも使う側からすると,非常に大きな状況になるんですね。使う側は非常に勝手ですので,使いたいときに使いたい。いつでも使えるときに使いたいということを求めます。  あるいは別の例で言いますと,最近は日本の港湾に,いわゆる海外航路の母船が寄らなくなってきている。逆に申し上げますと,例えば釜山ですとか,最近は上海,同じアジアでいきますと,例えばシンガポール,こういうところに母船が寄る。そこへ向けて,日本の航路からはフィーダーということで,例えば日本の地方港湾から釜山港へフィーダー輸送を行って,そこから母船へ乗せるということ。これのほうが,あるところにおいては,コストが安いなんていうようなことがあるんですけれども,じゃ,必ずしもコストが安いからそれを使うかとなると,いやいや,やはり毎日出ている東京港から,うちは物を載せたいというニーズも一方ではある。ですので,コストが最優先するということにおいては異論はないんですけれども,必ずしも利用する側からするとそれだけではなく,やはりコストと輸送の機会,フリークエンシーというものが,非常に使う側からすると,大きな影響度合いを持っているというところはございます。  ただ,これも商品の貨物,今,常陸那珂港を主に使っておられるコマツさん等々において,その辺との状況の違いはあるかというふうにございますが,それがどこまで拡大できるかというところおいては,やはり条件としてはちょっと厳しい部分があるのかなと。  同じく航空輸送についても,特に羽田が今4本目の滑走路をつくっており,これがアジアを中心に24時間化ということで開放されるとなると,夜中の離発着というのは,大分貨物の部分が入ってくる可能性が高い。ということになると,茨城空港がどこをターゲットとしてねらっているのか。まあ,人流中心であるということであるならいいんですが,ここにまた貨物を組み合わせようとすると,なかなか難しい面がある。貨物の取扱量というのは,基本的には貨物専用便,フレーターと呼ばれる専用便が飛んでくれば,それなりの貨物量はあるんですけれども,一般の我々が乗るような航空機,そこのベリーと呼ばれる下の部分ですね。そこに荷物を載せるとなると,1回の輸送ではかなり量が限られるというところも出てきますし,その定期航空便がどれだけの頻度であるかという点も,やはり影響するところもございます。  それから,首都圏をターゲットとした場合,例えば首都圏の補完をしますよ,航空においても海運においても,また施設立地においても補完をするような施設ですよと言ったときに,確かにまだ見えないのが,そこの距離感の問題ですね。先ほど言った圏央道のまだ外側でもいいですよというお話を一方ではさせていただいたものの,実際に施設をつくろうとなったところと,この距離感というものがどう見られるかというところは,正直まだ私どもでも必ずしも言い切れない部分がございますので,ここでは課題ということで取り上げさせていただきました。  あとは,これは県のみならず,我が国全体でそうなんですが,空港港湾と高速道路が直結していないという問題については,これは我が国のみならずアジア全体,あるいは国際全体での競争力というふうに見たときに,非常にこの辺がデメリット。ただ,高速道路がつながっていても,我が国の場合,特に高速道路料金の問題が,どうしても出てくるというところがございます。  そして,最後,物流から見た社会資本整備のあり方ということで,今までお話をさせていただいたものを少し整理をさせていただいて,お話を終わらせていただこうと思います。  まず,利用者の視点から見た整備ニーズということで,やはりハード面からしますと,高速道路ネットワーク,これがさらに拡張されれば,より利便性が増すことは間違いない。  その一方で,運送事業者,国内輸送を大半担っているトラック運送事業者において見ますと,今,競争過多になっておりまして,高速道路料金をしっかり負担しながら輸送する体力をなかなか持っておりません。したがいまして,一般道路の高規格化というほうも,かなり望む声は大きいというふうに思っております。  それから,先ほども挙げました空港港湾への高速道路の直結という問題,そして,物流施設用地をできるだけ安価に提供していただきたいと。まあ,利用する側はぜいたくを言うもので,大体こういう考え方ができているということがございます。  ちょっと視点は違うんですが,大型トラック,国内はトラック輸送中心であるということを何度も申し上げさせていただいております。その中で,大型トラックが安心して駐車できる施設の整備というものを,利用者側としては望んでいる。そうでもないと,どうしてもちょっと広めの路肩にとめてだとかということも出てきますし,既にサービスエリア,パーキングエリア,道の駅というものが整備されていても,そこで大型のトラックがすべて収容できているかという問題がありますので,安心して合法的にとまれるスペースというのを,できれば提供していただけると助かるかなと。  そのときに,アイドリングの問題が実はございます。こういうトラックを長時間とめているというのは,前の日に荷物を運んできて,朝,荷物をおろしました。次の日の貨物を積んでいくのが,その日の昼間は休憩を取って,夕方積み込んで,また遠隔地へ運んでいくという輸送をすると。間の時間帯,トラックの中で寝ているケースが大半なんですね。そのときに,真夏,真冬,これはアイドリングをしないと,車内の温度は一定に保つことができません。寝ることができないということで,多分,茨城県もアイドリングストップの条例はあると思うんですが,その中でもアイドリングをしないと生活できないという問題。これにつきましては,最後,御説明させていただきます,アイドリングストップを支援するような仕組みも最近開発されていますので,そういうものも,ぜひ念頭に置いていただけるとありがたいなと思うところでございます。  ソフト面につきましては,高速道路料金のさらなる割引,あるいは一般道路の渋滞緩和,ボトルネックの解消というものを,利用する側からすると切にお願いしたいという意見が,多く出てきているというふうに思っております。  済みません,時間をオーバーしているかもしれませんが,最後に,長時間駐車のアイドリング対策というものについて,ちょっと御紹介をさせていただきます。実は,これは東京電力を中心に今展開されているもので,まだまだ端を発したばかりのものでございます。我々も,業務上これを推進していく上でのお手伝いなり,調査研究なりを少しお手伝いをさせていただいているところではあるんですが,今,この車内のクーラーを回すために,100ボルトの電源と200ボルトの電源を引き回しをして,このトラックの中に専用の外部電源クーラーを載せて,このクーラーを回すことによって車内の環境を整備する,温度を一定に保つということで,アイドリングをストップできるというようなものであったり,それが100ボルトのコンセントをこの中につけて家庭用の簡易な器械,冬場であれば,例えば電気毛布だとかというものを使いながら,アイドリングをストップさせる。こういうような給電スタンドが,全国で今大体200基弱ぐらいつくようなところになってきております。  ただ,これはいろんなところで端を発しておりますが,卵が先か鶏が先かの問題で,スタンドが先なのか,こちらにつける機器の開発,この機器がまだまだ高価でありますので,そちらの低廉化というのをどう進めるかというところが課題にはなっておりますが。こんなことも含めながら,物流を取り巻く社会資本整備をまだまだ進めていただけると,物流にとっても,効率化を進める一層の環境整備になるというふうに思っているところでございます。  以上,僭越ではございますが,御説明のほうをさせていただきました。ありがとうございました。 62 ◯山岡委員長 どうもありがとうございました。  ここからは意見交換の時間とさせていただきます。  ただいまのお話について,委員の方で何か意見または質問がありましたら,お願いいたします。  佐藤委員。 63 ◯佐藤委員 それぞれ御説明いただきまして,ありがとうございました。  その中で,利用者あるいは物を運ぶというところの流通の変化,あるいは,これから整備をまだまだしなきゃいけない等々のお話をいただきました。その中で,確かに昔はそういう物流の拠点があったことによって雇用も生まれたという,逆のことがあるわけでございますけども,最初の部分で,安全対策への対応ということで,教育とかというお話がございました。やはり効率化の中には,コストを下げるための長時間労働みたいなところがあろうかというふうに思うんですけども,その辺の観点について,どのような受けとめ方と対策がありましたら。 64 ◯大島参考人 確かに統計等を取っても,トラック運送事業に従事する従業員の労働時間は,他産業平均に比べても長いという実態がございますし,よく新聞記事等でも,かなり無謀な運行をしているような例が,幾ばくか紹介されていることがあるとは思います。まあ,それがないとは言いませんし,これから先……,ただ,これは,かなりルールを守らない事業者におきましては現在,途中でちょっと申し上げたんですが,運送事業者の数あるいは輸送するトラックの数が,需要に比べて既にもうオーバーをしている状況ということで,需給のバランスが正直崩れている状況でございます。その中で,ルールを守らないで事業を行っているところも見えないわけではない。したがいまして,多分運輸行政中心になってくるとは思うんですけれども,これから先,同じ土俵で戦えない事業者については,きちんと土俵から去っていただくという対策が,より厳しくなると思われますし,国土交通行政の中におきましても,安全対策,安全に対する規制はより厳しくなっていくというふうに思われます。その中で,やはりコンプライアンス,法令遵守をできない運送事業者は,事業を続けられないという状況にはなってくると思いますので,そこに向かっていくことは間違いないと。  ただ,それをどう支援していくかという問題については,まあ,運送事業者は,これは守らざるを得ない。守れない事業者については,できれば皆さん使わないでいただきたいというふうに思うぐらいのところが,これからは出てくるのではないかなというふうに思います。  守る上においては,これもどっちがいい,どっちが悪いの話はあるんですが,例えば茨城から大阪まで,本来一晩のうちに運ぶことは,実はかなりルールの上で難しい状況がございます。改善基準告示というトラックドライバーにおいては,4時間までしか連続運転はしてはいけない。それから,2日平均では9時間までしか運転をしてはいけない。1日の拘束時間は13時間までという,そういう実はルールが決められているんですが,そのルールを,運送事業者もわかっていながら守っていない部分もありますし,とはいえ,本来きょうの3時に出て,あしたの9時までに届けなさいよというのが,ルールを守ってできる範囲のものが,出荷がおくれてしまいましたということで,でも,あしたの9時には間違いなく着けてくださいという状況だと,立場の弱い運送事業者にしてみれば──これはいい悪いとは言いません。ただ,運んでしまっている事実もありますので,やはり発注する側もルールを守った発注をしていただかないと,長時間労働等々に影響してしまう可能性がある。その長時間労働が,えてして重大事故を巻き起こすことも考えられるということがございますので,やはり一定のルールのもとに物流がとり行われるべく,そのルール化というものを,物を発注される側のほうにもぜひ御理解いただいて,その発注等々が行われて適切な取引が行われるようになれば,過重労働等々についても,これから少しずつ改善できるのではないかなというふうに思っているところでございます。 65 ◯佐藤委員 確かに,そのとおりだというふうに思っていますし,物というのは,消費者からすれば1円でも安いほうがいいという。ただ,そこにはきちんとした人件費を含めたところのお金がかかっているということからすると,安いという1点だけではなくて,これから先,これだけのコスト削減をしても,これだけはかかるというようなことを,逆に物流の中の方々もきちんと発信をして,最初の工場の方にもわかっていただく,消費者にもそのことをわかっていただくというような,そういったことが一つ必要なのかなと。いつも消費者の立場で,安ければいいということだけを見ている部分も,私どももあるのかもしれませんけれども,そういったことで……。 66 ◯大島参考人 その辺につきましては,私どもも営業用トラックの団体である都道府県トラック協会さん──茨城県にも茨城県トラック協会がございますが,そういう協会において,ただ,トラック事業者においては中小零細が大半を占めているという実態がありますので,確かにその辺言われるように,みずからのコストがどれだけかかっていて,適正な運賃はどれだけいただかなければいけないかという原価計算等々が,必ずしも十分に行われている部分ではなく,それをきちんと主張できていない実態もあろうかと思われます。我々もそういうところにおいては,そうすべきであるというふうに考えておりますし,それを行うべく後方支援,我々,仕事の上でのお手伝い等々も実はさせていただいております。隣県のトラック協会さんあたりでは,中小の運送事業者さんが原価計算を簡易にできるようなソフト等々を提供する,それを事業者に教育をする,そんな取り組みをしておられるところもございます。やはり運送事業者の側からも,適切に情報発信をしていくことは大切だと思いますし,我々も支援していきたいなと思っております。 67 ◯山岡委員長 ほかに。──高崎委員。 68 ◯高崎委員 済みません,1点だけお聞きしたいんですけども,最後に御説明ありました長時間駐車のアイドリングコンセントですが,確かに途中休憩するという中で,どうしても冷凍であり,冷蔵であり,冷気を回さなきゃいかない。やはりエンジンを切っちゃうと大変なことになる。ただ,環境の問題を考えると,逆にそれはどうなんだろうかと,騒音にしたってありますので。今,御説明にあったように,これは200基ぐらい設置される予定とお聞きしたんですが,この茨城県内では,そういうのはございますか。その1点だけちょとお聞きします。 69 ◯大島参考人 まだ,たしか茨城県内にはなかったというふうに思っております。トラック業界の団体のほうで整備しておりますトラックステーションというようなところ,全国に幾つかあるんですが,その中で幾つかの場所に整備をされたり,あと,御希望を持たれております給油所,スタンドですね。スタンドの中で幾つかのところに,こういうものを設けていたりというところから始まっておりますが,まだ,たしか茨城県内には……,私の今記憶の中では,まだこのスタンドが立っているという状況は,なかったように記憶しております。 70 ◯高崎委員 ありがとうございます。最後に,何か行政に望むことはございますか。それだけお伺いして,終わります。 71 ◯大島参考人 我々も,物流の仕事をさせていただいているものですから,物流ってわかっているつもりでおるんですが,物流というのは,きょうも御説明させていただいたように非常に幅広い問題であり,ちょうど御質問を最後いただきましたとおり,結局,運送事業者においては,自分で勝手に動いているわけではなくて,オーダーがあって動いている。だから,そのオーダーが適切になるように,ということで,広く浅くからで結構ですので,物流というものを,より広い範囲で話題にしていただいて,何かそれを改善するきっかけの部分を,どうも,えてして頼まれてやっている物流事業者側の問題であるというようなとらえ方がなされかねない。必ずしもそうだとは思っておりませんけれども。ぜひ発注をする側という意味で,いろんな部署で物流の部分を取り上げて,関連しているんだということで,いろいろ取り組みをしていただけると大変ありがたいなというふうに思っております。 72 ◯山岡委員長 ほかにございませんか。──。  それでは,以上で「物流体系の効率化・再構築と社会資本整備のあり方」についての意見聴取を終了いたします。  大島様には,貴重なお話をありがとうございました。  本日,お話いただきましたことにつきましては,今後の委員会審査の参考にさせていただきます。  どうもありがとうございました。
     以上で,意見聴取を終了いたします。      ─────────────────────────────── 73 ◯山岡委員長 本委員会の重点審査テーマであります「将来を見据えた社会資本整備のあり方」につきましては,今後も,閉会中の委員会等において審査を深めてまいりますので,執行部の御協力をお願いいたします。  以上で,委員会を閉会いたします。  本日はお疲れさまでした。                  午後4時36分閉会 Copyright © Ibaraki Prefectural Assembly, All rights reserved. ↑ ページの先頭へ...