△報告第百九十八号ないし報告第二百六十七号
○議長(
安藤俊威君) 日程第四ないし日程第百四十三、議第二百三十八号議案ないし議第三百七号議案及び報告第百九十八号ないし報告第二百六十七号を一括して議題といたします。 知事から提案理由の説明を求めます。知事村井嘉浩君。 〔知事 村井嘉浩君登壇〕
◎知事(村井嘉浩君) 本日、ここに第三百四十九回
宮城県議会が開会され、平成二十六年度
一般会計補正予算案を初めとする提出議案を御審議いただくに当たり、最近の県政の動きと議案の概要を御説明申し上げます。 説明に先立ち、天皇皇后両陛下におかれましては、去る七月二十二日から二十四日まで我が県に行幸啓になられ、東日本大震災からの復興の様子などをごらんいただくとともに、被災された方々や復興に尽力する方々などに温かいお見舞いと激励の言葉を賜りました。ここに、県民を代表して、謹んで御礼を申し上げるものであります。 また、平成二十六年八月豪雨では、広島市における土砂災害を初め、全国の広い範囲で大変大きな被害が発生いたしました。不幸にして亡くなられた方々の御冥福を心からお祈りいたしますとともに、被災された皆様に改めてお見舞いを申し上げます。 それでは、御説明申し上げます。 初めに、東日本大震災からの復興の取り組み状況についてであります。 震災から三年半が経過いたしました。復興への歩みは、次々と立ちはだかる課題を一つ一つ乗り越えていくという大変険しい道のりが依然として続いております。このような状況にあっても、今年度は宮城県震災復興計画に掲げた再生期のスタートの年でありますので、創造的な復興に向け、将来豊かな実を結ぶための種まきとなる取り組みに果敢に挑戦し、各方面の皆様の御協力をいただきながら、あらゆる努力を続けているところであります。 まず、医学部の新設についてでありますが、先月、国の構想審査会による審査の結果が公表され、提出されていた三件の中から、東北薬科大学の構想が選定されました。我が県が提出した構想の実現に期待を寄せていただいていた栗原市を初め、多くの県民の皆様と、これまで御協力を賜りました方々に対しましては、心からおわびを申し上げる次第であります。県が提出した構想については、私みずから構想審査会で説明し、県立による医学部設置の意義と優位性を強く訴えましたほか、審査と並行して、カリキュラムや教員の確保等に向けた具体的な検討進めてきたところですが、委員の理解に十分つながらず、総じて準備不足との評価であったことについては、まことに残念に感じております。しかしながら、その一方で、三十数年ぶりとなる医学部の新設がこの宮城県内に決まったことは大変喜ばしいことであり、県内と東北における震災後の医療ニーズへの対応と、長年の懸案であった医師不足解消に大きく寄与するものと期待するものであります。今後、真に東北の医療の復興に貢献する医学部となるよう、県としても必要な支援を行ってまいりたいと考えております。 仙台空港の民営化については、国による空港運営権者の選定手続に先立ち、県が実施する参加資格確認手続に応募のあった十者を対象に確認作業を進めておりますが、応募者は、いずれもこれまでの経営実績にすぐれた企業であり、空港の利便性向上を通じた乗降者数や貨物量の増大及び周辺地域の活性化という民営化のねらいは十分達成できるものと手ごたえを感じているところであります。県としましては、資金計画が妥当か、仙台空港ビル及び仙台エアカーゴターミナルの全株式を県が提示した価格で譲り受ける意思があるかなど、確認基準を満たすものを認定して国に報告することとしており、平成二十八年三月の民営化実現に向けて着実に準備を進めてまいります。 宮城野原広域防災拠点の整備については、JR貨物との基本合意に基づき、今年度は、仙台貨物ターミナル駅の移転に向けて、調査設計や関係者との協議などを進めているところですが、国の事業採択も得られ、今年度事業分に対する交付金は満額の内示となりました。今後並行して、市町村と十分な協議のもと、災害時における宮城県市町村相互応援協定を基本に、広域防災拠点と連携して、各圏域をカバーする防災の拠点となる施設を選定するなど、地域ネットワークの構築に向けた作業も進めてまいります。 次に、指定廃棄物処分場についてであります。 七月に、石原前環境大臣から、国の詳細調査に対する県内市町村の意見集約を求められ、先月、市町村長会議を開いて意見を伺ったところですが、問題解決のためには、詳細調査の受け入れはやむを得ないとの意見が多数を占めたことから、県内市町村長の総意として、その旨を大臣に報告いたしました。多くの県民の方々が、指定廃棄物をこのままの状態で一時保管し続けることは限界に近づいていると考えており、この問題は一刻も早い解決が必要であります。国は、今月中にも現地調査に着手し、安全性を科学的に評価するなどしておりますが、地元の不安や要望に丁寧に対応しながら、国の責任で的確に進捗を図っていく必要があると考えております。 国が平成二十七年度までとする集中復興期間の後の財源確保は、復興に取り組む自治体共通の重要課題であります。我が県では、復旧及び復興事業費の総額を現時点で県と市町村と合わせて約九兆五千億円と見込んでおり、そのうち約二兆五千億円は平成二十八年度以降に執行する見通しとなっております。仮に、国の特別措置が平成二十七年度で打ち切られた場合には、地方債の増発などに伴い、将来の実負担が県で約二千九百五十億円、市町村で約二千三百三十億円も増加すると推計されることから、県、市町村ともに、財政運営が困難な状況に陥ることは火を見るよりも明らかであります。国の来年度予算の概算要求を前に、私みずから関係大臣にこうした実情を説明し理解を求めてまいりましたほか、被災四県合同で国に支援の継続を働きかけてまいりましたが、国から明確な方針はいまだ示されておりません。今月上旬に内閣改造がありましたので、改めて関係閣僚に対する要望活動を行ってまいりますが、今後も他の被災自治体と連携しながら、長期にわたる確かな財源確保について強く訴え続けてまいりたいと考えております。 災害公営住宅については、市町の整備計画がまとまり、県全体の整備戸数は一万五千五百戸余りとなりました。このうち、約一万二千三百戸は既に事業に着手しており、一万一千五百戸ほどが来年度までに完成する予定ですが、残る約四千戸については、用地の取得や造成に時間を要したことに加え、資材や技術者の不足などにより、やむを得ず完成が平成二十八年度以降になる見通しであります。県としては、被災された方々の思いを胸に刻みながら、九つの市町から受託した二千五百戸余りの完成を急ぐとともに、支援チームによる市町への支援を更に強化し、一日も早い事業の進捗を図ってまいります。また、県内の災害公営住宅約五百四十棟分の屋根を太陽光発電事業者に貸し出し、再生可能エネルギーの導入を推進するとともに、停電時には入居者に無償で電気を供給できるように配慮してまいります。高台移転等の復興まちづくり事業については、移転先用地の取得が計画の約九割に達しました。宅地の引き渡しは三十五地区で進められており、住宅建設も本格化してきております。その他、生コンクリートの供給確保のために設置した仮設プラントが稼働を始め、沿岸部における復興事業を後押ししているほか、JR石巻線は来年春、仙石線は来年六月までに、それぞれ全線運行再開の見通しとなるなど、各地で進捗が図られているところであります。 次に、震災復興以外の県政の状況と主な動きについてであります。 このところの経済情勢については、四月から六月期の国内総生産が年率換算で実質七・一%のマイナス成長となるなど、消費増税による駆け込み需要からの反動減により、震災直後以来の大きな下げ幅を記録しました。一方で、先月公表された政府の月例経済報告では、駆け込み需要の反動は和らぎつつあるとされ、国内主要企業でも、年末に向けて景気は緩やかに回復するとの見方が多いようであります。県内では、七月の有効求人倍率が一・二五倍と、二十八カ月連続で一倍を超え、全国平均を上回る水準が続いているほか、日本政策投資銀行のまとめによれば、県内製造業の今年度の設備投資計画は昨年度実績に比べ六七%増と大幅な伸びを示すなど、復興需要の堅調な推移とともに企業投資を誘導してきた政策効果があらわれてきているものと考えております。この夏には、大手自動車部品メーカーが県内で新工場の建設に着手したほか、既存の自動車関連企業が工場の増設を発表するなど、うれしいニュースもありました。今後も企業マインドが向上しつつあるこの好機をとらえ、各種支援制度を十分に活用しながら、産業の再生と富県宮城の実現を図ってまいりたいと考えております。 国の平成二十七年度予算の概算要求に当たっての基本的な方針では、東日本大震災からの復興対策に係る経費については、これまでどおり上限を設けずに所要額を要求できることとされております。来年度も復興が進むものと期待するところではありますが、被災自治体のたび重なる要望にもかかわらず、平成二十八年度以降の複数年度にまたがる事業の財源手当てに不安を残したままであることは遺憾であります。また、地方活性化などに重点配分する四兆円規模の、新しい日本のための優先課題推進枠や、社会保障四経費の充実等については、消費税増収分など税収や歳出の動向等を踏まえて、予算編成過程で検討するとされており、今後の推移を注意深く見守る必要があると考えております。 また、政府の経済財政諮問会議が取りまとめた平成二十七年度予算の全体像では、アベノミクスの成果を地方に波及することを重要な柱に据えており、社会資本整備についてはインフラの長寿命化やストックマネジメントを重視し、地方財政についてはリーマン・ショック後の危機対応を平時モードに切りかえて、歳出の重点化、効率化を図るなどと記されております。政府を挙げて地方を応援する姿勢が示される一方、地方交付税の別枠加算や歳出特別枠の削減を示唆しているとも解されることから、今後の動向を注視し、全国知事会等と連携しながら、的確な地方財政措置が講じられるよう国に強力に働きかけてまいります。 次に、今回の補正予算案の考え方についてであります。 今年度の財政状況については、復興需要や好調な企業業績にも支えられ、当初予算で見込んでいた所要の財源はおおむね確保できるものと考えておりますが、消費税率引き上げ後の消費の落ち込みや建設現場において依然として続く資材や労務費の高騰など、今後も税収や建設費の推移には十分注意を払う必要があると考えております。このため、今回御審議をお願いいたします補正予算案は、復旧や復興を加速するための事業や国の制度改正に伴うものなど、緊急な対応を要する施策について措置することとして編成したものであります。 補正予算案の主な内容ですが、震災関連としましては、国からの交付金を消費者行政活性化基金及び介護基盤緊急整備等臨時特例基金に積み増しするとともに、西日本の消費者に対する県産品への信頼回復に取り組むほか、市町村が行う食品等の放射性物質検査などに補助してまいります。また、公共土木施設の復旧や補修、災害公営住宅や被災地の農業基盤整備、被災した医療機関などへの復旧支援を充実させるほか、仙石線野蒜駅の移設に伴うエレベーター設置についても支援をいたします。更に、国の内示を受けて、宮城野原広域防災拠点整備に伴う貨物ターミナル駅の設計等に係る事業費を増額するほか、放射性物質で汚染されたキノコ生産用原木林の再生に向けた実証事業を新たに行ってまいります。 震災関連以外の事業としてしては、国の制度改正等に伴い、特定疾患及び小児慢性特定疾患の医療費助成を拡充するほか、特別養護老人ホーム等の開設経費に対する補助や低所得世帯の高校生を対象にした奨学給付金などを増額いたします。また、女川原子力発電所二号機の安全性に関する検討会の設置、東京アンテナショップのリニューアル、我が県にふるさと納税をした県外在住者に対する特産品の贈呈などに要する経費を新たに盛り込んだほか、道路管理施設の点検が義務化されたことを受け、橋梁等の点検を充実させてまいります。 以上、補正予算案の主な内容について御説明申し上げましたが、今回の補正規模は、一般会計で二十一億三千余万円、総計で十五億三千五百余万円となります。財源としては、繰入金二十七億四千六百余万円、地方交付税十四億二千六百余万円などを追加する一方、県債二十二億八千四百余万円、国庫支出金九億一千八百余万円などを減額しております。この結果、今年度の予算規模は、一般会計で一兆四千六百九十九億一千九百余万円、総計で一兆八千五百八億六千四百余万円となります。 次に、予算外議案については、条例議案十一件、条例外議案五十六件を提案しておりますが、そのうち主なものについて概要を御説明申し上げます。 まず、条例議案でありますが、議第二百四十一号議案は、幼保連携型認定こども園の設置認可等に関する事項を調査審議するため審議会を設置しようとするものであります。また、議第二百四十四号議案及び議第二百四十五号議案は、介護基盤緊急整備等臨時特例基金及び介護職員処遇改善等臨時特例基金の失効期日を延長しようとするもの、議第二百四十六号議案は、難病の患者に対する医療等に関する法律の制定及び児童福祉法の改正に伴い、条例の名称等を変更しようとするもの、議第二百四十七号議案は、認定こども園法の改正に伴い、認定こども園の設備及び運営等に係る基準を改定しようとするもの、議第二百四十八号議案は、薬事法の改正に伴い、条例の名称を変更するとともに、医薬品製造販売業等に係る手数料を改定しようとするもの、議第二百四十九号議案は、道路法施行令の改正に準じ、道路占用料を改定しようとするもの、議第二百五十号議案は、換地処分に伴う清算金を分割徴収する場合の利子の利率を定めようとするもの、議第二百五十一号議案は、水道用水供給料金を改定しようとするものであります。 次に、条例外議案でありますが、議第二百五十二号議案は、水産業の振興に関する基本的な計画の策定について、議第二百五十三号議案は、県道の
路線変更について、議第二百五十四号議案は、県営住宅の明け渡し等を求める訴えの提起について、議第二百五十五号議案は、県立高等学校における部活動中の事故に係る和解及び損害賠償について、議第二百五十六号議案は、財産の処分について、議第二百五十九号議案ないし議第二百八十九号議案は、
工事請負契約の締結について、議第二百九十号議案ないし議第三百七号議案は、
工事請負変更契約の締結について、それぞれ議会の議決を受けようとするものであります。 以上をもちまして、提出議案に係る概要の説明を終わりますが、何とぞ慎重に御審議を賜りまして可決されますようお願い申し上げます
○議長(
安藤俊威君) 補正予算案に係る各部局長説明要旨は、お手元に配布のとおりであります。 ただいま議題となっております各号議案中、議第二百五十七号議案、議第二百六十号議案ないし議第二百八十一号議案、議第二百八十三号議案ないし議第二百八十八号議案及び議第二百九十一号議案ないし議第三百七号議案についての質疑に入ります。 質疑の通告がありますので、発言を許します。十一番
遠藤いく子君。 〔十一番
遠藤いく子君登壇〕
◆十一番(
遠藤いく子君) 日本共産党県会議員団の
遠藤いく子です。 議第二百五十七号議案は、
石巻地区の災害廃棄物処理に関する変更契約締結の議案です。当初契約は一千九百二十四億円という事業規模と、三年の年月をかけた処理であるにもかかわらず、今議会で最終変更が先議扱いとなり、わずか一日の質疑で採決することになりましたが、今回の議案には以下のような検討を精査すべき課題があるのではないかと考え、質疑いたします。 まず、廃棄物の推計値と処理実績が大きく乖離している問題です。 石巻ブロックの当初契約では処理対象量は九百七十七万トンでしたが、二回の契約変更を経て、今回の最終契約では三百三万トンと約三分の一に減少しています。特に、津波堆積物は四分の一になりました。震災直後で大変難しい点はあったかと思いますが、推計作業を行った県として、推計の仕方に問題はなかったのか、教訓は何か、お答えください。 そのことに関連して、石巻ブロックでは処理量が三一%に減少したにもかかわらず、事業費は当初の六五%と、全く連動していません。不溶化や固化工などの徹底を要因として挙げていますが、過剰な設備投資や管理費の増大はなかったのでしょうか。 次に、処理単価のばらつきについて伺います。 県受注分の最終単価は、県全体平均でトン当たり三万八千五百二円と聞きました。しかし、ブロックごとに見ますと、二万二百二十二円から七万一千五百二十一円まで大きなばらつきが生じており、その差は三・五倍です。石巻ブロックは四万一千九十二円ですが、ばらつきの要因について説明を求めたところ、津波堆積物の占める割合が影響しているとのことでしたが、これですべて説明し切れるのか疑問です。お答えください。 更に、宮城県算定の暫定値で市町村ごとに見ても、石巻ブロック内の三市町では、石巻市四万四千円に対して、女川二万九千円、東松島市一万七千円と、同一ブロックで二・六倍の開きが生じました。処理単価を抑えるための教訓をお示しいただきたいと思います。 更に、プロポーザル時点と最終単価を比較すると、石巻ブロックは契約単価の二倍を超えました。プロポーザルでは、価格評価に六十点、技術評価に四十点を配点して、審査委員会が業務受託候補者を選定しました。結果的に単価が二倍にもはね上がり、この価格評価に意味があったのでしょうか、お答えください。 次に、地元企業の力を初動から生かせたのかという点で、処理スキームと参加資格要件について伺います。 廃棄物処理業務の記録では、多工種にわたる業務を一元化して業務委託を行うため、高度な技術力、マネジメント能力、強固な財政基盤が必要として、JVの代表者は特定建設業の許可を得ていることとあわせ、総合評定値が一千五百点以上であることを要件に盛り込みました。この要件をクリアできる企業は、当時、県内では一者のみであり、地元企業がJVをつくって参入する道を閉ざし、広域化と大型化の枠組みとなりました。一方、県に委託しなかった又は相当部分を独自に処理した市町村からは、地元企業の力を生かして、初動体制に大きな違いが生まれたと聞きました。現に、焼却炉の点火を見ても、仙台市はその年の九月に火が入りましたが、県受託分は、亘理処理区の翌年三月が最初であり、石巻ブロックは更におくれて、五月が火入れでした。今回の実施スキームについて、今の時点でどのように考えるのか、反省すべき点はなかったのか、お答えください。 以上、幾つかの問題を指摘してきましたが、これらは検証されるべき問題のごく一部にすぎません。県当局によれば、各自治体が策定する防災計画や震災廃棄物処理にかかわって、県外から宮城県の震災廃棄物処理について視察が相次いでいるとのことでした。大震災を経験し、困難に立ち向かった関係者の方々の苦闘の歩みを今後にしっかりと確実に生かしていくために、十分な議論と教訓を引き出すことは、議会の大切な役割です。しかし、各ブロックや処理区の変更契約がばらばらに提出され、東日本大震災の廃棄物処理について、全体としての総括を議会として行い、教訓に導き出すことはできておりません。最も困難な処理区であった石巻ブロックの最終契約変更について、先議から外すべきと考えますが、先議議案としたことについて、その理由を改めて問うものです。 以上の諸点について、知事に伺い、あわせて
監査委員にも伺います。 以上で、壇上からの質疑といたします。 御清聴ありがとうございました。
○議長(
安藤俊威君) 知事村井嘉浩君。 〔知事 村井嘉浩君登壇〕
◎知事(村井嘉浩君)
遠藤いく子議員の御質問にお答えいたします。 私から二問お答えいたしまして、あとは部長等から答弁をいたします。 初めに、処理量の推計方法や、どのような教訓を得たのかについてのお尋ねにお答えをいたします。 当初、瓦れき発生量の推計に当たっては、津波に伴う被災という未経験の状況下において、阪神・淡路大震災時の経験や知識を参考に、津波被害については独自の算定を行い、国とも相談をしながら最大値として予測したものであります。結果として、海の中へ流れ込んだ瓦れきが多量に及んだこと、被災家屋の解体量が想定より少なかったことなどによりまして、処理量は予測を下回るものとなりました。このことから、今後、津波災害における推計方法の検討や、被災家屋の解体量の把握精度を高めること、更には推計量を定期的に見直すことなどが必要であると考えております。 次に、石巻ブロックの最終契約変更について先議議案としたことについての御質問にお答えをいたします。 石巻ブロックの業務
委託契約につきましては、委託期間が平成二十六年九月三十日までとなっており、変更内容に基づいた完了検査や支払いを速やかに実施する必要があることから、委託期間満了前までに契約額を確定するため、今議会の先議にお諮りをしたものでございます。 何とぞ御理解を賜りますようよろしくお願いいたします。 以上でございます。
○議長(
安藤俊威君)
環境生活部長佐野好昭君。 〔
環境生活部長 佐野好昭君登壇〕
◎
環境生活部長(佐野好昭君)
遠藤いく子議員の御質問にお答えいたします。 初めに、過剰な設備投資や管理費の増大はなかったのかとのお尋ねにお答えいたします。 焼却炉などの設備投資については、当初の処理推計量に基づき規模を設定したことから、処理量の減少率と事業費の減額率が連動していないことは事実であります。しかしながら、実際の瓦れき処理では、焼却処理対象物の性状や熱量が想定と異なるなど、もくろみどおりの処理が困難なことから、結果論ではありますが、当初推計量に基づき設定した大き目の設備が功を奏し、目標期間内に処理することができたので、過剰な投資とはならなかったと考えております。また、管理費を含む諸経費については、処理量の減少に合わせ減額する一方、再生資材化などに伴う追加工事については、国の指導に基づき適正な管理費を算定しております。 次に、ブロック別処理単価のばらつき要因についての御質問にお答えいたします。 県では、各市町から処理の一部を引き受けており、その業務範囲が市町ごとに異なるため、県受託分の処理単価について同じ条件で比較することはできませんが、処理単価に差が生じる要因としては、処理コストが割安な津波堆積物の占める割合が大きく影響するものと考えられます。また、漁網など処理困難物、津波堆積物に含まれる瓦れきの量や有害物質の含有状況によってもコストは異なってまいります。このほかにも、運搬距離、処理期間の長短、近隣企業等への環境対策などによっても処理単価は変動してまいります。 次に、処理単価を抑えるための教訓についてどうかとの御質問にお答えいたします。 災害廃棄物の処理単価は、瓦れきの発生状況や地理的状況、処理施設の立地状況などにより大きく異なるものと考えております。例えば、東松島市で処理単価が低いのは、津波堆積物の占める割合が高かったことが大きな要因と考えられますが、これに加え、北部連続地震での教訓を踏まえ、仮置き場搬入前の分別収集を徹底したことや、広大な仮置き場を確保できたことにより、効率的な処理が可能となったことが挙げられます。このことから、今後大規模な災害廃棄物が発生した場合には、仮置き場搬入前の分別収集の徹底と広大な仮置き場を確保することなどで処理費用の低減が可能ではないかと考えております。 次に、石巻ブロックの処理単価が二倍にもはね上がり、プロポーザル審査における価格評価に意味はあったのかとの御質問にお答えいたします。 プロポーザル審査では、価格評価と技術評価の二つの観点で評価を行っておりますが、石巻ブロックでは、処理量の減少のほか、発注当初に想定していなかった放射能への対応や再生資材化に伴う追加工事などにより、業務価格が変動してまいりました。結果として処理単価が二倍となっておりますが、追加発注分を除き、プロポーザルで提案された処理単価などについては当初提案の考え方を引き続き採用しており、プロポーザル審査における価格評価に意味はあったものと考えております。 次に、今回の業務委託のスキームについて、反省点を含めてどう考えているのかとの御質問にお答えいたします。 今回、市町の
災害廃棄物処理業務を県で実施しましたが、県が瓦れき処理を受託するための市町や国との調整や処理用地の確保に時間がかかったことなどにより、焼却など処理の開始までに時間を要したことは事実であります。しかしながら、共同企業体が持つ高度な技術力やマネジメント能力などを活用することで、施設稼働後はスムーズな処理が可能となり、目標期間内での処理達成につながったものと評価しております。 私からは、以上でございます。
○議長(
安藤俊威君)
監査委員遊佐勘左衛門君。 〔
監査委員 遊佐勘左衛門君登壇〕
◎
監査委員(
遊佐勘左衛門君)
石巻地区の災害廃棄物処理について、過剰な設備投資や管理費の増大はなかったかとの御質問に関する
監査委員の所見についてお答えいたします。 平成二十三年度の当初契約については、平成二十四年度に実施した定期監査において、業者選定に当たり、任意JVの技術提案型プロポーザル方式を取り入れるなど、適切に行われていることを確認いたしております。また、平成二十四年度には廃棄物処理量の見直し等を行い、約四百四十一億円の減額変更契約が締結されていますが、これについても、平成二十五年度の定期監査において、適正に行われていることを確認いたしております。なお、平成二十四年度において、
石巻地区災害廃棄物処理に係る支出について住民監査請求があり、当該災害廃棄物処理における県の一連の行為について監査を実施いたしましたが、県は前例のない災害等廃棄物の処理を行うに当たって、その時点時点で収集できる最善のデータに基づき妥当な判断を行っていたことを確認いたしております。 以上でございます。
○議長(
安藤俊威君) 十一番
遠藤いく子君。
◆十一番(
遠藤いく子君) 御答弁ありがとうございました。 個々の問題については、あしたの委員会もありますので、そこでもまた質疑をしたいと思いますが、一つは、推計量の問題で、平成二十四年度、実際に量の変更について、これが出ましたのは平成二十四年の七月で、議案としては十月に出されたというふうに記憶しております。その間、一年数カ月たっているので、もう少し早く推計の見直しはできなかったのかという思いがありましたが、先ほどの御答弁で、定期的に見直すというふうなこともお話の中でありましたので、ぜひ、適切な推計量に努めていただきたいと思います。 それで、先議とした問題についてなんですが、さまざまな面での課題や検証が必要だと思うんですね。それで、工期が九月末であったこと、委託期間が九月末であり、完了検査や支払いを満了までに速やかに進めるために先議にしたんだというお話だったですね。ですけど、私が思うには、九月議会は九月半ばから十月半ばまで一カ月あるというのはだれでもわかっていることなので、議会の同意を得るということを当初から考えるのであれば、やはりそういうことでの工期の設定の仕方もそれでよかったのかと。そして、工期内で支払いを済ませるということがもし絶対ならば、議会の同意の日程というのはやはりよく考えておくべきだったと思いますし、工期内支払いが絶対でないならば、十分な審議時間を確保して、少なくとも、先議というのは、きょう提案されて、あした採決なわけです。ですけれども、一般質問の対象にするとか、そういうことを行うような対応が必要ではなかったのかと。議会同意を得る上でですね。それが一点です。 それから、もう一つ思いますのは、実は、あの震災廃棄物の問題は、今回もいろいろなところで質疑がされております。契約案件として出れば、ブロックごと、処理ごとに結んでいるわけだから、議案としてはそれぞればらばらに出るのはそれはやむを得ないことかもしれないんですが、同時に、震災廃棄物処理事業全体としてどうであったのか、事業全体としてどのような教訓があり、課題があったのかという検証問題です。ことし一月の臨時議会で震災廃棄物問題を取り上げた際、横田議員の質疑に対するお答えとして、今後検証していかなければならないと考えていますというふうに答弁がされております。総事業費三千七百億円にも上る税金を投入した大事業なわけですし、その教訓を全国に示すこと、これはとても大事なことですので、石巻ブロックの決算認定の前に検証作業をきちんと終えるということについて伺いたいと思います。 以上で、私の再質疑といたします。
○議長(
安藤俊威君)
環境生活部長佐野好昭君。
◎
環境生活部長(佐野好昭君) まず、工期の設定自体が適正だったのかと、それから、その契約期間内に支払う必要があるのかという御質問でございますけれども、まず、工期というのは、実際にいつまで処理、この件について言えば廃棄物処理がかかるのか、あるいは、石巻については、解体作業につきましては今年度になってからということでございますので、解体工事がいつまでかかるのかと、そういった観点から工期を設定したというところでございます。 それから、契約期間内に支払う必要があるのかということでございますが、これは、契約期間ということが九月三十日ということでございますので、基本的には契約期間内にきちっと完了検査をするということが必要になると。仮契約のままでは完了検査ができず、支払いもできないと、そういうふうなことになります。 それから、震災廃棄物全体の検証についてでございますけれども、これは、議員御指摘のとおり、廃棄物処理の全体の検証については、これはぜひやっていかなければならないものというふうに認識をしております。議員からも御質問がありました震災廃棄物の推計方法、それから発注方式、こういったもの、それからエリア分け、こういった業務の検証については現在進めているところでございます。その結果を今年度中に議会に報告し、また、県内市町村を初め、都道府県、それから建設業者さんなどを対象にした業務報告会も開催をして、我々のその検証結果を全国に御提案、発信してまいりたいというふうに考えております。
○議長(
安藤俊威君) 以上で、質疑を終結いたします。 議第二百五十七号議案、議第二百六十号議案ないし議第二百八十一号議案、議第二百八十三号議案ないし議第二百八十八号議案及び議第二百九十一号議案ないし議第三百七号議案については、お手元に配布の議案付託表のとおり、それぞれ所管の委員会に付託いたします。…………………………………………………………………………………………… 議案付託表 第三百四十九回
宮城県議会(九月定例会)平成二十六年九月十七日議案番号件名提出年月日委員会議第二百五十七号議案
工事委託変更契約の締結について(
災害廃棄物処理施設建設工事等を含む
災害廃棄物処理業務(
石巻地区))二六・九・一七環境生活農林水産議第二百六十号議案
工事請負契約の締結について(
名取地区区画整理工事(その三))同環境生活農林水産議第二百六十一号議案
工事請負契約の締結について(
吉田南部地区区画整理工事(その二))同環境生活農林水産議第二百六十二号議案
工事請負契約の締結について(
吉田南部地区区画整理工事(その三))同環境生活農林水産議第二百六十三号議案
工事請負契約の締結について(
名取地区農地災害復旧及び
区画整理工事)同環境生活農林水産議第二百六十四号議案
工事請負契約の締結について(
岩沼地区農地災害復旧及び
区画整理工事(その一))同環境生活農林水産議第二百六十五号議案
工事請負契約の締結について(
岩沼地区農地災害復旧及び
区画整理工事(その二))同環境生活農林水産議第二百六十六号議案
工事請負契約の締結について(
岩沼地区農地災害復旧及び
区画整理工事(その三))同環境生活農林水産議第二百六十七号議案
工事請負契約の締結について(高屋・
鳥屋崎地区農地災害復旧及び
区画整理工事)同環境生活農林水産議第二百六十八号議案
工事請負契約の締結について(
一般国道三百九十八
号大和田川橋(仮称)新設(下部工)工事)同建設企業議第二百六十九号議案
工事請負契約の締結について(
一般国道三百九十八
号真野川橋(仮称)新設(下部工)工事)同建設企業議第二百七十号議案
工事請負契約の締結について(
主要地方道塩釜亘理線亘理大橋橋梁耐震補強(下部工)工事)同建設企業議第二百七十一号議案
工事請負契約の締結について(
一般県道大島浪板線小々汐道路改良工事)同建設企業議第二百七十二号議案
工事請負契約の締結について(
清水田地区海岸等堤防等災害復旧工事)同建設企業議第二百七十三号議案
工事請負契約の締結について(
東名地区海岸護岸等災害復旧工事(その四))同建設企業議第二百七十四号議案
工事請負契約の締結について(五間
堀川護岸等災害復旧工事(その九))同建設企業議第二百七十五号議案
工事請負契約の締結について(沖ノ田川
護岸等災害復旧工事(その二))同建設企業議第二百七十六号議案
工事請負契約の締結について(長清水川
護岸等災害復旧工事)同建設企業議第二百七十七号議案
工事請負契約の締結について(
七北田川護岸等災害復旧工事(その三))同建設企業議第二百七十八号議案
工事請負契約の締結について(
南貞山運河(
七北田川水系)
護岸等災害復旧工事)同建設企業議第二百七十九号議案
工事請負契約の締結について(坂元川
等護岸等災害復旧工事)同建設企業議第二百八十号議案
工事請負契約の締結について(
仙台塩釜港仙台港区
護岸災害復旧工事)同建設企業議第二百八十一号議案
工事請負契約の締結について(
仙台塩釜港石巻港区
防潮堤等災害復旧工事)同建設企業議第二百八十三号議案
工事請負契約の締結について(
石巻市新蛇田南A-一街区
地区災害公営住宅新築工事(その一))同建設企業議第二百八十四号議案
工事請負契約の締結について(
石巻市新蛇田南A-一街区
地区災害公営住宅新築工事(その二))同建設企業議第二百八十五号議案
工事請負契約の締結について(
石巻市新蛇田南A-二街区
地区災害公営住宅新築工事)同建設企業議第二百八十六号議案
工事請負契約の締結について(石巻市
筒場地区等災害公営住宅新築工事)同建設企業議第二百八十七号議案
工事請負契約の締結について(南三陸町
伊里前地区災害公営住宅新築工事)同建設企業議第二百八十八号議案
工事請負契約の締結について(南三陸町
戸倉地区災害公営住宅新築工事)同建設企業議第二百九十一号議案
工事請負変更契約の締結について(
名取地区区画整理工事(その一))同環境生活農林水産議第二百九十二号議案
工事請負変更契約の締結について(
名取地区区画整理工事(その二))同環境生活農林水産議第二百九十三号議案
工事請負変更契約の締結について(
岩沼地区区画整理工事(その一))同環境生活農林水産議第二百九十四号議案
工事請負変更契約の締結について(
吉田南部地区区画整理工事(その一))同環境生活農林水産議第二百九十五号議案
工事請負変更契約の締結について(
荒浜漁港導流堤災害復旧工事)同環境生活農林水産議第二百九十六号議案
工事請負変更契約の締結について(
狐崎漁港防波堤等災害復旧工事)同環境生活農林水産議第二百九十七号議案
工事請負変更契約の締結について(
塩釜漁港防波堤等災害復旧工事)同環境生活農林水産議第二百九十八号議案
工事請負変更契約の締結について(
寄磯漁港防波堤等災害復旧工事)同環境生活農林水産議第二百九十九号議案
工事請負変更契約の締結について(桃ノ
浦漁港物揚場等災害復旧工事)同環境生活農林水産議第三百号議案
工事請負変更契約の締結について(
塩釜漁港桟橋災害復旧工事)同環境生活農林水産議第三百一号議案
工事請負変更契約の締結について(
鮎川漁港岸壁等災害復旧工事)同環境生活農林水産議第三百二号議案
工事請負変更契約の締結について(
鮎川漁港防波堤災害復旧工事(その二))同環境生活農林水産議第三百三号議案
工事請負変更契約の締結について(表浜港
物揚場等災害復旧工事)同建設企業議第三百四号議案
工事請負変更契約の締結について(女川港
防波堤災害復旧工事(その二))同建設企業議第三百五号議案
工事請負変更契約の締結について(女川港
防波堤災害復旧工事(その三))同建設企業議第三百六号議案
工事請負変更契約の締結について(
仙台塩釜港塩釜港区
桟橋等災害復旧工事)同建設企業議第三百七号議案
工事請負変更契約の締結について(松島町美映の
丘地区等災害公営住宅新築工事)同建設企業-----------------------------------
△散会
○議長(
安藤俊威君) 以上をもって、本日の日程は全部終了いたしました。 明日の議事日程は、追って配布いたします。 本日は、これをもって散会いたします。 午後一時五十一分散会...