本日ここに、県議会第二百六十六回定例会の開会に当たり、
県政運営に関する所信の一端と、上程されました議案の概要を御説明申し上げ、
議員各位並びに県民の皆様の深い御理解と御協力をお願い申し上げる次第でございます。
私は、このたび、県民の皆様の温かい御支援を賜り、三たび知事の重責を担うこととなりました。今後の
県政運営に思いをいたすとき、私に課せられました使命と責任の重大さに改めて身の引き締まる思いがいたします。
今、我が国は、三月に発生いたしました
東日本大震災によって戦後最大の危機を迎えております。本県においても震災による傷跡はいまだ生々しく、私も、
選挙期間中、
県内各地で、震災の影響、復興への思いなど、たくさんのお声を伺いました。対応を急がなくてはならない多くの課題や県政に対する期待を肌で感じたところであります。
再選を果たしました今、私の最大の使命は「
震災復興・防災あおもり」の迅速かつ着実な実行であります。
さきに策定しました青森県
復興プランの
取り組みを着実に進めつつ、今後は、県民のとうとい生命と財産を守るため、青森県
地域防災計画の見直しなど
危機管理体制を強化するとともに、
孤立集落をつくらないというこれまでの
取り組みを深化させ、防潮堤、
避難道路等の
インフラ整備を県民の命を守る
防災公共と新たに位置づけ、計画的に推進していきます。
また、
創造的復興に向けた中長期的な
取り組みに係る青森県
復興ビジョンを早期にお示しすることとしております。
あわせて、これまでも皆様の御支援、御協力のもとで進めてまいりました「暮らしやすさの
トップランナー「
生活創造社会」」の実現に向けた
取り組みをさらに加速しなければならないと決意しております。
青森県のすばらしい
地域資源や人財を不断のイノベーションと攻めの行動力で生かしながら、
自主自立にして世界の一翼たる青森県づくりを県民の皆様とともに進めます。
今こそ、希望なくして未来なし―私が今なすべきは、何よりも、県民の皆様の安全・安心を絶対に守り抜くという強い信念のもと、改めて
ふるさと青森を再生・新生すべく希望の光を高らかに掲げること、希望のともしびのもと、県民の皆様とともに苦難を乗り越え、未来に向かって進むことであります。
そして、一つ、みずからの地域はみずからが責任を持ってつくり上げる覚悟と同時に、グローバルな発想で地域を元気にする自立の姿勢、一つ、持続可能な活力あふれる青森の新しい地平線を目指す挑戦の姿勢、一つ、世代や地域、産業などさまざまな領域間できずなという原点に立った協働の姿勢の三つの姿勢を大切にし、県民の皆様とともに、日本の元気、青森の元気を取り戻していきたいと考えております。
具体的には、県政が抱える諸課題を踏まえ、「教育、
人づくり」、「産業・仕事」、「安全・安心、健やか」、「行財政基盤安定」の四つの分野に「
震災復興・防災あおもり」を加えた五本の柱を「元気、再生!
フルパワーあおもり」として掲げ、青森県ならではの地域力である青森力を生かしながら、暮らしやすさではどこにも負けない
地域づくりの歩みを加速させていく所存であります。
時代が大きく変動し、あわせて未曾有の災害に遭遇しているこのようなとき、求められるのは、県民の命と暮らしを守るという強い決意と覚悟、そして、ぶれることのない政策の実行であります。
これらの政策の実現に向け、まずは、平成二十三年度当初予算に計上している未来への
挑戦推進事業等について、より効果が早く、かつ高くあらわれるよう万全を期していくとともに、これまでにも増して施策の選択と集中の視点を徹底しながら、柔軟に、かつ
スピード感を持って県民の皆様とともに取り組んでまいります。
今回の大震災では、
県内全域が停電となるなど大変厳しい状況の中で、
県内各地から被災地に向け、
人的支援や
物的支援が迅速に行われました。また、被災された地域の方々がみずから力を合わせて炊き出しや瓦れきの片づけをしている姿がありました。さらには、
全国各地、そして世界からも、青森県頑張れと
物心両面にわたる多くの励ましをいただきました。本県からも、岩手、宮城、福島の各被災県に向けた支援の輪が日に日に広がりを見せております。
互いが互いを支え合うという
青森県民のすばらしいきずな、また、地道にこつこつと物事をなし遂げる正直で生まじめな県民性、これら「青森の正直」とも言うべき県民力を結集することにより、青森の持つ底力、真の力が引き出され、青森県の未来を切り開く大きなパワーが生まれるものと考えております。
こうした県民のパワーと豊かな
地域資源が結合すれば、震災からの復興、
ふるさと青森の再生・新生は必ずやなし遂げられると確信しているところであります。
以上、再び
県政運営を担うに当たっての私の基本的な考え方について申し上げました。
ふるさと青森やこの国の元気な再生・新生を目指し、くじけず、ひるまず、しっかりとした目標を持って県民の皆様とともに挑戦を続ける覚悟でありますので、
議員各位並びに県民の皆様の御理解と御協力を心からお願い申し上げます。
それでは、上程されました議案の主なるものについて、その概要を御説明申し上げ、御審議の参考に供したいと思います。
まず、議案第一号「平成二十三年度青森県
一般会計補正予算案」について御説明いたします。
今回の
補正予算は、
東日本大震災に係る
生活再建・
産業復興対策として、
被災中小企業者等の施設の復旧等に対する支援に要する経費、港湾、漁港等の
インフラ施設の復旧に要する経費、
東日本大震災復興基金の積み立てに要する経費等について、所要の
予算措置を講ずるものであります。
その結果、今回の
補正予算額は
歳入歳出とも二百三十八億六千三百八十万円余となり、これと
既決予算額とを合計いたしますと、平成二十三年度青森県
一般会計の
予算規模は七千四百三十六億五千五百九十万円余となります。
以下、計上の主なるものについて御説明申し上げます。
まず、
公共事業関係費について申し上げます。
災害公共事業費については、
災害査定の進捗を踏まえ、
農林水産施設災害復旧費において
漁港災害復旧費等三十九億六千九百三十万円余、
土木施設災害復旧費において
港湾災害復旧事業費等三十億四千四十万円余、合わせまして七十億九百七十万円余を計上するとともに、
災害国直轄事業負担金については、
港湾災害国直轄事業負担金三十八億九千六百十万円を計上いたしました。
一般公共事業費については、
漁港施設の
機能強化等に要する経費として三億九千二百五十万円余を計上するとともに、八戸港の緑地等の復旧に要する経費として一億千二百九十万円余を計上いたしました。
次に、その他の計上の主なるものについて、款を追い御説明申し上げます。
総務費については、防災費において、県が受け入れた
寄附金等を活用し、震災からの復興に関する事業を実施するため、今回提案しております議案第四号「青森県
東日本大震災復興基金条例案」で
当該基金を設置することとし、
基金積立金五億三千五百五十万円余を計上いたしました。
環境保健費については、
公害対策費において、本県の
原子力防災対策の強化・見直しを検討するための専門家による委員会の設置・運営に要する経費として三百九十万円余を計上いたしました。
農林水産業費については、農業費において、
本県農林水産物への信頼を維持・確保するため、
放射性物質の
モニタリング調査を実施するのに要する経費として千七百八十万円余を計上するとともに、農協等の
セルフチェック体制の構築を支援するのに要する経費として八百万円を計上したほか、津波により被害を受けた
卸売市場施設の復旧に要する経費に対する助成として一億七千二百三十万円余を計上いたしました。
また、
水産業費において、被災した青森県
産業技術センター食品総合研究所の
施設設備の復旧等に要する経費として三億二千八百五十万円余を計上いたしました。
商工費については、商工費において、震災に伴う
間接被害により
事業活動に影響を受けている
中小企業者に対する金融の円滑化を図るための青森県
特別保証融資制度の
拡充実施に要する経費として二十九億四千万円を計上いたしました。
また、被災した
中小企業者等が
復興事業計画に基づいて実施する施設等の
復旧事業及び
事業協同組合等が実施する
共同施設等の復旧に要する経費に対する助成として四十七億六千四百七十万円余を計上したほか、今回提案しております議案第三号「平成二十三年度青森県
小規模企業者等設備導入資金特別会計補正予算案」において、
被災中小企業者等の
自己負担分に対する貸付金十五億八千六百四十万円余を計上いたしました。
さらに、
被災中小企業者等の
設備投資に係る負担を軽減し、早期の
経営再建を支援するため、
財団法人21あ
おもり産業総合支援センターが行う
機械類貸与事業に
東日本大震災被災企業枠を創設するのに要する経費等として一億八百二十万円余を計上したほか、二千六百万円余の
債務負担行為を設定いたしました。
このほか、観光費において、震災の影響により大きな打撃を受けている本県の
観光産業の復興に向けて、
旅行業者に対する
商品造成支援を行うなど誘客促進対策を実施するのに要する経費として一億円を計上いたしました。
教育費については、
教育総務費及び
保健体育費において、被災した幼児、児童及び生徒の緊急的な
就学支援等の実施に要する経費として一億五千三百九十万円を計上するとともに、青森県
東日本大震災復興基金を活用し、子供の
防災意識の向上及び
防災教育の充実を図るため、
子供防災推進大会の開催及び
防災教育の
教材作成等に要する経費千五十万円を計上いたしました。
以上が
歳出予算の概要であります。
次に、歳入について申し上げます。
今回の
補正予算の主なる財源としては、歳出との関連等において、
国庫支出金、諸収入及び県債を計上したほか、
普通交付税八億九十万円余を計上いたしました。
以上が議案第一号「平成二十三年度青森県
一般会計補正予算案」の概要であります。
議案第二号「平成二十三年度青森県
港湾整備事業特別会計補正予算案」は、
東日本大震災に関連して、八戸港の
コンテナヤード、
コンテナクレーン等の復旧に要する経費として十五億三千七百万円を計上いたしました。
議案第六号「青森県
県税条例の一部を改正する条例案」は、
地方税法の改正に伴い、個人の県民税について、
東日本大震災に係る
住宅借入金等特別税額控除の
適用期間の特例を定めるものであります。
議案第八号「青森県
高等学校授業料減免事業等臨時特例基金条例の一部を改正する条例案」は、
被災児童生徒就学支援等臨時特例交付金を基金として積み立てて、
東日本大震災により被災した幼児、児童または生徒の就園または就学の支援等のための事業に要する経費及び
当該事業を行う市町村に対する補助に要する経費の財源に充てることができることとするものであります。
以上をもちまして
提出議案の概要について御説明申し上げましたが、議事の進行に伴い、御質問に応じ、本職を初め関係者から詳細に御説明申し上げたいと思います。
何とぞ、慎重御審議の上、
原案どおり御議決を賜りますようお願い申し上げます。
なお、この機会に、議長のお許しを得て、
オーダーメード型貸し工場の
活用状況について御報告申し上げます。
さきの二月定例会において、
財団法人21あ
おもり産業総合支援センターが実施している
オーダーメード型貸し工場の利用によって、旧
エーアイエス株式会社の従業員の雇用や技術の確保を図るとともに、
損失補償契約による
県民負担を生じさせないために、同
センターが
貸し工場の建設に伴う
金融機関からの借入金を一括返済するのに要する経費等約二十九億円を貸し付けすることについて御議決をいただいたところです。
その際、
貸し工場を利用する企業の
経営基盤強化策の一環として
当該企業に係る
合弁会社の設立のめどがついた段階で、県議会に御報告した上で、同
センターにおいて
金融機関への返済や
貸し工場の正式な
リース契約を締結することとしたところであります。
今般、
貸し工場の
利用企業として、六ヶ所村に本社を有する相和物産
株式会社と、神戸市に本社を有し、
グループ本社がアメリカ合衆国にある
株式会社サンテクノロジーが新たな
合弁会社を設立することで基本合意に至りました。
企業概要を申し上げますと、社名は仮称「
サンテックソウワ株式会社」で、当該二企業のほか、
国内大手電機メーカー等の出資により資本金約二億二千万円で設立し、
貸し工場を利用して、
カラーフィルターや
タッチパネル基板の製造など、
フラットパネルディスプレー事業を展開することとしております。
私としては、本
合弁会社の設立により、
貸し工場の
利用企業として
経営基盤の安定化や営業力の強化が図られるものとの判断に至ったことから、同
センターにおいて
金融機関への返済及び
貸し工場の正式な
リース契約を行うこととしたいと考えております。
今後は、
貸し工場の安定した活用によって
リース料を計画的に徴収し、
県民負担が生じないよう最大限の努力をしてまいる所存でありますので、御理解賜りますようお願い申し上げます。
以上です。
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◎ 臨時の協議又は調整を行うための場の設置
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7 ◯議長(高樋 憲) 次に、臨時の協議又は調整を行うための場の設置の件を議題といたします。
会議規則第百二十二条第二項に基づく臨時の協議又は調整を行うための場について、お手元に配付のとおり設置することに賛成の方は御起立願います。
〔
賛成者起立〕
8 ◯議長(高樋 憲)
起立総員であります。よって、さよう決定いたしました。
なお、ただいま臨時の協議又は調整を行うための場として設置されました
議員説明会は、本日午後一時より西棟八階
大会議室において開催いたしますので、この席上より口頭をもって招集いたします。
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◎ 議 会 報 告
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9 ◯議長(高樋 憲)
議会報告として、第一号「監査の結果について」、第二号「
例月出納検査の結果について」、第三号「請願・陳情の処理の経過及び結果について」、第四号「決議の処理の結果について」、第五号「
議員派遣の結果について」をお手元に配付してあります。《
議会報告第三号の別冊は
登載省略》
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◎ 本 会 議 休 会 提 議
──────────────────────
10 ◯議長(高樋 憲) 本職より提議があります。
お諮りいたします。
議案熟考のため、明十七日、二十日及び二十一日の三日間休会いたしたいと思います。これに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
11 ◯議長(高樋 憲) 御異議なしと認めます。よって、さよう決定いたしました。
なお、六月十八日及び十九日は、県の休日ですから休会であります。
以上をもって本日の議事は終了いたしました。
六月二十二日は午前十時三十分から本会議を開きます。
本日はこれをもって散会いたします。
午前十時五十分散会
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