札幌市議会 2020-10-14
令和 2年第二部決算特別委員会−10月14日-04号
令和 2年第二部
決算特別委員会−10月14日-04号令和 2年第二部
決算特別委員会
札幌市議会第二部
決算特別委員会記録(第4号)
令和2年(2020年)10月14日(水曜日)
――
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●議題 付託案件の審査
●
出席委員 34名
委 員 長 林 清 治 副委員長 村 山 拓 司
委 員 武 市 憲 一 委 員 三 上 洋 右
委 員 高 橋 克 朋 委 員 山 田 一 仁
委 員 長 内 直 也 委 員 よこやま 峰子
委 員 北 村 光一郎 委 員 小 竹 ともこ
委 員 阿部
ひであき 委 員 中 川 賢 一
委 員 三 神 英 彦 委 員 小須田ともひろ
委 員 小 野 正 美 委 員 桑 原 透
委 員 峯 廻 紀 昌 委 員 村 上 ゆうこ
委 員 かんの 太 一 委 員 成 田 祐 樹
委 員 たけのうち有美 委 員 あおい ひろみ
委 員 田 島 央 一 委 員 國 安 政 典
委 員 好 井 七 海 委 員 小 口 智 久
委 員 前 川 隆 史 委 員 森 山 由美子
委 員 長 屋 いずみ 委 員 池 田 由 美
委 員 田 中 啓 介 委 員 吉 岡 弘 子
委 員 佐々木 明 美 委 員 石 川 さわ子
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開 議 午前10時
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○林清治 委員長 ただいまから、第二部
決算特別委員会を開会いたします。
報告事項でありますが、伴委員からは
小竹委員と、
松井委員からは
中川委員と、
福田委員からは好井委員と、
村上ひとし委員からは
長屋委員と交代する旨、届出がございました。
それでは、議事に入ります。
最初に、第3款
保健福祉費 第5項
健康衛生費の質疑を行います。
◆
阿部ひであき 委員 おはようございます。
1発目から私のほうで質問をさせていただきますけれども、今日は、
医科歯科連携の推進について伺いたいと思います。
歯と口の健康は全身の健康と大きく関わっていることが数多く報告されております。例えば、歯周病は糖尿病との関連が多数報告されており、糖尿病の方は、重症の歯周病になりやすいだけではなく、歯周病を治療することによって血液中の
炎症性反応物質が減少し、血糖値の改善が期待できるといったことが明らかになりつつあります。
また、先日の報道によりますと、
アルツハイマー型認知症の原因となる異常なタンパク質の脳内の蓄積に、歯周病を起こしている細菌が血液内に侵入することが原因となっていることが明らかになったといった報告もあります。
このように、これまで、一見、重大な全身疾患にはあまり関係がないと思われていた
歯科医療が、実は極めて密接な関連があることが証明されつつあります。
さて、もう一つ、
医科歯科連携の重要な取組として、
がん患者さんに対する
医科歯科連携であります。市民の2人に1人はがんにかかり、3人に1人はがんで死亡すると、市民の健康、生命にとって極めて重大な
健康課題であります。
ご承知のとおり、
がん患者に対しては、抗がん剤、あるいは
放射線治療といったことがありますけれども、これらによって全身の抵抗力が大きく落ちてしまい、そして、治療の間、感染症をいかに予防できるかによって治療の予後や、あるいは入院期間に大きく影響します。さらに、治療の副作用として、唾液がほとんど分泌されず、虫歯や潰瘍が多発するなど、
口腔内状況も急速に悪化してしまう、こうしたことも報告としてあるところであります。
しかし、
がん治療を行う際に、
がん治療を行う病院と地域の
歯科医療機関が連携し、
口腔ケアをしっかり行うことにより、口腔内の
歯科疾患の予防はもちろんのこと、肺炎等の感染症の発症が減少し、入院日数の短縮につながることが明らかとなっております。
このため、
北海道歯科医師会においては、
がん治療の際、地域の
受入れ歯科医療機関の受診を推奨する
がん診療医科歯科連携事業を実施しており、対応できる
歯科医師の育成等に取り組んでいるとのことであります。
そこで、質問でありますけれども、
がん診療医科歯科連携事業には
札幌市内の
歯科医院も
連携歯科医療機関として参加していると思いますけれども、
札幌市内の
取組状況等の現状について伺いたいと思います。
◎秋野
成人保健・
歯科保健担当部長 医科歯科連携の推進に関するご質問についてお答えをいたします。
がん診療医科歯科連携事業の
札幌市内の取組の現状についてでございますが、この事業は、
がん患者が安心して
口腔ケアや
歯科治療を受けられることを目的としており、
厚生労働省の
委託事業として、
日本歯科医師会が主催する
全国共通がん医科歯科連携講習会を受講した
歯科医師が在籍する
歯科医療機関を
連携歯科医療機関として指定しているものとなっております。
連携歯科医療機関の役割でございますが、がんの手術前患者を対象とした
歯科治療、終末期や
在宅がん患者を対象とした
口腔ケアとなっており、現在、
札幌歯科医師会に所属する173の
歯科医療機関が
連携歯科医療機関として指定されていると承知しているところでございます。
◆
阿部ひであき 委員
札幌市内の取組の現状については、今、話があった173の機関が
連携歯科医療機関として登録しているということで、現状として、医師会や
歯科医療機関の努力で対応されているというふうに思います。
先進的な
医科歯科連携の取組を行っている自治体においては、
歯科医師会だけではなくて、地域の医師会や大学病院、そして行政も事業に参画し、地域が一体となって取り組んでいるとのことであります。
例えば、糖尿病の
医科歯科連携においては、行政が関係者の協議の場を設け、
歯科医療機関の働きかけだけではなく、糖尿病の専門医が
歯科医療機関の
受診勧奨を行うといった、きめ細やかな
医科歯科連携の取組が行われているとのことであります。
そこで、質問でありますけれども、札幌市においても
医科歯科連携は極めて重要な取組であると考えますが、今後どのように取り組んでいくつもりか、伺います。
◎秋野
成人保健・
歯科保健担当部長 今後の取組についてでございますが、平成29年度から令和5年度までを
計画期間としております札幌市生涯
歯科口腔保健推進計画におきましても、医科と歯科が相互に情報提供できる
連携体制の検討を盛り込んでいるところでございます。
今後、
札幌市内の
医療機関と
歯科医療機関の連携の推進に向けまして、どのような取組が必要かにつきまして、専門団体である
札幌歯科医師会と
意見交換を行うなど、検討を進めてまいりたいと考えております。
◆
阿部ひであき 委員 私も若干調べてみたのですけれども、平成28年の10月ですか、
厚生労働省においての第61回の
がん対策推進協議会の中で、
がん対策の
医科歯科連携における
歯科医師の役割について等が発表されて、これからもう、はや4年がたったところでもあります。
先ほど来から話をしていますとおり、様々な病気と口の中の環境というのは本当に相当の因果関係があるのじゃないか、そのことが少しずつ分かってきて報告されてきているところでもあります。
そうした中で、それぞれの
歯科医療機関や、あるいは医師会等々で努力に任せるばかりではなくて、先ほども先進事例の中にもありましたとおり、やはり行政がそこをつなぐということがまず大事だというふうに思うところでありますので、ぜひとも、本市としてもそうした計画があって、この件が盛り込まれているのであるならば、さらに
歯科医師会との
意見交換も含めてしっかり前に進めていただかなければならない、このことを指摘させていただいて、私の質問を終わりたいなというふうに思います。
ありがとうございました。
◆
あおいひろみ 委員 私からは、
後期高齢者歯科健診について質問いたします。
高齢者が生き生きと元気で暮らすためには、歯と口の健康が重要であることは多くの方々に認知されてきておりますが、歯科医へ足を運ぶきっかけというのは、なかなかつくりにくいものであります。
札幌市では、2004年から
歯周病検診の事業を開始し、2015年から個別案内を送り、初めは40歳と50歳だった
対象年齢も、現在では60歳と70歳に拡充しています。
昨年の
市民アンケートでは、
かかりつけの歯医者があるという回答も67.2%となっており、歯科医に定期的に
メンテナンスに行くという声も最近ではよく耳にするようになってきたことは、この健診の事業が浸透されてきていると評価いたします。
このような中、自分の歯を20本以上有している高齢者は、健康寿命が長くなることや、認知症の発症が低いことも報告されていることから、本市においても、2018年から
後期高齢者歯科健診を実施しております。
昨年度の
決算特別委員会においても、
後期高齢者に対して、
歯科受診率を上げるため、
市民周知と
実施歯科医院の拡大、協力を指摘したところでもあります。
後期高齢者歯科健診は、歯、歯肉の状態のほか、
口腔機能の状態もチェックでき、誤
嚥性肺炎等の疾病の予防の観点からも大変有意義な健診であることから、多くの高齢者に受診してもらいたい制度であります。
本年は、
新型コロナウイルス感染により肺炎で亡くなる高齢者の話題もあったことから、健診の受診を控えている方も多くいらっしゃることと思います。
新型コロナウイルスの
感染拡大時でも日常的に
ウイルス対策をしてきた歯科医は、
コロナ禍でも、閉めることなく、市民の
口腔衛生を守ってこられたことに対しまして、
歯科医療機関の従事者の方々に深く感謝いたします。
そこで、一つ目の質問ですが、
後期高齢者歯科健診の
受診状況について、
新型コロナウイルスによる
受診控えの影響はあったのか、また、
実施医療機関の
歯科医院の数について昨年から拡大されたのか、伺います。
◎秋野
成人保健・
歯科保健担当部長 後期高齢者歯科健診に関するご質問についてお答えをいたします。
新型コロナウイルス感染症による影響と
実施医療機関数の拡大についてでございますが、まず、
新型コロナウイルス感染拡大による影響につきましては、
緊急事態宣言中の受診者は大きく落ち込んだところでございますけれども、その後、
受診者数は回復傾向にございまして、6月から8月で比較をいたしますと、昨年の118人を上回る174人となっており、
受診控えは解消されつつある状況と認識をしております。
次に、受診しやすい
環境づくりのために
実施医療機関数の増加は重要と考えておりまして、10月5日現在、608施設となっており、
事業開始当初の565施設より43施設増加をしているところでございます。
今後も、
札幌歯科医師会と協力をいたしまして、会員への積極的な周知を行うなど、
実施医療機関数の増加に努めてまいりたいと考えております。
◆
あおいひろみ 委員
新型コロナの影響の中でも
後期高齢者歯科健診の受診率は減少していなかったとのこと、高齢者の方々に歯科健診は
健康課題を見つける一つという意識を持つように、今後も引き続き
市民周知に努めていただきたいと思います。
実施医療機関については、昨年度の
実施医療機関は565施設ということでしたが、本年は若干増えたようですね。しかしながら、まだ、札幌全体の
歯科医療施設から見ると、
実施施設の少なさが目立ちます。ふだん通っている、または近くの歯科医が
対象施設ではない場合もあることが想定されます。高齢者にとっては、通い慣れた
歯科医師にかかることが一番望まれることを考えると、
実施医療機関の拡大は必須であります。
歯科医師会との連携を図り、拡大に努めてください。
さて、次に、
後期高齢者歯科健診の周知方法について伺います。
ふだん定期的に
歯科医院に
メンテナンスに通われている方の場合、
後期高齢者歯科健診ではなく、いつものメニューのほうを選んでしまい、結果的にこの制度を利用しない場合があるようです。
口腔機能のチェックはこの健診の目玉であることを利用者が理解していない場合もあることを考えると、この健診のよさを市民が理解していないということになります。年に1回は
口腔機能チェックができるこの健診制度をもっと利用するように呼びかけることも重要なのではないでしょうか。
そこで、二つ目の質問ですが、定期的に歯科医に通う方にもこの健診制度を利用してもらうために、年に1度の
口腔機能検査が重要であることを個別に周知し、受診を促すことが必要と考えますがいかがか、伺います。
◎秋野
成人保健・
歯科保健担当部長 受診を促すための方策についてでございますが、これまでの
後期高齢者歯科健診の対象者への周知につきましては、医科の
後期高齢者健診のパンフレットの一部に歯科健診の内容を掲載していたところでございます。
来年度に向けましては、
後期高齢者歯科健診の受診券を新たに別途作成することといたしまして、
後期高齢者健診の案内の際に同封することにより、全ての対象者に
個別通知を行うことを考えているところでございます。
さらに、新たに作成する受診券には、具体的な健診の内容の案内も添付することといたしておりまして、通常の虫歯や歯周病の検査だけではなく、
嚥下機能等を含む
口腔機能の検査も行えることを明記いたしまして、今まで
ホームページ等で確認する必要があった
実施歯科医療機関につきましても併せて掲載する予定でございます。
個別通知の時期につきましては来年3月ごろを予定しておりまして、次年度以降の
後期高齢者歯科健診の受診率が向上するよう努めてまいりたいと考えております。
◆
あおいひろみ 委員 今までは、
後期高齢者健診の一部にお知らせがついていて、分かりにくかったところもあるようですね。来年度は、
後期高齢者歯科健診の受診券を新たに作成し、具体的な健診内容や
実施医療機関の掲載もされるとのことですので、高齢者の方が健診についてより分かりやすくなると思います。
要望です。
冒頭で、
かかりつけの歯科医が67.2%あるということですが、医科と歯科の
かかりつけ医は意味合いが少し違っていて、医科の
かかりつけ医は慢性の疾病で通い続ける、あるいは、風邪を引いたらかかるというお医者さんであるのに対して、歯科の場合は、痛みや腫れがあったら行く歯医者が決まっているという場合が多いようです。67.2%の
かかりつけ歯科医の意味合いを今後も注視して事業に取り組んでいただきたいと思います。
より身近な
歯科医院で受診できるために、
実施医療機関が増えるよう
歯科医師会に働きかけることも要望したいと思います。むせる、飲み込みづらいなどは、
後期高齢者が毎日の食事で気にしていることでもありますので、
口腔機能チェックのメリットを理解していただけるような事業になることを要望して、私の質問を終わります。
◆
森山由美子 委員 私からは、
がん検診、特に昨年度より開始された
乳がん検診の超
音波検査について質問をいたします。
がんの
罹患者数は年々増加しており、2017年の
国立がん研究センターの統計では、部位別で見た場合、最も多いのは
大腸がんですが、女性に限定すると乳がんが最も多くなっており、全国で約9万1,000人に上り、これは女性のがん全罹患者の約2割に当たります。
2014年の75歳
未満がん年齢調整死亡率では、乳がんの死亡率が最も高く、札幌市は、人口10万人当たり11.9%と、全国の10.5%を上回っている状態であります。また、同じ年の
乳がん年齢調整罹患率も道内平均を上回っている状況です。特に40代は、乳がんの罹患率が最も高い上、乳腺の割合が高い、いわゆる高濃度乳房の方の割合がほかの年代に比較して高いという特徴があります。こうした方は、
マンモグラフィーではがんを発見しづらいことがあると聞いております。
私の知人の話になりますが、
乳がん検診を受けた知人が、
マンモグラフィーでは正常の判定で安心をしておりましたら、半年後、進行性の乳がんで大きくなったしこりに自ら気づき、病院に駆け込み、その後、手術、治療に1年費やすということがあり、受診当時はやはり40代でした。
この年代は、仕事をしながら子育てをするなど、家庭の中でも社会的にも大きな役割のある年代であり、また、多忙な世代だからこそ
受診者数を増やすことが重要と考えます。また、受けた方のがんを見逃さずに発見することが重要だと考えます。
本市では、令和元年の8月から、受診率の向上を目的として、
マンモグラフィー検査と併用する形で、40代の希望者を対象に超
音波検査を導入し、ちょうど1年経過したところであります。
がんの
早期発見と
早期治療は、生存率を向上させるだけではなく、就労中の方ががんに罹患した場合でも離職せずに治療を継続して回復する可能性もあり、女性の
活躍推進にもつながるものです。
今年に関して言えば、
新型コロナウイルスの
感染拡大の影響による
がん検診の
受診控えがあると思いますが、対象となる市民に
がん検診を受けていただくことが大切と考えます。
そこで、質問ですが、
コロナ禍における
乳がん検診の
受診実績とその影響についてお伺いいたします。
◎秋野
成人保健・
歯科保健担当部長 乳がん対策に関するご質問にご回答をいたします。
コロナ禍における
乳がん検診の
受診実績とその影響についてでございますが、全年齢で見た
乳がん検診の受診者は、昨年同月との比較で、5月に2,405人から695人までと大きく減少いたしまして、前年度比29%と最も影響が大きかった月の状況でございました。
この後、8月には推計約2,700人と前年度比82%まで回復をしてきておりまして、
受診控えは解消しつつある状況と認識をしているところでございます。
◆
森山由美子 委員 コロナの影響による
受診控えが長期化するということは、市民の健康に著しい影響を与えることになるため、
検診受診の必要性を市民にしっかり伝え、
受診控えのないように
市民周知をお願いしたいと思います。
超
音波検査は、
マンモグラフィーのような痛みや被曝がなく、40歳代の方が二つの検査を併用した場合、がんの発見率が1.5倍になったという国の
臨床検査の報告がされている一方、寿命に影響しないがんを発見、診断することにより、過剰診断がされて必要ない治療が実施されるかもしれない不利益があるとされております。
そこで、質問ですが、札幌市では、受診者の不利益をどのように考慮して超
音波検査を実施しているのか、また、超
音波検査の
受診状況や
がん発見率等の実績について伺います。
◎秋野
成人保健・
歯科保健担当部長 超
音波検査受診に係る不利益への対応と検査の実績についてでございますが、札幌市では、超
音波検査の実施に当たりまして、
死亡率低下の効果が完全には証明されていないことや、過剰な検査や治療が行われる可能性があることにつきまして、
検診医療機関から受診者に説明を行い、同意が得られた方のみ実施をすることとしております。
検査の実績につきましては、昨年度、
マンモグラフィーに加えて超
音波検査を受診した方は6,306人となっておりまして、全体の61%となっておりました。
一昨年度と比較した昨年度の
乳がん検診の
受診状況につきましては、
新型コロナウイルス感染症の影響を受け、年度末に大きく落ち込んだにもかかわらず、年間を通しては若干
受診者数が増加をしておりまして、超
音波検査の導入が
検診受診率向上に寄与しているものと考えているところでございます。
また、超
音波検査と
マンモグラフィーを併用して受診した方の昨年度の
がん発見率につきましては0.48%となっておりまして、
マンモグラフィーのみの0.18%と比べて高い結果となっております。
がん発見率の向上の効果についても確認をされたと考えているところでございます。
さらに、要
精密検査率につきましては、国の指標値である11%以下を大きく下回る4.8%に収まりまして、昨年度の状況からは、過剰な
精密検査を増やすことなく、
がん発見率を高める結果が得られたところでございます。
今後も、医師会や専門家の意見を踏まえながら、効果的な取組となるよう、検証を継続してまいりたいと考えております。
◆
森山由美子 委員
マンモグラフィーと併用することにより発見率が高くなったとのことでした。私の知人も、あのとき
マンモグラフィーとともに超
音波検査を受けられていたら、もう少し早い治療で復帰ができたのかもしれないとも思いました。
今後も引き続き、本市が取り入れられた検診の併用の効果について注視、分析をし、多くの方がこの制度を活用され、家庭や社会で頑張られる女性の健康、活躍に生かせるよう対策されることをお願いし、私の質問を終わります。
◆
成田祐樹 委員 私からは、
ワクチン接種についてお伺いします。
今般の
新型コロナウイルス感染症の影響で、
新型コロナへの感染を恐れ、
医療機関や外出を控える市民が一定数いたのではないかと想定しております。ただ、それによって、
ワクチン接種のように、体調不良とは関係なく
医療機関を受診するものについては
受診控えが起きやすく、その結果、
定期接種の接種時期を超過してしまうことが危惧されるところです。これについては、
日本小児科医会でも、
ワクチン、乳幼児健診はスケジュールどおり受けることを推奨する声明を出しております。
このような背景から、国は、今年3月に、
予防接種のための受診による感染症への罹患のリスクが
予防接種を延期することによるリスクよりも高いと考える場合など、規定の接種時期に
定期接種ができない相当な理由があると市町村が判断し、やむを得ず規定の接種時期を超えて
定期接種を行ったものについては
定期接種として扱ってよいとの通知が発出されたと伺いました。
札幌市の
ホームページなどでは、この国の通知に基づき、当面の間、
接種期間を延長していると公表しており、市民の健康を守る点からも、
接種費用の新たな負担を強いない点からも、この判断については評価できると考えております。
新型コロナに感染しないよう、
感染予防のために行動を変えることも大事ではありますが、
ワクチンを打ち損じて本来防ぐことができる病気にかかってしまうことは避けなければならず、適切な時期に
ワクチンを接種することは、やはり重要なのではないでしょうか。
そこで、質問ですが、
新型コロナウイルス感染症の発生前後で
予防接種の状況に変化があったのか、お伺いしたいと思います。
◎山口
感染症担当部長 新型コロナウイルス感染症による
予防接種の影響についてお答えいたします。
本年1月から7月までの期間におきまして、昨年同期間との接種者の数を比較いたしますと、4種
混合ワクチンが99.5%、ヒブ
ワクチンが98.7%、麻疹・
風疹混合ワクチンが104.2%など、大幅な変動はありませんでした。
この結果から、札幌市におきましては、
新型コロナウイルス感染症の発生による
ワクチンの
接種控えへの影響は、ほぼないものと認識している状況でございます。
◆
成田祐樹 委員 今、お答えいただいて、札幌市では、
新型コロナによる影響は接種率の形ではあまり出ていないということを理解させていただきました。この
コロナ禍で
受診控えの可能性というのは、引き続き行われる可能性があるというふうに思っております。また、
新型コロナに対する警戒心については、かなり個人差があるようですので、全く
予防接種を受けないというような家庭が出てくるかもしれません。ぜひ、適切な時期に
ワクチンを接種することの重要性について周知していくことをこれからもお願いしたいと思います。
次に、もう1点、子宮頸がん
ワクチンの接種の周知についてです。
つい先週末の10月9日に、厚労省から、子宮頸がん
ワクチンの
定期接種対象者への周知について通知が発出されました。この
ワクチンは、ヒトパピローマウイルスの感染が原因と考えられている子宮頸がんの予防のため、小学校6年生から高校1年生の年齢に相当する女子を対象とした
ワクチンですが、我が国では、以前、報道などで副反応などが取り上げられたことから、その接種率は激減しております。その安全性についていろいろな意見が出ておりましたが、WHOでも安全な
ワクチンとして接種を推奨しており、現在、先進国で積極的な接種勧奨をしてないのは日本だけという状況になりました。
また、今月頭には、子宮頸がん
ワクチンの効果について、スウェーデンのカロリンスカ研究所が167万人の女性を対象にした大規模な調査を行ったところ、
ワクチンを接種した女性では子宮頸がんのリスクが大幅に減ったとする研究結果を公表し、これについては国内の多くの報道機関によって報じられたところです。
しかしながら、その一方で、日本国内では、年間約1万1,000人の方が罹患され、年間約3,000人弱の方が子宮頸がんによって亡くなられているという数字が公表されています。子宮頸がん
ワクチンが
定期接種であること自体を知らない保護者等が増えてきていることから、接種を希望する方に対して、
ワクチンが
定期接種であること、その
ワクチンの有用性や安全性、副反応などを情報提供し、円滑に摂取できることが求められています。
既に富山県では、公費で接種できることについて、対象者への
個別通知を今年度中に全市町村にて実施するとされており、広島県では県内の全23市町村に接種の
個別通知を初めて依頼したと、9月22日に中国新聞が報じております。それ以外の自治体でも、政令市では、千葉市などをはじめ、既に
個別通知を開始したところがかなり増えてきています。
当会派としても、接種対象者に対し、病気と
ワクチンをまず知っていただき、
ワクチン接種を希望する方に適切に接種機会を提供することが重要であると考えております。
そこで、質問ですが、札幌市において、子宮頸がん
ワクチン定期接種の対象者に対し、適切な情報提供を行うべきと考えますが、見解をお伺いしたいと思います。
◎山口
感染症担当部長 子宮頸がん
ワクチン対象者への情報提供についてお答えいたします。
札幌市におきましても、子宮頸がん
ワクチンが
予防接種法で定める定期
予防接種であることを対象者に伝え、接種を希望する方の接種機会を適切に確保することは必要と認識しております。
そのため、これまで、
ホームページや広報さっぽろにて、
定期接種であることや接種時期などについて情報提供を行ってきたところでございます。
今後につきましては、10月9日の国の通知を踏まえ、接種対象者に対してより適切な情報提供を行うよう、その手法などを検討してまいりたいと考えております。
◆
成田祐樹 委員 国が通達を出してきているという部分もありますので、今後、通知に関しては進んでいくものと思っております。
まずは子宮頸がんというもの認知していただき、厚労省の作成した新しいリーフレットにおいては、
定期接種のメリットや公費負担、検診の受診、
ワクチンの効果の割合、リスクの周知について触れられていますが、そういった点などをしっかりと理解をしていただくためにも、ぜひ
個別通知をしていただくことを求めて、質問を終わりたいと思います。
◆小口智久 委員 私からは、
厚生労働省が6月に開発した
新型コロナウイルス接触アプリ、COCOAの普及促進について質問をいたします。
COCOAは、開発当時はとても話題になりましたが、今ではそれほど話題に上っておりません。けれども、デジタル社会の恩恵を受けるという一面があるという点からも大事だと考えております。
新型コロナウイルス感染症は、見えない敵との戦いとよく言われておりますけれども、このCOCOAは、感染状況を可視化するツールとして期待をしております。
このCOCOAをスマートフォンにダウンロードしておくと、陽性者と過去2週間の間、1メートル以内、15分以上接触した可能性があった場合、通知が送られてきます。それにより、個人に対しては、
早期発見、
早期治療による重症化リスクの低減ができ、札幌市全体としましても、
早期発見による市中
感染拡大の防止を図る効果がございます。
一方、自分自身の行動履歴や個人情報が漏れるのではないか等の不安や間違った認識から、登録するのをちゅうちょする方も少なくないとお聞きしております。このアプリは、スマートフォンのブルートゥースと呼ばれる近接通信機能により、氏名や電話番号などの個人情報や位置情報が一切記録されることがないため、プライバシーがしっかりと確保される仕組みとなっております。万一、陽性者と接触したとの通知を受けた際は、PCR検査の受診など、保健所のサポートをいち早く受けられる等のメリットがあるほか、先ほど申し上げました
感染拡大の防止とコロナへの不安を払拭することが可能と考えられております。
個人情報の漏洩などに対し不安感を抱いて活用を戸惑っている方に、アプリの安全性とメリットを正しく認識していただき、第3波に備えるという観点から、より多くの市民にCOCOAをダウンロードしていただき、活用していただくべきと考えます。
そこで、質問ですが、COCOA接触通知を受けた方の札幌市での現在の相談状況と検査状況について伺います。
◎山口
感染症担当部長 新型コロナウイルス接触確認アプリのCOCOAの普及推進についてのお尋ねでございますが、札幌市での現在の相談状況と検査状況についてお答えいたします。
COCOAの接触通知を受けた方からの相談に対しましては、症状の有無にかかわらず、希望する場合はPCR検査を、現在、実施しているところでございます。
9月末時点での相談件数は408件であり、このうち検査を実施したのは320件、うち陽性となった事案が2件となっているところでございます。
◆小口智久 委員 ただいま答弁をいただきましたが、COCOAを使って、408件の問合せがあって、320件は通知ということでございました。その中で、PCR検査をしながら、陽性者発見が2件ということでございます。通知が300件ほどあって2件の陽性者ということでございますので、大部分、かなり幅広くCOCOAというのは拾い上げて通知をしているというふうに思います。
しかしながら、陽性者発見が2件ということでございます。これまで、札幌の陽性者というのは約1,600名おります。アプリが出来上がったのが6月からでございますので、それから私がグラフを読み取っても900名ぐらいが対象者かなと。その中でも、クラスターというのは塊で捉えているので、それを差っ引いても500名ぐらい、市中感染、COCOAで拾えたのは500名ぐらいいたのかなというところで、今回は2名しか拾えなかった、把握できなかったというようなことで、とても少ないと言わざるを得ないということでございます。
厚生労働省によりますと、この10月13日時点のCOCOAの全国のダウンロード数は約1,837万件、人口の約14%、さらにその中で陽性者となった方の登録件数は1,133件と、やはり全国的にも極めて低くて、普及率と陽性者登録数が大きくなっていくことが課題となっていると。そのため、COCOAの活用を促す必要があると考えます。
そこで、質問ですが、札幌市としてCOCOAの普及促進をどのように考えているのか、伺います。
◎山口
感染症担当部長 COCOAの普及推進についてお答えいたします。
これまで、接触通知をきっかけに
新型コロナウイルスの陽性が確認された事例もあることから、COCOAにつきましては、潜在的な感染者を把握することができるツールとして一定の効果があるものと認識しております。
札幌市といたしましても、市中感染の拡大防止の観点から、より多くの市民にCOCOAの活用を促すため、これまでも
ホームページを通じて周知を図っているところでございますが、今後も、SNSや各区役所のモニター等を活用し、さらなる普及を図ってまいりたいと考えております。
◆小口智久 委員 陽性者の事例も把握できたということで、一定の効果はあるのですけれども、ダウンロードをしっかり拡大できるように、
ホームページ、SNS等で行っているということでございました。しっかりと続けていただきたいと思います。
この感染症の追跡アプリというものは、世界各国でも開発されておりまして、実効性の検証が行われておりますが、中でも、オーストラリア等は利用率が高く、成功事例として知られております。
日本に目を向けますと、民間アンケートを私が調べたところ、COCOAのインストール率の高い順で言いますと、感染者が少ない岩手県が第1位ということで、やはり、市民、県民の意識の高さが表れているのじゃないかなと思います。対して、北海道は14位と、まだまだ推進しなければならないレベルと考えます。
この
新型コロナウイルスを追跡するアプリは、市民の安心の一助となり、もちろん健康もそうですけれども、また、保健所のクラスター班も本当に大変な思いをしていると思うのですけれども、やはり、潰す、
早期発見するといった意味でも負担軽減になるということにもつながり、さらに、札幌の基幹産業は非常に苦しんでおりますけれども、感染防止と社会経済活動の両立を図る上でも有効というふうに考えております。
さきに行われました第3回定例会の代表質問において、観光客が安心して訪れることができる
環境づくりについて質問をしましたところ、市から、安心できる旅行先として選ばれるまちを目指すことが重要との答弁をいただいております。安心ということは、やはり健康が守られるということでございますけれども、3密回避の施策はもちろん、接触確認アプリの利用の浸透も重要でございます。
このアプリの設計上、特定の地域というものが分からないということで、札幌市民のダウンロード数は把握できないとお聞きしておりますけれども、札幌市の陽性者当たりの接触通知数を指標とするというようなことを、過去と現在を比較するなど、そういう解析をしない手はないのではないかということでございます。そういうことをバロメーターとしながら推進をしていただきたいと思います。
市民の健康を守るためにも、
新型コロナウイルスによって打撃を受けた札幌の経済活動を上向きにするためにも、例えば、企業や飲食店など各機関とも連携しながら、COCOAの利用を粘り強く推進していただくような工夫もしていただくよう要望して、私の質問を終わります。
◆前川隆史 委員 私のほうから、たばこ対策についてお伺いいたします。
最初に、さっぽろ受動喫煙防止宣言の周知の手法についてお伺いしたいと思います。
札幌市においては、受動喫煙防止を、条例という法的規制ではなくて、宣言という形で、市民、事業者、各団体、行政が連携をして市民運動として広めていくことで、受動喫煙のない爽やかなまちを目指すという道を選択しまして、今年2月に宣言をしたところでございます。
私も、議会のたびに、ライフワークのようにたばこ問題を取り上げてまいりました。昨年のいつだったか、ちょっと忘れましたけれども、保健所とたばこ対策の今後についていろいろお話をしていた際に、北海道は条例をつくる準備をしているけれども、札幌は宣言という形で市民運動として広めていきたいという考えを持っていると、そんなようなことを伺ったものですから、昨年の4定の際に、さっぽろ受動喫煙防止宣言を多くの市民の皆さんに知ってもらうためにも、市民の皆さんの目に入りやすいロゴマークなど、そういったものを作成していくべきではないかといったこともご提案させていただいているところでございます。
そうしましたら、ロゴマークの活用について考えていきたいというようなお答えを頂戴しておりましたけれども、そこで、最初の質問でございますが、宣言の
市民周知に当たりまして、ロゴマークを作成するなど、全ての市民に周知を効果的に行っていく手法について検討を進めているのか、まずお伺いしたいと思います。
◎秋野
成人保健・
歯科保健担当部長 札幌受動喫煙防止宣言の周知につきましてお答えをいたします。
さっぽろ受動喫煙防止宣言の周知の方法についてでございますが、市民に宣言をより親しみやすく印象づける一助といたしまして、宣言のロゴマークを作成することとしております。
現在、札幌市立大学デザイン学部の協力を得まして、学生から候補作を募集しているところでございます。
また、たばこ対策につきまして、子どもたちにも親しみやすく、分かりやすい周知を行えるよう、マスコットキャラクターにつきましても作成をしたところでございます。
マスコットキャラクターの名称につきましては、たばこの健康影響について学習する学年であります小学校5年生、6年生から募集をしまして、現在、選定を進めているところでございます。
子どもたちや若い世代の市民にロゴマークやマスコットキャラクターの名称の候補作応募に参加をいただくことによりまして、将来にわたり、受動喫煙防止やたばこ対策について考えるきっかけになることを期待しているとともに、市民への効果的な周知・啓発に活用してまいりたいと考えております。
◆前川隆史 委員 ロゴマークを作成しているということでございました。
市立大学の学生さんが、今、作成していると。また、子どもたち向けのマスコットキャラクターも小学校5年生、6年生の皆さんに募集していただき、選定しているということでございましたので、ぜひ市民の皆さんのご協力をいただいたロゴマークですとかマスコットキャラクターを活用して、効果的な市民の皆さんへの周知・啓発を実行していただきたいと思います。
それでは、本日の2問目になりますが、本題でございます北海道議会庁舎内での喫煙に対する保健所の対応についてお伺いをしたいと思います。
改正健康増進法が今年4月に全面施行されまして、多数の人が利用する施設は、原則、屋内禁煙となりまして、既存特定飲食提供施設において喫煙可能としている一部の飲食店を除いて、施設の屋内は喫煙専用室以外での喫煙ができなくなりました。法律で禁じられております。
しかしながら、今回、一部報道機関より、道議会新庁舎内で喫煙をしている実態があると。議員控室や地下駐車場などで吸っている、吸い殻が無造作にごみ箱に捨てられている、それも常態化しているようだといった内容の報道が、悲しいかな、繰り返しされております。
さらに、こうした事態を受けまして、先日、北海道医師会などが道議会新庁舎の全面禁煙を求める緊急の要望書を鈴木知事、そして、村田道議会議長宛てに提出をされております。
今年3月の道議会本会議において可決、成立しました北海道受動喫煙防止条例が4月1日から施行したばかりであるにもかかわらず、加えて、
新型コロナウイルス感染拡大で、せきエチケットなど、特にアレルギー体質の方などにとっては特に神経をとがらせているさなかで、道議会庁舎内で法を無視して喫煙がされていることは到底考えられないことと思っております。
昨年の3定で、昨年の今頃はちょうど、道議会新庁舎がまだ完成していませんでしたが、そこに喫煙所を設ける、設けないという報道が連日ずっとされておりまして、そんなこともありまして、私は道議会新庁舎の喫煙室問題を取り上げまして、道議会新庁舎の喫煙室のたばこの煙の流出などの受動喫煙に関する情報提供が札幌市にあった場合に、札幌市保健所は対応するのか、するとすればどのような指導をしていくのか、そういった質問をさせていただきました。
その際に、北海道議会庁舎について、健康増進法の義務違反が疑われる事案の情報提供があれば、管轄保健所である札幌市保健所が対応し、施設管理権限者等への連絡等を行う云々と、まだまだ長く答弁が続いておりましたけども、そういったご答弁をいただいたところでございます。
今回報道されている道議会新庁舎内での喫煙は、健康増進法の喫煙禁止場所における喫煙違反に該当すると思われますが、管轄保健所として、法に基づき厳正かつ速やかに対応することが必要であると思います。
そこで、質問でございますが、この違反行為への健康増進法上の対応の流れについてお伺いをいたします。
◎秋野
成人保健・
歯科保健担当部長 健康増進法上の違反行為への対応につきましてお答えをいたします。
喫煙禁止場所での喫煙の違反に対しましては、施設利用者等からの情報提供により事案が把握された場合、施設の管理権限者等に対しまして情報提供内容の事実確認を行います。違反が確認された場合は、管理権限者等から違反者に対し、是正に向けた働きかけを依頼いたします。
管理権限者等が繰り返し注意しても同一事案が繰り返されるなど、管理権限者等での対応では是正が困難と思われる場合、管理権限者等に改善の意思が見られない場合、管理権限者等からの強い要請がある場合におきましては、施設への立入検査を行うことも検討いたします。
さらに、違反者への繰り返しの助言・指導におきましても改善の見込みがない場合におきましては、喫煙の中止、あるいは、その場からの退出の命令を行うことも検討いたします。
最終的に繰り返しの命令にも従わず違反が継続される場合には、過料を科すことを検討いたしまして、過料処分に該当すると判断した場合には、地方裁判所への通知を行うこととなっております。
◆前川隆史 委員 そういうことでございまして、大変厳しい内容になってございます。
報道されています事柄が事実であれば、事実なのでしょうが、禁煙が義務づけられている場所で喫煙しているという、私が1年前に危惧していた、喫煙室を設置した上で問題が起きた場合の想定の質問でございましたけれども、そんな中で、とんでもない話でございまして、道議会新庁舎に喫煙室を設置する、しないじゃなくて、道議会新庁舎が事実上喫煙可能施設状態になってしまっている、そんなことになるわけでございます。
そこで、質問でございますが、今回の道議会庁舎での喫煙報道に対して、管轄保健所として札幌市保健所はどのような対応を行ったのか、お伺いいたします。
◎秋野
成人保健・
歯科保健担当部長 北海道議会庁舎内での喫煙に対する保健所の対応についてでございますが、健康増進法第30条第2項におきまして、施設管理権限者等の責務として、喫煙禁止場所での喫煙者や喫煙をしようとする者に対し、喫煙の中止または退出を求めるよう努めなければならないことが定められておりまして、北海道議会庁舎の施設管理者であります北海道議会事務局には、調査内の受動喫煙防止に取り組むことが求められているところでございます。
このため、札幌市保健所におきまして、北海道議会事務局に対し、庁舎内における喫煙の事実確認と施設内での受動喫煙防止のための対策の実施状況につきまして、聞き取りを行ったところでございます。
聞き取りの結果といたしましては、北海道議会庁舎内での喫煙行為が一部にあったと考えられたことから、札幌市保健所といたしまして、北海道議会事務局に対し、喫煙可能場所以外での喫煙行為が再び行われないよう、利用者への周知徹底や注意喚起につきまして要請を行ったところでございます。
◆前川隆史 委員 管轄保健所として、施設管理者でございます議会事務局に対して、今ご説明のあった、しっかり対応するように要請をしたということでございます。
繰り返しになりますが、札幌は、今年2月28日に受動喫煙防止宣言を出しまして、受動喫煙防止の行動を市民運動へと広げ、きれいな空気のまちを目指すと宣言いたしました。
また、来年は、延期になっております東京オリ・パラの開催地にもなっており、将来的にはオリンピック・パラリンピックの招致も視野に入れております。
いつも言いますけれども、IOCとWHOはたばこのないオリンピックを標榜しております。
さらに、札幌市は、残念ながら、喫煙率も肺がんの罹患率も全国の政令市の中でワーストワンでございます。どこの都市よりも真剣に取り組まねばならない理由がございます。
そこで、伺いますが、札幌市として、今回の道議会庁舎での喫煙をどのように捉えているのか、また、今後も喫煙行為が繰り返された場合はどのように対応していくのか、お考えを伺います。
◎秋野
成人保健・
歯科保健担当部長 北海道議会庁舎内での喫煙に対する札幌市の考えについてでございますが、北海道議会庁舎は、原則、屋内禁煙でありまして、喫煙専用室以外の庁舎内での喫煙は健康増進法違反に該当すると認識をしております。
健康増進法を管轄する札幌市保健所といたしましては、庁舎内禁煙の徹底と法令遵守を施設管理者である北海道議会事務局に求めているところでございます。
再びこのような事案があった場合は、健康増進法に基づき、違反行為の状況に応じた適切な対応を行ってまいりたいと考えております。
◆前川隆史 委員 再びこのような行為を繰り返した場合には、先ほど説明がございました法の対応の流れ、最後は裁判所に申し立てて過料も科せられるという厳しい内容になっておりますが、そういったものも状況に応じては行っていくということでございます。
そこで、今日は町田副市長にもおいでいただいておりますので、改めて副市長に札幌市としてのご見解をお伺いしたいと思います。
◎町田 副市長 札幌市としての考えを改めてというご質問でございますので、今、部長がお答え申し上げたことと繰り返しという形にはなりますが、原則、屋内禁煙であります北海道の議会庁舎内におきましては、喫煙専用室以外での喫煙行為は明らかな健康増進法違反となりますので、法令遵守が徹底されなかったのであれば、大変遺憾なことと考えております。
また、議会事務局からの喫煙の中止の要請に従わず違反行為が再三繰り返されるなどの場合におきましては、より厳格な対応が健康増進法に定められておりますので、違反行為の状況に応じて適切な対応を行ってまいります。
◆前川隆史 委員 町田副市長より、遺憾であるとのお考えやお気持ちが表明されました。まだ続くようでしたら、当然、より厳しい法令に基づいた対応をきちっとしていきたいということだと思います。
道議会庁舎での道議会議員の喫煙については、言うまでもなく、先ほど来、何度も出ていますとおり、法の違反でございまして、市民に対して受動喫煙対策を求めている札幌市としては、市民に示しのつかない問題で、大変なはた迷惑でございます。
恐らく、今日お集まりの委員の皆様も、市民の皆さんから少なからず、道議会のたばこ問題について、一体いつまで何をやっているんだ、そういった厳しいお言葉をいただいている方も多いと思いますし、私も何度も言われております。市民の皆さんも大変注目しておりますので、法にのっとり、厳格に対応していただきたいと思います。
また、冒頭でも触れましたが、札幌市は、受動喫煙防止条例という法的規制ではなく、宣言により、市民運動として受動喫煙のない爽やかなまちを目指すこととしましたが、今回のような問題が続くようでしたら、北海道受動喫煙防止条例の実効性も疑われかねないのではないかと懸念しているところでございます。
正直に申し上げまして、私個人の考えですけれども、札幌市も受動喫煙防止条例をつくって、独自の規則、ルールを定めるべきだとも思っているところでございます。ともあれ、まずは、この法にのっとり、市民が納得でき得るご対応をしっかりしていただくことを強く要望いたしまして、私の質問を終わりたいと思います。
◆好井七海 委員 私からは、障がい者歯科保健対策について質問いたします。
令和元年10月の
決算特別委員会において、私から、障がい者歯科保健対策について、平成30年度に実施した障がい者施設における施設利用者の口腔内の実態調査の結果及び今後の取組について質問をさせていただいたところであります。
その際の答弁としましては、
厚生労働省が国民を対象に実施した平成28年
歯科疾患実態調査結果と比較すると、入所施設利用者は、10歳代を除き、全ての年代で歯の本数が少なく、特に40歳代では、
厚生労働省の調査の60歳代の22.5本よりも少ない21.9本でした。これは、20年も早いペースで歯が失われている状況であり、また、歯を失う原因の一番である歯周病についても、40歳代で重度歯周病に罹患している割合は、
厚生労働省の調査結果の4.8%に対して25%と、約5倍多い状況とのことでした。
また、通所施設利用者についても、40歳代の治療していない虫歯の本数は、
厚生労働省の調査の0.8本に対して3.3本と4倍多く、重度歯周病罹患率も4.8%に対して9.5%と、2倍になっているとのことでした。
この調査結果は、私も
歯科医院に勤めておりましたけれども、考えたよりも非常に深刻な状況でありまして、改めて認識させていただきました。
これらの調査結果と以前実施した施設の取組状況について、大学有識者、
歯科医療関係団体及び障がい者の家族などの関係者により構成した障がい者・児歯科保健推進対策検討委員会におきまして報告書をまとめ、報告書の提言に基づき、主に知的障がいの方々が利用する施設に対し、歯科健診や歯科保健指導などの支援を行う、歯科保健事業を早期に導入する方向で検討するとのご答弁をいただいたところであります。
実際に
歯科医療に関わっていた経験からですが、無症状で忍び寄る歯周病はもちろんですが、
歯科疾患は、適切なケアによる予防と重症化する前の
早期発見、
早期治療が何よりも重要であります。
そこで、質問ですが、歯科保健事業について早急に導入する方向との答弁をいただいたところですが、本年度から開始される障がい者歯科保健対策の事業目的と実施内容についてお伺いいたします。
◎秋野
成人保健・
歯科保健担当部長 障がい者に対する歯科保健対策についてのご質問にお答えをいたします。
まず、事業目的と実施内容についてでございますが、事業目的につきましては、平成30年度に実施した障がい者施設利用者を対象とした実態調査結果におきまして、治療されずに放置されている重度歯周病や未処置う蝕が大きな課題となっておりましたことから、その改善と施設における適切な
口腔衛生管理の導入を支援することとしております。
実施内容につきましては、希望する障がい者施設を対象に、
歯科医師及び歯科衛生士を派遣し、歯科健診や歯科保健指導を実施することとしております。
具体的には、歯科健診結果に基づき、治療が必要な利用者には、
歯科医療機関への
受診勧奨を行うほか、ブラッシング方法等の歯科保健指導を行います。
さらに、保護者や施設職員を対象に、歯科衛生士による
歯科疾患の予防方法に関する講話や歯磨き介助等の実習を含めた歯科保健に関する研修会を実施することとしております。
◆好井七海 委員 取組調査結果を以前お聞きしましたけれども、施設側から、歯科的な問題を抱えている利用者を認知してはいるけれども、なかなか相談できなくて、現実には歯科保健の取組が実施できていないと、行政からの支援があれば取り組みたいとの内容があって、この歯科保健対策事業に合致した取組であると大いに評価するところでありますし、また、歯科衛生士による講話や実習を含めた歯科保健に関する研修会を実施することも、非常によいことだと評価いたします。
次の質問ですが、障がい者歯科の取組は、小さな虫歯であっても全身麻酔が必要だったり、非常に専門性が高く、また障がい者の関係団体との連携など、しっかりとした事業の実施体制の構築が必要と考えます。
そこで、札幌市はどのような事業の実施体制を考えているのか、お伺いいたします。
◎秋野
成人保健・
歯科保健担当部長 事業の実施体制についてでございますが、事業の進捗管理と評価を目的に、本年7月に、学識経験者、
歯科医療関係団体及び障がい者の家族等の関係者により構成いたしました障がい者・児歯科保健推進検討委員会を設置いたしております。
また、事業を実施する保健所の体制といたしまして、関係機関との調整や障がい者施設における歯科保健指導を実施していくため、歯科衛生士1名を新たに配置し、人員体制の強化を図ったところであります。
さらに、歯科健診に従事する
歯科医師につきましては、障がい者の歯科診療に精通した北海道大学歯学部の小児・障害者歯科学講座、北海道医療大学の小児歯科学講座及び
札幌歯科医師会から派遣を受ける体制を整えているところでございます。
◆好井七海 委員 検討委員会はもちろんですが、専門機関である大学歯学部との連携が重要なことは当然ではありますけれども、今後、地域の
かかりつけ歯科医を増やしていくためには、
札幌歯科医師会との連携がますます重要になってくるものと考えますし、また、障がい者団体等の当事者の意見が何よりも重要でありますので、施設関係者や保護者との
意見交換会にしっかり取り組むべきだと思います。
次に、今年度からようやくスタートしました取組ですが、この
コロナ禍において
感染拡大を危惧する障がい者施設が非常に多いのではないかと思います。マスコミ等でも報道されておりますが、コロナによる通院自粛によって虫歯や歯周病などの
歯科疾患が重症化してしまうケースがあると報告されております。障がい者施設においても同様の状況になってしまわないか、大変危惧されるところであります。
そこで、お伺いいたしますが、現在の申込み状況と今後の対応についてお伺いいたします。
◎秋野
成人保健・
歯科保健担当部長 現在の申込み状況と今後の対応についてでございますが、
新型コロナウイルス感染症に伴う
緊急事態宣言、また、市内の感染状況を踏まえて、年度当初から事業を開始することは残念ながらできませんでしたが、8月中旬から
対象施設に案内を郵送いたしまして、歯科専門職の派遣希望を受け付けているところであります。
新型コロナウイルス感染症による自粛の影響を大変危惧しておりましたが、案内郵送直後から多くの申込みがある状況でございまして、申込み状況は、9月末現在、歯科健診については、既に今年度実施予定の25施設を上回る29施設、歯科保健指導につきましては、実施予定の83施設に対して66施設と約8割に至っております。
今後の対応につきましては、障がい者関係団体と連携し、事業の一層の周知を図っていくほか、障がい者・児歯科保健推進検討委員会におきまして、次年度以降の効果的な事業の実施の在り方などにつきまして検討を進めてまいりたいと考えております。
◆好井七海 委員 非常に申込み件数が多かったということで、また、障がい者関係団体との連携のほか、障がい者・児歯科保健推進検討委員会において事業の実施の在り方などについて検討していくとのご答弁でありました。
最後に要望ですけれども、札幌市において、やっと施設での歯科保健指導、歯科健診の取組が始まり、障がい者歯科保健対策のスタートラインに立ったところであります。この
コロナ禍の中において、案内送付後、すぐに施設からの数多くの問合せや申込みがあったということは、施設職員の方々も障がいのある利用者の歯と口腔の状態があまりよくないことを大変心配されていることの表れだと思うのです。コロナの影響がある中で、すぐに実施予定の枠が埋まってしまったということは、コロナが落ち着けば、もっと多くの申込みがあったことは容易に想像がつくことであります。障がいがあるからといって、40代、50代で入れ歯になってしまって仕方がないのでしょうか。歯の痛みや不具合を我慢して生活しても障がいがあるからといって仕方がないのでしょうか。私は違うと思います。
歯科医師の先生方、施設の職員の皆さん、そして札幌市が力を合わせて本気で取り組めば、多くの障がいのある方々を守ってあげることができると確信しております。
今年度、事業がスタートしたこと自体は大変高く評価するところでありますが、
実施施設数が少ないと思います。地域のニーズの高さを踏まえて、まずは
実施施設数の増加を求めます。そして、事業内容の充実に踏み出すべきではないでしょうか。
今後、障がい者の歯と口腔の健康を守ることに本気で取り組んでいただくことが保護者の安心にもつながり、家族みんなの健康につながりますので、この事業の今後の大発展に大いに期待しまして、私の質問を終わります。
○林清治 委員長 以上で、第5項
健康衛生費の質疑を終了いたします。
ここで、理事者交代のため、委員会を暫時休憩いたします。
――――――――――――――
休 憩 午前11時16分
再 開 午前11時17分
――――――――――――――
○林清治 委員長 委員会を再開いたします。
次に、第3款
保健福祉費 第3項 老人福祉費、第11款 諸支出金 第2項 他会計繰出金のうち関係分及び介護保険会計決算について、一括して質疑を行います。
◆田島央一 委員 私からは、高齢者施設における入所者の医療サービスの利用についてお伺いします。
有料老人ホーム、サービスつき高齢者向け住宅、介護保険施設、認知症グループホームなどの高齢者施設において、施設の入所者は必要に応じて外部から医療サービス等の提供を受け、入所者がその能力に応じ自立した生活を営んでおります。
しかしながら、一部の高齢者施設において、外部からの医療サービスの利用を
新型コロナウイルス感染の懸念から禁止する、または控えさせるといった事例が全国的に発生していると聞いております。
本年4月24日に国から発出された介護保険最新情報のVol.822号では、「訪問診療は利用者と保健
医療機関で計画的な医学的管理の下で医療を提供するものであり、医療従事者は、
感染予防策を実施しているので、利用者から訪問診療の希望を受けた場合には、施設は適切に受入れをお願いしたい」と通知をされております。
そこで、お伺いしますが、
札幌市内の高齢者施設において、
新型コロナウイルス感染の懸念から医療サービスの利用を控えるなどの実態について、札幌市はどのように把握をしているのか、また、それに対してどのような対応をしてきたのか、お伺いしたいと思います。
◎前 高齢保健福祉部長 市内の高齢者施設において、感染の懸念から医療サービスの利用を控えさせるなどの実態の把握についてのご質問でありました。お答えいたします。
高齢者施設の入所者などからは、医療サービスの利用を控えさせられたなどの具体的な相談は、札幌市には寄せられてはおりません。
また、本年9月に高齢者施設において適切な感染防止対策が実施されているにもかかわらず、
新型コロナウイルス感染の懸念から医療サービスの利用を制限することは不適切であり、入所者が希望する、または、必要なサービスを不当に制限することのないよう国から通知があったため、全ての高齢者施設に周知をしております。
◆田島央一 委員 承知しました。
札幌市に対して相談がまだなかったということで、あと、対応のほうとしては、通知を再度発出したということで理解をいたしました。
さらに質問をさせていただきたいのですが、高齢者施設において、
新型コロナウイルスの感染の懸念から、入所者が医療サービスを利用することを控えさせられたなどの相談があった場合に、どのような対応を札幌市として取っていくのか、その点をお伺いしたいと思います。
◎前 高齢保健福祉部長 札幌市に相談があった場合の対応についてお答えいたします。
入所者や外部の事業者などからそのようなご相談があった場合、事実確認をし、不適切な取扱いであれば、国通知に基づき指導をしてまいりたいと考えております。
◆田島央一 委員 不適切な場合には、しっかり札幌市から指導していくことで理解をいたしました。
本日は、
新型コロナウイルス感染症を指定感染症の2類相当から5類相当に変更する政令が公布をされております。未知のウイルスに対して慎重な対応をしてきたことは理解をいたしますが、この感染症が発生してから、人類が構築してきた知見で正しく恐れることが徐々に可能になってきているのかなと感じております。
私ごとではありますが、実は、私の祖母が高齢者施設に入所しておりまして、これは札幌市以外なのですが、そこで、4月に祖母の入れ歯が合わなくなって、ちょうど4月は
緊急事態宣言も出されて、外出の自粛もあって、施設のほうでそういった医療サービスを受けられないような状況がずっと続いていました。家族が面会しに行っても一切面会できないだとか、歯医者さんに連れていって実際に見てもらおうと思っても、それもできないという状況も続いておりました。
結果として、6月の頭に祖母が亡くなってしまいました。こういったことは自分の家族の実例だけかなと思っていたのですが、今月に入って、
札幌市内の方から、実は医療を受けたくても受けられない、ストップしているという状況をお聞きしましたので、今回、質問をさせていただきました。
もしかしたら、定義としては、コロナウイルスで亡くなったという方の数字が毎日出されておりますが、関連して亡くなる方というのも相当数いらっしゃるのかなと思っております。
そういったことをしっかり防ぐような取組をぜひとも札幌市には行っていただきたいと思いますし、個人から相談があったということは現在ないというふうに答弁にありましたが、事業者ベースで、相当数、検討させてくれといって保留にしている施設もかなりあるというふうに聞いていますし、実際に来ないでくれと言われているような施設もあるというふうに聞いておりますので、ぜひとも、ここら辺をしっかりこういう場で皆さんにも知っていただいて、その中で情報収集をして、関連死という定義があるかどうかちょっと分からないのですが、こういったことを防ぐために札幌市には取り組んでいただきたいなと思いますので、この点を申し述べて、私からの質問を終えたいと思います。
◆
森山由美子 委員 私からは、老人クラブ活動費補助制度についてと介護現場におけるICT活用についての2点について、順次、質問をいたします。
まず初めに、老人クラブ活動費補助制度についてです。
老人クラブは、地域を基盤とした高齢者の自主的な組織であり、高齢期を共に生きる仲間づくりの活動や、心と体の健康づくりの活動、また、相互に支え合う友愛活動などに取り組んでおられます。
札幌市では、老人クラブの健全な育成を図るため、クラブが行う活動に対する補助金を交付してきました。平成25年には、制度改正を行い、これまで老人クラブが行ってきた地域を豊かにする社会活動をより多くの市民に分かりやすく知っていただくとともに、老人クラブ活動の活性化が図られるよう、社会貢献活動の取組度合いに応じて補助金を加算する仕組みを設けたところです。
そこで、老人クラブ活動費補助金における補助金の加算を受けたクラブの割合はどうなっているのか、また、地域を豊かにする社会活動の事例についてお伺いいたします。
◎前 高齢保健福祉部長 老人クラブ活動費の補助金加算の交付実績や活動事例についてお答えいたします。
これまで、多くの老人クラブに地域を豊かにする社会活動に取り組んでいただいており、昨年度は、436クラブ中430クラブに対し、補助金加算の上限額を交付したところでございます。
地域を豊かにする社会活動の事例には、例えば、赤い羽根共同募金の街頭啓発や、公園における清掃美化活動、また、小・中学校における昔遊びなどの児童生徒との交流がございます。
◆
森山由美子 委員 多くの老人クラブが補助金の加算を受けて活動が活発にされている状況が分かりました。
しかし、残念ながら、年々新たに老人クラブに加入する方が減り、会員数が減少している老人クラブがあると聞いております。そのような老人クラブでは、会員の減少や高齢化が進むことにより、地域を豊かにする社会活動をこれまでどおりに行うことがだんだんときつくなってきているものと考えられます。
そこで、お伺いしたいのですが、老人クラブ会員の高齢化の状況と老人クラブ活動への影響についてどのように認識をしているのか、お伺いいたします。
◎前 高齢保健福祉部長 老人クラブ会員の高齢化の状況と、老人クラブ活動への影響についての認識についてお答えを申し上げます。
老人クラブ会員の年齢構成を見ますと、80歳以上の会員が占める割合は年々高くなっており、直近では全体の約半数となっております。その一方で、60代の会員は1割未満にとどまっております。
先ほどの答弁で活動事例として挙げた共同募金の街頭啓発や清掃美化活動を老人クラブが継続して実施していくとなれば、委員がご指摘のとおり、老人クラブのご高齢の方にとってご負担になる場合があると考えられます。
しかしながら、体力に不安のある方であっても、地域を豊かにする社会活動に取り組むことができると考えているところでございます。
例えば、会員が手分けをして、地域のおひとり暮らしのご高齢者宅に電話をし、話し相手となって近況確認をしたり、冬のつるつる路面の転倒防止を目的とした砂まきで用いる砂をペットボトルに詰めるボランティアをしたりするなど、年齢や体力に応じて活動ができると考えております。
◆
森山由美子 委員 高齢者は、現在、
コロナ禍で、なお一層、横の連携が取りにくい面もあります。お元気な高齢者もたくさんいらっしゃるかと思いますが、少しでも各老人クラブの運営に携わる方たちが、それぞれの状況に応じ、ハードルが高く感じないように、負担にならない安心な活動の仕方もある程度具体的にお示ししていただくことをお願いして、次の質問に移ります。
さて、
新型コロナウイルス感染症は、高齢者や基礎疾患をお持ちの方が感染すると重篤化する可能性が高いと言われております。こうしたことから、現在、市内の多くの老人クラブは活動の休止や縮小をせざるを得ない状況となっております。
このため、老人クラブでは、定例会の開催もままならず、会員が巣ごもりして、フレイルが進行し、認知症のリスクが高くなることも懸念されます。また、退会する会員も出てくるのではないかと心配されます。
そこで、お伺いしたいのですが、市では、このような
新型コロナウイルス感染症による老人クラブ活動、特に地域を豊かにする社会活動への影響に対し、どのような対応をするのか、お伺いいたします。
◎前 高齢保健福祉部長
新型コロナウイルス感染症が地域を豊かにする社会活動に及ぼす影響への対応についてお答えを申し上げます。
札幌市では、各老人クラブに向けて、新しい生活様式を踏まえた活動に当たっての具体的な対策例や留意点を周知したことに併せて、地域を豊かにする社会活動事例を紹介し、
コロナ禍にあっても実施することが可能な活動の周知を図ったところでございます。
また、札幌市老人クラブ連合会においても、会員向けに、感染防止に配慮した活動を展開している全国の事例や、老人クラブの活動での注意点などを周知していただいているところです。
今後も、
新型コロナウイルス感染症の感染防止に配慮してではありますが、高齢の方々も含めて、全ての人が安心して暮らせる地域共生社会を構築するために、札幌市老人クラブ連合会と連携しながら老人クラブ活動を支援してまいりたいと考えております。
◆
森山由美子 委員 人は、人と人とのつながりの中で幸福を感じるということは、このたび
コロナ禍の中で痛感するところでございますが、高齢者の方の地域の人のつながりも安心して継続していけるよう感染防止の対策支援をお願いし、次の質問に移ります。
次に、介護分野のICT活用について質問をいたします。
我が会派においては、本年の第2回定例市議会代表質問においても、介護現場におけるICT等の導入や業務効率化を進める介護事業所への支援について質問をし、町田副市長より、今年度は介護現場におけるAIやICTの活用を盛り込んだ研修を実施する予定との答弁がございました。
介護分野においては、生産年齢人口が減少していく中、介護人材不足を補完していくためにICT等の導入を推し進めることは非常に重要であると捉えております。
理学療法士として医療現場の最前線にいた経験を持つ我が会派の議員が、先般、北海道介護ロボット普及推進センター主催の展示会に参加し、介護分野におけるロボット技術やICTを活用した見守りなど、急速に進化を遂げていることを体感した話を聞き、改めて新時代に必要な技術と私も認識をしているところです。
そのような技術革新の中、介護現場の生産性向上などにITを用いるイベント、介護ハッカソンが札幌では初めて開催されることとなり、本市も後援し、11月7日からの開催となります。これは、介護とITの融合を担う人材を育てる狙いで、学生、介護現場で働く若手職員、IT技術者などが協力して、介護に関する新たな製品やサービスの開発を目指すというものであります。
介護ハッカソンは、まさにデジタルトランスフォーメーションを体現化した取組であり、介護分野にもこうした取組が広がってきたことは賞賛に値するものと考えているところです。
国においては、デジタル強靱化の実現を目指す方針を打ち出し、IT基本法を全面的に見直すことや、デジタル庁の新設を行い、ますますAIやICT技術の導入推進が推し進められていくものと感じますし、介護現場においても、以前から介護ロボットやICTを活用した業務効率化、生産性向上は重要なキーワードとして議論されているところです。
そこで、質問ですが、
札幌市内の介護事業所において、ICTに関する生産性向上や業務効率化に関する取組がどのぐらい広がっているのか、また、その課題と対応策について伺います。
◎前 高齢保健福祉部長 市内の介護事業所におけるICTに関する取組の広がりと課題、対応策についてお答えいたします。
札幌市内の介護事業所においても、介護ロボットを初めとしたICTの活用は徐々に広がりを見せているものの、導入している事業所は約24%という調査結果が出ております。
導入に対する課題としては、ICTに関する知識などが挙げられており、まずは効果的な活用方法などの基礎知識を身につけていただくことが重要であると考えていることから、経営者・管理者向けオンライン研修を来年1月に開催する予定でございます。
◆
森山由美子 委員 今回、普及が進んでいない要因がICTに関する知識が課題となっているとのことでありますが、
新型コロナウイルス感染症対策が求められる現下の状況においては、介護事業所のICTに対する関心はますます高まってきていると感じます。
感染拡大を防止するために、介護事業所においては、原則面会禁止にしているところが多くある中、少しでも寂しい思いをさせまいと、オンラインによる面会を取り入れることを始め、様々な工夫がなされていると聞いております。
そこで、質問ですが、いわゆるウィズコロナ、アフターコロナ時代においては、可能な限り非接触が求められることとなり、ICTの重要性が高まっていくものと考えますが、札幌市の認識と今後の取組を伺います。
◎前 高齢保健福祉部長 ウィズコロナ、アフターコロナ時代におけるICTの重要性に関わる札幌市の認識と今後の取組についてお答えいたします。
介護現場においては、業務上、人と人との接触は避けられないところでありますが、接触の頻度を減らすために、居室内に利用者の動作を感知できるセンサーを設置したり、外部からの感染経路を断つために、委員がご指摘のとおり、利用者とご家族の面会はタブレット端末を活用するなど、ICTの重要性は高まっていくものと認識しております。
国においては、ICT活用促進の加速化を図るとされていることから、札幌市においても、必要な支援について、引き続き検討してまいりたいと考えております。
◆
森山由美子 委員 国において、
新型コロナ感染症の経験も踏まえ、介護ロボットやICTの活用推進の加速化を図るとされておりますので、国や道などの動向を注視し、本市においても、介護分野におけるICTの導入促進、各介護事業所への導入支援を力強く進めていただきたいと思います。
また、札幌市主催で介護人材定着化研修を開催し、AI、ICT普及研修を初めて行うということですので、ぜひとも現場で働く方々がより分かりやすい内容にしていただくとともに、若い方々がこうしたAIやICTの普及研修を通し介護分野に興味を持っていただけるよう、また、介護分野の未来に希望が持てるよう、実りあるものにしていただくことを求め、私の質問を終わります。
◆吉岡弘子 委員 私は、介護事業所と介護従事者支援について伺います。
医療保険、年金保険に次ぐ第3の保険として介護保険が導入されて20年、利用者の世帯構成のトップは、スタート時の3世帯同居から独居になり、それに次ぐ老夫婦世帯と合わせると50%以上が高齢者だけの世帯となっています。
要支援1・2は、介護保険から総合事業に移行され、特養施設の入居は原則要介護3以上に限定されました。2020年度改正案では、要介護2までの訪問介護の生活援助サービスと通所介護サービスを介護保険から市町村事業に移行する案が出ましたが、国民的な反対の声があり、このたびは延期となりました。
介護現場では、
新型コロナウイルス感染の恐怖、低賃金、倒産が続く中で日々奮闘を続けています。
先日、東京商工リサーチが8月末から9月の上旬に行った老人福祉介護事業の倒産などについての調査発表がありました。
新型コロナの下で介護従事者不足、利用者の減少に加え、予期せぬ感染防止対策や経営環境の激変が新たな負担になっており、今年1月から9月までの倒産件数は、昨年同期と比べ10.5%増の94件と、2000年以降、最多を更新しました。中でも、小規模の訪問介護、通所短期入所介護の倒産が顕著です。
そこで、質問ですが、東京商工リサーチのアンケート調査で
新型コロナの影響が継続していると83.7%の事業者が回答しています。本市ではどのような実態なのか、また、その認識について伺います。
◎前 高齢保健福祉部長 介護事業者の経営状況に関わる本市の認識についてお答えいたします。
市内の感染者数が増加し、国の
緊急事態宣言下にあった4月、5月において、介護サービスの種別によっては介護給付費の減少が見られましたが、6月からは回復傾向が見られ、現在もその傾向にあると考えております。
◆吉岡弘子 委員 介護事業所の給付費が昨年比で9割以上に回復されたということを伺っております。
しかし、これは、厚労省が6月に、経営的打撃が大きい通所系サービスと短期入所系サービスを対象に、救済措置として、本来の介護報酬より2段階上となる報酬区分の算定を認めるなどの特例措置を講じたためではないかと思われます。4月、5月は8割以下、6月は9割以上と言っても、もともとぎりぎりの経営状態だった介護事業者にとって本来の回復とは言えません。2段階上となる報酬区分の算定によって、利用者はサービス回数を減らさざるを得ず、デイサービスに行けない人が生まれています。
そこで、質問ですが、デイサービスに来られない人に対して、誰がどのように対応、対策をしているか、伺います。
あわせて、高齢者は感染すれば重症化しやすいため、
コロナ禍の下での介護従事者の負担はどのようなものか、伺います。
◎前 高齢保健福祉部長
コロナ禍における介護従事者の負担、また、デイサービスに通えないことによります高齢者への対策についてお答えいたします。
介護従事者の皆様は、様々な感染対策を行いながら、緊張感を持って業務に当たっていただき、精神的、肉体的な負担がかかっているものと認識しております。
また、デイサービスなどに通えないことにより機能低下が懸念される高齢者への対策についてでありますが、デイサービス事業者が利用者宅を訪問して、デイサービス同様のサービスを提供したり、担当のケアマネジャーが、利用者やご家族の同意を得て、デイサービスから訪問介護に切り替え、利用者の身体状況等の把握を行ったり、ケアマネジャーが電話連絡などにより利用者の身体状況等の把握に努め、家庭内での運動、例えば、サッポロスマイル体操を勧めるなどにより、可能な限り身体機能の低下防止に努めているものと認識しております。
◆吉岡弘子 委員
コロナ禍の下では、おっしゃるとおり、介護従事者は日々緊張した中で働き、その中でも、サービスに来られなかった方々に様々な対応をしております。
先日、現場の方からお話を伺いました。通常、通所介護デイサービスの送迎は8人乗りワゴン車にスタッフ2人、利用者6人が乗りますが、今はスタッフ2人に利用者3人です。軽自動車を使った場合はスタッフ2人に利用者2人です。時間は倍に、ガソリン代などの経費も膨らみます。半日のデイサービスだと、さらに事業所負担が増えます。入浴介助は、施設の大きさにもよりますが、私が伺った施設では、脱衣室には2人の介助者と利用者2人、浴室は利用者1人に1人の介護者で、1日に20人以上の入浴介助をしています。水分補給をしながら脱衣室と浴室の担当を交代し、夏の暑さを乗り切ったと聞きました。
ヘルパーの仕事は複雑で、相互作用的で、専門性が問われ、3密を避けることができません。
デイサービスは、趣味を楽しみにしている利用者が多いのですが、人気のカラオケは完全中止です。将棋、オセロ、麻雀は利用者の楽しみでもあり、認知症予防にもなりますが、ヘルパーが一つ一つのこまを消毒しながら続けています。順番待ちで、メンバー交代するたびに一つ一つのこまの消毒をする、そうやって高齢者の楽しみや生きがいを支えています。
消毒シートは皆さんも使われていると思いますが、ある介護事業所では、高齢者の肌に刺激が少ないよう、ボランティアの力を借りて、木綿のウエスを切って消毒液に浸したものを使っています。
こうして介護従事者の皆さんは誇りとやりがいを持って懸命に介護に当たっていますが、事業所が今後も存続できるか、不安を抱えながら働く方も少なくないと思います。
ここで、質問です。
コロナ禍の下で3密と闘い、感染と隣り合わせで高齢者を支える介護施設と介護従事者への今後の支援を伺います。
◎前 高齢保健福祉部長 介護事業所及び介護従事者に対する今後の支援についてお答えを申し上げます。
介護事業所等に対しては、これまでも、マスクの配布及びエタノール消毒液の優先供給が実施されております。
今後については、国から、都道府県及び政令市等に対し、配布用のマスクや使い捨て手袋が順次送られる予定となっており、数回に分けて介護事業所等に配布予定でございます。
また、
新型コロナウイルス感染症対策に係る人件費、衛生用品購入費等のかかり増し経費や、長期間サービス利用を休止していた方の利用再開を支援する取組に対して、過去にさかのぼって北海道と札幌市が介護事業所に補助金を交付しております。
◆吉岡弘子 委員 今までの制度では、コロナ感染者が発生していない介護事業所への支援事業は、道から1回支給される介護サービス提供支援事業だけ、介護従事者には、感染者がない事業所では道からの5万円の慰労金が一度きりです。事業所の減収が続けば、従事者にそのしわ寄せが行き、利用者やその家族の生活と社会的な影響は計り知れません。そのためにも、介護施設の職員や利用者が定期的にPCR検査ができるようにすることが不可欠です。介護事業所の減収分の補填と介護従事者への財政支援を求めて、質問を終わります。
○林清治 委員長 ここで、委員会を休憩いたします。
――――――――――――――
休 憩 午前11時51分
再 開 午後1時
――――――――――――――
○林清治 委員長 委員会を再開いたします。
休憩前に引き続き、質疑を行います。
◆中川賢一 委員 午後の1発目ということでございまして、皆さん、お腹がいっぱいなのではないかと思いますが、子守歌にならないように頑張ってまいりたいと思います。
私からは、単身の高齢者などの見守りを充実させていくために、本市が行っております高齢者あんしんコール事業の現状と利用の拡大について質問をさせていただきます。
近年、本市も高齢化の進行が著しいわけでございまして、中でも単身の高齢者の世帯ですとか、高齢者のみの世帯が増えていると言われておりまして、生活に深刻な不安や不便を感じていらっしゃる方も少なくないのではないかと考えます。
そのような中、高齢者が地域で安心して暮らしていくためには、何らかの形で高齢者の生活を見守る取組や仕組みというものが求められ、家族や地域による自助、共助というものも重要でございますが、それに加えまして、本市では、高齢者あんしんコール事業というものによりまして、高齢者世帯の見守りとサポートを行っております。
昨今は、特に
コロナ禍で外出を控えておられる高齢者も多いと思われますので、見守りに関するこういった事業の役割というものはますます大きくなっているものと思われます。
そこでまず、本市の単身高齢者世帯及び高齢者夫婦世帯の推移や、そのことによる課題等につきましてお伺いしたいと思います。
◎前 高齢保健福祉部長 本市の単身高齢者世帯及び高齢者夫婦世帯の推移や課題についてお答えいたします。
まず、単身高齢者世帯数について、平成22年、27年実施の国勢調査における状況を比較すると、8万1,848世帯から10万4,650世帯へと約28%増加しており、本市が算定した5年ごとの推計でも、令和2年には12万7,100世帯へと約21%増加することが見込まれております。
また、高齢者夫婦世帯数についても、8万2,888世帯から9万8,660世帯へと約19%増加しており、こちらに本市の推計はないものの、国の推計では平成27年から令和2年の5年間で約7%の増が見込まれていることから、本市においても同様の推移であると見込まれます。
課題につきましては、札幌市が高齢者福祉分野の計画策定に向けた基礎資料とするため、令和2年3月に取りまとめた高齢社会に関する意識調査報告書における将来に向け不安に思うこととの設問に対し、65歳以上の高齢者の一定の方が緊急時の連絡手段に不安があると回答しております。
また、孤立死の心配があるかとの設問に対し、65歳以上の高齢者のうち、おひとり暮らしの方が約半数である49.8%の方が、65歳以上の方の全体では34.3%の方が、心配である、または少し心配であるを選択している現状が挙げられるところでございます。
◆中川賢一 委員 単身高齢者の世帯が十数万世帯ということでございまして、高齢者夫婦の世帯と合計しますと20万世帯を超えるということでございまして、現在の全世帯の2割を超えるという極めて高い水準でございますし、今後の推計でも、ますます増加していくというようなことであったと思います。
意識調査からも、ご高齢の方のいろいろご不安のことが浮き彫りになっておりまして、緊急時の連絡手段というものも相当数深刻な問題で、ある程度ございますし、また、ひとり暮らしのご高齢の方のかなり多くが孤独死への不安を抱えているということでございますので、こういった不安に応えます、あんしんコール事業というものの利用も当然増えていっているものと推察をいたしますが、次に、このあんしんコール事業の利用人数の推移についてお伺いします。
◎前 高齢保健福祉部長 高齢者あんしんコール事業の利用人数の推移についてお答えいたします。
事業を開始した平成25年度の3月末時点は1,576人で、以降3年間は順調に利用人数が伸びていて、年平均約16%増でありましたが、直近3年間は微増状態で、令和2年3月末時点での利用人数は2,620人となっております。
◆中川賢一 委員 令和2年3月末の利用数が2,620人ということで、当初は少し伸びておりましたが、ここ数年はほぼ横ばいというようなお答えでございました。
単身高齢者世帯等の伸びが著しいという状況に鑑みますと、こういった世帯のわずか1%余りにしか普及していないというのは、極めて利用が低調と評価をせざるを得ず、正直、驚きを否めないというような感想を言わせていただきます。
他都市でも、こういった類似の高齢者の見守り事業というものを行っているようでございまして、システムですとか利用の要件等に若干の違い等もあるかもしれませんけれども、札幌よりも利用がはるかに盛んな事例があるというふうにも耳にしております。
そういった意味では、札幌市の利用実績というものももっともっと伸びていてよさそうなものではないかなというふうに思いますが、次に、他都市の同様の事業の状況につきまして把握をされているのか、事例も併せてお伺いしたいと思います。
◎前 高齢保健福祉部長 類似事業の他都市の状況についてお答えをいたします。
利用対象に関して、ご本人の身体状況要件の程度及びひとり暮らしの定義など、自治体ごとで異なる部分があるため、一律の比較はできないところでありますが、高齢者人口に対して利用者数が多い自治体があることは確かでございます。
例えば、京都市や福岡市では、本市に比べて高齢者人口が少ないにもかかわらず、本市の2倍近い台数を設置しております。
◆中川賢一 委員 他都市では、京都、福岡あたりは2倍前後の利用数が、人口が少ないにもかかわらずあるというようなことでございました。
聞いたところでは、大阪あたりも1万件を超えるような利用数があるというふうに伺っておりまして、1万件というと札幌の利用数の4倍ということでございまして、人口からすると4倍も違わないわけですから、相当数開きがあるのかなというふうに思います。まさか札幌の高齢者だけが著しく元気だというようなことではないかと思いますが、そうであれば大変ありがたい話でございますけれども、単身高齢者の世帯ですとか高齢者だけの世帯というものが実際に増えている中でございまして、そんな中で、せっかく有効な手だてを講じておられるのに、必要とするであろう方々に十分に使われていないということであれば、これは宝の持ち腐れということでありまして、やはり、こんな制度があるというふうに分かったら使いたいお年寄りはかなり多いのじゃないかなというふうに推察いたします。
なぜ普及していかないのか、早急に原因を探って、何らかの対策を講ずるべきかと思います。
ましてや、
コロナ禍で高齢者の活動が抑制されているという状況下にありますから、この事業の普及拡大というものは急がれるというふうに考えます。
本事業のPRというものを拝見しますと、現在、
ホームページですとか広報さっぽろなどを使って行われているというふうに認識しておりますが、一般に高齢の方々というものは、情報の獲得能力というものが高いわけではない、特にインターネット等を使ってやるということが決して得意ではない方々が多いというふうに推察されまして、やはり、民生委員ですとか、身近な介護支援の事業者ですとか、こういった方を通じてきめ細かく事業の周知を図っていくということをしていかないと、広く存在が知られていかないのかなというふうに考えます。
私が、あるケアマネさんに、このあんしんコール事業のことを話題に出したことがあったのですが、その方はそもそもこの事業の存在を知らないということでございまして、こういった状況では、支援が必要な方々への利用促進の環境としては少々問題があるのかなというふうにも感じます。
そこで、最後にもう一つ質問でございますけれども、高齢者の安心・安全な生活を守っていくために、あんしんコール事業の普及促進に向けて、もっと積極的に対策を講じていくべきではないかなというふうに考えますがいかがか、お考えを伺いたいと思います。
◎前 高齢保健福祉部長 本事業の積極的な普及促進についてお答えをいたします。
委員ご指摘のとおり、
コロナ禍においても、電話により安否確認や緊急通報ができる本事業は、重要性の高い事業であると認識しております。
その中で、さきに述べた高齢社会に関する意識調査報告書における、知っている保健・福祉サービスという設問に対し、本事業を選択している高齢者が14.8%のみという状況から、さらに認知度を高めていく必要があると考えております。
そこで、同調査における困っていること、不安に思うことの相談先という設問に対し、高齢者の24.5%がケアマネジャーを選択していることからも、本市として、まずは居宅介護支援事業所に対して情報提供を行うなどの積極的な周知を実施してまいりたいと考えております。
さらに、民生委員や町内会など、高齢者及び高齢者の身近にいる方々に対して直接の周知を行うほか、本事業の受託業者にも協力を働きかけるなど、より一層の普及促進に努めてまいりたいと考えております。
◆中川賢一 委員 ケアマネさんを頼りにしていらっしゃる高齢の方が多いということでございましたし、また、民生委員、町内会、さらには、住宅の事業者さん、そういったところを通じて、いろいろと周知を図っていきたいということでございました。
せっかくこれだけ有効な手段を高齢の方々に講じておられておりますので、やはり、いろいろな方々と協力しながら利用促進を図って、単身の高齢者の見守りの環境というものをどんどん充実させていっていただければなというふうに思います。
これから寒い季節を迎えまして、コロナのほうも第3波がいつ来るかもしれないというようなこともいろいろと言われている状況でございます。インフルエンザと一緒に流行したらどうなるのかというようなことも心配されているような状況でございます。そういったことがなければいいのですが、もしかするとということもございますので、万一に備えまして、極力早くこの事業の周知を進めていただきまして、より多くの方々に少しでも早くご利用いただけるようご尽力いただくことを望みまして、私の質問を終わらせていただきたいと思います。
ありがとうございました。
◆かんの太一 委員 私からは、現行の第7期介護保険事業計画について、また、次期計画であります第8期介護事業計画についてお伺いいたします。
介護保険事業計画は、介護保険法に基づき、市町村ごとに3年を1期間として策定し、3年間の高齢者人口の動きと要介護認定者数を推計し、それに対応した必要な介護サービス料の確保、介護予防、重度化防止等の取組の内容や目標を定めています。
計画期間の各年度における給付費など、対象サービスごとの見込み料と確保のための方策を定めることにより、介護保険給付の対象となるサービスの給付水準や介護保険料など介護保険財政の詳細が明らかになります。
今年は、2018年から始まった第7期介護保険事業計画の最終年となっており、現計画では、3年間の合計で4,583億円のサービス費用を見込んでいます。
そこで、質問ですが、現在の第7期介護保険事業計画の進捗状況はどのようになっているのか、まずお伺いいたします。
◎石川 地域包括ケア推進担当部長 第7期計画の進捗状況についてお答えいたします。
令和2年4月1日時点の65歳以上の高齢者の人口は約54万人、また、高齢化率は27.4%となっており、ほぼ計画推定値と同水準になっております。
保険給付費は、令和元年度実績の月平均約112億円で、計画推定値の約94%となっております。一部の介護サービスにおいて計画値を上回っているものもありますが、全体では計画で推計しました給付費の範囲内で収まっているところでございます。
◆かんの太一 委員 ただいまの答弁の中で、高齢者人口は54万人、高齢化率が27.4%ということで、推計した計画値とほぼ同水準であるということでございました。
また、保険給付費でございますけれども、昨年度実績で計画値の94%ということでありまして、大きな差異はないと言っていいかと思います。ただ、保険給付費の実績が計画上の推計値を6%下回っているということでありますから、その扱いがどうなるのかということも気になるところでございます。
そこで、質問でございますが、一般的に給付費が推計したものより少なくなった場合、その差額はどうなるのか、お伺いいたします。
◎石川 地域包括ケア推進担当部長 給付費が少なかった場合についてでございます。
給付費が計画の推定を下回る場合は、剰余金として介護給付費準備基金に積み立て、現計画期間における給付費の変動や保険料の減収などに充てることになっております。
◆かんの太一 委員 推計等の差額、剰余金ということですけれども、介護給付費準備基金に積み立てられ、そして、保険給付の増大であるとか保険料収入の減少に対応するために生かされるということでございました。
2019年度の決算額では、積立金額が9億7,500万円ということ、令和3年度末で基金残高が102億100万円という形になっております。3年の
計画期間が終わるにはまだ半年ほどございますけれども、基金の積立ての上下動があると思いますけれども、いずれにしても有効に活用すべきと考えます。
そこで、質問ですが、現時点での基金の積立て状況を踏まえ、次期第8期の計画に向けてどのような見込みを立てているのか、本市の考え方をお伺いいたします。
◎石川 地域包括ケア推進担当部長 次期計画に向けました基金の積立てについてお答えいたします。
第7期計画の終了時点である本年度末の基本残高は、今後の保険給付費や保険料収入の変動などを踏まえまして、これから推定を行うことになっております。
結果的に基金残高がある場合につきましては、第8期計画策定時の介護保険料の改定の際に、保険料の急激な上昇を抑えるために活用することを検討していきたいと考えております。
◆かんの太一 委員 変動を踏まえながら推計をこれからするということだと思います。
また、第7期終了時点で基金残高がある場合は、保険料の急激な上昇を抑えるために活用したいということでございました。
高齢者の方が必要なときに必要なサービスを受けられるようにするためには、安定的な介護保険制度の運営が基本になり、そのためにも、急な収支の変動に備えた準備基金の適切な管理は重要であると考えます。
今後、高齢者人口はますます増え続けることが予想され、さらに高齢化が進めば、おのずと保険給付費も増えていきます。そのような状況下であっても持続可能な制度運営が必要であるというふうに考えます。
そこで、質問でございますけれども、超高齢社会にあっても持続可能な介護保険制度運営に向けて、本市としてどのように取り組んでいくのかということを伺います。
◎石川 地域包括ケア推進担当部長 持続可能な介護保険制度運営についてお答えいたします。
令和3年度から始まる次期計画におきましては、現計画に引き続き、介護予防や自立支援、重度化防止の取組などに重点を置き検討を進めているところでございます。
こうした取組により、高齢者が自立して過ごせる期間を少しでも延ばすことにつなげ、結果として将来の保険給付費の伸びを抑えられるよう努めてまいりたいと考えております。
◆かんの太一 委員 最後に要望でございますけれども、7月に国より示されました介護保険事業に関わる保険給付の円滑な実施を確保するための基本指針案では、団塊の世代が75歳以上になる2025年だけではなく、その子ども世代が高齢者になる2040年までも見据えたサービス基盤整備の重要性がうたわれております。
そのためには、健全で安定的な制度運営はもちろん、元気な高齢者を増やす取組がますます重要になると考えます。
国も、高齢者の自立支援、重度化防止等に関する取組を推進するため、既存の保険者機能強化推進交付金に加え、介護保険保険者努力支援交付金を令和2年度予算で創設しておりまして、総額400億円の予算額となっております。
取組を進める自治体への財政的インセンティブという性格があり、本市も予算確保に向け積極的に取り組むべきと考えます。
また、社会保障審議会の介護保険部会の議論の中で、近年の災害発生状況や
新型コロナウイルス感染症の流行を踏まえ、基本指針に新たに災害や感染症対策に関わる体制整備が盛り込まれております。
本市の計画策定に当たっても、現在までの災害や感染症対策における体制の脆弱性チェックをしっかりとしていただくことを求めまして、私の質問を終了いたします。
○林清治 委員長 以上で、第3項 老人福祉費及び介護保険会計等の質疑を終了いたします。
次に、国民健康保険会計決算及び第11款 諸支出金 第2項 他会計繰出金のうち関係分について、一括して質疑を行います。
◆池田由美 委員 私からは、国民健康保険制度に関わる質問4点、国保加入者の医療抑制と資格証の発行について、傷病手当について、今後の国保料の状況について、大きく4点質問をいたします。
最初に、国民健康保険加入者の医療抑制についてです。
コロナ感染症拡大防止のための自粛により、感染が怖くて家の近所でしか出歩かない、バス、地下鉄にしばらく乗っていないなどの声を聞いています。そういう中ですから、コロナ感染症への感染リスクを避けるため、病院受診予定を取りやめたり、病院側が30日処方を長期処方に切り替えている実態も聞いているところです。
最初に質問いたしますが、代表質問でも触れましたけれども、今年4月、5月の国保加入者の1人当たりの医療費が、前年同月比で、4月でマイナス7.1、5月でマイナス12.9と下がっており、継続的な治療と服薬が必要な方や検査が必要な方々の健康悪化が懸念されますが、保険者としてどのように認識をされているのか、伺います。
◎西村 保険医療部長
コロナ禍の
受診状況についてお答えをいたします。
国民健康保険の1人当たり医療費につきましては、前年比で4月、5月と大きく減少しておりますが、その後、6月以降につきましては、ほぼ前年並みとなったところでございます。
被保険者の皆様には、健康を維持していただくために、病状に応じて適切な受診をしていただきたいと考えております。
◆池田由美 委員 1人当たりの医療費が4月、5月は下がったけれども、6月は前年並みに戻っているということを今お聞きいたしました。そして、やはり適切な医療を受けることが大事だというご答弁だったというふうに思います。
糖尿病や心疾患などの持病や障がいを抱えている方にとっては、感染により重症化するリスクも高く、不安を抱えながらの生活だと考えます。6月以降はほぼ平年並みということで先ほどご答弁もありましたけれども、私のほうからも、必要な医療を適切に受けていく、健康を守ることの大事さを今後も周知していっていただけますよう求めておきたいと思います。
続いて、お聞きしたいと思います。
とくとく健診の受診率なのですけれども、年間でこの集計はされているというふうにお聞きしておりました。
緊急事態宣言の時期は健診も中止していたとお聞きしていますので、受診率も下がっているのではないのかというふうに考えているところです。
今後、健診率を引き上げるためにどのように取り組んでいくお考えなのか、伺います。
◎西村 保険医療部長
コロナ禍の特定健診受診の取組についてお答えをいたします。
緊急事態宣言の終了に伴いまして、札幌市国保の特定健診も再開しておりますけれども、その後、具体的な取組としましては、まずは感染対策を徹底するように実施機関に周知をしたところでございます。さらに、AIを活用したダイレクトメールを9月中旬より順次発送をしているところでございます。
今後は、来年1月中旬に再勧奨を予定しておりまして、受診率の向上のため、引き続き力を入れて取り組んでまいりたいと考えております。
◆池田由美 委員 とくとく健診、特定健診の再開をしたということで、感染対策も周知しながら、今、ダイレクトメールを郵送したということでした。そして、1月に再勧奨していくということでありました。
とくとく健診というのは、病気の
早期発見、
早期治療や生活改善など、将来にわたり市民の健康を守る上で重要だと思います。重症化してから受診すると、医療費の高騰につながり、今後の国保料にも関わることから、健診は重要だというふうに考えているところです。
コロナの終息は見通せませんけれども、安心感が持てるように、国保加入者にぜひ健診を周知していただけますように求めておきたいというふうに思います。
次に、国保加入者の資格証の発行についてお伺いをいたします。
新型コロナウイルス感染症に関連して、2020年度分、4月発行7月末までの4か月間の短期証は、窓口留め置きをやめて、全て郵送をし、また、その後、8月から全ての短期証の方に正規保険証を郵送したというふうにお聞きしています。そして、短期証の発行窓口での留め置きは、今、ゼロになったというふうに聞いているところです。また、資格証も、昨年の6,095世帯から3,291世帯へと54%も減少しております。
全ての短期証の方に正規保険証を郵送する判断をした考え方と、そして、資格証明書の発行が減っている理由について伺います。
◎西村 保険医療部長 短期証と資格証についてのご質問でございます。
まず、一つ目の短期証の運用変更についてでございますが、短期証については、従前は滞納のある世帯に対して、一律、機械的に交付して、折衝機会の確保の一助としておりましたが、滞納世帯数が一定程度まで減少しましたので、滞納状況に応じて個別に判断していくことといたしました。
今回は、各区において検討した結果、交付世帯数がゼロとなっておりますが、今後も、必要があれば短期証を活用して滞納整理を行っていくこととなります。
次に、2点目の資格証が減っている理由でございます。
資格証については、様々な要因があるかとは思いますが、国保加入を外れる方がいらっしゃれば減っていくということになりますので、その結果、件数の減少が続いていると思います。
あとは、資格証については、解除要件が法に定められておりますので、国から特段の指示がないことから、一律に解除することはできないものと考えております。
◆池田由美 委員 短期証については、滞納世帯が少なくなってきているという現状から、一人一人に丁寧に対応していく、個別に対応するのだという答弁が今ありました。様々な折衝の機会、そういった手段で丁寧に対応するということなのだというふうに思います。必要があればまた出す可能性もあるのだということを先ほどおっしゃいましたけれども、ぜひ、丁寧に対応するということで、しっかりと実態をつかんで、資格証の発行はやはりするべきではないというふうに私は求めておきたいと思います。
資格証についてですけれども、外れた方もいらっしゃるというようなことなどもお話しされていましたけれども、今回、新たに資格証を発行される可能性があった方が発行されていないというところではどういった理由があったのか、お聞きしたいと思います。
◎西村 保険医療部長 資格証を発行しなかった理由でございます。
加入数が減っているということで、減っているということもございますけれども、
新型コロナの関連で、短期証については窓口交付をしないという対応を行いました。それとともに、新規の資格証の発行についても行わないという取扱いを3月から行っておりますので、その影響もあるかと思います。
◆池田由美 委員 加入世帯が減っているということも要因としてあるということでありましたけれども、新規についても、今回のコロナの対応について、短期証の発行のときと同じ対応で、新規の方には資格証の発行等はしなかったという答弁だったと思います。
我が党は、これまで、短期証の留め置きとか、医療窓口で10割負担となっていく資格証の発行は折衝の機会に結びつかないという立場で、短期証の留め置きや資格証の発行はやめるべきだと求めてきていたところです。
本市が保険証の留め置きや資格証の発行で折衝の機会を得る考え方として、様々な勧告や電話、訪問での丁寧な対応で折衝の機会を得るのであれば、先ほども申し上げましたけれども、また短期証を発行しなければならないといった実態を回避していくことはできるのではないのかというふうに私は思います。そして、資格証の発行もやめていくべきだと、必要ではないというふうに思いますけれどもいかがか、伺います。
◎西村 保険医療部長 資格証の取扱いについてのご質問でございます。
先ほども申し上げましたが、今回、資格証の新規発行をしなかったということについては、
新型コロナの関係でという判断でございます。
現在、資格証を継続されている方がおりますけれども、資格証の解除要件は、繰り返しになりますが、法に定められておりまして、国から特段の指示がありませんので、現時点では一律に解除することはできないものと考えております。
◆池田由美 委員 国の解除要件があるということで、再度、また答弁がありました。丁寧に加入者の実態をつかんで折衝する機会を持てるように、やはり、取り組んでいく方向性が今見えてきているわけですから、市民の生命と健康を守ることや医療に係る受診権をしっかり保障していくことがやはり重要ではないかというふうに思います。
今後の短期証の留め置き、全ての資格証の発行はやはりやめるべきだと、そして、国に対してもきちんと求めていくことが必要ではないか、このことを強く求めておきたいというふうに思います。
次に、傷病手当について伺います。
国は、
新型コロナウイルス感染症への緊急対策として、コロナウイルス感染や疑いのある国民健康保険の被用者、給料をもらっている方ということなのですが、自治体が傷病手当を支給する場合、その全額について特例的な財政支援を行うこととなり、本市においても5月から行われております。
本市の傷病手当のこれまでの決定数と支給決定額について最初に伺いたいと思います。
◎西村 保険医療部長 傷病手当金の支給決定件数と決定金額についてでございます。
令和2年9月末までに支給決定した傷病手当金は、計14件、金額は102万704円となっております。
◆池田由美 委員 14件、102万704円という答弁でありました。
昨日までの陽性者の総数が1,629人だったということなのですが、この数を聞いて、国保の方の感染者や疑いのあった方は少ないほうなのだなというふうに感想を今持っていたところですけれども、傷病手当はコロナの関係で出るのですよということをどのように周知されていたのか、伺いたいと思います。
◎西村 保険医療部長 傷病手当金の周知についてお答えをいたします。
まず、条例改正を行いまして、直ちに報道発表ということを行いました。あわせまして、札幌市公式
ホームページ、それから、広報さっぽろ6月号に掲載を行いました。さらに、6月に国保加入の全世帯に保険料の納付通知等の送付をいたしましたけれども、その中に傷病手当金の制度概要のチラシを同封いたしました。さらに、7月に年に1回の被保険者証の更新がございますけれども、その被保険者証に同封するリーフレットに傷病手当金について記載し、周知を図ったところでございます。
◆池田由美 委員 細かく丁寧に対応されていたということがよく分かりました。ただ、十分周知するということは今後も求めておきたいなというふうに思います。よろしくお願いいたします。
この傷病手当は、働いている加入者は還元されているものの、事業主は支給対象から外されていることが問題だと考えています。事業主を支給対象から外していくことは、同じ国保加入者であり、保険料を負担しているのに、給付で差別するということになるのではないかと思うのですが、これはやはりおかしいのではないかと私は考えるところですけれどもいかがか、伺います。
◎西村 保険医療部長 事業主を対象としていないことについてのお尋ねでございます。
今回の傷病手当金制度は、緊急的・特例的対応として、
新型コロナウイルス感染症に感染した被用者に手当金を支給するよう国から要請がありまして、それを踏まえ実施したものでございます。
自営業の方などにつきましては、傷病手当金とは別に事業者向けの給付金、あるいは貸付けなど各種の支援が行われているものと認識をしております。
◆池田由美 委員 貸付けということと、いろんな給付という話でありました。持続化給付金とかそういったものは、収入が5割減が条件になっておりますから、非常に高いハードルがあるかなということと、貸付けを受けるということは、返還しなければならない、返さなければならないわけですから、負担となることは明らかだというふうに私は思います。
独自の財政措置を行って個人事業主も対象に含めることとした自治体もありますので、本市も、せめてお見舞金を支給するなどの検討をしていくことも必要ではないのか、このことを今この場で求めていきたいというふうに思っています。
最後に、来年度の国保料金の動向について伺いたいと思います。
新型コロナウイルス感染症の影響により、今年の収入見込みが前年度より3割減収となる世帯を対象として、国保料金を減免する特例減免の措置が今取られているところです。
最初に、この
新型コロナウイルス感染症に伴う保険料の特例減免の申請状況について伺います。
◎西村 保険医療部長
新型コロナ特例減免の申請状況についてお答えをいたします。
令和2年9月末時点の申請件数は1万7,845世帯となっております。
◆池田由美 委員 1万7,845世帯と、多くの世帯からの減免申請ということでありました。
コロナ感染症による影響が市民生活に大きな負担となっていることが、この申請件数からも分かります。国民健康保険料は、所得税、世帯に係る平等割、家族の人数である加入者数に応じてかかる均等割から構成されております。特に、所得割は、加入者の所得に料率を掛けて所得割保険料を決定していくこととなっています。
新型コロナウイルス感染症の影響により国保加入者の2020年の所得が減少した場合、所得割の料率が上がっていく可能性があります。同じ所得であっても保険料が来年度に上がることも懸念されますけれども、本市の見解を伺います。
◎西村 保険医療部長 来年度の所得割料率についてお答えをいたします。
ただいま委員からご指摘がありましたとおり、今年度の所得が減少することに伴いまして、来年度の保険料の所得割料率が引き上がる可能性があると認識をしております。
札幌市では、被保険者の急激な負担増が起こらないように、国による財政支援が必要と考えております。ほかの自治体とも連携し、現在、国に要望しているところであります。
◆池田由美 委員 引き上がるという認識もあるということで、国に対して、今、要望もされているというふうにお聞きしました。
コロナの影響がどこまで続くのか、先が見えないですから、収入の回復も見通せない状況だというふうに考えます。収入が減って苦しむ加入者に国保料のさらなる負担をさせないように、北海道と協議もしながら、引き続き国に要請することを求めておきたいと思います。
そして、本市においても、国保基金や一般財源の繰入れも検討し、我が党が求めてきた子どもの均等割の減免などを行い、高くて払えない国保料金の引下げを求める加入者の願いに応えるべきだと、このことを申し上げて、質問を終わります。
○林清治 委員長 以上で、国民健康保険会計等の質疑を終了いたします。
最後に、
後期高齢者医療会計決算及び第11款 諸支出金 第2項 他会計繰出金のうち関係分について、一括して質疑を行いますが、通告がありませんので、質疑を終了いたします。
以上で、本日の質疑を終了いたします。
次回は、明後日10月16日金曜日午前10時から、農業委員会及び経済観光局関係の質疑を行いますので、定刻までにご参集ください。
本日は、これをもちまして散会いたします。
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散 会 午後1時48分...