札幌市議会 2012-03-23
平成24年第一部予算特別委員会−03月23日-09号
平成24年第一部
予算特別委員会−03月23日-09号平成24年第一部
予算特別委員会
札幌市議会第一部
予算特別委員会記録(第9号)
平成24年(2012年)3月23日(金曜日)
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●議題 付託案件の審査
●出席委員 34人
委 員 長 こんどう 和雄 副委員長 小 倉 菜穂子
委 員 武 市 憲 一 委 員 宮 村 素 子
委 員 鈴 木 健 雄 委 員 山 田 一 仁
委 員 五十嵐 徳 美 委 員 細 川 正 人
委 員 よこやま 峰子 委 員 宗 形 雅 俊
委 員 こじま ゆ み 委 員 北 村 光一郎
委 員 伴 良 隆 委 員 西 村 茂 樹
委 員 猪 熊 輝 夫 委 員 畑 瀬 幸 二
委 員 ふじわら 広昭 委 員 三 宅 由 美
委 員 林家とんでん平 委 員 長谷川 衛
委 員 小 川 直 人 委 員 宝 本 英 明
委 員 村 上 ゆうこ 委 員 林 清 治
委 員 本 郷 俊 史 委 員 谷 沢 俊 一
委 員 芦 原 進 委 員 國 安 政 典
委 員 井 上 ひさ子 委 員 坂 本 恭 子
委 員 小 形 香 織 委 員 石 川 佐和子
委 員 堀 川 素 人 委 員 木 村 彰 男
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開 議 午後1時1分
○こんどう和雄 委員長 ただいまから、第一部
予算特別委員会を開会いたします。
報告事項でありますが、阿部委員からは、伴委員と交代する旨、届け出がありました。
また、陳情第21号、第26号、第30号、第32号及び第33号の提出者から資料の提出がございましたので、お手元に配付しております。
それでは、議事に入ります。
最初に、
児童クラブ利用料及び保育料等に関する陳情第21号から第36号につきまして、提出者から趣旨説明を受けるため、委員会を暫時休憩いたします。
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休 憩 午後1時2分
再 開 午後1時35分
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○こんどう和雄 委員長 委員会を再開いたします。
それでは、第3款 保健福祉費 第2項
子ども福祉費中関係分、議案第4号 平成24年度札幌市
母子寡婦福祉資金貸付会計予算、議案第24号 札幌市
事務分掌条例の一部を改正する条例案、議案第28号 札幌市
児童会館条例の一部を改正する条例案、陳情第21号
児童クラブ利用料導入の見直しを求める陳情、陳情第22号及び第23号 「保育料の値上げを行わないこと」を求める陳情、陳情第24号から第28号 「保育料10%値上げ」に関する陳情、陳情第29号 「
保育料値上げ」に関する陳情、陳情第30号及び第31号 保育料の引き上げ等に反対する陳情、陳情第32号 保育料の引き上げ等に関する陳情、陳情第33号及び第34号 保育所の保育料の引上げ等に反対する陳情、陳情第35号及び第36号「保育料平均10%改定」に関する陳情について、一括して質疑を行います。
◆堀川素人 委員 私から、大きく二つの質問をさせていただきます。
一つは、静療院の整備、そして、それにかかわる組織が改革されるというのか、組織改革があります。その中で、
ひまわり整肢園が平成26年4月1日からということで供用が開始されますが、静療院の組織改革と、それから、
ひまわり整肢園を新しく建てるわけですけれども、その関係を含めながら、いかなる目的において組織改革をするのか、そして、新しい
ひまわり整肢園の建物というのは、今の
ひまわり整肢園と比べて最終的にどういうふうになるのか、その辺についてお聞きしたいというのが一つです。
それから、今の保育料の値上げについて、二つ目として質問したいと思います。
まず、静療院については組織改革の目的、それから、その後、静療院のわきに
ひまわり整肢園が入りますけれども、その計画についてご説明を願いたい、こう思います。
◎難波
児童福祉総合センター所長 ただいまの静療院の福祉施設の関係につきまして、複合化の組織の目的、さらには、
ひまわり整肢園の建物等につきましてお答えいたします。
まず、新しい複合施設でございますが、これは、現在の静療院の成人部門が本年4月に桑園の
市立病院本院の方に移転いたしました。その施設を利用する関係でございますが、ここに複合施設として通園施設の機能と医療機能といった複合的な機能を加えることによって、
地域支援機能を充実させ、市全体の
児童療育体制の中核的な役割を担う施設を目指して、今回、新たな施設としたいというものでございます。
その新しい施設のレイアウトにつきましては、先般、3月の段階で初回の概要設計が一たんでき上がったものですから、3月2日にレイアウトの提示をさせていただきました。その内容でございますけれども、この建物は5階建てになっております。ここには、現在、
ひまわり整肢園と合築しておりますかしわ学園と、
児童福祉総合センター内に入っております
発達医療センター、同様に、センターに入っております
知的障害者更生相談所、これらの施設を新しい静療院の建物の中で複合的に機能を強化して実施したいという目的で設計をしたものでございます。
特に、
ひまわり整肢園に通園されている
子どもたちでございますが、自力で容易に運動することがなかなか困難な子がたくさんいらっしゃいます。また、バギー等を利用されている
子どもたちも多数いらっしゃいますことから、新施設の中では低層階に設置しなければならず、このことが必要不可欠であると考えております。
子どもたちが利用するスペースを優先的に1階に設置したものでございます。
あわせて、1階には、
ひまわり整肢園のほかにかしわ学園、2階には、
ひまわり整肢園と
発達医療センターの訓練部分等、そして、3階には
発達医療センターの診療あるいは訓練の部分が入ってございます。4階には主に
知的障害者更生相談所を配置して、5階につきましては、利用者が直接利用する頻度が少ない職員室を設置するものでございます。
なお、かしわ学園、
ひまわり整肢園を1階に置く関係から、既存の1階だけでは対応が不可能でございます。このため、一部増築しまして、主に
ひまわり整肢園の部分を増築の一部に入れて整備したいというふうに考えております。
◆堀川素人 委員 静療院を大人の部分と子どもの部分に分離して、大人の部分はこれまでどおり病院局の方で扱う、子どもの部分については、福祉の観点を大きく取り入れて、今後、保健福祉局の方でやっていく、また、
ひまわり整肢園について言えば、これは平成26年4月1日から保健福祉局の方に所管替えになる、こういうことであります。今、
子ども未来局としては、
ひまわり整肢園は、建築については責任を負い、そして保健福祉局の方に引き渡すというような形で、今現在でも両局が協力しながらやっているという話は聞いております。でも、基本的には、組織的に言うならば、
子ども未来局が
ひまわり整肢園の建築まで責任を持たなければならぬ、こういうことであります。
そういう中で、
ひまわり整肢園を利用している子どもから――子どもと言いましても、親の方からこの建物を建てるときに幾つかの注文が出ております。私のところに一番先に届いたのは、なかなかいい返事がもらえなくて、どうぞ、力になってほしい、こういうことでありまして、項目的に言ったら5項目のお願い事項があります。
建物を建てるわけですから、その中身というのでしょうか、どういう部屋をつくるか、こういうことについて決めなければならないと思います。それには、余裕があれば利用者とゆっくり話し合いながらやっていけばいいのですけれども、いつまでに設計を上げようとしているのか、教えてください。
◎難波
児童福祉総合センター所長 いつまでに設計をということでございます。
これは、現在、平成26年4月の開設を目指しておりますので、本年の秋ごろまでにはレイアウトを固めて、25年から改修工事を進めていきたいというふうに考えているところでございます。
◆堀川素人 委員 実は、きのう、行って見てまいりました。その5項目の中で言いますと、一つは、子ども方が訓練するホールという場所がありますけれども、今までは100平米弱あったものが、新しいものでは60平米を切るという状態で、60平米を切る状態というのは狭過ぎるぞと、こう見てまいりました。それから、利用する
子どもたちは肢体不自由ということですから、2階に上がるのに
エレベーターがなければ大変難儀いたします。また、勾配をつけて上がって上がれないことはないのでしょうけれども、これからそういう
子どもたちがその施設を長く利用するならば、
エレベーターをつけるのは至って当たり前のことかな、こんなふうにも思っていました。
それから、その中で一番大事なのは、看護師もいれば保育士もいる中で、親がついていって看護師や保育士などと一緒に子どもを保育するところなのですが、その職員の方々は、話を聞いたら、どうも、静療院の方があいたので、ほかの職員と一緒にそこに入るということなのです。しかし、そこは5階なのですね。僕は、そこまで離してしまって子どもや親が本当に安心できるのかと。こういった場合、一回やってしまったら、後で気がついて建物を増築するとか手を入れるというのは大変お金のかかる話です。今回、新しく建てる。それには、親と何回も打ち合わせをして、役所の方が机上で――現場にいる職員が図面を引いたり計画を練るならまだしも、そうではなく、こっち側の方で簡単に図面を引いてしまって、それを現場に押しつけるようなことがあってはならぬ、こう思います。先ほど聞きましたら、秋ぐらいをめどに設計を完了したいということなので、まだ時間があると思います。
そこで、質問はもういいのですが、どうか、親御さんの話をよく聞いて、利用者にとってすばらしい建物にする、こういう中で皆さんの知恵を出し合っていただきたい。まず、このことをお願いしておきます。これが一つ目のやりとりでした。
それから次に、保育料の値上げのことですが、僕は、基本的には大反対ですね。一般に言われる子育てをしている人たちというのは、札幌であろうが、どこに住んでいようが、今、収入の割には支出が大変多い、なかなか厳しい世代だなと思っています。その人方に負担をかける、これは、ぜひやめてほしいなと思います。
ただ、今は、保育所をたくさんつくらなければならない。お金もかかります。そうするならば、この費用をだれかが負担しなければならぬ。税で負担をするのか、利用料でもって負担をするのか、これをまぜながら負担割合を決めていくか、普通はこういう形で考えるかと思います。そういう中で、今、国でやっている消費税の議論でありますけれども、それも、むだがないかと。切り詰めても、切り詰めても、もうこれ以上お金が出てこない、だから、国民の皆さんよ、負担をしてくださいと言うならばわかります。しかし、札幌市は、何もないのです、もう、本当に乾いたぞうきんを絞るがごとき状態なのですとは、そこまではまだ言えないと僕は思っています。これは、何かといえば、お金がかかるとすれば、まず、内部で捻出できるかできないか、これができなくて、税を徴収させてもらう、利用料を徴収させてもらうということなのです。しかし、その一番先にしなければならないことについて、僕は、もう少しきちんと見きわめをすべきだと思います。
僕は、文教委員でもあって、この問題については何度も皆さんと議論してまいりました。今の札幌市の財政運営のやり方は、値上げ、値上げ、値上げ、値上げ、値上げをする。この平成24年度、25年度、26年度の3年間で53億円の値上げをしようとしております。今回の10%の値上げで4億6,000万円、それから、児童会館のところで9,000万円、売り上げを上げようとしている。売り上げというのか、そういうふうにしようとしているわけですが、もう少し全体を見てきちんと財源を考えましょうと僕は提案しているのです。
先ほども話がありましたけれども、札幌市民の所得は下がっています。特に、低所得者の生活がどんどん追い詰められている状態が数字になってもあらわれております。
国民健康保険を利用している世帯の人などは、この10年間で所得が30%も下がった、こう言われています。そして、先ほどから言うように、札幌市全体の所得というのは政令都市の中で最低のランクにある。こういう中で、10%の値上げをするというのは相対的に厳しい。これをするのですから、むだがないかと切り詰めればいいのではないですか。
どうすればいいのか。今、札幌市長を初め、我々議員がいます。それから、札幌市の職員がいます。例えば、道は、特別職も一般職も含めて、既に平均で8%近くの減額をしております。そしてまた、国でもおよそ8%の減額をしようと。これは2年間です。そして、理由づけとすれば、震災があったからと。震災があったからこの8%の減額の話が出てきたのではないのですよ。その前から、国としてももうやっていけない、それで8%ぐらいの減額をしよう、こうなって、今、減額をするわけです。札幌市だけ、全く手つかずの状態でいるのです。手つかずの状態でいるのですよ。市民が貧しい、厳しいとなったら、我々も含めて、同じような厳しさを味わって当たり前ではないですか。こう考えていって、初めて、同じ自治体に住んで、ある意味では運命共同体だというふうにして考えられる。こういうふうにしてやらなければならない。
では、それをやったら、札幌市としてどのぐらいの効果が上がるかといえば、およそ65億円から70億円、これが1年間で出るわけです。そして、これが実行に移されたならば永久財源ですよ。これは、ずっと確保できるのですから。そうするならば、さっき言った平成24年度、25年度、26年度を合わせた53億円、今回の10%の値上げ4億6,000万円、児童会館の値上げ分9,000万円は軽くのみ込めるではないですか。そうするならば、この3年間の使用料の値上げを一切しなくてもできますよ。それが、今の札幌市の特別職、または職員のなすべきことだ。そして痛みを共有する。
僕はこうしなければならぬと思うのですけれども、いかがお考えか、お聞かせ願いたい。
◎大谷内
子ども未来局長 人件費の切り詰めというようなご趣旨のお話だったと思いますが、私がそういう件について責任を持って答える立場にあるか、甚だ疑問なところがありますけれども、札幌市の政策につきまして私どもも一緒に進めている立場としてお答えします。
札幌市では、これまでも、管理職を含めた効率的な職員配置や給与等の適正化を行うことによりまして人件費の見直しを進めてきたところでございます。特に、これは市長の口からもよく発言されることでございますけれども、人口10万人当たりの職員数につきましては政令都市中最少の367.8人となっているところでございます。このたびの札幌市の
行財政改革推進プランでは、高齢化の進展や厳しい経済状況に伴いまして、主に、保健福祉などの人的資源が必要な分野における業務増が見込まれる一方、時代の変遷に伴いまして行政の役割が低下した分野、それから民間活力の導入がふさわしい分野について、スクラップ・アンド・ビルドを徹底することによりまして人件費の見直しに取り組むこととしているところでございます。
なお、札幌市の職員給与につきましては、第三者機関である
人事委員会の勧告に基づく改定を行うことによりまして、
市内民間企業事業所に勤務する従業員の給与と均衡させることを基本に給与の適正化に努めているところでございます。
本市人事委員会勧告を尊重した給与改定を行うことで、国を上回る引き下げを実施してきている状況もございます。地域の給与が国全体の平均を下回るという結果を反映した勧告を受けて、この勧告を尊重、実施して、そういうことに努めているところでございます。そういうことを承知しております。
今後につきましては、適正な給与水準を維持するとともに、行政ニーズに応じた定員管理を行うことによりまして、こういう手法によって人件費総体としての節減に努めてまいりたいと考えているところでございます。
議員の報酬、それから特別職の報酬については、私からの言及は避けさせていただきます。
◆堀川素人 委員 特別職の報酬について、審議会が開かれて、その結論は、今のままでいい、こういうようなことでした。これに妥当性があるかどうかというのは、審議委員が見るのではそうなのかもしれません。
それから、
人事委員会の勧告があって、それを尊重しながらやるということだから、今の給与というのは給与水準としておよそ合っている、こういうことなのですね。でも、例えば、
人事委員会の勧告については、そこの首長の判断で、必ずしもそれを全部受け入れなくても法律的には構わないわけですよ。それはなぜかといえば、その地域、地域の置かれた経済的な環境だとか労働環境だとか、こういう特殊性があれば、何も、必ずしも
人事委員会の勧告を受け入れなければならぬものではない。今、道がやっているのは、大変財政が厳しいと。だから、知事の判断として、それを8%落としてくれと言って、実際に落ちているではないですか。道がそうであるならば、札幌市だって、これほど厳しいと言って今の値上げをしなければならないならば、そういうことを――札幌市は今まで大変甘えていましたよ。給与の問題について言うならば、我々も甘えていたのかもしれない。でも、やはりそういうことを排除して、しっかりと、今、若い人方、子育てをしている世代が本当に大変だよと。
安易に利用料を上げて、そこで穴埋めをする、こういう安易なやり方というのは、昔から権力者がやっているやり方なのですよ。そして、職員の方々に悪いけれども、職員の方々は権力者の徴税組織として、それから、特別職というのは権力者の一部として、とにかく庶民からお金をどう吸い上げるか、こうやってきた昔の
仕組みそのものであり、民主主義の制度ではないと私は思うのです。
このことについて、例えば、特別職及び一般職の給料を一定削減して財源を生み出す、こういう考えはおありなのか、それとも、ないのか、それをはっきりと聞かせてほしい。ただ、今、皆さんが言うように、ここに市長を呼んでこのことを話せばよかったのでしょうけれども、本当に、皆さんには、こういう声があるのですよと、どうか、このことをぜひとも市長に伝えていただきたいと思います。
そこで、今、僕が言ったことについて、共感できるのか、それとも共感できるものがないのか、これについて、傍聴者もたくさんいますので、どうぞ、局長からはっきりお話を聞かせていただきたい。
○こんどう和雄 委員長 理事者に申し上げます。
所管内だけについて答弁してください。
◎大谷内
子ども未来局長 それでは、給与の面についてのお答えは差し控えさせていただきます。
私どもがただいまご提案を差し上げている、そして、ご審議していただいている
行財政改革推進プランに基づく見直しの関係でございますけれども、これは、皆さんには本当に釈迦に説法になりますが、
中期財政見通しについて札幌市は今現在も近い将来も厳しい財政状況にあって、そういうような状況を受けまして、その中で、私どもの担っている子育ての支援策についてさまざまな充実策をとっていかなければならない状況にございます。そして、その中で、喫緊の課題として待機児童の解消を実施していかなければなりません。その際に、第3次札幌新
まちづくり計画で4,000人の定員増を目標としておりまして、これは市民の皆さんへの広報にもはっきり書かせていただきましたが、これを実施することによって、建設に係る費用、それから、つくって運営していくことに係る費用が多額に及びます。そういう費用がさらに増加していきますので、こういうものについて、利用される皆さんに一定の負担をお願いしたい、それをご理解いただきたいということでご提案させていただいているところでございます。
児童クラブの有料化につきましても、同じく、サービスの充実ということをうたっております。これは、学年の拡大、それから、時間延長を行う予定でございます。ここでお認めいただいて、そういうことを実施していく予定でおりまして、そのほかに、4年間で、今、小学校区に
ミニ児童クラブ、児童の放課後の居場所がないところは施設を整備していく、そういうことについて多額の経費を要するということでございますので、時間延長について、この点についてご理解をいただいて、費用の一部をご負担いただきたいということをお願いしているところでございます。生み出すところはまだあるのではないかというご趣旨のご発言だったと思いますけれども、それをしっかり実施した上で、利用者の皆様にも一定のご負担をいただきたい、そういうことをお願いしているところでございます。
◆堀川素人 委員 今言う財源の問題ですね。財源の問題を
子ども未来局だけでもって生み出そうとしたならば、これは、生み出せなくて、だれかに負担をしてもらうと。そうするならば、当然、利用者にもという頭も浮かんでこようかと思うのです。
しかし、そうではなくて、あなたは
子ども未来局の人間であるだけではなく、札幌市全体の財政の中からどうやってこの資金を生み出すのか、やはり、こう考えて、できるならば利用者の負担というのは避けると。その分だけはありますよ、こっちから持ってきたらいかがでしょうかと、あなたは
子ども未来局のトップとして市長に言わなければならないのではないですか。
子ども未来局の中で財源があるのかといったら、ないですよ。そんなことではないのです、私が言っているのは。皆さんが考えて、札幌市のどこから持ってきてもいいのです。むだなところがあって、そういうところを切り詰めて持ってくるならば、どこでもいいのです。もう少しオール札幌で物を考えるようなくせをつけなければだめですよ。
きょうは、本当に多くのお父さんやお母さんが来ています。これからも本当に厳しい中でやっていかなければならぬのかなと。そして、値上げがされて、なお一層厳しくなる状態の中でもがきながらやることを考えたら、本当に断腸の思いで、この値上げの案については大変厳しいものがある、こういうことを申し上げまして、質問を終わらせていただきます。
◆木村彰男 委員 私は、本年度予算で新規に提案されておりました
認可外保育施設運営事業補助について、それから、新設の保育所の開設と既存の民間施設との競合について、児童クラブの延長利用料について、児童会館等の施設の
防災避難活動について、児童会館、
学童保育所等の指導員について、児童会館における世代間交流について、それから、保育ママの平成24年度のあり方について、ご質問させていただきます。
まず、認可外の
保育施設運営事業補助ということで、本年度、新規に予算提案されております。この補助対象ですけれども、対象が認可外という形になっております。この認可外の定義ですが、場所的、もしくは人数的な要因で認可外になっているケースと、初めから面積基準や保育士等の数がそろっていないというような要因で認可外となっているものに大別されると私は思うのです。
経営的に考えてみますと、補助をしてほしいといいますか、補助が欲しいのは、後者の零細的な保育所といいますか、そういうところではないかと私は思っておるのでございます。今回、これら補助の対象としております保育所につきましては、札幌市全体で大体幾らぐらいの認可外保育所を想定されていて、それは何%ぐらいになるのか、お聞かせください。
◎堂前 子育て支援部長 補助対象はどのぐらいを想定しているかというご質問でございますが、現在、札幌市に届け出がございます認可外保育施設は、122施設ほどございます。そのうち、認可外保育施設指導監督基準を満たしているのは50施設ございます。そのうち、補助の要件となる国の児童福祉施設最低基準、または札幌市独自の基準を満たす施設がどれぐらいあり、補助の対象となる保育に欠ける児童がどのぐらい在籍しているかは、現時点では把握できておりません。
今後、ことし10月の事業開始に向けまして、申請があった施設の中から選定したいと考えております。
◆木村彰男 委員 具体的には、まだ申請行為も行われておりませんので、確かにおっしゃるとおりかと思うのですけれども、国庫補助ということで、今は要件がかなり厳格になっているのかと思うのでございます。その辺につきましては、今後、札幌市の中で何か要件を緩和するであるとか、適用の対象者を広げるような施策というか、お考えはないのでしょうか。お聞かせください。
◎堂前 子育て支援部長 対象施設を選定する際の考え方でございますが、国の児童福祉最低基準、または札幌市独自基準を満たした上で、保育の質の高さ、交通利便性の高さ、待機児童の状況などの要素を考慮して選定することを考えております。
なお、札幌市の独自基準については、先ほども言いましたように、現在検討中でございますので、保育の質の向上につながるために、認可外保育施設が最低限満たされなければならない認可外保育施設指導監督基準を相当程度上回る必要があるものと考えております。
保育士の配置や保育室の面積については、児童福祉最低基準と同程度、もしくはこれに近い基準とすることを今は考えております。
◆木村彰男 委員 観点をちょっと変えまして、次に、認可保育所の場所的な基準です。
市側は、待機児童を把握するに際しまして、小学校単位で大体どのぐらいの待機児童がおるかというようなことを測定しておられると聞いておるのですけれども、そのときに、既に認可保育園があって、次の認可保育園をつくろうとしたときに、距離的な制限といいますか、それを札幌市で独自につくっていらっしゃると伺っておるのです。
私が調べた限りでは、昭和50年の最高裁判決というのがございまして、これは、薬事法の関係で、距離制限が違憲であるという内容のものであったのでございますけれども、これらの制限というのはこの最高裁判決に抵触するようなことはないのでございましょうか。これについてお聞かせください。
◎堂前 子育て支援部長 委員ご質問の薬事法の距離制限についての判決に対する考え方でございます。
不良薬品が販売されることを防止するという目的は、薬局の設置にかかわる距離制限という手段によらなくても、薬品の製造過程等において十分な監督を行うことで達成できることなどを理由として、判決では距離制限を行うことが違憲であると判断されたものであると理解しております。
一方、保育所につきましては、一般に周辺に居住する児童が利用すると判断されますことから、一定の地域に保育所が集中することになりますと、十分な利用が確保されないこととなって、保育所の経営に悪影響を及ぼし、ひいては十分な数の保育士等を雇用することができなくなり、保育所における児童の適切な保育の実施に支障が生ずるおそれがあるというふうに考えております。このことを防ぐためには、各地域における保育需要を勘案して認可を行うこととしていることには十分な必要性と考慮性があるもの、そのように私どもは考えております。
◆木村彰男 委員 その件につきましては、後で、既設の民間保育所について、私がご担当の方からご紹介を受けて南区澄川の方を回ったときのことをお伺いします。
その前に、今回の補助の目的のところに、保育施設の保育の質を向上するということがうたわれております。それは、具体的には、例えば設備の改善であるとか設備の改修、そういうものを全部やった上で、完了届みたいなものを提出して初めて補助が受けられるのかという質問です。
また、保護者の方の負担軽減ということも同時にその目的に上げられておるのでございますけれども、これは、例えば保育料の減免等を保護者に実際的に還元されたと。そういうものを判断された上で、初めて補助が行われるのか。そういうようなことについてはどのようになっていくのでございましょうか。お聞かせください。
◎堂前 子育て支援部長 まず、完了届の件でございますけれども、申請を受け付けて、実態について審査を行いますので、特に完了届を必要とするものではございません。
また、保護者の負担軽減についてでございますけれども、補助対象となる認可外保育施設には、補助対象児童の保育料に上限を設けたいと考えており、その上限額につきましては、現在、検討中でございます。
◆木村彰男 委員 この補助事業につきましては、私も関心を持っていまして、初めておやりになるということで、実は、私も地区の保育園の方々とこういうのができるのだねという話をさせていただいております。ぜひ、そういうような方々にもできるだけ適用されるような形でご検討いただければというふうに思っております。
それから、先ほど距離制限の話が出ましたけれども、新設の認可保育所ができましたと。ところが、既存の民間の小さな認可外の保育所がそこに混在しておると。そういう関係のことについて私は調べておりました。昨年の秋、
子ども未来局の担当係長とご相談の上、南区澄川地区の公立の乳児保育園、それから、澄川、真駒内にある小さな民間の認可外保育園を視察する機会を得まして、そこで働く保育士であるとか、経営をつかさどる責任者の方々と懇談をして、意見を伺ってきたところでございます。
その中で、澄川に市立幼稚園があったのですけれども、それを閉園しまして、新しい保育園を併設する形で、モデル事業と申しますか、そういうような施設を開園されるに至ったわけでございます。この開設の経緯と札幌市側の関与につきまして、お聞かせいただきたいと思います。
◎堂前 子育て支援部長 モデル事業のすみかわみなみ幼稚園、前公立幼稚園のお話だと思います。
平成20年2月に、札幌市の幼児教育振興を図る新たな仕組みづくりにおいて決定した市立幼稚園の各区1園化に基づき、廃止が決定された7園の跡利用について、全庁的に活用方法を調査したところでございます。施設の現状や他の活用方法の可否などを慎重に検討した結果、将来の幼保一体化に向けたモデル事業の対象施設として、もう1カ所ありますけれども、この中にすみかわみなみ幼稚園を活用することを札幌市として決定したところでございます。
◆木村彰男 委員 同地区は、澄川の地下鉄駅にも大変近いということで、たくさんの認可外といいますか、小さな保育所が集まっております。その中において、市側の認識としまして、実際に競合状況がどの程度になっておるのかとか、保育園に通っていらっしゃる児童の数、さらに待機していらっしゃる児童の数、そのようなものは今どのように押さえていらっしゃるのでしょうか。
それから、このモデル施設の開園に当たって、地域の方々、もしくは地域の保育園の方々、経営者の方々のお声を聞くようなことはされましたのでしょうか。そこに至るノーチスとかヒアリングの有無についてお聞かせください。
◎堂前 子育て支援部長 これは、昨年4月1日の時点でございますが、当園が設置されています澄川南小学校地区の状況でございますけれども、認可保育所はございません。それから、認可外保育施設についてもございません。保育所通園児童については、62名ほどいるというふうに把握しております。また、その地域には待機児童が4人ほどいらっしゃいまして、保育が必要だという児童数はその時点では66人というふうに把握しております。
それから、関係者等への周知等の関係だと思いますが、今回のモデル事業については、既存の施設の有効活用という観点からも、廃止される市立幼稚園施設を使用することにしたところでございますけれども、廃止の経緯から、まず初めにモデル事業に関係の深い幼稚園団体である札幌市私立幼稚園連合会に説明させていただき、協議をさせていただいた上で、最終的にご理解をいただき、また、この間、保育所関係団体へも説明させていただいたところであります。議会関係への説明等につきましては、幼稚園及び保育園関係団体に口頭で説明した上で、その後、文教委員を初めとする関係議員の皆様に事業概要説明をもってご説明し、その後に開かれました文教委員会で、改めて、詳しい内容の資料をもってご説明させていただきました。いずれにいたしましても、各方面の皆様に対しましては、このモデル事業の趣旨及び方向性についてご説明させていただいたところでございます。
なお、開設に当たりましては、広報さっぽろに掲載したほか、事業者みずからが新聞に折り込みチラシを入れるなど周知を図っているというふうに聞いております。
◆木村彰男 委員 私は、そのようなモデル事業が南区において展開されることについては、全く異存のないところではございます。
ただ、先ほど申し上げましたように、地域で小さくやっていらっしゃる方々、経営をしていらっしゃる方々、この方々も、やはり、地域の保護者の方々のいろいろなニーズといいますか、6時なら6時に迎えに行けないとか、遅くなるからもう少し待っていてほしいとか、小さいけれども、非常に切実なご要望にもこたえられていらっしゃる方々でございます。やはり、その方々も地域の方々には大切な施設であると私は認識しております。
先ほど申し上げたような補助というものが、これらの方々にも行き渡るような形での優先的なご配慮みたいなものはできないのかということについて、お聞かせ願えませんでしょうか。
◎堂前 子育て支援部長 先ほども申し上げましたように、補助対象施設の選定に当たりましては、国の児童福祉施設最低基準、または札幌市の独自基準を満たした上で、保育の質の高さ、交通利便性の高さ、待機児童の状況などの要素を考慮して選定することを今は考えておりまして、認可保育所の新設、経営に不安を訴える施設に対して、そういった条件がクリアすればもちろんいいのですけれども、クリアしない場合においては、現時点では優先した補助ということは考えてございません。
◆木村彰男 委員 これらの施設の方々のそういうお気持ちについて、私は、要望として申し上げました。
次に、児童クラブの延長料金の値上げについてお聞きいたします。
理事者は、最初は値上げをするという形で方針を出しておったのですが、それを一部減額するという形で翻して、今回、再提案されているというふうに考えております。少数会派が市長にその見解をお伺いしに行ったのです。それで、少数会派の方々のお話を聞いていただけるのかと思っておりましたが、けんもほろろ、取りつく島もないという状態でございました。
この件につき、会派に対する市側の説明責任及びその対応の是非について、まず、お聞かせ願いたいと思います。
◎金田 子ども育成部長 少数会派というふうなおっしゃり方でしたけれども、日本共産党、市政改革クラブ、みんなの党の3会派から、2月10日に再検討を求める共同申し入れがなされたところでございます。これは、市長が直接受け取った形になりまして、その中で30分ほど意見交換を行ったところでございます。
今回の有料化という部分につきましては、
行財政改革推進プランの中で、今、児童クラブというのは、札幌市の場合、全児童と留守家庭のお子さんが一緒に遊んでいただく、そこで過ごしていただくというような形で長い間やってまいりましたけれども、昨今の就労の考え方から、例えば、お母さんであるとか、共稼ぎの方がふえたりといったことで、ぜひとも、もう少し長い間、子どもを児童クラブで見てくれないだろうかというようなご要望もございまして、時間の拡大あるいは対象学年の拡大に踏み切ったところでございます。さらに、放課後の居場所のない校区が札幌市内にはまだ30以上ございまして、そういったところの市民の皆さんは居場所というものの恩恵にあずかっていないこともございまして、何とかそういったところに早く放課後の居場所を整備したいという思いもございます。
それには多額の資金が必要になってまいりますが、今回は、先ほど局長からもご説明いたしましたけれども、時間の拡大の部分についてのみ一部ご負担をいただきたいということで提案を行ったところでございます。
◆木村彰男 委員 私は、この市側の対応について大変憤っております。私どもは、先ほど申しましたように、保育料の10%値上げ及び延長料金の値上げということについては断固反対でございます。
次に、私は、この問題が最初に提出された委員会でも申し上げたのですけれども、減免についてでございます。
これは、やっていくつもりであるというお答えもいただいておるのでございますけれども、それをどのように保護者の方々に周知されていくか。その制度を理解されていない方もいらっしゃいます、どういうものであるのかということを。それから、兄弟等で適用を受けられる、もしくは、2人目の場合は安くなるということも勘案されていると伺っております。家庭の経済状況等を子どもに尋ねるとなると、子どもも非常に傷つくということもございまして、このリサーチの仕方というのは非常に難しい問題も含んでおります。
ですから、その減免に関して保護者の方にいかに知らしめていくかということについて、まず、ご意見をお聞かせください。
◎金田 子ども育成部長
児童クラブ利用料の減免制度については、就学援助世帯は全額免除、兄弟姉妹で入会するご家庭は2人目以降を半額免除とする予定でございます。
有料化の実施に当たりましては、小学生全員に、改めて、今回の時間延長、有料化の内容、減免等についてパンフレットを配付するなど、丁寧な周知を図ってまいりたいと考えております。また、児童クラブを利用するご家庭に対しましては、9月開始となります有料化の実施の前に改めて制度の説明を行うとともに、利用される時間帯についても、再度、確認をさせていただく予定としております。
◆木村彰男 委員 家庭の状況で利用できないのではないかと錯誤されたり、制度の理解を誤解するようなことのないように、十分、準備とご丁寧なご説明を9月に向けてロードマップとして設定していただければというふうに私からお願いいたします。
次に、児童会館等の施設の防災、避難の体制についてお伺いいたします。
私は、かねて、会派の勉強会等で、南区の育児園の施設に防災のためのスプリンクラーを設置しておらないということについてはお聞きしたことがあったのでございますけれども、現在、
子ども未来局所管の施設の中で、逆に、スプリンクラーがついておるような場所につきましてはございますでしょうか。お聞かせください。
◎難波
児童福祉総合センター所長 スプリンクラーを設置しているところでございますが、乳児院については設置義務がございまして、札幌乳児院については設置をされております。その他、五つの養護施設ですが、消防法の関係から言いますと、児童養護施設のスプリンクラーの設置義務については、平家建てを除きまして、延べ床面積が6,000平方メートル以上となっております。市内のこれらにつきましては、面積の点から、いずれも対象とはなってございません。
◆木村彰男 委員 私は、さきに育児園を視察させていただいたときに責任者の方と懇談したのですけれども、一度、夏休みに実際に訓練をされたそうです。そうしますと、2名がいなかったらしいのですね。これは、防災訓練や避難訓練の重要性をかんがみると、やはり、非常に重要な示唆に富んだお話だと思っておりました。例えば、さきの3月11日の東日本大震災でも、てんでんこに逃げるというような指導が称賛されておるのですけれども、これはあくまでも津波の話でございまして、危機管理のあり方というのは、私は、決してワンパターンではないと思います。
そこで、いろいろな階層の児童生徒がそれぞれ集い合って放課後の居場所をつくり上げておる児童会館等における避難訓練、防災教育についてはどのような形で進まれておるのか、お聞かせください。
◎金田 子ども育成部長 児童会館等の避難訓練等に係る取り組みについてでございますけれども、指定管理業務に係ります仕様書の中で、地震等の災害や火災が発生した場合などに迅速かつ的確に対応できるよう、防災計画の策定や訓練の実施について定めているところでございます。
これに基づきまして、児童会館の指定管理を行っております財団法人札幌市青少年女性活動協会では、マニュアルをつくりまして、災害時等の状況の確認や連絡体制などを定めるとともに、子どもが集中する時間帯でこういった火災、地震などの緊急時を想定した避難訓練を実施するなどして、利用児童の安全確保の徹底を図っているところです。
◆木村彰男 委員 年に1回ぐらいは防災訓練をやっているからそれでいいということにはならないと私は思うのです。
そこで、とりわけて、指定管理者制度の中におきましては、例えば児童会館の館長であるとか、館長がお休みになっているときに代理を行うような方、そういうような方々を市側で集めて、消防局や危機管理対策室とも連携して、出前講座であるとか、勉強、訓練のノウハウ、そういうものに習熟していただく。そして、それを例えばマイスターというような制度にして、館長就任の際についてはそのようなマイスターを獲得した人が館長になるとか、そういうような制度設計もやはり必要ではないかとご提案したいところでございますけれども、理事者のお考えをお聞かせください。
◎金田 子ども育成部長 委員ご指摘のように、緊急災害時等の避難につきましては、日ごろからの訓練がなければ、ただマニュアルを策定したというだけでは、瞬時に
子どもたちを誘導したり、
子どもたちが避難したりということはできないものと考えております。
マイスター制度といったことについては、今のところ想定はしておりませんけれども、
子どもたちを安全に避難させるための訓練については常日ごろから館の中で行っていくよう、これからも努めてまいりたいというふうに考えております。
◆木村彰男 委員 そんなにお金のかかる話ではないので、ぜひご検討いただければというふうに考えます。
次に、児童会館、
学童保育所等の指導員の方々についてお伺いいたします。
私は、南区の児童会館、
学童保育所等の視察をさせていただいたり、責任者の方々と懇談したりしておったところでございますけれども、現場で働いている方々のご意見を聞くと、給与も大変厳しい、就労環境、待遇面といった雇用面においても条件が厳しい、雇用の継続についてもなかなか難しいというようなことも伺っておりました。児童生徒というのは、指導員の方々の力量を明確に、端的に測定します。ですから、頻繁に指導員が交代するとか、長く続かないといったことにつきましては、児童生徒の不幸ということだけでなく、保護者、納税者にとっても必ずしも望ましいものではないことは明白でございます。
そこで、質問でございますけれども、よき指導員を確保するためにも、雇用に当たって、例えば、特段、資格ということについては伺っておりませんが、経歴等、助成してでもそれらのものをスキルアップしていくような、一定の基準を設けて援助していく、助成していくようなことについてお考えをお聞かせ願えませんでしょうか。
◎金田 子ども育成部長 指導員のスキルアップにつきましては、札幌市では年2回の研修会を開催しておりまして、児童会館の指導員、あるいは民間の児童育成会の方も、どんな研修がいいのかといったご意見も伺いながら内容や講師の選定を進めているところでございます。また、毎年、児童会館、ミニ児童会館の職員、民間の指導員と合同の研修も開催しておりまして、全体的な指導員の資質の向上を図っているところでございます。
◆木村彰男 委員 そういう中でのこともそうですけれども、ぜひ、新たに若い方にもそういうところに来ていただいて、門戸を開いて、そういう研修を受けた方を――試験を受けたりするわけですから、優先的にということは言えないかもしれません。しかし、雇用に当たって、そういう研修も若い方に開放して、そういうものに来ていただいた方の中で、できるだけ有資格者みたいな方が雇用に至るような形でのご検討をいただければというふうに思います。
次に、澄川と石山の児童会館で開催された孫育て講座というものがありまして、これは児童会館の行事でございますが、私も参加させていただきましたので、これについてご質問します。
一つは、「おもちゃを選ぶ、ともに楽しむ!」、もう一つが「新!写真活用法」ということで、どちらも、おじいさん、おばあさんですが、地域の方々が積極的に参加されました。ここで、
子ども未来局を中心にした世代間交流の実施状況についてお伺いするとともに、ここにあるこども基金「さっぽろスマイルキッズ」助成事業の現状についてお聞かせください。
◎金田 子ども育成部長 児童会館での地域の方たちとの交流ということでございます。
たしか、委員は南区藻岩だったと思うのですが、児童会館の裏に畑がございまして、そこで野菜を育てるような取り組みを地域のお年寄りの方たちと一緒にやっていたり、
子どもたちが老人ホームなどを訪ねて交流をしたりということを進めております。また、子育てサロンでの乳幼児との交流などもございまして、児童会館すべてで世代間交流が図れるような事業を実施しているところでございます。
それから、こども基金「さっぽろスマイルキッズ」ですけれども、今、手元に実績がございませんので、調査いたしましてご報告するような形をとらせていただきます。よろしくお願いいたします。
◆木村彰男 委員 それでは、後で文書でお知らせください。
次に、南区の児童会館は非常に活発にやっておりまして、百人一首であるとかフットサル、バスケットなど、児童会館対抗戦などを学校の体育館でやっておりました。私も参加させていただいたのですが、去年の11月20日、真駒内中学校で、南区の児童会館中・高生合同行事、みんなTOMOフェス2011という行事をやっていまして、大変盛り上がっておりました。百人一首で敗れたチームの女生徒が涙ぐんでいるほどでございまして、大変意義深いなと思っておりました。
ただ、このとき見ていたのですが、殊のほか、保護者の方の参加というか、見学が少なくて、その辺の周知徹底がどうなっておるのかということと、区を越えてそういう会館同士の交流的なものを、南区だけではなく、やっていらっしゃるかと思うのですけれども、その辺についてお聞かせください。
◎金田 子ども育成部長 会館同士の交流事業としては、各区をブロックに分け、それぞれで、毎年、お祭りなどのブロック合同行事を開催しております。また、今年度の近隣館同士の取り組みでは、委員ご指摘のように、スポーツとか百人一首の対抗戦などの交流事業を29事業実施しております。そのほかに、キャンプやお泊まり会などが21事業、合同のお祭りなどを6事業実施しておりまして、今後も、異年齢、異世代、あるいは会館同士、そういった形で多世代が参加できる事業の企画や交流を図ってまいりたいというふうに考えております。
◆木村彰男 委員 児童会館のいろいろなことと学童の保育のことというのは、札幌市では両輪のようになっておりまして、私は両方を見てきたのですけれども、それぞれに保護者の方々のニーズというか、選択があって、私もいいなと思って見ています。ぜひとも、やはり、子どもの未来を築くそのような形のものについて、多くの知恵や協力が得られればと思っております。
最後に、保育ママのことについてお伺いいたします。
平成24年度の取り組みでございますけれども、私は、さきにも去年の決算特別委員会で他の委員がご質問されていたのを聞いておったのですが、札幌ではまだ緒についたばかりで、これからということだと思います。他市では既に実績も上がっておると聞いておりまして、私自身としては、さまざまな選択肢を保護者に提供できるという意味において評価しているのですけれども、ネックとして、なかなか募集の手が挙がらないということも伺っております。
その点につき、そのような状況をどのようにおとらえになっていらっしゃるか。特に、施設、ハード面と、人の面の問題についてお聞かせいただければと思います。
◎堂前 子育て支援部長 保育ママの応募状況といいますか、それで説明させていただきたいと思います。
平成22年11月に保育ママを募集した際には20人の応募がございましたが、昨年7月に募集した際には応募者数が11人に減少したというような状況になっています。これは、23年度から、保育ママが保育を行えない場合に保育ママにかわって保育を行う代替保育ママという制度を取り入れまして、代替保育ママを雇用することを条件にして募集しているわけでございます。この代替保育ママにつきましては、従来よりもハードルを高くして保育士資格を必要としたことが、応募が少ない一つの原因かなというふうに考えてございます。
したがいまして、そういったことを踏まえますと、今後につきましては、代替保育ママの資格要件について、保育士のほかに看護師や幼稚園教諭などの有資格者も含めることを現在は検討しているところでございます。
◆木村彰男 委員 ほかの都市のことをお伺いすると、必ずしも保育士に限らず、いろいろなバージョンがあると伺っておりまして、そういう形での成功事例もあるというふうに聞いております。
待機児童も、先ほど言いましたように、小学校単位でとらえた上で保育所をつくっていくという局面が一つあり、それを補完するような意味で、今、保育ママみたいな形のものも整備しながら拡充していくことを考えておりますけれども、今後、ことしのものを踏まえまして、保育ママの拡充、整備計画に関するロードマップについてお聞かせください。
◎堂前 子育て支援部長 まず、今後の拡充の考え方でございますが、来年度におきましては、13人の保育ママの認定を予定しておりますけれども、まずは多くの希望者を募り、乳幼児保育の経験、保育環境、交通利便性の高さ、待機児童の状況などを勘案して選定してまいりたいというふうに思っております。
第3次札幌新
まちづくり計画におきましては、平成26年度までに40人までふやすという目標を持ってございます。
◆木村彰男 委員 毎年、手を挙げても、なかなか採用されないということももちろんあると思うのですけれども、その方につきましては、なぜ採用できないのかということをしっかりご説明して、そのネックを解消できるような形で、できるだけ多くの手を挙げられる方が参画できるような形で進めていただくことをご要望申し上げまして、私の質問にかえさせていただきます。
◆伴良隆 委員 私は、大きく2点、質問させていただきます。
1点目は児童相談部署の機関連携について、2点目が待機児童の問題について、以上の2点を質問させていただきます。
1点目は、児童相談部署の機関連携についてでございます。
私は、昨年10月の決算特別委員会にて、児童相談部署の情報共有、提供のガイドラインと、その判断基準と基準を満たす事例のチェックシートの導入、そして、その規則化を主張させていただきました。それは、現組織間の情報連絡や共有にも課題がある中で、要保護児童対策地域協議会そのものの情報連絡や共有にも限界があるのではないかといった考えからでございます。
本市児童家庭相談援助指針にある要対協の意義にあるそれぞれの機関の限界をもとに、私は、当時、10の限界を提唱しております。まず、一つ目は、相談扱い件数が増加を続け、対応し切れる数を超えてしまい、対応が万全でないという限界、二つ目は、24時間365日対応していないので、相談を受け取れる時間帯が万全ではないという限界、三つ目は、機関が同じでも複数の窓口によって拡大するスタッフによる情報一元化が万全でないという限界、四つ目は、担当者が自分の専門外の相談に対して即座に的確な対応をすることが万全でないという限界、五つ目は、機関の中で万全に情報が共有されたとしても、その対応は他機関との連携において万全でないという限界、六つ目は、他機関との緊密な連携が図られても、その意思統一のためのガイドインがなければ、その連携は万全でないという限界、七つ目は、ガイドラインがつくられても、個々の事案では担当者の専門知識だけの判断は万全ではないという限界、八つ目は、情報通知の基準となる共通の事案例があっても、情報通知に規則化がなければ万全でないという限界、九つ目は、ガイドライン、チェックシートをもとにした情報通知が規則化されても、規則以外の問題に対しては万全でないという限界、最後の10個目は、全組織、全担当者が最大限の努力をしたとしても、社会の児童問題を根絶することは恐らく不可能であるという限界であります。
そこで、伺いますが、情報共有のためのガイドラインとチェックシートを、今後、どのように各関係機関と連携して作成していくつもりか、昨年10月から今までの実績を含めて教えていただきたいと思います。
◎難波
児童福祉総合センター所長 まず、情報交換のためのガイドラインの素案の作成でございます。
現在、各区の家庭児童相談室とは、児童虐待対応マニュアルあるいは児童虐待のアセスメントシート、これらを共有しながら、さまざまな事例を積み重ね、検討している段階でございます。これらをもとに、今後、素案のたたき台を作成し、その後、関係機関が集まっております要保護児童対策地域協議会に参加している学校あるいは警察などと協議を重ね、正式な素案としたいと考えているところでございます。
◆伴良隆 委員 チェックシートという言葉が抜けたと思います。これは素案でありますが、正式な素案の際には、ガイドラインとともに、チェックシートの部分もよく気をつけておいていただきたいと思います。
今のお話にあるとおりでありますが、確かに一歩踏み出していただいているということで、大変安心をしたところであります。児童相談所は、本市児童相談を扱う主役でありまして、各関係機関との調整役でもあります。ぜひ、主体的に堂々とやっていただきたいですし、一方で、要対協メンバーである、今お話があった学校や警察、あるいは医療、そしてまた電話相談の部署、こういった機関と個々に綿密に情報交換し、知恵を出しながら進めていただきたいと思います。
そこで、2点目に、確認の質問ですが、児童虐待への対策は、まず、虐待を未然に防ぐことがとても大切であります。そのためにも、情報共有のためのガイドラインとチェックシートを一日でも早く作成し、運用していただきたいのですが、それらの正式な素案はいつまでに完成させることができますでしょうか。
◎難波
児童福祉総合センター所長 先ほども答弁させていただきましたが、要保護児童対策地域協議会の参加団体との協議を重ねて作成する必要がありますことから、来年3月を目途に正式な素案を作成していきたいというふうに考えております。
◆伴良隆 委員 はっきりとおっしゃっていただいて、ありがとうございます。日々の相談業務で、実際にいろいろご多忙であることは私も耳にしておりますけれども、ぜひ、
子どもたちのために精いっぱい頑張っていただきたいと思いますので、どうかよろしくお願いいたします。
それでは、2点目の待機児童の問題について質問させていただきます。
平成24年4月から、保育料が改定されるのではということでございます。さまざまな公共料金が値上げになっていく、サービス対象者の制限が出てくる、近ごろのこんな市政の中で、いよいよ
子どもたち、子育てにもしわ寄せがくるのではないか、こういった不満が札幌市民に広がりつつあります。一方で、適正な受益者負担というものが何なのか、制度的にも政策的にもしっかりと議論していかなければなりません。
ところで、近ごろ、制度改正においては、行政内では検討、議論はあっても、我々議員もとより、市民にはその過程が見えにくいことも多く散見され、児童クラブの有料化の混乱はその象徴的なものでありました。パブリックコメントも結構でありますが、もっと議会に対して丁寧な対応をしていただきたい、そのことをまず忠告しておきたいと思います。
さて、話は戻って
保育料値上げのことでありますが、これは、私たち会派も、ああ、そうですかと言えるようなことではないわけでありまして、なぜ、ここまでしていかなければならないのか、こういったことを思うわけであります。それでなくても、収入が限られている若い子育て世代に対して、
保育料値上げなどとは大変理解しがたいものであります。
そこで、幾つか整理しておかなければならないことがございますので、それを順次質問させていただきます。
まず、保育料を10%改定することへの増収額は年間でどうなりますでしょうか、確認させていただきます。
また、認可保育所の定員を4,000人増加するために、整備費、運営費はどれだけかかりますでしょうか、そしてまた、つけ加えまして、保育料の年度別収納状況の推移はどのようになってきているのか、教えていただきたいと思います。
◎堂前 子育て支援部長 まず、今回の改定による増収額の見込みでございますが、年間で約4億6,000万円でございます。
それから、今回、保育所定員4,000人増に伴います整備費及び運営費についてでございますが、保育所整備費につきましては、平成26年度までの4年間で事業費は約74億5,000万円でございます。そのうち、市費と一般財源を合わせました札幌市の負担で申し上げますと、約14億3,000万円が必要であると見込んでおります。それから、運営費でございますが、札幌市が新たに支出することとなる運営費につきましては、同じく4年間で申し上げますと約113億1,000万円でございます。これにつきましても、一般財源で申し上げますと約50億4,000万円で、各種補助金など、これは単費でやっているものですが、これを合わせますと一般財源で約66億円と見込んでおります。
それから、収納率につきましては、毎年度上げてきておりまして、平成22年度で98.4%ぐらいの収納率となってございます。手元に資料がございますので、例えば、20年度で申し上げますと97.17%、21年度が97.94%、22年度が98.34%、こういう状況になっております。
なお、平成23年度の直近の状況で言いますと、前年同月比で現年度分は0.3%強上回っている状況にございます。
◆伴良隆 委員 堂前部長のご答弁にあったとおりだとしたら、収納状況は改善されてきているという数字があるわけであります。また、市の増収額については、保育所定員を4,000人ふやす4年間で18.4億円の増収額となります。一方、4,000人ふやすためには、国の補助金の先行き不透明なことも加味して、市負担分の整備費は4年間で10億円ベースということでございました。市負担分の運営費は市単独補助を含めて66億円ということで、合計約80億円の札幌市負担が新たに生まれるといった計算になります。平たく言いましたら、保育所定員を4,000人ふやすことは、受益者負担を求めたとしても、さらに61.6億円の財政負担を強いられる事業だということでございます。では、なぜ、そこまでして本市は保育所定員をふやさなければならないのか、純粋にこういった思いになるわけであります。
そこで、伺いますが、認可保育所の定員を4,000人増加することによって、就学前児童数を全体としたとき、認可保育所入所児童数の割合は現況からどのように変化するのでしょうか。また、その数字は、他の政令指定都市と比較したときにどういう状況と言えるでしょうか。
◎堂前 子育て支援部長 就学前児童数に占める保育所入所児童の割合でございます。これを保育所入所率と申しておりますが、昨年の4月1日現在では23.1%となっております。保育所定員4,000人増を行った場合、これは平成27年4月1日になろうかと思いますが、その時点での割合は28.7%となるものと推計しております。
なお、他都市との比較でございますが、昨年、平成23年4月1日現在の保育所入所率で他の政令市と比較いたしますと、札幌市は19市中14番目という低い率となっております。
◆伴良隆 委員 ありがとうございます。
他都市と入所児童率を比べたからといって、その地域の成り立ちもありますし、文化あるいは生活状況を加味しなければ、必ずしも正確な比較とは言えません。しかし、札幌市は、数字的には保育施設が多くない状況にあるとことが確認できたわけであります。よって、保育所定員をふやすことは、数字上はいたし方ないのかなということも理解することができます。言うまでもなく、だからこそ、4,000人をふやそうとしているわけであります。
しかしながら、先ほど触れた61.6億何がしの市の負担があること、そして、大事なことは、4,000人ふやしていくことと間接的に関係して、
保育料値上げとして、今、保育所に通わせている家庭に負担を求めるということであります。このことを考えますと、日本一子育てしやすいまちを目指すと胸を張って言うには、少々遠慮も必要ではないかというのが私の率直な気持ちであります。
さて、私は、
保育料値上げの件の前から、個人的に随分と気になっていたことがございます。それは、待機児童解消という言葉遣いであります。何といいましょうか、この待機児童解消という言葉は、ある意味、魔法じみた言葉でありまして、本当に待機児童の問題をすべて解決していけるような錯覚に陥るのではないかということであります。
そこで、数字を拾ってみたいと思います。これは、定員増加分を差し引いての見かけ上の数値でありますが、待機児童数の推移を見たいと思います。平成20年から、285人定員増加しても待機児童数は649人、平成21年は、370人定員増加しても890人、平成22年は、565人定員増加しても1,290人、平成23年は、1,058人定員増加しても1,339人、平成24年は、1,170人定員増加しても1,730人という数字であります。
そこで、伺いますが、ここ数年の状況をこのように見ますと、認可保育所の定員をふやしても待機児童が減っていないのが現状であります。その理由をどのようにとらえていますでしょうか。
また、近年、急速に待機児童が増加してきているそもそもの原因はどのように考えていらっしゃいますか。
◎堂前 子育て支援部長 委員からのご指摘のとおり、ここ数年、急速に待機児童が増加し、保育所の定員増を図りましても待機児童数が減少しない状況が続いております。
この理由といたしまして、一つは、景気低迷などの社会情勢から、経済的な理由により、就業を希望する保護者が増加する状況が続いていること、また、保育環境が整備されることに伴いまして潜在的な保育需要が掘り起こされるといったことも考えられる、そういうふうに考えております。
◆伴良隆 委員 もうちょっと分析してほしかったのですけれども、まあ、よろしいと思います。
ご答弁にもありましたけれども、いま一度、私が整理して説明いたしますと、待機児童が急速に増加している要因として一般的に考えられることは、核家族化や近所づき合いの希薄化を前提として、まず、一つ目は、日本全体にも言えることですが、特に、北海道、札幌の経済不況のため、共働きの世帯がふえていること、二つ目は、配偶関係の離別も相まって、ひとり親と子どもから成る世帯がふえていること、三つ目は、育児の概念に子どもを親元から離して保育所に預けることに抵抗感がなくなってきていること、四つ目は、教育や環境整備により、女性が社会進出しやすくなって共働きの世帯がふえていることなどであります。
次に、これは、制度的な矛盾というか、何といいましょうか、ご答弁でも若干触れていただきましたけれども、保育所定員をふやすことが、実は、待機児童をふやしてしまっているということなのであります。
ここでまた、数字を拾ってみたいと思います。待機児童の増加数でございますが、平成20年度中に定員を285人増加しましたら、待機児童の数は611人増加しています。平成21年度中であれば、定員を370人増加しましたら、965人の待機児童が増加しています。平成22年度中は、定員を565人増加しましたら、1,107人の増加であります。そして、平成23年度中、これは現在数値を参考にしておりますけれども、定員を1,170人増加しましたら、実に1,773人の待機児童の増加、このようになっているわけであります。
ただし、ここで勘違いをしてはいけないことがあります。これを整理しておきますが、保育所定員をふやしていることは確実に待機児童を減らしているということ、このことについては間違いございません。しかしながら、保育所定員をふやすことは、潜在している保育需要に対し、光を当てているからこそ、そこに潜在していた、つまり、数字ではあらわれていなかった待機児童を掘り起こし、待機児童数をさらにふやしていくという現実であります。これは、あくまで結果的に出てきた数字上の悪循環でありますが、問題は、本来の目的である保育所定員をふやすことで待機児童数が減っていくことをいつになったら確認できるかということなのであります。
そこで、伺いますが、認可保育所の定員を4,000人ふやしたら、その効果を判断できるとする平成27年4月の時点で待機児童がどうなっていて、それ以降はどのようになると予測していますでしょうか。
◎堂前 子育て支援部長 先ほど申し上げましたが保育所入所率は、平成27年4月1日現在では4,000人ふやしても28.7%となるものと推計しております。ただ、私どもは、保育所整備に限らず、事業所内保育の取り組み、家庭的保育、保育ママの取り組み、それから、24度からの事業でございますが、私立幼稚園預かり保育の事業など、多様な保育需要に対応できるようにそうした事業に取り組む計画となっております。そういったことで、保育所整備に限らず、より多くの保育需要に対応できるものと考えております。
しかしながら、平成27年度以降においてもさらに保育需要が増加することも想定されますことから、経済状況や社会情勢の変化、潜在的保育需要など、やはり、その時点で改めて状況を分析して対応を検討していかなければならないものだと、今現在はそのように考えております。
◆伴良隆 委員 ちょっと意地悪な質問だったかと思いますが、いろいろな事業をやられているわけですから、当然、予測はなかなか難しいわけでありまして、妥当なお答えだと思います。
私も、数字に弱いのですけれども、平成27年4月時点での待機児童はどうなるか、独断と偏見で勝手に予想しました。先ほど挙げた待機児童増加として考えられる要因の経済不況、それから、ひとり親世帯の増加、育児概念の変化、女性の社会進出、これがこのまま進むことでふえる待機児童数と、子どもの人口減少による待機児童数を仮に相殺して考えてみました。平成23年度に保育所定員を1,058人ふやした際、平成23年度中の待機児童数は少なく見積もって約1,500人であります。これをもとにしまして、毎年1,000人ずつの保育所定員をふやしても、平成27年4月時点の実質待機児童数は、何と約3,500人になりました。この数字は、あくまでも私の予測にすぎないわけでありますけれども、可能性がないということではありません。もしも、こういう厳しい数値が平成27年4月に明らかになったときに、4,000人の待機児童解消はされたとしても、そもそも保育所定員をふやすことは果たして待機児童の解消の特効薬になっているのかという大きな疑問を残すことになります。
確かに、現在の保育ママ増員や事業所内保育支援、今後の認可外保育支援や私立幼稚園の預かり保育支援など、先ほどもお話がありましたように、他方面から待機児童解消を行っている施策は素直に評価をしたいと思います。一方で、将来は、子ども・子育て新システムなど国の施策にも左右されることもありましょう。
それでは、平成27年度以降の待機児童の解消については一体どうやって進めていくつもりなのでしょうか。これは、先のことですからわからないではなくて、検討が間に合う今だからこそ、あえて聞いておかなければならないので、お答えください。
◎堂前 子育て支援部長 委員のお話にもありましたとおり、今、国で制度改正をやっております。その制度改正の目的は、就学前児童に関して、すべての方々にきちんとした幼児教育と保育を確保するためにということでございます。したがいまして、その中で制度的なものがいろいろ検討されております。その中の一つとしてこども園などが中心になってございますが、多様な保育サービスを提供する事業者についても指定制度というもので対応しようということでございます。
私どもとしては、先ほど申し上げましたように、一つの例でございますが、私立幼稚園の預かり保育事業などは、それこそ先取りをしてですね、今、困っている人がこれだけいるわけですから、私どもが手をこまねいているわけにはいきませんので、まずは保育所整備を中心に、やれるものはどんどんやっていきたいということでございます。ですから、実際に平成27年度はどうなるかということはありますけれども、今考えられることは積極的に対応していきたいということでございます。
◆伴良隆 委員 その決意は、部内の方々にも届いたと思います。堂前部長、本当に、お仕事を長く、お疲れさまでした。
さて、もしもいい数字が出ないとき、つまり、待機児童の解消と言ってやってきて、確かに4,000人は確実に解消できたけれども、残った待機児童数はむしろふえていたとき、札幌市は市民に何と説明するでしょうか。だから、私は、先ほど来、待機児童はなぜふえているのかと聞いてまいりました。経済であるとか、あるいは教育であるとか、家庭環境であるとか、地域社会であるとか、あるいは、保育所定員をふやすことがもしかしたら待機児童の呼び水になっているのではないか、こういったことがあるわけであります。あるいは、もっと言いますと、今まで子どものそばにいてあげることができた母親が、保育所定員がふえることを知って、ある意味での軽い気持ちで保育所に預けてしまうことも出てくる。このような人は、第3希望まで出さず……(発言する者あり)
○こんどう和雄 委員長 お静かに。
◆伴良隆 委員 (続)このような人は、第3希望まで出さず、第1希望だけ出して待機児童化する可能性も高いわけであります。
そこで、ここから、局長にお伺いしたいと思います。
そもそも論でありますが、もちろん父親が育児をしてもいいのでありますけれども、私もさすがにお乳出ませんから、やっぱり、母親がしっかり抱いて、ぬくもりの中で育てるのが本当は一番いいことだと私は思っております。ただ、やむにやまれぬ事情があって、仕方なく、かわいい子どもを預けるために保育園があるのです。だからこそ、本当に困っている親のためには幾つの保育所定員数が妥当なのか、ただ、待機児童の数字が多いからふやしますではなくて、そこのところはきちんと政策的根拠を持って慎重に判断をしてほしいのであります。
それから、保育所整備以外の保育施設をもっと声を大にして宣伝しておくべきだと私は思います。そうでないと、あたかも保育所整備だけが待機児童対策のように市民から勘違いされてしまう可能性があります。4,000人の定員増加がバラ色の施策のように勘違いされては大変困ります。待機児童を少なくするために定員をふやすこと、でも、それには莫大な費用がかかること、まして、定員をふやしたからといって、待機児童が解消されるとは限らないこと、しまいには保育料が値上げになること、私は、本当にこのままでいいのかと不安に思うわけであります。
そこで、最後に、局長にお伺いしたいと思います。
保育の面からということではありますけれども、保育の面で日本一子育てしやすいまちとはどんなまちだと思いますか。
◎大谷内
子ども未来局長 伴委員から、子育てにかかわる意見をここでいろいろご披露いただいたのですが、経済の状況が子育て環境に非常に大きな影響を与えている、そういうようなとらえ方もあろうかと思います。といいますのは、例えば、もし裕福な家庭で子育てを専業でなさることが可能な状況だった場合、専業主婦としてご家庭で子育てに専念できる、あるいは、希望があれば保育所に預けながらご自身の希望どおりに職業生活を続けることができる、そういう選択肢があります。ただ、そういう環境にない方もございまして、経済の不況によって2人の労働によらなければ生計を営めない、そういうようなことがあれば、当然、保育所が必要になろうかと思いますが、そういう両面があろうかと思います。
保育環境については、働きたいと思った方が、近くに、身近に、手軽に子どもを預けて働くことができる、そういうような環境が整っていることがベストであろうかと思います。その反面、やはり、3年間は、3歳になるまでは母親が子育てをと。これは、幼児教育の面では、子どもの人格形成が行われる非常に大事な期間というふうに言われていますので、そういう期間については母親がしっかりと子どもの面倒を見るべきだというような意見もあります。また、保育環境が整った状況において、母親が労働力として使われることで母親によって子どもが育成されることがかなわない、そういうこともありますので、それは両面から考えなければならないことかと思います。経済の環境としては、そういうことでいろいろあろうかと思いますが、保育の状況についてどういうことが理想的かとお尋ねでございますので、私は、両面の保育需要に対してこたえられるように環境を整えることがまず第一であると考えております。
伴委員から、4,000人の定員を充足しても、それが待機児童をなくすることにつながらないのではないかというご懸念も示されたところでございますけれども、先ほど堂前部長からもご説明しましたとおり、今、国が子ども・子育て新システムというものを整備しようとしておりまして、総合こども園というものも進めていこうとしているところでございます。その中で、ご承知のとおり、この場でも何度か数をお示ししているところでございますが、札幌市内の幼稚園の定員に5,000人ほどの欠員がございます。施設としてそういった欠員、空き状況がありますので、全般的な施策が実施されることによって、保育所を建設するペースを落としても保育需要にこたえられるようなことが可能ではないか、そういうふうに考えているところでございます。
ですから、伴委員は、施設を整備することのみに頼っていいかという趣旨のことをおっしゃったと思いますけれども、そういう施策に頼らずに、そういう施策だけでなく、いろいろな施策を総合的に実施して、待機児童が生まれないような状況をつくっていくことに努力していきたいと考えているところでございます。
◆伴良隆 委員 本当に親切で丁寧なお話でありまして、それは本当に頑張ってください。
そして、私と同じ思いだと共有できたものがありましたので、私の方から総括しますと、日本一子育てしやすいまちというのは、本当は親ができるだけ子どものそばにいてあげられる環境のあるまちだと私は思っております。だからこそ、ほかの部局とよく相談していただいて、そしてまた、今後のいろいろな事業を見渡していただいて、日本一子育てしやすいまちになるようにしっかり頑張っていただきたいと思います。
○こんどう和雄 委員長 ここで、およそ20分間、委員会を休憩いたします。
――――――――――――――
休 憩 午後3時18分
再 開 午後3時40分
――――――――――――――
○こんどう和雄 委員長 委員会を再開いたします。
休憩前に引き続き、質疑を行います。
◆三宅由美 委員 私からは、札幌市の保育、子育て支援施策について、4点ほど質問いたします。
1点目は、認可保育所の定員増についてです。
就職活動を就活、あるいは結婚相手を探す活動を婚活と呼ぶのは今や一般的になりましたが、最近は、子どもを保育所に入れるために保護者が行う活動を保活と言うのだそうです。これは、この間、NHKの「あさイチ」の中でもやっておりました。待機児童が多い都市部では、保育所の入所選考が有利になるように就労条件を変更したり、入所しやすい保育所の近くにわざわざ転居する保護者もいるとのことでありまして、待機児童が多くて保育所の入所に大変な苦労をする、そのような現実が生んだ言葉だと言えそうです。
札幌市におきましても、近年、待機児童が急増し、ことし1月1日現在の実質的待機児童は3,100人を超えており、極めて憂慮すべき事態だと考えております。このため、札幌市では、平成26年度までに定員を4,000人ふやすこととして認可保育所の整備を進めていますが、保活中の保護者の苦労が少しでも早く解消されるように、スピード感を持って定員増を早急に進めてほしいと考えております。
それから、この方たちが待機児童を抱えている保護者かどうかはわかりませんが、先日の新聞報道で、専業主婦の子育て世帯12.4%が貧困という記事が出ておりました。これは、東京にあります労働政策研究・研修機構の調査でわかりました。このうち、夫婦がそろう約1,200世帯を見ると、貧困世帯とされる国が算出した子育て世帯の貧困ラインは、親子3人だと年間所得257万2,000円ですが、これ以下の割合が専業主婦世帯で12.4%で、嘱託、契約、派遣社員世帯は11.9%、パート、アルバイト世帯は8.6%でこれより高かったということが言われております。そして、この研修機構の副主任研究員は、保育サービスをふやせば、このような専業主婦世帯の貧困率は下げられると分析しております。こういうことから見ても、ひょっとしたら申請していないので待機児童には数えられていないかもしれませんが、この方々も潜在的な待機児童と言えると思いますので、ぜひ定員増を進めてください。
ところで、去る3月2日に国の少子化社会対策会議において、子ども・子育て新システムに関する基本制度及び子ども・子育て新システム法案骨子が決定されました。この中で、現在の保育所や幼稚園などが移行することになる仮称こども園に係る需給調整について触れられていて、市町村が策定する需要見込み量を超えた供給がなされているなど施設数が過大となっている場合には新規の指定や更新を行わないことができるとされています。つまり、需要以上に保育等の供給がある場合にはこども園の指定を外す、すなわち、施設の廃止もあり得ることを意味しています。施設の廃止は、子どもにとっても、保護者にとっても、また働く保育士にとっても大変なことです。
そこで、質問ですが、計画どおりに保育所の定員増を行った場合、札幌市ではこども園の需給調整が必要な事態が想定されるのか、今後の見通しについてお聞きいたします。
2点目は、保育所整備以外の保育・子育て支援施策についてです。
札幌市では、認可保育所の定員増だけではなく、認可外保育施設運営支援事業や私立幼稚園の預かり保育運営支援事業を新たに実施するほか、保育ママ事業の拡充、病児・病後児の預かりの充実、常設子育てサロンの拡充、事業所内保育施設の設置支援等々、さまざまな保育・子育て支援施策の実施あるいは拡充を今後予定しております。これらの施策は、保育サービスだけではなく、子育て支援全体の視点を持って展開されるものであり、子育てしやすいまちづくりに大いに資するものと考えます。認可保育所を利用している人たち以外でも困っている人は大変多いということが現在ありますが、このような子育て世代にもぜひ児童福祉の光を当てていくことが、私は、今、最も求められていることだと思っております。
そこで、質問ですが、保育所整備以外のこれら六つの保育・子育て支援施策に要する経費はどのくらいになるのか、お示し願います。
3点目は、これら六つの保育・子育て支援施策のうち、札幌市では昨年2月にスタートした保育ママ事業がありますが、この拡充についてです。
待機児童が極めて多い現状を踏まえますと、保育ママ制度は、低年齢児を対象とした保育所における保育を補完する制度として、今後、さらに充実していくべきと考えておりましたが、第3次札幌新
まちづくり計画において制度の拡充が盛り込まれたことに大変期待しているところです。
私は、東京都江戸川区、また足立区などで行われている保育ママの取り組みを実際に視察し、家庭的な雰囲気の中できめ細やかな保育が行え、保護者と保育ママ、子どもと保育ママの間で厚い信頼関係が築けるすぐれた制度であると感じたところです。異年齢の
子どもたちが同じ場所で保育されることで、兄弟のように成長し、自分より下の子が泣いているとあやしてあげたり、上の子のまねをしてさまざまなことを上の子から教わることもできます。休みの日も家庭で友達や保育ママの話をしており、保育ママに愛されて育ててもらい、日々、成長していることを感じているという声を聞いております。
しかし、その反面、保育時間が午前9時から午後5時までとなっており、フルタイムで働いている保護者が利用することは難しく、また、お弁当持参のため、保護者にとってこれが負担になっているという状況があります。
そこで、質問ですが、保育ママ事業の充実に向け、今後、延長保育の導入、給食の提供についてどうお考えなのか、お聞きします。
次に、4点目は、保育所給食の基準献立についてです。
基準献立とは、札幌市が作成し、毎月、各認可保育所に送付している献立表で、お昼だけではなく、おやつの献立、さらには、夜間保育や20時までの延長保育を実施している施設で提供する夕食の献立も含まれています。認可保育所の半数近くは調理員だけで給食業務を行っておりますので、多くの保育所において、札幌市の栄養士が国の栄養摂取基準に沿って作成した基準献立を参考に給食の献立を決めているところです。
札幌市では、基準献立の作成に当たっては、子どもに必要な栄養価や食の安全性を重視するのはもちろんのこと、食文化や食育の観点なども考慮していると聞いております。しかし、保育現場からは、基準献立で示された食材の中には、しゅんを外れているため、入手困難なものや食味で劣るものがあるとの声も聞かれるところです。
そこで、質問ですが、札幌市ではどのような観点から食材を選定しているのか、以上、4点にわたってお尋ねいたします。
◎堂前 子育て支援部長 4点ご質問がございました。順次、お答えいたしたいと思います。
まず、第1点目の子ども・子育て新システムにおける需給調整に関してでございます。
平成20年度に実施いたしました子育てに関する実態・意識調査によりますと、潜在的な保育需要も考慮いたしますと、就学前児童数に対する保育所定員の割合を示す保育サービス提供率は、将来的には37.5%が必要であるという試算結果が出ておりますが、平成23年4月1日現在の提供率は23.1%にとどまっている現状でございます。この現状を踏まえまして、第3次札幌新
まちづくり計画におきまして、今後4年間で保育所定員4,000増が必要と考えたところでございますが、さきに述べた試算結果などを考え合せますと、その後も保育需要は増加していくことが予想されます。したがいまして、新システムが施行され、認可保育所が総合こども園に移行いたしましても、当面、こども園の指定、更新を行わないなどの需給調整が必要となるといった事態は想定しがたいものと考えております。
なお、新システムの施行に際しては、潜在的な保育需要も考慮した保育サービスの提供体制を精査した上で、事業計画を策定し、この計画に基づいて事業を実施することと国から示されていることから、札幌市としては、当面の課題である待機児童対策の解消を図るべく、保育所整備を中心とした保育サービスの提供を確実に行いながら、中長期的な視点を持って、幼保一体化に向けた準備を計画的に進めてまいりたいと考えております。
2点目の保育所整備以外の六つの保育・子育て支援施策に要する経費についてでございます。
事業費につきましては、第3次札幌新
まちづくり計画期間内である平成26年度までの3年間の合計で申し上げますと、認可外保育施設運営支援事業が約4億1,700万円、私立幼稚園預かり保育運営支援事業が約1億5,400万円、保育ママ事業の拡充が約4億6,200万円、病児・病後児の預かり充実が約1,000万円、常設子育てサロンの拡充が約4億1,800万円、事業所内保育施設の設置支援が約4,000万円となっております。これら6事業の総事業費で申し上げますと、約15億円となりまして、このうち一般財源で申しますと約10億5,000万円を計上しているところでございます。
3点目の保育ママの充実についてでございます。
保育ママの延長保育についてでございますが、既に、グループ型の保育ママにおいて午前8時から9時まで、午後5時から6時までの時間帯に延長保育を実施しております。居宅型の保育ママの延長保育につきましては、各保育ママの家庭の実情によるところが大きいことから、希望する保育ママから延長保育を実施してもらうことを予定してございます。
また、保育ママ事業における給食の提供についてでございますが、この事業は、保育ママと代替保育ママや補助者の2人で保育を行っていることから、給食を調理することは難しい現状にあると考えております。
最後に、4点目の保育所給食基準献立の食材の選定についてでございます。
札幌市の保育所給食の基準献立は、国通知の児童福祉施設における食事摂取基準に沿って札幌市保育所給食における給与栄養目標量を定めまして、その目標量に基づき、児童の嗜好や食べやすさ、各年齢に応じた成長・発達に必要な栄養量を満たすよう考慮して作成しております。
食材の選定に当たりましては、市場における安定した供給量、食育及び地産地消の観点から、しゅんの食材を取り入れるよう努めているところでございます。しかしながら、保育現場の声といたしまして、しゅんを外れているため、入手困難なものや食味が劣るものがあるとのご指摘を踏まえまして、今後も基準献立に対する意見や要望等を随時集約いたしまして必要に応じて見直しを行うなど、よりよい献立作成に努めてまいりたいと考えております。
◆三宅由美 委員 認可保育所の整備については、計画どおりに進めるとの答弁でした。計画どおり定員を4,000人増加するためには、多額の整備費用が必要です。また、定員増に伴って、保育所の運営に要する費用も増加することとなり、札幌市が支出する費用だけでも4年間の合計でさらに66億円ふえる見込みと聞いています。また、保育所整備以外の六つの保育・子育て支援施策に要する経費については、札幌市の負担分だけでも平成24年度から26年度までの3年間で約10億5,000万円になるとのご答弁でした。このほかにも、札幌市では、ヒブワクチンや小児用肺炎球菌ワクチンの接種費用の助成、子ども医療費の助成対象の拡大、それから、子宮頸がんワクチンの無料接種など、子育てを支援するさまざまな事業を積極的に実施しており、これら保育・子育て支援に関する事業を将来にわたって持続していくために、平成24年度予算案では保育所保育料の改定が盛り込まれています。これは、負担を広く薄くみんなで分かち合おうということだと思います。
そこで、保育料の改定に関してお聞きします。
札幌市では、国の基準に対する保育料の軽減率を現行の37%から政令指定都市の平均である約30%に見直すこととし、この4月からすべての階層で一律10%の保育料改定を予定していますが、改定後の保育料の軽減率はどのようになるのか、特に、低所得階層や子どもの多い世帯に与える影響についてお聞きします。
◎堂前 子育て支援部長 改定後の保育料の軽減率、特に、低所得世帯や子どもの多い世帯に関するご質問でございます。
改定後の保育料軽減率につきましては、平均約30%となりますが、階層別で見ますと、市民税非課税のB1階層では平均52.3%、所得税非課税で市民税課税のC1階層では平均49.4%と、国基準の半額程度に軽減しております。また、多子世帯への配慮といたしましては、国基準では2人目の子どもの料金は1人目に対して一律半額とすることになっておりますが、札幌市では、B1からD1階層で約75%の軽減、D2からD4階層で約65%の軽減、D5から最上位のD9階層で国と同じ約50%の軽減となっておりまして、改定前とこの制度の考え方に変更はございません。
改定後も、低所得者世帯と多子世帯に対しては手厚い保育料設定と考えているところでございます。
◆三宅由美 委員 札幌市の保育所保育料は、改定後もなお低所得世帯や子どもの多い世帯に対して手厚い軽減措置を講じていることがわかりました。この低所得世帯や多子世帯に対する配慮はぜひ継続してほしいと思いますし、さきに述べたさまざまな保育・子育て支援事業についても、今後も積極的に展開し、子育てしやすいまちの実現を目指していただきたいと思います。
また、保育ママについては、たしか、40年ぐらい前に事業が行われたと思うのですが、手を挙げる方が少なくて取りやめになりましたね。そういうことも考えますと、どれだけの方が保育ママとして手を挙げてくださるかということも拡充にとって大きな要因になってくると思います。今後とも、保育ママを拡充していただきたいと思います。
また、保育所給食の基準献立の作成に当たっては、子どもにとっての食べやすさや安定供給、地産地消、それぞれの食材のしゅんの時期などを考慮してふさわしい食材を選定しているとのことでしたが、保育現場からの声もあることですから、もう少し現場の職員の意見、さらには保護者と子どもの希望も聞いていただけると、さらによい基準献立になると思いますので、この点について検討するよう要望しておきます。
それから、もう一つですが、低所得者層に対する配慮というものはわかったのですけれども、この10年以上にわたって賃金の上昇が見込まれない中で、かえって所得が40万円ほど減っているという実態があります。この階層区分については、10年前に設定されたものですが、私は、今の実情に少し合わなくなった点があると思います。それは、D5階層です。ここが非常に多くなっていて、D5階層のぎりぎりのところでは保育料の負担がかなり厳しくなっているのだとも思っております。
札幌市は、全体の平均所得が少ないと言われましても、この階層区分があることで低所得世帯に対する配慮はされていると思います。しかし、このD5階層の収入が一番下の方に対する配慮が必要だと思います。階層区部を変更するのはなかなか大変なことだと思いますが、ぜひ、この辺も考慮に入れて、今の実態に合ったような区分にしていただけることを要望して、私の質問を終わりにいたします。
◆谷沢俊一 委員 私からは、保育行政にかかわって大きく2点と、児童福祉施設等の負担金等に絡んで質問させていただきます。
初めに、保育料の改定について伺いたいと思います。
この4月から予定しております保育所保育料の10%の改定に関しましては、先ほども多くの陳情が提出されて、陳情者の趣旨説明もございました。出口の見えない不況の中で、また、雇用情勢も大変厳しい状況にあり、市民生活が非常に大変な中での現状を踏まえると、先ほど来ございましたように、この時期の保育料の改定を行うべきではないというのが陳情を提出された皆さんの一致したご意見だというふうに思います。
私は、さらに別の観点から見ても、この4月からの保育料改定には疑問を持たざるを得ないというふうに思っているところです。先ほど来の質疑等にもございましたけれども、今、国が検討を進めている子ども・子育て新システムの動向いかんによっては保育行政が大きく変わるかもしれません。また、保育料のシステムについても激変する可能性があるというふうに思います。したがって、やはりそういうことも考慮すべきであるというふうに思うわけです。
3月2日に、国の子ども・子育て支援システムに関する基本制度が決定されております。この基本制度の中では、利用者負担については応能負担を原則とする、こういう基本的な考え方が明記されておりまして、一方で、保育の必要性の有無、利用時間の長短の区分ごとに定額の負担を設定する、あるいは、保育の必要性の認定を受けた満3歳以上の子どもについて一定階層以上は一律の負担とする、また、所得階層区分は市町村民税をもとにする、こういったこと等が示されております。さらに、上乗せ徴収も可であると。例えば、特別な教材費、あるいは制服代等々、実費徴収を認めるということです。こうしたことを考えると、一歩間違えると、保護者の負担の大幅な増につながりかねないような危険性をはらんでいるというふうに指摘せざるを得ないと思います。
そして、一番の問題は、基本制度において、財源のあり方とあわせて検討するというふうに規定されているだけで、実際にどの程度の保護者負担が発生するのかということについて全く明らかになっていないということです。前文を見ても、「新システムは、恒久財源を得て早期に本格実施を行うこととする」というふうに書いてありますけれども、平成26年4月から消費税を上げる、そして、その10%を財源に見込んでいるともとれる中身になっているわけです。その中で、法案成立後、平成25年度を目途に、これは仮称ですが、子ども・子育て会議、国の基本指針など、可能なものから段階的に実施するというふうになっております。
我が党は、基本的に、子ども・子育て新システムについては、現状においては余りにも問題が多く、なかなか認めがたいというふうに考えております。しかしながら一方で、現政府がこの制度を実質的に進めようとしており、こういう状況の中で、やはり、保育行政がどうなるのか、その動向をしっかりと見ていく必要があるというふうに思います。平成25年度を目途にとなっておりますが、実質的に移行されるとすれば早くても平成27年前後になるのだろうと思います。そういう意味では、子ども・子育て新システムの動向を今は見きわめておくと。現在、保育料を上げるのではなく、また3〜4年後に保育料の扱いが変わることもあるという意味では、今は見きわめておくことでいいのではないかと思います。大きな制度改定があるわけですから、改めて、今は保育料を改定する時期ではない、このように考えておりますけれども、いかがか、伺います。
◎堂前 子育て支援部長 保育料を改定する時期ではないのではないかというお話でございますけれども、札幌市は、日本一の子育てしやすいまちの実現を目指しております。そのためには、希望するすべての人が保育所サービスを利用できる環境整備をすることが必要でありまして、近年急増している待機児童の解消が喫緊の課題と考え、保育所定員の大幅な拡大を早急に図っていくこととしております。また、第3次札幌新
まちづくり計画における政策目標である子どもの笑顔があふれる街関連事業費といたしまして、計画期間中に約200億円を計上しております。この中には、子ども医療費助成について新たに中学生の入院を助成対象とするなど、
子ども未来局所管外の新規事業も多数含んでおります。さらに、これ以外にも平成23年1月からはヒブワクチン、小児用肺炎球菌ワクチンの接種費用の助成を行うなど、さまざまな子ども関連事業を展開しているところでございます。
子育てしやすいまちの実現には、保育所サービスだけではなく、子育て支援全体の視点を持って、すべての子育て家庭に対する支援を充実する必要がございます。また、これらの制度を将来にわたって持続していくことも必要でございます。そうした一方で、19政令指定都市中3番目に高い保育料軽減率となっていることにつきましては、早急に見直しをいたしまして、保育所を利用する方々に一定の負担をお願いしなければならない、そのような状況となっていると考えております。
◆谷沢俊一 委員 我が党も、従来から、待機児童の解消、ゼロということで、議会でもずっと進めてまいりました。その解消が喫緊の課題であるという認識はもちろん持っておりますけれども、今のお話では、その他の保育・子育て支援事業もさまざまやっているし、また、やっていかなければならないということについて理解してほしいという答弁でございました。
こういう厳しい中でも、やはり、子どもに関する施策は積極的に打っていかなければならない、そういう事情はわからないわけではございません。しかし、先ほども言いましたように、4〜5年たてば新たな制度で保育行政を再構築しなければならない、今そういう状況にあるということと、先ほどの保育料改定に反対する陳情が多く提出されている、こういうことも重く受けとめなければならないというふうに思うわけです。
1月25日に文教委員会が開催されております。我が会派は、受益者負担を絶対に認めないという立場では決してございません。我が会派の三浦委員が、文教委員会で、市民負担をできるだけ広く薄く抑えるために保育料の改定率を圧縮できないのかとただしております。しかし、そのときの答弁も一律10%ということだったと思います。日本一子育てしやすいまちということが先ほど来出ておりますが、他の政令指定都市並みの軽減率ということではなく、やはり、日本一子育てしやすいことが市長の大きな政策であれば、当然、他の政令指定都市以上の軽減率であってしかるべきだと思います。
改めて、一律10%ということを見直して、例えば3%あるいは5%に、要するに改定率を下げるお考えはないか、改めてお伺いいたします。
◎堂前 子育て支援部長 改定率の圧縮についてでございますけれども、今回の見直しは、国の徴収基準額に対する軽減率をこれまでの約37%から政令指定都市の平均である約30%に見直すものでございます。その結果として、保育料の改定率が10%となるものでございます。保育料を10%改定した場合の増収額の見込みにつきましては、先ほど来出ておりますが、年間で約4億6,000万円でございます。一方で、保育所の定員増に伴って札幌市が新たに支出することとなる保育所運営費に係る経費につきましては、平成23年度をベースに申し上げますと、平成24年度では8億4,000万円、25年度では13億8,000万円、26年度では19億3,000万円、27年度では約24億7,000万円、4年間合計で66億円と見込まれております。保育所の定員増に伴って増加する運営費用は、保育料の改定による増収額を大きく上回っていることになります。また、これとは別に、保育所の整備にも多額の経費を必要とするほか、先ほども申し上げたように、私どもとしては、保育所サービス以外の子育て支援策も一層充実させていかなければなりません。
このような事情から、今回の10%の改定は、ぜひご理解をお願いしたいと考えております。
◆谷沢俊一 委員 10%ということでございますけれども、今年度の予算案に歳入で見込まれております保育料については10%を上乗せした見積もりを出しておりますが、これはあくまでも見積もりですから、結果としてこれを下回ることは構わないわけでございます。そういう意味では、今はさまざまな準備を行っているというふうに聞いておりますので、この軽減化については、年度中でも引き続いて要望していきたいと考えております。
あわせて、もう1点、保育士の処遇の改善について伺いたいと思います。
近年増加を続けるこの待機児童の解消のために、先ほど来、本市では認可保育所の整備に積極的に取り組んでいるところでありますが、保育所の増加、あるいは幼児の定員が急増する中で、保育士の不足が大きな問題になりつつあります。言うまでもなく、保育所において子どもを直接養護し、教育するのは保育士であります。質の高い保育を実現するためには、資質にすぐれた保育士の安定的な確保が必要になります。
しかし一方で、保育士は、その職務の重要性に比べると、賃金水準において、一般的に他の仕事と比較をすると非常に低賃金であり、ある意味では処遇の上で決して恵まれているとは言えないわけでございます。このため、実は、本市においてもそうですけれども、多くの学生が保育士養成の学校等々を卒業して資格を持っても、必ずしも保育士につく者が多いわけではないのですね。また、一たん就職しても、余りの過酷な仕事あるいは低賃金のために、結果として離職率が非常に高い職場になっています。
過日もある保育士と話したのですが、残業などをしていても、残業手当がつかないと。どこの保育所かは言いませんけれども、結果として、最低賃金を下回るような実態であり、仕事もきつい、こういうお話を伺いました。
私は、保育サービスの拡充を進めるに当たっては、定員の増加も非常に大事でありますけれども、より良質な保育の提供にもしっかりと力を注ぐべきであると考えます。そのためにも、保育士の処遇を改善する、そして定着を図っていく、このことが大事であり、必要であると考えます。
そこで、質問しますけれども、今回の保育料の改定で、その増収分は、ある意味では保育士の処遇改善のために充てるべきではないか、このように考えますがいかがか、お伺いいたします。
◎堂前 子育て支援部長 認可保育所の職員処遇の改善につきましては、札幌市では、従来から独自に国基準を上回る職員配置の補助制度を設けております。しかし、職員処遇に関しては、本来的には国の運営費基準に負うところが大きいことから、これまでもその改善を国に要請してきたところであり、今後も逐次行ってまいりたいと考えております。
なお、保育料改定による増収額の一部を保育士の処遇改善に充てるとのことにつきましては、先ほどもお答えいたしましたとおり、保育所の定員増に伴って新たに支出することとなる保育所運営費に係る経費が保育料の改定による増収額よりも大きく上回るなどの状況から、難しいと考えております。ご理解いただきたいと思います。
◆谷沢俊一 委員 保育士の待遇ですが、私もこれは何とかしなければならないというふうに感じるぐらい、非常に流動性の高い職種であるということについて、局長はどのように考えていらっしゃるか、ご認識を聞きたいと思います。
◎大谷内
子ども未来局長 保育士の処遇について、どう考えるかというお尋ねでございます。
他人の考えに任せてお話しするのはどうかと思いますけれども、以前、北海学園大学のある教授が、道内保育士の処遇については必ずしも高くない、そういう数字を研究成果として発表されたものが報道されておりました。その点について新聞の内容を評価することにおいては、私もそのとおりの感想を持ったところでございます。
◆谷沢俊一 委員 要するに、実態としてはほとんどワーキングプアに近い現状があるということを、まずは、やっぱりちゃんと押さえておく必要があると思うのです。ある意味では保育士の使命感でとにかく頑張っている、こういう実態を押さえておいて、何ができるのかと。我が会派としては、保育士の待遇改善について、これからは国とも連携しながらしっかりと取り組んでいきたい、こう決意をいたしております。
二つ目の大きな質問ですけれども、先ほど来出ている多様な保育事業、サービスということで、事業所内保育施設設置促進事業についてお伺いしたいと思います。
ちょうど、昨年、平成23年9月から国で開始いたしました事業所内保育施設設置促進事業がございますが、昨年の2定の議案審査特別委員会において、私からこの点について質問や要望をさせていただきました。
制度創設前に要望させていただいたのは、一つは、企業のニーズを十分に把握するということでございました。これに関しては、事前に約150社の企業にアンケート調査を実施していたというふうに伺っております。
また、2点目に、増加する待機児童対策にも資するものとなるように、単なる会社の従業員の子どもだけではなく、定員にあきがある場合には近隣の住民の子どもも利用できる制度とすべきであること、3点目には、費用負担、あるいは、入所児童確保の面から、単独設置が難しい複数の中小企業が出資をしながらの共同設置ということも視野に入れる必要があるということで伺いました。そのときは、例えば、自分の会社の従業員以外の子どもの受け入れは可能であること、さらに、組合等の共同設置によってみんなで共同して使おうという形態も可能である、こういう答弁もございました。私は、共同設置ということで何を考えていたかというと、小さな理美容店を経営している方のお子さんのために共同で保育所を運営していただけると非常に助かるのではないかという声を聞いたものですから、こういうことを考えていたわけです。
それから、4点目に、やっぱりこの制度が各企業にちゃんと周知されないと企業も積極的に乗ってこないということを質問したら、ホームページ、広報さっぽろ等、あるいは商工会議所でも会員のメール等で発信していただいたということでございました。
こうした中で、3月9日には札幌通運、3月12日には北海道銀行と、それぞれこの制度を活用して事業所内保育施設を開設するということで、内覧会を実施した模様がテレビでありました。私は実際には行っていませんが、テレビで見る範囲でもすばらしい施設ができていました。ここで伺うと、今、五つの企業、団体でことしじゅうの開設に向けた準備が進められていて、さらに、そうしたテレビ等、あるいはPRの効果か、現在、そのほかに多数の問い合わせが来ているとも伺っております。
そこで、質問いたします。
実際に制度を運用するに当たって、現場においては企業との間でさまざまな話をし、細かい調整を行うなど、何かと苦労をしていると思いますけれども、企業の貴重な生の声を聞き、それをきちんと分析して今後の事業展開に資することが大事だと思いますが、本制度に関する企業の反応と、これだけ多くの企業から問い合わせが来ていることに対して市としてどのように分析しているか、伺います。
◎金田 子ども育成部長 私から、事業所内保育施設設置促進事業についての企業の反応と当制度への問い合わせに対する分析についてお答えいたします。
まず、企業の反応についてでございますが、本制度は、国の補助に対して、札幌市が500万円を上限として設置の一部をさらに上乗せして補助することを基本としておりますけれども、事前のアンケートの結果同様、設置費用に対する追加補助が大変助かるという声をたくさんの企業の方からいただいているところでございます。
それから、多数の問い合わせが来ていることについてでございますが、企業の方とお話をさせていただきますと、近年、働く女性の増加に伴いまして企業におきましては女性従業員の比率が高まっておりまして、優秀な女性をいかに多く採用し、そして、結婚や出産に伴う離職をいかに減らしていくかということが企業の戦略上欠かせなくなっているというふうに感じているところでございます。このため、従業員が子育てをしながら働きやすい職場環境づくりに取り組んでいく姿勢を打ち出している、あるいは、これから打ち出そうとしている企業、つまり、ワーク・ライフ・バランスの考え方を経営戦略として真剣に導入している企業が予想以上に多かったものと分析しております。また、あわせて国の補助を周知いたしましたことから、今まで国の制度を知らなかった企業におきましても、国と札幌市の両方の制度を利用することで具体的に検討を進めていけるようになったことも一つの要因というふうに認識しているところでございます。
◆谷沢俊一 委員 企業の反応は比較的いいわけですけれども、先ほど来、本市においては認可保育所の定員を4年間で4,000人ふやすために市の負担も急激に増加しているということで保育料の値上げの話がございまして、市民生活に不安あるいは負担を与えております。そういう中で事業所内保育施設について考えてみると、国の補助に対して札幌市が設置費の一部を上乗せ補助することを基本にすることから、市の負担が比較的少なくて事業所内保育施設の定員を効率的にふやすことができるのだろうというふうに思います。
今、お話があったように、さまざまな働き方、ワーク・ライフ・バランス等々の中で、子どもを預ける選択肢が広がり、認可保育所、保育ママ、幼稚園の預かり保育、認可外保育、そして事業所内保育というふうに、市民のニーズに対応してさまざまな形で入所できるのは望ましいことであると思います。保育需要に対応していくのは認可保育所が基本ではありますけれども、それぞれの制度には特徴がありまして、例えば、大人数より家庭的な保育を希望するケースでは保育ママ、あるいは、教育の面を重視するということであれば幼稚園の預かり保育、また、職場に近いところであれば事業所内保育所というふうに選択肢が広まります。特に、今回設置した企業は大企業ですから、基本的には自分の従業員を大切に扱うのだろうというふうに思っています。
そこで、年内の開設がほぼ決まっている七つの事業所内保育施設において、合計で結構ですが、入所定員は何名を予定しているのか、そのうち何人分が待機児童対策として効果があるのか、また、札幌市の補助額は7施設合計で幾らを予定しているのか、さらに、事業所内保育所7施設合計の定員と同レベルの認可保育所を新たに設置する場合、札幌市の負担額、設置費と運営費はどうなるのか、この点について伺います。
◎金田 子ども育成部長 事業所内保育施設は、現在、7施設が予定されておりますけれども、定員は合計で120名を予定しております。もし仮にこの施設が設置されなければ、そこに入所するはずだった
子どもたちは、認可保育所への申し込みを行って入所するか、場合によっては待機児童になるのではないかと推測しているところでございます。そう考えますと、その分、認可保育所の定員に余裕ができる、あるいは、直接的に待機児童が減ることになりますので、事業所内保育施設の定員増分については基本的にはすべて待機児童対策としての効果があるものというふうに考えているところです。
それから、7施設への補助額ですけれども、合計で2,000万円強になると予定しております。120名定員の認可保育所を設置する場合の札幌市の平均的な負担でございますが、設置費につきましては、地方自治体と事業主の負担が軽減される安心こども基金を活用した場合、札幌市の負担は12分の1となりまして約1,800万円の負担となります。次に、運営費でございますが、国からの補助、保育料収入による保護者の負担を除いた札幌市の負担割合は、平成23年度で約56%、額にいたしますと約6,500万円となりまして、これが毎年度の運営費として必要になってくるところでございます。
◆谷沢俊一 委員 札幌市が独自に認可保育所で120名を受け入れるケースと事業所内保育施設設置では、札幌市の単費による設置費等は相当軽減されることがわかりました。
つまり、今の話で財政的なことを言いますと、当初の設置費に係る札幌市からの負担が2,000万円ちょっとで、120名定員の認可保育所を一つつくることと同程度の効果があるというふうに言えるのではないかというふうに思います。決して、安上がりだから事業所内保育施設を推進すべきとは言いませんけれども、先ほど述べたように、事業所内保育施設の設置を希望する企業、また、従業員、さらには市民のニーズ、当然こういうものがあると思いますので、一つの形態として本制度を積極的に推進すべきというふうに思っております。
なお、第3次札幌新
まちづくり計画では、本事業は、年間2件、4年で8件の設置を目標として、計画予算についても年間1,000万円、4年間で4,000万円となっています。
しかし、今お話があったとおり、平成24年度予算案だけで3,000万円になります。そのうち、7件で2,000万円強は既に確定しているわけですね。つまり、4年間で計画していた目標数、予算ともに、今後の状況次第ですが、24年度1年間ですべて消化してしまう状況にあると思います。先ほどもお話がございましたが、企業におけるワーク・ライフ・バランスの推進、働く従業員のための子育て支援、あるいは待機児童対策など、本市の財政負担上の効果を考えたときに、事業所内保育施設については、今言ったように平成24年度で4年間分の予算をオーバーすることになりますが、これ以上は認めないというようなことはあってはならないのではないかというふうに思います。
そこで、今後、当初計画を超えて、すなわち、予算の枠組みを超えて企業から相談があった場合には、必要な予算を確保してさらに積極的に対応していく必要があるのではないかと思いますけれども、市の見解をお伺いいたします。
◎金田 子ども育成部長 委員ご指摘のとおり、本制度は、企業の側から見ましても、従業員の側から見ましても、さらに、札幌市といたしましても非常に有効な事業であるというふうに認識しております。したがいまして、まずは、平成24年度予算として3,000万円を確保しておりますので、着実に執行していけるように、今後とも企業へのPRをしっかり行っていくとともに、事業を実施しながら、その効果や企業等からの要望をさらに検証いたしまして、今後とも必要な予算をしっかりと確保できるように努力してまいりたいと考えております。
◆谷沢俊一 委員 予算を超えて要望がある場合等々については、既往予算の充当も含めて考えていただきたいと思います。
最後に、要望ですけれども、当然、事業所内保育施設に通う子どものことでございます。確かに、今できた施設はすばらしい施設になっておりまして、こうしたハード面の整備はもちろんですが、やはり、保育の内容、質、これがしっかり確保されていくことが極めて大事であると思います。制度上は、認可外保育施設として設置届け出を市に提出をし、その後、毎年、市が指導・監督に当たることになっております。そういう意味では、長年にわたって事業所内保育が進められることが大切でございますので、立ち上がりの段階ですけれども、しっかりと指導・監督に当たってすばらしい事業所内保育施設となるように努められることを要望したいと思います。
三つ目の質問に移りたいと思います。
児童福祉施設等の負担金及び保育所延長保育利用料の減免制度の見直しについてお伺いいたします。
行財政改革推進プランに盛り込まれ、平成24年度予算において改定が提案されている児童福祉施設等の負担金、それから、保育所延長保育料の減免制度について、改めてお伺いいたします。
平成24年度の予算案には、
子ども未来局の
行財政改革推進プランの取り組みとして、保育所保育料の改定、児童クラブの有料化のほかにも、児童福祉施設等の負担金の見直し、あるいは、保育所の延長保育料の減免制度の見直しが盛り込まれております。児童福祉施設等の見直しの対象になっている施設は、児童養護施設、乳児院、助産施設、母子生活支援施設等々であり、この利用者は、すべて、経済面、または生活環境面で大変厳しい立場にいる乳幼児であり、妊産婦であり、母子でございます。また、保育所の延長保育については、通常の保育時間終了後も保育を行うという制度であり、この制度の利用に当たって、生活保護受給世帯と前年分の市町村民税非課税世帯、すなわち低所得者世帯に関して、現在、利用料がかからないことになっているわけです。先ほどもありましたね。
そこで、質問ですけれども、本予算案に盛り込まれた児童福祉施設等の負担金や延長保育の減免制度の見直しについて、見直しの時期も含めて、その内容はどういうものなのか、伺います。
また、市民、利用者にとっての負担はどの程度になるのか、特に、低所得者にとってどの程度の負担増になるのか、伺います。
さらに、保育所保育料の改定や児童クラブの有料化については、事前にパンフレット等々を配布して利用者に周知を図っていましたけれども、児童福祉施設等負担金、あるいは延長保育料の減免制度の見直しについて、市民や利用者に対してどういうふうに周知を図ってきたのか、伺います。
◎難波
児童福祉総合センター所長 まず、児童養護施設等の負担金の見直しの内容につきまして答弁させていただきます。
この児童養護施設等負担金は、児童が虐待等の養護事情により施設で生活をするための経費につきまして、その一部を扶養義務のある保護者が収入に応じて負担していくものでございます。今回の見直しについては、これが平成元年から据え置かれておりますものを、7月から国の基準並みに改定するものでございます。
次に、負担増の状況でございます。
市民税の非課税世帯のうち、扶養義務者のいない世帯や母子・父子世帯等を除く世帯及び市民税課税世帯で所得税非課税世帯、以上の約80世帯にとりまして負担増となるものでございます。その影響といたしましては、扶養義務者のいない世帯や母子・父子世帯等を除く市民税非課税世帯につきましては月額で2,200円の負担となるほか、市民税課税世帯で所得税非課税世帯につきましては2,700円、もしくは4,000円の負担増となるものでございます。
次に、市民、利用者への周知についてでございます。
児童養護施設等の負担金の見直しにつきましては、昨年公表いたしました札幌市
行財政改革推進プランに盛り込み、パブリックコメントを行ったところでございます。また、利用者への個別の通知につきましては今後行う予定となっております。
◎堂前 子育て支援部長 私からは、その他の負担金と延長保育料の減免制度の見直しについてご説明いたします。
まず、見直しの内容でございますが、母子生活支援施設入所者負担金は、母子等の保護や自立促進のための施設で生活するための経費について、世帯の収入に応じて一部を負担しているものでございます。また、助産施設入所者負担金は、経済的理由により入院助産を受けられない妊産婦を入所させ、助産を受けさせる経費について、これにつきましても世帯の収入に応じてその一部を負担しているものでございます。今回の見直しは、いずれも平成元年から据え置かれている入所者負担金を国基準並みに改定するもので、4月から見直す予定でございます。
次に、負担増の状況についてでございます。
母子生活支援施設入所者負担金の見直しによりまして、市民税課税で所得税非課税世帯のC1階層以上の11世帯で負担増となるものでございます。その影響としては、所得税非課税世帯で月額1,300円、もしくは2,000円の負担増となるものでございます。また、助産施設負担金の見直しによりまして、市民税非課税世帯の母子以外の53世帯で負担増となるものでございます。その影響といたしましては、2,200円の負担となるものでございます。
次に、市民、利用者への周知についてでございます。
児童養護施設等と同様に、
行財政改革推進プランに盛り込み、パブリックコメントを行ったところでございます。
次に、延長保育料の減免制度の見直しについてでございます。
見直しの内容、負担増の状況でございますが、延長保育料は、被保護世帯及び市民税非課税世帯について全額免除としておりましたけれども、これを4月から見直し、半額を徴収するものでございます。具体的には、1時間延長の場合は日額100円とし、2時間延長は日額150円とするものでございます。また、1時間延長は月額4,000円、2時間延長は月額6,000円としている1カ月当たりの限度額を撤廃することもあわせて行うものでございます。
次に、市民、利用者への周知でございますが、先ほどと同様、パブリックコメントを行ったほか、関係団体に情報を提供し、意見交換を行ったところでございます。
◆谷沢俊一 委員 細々といろいろありましたけれども、見ていると、要するに、対象になる方がどちらかというと社会的弱者の方なのです。こういう方の負担を少なくするというのは、金額の多寡の問題ではなくて、考え方なのです。これは、やっぱり見直すことをしないと、本当に酷だという気がするわけです。
今の話の中で、児童福祉施設等負担金は7月からスタートという話があって、それ以外は、パブリックコメントをやるなどの手続を踏んだということで4月から実施というお話でございました。しかしながら、我々もこのパブリックコメントまでは、どういう内容だったのか、なかなかよくわからない面もありまして、対象者が本当に理解しているのか。納得はしていないかもしれませんけれども、ちゃんと説明を果たしていたのか、こういうことがちょっと心配になるわけです。
そこで、局長に聞きますけれども、新年度の4月からこの見直しをすぐにスタートさせるのか、もう少ししっかりと――数はそんなに多くないけれども、みんな、さっき言ったように、社会的に困っている方、また弱者と言われる方ですから、この改定を予定どおり新年度に入ってすぐに進めるのか、このことについて局長の考え方をお伺いしたいと思います。
◎大谷内
子ども未来局長 委員からご指摘のあった私ども
子ども未来局の所管事項の
行財政改革推進プランの取り組みの内容でございますけれども、この中では、待機児童の解消を初めとした札幌市の喫緊の課題の解消に向けて、限られた財源のもと、子育て施策の大幅な充実を図りつつ、これらの政策を安定的に進めていくためという目的で、市民の皆様にも一定の負担をいただきたいというもので、先ほど来、このことをご理解いただきたいとお願いしているところでございます。
しかし、委員からご指摘がございましたとおり、保育所の保育料の改定と児童クラブの有料化の議論、こういう内容についてのみ、市民理解を得るということで私たちの広報が先行していた感は否めません。市民、利用者への十分な周知ということになりますと、今、各部長からご説明させていただいた各項目の内容については、市民、利用者への周知が十分なもの、あるいは丁寧なものとは必ずしも言えないと考えているところでございます。このため、日本一子育てしやすいまち、それから、子どもの笑顔があふれる街を目指す札幌市といたしまして、見直しに当たりましては、市民、特に、子育て家庭に対してしっかりと情報提供を行い、十分な説明責任を果たさなければならないものと認識しているところでございます。
そこで、児童福祉施設等の負担金や延長保育料の減免制度の見直しにつきましては、委員から7月実施のものもあるというような内容で、今、ご指摘を受けたところでございます。委員のご提案のとおり、すべて7月まで周知期間をとるなりして、市民、利用者への丁寧な情報提供を行いまして、あるいは、その意見を聞きながら、市民、利用者への説明責任をしっかりと果たしていきたいと考えているところでございます。
◆谷沢俊一 委員 どうしても対象人数が少ないために、保育料あるいは児童クラブの利用料等のところに力点が行っていたということですけれども、やっぱり、人数の多寡ではなくて、対象者のことを考えれば、本当にしっかりとした説明責任が求められます。そういう意味では、何としても、一人一人の視点に立って説明責任を果たしていただきたい。そしてまた、影響を直接受けるのは、先ほど言いましたように、いわゆる社会的に極めて弱い方たちでございますから、私の要望も含めて、丁寧な説明と理解を求めるようにしっかり取り組んでいただきたい、このことを求めて、質問を終わります。
◆坂本恭子 委員 私は、今議会に提案されております子育てにかかわる市民負担増について質問したいと思います。
きょうの委員会の冒頭でも、4人の方が趣旨説明をされました。陳情が16件、そして、提出団体として300団体近いところから寄せられているのが今回の陳情です。
行財政改革推進プランが昨年10月に私ども議会にも示されて、いろいろと議論を経る中で、12月には案がとれて
行財政改革推進プランとなりました。その中で、保育料の値上げ、それから、今も議論になっております延長保育あるいは児童クラブの有料化というようなことが出てきております。パブリックコメントでは、保育所に関しては、値上げをしないでくれと、214件の反対の声が寄せられております。延長保育の利用料金の見直しは29件が反対、さらに、児童クラブの利用料見直しは57件が反対でした。賛成の意見は、保育所の料金見直し、これは幼稚園とのかかわりで見直しをしてほしいという趣旨のものだと思いますが、2件であり、パブリックコメントについては、圧倒的に反対の意見が多かったということですね。そしてまた、今でも3点にわたる有料化、値上げをしないでほしい、こういう陳情が出てきているということです。市民の声は、圧倒的に値上げしないでほしい、こういうことだというふうに思います。
パブリックコメントの結果を見ても、もろ手を挙げて値上げをしてくださいとおっしゃっている方はほぼ皆無だというふうに思うのですけれども、この点についてどう認識されているのか。保育料については、あくまでも4月から平均10%の値上げを行うのか。延長保育については、前段のやりとりでは7月からやるような含みも持たせた局長の答弁でしたけれども、どのようにお考えなのか。また、児童クラブについても9月からということになっていますが、先ほどの陳情、趣旨説明の中でもお話がありましたように、いろいろな制度上の矛盾、児童会館の運営上の矛盾、こういうものがあろうかと思いますので、私は、これらのことを行うべきではないというふうに思いますけれども、ご見解を伺いたいと思います。
◎堂前 子育て支援部長 子育てにかかわる費用の負担軽減についての市民要望は多く、パブリックコメントや陳情については真摯に受けとめてございます。
しかしながら、ふえ続ける待機児童が極めて大きな問題でございます。この解消は喫緊の課題と認識しておりまして、先ほど来、お答えさせていただいておりますように、4年間で4,000人を減らすこととしております。これには、整備はもちろんでございますが、運営に係る費用が札幌市の財政に大きな負担をもたらすものとなっております。しかしながら、それはやっていかなければならないということでございます。さらに、加えて言いますと、保育所を利用していない方々への子育て支援も重要でございます。さまざまな新たな施策も展開しなければなりません。そういった中で、財政状況が依然として厳しい中、これらのものを実施していって持続可能なものとしていくためには、一部負担についてお願いせざるを得ない、そういう状況であるということでございます。
延長保育料につきましては、先ほど局長がお答えしたとおりでございまして、周知期間をとって対応したいというふうに考えております。
◎金田 子ども育成部長 私からは、児童クラブの有料化の部分についてお答えさせていただきます。
委員ご指摘のように、
行財政改革推進プランが発表されて以来、議会でも文教委員会等で案をお示ししたところ、さまざまなご意見をいただいたところでございます。そういった声を伺いまして、提案の内容を一部修正して、再度、提案させていただいたところでございます。当初、4月から有料化を考えておりましたが、それを9月に先延ばしいたしまして、その間、丁寧な周知、説明を行ってまいりたいというふうに考えているところでございまして、そういったことを丁寧に行いながら、何とかご負担をお願いできないかというふうに考えているところでございます。
◆坂本恭子 委員 まず、児童クラブのことですが、4月だったものを9月に先延ばしして、丁寧な説明をして、何とかご負担をお願いしたいということですけれども、理解できないし、負担ができないということだから、これだけたくさんの陳情が出てきているのではないですか。これから半年かけて幾ら丁寧な説明をしたとしても、負担は確実にふえていくわけですから、そして、さっきも言ったように、児童会館の運営上の問題ということについてもクリアされる見通しはまだないわけですよ。そういう中で、負担のお願いということを一方的に押しつけるということは絶対に許されない、私はそういうふうに思いますので、この点は改めて指摘しておきたいと思います。
持続可能な制度にしていくためだ、財政難だから、あるいは、受益者負担、負担の公平性というようなことが、この間、ずっと言われてまいりました。私は、決定的に、市民生活、とりわけ若い子育て世帯の厳しい生活実態、あるいは将来に対する不安、こういうものに対する配慮が足りない、これがないというのが本当に大きな問題だ、こういうふうに思っています。例えば、保育料の階層別収納状況というものをいただきました。これは2010年度決算ベースですが、先ほど、保育料の収納状況が年々向上してきていて98.34%あるのだということがお話の中で出てきたと思います。
そこで、改めて、階層別で見てみます。全体では世帯の未納率が5.18%なのですよ。ところが、B1階層は10.75%、Cゼロの階層は11.90%、C1階層は10.55%、D1階層は11.04%、D2階層は9.87%、全部、平均の倍になっている、こういう状況ですよ。所得が低くて保育料を払うのが本当に大変だ、こういう世帯に対して、軽減率を高くしているからというお話も先ほど部長答弁の中でありましたけれども、私は、実態から見て、やはり負担が重いということになるのだと思うのですよ。払えないという状況が現にあるのですから、そこに、またさらに1割の負担増を押しつけていくというのは正当な考え方なのでしょうか。私は、やはり、こういうところから見ても、本当に実態を見ていないと思います。負担がもっと重くなって大変なのだという実態について、どういうふうにお考えになるのか、伺いたいと思います。
あわせて、延長保育の減免についてですけれども、先ほど趣旨説明の中でもお話がありました。母子家庭で、ホームヘルパーをしていて手取りが13万円に満たない、こういう方たちにとって、延長保育で子どもを預けてまでも働かなければならない、こういう状況の中で、受益者負担と言って、そこに対して――低所得ですよ。そこに負担増を求めていくということになるのでしょうか。私は、そこはやっぱり間違った考え方だというふうに思うのだけれども、その点についてはいかがお考えですか。
◎堂前 子育て支援部長 保育料の見直しについては、子育てしやすいまちを目指す上で、今は待機児童が一番の課題になっておりまして、それに対応しなければならないということでございます。それには、先ほど来いろいろご説明しているように、4年間で66億円だとか、いろいろと額が載っておりますけれども、それは、すべて、市単費、市が負担している額でございます。それがどうやって賄えているかというと、もちろん保育所を利用している方もそうですが、利用していない方の税金でも賄われております。そういった中で、政令市なり近隣の市町村と比べたときに、同じ状況の中で見たときに、やはり、負担の部分については考えざるを得ないのではないでしょうか。保育所を利用していただいている部分については、他都市の状況も勘案して考えなければならないかと思います。
これは、これから保育所を利用する方もそうですが、そういうことをずっとやっていかなければならないわけですね。今現在、札幌市が国の基準より上回って軽減している部分は毎年25億円かかっています。私どもは、その軽減を続けていきたいのです。続けていきたいのですが、一方では保育所を整備していくということで、その両方をやっていかなければなりません。そこで、一つの目安として、負担のあり方としては、他都市の状況とか、近隣市町村の状況とか、そういった部分での比較も必要になってくるものだと思っています。私どもは、保育料について、先ほど来出ていますように、低所得階層、多子世帯に対しては周辺市町村よりも軽減しております。その中で、保育料の負担ということで個々の世帯の支払いの部分でも、日々、つぶさに相談に乗って対応させていただいておりますので、今後もそうした対応を続けさせていただきたいと思います。
それから、延長保育料については、ご承知のとおり、通常の保育時間を超えた部分で、いわゆる特別保育という部分なので、言葉は適当ではないかもしれませんけれども、上乗せサービスでございます。ですから、その部分については必要な経費負担をお願いしたいということでございます。いきなりということではなくて、例えば、通常、1時間ですと200円のところを半額にするとか、2時間の場合は300円のところを150円、そういったことは当然させていただいておりますけれども、そういうサービスを行う上では、必要になる費用の一部についてご負担を願いたいというふうに考えております。
◆坂本恭子 委員 先ほど来、待機児童対策でお金がかかるのです、保育園をつくるためにお金が要るのです、運営費にお金がかかるのです、それからまた、保育園を利用する人としない人の公平性というようなことをしきりに強調されている。今は実態についてどう考えるかということを質問したのです。部長はお答えにならなかったけれども、働かなくては食べていけないという実態があるわけですね。さっき、収入が低下する中で、待機児童がふえているというお話がありましたね。保育ニーズがふえているのですよ。それは、部長自身も、収入が低下しているから待機児童がふえている、保育所に入りたい
子どもたち、預けたいと思う親御さんがいるということを先ほど前段の委員会のやりとりの中で答弁しています。実際にそういうことだろうというふうに思います。働かなくては食べていけない、働かなくては子どもを産み育てることができない、こういう実態があるわけでしょう。
そういう中で、上乗せサービスとおっしゃったけれども、延長保育をやるのです、ついては、特段の支援をしていく、低所得者に配慮して半額でやっていく、免除ではなくて減額というようなことをやっていくのだと。結局、私は、働きながら子育てする人への特段の支援ということは、行政が当たり前にやっていくべきことだ、そういうふうに思います。いみじくも上乗せサービスという言葉をお使いになりましたけれども、やはり、私は、受益者負担という言葉はここにはなじまないというふうに思いますね。年間25億円のお金がかかって大変なのですと部長はおっしゃいました。できれば続けていきたいのですというふうにもおっしゃいましたけれども、続けていけばいいではないですか。財政難だからということを、市民に、とりわけ子育てをしている若い世代に押しつけてはだめですよ。
きょう、陳情を出された団体の皆さんが、議会が始まる前に、市役所の前でこういうチラシを配って市民の皆さんに呼びかけていました。この中の一文です。「札幌市の財政難のための保護者負担増で市民の家計がさらなる財政難に陥ります」と。それこそ、こういう悪循環を引き起こそうとしているのが、今回の受益者負担も含む、保育にかかわる、子育てにかかわる負担増だというふうに私は思うのですけれども、そこのご見解を改めてお聞きしたいと思います。
◎堂前 子育て支援部長 これは、何と申し上げたらよろしいのでしょうか、すべて税金でやられている部分なのですね。ですから、これをきちんとやっていくためには、やはり、保育所を利用している方々も、他都市との、周辺市町村でもいいですが、そういうところを考えていただきたいと思っているのです。保育料につきましては、国の徴収基準額がございまして、所得階層ごとに決まっております。ですから、札幌市は確かに所得が低いということになるのでしょうけれども、実際にそれぞれの家庭の保育料を決めるときには、階層ごとに国の徴収基準に照らし合わせてどういうふうになるのかと。
そういう中で、札幌市は、先ほど来出ているように、75%だとか50%と平均の率よりももっと多い軽減をやってきているわけです。例えば、札幌市で同じ所得の人が隣の市町村に行ったときにどうなるのかといったら、上がるのですよ。そういう実態があるので、私どもとしても、できることならそういうふうにしたいですけれども、今はそういう状況にはないということですね。ですから、こういった状況で、将来にわたって、待機児童が喫緊の課題になっている部分に対応して、しかも、周辺市町村よりもできるだけ高い軽減率を維持していくかというところのせめぎ合いなのです。それでは、上げないで、いろいろな課題に対応していけるのかどうかということです。それをみんなでよく考えたところで、私どもとしては、政令市並みの軽減率が一つの目安となって、そこに活路を見出したところなのです。ですから、私どもとしては、そこはご理解いただきたいと言うしかございません。
◆坂本恭子 委員 税で負担というのはいかがなものかというふうに部長は最初におっしゃいましたね。全部を税で負担するというのはどうなのだろうと部長はおっしゃいましたよ。
私は、できることならやりたいと言ったのは部長の言葉ですから、ぜひ、それは知恵を絞ってやってくださいよ。市民がこれだけ大変だと言っているのですから。今言ったみたいに、チラシの中にあったでしょう。市民の家計を財政難に陥れるような札幌市の財政運営をやっていく必要があるのかどうかということを、改めて考え直していただきたいと思います。
私ども日本共産党は、代表質問でこういうことを市長にただしました。雇用の問題です。医療と福祉は、それ自体が市民の切実な要望であると同時に、労働集約型産業であり、雇用効果が非常に高いということで、保育所や特養を建設して整備していくべきだ、雇用の柱に位置づけるべきだという質問をいたしました。それに対して、市長は、保育所の新設は、新たな雇用を生み出す効果も持つものと考えており、雇用創出効果の高い事業を積極的に計画化するとともに、若年層の就業支援などに取り組み、全体ですが、5万人の雇用創出を目指すというお話です。保育所をつくるのにお金がかかる、財政が厳しくなる、そういうお話ですね。だから、受益者負担という論理を持ち出して、保育所を利用している人、延長保育を利用する人、その人たちからお金を取っていこうということです。
私は、雇用の問題など、全庁的なことを考えたときに、もっと大局的な立場に立たなければいけない、目先の財政運営だけにとらわれているようなことは、あってはならないというふうに思います。札幌の子育てのあり方だとか、札幌のまちづくり、将来像、こういうものをしっかりと見据えていって、そして、大局的な理念というものを財政運営の中で持つべきだというふうに私は思います。
できることならやりたいではないのですよ。先ほどから子育てしやすいという言葉がいろいろなところで出てきていますけれども、やるという覚悟、信念を持って、大事なまちづくりをどれだけやっていくかということだと思うのですよ。その点についてはいかがお考えですか。
◎堂前 子育て支援部長 子育て支援は、私ども札幌市としても重点項目として取り組んでおりますから、全体的なところでそこへの集中ということもございますけれども、いずれの部局におきましてもやらなければならないものがたくさんございます。ですから、それは、それぞれのところで項目ごとに精査してやっていくことになろうかと思います。こっちが優先だから向こうを削ってとか、そういうことではなくて、それはそれぞれのところできちんと議論してやるべきものだと思っています。
私どももそういう意気込みでおりますけれども、そういったときに、全体として立ち行かないようなことになってはならないわけでございまして、やはり、
子ども未来局の中でも負担のあり方はどうなのかと、それは考えていかなければなりません。そういう中で、先ほどから何回も出ていますけれども、やっぱり、一つの負担のあり方としては、政令市、近隣の市町村、そういったところの負担の状況を考え合わせることが必要になるのではないかと思います。そういったことを考えて――これはそういったことを真っ先に考えているわけではなくて、最終的に、やむにやまれずこういう形でお願いしているところでございます。
◆坂本恭子 委員 やむにやまれずというお話も最後にありましたけれども、私は、やっぱり、どうやって日本一子育てしやすいまちにしていくのだろうと思います。子どもの笑顔あふれる街、まあ、むなしい響きだなというのは、先ほど来のやりとりを聞いていても私は感じますね。本当にどうやって実現をしていくのかということですよ。
保育に欠ける児童を保育するということは、行政、自治体の大事な仕事ですね。改めて、児童福祉法の第24条を読み直しました。市町村は、児童の保育に欠けるところがある場合において、保護者から申し込みがあったときは、それらの児童を保育所において保育しなければならない、こういうふうに書いてあるのですよ。だから、待機児童を解消するなんて当たり前のことなのですよ。保育をきちんと受けられるようにしてあげる、当たり前のことです。私は、この当たり前のことをしっかりやってほしいと言っているのです。そういうところに、受益者負担だとか、財政難だとか、持続可能な制度にするためだとか、そういう口実で、市民負担増、こういうものを持ち込んでほしくないというふうに思います。
保育だけではなくて、ほかの子育て支援サービスも充実していくのだ、こういうお話が先ほど来ありました。部長からは、こっちはやるけれども、あっちはやらないということにはならないのだというお話も今ありました。でも、その一方で、やっぱり保育料は値上げをしていく、そこは何とかご理解願いたいというふうに言われても、到底、市民理解は得られるはずはないと私は思いますけれども、どうですか。
◎堂前 子育て支援部長 どうですかと言われましても、先ほど言いましたように、私も、いろいろ考えさせていただいて、最終的には、委員からもお話があったように、保育に欠ける者についてはきちんとやらなければならないというのはそのとおりです。ですから、私どもは、今、そのとおりにやっているわけですよ。その部分について、そういったことをちゃんとやるために私どもはやっていきます。ただ、それは、将来にわたってそういうことをやっていけるようにするために、その判断のときに、やはり、他都市の状況だとか、市民負担の部分について比較させたり、いろいろ考えさせていただくのは当然のことだと思うのです。
そういうことで、委員がおっしゃったとおり、待機児童というのはやっぱり子育て支援の――子育て支援というのは広いですから、いろいろなことをしなければなりません。その中で、今、特に札幌市の一番の課題になっているのが待機児童でございますので、そこについてはちゃんと対応させていただいて、その部分について、将来にわたってちゃんと運営がなされるように私どもが考えた結果でございます。
◆坂本恭子 委員 いろいろ考えあぐねた結果だというお話もありますけれども、働いても働いても生活は苦しい、けれども、日々成長する子どもの姿に励まされて仕事と子育ての両立に頑張る、そういう親御さんの姿があるわけですね。しかし一方で、やはり、所得は低いのですよ。
実は、行財政改革プラン、前のプランのときも、保育料の値上げというのは検討課題で盛り込まれていましたね。2009年の第1回定例会の市長の提案説明の抜粋ですけれども、保育所の保育料につきましては、景気の冷え込みなどを考慮した結果、現時点で行うのは適当ではないと判断したということで、値上げはしませんでした。この背景に何があったかというと、2008年9月、投資銀行リーマンブラザーズの経営破綻が引き金となった世界的金融危機、いわゆるリーマンショックによる景気の冷え込み、雇用不安というものがあったということです。
札幌市の市民所得は、2008年度は247万9,000円で、比較できる政令市の中では一番低い金額になっています。翻って、今は、この時期に改めて値上げを提案できるような市民の経済状況なのか。受益者負担ということで、延長保育、児童クラブの有料化というようなことを進めていいのかということです。
政令指定都市の比較です。保育料の階層別の児童数で、第1階層から第3階層、札幌市ではAとBの非課税のところですが、子どもの数が33.3%を占めています。19政令指定都市の中で平均すると、この階層に属する子どもは25.4%です。札幌市は、大阪府堺市、北九州市などに並んで、突出して低所得の階層の児童数が多いという状況があります。私は、そういう状況の中で、軽減率だけは政令指定都市平均というのは、やはり、実態を見ないやり方だというふうに思います。とりわけ、保護者、保育関係者の理解というものは得られないというふうに思います。改めて、今回の値上げ、有料化は撤回すべきだと思いますけれども、どうでしょうか。
それからまた、先ほど来、財源の問題が随分言われております。例えば、2009年で、電柱、NТТ柱、北電柱、それから、地下に埋設をされている北ガスのガス管、こういうものの道路占用料が値引きされました。それだけで年間13億円ですよ。今回、道路占用料については若干の引き上げが提案されておりますけれども、13億円、札幌市はその時点で年間の収入を失っているのですよ。北ガスですよ。北電ですよ。NTTですよ。道内の第一級の企業ではないですか。そういうところに道路占用料を値引きしてあげて、そして、保育などについては、受益者負担だとか、負担の公平性だとか、そういうことを言って引き上げていくのですか。私は、やっぱり、これは、到底、市民理解は得られない、関係者の理解は得られないというふうに思います。撤回をすべきだと思いますけれども、いかがですか。
◎堂前 子育て支援部長 繰り返しになりますけれども、今の委員のお話にも、政令市の中で市民所得が低いにもかかわらず、なぜ軽減率だけ平均を目指さなければならないのか、そういった趣旨のお話もありましたが、現時点における平均というのは、先ほども言いましたように、政令市を一つの目安にさせていただいております。同程度の市民所得と思われる近隣の都市における平成23年度予算の軽減率を例にとりますと、私どもが平均30%に引き下げても、江別市では18.3%、北広島市では28%、石狩市では19.6%、小樽市が19.3%と、いずれも札幌市の改定後の軽減率より下回っております。そういったことで、ぜひともご理解をお願いしたいということでございます。(発言する者あり)
○こんどう和雄 委員長 静粛に。
坂本委員、そろそろまとめてください。
これは、まことに申しわけないけれども、平行線で、もしくは、局長でもお願いします。
◆坂本恭子 委員 そうですね。収束の方向に向かっていきたいと思います。
私は、やはり、撤回するべきだというふうに思っております。
この議会の冒頭で、最低基準の見直しという問題がありました。私どもは、給食の外部委託、それから、建設時の1人当たり面積の縮小が盛り込まれているこれらの議案については反対をいたしました。保育の質は下がろうとしています。さらに、先ほど来お話が出ておりますが、子ども・子育て新システムなど国政の問題もありまして、子どもの育ち全体が守られない状況が広がっています。保護者、それから保育の関係者は大変大きな懸念を持っていると思います。安心して子育てをしたい、安心して働きたい、また、保育者の安心して保育に携わりたいという思いには、行政はしっかりと向き合っていくべきです。そして、ここに支援をしていくべきだというふうに私は思います。
もう最後にいたしますけれども、趣旨説明の中でありましたが、3歳の子どもが今は5歳になって保育料の負担が軽減されたのだ、この差額がとてもありがたい金額だったとおっしゃっていたではないですか。これがまた10%の値上げになったら、ズボンを何本買ってあげられない、こういうことになっていくわけですよ。私は、やっぱり、こういうところにしっかりと向き合って支援をしていくべきで、できることならやりたいということではないと思うのですよ。しっかりとそこをやっていただきたいというふうに思いますので、子育てにかかわる市民負担増、値上げ、有料化ということは行うべきではないということ、そして、改めて、本委員会に付託されました陳情については採択をすべきということを申し上げて、終わりたいと思います。
◆石川佐和子 委員 私からは、子育てサロンについて、それから、保育料の改定について、大きく2点伺わせていただきます。
まず、子育てサロンについてですが、次世代育成支援対策推進法を受けまして、札幌市では、さっぽろ子ども未来プラン前期計画に続き、2010年4月に後期計画を策定し、子どもと子育て家庭を支援するため、さまざまな取り組みを進めているというふうに認識しております。子育て家庭が身近な場所で気軽に集い、そして、交流する場である子育てサロンは、地域のさまざまな団体が運営主体となって、現在、ほとんどの小学校区で実施されている一方、NPOを含む地域の団体の活動拠点を活用し、広場型の子育てサロンを実施されているというふうに認識しております。
そこで、質問ですが、札幌市がこれまで取り組まれてきた子育てサロンについて、どのように評価しておられるのか、また、今後どのようにその取り組みを進められるのか、伺います。
◎堂前 子育て支援部長 子育てサロンのこれまでの取り組みへの評価についてでございます。
子育て家庭の孤立化や子育てに関する不安を解消し、安心して子育てができる環境づくりのため、地域の関係者の方々のご協力をいただきながら、子育てサロンの設置を進めてまいりました。子育てサロンは、現在、地域主体の子育てサロン182カ所を含め、市内全体では約300カ所で運営がなされているところでございます。このことは、地域に細やかに子育てサロンが配置され、しかも、支援者であるたくさんの市民が子育て家庭にかかわっていることから、親子が安心して子育てできる環境が身近な地域での中で形成されていることを示しているものと思われます。これは、札幌市の特徴でもありますし、他都市に誇れるものと認識しております。
次に、子育てサロンの今後の取り組みでございますが、地域の方々のご協力により運営されている地域主体の子育てサロンは、先ほども言いましたように、親子が安心して子育てできる環境づくりのための基本となるサロンでございますことから、今後も、その運営が継続されるよう必要な支援をしてまいりたいと考えております。また、利用者からの開催回数増の要望などもございます。そういったことも踏まえまして、常設の子育てサロンの全中学校区設置について第3次札幌新
まちづくり計画の中で位置づけておりますが、常設子育てサロンの設置に当たりましては、地域の関係者と十分に協議いたしまして、地域の実情を踏まえた上で、順次、行ってまいりたいと考えております。
◆石川佐和子 委員 子育て世帯の孤立化を防ぐために子育てサロン事業に取り組まれたということ、また、これからは、常設の子育てサロンを拡充して、地域の実情を踏まえて取り組んでいくというような答弁だったと思います。
子育てサロンを利用されている方のお話を伺いますと、こんなふうにおっしゃっています。身近に頼れる人がいないので、子育てに不安を抱えている、あるいは、近所に同じ年ごろの遊び相手がいないなど、こうしたさまざまな思いを抱えてサロンに来られているということがわかりました。そうした中で、子どもと遊ぶことはもとより、子育てサロンで支援される方々が、保護者に寄り添ってお話をじっくり聞いたり、必要であればアドバイスをしたり、励ましたりと、子どもや保護者と直接接する支援者の技量が求められているというふうに考えています。
そこで、質問ですが、子育てサロンを支援している一人一人のスキルアップが重要というふうに考えますけれども、札幌市は、こうした支援者に対してどのような支援、または研修を行っているのか、伺います。
◎堂前 子育て支援部長 子育てサロン支援者のスキルアップは、大変大切なことと考えております。
そこで、子育てサロン支援者の研修等につきましては、まず、支援者への支援に関しての全市レベルの取り組みといたしまして、年1回、市内の子育て支援関係者が一堂に会し、活動の発表、紹介、講演会等を通じて子育て支援の充実を図るさっぽろ子育て支援推進のつどいを開催しております。また、区単位では、サロン支援者の交流会を実施しておりまして、子育て親子への対応についての話し合い、それから、読み聞かせや手遊びなどの実技によるスキルアップを図っているところでございます。そのほかに、全市の支援者を対象とした子育て支援総合センター主催の研修会や、また、区の健康・子ども課の主催で、区単位で支援者を対象とした研修会を行っております。研修の内容といたしましては、救命救急や離乳食などの子育て支援に必要な内容を適宜選択し、実施しているところでございます。
◆石川佐和子 委員 スキルアップが重要だという認識であることを確認いたしました。また、全市的、あるいは区単位の研修も行っているということでありますけれども、そうしたことを踏まえて、再質問させていただきます。
子育てサロンにかかわっておられる団体の方のお話を伺いますと、
子どもたちの中には、発達障がいなどコミュニケーションがとりづらい場合があって、どのように
子どもたちに対応していいかわからない、また、その保護者の方への丁寧な、そして適切なアドバイスが必要な場合があって、その対応が難しく、課題であるというふうにも聞いています。札幌市で行われているそうした研修がその方たちのスキルアップに本当に有効に生かされることを望んでおりますけれども、子どもや保護者にとって必要な支援を受けるためには、発達障がい等の場合は、早期に発見し、早期に療育をすることが重要であるということは言うまでもないことだと思います。そうした観点から、子どもや保護者に接する支援者におきましては、発達障がい等の特性を理解するとともに、子どもや保護者一人一人に寄り添った声かけやアドバイスが非常に重要と考えます。
そこで、質問いたします。
子育てサロンを行っている団体を対象とした発達障がい等に関する研修についてはどのように行っておられるのか、また、子どもや保護者がニーズに沿った支援を受けることができるように、支援者の研修をさらに充実するべきと考えますが、今後どのように進めるのか、伺います。
◎堂前 子育て支援部長 発達障がい等に関する子育てサロン支援者の研修に関するご質問でございます。
発達障がいの子どもに関して、言葉が遅い子、多動な子、他人とのかかわりがうまく持てない子などについて、サロン参加者の親から子育て支援者の方へ相談されることもあると私どもは聞いております。このため、これまでも、このようなケースへの対応に関して、気になる親子への対応や、発達上の問題を抱える子どもと親子へのかかわりなどをテーマにした研修を実施してきたところでございます。
また、発達障がいの子どもと親子にはさまざまな態様がございます。子どもの成長にとって大変重要なテーマであると認識しておりますので、今後、子育て支援総合センター主催の研修会や区の健康・子ども課主催の研修会において、こういったことをもっと積極的に取り上げてまいりたいと考えております。
◆石川佐和子 委員 気になる子どもや保護者への対応として、既にそうしたテーマを持って研修を実施してきており、そうしたことをさらに進めていくというような答弁を今伺ったと思います。ぜひ、積極的にそれを進めていただきたいと思います。
サロンに来られて支援をされている方のお話の中では、抱えているその問題は本当に複雑なことがあって、緊急な対応も必要な場合があるということも聞いています。区の中では、そうしたことのために協議会や対策が既に行われておりますけれども、日ごろからこうした方々、また、この子育てサロンを含めて、必要な支援を一人一人に行うために、地域での子育て支援のネットワークの拡充を求めて、まず、この質問は終わりにします。
引き続いて、保育料の改定について質問いたします。
これまでたくさんの議論がありましたが、改めて、札幌市がどのような子育て施策を進めようとしているのか、先ほども触れましたけれども、さっぽろ子ども未来プラン後期計画にちょっと触れてみたいと思います。
後期計画におきましては、本市の合計特殊出生率が依然として低いこと、理想とする子どもの数と現実には差が生じていることなどに着目し、それらの要因を取り除き、子どもを産み育てる家庭における不安や負担を軽減し、生まれた子どもが豊かに育つ環境を整備すること等を目標に掲げております。この間、働きながら子育てできる環境の整備につきまして、札幌市では、保育所の整備や保育ママなどに取り組まれ、さらに、子どもが熱を出したときでも仕事に行かなくてはならない、そうしたときの子どもの預かりをするための緊急サポートネットワークに取り組んでこられたことは、一定の評価をしております。
しかし、これまでの議論にありましたように、保育料の10%値上げが
行財政改革推進プランに盛り込まれておりまして、きょうの陳情の方々からも、重ねて、長引く不況の中、市民生活が大変逼迫している状況を述べられておられます。こうした経済状況は、既に2008年の札幌市子育てに関する実態・意識調査においても明らかになっております。理想とする子どもの数、本当は何人子どもを持ちたい、しかし、経済的負担が大きくて、現実的には何人しか子どもを持つことができない、そうしたギャップがある家庭が多いということです。また、特に、20代から30代の子育て世代の半数以上の方が、子育て家庭への経済的な支援を求めておられます。年代の若い世帯にとりましては、働いても安定した収入が得られないという近年の社会状況が将来への大きな負担となっていることが明らかとなっております。私は、こうした社会状況はさらに悪化しているというふうに思いますが、そうした中での保育料改定、値上げの提案ですから、丁寧な情報公開は、これまでもそうした議論がありましたけれども、当然、説明責任を果たしていくべきというふうに考えるところです。
そこで、質問いたしますが、本市は、この間、保護者や当事者の皆さんへの保育料改定に関する理解、周知に向け、どのように取り組まれてこられたのか、伺います。
また、その結果、さまざまな意見をどのように受けとめているのか、改めて伺います。
◎堂前 子育て支援部長 保育料改定の周知についてのご質問でございます。
保育料改定につきましては、
行財政改革推進プランに盛り込まれておりますが、昨年10月に同プラン案を公表するとともに、パブリックコメントを実施し、12月には、パブリックコメントで寄せられた市民意見の概要と札幌市の考え方を加え、同プランを公表したところです。さらに、広報さっぽろ1月号の
行財政改革推進プランの特集記事の中で保育料改定について掲載するとともに、ことしの1月には、保育所に入所している児童の全保護者を対象に、保育料改定の必要性等について説明するパンフレットを配付し、周知を図ってきたところでございます。また、各種報道機関を通じて情報発信にも努めてきたところでございます。
なお、保育料改定に対する市民意見としては、子育てに係る費用の負担軽減についての要望が多いと認識しており、これにつきましては真摯に受けとめているところでございます。
◆石川佐和子 委員 市民意見を真摯に受けとめているというような今のお話でありました。これまでの繰り返しになりますが、そうでありましても、保育所整備に向けては利用者負担をお願いしたいというような答弁がありました。
他都市のことを少し調べてみたのですけれども、札幌市と同様に厳しい財政状況にあるほかの都市でも、認可保育所の入所申込数が年々増加し、待機児童解消のために保育園を増設し、施設整備に費用がかかるけれども、市税の収入は減少している、また、扶助費等の義務的経費は増加するなど、そうした背景は札幌市と同じだというふうに思っています。例えば、名古屋市では、詳しく調べることはできませんでしたけれども、保育料の値上げの幅は200円から900円程度になっているようです。
また、川崎市では、昨年10月から12月にかけて、保育サービスのあり方検討委員会を設置しています。その中で、保育費用の負担のあり方について協議、検討し、保育所以外の保育関連施設も対象としてサービスのあり方を検討した様子がうかがえました。もちろん、この検討委員会メンバーとしましては、子育てグループ、また保育所の保護者会の代表という方々も参加されていました。その中の資料を見ますと、保育料徴収の階層区分については、先ほど札幌市においても階層区分を考慮すべきという質疑がありましたが、国の基準では8階層、札幌市は現在12階層になっていますけれども、川崎市におきましては、保護者の所得税額に応じた負担となるように26階層となっています。また、低所得者は据え置き、そして、中間層に比較的小さい負担増、ある程度以上の高所得者に対しては応分の負担設定が必要という考え方がそのあり方検討会の中で示されています。現在のこうした社会経済状況をかんがみての丁寧な議論を経て、検討委員会の結論を出しております。昨年の10月から12月ぐらい、4カ月前ぐらいのことでした。
保育サービス全体を考えたときに、札幌市は、例えば、認可保育所への公費負担、それから認可外もありまして、そうした負担の割合が違うので、それを押しなべて同じようにしていきたいというような全体を考えてのことをおっしゃられますけれども、検討しているそうした情報を市民にも見える形で公開していくことが必要だというふうにも考えますし、札幌市の子育て施策の今後の方向性を見定めるような丁寧な検討の上での提案とするとともに、保育サービス全体において当事者参加での議論が必要であるというふうに考えるところです。それに加えて、これまでも申し上げてきましたように、経済の先行きに少しでも展望が見えなければ、保護者にとっても今回の提案は非常に厳しいというふうに私どもは考えているところです。
そのようなことから、今回の保育料改定の提案は、先ほども改定する時期ではないのではないかというくだりがありましたけれども、時期としても尚早と考えますし、また、提案の進め方も拙速ではなかったかというふうに考えるところですがいかがか、伺います。
◎堂前 子育て支援部長 同じ内容になるかと思いますが、改めてお答えさせていただきます。
札幌市では、日本一の子育てしやすいまちの実現を目指して、希望する人すべてが保育サービスを受けられるように定員増を図っていくこととしております。子育て支援全体の視点を持って、すべての子育て家庭に対する支援を充実してまいります。財政状況が厳しい中でございますので、そういった施策について持続可能なものとするために、保育料の見直しについて、ぜひお願いしたいということでございます。
◆石川佐和子 委員 重ねて伺うと、重ねてと言うのを忘れましたけれども、最後に申し上げたいと思います。
先ほどの陳情者の方も、本市と市民との間の金銭感覚のずれということを言われておりました。この点に関しましては、重ねたお話になりますけれども、丁寧な説明と理解を求めることを私からも申し上げて、質問を終わります。
◆北村光一郎 委員 私からも、1点質問させていただきます。
私立幼稚園預かり保育運営支援事業費補助金についてであります。
先ほどから保育全般に関してのお話も出ておりましたので、なるべく簡潔にお話をさせていただきたいと思っております。
近年、都市化、核家族化、少子化など子育てを取り巻く社会環境が大きく変化する中で、子どもにどのようにかかわっていけばよいのか、悩んだり、孤立感を募らせる保護者が増加していると指摘されています。こうした状況を受け、札幌市内の私立幼稚園では、平成12年の幼児教育指導要領の改訂を受け、保育時間外に預かり保育を行っており、特に、ここ数年は、職業についているが幼稚園に通わせたい保護者からの要望も多く、実施している幼稚園、利用している園児数が年々増加している実態にあると伺っております。
昨年の札幌市私立幼稚園実態調査によりますと、アンケートに回答した121園の幼稚園の約9割で何らかの預かり保育を実施し、約8割の幼稚園で専任の担当者を設けて預かり保育を行っているとの実態がわかりました。しかしながら、保育所並みの時間帯と年間日数で預かり保育をできるかとの設問に対しては、できるとの回答が約1割にとどまるなど、長時間、長期間の実施は幼稚園の運営面から負担が大きいとの回答になっています。こうした幼稚園の預かり保育の現状から、少子化で幼児の数が減り、多くの幼稚園で定員割れの厳しい経営を強いられている中、個々の幼稚園が地域の実態や保護者の要請を受けとめ、工夫しながら実施している状況と同時に、保育所と同じような預かり保育の実施には札幌市からの具体的な支援が喫緊の課題と言えるのであります。
そこで、最初の質問でございますが、
子ども未来局で平成24年度から新たに実施しようとしている私立幼稚園預かり保育運営支援事業費補助について、補助の要件など事業の具体的な内容についてお聞きいたします。
◎堂前 子育て支援部長 平成24年度からの新規事業であります私立幼稚園預かり保育運営支援事業費補助金の具体的な内容についてお答えいたします。
委員からお話がございましたとおり、現在、多くの私立幼稚園では、園児を対象に、教育時間終了後に預かり保育を実施しておりますが、実施時間や夏休み・冬休みなど長期休み期間中の実施日数は、認可保育所と比較した場合、短いのが現状となっております。そこで、認可保育所と同程度の時間や期間を実施していただくことにより、保育を必要とする児童も幼稚園に入園することが可能となり、この事業は保護者の選択肢をふやすことになるものと考えております。
この預かり保育の実施時間や日数をふやすに当たりましては、当然、幼稚園の経費負担がふえることになりますので、これに必要となる事業費の一部を補助することとしたものであります。具体的には、月曜日から金曜日まで実施する幼稚園と、さらに土曜日も実施する幼稚園の二つの実施形態を想定しておりまして、時間帯は、朝8時から教育時間終了後は午後6時までとし、基本的に夏休み・冬休みなどの長期休み期間中も実施していただくことを補助要件としております。また、補助金額につきましては、認可保育所の入所要件である保育に欠ける状況にある児童の人数を基準に算出することとし、適切な補助執行のため、保護者の就労状況などを確認する必要もあると考えておりますが、詳細につきましては、今後さらに検討していきたいと考えております。
◆北村光一郎 委員 私立幼稚園としてもなかなかありがたい部分のお話かなと実は思っております。
ただいまのご答弁では、幼稚園の預かり保育補助金では、保育に欠ける児童の人数が補助額の基準となり、就労状況などの確認も必要になるとのことであります。
しかしながら、現在、保育所で行っている一時保育事業補助は、通常の保育所では対象とならない児童に対し、保護者の育児等に伴う負担軽減のためであれば、就労証明がなくても補助の対象となっており、幼稚園に対する新たな補助制度との整合性がとれていないと考えます。幼稚園の預かり保育では、保護者の要望があれば、その事由によらず、希望する園児をすべて対象に実施しています。これは、幼稚園の預かり保育が学校教育法と幼児教育指導要領による教育活動に位置づけられているからであります。
この預かり保育補助制度は、本年10月からスタートと聞いております。制度設計の詰めまでまだ時間があるので、預かり保育を利用するすべての子どもたちが、制度上、補助基準額の対象になるよう検討できないか、お伺いいたします。
◎堂前 子育て支援部長 幼稚園の預かり保育については、これまでも教育活動として実施してきていることは承知しているところでございますが、このたびの補助制度は、札幌市の喫緊の課題であります保育所待機児童対策の一つとして新たに創設するものでございます。この事業の実施によって、保育を必要とする児童が預かり保育を利用することを前提に幼稚園に入園することが可能となり、このような保育環境を整備することによって、潜在的な需要も含め、保育所待機児童の増加を抑制できるものと期待しております。
したがいまして、制度の目的からかんがみて、預かり保育を利用している園児のうち、保育に欠ける児童数を基準として補助金額を算出することとしておりますので、ご理解いただきたいと思います。
なお、この事業を効率的かつ効果的に実施するためには、保育所待機児童となっている3歳以上の児童を持つ保護者に、認可保育所と同程度の預かり保育を実施している幼稚園を知っていただくことが重要と考えておりますので、対象となる方々に対する周知方法もあわせて検討してまいりたいと考えております。
◆北村光一郎 委員 これからもう少し検討するという部分でお話をお伺いしました。
最後に、要望でございますけれども、ただいまのご答弁で、待機児童解消が急務であること、また、制度の目的から制約があることも承知いたしましたが、今国会で幼保一体化法案が提案され、市町村が実施主体となり、数年後には幼稚園と保育所が総合こども園に統合され、一元的に運営される予定となっております。ご提案の預かり保育補助制度では、この新システムとの整合性が見えないだけでなく、幼保の格差解消や幼児期の学校教育上の問題さえあることをぜひご認識いただきたいと思います。
札幌が市民憲章にある未来をつくる
子どもたちの幸せなまちであり続けるため、先進自治体や地域の実態をさらに検証し、子育て支援策として幼児教育に配慮した制度内容にするよう強く要望いたしまして、質問を終わらせていただきます。
○こんどう和雄 委員長 ここで、およそ30分間、委員会を休憩いたします。
――――――――――――――
休 憩 午後6時5分
再 開 午後6時35分
――――――――――――――
○こんどう和雄 委員長 委員会を再開します。
休憩前に引き続き、質疑を行いますが、その前に、委員長から申し上げます。
連日、大変ご苦労さまです。各委員の皆さんは、本当に一生懸命で、誠心誠意、質問をしていただいて、ありがとうございます。
そのことですが、きょうも夜が更けてまいりますので、質問される委員の方、それから理事者の方は、簡潔に要領よくお願いしたいと思います。
◆村上ゆうこ 委員 私は、子どもの市政参加の推進についてお聞きいたします。
札幌市子どもの権利条例は、子どもの最善の利益を実現することを目的としており、自立した社会性のある大人への成長、子どもの視点に立ったまちづくり、権利侵害からの救済の三つを目指しております。
この中の一つである子どもの視点に立ったまちづくりを進めるに当たって、子どもの市政参加という取り組みを挙げられております。大人とは違った柔軟な子どもらしいアイデアを出してもらい、それを実際の市政に生かしていけるようにしていく、また、子どもにもわかりやすい施策を実施していくというような視点に立って考えていくことは、とても重要なことであります。これらに加えて、子どものころからまちづくりに親しむということが、将来の札幌市の担い手となる
子どもたちを育成していくための非常によい機会となり、また、
子どもたち自身も、自分たちが札幌市の発展の担い手になっていくことを自覚していくことにもつながっていくと考えられますので、この点からも、子どもが市政に参加するということは非常に貴重なものであると考えます。
ところで、一口にまちづくりと言いましても、身近な地域に関する事柄もあれば、市全体として考えていかなければならない事柄までさまざまなものがあります。子どもがこうした地域レベルから全市レベルまでのまちづくりに幅広くかかわっていくことができるのは当然のことだと思いますが、一方、子どもはまだまだ成長の途上にあることを考えますと、その市政参加に当たっては、大人とはまた違ったハードルがあるものと思われます。したがいまして、子どもの市政参加を進めていくためには、そういったハードルをできるだけなくしていくように、本市としても十分に配慮していかなければならないと考えます。
このように、子どもの市政参加をより一層充実させていく必要があると考えますので、初めに、子ども議会とキッズコメントについてお伺いいたします。
子ども未来局が主催する子ども議会は、全庁にまたがるテーマに関する市政参加の機会として、子どもの権利条例の制定前からこれまでに11回実施していると聞いております。ことしの1月6日にも2011年度の子ども議会が行われ、私も傍聴させていただき、大変すばらしく、感動いたしました。このような子どもの市政参加を進める取り組みを継続して行っていることについては、高く評価したいと思います。
子ども議会については、2001年、平成13年に開始され、当初は、将来のまちの姿というテーマで子どもたちがそれぞれの思いを語るという内容であったところ、5年前からは、実際の市議会に近い形となり、市政課題をテーマとして位置づけるようになっていると聞いています。このように、実際の市議会と同様に、子どもが市政へ提案する機会を継続していくこと自体も大切ですが、さらに、子どもが提案した内容が実際の市政に反映され、実現されるようになったならば、
子どもたちにとっても大変大きな自信につながるものと考えます。
そこで、質問ですが、これまで続けてきた子ども議会をどのように評価されているのか、また、子ども議会で提案された意見で具体的に市政に反映されたものがあれば、どのようなことがあるのか、お伺いいたします。
◎金田 子ども育成部長 私から、子ども議会における意見の市政への反映とその評価についてお答えいたします。
子ども議会は、子どもが市政に参加し、意見を述べる場として、非常に大切な機会であるというふうに認識しております。
子どもたちは、自分たちで積極的にテーマを決め、選択し、楽しみながら市政を学ぶとともに、お互いの考えを出し合いながら議論し、改善点などの意見をまとめて提案し、理事者側もそれを真摯に受けとめて子どもに対応しているところです。
条例制定後の平成21年度と22年度に実施した子ども議会では、合わせまして16件の提案が出されておりますが、例えば、住民の防犯意識を向上させる花いっぱい運動の積極的なPRなど、12件の提案について実施、もしくは実施に向けた検討がなされているところでございます。また、ことしの1月、委員がごらんになっていただきました子ども議会でございますけれども、小学生25人、中学生20人、高校生10人の55名が参加しておりまして、消防局の市民防災センターに対して、来館者が防災についてもっと深く学べるようにいろいろ書き込めるシートをつくったらどうかという提案がありました。消防局では、これを実現するために、提案した子ども議員と意見交換を行っていったところでございます。
今後も、各部局と連携を図りながら、より多くの子どもの提案が実現できるよう、子ども議会の充実に努めてまいりたいと考えております。
◆村上ゆうこ 委員 子ども議会につきましては、
子どもたちの市政参加のための貴重な機会と考えられますので、これからも、引き続き、より一層の充実をしていっていただきたいと思います。
次に、キッズコメントについてお聞きいたします。
子どもの権利条例の制定や子どもの権利推進計画の策定の際に、キッズコメントを行ってきています。また、最近は、第3次札幌新
まちづくり計画を策定する際にも行われるなど、札幌市は、こうした機会をとらえて、子どもたちに情報を提供した上で、
子どもたちの意見を丁寧に聞くということをしております。こうしたことは、
子どもたちの市政参加という点から見て非常によいことだと考えます。今後も継続していってもらいたいと考えております。キッズコメントは、常時行われているわけではございませんが、興味のあるテーマについて
子どもたちが気軽に自分の意見を言うことができることから、その長所を今後も生かしていく必要があると考えます。
なお、子どもの意見を聞くということは、やはり、
子ども未来局が実施する事業の中に多いように見受けられます。しかしながら、どの部局にも
子どもたちにかかわる事業は多いことと思われます。
子どもたちの市政参加を真剣に育成し、支援していこうとするのであれば、
子ども未来局に限らず、どの部局ももっともっと
子どもたちの声を聞くという機会を積極的に設けるよう、特に
子ども未来局から働きかけていただきたいと思います。
そこで、質問ですが、キッズコメントを初めとして、市政に子どもの意見を取り入れる工夫が必要ですけれども、今後、その充実に向けてどのように取り組もうとしているのか、お伺いいたします。
◎金田 子ども育成部長 キッズコメントにつきましては、大人と同じ市民であります子どもの意見を市政に反映するという趣旨から取り組みを始めたものでございます。委員ご指摘のように、今回の新
まちづくり計画策定の際にもキッズコメントを行っておりまして、その中には、みんなが楽しみながら参加できるまちづくりがあったら私も参加してみようと思うというような意見が出されたところでございます。
先ほどの子ども議会においても同様でございますけれども、子どもの意見というのは、大人が思いつかない斬新なものであったりするところが驚きでございます。市が実施する事業は、子どもが全くかかわらないという事業は少ないと思われます。そのような子どもの意見に耳を傾けるキッズコメントの機会を増加するために、庁内組織でございます子どもの権利総合推進本部においてその手法を議論いたしまして、さらに、各部局に対して働きかけを進めてまいりたいというふうに考えております。
◆村上ゆうこ 委員 最近、子どもたちの自己肯定感が低下していると言われております。子どもたちみずからが生きるエネルギーや自分に対する自信を持ち、自分はこの世で本当に大切な存在だと思えることが大事だと思います。子ども議会やキッズコメントでの経験は、市政に積極的にかかわっている、参加しているのだということで、子どもたちの自信の獲得につながっていくものですし、大切にしていかなければならないと考えます。また、自分たちの提案が、そのままでは実現しなかったり、あるいは、実現するとしても時間がかかったりすることがあっても、子どもたちにそのプロセスを丁寧に説明することにより、子どもたちの納得も得られるものと思われます。また、自分たちの提案が実現するかどうかという過程を見ていくことも、実際に民主主義を学ぶ機会として大切なことであると思います。今まで述べましたように、子ども議会やキッズコメントについては、子どもたちの市政参加の充実という点から今後もますます発展させていっていただきたいと思います。
しかしながら、いずれも全市レベルのテーマであり、また、子ども議会の開催は年1回であることを考えますと、もう少し子どもたちの身近なところに市政参加の機会がふえるとよいのではないかと考えます。現在、札幌市内には児童会館が104カ所ございますが、私は、子どもたちにとって非常に身近な施設となっているこれらの児童会館においても、子どもたちの市政参加へのかかわりを強めていくようにしていくべきだと思います。
そこで、質問ですが、児童会館では実際に市政や身近な地域のまちづくりにかかわる事業はどのくらいあるのか、また、今後どのように子どもたちの市政への参加を進めていきたいと考えているのか、お伺いいたします。
◎金田 子ども育成部長 児童会館での市政やまちづくりへのかかわりについてでございます。
児童会館では、市役所の各部局から依頼されるなどいたしまして、市政にかかわる活動を今年度は23事業を実施しております。一例を挙げますと、現在行っておりますまちづくり戦略ビジョンの策定に関しまして、児童会館の子どもたちが札幌の未来について話し合い、意見を提出するなど、市役所内部においても子どもたちの声を市政に生かそうとする取り組みが広がりを見せております。また、すべての児童会館で子ども運営委員会を設置しておりまして、会館運営に子どもたちが積極的に参加するとともに、地域の共催行事の企画や運営を通じまして、子どもたちが地域のまちづくりに参加する事例もふえてきているところでございます。
今後も、未来の札幌を担う
子どもたちが、地域に愛着を持ち、まちづくりに主体的にかかわっていく心を養うことで、日常的に地域や市政にかかわる大人となるよう、児童会館を
子どもたちのまちづくりの拠点として、積極的に地域にかかわる活動を充実させていきたいと考えております。さらに、市役所の各部局に対しましても、子どもの視点に立った事業展開がなされ、子どもの市政参加が進むよう一層の努力をしてまいりたいと考えているところです。
◆村上ゆうこ 委員 最後に、要望になります。
子どもの権利条例は、施行後3年が経過しようとしております。今後とも、将来の札幌の担い手となる子どもの意見を聞くということを大事にしながら、子ども議会、キッズコメント、児童会館における子ども運営委員会、さらには、子どもに対するアンケートなど、さまざまな機会をとらえて
子どもたちの意見、要望、提案を聞く取り組みを継続し、子どもの声を市役所の仕事、業務に生かしていくという視点を持ち続けていただくことを要望します。
また、本市では、2009年から11月20日をさっぽろ子どもの権利の日として定めております。その前後に、子どもの権利月間として児童会館などで行事も行われていると思いますけれども、まだなかなか周知されていないと聞いております。ぜひ、ことしからは、札幌市民のだれもが、子どもの権利条例があるまち札幌ということを知って、
子ども未来局を先頭に、子どもの視点のまちづくりに全庁的に取り組んでいくことをお願いいたしまして、私からの質問を終わります。
◆國安政典 委員 私からは、4項目質問させていただきたいと思っております。
シティサロンについてとさっぽろ親子絵本ふれあい事業のこと、それから、放課後の居場所のこと、さらには、社会的養護の中でも自立援助ホーム、赤ちゃんから18歳、20歳まで、小さい順番に質問させていただきたいと思います。
まず、市役所本庁舎を活用しました子育てサロン、いわゆるシティサロン事業について、最初に伺います。
この事業は、平成19年8月にスタートいたしまして、毎月第3木曜日に市役所本庁舎で開催されております。事業開始の1回目は、都心のシンボルでもあります市庁舎の1階ロビーで開催されました。このときは、さまざまな報道もあったり、注目を浴びて、非常にインパクトもあったかと思うわけであります。子育て中の親子が集まり、遊びの体験などの情報を交換する、交流を深める、そういう目的だけではなくて、親子が買い物などで気軽に立ち寄れるくつろぎの空間の提供というこの事業の趣旨に沿った運営でありました。最近は余り耳にしなくなりまして、どうなったのかなと心配をしていたところでありますが、6階の会議室で開催されていると聞いております。
そのような中、昨年7月15日には、子育て支援総合センターにおきまして、札幌国際プラザと共同での催しが開催されました。そのテーマは「子育てで国際交流 赤ちゃんを育てる外国籍のお父さん、お母さんと交流しよう」ということで、これには、日本人親子10組22名、外国籍の親子7組15名が参加しました。特に、日本人親子対象の募集におきましては、受け付け開始からすぐに定員に達するということで非常に人気も高く、また、実際に行われました会場では和やかな雰囲気の中で盛況であった、そしてまた、評判もよかったと聞いております。次回開催の要望も高いわけであります。
このように、外国籍の親子と子育てを通じて日本人親子が交流することは、将来の国際交流の芽を若い世代のうちから着実に育てるということでありますから、国際都市さっぽろらしい試みであると思いますし、今後も推進するべきであると私は思います。また、子どもたちを介して都心に市民が集まり、にぎわいを醸し出すということは、都市の魅力を高めることにもつながっていくというふうに考えるところであります。
そこで、伺いますけれども、都心という利便性やシンボル性を生かして、日本人の市民はもちろんでありますが、外国籍の方も含め、多くの子育て中の親子が気軽に立ち寄って交流できるようなシティサロンとしていくべきというふうに思いますがいかがか、伺います。
◎堂前 子育て支援部長 シティサロン事業の見直しに関してでございますが、利用者にさらに喜ばれる内容の工夫や子育てサロンにふさわしい会場の確保等について、これまで検討を行ってまいりました。その検討の中で、委員のお話にもございましたように、昨年7月に札幌国際プラザと共同で開催いたしました事業の評判がよく、利用者からも次回開催の要望が強く出たところでございます。
そういったこともございまして、同プラザと協議を進めてきたところでございますが、その結果、札幌国際プラザの会議室を利用いたしまして、シティサロン事業を共同開催することとし、新年度からの実施に向けて準備をしているところでございます。同プラザとの共同開催となることから、子育て中の親子が自由に気軽に立ち寄り、遊びの体験や情報交換を通して交流を深めるとともに、しかも、共同開催ということでございますので、国際色豊かな事業になるように関係者とさらに協議を進めてまいりたいと考えております。
◆國安政典 委員 新しいシティサロン事業は、外国籍の親子と日本人親子が交流してさまざまな外国の文化とも触れ合うということで、これはとてもいい見直しであるというふうに思いますので、関係の方々の今後の工夫と努力に期待したいと思うところであります。
次に、市役所本庁舎1階ロビーを活用した子育てサロンの実施について伺います。
最初に申し上げましたけれども、このシティサロン事業の1回目は市庁舎1階ロビーで開催され、子育てサロンの具体的な実施状況を見ていただきながら、あわせて、札幌市の子育て支援策の紹介もなされて、市役所を訪れる市民へのインパクトのある事業だったと思います。未来を担う子どもと子育て家庭を市民全体で支援することは、大変重要であるというふうに思います。このため、札幌市の子育て支援策を機会あるごとに効果的に市民へPRし、市民がこれらの支援事業を利用すること、あるいは、多くの市民が子育て支援への理解を一層深め、担い手として活躍するということは、札幌市の子育て支援を市民全体で推進することに大きく寄与するものであると思います。
そこで、札幌市の子育て支援の状況を効果的に情報提供し、市民へPRするために、せっかくの都心のシンボルである市役所本庁舎1階ロビー空間、これがあるわけですから、このロビーを活用して子育てサロンなどを行って、多くの市民が集い、そして参加できるような機会の提供をいま一度考えてもいいのではないかというふうに思っております。ただ、冬場は、1階は寒いということもあります。そういった意味では、定例的な開設は無理なのかもしれませんけれども、定例的でなくとも、親子にとって過ごしやすい季節を選ぶなどして、市役所本庁舎1階ロビーを活用して市民が交流できる機会の提供も必要であると思います。
そこで、伺いますけれども、市民への子育て支援の一層の周知を図り、市民全体で子育て家庭を支える機運を高めるその一助として、市役所本庁舎1階ロビーを活用した子育て支援に関する事業のPRについて実施するお考えはあるのか、伺います。
◎堂前 子育て支援部長 市役所本庁舎1階ロビーを活用した子育て支援に関する事業のPRについてでございます。
委員のお話にもございましたように、平成19年8月に本庁舎1階ロビーで実施いたしました最初のシティサロン事業では、子育てサロン利用の親子は46組いらっしゃいました。現在のシティサロンの1回平均は13組程度でございますので、それと比べましてもサロン利用者が多く、また、同時に行いました区ごとの子育てサロンの紹介パネルの前にも多くの市民が足をとめて見ていただいたとのことで、札幌市の子育て支援事業のPR効果としては高かったものと考えております。このように、本庁舎1階ロビーでの子育て支援の事業は、子育て中の親子や市民の方が集い、交流するなどの効果があります。また、最近では、本庁舎1階ロビーは元気カフェの営業に伴い、市民の憩いの場として大変にぎわっております。こういった場所を活用して、子育て支援の一層の理解と協力が得られるような事業とすべく、新たに、例えば、子どもに安全で良質な玩具で遊べるコーナーをあわせて設置することや、さっぽろ市民子育て支援宣言をPR映像で紹介することなどを検討してまいりたいと考えております。
なお、開催時期につきましては、過ごしやすい暖かな季節を選びまして、6月から9月の間で開催することを検討したいと考えております。
◆國安政典 委員 子育てしやすいまちづくりを進めるには、行政の努力だけではなく、市民の理解と協力が必要であります。そういった意味でも、市民が多く集まる機会を活用して子育て支援についての情報提供や参加を促す上で非常に有効な事業となるというふうに思いますので、積極的に進めていただきますよう求めて、この質問は終わらせていただきます。
次の質問に入ります。平成21年10月にスタートいたしましたさっぽろ親子絵本ふれあい事業について質問させていただきます。
この事業は、10カ月乳幼児健診に合わせて、健診に参加した親子を対象に健診会場で絵本の読み聞かせを行い、そのときに健診会場で親子が好きな絵本を選択してもらって提供するというものであります。乳幼児が絵本に触れることの大切さを子育て家庭に伝えるということと、絵本を通じて親と子どもが心触れ合う機会をつくる、そういった制度であると思います。スタートの平成21年10月から平成24年2月末現在までに、3万2,982組の親子に対して絵本を提供していると聞いております。
最近の国民の読書離れあるいは活字離れ、こういったことが進んできている社会状況を考えますと、若いときから読書に親しむことは、コミュニケーション能力の向上や、考える力や想像力の涵養、また、豊かな人間形成をはぐくむものでありますので、大変大切なことであると考えております。幼いころに母親あるいは父親から読み聞かせられた経験のある子どもたちは、中学生になっても読書習慣を持つ子どもが多いという話を耳にするわけであります。10カ月健診という機会をとらえて実施しておりますさっぽろ親子絵本ふれあい事業は、子どもへの読み聞かせ習慣のための機会を幼少時の早い時期から提供するものでありますので、自然と読書習慣が身につけられることによる子どもの健全な育成や、読み聞かせによる親子の触れ合い、きずなに大きな効果が期待される事業であると思います。
そこで、伺いますけれども、この事業に対する利用者の評価を札幌市としてはどのようにとらえているのか、伺います。
◎堂前 子育て支援部長 さっぽろ親子絵本ふれあい事業に対する利用者の評価についてでございます。
この事業がスタートしてから1年経過後に、実態を把握するためのアンケート調査を実施したところでございます。このアンケート調査は、平成22年12月に行われた1歳6カ月児健診対象世帯の1,063世帯に対し、アンケートを送付いたしまして、そのうち、734世帯、約69%から回答をいただいております。そのアンケート調査の中で、95%の保護者の方から、子どもへの読み聞かせを継続しているとの回答をいただいております。この子どもへの読み聞かせを継続していると回答した保護者のうち、80%がこの事業が子どもへの読み聞かせのきっかけとなった、半数の保護者が子どもへの読み聞かせを毎日継続している、さらに、97%の保護者が子どもと一緒に絵本を楽しみ、子どもとの心触れ合うひとときを感じているとの回答があり、利用者の方々からの評価が高いと考えております。
札幌市といたしましても、アンケート調査の結果から、この事業が親子間の読み聞かせのきっかけとなり、それにより、親子が心触れ合う大切な時間を過ごしていることがうかがえ、将来の子どもの健全な発育に貢献する貴重な事業だというふうに認識しております。
◆國安政典 委員 次に、さっぽろ親子絵本ふれあい事業でのブックスタートの次の段階として、セカンドブックについて質問させていただきます。
読書習慣を身につけて豊かな感性を涵養していくことは大事だと先ほども申し上げましたけれども、さらに、子どもの発達や成長過程に応じた一連の読書活動の支援ということが必要であるというふうに思います。このことから、平成22年の決算特別委員会におきまして、私どもの会派の本郷委員から、さっぽろ親子絵本ふれあい事業に関連して、次の事業の展開として、将来的なセカンドブックの検討について質問したわけであります。
さっぽろ親子絵本ふれあい事業は、既に3年目となりまして、制度としても定着し、先ほどの答弁では、評価も非常に高いわけであります。その読書習慣を効果的にするためにも、発達や成長過程に応じた機会の提供が必要であります。また、さっぽろ親子ふれあい事業、ブックスタート事業は親子の触れ合いや読書習慣に効果が大きいということでありますから、次の成長段階をとらえて新たなセカンドブック事業を実施すれば、
子どもたちの読書習慣を定着させて、さらに深め、広げる機会となると思います。
そこで、伺いますけれども、子どもの発達、成長過程に応じた読書の機会を提供するため、現在のさっぽろ親子絵本ふれあい事業でのブックスタートの次の段階として、セカンドブックを検討すべきではないかと考えますがいかがか、伺います。
◎堂前 子育て支援部長 委員のお話にもございましたように、子どもの発達・成長過程に応じた読書活動の支援は重要なことだと考えております。特に、幼少期に母親や父親が子どもに絵本等の読み聞かせを行うことは、将来の子どもの成長や親子関係にとって大変大切なことだと考えております。
さっぽろ親子絵本ふれあい事業のアンケート調査結果では、多くの方が絵本の読み聞かせを継続され、親子の触れ合いに効果があるとのことから、さらに親子が本と出会う機会の拡充を図るセカンドブックにつきましては、今後、前向きに検討してまいりたいと考えております。
◆國安政典 委員 第2次札幌市子どもの読書活動推進計画の基本方針の中にも、子どもの発達段階に応じて、それぞれの興味・関心を尊重しながら、
子どもたちが自然に読書に親しみ、進んで読書習慣を身につけることが大切であるというふうに触れられております。また、白石区複合庁舎整備基本計画(案)の中で検討されております絵本図書館、仮称でありますが、これも、主に幼児を対象に、ボランティアの協力も得ながら読み聞かせ等を介して読書に親しむ機会を提供するというふうに伺っております。こうしたさまざまな事業を通して読書習慣を身につけることが、
子どもたちの健全な育成にとって重要であるというふうに思います。
セカンドブックにつきましても前向きに検討いただけるということでございますが、今後も、地域の力も活用しながら、関係機関がしっかりと連携して取り組むよう積極的に推進していただきますことを要望して、この質問は終わります。
次に、放課後の子どもの居場所のことについて伺わせていただきます。
昨年、平成23年の決算特別委員会でも取り上げさせていただきましたけれども、今、札幌市におきましては、小学校の余裕教室を活用したミニ児童会館などを、順次、整備してきているところであります。ただ、そういった中でも、特殊な地域事情などから、従来の考えではなかなか進まない地域もあるということで、以前にそのことを指摘させていただきましたが、さまざまな工夫をして、昨年3月には、北区の新川西地区に、放課後子ども教室モデル事業として、地域の方々の自主運営という形で初めて学校から外に出て西こども館ピースが設置され、地域でも非常に喜ばれているところであります。
私が一番興味がありますのが、余裕教室がなかなかない場合に、新川西のように外に出られればいいですけれども、そうではない場合もあるだろう、そういったところはどうやっていくのかということを注視しておりました。そうしたら、平成24年度予算の概要の中に、余裕教室が確保できず、当面、ミニ児童会館の整備が困難な小学校において、全児童の放課後の居場所対策として新たに放課後子ども館という事業を実施するというふうにありました。
この放課後子ども館の事業内容はどのようになっているのか、具体的にお聞かせください。
◎金田 子ども育成部長 放課後子ども館の事業内容についてお答えいたします。
本市の放課後児童対策は、児童会館及びミニ児童会館において、児童クラブの子どもも一般利用の子どもも分け隔てなく育成することを基本として、これまでは、ミニ児童会館の整備を進めることで全小学校区における放課後の居場所の確保を目指してまいったところでございます。ただ、委員ご指摘のように、余裕教室が確保できない小学校におきましては、ミニ児童会館の整備がなかなか進まないことになっていたところでございます。そこで、学校と調整いたしまして、放課後の時間帯にあいている教室が確保できるところにつきましては、その教室を使いまして、子どもの放課後の居場所を確保する事業として放課後子ども館を実施することにしたところでございます。
放課後子ども館の開設時間につきましては、ミニ児童会館のような専用の活動室が設けられないこともございまして、学校の協力を得ながら運営する必要があり、平日は授業終了後から17時まで、土曜日は休館となりまして、また、長期休業時には10時から15時まで開設されることになっております。
◆國安政典 委員 余裕教室が全くない小学校において、新たな手法として放課後の居場所が確保できるという意味では、大変に評価をさせていただきたいというふうに思います。
伺いました2カ所はいずれも地元北区ということで、感謝しております。しかも、1カ所は私の居住する小学校区でありまして、もう既に声が届いてきております。よかったという声、また同時に、この先について聞かれるわけであります。当然、そういうふうになると思いますが、余裕教室を確保できない限り、ずっとこういう形で事業をされていくのか、ミニ児童会館へと転換していくのかと。実際に、お母さんからも、いつになったら、17時までではなくて、しっかりと――今回は7時までということでありますから、その辺の期待の声も寄せられているわけでありますが、今後の見通しについてどういうふうにお考えになっているのか、伺います。
◎金田 子ども育成部長 今後の見通しについてでございます。
放課後子ども館は、当面、ミニ児童会館が整備できない小学校において放課後の居場所を確保するという暫定的な事業でございます。先ほど申し上げましたとおり、本市の放課後児童施策の基本的な考え方は変わっておりませんので、余裕教室が確保できた場合や学校の増改築に合わせまして、随時、ミニ児童会館に転換していきたいというふうに考えているところでございます。また、ここ数年において増改築を見込めない小学校につきましては、既存の校舎の中で余裕教室が確保できるように学校側や教育委員会などと協議してまいりたいというふうに考えているところでございます。
放課後子ども館は、新たな事業ということで実施するものでございますので、運営方法につきましては、利用者である子どもや保護者の皆さんの声をお聞きしながら、より充実した事業となるように検証を行っていきたいと考えているところでございます。
◆國安政典 委員 ことし初めてやるわけでありますから、その状況を見なければいけないのは当然のことであるというふうに思うわけでありますけれども、一方で、やはりそういう要望も強いわけですので、余りゆっくり考えている暇はないと思います。スピード感を持って進めていただきたいと思います。また、例えば、地域の学生のボランティアとか、そういった地域の力も活用するとか、さまざまな工夫をして開設時間を延長するということも可能ではないかなというふうに思います。
それから、今回考えられております茨戸小学校というのは小規模校で、今後、余裕教室が本当に出るのかということもあるわけです。同様に、今後、ほかの区でもこういった場所が出てくるかもしれません。そういった場合にどうしていくのかということは、早く考えていかなければいけないと思います。大変かもしれませんが、プレハブででも建てるとか、そういった手法も考えなければいけないときが来るかもしれません。(発言する者あり)軽量鉄骨という形だそうでございますが、(発言する者あり)そうですね。なるべく費用もかからない形を工夫しながら、そういったこともぜひ検討していただきたいということを求めます。
もう1点、市長は、第3次札幌新
まちづくり計画で、すべての小学校区に余裕教室を活用したミニ児童会館等の整備を進めるということなので、そういった意味では、今の放課後子ども館でここの小学校区は終わったというのは、私は違うと思っています。クラブをしっかり設置するまで執念を持って取り組んでいただきたい。ここを言うのが大事でした。このことを言わせていただいて、次の質問に入らせていただきます。
次に、自立援助ホームについて伺います。
これも、以前、平成20年の決算特別委員会のときにも質問させていただいておりました。
社会的養護のもとで育った
子どもたちは、施設を退所して自立するに当たっても、当然、保護者の支援を受けられない場合が多いですので、さまざまな困難に突き当たることが多いわけであります。そういった意味では、自立への支援が重要であるということから、自立援助ホームの整備について平成20年の決算特別委員会で指摘させていただきました。それから時もたちまして、市内には幾つかの事業者が届け出をされているというふうに聞いております。
確認の意味で、現在、札幌市には自立援助ホームがどれぐらいあって、定員に対してどれぐらいの子どもが入所しているのか、伺います。
◎難波
児童福祉総合センター所長 まず、設置数、定員数と入所者数についてでございます。
設置数は市内に3カ所、定員は各施設とも6名で、合計では18名となっております。これまでの3カ所の入所児童数でございますが、男子6名、女子7名の計13名であります。現在の入所児童数でございますが、男子3名、女子4名、計7名という状況になってございます。
◆國安政典 委員 定員18名に対して7名の子どもが生活しているということで、定員に対して極端に少ないと思いますけれども、このことについてどのように考えていらっしゃるのか、伺いたいと思います。
さらに、この施設を退所して就職する
子どもたちは、それぞれ複雑な家庭環境を抱えておりますから、自立するための親からの支援も難しい状況の中で、また、精神的にもまだ未熟な18歳ぐらいの子どもでありますから、非常に大変なことであるというふうに思います。そういった意味でも、特に就労支援が重要であると思いますけれども、新年度予算で初めて就労支援コーディネーター派遣事業費が計上されておりましたので、この内容と自立援助ホームへの活用についてもあわせて伺いたいと思います。
◎難波
児童福祉総合センター所長 改めまして、自立援助ホームにつきましては、児童養護施設などを退所いたしまして、就労または就職を希望いたします20歳未満の児童等に対しまして、共同生活をしながら生活の指導、就業の支援を行うものでございますが、この自立支援ホームの入所の児童が少ない理由につきましては大きく二つほどあると考えております。まず、一つ目でございますが、児童養護施設等を退所して就労する児童等に対しましては、これまで施設が中心となって就労支援をしており、就労後の居住についても既に確保している場合が多いこと、二つ目といたしまして、自立援助ホームに入所した場合であっても、就労意欲の低下や支援への不適合から、生活が安定する前に退所する児童等がいることなどの理由があると考えてございます。
次に、就労支援コーディネーター派遣事業の内容と自立援助ホームへの活用についてでございます。
まず、就労支援コーディネーター派遣事業の内容でございますが、児童養護施設等に入所しております中学校・高校卒業予定者の就労を支援し、社会的自立を促進するために、就労支援コーディネーターを施設に派遣して、就労を希望する子どもにきめ細やかな支援を行うものでございます。その内容といたしましては、面接試験のためのロールプレーイング、あるいは、就業するための各種オリエンテーション、社会的自立のために必要なコミュニケーション能力の向上、こういったことが支援内容となっております。
次に、自立援助ホームへのこの派遣事業の活用についてでございますが、この事業は、児童養護施設のほかにも、自立援助ホームに入所している子どもたちを対象とすることができます。現在、同様の事業を北海道が実施しておりますので、札幌市といたしましても、北海道との役割分担を協議しながら、自立援助ホームに入所している子どもの社会的自立を図れるよう検討を進めてまいりたいと考えております。
◆國安政典 委員 昨年7月に、社会的養護の課題と将来像ということで、児童養護施設等の社会的養護の課題に関する検討委員会・社会保障審議会児童部会社会的養護専門委員会というところで取りまとめた将来像の概要というものを見たところです。この自立援助ホームの課題と将来像という中に、対応の難しい児童への対応ということで、自立援助ホームは、本来、児童養護施設よりも自立度の高い利用対象を想定しているが、被虐待、発達障がい、精神科通院、高校中退、家庭裁判所の補導委託や少年院からの身元引き受けなど、さまざまな困難を抱えている児童を引き受けている実態があるということで、本来、対応しがたい児童は児童養護施設や児童自立支援施設等で引き受けるべきであるけれども、この自立援助ホームの特色を生かして多様な利用者を支援していこうということが示されております。
さらに、平成23年4月現在、全国で76カ所ですが、これを26年度までに160カ所整備しようと。さらに、想定される将来像としては300カ所ということで、このニーズが高いというのが国としての考え方です。このように、これからもっと広げていこうという流れの中にあって、最初に申し上げましたように、定員をなかなか満たしていない状況の原因はどこにあるのか。私も明確な結論を得ておりませんけれども、今申し上げた将来像のとおり、対応の難しい児童もここで支援してもらおうという視点を持てば――今、札幌市の事業者、3カ所のNPOの方々は、そういう難しい子でも対応していこうという熱意のある事業所だというふうに私は受けとめているわけでありますから、ぜひ、こういった力を活用していただきたいというふうに思うところであります。
さらに、就労支援の方でありますけれども、普通の家庭での生活とか、当然、社会経験も少ない子どもたちでありますから、なかなか難しい面があるかもしれませんが、本人たちが決断したことを尊重して認めることを通して子どもたちの成長を促していく、このことがこうした子どもたちには必要であるというふうに思います。そういった意味では、失敗したとしても帰ってくることのできる、そういう安心を与えることも子どもたちの自立のためには大変大きな力になるのではないかというふうにも思います。
そういった意味でも、今、答弁いただきました就労支援コーディネーター派遣事業をしっかりと活用しながら、就労支援も積極的に進めていただきますことを求めまして、私の質問を終わります。
◆小形香織 委員 私は、子どもの権利について幾つか質問したいと思います。
国連子どもの権利条約と本市との関係について、二つ聞きます。
国連子どもの権利条約は、国連の人権条約から発展して、女性あるいは民族など個別の人権へ発展して、そして、子どもの権利を認めていく、それを広げていくことがやがて大人になったときに人権保障につながっていく、そういう考えのもとでつくられてきました。国際社会の中で包括的な拘束力を持つ文書として、1989年に国連子どもの権利条約が出されました。日本は、1994年にこれを批准いたしました。批准をすると、国内に対しては、この条約に規定されている権利をきちんと実施することが義務づけられます。それから、国際社会に対する義務としては、実施状況に関する説明責任を負い、批准後2年以内、その後は5年ごとに報告書を出して、国連子どもの権利委員会による審査に従い、国内でさらに条約を実施していく義務が発生する、こういうものです。
日本は、1998年に第1回勧告、2004年に第2回勧告、2010年に第3回勧告が出されています。とりわけ、行き過ぎた競争的な教育が子どもの発達を阻害している、ここは改善するべきだ、しなさいということを3回にわたって指摘されております。
まず、国連子どもの権利条約については、第一義的には日本政府が改善するべきだと思いますけれども、地方自治においてもこの勧告を真正面から受けとめて、市民福祉を守る自治体としてやれることはすべて進めていくべきだというふうに思いますが、この点いかがか、伺います。
それから、とりわけ2010年に出された第3回の最終所見について伺います。
2008年にユニセフが行ったOECDの調査で、15歳未満の子どもたちに、あなたは寂しいですかという調査をしています。そして、OECD加盟諸国平均で寂しいと答えている子どもたちが7%あるのに対して、日本では30%を超える子どもたちが寂しいと答えています。そして、これを指して、この第3回の最終所見の中で、パラグラフ60になりますけれども、国連子どもの権利委員会はこう言っています。本委員会は、驚くべき数の子どもが情緒的幸福度の低さを訴えていることを示すデータ並びにその決定要因が、子どもと親及び子どもと教師との間の貧困さにあることを示すデータに懸念というふうに書かれています。
さらに、この貧困、寂しさということに触れながら、この最終所見の中では、例えば、労働規制が緩和されていること、民営化政策が行われていること、あるいは、教育費など子育てに対する国の支出が抑制されている財政政策があること、あるいは、新自由主義改革のもとであらわれている予算配分における子どもの権利への配慮に圧倒的な低下が起きていることなどなどをあちらこちらで指摘しております。その中で、経済政策及び財政政策が、給与カット、男女間賃金格差及び子どもの保育及び教育に関する私費負担の増加をもたらし、親、特に、母親家庭に影響を与えている、こういうことも指摘されています。とりわけ、寂しい子どもがたくさんいて、その背景には日本の貧困格差の社会が広がっているということがあるのだと、そこに踏み込んだ所見になっていることが特徴となっているというふうに私は思っています。
そこで、お聞きしますが、貧困が社会的背景に大きくあるのだという指摘は、私は、今日的で重大な指摘だというふうに思いますけれども、いかがお考えか、伺いたいと思います。
次に、本市が制定した子どもの権利条例についてです。
2009年に制定しました。そして、ことしは3周年目に当たるわけですけれども、本市の子どもの権利条例が市政運営にどのように反映されているのか、検証する時期だと思いますけれども、そうしたことを考えておられるのか、伺いたいと思います。
◎金田 子ども育成部長 まず、1点目の子どもの権利条約に係る国連勧告と札幌市の施策についてでございます。
国連子どもの権利委員会からの勧告の中には、例えばいじめや児童虐待に対する問題など、子どもが生活するあらゆる場面において子どもの最善の利益を考慮して実践的にかかわっていかなければならないものもございます。札幌市としても、対応していかなければいけない課題であるというふうに認識しているところでございます。
本市では、昨年度、子どもの権利に関する推進計画を策定いたしまして、その中で、例えば、子どもを受けとめはぐくむ環境づくりという視点から、勧告内容とも深くかかわる不登校、引きこもりや児童虐待の対応といった施策などの充実を図ることとしておりまして、今後も計画を着実に進めていくことが大切であるというふうに考えているところでございます。
また、その勧告の中に、子どもを対象にしたオンブズマン制度というふうな言い方をされておりますけれども、私どものところには子どもアシストセンターがございます。そちらも、制度の発足以来、子どもからの直接の相談が本当に多く寄せられておりまして、条例の理念に基づきまして、子どもの権利の侵害からの救済として一定の成果を上げているというふうに認識しております。今後も、適切な運営を図ってまいりたいというふうに考えているところでございます。
次に、OECDの調査の中で、寂しいと感じている子どもたちが30%以上いる、その貧困の問題、そういったところについてどういうふうに考えているのかということについてでございます。
子どもの貧困根絶に向けた取り組みというのは、豊かに育つ権利の観点からも重要であるというふうに認識しております。札幌市といたしましても、例えば、さっぽろ子ども未来プラン後期計画の中で、奨学金の充実などを初めとして、子育て家庭の経済支援を盛り込んでおりまして、可能な取り組みは進めていこうとしているところでございますが、国の制度に負うところが多いこともございまして、解決に向けては国に提言してまいりたいというふうに考えているところでございます。
それから、条例が制定されて3年ということで、市政運営にどのように反映されたのか、そのことを検証していく時期に来ているのではないかということについてでございます。
子どもの権利条例に基づきまして、子どもの権利の保障の状況を検証するための外部委員会であります子どもの権利委員会を設置しており、現在、検証作業を進めているところでございます。こちらは、今、2期目になっておりまして、積極的な話し合いを続けているところでございます。具体的には、先ほどご説明いたしました子どもの権利推進計画をもとに検討の視点を設けまして、事業をピックアップして検証していく形のものでございます。また、子どもの権利条例に基づく取り組み状況につきましては、市議会に報告させていただいておりますが、報告の前には、内部組織である子どもの権利総合推進本部とか、ただいまご紹介いたしました子どもの権利委員会に意見を伺っておりまして、適時、検証作業を進めているところでございます。
◆小形香織 委員 幾つか、数字を示したいと思います。
2007年に本市が行った自殺した札幌の子どもの数は、14人となっています。それから、2010年3月に本市が中学生から18歳までを対象にしたアンケートで、子どもの権利が守られていると思いますかという項目があります。そして、「守られていない」「どちらかというと守られてない」と感じる子どもが21%いました。その21%のうち、45%の子どもたちが、いじめや虐待、体罰など、そうしたものから心や体が守られていないと感じている、こういうふうに結果が出されています。
児童相談所の一時保護児童の数は、2006年が396名、2010年が316名と、さほど減っておりません。それから、本市の保育所待機児童数は、2007年4月の時点で531名、これは2010年4月の時点では1,290名で、毎年毎年、ふえております。同じく、保育所の超過入所は、2007年4月の時点で505名が2010年には871名と、これもまたふえております。それから、不登校児童の数は、小学校、中学校を合わせて2006年は1,555名、全児童に占める割合で言いますと1.09%、これが2010年に1,692名、パーセンテージで言うと1.23%にふえております。
こうした本市のさまざまな調査の推移などを見てまいりますと、減っていない、子どもの権利条例に照らして見たときに、子どもの最善の利益を十分に保障しているとは言えない実態だと思いますがいかがか、伺います。
◎金田 子ども育成部長 委員からお示しされた数字が現状ではないかというふうに思っておりますけれども、例えば、私どものところで毎日やっております子どもアシストセンターには、中学生、高校生の子どもたちからの悩みの相談が直接持ち込まれているところでございます。その内容を分析してみますと、現在の子どもたちというのは、やっぱり、なかなか相談する相手が見つからないと。そこのところに、先ほど委員がおっしゃっていたような寂しさの原因も見えてくるのではないかと考えているところでございます。そこにアシストセンターの相談員らが寄り添うことで、
子どもたちがここに相談すればいいのだという思いを持つ、そういうことを少しずつ続けていくことが非常に大切ではないかなというふうに考えているところでございます。
アシストセンターのカードで小さなものがありますけれども、これは全小学生に配っておりまして、
子どもたちが困ったなと思ったときにそういったものを手にとることができて、ここに相談してみようと思うこと、そういったことの一つ一つが子どもの権利を守る取り組みになっていくのではないかというふうに考えているところでございます。小さな取り組みかもしれませんが、それが必ずや大きな成果を生むものと信じて、毎日、
子どもたちの声を聞いているところでございます。
◆小形香織 委員 最初の質問でお答えになっておられた国連子どもの権利条約に関する問題は、やはり対応していかなければならない課題なのだ、こういうふうに答えておられましたね。それから、寂しさ、貧困の話で、これは豊かに育つ権利として大変重要な問題なのだということを答えておられました。私は、そういうふうにやることそのものをもっと積極的に進めていただきたいと思いますけれども、私は、とりわけ、条例が制定されて、子どもの最善の利益が保障されるようになったなということをみんなが実感できるようになるのが本来なのではないかというふうに思うのです。しかし、先ほどもやりとりがありましたが、
保育料値上げとか、あるいは延長保育料の減免などがなくなっていく、児童クラブ有料化もそうです。
なぜ、この話をしているかといいますと、貧困の問題が子育てを困難にしていく、だから、そういうことを改善していかなければならないのだ、そういうふうに考えたときに、私は、こうした行政運営、
行財政改革推進プランで示している、とりわけ、子ども、子育てに関する市民負担増の部分は、子どもの権利条例に照らして相入れないものだと思うのですけれども、そうは思わないのか、伺いたいと思います。
◎金田 子ども育成部長 市民負担の増加に関しましては、繰り返しになりますが、厳しい財政状況の中で、子育て家庭へのさまざまな支援策を充実しつつ、安定的に進めるという目的のために、市民サービスに応じたご協力をお願いすることとしておりまして、私どもといたしましては、最大限、子どもの最善の利益を考慮しながら、数々の施策に取り組んでいきたいというふうに考えているところでございます。
◆小形香織 委員 従前の答弁の繰り返しということですから、私は、やはり、子どもの権利条例第3条が言っている最善の利益を考慮する施策だとはとても言えないというふうに思います。
この権利条例というのは、子どもの権利を保障するためにつくったものであり、単なる理念条例ではないわけですね。どうやって保障していくのかということが問われているというふうに思うのです。この間、いただいた子どもの権利に関する事業を見ますと、確かに、普及のために、啓発のためにいろいろ進めておられることはわかりましたが、私は、普及啓発の活動から、そろそろ具体的に、市政運営にどう反映させていくのか、あるいは子どもの権利をどう保障していくのか、こういうことを考える部署として進んでいくべきだと思います。
子どもの権利条例を具体的な本市の政策に反映させていくべきだと考えますがいかがか、また、反映されているか、保障されているかどうかということを、どういうふうにそうなっているかという視点で点検をするべきではないのか、そういうお考えがおありかどうか、伺いたいと思います。
◎金田 子ども育成部長 子どもの権利条例を担当する部局といたしまして、子どもの権利条例が札幌市の中で子どもにしっかりと浸透していくかどうかということについては、検証する必要があるというふうに考えているところでございます。
私どものところには外部委員会として子どもの権利委員会がございまして、こちらは、有識者のほかに高校生の子どもも3名入っております。そして、公募の市民の方も入っておりまして、この方たちに札幌市の
子どもたちの最善の利益を守るためにどういった施策をするべきかということについて話し合っていただいております。
その中で、1期目から就任している委員が、2期目の第1回の委員会のときにくしくもおっしゃっておりましたけれども、私どもは3年間やってきました、そろそろきちんとした検証をして、その結果を出すときが来た、そういう意味で、委員としても正念場に来ているというお言葉をいただいたところでございます。委員がそういったお覚悟を持っているわけでございますから、私どもも議会の場でもきちんとした検証を示せるように努めてまいりたいというふうに考えているところです。
◆小形香織 委員 先ほどの陳情で、家計のやりくりをしている上に、保育料10%の値上げは大変なのだということが出されておりましたし、こういう貧困の問題が国連子どもの権利委員会から勧告として出されているということですから、これは重大なこととして直ちに手を打つべきだというふうに思うのです。
そういう意味では、私は、保育料の値上げだとか、そういうことはしてはならないというふうに思います。だって、こちら側で子どものための最善の利益を保障するようにやっていきましょうよと普及啓発を一生懸命しておきながら、実際には、同じ自治体の運営が
保育料値上げだったり、児童クラブの延長保育の有料化だったり、子育てしにくい仕組みをつくってしまっている。これ自体が矛盾しているのではないでしょうか。
私は、きちんと検証するときが来たというふうに言っておられますから、本当に生きた条例にしていく、このことをするかどうか、これは
子ども未来局の姿勢にかかわっているというふうに思います。これからの
子ども未来局の施策は、子どもの権利条例、条約を真正面に据えて、最善の利益をどうやって行っていくのか、政策の中にきちんと入れていく、このことを進めることを強く求めて、質問を終わります。
◆よこやま峰子 委員 私は、昨年6月の議案審査特別委員会でもお尋ねいたしましたが、札幌市児童相談体制強化プランについて質問させていただきます。
昨年11月に厚生労働省が発表した平成22年度に全国児童相談所が対応した児童虐待の件数は5万5,154件で、これは過去最多とのことであります。
札幌市は、子どもに対するあらゆる課題に対処することを目的として、平成5年に児童相談所を核とした
児童福祉総合センターを設置いたしました。また、国においても、児童に対する虐待の禁止、その予防、早期発見のために、平成12年11月には児童虐待の防止等に関する法律が施行されました。この法律ができ、既に10年以上が経過しましたが、少子高齢化や核家族化が進み、さらには、経済不況や社会構造の変化もあり、虐待は依然として全国的には増加傾向にあります。
札幌市の児童相談所における平成22年度の児童虐待相談受け付け処理件数を見ますと、平成20年度が621件、平成21年度が620件、昨年度が478件と、近年は数字的には減少しておりますが、私は、これらは氷山の一角であり、表に出ない件数もかなりあるものではないかと危惧しております。札幌市が虐待を初めとする子どもに関するあらゆる問題に対応するために、児童相談所が中心となって中長期的に取り組んでいく施策として児童相談体制強化プランが示されたことは喜ばしく、その継続と拡充に大いに期待するところであります。
そこで、質問ですが、子ども安心ホットラインについて伺いたいと思います。
昨年9月末に開設したこのホットラインの状況についてですが、まず、寄せられた相談件数並びにその内容と傾向について、次に、夜間並びに土曜・日曜など休日に入った電話についてはどのような流れで処理をしておられるのか、また、このホットラインの状況と市民への周知はどのようになされているのか、以上、3点について、まずお聞きいたします。
◎難波
児童福祉総合センター所長 まず、子ども安心ホットラインの相談状況についてでございます。
ホットラインは、昨年の9月26日に開設いたしております。相談件数は、2月末現在で764件となっております。内容につきましては、児童虐待に関するものが130件、養護相談が62件、育児・しつけ相談が60件、性格・行動相談が49件など、近隣住民から、あるいは知人からの虐待通告を初め、児童本人からの相談、あるいは保護者、親族からの育児・しつけ相談等、多岐にわたっている状況でございます。
また、夜間や休日においての流れでございます。電話相談が入った場合には、相談内容とその対応につきまして必ず記録をとり、翌日以降、職員が必要な調査等を行っており、虐待通告など速やかな対応が必要な場合、対応が困難な相談につきましては、直ちに担当課長等に連絡をし、指示を仰ぐ体制をとっているところです。
また、市民周知でございますが、区役所を初めとして、関係機関へのチラシの配付、広報さっぽろ及びマスコミ等での周知、11月の児童虐待防止推進月間でのPRや研修会等での周知を行ったところでありますけれども、今後は、民間団体への働きかけ、また、今年度末には新たに地下鉄駅のホームの電照看板を掲げる予定でございます。引き続き、積極的に市民周知に努めてまいりたいと考えております。
◆よこやま峰子 委員 ただいまのご答弁によりますと、夜間・休日を問わず、相当数、多種多様の電話相談があるとのことでした。今後とも、このホットラインの存在を広くPRして、さまざまな相談に迅速に対応することにより、児童虐待の防止に努めていただきたいと思います。
次に、ホットラインを受ける電話相談員の体制についてお尋ねしたいと思います。
相談員は、5人の相談員が交代制での勤務と伺っておりますが、深夜の人が少ないときに難しい相談が入って、せっかくかけてきた電話に対応できない状況が生まれることも懸念されます。
そこで、質問ですが、電話相談員の相談体制、例えば、電話相談員が対応できない場合のバックアップ並びに電話相談員の研修体制についてお伺いします。
また、児童福祉司との連携はどのようになっているのかもお尋ねします。
◎難波
児童福祉総合センター所長 まず、相談体制でございます。
準夜間勤務を取り入れながら、原則2名の相談員を配置しております。時間帯によっては1人勤務の時間帯がございますが、その際には、一時保護所の職員と連携を図りながら対応を行うなどの体制を整えているところでございます。
研修につきまして、あるいは、児童福祉司との連携等につきましては、ホットライン開設に当たりまして、児童福祉司の経験者5名を採用いたしました。電話相談員として、その心得を初めとして、相談技法の研修を重ね、夜間・休日の電話相談を受けてございます。
さらに、対応に苦慮した事例につきましては、その後、その対応方法や解決方向につきまして組織内で検証しており、毎月、定例の相談員会議を受けまして、情報の共有と児童福祉司等との意見交換を図っているところでございます。
◆よこやま峰子 委員 児童相談所全体で支えていらっしゃるとのことでありますが、限られた人数での多岐にわたる相談への対応は非常に大変であろうと推察いたします。せっかくスタートしたこの相談体制が十分に発揮できるよう、そして、電話をかけてきた相談者の声にしっかりとこたえられるように、電話を受ける側の処遇と勤務体制にも配慮していただきたいと思うところでございます。
次に、オレンジリボン地域協力員についてお尋ねいたします。
まず、この協力員制度はどのようなものなのか、また、協力員を拡充すると聞いておりますが、現在の状況についてお尋ねいたします。
◎難波
児童福祉総合センター所長 まず、オレンジリボン地域協力員制度でございますが、これは、平成12年に札幌市児童虐待防止地域協力員といたしまして、児童虐待の早期発見・早期予防のため、地域で活動されている民生委員・児童委員、青少年育成委員等の各種委員、あるいは、日常的に
子どもたちと接しております幼稚園、保育所、小・中学校等関係機関の協力のもと、開始したものでございます。
この協力員の登録に当たりましては、児童虐待の現状や対応すべきポイントなどにつきまして研修を行い、地域での見守りなどを中心に活動をお願いしているところであります。今年度からは、一般市民や企業、団体にも広く働きかけをしており、名称も親しみやすいオレンジリボン地域協力員と改めまして、地域レベルでの虐待予防・防止活動をさらに強化することとしております。また、現在の状況でございますが、今年度は新たに900人が研修の受講をいたしました。2月末現在では、延べ約9,800人となっております。
今後は、出前講座などを活用しまして、新たな団体への研修会などの機会も積極的に活用いたしまして、協力員のすそ野を広げてまいりたいと考えております。
◆よこやま峰子 委員 民生・児童委員、青少年育成委員などの方々は、地域で活動し、
子どもたちとの接点も多く、児童虐待の早期発見・早期対応に大変助けになると思われますので、ぜひ、地域と連携したオレンジリボン地域協力員の施策も積極的に進めていただきたいと思います。
最後に、家庭児童相談室について質問いたします。
平成16年に児童福祉法の改正があり、法律上、児童家庭相談室が市町村の業務として明確化され、住民に身近な市町村において児童に関するさまざまな相談に応じることとなりました。これを受けて、政令指定都市では、区役所に相談、対応できる組織を設け、児童相談所は専門的な知識及び技術を要する相談を受け持ち、区役所においては幅広く児童に関する相談を受け持つという役割分担で取り組んでいるとのことです。
札幌市においては、昭和47年から各区役所に家庭児童相談員を配置し、平成22年4月からは、区役所への虐待通告のうち、初期調査等を行う相談支援主査を配置しましたが、過去には、やはり、児童相談所に相談、対応が集中してしまったと聞いております。
そこで、質問ですが、今年度からスタートした区役所の家庭児童相談室は、まず、各区で何件ぐらいの相談があって、どういった体制で臨んでおられるのか、お伺いします。
また、児童相談所との連携と役割分担は、当初の目的どおりに機能しておられるかどうか、そして、家庭児童相談室が市民にとって身近な相談所として、その機能を十分に果たすための今後の課題などについてお伺いいたします。
◎難波
児童福祉総合センター所長 まず、家庭児童相談室の体制についてでありますが、各区役所の健康・子ども課の中に昨年4月に設置いたしました。主査と家庭児童相談員の2名体制で、子どもと家庭に関する相談を受けております。
次に、区ごとの相談件数でございます。
本年2月末現在で、中央区225件、北区136件、東区168件、白石区185件、厚別区283件、豊平区202件、清田区119件、南区110件、西区226件、手稲区205件となっております。各合計では1,859件でございます。これは、昨年同時期の相談件数1,588件に比べまして、件数にしますと271件、率にしまして17%増加となってございます。
次に、児童相談所との連携、役割分担でございます。
区の家庭児童相談室で受けた相談あるいは虐待通報のうち、一時保護や施設入所などを行わなければならない場合など困難な専門的対応が必要な場合には、児童相談所が対応し、お互いの訪問調査時には同行するなどの協力体制をしいているところでございます。また、毎月、各区家庭児童相談室との定例会議も開催しておりまして、事例の検証でありますとか、事務処理方法の検討なども重ねて、家庭児童相談室の機能の向上を図っているところでございます。さらに、この相談室は、各区に設置されております要保護児童対策地域協議会の中核的な役割を担っております。こういったことから、地域の学校、警察、医療機関等との顔の見える関係が現在築かれつつございます。このため、スムーズな連携を行うことができる体制になってきているものと考えているところでございます。
最後に、今後の課題でございます。
保健や医療、福祉との連携を図って、虐待の未然防止、早期発見の取り組みをさらに強化するとともに、専門機関の研修などを通じまして職員の資質の向上を図りながら、相談体制の機能を十分に果たしてまいりたい、このように考えております。
◆よこやま峰子 委員 最後に、要望ですけれども、近年、少子化、核家族化が進み、さらに経済の不況など、子どもを取り巻く環境はますます複雑で厳しいものとなり、児童に対する悲惨な事件が相次いでおります。児童虐待の件数もふえ続け、昨年度は過去最多となり、その内容も多様化、深刻化しております。
こうした中で、児童相談所や家庭児童相談室の機能強化をすることはもちろんですが、私は、相談できない、電話すらできない状況にある児童への救済のために、できるだけ多くの網をマルチに広げていただきたいと思っております。その意味で、ホットラインの充実並びに先ほどのオレンジリボンの協力員などのような市民も一緒になって進めるような施策、そして、各区役所にある家庭児童相談室における身近な相談の活用など、今回の札幌市児童相談体制強化プランの果たすべき役割は大きいと考えております。
未来を担う大切な子どもたちが安心して健やかに育つための環境づくりの実現のために、今回の児童相談体制強化プランが生かされますように要望しまして、私の質問を終わります。
◆長谷川衛 委員 私からは、社会的養護施策について、一つはファミリーホーム、それから、児童養護施設にかかわること、そして、スタディメイト派遣事業にかかわること、以上、三つの質問をさせていただきます。
我が国の社会的養護体制は、戦災孤児や引き揚げ孤児など、戦争で家や家族を失った子どもたちのための家庭の代替機能が求められた時代から、その後の社会の変化に伴い、入所する子どもや家族の状況も大きく変わってきました。現在では、実父、実母からの虐待、ネグレクト、養育拒否などのために入所する児童が6割以上となり、保護だけでなく、虐待を受けた児童の治療的ケアが必要となっており、これに対応する体制への変化が求められています。
2010年の第1回定例会において、我が会派の三宅議員が代表質問を行いましたが、社会的養護施策の執行体制と将来ビジョン、このことについて質問いたしました。そのときの生島副市長の回答は、「家庭的環境の中で児童を養育するファミリーホームや、児童養護施設退所者の就労支援を行う自立支援ホームなど、新たな社会的養護施策の展開に当たり、これらの有機的な連携を図っていく必要があります。来年度、児童相談所将来構想を策定する予定であり、その中で児童相談所を中心とした執行体制の一元化を行い、あわせて、家庭支援機能の強化や家庭的養護の推進も含めた社会的養護の方向性を検討してまいります」、このように答弁しています。
その後、昨年3月には札幌市児童相談体制強化プランをまとめ、これに基づいて、昨年4月から、区役所と児童相談所の機能強化及び社会的養護体制の整備を柱にして各種の施策を実施しています。このことは承知をしておりますけれども、改めて、札幌市の社会的養護施策について質問いたします。
まず、社会的養護の担い手として、従来の児童養護施設、それから、里親制度と並ぶ新しい児童養護の形として、2009年4月に制度化されましたこのファミリーホームは、2011年10月1日現在ですが、全国に145カ所、全道で11カ所、札幌市では現在4カ所が開設されております。私も、先日、東区と南区のファミリーホームを訪問いたしまして、話を聞かせていただきました。どちらも閑静な住宅街の中で、外見から見ても本当に普通の一軒家のようで、里親と余り変わらないなという印象を受けて帰ってきたところであります。
そこで、質問でありますけれども、ファミリーホームは新しい児童養護の形ですが、改めて、どのようなものなのか、そしてまた、このファミリーホームと他の組織との連携やバックアップ体制はどのようになっているのか、この2点について、まずお伺いいたします。
◎築島 児童相談所担当部長 まず、ファミリーホームの制度についてでございます。
ファミリーホームは、養育経験のある里親、児童養護施設等の職員の経験を有する者、または、児童福祉施設を設置する法人が事業者となりまして、家庭的な環境のもと、子ども同士のかかわり合いを生かしながら、6人以下の児童を住居で養育することで、これらの児童が将来の自立に必要な経験や社会性を得ることができるように支援するものでございます。現在、札幌市内には4カ所のファミリーホームがございまして、里親が事業者となっているところが3カ所、ほかに法人が事業者となっているところが1カ所ございまして、障がいがある子どもについても積極的に受け入れていただいているところでございます。
次に、他の組織との連携等でございます。
児童相談所では、ファミリーホームを含む里親の支援推進を目的とした里親支援機関事業のメニューといたしまして、平成23年度当初に里親委託等推進委員会を立ち上げ、関係機関とも連携を図っているところでございます。また、平成24年度からは、新たに里親支援専門相談員を市内の乳児院及び児童養護施設の複数箇所に配置いたしまして、ファミリーホーム及び里親に対して家庭訪問等を行うことで支援体制を強化してまいりたいと考えております。
◆長谷川衛 委員 改めて聞きましたのは、実はファミリーホームというものができてまだ新しいものですから、私もちょっと心配する部分もありまして質問させていただきました。
里親制度は、札幌市の場合は全国的にもかなり先進的な取り組みをしていますから、高く評価されていることは知っております。ただ、昨年、東京都杉並区で里親によります里子の虐待と思われるような事件が発生しましたね。これを契機として、今答弁がありましたように、4月から児童養護施設、乳児院へ里親支援専門相談員の配置が随時行われていくというふうに聞いておりますけれども、心配だと言うのは、どちらかといえば、里親制度というのは個人の対応ですから、関係がうまくいっているときは大変いいのです。しかし、一つ崩れると、がたがたと行ってしまうというケースをたくさん見てきております。そんな意味では、私は、やっぱり早い段階からの支援が必要だというふうに思っているわけです。
特に、ファミリーホームは、今説明がありましたように、5人から6人ですね。上限が6人です。6人が一つの家で、一軒家で兄弟のように養育されるわけですけれども、里親と違うのは、6人ですからね。私は3人しか育てたことはありませんけれども、一般の家庭でも6人を育てていくということは――制度的にはスタッフは3人ほどいると聞いていますが、常勤は1人ですから、6人の子どもたちを育てていく成長過程を考えますと、きっとさまざまな課題を抱えながら運営しているのだろうなと思うのです。兄弟関係と言っても、特に、思春期を迎える子どもを抱えたりすると、これはなかなか、多分、一般の家庭でも皆さんも経験があると思いますけれども、さまざまな問題を抱えながら子どもを何とか成長させていくというふうに思うわけです。
私は、ファミリーホームについても、やはり、早い時期から――この間、訪問したときにも、ノウハウがまだ不十分なのだと。例えば、何か起きたときに、相談する場所は相談所しかないではちょっと困るので、学校とか、地域の児童養護施設などさまざまな福祉の関係のところと連携していく、そして、地域とも連携していく、このことが大事だというふうに思っています。
ここの部分についての要望は、やはり、情報交換の場を定期的にやっていただきたい。何かあったときではだめです。もう手おくれなのです。ですから、この点では、常に定期的に情報交換をしていただきたいということを要望しておきたいと思います。
次に、児童養護施設にかかわってですけれども、全国的に見れば、今、児童相談所に寄せられる児童の虐待件数は、この20年足らずで30倍以上に膨れ上がったと言われております。先週も、2010年に起きました、児童虐待というよりも、放置して餓死で死なせてしまった母親に対する大阪地裁の判決がマスコミで連日報道されておりましたけれども、この痛ましい死を何としても繰り返さないためにどんな手が打てるのかと、だれもが考えざるを得ないわけであります。
先日、市内の児童養護施設にも訪問してさまざまな話を伺ってきましたけれども、児童養護施設に入所している子どもたちの多くが、やはり、虐待を受けた経験、または、さまざまな因果関係から障がいがあるというふうに聞きました。幼少のころに保護者から虐待を受けた児童の心身の傷というものは、容易にいえることはありません。その子どもたちと接する職員の方々は、昼夜、平日、休日を問わずに児童に付き添い、想像以上に過酷な仕事をしているわけであります。また、いわゆる発達障がいのある児童も多いと聞いております。そんな意味では、専門的な知識もこれから求められるというふうに考えるわけです。
児童福祉法の改正によりまして、今年4月から職員定数が6人に1人から5.5人に1人というように、若干、改善はされたと聞いておりますが、職員の人手不足もまた深刻であるというふうに聞いております。入所してくる児童を保護し、育成する重要な役割にあるこの児童養護施設の条件整備というものは、私は、急がれていると思います。
そこで、質問でありますけれども、この児童養護施設で
子どもたちに実際に対応している職員などの専門性や研修体制はどのようになっているのか。
二つ目は、児童養護施設における養育はあくまでも一時的な保護養育でありまして、将来的には家庭に戻すことが原則になっているわけですね。その間、親への継続的指導、それから、家族関係の再修復、変容というのが肝心と考えます。この現状がどうなっているのか、特に、虐待を受けたことを理由として児童養護施設で生活している子どもを家に戻す場合、支援策はどのようにしているのかということも含めて質問いたします。
◎築島 児童相談所担当部長 まず、施設職員の研修の体制でございますが、児童養護施設協議会が主催するもの、児童家庭支援センターや各施設がそれぞれ主催する研修、それから、横浜にございます専門の研修機関でございますが、子どもの虹情報研修センターが行う研修に職員等を参加させ、専門性の向上を図ることに努めておるところでございます。また、札幌市児童相談所におきましても、独自に実施する研修に市内施設の職員の参加を呼びかけまして、研修機会の確保を図っているところでございます。
次に、施設入所児童の家族関係の修復でございます。
子どもに対しては、児童福祉司、児童心理司が施設での生活状況を確認するとともに、心理診断を行いまして、今後の支援のあり方について方向づけるとともに、保護者に対しましては、子どもとのかかわりや生活環境の整備に向けた助言・指導を行っているところでございます。特に、虐待を受けた子どもに関しては、施設と連携して、子どもの心のケアや育ち直りのための支援を行うことが必要でございます。その経過を見ながら、家族との交流を通して家族関係の修復を図ることとなります。同時に、保護者が、虐待の事実を認め、子どもに対する正しいかかわり方を学ぶことも必要でありまして、そのための支援を行うこととなります。
いずれにいたしましても、家庭に戻るに当たっては、子どもの命が守られ、安全に、そして安心して生活できる家庭環境が確認されることが必要であり、そのためには、十分な時間をかけて丁寧に、そして、慎重に対応していくことが必要だと考えております。
◆長谷川衛 委員 一つは研修の件ですけれども、今、研修はこういう形でしているという答弁がありました。
ただ、私も経験がありますけれども、研修は、やっぱりいろいろとたくさん受けたいのです。ただ、日常業務のことを考えると、この施設は3交代ですね。宿直もある、職員もなかなか不足をしている、そういう現実の中で、研修を受ける体制がやはり厳しいというのが職場の実態です。こういうことを考えますと、研修が大事だということであれば、市としてもこの辺を踏まえてしっかりと支援策を考えていただきたいということを強く要望しておきます。
それから、家族関係の修復は、今言われましたように本当に難しいですね。やっぱり、最終的には家族に返してやる。しかし、だからといって安易に返すわけにもいかない。これは大変難しい線引きが必要だと思いますけれども、やはり、親子関係は一生のことでありますから、何とか家族の再統合に向けた取り組みをぜひ強化していただきたいと思います。
最後の質問になりますが、スタディメイトについてです。
スタディメイト派遣事業については、昨年の2定でうちの林家委員からも質問しておりますけれども、現実とちょっと遊離した部分があるのではないかということで、2点質問いたします。
まず、当該事業の活用方法について、各施設の実態がどうなっているのか、二つ目に、ある施設を回りまして、余り使われていない、実は活用できないのだという話も聞いておりますけれども、必要な支援を実態に応じて幅広くとらえるべきではないかと私は考えますがいかがか、この2点について、最後の質問です。
◎築島 児童相談所担当部長 まず、スタディメイト派遣事業の施設における活用状況については、昨年12月から事業を開始し、2月末現在で市内5施設のうち3施設で19名のスタディメイトの登録がございまして、11名が学習支援として、残りの8名は、子どもの情操の発達向上のため、ピアノの指導や絵本の読み聞かせなどの支援に活用されているところでございます。
この事業を活用していない2施設のうち、1施設につきましては、大学生を中心としたボランティアグループと協議しながら、現在、登録に向けて具体的な支援内容を検討している状況にございます。また、残る1施設につきましても、有償のボランティア活動を希望されていないということで登録はされておりませんけれども、無償の学習支援を行っているところでございます。
次に、支援の幅広い活用についてということでございますけれども、昨年、第2回定例会の議案審査特別委員会において林家委員からご質問がございました。当初、学習支援のみをこの事業の対象と想定しておったところでございますが、情操教育や社会性の獲得に資する活動を加えて事業を開始したところでございます。
子どもたちが自立していく上で、地域の多くの人たちとかかわりを持ちながら、社会性を身につけ、人間形成を行っていくということは非常に大切なことと考えておりますので、こういった観点も踏まえ、
子どもたちの支援を進めてまいりたいと考えております。
◆長谷川衛 委員 最後に、この件についての要望で終わりたいと思います。
今のお話にありましたスタディメイトですが、やはり、施設、施設でさまざまに条件が違うのですね。ですから、よく話を聞いていただきたいというふうに思います。無償ボランティアの方も結構来るらしいです。応援したいと。ただ、施設側は、だれでもいいよというわけにはいかないのですと。というのは、抱えている事情がありますから、それを理解してくれる方にぜひやってもらいたいということと、有償の方も、余り知らないで来る方もいると聞いていますので、ここはやっぱりしっかりと説明をしていく意味があると思います。
最後に、お金の件ですが、有償ボランティアの方で、今、大学生のボランティアグループと協議をしているということでした。実は、大学生の中でも、特に、教育大の学生が結構来ている施設がありますが、場所はご存じのように遠いのです。僕の家のすぐそばの桑園なのですが、そこにもあいの里から結構熱心な方が来ておられます。ただ、やはり学生ですから、自分の勉学もありますし、来られる時間帯もある。しかし、しょっちゅう来てくれる。すぐに交通費がなくなる。結構厳しいのですよという話も聞いておりますので、実態に応じた支援策をぜひ前向きに検討していただきたいということを求めて、質問を終わります。
◆井上ひさ子 委員 私からは、
発達医療センターの機能移転について質問したいと思います。
発達医療センターの豊平区への移転について、遠くなって通院やリハビリテーションに時間がかかる、今でも学校を早く早退しないとリハビリの時間に間に合わない、通えない、訓練の回数が減るのではないかなど、不安や心配の声が出ております。代表質問でもこれを取り上げましたが、最寄り地下鉄駅からの通院手段の確保や訓練機会の提供方法を工夫するなど、利用機会を確保する方策を検討する旨のご答弁がありました。現在通っている子どもや保護者の声に可能な限り対応すべきと思います。
このリハビリの機能について、現在のところで引き続き残していくのか、また、北区、東区から通っている子どもが多いというふうに聞いておりますので、通いやすい場所にするのか、どのように対処されるのか、伺いたいと思います。
◎難波
児童福祉総合センター所長 発達医療センターの機能の移転についてでございます。
現在、整備を進めております移転先の豊平区の複合施設では、通園施設の機能に加え、さらに、
地域支援機能を充実させることによりまして、札幌市全体の児童療育の体制の中核的な役割を担う施設としまして、機能移転のみならず、機能強化につながるものと考えているところでございます。
ただし、委員からのご質問にございましたように、説明会などでもそういった不安の声がございます。これは、先ほどもございましたように代表質問の中でもお話をさせていただきましたが、豊平区への移転に伴い、現在よりも通院に時間を要すること、通いにくくなること、こういったことは認識しているところでございます。現在、このような方々のために、最寄りの地下鉄駅からの通院手段の確保、訓練機会の提供方法の工夫など、利用者負担をどのようにして軽減できるのか、あるいは、その利用機会を確保できるのかというような方策を検討してまいりたいと考えているところでございます。
◆井上ひさ子 委員 遠くなるとか、通えなくなるということで、ただいま、それについては認識しているという答弁だったと思います。
やっぱり、障がいを持った子どもや家族の不安にこたえるために、その機能を存続することはとても大事だと思いますし、それを、全部、豊平区の方に持っていくのか、リハビリの機能を残すのか、また、別にサテライト的なものをつくるべきではないかというふうに私は思いますので、それについて、もう一度、伺いたいと思います。
通うのに1時間、2時間もかかるのであれば、子どもはもっと早く学校を早退しなければならないと思います。また、新患で来られる方の状況を見ますと、ゼロ歳から1歳の子どもが5割以上になっているのですね。小さい赤ちゃんや筋力の弱い子、重度の障がいを持った子にはやっぱり負担がかかります。これでは、毎日の生活を安心して送ることができなくなるというふうに思うのですけれども、改めて、その機能を存続する、またはサテライト的なものをつくるべきではないか。いかがですか。
◎難波
児童福祉総合センター所長 機能を残すべきではないか、あるいはサテライト的なものをつくるべきではないかということで、それに対する考え方でございます。
繰り返しになりますけれども、訓練機会の提供方法を工夫するなど、利用者負担を軽減して利用機会を確保する方策を検討してまいりたいという段階でございます。
◆井上ひさ子 委員 局長に伺います。
検討しているというのはわかるのですけれども、やっぱり、すべてを豊平区に持っていくというのではなくて、私は、近くで訓練できる場所がどうしても必要だと思うのですね。ですから、今現在、行っている子どもの親も、この子の障がいを見てくれるのはだれになるのだろうか、また、リハビリをするのがいまだにはっきりしないということで、とても不安になっているのです。
1月でしたか、私も
発達医療センターに行って先生のお話も聞きまして、それから、療育している子どもも視察させていただきましたけれども、ゆったりと子どもと1対1で指導を行っていました。それは、親にとってもどんなに心強いことなのかというふうに思ったのですね。だから、機能を分散して、今あるものを低下させてはならないと思うのです。
しかし、リハビリテーションを受ける子どもが大変増加しています。そして、職員の状況を見ましたら、この4年間で一人もふえていないのですね。ですから、私は、職員の体制を強化するとか、財源の手だてを行って、これはやっぱり対処すべきではないかなというふうに思うものですから、局長のご答弁をお願いいたします。
◎大谷内
子ども未来局長 財源の手当てをするなり、そういったことで機能低下しないように、そういうようなお尋ねでございます。
今現在ある北5条西28丁目の施設が豊平川を渡って平岸に行く、そういうようなことでございますので、当然、一部、近くなる方がいることは事実でございますけれども、現在利用している方に非常に不便をかける、遠くになる、そういうような方々がおられるわけでございます。そこで、この移転に伴いまして、訓練のための通院が不便になる利用者への対策として、移転による影響が特に少なくなるように、そういう方策を考えなければなりません。この移転による影響が特に大きくて、訓練に通うのが時間的に厳しくなるのは、例えば、学校の授業終了後に訓練に通っている
子どもたち、そして、特に、北区、東区、手稲区方面などの就学児童と考えられるところでございます。これまでこれらの方々のご意見を伺ってきておりますので、今後は、この訓練に通うのに特に影響のある人の人数、意見の精査、こういったものを踏まえまして、訓練機会を確保する方法、方策を検討してまいりたいと考えております。
すなわち、委員がおっしゃるとおり、これまでの機能が分散、低下してはだめだということについて、しっかり考えていきたいと考えております。
◆井上ひさ子 委員 ぜひ、つくられる施設に子どもを合わせるのではなくて、現在通っている
子どもたちに合わせていただきたいと思います。
最後に、もう1点、利用者への説明についてです。
お聞きしましたら、中央区民センターで1回行って、30人ほどの参加だというふうに聞いています。具体的になってからお話ししたいという気持ちはわかるのですが、私は、やっぱり少ないと思うのですね。参加しやすいように、場所、時間などをぜひ工夫して行うべきではないですか。
また、拓北養護など、通えなくなるという声も実際に聞いていますので、要望のあるところにはぜひ説明に行くべきと思いますし、また、現在通っている方々の声を十分に聞いて、反映させていくべきと考えますが、いかがですか。
◎難波
児童福祉総合センター所長 説明会につきましては、昨年、この移転に関しましてご意見を伺う場といたしまして、8月に説明会を実施しております。これにつきましては、今後、なるべく回数を多くする必要があると考えてございますが、そのときの説明会に出席された方々のご意見の中でも実際に出席した方が25名ということで、やはり、説明会のあり方についてももう少し工夫をすべきだということもございました。
今後は、開催の時間帯、あるいは曜日の見直し、こういったことを初め、必要なところに出向いて積極的に説明会を行ってまいりたいと思います。
○こんどう和雄 委員長 皆さん、大変お疲れさまでした。
時刻は8時34分を過ぎましたが、以上で、第2項
子ども福祉費中関係分等の質疑を終了いたします。
以上をもちまして、本委員会に付託されました全案件に対する質疑を終了いたします。
次回の委員会ですが、3月27日火曜日午後1時から、討論及び採決を行いますので、定刻までにご参集ください。
本日は、これをもちまして散会いたします。
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散 会 午後8時35分...