副市長
石田慎一郎君
教育長 伊藤博章 君
総合政策部長 中村行宏 君
まちづくり文化スポーツ部長
前田 晃 君
総務部長 岩瀧大介 君
財政部長 品田雄智 君
商工労働観光部長 大志民 諭君
福祉部長 池田和彦 君
健康部長 秋山直仁 君
市民防災部長 磯嶋美徳 君
環境部長 石上勝典 君
建設部長 八木田満彦君
都市整備部長 佐々木勝弘君
教育部長 石亀純悦 君
交通部長 小橋和志 君
市民病院事務局長 松田大平 君
監査委員 大坪秀一 君
農林水産部次長兼農政課長
松橋光宜 君
--------------------
出席事務局職員
事務局長 田中一美
次長兼
議事調査課長 榊原正克
副参事(
議事調査グループリーダー)
山道隆央
主幹
八木橋昌平
主査 安藤俊一
主事 石橋梨乃
────────────────────
午前10時00分 開会
○議長(
寺地則行 君)これより令和5年3月
八戸市議会定例会を開会いたします。
直ちに、本日の会議を開きます。
────────────────────
△日程第1
会議録署名議員の指名
○議長(
寺地則行 君)日程第1
会議録署名議員の指名を行います。
会議録署名議員は、
会議規則第88条の規定により、議長において、12番高山元延議員、20番
小屋敷孝議員を指名いたします。
────────────────────
△日程第2 会期の決定
○議長(
寺地則行 君)日程第2会期の決定を議題といたします。
お諮りいたします。
今期定例会の会期は、本日から3月20日までの27日間といたしたいと思います。
これに御異議ありませんか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
○議長(
寺地則行 君)御異議なしと認めます。
よって、会期は27日間と決定いたしました。
────────────────────
諸 報 告
○議長(
寺地則行 君)この際、諸報告をいたします。
市長から、
地方自治法の規定に基づいて議会に対し、9件の報告がありました。
また、
監査委員から、
財政援助団体等監査及び
定期監査の結果報告がありました。
さらに、
包括外部監査人からは、
包括外部監査の結果報告がありました。
以上の報告書は、お手元に配付してありますので御了承願います。
────────────────────
△日程第3 議案60件一括上程
○議長(
寺地則行 君)日程第3議案第1号令和5年度八戸市
一般会計予算から議案第60号青森県
市町村総合事務組合への加入に関する協議についてまでを一括議題といたします。
市長から提案理由の説明を求めます。
市長。
〔
市長熊谷雄一君登壇〕
◎市長(
熊谷雄一 君)おはようございます。令和5年3月
八戸市議会定例会の開会に当たり、令和5年度における
市政運営に当たっての基本的な考え方を申し述べ、
議員各位並びに市民の皆様の御理解と御協力を賜りますようお願い申し上げますとともに、ただいま上程されました議案につきまして、その概要を御説明し、御審議の参考に供したいと存じます。
初めに、最近の市政に関する動向について御報告申し上げます。
まず、昨年12月15日に三沢市の養鶏場で発生いたしました高
病原性鳥インフルエンザに係る当市の対応についてであります。
今回の発生事案は、国内過去最多となる採卵鶏139万羽が殺処分となったものでありますが、
防疫対策の主体となる青森県では、発生当初からその作業に相当の時間と労力を要することを想定し、自衛隊への
災害派遣要請のほか、
鳥インフルエンザ対応としては初めて県内全市町村に対し職員の
派遣要請を行いました。
当市では、本要請を踏まえ、昨年末、
防疫作業の従事者として延べ32名の職員を現地へ派遣したほか、
防疫作業従事者に対する
健康観察を行うため、医師や保健師など延べ24名をリモート及び
現地派遣により従事させたところであります。
養鶏場における防疫措置は、農林業及び
建設業関係団体を含めた
関係者一丸となった努力により、当初の想定より早い昨年12月30日に完了し、先月21日午前0時をもって
移動制限区域が解除となり、一連の事態の終息が図られました。
今シーズン、全国における
鳥インフルエンザの
発生事例と殺処分対象羽数が過去最多を記録する中、鶏肉、鶏卵の一大産地である当市を含む青森県南地域及び岩手県北地域にとりましては引き続き予断を許さない状況にあるものと認識しており、今後も最大限の警戒を持って状況を注視するとともに、
家禽飼養者の
飼養衛生管理が適切に図られますよう、
国県等関係機関と連携してまいります。
次に、
八戸国体についてであります。
去る1月28日から2月5日にかけて「銀盤に 君の軌跡よ 花ひらけ」のスローガンの下、
特別国民体育大会冬季大会スケート競技会・
アイスホッケー競技会「未来へつなぐ
八戸国体」が当市及び南部町を会場地として開催され、全国から参集した1300名余りの選手が連日、氷上で白熱した戦いを繰り広げました。一部競技については観覧を事前申込み制として入場制限をするなど、より徹底した
感染対策を講じながらの
大会運営でありましたが、大きなトラブルもなく
無事成功裏に終わることができ、開催地として安堵いたしますとともに、
八戸国体の開催に関わっていただきました全ての皆様に、この場をお借りし心から感謝を申し上げる次第であります。
地元開催となった本大会では、
市出身選手をはじめとする青森県勢の活躍が目覚ましく、フィギュアでは成年女子が
都道府県対抗で4位、スピードでは
成年男子の
山本大史選手が2種目を制覇し、他種目でも入賞者が相次いだほか、
アイスホッケーでは
成年男子が5位と健闘、少年男子は17年ぶりに決勝へ進出し、北海道に屈したものの堂々の準優勝と躍進を見せ、こうした地元勢の活躍は市民に感動を与え、大会は大いに盛り上がりを見せました。
加えて、本大会には各競技において世界の舞台を経験するトップアスリートの出場もあり、伸びやかで力強い演技やスピード感あふれるレース、迫力満点のプレーは観客を魅了するとともに、憧れの選手を間近にした
子どもたちにとっては、将来への大きな夢と希望へつながったものと感じております。
私も幾つかの試合を観戦いたしましたが、他県の選手に対しても地元選手と同様、大きな拍手や手拍子で熱いエールを送る市民の姿を見て、改めて
スケート及び
アイスホッケーは当市に根づいた特別な
スポーツであると実感するとともに、試合を観戦した
子どもたちの中から将来、大舞台で活躍する選手が誕生することを心より期待するものであります。
当市での
冬季国体の
開催回数は、今回の開催により全国最多の通算14回を数えることとなりましたが、
国民体育大会が来年から
国民スポーツ大会へと名称を変えて開催されていくことが決定している中、昭和22年の第1回
冬季国体の開催地となった当市が、
冬季国体としては最後の開催地となりましたことに歴史の不思議な
巡り合わせを感じると同時に、氷の都――氷都を標榜し、
スケートと
アイスホッケーの普及と
競技力向上に取り組んでいる当市にとりまして大変名誉なことであると受け止めております。
今後も
長根屋内スケート場・
YSアリーナ八戸やフラット八戸など、全国、世界に誇れる施設を活用しながら氷都八戸を発信し、
スポーツを通じた地域の活性
化に取り組んでまいります。
次に、3年ぶりに開催されました八戸えんぶりについてであります。
新型コロナウイルス感染症の
感染拡大の影響を受け、昨年、一昨年と2年連続して中止を余儀なくされた八戸えんぶりが、去る2月17日から20日までの4日間にわたり、十分な
感染対策を講じた上で開催されました。期間中、会場となった
中心市街地には、再開を待ちわびていた多くの市民や、当地域を代表する
伝統芸能を一目見ようと訪れた観光客が詰めかけ、まちは大勢の人が行き交い、活気にあふれたところであります。
私も、一斉摺りをはじめ、御前えんぶりや、かがり火えんぶりなどの諸行事を観覧いたしましたが、力強く勇壮に大地を踏み締める太夫の摺りや
子どもたちの愛らしい祝福芸、打ち鳴らされるジャンギやおはやしの音色などを間近にし、やはりえんぶりは当市にとって欠くことのできない冬の祭りであると再認識するとともに、
コロナ禍において練習もままならず、その成果を披露する機会も限られた中にあって、かわいらしい笑顔で舞いを披露し、観客から大きな拍手を受けている
子どもたちの姿を見て、伝統がしっかりと受け継がれていることに安堵し、大きな喜びの気持ちを抱いたところであります。
改めて八戸えんぶりの再開と
伝統芸能の継承に御尽力を賜りました各えんぶり組の皆様、そして
八戸地方えん
ぶり保存振興会をはじめとする関係諸団体の御努力に対しまして心から敬意と感謝の意を表しますとともに、冬の八戸えんぶりと同様、夏の八戸三社大祭につきましても無事に通常どおり開催できますことを切に願うものであります。
さて、本年度も残すところあと1か月余りとなりましたが、これまでの1年を顧みますと、
新型コロナウイルス感染症の流行の波が幾度となく繰り返され、その対応が長期
化する中、
感染拡大防止対策と
社会経済活動の両立を模索しながらの
市政運営でありました。
当市においては、昨年7月中旬に
陽性者数が急増するなど厳しい状況に直面いたしましたが、
発熱外来等の
医療提供体制の強化に向けた
関係機関との連携をはじめ、
保健所業務に従事する応援職員の増員、さらには
コールセンターの開設による相談体制の強化など、
感染拡大防止対策に全力を尽くしてまいりました。
あわせて、
コロナ禍で閉塞感が漂う社会の雰囲気を徐々に転換し、市民の日常と
社会活動を取り戻していくため、
感染状況を見極めながら、休館していた一部市公共施設の再開を県に先駆けて決定したほか、市民に向けて経済を回すメッセージを数次にわたって発信しながら、八戸市
プレミアム食事券の発行など市独自の
経済対策を順次実施するとともに、
物価高騰により特に厳しい状況に置かれた市民や事業者に対しまして
各種支援金を給付するなど、
社会経済活動の回復に向けた
経済対策に最大限注力してまいりました。
また、昨年は、当市の
中心市街地と水産業を取り巻く環境が一層厳しさを増した年でありました。
中心街につきましては、長引く
コロナ禍により来街者の低迷が続き、さらには昨年春の
老舗百貨店三春屋の閉店などで厳しい状況に置かれていた中、十三日町・十六日町地区において
八戸スカイビルの民間再
開発事業が具体
化したことを受け、当市では
当該事業を中心街の再生につながる大きな契機と捉え、再開発を支援することを決断し、昨年9月、
市議会定例会において
予算議案を追加提案し、議決を賜ったところであります。
議決に際しましては、
議員各位より丁寧な説明を求める声や様々な御意見を頂戴したところであり、私もこれを重く受け止めた次第であります。私に課せられた使命は、新たに胎動したこの流れを
中心市街地の再編と活性
化という大きな流れにつなげていくことであり、まずはその第一歩として、八戸市
中心市街地まちづくりビジョン2023を年度内に策定するととともに、その
具体的取組の実施に向け、今後、
八戸商工会議所をはじめ、
まちづくり八戸や商店街などの関係諸団体との連携をさらに深めながら、
中心市街地の
にぎわい創出に取り組んでまいります。
また、水産業につきましては、昨年5月に
八戸水産アカデミーを新たに設置し、以来4回の講演会を開催してまいりました。
水産資源が減少している中にあっても持続可能な水産業の実現を目指し、様々な分野の方々に御参画をいただき、議論を深めてまいりましたが、一つの方向性として養殖漁業の可能性を検討することとし、現在、つくり育てる漁業に係る専門部会の設置に向け、鋭意準備を進めているところであります。
水揚げ数量が激減し、
当市水産業を取り巻く環境は極めて厳しい状況にありますが、
水産都市として培ってきた人的・物的資源を集約し、
八戸水産アカデミーを通じて得られた新たな知見を加えながら、
関係者一丸となって取り組むならば、必ずハマの再生を実現できるものと信じ、引き続き水産業の再興に取り組んでまいります。
次に、令和5年度における
市政運営についてでありますが、当市を取り巻く環境は、こうした
中心市街地や水産業などの地域が有する固有の課題のほか、人口減少や少子
化の進行、グローバル
化の進展、国が進める地方のDX――デジタルトランスフォーメーションやGX――グリーントランスフォーメーションといった新たな動きに加え、
新型コロナウイルス感染症や
国際情勢を背景とした
物価高騰など、喫緊の課題から中長期的な対応が必要な課題まで多岐にわたり山積しており、それぞれの課題に即した柔軟かつ適時的確な対応が求められております。
とりわけ、これまで3年余りにわたって
市民生活や
地域経済に甚大な影響を及ぼしている
新型コロナウイルス感染症は、いまだ全国で一定数の感染が続いている中、国は本年5月から
感染症法の分類を見直すことを決定しており、当市においては、市民の命を守る
感染症対策に万全を期すとともに、
コロナ禍前の日常を取り戻すための支援や、
コロナ禍により落ち込んだ
地域経済の再生と活性
化を迅速に推し進める必要があります。
また、少子
化は当市の未来を切り開く上で特に克服すべき喫緊の課題であり、市民が安心して子どもを産み育てることができるよう、
子育て世帯への
経済的支援や妊娠期から子育て期の切れ目のない寄り添い支援、子育てに関する情報を分かりやすく確実に届けられる
情報発信、子どもの学びや健やかな成長を促す
環境整備など、多彩で豊富な
子育て支援を総合的に提供する
子どもファーストの推進を強化していく必要があります。
さらに、災害や危機に強い安全安心で暮らしやすいまちの実現を図るため、日本海溝・
千島海溝沿いの巨大地震による
津波浸水想定区域からの迅速かつ円滑な
避難対策や、頻発する豪雨災害などへの対策を強化していく必要があるほか、当市の明るい未来をつくり上げていくため、市民が暮らしやすさを実感できる
デジタル社会の形成や、SDGs、
グリーン社会の推進といった新たな時代の動きへの対応、
中心市街地の
にぎわい創出や
スポーツ、文化、観光による魅力と活力あふれるまちの実現に向けた対応、年齢や性別、障がいの有無などにかかわらず誰もが活躍できる
地域社会の実現と高齢
化への対応、
官民連携や
自治体間連携による
地域社会の活性
化と
持続的発展に向けた対応、
市民サービスの向上と
行財政運営の効率
化に向けた対応といった重要課題の解決に向けて取組を着実に進めていく必要があります。
加えて、財政面では、国が公表した令和5年度の
地方財政の見通しにおいて、
地方交付税等の
一般財源総額は令和4年度の額を下回らないよう
地方財政対策が講じられておりますが、一方で長期
化する感染症による
地域経済の停滞や原油価格及び
物価高騰による
市民生活への影響のほか、
国際情勢、円安傾向などの懸念材料によって市税収入の確保が見通しづらい状況であり、引き続き厳しい
財政環境が予想されます。
令和5年度は、こうした重要課題が山積する中での
市政運営となりますが、将来にわたって持続可能な
地域社会を実現していくため、第7次八戸市総合計画に基づき総合的かつ計画的な
市政運営を着実に推進していくとともに、総合計画による中長期的な展望の下、市民と共に八戸の未来を創るための令和5年度のまちづくり戦略として、新たに未来共創推進戦略2023を策定し、重要課題の解決に向けた取組を9つの戦略として位置づけ、重点
化を図り、総合計画の6つの政策の枠を超えて、政策間連携の相乗効果を発揮させながら取組を戦略的に展開してまいります。
また、総合計画及び戦略に基づき展開する事業の推進に当たりましては、市民との対話を重視し、市政への理解と共感を得ながら、限りある行財政資源の有効活用を図るとともに、利便性や業務効率を高めるため、デジタル技術を効果的に活用して進めてまいります。
さらに、今後、社会経済情勢の変化によって新たな課題が顕在
化した場合には、速やかに対策を講じ、いかなる状況下においても安全安心な
市民生活を確保し、
地域経済の停滞を招くことのないよう柔軟な
市政運営に努めてまいります。
それでは、未来共創推進戦略2023に掲げる9つの戦略に基づき、その取組を順次申し述べてまいります。
まず戦略1、
新型コロナウイルス感染症対策と
コロナ禍前の日常の回復についてであります。
国では、昨年9月以降、新型コロナウイルス感染者数の全数届出の見直しや水際対策の緩和といった従来からの
感染症対策の見直しを順次進めてきたほか、本年5月からは
感染症法上の分類をこれまでの2類相当から季節性インフルエンザと同等の5類へ引き下げることとしており、
社会経済活動の回復に向けて感染防止対策の段階的な緩和を進めております。
一方で、全国の感染者数は変異株への置き換わりによって今なお増減を繰り返しており、当市においても引き続き
感染拡大の波が繰り返し訪れるものと考えられます。
そのため、令和5年度は、これまで培ってきた感染症に関する知見と教訓を生かし、市民の命を守る
感染症対策に万全を期すとともに、感染症の流行状況を注視しながら適時適切な対策を講じることで、市民が安心して日常生活を送ることができる環境づくりを進め、
コロナ禍前の日常を取り戻していく必要があります。
これらの課題に対応するため、1点目として、
感染拡大に備えた検査体制の確保や
コールセンターの運営、入院病床・宿泊療養施設の確保、自宅療養者、宿泊療養者への
健康観察等の適切な対応を図り、
新型コロナウイルス感染症対策に取り組んでまいります。
2点目として、市民が安心して日常生活やイベント等の活動を行うことができるよう、感染症に関する適切な
情報発信や活動支援によるフォロー体制の充実を図るとともに、
コロナ禍により影響を受けた高齢者フレイル――心身の虚弱などの健康二次被害の予防対策を図り、
コロナ禍前の
市民生活を取り戻すための対策を推進してまいります。
次に戦略2、産業都市八戸の更なる経済活性
化の推進についてであります。
当市の企業の大部分を占める中小企業や小規模企業は、
地域経済に活力をもたらす原動力であり、
コロナ禍により大きな影響を受けた
地域経済の再生と回復を図るためには、中小企業及び小規模企業の安定経営及び事業の成長を促す必要があります。
また、
地域経済の持続的な発展を促進するため、後継者がいない事業者への事業承継を支援するとともに、より多くの創業者が輩出され、安定して事業を営んでいけるよう、創業支援の充実を図っていく必要があります。
さらに、新たな企業の立地は雇用の創出や市民所得の向上、地元企業への波及効果など経済活動の好循環につながるため、企業誘致施策や産業インフラの整備を着実に進めていく必要があります。
一方で、近年の全国的な
水産資源の減少により、昨年の八戸港の水揚げ量は3万トンを下回るなど、当市の基幹産業である水産業は引き続き厳しい状況にあり、当市では、水産業の様々な課題について協議検討を進める
八戸水産アカデミーを設置し、水産業の在り方について研究を進めておりますが、令和5年度は、つくり育てる漁業の実現に向けた具体的な調査検討を進めるほか、八戸港の水揚げ量を増やしていくための漁船誘致対策を強化する必要があります。
これらの課題に対応するため、1点目として、
コロナ禍により影響を受けた
地域経済を回すための消費喚起事業や、
地域経済を支える中小企業及び小規模企業のさらなる振興に取り組むとともに、企業誘致や産業集積の促進、産業インフラの整備、創業・事業承継支援に取り組み、
地域経済を牽引する産業力のさらなる強化を図ってまいります。
2点目として、
八戸水産アカデミーに設置する養殖専門部会において、つくり育てる漁業の実現に向けた調査を進めるとともに、水揚げ量を増やしていくための漁船誘致対策の強化や水産物のブランド
化推進により水産業の再興を図り、ハマの活力を取り戻してまいります。
次に戦略3、持続可能なより良い社会の実現についてであります。
我が国を含め世界各国で取組が進められているSDGs――持続可能な開発目標は、第7次八戸市総合計画に掲げたまちづくりの視点の1つであり、誰一人取り残さない持続可能な八戸市の実現に向け、まちづくりに参画する全ての主体がSDGsに対する認識を共有し、一体感を持ってまちづくりを進めていく必要があります。
また、国は温室効果ガス排出削減と産業競争力の両立を目指すGXを推進しており、当市においても、昨年2月に気候非常事態宣言を表明するとともに、官民一体となって脱炭素
化の取組を推進しているところであり、令和5年度は、新たに地球温暖
化対策地方公共団体実行計画を策定し、環境、社会、経済のバランスの取れた
グリーン社会の実現に向けた取組を着実に推進していく必要があります。
さらに、国が昨年6月に公表したデジタル田園都市国家構想基本方針では、地方の社会課題を解決するため、官民双方でDXを推進するとして、地方の取組を支援する方針を打ち出しております。
当市では、今月7日に、市民が暮らしやすさを実感できる
デジタル社会の形成を目指した八戸市デジタル推進計画を策定しており、令和5年度は同計画に基づき、
市民サービスや行政事務のデジタル
化を加速させるとともに、IT企業や高等教育機関、関係団体等との連携による
地域社会のデジタル
化に向けた取組を強力に推進していく必要があります。
これらの課題に対応するため、1点目として、SDGsに対する普及啓発活動を拡充するとともに、再生可能エネルギーの導入に向けた普及啓発に取り組み、SDGsに対する市民意識のさらなる醸成と
グリーン社会の実現に向けた取組を推進してまいります。
2点目として、市民向けアプリの運用や行政手続のオンライン
化、ICT活用による業務効率
化、デジタル技術の活用による中心街への誘客と公共交通の利用促進を図るとともに、IT企業等と連携し地域のデジタル
化に向けた取組を進め、時代に即した
デジタル社会の形成を推進してまいります。
次に戦略4、個性豊かな魅力あふれるまちづくりの推進についてであります。
令和3年11月に八戸市美術館が開館したことにより、
中心市街地に整備を進めていた一連の文化施設や
スポーツ施設が整い、都市機能の充実が図られた一方で、長引く感染症流行などの影響により、長年市民に親しまれてきた百貨店や大型店が閉店し、
中心市街地のにぎわい喪失が懸念されております。
そのため令和5年度は、今後10年程度の中期的視点で取り組むまちづくりの方向性を定めた八戸市
中心市街地まちづくりビジョン2023に基づき、新たな
中心市街地活性
化基本計画を官民一体で策定するとともに、
中心市街地のデジタル
化の推進や居心地がよく歩きたくなる都市空間の形成、民間再開発の支援などの活性
化策により、
中心市街地のさらなるにぎわいの創出を図る必要があります。
また、氷都八戸を象徴する
長根屋内スケート場が新たに日本オリンピック委員会の競技強化センターに認定され、フラット八戸や多賀多目的運動場を含めた当市
スポーツ施設の優位性が増しており、これらの施設の特性を生かした
スポーツ合宿の誘致やプロ
スポーツの観戦、大会・興行の開催を促進するとともに、
スポーツ活動の促進や競技力の向上を図り、
スポーツによる活力創出をより一層推進していく必要があるほか、昨年11月に策定いたしました八戸市体育館の建て替えに関する基本構想に基づき、新たな市体育館の整備を着実に進める必要があります。
さらには、
中心市街地をはじめとする市内の文化施設や
スポーツ施設と商業機能との連携による相乗効果により新たな人の流れを生み出し、さらなるまちの魅力創出を図っていく必要があります。
加えて、感染症の影響により大きく減少した当市の観光客数は、国や県の観光需要喚起策により国内旅行需要が増加しており、今後は、水際対策の緩和に伴うインバウンド需要の回復のほか、大規模会議や大会の再開により増加することが見込まれております。
こうした中、昨年12月の東北新幹線八戸開業20周年と湊地区の八戸市魚菜小売市場のリニューアルオープンに続き、本年5月には種差海岸が三陸復興国立公園指定10周年を迎えることで、市民が当市のまちづくりや地域資源の魅力を再認識する好機となりますことから、当市の豊かな食文化や観光資源を生かした観光地域づくりやコンベンション誘致を推進し、
地域経済の活性
化を図るとともに交流拡大につなげていく必要があります。
これらの課題に対応するため、1点目として、第4期八戸市
中心市街地活性
化基本計画の策定や、居心地がよく歩きたくなる都市空間の形成に向けた検討を進めるとともに、デジタル技術を活用した
情報発信や駐車場の利便性向上策に取り組むほか、民間主導のまちづくりやイベント開催を支援し、
中心市街地の
にぎわい創出に取り組んでまいります。
2点目として、公共施設間の連携や文化事業と商業機能との連携、
スポーツによる人材育成やまちづくりを推進するとともに、八戸市体育館建て替えに関する基本計画を策定し、
スポーツや文化が有する力を生かしたまちの魅力創出に取り組んでまいります。
3点目として、食のまち八戸をテーマとした観光振興や北東北のコンベンションシティ八戸の実現に向けた観光地域づくりを推進するとともに、八戸都市圏交流プラザを活用した八戸圏域の魅力発信に取り組み、地域の魅力を生かした関係人口や交流人口の拡大を図ってまいります。
次に戦略5、安全安心で人にやさしいまちづくりの推進についてであります。
令和3年度に県が公表した日本海溝・
千島海溝沿いの巨大地震による津波浸水想定では、当市の沿岸部や河川流域部を中心に避難対象地域が拡大しており、令和5年度は、昨年11月に改定いたしました津波避難計画に基づき、避難対象地域内から迅速かつ円滑に避難できるよう津波
避難対策を着実に進めるほか、近年頻発している異常気象による災害への対策を講じ、市民の安全安心を確保していく必要があります。
また、全国的に交通事故や犯罪によって貴い人命が失われる事件事故が発生しており、当市においても歩行者の安全を守る歩道の整備などの交通安全対策や防犯カメラの設置促進などの防犯対策を推進し、事件事故の未然防止を図るとともに、不幸にも犯罪被害者となった方やその家族への支援の充実を図る必要があります。
さらに、空き家・空き地の増加による都市のスポンジ
化や公共施設等の老朽
化が進行しており、空き家の適正管理や利活用のさらなる促進を図るとともに、公共施設等の維持管理の適正
化や長寿命
化を推進していく必要があるほか、八戸市立地適正
化計画に基づく都市機能や居住の誘導、公園の着実な整備と適正な管理により、人々が集い、交流することができる暮らしやすく居心地のよい空間の形成を図っていく必要があります。
これらの課題に対応するため、1点目として、新たな津波浸水想定に対応した津波
避難対策を進めるとともに、歩道の整備や防犯カメラの設置促進などの交通安全対策や防犯対策に加え、犯罪被害者やその家族への支援の充実を図り、災害や危機に強い安全な地域づくりを推進してまいります。
2点目として、コンパクト&ネットワークのまちづくりや公園の整備、公共施設等の保守、修繕、バリアフリー
化の取組を進めるとともに、空き家の適正管理や利活用の促進を図り、暮らしやすい住環境づくりを推進してまいります。
次に戦略6、
子どもたちの明るい未来創出と地元定着・人材還流の促進についてであります。
少子
化や人材流出による人口減少は、将来的な地域の担い手不足や労働力不足につながり、当市の未来を切り開く上で特に克服すべき喫緊の課題であることから、国や県、関係団体等との連携による効果的な取組を着実かつ継続的に推進していく必要があります。
こうした中、国においては、本年4月に、少子
化対策を含む子ども政策を一元的に行うこども家庭庁を創設して、子どもに関する政策を強力に進めていくこととしており、当市においても、令和5年度は、市民が安心して子どもを産み育てることができるよう、
子育て世帯への
経済的支援や妊娠期から子育て期の切れ目のない寄り添い支援、子育てに関する情報を分かりやすく確実に届けられる
情報発信、子どもの学びや健やかな成長を促す
環境整備など、多彩で豊富な
子育て支援を総合的に提供する
子どもファーストの推進を強化していく必要があります。
また、感染症の流行によるテレワークの普及や地方への関心の高まりによって、若者を中心に地方への移住や地元での就職、進学に対する関心が高まっていることを背景として、国ではデジタル田園都市国家構想総合戦略を策定し、デジタル技術の活用による移住をはじめとした地方創生の動きの深化、加速
化を図ることとしており、今後は大都市圏からの移住や地元での就職等を望む若者がこれまで以上に増えることが期待されます。
そのため、令和5年度は、デジタル技術を活用して地域資源の魅力を発信するとともに、地元企業への就職に資する機会の確保、産業界・教育界との連携による産業教育の充実をこれまで以上に推進していく必要があります。
これらの課題に対応するため、1点目として、子ども医療費の助成や子どもを対象としたプレミアム商品券の発行のほか、妊娠期から子育て期の切れ目のない寄り添い支援、広報紙面の充実や専用アプリによる
情報発信の強化、子どもの学びや健やかな成長を促す
環境整備など、多彩で豊富な
子育て支援を総合的に提供する
子どもファーストを推進してまいります。
2点目として、市公式SNSの発信内容の充実と登録促進を図るとともに、市出身者や当市にゆかりのある方への市関連情報のメール配信やリモートワーカー等への受入れに関する
情報発信、大学生や高校生の地元定着に向けた産業教育の充実、地元企業への就職に資する機会の確保を図り、多くの人から選ばれる地域づくりを推進してまいります。
次に戦略7、多様な人々が活躍できる共生社会の実現についてであります。
誰もが住み慣れた地域で安心して暮らせる共生社会の実現には、年齢や性別、障がいの有無などにかかわらず、多様な人々が自分らしく活躍できる
地域社会を構築していくことが重要となります。
そのため、高齢者や障がい者が個性や能力を発揮し社会の中で活躍できるよう、シニア世代が持つ技術や技能等を生かした取組や、障がい者の就業定着と就業機会の拡大を図っていくとともに、未来を担う若者や女性の視点を生かしたまちづくりを推進し、多様な人々が活躍できる
地域社会を形成していく必要があります。
また、誰もが性別に関わりなく、社会のあらゆる分野の活動に対等に参画し、個性と能力を十分に発揮できるよう男女共同参画の推進を図るとともに、不当な差別や偏見によって生きづらさを感じることなく、生き生きとした人生を送ることができるよう、性的指向や性自認に対する理解の促進を図る必要があります。
さらに、当市の人口の3割以上を占める65歳以上の高齢者が住み慣れた地域で安心して生活できるよう、介護・医療ニーズに適切に対応するとともに、介護・医療分野におけるデジタル技術の活用を促進し、将来を見据えた介護・医療サービスの提供体制の充実を図る必要があります。
これらの課題に対応するため、1点目として、若者や女性の視点を生かしたまちづくりを推進するとともに、高齢者の社会参加の促進、障がい者の就業定着と就業機会の確保に向けた相談機能の充実、男女共同参画意識の醸成と女性のキャリアアップ支援、性的指向や性自認に関する理解の促進に取り組み、誰もが活躍できる社会づくりを推進してまいります。
2点目として、医療と介護を結ぶデジタルシステムの活用や事業者による介護ロボット等の導入促進、在宅医療を受けることができる仕組みづくり、終末期医療体制の整備に取り組み、誰一人取り残さない温かい社会づくりを推進してまいります。
次に戦略8、市民力と連携の相乗効果を活かした地域の活力創出についてであります。
人口減少や少子高齢
化を背景として、地域課題が多様
化、複雑
化する中、個性豊かで住みよい地域を持続していくためには、市民一人一人が持つ市民力を結集するとともに、事業者や行政と一体となって地域課題の解決を図る協働のまちづくりを推進していく必要があります。
また、当市に立地する高等教育機関や多くの企業には、知や技術の集積拠点として地域が持つポテンシャルを引き出すことや、産業振興の核として地域に活力を生み出すことが期待されており、デジタル
化やグリーン
化の進展など社会経済情勢が大きく変容する中において、産学官が一体となって、それぞれの強みを生かしながら、地域が抱える課題の解決や地域が求める人材の育成に取り組んでいく必要があります。
さらに、人口減少や少子高齢
化が進行する中においても、一定の圏域人口を有し活力ある社会経済が維持され、魅力あふれる圏域としてさらなる飛躍を遂げるため、これまで進めてきた近隣自治体との広域連携の取組の深化を図るとともに、古くから密接な関係にある久慈圏域及び二戸圏域との連携や、産業面での類似性など地域特性を生かした都市間連携を進め、その相乗効果による地域活性
化を図っていく必要があります。
これらの課題に対応するため、1点目として、個性豊かで住みよい地域を持続していくため、協働のまちづくりや産学官連携の取組を進め、官民一体となって地域の総合力を高める
官民連携を推進してまいります。
2点目として、八戸圏域連携中枢都市圏に基づく広域連携や久慈圏域及び二戸圏域との県境を越えた三圏域連携、北海道苫小牧市との交流連携協定に基づく都市間連携の取組を進め、自治体相互の強みを生かした連携を推進してまいります。
最後に戦略9、市民目線のまちづくりの推進と自治体ガバナンスの強化についてであります。
情報通信ネットワークの高速
化や大容量
化を背景としたスマートフォンの普及やキャッシュレス決済等のデジタルサービスの活用機会の拡大により、市民が気軽にデジタル技術に接する機会が増え、日常生活の中にデジタル技術が深く浸透しつつあります。また、ライフスタイルの変化や価値観の多様
化により、
市民サービスに対するニーズが変化し続けております。
こうした変化に的確に対応するため、身近な
市民サービスや行政事務においてデジタル技術を積極的に活用するとともに、分かりやすい行政情報の発信や市民との対話を通して市政への理解と共感の醸成を図る取組を推進し、多様なニーズに応じた
市民サービスの質の向上を図る必要があります。
また、先月公表した大型公共施設の維持管理コスト等の見える
化により、施設の有効利用による費用対効果の向上を図るとともに、民間企業との交流を通じた経営感覚やスキルを持った職員の育成など行財政改革を推進し、将来にわたって持続可能な
行財政運営に取り組んでいく必要があります。
これらの課題に対応するため、1点目として、市政情報の分かりやすい発信や市長との公民館サロンの開催、デジタル技術を活用した行政サービスの利便性向上と業務効率
化に取り組むとともに、行政組織を活性
化させ、市民の市政ヘの理解と共感を促しながら行政サービスの質の向上に取り組んでまいります。
2点目として、大型公共施設の維持管理コスト等の見える
化や施設の有効利用を促進するとともに、民間企業との交流促進や職員研修の充実、公契約制度の認知度向上に取り組み、経営感覚を持った行財政改革を推進してまいります。
加えて、岸田総理大臣は、先月開会した第211回通常国会の施政方針演説において、子ども・子育て政策を国の最重要政策に位置づけ、本年6月の骨太の方針策定までに将来的な子ども予算倍増に向けた大枠を示すとともに、
新型コロナウイルス感染症に係る対応の見直しや、新しい資本主義の推進、構造的な賃上げ、物価高対策、GX及びDXの推進、地方創生の取組など、主要な各政策についても全身全霊を尽くして取り組んでいくことを表明されました。
いずれの政策も、市民の生活に密接に関わるものであり、当市の
市政運営に大きな影響を与える重要政策であることから、国の動向を十分に注視し、適時適切に対応してまいります。
以上、令和5年度の
市政運営について、るる申し述べてまいりましたが、新たな時代の構築に向け、地方自治体を取り巻く環境が急速に変化している現代において、市政を預かる私の役割は、社会経済情勢を踏まえ、対処すべき課題を冷静に見極め、解決への道筋を示し、迅速果敢に取組を実行していくことであり、そのためには、変化に対応し、挑戦する自治体であり続けることが肝要であると考えております。
令和5年度は、市長就任以来進めてまいりましたまちづくりの成果や課題、さらには皆様からいただいた御意見等を踏まえ、八戸を次なる成長発展のステージへ押し上げていくための、まさに挑戦の年であります。
挑戦とは、困難に立ち向かうことを意味するものでありますが、令和5年度におきましては、大規模な機構改革を実行し、組織体制の抜本的強化を図るとともに、新たに構築した推進体制の下、私自らが先頭に立ち、不退転の覚悟を持って重要課題に果敢に挑戦し、新しい八戸の未来を切り開いてまいります。
引き続き当市の有する様々な地域資源を最大限に活用し、市民力を結集するとともに、市民の皆様との対話を積み重ね、市政に対する理解と共感を得ながら、
市政運営に全力を尽くしてまいる所存でありますので、
議員各位並びに市民の皆様の一層の御理解と御協力をお願い申し上げます。
次に、予算についてでありますが、令和5年度の国の予算は、足元の物価高を克服しつつ、経済再生の実現に向け、人への投資、科学技術、イノベーション、スタートアップ、GX、DXといった成長分野への大胆な投資、少子
化対策、子ども政策の充実等を含む包摂社会の実現等による新しい資本主義の加速や、外交・安全保障環境の変化への対応、防災・減災、国土強靱
化等の国民の安全安心の確保をはじめとした重要な政策課題について必要な予算措置を講ずること等を基本として編成されました。
その結果、令和5年度の
一般会計予算案は114兆3812億円となり、前年度と比較して6.3%の増となっております。
一方、令和5年度の
地方財政対策は、社会保障関係費の増加が見込まれる中、住民のニーズに的確に応えつつ、
地域社会のデジタル
化や脱炭素
化の推進など様々な行政課題に対応し、行政サービスを安定的に提供できるよう、
地方交付税等の
一般財源総額について令和4年度
地方財政計画の水準を下回らないよう実質的に同水準を確保することを基本として講じられており、
地方財政計画の規模は92兆400億円、前年度と比較しまして1.6%の増となっております。
これらの国の予算及び
地方財政対策の動向の下、当市の令和5年度予算につきましては、長引く感染症による
地域経済の停滞や原油価格・
物価高騰による
市民生活への影響等により、市税収入の確保や物件費の増嵩への対応など、財政の見通しが不透明な状況にある中、
市民サービスの向上をはじめ、当市を取り巻く重要課題への対応に必要な予算を確保し、明るい未来を切り開くための施策の着実な推進を図ることを基本として編成いたしました。
事業の選択に当たりましては、第7次八戸市総合計画及び未来共創推進戦略2023の9つの戦略に基づき、令和4年度に開催されたまちの魅力創生ネットワーク会議の提言なども踏まえながら、
感染症対策をはじめ、
子どもファーストや
地域経済の再生、防災・減災対策、
デジタル社会の形成、
中心市街地の
にぎわい創出等の重要課題の解決に向けた取組を重点的に取り上げるとともに、持続可能な財政運営のため、引き続き第7次八戸市行財政改革大綱を念頭に、市債残高の縮減や基金残高の確保など財政の健全性にも配意することといたしました。
このような方針の下に編成した令和5年度の予算の規模は、一般会計は950億円、前年度と比較いたしますと4.1%の増となるものであります。また、特別会計は531億1790万円、前年度比0.7%の減であり、一般会計、特別会計を合わせた合計では1481億1790万円、前年度比2.3%の増となりました。
以下、一般会計からその主なものについて、未来共創推進戦略に掲げる9つの戦略に沿って御説明申し上げます。
まず戦略1、
新型コロナウイルス感染症対策と
コロナ禍前の日常の回復においては、ワクチン接種事業費やPCR等検査体制強化事業費など、医療・検査体制の確保に必要な予算を計上するほか、
コロナ禍前の日常を取り戻すプロジェクトとして、新たに高齢者等バス特別乗車証
無償化事業費、三日町・十三日町街区イベント開催支援事業費を計上いたしました。
戦略2、産業都市八戸の更なる経済活性
化の推進においては、市独自の
地域経済対策として、新たに18歳未満の市民等を対象とした八戸市次世代エール商品券発行事業費を計上するとともに、中小企業及び小規模企業の振興、創業支援の充実、企業誘致施策や産業インフラの整備に必要な予算を計上するほか、
八戸水産アカデミーにおけるつくり育てる漁業の実現に向けた調査経費を計上いたしました。
戦略3、持続可能なより良い社会の実現においては、SDGsに関する
情報発信・啓発事業費を計上するほか、時代に即した
デジタル社会形成のため、いきいきとした
デジタル社会推進事業費、はちのへAI(アイ)中心街・バス活性
化プロジェクト事業費を計上いたしました。
戦略4、個性豊かな魅力あるまちづくりの推進においては、十三日町・十六日町地区再整備支援事業費、中心街ストリートデザイン事業費、新体育館整備事業費を計上するとともに、新たに第85回全国都市問題会議や種差海岸三陸復興国立公園指定10周年の記念行事開催経費など、観光振興や関係人口・交流人口拡大に必要な予算を計上いたしました。
戦略5、安全安心で人にやさしいまちづくりの推進においては、新たに津波避難施設の整備等に関する基本方針策定事業費、通学路等区画線設置事業費、公共施設長寿命
化推進事業費を計上するとともに、空き家対策事業費、道路・公園等の長寿命
化事業費など、住環境づくりに必要な予算を計上いたしました。
戦略6、
子どもたちの明るい未来創出と地元定着・人材還流の促進においては、子ども医療費助成事業費及び母子健康診査事業費の拡充をはじめ、
子育て世帯への
経済的支援、
情報発信、
環境整備を総合的に実施する
子どもファースト推進プロジェクトに必要な予算を計上したほか、シティプロモーション推進事業費、移住・交流促進事業費を計上いたしました。
戦略7、多様な人々が活躍できる共生社会の実現においては、八戸市まちの魅力創生ネットワーク会議運営事業費など、若者や女性の視点を生かしたまちづくりの推進に必要な予算のほか、新たに、がん患者医療用補整具購入費助成事業費など、医療・介護の充実、高齢者の活動支援、障がい者就労支援等に必要な予算を計上いたしました。
戦略8、市民力と連携の相乗効果を活かした地域の活力創出においては、地域の底力実践プロジェクト促進事業費を計上するほか、第2期八戸圏域連携中枢都市圏ビジョンに基づく広域連携のための事業費などを計上いたしました。
戦略9、市民目線のまちづくりの推進と自治体ガバナンスの強化においては、市政情報の発信力の強化や市長との公民館サロンの開催、デジタル技術を活用した行政サービスの利便性向上に必要な予算を計上するほか、大型公共施設の維持管理コスト等の見える
化を進め、公共施設の有効利用を促進するための事業費などを計上いたしました。
これらの歳出予算に対して、歳入予算につきましては、市税299億円、地方交付税170億5000万円を計上したほか、国・県支出金、市債等は歳出予算との関連において計上いたしました。また、財政調整基金及び市債管理基金からの繰入れは、合わせて前年度と同額の14億円を計上したところであります。
次に、企業会計及び特別会計の主なものについて、その概要を御説明申し上げます。
まず、企業会計では、自動車運送事業会計において建設改良費として乗合バス購入費を計上いたしました。
市民病院事業会計においては、建設改良費として駐車場用土地購入費、医療機器購入費を計上いたしました。
下水道事業会計においては、管路、処理場、ポンプ場の建設改良事業費を計上いたしました。
特別会計では、都市計画土地区画整理事業特別会計において、八戸駅西地区における建物移転補償費、街路築造工事費を計上したほか、産業団地造成事業特別会計においては、令和3年度から5年度まで設定した継続費に基づき、分譲用地の造成工事費等を計上いたしました。
次に、議案第17号から議案第32号までの令和4年度八戸市
一般会計補正予算及び各特別会計補正予算の主なものについて御説明申し上げます。
議案第17号
一般会計補正予算は、歳入歳出それぞれ37億7324万8000円を増額するものであり、既決予算と合計いたしますと、総額は1076億4549万1000円となるものであります。
歳出補正予算の主な内容は、
新型コロナウイルス感染症の影響やエネルギー価格・
物価高騰が長期
化する中、中小企業者支援として、市独自にコロナ融資の借換えに係る保証料補助制度を創設するとともに、学校給食における食材費等の高騰対策の継続に必要な予算を追加計上いたしました。
また、国の補正予算を活用し、長根公園園路及び伊調ロード整備に係る設計費や
保育所・放課後児童クラブにおける
感染拡大対策等に必要な予算を計上したほか、市民病院など公営企業に対する繰出金、基金積立金等を措置いたしました。
歳出補正予算に対応する歳入といたしましては、地方交付税、国庫支出金、市債等により措置いたしました。
続きまして、人事案件及び条例案等の主なものについて御説明申し上げます。
まず、議案第33号は、
人権擁護委員であります橋向久美子氏及び澤田明久氏の2名の委員の任期が来る6月30日をもって満了となることに伴い、橋向氏については引き続き同氏を、澤田氏の後任には新たに鈴木稔氏を推薦することについて意見を求めるものであります。
橋向氏は、平成29年4月から同委員を務められ、現在2期目の任期中にあり、この間、相談業務や啓発活動等の職務を適切に遂行され、その重責を全うしており、同委員として適任であります。
また、鈴木氏は、小学校教諭として奉職し、平成29年4月から2年間、種差小学校校長を、平成31年4月から2年間、小中野小学校校長を務められ、誠実、温厚な人柄とともに人格が高潔で、教育者として広く社会の実情に通じ、優れた識見と豊富な経験を有していることから、同委員として適任であります。
議案第34号は、本年3月限りで失効する企業立地促進のための奨励金交付制度を5年間延長するためのものであります。
議案第36号は、さきに請負契約を締結した
新大橋整備工事(その4)について、設計変更により契約額を変更するためのものであります。
議案第37号は、令和2年10月20日に市民病院で行った脳動脈瘤クリッピング術に係る医療事故について、損害賠償の額を定めるためのものであります。
議案第38号は、
個人情報保護制度との均衡を図るため、不開示情報及び実施機関に係る規定の整備をするものであります。
議案第39号は、
個人情報の保護に関する法律の一部改正に伴い、同法の施行に関し必要な事項を定めるためのものであります。
議案第40号は、
個人情報の保護に関する法律及び
八戸市議会の
個人情報の保護に関する条例の規定による開示決定等に係る審査請求についての調査審議を行政不服審査会の処理する事項に加え、当該調査審議の手続を定めるとともに、その他規定の整備をするためのものであります。
議案第41号は、市が実施する各種事業の推進体制の強化を図るため、各部の再編により危機管理部、商工労働まちづくり部、観光文化
スポーツ部、こども健康部及び市民環境部を新設するとともに、各部の所管する事務の見直しをするものであります。
議案第42号は、福祉業務の体制充実のため福祉事務所の定数を増やすとともに、休職者が復職した場合において定数外に置く職員に係る規定の整備をするためのものであります。
議案第43号は、人事評価の結果等を事由とする職員の降給について規定の整備をするためのものであります。
議案第44号は、感染症業務手当及び福祉業務手当の額を改定するとともに、福祉業務手当の支給の対象となる職員の範囲を拡大するためのものであります。
議案第45号は、地域
スポーツ・文化活動検討協議会を設置するためのものであります。
議案第46号及び議案第47号は、埋蔵文化財センター是川縄文館及び博物館に係る小中学生の観覧料等を無料とするほか、博物館においては博物館法の一部改正に伴う所要の改正をするためのものであります。
議案第48号、議案第51号、議案第52号及び議案第55号は、基準省令の一部改正に伴い、利用者等に係る安全の確保を図るために必要な措置等を講ずるとともに、その他所要の改正をするためのものであります。
議案第50号は、基準となる告示の一部改正に伴い、自動車を運行する場合の子どもの所在確認の方法を定めるとともに、職員の配置基準を緩和し、教育及び
保育の内容について所要の改正をするためのものであります。
議案第53号は、祝金の受給資格を緩和し、小中学校の入学に係る祝金の額を引き上げるとともに、その他規定の整備をするためのものであります。
議案第54号は、子ども医療費の給付の対象となる保護者の所得制限を撤廃するためのものであります。
議案第56号は、助産師修学資金を創設するとともに、その他規定の整備をするためのものであります。
議案第57号は、出産育児一時金の支給額を引き上げるためのものであります。
議案第58号は、新井田公園テニスコートの増設に伴い、貸切り使用する場合の利用料金を改定するとともに、すずかけ公園を設置するためのものであります。
議案第60号は、
地方自治法第286条第1項の規定により、本年6月1日から青森県
市町村総合事務組合へ加入することについて協議するものであります。
以上、上程されました議案の主なものについて、その概要を御説明いたしましたが、細部につきましては、議事の進行に伴い、詳細に御説明申し上げます。
なお、ただいま御説明いたしました議案のうち、議案第33号につきましては、本日御審議くださるようお願い申し上げます。
何とぞ、全議案とも原案のとおり議決を賜りますようお願い申し上げ、議案の説明を終わります。
〔
市長熊谷雄一君降壇〕
○議長(
寺地則行 君)この際、お諮りいたします。
ただいま議題となっております議案のうち、議案第33号
人権擁護委員の候補者に推薦する者につき意見を求めることについてを本日審議いたしたいと思います。
これに御異議ありませんか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
○議長(
寺地則行 君)御異議なしと認めます。
よって、議案第33号を本日審議することに決しました。
お諮りいたします。
本人事案件は、
会議規則第37条第3項の規定により委員会の付託を省略いたしたいと思います。
これに御異議ありませんか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
○議長(
寺地則行 君)御異議なしと認めます。
よって、委員会の付託を省略することに決しました。
これより質疑を行います。
御質疑ありませんか。
(「なし」と呼ぶ者あり)
○議長(
寺地則行 君)御質疑なしと認めます。
これより討論を行います。
討論はありませんか。
(「なし」と呼ぶ者あり)
○議長(
寺地則行 君)討論なしと認めます。
これより議案第33号を採決いたします。
本案に同意することに御異議ありませんか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
○議長(
寺地則行 君)御異議なしと認めます。
よって、本案は同意することに決しました。
────────────────────
△日程第4 議会案1件
○議長(
寺地則行 君)日程第4議会案第1号
八戸市議会の
個人情報の保護に関する条例の制定についてを議題といたします。
--------------------
(案文は資料欄に掲載)
○議長(
寺地則行 君)お諮りいたします。
ただいま議題となっております議会案については、提案理由の説明は省略いたしたいと思います。
これに御異議ありませんか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
○議長(
寺地則行 君)御異議なしと認めます。
よって、提案理由の説明は省略することに決しました。
以上で本日の日程は全部終了いたしました。
────────────────────
休会の件
○議長(
寺地則行 君)この際、お諮りいたします。
議案調査のため、2月24日、27日及び28日の3日間は休会いたしたいと思います。
これに御異議ありませんか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
○議長(
寺地則行 君)御異議なしと認めます。
よって、3日間は休会することに決しました。
次回本会議は、3月1日午前10時に開きます。
────────────────────
散 会
○議長(
寺地則行 君)本日はこれにて散会いたします。
午前11時20分 散会...