八戸市議会 2018-12-11
平成30年12月 定例会-12月11日-03号
地方自治法第121条による出席者
市長 小林 眞 君
副市長 田名部政一君
副市長 大平 透 君
教育長 伊藤博章 君
総合政策部長 中村行宏 君
まちづくり文化スポーツ部長
原田悦雄 君
総務部長 大坪秀一 君
財政部長 岩田真奈 君
商工労働観光部長 磯嶋美徳 君
農林水産部長 出河守康 君
福祉部長 豊川寛一 君
健康部長 佐々木勝弘君
市民防災部長 石田慎一郎君
環境部長 佐藤浩志 君
建設部長 渡辺昇覚 君
都市整備部長 大志民 諭君
教育部長 吉田幸司 君
交通部長 村岡威伴 君
病院事業管理者 三浦一章 君
市民病院事務局長 品田雄智 君
監査委員 早狩博規 君
選挙管理員会委員長 野坂 哲 君
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出席事務局職員
事務局長 石亀純悦
次長兼議事課長 池田和彦
副参事(
議事グループリーダー)
山道隆央
主査 知野大介
主査 見附正祥
主査 林 一秀
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午前10時00分 開議
○議長(五戸定博 君)これより本日の会議を開きます。
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△日程第1 議案2件
○議長(五戸定博 君)日程第1議案第207号八戸市介護医療院の人員、施設及び設備並びに運営に関する基準を定める条例の一部を改正する条例の制定について及び議案第208号仮称・
みなと体験学習施設展示制作業務委託の一部変更契約の締結についてを一括議題といたします。
市長から提案理由の説明を求めます。
市長
〔市長小林眞君登壇〕
◎市長(小林眞 君)おはようございます。ただいま上程されました議案について、その概要を御説明申し上げます。
議案第207号は、介護医療院の人員、施設及び設備並びに運営に関する基準の一部改正に伴い、介護医療院の管理者が業務を委託する場合の基準に係る規定の整備をするためのものであります。
議案第208号は、さきに委託契約を締結した仮称・
みなと体験学習施設展示制作業務について、設計変更により契約額を変更するためのものであります。
何とぞ慎重に御審議の上、議決くださいますようお願い申し上げ、議案の説明を終わります。
〔市長小林眞君降壇〕
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△日程第2 一般質問
○議長(五戸定博 君)日程第2一般質問を行います。
順次質問を許します。
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28番 寺地則行君質問
○議長(五戸定博 君)28番
寺地則行議員の質問を許します。寺地議員
〔28番寺地則行君登壇〕(拍手)
◆28番(寺地則行 君)おはようございます。平成30年12月定例会に当たり、きずなクラブの一員として一般質問を行います。
質問入ります前に、時間をいただき、一言発言させていただきます。
今月7日、8日に、八戸市で公演されました、まつろわぬ民の公演についてであります。八戸出身の作家、木村友祐氏の小説「イサの氾濫」を原点に、東北を襲った東日本大震災の現状を踏まえ、歌手である白崎映美さんが歌をつくり、上演されたのが2014年、そして昨年、再演されました。そして今、八戸での公演となりました。
東北人がこれまでの歴史の中で虐げられ、また、武力で制圧され続け、冷遇されてきた過去の歴史と大震災の現実、特に福島県での原発事故での国の対応について、東北人の苦しみや悲しみ、それらを声に出して叫べと訴えております。物語では、ごみの山の撤去という具体的情景から、蝦夷として弾圧された歴史と、金と権力によって住民を排除するという現代の風刺もあわせた大スペクタクルでありました。
今の我々にも通じる示唆に富む作品であり、やはり我々も国と地方のあり方を考え、国の施策について声を上げるときは上げなければならない、そのように強く感じました。そのことを申し上げ、質問に入らせていただきます。
まず初めに、観光行政についてであります。
今最も注目を浴びているDMO、国が推奨する施策でありますが、調べてみますと、DMOとは、観光物件、自然、食、芸術、芸能、風俗、風習など、当該地域にある観光資源に精通し、地域と共同して
観光地域づくりを行う法人のこととあります。英語でデスティネーション・マネジメント・オーガニゼーションというそうであります。その頭文字をとってDMOというそうであります。
観光庁が指定した日本版DMOは、地域の稼ぐ力を引き出すとともに、地域への誇りと愛着を醸成する観光地経営の視点に立った
観光地域づくりのかじ取り役として、多様な関係者と協同しながら、明確なコンセプトに基づいた
観光地域づくりを実現するための戦略を策定するとともに、戦略を確実に実施するための調整機能を備えた法人とあります。このことを見ても、DMOは大変重要な役割と、地域と市民に対して大きな責任が問われます。
地元紙の記事によりますと、はちのへDMOの名前をVISITはちのへに決定したとあります。
八戸地域地場産業振興センター、八戸市物産協会、
八戸観光コンベンション協会の3団体が合併契約書に調印したとあります。
そこで、質問の1点目として、VISITはちのへの設立の目的についてお伺いいたします。
2点目は運営経費と採算性についてであります。
報道によりますと、新組織は、年間予算約10億円、職員85人規模となっております。取材に対してある方は、民間主導の事業にしたい、稼ぐ仕組みを特徴の1つとしたDMOを目指すとおっしゃっております。果たしてこの運営経費はどのように捻出され、その売り上げや利益はどうなるのでしょうか。この運営経費と採算性についての御所見をお伺いいたします。
3点目の質問は、このVISITはちのへが行う業務内容が、3団体業務と
八戸広域観光推進協議会の全事業に加え、市観光課の業務の6割を引き継ぐとあります。この観光行政の移管についてどのように行われ、どのような体制になるのでしょうか。この点についてお伺いいたします。
次に、中心市街地の活性化についてお伺いいたします。
先日、市民に長年親しまれてまいりましたマルマツが倒産したとの報道がありました。子どもたちが学校の指定服を買ったり、おばさんたちのファッションの中心として、長い間、幅広い年代に親しまれていたことが思い出されます。
八戸市が発足して90年を迎えようとしておりますが、私たちが物心ついたころには、まちに行くと言って、中心街によく来たものでした。デパートがあり、食堂があって、喫茶店があって、そこには別世界があったのであります。長根リンクの横には遊園地まであり、お祭りのときなどは近隣からも人が集まり、それは大変なにぎわいでありました。あのころの風景は大変懐かしい限りであります。
八戸市も、これまで中心市街地の活性化につきましては、特段の思いと強い政治力で取り組まれてきております。しかしながら、
経済的波及効果や商業の活性化にはいかがなものでしょうか。商店街の魅力づくりや来客への努力、心配りなど、一番大きい問題は駐車場であります。行政の取り組みをてこに、いま1度奮起をしていただきたいものと考えます。
八戸市はこれまで、はっちの開館や、それに付随したイベント、催し物、
八戸ブックセンター、マチニワなどの整備、長者まつりんぐ広場や更上
閣にぎわい広場の整備、歩行者天国などのイベント、さらに
借り上げ市営住宅や中心街への居住政策、空き店舗対策など、多くの事業をしてきております。それに加え、
屋内スケートリンクの建設、美術館建設、本八戸駅前まちづくりなども手がけておられます。
これらの事業や施策について、総合的に検証してみるべきではないでしょうか。私はその必要性があると思います。今回取り上げました地価の上昇も、一過性のものであるとすれば残念でありますし、真の活性化につながっていないということになります。
そこで、1点目として、
県内中心部商業地で唯一上昇しました八戸市三日町の地価公示価格につきまして、その要因についての御所見をお伺いいたします。
2点目は活性化の取り組みについて、先ほども例を挙げましたが、行政として、八戸市がしてこられました
中心市街地活性化の取り組みと、その成果についての御所見をお伺いいたします。
3点目は活性化に対する費用対効果の問題です。
いかに公共事業であり、市民のための事業とはいえ、かけた経費に見合う成果は求められるべきです。事業内容によっては、その成果や効果がわかりづらいものがあるかもしれません。しかしながら、市民の中には、中心街だけという厳しい意見もあります。そのことも踏まえて、活性化に対する
経済的波及効果をどのように考えておられるのか、御所見をお伺いしたいと思います。
次に、文化行政についてであります。
美術館の建設では、新たなビジョンに基づき、平成28年9月に策定した八戸市新
美術館整備基本構想にあわせて、その準備が着々と進んでおります。当初、建築費20億円との話が、その内容や事業計画等の見直しもあり、32億円となりました。市民は、
美術館基本構想に掲げる、種を蒔き、人を育み、100年後の八戸を創造する美術館に期待を寄せております。そして、その開館が早く訪れることを願っているのであります。
そんな中、地元紙に美術館開業2021年夏に延期と大きく報じられました。当初、2020年度末の予定でありましたので、都合半年の延期になります。現在、建設予定地の造成工事、建物の撤去作業等が行われ、その後に建設工事等が進むと伺っておりますが、この美術館建設の遅延についてお伺いしたいと思います。
以上で壇上からの質問を終わります。
〔28番寺地則行君降壇〕(拍手)
○議長(五戸定博 君)市長
〔市長小林眞君登壇〕
◎市長(小林眞 君)寺地議員にお答えを申し上げます。
まず、VISITはちのへの設立の目的についての御質問ですが、VISITはちのへは、平成31年4月1日に、
八戸地域地場産業振興センターが存続法人となり、八戸市物産協会と
八戸観光コンベンション協会が消滅法人として合併し、設立される予定であります。また、これまで圏域8市町村の観光振興に取り組んできた
八戸広域観光推進協議会の全ての事業が譲渡されるとともに、
市観光課事業の約6割を移管する計画となっております。
設立の目的につきましては、安定した経営基盤を有する
観光地域づくりのかじ取り役として、地域の稼ぐ力を引き出し、観光を通じた地域産業の振興を図ることであります。VISITはちのへでは、継続的な
マーケティングによる効果的な観光地経営、観光誘客と物産振興の一元化による効率的な事業展開、地域商社として圏域の地場産品の販路拡大に取り組んでまいります。
設立に向けては、今年7月に市と関係団体により設置した、VISITはちのへ
設立準備委員会を中心に準備を進めており、10月末に観光庁への
DMO候補法人登録申請を行い、今月中にも登録が完了する見込みとなっております。現在、準備委員会に圏域7町村が加わり、4月の運営開始に向けて鋭意取り組んでいるところであります。
次に、運営経費と採算性についてお答え申し上げます。
VISITはちのへの運営経費については、5団体が実施している観光誘客と物産振興等に関する事業の整理統合や、新規事業などについて精査しているところでありますが、現時点において年間約10億円程度を見込んでおります。運営に関しては、将来的に安定した経営が図られるよう、現在、専門家を交えて5カ年の経営計画を策定しているところであります。
採算性につきましては、現在、
地場産業振興センターが行っている
展示即売事業や駐車場事業が収益性が高く、収入の柱となるものであります。一方、まだ国内外での認知度が低い八戸圏域への誘客事業や、新たに取り組む
地域商社事業による商流の仕組みづくりについては、効果が出るまで時間を要し、当面採算性は低いものと考えております。市といたしましては、VISITはちのへが、こうした採算性は低いものの、公益性が高い事業や、従来市が行ってきた事業等を行うことを踏まえ、円滑な運営が図られるよう支援してまいりたいと考えております。
次に、観光行政の移管についてお答え申し上げます。
市からVISITはちのへに移管する事業につきましては、三社大祭やえんぶり等の観光誘客と、
ふるさと祭り東京や、
スーパーマーケットトレードショー等の物産振興を目的としたソフト事業を考えております。一方、観光施設の設置や維持管理等の
ハード整備事業につきましては、市が引き続き行ってまいります。
事業の移管に際しては、5団体の重複事業の統廃合を進め、人員配置の最適化とあわせて、これまで以上に効率的な事業展開を目指しております。これにより、広く市民や関係事業者へのさまざまなサービスが一層向上することとなり、観光誘客や物産振興への波及効果や好循環を生み出し、地域産業の発展に結びつくものと考えております。
以上でございます。
〔市長小林眞君降壇〕
○議長(五戸定博 君)寺地議員
◆28番(寺地則行 君)御答弁をいただきましてありがとうございました。
新たな事業でございますので、ある程度さまざまな想定を考えながら、事業を進めておられるとも思います。そういう中で、話を聞いていると、少し心配だという点が1点あります。
それは、
経営マーケティングなどによる事業戦略を重視しながらということであります。新聞等によりますと、
企画プロモーションや誘客物産、総務管理、そのほかに地域商社、インバウンド、2次交通という3部会を中心にというお話で伺っておるのですけれども、聞いていますと、何となく現状のやり方を踏襲しながらといいますか、その枠から出ていかないのではないかという懸念。先ほど壇上で申し上げましたように、DMOとは、あらゆる地域の可能性を包括して、それをまた生かすということにならないと、他都市との競争に勝てないのではないかと思うのです。
私たちが京丹後市のほうに会派で視察に行ってお話を聞いてきたのでありますけれども、海の京都ということで、京都の地名を生かしながら、京都の北部にある市町村が全て集まって連合を組んで、何が売れるものか、何を売りにしたらいいかというさまざまなものを検討しているのです。
その中で、データとか分析調査とか、それからターゲットをどのようにするとか、そのほかに地域をどのように連携しながらやっていくとか、非常に綿密にいろいろなものを計画しながら、想定しながら、ハードとソフトを融合させていくというやり方をしているのです。ですから、お客さんを呼ぶという実効性やさまざまなことに、京都のほうはすごくたけているような感覚を持ってきた次第です。
ですから、先ほど申し上げたように、八戸市が今ある八戸の観光資源をどのように生かすのがいいのか、またはどのようにしてお客さんを呼び込むのかという戦略的なものに、もしかしたらちょっと弱いのではないかという懸念があります。
このことは、これから多分いろいろ検討されて改善されていくとは思うのです。ただ、国が今これを大分推奨して、80カ所ぐらいを認定しながらやっていくという話になってくれば、先ほど申し上げたように、他都市との競争というか、客の奪い合いになるわけで、その中にどういうふうにして観光客や旅行業者を取り込んでいくかということも問題になってくると思うのです。
京丹後市の場合は、第2種旅行業の免許を取得するという話もあります。ですから、このDMOが、合併することによってスケールメリットができて、さまざまなことが進むという中にあって、詳細をもっと詰めていかなければ大変ではないかと私は思っております。
先ほど市長の御答弁の中にも、採算性については当面低いだろう。そういうお話もあったのでありますが、その中に5年の経営計画をこれからつくっていくのだという話もあるのです。どちらかといえば、10億円のお金がどのような形で生かされるのかは、私もまだ定かに浮かんでこないのですけれども、八戸市の負担が多くなるのではないか。要するに、ハードももちろん八戸市がやるでしょうけれども、ソフトの意味でも、八戸市の経費というか、役割が大きくなり過ぎて、これからかかっていく運営経費が負担になるのではないかという懸念があります。
それと、先ほどお話の中にも、八戸市の観光行政の6割を移管するという話が出てくると、それであれば、その中の市の職員は出向されるのか、されないのか、もしくはどういう話し合い、競合でそういうやり方をされるのか、具体的に見えてこないのです。ですから、市長の公約にもDMOはあって、稼ぐ力をということでお話があるのですけれども、その辺を明確にするために再質問を行います。
稼ぐ力をDMOでつけて、そのことを八戸の観光に生かすのだということですけれども、稼いだものやそういう効果をどのように使うつもりなのか。八戸市民に還元するような形で使うものなのか、もしくは事業自体の発展のために使うものなのか、どのような形で運営経費を使われていくのか、その辺をまず1点聞きたいと思います。
○議長(五戸定博 君)市長
◎市長(小林眞 君)寺地議員の再質問にお答えを申し上げます。
5年の経営計画を立てて、これから進めていくというお話を申し上げました。統合される各団体がそれぞれ重複して行っておった事業なども、一定の方向性のもとで統合して効率性を高めていく。その中で経費の節減ということも効果が見込まれると思っております。
現実、今収益を上げている事業部門以外は、当面なかなか採算性は見込めないというお話も申し上げました。また、八戸市が過大な負担を強いられるのではないかという御懸念も今あったわけでありますけれども、効率性を追求する中で、そういった懸念も払拭していければと思っております。その上で採算性が高まって、収益を得られる状況になる、その場合の利益の還元をどのように考えているのかという御質問と受けとめさせていただいたところです。
DMO設立の目的の1つは、自立性を高めた観光、あるいは物産の主体をつくっていくということで、行政と一定の連携をしながらも、独自性の中で進めていくということが目的であります。ですから、組織の運営に当たっては、将来を見越して、収益が出た場合には、投資に向けていくということが1つの判断になってこようかと思っております。しかし、それはあくまでも最終的には、八戸市民を含めた圏域住民のプラスになるような方向での展開ということを、当然図っていくものと期待されると思います。ですから、どちらかに偏った形での利益還元ではない方向で組織が運営される、このことを期待しているとお答え申し上げたいと思います。
○議長(五戸定博 君)寺地議員
◆28番(寺地則行 君)御答弁ありがとうございました。
先ほど申し上げたように、さまざまな要因を包括して会社を設立して、それが中心となって観光を牽引していくということになるので、大変重要なことだと思います。先ほど話をした京丹後市のほうでは、民間の社長、京都銀行の取締役をやられた方を社長に迎えてということで、かなり活発に経済界を引っ張ってやっているというお話でした。ぜひそういう計画またはさまざまなものが前向きに進むようにお願いしたいと思います。
先ほど市のかかわり、観光行政が6割移管するのだという話ですが、移管の仕方について職員を派遣されるのか、もしくはある程度委託費みたいな、そういう補助金かなんかで処理されるのか。その辺についてはどうでしょうか。その辺を再質問としてお伺いしたいと思います。
○議長(五戸定博 君)市長
◎市長(小林眞 君)京丹後市の事例をお話しされました。今、非常にうまい方向で進められている典型的な例だと思っております。京都にインバウンドで人があふれ返っているその状況を、海の京都という形でうまく呼び込むということで、非常に戦略的な方向でやっているというのも承知しておりますし、非常に参考になる例だと受けとめています。同じような形をとるのはなかなか難しいのですけれども、戦略性を持ったDMOの運営ということが求められます。
そこででありますけれども、市行政の中でも、長年観光行政について専門的に取り組んできた職員もおりますので、DMO発足時におきましては、人員を直接派遣するような形での支援、いつまでになるかということもこれからいろいろ議論して検討していくわけでありますけれども、人の派遣についても今検討しているところであります。
○議長(五戸定博 君)以上で発言事項1は終わります。
次に、発言事項2について答弁願います。市長
〔市長小林眞君登壇〕
◎市長(小林眞 君)それでは、発言事項2につきまして、私からは(3)活性化に対する費用対効果についての所見についてお答え申し上げます。
経済産業省の商業統計調査によると、第1期
中心市街地活性化基本計画着手時期直前の平成19年度から平成26年度までの間に、中心市街地における小売業年間販売額、小売店舗数、売場面積はともに減少しており、市全体に占める割合も、わずかではありますが減少しております。
昭和40年代から昭和50年代にかけては、商業施設の近代化と大型化が進んだ中心市街地ですが、こうした減少の背景には、右肩上がりの経済成長から成熟期への移行、少子高齢化や人口減少、さらにはショッピングセンターの郊外化、ネットショッピングの伸長など、全国的な社会経済状況の変化が要因として考えられ、この流れを押しとどめるのは容易ではないと考えております。
こうしたことから、私は、はっちやマチニワ、
八戸ブックセンターの整備を通して、日常的に人々が集い、さまざまな活動や交流が生み出される場所となるよう、中心市街地の再生を目指してまいりました。中心市街地は、当市の伝統文化が息づく場所であるとともに、既に多くのインフラが集積しており、市民や市外からの観光客やビジネス客がイベントや横丁に集うなど、多彩な人々の活動や交流により文化や消費を生み続ける、まさに八戸の顔であり、中心市街地の活性化が困難な時代にあっても、人々の活動や交流を通して、一定の経済効果も生み出しているものと考えております。
今後、屋内スケート場や新美術館などの施設整備も進み、これまで以上に多くの人が集まり、多様な活動がふえることに期待をしておりますが、こうした機会を捉え、中心市街地、さらには地域の活力創出につながるよう、官民一体となって取り組んでまいります。
私からは以上でございます。
〔市長小林眞君降壇〕
○議長(五戸定博 君)
まちづくり文化スポーツ部長
◎
まちづくり文化スポーツ部長(原田悦雄 君)2の(1)、(2)につきましては私からお答え申し上げます。
まず、(1)の中心市街地の地価上昇の要因についての御質問ですが、本年9月に青森県が公表した地価調査結果によりますと、当市の商業基準地である三日町の1平方メートル当たりの価格は、前年より2000円増の13万円、変動率は1.6%となっており、市内商業基準地では価格が最も高く、県内では価格、変動率ともに3番目となっております。変動率が上昇した地点は、県内では、青森市3地点、弘前市1地点、八戸市1地点の合計5地点でありますが、中心市街地において上昇したのは当市のみとなっております。
また、国土交通省が公表している地価公示におきましても、同地点は価格が上昇に転じているほか、仙台国税局が公表した路線価につきまして、三日町通りは前年より5000円増の1平方メートル当たり10万5000円、変動率は5%で、25年ぶりに上昇しております。国土交通省によりますと、同地点の価格が上昇に転じたのは、近隣地域内に多目的広場が着工するなど、中心市街地ににぎわいが戻りつつあることが要因とされていることから、八戸まちなか広場マチニワや民間事業である八日町地区複合ビルの整備が評価されたものと認識しております。
次に、(2)の活性化の取り組みとその成果についてお答えを申し上げます。
市では、平成20年7月に第1期
中心市街地活性化基本計画を、平成25年3月に第2期計画を策定し、中心市街地における衰退傾向を食いとめ、にぎわいを創出するべく、官民一体となって各種取り組みを進めてまいりました。
この間、八戸ポータルミュージアム・はっちを初め、民間事業であるガーデンテラスや
八戸ブックセンター、八戸まちなか広場マチニワが整備されたほか、はちのへホコテンなど、地元商業者を中心としたソフト事業を継続して実施することにより、中心市街地に新たな人の流れが生まれてまいりました。また、中心市街地に集積する中高層ビルへのIT・テレ
マーケティング産業の企業進出により、若者等の雇用が生まれたことも、中心市街地のみならず、地域の活力創出につながってきたものと考えております。
今後は、本年11月に第3期計画の認定を受けたことを契機に、現在進行中の新美術館や屋内スケート場、八日町地区複合ビルの整備などの主要事業を初めとした、計画に掲載している64事業を着実に実施していくことを通して、これまでの活性化の機運をより確かなものとするため、官民一体となって取り組んでまいります。
以上でございます。
○議長(五戸定博 君)寺地議員
◆28番(寺地則行 君)御答弁をいただきましてありがとうございました。
地価については、私もちょっと調べてみましたが、八戸市の集中投資による期待感が強いと思います。というのは、八戸市が平成27年3月にマチニワの土地を買うときに、土地の鑑定をされております。皆さん御存じだと思うのですが、そのときの評価額が平米当たり13万1000円です。ですから、平成27年の時点で地価公示よりも高い値段で買っているということです。それを見て、公示価格を調査する方々は、現実の売買の値段を当然参考にして算定しますので、13万円という平米単価が出てくるわけでありまして、その時点からある程度わかっていたことであります。
ですから、先ほど演壇で申し上げたように、このことが一過性であっては余り八戸のためにはならない。なるべくそのことを起爆剤として、商売をしたい人が来るなり、または中心街の土地を利用する人がふえてこなければ、せっかくこれまで公共事業やはっちやブックセンターや、さまざまなことをやってきている意味合いが薄れてしまうのではないかという心配をしているわけであります。
ですから、商業地が値上がりしているのは八戸だけだということで注目を浴びておりますので、そのことを逆に生かさなければならないのではないかとも思っています。ぜひ一過性でない、また実のあるような活性化ができるように祈っているところであります。
現実には、まちを歩いても、にぎわいの実感が沸かなかったり、ある程度はっちやマチニワにも座っているというか、バスを待っていたり休憩している人もいたりして、本当のにぎわいにつながっているのかという心配はちょっとしております。
先ほど演壇で申し上げたように、行政がこれだけ努力しているのであるのだから、もう少しそのことを生かしながら、地域の振興や商業の振興にそのことがつながっていかなければならないと思うのです。ですから、いつかの時点で公共事業の効果がどれぐらいあるのか、検討しなければならない時期は来ると思います。
私が質問の中で費用対効果を含めて御答弁をお願いしたのですけれども、市長の答弁には費用対効果ということが抜けていたように感じました。公共事業は、当然国がある程度補助金を出し、一定の地元の負担もあるでしょうけれども、後々交付金で措置されるわけで、その負担は少ないとは思うのです。ですから、そういう意味では、公共事業は私はどんどんやったほうがいいとは思います。
ただし、公共事業をやった運営費または維持費、そういうものは当然市の負担になるわけですので、そのことは経費として、またははっちやブックセンターを支えていく上で、経費は当然市が払っていくということですから、それを仮に費用と見るならば、その効果はいかがでしょうかということになると思うのです。そういう費用対効果の考え方も必要でないかと思うのです。
八戸では、先ほど御答弁にもあったように、イベントやホコテンやさまざまなこともやっていますが、平成29年度の決算で見ると、はっちに2億4682万円、ブックセンターに8783万円かかっています。はっちには10人の職員が行っているそうですので、その10人分、またブックセンターは3人いらっしゃいますから、都合13人。トータルすると、はっちとブックセンターを合わせると3億5000万円ぐらい、それに人件費、仮に1億円ぐらい、そのほかイベントや商店街の補助金やさまざまなことを合わせれば、ひょっとすれば5億円近いと思うのです。
5億円の経費をかけて、今活性化のいろいろな取り組みを仮にしているとした場合に、それに対して、5億円分の効果があるかどうかということが市民目線で言われると思うのです。ですから、市長には再質問として、費用対効果を含めて、仮に5億円ぐらい運営費で投資しているとすれば、その効果としてどれぐらいなのか、どのように考えているのか、その辺を御質問したいと思います。
○議長(五戸定博 君)市長
◎市長(小林眞 君)寺地議員の再質問にお答え申し上げます。
壇上でも申し上げましたとおり、中心街というのは、歴史ある八戸のまさに顔としての姿をこれからも維持していく必要があると思っております。そしてまた、それは、例えば新宿や渋谷のように人がいっぱい来て、日常的に混雑しているような姿ではなくて、まさにここが八戸だと誇りに思えるような場所を継続して将来につないでいけるかどうかということが、私は最大の目標とすべきことだと思っております。
数字的な形で、この政策をしたことによって経済的な効果が幾らあったかということであれば、それだけであれば、また違った形での政策、経済的な形での政策を打てるのは幾らでもあろうかと思います。現実に産業振興であったり、企業の誘致であったり、あるいは中心街の話も出ましたけれども、IT関連企業の誘致等も進めております。
そういったことも含めていけば、経済的なことをどうだということはあるのですけれども、今、日本全国の中で中心街が衰退し、それぞれの地域の象徴であるような場所が廃れていくような中で、地域全体に活性化をもたらすような場所をつくっていくか。私は、これが非常に大事だと思っておりますし、そこに命をかけてこれまでやってきました。
単純に数字を比較して何だと言われれば、おっしゃるとおりですけれども、私はある意味、その指摘は当たらないと逆に思っております。この八戸が他の地方都市と比べて、今、中心街がどれだけ市民が期待を持って見るようになったかということを比較していただきたいと思っています。
そして、そのことが今、いろいろな形で全国に注目をされ、視察も来るようになりましたし、私もいろいろな場所でお話をするようになりました。八戸の市民が常にいっぱい来るのではなくて、ふだんはゆったり過ごせて、ここはいい場所だ、八戸の中心だと思えて、何か晴れの日には多くのイベントが開催をされて、幸せな気分になる、豊かな気分になる。そのことがまさに私は効果だと思っています。費用対効果といったときに、経済的な数字の商業的な効果だけではないと私は確信してこれまで進めてきました。
お答えは以上であります。
○議長(五戸定博 君)寺地議員
◆28番(寺地則行 君)市長ありがとうございました。
市長がおっしゃるように、まさにお金ではかえられない施策や方策があるというのは、私も重々承知しておりますので、そのことについてはどうのこうのということではないのです。
ただ、演壇で申し上げたように、行政がこれだけ一生懸命やっているのに、その効果が薄いというか、そういうふうに盛り上がってこないということは、いま一つ何かが足りないのではないか。要するに、調味料が足りないのではないかみたいな雰囲気ですけれども、その辺については、商工会議所や御商売をなされる方や皆さんとも協議してもらったり、一般市民の方々から聞けば、駐車場が使いづらい、無料駐車場がないということも大きい要因なのかとは思います。
それとあと、費用対効果の問題については、これから
屋内スケートリンクができたり、美術館ができたり、ますます経常経費的なものがふえていくということに対する懸念も、市民の中にはあるということは御指摘をしておきたいと思います。
八戸市が中心街としての顔を考えていくということは、当然これは大事なことですが、八戸市の財政も限られていると思いますので、その辺の調和も考えていただきながら、中心市街地の活性化、そのほかの事業にも取り組んでいただきたいということを御要望して、終わります。
○議長(五戸定博 君)以上で発言事項2は終わります。
次に、発言事項3について答弁願います。
まちづくり文化スポーツ部長
◎
まちづくり文化スポーツ部長(原田悦雄 君)それでは、美術館建設遅延についてお答えを申し上げます。
新美術館の整備につきましては、これまで平成31年1月の着工、平成32年3月に竣工し、建物の枯らし期間及び広場の整備工事を経て、平成32年度末、2020年度末のオープンを目指すとしてきたところでございます。
しかしながら、本年3月から着手しております実施設計を進める中で、文化庁など関係機関との協議内容の反映や、構造、設備計画の精査など、詳細な仕様の検討に時間を要したため、実施設計の期間を約3カ月延長したことにより、建物建設工事の着工予定時期も、平成31年、2019年3月へと変更いたしました。
また、工事期間につきましても、工事初期における建設資材の調達準備など、受注者の円滑な工事施工体制の確保を図るため、基本設計完了時に想定していた15カ月から3カ月延長し、18カ月としたことから、新美術館のオープンを平成33年、2021年の夏ごろとしたものでございます。
新美術館は、多くの市民の皆様がオープンを心待ちにされていることから、着実に整備を進めてまいります。
以上でございます。
○議長(五戸定博 君)寺地議員
◆28番(寺地則行 君)御答弁ありがとうございました。
このようにおくれることはやむを得ないということもあろうと思います。ただ、新聞報道で大きく取り上げられたものですから、ちょっといかがなものかという思いはあるのですが、確実にいいものというか、最初の構想に沿っていただいてきちんとつくっていただく。そのことがまた八戸市の活性化というか、交通量というか、さまざまな効果が出てくるだろうとも思っております。ですから、今後は余りおくれないように、そしてまた、市民の期待に応えるように建設をお願いして、私の質問を終わります。
○議長(五戸定博 君)以上で28番
寺地則行議員の質問を終わります。
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13番 吉田淳一君質問
○議長(五戸定博 君)13番吉田淳一議員の質問を許します。吉田淳一議員
〔13番吉田淳一君登壇〕(拍手)
◆13番(吉田淳一 君)おはようございます。12月定例会に当たり、通告に従いまして順次質問をいたします。
初めに、交通行政にかかわる市営バス運転手の健康管理についてお伺いをいたします。
バスの運転手が病気や体調不良などで運転中に意識を失うケースが全国各地で相次ぐ中、東京都は、都営バスの全ての運転手にMRIを使った脳の検査を義務づけることになりました。
東京都は、都営バスに勤務する2000人余りの全ての運転手を対象に、MRI等を使った脳MRI検診を3年に1度受けることを義務づけております。この検査で脳梗塞や脳出血の有無などを調べ、異常が見つかった運転手には、医師の診断や精密検査を受けてもらいます。その上でデスクワークへの配置転換などを検討するということであります。その検査費用は1人当たり2万円程度かかるとされますが、都が全額負担します。
都によりますと、クモ膜下出血の発症率が高まるとされる50歳以上の運転手は、都営バスでは60%に上るということで、こうした人たちに優先的に検査を受けてもらうことにしています。国土交通省によりますと、バス事業を運営する自治体が全ての運転手にMRIを使った脳の検査を実施するのは、全国的に珍しいとのことであります。
バス事業は、利用者の生命を安全に目的地に運ぶとともに、バス利用者、歩行者など、多くの人々の安全性を確保する責任があります。そのため、運転手に対して、健康に起因する事故を引き起こす可能性のある病気の早期発見、対処が望まれます。
そこで、市営バスではどのような運転手の健康管理を行っているか伺います。
次に、港湾行政について、国際拠点港湾の指定に向けた取り組み状況、指定の見込みについてお伺いをいたします。
八戸港は、寛文4年、1664年、八戸藩が誕生したころには鮫浦港と呼ばれ、漁港、三陸沿岸の避難港として重要な役割を果たしてきました。明治維新以降、海運が発展してくると、八戸でも築港運動が盛んになり、大正8年から修築工事により、近代的な港へと変わり始めました。
昭和4年に八戸市が誕生し、翌年に鮫と湊川口を統合して八戸港と改称し、商港に編入しました。その後、港湾貨物の取扱量が増大したため、昭和14年に貿易港として開港指定を受け、昭和26年には重要港湾に指定されました。昭和39年、八戸市が県南8市町村とともに、新産業都市に指定されたのを契機に、臨海部では製紙工場や非鉄金属工場等の基礎素材型企業が相次いで立地し、工業港として本格的な整備が進められることになりました。
一方、馬淵川、新井田川により3つの地区に分断されていた八戸港は、域内の物流円滑化が強く望まれるようになり、昭和55年に八戸大橋、八太郎大橋が全面供用され、3つの地区をつなぐ幹線臨港交通網が確立しました。昭和56年、八太郎3号埠頭フェリーターミナルが完成し、翌年には八戸飼料穀物コンビナートが操業を開始しました。
その後、平成に入っても、八太郎2号埠頭、大水深バースを有する河原木2号埠頭、物流港湾業務、緑地レクリエーション機能を有するポートアイランド1期地区等が相次ぎ供用を開始しました。さらに、平成6年には東北初となる国際コンテナ定期航路が開設され、平成13年には八太郎2号埠頭で多目的国際物流ターミナルの供用も始まり、国内外との海上コンテナ貨物の取り扱いが本格化しました。
平成23年3月11日の東日本大震災では、北海道から関東地方北部の太平洋側を中心に、全国の沿岸では津波が観測され、特に東日本の太平洋では非常に高い津波が観測されました。この津波により、八戸港から茨城県の鹿島港に至る太平洋側全ての港湾が被災し、防波堤や岸壁等に大きな被害を与え、漂流瓦れき等が航路等へ埋塞し、港湾機能が全面的に停止しました。
八戸港では、八太郎北防波堤を中心に甚大な被害を受け、港内静穏度を確保できなくなるなど、物流機能に大きな支障を来しましたが、関係機関の尽力により、東北の港湾で最も早く、発災から約2年半で復旧工事が完了しました。震災で落ち込んだ平成23年の港湾取扱貨物量は、翌年には震災前の水準までV字回復し、平成27年以降の海上コンテナ取扱貨物量は5万TEUを超える水準で、順調に推移しております。また、平成27年4月にはポートアイランド2期地区で液化天然ガス輸入基地も稼働しました。
このように、現在の八戸港は、工業港湾や物流拠点港湾としての機能に加え、食料供給港湾、エネルギー供給港湾としての機能をあわせ持ち、北東北地域の経済、産業、雇用、交流を支える重要な役割を担っております。
前置きが長くなってしまいましたが、ここで伺います。八戸港の長期的な戦略として、北東北経済の持続的な発展に貢献する、世界に開かれた北東北の国際ゲートウエー港湾を目指すとしており、その実現のためにも、八戸港が北東北の国際拠点港湾として指定されることが重要と考えますが、国際拠点港湾の指定に向け、どのような取り組みを行っているのか。
また、海から拓け、海とともに発展してきたまち八戸は、来年市制施行90周年であると同時に、八戸港開港80周年でもあります。このような節目の年に国際拠点港湾に指定されれば喜ばしい限りだが、国際拠点港湾への指定の見込みはどうなっているのか。
以上、2点について伺います。
質問の最後は自主防災組織についてお伺いをいたします。
東北地方に未曾有の被害をもたらした東日本大震災から7年半以上が経過しました。ことし3月の復興庁の発表によりますと、震災関連死を含めた死者と行方不明者の合計は2万2000人以上となっており、避難者については、震災当初の47万人から大きく減少したものの、依然として7万3000人が全都道府県に避難しているとのことであります。
国においては、発災以来、早期の復旧復興に向け、これまで種々の施策を実施してきましたが、復興の進捗がおくれることのないよう、被災地の要望を丁寧に酌み取り、迅速かつ柔軟な対応を行うなど、今後も万全の措置を講じるよう強く望むものであります。
一方、当市においては、震災による復旧復興を図るため、発災から半年後に八戸市復興計画を策定し、これまで官民一体となって、ハード、ソフトの両面から各種復興事業に取り組んできたところであります。これまでの着実な復旧復興の進捗は評価できるものと認識しております。
こうした中、東日本大震災以降も日本各地で地震や水害等の大規模な自然災害が発生しており、本年は特に甚大な被害が頻発する年となりました。6月には大阪北部地震、7月初めには西日本豪雨、9月初めには台風第21号、そして9月6日には北海道胆振東部地震、これらに加え、連日35度を超える暑さで、熱中症による犠牲者となる方が多数発生するなど、我が国はまさに災害大国であることを改めて思い知らされた年でありました。
このような大規模災害時において、被害を軽減させるためには、公的機関による公助も必要でありますが、地域住民同士が相互に協力し合う共助、そしてみずからを守るといった自助が不可欠であり、とりわけ共助の主体となる自主防災組織の役割は極めて重要であると考えます。
東日本大震災においては、当市の沿岸部の連合町内会や自主防災組織がいち早く避難所などで情報の収集、伝達、炊き出しを行うなど、地域に密着した活動を行ったほか、高齢者の安否確認や地域住民の避難誘導などを迅速に実施したことにより、人的被害の拡大を防いだとのことであります。
自主防災組織は平成7年、阪神・淡路大震災を教訓に全国的に設立が推進され、さらに東日本大震災を機に、当市を含む東北地方の各自治体においても設立が進んでいると聞いておりますが、今後も設立数をふやすとともに、市が積極的に支援し、組織の育成、強化を進めていくことが地域防災力の向上につながるものと考えております。
そこで、次の2点について伺います。
1点目として、当市の自主防災組織の設立状況と、組織に対する市の支援について伺います。
2点目として、自主防災組織と市がどのように連携しているかについてお伺いをいたします。
以上で壇上からの質問を終わります。
〔13番吉田淳一君降壇〕(拍手)
○議長(五戸定博 君)市長
〔市長小林眞君登壇〕
◎市長(小林眞 君)吉田淳一議員にお答えを申し上げます。
私からは2、港湾行政についての国際拠点港湾の指定に向けた動きについてお答え申し上げます。
全国には、国際海上貨物輸送網の拠点となる港湾として、5港の国際戦略港湾と18港の国際拠点港湾が政令で定められており、そのうち東北・北海道では、仙台塩釜港、室蘭港、苫小牧港の3港が国際拠点港湾に指定されております。
八戸港は、国際戦略港湾及び国際拠点港湾以外の海上輸送網の拠点として、全国に102港ある重要港湾に指定されており、全国の港湾の中で、平成28年の港湾取扱貨物量は30位、平成29年速報値の海上コンテナ取扱貨物量は33位でございます。
国際拠点港湾の指定に向けた取り組みにつきましては、官民が協力して地元の機運を高めることが必要との認識から、平成20年度に八戸港シンポジウムを、平成21年度には八戸港フォーラムを開催し、その後も首都圏における八戸セミナーの開催や、コンテナ航路拡充に向けたポートセールス活動の推進を通じて、八戸港のPR、利用促進に向けた活動に継続的に取り組んでおります。また、毎年行っている国への総合要望活動では、八戸港の国際拠点港湾の指定を重点事項として継続しております。
指定の見込みにつきましては、国からは、指定要件となる指標など数値的な条件の規定はないものの、海上コンテナ貨物を初めとした港湾貨物の取り扱い状況などを総合的に判断した上で指定がなされるものであり、そのハードルは高いと伺っており、八戸港が直ちに指定される状況ではないと認識しております。一方で、国からは同時に、県と連携しながら、引き続き八戸港の利用促進に努め、活動を継続するようにとの助言もいただいているところであります。
海上コンテナ貨物に関しましては、県による八太郎2号埠頭コンテナヤードの拡張工事が完成し、本年10月1日より全面供用が開始され、これにより年間のコンテナ取扱能力が、従前の約1.3倍となる6万9000TEUまで向上し、あわせて冷凍・冷蔵貨物の取り扱い機能が強化されましたので、農水産品など地場産品の輸出促進も図られるものと期待しております。
北東北の物流拠点として重要な役割を担う八戸港が国際拠点港湾に指定されることにより、さらに利用が促進され、知名度が向上し、より重点的な整備促進も期待されますことから、その指定に向けて、県や関係機関と連携を図りながら、引き続き国に要望してまいります。
私からは以上でございます。
〔市長小林眞君降壇〕
○議長(五戸定博 君)交通部長
◎交通部長(村岡威伴 君)私からは1、交通行政についてお答え申し上げます。
市営バス運転手の健康管理についての御質問ですが、市営バスの運転手には、定期健康診断を年2回受けさせているほか、3年に1回の脳MRI検査、毎月の保健師による健康相談、年1回のストレスチェックを実施しております。
脳MRI検査は、平成27年度から実施し、毎年度、運転手の3分の1に当たる60名程度を受けさせており、昨年度で全ての運転手が1回目の検査を受けたことになります。検査費用は、当部及び青森県市町村職員共済組合で全額を負担しております。
また、自動車事故対策機構による運転適性診断を実施しています。この診断は、新規採用者及び65歳以上の運転手に義務づけられていますが、当部では、その他の運転手についても、動作の正確性などが加齢や生活環境により変化していることや、睡眠時無呼吸症候群の自覚症状を把握させることを目的に、3年に1回受けさせております。
健康診断等の結果については、運行管理者が面談を行い、再検査すべき事項があった場合には、より詳しい検査を受けるよう促すなど、必要に応じた指導を行い、病気の早期発見に努めています。
また、日々の健康状態の確認として、毎日、バス乗務の前に、運行管理者が対面で点呼を実施しております。この点呼においては、健康状態について聞き取りをするほか、顔色や様子などを観察することにより、運転の可否について判断しているところであります。
今後も、運転手の健康増進、管理を確実に実施し、安全安心なバス運行に努めてまいります。
以上であります。
○議長(五戸定博 君)
市民防災部長
◎
市民防災部長(石田慎一郎 君)それでは、自主防災組織についての2点の御質問にお答えを申し上げます。
まず、自主防災組織の設立状況と市の支援についてでございますが、自主防災組織は、地域住民が協力、連携し、災害から自分たちの地域は自分たちで守るといった共助の精神に基づき活動することを目的に結成されており、災害時において地域の被害を防止、軽減するために欠くことのできない重要な組織でございます。
当市におきましては、東日本大震災以降も順調に設立が進み、本年4月1日現在、組織数は83団体、組織率は88.4%となっており、青森県平均の53.3%、昨年度の全国平均82.7%を上回っている状況にあります。
次に、市の支援についてでございますが、当市では、自主防災組織の活動を支援するため、2つの補助制度を設けております。
1つ目といたしまして、災害に強いまちづくりを目指すため、自主防災組織が整備する防災資機材の購入費用の9割を補助する、八戸市自主防災組織育成事業を実施しており、組織のカバー世帯数に応じて、最大180万円まで補助を受けることができます。さらに、地理的特性などにより、防災資機材を複数箇所に保管、管理する必要があると認められる場合には、最大270万円までの補助が受けられるものでございます。
次に、2つ目といたしまして、自主防災組織の活動促進及び各地区の防災力の向上を図ることを目的に、防災に関する活動に係る経費を助成する、八戸市自主防災組織活動支援助成事業を実施しており、防災訓練や防災研修会の開催に係る経費のほか、防災マップ、パンフレット、チラシ等の作成に係る経費、補助金の支援を受けて購入した防災資機材の修繕に係る費用等を対象として、1団体5万円を
上限に助成しております。
この2つの補助制度につきましては、毎年、年度初めに事業説明会を開催し、自主防災組織に対して制度の周知徹底を図るとともに、防災訓練の実施の際など、さまざまな機会を捉えて活用を呼びかけております。
このほか市では、各地区の自主防災組織が実施する防災訓練等に市職員を派遣し、防災講話を行ったり、災害図上訓練の進行役であるファシリテーターを務めるなど、自主防災組織の活動を支援しているところであります。
次に、市との連携についてお答えを申し上げます。
当市におきましては、自主防災会相互の連携を密にし、連絡調整を図ることで、地域の防災体制の充実、強化につなげることを目的として、平成27年3月に八戸市自主防災会連絡協議会が発足したところであり、市では、この協議会と密接な連携を図りながら、地域の防災体制の構築に努めてまいりました。
当協議会は、市内の各自主防災組織の代表者によって構成されており、市では、この協議会の会議の場などを活用し、庁内の関係課を交えて各種事業の説明や意見交換等を行うとともに、市の総合防災訓練等の参加協力等を通じて、連携を深めてきたところでございます。
具体的には、本年9月の総会におきまして、7月の西日本豪雨での河川の氾濫や洪水、土砂災害などの大規模な被害の発生を受け、改めて各地域の危険箇所等を再確認し、情報共有を図りました。
また、8月の総合防災訓練では、沼館・城下地区及び三八城地区の自主防災組織に参加いただき、津波避難誘導訓練を実施したほか、先月、陸上自衛隊と共同で実施した、みちのくアラート2018における実動訓練では、白銀地区の自主防災組織に参加いただき、避難訓練や避難所開設訓練、炊き出し訓練などを行いました。
さらに、本年8月中旬の大雨や9月末の台風第24号による避難準備・高齢者等避難開始の発令の際には、対象地区の自主防災組織と連絡をとり合いながら、災害時要援護者等の安全の確保に努めてきたところでございます。
市といたしましては、今後も当協議会と情報共有等を行いながら、共助のかなめとなる自主防災組織の活動を支援していくとともに、さらなる連携の強化に努め、地域防災力の向上を図ってまいります。
以上でございます。
○議長(五戸定博 君)吉田淳一議員
◆13番(吉田淳一 君)市長並びに理事者の皆様には、詳細にわたっての御答弁をいただき、ありがとうございました。要望を申し上げて終わります。
交通行政についてでありますが、先ほど壇上でも申し上げましたように、バス事業は、多くの利用者の生命、財産を守り、安全に目的地に運ぶとともに、バス利用者、歩行者などの多くの人々の安全性を確保する責任があります。ことしの初めだったと思いますが、横浜市で、睡眠時無呼吸症候群の事故によって高校生が亡くなっております。どうか当市ではこのようなことのないよう、今後も心疾患を初め、健康管理を徹底するよう要望を申し上げます。
次に、港湾行政について、私もハードルの高いことは存じております。2年前、ちょうど私、県の議長会の会長を務めておったときにも、市長が毎年のように国に要望活動を行っておりました。私ども全国議長会におきましても要望活動を行っておりました。ハードルが高いと思いますが、継続は力なりであります。関係機関、国会議員との連携をとりながら、どうか今後も積極的に取り扱っていただきたいと思います。
次に、自主防災組織について、市内の自主防災組織の組織率については88%と高い数値となっており、最終的には100%を達成できるよう、今後も引き続き設立促進に努めていただきたいと思います。
また、今後も自主防災組織と連携を深め、事前防災に備えるのはもちろんのこと、地域住民に対しては、自分の身は自分で守るという自助の大切さについても周知徹底を図っていただきますことをお願い申し上げ、私の質問といたします。
○議長(五戸定博 君)以上で13番吉田淳一議員の質問を終わります。
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12番 夏坂修君質問
○議長(五戸定博 君)12番夏坂修議員の質問を許します。夏坂議員
〔12番夏坂修君登壇〕(拍手)
◆12番(夏坂修 君)公明党の夏坂修でございます。平成30年12月定例会に当たり、公明党の一員として、市長並びに関係理事者に質問をいたします。
ヴァンラーレ八戸のJリーグ参入が決定、このうれしいニュースにどれだけの市民が歓喜し、心を躍らせたことでしょうか。南郷地区を拠点とするクラブチームの発足から苦節13年、夢のまた夢とも思われたJ3への昇格をかち取っただけに、関係者やサポーターの感慨もひとしおのことと推察いたします。
J3への主な3つの昇格要件である年間成績、観客動員数、スタジアム要件を見事クリアしての昇格決定は、選手を初めとするチームスタッフ、熱いサポーター、そして行政との三位一体となってかち取った結果であり、まるで八戸全体が緑色に染まるような、まさに全緑の連係プレーのたまものであると感じております。
私もサポーターの1人として何度かスタジアムまで足を運ばせていただきましたが、勝っても負けても変わらないサポーターの熱い声援にいつも心を熱くさせられました。改めて、ヴァンラーレ八戸のJ3への昇格におめでとうと祝福の意を表させていただくとともに、熱いサポーターや市民、県民の期待を背にJ3の舞台で思う存分プレーをしていただき、そしてJ2、J1というさらなる高いステージを目指して、全緑で挑戦をしていただくことを心から期待をし、以下、質問に入らせていただきます。
最初は八戸駅周辺のまちづくりについてであります。
八戸駅は、北奥羽地域と八戸市の玄関口として、また広域的な公共交通結節点として、人的交流の重要拠点となっていることは言うまでもありません。平成14年12月の東北新幹線八戸・盛岡間の開業以降は、ビジネス客や観光客などの利用増に並行して、その利便性を生かしたにぎわいと交流の場の機能がより求められてきており、今後も官民が連携して駅周辺地域の健全で、活力あるまちづくりを進めていく必要性が問われております。
とりわけ平成9年度から事業が開始された八戸駅西土地区画整理事業は、幾度かの計画変更を余儀なくされながらも、現在は事業費ベースの進捗率も8割に届くところまで進み、年度内には西口駅前広場及び駅西中央線、通称シンボルロードが完成予定であり、八戸市の顔としてのまちづくりの形が着々と整いつつある
現状にあります。
そして、駅西地区活性化の起爆剤となる広域的集客施設として、地区内の集ゾーンでの整備が計画されている多目的アリーナも、フラットアリーナという名称に決まり、いよいよ今月着工という運びとなり、2020年春のオープンに地元住民のみならず、多くの方々から期待の声が寄せられているところであります。
こうした中、このフラットアリーナの整備を契機に、駅西地区のさらなるにぎわいを創出する交流拠点形成に向け、どのようなまちづくりができるかを検討するエリアマネジメント調査が現在行われているところであり、10月と11月には、駅西地区の将来のまちづくりの方向性を議論する市民ワークショップも開催されました。
具体的には、フラットアリーナに隣接する公園のあり方、スポーツのまちづくりやシンボルロード及び駅前広場の活用策、また、シンボルロード沿道の商業地のあり方などについて、幅広い年齢層の市民が参加され、活発にさまざまな意見が出されたようであり、今後のまちづくり計画の策定に向け、有意義な広聴の場になったのではないかと思います。
そこで、駅西地区のエリアマネジメントについて3点伺います。
1点目に、ワークショップなどのこれまでの議論の経過について、2点目に、今後のまちづくり計画策定の方向性について、3点目に、まちづくり計画策定後の事業展開について、それぞれお伺いいたします。
八戸駅周辺のまちづくりの2点目は、東口駅前広場の整備計画について伺います。
今後の駅周辺地域のまちづくりを見据えた場合に、開発が進むまちとしての発展性や将来性を考慮すれば、駅西地区にスポットが当てられるのは当然のことであります。一方、これまで公共交通の結節点として、また人的交流の重要拠点として、まさに八戸市のメーンの玄関口の役割を担ってきた東口駅前周辺のまちづくりについては、市内外から訪れる駅や、周辺施設の利用者のさらなる利便性の向上を図る上でのさまざまな課題があると認識しています。
例えば、東口駅前広場内の短時間駐車場の利用者が多く、満車状態になることが多いため、駐車場待機車が直結する駅前交差点にはみ出し、矢沢方向から来た直進車の妨げになる場面があったり、また、あふれた車がバスプール内への進入を余儀なくされたことで、バスとの接触事故が起きるなど、駅前交差点の動線の複雑さ、わかりにくさといった構造上の問題が無理な進入の要因になっているとの指摘があります。また、タクシープールの待機台数が乗車台数を上回っており、タクシーの待機スペースが過大ではないか。ほかにも雨風をしのげる待合空間が必要ではないかなど、東北新幹線開業後16年の積年の課題として浮き彫りになっているようであります。
東口広場のこうした課題と改善の方向性については、平成27年3月に策定された八戸駅前広場整備基本計画に反映されているところでありますが、そこで、東口駅前広場が抱える主な課題と、その改善策の検討状況についてお伺いいたします。
次はひきこもり対策についてであります。
ひきこもりの問題が大きな社会問題としてクローズアップされ始めたのは、ちょうど昭和から平成になった変わり目のときと言われています。2015年の内閣府の調査では、ひきこもり状態にある人は54万人と推計され、2010年調査の70万人よりは減少しておりますが、これは4分の1を占めていた35歳から39歳が40歳代になり、調査の対象から外れたことが影響していると言えます。また、同調査でひきこもり期間は7年以上が35%で最も多いことから、新たにクローズアップされているひきこもりの長期化と高齢化の問題は、まさに平成が残した宿題として、今後その深刻度が増していくものと懸念されています。
実際、茨城県や山梨県が独自に実施した調査によると、40代のひきこもりが最も多く、佐賀県の調査では、実に7割以上が40歳以上の中高年層だったとのことで、NPO法人KHJ全国ひきこもり家族会連合会が40歳以上のひきこもりがいる家族に聞き取り調査をしたところ、その平均期間は22年以上に及んでいるとのことであります。中高年のひきこもりは、社会とのつながりが薄く、家族だけで課題を抱え込みがちで、関係機関などの支援を受けられないまま孤立するケースがあるようです。
とりわけ見逃せないのが、支える側となってきた親の高齢化であり、共倒れのリスクを抱えながら、80代の親が50代の子どもの面倒を見る8050問題という言葉が生まれるほど、事態は深刻さを増しており、親亡き後、本人をどう支えるかとの課題が突きつけられております。
当市においては、県内でもいち早くひきこもりの当事者や家族に対する支援体制を整えてきているものと認識しておりますが、地域の支援団体や県のひきこもり地域支援センターと連携をしながら、今後も、ひきこもりの長期化や高齢化といった、新たな課題についてもきめ細かな支援を行っていただく必要があると考えます。
そこで、ひきこもり対策について3点伺います。
1点目に、実態把握についてでありますが、国では今年度、40歳以上を対象としたひきこもりの実態調査を行うということですが、その調査状況について、また、当市におけるひきこもりの相談状況と、長期化及び高齢化の傾向性についての認識をお伺いいたします。
2点目に、市庁内他部署との連携について、家族が高齢者で支援を要する場合や、当事者が就労支援を必要とする場合などに対応するため、他部署とも横断的に連携する必要があると思いますが、その取り組み状況について、3点目に、訪問型支援の充実のために、ひきこもりサポーターの養成を行う必要があると思いますが、その考えについて、それぞれお伺いいたします。
次は教育行政について、1点目に、小中学校教室へのエアコン設置について伺います。
この夏、日本列島は災害級と言われるほどの暑さに見舞われ、小学生が亡くなる痛ましい事故も起きました。酷暑が恒常化する中、子どもたちにとって安全な学習環境を整えることは喫緊の課題であります。また、学校は災害時に避難所として使われることから、高齢者や病弱な人、乳幼児などが身を寄せることを考えても、暑さから身を守るための対策が必要であります。
学校へのエアコン設置は、これまで自治体が主体となって進められてきましたが、全国に約38万ある公立小中学校の教室のうち、半数近い約17万教室が未設置の状態にあることから、国は、ことしの夏の酷暑を踏まえ、熱中症防止対策として、全国の公立小中学校などの普通教室全てにエアコンを設置するための費用を今年度の補正予算に計上し、成立を見たところであります。早速、自治体の中にはこの臨時交付金制度を活用し、小中学校の教室などへのエアコン設置のための予算措置を講じているところがあります。
当市においての市内小中学校へのエアコン設置については、現在優先度を考慮し、保健室への設置を進めているところでありますが、国の臨時交付金などの有利な財政支援を活用し、今後、普通教室への設置も進めるべきと考えます。
そこで伺いますが、エアコン設置のための今般の国の臨時交付金の活用について、及び今後の交付金制度を活用した小中学校教室へのエアコン設置の考えについて、所見をお伺いいたします。
2点目は、市立図書館のバリアフリー対応について伺います。
ブックスタート、マイブック推進、
八戸ブックセンターという3つの事業を核とした本のまち八戸の推進は、子どもから大人までの幅広い世代の市民が本に親しむことができる環境づくりとして、高く評価されるべき施策であると認識しております。そうした本に親しむ素地をさらにかたく強固なものにするためには、誰もが隔てなく本に親しめる環境にある公共図書館のハード、ソフト両面におけるサービスの充実に力を注いでいく必要があると考えます。
その意味において、市立図書館においては、障がいがある方の利用がまだまだ少ないように感じております。実際、市立図書館においては、車椅子を利用される方、視覚や聴覚に障がいがある方などのための配慮やサービスの提供が行われていることとは思いますが、障がいがある方にもっと気軽に、安心して利用していただくための工夫や、利用していただきたいことの広報に努めるべきと考えます。
そこで伺いますが、車椅子利用者や目や耳の不自由な方などの障がい者が利用しやすいように、ハードやソフトの両面でどのような配慮をしているのか、その取り組み状況についてお伺いいたします。
最後は投票環境の向上について伺います。
昨今の国政選挙や地方選挙における投票率が低下傾向にあることは、とりもなおさず政治に携わる者として重く受けとめなければなりません。その背景にはさまざまなことが考えられますが、政治や政治家に対する不信や無関心、また1票を投じたい政党や候補者がいないことなどが背景にあるとすれば、政治に携わる者は皆、いま1度襟を正し、原点に立ち返り、いろいろな意味でより国民目線、市民目線に立った活動に精進し、努力をし続けていく必要があるのではないでしょうか。
もう1つの視点で言えば、有権者が投票しやすい環境を整備していくことが重要であり、特に高齢化が進む昨今、地域によっては投票環境における制約から、有権者に有効な投票機会を提供できていない側面もあると考えます。また、不在者投票を行う人や障がいのある有権者などの投票しにくい人が投票しやすくなるように、有権者一人一人に着目したさらなる投票機会の創出や、利便性の向上に努めていく必要があると考えます。また、今後の課題として、インターネット投票や電子投票などのICTを活用した投票環境の向上策についての議論が進んでいることも、ぜひ注目をしていきたいと思います。
当市においても、投票環境の向上に向け鋭意取り組まれていることと思いますが、とりわけ投票所の施設の老朽化や、有権者の高齢化などの課題に向き合いながら、どう投票しやすい環境を整えていくかに苦心をされているのではないかと思います。
そこで、1点目に伺いますが、現在の市内の投票所においてはどのような課題があり、その改善策の取り組み状況についてお伺いいたします。
投票環境の向上を考えた場合には、決して期日前投票を無視することはできません。平成15年に制度化された期日前投票は導入以来、右肩上がりで利用者が増加してきており、昨年10月の衆議院議員選挙では、約2100万人が期日前投票を利用し、全投票者数に占める期日前投票者数の割合は実に37.5%に達し、過去最多の利用者となりました。これは、全国の自治体及び選挙管理委員会が期日前投票の有効性を認識し、投票所の増設や、集客が見込まれる商業施設などへの設置に積極的に取り組んだことも背景にあると言えます。
当市においても、当初の市庁別館と南郷事務所の2カ所の公共施設に加え、その後ラピアや白山台地区の民間施設への増設を図ったことも、利用者の増加につながっている要因であると認識しております。
一方で、期日前投票の利用者が増加することで投票所が混雑し、ラピアでは投票所に長蛇の列と長時間待ちが常態化しております。また、市庁別館では、投票所が2階で、さらに奥まったところにあるためわかりにくく、車椅子利用者にも不便を来している状況にあり、投票場所の見直しの必要性を感じております。
そこで、2点目に伺いますが、まず当市の期日前投票のこれまでの効果について、また投票所の課題と検討している改善策について、お伺いいたします。
以上で壇上からの質問を終わります。
〔12番夏坂修君降壇〕(拍手)
○議長(五戸定博 君)市長
〔市長小林眞君登壇〕
◎市長(小林眞 君)夏坂議員にお答えを申し上げます。
まず、駅西地区のエリアマネジメントについて、ワークショップなどのこれまでの議論の経過についての御質問ですが、駅西地区では、クロススポーツ
マーケティング株式会社により、多目的アリーナが平成32年春開業予定で整備されることとなっております。市といたしましては、アリーナ建設をまちづくりの契機と捉え、この多目的アリーナを核とした八戸駅西地区のにぎわい交流拠点形成を図るため、エリアマネジメント導入検討調査を実施しております。
この業務に当たっては、本年6月に公募型プロポーザル方式にて選定した株式会社三菱総合研究所に調査業務を委託し、検討を進めております。検討に当たりましては、駅西地区の住民や地権者の皆様、関係団体、その他まちづくりに関心のある学生を含めた一般市民の方々とともに、将来のまちづくりの方向性について議論することを目的に市民ワークショップを開催しております。10月6日には53名、10月27日の分科会には16名、11月17日には49名、延べ118名の参加のもと議論を行いました。
このワークショップでは3つの検討テーマを設け、グループに分かれて議論を行い、まずアリーナに隣接する公園のあり方について検討したグループからは、アリーナと連携したスポーツイベントなどを実施できるよう、アリーナ空間と公園を一体的に整備する、浅水川を生かし自然と川との一体化を図る、平日は地域住民の憩いの場に、休日はさまざまなイベントに活用する。次に多目的アリーナを中心にしたスポーツのまちづくりやシンボルロード等の活用策に関して検討したグループからは、スポーツ等を通じた日常的なにぎわいを創出する、氷都八戸など八戸らしいコンセプトでまちの風景をつくる、観光客、地域住民ともに楽しめる非日常的なイベントを実施する。次にシンボルロード沿線の商業地のあり方について検討したグループからは、アリーナや駅とつながるエリア全体で一体感のある開発マネジメントを行う、駅利用者や来訪者の多様なニーズに応える変幻自在な空間とする、地域の方々が日常的な買い物をできる場や、幅広い年代の方が交流できる空間が欲しいなどの意見が出ております。
また、市民ワークショップの開催と並行し、エリアビジョンやその推進体制を検討するため、11月1日に学識経験者、商工、金融、観光、スポーツ等の関係者により構成される八戸駅西地区エリアマネジメント検討委員会を立ち上げるとともに、まちづくりの専門家をアドバイザーとして招聘し、専門的な見地からも意見を伺ってまいりました。
専門家からの主な意見としては、ワークショップ等で提案されたさまざまな意見について何を優先するのか整理の上、エリアビジョンやまちづくりのストーリーを示す、公園、アリーナ、商業施設は個別で考えるのではなく、エリア全体で回遊性を考えたまちづくりを行う、クロススポーツ
マーケティング株式会社にも積極的な連携を呼びかける、現在策定中のまちづくり計画をフォローアップする体制を検討し、公共、民間、学校がフラットにつながる組織を検討するなどの意見をいただいております。
次に、まちづくり計画策定の方向性についてお答え申し上げます。
現在、市民ワークショップや専門家等からいただいた意見を参考に、まちづくり計画案を取りまとめており、来年1月には、改めて市民等から幅広く意見を聞くためにパブリックコメントを実施する予定としております。これらを踏まえ、八戸駅西地区エリアマネジメント検討委員会の中で意見の集約を図り、3月末までにエリアビジョンやその推進体制について、八戸駅西地区まちづくり計画として取りまとめる予定としております。
次に、まちづくり計画策定後の事業展開についてお答え申し上げます。
まちづくり計画策定後は、計画を実現していくための組織体制づくりや、まちづくりの具体的なガイドラインを定める必要があると考えております。このため、クロススポーツ
マーケティング株式会社やシンボルロード沿線の地権者へ、まちづくりを実現していくためのまちづくり協議会の設置を呼びかけるとともに、建築物のデザインのルールなど、まちづくりガイドライン策定について検討してまいりたいと考えております。
市といたしましては、引き続き区画整理や公園等周辺整備を進めながら、駅西地区が北奥羽の玄関口、八戸市の顔にふさわしいまちとなるよう、エリアマネジメントの推進を図ってまいります。
次に、東口駅前広場の整備計画についてお答え申し上げます。
東口駅前広場は、平成14年12月の東北新幹線八戸駅開業にあわせて現在の形に再整備され、駅に向かって左側にバスプールと短時間駐車場、右側にタクシープールと自家用車乗降場が設置されております。
東口駅前広場が抱える主な課題と改善方向の案については、八戸駅前広場の整備方針をまとめるために、平成27年3月に策定いたしました八戸駅前広場整備基本計画に整理されております。
具体的には、1、八戸駅
東口広場駐車場満車時に、自家用車とバスの動線を分離するため、タクシープール側への同駐車場移設を検討すること、2、東口タクシープールがあくたびに、西口駅前広場など別な待機場からタクシーを出動させる方式などにより、過大傾向であるタクシープールの削減を検討すること、3、観光、送迎バスについて、東口バスプールには降車場のみを設置し、待機場は西口バスプールに確保するなど、東西バスプールの機能分担を図ること、4、雨風がしのげるバス待合スペース設置を検討すること、5、身体障がい者用の乗降場を確保することなどが挙げられております。
このうち、身体障がい者用の乗降場確保に関しては、平成29年度にタクシープールの一角に新設し、改善済みとなっております。また、平成31年度に供用開始する西口バスプールには、観光、送迎バスの待機場を確保する予定であります。短時間駐車場の移設やバス待合スペース設置など、まだ改善されていない課題については、バス事業者、タクシー事業者等との意見交換を継続し、対策を引き続き検討してまいります。
以上でございます。
〔市長小林眞君降壇〕
○議長(五戸定博 君)夏坂議員
◆12番(夏坂修 君)御答弁ありがとうございました。
駅周辺のまちづくりについては要望、それから再質問を後ほどさせていただきたいと思います。
先ほど答弁のワークショップの件につきましては、私も10月、11月のワークショップに参加者の1人として参加をさせていただきました。当日、下は高校生から、上は地域の方々、本当に幅広い年齢層で、駅西にかける思いといいますか、もちろんこれは、それぞれ自分の立場、視点での駅西のまちづくりについての要望、ほとんど夢のような、こうありたい、こうしてほしいという、それを皆さんから出して、それを三菱総合研究所の担当者がまとめていくという作業でございました。大変有意義な広聴の場だったのではないかと思っております。
その出た意見、それぞれ参加者は、できれば自分がお話ししたことを実現してほしいという思いは、もちろん本音ではあるかと思いますが、ただ、公園にしてもシンボルロードの使い方、それから沿道の商業地の要望をみんな実現するとなると、本当にいいまちはできるのでしょうけれども、もちろん予算の面であったり、時間の面であったりとか、さまざまなハードルはあると思います。それをしっかりと優先順位を決めて、まちづくり計画に今後も反映していくということかとは思います。
そのまちづくり計画をさらに実効性あるものにしていくための推進組織として、先ほど答弁でもまちづくり協議会を呼びかける。さらには、まちづくりガイドラインについても決定をしていくという話でございました。そのまちづくり協議会には、クロススポーツ
マーケティング株式会社ももちろんですけれども、地権者の方々、さらには地元の町内会、住民、そしてまた学校もございますので、学校の関係者もぜひ加えていただいて、幅広い関係機関で協議会として構成をして、そして実現性に向けての議論を進めていっていただければと思っております。
そこで再質問でございますが、このエリアマネジメントで策定するまちづくり計画、実は、先ほど壇上でも申しました平成27年3月に策定した八戸駅前広場整備基本計画、こちらの中にも西口駅前広場の活用について、また駅西地区の全体のまちづくりについて触れられている部分がございます。そうしますと、今後つくるまちづくり計画と、平成27年3月に策定した八戸駅前広場整備基本計画、既存の計画との整合性といいますか、この関係性をどのように図っていくかというのが気になるところでございますので、それについて再質問をさせていただければと思います。
それから、東口駅前広場の整備計画についてでございます。
先ほど答弁でもございました、今の東口駅前の課題、さまざまある中で、一番は短時間駐車場とバスプールの入り口の交錯の問題、先ほど壇上でもいろいろな弊害がある。ともすれば、人身事故にもつながるような危険な状態にもなっている。そのことは先月、地元紙の投稿で一般の市民の方からも同じような指摘の声があったところでございます。では、どのように解決するかというのは、改善案の中でも短時間駐車場を今のタクシープール側に移設するであったりとか、そうしますと、当然事業者側との協議等、さまざまなハードルがあるかと思いますが、危険度の対策という部分でも、そういう駐車場対策は早急に進めていく必要があるのではないかと思っております。
それからもう1つは、東口駅前はいろいろ飲食店などが立地しておりますが、東口のタクシープール側の向かいの飲食店が数年前から退去されまして、空き店舗がずっと続いております。これは地元の方も非常に寂しい、何とかならないかという声も上がっております。ただ、これはJR側と民間のほうのお話でございますので、市の裁量ではなかなかいかんともしがたい部分であると思います。
そこで、再質問の2点目として、空き店舗になっているここの入居部分の動向について、JRから今聞いている状況についてお知らせいただければと思います。
先ほどの再質問2点、お伺いさせていただければと思います。
○議長(五戸定博 君)
都市整備部長
◎
都市整備部長(大志民諭 君)それではまず、1点目の御質問でございます。
八戸駅前広場整備基本計画とエリアマネジメントの整合性という御質問についてでございますが、現在、八戸駅西地区では、八戸駅前広場整備基本計画に沿って八戸駅西口駅前広場を整備中でございまして、平成31年3月に完成を予定してございます。
今年度、エリアマネジメント導入検討調査では、八戸駅前広場整備基本計画に示された整備の方向性といたしまして、交通結節点として利便性が高く、利用者に優しい駅前づくり、新たな市街地の顔として、シンボルロードと一体となり、来訪者、住民が出会い、にぎわい、集いが生まれる駅前づくり、八戸の顔として、来訪者にとって八戸を感じられる地域性を持ち、地域の人たちが誇れる新たな風景となる駅前づくりに沿って検討を進めてございます。
今後は、八戸駅西口駅前広場は、多目的アリーナやシンボルロード沿線のにぎわいを積極的につなげ、人々を誘引するにぎわいの結節点となるよう、隣接する民地や周辺住民と連携しながら、ソフト面での工夫、公共空間の有効活用を図ってまいりたいと考えてございます。
次に、2点目の東口駅前のタクシープール前空き店舗の動向についてでございます。
建物管理者でございますJR東日本東北総合サービス株式会社に伺ったところ、店舗は全体で5区画ございます。飲食店が平成28年に、クリーニング店が平成29年に退去し、現在は2区画が空き店舗となってございます。なお、同社は現在、空き店舗への入居テナントを募集してございますが、数件入居の相談があったものの、契約には至っていないと伺ってございます。
以上でございます。
○議長(五戸定博 君)夏坂議員
◆12番(夏坂修 君)再質問への答弁ありがとうございます。
いずれにしても、これから駅西のまちづくりについては、組織体制、万全な形で、まさに官民連携して、地元住民を巻き込んで、よりよいまちづくりに向けて方向性を定めていただければと思っております。
東口の問題も、どうしても駅西ばかりスポット等が当たっています。今までメーンの顔として東口がございました。今度西口ができると、今までのような駅の表、駅裏という感覚ではなくて、どちらも本当に顔となり得るような、そういうまちづくりに東、また西ともなっていくということでございますので、しっかりとその辺も、まず八戸の顔として、中心街も顔と言われていますけれども、八戸駅の顔としての新たな顔づくりをもしっかりと見据えて、議論を進めていただくように要望して、終わりたいと思います。
○議長(五戸定博 君)以上で発言事項1は終わります。
次に、発言事項2について答弁願います。健康部長
◎健康部長(佐々木勝弘 君)それでは、ひきこもり対策についてお答えを申し上げます。
まず、実態把握についてでございますが、ひきこもりとは、さまざまな要因から6カ月以上にわたっておおむね家庭にとどまり、他者とのかかわりを持たない状態と定義されており、国では過去に2度、15歳から39歳を対象にした全国調査を行っております。しかしながら、最近ではひきこもりの長期化、高年齢化が深刻化しており、80代前後の親が50代前後のひきこもりの子どもを養い、病気や介護、経済的困窮などのさまざまな問題を抱える、いわゆる8050問題を踏まえ、国では初めて40歳から64歳を対象にした実態調査を今月実施すると伺っております。
次に、当市のひきこもりの状況についてでございますが、実数は把握できておりませんが、過去3カ年の状況を申し上げますと、窓口や電話での相談者数は、平成27年度12人、平成28年度17人、平成29年度14人でございまして、男女別では、男性30人、女性13人となっております。また、年代別では、30代が15人と一番多く、20代12人、40代と50代がそれぞれ6人、10代が4人となっており、40代、50代が全体に占める割合は27.9%でございます。ひきこもり期間別では、5年未満が20人と一番多く、10年以上16人、5年以上10年未満7人となっており、10年以上の割合は37.2%でございます。いずれの割合も、平成26年度以前と比較すれば、若干ではございますが、増加傾向にあり、当市においても、ひきこもりの高年齢化、長期化の傾向が見受けられる状況でございます。
次に、市庁内他部署との連携についてお答えを申し上げます。
ひきこもりは、長期化、高年齢化など、各種課題が複雑多様化しているため、庁内関係部署や各民間支援団体との連携がより一層重要となってきております。そのため、当市においてもさまざまな連携を強化しているところでございますが、1つには、親の会や青森県ひきこもり地域支援センター、市教育委員会などで構成する、ひきこもり対策ケース会議を毎年開催し、意見交換を行うとともに、情報共有を図っております。また、家族が高齢者で支援を要する場合には、各地区の高齢者支援センターと、生活が困窮したり、あるいは就労支援を要する場合には、生活保護を所管する生活福祉課や生活自立相談支援センターと連携するなど、庁内関係課が一体となって支援をしております。
次に、ひきこもりサポーターの養成についてお答えを申し上げます。
ひきこもりサポーターは、地域に潜在するひきこもりを早期に発見し、適切な支援機関につなぐことにより、ひきこもり状態から回復させることを主な役割としております。また、サポーターの養成については、自治体が研修を開催することが必要で、県内では今年度むつ市が初めて実施したほか、県外では、北海道、東京都、横浜市、静岡市などでも実施をしております。しかしながら、サポーター派遣までに至っている自治体は少ない現状であり、その要因として、養成そのものに時間がかかること、当事者への支援が長期にわたり、サポーターの負担が大きくなることなどが挙げられております。これらの状況を踏まえ、今後は、サポーターの養成と派遣について、実施自治体の事例を参考にしながら、効果や課題について研究をしてまいります。
以上でございます。
○議長(五戸定博 君)夏坂議員
◆12番(夏坂修 君)御答弁ありがとうございました。ひきこもり対策については要望のみとさせていただきます。
先ほど答弁で、当市の実態について、相談件数をもとにした内容をお聞きしまして、当市としても、長期化、高齢化の傾向が見られるのではないかということでございました。であるならば、高齢者対策、また、さまざまな関係機関との横の連携というのがより一層必要になってくるのかと思っております。
そうしますと、保健師だけでなくて、高齢者支援センターの職員の方々にも、その対応のためのスキルアップといいますか、そういう研修も必要になってくるのかと思っています。もしかすれば、県のほうでそういうふうな研修体制も構築しているのかと思いますけれども、そういう意味では、今後のそういう複雑化する相談に対して、きめ細かく対応できるような研修も含めたフォローをお願いできればと思っております。
それから、ひきこもりサポーターについては、いろいろな課題があるかと思っております。厚生労働省も、来年度の概算要求でも、またひきこもりの支援ということで、人材の養成、研修、また派遣ということもメニューに入れております。ただ、養成については、基本的に厚生労働省は都道府県という話で、派遣のほう、実施主体を市区町村ということで、県でも市区町村でも実施主体になれるということで、ちょっと曖昧なわかりにくい方向かと思います。それはある意味弾力的に地域の実情に合わせて、県なり市町村で対応できるような仕組みかと思いますけれども、そこは県とも協議をしながら、養成、また実際の派遣、どのような形で県と連携してやれるのかというところも、今後しっかりと詰めていっていただければと思っております。
いずれにしても、ひきこもりの問題は本当に平成の宿題ということで、来年、年号が変わりますけれども、それが来年以降も、平成の宿題として受け継がれていくような、大きな社会問題の1つだと思います。地域でしっかりと支援しながら、ひきこもり当事者の、まさにこれからの生き方というものを支援、フォローしていくような時代かと思っておりますので、ぜひとも関係団体とも連携しながら、支援していただくように要望して、終わりたいと思います。
○議長(五戸定博 君)以上で発言事項2は終わります。
次に、発言事項3について答弁願います。教育部長
◎教育部長(吉田幸司 君)私からは、3の教育行政についての2つの御質問にお答え申し上げます。
最初に、小中学校教室へのエアコン設置についてですが、近年、全国的に記録的な猛暑が続き、児童生徒への健康被害が心配される状況にございます。このような中、国において、従来の大規模改造空調設置工事に対する交付金に加え、新たに公立小中学校へのエアコンの設置に対する臨時特例的な措置として、冷房設備対応臨時特例交付金を創設したところでございます。新たな交付金を活用した場合、事業費における自治体負担額は約4分の1となり、従来の交付金の自治体負担額約2分の1に比べると有利な交付金となっております。
当市においては、体調不良等を訴える児童生徒の症状を緩和させる環境を整備するとともに、避難所としての機能を向上させる目的で、平成29年度から保健室へのエアコン設置に取り組んでおります。今年度までに、小学校22校、中学校14校への設置が完了しており、来年度は、小学校21校、中学校10校へ設置し、市内全小中学校67校への設置を目指しております。
保健室のエアコン設置に対する交付金の活用については、従来の交付金では、1校当たりの事業費が400万円を上回ることが条件となっており、新たな交付金においては、対象事業が普通教室への新設整備であることから、どちらの交付金も該当しないものでございます。保健室へのエアコンの設置については、学校から一定の効果があったとの評価を得ているものであり、来年度の保健室へのエアコン設置については、今後の国の動向や設置時期を勘案して取り組んでまいります。
次に、市立図書館のバリアフリー対応についてお答え申し上げます。
施設設備としては、障がい者用駐車場、車椅子用スロープ、車椅子用トイレ、貸出用の車椅子、車椅子対応のエレベーターを備えているほか、拡大読書器を設置しております。また、障がい者向け資料として、文字を拡大した大活字本、点字図書、文学作品の朗読CDや落語の録音CD、LLブックなどを所蔵しております。
図書館への来館が困難な利用者に対しましては、市内50カ所を巡回している移動図書館のほか、高齢者や障がい者の入所施設への配本や団体貸し出しを実施しております。また、障がいのある方が来館した際には、要望に応じて職員が付き添い、資料の所在場所への案内等をしております。
図書館は情報提供施設であり、資料と人を結びつけるという大事な役割があることから、図書館利用に障がいのある方が不便なく利用できるよう、今後とも障がい者向けサービスに努めてまいります。
以上でございます。
○議長(五戸定博 君)夏坂議員
◆12番(夏坂修 君)御答弁ありがとうございます。こちらにつきましては要望、それから再質問をさせていただきます。まずは再質問をさせていただければと思います。
エアコン設置についてでございますが、先ほどは保健室への設置のお話でございました。今回の国の交付金は普通教室へということでございまして、先ほどの答弁ですと、普通教室へは考えていないというお話かと思います。
そこで再質問で、普通教室への設置、これは各学校からそういう要望がないものかどうか。そしてまた、今後普通教室への設置について、この必要性について学校に調査するお考えがないかどうかについて、まずお伺いしたいと思います。
それから再質問の2点目が、図書館のバリアフリーということで、先ほどの答弁でLLブックを所蔵しているということでございました。実際どれくらいの冊数があるのか、また貸出状況、そして今後の拡充する考えについてお伺いいたします。
それからもう1つは、今、福島県郡山市の中央図書館で、車椅子利用者の方が、QRコードを使って、自分が声を発せずにスタッフの方を呼べるという利便性を高めたサービスを行っています。そういったサービスも当市の図書館で導入できないものかどうか。それについて再質問で伺いたいと思います。
○議長(五戸定博 君)教育部長
◎教育部長(吉田幸司 君)それでは、夏坂議員の再質問にお答えします。
まず最初のエアコンの普通教室への設置について、意見の調査とか、そういうことをする気がないかということについてお答え申し上げます。
現在、市内全小中学校の保健室へのエアコン設置を進めている中で、学校からの普通教室への設置についての要望はない状況でございます。
また、保健室にエアコンを設置している学校からは、熱疲労が見られた児童も少しの休養で回復したなどの報告を受けており、エアコン設置による効果があらわれているものと理解しております。
普通教室への必要性に関する各学校への調査については、保健室のエアコンの利用状況や効果の検証結果を見ながら考えていきたいと思っております。
次に、図書館のLLブックの現状、あるいは郡山市のQRコードの使用ということについての御質問ですが、まずLLブックについてお答え申し上げます。
LLブックとは、知的障がいや発達障がいがある方や、日本語を母国語にしていない方など、読むことが苦手な方のために、写真や絵、短い言葉などを使い、読みやすいように工夫してつくられた本でございます。現在、図書館には本館と分館合わせて10冊の所蔵がございます。これまでの利用状況は、11月末現在、43回の貸し出しとなってございます。
また、出版状況を見ますと、2018年10月現在、図書館で把握しているLLブックの出版は全国で17冊程度となっており、決して多くはございません。しかしながら、LLブックは、知的障がいのある方だけではなく、高齢化やグローバル化の推進により、利用の増加が見込まれますので、今後は、LLブックに限らず、読むことが困難な方向けの図書の出版情報等を積極的に収集しながら所蔵をふやすとともに、周知を図り、利用促進にも努めてまいります。
次に、郡山市のQRコードの御質問ですが、先ほども御答弁申し上げましたとおり、当館では障がいのある方が来館した際には、要望に応じて職員が付き添い、館内の案内や資料の所蔵調査の補助を行ってございます。
郡山市の取り組みにつきましては新しい試みであり、利便性は向上するものと思われますが、施設構造を含めた規模の違いや、障がいのある方への対応方法の違いなど、そのままの導入は難しいものと思われます。障がいのある方へのサービスにつきましては、先ほども申し上げましたとおり、他都市の状況を参考にしながら、充実に向けて研究してまいりたいと思っております。
以上でございます。
○議長(五戸定博 君)夏坂議員
◆12番(夏坂修 君)御答弁ありがとうございました。
エアコン設置につきまして、パネルを使って御説明していきたいと思います。
(パネルを示す)
皆様のお手元には、八戸市の過去10年間の7月、8月の気温データというものがございます。ことしも相当暑かったということでございましたけれども、これは過去の10年間、また、それ以前にさかのぼっても、全国的に気温が上昇傾向にあると指摘されておりまして、実際八戸市の場合でも、10年間の7月、8月だけ見た場合でも、赤の色が8月より7月のほうが上回っている。1番目は最高気温が30度を超えた日数、真夏日と言われているのが、過去5年でも8月より7月のほうが上回っている状況です。去年の7月、ちょうど8日から15日間、8日連続で30度を超えて、7月14日には35.8度、21日には35.3度という最高記録を記録しております。
また、2番目の最高気温の平均値を見た場合でも、過去5年間見ていただいても、通常今まで7月、8月は、8月のほうが最高気温が高かったのが、八戸市においても、過去5年間を見れば、4年間が7月のほうが最高気温の平均値が高くなっている。そういう意味では、今まで8月が暑かったのが、7月のほうに暑い気温というのがシフトしているような、そういう傾向性に変わっていると見受けられます。
今後、普通教室への設置、先ほどの普通教室への必要性、要望がないというお話でございましたが、ただ、学校単位で見れば、例えば3階の教室は熱がこもるので欲しいとか、また、1、2年生は体温調節ができないから、1、2年生の教室に欲しいという学校の声も実際ありますので、そういう部分を今後しっかりと調査していただきたいということを要望して、終わりたいと思います。
○議長(五戸定博 君)以上で発言事項3は終わります。
次に、発言事項4について答弁願います。選挙管理委員会委員長
◎選挙管理委員会委員長(野坂哲 君)投票所における課題及び改善策についてお答え申し上げます。
投票所における課題の1つとして、高齢者や障がい者でも投票しやすい環境の整備があり、そのため、土足で入場できる投票所の増設の検討を進めているところであります。
平成29年の衆議院議員選挙、市長選挙、市議会議員補欠選挙時には、選挙期日当日の投票所92カ所のうち、土足で入場できる投票所は13カ所でありました。
来年4月の県議会議員選挙からは、まず投票所1カ所で、同一敷地内で投票場所を変更することによって、土足化を図りたいと考えております。あわせて、敷物を敷くことにより、土足での入場を可能とする試行を実施し、敷物につまずいたり、雨の日などは滑りやすくなること、小まめな清掃が必要であることなどの課題を検証したいと考えております。
試行を実施する投票所は、有権者数が1000人以下の小規模投票所、有権者数が2000人から3000人程度の中規模投票所、車椅子や障がい者の方が多く来られる投票所など、規模や地域の特性を考慮しながら、3カ所程度選定したいと考えております。
今回の試行を通して、敷物の種類や設置方法など、安全面で問題がないかどうかや、投票事務に支障がないかなどを確認し、その結果を踏まえ、今後可能なところから土足で入場できる投票所の増設を検討してまいりたいと考えております。
次に、期日前投票の効果及び期日前投票所の課題についてお答え申し上げます。
当市における期日前投票所は、本庁と南郷事務所のほか、平成21年にショッピングセンターラピアに、平成28年には八戸ニュータウンショッピングセンターローズガーデンに開設し、計4カ所となっており、これまで必要に応じて、地域バランスや利便性等を考慮し、期日前投票所を増設してきたものであります。
期日前投票所の増設の効果ですが、衆議院議員選挙で比較しますと、ローズガーデンに増設前の平成26年には期日前投票の利用者が2万3997人でありましたが、増設後の平成29年には3万996人と、約7000人増加しており、投票者数に占める期日前投票の割合も25.46%から30.69%と、5.23ポイント増加しております。期日前投票所の増設は、有権者全体の投票率向上にはつながっていないものの、複数の場所で開設することで、有権者の利便性向上に寄与しているものと考えております。
また、平成26年の衆議院議員選挙では、期日前投票所での投票者のうち、ラピアの利用者が56.48%を占め、1カ所の投票所にかかる負担が大きくなっておりましたが、平成29年には42.46%となるなど、ローズガーデン増設により有権者が分散する効果が見られました。
期日前投票所は、投票日に限定されず、有権者の都合にあわせて投票が可能なことから、今後も利用者はふえると考えられ、各投票所において有権者がスムーズに投票ができるよう、さらに工夫が必要になるものと考えております。
特に本庁の期日前投票所は、別館2階の会議室に設置しておりましたが、通路が狭く、車椅子での移動に支障があったり、建物の玄関からも奥まった場所で、誘導のために多くの矢印や案内を設置するなど工夫をしていたものの、なじみのない方には場所がわかりにくいという課題もありました。
そこで、本庁の期日前投票所を利用する方の利便性の向上を図るため、来年の統一地方選挙から本館1階の市民ホールへの移転を検討しているところであります。玄関からの移動距離も短く、わかりやすい場所であり、2階へ上がる必要がないことから、投票しやすい環境になるものと考えております。今後も各投票所において工夫を重ね、より一層の投票環境の向上に努めてまいります。
以上でございます。
○議長(五戸定博 君)夏坂議員
◆12番(夏坂修 君)どうぞよろしくお願いいたします。
○議長(五戸定博 君)以上で12番夏坂修議員の質問を終わります。
この際、暫時休憩いたします。
午後0時26分 休憩
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午後1時25分 再開
○副議長(工藤悠平 君)休憩前に引き続き、会議を開きます。
一般質問を続行いたします。
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19番 森園秀一君質問
○副議長(工藤悠平 君)19番森園秀一議員の質問を許します。森園議員
〔19番森園秀一君登壇〕(拍手)
◆19番(森園秀一 君)皆さん、御苦労さまでございます。平成30年12月定例会におきまして、自由民主・市民クラブの一員として通告に従いまして質問をいたします。
まず最初に、はちとまネットワークにおける物流機能強化の取り組みについて伺います。
ことし7月31日、苫小牧市と当市は交流連携協定を締結いたしました。少子高齢化や東京への一極集中など、地方を取り巻く環境が厳しさを増す中、広域的に自治体同士が連携をし、各種事業を展開することにより、交流人口を拡大させ、両地域の活性化を目指す取り組みは、他の地域の先駆けとなるものであり、今後の多様な交流を期待しながらエールを送りたいと思います。
2市の連携においては、観光、スポーツ、貿易、物流などの分野での取り組みを行う予定と伺っておりますが、特にこの中でも地域経済において重要な影響がある物流機能の強化に期待をしております。
まず、フェリー航路については、八戸・苫小牧航路の開設45周年となる本年4月に、川崎近海汽船株式会社が5年ぶりとなる新造船シルバーティアラを投入し、トラック等の車両運搬能力を強化し、輸送量を順調に伸ばしているほか、宮古・室蘭航路の一部も八戸港に寄港することとなり、機能の強化が図られております。
コンテナ航路においても、東日本大震災による一時的な落ち込みはありましたが、順調に取扱量がふえ、昨年度は過去最高の実入りコンテナ取扱量を記録し、3年間は5万TEUを超えております。加えて、ことし10月には、韓国の近海航路船社最大手の高麗海運株式会社が八戸港で集荷サービスを開始するなど、複数の船会社が八戸港に参入してきており、その利便性が大きく向上しております。
ハード面においては、昨年、フェリー岸壁を2バースにし、2隻同時に着岸することが可能となり、本年10月にコンテナヤードが6.6ヘクタールから8.5ヘクタールに拡張され、農水産物の輸出入に必要な冷蔵を可能とする設備も増設されました。港の物流機能の強化は、地域経済活性化に大きく寄与し、これらにより、八戸港の利便性の向上はもとより、港を利用する地域メーカーや物流業者の活動が円滑になり、苫小牧港との連携により、さらに推進していくとの認識のもと、質問をいたします。
アとしまして、苫小牧港と八戸港との比較で、コンテナ取扱量など、どのような特徴の違いがあるのか。また、港の物流機能の強化が地域に対してどのような経済効果をもたらすのかを伺います。イとしまして、苫小牧港との連携の目的と、今後どのような取り組みを行う予定なのか伺います。ウとしまして、東南アジア航路誘致に向けての構想について伺います。
次に、スポーツ行政について伺います。
1点目は、長根公園パイピングスケートリンクのこれまでの地域に果たした役割、いわゆる歴史の顕彰について伺います。
長根リンクは、全国でも有数の歴史ある施設であり、これまで昭和5年の第1回全日本スピードスケート選手権大会を初め、数多くの全国大会が開催され、特に戦後間もない昭和22年は、すさんだ人々の心を奮い立たせるために、総力を挙げて第1回冬季スケート国体を実現させ、以後12回の国体と冬季アジア大会など、数多くの記録や物語の舞台となってまいりました。まさしくスケートのまちとしての氷都八戸の歴史は長根リンクの歴史でもあります。
来年秋には、市民が長年待ち望んでまいりました屋内スケート場が竣工されます。屋内スケート場で開催予定の第75回国民体育大会冬季大会スケート競技会・アイスホッケー競技会のテーマは、氷都新時代!八戸国体で、これまでの歴史と伝統ある屋外リンクから、長野、帯広に続く国内3番目の屋内リンクヘとバトンが引き継がれ、氷都八戸が新たなステージを迎え、新時代にふさわしい熱い戦いが八戸で繰り広げられるようにとの願いも込められていると伺っております。
そこで、全国的にもその名が知られた長根リンクの閉場に当たり、国体テーマのように氷都八戸が新時代を築いていけるよう、その歴史と伝統、そして先人たちの思いを屋内スケート場に引き継ぐことが大切だと思いますが、何か顕彰するような事業を考えているのか伺います。
2点目は、八戸市体育館の建てかえについてであります。
長根リンクとともに、当市のスポーツの歴史の舞台となってきたのが八戸市体育館であり、かつてはコンサートなどの文化芸術活動の舞台としても活用されてきました。八戸市体育館は、昭和38年に落成し、こけら落としにオリンピック日本代表体操選手を招待し、最終合宿と競技会が公開され、翌年の東京オリンピックでは男子選手団が金メダルに輝き、八戸市民にとって大変記憶に残った体育館落成であったと伺っております。
そういった歴史を歩んだ八戸市体育館でありますが、先般、八戸市体育施設整備検討委員会の検討内容が報道されておりました。内容は、1点目としまして、八戸市体育館は長根公園内で機能を維持したほうがよい。2点目として、八戸市体育館の建築を最優先に検討し、早期の基本構想の策定を望む。3点目としまして、長根公園内の他の体育施設は新体育館に機能を集約するべきだ。4点目として、長根公園再編プランは見直すべきである。この4点が主な内容でありました。
また、ことし11月9日付で国の認定を受けました、第3期八戸市
中心市街地活性化基本計画では、長根公園は旧柏崎小学校跡地とともに、新たに中心市街地のエリアに加わりました。八戸市体育施設整備検討委員会からの長根公園内での新体育館建設という提言を鑑みますと、長根公園が長きにわたり当市のスポーツの中心、聖地のような場所であり、さらには来街機会の創出と回遊性の向上といった
中心市街地活性化策としても大変有効であると思います。コンベンションや各種スポーツ大会が開催できる新体育館を中心市街地に建設することは、当市が整備してきた、はっちやマチニワ、そして整備中の新美術館の整備効果をより一層引き出すためにも必要ではないかと思います。
そこで、八戸市体育施設整備検討委員会の検討内容を踏まえまして、新体育館建設についての市の考え方と今後の進め方についてお伺いいたします。
次に、国土強靱化地域計画について伺います。
近年、大雨による災害が頻発しており、記憶に新しい昨年7月の九州北部豪雨、一昨年の台風第10号による岩手県岩泉町の高齢者施設の入所者9名が亡くなった水害など、毎年全国のどこかで大きな水害が発生をしております。ことしは西日本を中心に全国的に広い範囲で大雨となり、各地で浸水被害、河川決壊、土砂災害、崖崩れなど多くの災害が発生をし、4年前に広島の土砂災害で亡くなられた数を上回り、平成の豪雨災害としては最悪の結果となりました。こうした広域的で甚大な豪雨災害が全国各地で多発していることを考えますと、改めて事前防災の必要性を強く認識したところであります。
当市におきましても、馬淵川や新井田川など河川を有していますので、いつ大雨による浸水被害が発生するか予測できない状況であり、ふだんからの備えが必要であると思います。
このような自然災害の発生などを受け、本年3月議会での我が会派の秋山議員によります代表質問において、国土強靱化地域計画の策定について質問があり、その答弁内容は、あらゆるリスクを想定しながら、発災前の平時の備えを中心に、ハード施策とソフト施策を適切に組み合わせ、どのような事態が起きても機能不全に陥らない地域づくりを計画的に進めていくというものでありました。
また、八戸圏域連携中枢都市圏8市町村が合同で計画を策定することにより、圏域全体での取り組みが期待でき、ひいては圏域全体の強靱化につなげていくとのことでありました。
国土強靱化地域計画は発災前を対象としており、大規模自然災害等に備えるための事前防災、減災、そして迅速な復旧復興につなげるといった観点からも非常に重要な計画であります。
そこで、次の2点について伺います。1点目としまして、計画策定の経過、現況及び今後のスケジュールについて、2点目として、8市町村で取り組む連携策について伺います。
最後に、高齢社会フォーラムin八戸における八戸からの提言について伺います。
最新の2015年国勢調査によりますと、65歳以上の単身者は2000年比9割増の593万人、長寿、未婚化の影響で2000年時点の予測よりも5年ほど早い勢いでふえており、また、単身高齢者は、特に介護や生活保護が必要な状態に陥りやすいとも言われております。超高齢者社会のピークが2040年ごろと言われている中、社会保障の財政運営が厳しくなる懸念が強まり、在宅を軸に自立した生活を支える地域包括ケアの運用が必要不可欠となり、現在、八戸市でも積極的に取り組んでおり、介護を要する高齢者に対しては少しずつ成果もあらわれていると伺っております。
一方、元気な高齢者に対しても、これまで生きがいを持っていただけるような取り組みなどをされておられますが、年々ふえていく高齢者、特に孤立しがちな高齢者もふえてきておりますので、社会参加を促進していくためにも、より内容の広い情報提供や啓発の場づくりが求められてきていると思います。内閣府では2009年から高齢社会フォーラムを各地で開催しており、先般、内閣府と当市の共催で高齢社会フォーラムin八戸が行われました。
そこで、フォーラムの内容など、次の3点について伺います。1点目は、当市の高齢化率の現状と今後の見通しについてと、ひとり暮らしの高齢者の現状と課題についてお伺いいたします。2点目は、高齢社会フォーラムにおける八戸からの提言内容について伺います。3点目は、高齢者が生きがいを持てるような施策として現在当市が実施をしている取り組みと、フォーラムで提言を受けての今後の取り組みへの考えを伺いまして、壇上からの質問を終わります。
〔19番森園秀一君降壇〕(拍手)
○副議長(工藤悠平 君)市長
〔市長小林眞君登壇〕
◎市長(小林眞 君)森園議員にお答え申し上げます。
まず、はちとまネットワークにおける物流機能強化の取り組みに係る苫小牧港と八戸港の特徴及びコンテナ取扱量の現状についての御質問ですが、八戸港は昭和14年に開港し、昭和39年の新産業都市指定を契機として港湾インフラが強化され、平成6年には東北で初の国際コンテナ定期航路が開設されるなど、国指定の重要港湾となっております。現在、中国・韓国航路及び韓国航路が週3便、国際フィーダー航路が週4便就航しております。
平成29年のコンテナ取扱量は約5万6000TEUで国内33位に位置しており、コンテナの輸移出と輸移入の比率が3対2と輸移出が多く、そのアンバランスの解消が課題の1つとなっております。
次に、苫小牧港についてですが、同港は我が国初の掘込式港湾として昭和38年に開港し、北海道内の港湾貨物量の約50%を取り扱っており、国指定の国際拠点港湾となっております。中国・韓国航路及び韓国航路が週8便のほか、北米航路が2週に1便、国際フィーダー航路が週4便就航し、平成29年のコンテナ取扱量は八戸港の6倍となる約34万TEUで国内10位に位置しており、コンテナの輸移出と輸移入の比率が1対2と輸移入が多いことが特徴となっております。
コンテナ取扱量が地域に与える経済効果でありますが、青森県が実施した平成29年度青森県八戸港コンテナ貨物経済効果調査によると、平成28年の経済効果は1TEU当たり80万6000円、年間で475億円とされております。
次に、苫小牧港との連携の目的と今後の取り組みについてお答え申し上げます。
その主な目的は2つあり、1つ目は、平成24年4月以降途絶えている東南アジアに直行する航路の開設であります。近年、八戸港はフェロニッケルや紙、建築資材を主要品目として、台湾や東南アジアとの輸移出入が大幅に増加しております。これらの貨物は京浜港や釜山港で積みかえられているため、輸送時間の短縮や経費低減に資する東南アジア航路が望まれており、このことは苫小牧港においても同様であります。このことから、苫小牧港と連携し、航路全体としてのコンテナ取扱量を増大させるとともに、輸移出入のバランスをとることで、航路誘致に努めてまいります。
目的の2つ目は、フェリー航路を活用した物流の活性化であります。八戸港と苫小牧港を結ぶフェリー航路は、平成28年の貨物量が約1200万トンで、これは八戸港の総貨物量の44%、苫小牧港の12%を占めており、本州と北海道を結ぶ主要な物流ルートの1つとして、貨物量は堅調に推移しております。今後、八戸と仙台を結ぶ三陸沿岸道路の開通によって、物流面はもとより、観光面などにおいても利便性の向上が期待されており、同航路のさらなる活用に向けて関係者と協議を進めてまいります。
次に、東南アジア航路誘致に向けての構想についてお答え申し上げます。
東南アジア航路の開設は、輸送時間の短縮や経費低減により地域企業の利便性が向上するとともに、さらなる貨物の創出が期待されるなど、地元経済に与える効果が大きいと考えております。航路の開設には、その採算性の確保が課題であり、現在は荷主や商社を訪問し、貨物量等の調査に努めているところであります。
また、さらなるコンテナ取扱量の増大が必要であると考えており、八戸港と苫小牧港の2港に加え、約26万TEUの取扱量を有する仙台塩釜港とも連携してまいりたいと考えております。ここ数年、原油価格の高騰による燃料費の上昇、競争激化による海上
運賃の下落等、船会社の新規航路開設にとって厳しい状況になっておりますが、3港連携によってスケールメリットを創出するなどし、東南アジア航路の誘致に取り組んでまいります。
以上でございます。
〔市長小林眞君降壇〕
○副議長(工藤悠平 君)森園議員
◆19番(森園秀一 君)丁重な御答弁ありがとうございました。1点ちょっと再質問をさせていただきたいと思います。苫小牧民報という新聞を読んでおりましたら、その中に今回の締結で、八戸市の熱意をすごく感じたという記事が出ておりました。
また、その中で最後に、こういった成果を出していくためには、やはり行政同士のみならず、民間サイドの協力が欠かせないというような記事の締めくくりだったのでございますが、今回の2港の交流連携協定は、八戸市が大変積極的に取り組んできた結果ではないかと思っております。競争相手でございますので、そこに職員の皆さん方が積極的にアプローチされて、未来志向でそれぞれの特徴を補いながら連携協定まで取り組まれたことは、本当に皆さん方に御苦労さまと申し上げたいと思っております。
今、経済効果に対する答弁もございました。ちょっと私も知らなかったのですが、80万6000円、そして475億円の経済効果があるということで、地元経済への効果、影響というもののを大きさを改めて認識したところでした。
質問の中でコンテナヤードの拡張の話もしました。先日ちょっと行ってきたのですが、拡張されたコンテナヤードでも、もうかなりいっぱいになっていまして、今後こういうこともまた考えていかなければいけないということも、新たに提言をさせていただきたいと思いました。
先ほど市長の答弁にもございましたが、苫小牧港は北海道の物流の窓口であるということで、重要な物流ルートであるということも理解いたしました。44%が苫小牧との物流ということで、今後もよきパートナーとしておつき合いしていただくことに取り組んでほしいと思っております。
もう1つの連携目的、東南アジア航路の開設ということでございましたが、特に東南アジア航路の開設に向けて仙台塩釜港という名前も出ました。3港連携として取り組んでいきたいということでございました。そこで、3港連携構想の1つである仙台塩釜港との連携の可能性について、どのような認識なのか、ちょっとお伺いしたいと思います。
○副議長(工藤悠平 君)
商工労働観光部長
◎
商工労働観光部長(磯嶋美徳 君)再質問につきまして私からお答えさせていただきたいと思います。
東南アジア航路の誘致につきまして、仙台塩釜港との連携の可能性という御質問でございますが、仙台塩釜港においては、八戸港と同様、台湾等へのポートセールスなどを展開しておりまして、ここ数年、タイやベトナムなどへのコンテナ取扱量が増加していることから、やはり直行便による航路の誘致開設を希望されているところでございます。
また、同港においても苫小牧港と同様に、輸移出と輸移入におけるコンテナのアンバランスが課題となっておりまして、これらのことから八戸港との連携についても前向きに検討していただいているものと認識しております。八戸港といたしましては、引き続き苫小牧港及び仙台塩釜港と協議を重ねまして、3港連携し、東南アジア航路の誘致に取り組んでまいりたいと考えております。
以上でございます。
○副議長(工藤悠平 君)森園議員
◆19番(森園秀一 君)ありがとうございました。今の答弁ですと、お互いにその特徴を補い合いながら、仙台塩釜港も含めて、連携に向けて順調に進んでいるというような大変期待の持てる答弁だったと思っております。
東南アジア航路が開設されますと、貿易港としての需要が大分ふえてくるわけでございます。これは個人的な意見ですが、本当は大口のコンテナをどんどん出せれば、港湾の会社もそのほうがよいのでしょうけれども、小口コンテナが出せるような下地がある八戸港になれば、工業用品はもちろんですが、農産物を初め多様な業種にビジネスチャンスが生まれてくるのではないかと、本当に希望が持てると思っております。
先ほども言いましたが、苫小牧民報には民間サイドの協力が必要だというような記事が出ておりました。先月の新聞でしたか、金融機関の連携協定が結ばれたというような報道もありましたが、行政に加えて経済界も足並みをそろえた動きが本当に必要だと思いますし、私は、私ども議会としてもどのような形で応援できるのかを今後検討していかなければいけないと思っております。地域経済発展のために今後の取り組みを、本当に大いに期待いたしまして、この項目を終わらせていただきます。
○副議長(工藤悠平 君)以上で発言事項1は終わります。
次に、発言事項2について答弁願います。市長
〔市長小林眞君登壇〕
◎市長(小林眞 君)それでは、長根公園パイピングスケートリンクの歴史の顕彰についてお答え申し上げます。
長根リンクは、貯水池の堤から始まり、天然リンク、そしてパイピングリンクへと変遷しながら、さまざまな思い出と数々の記録を残してまいりました。その間、昭和5年の第1回全日本スピードスケート選手権大会の開催以来、数々の全国大会や12回を数える冬季国体、平成14年にはアジア冬季競技大会が開催されるなど、氷都八戸の名を全国に発信する大きな役割を果たしてまいりました。
長根リンクは、来年2月末をもってその歴史に幕を閉じることになりますが、市では、これまでの長い歴史と伝統を顧みて、先人の偉大なる功績をたたえ、後世に継承することを目的に、長根スケートリンクメモリアル事業を行うこととしております。その1つとして、来年2月24日にクロージングイベントを開催する予定であり、長根リンクゆかりのスケート関係者の滑走セレモニーのほか、イルミネーションの点灯や花火の打ち上げなどを検討しております。
また、このイベントにつきましては、現在市が企画するテレビ特別番組でも放送する予定としており、市としましては、かつての競技者の方々や、スケートを滑らなくとも長根リンクに思いのある、あらゆる世代の方々に来場していただき、市民全体で盛り上げるフィナーレにしたいと考えております。
2つ目として、氷都八戸の歩みを後世に継承するため、デジタルアーカイブ構築事業を進めており、明治時代から現在までの各種大会の記録や、競技の写真、映像、昔のスケート用具や新聞記事等を広く収集しているところであり、年度内にこれらをデジタル化し、インターネット上で公開する予定であります。
これらのメモリアル事業に加えて、新たな屋内スケート場の正式名称を八戸市長根屋内スケート場とする予定であり、長根の地名を残すことで、市民の長根リンクに対する思いと、先人の熱意や功績をしっかりと引き継ぎ、今後のスケート人口の増加やスケート界の発展を願うとともに、新たな氷都八戸の幕あけにしたいと考えております。
次に、八戸市体育館建てかえについてお答え申し上げます。
市では平成28年8月に公共施設マネジメントの推進に係る基本方針を策定し、市内公共施設における長期的な視点による更新、統廃合及び長寿命化に向けて計画的に取り組むこととしております。このことから、耐震改修が困難と判断された八戸市体育館を含めた体育施設全般の修繕、改築などについて意見を求めるため、八戸市体育施設整備検討委員会を平成29年1月に発足させ、これまで6回の会議を行ってまいりました。
会議において、八戸市体育館については、体育施設の中で最も利用頻度が高いこと、八戸圏域連携中枢都市圏内には同規模の施設がないことなどから、その建てかえについて最重点で取り組むべきであるとの意見が多数を占めております。また、体育館の建てかえに当たっては、利用者の利便性を確保するため、現体育館を利用しながら工事を行えるよう、長根公園内の別な場所へ配置することが望ましいという意見も挙がっております。
同委員会からの意見書は来年1月に取りまとめられる予定となっており、その内容を踏まえた上で、体育館の規模や機能、整備手法等を含めた基本構想の策定について検討してまいりたいと考えております。
以上でございます。
〔市長小林眞君降壇〕
○副議長(工藤悠平 君)森園議員
◆19番(森園秀一 君)詳細な答弁ありがとうございました。ちょっとそれぞれ1点ずつ再質問させていただきたいと思います。
まず最初に八戸市長根屋内スケート場というネーミングです。本当に歴史の継承にふさわしいのかと思いました。また、顕彰事業として行われますクロージングイベントは、本当に大勢の方々にとって記憶に残り、次への希望が湧くようなものにしていただくよう、担当職員の皆さん方や関係者に本当に期待をしております。
御承知のように八戸の屋内スケート場は、他の屋内スケート場、長野とか帯広とちょっと違いまして、同じ場所で建てかえられるということでございます。これまでの歴史の積み上がりが場所として違うわけでございまして、その歩みを広く一般の方々にもわかってもらえるような顕彰が必要ではないかと思っております。
その歴史の顕彰について、氷都八戸の歴史をデジタルアーカイブの構築事業で集めているというような答弁でしたが、これらの貴重な資料を八戸市長根屋内スケート場でどのように活用するのかを再質問させていただきたいと思います。
もう1点、新体育館の建設についてでございますが、体育館の建設が必要なのかということを、今の答弁でよく理解いたしました。そこで、他都市の整備事例は、当市にはどの程度の規模の新体育館が必要なのかということを考えますと、大変気になるところでございます。
長根公園での施設建設の可能な広さが、ちょっと建蔽率を出していただいたのですが、残っているものがおおよそ8800平米ぐらいだと伺っております。他市の例で見ますと、昨年供用開始した人口4万人の三沢市は約48億円、人口18万人の日立市は61億円、平成28年度供用の人口20万人の松江市は60億円、そしてまた、平成27年に供用した人口26万人の函館市は80億円で、それぞれ建設をされております。本当にこれまでの体育館の形とちょっと違う内容のものになっておりましたが、こういった他市の例を踏まえて、当市にはどういった内容で、どの程度の規模の新体育館が必要であると考えるのか。また、これも検討委員会のほうから出されておりましたが、武道館とかプールなど、長根公園内での体育施設の機能を加えた複合施設とする考えはないのかといったところの所見を伺いたいと思います。
◎市長(小林眞 君)森園議員の再質問にお答え申し上げます。
2点ございまして、まず1点目はデジタルアーカイブの構築後の活用ということでございます。先ほど壇上でも申し上げましたが、まずはインターネットで誰でもが見られるような形で公開していくということが第1点であります。
そのほか、うまく市内の一定の場所で、実際に必要なものを自分で呼び出して見られるような場も設けたいと思っております。新たな八戸市長根
屋内スケートリンクも、その候補の1つになるのだろうということで、その展示の計画の中で、そのことについても検討していければと思っております。
それから2点目であります。具体的にどのような体育館にするのかということであります。まず来年1月に検討委員会から御報告いただいた上で、先ほども壇上で申し上げたようなスケジュールの中で基本構想をつくっていくということになろうかと思います。
いろいろ新たな体育館のあり方を調べてみますと、プロスポーツに対応できるということを想定したり、あるいは、そのためにサブアリーナもつくるというようなことであるとか、ユニバーサルデザインということは当然のことだろうと思いますし、そういったいろいろな各先進事例も十分に参考にしながら構想をつくっていきたいと思います。
また、先ほど長根公園内にあるプールとか武道館について、併設についての御提案もありました。そういうことも含めまして、機能集約で、どういう形で維持管理経費が低減されていくのかということも踏まえながら、耐用年数とか費用といったことも含めて、関係団体の意見等も踏まえて、今後の基本構想策定時に検討していければと思っております。
以上です。
○副議長(工藤悠平 君)森園議員
◆19番(森園秀一 君)詳細に説明していただきましてありがとうございました。まず最初に、八戸市長根屋内スケート場、同じ場所で建てられた東京ドームなどは、これはプロですが、後楽園球場の野球博物館、大変立派な、本当にすばらしい歴史博物館のようなものがあるのです。同様にとは申しませんが、昨日、三浦議員にも答弁がございました。コーナーの設置がよいのかどうかは別としまして、できればその歴史の顕彰ができるような場所と言うのですか、コーナーと言った方がよいのか、ぜひとも入館者がふえるような、楽しめるようなものを設置していただきたいと、これは要望したいのですが、先ほどデジタルアーカイブ構築事業というものでは、過去のデータが大変豊富だということも伺っております。新たな屋内スケート場、いわゆる八戸市長根屋内スケート場で、映像でも見られるとか、また、やはり触れられるというのですか、今そういうものがございますが、触れられるようなタッチスクリーンの大画面などを設置して、集客ができるという、また外国人などにも対応できる、外国人の皆さん方にも楽しんでいただけるようなおもしろい、コーナーという言い方がよいのかわかりませんが、そういう場所を設置していただくように、これは要望させていただきたいと思います。
あと、新体育館ですが、先ほどの答弁の中でイメージが何となく少し湧いてまいりました。私は検討委員会で検討しておられます長根公園内での敷地の有効利用が大変重要であると思っているわけでございます。長根公園全体の大きな課題でもあります駐車場の問題ですとか、公共アクセスの問題などを解消していくためにも、新体育館の事業規模や整備手法といったものの検討も加えまして、全体の基本構想は、すぐつくれというわけでございません。基本構想については早期にいろいろ取り組んでいくべきではないかと思っております。
私たちも、予算の問題も当然重々認識をしておりますが、都市整備計画とか
中心市街地活性化や、提案理由でも市長が申されておりましたスポーツのまち八戸推進のためにも、その中核になろうと思います新体育館の基本構想を早く示されることを要望いたしまして、この項目を終わらせていただきます。
○副議長(工藤悠平 君)以上で発言事項2は終わります。
次に、発言事項3について答弁願います。大平副市長
◎副市長(大平透 君)それでは、国土強靱化地域計画についてお答え申し上げます。
まず第1点、計画策定の経緯と現状及び今後のスケジュールについてでございます。
近年、気候変動の影響等に伴い、平成26年の広島土砂災害、平成27年の関東・東北豪雨、平成29年の九州北部豪雨や先般の西日本豪雨など、これまでに経験したことのない土砂災害や浸水害が増加している状況にございます。
国におきましては、こうした多様化、激甚化する豪雨災害等の状況を踏まえ、平成26年に国土強靱化基本計画を策定し、強靱な国づくりに向けた施策を推進しているほか、県におきましても、昨年3月に国土強靱化地域計画を策定したところであり、当市におきましても大規模自然災害等のさまざまなリスクを想定し、事前防災及び減災等の対策を総合的かつ計画的に実施することで強靱な地域づくりを推進すべく、国土強靱化地域計画を策定することとしたものでございます。
当計画につきましては、八戸圏域連携中枢都市圏の8市町村合同で策定することとしており、8市町村の担当課長のほか、国県、学識経験者で構成する5名のアドバイザーを加えた検討会議を設置し、専門的知見からの御意見をいただきながら、年4回開催する予定のうち第3回目までを終了したところでございます。
第1回目の会議では、計画策定の趣旨やスケジュールなどについて説明した上で、第2回目の会議において4つの基本目標を掲げることや、さまざまな災害により想定される事態、いわゆるリスクシナリオの設定などを内容とする1次案を作成し、計画の方向性を示しております。
第3回目の会議では、計画の核となるリスクシナリオごとの対応方策や、8市町村が連携して取り組む項目などを設定した2次案を作成するとともに、各市町村ごとの対応方策を示す附属資料を取りまとめたところでございます。
現在は、第3回目の会議においてアドバイザーの皆様からいただいた御意見を反映させた計画案及び附属資料案を作成したところであり、パブリックコメントの手続開始に向けて準備を進めているところでございます。
今後のスケジュールでございますが、今月下旬から予定しているパブリックコメントにより市民の皆様から御意見をいただいた上で最終案を作成し、来年2月の第4回目の検討会議を経て、3月下旬の計画策定、公表の予定としております。
続きまして、8市町村で取り組む連携策についてでございます。
当市を含みます8市町村は、連携中枢都市圏を形成し、さまざまな連携事業を展開しており、さらには、地理的な面において河川の氾濫や津波などの共通リスクがあることや、近年の災害が多様化、激甚化していることから、より広域的な視点で災害対策に臨むことが、圏域全体の防災減災に向けたまちづくりに資するものと認識をいたしております。
計画の策定に当たりましては、既に連携中枢都市圏ビジョンに基づき実施している取り組みと、今後実施を検討していく取り組みに分けて整理しており、その具体的な内容としては、実施中の取り組みとして、危険空き家対策のための合同研修会等の開催や、災害時要援護者の受け入れ先である福祉避難所の圏域での相互利用など、10項目を計画案に掲載することとしております。
また、今後実施を検討していく取り組みとして、圏域市町村の境界にある避難所の相互利用や避難経路等の検証による避難体制の強化、8市町村相互の連携協力体制の充実強化を図るための合同防災訓練の実施、住民向け防災研修会及び市町村防災関係職員研修会の8市町村合同での開催、圏域内の災害時に孤立する可能性のある集落や避難所等の孤立防止対策など、12項目を掲載することとしております。
市としては連携項目としてさまざまな事業を実施することで、広域的な防災体制の強化につなげ、ひいては八戸圏域全体の強靱化が推進されるよう、7町村の皆様と密接な連携を図ってまいります。
以上でございます。
○副議長(工藤悠平 君)森園議員
◆19番(森園秀一 君)丁重な答弁ありがとうございました。ここは要望させていただきたいと思います。国土強靱化地域計画について、県内外の自治体においては余り策定が進んでいないというような報道もございましたが、そういう中で当市が積極的に策定を進めている点で、市の防災に対する姿勢を評価するとともに、連携中枢都市圏の構成市町村で合同で計画を策定することは、全国では初めてだということで、これについても、本当に担当職員の皆さん方を評価したいと思っております。
圏域全体の強化に向けて、より実効性のある計画、こういう計画はなかなか実効性の伴う計画を立てることは難しいのですが、これはやはりそれぞれの市町村の土地形状がみんなそれぞれに異なりますし、当然それぞれの防災に対する意識も異なるわけでございますので、そういった中での、この8市町村が情報共有を図りながら策定作業を進める。先ほどの答弁にもございました合同防災訓練などの連携項目について協力して進めていってほしいと思います。
特に計画を進める中で地域住民への防災に対する意識啓発を強化していくことが、災害時の被害を最小限に抑えることにつながると思いますし、そのためにも、地域の実態に詳しい民間事業者といった皆さん方と連携していくという考え方についてもしっかり進めていかれるように、これは要望させていただきたいと思います。
さらに、報道で何回も出ていましたが、国で今後3年間で集中していきます国土強靱化の緊急対策として、本当に大きな予算を持っているようでございまして、平成30年度の第2次補正予算案では、先日の報道ですと、1兆1500億円前後を計上するというような報道もございました。当市においても活用できるものはさまざま想定できると思いますが、強靱化の取り組みについて前向きに進めていかれるよう要望いたしまして、この項目を終わらせていただきます。
○副議長(工藤悠平 君)以上で発言事項3は終わります。
次に、発言事項4について答弁願います。福祉部長
◎福祉部長(豊川寛一 君)私からは福祉行政について、高齢社会フォーラムin八戸における提言に関する御質問3点についてお答え申し上げます。
まず、高齢化率及びひとり暮らしの高齢者についてでございますが、当市における65歳以上の人口の総人口に占める割合、すなわち高齢化率につきましては、本年10月末現在で29.5%となっており、来年中には30%を超えることが予想されているところであります。また、国立社会保障・人口問題研究所の推計によりますと、いわゆる団塊の世代が後期高齢者となる2025年には、高齢化率が33.9%まで上昇し、人口のほぼ3人に1人の方が65歳以上の高齢者となるとともに、その高齢者人口が40歳から64歳までの介護保険第2号被保険者人口を上回ると見込まれておるところでございます。
さらに高齢者数は、団塊の世代の子どもの多くが65歳以上となる2040年ころまでふえ続け、その後は減少に転じると推計されておりますが、65歳以上の人口が減少に転じても、65歳未満の人口がそれ以上に減少することから、高齢化率はさらに上昇を続けていくものと推計されております。
また、ひとり暮らし高齢者の現状につきましては、65歳以上の高齢者で単身世帯の占める割合は、本年10月末現在で28.8%となっており、核家族化の進展もあり、その割合は年々増加していくことが予想されております。
さらに、地域のつながりの希薄化により地域社会から孤立化する高齢者もふえている状況にあることからも、ひとり暮らし高齢者が社会から孤立し、家に閉じこもることにより心身機能が低下し、要介護状態へ移行してしまうことが懸念されているところでございます。
次に、フォーラムにおける八戸からの提言についてお答え申し上げます。
高齢社会フォーラムは、内閣府が平成21年度から東京と地方都市において年2回開催しており、今年度は当市が開催地として選出され、内閣府と当市の共催により10月12日に八戸市公民館で開催し、市内外から多くの方々に御来場いただきました。
このフォーラムでは、高齢者が明るく元気に生きがいを持ち続けながら暮らしていくためにはどうすべきかをテーマにパネルディスカッションをし、その中で高齢者の居場所づくり、仲間づくり、生きがいづくりや、高齢者が地域社会の担い手として活躍していくことを念頭に、幾つかの方策が八戸からの提言として挙げられました。
その主なものの1つ目として、ふだん行く場所がない、話し相手がいない、楽しみがないといった高齢者のために、高齢者自身がシニアカフェを開催するというものであります。シニアカフェとは、参加者が自由な雰囲気の中で茶菓子を食べながら会話を楽しんだり、軽い健康体操をするなど、そこに集う高齢者たちがみずからやりたいことを企画し、運営していくものであります。
また、高齢者のみを対象とし、月1回開催されるほっとサロンとは異なり、シニアカフェにおいては、開催回数は運営する高齢者たちで自由に決めることができ、参加者は高齢者に限定されず、小学生や子ども連れの主婦、ボランティアなど地域住民の誰もが参加でき、集える場とするものであり、ここでは高齢者が参加者をもてなす立場となるものでございます。
次に2点目として、各公民館または町内会でシニアボランティアの人材バンクを設置し、多くの高齢者に登録してもらい、地域のニーズとマッチングさせるというもので、自分の役割や生きがいが見出せていない高齢者と、人手不足に悩む各種団体の双方にとって大きなメリットを生み出すものと期待されているところであります。
3つ目として、高齢者で組織されている老人クラブ、鴎盟大学、シルバー人材センター、各種サークル等の連携を図るというもので、これまで個々に活動している各種団体が交流を持ち、合同でイベントを企画、開催するなど、お互いを行き来することで相乗効果や活性化が見込まれるというものでございます。
これらのことが八戸からの提言として挙げられ、その詳細については内閣府のホームページに後日掲載されることとなっております。
次に、現在の取り組み状況と今後の取り組みへの考えについてお答え申し上げます。
現在、当市においては、第7期八戸市高齢者福祉計画に基づき、高齢者の閉じこもり防止や生きがいと健康づくり、社会参加の促進を目的に各種事業を展開しております。
その主なものとしては、バス特別乗車証の交付、鴎盟大学の開設、地区敬老会開催や老人クラブ活動に対する補助金の支給、各地区におけるほっとサロンの開設、介護施設でのボランティア活動に対しポイントを付与するシニアはつらつポイントの実施などが挙げられます。
なお、フォーラムでの提言につきましては、今後、実施に向けて取り組んでいきたいと考えており、一部のものについては既に関係団体と協議を進めているところでございます。
高齢者がいつまでも元気でいるために一番大事なことは、まずは、高齢者がみずから生きがいや趣味を見つけること、そして、積極的に地域社会との交流を持ち、元気に活動することでありますことから、まずはその意識の醸成を行い、その中で、みずから活動することができない高齢者、または自分の役割や生きがいを見出せないでいる高齢者に対しては、関係団体と連携し、居場所づくりや仲間づくり、役割づくり等について支援していきたいと考えております。
また、今回のフォーラムをきっかけに、今後の高齢者支援のあり方について、高齢者を初めとする市民全体で考え、高齢者が生きがいを持って、いつまでも明るく元気に暮らし続けられるような地域社会の構築に向けて取り組んでまいります。
以上でございます。
○副議長(工藤悠平 君)森園議員
◆19番(森園秀一 君)丁重な御答弁ありがとうございました。
先に1点ちょっと再質問だけさせていただきたいと思います。今、答弁の中で単身高齢者が、やはり3割に近くなっているということは私も驚いたのですが、いろいろな町内会の活動に行きますと、元気な高齢者の方が運営されたりしていて、そういう方たちは心配はないのでしょうけれども、今おっしゃっておられる対象者は、そういうところになかなか参加できないような方々なのかと思って伺っておりました。
先ほど、フォーラムの中で提言があったシニアカフェですか、これは現実に実現させて、広く市内全般に普及させるために、具体的にどのような施策をどのように進めていかれるのか、ちょっとそのあたりをお伺いしたいと思います。
○副議長(工藤悠平 君)福祉部長
◎福祉部長(豊川寛一 君)それでは、森園議員の再質問にお答え申し上げます。先ほど御説明したシニアカフェを真に実現させ、また市内全域に広く普及させるための方策という御質問でございますが、まずシニアカフェを実現、普及させていくためには、市内の中心市街地でこのシニアカフェを開催しまして、一般市民の方々の認知度を高める、また全ての年代の方々に参加、協力していただけるようにしたいと考えております。
そして、そこに参加した皆さんが、そのノウハウを地域に持ち帰りまして、各地域で多くの高齢者の方が集まって運営方法等を協議しながら、地域の実情に即した形でカフェを開催していただく、また、それを参考に別の地域でカフェが開催されるというふうに、カフェの開催について徐々に市内各地域に広く普及していくことを期待しております。
以上でございます。
○副議長(工藤悠平 君)森園議員
◆19番(森園秀一 君)理解いたしました。ありがとうございます。皆さんお気づきのように、まちなかを歩いておりますと、車で走りますと、特にバス停の周りには多くの高齢者の皆さん方が、バスを待っていらっしゃるのか、所在なげに座っていらっしゃる、あとはデパートの前の椅子のところにずっと座っていらっしゃる方とかが多く見られます。これはまちなかだけではなくていろいろな箇所、寒さをしのげるところ、暑さをしのげるところ、そういうところにはそういう方たちが大勢いらっしゃるということは見かけておられると思うのですが、これまで行政は、どちらかというと介護の必要な方々のために多くの支援策に取り組んできたと。これは本当に大切なことだと思っておりますが、ある意味でおせっかいなのかもしれませんが、その残りの高齢者の8割を占める元気な高齢者の皆さん方にも、その高齢者の皆さん方の力というのですか、これまでの経験を持っていらっしゃる力というものを新たに見つけられるような、そしてまた、その力を引き出せるような、そしてまたその力を発揮できるような居場所づくりがシニアカフェなのかと、先ほどちょっと伺っておりました。そういった場所ができると、認知症などの早期発見なども可能になるのかと、ちょっと思ったところでございます。
答弁にありましたように、中心市街地の公的な施設になるのか、どこになるのかはまだ決まっていないということでございましたが、八戸には前にまちの駅というものもございました。あれは商工会議所でしたが、すばらしい施設でございました。今はちょっと名前を変えて、また別のところで、いろいろなものをつくって販売とかをしていますが、私も行くと、年配の方たちが大変多く集っていらっしゃって、売り上げも随分上がっているとも伺っております。そういうところも参考にしながら、今言ったフォーラムで提言のあったシニアカフェが、ぜひとも市内中にいっぱいできるように要望させていただきまして、質問を終わらせていただきます。
○副議長(工藤悠平 君)以上で19番森園秀一議員の質問を終わります。
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6番 田端文明君質問
○副議長(工藤悠平 君)6番田端文明議員の質問を許します。田端議員
〔6番田端文明君登壇〕(拍手)
◆6番(田端文明 君)2018年12月八戸市議会定例会において、日本共産党議員団の一員として、市長並びに理事者各位に質問いたします。
初めに、水産改革について質問いたします。
政府は、6月閣議で水産改革方針を決定しました。5月に公表された水産庁の原案に対して、著名な水産経済学者50名が反対する声明を発表し、強い反対意見が出されたものです。漁業関係者への事前の説明もなく、突然発表されたものです。8日午前1時過ぎに開かれた参院本会議で強行採決されました。
70年ぶりに抜本的に改正された漁業法の主な内容は、1つ目は、船のトン数規制をなくして大型化を可能とし、漁業の生産性を高めること、2つ目は、漁業権の付与は、法律で優先順位を決めた現行制度を廃止し、養殖業への新規参入、規模拡大を促すこと、3つ目は、海の議会である公選制の漁業調整委員を知事の任命制にすることです。
地先と言いますが、漁村に面した海が、その漁村の占有漁場とされ、浜の漁民がルールをつくり、共有で利用してきました。海岸線から3キロから5キロ以内に地元漁業者が優先して利用できる養殖用や定置網用の区画漁業権、そのほか漁業の共同漁業権が設定されています。
このルールは、戦前の反省からつくられたものです。戦前は、都会の資産家、企業が優良な漁場を占有する不在地主的な免許制度で、利潤は都市に流出しました。現在の漁業法は、地元の海で働く漁業生産者に優先的に漁業権を行使させています。地元漁業者が全員加入する漁協を地元漁業権の一括した受け手として、漁場の円満な利用を図ってきているのです。今回の改革では、養殖用漁業権を、企業が漁協を通さずに知事から直接免許を受け、今まで地元漁民に優先的に免許された定置漁業権が、行政の裁量で、知事が企業に直接免許することが可能となるものです。地元漁民や漁協に関係なく、企業が自由に海を利用できることになるのです。利潤を追求する企業が、地元の海を利用することになれば、地元漁民が守ってきた海の秩序は乱れ、漁場環境も荒廃するのは目に見えています。
漁船の大きさの規制をなくするとしています。大型化を容認すれば、さらに漁獲効率を高め、沿岸資源を圧迫し、漁場の荒廃が進むことになります。
資源管理では、西欧型の管理法であるTAC制度を大幅に拡大するとしています。TACは個々の漁船の漁獲量を割り当てる制度です。漁獲量の割り当ては、大規模漁業に大きく割り振られ、多数を占める小規模漁業者は小さな割り当てしかもらえません。これでは沿岸家族漁業は存続が不可能になるというものです。漁業の成長産業化、国際競争の強化、企業参入の促進など、世界で一番企業が活躍しやすい国を目指すというアベノミクスの水産版です。
資源管理、水産物流通構造、漁場の利用権、漁協のあり方など、漁業政策の根本にかかわる内容で、地域の漁業、経済、食生活にも大きな影響を及ぼすことになります。市長の見解を問います。
次に、消費税10%への増税について質問をいたします。
安倍政権は、来年10月から消費税を10%に増税することを宣言しました。消費税は福祉のため、老後のためと言われ、1989年、平成元年4月に3%で導入されました。その後、安定財源の確保、社会保障の充実と言って5%に引き上げられてきました。消費税法では、医療及び介護の社会給付並びに少子化に対処するための施策に要する経費に充てるとされており、8%に増税するときには、増税分は全て社会保障に回すと言っておりました。
しかし、実際は、安倍政権になってからの6年間で、社会保障費は3.9兆円削減され、社会保障は大きく後退しました。消費税は生活必需品を初め全ての商品とサービスに課税されるため、低所得者ほど負担が重い逆進性の高い税金です。
一方、所得税や法人税の最高税率引き下げや累進性の緩和が行われてきたため、大企業や高額所得者の負担は減りました。消費税が導入されてから2017年度までの消費税収は349兆円になりますが、法人税の減税は281兆円になり、税収の8割が法人税減税に使われた形です。
安倍政権は来年10月に増税するに当たり、今回は幼児教育の無償化に充てるとしています。しかし、内容は無償化などと言えるものではありません。2011年の資料からですが、国際人権規約では高校、大学など教育の段階的な無償化を定めていますが、規約加盟160カ国中、この条項を留保しているのはマダガスカルと日本の2カ国だけです。無償化は無条件で国の責任で実施すべきことであり、保護者の切実な願いを人質にとるようなやり方には、言語道断との思いです。
食料品などの税率を据え置く複数税率やカード利用でポイント還元を行うとしておりますが、制度が余りに複雑で混乱が拡大しています。消費税は販売価格に上乗せした税額から仕入れ価格にかかった税額を差し引いて業者が納税する仕組みです。
2023年から仕入れ時の税額を取引先に通知するインボイス制度が導入されますが、通知が発行できないと取引を断られる危険があるため、年商が1000万円以下の免税業者も課税対象者になり、身銭を切ってでも納税することを強いられることになります。中小業者を苦境に追い込むだけです。500万とも言われる免税業者が取引から締め出されるおそれがあることから、日本商工会議所など多くの業界団体が増税に反対を表明しています。
政府は、消費落ち込みの対策として自動車、住宅の購入時の減税やプレミアム付商品券の発行などを検討されていますが、ばらまきをしながら増税することは矛盾です。これらの対策をとるくらいなら、消費税増税こそ中止すべきです。増税の中止こそ最良の景気対策だと思っております。
1点目ですが、医療機関では患者さんから消費税を取らないことになっておりますが、増税のたびに経営を圧迫してきております。市民病院の年間の消費税負担額は幾らになるか質問します。
2点目ですが、市の財政で、地方消費税収と年間支出についてどのようになっているか質問します。
次に、合葬墓について質問いたします。
当市の昨年の65歳以上の老年人口は28.7%で、あと数年で3人に1人が高齢の社会を迎えることになります。平成18年の死亡者数は2027人でしたが、昨年は2717人で、年々増加しています。遺骨は家の墓に埋葬するのが常でありました。しかし、過疎化、少子化が進み、墓の継承者がいなくなり、墓地が放置され荒れてしまうことや、閉じられた墓の墓石が不法投棄されるという問題も起こっております。ひとり暮らしの高齢者が孤独死するということも大きな社会問題となってまいりました。
市民から、老後の生活費のことで、墓にはお金をかける余裕はありません、市で合葬墓を整備できないものかという声が寄せられているところです。自治体の合葬墓の整備は全国的にも広がっており、県内では、弘前市が8月から合葬墓の運用を始めており、青森市でも整備に踏み出しております。市長は昨年、政策公約で生前予約の導入や、市民ニーズに対応した新しい形の墓地の整備を進めますと表明しています。合葬墓の構想と取り組みの現状について質問いたします。
次に、国民健康保険について質問いたします。
高過ぎる国保税に市民から悲鳴が上がっています。全国で滞納世帯は289万世帯、加入世帯の15%を超えています。高過ぎる保険税は市民の暮らしを苦しめるだけでなく、国民保険制度の根幹を揺るがしています。
国保加入者の平均保険料は、政府の試算でも、中小企業の労働者が加入する協会けんぽの1.3倍、大企業の労働者が加入する組合健保の1.7倍となっています。高過ぎる保険税を下げ、国保の構造的な問題を解決するためには、公費を投入するしかありません。全国知事会、全国市長会、全国町村会なども、国保の定率国庫負担の増額を要望し続けており、2014年には公費を1兆円投入して、協会けんぽ並みの負担率にするよう政府与党に求めております。
しかし、歴代の自民党政権は1984年の法改正で国保への定率国庫負担を削減したのを皮切りに、国庫負担を抑制し続けてきました。国保加入者の構成も、かつては7割が農林水産業と自営業でしたが、今では43%が無職、34%が非正規雇用などの被用者で、合わせて8割近くになります。国保に対する国の責任後退と国保加入者の貧困化が進む中で、国保税の高騰がとまらなくなったのです。
安倍政権はことし4月から、国保の都道府県化をスタートさせました。最大の狙いは、市町村が一般会計から国保会計に繰り入れている自治体独自の国保税減税をやめさせ、その分を保険料に転嫁させることにあります。また、差し押さえなどの収納対策強化、病院統廃合や病床削減による医療費削減などを推進すると、都道府県と市町村のこうした取り組みを政府が採点し、成績のよい自治体に予算を重点配分する仕組み、保険者努力支援制度も導入されました。
我が党では、異常に高い国保税を引き下げ、住民と医療保険制度を守るために、11月に提言を出しております。政策の柱は、高過ぎる国保税を協会けんぽ並みに引き下げます。全国知事会なども強く要望している公費の投入で保険税を引き下げます。人頭税と同じ均等割、平等割を廃止し、国保税を協会けんぽ並みに引き下げていきます。国による保険料の免除制度をつくります。困ったときに困った人を助ける国保制度にしていきます。無慈悲な保険証の取り上げや強権的な差し押さえをやめさせます。安倍政権による国保都道府県化を利用した、さらなる保険税値上げを許さない、以上を提案しております。
国保税を協会けんぽ並みに引き下げる上で不可欠なのは、均等割など国保にしかない仕組みの廃止です。均等割は世帯人数がふえるごとに負担がふえるため、子どもが多い世帯などを直撃し、子育て支援に逆行すると批判されています。人頭税のようなやり方は時代錯誤です。公費を1兆円投入すれば、均等割などをやめることができます。国保税の引き下げは、社会の公平公正を確保する上でも緊急の課題です。
厚生労働省は負担軽減のため、都道府県化実施後も、一般会計の繰り入れは自治体の判断でできるので、生活困窮者への自治体独自の軽減は問題ないと答弁しています。今年度は宮崎市、韮崎市など少なくない市町村が国保料、国保税の引き下げを実施しています。
質問の1点目ですが、一般会計からの繰り入れを行い、来年度から保険税を下げる考えはないか質問します。均等割は法律で必ず徴収することが義務づけられていますが、仙台市、清瀬市、旭川市などが子どもの均等割の独自軽減に踏み出しております。平等割は自治体の判断で導入しないことも可能とされておりますが、2点目です。平等割の見直しで保険料を下げることはできないか、質問いたします。
最後に、陸奥湊駅前地区の再整備事業について質問いたします。
市営魚菜市場は、戦後の引揚者、路上販売者救済のため、1953年に木造平屋で開設され、1967年に鉄筋コンクリート造に改築され、近代的な市場となりました。周辺に同様の私設の市場が多数開設されて、現在の町並みが形づくられてきております。陸奥湊の魚は新鮮で安価、水産物で手に入らないものはなく、総菜、加工品、野菜などを売る店がひしめき、市民の台所として活気を呈してきました。ガンガラと呼ばれる厚手のブリキの箱に、水産物、加工品を詰めた行商は、盛岡、一関、秋田、横手、遠くは宮城の小牛田まで商圏としておりました。陸奥湊駅周辺にはイサバのカッチャを中心とした昔ながらの活気のよさ、港町ならではの独特な雰囲気があり、いつまでも残しておきたい日本の原風景の1つと言われております。現在は県外からの観光客も多数訪れるようになり、飲食店には行列の姿を見るようにもなりました。
しかし、駐車場の問題、出店者の減少、高齢化、スーパーマーケットの進出など、過去のにぎわいは失われつつあります。陸奥湊駅周辺の道路は狭く、建物の老朽化も著しく、地元から建てかえ、再整備の声が上がっていたところです。
市では、地元の声を受け、昨年は調査費が計上されております。今年度は調査結果を踏まえた事業方針を策定し、平成34年の完成が示されておりました。しかし、地元の皆さんからは、説明会があったが、経過報告が主で、計画の全体像がわからない、どのように進んでいくのか見えてこないとの声が上がっております。
1点目ですが、構想について質問します。説明会で理解を得られるようにしていただきたい。今までどおり安心して商売ができるように進めてくださいとの意見が寄せられております。
2点目が、地元の皆さんとどのように合意形成を進めていくのか、具体的に示していただくことを質問し、壇上からの質問を終わります。
〔6番田端文明君降壇〕(拍手)
〔副議長工藤悠平君退席、議長五戸定博君着席〕
○議長(五戸定博 君)市長
〔市長小林眞君登壇〕
◎市長(小林眞 君)田端議員にお答え申し上げます。
まず、水産改革についての御質問ですが、漁業法改正を柱とする水産政策の改革法については、8日、臨時国会において成立しております。この改正では、水産資源の適切な管理と水産業の成長産業化を両立させ、漁業者の所得向上と年齢バランスのとれた漁業就業構造を確立することが目的となっております。主な改正点として、定置網漁業権や養殖業を行う区画漁業権を免許する際に、漁協等を優先する事項を廃止、利用度が低下している漁場への企業等の新規参入の促進、海区漁業調整委員の公選制の見直し、底びき網漁船や、まき網漁船等の大型船のトン数規制の撤廃が挙げられます。
今国会の審議の中で、養殖業等への企業参入によって零細漁業者の経営に対する悪影響を危惧する意見が出されていたと聞いております。当市の沿岸漁業に対する影響といたしましては、現状において漁協及び漁業者によって漁場が適切かつ有効に利用されていることから、漁業法改正後も現状が維持される見込みであり、改正による影響は少ないものと認識しております。
市といたしましては、これまで行ってきた沿岸漁業者等の所得向上を目的とした6次産業化への支援や、沿岸漁業の拠点である第一種漁港の維持補修などを継続し、沿岸漁業を含め高度な衛生管理に基づいた安全安心な水産物を供給することで、八戸の水産業が成長産業となるよう、今後も国や県、関係機関と連携を図ってまいります。
次に3、合葬墓についての構想及び取り組みの現状についてお答え申し上げます。
当市では、昭和40年に東霊園、平成元年に西霊園を整備し、平成17年3月には南郷村との合併により南郷中央霊園を加え、これまで3カ所の市営霊園で、承継を前提とした墓地の需要に対応してきたところであります。
一方で、近年、少子高齢化、核家族化の進行等を背景として、先祖代々の墓の承継が困難となることで発生する墓地の無縁化の問題や、墓地ニーズの多様化が表面化してきており、これらの社会的課題に対応するため、承継を前提としない、永代的に管理する合葬墓、合葬式納骨施設、また、墓石のかわりに樹木を植える樹木葬などの新しい形の墓地を設置する自治体がふえてきております。
当市においても、お墓を引き継ぐ者がいない、子どもに迷惑をかけたくない等の理由により、承継を前提としない新しい形の墓地整備を求める声が市民から寄せられており、平成28年8月に当市が実施した、お墓、市営霊園などに関する市民アンケートにおいても、新しい形の墓地整備が必要という意見や、生前予約制度を利用したいという意見が数多くあったところであります。
こうした現状を踏まえ、市民ニーズの多様化などに対応した墓地行政を推進するため、政策公約に新しい形の墓地整備を掲げたところであり、今年度は、より具体的な検討を進めるため、合葬式墓地を整備運営している先進地の状況を調査し、さらには、庁内検討委員会で整備場所、形態、整備規模等の内容を検討しているところであります。
今後は、市民や関係者から御意見をいただいた上で、先進地の事例等を参考に、具体的な整備内容について、さらに検討を進め、市民ニーズに即した新しい形の墓地整備に取り組んでまいります。
私からは以上でございます。
〔市長小林眞君降壇〕
○議長(五戸定博 君)
市民病院事務局長
◎
市民病院事務局長(品田雄智 君)次に、2の(1)消費税が10%に増税された際の市民病院の消費税負担額について申し上げます。
平成29年度の市民病院事業会計決算における消費税額は、材料費や経費などの課税支出に含まれる仮払消費税が約6億3500万円、納付消費税が約2200万円、行政財産使用料などの課税収入に含まれる仮受消費税が約3900万円となり、これらを差し引きした実質的な消費税負担となる控除対象外消費税は総額で約6億1700万円となっております。
この平成29年度決算の実績額をもとに、消費税率を10%にして試算いたしますと、実質的な消費税負担は年間約1億5000万円の増額になると見込まれます。
一方、厚生労働省では、消費税率引き上げに伴う医療機関等の負担に関し、診療報酬による補てん等についての議論がされており、平成31年1月に具体的な内容等が示される予定となっております。しかしながら、ことし7月に開催された中央社会保険医療協議会の分科会において、前回の消費税率改定時における診療報酬改定は、医療機関の種別ごとで補てん率のばらつきがあり、消費税増税分に対する十分な補てんがされなかった旨公表されたところであり、結果的に当院を含む多くの病院が負担を強いられた形となっております。
このように、過去の消費税率改定を踏まえると、一定の負担増は避けられないものと考えておりますが、現時点では診療報酬改定による収入の増加見込みを試算できないため、具体的な影響がどの程度になるかは不透明な状況であります。
以上です。
○議長(五戸定博 君)財政部長
◎財政部長(岩田真奈 君)私からは、(2)の地方消費税収と年間支出についてお答え申し上げます。
昨日、松橋議員に市長からお答え申し上げたとおり、消費税増税により、歳入歳出ともに影響があるものと見込んでおりますが、当市財政への具体的な影響額を試算し、お示しすることは、予算編成作業中であり、難しいものと考えてございます。
そこで、御参考といたしまして平成29年度一般会計決算をもとに試算いたしますと、まず歳入のうち地方消費税交付金は約42億3000万円であったことから、引き上げ後の地方消費税率で単純に試算いたしますと、平年度ベースでは約54億6000万円程度になるものと見込まれます。一方歳出では、需用費、委託料、工事請負費など、消費税が課税される経費の総額が約228億4000万円で、このうち消費税相当額は約16億9000万円であったことから、10%への引き上げにより約21億1000万円程度になるものと見込まれます。
以上でございます。
○議長(五戸定博 君)健康部長
◎健康部長(佐々木勝弘 君)私からは、4の国民健康保険についてお答え申し上げます。
まず、国保税額についてでございますが、平成30年度からの新たな国保制度では、県が財政運営の責任主体として市町村ごとの国保事業費納付金を決定し、市町村は徴収した国保税等を財源に、県に納付金を納める仕組みとなりました。各市町村の納付金については、県が県全体の医療費の推計等をもとに、市町村ごとの医療費水準や所得水準を考慮の上、決定することとなり、先般、平成31年度の仮算定の結果が示されたところでございます。
その概要といたしましては、一般被保険者の納付金額について、医療費の伸びが見込まれることなどから、県全体では、今年度と比較し2.3%、約9億円の増となり、当市の納付金額においても、医療費水準が高いこともあり、今年度より4.1%、約2億5000万円の増という結果になりました。
また、当市の国保税については、被保険者数が引き続き2000人規模で減少することにより税収減が見込まれるなど、平成31年度の国保財政は大変厳しい状況になるものと認識しております。来年1月には県が納付金の本算定を行うことになっており、現時点で平成31年度の国保税について言及することはできませんが、引き続き安定した国保財政となるよう、歳入歳出ともにさらに精査を加えながら、着実に新年度予算の編成作業を進めてまいりたいと考えております。
次に、平等割についてお答え申し上げます。国保税については、地方税法により、負担能力に応じた所得割と資産割、さらには受益に応じた世帯ごとの平等割と1人当たりの均等割の最大で4方式により課税することができます。また、資産割を除く3方式、資産割と平等割を除く2方式も可能であり、どの課税方式を採用するかについては市町村が条例で定めることとなっており、当市では3方式を採用しております。
全国約1700市町村の状況を見ると、平成28年度時点では4方式が61%、3方式が35%、2方式が4%となっており、傾向としては4方式から3方式へ移行する市町村が増加しております。県内においても3方式へ移行する市町村が増加傾向にありますが、今年度の状況は、4方式が28市町村、3方式が当市を含む12市町村で、2方式を採用する市町村はございません。
議員御提案の平等割を廃止する場合、現在、平等割で確保している税収を所得割と均等割で補う必要がありますので、平等割の廃止により被保険者の負担軽減につなげることは難しいものと考えております。
以上でございます。
○議長(五戸定博 君)
まちづくり文化スポーツ部長
◎
まちづくり文化スポーツ部長(原田悦雄 君)私からは、5の陸奥湊駅前地区の再整備事業についてお答え申し上げます。
まず、構想についての御質問ですが、市では昨年度から、市場を核とした湊・小中野地区まちづくり調査を実施しております。再整備の方向性としては、市営魚菜小売市場と周辺の民間市場との協調整備を目指すこととしており、これまでに市営及び民間市場出店者や地権者等へのヒアリング調査や、新たな機能として、近隣自治体の物産品を集めたセレクトショップなどの可能性調査を実施しております。
また、現在は八戸市魚菜商業協同組合や商店街等の関係団体で構成される、八戸みなとまちづくり協議会と協議しながら、新施設における公共及び民間事業主体それぞれが担う機能などを検討しているところでございます。
市といたしましては、これらの調査結果を踏まえ、複数の整備方針案を作成し、地元を初めとする関係者との協議を行いながら、整備方針の絞り込みを行ってまいります。
次に、合意形成についてお答え申し上げます。陸奥湊駅前地区の再整備事業の検討においては、現在、同地区の市場で営業し、施設整備後も引き続き営業を希望する店舗に対して、継続営業しやすい環境を提供することが重要であると考えております。
一方で、まちの魅力を新たに創出するためには、新規事業者の存在も重要であり、例えば、若い世代が出店しやすい環境づくりなどに商店街全体で取り組んでいくことが必要であると考えております。
このようなことから、今後、事業の枠組みを整理した後に、本事業に関する説明会の開催などを通じて地元関係者との合意形成を図りながら、具体的な取り組みを進めてまいります。
以上でございます。
○議長(五戸定博 君)田端議員
◆6番(田端文明 君)意見を申し上げながら、再質問をしてまいります。
初めに、水産改革についてですが、私が余りにもひどいやり方だと思ったことは、漁業者、関係者から話を全く聞かずに、国会だけで決めてしまうということで、私は暴挙と言ってもおかしくないやり方だと思っていました。各委員会や本会議でもさまざまなやりとりがあったようですが、ワーキンググループの議事録の公開を求めています。水産庁の長官は、出しますということを言っておりますが、与党の理事者は出せないということで、結局どのようなことが議論されたのかは何の土台にもならずに決められたということです。
また、今回の水産改革では、農林水産委員会での審議は8時間45分で、野党が要求した現地調査も地方公聴会も開いていませんということです。漁業の今回の改革、あえて改悪と言いますが、現場の漁業者を置き去りにしたまま今回このようなことが決められたということです。
水産庁が主催する説明会には、全国の沿海地区漁協は955組合あるとなっておりますが、これに参加したのは77の漁協だけで、しかも、その後、このうちの55は香川県の漁協だということが明らかになっております。余りにも乱暴なやり方だと言わなければなりません。
また、ことし、国連は来年からの10年間を家族農業の10年と決議し、小規模家族農業、漁業への支援を各国に呼びかけているということです。国連食糧農業機関――FAOと言いますが、責任ある漁業のための行動規範も、漁獲規制の必要な場合には、資源の持続的利用のために、なりわい漁業や沿岸小規模漁業を維持するようにと求めておりますが、日本の政府がやったことは、これにも反することだと言わなければなりません。
また、今回質問するに当たって漁業関係者、また漁業者の皆さんからもたくさんの声が寄せられておりますが、漁業者の声を聞かずに70年の漁業法の歴史を変えるもので、民間企業を参入させるなど、憤慨しています。漁業者の権限を損なうものです。海区調整委員の任命制には断固反対をします。何の議論もなく、民間企業を入れて、採算が合わないので撤退する、となることが一番心配です。
平成元年以来、漁民は減少し、後継者がいません、私たちは生活をかけてやっています、関係者の話を十分に聞くべきだと、怒りにも似たような声を聞いてまいりました。
また、八戸の漁船のことですが、漁業センサス、5年前の数字で、八戸の漁船の隻数は232隻となっておりますが、このうち船外機付から50トンまでの小さな漁船は、174隻で75%になります。八戸も沿岸漁業が主力だということを示していると思ってまいりました。
イカの不漁で八戸の漁業者、加工業者は苦境に立たされています。今回の水産改革では、八戸は直接には影響がないという答弁がありましたが、しかし、隣の階上町や、隣の岩手県洋野町では、ウニやアワビ、これらの養殖で暮らしている人たちがたくさんいます。決して私は別なことではないと思っており、あわせて八戸の漁業の将来を危うくするものだとも思っています。水産都市の市長として国に反対意見を上げていただきたいと思っております。
次に、消費税について意見を申し上げていきます。先ほどの答弁で、病院では、6億円を超えると。とても大きな金額だと思っていましたが、また、こちらも激変緩和ということでしょうか、プレミアム付商品券などと言っておりますが、医療の分野でも報酬を上げるということを言っていると思っています。しかし、消費税を納めるのは私たち市民です。消費税を増税しながら、報酬を上げていくということは、さまざまな対策をとるということは、私はさらに矛盾を拡大していくことになると思っています。
何よりも心配なことは倒産や廃業、それから貧困化が拡大して、医療の受診の抑制につながることがないかと、これを一番心配しております。
また、地方税収と年間の支出ですが、地方の財政、自治体の財政を見れば、政府は20年以上地方交付税を減らしてきております。各自治体は慢性的な財源不足に陥ってきていると思ってまいりましたが、大企業には減税をしながら、増税をすることは、さらに税収を悪化させることになると考えております。いずれは国家財政にも大きな影響を及ぼすことになっていますが、これで地方の消費税収がふえるということを、私は決して喜ばしいことではないと思っております。
消費税の税収は地方経済に大きな負担となります。また、地域経済をさらに冷え込ませてしまうことになっていくと考えておりますので、改めて消費税の増税は中止すべきとの思いです。
また、消費税のことで、よく議論されることは、日本の消費税率はヨーロッパに比べて低いと言われることです。フランスやイギリスでは確かに20%、国によっては20%を超えているところもありますが、間接税と直接税の比率が日本の税制とは根本的に違うということです。税率だけで単純に比較できることではないと考えております。
何よりも、ヨーロッパでは生きていくために必要なものには消費税をかけません。ブランド品や高級車、ぜいたく品など、生きていくために必要のないものには消費税を課税するということになっております。
揺りかごから墓場までと言われるように、福祉は充実して、医療費や学費の無料は当たり前です。納めた税金が目に見える形で使われているので、国民からは受け入れられているのです。
また、これまで政府の行ってきたことは、福祉や社会保障、老後のために使いますと言って納められた消費税のほとんどが、法人税減税の財源として使われてきたことを考えれば、政府の言い分は市民を欺いてきたことにもなります。
今回、軽減税率と言っておりますが、財務省が示しているものは、8%の対象になるものは外食と酒類を除く食料品、週2回以上発行する新聞となっております。しかし、消費税の切り分けがとても難しいことが現実のものとなっております。
新幹線で食べる弁当や、映画館の売店で購入したポップコーンは基本的には8%となります。カラオケボックスで注文した飲食品も10%になりますが、小売店で購入して持ち込んだ場合は8%になるというものです。
食品とそれ以外の区分けもとても複雑です。栄養ドリンクとして多くの人に認識されている商品がありますが、清涼飲料水で飲料水に分類されている商品は8%となります。
また、薬事法に定められた医薬部外品では10%になるとのことです。
本みりんや調理酒は酒税法における酒類で10%になりますが、みりん風味調味料やノンアルコールビールは8%になるということです。
また、とても重要なことは、施設で提供される食事のことです。学校給食は基本的に8%になりますが、学生食堂のランチは10%、入院時の病院食は医療の一部になるので非課税となります。また、有料老人ホームで提供される食事は原則として朝食から間食までが8%、夕食は10%になるということです。
これは一食当たりの累計額が1920円を超えるか、超えないかが境になっているようです。また、これらのことで、消費税増税の際に中小業者を支援するとして、ポイント還元を前面に出しています。増税後の一時期に限り、中小商店でクレジットカードを使って買い物をすれば、価格の2%分をポイントとして還元するというものです。
しかし、市内を見渡しても、中小の商店は現金決済が中心です。クレジット会社の手数料は、決済額が少ない中小商店ほど重く、システム導入の負担も重いため、カード決済をしていない店が多数になっているということは覚えておかなければならないと思います。
市内のある業者さんですが、客離れを考えれば消費税の10%はとても恐ろしいです。クレジットカードを使ったら2%をポイント還元すると言いますが、うちは現金商売です。これから機械を買ったり、カード会社に高い手数料を払ったりすることはできません。増税そのものをやめてほしいです。
また、ある業界では、私たちが一番困っていることは慢性的な人手不足です。やむなく仕事を断ったときもありました。増税で倒産、廃業がふえていくと思っています。増税には絶対反対ですということです。
また、私たちは11月に市民アンケートを実施してまいりましたが、回答のうち、消費税10%への増税に反対ですという答えが77%で一番多く寄せられておりました。私は市の経済への影響は、5%から8%の比ではなく、不況は決定的になると考えております。生活困窮者に新たな負担を強いるもので、貧困化が加速していくことは間違いないことです。
ここで市長に再質問いたしますが、市民生活、市の経済の上に立って、消費税10%への増税をどのように受けとめているか、答弁を求めます。
○議長(五戸定博 君)市長
◎市長(小林眞 君)田端議員の再質問にお答え申し上げます。
来年10月の消費税の増税の影響について、改めて私の見解を問うというものでございました。これまでの消費税の導入から税率のアップのときに、それぞれ大変な影響が出てきております。地域経済、そしてまた地方自治体の財政にかなり大きな影響があると。ただ、この消費税の目的は、社会保障の充実安定と国家財政の健全化ということであります。その目的を達成するために、くぐらなければならない関門としてこれまで実施されてきましたが、必ずしもそのとおり効果があるかということは、いろいろな議論があるところだと思っております。
今回の10%への増税に当たっても、先ほど田端議員がるるお話しされたように、国でも相当、影響の低減についての策を講じようということで検討がなされているということであります。私としては地方の財政への影響あるいは地域経済への影響をできるだけ最小限にするような政府の努力を求めていきたいと思います。
○議長(五戸定博 君)田端議員
◆6番(田端文明 君)消費税のことについて、政府が繰り返し言ってきていることは、財政の健全化や社会保障の充実などと言ってきておりますが、しかし、私は、国の予算は、とてもいびつになってきているのではないかと。来年の軍事費は5兆5000億円になると言われております。
また、法人税を引き上げるべきだと思っております。企業の多くは内部留保を抱えています。450兆円にもなると言われておりますが、その一部を社会に還元するだけで、消費税の増税はしなくてもよいことだと思っております。法人税を上げることで、内部留保が実体経済に還元されて、大きな経済効果が期待できると私は考えております。また、市として市民の立場に立って、政府に消費税の増税を中止するよう、市長には意見を申し上げていただきたいと思っております。
次に、合葬墓について意見を申し上げてまいりますが、私は今回、このことを質問するに当たって、さまざまな思いを持ってまいりました。今まで、人が亡くなれば、近所の皆さんで悲しみを共有して、丁重に墓に埋葬して、生前のことを後世に伝えていくということが当たり前のことだと思っておりましたが、長い歴史の中で、全国的に合葬墓の要望が出されてきたのは、私はごくごく近年のことだと考えております。
私が特に思うのは、非正規労働者の拡大です。地方と中央の賃金格差も拡大してきました。これが都市部への人口集中を加速させ、地方の人口減少、過疎化は、とても深刻なことになって、墓を見る人がいません、供養してくれる人がいません、という現象としてあらわれてきたと思っております。
地域の古くからの伝統、文化、きずな、風習が失われつつあります。私は墓のことでも、政治的背景が原因の1つになっていると思ってまいりました。また、これから墓をどうするかということでは、終活という言葉がよく使われますが、死後のこと、墓のことは、とても重要な問題だと考えております。
また、これから市で合葬墓を整備していくに当たっては、幾つかの問題、留意点が考えられると思ってまいりました。市で合葬墓地を建てることで、石材店や葬儀店、造花店、また、盛りかごなどを出している商店がありますが、こちらの経営を圧迫することになりはしないかと思っております。また、お寺さんとの関係もあると思いますが、ここは十分慎重に進めていただきたいと思っております。
また、合葬墓の1基当たりの収容埋葬数は幾らぐらいになるのか。宇都宮市では1万500体分をつくったと聞いております。また、使用料はどれぐらいに設定されるのか。宇都宮市の場合は1体につき使用料2万5000円で管理費が不要とのことです。また、秋田市は大きな話題になりましたが、こちらは1万7000円で管理費不要とのことです。また、合葬墓の1基当たりの整備費は幾らになるのか。こちらも十分に検討を重ねていただいて、待ち望んでいる市民の思いに十分に応えられるよう、他都市の手本にもなるような合葬墓の整備を進めていただくよう、意見を申し上げます。
次に、陸奥湊駅前の再開発のことについて意見を申し上げていきます。陸奥湊駅前の皆さんからは、事業主体がはっきりしなければ、私たちは高齢で、準備組合に参加できないかもしれないと。また、お金を出せないかもしれない。事業が高齢化で継承されなくなるのではないかと心配をしています。民間では家賃が高くて商売を続けられないのではないかと、多くの人が不安を持っているとのことです。
以上のことから、計画は早急に進めていただきたいという声が圧倒的です。また、市は中心街にばかり予算をかけているようだけれども、そのおかげで計画が後回しにされているのではありませんかとの声も出されているところです。
その陸奥湊駅周辺は、魚のにおいと人の声と表現されておりますように、再びにぎわいを取り戻すことが湊らしくなることだと、これが住民が願っていることだと話を聞いてまいりました。
また、昨年、市長は公約で、駅周辺の整備のことを表明しておりますが、市長がリーダーシップをとって、住民の皆さんが納得できるような計画、事業を進めていただきたいという意見を申し上げます。
最後に、市長に国保のことで再質問をいたしますが、私は国保のことで多くの市民からたくさんの相談を受け、また涙ながらに受けたこともありますが、しかし、どうにもならないことです。公費を負担するか、また公的なところで対策をとっていかなければ、このような人たちは救えないと思っておりますが、全国で少なくない自治体が、独自の軽減策に取り組みを始めております。さまざまな制約がある中で、市民の要望に応えてきていると思っておりますが、自治体が住民の立場で国保税の値下げ、抑制の努力を続けているのかが問われるとも思っております。
国保税を下げるために、市として一般会計からの繰り入れを増額する考えはないか、市長に改めて質問をいたします。
○議長(五戸定博 君)市長
◎市長(小林眞 君)それでは、国民健康保険財政についての田端議員の再質問にお答え申し上げます。
税負担の軽減を目的に、保険者独自の判断で、いわゆる法定外繰り入れとしての一般会計からの繰り入れをする考えはないかということであります。しかしながら、国保財政の原則、基本は国費と国保税で賄うということが原則であります。国保財政の基本、原則を踏まえれば、これは行うべきではないと考えております。
むしろ、先ほど田端議員が壇上でもお話しされたように、国の国保財政を支える構造が大きく変化してきている、そのことを踏まえて国が本当に抜本的な国保財政についての負担をしっかりやっていく、これが基本だと私は思っております。
八戸市は今頑張って、原則に基づいて、これまでやってきました。各地方の事例を見ますと、そこの原則を壊して、その自治体財政そのものが破壊的な状況になっている例も多々あります。そういうことを踏まえると、八戸市としては原則を踏まえてやりたい、国に負担をしっかり求めていく、そういう立場であります。
○議長(五戸定博 君)以上で6番田端文明議員の質問を終わります。
これにて一般質問を終わります。
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△日程第3 議案65件
○議長(五戸定博 君)日程第3議案第144号平成30年度八戸市
一般会計補正予算から議案第206号指定管理者の指定について――館鼻公園及びみなと体験学習館――まで及び本日上程されました議案第207号八戸市介護医療院の人員、施設及び設備並びに運営に関する基準を定める条例の一部を改正する条例の制定について及び議案第208号仮称・
みなと体験学習施設展示制作業務委託の一部変更契約の締結についてを一括議題といたします。
これより上程議案に対する質疑を行います。
御質疑ありませんか。
(「なし」と呼ぶ者あり)
○議長(五戸定博 君)御質疑なしと認めます。
ただいま議題となっております議案第144号から議案第208号までを、お手元に配付してあります議案付託表のとおり、それぞれ所管の常任委員会に付託いたします。
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△日程第4 請願について
○議長(五戸定博 君)日程第4請願については、お手元に配付してあります請願文書表のとおり、総務常任委員会に付託いたします。
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休会の件
○議長(五戸定博 君)以上で本日の日程は全部終了いたしました。
この際、お諮りいたします。
委員会開催等のため、明日から14日までの3日間は休会いたしたいと思います。
これに御異議ありませんか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
○議長(五戸定博 君)御異議なしと認めます。
よって、3日間は休会することに決しました。
次回本会議は、12月17日午前10時に開きます。
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散 会
○議長(五戸定博 君)本日はこれにて散会いたします。
午後3時19分 散会...