昨年6月、
経済財政諮問会議は、
地方交付税制度の見直しと
国庫補助負担事業の廃止、縮小及び国から地方への税源移譲を含む税源配分のあり方を三位一体で検討するとして、財源保障機能によって格差是正の機能を果たす地方交付税の役割後退が心配されています。
そこで、当市の地方交付税の見通しと今年度が最終年度となっている
臨時財政対策債は今後どうなるか、所見を求めます。地方交付税の問題では、昨日の答弁とダブると思いますので、割愛して結構であります。
次は、介護保険についてであります。
政府は、介護保険導入の目的を家族介護から社会が支える制度へ、在宅で安心できる介護へ、サービスが選択できる制度へなどと大宣伝しましたが、3年経過しようとしている今日、現実はそうなっているでしょうか。全体として
特養ホーム入居希望者はふえ、在宅介護も家族に支えられていることが多く、低所得者の利用も制度導入前と比べて10%も減るなど、重い利用料負担が問題となっています。利用者がふえれば保険料にもはね返るという根本矛盾は解決できません。
この制度の第一義的責任は国にあります。現在、介護保険への国負担は給付費の25%とされていますが、このうち5%は後期高齢者の比率が高い自治体などに重点的に配分される調整交付金であります。全国市長会、全国町村会も、この調整交付金は25%の外枠にして、すべての自治体に最低でも25%は交付されるよう繰り返し要望しています。
国の負担を5%引き上げれば2003年度で2400億円の予算が確保され、4月からの介護保険料の値上げ、約2000億円は中止することができるのであります。当面、国の負担割合を緊急に5%引き上げ、30%にするよう国に働きかけるべきと思いますが、市長の所見を示していただきたい。この点でも昨日と答弁が同じであれば、割愛して結構であります。
具体的に伺います。介護が必要とされた人でも、利用していない人はかなりある。これは所得の少ないことが主な原因と思われますが、その利用割合はどのくらいでしょうか。また、在宅のサービスでも、限度額に対する利用率も同様の理由によるものかはっきりしないが、40%ぐらいが全国平均であります。当市は、最近の資料で何%ぐらいになっているでしょうか。
次は、
ショートステイベッドの確保の問題であります。家族の病気や不幸事などで緊急に短期入所が必要になる場合も少なくありませんが、施設事業者が経営上の理由で空きベッドがないというのが現状であります。そこで、空きベッドの状況がすぐわかるようなシステムづくり、または空きがない場合は緊急のベッドを確保する市独自の対策も必要と思いますが、所見を示していただきたい。
次は、
特別養護老人ホームの問題であります。これは在宅で生活する高齢者にとっても、また介護を支える家族にとっても、いざというときの支えであり、中核的施設でありますから、当市として実態をつかみ、それに見合った整備は急務であります。緊急事態に対処できるよう、一定のベッドを確保することも重要ですが、現在の待機者数はどのくらいか、お知らせください。
次は、介護保険料の減免制度についてであります。この問題では、独自の減免制度をつくる自治体がふえています。431自治体に広がっていますが、我が党は繰り返し要望してきたものであります。低所得者の年金から天引きの形で納入させられます。すると、利用率にも響くことになるので、利用できない人は保険料だけ取られることにもなりかねません。これは介護保険制度の存続にもかかわるもので、保険料の減免制度は国の責任でやらなければならない性格のものでありますが、三原則の押しつけなど許されません。当市も実効ある減免制度で支援すべきものと考えますが、市長の所見を求めます。
在宅サービスの
利用料軽減対策もあわせて重要であります。一部の高額所得者は別として、介護保険で在宅生活が続けられない最大の障害は10%の利用料負担です。4月から介護報酬改定で施設分を引き下げ、在宅分を引き上げようとしています。これが利用料に連動して在宅から施設へという傾向に拍車をかけることは明らかであります。この軽減対策では、全国の25%、825自治体が行っています。政府は、特別対策として低所得者の利用料を3%から6%に引き上げようとしていますが、こんなことは許されないことであります。同時に、当市として独自の軽減制度をつくっていくべきと考えますが、所見を示していただきたい。
次は、介護報酬の不正請求の防止対策についてであります。当市では事例はないようですが、全国的には昨年37件、7億円以上もの不正があったと報じられています。低所得者の人たちが血のにじむような努力で制度の維持に向け頑張っているときに、不正があってはなりません。その防止対策も必要と思います。監視機能を市町村に与えることも含め、独自対策について所見を示していただきたい。
次は交通安全対策についてであります。
横断歩道の安全のため、
歩車分離式信号機の設置の必要性についてであります。市内の中心商店街の一部では分離式となっていますが、裏通りは同一であり、特に大型車の通行量の多い国道では、
交通事故防止対策上必要と思われます。一昨年、警察庁が全国100カ所のモデル交差点を選定し、
歩車分離式信号の試験運用を実施したところ、交通事故が減少し、渋滞もおおむね減少する結果となりました。そして、昨年9月に警察庁がこれについての指針を出しております。それは今後5年間で倍加させる計画で、国が50%補助となっています。市としても設置に取り組むべきと考えますが、所見を求めます。
次は福祉行政、
障害者支援費制度の上限問題であります。
新障害者プランにより支援費制度としてスタートいたしますが、全体の予算は0.9%増のみで、障害者団体からはサービスの切り下げが心配されております。その中で
ホームヘルプ事業は前年度5%増、11カ月分でありますが、地方自治体の補助金算定基準として障害別に時間数を定めました。障害者団体からは事実上の上限になりはしないかと強く抗議され、移行時には従前額を確保するとなっていますが、関係者の不安要因となっています。果たして安心してくださいと言えるのかどうか、お知らせください。
また、昨年10月から高齢者の医療費負担分が10%とされ、償還払い制度になったため、限度額を超えたときの通知などで改善要望が出され、当市も新年度から実施の計画ですが、一日も早い実現が求められています。その準備状況についてお知らせください。
次は、
八戸芸術パークについてであります。
八戸市民病院跡地への構想がまとめられて久しくなりますが、さっぱり前進が見られておりません。この問題ではPFI方式が検討されてきましたが、芸術パークという文化施設には、この方式は不向きと考えるのであります。その理由として、利用料、使用料はどうしても採算上、高く設定されるだろうというのが主要な原因であります。しかも収支がうまくいかなくなれば、最終責任は地方自治体に負わされることになります。
そこで、
八戸芸術パークのPFI導入について、市として検討されてきたのかどうか、見解を求めます。この問題でも、昨日の答弁と同じであればカットして結構であります。
あわせて、県の予算案でこの推進費として2000万円余り計上されていますが、この予算はどのような使途なのか、内容を示していただきたい。
次は、
イトーヨーカ堂八戸店についてであります。
県内初の再開発ビル、スカイビルからイトーヨーカ堂が撤退する方向で進んでいます。残してほしいという数万の署名が寄せられたもののその声は届かず、残念でありますが、これについて2点伺います。
1つは、これまで市や県が補助金等で支出してきた金額はどれくらいなのか。2つ目は、今後の見通しについてであります。中心街に福祉施設をつくってほしいとか、市民の使用できる総合的な公共施設があればいいとか、市民の声が中心街の活性化とあわせて多く聞こえております。市としても積極的に声を出していくべきと考えますが、所見を示していただきたい。
次は、健康保険本人の30%負担凍結についてであります。
医療改悪を初めとして社会保障の負担増、給付削減と庶民増税、合わせて4兆4000億円もの負担増を強行すれば、経済の60%に及ぶ家計費にも大きな影響を与えます。橋本内閣時、9兆円の国民負担を押しつけた結果、大不況の原因になってきたのですが、その当時は勤労者の標準世帯、4人家族、片働きでありますが、年間11万円の所得がふえていたので、13万円の負担が押しつけられても、2万円余りのマイナスでしたが、今回は年間では家計の所得が15万円も減っているのに、11万円もの負担増が強行されれば、26万円ものマイナスとなります。橋本内閣時、2万円余りの所得減が大不況の原因だったが、今度はその10倍以上の減となれば、経済破綻になりかねません。
政府は、今回の給付削減についても、持続可能な制度にするためと言いますが、政府管掌健保は国庫補助率が16.4%から20%とされていますが、1992年度に黒字を理由に13%に引き下げられたまま、11年間に1兆6000億円もの補助が削られています。法で決まっていることを守らせることがまず大事であります。
また、外国に比べて3倍以上も高い医療機器の内外価格差の解消や価格が半分で成分、薬効の変わらない後発医薬品の切りかえも急務であります。
今回の改悪は、持続可能どころか、逆に医療費の負担がふえ、病気を重くし、保険財政の支出も逆にふえ、持続不可能にするのであります。1997年度当時91兆8000億円もあった税収が2001年には76兆円と大幅減、社会保障収入も97年度には65兆3000億円だったものが60兆5000億円となり、合わせて20兆6000億円も落ち込んでいるのであります。
今回の改悪強行となれば、さらに落ち込み、財政も社会保障制度もその土台から壊れてしまうことになりかねません。国民負担ではなく、税金の使い方を変える必要があります。国と地方の税収の合計のうち社会保障に向けられている割合は日本が22%であるのに対し、イタリア32.4%、アメリカ45.4%、ドイツは65.9%であります。イタリア並みに10%アップしたら、8兆円ふやすことができます。アメリカ並みに20%引き上げたら、16兆円もの社会保障予算を使えることになるのであります。国と地方で45兆円から50兆円という公共事業に充てている税金の使い方を変えることがどうしても急務ではないでしょうか。
今、全国でこの健保3割負担制度を凍結させよ、こういう声が広がっています。日本医師会など医療四団体も、街頭宣伝にも打って出ていて、地方自治体での決議も広がっています。市民の命が犠牲になり、日本経済を破綻させかねない、この30%負担凍結をはっきり言うべきときと思いますが、市長の所見を求めるものであります。
次は、市長交際費と退職金についてであります。
市長退職金の算定が何を基準にしているか、一般職員と比べても高いのではないかという批判が出ております。昨年11月に行われた兵庫県尼崎市長選では、当選した女性市長が退職金85%カットを公約し、話題となりました。このとおり削れというのではありませんが、現在の規定ではやはり高いというのが実感だと思います。中村市長として見直しについての所見を求めます。
また、市長交際費についても、1991年度には1100万円だったものが大幅に下がってはいますが、公務日誌の公開とあわせて減額することについての所見を示してください。
次は、WTO農業交渉についてであります。
アメリカや多国籍企業の利益を優先するWTO農業協定が発足してから8年、我が国の農業は輸入急増や価格暴落で崩壊の危機に陥りました。主食の米は、最近の輸入価格が10キログラムで370円、国産米の10%弱であります。現在、490%の関税で品質にも差があるため、輸入量は抑えられてはおりますが、関税率25%になれば、10キログラム当たり500円弱の水準となり、日本の農業は壊滅させられます。EUの農業は家族経営という日本との共通点もありますが、自給率を基本的に達成している国と同じレベルの市場開放の余地は全くないのであります。貿易拡大優先の現行協定の改定を真っ正面から主張していくべきですが、この協定の行方は日本農業、特に市内の米生産農家にも大きな影響があると思います。そこで、市長の所見を示していただきたい。
最後は、有事立法についてであります。
1月末に国民保護法制の輪郭について、全国市長会に説明されています。この中で参加者からは、どこの国が攻めてくるのかはっきりしないとか、国民はまゆつばで聞いているとか、何かあったら消火は消防、避難は学校と自治体はすぐできる、細かい法体系を説明してもらわなくてもできる、といった声が上がったとされています。国民保護とは名ばかりで、生活を丸ごと統制し、土地、家屋も取り上げ、罰則も盛っているこの法案は、有事立法強行への地ならしであり、きっぱりと反対すべきですが、市長の所見を求めて質問を終わります。
〔8番畑中哲雄君降壇〕(拍手)
○議長(上田善四郎 君)市長
〔市長中村寿文君登壇〕
◎市長(中村寿文 君)おはようございます。畑中議員にお答えを申し上げます。
まず、イラクへの武力行使反対についての御質問であります。
イラクの大量破壊兵器の保有に関する疑惑は、世界の平和を脅かす国際社会全体の問題であります。この疑惑解明のため、国連による査察が実施されておりますが、国際社会の不安と緊張が高まっております。私は、できるだけ平和的な外交努力によって、この問題が解決されることを望んでおります。
次の市税収入の見通しについての御質問は、お許しをいただきましたので、割愛させていただきます。
次に、地方交付税の見通しについてお答えを申し上げます。
平成15年度の普通交付税の予算計上に当たっては、地方財政計画の伸び率等を参考に、
臨時財政対策債への振りかえなどの制度改正及び平成14年度の決定状況を踏まえて試算した結果、前年度に比べ9.8%減となる125億5000万円を計上いたしました。また、特別交付税については、ここ数年の交付実績を勘案し、前年度に比べ7.1%減となる13億円を計上いたしました。その結果、地方交付税の計上額は前年度と比較し9.6%の減、14億7000万円の減額となりますが、減額分については
臨時財政対策債で補てんできるものと考えております。地方交付税を取り巻く環境は依然として厳しい状況にありますが、その確保については最大限の努力をしてまいります。
次に、
臨時財政対策債についてお答え申し上げます。
地方財政の通常収支の不足額については、地方財政制度の改正により、平成13年度から平成15年度までの間、国と地方が折半し、その地方負担分の一定割合について各地方自治体が
臨時財政対策債を発行し、補てんすることになりました。その割合は、平成13年度は地方負担分の2分の1、平成14年度は4分の3、平成15年度は全額を賄うものとして段階的に拡大されてまいりました。平成15年度予算においては、地方財政計画を参考に39億3100万円を計上しております。
議員御質問の平成16年度以降の見通しにつきましては、現時点では不明ですが、地方財政の通常収支の不足が早々に解消される社会経済情勢にないことから、引き続き何らかの地方財政措置が講じられるものと考えております。
次の国庫負担を30%に引き上げることについての御質問は、お許しをいただきましたので、割愛をさせていただきます。
次に、介護認定者の利用割合についてお答えを申し上げます。
当市における要介護認定者は、平成14年12月現在6414人となっております。また、要介護認定者のうち、何らかの介護サービスを利用している人は、在宅サービスで4582人、施設サービスで1133人、合計で5715人となっており、利用率は89%となっております。要介護認定者の11%の人が介護サービスを利用していないことになりますが、その理由としては医療機関への入院、家族介護で対応していることなどが挙げられます。この利用率は、制度開始以来年々上昇しており、年間の平均利用率は12年度、85%、13年度、87%、14年度は12月までで89%という状況になっております。
次に、在宅サービスの限度額に対する利用率についてお答えを申し上げます。
要介護度ごとの支給限度額に対する利用割合は、平成14年4月から12月までの平均で要支援が55%、要介護1から要介護5まではそれぞれ40%、47%、53%、53%、50%で、全体では47%となっております。この在宅サービスの支給限度額に対する利用割合も、先ほどの認定者のサービス利用割合と同様に年々上昇する傾向にあり、全体で12年度が43%、13年度が46%という状況になっております。
次に、
ショートステイベッドの確保についてお答えを申し上げます。
ショートステイは、家族の急病等緊急的な利用が想定されることから、空きベッドの確保は必要と考えております。平成14年度上期の利用状況は、市内の
特別養護老人ホームのショートステイで延べ9334日の利用があり、これは7施設の利用可能日数1万1712日に対して79%となっております。この稼働率から見ると、緊急時の短期間利用には、ある程度対応できるものと見ております。
また、14年10月に新設された
特別養護老人ホームにも
ショートステイベッドが10床確保されており、当面の利用には対応できるものと思っております。しかしながら、今後さらに利用者が増加した場合、老人保健施設や介護療養型医療施設の一時的な空きベッドもショートステイ利用の促進、長期のショートステイ利用者の適正利用を図るなどして確保に努めてまいりたいと考えております。
次に、
特別養護老人ホームの待機者についてお答えを申し上げます。
平成14年1月の調べでありますが、
特別養護老人ホームに入所の申し込みをしている人は664人となっております。そのうち既に何らかの施設に入所している人、将来のために申し込んでいるなど当面入所の必要がないと思われる人を差し引いた161人を
特別養護老人ホームの入所待機者としてとらえております。14年10月には、50人定員の
特別養護老人ホームが新たに開設されましたが、依然施設入所を希望する人は多く、新たな申込者もふえていることから、161人の待機者数に大きな変化はないものと見ております。
次に、保険料の減免についてお答えを申し上げます。
次期介護保険料の改定に伴い、低所得者対策として市民税非課税世帯の方々の保険料を引き下げ、その分を高所得者の方々に負担していただく6段階方式を平成15年度から実施することにしております。また、災害等の特別な理由があるときは、八戸市介護保険条例によって保険料の減免や徴収の猶予ができることになっております。
議員御指摘のとおり、65歳以上の低所得者に対する介護保険料の独自減免を実施している自治体は拡大している傾向にあります。県内でも青森市と弘前市が5段階方式のままで、2段階の特に低所得者の方の保険料を独自減免する制度を15年度から実施する予定と報道されております。当市における独自減免対策については、6段階方式の実施状況を見ながら、今後研究してまいりたいと考えております。
次に、在宅サービス利用料の軽減についてお答えを申し上げます。
低所得世帯で法施行前にホームヘルプサービスを利用していた要支援、要介護認定者の訪問介護に係る利用者負担は、平成12年度から14年度までの3年間は3%に軽減されております。しかし、制度創設時の方針として、3年経過後の15年度からは6%に、17年度には本来の10%へと利用者負担を引き上げることになっております。また、障害者施策によるホームヘルプサービスは、16年度まで現在の3%負担で利用できることになっており、17年度以降に見直される予定となっております。
なお、法施行後にホームヘルプサービスを受け始めた利用者は、低所得者でも10%負担でサービスを利用しております。そのため、整合性の観点からも利用者負担の順次引き上げはやむを得ないものと考えております。
次に、介護報酬不正請求防止策についてお答えを申し上げます。
制度施行後、介護報酬の不正請求等により事業者指定を取り消された事例は、平成15年1月末現在、23都道府県の62事業者に及んでおりますが、青森県内では現在まで事例がありません。当市では、県の実地指導等により請求誤りが判明した場合、速やかに事業者へ返還方法等の助言を行っております。また、14年7月からは、介護保険報酬請求の審査を委託している国保連合会からのデータに基づき、定期的に給付点検を行うことにしております。介護報酬の適正な請求が行われない場合、利用者にも不利益が生じることから、今後も適切な支給に努めてまいります。
次に、
歩車分離式信号機の設置についてお答えを申し上げます。
歩行者と車両の通行時間を完全に分離する
歩車分離式信号機は、横断中の歩行者と車両が交錯しないよう右左折をさせない右左折車両分離方式と、車を完全にとめて歩行者を通すスクランブル方式に大別されます。
歩車分離式信号機は、平成13年末時点で全国約1500カ所に設置されております。警察庁は、昨年1月から6月まで交通量や事故が多い交差点100カ所に新設し、事故件数の変化や渋滞状況などを分析したところ、歩行者が車両にはねられる事故が約7割減少したとのことであります。
青森県内では、昨年4月1日から青森市内2カ所の交差点で歩行者専用現示方式の試験運用を始めております。県警交通規制課は、これらの分析結果を踏まえ、県内設置を考える方針であるとのことであります。八戸警察署に
歩車分離式信号機の設置について問い合わせたところ、現在、市内に2カ所スクランブル方式の信号を採用しているが、今後の設置については交通渋滞も考慮し、調査検討中であると伺っております。
当市といたしましては、歩行者の安全を守るためには、
歩車分離式信号機は必要と認識していることから、設置場所等について八戸警察署と協議してまいりたいと考えております。
次に、障害者支援費サービスの上限についてお答えを申し上げます。
ホームヘルプ事業の国庫補助金については、来年度から新たにスタートする支援費制度が契約によってサービスを利用する仕組みであり、利用が促進されるという一面があります。ただし、当該事業の利用実態は地域によって大きなばらつきが見られます。
このようなことから、国では市町村へ公平、公正な補助金を配分するために、次のような基準時間を定めております。全身性障害者の場合は1カ月おおむね125時間、外出に付き添いが必要な視覚障害者等の場合は1カ月おおむね50時間、その他の障害者は1カ月おおむね25時間となっております。この基準時間は、個々のサービスの上限を定めるものではなく、また、市町村における支給決定を制約するものではないとしております。
当市においては、この基準時間を参考としながら、現在利用している時間数を下回らないようサービスを提供していくとともに、個々の状況に合ったサービスの支給決定に努めてまいりたいと考えております。
次に、高齢者医療費の償還払い制度改善についてお答えを申し上げます。
高額医療費支給制度は、自己負担限度額以上に支払った金額を償還払いにより老人医療受給該当者からの申請に基づき支給するものであります。
しかしながら、高額医療費の算定方法が複雑で、払い戻しに該当するか判断が難しく、申請までに至らないことが考えられます。このことから、申請漏れを防止するため、老人保健高額医療費システムを構築し、平成15年4月分の医療費から支給該当者へ通知することにしております。
また、初回時の申請で済むように軽減を図り、広報等を活用し、制度の周知徹底を行い、高齢者への負担をできるだけかけないよう努めてまいります。
次のPFI問題についての御質問は、お許しをいただきましたので、割愛をさせていただきます。
次に、県の整備促進費についてお答えを申し上げます。
県は、
八戸芸術パーク(仮称)整備構想の実現に向けて、平成15年度事業として、1つは、設計者を選定するための指名提案競技を実施する予定であると伺っております。これは芸術文化施設の設計において評価の高い設計者を複数指名し、
八戸芸術パークをどのように整備するかの提案を競わせ、審査により最もふさわしい設計者を選定するものであります。
もう1つは、建設予定地となっている旧市民病院跡地の地質調査であり、これら2つの事業費は合わせて約2300万円となっていると伺っております。これらの事業により建設に向けた取り組みがますます進むものと期待しております。
次に、
イトーヨーカ堂八戸店が営業していた八戸スカイビル建設に当たっての県、市のこれまでの財政負担についてお答えを申し上げます。
この八戸スカイビルは、十三日町・十六日町地区第1種市街地再開発事業により施行され、青森県における第1号の市街地再開発事業として昭和55年4月に完成をいたしました。総事業費は39億900万円で、そのうち国、県、市の補助金は6億8600万円であり、国が3億3900万円、県、市がそれぞれ1億7400万円を補助しております。
次に、今後の見通しについてお答えを申し上げます。
イトーヨーカ堂八戸店は、開業以来23年の長きにわたり、中心商店街の集客拠点として大きな役割を担ってきたことから、今回の撤退により中心街の空洞化が懸念されておりましたが、ビル側により検討されてきたファッションビル構想が3月半ばには具体的な計画として発表される予定と伺っております。
構想によれば、地下1階には食品販売に加え、観光客を対象とした土産品や海産物を扱う店舗が入るほか、1階には雑貨を中心とした物販を、2階から4階にかけては主に女性をターゲットにしたファッションフロアにするとのことであり、美容室なども入る予定と聞いております。また、5階及び6階には、シネコン並びにイベントスペース等の整備構想があるとのことであり、新たな集客機能として期待が寄せられております。
今後は、イトーヨーカ堂による原状回復工事と並行して、次の展開に向けた改装工事が行われる予定であることから、ことし6月のオープンに向けて工事が順調に進められるものと伺っております。市といたしましても、ビルが一日も早く再開され、中心商店街の活性化の新たな起爆剤になるよう、引き続き商工会議所及び地元商店街とともに側面から支援してまいりたいと考えております。
次に、4月からの健康保険30%負担実施の凍結についてお答え申し上げます。
我が国の医療制度を取り巻く環境は、最近、急速な高齢化、経済の低迷、医療技術の進歩、国民の意識の変化などにより、状況が大きく変わってきており、将来にわたり医療制度を持続可能で安定的なものとするため、その構造的な改革が求められております。
平成14年7月26日、改正健康保険法が可決、成立し、その中で平成15年4月から被用者保険の加入者医療費自己負担を2割から3割に引き上げることになっております。
現在、政府・与党は、患者負担をこれ以上ふやさないよう、医療制度抜本改革の基本方針を年度内にまとめる予定となっております。市といたしましては、今後、国の動向を見守ってまいりたいと考えております。
次に、退職金の減額についてお答えを申し上げます。
市長の退職手当は、八戸市特別職の職員の退職手当支給条例に基づき、退職時の給料月額に在職月数及び支給割合100分の65を乗じて算出し、任期ごとに支給されております。退職手当の支給率につきましては、各都市でばらつきがあり、当市は県内では青森市に次ぐ2番目、東北の主要都市と比較した場合でも山形市、仙台市、盛岡市、青森市に次ぐ5番目の支給率となっております。
しかしながら、私は、厳しい経済社会情勢に加え、今後の当市の財政運営や行政改革への思いをいたし、今年度から2年間、私を含め市特別職の給与を約5%程度減額しております。その結果、総額800万円の節減が図られることになります。議員御指摘のとおり、退職手当の額の妥当性につきましては、いろいろ議論がありますが、市の財政状況や経済社会情勢、他都市の動向等を踏まえ、八戸市特別職報酬等審議会で審議を経るなど、総合的な判断のもとに検証されるべきものと考えております。
次に、交際費の減額についてお答えを申し上げます。
議員御案内のとおり、交際費の額については、来年度予算において今年度の900万円から200万円減額をし、700万円を計上いたしました。申し上げるまでもございませんが、交際費は地方公共団体の長またはその他の執行機関が行政執行上、あるいは当該団体の利益のために当該団体を代表し、外部とその交渉をするために要する経費であります。
当市と県都青森市とを結ぶ高速道路の必要性は、両市の人的交流、物的流通にとって欠かせないものであることは論をまちません。もう20年以上も前に開通したみちのく有料道路により、所要時間が1時間以上短縮され、その後の百石道路、第2みちのく有料道路、そして八戸北インターチェンジの開通によりさらに短縮され、みちのく有料道路をおりてから青森市中心部にかけての道路整備も着々と進んでおるところでございます。そして、近い将来、高速交通体系の形が見えるものと期待しております。
しかしながら、将来、下北縦貫道路にも接続し、観光道路としても期待される東北縦貫自動車道八戸線三沢・天間林間は全く着工のめどさえ立っておりません。この区間は、最近の道路公団民営化の議論があったとしても十分に採算が見込めるため、早期に着工できるよう強力な働きかけが必要と考えます。
そこで、東北縦貫自動車道八戸線三沢・天間林間の整備計画区間への格上げ見通しについて、市長の御所見をお伺いいたし、質問を終わります。
〔13番近藤悦夫君降壇〕(拍手)
○議長(上田善四郎 君)市長
〔市長中村寿文君登壇〕
◎市長(中村寿文 君)近藤議員にお答えを申し上げます。
まず、ストックヤードの将来的確保についての御質問であります。
八戸港は、平成6年の東南アジアコンテナ定期航路開設以来、3つの外貿コンテナ定期航路と1つの内航フィーダー航路が開設され、急増するコンテナ貨物に対応するため、平成13年4月に八太郎2号埠頭多目的国際物流ターミナルが整備されております。
しかしながら、ターミナルの供用開始後も順調にコンテナの取扱量が増加しており、将来的にはコンテナ蔵置スペースが不足するとの認識から、港湾管理者である県に対し、八太郎2号埠頭第2期計画の整備促進について要望しております。県に伺ったところ、八太郎2号埠頭第2期計画については、今後のコンテナ取扱量の推移を見きわめながら検討してまいりたいとのことであります。
北東北の国際物流拠点港としての役割を担う八戸港のさらなる発展のため、さらに増加するコンテナ貨物に対応するためには、八太郎2号埠頭第2期計画の整備がぜひとも必要なことから、今後とも県に対して強く要望してまいりたいと考えております。
次に、市独自の特区構想についての御質問にお答え申し上げます。
地域限定で規制緩和を図る構造改革特区の検討を進める上で留意すべきことは、地域の固有の特性、実現可能性ということであります。当市としては、これらを念頭に既に地元に蓄積のあるリサイクル関連産業に焦点を当てて検討を進めてまいりましたが、県が昨年提案した環境・エネルギー産業創造特区構想に沿う内容であったことから、同構想の実現に向けて検討を進めております。
当市には製紙メーカー、非鉄金属メーカー、セメント会社等のリサイクルのコアとなる工場が集積しております。既に各社においては、それぞれが有するリサイクル技術を生かし、地域で発生する産業廃棄物を共同で処理するゼロエミッション型リサイクルシステムの構築に取り組んでおり、先月、地元企業18社で組織する八戸地域エコタウンリサイクル推進協議会が発足いたしました。これらの工場集積やリサイクル技術を背景とした特区構想が実現した場合、新産業の創出や雇用機会の拡大が予想され、地域経済を大いに活性化するものと期待しております。
したがって、今後も同構想の実現に向けて努力してまいりますが、平成18年度まで特区構想の提案は可能であることから、民間事業者への制度の周知に努めるとともに、市独自の構想についても研究してまいりたいと考えております。
次に、リサイクルポートの見通しについてお答えを申し上げます。
総合静脈物流拠点港、いわゆるリサイクルポートの2次指定に向けての取り組み状況についてでありますが、国は今年度の重点施策として港湾を核とした静脈物流ネットワークを構築していくことにしております。その内容は、既存ストックを最大限に活用し、港湾における総合的な静脈物流拠点の形成を進め、環境に優しく、安全で低コストな海上輸送での広域的なネットワークを図るものであります。そのため、静脈物流の拠点となる港湾を港湾管理者からの申請により国が指定し、その拠点づくりを支援するというものであります。
これを受けて八戸港の港湾管理者である青森県は、昨年1月に整備計画案を策定し、国に提出いたしましたが、国は昨年5月に室蘭港・苫小牧港、東京港、神戸港、北九州港の4地域5港を第1次指定いたしました。その後、国は昨年12月に2次募集を開始し、その指定要件に、1として、地理的、経済的に地域ブロックにおけるリサイクル拠点としてのポテンシャルがあること、2として、静脈物流に係る港湾取扱貨物量が一定程度見込まれること、3として、リサイクル処理施設が既に立地している、または立地が確実に見込まれること、4として、港湾管理上、港湾における廃棄物の取り扱いが円滑に行えること、5として、地元との調整が調っていることの5項目を挙げております。
県では、昨年9月に市内のリサイクル関連企業及び港湾関係者の17団体で構成する八戸港リサイクルポート形成研究会を設立し、リサイクル関連企業等へのアンケート調査等をもとに、2次指定に向けた検討を重ね、計画案を取りまとめました。これをことし1月下旬から2月にかけて国へ提出し、ヒアリングを受けたと伺っております。
今後、国は3月末をめどに、応募のあった20港の中から指定要件をクリアした港湾を2次指定することになっております。市といたしましては、ことし1月10日から17日にかけて、国、県等に対し、八戸港の2次指定について強く要望するとともに、1月28日には約350人の参加のもと、循環型社会の形成をテーマにした講演会を開催するなど、積極的に対応してまいりました。今後は、八戸港の2次指定に向け、国の動向を県とともに注意深く見守ってまいりたいと考えております。
次に、国に提出した計画案についてでありますが、あおもりエコタウンプランの承認・事業化、環境・エネルギー産業創造特区の展開などを受け、5項目の指定要件を満たすほか、具体的な土地利用として、1つ、臨海工場集積エリアを既存工場群を活用したゼロエミッションゾーン、1つ、市川地区を新たなリサイクル機能集約ゾーン、1つ、ポートアイランドを国際コンテナ機能を活用したリユースゾーンと位置づけ、東北最大の臨海工業集積エリアを目指した計画案となっております。
次に、東北新幹線八戸開業の地元経済への波及効果についてお答えを申し上げます。
山内議員にもお答え申し上げましたが、新幹線開業による経済効果はさまざまな分野に波及しております。市内ホテル17社の総宿泊者数につきましては、平成14年1月の2万4379人に対し、平成15年1月は2万7623人で、3244人、13.3%の増加となっております。大型物産店2店の総来場者数につきましては、平成14年1月の14万2095人に対し、平成15年1月は24万9074人で10万6979人、75%の増加となっております。11月19日にオープンした八戸屋台村の延べ利用者は、1月31日現在で約4万1000人、売上累計額は4760万円にも上っております。
観光タクシーにつきましては、昨年ほとんど利用がなかったものに対し、平成15年1月は69回の運行で176人の利用があり、暖かくなるシーズンに向け、今後の伸びが期待されます。
以上の事例を初め、新幹線開業による地元経済への波及効果は確実にあらわれております。
なお、今後とも開業効果を一時的なものに終わらせないため、行政はもとより、市民や企業の力を合わせ、観光客やコンベンションの誘致等さまざまな取り組みを進めてまいりたいと考えております。
次に、観光客の動線についての御質問にお答え申し上げます。
観光客が利用する八戸駅から市内観光施設等への2次交通としては、観光タクシー、レンタカー、JR八戸線、八食ワンコインバスのほか、新幹線シャトルバスを含む路線バスなどがあります。このうち、観光タクシーの利用については、蕪島や種差海岸を経由して市中心街に向かうコースと、それに八食センターを含めた距離的に短いコースに人気が集中しております。
八食ワンコインバスについては、八食センターまで100円という手ごろな運賃で運行されており、また、テレビ取材などによる宣伝効果もあって、開業から2カ月間の利用者数は約2万5000人と多くの観光客に利用されております。新幹線シャトルバスは、駅と市中心街を1日17往復運行しておりますが、乗客数は1便平均3.7人と低迷しており、市内路線バスやJR八戸線も利用者に目立った増加は見られないと伺っております。
これら2次交通のうち、八食ワンコインバス、観光タクシーの利用についてはおおむね好調に推移しております。また、旅行商品を利用して八戸駅から貸し切りバスで移動する観光客も大変多いと伺っております。
市内観光客の流れについては、JR東日本の新幹線企画切符などを利用し、日帰りや1泊2日で訪れる観光客が多く、滞在時間が短いことから、八戸駅に近い八食センターやユートリー、博物館などを訪れる方が多いと思われます。今後とも観光客の動向について状況把握に努めてまいります。
次に、今後の課題についての御質問にお答えいたします。
これから本格的な観光シーズンを迎えることから、蕪島を初め種差海岸を訪れる観光客がふえてくるものと予想されます。種差海岸等の観光地へ移動するための道路事情はわかりにくいことから、観光客が利用しやすい交通体系や観光ルートの整備を進めることは重要と考えております。本年度は9基の案内板を設置しておりますが、今後も道路整備に合わせてわかりやすいサインシステムの構築を進めてまいりたいと考えております。
JR八戸線については、一層の利便性向上を図るため、列車ダイヤの改正や八戸・鮫間のシャトル列車運行等をJR東日本に対して要望しております。
また、市内に点在する観光施設を循環するバスの運行を検討しているほか、種差海岸への誘客促進を図るため、JR八戸線に合わせて海岸線を遊覧できるバスの運行を実施したいと考えております。
次に、大型コンベンションホールの必要性についてお答えを申し上げます。
現在、八戸市内で各種大会やイベント等を行うことのできる一番大きなホールは市公会堂であり、集客規模は約1600人となっております。東北新幹線八戸開業に伴い、周辺市町村を含めて八戸地域の重要性はますます高まっていることから、議員御指摘のように、各種イベントを開催する上では、2000人を超える集客能力を持つ大型のコンベンションホールは必要であると認識しております。
しかし、大型のコンベンションホールを新たに建設することにつきましては、大変厳しい財政状況を勘案すると、難しいと考えております。今後は既存の会場を有効に活用しながら、中長期的に検討してまいりたいと考えております。
次に、東北縦貫自動車道八戸線三沢・天間林間の整備計画区間への格上げの見通しについてお答えを申し上げます。
東北縦貫自動車道八戸線は、安代・青森間の総延長約167キロメートルであります。昨年7月までに安代ジャンクションから八戸北インターチェンジまでの約82キロメートルについて供用開始されており、百石道路及び第2みちのく有料道路と合わせ、三沢市までの区間が開通しております。
議員御質問の三沢・天間林間約26キロメートルにつきましては、国土交通省において平成12年度から環境影響評価が行われており、平成13年1月には環境影響評価の方法書の縦覧が終了しております。現在は環境調査及び環境影響評価準備書を作成中であり、整備計画区間への格上げのための事務手続が進められていると伺っております。
本路線は、県内地域と津軽地域を結ぶ重要な路線であり、その整備の必要性は極めて高いものと認識しております。市といたしましても、三沢・天間林間を含む本路線の整備促進について、国及び関係機関に対し強く要望してまいります。
以上で答弁を終わります。
〔市長中村寿文君降壇〕
○議長(上田善四郎 君)近藤議員
◆13番(近藤悦夫 君)市長には明確な、また詳細な御答弁、ありがとうございました。
できるものはできる、できないものはできない、要望するものは要望していくというはっきりとした御答弁で、市長の人柄があらわれていたのではないかと拝察いたしました。
4年前になりますけれども、前市長のときでございますけれども、余りにも世の中の景気が低迷しているので、全国、世界の景気が悪くても、この八戸だけは景気がいいようなまちにするためにはどうしたらいいんだろうかという質問、ばかと言うのは変ですけれども、そんな質問をしたことがございまして、そしてそのときの御答弁は、多層的な、重層的な経済構造にしていくことが必要だという答弁でございました。
それから4年たって、景気、景況感はむしろ悪くなっているのではないかという感じさえいたしますけれども、ここにおきまして新しい産業の創出という1つの方向性が見えてきたように思います。これは今までなかったことでございまして、この新しくできた萌芽をぜひとも官民一体になって、民間はやる気満々でございますので、今までのいろんな設備を使って強力に推し進めていただきたい、そのように思う次第でございます。
新幹線効果も着々と出ているようでございます。ほかの地域が景気が悪くても、この八戸だけは前年を維持、あわよくば前年以上に景気のよいまちになるように願っております。それは市長も同じ思いであろうと思います。どうか私が今質問しましたことを重く受けとめていただきまして、またさらに邁進していただければと思います。
最後になりますけれども、今年度をもちまして勇躍退職される理事者の皆様方、そして職員の皆様方の御労苦に心から敬意と感謝を申し上げまして、質問を終わります。ありがとうございました。
○議長(上田善四郎 君)以上で13番近藤悦夫議員の質問を終わります。
この際、暫時休憩いたします。
正午 休憩
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午後1時02分 再開
○副議長(藤川友信 君)休憩前に引き続き、会議を開きます。
一般質問を続行いたします。
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20番 寺地則行君質問
○副議長(藤川友信 君)20番寺地則行議員の質問を許します。寺地議員
〔20番寺地則行君登壇〕(拍手)
◆20番(寺地則行 君)平成15年3月定例会に当たり、新政・近未来クラブの一員として質問をしてまいります。
えんぶりも終わり、当地方にも春を告げる兆しが見えるきょうこのごろであります。しかしながら、青森県は知事の問題や不況の問題など大荒れでございます。木村知事は、他人事のようにこの問題をすりかえ、開き直るという態度をとっており、青森県民の一人としてまことに遺憾であり、強く抗議をしたいと思います。
八戸市では、昨年12月に開業いたしました東北新幹線はやての経済効果により静かな雪解けが感じられ、遠くにではありますが、光が見えてきた感じがいたすところでございます。一日も早い春が当市に訪れますよう、市民が一丸となって事に当たっていくべきときと思っております。
中村市長におかれましては、就任より1年3カ月が過ぎ、御自身が思われる市政の役割、八戸市の将来を見据えた施策の展開をいよいよ始めようとしている予感がしてまいります。今後とも市民の声を聞きながら、市勢の発展に寄与されますよう切望し、質問に入らせていただきます。
第1点目は、観光行政についてであります。
新幹線の開業を取材したあるテレビの報道を見て、私は愕然といたしました。それは八戸市のことを観光不毛地帯として紹介していたのであります。余りにも厳しい表現に驚き、それはまるで八戸の人間性までもが軽蔑されたような、みじめな思いがいたしました。
しかしながら、このことには私たち自身にも責任があります。見るところもない、いいところもないと言ってしまう八戸市民、なぜもっと郷土を愛し、胸を張ってこのまちのことが言えないのか。観光とは自分たちの生きざまを、自分たちの郷土を見てもらうことであり、八戸にはたくさんの素材があるはずであります。そのことに気がつかないことや誇りが持てないということは、行政の責任もこれまた問われるものであろうと思います。市長には、このことを肝に銘じて観光行政に当たってほしいものと期待を申し上げます。
さきの新聞報道によりますとJR東日本では、八戸線の駅周辺をそれぞれの特徴を生かしてテーマパーク化する考えを示したとのことでありました。新幹線で八戸まで来てくださった方々をさらに生かそうとすることであり、八戸の観光を考えるとき、海を生かせる絶好のチャンスでもあります。市とJRの協議も始まり、大いに期待をするものであります。
JR八戸線は、現在のような車社会でなかった時代は、特にその役割が大きく、人的、物的交流の基本であり、町並みや商店街の形成にも大きくかかわってまいりました。このJR八戸線の活用は、今後の交通体系を考える上で特に重要であり、キーポイントになるものと思われます。特に陸奥湊駅周辺は、歴史も古く、戦後、特にガンガラ部隊が八戸線を使い、その活動は地域の食糧供給に大きく貢献をしてまいりました。また、昭和30年ごろまでは、駅前の道路の舗装はマカダム舗装という波の波紋をかたどったブロック舗装であったそうであります。
2年ほど前に行政視察で訪れました川越市では、国の補助事業で菓子屋横丁をカラー舗装とし、古いたたずまいの町並みを再現しているところを見てまいりました。湊地区では、魚菜市場を中心とするまちづくりを研究する湊地区まちづくり促進協議会を設立し、湊地区の未来を考えて頑張っている現状を踏まえ、陸奥湊駅のレトロ化については大いに期待し、その市の対応をどのようにお考えなのか、お伺いしたいと思います。
次に、大かがり火祭りとえんぶりについてであります。
今年の同お祭りはかなりの好評でありました。東京方面や京都方面から来られた方々は、このようなお祭りを初めて見たと感激をしておられました。朝早くから長者山へも多数お越しになっておられたし、一斉ずりも、かがり火も大好評でありました。このことは、えんぶりこそが冬の一番の呼び物になり得るということでありまして、今以上に力を入れるべきだろうと思うのであります。
運営で気になった点は、交通規制が徹底していないことや一斉ずりのとき2列になるため、踊りづらいし、見づらいということが言えると思います。また、大かがり火祭りの観客席が狭いことなどが挙げられますが、工夫をし、考えれば、まだまだよいお祭りになろうと思われます。また、長者山の整備や南部会館の活用、えんぶりを題材にしたお土産品の開発、さまざままちぐるみでの開催が望まれますが、このお祭りへの今後の取り組みについてお伺いをいたします。
次に、えんぶりなどの伝統芸能の保存と育成についてであります。
八戸地方には、えんぶりや神楽、虎舞、駒踊り、南部手踊り、民謡などなど、さまざまの古い芸能文化があります。昨年12月に行われました杜の賑い八戸では、多くの郷土芸能が発表され、県外の方々に大好評であったと伺っております。このような郷土の芸能にいま一度目を向け、世に出し、その保存と振興に努めるべきものと考えるのであります。
ある方から貴重なお話を伺いました。それは盆踊りに関することであり、その中でナニャドヤラは古い縄文語ではないかというお話でありました。私たちの先祖は、どのように生き、どのように暮らしてきたのか、まさに温故知新であります。また、これらの多くの芸能は、一部の方々の地道な努力と奉仕の心の上に成り立っているものであります。いつ消えるかもしれない状態でもあるのであります。
えんぶりの風習にしても、宿があり、農作業の小屋で練習をし、その部落、今で言えば町内でその伝統を守りながら地域の和を図ってきた、そのような風習がなくなりかけているのであります。芸能伝承者にしても、仕事や家庭の事情でその活動もままならなくなる状態であります。そのようなことを考えますとき、伝統芸能を伝える伝承館的なものや風習を残すような支援策等が必要であろうと思われますが、市としての対応についてお伺いいたします。
次に、はちのへ港まつりの花火大会についてであります。
八戸の三社大祭と並んで市民に親しまれてまいりましたはちのへ港まつりでありましたが、残念ながら諸般の事情で今年から中止を決定いたしました。10数年前から少しずつ縮小傾向にあったものの、浜通り全体のお祭りがなくなることはまことに残念であります。昔は八幡神社の神様を海で遊ばせることから始まったとされ、その後、豊漁を祈願したり、海難防止、はたまた地域の振興等をあわせ持ったお祭りでありました。
その中でも花火大会は、全市民が楽しみにしていたメーンイベントであります。このままですと、その楽しみがなくなり、それこそ灯が消えてしまうということになってしまいます。浜通りの住民だけではなく、その存続を市民は望んでおります。はちのへ港まつりはなくなっても、三社大祭の中での花火大会等は検討できないものでしょうか。これまでの花火大会では、約1000万円ほどの経費がかかっていたと伺っております。花火大会の受け皿となる団体や資金の問題もあろうと思われますが、このことについての市の対応についてお伺いいたします。
次に、氷都八戸の推進についてであります。
今年の長根リンクは、久々に活気と熱気が渦巻いたと伺っております。冬季アジア大会の開催が何よりの力になったことは言うまでもありません。八戸が氷都として全国的に有名になったのは、その当時のスケート関係者や選手の力、そして市民の力が何よりも大きかったであろうと思われます。天然の氷と数々の大会の成果が八戸を氷都に押し上げたものだろうと推察いたします。
しかしながら、最近では余り氷都という言葉が言われなくなってきているのではないでしょうか。確かに以前とは事情も変わり、スケート人口の減少や屋内リンクの台頭などもありましょうが、氷都は氷都でいいと思うんです。来年は国体が開催されることや全中の大会予定もあると伺っております。氷都八戸として全国へ宣伝をし、氷都祭りや何かの大会、イベントをやることにより、それがまた氷都八戸として定着すると思うのであります。札幌に雪祭りがあるように、八戸で氷祭りでもいいのではないでしょうか。ちょっとの工夫で八戸のイメージは変わるものと思われますが、この推進について御所見をお伺いいたします。
第2点目は、地場産業の育成についてであります。
現在、日本じゅうどこをとっても不況、不況であります。ましてや新幹線開業で東京や仙台が近くなり、買い物に行きやすくなったなどという方もいらっしゃいます。また、テレビやコンピュータ等の発達で、その購買行動にも変化が見られます。岩手県では、地産地消運動が盛んであり、自分たちを自分たちで守ろうという動きがあります。地元で生産したものを地元でできるだけ消費することも大事であります。
また、地元の店から商品を買うこと、つまりは互いが八戸市内またはその地域で買い物をするという意識を持って、そこに住む者同士が買い物を通じて助け合う。工事とか修理とか、地元業者を優先するような意識の啓発ができないだろうかというふうなことであります。
自由経済社会でありますから、そのようなことはできないと言われれば、それはそのとおりではありますが、八戸の定住人口をふやし、経済人口をふやすためには、そのことも必要ではないかと思われます。特に中小零細であったり、または個人商店などのような地場産業の救済も見過ごしてはならないものと思われますが、このことに対しての市の御所見をお伺いいたします。
以上で壇上からの質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
〔20番寺地則行君降壇〕(拍手)
○副議長(藤川友信 君)市長
〔市長中村寿文君登壇〕
◎市長(中村寿文 君)寺地議員にお答えを申し上げます。
JR八戸線の駅周辺のテーマパーク化についての御質問は、後ほど部長からお答え申し上げることといたしまして、まず私からは、大かがり火祭りとえんぶりの今後の取り組みについてお答えを申し上げます。
ことしのえんぶりは、東北新幹線八戸開業後、初の大きな観光イベントであり、市といたしましても、冬季観光の目玉としてポスターやチラシの作成、旅行エージェントへの働きかけなど、誘客促進に取り組んでまいりました。
今回は新たな試みとして、大かがり火祭りの日程を土曜日、日曜日を入れ2日間延長したほか、えんぶり行列を片側通行から全面通行にし、昨年よりもお客様に楽しんでいただけるよう努めたところであります。期間中の入り込み数は、昨年よりも5万9000人多い32万4000人となり、首都圏を中心に県外からおいでになった観光客の方々にも大変好評を得たところであります。
これからもえんぶりの積極的なPRに努めるとともに、観覧スペースや南部会館等の利用を含めた休憩所の充実など、受け入れ態勢の強化や今後の運営方法について、八戸観光協会、八戸地方えんぶり連合協議会等主催者側と協議しながら検討してまいりたいと考えております。
次に、えんぶりの伝統芸能の保存と育成についてお答えを申し上げます。
平成15年2月17日から開催されたえんぶりには、八戸市内だけでなく、周辺町村も含め合計33の団体が参加し、さらに10組の子どもえんぶりも出るなど、この地方に根差した活況を見せております。これまでえんぶりの保存、伝承に取り組んでこられた関係各位の御努力に深く敬意を表するものであります。
このえんぶりを伝承する場として、民家を使用したえんぶり宿がかつて市内に数多くありましたが、近年の生活環境の変化に伴い、生活館や公民館などを使う形へと変わってきていることは議員御指摘のとおりであります。
えんぶり宿を使用する古い伝承形態の保存については、これまで市内全域にわたる詳細な実態調査が行われておらず、その実態をまず把握することが必要と考えられます。その上で今後どのように取り組んでいくべきか、検討してまいりたいと考えております。
次のはちのへ港まつりの花火大会についてと氷都八戸の推進についての御質問は、後ほど部長からお答え申し上げます。
次に、地元の生産したものを地元で消費することについてお答えを申し上げます。
地元の方々の地元商店の利用促進については、各地域の商店街が元気で活性化することが肝要であると考えております。その意味から、現在、当市では商店街調査活動事業補助金、商店街イベント等事業補助金、商店街イメージアップ等事業補助金の補助制度を実施し、積極的にその取り組みを支援しております。
商店街調査活動事業は、最長2カ年にわたり商店街の活性化策について検討する事業であり、商店街イベント等事業補助金及び商店街イメージアップ等事業補助金は、検討した活性化策を実行する際に活用できる支援制度となっており、平成14年度においては合わせて9商店街が実施しております。
例えば、陸奥湊地区における陸奥湊駅通り日曜新鮮市の開催、一番町地区における石川啄木記念碑設置事業は、地元商店会がこれらの制度を活用して実施した事業であります。このほかの商店会においても、活性化に向けた取り組みを展開しているところであり、今後もこうした地域商店街活性化の支援に努めてまいりたいと考えております。
以上で答弁を終わります。
〔市長中村寿文君降壇〕
○副議長(藤川友信 君)経済部長
◎経済部長(田中秀雄 君)観光行政のJR八戸線の駅周辺テーマパーク化についてお答え申し上げます。
このたびJR東日本盛岡支社では、八戸線の活性化のため、観光開発のソフト面を主体とした八戸線テーマパーク線構想を打ち出しました。この構想は、現在は主に通勤、通学に利用されている八戸線を、自然豊かで風光明媚な地域を走っている特色を生かし、観光線へ転換し、活性化を図ろうというものであります。その中でも陸奥湊駅については、駅前のレトロな雰囲気を生かし、整備、誘客を図っていくねらいとなっております。
しかし、現在はまだ構想の段階であり、具体的な整備案は未定となっているため、今後、JR東日本盛岡支社並びに地元関係者等と協議しながら、陸奥湊駅を初めとする八戸線の活性化に努力してまいりたいと考えております。
次に、はちのへ港まつりの花火大会についてお答え申し上げます。
昨年で22回の開催を数えた花火大会は、県南地方最大の夏の夜の一大イベントとして親しまれており、市民はもとより近隣市町村の皆様も楽しみにしている行事であります。市としては、日本屈指の漁港として、また国際貿易港として発展を遂げている八戸港を舞台に繰り広げられるこの花火大会をみなと八戸を象徴する重要な観光資源の1つとして認識しております。
現在、市では花火大会を開催しているはちのへ港まつりの運営について、八戸観光協会を通じて補助金を交付しております。そのはちのへ港まつり運営委員会から、来年度の花火大会開催に向けて相談を受けたところでありますが、運営主体と財源確保等を含め、再度地元で協議いただいているところであります。
市では、地元協議の結果を踏まえ、はちのへ港まつり運営委員会や地元関係者の御意見を伺いながら、花火大会開催に向けて検討してまいりたいと考えております。
次に、氷都八戸の推進についてお答え申し上げます。
当市は、長根スケートリンクにおいて第1回目の全日本スピードスケート選手権や冬季国体が開催されるとともに、これまで20人を超えるオリンピック選手が輩出された氷都八戸として全国に知られております。先般開催された冬季アジア大会においても、市内外から注目を集め、氷都八戸のイメージを広めることができたと考えております。
今後も、冬季国体やインターハイなどの全国規模の大会はもちろん、さまざまな機会を利用して氷都八戸をPRしながら、当市への誘客促進を図りたいと考えております。
なお、市と商工会議所が中心となって組織した新幹線八戸駅開業事業実行委員会は、今月9日に長ぐつアイスホッケー全国交流大会を開催する予定であり、一層氷都八戸がPRされるものと期待しております。
このほか、市といたしましても関係機関と連携を図りながら、例えばスケートの体験観光にえんぶり鑑賞や海産物のショッピングをセットにした氷都八戸ならではの旅行商品の造成を、旅行エージェントに働きかけるなどして、誘客促進のためのPR活動を進めてまいりたいと考えております。
以上でございます。
○副議長(藤川友信 君)寺地議員
◆20番(寺地則行 君)御答弁をいただきまして、大変ありがとうございました。再質問はありませんが、御要望と御意見を少し申し上げたいと思います。
最初に、まず八戸線の陸奥湊駅に関してでありますけれども、今、部長の方から御答弁があったように、まだこれから詳細について検討していくというふうな段階であるということでありますけれども、何としてもやっぱり地元の方々はJRを有効に使う。そしてまた、そのことが観光につながる、または商売につながるということで大変大きいことだというふうな認識をしております。
前段でも申し上げたように、陸奥湊のガンガラ部隊は一時大変な勢力を見せて、そしてまた、八戸の経済の発展のために多大な貢献をしてきた。きのう同僚の山内議員がいさばの話をしましたが、陸奥湊のあたりで今できればいさばの像をつくろうかというふうな話も出ています。いさばの発祥の地というふうな形で、陸奥湊を宣伝しようというふうな空気もあります。
また、レトロ化が仮に進むとするならば、やはりある程度周辺の建物や、それからまた外観がかなりの重要なポイントになると思うんです。先ほど川越市の話もしましたけれども、川越市ではお店や建物、それから電柱、それから郵便ポスト、古いものを使って昔の大正時代、昭和初期といいますか、そういうふうな雰囲気をかなり出していると、そういうことになりますと、全体がそういうふうな雰囲気になっていかなくちゃいけないということになると思うんです。
ですから、ある程度時間と費用がかかるというようなことになりますので、できればそういうふうな話し合いを迅速に進めていただいて、やはりそういうふうな観光に、または商売に役立てるような形をぜひつくっていただきたいというふうに思うわけであります。
それから、魚菜市場の中に水洗トイレをつくりたいというようなことで、市の方でもいろいろ働きかけをしていただいて、今、計画を練っておられるということも聞いておりました。やはり衛生的な要素もあわせ持って、そういうふうなまちづくりをしていただくということは大変いいことであろうと思いますので、よろしくお願いをしたいと思います。
ただ、ちまたで陸奥湊駅が合理化の案に入っているのではないかというふうな懸念の声がちょっと聞こえてまいりました。もしそのようなお話が仮に市長の耳に、または行政の方に入るとするならば、やはり駅の存続または地域の活性化のためにも、陸奥湊駅の合理化をやめていただくように御要望してもらうこともあわせてお願いをしたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
それから、えんぶりと大かがり火祭り等でございますけれども、多くの方々は本当に期待をしているんですね。私も実際に参加して、一緒に歩き行動してみて、多くの方々がこの踊りとはやしはブラジルのサンバに似ているとまで言うような、本当にどこにもないようなリズムであり、雰囲気である。なかなかこの地方にして、そういうふうな音楽と踊りが一緒に見られるようなお祭りは少ないというふうなことで大変評判が高い。
ですから、私は、そのことにやはりもっと磨きをかける、もっと見せ方を工夫する。そのことによってまだまだ注目の度合いが変わってくるだろう、そのように思うわけであります。ですから、夏は三社大祭を中心に、冬はえんぶりを中心にというふうなこと、大変大きい2本柱のうちの1つだと思っておりますので、ぜひとも今後とも、先ほど市長の御答弁にもあったように、南部会館の活用とか、それから空き地の活用とか、えんぶりのときにまちが総出でお客様を迎え入れるような体制、そういうふうな状況をぜひ支援していただきたい、そのようなお祭りをよりよくしていただきたいというふうな思いがありますので、そのこともあわせてお願いをしたいと思います。
伝統芸能の保存に関しては、えんぶりも確かにそのとおりでありますし、先ほどちょっと前段で述べたようなほかの郷土芸能もあるわけでありまして、やはり他の地区とは違うところで、多種多彩な芸能が八戸にはある、この地方にはあるというふうに認識しておりますので、そのことにも気を配っていただきながら、もちろんえんぶりのこともそうでありますが、その他の芸能も大変貴重な芸能ばかりでございますので、できればその芸能を生かせるように……。
前にちょっと徳島にお邪魔して阿波踊り会館を見てきましたけれども、阿波踊り会館は年中やっているんです。時間ごとに来る阿波踊り連がいらっしゃって、何日はどこの阿波踊り連が担当とスケジュールを決めて毎日来るんですよね。観光客の方々がいつ行っても阿波踊りを踊れる、または資料館を見られるというふうな形をつくっているんです。
ですから、八戸もそういうふうないろんな芸能がありますので、私は、芸術パークの問題がどうなるかちょっと定かではありませんけれども、そういうふうに郷土芸能を見られるような伝承館的な要素のもの、それをある程度整備することも必要ではないかなと。それをつくっておいて、毎日違う出し物をさせる。例えば柳町の虎舞がきょうやったとすれば、次の日は佐比代の虎舞がやるとか、スケジュールを決めて、えんぶりはどこのえんぶりが何日に入る、どこの駒踊りはいつ来るとか、いろんな行事を組めば、毎日何かの郷土芸能が見られるような体制はとれると思うんです。または芸能の場所で三社大祭のはやしが聞こえるなり、もしくは八戸の地元の方々が歌っている歌を流すなり、いろんなPRの仕方があると思うんです。そういうふうな芸能が日の目を見るような体制をぜひとっていただきたい。そのことを時間がかかっても検討していただきたいというふうに思います。
それから、先ほどのえんぶりの宿の件でございますけれども、中居林地区でも、その昔はほとんどの家に農作業用の小屋があり、そしてまた大きいうちがあった。ところが、やっぱり年々そういうふうなところが少なくなり、だんだんやる場所がなくなってきた。このままでいくとなくなっていくというふうな危機感があるんです。
ですから、なくならないうちにある程度きちっとした保存をする、またはそういうふうな体制があったということをぜひ記録にとどめながら、できればその方々を励ます意味でも、例えばそういうふうな宿や小屋があるというようなことを皆さんに知らしめるような方策もぜひ必要ではないかなと。そういうふうなことは余り予算もかからないと思いますので、ぜひ検討していただいて、だれだれさんのうちはえんぶりの宿並びにその伝統芸能を継承するうちであるというふうなことで、感謝状の1つでも差し上げれば、思いは大分変わってくると思いますので、何かそういうふうな方法がないかなとふだん思っていますので、どうかぜひ御検討してみていただければというふうに思っています。
それから、花火大会の件でありますけれども、いろいろ協議は進めているというふうなお話は伺いますが、地元の5地区でつくっている協議会は、やはりもう寄附集めができないだろうというようなことで、花火大会をやるんだというふうな形の実行委員会、仮称のやつはつくっていますけれども、受け皿になり得るだろうというふうな団体が今のところないのであります。
皆さんからお話を聞くと、やはり市の方の補助が210万円ほどで、その他1000万円ぐらいかかるとしまして、800万円近くはどうしても寄附を集めなくてはいけない。今、浜の方の業界や景気の状況を見ても、とても800万円集められるような状況にない。さらに、そのほかにさまざまな経費がかかると想定するならば、やはりその労力や経費の面で受け入れるところがないでしょうというふうなことで大変苦慮をしているのが現実です。
この間、観光協会の天摩会長さんともお話ししたら、いや、観光協会ではもうとんでもないというふうな、はっきり言えば、やっぱり寄附の問題があるからでありましょうが、いや、とてもやれないというふうなお話もなさっておりましたので、残念だなというふうにも思っています。
ですから、先ほどちょっと前段でお話ししたみたいに、はちのへ港まつりとしてやれなくても、三社大祭の前夜祭か、または最終日のときに花火大会をするなり、何かの抱き合わせでもいいから、とにかく花火というものをなくしていただきたくないというふうに思うわけであります。
夏の7月、8月のあたりですので、そんなに時間があるようでないお話でございますので、どうかその辺を煮詰めていただいて、なるべく実施していただくような形で早急に協議をしていただくことを御要望申し上げておきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
それから、氷都八戸の件ですけれども、先ほど部長の方からも、えんぶりと氷都祭りというふうなお話も出ましたし、大変いいお話だろうと思います。私は個人的に前々から、例えば長根リンクの更上閣の下のあたりの斜面を利用すれば、少しずつやぐらを組んでいって水を上から流しますと、あそこに多分ナイヤガラの滝のようなつららができるだろうというふうに思っています。少しずつちょろちょろと流せば自然にできるわけですので、やはりそういうふうな前準備をしながら、余りお金をかけないで、水道代ぐらいで済むお話ですので、そういうふうな氷都のお祭りというものをぜひ検討していただきたい。
そこのところに、例えばひっつみがあるとか、せんべい汁があるとか、そういうふうな些細なことでもいいですので、何か一工夫をして、温かみが、八戸の思いやりが伝わるような氷都のお祭り的な要素のもの、例えばスケートに来られた方々にせんべい汁を振る舞ってもいいでしょうし、甘酒の1杯も振る舞うなり、何かそういうふうなちょっと気持ちをあらわせるような形で、ぜひ人情を伝えるような氷都であってほしいというふうに思いますので、氷は冷たくても心は温かくとか、透き通るようなクリスタルな心とか、何かそういうような気持ちで氷都をたたえるような形でぜひ企画をお願いしたいなと思っていました。
やはりスケート人口が最近減っているのは大変残念なことでありまして、八戸よりも百石の方がスケートの人口が多いというふうに伺っていますし、スケートが盛んであったころを思うと今は大変残念だなと思います。やはりせっかくのああいうふうな長根リンクがあったり、また至るところにアイスホッケーのリンクもあるわけでありますので、今後できればスポーツ人口としてのアイスホッケーも、またはスケート競技もその人口がふえてくれればなというふうに思っておりますので、またそういうことも結びつけながら、ぜひ氷都八戸というようなイメージを大事にしていただきたいと思っておりました。
それからあと、最後になりますが地場産業の育成というふうな問題で、地元同士が買い物し合うというようなことは大変大事だと思うんです。先ほど私の質問の前に近藤議員が質問されましたけれども、地元同士が買い物をしないと、絶対地元はよくならないんです。
ですから、無理やりというわけにはいかないんですけれども、やはり例えば100円高かろうが、200円ぐらい高くても、地元の商店から物を買う、または地元の農家の米を食べる、地元の野菜を食うんだというふうな意識があれば、まだまだ私は違うような気がするんです。
八戸の方々の中には、仲間意識がちょっと薄い方もいらっしゃるかもしれませんけれども、私は決してそうでないと思うんです。個人の中小零細、または一般の商店が生きる道、昔で言えば、町内単位に豆腐屋があり、納豆屋があり、たばこ屋があったり、酒屋があったり、そういうふうな町内の単位ごとにささやかな商店街があった。その小さい単位の商店街が生きるというふうなことが、強いて言えば八戸全体が生きるというようなことになるわけでありまして、細かい単位で買い物をし合う、例えば地元の野菜、お米を食べる。決して仙台産とか福島産のものは食べないというふうな強い思いで青森県産のもの、地元のものを消費する、または助け合うというふうなことが大変大事だと思うのであります。
ですから、何かの機会に、そういうふうな八戸人同士がお互いに助け合う意味で、買い物し合おう、または手をつなごうというふうなことをぜひやっていただきながら、そうすることによって市民憲章も多分生きてくると思いますので、中村市長のお父様が市長であったころにつくった市民憲章だとも伺っておりますので、ぜひその市民憲章に沿うように、八戸市民が一致結束できるような状況をつくっていただくことをお願い申し上げて、終わりたいと思います。
ありがとうございました。
○副議長(藤川友信 君)以上で20番寺地則行議員の質問を終わります。
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2番 上条幸哉君質問
○副議長(藤川友信 君)2番上条幸哉議員の質問を許します。上条議員
〔2番上条幸哉君登壇〕(拍手)
◆2番(上条幸哉 君)冒頭に一言ごあいさつを申し上げます。
早いもので、議席を初めていただきましてから4年の月日が過ぎようとしております。この4年は、私にとって日々が学びの連続でございました。そしてまた、出会いの連続でもございました。多くの方々と出会わせていただきまして、さまざまな学びの機会をいただいた4年でございます。特に先輩議員方におかれましては、主義主張、思想は異なっても、この八戸のために頑張るんだという気持ちは等しく、この新たな出会いというものが私にとって大きな刺激となりましたことを、この機会に御礼を申し上げたいと思います。
そしてまた、さまざまな形で私のような若輩からの細やかな質問や要望にも熱心に耳を傾け、対応をしてくださった市長を初め職員の皆さんに深く感謝の意を表しつつ、市民政友会の一員として任期中最後の一般質問をさせていただきます。
まず初めに、合併後の都市像に関してであります。
予定どおりに運びますと、3月7日、本定例会中に8市町村で一斉に八戸地域合併協議会、いわゆる法定協議会の設置が議決されます。これに伴い、選ばれた委員による重要事項についての本格的な審議が開始されてまいります。
さて、新たに誕生する大八戸、29万7500名の幸福に寄与する施策を展開するためには、やはり我々現八戸市が旗振り役として、これまでにも増して責任を持って取り組んでいくべきでありましょう。そこで、今後重要なテーマとなってくるであろうと考えられる5つの項目を今回取り上げ、質問してまいります。
初めは、産業振興策についてであります。
これは、この4年間一貫して取り上げてきたテーマの1つであります。その考え方は次のようなものでありました。八戸が八戸であるために、つまりこれまでのように多くの近隣町村の人々を引きつけてやまないまちであるためには、雇用、つまり仕事の確保が大前提である。しかし、この雇用創出に当たっては、応急的な策も必要であろうが、産業の再生、創出こそが王道である。今日の八戸が40年前のビジョンの上に立っているように、今から30年先、50年先を見据えた大八戸の産業再生のためのグランドデザインを描くべきときであるとの考えであります。
この観点は合併後も極めて重要であり、八戸の命運を握るかぎと言っても過言ではないと考え、繰り返し申し述べてまいりました。その意味では、任意の合併協議会が作成した地域将来構想の中で、現八戸地域の目標の1つに交通拠点性を生かしたリーディング産業の集積をうたっている点は評価するものであります。
そこで、第1に、産業振興、とりわけ新産業の創出が極めて重要であると考えるわけですが、この点をどのように認識され取り組んでいかれるのか、市長の御所見を伺います。
次に、これに関連して起業家支援策について伺います。
現在、経営者を追い詰めているとして指摘されているのが銀行を初めとする金融機関であり、いわゆる貸し渋り、貸しはがしが非難されております。バブルの時代とは大きく異なり、厳しい局面にある零細な自営業者から見ると、その姿は晴れた日に傘を差し伸べ、雨の日に傘を奪い取ると皮肉をもって例えられております。そのような金融機関のかたくなな姿勢は、新規事業に踏み出すに当たって大きな壁となり、新たな発案を形にしようとする積極的な意欲に水をかける形となっております。しかしながら、一方で新幹線開業や合併を1つの機会ととらえ、新規に事業をスタートさせようと考える人は少なくないようであります。
そこで質問でありますが、このような意欲ある起業家への支援策の充実は、まちの活性化の観点からも必要と考えますが、市長の所見を伺います。
次に、NPO等市民活動の支援と連携について伺います。
さて、合併に向けた法定協議会の開始を前に、これまで各地域で繰り返し開催してこられた説明会の質疑で多かったのが地域コミュニティの特色や個性が失われてしまうのではないか、あるいは住民の声が反映されにくくならないか、さらには自分たちの町や村が寂れてしまわないかというものであります。このような不安を払拭し、実際にそれぞれの地域やこれまでにも増して特色あるまちづくりを展開していくために、1つのかぎとなってくると考えるのがNPO等各種市民活動の展開であります。
現在、当市においても、少子高齢化や核家族化、市民の価値観の多様化などにより、地域住民の連帯感が薄れがちな昨今、地域特性を生かした触れ合いのあるコミュニティづくりが求められております。さらに、市民と行政とのかかわり方においても、要望型から提案型へ、さらにはみずからが立ち上がり行動する行政との協働型へと変化、発展が求められております。
そのような中、特に今般の新幹線開業等に合わせ、市民主体のさまざまな活動がこれまでにも増して活発な展開を見せております。そこで、合併を予定する現在の7つの町村内からも、現在の八戸市に見られるような各地域の特性ある市民の主体的な活動の展開が望まれるものであります。
そこで、このようなNPO等の市民活動をこれまでにも増して支援し、連携を図っていくべきと考えますが、市長の所見を伺います。
次に、農業振興策について伺います。
合併後の八戸市にはニンニクや長芋など、全国的に有名な農産品が幾つか誕生いたします。また、任意の協議会が作成した地域将来構想の各市町村のまちづくり目標を見るとき、八戸市以外の7町村に1つの共通項があることに気がつきます。ほかでもなく、それこそが農業であります。また、合併後、農業を初めとする第1次産業の割合は、これまでの3.7%から8.3%へと倍以上に増加してまいります。
このように、合併後の産業の中での農業の位置づけは、これまでにも増して重要となってくるものと考えますが、市長は、この農業の位置づけをどのように認識されているのか、伺います。
また、次に関連して、八戸市農業交流研修センターについて伺います。
同施設は全国でも数少ない農業研修施設であり、その前身は昭和20年代、畑作と言えばヒエや粟しかなかった当時から設置され、今日まで当地域の畑作の展開に大変大きな役割を果たしてまいりました。そこで、合併に当たり、この八戸市農業交流研修センターの役割が大きくクローズアップされてくるものと考えます。
そこで、同施設の指導機能の充実を要望するものでありますが、この点についてどのようにお考えか、お教え願います。
最後に、人事研修制度について伺います。
新市誕生後には、約29万7500人の人口を有する市が誕生いたします。現八戸の人口比では約1.2倍になり、面積も現八戸市の約4倍に拡大いたします。この変化は、合併を予定する町村においてはさらに大きな変化であることは言うまでもありません。
さて、このような大きな変化への対応は、我々議員にとっても大きな課題でありますが、同じく職員の皆さんの意識改革も求められてまいります。これまでの市町村の枠組みに意識をとどめるのではなく、29万7500人の大八戸、新八戸の市政運営に等しく取り組む同志として目的意識の共有が不可欠となってまいります。
そこで質問でありますが、現在の8市町村職員のスキルアップやモチベーションの高揚に加え、このような同じ都市の職員としての意識共有を目的とする効果的な人事交流及び研修への取り組みが求められますが、この点にどのように取り組んでいかれるのか、市長の所見を伺います。
第2に、都市計画行政について、特に市街化調整区域について伺います。
市街化調整区域は、一定の要件を満たす例外を除き、原則的に住宅を建築することはできないことになっております。しかしながら、例えば旭ヶ丘団地に隣接する野ばら町内のように、市街化区域に隣接、近接して住宅の集積が進む市街化調整区域が存在するのも事実であります。このような地域では、線引き上、道路、下水道などの住環境の整備がされておらず、不便を来す住民がふえております。
そこで質問でありますが、このように市街化調整区域内に現存する居住地の住環境整備について、今後どのように進められるお考えか、市長の所見を伺います。
最後に、下水道行政についてお伺いいたします。
市長の言われる住んでよかった、住んでみたいまちをつくるためには、まちづくりへ総合的かつ計画的なさまざまな方面からの取り組みが必要であります。とりわけ生活環境のハード整備、いわゆる生活インフラの整備は、その前提とも言うべきものであります。その中で下水道の整備は、健康で快適な都市生活を送るために、また豊かな自然環境を守り、安心して暮らせる市民生活を確保する観点からも欠くことのできないものであります。
しかしながら、この下水道網の整備に当たっては、その必要性は強く認識されながらも、市財政の厳しい折、思うような進捗を図れないのが現状であります。そこで今回は、その計画、見通しについて伺うものであります。
現在、市川地区、鮫地区、白銀地区、類家南地区などの工事を重点的に進められているようであります。しかし、新井田地区の整備計画については、まだその姿が見えてこないようであり、タウンミーティング等でも住民からの要望が上がっているところであります。
そこで、新井田地区の下水道整備見通しについて、どのような計画を立てられているのか、特にこの地区の汚水処理のための下水道工事の現状と見通しについて伺い、以上でこの場からの質問を終わります。
〔2番上条幸哉君降壇〕(拍手)
○副議長(藤川友信 君)市長
〔市長中村寿文君登壇〕
◎市長(中村寿文 君)上条議員にお答えを申し上げます。
まず、産業の振興策についての御質問であります。
議員御案内のとおり、八戸地域合併検討協議会では、地域将来構想を策定しております。その中で現八戸市の合併後の機能分担を、交通拠点性を生かしたリーディング産業の集積と都市の魅力とにぎわいの広域交流機能の提供と掲げ、地域全体の産業経済活動の牽引と多様な就労機会の提供、都市サービス機能の集積による交流の場としての役割を担うことにしております。
議員御指摘の新産業創出に向けた事業は、1、起業家支援制度の充実、2、あおもりエコタウンプランの促進、3、環境・エネルギー・リサイクル産業の集積促進、4、八戸港の総合静脈物流拠点化の促進であります。これらの施策は、現在の八戸市におきましても、経済の活性化や雇用の場の確保等、その重要性を十分認識し、推進している施策であります。
また、平成14年7月に文部科学省の地域選定を受けた都市エリア産学官連携促進事業では、木質バイオガス生成を研究テーマとし、株式会社八戸インテリジェントプラザを中核機関として、八戸工業大学、八戸工業高等専門学校、青森県機械金属技術研究所、地元企業が連携して研究を推進しております。
この産・学・官による共同研究は、有効利用されていない間伐材等を利用し、発電用のガスを効率よく生成するための研究であります。八戸地域内には豊富な森林資源があり、地域の間伐材等の活用は、本来の森林の姿を取り戻し、林業の活性化にも寄与するものと考えられます。
このような取り組みとともに、平成15年度は新エネルギーに関する調査研究事業、産学官共同研究開発支援事業等、新産業創出を目指した各種事業を実施することにしております。これらの事業は、新産業創出のための重要な施策として、今後とも取り組みを強化していくべきものと考えております。また、合併を検討している市町村の地域特性を生かした新産業の創出を図るため、新たな施策についても検討してまいりたいと考えております。
次に、起業家支援策についてお答えを申し上げます。
合併後の均衡ある発展を図るためには、それぞれの地域のこれまでの取り組みを生かした展開が必要であります。当市は、地域全体の産業経済活動を牽引する役割と位置づけられており、産業面では環境、エネルギー分野等の新事業創出などに取り組んでおります。今後は、これらに加え、起業家による新ビジネス展開が地域を活性化させる重要なポイントになってくると思われます。このことから、当市においては、その取り組みとして新年度予算に起業家育成事業を盛り込んだところであります。
事業内容として、1、起業家育成塾の設置、2、経営、技術相談や資金調達相談などの起業家応援団の組織化、3、交流サロン、起業家ブースの設置、4、インキュベーションマネジャーの設置などについて検討をしております。これにより、新ビジネスを興しやすい環境とそれを担う人材の育成を進めてまいりたいと考えております。
合併後におきましては、農業ビジネスの振興など、地域の特色を生かした事業の育成にも力点を置き、積極的に起業家の育成に努めてまいります。
次に、NPO等市民活動の支援と連携についてお答えを申し上げます。
今後、市町村合併が進むことにより、従来の市町村の枠を超えた新たな行政課題が発生し、それに対応した地域づくりが必要になってくるものと考えております。
それぞれの市町村において実施した地域将来構想の住民説明会の中では、市域が拡大することによって地域コミュニティ意識が低下するのではないかという懸念が出ております。また、住民の声を反映させるための自治組織づくりをすべきであるという意見、周辺部が寂れないよう均衡ある発展を望むなどの意見が出されており、コミュニティの沈滞化に対する懸念が多く見受けられております。
このような状況から、今後は広域化に対応した特色ある地域づくりが求められており、住民に最も身近な地域コミュニティ単位でのまちづくりの必要性がますます高まってくるものと考えております。また、一方で市民の価値観の多様化、高度化や自己実現意欲の高まりから、ボランティア活動やNPO活動など、市民の自主的、自発的な活動が活発化しております。
市では、平成14年6月、市民活動サポートセンターを開設し、市民活動の支援を進めてきたところでありますが、今後、市民活動団体間及び行政と市民活動団体との間での協働関係を促進するためには、さらなる市民活動の活性化が必要であると考えております。
このようなことから、第4次総合計画の戦略プロジェクトの1つとして、協働のまちづくり事業を平成15年度に新たに実施する予定であります。協働のまちづくり事業では、その検討母体として公募の委員、学識経験者、地域コミュニティ活動関係者、市民活動関係者等18名の委員で構成する協働のまちづくり市民会議を設置する予定で、その中に3つの委員会を設け、それぞれ1つは仮称・協働のまちづくり推進条例、1つには地域コミュニティ振興指針、1つには市民活動促進指針について、2カ年にわたり検討していただくことにしております。
あわせて、平成15年度には地域コミュニティ市民意識調査を実施し、市民の意識を把握するとともに、研修会の実施やパンフレットの発行等により、協働のまちづくりの意義や重要性などについて普及啓発に努めていきたいと考えております。
また、庁内の推進体制として、地域コミュニティの振興とNPO等の市民活動の促進等を担当する市民連携課を新設するとともに、行政内部の調整を図り、市民との協働体制を整えるため、庁内連絡会議を設置する予定であります。
これら協働のまちづくり事業を推進し、合併後も見据えながら、市民や市民活動団体、企業、大学等との緊密な協働のもとに、地域コミュニティの振興及びNPO等の市民活動の促進を図ってまいりたいと考えております。
次に、農業振興策についてお答えを申し上げます。
まず、第1点目の御質問であります。八戸市では、農業者の減少や高齢化、食料生産基盤である農用地の減少等、近年の農業を取り巻く情勢を踏まえ、農家所得の向上と生産性の増大を目標に、地域の特性を生かした都市近郊型農業の確立を図るため、平成13年4月、第8次八戸市農業計画を策定しており、各種の事業を展開しております。
平成12年における八戸市の第1次産業就業人口は約4300人、就業人口全体に占める割合は3.7%でありますが、今後、合併協議をする予定の8市町村の就業人口は約1万2000人、その割合は8.3%で、そのウエートは高くなり、合併後は産業における農業の位置づけがより重要になると認識しております。
合併に伴う農業振興策については、当市の基本方針を踏まえ、管内農業関係機関と連携を密にしながら、町村地域それぞれの特性を生かし、産直施設の活用、観光農園の充実、八戸港からの農産物の輸出促進など、多様な施策に取り組んでまいりたいと考えております。
次に、第2点目の質問であります。農業振興の技術拠点施設である農業交流研修センターは、地域からの要望を踏まえ、イチゴの新品種育成及び養液土耕栽培調査、トマトの省力栽培調査、ネギ、長芋、花卉等の地域に適合した栽培体系の確立、有機質資材の利用など、環境保全型農業に関する調査研究などを行っております。また、市民に農業への理解を深める場としての市民農園を開設しております。
議員御指摘のとおり、合併後も農業交流研修センターの果たす役割はますます重要と認識しており、各地域特産物の調査研究はもとより、農業者に対して新技術の普及、栽培技術の体系化、情報の集積、土壌分析及び土壌改良指導等、業務内容の強化充実に努めてまいりたいと考えております。
次に、人事研修制度についてお答えを申し上げます。
市町村合併が具体的な検討段階を迎えている今、合併後のまちづくりを担うことになる各市町村職員には、市民の大幅な増加や各自治体の統合という前提のもとで、今まで以上に広い視野と柔軟な発想が求められることになります。
そこで、当市では、合併後の円滑な自治体経営に向けた準備の手始めとして、去る2月14日、地方分権と市町村合併というテーマで実施した行財政研修会には、八戸地域合併検討協議会を構成する6町村にも参加を呼びかけ、職員相互の共通の認識と情報の共有化を図るという新たな試みを行いました。この研修会には参加職員120名中、6町村から24名の参加をいただきました。今後、当市としては、市町村職員の相互理解を深めるために、それぞれの人事研修担当者と情報交換等を積極的に行いたいと考えております。
その中で当市の行財政研修会や集合研修等への参加など研修内容を工夫するとともに、福利厚生面での交流についても検討してまいります。このような取り組みを通して、それぞれの職員の意識改革と視野の拡大、さらには地域としての一体感の醸成に努めてまいりたいと考えております。
次に、市街化調整区域に現存する居住地の住環境整備についてお答えを申し上げます。
都市の無秩序な市街化を防止し、効率的な公共投資により計画的な市街化を図るため、都市計画区域を市街化区域と市街化調整区域に区分する、いわゆる線引き制度が現行の都市計画法で創設されました。市街化区域は、既成市街地及びおおむね10年以内に優先的かつ計画的に市街化を図るべき区域で、市街化調整区域は住宅の建築等を制限し、当面市街化を抑制すべき区域であります。
当市では、昭和46年3月に線引き制度を導入し、以来計画的な市街地の形成に努めてまいりました。しかし、一方では、市街化区域に隣接、近接した区域で住宅の集積が進んでいることも事実であり、これら市街化調整区域内居住地の生活環境整備を図っていくことも重要であると認識しております。
このため、現在策定作業を進めている八戸市都市計画マスタープランにおいても、課題の1つとしてとらえ、地区計画制度導入の可能性等有効な対応策の検討をしております。今後は、この都市計画マスタープランの検討結果を踏まえ、生活環境の改善に向け、地域の皆さんとともに、地域の実情に沿ったまちづくりを進めてまいりたいと考えております。
次に、新井田地区の下水道整備見通しについてお答えを申し上げます。
まず、第1点目の御質問であります。新井田地区は公共下水道東部処理区に属しており、新井田第一区画整理地区58ヘクタール、対泉院を含む山側などの新井田第二地区335ヘクタール、旭ヶ丘団地地区38ヘクタールの計3地区、431ヘクタールになっております。3地区内で旭ヶ丘は下水道が整備されており、旭ヶ丘住宅団地汚水処理場で処理されております。その他の地域は、まだ下水道が整備されていない状況であります。
新井田地区の汚水は、将来は旭ヶ丘住宅団地汚水処理場を廃止する等、全区域を招運橋の近くに整備する汚水中継ポンプ場を経由させ、すべて東部終末処理場で処理する計画となっております。基本計画に定められているこの3地区、431ヘクタールのうち、平成7年度に新井田第一区画整理地区58ヘクタールの事業認可を受け、平成12年度には新井田汚水中継ポンプ場用地を取得しております。
雨水排水処理については、新井田第一区画整理地区内に雨水幹線である新井田川右岸第6・1幹線と排水樋門を築造しております。
以上が新井田地区の汚水処理、雨水排除の計画となっております。
次に、第2点目の御質問であります。平成14年度は新井田地区の汚水を流下させるため、対岸である新井田川左岸の未施工箇所約700メートルの幹線整備を完了しており、東部終末処理場と連結しております。
今年度末には、汚水中継ポンプ場用地に新井田川を横断するためのマンホールポンプ設置工事、新井田インドアリンク前の道路に東部第20幹線約470メートルの整備工事を発注し、平成15年度内には新井田地区の一部が水洗化可能となります。この幹線は、新井田地区全域の整備を進めるためのものであり、今後の見通しとしては、現在、事業認可を受けている新井田第一区画整理地区の下水道整備がおおむね完了次第、順次新井田第二地区へと認可区域を拡大し、整備を進めてまいりたいと考えております。
以上で答弁を終わります。
〔市長中村寿文君降壇〕
○副議長(藤川友信 君)上条議員
◆2番(上条幸哉 君)御答弁をどうもありがとうございました。
いずれも質問の趣旨をきっちりと御理解をいただきまして、丁寧にお答えをいただいたなと思っております。こうあるべきだというような形での質問通告をさせていただきましたが、それらをきちっと受けとめていただいて、私がこうであればいいなと思うようなお答えをいただけたなということで非常に満足をいたしております。各項目につきまして、どうかそのお答えのとおり、市長が先頭になって旗振り役をしていただきますことを要望申し上げたいと思います。
毎年、3月定例会は、近藤議員も触れておられましたが、お別れのときでありまして、伺うところでは田中部長、大久保部長、蛭子部長、高坂事務局長ですか、皆さんが退職なさるということで、私は今38歳なんですが、伺うところではちょうどその年の前後から、この市の職員として頑張っておいでになったというお話を伺っております。本当に長い間御尽力をいただきましたことに心から敬意と感謝を表したいと思います。
そしてまた、今回の定例会はいつもと異なりますのは、何といっても私どもにとって最後の定例会でございます。この市議会から県議会へと挑戦される方が、おやめになった方も含めまして6名いらっしゃるということでございます。この6名の同志諸君には大いに頑張っていただきたいなというふうに思います。
この1年を振り返りますと、やはり県と市とのかかわりということが1つのかぎとなるような、そういった問題が幾つもございました。そういった意味では、この4年間、あるいはそれ以上の長い時間、この市議会の席で同志として頑張った皆さんが、この八戸の利益のためにぜひ県政の場で堂々と活躍をしていただきたいなと、その点をお願いいたしておきたいと思います。
そしてまた、今回は勇退なさる先輩方が3名いらっしゃるということです。私が生まれる前から本会議場で頑張っておいでになった先輩、あるいは地元の住環境整備の取り組み等でアドバイスをいただいてまいりました先輩、そしてまた港湾施策について現場での経験を踏まえていろいろとお言葉をちょうだいしました先輩、お三方が勇退されるということでございます。特にこの3名の先輩方には心からの敬意を表したいと思います。
最後になりますが、私はこれからの八戸市は、市長はよく先進事例を勉強する、専門家や有識者の意見をちょうだいするということをおっしゃっておられますが、全くそれはそのとおりでございますが、それに加えてもう一歩前に進む時代ではないかなというふうに考えます。
他市に習う時代から、八戸ならではのオンリーワンを形にする時代であろうと思います。これからの時代は、そういう意味では八戸の新たな時代、新たな新世紀への挑戦の時代であろうと思いますので、私も何とかここにまた帰ってまいりたいと思いますし、できれば市民政友会の同志みんなと一緒に戻ってまいりたいなと思いますし、さらに言いますと、再度チャレンジされるここにいるすべての議員ともどもここにまた戻ってまいって、一緒にこの八戸の新たな時代の展開を図るべく頑張ってまいりたいと思います。
どうか市長におかれましては、先頭に立って、我々も一緒に後押しをしてまいりますので、お力添えを賜りますことを心からお願いを申し上げまして、最後の質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
○副議長(藤川友信 君)以上で2番上条幸哉議員の質問を終わります。
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19番 松橋知君質問
○副議長(藤川友信 君)19番松橋知議員の質問を許します。松橋議員
〔副議長退席・議長着席〕
〔19番松橋知君登壇〕(拍手)
◆19番(松橋知 君)2003年3月定例会に当たりまして、社民党・市民連合の議員団の一人としまして、市勢進展、市民福祉向上のため、通告に従いまして質問いたします。
質問に先立ちまして、今、マスコミで大変大きな問題となっております木村守男知事が起こした女性問題、大島理森農林水産大臣をめぐる問題が週刊誌に書かれ、マスコミで連日報道され、大変大きな問題となっております。このことは、私たち青森県民、八戸市民にとりまして大変不名誉なことであります。両氏に望むことでありますが、知事として、農林水産大臣として、政治家の最高責任者にある者として、みずからを律し、きちっとした政治家としての倫理観を持つべきでありまして、そのためにもみずからの真相を明らかにし、責任ある態度をとることを強く望むものであります。
それでは、市町村合併について質問してまいりたいと思います。市町村合併については、さきの多くの議員の方の質問と重複する部分もあると思いますが、私なりに質問をしてまいりたいと思います。
今、政府は自治体数を1000とすることを目標として、市町村合併特例法の期限であります2005年末に向けてさまざまな合併推進策を講じています。これまで地方分権を進展させるためには、住民に最も身近な市町村の基盤を強くし、住民に提供する行政サービスの質の向上、効率化を図る上で、合併については何よりも住民みずからの意思が尊重され、市町村の自主的な判断で決定されなければならないということが基本でありました。
しかし、今日、自主的なという建前すらかなぐり捨てて、今、強力な合併推進策の検討が自民党のプロジェクトチームや政府の地方制度調査会で進んでいるわけであります。今、何のために合併するのか、合併してどういうまちをつくるのかが全く見えない中で、規模の拡大や期限が迫っているから、また、財政が厳しいからなどの理由で見切り発車しようとしております。この決断は将来に禍根を残すことになります。
市町村合併は、いわば新しい自治体をつくっていくことであり、暮らしの再編であります。地域の将来や住民生活に大きな影響を及ぼすさまざまな課題を解決していかなければなりません。合併するにせよ、合併しないにせよ、どういうまちをつくっていくのか、将来の長期ビジョンをどう構想していくのかについて徹底した情報公開を行い、住民自身が判断し、決定していくことが何よりも大切であります。
質問の第1点は、地域将来構想についてであります。
八戸地域合併検討協議会会長中村寿文市長は、八戸地域7市町村が合併した場合の地域将来構想案を策定し、当市においても16地区に分けて説明会を開催しております。その実施結果の意見書を見ますと、住民の多くから、よい話ばかりではないか、合併のプラス面、マイナス面をもっと示してほしい、事業は財政シミュレーションに含まれているのか等、多くの不安や疑問の意見が出されていますが、それに対しての回答は、八戸市民にとってサービス向上はあってもデメリットはないなどと答えております。そこで質問いたします。
1点は、合併のメリット、デメリットについてであります。地域将来構想は、合併のメリットを強調していますが、今、市町村合併による効果として、地域づくり、サービスの維持向上、行財政の効率化が言われております。そのためにも、メリットとしての事前の十分な検討が必要と思います。さらには、デメリットの有無や内容の検討が重要であります。住民が合併の是非を考える場合に、メリットとデメリットの比較検討が判断の基礎となるはずであり、デメリットについてもきちんと検討し、情報公開する必要があります。そこで、合併のメリット、デメリットについて、どのように考えているのか、お伺いいたします。
2点は、財政シミュレーションについてであります。合併推進するに当たって、財政問題が重要であります。地域将来構想では、財政について合併後10年間にわたるシミュレーションを作成していますが、交付税が減額となる合併後の11年目以降について全く触れられておりません。シミュレーションで示されている10年間の財政見込みでは、歳入歳出差し引きがトータルではプラスとなり、基金残額もふえる予想となっております。
しかし、11年から15年後は地方交付税の段階的減額により、差し引き額がマイナスになることが明らかであります。マイナス部分を基金で補うとすると、基金は14年後には底をつくことになります。今の地域将来構想の事業計画を見ると、高いところに統一されるものが多く、歳出はふえるものと考えられます。この財政シミュレーションについては、11年以降の具体的な精密な検討が必要と考えるわけでありますが、財政シミュレーションについてお伺いいたします。
質問の第2点は、法定協議会の設置についてであります。
これまで当市を初め7市町村で構成する任意合併協議会は、階上町の住民投票で賛成多数の結果が出され、新郷村も参加する中で法定協議会に移す議案を3月議会に提出予定であります。しかし、法定協議会は、合併の是非を含めて合併に関するあらゆる事項を自由闊達に検討する場であり、また、協議は当初から住民との協働作業で合併の論議を行う必要があると、総務省の合併協議会の運営の手引に書いてあるわけであります。こうした観点を踏まえまして、住民を蚊帳の外に置いて合併議論を急ぐのではなく、十分かつ必要な協議を行うための構成メンバー、協議のスケジュールでなければなりません。そこで質問いたします。
1点は構成メンバーについてであります。法定協議会のメンバーは、議員、首長、その他の職員、学識経験者となっておりますが、協議会の運営を公開性、透明性を高め、住民参画型を原則として労働団体や女性、青年など、できるだけ幅の広い層から選任するべきであります。特に労働団体については、地域の雇用、産業に深くかかわる問題であり、連合三八地協などが推薦するメンバーを選出するべきであります。そこで、構成メンバーについての考えをお伺いいたします。
2点は、協議のスケジュールについてであります。法定協議会の設置は、イコール8市町村の合併決定という考え方であってはなりません。合併の可否をも含めた議論を行う協議でなければなりません。とかく法定協議会が結成されますと、スケジュールに追われて事務的作業に終わってしまうとも言われます。住民の間でも十分な議論が必要であるわけですが、協議のスケジュールについての考え方をお伺いいたします。
質問の第3点は、法定協議会の運営についてであります。
法定協議会では、新市の将来の根幹を示す新市建設計画や合併協定事項、役場の場所、負担と給付、補助金、交付金など、合併に関連し、私たち住民の生活に密接に関係する重要なことを協議し、確定することになります。そこで、協議会の運営と協議につきましては、協議会のもとに設置される小委員会等も含めまして、住民参画のもとで幅広く検討されなければなりません。そこで質問いたします。
1点は、合併の方式についてであります。市町村合併の方式は、大きく分けて2つあります。1つは、新設合併、一般的に言うところの対等合併であります。2つは編入合併、一般的に言うところの吸収合併、この2つの方法があり、これらは法人格、合併後の名称、市町村長及び特別職の職員、条例、規則、議会の議員など、異なることが数多くあります。そこで、どちらの方式を考えているのか、お伺いいたします。
2点は、情報公開と住民参画についてであります。法定協議会においては、住民参加のもと、合併問題についての幅広い議論が重要であります。そのためには、住民に会議議事録、配布資料の公開、傍聴制の導入などの情報公開、協議の各段階での住民の方々からの意見徴収、住民集会の開催など、住民参画を最大限に保障していかなければなりません。そこで、情報公開と住民参画についてお伺いいたします。
3点は、新市建設計画の考え方についてであります。新市建設計画の内容は、合併特例法第5条に従うとすれば、1つは、新市建設の基本方針、2つは合併建設の根幹事業、3つは公共的施設の統合整備、4つは新市の財政計画の4つに大きく分けられると思います。
新市建設は、合併特例債を使った計画が中心になると思いますが、その場合、起債が有利とはいえ、3割強は合併した新市の自己負担であり、事業は財政に大きな負担となります。身の丈知らずの建設であってはなりません。また、公共施設の統廃合については、住民サービスへの影響を十分に配慮しなければなりません。重要なことは、合併の必要性や理念がなければならないということであります。新市の将来像が示されなければなりません。そこで、新市建設計画の考え方についてお伺いいたします。
4点は、コミュニティ自治組織の設置についてであります。合併すると、旧町村の役場がなくなります。そこにおけるコミュニティ自治組織の機能を新たにつくらなければなりません。むしろ、これまでの役場の予算、執行、組織の面で強化するような、役場は支所機能、議会は評議会機能、そして集落単位のコミュニティ自治組織の設置などが必要であろうと思いますが、どのように考えているのか、お伺いいたします。
5点は、住民投票についてであります。合併は、ともすれば行政や議会で議論することが先行し、住民はアンケート調査に回答したり、地区集会で説明を受けるなど、受け身の立場に置かれがちになります。
しかし、去る2月9日に県内で初めて合併への賛否を問う住民投票が階上町で実施されました。これは民意を大切にしている確かなるあかしであり、住民が地域行政のあり方を真剣に考える機会にもなったと思います。当市も含めて、他の町村も参考にしていかなければなりません。そこで、合併の是非は住民の方々が最終判断を下せるよう、住民投票を実施するべきと思いますが、お伺いいたします。
質問の第4点は、職員への対応についてであります。
合併論議は、職員の身分、賃金、労働条件等の対応についてはどうしても後回しにされがちでありますが、各市町村で働く職員にとりましては、身分はどうなるのか不安に思っている人が多いと言えます。職員の対応についても、慎重に協議する必要があると思いますが、そこで質問いたします。
1点は、身分、賃金、労働条件についてであります。合併は、そこで働く市関連団体の職員の身分、賃金、労働条件の変更を伴いますが、どのように考えているのか、お伺いいたします。
2点は、労働組合との窓口の設置と協議についてであります。職員の対応については、事前に職員団体、労働組合との協議が必要であります。労使協議を円満に進めるためには、窓口を統一することであり、そこで労働組合との窓口の設置と協議について、どのように考えているのか、お伺いいたします。
以上で壇上からの質問を終えさせていただきます。
〔19番松橋知君降壇〕(拍手)
○議長(上田善四郎 君)市長
〔市長中村寿文君登壇〕
◎市長(中村寿文 君)松橋議員にお答えを申し上げます。
まず、市町村合併によるメリットとデメリットについての御質問ですが、合併を行うことにより考えられるメリットとしては、1つとして、合併後のまちづくりにおいて、合併特例債などの財政特例措置を活用することにより、実施がおくれている施設や道路などの重点的な整備が可能になること、2つとして、国や県の合併支援策として補助事業の優先採択や重点投資が期待できること、3つとして、当市としては将来的に住民により身近な行政を行うことが可能となる中核市を目指しており、その実現へ向けての1つのステップとなること、4つとして、行政運営の効率化により人件費などの行政経費の削減が図られ、財政基盤を強化できることなどが挙げられます。
一方、デメリットと申しますか、合併に対する八戸市民の懸念としましては、1つとして、合併すると周辺町村の基盤整備に重点が置かれ、市内の整備がおくれるのではないか、2つとして、合併による行政区域の拡大に伴い、住民への行政サービスが低下するのではないかなどの指摘をいただいております。
これらに対しては、1として、合併後のまちづくりの指針となる新市建設計画を策定する際に、関係市町村で十分な協議や調整を行い、新市の均衡ある発展に配慮すること、2として、住民への行政サービスの低下を招かないよう、行財政のさらなる効率化に努めるとともに、合併後の新市の組織づくり、職員の配置に当たっては十分に配慮することなどで解決が可能であると考えております。
次に、財政シミュレーションについてお答えを申し上げます。
法定協議会において策定する新市建設計画の中では、各種事務事業の積み上げなどを行った上で、合併後10年間の財政計画を作成することになります。この財政計画を策定する過程において、合併後11年目以降の財政シミュレーションが策定可能かどうか、検討してまいりたいと考えております。
次に、法定協議会の構成メンバーについてお答えを申し上げます。
法定協議会は、各市町村の長、助役、議長、議員各2名、学識経験者各3名、それに共通の委員2名を加え、8市町村の合計66名で組織する予定であります。このうち学識経験者につきましては、構成市町村の長が協議して定めることになりますが、その選定に当たっては住民の代表として偏りのないよう、各界から選出するよう配慮してまいりたいと考えております。
次に、協議のスケジュールについてお答えを申し上げます。
協議のスケジュールにつきましては、山口議員、前澤議員にお答えしたとおりですが、住民からの御意見については、これまでの任意協議会でもホームページで常時合併に関する御意見をちょうだいするとともに、住民説明会などを開催し、意見を伺ってまいりました。法定協議会においても、これまでと同様に広く住民の意見を聞きながら、合併特例法に定められた期限内の合併を目標として協議を進めてまいりたいと考えております。
次に、合併の方式についてお答えを申し上げます。
議員御案内のとおり、合併の方式には新設合併と編入合併の2通りがあります。新設合併においては、合併関係市町村がすべて消滅し、新たに市町村が誕生することになり、原則として市町村長、議会の議員はすべて失職し、新たに設置選挙を行うことになります。
編入合併においては、編入する側の市町村はそのまま存続し、編入される市町村は消滅することになります。原則として市町村長、議会の議員については、編入する側はそのまま在任し、編入される市町村長、議会の議員は失職することになります。この合併の方式につきましては、合併協定項目の1つとして法定協議会において決定されることになっておりますので、その協議の中で私の考えをお示ししたいと考えております。
次に、合併協議に関する情報公開と住民参加についてお答えを申し上げます。
これまでの任意協議会におきましては、会議を公開するとともに、協議会で設置したホームページや各市町村の窓口において、議事録や会議資料が閲覧できるようにしております。また、協議結果については、協議会開催の都度、協議会だよりを市内全戸に配布するなど、情報公開に努めてまいりました。
先ほども答弁申し上げておるとおり、ホームページでは常時合併に関する御意見をちょうだいするとともに、住民説明会などを開催し、住民の御意見を伺ってまいりました。法定協議会においても、情報公開、住民参画につきましては、これまでと同様の方針で行ってまいりたいと考えております。
次に、新市建設計画の考え方についてお答えを申し上げます。
山名議員と前澤議員にお答えしましたとおり、新市の将来像を「北の時代をリードする産業文化創造都市、海と大地が響き合う人と自然の共生空間をめざして」と位置づけ、北東北の中核都市づくりを進めてまいりたいと考えております。
次に、コミュニティ自治組織の設置についてお答えを申し上げます。
議員御案内のとおり、市町村合併により従来の市町村の枠を超えた新たな行政課題が発生し、それに対応した地域づくりが必要になってくるものと考えております。
さきにそれぞれの市町村において実施した住民説明会の中でも、行政区域が拡大することによって地域コミュニティ意識が低下するのではないかという懸念や、住民の声を反映させるための自治組織づくりをすべきであるという意見、また、周辺部が寂れないような均衡ある発展を望む意見などが出されており、コミュニティの沈滞化に対する懸念が多く見受けられております。
私といたしましても、合併後の新市のまちづくりにおいては、広域化に対応した特色ある地域づくりを進めることが重要であり、住民に最も身近な地域コミュニティの果たす役割が大きなウエートを占めるものと考えております。
このようなことから、これまでもそれぞれの市町村において、町内会や自治会といった地域コミュニティの振興施策を展開しております。法定協議会での協議に当たっても、合併後のまちづくりを見据えながら、地域コミュニティの振興がより一層図られるよう十分に検討してまいりたいと考えております。
次に、住民投票についてお答えを申し上げます。
一般的に民意を確認する方法としましては、アンケート調査の実施や住民説明会の開催、あるいは住民投票の実施などが考えられます。市町村合併問題については、それぞれの市町村によって住民の受けとめ方や考え方が異なっていることから、合併の是非の判断についても、それぞれの事情によって方法が異なるものと考えております。
私としては、現在の合併協議は、当市からの呼びかけで行っていること、そして昨年行った地域将来構想住民説明会の状況からして、現時点では住民投票の実施は考えておりません。
次の職員の身分、賃金、労働条件についてお答えを申し上げます。
身分については、合併特例法に合併関係市町村の一般職の職員について、引き続き合併市町村の職員としての身分を保有するよう措置しなければならないと規定されております。また、職員の賃金や労働条件については、法定協議会の場で協議することになります。したがって、合併特例法でも、職員の任免、給与その他の身分取り扱いに関しては、職員のすべてに通じて公正に処理しなければならないとされておりますので、法の趣旨に沿った方向で処理すべきものと考えております。
次に、公社等の関連団体の取り扱いについては、法定協議会で協議することになることから、職員の処遇についても、その結果を踏まえて検討してまいりたいと考えております。
次に、労働組合との窓口の設置と協議についてお答えを申し上げます。
現在、合併協議を行っている関係市町村の中では、八戸市、階上町、田子町において職員団体、労働組合が組織されております。個々の労働条件等につきましては、基本的にはそれぞれの市町村において、それぞれの職員労働組合等が交渉すべきものと考えておりますが、合併後の円滑な職務の遂行のためにも、これらの職員労働組合等との窓口については、今後検討してまいりたいと考えております。
以上で答弁を終わります。
〔市長中村寿文君降壇〕
○議長(上田善四郎 君)松橋議員
◆19番(松橋知 君)まず、簡潔な答弁をいただきまして、ありがとうございました。
幾つかの点につきまして再質問、意見、要望等を申し上げたいと思います。まず第1点目の地域将来構想につきまして、企画部長からちょっとお伺いしたいと思います。今、市長の答弁でメリット、デメリットを答弁いただいたわけでありますけれども、やはりもっとデメリットの部分を真剣に議論していく必要がありますし、住民にもっとわかりやすく示していく必要があるんだろうなと思うんです。
といいますのは、例えばデメリットとして面積が大変広範囲にわたるという問題が1つあると思います。それに伴ういろんなデメリットが出てくるんじゃないのかなと。その面積をとってみても、先ほど来市長が答弁しておりますけれども、現在の八戸市の面積は213.97キロ平米であります。新市になりますと、945.13キロ平米であります。4.42倍ということになって、すごく広い面積になります。
それから、田子町は飛び地になりますし、新郷村も一部続いているというものの飛び地に近い状態であるということで、これらを管理していくということは、私は大変リスクを伴っていくというふうに考えるわけでありますけれども、これは大きなデメリットではないのかなと。こういうことを前提にして、もっとデメリットがたくさん出てくるのじゃないのかなと思うんです。
例えば12年前の北上市が合併したとき、もう12年目になりますけれども、今、財政上も大変苦しい状況にあると聞いております。ここにおいても、やはりそういうふうな面積における問題点、そこにおける行政サービス、小まめな行政サービスがなかなか行き届かない不便な状態に置かれていると、そういうことが出てきております。それらについて、もっと市民にわかりやすいようなデメリットとして明らかに示しながら議論していただくということが必要だと思うんです。
それから、きのうの山名議員に対しても話をされておりましたけれども、今、構想しております人口は、新市の場合、29万7453人ということで、30万人の中核都市に届きません。それで、青森市も今現在29万7859人と大体同じぐらいの人口規模ですけれども、面積からいいますと、青森市の場合はまだ少ないんですね。新市の場合の方が1.37倍、それに青森市の場合はほとんど八甲田山といいますか、一部分は地域住民が余り住んでいない地域がすごく広大にあると思うんです。それら等を含めますと、今の新市の場合は面積が大きなデメリットではないのかなと思いますけれども、このメリット、デメリットについてもっと整理をしていくべきではないのかなと思いますが、その点の感じ方をちょっと教えてください。
それから、2点目の財政シミュレーションにつきましては、市長の方から、私は前向きな回答だなと受け取っております。といいますのは、11年目以降も可能かどうか、検討してみようという答弁でございました。前向きに受け取っておきたいと思いますけれども、やはり11年目以降が私は大変な状況ではないのかなと思います。
それで、財政部長にちょっとお伺いしたいんですけれども、11年目以降が要するに交付税が段階的に減額されて、1年目が1割、2年目が3割、3年目が5割、4年目が7割、5年目が9割、6年以降はもう交付税がなくなるというふうなことを総務省の方で言っているわけですね。
これによって私はシミュレーションをつくってみたんですけれども、皆さんと同じもので新郷が入ったのでつくってみました。もうこれからいきますと、11年目以降には歳入歳出差し引き額が赤字になります。それから、14年目以降にはもう基金も赤字になるという形になります。もう既に11年目から赤字の状態が出てくるということなんですね。
私は、こういうふうに認識しているわけですけれども、11年目以降も、今、市長が検討するというのは、こういう資料をつくるという意味なのか、皆さん方、こういうのを検討しているのかどうか。これは大きな問題だと思います。
むしろ八戸市でいろいろやっていかなければならない問題は、歳出はふえる一方じゃないのかなという意味では、私は、皆さん方、国の言われている10年だけで、それでいいんだということではなくて、もっとシビアに事業計画も含めて精密な具体的な財政検討をまずしていくということが大きな課題だなと思いますよ。
市長の答弁にもありましたように、逆に市長はメリットとしましては、合併特例債、国の補助優先だという話があるわけでありますけれども、むしろ赤字がふえて、11年目以降大変な状況が出てくるんじゃないのかなというふうな気がいたしております。そこについて財政部長の方から、市長は検討するということで前向きでありますけれども、どのように検討するのか、皆さんがどういうふうに財政を考えているのかお伺いします。
それから、2番目の法定協議会の設置についてでありますけれども、市長は学識経験者のところでいろいろメンバーがこれから決まってくるだろうということでありますけれども、これは要望にとどめておきますけれども、先ほども言いましたように、労働団体から私は必ず1名出ていただきたい。
それから、どうしても八戸の委員会とか審議会は女性の方が少ないんです。やはり女性の方をできるだけ多く入れていくということは大事だと思います。ですから、女性の方を多く選任してもらいたいというふうな、これは要望にとどめておきたいと思います。
スケジュールにつきましても、市長は広く意見を住民から求めていくということが基本のようでありますから、事務的なスケジュールで終わることなくして、やはり住民の意見を十分にお伺いできるようなスケジュールにしていただきたいというふうに思います。
それから、第3点目の法定協議会の運営につきましては、市長の方からいろいろありました。
まず第1番目の方式についてでありますけれども、先ほど言いましたように、2つの方式があります。それについては、法定協議会で決定していくというふうな市長の答弁で、私の考えはそこで示すということでありますけれども、恐らく私はこれは新設合併ではなくて、編入合併を市長は腹で考えているんじゃないのかなと。そこを考えての話なのかなというふうな気がしていますけれども、この基本的なものがやはり市長の腕にかかっているんじゃないのかなと思います。
これによって合併法定協議会の審議も、これが決まらないとなかなか法律、規則的な問題、いろんな議論をしていく段階で、新設合併なのか、編入合併なのか決まらないと、話が進んでいかないのじゃないのかなと。きょう、市長がどちらの合併なのか、はっきりここで態度表明するものだと思っていたわけなんですけれども、そこのところ、市長がもし何か意見があれば出していただきたいなと思います。
それから、住民投票について市長は考えがないということで言い切りましたけれども、私はやはり住民の意見を問う手段として、住民投票が最良だというふうに思っております。
私は、階上町の住民投票は、そういう意味では住民意識が高まったのではないかなと思います。そういう意味で、今でも住民投票を実施するべきだと思うのでありますけれども、市長はしないと言い切りましたけれども、しないということはどういうふうなことなのか、する必要がないということなのか、あるいは物理的に無理だということなのか、その辺の考え方を示していただきたいなと。
私は、この地方分権、今こそ地方自治のあり方を考える大事な合併論議ですね。これは、やはり住民投票を前面にしてやってこそ本当の合併論議、それから地方分権の時代に即した合併だというふうに思っております。そういう意味で大変重要なところなわけですが、どうもそういう意味で、まだまだ八戸市民に何かしら合併というのは、行政、議会の問題であって住民に浸透していないような気がしますので、住民投票をぜひしてもらいたいと思いますが、もう1回、なぜ住民投票をしないという考えなのか、考えがあればはっきりとお答えをいただきたいというふうに思います。
労働組合の関係につきましては、職員の対応につきましては、先ほど答弁がありました合併特例法の第9条第2項の規定等から言いましても、賃金、労働条件は現行を下回らない、保障されるということであります。それはいいとしまして、ぜひとも協議の場を、市長の方も先ほど一本化して考えるというふうな形での答弁だと私は受け取っておりますけれども、職員側といいますか、労働組合は3つしかないわけで、組合側は、この3市町村での合同体をつくると思います。
私は、使用者側の方は合併協議会の事務局があるわけでありますから、そこで窓口を一本化していろんな問題を話し合って検討していくべきだというふうに思っております。ぜひともその窓口につきまして、要望でありますけれども、一本化するようにお願いをしておきたいと思います。
まず以上、お願いします。
○議長(上田善四郎 君)市長
◎市長(中村寿文 君)それでは、私から2点お答えします。
まず、合併の方式でありますけれども、これはやはり法定協議会で私の考えを示したい。現時点では発表は差し控えたい、御理解いただきたいと思います。
それから、住民投票でありますけれども、この合併については我が市から呼びかけた経緯があります。もう1つは、昨年、16会場で住民説明会をやりました。その中で私は大方の方から合併について賛同を得た、こういう理解を強く持っています。そういったことから、住民投票は現時点では考えていない、こう思っていますので、御理解いただきたいと思います。
○議長(上田善四郎 君)企画部長
◎企画部長(接待英隆 君)将来構想のメリット、デメリットを議論すべきだという御意見でございました。
確かに住民説明会の場でも、メリットだけではなくて、デメリットはないのかという御質問もございました。説明会では、確かに圏域が広くなる、それからいろいろ財政力が違う市町村で合併することによって、当市の財政力も下がる見込みであると。ということになりますと、従来の住民サービスができなくなるという可能性もあります。さらには、合併当初はどうしても格差是正という部分に対して、やはりある程度力を入れるべきではないかという意見もある、そういう面では八戸市民から心配される部分は、そういうところじゃないかというふうなお答えは申しました。
今後、新市の建設計画が具体化していきますと、いろいろ今後もまた住民説明会を開催する予定ですけれども、その中でも具体的にメリット、デメリットについて御説明申し上げて、御意見をちょうだいしたいというふうに考えております。
それから、財政のシミュレーションですけれども、これは合併担当の私の方からお答え申し上げたいと思います。11年目以降のシミュレーションにつきましては、確かに議員御心配されるとおり、交付税が減っていく。その中で大変厳しい財政運営を強いられるだろうというふうなことは考えられるわけです。
新市の建設計画におきまして、各種事務事業の調整、あるいは将来のいろんなそれぞれの事業を協議していくわけですけれども、その建設計画がある程度方向性が見えた時点で、11年目以降の財政のシミュレーションが可能かどうか、こういう検討をしていきたい、その時点で検討させていただきたいというふうに考えております。
以上でございます。
○議長(上田善四郎 君)松橋議員
◆19番(松橋知 君)私は、合併につきましては、やはりこれからの八戸がどう進んでいくのか、大きな変革の時期ととらえて、合併するに当たってどう進めていくのか、これが大変重要な問題だと思います。
そこで、市長もかねがね言っておりますけれども、地域住民、生活者の視点に立った住みよいまちづくりをしていくんだということを言われておりますが、そのために、この合併をどう進めていくのかが、市長が言われる、そういう基本的な考え方と大きく結びついていかなければならないのじゃないのかなと。
といいますのは、これまでどちらかといいますと、市は国、県の言いなりの地方交付税、補助金頼みの市政運営が多かったと思います。しかしながら、今日の地方分権から発したこの合併は、やはり自己決定、自己責任に基づく地方分権を最大限に推し進めていく合併であるという考え方からしますと、いかにして住民とともに合併を進めていくのか。これをどのように進め、そして合併後に住民と行政とのかかわりについてどういうシステムをつくっていくのか、これが大きな問題だろうと。市長みずからもいろいろ地域に入るなり、あるいはいろんな声を聞くなり、いろいろ努力されていることは評価します。
ただ、それだけではなくて、いかにしてシステムをつくっていくのか、これが今、合併に問われているんじゃないのかなと。ただ、市町村がそれぞれ合併して大きな地域をつくって、そのスケールメリットを生かして行政をやっていく、それだけではないのではないのかなと。地方分権の時代でありますから、地域住民といかにして深くかかわるのか、そういうシステムづくりをするためにこそ、やはり私は住民と一緒になってこの合併論議をしていくということが大事だと思います。
ですから、私も合併一本について今回質問させていただきましたけれども、ぜひ市長にお願いしたいのは、住民からいろんな意味で各階層から幅広くご意見を聞く。それから、合併の協議にも参加をする体制をとっていただく、そういう参加できる保障をしていただきたい。そうすることによって、私はこの八戸は大きく変わっていくだろうと。これからはスケールメリットを生かして、ただハードで大きな事業をやって、後で借金を抱えて苦しい思いをするという時代ではないと思います。いかにして住みよくて、皆さんが納得したまちづくりをしていくかというソフトに力を入れなきゃならない。
そういう意味でもぜひとも、市長も一生懸命でございますから、期待を申し上げておりますけれども、市長の任期中にこの合併が成立するということになると、市長の仕事としても大変大きな問題だというふうに思います。そういう意味で、ぜひとも住民が幅広く参加できる、そういう保障をしていただくということを要望して終わりたいと思います。
どうもありがとうございました。
○議長(上田善四郎 君)以上で19番松橋知議員の質問を終わります。
これをもって本日の日程は全部終了いたしました。
明日も午前10時に会議を開きます。
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散 会
○議長(上田善四郎 君)本日はこれにて散会いたします。
午後3時19分 散会...